姉妹で部活動なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの姉妹で部活動な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の姉妹で部活動なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.9 1 姉妹で部活動なアニメランキング1位
ブルーサーマル(アニメ映画)

2022年3月4日
★★★★☆ 3.9 (37)
149人が棚に入れました
高校時代、バレーボール一筋で頑張ってきた都留たまき。サークル活動や恋愛などで充実した、“普通の大学生活”に憧れ長崎から上京するも、入学早々とある事故でグライダーを傷つけてしまう。その弁償のために“体育会航空部”の雑用係をすることに。思い描いていた大学生活とはかけ離れた環境に不満を抱いていたが…、主将である倉持の操縦するグライダーで初めて《空》へ飛び立った瞬間から、一面に広がるその美しさに魅了されていく。
「もっとたくさん飛びたい!」とだんだん《空》の世界に夢中になっていくたまき。
彼女の天真爛漫な性格は周りを明るく照らし、気づけば、共に練習に励む先輩の空知や同期との間にも固い絆が生まれていくのであった。
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

あまりの面白さに原作読破し聖地巡礼もしました!原作と全然違うので解説します!!

長崎出身の大学1年生女子、都留たまき(通称つるたま)が上京し、青凪大学体育会航空部の面々やグライダーと出会い、仲間やライバル達と共に切磋琢磨しながらグライダーパイロットとして成長していくスポ根青春群像劇
年1でテレビ放送している「鳥人間」の方ではなくウインチや飛行機で牽引して飛ばし、スピードを競うのが「グライダー」です
タイトルの『ブルーサーマル』とは目印になる雲が無い快晴の青空の中で、捕まえる事が非常に困難な上昇気流の事
つるたまはこの『ブルーサーマル』を捕まえるセンスを徐々に開花させていきます


原作は小沢かな先生の漫画で全5巻で完結済み
正確には打ち切りに遭ってます;
アニメ映画公開に合わせて連載された、つるたまを航空部に引き込んだ張本人である倉持先輩の過去を掘り下げたスピンオフ『FIRST FLIGHT』が全1巻で完結済み
つるたまをマンツーマンで指導する空知先輩との日々を題材にした番外編的な読み切りも1本あります


元々東映が2016年頃にテレビシリーズとして企画した作品に脚本の高橋ナツコ経由で『東京マグニチュード8.0』で縁のあった橘正紀監督にオファーが入ったそうな
しかしながら企画は頓挫してしまい数年の空白を経て2020年頃に劇場版として再始動しました
そんな経緯もあって原作5巻分を約100分にまとめるという荒業を成し遂げています
この映画を観た方々からは「内容が駆け足過ぎる」という感想が散見されますが自分はそうは思わず「ただただテンポの良い作品だなー」と感じました
その点を後ほど細かくネタバレ込みで解説します


東映は元々新しい試みをしたいとの思惑から外部プロダクションに制作を依頼するつもりで、『ルパン三世』ばっか作ってるイメージから脱却を図りたい老舗のテレコムがこれに応えた形になった様です
劇中では実に1年の出来事が消化される為、四季折々の風景が特に空模様を中心にして美麗な背景美術で描き出され、それだけでも観応えあります
またグライダーは3DCGで起こしたレイアウトをノリダーこと橋本敬史が中心となって2D作画に描き直すという手の込みよう
ディティールの少ないグライダーは3DCGだと味気なくなりがちなのでそれをカバーするためだそうでメカ作画のなんたるかを考えさせられます
音楽は全編フィルムスコアリングで特に上空のシークエンスでは金管楽器がメインの劇伴が爽やかな"滑空"の様子を彩る
主題歌と挿入歌を手掛けたSHE'Sの爽やかな歌声、ホーンセクションの軽快なメロディライン、縦ノリのリズムもこの劇伴達と調和が取れてる
つるたま役は声優初挑戦の堀田真由が努めるがアフレコ前にわざわざ実写映画の様に読み合わせをしたというだけあってナチュラルな芝居に仕上がっています
その芝居に表情豊かなつるたまのアニメーションが載ると良い意味でギャップがあってより一層つるたまというキャラが魅力的に感じます


ここまででかなり丁寧に作り込まれた作品である事がお判り頂けると思います
自分は爽やかな作品世界に浸れた感動の勢いのまま、主な舞台である埼玉県熊谷市に聖地巡礼に行ったり、原作も全て読破してしまいました
そこで気付いたのですが、この映画はだいぶ原作とは違います
以下からはネタバレ込みでその違いを細かく解説します


{netabare}
まず先述の通り原作は端的に連載打ち切りを喰らっていて、最終第5巻の中盤から散々広げた風呂敷をほぼ畳まず唐突に終わりを迎えます
映画では関東大会が省略され全国大会のみ描写されてますが原作ではこの関東大会の最中、その結果やそれ以降の全国大会は一切描かれずに卒業し社会人となった面々と全国大会の優勝旗だけが最終回で描写されてるんですね
この様に原作が唐突に終わりを迎えている故に、映画を駆け足に感じた方々の違和感の正体とはアニメスタッフがシナリオ制作に苦心した結果なんだと思います


原作5巻分を約100分にまとめるという都合上、カットされたエピソードがあります
コンテ撮の編集で実に50分は削ったと監督は仰ってますが、明白に原作にあって映画に無いエピソードはつるたまの初ソロフライトです
原作では重要なエピソードとして描かれていて、このエピソードのラストでつるたまが事故を起こしかけるという彼女や彼女を取り巻く面々にとって一つの転機となる出来事です
しかし映画では点描、尚且つつるたまは無事に初ソロフライトを成功させてます
このエピソードは当初全カットの予定でしたが原作者小沢かな先生やグライダー監修の丸山毅氏からグライダーパイロットにとっての通過儀礼なので、という希望で点描という形にして残される事になったそうです


その一方で映画で追加された描写もあります
冒頭の長崎を旅立つシークエンスとクライマックスの全国大会以降はほぼ全てがオリジナルなんです
原作でつるたまの複雑な家庭環境は矢野お姉ちゃんを通して徐々に明かされていきますが映画ではつるたまの実の母の人物像はこの冒頭に集約されています


その他にも映画があくまでつるたま目線になる様に朝比奈さんの過去や空知先輩に兄弟がいるという描写はオミットされました
朝比奈さんは天才的な素質を持つ同期を世界大会に送り届ける空港までの道中で交通事故に巻き込まれ死亡させてしまい、自身も足に後遺症を抱えています
そんな悲劇があった故に自分と親友の果たせなかった夢を倉持先輩に背負わせているのです
空知先輩には兄と弟がいて、兄は倉持先輩を体育会航空部に引き込むキッカケとなった人物で『FIRST FLIGHT』に登場します
弟は空知先輩をグライダーの世界から引き離してパイロットになる夢に専念させようと画策するトリックスターで、原作終盤につるたまが2年生に進学すると新入生として登場します


そもそも原作の倉持先輩は青凪の全国大会団体優勝を掲げておきながら個人としての実績しか残さず卒業を迎え、つるたまの2年目が始まる、という矛盾を孕んでいるのですが映画は1年間に物語が集約されているが故に倉持先輩の公約は達成されているという最良の道を辿っています


また、羽鳥の過去も原作では細かく語られてます
映画では霧ヶ峰の青阪戦で阪南館の秘密兵器として羽鳥は顔を見せてますが原作では唐突に新人戦で初登場し、散々強キャラ感を出した割につるたまの才能に打ち負かされてしまうという咬ませ犬っぷりですw
実は羽鳥は中学からグライダーを経験しているエリートで、逆に言うとグライダー以外の取り柄が無く、あんな性格なので友達もいないという寂しい人であることが明かされます
だからグライダーでつるたまに負けたことがショックでデイリーの表彰をボイコットしてしまったんですね


これら周辺人物の掘り下げを映画に盛り込んでしまうと観客の没入感やつるたまへの感情移入が他の人物に目移りしてしまうので削って大正解でしたでしょう
そもそも原作は群像劇として広げるつもりだったのか細かい設定が大量にあり、それらが連載打ち切りによりほぼ手付かずのまま投げ出されてしまっています
それらを取捨選択して約100分にまとめたんですからこの映画の脚本は凄く良く出来てるんですよ


一番大きな変更点はなんといってもドイツで墜落した倉持先輩が原作ではそのまま死去したとされてる所を映画では生還しており失踪しただけだった事に改変したところですね
これについては小沢かな先生自身もご納得の上で改変した様です
ラストのつるたまと倉持先輩の無線でのプロポーズの様なやり取りは原作ではドイツに旅立つ前にされる、二人にとってほぼ最後の会話だったのですが、映画は生還していた倉持先輩との会話にする事でハッピーエンドのサゲとしてるわけです
確かにグライダーは危険なスポーツですがグライダーの楽しさを伝えるはずの作品で若者が命を落とす、というのは頂けないですよね
原作では倉持先輩、朝日奈の同期、空知先輩の高校時代の友人と3人もの若者がグライダー事故で死んでます・・・いくらなんでも人殺し過ぎ・・・
そうでなくても倉持母は病死しますからね
ちなみに原作第1話の1ページ目でドイツの空の青さに涙するつるたまが描かれているので打ち切りでもそうでなくても倉持先輩が死去する事は予定調和だったという事と思われます
かなり前向きな捉え方をしても原作はハッピーエンドとは考え難いですね


原作はグライダーの魅力よりもつるたまを中心とした恋模様に漫画としての面白さを注いでいる事が見受けられるのですが、映画のつるたまは倉持先輩でも空知先輩でもなく「空に恋してる」様に描かれています
そんなつるたまのひたむきさに本人が意図せずとも倉持先輩も空知先輩も、羽鳥ですらも惹かれていく・・・というのが映画の狙いになってます
原作は恋愛像が古典的というか、刺さる人には刺さるんでしょうけど観ていてより気持ちが良いのは映画の方ではないかと思います
原作はつるたま以外にも室井さんと成原くん、矢野お姉ちゃんと倉持先輩といった具合に男女の恋愛関係を描写することに注力しています
これは『FIRST FLIGHT』にも引き継がれているので小沢先生が本当に描きたいのは実のところ恋愛ってことなんじゃないでしょうか?


また、映画の方が登場人物が総じて清々しくなっています
これに関しては原作の前半がかなり迷走してて、中盤ぐらいでキャラが固まってくるのでその中盤以降を基準にしたと思われます
序盤の部活勧誘の時にディスカスの翼を破損させてしまったつるたまに対し原作の空知先輩は胸ぐらを掴んで迫ってくるんです
いくら高価なディスカスを壊されたとはいえ自分のミスを棚に上げて新入生女子の胸ぐらを掴む空知先輩はいくらなんでもガラ悪すぎですw


また、つるたまがディス工のドライバーを紛失するシークエンスですが映画ではツナギのポケットに穴が空いて不可抗力的に失くしてますが、原作ではそのまんま失くしたとされています
この件に機体班の班長、相原先輩は映画では丁寧に事の重大さを説明し、全員でドライバーの捜索をします
しかし原作では「グライダーなめんな」と言ってキレ散らかし、つるたま1人にドライバーを探させます
それだけ相原先輩が真剣という事なんですがついこの間はいったばかりの新入生にそこまでの責任を追わせるのはちょっと理不尽ですよね
映画と原作では体育会航空部がホワイト企業とブラック企業ぐらい対応が違うと思いますw
これも観ていて気持ちが良いのは映画版でしょう


また、つるたまがヒロインとしてより魅力的に思えるようになる工夫もあって、つるたまが興奮するとすぐ方言が出てくる方言女子要素は映画の方が強調されてます
原作だとこの方言要素はあまり安定してないです
キャラとして魅力的なのは映画の方でしょう


ちなみに原作でもあまり掘り下げられず放置されてしまった要素として、一見すると体育会系じゃない倉持先輩や室井さんが体育会航空部でやっていけてるのは実は倉持先輩は剣道道場の孫、室井さんは空手部の出身という意外な一面があったからという事になってます
これだけはオミットされてしまったのが実に惜しい要素でしたねw
また「鳥人間」こと航空研究会と体育会航空部との因縁も原作ではチラっと垣間見ることが出来ます


余談ですが原作最終回では社会人になった主要人物が倉持先輩を慈しみながら登場します
空知先輩はジェット旅客機の副パイロットデビュー、成原くんはプロカメラマン、室井さんは空港のグランドスタッフ、矢野お姉ちゃんはブルーインパルス入りが噂される自衛隊の戦闘機パイロット、そしてつるたまは朝比奈さんとドイツへ・・・
そんな中で羽鳥はエアレースパイロットになってますw
原作の完結は2018年ですからその頃はまだエアレースが盛んでしたね
今は大きな大会が無くなってしまいました・・・


ぶっちゃけ原作は多方向に手を広げている割に打ち切りのせいもあって中途半端な作品である一方、約100分の単発映画として、しかも丁寧に完成させたアニメスタッフは正しく評価されるべきだと自分は思います
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

風に乗り青空を

東京の大学に進学した主人公、つるたまは都会でのキャンパスライフに憧れている女の子。
そんな最中、彼女のミスでグライダーの羽を破壊してしまい入るつもりもない体育船港部に入部する事に!!

この作品は「空」が舞台です。
乗り物には陸海空とありますが、私は空が1番好きです。
空を題材にしたアニメだと「IS」や「スカイガールズ」がありますが、どのアニメを見ても私は空を自由に飛んでみたいと昔から思っています。

つるたまは体験入部で先輩の倉持と一緒に空を飛びグライダーに感動します。
私もこの感動は解ります。

私は幼い頃に、父の当時働いていた会社の社長さんが息子さんと空軍ヘリの乗車体験チケットを購入したらしいのですが、息子さんが体調を崩したらしく、社長さんが父にチケットを譲ってくれて、父と空軍ヘリに乗りにいったのですが空から見る街はいつもと全然違う街の景色に太陽の光に反射する海面など新鮮で美しく今でも強く印象に残っています。

雲も本当に綿菓子みたいで私と同じ目線でフワフワしてるし、鳥も私より下を飛んでるしで凄く感動しました。
きっと初めての空はきっと感動すると思います。

つるたまには飛空士としての才能があるらしく先輩の倉持先輩は彼女に期待をします。

{netabare} しかし、つるたまは体育会系のノリにトラウマがあり入部を辞退しようとします。
理由をサークルを通じて恋をしたいからと……
そんな倉持先輩は彼氏を用意してくれました。
部に入って彼氏付きとは優良物件ですな!ってそんな訳あるかい!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)*ꠥ⁾⁾
人に決められた恋ほど詰まらない恋はないよ!{/netabare}

そんな訳で、彼氏役に白羽が立ったのは彼女が欲しいと話してた空知先輩……
空知先輩は倉持先輩に憧れているから了承する…………いいのか空知先輩よ……そんなよく解らない恋で……


作中で、つるたまがドライバーを預かるのですがドライバーを紛失します。
ドライバーを紛失……つるたまは弁償すると言います。

私も弁償かな?
ドライバーなんてすぐに買えるよ。
ドライバー1本なんて!と、私も思いますが、先輩達は怒ります。

{netabare} ドライバーを無くしたことにではなく……
無くした場所が、もしもグライダーの中で計算された重量を重心にして飛ぶグライダーがバランスを崩したり、機材に引っかかりでもしたら大惨事を招く可能性が出るからだそうです。 {/netabare}
これを聞いた時、凄くびっくりしました。

当然の事だけど最悪の事態を私は想定出来なかったし、空を飛ぶ事の危険性をあまく考えてしまってました。
学びでした。
楽しい乗り物だけど、危険な乗り物でもあるのですよね……

合宿では、つるたまの腹違いの姉である、ちづると再会しますが、2人の仲は険悪で……
でも、彼女は一方的につるたまを嫌ってる雰囲気もあって……

でも、私は作中では、このちづるの気持ちが何かよく解る気がしました。
つるたまは、誰とでも打ち解ける事がある。
自分をドンドン出せる女の子です。

一方、ちづるは
{netabare} 亡くなったお母さんの面影をちづるに見る父親の期待に答える事で精一杯で、甘えることも上手く出来なくて、つるたまのお母さんは彼女も受け入れようとして手を伸ばしてくれなくて、でも、変な意地があって上手く甘えられなかったりするんですよね。{/netabare}

私も昔から中々、自分を表にだせないので、自分を出す事の難しさって解ります。
自分を出さないと他人も自分を見せてはくれないのも解るけど、解ってても上手く出来ないって経験はよくあったので。

そう考えると、すぐに誰かと打ち解けるつるたまは凄いなぁ〜ってww
{netabare} でも、お姉ちゃんと一緒に飛ぶ機会があり、姉は妹の才能……いゃ……頑張りと本当の気持ちを認めてあげる事ができます。{/netabare}


朝比奈さんって方がいます。
彼は部活のOBで倉持先輩の実力を認めてくれて「約束」をしています。
最初は、朝比奈さんって凄く嫌な奴ってイメージがありました。

{netabare} いきなり、倉持先輩の気持ちを考えず海外に送り出したり、約束を武器に無理矢理に従わせてるような。
それでも、時には嫌な役を引き受けて鼓舞したり、約束はしっかり守る義理堅さもある人だと感じました。 {/netabare}

そんな、ある日の大会の最中に海外で倉持先輩の乗るグライダーが墜落したと連絡が来ます。
動揺を隠せない部員達に朝比奈さんは事態しようと提案します。
それでも、飛びたいと言うつるたま。

{netabare} 彼女と朝比奈さんの間で交わされている契約は優勝したら、つるたまの思い通りにしてくれる……
勝って、倉持先輩を探すために彼女は空を飛ぶ!

大会の中で飛ぶ順番を変えて欲しいと、そうすると4年生として大会に残り僅かしか出れない南葉先輩が飛べなくなるかもしれないけど飛ばして欲しいと……南葉先輩が出した答えは…… {/netabare}

スポーツをする人なら大会で成績を残したいし活躍したいってのは必ず誰でもあると思う。
断る事も出来ると思うし、それを断っても誰も責めないでしょう。

{netabare} でも、彼は自分の出番よりも活躍よりも……青凪大学体育会航空部としての優勝に賭ける。
例え優勝出来なくても、自分が活躍出来れば記憶にも記録にも残る。
多分彼は、そんなものよりチームとして優勝を選んだのです。 {/netabare}

つるたまのセンスもどれだけ彼女が頑張っているか、倉持先輩がどれだけ彼女に沢山の事を教えていたのを知っている。
だから、彼は優勝を信じて彼女を送り出す。

その結果は……

{netabare}優勝

つるたまは朝比奈さんと海外へ行き倉持先輩を探しに行きます。
そうして、彼女は倉持先輩が飛行した進路に乗り連絡が途絶えてしまう。
そんな彼女の耳に届く無線からの声は……

実は、先輩が飛ぶ前に倉持先輩のお母さんが亡くなられました。
正直、これは辛いですよね。
多分、倉持先輩はお母さんが居なくなって、全てを失ったのかなって。

お母さんが元気になる事を信じて頑張っていた。
グライダーは彼にとって大好きな乗り物だけど、そのグライダーで海外に行かされて、お母さんと引き離された……そうして、お母さんの死に目にも会えずにお別れする事に……

彼の大好きな物は、彼の大切な家族を奪ったように感じたのかもしれません。
だから、グライダーを墜落させ姿を眩ませた。
もぅ、乗りたくないから……
もしかしたら、お母さんの後を追うつもりだったのかもしれない……

だから、彼は、街で大きく進路を逸れたグライダーを見かけては走り出す。
誰かが自分と同じルートを飛んでいる……
そんな事が出来るセンスの持ち主は?

彼は走り出す。
もしかしたら、自分を追っているように彼には写ったのかもしれません……
だから、怖くなった……また、誰かを失うかもしれない……その悲しさは辛さは寂しさは、彼がよく知ってるから……

そうして、つるたまの無線に必至に言葉をかける倉持先輩……
その声に彼女の第一声は……

その後はEDで倉持先輩が帰ってきてました。
それは、つるたまと朝比奈さんの契約に基づいて、つるたまが連れ戻したのでしょうね。

そうして、時は流れ部室には…… {/netabare}
それは、倉持先輩があげた目標の実現の成果。


さて、この作品ですが、物語はテンポがよく進むけど少し駆け足かな?と思います。
作中で恋愛って言葉が出てきますが、あまり恋愛はありませんね。
ただ、恋と言う意味なら、つるたまは空とグライダーに恋してたのではないでしょうか?

後は、競技が少し説明不足かな?
グライダーの着陸の仕方や競技内容もそこまで詳しい説明がないので、私からみたら少し競技が理解出来なかった部分もありましたw

でも、中々面白く楽しめる映画でした(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

緻密に構築された空間で満喫する上々のフライト体験

グライダーにかける青春模様を描いた漫画『ブルーサーマル―青凪大学体育会航空部―』(未読)を原作にした劇場アニメ作品。

【物語 4.0点】
飛ばし気味だが、何で魅せたいか整理はできており、後味は爽やか。

原作コミック5巻分を1本にまとめたとのことで、
例えば{netabare}倉持と朝比奈の過去{/netabare}など説明不足も感じる。
が、”ブルーサーマル”を本当の意味でタイトル回収して締めくくるまで駆け抜けたいなどの熱意は伝わって来る。

感覚的な部分も多いグライダー競技の解説も、要点は押さえたので、
後は実際に映画館で飛んで、考えるより感じろというスパルタぶりw
ですが、プロット自体は明快なスポ根で、
鑑賞者を誘導する構成は考え抜かれている。
身を委ねて、風を捉えれば、感動、感涙まで突き抜けることも可能。
私も青空が涙で滲むまでは行きました。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・TELECOM

緻密。

エンジンもプロペラもないグライダーの飛行体験を鑑賞者とどう共有するのか?
本作は流線背景などの漫画的な嘘は付かず、
徹底的にリアリティを突き詰めることで心躍るフライト映像を実現。

背景美術も、3Dモデルを組み、
飛行シーンでは衛星データ等で高度、方向を算出した上で、
コックピットから見える風景を正確に再現したとのこと。

この計算し尽くされた空間を手描きで構築された白いグライダーが舞う。
臨場感溢れる飛行体験でもあり、上質なアート体験でもある。

私のお気に入りは、霧ヶ峰の山岳滑翔にて、グライダーの動きに合わせて、
背景の山岳風景が遠近3段階それぞれのスピードで回転スクロールするカット。


圧巻の飛行映像を土台に、専門用語等を押さえた競技展開、青春ドラマがスパイスされることで、
目には見えない上昇気流が確かに掴めるのは驚異的。


それでいて主人公・つるたまの多彩な顔芸など遊ぶ所はしっかり遊んでいる。
(学食のうどんをすする、つるたま。美味しそうでしたw)


【キャラ 4.0点】
明るく前向きで元気だけが取り柄と思われた主人公ヒロインが、
優れた感覚を持つ、凄い初心者だった。
そんな主人公など認められない系のサークルの先輩男子とか、
マウント取ってくる他学のライバル男子とか、
まぁ、どうせ、良き強敵(とも)になっていくんだろうけど。
エースはあからさまに秘密を抱え、どうせ、終盤、波乱要素になるんだろうけど。

などなどスポ根王道セットが一式揃っていますので、
スポーツ物視聴経験があれば、馴染みの薄い競技でも視界は良好です。


主人公・つるたま、こと、都留 たまき。
過去や{netabare}姉との確執{/netabare}といった暗部も設定されるが、
それでも前向きで、自然に利他に走る、
{netabare}姉{/netabare}が嫉妬するくらい眩しい主人公の陽性を際立たせるのに使われる。

つるたまは、風をつかむのも、他人の心をつかむのも、幸せをつかむのも上手い。
ハイペースなシナリオを駆け抜ける主人公キャラは原動力でした。


【声優 4.0点】
主人公つるたま役には女優・堀田 真由さんをオーディションで選出。
意中のナチュラルボイスを活かそうとスタッフも本人も奮闘。
声優初挑戦かつ、関西人に長崎弁のコミカルを表現させる無茶振りも、
つるたまの母役で、長崎県人の津田 匠子さんのサポート等で乗り切ったとのこと。

結果、私も終始、明るく楽しく、青春ドラマを完走できました。
タレント俳優を広告塔だけのお客さん扱いせず、熱意を持って起用、ディレクションすること。
周囲の声優さんとのコミュニケーション&フォローもあること。
”ちゃんとした声優”じゃなくてもOKな諸条件だと、つくづく感じます。


主役とトライアングルの様相を呈するエース・倉持役に島﨑 信長さん。
ツンデレな先輩男子・空知役に榎木 淳弥さん。
など脇は声優陣が固め、傷口を晒す演技も含め盤石。
ノッブか?えのじゅんか?どちらのイケボが良いか?
うどんをもう一杯すすりながら徹底審議すべき問題ですw


【音楽 4.0点】
劇伴担当は海田 庄吾氏。
雄大なトランペットのアレンジが、滑翔の高揚感をアシスト♪

ED主題歌はSHE'S「Blue Thermal」
フルート等の生楽器が踊るにぎやかなアレンジが大空のスケール感を想起させる上向きソング♪
他に挿入歌バラードもあり。


【感想】
体育会系に少なからずアレルギー反応がある私。
本作も、やれ規律だ、掛け声だと暑苦しいですw
が、グライダーの場合、事故は命に関わるため、
体育会系要素も根性論ではなく安全の必要性からと納得したので、
私も無事に滑り出すことができました。

ま、最後は結局、気合とパッションなんですけどねw


とにかく飛行シーンは素晴らしいので、是非とも劇場で体感して欲しいところですが、
上映館が余りにも少なすぎるよー(泣)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

89.3 2 姉妹で部活動なアニメランキング2位
ひぐらしのなく頃に解(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (2914)
13634人が棚に入れました
昭和58年の夏、都会から遠く離れた鹿骨(ししぼね)市にある寒村・雛見沢の夕暮れ時にはひぐらしの合唱が木霊していた。
圭一達いつもの部活メンバーは、他愛のない日常を過ごしていた。ただ、その平穏な日常を一変させるあの日が近づいて来ていた。
毎年6月に行われる祭「綿流し」。過去4年続く、祭りの日に繰り返される惨劇…。はたして、惨劇は今年も繰り返されるのだろうか?それとも…。

声優・キャラクター
保志総一朗、中原麻衣、ゆきのさつき、かないみか、田村ゆかり、堀江由衣、茶風林、大川透、伊藤美紀、関俊彦、折笠富美子
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

59049分の1の真実 「ラピュタの円卓」頂に旗は靡く

本作(解答編)を視聴する際のお約束事。
まずは前作(出題編)を見やがれ!なのです。。。

前作に比べて作画が飛躍的に向上しかなり見やすくなったのには大いに満足。
音楽も前作ほどのインパクトはないものの洗練されており、
ひぐらし的世界観を見事に表現できている。
最初は若干抵抗があったキャラと声優に関しても、前作終盤頃には違和感が薄れ
逆に愛着が沸くまでになり、むしろ好印象と言える。

本作の最大のネックは物語の解釈、評価という点に尽きるだろう。
本作には一般的な意味で言うところの戦闘シーンがあるわけだが
(ファンタジー作品として考えたら、出題編の第1話から戦闘は既に始まっていた)
そこにはどのような意味合いが込められていたか?
そこの解釈をめぐって評価は大きく分かれるようである。

第一印象では多くの人が感じたと同様に「例の戦闘シーン」には
ある種の違和感を覚えたのだが、前作からの内容等々もう一度よく考え直してみたら
概ね問題なしという結論に至った。

ポイントは「ひぐらし」がアドベンチャーゲーム的世界観、
AVG的要素を内容に含んでいるということ。
もう一つは、本作はSFとは謂わば対極にあるようなファンタジー作品の要素を持つということ。

今までの流れからどうしてこういう結末になったか?
それこそが最大の問題であり、本作の一番の見所であると言えるのかもしれない。
極秘ファイル「34号文書」の全貌解明とともに事態は
疾風怒濤の大波乱、ラストステージに進撃開始。
答えはそこにある!なのです
 
 無限分岐の暗の精 紡がるる者共の 意識薄れる程までに サハラの荒野の奥行きか?
 漆黒の マクロの両翼羽ばたかせ 黄泉の果てまで届く距離 永久なりし拡散連ぬ
 それに立ち向く者共の 思いは螺旋の求心直下 コスモの焦点 集いけり

そして今、彼等の(因果を繋ぎ遭わせる)サイは投げられた!
いや「カードは配られた!」と言うべきか?


以下は感想などをタラタラと・・・
・時空に浮かぶ伝説の村のルーツを辿る道
{netabare}
「ひぐらしのなく頃に」のストーリーについては、何処かで聞いたような話だと直観し
記憶を辿ってみたところ、思いついたのが「杉沢村伝説」という名の都市伝説。
「一人の村人が突然発狂し、村民全員を殺して自らも命を絶つ」という内容のものだ。

その都市伝説のモトネタは何か?調べてみたところ
1938年(昭和13年)に岡山県で発生した「津山事件」がそれに該当し、
1913年(大正2年)にドイツで起こった「ワグナー事件」
1926年(大正15年)に千葉県香取郡久賀村で発生した「鬼熊事件」とも
関係があるように思えた。

3つの事件に共通するのは、大量殺戮と被疑者の人格の極端なまでの二面性。
普段は大人しく人当たりが良かったり、思いやりがあるようにも見える人物が、
ある機を境に突如「殺人鬼」と化し犯行に及ぶという衝撃。
「ひぐらし」において描かれていた「鬼の形相」は、
このような殺人鬼の残虐性を象徴しているようでもあり
「鬼熊事件」で犯行の動機となった恋愛と裏切りの騒動は、竜宮レナと彼女の父親の
家庭問題に纏わるエピソードに何処か似ているところある。
怒りで我を忘れたレナは、(洋画「ランボー」の主人公にも似た)
「鬼熊」の姿を想起させる。
更に「鬼熊事件」では村人が被疑者 熊次郎=通称「鬼熊」を警察の追跡から匿うという
まさに「鬼隠し」そのものの事態が発生するのである。
とりわけ「ワグナー事件」で印象的なのは被疑者の犯行の動機が
事実無根の妄想、「疑心暗鬼」によるところが大きいことからして
「ひぐらし」の物語と「ワグナー事件」が全然無関係と考えることは
まったくもって無理だとさえ思えるてくる。
「津山事件」ではこの疑心暗鬼は、被疑者の祖母が被疑者に対して抱くものとなり
(被疑者による病のための治療薬投与を毒薬と錯覚してしまう)
被疑者を追い詰め、結果被疑者の世界からの孤立感を更に深めてしまうこととなる。
また、ひぐらし解のEDソング「対象a」の歌詞「あなたの亡骸に土をかける」などは
「津山事件」被疑者の「遺書」の内容を受けたもののような気がしてならない。

3人の被疑者には何か似たような悲しみを感じる。
ささやかな幸せを願いつつもそれが叶わず、成す術もなく地の底まで転がり落ちていった
鷹野三四と何処か似た悲しみを。
どん底の地獄まで落ち果てたら、もはや人間としての精神状態を維持するのが不可能となり
世界と世界を生み出したものと世界を構成するありとあらゆるものを否定、拒絶し
呪うしかないのかもしれない。
いや、「遺書」を読んでもらいたい相手や未練が残る相手もいるにはいるのだが、
落ちるとこまで落ちたら、今更取り返しようがなく、自害を最終局面とする
オールリセットという最悪の選択の道を行くしかないのかもしれない・・・
{/netabare}
・フラッグファイターは阿修羅を超えて変革を促す
{netabare}
ハズレ2+アタリ1=計3の当たり率3分の1のくじ引きで、10回連続で当たりを引く確率は
(もしも計算が間違っていなければ)59049分の1
ハズレ1+アタリ1=計2の当たり率2分の1のくじ引きで、10回連続で当たりを引く確率は1024分の1
あらゆるくじの組み合わせの中ですべて当たりのパターンは一つしかないのである。

つまりAVGとは選択により並行世界の経路が無数に枝分かれしていく奥ゆきのある広がりの
展開をするのだが、そのゲームですべて当たりの選択肢を引かなければ、ハッピーエンドに辿り
つけないとしたら、確率論的に考えてもそれはある種の「奇跡」と言える。
(そもそも59049とは本作の内容とは全く無関係な数字であり、
要するに「奇跡」は希少であると言いたいだけだったり・・・)
ちなみに、最後のシーンで梨花が幼い頃の三四に選ばせたのは「デパート」か「友達の家」か
の2択だったが、圭一がゲームの景品としてゲットしたぬいぐるみは、
魅音かレナの何れかにあげるという2択ではなく、沙都子や梨花という4択以上の
選択肢があったという可能性も否定できない。

「ハッピーフラグ」の立つ経路以外はすべてバッドエンドに繋がるとするとゲームが構成する
総体としてのパラレルワールドは概ね絶望的であり、本作においては時に猟奇的であり、残虐的でもあった。
しかしながらゲームというものの当然のお約束事として、終り=ゲームクリア場面がなければ、
ゲームが成り立たないというか、ゲームクリアという最終目的がないとしたらプレイヤーが
ゲームやる意味がそもそもない。
バッドエンドはGAME OVERであるわけだから、ゲームクリアのトゥルーエンドが
ハッピーエンドになるのは成り行き上当然のお約束になるのだ。

だがしかし「ひぐらし」においては、今までのバッドエンド展開が強烈で過激すぎたため
その対極にあるハッピーエンドが余りに緩くてぬるいものに感じてしまうかもしれない
というギャップ感に視聴者が戸惑うところが無きにしもあらずで・・・
そういう状況の中で、対山狗戦を象徴するような例のコピペはネタというレベルを超え
その部分だけが強調され一人歩き、どこかで聞いた「都市伝説」みたいな拡がり方をしたのかも?

本当は強いはずの山狗部隊がなぜあんなに弱かったか?
これについてはいくらでも説明することができる。
端的に示すなら、このターンでは戦う前から山狗部隊は負けていたと言える。
勝敗の理由についてはファンタジー的解釈をした方が説得力があり、すっきり感もあるのだが
小此木が言っていたとおり戦略+戦術+戦闘の総合値において主人公側が優位にあったのは事実。
このゲームのターンでは、カードが配られた時点で主人公側にロイヤルストレートフラッシュ
麻雀ならば国士無双状態が成立していた。

勝敗最大の要因は上部機関トウキョウが山狗の意図しない方向に動き出したこと。
それを受け番犬が粛清の狩に出るということ。富竹の離反。情報の漏洩。情報の錯綜。
赤坂を通じ警察機関にも事態が発覚。
山狗部隊が得意とする諜報情報戦が封じられ、隠密かつスピーディな電撃戦で
敵を圧倒する必勝パターンが崩壊。
山狗の指揮官鷹野の苛立ちと焦燥と動揺は参謀小此木を介して、部隊の末端まで伝播、
最終的には部隊の混乱、狼狽、戦意喪失を引き起こす。
山狗はもはや部隊として、組織として機能してない状態に陥った。

山狗にとってすべてのことが逆境であり、やることなすことが空回り。
総合的戦力で圧倒的優位、連戦連勝してきた山狗がこのターンでは主人公側と立場が逆転。
デジャヴ感があるこの逆境?死亡フラグが立つ前兆には何がある?
疑心暗鬼の症候群。この病、投薬しても根絶不可能。
トウキョウ、番犬、今は敵対関係。そうなることを察知し、その状況を利用し先に仕掛けてきたのは相手の巧み。
裏切り、漏洩、偽情報、誰が見方で誰が敵?
そもそもあの子どもたちだってトウキョウの息のかかった凄腕エージェントかもしれない
そうでないならば山狗があんな子どもに敗北するわけが無い等々自問自答。
それは平常心を保つためのある種の自我の防衛機制であり、雛見沢症候群の自覚があった
からこその受け入れられない現状を冷静に理解しようとする苦しい理屈付けだったのかもしれない。
こんな完全敗北(奇跡)なんてデルタフォースとSASと・・・それと何とかいう・・・
そう世界最強の特殊部隊だ!そういう夢のタッグチームでなければ、起こりえないことなんだ。
その起こりえないことが小此木の目の前で起こったわけだから、疑念を打ち払うために
新たな疑念を持ち出して現実を受け止めようと思いながらも結果として、現実逃避に陥る。

一方、魅音は世界最強の特殊部隊よりも強い力を持ち、存在意義が大きいものがあるという真実を語る。
疑心暗鬼の「死亡フラグ」これを回避しなければ、これを回避できる力を持たなければ
ハッピーエンドは訪れない。
山狗だろうが世界最強の特殊部隊だろうが、
そんなもの(軍隊という「パワー」)では奇跡は呼び起こせない。
魅音にとっては部活メンバーこそが世界最強の部隊=「パワー」なのだ。

この戦い魅音側の勝利条件はとても簡単だ。
番犬が到着するまでのしばしの間、山狗を足止め、時間稼ぎをするだけで十分。
落とし穴と隠れんぼ作戦だけでもミッションコンプリートできたのだが、女神降臨の効果発動により
やること成す事が上手く行き過ぎる奇跡のラッキーターン出現、山狗はあっさり自滅的に壊滅する。
赤坂(と富竹)が山狗包囲網を突破できるかどうかも作戦成功の重要な鍵ではあったのだが
備えあり、信頼あればこそ憂いなし。この信頼関係こそが主人公側にとって必勝パターンであったわけだ。

この決戦を少しファンタジックに表すならば、雛見沢村希望ヶ丘の決戦にて
「戦略・戦術・戦闘天下無双」を示す軍旗を掲げる山狗部隊を雛見沢部活同盟連合部隊が完全撃破。
勝利の証として、その丘の天辺に軍旗をおっ立てる。
その軍旗に示されていたものは何か?
それは各視聴者の解釈、想像力に委ねるといったシーンではなかったと推測する。

主人公たちにとって鷹野と山狗部隊は総合値においてすべて格上。
奇跡でも起こさない限り絶対勝てない相手であった。
だからこそ、その奇跡を起こしてみたわけだ。百年という歳月を費やして。

ファンタジーの世界には、奇跡も魔法もあるんだよ!なのです


書ききれなかった、寄生虫という虫、女神効果、34号の呪い、についてはまた次の機会でも
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

ダビデ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

多くの人が高評価する作品を自分が同じように評価できない解を考える。

一期含め、完走しました。

はじめ、一期の途中の20話で断念していたのですが、16話から面白くなる上に、解まで観ないと完結しないとお勧めいただいたので、一期再視聴の上、解を視聴しました。
トータル50話と長いですが、アマゾンで視聴できたので、良かったです。


感想としては、お勧めいただいた通り、最後まで視聴すると面白いお話でした。
というよりも、最後の祭囃し編の話のために、それまでの全ての話があり、最後の祭囃し編が面白くなっていると感じました。
分類としては、現実世界の中に超設定があるローファンタジーでしょうか。


ただ、正直、一期と解の前半(12話・皆殺し編)までは、合うアニメ・合わないアニメについて考えながら視聴をしていました。



沢山のアニメが在って、それぞれの人にそれぞれの嗜好があって、人気があっても合うアニメと合わないアニメが、それぞれの人に在ると思います。
結論として、合うアニメであるか合わないアニメであるかは当該アニメの総合的なものによる場合が多いかと思います。
例え、作画や声優さんに「?」があっても、物語が面白ければ、アニメの設定に入り込めて、総合として合うアニメになる場合もあるし、物語が自分好みでも、作画やキャラになじめなければ、アニメの設定に入り込めず、総合的に合わないアニメになる場合もあると思います。

ここで、アニメの設定に入り込めるかが、アニメの総合的な評価に一番影響するのではないかと感じました。

アニメの設定に入り込めれば、細かい点は気にならなくなる上に、違和感をそのアニメの「味」として評価できます。
アニメの設定に入り込めなければ、細かい点が気になる上に、さらに、細かい点が、入り込むのを邪魔をします。

細かい点とは、声優さんの違和感や、事実考証の違和感・稚拙さ、作画・キャラの違和感、論理的違和感、設定の違和感などです。

細かい点の違和感を感じてしまうと、ふと、サめて(「冷めて」「覚めて」「醒めて」「脳が現実に戻って」)しまい、入り込むのを阻害します。
もちろん、全てのアニメに該当するわけではなく、ディテールの違和感があっても、そのアニメ自体の魅力(物語の面白さ、展開に対する興味)によって、ディテールの違和感が問題にならない場合も多いです。
その場合は、既に、そのアニメに引き込まれていることが前提だと思います。

具体的にいうと、
声優さんの違和感は、思い描くキャラクターと声があっていない場合です。
普段、プロの声優さんのアニメを視聴していると、やはり、耳の水準が上がっていますので、話題作りのための俳優さん・女優さんの場合には、自分の中で思い描くキャラクターと声が合わない場合が多いと感じています。
原作を先に読んでいる場合にも、思い描いたキャラクターと違う場合もありますし、違っていても、声優さんが素晴らしく、自分の思い描いていたキャラクターを塗り替えてくれる場合もあります。

事実の違和感・稚拙さは、自分の頭の中にある実態とアニメの中の事実が異なる場合です。
例えば、「君の名は」での信号機の描写です。
この場合は、同作の作画・物語が素晴らしかったことから、逆に気になってしまいがしたが、引き込まれていたので、違和感を感じても、直ぐに、戻れました。
他の作品でも、病院での描写などで多々感じます。
ひぐらしのなく頃に(一期・解)では、警察の描写、児童相談所の描写、暴力団?の描写、森の中でのタンクトップ、受傷の場所と吐血など多くの点で感じました。
仮に、現実世界の事実と異なる描写であっても、一般的に「そういうものだ」と受け入れられており、見る側で、違和感を感じない場合もあると思いますし、違和感を感じる方がマイノリティの場合も多々あると思います。
このような違和感は、実際にその職業についている人が、その職業をテーマにしたアニメなどの場合に、感じることが多いと思います。

作画は、現実世界ではないアニメの世界に視覚で入り込ませるもので、違和感を感じれば、入り込めなくなってしまいます。
顔が生理的に受け付けない場合なども入り込めない原因となり得ます。
やっぱり、かっこいいキャラクターや好きなキャラクター、かっこいいロボットなども観たくてアニメを観ているますので。

キャラについては、キャラクターの外見、性格、声(声優)、言葉遣い、思想、考え方により、共感し、感情移入かどうか、キャラクターを通じて、当該アニメの世界に入れ込めるかどうか影響があると思います。
アニメの設定により、キャラクターがぶっ飛んだものであっても、感情移入できますし、現実に近いものであっても感情移入できない場合もあります。
シュタゲの岡リンやダルなんかは、初めは共感できなかったですし、設定が現実の描写の中の現実離れなのですが、物語を通じて、まさか、というくらいのめり込んでいました。
他方、恋愛系の現実の設定の話であっても、当該当時人物の思考・行動に経験則的違和感を感じ、壁を感じ続ける場合もあります。
本作での、古手梨花の2面的な言葉遣いは、残念ながら、苦手でした。

キャラのかっこよさも色々ですし、設定は自由で、中二病的なかっこよさから、ダサいけどかっこいいなど、様々ですね。
ただ、男性視点と女性視点で異なる場合も多々あるかと思います。

論理的違和感・経験則的違和感は、人間の行動原理からおかしい行動や、設定の矛盾、論理破綻などです。
もちろん、アニメですので、人間の行動原理を超越したところに面白さがある場合も多々ですが、観ていて、「んなわけねーだろー」って感じてしまうと、サめてしまいます。
クラナドの病気の子どもを連れて出かけるところが真っ先に思い浮かべます。
他にも、本作のように、地の利があったとしても、子どもが、多数の大人を倒すことは「んなわけねーだろー」って感じてしまいます。



設定は、文字通り、当該アニメの設定です。
アニメですので、アニメの数だけ設定があります。
そして、大枠の設定として、
ノンフィクション
現実の世界の中の現実どおりの設定。
現実の世界の中だけれども、論理則内の現実離れした設定。
現実の世界の中だけれども、未来・過去の設定。
現実の世界の中だけれども、超設定(ローファンタジー)。
現実とは別の世界(ハイファンタジー)。
サイエンス・フィックション(SF)。
などに分類されると思います。

設定が自由なのは、アニメの醍醐味です。
そして、設定に入れ込めるかどうかは、当該アニメを楽しめるかどうかの重要な点だと思います。
ガルパンの設定はぶっ飛んでますので、設定に入れ込めなければ楽しめることはなかったと思います。
演出が一番難しいのは、本作のような、現実の世界の中だけれども、現実離れした設定で、現実設定が強いローファンタジーだと感じています。
そして、細かい設定など、解説がうまいアニメと下手なアニメ、わざとらしいアニメ、割り切っているアニメ様々あると思います。
たまに、解説じみた設定の説明のセリフは、ときとしてサめてしまう場合もあります。
設定が自由であっても、設定が矛盾していたり、ご都合主義になっている場合もサめてしまいます。

他にも、ハーレム設定や最強設定なども違和感を感じるときがあります。
SAOのキリトなんかは、ちょっと、距離を置いて見てしまうと、どんどん最強過ぎになるし、どんどんハーレムを形成していくので、人によっては、サめてしまうのではないかと思います。
もちろん、物語シリーズのように、ハーレム設定を観るのが楽しい作品もあります。
本作も、女子生徒に囲まれたハーレム設定で、他の男子生徒との関わり合いについては「?」を感じました。


そして、もちろん、物語自体の面白さが一番重要です。

どんなにディテールが整っていても、物語自体がつまらなければ、観ていることが苦痛になってしまいます。
物語の細部が雑でも苦痛になってしまいます。
少なくとも、プロットの因果律がきれいに続いていないと、サめてしまいます。

また、物語の中のテーマが、自分の感性に合わないと、入り込むことはないと思います。
私個人の欠陥なのだと思いますが、きれいごとの友情がテーマのアニメは、全てではありませんが、サめてしまいます。
本作も、友情がテーマの編もあり、入り込めませんでした。
他にも、恋愛がテーマの場合、中々、入り込めません(年を取るにつれて、逆に入れ込めるようになってきましたが。)。

初めから終わりが想定された物語で、プロットがしっかりしていて、ペース配分も整っているアニメが好きなのだと思います。

本作も、大筋の物語は、面白いと思います。
物語性が各話独立しているほのぼの日常系などは、キャラが好きにならないと最後まで中々見れず、断念する場合が多いです。
本作の一期は、各編の話が、はじめ独立しているものと感じてしまい、20話くらいまで観ても、繋がらず、一度断念をしてしまいました(あと、ほんの少しで繋がっていくところだったのですよね。)。



なんて、分析していましたが、合うか合わないかは、当該アニメ自体に入り込めるかどうか、共感できるかどうか、そして、その物語が面白いかどうか、自分好みであるかどうかですよね。

たった一言の登場人物のセリフだけで魅了される場合もあるでしょうし、
観るタイミングで全く違ったところで共感することもあるし、経験によって、常に変化していくものです。



っていうことを考えながら観た、本作の感想は、「企画性・大筋の物語は面白いと思いますが、私にとっては、ディテールの違和感で、結局入り込めないので、その理由ばかり考えてしまう作品でした。」というものです。
ディテールが整えられた本作を観てみたいというのが、率直な気持ちです。
 



以上、長々書いてしまいましたが、せっかく、面白いと勧めていただいたのに、素直に、本作の面白さを受け入れられなかったことへの贖罪のため、一言「合いませんでした」と済ますことはできず、勧めていただいた方への敬意・感謝を込めて、そして、言い訳のため、レビューします。

でも、本当に、面白いって勧めていただいたことは感謝していますし、嬉しかったです。
ありがとうございました!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「私たちは運命を打ち破るっ!」

2007年2クール 原作 竜騎士07 / 07th Expansion  
監督 今千秋  制作 スタジオディーン 

原作未体験、パチンコ初見(←オイっ)
ひぐらしシリーズ二期にあたる本作、
二期という事は当然一期もあるのです~、
一期未視聴なよい子の皆さんはそちらを先に、
見やがれなのです~♪(梨花病)
一期観ないとダメなのかな~?かな?(←レナ病)

い、いや二期解単独でも面白いかもですが、、
例えばっ、
風呂上りの一杯のビール、美味いですよね、
渇いた身体に浸み込むからですね、
物語把握的意味合いのみならず、
謎解き勿論(私の場合渇き飢えそして怒りでしたが)
欲すれば欲するほど解は美味しいし、
感情移入もできるのです、
二パ~ヽ(^^)ノ

という事で、とにかく物語性質上一切のネタバレご法度な本作、
いつもならネタバレタグ貼りつつも、、
役にたって無いんじゃね?
的いいかげんな過去私レビュー反省してるうち、
論点訳わからない痛いレビューになってるやもですが(←イツモノ事ダ)
ご容赦<(_ _)>、

エロともかくグロには全く耐性ない私メでありますが、
かなり頑張って一期を一気観した訳であります、
結論から言うと、
物凄い飢餓感、精神的渇きに襲われました、
どの様な渇きかと申しますと、
「何でそ~なるのっ!?」(←コント55号調×シリアス調〇)
誰が悪いの!?何が悪いの!?諸悪の根源は!?
こうした謎そのものに対する渇飢餓感さることながら、
それよりもとにかく厄介だったのが、

怒りです、

こんな幼気(イタイケ)な少年少女が、
なんでこんな酷い目に遭わなきゃならねえんだ!
観てるうち萌えだのグロだのともすれば謎さえ、
もうどうでもよくなって、これは感情、怒りですね、

誰だろうが何だろうが許せん!
「オメ~ら○×じゃネー叩き切ってやるっ!」
この時既に私は破れ傘ならぬ、
精神的に{netabare}立派な雛見沢村住民状態、
レベル4~5くらいの {/netabare}
やばい状態だったのかも知れません、
このままじゃまずい何とかせねば、、、
渇きとか言ってたら喉も乾いてきた、
掻き毟りたい~バットないかバット、、
ヤバいっ!

{netabare} ワクチンとか無いし助けて女王梨花ちゃん~{/netabare}
という事で、
一期終了後即二期解に移行という有様でございます。

私のような本作遭遇アニメが初な方々というのも、
本作放送当時も多々おられた事でしょう、
一期観て私同様な飢餓感に襲われた方も少なくないはずで、
それ想うと即二期に行ける私など幸せな部類?
当時の皆様はどのように飢餓を克服しておられたのかな?かな?
等要らぬ心配(←好奇心)から当時の文献紐解くと(←wiki見ただけ)
ナント!
「ひぐらしのなく頃に解」が「諸般の事情?」で、
12話打ち切りな地方もあったとか、、、
酷いね~解12話ってそれじゃ~まるで、
私みたいな症状呈する人間にとっては生殺しだよ、
「諸般の事情」ってのは当時起きたとある事件らしいんだけど、
ストレス貯まってかえって逆効果じゃね?
アニメだけじゃなく原作原本含めこの物語きちんと検証すれば、
文字通り解の意味解る事だと想うし視聴者バカにした安易な手段、

まあしかし隠されれば尚更観たくなる!
というのが人の性(←サガって読んでね~AVのモザイクじゃないのです~ニパッ)
加えこれだけ飢餓感与える作品だし、
まあこういう事象も水面下口コミ侮るなかれ同様、
話題性含めこの作品の人気の起爆剤になったのかもしれないけど、

さてさてこの二期解だけど、解という文字から、
物語(ミステリー)の答え、解答?という意味で受け止められかねず、
それも間違えではありませんがあえて言います、
この二期解の根幹は、

運命に抗い未来切り開こうとする者たちの物語、
幾度繰り返し酷い目に遭い続けた運命の檻、
そこからの解脱がテーマです。
{netabare}
原作が同人ゲームという事で、当初アドベンチャー型、
(主人公なりが会話等選択枝選び望むエンディングに辿りつくみたいな)
なのかなとも想ったのですが、
そうでもなかったようで、
ただアニメ観ててそれに近い感覚はありました、
チクショウー悔しいークソクソ言いながら、
XBOで岡部になりきりヒロインなり救おうとしてた、
シュタインズゲートに近い感覚とでも言うのかな、
ネタバレになってないかな?かな?(←レナちゃん病)
気をつけやがれなのです~にぱ~っ♪(←梨花ちゃん病)
{/netabare}
そう、一期各章及び二期前半等で、

「何でこの子達がこんな目にあわにゃならんのかいな!?」

この私的怒りが、
運命に抗う主人公達に自然に感情移入を即し、
クライマックスに向け頑張れー頑張れー!
随分酷い目にあわせてくれたじゃネ~か、
只じゃおかね~こんちくしょ~!
キャラ感情移入半端なし(←根が単純)
って事でみんなで観よう二期解祭り囃子編♪

梨花「私たちは運命を打ち破る!」そうだっイテマエ~っ!

だがしかし、敵もさる者一筋縄ではいかない!
こっからのクライマックスも最後まで見事ですね~♪
{netabare}
退路詰まるピンチもあるけど、、
奇跡の起し方?!梨花さまカッケ~っ(ナンカ敬称二ナッテルシ)
葛西ワケ有用心棒も赤坂も永き脇役返上的大活躍いいね~♪
詩音ちゃん♪ここでか~そうだったんか~♪
最後の最後まで諸悪の根源もけっこうシブトイ、
{/netabare}
はたして主人公(達の)運命やいかに?
という事で、

観るのです~♪なのです~♪(←梨花進行型痛い病)
{netabare}
加え例えば児童虐待防止法等の矛盾点、
何か起きるまで動こうとしない、
起きても責任逃ればかりな旧態依然公務員体質等、
社会的問題提起も描かれ興味深いものでした、
或いはアニメ限らず映画やドラマの刑事ものでアリがちな、
腐れ上層部からの圧力やら政治介入等のおヤクソク的エピソード、
乗り込んできた腐れキャリア組一本背負いのたたき上げ老刑事の件は、
気持ちよかったな~♪
{/netabare}
一期ともども二期も音楽いいですね、
世界観シンクロ率抜群の歌詞と共にOP、ED曲もよかった、

加え「ふにゅ~」と「しやがれ~♪なのです~♪」の、
予告編ってより梨花&羽入コーナーもオモシロ楽しかった、

幼女梨花、妖女梨花、瞬時切り替えも見事な中人だった「田村ゆかり嬢」
声萌えでした。にぱ~っ♪


という事で梨花ちゃん羽入ちゃん及び主人公の皆々様方、
久々クライマックス&ラスト気持ちよく、
私{netabare}の病{/netabare} も貴方がたにめでたく?救われた、、、、
のかな~?かな?カナカナカナカナ、、(←ひぐらしの鳴き声)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30
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