富山で恋愛なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの富山で恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月08日の時点で一番の富山で恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.3 1 富山で恋愛なアニメランキング1位
true tears[トゥルーティアーズ](TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (6154)
26367人が棚に入れました
絵本作家を目指す高校生「仲上眞一郎」は、仲上家に引き取られてきた同じ高校に通う「湯浅比呂美」、そして両親の4人で暮らしている。眞一郎の母は、ある理由から比呂美につらく当たっていた。
 ある日、眞一郎は学校の裏庭で、木に登って降りられなくなった少女「石動乃絵」と出会う。彼女は過去に起こったある出来事がきっかけで、涙が流せなくなったのだという。眞一郎は彼女との出会いをきっかけに比呂美、親友「野伏三代吉」、幼馴染み「安藤愛子」らとの関係や、自分自身との向き合い方に変化を生じさせていく。彼らはそれぞれに悩み、すべきことを模索し、成長していく。

声優・キャラクター
石井真、高垣彩陽、名塚佳織、井口裕香、吉野裕行、増田裕生、渡辺智美、藤原啓治、高橋理恵子、土倉有貴
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

冬に見たい孤高の恋愛アニメ

バトル・ギャグ・萌えといったアニメらしい要素を一切排した、
オリジナル作品としては異色の本格恋愛アニメです。
原作ゲームとの共通点は真実の涙を取り戻す物語というコンセプトだけで
そのままTVドラマや実写映画にできるほど正統派の青春恋愛物になっています。
単なる美談ではなく嫉妬や葛藤などネガ要素も隠すことなく描かれていて
本当は実写映画の脚本家になりたかった、という岡田麿里の志向が色濃く出ているように思います。

true tearsはP.A本社がある富山県が舞台で、実在する場所も背景に登場します。
アニメのロケ地をファンが実際に訪れる「聖地巡礼」の先がけになったそうです。
おそらく初の請負作品ということで愛社精神の意味合いもあると思いますが
富山の町並みは雰囲気作りに大きく貢献しています。
物静さと画面から伝わってくる冬の寒さが人の温もりを恋しく感じさせ、
物語に引き込んでいきます。

ストーリーは乃絵・比呂美・慎一郎の三角関係が主軸となっています。
実際にはこれに3人の男女が加わってもっと複雑な多角形を形成しているのですが、
核となるのは名前を挙げた3人です。

乃絵と比呂美はどこまでも対照的なヒロインとして描かれています。
なかでも乃絵は子供っぽくて比呂美は大人びているという違いは
最終的に2人の明暗を分けることになります。
大人と子供の対比がtrue tearsの大きなテーマになっています。

比呂美は理知的な顔立ちの優等生ですがその内に秘めた感情はとても激しく、
心情が最もリアルに描かれているキャラのため感情移入しやすくなっています。
親を亡くし仲上家でも肩身の狭い思いをしている不遇な状況にあり、
特に女性なら彼女に共感し、応援したくなるでしょう。

一方、乃絵は無邪気でとらえどころがない、いわゆる不思議ちゃんです。
比呂美とは違って男性、特にアニメファンに受けが良い女の子でしょう。
作品のコンセプト「真実の涙」を体現した、最も重要なキャラとなります。
乃絵は祖母の死をきっかけに自分が泣けなくなったことを真一郎に打ち明けます。
乃絵は他人に呪いをかけていますが、実は呪いにかかっているのは自分自身なのです。
感情を封じ込めてしまったことで、心の成長を止めてしまった少女。
それが乃絵の人物像です。

彼女が大人になるためには閉じ込めた感情を呼び起こす必要があります。
その方法を「他人から涙をもらうこと」だと乃絵は言います。
しかし具体的にどうすればトラウマから解放され、涙を流せるようになるかは分かっていません。
そして現実は残酷で、大事にかわいがっていた雷轟丸が死んだときよりも
ずっと悲しい思いを経験することで涙を取り戻すのです。

{netabare}
ストーリーを語る上でニワトリが重要なモチーフとなっています。
ニワトリの意味するところは作中で明確な答えはなく、人によりさまざまな解釈ができます。
それが何度も見返したくなる理由にもなるのですが、僕はこう考えています。

当たり前のことですが、そもそもニワトリは飛べない鳥です。
雷轟丸だろうとジベタだろうと飛べないし、飛びたいと思ってすらいません。
つまり自分たちとニワトリを重ねて見ていたことが間違いで、
海辺のカモメを見て自分たちはニワトリではなくヒナ鳥だったのだということに気付くのです。
飛ぶのに必要なのは自分自身が成長し大人になって、飛ぶ決意をすること。
「受け身でいる限り成長することはできない」
それが、ニワトリが教えてくれたことなのだと思います。

true tearsは恋愛ゲームように乃絵ルートと比呂美ルートが用意されているわけではありません。
紆余曲折あれど、終盤からはほぼ一本道になっています。
比呂美は慎一郎と結ばれる以外に幸せになれる道は提示されないし、
乃絵は「飛ぶ」ための過程として、慎一郎を諦めることが避けられない状況になります。

三角関係というと、もう一人足してペアをつくるか、なんとかラブストーリーのように
一人を退場させてしまうのが楽で、無難な決着の付け方です。
そのような安易な選択をせず、一人は恋敗れるという結果ながら
作品のテーマと融合させ、真実の涙を取り戻すため、
少女が大人になるための通過儀礼として失恋が表現されています。
本作の行きつくところは乃絵の成長物語だったと言えます。

最終話で乃絵はクラスメイトと元気よく挨拶を交わしています。
わずか十秒程度のさり気ないシーンですが、彼女が「飛べた」のだと悟ることができます。
本来乃絵は明るく皆から好かれるタイプの人間なのでしょう。
彼女は大人になることを拒んでいる少女でした。
周囲と距離を置き、子供じみた自分の世界に籠っている状態から抜け出すこと。
それが乃絵にとって「飛ぶ」ということだったのです。

けれども校舎の裏のニワトリ小屋の前に立つとまだ心が痛む。
石を並べて作った「乃絵が好きだ」という文字は見る影もない。
高校生ともなれば、精神的な心の繋がりだけで恋人の関係は成し得ないもの。
「好き」という気持ちは本物だったけれども、
それを恋と呼ぶには幼すぎたのだと今なら分かる。

リフレクティアが流れ、「まっさらな空」に乃絵の涙が舞い上がり物語は終わります。
ここで彼女と共に涙を流すことができたなら、この作品は忘れがたいものになるはず。
true tearsの結末は「切なさ」だけでなく「正しさ」がある。
比呂美と乃絵、どちらのヒロインに入れ込んだとしても最後に感動できる。
それがtrue tearsの名作たる所以だと思っています。

一方で評判のあまり良くない慎一郎ですが、
比呂美と釣り合わないようなつまらない男ではないし、
乃絵ならもっといい男を捕まえられる、
そうエールを送れる程度の「そこそこいい男」であるからこそ
比呂美と乃絵、どちらの結末もポジティブに受け取れるのだと思います。
むしろ絶妙な匙加減だったのではないでしょうか。
臆病風に吹かれ、時に見ているこちらを苛立たせるキャラでしたが
最後はきちんと男らしいとことを見せてくれました。
{/netabare}

ストーリーもキャラクタもアニメらしからぬ作品。
しかしともすれば陳腐になりがちな真実の涙を取り戻すというテーマを
違和感なく受け入れることができるのも、
石動乃絵が作中で浮くことなく魅力的なキャラとして成立しているのも、
アニメだからできたことだと思います。
恋愛を勝った・負けただけで捉えがちな他の深夜アニメとは一線を画す、
王道にして新しさを感じられるアニメでした。

本作は特に女性にお勧めしたい作品ですね。
成就せずとも恋する気持ちがあなたを素敵にしてくれる、
「恋せよ乙女」という作り手の思いを受け取っていただければ…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 47
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

断固、比呂美! ドSに定評のある名塚

SF(すこしフシギ)純愛ラブストーリー。
当時はスルー。
なんだか評価は高めですが・・
あの時はそこまで話題にもならんかったので観てない。
なんだか手持ち無沙汰の時間に数話観たら・・・・まぁ短いから観ちゃった。好いた惚れた、このテが苦手な私なのです。

いろはあたりに、コイツの反省がちゃんと生かされてるんだなってのは勉強になった。
ジャンルはまったく違うが根本のテーマはにてるし。



ストーリー アニメ女VSリアル女 

めっさアマタおかしいヒロイン乃絵との出会いからはじまる物語。
コイツ、鶏マニア?だわ、主人公に鳥の餌やったり、から揚げを鶏にあげようとりたり・・しかもなぜか泣けないらしいの。
その時点でああ、コイツを泣かす話なのかなって。

いっつも空を飛べるとか飛べないとかいって、スピッツかよ?
完全に窪塚状態。トんじゃってんの。ピンポンのペコみたいなやつだ。アイキャンフライ!って感じよ。
そんなヒロインおかしいだろ。。


もうひとり、幼馴染の比呂美。
親が死んで主人公の家に居候、両親同士が友人のため、らしい。内縁の養子として扱われているが・・。{netabare}実は浮気で生まれた本当の兄弟かもしれない!{/netabare}ということで母にいじめられる。こっちは昼ドラである。
だが、人物背景が浮世離れしているだけで、キャラクター自体は非常にリアリスト。
スポーツで発散してても、ほとばしるHすんぞ!っていう欲求不満なオーラ。




この2人のヒロインがサンダVSガイラばりの戦いを繰り広げる。
一応もう3人も交えて話を複雑にみせるが・・
所詮時間稼ぎであってサブキャラは結局歯牙にもかけられてないない。
完全な三角関係。
ポイントなのはよくあるヌルめのハーレムではない。
きーみは誰とキスをする?とかいってらんない。
意外な伏兵がキスもってくしな。
人はこれは修羅場という。



ひたすら出てくる愚痴
{netabare}
まずキャラクターがアニメチックなのか少女マンガなのか、ドラマなのか・・・てんで各々バラバラ、綺麗な背景もあいまって作風がよくわからない。
ストーリーもひどいよなw。
ちょっと荒唐無稽すぎて覚める、山もなく・・12話で常にダレがあるってなんぞね。
主人公の行動、葛藤もアホ臭い。
絵本の比喩も別にいいんだけど、分かりづらいな。
心理描写であって何作か描いてるってことだろあれ。
渡したのと、投稿したのは違うものなんだから。
やっぱり水着、コメディ要素は必要か・・。


人退で出てきたマンガの書き方を思いだしたよ・・。
飛べる飛べない、涙が出ない、私は貴方の妹かも、都合よく現場目撃、兄がガチシスコン  等々しょーもない引きで盛り上げる。

予算の問題かもしれんけどね。
細かい演出にケチつけたらキリがない。

あとバイクはあんな簡単に燃えません!あれマジェでしょ・・
。絶対燃えないから。あんなで廃車なるかよアホ!
基本ガソリンは炎上するけど、タンクは密閉された状態なので場合によっては破裂という意味で爆発します!
気化した状態に火がついてもすごいことになるがな。
だるまとか年始に焼くと爆発するだろうが・・。
とんでもないこと教えんなよなぁ。


話をもどすと、なにか新しいことをしてみようとしたらちょっとスっころんだ、そんな感じの印象。


一番不親切だったのが比呂美との関係。開幕数話にしてこの娘とのフラグが立ってるし、コイツと最後くっつくしかないじゃんw
フラグが立つわけないメインヒロイン乃絵の意味不明さ。


比呂美の義母との確執、主人公の家に来た経緯。
いつ頃、どんな感じで、なんで仲良し幼馴染のくせに、ぎこちない関係なのか。まったく説明がない。来たばっかなのはわかるが。
でも主人公ラブ!で乃絵に予防線を張る比呂美。勘違いする主人公・・で話がはじまるのだがけど。

比呂美の説明をもう少し丁寧に最初してくれればまぁ・・あのオカンとの馬鹿話は納得いったといいうか・・。あまりにもいきなりすぎるだろ。和解もなんともあっけない。



{/netabare}


比呂美がかっこよすぎる件
{netabare}
この作品で一人だけ、生臭いんです。
メイン3人で唯一の見所あるキャラです。
名作劇場のように継母のイビリにも負けません。
眉目秀麗・才色兼備wな優等生と劇中でいわれるとおりなのですが・・
たとえ異母兄弟かも・・としても一途に主人公への愛を貫きます。
兄弟じゃないと分かったら全力全開。
他のキャラと違ってとっても性的・・。貞操狙ってる。

えらいあざといし、それを自己嫌悪しつつも、絶対に分捕ったる!っていうむっつり、愛すべき肉食系女子。
幼馴染属性も武器にします。
自分のカラダでだって釣り上げるためには厭わない。
一人暮らしをして自己発見、心の整理みたいなこといってるがあきらかに連れ込み狙い。
最後は事後承諾前提で勝手に彼女を名乗る豪傑。
まさに鎧袖一触、爆笑したよ。
かっこいいよ旦那って。
『きせいじじつ』をとにかく作ろうとするんだよな。
でも正々堂々としてるというか、完勝しないと気がすまない。

あまりにも現実味がありすぎるキャラクター。
アニメ的なキャラクターから男を分捕ろうとするリアルな女です。
とても16歳に思えませんが・・。
ある種、男が引いちゃうくらいこわいんですが、その辺の距離のとりかたもうまくって・・さすがあざといという。
めちゃくちゃそこがかっこいいです。
寝たら最後、中田氏させられそうなその手腕におまえ処女じゃないだろ?といいたくなるが・・話の流れから明らかに生娘。
キスシーンが尺、作画予算を祭り、エンディングのほうに取られたのか、イマイチ・・残念。
あの年上との時のほうが遥かにエロス。性的すぎ。
ただ開脚できるようになったというのはあれなんかエロい。
自分の意思でがんばってるんだということだと思うが、
あんなシーンでいったらどんな体位もばっちこい的なことにしかならんと思うが。
そもそもなんで開脚なんだよ。



両親がひとつの答えになってるってのはよかったかなぁと・・
反面教師であり、もうひとつの道も正解なのかと。

たぶんあれ同じような恋じゃなくて、母が妥協で結婚してもらったという負い目があるんでしょう。
いまでも幸せなんだけどなんか納得いかない、だから死んだ相手を、娘を恨む。

で、オヤジはイイヤツなのに嫁の悪行に気がつかないのw?
普通初回の空気でもうキレるぞ・・。明らかに険悪じゃねーか。
まぁそこらへんが甘いというかツこんじゃいけないとこよね・・。ドラマにならんから。
{/netabare}

いやまぁなんだかんだいって楽しんでる。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

h02dvvd さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

”失恋”は”失恋”だけじゃない

【萌え】★★★★☆ 【シリアス】★★★★☆
【ヒューマンドラマ】★★★★★ 【アカデミック】☆☆☆☆☆
【ギャグ】☆☆☆☆☆ 【演出】★★★☆☆

 設定がどことなく「とらドラ!」に似ているなぁと思ったら脚本が同じ方でした。なるほど。僕は「とらドラ!」よりこの作品の方が好きですが。心理描写のやり方が非常に上手いです。
 要約:「『とらドラ!』より失恋に重きを置いた話。でもちゃんとハッピーエンドだから岡田麿里好きは観るべし。ちょっと電波だからって切るんじゃない!」

・いかにして失恋と折り合いをつけるか
 この作品はテーマとして恐らく”恋をする”ことより”恋をやめる”ことに重点を置いています。タイトル的に。同じ岡田麿里脚本の作品の中で恋をする方を重視しているのが「とらドラ!」です。個人的には恋をやめる方を重視したいので「とらドラ!」よりこの作品の方が好き、といったところです。

 ↓「true tears」「とらドラ!」のネタバレあり
{netabare}
 「とらドラ!」に関して。みのりんと亜美ちゃんが不憫じゃないですか?人によって感じ方は違いますし、僕の見方が間違っているかもしれないので断言はできませんが、やはり失恋との折り合いの付け方としてあのようなやり方は少々心に傷跡を残しそうな感じを受けます。特に亜美ちゃん。大人びていながらとても繊細な性格をしているので塞ぎこんじゃいそうで心配なんですがなあ……。「とらドラ!」は恋をするという点では素晴らしいと思いますよ。念のため。
 「true tears」に関して。愛子ちゃんのような失恋の乗り越え方はとても理想的だと思います。尻軽女と言われればそれまでなのかもしれませんが、「失恋」を自分にとってどんなものとして浮かび上がらせるかが重要です。僕にとっては。それでは乃絵はどうなのかというと、涙のくだりが無かったら自分の中での評価はもっと低かったかもしれません。恋を諦めたという事実と対価として得られたものが釣り合うかどうかという点で、この作品は赤字を最低限に抑えることに成功していると思います。もちろん恋愛はビジネスではないですよ。でも失恋して絶望のデフレスパイラルに巻き込まれるお話よりは赤字が少ないほうが良いと思いませんか。
{/netabare}
 ↑ネタバレここまで

・いかにして恋を描き出すか
 人類は数千年恋愛をし続けているため、今になって全く新しい恋愛観を生み出すことは非常に困難です。そのため、今さら恋愛というものに絡もうとする場合、別種の新しい何か(ケータイとか)を頑張ってねじ込むか、今までずっと言われてきたことを至極丁寧に作り直すかのどちらかしかないと思っています。世の恋愛物はたいていの場合は後者で、この類のものは感情の陰影みたいなものをどれくらい上手く表現できるかによって出来が決まるといっても過言ではないと思うのですが、この作品はたくさんの象徴的なフレーズを随所に織り込むことで恋を見事に描ききっています。

・恋を描き出そうとしたらこうなった
 こうなりました。
 TVアニメ「true tears」公式サイト|キャラクター|石動乃絵
 http://www.truetears.jp/character/chara_02.html
 ”突拍子もない言動が多く、変わり者扱いされている。”
 アニメに限らず最近の作品では、スパイスとして(?)多少の変わり者要素が入ってくることは珍しくはないと思います。それは分かっているのですが、困ったことにこの子は多少ではなくかなり変わり者です。そのような設定が必要だったのは十分理解しているので別に非難するつもりはありません。初見はビビるかもよ、ということです。

 問題児は一人だけじゃいんだなこれが。はい二人目。
 TVアニメ「true tears」公式サイト |キャラクター|仲上眞一郎
 http://www.truetears.jp/character/chara_01.html
 ”絵本作家に憧れており”
 絵本作家を馬鹿にする積もりは毛頭ございません。しかし下手したらこの人、上の人より残念です。というのも、事あるごとにわざわざ自らのポエムを視聴者に吐き出してきます。詩人作家を馬鹿にする積もりは毛頭ございません。世の中の大半の人は物事を詩に翻訳して考えることはしないので戸惑うだろうということです。

 他にも大半の一般人と周波数が合わなそうな方々(例:{netabare}四番{/netabare})がたくさんいらっしゃるのがこの作品のすさまじいところです。もし嫌気が差したとしても頑張って見続けてください。中盤あたりから「この人達はみんな360度回って正常なのではないか」と思えてくるのではないかと。最初の数話では、問題児(特に乃恵)の異常な側面しか見えてこないかもしれませんが、実際彼らはとてもまともな等身大の学生です。

{netabare}
 この作品の裏ボスは、物語後半になればなるほど異常っぷりが際立ってくる比呂美です。比呂美が気に食わないということでこの作品が嫌いな人も多いようで。涙を流しているときはとても性悪になるって、人間味溢れるいい性格だと思うのですが……気に食わないものは気に食わないでしょうから仕方ないか。
{/netabare}

・いかにして恋を描き出すか(その2)
 主人公が詩を垂れ流すというのは上でも触れました。が、ポエマーの定義を拡大して考えると主要キャラはほとんど全員ポエマーです。隠喩ばかり喋っています。「とらドラ!」にもオブラートで包んだ表現はあるのですが、「true tears」はこの傾向がかなり顕著です。「地べた」「雷轟丸」「飛ぶ」「雪」という象徴が何を表すか、主人公は絵本にどんな思いを込めているのかをしっかり読み取る必要があります。これを考えるのがとても面白いのですが、人によっては面倒くさいと感じるかもしれません。その点三代吉だけは唯一レトリックを使わず素直に喋ってくれるので、三代吉に親近感が湧く人はとても多いと思います。

 大衆に勧めるならば「とらドラ!」です。率直に言ってこの作品は少々見づらいです。上に述べたような点が人によってはマイナスとして働きかねません。逆に人によってはプラスに働くということで、万人にとまではいきませんがオススメできるアニメです。

2013/03/09 気が向いたので書き直し

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

75.6 2 富山で恋愛なアニメランキング2位
君の膵臓をたべたい(アニメ映画)

2018年9月1日
★★★★☆ 3.8 (302)
1447人が棚に入れました
それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。

「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。

「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことにより、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、互いに自分の欠けている部分を持っているそれぞれに憧れを持ち、次第に心を通わせていきながら成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は恋人や友人を必要としない僕が初めて関わり合いを持ちたい人に選んでくれたことにより「初めて私自身として必要されている、初めて私が、たった一人の私であると思えた」と感じていく。

声優・キャラクター
高杉真宙、Lynn、藤井ゆきよ、内田雄馬、福島潤、田中敦子、三木眞一郎、和久井映見
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

青春感動をアウトレットで

原作未読 実写版未視聴


これ小説けっこう有名ですよね。
それに実写もアニメも劇場版が作られるなど肝いりじゃないですか。その割にはイマイチでした。

身体の悪い部位があったらそこと同じ場所食っときゃ直るというお祖母ちゃんの知恵袋ネタはご存知の方多いのではないでしょうか。曰く「肝臓の調子悪いからレバー食っとこ」。
それを地でいく話となるのかどうか、余命短い相方との切ないラブストーリーを想像していた事前の私です。ベタ大好きなのでばっちこーい!と受け入れ態勢完璧でしたがこれまで視聴の優先順位は上がってきませんでした。地上波でやるってのを見つけたのがきっかけとなります。


 ベタだけどベタになりきれてない


長年培われてきた感動のお作法は世の中に存在します。そこをずらしての意外性を演出するにあたり事前の種まきがなされてないので感情を揺さぶるには至りません。そこ説明してくれりゃ感情移入できるのに!ってやつです。
悪目立ちしたのがキャラクターの行動/言動の根っこにある動機。これが良くわからない。取り急ぎダメ出しするよりも先に良きメッセージについて触れます。


■良きメッセージ

・{netabare}近づいたのは対極にいるからだと桜良(CV:Lynn)は言った。桜良逝去後に春樹(CV:高杉真宙)がとった行動は意趣返し。自分とは真逆の桜良に近づくための真逆の行動をする勇気。こうして故人の遺志は受け継がれていく。{/netabare}

・{netabare}心が通じ合えた、必要とされたことを実感してから旅立てたこと。死因よりも死んだ時期がこの物語には重要だったのだと思う。{/netabare}

生きる意味や執着。繋がりで得られるもの。ベタだったり変化球だったりそんなに外してるとは思いませんでした。ただしいかんせん説明不足です。雰囲気で乗りきれればOK!そんな作風でした。



■悪しきエトセトラ

くどいようですが種まきがありません。らしきものは見つかっても「それ理由になるかなぁ?」と首をひねるものが散見されます。ヒロインが主人公に惹かれる理由。主人公の突き放したヒロインへの態度の理由。恭子(CV:藤井ゆきよ)が頑なに春樹を拒む理由などけっこうコアなとこがダメ。
特に桜良と春樹。この主軸が惹かれあう妥当性を見い出せなかったのは致命的かも。「なんで二人一緒にいるの?」。しっくりくるこないで作品評価の別れるポイントになると思います。

{netabare}※春樹がモテ要素皆無なキャラに見えたので、なおさら桜良が彼に近づく理由に強いものが欲しかったのもあります。逆もしかりで、非モテコミュ障がかわいい子に言い寄られて舞い上がりましたとしか見えないのが極めて残念でした。{/netabare}

それと声優にも一言もの申したい。根本的に内罰的な主人公は抑揚のない中で感情を表わす難しい演技を求められます。この難役を演じるには声のお芝居経験に乏しい俳優では荷が重かったでしょう。俳優と声優の組み合わせでしたらむしろ男女を逆にしたほうが実力差が隠れてよかったと思われます。




画は綺麗で劇伴/主題歌は普通。
難病ヒロインと内向男子の別離の話ってそれこそ野球で打線を組めるくらい巷に溢れてるベタな題材で、こちらもいつもどうりに踊りたかったのですがそれができなくて残念です。
なお、著名原作がそれなりに骨子まとまってそうなので大崩れしてるようには感じません。推奨はしない佳作。そんなところです。



※余談

■お里が知れる

膵臓である意味/必要性はそれほどなかったと思います。音感とイメージの薄さで白羽の矢があたった臓器。それ以上でも以下でもない。
どういうことかというと、まずは“(仮題)君の○○をたべたい”というフレーズを思い浮かべてみてください。この○○に入るのが肝臓や心臓だと生々しいというかスプラッター要素マシマシですよね。大腸に至ってはウ○コをイメージしてしまうかも。なんの機能かわからなければわからない方がいい。
それで膵臓(スイゾウ)。脾臓(ヒゾウ)なんかも候補に挙がりますがそれだと音のリズムが悪くなっちゃう。というわけで膵臓。
これでも充分センセーショナルです。カニバリズムかなんかだと勘違いするしそれを狙っているのです。出自を見れば無理はありません。

{netabare}小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿{/netabare}

タイトルで目を引かないと埋もれますからね。「タイトルはアレだけど感動作だよん」話題になってた時耳にしたのはこんな声でした。
そして私あまり好きじゃないんですよねこの商法。作品の中身と乖離するから。WEBニュースの見出し勝負みたいになっちゃいます。今しがた漱石が『こころ』なんてタイトルにしてなろうに投稿したら埋没しちゃうのでしょう。弊害はしっかり出てました。

{netabare}膵臓の病気持ちでアルコール摂取はねーだろ{/netabare}

チュートリアル福田が発症した病気は「急性膵炎」。原因は酒です。入院したらしたで膵液が分泌されるとまずいので食事を経口摂取せず点滴のみ。後がないからってのも理解できなくもないですけど、実際に病名は明かされてなかったけど激痛必至だったんと違いますかね。

少なくともアニメ映画だけでみれば、タイトルのインパクト重視で中身を練られてないように見えました。本末転倒とはこのことです。




■声優Lynnのお仕事

これこそ余談です。私の深夜アニメの入口は『風夏』。ヒロインはLynnさんが演じられてました。今日びの声優さんは綺麗だな~と時の流れを感じた次第です。
そんで風夏のネタバレ込みでふわっと思ったのが以下、

{netabare}自分死んだ時の通夜に彼氏が来てくれないの一緒じゃん、と。{/netabare}

{netabare}アニメ『風夏』はアニオリで別の世界線。原作漫画との対比でした。では♪{/netabare}



視聴時期:2020年5月 地上波

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2020.05.09 初稿
2020.12.10 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「偶然じゃない。君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。」

小説が原作で、2018年に公開されたアニメ映画。

アニメの前は実写映画もやっていましたね。

私はどれも見ていなかったので、
アニメが初見です。

NHKで放送されただけあって、
考えさせられる内容でした。

100分ほどの作品です。


● ストーリー
「僕」が偶然病院で拾った本。

そこには膵臓の病気で自分はもうすぐ死ぬのだと書かれていた。

その本の持ち主は、
クラスメイトの山内桜良(やまうち さくら)。

桜良は病気の事をクラスメイトの誰にも話していなかったが、
本を読んでも動じない「僕」に興味を持つ。

「僕」はクラスの誰とも関わりを持たない男の子であり、
桜良は明るく活発な女の子。

真逆な二人だが、
「僕」は、桜良が死ぬ前にやりたいことに付き合うことになる。



桜良の死は、
最初から約束されてしまったもの。

人と関わることをあきらめていた彼が、
余命1年という残された時間と向き合い、
前向きに普通に生きようとする彼女と共に過ごすうちに変わっていく。

そんな二人の物語が、
きれいに綴られていました。

公開時それほど話題にならなかったので、
いまいちなのかな?と思っていましたが、

きれいにまとまっていて、
良い作品だと思いました^^

絵もきれいだったし♪

人の病気や死という描写は感情を揺さぶられて当然ですが、
そこに頼り切っているという印象もありませんでした。

残された時間をどう生きるのか、よりも、
人と人との関わりについて教えてくれる雰囲気の方が強かったと思います。

タイプが真逆だからこそ、
初めて見える自分がくっきりする。

「僕」は、クラスで誰とも関わりを持たない、目立たない存在で、
イケメンだから成り立つ物語だろうと思わなくもないですが(笑)、

彼女の明るいキャラだけでも十分魅力的でした♪


≪ 恋愛でも友情でもない、男女の物語 ≫

年頃の男女が放課後も休みの日も一緒に行動する。
となれば、クラスメイト達のように彼氏彼女のような関係を想像しますが、

この二人はお互いに惹かれはしているものの、
そういうものとはまた別の、不思議な関係。

「僕」にとっては、家族以外で初めて関わりを持った存在。
桜良にとっては病気のことを知りながらも普通に接してくれる存在。

彼女の思わせぶりな態度はちょっとやりすぎで、
「僕」がイライラするのもわかる。都合の良い男のようだもの。

だけど桜良の、普段は表に出さなかった気持ちを考えると、
桜良が求めていたもののひとつに“ぬくもり”があったから、

彼氏としての「僕」を求めていたわけではなく、
安心感を与えてくれる「僕」を求めていたのだろうなと、
思ったりもします。

年頃の男女の関係としては疑問が残らなくもないですが、
こういう友情とかを超えた、特別な関係も悪くないなと思います^^


● キャラクター
主人公の二人も良かったのですが、
私が強く印象に残ったのは、それぞれの母親です。

桜良の母親は、
娘の病気を当然知っていて、もうすぐ死ぬことをわかっていて。

娘の前で涙を見せまいと振る舞う姿が、
強いなあと(´;ω;`)

自分の娘が余命1年とわかっていて、
これまで通りに接することができるわけないですよね。

それでも桜良の母親は覚悟をし、
娘に心配させまいとする姿に胸を打たれました。


「僕」の母親は、彼の些細な変化もちゃんとわかっていて、見守る。

「友だちがいる」という嘘も見抜きながらも、
彼の変化に問いただすこともせず、
良い変化には探りを入れて。笑

見守り、さらっと声をかけるのが、
いい母親だなあと思いましたよ。


● 音楽
【 OP「ファンファーレ」/ sumika 】
【 挿入歌「秘密」/ sumika 】
【 主題歌「春夏秋冬」/ sumika 】

全曲をsumikaが担当しています。
もともとsumikaが大好きな私得な映画なのです(*´Д`)

曲は作品を観る前からずっと聴いていました。
「ファンファーレ」が大好きでした。

正直「春夏秋冬」はそれほどハマっていなかったのですが、
この作品を見て印象がガラッと変わりましたね。

エンドロールで流れる「春夏秋冬」。
なにこのハマり曲…!余韻半端ない…ずっと聴いていたい…。

ボーカルの片岡さんがこの作品と向き合い続けて、
ようやく完成したという曲。

この作品を見て、
この作品で聴かないとその魅力はわからないわけですよ。

ちなみにsumikaのメンバーの皆さんは、
作中でちらっと声優登場しています♪

どの役なのか調べずに見ていたら全然わからないぐらい、
溶け込んでいました^^


● まとめ
友人は「伝わるものがなかった」と評価していましたが、
私は良い作品だと感じました。

どの作品でもそうですが、
メッセージがない作品を良い作品だと思うはずがない。

この作品は鍵となるメッセージはあっても、
明確でインパクトの強いものがあるわけではないので、
自分でメッセージや意味を考えるタイプの作品なのでしょう。

二人の過ごした時間から何を得るかは、
受け止める人次第なのかもしれませんね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

賞賛したい。。けど受け入れがたい部分も。。

タイトルから敬遠していた作品。

結果として感動に至る物語は大歓迎なのですが、救いようのない結末が想像できるせいで泣かせるためだけに作られた作品のような気がしまして。。

ジャンルとしてはキライじゃないんですよ。
でも、いかにも泣かせてやるぜ~!的な雰囲気が見えてしまう作品は身構えてしまうのです。

セカチュウで心折られたせいか、「あの花」は好きだけど「君嘘」はちょっと・・みたいなw
(じゃあなんで観たの?についてはおいおいw)

さてそんな自分ですが、この物語はどんな感じなんでしょう・・・


【作画】どうかなー
 なんか人物と背景が合わないような。

【キャラ】ありがちかな。
 ありえないくらい元気な薄命の美少女。
 クールでぶっきらぼうな男子学生。
 キャラの顔は声優さんに寄せてるような気もします。

【ストーリー】意外性もあるけどおおむねありがちかな。
 人は誰しも明日死ぬかも知れないのに日々漫然と生きてるよねーみたいな、たしかに考えさせられる部分はあるけど。

【cv】個人的には歓迎。
 Lynnさんは、スクストの、りのまの、
 ウマ娘の、マルゼンなどなど
 声色を変えるのがうまいので気付かない事も多いですが
 Twitterフォローしてるので知り、観る気になりました。
 この頃の演技はフレッシュですねw
 cvに女優さんを使わなかったのは良かった。
 ちなみにオーディオブックでは堀江さんだったらしいです。
 「ゴールデンタイム」を思い出します・・

 なんと藤井ゆきよさんもいますね。
 最近ウマ娘では、たずなも。
 自分のBEST10に入っているお二人でした。
 今回、ちょっと好きになれないキャラでした。
 まあ好演ではありましたが。
 
【ツッコミ&感想】
 ~{netabare}
 不良を成敗・・ありがち過ぎ。なにかのフラグ?
 恭子ウザ過ぎ・・親友なら想いを汲むのが第一じゃね。
 予約の手違いで同じ部屋・・鉄板過ぎw
 自宅でKISS直前・・鉄板だけどマジふざけてやったのかは明らかにして欲しかったw

 で、観ながら妄想してしまいます。。

 もし自分自身が青年時代に短命とわかったら・・
 恋愛は外せないけど好きな人に告白はできないでしょうね。
 たとえ想いが成就しても相手を悲しませることがわかっているから。
 なので好きだけど友達として・・という思考回路はわからなくもない。
 まあこのヒロインの場合は恋ではなかったとは言ってますが。

 でも逆に、もしこんな短命美少女が自分に好意を寄せてくれたら・・
 自分の将来の悲しみより、彼女の瞬間の幸福に尽力するでしょう。
 その後の悲しみは大きいでしょうけど、漫然と過ごす人生よりはよほど有意義な人生と言えるかな。

 なーんて思いながら、観ていたら。。

 え、なにこの展開。
 刺されて死亡とか。。ないわ~。
 懲らしめた不良の復讐?
 刺される前に何かされてない?とかはゲス妄想過ぎ?そこまでダークな展開ではないか。原作者は悔いのないように生きようとかいう事を強調したかったんでしょうか。まあ「小説家になろう」投稿作品だったらしいので意外性を求めたんでしょうし、これがあったから話題にもなったんでしょうけど、好みで言えばナシ、ですw

 しかしそれにしてもですよ・・
 死後のヒロインは爽やかに描くしかないとは思うけど、彼女が刺された瞬間から死が訪れるまでの束の間、彼女の無念さはいかばかりでしょう・・
 短命であることが分かっていたがゆえに、やりたいことの多くはできたかも知れないけれど、これから、今度こそは・・という矢先ですから。
 その無念さをしつこく演出しなかったのは感動ポルノとの評価を避ける意図があったかも知れませんが、彼女の一瞬の表情や、犯人の扱いなどはちょっとは垣間見させて欲しかった。モヤモヤが残り過ぎて残念。
 {/netabare}~

 原作:小説
 制作:スタジオヴォルン・・?初耳。
  うしおととら、からくりサーカス、バック・アロウ、とかですか。
  新しい会社ですね。
 公開:2018年9月
 視聴:2021年7月 金曜ロードショー(録画)

人生の尊さを知る意味で若い人に観て欲しいけど、自分が若い時に観ていたら、ちょっと心的ダメージが大きかったかも・・
モヤモヤをスッキリできる手段を用意してから観るのがいいかも ^^;

 ~{netabare}さあ、気を取り直してウマ娘育成でもするかw{/netabare}~
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

63.3 3 富山で恋愛なアニメランキング3位
恋旅~True Tours Nanto~(OVA)

2013年4月28日
★★★★☆ 3.7 (78)
508人が棚に入れました
富山県南砺市が、同市に拠点を置くアニメ制作会社ピーエーワークスに委託して製作されたアニメ。
いわゆる聖地巡礼を目的とした観光客を誘致するため、南砺市の利賀・福野、井波・平・上平、福光・井口・城端の各地区を舞台とした3話が製作され、また作品は市内に訪れないと見られない仕組みとなっており、視聴目的の観光客の誘客も図られている。
現在では公式Youtubeチャンネルにて視聴が可能になっている。
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ナントっ!

富山県南砺市が舞台の
ご当地PRアニメ作品です

一話約6分の全6話
3組の男女の恋愛ストーリーが各2話づつの構成です

・耀司と千晶編
 {netabare}大人(25、6歳くらいでしょうか?)の恋愛のお話
 耀司くんの転勤話で二人の揺らぐ恋心が描かれています{/netabare}

・晴喜と葵編
 {netabare}高校生で幼なじみの二人のお話
 若い二人の純情なお話です{/netabare}

・匠と夏子編
 {netabare}二十歳くらいのちょっと大人の恋のお話
 夏子ちゃんの片思いからお話がはじまります{/netabare}

どのお話も人物の感情がうまく表現されていて
お話に入り込みやすいのですが
時間が短いということもあり
ストーリーはとても
"ベタ"なものになっていることは否めません

でも
ひとつのお話で10~12分の枠で
とても効率よく内容が盛り込まれていると思います

特に
耀司くんと千晶ちゃんのお話
最後はウルっと来ましたよ
{netabare}自分の過去を重ねてしまって^^{/netabare}


背景のデザインはとてもよく出来てました
現地で色々見比べたのですが(後述)
さすがご当地PR作品です

そして
さすが P.A.WORKSですね
画がとても綺麗です
地元の地の利というのもあるのでしょうか
細かな部分まで観察されてて
とても丁寧に描かれてました

私はiphoneで視聴したのですが
スマホのディスプレイで観てても
充分
満足できるほどのクオリティです


話は大きく逸れますが
この作品の
それぞれのお話は
南砺市が合併する前の
旧市町村ごとに
舞台が設定されています

お話に出てくる町は全部で8つなのですが
実は
3つのお話全てに
スキー場のある町が出てくるんです

耀司と千晶編・・・利賀(とが)
晴喜と葵編・・・・たいら
匠と夏子編・・・・福光(ふくみつ)

匠と夏子編では
実際に福光にあるIOX-AROSA(イオックスアローザ)
というスキー場が舞台となっています

ちなみに
利賀は「スノーバレー利賀」
たいらはそのまま「たいら」
(名前は"たいら"ですがコースはかなり"タイト"です^^)
という名前のスキー場
です

自慢じゃありませんが
(自慢にもなりませんが)
わたくし
これら3つのスキー場全て
滑りにいったことのあるのですが

なぜか
いっしょに行ったのは
全て違う人・・・

どのような関係の人かは
おいといて・・・(^^!

南砺は私にとって波乱にとんだ地なのです^^

思い出の地
恋多き南砺のお話なのでした~

一度遊びに来てみられ~^^


余談で
(長文注意)

{netabare}実は
この作品を知ったのは
あにこれサイトの「TrueTears」のレビューを
見たのがきっかけです

レビューを読んで
興味を持ち
「TrueTears」でググったら
この作品に偶然
行き着いてしまったのです

タイトルを見て
最初は

パクり?

って怪しんだのですが
南砺市がPR作品として
まじめに(?)製作されたということが分かり

しかも
「アニメーション制作は当市に拠点を置くP.A.WORKS 主な制作スタッフ・キャスト・アーティストには 南砺市城端地区を主に舞台にしたTVアニメ 『true tears』を手掛けたメンバーが集結し 南砺市各エリアの美しい自然・風土・文化・などとともに 3つのオリジナルラブストーリーを描き出す(ばぁぁん!)」
(作品サイトからコピペしました・・・"ばぁぁん!"は私が勝手に付けました^^)

のうたい文句に
期待が膨らみ
視聴を決意しました!(そんなに重大なことでもないのですが)



しかし
あらためて
サイトの内容を読んでいくと
ナントッ(洒落じゃないよ^^)
この作品
現地に行かないと観られないということを知りました

視聴は
ワンセグか
スマホに専用アプリをインストールして観るという
方法があるのですが
スマホはGPS機能を使っていて
そのエリアに行かないと視聴できない仕組みになっているのです

その他には
南砺市の旧自治体ごとの施設に行って
その庁舎内にあるモニターで
視聴できるということです

詳細は作品の公式サイトをご覧ください(宣伝かよ!)

いずれにしても現地に赴くしかないのですが
コレはナントしても(何回も言いますが洒落じゃないよ^^)
観てみたい
という欲望が膨らむ一方
富山の道よくわかんね~しな~
という葛藤に陥り

しょ~がない^^
富山の道に詳しい
友人"M"を道連れにすることに・・・

5月のゴールデンウィークの最終日

連休の無駄な時間をつぶすため
買い込んだ小説(古典部シリーズだよ^^)も早々に読み終えてしまい
休日が1日余ったので
急遽
当日の朝早くに"M"に電話しました(迷惑なヤツだ)

朝6時・・・^^!

("M":"M"、シ:シス子)
電:プルルルル・・・プルルルル・・・(×10回)
  ・・・ガチャ(やっと出た^^)
M:もしもしぃ
  (私からの電話だと知ってやる気のない声)
シ:ぐへへ~
  おネエちゃん今どんなパンツはいてるのw
M:朝はよからなにふざけとるんや~!
  死ね!
  ボケ!
  (かなり眠そうでご機嫌斜め)
シ:(素に戻って)
  いや~
  天気がいいから
  ドライブにでも行きたいかな~って・・・
M:はぁ
  どこにぃ
シ:福光・・・"のほう"・・・
M:ふくみつぅ?
  な~んでそんなとこにぃ
シ:ん~アニメでも見に行こうかな~って^^
  ・・・てへぺろ^^
M:ぜんっぜんっかわいくね~しぃ
  っていうかなんでアニメなん?
  意味わかんね~しぃ
  っていうか福光って遠いしぃ
  あんたっ
  この前もむりやんこ山に引っ張り出して・・・
  ("イニD"レビュー参照)
シ:(話を聞かずに)
  往復で2時間くらいやし~・・・いいやろ~
  お昼ラーメン奢るし~
M:行こ(即答)
シ:(ふっふ~ん尻の軽いヤツだ)
  じゃあとで迎えに行くね~

(方言が入り分かりにくくなってしまってスイマセン(^^!)

っていうか
実際には
福光はまだ近い方で
一番奥の利賀ともなると片道で軽く2時間くらい掛かるんですが・・・

バカめ!
悪徳訪問販売みたいな
胡散臭い話に
まんまと引っかかりやがったぜ^^

朝9時・・・

なにも知らない
ナビ女"M"を
文字どおりナビシートにしばりつけ
南砺市に向けレッツゴー!(お~!)

ゴールデンウィーク最終日の朝早くに
叩き起こされ
ご機嫌ちょ~ワルな友人に構うことなく
私だけノリノリ絶好調で
南砺市に到着

でも・・・

ま~
とにかく
大変でした

視聴できるエリアまで移動して作品を視聴して
また
次のエリアまで行って視聴しての繰り返しで

専用アプリには地図機能もあって
視聴エリアに入ったら
知らせる機能も備えているのですが
どこがどのお話のエリアなのかいまいち分かりにくくて
車のナビと
ナビシートのわがままナビ女を巧みに"操作"しながら
1日中走りまわってました

途中で視聴しながら
「わ~みてみて・・・意外と画が綺麗や~・・・」
って・・・あれ?
ナビ女にガチ無視されてヘコんだり

お話にプチ感動して
涙してたら
「あんたなぁに涙流しとるん?はよラーメン食べにつれてけや!!」
って速攻で現実に引き戻されたり

せっかくこんな山奥まで来たんだから・・・

世界遺産の「五箇山合掌集落」を
にわか観光したり

やっていることのスケールが
大きいのか
せこいのか
自分でもよく分からなくなるくらい
いろいろ
紆余曲折しながら

ようやく帰路についたのが
夕方の5時ごろ

ナビシートのナビ女は
車のナビとスマホを見ながら道案内をして
しかも
作品の舞台はほとんど山あいにあり
タイトなワインディングロードと
私の"イニシャルD"張りの派手なドラテクの煽りをもろにうけ
車に酔ってしまい
ヤバイ状態になってました

ごめんねナビ・・・じゃなかった^^・・・"M"
私の奢ったラーメンはちゃんと完全消化してね^^{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

“ご当地”でしか観れんという正真正銘の“ご当地アニメ” 短いながらも良く出来ていてビビる

P.A.WORKSのお膝元でもある富山県南砺市を舞台にした3組のカップルによる6つのオムニバスラブストーリー
現地の観光名所で直接アプリを立ち上げて位置情報を認識させるか、お役所等の公共施設で限定的にワンセグ配信されているものを受信するかの2通りのみで視聴可能
とまあ、観光誘致のためのかつてない【超ローカルアニメ】


『Ture Tours』などという“超ダサい”タイトルはともかくとしてw
ちゃんと『Ture Tears』のスタッフとキャストを再集結させている気合の入れっぷりは凄いです
だからちゃんと西村純二が監督、岡田麿里が脚本、音楽はeufonius、彩陽も井口さんも名塚も出ている
強いて言うなら上田夢人や関口可奈味(ネ申)が不在なのは痛いところでしょうか
1話約5分×6話、とまあかなり短いながらも現地観光名所の魅力をちゃんと盛り込みつつ、普通にラブロマンスとして良く出来ているのだから拍手モノ
遥々東京から富山へと出向いた甲斐もあったってもんですw


現地でアプリ起動→オリジナルアニメ視聴→(ここまでの流れが最もな特色、以降の機能についてはガルパンの聖地巡礼アプリなんかでも実装済み)→観光名所でキャラクターカメラ起動→ツーショット撮影→キャラクターボイスで観光案内→役所などで現地へ行ったことを写真で証明→(ハイパー晒し者タイムw)→オリジナルポストカードが貰えます→全6枚中3枚以上集めるとポストカードブックが貰えます


☆晴喜と葵☆
幼馴染が故に距離が近すぎてお互いの気持ちが見えなかった高校生カップルのお話
後編はこれまでの「友達以上、恋人未満」な関係が心地良すぎたと苦悩する後日談
3組の中では王道、良い意味でベタな展開
吉野裕行さんの下手っぴな歌が聴けるのはコレw

舞台は北陸の小京都とも呼ばれる町並みと圧巻の彫刻が息づく『井波』
そして国重や世界遺産に指定されている合掌造り集落が残る『平』、『上平』


☆匠と夏子☆
スキー場で初めて出会ったはずの草食系な匠とアウトドア派の夏子
でも夏子は匠を以前から知っているような素振りを見せる・・・
ちょっと凸凹気味だけども、いつの間にか惹かれあっていく二人のお話
残り2組はマリーの脚本だがこの二人だけジュンジの脚本
なので「夏子があざとい」とか「匠がHENTAI」とまあ他の2組よりラブコメ風味で毛並みが違うw

舞台となるのは日本最大のゴンドラ設備を持つスキー場、IOX-AROSAのある「福光」
それと「井口」、P.A本社もある「城端」
桜ヶ池のサービスエリアにある馬鹿デカいボルタリング施設も出てきます
ホントにデカいですw
赤祖父湖の円筒分水槽は個人的にツボ


☆輝司と千晶☆
転勤の話が一転、別れ話になってしまった倦怠期のカップル
最後の旅行先は思い出の地、富山へ・・・
3組の中で最も賞賛したいお話です、出来れば一番最後にチェックしてほしい
「夢の中では王子様と王女様なんだ」という、マリーの脚本ではお馴染みの乙女チック妄想タイムが炸裂しているのもポイント
前編は輝司視点、後編は千晶視点で進むので二人の気持ちのすれ違いを感じ取ってほしいですねぇ

舞台となるのは蕎麦が美味かったりギリシャ風劇場があったりで大自然とのギャップがそそられる「利賀」
そして喧嘩神輿が有名な夜高祭で賑わう「福野」
夜高祭は是非一度リアルタイムで観てみたいです


ショートショートながら、P.Aはかなり良い仕事をしたと思います^^b
ただしこの企画、一度視聴すれば半永久的に動画が解禁されてしまうのでほぼ一回訪れるだけで終わってしまうのが少し寂しいところ
何か今後に繋がるものをこれから模索していって頂きたいですね
もちろんtrue tearsやAnotherの聖地巡礼も忘れてはなりませんw


最後になりましたがこれから南砺市を訪れる、って方へのワンポイントアドバイス
最初からアプリに入っている動画の画質はかなり酷い(笑)
ですのでオプションの「高画質動画ダウンロード」機能を用いてあらかじめ動画を落しておくことをオススメします
一度ダウンロードすれば位置情報認識後に解禁される動画は画質MAXのモノになります
これオススメ

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

地物アニメ

ご当地のなかのご当地アニメ。
富山県南砺市は、かの作画職人製作会社P.A.Worksのお膝元になります。
富山県の西部に位置し、岐阜県や石川県と隣接する山間の地区が多い地域。雄大な自然と昔ながらの文化を残すのが自慢ですが、観光名所としての知名度は今一つ。
有名じゃないだけで、世界遺産(合掌造り集落)も有しており観光資源や見所は結構豊富なんですけどね。
お隣の白川郷や金沢といったメジャーな観光地の陰に隠れてしまうのがなんとも惜しい。

そんなワケで、かの南砺市をアニメで世間にアピールしよう!というのが本作。
アニメ制作はもちろんP.A.Works、お金を出すのは行政です。


内容はというと、5分程度のショートで6本。
前後編に別れた3つのお話。少し年代の違う3組のカップルを描いた群像劇で、胸の奥をくすぐるような恋物語となっています。
南砺市のあらゆる名所旧跡を背景にして、甘酸っぱいやりとりが行われている会話が中心のお話。
まぁ、「リア充爆発しろ!」
と、僻みで言ってしまいたくなるような内容です(^。^;)
観光誘致のためのアニメですが、P.A.Worksを目当てに訪れたオタク達に反感買わないかなぁ~、と超余計なお世話な心配をしてみたりしなかったり・・・TARITARI


お話そのものは無難なもの。
アニメの出来も、背景こそ多岐にわたり綺麗に描かれていますが、P.A.Worksの仕事にしては並の出来です。
私個人としては、昔から行ったことのある場所・見覚えのある場所が多数登場しているので、結構胸を弾ませて視聴することができましたが、この地に縁のない人の目にどう映るかは正直なところ未知数。
ですが、落ち着いた雰囲気で旅情を楽しみたい、まさに本作の登場人物のような恋人同士での旅にはマッチしてる南砺のいい所はアピールできていると思います。
まぁ、それが目的のアニメなので当然といえば当然ですが(^_^)b


ともかく、
南砺に訪れて、スマホアプリでダウンロードして視聴するという方式は面白い試み。
スマホがなくても、道の駅などの要所でテレビ視聴できるようにもなっています。
面倒ではありますが、旅に出かけるなんてのは、こういうキッカケや動機が必要なもの。
近隣には聖地巡礼スポットも多数あり、温泉も豊富で山の幸のみならず北陸の海の幸も美味しく楽しめる好条件な立地。

訪れて損はありませんので、機会があれば是非お越しくださいませ(^_^)ノ

・・・と、地元興しに協力してみるw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
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