怪異で漫画原作なTVアニメ動画ランキング 5

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の怪異で漫画原作なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.9 1 怪異で漫画原作なアニメランキング1位
黄昏乙女×アムネジア(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1770)
9015人が棚に入れました
度重なる増築により迷路のように入り組んだ私立誠教学園。中等部一年の新谷貞一(にいやていいち)はある日、旧校舎で迷い偶然たどりついた部屋で、不思議な雰囲気を纏う少女・庚夕子(かのえゆうこ)と出会う。彼女は自分を“旧校舎の幽霊”だと言う。自分の過去を思い出せない夕子の為、貞一と夕子は「怪異調査部」を立ち上げ、この学園で語り継がれる数々の怪異を解き明かしていく。

声優・キャラクター
代永翼、原由実、福圓美里、喜多村英梨
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

萌えて笑えて見入って泣ける、ラブコメ・ミステリー・ホラー

原作未読。

主人公の新谷貞一(にいや ていいち)は、旧校舎の幽霊である「夕子(ゆうこ)さん」に遭遇する。
しかし、彼女は自分の死にまつわる記憶を無くしていた。
真相を明らかにするため、「怪異調査部」を設立することになる。
新たな部員も増え、さまざまな怪談の正体を突き止めつつも、彼女の死の真相へとせまっていく。


萌えて笑えて見入って泣ける、ラブコメ・ミステリー・ホラー。
色んな要素を詰め込んでいるのに破綻せず、高水準にまとまっている作品。


まず、メインヒロインの夕子さんの魅力がやばいです。
黒髪ロング長身で純真無垢な大和撫子、それでいながら大人の色気があって実にエロい。
そして、恋する乙女です。
見ていたら「さん」付けでしか呼べなくなります。

サブキャラクターたちも、ギャグ・シリアスともにイケる良キャラです。

* とにかく元気でまっすぐだけど、勘違いで暴走しがちな小此木(おこのぎ)さん
* クールでボーイッシュな美少女と思いきや、ヘタレな霧江(きりえ)さん

そんな魅力的な女の子に囲まれている貞一くんも、イヤミを感じさせないキャラです。
優しくておっとりしていて押しに弱いのに、やるときはやる。
何より一途で、ほんと好感が持てました。

むしろ全員ヒロイン。



作風としては、お色気を絡めたコメディが目立ちます。
下品ではないので見やすかったです。
ギャグは、言葉、動き、見た目など、さまざまな角度で飛ばしています。
「見られちゃった……私の体の一番深いところまで///」というセリフがひどい笑いに。
画面内にずーっと人体模型が映っている回のシュールさも凄まじかったです。


ですが、シリアスな部分はがっつりシリアス。
感情が揺さぶられます。

ギャグ→シリアスという流れは素早く自然に行われています。
気付いたら見入っています。

大げさだったり、ひねりのない内容だったりするのですが、演出と音楽がいいんですよね。
夕子さんの過去が明かされるときの演出はほんと面白い。
{netabare}
長時間に渡って映像が一人称視点というのは、独特で良かったですね。
閉じ込められてパニックになる演技も良かったなぁ。

……ところで、他人同士は、同じ体験を同じように感じられるんでしょうか?
人が「赤い」とか「痛い」とか感じたときの主観体験のことを「クオリア」といいます。
クオリアは本人にしか感知できないので、人がある感覚をどのように受けているか、他人が知ることは不可能です。
そもそも、クオリアはなぜ存在するのか、科学で解明できず、主に哲学で扱われる分野です。

また、人間の感覚とは映画を見ているのと同じで、自由意志が介在する余地がない、という説(随伴現象説)があります。
映画館のようなシーンも出てきましたし、こういった哲学分野の話を意識をしているのかもしれませんね。
{/netabare}


そして、シリアスなシーンから、ラストの感動シーンへ。
マジ泣く……。
話の予想は付くのですが、演出と音楽でぐぐっと持って行かれるんです。
{netabare}
夕子さんが最後に戻ってきたのは賛否両論あると思います。
戻ってこなかったら重いですがインパクト大。
戻ってきたらご都合主義ながら後味が良い。
しかし、アフターエピソードが見れたし、キスが未練で取り憑かれたなんてロマンチックだったのでおkです。
{/netabare}


作画は良いわけではないです。
しかし、色使いが独特です。
例えば、夜のシーン。
普通窓の外の景色は、濃い青か、月の光の黄色。
ところが、この作品では、「赤・青・紫・緑・黄色」と、雰囲気に合わせて色を変えます。

画面のカットと組み合わせて、

* 白の背景に黒の影で「孤独」
* 白と黒のしましま模様で「迷い」
* 無色で「望まない世界」

など、画面全体を使って感情を表現しているのが特徴です。
シャフト風味。

ということで作画の割に視覚効果が高いです。


音楽は文句なし、というか素晴らしい。
OPの「CHOIR JAIL」はかっこよくて耳に残るよなぁ。


どの要素もレベルが高く、12話できれいに収まっており、とても満足できました。
1クールものではトップクラスにお気に入りの作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 101

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

乙女の幽霊と共に、忘れてしまった彼女の死の真相を探る

学園が舞台のホラー・ミステリー・恋愛ものです。

ホラーものは苦手なので、
最初は選んだことを後悔しましたが、

エピソードを見進めていくにつれて、
最後には好きになれた作品でした。

本気のホラーじゃないけど、
画面は全体的に暗いし、ホラーな雰囲気は満載です。

舞台が古い学校というのがね、
もう背景的に怖いのです。笑

全12話です。
(+未放送1話ありますが、そちらは未視聴です。)


● ストーリー
学園に噂される怪談。

この学校には夕子(ゆうこ)さんという幽霊がいる。
この学園で亡くなったという女生徒が幽霊として現れるのだとか。

新谷貞一(にいや ていいち)は噂されている幽霊本人である庚夕子(かのえ ゆうこ)と出会ってから、つきまとわれることに。

学校の地下室には夕子さんの死体がある。
怪異調査部として、夕子さんの死の真相を探る。


今は使われていない旧校舎。
その地下室に眠る夕子さんの死体。

しかし、幽霊となった夕子さんは自分の死の真相が思い出せない。

そこで、貞一に協力してもらって、
怪異調査部として死の真相を調べてもらうことにするというお話。

夕子さん自体は明るくて美人でスタイル良し、
周りから認識されないことを除けば、普通の女の子です。

メインの舞台となる旧校舎が不気味で、
そこがホラーなんですよね。

怪異調査部として、
学校で噂される様々な怪談を調べていくのですが、
真相は大したものではありません。

実際の怪談だってそうだろうから、むしろ大したことなくてよかったという安堵の方が個人的には大きかったです。笑


この作品の核となるエピソードは10話から。
ここからがこの作品の本体ともいえるエピソードでした。

夕子さんの死の真相は、
ホラーというよりミステリーの部類。

幽霊より人間の方がよっぽど怖いよね…。

貞一くんの存在に救われていく夕子さんが可愛かったです。

10話以降を見て、
この作品が人気な理由もよくわかったし、
私自身も面白かったと思えました。


● キャラクター
登場する人数は少ないですが、
個々がしっかり個性を持っているので物足りないとは感じませんでした。

夕子さんは、幽霊。

美人で、スタイルもよくて、明るくて。

最初は貞一につきまといすぎで、
うっとうしくないかな?と思いましたが、

当の本人は幸せだったみたいで、
じゃあいいや。笑

色仕掛けしたりラッキースケベだったり、
毎回えっちな描写があるのはお約束。


貞一くんは中学1年生の男の子。

幽霊とはいえ、美人でスタイルのいいお姉さんにアプローチされたら、
そりゃまあコロッといっちゃいますよね。笑

純真で優しい心の持ち主です。
中1とは思えない懐の深い人物です。

夕子さんへの気持ちが彼を強くしていきました^^


他、怪異調査部のメンバーとして、小此木ももえ(おこのぎ ももえ)、庚霧江(かのえ きりえ)の2人が登場します。

小此木ちゃんはムードメーカーな怪談大好き少女。
この子の行動力の源は最後までよくわからなかったけど、
単純に怪談が好きなだけということだよね?

暴走して話を広げてくれるので、
作品には欠かせない子でした。


霧江さんはクールを装っているけど実は怖がりな一面のギャップが可愛すぎました^^


● 音楽
【 OP「CHOIR JAIL」/ 鈴木このみ 】

鈴木このみさんのデビューシングル。

ホラーな雰囲気を感じる曲調で、
この作品にぴったりです。


【 ED「カランドリエ」/ 奥井亜紀 】

黄昏時によく似合う曲。
怪しげなメロディーが旧校舎の不気味さともマッチしています。

夕子さんが歌うバージョンもよかったです♪


● まとめ
きれいにまとまっていて、
良い作品でした^^

夕子さんの死の謎と、
二人のいちゃいちゃがこの作品の本体です。笑

ホラーな雰囲気をまとったミステリー&ラブコメは、
この作品ならではの空気感でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夕子さん美人すぎっっ 幽霊が全員こんなんだったら、私も今すぐ死んで幽霊になって合いたい!!(死にたくないけど)

ストーリー

主人公の新谷貞一が通う私立誠教学園は創立60年に誇る伝統的な学園でした。その学園は市街地を見下ろすように小高い丘の上に建てられていて、夕方になるとかなり美しい夕日が見えます。けれど、この学園には奇妙な噂がありました。そう。それは旧校舎に幽霊がでると。その幽霊は旧校舎にとらわれているっと言われる夕子っと呼ばれる幽霊だそうです。

ある日、貞一が旧校舎のある部屋に入りましたら、そこにいたのはある長いストレート綺麗な髪を持った少女でした。そう。その少女こそが噂の夕子だったのであった。

私の感想。

いやー しかし、こんなに笑えて、そして、こんなに感動的なストーリーになるとは思いもよらなかったぜ~ すごすぎるぜ~ 私はずっとこの作品はホラー系か、グロ系になると思っていたのにこんなに充実したストーリーと感動的なエピソードがあるなんて思いもよらなかったぜ~すごいすごい。馬鹿になんてしていませんよ!! ただ驚いただけです。 

でも、こんなに主人公が持てるとは思わなかったですね~はじめは。はじめはただの痛い人かと思ったら、こんなにもてるなんて誰が想像するかって感じですよ。 まあ、若干途中からきずき始めましたがww でもまあ、こんなにもてるとは私も思いよらないですよ~ まあ、そのほうが私にとっておもしろいですから好きですけど。貞一のこれからが気になりますね~ 誰を選ぶかがww

しかし、幽霊がこんなに美人だと知ったら私も見てみたいですね~ 超美人の幽霊。まあ、幽霊らしい物は過去に見た事があるんですがね~ 光だけだったので、正直姿がまったく分かりませんでした。私が思うにたぶんあれは女性ではなかったような気がしますが。あ~気になる。

ここまできて、私が書いてきた事あまりこの作品に関係ありませんねww 

まあ、正直この作品の事を話したら結構ネタバレになってしまうのであまり言う事はないんですよ。いいやでしょ? レビューを読んだらネタバレが豊富でこの作品のおもしろさが半減しちゃうって。だから、あえてあまり関係ない事でお茶を濁しているんだよ。(あれ?濁すだっけ? 薄めるだっけ?)

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品は先ほど私の感想。の所で述べたようにこの作品はホラー系やグロ系ではありません。なので、そういうのがかなり苦手だって言う人にもかなりお勧めできる作品です。

そして、ラブコメが好きっと言う人にもお勧めです。笑いあり、ささやかな恋もあり、最高です。ストーリーもかなり充実していますし。まず見てください。

オープニング

「CHOIR JAIL」
おいおいおいおい このオープニングかなりレベル高いんじゃねぇのか?すごすぎるンじゃね~のか? ってかすげ~な おい!

ってつい初めて見た時口にしてしまいました。
かなり曲がいいです。ってかすごくいいです。カラオケでは絶対歌えないと私は思いますが、かなりいい曲です。良い曲すぎて感動してしまいます。もう、「ええの~」ではなく「マジで! やばくねぇ これ」って感じです。(言っている意味わからねぇな)正直このオープニング大好きです。

エンディング

「カランドリエ」
オープニングが強すぎたのか、分かりませんが、エンディングはそれほどではありませn。けれど曲自体はかなりいいと私は思います。でも画像はもう少し工夫をしてほしい意です。まあ、オープニングには負けますがww

「カランドリエ -夕子-」
いや~ いいですの~

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

80.2 2 怪異で漫画原作なアニメランキング2位
どろろ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (529)
2180人が棚に入れました
時は戦国時代、武⼠の醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、⽣まれて来るわが⼦の体を⻤神に与えてしまう。そうして⽣まれた⼦供は、命以外すべての⾝体を奪われており、川に流され捨てられてしまう。時は流れ、戦の世を旅する少年・百⻤丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた⾚ん坊の、成⻑した姿であった…。

声優・キャラクター
鈴木拡樹、鈴木梨央、佐々木睦、内田直哉、千葉翔也、大塚明夫、中村千絵、麦人
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

何故に今頃リメイクか分からないけど、とにかくホゲホゲタラタラホゲタラポン!(ひょっとして作品登場後、半世紀記念?)

2019.01.23 初見印象◎

東京オリンピックも終わった翌年の1965年(昭和40年)以降、水木しげる御大の「墓場鬼太郎」が「ゲゲゲの鬼太郎」に改題連載され、人に害をなす妖怪を退治する鬼太郎のブームがジワジワ浸透してきた頃、
戦後コミック・アニメの先駆者&神様と言われつつも同業漫画家の才能に何かと嫉妬深い手塚先生。(楳図かずお先生や石ノ森章太郎先生とか、他にも色々の方々に対しても)
「ボクにだってね、コレぐらいの事はやれるんですよ!」と対抗して生み出されたのが『どろろ』ではなかろうかという『噂』も最近では囁かれてます。(あくまで『噂』です)
そして1967年(昭和42年)、少年サンデーにて漫画「どろろ」連載開始。でも暗いストーリーに不評だったらしいです。 ああ、あれから半世紀。(ホント、50年も経ったんだ!)
言わずと知れた手塚先生の異色作で、何かと主人公を逆境に追い込み追い詰め、どん底から這い上がる「生命力の強さ・尊さ・美しさ」を謳(うた)う『手塚テイスト』作品の一つ。(ホント手塚漫画って作品により読んでて何度心が折れそうになったやら)。

・1969年(昭和44年)には白黒アニメ。劇中の男性コーラス(「ん~ん~ん~ん~・・・」っていう暗いコーラスのアレ)も相まって、子供向けTV漫画(アニメ)なのに「物凄く暗い」仕上がりでやや不評。
・2004年(平成16年)のプレステ2では「無限の住人」の沙村広明先生がキャラデザしたゲームが出たり、
・2007年(平成19年)には妻夫木くん主演の実写映画になったり、
・2000年以降から、たま~に舞台演劇にもなったり、
・成長した「どろろ」が「ドロロンえん魔くん」と一緒に「百鬼丸」を探す旅をする永井先生の漫画が出たり、
未だ何かしら『尾を引く』作品。(白黒アニメは一応完結した〆方にしたものの原作漫画や映画は未完で終わっており、何かしらモヤモヤした感じが作品にふれた人それぞれの妄想を掻き立てるのでしょうか?)

そんな「どろろ」が2019年1月から放送。アニメーション制作は「MAPPA」と「手塚プロダクション」。製作は「ツインエンジン」と『質』が高そうです。
リメイクにあたって色々改変(改正)&ディティール設定なんかもあり、原作で不明瞭だったところが付加したストーリーで描かれて見応えありそうですネ。

身体部位を奪った妖怪を倒して取り戻す百鬼丸の物語ですが、勧善懲悪色がやや濃いめの鬼太郎と違い「人の業」の深さを描いているので今回も暗そうです。

三話まで見て、{netabare}
・原作と違い今回の百鬼丸は、序盤「会話に近い意思疎通(テレパス)」が出来ず「魂の色」を感じて敵味方を判別することしかできないので、声も出せずコミュニケーションはかなり不憫。少しづつ『人の心』を創り出すような今後の成長が注目。
・原作ではゲスト扱いだった盲目の琵琶法師で居合いも嗜む琵琶丸が準レギュラー?でもスートリー進行を助けるような役回りは好感。
・原作で百鬼丸が恋した(愛した)戦災孤児の世話をしている未央(みお)。OPやPVで意味ありげに出てるので彼女の登場に見る前から心が痛みます。(若い頃、原作読んだ時に軽いトラウマになったもんです)
・百鬼丸の育ての父・寿海が何故『侍』を辞めて医者になったかというエピソードが熱い!しかもCVは医者だけにブラック・ジャック(大塚明夫)と何か嬉しい。(笑)
・残酷な戦乱描写もさることながら、戦災で手足を無くした子供の描写もあり、今回何故「地上波放送」されないのか納得。(暇な「クレーマー趣味」の輩を煽らない対応策?)
・百鬼丸の両腕の仕込み刀。長さが収まりきらないのか、肘からハミ出ている感じがちょっとリアルで面白い。
などなど。{/netabare}
「ヘタな仕事」はしたくない意気込みが感じられるますし今後も期待出来そうです。

幼少時は子供特有の憧憬で仕込み刀の百鬼丸がカッコよく見えたもんですが、年を経た今では生まれながらに親の業を背負い、身体部位が戻る度に激痛でのたうち回り、そうまでして「人」になろうとする姿を見ていると色んな意味で心苦しいです。

さて、
・PVにも出てた「妖刀・似蛭(ニヒルって・・・)」にとり憑かれ、凶剣鬼となった仁木田之介(にき たのすけ)と百鬼丸との対決。
・「どろろ」は何故{netabare}女の子なのに「男の子(生意気なクソガキ)」のフリ{/netabare}をしなければならなったのか?(大体皆さんご存知でしょう?)
・どろろの両親、盗賊集団の頭だった火袋(ひぶくろ:手塚スターシステムのブーン)とその妻・お自夜(おじや)の末路。
・OPにも出てた盗賊集団の裏切り者・イタチ(手塚スターシステムのハム・エッグ)の策謀(野望)。
・実の兄弟と知らずに邂逅、そして敵対してしまう百鬼丸と弟・多宝丸(たほうまる:蟹頭)の行く末。
・因縁の実父・醍醐景光(だいごかげみつ)と実母・縫の方(ぬいのかた)と百鬼丸の運命は?
・百鬼丸は果たして『人』に成ることが出来るのか?(何か「ダーク・ピノキオ」みたいに思えてきた)

と、色々ドラマイベントはありますが、どんな風に味付け調理した仕上がりになるか今後も楽しみです。



2019.07.15
【感想あにこれ・・・じゃなかった。あれこれ】
現代風解釈と創意工夫を盛り込んで良作の部類であったと思います。自分は満足です。 ただ、キャラたちの「物分かりが良過ぎる」展開がチョット不自然すぎたように思えます。なので予想して身構える程『鬱』な感じはしなかったです。

自分で言っててなんですが「ピノキオ」的ファクターも少しありましたね。
百鬼丸→ピノキオ
どろろ→コオロギの幽霊・ジミニイ(ジェミニ)
寿海→ゼペット爺さん
{netabare}
[百鬼丸]
これまでの百鬼丸と違い、「ニヒルで物憂げで危ないお兄ちゃん」ではなく「本能に生きる無垢なモノ」というようなキャラ設定。当初は声も出せず、声を取り戻しても「言葉」を知らないのでカタコトで少ししか話せないまどろっこしさが「リアル」でイイ。
対人、対物の識別を『魂の色』で感じるというアイデアはよかったですネ。敵意あるモノに対しては視聴者側にも解るように小さな「赤い炎の数」で判るという、まさに『人間ドミネーター(サイコパスガ規定値ヲ超エテイマス。執行対象デス)』(笑) 人体欠損部位も48カ所から12カ所に変更されてるのも何となく納得いく設定(そら、48カ所もなかったら生きてられないって!)。
様々な経験で取り戻していく「体」、育まれていく「心」。本来あるべき「人」になっていく百鬼丸。しかし最後の試練は・・・鬼気的なもので、一歩間違えれば「闇堕ち」でした。
声は2019年の舞台版・百鬼丸と同じ鈴木拡樹さん。セリフ殆ど無いですが悪くはないです。

[どろろ]
もう大体ネタバレされてる様に「女の子」です。父母を死に追いやった「侍社会」を憎み、無鉄砲・啖呵と威勢だけは一人前で天涯孤独。女々しさで生きられるほど世間は甘くなく、男装で悪業(コソ泥稼業)をしてまで生き抜こうとするバイタリティー。原作では「バカなクソガキ」でしたが、今回は小さいながらも百鬼丸を気遣う母性(女性?)的な面や、社会体制(民百姓の暮らしなど)を真剣に想い悩み考える「賢さ」がステキ!
声は鈴木梨央さん。本業は子役からの俳優・タレント業ですが、それほど悪くはなく良かったと思います。「下手クソなのに無理くり入れたアイドル」よりは!「滑舌悪いのに採用されるタレント」よりはっっ!!!(笑)

[寿海・琵琶丸]
かつては武士だった寿海。戦さ(殺傷)に無常を感じ、武士を辞めて大陸(朝鮮か中国?)に渡航して医術を学び、「白」一族からはからくり人形の技術を習得。(ココは嘘です。でも時代的に白銀・金兄弟が西欧目指したのもこの時期かも。)(笑)
帰国後は戦場で「かたわ(身体を切り落とされた)」の遺体に義手義足を取り付け五体満足の「人の姿」にして供養したり。戦傷で無くした手足を義手義足で補う治療医師を行い戦没者に対しての贖罪のような生活・・・う~ん、業が深いような・・・
原作では、この頃の医術って「薬湯」が主流なのに対し、寿海は「外科」をを行う「異端医師」なので、人里離れたところに居を構えてたんだけどね。

気がついたら何故かいる琵琶丸。困った時に現れる琵琶丸。出てくる度に禅問答みたいな「道」を示す名バイプレーヤー。(笑) 全盲なので視界が百鬼丸と「同じ」というのも面白い。

[未央]
「相愛同士は結ばれず、悲運を乗り越えてこそ人間賛歌」という手塚トラウマの一つ。(苦笑) 幼少時、原作読んでび未央が百鬼丸に「汚れた女」という告白の意味が良くわからなかったのですが、大人になって察しがつき、今回気を引き締めてみましたが・・・やはり辛かった~~。(泣)
劇中歌「赤い花白い花」は昭和童謡なので作品(時代的)に合っていたかたというと・・・私個人としては△デス。

醍醐家の人々
[醍醐景光]
原作では野心の強い憎たらしい「外道暴君」でした。今回は領地の君主としてやや人間味ある感じに思えます。作中寡黙なシーンになると、ヤってしまった事(生まれたばかりの息子を鬼神に貢いだ)への後悔やら、贖罪やら、無かった事にしようと払拭する思いやらが、普段の固い表情からジワジワ伝わってきそうでした。毎度作品によってオチが違う景光。今回は・・・コレでもアリかなと思います。

[縫の方]
悲しい程典型的な普通の女(ひと)。身を痛めて産んだ我が子が人の姿をしてなくても慈しみ、しかし家長・景光の命で泣く泣く手放した事への後悔と懺悔。
運命の再開で叫んだセリフ。「百鬼丸!許してください!わたくしは・・・わたくしは!・・・そなたを・・・救えませぬ!」。コレは心底身につまされる思いです。それでもなお、「母」の愛は強かった(?) 終盤は結構立ち回ってくれました。

[多宝丸]
どろろに次いで準々主役。原作では武家社会にふんぞり返った憎らしい若き暴君でしたが、真っ当に次期・醍醐家当主になるべく日々研鑽し、国(領地)と領民を思い、歳の近い戦災孤児・陸奥、兵庫の姉弟を幼少時から従者に付けて人間味ある若様ぶりに成長してきました。が、ただ気になるのは頑張っても母・縫の方が自分を気にかけてくれないこと。その原因となる百鬼丸が現れると・・・兄が居たことに嬉しかったのもつかの間、
・百鬼丸が鬼神を倒して体を取り戻す度に醍醐の土地は疲弊していく。
・母の憂いの原因は実兄・百鬼丸への愛のみにあった。
という事実に、
・領主としての使命感20%
・母の愛を独り占めされてるような嫉妬感80%
ぐらいの比率(笑)で執拗に百鬼丸と対立。いろいろガンバッたんだけど・・・ものすごく不憫で可哀想な役まわりでした。

でも城下町でお団子喰ったら、ちゃんと銭は払おうね。(笑)

[オリジナル・エピソード]
幾話かアニオリがありましたが、
第七話「絡新婦」
女性型人外と若者(男)のなれそめ話ってケッコウ好き!

第十九話「天邪鬼」
終盤間際なのに、イキナリの手塚ギャグ・テイストの投入!ヒョウタンツギにスパイダー(オムカエデゴンス)まで出てくるとは!!(笑)
{/netabare}
厳密にツッコめば甘々なトコロも多少ありますが、リメイク物として設定や時代考証など割と丁寧に作り込んでた部類だったと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

This is Japanimation

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
日本で、近年に制作されたアニメの中で、「外国人にオススメしたいアニメ」と言われたら、本作を勧めます。

それは、「最近のアニメで一番面白い」というのではなく、「外国人が喜びそう」という観点です(やや安易ですが)。

例えば私は、食べ物の中でラーメンが一番好きで、日本のラーメンはもはや日本食と言って良いレベルに昇華されているとは思うものの、やはり、「外国人にいきなりラーメン屋を勧めるか」といえば、その勇気はなく。もっとベーシックな和食(の中で旨い店)を勧めるでしょう。

そないな感じです。

作画は、ディズニーやピクサーのようなポップさや、ジブリのような幻想的な美しさがあるわけではありません。が、日本のアニメ独特の格好良さがありました。世界観など、やはり外国人にウケるものに感じます。

原作漫画は、多分大昔(小学校低学年の時)に1度読んでいるはずですが、内容はほぼ忘れています。薄い記憶頼りですが、多分、アニメ化にあたり、かなり簡略化し、現代風にしているように思います。この辺は、賛否あるでしょうね(私はまた別物として楽しめました)。

もし、視聴のポイントを言うなら、「部屋を暗くして近づいて観てね」ですかねw(画面をいっぱいに感じてほしい)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「人になることは、人として生きることは、不幸なことなのか?」

そんな問題提起を感じました。

百鬼丸が体を取り戻す瞬間に、初めて得た感覚は大抵、「苦痛」であった。感覚が戻れば、切られた痛み。聴覚が戻れば、雨音に啜り泣きの声。嗅覚が戻れば、硫黄の悪臭。両手が戻れば、血に濡れた武器を持つ。

それでも、それでも百鬼丸は、自身の体を取り戻そうとする。それは、利便性や復讐などではなく、もはや、「性(さが)」。本人にも分からない、どうにもコントロールできない、「熱いなにか」が、百鬼丸を突き動かしていた。

それは、生物として根元的な、「生きる」という意志。最後に目(全身)を取り戻した時、見たものは、母の姿に夕景に、どろろ。全て、美しいものだった。わずかな、救い。

そういう意味では、圧倒的なまでの、「生命讃歌」だった。

原作をちゃんと読んでいないので、手塚先生がこの作品に何を込めたかは分からない。でも、アニメを観た限り、そう感じた。

他にも、考えるべき事柄は多過ぎて、1回観た程度ではまとめきれない。

例えば母親。多宝丸の件に関しては、明らかに母親の愛情不足なのだが、もしかして、百鬼丸は「愛した男の子供」であり、多宝丸は「もはや愛していない男の子供」なのかな? だとしたら、母親もだいぶ、業が深い。

例えば、多宝丸。彼はたくさんの「宝」を持っていたが、最も大切な「愛」をもっていなかった。それは不幸ではあるが、百鬼丸からすれば、また一般の庶民からすれば、「金持ちの無いものねだり」にも感じられる。結局、人間とは、どこまでいっても「足りない」ものなのだろうか。だとしたら、業が深い。

他にも、イタチの死に様、というより生き様は、たんなる悪役と切り捨てられ無いだけの印象を残してくれた。善人も悪行を成すし、悪人も善行を成す。そんな人間の矛盾を感じさせてくれた。

みよ姉も、たんなるゲストキャラとは言えないだけの印象を残してくれた。最後まで汚れずに死んだお自夜(どろろの母)も立派だし、汚れながらも生きようとしたみよも立派だった。この辺は、簡単に良し悪しで語れるものではないだろう。

この色々と五月蝿いご時世に、よくこの原作をアニメ化したなと、感心。勿論、身体に障害を抱えた方にとっては、心が痛む内容であり、許せない部分も多分にあるのではないかと心配する。でも、やはり「表現する」という部分において、力がある原作であることは間違いなく、清濁併せ飲む覚悟で、後世に残すべき作品だろうと思った。

まあ、「人として生きる上で追求すべき普遍的なテーマ」ならまだしも、「アニメ」という「娯楽」において、あまりに「尖った主張」をすること自体は、好きじゃないんだけどさ。
{/netabare}

【余談~ 作品における原作者の影響 ~】
{netabare}
以前、私の大好きな小説家が覚醒剤で逮捕された。そして、本屋から彼の本が消えた。

勿論、覚醒剤は悪いことだ。覚醒剤をやった彼も悪い。きちんと罪を償うべきで、いくらファンだからといって、擁護する気は1㎜もない。

でも、彼の生み出してきた作品に罪があるかと言われたら、私は「ない」と思っている。

勿論、「クソみたいな彼が書いた本はクソだから読みたくない」と思うのも、自由。本屋も商売だから、彼の本を置かないのも、自由。

でも、それ言い始めたら、芥川や太宰の本なんか1冊も置けないでしょ。なんで、芥川や太宰は許されて、彼は許されないんだろうか?

それは勿論、「格」が違うから。

芥川や太宰なんかは、なんていうかもう、「絶対的な是」なんだろうね、国民の中で。芥川や太宰は、もう、「芥川龍之介」や「太宰治」という「存在、ジャンル」であり、「人」としての枠組、常識に当てはめる必要もない。

であるならば、同じように、「手塚治虫」もまた、「絶対的な是」と言える格があるだろう。だからこそ、このような「問題作」もスルーされる。

私が何を言いたいかと言うと、「それで良い」ということ。

芥川や太宰の小説も、手塚治虫の漫画も、全てが道徳的というわけではない。中には、差別的なもの、犯罪まがいのものもあるだろう。でも、それを「臭いものに蓋をする」ように、全てを「無かったこと」にするのが正しいとは、どうにも思えない。

小さい子に読んで聞かせる絵本や童話を、全て「良い話」にするより、「恐い話」や「悲しい話」を混ぜた方が、豊かな情操が育まれるとも聞く。保育園の角という角の全てに柔らかいスポンジを取り付ければ、確かに保育園では怪我はしないが、無闇に走ると痛い思いをするという学びは得られなくなる(勿論、それで死んでしまったら最悪だし、幼い内から汚いモノに触れすぎ、他人を平気で傷付けるようになってもいけない。この辺のバランスは難しいところではあるのだが)。

話を初めに戻すと、私は、芥川の作品も太宰の作品も手塚治虫の作品も、もっといえば、過ちを犯したの彼の作品も、生み出されたモノ(作品)は出来る限り後世に残すべき、伝えていくべきだと思っているということ。

あくまで、フィクションはフィクション。それ自体に人を傷付ける力はない。

人を傷付けるとしたら、そういうものに影響された、人だ。常に。

それが毒なのか薬なのか、それは個人が、あるいは後世の人が判断すれば良い。私たちは、正しく取捨選択するだけの価値観や倫理観、知性を磨けば、それで良い。かめはめ波で人は殺せるが、かめはめ波を実際に撃とうと思う、人を殺そうと思うバカを育てなければ、それで良い。

どろろ のアニメ1作目は、「大人の事情」により、ほとんど再放送されないと聞いた。そんな「問題作」を、これほど高いクオリティで再アニメ化した制作陣に、拍手を送りたい。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
スタートからいきなり深いな。仏への疑心が生まれる前に死ねるのが救い、って、もう疑心は生まれているわけね。

戦闘シーンは、よく動くな~。

前期のグリッドマンでも感じたが、やはり、「ガチの熱量」で作るアニメは、面白い。

2話目 ☆3
焼き魚に驚く、つまり、命が見える。魂の色。話の筋としてはよくある話。自らの身体を取り戻す話。

3話目 ☆4
かなりグロいんだけど、なぜだろう、グロさを感じないのは。古典的な話しがきっちりハマってるんだよな。まあ、そもそも古いんだけど。大陸で学んだという設定がな、オーバーテクノロジーだよな。二組の親子の対比。

化け物が人の器官や感覚を欲しがる理由。痛覚戻りは、この段階では不利だろうな。

4話目 ☆4
聴覚を取り戻し、最初に聞いたのが、雨音と啜り泣きか。

5話目 ☆4
みよ姉、川でナニを新って洗っていたか、だよな。身体を売っていても、魂は綺麗なんだな。歌も美しい。みよ姉、死亡フラグだよな~。得るものがあれば、失うものもある。

6話目 ☆5
痣? 性病? 田んぼを持つのが、夢、か。死んでも身体を売らなかったおっ母ちゃんも偉いけど、身体を売ってまでも生きるみよ姉も同じくらい偉い。

足、戻るもんなの?

心は取り戻したの? それとも元からあって、身体を取り戻したことで復活したの?

性善説、性悪説、そんなところかな?

7話目 ☆4
愛を知り、魂が浄化されるアヤカシ。ますます、性悪説だな。最後の蜘蛛といい、一話目の羅生門感といい、このへんは芥川オマージュなのかな?

8話目 ☆3
なんか前向き過ぎるが、サルは、死というものを身近に感じてきてたかな? と思わせての、夜泣き。緩急が上手い。初めて人間の感覚が役に立ったな。ただ、あの高さから落ちたら死ぬよね。初めてかいだ臭いが硫黄、悪臭か。

9話目 ☆4
どろろの過去。母の強さ。餓死、か。厳しいな。なぜか、ラブコメの波動が(笑)

10話目 ☆4
多宝丸、お坊ちゃんだけど、なかなか優秀。

11話目 ☆4
百鬼丸も、赤くなる。生きていくことは、汚れていくこと。

12話目 ☆4
確かに、言い分としては、分かるんだよな。因果だね~。

13話目 ☆3
新OPも格好良いね。EDは一期の方が好き。 背中に地図。ストーリーが動くかな?

14話目 ☆4
金があれば、余裕ができ、未来を考えられる。その通りだな。

15話目 ☆4
平和な村の様子は、コミカルで、どこか浮世離れしている。作り物の世界のよう。妖怪か、神か。背骨が戻ったか。

16話目☆4
イタチのキャラは、なんだか難しいな。基本的に悪役だが、それだけでもなく。正直、というところかな。

17話目 ☆4
狼狽するどろろ。いよいよ、真実に近づく?

18話目 ☆5
イタチの生きざま、死にざま。良し悪しではなく、ひとつの真実。敵キャラとして、かなり記憶に残るキャラとなった。

19話目 ☆4
珍しい、コメディタッチ。オチまで含めて、素敵な話だったな。こんなんも、箸休めには良いな。

20話目☆3
作画力、落ちてきたな~。

21話目☆4
シリアス、シリアス。らしくはなってきた。

22話目☆4
魔神の力に手を出したらね。壮絶な最後。執着。人とはなんだ? おいらが、手足になる、目になる、だから鬼になるな。母親がな、多宝丸に愛情を注がなかったから、こうなる。でも、もしかして百鬼丸は、「愛した男の子供」であり、多宝丸は、「もはや愛していない男の子供」なのかな? だとしたら、母親もだいぶ、業が深い。あってもなくても、足りない。思えば、鬼神も人間になりたかっただけ。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

成長の在処

*微修正



手塚治虫のマンガ『どろろ』の再アニメ化。

1969年の白黒アニメのリメイクではないが、それでもあの主題歌はどこかで挿入して欲しかった気がする。
「主題」を歌うものとしてのTVアニメ「主題歌」の傑作の一つと思うのだが、動画サイトあたりで試聴できるかもしれないので見かけたら聴いてみてほしい。


末法を思わせる、戦国の地獄のような世界であがく子供と若者の物語。

手塚のマンガには「戦争」や「戦場」が無数に描かれるが、例外なく「人間の人為的な行為」として、「責任者」や「実行者」が設定されている。
「戦争」は、「責任者」が「実行者」に命じて行わせている「行為」であって、降ってわいてくる「現象」ではない。

おそらく自伝マンガでも描かれているように、戦時中の軍需工場の勤労動員の経験から来ているのだろう。
手塚にとって「戦争」そのものである理不尽な「命令」は、眼前にいる顔のある「担当者」が、頂点の「戦争責任者」が組織した機構に沿って順繰りに「人の手によって」手渡されてきた、行動の「連鎖」として捉えられている。
「命令」と、手渡す「実行」を行う行為との合体として。

それは、仏教の末世を思わせる『どろろ』の戦国世界でも変わらない。
これは宗教的な「地獄」ではない。
「サムライ」が引き起こしている「戦」による結果なのだ。
大将が「戦」を決断し、足軽が実行することによって初めて現出する、「人の」世界。

こうした手塚マンガの視点は、69年の初アニメと同様、本作へも引き継がれている。

農民や職工などの「常民」からは理不尽な「地獄」のように見えている「この世」は、戦を望む「サムライ」の意思決定から生じる「人為」であることを、半ば「この世」からはみ出す「怪異に取り付かれた若者」と、棄民として「常民」から排除された「何ものでもない子供」の視線が暴き立ててゆく。

主演の二人は専業の声優ではないようだが、周囲の声優の演技から少し浮いた感じが、「常民」から遊離して「この世」から半分浮上したキャラの距離感とよくマッチしている。


{netabare}しかし、21世紀アニメの本作では、怪異に取りつかれた若者が肉体や感覚を取り戻す過程は、若者が「世界」を「知っていく」過程として描かれ、奪われた「自身」を「取り戻して」いく完成した「大人」として最初から登場した原作や前作とは対照的だ。

確かに現代的な視点ではあるとは思うものの、まるで赤ん坊が「成長」する過程とダブらせるような展開のさせ方は、やがては物語を破綻させるのではないかという不吉な予感を感じさせてもいた。


アニメの視聴に際して、「成長」に対して、つい身構えてしまうような警戒心を抱いてしまうのは、「成長」というタームは無前提に特定の価値観を肯定する場合が多いからだ。

事象は様々に変化するものだが、「成長」は、特定の価値観のフレームを通して見たとき、肯定的=「良い」とされる変化に対して使われる「評価」だ。

咲き誇る花に「価値」を見るフレームからは、花を咲かせるまでが「成長」と呼ばれ、しおれる様は「老化」という事になる。
種子を実らせることに「価値」を見るならば、しおれて枯れ落ちる花弁は「成長」途上になるだろう。

逆に言えば、ある変化の過程を「成長」と呼ぶことは、背後の価値観を「肯定」しているということだ。
ある変化を「成長」=「正しい」変化と受け入れてしまえば、自動的に評価基準であるその「価値観」が正しいと受け入れることになる。

違う言葉で言えば、「成長」という言葉を使えば、背後の価値観の是非を問われることを避けられる。
何処の職場にもいる、二言目には「成長」や「進化」という言葉で説教する上司は、その時々で自分に都合のよいものを「正しい」と押し付けられるから、こうした言葉を振り回し続ける。

現実世界の子供の「成長」のように、ある程度、成長を定義する価値観の共有がなされているならばいい。

が、まったくのフィクション、それも怪異や異能が登場するような架空「世界」で、世界観やストーリーラインの価値観を説得的に構築しないまま「成長」を振りかざすと、異なる文脈上での「成長」=価値観が混乱して、意味不明かご都合主義の印象にしかつながらない。

本作ではどうだろう。
赤ん坊に類比的な、社会の構成員として周囲と調和的に生きるすべを身に着けていく「成長」的価値観と、「奪われた」ものを回復していく「奪還」の価値観には接点がない。
いや、「周囲との調和」と「奪還」は、両立が不可能な対立項とさえいえる。

終幕で、難民化した「常民」たちが、生活を脅かす「怪異」の根本は、青年が鬼神から自らを「奪還」する結果ではないかと推量する場面は、この対立項の「対立」性が、物語の表面上に浮上してきた瞬間でもあるだろう。


ここで現代人である視聴者が誤解、あるいは見落としがちなのは、サムライ=「領主」は領民の「代表」として領地を治める「義務」を果たしているのではない、という点だ。
「領主」はその国における唯一の「主権者」であり、領地も領民も、一切の(政治的)権利を持たない領主の所有物に過ぎない。
形式の上では領主の奥方も子供も「所有物」であって主権者などではない。ましてや「領民」は言うまでもない。

だからこそ、国の為といいながら、犠牲に捧げるのは自分という「主権者」ではなく、子供という「所有物」なのだ。
「領地=所有物」と「子供=所有物」の交換であって、主権者という特権的な位置から見比べて手持ちのモノの価値を計量したに過ぎない。

国を「治める」行為の一切は、いわば所有物の手入れであって、「奉仕」や「施し」のごとく語るのは厚顔無恥の度が過ぎるというものだ。

旧作の白黒アニメの主題歌が使われないかと期待したのは、あの主題歌が、正にこうしたサムライの自讃じみたタテマエが、ただの宣伝文句に過ぎない欺瞞であるとハッキリと歌詞として言語化したものだったからだ。

領民を「保護」=育成することは、「所有」=管理を言い換えただけのことで、「サムライ」の善意でもなければ義務でもない。
サムライに護って「もらって」いるかのような領民の日常感覚は錯誤に過ぎないことを、この場面での主人公の「アジテーション」は暴き立て、生贄=「所有物」である青年を、領民=「所有物」が犠牲にしようとする倒錯と欺瞞を糾弾する。

サムライの所有物として存在する「領民」であることを捨て、自身が自身を支配する新しい「この世」を提示する「アジテーション」は、こうして「成長」と「奪還」の対立による物語の空中分解を阻止するとともに、阻止自体が、そもそも青年の「変化」には「成長」を重ねる「価値観」など含まれていなかったのだと証明するものでもある。

そう、作中に頻繁に登場する手足を失った人間たちは、手足を失ってもなお「人間」だ。
手足を喪失したからと言って、「人間」以外の(以下の)ものになるわけではない。
青年もまた同様に、成長するまでもなく最初から「人間」であるのだ。

琵琶法師が「修羅」と仏道=「慈悲」の間でもがくのが人間かもしれないと呟くように、顔のない仏像に始まり完全な仏像で終わる物語は、人間としての社会的「成長」を限定的に肯定するのではなく、その先の見果てぬ「価値」を追い求めるものとして人間を定義しようとしたのだろうか。
破綻なく「奪還」と調和した物語は、そう語っているように思える。



もしも敢えて「成長」を探すとしたなら、それは主人公の「棄民の子供」が提示した「サムライ」のいない「この世」の可能性=「未来」と、「奪還」を完了してこの世に生まれなおした青年との再会の可能性=「未来」の中にあるのだろう。

まるで早すぎた市民革命のような主人公の構想は、戦国の世を知る視聴者には、虚しい夢のように見えるかもしれない。
が、戦国時代には、一向衆によってサムライの支配を拒絶した社会を創ろうという一向一揆が頻発している。
加賀では、そうした「国」が90年ほども維持された。

歴史の流れの中では一瞬の夢かもしれない。
しかし90年は、平成と昭和の全期間を合わせた時間とほぼ等しい。
昭和の後期に固まった社会機構が、存続するのか潰え去るのか不透明な現代の視聴者が、一瞬の虚しい夢と冷笑することはできないだろう。

だが、現実の市民社会が理想郷ではないように、主人公が構想するサムライのいない「この世」も、理想郷ではありえない。

難民による青年のリンチをかろうじて防いだ主人公の「アジテーション」だが、「自分たちの生活を安定させるために、『生贄』は抵抗せずに黙って犠牲になれ」という難民の主張は、現代のSNSで毎日うんざりするほど凡庸に繰り返される放言と同型的だ。

犠牲を要求する難民の主張は「サムライ」のプロパガンダする欺瞞に捻じ曲げられた誤謬だと指摘する「アジテーション」の論理は、「領民自身の社会」において、「領民自身の意志」として主張されたとき有効性を持たないだろう。

新たな「犠牲の否定」の論理はどのようなものになるのか。
本作の、修羅と慈悲の間でもがく戦国の人間へ投げかけられた問いかけは、SNSに妄言のあふれる現代にも変わらずに問いかけられているようだ。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

73.7 3 怪異で漫画原作なアニメランキング3位
蟲師 続章(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (727)
3993人が棚に入れました
およそ遠しとされしもの──下等で奇怪、見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達。それら異形の一群を、ヒトは古くから畏れを含み、いつしか総じて“蟲"と呼んだ。時に蟲はヒトに妖しき現象をもたらし、そしてヒトは初めてその幽玄なる存在を知る。ヒトと蟲との世を繋ぐ者──それが“蟲師"。すべての生命は、他を脅かすために在るのではない。みな、ただそれぞれが、在るように在るだけ──。

声優・キャラクター
中野裕斗、土井美加
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

毎週見れることが、とても贅沢に思える作品

第1期は2005年放送。全26話。
2014年1月、特別篇「日蝕む翳」放送。
同年4月より、本作2期放送(夏を跨いだ分割2クール)。前半は全10話。
(New)本年度8月下旬に再び、特別篇「棘のみち」を放送予定。(日程は放送局により異なります。)


【前置き】

オダギリジョー主演『実写映画版 蟲師』を最初に見た私は、当初「蟲師」という作品に対し、良い印象を持ってはおりませんでした。

ですが、アニメ版にてその悪印象は見事に払拭され、それからはこの世界観が織り成す独特の雰囲気に酔いしれたものです。
(その実写版は、後に黒歴史と呼ばれる。)

本作は、その根強い人気に後押しをされ、およそ9年振りに放送された2期の前半となります。

突然の発表で当時は驚きましたが、監督の長濱博史さんが直前に久々に担当した「惡の華」の不評のすぐ後に発表されたタイミングからも、その不評を昔の杵柄で早々に払拭したかったのかな?と、勘繰ってみたりも。
私は好きなんですけどね…、「惡の華」も。

と、皮肉交じりの前置きになっちゃいましたが、本作を毎週見れるのは素直にメチャクチャ嬉しかったです。



【あらすじ】

時代背景は、作者曰く「鎖国を続けた日本」もしくは「江戸期と明治期の間にある架空の時代」。

人には見えない異形のもの「蟲」を主軸とし、それら蟲に対する知識を活かして生業とする「蟲師」である「ギンコ」の、日々の道程が一話完結で描かれています。



【年齢層が高めの「日本昔ばなし」】

こう称すると、しっくりくる気がします。

前作同様、尾を引くようなヒキを見せて続きが見たくなるような演出は一切無く、ただただ毎話一話完結を貫きこの世界観を渾身の作画で描き切る、という製作陣の職人魂は見事でした。
シナリオの中には少々後味が悪いものもありますが、総じて視聴後は見応えがある20数分を過ごせた気分になりました。

ギンコ役を務めた中野裕斗さんも、前作ではキャリアの浅さ故に少~しぎこちなく感じましたが、今作ではもうバッチリでしたし。

ただ、基本的に無駄なシーンが一つもないので、1~2分でも別のことを考えて物語に集中していなければ、置いてけぼりをくらう場面もしばしば。
中身が濃い故の弊害ですが、気楽に余所見しながらでも見れる日常系が好きな方にはオススメ出来ません。


本作は前作同様、台詞や背景に至り原作をこの上無く忠実に再現されているですが、これは「原作を完全な形でアニメに変換する」という意思表示だそうですね。
加えて、前作から年月が経ったことにより作画クオリティは更に向上されたので、ギンコの所作一つても映画のような作画枚数を思わせる細かな動きを見せ、なんとも贅沢な気持ちにさせてくれました。

世界観の説明を排した作り故に絵からの情報が重要な本作において、作画は作品の出来にも直結します。
監督曰く、CGの導入で「前回に比べ良い意味でズルが出来るようにはなり、異常なレベルの作画枚数を少し低減出来た」という旨の発言もしておりましたが、それでも手書きの部分も多く、総じて渾身と呼ぶに相応しい出来栄えだったと思います。

音響に関しても、まるで自分がその風景にいると錯覚させるような、草木のせせらぎ、波の音、鳥のさえずり等、細かな演出は見事でした。



一つだけ残念に思えたことと言えば(前作でも噂がありましたが)、作画制作が追いついていないのか、間に急遽取り繕ったかのような座談会の総集編を幾度も挟んだり、あげくその総集編を再放送した局もあったことですね。
これには、少々面くらいましたね。
特に「好評につき、総集編を再放送致します。」と、まるで視聴者の声に応えたかのような振る舞いは、いかがなものでしょう。
これでは「視聴者は、本編より一度見た総集編をもう一度見たがっている。」と言われている気がしました。

個人的には裏話ありの総集編は実際見応えもありましたし、作画が完成されていない状態で放送されるよりは、よっぽど良いのですけどね。
おかげで、分割の間に、(その放送されなかった?)新作が放送されることも決定しましたし。

……でも、放送枠とかスポンサーとか、そういうのは大丈夫だったのでしょうかね。



【第6話『花惑い』について】
(一話完結の内の一本だけを紹介します。未視聴の方も、もし「蟲師」のストーリーにご興味があれば、読んでみて下さい。)
{netabare}

作中で、特に印象に残った一本。(ナレーション役の、土井美加さんと同じですね。)
第6話【花惑い】について、ご紹介したいと思います。


この話で登場する、ピンク色の泡状の蟲「こだま」は、動物に憑くことで長寿となるも五識のいずれかを麻痺させる症状を出します。


花の無い立派な桜の樹の下でギンコは、その蟲「こだま」に憑かれ八十年もの間、若さを保っているという美しい女性に出会います。
蟲の影響から視覚と聴覚の大部分を失ったこの美しい女性を、ギンコは治療出来ないものかと、代々女性の世話をしているという庭師の男性に話を聞くのですが……。


この女性「佐保」は、赤子の時に桜の樹の下に捨てられていたそうで、既にその時に樹液のように、蟲「こだま」を啜ってしまっていました。
それからも、「こだま」だけを日々啜って生きてきたのです。

長寿の影響からとても成長が遅い佐保は、この庭師の家系の家族愛すら越えた愛情を代々受け取り、大切に育てられて今に至るのでした。

「こだま」を取り除けば五識を取り戻すことは出来るが、その時…佐保の寿命が保つ保証はない。
この庭師の男性は、どのような答えを出すのか…。


しかし真実は、そのような二択の範疇を、とうに超えていたのです。
ギンコは、その庭師の書物を見ることで、その真実に辿り着きます。


『まさか……、接ぎ木するように首を挿げ替えて

 女を生き長らえさせてきたのか?

 八十年どころじゃねえ、何百年も。』


「こだま」の長寿に耐えられなくなった佐保の身体の為に、この庭師の家系は代々、女性を攫っては首を切り落とし身体を佐保に付け直すことで、生き永らえさせていたのです。

それを可能にしてしまう「こだま」の特性は勿論、この庭師の家系が代々犯してきた過ちを想像すると、背筋が凍りました。
佐保の体調により、「こだま」が憑いた大桜は花を咲かせるかを左右していた点から鑑みるに、佐保はほぼ「こだま」と同化してしまい最早、植物的な存在に近かったのかもしれません。


新しく健康的な女性を騙し眠らせ、鎌を手にとっていた庭師を見つけたギンコは、咄嗟に灯籠を蹴り家を燃やすことで、その混乱の中眠った女性を助け出しました。

その火は、やがて家全体に燃え移り、「こだま」が巣食う桜の樹をも燃やしました。
それは、永らく長寿を保った佐保が本来の姿に戻る時でもありました。

白髪で皺苦茶になった佐保を覆うようにピンク色の「こだま」が大桜に溢れ出す光景は、まるで満開の桜のようでした。


『おかしいかもしれんな。

 三百年も草木のような女を、愛でてきた一族なんてのは……。』

佐保の美しさに魅了され、その視覚も聴覚も無い草木のような女性を愛し続ける為に人を殺め続けた、この一族。

しかし、佐保の本心は一体どうだったのでしょうか。
ギンコが割って入った時に、佐保が発した

「いやだ…、いやだ……」

という台詞は、本当に庭師が解釈したような、ただの命乞いだったのでしょうか。


『大桜は、全焼を免れたという。

 だが…、あの庭師と女の姿を、二度と見たものはないという。』

蟲師の中でも、非常に後味の悪い内容ではありますが、私的に強烈に印象に残った話でした。
{/netabare}



【総評】

毎週一本を期待していたので、総集編等で少し興を削がれた気分もありましたが、内容に関しては文句無しに、「蟲師」として期待に応えてくれた続編でした。

ストーリーや作画は勿論、音楽やギンコの演技一つ一つまで、どれも丁寧に仕上がっています。
気楽に見れる作品ではないですが、乱立する深夜アニメの中でも、とても贅沢な一本ではないでしょうか。

8月下旬の特別篇「棘のみち」、そして秋の2クール目まで、またゆっくりと楽しみに待ちたいと思います。

それでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『ギンコ』声 - 中野裕斗さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『ヤドカリドリ』

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34
ネタバレ

雪だるま* さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

すべての生命は、他を脅かすために在るのではない。

◎放送時期:2014年4月~6月(全10話+スタッフ座談会2話)※1クール目
◎ジャンル:怪奇、ファンタジー

●原作:漆原友紀(講談社 月刊アフタヌーン) ●監督・シリーズ構成:長濱博史
●キャラクターデザイン:馬越嘉彦 ●アニメーション制作:ART LAND

■あらすじ■
「蟲(むし)」と呼ばれる世界や人に対して何らかの影響を与える
"謎に包まれた怪異な存在"の施術師「蟲師(むしし)」である
青年・ギンコが 各地を旅しながら蟲の祓いや、その謎について迫っていく。

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☆★感想★☆

原作:現在読み進め中(この間買いましたw)

1話完結ものなので 前作を観ていなくてもとくに困ることはないです。

ただ、前作に登場したキャラがちらっと出てきてたり、
前作のお話と対になっているお話もあったりします。

なので、その辺をより楽しみたいという方は 先に1期を観ておくか、
こちらを先に観てから1期を観るといいと思います\(^o^)/


今作もさすがの出来でした。
まるで1期からそのまま時間を空けずに放送しているかのようでした^^
スタッフも前作と全く同じだったのも良かったです。

作画・背景のクオリティは前作に引きつづき劣化を見せていません。
蟲の動きとかは滑らかになっていて 全体的に綺麗になっていたかな。
植物の葉の揺れ方だったりとか、ホントに1つ1つの描き込みが細かいです。


そして静かで落ち着きのある中に ちょっぴりホラーがある独特な雰囲気も健在^^
心温まるお話だけでなく、切なくてじゃっかん後味の悪いお話もあります。

わりと淡々としたテンポで進んではいくものの、間のとり方が良いので
退屈することはなく、むしろ『何が起こるんだろう?』とドキドキしました。


音響もかなりこだわりが見えました^^
わざわざ四国の山奥にまで行って録音してきたりするそうです。

生物たちの鳴き声、波の音、雨や雪の降りしきる音、足を踏み入れる音etc…
目を閉じていてもパッと情景が浮かぶかのようでした。


主人公のギンコは基本的な性格や雰囲気は変わってないんですが、
今作に関してはわりと傍観者的なポジションにいたような気がします。

でも、今回はギンコが敢えて見守ることで成り立つお話が多かったと
思うので、それで良かったのかなって思います^^

相変わらず彼は、蟲と人間の間に立つ「中立的な存在」でした。
蟲にも人間にも生き方を強制しない、なるべく生命の在るがまま、
自然のままにというスタイルを貫き通していて、さすがだなぁと思いました^^

CVをされている中野裕斗さんの声も変わらず良いです。


【個人的に好きなエピソード BEST3】
○1位:第3話「雪の下」
{netabare}トキが失った体温と一緒に凍り付かせて忘れていた妹の死んだ記憶。
妙の体温に触れてそれらを取り戻した時、必死に冷覚に耐えながら妙をおぶって
ギンコの元に走って向かうシーンは涙でした><{/netabare}

○2位:第7話「日照る雨」
{netabare}ナガレモノのお話。『不幸の巡り会わせが起きただけだ』
というギンコの言葉がとても心に響きました。
過去の苦しみを乗り越えて 蟲と共存の術を見出した照の明るい表情の
ラストが印象的。{/netabare}

○3位:第6話「花惑い」
{netabare}首の継ぎ接ぎは衝撃でした(;゚Д゚)美しいものは人を魅了し、
そして時に人を狂わせてしまうこともあるんだなぁ~と。
最後は切なかったけれど、あれで佐保が蟲の呪縛から逃れられたのかなぁと
考えれば救いのあるお話だったのかなと思いました。{/netabare}


とはいえ、全体のエピソードとかキャラ的には前作の方が好みだったかな。

放送的にも 制作がギリギリだったために、間に座談会が3回(1回は再放送)
入って、全12話の予定が全10話になってしまったのも少し残念だったかな^^;

でも、クオリティを下げてまで早く届けて欲しいなんてことはないので、
私はいくらでも待ちますw

劇場レベルのクオリティで毎週やるわけですしね^^;
本編を観ると1、2週遅る理由も頷けます。

長浜監督をはじめ制作陣の方々、本当に毎回 お疲れ様ですm(__)m

8月の特別編「棘のみち」と
秋からの2クール目も楽しみに待ちたいと思います。


●OP:「SHIVER」/Lucy Rose
前作に引き続き、洋楽のしっとり落ち着いたテイストの曲。
心地よい曲ですが、心地よすぎて夜中に聴くと眠気が…ww


■好きなキャラ■
シリーズ通すなら化野先生なんですが…

今回好きだったっていうか印象的だったのは、5話「鏡が淵」に出てきた真澄です。
ああいう恋愛に積極的な女の子って蟲師では珍しかったかも?
お転婆なところも可愛いなと思いました^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「この世にいてはならない場所など誰にもないのだ。この世のすべてが、お前のいるべき場所なんだ。」

蟲師の2期です。

1話完結タイプなので、2期からの視聴も可能ですが、
1期から楽しむことをおすすめします。

1期のギンコを見てきたからこそ考えさせられることもあるので。

2期は全20話です。
(+特別編が2話分あります。)


● ストーリー
「およそ遠しとされしもの──下等で奇怪、見慣れた動植物とはまるで違うとおぼしきモノ達。それら異形の一群を、ヒトは古くから畏れを含み、いつしか総じて“蟲(むし)”と呼んだ。」(冒頭ナレーションより)

そんな蟲たちと人をつなぐ存在が、蟲師。

蟲師のギンコは、蟲たちが引き起こす奇怪な出来事を解明したり、
困っている人たちに助言したりしながら、あらゆる場所へ赴いていた。


蟲とは、私たちのそばにあって、
生き物とそうでないものの狭間のもの。

見える人と見えない人がいる。
そういう意味では妖にも近い。

妖と違うのは、彼らが生きているということ。
他を脅かすために存在しているのではなく、ただ生きている。

しかし、その生が時として人の生活に困った影響を及ぼすこともある。

その謎を解明し、困った人に手を差し伸べ、解決に導くのがギンコ。

蟲師は、お医者さんみたいでもありますね。
虫の特性を理解しているから、対処法もわかる。

どんな蟲が、人のどのような行動を要因として現象を起こしているのか、
それを解き明かす様は、探偵のようにも見えます。


人によくない現象を与えるからと言って、
決して蟲を悪い者扱いしない。

一緒にこの世に生きているものとしての敬意や、
蟲に対する愛情のようなものがギンコの言葉からは感じられます。

あらゆる生命と共存できるかどうかは、
人次第なのかもしれない。

人が恐れすぎたり、拒絶しすぎたりするから、
悪いものとして映ってしまうだけで、

捉え方次第で、共存できる道は確かにあるのだ。


これまではそれなりにハッピーエンドで、
救いを感じられる話が多かったのですが、

2期ではうまくいかなくて、
ずーんと暗い気持ちになる話も多かったです。

人がその結果を引き起こした話もあるし、
どうしようもなかった話もある。

蟲と共に生きるというのは、
いつでもうまくいくわけではないということなのかしら。

それでもギンコは、
人と蟲がうまく共存できるように手を差し出し続ける。

その人の抱える事情には深入りしすぎず、
それでも今起こっている問題を解決しようと力を尽くす。

その距離感や優しさがたまらないわ。
ギンコいい男(*´∀`*)

そうして、一見不幸に見える中でも力強くあり続け、信じられると思えるもの。そういうものの存在に救われる気持ちになります。


≪ 日本の原風景 ≫

いつの時代の話かはわかりませんが、ギンコが訪れる場所は、山に囲まれていて、集落という形で人々が支え合っている。

そんな自然あふれる場所の風景が、とても美しい。

人、自然、蟲。

その三者の交わる場所が、これほど美しく描かれている作画を味わえるだけでも、うっとりします。

実写映画の映像もちらっと見たのですが、
私はあまり好きになれませんでした。
(ちらっと見ただけだからかもしれませんが。)

アニメだからこそ味わえる、緻密で繊細に描かれた自然の魅力。
そういうの、好きなんだなあ^^

人々の暮らしは豊かではありませんが、
ひっそりと、確かな喜びがある。それで幸せじゃないですか。

幸せは難しいことじゃない。人と比べるものでもない。
そこにある喜びを抱きしめればいいだけ。

この作品は1話完結のオムニバス形式のため、
いろんな人たちが登場します。

登場した人の数だけ、人生がある。
一生懸命生きている今がある。幸せがある。喜びがある。

全話を見て振り返ると、
どれもかけがえのないものだと感慨深くなります。


● 音楽
静かで、ゆったりとしたBGMが多いです。

だけど、蟲師の世界観には欠かせない音楽たち。

雰囲気にぴったりな曲ばかりで、素晴らしい!

自然をながめながら、ただぼーっと、この音楽を聴き続けていたいです。


● まとめ
やっぱりこの作品の雰囲気が大好きです。
2期を見て、これまで以上にそう感じました。

ホラーっぽいと言われればそうかもしれませんが、
怖いだけで終わらない優しさと力強さがこの作品にはあります。

古き良き日本の原風景。
その中で蟲との共存のために歩み続け、人の助けとなる。

自然と共存することは確かに難しいけれど、
理解すればなんとかなることもある。

それは蟲も同じで、確かに厄介で恐ろしい相手ではあるけれど、
理解すれば、きっとなんとかなる。

蟲と人間、その架け橋がギンコ。
彼の旅をこれからもずっと見守っていたいなあ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

73.9 4 怪異で漫画原作なアニメランキング4位
怪物事変(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (306)
1108人が棚に入れました
古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物"(けもの)という存在。彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが多数報告されるようになっていた。探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物"たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—

声優・キャラクター
藤原夏海、花江夏樹、村瀬歩、諏訪部順一、小野大輔、花守ゆみり、花澤香菜、下野紘
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルで埋もれちゃいそう。勿体無いお化けが出るよ(笑)

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンプスクエア原作、と聞いて、「らしいな」と(笑)

ジャンルとしては、ファンタジー、バトル。鬼や化け狸、アラクネ、雪女(男)などの妖怪達が、様々な背景を背負いながら戦うストーリー。

少年漫画らしい熱さ、友情、感動。そこに、ジャンプスクエアらしい、少し大人な毒も入れつつ、総じて、レベルが高い作品。なんか、女子に人気出そうな感じです。

なんですが、「怪物事変」っていう、なんかどっかで3回は観たことあるんじゃないかと思う安易なタイトル(笑)で、他の作品に埋もれちゃうんじゃないかと心配になってしまいます。名作とまでは言えませんが、70~75点くらいの秀作って感じですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
キャラクター重視の作品。

夏羽は人気あるだろうな~と。悲しさを背負いながら、それを表に出さず、人のために戦う心優しき鬼の子。

半妖の悲しみというのは、犬夜叉や他の作品でも散々描かれているけど、本作の場合、半妖であることをネガティブに捉えるのではなく、「愛の形」としてポジティブに捉えようとしているのが、面白い。

そんな中で、織のストーリーで、半妖の別の側面を魅せる。甘くない、と。半妖作品は、人間サイドと妖怪サイド両面が描かれるものだけれど、こちらでは人間サイドの悪が描かれる。

とはいえ、人間だけが悪なのではなく、晶のエピソードを通して、妖怪達の悪もきちんと描く丁寧さ。

んで、結局、「母生きてる」「兄も生きてる」となるあたり、平和だな~と。隠神さんは安定して格好良いし、飛び抜けたオリジナリティはないものの、ヒットする要因を安定的に詰め込んだ、打算すら感じる作品。そういう意味では、やや鬼滅っぽい。

個人的には、日常回が結構好きでした。夏羽とコンのラブコメとか、そこに絡んでくる綾とか。

あとどうでも良いんですが、蓼丸昭夫。石田彰さんが、一見黒幕みたいで、実際に黒幕だった話だな~、と(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
鬼の能力ね。だったら、「死にな、泥田坊」くらい言って、撃ってほしかったな。

2話目 ☆3
凄く可哀想だし、凄く強いのかな。悲しい話。

3話目 ☆3
雌狐。悪役らしい悪役。

4話目 ☆3
ラブコメ(笑) 窓開けた時点でセコム来そうだけど。

5話目 ☆3
とりあえず、もう少し戦術的なバトルを見たいな。

6話目 ☆3

7話目 ☆4
なかなか攻めた話。石田彰さんが、黒幕みたいで黒幕だった話(笑)

8話目 ☆4
王道だな。主人公が許して、悪役が悪役を殺す。

9話目 ☆4
妹、ナイスキャラ(笑) コンと三角関係(笑) 楽しそうだな(笑) 兄バカ(笑) 居ないぞ!(笑) ラブコメ回、面白かったな、シンプルに。


10話目 ☆3
兄さんね。晶回。

11話目 ☆3
心が壊れてしまっているわけね。

12話目 ☆4
寝るな(笑) 二期が楽しくなりそうな終わりかた。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ザ・少年マンガ!(妖怪退治系)

決して、別に馬鹿にしてる訳じゃありませんよ~(笑)

まさしく、正統派の、「熱血少年王道アニメ」っていう、
そんな感じの作品になりそうだという意味の
タイトル付けなんです。

王道少年アニメ要素その①
主人公が、{netabare}半妖の少年で、かなり高い戦闘能力と、
その力を封印する妖具を携行しているって設定。{/netabare}
CVは藤原夏海さんですけど、女の子の役もいいけど、
藤原さんは、やっぱり少年役がはまりますねー(#^^#)

王道少年アニメ要素その②
妖怪退治系{netabare}バトル+ホラー&ちょっとスプラッター
ここは非常に期待したいところですね!
腕力バトルは初回からハッスルしてくれてますけど、
鬼滅みたいな心理バトルとかも楽しめそう(^_^){/netabare}
やっぱり少年マンガといったら、バトルとホラーは、
欠かせませんね!

王道少年アニメ要素その③
主人公の少年と、よきライバルであり、かつ仲間となる、
そんな感じの、{netabare}やはり妖怪の血を引く子が出てきます。
ツンの方の子が主人公と同い年ぐらいなんで、
いろいろと張り合ったり、ぶつかって喧嘩したり、
お互いの危機一髪のときに助け合ったり、
協同して難敵に挑んで戦ったりするんだろうなぁ。{/netabare}
ショタ要素ありで、そういうのがお好きな方にもハマりそうですww

王道少年アニメ要素その④
少年を導く{netabare}クールで頼りになる師匠の存在。
探偵事務所の所長さんですが、この方も半妖で、
妖怪の起こす不審事件を専門にしてるご様子です。{/netabare}
これまたCVが諏訪部さんです。
この方、今期何本アニメ出演されているのでしょう?
この作品では、低めの二枚目声で演じていらっしゃるけど、
大車輪の大活躍ですね!

王道少年アニメ要素その⑤
少年向けライト風味{netabare}お色気キャラ(≧▽≦)
ここはまだ、どうなるのかは未知数なんですけど(笑)
日笠さんや上坂さんはそういう役、実績も豊富でこなれてますけど、
花澤香菜さんや花守ゆみりさんがCV出演されるようなんで、
そういう展開になるなら、新鮮かな?ってww{/netabare}
きっと、そのあたりは押さえていくのでしょうねww

まだ1話観ただけですけど、
作画もわりと綺麗だし、
今後の展開、意外と言っては失礼なんですけど、
次週の第2話からも、
楽しく視聴できそうだと、期待しています!!


観終わりました!
{netabare}少年アニメなんだけど、
それはそうなんだけど、
意外なほどに、熱かった!
そんな感じの作品。
そう思ってしまいました。
メインキャラひとりひとりのエピソードの展開もしっかりしていたし、
この感じのまま、
夏羽君のエピソード、
続きでじっくりと鑑賞したいな!
そう思えた作品です。
2期やってくれるの、待ってます(^^♪{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

怪物(けもの)の少年たちが紡ぐ数奇なる冒険

この作品の原作は未読です。
この作品との出会いも「怪病医ラムネ」同様、自動録画された作品でしたが、豪華声優陣の演技に圧倒されながら視聴した作品でした。

諏訪部さん、花江さん、小野さん、香菜ちゃんと下野さんは声を聴いて一発で分かりました。
分からなかったのが、主人公である夏羽役を演じた藤原夏海さんと、紺役のゆみりん…
正直ゆみりんの声を聞き分けられなかったのは少しショックでしたけれど^^;

でもこの二人はエンドロールで名前を見たら納得できる感じなのですが、晶という男の娘役を演じていたのが村瀬歩さんと知った時はビックリしました。
絶対女性の声優さんが演じているとばかり思っていたので…


古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、
人と関わり合って生きる“怪物”(けもの)という存在。

彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。
しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが
多数報告されるようになっていた。

探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物”たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、
片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
この作品、メッチャ面白かったんですけど!

夏羽の淡々とした口調、隠神さんの飄々とした感じ、織のすぐ突っかかる性格に、昌の臆病でおっとりした感じ…
全ては凸凹なのですが、それがうまい具合にマッチしているんですよね。

物語は、隠神怪物相談事務所に舞い込んだ依頼に対応しつつ、隠神さんの事務所で働いている3人の子供たちの親や家族を探していく…という感じです。
3人の子供たちは13~15歳くらいなのですが、親の記憶がありません。

自分の親が誰なのか、自分は親に愛されていたのか…
やっぱり気になりますよね。
それが生きているなら猶更です。

今回の物語の中では3人全ての事情は明らかになりませんでした。
原作の連載も未だ続いているみたいなので、今後明らかになっていくのでしょう。

個人的に好きだったキャラは、出番は多くありませんでしたけれど、ゆみりん演じた紺です。
気性は若干荒めですが、ゆみりんが演じているのも相まってとにかく可愛いんです。
今期ゆみりんは大活躍ですね^^

オープニングテーマは、小野大輔さんの「ケモノミチ」
エンディングテーマは、佐咲紗花さんの「-標-」
個人的にはエンディングが好みでした。

1クール全12話の物語でした。
この先の展開が気になります。
続編制作してくれると嬉しいんだけどな…
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

65.8 5 怪異で漫画原作なアニメランキング5位
境界のRINNE 第3シリーズ(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (95)
400人が棚に入れました
第3シリーズでは、新たに“ショッピングモールの姉”と呼ばれる占い師、姉祭・アネット・瞳(あねまつり・アネット・ひとみ)が登場し、物語をさらに盛り上げ、迷走させます!

そして、ついに六道りんね出生の秘密が明らかに…。

声優・キャラクター
石川界人、井上麻里奈、山口勝平、ゆきのさつき、沢城みゆき、林原めぐみ

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

学園&霊界ラブコメディー、第三幕!

この作品の原作は未読ですが、アニメは第二幕まで視聴済です。
高橋留美子先生…といえば私の中で真っ先に出てくるのが「めぞん一刻」ですが、うる星やつらや、らんま1/2などを生み出した大ベストセラー作家です。
他にも連載作品では1ポンドの福音や犬夜叉などがある訳ですが…
連載作品が全てアニメ化している作家さん…というのも大変レアなのではないでしょうか。

それに活動期間だって…うる星やつらの初回は1978年で現在この作品が未だ連載中…
ということは、漫画家として約40年もの間執筆活動を続けてこられたということです。

漫画家って商売はギャンブルだ…
とある作品での台詞が耳に残っています。

作品には当たり外れがあって当たり前です。
それが連載する作品全てが当たりで連載を40年もの間続ける事が、どれほど大変な事なのか…
もう奇跡としか言いようの無い世界なんだと思います。

高橋先生の作品における最大の魅力はキャラが安定している事だと思います。
どのキャラも絶対にブレないが故の面白さが満喫できる作品だと思います。

でも一方で、この作品のキャッチコピーはタイトルに使わせて頂いた「学園&霊界ラブコメディー、第三幕!」なのですが、ラブの要素が果たしてどれだけあったか…
と考えると少しクエスチョンです。

一番気になるのはヒロインである真宮 桜の気持ちなのですがまるで鉄壁…
ツンも無ければデレも無い…
別に真宮 桜がツンデレであるとか、ツンデレであって欲しいと思っている訳ではありません。
でも、好意って表情や態度に少なからず出るモノだと思います。

確かに、物語序盤に比べれば態度が少々軟化した雰囲気を感じない訳ではありません。
ですが、このペースで物語を進めたら真宮 桜の心からの本音に辿り着くのは
あと10年くらいかかるのではないでしょうか?

十文字というキャラも決して嫌いではありませんし、鳳(あげは)やれんげに至っては、言動が微笑まし過ぎるくらいに可愛さを感じます。

でも、真宮 桜と結ばれて欲しいのはやっぱり六道りんねです。
恋愛に対してはまるで純情乙女なりんね君ですが、抱いたその思い…いつか必ず届くと信じています。

ですがその道も全然半ばなんでしょうね…
唯一片鱗のようなモノがチラリと見えたような気がした最終回…
最初は「これは…!?」と思っていたんですよ。
でもこの作品ならではのオチが待っていましたけれど…

りんねの「あと一歩…から先に進めない」のは、彼の背負う運命なのでしょうか?
それならそんな不幸を真宮 桜にも背負わせるのおは筋が違う気がします。
りんねの運命…それは子供の頃に罹患する病気のようなモノで…大人になったら自然と治癒しているような、そんな類の運命であって欲しいと願っています。

物語の方は大きな抑揚がある訳ではありませんが、凄いと思うのは高橋先生のネタが尽きないこと…
完全に私見ですが、漫画を描いていて一番苦労するのは読者を飽きさせないよう物語を作っていく事だと思っています。
ですが、この作品は次から次へと新しい物語が展開されていくんです。
加えて各幕25話の合計75話…これだけアニメ化されても原作にストーリーが追いついていないんだとか…
きっと高橋先生の辞書には「ネタが枯渇する」という文言は掲載されていないんでしょうね。
ただただ脱帽するばかりです。

こうなるとりんねと桜の気持ちの行く先が気になります。
これまでNHKで放送されてきましたが、NHKらしさ溢れる第四幕の放送も期待しています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

わさビーフ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

独特なノリとシュールなギャクが売り

犬夜叉やらんま1/2もそうでしたが高橋先生のアニメは
長編作品が多い事でよく知られていると思います。

勿論ハマるかどうかが鍵なのですが途中で飽きる方もいらっしゃると思います。
私の場合は最初つい何となく観ていてこれまた続きが気になって何となく視聴
そして長らく観ている内に愛着が湧いてくると言いますか
ずっと観ていたいなぁーって気持ちになってくるんです。

上手く伝えられないですが同じようなタイプの方がいたら
是非トライしてほしいですね(ホント上手く書けなくてすいません)笑

内容はとても丁寧で安定感は○、ブレもなくこの辺りはさすがです。
その中身ですが3期に入っても特に大きな変化もなく話が淡々と続く感じです。
話が面白いというよりキャラ同士のやり取りが面白いといった感じで
この何とも言いようのない独特なノリとシュールさは
ハマルと結構ニヤニヤできて面白いと思います。

1期から3期まで現在放送中を含め(全75話)までと見所もたっぷりです

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

384 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

広く長く愛される作品になりつつあると思う。

1期の頃と比べるとレギュラーキャラも結構増えたけど、作品のスタイルはブレることなく安定。
キャラ個性も定着してきたのでこの調子で4期、5期と続いても楽しんで観れそう。

こーゆー流行に囚われない、昔ながらのペースで連載してるアニメって少なくなっちゃったから貴重です。笑

声優陣の層も幅広く、視聴者も幅広い層から好かれる作品だと思うよ!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
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