恐怖で戦いなおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの恐怖で戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月15日の時点で一番の恐怖で戦いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.5 1 恐怖で戦いなアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (474)
1567人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界の見え方

マッドハウス制作。

魔王を倒した勇者一行のその後、
冒険の終わりから始まるファンタジー。

長寿のエルフである魔法使いフリーレンは、
仲間の死をきっかけに人の心をより知ろうと、
勇者との冒険の痕跡を辿る旅に出る。

人の寿命はエルフに比べあまりにも短い、
それゆえに人は思い出を美しいものと大切にする。
それはフリーレンにもあるはずのものだが、
共に冒険に於いて経験したものの価値が、
人とエルフではやはり違うのである。

時間の経過がもたらすものが、
きっと物語の鍵になるのでしょう。

主要キャラが落ち着いた声と演技で、
この主題なら良く世界観に合っています。

最終話視聴追記。
最後まで見せ場があり集中力が途切れない、
数多の演出が冒険を魅力的なものにさせている。
魔法はイメージの世界であり多種多様である、
微笑ましい日常と迫力ある戦闘時の対比が楽しい。

{netabare}人の時代、魔術の時代を生き、
やがて来る長い人生の終わりに、
フリーレンはどう人生を振り返るのでしょう。
生き方が変われば世界の見え方も変わる、
在りし日の思い出が尊いものでありますように。{/netabare}

ところでフェルンはフリーレンに、
勝るとも劣らない優れたキャラクターだと思う。

最後まで面白くて、とても楽しめました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 56
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 48
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

平和な時代の魔法使い

魔王討伐を成し遂げた勇者パーティー。
1000年生きるエルフの魔法使いフリーレンが、
自分より寿命の短い仲間たちの老い先などと寄り添う中で、
人を知ろうとして来なかったことを悔恨し、
心を知る旅を続ける同名連載コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品。


【物語 5.0点】
表層は取り残された長命種の心情や短命種との価値観の相違、
忘却にさらされる勇者の冒険譚の悲哀の再生産など。
ですが、またそのネタか?と踏み込んでみると勇者の魔王討伐をも丸呑みするスケール感、
幾重にも練られた歴史、世界観設定から提供される思索の種に唸らされる逸品でした。


例えば魔法設定一つ取っても奥行きが異次元レベル。
三話で描かれた人間の魔法発展スピードの凄まじさ。
{netabare} “人を殺す魔法”ゾルトラークで人間たちに暴虐の限りを尽くした魔族クヴァールが、
80年後復活したらゾルトラークは“一般攻撃魔法”として陳腐化、対策済みで、通用せず。
(それでも誇り高く散華するクヴァールも見事でしたが){/netabare}

かと思えば近年の人間魔法界は自然物を利用した物理攻撃による防御突破などがトレンドの野戦特化。
活用物に乏しい閉鎖空間である、古の迷宮探索には不向き。
ここは古い魔法を知る冒険者フリーレン様の出番さ。
(そしてミミックに頭から突っ込むw)

魔法発展も絶対的な物ではなく、時代に合わせて何かに特化すれば何かが欠ける相対的な物。
魔法以外の要素も一つひとつが多面的で、
消化し終えたと思ったエピソードでも、
後になって新たな側面を想起させられる。

フリーレンが人の心を知る旅路の中で、ヒンメルたちとの思い出を再解釈する回想描写の如く、
あの時のセリフはそういうことだったのか?と視聴者も溢れ出す感情が止まらなくなるシナリオの豊潤さに圧倒されます。


ヘンテコな魔法ばかり収集するフリーレンさん。
{netabare} 服が透ける{/netabare} しょーもない魔法だのw
最初はただの酔狂だと笑って見ていましたがw
終盤では、魔法は夢のある楽しい物と満喫するフリーレン及びフランメと、
魔法は闘争と野心の道具として高みを目指すゼーリエとの対立軸が鮮明に。

この魔法はどうあるべきかという論点は、
魔王とは何者だったのか?魔王討伐を成す物とは?とのテーマとも密接にリンク。

魔法で最強を目指し闘争を求める限り魔王との戦いは終わらない。
むしろ闘争を求める心理の象徴こそが魔王なのか?
フリーレンみたいに魔法をくだらないことに浪費し、平和な時代を体現してこそ魔王の時代は終わりを迎える。
{netabare} 花畑を出す魔法こそがフリーレンとヒンメルの旅路の本当の始まりという{/netabare} 件には感動しました。
根を詰めすぎずに冒険をエンジョイするヒンメル勇者一行だけが魔王を倒せた理由。
今後の深堀りが楽しみです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・マッドハウス

例えば{netabare} フェルンVSリュグナー&シュタルクVSリーニエ戦{/netabare} や、
{netabare} フリーレン&フェルンVSフリーレン複製体バトル{/netabare} などでは、
ド派手な魔法エフェクトだけでなく、背景にも作画を入れ、
回り込んでキャラを捉えるカメラワークも縦横無尽。
ファンタジーバトルアニメとして上々の映像を提供。

一方で案外、私の印象に残ったのは、背景美術の青空。
一面真っ青の空にポツンと人物を配する簡素な画面構成。
細密な雲の描写だの、光源処理だのをゴチャゴチャと施されるよりも、
シンプルな方がむしろ悠久の時の中の登場人物という趣を感じられ、
人の心を知りたいというフリーレンの決意も心に染みてくるから不思議です。

作画カロリーリッチな力押しだけでなく、
抜くところは抜いて逆に効果的な演出を仕掛ける。
こうした芸当をやらせたら、このスタジオは本当に上手いです。

フリーレン、フェルンの師弟コンビの人物作画もまた普段は無表情。
だからこそフリーレンが本気の一端を見せた時の強面にゾクゾクさせられますし、
フェルンのむくれ面に振り回されるフリーレンやシュタルクがいたたまれなくなりますw


【キャラ 5.0点】
1000年以上の歴史の中に各種族を位置付ける。
その強固な土台の上に骨太なキャラクターを形作る。
丹念なキャラ設定構築から来る諸要素に唸らされます。

エルフは長命種故に繁殖に興味が生じず、他者への関心自体も薄い。
フリーレンが300年ぶりの同じエルフとの遭遇だった{netabare} クラフトさん{/netabare} とか。
緩やかに減少、衰亡傾向にある。

魔族は言葉を用いるがあくまでを誑(たぶら)かす手段に過ぎない。
グラナト領の人々の気持ちも汲んでいるように見えるリュグナーたちにしても、
そこに心はなく、冷徹に人間を狩るのみ。

これらの種族に囲まれて来た人間は長らく弱小だったが、
彼らは想像力と好奇心が旺盛で、他人同士の関わりも深く、
恐ろしく早く増殖し、変化し、発展する。

想像したものが魔法になると言うのであれば、
多様で大人数な人間こそが、最も多彩な魔法を操るようになる。
後半の一級魔法使い試験編の人間たちは個性的で、
やがて来ると言う人間の時代を示唆していました。

切れると思った物は大体何でも切っちゃうユーベルとか、
仲良く喧嘩して、カンネに絞め技決めてる?ラヴィーネとかw
濃いキャラが色々いましたが、私は宮廷魔法使いのデンケンさんかなと。
歳を重ねても尚、{netabare} 殴り合ってでも{/netabare} 手に入れたい執念。
私も痛いのは嫌ですがwスピリッツだけは見習いたいものです。


【声優 4.5点】
フリーレン役の種崎 敦美さん。フェルン役の市ノ瀬 加那さん。
作画同様、比較的淡々としたボイスの中に心情を込める繊細な演技。
{netabare} 夜中にジュース飲んでました{/netabare} などと、おふくろさんみたいなフェルンに弁解するシュタルク役の小林 千晃さんのリアクション芸も引き立ちますw

かつての勇者たち。ヒンメル役の岡本 信彦さんらが率いる一行は、
数十年後の老いや死も包括する好対応。
特に僧侶ハイター役の東地 宏樹さん。
冒険中の生臭坊主から、老いてフェルンを温かく育てる好好爺への変貌。
酒に溺れていた破戒僧が、それを言うのかと突っ込みつつw
人間を味わうことができる好演でした。


【音楽 5.0点】
劇伴担当はエバン・コール氏。
初回3話一挙SP~4話まではフィルムスコアリングで制作。
ケルト風アレンジも交えたオーケストラでファンタジー世界の旅情を表現しつつ、
心情曲から戦闘曲「Zoltraak」まで70曲超を量産。

特に「Journey of a Lifetime~Frieren Main Theme」は
喜怒哀楽を内包した構成で、
聴く者にも、人の心を知った時の高揚感が伝わり、自然とこみ上げて来る。
氏のキャリアの中でも傑出した名曲ではないでしょうか。


OP主題歌は前期がYOASOBI「勇者」、後期がヨルシカ「晴る」
ED主題歌はmilet「Anytime Anywhere」が前後期でアレンジと1番と2番を入れ替えながら2クール完走。

錚々たるアーティスト名からもフラアニ枠を成功させたいという日テレの意気込みが伝わって来ますが、
名前だけじゃなく、作品を捉えた歌詞世界が嬉しい好タイアップ。
特にOP「勇者」で問いかけられた涙の意味を、
ED「Anytime Anywhere」の解答で噛みしめて聴くのが私は好きです。

エバン・コール氏はmiletにED「Anytime Anywhere」の編曲、
特殊ED&挿入歌「bliss」の作曲も提供。
同じマッドハウスとのタッグとなった劇場アニメ版『金の国 水の国』での劇伴ソング挑戦から、
一層の進化で魅せる。



【初回2時間SP感想】早くも心に残る上質な勇者後ファンタジー

{netabare}
魔王討伐を成し遂げた勇者パーティー。
1000年生きるエルフの魔法使いフリーレンが、
自分より寿命の短い仲間たちの老い先などと寄り添う中で、
人を知ろうとして来なかったことを悔恨し、
心を知る旅を続ける同名連載コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品。


例えば戦後の帰還兵がどうのといったシナリオは、
傷痕の描写等を通じて豊潤な心情劇が得られる個人的に好きな部類のはず。

ですが魔王を倒した後に勇者がどうの、魔王倒すの飽きたからどうの。
こうした筋書きに関しては、私も目の付け所が悪いのか、近年こうした企画が安易に乱立している感を抱いていまして。
作者、スタッフには申し訳ないですが、王道ファンタジーを描くパワーがないからって、魔王討伐から逃げてませんか?
そういうのもういいから普通に魔王倒しに行って下さい。
って感じで、一周回って『ダイの大冒険(2020)』をお気に入り棚に放り込む位こじらせてましてw

よって今の私にとって勇者たちのその後を描くアニメは観るのもハードルが高いですし、
求める水準も傑作王道勇者物に匹敵するだけの価値を欲する苛烈な物になります。
本原作コミックも興味はありつつも食指は伸ばしてきませんでした。


そんな天邪鬼な私が視聴に引きずり込まれた理由は三点。

一点目。本作放送に関して日本テレビが超本気だということ。
23時台にアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」(フラアニ)を新設し、
初回はフラアニ前の同社の金看板「金曜ロードショー」にて2時間SPで放送するという破格の待遇。

背景には最近、日本国が二周回遅れでようやく取り組んでいる、世界市場に向けたコンテンツ輸出。
近頃は、経済団体幹部などもジャパン・コンテンツで20兆円産業をなどとぶち上げている。

その流れの中で旧来の放送広告料収入がメインの視聴率ビジネスが頭打ちになっている日本テレビが、
「コンテンツ中心主義」のビジョンを掲げ、イベント、海外展開などの放送外収入も見込んで挑む象徴となるのが本作(※1)

かつて視聴率ビジネスの権化だったあの日テレがコンテンツの価値を語るなど、
“生臭坊主”ハイターが酒をやめるぐらい考えられなかった事態。
それ以上に一放送局がここまで押してくる作品は是非一見してみたいと、
私が重たい腰を上げるのに十二分。


二点目。興味を持ってみると、キャスト、特に主人公フリーレン役の種崎 敦美さんに目が行きまして。
種崎さんと言えば上記『ダイ大』で奇しくも勇者ダイを熱演。
『ダイ大』は、勇者ダイが、冒険の中で短い人生の中で輝きを放つ人間の力を知る。
数千年生きるが故に、余興と称して人間を見下し、弄ぶ大魔王に対して、
激闘を通じてダイが人間の価値を思い知らせていくお話でもありました。

こうした役柄などもこなして来た種崎さんが、今度は逆に1000年生きるエルフとして人の心を知る様をどう演じて来るのだろう。
最高に唆(そそ)るキャスティングでしたし、初回観てみて、1000年ズボラなフリーレンさんの生態も含めてw
経験値を積んだ種崎さんの引き出しが遺憾なく引き出されていたと好感しました。


三点目。音楽がエバン・コール氏だということ。
初回SPはフィルムスコアリングで制作。
バグパイプ、ティン・ホイッスルなどケルト音楽の楽器をアレンジして、
ファンタジー世界の風情も醸しつつ、心情に合わせて量産した劇伴は70曲超。

金曜ロードショーとエバン・コール氏と言えば、昨年、TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』総集編と劇場版を2週連続で放送した件も思い出されます。
視聴率面では惨敗に終わったあの企画は、当時は酔狂だとも感じましたが、
今にして思えば、視聴率よりネット、SNS上の同時アニメ視聴祭りで賑わいを創出できるTV局の可能性を再発見する、
これも視聴率ビジネス依存脱却の伏線だったのかなと。

初回では、特殊EDとなったmilet「Anytime Anywhere」の編曲も行った同氏。
本作は、エバン・コール氏の作品シンクロ率が一段と高まる重要作になる期待があります。


以上を踏まえて、初回、私は敢えて金ローを録画して視聴しました。

{netabare} 「人生ってのは衰えてからのほうが案外長いもんさ」{/netabare} などのセリフが私の心の傷に染み渡るw
初回から既に、エルフとそれ以外の仲間らとの寿命の長さ、価値観の相違を生かした、
人生の深い掘り起こしによる収穫が大豊作。
終盤には1000年前のフリーレンと{netabare} 大魔法使いフランメとの師弟関係{/netabare} から旅の大目標が明示。

決してパワーがないから安直に魔王倒した後の残り滓を描くのではない。
むしろ過去と未来にまたがる壮大な視点から、勇者伝説を丸ごと内包していくスケール感の片鱗を見せる。
捻くれた私の高いハードルを乗り越えて、歴代の私の心に残るアニメの上位に食い込みそうな抜群の手応え。

初回2時間SPという挑戦も没入感を高める意味では有効でした。
しかし金ローも昔は、何が何でもCM見せて広告料収入を獲得しようと、スポンサーの方ばかり向いて、
数字取れそうな定番人気映画を雑にカットして、クライマックスは数分置きにぶつ切りしてマシンガンCMw
不完全燃焼の視聴者が多数発生するためか、週末はTSUTAYAの棚から金ロー放送作のレンタルビデオが消えるといった残念な流れがありましたが。
今回はCM飛ばさず見ても、それほど集中力が阻害されない淀みのない編集で、時代は変わったんだな~と感じ入りました。
コンテンツ中心主義。小難しいビジネスの話はさておき、テレビと視聴者との関係改善の面では良い流れなのではと思いました。


【参考文献】※1 @DIME「「葬送のフリーレン」が金曜ロードショーで異例の初回2時間スペシャル!新アニメ枠で世界に挑む日テレの新コンテンツ戦略」{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47

77.9 2 恐怖で戦いなアニメランキング2位
屍鬼[シキ](TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1460)
7808人が棚に入れました
人口1300人の小さな集落、外場村。外部とは国道1本でしかつながっていない隔絶された地ゆえ、いまだに土葬の習慣が残されていた。

ある日、村の山入地区で3人の死体が発見された。村で唯一の医者である尾崎敏夫はこの死を不審に思っていたが、事件性はないとされ、通常通りに取り扱われた。しかし、これ以降、村人が一人、また一人と死んでいくことに…。

声優・キャラクター
内山昂輝、大川透、興津和幸、戸松遥、悠木碧、高木渉、GACKT

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

気持ち悪いのに目が離せない・・・。

屍鬼のキャラは髪型が独特で髪型につい目がいってしまいました。
なんだこの髪型・・
まぁアニメだしということでおいといて・・。

最初1話や2話あたりは正直退屈でした。早くも飽きそうっw
しかし、気付いたらストーリーに見事に引き込まれていましたヽ(*´∪`*)ノ"
結構おもしろかった!
あっという間にすべて観てしまいました。

ですが、個人的に主人公の印象があまり残っていません。
原作読んでいないからかもしれないですが・・。

後半すごくハードでした。
村が狂った。
殺害シーン、肌がやける気持ち悪いシーンたくさんありました。
気持ち悪いのになぜか目が話せない・・不思議な変な怖さを感じました。
寝る時目瞑ると蘇る;;っw

グロいのがダメな方にはオススメできない作品です(´_`。)

読んでくださりありがとうございました(○`・∀´・)ゞ★

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

『人間』と『ヒト』

ジャンルはミステリー/ホラー/サスペンス

外部から隔絶された小さな村が舞台
とある地区から死体が発見されると、
その後も次から次へと村人は不自然に死んでいく
あまりにも死人が多いため、
村の唯一の医者である尾崎は不審に感じる…

ここからの話の展開はお見事でした
ひきつけられます
ただ、途中で失速した感がありました

しかし、この中盤戦は物語の結末の伏線となっていました
ラスト数話の伏線回収が観ててとても面白かったです
やや盛り上がりに欠けた中盤ではありましたが、大事なストーリーでしたね
是非、最後まで観て頂きたいです

盛り上がりという面ではラスト数話はホントに最高です
思わず気分が高揚してしまいました
何が起きたのか、それはご自分の目で確認してほしいです
この作品はあまり前知識なしで観たほうが良さそうなので

ゾクゾクドキドキハラハラの展開
私好みで満足です

ちなみにグロさは中辛くらいです
そこまでグロくはないので、耐性なしでも楽しめると思います


キャラは個人として魅力的な者はいませんが、
村人一人一人に人間味があり、そこがまた面白いです
人間とはなにか。考えさせられます
医者の尾崎は特に人間味が溢れていると思います
彼の言動や行動は良い意味でも悪い意味でも人間らしい
この作品の最重要人物です


OP,EDはどの曲も作品の雰囲気に合っていて良かったように思えます
好きなのは後期OPですが、作品にベストマッチだったのは
前期のOPとEDですね
OPへの入りが見事で、とても良い演出でした
EDはnangiさんの独特な歌声がぴったしでした


この作品は物語性重視の方にオススメです
人間の感情、行動、本能、温かさ、怖さ、謎…
人間本来の姿…一つの動物としての『ヒト』が垣間見られるわけです

ダークな雰囲気が好みの方にも合うかもしれませんね
いい感じに暗いオーラが漂ってます


最後はクソ○○!とか思いましたが、
今ではこの終わり方で良かったと感じています


『人間』と『屍鬼』は違った存在です
ただ、『人間』と『ヒト』となるとどうでしょう?
この二つは似て非なる存在とも言えますし、
イコールの関係とも言えるはずです

そもそもどこからが『人間』でどこまでが『ヒト』なのか、
ナニが『人間』でナニが『ヒト』なのか

このことはいくら考えてもキリがないくらいです
それだけに興味深く、面白い

もちろんネットで調べれば様々な解答が得られますが、
これは自分で考えるからこそ意味があると思います

と、普段は主に可愛い女の子キャラや素敵なOP,EDを
探し求めている私のような者でさえも
いろいろと考えさせられた深い深い作品なわけです

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

ルル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キズ物語 ーⅣ 外場村篇ー

原作未読で視聴。


『三方を山で囲まれた僅か1300人足らずの排他的な小さな村「外場村(そとば)」。 ある日3人の村人の死体が村から発見され、それを皮切りに次々と村人が死んでいく。その状況を不審に思った村の医師「尾崎 敏夫」は、伝染病を疑い始めるが死体の検視の結果そうではない事が判明。死因が暗礁に乗り上げたそんな中、敏夫は村の古い言い伝えである「起き上がり」の話を耳にし、暗中模索の中でやがてある一つの結論に辿り着く。それは・・・・』という物語。


この作品のジャンルは、サスペンス ホラーに分類されます。全22話で、TV放映後に発売されたBlu-rayで、TV未放送のOVA2話が特典として追加されました。なお、追加された2話のOVAは、全22話の中の20.5話と21.5話にあたります。


大作ですねこの作品は。特に後半の展開は、形容するならば「凄まじい」と言うべきものでしたよ。作品は全22話なので、登場人物も多く、人物の背景なども丁寧に描かれていて、全体を通してゆっくりと展開して行きました。やはり20話超えの作品は安定感があります。


最初の5話ぐらいまでは、いわゆる典型的なパンデミック状態を描いていましたが、6話以降の死因究明からこの作品の本領発揮でした。村人の死因に疑問を持ち調査を始めたのは医師の「敏夫」と村の青年「結城 夏野(ゆうき なつの)」の2人なのですが、 ほとんど接点のないこの2人が、同時並行的にそれぞれ違った手段で究明に挑む描き方は面白いと思いました。


12話以降の中盤の見せ場はやはり敏夫の「解剖」でしょう。ハッキリ言って拷問シーンでしたよあれは・・お食事中ならご注意を。18話以降の終盤は、それまでのゆったりとした流れとは打って変わって、堰を切ったような怒涛の展開でした。集団になった時の人の怖さが描かれていましたよ。


ちょっとした豆知識。作品中、画面の下に時系列として日時と六曜が表示されるのですが、そこから調べた結果、物語の舞台は1994年のようです。


ごめんなさい。どうしても最後まで馴染めなかったものがありました。それはキャラクターデザインです。1300人の村にはそぐわないキャラデでした。SFバトル系アニメのキャラクターですよあれ。気合い入れたら掌から衝撃波とか出せちゃう感じでした。なぜあのキャラデを原作者がOKしたのかが謎ですね。唯一杭が残りましたね....それだけが。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38

69.5 3 恐怖で戦いなアニメランキング3位
キングダム第2シリーズ(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (377)
1888人が棚に入れました
第2シリーズでは、信と同世代の武将たちが続々と登場!
乱世を生き抜く者たちが己の存在のすべてを賭けて切磋琢磨し、ときには協力し、大きな功績をあげる姿を丁寧に描きながら、その中で成長していく若武者たちの熱き想いで綴られています。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

大河から消えた大規模戦闘をN○Kで

原作未読


♪ 笑顔ぉ (HEY) 勇気ぃ (HEY) 突っ走っていくぜ glory day~s ♪

アバン無しのいきなり主題歌に腰抜ける2期第1話。ワタナベプロの俳優ユニットらしいのですが、事情知らなきゃ「なんじゃこのジャニタレどもがっ!」と軽くイラッとするOP。『北斗の拳』でクリキンでもTOM☆CATでもなく『忍たま○太郎』のが流れてるようなもの。相当な違和感です。
1期は振り返りのアバンがあってOP主題歌突入でした。慣れてくると合わせて2分のショートカットが可能でした。2期ではOP→振り返りの順なので地味にカッティングが難しい。3クールお付き合いするには小技が必要なのです。

 OP曲不満足

この2期の唯一にして最大の欠点。歌い手さんには申し訳ないですが作品の世界観に全く合いません。アバンなしでいきなり“HEY”ですからしょっぱなから萎えます。
それ以外は大満足。1期38話そしてこの2期は39話。手を付けたらあっという間なんですよ、こういうの好きな人にとっては。知ってますでしょ?そして私は川を渡った。あなたはどうするか?

{netabare}求められるのは視聴する意思と覚悟です{/netabare}

川を渡ったあなたに待ってるもの

{netabare}様々な猛者たちの意思や覚悟と対峙すること{/netabare}

 行くこと
 退くこと

決断を下すための材料は揃ってたり揃ってなかったり。部下1,000人の将の決断と10,000人の将の決断。
主役がかっこいいのは佳作。敵方もかっこいいのは良作。それでは出てくる者たちが軒並みかっこいい場合はなんといえばいいのだろうか?
ほんと大好物なんですよ。大物小物問わず覚悟決めた漢たちの物語。視聴の動機としてはこれで充分。

そしてこちら続けてNHKでの放送です。
昨今の戦国系大河ドラマのつまらなさの理由を一考するとわりとシンプルな結論に落ち着きます。

{netabare}引きの合戦シーンがない{/netabare}

陣幕で将同士がやいのやいの言ってお茶濁してたり、馬と武将のアップで近接戦闘のみだったりします。
皆様のNHKですから毎年1000億円規模で蓄財なんかしたりせずに国民からいただいた受信料を番組制作費として我々に還元してほしいものです。
いつも通り脱線しましたが、丘から見下ろす万名規模のエキストラを使ったシーン。そんな大河では観ることのなくなった壮観な映像をけっこうな頻度で観ることが可能です。断言しても良い。我々が満足する大規模合戦シーンについてHNKにはもうアニメでしか残ってないのです。


■2期について

1期はその後大業を成す若者たちの勃興の物語。まだまだひよっこな主人公たちにとある大将が背中を見せて締めた1期でした。
2期は時代の変わり目の物語。語り継がれるべきものと時代遅れとなるもの。それぞれが錯綜し、若者たちは悩み成長します。時代に取り残される者たちからは悲哀を強烈に感じさせつつ、救いの道も用意してたりする。{netabare}※王騎と廉頗のことですよ。{/netabare}

徐々に若者たちが中軸を担ってきています。そんな道半ば。
3期も当然観ます。こういってはなんですが良きシリーズです。時間かけてもいいので完結までいってほしい。良いもの見つけました。



視聴時期:2020年5月

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2020.06.17 初稿
2020.12.14 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

中華統一の日を夢見て。俺は関わった奴らの思いを背負って前に進むだけだ。

キングダムの2期です。

続き物ですので1期から観てくださいね^^

いやーおもしろかったです!!

作画や音楽には普通の評価をつけましたが、
ストーリーがとにかくおもしろい!!

文句なしの☆5点ですとも^^
(あえて不満点を言うならば、3期制作が決定していないところかな。笑)

全39話(1期は38話)とちょっと長めですが、
目が離せない展開ばかりなのでまったく苦になりませんでした^^

むしろもっと観たかった~!
続きが観たいよ~!


● ストーリー
舞台は中国、世は戦国時代。

6つの国に分かれて500年の騒乱の時代が続いていた。

秦の国で武将を目指す少年・信(しん)と
中華統一を目指す秦国の王・政(せい)。

共に中華統一を目指す志を交わした2人の、
戦いの日々は続く。


冒頭から絶賛しましたが、
とにかくストーリーがおもしろい!

最初から最後まで目が離せない怒涛の展開ばかりで、
飽きるどころかあっという間でした。

信は、武将を目指して武の道を歩み、
政は、王として敵対勢力と戦い、中華統一を目指すべく政治の道を歩む。

信は、とにかく目の前の道を突き進む王道主人公系少年、
政は、頭脳で己の道を作り出すクール系美少年。

2人の主役による2つのストーリーの同時進行が、
いつまでも飽きないポイントかもしれません。


≪ 戦と政治、飽きを作らない二重構造 ≫

信による戦パートは、
勢いと戦略で突き進む正統派バトル。

政による政治パートは、
次の展開がまるで読めない頭脳プレイ。

2つの違った味の物語を同時に楽しめるのが
この作品の大きな特徴。

しょっぱいものと甘いものって
交互だと永遠に食べられるって言うじゃないですか?笑

キングダムってまさにそれなのです。

どれだけ話がおもしろくても
同じ味ばかりが続くと飽きも来てしまうかもしれないけれど、

違った味のストーリーが同時に展開されることで
その心配がなくなる。

つまり、飽きがこない!
永遠に楽しめちゃう!笑

もちろん、戦ストーリーも政治ストーリーも
次々と新しい展開が用意されていて、
それぞれが十分におもしろいんですが、

飽きの来ない二重構造により、
おもしろさが盤石となっています。


ストーリーを絶賛してきましたが、
それは魅力的なキャラ達による支えがあってこそ。

新キャラも古参キャラも、
今後の動きから目が離せそうにありません。

この引き込ませ方は、ほんと凄まじいです。笑


● 作画
1期では散々文句を言いました(笑)
しかし2期はだいぶ改善されていましたよ!

へっぽこCGも使用頻度がぐんと減り、
時々「ん?」と思う程度でした。

元々ストーリーはおもしろいだけに、
作画の改善は非常に大きい改善点(笑)

信や政など、人物の作画は安定しない印象を受けましたが、
大人になっていく過程だから…という受け止め方をしています。笑


● 音楽
【 OP「GLORY DAYS」/ D☆DATE 】

1期とは随分雰囲気が変わり、軽くて明るい曲調です。

初めて聴いたときは、重々しい戦の映像と一緒に
この曲が流れることに違和感ありありでした(笑)

39回も聴いているといつの間にか慣れていましたがw

それでも「へいっ!へいっ!」という合いの手の場違い感は
いつ聴いても笑ってしまいますww


【 ED「21」/ The Sketchbook
   「Exit」/ The Sketchbook
   「そこに君がいる」/ The Sketchbook 】

EDは3曲です。

1期と比べると印象に残りにくい曲ばかりでしたが、
(同じバンドばかりで、曲の雰囲気が似ているからかな?)

キングダムの雰囲気には合っているかな。

3曲の中でのお気に入りは「21」です^^
かっこいい♪


● まとめ
見ごたえのあるストーリーに大満足です^^
作画も改善されていましたし、文句なしです♪

一応物語はすっきりとした形で幕を下ろしましたが、
これからの展開がものすごく気になります!

NHKさん、原作も人気なのだし
続編を作らない手はないと思いますよ~…(笑)

とりあえず、原作は絶対読もうと決めました(`・ω・´)
続きが気になってうずうずしているので。笑

見ごたえのあるストーリーが観たい方にはキングダム、お勧めします♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

ahirunoko さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

歴史モノは面白い!

原作漫画、未読。

紀元前の中国での秦国の王子が王となり始皇帝になるまでの話。大筋は史実だけどキャラ設定や歴史の空白部分をかなり脚色しているようで。思いっきりフィクションです。

でもホントにあったことに肉付けしてるストーリーは超面白い!!

各キャラの個性が素晴らしく立っててストーリーに深みを持たせている。各キャラの命を賭けた生き様が感動する!

1期と2期がありそれぞれ40話位あり最近の作品にしては長いから全話見るのは大変かもしれないけど、歴史とかに興味があれば充分楽しめると思う。

鵜呑みにしてはいけないが、歴史も勉強できる秀作。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

76.5 4 恐怖で戦いなアニメランキング4位
僕のヒーローアカデミア(第4期)(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (294)
1564人が棚に入れました
超常能力“個性"を持つ人間が当たり前の世界。憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトと出会った“無個性"の少年・緑谷出久、通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性"ワン・フォー・オールを受け継いだ。デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、笑顔で人々を救ける最高のヒーローになることを目指して、クラスメイトたちと試練の毎日を過ごしていた。林間合宿での敵<ヴィラン>連合による襲撃事件をきっかけに、オールマイトは宿敵オール・フォー・ワンと激突。オール・フォー・ワンを倒すものの、オールマイトは力を使い果たし、プロヒーローを引退。デクはオールマイトの意志を継ぎ、最高のヒーローになることを改めて決意する。新たな必殺技を修得したデクは、難関の「プロヒーロー仮免許取得試験」に挑戦。全国から集まったライバルたちに立ち向かい、見事試験に合格し、“最高のヒーロー"にまた一歩近づいた。そして、次なるステージは、プロヒーローの下での「インターン活動」。そこでデクは、新たな“脅威"と、新たな“使命"に出会うことになる―!

声優・キャラクター
山下大輝、三宅健太、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、増田俊樹、悠木碧、井上麻里奈、新垣樽助、上村祐翔、安野希世乃、三木眞一郎、津田健次郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「架空(ゆめ)」は、「現実」に! これは、僕が最高のヒーローになるまでの物語だ。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期から第4期は視聴済です。
劇場版が2作上映されていますが、そちらは未視聴なので、今度機会を作って視聴してみようかな。

この第4期では、雄英高校ヒーロー科1年A組がプロヒーローの仮免を取得し、「ヒーローインターン」を経て度重なるヒーロー襲撃事件に立ち向かうまでが描かれています。
流石週刊少年ジャンプ連載の作品…どうしてこんなに面白い作品が生む出せるのかが不思議でなりません。

物語を完走して調べてみると、この作品は世界的に評価されていたことを知りました。
日本だけじゃなく、アメリカやフランスでのセレモニーでも受賞しているようです。
この作品の面白さ…世界レベルだったんですね。

しかし、ヴィラン連合の強さも半端無く、ヒーロー側も大きな打撃を被ったのも事実です。
前期では「平和の象徴」であるヒーローを失ったのは記憶に新しいところです。

ですが、ヒーローに課せられた痛み…実は全然この程度じゃなかったんです。
確かに平和の象徴であるオールマイトは引退に追い込まれました。
でもオールマイトは未だ生きています。

今から発生する事件は、最後の一線をも超えた物語が展開されるということです。
決して生半可な気持ちでなんか視聴する事はできませんでした。
死穢八斎會への本拠地突入は、これまでの戦いの中で最も苦しかったと言っても過言ではありません。
ヒーローが傷付き倒れていく姿を見るのは辛いです。
でも、この戦いで一番辛かったのは、年端のいかない少女から考える自由を奪い続けた敵の親玉の所業でした。

ヒーローの本質を隠しつつ、周りで人が怪我をするのはお前のせいだと言われ続けたら誰だって周りが見えなくなると思います。
それを自分の目的のためだけに平然と続けるのだから始末に終えません。
そもそも誰かを傷付けたいと思う少女じゃないんです。
だからヒーローが助けに来ても反射的に身構えてしまう…
それは相手を傷付けるのが嫌だから…
結果的に敵の親玉を退けることはできましたが、かつてないほどの代償を支払わなければなりませんでした。

きっと今期の中で死穢八斎會の本拠地突入が一番のビックウェーブになると思っていましたが、物語のラスト…とんでもない置き土産を残してくれましたね。
現役プロヒーローのランキング「ヒーロー・ビルボードチャートJP」が発表され、エンデヴァーが1位となり新たな象徴となりました。
ところが、この件…これだけじゃ済まなかったんです。

エンデヴァーのイメージ…
轟焦凍(とどろきしょーと)の実父で普段から近寄りがたいオーラを醸し出しているランキング2位のヒーロー…
母や子供とは体質の相違の面から別々…所謂家庭を顧みないヒーローという感じでした。
原作を読んでいる方は違うのかもしれませんけれど…
ラスト2話…ここでエンデヴァーに対する評価がガラッと変わると思います。
新たな象徴たり得るのはどうあるべきなのか…
エンデヴァーの本気が見られますので、しっかり目に焼き付けて貰えればと思います。
この1件は確実にヒーローの心に熱い闘士を燃やしたことでしょう。

オープニングテーマは、BLUE ENCOUNTさんの「ポラリス」と、KANA-BOONさんの「スターマーカー」
エンディングテーマは、さユりさんの「航海の唄」と、緑黄色社会さんの「Shout Baby」
さユりさんの楽曲は鉄板ですね。
アニソンを聞いていると、本当に色んなバンドがあるんだと実感します。
私はアニソン主体で聴いているので、中々歌い手を追いかけることはできないんですけどね^^;

2クール全25話の物語でした。
5期の制作が発表され、公式HPも続編の期待に満ち溢れている感じがします。
最高に楽しませて貰いましたし、感動もさせて貰いました。
続編の視聴を楽しみに待っていたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

またもや新たな敵(ヴィラン)やヒーローが登場した4期。安定の面白さ。

ジャンプ原作アニメ「ヒロアカ」の4期目。
3期めからの続きなので3期目までを視聴しておくのをおすすめします。
4期からはデク達がヴィランと戦ったり新たな敵(ヴィラン)が登場したり新たなヒーローが登場したりと熱い展開が続きます。

まずは新たに登場した現代の極道みたいな雰囲気の死穢八斎會(しえはっさいかい)が登場。また、ある事情で死穢八斎會(しえはっさいかい)のリーダーオーバーホールに匿われているエリという少女も登場します。

また、雄英のビッグ3と呼ばれるルミリオン、サンイーター、波動ねじれという生徒も登場します。
後半からは仮免講習や文化祭それに伴ってジェントルクリミナルとラブラバという敵(ヴィラン)も登場して見ごたえのある展開になっています。

3期まで観ていた人にはもちろんおすすめです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11

Acacia さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少年は夢見たヒーロー像へと着実に向かっている。

原作は序盤だけ読んでます。

4期と中々のコンテンツになってきましたが、
今回は主人公(デク)の成長に伴い
デクが戦いの決着や解決に導くという
ヒーローらしいポジションとして
描かれていたので、
中二病心擽る格好良さと爽快感を
持って視聴する事ができました。

元々、察しが良い等、頭が回る
今までの少年漫画らしくない、
現代風の主人公で物語が展開された為、

その思考力に戦闘能力が備わってくると
ここまで格好いい人物像ができるのだと
納得できました。

今期戦う悪役も想い、目的が解りやすく
人間臭さと青さがあり、悪役にも魅力を感じました。

どうも最大の敵となるであろう、
敵連合は未だに何したいのか意味不明で
余計に今回の悪には魅力を感じました。

5期も決定らしく
この先が尻上がりに楽しみになってくる
シリーズですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

70.9 5 恐怖で戦いなアニメランキング5位
からくりの君(OVA)

2000年3月24日
★★★★☆ 3.8 (68)
359人が棚に入れました
時は乱世の戦国時代。とある地方の領主でありながら急速に力をつけた狩又貞義の実態を探るべく、派遣された忍者の一団があった。ところが、任務の途中で事が露見してしまい、狩又の誇る精鋭忍者部隊『死なずの忍』に追われる身となる。程なくして、巨大な行李を背負った風変わりな娘、文渡蘭菊が伝説の忍者『加当段蔵』の隠れ家を尋ねた折、追手から唯一逃れおおせて一息付いていた下忍『睚弥三郎』が『加当は死んだ』と告げる。直後、またもや死なずの忍に襲われ、ついに絶体絶命の窮地に陥った弥三郎を凶刃から救ったのは、蘭菊の行李から伸び出た巨大な刀の切先。次いで現れたのは、これまた巨大な鎧武者『太郎丸』だった・・・。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

からくりサーカスの原型

からくりサーカスの原型


藤田先生らしいバイオレンス、狂気、恐怖と対比されている熱い魂と痛快さ!


短篇としてのまとまりも切れ味も最高


主役がセルとしんちゃんの二人なんだから普通になるはずなし


他の人の漫画で出てくる率、たぶんNo.1な藤田先生


個人的には「うしおととら」は「スラムダンク」に並ぶ少年漫画の頂点

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

野性味あふれる作画に拍手

『週刊少年サンデー』1998年47号で、
藤田和日郎氏の短編集『夜の歌』に収録され、
2000年にOVAとして映像化された作品です。

時は戦国時代。
けれど有名な武将ではなく、これは小さな小さな君主のお話。

おっとりとしとやかな姫様のもうひとつの顔、
それは父の遺品である大きなからくり人形4体を自在に操り、敵と戦う姿。
家を滅ぼされた仇討ちを果たそうとする一方で、
死にゆく時までも、自分や母より人形を大事にした父への憎しみから、
人形を破壊しようと目論んでいる彼女が、伝説の忍者 弥三郎と出会い、
彼を雇って、ともに討ち入りを果たす、という物語です。

荒削りな作画は、この忍者アクションにマッチしており、
目元や口元のドアップを多用した演出は迫力もあり、
アニメなんだけどなんとなく、劇画を読んでいるような感覚です。

バトルシーンで討ち切られる人間の描写は、見方によってはグロいかもですが、
ただただ血しぶきが飛び散るというのじゃなく、
眼球を充血させる毛細血管とか、大きく口を開けた時見せる歯並びとか、
切られた時にチラッと見える骨だとか、死ぬ直前の痙攣などなど、
細かくて丁寧な描き方が、最近ではなかなか珍しいなと思います。

しかしまぁ、こういうシーンがあるので、苦手な人にはおススメしません。
バトル以外にも、惨たらしい場面がいくつかあるしね。

それでも、コミカルな部分が時々差し込まれるので、
ホッと一息ついて笑えたりもします。

とにかく、ワイルド100%。
主人公である弥三郎の眉毛なんて、どえらい長いしww
「まなじりじゃなくて、まゆじりじゃんっ」とツッコミたくなりますが
45分ほどの作品なのに、とても見応えありました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人形では、ありませぬ。

「うしおととら」「からくりサーカス」の藤田和日郎原作、戦国からくり忍者活劇。
「からサー+うしとらの畜生からくり」な、約40分の短編OVAです。
藤田ファンは絶対観ろ、富士鷹ジュビロ誰それ?な方も単体でハマれる、そんな良作だと思います。

■ご紹介

まずはこいつを見てほしい、話はそれからだ。
【MAD】Change!!【からくりの君】(さらにOP風)  ※ニコ動の歌詞字幕付き推奨

ストーリーの骨子は、からくり人形を遣うお姫様とcv.若本の下忍が、からくり兵団を擁する仇敵の城に討ち入りをする、というもの。
起承転結シリアスコミカルエログロすべてがバランスよく盛り込まれ、40分間全力疾走で画面から目を離す暇がないくらいの極上エンタメです。
ほんと、びっくりするくらい構成がうまい。

無駄のない物語を盛り上げるのが、原作愛にあふれる作画と演出。
2000年の作品なので安定度が若干気になりますが、バトル作画は基本的に良く動きます。
ヒロインもかわゆす。
何より、コンテ・演出が本当に素晴らしい!
言語化しづらいけれど、ケレン味にあふれ、なおかつ決めるところはシンプルにかっこいい、そんな職人技。
原作の作風を隅々まで理解した、藤田ファン垂涎、というか驚きのクオリティです。

声優さんも実力派ばかりです。
蘭菊役の矢島さん(しんのすけの人)のヒロイン演技、たぶん初めて聴いたんだけど、めちゃくちゃかわいいな、びっくりだよ!
おとなしい?若本さんは渋いし、敵忍者役の青野さんの「敵!」感がすごい……。
エウレカのじっちゃんといい、ご本人は天に召されてもキャラが視聴者の心に生きていられる、本当に名優だったんだな、と。

さて、ここまで絶賛賞賛雨あられなんですが、ひとつ超重大な欠点が。
 観 る 方 法 が ほ と ん ど な い !
VHS版は2000年という発売時期から、そこらのビデオ店ではお目にかかれません。
都内だと、(たぶん唯一)新宿TSUTAYAにはVHS置いてありましたが。
藤田信者ならともかく、そうでない方にとっては今のご時世、無名の短編アニメのためにビデオデッキ用意してVHS借りてくる手間をかけたいかと言われると……。

……まぁとりあえず、上で紹介したMADを観ましょう。
そこから「からくりの君」タグつながりで動画漁ってれば、幸せになれるかも?


■藤田ヒロインのかわいさについての独り言。
{netabare}
このサイトで漫画のことなんて語っていいのか、疑問ではあるのですが。

藤田作品の女の子って、異常に可愛いのです。
いやマジなんでこんなに可愛いのかと思い悩むレベルで、ドストライク。
私の漫画原体験が「うしとら」なので、もはや無意識の藤田ヒロインコンプレックスに陥ってるってのもあるとは思うけど。

でもそれだけじゃなく、みんな「芯の強さ」と「しなやかさ」を兼ね備えてるのが大きいはず。
健康体な麻子も病弱な小夜も、天然な真由子も勝気な日輪も、恋に素直なファティマも不器用なミンシアも、母アンジェリーナも娘エレオノールも。
少年漫画の主人公になれるくらい一本筋の通った、強い想いを秘めている。
そして困難に相対した時、大切なものを様々な方法で守ろうとする柔軟さがある。
そんな母性にも似た強さが、魅力の根底にあるように思います。

「からくりの君」の蘭菊も、重い過去と暗い心を抱えているけれど、なぜか安心して観ていられるヒロインでした。
短編OVAゆえ上記二点が直接描写されることはありませんでしたが、天然なようで肝が据わった性格は、やはり藤田ヒロインだなと思わされます。
加えて、原作を再現した迫力の「目」の描き方で、毅然とした魅力が伝わってきました。
本当に素晴らしいアニメ化だと感じました。

ということで、もしここまで読んで藤田ヒロインに興味が出た方がいれば、ぜひこのアニメでも他の漫画でも良いので触れてみてください。
ただし、真由子はとらの嫁だししろがねは鳴海の嫁で、リーゼさんは俺の嫁と言いたいところだけどやっぱり勝の嫁ですから、そこはわきまえねばなりません。
私はファティマさんを貰っていきます。
褐色銀髪、いいよね(遠い目)
あれで何か目覚めた気がする、うん。
ルシール婆さんは……さすがに勘弁してください100マイルのデッドボールです(というかかっこいい大人枠で認識してる){/netabare}


以前は気づかなかったけど、次郎丸「虎乱」→あるるかん「コラン」なんだね。
しかし、うしとらもからサーもアニメ化厳しいよなぁ。
せめて邪眼かスプリンガルドやってくれねーかなぁ。


【個人的指標】 83点

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

67.4 6 恐怖で戦いなアニメランキング6位
デビルマン 妖鳥死麗濡編(OVA)

1990年2月25日
★★★★☆ 3.7 (34)
105人が棚に入れました
 TVアニメ版と同時に連載されていた、コミック版『デビルマン』の導入部を元にして制作されたOVA。
妖鳥シレーヌ及び魔獣ジンメンとの戦いを描いた『妖鳥死麗濡編』がこちら!

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

これから起こる悲劇の序章 B

原作 一部読んだことがあるようです(記憶があやふや)

前作で誕生したデビルマンに刺客が送り込まれてきます。第一の刺客は「シレーヌ」。Wikiではセイレーンをモチーフにしたとありますが、見た目ではむしろハーピーに近い悪魔です。内容的にはかなりバトルに比重を置いています。そして、前作よりもかなりグロいシーンがでてきます。

他には見るべきものは余りないのですが、戦闘中に、悪魔でも人間のような感情を持っているのだ思わせるシーンが出てきます。原作でも同じようなシーンがあるのか分かりませんが、人間とは全く違った存在であったとしても、どうしても人間を投影してしまったのだろうと感じました。最後のシーンでは、悪魔であっても美しさすら感じさせる終わり方となっております。

原作の方ではこの後もかなり続いていくようです。OVA2本を費やして、本当に序章しか見せてくれませんでした。完結編も企画されたようなのですが、実現には至らなかったようです。ただし、残りの物語はOVA1本では到底収まりきらないような内容のようです。このOVAを見てみたいと思ったとしても、漫画も読まないと消化不良を起こすことがほぼ確実なので、ご留意いただきたいと思います。

もう10年近くも前のこと、酒の席でデビルマンの最後を熱く語ってくれた方がいたのですが、なにぶんかなりの量の酒が入っていたので、余りよく覚えていません^^; 非常に断片的ですが、かなりひどい悲劇となり、さらにその悲劇の後に話が繰り広げられていたと記憶しています。

可能ならばテレビアニメとして制作してもらって、じっくりと見てみたい作品です。ドロロンえん魔くんがリメイクされるくらいなのですから、デビルマンもできないことはないですよね?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

まさかコレでova終わっちゃうとは思わなかった

前半がジンメン、後半がカイムとシレーヌの話ですね。
TV版しか知らない方でもすんなり受け入れられる対デーモンとの戦いの話です。
ジンメンは{netabare} 食った相手の顔が意識を持ったまま甲羅の一部となる {/netabare}残忍なデーモンで、ここでデーモンとは悪逆非道なバケモノとアピールしつつの後半の対シレーヌ戦な訳ですが、今度は{netabare}デーモン達にも愛が有り、ボロクソにやられたシレーヌを応援に来たカイムが愛を告白し「シレーヌ、君は血まみれでも美しい」と告げ自らの首を落としてシレーヌに体をささげて合体しアモンを追い詰めるという {/netabare}何だか美しいんだか悲しいんだか気の毒な展開なんです。デーモンも生き物の一勢力であり単純な悪では無いと、この時点で話が大きく転がり始めるんです。
漫画版はここからエライ展開になる訳ですけど。


なのにココで終わっちゃうってw
酷いです。あんまりだ。視聴者生殺しかよ ってもんです。
このOVAシリーズ、絵が丁寧綺麗でホント良かっただけに残念です。
永井豪の野趣あふれる線ではなく、どちらかというと柔らかい線とキャラだったんですよね。ホント残念。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人間を殺さない悪魔と美しく気高い悪魔

このアニメはOVAとして1988年に販売されました。
この作品も、原作者の永井豪さんが総指揮を務めています。
そして、この『妖鳥死麗濡編』は2話に分かれています。

■ジンメン
人間は弱い動物を自分の趣味や気まぐれで殺しますが、ジンメンは決して人間を趣味や気まぐれで殺しません。

人間は牛や豚を食べるために殺しますが、ジンメンは決して人間を食べるために殺しません。
ジンメンは人間を殺さずに食べます。

だからジンメンは言います。「私は優しい」と…

確かにジンメンのいうことは一理あります。
人間は実に多くの動物を趣味や気まぐれで殺します。死骸を食べるわけでもなく、弱い動物を殺すことで自分が強いと勘違いします。

ですが、これは人間と悪魔との生存権をかけた戦いです。
そしてジンメンのように殺さないで食べることが本当に良いことかどうか、視聴して確かめていただければと思います。

■シレーヌ
シレーヌは白い翼をもった女性の悪魔です。
とても美しく、とても強く、とても気高い悪魔です。

シレーヌはデビルマンとの戦いで傷つきます。死の寸前に追い詰められます。
シレーヌは恐怖にかられて逃げますが、デビルマンはとどめを刺そうと追いかけてきます。このときのデビルマンの表情は悪魔そのものでした。

ですがそのとき、弱い悪魔たちが盾になり、デビルマンの追跡を阻止します。シレーヌを守ろうとします。
そしてシレーヌを慕っているカイムが、シレーヌのためならばと、命を差し出すのです。

悪魔の中にも友情や愛情がありました。
それは人間と何ら変わりません。

カイムの力を得たシレーヌは、とても強く、デビルマンは死を覚悟します。

朝日が輝くなかで勝利を確信したシレーヌは、とても美しい顔をしていました。


※余談
この後のデビルマンの物語こそが永井豪さんの鬼才ぶりを発揮した内容なのですが、
残念ながら、製作費の都合でアニメ化されませんでした。
しかし、2018年に湯浅政明監督により『DEVILMAN crybaby』が原作に近い形で作成されました。
くれぐれも視聴の際は、ご注意願います。

投稿 : 2024/05/11
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