情報社会で相棒なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの情報社会で相棒な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月27日の時点で一番の情報社会で相棒なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.8 1 情報社会で相棒なアニメランキング1位
イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)

2004年3月6日
★★★★★ 4.1 (765)
4229人が棚に入れました
草薙素子(少佐)がいなくなって3年後の2032年。
少女型の愛玩用アンドロイド(ガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走をおこし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9 課で捜査を担当することになり、公安9課のメンバーであるバトーは新しい相棒のトグサとともに捜査に向かう。

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あなたのハダリにゴーストは宿っているか

 記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。
 なおこれらのレビューは個人的推論に則ったものである。言い切っているような台詞も、独自の解釈の一環であり、一方的な決め付け・断定をしているのではないものだと思ってもらいたい。

『少女型のアンドロイド・ハダリが原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した』
 イノセンスのストーリーを非常に大まかにいうとこういう形になる。
 義体化。体の大部分を肉体ではなく、代替品でまかなえるようになったSFの世界の話である。

 ストーリー上、ゴーストという概念が非常に重要性を帯びてくるため、そこだけwikiから文章を拝借した。

ゴースト
 あらゆる生命・物理・複雑系現象に内在する霊的な属性、現象、構造の総称であり、包括的な概念である。作中においては主に人間が本来的に持つ自我や意識、霊性を指して用いている。
 要約すると人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く、あるいは機械で代行していった際に自分が、自分自身であるために最低限必要な物、又はその境界に存在する物こそゴーストであり、生命体の根源的な魂とも表現できる。

 人形と人間の境界線をゴーストで隔てる、そういう考えが攻殻の世界にはあるようだ。
 では人間と人形の差は何なのか。また人が人形に求めているものは何かである。
 筆者はあるハーレムもののアニメを視聴していたとき感じたのだが、まるでキャラクターが生きているようには思えず、まるで人形に見えてしまったのである。なぜ、人形に思ってしまっていたのか。
 まず、女の子特有の、異常なまでの情報伝達の速さがある。人によっては光の速さで噂が伝わるとまで表現している。ハーレム状態で、主人公の男がそのうち特定の誰かと交際関係を始めたら、一挙手一投足、更には太腿や胸元などに視線を一つ向けたことまで、下手をすると一週間も経過しないうちに、見知らぬ女性にまで伝わってしまうことである。驚異的な噂話好きの女性達にとって、その程度は日常茶飯事なのだし、もっといえば生理現象といってもよい本能だと筆者は強烈に感じ、またそう思っている。
《「女」の字を三つ合わせるとやかましい意の「姦」の字になるところから》女はおしゃべりで、 三人集まるとやかましいという意味があるほどだ。
 それが起きるとどのような事態に変化するのか。何かあるたびに噂のネタにされ、ツツき回され、念入りに人間性を審査され、あること無いことまで吹聴され、話に尾ひれをつけられる。日常生活において支障を来たしてしまうのは無理からぬ状態になると容易に推測される。それがないのだ。
 また、ハーレムでも女性はちゃんと一人一人心を持っている。なので、相手にされず放置を続けると、不満が溜まる一方になっていく。そしてあるとき、見境も無く爆発したりすることがあるのだ。出物腫れ物ところ嫌わずという。だからといって、男が特定の女性一人に決めて行動すると、選ばれなかった他の女性の不満が爆発してしまうときがある。それがないと心を持っていないように感じるのだ。
 男性主人公からすると……
 誰にも女性の暴挙に対する愚痴一つ漏らせない。漏洩した瞬間から女性陣の一斉攻撃が始まるだろう。そして、いつ爆発するかもわからない不満を和らげるために、いつも周囲に気を使う仮面をかぶり、常に自制し続け、自らの意見が周囲にどう映っているかを考え、女性にとって都合の悪いことは何一つとして話すこともすることもできない。針のムシロ。恐るべき閉塞感の中で悶々とした生活を送ることになる……というのが筆者の考えだ。しかし、ハーレムものの中心にいる男性キャラクターにそういう経験したというのを見聞きしたことがない。もし誰か一人の女性だけに交際を定めた場合、女性同士の陰湿ないじめ、果ては自殺などに発展する可能性がある。ハーレムアニメの中でそのような事態になったというようなことも、筆者は見聞きしたことがない。

 ある女性アイドルの男性ファンが『○○ちゃんはウンチなんてしないんだ』といったという話がある。それを話題にしたところ、普通の人間なら、花くらい摘みに出かけることもあるはずだという反論も出た。
 アイドル業はファンあってのものなので、事務所側は汚いものは見せない、イメージダウンに繋がることなどさせたがらない。それは、ある女性アイドルの話を偶然仄聞した事項まで連想させた。アイドル自身、その人を演じていた。あの人はこういう人なのだという言い回しをしていたのを思い出す。等身大の人間ではなく、ドラマの中の登場人物のように演じているのだと。アイドルの語源は偶像である。
 ハーレムアニメのキャラクターは生きているようには見えず、単なる人形・マネキンだと自ら表現したことに対して、同じく自ら反証するとしたらどうなるのかと自問した。答えは、お約束によってアニメが成立するため、人形であろうと問題ない。噂話に興じるような女性特有の生理現象と思えるものがなくてもよい。問題ないという結果になった。
 その矛盾点がないとストーリーとして成立しないのならかまわないのである。それはお約束なのだ。
 単なる手抜きであったとするのなら、そういう矛盾点がなくてもストーリーとして支障を来たさないどころか、あるとストーリーが破綻したりする類のものだろう。
 女性的な生理現象としての噂話、光の速さで浸透する情報はなくてもよい。
 そういう思考にたどり着いて以来、筆者は生理現象のない人、極端な話、花も摘むこともない人の形をしたものでも気にしなくてもよくなったのである。
 筆者がなぜマネキンと評してしまったのかは、生理現象が無い=生きていないと感じたからだった。

 涼宮ハルヒの声優さんが、スキャンダルを起こした、起こさないで揉めたという話が出たことは筆者の記憶に新しい。声優さんとキャラクターは別の存在であり、非難するに値しないという解釈は十分成り立つ。しかし、中の人という表現もある。騒ぎになってしまう原因は、声優とキャラクターを同一視するか、それに極めて近い感情を有している人々がいるからだと推察できる。
 こうしてみると、ハーレムもののアニメはメタ的な作りになっていることに気付いた。まず男性視聴者がアニメの女性キャラを求め、アニメの女性キャラたちは一人の男性キャラクターを求める。その男性キャラクターは男性視聴者の分身として製作されているのではないかと思える。男性キャラクターは一人だけだが、男性視聴者は大勢いてかまわない。この特殊な構造を生み出すことによって、男性視聴者を満足させる試みがなされているのではないか? 以前なら、アイドルの恋愛はタブーのような人気業種だろうし、今でもあまり変わり映えがしないように思える。声優さんの例を挙げるまでもなく、恋愛対象などいないことが好ましかった。それをアニメというジャンルによって、アイドルを擬似的に恋愛させる、恋愛対象は男性視聴者の分身という形に変化したのではないだろうか。
 当然例外は存在するものの、基本的にハーレムものの女性キャラクターは男性視聴者を落胆させるような作りにはなっていないように思える。落胆するかどうかの基準についても、視聴者の目線は主観的であるため、確実性があるとはいえない。
ここまでのまとめとして、アニメのキャラクターも、人気女性アイドルも、同じく偶像的という類似点があるといっていいのではないか。
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうことがある、ということだ。

 偶像化の類似種として登場するハダリ。
 アイドルも、人形・ロボットのハダリも同じように偶像の類似種としてみることはできるのだろう。ハダリそのものは、女性アイドルの代替品として存在しているような感覚を筆者は覚えた。求めるものを具現化する、というやり方はアニメもアイドルも、類似点がある。
 筆者が想起したもの。ハダリの存在理由は、俗に言う嫁ではないかという感想である。アニメの女性キャラクターを指して、自分の嫁だと思うことだ。嫁が画面から出てこないという表記があにこれにもある。あれだ。
 イノセンスの最初の場面を視聴していたとき、筆者の頭の中では、ある想像、いや妄想といってよいものが起きていた。

 以下妄想。
 俗に言う嫁を脳内で愛おしく思っている男性視聴者の学生が、いそいそと塾から戻ってきて、夜食を取りつつ、お気に入りの嫁の映っているアニメの視聴時間が来たのでテレビにスイッチを入れた。
 アニメの主人公の男性はあまり冴えない容貌で、これといった特徴もない人柄。人によってはへたれと呼ばれてしまいそうな性格である。そして、思春期の学生らしく、女性に自意識過剰になってしまいがちで、リビドーを押さえることが難しい感覚を受ける。
 嫁の傍に近寄って、欲情の視線で盗み見た瞬間……
 なぜか嫁は、激しく暴走し、信じられないほどの腕力で主人公の男性を素手で滅多打ちにし、撲殺してしまう。血塗れだ。鮮血が飛び散って文字通り周囲を塗り尽くしている。付近の壁によりかかるようにして斃れた男性主人公の頭蓋骨は陥没し、はみ出た脳が地面に垂れ下がっている。
 溜まりに溜まってきた怒りか、堪忍袋の緒が切れたように爆発したのか。
 周囲にいた人々は怯え、警察を呼ぶ。嫁は路地裏に逃げ込み追い詰められる。路地の突き当たりにまで行き着いた嫁は逃げ場を失っていた。
 そこにやってくる一人の刑事らしき大男。大男と対峙した嫁は叫んだ。
「私は我慢してただけよっ!私は男の奴隷じゃないっ!男のいいなりになんかならないっ!」
 大男は無言で拳を嫁に叩きつける。逃げ場を失った嫁は、どこから持ってきたのかわからない包丁で自分自身の体を切り刻み、自害した。
 凄惨な現場で取り調べが始まる。テレビ画面を見ていた学生の男は呆然として、一言いった。

「俺、殺されてる」

 以上妄想終了。

 ある若手の女性ニュースキャスターが、自分のいいたいことを表現したところ、職場の男性陣からいろいろといわれたという。あいつは生意気だ。人から言われたことをやっていればいいのだ。女が自分の考えをニュースでいうなどおこがましい、と。結局その女性はニュースキャスターを辞めたという。
 男性視聴者の手前、職場からいわれている手前、規制されているような状況と類似した不満。それが爆発したかのような……その記憶との連想を想起させる事件がイノセンスでは起きている。
 筆者のした妄想を、攻殻という形で表現したら、作品としてイノセンスができあがった。そんな感じがしたのだ。事実としてそんなはずはなかった。先に作品はできあがっているのだから。
 筆者が注目したのは、事件を起こしたのが人間ではなく、女性型ロボットのハダリであったことだ。人間型であっても、人ではないはずだ。しかし、どう考えても筆者からみてハダリは「生々しい女」だった。
 ロボットは怒りで人を殺さない、ロボットは逃げたりしない、ロボットは追い詰められたからといって自壊しない、……そのはずだ。それとも前もってプログラムされていたのか?
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうアニメの女性キャラクターは、飽くまで人という設定だ。生身のはずなのだ。なのにイノセンスでは人形であるにも関わらず、ハダリは生身の女のように思えたのだ。
 それは様々な人々によって意図的に隠蔽されてきた、剥き出しの人間性が露出していたからではないか?

 イノセンスのワンシーンが回想される。
「ああ、俺もよくやるよ、感想」
「あんた出世しないな」

 義体化率が90パーセントを超えてしまう人間が闊歩する世の中で、人と人形の差は縮まり、曖昧なものになっている。それが攻殻の世界にみえる。では人と偶像の明暗をわけられるものがあるとしたら、それは一体なんなのか?
 そもそも、なぜそのような事件が発生してしまったのか、原因は何か?
 それを追っていくのが、筆者から見たイノセンスである。

 もし、嫁が暴走をしはじめたらどうするか?
「カオがよくてお金持ちで性格のいい若い男なら」
「今まで素振りもみせなかったけど、ほんとは冴えない男と付き合いたくないよね」
 人間からみたロボットの立場は、奴隷だという人もいた。ゴーストを持たぬ奴隷。ではその奴隷が人間性・ゴーストを持ってしまったらどうなるのか。
 アニメの女性キャラは決して男性視聴者の奴隷ではない。ゴーストはすべての女性キャラに宿っている。そういう人もいるだろう。しかし、アイドルとアニメの女性キャラを比較すると完全にそういい切れないところも出てくる気がするのだ。アイドルは実際にいるし生きている。アニメのキャラは生きているとはいえない、と言い切る人も出てくるだろうし、意見が分かれてしまうだろう。
 規制されていたものがなくなったとき、男性視聴者の予想外の言動が出てきてしまったらどうするのか。その時、若手の女性ニュースキャスターの職場にいた男たちのように、お前は黙って男の望んだとおりに動いていればいいんだ、といえばいいのだろうか?
 それとも、受け入れてやるのだろうか?
 薄い本が好きな、アニメ好きの男性たちの欲求を商品化するとどんなアンドロイドが作られていくのかと想像する。答えは、アニメのキャラそっくりのセクサロイドが作られるのではないか。キャラクターが描かれた抱き枕の発展版かもしれない。それと極めて類似するハダリ。
 ハダリから感じた……剥き出しに露出した人間性、そうみえたものが、ゴーストのように思えてしまったのである。ご主人様を殺害してしまったハダリにはゴーストが宿っていた。
 やたらと夜のオカズにされたりしているアニメの女性キャラは暴走しない。
 そこに、ゴーストは宿っているといえるのか?
 その話をしたところ、

『まぁ当然ゴーストが宿っていたから暴走したというのは間違いないですw』
『ゴーストがやどっていて大人しくしているとしたら、よほどのマゾですね』

 という意見が返ってきた。
 嫁に殺されるご主人様を題材にしたアニメを作るあたり押井監督はえぐい。しかし、その意図はどこまで一般視聴者に読み取られているのか。いや、筆者の勝手な想像にすぎないのか?

 そのようなことを夢想していた。忘れてもらってもいいのだが、心のどこかで筆者は問いかけてしまうようだ。


 あなたのハダリにゴーストは宿っているか、と。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 26
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

詩のようなアニメって表現がしっくりくる

押井守監督による攻殻機動隊の映画版第2作。
1作目の続きです。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 → http://www.anikore.jp/anime/1798/

イノセンス -INNOCENCE → http://www.anikore.jp/anime/1864/


前作とよく似た雰囲気です。
オレンジを基調とした美しいグラフィックとBGM。
独特の間が目立ちます。
また、いったん口を開けば高密度な哲学的テーマが飛び出すのも前作と同様です。


正直、かなり難しい内容でした。
次々に出てくる仏典や聖書や偉人の言葉。
そして、映像による数々のトリック。
1回見ただけでは頭がパーン\(^o^)/です。

雰囲気や動きはいいんですけどね。
いかんせんわかりにくい。
何度も見るのを前提にしたほうがいいかもしれません。


今回の主人公はバトー。
ロボットの暴走によって所有者が殺害されるところから話が始まります。
単なる暴走なのか、それとも仕組まれたものなのか?
トグサやイシカワとともに捜査に乗り出します。
それに前作で{netabare}ネットの世界にダイブ{/netabare}した素子(もとこ)への淡い恋心が絡めてあります。

しかし、はっきり言ってストーリーはおまけみたいなもの。
テーマ性と雰囲気が肝ですね。

テーマは、

「人間と人形の違い」

でしょうか。
前作と似た感じかな?

「機械化された人体」と「疑似体験」がカギをにぎっています。
機械化された肉体は、どこまでが「人間」でどこまでが「人形」なのか。
存在する記憶は、どこまでが「現実」でどこまでが「虚構」なのか。
人間を人間たらしめるのは何か。
器なのか、記憶なのか、その両方なのか。
答えは出していませんが、その境界線のあいまいさを説いています。

しかしまあ、難しかったですね(少なくとも私には)。
前作もそうでしたが、それ以上の難解さ。

・難しい言葉をひもとくのが好きな人
・芸術的な雰囲気アニメが好きな人
・攻殻機動隊が好きな人

この3つを満たしている人に向いていると思います。
なんというか、詩を読み解いている感覚になります。
芸術的なのですが、視聴者に優しくない、そんな作品でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 53

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人間と人工知能。。何が違うのか?

人間が人間たらしめているのは、自分たちが「人間」であるということを「意識」しているからだそうで、「我思う、故に我あり」というわけである。

しかしもし、AIなるものに「意識」が備わったとしても、「意識」そのものが科学的に証明されない限り、それは「意識しているとプログラミングされている」という解釈になるそうだ。ということは、逆説的に言うと自分以外の人間が「人間」であるかどうかは本質的には理解できない。なぜなら、そこに歩いている「人間と言われるもの」は「そうプログラミングされた何か」かもしれないからだ。

あるいは、我々人間が飼っているペットやぬいぐるみ、自分の子供を可愛がったりするように、他者に対して感情移入できるよう「ロボット」や「アンドロイド」に「共感」できるほど感情が豊かである場合、「人間」が「ロボット」に「人間性」を見いだせれば、例えそれが「意識」など存在しない単なる「プログラミング」だったとしても。。。

「人間」はそれを「人間」として扱うのかもしれない。要はどう捉えるかは私たちの考え方一つで決まってしまうのだ。

例え実体のない2次元が対象であったとしても、それが「機械」であったとしても、そう思えたり信じたりすることによって幾重にも捉え方が変わっているのである。

そうした場合「人間」の定義とは一体何を指すのだろうか。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 28

75.0 2 情報社会で相棒なアニメランキング2位
PSYCHO-PASS サイコパス 3(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (439)
2196人が棚に入れました
「正義」は、新たな世界を切り開く。 魂を数値化する巨大監視ネットワーク・シビュラシステムが人々の治安を維持している近未来。シビュラシステムの導入後、日本は海外との交流を断ち、長らく事実上の鎖国状態にあった。2120年、開国政策により変革の刻が迫ろうとしている。変わりゆく世界で、犯罪に関する数値〈犯罪係数〉を測定する銃〈ドミネーター〉を持つ刑事たちは、犯罪を犯す前の〈潜在犯〉を追う。

声優・キャラクター
梶裕貴、中村悠一、櫻井孝宏、大塚明夫、諏訪部順一、名塚佳織、沢城みゆき、佐倉綾音、日髙のり子、宮野真守、中博史、田中敦子、日笠陽子、森川智之、堀内賢雄、矢作紗友里、関智一、野島健児、東地宏樹、伊藤静、本田貴子、花澤香菜
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

より刑事ドラマ寄りに最適化された3期目

【物語 3.5点】
TVアニメ2期で刑事ドラマ風の路線へ傾倒していった感のある本シリーズ。
3期では実写連続刑事ドラマでも多い1時間枠になり、傾向はさらに顕著に。

22世紀鎖国日本というSF要素も“開国”により後退。
外国人労働者を認知、受け入れ拡大に舵を切った
現代日本にタイムリーなネタも提供する。
その他、{netabare}宗教と政治と都知事選、アスリートとドーピングなど。{/netabare}

グローバル世界とつながり、罪をもゲーム化して希釈し、
無自覚化する21世紀型の巨悪も息を吹き返す。
その権化たる「ビブロスト」と公安局刑事課一係らとの対峙がメインストーリーの軸。

一方で、この状況に対する「シビュラシステム」の真意は語られず……
というよりシビュラ中枢には、今回ほぼ出番がない。

世相を反映した一つ一つの事件を解決していくうち、
裏で蠢く巨大な陰謀が姿を見せていくシリーズ構成も連続刑事ドラマ風。
そして、{netabare}巨悪との対決は劇場版で!という伝統の投げ技まで決まるw{/netabare}


【作画 4.5点】
上々。道中、人物に謎の輪郭変動?はあったものの、
概ねCGもバランス良く交えて22世紀日本を再現。

見所は1時間枠になり長尺化したアクションシーン。
警棒、締め技なども乱れ飛ぶバーリトゥードでエンタメ性十分。


【キャラ 4.0点】
“メンタルトレース”により事件対象者になり切り捜査を進展させる監視官・灼(あらた)。
ロシア系帰化移民として開国日本の縮図も体現する炯(けい)。二人の新バディコンビが軸。

灼は能力者同然の“特A級メンタリスト"であり、
さらに{netabare}免罪体質者{/netabare}でもあり、
必ずしもドミネーターの執行判定に従わない言動も含めて、
シビュラをSF設定もろともスクラップにしかねない危険な主人公。
にも関わらず彼を監視官にしたシビュラの意図も現状見えず……。
旧来からのファンにとっては不安要素になり得る。

そこへ溜飲を下げさせるように登場する朱(あかね)や狡噛(こうがみ)らの旧メンバー。
ズルいよ。


私のMVPは自称エースから中間管理職へクラスアップ?した霜月課長。
口は悪いが、情は厚い。24歳にして、息子たちを叱咤し見守るおっかさん風の人当たり。
歯ぎしりが聞こえてきそうな、伏魔殿・外務省との交渉などにも感じる名物上司の可能性。


【声優 4.0点】
豪華。CV.梶裕 貴さん&中村 悠一さん演じる新コンビは
公安局の同僚である以上に幼馴染み。
人物設定を理解した役者により、異なる性格の相互理解も含めた、
兄弟じみた腐れ縁が滲み出ている。

公安局のオッサン成分もCV.大塚 明夫さんの執行官が新たに供給され、
哀愁溢れる境遇の吐露を通じてシビュラ社会に毒を浴びせる。


一方の黒幕の方も、
{netabare}CV.宮野 真守さん演じる気鋭の新“コングレスマン”が、
CV.中 博史さんの老紳士やCV.田中 敦子さんらベテラン陣に挑む。{/netabare}
こちらも世代間抗争含めた?不穏なムードを醸して上質。


【音楽 4.0点】
BGMは引き続き菅野 祐悟氏が担当。
メインテーマはバイオリン属よりギターを強調したアレンジで
刑事ならではのアクション&執行シーンで威力を発揮。

OPのWho-ya Extendedの「Q-vism」がスタイリッシュなロックサウンドの中に
監視社会下の葛藤を込める。
新人の主題歌抜擢自体も、主役一新の制作方針と合致。

EDはCö shu Nie(コシュニエ)の「bullet」。
表現力豊かな女性ボーカルがゲーム感覚で罪を重ねる黒幕を
運命を切り開く意志を込めた銃弾で狙撃。


【感想】
『PSYCHO-PASS』はシリーズを重ねるにつれ、
時系列は22世紀の先へ進んでいるのですが、SF要素の後退によるものなのか、
段々、21世紀に巻き戻っている感じが、私にはどうしてもしてしまいます。

現代日本が直面する課題も貪欲に取り込んで、
本作では鎖国設定まで捨てて、タイムリーヒットを狙うのは良いのですが、
これ別に22世紀じゃなくても出来るネタなのでは?と捻くれた私は感じてしまうのです。


今後はどうかシビュラさんにも、もっとお出まし頂き、
もう少しSFとしての矜持も見せて欲しい。

22世紀でも何故か健在だったタピオカ(笑)を眺めながら、
未来を夢見る私なのでした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

正直がっかり

序盤 あれ?

中盤 えと...

終盤 は、8話?

この話はあるあたらしい監視官が一係に配属された話
ジャンルは警察・近未来
なんかがっかりです。なんと主人公がアカネちゃんではないという新事実。何が合ったのかは本作終了時には明記されていないので、未だわからず…
主人公が{netabare}とんでもない共感覚を持っています。今までの情報を頼りに事件を犯人の行動や被害者の状況を推測するというものです。まぁ最強ですね。ただの異能力なような気がしますが、これは表現が総代なだけでやっていることはただの推理です。今ある証拠や事件の被害状況などから逆算して犯人や被害者の動機を推測する。悪と普通の推理ものです。しかし、某体だけ小学生の名探偵並みのぶっ飛んだ推理です。こじつけにもほどがありますし、いきなり正解にたどり着くのは不自然すぎます。{/netabare}
あとこの作品では犯人の動機を知ってしまうのは問題でしょう。この作品の確たる要素の犯罪係数がそれを許しません。 {netabare}まぁそのための免罪体質なんでしょうね。{/netabare}
物語的にはあまり面白くありませんでした。いや正確に言うと「変なとこで終わる」
すごい中途半端なとこで終わるので不完全燃焼感が残ります。今後の展開(4期)にもよりますが、2クールにして25話やったほうが良いと思うんですがね...8話というのは...
書きながら思ったのですが正直これなんの感想もありません。私の語彙力がなさすぎるのもあるでしょうが

監督は塩谷直義さん。1・2の監督をなされた方ですね
シリーズ構成は冲方丁さん。2のシリーズ構成を担当された方ですね
キャラクターデザイン・総作画監督は恩田尚之さん。1のキャラデザをされた方ですね
音楽は菅野祐悟さん。1・2の劇判を担当された方ですね
アニメーション制作はProduction I.Gさん。1の政策のなさったところですね

作画は悪くなく、丁寧だったと思います
opはWho-ya Extendedさんの「Q-vism」
edは最近(?)話題のCö shu Nieさんの「bullet」良曲
声優さんは素晴らしく豪華なメンバーが参加していました


総合評価 三期は失敗。4期に期待

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

異能はちょっと。。。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:やっぱいいね。常森朱がメインじゃなくてもやっぱその世界観や雰囲気はいい。後輩ちゃん頑張ってて好きになった。
期待度:★★★★★

異能はちょっとこの世界に合わないんじゃ。。。すでに現実離れした世界だけど、それはあくまで現在から続いている予測される極端な未来の話でありそれがこのアニメの中の現実。色相が濁らない体質もこの世界では異常体質っていうだけであって異能ではない。
メンタルトレースの性でなんかすごく嘘っぽいくなった。

旧常森組はやっぱみんなかっこいいわ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13
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