戦闘で魔界なTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の戦闘で魔界な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の戦闘で魔界なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.0 1 戦闘で魔界なアニメランキング1位
魔入りました!入間くん(第2シリーズ)(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (104)
425人が棚に入れました
アニメ「魔入りました!入間くん」は、「週刊少年チャンピオン」(秋田書店/西 修 著)にて、2017年3月より連載中のコミックスで累計発行部数120万部を突破する人気作品。本作は、ひょんなことから魔界の大悪魔・サリバンの孫になったお人好しの少年・鈴木入間(CV:村瀬歩)が、数々の魅力的な悪魔たちと織り成す、楽しく愉快な魔界スクールライフコメディ。週刊少年チャンピオン50周年を迎えるタイミングで待望のアニメ化が決定、2019年に第1期が放送された。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

入間くんの願い…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。

終始わちゃわちゃした感じの作品なのですが、放送局はNHK Eテレなんですよね。
「ヴィンランド・サガ」や「キングダム」など、しっかりと腰を据えた作品がNHKの放送と聞いても違和感はありませんけれど、この作品にNHKが関連しているのは、ある意味新鮮な感じがします。

そういえば、「映像研には手を出すな!」もNHK放送でした…
作品が多少マニアックでも、取り上げられるのがNHKの強みなのかもしれませんね。


頼み事を断れないお人よしの少年・鈴木入間は、
ひょんなことから魔界の大悪魔サリバンの孫になってしまう!
溺愛される入間は、彼が理事長を務める悪魔学校バビルスに通うことに…。

戸惑いながらも、アスモデウスやクララ、
クラスメートたちと楽しい学園生活を送る入間。
しかし、そんな魔界に馴染(なじ)んだと思ったある日、さらなる受難が!
指輪がしゃべりだし、入間が…グレた!?

入間の波乱万丈な魔界学園生活はまだまだ続く!


NHKのサイト…Dアニメのあらすじを引用させて頂きました。

NHKのサイトを見ると…というか、視聴している段階で気付いていましたが、キャストの構成が半端ないんですよね。

はやみん、奈央ぼうに本渡さんなど、耳が幸せを感じるキャストの数々…
それに村瀬歩さん、木村良平さん、小野大輔さん、柿原徹也さんなど、男性陣の負けず劣らずといった布陣には、思わず嬉しさを感じてしまいます。

第1期の頃は、入間の秘密がバレないかと少し冷や冷やする場面もありましたが、第2期にもなると、すっかり学校にも馴染んできました。
途中、肝を冷やす場面があるにはありましたが、色んなタイプの人間がいるように、魔族も一緒なんだと不安が安心感に変わる一面に昇華する結果になりましたけどね。

さて、この作品もどのキャラ目線で視聴するかで、印象が大きく変わると思いますが、今期における私の推しは、やはみん演じるアメリ一択で!

身長が190㎝もあるのは、wikiをチラ見して初めて知りましたが、堂々たる生徒会長の雄姿には惚れ惚れさせられますが、彼女の本当の魅力は大好きな人間界の少女漫画モードの時…
そして自身の心に気付き、少女漫画モードを再現しようと懸命に努力している様子は、年ごろの可愛らしさ全開の女の子以外のナニモノでもありませんでした。
今回はそんなアメリの可愛らしさがしっかりと感じられる構成になっていたと思います。

そしてこの作品のもう一つの見どころは、入間くんがどんな希望や目標を自分に課すか、と言う点だと思います。
未だ全然定まってはいませんが、考えても見ると、悪魔学校に入学して1学期と夏休みしか過ごしていないんです。
早々簡単に目標なんて定まりませんよね。
この物語同様、ゆっくりと答えを見つけていけば良いと思います。
ただし、ちょいちょい気になる台詞が耳に刺さってくるのは気になりますけどね。

オープニングテーマは、DA PUMPさんによる「No! No! Satisfaction!」
エンディングテーマは、天月-あまつき-さんによる「ココロショータイム」

2クール全21話の物語でした。
物語的にはちょうどキリの良いところで終わったと思います。
今日から新学期…
今期は前期以上にイベントが盛り沢山みたいですし、既に放送の決まった第3期が楽しみですね^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

普通に少年向けアニメ(← 良い意味で)

最初のシリーズが2クールあって、それを受けての2期目。1期目終了時点で映像付きの2期目の予告はされていたので、2期目制作自体は1期目の時点で決定していたんじゃないかと思われます。

2021年1月開始予定が新型コロナ禍の影響なのかずれてしまい、4月開始となっています。

1期目も毎回観ていましたが、この2期目もこれを書いている時点で第13話まで欠かさず観ています。

突発的に観る視聴者も想定して冒頭にはただの人間であるはずの入間くんが魔界にいる経緯、悪魔学校バビルスについて、そして最近の話数でのエピソードのダイジェストが毎回入る親切設計になっています。
(ただし「入間くんは両親によって悪魔サリバンに売り飛ばされた」という件は、2期目の冒頭ダイジェストでは繰り返されません。さすがにちょっとヒドいという判断が働いたのか…?)


週刊少年チャンピオンを定期的に読まなくなって久しいので原作は読んでいませんが、誌名に「少年」と入っているわりには想定読者年齢は高めを想定していそうなチャンピオン連載陣の中にあって、小学生が観てもちゃんと楽しめそうな感じがします。

主人公の入間くんも14歳で、中学生相当ということで高校生主人公も多い少年漫画の中では、年齢は低めかも。

絵柄的にはコロコロコミックとかに載っていても違和感がなさそうな、子供向けギャグマンガ風のポップでカワイイ感じです。

土曜の夕方にNHK Eテレで放送されるだけのことはあって映像面も含めて内容はわりと穏当で、肌色成分はほぼ皆無です。

内容的には入間くんを中心として、アブノーマルクラスを含むバビルスの生徒による青春+ライトなラブコメといった趣で、入間くん自身の成長も描かれています。

ギャグ風味ですが、わりと王道を行く少年向け作品という感じですね。作画面ではこの作品なりの基準みたいなものは常にクリアしていて、そこへの不安感はありません。

ビジュアル面についてはこういうキャラクターデザインは好みではないという人もけっこういそうですが、アメリ会長やクララなどの女性キャラクターを始めとして、メインのキャラクター達はビジュアル面というよりは性格的にけっこう魅力的に描かれていると思います。

追加キャラのアリさんの今後の活躍にも期待しています。

そして、相変わらず入間くんやサリバン理事長に振り回されているカルエゴ先生が不憫だ…(笑)。

2021.9.16追記:
最終回まで試聴終了。バトルあり、デート回ありで終始楽しませてもらいました。3期目の制作も決定したそうで、おめでとうございます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

予想以上に面白かった

一期の評判が良かったので二期から見始めました。

{netabare}
夕方アニメ(?)なこともあって一期を見ていなくても楽しめる作りになっていて、序盤はそこまでだったけど、キャラを覚えてくるにつれて、めっちゃ面白く感じました。

夕方アニメなのに、結構テンポがよくてダレずに見られるし、キャラも全員しっかりと立っていていい。
ギャグ寄りだった悪周期編や家庭訪問回も当然面白かったし、結構シリアスだったり戦闘寄りだった遊園地編も面白かった。
一クール目のコメディ調の話が面白かったので、遊園地編で戦闘が本格的になるのかとがっかりしたけど、そのシリアスもしっかりと面白くて本当にいいアニメだった。戦闘回の最後ではちゃんと入間が主人公っぽく活躍してくれたし。

優しいキャラが多いのもプラス。
主人公の周りがみんないいキャラなので、安心して見られるし、アメリとのデート回みたいなほっこりとする回もあっていい。

個人的にカルエゴ先生が一番好きだったかな。
一番かわいいのはクロム

一話毎評価(13話~)
{netabare}
13話 10/10
14話 7/10
15話 7/10
16話 10/10
17話 9/10
18話 10/10
19話 5/10
20話 10/10
21話 9/10

曲評価(完全に好み)
OP「No!No!Satisfaction」8.5/10
ED「ココロショータイム」8.5/10
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

67.8 2 戦闘で魔界なアニメランキング2位
Helck(ヘルク)(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (147)
399人が棚に入れました
魔界のとある国。一人の勇者の手によって魔王が倒され、新魔王の座をかけた競技会が開かれることとなった。 大会責任者の帝国四天王ヴァミリオは、敵であるはずの人間の勇者ヘルクの参加に激怒する。 決勝戦を前に魔王ウルムの城が陥落した一報を受け、ヴァミリオはヘルクを含む決勝に残った選手たちと共にウルム城奪還へと旅立った。 笑顔で「人間を滅ぼそう」と語るヘルク。 果たしてその言葉は本心か? 笑顔に隠された真実とは……
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ギャグとシリアスのバランスがいいファンタジー

[12.27見終わって]
各話感想をちょっとさぼっちゃいましたけど、後半の過去編もシリアス展開ながらもヘルクの笑顔の陰に隠された苦悩と「人間滅ぼそう」の意味が分かったりしましたし、相変わらずのヴァミリオやピウイなどのキャラも良くて最後まで楽しく見ることができました。
最終話のヴァミリオの決意で締める構成も、1話の頃と比較するとじんわりくるものがありました。
・・と楽しめたんですが・・
色々と伏線回収できてないし、そもそも敵との戦いが続いてる中での終わりはびっくり。
2期前提なのかなって色々と調べたけど何も情報なし。。
何かの形で続編があることを信じて待ちたいと思います。

[9.17追記]
後半クールのPVが公開されてました。
https://www.youtube.com/watch?v=M8Qq-pltl6Y&t=1s
これ見るかぎり、結構シリアス展開になっていくみたいですね。

[初回感想]※各話感想は下にあります。
勇者によって魔王の一人が倒され、魔界では次の魔王を選ぶトーナメントが開催されていた。
大会の責任者である四天王のヴァミリオは、参加者の中に人間の勇者ヘルクがいることに激怒して・・
で始まる物語。
原作はサンデー系のWebコミックで完結。全12巻みたいですが未読です。

調べてみたらアニメは連続2クールで全24話予定なので、原作すべてアニメ化される・・のかな。

夏アニメ選定の時からなぜか気になってたこの作品。
勇者が人間滅ぼそう!と笑顔で言ってるPVとか、ギャグっぽいんだけどその中に漂うシリアスな空気とか。
あとイケメンじゃない主人公とかw

でもあんまりハードル上げないようにしながら視聴開始。

怒りまくる四天王ヴァミリオと冷静な大会副責任者ホンのコントみたいなやりとりが面白いw
声優さんが上手なのもあるのかな。ホンの「あっつ!!」は可笑しくて笑っちゃいました。

その中で時々挟まれる人間の国の謎がいいアクセントになってて先が気になる感じも好きかも。

面白そうなのでほどほどに期待しながら見ていきたいです。

1話「勇者ヘルク」
{netabare}料理対決のパフェ食べてるヴァミリオの顔、なんとなく異世界おじさんのエルフみたいw
魔王を倒したのはヘルクじゃなくて弟で、ヘルクは弟殺しの大罪人とか、攻め込んだ翼の戦士たちとか
謎が多くて先が気になります。次回が楽しみです。{/netabare}

2話「運営スタッフのアン」
{netabare}ほらやっぱりきたー!!ってヴァミリオ、ヘルクのこと結構認めてますよね。
決勝は翼の兵士たちからウルム城を奪還することになり、ヴァミリオが運営のアンとして同行することに。
ヘルクと対面したヴァミリオのすごく嫌そうな顔としつこく握手を求めるヘルクが可笑しかった。
今回もギャグ風味な展開でしたけど、次回からシリアスな展開が待ってるのでしょうか。
ED結構いいですね。ヘルクとヴァミリオはいい友達になりそうな気がします。{/netabare}

3話「未知の敵」
{netabare}大地の毒を制御するために魔族がいるの?
そもそも毒ってなんであるんだろう。大昔事件があったとか?
新世界生物って何?などなど謎が多いですけど今後解明されていくのでしょうか。
そんな謎も気になるけど、キャラたちの掛け合いが面白くて。
身軽なケンロスやチョコ好きドルーシのボケに冷静なツッコミをするヒュラ、キレ芸が面白いヴァミリオなどなど、見てて楽しいです(^^♪
ホンのいつまでですか~!にも笑った。。
そんな中、ヴァミリオがヘルクにつぶやいた「戦え・・」にじんわり。
ヘルクの本心を疑いながらも信じたいヴァミリオの気持ちがわかる言葉でした。
次回が気になる引きも良いですし、これ結構良作かもしれないです。{/netabare}

4話「衝撃」
{netabare}翼の戦士って何かドーピング的なもので人間を改造したもの?
大地の毒や新世界生物と何か関係ありそうな・・でもよくわからないです。
やっとドルーシが活躍したと思ったら。。ヒュラのツッコミいいですねw
ヴァミリオと助けようとしたヘルクがどこかへ飛ばされて・・
この展開、無職転生を思い出しました。
ヴァミリオとヘルクの2人旅になるのかな?変な鳥も気になりますw{/netabare}

5話「孤島の村」
{netabare}知らない島に飛ばされてしまった二人。
この話で一番印象的だったのは・・あの鳥!!
かわいいへんてこな鳥ピウイが面白くて。。声も好き。
ヴァミリオのばかぁー!も定番になってきましたねw
海に沈む遺跡とかまたまた謎が深まったけど、実は結構壮大な話だったりする?{/netabare}

6話「襲来」
{netabare}ヘルクの悲しみみたいなものが少しだけど語られましたね。
ヴァミリオとヘルクの夕食でのお互いまっすぐな会話がいい。
翼の兵士になると人格も変わってしまうみたいだけど、なぜヘルクだけ逃れられたんだろう。そして弟の死の謎も。
アズドラ様、ギャグ要因かと思ってたら意外とカッコ良くて強い!
魔界の強さって、四天王>魔王みたいですね。
各地方に城が複数あって、そこの城主が魔王で、四天王は帝国ですごく強い人たちのことかな。{/netabare}

7話「人間の王」
{netabare}人間の王って不気味な感じだけど本当に人間?
北で魔族が戦ってる魔物って新世界生物?
なんとなくだけど、人間の王って新世界生物じゃないかなって。
ヘルクとヴァミリオのやりとりにほっこり。もう仲良しですね。
最後、ピウイにまたまた笑わせていただきましたw
ほんと、謎鳥いいキャラしてる。{/netabare}

8話「大陸へ」
{netabare}魔女に会えたヴァミリオとヘルクたち。
ヴァミリオによく似た魔女とピウイに似てる大きな鳥・・これって!?
ヘルクを危険な存在だと注意を促す魔女だけど、実は色々と知ってるような気がします。
島を出た二人・・こっそりピウイがついてきてやったーって嬉しくなるわたしw
帰れって言われて不服そうな顔しながらピーって鳴くピウイかわいい♡{/netabare}

9話「蛮族トースマン」
10話「地図を求めて」
{netabare}ギャグとシリアスのバランスがほどほどにいいかもって思うけど、できればもうちょっと世界観にこだわりがあるともっと面白くなると思う。
例えばトースマンの王を倒して元に戻ったのはいいんだけど、お姫さまだけ人間みたいなキャラデザだとちょっと違和感あるので、ちゃんとかわいい猪のお姫さまにして欲しかったかな。
吟遊詩人の女性がちょっと気になります。{/netabare}

11話「吟遊詩人の唄」
12話「信じる心」
{netabare}闇の戦士の不気味な力。
何度でも蘇る翼の戦士やトースマン王と何か関係あるのでしょうか。
それよりもいつもニコニコしていたヘルクの怒りに満ちた顔が闇が深そうな感じがして。
ピウイを見てると、森〇チョコボールを思い出すのは私だけかなw
次回から後半クール。PV見るとこれからシリアス展開になっていくのでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

いるかん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シーズン1はテンポが悪かった、だが!

 結構期待してはいたんですが肩透かしをくらう出来だったので、1クール目途中で挫折しそうになりました。
 私と同じように感じた結果、1クール目で挫折した人たちのために、2クール目に突入した今、書いておきます。

 原作マンガは未見ですが、そこそこ面白いと推測できるんです。
 チート級の強さながら、ド天然の主人公。
 シリアス要素はつきなみ感はあるものの、ぶっ飛んだコメディ要素。
 一本調子にならない舞台設定と、それなりに伏線の含みのあるストーリー。
 ケンロスやピウイのような、バカキャラを使ったお笑いも、結構好きです。

 なので、毎日のちょっとした息抜き、として楽しむ程度なら、アニメも他の酷評した作品よりは良くなりそうなんですよ。
 だから、以降に書くように、1クール目にかなり不満があっても、何か切れないというか、期待を込めて、このレビューを書いている次第です。


 で、問題のアニメ1クール目なんですが、全体的にストーリーが間延びしている印象です。
 評価軸をストーリーか作画か悩んだのですが、今回はアニメ化の時の失策として、作画に減点しました。

 {netabare}
魔王の帝国での新魔王を決める大会、疑念を抱く四天王との転移直後の島でのあれこれ、帝国へ帰還するためのロードムービー的展開
{/netabare}
など、舞台ががらりと切り替わる割には、1話あたりの要素が薄く感じました。
 ストーリーのテンポが遅いわりに、主人公の伏線もろくに回収されないし、逆に舞台が変わった時の新要素は、ヒロインの信頼度以外には役に立たなそうなところとか。
 そもそも、レビューの時にも出てくる画像のキャッチコピー「人間 滅ぼそう」は、現時点でほぼその方向性が見えず、誇張しすぎた表現にしか見えないんですよね。

 特にコメディ要素については、間延びのせいで魅力が半減です。
 4割くらいはツッコミ無しの静止画。
 ツッコミがあっても、そのうち半分くらいは、タイミングが遅い。
 マンガだとこうした間(ま)は読者の好きに読めるので問題ありませんが、アニメで描いた時には、動画という性質上、時間の進行が強制的に画一化されるため「間の悪さ」は致命的です。


 間延びの原因についてですが、ここからは完全に推測、というか脱線です。
 原作は完結しており、2クール予定。
 原作を2クール分に落とし込む時に、1クール目の分割をおざなりにした結果、間延びしたんじゃないかと邪推しています。
 「原作に忠実でさえあればいい」を低予算の言い訳に使い、必要最低限のカットだけで作った結果、編集時に時間余りが多く、間延びの多用という残念な結果になったんじゃないかと。
 

 音楽について、Op曲は2クール目まで見ましたが、特にメジャーなアーティストではないにしても、比較的やる気が感じられる曲だと思います。
 (確かに、ロック調が好きですが、ロックであればなんでもいいとは思ってませんw)
 なんなら、あまり好きじゃないイーリスの歌でも、曲調自体は手を抜いてない印象を受けたくらいです。


 ともかく、原作を無駄にしないためにも、2クール目が終わった時、少しでも評価軸が上向きになることを願っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

【ゲート】は開かれた

特に序盤のコメディ的な展開には微妙なものを感じましたが、ようやく
シリアスな反対面の状況も全面的に押し出されるようになり期待値は上向きとなりました。

「ワンルーム勇者」と同じようなある種のワンパターン「まおゆう」展開でありまして
要するに本作も【グノーシス主義】の傾向がかなり強いとも言えます。

勇者である主人公の名前は「ヘルク」でありますが、元ネタは恐らく
「ギリシア神話」の「ヘラクレス」なのでしょう。

{netabare}半神半人の英雄でありますので、【ネフィリムの眷属】ということになり
よって魔王の陣営に加わるのも当然ということになるわけであります。

一説によれば【フェニキア人】も「ヘラクレス」を信仰していたなどと言われていまして
その辺の情報については裏が取れていないものの【星の種族=フェニキア人】が
「ギリシア神話」が好きなことは自明でありますので疑う余地はないのかもしれません。{/netabare}

バカの一つ覚えという感じで本作にも【ゲート】が登場します。

【ゲート】とは自衛隊が異世界転生する作品のタイトルと同じでありまして
【フリーメイソン】のロッジに置かれています【ボアズとヤキンの柱】が
【ゲート】を表しているわけであります。

「柱」は「神」でありまして、神社の「鳥居【⛩】」も【ゲート】であると言われます。

{netabare}「数秘術」?では【ゲート】のことを【11】で表し、例えば
アメリカ同時多発テロの日=2001年9月11日に世界貿易センタービルが崩壊した事件も
【ゲート】と関係があるという説が存在します。

【ボアズとヤキンの2本の柱】、「世界貿易センタービル」の「ツインタワー」
そして「ヘラクレスの柱」すべてが【ゲート】を表しているとも言われています。

もちろんこの考え方の背景にあるのは、「古代宗教」すなわち【オカルティズム】
でありますので、現代人の感覚としては奇妙な説ということになるでしょう。

【グノーシス主義】(作品)において最も重要なシンボルは【ペイガニズム】
即ち「多神教の神々」に関するものでありまして、「神々」のルーツが【堕天使】
であることから【天使の翼】は当然の如くごり押しされるわけであります。

「勇者」とは【堕天使】の末裔である【ネフィリム】でありますので背中に翼が生えていても
何の不思議もないわけですが、魔族と勇者の立ち位置が逆転しているせいで
どっちが正義でどっちが悪なのかわけがわからないカオス状態になってしまいます。

「上なる如く下も然り」」というあべこべな状況こそが【グノーシス主義】の
意図するところであり、「新世界」の価値観は既存のものとは違うということを
示したいからなのかもしれません。{/netabare}

かくして【ゲート】は開かれて新世界が始まるわけであります。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

54.4 3 戦闘で魔界なアニメランキング3位
コメット・ルシファー(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (323)
1703人が棚に入れました
青く輝く鉱石、ギフトジウムに覆われた大地、惑星ギフト。

ソウゴ・アマギはギフトジウム採掘で栄える街、ガーデン・インディゴに住む純朴な少年。希少な鉱石を集めるのが趣味のソウゴは、ある日、同級生のカオン、ロマン、オットたちが引き起こす騒動に巻き込まれ、鉱山跡深くの地底湖へと迷い込んでしまう。

そこでソウゴは不思議な少女と出会う……

風にそよぐ青い髪、まっすぐに見つめる赤い瞳。

いったい彼女は何者なのか、この出会いがソウゴに何をもたらすのか。

そしていま、結ばれた絆が冒険への扉を開く――。

いま冒険の旅がはじまる。君と仲間と、運命を連れて。

声優・キャラクター
小林裕介、大橋彩香、高橋李依、寺島拓篤、諏訪彩花、水瀬いのり

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

その様に物語を纏めてきましたか・・・

この作品は、オリジナルアニメだったんですね。レビューを書くためにwikiをチラ見するまで知りませんでした。
でも、色彩の淡い・・・可愛らしいキャラデザに惹かれたのと水瀬さん、三森さん、大橋さんが出演されるのを知り視聴を決めた作品です。

この物語の主人公は、鉱石採取を趣味としているソウゴ・・・彼は暇さえあれば近くの谷底に行き、かつて母が生前に教えてくれた光る鉱石探しに精を出していました。
そんな彼の努力が実を結んだのか、ある日赤く光る鉱石を見つけるのですが、その後の成り行きでクラスメイトのカオンと、彼女を許婚として執拗に追い回すロマンとオットとのトラブルに巻き込まれてしまい、ソウゴとカオンは大きな穴から地下の洞窟のような場所に落っこちてしまうのです。

落っこちるというアクシデントはありましたが、何とかロマンらから逃げ切り出口を探していたところ、地底湖が光り輝き鍾乳石の中から一人の少女が出てくるんです。
その少女の出現とほぼ時を同じくして大きなロボットが突如表れ、少女を捕まえようとした時、白に緑のラインの映えるもう一台のロボットが表れ、ロボットの行動を阻もうとするのです。
それはまるで少女を守るかのように・・・
ソウゴとカオンは気を失った少女を抱きかかえながらその場を離脱し・・・物語が動いていきます。

その少女はフェリア・・・そして彼女の自称守護者である謎の石モウラは、ひとまずソウゴの家に身を潜める事となるのですが、フェリア・・・この時点から可愛らしさが暴走していたと思ったのは私だけでしょうか^^;?
辿々しい言葉遣い・・・天真爛漫な性格・・・そしてまるで生まれてきたばかりの赤ん坊の様に無垢なんです。
そのため、物事の善し悪しの判断が付かなかったり、時にはやり過ぎてしまう事もあるのですが、それらを引っ括めて彼女の魅力なんだと思います。

フェリアはカオン、ロマン、オットとも直ぐに打ち解け、ソウゴの家は優しさと温かさで包まれているようで・・・
そんな時間がずっと続いて欲しい・・・そう思えるまで多くの時間は必要ありませんでした。
でも人間って欲しいモノを手に入れるまで中々諦められませんよね^^;?
地下洞窟でフェリアを捕まえようとしていた一行は・・・全然諦めていませんでした。

油断・・・だったのかもしれません。
それはごくありふれた日常のほんの一瞬の狭間でしかない僅かな時間・・・
でも「その筋のプロ」なら造作もないんでしょうね・・・^^;
あっという間にフェリアを奪われてしまうのですが・・・ここから物語のスケールが一気に大きくなっていくと共に・・・何度も胸が痛みました^^;

フェリアは一緒にいたいと思っているだけ・・・何も悪い事はしていません。
それはソウゴ達も同じ・・・静かに、皆んなで仲良く生きていければそれでいい・・・
何かを変えたいと思っているわけでもなく、特別な力とかが欲しい訳でもないんです。

でも、歯車って・・・回り続けるうちにガタがくるのでしょうか・・・
自分の気持ちが分からなくなったり・・・
気付いたら「いつもの指定席」にいるのが自分じゃなくなっていたり・・・
応援したい気持ちも本心・・・けれど自分だって本心を叫びたいのにできなかったり・・・
大きなやり取りがある訳ではありませんが、登場人物の心模様が巧みに表現されていると思います。

でも胸の痛みはこれだけではありません。
一番胸が傷んだのはフェリアを狙ったホントの目的でしょうか・・・
あんなに泣いているのに・・・
あんなに嫌がっているのに・・・
フェリアはモノじゃないのに・・・
私にできる唯一の事は、サヨナラ逆転満塁ホームランでフェリアがハッピーエンドを迎えられるように祈る事だけ・・・
結構心を込めて精一杯願ったんですけどなぁ・・・^^;
勇気・・・優しさ・・・沢山の思いの詰まったラストだったと覆います。
気になる方は是非本編でご確認願います^^

オープニングテーマは、fhánaさんの「コメットルシファー 〜The Seed and the Sower〜」
エンディングテーマは、大橋彩香さんの「おしえてブルースカイ」他4曲でした。
fhánaさんの高音域の歌声は聞いていてとても気持ちが良いです^^
カラオケで歌っても気持ち良かったです^^;

1クール12話の作品でした。1クールの中でしっかり纏まった作品だと思いました。
フェリアを追跡する相手の説明がもう少しあったらとより理解が深まったと思いました。
でも、声優さんも合っていたし作画も綺麗・・・そしてロボットの動きも迫力があって良かったと思います。
しっかり楽しませて頂いた作品になりました^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

作品そのものの感想というよりは、どうしてこんな作品が出来上がってしまったのかって点が気になる作品

とりあえず一話を見ただけでも「あの幅寄せ殺しにきてるだろ」「あの高さから落ちで無事かよ」「結婚よりも安否気にしろよ」「ロボが捉えた映像送れよ」などなど、
色々おかしな部分が目立つが、そのおかしさは最後まで続くので、
一話で全体のノリが把握できるようになってるのはある意味良心的なのかも(一話切りするかどうかという意味で)

そして個人的な関心はタイトルで書いた通り、作品の感想というより、どうしてこんな作品になってしまったその経緯のほうが気になって仕方ないことに。

ちょっと関係ない自分語りをしてしまうけど、確かあれは何年前だっけかなぁ、
同人誌だか雑誌の記事だか忘れたけど、そこで見たアニメーターの愚痴を思い出します。
内容は、とあるOVA制作に関する話で、可愛い女の子(ヒロイン)の絵を見せられて「この作品作るの手伝ってくれんか」と仕事の依頼が来たとのこと。
てっきり女の子が描けるものだと思って引き受けたら、実際に回されてきた仕事内容はオッサンを描くだけだった、というちょっとした笑い話。
なのだけど、こういったマインドは現在でも変わってないと思います。
女の子で騙し討ちってことじゃなく、アニメーター(絵描き)が「描きたいシーン」と、
ストーリーの展開上「大して描きたくもないけど描かなくてはいけないシーン」があるということ。

で、この作品は後者に当たる部分を極限まで取っ払って作ったような印象。
取っ払ったというより、アニメーター(原画になるのか?)に描きたいシーンを尋ね、それに合わせてストーリーを組み立てたって感じ。
脚本家ごとに好きなように書かせて~って方式だと戦国コレクションのようなオムニバス形式になるけど、
絵描きに好きなように描かせて~ってやるとこういう形になるのかー、と思って見れば、また新たな楽しみ方が見つかるかも知れない。

例・ヒロインが序盤幼女であった必要性は大してないのだけど「幼女描かせろ~」って声があったのではなかろうか。
主人公がロボに搭乗する必要性も同様、コクピットでうおおーと叫ぶシーン描きたい→じゃあそうしましょうって流れで決定したんではなかろうか。
等々、不自然な部分は全て「だってそれが描きたかったんだもん」という意図で出来上がったものだと思うと色々と納得できてしまう。

これまた話が逸れて恐縮なのだけど、アニメーターに好きなように描かせたらどうなるかっていうのは、
シリーズ全部がそれっていうのは稀有だけど、数分程度というのであれば既存作品でもいくらでもある。
ぱっと思いつくのはもえたんのロボとプリンセスラバーの魔法少女。
これらは総じてどこかで見たシーンの焼き直しで、コメットルシファーがそれらの要素ばかりで構築されてるのもこれまた納得。
オリジナリティ云々よりも、あのとき見たあのシーンを自分の手で再現したいって気持ちの方が先に出るのだろうか。
そこら辺を上手く調理した最右翼はエヴァになるので、コメルシもまとめ役がもうちょい頑張ってくれればエヴァのようになってたのかも…知れない?
この問題は1か0ってものではなく比重に関わることなので、難しいんだろうけどねー。

けど、これにより「コメルシで好きに描かせたんだから、次の仕事はこのカット(誰も書きたがらない面倒なシーン)描いてよ」と頼みやすくなるのかも?
もしコメルシが人気作品になってたら「コメルシと同じでいーじゃん、そんなの描きたくないよ」と突っぱねられてしまうので、
不人気に終わったのは幸いなのかも知れない。


ところで、上記の説(現場の描きたがるものを優先した作り)はあくまで仮説です。
どういう姿勢で臨めば楽しく見れるかなーっていういちアイディアに過ぎず、それには矛盾してる箇所が僅かながらあったり。
あの…その…モウラが人間化した姿が…全然可愛くない。
シルエット的にはマクロスFのクランなのだけど、それをあそこまで可愛くなく描くなんて…。
好きなように描かせてあのデザインって考えにくいのだけど、ひょっとしてアニメーターにもB専って居るのか?
それと色彩鮮やかな謎の泉周辺の植物たち…美しい風景ってのを描いてるつもりっぽいけど、自分の目には魔界にしか見えなかったり。
「時間や予算の都合で力及ばず不本意ながらそうなってしまった」って印象は無いので、感性が全く違ってるとしか解釈のしようがない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

PPN さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

オリジナルとは、何かね…(´∀`; )

謎の少女フェリアをめぐり主人公たちが繰り広げる
冒険を描いたSFファンダジー作品。
全12話。
エイトビットによるオリジナルアニメーション。


はじめに
この作品好きな方には申し訳ない内容です。
にわか者の感想文です、ご了承下され。


う~ん、何て言えばいいのか…ツッコミ所多々…(;´∀`)アハハ
決して面白くない訳ではないんだけどねぇ。
ストーリーに深みが感じられないっていうのが率直な感想。
バトル、恋愛、キャラの掘り下げなどなど全てにおいて
中途半端で見事に物語全体をボカしてしまっていましたね。
なので、敵・味方双方のキャラクターの存在感もイマイチ。

他作品の良いところをかき集め、詰め込めるだけ詰め込んで
失敗したという印象しか残りませんでしたねぇ。

ロボットのバトルシーンは丁寧かつ迫力ある動きが見られます。
声優陣も若手をメインに起用しフレッシュで好印象。
作画や音楽などもそんなに悪くなかっただけに……。
やはりストーリーの出来が残念な作品だったなぁと(´Д`)


せっかくのオリジナルアニメ、制作側の腕の見せ所のはず。
エイトビット、初のオリジナル作品という事もあり
守りに入ってしまったんでしょうか。
作品の特徴や個性をハッキリと描かなければ勿体ないですね。
次回のオリジナルアニメはもっと個性的、もっと思い切った
「エイトビットならでは!」という作品を期待しています!!



《キャスト》

ソウゴ・アマギ(CV.小林裕介)
フェリア(CV.大橋彩香)
モ・リティカ・ツェツェス・ウラ(CV.水瀬いのり)
カオン・ランチェスター(CV.高橋李依)
ロマン・ヴァロフ(CV.寺島拓篤)
オット・モトー(CV.諏訪彩花)
ハジメ・ド・モン(CV.三宅健太)
マルヴィナ・アニアンス(CV.三森すずこ)
ガス・スチュワート(CV.浜田賢二)
パトリック・ヤン(CV.田村睦心)
アルフリード・マッカラン(CV.間島淳司)
ジュード・プライス(CV.速水奨)



《主題歌》

OP
『コメットルシファー~The Seed and the Sower~』/fhána
ED
『おしえてブルースカイ』/大橋彩香(第1話~第4話)
『裸足のままでもこわくない』/大橋彩香(第6話~第8話)
『追憶のかなた』/fhána(第9話)
『ヒトツニナリタイ』/大橋彩香(第10話~第12話)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 47

66.1 4 戦闘で魔界なアニメランキング4位
牙狼<GARO>-VANISHING LINE-(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (61)
221人が棚に入れました
高度に発展した都市、ラッセルシティ。繁栄を謳歌するその街で、この世界を揺るがす巨大な陰謀が動き始めていた―いち早くその動きを察知した男・ソードは、陰謀を暴くため人知れず闘いに身を投じる。しかし得られた手がかりは「エルドラド」というキーワードだけだった。そんな闘いのさなか、ソードはソフィという少女と出会う。ソフィもまた行方不明になった兄が残したメッセージ、「エルドラド」の意味を探し求めていた。兄を失ったソフィ、そしてソードもまた過去に妹を失っていた。「エルドラド」という言葉に引き寄せられた二人は、互いに見えない絆を感じ、行動を共にするようになる。そして、それぞれの想いが交錯する旅がはじまった―

声優・キャラクター
関智一、釘宮理恵、島﨑信長、小清水亜美、浪川大輔、朴璐美、堀内賢雄
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

単品としてもシリーズとしても違和感なく見られる良作(BSにて再放送中!)

2017年10月~2018年3月放送のTVアニメ。全24話。
特撮の牙狼シリーズは、『牙狼〈GARO〉』(テレビシリーズ第1作目)、『牙狼〈GARO〉 〜RED REQUIEM〜』(初の劇場版)、『牙狼〈GARO〉 〜MAKAISENKI〜』(テレビシリーズ第2作目)を視聴済み。

今作『牙狼-GARO- -VANISHING LINE- 』は2014年から展開されているアニメ牙狼シリーズの第4作目。
他アニメシリーズは未視聴ですのでおいおい…。

放送当時(牙狼シリーズ未視聴だった頃)に途中までは視聴していたのですが視聴環境が合わなくなり、ずっと続きを見たいな~と思っていたのですがなかなか…、今になってようやく最後まで見れました。
最近になってシリーズ構成が吉村清子さんであることに気づき、それも視聴再開の大きな動機となったのですが、期待に違わぬ良い作品でした。楽しかった!


【物語】
一般人ソフィと黄金騎士ソードがダブル主人公だと思うとしっくりくる作品。

序盤はホラー(「陰我」(人の業)が強い人間に取り憑き人を喰らう怪物)から人間を守る魔戒騎士・魔戒法師の物語。
中盤以降はソフィがソード達と絆を深め、終盤は「エルドラド」の謎に迫っていきます。

ホラーが本性を現すのは夜という設定なので、人の営みは自然と昼に描かれることになり、世界の裏と表をストレートに物語に組み込めています。
R15位だとは思いますが、アクションとドラマのバランスが良く、シリアス・コミカル・ハートフルの比率も程良く、キービジュアルや原作の印象などよりは万人向けかなと。
濃いバトルで魅せる回と心理描写メインの回が割とはっきり別れていて、独特のメリハリがあります。どちらも好きという人にオススメ。


【キャラクター】
皆とても良かったし好きでした。
{netabare}
まず、本編開始時点で完成されており、視聴者に不安を抱かせないソードとジーナ。
私は普段アメリカナイズされた主人公にそれほど魅力を感じませんが、ソードは凄く好き。戦闘力・精神力共に強靭で最強の主人公ですが誰に対しても優しく、時に情けない面もあって、見ていて嫌味がありませんでした。
死んだ妹リジーを目の前にしても揺るがず、リジー自身も黄金騎士の血族として「守りし者」の側に居る。ソフィ・マーティンの描写とは意図して対照的に描かれていたと感じます。
ジーナもまた「守りし者」の誇りを常に持ち続けていますし、戦闘のみならず仲間へのバックアップもソフィへのフォローも完璧だったと思います。キャラデザもグラマーで艶っぽくて良いですよね。

そして物語の中で成長するソフィとルーク。
ソフィは魔戒騎士や魔戒法師からすると「守るべき者」ではあるのですが、彼女自身も根源的な部分で人を守ろうとする精神を持っています。これは妹のために努力し、皆が笑顔になれる理想郷を作ろうとした兄のマーティンから受け継いだ資質でもあるでしょう。
ルークは誰かから教わるのではなく、自分自身で「守りし者」の本質を掴んだのが良かったです。父との因縁は自分の心の弱さを克服することで清算、「守りし者」としてソードとソフィをサポートすることを優先し、ナイトとの決着に拘らなかったのが凄く好きでした。最後に魔戒騎士としても戦うようになっているのは、父と母のどちらの道も受け継ぐ決心をしたからなのでしょうね。
{/netabare}


【作画】
全体通して素晴らしかったです。
アクションシーンもですが、仕草や表情が細かくてキャラクターに愛着が湧きました。この世界いつまでも見ていられる(笑)。
キャラクターデザインも長身で骨太なので落ち着きますし、人種の描き分けとかも好き。

CG含めバトルシーンも良く出来ていました。ただ夜に戦闘することが多くて画面が暗いのが勿体ない。バイクアクションのシーンはもう少しカメラワークは固定して欲しいかなあ…画面が揺れすぎて酔いそうでちょっとキツイ。


【音楽】
ジャンルを固定しない独特の劇伴でしたね。良い曲が多く、シーンを邪魔しない使い方も好印象。
第23話の特殊EDはすごく印象に残りました。シリアスなシーンにポップな楽曲が不思議と場違い感無く、次回のアクションへの期待を膨らませてくれるのが良かったです。曲もシーンも演出も好きでした。


【原作から受け継ぐもの】
視聴済みの特撮3作品に限って言えば、今作にも共通するのが「想いの継承」と「力の在り方」かと思います。
{netabare}
魔戒騎士は魔界から鎧を召喚・装着して戦いますが、父から子へと受け継がれる場合が多いようです。魔戒騎士と魔戒法師(あるいは魔戒法師と魔戒法師)の夫婦も多い様子。そのため、牙狼シリーズにおける「想いの継承」は血筋(父や祖父や息子との関係)や師弟関係で描かれることが多くなります。
しかしそればかりでなく、仲間との関係性も重要な要素。
ソフィとルークがそれらを背負ってくれているのが良いですね。

「力の在り方」は完成型主人公のソードが全てを表していました。心・技・体全てを兼ね備えた最強の魔戒騎士。
ソードの強さの理由を理解する上で、個人的にはルークの行動を見るのも良いと思います。それぞれの登場人物の辿る道筋が、言葉で語られない部分を補完し合っているのも素晴らしいと思います。{/netabare}

とある感想サイトで他の方が書かれていた「換骨奪胎」という一言に尽きる名作。
とても良いアニメでした。


【おまけ・視聴済みの牙狼シリーズについて】
{netabare}
牙狼シリーズは、雨宮慶太氏による特撮作品が原作です。
以下は私が視聴済みの牙狼作品。

『牙狼〈GARO〉』(テレビシリーズ第1作目であり、すべての始まり。2005年10月7日~2006年3月31日放送、全25話)
『牙狼〈GARO〉 〜RED REQUIEM〜』(初の劇場版。2010年10月30日公開)
『牙狼〈GARO〉 〜MAKAISENKI〜』(テレビシリーズ第2作目。2011年10月6日~2012年3月29日放送、全24話)


私が特撮牙狼シリーズで魅力に感じた点は以下の3つ。
・エログロがアート的な表現に落とし込まれていること
・派手なCGと手の込んだ殺陣で魅せるアクション
・人の善性を浮かび上がらせるヒューマンドラマ

私はエログロは嫌いな方ですが、作劇上の狙いがあってグロテスクなシーンを作っていることが理解でき、またアーティスティックな映像にもなっているため、生理的な嫌悪感を抱くまでには至らずに視聴できました。
エロティックなシーンも15Rとしてはほどほどで、女性を貶めるような描写もほぼ無いと思います。まあ苦手な人にはお勧めできませんが。
アクションは元々好きで、特に生身での殺陣が多いことに魅力を感じました。鎧の装着そのものが必殺技のような扱いで、特撮版では99.9秒と時間が限られているのも良い。
人間ドラマは言うに及ばず。
ダークな世界観と「陰我」(人の業)の描き方が、王道ストーリーをほど良く味付けしています。(水戸黄門とかを少し思い出すフォーマットなのが好きなんだよなあ…)

また、魔戒騎士や魔戒法師の系譜(血筋)が歴史として物語の縦軸に、「守りし者」と「守るべき者」の現在が物語の横軸になっています。
{/netabare}
(2021.2.14)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「約束された未来 終焉のその先へ」

この作品は、『牙狼〈GARO〉-炎の刻印-』『牙狼 -紅蓮ノ月-』に次ぐテレビアニメ第3弾です。
『牙狼〈GARO〉シリーズ』は、アニメだけではなく実写ドラマなど幅広く展開されている作品です。
作品ごとに物語の舞台設定は大幅に異なっていますが、魔戒騎士である黄金騎士が、人々の負の感情につけ込む魔獣・ホラーと戦う勧善懲悪モノである基本設定は一貫しているので、きっとどのシリーズから視聴しても楽しめる作品だと思います。

今回の物語の舞台は、今の時代の大都市・ラッセルシティ…
人の集まる場所は、様々な感情が渦巻くのでホラーとしても格好の餌場です。
物語は、そのラッセルシティで魔戒騎士であるソードが、ソフィという少女を助けるところから始まります。
ごく普通の少女であるソフィ…肉親は兄一人で修道院暮らしの彼女は、気の利く優しい活発な女の子…
そんなソフィの前から突如兄が姿を消してしまったんです。
たった一つ「エルドラド」という言葉を残して…
そしてそのエルドラドは魔戒騎士であるソードが追い求めていた場所でもあったんです。

こうしてソードとソフィは一致団結して…という訳には当然いきません。
一般人をホラーとの闘いに巻き込むなんて有り得ませんから…
でも、ソフィは兄を探すには自分は非力で力不足である事を身の回りで起こる出来事から悟ることになります。
何故ならソフィを待ち受けていたのは想像を絶する苦しみと悲しみ…
大粒の涙をどれだけ流しても、大切な人の名前をどれだけ叫んでも、思いが形になってくれないんです。

絶望の崖っぷちに追いやられ、心のポッキリ折れてしまったソフィ…
でも、ホラーはそんなのどこ吹く風か…次から次へと刺客を送り込んでくるんです。
しかもホラーは生命の尊厳や重みなんて考えてくれない…むしろ蔑ろです。
だからソフィには自分の気持ちを整理する時間すらなかった…
これまで自分を育ててくれた大切な場所なのに…
ソフィは、ソードとそれらの感情を乗り越えたその先に向かうため手を取り合い…物語が動いていきます。

こういう腰を据えた王道のファンタジー作品と、アニメーション制作のMAPPAさんという組み合わせの相性は、文句なしに最高だと思います。
MAPPAさんの作品で真っ先に脳裏に浮かぶのは、やっぱり「神撃のバハムート」です。
あの壮大な物語を高いクオリティで描ききってくれました。

今回の作品も「神撃のバハムート」に通ずる並々ならぬクオリティを感じました。
まず最初に心を奪われたのはオープニングアニメです。
曲とのマッチングもさることながら、登場人物がみんな超格好良いんです。
神撃のバハムートでは、ヒッポ君の引く馬車に颯爽と乗りしっかり前を見据えたニーナ…
本作では腕組みしながら右後方に視線を送る魔戒法師ジーナ…
今回はジーナの雄姿が私にとってのスイッチだったようです。

そしてこの作品を支えるもう一つの大黒柱が起用された声優さんです。
主人公のソード役は関智一さん…フルメタル・パニックの相良宗介と聞けばピンと来る方もいらっしゃるのでは…?

ヒロインのソフィ役は、くぎゅこと釘宮理恵さんです。
今作の演技も鬼懸かっていたことだけは断言できます。
くぎゅ…私にとって耳障りが良くてずっと聞いていたい声質…
なんでこんなにも凄い声優さんなんだろ…

魔戒法師は男女一人ずつが登場しました。
男性であるルーク役を務めたのは島崎信長さん。
女性であるジーナ役は小清水亜美さん。
もう実力も実績も申し分ない人たちで固められた最高の布陣です。
そりゃ心を激しく動かされるのも納得です。
でもこの作品の声優さんはベテランばかりではありません。
若手声優さんの中でも個人的に気になっているとみたん、こと富田美憂さんも幼少時代のルークとして参加しています。
とみたん、と言えば「メイドインアビス」のリコ役…これも続編の情報が待ち遠しい作品の一つです。

ソードの思いは届くのか…
ソフィの願いは叶うのか…
魔戒法師たちは二人を支え切れるのか…
物語は「超」が付くほど王道の勧善懲悪モノですが見どころは満載です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、JAM Projectさんの「EMG」と、喜多修平さんの「HOWLING SWORD」
エンディングテーマは、奥井雅美さんの「ソフィア」と、米倉千尋さんの「Promise」

2クール24話の物語でした。
シリーズ通してアニメーションを制作してきたMAPPAさんの誇り…
最高の声優布陣が揃えられるのも、この作品が魅力的で面白いからにほかなりません。
最終回の展開から「もしや続編来るの…?」と途中からドキドキしながら視聴しましたが、物語の纏め方もこの作品…そして登場人物ならでは…だったと思います。
ソフィ…自分の夢…憧れを手にできる事を期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

あまり話題にのぼらない程「定番化」。でも中身はチャンとしてる・・・と思うのですが。

人を食らい、また人の弱み・妬み・嫉みに付け込み、それを願う人間を食らって成り変わり、欲望を果たす魔物『ホラー』。ホラーから人知れず人々を影ながら守る魔戒法師と魔戒騎士たち『守りし者』。古より続く、いつ果てるともわからない戦いの日々。その中で金色の鎧を纏い、数々のホラーを打ち倒す黄金の狼騎士の姿があった。それは『牙狼』の称号を持つ魔戒騎士・・・

2005年頃から始まった実写アクションヒーロー物「GAROプロジェクト」。
基本プロットは上記の通り。
原作・総監督は「雨宮慶太(あめみやけいた)」氏。今はもう珍しくありませんが日本特撮美術において「和風」テイストを取り入れ、見事にマッチングさせた方です。漫画家・寺沢武一先生の歪なデザイよりもカッコイイです。
(なので雨宮監督の名が知られるまでの80年代中期迄の特撮美術・小道具・衣装といったらもう、デザインが今一つ伸び悩んでた時期でした。それを打開したのが雨宮監督と出渕裕の両氏・・・と、個人的に思ってます。今日までの仮面ライダーや戦隊シリーズの怪人デザインは少なからず両氏の影響があったのではないかとも思えます。)
絵コンテも描けて、原作も出来て、キャラデザインも出来て、字も達筆で、作品映像は(個人的に感動で泣けるくらい)カッコイイシーンを撮ったりと何かとマルチにこなされてますが、その分「イメージ」がシッカリしたモノを創造されるクリエイターです。

私にとって雨宮監督はTV特番「鉄甲機ミカヅキ」を最後に、あまり知ることはありませんでした。なので牙狼シリーズはTVシリーズ・劇場版・ビデオ
も見たことはありませんでしたが・・・まだ続いてるのですね!
雨宮監督も一線から一歩下がって「総監督」の立場の様で、現場の監督は馴染みの「雨宮組」の方々がされてるようです。
主役も作品ごとに変わっていき、なんか「水戸黄門」か「遠山の金さん」みたいに思えてきた。(笑)

アニメの方も過去に、
・牙狼-GARO- 炎の刻印(TVシリーズ)
舞台は中世欧州風。魔戒騎士の宿命に翻弄される青年・レオンとその縁者の物語。(個人評価は「良」)

・牙狼 紅蓮ノ月(TVシリーズ)
舞台は日本の平安時代風。キャラデザに漫画家・桂正和先生が起用されましたが、ストーリー中盤からチョット失速。(個人評価は「普通よりやや下」)

・牙狼-GARO- DIVINE FLAME(劇場映画)
TVシリーズ炎の刻印の4年後の物語。(未視聴)
などありました。

で、本作TVアニメシリーズ第三弾「VANISHING LINE」ですが、舞台は現代アメリカ風の大都市。
今回の牙狼「ソード(主人公の名)」は今まで均整の取れた(細身の)体格に男前なキャラが多かったのに対し、大柄でワイルドの大食漢。クソデッカイ車輪のバイクを乗り回し、田舎の人の良い兄ちゃんみたいな感じ。謎のキーワード「エルドラド」に関わる謎を追いつつホラーを倒していくストーリーの様です。
今まであったどの作品もバトルアクションはカッコイイのですが、今回は老眼にはツライッ!スピード感が速すぎて目で追うのが大変です!
もう映像アトラクションを見てるような感じです。(今後このテンションが続くかどうかわかりませんが)

制作は今期「いぬやしき」と前期から続いてる「将国のアルタイル」、
前期は「賭ケグルイ」と前々から続いた「神撃のバハムートVIRGIN SOUL」を手掛けた「MAPPA」。ストーリー構成に当たりハズレがある「MAPPA」ですが、流し見には良いのではないのかと・・・

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
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