未来で歌なTVアニメ動画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の未来で歌な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月13日の時点で一番の未来で歌なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.5 1 未来で歌なアニメランキング1位
キャロル&チューズデイ(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (395)
1286人が棚に入れました
人類が新たなフロンティア、火星に移り住んでから50年になろうという時代。多くのカルチャーはAI によって作られ、人はそれを享楽する側となった時代。ひとりの女の子がいた。首都、アルバシティでタフに生き抜く彼女は、働きながらミュージシャンを目指していた。いつも、何かが足りないと感じていた。彼女の名はキャロル。ひとりの女の子がいた。地方都市、ハーシェルシティの裕福な家に生まれ、ミュージシャンになりたいと思っていたが、誰にも理解されずにいた。世界でいちばん孤独だと思っていた。彼女の名はチューズデイ。ふたりは、偶然出会った。歌わずにいられなかった。音を出さずにいられなかった。ふたりなら、それができる気がした。ふたりは、こんな時代にほんのささやかな波風を立てるだろう。そしてそれは、いつしか大きな波へと変わっていく───

声優・キャラクター
島袋美由利、市ノ瀬加那、大塚明夫、入野自由、上坂すみれ、神谷浩史、宮野真守、堀内賢雄、宮寺智子、櫻井孝宏、坂本真綾、安元洋貴、大塚芳忠、菅生隆之、梶裕貴、蒼井翔太、東山奈央、佐倉綾音、飯塚昭三、白熊寛嗣、浅沼晋太郎、久野美咲、田村聖子、落合弘治、吉野裕行、谷昌樹、岩崎ひろし、諏訪部順一、青山穣、柿原徹也、山寺宏一、沢木郁也、林原めぐみ、木村昴
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

若葉のころ

渡辺信一郎総監督、ボンズ制作。

火星に住む、お嬢様のチューズデイは、
ミュージシャンを夢見て、家を飛び出す。
同じ夢を持つキャロルと運命的な出会いを果たし、
春に芽吹く若葉のように2人は奇跡の物語を育む。

少女の「歌」、あるいは「詩」、
世界名作劇場のように優しく始まる。
きっと肯定すべき物語だろう。
四季の美しさに、世界の美しさに、
そして未来の美しさにそう感じるままに、
五感を研ぎ澄ませ知覚したものが、
私たちの意識に宿り、それは花咲き、
色も形もない「音」という表現に多様性を見る。
朝の空気にだって、響きはあるのだ。

うん、きっと可能性の物語だ。
なんて爽快な始まりなのでしょう。

中盤を迎え。
音楽性に関してはアニメの枠では図れない。
{netabare}棄権扱いとなった決勝戦で奏でる、
孤独な人に捧げる優れた楽曲が、
静かに心に沁みて音楽の偉大さを知る。{/netabare}

最終話視聴追記。
予想していた結末とは違いますが、
{netabare}私はこれで良いと思います。
愛のない世界の中心で愛を叫ぶ、
音楽は心を通じ合わせる偉大な魔法なのだ。{/netabare}

序盤が素晴らしく、過度に期待した分、
構成や設定に疑問が残る点もありますけど、
素敵な音楽から力を授かる。
この点に於いて素直に称賛したいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

魂を揺さぶられる音楽が聴けるアニメ

このアニメを楽しんで見るこつは、音楽を純粋に楽しむことです。
そうすれば、素晴らしい歌に出会えます。魅力的な音楽を楽しめます。

実際に、このアニメで歌われる音楽で、私は魂を揺さぶられました。
音楽好きの人にぜひともお勧めするアニメです。

音楽は世界共通の言語です。
年齢や国籍に関係ありません。
ましてや文化や肌の色にも関係なく、
歌い手や演奏者の心を聴き手に伝えてくれます。感動を与えてくれます。

今回、第二話ででてきた 「The Loneliest Girl」の歌、
これが実にすばらしい。
歌詞はすべて英語ですが、キャロル&チューズデイの二人の心が、じわーっと伝わってきました。
また、オーディションの決勝戦でアンジェラが歌った「Light a Fire」も名曲です。私の心にしっかりと響きました。

そして、キャロル&チューズデイが準決勝で歌った「Lost my way」も名曲です。
単純なピアノの伴奏だけなのに、透きとおるような二人の歌声が見事に調和しています。
さらに後半のエンディングの「Not Afraid」も素晴らしい。低音部から高音部まで歌いこなせるアンジェラならではの魅力的な歌でした。
ついでにサイドニアフェスでキャロル&チューズデイが歌った「messege in the Wind」は、まさに風の妖精が歌っているような美しい音色でした。


この物語では、音楽を通じて、孤独だった少女たちが友達になり、やがて、仲間が増えていきます。
これも、音楽の力です。
おそらく孤独だったのは、キャロル&チューズデイだけでなく、アンジェラもでしょう。

世の中に、魔法というものは確かに存在します。
そのうちの一つが音楽です。
音楽は人の心を変えます。人の行動を変えます。そして、世界を変えます。
それは素晴らしいことです。

この物語は、キャロルとチューズデイの成長だけではなく、アンジェラの心の成長も描いています。
今まで我儘で世の中の厳しさを知らなかったアンジェラが、芸能界で生き残る厳しさを知り、少しずつ人間としての優しさを身につけてゆく物語でもあります。

最後にみんなで歌った「Mother」。あれはキャロル&チューズデイやアンジェラに仲間ができたことの証明です。
多くの人が一緒に歌うのは、それだけで感動します。

少々脱線しますが、
昔は交響曲と合唱とは全く別物として扱われていました。
しかし、ベートーベンの第九により、この二つが初めて融合したのです。
音が聞こえない型破りの作曲家が、音楽は何ものにも束縛されない自由なものであることを証明してくれたのです。
彼女らも、それを証明してくれました。
難民キャンプで育ったキャロルと大統領候補の娘のチューズデイ。
この二人がつくる歌は、まさに人類の輝かしい未来を象徴しています。

もし、海外の人と話す機会があれば、キャロル&チューズデイの話をしてみませんか?
それがきっかけで多くの人と親しくなれるかもしれませんよ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 68
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

トゥルー・カラーズ

アニメーション制作:ボンズ
総監督:渡辺信一郎、監督:堀元宣、
キャラクター原案:窪之内英策、
キャラクターデザイン:斎藤恒徳、音楽:Mocky、
音楽制作:フライングドッグ
原作:BONES・渡辺信一郎

西洋の油絵を彷彿とさせるようなオープニング。
女性デュオのヴォーカルに
アコースティックギターの音色が美しく重なる。
カーペンターズやキャロル・キングが脳裏に浮かぶ。
街並みはニューヨークを思わせる。

フジテレビがノイタミナとは別枠で、
より海外を意識した作品を発信することを
目的として制作される
「+Ultra(プラスウルトラ)」の第3弾。
あらゆる部分で海外のテイストが見受けられる。
そばかすのある金髪お嬢様のチューズデイと、
アクティブでサロペットパンツを着こなす黒人風のキャロル。
ふたりが火星のアルバシティで出会い、
音楽で意気投合するところから物語は始まる。
女性デュオとしてミュージシャンを目指すふたりは、
マネージャーのガスやAIプログラマーのロディーたちと
ともに音楽による表現の道を歩んでいく。

各話タイトルは、60~80年代のアメリカのヒットナンバー。
どれもインパクトのある良い曲ばかりなので、
知らない曲があれば、ぜひ聴いてみて欲しい。
総監督・渡辺信一郎の趣味が色濃いのではないだろうか。
個人的に思い出深いのは5話タイトルの
ザ・ポリスの『Every Breath You Take』。
日本語タイトルは『見つめていたい』。
アメリカ・ビルボードチャートのランキングで
8週連続1位を記録した大ヒット曲。
ウッドベースを弾くスティングを中心とした
モノクロのPVが最高に格好良くて、
子供ながらにこれは何か違うと思ったものだった。
インパクトがあって好きなのは9話タイトルの
モット・ザ・フープル『All The Young Dudes』で、
日本語タイトルは『すべての若き野郎ども』。
イアン・ハンターの気だるげで絡みつくような
ヴォーカルに泥くさいギターとキーボード、
若者の胸を打つメッセージ性のある歌詞も良い。
当時の若者のアンセムになったグラムロックだ。
解散寸前だったグループを存続させるために
デヴィッド・ボウイが曲を提供したが、
自身でも歌っていることがある。
キャロル・キングの作った曲が『A Natural Woman』と
『It's Too Late』の2曲入っているのは、
渡辺総監督の嗜好の表れだろうか。

この作品の最も特異なポイントは、
レベルの高い劇中曲を全てオリジナルで作成したことだろう。
オリジナルサウンドトラックを購入したが、
テイストの違う良曲揃いで、
何度でも繰り返して聴くことができる。

特にコンテストやライヴで披露された
アンジェラの『Light A Fire』、『Move Mountains』
『ALL I WANT』、そして
キャロル&チューデイ『The Loneliest Girl』や
『Someday I'll Find My Way Home』、
ピョートル『Dance Tonight』、
シベール『La ballade』、GGK『Gravity Bounce』などは
どれもその1曲で通用するほど聴きごたえ十分。
中でもいちばん好きなのは『Light A Fire』だ。
よくこれだけのアーティストと曲を集めたものだ。
70年代から00年代くらいまでに海外で流行った曲の
テイストが散りばめられているように思えるが、
インタビューなどを読むとかなりざっくりとした
指示しか出していなかったようだ。
それでも、どの曲も懐かしさを感じさせる。
例えばキャロチューの曲は、生音と女性ヴォーカルが特徴の
カーペンターズやキャロル・キングが基本だろうし、
アンジェラはフージーズのローリン・ヒルあたりを
意識しているのだろう。
GGKの曲は、90年代にアリーヤなどが一世を風靡した
プロデューサー・ティンバランドのチキチキと呼ばれる
サウンドを意識しているのは明らか。
幅広い魅力ある楽曲を聴かせてくれるのは嬉しい。
それにしてもアンジェラとキャロル&チューズデイ役の
アーティストのアリサや
ナイ・ブリックスとセレイナ・アンを
抜擢したのは、さすがのセンスの良さを感じさせる。

それと、キャラクターの造形や背景でモデルを想起させる。
タオ→テイ・トウワ、
キャロル&チューズデイ→カーペンターズ
(サイモン&ガーファンクル)
アンジェラ→ローリン・ヒル
クリスタル→ビヨンセ
ピョートル→ブルーノ・マーズ
OGブルドッグ→50セント
ガス→ジャック・ニコルソン(『シャイニング』)など。
事細かくチェックすれば、もっと出てくるだろう。
そういうことを想像する楽しみもある。

この作品は、基本的にはやりたい音楽をやるための
アニメと言っても差し支えない。
そもそも出発点はボンズの社長と渡辺総監督、
フライングドッグの社長によって、
本物の音楽のアニメ作品を作ろうという
コンセプトで立ち上がったもの。
世界に通用する良い音楽を違和感なくやるために、
火星という舞台が考えられたという。
これが地球だとどうしても様々な制約が
生まれてしまうからだということを
フライングドッグの社長がインタビューで語っていた。
上質な音楽を自由にやり切るために
全てが始まった企画なのだ。

さまざまな方面のアーティストに声をかけて、
幅広い有名アーティストが集まった。
フライング・ロータス、サンダーキャット、
ベニー・シングス、スティーヴ・アオキ、
エヴァン・”キッド”ボガート、ローレン・ダイソン、
コーネリアス、Nulbarich、cero、
アリソン・ワンダーランドなどのメンバー。
最近の最前線の音楽については疎いので、
私にとっては知らない名前もたくさんあるのだが、
例えば、サンダーキャットというベーシストは、
ケンドリック・ラマーのアルバム『To Pimp a Butterfly』に
参加しており、そのなかの『These Walls』という曲が
グラミー賞を受賞するなど世界的に知られている人物。
フライング・ロータスはジャズのジョン・コルトレーンが叔父で
6枚のアルバムをリリースしている親日家だ。
また、ここで初めて知ったベニー・シングスは、
作品内で多くの楽曲を手がけているが、とても質が高いと思う。
オランダ出身のプロデューサーということで、
これからさらに有名になるかもしれない。
前期OPを担当したNulbarichも初めて知ったが、
とてもセンスの良い曲で、日本人ということに驚いた。
挿入歌を手がけるアーティストは音楽のジャンルも多彩で、
映画制作でも集められないほど、あり得ない企画といえる。

ただ、そのせいでシリーズ構成や脚本を
練られなかったのは残念なところ。
当初の脚本は渡辺あやの名前で発表されていた。
これは『カウボーイ・ビ・バップ』の脚本を
TVドラマ『白線ながし』の脚本を手がけた信本敬子が
書いたのと同様に、普通のアニメにはしないために
新たな風を入れる試みだったのだろう。
しかし、スタートした時点で既にクレジットはなく、
原作とシリーズ構成を渡辺総監督自身が担当している。
テイストの違うオリジナルの楽曲を
多くのアーティストに依頼したため、
ストーリーに費やす時間が短くなってしまい、
降板する事態になってしまったと想像する。

渡辺あやは映画『ジョゼと虎と魚たち』で、
一躍有名になった脚本家。
この作品は、監督の犬童一心や
俳優の妻夫木聡、池脇千鶴などの名も高めた傑作。
とても心に沁みるラブストーリーなので、
もし未見な方がいたら、ぜひ観てもらいたい。
私は映画館で2度観て、田辺聖子の原作にも手を出し、
DVDも購入してしまった。
今度はアニメ化もされるので、
実写と併せて観るのもいいかもしれない。

話が逸れてしまったが、
そんな事情もあり、シリーズ構成や脚本に問題点が
あるのは否めない。曲に細かい指示を出せないことが
多かったらしく、曲に合わせてストーリーを
作り変えたこともあったそうだ。
物語に合わせて曲を作ったのは、
『The Loneliest Girl』だけ(12話までは)と
いうことだったので、ストーリーにはかなり苦労したようだ。
そんななか、唯一脚本が良かったと思えたのが
15話の「God Only Knows」だったのだが、
この回だけを信本敬子が担当していた。
やはりじっくり時間をかけて脚本を書いてもらえれば、
良いストーリーになったと思える。

一応、作品全体には、ぼんやりとしたひとつの流れがある。
それは人々が誰もが持っている「素晴らしい色」とでも
言うべきものだろうか。
第1話タイトルにシンディ・ローパーの
『トゥルー・カラーズ』を持ってきたことに
作品が目指したものを何となく読み取ることができる。
{netabare}それは、現在の世界情勢を反映させた、
民族主義的な火星の政治家たちの動きや、
現在、アメリカやブラジル、イギリスで起こっている
世界の流れをつなげて描いているのだろう。
しかし、ストーリーとしては、そのような民族主義に
LGBTやデザイナーズ・チャイルドなどの素材を
散りばめただけで終わってしまった。
音楽も当初はAIと人での対比で進めていたはず
なのだが、どこかへ飛んでしまっている。{/netabare}
おそらく主役をアンジェラにしたほうが、
ストーリーとしてはまとまったと思う。
全体を見渡すと、ほぼアンジェラが中心にいる
ストーリーに見えてしまう。

{netabare}最終話でミュージシャンたちがボランティアで集まり、
『We Are The World』的なメッセージを送る。
あらゆるものは、歌詞にあるような「母的」な
自分自身のアイデンティティに帰属し、
それぞれが違った美しい光を放つということだろう。
この『MOTHER』という言葉には、
おそらく「地球」という意味もあって、
常に変化が求められている時代であっても、
皆が地球という共通の「母」があるということか。{/netabare}
ラストのタイトルがサム・クックの
『A Change is Gonna Come』という差別体験について
歌った公民権運動につながる曲を使用している
ことからもそれは想像できる。
ただ、『MOTHER』を歌うことが
当初から煽り続けた「奇跡」かと問われると、
そこまでは感じられないし、
シリーズ構成が崩壊したせいで、積み重ねが弱く、
心に届くような物語にはならなかった。

とはいえ、アニメではまず集められそうにない
面子を集め、質の高い音楽を制作し、
それに合わせたストーリーを構築したのは素晴らしい。
演奏やダンスの動きもクオリティが高く、
実際に撮影をしてアニメに取り入れた、
こだわりの作品となっている。

これまで誰もやったことのない領域に手を伸ばし、
一定のレベルでやり遂げた。
それについては称賛したい。
(2019年10月26日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 60

67.1 2 未来で歌なアニメランキング2位
プリマドール(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (139)
422人が棚に入れました
喫茶・黒猫亭。 それは皇都五区の片隅に、ぽつんとある喫茶店。 そこで働くのは、技術の粋を結集した、自律式機械人形(オートマタ)の少女たち。 数年前に終結したばかりの大戦争。 そこで兵器として作られた彼女たち。 やがて迎えた戦後の平和。 新品同様に修復されて、ぴかぴかの着物に身を包んで、 新しい役目を探して、高らかに歌声を上げていく。 あなたも彼女達と素敵なひとときを過ごしてみませんか?
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

制作者からとても愛されている主人公のようです

この物語は、戦いの武器として製造されたオートマタの少女たちが、戦争が終わった後は歌をとおして皆に笑顔を与える物語。

主人公は灰桜(はいざくら)。彼女は戦時中の記憶がありません。
喫茶店での仕事も、他のオートマタと比べるとヘタッピでドジばっかりしています。
でも、持ち前の明るい性格で、全然めげません。
そして彼女は、いつもみんなに笑顔を振りまいています。

特に第二話で灰桜がみんなの前で歌った際に見せた笑顔は、とてもステキでした。
すごーく幸せそうな表情で歌っている彼女をみたとき、「この子は制作者からとても愛されている」と、感じたほどです。
もちろん何の証拠もないので、私の勝手な思い込みかもしれません。
でも、もし制作者からとても愛されている女性主人公がいたら、きっと幸せそうな顔をするでしょうね。


物語ではオートマタの少女たち一人一人が過去の戦争で兵器としておこなった行動や、平和の大切さが語られています。
{netabare} もちろん灰桜も、兵器として多くの人々を殺傷したようです。
過去の記憶がないのは、場合によっては幸せなのかもしれません。{/netabare}
しかし私はそんなことよりも、灰桜が歌っているときに見せる幸せそうな顔を見れただけで、満足しました。心が癒されました。
不謹慎ですみません。

自由に歌が歌えるということは、平和な証拠だと思います。
世界には自由に歌が歌えない国がたくさんあります。
笑顔で歌うということは、もしかして、それだけで平和活動なのかもしれません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

鈍色に揺れる瞳に映るもの

【感想】
レーツェルと箒星さんが可愛いのでシナリオは微妙だけど見て良かったです

いい話だけど萌え、感動、友情、自己犠牲、シリアス、カフェ、戦争・・・エモい要素をかき集めてきた感じがして世界観に違和感があります
まず戦争のために作られた兵器の話というよりも、アイドルが戦争映画の登場人物を演じている感じがした
それくらいオートマタの設定が浮いてるように感じます

あんまり戦争の爪痕とか困窮している感じがなくて、灰桜たちはみんな綺麗でかわいく生活にかなり余裕がありそうでリアリティがないかな?

でもごちゃごちゃにはなってなくて、丁寧に作られているのでいいアニメだと思います
キャラクターが可愛くて絵もキレイでレトロ感のある世界観と作画もよくて、主題歌もいいよくできたアニメ
終盤はシリアスですが綺麗にまとまってる感じが良かった

頬にあんこつけたまましゃべるとか、声優の演技とか狙いすぎた萌えがあざとすぎてちょっとニガテ

「萌え」と「戦争」と「オートマタ」が合ってないと思って、設定をうまく混ぜ合わせてないように思います
灰桜たちは美少女の見た目とか泣いたり笑ったり食べたり歌ったり兵器に必要ない機能がたくさん搭載されてるのなんで?
兵器なら見た目の可愛さよりも作りやすさとか性能を重視しませんか?
なので、オートマタにしなくても元軍人で良かったような?って思います
感動シーンを作るために後から追加した設定のような感じがしました
たぶん、それでシナリオを微妙に感じたのかな?

【シナリオ】 {netabare}
戦争中の苦い思い出に向き合って克服しようとするところや戦後の人々を元気づけようと歌う話がベタだけど前向きな話で好きです

悲しい戦争は終わったのにまだ戦いをしたがる愚かな人たちがいて、そんな人間のエゴにふりまわされて失望する灰神楽と
それでも人を信じて傷ついた人々の心を温めていく主人公の生きかたを見せていて、ストレートに「戦争はダメ」って言われるよりも受け入れやすいかも
悲しい話だけど、いろいろと考えさせられていい話だと思いました

オートマタはヒトが作ってヒトの命令で生きています、感情はあっても命令には逆らえない
でも、それって人間でも一緒ですし、命令する立場の偉い人でもホントにそれは自分の意思で決めたことなのかな?って思うことはよくあって
戦争をやりたい人たちも過去の亡霊に操られてるんじゃないかって思うんです、領土とか宗教とか民族とかいろんな理由で戦争は起きますけど、たぶんそのほとんどは争う必要なんてないことだと私は思います
それが、オートマタとか戦車とか核とか力を持ってしまったら何かのストッパーが外れて戦う必要がないのに戦ってしまう

戦争を止める抑止力が必要ってよく言うけど一番の抑止力は誰も力を持たないことです、それでも力を持とうとするのは一種の呪いかもしれません

果たして、操られているのはオートマタなのでしょうか?それとも人間でしょうか? {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Automata songs

全12話 keyオリジナル作品

黒猫亭、一見普通の洋食店ではあるが、実は従業員が全員オートマタ(自律人形)です。その中でも意思を持ったオートマタの4人とこの洋食店を運営しているオーナーとのそれそれの思いと成長を描く作品です。

意思のあるオートマタたちの外見は人間と変わりませんが、後ろに機械のようなもの背負っているので判別できるようですね。

このオートマタは軍事用に開発されたらしく、このお話の以前に戦争ではオートマタを率いて戦っていたようです。

戦争も終わり、役目を果たしたオートマタは、人間との共存を目指しています。

時代は大正や昭和の感じがしますが、凄い技術ですねw

また、4人のオートマタは上は着物で下はスカートをいう珍しい恰好していましたねw

4人の中で最後に加わった灰桜(はいざくら)が主人公です。ドジなところもありますが、歌を歌うのが得意で、周りを明るくさせます。

オートマタは鴉羽(からすば)、月下(げっか)、箒星(ほうきぼし)、灰桜と仲良くなった人間の千代ちゃん、{netabare}そして後から加わるレーツェル、{/netabare}それぞれの過去と現在を見つめ直すお話で、1人1話程かけて丁寧に描かれています。

終盤はかなりシリアスな展開になりました。最後はハッピーエンドな感じで終わりましたが、どう解釈していいか分からない感じで終わりましたね。ちょっともやもやしました。
{netabare}(最後、灰桜が初期化しないと治らないということで決断しますが、その前に灰神楽とうさぎさんの目が光ったのが気になりますね。そのあたりが分からなくてもやもやしましたw){/netabare}

世界観がふわっとしていて分かりづらい作品ですが、作画も綺麗ですし、key作品なので少しウルウルしそうな場面も多く、お話も1話1話纏まっていますので観やすいと思います。

OPは和氣あず未さん、楠木ともりさん、富田美憂さん、中島由貴さん、鬼頭明里さんが歌っています。EDは歌を題材している作品なので1話ずつ色々なキャラが歌っています。

最後に、メインキャラのキャラ原案がそれぞれ違っていて、その中に「きんいろモザイク」の原悠衣先生担当されていましたね。
それと、key作品のヒロインは殆ど口癖のようなことを言いますが、灰桜この作品にもありましたねw みゅうみゅう

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10
ページの先頭へ