熱血で親友なアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の熱血で親友な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月04日の時点で一番の熱血で親友なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.2 1 熱血で親友なアニメランキング1位
リトルウィッチアカデミア(アニメ映画)

2013年3月2日
★★★★☆ 3.9 (285)
1444人が棚に入れました
幼い頃に見た魔法ショーで魔法の魅力に取り憑かれ、ヨーロッパの魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学したアッコ。大きな期待とは裏腹に日々の授業は意外と退屈。保守的な魔法界の雰囲気を打ち破り、魔法に夢を取り戻そうと張り切るアッコだが、周囲の目は冷ややかで授業でも空回りの連続。唯一の味方はルームメイトで親友のロッテとスーシィの2人だけ。 そんなある日、学校でとんでもないハプニングが発生。思いがけず事件解決の鍵を握ってしまったアッコは、ロッテ、スーシィ達と共に学校崩壊の危機に立ち向かう!

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子
ネタバレ

ぽよぞー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

天才アニメーター吉成曜 初監督作品

『リトルウィッチアカデミア』は文化庁若手アニメーター育成プロジェクト『アニメミライ』2013年度の参加作品の1つ。
製作は、ガイナックスで天元突破グレンラガン、Panty & Stocking with Garterbeltなどを製作していたスタッフが結集し、独立した会社『トリガー』によるものだ。

かわいい魔女、ド派手なモンスター、心躍るストーリー、動きまくるアニメーション、作り込まれた設定。
どれを取っても高いレベルでまとまっており、約25分の短編アニメとは思えないほどのクオリティ!!

この作品を手掛けるのは、世界でトップクラスのアニメーター「吉成曜」であり、今回待望の初監督となる。

「新世紀エヴァンゲリオン メカ作画監督」を初め、ゲームのキャラクターデザインから、
アニメのメカニックデザイン、コンセプトアートまで手掛けるなど、アニメーター・イラストレーターとして超一流の実力を誇っており、業界内でもスーパークリエーターとして認知されている。

そんなすごい人物が、監督として初めて手掛ける作品の評価は…

まさに傑作!!の一言。

本作品は、2週間の劇場公開で絶賛され、劇場公開終了後、公式でYoutubeに全編UPするなどして話題をさらい、日本国内だけでなく、海外でも絶大な反響を呼び、続編の制作も決定した。
続編では、クラウドファウンディングによる資金調達を行う手段としてKickstarterを利用し、
続編を期待するファン達から直接的に製作資金を集める等、新しいアニメビジネスとしても注目される。

『真のアニメファン』なら、今後最も注目しなければならないアニメの1つである。

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●あらすじ
小さい頃に見た魔法ショーで魔法の虜になってしまったアッコは、期待を胸にヨーロッパの魔法学校に入学するが、
魔法ショーのド派手でワクワクなイメージとは違い、実際は退屈で眠たい授業ばかり・・・
しかしそんなある日、学校で思わぬ大事件が発生してしまう。
思いがけず事件解決の鍵となってしまったアッコは、親友のロッテとスーシィと共に学校崩壊の危機に立ち向かう!

●脚本
25分と短い制約はあるが、斜に構えず、王道に書き切っている。
昨今のアニメは、伏線を立てまくり、それっぽく回収した風に見せかけて投げっぱなし等の非王道な脚本が多い印象だが、そんな時代に敢えて、クラシックなスタイルで王道を貫き、傑作足らしめたのは見事。

●映像
『元ガイナックス』と言っただけで想像出来る人は多いと思われる。
いわゆる金田的な動きなど、キャラクターがケレン味たっぷりに動きまくる作画が特徴。
それに加えて、本作ではカートゥーン的な動きがブレンドされているので、日本のアニメしか知らない人にとっては新感覚を味わえるだろう。
しかし最も注目するべきは、監督、吉成曜さんによるレイアウトの凄さ!必見。

※動画枚数約17,000枚

●楽曲
大島ミチルによるフルオーケストラ。しかもフランスでオーケストラ生収録!
25分のアニメなのに気合入れすぎでドン引きするクオリティ。

●作品の属性(ピン!と来たら是非)
魔女
カートゥーン
{netabare}ダンジョン
ミノタウロス
ドラゴン
空中戦{/netabare}

●吉成曜さんの過去の代表的な仕事
新世紀エヴァンゲリオン (1995-1996) メカ作画監督
ヴァルキリープロファイル (PS/1999) キャラクターデザイン
天元突破グレンラガン (2007) メカニックデザイン
Panty & Stocking with Garterbelt (2010) コンセプトアート コンテ・演出・作画監督・設定協力

●アニメミライとは?
2010年度から始まった文化庁若手アニメーター育成プロジェクト。
国内のアニメ制作プロダクションからオリジナルアニメーションの企画を公募し、
選考の結果選ばれた4社が、未来を担うアニメーターを育てながら、約25分の短編アニメを生み出す。

※『若手アニメーター育成』の為に行う事業なので、営利目的でないという所が重要です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

見習い魔女の魔法学校にて!

人々に魅せる魔法でショーを開くカリスマであるシャイニー・シャリオに憧れて魔法学校に入ったアッコ。
やる気と情熱は誰よりもある!だけど実力がついてきてはくれず、常に空回りしてしまいます。
私の憧れであるシャイニーもここでは「魔法の間違ったイメージを植え付ける」と忌み嫌われている。
でもアッコはめげません!頑張ってシャイニーに追いつくんだと彼女なりに精一杯取り組みます。彼女なりにね。
そんなある日、実習の最中に古代のドラゴンが蘇っちゃった!
さらに、たまたまアッコが拾った杖はなんとかつてシャイニーが使っていた杖だった!
二度と輝きが戻らないとされていたのにその杖は微かな光を灯していました。
と、なればドラゴンを倒せるのはもうアッコしかいません。がんばれアッコ!負けるなアッコ!

単純爽快な「選ばれし勇者」ストーリー。
数多の作品で使われてきたパッケージをごっそりと中身だけ変えてそのまま作ってきました。
おいおい、そんなもん何が面白いんだいと不思議に思われます。いやまあ大して面白くはないんですがw
魅力は、というか目立つ違いは、キャラクターと柔らかい作画ということになると思います。
主人公のアッコと大人しく控えめな友人ロッテ、ちょっとマッドなスゥシーの三人が基本の登場人物です。
そこでほんの少し異なった個性や人間関係を描くことで差別化があるような、ないような…
でも作画はすごく良いんですよ。動きが柔らかいし、キャラの表情もとても豊かです。
静止画はほとんどなくどの場面も細かいところまで動かし、リアルな動きを追及しています。
魔法の見せる魅力も過去どの作品と比べても落ち度はありません。
炎や魔法の矢を放つ瞬間やドラゴンの爆発シーン、箒で空を飛ぶ様子などかなりいい。
特にキャラクターはこの作品の目玉です。デフォルメもちょうど良く、線を太く濃くはっきりと描かれています。
僕はアッコのカエル顔が好きです。カエルに似てません?彼女は喜怒哀楽がはっきりしていてとても愛らしいです。
一番好きなキャラはスーシィです。スーシィとっても好きw全身のシルエットやあの独特なしゃべりがツボです。

好きなシーンはアッコがシャイニーの杖を持ってきて先生に見て見て!ってやってるとこ。
ここはちょーかわいいです!ホントかわいい!あとスーシィの毒殺シーンも好き。なかなかグロいけどw



でも、作品自体のレヴェルは僕は低いなあと思います。ほんとに面白くない。
単発的に映像にワクワクさせられることはあっても、話の流れの中に戻るとすごく味気ないです。
既視感もそうですし、いささか単純すぎるシナリオそうですし、話の流れそのものが単調であると感じます。
これはどう言ったら伝わるのかわかんないけど、場面が変わっても変わってもそこに落差がなく、
いつまでも同じものがずっと連なっている感じというか、そんな感じです(笑)
あと個人的にはアッコ役の藩さんの芝居があまり好きではありませんでした。声はアッコに合ってると思います。
ただ、ちょっとうるさいw 甲高い声自体好きではありませんし、ちょっとオーバーにやり過ぎで芝居臭いです。


表紙パケの花火をバックに立つシャイニーのかっこよさに惹かれて観てみたけれど、まあそれなりのものでした。

あでゅー。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

『魔法使い』でも『魔法少女』でもなく10割が『魔女っ子』で出来ています(キリッ 最低限の言葉で説明するならば「かわゅい」、「微グロ」、そして「作画スゲェ!」の3つ

今年度のアニメミライはヲタ向けに振っていると散々言ってきましたが、今作はまさにそれの典型であり本当の意味でコアなヲタが狂喜乱舞しそうな内容の全く持って偏った作品であることを先にお詫びしておきましょうw
つまりオイラ向けです!w


最低限の言葉で説明するならば「かわゅい」、「微グロ」、そして「作画スゲェ!」の3つ
これだけでも十分じゃないかなってくらい軽快な作品ですw


幼い頃に魔法ショーで見た魔法界のヒロイン『シャイニィ・シャリオ』
その魔女にそぐわぬ派手な外見と大袈裟な魔法の数々に「いつか自分もシャリオのように」と憧れた少女『アッコ』
やがて月日は経ち、理想と現実のギャップに四苦八苦し、劣等生とからかわれながらも仲間達との魔法学校での日々を一生懸命に過ごすアッコ
ある日のこと、ダンジョン探求の実地授業で危険なドラゴンが暴れ出す事件が起きる
ドラゴンの暴走から学校を守るべく、アッコと仲間達は奮闘する・・・


まずこまけぇことを言ってもしょうがない
ようつべで“公式に無料配信されてます”のでまずご自分の目でお確かめ下さい


https://www.youtube.com/watch?v=RBlqxEIJ_Cg


アニメミライ関連作品はほとんどの場合は限られたカタチでしか公開されないが、プロジェクト終了後に作品の権利は制作会社に返却されるはず
にも関わらず、これまでプロジェクトの作品はほんのわずかな数量しかソフト化されず現在では入手困難なものばかり;
今作のように無料配信されるのは大変に喜ばしいことです
今のうちに目に焼き付けておかねば、次はいつ観れるのかワカラン!w


さて、今作の監督についたのは天才アニメタ、吉成兄弟の弟である吉成曜
作ヲタならその名を知らぬであろう名アニメタでありまして、古くはテレビシリーズ『エヴァンゲリオン』の戦闘シーンの大半を
特に12話で陸上競技のように疾走する三機のエヴァは有名
近年だとやはり『グレンラガン』とか『パンスト』が記憶に残りますね
そんなスーパーアニメタの氏が遂に監督を務めることとなり、業界各所や作ヲタは歓喜に湧きました


『パンスト』でも氏が愛するカートゥーンアニメーションの要素が持ち込まれていましたが、今作は自身の監督ということで自らキャラクターをデザイン
やはりどこか70~80年代の海外アニメ作品の雰囲気を匂わせるモノで、ダークグレイッシュな色調、陰影のハッキリしたベタ塗りな色使い、大きな白目など
『フリクリ』や『トップ2』に似た要素ですよねw
これらは昨今の美少女系作品の傾向とは真逆のベクトルを向いてるのが面白いところです



そんな氏の可愛らしいキャラが、とにかく所狭しと動きまくる
細かい芝居はモチロン、魔法を使うってことで光や炎などエフェクト類もホンマ丁寧
魔法バトルの迫力はむしろスクリーンで観た方が痛感しますかな?
作画に関しちゃ言うこと無しの100点満点
メチャクチャすげぇっすよ!


個人的に推したいポイントは主人公の友人スーシィやライバル役となるダイアナさんといった濃ゅいサブキャラクターの可愛さが異常なところw
微グロな場面もあるので決して子供向けではないのですが、そこだけ割り切れば、、、というか前述の通り「ヲタ向け」に振り切ってる作品なのでご視聴の際は覚悟を決める必要アリです^q^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

63.8 2 熱血で親友なアニメランキング2位
ナイン(アニメ映画)

1983年9月16日
★★★★☆ 3.5 (18)
94人が棚に入れました
あだち充の躍進作の一つとなった青春野球漫画の傑作『ナイン』の劇場アニメ版。中学陸上で注目された新見克也、同じく中学柔道界の新星・唐沢進は周囲の期待をよそに、名門・青秀高校の弱小野球部に入部する。その目的は、同野球部監督の娘で美少女・中尾百合の笑顔を見るためだった。部の弱小ぶりを嘆く百合の哀しげな姿に心を痛め、同時に強く魅かれた克也と進は新生・青秀野球部で活躍。不振だった野球部の他の部員も勢いを盛り返していく。だがそんな野球部一同の前に、強力なライバルが出現。それは百合の幼なじみでもある、武南高校の強豪エース・山中健太郎だった!
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あだち充作品の原型

<2021/9/23 初投稿>
 たぶん本放送で見た気がするなー、とWiki調べたら
 1983年にフジテレビで単発のスペシャルで放送されてたんですね。
 1時間強の映画サイズ×全3話で完結。
 本稿ではその3回分をまとめてレビューします。

 もともと小学生の頃から本作の原作漫画(※)が好きで、何度も繰り返し読んでいました。
(※)あだち充作「ナイン」全5巻 1978-1980年に少年サンデー増刊号に掲載

 「ラブコメ×肩の力が抜けた平凡な主人公×高校野球」というあだち充の方程式の嚆矢です。
 それ以前も同氏は高校野球ものを描いていますが雰囲気は当時よくある劇画調熱血でした。
ナイン連載開始の前年に終了した「ああ!青春の甲子園」は(原作者付ではありますが)週刊少女コミック連載なのに熱血メインで肩に力入りまくり。

 肩の力が抜けた「あだち充メソッド」の始まりは間違いなく「ナイン」だと思います。

というわけで物語紹介

青秀高校への入学を控えた5人の男女が春に出会うところから物語は始まります。

登場人物
・新見克也
 主人公。100m走の中学生新記録保持者。
 でもそれ以外は普通。
 普通に優しいし。
 普通に正義感強く。
 普通にヘタレ。
 普通に思春期なので女の子にムラムラもする。
 でも優しさは普通以上かな。
 とある理由から青秀高校では陸上部ではなく野球部に入部。
 漫画復刻版ではかのイチローがあとがきを執筆していたのですが
 「克也の『俊足・粘って出塁するタイプの1番センター』という立ち位置が堪らない」というようなコメントしてました。
 ちなみに最終巻の最終戦では克也くん。
 0-0が続くひりひりするような投手戦の中、死球出塁からなんと{netabare}パーフェクトスチール{/netabare}決めました!
 {netabare}パーフェクトスチールとは二盗、三盗、本盗すべて盗塁で1点取るという離れ業!{/netabare}
 これは普通じゃない!
 そりゃイチローも堪んないでしょう。
 CVはアムロ・レイ、安室透、サボ、星飛雄馬の人

・中尾百合
 ヒロイン。
 青秀高校では野球部のマネージャー。
 監督はお父さん。
 黒髪ロングの美人。
 思いやりもありおしとやかな大和撫子。
 でも話すと案外普通だったり
 ニックネームは「百合ちゃん」「百合っぺ」
 ・・・「百合っぺ」って時代だなぁ
 水ダウで「〇〇っぺというあだ名の人、今はもういない」説とかやって検証してみてほしい。
 というかですよ。
 CV:石原真理子(1話)、倉田まり子(2話)、安田成美(3話)っておかしいでしょこれ 笑。
 本レビューで声優評価高いのはほかの皆さんが凄いから。
 あ、でも確か倉田まり子さんは割とちゃんとしてたような記憶があります。

・安田雪美
 もう一人のヒロイン
 明るいショートカットの女の子。
 青秀高校の陸上部・短距離のエース。
 とにかく明るくて可愛い普通の女の子。
 この子のエピソードは普段明るい分、じんわりきました。
 このキャラ造形はこの数年後に発表され大ヒットするあだち充作品「みゆき」の「妹の方のみゆき」の原型のような印象あります。
 CVは坂本千夏さん

・唐沢進
 克也とは中学時代からの親友。
 中学時代は柔道部で県大会優勝の猛者。
 仲良しだけあってヘタレなところもほどほどに優しいところもむらむらしやすいところも内面は二人よく似ている。
 克也と同じ理由で青秀高校では野球部。
 5番ライト。
 西武ライオンズのおかわりくんポジション。
 おかわりくんより煩悩多そう。
 打率は悪いです。
 美術部の高木さんとのエピソードは秀逸
 CVはヤン・ウェンリー

・倉田進
 中学時代、全国優勝経験もある野球部のエース。
 サウスポー。
 クレバーな頭脳と精緻なコントロール、回転の良いファストボールが武器。
 とにかく沈着冷静で誠実、穏やか。
 でも登場の仕方は最悪。
 青秀高校でも野球部で無事エースになりました。
 よかったよかった。
 CVはマ・クベでブンドルでブラスター・キッドでRの人

 そしてこの5人に後輩や年上のライバルキャラなどが加わって普段はのんびり、時々ちょっと切ないラブコメが野球とともに繰り広げられていきます。

 その後のタッチやみゆきなどのあだち充漫画の原型ともいえる作品ですが、肩の力の抜き方がまだ試行錯誤している感じでたどたどしいです。
でも自分はそのたどたどしさが結構好きでした。

好きなあだち充作品BEST3の一つなんです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

昭和フォーク時代の青春

まだ、私が蒼くてそこまで捻じ曲がっていなかった頃に、
「あだち充」という方のブームがそれなりにきました。
私は根っからのアニメ好き、漫画好きでしたので
ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオンと手当たり次第に
手を出していましたが、優先順位は上記記載順で
サンデーからのブームは何故か乗り切れませんでした。
その筆頭が高橋留美子女史で、
あだち充氏はそれなりに喰いついた方だと思います。
私が喰いついた順は「ナイン」「陽あたり良好」
「みゆき」「タッチ」だったと思います。
この「ナイン」はあだち氏の初期作品だけに
垢抜けていないというか、
昭和フォーク時代の青春と言うイメージでした。
架空の町で各スポーツにおいて
全国クラスの実力を持った3人の男子が
とある高校に入学するところから物語は始まります。
陸上の中学記録保持者の新見、柔道の中学県優勝の唐沢、
そして中学野球での有名人倉橋の3人です。
3人が入学した高校の野球部は連敗記録を更新しており、
廃部直前の状態でした。
偶然見た野球部の練習試合で、敗戦後に涙を流す美女を見て、
新見は野球部への入部を決めます。
それにつられるように唐沢も入部するのですが、
何故か野球の倉橋だけは入部していなかった!
そんな設定で物語は進んで活きます。
あだち充の作品って男女間の微妙な精神の揺れを軸に進めるのが
通例ですが、設定自体は結構荒唐無稽で、
この話も恋のライバルとして、甲子園の優勝投手が出てきます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
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