空中戦で戦闘機なおすすめアニメランキング 7

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74.9 1 空中戦で戦闘機なアニメランキング1位
終末のイゼッタ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (796)
3903人が棚に入れました
西暦1939年、帝国主義国家ゲルマニア帝国は突如隣国に侵攻を開始した。その戦火は一気に欧州全域へと拡がり、時代は大戦の渦に巻き込まれていく。そして1940年、ゲルマニアはその矛先を美しい水と緑に恵まれたアルプスの小国エイルシュタット公国に向けようとしていた。

声優・キャラクター
茜屋日海夏、早見沙織、内田彩、東山奈央、花澤香菜、諏訪部順一、高橋広樹、花江夏樹、KENN、細谷佳正、遊佐浩二、置鮎龍太郎、間島淳司、平川大輔、森川智之、山寺宏一
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

愛が恐れているのは、愛の破滅よりも、むしろ、愛の変化である。終末に咲き乱れる美しき死生観にこそ我々は魅了されるはずだった。

■Staff
{netabare}監督:藤森雅也(代表作品:トライブクルクル)
脚本・構成:吉野弘幸(代表作品:マクロスF、ソ・ラ・ノ・ヲ・ト、マギ他)
キャラクターデザイン:BUNBUN(原案)、山下祐
アニメ制作:亜細亜堂{/netabare}

■Cast
{netabare}イゼッタ:茜屋日海夏
フィーネ:早見沙織
ビアンカ:内田彩
ロッテ:東山奈央
エルヴィラ:花澤香菜
ジーク:高橋広樹
ハンス:KENN
トビアス:間島淳司
ヘルマン:置鮎龍太郎
ベルクマン:諏訪部順一
リッケルト:花江夏樹
バスラー:細谷佳正
オットー:山寺宏一
他{/netabare}

グロス請のイメージが強い亜細亜堂制作のWW2を背景とした「魔法+ミリタリー+美少女」のオリジナル作品です。

(設定関係)
軍事関係の設定考証は戦車雑誌で有名な月刊PANZERがクレジットされていましたので、まず間違いないでしょう。
本作の軍事設定詳細は下記の雑誌で特集されています。
興味のある方は御覧になるといいでしょう。
なお、同誌の記事はまとめサイトへも転載されているようです。
『PANZER 2016年11月号/PANZER Nov.2016』

12月22日最終稿
12月22日文字数オーバーの為更に6話、7話メモも削除編集
【総評】
{netabare}美学なき物語は道標を失い、WW2の世界観を使い熟すことなく軽薄なストーリーとなった残念作品。期待倒れでした。
※本作は期待が大きかったばかりに、リアルタイムでの感想で長文が多かったゆえレビュー文字数がとうとうオーバーとなりました。
本来は残したいのですが、遺憾ながら個人的に盛り上がっていた6話までの感想を削除いたします。{/netabare}
(1)作画
{netabare}秀逸な3DCGによる、兵器の精密描写と圧倒的な迫力は認めざるを得ません。
しかし、空母ドラッヘンフェルスを2Dとしたことから、3Dとの繋ぎに違和感を感じてしまったことは少々残念です。
それと、ゲール軍の鉄兜シュタールヘルムの作画はいただけません。
側面の折り込みが分からず、ノペーとした感じとなっていることと、光沢感が表現されていない点が残念です、仕上げがべた塗りではいけません。
8、9話で一部、キャラの崩れもありましたけど、難易度が高い戦闘描写の高クオリティを維持していたことは、評価に値しますし、ミリオタ視点からも十二分に納得がいくものです。{/netabare}
(2)声優
{netabare}声優さんは熱演されていました。概ね満足です。
特に、フィーネ役の早見さん、ゾフィー役の雨宮さんの演技は頭一つ突き抜けていました。
しかし、肝心のイゼッタ役の茜屋さんの感情表現には課題が残りました。
イゼッタは設定そのものにも問題があるので、声優さんが役に成りきるに当たり感情移入へのネックとなっていたのかもしれません。{/netabare}
(3)キャラ
{netabare}ここでは、各キャラの私見を交え物語を振り返ります。
各話でも記述をしている通り、主人公イゼッタの設定が致命的にチープなので、評価は辛めになります。
本作はイゼッタとフィーネに共感が出来ないと、物語として楽しむことは出来ません。
私は10話まで終始イゼッタへはイラつきました。
その理由は各話で述べている通りですので、イゼッタについてはここでは省略します。

次に準主役のフィーネです。
大公の崩御で指導者の地位につきましたが、指導者というものは私情より先に国家、国民がが優先されるものです。
しかし、フィーネの公私混同は国家指導者となっても改るところがなく、私が懸念したようにイゼッタとの友情を超越した愛情関係(以後、百合と表記)が本作のストーリーを歪めてしまったと思います。
百合路線で行くのなら、そう割り切ったキャラ設定や現実を揶揄しないようにファンタジックな世界観の設定が必要です。
いくら国名を架空設定としても、ゲールはドイツ、アトランタは米国、ブリタニアは英国、テルミドールはフランスとWW2の当事国であり実在する国家がモデルとなっているのは一目瞭然。
事実として少なく見積もっても全世界で5千万人以上の死傷者を出したWW2のリアル史実を世界観とした場合、巫山戯た百合とフィーネの愛情ゆえにイゼッタの歪んだ大義との取り合わせは、アニメのみならず文芸作品にも精通し目が肥えている層には当然不評乃至顰蹙を買う取り合わせです。
本作の場合、大義を貫く凛とした君主のフィーネを設定し、その姿に魅せられたイゼッタの成長物語と合わせ、祖母の言い付けを破るだけの信念をイゼッタが自らの意思で構築し、自発的にエイルへの愛国心や忠誠心を抱くに至ったのであれば自然なストーリーでした。
または、大公を崩御をさせず、責任の軽い王女のままの方がよりフィーネらしい役所となり、世間知らずの王女の戯言としてなら、多少の百合展開には目を瞑る事も出来ました。
イゼッタの設定と合わせ、フィーネの設定も稚拙であったことが、本作を救いようがないB級アニメにしてしまったことを、監督の藤森氏、脚本構成の吉野は特に反省をして頂きたいと思います。

ゲール側のキャラを必要以上に邪悪に設定したのもいけません。
設定の都合で、邪悪に描くのはゲールの指導者皇帝オットーだけで十分であり、SSを登場させ、そのキャラでもゲールの邪悪さを強調し、他国のキャラは真っ当に描くことで、相対的にゲールへの敵愾心を煽る手法は、ハリウッド製B級映画と同じ手法で感心いたしません。
戦争というものは、開戦動機の如何に関係なく、ゲールに限らずも交戦国全てを狂気にします。

オットーのモデルは紛れもなくヒトラーですけど、それを皇帝としたことで、特に海外ではヴィルヘルム2世とも解釈できる誤ったメッセージにもなっています。
そも、ゲールを帝政設定にした理由は何だったのでしょう?
帝政であれば、近隣諸国の王家には養子や婚姻で血縁親族が必ずいます。
野望だけで他の王制国家への侵略などは起こせません。
WW1までは欧州王室会議が欧州の安全保障に大きな役割を果たしていた歴史を研究すべきですし、ゲールの隣国であり、同じ言語圏(ドイツ語)であり、かつ、王室があるエイルと王室間の繋がりがないとする方が不自然です。
制作側は欧州王室のことを何も理解をしていないようなので、野望を抱いた軍事大国が小国を侵略する程度の稚拙さで、本作のような設定を考えたのでしょうけれど、その図式を成立させるのであれば、ゲールは11月革命を経た後の共和国として設定し、史実の通りオットーはVerfassung(全権委任法体制)を達成した擬似皇帝"Führer"とすべきです。

さて、ゲール側の人物描写ですが、不足や矛盾はありますけれど、ベルクマン、リッケルト、バスラーを掘り下げていたことは評価いたします。

リッケルトは貴族の家庭でなに不自由なく素直に育てられた国家エリートであり、ウブで女(の恐ろしさ)もよく知らない真面目な人物であり、本来汚れ役の特務に向いている資質ではないでしょう。
貴族の威光に依らず、自らの実力で国家に貢献すべく志願してエールに潜伏した折、あろうことか、エールの近衛指揮官ビアンカに一目惚れをしてしまいました。
この安直な設定を批判する向きもありますけど、私はビアンカとの恋は、無自覚で意図しないハニートラップだったのかとも思い、自分を納得させて、このエピソードを流しました。
総じてサブキャラの掘り下げが少ない中で、リッケルトとビビンカ双方を描きキャラを立てたこのエピソードに一定の評価をします。

最終回でバスラーがベルクマンの言い分に対し怒りに任せてワルサーの引き鉄を引きましたけど、バスラーはベルクマンの自己中心主義をどう思ったのでしょうね。
情けなくなってトドメを刺さなかったというところでしょうか。
戦局が極度に悪化したなか、バスラーがBf109で飛び立つシーンがありますけど、超展開戦史でV1、V2まで登場したのですから、ミリオタサービスも込めてMe262で彼に花を持たせても良かったのではないでしょうか。

ベルクマンに関しては「最終回」メモに記述をいたしましたので省略します。

エイルの近衛兵であるビアンカ、ルイーゼ、アデーレ、クリスタですけど、近衛部隊が全て女性編成というのは非現実的であり、かつ、この中でキャラが立ったのは、リッケルトととの束の間の恋と悲劇的な結末を描いたビアンカ程度で、他のキャラは百合要員にしか思えないような過大設定です。
近衛という大風呂敷よりも、シークレットサービスや、SPのようなフィーネの護衛官程度で設定べきだったでしょう。
それであれば、女性だけの設定でも不自然ではありません。

エルヴィラ・フリードマンですけど、折角花澤さんを起用しながら後半は殆ど空気となっていました。
フィーネが指導者としての自覚が足りない部分をエルヴィラがフォローするなり、フィーネが国政を顧みず百合を満喫できる為の環境要員として、活用すべきだったと思います。

ジークハルト・ミュラー、白き魔女ゾフィーを死に追いやった家系の末裔。
最後はイゼッタの秘密を守る為に射殺した自国の兵士ヨナスと出合い頭のゲール兵が脳裏で重なり、油断した隙に射殺されますけど、ゾフィーに対して責任を取ったとも思えます。
国に殉じた彼の最後と国を裏切りなお生き延びているベルクマンの運命と対照的で、好印象を抱いたキャラの一人です。{/netabare}
(4)音楽
OP曲『cross the line』、ED曲『光ある場所へ』とも良曲です。
私事ですけどDLします。
{netabare}『エイルシュタット国歌』は疑問ですけど、『魔笛』他劇中曲はハイセンスです。
しかし、曲のセンスに物語が追いついていないのが残念です。
でき得れば『ゲール国歌』を原曲『皇帝讃歌』(ハイドン作曲)で聴きたかったものです。{/netabare}
(5)物語
{netabare}「終末」には様々な意味、解釈があるようですけど、本作の舞台ドイツ語圏から考えると、とってつけたようなこじつけかもしれません。
ストーリーから考えて素直にドイツ語タイトルの「最後の魔女イゼッタ」が本作のタイトルとして相応しかったと思います。
内容ですけど、百合と魔法と戦争群像の三兎を追った結果、物語の焦点がばらけて全てが中途半端に終わった感は否めません。
戦略でもそうですけど、焦点の拡散は各個撃破され敗北の道を歩みます。
妙に現実的な設定と百合を含めたファンタジーの接合が悪く、現実とファンタジーの振幅の激しさに多くの視聴者がついて行けなかったという印象です。
視聴者は雑多な福袋よりも一点豪華を求める傾向にありますので、このシナリオの失敗は如何ともしがたいでしょう。
また、1クールの尺であれば、WW2ではなく架空の地域紛争程度のコンパクトな世界観にするべきだったのではと思います。
なお、制作スタッフ(主として監督、脚本、設定制作)は当時の政治や世相の深淵を咀嚼せず、戦史中心でストーリーの時系列を組み立てています。
したがって、本作からは政治的なメッセージは得られません。
本作の詳細な問題点は各話メモに記述をしていますので、ここでは俯瞰的な意見のみとします。

物語本筋だけでしたら「2」が最大限の評価ですけど、本作は本筋以外に圧巻な3DCG戦闘シーンなど傍系の見所がありますので、下記のように項目を細分して評価をしています。
《物語評価の内訳》
・軍事考証4.5(史実に対し、兵器、軍装、軍事付属物のレイアウト設計、描写など主としてハード部分)
・戦史考証3.5(史実に対し、作戦のフローチャート、作戦の時系列的整合性、作戦の背景など主としてソフト部分)
・政治考証1.5(史実に対し、軍事作戦以外の政治、外交、インテリジェンスの設定など)
・物語の基軸2.0(物語独自の設定における脚本・シリーズ構成)
・演出、効果4.0
・Ave.3.1≒3.0{/netabare}
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【考察】「ドイツの核兵器について」
もう、本作のレビューを書く機会はありませんので、各話メモで未稿でした「ドイツの核兵器について」に触れたいと思います。※長文なので畳みます。
{netabare}現在、先端科学の中心地は米国ですけど、戦前、先端科学の中心はドイツでした。
これは、自然科学部門のノーベル賞受賞者を御覧頂いても、お分かりを頂けるかと思います。
ドイツの科学研究は19世紀後半に設立された「帝国物理工学研究所」から「カイザー・ヴィルヘルム研究所」、現在は「マックス・プランク物理学研究所」(現在は研究項目ごとに分立している)と変遷をしていますけど、国家を挙げて科学技術の育成に取り組んできた古い歴史があります。
なお、我が国の「理化学研究所(理研)」と「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の設立はほぼ同時期で、後身の「マックス・プランク研究所」と研究連携協定を結んでいます。
特に、戦前期の「カイザー・ヴィルヘルム物理学研究所」の所長にはM.スブランク(前期量子論の父)、A.アインシュタイン(相対論)、F.ハーバー(毒ガス化学兵器の父)、W.ハイゼンベルク(量子力学)など全てノーベル賞受賞者である、そうそうたるメンバーが就任しており、量子論を確立したN.ボーアなどドイツ人外の欧米の一流科学者の多くが本研究所で研究に携わるなど、世界最高の研究機関でした。
当時、戦前ドイツの科学技術はナチス時代で突然開花したものではなく、19世紀から国家を挙げて積み上げてきた成果です。

さて、ドイツにおいて核兵器の開発はどういう状況だったのでしょうか。
まず、核兵器には核分裂エネルギーを利用した「原子爆弾」(*1)と、熱核反応エネルギーを利用した「水素爆弾」(*2)があります。
※1核爆発の爆風には「マッハステム衝撃波」という特性があるが、これは原爆の放射熱で周囲の空気がプラズマ化し生じるもの。
『オカルティックナイン』11話でアヴェリーヌ(稜歌)は電磁波を用いたプラズマ爆発によるマッハステムを暗示しているものと思われる。
※2中性子爆弾は水爆に含まれる。
核分裂エネルギーを効率よく取り出す為には「連鎖核分裂反応」を生じさせる技術が必要です。
「連鎖核分裂」は「原発」でも用いられており、ゆっくりと反応させる制御をしているのが「原発」、制御せず一気に連鎖核分裂をさせるのが「原爆」です。
「核分裂」により、膨大なエネルギーが放出されることは「特殊相対論」で既に示されております。
世界初の核分裂実験は「カイザー・ヴィルヘルム研究所」でO.ハーンにより濃縮ウランを用いて成功しました。
(原爆に必要な「連鎖核分裂反応」は後のマンハッタン計画で成功します。)
O.ハーンによる実験成功の事実が、「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の実力を知り尽くしているアインシュタイン他米国亡命科学者の顎を外したのは、理学者の立場では容易に想像できますし、ナチスによる原爆開発の現実的な脅威と危機感から、ルーズベルトへの原爆開発の提言へと繋がります。
実際、アインシュタイン達の懸念通りドイツにおける核兵器開発は1939年「カイザー・ヴィルヘルム研究所」が中心となって開発に着手、プロジェクトのリーダーは戦中の所長であったハイゼンベルクが就任し、ハイゼンベルクはヒトラーの腹心で後の軍需大臣となるシュペーアに条件が整えば2年以内に兵器化可能と回答します。
しかし、種々陰謀論めいた怪しげな話も存在しますけど、技術的な可能性はあったものの、結果的には以下の理由で完成には至っていません。

1.ユダヤ人の大量追放と科学者の戦時召集で原爆開発に必要な科学者が手薄であったことから計画に遅延が生じた。

2.原爆開発方針を巡り、高濃縮ウランか天然ウランかで意見が割れ、結局、膨大なエネルギーを消費するU235の純度を高める高濃縮は取りやめ、ハイゼンベルクの重水炉案に則り天然ウランを用いることとなり、その為にドイツ国内では製造をされていない重水の確保が急務になった。
しかし、当のハイゼンベルクはこの決定で、兵器化にはウラン濃縮が必要で、重水炉は発電施設として考案したものであり、天然ウランでは小型化し、兵器としての原爆の実用化は困難と判断している。
※重水炉と旧共産圏で使用された黒鉛炉の燃料は天然ウランをそのまま用い、現代の原発の主流である軽水炉は高濃縮ウランを用いる。
なお、当時、高濃縮ウランの製造には膨大なコストがかかることを考えれば、天然ウランの使用もあながち非現実的とは言えない。
※天然ウランの成分の殆どは核分裂を起こさないU238で、核分裂を起こす同位体U235は天然ウランの中に僅か0.7%程度しか存在しない。
また、当時、天然ウランから核分裂物質のU235を抽出する最も効率が良い方法はサイクロトロン技術を応用したローレンツ力を利用する「電磁濃縮法(Y12P)」、ついで手間がかかる「ガス拡散法(K25P)」が主流だったがどちらも膨大な電力消費が課題であった。
マンハッタン計画ではウラン濃縮の為に専用発電所まで建設をしており、潤沢な資金に恵まれた米国以外は選択出来ない方式だろう。
我が国では、理研が「ガス拡散法」、京大が「遠心分離法」でウランの濃縮を試みているが成果が出る前に終戦となる。

3.英国でもドイツの核開発を知るところとなり、原爆の研究に着手をしているが、ドイツが重水を求める理由に二通りの解釈を持っていた。
※原爆の性能向上(小型化)と水爆の可能性
どちらも英国にとっては破滅的な脅威であり、重水製造プラントがあったノルウェーの工場を攻撃し、更に重水を積んだ運搬船を攻撃して沈めドイツ核開発の息の根を止めている。
なお、重水プラントの確保はドイツがノルウェーを占領した大きな理由でもある。

4.ヒトラーは原子物理学をユダヤの科学として忌避しており、原爆開発へは予算や人員などの政治的な支援が行われなかったこと。
結局、軍需大臣シュペーアは1944年2月、原爆は本戦争には間に合わないと判断し正式に開発を中止する。

5.ヒトラー、シュペーアの会談録でヒトラーは核開発について、ハイゼンベルクチーム以外にも研究を指示していると述べている。
これは国防軍のE.シューマングチームのことであるが、この詳細はシュペアーやハイゼンベルクにも知らされていなかった。
E.シューマングの研究については現在もなお不明な点が多く、物証もなく陰謀論的な憶測も多いが、特に以下の二点が注目されている。
★広島に投下された原爆と同様「ガンバレル型起爆装置の開発」
(マンハッタン計画では現代の原爆に採用されているプルトニウム爆縮型起爆装置の開発が主軸であり、世界初の原爆実験も爆縮型で、ガンバレル型起爆装置について米国は一切非公表としている。)
★重水素を用いた水爆理論構築。ただし、水爆を起爆する為には原爆級の膨大なエネルギーが必要であり、原爆の開発を断念したドイツでの完成は不可能。
なお、戦争末期、我が国に向かって出航した潜水艦U-234号は、ウラン鉱石の他「ガンバレル型起爆装置」の設計図も搭載されていたとする証言もあるが証拠はない。
なお、U-234号は大西洋上で米海軍に降伏したが、その際乗艦していた日本海軍士官2名は自決している。{/netabare}
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※第1話から第7話までのメモは文字数制限の為削除。

第8話メモ
{netabare}各論
今回は軍事考証の必要はないので物語のみ。
吉野氏はソラノオト気分で脚本を書いているのか、戦時と平日の区別すらついていないようだ。
それにしても、戦時下の防諜対策とはどういうものかがマトモに考証がなされていない酷い回だなコリャ。
古城→重要機密施設の警備体制にしては甘過ぎるし、近衛兵が女性だけという設定も含めて非現実的。
非現実的に加え、ゲールの特務リッケルトをビアンカ達が偶然に拾い、伏線なしで痴情展開を設定してカタルシスを押しつけるご都合主義にはいい加減辟易する。

まぁ現実と非現実のギャップはあってもいいが、その折り合いのつけ方が子供騙しで既に物語のチープ化は避けられない状況と思う。
この物語の課題点は5話、6話でも散々指摘をしたし、改善の意欲も感じられないので言葉を費やすだけ無駄だろう。

アトランタが都度登場しているが、この国が欧州情勢に関与する動機が描かれていないのは致命的なミスだ。
つまり、アトランタがゲールとエイル両国を排除する「国益」は脅威の排除などという上辺なものではないだろうし、また、その程度で軍を動員出来るほど史実の米国事情は単純ではない。

米国の正義は常に攻撃された被害者の事実から始まるのがお約束。
現に史実では被害者になるように我が国だけではなく、ドイツに対しても策謀していただろう。
なぜ、そうまでして欧州情勢に介入したいのか。
史実を追い、アトランタのドロドロとした野心を見せないと視聴者をジンテーゼに誘導出来ないだろう。
ストーリー構成に参加している戦争屋にとって史実の米英同盟関係は空気のように感じているのか、設定そのものすら考えていないかもだな。

ドイツのポーランド侵攻から大西洋憲章締結に至るまでの両国の外交史を全く調べていないのが見え透いているし、戦史には詳しくても背景の歴史に音痴だと本作のように薄っぺらい脚本になる。{/netabare}

第9話、第10話一括メモ
諸般の都合により第9話のレビュー時期を逃したので一括します。
{netabare}しかし、この作品のレビュー少々書き難くなった。
{netabare}理由は余りの物語の陳腐さに我慢しきれず7話視聴後に制作会社ヘメールを入れた訳です。
他にも似たような意見があったのか、誠意のある回答を頂いた。
端的に言えば「まあ観ていて下さい。期待は裏切りません。」とのこと。
なお、今後のネタバレについては一切返信には含まれていない。{/netabare}
いや、確かに9話でマトモな流れになったが、尺も詰まった段階では少々遅きに逸した感もする。

さて、本作を視聴して戦争を感じさせないとの意見もあるようだが、想像力を欠いているのではないか?
本作を好む層は概ね実写戦争映画や実戦記録フィルムを鑑賞している層も多いと思う。
イゼッタやゾフィーのチート能力で多くのゲール兵やロンデリアン(ロンドン)市民が死んでいることを黙殺出来るとは、平和ボケな我が国の一端を窺わせ、とても憂鬱な気分だ。
一度、実戦の記録フィルムでも鑑賞してみたらよかろう。

本作では『魔法少女育成計画』のように生々しく凄惨な殺人描写がされていないだけで、実質的に多くの戦死者が出ているし、実写記録フィルムと重ね合わせれば死者累々の悲惨な状況は想像出来る。
東京空襲やサイパン、硫黄島、沖縄の玉砕戦、ドレスデンやロンドン空襲などの実写記録フィルムをしっかり鑑賞するのがよかろうが、グロいから見たくないとか言いそうだな。
しかし、それが戦争というものの現実なのだ。

戦争に対して背を向けてきた教育の歪みも問題だが、死体が少ない戦争アニメだから見易いなどと宣えているから、今般、尖閣のみならず、九州でも我が国の領海に堂々と浸入してくるシナの脅威など微塵とも感じない有難い感覚なのだろう。
シナ空軍の挑発で沖縄上空のスクランブルも異常事態だし、命を削りながらも国防に勤しみ我が国の平和を守っている自衛官諸氏の苦労を少しは考えてみたことがあるのだろうか。

某フィギュアアニメを無条件で讃えている層にも言えることだが、戦争が身近に来ているかもしれない現実は逃避して、戦争の悲惨さを感じさでないと本作を讃えながら、シナの良いように国土を蹂躙されてから後悔をしても遅いのだがな。

ガルパンオヤジの怒りはこの程度にして、物語はどうなのかに移ろう。
8話でその存在を暗に知らしめる伏線の通り、9話で白き魔女のクローンゾフィーが登場し、イゼッタに対し圧倒的な力量差で打ち負かす。
この種はイゼッタが魔力を地理的条件に依存していることに対し、ゾフィーは魔石を利用して地理的条件に左右されず魔力を発揮出来る設定だ。

この設定は上手く考えたと思うが、ゾフィーの存在を匂わせたり、古城への浸入目的が魔石の取得であったのも今後に向けての伏線で必要な尺だったのだな。

あと、ゾフィーがクローン技術で生まれた設定に対する批判もあるようだが、遺伝子操作によるクローン技術の思想的な始点はナチスの優生学からであり、実際に「レーベンスボルン」という交配で人為的に優れたヒトを作る実験が行われている。
ユダヤ人絶滅収容所ではその為の基地外じみた実験に囚人が利用されてもおり、その意味では可能性の範囲で荒唐無稽な設定ではないと言える。

次に、10話で登場したV1であるが、これは時系列的に無理があるだろう。
寧ろV2の方が現実的だ。
なぜならば、V2の原型であるA型ミサイルは1940年には既に発射実験が行われている。
フォンブラウンで調べてみるといいだろう。
対し、パルスジェット搭載のV1の開発はバトルオブブリテンの終了後であり、今回の設定はどう考えても可笑しいだろうな。

まぁ戦史を完全に無視をしているのなら、大戦初期でタイガーやパンサー、Me262を登場させてもいい訳だが、大戦初期の定石通りに3号、4号戦車、Bf109を登場させているし、また、本作が戦史準拠である事はPANZER誌でも述べられている。

しかし、設定に細かくイチャモンをつけても「魔女」の設定が荒唐無稽なので目を瞑っているのも必要か。
それでも、あまり無茶な設定をすると全てで陳腐になるので、止めた方がいいのだがな。

8話でも記述したが、アトランタ(米国)がたかが一駐ブリタニア大使の一言で軍の動員を図ったとするのはご都合主義もいいところだ。
アトランタは現実に攻撃されないと軍は動員しないし、ゲールのような独裁国家とは違い、この国は動員が正義となる確固たる理由が必要な国だからな。
でも今回ゲールがロンデニオン攻撃に踏み切ったことで、アトランタ軍動員の正当化を図るのだろうな。
史実では、ロンドン空襲時点でも米国は対独戦線布告はしていないのだけど。

10話の作画だが、2Dの爆発シーン、MS406の墜落爆発シーン、MS406vsBf109の3D空戦シーンは圧巻だった。
航空機と戦車、火砲の作画(3D含む)はパーフェクトなのに、空母の作画に課題を残したのは惜しまれる。

また、捕られたイゼッタ救出の為に、エイルの陸軍部隊と近衛が突撃の準備をしているところ、絶対装備数が少ないMS406が地上部隊との連絡もなく唐突に出現したのは、よくあるご都合主義に思える。

シナリオに厚みを加えるなら、突撃→撃退後退→空軍支援→再突撃の尺を取るべきだろう。
特に名機関銃MG34(WW2最高傑作機関銃MG42の前モデル)の連射で、エイル兵がなぎ倒されるシーンが見たかったが。
この、イゼッタ救出は重大局面で見せ場なのだから、もっと救出に苦労をするよう工夫をするべきだった。

陳腐な設定を残したまま、物語は進んだが、もう本作では誰もハッピーエンドは期待していないだろうし、バッドエンドをどのように迎えるのか焦点はそこだろう。
10話でも十二分に分かることだが、ゲールは帝政に置き換えたナチスそのものだ。
皇帝オットーはヒトラーの置き換えと見た方がいいな。

海外評価サイトでは現実の国家にするべきだとの意見もあったが、もろにヒトラーを出すといろいろと面倒臭いことになるし、この設定は仕方がないだろう。
それと、何故か10話では不可侵条約を反故にし史実通りヴォルガ連邦(ソ連)侵攻を目論んでいるが、局面はヴォルガ連邦との戦いで何か変化があるのかな。
ゲールはゾフィーを使いこなせるのか?不安な一面を見せる描写もあったが、史実通りの予定調和やオレタタ終了は避けて欲しい。{/netabare}
もうクールも残り少ないし、11話は相当詰め込んでくるだろうな。

第11話メモ
{netabare}うーん、どこまでも御都合主義で物語を進めるのかな。
しかし、親衛隊(SS)を登場させてゲールの邪悪なイメージを増幅させ、相対的にエイルへの同情を誘う演出は稚拙過ぎる。

10話で伏線が張られたベルクマンの失脚の理由も暗喩を含めて説明不足である。
一般に重大な国家機密を握っている人物を何かの理由でパージするのなら、国内に軟禁して行動の自由を制限するのではなかろうか?
したがって、寝返る必然性を含めて今話の展開は首を傾げたくなる内容だし、更に輪をかけて核兵器もどきとV2のセットか…

ベルクマンが寝返るにしても、これだけの超兵器を取引に使えば、エイルを降伏させる流れの方が自然だろうな。エイルから情報に見合う膨大な金と身の安全の絶対的な保証でも取らぬ限り。
常識で考えれば裏切り者は裏切った国のみならず、国を売った事実だけで保護国でも信用はされない。
場合によっては保護国側が取引の材料に使うだろうけど、安直に信用して行動の自由を許すなどエイルは子供が運営している国なのか?
ベルクマンをゲールに手渡してはならないだろう。

魔石の持つ裏の現実を突きつけてもイゼッタには全く感情移入をしない。
寧ろ、フェーネの危機に都合良く間に合わせる御都合主義には辟易してきた。
本作のキャラの誰にも感情移入が起こらないのは、ゴルゴ13ほどのシビアさは求めないが、現実とファンタジーの接合が悪い上に振幅が激しいことと、間の悪い百合描写と御都合主義の展開が余りにも多いことに尽きるな。
国家の命運を背負った会議に向かうシーンが、フィーネの緊張感ではなく百合なら誰でも呆れるぞ。

もう、子供なら喜びそうな話にまで劣化してしまったな。

イゼッタの出撃シーンは特攻に飛び立つような雰囲気だが、緊張感も悲壮感も中途半端で全く共感しないな。
イゼッタへ感情移入が起こらないのはストーリーの拙劣さもだが、茜屋さんの演技力にも問題がある。

イゼッタのおっぱいアップのカットはサービスとして捉えておこう。{/netabare}

【最終回】
{netabare}結論から述べる。
最終回も残念賞。
粗を探せば多々あるが、しかし、広げた風呂敷の回収はしっかり成就させている点は認める。
そこに至るプロセスや、設定の甘さは除き、イゼッタは平和への対価としての犠牲とさせたが、あくまで救われない形で幕を引くということは、イゼッタの死か消滅であることを意味する。
戦争という苛酷な現実を世界観に設定したのであれば、一つの使命を果たしたイゼッタの殉死こそ世界観に見合った彼女の最後だろう。
ゲールという国家の滅亡とイゼッタの命の取り引きで物語は醍醐味あるバランスは取れるのだけれど、脚本は本質的に履き違えてしまったようだ。
2期を考慮していないのだから、視聴者に平和の使者イゼッタを印象づける意味でもバッドエンドにすべきだった。

幕引きに至るまでについては、以下の各論でこの作品の課題点を指摘する。

(アトランタについての軍事考証)
アトランタにとってはゾフィーもイゼッタも「戦略兵器」として捉えていた脚本は評価するが、派兵(動員)に関してはモデルとした戦前の米国の政治、とりわけモンロー主義をもっと研究するべきだ。
アトランタを物語の正面へ出す場合、ゲールの潜在的脅威のみならず、具体的な脅威がアトランタにあった事実を描写すべきだろう。
史実のWW2では我が国の真珠湾奇襲後にドイツは米国へ宣戦布告をしている。
つまり、民意が国家運営の土台である米国は、仕掛けられない限りは兵を動かせない、厳密に言えば(当時は)海外派兵のような大規模な陸軍の編成は戦時状態が生じた上での戦時動員が必要な国である。
国家の成立上、地方自治が高度に発達している米国における陸軍の平時編成は州知事に統帥権がある現役州兵が主体であり、ベトナム戦争以前までは、平時における州兵の動員は治安維持等法律の緊急限定事項を除き大統領統帥の範囲外にある。
州兵、予備役の動員は戦時状態が必要十分条件であり、大統領統帥権に基づく戦時動員をする為には「攻撃された」という既成事実と大統領判断のみならず、戦時状態(宣戦布告を含め能動であっても受動であっても)の議会承認が不可欠なのだ。
つまり、当時の米国のシステムでは戦時状態を認識し、陸軍の戦時動員を完成するには1年近くかかるはずだし、動員編成に関しては軍事マニアの基本的な常識。
余談だが、太平洋戦争においてガダルカナルから反攻を開始し、太平洋戦線で終始戦闘を繰り広げたのは海兵隊である。
現在は第4軍として独立した地位にある海兵隊だが、当時の海兵隊は海軍の指揮下にあり、海軍は陸軍とは異なり平時から大統領の統帥下にある。
海兵隊は有事発生の際に速やかに編成動員可能なメリットがあるが、戦術使用は可能でも一国家を軍事的に降伏させるのには戦力不足であり、戦争終盤では陸軍の役割となる。
太平洋戦争も終盤の海軍主導の中部太平洋戦線の硫黄島、沖縄では米陸軍も戦闘に参加しており、陸軍のマッカーサーが率いる南太平洋戦線が膠着気味であったのは、動員編成が複雑な陸軍の特殊性によるものだ。

ノルマンディーにしても、あれだけの大部隊を編成する為に宣戦布告から2年半近くの準備期間を要している。
本作では大使の進言から数ヶ月でブリタニアに派兵をしているが、アトランタの政治システムや軍事常識外の陳腐な設定であったことが窺い知れよう。
各国の政治や、陸軍の性質をもっと研究した脚本でなければダメだな。
特に米国は正当な理由に基づく徴兵拒否を認めている国でもあり、戦前の我が国のように赤紙1枚で簡単に頭数を揃えられない複雑な事情もある。
完全志願制の我が国自衛隊の悩みは予備役の不足であるが、いざ戦争となれば現役の員数ではなく、予備役や後備役の動員がどれだけ可能かで、その国の軍事力が決まる。

登場国家こそパロディではあるが、史的事実関係に沿った脚本を評価していた折に、アトランタ参戦プロセスの端折り方は軍事設定において致命的とも言えるミス。
WW1のように、ゲールのUボートがアトランタの民間船舶を攻撃したシーンでも挿入しておけば、アトランタの派兵には現実味が帯びたのだが、残念だ。

(ベルクマンに見る脚本の底の浅さ)
まず、ベルクマン失脚の動機が曖昧なのは前回にも記したが、単に知りすぎた人物というだけではなく、もっと具体的な説明が必要であっただろう。
結局、ベルクマンはゲールへ引導を渡した物語のキーパーソンなのだが、その描写が雑過ぎたのが頂けない。

フィーネとイゼッタの百合百合しい関係の尺を、ベルクマンという人物の掘り下げに当てればまた違った評価となっただろう。
愛国心より個人の命が優先するとした利己的なベルグマンの人物像の描き方は、倫理的な抵抗はあっても、ある意味では真理だ。
しかし、それをゲールの国民の一人として描いたことに、脚本の政治的な意図が感じられなくもない。

脚本が、史実として祖国敗戦後でもゲールのモデルとなったドイツ人気質とはとのようなものであったかは、シベリア抑留記で記述されているドイツ人捕虜だが、ソ連に屈せず最悪の環境を甘受してドイツ人としての誇りを抱きシベリアの土になった事実を知っていればベルクマンのような描き方ができたのであろうかな。
ドイツ人捕虜の高貴な態度に胸を打たれた著者は、自分可愛いさに次々と祖国日本を裏切りソ連へ忠誠を誓っていく周囲の日本軍捕虜の節操のなさを憂いていた内容だった。
これは、15年程前に『丸』が特集していたシベリア抑留記に書かれてあった。
おそらく、ヒムラーやゲーリングのような往生際が悪かったナチス高官や、連合国に脚色されたドイツ人のイメージでベルクマンの人物像を設定したように思う。
ドイツ人であれ、アメリカ人であれ、日本人であれベルクマンのような人物は確率的に存在するのは認めるが、ネガティブな人物であればこそ、人物描写を掘り下げなければベルクマンがドイツ人代表のような間違ったメッセージを与えかねない。
そう考えるとやはり脚本の底の浅さは拭いきれない。

危険人物として暗殺の対象とされたにも関わらず行動の自由を許したゲールの対応や、売国人物と知りつつエイルがベルクマンを利用した浅はかさは「国家」というものを脚本が理解をしているのか甚だ懐疑するお粗末な展開だった。
ベルクマンとミュラーは同じ情報を扱う者として、国家への忠誠に関しては対極的に描かれている。

ミュラーがエイルへ絶対忠誠を誓う背景には彼が貴族であることが挙げられよう。
爵位は国王から授けられるものであり、国家(というより君主)に対し絶対服従を誓う根拠ともなり得る。
ベルクマン部下のリッケルトも貴族家系ではあるが、彼の国家への忠誠心もミュラーと通じるところがあるだろう。
脚本はミュラーをリッケルトの隠喩としても表現し、ベルクマンとの応酬を通してベルグマンの性格を掘り下げたかったかな。
更に、バスラーの愛国心を強調し、ベルクマンという人物像を確立したかってのかもしれないが、これだけ物語のキーパーソンとして活用した以上、ベルグマンの直接的な掘り下げをしなかったことは脚本の怠慢としか評価が出来ない。
最後は生き延びて、アトランタへ魔女の力で得た核兵器を売却したようだが、この人物の生き様は、百合や他のサブキャラの描写を減らしても尺を取るべきだった。

(ゲールがヨーロッパ征服を試みた動機が意味不明)
さて、本作はWW2を背景とした世界観だが、ヒトラーが何故欧州大陸で戦火を拡大させたかを理解しているのかが甚だ疑問なストーリー展開である。
そも、ヒトラーは全欧州の覇権を握る意図があった訳ではない。
ヒトラーの目的はWW1で喪失した旧帝政時代の失地回復であり、ポーランドを占領したのもWW1の結果でポーランドが独立し、飛び地となった東プロイセンとケーニヒスベルクの回廊復活が目的だ。
ヒトラーの政策の第一目的は「ベルサイユ体制」の破壊であり、当時のドイツ国民が支持したのもこの政策を掲げたナチスに対してである。
ヒトラーとて、それ以上のことはドイツの国力を考えても出来ないことは重々承知をしていた。
したがって、ベルサイユ体制の守護者である英仏と本格的な戦争状態となることはヒトラーの本意ではなく、ポーランド侵攻までには相当の外交努力が行われていることは注視をすべき点である。
当時の英仏もWW1の後遺症から抜け出せてはおらず、可能な限り外交交渉で決着を図る姿勢でドイツの要求を呑んでいた。
ヒトラーはポーランド侵攻にあたり、ソ連と不可侵条約を締結し、モロトフ=リッペントロップ秘密議定書に基づき、西からポーランドに侵攻、東からはソ連が侵攻しポーランドは消滅した。

勿論、ソ連との不可侵条約は後に明らかになるようにドイツ側の欺瞞工作である。
東プロイセン回廊の確保でヒトラーの目的は達したが、ポーランドと軍事同盟を締結していた英仏は「集団的自衛権」に基づきドイツに宣戦布告をする。
ヒトラーはポーランドに関する英仏の感触や、ソ連もポーランド侵攻に同意したことで英仏との対立は避け得ると判断したが、英仏はソ連は黙殺しドイツのみに宣戦布告を行う。
ヒトラーとしては不本意な結果を招いている。
実際宣戦布告をした英仏もポーランドを直接助けることはせず、ドイツとの軍事衝突を避けていたのだが、ヒトラーのタイムスケジュールには第二段階としてソ連侵攻があった。

しかし、フランス侵攻をヒトラーが考えたのは、対独英仏宣戦布告が明確な動機であり、隣国であり大国であるフランスが宣戦布告を放棄しない限りは、常に軍事的な脅威に晒せれることとなり、今でいう「先制的自衛権」という考えから軍事侵攻に踏み切ったものだ。
フランス侵攻と同時に英国のチェンバレンが辞職し、対独強硬派のチャーチルが首班となり、これでヨーロッパでの全面戦争が不可避となった。
つまり、ヒトラーのフランス侵攻はドイツにとっては防衛であり、彼が描いていた大ドイツの図版には含まれてはいない。
中央ヨーロッパや東ヨーロッパには傀儡政府を樹立せず、ドイツ直轄の軍政であったが、フランスには傀儡政府(ビシー政府)を樹立した点、南ヨーロッパにはヒトラーの盟友ムッソリーニがおり、イタリアの勢力圏をドイツが奪う意思はなかった。
スペインは中立国だがフランコ体制の同国も、ポルトガルに対しても領有の意思は見せてはいない。
ただ、イタリアがあまりに軍事的に情け無い戦いを続けムッソリーニがヒトラーに泣きついてきたことから、南ヨーロッパやアフリカへも派兵をせざるを得なくなり、イタリアの降伏で南ヨーロッパ戦線の維持をドイツ一国が背負うこととなったのは、ヒトラーの意図以外の不確定要素から生じた出来事である。

ダンケルクでの詰めの甘さは、ヒトラーがなお英国との和平を切望していた証しでもある。
しかし、チャーチルの強硬姿勢に結局、対英問題解決は軍事的な勝利しかないと悟ったのでろう。

ソ連侵攻の目的は『我が闘争』にもあるように、ユダヤ人の抹殺とスラブ人種の奴隷化と天然資源の確保であり、これは政権に就く以前からの思想であるので、ソ連がどのように下手に出ても戦争は不可避であったと思う。
『我が闘争』を読んでも、また、現実のヒトラー政策を考えても、彼の大ドイツ構想は東方拡大であり、全欧州にまで野心があったものではない。
フランスが対独宣戦布告をしなければ、フランスへの迂回路であるベルギー、オランダの軍事占領が行われたかも疑問だし、フランスを含む、南ヨーロッパは元来、彼の図版の外にある。

本作ではゲールがヨーロッパ征服の野望を如何なる動機で抱いたのかが不明瞭であり、かつ当時のドイツを巡る欧州情勢や史実は上記のとおりであり、ゲール(ドイツ)を無条件に悪者とする姿勢は、ハリウッドB級映画のテンプレや、ニュルンベルク裁判史観や侵略者ゲールを設定したのは、安直かつ幼稚に思えてならない。
WW2の設定を用いるのであれば、ゲールの国家戦略も政治的に詰めて設定すべきであろう。

(フィーネ発言の真意)
アトランタの意見では魔女を抱える国は戦略的に絶対的な優位を誇ることとなるが、それはアトランタが述べるようにゲール亡き跡の安全保障に直結する課題だ。
アトランタがこの会議に参加した経緯には大きな疑問があっても、発言趣旨そのものは妥当だろう。
フィーネはここで、イゼッタ個人の死ではなく、レイラインの魔力を吸い上げた結果は魔法そのものがこの世から消え失せるとした発言をした。
しかし、フィーネの最後の涙はイゼッタは死ぬかもしれないとの絶望のメタファーであり、その死を以ってしてアトランタの懸念は取り除けるとした大義と私情の狭間で大義を取った指導者の意見であると私は考える。
反面、フィーネの本音は魔女イゼッタではなくイゼッタとなっても愛情には些かの変化がないことと、自らの力量不足をカバーしてくれたイゼッタへの感謝の涙でもあろう。
私情と大義の狭間に揺れるフィーネは、指導者としては未熟だが、人としては共感を得るものと思う。
このフィーネを描いた脚本は評価できよう。

(イゼッタとゾフィーの対決)
イゼッタとゾフィーの属性については「(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)」で述べるので、ここではラストの対決に的を絞る。
パリ上空を舞台に繰り広げられた、白熱のバトルシーンの描写に関しては、圧倒的な作画で十分に楽しめる内容だ。
イゼッタがエッフェル塔を折るところは凄い迫力だが、迫力においてはゾフィーも負けてはいなかった。
しかし、命が惜しいゾフィーに対し、イゼッタは自らの死を厭わずに最大魔力で応じている。
イゼッタの気迫勝ちだが、イゼッタが死をも辞さない覚悟を抱くプロセスがお粗末である為に、本来は十二分に感動するべきシーンなのだが、私には50掛けとなってしまった。

(オットーの自殺)
史実でヒトラーは自殺をしたが、その状況に合わせたのかな。
しかし、史実のドイツの末期はとても悲惨であり、ヒトラーはソ連兵が闊歩するベルリンの地下壕で自殺を図っている。
本作のノイエベルリンの描写では末期ベルリンの断末魔の悲鳴が伝わらない。
私は実際、壁崩壊直後のベルリンと壁の緩衝地帯にあった空き地のまま放置されていた、総統大本営地下壕跡を訪れているから、余計に陳腐に思えるのかもしれないが。
ノイエベルリン市民が参加している地上戦を描いた方が、追い詰められたゲールの直喩にもなったろうし、オットー自殺にも説得力があっただろう。
オットーにずっと付き添っていた側近エリオットは架空設定だが、自殺を確認したという意味ではボルマンがモデルだな。

(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)
本作で最も問題となるのは、イゼッタの立ち位置だろう。
本作では執拗にイゼッタとフィーネの過去の出会いを描写し、イゼッタはフィーネへ恩義を感じていることを強調している。
また、フィーネは一国の君主の立場を超えてイゼッタを大切にすべき友人から愛の対象として描いている。
本作も多くの視聴中断者を招いたが、その原因の多くは百合展開である。
世界観と百合のミスマッチが視聴者の嫌悪感を招いたと思うが、それには十分同意を出来る。
脚本の吉野氏には戦時と平時の見境がついていない旨の指摘を散々してきたのだが、平時が背景での百合展開ならば、そうとも割り切れる。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』は平時における兵士達の日常を描いた内容であるから、百合要素もエピソードの一つとして受け入れることは出来る。

しかし、国が危機に際している状況で百合でイゼッタの忠誠心として描くのは、戦争という無慈悲で凄惨な現実を余りに茶化してはいないかな。
イゼッタはフィーネの存在がなくても、戦争を終わらせる為にはゲールと対決する心構えがあれば、平和の使者としての彼女に大きな共感が生じただろう。

しかし、フィーネという個人に陶酔する余り、彼女の理想を現実化したいという利己的な理由でゲールと対峙させても何も共感は生じない。
戦争というのは一個人の理想ではどうにも出来ない過酷な現実であり、魔法というチート能力の設定を用いるところを錯誤し、現実とは大きく乖離してしまったことは本作最大の失敗であろう。

魔法と兵器の対決はエンタメ的には間違えてはいない。
『ストパン』もそういうファンタジー設定で人気を博したのだから。
しかし、本作は『ストパン』よりも妙にリアルを追求しているが故に、ファンタジー設定をよく練らずに用いると、世界観との齟齬や乖離が生じるリスクと裏腹の関係となることも指摘済みである。
軍事オタが本作を評価しない点はこれに尽きる。

更に、イゼッタの理想は大義に立脚したものではなく、フィーネの理想の具権化であったこともWW2という大きな器に対しては説得力がないものとなった。
海外評価が辛辣なのは、イゼッタの正義はフィーネの借物の正義であり、百合感情で得た極めてストイックに反する俗物的で許容しがたい点にあることだ。
ゲール討伐という大風呂を広げず、フィーネとの愛情物語に路線展開をすれば、また別の評価を得られたであろう。
最後、イゼッタが生き残る点も、殺したくないスッタフの御都合主義だと思うが、殺した方が殉教者となる訳だし、魔女というキリスト社会においては極めてアグレッシブな存在に対する明確なメッセージとなったはずだ。

逆に、エイルで過去に魔女裁判にかけられ、命を落としたゾフィーに私に共感を抱いた。
だってそうだろう。
ゾフィーは本気で愛したかつてのエイルの国王の遺言によって異端審問の上処刑された。
異端審問が吹き荒れ、魔女狩りが横行していた当時の欧州情勢を考えると、この国王の判断こそ、フィーネが見習わなければならない、私情を捨て大義を守る指導者としての矜持だが、大義には犠牲が生じ、多くの私怨を招く。
その意味でも私怨でエイルを滅ぼしたい気持ちは正直で嘘偽りはないだろうし、イゼッタの偽善よりも遥かに自然な感情だ。
更に、感情移入はゾフィー役に雨宮さんの熱演もあったのだが、対しイゼッタ役の茜屋日さんの演技力には課題を残している。

イゼッタが述べた「みんなの命を預かる人はたった一人に拘ったらダメ」はそのままイゼッタへのブーメランとなり、このセリフを吐かせながら生き延びるのは余りに矛盾が過ぎるのではなかろうか。
更に、回想でフィーネが百合私情を振り切り涙ながらにイゼッタへ戦いを命じた描写を感動として活かし、イゼッタがゾフィーに語った大義(私情に揺さぶられた偽善的な大義だが)を衝突させたのであれば、ジンテーゼは視聴者へ判断を委ねる、双方生死不明のメタファーとして結論付けなかった方が良かったのではないかな。
よって、最終回でイゼッタも消えていれば良作ではあったと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 76
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

第二次大戦を下地にした魔女と王女の物語…信じ尽くす大切さを問う物語

この秋、ユーフォ二期とともに期待した作品でした。第二次世界大戦のヨーロッパをモチーフに、小国の皇女が大国に立ち向かう。それに加わる魔女、これは面白そうだし、1話で引き込まれてしまいました。展開しだいではそうとうな作品になる予感がしました。

1話…あっという間に引き込まれてしまいました
{netabare}小国の皇女(モチーフはスイス?…ではなくリヒテンシュタインだったようだ)フィーネが、大国で戦争しかけているゲルマニア(どう見てもドイツ)の脅威から自国を守るために、同盟を求めてイギリスっぽい国にいく話でした。
道中で敵から逃れるために奮闘するフィーネ。従者は倒れ、自国はとうとう戦争に巻き込まれ、自らも囚われとなっても信念を曲げないフィーネがカッコいいです。それからキャラデザインも良いです。最後に主役のイゼッタが登場してフィーネを救う場面で次回へ。箒でなく銃に乗った魔女のイゼッタ、こんな設定もありかと。

1話があっという間に終わった感じです。これは面白そう。最後までこの面白さが持続しますよう祈ります。{/netabare}

2話…二人の絆
{netabare}フィーネのピンチを救ったイゼッタ。国にたどり着いたは良いけど、フィーネは重傷。イゼッタとフィーネの関係が深いものだった事が分かり(1番肝心なところは後回しみたいだが)、イゼッタはフィーネの国を救うことを決意する。

魔女狩りのピンチをフィーネが体を張って救ったのかなと思いますが、イゼッタがどうしてゲルマニアに連れられそうになったのか、興味がありますね。とにかく深そう。まだ2話か、先が楽しみで仕方ないです。{/netabare}

3話…最終兵器魔女
{netabare}大国に攻められる小国、兵士たちのフラグたちまくりのなか、戦闘は圧倒的不利な状況。大国の軍は余裕降りまくり、これフラグだよな?
そこにイゼッタが参戦、なんだこの魔女は?圧倒的ではないか!ランスのファンネル?楯?おいおい、つえぇぇぇぇぇl!
ピンチはたった一人の魔女によって救われた。という展開。それと、フィーネの心の強さと王的資質いったら…惚れます。これは思っていた以上に面白い。つかみはすごく良かったです。でも、鬱な話も有るんだろうな…{/netabare}

4話…魔女の秘密
{netabare}魔法が使えるのは特定の場所のみ。そこから外れると使えないという。
フィーネの父、つまり王が亡くなり、フィーネが王位へ。そこでイゼッタを登場させて白き魔女の再来を告げ、他国への牽制も狙うという。
イゼッタとフィーネの過去が明らかとなり、イゼッタが忠誠を誓う理由が分かりました。それにしてもフィーネがカッコいい。

白き魔女の裏切り、気になります。イゼッタがゲルマニアに捕らえられていたこともあり、再び捕らえられて洗脳させられ…なんてことないよね? あまりにもフィーネとイゼッタの絆が強いから、イヤなフラグに感じます…{/netabare}

5話…探り探られ
{netabare}フィーネの王位継承式でイゼッタを面前に披露。その能力を世界発信して、他国を牽制させる狙いだ。
白き魔女の末裔の存在はやはり影響が大きく、小国を無視できなくなっていた。が、ゲルマニアはその存在を見透かし、イゼッタに弱点が有ることを察知する。
ゲルマニアの侵攻が再びはじまるが、そこは魔法が使えない場所。フィーネ達は策を練り、その侵攻を食い止める。という展開でした。

大国対小国の心理合戦、なかなかの筋書きでした。ただ、ゲルマニアの諜報部員が入り込み、イゼッタの弱点がバレそうな気配、眼鏡君も加わりそうな気配が…眼鏡君、いっぱいフラグ立てているからなぁ…。

ここに来て、ちょっと粗が見えてきた気が…。近衛が全員女子というのはさすがにないかと。しかも、先祖伝来って言うからね。近衛師団の女子団っていうことにしていいのかな? ま、細かいことだけど。{/netabare}

6話…貴重な眼鏡君
{netabare}小休止の日常回…と思ったのは前半だけ。ゲルマニアには何か研究施設があったり、新型戦闘機が製作されていたりと着々と準備始めてます。研究ってまさか核じゃねぇよな?
ブリタニアで会議が行われるためイゼッタ、フィーネが向かうことに。その頃、スパイの報告が入り、ジークが向かい、イゼッタの秘密を知っている眼鏡君を射殺…そうだ、この話は戦争の物語だったね。ジークの決意を聞いたときに、そういう役目を負う人間が必要だよねと思った。

バチバチ戦う以上に緊張感あるストーリーだったように思います。前半の日常も良かったですけどね。フィーネの可愛い部分が見えて。ただ、パイを食べているフィーネがどうしても小鳥ちゃんに重なったのは何故だろうか…。{/netabare}

7話…いっしょにおいで
{netabare}ブリタニアに到着したフィーネとイゼッタ、そこにはゲールに対抗する諸国のお偉いさんが会議をしていた。ゲールは空母を完成させ、さらに強力な力を手にしていたという。フィーネはイゼッタが空母を蹴散らすと告げる。
魚雷を従えて空母に向かうイゼッタ。しかし、空母はすでに出航、敵に動きが読まれていたのだ。待ち構えていた敵兵に狙われるイゼッタ。4発あた魚雷は2発失い、しかも海に墜落。魔法使える地場からずれたのだ。魔力使えるポイントには空母が、そこでイゼッタは空母の隙を狙い、魚雷をぶち込む。見事空母を撃破。しかし、その動きでベルクマンに弱点がばれてしまい、しかも、なぞのカプセル登場で次週。

ゲルマニアはイゼッタのほかにも魔女を捕らえていたようだ。ということは、イゼッタを逃してものうのうとさせていたのは、魔女の力がどんなものか、弱点は何かを探っていたということなのかなと思う。ゲルマニアも実際に魔女の力がどんなものか計りかねていたのではないだろうか。
イゼッタが戦っているシーンは痛快なんだが、服の汚れぐあいとか、一生懸命さとか見ていると、なんか切なくなる。不幸な話にならないでほしいと心から思います。{/netabare}

8話…スパイと近衛の小さな恋物語
{netabare}エイルシュタットに潜入したリッケルト。目指すは旧城、その途中で出会ったのがビアンカとロッテだった。ロッテの実家の宿屋に宿泊し、ビアンカとも仲良くなるが、目的である旧城に潜入。そして発見した白き魔女の秘密。その証拠を持ち帰る途中に近衛に見つかり、ビアンカに撃たれて絶命するリッケルト。ビアンカもまさかの展開に呆然とするしかなかった。リッケルトに証拠を託されたローレンツもまた、近衛に狙撃され死亡する。証拠は謎の住民に引き継がれ…
一方、ブリタニアでは仮面舞踏会が開かれ、フィーネとイゼッタが外で踊ろうとしたところに現れたベルクマン(なぜお前がここにいる?)と謎の少女。謎の少女はイゼッタの唇を奪い、口を切らせて血を吸う。その瞬間、謎の少女は白目を剥き気を失う。
イゼッタの力を知ったアメリカ…アトランタ合衆国ではこの戦争に本格参戦を決定した。それはゲルマニアとともに、脅威となってきたエイルシュタットも撃ち滅ぼすために…

後半の伏線を張った回でした。ゲールの魔女は何なんだろう?人工物?となると、イゼッタを捕まえていたのはイゼッタの魔力を抽出するためだったのか?
アトランタの本悪参戦で戦局ががらりと変わるんだろうな。エイルシュタットはどうなってしまうのか…。
なんだか悲しい結末待っているのではないかとハラハラします。ED物悲しいし…{/netabare}

9話…展開急変、あぁ…ヤバい…
{netabare}ブリタニアの会談から3ヶ月、包囲網が築かれつつあり、ゲールの動きが鈍くなっていました。イゼッタは世界から注目されるようになり、エイルシュタットも束の間の休息感に浸っていました。
そこから一転、ゲールが西を囮に東から攻めてきました。イゼッタは新兵器とともに向かいますが、打ち込んだミサイルが何者かに撃退されてしまいます。なんと、ゲールが送り込んだのは魔女。しかも、伝説の白き魔女(のクローン)なのです。クローン技術使ってきやがった! 伝説の白き魔女はイゼッタに止めよう説得しますが、フィーネのために戦うと言う。イゼッタは白き魔女と戦うけど、魔法使える場所なのに墜落、白き魔女はアンチ魔法の道具使えるものと思われます。敗れたイゼッタは鎖に吊るされ…
イゼッタの敗北により、空ががら空きとなり、ゲールはエイルシュタットに突入。首都がぼろぼろ…

急展開でした。どうなるのか気になって仕方ありません。いちおう、これまでの伏線を回収しつつ、次の展開に入ってきてますが、一気に重い展開になってしまいました。白き魔女の過去に何があったのか、戦争はどうなるのか、イゼッタはどうなってしまうのか…。

これ、一期で終わるのかな? どうせなら丁寧に描いてほしいので、二期までいかないかな? このままだと半端になってしまう気がします。面白いだけに、丁寧にいってほしいです。{/netabare}

10話…絶望か、希望か、どっちに進む?
{netabare}イゼッタが捕らえられ、エイルシュタットは首都が陥落。イゼッタを命がけで救うエイルシュタットの兵士たち。イゼッタはなんとか救われ、首脳陣たちが避難した防空壕兼秘密基地で療養。
そのころ、ゲルマニアはゾフィーの力を使い、ブリタニアに大量のミサイルを撃ち込み、ロンドン…ロンデニアを木っ端微塵に。ゾフィーがゲルマニアの兵器として確立したことにより、ベルクマンがお役ごめん。ほぼ捨てられて状況に。ゾフィーの量産化が図られ、さらにはどう見ても「核爆弾」を開発したゲルマニア。もはや怖いものなしとばかりに各国に講和の条件を突きつけ、さらには東の大国ソ連…ヴォルガ連邦と不可侵条約結んで(当然表面だけ、侵攻する気満々)、最後はアメリカ…アトランタを攻める気でいる。

ジークから白き魔女の秘密が語られ、その力の源になっている魔石の半分を見せられたイゼッタは…で次週。

フィーネがその先をどうするのかを迷い、イゼッタは姫を助ける決意は変わらない。どう転んでも魔石を使うんだろうね…となると、イゼッタの命は…。
ゲルマニアの先も見えてきたようです。二次大戦をトレースしているので、ゲルマニアは連合国から逆襲され、首都陥落、皇帝自殺(もしくは暗殺)という全体の流れなんでしょう。しかし、イゼッタ対ゾフィーの決着はどうなることやら…なんとかイゼッタが生き残れる決着にならないだろうか…イゼッタがあまりにもけなげ過ぎて、見ていると切なくなるんだよね…{/netabare}

11話…そういう展開になるよね…
{netabare}秘密の基地がゲール軍に発見され、急襲される。フィーネは投降を覚悟し、絶体絶命のピンチ。そこに魔法を使って救出するイゼッタ。魔石の片割れを使い、魔法を使えるようになったのだ。それはつまり、命を削ること。フィーネが弱気になっているのを檄するイゼッタ。フィーネも覚悟を決めて最後まで戦うことに。
ゲール軍に付いてきたベルクマン。ベルクマンは自分が生き残るためにゲールの情報を伝えた。その内容は国の終末を意味し、それを阻止する必要があり、フィーネとイゼッタは最後の決戦に向かう。

かなりすっ飛ばしましてつじつま合わせがスゴいのですがが、内容は濃かった回でした。ベルクマンとジークの会話が良かったです。
えっ?もう終わり?…やっぱり一期では短い…イゼッタ、生き残って幸せな結末になってほしい…。{/netabare}

12話(最終回)…「地球のみんな!ちょっとずつ元気を分けてくれ!」
{netabare}ゾフィーとイゼッタの最終決戦はこんな感じでした。
ゲールが主催する会談に向かうフィーネ一行に立ちはだかるバスラー。これを振り切り会場へ向かうが、その途中、ジークが倒れる。彼が最後に観たのは眼鏡君の幻だった…。
一方、ゾフィーとイゼッタの最終決戦は魔石の力を全解放した激しいものとなる。二人は信頼する者のために戦い、一方は裏切られ絶望し、一方は最後まで信じ抜くことで戦った。ゾフィーがイゼッタとの戦いから離れられないことに、ゲールの部隊はミサイルを発射する、クローンの力を使って。
ゲールと諸国の会談に現れたフィーネ。フィーネはイゼッタがゾフィーと戦っていることを伝え、終息させると宣言する。しかし、魔女が残ると同じことになると憂慮する首脳たち。それに対しフィーネは言う、すべての魔力をこの世から無くすと。これはイゼッタからの提案だった。
イゼッタはすべての力を使い、この世にある魔力の全てを吸い上げる。ゾフィーの魔力もゾフィーのクローンの魔力も、ミサイルに搭載された爆弾の魔力も…。
これによってゲールの力は弱まり、大戦の流れも変わり、3年後にはゲールが敗れる。フィーネはとある森にあるコテージを訪ねる。そこには成長したロッテに車イスを押される赤い髪の女性が待っていた。

終わっちゃった…どんな終わり方するかと思ったら、あるあるな感じでした。イゼッタが全てを背負い、最悪をを除去する。よくある。生きていたことを示唆する終わり、あるある。
ゾフィーが救われなかったのは可哀想かな。最後に何かしら笑顔にできるシーンがあってもよかったように感じます。{/netabare}

第二次世界大戦をトレースしたこの物語。キャラは本当に良かったです。イゼッタは最後の最後までブレませんでした。とにかくフィーネのために戦い、やり遂げました。綺麗な衣装着てボロボロになるイゼッタの姿は切なかったです。フィーネは小国ではあるが国王として苦労と悩みを抱えながらも国のために戦いました。エイルシュタットの幹部、ゲールの幹部、それぞれ曲者揃いだけど個性強くてそれが絡んで物語を盛り上げました。

ストーリーは12話でギリギリまとめた感じは否めません。世界観が大きいのに、こじんまりとテンプレのようなまとめ方です。これだけのキャラと内容なら二期とは言いません、せめて5話くらい余裕があったらもっといい作品になったと思います。映像は好きでした。特に戦闘の場面は滑らかで迫力ありました。

魔女と王女の世界を変えるための戦い。戦争をモチーフにしてますが、人間の物語が強くなってます。期待分のものは見れたように思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 53

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

西暦1940年…そして少女たちは、世界に挑む。

この作品は亜細亜堂さんの制作したオリジナルアニメだったみたいですね。
正直存じ上げない会社だったのでwikiでググってみたところ、制作元請の下で制作に協力する体制で制作に参画するケースが多い会社みたいです。
この会社が元請として入ったのは、直近では「北斗の拳 イチゴ味」が該当するようです。
でもはやみんと東山さんが出演される事を知り、早々に視聴を決めていた作品でした。

物語は第2次世界大戦時のヨーロッパのような世界を舞台としています。
ゲルマニア帝国は、欧州の中でも大国で圧倒的軍事力をによって周辺諸国の支配に乗り出します。
そしてそれは辺境の小国であるエイルシュタット公国も例外ではありませんでした。
欧州全域を舞台に激しい火蓋が切っておとされ…物語が動いていきます。

エイルシュタット公国の第一皇女であるフィーネは、ゲルマニアと敵対する隣国の要人と会談するため秘密裡に動いていました。
そんな激動の真っただ中…それぞれ敵国の囚われの身となっていたフィーネと…この作品の主人公であるイゼッタが劇的な出会いを果たし…物語が動いていきます。

この作品…枝葉を取り除いて幹だけを見ると、主人公であるイゼッタと、イゼッタの友人でエイルシュタット公国の第一皇女であるフィーネの…二人の物語だったと思います。

1話での出会い…本当は再会で、前に二人が会ったのはどちらも幼かった頃…
でもその頃には、現在のフィーネの下地は出来上がっていました。
大切な国と国民を守るためには、自分の身を厭わない強さです。
持って生まれた資質…といっても過言では無いと思います。

イゼッタの脳裏に焼き付いているのは、両手を広げて自分を守ってくれている幼いお姫様の姿…
ふと気づくと、目の前の状況はまるで昔をフラッシュバックしているかのよう…
きっとここで会うべくして出会った2人なんだと思います。

あの時と一緒…何度だってお前を守ってやる…
あの時は守って貰ってばかりだった…だから今度こそ私が絶対に姫様を守る…
お互いがお互いを思い合う気持ちが随所に感じられるんです…

イゼッタは魔女一族の末裔です。イゼッタは手に触れたモノは自在に操れる魔力を持っていますが、これは本来人が持ちえない力…だからイゼッタはこれまで力を隠しながら暮らしてきました。
これは一族の掟でもある絶対遵守事項…

だからイゼッタは人前で魔力を使う事は絶対しない…そんな女の子でしたが、フィーネが困っているとなると話は別です。
ゲルマニアの猛攻によりエイルシュタットは、選択肢が殆ど無くなってきています。
選択肢が無くなるという事は、それほそのまま国の敗北に直結するのです。

姫様が…国民が笑って明日に迎えるならと…禁忌を冒すのを厭わないイゼッタ…
本当は苦しい時こそフィーネが国民にかけてあげたい言葉があるのをイゼッタは知っています…
でもそんな状況を作れなかったフィーネは自分を不甲斐無いと責めるんです…
次期大公として背負わなければならない荷物は、フィーネにはまだ重すぎるのかもしれません。
でも自分の立場をわきまえたフィーネは国民に対してどこまでも真摯…
そんなフィーネだからイゼッタも心が動かされたんだと思います。

でもイゼッタの申し出を二つ返事で了承するようなフィーネではありません。
何故なら自分の命令によって、イゼッタを最も危険な最前線に送り出す事になる訳ですから…
いつ命に重大な危機が訪れるかもしれない最前線…大切な友人に「死んでくれ」と言っているようなものです。
だから一度は申し出を拒否はするものの…2度目は拒否できないのがフィーネなんです。
だって、イゼッタが最前線に赴かないとそこで苦しい思いをするのは同じエイルシュタットの大切な民なんですから…
只のお涙頂戴的物語ではなく、頭首の聡明さが垣間見えたところでもあったと思います。

数あるフィーネの命令の中で…やはり物語終盤のイゼッタへの命令が一番我が身を切られる思いをしたのではないでしょうか…
そう…イゼッタがフィーネにお願いする時って…いつも笑ってるんですよね…
一片の曇りのない本心からのお願いをしているんです…
この二人のやり取りには何度も目頭が熱くなりました。

だから後戻りのできない崖っ淵での最後の勝負…一筋の光を見てフィーネが号泣するのも納得です。
こうなる事は分かっていたし予見もしていた…けれど、想像と実際とでは雲泥の差がありますよね…
本当に悲しい時って…きっと人目を憚る事なんてできないんだと思います
こんな二人の絆の物語…こう書いてしまうと軽いですが中身のギッシリ詰まった重厚な物語の上で展開される二人の立ち回りの気になる方は、是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、AKINO with bless4さんの「cross the line」
エンディングテーマは、May'nさんの「光ある場所へ」
どちらも物語の重厚さを支えた素晴らしい曲だったと思います。
これもアニソンBEST10行き決定です。

1クール12話の作品でした。
この作品の様な終わり方…大好きです。
世の中は絶望と悲しみだけで出来ている訳じゃない…そんな気持ちを持つ事ができました。
物語もしっかり纏まっていたと思います。しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 37

77.4 2 空中戦で戦闘機なアニメランキング2位
カウボーイビバップ 天国の扉-COWBOY BEBOP(アニメ映画)

2001年9月1日
★★★★★ 4.1 (584)
3316人が棚に入れました
時は2071年。一向に減る気配のない犯罪者、太陽系全域にまで拡大した行動範囲に警察組織が対応しきれなくなったため、賞金首制度(通称:カウボーイ法)が制定された。スパイクとジェットの2人は賞金首を捕まえることで生計を立てる賞金稼ぎ、いわゆる「カウボーイ」であり、漁船を改造した宇宙船ビバップ号が彼らの移動手段兼住み処となっている。数百万ウーロンの大物を捕まえることもある一方、その荒っぽいやり方に巻き込んだ一般市民からの賠償請求も多い彼らに余裕はなく、日々賞金首を求めて太陽系を東奔西走していた。

声優・キャラクター
山寺宏一、石塚運昇、林原めぐみ、多田葵、磯部勉、小林愛、ミッキー・カーチス、石橋蓮司
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ランタンに祈りを託す

SF×探偵物語。
大人も楽しめる重厚な物語とお洒落な音楽。
演出に酔えますね、その意気込みや良し。

2071年、火星。
ハロウィンを目前にしたアルバシティで、
{netabare}正体不明の爆破テロ事件が起こる。
史上最高額の懸賞金が懸けられた犯人を追って、
ビバップ号の面々が動き始める。
不穏な動きを見せる陸軍部隊、{/netabare}
次第に浮かび上がる事件の真相、
これは哀しい過去を持つ亡霊の仕業なのか!?

TVシリーズ全26話を通じて、
数多くの人種が登場し多様な文化が描かれている。
ここでも情報収集にイスラムのスラムが登場、
この雑多でまとまりのない世界観が好きです。
音楽が馬鹿げた力を発揮していますね。
サントラは映画版に軍配を上げたい。
OPの「ASK DNA」最高でしょう。
この映画だけでも興味を持たれると幸いです。

古代ケルト人が秋の収穫を祝い、
悪霊を追い払う宗教的儀式だったハロウィン。
{netabare}黒装束の哀しい男が見たものは、
夢なのか、幻なのか、
収穫祭の始まり、燻り続ける火種の終幕。{/netabare}

ジャックオーランタンに祈りを託す。
唇を噛み締めています。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 48

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

ラストの格闘シーンはアニメ史上「最高」

まあ、それ以降も「NARUTO」や「ワンピース」や「鋼の錬金術師」でも作画枚数が以上に多い時はあるが、連携を基にした格闘の連続撃やワンテイクの長回し、カメラアングルはこの時に確立したと思ってる。

普通のアニメは長回しすると作画の粗が見えてしまうので毛嫌いされるが、本作はとことん追う。しかも今の時代のようにイラストレーターやフォトショップなどのPCでの加工ではないので、セル画に彩色し1カットずつ撮影しているので途方もない予算と手間暇が掛かる。今の時代ではまずありえない。

非常に高密度でレベルの高い作品です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 24
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

カウボーイビバップ 天国の扉

Knockin’on heaven’s door
カウボーイビバップ22話-23話くらいのストーリー

ビパップ観てなくても見れそうだけど
いくつかアニメ見てからの方が更に楽しく見れます。
私は15話くらいまで観てから視聴しました。

劇場版なのでTVアニメよりアクションが多く
{netabare} スパイクがモップ使ったりほぼ殴り合いに近いけれどw {/netabare}
その部分だけ巻き戻して観たいくらい画面が華やかでした。

TVアニメ版のようなビバップ号クルーがクローズアップではなく
史上最高の3億ウーロンという巨額の懸賞金がかかった
劇場版の新キャラのヴィンセントや色んなキャラが出てきます。
もう一度スパイクの格好良い姿が観たい!という方にオススメです。

個人的にOPの「Ask DNA」がお気に入りで
これが聴きたいがために録画残していた程です。
Amazonで探してもデジタルミュージックストアに無い・・!
CDを買わないと・・と迷いました(笑)

ただの感想↓
{netabare} とにかくアクションシーンがなめらか(*´▽`*)
スパイクのかっこよさと気風の良さが見事に表現されていました。
ストーリーはちょっと物足りないというか長いけど
途中辺りから夢中になりました(*゚▽゚*)

ヴィンセントに捕まったフェイが縛り付けられて
特殊なウイルス的ガス(・・忘れちゃったw)が部屋に満ちて
死にそうなフェイに自分の免疫を渡そうと
ヴィンセントがキスするシーンが官能的すぎて
テーブルに思わずガンッと頭を打ちましたw
ヴィンセントさん色っぽいよ・・(〃ω〃)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 39

71.5 3 空中戦で戦闘機なアニメランキング3位
マクロスΔ(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (660)
3038人が棚に入れました
西暦2067年、人間が我を失い凶暴化する奇病「ヴァールシンドローム」が猛威をふるう銀牙辺境の地。
対抗手段として結成された戦術音楽ユニット「ワルキューレ」は、「ヴァールシンドローム」の症状を歌で鎮めるため、星星を駆けめぐり、ライブ活動を展開していた。
一方、時を同じくして「空中騎士団」と呼ばれる「風の王国」バルキリー部隊がうごきはじめ…。
プロトカルチャーの遺産の謎が絡み合い、星系を超える熱きチームワークと恋の物語が幕をあげる。

声優・キャラクター
内田雄馬、鈴木みのり、瀬戸麻沙美、小清水亜美、安野希世乃、東山奈央、西田望見、森川智之、内山昂輝、川田紳司、石塚運昇、石川界人、木村良平、KENN、遠藤大智、拝真之介、峰岸佳、てらそままさき、寺崎裕香
ネタバレ

カリウム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

マクロスシリーズで最も賛否が分かれる作品

私は『超時空要塞マクロス』のテレビ版、映画版『マクロス7』『マクロスプラス』『マクロスゼロ』『マクロスF』を一気に視聴し、そのままの流れで『マクロスΔ』も視聴しました。

私はこの作品を見た時、何とも言えない違和感を持ちました。見ながらも見終わった後もモヤモヤが残り、自分なりにその理由を調べ、なんとか答えらしきものを見つけることができました。しかし、この私の意見が必ず正しいわけではありません。私の意見は数ある意見の1つとして、軽く考えてください。
それでは以下に<良い点>と<気になった点>を書いていきます。



<良い点>
・戦闘シーンがとてもよく、シリーズを重ねるに連れてどんどん進化していっており、今回のデルタでも前作よりも圧倒的に進化しています。変形ロボットの戦闘シーンはとても疾走感があり見どころの1つです。

・これはネタバレになるのですが、{netabare}今回の作品のラスボス的位置にあるロイドの動機がよいと感じました。見方によれば、正義vs正義の構造になっている点が良いように感じます。{/netabare}



<気になった所>
・マクロスシリーズに必ず登場する歌姫ですが、今回は今回は5人のアイドルグループになっています。1つ目の賛否の点はここだと思います。数人のアイドルグループにしたことで、それぞれのキャラの背景が薄く魅力を感じませんでした。
加えて、ワルキューレがほぼ生身で戦場で歌いながら立ち向かってる所が個人的には受け入れられませんでした。せめてバルキリーに乗って歌っていてほしかったです。今までの作品との差別化を図ったのは分かりますが、ちょっと離れすぎてついていけませんでした。
音楽に関しては良いと思いましたが、個人的な好みとして過去作の曲をワルキューレがカバーするのを少し楽しみにしていたのですが、ほとんど無く少し残念でした。

・2つ目は世界観についてです。初代から見ているからこそ最もこの作品を見ていて気になった点なのですが、今までゼントラーディ(メルトランディ)・地球人・プロトカルチャーという大きな関係軸で物語が進められてきたのに、この作品の1話から人間型異星人が当たり前のように登場しているためとても違和感を感じました。もちろんプロトカルチャーが創造したという説明もありましたが、マクロスFの8年後にこのような地球人型異星人が発見され、ある程度交流が進んでいるのはかなり不自然です。これについての作品を作ってもいいレベルです。

他にも細かい点があるのですが、この大きな2つの点で引っ掛ったり、冷めてしまい純粋に楽しめなかった人が一定数いるのではないでしょうか。


以上のように、独立した作品としては悪くはないのですが、マクロスシリーズの作品としては決して手放しでは喜べない作品だと感じました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは私が求めているマクロスではないようです

マクロスシリーズのテーマは「歌で戦争を終わらせることができる。歌は人を幸せにできる」ですが
この作品はそれと違うようです。

物語は、なんでも中途半端で仕事をクビになったハヤテと歌手を目指して密入国して来たフレイアとが、ひょんなことから出会います。
ハヤテはやがてΔ小隊の隊員となり、フレイアは歌声ユニット・ワルキューレのメンバーとなり、お互いに助け合って活躍します。

物語の最初では、人々が自我を失い凶暴化する謎の奇病「ヴァールシンドローム」を鎮静化するために、ワルキューレの歌の力が使われていました。
それはそれでよいのですが…、
しかし、
途中からヒロインであるフレイアの歌の力で主人公ハヤテの戦闘機操縦能力が飛躍的に向上したり、ハインツ王子の歌の力で惑星の人たちを洗脳してヴァール化させたりと、歌の力を戦争に利用しているのは、今までのマクロスシリーズのテーマからずれているようです。


こんな状況を仮にマクロス7のバサラが知ったら、おそらく…
「ふざけんな。歌の力を人を殺すために使うんじゃねえ!」と、言うでしょう。

それに、懸命に歌うことでウィンダミア星人であるフレイアやハインツ王子が老化していくのは、またしてもマクロスシリーズのテーマに反しています。
これだと心がひいてしまいます。自分の体をいたわってほしい。頼むから歌わないでほしい。と、思わず叫んでしまいたくなります。

唄うことでエネルギーが満ちてくるとか、心が活性化されて若返るとかであればマクロスシリーズのテーマに沿っているのですが…


物語としては、それなりに楽しめました。
主人公ハヤテのひたむきにまっすぐなところとか…
ヒロインのフレイアの無邪気な笑顔とか…
もう一人のヒロイン ミラージュの清い心とか…

でも、これは私が求めているマクロスではないようです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 23

うっきー星人 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

2016年一番のがっかりアニメ(泣)

【総評Dランク】
S:特別好きなアニメ A:かなり良い B:なかなか良い C:普通 D:微妙 E:くそ

期待のマクロスシリーズということでとりあえず完走しましたが、
結論から言うと、めっちゃクソアニメで期待してた分の落差から絶望しました

ストーリーは例えると、北朝鮮の密入国者が敵国のトップアイドルになって始まる話なのだが、
国民もさらっと歓迎ムードでもうそこから違和感がある、国民バカ設定にしすぎw
そんなこんなで段々アイドル軍団vsホモ軍団という見栄えの汚いお話になっていきます
アイドルが嫌いなタイプの人間にはめっちゃくそ合わないアニメです

なんか鼻くそほじりながら日常アニメかアイドルアニメ観てるノリで全く盛り上がらず、戦争<アイドルな雰囲気
アイドル軍側のノリが軽すぎて戦争ごっこ風なので、人が死んだりしてもまあ当然全く感情移入できない
戦闘シーンも少なく、終始タラタラと何どうでもいい話やっとんじゃ・・・って感じでした

あと10年したらハゲそうな主人公、いなかっぺごりごりキラリン☆娘も両方とも頭パーすぎて嫌い
つかキャラが全体的に薄い、ヒロインがアイドルだけでも5人いるし、その分一人当たりの存在価値が薄まってる

作画も空中戦だけは良かったですが、他がマクロスの名を冠してる割りにしょっぱい
やっぱりアイドルがやたら強すぎて違和感がある、戦闘機とタイマン張れるとことか笑える、アイドルアニメ色も強すぎる
手でW作るのもいちいちキモイ、草生やしてんじゃねーよ

アイドルアニメ観たくてマクロス観てるんじゃねーんだよなあ、とにかくもっと戦闘と話に重みが欲しかった

投稿 : 2024/05/18
♥ : 11

85.8 4 空中戦で戦闘機なアニメランキング4位
劇場版「幼女戦記」(アニメ映画)

2019年2月8日
★★★★★ 4.1 (472)
2475人が棚に入れました
統一暦1926年。ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる、帝国軍第二〇三航空魔導大隊は、南方大陸にて共和国軍残党を相手取る戦役を征す。凱旋休暇を期待していた彼らだが、本国で待ち受けていたのは、参謀本部の特命であった。曰く、『連邦国境付近にて、大規模動員の兆しあり』。新たな巨人の目覚めを前に、なりふり構わぬ帝国軍は、自ずと戦果を拡大してゆく……時を同じく、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が足を踏み入れる。敵の敵は、親愛なる友。国家理性に導かれ、数奇な運命をたどる彼らの中には、一人の少女がいた。メアリー・スー准尉。父を殺した帝国に対する正義を求め、彼女は銃を取る。

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠、飛田展男、濱野大輝、笠間淳、林大地、小林裕介、土師孝也、小柳良寛、高岡瓶々、森川智之、福島潤、田村睦心、戸松遥、チョー、稲垣隆史

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

メアリー・スーがメアリー・スーを名乗る限りメアリー・スーたるのであれば改めてメアリー・スーとは何なのか模索してみた

Arcadia投稿の小説が原作のラノベアニメとして2017年冬にテレビシリーズが全12話放映されたのも記憶に新しい異世界転生ファンタジー×架空戦記モノの直接的な続編


狡猾な性格のサラリーマンが逆恨みが原因で死亡
不神信者が故に神=存在Xの怒りを買い、魔法が実在し世界大戦を控えたヨーロッパに似た異世界に金髪碧眼の幼女「ターニャ・デグレチャフ」として転生させられる
ターニャは不可避の大戦を前に無力な幼女のまま死ぬわけにもいかず、自ら志願兵として戦線へ打って出る
ターニャの思惑は溢れ出る魔力と機知に富んだ頭脳と平滑流暢な弁舌で部下達の士気と戦果を上げ、出世してから安全な後方任務に就くことだった
ターニャの活躍で属する“帝国”は“協商連合”や“共和国”との戦いには順調に勝利を収めていく
が、そんな矢先に帝国へ牙を向いたのは徹底した共産主義を掲げる大国の“連邦”であり、ターニャと部下達もその戦線へ送られることとなる
理不尽さを感じていたターニャだったが、徹底的に嫌悪していた共産主義者への憤りをぶつけるべく、連邦の政治的面子を徹底的に破壊する【連邦首都襲撃】を立案する
そんな前代未聞の作戦を目撃したのが、ターニャ達を苦しめたあのアンソン・スーの愛娘にして、アンソンの死をきっかけに義勇兵に志願した「メアリー・スー」だった…


と、いうわけで今作が題材にしてるのは人類史上もっとも悲惨な戦争として著名な“独ソ戦”であることは明らか
さらに原作ではどうなのかよく存じませんがテレビアニメ版では極力オミットされていた政治や思想や宗教感の対立が物語の構造上、強く押し出された一作にもなっており、架空戦記モノでありながら立派な戦争映画に仕上がっています


そもそも戦争という非生産的な行いに対して否定的な立場であるターニャでしたが、今作中では共産主義者=コミーを徹底的に批判、罵っており、その感情的な動機で作戦を進めた結果、皮肉にも戦争が泥沼化するキッカケを自ら作ってしまうことになります
映画の冒頭でシューゲルは戦争を加速させるのは“感情”だと言っていますが、ターニャはコミュニストアレルギーという個人的な“感情”で連邦首都を破壊します
さらにこの後のクライマックス“感情”を爆発させて戦う敵に対して冷静さを取り戻したターニャが“感情”を廃して戦えば勝てることに気付くのが面白い
まずココが一番目の観どころとなるでしょう


そして今作、遂にターニャにとって最大の障壁となる“この世界で最強の魔導師=メアリー・スー”がとうとう戦線に登場することとなるのです


テレビシリーズでは群像劇を彩る、戦線とは別の国に生きるサブヒロインの一人…ぐらいにしか思ってませんでしたが全く持って迂闊でした;
そもそもメアリー・スーという名前の時点で気付くべきでしたが、この娘は【実質的にこの世界における真の主人公】と言ってもいいかもしれません


実はメアリー・スーという呼称そのものが英語文学圏、特に二次創作界隈において本家本元のキャラクターを食ってしまいかねない、<THE 厨二病設定なチートキャラ>を揶揄する隠語として機能しています
そして同時にメアリー・スーとは作者の願望の自己投影である、と常に批判に晒される、言うなれば“痛いキャラ”のことを指すのです
具体的には極端に若く、劇中のどのキャラよりも秀でており、孤軍奮闘の大活躍の後に、その死に皆が涙する…というのがテンプレートです


今作のメアリー・スーは父を愛し、祖国を愛し、慈愛に溢れ、何より信心深く神を愛したことで神=存在Xから愛された者なのです
で、あるがゆえ今作世界中では桁外れの魔力と加護を行使することが出来るのです
観る前は『ガルパン』ぐらいのアクションシーケンスを期待してたのですが、メアリー・スーが戦線に登場してから『ガンダム』か『魔法科高校の劣等生』が始まったのかとすら思いました
その圧倒的パワーで亡き父の仇であるターニャを執拗に追い詰め、彼女が思うところの【正義】の名の下にターニャを討ち取らんとし鬼気迫る表情と戸松遥渾身の芝居で襲いくるシーケンスは背筋凍る圧巻の迫力です


王道で行けば残忍で冷酷なターニャこそがヒールで、父の仇を取ろうとするメアリー・スーがヒーローなのでしょう
だからメアリー・スーは“実質的に主人公”なのです


とwこwろwがw


このメアリー・スーはやっぱり主人公のなりそこないかもしれないのですw
ターニャに固執する身勝手さ、歳相応の思慮の浅はかさ、政治や戦略への無配慮、直情的な独断専攻などが目立って描かれ、ターニャと相対的に全く持って知性を感じない【劇中最大最強最低最悪のバカ】であることは明白


『オーバーロード』や『ゴブリンスレイヤー』といった昨今のラノベ原作アニメを見渡すと、このようなメアリー・スー的なポジションのキャラをあえて登場させ、イキって出て来たは良いがバカをみたあげく散々酷い目にあってから死ぬ、という展開がトレンドなのは間違いないでしょう


たぶんこーゆーのを流行らせてしまったのは『ガンダムSEED DESTINY』が一因だと思います


逆に『サイコパスSS1』では明らかにこのシリーズのメアリー・スーとして登場した霜月美佳を、これが上手く成長する姿を描いたことでヒロイックな作品に軌道修正したのが印象的でした
メアリー・スーはぶっ殺すのがトレンドかもしれないが、あえてコレを一段階上にレベルアップさせてやるのも選択肢というわけです


さて今作のメアリー・スーそのものですが、こうもあからさまにメアリー・スーを名乗る以上、今後はその有り余る力で散々ターニャを追い掛け回した挙句、最後の最後でターニャに勝利を収めるか、一矢報いてから盛大な死を遂げてもらうと大変個人的には望む展開であります(笑)


正直とても面白い映画ではあったものの、当初あまりレビュ執筆には乗り気ではなかったのです
が、三日三晩メアリー・スーのことが頭から離れず、なんとかしてオイラのこのバカ野郎愛を記したい
と、こうしてキーボードの前に座った次第であります


まあクライマックス、数で勝る連邦があの戦線から手を引いた理由がほとんど描かれてなかったのが不満なのですが、それに付けてもメアリー・スーの装備する演算宝珠がまさかのスキー板で“アニメ史上初じゃないか?と思うほど丁寧にスキーのエアトリックで戦う姿が描かれた”のには思わず感無量でした
この時期の楽しみはFISの中継観戦か雪山アクティビティと相場が決まってますから(お
ですからその辺はもはやプラマイゼロといったところですよ
是非このシリーズの続きを、というかメアリー・スーの行く末をオイラはゆっくり眺めたいと願っております


1回目は新宿のEJアニメシアター(旧角川シネマ新宿)で観たのですが、2回目は立川シネマシティのシネマツーcスタジオの「幼女の皮を被った極上(化け物)音響上映」で鑑賞
岩浪音響監督も絶賛の太鼓判を押すほどの仕上がりで、それもそのはず
魔導士が飛ぶ度に強烈に歪んだ低音がサラウンドでうねりを効かせて飛び交いまくるし、貫通術式が放たれる度にそれはそれは凄まじい破裂音を浴びせられます
これまでの爆音上映の類の中でも1,2を争うのではないかという、ちょっと他の映画では体感出来ない音でしたね


3回目観ました
立川シネマシティ、シネマツーaスタジオでの極上爆音上映「限定魔導爆音上映」です
これで確信しましたが間違いなくオイラが今まで観てきた全ての映画の中で最も音圧が強く、尚且つそれがずっと続く映画が今作ですね
ティゲンホーフ戦線での大砲の炸裂音の連続、ターニャとメアリーの空中戦での歪んでうねる低音、そして戦闘機の地響きのようなエンジン音
このようなデカくて歪んだ音がずっと続く映画ってのは今作以外には無いでしょう
少なくてもアニメとしては世界的に見ても唯一無二だと思います
是非とも劇場で、可能であれば岩浪音響監督がオススメする劇場でご覧になって欲しい


4回目の鑑賞はイオンシネマ幕張新都心の8番スクリーン
幼女の皮を被った ULTIRA(化け物)9.1ch
ULTIRAとはイオンシネマの独自規格でIMAX程でないものの、他のスクリーンに比べ非常に大きいシルバースクリーンとDolbyATMOSにも対応した高品質な音響設備を持ったイオンシネマとしては最高峰のスクリーンです
これに近いのがTOHOシネマズの独自規格のTCXですね
まず画面なんですがこれは3D上映に対応する為のシルバースクリーンってことで若干色合いがくすんで見えます
正直これに関しては致し方ない
で、音響面ですがウーファーがスクリーン下で剥き出しになっているせいか、やや低音が強めに感じます
そして9.1ch仕様の恩恵を最も強く感じる(通常は5.1ch)のは背面スピーカーから台詞が聴こえてくるような場面です
具体的には第二〇三航空魔導大隊のモブ兵士達がざわめくようなカットや、モスコー襲撃の際にヴィーシャが公共放送をジャックした時など、後ろから聴こえてくるセリフがハッキリと聴こえました
細かいセリフを聴き取り方には最もオススメ出来るスクリーンですね


5回目の鑑賞はユナイテッドシネマ豊洲の4DX
劇中、空中を漂っているシークエンスが多いので結構な割合で座席モーションがフワフワと揺れていることが多いのと風がずっと靡いてるのも多かったです
冒頭のメインタイトルバックで泡による降雪の表現があったのには笑いましたw
宝珠が発動するたびにストロボによる眩い光が入るのもカッコよかったです
爆炎に呼応するスモークの演出はやたら濃い目でしたね
ユナイテッド豊洲は特にアナウンスしてませんでしたがこれはシネマサンシャイン平和島が言うところの所謂「効果マシマシ上映」に相当すると思いました
ロリヤが唾を飛ばすシークエンスで水飛沫を期待してたのですがソレは無かったです(笑)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 28

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

なんでこーなった!

原作未読 1時間45分

TV版の「幼女戦記」の続きです。先にTV版を観ることをオススメします。

次々と最前線の戦場を駆け巡る(駆け巡らされる)異世界から転生させられた少女ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる帝国軍第二〇三航空魔導大隊のお話。

今回は、TV版で因縁が出来たある少女とのお話がメインとなっています。

TV版と同じく調子に乗ったところもあり、夢の後方勤務とはならず大部分が戦場でのお話でバトルシーン満載でした。

バトルシーンは大画面と音響で映画ならではの大迫力です。

ターニャの禍々しい顔芸も健在ですw 観ていると幼女という感じは全然しなくなりますねw

まだまだ続きがありそうです。次回があるのならばTVに戻ってほしいですね。

EDは、ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐役の悠木碧さんが歌う「Los! Los! Los!」とTV版のOPを歌うMYTH & ROIDさんの新曲でした。

最後に、TV版と同じで自業自得な面が多かったですねw

投稿 : 2024/05/18
♥ : 41
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

妖怪がヨーロッパを徘徊している――共産主義と幼女という妖怪が

PVでも披露された狂気を孕んだ“幼女”の挑発的なダンスに
まんまと映画館へとおびき出された私でしたがw
毒素たっぷりで、とっても楽しい劇場鑑賞でした♪

凄惨な近代戦に、魔法や爆撃機が飛び交う空中戦。
“幼女”ことターニャ・デグレチャフ少佐の
含蓄ある毒舌や顔芸も交えた独演にプレゼン。
あとは{netabare}国歌斉唱とかw{/netabare}
さらには各所に配置された大きくて、脆くて、良く爆発する
オブジェクトの手助けもあって、
各要素の劇場スクリーンでの最大化効果は期待以上でした。

あくまで本シリーズのブラックジョークが楽しめる方限定ですが、
ファンならば是非、映画館で毒酒に酔いしれることをオススメします。


思えば我々の世界における、先の大戦では、
原爆、ホロコーストと多発したジェノサイドの影に隠れがちですが、
独ソ戦もまた語り継がねばならない惨劇でしょう。
ファシズムVS共産主義。人類史上屈指の殺戮数と収容所数を誇る両独裁体制の直接対決。
虐殺、粛清を統計上の数値と割り切って人材を浪費し続ける国家同士による阿鼻叫喚の戦場。

元々、戦争など非合理的な破壊と殺戮と冷ややかに見る“幼女”ターニャ。
デグレチャフ少佐に置かれましては、
本人の出世と保身、何より安全な後方任務を実現するためにも、
歴史的教訓も生かして、この世界の「連邦」との戦いは
できるだけ穏便に済むよう尽力して欲しい所。

ですが、自由を愛する者として、
神こと“存在X”に対する憎悪と復讐に匹敵するくらい、
共産主義へのアレルギーが激しいターニャ。
“コミー”に嫌がさせをしたいと言う反共の欲求は抑えがたく、
後に禍根を残しまくるであろう見せ場を次々に披露w
結果、泥沼化した東部戦線は控え目に言って地獄wどうしてこうなった(笑)

合理的な近代人を気取りながら、感情が判断に影響した故に、ドツボに嵌っていく……。
この“幼女”やっぱりどこか可愛いらしいですw

こうした個人的感情が客観的な戦局判断に優越するケースは他でも頻発。
ターニャ自身もまた、他人の感情にさらされ、運命を掻き乱されることに。
本作ではかねてよりターニャに復讐心を向けて来た件の少女だけでなく、
さらなる厄介者にも粘着される羽目に……。
{netabare}ロリコンの“同志”が戦局を左右する歴史的瞬間を目撃して、私も背筋に悪寒が走りましたw{/netabare}

妖怪・共産主義に対する皮肉もスパイシーで病みつきになりますw
例えば、{netabare}最前線の断末魔にも似た悲報が、上層部には朗報として到達する共産官僚組織の腐敗とか。
敵前逃亡者はその場で粛清とか。畑の農産物出荷みたいに兵士をつぎ込む人海戦術とか。
自国の魔導師は邪魔な学者や知識人みたいに収容所に送っちゃったとか(笑){/netabare}


鑑賞後は狂宴の続きをせがみたくなる。
好きな人にとっては満足度も中毒性も高い劇薬ムービーです♪

投稿 : 2024/05/18
♥ : 36

72.2 5 空中戦で戦闘機なアニメランキング5位
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(OVA)

2005年12月29日
★★★★☆ 4.0 (323)
1821人が棚に入れました
『蒼穹のファフナー』から一年前、人類軍とフェストゥムの両方から追われ、身を隠してきた竜宮島は、フェストゥムに探知される危機を迎えていた。未だ戦闘準備の整わない竜宮島は、ついに「L計画」という危機回避プランを実行に移す事を決定する。その計画とは、島の一部・アルヴィス左翼部L区画を切り離して囮とし,本島へのフェストゥムによる探知をかわすという作戦だった。将陵僚・生駒裕未ら8人の少年少女達は、対フェストゥム兵器ファフナー「ティターン・モデル」のパイロットとして、過酷な戦いに身を投じる事となる──…

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「以上が俺たちの戦いだ。これを聞いてくれる奴がいる事を祈ってる」

蒼穹のファフナーの約1年前
人類軍・フェストゥムから身を隠してきた竜宮島は
フェストゥムに探知される危機を迎えていた
そこで竜宮島は「L計画」という危機回避プランを実行に移す事を決定する
それは島の一部を切り離して
囮とし本島へのフェストゥムによる探知をかわすという陽動作戦だった。
将陵僚、生駒祐未ほか8人は
対フェストゥム兵器ファフナー「ティターン・モデル」のパイロットとして
切り離される島の一部とともに囮となる絶望的な戦いに身を投じる事となる


~感想~
感動!まずこの言葉が出てくる

このころから総士はアルヴィスに参加してたんだって思ったけど
本編から1年前だし総士が島に戻ってくるって考えれば妥当なのだろう

総士と共にいた蔵前果林は第1話で死んでしまったマーク・ツヴァイのパイロット
2人の意志・想いは
この「L計画」があって本編に繋がっているとすごく実感した

「L計画」からの平和は半年と短い期間だったが
将陵僚らがいてくれたことで未来が開いていく

タイトルにも書いているけど最後の僚の最後のメッセージ
たくさんの人の涙が流れた
祐未との別れのからの感動のラスト
蒼穹のファフナーシリーズを観ている人でまだ観ていない人に
ぜひ観てもらいたい!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「去り行く者達(LEFT)の権利(RIGHT) 」

この作品は、蒼穹のファフナーの前日談…一年前の物語です。
時間軸は本編より前ですが、馴染みのキャラも登場するので、本編を見てからこちらの作品を視聴した方が、物語に入り込みやすいと思います。
もし、本編を未視聴の場合は、そちらからの視聴をお勧めいたします。

本編視聴後の余韻がとても気持ちよく、この作品の世界観にもう少し浸っていたかったので、本編に引き続き本作品を視聴しました。

今回のレビューのタイトルは、「RIGHT OF LEFT」がとても意味深い意味であることを教えてくれたwikiを引用させて貰っています。

本編ではファフナーが整備され、竜宮島の持つ戦闘力がある程度高いレベルであるところから物語は始まります。
一年前と比べると、格段に戦闘力が増しているのを感じることができます…
でも、これって一年前の戦闘力はまだ発展途上であったことの裏返しですよね^^;

普段は身を隠しながら軍事力を増強する…そんなヨチヨチ歩きの竜宮島でしたが、ある日フェストゥムに探知される寸前まで追い込まれてしまいました。

竜宮島にはたくさんの一般住民と明日を担うパイロット養成コースに通うみんながいて…島そのものが島民にとっての希望だったのです。

そんな中、この危機を回避すべくL計画が立案~実行に移され…物語が動いていきます。

このL計画…希望を捨てないというみんなの意思が結集されて実行に結び付いたのだと思いますが…この計画の内容は身を切られような痛みを伴う切ないものでした^^;

L計画に使用できる軍備は必要最小限…
ファフナーの技術レベルは向上の余地を大きく残した状態のため、パイロットへの負担が半端ありません…
何よりパイロットの絶対数もほんの一握り…

この絶望的な状況にも関わらず、パイロットのみんなは希望に満ち溢れています…

でも…度重なる…幾度となく度重ねられた戦闘による疲弊…
ファフナー搭乗の副作用の厳しさに蝕まれるパイロットの苦痛…
状況が変わるのは当たり前です…
気持ちの全部が泣き言で埋め尽くされる…そんなときがあっても仕方ないと思えるくらい容赦ない計画だったのですが…
それでも、みんなは計画の完遂を目指して必死に歯を食いしばるんです…

それは計画完遂の先にある一人一人が胸に抱いている初めから決して変わることのない夢のため…

この冷血非道なL計画の行方はどうだったのか…
それはぜひ本作品でお楽しみ頂ければと思います…^^;

物語の終盤…パイロットにとって所期の夢を叶える千載一遇のチャンスが訪れます…
でも、それは同時に所期の希望を壊すリスクを抱えたものでもありました。

そこでパイロットたちが導き出した答えは…
きっと…いえ、私には絶対に出せない答えでした(/_;)
そしてパイロットの願いと待つものの祈り…物語の結末と合わせて本作を楽しんで頂けたら…と思います。

OVA1話の作品でしたが、引き込まれました^^;
引き続き劇場版を視聴したいと思います♪

投稿 : 2024/05/18
♥ : 30

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

尊い犠牲

このアニメは、蒼穹のファフナー一期の前日談
として制作された作品である。
話の流れが、蒼穹のファフナーへ続くように構成されているが、
どちらを先に見るかこだわらなくても特に問題はないだろう。
まあ、時系列を重視したいか、放送順で行きたいかによるので
そこは好みの問題だと思われる。

内容を一行で言い表すと、フェストゥムの探知から逃れるため
の企画、「L計画」という危機回避プランに身を投じた8人の
少年少女たちがパイロットとして最後まで戦った歴史である。

見終わった感想としては、想像以上にクオリティの高い作品であった。
実は、私自身一期からRIGHT OF LEFTという流れで視聴したのだが
序盤はそこまで乗り気ではなかった。中盤に入ったあたりから
徐々に面白みが増していったという印象が強かったので、少し不安
な気持ちで挑んだがそれは杞憂だったようだ。

焦点を当てる主要人物を少なくし、感情移入がしやすい
作りになっている。基本的には、将陵僚と生駒祐未の二人に
徹底的にスポットが当てられている。
彼らの関係性や、ファフナーに乗る動機等を見て自然と
応援したくなる自分がいた。
今作において、一期で活躍するキャラクターも数人いるのだが
必要以上に話に割り込んでこないので過度なストレスを
感じることはなかった。

一期では、結構な数の登場人物に焦点が当てられているのだが
一部のキャラに関しては登場シーンが少ない上、あからさまにフラグが
立っていたことも相まって感情移入がしにくいと感じてしまったのだ。
今作では、そこに気を使ったのだろう。非常に魅力的なキャラクターを
生み出すことに成功している。

また、前日談という設定を上手く活かしている。
この時は敵フェストゥムに関する情報が少ない上、ファフナーに
至ってはほぼ試作段階の状態。それ故に同化と呼ばれる現象が
パイロットたちに恐怖を植え付けてくるのだ。
しかも、一期の時よりも進行速度が速い上に結晶化するという有様。

それを見て全く動じないパイロットは相当強靭な精神力
を持っていると推察される。
私が、実際にその光景を目にしたら泣き叫ぶような気がする。
そこまでの精神力は持ち合わせていないからね。

鬱要素も、一期よりは確実に高い故に慣れていないと
引きずりやすい様に感じる。只、希望も含まれる形で
終わるので、絶対に耐えられないという訳でもない。
まあ、それなりに場数を踏んでいることが前提だが。

蒼穹のファフナーの一期がそこまで好きではない方にも、
この作品には是非とも挑戦していただきたいと感じる。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 18

63.4 6 空中戦で戦闘機なアニメランキング6位
とある飛空士への追憶(アニメ映画)

2011年11月1日
★★★★☆ 3.5 (331)
1533人が棚に入れました
たった二つの戦争中の大国しかない世界―――。『空の上では身分は関係ない』という自論を持つ「シャルル」だが、彼はまさに社会の底辺層であった。両国のハーフであるためにひどい差別を受ける彼は、飛空士としての腕の自信と、ある思い出だけを頼りに生きてきている。そんな彼に対して「ファナ」はシャルルが属する空軍を擁する大国の次期皇妃。天と地ほどの身分の差がある二人が主人公である。物語はシャルルがある作戦を告げられることから回り始める。それは「順調に進んでも五日はかかる広い中央海を、ファナを連れて二人で敵中翔破せよ」というものだった。接点がなかった二人に、つながりが生まれる。

声優・キャラクター
神木隆之介、竹富聖花、小野大輔、富澤たけし

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

端的に子供向け

オイラはよく言うのです、「厨二病」という言葉を使う以前に「子供向け」なラノベってかなり多いです
【良くも悪くも】です
これなら児童文学の方が良く出来てるよなー、何をもってしていい歳の大人にオススメしてるんだろう?
この出版社や書店は???って


誤解の無いように言っておきましょう
今作、『子供と一緒に見る映画としてはなかなかです』
今年のアニメ映画は子供向けに関してドラえもんとプリキュアを除けば正直に不作です
特にプリキュアの方は対象年齢が低めなのでより『子供と観る映画』の範囲が狭い
(余談ですがトランスフォーマーは完全に大人向け、SUPER8はスリラー好き向け、ハリポは・・・観てませぬ><)
そんな中ではこの作品が子供向けとしていい機能を果たしております
小学校高学年前後のお子様をお連れの方には是非にオススメしておいきたい


ちなみに“なぜか”PG12指定をくらってますので保護者同伴での視聴をオススメします
決していかがわしいシーンがあったりや残酷な描写が多いわけではないです
なぜレーティングの対象になったのかオイラには理解不能です┐(ーωー;)┌


お話は貧民街育ちで敵国とのハーフとして虐げられてきた生い立ちを持つ主人公が、いつしかエースパイロットに上り詰め、自国の命運を握る作戦を任せられるというものです
作戦の内容は敵の包囲網を潜り抜け、皇国の次期王妃となる令嬢を婚約者の皇子の下まで送り届けるというものであった
ただしそれをたった一人、たった一機の偵察機で行うのだ・・・


王道を感じる半面に脆弱な部分が目立ちまして、大きな体に細々とした足腰というアンバランスのようなものを感じる作品となってしまいました
オイラが感じた問題点は3つ


まず1つ目にキャラクターの弱さが目に付きます
次期王妃ファナは世間知らずで儚げで弱々しく、戦乱と権力者に振り回されるステレオタイプなお嬢様
実際の史実の上では、男社会が招いた戦乱に女性が巻き込まれてきたのは曲げようの無い事実であり、その反発としてせめてもの思いでフィクションの中の女性は強くあってほしいと願うことは、人類の歴史上当然のことなのです
強いヒロインというのは人々の願望と希望を叶える存在であり、ファナの様なキャラクターの魅力は特に王道フィクションにおいてはそこそこに留まる
(宮崎駿監督作品のヒロインが強くて凛々しいのはまさに具体例)
ですから人々がフィクションの中に強いヒロインを求めることはごく自然であります
恐らく原作者やスタッフは、このお嬢様なファナが旅路の末に成長する様を一番に見せたかったのでしょうが、それには少し演出が力不足という印象を拭い切れず、物語は終わりを迎えます
強いて言うなら「酔っ払う」シーンのところだけはファナが可愛く見えて良かったのですが、その後の二人がどうなるわけでもなしに、そんなところが「端的に子供向け」たる証拠でもあります


2つ目にファンタジーを史実っぽく描くのにはちょっと無理があるという点
公開前のプロモーション等でも『史実から隠匿された恋物語』という部分を押し出していましたが、そもそもに日本をモチーフにしたであろう敵国と連合国を髣髴とさせる自国の設定もやはり安っぽくしか見えず、ファンタジーなのか史実なのか・・・どっちつかずで中途半端な印象しか受けない
エピローグをあとがいちゃうところなんかモロです
宍戸監督の代表作といえばやはり彩雲国物語が挙げられますが、あれもハイファタジーをさも史実の様に描く演出をとっていました
どちらの作品にも【いかにも】な雰囲気しか漂っておらず、リアリティという面では物足りなさを感じてしまいます
(無論ですがドラマ性自体はまた別の話ですよ)


3つ目はチラホラと話題に挙がってはいますが、声優さんの点
まずオイラは神木隆之介くんの大ファンでして、特に彼が声優として主演したサマーウォーズや借りぐらしのアリエッティでの彼の演技は大変素晴らしいものだったと応援しています
しかし今作での彼の役どころはおしとやかなお嬢様のファナとは対比的で、よく喋ります
前2作の主演作とも比べてかなりの量の長ゼリフがあり、単純に演技力自体が進化した彼の実力とは反比例して『喋り疲れ』のような声の出し方が気になります
長旅で疲れ果てる主人公と同じく、(たぶん)喋り疲れているであろう神木くんのかすれていく声
もし演出の範囲内だというなれば、もっとしっかりとメリハリをつけるべきだったでしょう
後半はちょっと聞き取りにくいです
ちなみによく言われる『棒読み』とは全く違うのであしからず
注目していただきたいのはファナ役の竹富聖花さんでして、今作で本格的な演技初挑戦とは思えませぬ
素晴らしい


とまあ散々に言っては来ましたが、ラストシーンに関しては清々しくスッキリとした終わり方で大好きですね
そうそう子供向けなんだからひねりとかいらんのです
美しいラストこそが一番
ちゃんと「ダンス」の伏線も張ってましたし
チョコチョコと「オチがない」というご感想をお持ちの方もいらっしゃってはいるようですが、オイラとしてはあのラスト以外は考えられませんね
あの後、二人は逃避行の旅に、、、、なんてトンデモエンディングだったらオイラは納得しません^q^









ちなみに『空戦』が見所の作品でもありますが、CGによるドッグファイトシーンは割かし地味で、スペックで主人公達を圧倒する敵側の戦闘機のデザインも(やはり旧日本海軍の震電がモチーフなのでしょうが)航空力学などツマラネェ話をすれば「ちゃんと飛びそうにない」です(笑)
同じことが押井監督のスカイクロラでも散々言われましたが、戦闘自体はミニチュアっぽい等の批判に納得しつつも迫力を出さんとする演出であちらの方が圧倒しています;


空戦そのものよりも、むしろ架空の世界観であるが故に美しく切り取られて描かれる情景の数々の方が魅力的に感じましたね


さらに余談中の余談ですが、既存のスチームパンクとは一線を画する・・・内燃機関や外燃機関よりも先に燃料電池が発明されているという独特な世界観には、高校時代に燃料電池を研究していたオイラとしては燃えるポイントでした^q^









「ファナー!」って2回繰り返す必要ないですよね(回想はいらない)
あーゆー余分なことしちゃうのが宍戸監督の良いところというか悪いところというか・・・(´ω`;)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 23

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「恋」と「空戦」の物語。それは身分違いの恋…。

飛行機のアニメーションが好きで、ずっと気になっていた作品でした。

飛行機もののアニメーションってスピード感があってわくわくするんだよね^^

実際に飛行機に乗るのは、うきうきするのと地面から浮いている
ふわふわ感が不安なのと、半々な気持ちなのですが。笑

99分、PG12指定がついていました。


● ストーリー
神聖レヴァーム皇国の皇子と婚約することになった、ファナ。

ファナをレヴァーム皇国へ無事に連れていくための特別任務を任された
飛空士・狩乃シャルル(かりの シャルル)は、ファナと共に旅立つ。


設定や物語の背景のあれこれについての説明は、
ずいぶん簡略化されていたように思います。

ストーリーを理解する上では問題ありませんでしたが、

視聴後にwikiを読んでいると「あーそういうことだったのねー。」と
深まる部分もいくつかありました。

原作は読んでいませんが、原作の方がおもしろそう。笑

それを100分にまとめるのは、なかなか難しかったのかな。

でもきれいにまとまっていて、すっきりとした終わり方でした^^


ストーリーとしては、特に大きな特徴はなく。

ある程度先の読める展開をその通りに進んでいく感じでした。笑

こちらの予想を上回らず、かつ、こちらの期待を裏切らず。

無難におもしろかった、というのが率直な感想です。


当初一番楽しみにしていた飛行シーン。

やっぱりアニメの飛行シーン好きだなあ♪

この作品も、びゅんびゅん飛び回っていてよかった^^

あんな風に自由に空を飛べたらとても気持ちがいいだろうな…。

私も飛空士になりたくなりました♪笑


● キャラクター
もうっ、シャルルイケメン!!

見た目だけじゃなくて中身もイケメン(*´Д`)

緊迫したシーンでの目。

ああいう目、大好きです。

この場面を乗り切る、ファナを守る、飛行機の技術で負けたくない…

いろんな気持ちが読み取れますが、

譲れないものを胸に掲げている時の登場人物の目って大好きなんですよね。

シャルルの目からも強い意志が感じられて、好きだったなあ。


ヒロイン・ファナ。

ファナに関して言えば、「キャラブレすぎじゃない?」ということ。笑

初めは感情を一切出さない、まるで人形のような女の子でした。

見ていて若干イライラしてましたww

シャルルと旅をするうちに、感情が豊かになってきて…。

これは、シャルルと関わることでファナの感情が刺激されたからなのか、

これがそもそものファナの本性なのか…。

どちらにしても、ギャップがありすぎてまるで別人でしたww

王妃オーラをまとっているファナは好きだったのに、なんだか惜しい。

ファナの心の変化にもうちょっとスポットが当たってもよかったのにな。


そして2人の関係。

なんとなく予想ができるように、まあこの2人惹かれあうわけで。

シャルルがファナに惹かれるのはなんとなくわかるんだけど、

ファナがシャルルになぜ惹かれたのかがよくわからなかった。

2人で危機を乗り越えたから?いわゆるつり橋効果ってやつですか?

うーん、ファナが急にぐいぐい行く感じには、ちょっと感情移入できなかったです。
(でもシャルルにぎこちなさが残る感じには、にやにや。笑)


● まとめ
ストーリーは無難という印象でしたが、

作画や演出は好みで楽しめました^^

BGMも好きだったな♪

山場のBGMにはついつい耳を傾けてしまいました^^

とりあえずシャルルがイケメン、ごちそうさまでした(*´Д`)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 26

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

良作と駄作の境界線を鮮明に表した、ある意味重要な作品

中身が無さ過ぎて泣けてくる( ;∀;)

作画は良好。素晴らしいデキです。空を描く作品って作画のレベルを試されていますよねw
この作品は空を描くことが大半なので、重要な要素なんですが、完成度が非常に高いと思います。

それだけに物語はがっかりですね(;´Д`)
恋愛ものと言えば聞こえは良いですが、実際は恋愛ではなく、規制に縛られたお姫様が自由を味わうという単純な話です。
キャッチフレーズは「そこに自由はあるか。」というありきたりなもの。

しかし、姫であるファナの可愛さは異常と言っても良いでしょう。「天空の城ラピュタ」を意識して作られたらしいのですが、それも頷けます。
ファナを拝むだけの為にこのアニメを視聴するのも良いかも知れませんw

ちなみに、原作は「このライトのベルがすごい2009」の作品総合ランキングで10位を獲得しています。


物語は色々複雑な設定があるのですが、この映画ではどうも生かせてなかったですね。
私は原作を読んでいませんので、本ではどのぐらいこの帝国制度や格差社会といったものが反映されているのか分かりません。しかし、私の予測では映画よりはこの設定を生かせていたのではないでしょうか。

一つ言えることは、この作品は「借りぐらしのアリエッティー」に似ています。
設定は面白い。序盤は当たり前ながらも、独自の世界観を魅力的に表現しています。しかし、本題に入ると「え?これだけ?!」という感想を抱かずにはいられない。

やはり、この作品はB級という表現が適切のようです。
この作品で注目すべきは作画とキャラ。それ以外はむしろ目を瞑っても良い。

声優陣は豪華とは言えませんが、そこそこのメンツ。
注目すべきはシャルル役の神木隆之介さんかな?(シャルルって名前本当に多いな・・・汗)
まぁ、そこまで期待する必要は無いかも・・・。

今まで作画が良ければそれなりに良いものが出来ると考えて来ましたが、やはり内容も重要ですね。
心に残る作品を作るのは難しい。1,2クールアニメの製作も難しいけど、映画の製作も難しいですね。

人気になる作品と人気にならない作品の違いを明確に表した、ある意味重要な映画です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 16

61.8 7 空中戦で戦闘機なアニメランキング7位
アズールレーン(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (194)
682人が棚に入れました
物語の舞台は、我々の知らない、地表の71%が水で覆われた青き星。異世界より突如現れた、異形の敵「セイレーン」。圧倒的な力を有する外敵に対抗するべく、人類は4大陣営を中心に世界的な連合組織「アズールレーン」を結成した。自由を敬う「ユニオン」栄光を重んじる「ロイヤル」結束を讃える「鉄血」羈絆を尊ぶ「重桜」そんな人々の英知を結集した「キューブ」を用いて誕生されたのは、鋼鉄の艨艟(もうどう)たちの力を有する少女たち。時に勇壮、時に美しく、時にダイナミック――陣営の垣根をも乗り越えた彼女たちの活躍により、セイレーンの侵攻が食い止められ、その勢力がほぼ撃退されたように見えた。しかし「セイレーンの力を用いるべきか否か」という理念の違いからか、はたまたフネではなく、ヒトとしての彼女たちの思いからか――「重桜」と「鉄血」に代表された一部の勢力が「アズールレーン」から離脱し、「レッドアクシズ」として活動を開始した。そんな「レッドアクシズ」の動向を監視するため、「アズールレーン」は大洋の中で新たな基地を新設し戦力を集結。状況は一触即発。少女たちの運命はまだ誰も知らない……

声優・キャラクター
石川由依、堀江由衣、中原麻衣、大地葉、長縄まりあ、山根希美
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

観終わった

8話までの感想{netabare}
2話で視聴止まってて…武器破損して「しまった」「もらった」「まてい」「なにい」って終わり方で爆笑しつつもめっさ脱力してしまってのう。
で、おっと見とかないとなぁと3話を見始めたけど挫けそうw

意味が分からん

人型だけど船という体で進めたいのか、船と人型は明確に別のものなのか、そこからもう分からん。
なんでサメに襲われてヒーヒー言ってるんだろ?コイツら首切り落としても生きてるor修理できるんじゃないの?
艦コレみたいにヘタ打つとバイド化するってことも無さそうだし。
キャラが多くてもはや説明するつもりも無さそうながら、“タクティカルロア”では広報担当としてあんなに頑張ってた中原麻衣があんな役やってるってのはちょっと感慨深い。

とダラダラと見続けての6話、やっと楽しみ方が分かってきた気分。
幼稚園児風な駆逐艦達が登場して加賀にぶつかってどうこうって話なのだけど…いや待って、コイツら死ぬまで幼稚園児?
まず不思議に思ってるのはこれなんだ、5話にしてもエンタープライズの登場で撤退したワケだけど、艦のクラス=強さだとして、それは変化することはあるの?
駆逐艦をなだめた赤城にしても「私も幼い時はああだった」みたいなこと…言いそうにないじゃん?
駆逐艦も「将来空母になりたい」って…言えなさそうじゃん?
生まれた時から空母は空母、駆逐艦は駆逐艦として変化しないと思うんだ。
成長しても変化しない、というか生物学的な成長は無いんじゃない?、要は過去も未来もない今現在の姿をずっと維持するだけの存在なんじゃないの?と。

まずお前らの生活史(生物)を教えろ

これが分からん限りとても人間だとは思えないワケで。
…。
けどこれ、ワザとやってる気がするんだよなぁ~、ツッコミ入れさせることで注目集める、みたいな。
その一方でベルファストが人間たらん振る舞いがどうたらとご高説垂れてて、これがそういうツッコミを誘ってる気がしてならない。
ポケモンやけもフレ世界で「あー肉が食いたい」と言わせちゃう様な危なっかしさを感じる。
また、重桜の大本営?らしきシーンもあって赤城が中央にお伺い立てるようなことをするのだけど、そこにいる連中も結局は艦娘という…。
人間がどうこう言ってるけど人間が出ない、命令下す人間どこ?
でもって6話後半は風呂シーンでどうたらこうたら言うのだけど、皆それぞれ違うと量産型を否定してひどい矛盾を感じたのだけど…これもツッコミ待ちなんじゃないかなぁ、と思ってしまったり。

それとラフィーの存在、これも計算して…じゃないかなぁ?
起源説を語る気は無いけど“エヴァ”の綾波レイってキャラは当時一大ブームになって、その後それの類似キャラは次々と作られた。
寡黙ジト目ロリってことになるかな?
“ナデシコ”の星野ルリは散々綾波綾波言われたし“アキハバラ電脳組”の大鳥居つばめは散々ルリルリ言われたし(中の人綾波なのにw)、“ゼロ魔”のタバサは“ハルヒ”の長門長門言われたし。
そんなことを経て現在ではすっかり綾波系ってのは一ジャンルとして確立して…アレンジが加えられ続けてバリエーションの違いは多少あるけどね。
で、ラフィーは“閃乱カグラ”の柳生か“バトガ”のあんこをロリにしたような見た目で中身は“メイドラゴン”のカンナ…が近いんじゃないかな?中の人同じだし。
いわゆる綾波レイの系譜で、それがよりにもよって重桜の綾波(艦これの島風似)と「仲良くなりたい」って…あはは、なにこの原点回帰w
メタ的にはラフィーにとって綾波は母親みたいなものじゃん?
これはやっぱ狙ってやってるんじゃないかなー?結構ふふっとなっちゃいます、「お前が綾波なンだよ」って感じで。
艦娘ってことで違和感無く綾波って名前のキャラを出せることを最大限利用した、みたいな。

ということで長くなっちゃったのでまとめると、
・テメーら人間じゃねえ、だって成長しないじゃん、そうでないなら幼い頃の思い出言ってみて
・綾波キャラが綾波と仲良くなろうとしてるw
の2点を突っ込みながら見ると結構面白い。
参ったね、面白いのか…正しい楽しみ方かどうかは知らんけど。
ここら辺の見方が分からない段階の3話くらいまでが鬼門かと。


あ、ストーリー?ストーリは凄い簡単、他の方も指摘してたけど6話までが総集編15分で説明収まっちゃう程度。
艦娘の最終目標「セイレーンを倒す」は一致しつつもその「手段」の違いから勢力がアズールレーンとレッドアクシズとで二分。
バイドを倒せるのはバイドのみってノリでセイレーンを利用する道を選んだのが重桜を含むレッドアクシズってことなので、単純に重桜が悪役って判断は拙速な気がする。
ま、まぁアズレン側がキレイ事ばかり言ってるので対比すると悪者に見えちゃうんだろうけどさ。
ただ、セイレーンのテクノロジーを利用するだけじゃなくて内通までしちゃってるのが赤城で、それにより立案?されたオロチ計画にはなにやらウラがありそう(姉貴の復活?)。
まぁその…赤城はセイレーンにまんまと利用されてましたってオチになるんじゃないかな?
また、ラフィー達は敵対勢力に属す綾波と仲良くなりたがってる、と。
そんな折、軍事機密だったセイレーンとの内通現場を目撃してしまった明石が口封じされそうになり、スパイで潜入してたメイド組と共にオロチ計画で重要なパーツらしきメンタルキューブを持ち出して逃亡。
追っ手を振り払ってなんとかアズレン陣営に着けました、ってところまでで6話。

7話からは持ち出されたメンタルキューブを巡ってアズレンとアクシズで戦闘。
と思ったら赤城がマクー空間へ引きずり込んで、かと思ったら赤城も知らない更なる別空間へ転送。
被弾したエンタープライズがなにやら暴走だかダーカー因子だかに飲まれた模様。
赤城も被弾して死んだと思わせといてーの、まだ利用価値があるとセイレーンに捕まってーの。
でもってラフィー達は綾波と仲良くなれました、ってところまでが8話。
一応エンタープライズは過去になにかあって、それで捨て鉢な性格になって、それじゃイカンもっと人間らしくなれとベルファストがメイドに付いたって話ではあるのだけど、あんまりキャラ立ってないような?

明石は捕虜扱いなの?にしては待遇良くて、メンタルキューブを手土産にした亡命扱いなのかね、おちゃらけた性格で国への帰属意識は薄い模様。
その前に救助した東煌のニンハイ・ピンハイを自由に遊ばせてるし、アズレンは割かしオープンなのかね?
それ言ったらあっさりメイド隊の潜入を許した重桜も重桜なんだけどさ。
ここら辺、明石をもっとガチガチの日本帝国軍人みたいなキャラにして赤城の企みに葛藤する方が自分好みだった気がするが、それやっちゃうと色々マズいと判断したのかな。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
9話、「更に謎空間に吸い込まれて戦闘は続く」で8話を〆たと思ってたら、どうやらあの裂け目は元の空間に戻るものだったらしい。
ってことで戦闘終了~、暴走したと思ったエンタープライズも素に戻って、結果的には赤城が落ちた重桜の方がダメージデカいっぽい。
でもって捕虜扱いの綾波が待遇の良さに困惑して…と、それより以前にアズレン陣営へ逃げ延びた明石が自由気ままに暮らしてるのを見て「なにやってるの?」と、そりゃそうだw
ってかよう、こういう系の作品だったらよう、身体検査のシーン無いのかよと、円盤の特典か?買わんぞ?
10話、「私ヤバいかも」と思いつめてたエンタープライズにベルファーストが発破をかけーの、そんな折セイレーンの襲撃でメンタルキューブ奪われーの。
一方重桜では赤城を失った加賀が先帝の無念を晴らすとばかりにオロチ計画を強行しーの。
オロチ計画なるもの(※)の存在自体は知られてるけどその中身を知る者は重桜の者でもそんなに居ないっぽく、同盟の鉄血も知らないっぽい。
ってことで実際どんなんなの?と思ってたら…本当にオロチ(大蛇)じゃねーかw
作戦名は比喩みたいなもので(そうだなぁ、「空母赤城」と言って群馬県の赤城山な見た目なワケないじゃん?)、まさか見た目そのまんまを出してくるとは思わなかったwww
ただでさえ人か船かよくワカラン世界観で、そこにオロチ号だけ名前通りなのは…これはウケを狙ったんじゃないかな?実際爆笑しちゃった。


言わない様にしてたけどさ、これって“ストパン”のウォーロック計画みたいなもんちゃう?
コアコントロールシステムの重要パーツがメンタルキューブとかそんなんじゃない?
ただストパンよりもネウロイもといセイレーンは精神干渉してくるみたいで、ストパンとは違う決着のつけ方をどう見せてくれるだろう?と結構楽しみにしてたら…放送延期wwwwww
予想では赤城か加賀がオロチに取り込まれて…ストパン2の坂本やポケモンXYZのハリさんやクエイサー2のツバサや星刻のナントカのエーコやデジモンテイマーズの加藤さんや初代ゾイドのフィーネみたいになりそう。
…この例えで通じてるか不安、もっと最近の有名な作品でもあった気がするけどパっと出てこないや、余りにもありすぎていちいち気に留めてないせいで。
ってことでそんなベッタベタで手垢でヌルヌルしてそうな展開が来そうで爆笑する準備してたのに、来春までお預けかぁ~…PSO2に先越されちゃうぞ?{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
アマギの復活?を目指してセイレーンと密約を交わしたアカギが倒れて、アカギを信奉してたカガがオロチ計画を強行するも、それまで対立してたアズレン・レッドアクシズが手を組んで阻止。
カガ自身、アカギが自分を可愛がってくれるのはパーツにアマギを使ってるからという負い目があって、その負い目のせいでアカギへの信奉っぷりが強固だった、らしい。
確か実際の軍艦の加賀も改装が多かったんだっけ?そのエピを落とし込んだんだろう。
一方のセイレーン、予測演算で未来の兵器…ICBM?をこさえてて、オロチ計画ってのはそれ撃って敵地を焦土にすることだったらしい。
あいや、アカギ的にはミサイル撃つつもりだったかは不明、本命はその未来のテクノロジーで防衛するつもりだったっぽい、アマギを救う(復元技術を期待した?)のもそれに含まれてる感じか?
「オロチ計画って具体的に何?」は気になってたし、それを明かしてくれて内容もガッカリするものでなかったのは有難い。
とはいえ…え、そっち行っちゃうの?
今現在は置いといて兵器開発の沿革としてはSDI構想が入って「お船」からは大きく離れてしまうような…ディフェシブハーフ(セガのSDI)でもするのか?
やろうと思えばもっと超未来兵器を出して艦娘を殲滅できそうだし、セイレーンはワザと手加減してる?ってかワザと戦争させてる?
「未来の兵器ありまっせ」と言われたらコロっと靡いちゃう艦娘はアカギに限らず多かろう。
ここら辺はゲームをゲームとして成立させるために騒乱を用意しないといけない原作への皮肉…なのかなぁ?

って、エンタープライズ!お前戦闘機に乗って良いのか!?これは爆笑ポイント?未来兵器よりよっぽど未来未来してない?もしくは艦娘の居る世界は分岐世界線なの?
とビックリドッキリシーンはあったものの、結局最後は対セイレーンの名目を元にアズレンとレッドアクシズが和平結んでお終い。
いやそれで和平結べるなら反目しないだろ。
もっとこう、セイレーンって何?艦娘って何?そもそも人類は居るの?まさか艦娘って人類滅亡後に指令を律儀に守ってるだけの存在だったりして?とかその辺の掘り下げ期待したんだけどなぁ。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
1話の段階で「ナンダコレ」、その感想が3話くらいまで続いて途中から「あれ?実は面白いかも?」と思わせて、最後は「悪くはないけどこんなもんかな」で終わった感じ。
TV版しか見てないけど“艦これ”がアニメ化する際「そこはおかしい」ってポイントに気付かない振りをして突き通したのに対し、こっちは「ですよねー、おかしいですよねー」と認めた上で作り上げた、そんな印象。
で、どこがおかしいかと言えば、コイツら成長しないじゃん、生まれた時からその姿形でしょ。
成長しないというのは幼少期が無いということも意味する。
それでいて本作品は「昔なにかあった」を匂わすシーンがちょくちょくあって…エンタープライズがトラウマ持ったらしい過去やら、重桜の3姉妹の思い出やら。
当然その回想では幼くなってないし、一方で幼稚園児のような見た目のキャラが混在していて妙に混乱して…その混乱も意図的なものじゃないかと邪推してしまう。
普通だったら触りたがらない「腫れ物」をわざわざ触りに行ってる様で、そのマゾっ気に魅かれたというか、じゃあどこまでその腫れ物をいじり倒すか見物だなぁ、と。

と、制作者の実際の意図は知らないけど私はそう感じてしまって「実は面白いかも?」と思うようになったものの…最後はああやっぱりって感じ。
「強大な第三勢力の登場でそれまでいがみ合ってた二勢力が手を組む」って物語は多いものの、そういった王道に対して余りにお粗末。
そもそもそんなことでアズールレーンとレッドアクシズが手を組むなら最初から袂を分かつことも無たっかんじゃないの?
なんで対立してたの?その解決はされたの?が、無い。
ここでいう解決とはセイレーンのテクノロジーを使うの?使わないの?、使うのを許容できるの?辺り。
許容する限りは「それはアカン」と判断した核だか弾道ミサイルだかが配備されるのも時間の問題かと。
どちらかというとアズールレーンとレッドアクシズの対立はセイレーンの甘言にほだされた(ああ、だからセイレーンなのか)「一時の気の迷い」レベルで、本編はそれが元の鞘に戻っただけ。
じゃあもう誘惑に惑わされないぞと決意を新たにしたかと言えば…ビスマルクとか危なそうw
結局は何をしようがセイレーンの掌の上感が拭えない。
「なにか脅威が存在しないと人間(人間じゃないけど)はお互い殺し合いを始める戦争が大好きなクソ連中」ってことを描いた作品もこれまた多いけど、そういった皮肉めいたメッセージは感じられない、ストパン未満。

なによりホンモノの人間が一切登場しない。
艦娘達は人間の生活を守るために戦ってるらしいのだが、じゃあ人間側から労われたり横断幕で見送られるというシーンがあるかというと、無い。
これも意図的なんだろうけど、じゃあその意図の中身は何なんだろう?
捻らずに考えればセイレーンはゲーム感覚で艦娘に戦闘させるために人間がこしらえたアクティブモンスター、つまりは人間が一番の黒幕(人類の兵器をマネた兵器を使うのもこれで説明がつくかと)って設定。
これまたホントによくある話だけど、先人のそういった作品に比べるとやっぱり描写が弱い。
ってかセイレーンにベラベラ喋らせるなよw「得体の知れなさ」が最後には消し飛んじゃったぞ。

以下自分語り{netabare}
“ストライクウィッチーズ”ってアニメがありまして、これがまた強大な第三勢力たるネウロイが人類の兵器をマネた兵器で人類を襲って、対抗すべく各国が手を結んで~って話でして。
が、いつまで経ってもネウロイを撃退なり殲滅なり共生なりすることなくダラダラとシリーズが続いてて「いい加減ネウロイ関連を解決して」と個人的には思ってるのだけど、ファンのリア友は「ネウロイが居なくなったら今度は人類同士が戦争始めるだけだし」と言ってまして。
うん、そんなことは分かってるんだ。
製作がお金を回収できる限り「解決」させる気が無いというのも分かってる。
それでも作中のキャラが「ネウロイって一体何だろう」と興味を示すことが無くなった(一期はあった)のがどうにももどかしくて。
嫌いじゃない、むしろ好きなんだ、好きだからこそ完結して(結末を見せて)欲しいのだが、作ってる側は締めるつもりは無さそう。
完全解決でなくても、キャラと一緒に「一体何なんだろう」と考えるヒントを残しつつ引っ張ったっていいじゃんと思うんだけどねぇ。
と、そんな愚痴を別のリア友に話したら「解決させたってその方法はどうせモスピーダのインビットみたいなモンだろ」と吐き捨てるように言われました…。

身 も 蓋 も ね ぇ !

希望は無いんですか?
確かにモスピーダのオチは「は?それでいいの?」ってヤツで、あんな終わり方をするのなら未完結のままダラダラ続く方がマシ…なのか?そうなのか??
と、そんなことが最近ありまして、そう考えるとアズレンも「結局セイレーンって何だよ?」を考えるのは虚しいだけのような気がしてきたり…。
ああ、こうやって大人はアニメから卒業していくのか?{/netabare}

総評としては、最初ムチャクチャ、途中期待させといて最後はよくある凡作止まり。
「次期には記憶に残らない」と予言した人が居るけどその通りだと思う。
いや、それでも話のネタとして今後使うことはあるかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

釈然としない…。→ 総集編(1~6話)+α、これまでで一番面白い回でした!

子供の頃にウォーターラインシリーズ(複数模型メーカー共同ラインナップによる、日本の軍艦を中心としたプラモデルのシリーズ)を喜んで組み立てていた身からすると、日本がモデルの重桜とそこに属する赤城や加賀が「敵」認定されているのは釈然としません。

いや、まあ同じく子供の頃にドイツと戦うアメリカ陸軍サイドのお話である『コンバット』とかも観てたわけだしあまりうるさいことを言うのも何だとは思いますけどね。それに『艦これ』でもう充分違和感ありましたし(笑)!

……まあ、あまりイキらずゆるゆると観ます。

2019.11.15追記:
総集編+αでしたね。+α相当の登場キャラクターのモデルになった艦艇の解説が良かったです。そして総集編でもあまり内容を端折ってないと感じるくらいこれまでの本編6話って内容が薄いんですね。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 29

ネキスト さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

悪くはないんだけど…

キャラはみんな可愛いし、声優もしっかり玄人と新人を使っていい感じにマッチさせてる。さすがチャイナマネー。

だけど、残念なことにストーリーがよくわからない。結局敵は何なんですか。作画は致命的なやつを発見しちゃったので低め。

追記:支那アニメとかパクリだとか蔑んでる人がちらほら見受けられますが、(特に前者)そう言った人は愛国心をなにか履き違えてしまっているか、中国嫌いの先入観から書いてるだけなので話になりません。アニメの質云々ではなく、ただ自分の気に入らない設定と版元だったから周りを巻き込んで叩く。愚かです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5
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