結婚式で笑いなアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の結婚式で笑いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月26日の時点で一番の結婚式で笑いなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.2 1 結婚式で笑いなアニメランキング1位
茄子 アンダルシアの夏(アニメ映画)

2003年7月26日
★★★★☆ 3.9 (190)
944人が棚に入れました
『茄子 アンダルシアの夏』(なす アンダルシアのなつ)とは黒田硫黄の漫画『茄子』の短編『アンダルシアの夏』を原作として2003年に公開された上映時間47分のアニメーション映画。
【ストーリー】スペインの自転車ロードレース、ブエルタ・ア・エスパーニャを舞台に主人公ペペ・ベネンヘリが解雇の危機に直面しながらなおかつ、かつての恋人と兄の結婚という複雑な思いの中にあってもプロ自転車選手として「仕事」に取り組むさまを描く。

声優・キャラクター
大泉洋、小池栄子、平野稔、岡田吉弘、平田広明、坂口芳貞、羽鳥慎一、市川雅敏、筧利夫

あーるぐれい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

茄子のアサディジョ漬け!

世界3大時自転車レースの一つである、"ブエルタ・ア・エスパーニャ"を舞台に、灼熱のアンダルシアを駆け抜ける、切なく熱い男の意地を描いた作品。
アコギで奏でるラテン音楽&フラメンコ、ワイン、小茄子の漬物など、太陽の国スペインを彩る小道具が効いてます。

ぶつけ所のない気持ちを胸に秘め、ただひたすらに前へ進むぺぺ・ペネンヘリの姿がとても印象的。イイ男です♪
スポーツアニメは数あれど、自転車ロードレースは珍しい題材ですね。
炎天下の駆け引き模様はもちろんですが、なによりレーサー達がペダルを漕ぐ息遣いの演技に、本気のレースの緊張感を感じずにはいられません。

一番の見どころはレース終盤。
市街地~ゴールまでのクライマックスの迫力はまさに圧巻!
思わずぎゅっと手を握ってしまいました。

アンダルシアの風を確かに感じる良作♪

投稿 : 2024/05/25
♥ : 7
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アンダルシアの猫

アニメーション制作:マッドハウス、
監督・脚本・作画監督:高坂希太郎、
演出:前田敦史、音楽:本多俊之、
原作:黒田硫黄(『茄子』)

『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』で
作画監督を務めた高坂希太郎の初監督作品。
制作はマッドハウスだが、
原作漫画『茄子』の大ファンだった宮崎駿が
高坂監督に作品を薦めた経緯があるなど、
スタジオジブリに縁のある作品といえる。
高坂監督は、浦沢直樹作品とも縁が深く、
『YAWARA』や『MASTERキートン』のアニメ化では、
作画の中心的なポジションで活躍し、
『MONSTER』では浦沢直樹からの指名で
キャラクター原案を手掛けた。
ちなみに最近では『若女将は小学生』の監督も務める。

個人的には2003年の公開時から
作品を知っていて、何となく気にはなっていた。
dアニメストアでの配信が今月いっぱいで
終わることを知って、17年越しの視聴となった。

スペインで毎年9月に行われるブエルタ・ア・エスパーニャ。
ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリアと併せて
グランツールと呼ばれている、
サイクルロードレース最大のイベントのひとつだ。
私はサイクルロードレースに関して全くの無知だが、
この作品を観て、レース描写に圧倒的なリアリティを感じた。
おそらくそれは、原作者はもちろん、
高坂監督自身がアニメ業界屈指のサイクリストとして
知られることも大きな要因だろう。

レースの駆け引き、チームとしての戦い、
横風が吹いたときの対応、
ヘルメットをかぶるタイミング、
水分補給の仕種、スプリント時の描写など、
真に迫ったものが感じられる。
これは「本物」が持つ何かという感じがする。

サイクルロードレースの繊細な描写とともに
焦点が当たるのが、主人公・ペペと
兄のアンヘル、元恋人カルメンとの関係、
忘れたい故郷のスペイン南部・アンダルシアだ。

アンダルシアはスペイン南海岸を含む自治州で、
観光地として人気のある場所。
ある意味、バルセロナに次ぐ知名度を誇り、
闘牛やフラメンコは、この南部で盛んに行われる。
照り付ける陽光から一瞬だけ隠してくれる
闘牛の看板や結婚式でのフラメンコなどで
その一端を感じられる。
実際に行ったことはないので、偉そうなことは言えないが、
この地方のグラナダにあるイスラム建築の至宝・
アルハンブラ宮殿には一度は訪れてみたい。
まさに芸術品と呼ぶにふさわしい建造物だと思う。

しかし作品内には、そんな観光地は登場しない。
痩せた土地と鋭い陽光が照り付ける田舎町。
{netabare}ペペが生まれ育ち、自転車と女性を兄と取り合い、
兵役が運命を分けた苦い思い出の残る故郷。
レース当日は、兄と元恋人の結婚式が行われる。{/netabare}
ペペにとっては、レースで通り過ぎる場所に過ぎない。
名物の茄子のアサディジョ漬けも
最近は口にしていない。
(実際には茄子のアサディジョ漬けは
アンダルシアの名物ではなく、少し北にある
カスティーリャ=ラ・マンチャ州の名物のようだ)
そんな背景を思い出しつつ、
ペペはスポンサーの意向を汲みながら
チームとしての勝利を目指し、レースに挑むのだった。

キャラの背景や人物描写がしっかりしているため、
物語にすんなりと入っていける。
あくまでも中心はサイクルロードレースだが、
そこに主人公や周囲のやり取りが
小気味よく挟まれ、観ていて飽きない。
動きや心情表現は、ジブリからの影響を感じさせる。

何かを赦したり、マイナスの感情を
乗り越えたりするのは難しいものだ。
ひとつの出来事が単純に作用するとは限らず、
重層的に心に染み入っていき、
徐々に和らいでいくことが多いのではないだろうか。
それは時間の経過や劇的な環境の変化、
偶然が重なることもあるだろう。
ひと言では表現できないようなものが
ゆっくりと、しかし確実にもたらす状況。
この作品は、46分間という限られた時間のなかで
心の動きを上手く表現している。
ある1日の出来事に過ぎないが、
さまざまな感情が入り込んでくる。

人々の熱狂とアンダルシアの陽光のなか。
男の故郷への想いと未来の希望が溶けていく。
(2020年6月20日初投稿)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 45

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

人生を懸けた、白熱ロードレースムービー!

多くのジブリ作品に携わってきた、高坂希太郎監督によるハートフルアニメーション!
黒田硫黄の短編漫画集『茄子』に収録された『アンダルシアの夏』を原作としており、47分の短編作品です。

舞台は、世界3大時自転車レースの一つである、"ブエルタ・ア・エスパーニャ"!そして、兄"アンヘル"とかつての恋人"カルメン"との結婚式…。
レーサーである主人公"ぺぺ・ペネンヘリ”は、うまくいかないレーサーとしての自分と、手に入れることのできなかったカルメンへの想いで、心揺れていた。
「俺は遠くへ行きたいんだ・・・!!」
今の自分から脱却し新しい何かを手に入れるため、彼は焼ける大地をひたすら走り続ける…。.

南スペインの太陽が照りわたる果てしない大地と、美しい青空が印象的です!
スペイン風の音楽が多用されており、クラシックギターのはじけるようなサウンドが素敵です。
声優は、大泉洋・筧利夫が担当しており、作品に味を出しています。
本当に中継をしているような、リアルでスピード感あふれる演出が面白いです。
背景が青空や荒地で単調な分、さまざまな角度から人物を切り取るように絵が作られていて、かなり見ごたえがあります!
後半に街の中を走りぬける場面は、ものすごい緊張感で圧巻の出来です!
清志郎さんとサックスがコラボレーションしたエンディングも、粋でカッコいいです!

47分と短いですが、人生の憂いと感動がたっぷり凝縮された、見ごたえのあるすばらしい作品です!

投稿 : 2024/05/25
♥ : 6

74.2 2 結婚式で笑いなアニメランキング2位
夜は短し歩けよ乙女(アニメ映画)

2017年4月7日
★★★★☆ 3.8 (334)
1736人が棚に入れました
クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”は今日も『なるべく彼女の目にとまる』ようナカメ作戦を実行する。
春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬が訪れて…。
京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、季節はどんどん過ぎてゆく。
外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いはどこへ向かうのか!?

声優・キャラクター
星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次、中井和哉、甲斐田裕子、吉野裕行、新妻聖子、諏訪部順一、悠木碧、檜山修之、山路和弘、麦人
ネタバレ

こた さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

芸術的要素多め

原作未読。
正直言うとストーリーあまり入ってこなかった…。
それほどに展開が目まぐるしかったと言おうか。
90分と映画としては短い時間に集約され過ぎているせいか、少しばかし無理があったと思える。
ユーモアがふんだんに使われていて、演出もところどころ恥ずかしくなるくらいにはっちゃけていたのはまあ良しと…(^^;
あと四畳半神話大系で御馴染みのキャラがいたのも嬉しい要素。

因みに原作読んでる友人と観に行きました。本当は3部とかになっていてそれぞれ別な話?なのを一夜の出来事にまとめたのだとか。

アジカンが手掛けるEDは耳に心地いい。カッコいい。

あとアニメファンは心配なところ、キャストに俳優・芸人の起用。
そこは{netabare}星野源さん、ロバート秋山さん、演技はとても良かったと思う。キャラもハマってた。{/netabare}

黒髪の乙女……
黒髪の美少女とも違う響きと奥ゆかしさ。
黒髪の萌えキャラは数多いけれど、黒髪の乙女というフレーズが似合うのはこの作品(と四畳半)。

追記。
なんか違和感が否めなかったので、タイトルの「感性」→「要素」に訂正してみました。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 44
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あの不思議な一夜を、あの人はどんなふうに歩いていたのでしょう。

森見登美彦原作。
湯浅政明監督。

同じく森見作品のアニメである、
『四畳半神話大系』と同じ製作陣が再び終結!

『四畳半神話大系』は好きなアニメだったので、
こちらもとても楽しみにしていました^^

期待を裏切らない、いや、期待以上に楽しめました♪

90分ほどの作品です。


● ストーリー
後輩“黒髪の乙女”に恋をしている“先輩”。

己の欲望に忠実に従い、
夜の街を歩き続ける彼女。

彼女を追いかけながら、
様々なトラブルに見舞われる先輩。

先輩と彼女の、
不思議な一晩の物語。


たたみかけるような会話とやり取りに、
あっという間の90分でした。

あー満足満足(*´ω`)

ジャンルは“恋愛”となっていますが、
演出の独特さもあって、私には“ファンタジー”にも感じられました。

場面は大きく4つに分けられます。

{netabare}
春、夏、秋、冬。
一晩の出来事という設定なので、初めは気づきませんでした。
{/netabare}

場面の移り変わりの際、
とある変化がさりげなく起きていました。

トリックに気づいてから見直すと、
細かなところまでこだわられた演出だということがよくわかります。

また、2周目を見ていると、
他の場面への伏線が細かく張り巡らされていることがわかりました。

なので2回目は2回目で、
新たな発見を楽しむことができます^^

というか、
見れば見るほど楽しくなってくるタイプの作品です♪

様々なシーンや人物のつながりが細かく練られていて、
つながりを発見したときの何とも言えない感動…♪


また、同原作者・同制作陣のため、
『四畳半神話大系』とのつながりもたくさんあります。

『四畳半神話大系』をご存知の方には、
「あのキャラが!」というおまけな楽しみもたくさんありますよ♪


≪ 演出 ≫

湯浅監督らしいなと感じる演出が盛りだくさん!

『四畳半神話大系』が好きな人なら、
間違いなくハマると思います^^

ストーリーの中身も
見れば見るほど発見があって面白い♪

それに加えて演出が濃厚なため、
世界観に魅了されます。

なんか変だけどクセになる…。
作中に登場する“詭弁踊り”なんかは、その代表例でしたw


● 声優
“先輩”を星野源さん、
“黒髪の乙女”を花澤香菜さんが演じています。

星野源さんは演技も歌もうまくて、
本当にマルチな人だなあと感心していました。

他のキャストも、
有名な声優さんからお笑い芸人さんまで幅が広いです。

だけど、皆さんお上手なの!

中盤、ミュージカルが連発するシーンがありますが、
歌も上手い♪

惚れ惚れしていました^^


● 音楽
【 主題歌「荒野を歩け」/ ASIAN KUNG-FU GENERATION 】

『四畳半神話大系』といえば、アジカンの主題歌でした。

今回もアジカンが主題歌を担当するというだけで嬉しかった♪


また、先述したように、
途中でミュージカルのシーンが連発します。

その歌もまたよかった♪
歌のうまさもあり、楽しめました^^


● まとめ
演出が独特すぎて、さすがです。
でも崩壊していない。

この監督だからこその芸術だと思いました。

ストーリーもおもしろいけれど、
演出がさらに世界を盛り上げる、素晴らしいアニメでした♪

時間が短いので気軽に何周もできるし、
この作品一つでしばらく楽しめます^^

最近のアニメ映画、何見よう?
私ならこの作品を推します(`・ω・´)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 35

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

夜は短し歩けよ乙女 あかき唇あせぬ間に 熱き血潮の冷えぬ間に

2017年公開のアニメ映画 93分

原作 森見登美彦 監督 湯浅政明 脚本 上田誠 制作 サイエンスSARU

大正4年に発表された歌謡曲「ゴンドラの唄」吉井勇作詞から想を得たと思われます。

いのち短し 恋せよ乙女 あかき唇 あせぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に 明日の明日は ないものを
いのち短し 恋せよ乙女 いざ手をとりて かの舟に
いざ燃ゆる頬を 君が頬に ここには誰も 来ぬものを

以上で半分ですが、このアニメ映画との関連性もうかがえると思います。

自分が昔、一話切りしたアニメ「四畳半神話大系」が去年3月頃に再放送されて、
あまりの面白さに驚愕し、興奮しつつ拙いレビューを書いたのが早1年前です。
その再放送はこの作品の宣伝だったわけですが、
当時は見逃し、レンタルが借りやすくなったこの時期に見ることになりました。
その間に森見登美彦さんの「有頂天家族」一期二期、さらに湯浅監督の「デビルマン」が見れまして、
皆様のおかげでアニメの知識も多少増えまして、変化球作品への抵抗も減りました。

実は昔、湯浅監督の「カイバ」も観たんですが、当時の知識では理解できず内容も忘れました。

この「夜は短し歩けよ乙女」の制作は「四畳半神話大系」制作直後に、
引き続き1クール作品としての計画があったそうですが、立ち消えに。
それから6年後、湯浅監督のオリジナル映画「夜明けを告げるルーのうた」制作中に、
同じスタッフで引き継ぐ形で、3年間で2本のアニメ映画制作となったそうです。

先輩 CV星野源 主人公らしからぬ呼び名ですが、まあ真主人公は↓なので
黒髪の乙女 CV花澤香菜 夜を歩きとおす乙女 花澤声は空気みたいなもんで・・
学園祭事務局長 CV神谷浩史 ベテラン声優の技が光る
パンツ総番長 CV秋山竜次 森見登美彦特有の変人キャラ

安心のプロ声優と言いたいところですが、主役の「先輩」役は俳優です。
ベテラン俳優で監督の指導も良いようですし、気迫の感じられる演技でプロレベルと言っていいと思いました。

一般のアニメと比べると線も少なく、背景も落書き的ですが、
湯浅作品としては非常に豪華な作画です。
ストーリーは原作改変が起こっているようで賛否あるようですが、
アニメだけ見たイメージでは、これ以外に考えられないくらいまとまっています。
本来は春夏秋冬の流れが一夜の4つの物語として構成されているようです。
主役はほぼ花澤香菜さんと言っていいと思うので、安心感は最強ですね。

過去作と比べても文学性は増してるにもかかわらず、理解しやすい物語性は、
原作者、監督、共に最も成熟した作品であったことがうかがわれました。

高度でありながらすんなり理解できる演出のミュージカルアニメの傑作です。
一本の劇場版アニメが一夜の物語であると言うことがとても気持ちが良い出来栄えでした。
原作未読ですが、問題なくお勧めできると確信します。


四畳半神話大系とのつながりが少しありますので、未見の人はそちらから見ることを勧めます。
森見登美彦、湯浅政明、共に最初に触れておくべき名作ですので。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 34
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