遺伝子操作でサテライトなおすすめアニメランキング 2

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60.2 1 遺伝子操作でサテライトなアニメランキング1位
GENE shaft[ジーンシャフト](TVアニメ動画)

2001年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (32)
123人が棚に入れました
21世紀後半…。無秩序に欲望を追いつづけ、その抑制ができなくなった地球人類は、いたずらに資源を浪費し、環境を破壊し、さらには根拠のない主義・主張に踊らされ、闘い、殺し合って、ついに滅亡寸前まで追い込まれた。
滅びを回避するために彼らがとった選択は、自ら強制的に進化する方法…あらかじめプログラムされたDNAから生命を産み出し、性格及び適正能力さえもコントロールする…すなわち遺伝子操作である。
この選択はさらに加速度を増し、I.E.O(地球統合政府)のもと、人為的に人口のバランスは理想的な男女比1:9に保たれ、人々が恋愛感情や支配欲を無くすことによって社会は安定していった。
こうして23世紀、完全なる遺伝子操作社会は完成した。

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

少子化の今注目すべき、日本SFアニメの最高峰。

 本作は大きな枠組みとして、個人の権利あるいは尊厳に対する公共の福祉という社会学的なSFです。この分厚い世界観の設定があるため、SFとしての物語世界がちゃんと人間および人間社会のシミュレートになっています。

 少子化が問題になっていますが、これは本作で扱っているの問題が本質です。つまり、個人の権利よりも公共の福祉=社会の維持、もっといえば人類の種としての維持を優先させなければ、人類は滅びます。今の少子化の原因の本質は、個人の権利というか個人の行動を放任しすぎた結果ともいえます。本作はそこの問題に切り込んでいます。
 個人が易きに流れて好き勝手に生きると人類は滅びる。ならばどこまで人間は個人を制限すべきか?という問題です。また、人間は生物としては「遺伝子を運ぶ」存在であり、遺伝子を残すことこを生きる目的であるという見方もできます。

 遺伝子操作について、生命倫理の問題にとどまらず運命論や人間としての正しいあり方というものを考えるきっかけになっていました。

 この世界観を支えているのが過去のSF作品。ジェイムスPホーガンの「星を継ぐもの」がベースになっています。(長門有希ちゃんの消失で長門有希が読んでましたね。つまりSF好きの超ドメジャーのスタンダードです)
 太陽系に存在した先史文明の残した遺跡の発見・発動が科学的SF部分のメインストーリーになります。これと社会学・生命倫理の問題が絡んで重厚なストーリーとなっていました。
 犬の友達によって遺伝子操作=悪と必ずしもならないなど、多層的な視点がもてます。

 なお、地球の母親が宇宙からの攻撃で吹っ飛ぶのは「宇宙の戦士」だし、太陽を取り巻くリングは「リングワールド」などサブタイトルを見ればわかるとおり過去のSFのオマージュが沢山散りばめられています。
 エウロパのテラフォーミングもSF的にはかなりメジャーな設定になります。(「2010年宇宙への旅」の先史文明のメッセ―ジ「エウロパに近づくな」が元ネタかもしれません)

 そして、アニメ作品としてですけど、ベアトリーチェのキャラに注目です。男のサポートとしての感情の無いレジスタからの変化です。
 遺伝子の問題、社会的な役割の問題と愛情と感情の問題が彼女を使って丁寧に描かれました。エンタメとしても彼女のキャラの変化は素晴らしかったし、それでいてテーマ性もしっかり含んでいました。
 男女の問題でいえば、男性のサブだった彼女がいつのまにかメインを張っているのにも注目でしょう。

 ロボットのプログラムと子育て、さらには人類の遺伝子操作をオーバーラップさせるなど、非常にうまいプロットでした。

 若干敵の存在が抽象的でエヴァ的に感じるかもしれませんが、これは太陽系先史文明ということでエヴァと違い誤魔化すことなく、しっかりと設定があるのは読み取れると思います。

 設定も視点も脚本もテーマも全てにわたって非常に高いレベルの作品だと思います。ダイバージェンスイブとか宇宙のステルヴィアなどと並び非常にレベルが高いゼロ年代作品でその中でもかなり上位の作品だと思います。
 SF的説明はすこーしだけ頭を使いますが簡単に読み取れると思います。

 絵柄もキャラデザもいいんですよね。極端な萌えじゃなく体格の描写などから遺伝子操作された女性という感じが凄く良かったです。

 あと、宇宙船の艦橋の中の落ち着いたオペレータたちの発声。これは最高でした。騒ぐだけの演出しかできない演出家には見習ってほしいです。かつ、この静かなオペレータたちの描写がいずれカタルシスになるとは…本当に隅々まで計算されていると思います。

 ということで、オール5点つけたいなあ。OPの音楽もいいですし。

 唯一の減点する場所があるとするとスペースシャトルです。あれは説明しすぎでしょう。なくても話は通じます。ただ、アニメとしては説明不足だと思ったので入れたんだと思います。



アマプラで有料なのは残念ですけど。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

じぇりー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

「バグの中のバグだった」←いやこの作品がね・・・

視聴している間はそこそこ面白いと感じていたものの、いざ★評価をしてみると、そうでもなかったということに後で気付いた稀有な作品。

では何が「そーでもなかった」のか考えてみた。

・メカニックの設定が複雑かつ精密なものの、SFマニアしか喜ばない程、ストーリー的には殆ど機能しておらず、蛇足でしかない

・↑の割に説明不足な設定が多く、終盤で明らかになることを期待していた事さえ不明のままで終わった点が多数。

・完全な遺伝子操作により優秀な人間のみが存在する未来の人類という設定上、命のやりとりがあっても割とドライに話が進んでいく。

・↑の割に、様々なキッカケで突発的に感情的・感傷的になるキャラ多数。

・OP/ED/BGM全てにおいて音楽が作品にしっくりきていない。

・エピソード間の連結が上手くいっていない。(ドラマチックに終わったエピソードの次の回でも、冒頭から、まるで前回のことが遠い過去、あるいは無かった事のように淡々と始まる。)

例えるならまるで「砂漠」のような作品で、基本クールに淡々とストーリーが進み、ヒロインを除いたキャラの感情は良くも悪くも安定している・・・が、いざバトルとなると熱くなるキャラ、分かり易過ぎるフラグを立てるキャラがいて、観ている方はこの温度差について行けない。

全体的にストーリーの描きこみが足りないように感じたので、尺が短すぎたのかもしれない。
・・・かといって、これ以上長くされても観るかといえば・・・う~ん。。。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

遺伝子の軸(ジーンシャフト)

(2012.11/10)
23世紀を舞台にしたSF作品、全13話。 時は23世紀、過去の過ちによって人類は存亡の危機を向かえた。

その23世紀は遺伝子操作社会で、男女比1:9という男性の私からしてみれば、おいおいマジかよ(-.-)!という社会であり、感情や欲など種の保存には不要なものは遺伝子操作によって排除された時代。

人格を決定づけるのは環境でもあり、性格でもある(環境≠性格)訳だがこの作品では環境(遺伝子操作社会)=性格(遺伝子操作によって造られたもの)となっており「人」個人としての意義がなくなった社会となっている。

本当にそれでいいのだろうか?

確かに遺伝子操作による社会の形成は科学が発達した時代には適しているのだろうが、今現在21世紀は、遺伝子操作によって生み出されているのはペットなどのごく限られた生物に過ぎない。(猫アレルギーを起こさないように組み換えされた猫など)


{netabare}この作品では、遺伝子操作によって感情までもが押さえつけられているレジスタ(感情を制御した人々)が登場しますが、彼女らも、マリオの言葉を借りると、「人間、遺伝子以外にももっと大切な何かがあるんじゃないか。 例えば、愛とか。」によって感情を取戻していく様は感慨深いものがあります。{/netabare}
ジーンシャフトには「愛」が関係しているのだと思います。
それを実感すると同時に人にとって根源的に何が大切なのかを教えてくれました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

64.1 2 遺伝子操作でサテライトなアニメランキング2位
地球少女アルジュナ(TVアニメ動画)

2001年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (101)
607人が棚に入れました
『地球少女アルジュナ』(ちきゅうしょうじょアルジュナ)は、サテライト制作のアニメ。テレビシリーズアニメとして2001年からテレビ東京ほかで放送された。
ヒロインの有吉 樹奈(ありよし じゅな)は神戸に住む高校生。両親が離婚した日、恋人の大島 時夫(おおしま ときお)と共にバイクでツーリングをしていた樹奈は事故に遭い、臨死の状態になる。心臓の鼓動が止まり、彼女がまさに『無』になろうとした時、クリスと名乗る少年(の意識体)が彼女の前に現れ、「もしお前がラージャと戦い、清めるならもう一度命を与えよう…」と告げる。

声優・キャラクター
東山麻美、関智一、うえだゆうじ、新谷真弓、沢海陽子、玄田哲章

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

エンタメを忘れてはかえってメッセージは伝わりません。

 マクロスで有名な河森正治氏です。板野一郎氏なども参加した本作のビジュアルは大したものだと思います。が、なんといいますか全編のほぼすべてにおいて説教を聞かされている感じです。

 要するに原始に還れという物語です。自然農法が人間にはいいんだ、というのが中心にあります。農薬、化学肥料、着色料、遺伝子操作などですね。命の循環的なものです。そこに、原子力、教育やコミュニケーション、コマーシャリズム等々環境その他の問題を網羅して詰め込んだ感じの物語です。

 いまは環境問題といえば二酸化炭素ですが、2001年だとこんな感じなんだというメタ的な興味はなくはないです。

 が、まあ、なんというか、アニメっていうエンタメってこれでいいの?という作品です。メッセージやテーマをアニメに入れるのはいいと思います…というかそれが無い作品はやっぱり底の浅さを感じますので、むしろ必要条件でしょう。

 でも、やはりエンタメとして成立していない作品で、それが人に伝わるか?ですね。昔見たときは多分3話か4話で切ったと思います。DVDを全巻借りて見ないで返したと思います。それくらい説教臭さにイライラした記憶があります。

 今回、年齢がある程度行って、一応話は聴こうかという余裕があって、考察好きになったので全部見られましたけど。まあ面白くはないけど興味深くみられました。ですがやっぱり思うのが、病的な執着がちょっと怖いくらいの、主張の強さが気持ち悪いかな。
 結果的にサブスク時代ならなおさら反発をかって数話で切られるのではないでしょうか?
 
「風の谷のナウシカ」はWWF(当時は世界野生生物保護基金、今は世界自然保護基金)の推薦を受けて話題になりました。ああいうエンタメ性と両立するような見せ方にしないとそれこそ伝わらないでしょう。

 もちろん、エンタメメインだと「ああ面白かった」で終わる人もいっぱいいるでしょう。でもナウシカの「戦争による環境汚染」「自然と共存」というメッセージはどこか心に刺さっていると思います。それがアニメというエンタメが発するメッセージの重要なことだと思います。作品として心に残る。それが後でどこかで人に影響して少しでも何かが変えるかもしれない…と。
 つまり、メッセージを伝えるには前提としてエンタメとして優れた作品を作らないと、機能しないということです。

 本作はメッセージがあまりにダイレクトすぎます。テーマやメッセージは正論かもしれませんが、アニメを見るのは大衆です。大衆は安きに流されるものです。ですので、自分の生き方を否定するようなアニメでは反発しか起きません。「正論は正しい説得方法ではない」ですね。
 一方でちゃんと面白い作品に含まれているメッセージを受け取れないほど大衆は馬鹿じゃないです。もう少しアニメの視聴者を信じましょう。

 もちろんこの作品が学校の道徳や食育どこかの啓蒙セミナー向け前提ならいいでしょう。テレビにしても食料問題を語る話です、という枠なら主義主張をファンタジーに仕立てて見やすくしたのは評価できると思います。

 そして最大の問題は、主義主張が一方的ですよね。科学文明以前に還れという話?それは階級差と飢饉と早死の時代に戻れと言うことででしょうか?今の現状をどうやって軌道修正するのかが提案ができてないなら、子供の理想論です。


 Dアニメでもうじき配信が終わるらしいので、見たいかたは12月末までにどうぞ。お勧めはしませんが、異色作なのでちょっと覗いてみたらいいかもしれません。

 ということで評価はストーリーは1.5。キャラは主義主張の駒ですね、2。音楽は菅野よう子氏でいいんですけど…うーん、EDの実写が良くないので4にしておきます。声優は調整含めて2。作画はいいと思います4.5かな。


追記 本作4話は、人物の動きが非常に自然ですごい作画回でした。自然の描写もすごかったですけど。2001年の作画水準にちょっとびっくりします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

それでもこの地球(ホシ)で生きていく  【ねこ's満足度:80pts】

日本初のハイビジョン対応アニメ作品。
当時の日本最高峰のアニメーターが結集して作りあげた、美麗な作画は圧巻です。
音楽は菅野よう子が担当。安定感はさすがです。主題歌『マメシバ』もいい曲でした♪

作品のテーマは『環境問題』と『現代人の心の問題』。
大きく分けるとこんなところだと思います。
が、正直この作品を他のアニメと比較して評価をするのは難しいです。
そのくらい異質な内容になっています。

主人公のジュナは、弓道部に所属する普通の女子高生。
物語はそんな彼女が、ある日 {netabare}バイク事故で命を落とす{/netabare}ところから始まります。
{netabare}絶命した彼女を救ったのは謎の少年クリス。
クリスはある条件と引き換えに彼女を蘇生させます。{/netabare}
”地球少女アルジュナ”の誕生です。

生まれ変わったジュナは、地球の抱える様々な問題を目の当たりにしていきます。
そんな彼女の目を通して、視聴者に投げかけられるメッセージは強烈のひとこと。
あらゆる問題を提起しては、驚くほどの徹底ぶりで容赦なくぶった切っていきます。

その切り口もさることながら、この作品ではそんな問題に対するイメージ描写がとってもリアル。
ハンバーガーひとつとっても、材料である牛がミンチにされるまでの過程が生々しく描かれています。
特に衝撃的だったのは9話(あまりの強烈っぷりにTVでは未放送)です。
{netabare}腹部エコー画面?のような映像で登場する赤ん坊。
そして母親の妊娠中の性行為によって歪む母胎の映像。
母体の喫煙による苦しみ。陣痛促進剤服用による苦しみ。心の声で訴える胎児……。{/netabare}
そのあまりのすさまじさに完全に言葉を失ってしまいました。これはTVではムリ(笑)。

そして訪れる驚愕の最終話、究極の結末……。
これでもかというくらいメッセージ性が強く、かつ説教臭いところも多々あります。
また、解釈がかなり偏っているため、素直に受け止めにくかったりする部分も多いです。
しかし、こういった作品を通して少しでも興味を持ったり、考えたりすることができれば、
それはとっても嬉しいなって♪……もといw、それはとってもステキな事だと思います。

とりあえず騙されたと思って観てください。でも保証はしません。
おそらく、最終話では完全にお腹いっぱいになってることでしょう(笑)。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

人類と自然の共生の在り方を露骨に説く問題作。

主人公(樹奈)が羅亜邪と呼ばれる未知の生命体との闘諍に巻き込まれ、人類と自然の共生の在り方を
問い直していく作品であり、自然環境を破壊し続けてきた現代社会を痛烈に非難する内容となっている。
利便かつ裕福な生活を支える近代科学に潜む公害や、エネルギー問題を取り上げ、容赦のない制裁を
現代人に下すアニメらしからぬ問題作であり、生態系に対し人類が負うべき義務とは何かと露骨に説く。
取り分け我々人類は外部から酸素・水分・栄養などを絶えず摂取せねば生きられない存在であることを
視聴者に訴えかけ再認識させるという、何とも説教臭い作品であり、一切の妥協なく徹底的に言及する。

その上、対人関係におけるアンビヴァレンスな感情や反原発・有機農業化・消費者運動なども敷衍する。
故に娯楽らしきものは皆無であるが、これは地球的規模の諸問題に対し、真摯に臨んでいる証左であり
中途半端なアプローチは微塵もしておらず、その意味においては大衆性を没却し辛辣に貫かれている。
無論、本作の如く環境倫理を啓発する作品は、数知れずあるが、それらを克する筋道が明示されており
ここまで突き詰められているからこそ、最終話における時夫(樹奈の恋人)の名台詞が心に響くのだろう。

日本TVアニメ初のHD制作や菅野よう子の起用といった、話題性に依存せず内容で堂々と勝負しており
樹奈が紆余曲折を経て苦学力行する成長譚は、一見の価値があったと感じられるのではないだろうか。
繰り返し視聴することによって深みが増す作品ではないが、それは本作の「衝撃」を裏付けるものであり
苦言を呈するものではなく、いわゆる、スルメアニメ的な風情とは異なる、シニカルなカタルシスがある。
尚、本作は、人類が物質的豊かさを身勝手に欲したことを非難するだけではなく、未来志向もされており
人類と自然の共生関係を促す、エコロジーを共有していかなければならないと切に願っているのである。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
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