遺伝子で災害なおすすめアニメランキング 2

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66.0 1 遺伝子で災害なアニメランキング1位
ウィッチブレイド Witchblade(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (321)
1746人が棚に入れました
近未来、東京。
そこには「最強の武器」を求める二つの巨大組織があった。 最強兵器の開発を目論む導示重工。遺伝子操作により優秀な人間を造り出そうとするNSWF。
彼らが欲するのは、最強の威力を持ち、選ばれた女(モノ)だけが手にすることが出来るという「ウィッチブレイド」と、それを自在に扱うための力。
震災から6年経った東京に、天羽雅音、梨穂子親子の姿があった。二人での暮らしを夢みて児童福祉庁の施設を抜け出してきた二人。
しかし、彼女達を待っていたのは、ウィッチブレイドを取り巻く闇の力と、過酷な運命であった...。
ネタバレ

しんばくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ドラマチック 母の勇姿をその目に焼き付けろ!!

物語:3.8 作画:3.6 声優:4.1 音楽:4.0 キャラ:3.8 【平均:3.9】                           (62.9)

ジャンル        :変身、SF
話数          :全24話
原作          :マイケル・ターナー(アメリカ・トップ・カウ・プロダクション)
アニメーション製作 :GONZO
監督          :大橋誉志光
シリーズ構成     :小林靖子
脚本          :小林靖子、吉村清子、井上敏樹
キャラデザイン    :うのまこと
音楽          :宅見将典
主人公声優      :能登麻美子
OP           :「XTC」作詞・作曲:YOFFY / 編曲:大石憲一郎 / 歌:サイキックラバー
             :「Dear Bob」作詞・作曲:AKIO / 編曲・歌:KOOLOGI
ED           :「あしたの手」作詞・作曲・編曲:橋本由香利 / 歌:能登麻美子
             :「靴ひも」作詞:asami / 作曲:山沢大洋 / 編曲:武藤星児 / 歌:山本朝海

参照元         :Wikipedia「ウィッチブレイド (アニメ)」
公式ページ      :http://www.gonzo.co.jp/archives/witchblade/

【あらすじ】
 天羽雅音と娘の梨穂子は震災から6年後の東京で児童福祉庁の目から逃れながら住まいを探していた。しかし、雅音は震災直後より選ばれた女だけが手にすることが出来るという最強の武器「ウィッチブレイド」を身に着けており、最強の武器を開発する2つの巨大組織「導示重工」と「NSWF」が彼女を捕縛しようとする。雅音は力のことを梨穂子に隠しながら給料を稼ぐが、夢のマイホーム生活に憧れる2人にとってあまりにも過酷な運命が待っていた。公式ページ「STORY」参照

【特徴】
①親子愛
②企業間事情と社内事情
③ホームドラマ的側面
④親子愛に主眼を置き、ドラマチック。バトルもの、アクションものとは異なる。

【特徴の補足】
①本作は親子愛をメインテーマとした作品である。そのため天羽親子の愛情を感じ取れるストーリーとなっている。様々な設定に関しては感動的なストーリーを導く為の設定という印象が強い。
②親子愛に加えてドラマ性を高めている要素。導示重工とNASWFは根深い関係があり、絶妙なバランスの上に成り立っている企業であり、物語の謎はこの2大企業に関することが多い。
③天羽親子は奈月ビルで暮らすことになるが、この雑居ビルに住むキャラクター達が天羽親子の味方となる。また天羽親子を含むキャラクター達のコミュニケーションが愉快であった。
④ ①の補足。アクションシーンに使う尺をあまり割いておらず、バトルの片は直ぐにつく。その反面ドラマ性は高くなっており、濃密である。

【総括】
 親子愛を感じられる物語で感動出来ましたが、それ以上に物語は次々に進展して行き、先々でどうなってしまうのか気になる展開となり飽きとは無縁の作品でした。しかし、幾つかの事柄は明らかにならず消化不良を強く感じ、粗削りに感じさせてしまうストーリーを少々残念に思いました。ですが、キャラクター達の個性は際立っており非常に魅力的でした。また、普段の雅音と変身後で見事なまでの演じ分けをする能登麻美子さんには感銘を受けました。


【思った事・蛇足】

ここまで紹介しておいてなんですが
面白いのに強くお勧めすることが出来ない作品だと思いました。
不本意ではありますが実際その様に思ったのだから仕方ない。


理由は消化不良や不満が多かったこと。
(不満に関しては必要に感じないキャラクターなどその他諸々)
そしてなにより最終話。
消化不良だけならまだ良かったのだが
終盤の展開がお座成りに感じた。

{netabare}
結末は中盤に差し掛かる前辺りで大方の予想が付き
結果その通りになったが
故意に見せない演出が個人的には裏目に出ている様な気がしました。
その為かあっさりし過ぎていてキャラクターの気持ちを読むことが出来ず
自分自身でキャラクターの気持ちを想像する必要があった。
もう1話分も必要ないが30秒程度の後日譚があってもいいような気もします。
{/netabare}

結末には肩透かしを食らってしまったのですが
物語の展開は非常に面白かった。
非常にです。
キャラクターも「後々こんな事になるとは思ってもみなかった」という人物が何人か居ました。
故に結構予想を越える事態になることが多かったので大変楽しめた。
また
一貫して最後までブレずに母の愛情を描きったことは良いと思う。


「面白い?」と聞かれれば迷うことなく首を縦に振るが
「良かった?」と聞かれれば少々間を置いてから横に振ってしまうであろう
かなり評価に困る作品でした。


しかし
人によっては涙が止まらず最高でしたという感想を持っている方もいらっしゃいますし
記憶に残るであろうインパクトのあるストーリーであることは間違いありません。
なんとも歯切れの悪い感想になってしまいましたが
作品の良し悪しは観て頂くよりほかないと思いました。



●天羽雅音 声 - 能登麻美子
普段はがさつで子供っぽいところが目立ってしまう少々不出来な母親。
導示重工の鷹山局長とは対照的で垢抜けていない。
プロポーションは良い(?)
変身後の荒々しい性格と共に変化する口調が鋭くカッコイイ。
時には梨穂子に一方的な愛情を注いでしまうこともあったが
なにより娘を第一に想う気持ちは母親そのものであり魅力的。
梨穂子は果報者。



●グラフ[物語の転機が分かってしまう可能性あり※ネタバレ注意]
http://shinbakuns.blog.fc2.com/blog-entry-41.html

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6

キタキツネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

うーん(汗)

好みが分かれる作品だと思います。
私はあまり楽しめない作品でした。

演出上、仕方ないかもしれませんが、最初は周囲の迷惑を顧みない、ただの我儘な母子として過剰演出気味に描かれます。
この段階で、相当イライラする視聴者も多いのでは?
ここで挫折しなければ、後は極端に鼻につく演出は抑えられるので普通に見ていけるはずです。

テーマは親子の絆なんでしょうけど、この作品でそれが上手に描かれているかは微妙です。
主人公親子は、全編通して仲良し親子として描かれています。母親が事件に巻き込まれた割に、親子の関係は乱れる事もなく、常に一定のまま描かれます(現実世界では望ましい事ですが)。波風が無いのでドラマとしては平坦で山が無く、母親や娘の気持ちに感情移入がし難いと感じました。少なくとも私には、このアニメで思わず涙するシーンは無かったです。
敵?ウィッチの立ち位置も微妙で、結局なんだったんでしょうか悩みます。
特に最終回は、思いっきり肩すかしを食らった感じでした。

*母親の苦悩、娘の心配などのシーンもそれなりにあるので、それが印象に残らないと言うのは、脚本と言うより演出の問題なんでしょうね。


作画は最後まで安定しているので安心です。
女性キャラがエロく描かれているとの評価もあるようですが、余りそんな印象は感じませんでした。

見終わって失敗したとは思いませんが、なんだか消化不良になった気がする一本でした。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

お父さん、お母さんは涙なしには見れないアニメだと思う

全24話、アメコミ原作GONZO製作。

このアニメは色んな形の母親と子の愛情がベースとなっております。
確かにバトルシーンも多いのですが、娘の梨穂子(りほこ)に対する母親である雅音(まさね)の愛情や絆、そして母を想う娘の姿が何度も涙腺を刺激し続けました。

戦い続ける雅音の心の描写はリアル且つ丁寧でとても素晴しいものです。
最終話にかけて物語は収束して行きますが、それに伴う雅音の不安や恐れ、娘を思う母親の思いは涙なしには見ることができませんでした。

しぐさや台詞のひとつひとつが何とも言葉では言い表せません。
「おおかみこどもの雨と雪」より泣けました。
破壊力は「AIR」くらいあったように思えます。
アニメに対する好みもありますが、子を持つ親御さんに是非見て欲しいアニメですね。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 20

70.4 2 遺伝子で災害なアニメランキング2位
A.I.C.O. -Incarnation-(Webアニメ)

2018年4月1日
★★★★☆ 3.6 (236)
1022人が棚に入れました
2035年、近未来の日本。「人工生体」の研究中に起きた大事故“バースト”により、暴走した人工生命体“マター”が黒部峡谷一帯を侵蝕。 人類にとって希望の地と謳われた研究都市は、政府により立ち入りが禁じられた。 それから、2年後―。バーストで家族を失った15歳の橘アイコは、転校生の神崎雄哉から信じがたい事実を告げられる。それはアイコも知らなかった、自身の身体に隠された“秘密”だった。それを解く鍵は、バーストの中心地“プライマリーポイント”にあるという。アイコは、案内人の神崎雄哉と護衛部隊のダイバーたちと共に、封鎖されたエリアへの侵入を決意するが。人類の未来を背負う少年、少女が出会った時、明らかになる真実とは?

声優・キャラクター
白石晴香、小林裕介、古川慎、村田太志、名塚佳織、M・A・O、竹内良太、茅野愛衣、大川透、子安武人、田中敦子

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

主人公のサービスシーンがメインになってしまってる

見る前からちょっと嫌な気はしていたんだけど、まず話の大筋は割と単純である。
このアニメのメインのポイントはやたら無防備な天然系ヒロインがサービスシーン、胸や際どいパンチララインを常に見せてくるポイントだった。

なんでこんな環境でずっとセーラー服でいるねんって恐ろしい突っ込みどころは、他の微妙な点を萌えで補填しようとした考えでないかと邪推もしてしまう。

冒頭や設定自体は比較的面白いものの、ヒロインのヒラヒラした短いスカートのせいで終始物語に入り込めることは無かった。

また、男主人公も見てて疲れる性格をしている、変にラブコメしそうな種は撒いた上で男主人公は終始言葉と裏腹にコミュ障だし。
しかもその上で東のエデンの大杉君みたいなのがいるから猶更救えない。(※終始ヒロインに好きだ好きだと渾身のアタックをするものの全て受け流される二枚目キャラ)

ヒロインの正体を聞いた瞬間、凡そ彼の正体にも勘付く程度のよくある設定な為、ストイックな性格は仕方ないと序盤から納得して見れない事も無い。

とはいえ、最終回ギリギリまでこんな感じなので正直見てて疲れる。
彼のポジションでセカイ系をにおわせちゃ駄目だろ。

この二人は導入部から最後までセカイ系を参考にしたような関係だけど、実のところ接点があるようで考えてみると、お互いなんでもないから「え、えぇ…」で終る。


大量のアニオタをひっかけようと釣り餌を混ぜすぎてちょっとブレすぎたよね。

サブカル系としても大衆系としてもどっちつかずなこの物語は、サブカル初心者にオススメしやすいかもしれない。


因みに他の評価見てると難しいとか設定が丁寧で作り込まれてるとか書かれてるが、どっちも的外れな気がする。

エウレカ的手法で話が難しく感じるだけで、魔法が使える世界でアルテマを取りに鍵となる巫女をPTに連れて塔にを上るだけ様なレベル。
っつーか話の元ネタもエウレカか?

勿論アニメとしては、それだけじゃつまらないから、多少エッセンスはあるけど、今言った大筋大体完結してるのよ。
同じネトフリなら単純ながらもharmonyとかの方が余程ドキツイのでは。

次、作り込まれてるかどうかについて。

起源や仕組み、それに於ける影響が曖昧な設定を俺は敢えて魔法って呼んでるのだが(SFは硬派系に近づく程、実現や実存が考えられる設定になる。この設定は残念ながら都合よすぎて魔法レベル)、ただでさえその魔法の様な設定の話の中で、話の舞台設定はかなり限定されている。

個人的にはアニメ漫画にそこまで突き詰めて意味はないと俺も思ってはいるが、都合の良い舞台にしかカメラを回さず、こんな極大天変地異の上で、国民や政府、他国にこれだけ都合の良いムーブをさせた話が作り込まれてる訳ないだろう。(非難してる訳ではなく)
っつーかギロチンカッターなんかに及んでは、製作者が手動にする訳がないとかアホでもわかるし。(あった方が演出的に面白いので評価している。設定の作り込みに大きく反してるが、あった方が良い)
あまつさえエウレカの癖をそのまま引き継いでしまったのか、ご都合の塊、セカイ系もどきというトドメ。

因みにここでもさっき引き合いに出したharmonyの方が細かく設定練ってる。
面白いかどうかは全く別だが、こっちの方が面白いと思うならばこのアニメの良い部分は設定の練りや物語の難解さは全く的外れって事。


セカイ系っぽくてアクションがかっこよくて女の子がエロ可愛くて、なんか人の生き死が近い戦場っぽい雰囲気があって、そういうの見るのが好きな人の琴線に触れやすいという事だ。


ここまで一見に馬鹿にしてるようだけど雰囲気のあるSFアクションとして俺は大いに楽しんだ。

比較的面白い部類だけど、それでも純粋なアニメ好きでないならば、残念ながら時間を割いて見る価値のあるアニメではない。
トイレとか電車でさくっと楽しめるように漫画にして欲しいな。


最後にもう一度言うけど、設定を理解とか理解できないとかじゃなくて、破綻してるのよ。
別にアニメだから良いんだけどね。極端に評価低い人はそれを重んじてるんだからそれに反論しようとこのアニメは練られてるとか適当なべた褒めして馬鹿晒すのは辞めてほんと。

名作映画、キューブのガバガバ設定を思い出せ!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 1
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

黒部に大量

オリジナルアニメ NETFLIXのお下がり


ネトフリオリジナルを地上波で!ってパターン増えてますね。コロナ関係あるのかしら。全12話。
舞台は近未来2035年の日本。とある生体研究の成果物が暴走した後、あたり一帯封鎖されて早数年。
事態の解決に向けてその研究所を目指すことになるわけですが、人工生命体『マター』があたり一帯を侵食しており人間の侵入を阻みます。なかなかのサバイバルですね。そして明らかになってくる謎。

サスペンス・ミステリ色が強めのシリアス仕立て。キャラ原案:鳴子ハナハル氏ということで見た目は推して知るべし。面白かったです。ただ先に文句だけは言っとく。

■シリアスを削ぐもの①
{netabare}危険いっぱいの侵入作戦でボディスーツとか着てるわけですよ。で途中のチェックポイントで一休みする度に{netabare}なぜか“セーラー服”。{/netabare}
そんなに鳴子氏に気を遣わなくてもいいのに。いや視聴者サービスせんでもいいのに。バランスとるために♂に詰襟の学生服着させて笑いを獲りにいかなくても良かったのに、と残念でした。{/netabare}

■シリアスを削ぐもの② ※作品中盤のネタバレ
{netabare}詰襟が逆効果だったと思うのが、この主人公くんのクールで冷静沈着風設定でしょう。後にわかる諸事情のため、高校生らしからぬ佇まいを醸し出す神崎雄哉(CV小林裕介)クンその人です。そしてこの彼。顔色一つ変えず行動がへんちくりんだったりシリアスものにあるまじきブレブレさ。

どう考えても危険な作戦を課されるパーティメンバーにそれくらい言っとけよなリスクを伝えずに窮地に陥るある種の自傷行為。道中ばれてそこを質されると「バーストを収束させる為だ!(キリッ)」。いちおう前後関係あることなんですけど…回答になってません。しかしまわりはなんとなく納得してる。{/netabare}

これ、シリアスもので一番見たくない「キメたつもりがなんかギャグみたいになってますよ」パティーンです。興を削ぎますなぁ。

{netabare}そういったちぐはぐなのがいい感じで詰め合わせになってたのが第8話。
先述のリスク周知しとけよシーンもこの回。仲間が死んで悲しさのあまり嗚咽してと声優さんも演技素晴らしかったりするのですがいかんせん抗戦中。伏して泣くとか思いっきり仲間の足を引っ張ってます。これ戦い終わってからやれよと誰も突っ込まない優しい世界。{/netabare}

真面目な作風で心の機微に疎い作品は大きくマイナスです。おそらく嫌気さす方もいると思いますよ。


それでは一転して残りは褒めます。
目的の研究所のあるエリアは黒部峡谷内。場所的に黒部第四ダムに近接してるところ。ダムにピンとこない方も聞いたことあろうフレーズ“立山黒部アルペンルート”。そう風光明美な場所が舞台でロケハンがしっかりしてました。景色が綺麗。本社がご近所だし富山のP.A.Worksさんだったら面白いなと思いましたが制作はBONESです。
この景色をうまく活かしたのがEDですね。毎話飛ばさずクールダウンに利用してました。OPはTRUEさん。作品世界をうまく表したアニメーション。珍しくOPED飛ばさず堪能しておりました。

自然の美しさと対極にあるのは人工物の美しさ。黒部に点在する複数のダムは壮観です。その最奥に鎮座する第四ダムは壮観通り越して人間ってスゲーなと感動しますよ。難工事+ダムで検索すると真っ先に挙がってくるであろう黒部第四ダム(通称“くろよん”)。完成までに171人の殉職者を出した難工事でプロジェクトXにも取り上げられました。資材運搬のためのトンネル掘削も軟弱地盤やら破水帯やら困難がこれでもかと。なんでそこまでしてやるのか?

 関西の電力事情が逼迫

してたから。停電上等な大阪圏で安定した電力供給は至上命題。時代も時代ですから、戦争で死んでった者達のためにも/あいつらの想いに較べたら、と使命感に燃えてたわけです。石原裕次郎と三船敏郎とが組んだ映画『黒部の太陽』は大ヒットしました。


奇しくも“だいよん”にとある目的をもって向かう本作の主人公らパーティの苦難と“だいよん”に資材を運ぶためのトンネルを掘る漢達の物語が重なります。
『七人の侍』と『荒野の七人』の関係みたいなもんかしら。


なお、あれだけ足を引っ張る要素から視聴モチベーションを保てたのはどこかしら黒部にまつわる現実の物語と被るものがあったことが理由。それに加えてヒロイン橘アイコ(CV白石晴香)の熱演も。『ゴールデンカムイ』アシリパ役でも感じましたが抑えめトーンの時の白石さんはヤバいですね。
そんなこんなで最終12話まで完走。明かされる謎は納得感や驚きのあるもの。終わらせ方も良かったと思います。期待してなかったわりには前のめりで視聴できました。掘り出し物・良作です。



※ネタバレ所感

■南原顕子(CV田中敦子)

人工生体汚染災害対策庁(CAAC)対策局の局長。ブルゾンちえみをしゅっとしたような感じの役人です。

{netabare}すごい複雑な気分にさせられるお役人さん。
エリア内の人口生体“マター”をどう捉えるか南原と中央とで開きがありました。キーポジションのキャラなこともあり作品としては彼女サイドに寄ってます。どういう二項対立か?

【対マターへの態度】 

 偉い人:安全保障上の脅威
 南原:富を生み出す金の卵

チェックポイントは複数あるダム。第四ダムを起点に“マター”は増殖しながら下流にまで浸食してきて、最後の壁(ダム)を突破されて日本海へと流出してしまえば世界規模でのハザードへと発展してしまう局面です。とっとと駆逐する。“結晶化”壊死させる技術もあるにはあるが、殲滅できるか確証がない。むしろ逆に“活性化”させてさらなるハザード範囲の拡大にならんとも限らない。
要は決め手にかける状態。となると事態は膠着するものです。一方で“マター”は最先端技術の徒花のようなもんで研究開発用のサンプルを大量に保有しているとも考えられる。科学技術発展のアドバンテージを日本が有していると固く信じているのが南原の立場です。

 安全保障 VS 経済

迷うことなく前者なはずですが、南原は思いっきり後者に軸足を置いた行動をとります。またそれがかっこよく見えるんだな、これが(笑)
この二項対立の結末はエンタメらしく両者取りでしたが、安全保障を重視するお偉いさんの影がとーっても薄かったのが気になりました。{/netabare}

{netabare}安全保障軽視の風潮。根拠なく自分は大丈夫!ってクセがついてないか怖くなりますね。
決断遅くて逃げ遅れたりしませんように…{/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.09.29 初稿
2021.06.19 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 41

nozzynozzy さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

あれれ?何かが間違ってる

Netflixがバックについてる?作品なので、ちょっと過剰に期待したのが間違いでした。鳴子ハナハルがキャラ原案、監督は村田和也ということから、翠星のガルガンティアの鉄壁の布陣を期待していたのですが、ちょっとあれれ?という感じです。BONESさんがこれらの布陣を生かせなかったのでしょうかね...
 キャラは鳴子ハナハルのはずなのに、結果はなぜか古臭い作画になってしまってました。話は終盤あたりの伏線回収にて説明不足でわけがわからず、かといって途中の展開もほとんど同じような展開が繰り返されて飽きがきてしまうという状況でした。また、いろいろ工夫したストーリーのはずなのに、見終ってみると何故かチープな話になってしまっていたという印象です。音楽も同じような音楽をくりかえし使われていて、このアニメってなんとなく「正解するカド」の匂いがすると思ったら...これまた監督一緒でしたね。
 動画はぬるぬる動くのでこれは良かったです。
 全体を通して人に勧められるか?と言われると...ちょっと微妙かなー。素材はバッチりなはずなのに、何かが間違ってしまって、なぜこうなった?という印象です。次は頑張れ!Netflix!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3
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