魔女狩りで親子なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの魔女狩りで親子な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番の魔女狩りで親子なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.8 1 魔女狩りで親子なアニメランキング1位
ソマリと森の神様(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (380)
1664人が棚に入れました
森の中で私は"それ"と出会った。それ(人間)は、わたし(ゴーレム)を「おとうさん」と呼んだ----。地上は異類異形の人外たちが支配する世界。人間は迫害され、絶滅の危機に瀕していた。そんなある日、森の番人である「ゴーレム」とひとりの人間の少女が出会う。滅びゆく種族「人間」と森の番ゴーレムの父娘の絆を綴った旅の記録・・・

声優・キャラクター
水瀬いのり、小野大輔、七海ひろき、鈴木達央、小野友樹、早見沙織、小林ゆう、速水奨、関智一、茅野愛衣、高垣彩陽、柴田理恵
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「人間がマイノリティである世界」の果てを目指す旅。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
ジャンルはファンタジー、ロードムービー。テーマは、父娘愛、差別、といったところかな。

一番近い作品は、「魔法使いの嫁」かなと。優しい雰囲気に、優しくない展開が。

本作、☆4(高評価)と迷った。全体的には良い作品だと思う。だが、やはり☆3にとどまったのには、ひとつ気になった点があり、、、ということを、レビューに書きたいと思います。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
一番好きだった話は、ハイトラとウゾイの話。カニバリズム、とは少し違うけど、確実に背負ってしまった罪。難しい話だったけど、「生き方」というのを、色々考えさせられた。

また、全体として漂う、優しい雰囲気、ソマリのキャラクターなど、好意的に観られる部分も多い。

この作品は、「ソマリの視点」で観るか、「ゴーレムの視点」で観るかで、感じ方が変わると思う。

「ソマリの視点」であるならば、「人間差別」の面が強く出るし、「ゴーレムの視点」ならば「父娘愛」が強く出るのだろう。

私には子供がいないので、「ゴーレムの視点」で観ることは叶わなかったが、そうできれば、感情移入できて、さらに本作を楽しめたのかもしれない。

私は多分、「ソマリの視点」で観たのだと思う。でも、「人間が差別されて可哀想」とは思わなかった。

この点が、ちょっと心に引っ掛かっている部分。

というのは、「人間は差別されて当然だ」と思っているわけではなく、「人間が差別される理由にピンとこない」から。

ていうか逆に、他の「その他大勢」の種族が気持ち悪いんだよね、みんな仲良すぎて。

この世界は、大変な多種族国家だ。あれだけ容姿(身体というか、器官というか)が違えば、文化や考え方だけでなく、食べる物や、もっと根元的な部分で、「違う」と思う。

例えば、「コアラがユーカリしか食えない」みたいに、ある種族とある種族が「食う・食われる」の関係になっていたら。あるいは、ある種族の体内に普通にある菌が、ある種族にとっては致命的なダメージを与えるとしたら。

もう、生存競争しかないんだよね、どうしようもなく。

ところが、この「超多種族国家」では、皆が同様の、ていうか「人間みたいな」生活を送っていて、仲良さげに暮らしている。

それは理想的で、美しい。もしかしたら、長い歴史の中で、そういう「色々」を乗り越えた後の世界なのかもしれない。

でも、じゃあなぜそこに、人間は仲間に入れなかったのだろう?

これがもし、「マクロス的な感じで、人間族が他の惑星から来た」とかなら、まだ分かるけど、この惑星でずっと一緒に生活してきたんでしょ? 他の種族も、容姿こそ人間と全然違うけど、文化、風習、考え方はほぼ人間。だったら、仲良くできないかなぁ?

本作での人間の立ち位置は、「人間は何も持たない弱い種族であり、だから他の種族を極端に怖がり、戦争を起こし、負けたため、現在は他種族から迫害さ、絶滅危惧種になっている」というものだが、出発点に疑問がある。

そもそも人間は他の種族に比べて、排他的で差別的な生物なのだろうか?

今の我々の世界を見渡した時、他の種族(例えば、犬や猫)を家族のように愛したり、自分とはおおよそ関係のない種族を絶滅から守る努力をしたりすることが、他の種族(色々な動物)に出来るだろうか? 基本的に、「本能」による「弱肉強食」に支配されている種族(動物)に。

確かに、人間は「意図的な差別」をしてしまう種族かもしれない。でもそれは、それだけの「知恵」を得た裏側にあるものであり、もし他の動物が、人間と同レベルの知恵を手に入れたら、同じように、、、ひょっとしたら、人間以上の「差別」や「排斥」を行うかもしれない。

勿論、私の論は、人間を極めて好意的に見ているのだけれど、この作品は逆に、人間の負の側面を、殊更に強めて見せているように思う。

この作品は、「人間」対「その他、全種族」という二元化がされているが、本来は、「人間」は数多の種族の1種にしか過ぎず、「その他、全種族」にも、それぞれに明確な違いがあると思うんだけど、その違いが「容姿以外には示されていない」部分が、本作をやや薄っぺらくしているのだと思う。

同じ世界観の中で、登場する種族をもう少し限定し、それぞれの種族の違いや軋轢、そこにどう折り合いをつけているかまでをきちんと描き、なぜ人間はそうなれなかったかをきちんと示せれば、この作品はグッと深みを増し、伝えたいテーマがよりしっかり伝わったと思う。そういう意味では、勿体なかったなと。

あと、ゴーレムの寿命が近いことが、1話の段階で「CMで」ネタバレしてるのは、どうだろう(そういう作品、結構あるけど)。3話か4話くらいで明かされた方が、より心に染みたと思う。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
世界観の説明はよく分かった。ソマリが良いキャラやな。「それは時と場合による」w

2話目 ☆3
ぬくい、めんこい、もふもふ~w 鬼の二人、良い人だな。時間制限ね、CMでバレてたのがマイナスだな。

3話目 ☆3
今までもジブリだったけど、地下は今までよりジブリだな(苦笑)

4話目 ☆4
美しく、良い話だな。完璧な親なんていない。そこで、ゴメンねが言えることは、大切だな。お金は働けば手にはいるが、ソマリの代わりはいない。メチャ良い話。

5話目 ☆3
人間との出会い。ハイトラ、ウゾイ。1年後の姿かな。

6話目 ☆5
それで良い。殺そうと決意して、殺せるわけじゃないよな、普通。悲しいけど、なくはない世界か。カニバリズム、と少し違うけど、確実に罪を背負う。この話は難しい。どこまでも理知的なゴーレムの味が出ているな。

7話目 ☆4
特になにかかあったわけじゃないが、なんか、染みる話。静かに、染みる話。

8話目 ☆3
魔女は、魔力をもった人間ってわけじゃないんだね。人間がマイノリティな世界。人間が弱いから、排除して、安寧を得る。これは人間が悪いように描かれているけど、人間も虐げられる立場だったわけだし。難しい話だけど、多分、色々なことを互いに忘れた世代でしか、分かり合えないよな。

9話目 ☆3
幸せな時間。歯が抜けるとか抜けないとか、そんな小さなことで、平和だな(笑)

10話目 ☆


11話目 ☆3
人間の、におい。においで分かるなら、もっと早くバレそうだけどね。

12話目 ☆3
ゴーレム、強い(笑) う~ん、結局、なに一つ回収しきれてないじゃんね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ファンタジーだからこそ心理描写が大事

原作未読


つくづくジブリは偉大だと思う。


『ラピュタ』のロボット兵が『トトロ』のメイちゃんを連れ『千と千尋の神隠し』並に素性を知られてはいけない世界を闊歩する話。


これでこの作品どんなん?の回答となり得るからである。共通認識ができてるんですよね。

完全なファンタジー世界です。先述のロボット兵みたいなのが“ゴーレム”森の番人。メイちゃんみたいなのが“ソマリ”ゴーレムに拾われた人間。
長寿命であるゴーレムは寿命が尽きる日が近いことを自覚し、ソマリのために同種族の人間のもとへ彼女を返すあてのない旅に出ます。種族はいろいろ。人間は捕食対象で絶滅種扱いという世界です。

例によって世界観構築が勝負のファンタジー世界ということでは、概ね成功しているように見えます。
原作連載中の事情もあってか中途半端な終幕ではありましたが、一区切りつけてはいるのでそこは賛否両論というところですね。


ソマリのフード姿。目的のあるあてのない旅。このへんは↓

 {netabare}『銀河鉄道999』のメーテルと星野鉄郎の関係を彷彿させる。{/netabare}

感情のない大人と身寄りのない娘の交流。このへんは↓

 {netabare}『LEON』のレオンとマチルダの関係とも言えなくもない。{/netabare}

いずれも名作の予感を感じさせる立ち上がりではありました。


 {netabare}二人はどうなるのか?{/netabare}


本作のテーマです。
そしてこのテーマにこだわるか否かで作品評価が変わるといえるでしょう。
私はテーマ(と感じたもの)にこだわるとした上で「きちんとした結末から逃げたな」とネガティブな評価をしてます。なぜ逃げたのかな?と考えると原作(未読)のまずさに落ち着きました。このへんは後述。
意見は別れるところで、ファンタジーの世界観、全12話で一区切りと評価すべきポイントもある作品です。1クールだし観て損はない作品だと申し添えておきます。
そして声優“柴田理恵”。これはこれからどしどし仕事来るんじゃないかなというくらいの水準でした。貴重なのでこれ見たさという視点でもお釣りくるかもしれませんよ。


以降に展開するのは、本作品を面白いと感じた方には面白くない内容かもしれませんのでご容赦を。

※ネタバレ所感


■ソマリちゃんごめんよ

水瀬さん良かった!の声が並ぶはずですが、そここそ声が甲高くて苦手でした。周波数高めです。

{netabare}声だけでもないです。お使いにもいけるので5歳以上小学生低学年程度の設定でしょう。教育受けてないからの言い訳も立つし物分り良い必要はないです。だが我慢ならぬ鬱陶しさ。当初は天真爛漫キャラなんだろうなぁくらいで流してましたけど、作品自体の人間種の描き方が雑で、単に人間を描けないのね、という方向に考えが向いていきました。{/netabare}


■種族としての人間(重要)

ゴーレムとソマリの関係が作品のテーマとしたら、人間とその他種族との関係や未来は作品テーマを貫いてる重要な部分です。
この人間の描かれ方に首を捻りまくった私です。さっき後述するとした原作の不味さに繋がる部分。

{netabare}排他的になる理由が薄くないですか?むしろ「理由は無い」といってもいいんじゃないですか?
自分と違うからといって排斥する。そんな人間種の描写が繰り返されました。

・ケモノに襲われた人間の子供を助け、負傷してるその子を抱きかかえ親元を訪ねたら銃殺さる
 →さすがにそれはヒドイんでないかい?
・それまで仲良くやってたのに人間の幼女助けるために空を飛んで身バレしたらアウト!
 →え?目の前で助けてるの見てるのに言い分も聞かないんですか?
 →幼女とだけは理解し合えてた!っていい話にならんよ

“排他的な人間”を描きたいがための結論ありきで深掘りできず無理筋な描写になってます。こっち(異形)は何にも思ってないのにむこうがヒドイからは充分伝わってくるけど。人間があんなん(DQN)なのでこの点は説得力ありましたがなんだかなぁ。{/netabare}

これは嫌な感覚でした。

{netabare}人間だけが排他的でだから滅亡したというのを言いたいのでしょう。
なお、人間以外の異形の種族間での軋轢は一切描かれてません。

異なる種族は始めから仲良しなのです。以前は軋轢があったけど克服したよ的発想が作者になさそう。
人間だけひどい奴らです。そのひどい理由が全く描けてません。差別する奴はただ差別したいから差別するんだ!って浅っ!!そして薄い。杉村太蔵の政治評論ばりに薄口でございました。{/netabare}

この人間とその他種族との関係が納得感のあるものであれば幾分ましだったことでしょう。
巡り巡って異種族間のつなぎ役にもなってたソマリの存在意義が生じてくるからです。
ここも原作者はせいぜい「話せばわかる」くらいの発想なんだろうなぁと気持ちがひいてきました。
さらに巡り巡って連載終わってないのを考慮するとしてもアニメの結末はしょうがないだろうと諦観。きっと{netabare}「シビアなの描けないな」「描いてもつまんなかっただろうな」{/netabare}期待できなかったので、このお茶濁しエンドが限界だったと思えるのです。



あらためまして、、、ジブリは偉大です。
一方で巨匠の限界は主に後期の作品で露呈してました。
戦闘機設計者の意思や奮闘を描きつつ、その熱意の結晶の活躍の場は徹底的にぼかす。そんな作品が彼の最後(一応ね)の作品となってます。

奇しくもそれと同じ感覚が湧いてきた『ソマリと森の神様』。全般的に悪くない雰囲気で流れてくのに「そこ描かなかったら意味ないじゃん」という残念さ。そんなとこまでジブらなくていいのになぁ。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.06 初稿
2020.05.02 タイトル修正/修正
2020.10.11 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 58

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

森の中で、私は"人間(ソレ)"と出会った…

この作品の原作は未読ですが、いのりんとはやみんが出演するのを知り視聴を決めた作品です。
しかも、いのりんが主役…放送の始まる前から嬉しさMAXでした。


地上は異形たちが支配する世界。
人間は迫害され、絶滅の危機に瀕していた。

そんなある日、
森の番人である「ゴーレム」と
ひとりの人間の少女が出会う。

滅びゆく種族「人間」と森の番人ゴーレムの
父娘の絆を綴った旅の記録。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

いのりん演じる主人公のソマリは、凡そ5~6歳くらいの好奇心旺盛で天真爛漫な女の子です。
ソマリは森の番人である小野大輔さん演じるゴーレムと一緒に旅をしていました。
森の番人であるゴーレムが森を離れて街から街へと渡り歩くのは、どうしても果たしたい目的があるから…

個人的な推測ですが、ゴーレムは森を離れて生きていける存在では無い様な気がしています。
勿論、森から一歩でも外にでたら即死することは無いんでしょうけれど、番人であるが故に森から恩恵や加護を受けていたでしょうし…
きっと、森の中から出なければ生活に支障をきたすでしょうから、必要最低限の範囲で森から出ることはあったと思いますが、ずっと離れることは恐らくないんだと思います。
ゴーレムにとっても森の中の方がきっと居心地が良いでしょうから…

それなのに、ゴーレムはソマリと旅することを選択しました。
もしかするとゴーレムとしての禁忌を犯しているのかもしれません。
物語の中でゴーレムは色々悩んでいましたが、旅をすると決めた時点で物凄い選択をしたんだと思います。
覚悟が無いと取り得る選択肢じゃきっとないのだから…

それだけゴーレムの中でソマリの存在が大きかったことの裏返しだと思います。
2人の親子関係…最初は形だけだったのかもしれません。
そりゃそうです。実際の親子じゃないんですから…
今で言う「里親制度」の様なモノでしょうか。

それがどうです…?
2人の中でそれぞれの存在がどんどん大きくなっていくのが手に取るように分かるのですから…

小さな女の子とゴーレムが旅を続ける物語…
この物語に魅せられた最大の理由は、いのりんと小野さんの演技にほかなりません。

いのりんに子役を演じさせるのは正直反則なのではないでしょうか…
特にソマリの様な天真爛漫な子はヤバいと今回ハッキリと分かりました。
ソマリの感情の起伏に一喜一憂するだけじゃ済まされませんので…
ラストの池の畔でのシーンは、完全に涙で前が見えなくなりましたよ。
それだけじゃありません。
「流石いのりん^^」と思える場面が沢山ありましたからね。

それはゴーレムを演じる小野さんの演技も然りです。
「みなみけ」で「カレーのうた」を披露した方と同一人物とはとても思えません^^

2人の旅は決して順風満帆ではありません。
それにゴーレムは自身に大きな爆弾を抱えていましたから…
ゴーレムを見ていると、「親として自身との向き合い方を見つめる必要性」というメッセージを感じずにはいられませんでした。
現実でも同じことが言えると思います。
例えばもし自分が重篤な病に罹患してしまったら…家族とどう向き合えばよいのだろう。
家族にどう向き合って欲しいと思うのだろう…

今、新型コロナウイルスに大勢の方が罹患され、多くの方が亡くなっています。
現状で日本は緊急事態宣言を出す状況では無いと首相は言っていますが、右肩上がりで感染者が増加しており、増加のカーブは国外と見比べても遜色が無いことから、いつ何が起こってもおかしくない状況なんだと思います。
家族への向き合い方…考えてみる良い機会なのかもしれません。

オープニングテーマは、森山直太朗さんの「ありがとうはこっちの言葉」
エンディングテーマは、いのりんの「ココロソマリ」
個人的には、いのりんがしっとりと歌いあげているエンディングが大好物でした。

1クール全12話の物語でした。
原作の連載が続いている事からも、無難な纏め方だったのではないでしょうか。
妙なアニオリ回を入れると、世界観や物語を壊してしまいそうな気がするので…
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

62.7 2 魔女狩りで親子なアニメランキング2位
牙狼〈GARO〉-炎の刻印-(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (171)
867人が棚に入れました
国王の側近が、大規模な「魔女狩り」を行った。
しかし、被害に遭ったのは「守りし者」であるはずの魔戒騎士や、魔戒法師たちだった。</p>

<p class="text-hide">ひとりの魔戒法師が、火刑に処されながら、赤ん坊を産み落とす。
それは、黄金騎士の血を引く者。
赤ん坊は、魔戒騎士の父によって命を救われたが、
母の胸に抱かれることは、一度もなかった・・・。

時が流れた。赤ん坊=レオン・ルイスは、少年へと成長していた。
果たして彼は、黄金の鎧を受け継ぐことができるのか。
・・・今や国の実権は、かつての国王の側近が握っていた。
国王の父は病の床に臥せ、母と共に国を追われた王子アルフォンソ。
彼は国を取り戻し、民を救うため、伝説の光の騎士を捜し続ける。
しかし、その王子もまた、数奇な運命の星の下に生まれた存在だった。
レオンとアルフォンソ-ふたりの少年をめぐり、物語が動き出す。

声優・キャラクター
浪川大輔、堀内賢雄、野村勝人、朴璐美、影山ヒロノブ、矢島晶子、井上喜久子
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

面白かったし出来は良いけど、エロが下品なこととゲストキャラの扱いが苦手で再視聴は躊躇われる…

2014年放送のTVアニメ。全24話。
雨宮慶太氏の特撮作品牙狼シリーズより派生したアニメの1作目です。

特撮は『牙狼〈GARO〉』(テレビシリーズ第1作目)、『牙狼〈GARO〉 〜RED REQUIEM〜』(初の劇場版)、『牙狼〈GARO〉 〜MAKAISENKI〜』(テレビシリーズ第2作目)を視聴済み。
アニメは4作目『牙狼-GARO- -VANISHING LINE- 』視聴済み。


【物語】
王道でそつのない展開で、全ての要素が繋がりラストまで綺麗に纏まっています。
それでいて一貫した個性もあり、王道好きさんにはオススメしても良いかな。下記の問題点が大丈夫な人ならですが。

【声優】
メインキャラは盤石な声優さんが多かったです。この人ならハマるでしょう、という安定の配役。
ですがその中で、アニメではあまりお見掛けしない声優さん方に凄く良い演技を聞かせていただきました。
アルフォンソ役の野村勝人さん、ララ役の逢葉まどかさん、オクタビア役の土井真理さんはもっと色んな作品で活躍して欲しいなあ。どなたも上手でキャラクターに合っていて、とっても良かった!

【作画】
キャラクターデザイン、私は良かったと思います。パッと見て色とシルエットですぐ誰だかわかるってアニメではとても大切。
グロテスクなシーンや個性的なCGテクスチャも使用していますから、独特の絵柄もこれが良かったんじゃないかと。
アクションも多い作品ですから、シンプルになりすぎない程度に線を減らしているのもポイント高いです。
演出も良かった。作画は不安定な時もありましたが、演出は毎回外しませんでした。

【音楽】
OP,ED,BGMどれも個性的なラインナップでした。私は後期OPと後期EDが好き。
最も特徴的なのは効果音かも。特撮で使われていたSEに近い印象で、鎧を装着した状態の台詞に独特のエコーが掛かっていたりして結構耳に残る。特撮版を見た人は慣れていると思いますが、苦手な人もいるかもしれません。

【キャラクター】
{netabare}レオンとアルフォンソ。この二人に尽きる。
二人は正反対に見えてどこか朴訥さと生真面目さがあって、「守りし者」として力と精神を成長させていくのが良かったです。二人とも苦労しながら戦っていて、見ていて応援したくなりました。最終的に無二の親友といった関係になるのも良いですね。

メンドーサ、邪悪で格好良かったけど最終話でああいった方向に振り切ったのが何だか作風と合わない感じで、少し面くらってしまいました(苦笑)。 {/netabare}


【良かった点】
・原作からのテーマ性の引継ぎとオリジナリティのバランス
{netabare}原作から踏襲するべき「守りし者」と「力と想いの継承」はしっかり入れ込みましたね。小林靖子さん流石のシリーズ構成。
今作の独自性は男女関係の良い面・悪い面を両方しっかりと描いていることにあります。
特に男女の関係は母子、夫婦、戦友、想い人と色々ですが、時に愛情と思いやりを生み、時に憎悪と執着を生む。感情の正と負を描き、原作のテーマにきちんとリンクさせていたのはとても良かったです。 {/netabare}

【残念だった点】
エロと女性ゲストの扱いの問題点。(今作もグロはそこそこありますが私は大丈夫な範囲でした。)
この2点の耐性の無い方は見ない方が吉。

{netabare}・序盤のベッドシーンが下品すぎる
第1話見た時点で、品が無さ過ぎて先に進めなくなりました。3ヶ月くらい撮り貯めてモヤモヤしてた(苦笑)。意図があるのはわかっていても、やっぱり不快なのには変わりないので。…TVアニメもR指定わかるようにしてくれたら良いのに…
最終的に男女の営みの「俗」な面と「尊さ」は対比的に描かれていくわけですが、まあ苦手な人は見ない方が良いですよね。本筋は良いのでいっそ第1話飛ばしてしまっても良いですよ(笑)。

・ゲストキャラ(特に女性)の扱いが悲惨すぎる
ララはまだレオンの挫折と再起のためにどうしても必要な悲劇ですから、舞台装置感はありますが、他にどうしようもないかなと思います。脚本上大切にされているのは感じましたし。女の子だけでなくワンコもな!!
でもラウラはちょっと可哀想過ぎた。とても良い子なのに…。こちらもオクタビアのキャラクター描写のために不可欠なんですけど、だからこそ舞台装置感が強いんだよなあ…。

小林靖子さんのシリーズ構成のオリジナル作品ではいつも「面白くて良く出来ているけど、こういう描写が私には合わないなあ…」感があるので、わかって視聴してはいますが。 {/netabare}

良い作品なのですが、個人的にどうにも苦手な所があるという結論になりました。
とはいえ今作が一定の人気を得なかったら続くアニメ版牙狼は制作されていなかったでしょうから、全体の出来も良いですし観る価値は十分にあるかと思います。
大丈夫な人は視聴しても良いかもしれません。
(2021.6.19)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

しんばくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

使命・怨恨・正義・悲運・忠誠・野望・業火 -剣と魔導の世界-

ジャンル        :ファンタジー、ヒーロー、アクション
話数          :全24話
原作          :雨宮慶太(特撮)
アニメーション製作 :MAPPA
監督          :林祐一郎
脚本          :小林靖子、吉村清子、村井さだゆき、瀬古浩司、村越繁、久保亨
キャラデザイン    :菅野利之
音楽          :MONACA
OP           :「炎の刻印-DIVINE FLAME-」作詞 - 奥井雅美 / 作曲 - きただにひろし
              / 編曲 - 須藤賢一 / 歌 - JAM Project
             :「B.B.」作詞 - 影山ヒロノブ / 作曲 - 福山芳樹、影山ヒロノブ
              / 編曲 - 三宅博文、須藤賢一/ 歌 - JAM Project 
ED           :「CHIASTOLITE」作詞・歌 - 佐咲紗花 / 作曲 - 橘尭葉 / 編曲 - 橘尭葉、妖精帝國
             :「FOCUS」作詞・歌 - 森久保祥太郎 / 作曲・編曲 - R・O・N

参照元        :Wikipedia「牙狼-GARO- -炎の刻印-」参照

【あらすじ】
 国王の側近が、大規模な「魔女狩り」を行った。しかし、被害に遭ったのは「守りし者」であるはずの魔戒騎士や、魔戒法師たちだった。ひとりの魔戒法師が、火刑に処されながら、赤ん坊を産み落とす。それは、黄金騎士の血を引く者。赤ん坊は、魔戒騎士の父によって命を救われたが、母の胸に抱かれることは、一度もなかった……。 牙狼 炎の刻印 公式ページ「INTRODUCTION」より冒頭

【特徴】
①ファンタジー
②バトルアクション
③モンスター
④悪

【長所】
①心揺さぶられる展開
②派手な3DCGアクション
③キャラの扱いが丁寧
④スッキリ終える物語

【短所】
①予定調和な展開
②滑り出しの悪い序盤、中々前進しない展開
③影があまり描かれていない作画

【総括】
 凄惨な物語背景が設定されている西洋ファンタジー作品です。物語は魔戒騎士の運命を背負った牙狼が、謀略巡らす魔戒法師の野望を阻止しようとする大筋の流れを描き、最終的に牙狼達はどのような局面を迎えるのかという内容。雰囲気は日中に放送しても問題のない展開とストーリーで恐らく王道と呼ばれる類の作品です。「コテコテのファンタジーが観たい!」という方にはお勧めです。



【蛇足】

●3DCG
変身すると牙狼となり
光沢のある鎧を纏います。
顔は狼。
そして本作最大の特徴である
アクションシーンに使われます。
動画は滑らかで素早く動き
動作は非常に派手です。

間違いなく長所。

更に蛇足ですが
アクションは『ブラスレイター』と似ていました。
こちらも3DCGが使われており
かなり派手でした。
3DCGの質は牙狼の方が向上しているように見えました。
因みに
ブラスレイターはSFアクション作品。
気になった方はどうぞ参考までに。


●歌
第1クールのJAM Projectが歌う主題歌
「炎の刻印-DIVINE FLAME-」
タイトルコールから始まる曲です。

とてもカッコイイです。



【思った事】
タイトルに挙げた単語が似合う
王道ファンタジー作品でした。
隠れた良作と言えるかも。


長所にも挙げましたが
キャラの扱いは非常に良くて
敵味方双方の掘り下げも十分。
更には成長過程も描かれます。


因みにどんなキャラが登場するかと言うと
・怨恨をいだいて復讐を心に誓うキャラ
・果たすべき使命を全うしようとするキャラ
・自身を捧げようと忠誠を心に誓うキャラ
等々
ごく一部ですがこんな感じのキャラが登場します。
兎に角本作はキャラの扱いが丁寧でキャラ立ちが良かったと
そう感じました。
私はキャラが本作の一番の長所だと思います。


物語については悪を打倒するまでの道程が描かれ
その道のりには
熱い場面もあれば
悲しい場面もあります。
この様に起伏のある展開はキャラの描き方を含め
感動に繋がるポイントとしてしっかり盛り込まれていると思います。


けれど
私は物語自体にあまり面白味を感じませんでした。
というのも、物語の筋道に捻りが無く
予想しやすかった事が大きいと考えます。


この状態ではいずれ・・・ とか
そろそろだな・・・ とか
この人物がこのままなはずがない・・・ とか
その後想定通りの流れとなり
今一つ驚けない。


けれども全く楽しめなかった訳ではなく
困難が待ち構えていて否応なしに立ち向かわなければならないと予想はしてたものの
あまりにも残酷過ぎる結果となった場面は想定の範囲を超えたので
そこに限り非常に楽しめました。
それに
深夜放送らしい部分は唯一ここだけだったかも。




最期に
総括でも書きましたが
どんな作品と聞かれれば
コテコテのファンタジーと答えます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

飾らずにありのままに生きる

{netabare}子作りが肝心☆{/netabare}
ま、まさか、親父がために制作会社選んだのか!!!!?

おもしろかった。
牙狼たちの戦いがカッコイイだけで見てきたのに、
まさかこんなにも心揺さぶるものだったとは。

バハ様と共に、ファンタジー美女を満喫できた、最高の素晴らしい作品だ!!!!!
・・・そういう作品だと思っていた。

炎が{netabare}
痛みや悲しみ恨み、ではなく、守ろうと想う強いとても強い願い{/netabare}だったとは。



先に普通の感想を述べよう。
1クール目から作画は良かった、というか牙狼のCGだけが桁違いに美しかった。
CGとそうでない敵キャラとの戦い。
最初は違和感があったが、2クール目から絶妙に感じたのは、
慣れだけではなく、映像の組み合わせ方に磨きがかけられたのだろう。
{netabare}途中までは、レオン×アルフォンソの戦いが1番と思えるほど壮観だった。{/netabare}

音楽は1期OPとBGMはものすごくいい♪ やたらと激しいEDもGOOD☆
2期はOP,EDともに微妙だったが、
SEにBGMは磨きがかかる一方だった。



この作品は、
1クールをまるまるキャラ紹介と導入に使ったひどい作品だ。
レオンが主人公だろうこともあるだろう、と思うようなイントロ。

父のヘルマンと共に変わらない息子、レオン。
そこに吹き込む爽やかな風、王子アルフォンソ。
相容れないながら離れはしないエマ。

まさか、こんなに感情を揺さぶる物語だったとは。

変わり始めたのは、終わりを迎えただろう、レオンがただの人となってからだ。
何も残っていない、もともと何も持たない、
ただ、ただ憎しみだけが突き動かしていた、繋がりを殻にした空洞。

最初から何もなかったのに、何も気付けなかったのに、
傷ついて、ないものを失って、何にもなくなってから始まった。


その始まりは悲しみの終わりではなかった。





さて、カッコつけたものだが、そんなこと一番星の前では霞む。

一番はヘルマンだ、ゾロだ、銀色の戦士、{netabare}全裸だ!!!!!
リーサルウェポンを心から流れる熱い魂を脈々と宿す第三の脚だ!!!!!!!!!!{/netabare}

それを、それだけは絶対言いたかったのだ。

その武器は柔軟で隠されたものだが、ひとたび牙とか剥くと、
金色の宝玉を携えた伝説の剣と化す。

強固でそびえ立つ槍にも似た魂の塊に貫けぬものなどない。

人を苦しめる魔と、冷静さを脅かす魅力を、
激しい戦いの後にあるべき穏やかな夜へと帰す。



人は苦しみ、学び、後悔する生き物だ。
否、そうできる人間が前へと進む。

取り返しのできない過ちもあるだろう。
それでも、一人の狼として孤独ながら暖かな触れ合いに身を焦がし、
見も心も凍えさせないように生きるしかない。

キレイごとはいい。
それでも生きるんだ。







{netabare}・・・レオンのやるべきことって何だろ?? 分からんかったwww{/netabare}



★1話感想→{netabare}

『そうじゃろそうじゃろ、タイトルから漂ってくる ~1話感想~』
2014.10.12 16:32 ★★★☆☆ 3.9
物語 : 3.5  作画 : 4.5  声優 : 4.0  音楽 : 4.0  キャラ : 3.5



B級、中二、つまらなそうな感じ、臭うぜプンプンするぜ~

正直手を出すか悩む作品だったが、
なんか作画のイイ王道と聞いて観てみました。

魔女狩りをネタにした変身ヒーローもの。
世界はダーク、バトルはロボがいない戦隊ものな感じ。

正直、好物ですwwwww

OP曲から溢れる懐かしいロボや戦隊ものの熱さ。
あ~いい香り。
曲と映像が合ってない、いや作品には合ってるかwww

熱い熱いぜ!文字通り{netabare}おまえの息子が{/netabare}燃えているぜ!!

あの隠し方を考えたヤツと昼間っからバカ騒ぎしたいwwwww{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
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