19世紀でアメリカなTVアニメ動画ランキング 3

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月19日の時点で一番の19世紀でアメリカなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.4 1 19世紀でアメリカなアニメランキング1位
天晴爛漫!(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (263)
863人が棚に入れました
19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代・・・天才だが社交性0のエンジニア『空乃天晴』と、凄腕だが臆病な侍『一色小雨』はある事故で日本からアメリカに漂流してしまう。無一文の二人が日本へ帰るために選んだ方法は、「アメリカ大陸横断レース」に参加すること。スタートは西海岸ロサンゼルス、ゴールはニューヨーク。自作の蒸気自動車で荒野を駆け抜け、クレイジーなライバルと競い合い、アウトローや大自然から身を守り・・・果たして二人は過酷なレースに優勝し、賞金を手に入れ故郷へ帰ることができるのか!?

声優・キャラクター
花江夏樹、山下誠一郎、悠木碧、雨宮天、斉藤壮馬、折笠富美子、櫻井孝宏、杉田智和、興津和幸
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

迷わずいけよ いけばアンダスタン

P.A.WORKS制作によるオリジナルアニメ

全13話完走してなお、時代設定いつ頃だろうと悶々としてました。

新政府とか言ってるから明治にはなってるよね
新右衛門さん帯刀してるし廃刀令前の明治期1870年頃か?
モブの発明王がフィラメント閃いてるっぽいし1880年頃か?
あれ!?それ{netabare}(飛行機){/netabare}って20世紀だったような…

すいませんあらすじに書いてました。以下の通りだそうです。しっかり読もう前情報!

 19世紀が終わりを告げ、20世紀の幕が上がろうとしている時代…


変わり者の科学小僧・空乃天晴(CV花江夏樹)が主人公。人情の機微を知らない偏屈科学者タイプです。となると横で振り回されるキャラが欲しくなるわけで、剣術道場の真面目そうな倅・一色小雨(CV山下誠一郎)がお目付け役となります。小雨は『一休さん』の新右衛門さんに見た目も雰囲気も似たお方。天才を引き立てる凡人代表です。
巻き込まれた一騒動から逃れるどさくさで船に揺られてロサンゼルスへ到着。アメリカ横断ウルトラク…大陸横断の自動車レースに挑むってお話です。

天晴(あっぱれ)が小っちゃい頃に蒸気船を見て目覚めちゃったというのが根っこなので、エンジニア奮闘記みたいなのをレースを題材にしてやるんだろうなぁと期待。偏屈な天晴と凡人小雨のキャラ配置は盤石そうです。
そうして楽しめたのが中盤まで。味変が生じて好みが別れそうな終盤が待ち受けてるのでお楽しみを。


味変1:キャラ変
{netabare}天晴には最後まで自己中な偏屈小僧でいって欲しかった。豆腐メンタル化して萎えた。{/netabare}

味変2:??
{netabare}レースそっちのけになっちゃった。こちらはまあOK。{/netabare}


あまり気をてらわない王道らしい作品かと思います。
早々にキャラを勢揃いさせて固定メンバーを深掘りしていくスタイル。起承転結の転があってきちんと与えられた尺で完結する。画も崩れちゃったら何言われるかわからないブランド制作会社です。バトルアクションも背景も砂ぼこり舞うレースシーンもいい感じですよ。
このルート66っぽい導線や先々の経由地で物語が動くことから『イージーライダー』的なものを想像しました。かなりおちゃらけてますがね。

ただし、エンジニア奮闘記を期待してた私はちょっと肩透かしを食らって影を落とした感じです。わりとご都合だったのであまり気にせず臨まれることをオススメします。
総じて…良さげなパーツを揃えているんだけど作り始めるとしっくりこなくて、それでもなんとか完成品の体裁を整えた感じ。でこぼこならそれで尖らせればよかったのに、となんとも惜しい作品です。



※ネタバレ所感

■新しい時代の幕開け

{netabare}自動車レースの妨害については、自動車の台頭を快く思わない鉄道王っぽいおっさんの依頼をもとにギル(CVツダケン)は動いていたわけでした。新しい時代の胎動そして抵抗。
それであっさりおっさんを殺しちゃってるわけで、そうするとレース妨害する理由がなくなるわけで、それでもレースの邪魔を続けるわけで、そこで持ってきたのが

 力が支配する世界をきぼんぬ!

だそうです。時代設定がそうだからって世紀末救世主伝説に寄せなくても良かったのにと思いますけど、あまり理由は重要視してなかった模様。まあむき出しの暴力が支配する西部劇世界の終焉という見方もできますが、それにとって代わるのが科学技術というのもピンときません。
時代に取り残された徒花って設定も嫌いではありませんがそういうわけでもなさそう。動機づけが弱かったです。{/netabare}

{netabare}レースを楽しむでもエンジニア奮闘記でもなく、“レース仲間VS悪いやつ”にシフトしていくのは構わないのでラスボスは憎たらしい悪役らしい悪役にさせて欲しかったですね。
ホトト、シャーレン、アル、偽ギル兄弟、ディラン、そして杉田…じゃなかったTJと各々いい感じで掘り下げられていました。そこに天晴と小雨も加えたレース仲間たちの魅力と釣りあいを持たせることは至難だったかもしれませんが、ここさえよければレースそっちのけでも評価上げてたと思います。{/netabare}


■なんか気になった些細なこと

1.{netabare}レース実況役の平田真菜さん。『ケンガンアシュラ』でもリング実況でした。{/netabare}

2.{netabare}シャーレン(CV雨宮天)がストⅡの春麗っぽい。一瞬スピニングバードキックのカットいただきました。{/netabare}

3.{netabare}本作MVPはシャーレン雇い主のおっさん。かっこよさが群を抜いてました。{/netabare}

4.{netabare}いやアルのお付きソフィア(CV折笠富美子)かも。テキーラをショットでいける女性には惚れる。{/netabare}


■いいよね!近現代

100年前くらいの設定。場所はアメリカ。街並み背景が楽しいです。このちょっと昔ってのがやっかいで、大昔なら山村の田舎を想像しながら文明の利器を排除すりゃOKで済むのがそうはいきません。
同じP.A WORKSの『天狼』では昭和初期でした。こちらも背景画が楽しかった作品。しっかりノウハウ溜めてると思うので、この“ちょっと昔の世界”で大作つくらないかしら?とひそかに期待してます。
いい脚本家呼んでくださいね。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.09.26 初稿
2020.11.02 タイトル修正
2021.06.16 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 42

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

明治末のキャノンボール

最後まで観た感想

明治末にアメリカで行われたキャノンボールでした。
まぁ 面白かったです。
最初はキャラ紹介もあってなかなかレースが始まらず、ヤキモキもしたんだけどね。^^;
いざ始まってみると、いろんなアクシデントがあってもライバルたちとの友情?などがあって、強力したりする場面があり、それはそれで素晴らしくて美しいかもだけど、なんだか なあなあな関係というか・・・
もうちょっと自分以外は敵というか、シビアにレースに挑んで欲しかったような気もしました。
レース終盤は、ギル・T・シガーの妨害により、レースそっちのけで「サウザンドスリー」退治に話が変わってしまい、なんだかなぁーで、これじゃない感が(苦笑)
これ
ドラマだったけ?って思ったよ。
でもまぁ、最後はちゃんとレース再開して決着もついたので、まぁ そこそこ満足できたかな?
でもやっぱり僕としては、もっとレースメインで抜きつ抜かれつのハラハラドキドキをメインに見てみたかったです。


どうでもいいつぶやき
天晴って車の免許 持ってたの?



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最初のレビュー


P.A.WORKSのオリジナルですかね?

時代設定は明治末らしいけど、これ 子供の頃観た映画「キャノンボール」まんまの内容です。
一応3部作まであるけど、1と2にはジャッキー・チェンも出演してます。
(1ではスバル レオーネ。2では三菱 スタリオンに乗ってました)
なついです。(誰か観てる人いるかなぁ?)

アメリカ大陸横断レースなので、必ずしも早い車が勝つ訳じゃなく、耐久力や運も必要なので面白いんですよね。
本作のキャラでは、無頓着で発明化みたいな天晴と、刀を携帯する士族の下級役人 小雨との凸凹コンビで、なんだかんだで良いコンビだと思います。
他のキャラは今後出てくるだろうけど、キャラは大事なので面白い奴 期待したいです。

しかし
コロナの影響で3話まででストップ。
残念ですわ。
どのくらいの期間延期するか分かりませんが、いきなり4話から始まっても細かなとこ忘れてる自信があるので、また1話から放送始めてくれると嬉しいんですが。。。

幾つかの作品が延期になってますけど、早くいつも通りに戻って欲しいですね。
てか、これを期に アニメは完全出来上がってから放送決定した方がいいんじゃないかと思いました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 32
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

冒険しない冒険

5話までの感想{netabare}
悪くはない、悪くはないのだけど「なかなかレース始まらないなぁ」、「全何話か知らないけど早くレース始めないと放送終わっちゃうぜ」って感じで4話までヤキモキしたのが本音かな?
とはいえレースでいちいち回想シーン入れられても困るのでここら辺の匙加減はなんともいえない、とりあえず5話でレース始まってよかったよかった。
ところでキャノンボールやチキチキを髣髴とさせるという指摘が多いが、個人的には小雨が“一休さん”の新衛門さんに感じて仕方ないw、どれも狙ってのことだろうけど。
ついでにチキチキは殆ど記憶に無いのだが、「より原始的な構造の方が壊れにくい・(マシントラブルなど起きたら)最後は乗り手の体力勝負」ってことを当時思ってか思ってなくてか岩石オープンが一番好きだった…と思う。
こっちはエンジニアに焦点を当てた作風のためあんな原始人を登場させるワケには行かなかったのは分かるが、世代ならケンケンのモノマネは誰でもやったハズで、こっちにはそれが居ないのは…どういうこっちゃー!!{/netabare}

7話までの感想{netabare}
マーチャン…ゲフンゲフン、小動物キター!
これで特徴的な笑い方をしてくれたらそれだけで色んなものが許せてしまう気分だけど、さすがにそこまであからさまじゃない?
でもってメインの話は──

天晴、お前人の心があったのか!

この先レースを通じてそこら辺を獲得してく展開になるのかね?
小雨もなにかトラウマを抱えてるらしくそっちの掘り下げも期待したいところだけど、敵討ちはとっくに済ませててその時の感触が恐かったりして?
いやだってアメリカで敵に遭遇って無さそうだし。
そのうち小雨「お前は人を殺したことがあるかい?」とか言い出さないかなー、どうかなー。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
あ、知ってる、これ小雨が天晴号のAIになる展開だ。
と冗談は程ほどに、そんなことは無いだろうけどもしそうなったら非難轟々になろうが私は絶賛するぞw

と、最新話の感想を先に書いてしまったけど、いやはやどうなんだろうね?
8話小雨がアッサリと刀を抜いて悪者やっつけて「え、それで終わり?」と肩透かしを食らったかと思えば、9話温泉回ではそれぞれキャラが立ってて面白かった。
天晴が考え事をしなから町を歩いて周囲がしっちゃかめっちゃかってのは昔ながらのキッズアニメ調で懐かしさすら覚えた。
次回以降への「引き」も、ルート変更でよりにもよって妨害を仕掛けてる鉄道会社のお膝元でレースを続行することになり、さーてどれだけ妨害をかわしながらレースをするんだろう?と期待を持たせといて…。
10話これかい!
レースしねぇなぁ…。
まぁ私はこの作品の方向性をよく理解してない(=期待してない)のでレースしなくても別にいいやと思うようになってるけど、車まで破壊して、いよいよもってレースする気はないと断言された気分。
つか人間が超人すぎひん?これなら人が車背負って走った方が早いんじゃないか?{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
なんだろうね、奇抜なレーシングカーが続々登場する作品かと思ったら人間の方がトンデモだらけ。
で、そんなトンデモ人間出すのなら奥歯に加速装置仕込むなり生身で列車止めるなりすりゃいいのにそれは無しで煮え切らない、中途半端。
ギルを倒すのは天晴のビックリドッキリメカにするとか、最終回の最終コーナーも小雨が夏実ブレーキ(“俺たちは天使だ”“逮捕しちゃうぞ”ネタ)するなり3人で生身の足で壁走りすれば、それまでの「ん?」って部分も帳消しに出来ただろうに…。
何を見せたかったん?がブレブレというか、企画当初は面白いアイデアだったものが、会議を繰り返すうちに無難なモノになってしまったような、そんな感じ。
あーあれだ、「手に持った爆弾が爆発する」で例えると、バラバラに砕け散って肉片飛び散らせるのと黒焦げアフロでケホっと煙を吐くの、2パターンが同じ世界に混在してる感じ。

最終回まで見てから思い返してみて、そういったチグハグ感が顕著だったのは4話になるかな?
シャーレンが女性でもレースドライバーを務められることを証明するために本職のレーサーと勝負する回。
その中で対戦相手が意図的に接触して、シャーレンのドライブテクで大惨事になることを防ぎ、対戦相手が親方にブン殴られる展開があるのだけど…。
これで「ああ、この作品はちょっとでも接触したら大変なことになるリアル寄りな世界なのね」と誤解してしまう、実際はリアルそっちのけのトンデモ人間大集合なのに。
更に、じゃあそのシャーレンのドライブテクはのちに発揮されるシーンがあるのか?といえば、無い。
思い返せば思い返すほど4話要らない。

それと12話、荒野の7人だか7人の侍をやりたいんだか知らんし、胸ポケットにしまったコイン(コインじゃないけど)のお陰で銃弾防ぐネタって…今更?
だったら小雨がジルに撃たれた時、懐に入ってた小ホトトに当たって助かったでいいじゃん、アルマジロにでもしてさ。
更に松田優作ネタって…最近でも“バナナフィッシュ”でそれほど反応芳しくなかったと思うのだけど…。
なんか噂では監督は“チキチキマシーン~”を見てないとのことなのだが、見てないと知らないはイコールじゃないよね?
松田優作ネタ使う暇があるなら小ホトトにあの笑い方をさせろよと…昔の作品のパロやるんだったらさ。
同期放送の“デカダンス”の「アクシズ返し」はナツメにやらせることが無い・居る意味の無さを誤魔化す狙いだったと思うのだが、こっちは意図が分からない。
同じく同期放送の“ラピスリライツ”は毎回ひと言パロネタを入れるという縛りをやってたみたいなのだけど、それに比べるとこっちのパロ入れるタイミングの下手さが目立つ。
ちょっと前やった“グランベルム”の「スイカバー」は、もう作画班が一杯一杯で仕方なく…というのが実情らしく、こっちも同じ理由?と考えるにはちょっと無理がある。
どうにもこの煮え切らなさがもどかしい。
あ、シャーレンの戦闘シーンはバーチャ2か3辺りを意識した?
残念、そのネタは“ハイスコアガール”でもっと上手に料理してます。

その一方、ギルが鉄道会社を裏切った件は…これは私が富野作品の見過ぎなのかな。
「最初から裏切るつもりで、資金や物資をせしめられるだけせしめようと従ってるフリをしたんだろう」と解釈してそんなに変には思わなかった。
但しこれはあくまで個人的な勝手な解釈で、実際は作中でそんな描写は一切無いし唐突だという意見も分かる。
結局既存作品のイメージにおんぶに抱っこでやり過ごしたってことになっちゃうのかな?


先述の通り監督はチキチキ~は見てないそうで、だからといって作品から若さを感じない。
アイデアの尽きた老人が既存イメージに寄りかかって手癖で書いただけのような無難さというか退屈さというか。
で、冒頭に書いた「企画当初は面白いアイデアだったものが、会議を繰り返すうちに(老人の横槍のせいで)無難なモノになってしまったよう」という結論に行き着いた訳ですが…実際は知らんけどね。
守りに入った作りと言い換えてもいい。
もう少し思い切ったことしてもいいと思うんだけどなぁ…オリジナルじゃ難しいのかなぁ?{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19

67.4 2 19世紀でアメリカなアニメランキング2位
愛の若草物語(TVアニメ動画)

1987年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (53)
222人が棚に入れました
「世界名作劇場」第18作。19世紀中期の南北戦争時代のアメリカを舞台とした、オルコットの小説『若草物語』が原作。ペンシルバニア州に住むマーチ家には、長女メグをはじめとした仲良しの4姉妹が住んでいた。そんな中、一家のもとに北軍に従軍中の父が一年ぶりに帰宅するとの報せが入る。父が帰って大喜びの姉妹だったが、南軍の影は自分たちの町にも接近。やがて一家は叔母のいるマサチューセッツ州へ疎開することに…。

声優・キャラクター
山田栄子、潘恵子、荘真由美、佐久間レイ、中西妙子

Tnguc さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

夢見る四姉妹の日常アニメ

~
世界名作劇場のひとつで、マーチ家の四姉妹が織りなす日常アニメ。
本作では、四姉妹を中心とした賑やかな日常が描かれています。彼女達には大なり小なり夢があって、その夢を抱えて毎日を過ごしているのがポイントです。そんな彼女達の夢を主軸に物語は展開されていくのですが、基本的にワンマンプレーなので四姉妹の姉妹愛は意外にも薄かったです。しかし、四姉妹のキャラクターはどれも明確に造形されているので、とても面白く映し出されていました。心情が手に取るように伝わってくるので、何気ない会話の中でも十分に感情移入することができます。
世界名作劇場には大きく分けて二種類のジャンルがあって、一つは「小公女セーラ」や「ロミオの青い空」のような劇的な作品と、もう一つは「あらいぐまラスカル」や「名犬ラッシー」などの日常的な作品があります。「フランダースの犬」のような複合的な作品も中には存在しますが、本作は完全に日常寄りの作品です。初めこそは戦争の雰囲気が漂う展開でしたが、それを除けば極めて平凡な物語で、これが48話で構成されています。終始一貫して日常的な描写なので物語性は低く、悪く言えば平凡。物語のカタルシスも殆ど存在しませんでした。更に1話の中に小話を詰め込んだ構成なので起承転結が雑然としていて没入感もあまりありませんでした。そもそも日常アニメにドラマ性を求めるのが変な話かも知れませんが、せめて名劇である以上は道徳的なメッセージ性を持たせて欲しかったなと思います。それと、原作では第二部へと続くのですが、本作の場合は第一部で終わってしまうので打ち切りの様な最終回になってしまいました。本作の中だけでもアレンジを加えてキッパリと終わらせるべきだったなと思います。したがって、視聴後の満足感は他の名劇作品と比べて少し薄い印象となりました。
全体的に評価が低めとなってしまったのは、単純に日常モノが自分の肌に合ってないだけであって、作品自体は賑やかに描かれていたので誰でも十分に楽しめると思います。要は四姉妹のサクセスストーリーなどに期待するのが間違いであって、彼女たちの日常を覗くスタンスで視聴するのが正解だと思います。しかし、そのためだけに48話を今さら視聴するのは大変だと思うので個人的にはあまりオススメしません。マーチ家の日常は見ていて面白かったし、現に自分も飽きることなく完走することができましたが、四姉妹を通して得られたモノはあまりありませんでした。

物語:★★☆☆☆
・日常モノとしては良作だと思うけど、名劇的には凡作だと思う。南北戦争の緊張感が四姉妹の日常とミスマッチしていたが、ローリーが登場する辺りから急に面白くなります。
作画:★★★★☆
・人の仕草が記号化されてなくて自然体に描かれていました。
声優:★★★★☆
・エイミー役の佐久間レイが良い味してました。
音楽:★★☆☆☆
・新田恵利が歌うOPとEDが音痴すぎて酷い…。途中から別の曲に差し替えられてました。笑
人物:★★★★☆
・キャラクターが生き生きとしていました。ある意味で「サザエさん」のような作品。

個人的評価:★★★☆☆ (3.5点)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5

R子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

日常系アニメここに極まれり

原作はあまりにも有名だが、四部作まで出版されている。
マーチ家の四姉妹を中心とした日常を描く物語である。

しっかりものの長女メグ、男勝りな次女ジョオ、ピアノが好きで心優しい三女ベス、大人びた性格の四女エイミー。
どんな逆境も母の大きな愛と、四人それぞれの強さで乗り越えていく。

この物語のスパイスとなるのは、なんといっても末っ子エイミーの愛らしい性格であろうと思う。語りもエイミーを中心に行われるが、声優さんもエイミーの大人びた口調に非常にマッチしている。

内容は、とある一家の何気ない日常を描いたもので、もしかしたら退屈に想えるかもしれない。
しかし、自分たちを取り巻く環境が変わっても信念を曲げず、誠実に相手と向き合っていくうちに徐々に周囲の家族へ向ける目が変わっていく様子は、見ていて清々しい気持ちになる。(ポルフィなどと比べてしまうが・・・)
四姉妹それぞれのエピソードが描かれるが、ベスと老人の話やそれぞれの恋愛模様も目が離せないところである。

このアニメには続編があり、舞台は変わるがこれもまたいい話である。
最後までこのアニメを観れば、絶対に観たくなるはずである。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

かっぱ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

いつか、きっと!

良いですねー・・素晴らしい!
古き良き時代とはよく言ったものです。

日常をこんなにわくわく観させてくれる作品、今はもうないのかな。。。

50話位ありましたがもっとみていたくなりますね。
軽く若草ロスです。

4姉妹みんな素敵だけど、
特に末っ子のエイミーが可愛らしくて好きです。

原作はリトルウーマンというらしい。
是非読んでみたい。

ひょっとしてエイミー目線だったりするのでしょうか。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5

68.7 3 19世紀でアメリカなアニメランキング3位
風の中の少女 金髪のジェニー(TVアニメ動画)

1992年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (10)
69人が棚に入れました
「アメリカ民謡の父」といわれる名作曲家スチーブン・フォスターと、のちに彼の妻となった少女ジェニー・マクダウェルとの音楽と恋に掛けた青春の日々を描く史劇ドラマ。1838年のアメリカは、ペンシルベニア州ローレンスヴィルの町。ハーモニカの好きな少年スチーブン、バンジョーを愛する黒人少年ビルとともにピアノレッスンに打ち込む美少女ジェニー。だが彼女を、心臓が悪かった母の急死という悲劇が襲う。ジェニーはこれを機会に、病気や怪我で苦しむ人々へ献身する人生を決意、医師の道を志す。一方、スチーブンもまた音楽家への道を志望。ビルもまた自分の進路を模索し始めた。製作は日本アニメーションで「世界名作劇場」の傍流的な作品のひとつともいえる。1話から本編中にフォスターの作曲した楽曲のメロディー群が使用されたのも話題。好評の番組は一年間の放映予定を貫徹し、最終回でジェニーとスチーブンは結ばれる。

声優・キャラクター
堀江美都子、藤田淑子、菊池正美、有本欽隆、神田和佳、キートン山田、勝生真沙子、優希比呂、石森達幸、岡のり子、中村秀利、はやみけい、鵜飼るみ子、白鳥由里、三浦雅子、西原久美子、玉川砂記子、島本須美、千田光男

aitatesoka さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「名作劇場」以外の名作劇場系作品

フランダースの犬をはじめとする「名作劇場」とは別枠なのだが同系列と言っていい性格の作品だ
いかにも古い原作がありそうな作品だが日本人が有名な「アメリカ音楽の父」スティーブン・フォスターをモチーフに書いた物らしい

19世紀のアメリカを舞台としておりその時代にのっとった設定がなされている為視聴において違和感を感じることなく楽しめたし名作劇場系の作品としては平均的なできばえと言える起承転結がありラストは感動的に締めくくられており
子供に見せたいアニメと言って差し支えない

ただ途中の流れがやや助長過ぎるような気がするが原作を持たない作品で1年間通しての視聴を前提とする52話構成では多少は仕方がないかもしれない

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2
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