オリジナルアニメーションでシリアスなアニメOVAランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメOVAのオリジナルアニメーションでシリアスな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月13日の時点で一番のオリジナルアニメーションでシリアスなアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.6 1 オリジナルアニメーションでシリアスなアニメランキング1位
B: The Beginning[ビーザビギニング](Webアニメ)

2018年3月2日
★★★★☆ 3.8 (240)
1236人が棚に入れました
科学者が宇宙平和のために創造していた"新人類"が、完成を目前にして、独自の企みを持つ悪の集団に誘拐される。近未来を舞台にしたオリジナルアニメシリーズ。

王立警察特殊犯罪捜査課へと戻って来た天才捜査官キース・フリックは、ある事件の犯人を追っていた。凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人鬼、通称『Killer B』。犯行現場に必ず刻み込まれた『B』の文字は人々の注目を集め憶測を呼んだ。『B』それは彼女のためのメッセージ。『ぼくはここにいる……』その身を異形に変え、黒羽は届かぬ思いを刻み続ける。キースと黒羽、互いに見知らぬ二人の運命は、やがて一つの陰謀へと飲み込まれていく——

Netflixによる限定配信。

声優・キャラクター
平田広明、梶裕貴、瀬戸麻沙美、東地宏樹、稲葉実、小清水亜美、豊永利行、田中進太郎、後藤敦、森川智之、石川界人
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

蠅の王

ProductionI.G制作、
ファンタジー×サスペンス。

凶悪犯罪者ばかりを狙う連続殺人犯キラーB。
犯行現場に刻み込まれた謎の文字「B」、
{netabare}偶発的犯行の水面下で進行する計画的犯行。{/netabare}
天才捜査官キースは事件の真相に辿り着けるのか!?
手に汗に握るサスペンスである。

ファンタジー設定に多少の疑問を感じますが、
魅力的なキャラクターとその巧みな心理描写、
見所満載のシナリオに称賛の声を送りたい。
全話配信の貢献も非常に大きいでしょう、
サスペンスは視聴が断絶するとより難しくなる。

連鎖する猟奇的事件の数々。
{netabare}発見された歴史的碑文の解読。
脚色された真相と踊らされる人々。{/netabare}
懺悔を持たない心は加速度的に悲劇を増幅させ、
来たるべき運命の時を迎える。

あなたでしたか狂気を宿したのは。

アーメン。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 46
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

想定外に挑み続けるメンタル

エログロなんでもアリのフリーダムな姿勢で、
次々と刺激的な展開を繰り出して来る海外ドラマ。
それらが席巻する世界を相手に日本のアニメは何ができるだろうか?

本作はNetflixオリジナルアニメとして得たと思われる予算や環境を、
海外ドラマ級のシナリオ密度という形にして、その問いに答えてみせた野心作。

伝説の敏腕捜査官、サイコパスな猟奇殺人グループ、架空の王国で暗躍するダークファンタジー風のヒーロー。
脚本面でも、作画面でも並の制作体制なら破綻して闇鍋化しかねない水と油な具材を、
一つのアニメーション作品として仕上げた本作は非凡だと感じます。

その情報量の多さには置いてきぼりのリスクが付きまといますが、
私の場合は情報が押し寄せる度に、脳が悦んでいるのが自覚できて幸せでした。

一方で展開、設定等には既視感も覚えたりもしました。
ただ今回の場合は、それも私にとっては助け船でした。
だって、このシナリオ密度で全て未知の要素で物語を構成されたら、
間違いなく付いていけないでしょうw

今の話よく分らなかったけど、もしかして昔見たアニメのあれと似たような物なのだろうか?
とデジャヴも頼りに完走した面も多々あった(苦笑)アニメ鑑賞でした。


ダークヒーローを捜査すると言う無茶にリアリティを与える超展開を眺めていて、
ふと、例えば昭和の人間に、次の時代に最終戦争を妄想したカルト教団が
地下鉄で猛毒をばら撒いて自作自演するテロを起こすから気を付けろ。
と警告しても、誰も本気で聞いてくれないだろうなと言う着想が浮かんで来ました。

夜空を飛翔する魔人の如きイレギュラーなど、常識的に考えれば荒唐無稽ですが、
本作では遺伝子科学の急進や、生命倫理の忘却が重なればあり得る現象として設定され、
天才捜査官は、例え周囲に狂乱した変人と白眼視されようとも、焦点を合わせ続ける。
その飽くなき執念に惹き付けられます。

{netabare}「トラブルってのはプロセスの一つだ。
昔の俺たちは トラブルを事前に対処してきた。
それが間違いだった。だから失敗したんだ。

トラブルやイレギュラーは必然であり要素なんだよ。
排除しちゃいけないんだ。全てに意味がある必ず何かにつながる。」

――キース・フリック{/netabare}


既視感も当てにして高密度の物語を消化する悦びは今作で再認識できたので、
制作が決まっている二期では是非、シナリオ濃度にも慣れたアニメファンに
未知の体験をスパイスして酔わせて欲しい。
今後もよりキモチイイ、攻撃的な姿勢に期待したいオリジナルアニメシリーズです。


余談:本作監督インタビュー(Gigazine 2018年03月02日)にて、
日本とNetflixで異なる規制基準についての言及もあって興味深かったです。
日本では自粛する部分でリミッターを外してフリーダムに表現できる高揚が伝わって来ました。

Netflixがグロに寛容なのを良いことに、
本作は中々の出血多量で耐性のない方には注意が必要なわけですが、
もう一つ警告しておきたいのは画面の点滅について。

何でも日本のアニメ業界では未だに
TVアニメ版『ポケットモンスター』のポリゴン明滅による、てんかん事件が尾を引いていて、
「ポケモンチェック」と呼ばれる画面点滅に関する自主規制が敷かれているとのこと。

今回はそこもフリーダムなのを良いことに、嬉しそうにピカピカしているから危険ですw

特に異形たちの眼。
こやつらポリゴンかwってくらい赤、青に大喜びでパカパカ点滅するからアブナイですw
実際、彼らの瞳のフラッシュは、{netabare}目が合った者の脳を弄くり、記憶を改ざんするデンジャラスな光ですしw{/netabare}

光の刺激に弱い方は視聴の際くれぐれも気を付けましょう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

天才と異能と突貫娘

Netflixで独占配信されている作品。

【物語】
構成が綺麗にまとまっていて、とても良かった。
{netabare}1~3話
主な登場人物の紹介と、どこか不思議な事件が、過不足なく語られる。
4~6話
キースとリリィの距離が縮まる。
キースと黒羽の出会い。
そして、黒羽とユナが・・・。
7~9話
交錯するキースと黒羽の過去。
リリィの突貫。
意外なキースサイドの真犯人。
そしてチームの結成。
10~12話
リリィの救出。
黒羽サイドの真の敵。
そして・・・。{/netabare}

サスペンスとグロ、コメディがバランス良く配置されていて、ストレスなく一気見視聴できた。

事件は無事に解決したけど・・・。
「もう少し続きを見てみたい」そんな余韻に浸らせてくれるラストも良かった。

~少し酷評を~
{netabare}中盤で交錯したキースと黒羽。
しかし、ラストが別々な解決になってしまったのがもったいない気がした。
【重度のネタバレです】
{netabare}黒羽とライカの戦いは異能バトル。
キースとギルバートの戦いは頭脳戦。
だから別々に・・・。{/netabare}
そう考えれば分からなくはないんだけど、少しもったいない気がした。
{/netabare}

【作画】
全く言うこと無いですね。
もの凄くキレイで良かったです。

【声優・キャラ】
キース役の平田広明さんはハマリ役だと思います。
リリィ役の瀬戸麻沙美さんも良かった。
リリィに関しては、キャラデザも可愛く、自由奔放なキャラと併せて、とてもお気に入りです。(笑)
カエラのドS発言もハマった。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

70.4 2 オリジナルアニメーションでシリアスなアニメランキング2位
A.I.C.O. -Incarnation-(Webアニメ)

2018年4月1日
★★★★☆ 3.6 (236)
1022人が棚に入れました
2035年、近未来の日本。「人工生体」の研究中に起きた大事故“バースト”により、暴走した人工生命体“マター”が黒部峡谷一帯を侵蝕。 人類にとって希望の地と謳われた研究都市は、政府により立ち入りが禁じられた。 それから、2年後―。バーストで家族を失った15歳の橘アイコは、転校生の神崎雄哉から信じがたい事実を告げられる。それはアイコも知らなかった、自身の身体に隠された“秘密”だった。それを解く鍵は、バーストの中心地“プライマリーポイント”にあるという。アイコは、案内人の神崎雄哉と護衛部隊のダイバーたちと共に、封鎖されたエリアへの侵入を決意するが。人類の未来を背負う少年、少女が出会った時、明らかになる真実とは?

声優・キャラクター
白石晴香、小林裕介、古川慎、村田太志、名塚佳織、M・A・O、竹内良太、茅野愛衣、大川透、子安武人、田中敦子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

黒部に大量

オリジナルアニメ NETFLIXのお下がり


ネトフリオリジナルを地上波で!ってパターン増えてますね。コロナ関係あるのかしら。全12話。
舞台は近未来2035年の日本。とある生体研究の成果物が暴走した後、あたり一帯封鎖されて早数年。
事態の解決に向けてその研究所を目指すことになるわけですが、人工生命体『マター』があたり一帯を侵食しており人間の侵入を阻みます。なかなかのサバイバルですね。そして明らかになってくる謎。

サスペンス・ミステリ色が強めのシリアス仕立て。キャラ原案:鳴子ハナハル氏ということで見た目は推して知るべし。面白かったです。ただ先に文句だけは言っとく。

■シリアスを削ぐもの①
{netabare}危険いっぱいの侵入作戦でボディスーツとか着てるわけですよ。で途中のチェックポイントで一休みする度に{netabare}なぜか“セーラー服”。{/netabare}
そんなに鳴子氏に気を遣わなくてもいいのに。いや視聴者サービスせんでもいいのに。バランスとるために♂に詰襟の学生服着させて笑いを獲りにいかなくても良かったのに、と残念でした。{/netabare}

■シリアスを削ぐもの② ※作品中盤のネタバレ
{netabare}詰襟が逆効果だったと思うのが、この主人公くんのクールで冷静沈着風設定でしょう。後にわかる諸事情のため、高校生らしからぬ佇まいを醸し出す神崎雄哉(CV小林裕介)クンその人です。そしてこの彼。顔色一つ変えず行動がへんちくりんだったりシリアスものにあるまじきブレブレさ。

どう考えても危険な作戦を課されるパーティメンバーにそれくらい言っとけよなリスクを伝えずに窮地に陥るある種の自傷行為。道中ばれてそこを質されると「バーストを収束させる為だ!(キリッ)」。いちおう前後関係あることなんですけど…回答になってません。しかしまわりはなんとなく納得してる。{/netabare}

これ、シリアスもので一番見たくない「キメたつもりがなんかギャグみたいになってますよ」パティーンです。興を削ぎますなぁ。

{netabare}そういったちぐはぐなのがいい感じで詰め合わせになってたのが第8話。
先述のリスク周知しとけよシーンもこの回。仲間が死んで悲しさのあまり嗚咽してと声優さんも演技素晴らしかったりするのですがいかんせん抗戦中。伏して泣くとか思いっきり仲間の足を引っ張ってます。これ戦い終わってからやれよと誰も突っ込まない優しい世界。{/netabare}

真面目な作風で心の機微に疎い作品は大きくマイナスです。おそらく嫌気さす方もいると思いますよ。


それでは一転して残りは褒めます。
目的の研究所のあるエリアは黒部峡谷内。場所的に黒部第四ダムに近接してるところ。ダムにピンとこない方も聞いたことあろうフレーズ“立山黒部アルペンルート”。そう風光明美な場所が舞台でロケハンがしっかりしてました。景色が綺麗。本社がご近所だし富山のP.A.Worksさんだったら面白いなと思いましたが制作はBONESです。
この景色をうまく活かしたのがEDですね。毎話飛ばさずクールダウンに利用してました。OPはTRUEさん。作品世界をうまく表したアニメーション。珍しくOPED飛ばさず堪能しておりました。

自然の美しさと対極にあるのは人工物の美しさ。黒部に点在する複数のダムは壮観です。その最奥に鎮座する第四ダムは壮観通り越して人間ってスゲーなと感動しますよ。難工事+ダムで検索すると真っ先に挙がってくるであろう黒部第四ダム(通称“くろよん”)。完成までに171人の殉職者を出した難工事でプロジェクトXにも取り上げられました。資材運搬のためのトンネル掘削も軟弱地盤やら破水帯やら困難がこれでもかと。なんでそこまでしてやるのか?

 関西の電力事情が逼迫

してたから。停電上等な大阪圏で安定した電力供給は至上命題。時代も時代ですから、戦争で死んでった者達のためにも/あいつらの想いに較べたら、と使命感に燃えてたわけです。石原裕次郎と三船敏郎とが組んだ映画『黒部の太陽』は大ヒットしました。


奇しくも“だいよん”にとある目的をもって向かう本作の主人公らパーティの苦難と“だいよん”に資材を運ぶためのトンネルを掘る漢達の物語が重なります。
『七人の侍』と『荒野の七人』の関係みたいなもんかしら。


なお、あれだけ足を引っ張る要素から視聴モチベーションを保てたのはどこかしら黒部にまつわる現実の物語と被るものがあったことが理由。それに加えてヒロイン橘アイコ(CV白石晴香)の熱演も。『ゴールデンカムイ』アシリパ役でも感じましたが抑えめトーンの時の白石さんはヤバいですね。
そんなこんなで最終12話まで完走。明かされる謎は納得感や驚きのあるもの。終わらせ方も良かったと思います。期待してなかったわりには前のめりで視聴できました。掘り出し物・良作です。



※ネタバレ所感

■南原顕子(CV田中敦子)

人工生体汚染災害対策庁(CAAC)対策局の局長。ブルゾンちえみをしゅっとしたような感じの役人です。

{netabare}すごい複雑な気分にさせられるお役人さん。
エリア内の人口生体“マター”をどう捉えるか南原と中央とで開きがありました。キーポジションのキャラなこともあり作品としては彼女サイドに寄ってます。どういう二項対立か?

【対マターへの態度】 

 偉い人:安全保障上の脅威
 南原:富を生み出す金の卵

チェックポイントは複数あるダム。第四ダムを起点に“マター”は増殖しながら下流にまで浸食してきて、最後の壁(ダム)を突破されて日本海へと流出してしまえば世界規模でのハザードへと発展してしまう局面です。とっとと駆逐する。“結晶化”壊死させる技術もあるにはあるが、殲滅できるか確証がない。むしろ逆に“活性化”させてさらなるハザード範囲の拡大にならんとも限らない。
要は決め手にかける状態。となると事態は膠着するものです。一方で“マター”は最先端技術の徒花のようなもんで研究開発用のサンプルを大量に保有しているとも考えられる。科学技術発展のアドバンテージを日本が有していると固く信じているのが南原の立場です。

 安全保障 VS 経済

迷うことなく前者なはずですが、南原は思いっきり後者に軸足を置いた行動をとります。またそれがかっこよく見えるんだな、これが(笑)
この二項対立の結末はエンタメらしく両者取りでしたが、安全保障を重視するお偉いさんの影がとーっても薄かったのが気になりました。{/netabare}

{netabare}安全保障軽視の風潮。根拠なく自分は大丈夫!ってクセがついてないか怖くなりますね。
決断遅くて逃げ遅れたりしませんように…{/netabare}



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.09.29 初稿
2021.06.19 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

バイオハザード黒部

近未来、黒部峡谷一帯は人工生命研究所の暴走事故「バースト」により、
異常増殖した人工生命体「マター」の赤い河と化していた……。

立ち入り禁止エリアに踏み込んだ訳ありな連中が
事故の爆心地「プライマリーポイント」を目指すNetflix配信アニメ。


ルート自体は1クール相当の尺に収めるためもあってか?
赤い峡谷を遡上するステージクリア型の一本道といった感じのシンプルな構成。

クライマックスに近付くに連れ、徐々に絡み合った真相が明らかになり、
各種機関等を巻き込みつつ事態が深化していく、盛り上げ方は典型的ですが良好。

特殊な人工生体スーツに身を包んだ戦闘要員が、
ローラースケート靴による高速移動や、ホバー移動。
さらには武装多脚移動車などを駆使して危険区域を攻略。

その他、学習&解析機能も備えた対「マター」用の各種特殊ガンなどをぶっ放しつつ、
飛び散る肉片と共に障害を排除して、次のステージを目指して突き進んでいく。

起こった災厄はディストピア転落の予感すら漂わせる大惨事ですが、
兵器&装備設定については、私のような一部の中二病罹患者などにとっては
誠にユートピアな夢のある設定。

視聴中幾度となくゲームパッドを握って操作したくなる衝動と共に、
モチベーションが継続します。


物語には多少ご都合主義的な展開も感じました。
その他、倫理感のブレによる感情移入の阻害も感じはしました。

例えば{netabare} 生命倫理の面で結構えげつないことしているキャラが、
俄に同行した仲間の死は悼んでみたりする。
心変わりするレベルのサバイバル経験を共有しているとは言え、
この精神は同一性を保てるのだろうか?と思うことがチョクチョクありました。{/netabare}

ただ、本作は今後、生命科学等を極めていくであろう人間社会が、
どんな価値観を選択していくのか?
問題提起をしている作品でもあると思うので、
ブレる倫理感で多角的に命や肉体の在処を問い掛けてみる。
思索の種と考えれば、登場人物たちの迷いも有意義な葛藤だったとも思います。


それにしても、最近また、本作のような、
生命や魂の在り方を問う物語に遭遇することが多くなっている気がします。
テーマ自体は前世紀からSF等で何度も提供されてきたものですが、
今、再提供されているのは、
再考の必要性を予感する時代の気運によるものなのかもしれません。

もう一点、氾濫する「マター」の濁流や、危機管理対応。
経済と安全を天秤に掛けて議論する様子などを見ていて、
本作もまた東日本大震災後の日本人ならではの作品だとも感じました。

本作は同時代性も強い近未来SFアクションアニメだと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「A.i.c.o」 それとも 「a.I.C.O」

このような謎が多い作品は結構好きな部類です。
本作品は肝心なことは言わず一定の間合いをたもって物語に引っ張ってくれる良い作品です。
一歩間違えれば置いてけぼり作品と言われますけれど。
さて、すぐ登場するヒロインのアイコですが
{netabare}偽者でしょうか本物でしょうか?
正解は体が本物で脳が偽物でした。
普通に観ていたら体が偽物なのだから脳が本物で、
偽物の脳が黒部の奥から悪さをしてるのを本物の脳が本物の体を取り戻すのかと思っていたら、{/netabare}あれま、{netabare}違いました。
体が偽物と思いがちですが本物です。{/netabare}
{netabare}どうやらナノデバイスなんたらのお蔭でとても強度が増して交通事故にあった体も治癒できたみたいです。
偽物の体が偽物の脳を探し彷徨ってバーストを起こしマターになってしまいました。とさ。
アイコ自身の秘密はざっくりこんな感じで途中までミスリードに乗せられて心地好い違和感を感じながらの視聴でした。{/netabare}
それ以外は是非とも観ながら楽しんでいただくとして。
私的マイナスポイントはキャラ達の緊迫感の無さです。
マターに捕まったら死んでしまうのに、至近距離で闘う行為は明らかにおかしいと冷めて観てました。が、
それを補う程の最後の展開が気になるストーリーとなんと言っても鳴子ハナハル先生のキャラクターのお蔭で脱落せずに満足させていただきました。

OPは A.I.C.O TRUE
EPは 未知の彼方 白石晴香
それぞれ曲、映像共に作品の雰囲気と謎を感じさせる逸品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20
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