お祭りでコメディなアニメ映画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のお祭りでコメディな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月06日の時点で一番のお祭りでコメディなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.8 1 お祭りでコメディなアニメランキング1位
平成狸合戦ぽんぽこ(アニメ映画)

1994年7月16日
★★★★☆ 3.6 (518)
3325人が棚に入れました
東京・多摩丘陵。のんびりひそかに暮らしていたタヌキたちは、ある時、エサ場をめぐって縄張り争いを起こす。原因は人間による宅地造成のため、エサ場が減ってしまったから。このままでは住む土地さえ失くなってしまうと、タヌキたちは開発阻止を目論み、科学の発達した人間たちに対抗するため先祖伝来の″化け学″を復興させることとなった。化け学の特訓が始まる一方、四国や佐渡に住むという伝説の長老たちへも援軍を頼む使者が向けられた。かくして人間たちが露とも知らぬ所でタヌキたちは勝手に蜂起した。

声優・キャラクター
野々村真、石田ゆり子、三木のり平、清川虹子、泉谷しげる、芦屋雁之助、村田雄浩、林家正蔵
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

第四の壁

 高畑勲監督による子供向けの映画ですね。二時間くらい。

 ストーリーの展開はすごく良かったです。これは、ナレーションのおかげでしょうね。「ぽんぽこ」は、普通に作ったら二時間では到底収まらない分量だと思います。でも、ナレーションを使って場面と場面をつなぐことで、大幅な圧縮が可能になっていました。また、見どころの多いところを中心につないでいくことで、エンタメ性の増大にも寄与していたと思います。落語調のナレーションも、この作品の雰囲気とよく合っていました。
 キャラの動きも良かったですね。たくさんの動物を動かすのは大変だったとは思いますけど、妥協していた箇所は見受けられませんでした。この辺の妥協の無さは高畑勲監督っぽさが出ていますかね。

 あと、高畑勲監督は、人間社会に対抗して敗北していくタヌキたちに、自分たちの学生運動などを重ね合わせていたっぽいですよね。それっぽい描写が、機動隊との対峙シーンなどに見られました。
 個人的には、インタビューやらブログやらツイッターやらで政治的な主張をしている映画監督を見ると、「作品内で語れや、この○○が!」と考えてしまう質なので、作品内で主張している分にはとやかく言う気はありません。映画自体が歴史的にプロパガンダであったり反プロパガンダであったり、ってところもありますからね。「アリス」のレビューで、主人公無双でもハーレムでも現実逃避でも原作者の好きにやったらいいよって書いているんですけど、それと同じです。原作者の趣味嗜好はもちろん、思想だって作品の質を左右しませんから、好きにやったらいいと思います。外観をもって批判するのは、ルパンを見て「泥棒だからダメ」と言うのと同じくらいナンセンスだと考えています。
 ただ、原作者の思想が透けて見えたり前面に出て来ていたりすると、やっぱり説教臭くなるんですよね。また、現実の思想が介入してくるせいで、フィクションとしてのめり込めなくなってしまう。大人向け映画ならまだしも、子供向け映画ならもうちょっとマイルドでも良かったかな、と思います。

 で、この辺の相乗効果が変な方向に現れてしまったようにも感じました。頻発するナレーションとリアルすぎるほどのリアルさ、そして、全編に漂う説教臭さ。これらのせいで、現代ファンタジーでありながらも、ドキュメンタリーに片足を突っ込んでいるようにも思えました。そこは少し残念なところ。
 でもまぁ、そうは思うものの、子供と大人で作品の解釈が変わるとか、子供にとっては娯楽作品でも大人とっては社会風刺であるとか、そういう二面性を持たせた作品を作るのはジブリのお家芸ですからね。この作品が子供向けに作られているのは確かでしょうし、子供にとって娯楽作品として成立している以上、批判する気はないですけどね。

 で、この作品を見たのは半年くらい前のことで、高畑勲監督作品のレビューを書くなら最初は「かぐや姫」がいいかなぁなんて思い放置していたんですけど、ふと思い出すきっかけがありました。
 先日、友人と食事をしているときに、今年の大河ドラマの「真田丸」が面白いよ、と言われました。私は見ていなかったので話題に乗ってあげられなかったんですけど、三谷幸喜監督が手掛けているらしいですね。
 そんなわけでの「ぽんぽこ」レビューです。


第四の壁:{netabare}
 第四の壁っていう言葉があります。
 もともとは演劇用語で、「舞台と観客を隔てている想像上の透明な壁」という意味で使われます。舞台上のストーリーと客席にいる観客には一切の関係性がありませんから、その間には見えない壁があるよねってことです。今では演劇だけではなくて、映画などでも使われています。平たく言ったら、「フィクションと現実の境界となる壁」ということです。

 ウィキペディアを参照すると、
 第四の壁は、フィクションと観客の間にある不信の停止(※)の一部である(※不信の停止:観客はフィクションを見ている間は「こんなことは実際には起こらない」などという無粋な突っ込みを抑えること)。
 通常、観客は第四の壁の存在を意識することなく受け入れており、あたかも現実の出来事を観察しているかのように劇を楽しんでいる。第四の壁の存在は、フィクションにおいて最も良く確立された約束事の一つである
 と、説明されています。

 私たち視聴者はフィクションを当然のようにフィクションとして見ていますから、この第四の壁は常に存在している、と言えます。ですが、しばしば演出として(意図的に)「ここに第四の壁があるぞ!」と明示されることがあります。
 例えば、舞台上の役者が、観客に見られていることに気づいてしまうとか、観客とコミュニケーションを取ってしまうとかですね。これにより観客は、第四の壁を意識してしまい(フィクションであることに疑いを持ってしまい)、同時にフィクションと現実の境界が破られてしまうのです。このメタ的な演出を「第四の壁を破る」と言います。

 映像で確認したい方はこちら↓をどうぞ。
 <https://www.youtube.com/watch?v=JLAaUvsKljc>
 視聴者とコミュニケーションを取ってしまう演出は、0:15~0:40、2:30~3:15あたり。
 作品世界が映画であることを明示してしまう演出は、4:30~4:54、5:00~5:45あたり。
 第四の壁を破って映画というフィクション性を壊している点ではどちらも一緒です。
{/netabare}

おまけ①アニメにおける「第四の壁を破る」演出:{netabare}
 アニメでも「第四の壁を破る」演出が使われることがあります。

 私が一番印象に残っているのは、「のんのんびより」第一期の最終回ですね。{netabare}
 エンディングテーマが流れ始める、文字通り最後のところです。カメラを背にして遠ざかっていくメインキャラ4名が、突如としてカメラに振り向いて、視聴者に向かって手を振る、という演出が入っています。フィクション内のキャラクターたちが、本来一切の関係性を持たない視聴者に対してアクションを起こしたわけですから、典型的な「第四の壁を破る」演出ですよね。これにはすごく驚きました。

 「のんのんびより」は「日常もの」の作品ではありますけど、私たちは現実の日常としては見ていませんよね。あくまでもフィクションの日常として楽しんでいます。これが、第四の壁の存在を前提とした見方です。
 でも、最後の最後になって、私たちが認識している第四の壁は彼女たちにとっては存在していなかった、ということが明かされてしまいました。「のんのんびより」には終始無言を貫くお兄ちゃんというキャラがいましたけど、私たちの存在はそれに限りなく近かったんですね。話もせず、ストーリーにも影響を与えないけれど、近くでずっと見ている存在。
 彼女たちが第四の壁を破ることで、私たち視聴者とこの作品の在り方が変わってしまいますよね。フィクションの日常であったものが、現実の日常に転換されてしまうんです。あのまま振り向かずに遠ざかってくれれば、それは単なる「アニメのキャラとのお別れ」に過ぎないんですけど、第四の壁がなくなってしまうと「現実の友人とのお別れ」に比肩してしまうんですね。これにより、「もう会えなくなる」という寂しさを増幅させる効果が、とてもよく出ていました。

 ニコニコで見つけた件のシーン。ホントはもう数秒前から欲しかった。
 如何に効果的な演出だったのかが、コメントから伝わってきます、かね?(笑)
 ホントはコメントなしのが欲しかったんですけど、残念ながら見つけられませんでした。
 <http://www.nicovideo.jp/watch/sm22644446>
{/netabare}{/netabare}

ぽんぽこ:{netabare}
 「ぽんぽこ」でも、「第四の壁を破る」演出が使われています。「のんのんびより」と同じく、エンディングで直接的にコミュニケーションを取る演出方法です。具体的には、ショウキチが「タヌキが消えたって言うけど、確かに姿を消せるタヌキもいるんだけど、ほかの動物はどうなの? 姿を消せるの?」みたいなことを視聴者に語り掛けてきます。視聴者(現実世界の人たち)が殺したんでしょ?という皮肉ですね。
 この視聴者に対する問いかけ(という名の皮肉)というのは、高畑勲監督の基本スタイルですよね。高畑勲監督は主題に対して何らかの意見を持っていて、その主張を混ぜながら、視聴者に対してどう思っているの?と問いかけてくる。これを、作品と視聴者を対比させる構成でやっています。

 「火垂るの墓」がいい例で、オープニングとエンディングは、視聴者に対する語りになっています。{netabare}
 オープニングは「僕は死んだ」というセリフだったかと思います。「死にそう」の場合はその時点での主観的な視点ですけど、「死んだ」の場合は死んだあと、すなわち、未来からの客観的な視点ですよね。
 未来からの客観的な視点というのは、まさしく視聴者の視点と同じですから、視聴者と同じ位置に立って視聴者に対して語る、というのをオープニングでやっているんです。

 エンディングはこれです↓。まずは、この動画の2:20くらいのところからラストまでをじっくり見てください。
 <https://www.youtube.com/watch?v=Dn-saPIsrd0>
 2:34からの数秒間はカメラ目線になっていますよね。目が合っているような気がして、少しドキッとします。第四の壁を破ったかどうかのギリギリのラインですけど、カメラ(視聴者)を意識しているのは確実です。そして、その後はビル立ち並ぶ未来の街(私たちにとっての現実の街)に視線を移します。ここからも、過去のフィクションに存在している主人公が、未来の現実に存在している私たちを意識している、というのが伝わってきます。
 つまり、視聴者に語り掛けるオープニングに始まり、視聴者に語り掛けるエンディングで終わっているんです。
{/netabare}

 「ぽんぽこ」も、この構成を使っています。
 オープニングでは、タヌキは現実の動物としての姿を取っています。このタヌキを丸いレンズで撮るように演出して、そこにタヌキのナレーションを入れています。タヌキを見ている私たちへのタヌキからの語りですね。キャラクターが現実にいる視聴者と同じ位置に立って視聴者に対して語るというのは、「火垂るの墓」と同じです。
 エンディングが、「第四の壁を破る」演出です。上記のショウキチのセリフを入れて、作品の総括をメッセージとして伝えています。また、この後は、タヌキたちの踊る森からビル立ち並ぶ私たちの街へと変わります。私たちにとっての現実の街で作品を締める、というのも「火垂るの墓」と同じです。

 「火垂るの墓」も「ぽんぽこ」も、構成が全く同じだってことは分かりますよね。オープニングとエンディングでは現実世界の視聴者に対する語りをしておいて、その間にフィクションとしての本編を置く、という構成です。フィクションと現実を作品内で対比させることで、主人公たちの境遇と私たちの境遇を対比的に見ているんですね。この対比をもって、両作品では、「あなたたちの繁栄は、私たちの犠牲のもとに成立しているんだよ」という痛烈な皮肉をしています。
 この「フィクションと現実の対比的な関係を作品内に作り出して、視聴者に対する問いかけ(という名の皮肉)を行う」というのが、高畑勲監督の基本スタイルなんだと思います。

 で、「火垂るの墓」と「ぽんぽこ」のエンディングでの演出方法には、ほんの少しですけど違いがありますよね。カメラを見つめるだけで第四の壁を破ったのかどうか微妙な「火垂るの墓」と、カメラに話しかけることで明確に第四の壁を破ることとなった「ぽんぽこ」。この差は、単純に子供への意識の差だと私は思います。

 「火垂るの墓」は、子供向け映画という意識はあまりなかったんだと思います。だから、見つめる程度で終えて、別に分かりにくくても良かった。数秒カメラを見つめる程度の演出では、その意図は子供には伝わらないと思います。それを分かっていて、それでも子供向けではないからいいや、大人にだけ皮肉が伝わればいいや、と判断したのでしょう。上記のエンディングで、{netabare}セイタは見つめてくるけど、セツコは寝たまま、{/netabare}というところにもこれが表れているのかもしれません。

 でも、「ぽんぽこ」は、子供向けの娯楽映画として作ろうっていうのが大前提にあったんだと思います。子供向けの娯楽映画として、何よりも分かりやすさを優先したかった。だから、直接語り掛けるという「第四の壁を破る」演出を選んだんだと思います。直接語り掛けちゃえば、子供にだって分かりますからね。そして、何を優先的に伝えるかを考えたときに、高畑勲監督個人の思想よりは、子供にも身近であろう「自然を守ろうね」にしたのでしょう。

 なお、「ぽんぽこ」が視聴者への問いかけ(という名の皮肉)のために作られていたことが、ナレーションによっても分かるようになっています。最終盤において、ショウキチの語りが途中から古今亭志ん朝のナレーションに代わるところがあるんですけど、これによって、今までのナレーションがすべてショウキチの語りであったことが判明します。最終盤に来て初めて、視聴者はずっとショウキチに語り掛けられていたことを知るのです。


 高畑勲監督の作品は、構成はかなりかっちりしているんですよね。少なくとも私個人は、宮崎駿監督よりはかっちりしていると思っています。ただ、構成はかっちりであるものの、中身は文学的というか文芸的というかそういう感じが強いですよね。説明が迂回的、と言ってもいいです。まぁ、読み取りが難しくて、分かりにくいってことです。直接悪口を言うのではなくて、皮肉として言うところにもそれが表れていますよね。しかも、エンタメ性も高くないですから、見る人をすごく選ぶような気がします。
 でも、「ぽんぽこ」に関しては、子供向けの意識が強く働いたこともあってエンタメ性が高くなっていますし、それでいて構成のかっちり感は失われていないですし、主義思想という作家性も出ています。これらが高い次元でまとまった、すごくいい作品だと思います。子供のころに見ただけだなって人は、ぜひ大人の視点で見直してみてください。
{/netabare}

おまけ②カメラを使った「第四の壁を破る」演出:{netabare}
 「第四の壁を破る」演出が、カメラによって行われることもあります。本来意識されていないはずのカメラの存在を視聴者に認識される、という手法です。カメラの存在が認識されると、そこにカメラが置いてある(=そこに撮影者がいる)となりますから、第四の壁は自然と破られてしまいます。
 「クロスロード」のレビューで、「この作品はカメラで撮影しているよ!」演出について書いたんですけど、あれも「第四の壁を破る」演出の一つです。レンズ効果によって、性能的なカメラの存在がアピールされています。
 新海監督はメタ的にこの演出を使っているわけではないですけどね。レンズ効果を使って画面内のキラキラ感を最大化しているだけだと思います。

 ここではその話ではなくて、物理的に干渉されたカメラの存在アピールの話をします。例えば、落ちてきた雨粒がカメラのレンズに当たるとか、跳ね返った泥がカメラのレンズに当たるとかですね。何かがレンズに付着することで、透明なはずの第四の壁を目視できるようになってしまいます。

 アニメでも、こういう演出は多いですよね。一番最近見たものだと、「甲鉄城のカバネリ」の第9話です。
 詳しい内容はここでは述べず、カバネリのレビューに譲ります。
{/netabare}


雑記:{netabare}
 また横断的な書き方になってしまいましたね。申し訳ないです。
 なんとこのレビューで登場したアニメ作品は、ぽんぽこ!火垂るの墓!のんのんびより!カバネリ!の4作品。このアニメ4作品に加えて、実写映画にまでリンクを貼る始末! 単発映画のレビューのはずなのに、目も当てられません。すみっこでこっそりやるシリーズへの並列すらためらわれるレベルです。

 一応、第四の壁じゃなくてぽんぽこが話題の中心なんだよって偽装するために、ぽんぽこをど真ん中に配置するという構成に変えてみたんですけど、うまく機能しましたかね? 微妙かな?
 カバネリを別レビューに飛ばしたのは、短くするためっていうのもあるんですけど、「ぽんぽこ!火垂るの墓!のんのんびより!カバネリ!を使ってレビューを書きました」だと意味が分からなくても、ここからカバネリさえ除外しちゃえば意外と通じるかもしれないな、と思ったからでもあります。

 まぁ、裏話はともかくとして、冒頭述べた三谷幸喜監督について。
 三谷幸喜監督はいろいろと手掛けていますですけど、彼が脚本を務めた「古畑任三郎」という作品があります。映画じゃなくて、ドラマですけどね。今見ても面白い作品だと思います。
 この作品では、視聴者が犯行の一部始終を目撃できるようにストーリーが進行していきます。「名探偵コナン」のような「刑事側も視聴者側も犯人を知らない」というスタイルではなくて、「刑事側は犯人を知らないけれど、視聴者側は犯人を知っている」というスタイルです。視聴者が主人公である刑事に自己投影するのではなくて、視聴者が刑事の捜査をあくまでも客観的に見ていくように作られているってことです。
 で、この作品の謎解きパートの直前に、「第四の壁を破る」演出が使われているんです。いきなりドラマが停止して、背景も暗転して、この中で主人公の古畑任三郎にだけスポットライトが当たって、それで視聴者に話しかけてくる。客観的に進行するストーリーと「第四の壁を破る」演出は、とてもマッチしていますよね。

 酔っぱらった頭で三谷幸喜監督の作品を考えていて、それでこの「古畑任三郎」にたどり着いたんですけど、アニメで第四の壁を破っている作品はなんだろ?と気になったんです。そこで、のんのんびよりに白羽の矢を立てたはいいものの、もう枠を使っちゃってたんですね。それならってことで、ぽんぽこを引っ張り出すことにしました。第四の壁やのんのんびよりありきのぽんぽこだったってことですね。
 で、第四の壁を度外視して高畑勲監督論をやるなら、大人しく火垂るの墓から入るべきだとは思います。構成を中心に書けますからね。それを分かってはいるんですけど、どうにも見返す気が起きないんですよね。年の離れた妹が、というシチュエーションが個人的になかなか辛くてね。それゆえのぽんぽこってのもあったりします。

 気が向いたらカバネリの方もどうぞ。
 うっかり迷い込む人を避けるために、ネタバレありタイトルなしで投稿しますけど、内容は動画を使って演出を見ていくだけです。ストーリーには触れませんので、ネタバレ嫌いや未視聴の方でも大丈夫です。たぶん。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ちゃんと娯楽

映画館で観て以来通して観た事はありませんでした。
「ぽんぽこ」や「火垂るの墓」や「おもひでぽろぽろ」…力がある作品だけれど、何度も観てはいませんでした。
田舎や自然は大好きですが。この社会的メッセージが含まれる作品たちに愛着を持ってしまったとして、「コレは説教くさい、だから自然派は…」というザックリした見方をされた時に、自分は反論出来ない気がして。

「アイツ正しいこと言ってるのはわかるけど、説教くさくね?」と囁かれる優等生のクラスメイトを「そうかな…」とチラ見して「まあ私と特に親しい訳じゃないし…」と深く関わらないが如くでした。



久しぶりに通して観てみました。
狸達がどうなってゆくのかがあらかじめわかっているので、途中途中のぬか喜びや空騒ぎが、とても胸に痛く、ドキドキしながら観ていました。
しかし。
相変わらず人間は自然を壊し続けて酷い。地形のもつ質や循環を無視した開発、森林の適切な活用が出来ていないための荒廃、だから未曾有の災害も尽きないのだろうか。
…等々という真面目な視点は勿論再確認できたのですが、

それ以上に…
あー!この狸達みたいに!!
思いっきり何かに打ち込みたい!!
謳歌したい!!
むくわれなくったって、乗せられたって、やり切りたーい!!
時にアホみたいに喜怒哀楽に乗って騒ぎ、そして呑気にやっぱり踊り騒ぎたい!!
という、「思いっきり」の変幻自在な心地良いエネルギーをタンマリ浴びた気持ちになりました。ちゃんと娯楽でした。
狸いいなあ。

そして、人間社会で生き抜くようになった化け狸のように、それらしくいるために疲れている人や、何とかかんとかうまくやってるよ〜って人もいるんだろうな…なんて考えたりして。


優等生だけど、作品中に叩き込まれた“みんなで全力投球しようぜ!”って勢い(と狸独特の間抜けさ呑気さ)は中々観てて気持ちがいいものでした。

狸の敗因は、人間を楽しませてしまったことな気がします。狸自身も化けることが好きで楽しくて、プロジェクトに夢中になって。
{netabare}人間を怖がらせて出ていかせるためなら、あんなに楽しいバリェーションは要らなかったのでは…^^;
狸には食物連鎖の頂点にいる人間の「恐怖」がイマイチ理解できなかったのかな。
途中出てきた団地のパレード中の、大波に団地が飲まれる幻想が一番怖いような。
前半に作品中で人間がチラホラ死亡してますが、後半の狸の死亡数と比べたら極小だからいいのかなんなのか。{/netabare}
そんな狸達は仲間の弔い中も、真剣にシンミリしようしとてても、喪の形式自体になんだか浮かれてきてしまうのが、スゲーなと思いました。打たれない。やはりシリアスになり切れない狸らの恐怖の薄さが敗因かなー。


人間の自然や動物に対する愚かさが突き刺さる点では「河童のクゥと夏休み」が勝りますね。
私は自然好きなので、もっとみんな自然好きになってしまえばいいのに(特に田舎の人ほどもっと)、とは常々思いますが。
別に茅葺屋根の家に住んでかまどでご飯炊くべきとは言わないけど、ゴミをポイ捨てしないとか、日常生活で使うものが何から出来ているのか考えてみるとか、除草剤撒かないとか…いかん説教くさくなっちまう…

夏も終わりだけど、狸気分で秋はじめの生活に入ろうと思えました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジブリベスト10のためのレビュー

【あらすじ】
多摩ニュータウン計画の推進とともに住む場所を失っていく狸たち。ぽんぽこ31年秋からぽんぽこ34年にかけての狸たちの奮闘を描く。

【成分表】
笑い★★★☆☆ ゆる★★★☆☆
恋愛★☆☆☆☆ 感動★★★☆☆
頭脳★☆☆☆☆ 深い★★★☆☆

【ジャンル】
ジブリ9作目(1994)、狸、都市開発、笑い

【こういう人におすすめ】
私イチオシ。「観たことない」と言っても割とびっくりされないジブリ作品。

【あにこれ評価(おおよそ)】
69.4点。あにこれ点数順では第13位。

【個人的評価】
何回考えなおしてもこれが私の中でジブリ1位になってしまう。不思議。
『自分のお気に入り』『おすすめしたい作品』

【他なんか書きたかったこと】
 ルパンベスト10を作った流れでジブリベスト10とコナン映画ベスト10に挑戦中。一般人でも分かるアニメ映画シリーズのベスト10があれば、私自身を理解してもらいやすいかなあと。

 ジブリ作品に共通するテーマとして「水の表現」と「対立」と「内包」があるというのをどっかで聞いた気がします。まあ水なんて2時間分のお話作ったらどっかで絶対出てくるし、対立と内包なんて曖昧な言い方したらなにかしら無理やりこじつけることは可能だと思いますが、その辺を踏まえてみてみるといいかもしれません。

 ↓以下一言くらいの感想
{netabare}
 おそらく、ジブリ黄金時代中盤の中だるみと認識されている作品。
 監督も宮崎駿監督ではなく高畑勲監督で、これ(1994)と、同じく宮崎駿監督が加わっていない「海がきこえる(1993)」の2作品が、「紅の豚(1992)」と「耳をすませば(1995)」という大作に挟まれている。
 ジブリとしても実験の時期だったことが推測される。

 この作品の内容にも「会話しているかのようなナレーション」、「ファミコン画面に似せたビット絵の説明シーン」、「神様の街づくりや巨大なショベルカーが山を削るなどの比喩的なシーン」など、随所に実験的なシーンが見られる。

 が、そんなことはどうでもよく、私の中のベストジブリ。

 何度も「マイノリティー気取ってんじゃねえぞ俺!」と自問しましたが、「紅の豚」と「もののけ姫」がどうしてもこれに勝てなかった(笑) そしてストーリーを振り返ってみて、私が好きな要素の集合体であることに気づく。

 ジブリ作品の中では例外的にゆるく、笑いに頼ったストーリー展開、そして真面目を装いながら笑いを誘うナレーション、全体から流れる実験的な空気、ジブリ品質の作画、ファンタジーでありながら妙に現実に即した展開、しかし最終的に「来るべくして来るバッドエンド」。
 「四畳半神話大系」や「秒速5センチメートル」をお気に入りの代表に挙げ、主食が「きらら枠」な私は、好きになるべくしてこの作品を好きになったわけです。

 これもレンタルで小学校上がるか上がらないかの頃に見た気がするので、九九も知らないガキンチョの頃から、今と同じような趣味嗜好だったようです。三つ子の魂百までとはよく言ったものです。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

72.6 2 お祭りでコメディなアニメランキング2位
劇場版 ハイスクール・フリート(アニメ映画)

2020年1月18日
★★★★☆ 3.9 (86)
414人が棚に入れました
今からおよそ100年前、プレートのずれにより、多くの国土を水没によって失った日本。国土保全のため、次々と築かれた水上都市はいつしか海上都市となり、それらを結ぶ航路の増大に伴い、海の安全を守る職業「ブルーマーメイド」が女生徒たちの憧れとなっていた。そんな「ブルーマーメイド」に憧れ、横須賀女子海洋学校に入学した岬明乃は航洋艦「晴風」の艦長に任命され、クラスのメンバーと共に海洋実習に参加する。艦を動かし、目的地へと向かうだけの安全な航海のはずが、彼女たちを待ち受けていたのは、数々の危機ピンチ。教員艦からの突然の発砲、暴走する他学生艦との戦闘、救難船の救護活動など、数々の困難を辛くも乗り越え、無事に陸に帰還したことで、メンバー同士の間に固い絆が結ばれた。その騒動から1ヶ月後、テスト休みを満喫する晴風メンバーに新たな危機ピンチが訪れる。それは晴風クラスが解体されるというもの。晴風メンバーは、動揺しながらも再び一丸となり、クラスの解体を阻止したことで、絆をより深めていくのだった。こうして数々の困難を乗り越え成長した晴風メンバーたち。そんな彼女たちに訪れる、新たな"危機ピンチ"とは―――?

声優・キャラクター
夏川椎菜、Lynn、古木のぞみ、種﨑敦美、黒瀬ゆうこ、久保ユリカ、澤田美晴、菊地瞳、田中美海、丸山有香、田辺留依、中村桜、彩月ちさと、大地葉、宮島えみ、山下七海、藤田茜、小林ゆう、高森奈津美、相川奈都姫、清水彩香、福沙奈恵、小澤亜李、金子彩花、新田ひより、大橋歩夕、麻倉もも、伊藤かな恵、大津愛理、阿澄佳奈、雨宮天、鶴岡聡、五十嵐裕美、森永千才、清水彩香、福沙奈恵

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

守るべき艦(いえ)、進むべき航路(みらい)

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版とOVA前後編は視聴済です。
物語はTVアニメ版とOVAの続きが描かれているので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。
因みにdアニメストアでは早速劇場版が視聴できるほか、「劇場版お疲れさま会でハッピー!」というdアニメストア特番まで用意されていました。

陽炎型駆逐艦である晴風の唯一誇れるのは速力のみ…
他の全ては比叡や武蔵などの大型艦より圧倒的劣位という状況の中、満身創痍になりながらも「越えられない嵐は無いんだよっ!」と砲撃に耐え、そして戦火をくぐり抜ける展開が繰り広げられたTVアニメ版は、正に激アツそのものでした。
そして満を持して公開された劇場版…
これが気にならない筈、ありませんよね。

アニメーション制作がProduction imsさんから、A-1 Picturesさんに変わったのも加点要素と捉え視聴に臨みました。


海に生き、海を守り、海を往く――
それがブルーマーメイド!

そして、晴風クラス解体危機から3ヶ月──

横須賀では、呉・舞鶴・佐世保を含めた全女子海洋学校の生徒が
一堂に会し文化祭と体育祭を行う「競闘遊戯会」が開催され、
明乃たち晴風クラスのメンバーも歓迎祭の準備に追われていた。

大和・信濃・紀伊など超大型艦のクラスも集い、
様々な演し物や競技で賑わう中、
彼女たちに新たな“危機(ピンチ)”が迫っていた……!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

TVアニメ本編でも凄いと思いましたが、劇場版のクオリティは総じて半端無いレベルだったのではないでしょうか。
大和級の戦艦が続々登場する様は圧巻です。
少し「蒼き鋼のアルペジオ」の「霧の艦隊」に似ている雰囲気もありましたが、気にするレベルではない些細な話…
それに、鬼懸かった晴風の躍動感というか、晴風の活躍っぷりが些細なことなど吹き飛ばしてくれましたから…
小さい船体が波に煽られ、それと同時に訪れるピンチをかいくぐる様は、まるで晴風がドリフトしているみたい…
実際に船にそんな動きが出来るのかは分かりません。
でも、状況のギリギリ感と、晴風の必死さはビンビンに伝わってくるんです。

晴風に課せられたミッション…
これまでの海洋実習も十分危険でしたが、今回は桁が違います。
だって、相手は本気の殺し合いを仕掛けてくるのですから…

彼女たちはブルーマーメイドの卵…
だから海を守るために、自分たちにしかできないことを見極め進言する…
例えそれが最も危険な役回りだったとしても進んで自分たちの本分を全うする…
そんな海の仲間を守るために、ブルーマーメイドが一丸となって作戦を実行する様は鳥肌モノです。

確か晴風って、ブルーマーメイドの試験の成績が芳しくない人の集まりだった筈ですが、今の彼女たちに落ちこぼれの様なレッテルは微塵も感じません。
寧ろ、幾度となくピンチを乗り越えてきた経験が彼女たちを高みに押し上げたのでしょう。
きっと今ではトップクラスのメンバーになっていると確信しています。
現にそれを感じられる場面が本作にもありましたから…

大和級だから凄いんじゃない…
先輩だから凄いんじゃない…
そんな晴風のクルーを含めた真骨頂を余すことなく堪能できる作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

上映時間100分強の作品でした。
主題歌は、TrySailさんの「Free Turn」

想像の遥か斜め上を行く面白さでした。
そして晴風の雄姿…もう中毒になりそうなくらい見惚れてしまいました。
続編の可能性は低いかもしれませんが、これだけの作品を見せられると期待したくなっちゃいますよ…
思いきり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

4Dでピンチ!

【物語 3.0点】
相変わらず、清々しいくらい強引な“萌えミリタリー”

軍艦を戦場の主役に持っていくための日本水没、
航空機排除などの基本設定はそのままに、
今回も危険な任務に当たらせてはいけない学生に、
その中でも小型で装備も貧弱な教育艦・晴風(はれかぜ)に、
命運を託さなければならない。サイコロで1が連続するが如きレアなピンチが襲ってくる。


学生たちを危険に曝すのは不本意だけど云々……
と大人たちが言い訳?する流れ。
私にはそろそろ邪魔に感じます。


ピンチなのは養成校の女生徒たちであり、“ブルーマーメイド”の女性隊員たちなのですが、
彼女たちのハイスペックぶりに、見ていて段々、
この国にちょっかいを出して来た賊の方が、ピンチに思えて来ました(苦笑)

それよりも、岬と、ましろの関係の方がピンチに見えました。

私のツボ:{netabare}「べんてん」から送り込まれた“ブルマー”強制執行課・隊員たちの、
精鋭特殊部隊級の盤石の潜入、鎮圧ぶり。海賊たちは襲う国、間違えてますよ。{/netabare}


【作画 4.0点】
晴風を始めとした軍艦やボートが“空中含めて”良く動き、火を噴くCG作画が眼福。
{netabare} 軍艦に脱出劇の王道を走らせる無茶振りもアクロバットに表現。{/netabare}

その他、日常シーンの作画はカロリーを抑える所は抑える、劇場版としては標準レベル。


但し、今回、4D上映企画に合わせて、作画もブラッシュアップされたとのこと。
私は改良前のバージョンは観ていないので、どこが良くなったのかは分りませんが……。


【声優 3.5点】
新規も含めた女性声優陣が一部英語、ドイツ語、
広島弁、船乗り“専門用語”等にも対応し、萌えと燃えを提供。
すっかり任侠に目覚めてしまった
ドイツ人、ヴィルヘルミーナ役・五十嵐 裕美さんの守備範囲の広さ。


ミリオタでもない私としては、できれば英独だけじゃなくて、
“専門用語”にも字幕が欲しいです(苦笑)

それでも、萌えボイスでしっかり燃える状況報告で、
事態の緊迫感と、報告を咀嚼してジワジワと理解できる
彼女たちエリートのしでかした戦果のヤバさは十分に伝わり戦慄。


【音楽 4.0点】
ED主題歌「Free Turn」はTV版に引き続きTrySailが担当。
ましろの転機を見守る岬の心情を斟酌。

劇中、美味しいところはやはり「High Free Spirits」が持って行く。

劇伴は適度にミリタリー調。
それをバックに放たれる“大和級”大型艦四隻の咆哮が本作の聴き所。


【キャラ 3.5点】
萌えキャラ搭載過多。

TVアニメ版を観ていれば晴風乗組員とその周辺くらいなら把握可能だが、
それ以外も含めてとなると、余程意識しない限り顔と名前の一致は困難。

序盤は“競闘遊戯会”にて主要キャラのネタを一巡するが、
大所帯のため、それだけでも盛りだくさんに。


宗谷家は核に匹敵する日本の抑止力だと再認識。


私のツボ:{netabare} 岬&ましろ。TVアニメ版ではリーダー像の相違から衝突したこともあったのに、
いつの間にかシンクロ率抜群になっていた艦長・副長コンビ。
(彼女たちなら賊どころか使徒が襲来しても迎撃できそうですw){/netabare}


【4D】
4DXにて鑑賞。海上がメインとあって、ウインドやミストの機能が活躍。
座席のムーヴは後付け4Dとしては及第点。
それでもついに晴風に搭乗できた!という満足感は得られたまずまずの4Dでした。
{netabare}晴風が水柱めがけて突撃した時は飛沫も含めて激しかったですw{/netabare}


尚、ムーヴに長がある4DXに対しMX4Dの方は香りに力が入っているとの評もあるとか。
お風呂とか色々匂いを嗅いでみたい方はご検討下さいw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

緩い最悪

視聴前 どんな感じなんだろ

視聴後 青春やなぁ

この話は競闘遊戯会での話
ジャンルは戦艦・お祭り・学園・青春
まぁ深く考えちゃいけないのだと本編で悟りました
内容は無いわけではなかったのですが、(おそらく)キャラから成り立った作品なおで今回もこうだろうなぁと考えていました。結果はまぁ同じですね。TVアニメを延長した感がものすごく伝わります。なんとなくこれ以上同じ轍を踏まないようなストーリーを制作側が考えた結果「想定できる最悪の事態」なんていうなんとも頭の悪そうな言葉がでてくるわけです。予想ではこれからでる続編(出るのか分からないが)はこういう系だと思っています。「最悪だ!」ろか「これはまずい!」とか。まぁそうしないとただの船乗りの学園生活映してるだけですからねwそれだったら舟要素無くてもいいって話になって固定ファンも離れちゃいますしね
話をもどしますが、キャラからできた本編を無理やり伸ばした劇場版。突っ込みどころは多多ございますが、もう「はいふりだから」で通じます(?)はいふりだからこそ許されるものでありこれが全く知らない作品だったら批判の嵐ですよ。いや嵐ではないかな。
圧倒的に効率の悪い行動(演出上仕方のないことなのだろうが)、圧倒的に不自然な行動に気づかない異常な純粋さ(鈍感さといってもいい)、かなりのご都合主義。これらが許されるのは(二回目)はいふり特有の緩さのおかげです。
しかし大きな問題点があります。それはこの作品で「最悪」を歌っているからです。pvでも言ってましたが最悪が起こるのです。「最悪」なことが「ほぼなんでも許される緩い」アニメで起きるのです。まぁなんてかみ合わないんでしょう!(うっとり)そして結果はなんととても緩い最悪、実感のない最悪に仕上がりました!
しかし、見てて飽きずになおかつ緩くキャラの魅力が伝わる日常系アニメとして総合評価が高いです

総監督は信田ユウさん。ハイフリの監督を担当した方ですね
監督は中川淳さん。
脚本は鈴木貴昭さん、岡田邦彦さん。
キャラクターデザイン・総作画監督は中村直人さん。本編のキャラデザを担当した方ですね
劇伴は小森茂生さん。本編の劇伴をした方ですね
制作はA-1 Picturesさん。

作画は良く、戦艦同士の戦闘シーンも丁寧でした
主題歌はTrySailさんの「Free Turn」
声優さんは素晴らしくキャラの魅力が存分に伝わる演技でした

総合評価 緩さはなんでもあり(??)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

66.1 3 お祭りでコメディなアニメランキング3位
うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー(アニメ映画)

1986年2月22日
★★★★☆ 3.7 (48)
255人が棚に入れました
キュートな異星人・ラムと、超女好き高校生・あたるが巻き込まれる、荒唐無稽でバカバカしい事件や超常現象を描くハイパーテンション・SFラブコメディ。原作は高橋留美子の同名漫画。監督は前作と同じくやまざきかずお。劇場用作品、第4弾。あたるたちは大財閥・面堂家に伝わる鬼姫伝説をモチーフにして自主製作映画を撮っていた。主役はラム。だが、撮影の都合で面堂家の守り神とも言われる老木・太郎桜を切り倒してから、ラムの身に次々と異変が起こり始める。まずラムの電撃のパワーが落ち、角がなくなり、飛行能力まで失ってしまったのだ。そればかりか、みんなの心の中からもラムの存在が消えつつあった。そのうえ、友引町自体にも奇妙な現象が発生。事件の真相を調べ始めたあたるたちは、太郎桜の根から鬼姫の遺骨を見つける…。

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、神谷明、島津冴子、鷲尾真知子、千葉繁

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

我々はラムちゃんの思い出だけでも生きていける!それはメランコリーの軌跡。

1986年公開の劇場版うる星やつら第4作

原作 高橋留美子 監督脚本 やまざきかずお 脚本 井上敏樹 制作 ディーン

テレビ版うる星やつら末期の劇場版最終作の予定だったらしいが・・・
名作「ビューティフルドリーマー」や力作「リメンバーマイラブ」に比べると、
やや黒歴史っぽい作品になってしまったようです。

ビューティフルドリーマーはラムの夢という理解しやすい世界でしたが、
今回は舞台である友引町が主役になります。
友引町はコミック版では練馬区(高橋留美子自宅)、アニメでは武蔵小金井市(スタジオぴえろ所在地)です。
メガネが所在地を口走る回はやまざき監督になった直後なので思い入れもありそうですね。

友引町が主役と言うことで、テレビ版のメインキャラが勢ぞろいするという設定ですが、
それはまあ前作と同じです。

劇中対策会議においてラムの存在が友引町を狂わせた件に関して、
ランちゃんが「あたしも美しき・・・よ」と言ったため、すべて根底から崩れました。
その後の展開は、論理性というものから外れた単なる馬鹿騒ぎで終始してしまいます。
最終作品(予定)ということですべてぶち込んだんでしょうが、
結局は次の「完結編」の制作により黒歴史化したと言うわけです。

うる星やつらのキャラさえ出ていればなんでもいい、という人も多いでしょう。
私もそうですが、ラムの虎ジマビキニシーンが少なすぎる!
厚着ラムなど見たくないんです。
友引町の気候が狂って服装が煩雑に変わるのが原因なんですが、
テレビ版ではビキニに苦情が寄せられ、仕方なくセーラー服にしたという状況で、
劇場版くらいは、と誰でも思いますよね。

テレビ版放映中の劇場版は4作、終了直後に「完結編」「いつだってマイダーリン」
いろいろ文句はありますが個人的はすべてマストアイテムです。

正直に言いますと「リメンバーマイラブ」と間違えて借りてきてショックを受けただけなんですw

ちなみにOVAは12作です
了子のお茶会 1985年
アイム THE 終ちゃん 1986年 
夢の仕掛け人 因幡くん登場 1987年
怒れシャーベット 1988年
渚のフィアンセ 1988年
電気仕掛けの御庭番 1989年
月に吠える 1989年
ヤギさんとチーズ 1989年
ハートをつかめ 1989年
乙女ばしかの恐怖 1991年
霊魂とデート 1991年

ザ・障害物水泳大会 2010年 これだけ見てない、つーか今知った!

うる星やつらは総集編含めてすべて必見!もちろんこの作品もですよ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

帰ろう・・俺達の町・・友引町へ・・

1986年2月22日公開。TV放送が1986年3月で終了する直前に
公開された映画で、キャラデザや作画は可也向上している。

面堂家に伝わる「鬼姫伝説」をヒントに自主制作映画を撮影
していた友引高校の面々は・・面堂家の庭の樹齢300年の
老木「太郎桜」を斬り倒したことで不思議な世界に迷い込む。

本来のラブコメディーから完全にかけ離れ、全体的に重く
暗い雰囲気の作品と言われているけど・・これらの名作の
良い所を現代風にアレンジして洗練された最近のアニメを
視慣れている人にはあまり差がないかもしれない。

面堂終太郎のハーレム回?浮かばれる日が来るのか?
あたるに愛はあるのか?

ミステリーでサスペンスな雰囲気もあるけど、物語として
は構成も演出もなかなか濃い感じはする。

人は思い出だけで生きていけるのか?という感じかな。


以下妄想。
櫻の樹の下には「絆」か「屍」か?」何方が埋まっている?
(※内容とは関係ない)
鬼姫伝説は平家物語?「嫉妬に狂う鬼」橋姫という部分だけ
を嫉妬深いラムに重ねて冒頭の歌が聞こえるに重ねた?
丑の刻参りから大木・・桜の木には死体・・という流れ?

wiki参照。うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーを
モチーフとして現実と非現実の認識論・存在論的な再検討
を試みた。らしい。

諸星あたる - 古川登志夫
ラム - 平野文
三宅しのぶ - 島津冴子
面堂終太郎 - 神谷明
テン - 杉山佳寿子
水乃小路飛麿 - 島田敏
水乃小路飛鳥 - 島本須美

メガネ - 千葉繁
パーマ - 村山明
カクガリ - 野村信次
チビ - 二又一成
あたるの父 - 緒方賢一
あたるの母 - 佐久間なつみ
ラン - 小宮和枝
温泉先生 - 池水通洋
校長 - 西村知道
面堂の父 - 天地麦人
サクラ - 鷲尾真知子
錯乱坊 - 永井一郎

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

みり仔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

わかりにくいかも

この作品、2のビューティフルドリーマーに影響された作品で、正直わかりにくい。
押井守監督のすごさがわかります。
見比べるといいですよ。

単体としても、まぁおもしろいですよ。
ラムちゃんの能力が弱っちゃうみたいなー
でも無理しすぎてます。
だから内容は低めです。
歌は玉置作曲ですきです。

うる星が好きな人だけ見ればいいと思います。
興味ない人がみても低評価で終わると思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

60.4 4 お祭りでコメディなアニメランキング4位
映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~(アニメ映画)

2015年4月18日
★★★★☆ 3.5 (43)
192人が棚に入れました
「ありがとカスカベ。さようならカスカベ。」野原家がお引越し!?父・ひろしの転勤で、春日部のみんなと涙のお別れを決意した野原一家。行き先はなんと…ラテンのリズムぶりぶりのメキシコ!!おねいさんがみんなボン・キュッ・ボボ~ンと聞いて喜んで旅立つしんのすけだが、待っていたのは…動くサボテンだったぁ~!

声優・キャラクター
矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ

もふ(´-ω⊂゛) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

初の人間以外の敵

メキシコが舞台。
お引越しするところでまずは感動しました。
メキシコに渡ってからは、謎の人食いサボテンの恐怖!といった感じで本格的なホラーでした。徐々に明かされていくサボテンの謎や最初はなすすべなく逃げ惑っていた人々の反撃、人食いサボテンという点からも近年ヒットしている進撃の巨人を意識しているのかな?と思いました。
子供だけでなく大人も楽しめる内容になっています。
個人的には坂本真綾さんや浪川さんが出演してらしたのが嬉しかったです!オリジナルキャラクターがいい味だしてました!
芸能人のゲスト声優にはあえて触れませんが。

加えて好感を持てたのが作画です!テレビアニメでのラフな絵から一転、特に序盤の春日部の背景画はとても美しかったです。風間くんとの別れのシーンの河川敷が特に!キャラクターのラフなデザインとしっかり描き込まれた背景がうまくマッチしていました。

全体的にみても十分満足ですし、観て損はないですよ(^ω^)

ただ、なぜサボテンが人を襲うのかをはじめとして不明な点もところどころにありました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
ネタバレ

ヒカリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

久しぶりにしんちゃんを観てみた

キャッチコピー「ありがとうカスカベ。さようならカスカベ。」
野原一家がカスカベからメキシコに引っ越しするお話。
{netabare}引っ越しのお見送りに、意地を張って来なかった風間くんが、新幹線を追いかけて走っている様子は、胸が熱くなりました(笑){/netabare}

これだけ聞くと、すごく感動的なものが想像出来るのですが、
しんちゃんはどこにいってもしんちゃん。
お姉さんに目をきらきらさせて、おしりをフリフリして
どんなにハードな展開でも疲れることなく、むしろ楽しんで観れました♪♪

しんちゃんとかマルチなアニメ映画で気になるのはゲスト声優。
AKB48の指原莉乃ちゃんが出ていました♬
少し、違和感があったとはいえ、ツンデレな台詞が可愛かったです。

私は小さい頃、しんちゃんをそんなに観ていなかったのですが、
しんちゃんっておもしろい☆彡(もうしんちゃん呼ばわりだし笑)

久しぶりに観たらいいかもしれません(*´꒳`*)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

NDD. さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ビミョー

あんまり面白くなかった、クレしん映画の中では下の方だな

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

63.1 5 お祭りでコメディなアニメランキング5位
劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ~逆襲のミルキィホームズ~(アニメ映画)

2016年2月27日
★★★★☆ 3.6 (35)
137人が棚に入れました
研修旅行に来ていたミルキィホームズの4人。猿たちに囲まれ温泉につかり、のんびりしているところに警報が鳴り響く!怪盗帝国の4人が宝を狙ってやってきたのだ。ミルキィホームズVS怪盗帝国、双方トイズをフルに使っての激しいバトルが繰り広げられる!さらにGenius4の面々も駆けつけ、三つ巴の激闘に発展!だが、その大激闘の最中に、上空から激しい雷が!!被雷したミルキィホームズの4人はまたしてもトイズを失ってしまい・・・。

声優・キャラクター
三森すずこ、徳井青空、佐々木未来、橘田いずみ、明坂聡美、岸尾だいすけ、寺島拓篤、下野紘、南條愛乃、新谷良子、田村ゆかり、沢城みゆき、真壁刀義、金尾哲夫、伊藤静

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

何度転んでも立ち上がる! 七転八倒!それがミルキィホームズです!

2016年の大晦日に「探偵オペラ ミルキィホームズ ファンファンパーリーナイト♪ 〜ケンとジャネットの贈り物〜」が放送されました。
このミルキィシリーズはこれまでずっと視聴を続けてきて穴を空けたくなかったので、大晦日の特番前に本作を視聴する事としました。

このシリーズ…短編作品を踏まえると、結構な数の作品が制作されているんです。
時系列で並べると以下の構成になります。

・探偵オペラ ミルキィホームズ:2010年秋アニメ 全12話
・探偵オペラ ミルキィホームズ 特別編:2011年8月 全1話
・探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕:2012年冬アニメ 全12話
・探偵オペラ ミルキィホームズ Alternative ONE & TWO:2012年8,12月 全2話
・ふたりはミルキィホームズ:2013年夏アニメ 全12話
・探偵歌劇ミルキィホームズTD:2015年冬アニメ 全12話
・劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ〜逆襲のミルキィホームズ〜

物語の舞台は「偵都ヨコハマ」
この街には「トイズ」と呼ばれる特殊能力を使って暗躍する「怪盗」と「探偵」が存在しており、日々己のプライドをかけて激しい攻防が繰り広げられ…という下りなら、手に汗握る展開の連続が期待できそうな作品をイメージできますが、この作品は少し趣向が異なっているんです。

物語の中心にはミルキィホームズ…著名な探偵をご先祖様に持つ4人組のチームですが、これまで見てきたところ、彼女たちは「トイズ」の能力の定着がどうも今一つ…
もう今まで何度失ったり復活したりを繰り返してきた事か…

トイズの能力を持たない探偵は怪盗にとって赤子の手をひねるようなモノ…
当然展開もグダグダになりますし、トイズを失って何度も苦い思いを味わってきました。
それでも彼女達は絶対諦めないんです。
例えどんなにボロボロになっても…
このシリーズ…グダグダな展開が数多くありながら、それでもここまで続いているのは根強いファンのお陰だと思っています。

こうして本作の物語が動いていく訳ですが、ミルキィの原点に還ったような…そんな印象を受けた作品でした。
まず本作の大前提として「一見さんお断り」の作品となっています。
まずキャラの説明は一切なく、これまで視聴してきた人には懐かしく感じられる「ボケとツッコミ」についても、何の前触れもありません。

でもこの作品はこれで良いんだと思います。劇場版ですから尺に限りがあります。
無駄な説明に時間を割く余裕なんてこれっぽっちも無いんです。
なので、この作品をしっかり楽しみたい方は、過去作品からの視聴をお勧めします。

これまで事件の起きる展開は大体お約束でした。
①怪盗アルセーヌとその一味である怪盗帝国が騒ぎを起こす
②探偵ミルキィホームズが出動~現場に急行し怪盗と対峙
③明智小衣率いる警察組織「Genius4」が現場に駆け付け、良かれと思ってやった事が結果的にミルキィの足を引っ張る
④グダグダな展開に移行…

でも、今回「偵都ヨコハマ」を騒がせる怪盗はアルセーヌではありません。
「偵都ヨコハマ」には暗黙のルールがあるんです…禁忌を犯したモノには鉄槌が下される筈…
しかし、遥か時空を超えた因縁…蓄積された時間と抑圧を糧に立ち塞がる力はとても強大…
「偵都ヨコハマ」を舞台に繰り広げられる捕物帖…決して画面から目が離せません。

何故ならこの作品に出演する登場人物は、これまでそれだけの歴史を刻んできているから…
ミルキィ…いつも明るい4人組ですが、落ち込む事だってあります…
自分達の無力さ…不甲斐なさを本気で攻めた事も一度や二度ではありません。
でも…どん底から這い上がるための4人組…それがミルキィホームズなんだと思います。

そんなミルキィを見守るアンリエットさん…
何だかんだ言いながら窮地には必ず駆け付けるこころちゃん…
それにフェザースだって…
そしてそれらの糸が絡み合ってミルキィの逆襲に繋がっていくのです…
本作でも十分過ぎるくらい、登場するキャラは魅力的に描かれていたと思います。

ワクワクする展開と魅力的なキャラ…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

上映時間約70分の作品です。
完走して振り返ってみると、これまでの主要キャラは全て登場したのではないでしょうか?
ミルキィの活躍を称える新聞記事の下には天城茉莉音ちゃんの名前もありましたし…
久々にミルキィを視聴しましたが、色々と思い出しながら視聴できたので嬉しく思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

qwerty さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ミルキアンには◯〜△ 初見さんは×

森脇真琴監督が作るミルキィが帰って来る!と期待していたのですが…
第1幕、第2幕の皮を被った何か得体の知れないものを見た、というのが正直な感想です。
これはおそらく森脇監督が総監督という立場で、実際に制作の中心にいたであろう人は、桜井弘明監督であったことが理由かもしれません。

前半はほとんどギャグパートですが、ネタを詰め込みすぎてわかりにくい上に、みんなテンションが高すぎる。尺が足りないのか?と思っていたが、その割にはトゥエンティが出てきて解説するシーンは長すぎる。そして何よりもTV盤第1幕、第2幕でやったネタを映画でやる。くどいくらいやる。同じネタを繰り返し過ぎて、ギャグが面白いというより「またか…」と思ってしまう。

後半はキャラクターが真面目に現実に向き合うようになり、演出もガラリと変わる。所々にギャグを挟みつつそのままクライマックスへ。
後半は落ち着いていて割と良かった。キャラクター、特にシャロの可愛さと良い子っぷりが十分に感じられてぐっときました。
しかし、前半から急にテンションがかわるので、「さっきまであんなにいい加減だったじゃないか!」と思わずにはいられませんでした。



音楽:TDでも担当していたELEMENTS GARDEN。とても良い曲を作るグループだと思いますが、今回はキャラクターの声にかき消されて聞こえません。
作画:PVで見たそのまま。第1幕のタッチをTDの塗りにした感じです。それと顔芸多し。
ストーリー:そんなものは存在しません
脚本:理性を疑うレベル。
演技:終始テンションが高い。それと、プロレスラーの真壁刀義さんが演じる役がありますが、思っていたよりも悪くない演技でした。もともとセリフは少ないですが。
ギャグ:面白いものもありますが、どんどん流れていくのでその面白さを感じる暇がない。
キャラクター:TVに出てきたレギュラー、準レギュラー、端役に至るまで全員出てきます(一瞬しか出ないこともありますが)。探して見るのも楽しみのひとつです。

良いところ:エリーが今回は結構エロいです。後、変身シーンは思わず笑ってしまいました。G4が久しぶりに全員出てきたたことにもちょっとだけ感動。最初に流れる、「映画を見るときの注意」(シャロ編)も面白かったです。


総評:
ミルキアンにとっては好きなキャラクターがまた見れるということで◯ですが、作品自体の質は良くないので△。

初見さんには絶対にオススメしませんし、見たとしてもミルキィホームズはこんなものなのかとは思わないで欲しい。TV版は本当に名作です。

適度なカオス、そして可愛く魅力的なキャラクター、加えて最後はちょっと良い話で終わる。それがミルキィホームズの魅力で、いまだに第1幕が1番人気が高い所以なのだと思います。
製作者は今後、続編(期待してます!)を作るときはこのことを念頭において作って欲しいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

全てのシリーズの伏線を回収する!たぶんこれが最初で最後の集大成的ファンムービー!!バリツ!!!

2009年からメディアミックス作品としてスタートした『ミルキィホームズ』シリーズの集大成的劇場版


偵都ヨコハマを舞台にトイズと呼ばれる超能力を駆使する探偵学院の少女4人組ミルキィホームズ
それに相対する怪盗帝国、さらに警察組織Genius4を絡めた三つ巴の争いを描いたヒロイックファンタジー
シリーズによって作風が異なるものの、今作は総監督に森脇真琴、監督に桜井弘明、脚本にふでやすかずゆき、キャラデザに沼田誠也、ということでパロディやデフォルメなど不条理コメディ色がメインの作品となっています


まず第2幕で散々【黒幕】っぽい動きを見せていながら結局何一つ正体が明かされなかった森・アーティ(ちゃん?)の正体が明かされる
まあバレバレにも程がありましたがw
さらに黒歴史などと酷評された岩崎版ミルキィこと『Alternative』シリーズからエドガー・モランがメインの敵役として登場
錦織版ミルキィこと『ふたりは~』と『TD』からフェザーズが登場
そしてアイリーンちゃんをはじめとしたゲストキャラが多数登場
モブを含めるとホント凄いことになっています;
つまりこれまで並行していた全てのアニメ作品を【全肯定】しつつ特に各作品を説明する描写やセリフが無いため【ファンムービー】であることが大前提となっているお祭り映画であると言えます


さらっと新日プロレスネタもいくつかありつつwそもそも今作の敵役の一人に真壁刀義が声優で参加していてショートケーキを食べていたのが特に面白かったですねw


森脇版ミルキィと言えば原作ゲームを無視しまくった‟ダメダメなミルキィホームズ”によるポンンコツ不条理コメディですが、それを逆手にとった今作のクライマックスではウルっとさせてくれる泣かせのシークエンスで成長した4人の声優の渾身の芝居が堪能できます


オチは少し弱い・・・というかアルセーヌさんの手の上で転がっていましたーwっていうこれもシリーズではお馴染みの落とし方でしたね;
ただでさえ上級者向けと言われれるシリーズでしかもかなりハイテンポに進む今作ですが、ファンであるなら観ない手は無いでしょうb

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ページの先頭へ