エキゾチックで漫画原作なおすすめアニメランキング 1

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67.1 1 エキゾチックで漫画原作なアニメランキング1位
将国のアルタイル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (188)
839人が棚に入れました
ここではない世界、いまではない時代。
将軍と呼ばれる為政者たちの治める草原と砂漠の国・トルキエ将国。
12年前、隣国・バルトライン帝国との戦争で母を失ったマフムートは、
平和な国にしたいと希い、トルキエ史上最年少で将軍となった。
しかし、交易で得た巨万の富をもって安寧を取り戻したトルキエに対して、再び帝国の侵略が始まる。
犬鷲・イスカンダルを相棒に国家間に渦巻く陰謀と策略を切り裂かんと動くマフムートは、
いかにして自分の国を平和へと導くのか?
―――理想と現実の狭間で彼のとる行動とは…?

声優・キャラクター
村瀬歩、古川慎、KENN、諏訪部順一、小西克幸、緒方賢一、津田健次郎、小林ゆう、櫻井孝宏、中井和哉、内山昂輝、茅野愛衣、島﨑信長、岡本信彦、佐藤拓也、日笠陽子

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

犬鷲使いの少年将軍(パシャ)、乱世に挑む!

この作品の原作は未読です。
この作品の視聴の決め手は公式HPのPVでした。
キャラデザこそイメージは異なりますが、年端のいかない少年が背負いきれないほどの重圧を抱え、国を守っていく…
服飾や各種設定に違いはありますが、「アルスラーン戦記」を彷彿とさせる世界観を感じたからです。

この物語の主人公は、史上最年少で将軍の地位に駆け上がったトゥグリル・マフムート…
彼は17歳という若さで将軍になったのですが、そんなにも昇進を急いだのは彼なりの理由がありました。
彼は幼い頃、戦争で故郷と親を失いました。
だから大切なモノを突然剥ぎ取られ…何もかも一瞬で失ってしまう怖さ・怒りといった感情を知っています。
そんな思いを二度と繰り返したくはないから…

どうして戦争って無くならないんだろう…と思います。
信仰宗教や思想の違い…国家の在り方の違い…他と違うところはきっと山ほどあります。
中には認めたくない…或いは認められない一面があるかもしれません。
でも、そこを踏まえてどうして共存できないんだろう…と思います。

きっと人間って共存を許容できる範囲…を自分勝手に線引きしているのではないでしょうか。
最も最小単位は人間個人…このレベルで見ると世の中全てが違っています。
でもここで線を引いてしまうと、逆に人間は滅びてしまうでしょう…
だって人は一人では生きていけないのだから…
それにそこで線引きをしたら…仲間はおろか、結婚だってできなくなります。
だから人は必ず何らかの妥協と許容を受け入れて生きていると思うんです。

だから後は線の引き方だけの問題…という気がしない訳ではありませんが、それならこれまで延々と続いてきた争いの理由が説明できません。

戦争で一番傷付くのは、戦争をしようと決めた人ではありません。
その戦争に巻き込まれて最前線に追いやられた人たちです。
たくさんの血を流して、たくさんの家族を引き裂かれた人たちです。

マフムートの掲げる理想…そこに辿り着くにはまだまだ痛みを伴う事を知った彼は、彼が思い描く平和への最短ルートを目指して駆け出し…物語が動いていきます。

マフムートは序盤から大活躍です。
自身も思い描く理想を実現するため奔走する彼…

でも駄目なんです…
一国家の一将軍がどんなに気張っても、これまで積み上げてきた歴史と確執がマフムートの前に立ち塞がるんです。
一方向からだけの見方は不足していて、物事を判断するにはありとあらゆる情報を駆使いなければならない…
マフムートが自力でこの考えに辿り着いた訳ではありません。
「そう仕向けられた」といっても過言ではないと思います。

戦争を止めるためには政治、経済、軍事的駆け引きが必須であり、それら駆け引きが所謂戦争そのものであること…
こちらに思考と物語が軸足を移した以降、この作品の面白さが俄然増したように思います。

そう、何も直接対峙することだけが戦争ではないのです。
それぞれの国が、それぞれの長所を活かして争いから活路を見出す…
この駆け引きの面白さは正直半端ありません。

人、権力、国家を動かすには何が必要か…
勿論、金太郎飴の様にやり方は一つではなく、相手が変われば立場も変わるのできめ細かい配慮が必要となります。
でも、そのきめ細やかさの大切さ…そして尊い血を流すよりよっぽどマシである事を痛感します。

それでもこれで終わらないのが世の常…
戦争と侵略を止めようとしない帝国に対し、マフムートを率いるトルキエはどの様に対峙するのか…
百戦錬磨の帝国兵と遊牧の民を祖にするトルキエとの間にどのような火蓋が切って落とされるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、シドさんの「螺旋のユメ」とCIVILIANさんの「赫色-akairo-」
エンディングテーマは、Flowerさんの「たいようの哀悼歌(エレジー)」とCHEMISTRYさんの「Windy」

2クール全24話の物語でした。
「アルスラーン戦記」とは主人公の立ち位置がちょっと違いましたが、仲間の信頼を得て大きな流れに抗おうと懸命に努力する雄姿は中々に熱い展開だったと思います。
終盤の直接対決に策士同士の戦いに光明に通ずるものがあったと思います。

帝国 vs トルキエの戦いは、これから益々激化の一途を辿るものと思います。
「続きはアニメで…」の願いが叶う事を期待しています。
エンドカード直前…突然のテロップに思わず心が躍ってしまいました。
「続報」の情報ではありませんでしたが、ファンには堪らないサービスだと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あらゆる理不尽を飲み込んで、少年(マフムート)は前へ進む…

この作品や流れを植物で例えると、タネを植え、芽が出て、双葉や四葉と育ち花が咲く…みたいな感じですね。物語序盤が入り辛く、設定や相関図や勢力図等を頭に入れるのが大変なので途中で切る人も居るかもしれません。ある程度物語が進むと主人公の成長などもあり楽しめると思います。

原作・未読。
スピンオフ・未読。
アニメ・全話視聴。(2クール24話)

時代は中世くらい?かな。武具・装備から推測すると中東やアラビアやトルコ辺り?かなと。建造物がトルコ風だったからトルコかも?

物語は知謀・策略・逆転劇、ファンタジーだけどこーゆー系が好きな私は楽しめた作品ですね。
他作品の『アルス○ーン戦記』に似てるとこがあります。時代や衣装だけなら『○ギ』も入るかな。(アラジ○とかアリ○バとかのやつね。)
前半は主人公『マフムート』の若さによる青臭さ、パシャ(将軍)なのに国の危機より友人を優先するという愚を犯し咎められる。
これから何が起こるか察知しているが何も出来ないマフムートは見識を広げる為に『犬鷲・イスカンダル』と旅に出る…。
と、最初のあらすじ的にはこんなとこかな。私はこれ以降から面白くなってきました。
成長や仲間、同盟締結方法や兵法・軍事、騎馬民族だから出来る行動や知識等々…、私は好みでした。
ただ本屋の人に聞いたらアニメではかなり端折ってると言われましたので結構削られてるのかな?と。

個人的に思った事はこの作品は『ゲームシナリオ』でも行けたと思います。寧ろそっちの方が設定も物語も入りやすいかな?と。
ちょっと一見さんには優しくない入りだったと思います。

多少ファンタジー要素がありますが『異能力』は少なめなのでリアル寄りかな。男性も女性も普通に殺されたりする描写もあるのでそこも良かった。
戦いはリアル寄りなのでそんな描写が無いと萎えます。
前半・中盤・後半で『マフムート』の戦い方、考え方が変わり、成長していくのも良かった。
自分の目で見て、自分の耳で聞いて、世界を知っていく…。直接感じた物を手に入れ、新たな仲間も手に入れる。
しかしそれだけじゃなく、あらゆる理不尽や不合理を飲み込んだり、時には利用される…。
そこら辺のストーリーの抑揚は結構良かったと感じました。

ただ!これだけは言いたい!
私はそこまで酷くなければ作画とかミス等はツッコまないんですがこれは…
最終話、締め近くのテロップ!
『バトルライン』
…どこよ!?
『バルトライン』じゃないの?
締めに入ってるのにアレは反省点だと思います。

策略・知謀等の解明するのが好き、『アルス○ーン戦記』好き、騎馬民族の戦い方を観たい方等にはオススメします。
ゆったり観たい方、殺害や血が苦手な方、凝った設定が苦手・覚えるのが嫌って等の方にはオススメしません。
絵柄が少女漫画的なのでそこは好き嫌いがあるかな?と思います。

「どんなに立派な思想があろうが、どんなに長い歴史があろうが、そんな物は生き延びる為に何にも役にもたちゃしない。チカラだけが生きる術なんだよ!」(敵)
「老獪(ろうかい)な現実主義者と未熟な理想主義者、国家に必要なのはどっちだと思う?…正解は両方だ。青臭さを現実主義が抑え込み、現実主義は青臭さによってその悪しき所を改革される…」(同盟国)
(セリフ一部抜粋)
結構「へー…」って勉強になりました。これ以外にもありますが一部にしておきます。

マフムートの様に外の世界に触れると考え方も変わるし、自分の知ってる当たり前は外では全然違ったり…
こーゆー他民族、他国家の考え方を楽しむのも一興ですね☆

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

前半クールは「普通」って感じでしたが、後半クールに入ってから「わりと面白い」ですね。

同タイトルのマンガ原作は未読です。2017年7月から2クールの放送が予定されているようです。

これを書いている時点では、第17話まで視聴済みです。ここまで予算的に厳しい感じはあまりなく、作画などはわりと安定しているようです。

中世っぽい時代の地中海っぽい海域(作中でセントロと呼ばれる)とその周辺の地勢をベースにしている架空歴史ものですね。モデルはあっても史実とはかなり違うお話ですので、観ていても歴史の勉強にはあまりならない気がします。

主人公マフムートが属しているトルキエ将国は、名前や風俗はトルコ(オスマン帝国時代?)をベースにしているようですが、トルキエではイスラム教が信仰されている訳ではなく別の架空の宗教(「水の精霊ナバラト」信仰)が国教的なものになっているようです。

トルキエ将国は国王メフメトⅡ世を戴く王政の国家のようですが、パシャと呼ばれる重臣たちによる合議をベースにした政治を行っているようです。主人公のマフムートはパシャの一人ですが最年少で、他にたくさんいる年長のパシャや国王に対してトルキエ国内的にも才覚を示して説得していく形になっています。

敵対しているバルトライン帝国はヨーロッパっぽい大陸で一大勢力を誇る大帝国で、周辺国家を侵略しているようです。こちらは皇帝ゴルドバルト11世を戴く絶対王政のようですが、皇帝は基本的に帝国宰相であるルイ大臣に治世を一任している様子。

一応ストーリーとしては、「ルイ大臣主導によるバルトライン帝国の侵略に対抗するトルキエ将国の将軍・政治家としてパシャであるマフムートがどのように活躍するか」といった感じです。

「戦争嫌いのパシャ」として名を馳せるマフムートですが、決して戦闘指揮が苦手という訳ではありません。前半クールでは若輩のマフムートが失敗して左遷される中で経験と人脈を得ていく話が中心でしたが、変な青臭さと理想主義的な思考が垣間見えて、爽快感のないストーリーでした。

ただ、前半クールの終盤あたりから有能な仲間も見つかり、政治の現実のようなものに目覚めたのかマフムートの印象がだいぶん良くなりました。

トルキエ、バルトライン以外の国家(ポイニキア、ヴェネディック、ウラド、フローレンスなど)も出てきて各々の同盟や敵対にマフムートが絡むようになり、外交的な要素でけっこうおもしろい話になってきたと思います。

前半クールで切ってしまった人もいるかもしれない作品ですが、とりあえず後半クールでの伸びはこれからも期待できそうです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24
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