サプライズで漫画原作なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのサプライズで漫画原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月04日の時点で一番のサプライズで漫画原作なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.0 1 サプライズで漫画原作なアニメランキング1位
魔法陣グルグル (2017)(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (248)
1001人が棚に入れました
1992年に月刊少年ガンガンで連載を開始、
1994年、2000年に続き、連載25周年を記念して3度目のテレビアニメ化!


魔王を倒す勇者を募るというお触れを見た勇者マニアの
父と母によって、半ば強制的に旅に出されたジミナ村の少年ニケ。
村のしきたりに従って、村外れに住む魔法オババの元を訪ねたニケは、
そこで不思議な魔法グルグルを使う少女ククリを託される。
オババの話によれば、彼女はミグミグ族というグルグルを
使うことのできる一族の最後の末裔で、
いずれ現れる勇者を待ち続けていたのだという。

お調子者の小さな勇者と天真爛漫な魔法使いの少女が繰り広げる、
「思いっきり笑えて、ちょっぴり泣ける」
王道冒険ファンタジーが今、幕を開ける!

声優・キャラクター
石上静香、小原好美、小西克幸、大地葉、藤井ゆきよ、櫻井孝宏、大西沙織、岡本信彦、石田彰
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

スーパーハイテンポで、頑張って24話にまとめたと思う

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
内容的にはギャグ。ある意味、異世界ファンタジーなのでしょうか(笑)

まあ、原作ファン、また、旧作を少年時代に観た人間にとってみては、懐かしさだけで胸いっぱい♪ 正直、思い出補整かかっているから、本作単体の客観的なレビューは、若いレビュアーさんか、旧作未視聴の方の方が良いかもしれません(汗)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
魔法陣グルグルの良さは、魔法(グルグル)が失敗すること。1+1が常に2になるとは限らない。その時の思いの強さ(愛の深さ)がグルグルの威力であり、成功率。グルグルを通し、ククリとニケの信頼関係、愛情の深さを描くことで、単なるギャグで終わっていないのが良さです。

好き話はいくつかあるけど、「7話(発見! 妖精の村!)」なんか特に良かったです♪

恋バナ大好きな妖精の村(オリジナリティある設定)。恥ずかしがるククリ(萌え)。何度も死ぬキタキタおやじ(古典的ギャグ)。可愛い妖精の服ではなく、いつもの黒い服を選ぶククリ(その時にオヤジの服を持ってこられての「ワシがこんなの着るんかーい!」というツッコミには笑ったw)。ピンチになるニケ(バトル)。勇者を守る為に、怖がっていたバームバームを使うククリ(成長)。ククリの「私は綺麗な服は着れないし、今は旅をしてるんだもん。アタックなんてできない。でも……いいんだもん! だって私、魔法使いなんだから~! 魔法で勇者様を守るの! それが、私のアタックだ~!!」という言葉には、胸が熱くなった。ニケも、格好良い台詞を言うし(ホーイミーツガール)。その後は、ワンチンのビジュアルやギップルのクサイ台詞アレルギーw 臭い毛布なんかでちゃんと落とす(気楽さ)。消える妖精の村(ファンタジー)。最後には新たなグルグルを得て次の冒険へとすすむ(RPG感)。実に、グルグルらしさ、良さを詰め込んだ良回だったと思います♪

さて、この2017版のアニメですが、ものすっごいテンポが早いです。旧作では1期(45話)+2期(38話)で描いたストーリーを24話にまとめているので、単純計算で旧作の3倍以上のテンポで話を進めることになります。そのため、かなりギャグを削っています。それはしょうがないんですが、同じギャグでも、「間」を削ってしまったのは、少し残念でした。グルグルのギャグは、もう少し「間」を長くとった方が面白いものも多いので(あと、やっぱりナレーションツッコミは欲しかったな~と)。

それから、自分的には「グルグル」=「神曲」のイメージが強い(神曲→奥井亜紀「晴れてハレルヤ」・「Wind Climbing 〜風にあそばれて〜」)。そこまでではないものの、本作は、1クール目OPの「Trip Trip Trip」は、なかなか良かったかな。

ただ、最終話の挿入歌として、「Wind Climbing」が流れたのは嬉しいサプライズでした(そしてやはり、旧作の音楽の良さを感じました。ただ、恋するハートの挿入歌としては「晴れてハレルヤ」の方が良かったかも。そして、特殊EDでWind Climbing流してくれたら、より嬉しかったかな)。

……なんて、文句っぽくなっていますが、総括で述べたように、グルグルを復活させてくれただけで満点嬉しいんですよ、基本的には♪ ククリは相変わらず、絶妙な可愛さですしね♪ 旧作のカットにしても、きっと泣く泣くだろうし、3倍速という無理難題に果敢に挑み、キッチリまとめきった制作には拍手を送りたいです。グルグル愛を感じました♪

この作品をきっかけに、グルグルを知ってくれる、好きになってくれる若い方がいればそれで満足ですね、オジサンとしては。

(ちなみに、自分的に一番おもしろかったのが、Cパートの「グルグルぷちあにめ劇場」だったりしましたw 毎週楽しみにしてました♪)
{/netabare}

【余談~ 実はゲーム(SFC)が面白い ~】
{netabare}
グルグルは、確か2度ゲーム化されています。私は1だけプレイしましたが、結構面白かったです。

1は、基本的には「トルネコ」や「風来のシレン」のようなローグライクゲームです。

特徴としては、①「戦闘では魔法使い(ククリ)のみが捜査可能」②「難易度がやや高く、結構死ぬ」③「グルグル作りが面白い」④オリジナルストーリーながら、絶妙な原作再現度。ですかね。

①ですが、ニケは基本的に、作戦通りオートで戦うので、援護系が好きな方にはオススメ。

②は、初心者救済用にチート魔法がひとつあるものの、それを使わないという縛りをかければ、結構難しい。(この時代のゲームにありがちですが)ザコキャラに普通にやられますw

③は、一番のオススメポイント。ストーリー進行と同時に魔法陣の「要素」を覚えていき、それを上手く組み合わせないと正しくグルグルが発動しません。方程式みたいなのを複数覚えておかなければならないのが、作業感を減らしてくれます。

④ですが、原作2巻くらいでゲーム制作してるんで、ほぼゲームオリジナルストーリーです。でも、「グルグルを失敗したり」「ザコキャラに負けたり」「宝箱から変な物が出てきたり」「使え(意味)ないグルグルがあったり」「強いグルグルは簡単に覚えるのに、ククリのMPが足りなくて使えなかったり」「ニケが基本的に役立たずだったりw」と、そういうエッセンスとしての原作の良さをよくゲームで再現したなという感じです。

もちろん、凄い古いゲームだから、グラフィックなんてカスだし、色々と荒いけど、それもまたレトロゲームの味です。レトロゲーム好きで、本作(2017版アニメ)でグルグルに興味をもったなら是非、プレイしてみて下さい♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
まあ、グルグルだね。安定感はありますが、「懐かしい」と思えない視聴者にとっては退屈かも。あっ、「さっぱり妖精さん」お久しぶりっすw

2話目
原作や前作をうまく省きつつ、テンポよく進めていってますね。

3話目
生きてて良かった~かw 段々RPG感が出てきたね。

4話目
ギップルきた~♪ 修行、なんか「マギ」にも似た展開あったな。

5話目
ギャグのテンポが早いな(汗)

6話目
レイド、にくめない良キャラだよな~。

7話目
良い話。好きな話。

8話目
前衛が盗賊。後衛が魔法使いって、RPGならバランス悪いw ギップル、好き(笑)

9話目
なんかグルグルらしからぬ、魔法バトルしてるw

10話目


11話目
トマの墓w

12話目


13話目

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「思いっきり笑えて、ちょっぴり泣ける」王道冒険ファンタジーが今、幕を開ける!

この作品の原作は未読である上、恥ずかしながらアニメ化の発表があるまでこの作品の存在を全く知りませんでした。

物語を完走してwikiをチラ見して知ったのですが、もともと原作は1992年8月~2003年9月まで10年以上もの間連載が続いていた作品で、この間に2度もアニメ化されていたんです。
そして2012年から本編の続編の連載が始まり…そして今回のアニメ化に至っているというのが、この作品のこれまでの経緯です。

物語はごく自然に始まったので、まさか続編とは思いもよらず本作を思い切り完走してしまいました。
ですが、今回のアニメ化は続編とは言え原作の冒頭から始まっているのだそうです。
なので、途中の出来事はゴッソリ抜けているのかもしれませんが、物語をキチンと時系列を追いながら視聴できていることを知りホッとしました。

従って今回のレビューは過去2作のアニメ作品未視聴で、今回初めてこの作品を視聴したものになります。
もともと、この作品に食い付いたのは、キャラデザが可愛いこと、アニメーション制作がProduction I.Gさんであったこと、この2点でした。

Production I.Gさんがこういうゆるキャラ系の作品を手掛けるのが自分にとってちょっと意外でした。
だって、これまで獣の奏者 エリン、ギルティクラウン、PSYCHO-PASSや攻殻機動隊など、どちらかというと硬派な作品を手掛けるイメージがあったからです。
だから、当然期待もしていた訳なんですけれど…

この物語の主人公はジミナ村という辺境の地で生まれ育ったニケ…
彼は幼い頃から勇者になるべく父の厳しい修行に耐えながらここまで生きてきました。
そして物語の序盤…思い切りご都合展開なのですが、国王から勇者募集の案内をきっかけにニケは魔王討伐の旅に出ることになるのです。

ニケの住んでいた村には言い伝えがありました。
この村から旅立つとき、魔法オババのところに立ち寄らなければならない、ということです。
ニケは言い伝えに従ってオババを訪ねたところ、ククリという少女に出会う事ができました。
彼女は「グルグル」というミグミグ族にしか使う事のできない魔法使いだったのです。
でもククリの魅力はグルグル使い、だけではありません。

キャラがデフォルメされているので、分かり辛い…いいえ、デフォルメされていても可愛らしさが滲み出るほどの女の子なんです。
物語の展開上、キャラがデフォルメされていることで救われた一面もあるので結果オーライなのですけどね。
こうしてニケとククリは魔王ギリを討伐する旅に出立し、物語が動いていきます。

ニケとククリの旅は決して順風満帆ではありませんでした。
どの場所でも敵が総力戦を仕掛けてくるのが一番の理由ですが、そもそもニケとククリは駆け出しの冒険者でレベルが低すぎる点、も困難に輪をかけた要因になっています。

でもこの絶対的不利な条件がニケとククリには似合っています。
何故ならピンチになればなるほど、お互いを助けたいと強く思う間柄でしたから…
その強い思いが二人の新たなページを開き物語が進んでいく、という展開が基本なんです。

それと、相当の試練を伴う旅のはずなのですが、今一つ緊張感に欠けたパーティー構成も見逃せません。
常に二人に付き従うのは、風の精霊で道案内を兼任するギップル…
外見は一見可愛らしくみえるのですが、衣装が著しく個性的なんです。
それにクサい台詞を聞くと悶絶して倒れてしまうというオマケつき…
まぁ、時には頼もしい存在でもあるんですけどね。

でも、旅を続けるニケとククリとは全く別の意志が介在し…結果的に一緒に行動する機会の多かったのが通称キタキタおやじ…
彼はキタ村に代々伝わる「キタキタ踊り」を伝承する相手を探して旅をしていたのですが、偶然か、必然かは別にして何度も死線を一緒に潜る仲になりました。

別にニケとククリは望んでいた訳じゃないんです。
ただ、ふと気が付くとそこにいるんだから、そのおやじは本当に不思議です。
しつこいし、暑苦しいキャラではあるのですが、嫌いになれないタイプのキャラでした。

後は物語の展開に応じて同行する仲間がちょいちょい変わりながら二人の旅は続いていきます。

私はこの作品では声優さんに先行して食い付かなかったので、後から知った事が多いのですが、中々の声優陣で構成されています。
主人公のニケを演じるのは石上静香さん…
石上さんには演技の幅の広さに驚かされっ放しです。
「精霊使いの剣舞」では完璧な姉を羨望の眼差しで見つつ、自分の不甲斐無さを責め続ける公爵家の次女を…
「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」では下ネタテロ組織の首魁である華城綾女を…
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」では豊饒の女主人の元でベルの帰りを待ちわびるシル・フローヴァを…
この様に様々な顔を持つ石上さんですが、個人的には「食戟のソーマ」の水戸郁魅や「落第騎士の英雄譚」のメインヒロインだったステラ・ヴァーミリオンの様な、芯が一本通る凛とした女性の配役がとても似合っていると思っています。

目に入れても痛くないほどの可愛らしさを有するククリのCVは小原好美さん…
まだ新人さんの様ですが、2016年春アニメで「わたしにとってそれは…まるで月あかり」
この一節が胸に刺さった純愛物語「月がきれい」のヒロイン…水野茜を演じた声優さんです。
ククリと茜の性格は真逆…でもどちらも心に残るキャラに昇華されたのは小原さんの功績にほかなりません。

ギップルのCVが櫻井孝宏さんと知った時は、全然気付かなかったのでビックリでした…

ちょいちょい一緒にパーティーを組む仲間の一人だったジュジュちゃんのCVは大地葉さん…
これまで色々な配役をこなしていますが、一番好きなのは「プリンセス・プリンシパル」のドロシーです。
ドロシーは作品の中でも1,2を争うほど魅力的な女性でしたから…

この様な旬な声優さんと一緒に積み重ねる2クール全24話…
グルグル魔法の謎と真意…その他の伏線がきれいに回収されていきます。
このレビューのタイトル通り「思いっきり笑えて、ちょっぴり泣ける」作品…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

ククリちゃんの可愛らしさを堪能しつつ、RPG感を味わいたい方にはピッタリの作品だと思います。
物語の締め方もこの作品ならでは…という感じで良かったと思います。
やっぱり完結するアニメって良いなぁ…と思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

おぬごん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あの名作をラストまで再アニメ化!代償は爆速テンポ…ギャグの補完はwebで

90年代前半から「ハガレン」登場までの約10年間、少年ガンガンを支えた名作が再アニメ化
作者が元々ドラクエ4コマ劇場の作家なのもあり、内容はファンタジーRPGのパロディギャグ&一応王道の冒険モノ
昨今流行りの「剣と魔法の世界」「勇者と魔王の世界」系の作品の元祖と言っていいかと思います
私自身原作も後述する旧アニメも本当に大好きで、実家に原作が全巻あるにもかかわらず、大学時代にサークルの部室用に再度全巻購入し直したくらいですw

94年にテレ朝系でゴールデンタイム(!)に4クール(45話)、00年にテレ東系の夕方枠で3クール(38話)のアニメが放送されていましたが、前者は途中からオリジナル展開になり、後者も原作完結前ということで途中までのアニメ化に終わりました
今回は晴れて原作の最初から最後までを通しでアニメ化となったわけですが、その話数はなんと2クール24話!!
そのため話のテンポがとんでもなく早く、94年のアニメで3クールかけてやってた話が、なんと今回は7話で終わりますw
同様に00年のアニメ3クールの放送範囲も8話~17話の10話で消化!
このテンポのため、一部展開に加え、作品の肝でもあるパンチの利いたギャグがかなり削られてしまいました
また旧アニメで非っっっ常にいい味を出していた冷めたナレーションもなくなり、原作準拠のテロップに変更
これらの変更のせいで原作ファンや以前のアニメを見ていた層には当初あまり評判が芳しくなかったように思います
かくいう私もナレーション消滅やギャグカットに不満を持っていました…パンを尻にはさんで右手の指を鼻の穴に入れて左手でボクシングをしながら「いのちをだいじに」と叫ぶ王子が見たかった…

ただスタッフもギャグカットは心苦しかったようで、次回予告やwebアニメ「ぷちあにめ劇場」で原作はもちろんドラクエ4コマ劇場のネタまで拾ってくれたりとかなり頑張って補完してくれていました
カットに伴うストーリー展開の変更に合わせて本来は別の場面のギャグを盛り込んだりもしてくれていましたし、
終わってみればスタッフは2クールという枠の中で最大限の原作愛を示してくれていたように思います
最終回には旧アニメファンに嬉しいサプライズもありましたしね!

キャスティングは旧作が17年前ということで一新
ニケ役の石上静香は発表の時点でピッタリなのがすぐに分かりましたが、ククリ役の小原好美も初々しく可愛くて良かったです
キタキタ親父役の小西やギップル役の櫻井は旧作とあまりに違うので最初は違和感がありましたが、お二人とも流石に上手くすぐに慣れました

作画はドット絵風の演出には賛否両論あるでしょうが、さすがのProduction I.G.
音楽は劇伴は良かったんですが、OPとEDは旧作の良さを考えると物足りなかった印象


このアニメで初めてグルグルに触れた方、旧アニメと比べて不満を持っている方は、ぜひ原作も読んでみて下さい!
前半の絵の下手さと後半にかけての絵柄の変化に驚くと思いますが、ギャグの面白さは最高です!
キタキタと2………? ………まあお好みで(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

80.2 2 サプライズで漫画原作なアニメランキング2位
「ReLIFE」“完結編”(OVA)

2018年3月21日
★★★★☆ 3.9 (458)
2107人が棚に入れました
「ReLIFE」は社会で挫折を味わった27歳の主人公・海崎新太が、とある研究の被験者になり高校生活をやり直す姿を描いた作品。テレビアニメは2016年7月より放送され、完結編ではテレビアニメ全13話の続きとして海崎のリライフ実験が終了するところまでが描かれている。

声優・キャラクター
小野賢章、茅野愛衣、木村良平、戸松遥、内田雄馬、上田麗奈、茜屋日海夏、杉山紀彰、浪川大輔、沢城みゆき、羽多野渉、白石涼子
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

青春のやり直し…その結末

あの続きを見ることができる、本当にありがたい。すでに全話が出ていますが、AT-Xで1話ずつ放映してくれるので、そこまで待っていました。続きなので、前回に重ねていこうと思います。

14話…そして気づいた
{netabare}相変わらず千鶴はかわいい。というより、可愛くなったと言って良いのでしょうね。表情も変わる、笑顔も出る、友達とも気軽に会話できる。本当にこの子は大丈夫か?という最初の頃が懐かしい。
千鶴が新太を被験者と疑いはじめたけど、それは新太を意識しているからこそ。まぁ、新太も千鶴も考え方や行動が大人だから分かりやすいんだけどね…。了から杏へのバトンタッチ、杏も相変わらずよい。
文化祭実行委員に選ばれた新太と自薦の千鶴。本当に似合いはじめている。そして、自分の気持ちに正直になった新太。「日代さんが好きだ…。」おぉ、おぉ!その言葉を待っていたぞ!
そういや、学園もので文化祭をまともに話に入れる作品て、最近少ないような気がする。けっこう楽しみ。{/netabare}

15話…他人の記憶には残らなくても
{netabare}文化祭、新太たちのクラスはカフェ。執事&メイドで賑やかに。
千鶴はもやもやの気持ちを確認するかのように新太に対して積極的に。嗜める新太だけど、逆に思いが深くなる。クラスメイトととの交流で、このまま成長できないかと思うようになるが、了から色好い返事はないが、新太の変化がとても良い方向だという。
卒業の記念写真。新太も千鶴もこの写真から消えることになっている。それでも撮影は行われる。離れた二人が見つめ合いながら。

千鶴が積極的だ。好きな子にあんなにグイグイ来られて嬉しくないはずはない。けど、新太のどうしようにもない気持ちがとても切ない。見ている方ももやもやだよ…。{/netabare}

16話…デートします(by戦場ヶ原ひたぎ)
{netabare}押してもダメなら引いてみなと試す千鶴。玲奈に促され、千鶴は新太をクリスマスデートに誘う。二人で楽しいひとときを過ごす。二人を見守る杏と了。でも、見守る方も切ない…。プレゼント交換する二人。新太も千鶴も先が見えているだけに気持ちが揺れる。が、互いに気持ちが同じだったことを理解する。ようやく通じあった二人だった。

やばい、ラストのシーンから涙止まらなくなった…。EDの入れ方の絶妙さ、そして二人を描いた絵の美しさ。これまで見守ってきた二人の関係がここで通じあったことへの思いも重なって、本当に涙なくしては見れなかったです。でも、もう最後が待っているんだな…切なくて切なくて…。

デートシーンの動かし方、上手かったな。予算が少ないなかで精一杯描いた感じが交換持てました。あのプレゼント、きっと最終回の重要アイテムになるんだろうな。あぁ、もう終わりか…。{/netabare}

17話…思い出とともに去りぬ…けど、思いはきっと通じる
{netabare}卒業が迫る。新太のリライフ実験は成功と判断された。千鶴と新太の関係は心が繋がったまま終えることになる。
卒業式。仲間たちとの別れ、それは仲間たちから新太と千鶴の記憶が消えていくことを意味していた。そして、新太と千鶴も別れのとき…。「忘れたくない」「忘れない」本当のことを伝えないまま、そのときは訪れた。
実験の終了。新太、千鶴ともに薬を飲んで実験を終えた。千鶴がそっと手に書いた文字を見て涙が止まらない杏だった。
ちょっとだけ時が過ぎる。新太はリライフ研究所に就職していた。その飲み会の席で偶然にも千鶴と出会う。千鶴もリライフ研究所に就職していた。しかし、二人が過ごしたことだけは思い出せないため、初対面の感じである。その帰り際、二人はまた合う。被験者を隠さないでいた新太に千鶴は自分も被験者であったことを告げる。その思い出を語るなか、二人は互いのことを思い出す…。

もう、卒業、杏の号泣、ラストのシーン涙止まらなかった。切ないやらほっとしたやらで。最後はこうなるだろうと、なってほしいと願った通りの終わり方だったなと思います。千鶴のリライフ就職は了と杏の置き土産だったんだな。そりゃ、二人のことを了も杏も何とかしてやりたいけど何もできないもどかしさが強かったしね。いい繋ぎ方だ。それと、新太の訪れた先が大神というのもね、そういや、兄貴のことで悩んでたっけ。
これにてリライフの物語は終了。良い物語でした。{/netabare}

良いラブストーリーでした。って、本来は青春群像劇だったんだけど…。まぁ、4話に綴じ込めようと思ったら、新太と千鶴の二人の物語にしないとまとまらないです。ほのかと二人のこと、リライフ研究所の中身と本当の目的、了と杏のこと、そのほか、たくさん積み残したまま終えてしまいました。二期は無理だと思っていただけに、二人の結末を見ることができただけでもありがたいことではあります。

千鶴と杏の二人、茅野さんと上田さんが本当に良かったと思います。最終回のデキは秀逸。絵はきれいなんだけど、ちょっと違和感がある場面もあったかな。モブが単なる影の表現は寂しいですけど、時間がないなか、予算が限られるなかでの手段だったのだろうと思い、それはスルーしておきます。

青春のやり直し、あの頃に戻ってやり直したいな、そう感じるちょっと疲れた大人に見てもらいたい、そんな青春ものです。興味を持った方は一期から通してみることをお勧めします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とっくに通り過ぎた青春時代をもう一度体験してみて、その結果得たものは…。

ReLIFE(リライフ)のOVA。

アニメ「ReLIFE」の続編で、
この4話で作品は完結します。

TV版もよかったけど、
この完結編はたった4話でTV版に匹敵する満足度が(*´ω`*)

TV版だけで終わっているともったいないです!
完結編まで見届けて初めてこの作品の良さが味わえました^^

OVAは全4話です。


● ストーリー
27歳の海崎新太(かいざき あらた)は、
仕事をやめてニート生活。就職活動も難航。

そんな時にリライフ研究所の夜明了(よあけ りょう)に声をかけられ、
一年間高校生として過ごすという実験に参加することに。

夏休みも終わり、2学期。

進路相談など、高校生活の終わりが見えてくると同時に、
その先のみんなの中に自分はいないことを考えてしまう。

そして日代(ひしろ)さんへの気持ちも加速していき…。


たった4話しかないので、
時間の経過がものすごく早いです。笑

文化祭して、クリスマスがあって、あっという間に卒業式…。

周りに恵まれ、楽しい高校生活が送れて、
幸せですね^^

いつでもみんなとのにぎやかな日々があって、
それを噛みしめるたびに終わりの時を寂しく思う新太。

卒業したらみんなの中から自分は消えるとわかっていて、
だからこそ日代さんへの気持ちも押し殺そうとする。

TV版では悩みや葛藤に苦しむ登場人物たちが描かれ、
新太はサポート的な立ち位置にいましたが、

OVAではみんなが楽しそうな描写で、
悩んだり葛藤しているのは新太や日代さんです。

自分のこの気持ち(ズバリ恋心)にどう向き合うか。

ハッピーエンドになってほしいけど、
都合の良い展開では満足できないぞーと思っていましたが、

設定に矛盾の生じない、かつ、個人的に納得のいく終わり方で、
私はとても満足です^^


≪ 新しい自分へ ≫

人生に行き詰まったとき、
ゲームのように簡単にリセットはできない。

だけどもし、リセットすることができたら、
新しい自分になって、また進み始めることができるかもしれない。

人の心の問題は、
人の中でしか癒されない。

人との関わりの中でしか、
本当の自分も、新しい自分も見つけることはできない。

生きていくことの基本は、
やっぱり人と関わることなのだなあ。

関わりなしで有意義な人生を送ることはできないし、
輝く自分を見つけられない。

自分がここにいる喜びを感じることはできないし、
自分をまっすぐ見つめることはできない。

この作品が直接的に、
説教的にそう語っているわけではないけれど、

新太たちの姿を見ていると、自然と考えさせられます。
人との関わりはいいものだと。かけがえのないものだと。

リライフして、手に入れた新しい人生と新しい自分。

きっと今までよりも自信を持って、
自分のことが好きになって踏み出せますね^^


● キャラクター
TVシリーズからの変更はありません。

強いて言うなら、登場人物以外のモブがほとんど、
影でしか描かれてないのがホラーでしたw

OVAだし、そこまで手がかけられなかったのかな?

でもやっぱり登場人物たちは安定しています。

私が好きなのは変わらず大神(おおが)くんです。

狩生さんの話で照れて赤面する大神くん可愛すぎてやばい(*´Д`)
ピュア大神最高(*´Д`)

新太もかっこよかった♪
優しい新太は、いい旦那さんになりそうです^^

日代さんを思う切ない新太を演じる小野賢章さんの声がよかったです。
きゅんとした(*´Д`)


● 音楽
【 OP「ボタン」/ PENGUIN RESEARCH 】

TV版と変わらないOPです。

でもこの曲大好きだから、問題ないです♪


EDはTV版同様、“新太が高校時代に聴いていたMDに入っている曲”というコンセプトの選曲。

選曲もいいし、今回はアニメーションとの相性もよかったです^^


● まとめ
リライフ生活は、
リセットされた環境での一からのスタート。

今いる自分を殺さずに生まれ変わらせるって、
真面目に考えてみると、結構実用的な実験だよね。

実際にこれからあってもおかしくなさそう。笑

いい青春物語でした。

OVAは話数が短いけど、
ちゃんと完結まで描いてくれて嬉しかったです♪

TV版も良かったけど、
このOVAはさらに良かった。

見てよかったと思いました^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

海崎新太(27・無色)のやり直し青春ライフ、ついに完結…。

2016年の夏アニメで放送されてから約2年…
まさかこの作品の完結編が出るとは知らなかったので、私にとっては嬉しいサプライズでした。

アニメ本編では、海崎が3年生に入学するところから始まり1学期と夏休みまでの出来事が描かれていました。
この完結編では、思い出の詰まった夏休みが終わり2学期を迎えたところから物語が始まります。
もちろん、物語の内容は本編から繋がっているので、本編未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

この完結編の見どころは…私は「気付き」だと思います。
高校生になって個性的なクラスメイトと知り合って友情を育んでいく…
そこには高校生ならではの葛藤や悩みが溢れていて、27歳の海崎にとっては良い刺激だったのではないでしょうか。
社会人が道を決めて踏み出す一歩と、高校生の一歩は重みが違います。
そりゃ、背負っている荷物の大きさが違うから当然といえば当然です。

でも、この作品を見て思ったのは学生時代に踏み出した一歩によって自分に跳ね返ってくる責任・感情・事象…
これらは社会人として一歩を踏み出すための貴重な経験だった…ということです。
だから重さではなく踏み出すことが大切なのだと、この作品を見て思いました。

彼らは一歩ずつ歩んでいきます。
そして誰もその歩みを止められない…
その道は順風満帆で良い事ばかり…ということは決してありません。
悔し涙を流したり、死ぬほど後悔したり…
全ては人として成長する過程であり、これは誰もが通る道だと思います。
きっとこれが学生の本分なのかもしれませんね。

この物語は、学生の本分を噛み締める一方で、もう一つの気付きを与えてくれます。
ゼロからのスタートで最初は何でもなかった…
でもある日ふと気付くと視線が…きっとこれも誰もが通った道だと思います。

自分の意のままに行動する…もちろん縛りはありますが、これは学生に与えられた特権の一つです。
周りは当然の様にその特権を行使します。
でも、自分自身の枷がその特権に歯止めをかけるんです…
だって学生であって学生じゃないから…

だからこの葛藤も気付きが与えてくれた恩恵なんだと思います。
進みたい思いを必死にこらえて…でもまた直ぐ壁に直面して、そんな堂々巡りの繰り返し…
でも仕方無いんです…これが自分の選んだ道なんだから…

だから課せられた運命は受け入れる必要がありました。
それが最初の約束でもあったから…
でも、気付きから生まれてこれまで大切にしてきた気持ちが、運命を受け入れつつも抗わずにはいられなかった…
正直こんな展開は予想だにしていませんでした。
だって、全然抗うこと自体想像できなかったから…
だからそれがどれほどの効力があるかは分からない…
それは自らの記憶に刻むため…そして未来の自分の可能性に賭けた最後の足掻き…
私も小野屋と一緒にボロ泣きでしたよ…

この完結編における「気付き」とは何なのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
そしてラストの同調連鎖からの気付きはもう堪りませんでした。

オープニングテーマは本編と同じ…
エンディングテーマも本編同様、懐かしい歌が目白押し…
でも、16話のエンディングが久保田利伸 with ナオミ・キャンベルさんの
「LA・LA・LA LOVE SONG」で良かったと本気で思いました。
ここぞっ、という絶妙のタイミングで流れてきましたから…

サプライズって、嬉しい事ばかりじゃないのは分かっています。
それでも、この完結編は私にとって間違いなく「嬉しいサプライズ」でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
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