たから さんの感想・評価
3.7
《感想》谷口悟朗監督のSFパニック群像劇アニメ※酷評注意(弱め)
《レビュー&感想》
では、今回は『revisions』!!
渋谷が300年以上先の未来に飛ばされる「渋谷転送」に巻き込まれた主人公達が現代に戻る手段を探す姿を描くオリジナルアニメ作品。監督は『コードギアス』などアニメファンを魅了し続ける谷口悟朗さん。シリーズ構成は『サイコパス』などの深見真さんということでございます。
ほかの方のレビューを読んでいると、かなり主人公うざいという方が多いように見受けられました。かなり叩かれてますね。いやしかし、僕は承認欲求満載の自己中を主人公にする辺りからかなりチャレンジを感じましたけど。
本作は、公式のイントロダクションを読んでいただければ、わかるんですけども、「青春"災害"群像劇(ジュブナイルパニックアンサンブル)」と称されてます。で、いわゆるパニック映画の要素と、主人公達が高校生ということで、青春要素と、さまざまなキャラクターに焦点を当てている群像劇的な要素があります。さらにいえば、SF要素も入っているんですよね。かなりいろんな要素が入っております。
ただ、正直、宇多丸さんの言葉をお借りすると1個1個がめちゃめちゃダメとかじゃないんだけど、1個1個の味が薄くなってしまっているんですよね。食卓に料理が沢山並んでるけどどれも微妙という気持ちです。
まずは、褒めのほうを言っていきますと、本作は全編のほとんどがCGなんですけども、やっぱりどこか動きがぎこちないところもあるんですよ。でもですね、戦闘シーン・・・カメラワークと、ぐりぐり動くのが観ててとっても気持ち良かったです。バトルってかなりアニメ映えするものですけどここまでのものがくるとは思いませんでした。ちょっと日本のCGも着々と進化していってるんだと感銘を受ける一本になるとは思いませんでした。あとは、題材の要素てんこ盛り感や主人公の承認欲求満載自己中というのに僕は谷口悟朗さんのチャレンジ精神を感じました。
で、実際の内容の話に入ろうと思うんですけども・・・。渋谷が300年以上先の未来に飛ぶということなんですけども、街ごと人が未来に飛ぶっていうのお話に自分は初めて出会いまして、過去にそう言った作品があるのか知らないんですけども、街ごと未来に飛ばされるっていうのがもうすでに現実味がなくて、そんなお話を描き切るなんて普通に考えてらそうとう難しいと思うんですけども、実際見ていてやっぱり題材が難しかったからか、「渋谷転送」という災害がもたらすものっていうのが伝わらなかったです。かなりチャレンジな題材なんじゃないかなと思います。
ただ、『コードギアス』などと同じで、作品内ではたくさんの出来事が次々と起こって、解決したらまた何かが起こってまた解決するという流れが最後までノンストップで繰り返されて、見てる側としては毎話続きが気になってしまうような作りになっていて、素直にさすがと思ってしまいました。でも、出来事が起こって解決するっていう1個1個も全部薄味で物足りないんですよね。
じゃあどうすればよかったかというと、単純に話数の問題なんじゃないかなと思います。これはこのテレビの枠である以上、解決できない問題なのでしかたないことなんですけど。でも、12話って最初から決まっていたとしたら、いくらなんでも、詰め込みすぎなんじゃないかな~ということでございます。この展開別にいらなかっただろっていうのが結構あります。粗雑な部分も何個かありましたし。ホントに、詰め込みすぎだな~と思います。
とはいえ、めちゃくちゃひどいとかそういうわけではないです。これは、逆にめちゃくちゃひどいわけでは無いから中途半端な作品とも言えます。でもですね、ぜひぜひ、今テレビで観てる方はそのまま見続けて、まだ見てないという方は今からでもネットフリックスを登録して1話からみるのもいいともいます。ぜひぜひみてください。
あと、谷口悟朗さんは登場人物の心情というものをとても大切にしている方なんですけども・・・
{netabare}
唯一、主人公の大介がアニメ的な演出や、内山昂輝さんの演技も含めて一番描かれていたと思います。主人公なので大事に扱われるのは必然なんですけども、主人公の成長のエピソードは丁寧に描かれていて、確かに最初は「自分はみんなを守る」とか、「ようやく自分の望んだとおりに活躍する場面がきた」など、周りからしたら迷惑だし、自分勝手の現実見れてないやつだったんですけど、それが最後に成長して、みんなから認められ始めたときの、主人公が立派になった時はとても快感でした。自分は主人公成長物語が大好きなので、最高でした。
そして、成長して敵に勝ち気持ちよく最終回を終えることが出来ました。ただ、よく、こんな現実見れてないような人間を主人公にしてしばらくそのまんまにしていたなと思いますね。視聴者がイライラしちゃいますよ。
でも、どこかかわいそうな部分もある主人公だなと自分は思っていて・・・主人公の行動や発言っていってしまえば、認められたいという人間の欲求の究極版みたいな感じで、自分はすごいやつだと思い込んでいて、でも、周りから認められていないからあんな行動を起こして、すごいんだぜっていうところを見せようとしていて、空回りしてしまっているわけじゃないですか。いってしまえば、痛いやつなんですけど。ようするにですね、大介くんは悪気が全くないんですよね。
そんなキャラを主人公にしてしまったあたりは普通に挑戦的だなと思います。でも、こういう人ってよくいると思います。悪気はないんだけどイラつかせたり、迷惑かけていたりする人って。そういう人の成長物語だと思えばいいと思います。強いて言うなら、大介がミロから言われたことをちゃんと例の冒頭シーンで見せていればうざさ軽減になったんじゃないかなと思います。どこか、可哀想な感じをちゃんと演出していないとダメだと思います。ちょっと少しだけフォローとこうすれば良くなったんじゃないかなという、気持ちを書きました。
{/netabare}
あ、あとですね、OPのオーラルの曲最高でした。レビュー読んで下さりありがとうございます\(^o^)/