バイオレンスで組織なおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのバイオレンスで組織な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番のバイオレンスで組織なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.9 1 バイオレンスで組織なアニメランキング1位
ヨルムンガンド(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (2879)
15447人が棚に入れました
―――僕は、武器商人と旅をした。
両親を戦争で失い、武器に関する一切を憎む主人公の元少年兵ヨナは、神の悪戯か、若き女性ウェポンディーラー、ココ・ヘクマティアルと、その部下である「ヒトクセもフタクセもあるが優秀な」私兵8人と世界各地を旅する事になる。

声優・キャラクター
伊藤静、田村睦心、石塚運昇、大原さやか、乃村健次、小西克幸、四宮豪、勝沼紀義、羽多野渉、箭内仁、松風雅也、冬馬由美、小山剛志、神田朱未、土師孝也、加藤沙織、高島雅羅、堀内賢雄、高梁碧、松本大、藤原啓治、阿澄佳奈、小柳良寛、保村真、磯部勉
ネタバレ

ポル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「ふふーんふ」ココとヨナの旅

1話目から引き込まれました。
主人公はおそらく少年兵ヨナだと思いますが、武器商人ココが中心となって話を進めていくのでココも主人公っぽい。ココの商人としての頭の回転の速さ駆け引きのうまさも見所ありました。ヨナも少年なだけに経験未熟ながら並外れた戦闘力の才能があり活躍が期待されます。
武器を扱うわけですから暗い話が多いのかと思いましたが物語はシリアスなのにシュールな笑いも含まれておりところどころでププっと笑ってしまう場面も。
もちろんグロぃ部分や残酷なシーンもけっこうありますがそういった部分もやわらげてくれる話の流れでした。
武器や兵器には詳しくありませんがすごくリアルに描かれており、またそういう関連の知識がなくともわかりやすく物語が進められておりストレスなく見ることができました。
銃の他に戦闘機、戦闘ヘリから対戦車ミサイル、色々出てきてすごかったです。武器商人のココの私兵メンバーも個性的でかっこいい。
これからどんな感じでストーリーが続くのか毎回期待しながら見ることができました。

話数ごとの感想↓
1話 ガンメタル・キャリコロード
{netabare}
褐色で銀色の髪の少年ヨナ。私兵メンバーに紹介する前、ココがヨナに銃を持たせた意図に作為(いたずら)が感じられてしょうがない。ココさん勢いよくドアを開け、ドアの横にいたおっさん兵士は開いたドアにおもいっきりぶち当たりワイングラス落として口から血がしたたっている(笑)ヨナの紹介をするココ。私兵メンバーの心の声「新しいメンバー少年兵だったのか、チャカ持ってる怖ぇぇ」
車で移動中、ヨナが淡々と状況を把握いきなり銃をぶっぱなす行動を見たココの反応(驚きでビビって半泣き)には笑えた。
武器商人ココの武器を売る目的は世界平和だという。
武器があるから戦争がおこるんであってその考え方に疑問を感じる。
どうなるんでしょうか?
{/netabare}
2話 PULSAR
{netabare}
武器を輸送中、戦闘地域に巻き込まれ仕事仲間や会社と連絡通信さえできなくなる。
戦闘地域の兵士たちピリピリしてて怖い。
そういう緊張感の中、ココの状況判断と機転で銃を使うことなくピンチを切り抜けたのはスゴイと思いました。
少年ヨナの少し嬉しい気持ちもわかるような気がしました。
バルメはココが好きというのはわかりましたが女性同士なのでちょっと気持ち悪い思ったです。
ライバル社の武器商人、生きてたのか(笑)
{/netabare}
3話 ムジカ・エクス・マキーナ phase.1
{netabare}
数学の勉強をサボるヨナ、意外とずる賢い一面が可愛いね。殺し屋オーケストラに狙われるココ、バルメ負傷する。オーケストラの少女チナツ可愛い子だけどどこか人間性が壊れているという印象でした。ココを守るためヨナは突撃、レームのおっさんに止められて助かったのかな?突撃するヨナの行動を抑え、冷静さを取り戻すよう話しかけるレームさん、かなりの実力ありそうな感じでかっこいいですね。
それにしてもチナツ、ココの手を掴む暇あったら銃撃ってあっさり殺害できたのでは?とツッコミを入れたい。
{/netabare}
4話 ムジカ・エクス・マキーナ phase.2
{netabare}
オーケストラの師匠と呼ばれていた男、あっさり狙撃され死亡。狙撃担当のルツはもう一人が少女だと気づくと射殺できずチナツは逃亡。ココはそのあと警察に捕まり街の騒動の後始末のため一時拘束されるがあっさり釈放。怒ったアメリカ諜報員スケアクロウに殴られる。私兵が一時的とはいえ拘束されココを守るものがいないと気がついた彼女は一歩も動けず怖ばっていた。
ヨナが迎えに来たときの安心感。ココって強がってはいるが弱い一面もあるんだなと思いました。
3日後チナツが屋上から侵入、それを待ち伏せていたココたちと対峙、狙撃者が師匠を殺害したものより手練と感じたチナツはあっさり負けを認め銃を捨てる。ココに聞かれパンツをはいてない理由には(笑)チナツの質問、いずれ殺されるとわかっていて何故武器商人をやっているのか?伏せられており聞こえなかったがチナツの怯えようからしてとんでもない事なんでしょうけど謎ですね。
美少女チナツをあっさりと射殺したレーム。ルツは撃てなかったので何故と気になっている様子。レームのおっさん、過去に見逃したかわい子ちゃん女兵に仲間を5人殺された経験があると。けっこうイタイ過去あったんですねレームのおっさん。美少女チナツ死亡。なにかもったいないですね。ヨナを気に入っていたようですし仲間になれたかもしれないのにと。とこれは男だからそういう風に見ちゃうのかなw今まで何人も殺害してきた殺し屋なんですよね彼女も。
{/netabare}
5話 Vein
{netabare}
ヨナが武器商人ココと出会う前のお話。ココの兄で同じ武器商人のキャスパーさん涼しい顔してかなりのドS。ヨナいじめられてたんですね。かわいそうに。武器商人に対してヨナは世の中を操作する悪の根源と思ってるっぽいですね。実際、ラスボス武器商人ってイメージありますから。それにしてもヨナの戦闘力は恐ろしいですね。奇襲とはいえ一個小隊壊滅させたんですから、数分で。
{/netabare}
6話 African Golden Butterflies phase.1
{netabare}
今回は話の展開が色々動きをみせていました。
開始早々海賊に襲われているココ達。毎回戦闘に巻き込まれていますね。
船に侵入してくる海賊に少年兵、ヨナは命は取らず助けるがイタイ目にあう。同い年くらいの男の子なのでかわいそうに思ったんでしょうけどヨナは優しい子ですね。
スケアクロウはチェン・グオメンに目をつけていたようで色々取り調べを行っていましたが逃げられました。カレン美人なのに怖い。スケアクロウの護衛と思われるマッチョ男がボコボコに。このアニメに出てくる女性って強い女が多いですね。
朝、バルメにナイフのトレーニングに付き合うことに。バルメは強いですね。ヨナはかなりの手練と思うのですがまるで歯が立ちません。ナイフさばきの腕が違いすぎましたね。
アフリカに上陸し、マイアミ博士に会いに行くというココ。必ずといっていいほど彼女の作る物は軍事転用されてしまう、ロボット技術のスペシャリストである。1年前から会う約束をしていたらしいが約束をすっぽかされる。博士は絶滅危惧種である美しい蝶を個人で追うほどの蝶マニアで、ネットで最新の情報を聞き、蝶を探しに冬山奥深くへ出かけた模様。
以前から博士の技術を手に入れようと目論んでいる中国系の武器商人と思われるチェン・グオメンとココが武器の展示会場で出会う。前回のお話でキャスパーに気をつけろと忠告を受けていたこともあってチェン・グオメンに警戒しているココ。食事に誘われたようだが裏ではマイアミ博士をめぐっての争いの気配を見せている。
冬山へマイアミ博士を保護とそれに歯向かう敵の撃滅というミッションが開始された。撃滅という言葉と同時に全員の目が赤く光る(☆∀☆)怖いですねココの私兵たち。
向かうココの私兵らと、チェン・グオメンの部下カレンの部隊と戦闘が始まった。ヨナの機転で敵の待ち伏せを避けることができたのですが、ヨナ優秀ですね。そんな中、2本の銃剣付きピストルを所持してるカレンの姿を見たバルメの顔が怖い。過去に何かあった感じがしますね。
{/netabare}
7話 African Golden Butterflies phase.2
{netabare}
バルメとカレンの戦闘シーンはすごかったですね。このアニメに出てくる女って怖いよ。
中華料理店でココが食事を終わらせる頃にはカレンの部隊を誰も欠けることなく無事殲滅してました。ヨナのアイデアとはいえ、一人でほとんどの兵士を射殺したレームさんはすごいですね。バルメは頭部に軽い負傷、ルツはケツに負傷してましたが(笑)
スケアクロウの部下のショコラーデがいいキャラしてますね。ココとトイレで取引してるシーンはウケました。
最後、空港でヨナの注射嫌いがわかったときの皆のズッコケは作風に合わない感じでしたが笑っちゃいました。
{/netabare}
8話 モンド・グロッソ
{netabare}
前回、ルツだけが敵の跳弾によりケツに負傷したことでバルメに叱られ、バツの意味も含め訓練としてルツとヨナの山岳地帯での模擬戦が行われた。ルツボロ負け。罠を貼り、ルツを身動き取れなくする手際の良さ、ヨナは山岳兵としてかなり優秀ですね。ルツとヨナの模擬戦は面白かったです。
ショコラーデ、ココにダイヤ(賄賂)を渡されいいように使われそうな感じである。
元有名舞台女優にして引退後兵器ディーラーのアマーリアさんとココの対立抗争が始まる。ココより先に取引を決められかなり苦しめられたが、ショコラーデを使って動いていたためココの逆転勝ちで終わる。取引内容とかよくわからない曖昧な感じ。株を大量に公開買い付けされ、対策のためにイギリスを去っていく人。ココの策略によってドイツとスペインがUAVを購入したことによりココと交渉するために席を立つ人。何がすごかったのかよくわかりませんでしたがココ頑張ってたんだなと思いました。
{/netabare}
9話 Dragon Shooter phase.1
{netabare}
開始早々、海水浴をしてるシーンで、バルメにセクハラをしてるアールがぶっ飛ばされるところは笑いました。いったい何言ってるんだかよくわからないが飛ばされながらの断末魔の叫び。
マオがヨナへの「授業」では理科を担当、話をはぐらかされて授業が進んでなさそう気の毒に。ヨナも中々にしたたかである。

今回の話は空輸。兵器と一緒に人道支援団体の医師たちを追加ではこばなければならないという無理強いを強いられた模様。T共和国において戦争犯罪を繰り返す民兵組織「バルカン・ドラゴン」(通称「バルドラ」)のリーダーのドラガン・ニコラヴィッチが現地におりトラブルの予感しかしない。案の定、積み荷の医師たちのことがバレておりトラブル発生。うまくやり過ごして逃げる予定だったが、医師長の独断の行動により事態は悪化する。
ココの持ってくる仕事の空輸では毎回トラブルが発生してるようでありどうなることやら。
{/netabare}
10話 Dragon Shooter phase.2
{netabare}
バルドラの軍隊からなんとか逃げなければならなくなったココたち。
122mm野戦砲のマオが輸送機からフレシェット弾を発射シーン。恐ろしい兵器だった((;゚Д゚)ガクガクブルブル 爆発と同時に6000本の鉄の矢が降り注ぐ。一発で壊滅、大量虐殺兵器である。

スケアクロウに電話で「バルドラのリーダーを見つけた」と取引を持ちかけるココ。スケアクロウはプライドのせいか断るのだが、そのすぐあとにショコラーデに「バルドラのリーダーを楽に捕獲できるよう手配した。これ買わない?」ショコラーデ「買うっす(*°∀°)=3」スケアクロウ「Σ(゚д゚;)なにぃ」のやり取りはココのイタズラ心がみえて面白かった。

人を大量に殺戮しまくる人はある日ドラゴンに変わると言われている。医師団の女性にココもドラゴンなのでは?と言われたときの気持ちは心中穏やかではなかったのでは?ショックだったのではと思いました。それだけココたちの力はスゴイってことでしょうけど。
{/netabare}
11話 滅びの丘 phase.1
{netabare}
バルメが復讐を遂げるための旅に行っちゃいました。それを予見してついて行くヨナ。ココのもとへ帰りなさい言われヨナ殴られる(っ・д・)三⊃)゚3゚)'∴:. ガッ バルメって凶暴だなぁ。ヨナは付いてきた理由はココのためだという。理由を知ったバルメは殴ってすみませんでした。(*-ω-)ヾ(・ω・*)ナデナデ二人で大星海公司(ターシンハイコンス)へ陳国明(チェン・グオメン)を倒しに行く模様。いくら化物なみに強いとはいえ無謀すぎるような。

取引先で金の代わりに麻薬を渡される。キレたココは冷静さはなくいつもの不敵な笑みは見せず。バルメと過ごした時間は親や兄妹よりも長く、ココの気持ちの中では姉、教師、非常に大事な人となっている模様。心配でしょうがないって感じなんでしょうけど。ヨナはココのためバルメを無事連れ帰ることができるのでしょうか?心配です。

そんな隙をついてココたちを暗殺しようと新たな殺し屋たちが襲撃開始。開始早々ルッツのケツ負傷(笑)、最強のレームさんすでにやられてウゴもザックリ。うわー絶体絶命っじゃん。
{/netabare}
12話(最終話) 滅びの丘 phase.2
{netabare}
レームさんウゴくん生きてた。ピンチを乗り切り殺し屋3人捕獲。見逃す代わりに雇い主を暴露した模様。レストランよっぽどひらきたかったんですね。殺し屋稼業も見切りをつけたがっていたようですし。

睡眠薬の眠気をも跳ね飛ばしピンチを救ったヨナはすごいですね。普通の子供ではないよホントに。復讐を果たし、帰ろうとしてたバルメとヨナの前にカレンが襲撃。壮絶な結末である。「こんな世界やだぁあぁ!!」と叫んでいたカレンの気持ちイタイほどに伝わります。やられたら、やり返す。倍返しだ!の繰り返しじゃ負の連鎖、いつまでも終わりませんよね。

なぜか場所は変わり、ブラック課長の日常風景の描写。このおじさんは一体?CIA所属の課長さんらしいが。
ココの私兵のアール。CIAのブラック課長と秘密裏に会う場面で終わりました。ブラック課長が話していたオペレーションアンダーシャフト計画とは一体?2期へ続く。
{/netabare}

個人的評価↓

悪い点
{netabare}
●褐色少年が主人公という珍しいキャラなので好みが分かれる。
●武器商人らしい取引の描写が少なく毎回ドンパチやってるのが好みでない人もいる。
●淡々と人を殺害、グロぃ部分がある。
●何か特殊な性癖、もしくは趣味を持っているキャラがいるため見てて不快に感じる人そうでない人に分かれる。
●暗殺者で美少女を殺害処理したことでガッカリした人もいる。
●武器関連リアルに描かれてはいるが使い方に問題がある場合あり。実際の兵器に詳しい人に言わせれば、ありえないとかなんとか。
●アクションシーン、銃撃戦など単純に描かれていてガンアクション好きからは批評っぽい。
●武器商人自体悪の組織ラスボスイメージが強いので目的が「世界平和」と言われてもピンとこない。
{/netabare}

思いつく限りの悪い点を考えてあげてはみたものの個人的にはあまり気にならなかったのでとても良い作品と感じております。

良い点
{netabare}
○武器商人の取引描写は少ないが現地へ直接運ぶシーンが多く臨場感があって良い。
○キャラ(主人公とそれを取り巻くメンバー)魅力ある。
○ガンアクションものが好みでない人もわかりやすく見やすい。
○シリアスな笑いがある。
○OPも物語に挿入されてる音楽も良い。雰囲気を盛り上げる感じで良い。
○敵(ライバル社の武器商人・ココを狙う暗殺者)に魅力あり。ココほどではないにしろキャラはいい小悪党っぷりで良い。
○戦闘以外での日常のシーンがあり、暗いシリアスな雰囲気を緩和させホッとさせられる。
{/netabare}
総評
{netabare}
私はとても面白くて一気に見てしまいましたよ。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

武器嫌いの少年兵と平和を願う武器商人

武器を嫌う少年兵ヨナ。世界平和を望む武器商人ココ、とその私兵8人。
矛盾を抱えた2人は、それでも銃の引き金を引き、たくさんの殺人マシーンを売り続ける。
自分達の仕事のためにたくさんの人を殺す。必要ならば戦争だって促す。
しかしその果てに何があるのか。
矛盾と不条理が漂う悲惨で不公平な世界。ヨナにだって忘れられない過去がある。でも世界は好きだと彼は言う。
ヨナは決める。武器を扱うにも関わらず異質な空気を纏うココになにかを願い、ついていくことに。
誰かに告げる物語。「ぼくは武器商人と旅をした。」


ガンアクションで終わらない面白さがある本作『ヨルムンガンド』。
もちろんガンアクションはどの作品よりも秀でています。
銃の発砲音、被弾の瞬間、重厚感、またその場の緊張感もありありと伝わってきます。
いささかココのチームが強いので一方的な殲滅になることもしばしばですが、その圧倒的戦力はすがすがしいです。
他にもバルメの格闘シーンやウゴのカーチェイスのシーンも鳥肌が立つくらいすごい!
けれどそれだけでは終わらない。作中に登場する人物たちはみなそれぞれの考え、信念をしっかり持っています。
物語の駒じゃない。みんな地に足の着いた人間です。形而下の物事だけでなく形而上のことにもちゃんと手を伸ばします。
自分が誰なのか、どこに行こうとしているのか。直接語らずとも言葉の端々にそれが感じられました。
もうひとつ良いところはユーモア。
はっきりこちらに向けるというよりも作中の人たち同士でのコミュニケーションの自然なもので、彼らも笑っているのが良かったです。
実際にそういう場面で笑っていると、作中の人物たちも笑っていてそれがなんか面白かったです。変な共感でしたw
その場の空気がしっかりと描けていてとても良いです。

1期は銃撃戦中心にスイスイ進んでいくので非常に面白いです。
このまま2期も行くのかと思いきや、残念ながらそうはなりませんでした。
2期ではココの秘密裏に行われていた計画始動に向けて動き出すと同時に、敵も動き出します。
単純なドンパチが激減し、敵組織の語りや話し合いや説明がだらだらだらだらだらだらだらだらと続きます。
このせいか1話1話の構成もすごく下手です。キリが見えなくなっています。これは期待していた分すごく残念でした。

けれど作品としては全体的に良い作品でした。なかなかそこらにはない面白さです。
登場人物たちも良かったです。
ココのミニスカートが似合ってて好きでしたw伊藤静さんの声もばっちりです。
レームも好きだった。石塚運昇さん流石です。彼をおっさんと呼ぶ東條も好きです。笑えるw
チェキータもかっこよかったです。でも一番はワイリかなwあの笑みでの爆撃最高ですw


ヨナとココの抱える矛盾が向かう先は何処でしょう。
「僕は武器商人と旅をした。」この物語はヨナに何をもたらしたのでしょうか。




{netabare}

ひとつ許せないのはたびたびココがホテルの窓際に座ったり立っていること。
狙われている人が窓際にいちゃあダメでしょ!簡単にスナイパーに狙撃されちゃうよ!
まあそれだけ(笑)


ココのチーム内にスパイがいたというのはいささか安易なストーリーでした。
Rの告白のシーンの演出も微妙だったなー。それでもとすがるココの描写は良かったです。


計画「ヨルムンガンド」。
空にいる70万人を殺し、事実上世界を再構成する計画。
ヨナが向けた銃口の先は正しかったと思います。そしてそのまま殺すべきだった。
捨てに捨てられなくなった武器。どうして。この世界のどんなものより憎んでいるのに。
嫌っていたものでも、使うことを余儀なくされ、だんだんと手に馴染み、最後にはそれがなくては不安で生きられなくなってしまう。
まるで『ショーシャンクの空に』でモーガンフリーマンが言った台詞そのままです。
『ショーシャンクの空に』では、初め囚人たちは刑務所に入れられて当然不機嫌です。
なによりも目立つのが自分たちを逃がさないために高くそびえたつ壁。
彼らはそれを意地汚い憎しみと怒りでその壁を見つめ生活をします。
しかし、日数を重ねる内に刑務所での生活にも慣れ、力を絞りながらも娯楽を見つけて過ごします。
ある人にとうとう保釈の日がやってきました。おそらく60過ぎの老人。
彼は外に出ることを恐れていました。何十年も刑務所で暮らしていたのでは今更外での生活なんてロクにできっこありません。
釣り上げられたコイが陸で生活しろと言われているのとなんら変わりありません。
そしてやはり外でのスーパーの仕事や生活は上手くいかず、とうとう自殺してしまいました。
その後刑務所にそのことが伝わりレッド役のモーガンフリーマンが言います。
「最初は嫌っていた壁も、だんだんと慣れ、ついにはそれに寄り掛かることなしで生きられなくなる。」と。
悲惨です。言葉にならないほど悲惨です。
別にこれは違法した連中に限定したことではなく、同じことは僕らにも十分に起こり得ることです。
それがたとえ、嫌悪を抱かないものでさえも。
だからこそ悲惨で、とても恐いです。



でもね、ヨナくん。君がヨルムンガンドの発動を求めたのは自分勝手じゃないかと僕は思うよ。
君は両親を殺されたし、マルカも殺された。と、同時にたくさんの人を殺していきた。
だから殺された方の痛みも殺した方の痛みも深く感じ、理解することができる。
それでもヨルムンガンドの発動で犠牲者を出すことは絶対にしてはならなかった。
結果的に、武器の流通を牛耳り、世界を掌握することができるかもしれない。(それも崩壊は時間の問題ではあると思うけど。)
でもあの瞬間の君の叫びは君の苦しみでしかないんだ。死んだ人は声を出さない。
いくら世界がひとつであろうと、君が銃を持たざるを得ない世界で僕は持たなくてもいい世界にいる。
それはいつか交じり合うだろうし、科学の進歩につれて殺傷能力を高めた武器は僕らの頭部や内臓をいとも簡単に食い破る。
それが実際にどこかで起こっていたとしてもテレビを通して見るために現実感はひどく虚ろになっている。
「ふーん、可哀想だね」「大変だね」「あそこに生まれなくて良かった」なんて感想はザラだ。
テレビを切れば何事もなかったように自分の世界に戻っていく。
大してそれについて考えなければ、無差別に自分が殺されることもなく、さらには一生武器にすら触らないで死んでいくと思ってる。
同じ世界にいながら明らかに違う世界にいるんだ。
それを前提に言わせてもらうよ。僕らの世界にだって十分辛いことはある。ほんとうにどうしようもないことだってたくさんある。
どれだけもがいたって叶わないことがたくさんあるんだ。
「それは死ぬより辛いか?」正直僕にとってそれは微妙なところだ。まだ若いからってのもあるかもしれない。
けれどほんとうに微妙なところ。生きていればと思い直せるほど簡単ではないってことだよ。今の僕には。
でも君はヨルムンガンドに手を伸ばした。空が血に染まり、血で血を洗う戦いに拍車をかけたんだ。
止まらないさ。止まるはずがない。人の悪を君はまだ知らないんだ。ココも。
理論は理論だ。それだけさ。
君はオルフェウスと同じようにある意味の冥府へ下ったんだ。いいかい、最後に振り返るなよ。
さようなら、ジョナサン・マル。



{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

第2期のラスト2話手前までは良かったのに・・・無茶しやがって。

※1-2期すべて含めたレビュー・感想です。

◆総評

原作マンガが完結したあとにTV放送が始まっており、原作に準拠した無駄のない緊密なシナリオ構成・脚本になっていて、かつ制作スケジュールも分割2クールと余裕を持たせたので作画・演出とも最後まで安定して高水準にまとまっている面白作と評価できると思います。
とくに第1期は、息もつかせぬ緊密な構成でなかなか楽しめましたし、第2期もラスト2話手前の{netabare}ココの計画発表{/netabare}までは良かったのですが・・・

ねぇ、原作者さん、「正義は天秤と剣のイメージ」って知ってました?
裁判所の前によく置かれている「正義の女神(Lady Justice)」って必ず「天秤(英語で balance バランス)」をその手に高々と掲げているって知ってました?(もう一方の手には「剣」を握っています)

※こんな感じで
http://www.google.co.jp/search?q=%E6%AD%A3%E7%BE%A9%E3%81%AE%E5%A5%B3%E7%A5%9E&biw=1366&bih=622&source=lnms&tbm=isch&sa=X&sqi=2&ved=0ahUKEwjA69_o5KLOAhVLFpQKHV89Bh4Q_AUIBigB&dpr=1

最後に来て、{netabare}ココが問答無用で「天秤が欠けた剣だけの正義」{/netabare}を振り回し始めたのを見て、彼女が急に{netabare}バランス感覚を失って錯乱{/netabare}したのか?と思ってしまいました。
この一点でかなり本作の個人的評価を下げてしまいました(これがなければ評価点数4.0以上は確実だったのですが)。

※因みに、{netabare}「天秤(バランス)」を欠いた手前勝手な「正義(Justice)」{/netabare}を振り回すキャラというと、真っ先に思い出すのは、『ジョジョの奇妙な冒険』に出て来るエンヤ婆さん!(ジャスティスのタロットカード)→ココの最終イメージはエンヤ婆さんになってしまいました。


以前に見た同じヴァイオレンス・アクション系の面白アニメ『BLACK LAGOON』の方は、ちゃんと最後までエンターティンメントに徹していたので、個人評価を4.1としました。
それと比較しても本作は、作画・演出のレベルでは制作時期が新しいだけにさらに高評価しても良いくらいだったのですが、最後の最後でコケた・・・というか、もともとそういう結末に向けて走っていた作品だったのでしょうけど、個人的にはかなり残念な印象となりました。

いや、別に「{netabare}ワラワが正義じゃ!{/netabare}」でもいいんですけどね。
それだったら、最初から「これはそういう作品です」ということをちゃんとチラ見せしておいて下さいよ(ギアスみたいに)。
そうしてくれたら、それをネタに最後まで確り楽しめたのに・・・。


◆シリーズ別評価

第1期   ★   良 4.1 (82点相当)
第2期   ☆   並 3.6 (72点相当)
---------------------------------------------
総合    ☆   並 3.8 (76点相当)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


================== ヨルムンガンド (2012年4-6月) =================

{netabare}第1話 ガンメタル・キャリコロード ☆ 東欧の港湾都市、少年兵ヨナのココ・チーム入隊初日
第2話 PULSAR ★ 東欧の戦場、武器商人のポリシー
第3話 ムジカ・エクス・マキーナ phase.1 ★ 中東の湾岸都市(オーケストラ2人組との銃撃戦)
第4話 ムジカ・エクス・マキーナ phase.2 ★★ 続き ※ED 「白くやわらかな花」
第5話 Vein ★ アフリカ沖合いの輸送船、西アジア某国、キャスパーとの商談成立
第6話 African Golden Butterflies phase.1 ☆ 対海賊戦、南アフリカ上陸、Dr.マイアミ(ミナミ博士)警護
第7話 African Golden Butterflies phase.2 ☆ 続き、バルメの追うもの
第8話 モンド・グロッソ ☆ ロンドン、UAV(ドローン)売込競争、アマーリアとの商談
第9話  Dragon Shooter phase.1 ☆ バルカン半島T共和国、医師団空輸、民兵組織(バルドラ)との衝突
第10話 Dragon Shooter phase.2 ★ 続き
第11話 滅びの丘 phase.1 ★ 北アフリカ、バルメの過去、殺し屋ドミニク襲撃
第12話 滅びの丘 phase.2 ★★ 続き、大星海公司(ターシンハイコンス)襲撃、CIAブラック課長(オペレーション・アンダーシャフト){/netabare}
---------------------------------------------------------------
内訳 ★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)5、☆(並回)5、×(疑問回)0


OP 「Borderland」
ED 「Ambivalentidea」


========== ヨルムンガンド PERFECT ORDER (2012年9-12月) =========

{netabare}第13話 天を仰ぐ蛇 ☆ 最終ロケット打上げ(ココ-ミナミ博士)、アールの事情、ヘックス軍事担当工作員
第14話 Dance with Undershaft phase.1 ☆ フランス、アール&ヘックスの過去、迫るCIAの影
第15話 Dance with Undershaft phase.2 ★ プラハ、ヘックス隊の襲撃、内偵者アール死亡、愛国者ヘックスの最期 ※ED 「真実の羽根」
第16話 キャスパーとヨナ ☆ ジャカルタ、日本 ※過去シーンの使い回し多く×
第17話 嘘の城 phase.1  ☆ 東京、対SR班戦
第18話 嘘の城 phase.2  ★ 続き、東条の過去、日野木一佐
第19話 Pazuzu ☆ イラク、ワイリの過去(1991年湾岸戦争)、エクスカリバー社襲撃隊との交戦
第20話 NEW WORLD phase.1 ☆ 南アフリカ、ココとミナミ博士の約束、ヨルムンガンド命名
第21話 NEW WORLD phase.2 ☆ バブーリン博士救出、ココの策動、ブラック課長の警告、グアンタナモ基地襲撃計画
第22話 NEW WORLD phase.3 ★ お喋りラビットフット奪取戦(対米海軍特殊部隊ナイトナイン)、電子戦、ココの計画発表
第23話 ウォーモンガー ★ ココの本心吐露、ヨナ逃亡・キャスパー隊へ、ココ情報の神になる ※都合良過ぎる脚本は×
第24話 恥の世紀 ☆ 2年後、第3次世界大戦前夜、空の退行(ヨルムンガンド発動) ※ ED「虹航海」{/netabare}
---------------------------------------------------------------
内訳 ★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)4、☆(並回)8、×(疑問回)0


OP 「UNDER/SHAFT」
ED 「ラテラリティ」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26

71.3 2 バイオレンスで組織なアニメランキング2位
文豪ストレイドッグス(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (754)
3848人が棚に入れました
実在する文豪をモチーフとした探偵たちが活躍する異能力バトルアクション。アニメの監督は五十嵐卓哉、脚本は榎戸洋司と「桜蘭高校ホスト部」「STAR DRIVER 輝きのタクト」などでコンビを組んだ2人が担当し、制作はボンズが手がける。

声優・キャラクター
上村祐翔、宮野真守、細谷佳正、神谷浩史、豊永利行、花倉洸幸、嶋村侑、小見川千明、小山力也、小野賢章、谷山紀章、花澤香菜
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とある文豪たちの「華麗なる異能力バトル」 ※萌えは第8話まで我慢

本サイトではいまいち評価の高くない作品ですが、第1期(2016年4-6月)の円盤売上が合格ラインの平均5,000を余裕で超え、順調に第2期(2016年10-12月)も制作された2016年の人気アニメの一角・・・ということなので1-2期併せて24話を一気観してみました。

◆総評

・実在した日本や海外の文豪をキャラ立てした異能力者達が派手なバトルを繰り広げる作品、ということで、見始めの数話は作品世界への違和感が結構キツく、ここで断念してしまう人がだいぶ出る気がしました。
・それから、序盤~中盤(第1-7話まで)は日本の有名どころの文豪キャラ(男)ばかり出て来るので、「これ、女性向けアニメなの?」とどうしても思ってしまう人が多いと思います。
・しかし、第8話で、ようやく{netabare}与謝野晶子&泉鏡花という文豪キャラ(女){/netabare}の活躍が始まり、第10話以降、は{netabare}海外の文豪キャラ(男&女){/netabare}が色々登場してきてストーリーも華やいでくるので、第1期の序盤・中盤がいまいちと思った人も、ここまで我慢して見続けると報われるかも知れません。
・総じて、『とある魔術/科学の~』シリーズや『東京レイヴンズ』『オーバーロード』『デュラララ!!』等の異能力バトルものが好きな人なら、文豪キャラに余り関係なく、まずまず楽しめる作品ではないでしょうか。
・なお、文学をちょっと齧ったことのある人の評価は、「ほんと下らねぇ笑笑笑」となるか「文学を馬鹿にするな!怒」となるか、好き/嫌いのどちらかにハッキリ分かれると思います。


◆作品情報

原作        朝霧カフカ・春河35
監督        五十嵐卓哉
シリーズ構成・脚本 榎戸洋司
キャラクターデザイン 新井伸浩
音楽        岩崎琢
アニメーション制作 ボンズ


◆シリーズ別評価

第1期 ★ 4.1
第2期 ★ 4.2
----------------
総合  ★ 4.1


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


========== 文豪ストレイドッグス (第1期) (2016年4-6月) =========

{netabare}第1話 人生万事塞翁が虎 ★ 中島敦、異能集団武装探偵社(太宰、国木田) 
第2話 或る爆弾 ☆ 谷崎、ナオミ、諭吉、春野綺羅子、入社試験合格
第3話 ヨコハマギャングスタアパラダヰス ★ ポートマフィア(芥川、樋口一葉)、人虎生け捕り指令
第4話 運命論者の悲み ★ 与謝野晶子、黒蜥蜴(広津柳浪、立原道造、銀)の襲撃
第5話 Murder on D Street ☆ 乱歩の真相解明能力
第6話 蒼の使徒 ★ 連続失踪事件、佐々城信子、国木田vs.芥川、蒼き王、蒼き使徒の爆破通告
第7話 理想という病を愛す ★ 続き、数字の刻印、蒼の使徒の正体、国木田の理想
第8話 人を殺して死ねよとて ★★ 列車内テロ(梶井基次郎vs.与謝野、泉鏡花vs.敦)
第9話 うつくしき人は寂として石像の如く ★ 暗殺者鏡花と敦のデート、中原中也、敦拉致
第10話 羅生門と虎 ★★ 太宰の狙い、貨物船の戦い(芥川vs.敦)、黒幕(フランシス.F)
第11話 其の一 彼女に向かない職業/其の二 有頂天探偵社 ☆ 樋口&黒蜥蜴回/敦&賢治回
第12話 たえまなく過去へ押し戻されながら ★★ 秘密結社ギルド、アンの部屋、ルーシー.Mvs.敦&谷崎、鴎外&エリス{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)3、★(良回)6、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.1

OP 「TRASH CANDY」
ED 「名前を呼ぶよ」


========= 文豪ストレイドッグス (第2期) (2016年10-12月) ========

{netabare}第13話 黒の時代 ★ 四年前、ポートマフィア内の事件(太宰・織田作・坂口安吾)、ミミック
第14話 戻れない場所 ★ 続き、組織の裏切り者、織田作の安吾捜索
第15話 いつか海の見える部屋で ★ ポートマフィアvs.ミミック、ジイドvs.芥川、未来予測能力(ジイドvs.織田作)、三重スパイ安吾、織田作慟哭
第16話 文豪ストレイドッグ ★★ 異能特務課(山頭火)・ポートマフィア(鴎外)会見(異能開業許可証)、ミミック本拠襲撃、ジイド&織田作死亡、太宰転職
第17話 三社鼎立 ★ 尾崎紅葉、ジョン.S、ラブクラウト、異能力戦争の火蓋
第18話 The strategy of conflict ★ ナサニエル.H、マーガレット.M
第19話 ウィル・オブ・タイクーン ★ 夢野久作、ルイーザ.M、坂口安吾との再会
第20話 頭は間違うことがあっても ★★ マーク.T、ハーマン.M、横浜焼却作戦 
第21話 双つの黒 ★★ Q奪還作戦、対ラブクラフト戦
第22話 其の一 ポオと乱歩/其の二 天の海をゆく白鯨のありて ☆ ポオ、白鯨落とし笑
第23話 羅生門と虎と最後の大君 ★★ ゼルダ、フィッツジェラルドの望み
第24話 若し今日この荷物を降ろして善いのなら ★ フョードル.D{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)4、★(良回)7、☆(並回)1、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.2

OP 「Reason Living」
ED 「風が吹く街」


◆視聴メモ

{netabare}・主人公格の太宰治の異能力「人間失格」って、ほぼイマジン・ブレイカー笑。
・準主人公の中島敦の異能力「月下獣」は、つばさタイガーかと思った。
・メインヒロインの泉鏡花は男だって笑(尾崎紅葉も)。
・文豪のチョイスが凄く中二病的で、とくにラスボス(ギルドの長F.フィッツジェラルド)が秀逸。
・但し、武装探偵社社長=福沢諭吉はミスチョイスだと思う(※そもそも諭吉は文豪ではなく、ここは夏目漱石の方が良かった→敵対組織の長が森鴎外なだけに残念)
・第13話のF.フィッツジェラルドの口癖が、「~してくれたまえ。オールド・スポート。」で笑っちゃった(※OLD SPORTは「ねえ君」くらいの意味で、ギャツビーの口癖)。
・「守備範囲は12歳以下」の森鴎外がいつも連れている女の子(エリス)は『舞姫』のヒロインから。
・谷崎潤一郎の妹ナオミは『痴人の愛』のヒロインから。
・国木田独歩と絡む佐々城信子は、独歩の元妻で有島武郎著『或る女』のヒロイン(早月葉子)のモデル。
・第16話中ほどの「一粒の麦、もし地の落ちて・・・」はアンドレ・ジイドの某有名作のエピグラフより。
・「ラスト・タイクン(最後の大君)」はF.フィッツジェラルド最後の小説、ゼルダは同じく彼の愛妻で「華麗なるギャツビー」のヒロイン(デイジー)のモデル。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
ネタバレ

❣ユリア❣ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

皆が好きなあの偉人たちが、本のタイトルを武器に敵と戦う!!

☆原作未読☆
でしたが、アニメ視聴後、原作読みました☆

~あらすじ~
孤児院を追い出されて、放浪する少年・中島敦は川に飛び込んで溺れかけていた太宰治を助ける。それをきっかけに敦は太宰が所属する武装探偵社で巨大な虎の捜索を手伝うことになる。しかしその虎は敦のもつ異能力のものだと後に知り、驚く敦に武装探偵社で働かないかと誘われるのだが……

ともかく、超ハラハラドキドキします!そしてバトル物?でもあるのかちょっと怖いところもあります(>_<)(グロ要素多少あり)

ですが、コメディ要素もあり、思わず笑ってしまうところも多いので、最後までとても楽しめる作品となっています♪

また、このアニメは原作の漫画と小説を合わせた作品で、いいとこ取りされてる感じです☆
{netabare}
まず、この話のキャラは全て昔の偉人、作家さんとなっています
そして、全員美化されているため、第一声が
美化されてる〜!?かっこいいwwww
でしたw突っ込みどころも満載です!

第2話
社長!なっなんと福沢諭吉ですか~!?
言われてみれば1万円札でもあり、社長でも違和感はありませんが衝撃的でした!!
そして、髪が増えててかなり増えてるなぁ思いましたwwww
もはや顔は原型ないかもですねw

第3話
芥川龍之介…私、本物の作者のお話好きなのに、まさかの悪役!?少しショックでした…でも後半になるにつれ、芥川のいいところも見えてくるので、きっと後に好きになると思います!私はいまでは芥川は好きですよ☆
少し怖いところはありますが殺し方がすごくてw目が離せない人です!

第4話
最悪の状況になりかねないと、意を決して武装探偵社をでていった敦…しかし…
最悪の状況ってこれ!?
お金がかかって下の人に迷惑ががかるから!?(まあそりゃあ困りますけどw)
しかも敵には圧倒的に勝ってたし、武装探偵者って予想以上に強いんですね…!!
すごいなぁと同時に、敦が少しかわいそうに見えました

そして、宮沢賢治!
笑顔でかわいいこといってすごいですw
ほいっほいっさようなら~♪いってらっしゃ~い♪(ニコッ)
ってwあれ下に捨ててよかったのでしょうか??処理大変そうですねw
ってか、江戸川乱歩なんにもやってませんでしたよね?wwww

第5話
江戸川乱歩、やっと活躍する時が!乱歩って今まで全然仕事してない感じだったので活躍に期待してました!
異能力、超推理!…でも実は異能力じゃないなんて!?かなり衝撃的でした!一体どうしたらあんなに頭が良くなるんだ〜!!
一応、メガネでON OFF分けてるみたいですね
江戸川乱歩、恐るべし!!

第7話
ここでは国木田さんと太宰さんのコンビの大切さがとえも伝わってきました☆
国木田さんと太宰さん、ナイスコンビですね!2人で1つ!って感じでした♪

というか、国木田さんの見るだけで鍵の形覚えるとかすごすぎだなぁと思いましたwそして、国木田さんの能力は何にでも、物を出せそうなので便利だなぁと思いました♪

そして太宰さん、異能力はすごいですが、力は弱いんですねw
まさかの佐々木が犯人だったなんて…
しかも六蔵と佐々木がお互いに打たれて死んじゃうなんて…すごく悲しかったです……(T_T)

第8話
与謝野晶子先生の異能力は再生?でしょうか??ちょっと謎ですが、すごいですね!!!不死身?
この時は太宰さんの存在忘れてましたwすいませんw

第9話
鏡花ちゃんかわいいですね♪湯豆腐とウサギが好きとか♪
やっぱり普通の女の子だなぁと思いました
そして地味にクレープおいしそうだなぁと思いました♪
でも、平和だったのに芥川におそわれて…
ウサギちゃんが赤く…(´;ω;`)

福澤社長に、もしできたらほめてやる。
まさかのそれで乱歩さんやる気だすとかw
突っ込みたくなりました!

第10話
二度目はないからね!?あれどういう意味でしょうw?
後、敦は何回も殺されかけたのにまた復活して…ってすごいですね!この虎の能力!
そして、いつのまにそんな強くなったのでしょう?
なんで死なないの!?と疑問に思いつつ、
一番ハラハラした話でした!

第11話
敦、完全復活ですね!ほんとにすごい…

樋口さんのピンチになんと黒蜥蜴が!?ちょっと感動しました!!樋口さん…よかったね…(敵だけど)

そしていよいよ宮沢賢治!超声かわいいんですよねー♡
平和主義でずっと笑顔なんです!
笑顔ってすごいですね!!そのおかげで人気者ですし!
敦のそうなんだ〜!ぱああって顔かわいいw普通信じないでしょ〜!と思いましたがw
確かに国木田さんの言う通り最強最悪コンビですねwww

でも1番衝撃的だったのは…
雨にも負けず、風にも負けず(かわいい声で笑顔で)鉄パイプにもナイフにも金属バットにも負けぬ……
ってえええええ~!?やばすぎでしょ!
しかもタンポポは元気なんです!!
さすが賢治くんって思いました!
この満面の笑みがかわいすぎなんです!ここ注目です!!
1番お気に入りのシーンです♪

最終回!
ついに赤毛のアンまで出てきましたねwwww
なんかすごく怖くなっててちょっと残念でしたw
そしてなんか男、怪しいなと思ってたんですが…
なんと森鴎外でしたかwwww
キャラ違うw
今後はギルドにも注目ですね!

……と、ここで終わってしまいました
正直、超キリ悪いです!でも 続く! と書いてあるので良しとします!
{/netabare}
~OP&ENについて~
第一印象はカッコいい!!
ですが、OPについては、太宰さんが飛び降りるところからの始まりなんですよね‥w
ちょっとビックリでしたw
歌もいいですが、その映像もお気に入りです♪


2期は10月にやる!とのことなので
ぜひぜひ期待して見たいなと思います♪
オススメです♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

著作権の切れた文豪の名前がずらり・・・これで悪役登場だと泣けますね

<全13話。2016秋から2クール目が放送開始らしいですね>

日本の名だたる文豪が探偵として復活し、奇怪な事件を
解決していくストーリーになりそうです ←たぶん間違ってない
太宰治に国木田独歩、与謝野晶子などなど。それはもう豪華です。

それぞれの著作から連想されるキーワードを異能化&武器にするようですが、
肝心の推理だけなら江戸川乱歩先生がひとりいれば十分かなとも(笑)

たしかにネームバリューはありますからね。
いきなり無名探偵を登場させて印象付けていくより、
こちらの方がお手軽ではある。

いずれも大先生でありますからにして、勝手な来歴をつくれないとか、
性格をいじるにしても限界があるでしょうから、そこらの縛りをどうするかですね。
(頭のおかしなキャラにすると遺族やファンに怒られそうw)
とりま自分としては、中島敦は李陵が好きなのに違うのが異能化されて残念でしたw

スタイリッシュなだけを目指す内容だと物足らなくなるだろうし、
大作家の名前を使う分だけハードルも高くなりそうです。
てか、悪役が誰になるのか興味あります。
明治以降の作家が探偵で、それ以前の歴史上の有名人が悪役になるとか?!

以下ネタバレで

3話~ついに悪役登場! ま・さ・か・○○だとぉ!
{netabare}
冒頭は探偵社の面々の前職当てクイズ。
谷崎潤一郎は学生であるとか、いろいろ身内で楽しんでます。
ひとり太宰治だけは謎に満ちていて、答えを当てると高額の報奨金がもらえるとのこと。

そして依頼者と面談。
依頼人は樋口さん・・・あの樋口一葉かw
港のトラブルを解決してもらいたいという。
これから毎回、トラブルを持ち込む依頼人も文豪てこと?
それともダークサイドなのか? ともチラリ。

シーン変わって、黒トレンチ着こんだ芥川が登場。
いよいよ文豪界の巨人がお目見え。
てか、見るからに悪役風でこの次の展開を想像してしまう。
やはりか…交番のおまわりさんを無残にも惨殺してため息。
驚くより、いいんかなぁーという気がw

だって芥川さんですよ。
文豪界があったら漱石と並んでTOPはる人ですよね。
これが悪側ってね。

とりま人気のない場所へ連れてこられた中島と谷崎兄妹の3名。
ここで樋口の態度が激変して、谷崎妹が撃ち殺されてしまう。
さらに芥川もやってきて大ピンチ。
中島は左足をを一本もって焼き消されてしまう。
虎に変身して抵抗するが、いよいよやばいかというところで太宰登場。
芥川中島両名の異能を効果なしにして間にはいる。。。

ついに悪役が判明回でした。
ここで芥川をもってくるのか~という印象。
未登場の文豪の残りといえば漱石がまず浮かぶけど、これも悪側なのか?

まぁ、遊びの範疇とわかっていても、実在した他人の名前を借りて
いじりまくって楽しむてのは下品ですね。
勝手に善人悪人にしたてあげるというのも。

この作者のカフカさんも、自分の名前を勝手につかわれて勝手にキャラ付けされて
アイデアなしの無能漫画家組とかにいれられていじられたら怒ると思うしw

たぶんこの作品のファンは文豪なぞどうでもよくて、ちょいかっこいい絵柄と、
文豪という肩書きが目新しいだけでしょう(文豪がダレかは興味がない)

まぁ、戦争の遺物の擬人化ブームもあって、艦コレやアルペジオ、ガルパンにはいふりも
歴史を愚弄してると思えなくもないし、これだけ取り上げていじめる気はないけど、
自分としては悲しいなぁ。
一応見続けるけどw
{/netabare}

4話~ 見せ場を無視した作りに一気に興味が半減回
{netabare}
樋口から差し向けられた黒蜥蜴なる組織が探偵社を襲撃します。
冒頭、3人の異能者が登場し、さも悪いヤツアピール&強いぞアピールするんですが、
これが本当にひどいレベルでかませ犬。

殴りこみかけた探偵社で秒殺らしき歓迎をうけてあっさり敗退。
てか、異能バトル作品なのに肝心の異能を見せずに終わるって?!
原作にはあっても尺の都合ですべてカットされた???

キャラが一番輝く瞬間のはずだけど、それを見せずに太宰が喫茶店で店員をくどいてるとこ見せたり、
なんか迷走感がはんぱないな~。

前から気にはなっていたけど、やっぱり中途半端なつくりものには抵抗&拒否感があるかもしれない。
すべてがつくりものならそれ前提で見られるけど、過去の文豪を茶化してるのは気分悪いかも。

なんで芥川が悪側なのかとか、なんで樋口一葉が下っ端の雑魚扱いなのかとか、
それぞれを敬愛する人もいるだろうに、作者のおふざけ悪ノリについていけない。
自分はここで断念かなぁ~。
あとはキャプ付きのまとめ記事で追いかけて楽しむ程度にしておきます。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

77.3 3 バイオレンスで組織なアニメランキング3位
HELLSING OVA(OVA)

2006年2月10日
★★★★★ 4.2 (706)
3703人が棚に入れました
反キリスト的モンスターの絶滅を目的とする大英帝国ヘルシング機関の当主インテグラが囲う不死身の吸血鬼アーカードによって、新米吸血鬼となったセラスの運命。
そしてアーカードとバチカンの特務機関イスカリオテに属するアンデルセンの死闘が描かれる。
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

柔な奴は近寄るな作品★

■評価
テーマ性    :★★★★  4.0
グロアクション度:★★★★★ 5.0
キャラ立ち度  :★★★★☆ 4.5
深いストーリー度:★★★   3.0
おススメ度   :★★★★☆ 4.1

■ストーリー
バンパイア狩りを生業とする英国ヘルシング機関は
最強のバンパイアこと『アーカード』を従え、増殖するバンパイアと
グールの殲滅に手を焼いていた。しかし、一つの事件をきっかけに
英国ヘルシングを狙う謎の組織『ミレニアム』の存在をしる事となる。
そして第三の敵であるバチカンも漁夫の利を得るべく隠した刃を研ぐので
あった。はたしてミレニアムとは何者なのか?この闘争の果てに何が残る
のか?

■感想
この作品・・・ダークファンタジーアクションとして強烈なインパクトを残す。
本作はグロやら宗教やら虐殺やら倫理観すべて無視して禁じ手を
アクション演出に使う気概には圧巻。アニメータの職人芸を見たという
よりも作り手の執念や怨念という様なとんでもないものを拝見してしまった。
{netabare}
この作品の説明として、三組織による三つ巴の闘争から決着までを
描いた非常にシンプルな作品になる。だけど本作のテーマである『渇
望』と『闘争』をベースに練り込んだキャラ達の黒々とした濃さは
他の作品と一線を画す。
ここに登場するキャラ達をみていると人を暴力や闘争に駆り立てているのが
『渇望』である事が良く描かれていると思う。
登場キャラの『渇望』と『闘争』をざっと書くと以下の通り。
※インテグラ:ヘルシング総帥としてバンパイアを殲滅する事を渇望。
※少佐:英国に戦争をしかけアーカードに復讐する事を渇望。
※セラス:バンパイアである事を許容できずも人の血を渇望。
※ウォルター:若き肉体とアーカードとの闘争を渇望
※アンデルセン神父:宿敵アーカードとの闘争を渇望
※マクスウェル:すべての権力を手中に収め周囲に復讐する事を渇望
※ベルナドッド:セラスの心、そして自分の生きる場所を渇望
※ペンウッド卿:臆病な自分に失望しつつも部下や友人達に報いる事を渇望
※アーカード:人間に殺される事?そして強者との闘争を渇望

登場するキャラほぼ全員がなにかしらに渇望し闘争に身を投じている。
特にナチスなども本作で登場し、その残虐性が特筆されているけれど
本質はそこではない気がする。それが何かというと実際のナチスも
経済不況に喘ぎ強いリーダーを求めた国民の渇望の果てにヒトラーが
誕生し成立しえた組織ともいえる。それにヒトラー自身も侵略戦争に
よって軍需産業を盛りたてて経済を立て直し一大帝国を築いて
ゲルマン民族の力を世界に誇示する事を渇望していた・・・。
『その時代の価値観』と『人の渇望』から生み出された闘争がナチスであり
この作品のテーマである『闘争』と『渇望』こそが人の本質でもある・・・
という事を原作者は語りたかったのではないかと思う。
(これが人の全てだとは思ってませんが)

何かに『渇望』する事は悪い事ではないし、この世の誰しもが何かに
渇望している。その渇望が人の闘争や暴力への導火線にもなりうる危険性
もあるし、尊い勇気や愛情なんてものも生み出す事が、この作品でドラマ
ティックに描かれている。このキャラ達がおりなすドラマティックな描写や
セリフが私にとって面白い所!!なんというか渇望している各々キャラが言う
セリフだから成り立つ名シーンが満載です。
登場キャラ達が渇望し闘争の果てに残すものは『虚無』か?『禍根』か?
『希望』か?色々と思うところがある結末もみどころの一つ。

それ以外でもレンタルDVDで5.1chサラウンドで聞かせてくれるのは
感激です。かなりの臨場感を感じ取れる音響設定でどのアクションシーンも
素晴らしかった。特にセラスの飛行船迎撃シーンの超重火器オンパレードは
凄すぎて口あんぐりで、アーノルド・シュワちゃんあたりにお願いした
かったアクションを全てセラスがやってくれている。

ここまで書けば察して頂いている方もいると思いますが、ストーリー自体に
深みは無いし(キャラは除く)、アクションシーンの演出も過度なグロや
残虐さの胸糞の悪さは私の想像よりも上をいく。
だからグロ大丈夫という方も油断は禁物であり、手放しに全てが最高だ!!
皆さん全員におススメです・・・とは褒め称え辛い。はっきり言うと見る人に
よっては悪趣味な作品だと思う。
{/netabare}

最後にこの作品は見たくない人は見なくて良いというスタンスの作品です。
この作品には自身の利や身を案じて争いから引き下がる・・・という様な
柔な奴は存在しない。身の一片まで焼き尽くすまで闘争そして闘争を
繰り返す強者ばかりだ。だから視聴する側もそれなりの覚悟と体力を
要求される作品だと思う。人間の本質の”一部”を覗き見たい方には
おススメしたいです。

ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

諸君私は戦争が大好きだ!

お気に入りの棚ができたときから未評価のままずっと放り込んでありましたが
ついにようやく☆で評価してやることができます

散々だったTVアニメ版
その不満点をほぼすべて解消したのがこのOVA版です
その辺のくだりはTV版のレビューに記述しておいたので
興味のある方はどうぞhttp://www.anikore.jp/review/464312/

TV版が放送されたのが2001年
OVA版がスタートしたのが2006年
原作の完結が2008年
OVAの完結がようやく去年の暮

原作は月刊誌の連載だったので
そんなに原作の進むペースは速くありませんでした
しかし、それでも一向に縮まらないペースでのOVA製作
公式HPを覘きに行くたび発売延期の文字に落胆させられました
いやまったく、累計何回延期したんだろうね?
これからこの作品を見ようという方は幸せです
ワクワクして開いたサイトに延期の文字を見つけて絶望することも
「○○までには必ず・・・」という謝罪文をみて
そんないい加減なこと言って・・・どうせそこにも間に合わないんだろ!?
などと、軽く人間不信に陥ることもないのですから

まぁしかし、その遅延は作品に対して妥協を許さない姿勢の表れで
身を焦がす思いで待たされ続けたことにも
十分納得がいく仕上がりになっています
1~4巻、5~7巻、8~10巻でそれぞれ制作会社と監督が変更になっており
お蔭でそのつなぎの部分では若干の違和感が拭えないですが
それにしたってそれぞれのスタッフが持てる力を最大限に注いだ結果
それぞれのカラーが出てしまっているだけのこと
どの巻も非常にハイクオリティな映像を提供してくれています
とにかく原作へのリスペクトを強く感じる仕上がりなので
原作ファンならば見て損は無いでしょうね

原作は知らないけれどちょっと気になる
でもOVA購入は敷居が高いという人は
3月3日からWOWOWプライムで一挙放送するみたいなので
それを見てみるといいんじゃないかな?

どういう番組構成になっているかわかりませんが
もしかしたら特典映像のTheDAWNとドリフターズは
一挙放送では見られないかもしれません

TheDAWNはヘルシングの外伝にあたる作品です
第2次大戦下の1944年ワルシャワ
かつてのヘルシング機関とナチスとの邂逅が描かれており
本編の源流となるエピソードだったはずなのですが
連載誌の廃刊によりお蔵入りとなり6話までしか発表されていません
原作者曰くまだあと80ページ分くらいあるんだとか
ファン達は皆、加筆のうえで出版されることを願ってやまないものですが
原作者の素振りからするとちょっと期待薄かもしれません

一方ドリフターズは平野耕太の最新作で
まだしっかりとアニメ化できるほど原作ストックがありません
しかし、こうやってその片鱗を見せてくれるという事は
ゆくゆくはこのOVA版HELLSINGと同等のクオリティで
ドリフターズも映像化してもらえるに違いないと
そう信じるに足る150秒でした

しかし何と言っても圧巻なのは本編映像
TV版では登場すらさせて貰えなかった
少佐率いるミレニアムの連中が
なんとも生き生きと、そう、実に生き生きと死んでゆく様には
まさに感無量でした

特に少佐は漫画史に残る名悪役でしょう
台詞回しに抜群のセンスを見せるこの作品の中でも
一際異彩を放っているのが少佐の含蓄のあるセリフの数々
彼はただの狂人じゃありません
洗練された超一流の狂人です
それを見事に演じきった飛田展男さんに脱帽
特にレビュータイトルにもなっているあの演説
本当にシビレました
あれをアニメで披露してもらえただけで
もう私は大満足です

とにかく全体的なクオリティの高さと原作再現度には太鼓判を押せる内容
前述のとおり原作ファンならば見て損は無い出来栄えですが
そもそも原作ファンならばこんなレビュー読む前に
とっくに見終わっているはずですね

原作漫画はよく知らないという方は
かなり刺激の強い作品なので
肌に合わない可能性があることを
十分に留意したうえでご覧ください
まぁその尖った部分が売りのアニメですから
そこがダメな人はとことんダメだと思いますが
ハマる人はドハマりすること間違いなしですよ

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

いしゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

英国を飲み込む 弱肉強食のモンスターバトル !

あらすじはあにこれを参照ください
発売時期:2006年2月~2012年12月


〇物語
時代は20世紀末 場所は英国
一般の人には知らされていない
吸血鬼 グール 人狼 などのモンスターがいる世界の中
彼らが所属する各組織 その抗争を描いた作品です。 

とってもバイオレンスでダークファンタジー系の世界観なので
戦いは血がドバドバーって流れて 思わず目を伏せるような
刺激が強い表現があります 向き不向きハッキリ分かれる作品かも

物語の展開は割とサクサクしてます 
敵味方は組織ごとで分かれているので とても分かり易かったです

ただ 1話1話がとても凝縮された内容で 
1話観終わると 結構な充実感に包まれました。


〇中二病設定
敵味方の各組織名ですが

・大英帝国王立国教騎士団(通称ヘルシング機関)
・特務機関イスカリオテ
・第九次空中機動十字軍
・ミレニアム
・ワイルドギース

どうですか とても仰々しいでしょ? 
そこにモンスターが加わるんです 
これ系が好きな人には たまらない世界観だと思います♪


〇個人的な見所紹介
冒頭に挙げた モンスター同士のバトル! 
一言でいえば 単純な殺し合いなんですが その内容と規模が凄い!

主人公は最強の吸血鬼で不死身のアーカード 
彼は 文句なしの強キャラですが 対抗するのも負けじと強キャラ
そんな モンスター同士のぶつかり合いは勿論 
そこに人類も参加しての抗争はまさに 荒々しくて非情な弱肉強食の世界!

異能の力と銃などの兵器が乱れ舞う戦場に
首都ロンドンが飲み込まれていく様子は圧巻です。


〇個人的 好きなキャラ
まずは”ベルナドット”
モンスターバトルに参加する傭兵集団”ワイルドギース”の隊長
どんな絶望の中でも 部下の前では決して弱さを見せない
その姿に 感動しました! 時々キャラが崩壊するところも好きです。

そして”セラス”
この作品に彼女がいなければ 
息が詰まって 視聴中断していたかもしれません
彼女は作品唯一の癒しキャラなんです○o。.

それと 作中段々と逞しく成長する彼女は目が離せません
序盤と終盤の彼女の凄い変化! これは必見ですよ!
 

〇観終わって
疲れました 何だろう 文字にすると勘違いさせるような感じですね
計10話なんですが何か大長編を観た後に感じる あの感じ わかります?
文字では表現できませんが ”それ”を 体で感じました。
( 良く分からない感想で ごめんなさい。 )

キャラも内容も全てが濃い!
それと 所々 残酷なシーンがあるため
正直 食事中の視聴はおススメ出来ません。 

ただ 食事しなくても 気になる展開
バラエティ豊かなキャラ達 スパイスの効いた画
ボリューム満点の内容に満腹 これらが好きなら試す価値ありです!


以上最後までお読み下さりありがとうございました。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■■□■□

〇最後に
制作会社

サテライト 1-4話 (2006年)
マッドハウス 5-7話 (2008年)
グラフィニカ 8-10話 (2011年)

三社でバトンを繋ぎ完結って普通に凄いですよね?
物語ってどうしても ラストまで観たいって思います! 
だから本当にうれしい! ありがとうございました♪。 












 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26

69.1 4 バイオレンスで組織なアニメランキング4位
TEXHNOLYZE テクノライズ(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (227)
1399人が棚に入れました
舞台は、絶望と暴力に支配され荒廃した都市・流9洲(ルクス)。老朽化したこの街は現在、外界からのネットワークから外されて孤立しており、街から他の都市へ行くことは困難だが、逆に行き場を失くした者達が流れ着く、吹き溜まりの場所と化していた。

ある日、この地に一人の男が外界から降りてきた。男の名は吉井。ある野望を遂行すべく降り立ったこの男を迎えるのは、生きる為に賭けボクシングで生計を立てる少年・櫟士、近い未来を見ることの出来る少女・蘭、街の声を聞くことの出来るオルガノの長・大西京呉、そして未来の義肢である「テクノライズ」の技術に魅せられクラースから降りてきた科学者・ドク。この男の来訪により、やがて流9洲は街全体を巻き込んだ事件へと発展していく。
ネタバレ

セレナーデ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「生」に執着する人間の醜さと美しさ、それによる滅びの謳歌を描いた怪作

ここのレビューを見てちょっと前から気になってた作品。
「地味な攻殻」という漠然とした先入観を持って、ここ最近時間を見つけてチビチビ消化してた。
{netabare}


「少なくとも、ルクスの人間は生きている」
このセリフに涙が出た。

それまでの本編を観てた時は、局所的なことばかり考えてた。
マフィアと機械義肢などの世界観のシナジーの意義、科学と宗教の対立を体現させたような
オルガノと連合の相関など、それらに一貫したテーマやメッセージを見出せずにいた。

でもそれらは全て、包括された「生」というテーマの基に描かれていたと分かった途端、
この作品の奥深さに驚嘆した。マフィアとして街を統括するヤクザの連中も、
反テクノライズ主義を唱える連合の連中も、ルクスの人間を戦わせようとする吉井も、
テクノライズすることに人類の進化や希望を見出す連中も、
ルクスに描かれていた人間は皆、各々の形で「生」に対し足掻きや執着をしていた。
それらに一貫して「生」のテーマが描かれていたからこそ、
ラストの街の滅びのフィナーレが美しく、
「少なくとも、ルクスの人間は生きている」、この言葉が強烈に響く。
様々な理不尽なルクスの世界を体験してきたイチセが言うからこそ、重さが違う。

仏教の世界では、殺人者より自殺者の方が罪深いという話を聞いたことがある。
実際に人前で「殺人より自殺の方が罪が重い」なんていうと糾弾されるから絶対言えないんだけど、
殺人をする人は、まだ生きることへの主張があり、生への放棄がない。しかし自殺者と言うのは
一見潔く見えるけど、生への放棄は仏教的には一番重い罪なんだという。らしい

本作のメッセージ性を汲めた途端なぜかこんな話を思い出した。
このアニメは残虐さと生の謳歌で蔓延している。
そして生きることをある意味諦めているような地上の連中より、
体を機械にしてまで争い、騙し騙され生きているルクスの連中の方が、よっぽど人間なのだと啓発する。

これが本作の本来のメッセージ性、テーマ性じゃないかもしれないんだけど、
例え図らずとも描かれていたその生に対する哲学や美しさに涙しちゃいましたね。

{/netabare}

哲学的で、考察的。
生に執着する人間の醜さと美しさをサイバーパンクと絡めた貴重な作品。



しかしやっぱ序盤はたるい。
地味で暗いが話のテンポ自体はあるし、ちゃんと話が進んでいるのは分かる。
が、いささかプロローグが長いというか、何を描きたいのかが分かりにくく、
序盤でテーマを把握するのは不可能。リアリティに徹してるわけじゃないからツッコミどころもあるし、
なにより世界観の説明不足が致命的。終盤まで明瞭にされない。

でも、その世界観が明瞭にされたとき、その作りこみと発想の凄まじさに感動すら覚える。
序盤の伏線とすら言えない「?」な部分も終盤で次々と理解できていく(見終わった後に
ネット上の資料で補完もしたんだけど)。

もし本作を観ようとしてる御仁がいれば、序盤は群像劇として観ることをおすすめします。
主人公だけ追ってると悶絶します。
あと「大局観的なモチベーション」が必要。1話1話に面白さを求めると絶対挫折する。
「いかに視聴者を切らせないか」という作り方をしている昨今のアニメに慣れすぎてると
このアニメの視聴は厳しいかもしれない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

Jacks さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

青年が行き着く真の場所は...

今まで観てきた中で異色のアニメですね。ストーリーと設定が精巧に作り込まれていて、硬派な作風に仕上がっています。
マッドハウスが制作したことに良い意味で驚きを禁じ得ません。かなりインパクトがありますよ。
と言っても伝わりづらいと思うので、早速本作について解説しましょう。

時は近未来。「テクノライズ」と呼ばれる義肢の技術によって、人類は進化の一途を辿ります。
しかし、それを用いて新たな革命を掲げるオルガノを始めとした暴力的な団体によって、都市は壊滅寸前です。
そこに現れたのが本作の主役である「櫟士(いちせ)」。彼はある一件により右腕と左足を失ってしまいます。
テクノライズによって辛うじて生を取り戻した櫟士は、街の崩壊を止めるべく動き出すのが基本的なあらすじ。
ストーリーが難解かつ複雑なので、少しでも間違いがあったらご容赦を。

まず第1話で敬遠する人が多いでしょう。台詞がほとんどありませんからね。主人公でさえも喋りません。
第2話から少しずつ各個人の設定が明らかになり、台詞も格段に増えます。なので1話は実質チュートリアルと言って差し控えないです。
僕はシリアスな作品が大好物なので1話から余裕で入り込めました。ですが、出だしから雰囲気が非常に暗いので、よほどの理由がない限り続きを観ようとは思わないでしょう。
ですが諦めないでください。2クールアニメは徐々に話を展開することが多く、本作もその一部です。
巷では第7話から本番と言われているので、それまで我慢できるか。そこが肝心ですね。

本作を語る上で欠かせないのがキャラの心理描写。櫟士は勿論、ヒロインである「蘭(らん)」や他のメインキャラも謎だらけで、彼らの内情を理解するのに手間がかかります。
説明も一切ないので、キャラ同士の会話にちゃんとついてこれないと置いてけぼりです。考察の余地を与えるべく、あえて不親切な構成にしているのでしょう。
わけがわからないよとか、意味不明だとかと捉われても仕方ありませんね。従来のアニメとは明らかに一線を画した内容です。
その代わりに理解が深まれば、一気に面白くなります。それだけ本作には不思議な魅力があるのです。
事実、蘭の正体が解れば解るほど、テクノライズをめぐる争いがいかに醜悪で無駄なことか証明してくれます。

映像の美しさも目を見張る範囲内ですね。ダークな雰囲気と非常にマッチしています。
キャラデザが個性的です。特に目の形と服装。髪型は好みの問題かな。
作品の性質上、流血シーンやバイオレンスが結構多めで、それらの類が苦手な方は注意が必要です。
基本的には会話中心で話が進むので、ある程度の覚悟はしておいた方が良いでしょう。
OPとEDの作画は曲も相まって非常に印象的で奥深いです。僕はOPで櫟士と蘭が目と目を合わせるシーンが好きですね。「I'll be your guardian angel...」。
声優陣は一流揃いで、作品に引き込ませてくれます。櫟士の中の人は有名ではないですが、演技は上手いですよ。

前述の通り話が難解なため、面白く感じるのは後半ぐらいからですね。

僕はテクノライズと似たテーマのアニメを幾つか観てきました。例に漏れず当たりです。
本作も出来は良いのですが、いわゆる隠れた名作に部類されますね。非常に面白い作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

hottikiss3 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんていうアニメだ...

こんなアニメあり?って感じでした。

はじめに、今から見ようとする人へ

・とてもグロい。今まで見た中で一番グロかったかもってくらいグロいです。だからそこは要注意
・第一話、ほとんどセリフないです。何が起こってるかよくわからないと思います。主人公が誰か、くらいしかわからないのかも。そんで、最後まで見ても、話の内容がよく分からないと思います。
・最後は鬱っぽく終わるし、しかも何がどうなったのかよくわからないままの終わり方なので、余計鬱。
・いっき見しづらいアニメだと思う。最短でも4日はかかる。気持ち的に。
・かわいい女の子、イケメンキャラ、美しい画、なんかは全くない。目的が全然そこじゃないので、それ期待してる人は一話見るまでもなくまわれ右です。
・深くかんがえさせられる系です。話よくわからないけど考えさせられます。いろいろ。

物語は人間の終焉を描いたような作品
作画は、なんかリアリティー系で、私は好きです。主人公の瞳が私も大好きです。
声優...こんなにセリフ少ないアニメ前代未聞じゃないですか?
音楽、OPかっこいいです。歌じゃないけどかっこいい
キャラは、なんか悪役はとことん悪っぽく描かれてて話分かる系とかぶっ飛んでる系はいかにもそれらしく描かれてる気がします。それぞれ良いと思います。
大西さんが終始カッコよかった。このカッコいいの意味は話ちゃんと見た人しかわからないと思う。
そんでイチセは私はとても好きです。ああいうのが本来の人間なんだと思う。


そして。。。
セリフすっっっくなーー!!
びっくりする!!
あとイチセめっちゃ叫びますね。
オレンジの髪の女の子ランは神楽ちゃん(銀魂)に見えて仕方なかった。
ついでに言うと吉井は神楽のお父さんに見えた。ww

この物語は、世界の終焉を描いてると思った。
このまま科学技術進んでいって、平和ボケして
こんな感じで終わっていくのかな。と思った。
感じたことは、生きてるってどういうことだろう、という事
ただ椅子に座って仕事して
平和を害するもの、その危険性あるものすべてに蓋をして
自分は絶対安全なところにいる。ただ毎日生きてるだけ
っていうのは、生きてるって言うのかな?って。
それと、地下のルクスみたいな、人間争いまくって
権力争いとかして殺し合いしてる方が、生きてるって言えるのかも
争いはよくないっていうのが今の世の中で絶対的な思想だけど
それが続いて、永遠に続いて、それで本当に正常な思想だと言えるのか?
みたいな。
それと、私は義体についてはあんまり考えさせられなかった。
内容あんまし理解してないからなのかな。
ただ、自分の手足が今こんなに自由に動くのってすごいことなんだな、と思った。
今はあるからこれが普通だけどなくなったらそれはそれは苦しいんだろうなと思った。

見終わった後のこの現実との温度差がまた鬱感を大きくしてるのかも。
放心状態にさしてくれるアニメ。
評価もしづらい。縁がある人は見たらいいんじゃないかな。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

71.8 5 バイオレンスで組織なアニメランキング5位
フルメタル・パニック!Invisible Victory(IV)(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (281)
1315人が棚に入れました
相良宗介たち「ミスリル」に、敵「アマルガム」が逆襲!
今度は本気の闘いだ!!

敵<アマルガム>のガウルン、ゲイツといった強敵を倒し、いつもの平和な日常が戻った「陣代高校」。
しかし、そんな日々は長くは続かなかった・・・。
失態続きの<アマルガム>は、本気で相良宗介たちに襲いかかってくる。
世界各地の<ミスリル>の基地が強襲される!
テッサ率いるトゥアハー・デ・ダナンが格納されている「メリダ島」もたくさんのミサイル、アームスレイブによって攻撃される。
一方、日本の宗介、かなめにも魔の手が追っていた!!

再び、宗介、かなめ、テッサたちに試練が訪れる!!!

声優・キャラクター
関智一、ゆきのさつき、木村郁絵、森川智之、夏樹リオ、ゆかな、三木眞一郎、根谷美智子、大塚明夫、西村知道、浪川大輔、山路和弘、杉田智和、てらそままさき、井上麻里奈、内田彩、茅原実里、津田健次郎、玄田哲章、速水奨、山口勝平、遠藤大智、斉藤次郎、代永翼、櫻井トオル

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

俺はすべてを守る。君に属するすべての世界を護衛する!

この作品は「フルメタル・パニック」の4期に位置する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

本作品の最大の特徴でもあると思うのですが…
これまでアニメーション制作は京都アニメーションでしたが、今回からXEBECに変わっています。
XEBECといえば、しーぽんの愛称が懐かしい「宇宙のステルヴィア」や「蒼穹のファフナー」が頭に浮かびますが、調べてみると「To LOVEる -とらぶる-」シリーズや、「這いよれ! ニャル子さん」などの作品も手掛けられているんですね。

京アニからアニメーション制作が変わる事を知り、少しビックリしましたがXEBECと聞いて安心しました。
XEBECといえば「蒼穹のファフナー」の様な半端ないクオリティのロボットバトルを輩出した会社です。
直近では「蒼穹のファフナーEXODUS」が放送されましたが、この作品のスタッフには子供の頃にファフナーを見て、自分もこの様なアニメを制作したい、という意志を持った人たちが参加していたそうです。
こういうモチベーションの高いスタッフが一緒だと心強いですよね。

一方、本作品の物語の方ですが…
これまで「アマルガム」というミスリルの敵の名を幾度となく聞いていました。
アマルガムの執拗な攻撃に相良宗助らは、何とか辛勝してきました。
ですが、今期のアマルガムは本気です。
本気でミスリルを潰しに襲ってくるのです。
彼らの本気…実はこの目にするまで皆目見当が付きませんでしたが、本作品で彼らの実力が明らかになります。

明らか…とは未だ言えないかもしれません。
アマルガムは底の見えない組織なんです。
だから、これが彼らの本気であることを証明する手立てがないんです。

しかもアマルガムはミスリルを同時多発的に襲ってきたんです。
個々の能力では拮抗するかもしれません。
でも最新式のアームスレイブを多数揃え、圧倒的火力の差を持って襲われては流石のミスリルも堪りません。

そして当然ですが、アマルガムの手は相良宗助…いえ、かなめにも迫っていたんです。
きっと状況はこれまで見てきた中で最悪と言っても過言ではないと思います。
そしてこの物語は、ミスリルにとって組織も心も瓦解した最低最悪の底辺から動いてきます。

今回はどのキャラを見ても心が痛みます。

成す術なく選択を強制・受諾させられた相良宗助。
これまで手を伸ばせば触れられる位置にいたはずなのに、一体どれだけの溝が開いてしまったのだろう…
でも再び歩き始めた矢先で彼を待っていたのは絶望…
襲い来る数々の痛み・苦しみを味わいながら、それでも宗介は顔を上げ叫びます。
だって…約束したから。

一番心細いのは、かなめかもしれません。
普通の高校生活を送りたいだけなのに、どうして自分の身の廻りでは騒ぎばかりが起きるんだろう…
でも、今度の騒ぎは普段の宗介のバカ騒ぎが可愛く思えるくらいに激しく、友達を容赦なく傷つけていくんです。
だからもう全部駄目かも…と思っていました。
けれど、物語ラストの叫びはズシンと胸に響きましたよ。
やっぱりかなめはそうじゃなくちゃ…

でも一番心を痛めたのはテッサで間違いないと思います。
自分の一声で人を生かしも殺しもするんです。
現在の状況を踏まえ、一番正しい選択が出来ていたのだろうか…
彼女の心にはこの問いがずっとついて回るのではないでしょうか。
いえ、今回の一件だけじゃありません。
自分が大佐としての言動全てについて回るんです。
その重みを受け止めるには…正直テッサは華奢すぎです。
更に寄りかかりたい人の消息は分からない…
組織としての自分、本心の欲求に対する自分…
きっと心はグチャグチャだったのではないでしょうか。

そういえば、今回新たに一人紹介したい人ができました。
宗介が立ち寄ったナムザクで知り合ったナミという女ん子です。
明るく聡明で…彼女もかなめやテッサに負けず劣らず良い娘なんですよ。
暗い話ばかりが続く中、彼女はオアシスの様な存在だったと思います。

混沌は留まる事を知りません。
そして一旦は停止を余儀なくされましたが、これで終わるミスリルではありません。
これまでも圧倒的不利な状況の中から、僅かな勝利条件を掴んできました。
この戦いにおいてもその奇跡を信じています。

オープニングテーマは、山田タマルさんの「Even...if」
エンディングテーマは、山田タマルさんの「yes」茅原実里さんの「Remained dream」
何このオープニング…ムッチャ痺れるんですけどっ!
って、エンディングも…!
どちらも大好きで通勤電車でリピートしながら聞いている曲です。
特に好きなのはオープニングです。
今期のアニソンBEST10の上位にどれだけ食い込んでくるかが楽しみです。

1クール12話の物語でした。
作画は、ロボットのクオリティーが素晴らしいです。
キャラデザは京アニとの違いは感じましたが、違和感は無かったと思います。
まさか…これで終わりじゃありませんよね。
原作は完結しているようなので、最後まで描ける条件は整っていると思います。

以前、とても悲しい思いをした経験があるので、なにとぞ続編…からの劇場版という改悪パターンだけは無い様にお願いします。
これはそうしちゃいけない作品だと思いますので…

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この愛に壮大な名前をつけよう

序盤 あぁ

中盤 うーん

終盤 うーーーーんんんん

四期です。お察しの通りInvisible Victoryの頭文字をローマ数字のⅣと見立てています。
三期の続きなのでだいぶ暗いです。四期もシリアスメインとなってきます。コメディシーンはやはり少ないです。個人的には嬉しいんですがね?

時代というものは無慈悲にすぎるもので、三期放送から13年の月日が立ちました。流行りや一般受けが変わる中で、作風が変わるのはとてもどうしようもないことなのでしょうが、個人的にあの作風が好きだったので残念です。

序盤から攻めてきます。恋愛系から始まるのですが、いきなりシリアスシーンになったり戦闘になったりと忙しいです。そしてあいも変わらず血は跳ね首が飛ぶので苦手な方はご控えを。まぁ三期を見れるくらいなら余裕でしょうが。
やはり前に三期あったとはいえ13年のときが経っているので、覚えているか正直微妙でしたが視聴し始めれば徐々に思い出してくるので安心してください。しかし、導入が雑だったのは些か見過ごせませんが。
中盤は新キャラがメインになってきます。主人公はソウスケのままなのですが、時間的にも空間的にも間ができるのでちょっと最初は驚きます。しかし、そこはフルメタ。もちまえの「なんやかんや」と「非情」を使い切り抜けます!
おおとここで終盤に差し掛かる!止まる様子はまったくなく、ゴールもどんな形かわからない。この状況で不安にならない視聴者はいるのでしょうか。{netabare}実際ものすごく中途半端で終わりましたからね。続きはあるのでしょうかね。また13年待つのは厳しいですよ。{/netabare}
物語の全体的な印象としては悪くないです。なんやかんや言ってもフルメタは四期まで続いているだけあってちゃんと物語としては成り立っています。無駄なシーンもあることにはありましたが、それが無ければ納得するかと言われれば微妙なとこです。要はフルメタが好きならば問題ない、ということです。個人的にはセカンドが一番好きですが、本作が一番好きという視聴者がいてもおかしくは無いと思います。そういう感じです((

{netabare}あと個人的な読みではソウスケが「愛」を知るのに時間がかかったり、何かしらのアクションがあると思ったんですが、案外あっさり愛を伝えてますね。私が見逃しただけなのかな。だとしたら結構重要なとこ見落としてますね。世界を巻き込んだ恋愛なのですから、一括いに愛の力と表現するのはなんか癪です。かと言ってなんと表現すればいいのか。やはり愛なのか…できれば下限も知ってほしいところです。発送としては良いのですがね?
あとナミの声優さんは茅原実里さんだそうです。茅原さん救われない役多くない?気のせい?いつも死んでるか救われないイメージしかないんだけど。気のせいかな(汗){/netabare}

先程も行ったとおり制作会社がかわり作風がガラリと変わっています。一期と二期ではもちろん差はあったにしろ大きな変化ではありませんでした。しかしこの三期と四期の間には深すぎる溝ができてしまいました。主人公たちや生徒たちはもちろん、ロボットや車などが大分変わり果てていました。人はキャラデザの変更を疑うくらいには違いましたね。見た目から元気いっぱいだったあの少女が今では恋するうら若き乙女に。まぁ言動とかが女々しくなったのも原因でしょうが。個人的にはやはり昔のほうが好き。
ロボットは3DCGをつかっていました。モーションは丁寧でしたが、ちょっと陳腐な感じはしました。対象年齢が低めのアニメにでてきそうなやつ(伝わってほしい)。まぁ大の大人がロボット変形に対し「その稼働はおかしい」と批判する業界もありますからね(そっと宇宙世紀から目をそらす)。ほ、本当にガンダムは面白いですよ?(必死のフォロー)
あと恭子ちゃん扇情的になった?ちょっと気に食わないんだけど。前の元気で天真爛漫な恭子ちゃんに戻してよ!(過激派)びっくりしたね。一瞬誰かわかんなかったもん。

監督は中山勝一さん。planetarianのシリーズディレクターをされた方ですね
原作・シリーズ構成・脚本は賀東招二さん。
キャラデザは堀内修さん。不動
劇判は佐橋俊彦さん。不
アニメ制作はXEBECさん。ファフナーやニャル子などを制作したところですね

opは山田タマルさん作詞曲歌唱、山本陽介さん編曲の「Even...if」
edも山田タマルさん作詞曲歌唱、山本陽介さん編曲の「yes」
ちなみに個人的に好きなのが8話ED畑亜貴さん作詞、菊田大介さん作編曲、茅原実里さん歌唱のゴールデンコンビの「Remained dream」が大好きです
声優さんはよく、主人公の関さんが初期とは大違いの演技力でした。いや初期も味があってよかったんですけどね

総合評価 受け入れられない人もいると思う

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

今回のフルメタは死者・怪我人続出の本気戦闘モード!

本シリーズに関しては、サブヒロインのテッサ隊長が可愛いだけの、温(ぬる)くて展開の散漫な「なんちゃってロボット&学園ラブコメ」アニメとばかり思っていて、この新作の視聴前はほとんど期待していなかっただけに、第1話から・・・ちょービックリ!!!!
前作まで(1~3期+OVAの計50話)は、長~い前座だった!?

何か見続けているうちに、主人公=宗介君が『装甲騎兵ボトムズ』のキリコ君に見えてきた!
これは、《リアル志向ロボット&軍事アニメ》の思わぬ拾い物でした。

チンタラしてなかなか話の進まなかった前作までを余り確り見ていない私が、この新作はこれだけ楽しめたということは、コレ単独で新規に見始めてもいい作品なのかも?
というか、私の場合、この新作を見終えて、初めて前作の方をじっくり再視聴してみたくなりました。
原作の方は、さらにこの後シリアスな展開が続くそうなので、何とか最後までアニメ化して欲しいところです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      賀東招二(『富士見ファンタジア文庫』1998-2011年刊)
監督         中山勝一
シリーズ構成・脚本  賀東招二
キャラクターデザイン 堀内修
メカニックデザイン  海老川兼武、渭原敏明
音楽         佐橋俊彦
アニメーション制作  XEBEC{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

======== フルメタル・パニック! Invisible Vicrory (2018年4-7月) ========
{netabare}
第1話 ゼロアワー ★ テロ組織「アマルガム」の本気宣言(レナード)、普通の学園生活の終り、世界各地のミスリル基地への大攻勢開始
第2話 損害制御 ★★ メリダ島基地への敵襲、宗介&かなめへの襲撃、スペック伍長懲戒(テッサ大佐)、かなめ動揺
第3話 BIG ONE PERCENT ★★ ベヘモス迎撃(スペック戦死、キャステロ中尉戦死)、Mr.クラマの卑劣な罠(人質・常盤恭子)、宗介とかなめの約束
第4話 オン・マイ・オウン ★★ 学園の戦闘(人質解放、レナード来襲・かなめ投降)、メリダ基地放棄・テッサ隊脱出、宗介の決意{/netabare}

 - - - - - - - - - - - シナリオの切れ目 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第5話 WELCOME TO THE JUNGLE ★ 東南アジア・ナムサク市編(AS闘技場(アレーヌ)、ナミ&レモンとの出遭い、参戦)
第6話 腐敗のまどろみ ☆ 続き(地元警察署長の接触、宗介の目的)
第7話 ジャイアント・キリング ★ 続き(闇バトル(ロートル機サベージvs.最新鋭機M9)、再びクラマの卑劣な罠(人質・ナミ))
第8話 ワン・マン・フォース ★★ 続き(ナミ死亡、宗介の復讐戦、クラマ戦死・宗介重症、かなめの行方) ※ED「Remained dream」{/netabare}

 - - - - - - - - - - - シナリオの切れ目 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第9話 堕ちた魔女 ★★ 旧アーバレストAI(アル)の機能回復、テッサ大佐サンフランシスコにて発見、アマルガムの尻尾あぶりだし作戦
第10話 前へ、前へ ★ レモン隠れ家への襲撃、囚われのかなめ、フロリダ軍事キャンプ(宗介回復)、カリーニン少佐の裏切り
第11話 ストーミー・ナイト ★★ メキシコ・レナード隠れ家強襲、かなめ奪還作戦(クルツ&メリッサ合流)、レナードの待ち伏せ
第12話 メイク・マイ・デイ ★★ かなめ奪還失敗、新機レーバティン無双(AIアル&宗介のコンビ復活)、かなめからの連絡・約束、テッサとの再会・宗介&アル原隊復帰{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)7、★(良回)4、☆(並回)1、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.3

OP 「Even...if」
ED 「yes」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
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