2023年度のパラレルワールドアニメ映画ランキング 1

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早速見ていきましょう!

72.8 1 2023年度のパラレルワールドアニメランキング1位
アリスとテレスのまぼろし工場(アニメ映画)

2023年9月15日
★★★★☆ 3.9 (63)
177人が棚に入れました
変化を禁じられた町で暮らす少年少女の恋する衝動が世界を壊す様を描いた長編アニメーション。原作となる同名小説を、監督を務める『さよならの朝に約束の花をかざろう』の岡田麿里が書き下ろし、「進撃の巨人」のMAPPAとタッグを組んだ。主人公の正宗を「呪術廻戦」の榎木淳弥、謎めく同級生の睦実を「鬼滅の刃」の上田麗奈、謎の少女、五実を「サマータイムレンダ」の久野美咲が担当する。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

停滞のむきだし

1991年冬。製鉄所の爆発以来、外界から隔絶され、時の流れが止まった見伏(みふせ)市。
何年も中学3年生を繰り返している少年少女らの間で巻き起こる思春期の恋の衝動が、
停止した街の秩序を揺るがしていく劇場アニメ作品。

【物語 3.5点】
監督・脚本・岡田 麿里氏。
同氏の未完の小説『狼少女のアリスとテレス』を本作向けに再編し映像化。

見伏市は時間が停滞していることで安定しているが、最近は空にヒビ割れが多発。
製鉄所の煙から生成される“神機狼”で修復する頻度も高くなって来ている。
ヒビ割れを作り閉鎖世界の崩壊を招くのは人々の心の変化。
町は“自分確認票”などの掟により人々の異変を厳重に監視規制している。


本作もまた斜陽に向かう日本社会の停滞感を描き、次代に未来を託す、
近年トレンドの作品群の中では後発のタイミングでの公開。
が、既視感を上書きする勢いで、岡田麿里氏ならではのオブラートに包まない描写が鮮烈な印象を残す野心作。

大人たちの停滞を押し付ける同調圧力が、子供たちの心を蝕む。
(※核心的ネタバレ){netabare} 見伏の住民はまぼろし故に、{/netabare} 痛みを感じなくなった少年たちは生の実感を得るために危険な遊びに興じる。
時間の止まった町で成長し続ける異端の“狼少女”五実から香る生の匂い。
主人公・菊入 正宗と佐上 睦実、五実との間に吹き荒れる痛切な恋の衝動こそが生の実感を与え、世界を壊す暴力となる。

展開も概ね予想の範ちゅうで、シナリオ自体の衝撃で驚かせると言うより、
エッジの効いた表現で、鑑賞者の心にも傷痕を刻む感じ。

ただその傷痕はトラウマにはならず、むしろ停滞した社会の中でも価値を見出す希望や、
痛みを伴ってでも未来へ進む勇気といった、ポジティブな痛みとなって残る。
事前PVが醸す危険な印象や、作中私が喰らったダメージを思えば、やはりガード必須な岡田麿里作品ですが、
鑑賞後の後遺症は意外と残らない前向きな作品となっています。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・MAPPA

背景美術にも積極的に作画を入れて登場人物の心情を反映する世界の潮流。
この最先端を走る海外アニメ映画などを観ていると、日本アニメはちょっと敵わないのではないか?と悲観してしまいますが、
本作の少年少女の恋心の痛みなどに呼応して裂ける空などを眺めていると、
MAPPAや『さよ朝』チームならばJAPANもまだまだ食らいついていけるのでは?と希望がわいて来ます。

“狼少女”五実の{netabare} おまる洗浄シーン{/netabare} など匂いを意識させる作画もまたオブラートに包まず、
痛覚と並ぶ生の実感を体現。

その他、冬と夏を活用した心情表現。
(※核心的ネタバレ){netabare} ずっと冬が続く見伏市のまぼろしは、裂け目から覗く現実世界の夏の盆祭りに魂を呼ばれるように霧散して行く。{/netabare}
(※核心的ネタバレ){netabare} 正宗と睦実のキスシーンの熱を表すように、裂け目から降り注ぐ夕立が雪を溶かす天候描写がエモ過ぎます。{/netabare}

正宗が描き続けている作中イラストの上達ぶりは、
停滞した町でも、人間は成長できる好例としてテーマ深化のスパイスとなる。


90年代で止まった街ということで、小物デザインも花柄ティノポットなどが当時を再現。
もっとも私は萌えアニメキャラの装備品たるブルマとは異なる、
リアルに存在した女子中学生の生々しいブルマの揺れ動きの再現カットに、
作中の中学生男子共と一緒に鼻の下を伸ばしていたわけですがw


【キャラ 4.0点】
主人公少年・菊入正宗と同級生・佐上睦実。身体は思春期、心を凍りつかせたままで大人になっていく同級生。
二人の間に心は幼気で無邪気なまま身体が成長していく奔放な五実が入っていくことで、
震源のトライアングルが活発化していくメインキャラ相関。
(※核心的ネタバレ){netabare} 外の現実世界では夫婦になる正宗と陸実の娘が五実。{/netabare}
五実は正宗と陸実にとって諦めていた未来を垣間見せる存在でもある。

停滞を強いる大人の同調圧力に対し、イラストを書き、自分確認票提出をサボって抵抗する正宗。
それでも停滞は少年の心を確実に蝕んで行く。
その苛立ちを自分確認票をペンで書き破ってぶつける描写が痛切でした。


心の変化を禁じている見伏市ですが、街を回すためのスキル習得には意外と寛容。
正宗たち中学生も運転免許を取得して老祖父の送迎などに車を活用。
終盤“合法的”な中学生によるカーアクションも実現し盛り上げに一役買う。
(これなら二次元世界でも学生の違法行為の取り締まりを叫ぶ真面目なネット警察諸君も、ぐぅの音も出まいw)
運転スキル習得のキャラ設定もまた停滞していても人間は成長できる一例を示す。


【声優 4.5点】
主人公・正宗役の榎木 淳弥さん。
陽気なボイスが特徴的な声優さんですが、本作では少年の葛藤をぶつける鬱モード。

ヒロイン・陸実役の上田 麗奈さん。
妖艶なボイスで、えのじゅんを挑発し、“謎の同級生”を構築。

そして“狼少女”五実役には、痛みにのたうつロリボイスに定評がある久野 美咲を指名。
“暴力的にピュアにして欲しい”との監督のディレクションに応える。

メインキャスト3人は実際にトライアングルを囲んで収録を行う異例の体制で、
コロナ禍で広がった分散収録の流れに一石を投じる。

この成果が一番出たのがやはり(※核心的ネタバレ){netabare} 正宗と陸実の濃厚キス現場を五実が目撃し心に激痛が走るシーン。{/netabare}
分散収録か否かなど聞いても分からない私ですが、
あのシーンからは同時収録ならではの生々しい三角関係が確かに伝わって来ました。
何より上田 麗奈さんの妙演がたまらなくエロティックでした。


正宗の失踪中の父・昭宗役に瀬戸 康史さん。
残された母・美里を見守ると称して恋心を打ち明けられない叔父・時宗役に林 遣都さん。
中堅俳優に年輪を刻んだ煮え切らない大人のトライアングルを託す。
俳優タレントの劇場アニメ起用への文句も多い私ですが、
このポジションへの俳優キャスティングには納得感がありました。

見伏市の体制側にカルト要素を注入した神官・佐上 衛役の佐藤 せつじさんも、
映画吹替経験も生かした明快な狂人ヒールぶりで機能していました。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は横山 克氏。
音響彫刻シデロイホスの神秘的な金属音によるヒビ割れる空の演出強化。
退廃のバックグラウンドに響く高校生コーラスによる思春期の絶望表現。
未来の希望を象徴する海羽さんの歌声。
私は本作を横山氏が新機軸で、さらにもう一つ殻を突き破った作品としても記憶に留めたいです。

ED主題歌は中島 みゆきさんの「心音」
起用の一報を耳にした時は、歌手の世界観が強烈過ぎるのでは?との懸念もありましたが杞憂でした。
歌詞世界と作品のシンクロ率では本年のアニソンの中でも屈指だと思います。



【余談】長いひとり語りになるので読まなくても結構ですw

見伏市が停止した1991年は奇しくもバブル崩壊による不景気が始まった時期。
私にとって本作は“失われた30年”の日本社会の停滞から若者が受けた影響を否応なしに想起させられる。
作品そのものから感じる痛みより、私の内面に封印していた古傷が疼いてのたうち回った劇場鑑賞でもありました。

この30年変革も多々ありましたが、基本的にバブル後に日本が取った施策は変わらないことによる安定確保。
こうして停滞した社会というのは、極度に変化や異物を恐れる。
過剰なまでの無菌無臭の追求。公園の砂場にまで除菌した砂を敷き詰める狂気。
地毛の茶髪まで黒に染めさせる校則というのは今にして思えば事なかれ主義をこじらせた、とんでもない差別行為でした。

ゼロ年代。ロスジェネの若者たちの間で、布団を日向で干した匂いがするアロマがちょっとしたブームになった事も。
同時期に社会問題になったリストカット。理由は個々人により様々でしょうが、
本作みたいに停滞の中で、生の実感を渇望し痛みを求める少年たちを抽象化された物を直に喰らうと、
停滞は人の心を確実に殺すことを痛感します。


私の中学時代はブルマがハーフパンツに切り替わった時期。
同時に体育での水泳復活も協議されましたが、ここも事なかれの校長の強硬な反対により廃案に。
私にとって中学生のスクール水着女子というのは完全に二次元世界の幻想に過ぎません。

高校時代には修学旅行にて女子生徒たちが共同浴場を使用せず客室シャワーで入浴を済ませるという事案が問題視。
教師が裸の付き合いをする意義を説教したわけですが、
私は、中学時代に水泳など同性同士の着替えやボディーラインを見る機会すら徹底排除しておいて、
何を今更と呆れて聞いていました。

かと思えば恋愛禁止論をぶち上げて受験戦争に立ち向かうよう発破をかける先生方もおられて。


そんなこんなで大人になった我々の世代は、今の若者は草食系などと揶揄されたわけですが、
殺菌消毒された草ばかり食わせておいてそりゃないよ~と恨めしく思ったわけです。


本作は岡田麿里作品の中ではマイルドな部類かもしれませんが、
私の抱えた諸々のイタい思い出がむき出しにされてしまう辺り、やはり劇物に指定される作品なのだと思いますw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

追記 なぜ岡田麿里監督の話は面白さに欠けるのか?

変化を望め、人を愛せ、1991年を引きずるな、でしょうか。

 何日かかけて考察しましたが、話の構造としての仕掛けを全部読み解くのは無理だったのでわかったことをメモしておきます。テーマは「すずめの戸締り」と同様に、過ぎ去った時代を早く葬ってあげて変化して行こうよ、という話だったと思います。ただ、個人的な内面から湧き上がる変化したいという衝動を殺さないで、というメッセージは明確にあったと思います。

 そこが「アリストテレス」の意味で、哲学的な話というより「変化」を象徴しているのが「エネルゲイア」ということでしょう。

考察メモですが、ほどほどです。

{netabare} 現実世界では工場は爆発したが、幻の世界だと健在だった(祖父の見解。ボケた老人は真実を語るの法則)。つまり、最後の工場が普通に閉鎖された世界線と五美が帰った世界は違う世界である。

 睦実が最後に痛みを感じたことと、工場にあった絵は正宗が閉じ込められた結果上手くなった絵なので、最後の場面は幻の世界が現実になることが読み取れる。
 ただ、五美が帰った世界と幻の世界が連続つながって、幻の世界の未来が現実の世界になった…という読み取り方はできるが、それは多分設定上無理がある気がする。

 アリストテレスの哲学の内「エネルゲイア」がマンガの必殺ワザとして語られる。資料の形相を実現していないのがディミナスで実現したのがエネルゲイア(作中にでていました)である。形相が「変化を望むことで」資料=モノが本質へと生まれ変わる。
 また、イデア界=理想の世界というのはない、というのがアリストテレスなので、その点も暗示されている。

 ただ、変化を望みいなくなった人間はどうなったのかは不明だが、ひょっとしたら五美が帰ったあとの幻の世界にいるのかもしれないがそこは全くわからない。
 五美のインナースペースだったとするには、2005年から1991年に戻ったことに無理があるかも。神の存在を肯定するのはアリストテレス的ではないがそれを前提としないと、幻世界の存在そのものがよくわからない。

 睦実がなぜ五美を好きになりたくないと思ったかは読み取りずらい。いろいろ解釈できるが確定は出来ない。ただ、睦実の生い立ちが親で苦労したこと、ヤキモチ焼きであることが描かれるので愛情に関しての障害がありそう。わざわざ睦実をそう描いたのは元の世界の睦実が同じ性格だからだとは思います。

 罪が1つ減って五美のところは、考えれば何かあるかもしれませんが今のところ保留します。7つの大罪からの引用だとは思う。

 痛み、匂い、味などの五感はつまり生きている実感であり、現代のアナロジーでもある気がします。

 正宗の親たちの昔話が正宗のアナロジーだとすると、現実世界で何もせずに見伏に残った正宗は睦実と結婚して五美を生む。が、父親同様に心が死んでいる状態になっていたのかもしれない。
 つまり現実の世界では工場が爆発することで工場勤務の人は本来的な意味で死に、街の人の心は死んでいる状態だったという事かもしれません。
{/netabare}

 というような感じでした。

 で、テーマとしては変化しようとするのが人間である。1991年のバブル崩壊で止まってしまった時間を日本人は動かさないといけない、でしょう。消えた人たちがどうなったのかと、神の描かれ方がアリストテレスと矛盾するので、ちょっと読み取れませんでした。
 そして、陰のテーマとして母と子の愛着障害的なものが描かれていると思います。


 映画としての評価は、エンタメ性とテーマの深さがちょっと物足りないかも。ただ、考察は楽しませてもらったのでストーリーは当初2と思いましたが、3.5にします。SFというよりファンタジー的なスタイルなので理論展開云々はいいんですけど、物語としての組み立てが分かりずらい気がします。そのおかげで1回目の視聴では、最後の30分くらいがかなり退屈でした。

 作画は奇麗でしたが、もう見飽きた作画のスタイルなので3.5とします。




追記 なぜ岡田麿里監督の話は面白さに欠けるのか?

「さよならの朝…」「空の青さ…」と本作に共通するのは壮大さが無い事、キャラのバックグラウンドの説明不足な気がします。

 本作に関して壮大さを感じない理由は「工場」が理解できるとっかかりがないことです。一応神が云々などの説明はありますがよくわかりません。別に設定としてどういう理由で発生したとかそういうのが分からなくてもいいんです。何を意図しているのかがまるで分かりません。
 なので畏怖も理解も無くただそこにあるだけです。そういう存在として置いたのかもしれませんが、作品理解、テーマ性において効果を発揮できていない気がします。

 例えば新海誠氏であればの3部作を初め、巨大な塔、宇宙人のようなものは正体はわからなくても意図は分かります。だから、メッセージ性が浮き立ってきます。
「フリクリ」の工場の様な象徴としての工場はありますけど、その割には本作の工場には機能があります。

 一方で、バブル期の少年少女としては随分地味な感じでした。もちろんその後閉じ込められた結果気力を失くしたのだとは思います。計算上は20年近くになるのでしょうか?2005年に五美が来たみたいで、5歳として14歳までそだてば2013年。1991年から2013年で22年間でしょうか。

 で、彼らのバブル期の思惑が語られない、どんなマインドでいたのが閉じ込められてどう変わったかという描写がないので、彼らがまるで現代人の少年少女に見えてしまいます。それを狙ったのかもしれませんが、変化が出来ないのは彼らの責任ではないと思われます。もちろん少年少女が変化を望まなくなったのは、社会の責任だという意味だとは思います。その彼らが20年以上たって、なぜ急に恋愛を始めたのか。そこが五美と正宗の出会いということ?

 そう…キャラのバックボーンや性格が理解できるヒントが少ないので言動に心が動かされないというのもあるかもしれません。特に睦実は最後語ってましたが彼女の何に乗っかればいいのか。
 そもそも正宗が主役だったのに結末の主役がねじれてしまっていました。

 こうやって分解して行くと自分の「勝手な解釈」はできるのですが、これが行間なのか妄想なのかが全く理解できません。つまり映画から伝わってこないので、見ているときにポカーンとなってしまいます。

 なんでしょう。大きなことを描いているようで「パーソナル」な「現在」の問題にしか焦点が当たらないので、仕掛けとストーリーが遊離してしまっている感じです。メッセージを語るための必然性を世界観から感じないと言えばいいでしょうか。そのせいで「裏」「過去」を世界観やキャラから感じないから広がりも深みもないということでしょうか。

「さよならの…」「空の青さ…」本作の共通する不満点がこれですね。例えば「さよならの…」でイオルフの過去や未来に想いを馳せられたでしょうか?あの舞台になった国の歴史が妄想できたでしょうか?本作はそれと同じですね。
 文学というには意味がありすぎますし、その割に語り切れていないのか受け取り切れていないもどかしさを感じます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

実際にそおゆうことありますからですね、まあそおゆうこともあるかなと。

10月の連休に見に行ってきたっすよ。娘と2人で。
いやこれはもうめちゃくちゃ面白かったですよ。
娘(30歳)もいやおもしろかったぜ~とゆうとりました。

前評判では賛否・評価が分かれるとか聞いてましたけど、ボクの印象ではそうかぁ~??です。誰が見てもおもしろいのでは??と思いましたですわ。

ハナシの感想を述べるといきなりネタバレになってしまうのでそもそもレビューを書くことはばかられるわけですが、とにかく映像表現が素晴らしかったですわ。

なるほどこうなるとぐずぐずとした説明みたいなんはない方がええなと思いますな。

なんかそおゆう見た人それぞれが感じ取ったアレでああこれはこおゆう話なんだなと思えばええのではないでしょうかね。

まあ読み解けばアリストテレスやユングやフロイトの言説に触れてああでもないこうでもないと考えを巡らせるのももちろん楽しいでしょうし。


そーはゆうてもそもそもアリスもテレスも出てこんし。
男の子は菊入政宗とかゆう名前だしなるほど菊正宗が好きなのか。そしたら友達に黄桜河童とか出てくるのかと思ったら出てこんし。

設定とかがなんつーかこう作者の心に刺さった棘みたいな断片的なかけらで構成されてる感じがあって、どことなし取り止めがない感じしましたけど、それはそおゆうハナシなのでその取り止めの無い不安定な感じがこのハナシ全体的に靄のようにかかっており、おそらくはそれがまたこの作品の魅力となっておるような気もするわけですよ。


とにかく工場が爆発してその町の人どうにかなっちゃうわけなんですが、その年が1991年(平成3年)なんですと。

これがまた1991年て実際にいろいろあった年であそうか岡田マリ的にもその年は刺さってるんだなと。

ロシアの崩壊とか湾岸戦争。ピナツボ火山の噴火もこの年ですわ。


さて主役の男の子女の子はその1991年では14歳ってことになってますが体はそのまんまで10年ぐらい経っちゃってるとゆうですね。なので中身はいい大人なわけですよ。それがブルマはいて体育やったりパンツ見せたりしたらそらもうおかしくなるってば(笑)。

そのほかぺろぺろもぶちゅーもありますんでそおゆうところはエロいちゃあエロかったかもですね。ま、たいしたことないですけど。

まあとにかくそおゆう設定なんで工場が爆発して町の人らがどうなったのかってことはなんとなーし気がついちゃうわけですけども、こっち側の世界とあっち側の世界の見せ方とゆうか表現の仕方が素晴らしく激しく唸りました。


こっち側とあっち側の境目の話って実際大事故があったりしたら耳にするやないすか。どう考えてもこの世のものではない力が働いたのではないかと思うような出来事をですね。

例えば1985年の日航機墜落事故。500人以上が犠牲になりましたが4人だけ生きてはりましたよね。

あと2012年の中央道笹子トンネル天井版落下事故。友人5人で乗っていたワゴン車で車はぺしゃんこになったけど女の人一人だけどおゆうわけか助かったとか。

実際にそおゆうことありますからですね、まあそおゆうこともあるかなと。


まあその辺は実はこのハナシの本筋からはズレるような感じもありますが、なんかまあラストシーン見てそんな風に思いました。


とりあえずネタバレなしでのレビューを心がけましたので実に取り留めのないレビューになりましたが、取り留めのないレビューを書くのはいつものこととゆうことでございます。


いやホントにおもしろかったんでみなさん是非見に行ってください。
ちなみにボクのレビューはあまり参考にはなりませんのよ。おほほほほ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
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