ファンタジーで仲間なアニメ映画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のファンタジーで仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月29日の時点で一番のファンタジーで仲間なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.3 1 ファンタジーで仲間なアニメランキング1位
ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★★ 4.1 (852)
5127人が棚に入れました
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる
《盤上の世界(ディス・ボード)》が
創造されるはるか以前の出来事。
世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。
天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、
戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。
強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、
存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。
一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、
擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で
機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。
機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、
仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、
リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。
これは六千年以上もの昔に紡がれた
《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。

声優・キャラクター
松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子、沢城みゆき、釘宮理恵
ネタバレ

みむう さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

みんなジブリール嫌いにならないであげてね(´・ω・`)

僕は小説でも読んで映画でも見ました。
{netabare}神が生まれる前のお話なので空白の二人が出てこないと聞いていたので「つまらないんじゃね?」と思いながら小説を読んでみるとあらビックリ
面白さがあるいつものノゲノラでした。そこにシュヴィとの別れのシーンで感動という要素が入りとても良い作品だなと思いました。
映画では声優さんが演じているのでより臨場感あふれるものに。大スクリーンで見るのと小説で読むのはまた違った面白さがありました。
あとシュヴィ倒したからってジブリールを嫌いにならないであげてね!
今はいいやつだから!{/netabare}
2期が来ることを期待します!

投稿 : 2024/05/25
♥ : 9

くまくまちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

涙が止まりません・・・

 映画館は苦手で、暗いとすぐ眠くなり、過去には気付いたら終わっていたなんてことも度々あり、行くかどうしようか悩んでいました。
 最初の20分間ぐらいは、睡魔との戦いです。2度ほど落ちかけましたが、主人公リクとオートマタの少女との出会いからは、眠気が飛んでしまいました。
 舞台挨拶で松岡さん達が「ネタバレできないけど、とにかく泣ける。スタッフ達は4回見ても泣き続け涙が止まらない。」と言っていました。ノーゲームには、楽しくコミカルなイメージしかなかったので、何を言っているのか、さっぱり分かりませんでした。ポスターの雰囲気ではなんとなく戦闘シーンとかあるんだろうなとは思っていましたが、とてもシリアスで切ない恋物語で純愛ストーリーでした。
 恥ずかしいから絶対に泣かないと決意して観ていましたが、後半は、とにかく涙が溢れ出て、ハンカチがビショビショになりました。隣の男性は鼻水垂らして泣いているし、隣の女性もすすり泣いているし、とにかく館内の皆が同じ気持ちを共有しているんだなとヒシヒシと感じられる素晴らしい時間でした。
 素敵な作品に出合えて感謝です。ヨガに行ったときに感じる、心洗われるような気分に浸れる秀作だと思います。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 24
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私の「感動したら負け」クリード(信条)を易々とクリアされてしまった!

この劇場版を見るまでは、異世界ファンタジー/異世界召喚ものジャンルで一番出来の良い作品は、『ソードアート・オンライン』シリーズで、対抗馬は『Re:ゼロから始める異世界生活』、そして『ノーゲーム・ノーライフ』は3番手かな、と何となく思っていたのですが訂正します。

①キャラクター&世界観設定の練り込み具合
②シナリオ自体の面白さ&作品から受ける感動ないし感銘の度合い

・・・を総合して考えると、同ジャンルでは、劇場版までを含めた『ノーゲーム・ノーライフ』が№1と考えます。

なお、上記3シリーズはいずれも原作未完(※アニメももちろん未完)であり、今後の展開次第で私の個人的評価もまた変わってくると思いますが、現時点で制作・放送(ないし配信・上映)されたアニメ作品を視聴した限りでは、個人的には本シリーズの今後に一番のポテンシャルを感じました。
というのも・・・

◆《トンデモ異世界ファンタジー》の顔をした《想定外の感動作》

本作は榎宮祐氏のラノベが原作ですが、アニメ制作スタッフは本年(2018年)の話題作『宇宙よりも遠い場所』(略称『よりもい』)とほぼ同じ方々です(監督・シリーズ構成・アニメーション制作会社が同じ)。
以前レビューした通り、その『よりもい』は“感動する”作品と事前に何度も聞いており、それなりに期待して視聴を始めたのですが、途中から「あれ?これハズレだな・・・」と気づき始めて、結局そのまま視聴し終えてしまいました。

因みに、英語表現だと“楽しむ”は have fun もしくは enjoy と能動態ですが、“感動する”は be moved と受動態となるのが通例で、私の場合も、アニメ作品は確かに大いに「楽しみたい」(※能動態)のだけれども、「はい、ここ泣くところですよ」みたいな制作側の誘導に簡単に引っかかって「感動させられ」(※受動態)たくないな・・・という拘(こだわ)りが以前からずっとあります。

⇒個人的に、これを「感動したら負け」クリード(信条)と呼んでいます笑。

私がアニメを見るときに一番大切にしている信条で、この「感動の壁」を超えるシーンに思いがけず出くわしてしまうと、その作品の個人評価が ★★ 4.5 を超えてきて、私の「お気に入り」作品の座に昇る可能性が出てきます。
(※実際には、この後さらに、その感動が「一時的なもの」に過ぎないのか、それとも「今後も継続的に感動できるもの」なのか、という厳格審査を実行するので、結局 ★ 4.2~4.4 程度の個人評価に留まる作品が大半ですが)

・・・で、本作なのですが、TVシリーズの時の視聴経験から、「はっちゃけた面白さには十分期待できると思うけど、感動できるタイプの作品ではないだろう・・・」と、さほど期待せずに見始めたところ、全体の2/3くらいを見終えたところで、思いもかけない《こころの震え》を覚えてしまい、「え?こんな作品に感動しちゃっていいの?」とビックリして、見終えて直ぐに、それが果たして正当な感動なのか、更に数回繰り返し視聴して自分に問いただしてみました。

結論からいうと、やっぱり本作は、

<1> よくあるような、音楽や演出などの技巧を凝らして視聴者の一時的な感動を喚起するタイプの作品(=一過性の感動しかない作品)ではなくて、
<2> 一見フザケた装いにも拘わらず、視聴者の感動が一時的なものでは決してない(=繰り返し見てもやはり確りと感動出来るくらいに)緻密に計算された設定&シナリオを備えた作品である、

・・・と思いました。

※なお、この「感動」には、前作であるTVシリーズ『ノーゲーム・ノーライフ』(※但し時系列的には劇場版の6.000年前の話)の事前視聴が、絶対必要とはいわないまでも、やはりある方がずっと良いと思うので、以下、併せて同TVシリーズの各話も再評価します。

《まとめ》
とにかく本作については、前作となるTVシリーズの、とくに第2-3話で、主人公たちの悪フザケに閉口して視聴を打ち切ってしまう方が多く発生している感じですが、そのTVシリーズが急に面白くなるのが第6話(ジブリール回)で、そのあとは最終話まで休みなしに駆け抜ける痛快さをもった《面白作》、そしてこの劇場版までくれば、視聴前は思ってもみなかった心の震えに出遭える《感動作》と思うので、これから初めて本シリーズを見始められる方は、何とか我慢してこの劇場版迄たどり着いて欲しいです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      榎宮祐(『MA文庫J』2012年4月-刊行中)
監督         いしづかあつこ
シリーズ構成     花田十輝
脚本         花田十輝、あおしまたかし、下山健人、榎宮祐
キャラクターデザイン 榎宮祐(原案)、大舘康二(TVシリーズ)、田﨑聡(劇場版)
音楽         SUPER SWEEP(TVシリーズ)、藤澤慶昌(劇場版)
アニメーション制作  MADHOUSE{/netabare}


◆作品別評価

(1) 『ノーゲーム・ノーライフ』(TVシリーズ)  ★ 4.4   (2014年) ※計12話
(2) 『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』(劇場版) ★★ 4.7  (2017年) ※約1時間45分(4~5話相当)
----------------------------------------------------------------------------
  総合                    ★★ 4.5         ※計16~17話相当


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= ノーゲーム・ノーライフ (2014年4-6月) ==============
{netabare}
第1話 素人《ビギナー》 ★ 対テト戦(チェス)
第2話 挑戦者《チャレンジャー》 ☆
第3話 熟練者《エキスパート》 ☆ 対クラミー戦1(チェス)
第4話 国王《グランドマスター》 ☆ 続き
第5話 駒並べ《ウィークスクエア》 ☆
第6話 一手《インタレスティング》 ★★ 対ジブリール戦(具象化しりとり)
第7話 死に手《サクリファイス》 ★ 希望の鍵
第8話 起死回生《フェイクエンド》 ★★ 種の駒、※特殊ED
第9話 解離法《スカイ・ウォーク》 ★ 対クラミー戦2(オセロ)
第10話 指向法《ブルー・ローズ》 ★★ 対いづな戦(テレビゲーム)
第11話 誘導法《キリング・ジャイアント》 ★★ 続き ※OP「おねがい☆すにゃいぱー」
第12話 収束法《ルール・ナンバー・10》 ★★ 続き、対巫女戦(コイン・トス){/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)3、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

OP 「This game」
ED 「オラシオン」


============= ノーゲーム・ノーライフ ゼロ (2017年7月) ===========

全1話 ★★ 4.7 {netabare}TVシリーズより6,000年前に星杯(スーニアスター)を巡る古き神々&15種族の戦争を終結させた人類(イマニティ)の少年(リク)と機械種族(エクスマキナ)の少女型個体(シュビ)の物語{/netabare} ※1時間45分

主題歌 「THERE IS A REASON」

投稿 : 2024/05/25
♥ : 29

72.2 2 ファンタジーで仲間なアニメランキング2位
劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-(アニメ映画)

2019年2月15日
★★★★☆ 3.7 (243)
1247人が棚に入れました
神時代以前より受け継がれている【神月祭】に沸き立つ迷宮都市(オラリオ)――【リトル・ルーキー】として都市を賑わせた冒険者ベル・クラネルと、彼の主神ヘスティアも、その喧騒の只中に身を置いていた。夜の闇を照らし出す、色とりどりの屋台や催し、都市全体を淡く包み込む月光。都市の喧騒の遙か上空で、月は静かに佇み、ただ待っている。英雄の誕生を、そして新たな冒険譚の始まりを――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、坂本真綾、内田真礼、細谷佳正、斉藤壮馬、早見沙織、茅野愛衣、大西沙織、木村珠莉、石上静香、戸松遥、久保ユリカ、日笠陽子

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1万年の恋をしよう!

ダンまちの劇場版ですね。
実は、この作品を見るか辞めるか当日の数時間前まで凄く悩んでいました。
何故かと言うと、私はこの作品のアニメ放送を観ていたけど、観ていなかったからです。

この感想を読んでくださるファンの方々には激怒されてしまうかもしれませんが、アニメの方は私には響いてくる物がなく、面白さが解らなかった為に適当にしか観ていなかったからです。
だから、ストーリーもアヤフヤで要所要所しから覚えておらず…キャラもベル君とヘスティアくらいしか覚えていませんでした。

しかし、その作品の外伝のアイズが主役の作品「ソード・オアトリア」がかなり面白く漫画を集めて読んでるのです。
外伝は良かったけど、本編は微妙だった、それが私のイメージでした。

そんな私が劇場版を視聴してみることに…
視聴に関して私のイメージを粉々に粉砕する程の魅力に溢れる作品でした(´艸`)*

まず作品自体の詰め込みどがかなり絶妙でバランスよし!
役90分前後の時間ですが、その中にしっかり伝えたい事や意味も描かれていました。
そして、あまり興味無かった私にも付いていけるレベルの優しさ溢れるストーリー。
展開も飽きさせないレベルで最後まで集中しやすい作りに!

そして、音!
音にも拘りがあるのか戦闘音の迫力は勿論ですが、風の音や日常にある細かな音も鮮明に再現されているではないですか…
迫力のシーンには爆音、穏やか音には微かに耳に響く小さな音。
使い分けがしっかりしています。
この点は感心すら覚えました。

そして肝心の内容は感動しました。
正直、ヘスティアの泣きそうな顔とセリフあたりかは私は何だかんだか気持ちが伝わるってウルウルくる話しだし、明らかに感動を仕掛けてる感が出てくるのですが覚悟していたとしても
ラストでは泣いてしまいました。

オリオンの意味を知ったりアルテミスの気持ちや思いを知る度に涙が出てくる。
映画館で泣かせてこられるとどんな顔して出ればいいのwwって感じ。
でも、本当にいい作品に仕上がっているし凄く凄く満足した作品でした。

泣きながら、私はこの作品をみてよかった。
そう思えた作品でした。
何か思い出しながら書いてるからか涙が思い出し感動で今ま涙が出そうになっています(つд;)

ベル君は相変わらず弱いなぁ〜と思う。
でも、一番心が強くて…本当の強さって彼みたいな人を言うのかもしれませんね。

ダンまちと言う作品が私の中で大きく変わった作品です。
本編もしっかり見てみようかな?と思います(♡u ‿u)゚.:。+*

投稿 : 2024/05/25
♥ : 15
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

劇場版とは、かくあるべき!

原作未読。TV版第1期は視聴済み。第2期は視聴中です(笑)。

劇場版とは、かくあるべきですよね。
主だった面々はもれなく登場するし、
水浴びシーンもあるし・・・(#^^#)。
コメディパートもあるし、バトルシーンもあるし、そして、ちょっぴり泣ける。

TVアニメ版のストーリーに(恐らく)大きな影響を与える訳でもなく、
TVアニメ版を未視聴の方でも(恐らく)楽しめる(はず)。

こういう、しっかりとした劇場版を見ちゃうと、『総集編的な劇場版なんて・・・』って思っちゃいます。

本編について少々感想を。
{netabare}本作のヒロイン・主神アルテミス。
その主神アルテミスに対する、救いのない結末。
賛否分かれそうだな。
だけど、敢えて救いのない結末とすることで、後々の物語に変な影響を与えない、という考え方もありかな・・・って。
最近、ご都合主義な作品が多い中、敢えて・・・っていうのは、高評価すべきじゃないかなと。{/netabare}

投稿 : 2024/05/25
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

月夜に降り立った女神が紡ぐ「約束の物語」

ダンまち2期の視聴前にどうしても見ておきたかったもう一つの作品がこちらです。
前にチェックした時には7月末と記憶していましたが、友人からレンタルが始まったことを聞いて早速視聴しました。


神時代以前より受け継がれている「神月祭」に沸き立つ迷宮都市(オラリオ)…
「リトル・ルーキー」として都市を賑わせた冒険者ベル・クラネルと、
彼の主神ヘシティアもその喧騒の只中に身を置いていた。
夜の闇を照らし出す、色とりどりの屋台や催し、
都市全体を淡く包み込む月光。
都市の喧騒の遥か上空で、月は静かに佇み、ただ待っている。
英雄の誕生を、そして新たな冒険譚の始まりを…


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

事の始まりは、「神月祭」における神ヘルメスの催したイベントでした。
そのイベントに参加して「とあるミッション」をクリアすると、豪華景品が貰えるという…
ヘスティアがとかく口にする「ヴァレンなにがし」も参加するのですがクリアすることができません。
そんな中、必然か偶然か…ベルがミッションをクリアし、新たな冒険の物語が動いていきます。

本作では新たな新キャラが登場するので紹介します。

主神アルテミス(CV:坂本真綾さん)
三大処女神の一柱。厳粛で規律を重んじる神格者。
特に色恋沙汰には、異常なほどの厳格さを求めるらしい。
神々にしては珍しく、自ら剣を取り前線に出ることも…

アルテミスと坂本さんの組み合わせ…なんて抜群なんでしょう。
これ以上無い、と言っても過言では無い組み合わせだったのではないでしょうか。
アルテミスの女神としての品格を感じさせる坂本さんの演技…流石です。

しかし、今回この作品を視聴してヘルメスが本当に食えない神さまであることを痛感しました。
普段はふざけていて女の子の裸ばかりを追い回していますが、時折見せる鋭い眼光は伊達じゃありません。
でも、知っているのに知らないフリを続けるのも決して楽ではないでしょうに…
それが神ヘルメスの背負った業なのでしょう…

神さまと言えば…神ヘスティアは今回色々な意味で難しい立場を強いられました。
天界に居た頃、ヘスティアとアルテミスは親交が深かったそうです。
作中でも夜は寝床を共にしながら色んな話をしたり…
ヘスティアがアルテミスとの再会を心から喜んでいるのが伝わってきます。
そしてそれはきっとアルテミスも一緒…

この後、事の真相を知らなかったら、ずっと旅行気分でこの冒険を楽しめた筈なのに…
最初から目的を持った冒険は、いつか必ず目的地に到達します。
そして到達したら…本懐を成し遂げなければ…これまでも冒険が全て無駄になってしまう…

それでも良い…という考えが頭をよぎらなかった訳じゃありません。
ですがそれによって引き起こされる事態は、きっと甚大というレベルじゃ済まないことも分かっています。
だから願ったのは、全てが丸く収まる奇跡…

だってここには、こんなにも神さまが沢山いるんです。
誰か一人くらい願いを聞いてくれたって良いじゃない…

手を伸ばすこともできず、見ているしかできない事がこんなにも苦しいだなんて…
身を切るより辛い状況をどれだけ見続けなければならなかったのだろう…
自分がこんなにも無力だったなんて、きっと想像もできなかったことでしょう…

背中を押され、一歩前進した先に待っていたのは本懐…
そしてどんな奇跡が待っていてくれたのか…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
私もベル君と一緒…涙で前が見えなくなりました。

主題歌は、いぐっちゃんの「おなじ空の下で」
約1時間20分くらいの物語でした。
坂本さんの声の耳障りがとても気持ち良い作品だったと思います。
しっかり堪能させて貰いました!
やっぱりアニメって本当に凄いっ…
こういう作品を制作して頂いたことに感謝です。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 18

69.1 3 ファンタジーで仲間なアニメランキング3位
さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅(アニメ映画)

1981年8月1日
★★★★☆ 3.9 (95)
427人が棚に入れました
プロメシュームを倒した前作から2年。やや美形になった鉄郎は地球で対機械化人レジスタンス活動を行っていた。メーテルのボイスメッセージに導かれ、再び 999号に乗り込んだ鉄郎は、衛星ラーメタルに到着。ここにも機械化人の侵略は進んでいた。プロメシュームを倒したはずなのになぜ?ミャウダー(猫似)と友情の別れを告げ、メーテルと再会→行き先不明の999号に乗って旅を続ける。ちなみに要所要所でハーロックとエメラルダスが出ます。

tag さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

自分史上、最高のエンディング

銀河鉄道999の窓の外に流れるメーテルの姿、ラストシーンとエンディングテーマへとつながる展開、劇場パート1のシーンをモノクロで振り返る背景、多分、人生最高のエンディング展開、これを超えるものは、多分ない、おっさん的には。あかん、今も思い起こす、30年もたったのに。多分、同時代性が無ければ、共感できない感覚かと思う。何故か、僕のiPhoneには「SAYONARA」が入っている。

SAYONARA999は現在のストーリーテリング、演出技法からみれば、とても稚拙で”痛い”かもしれません。昭和のあの頃、世の中の平均年齢も低く、若者からみれば、何かできるんじゃないかと思えた昭和50年代。今はそんな雰囲気は微塵もないのは十分承知。

メーテルを「青春の幻影」と臆面のなく語るセリフ。令和の現在、この台詞は、現代の脚本家には使用不可能だと思う。

まだ世の中が、成長や、変化や、未来への希望と願いをかなり信じていた時代。999は存在可能であった。

「今一度、万感の思い込めて、汽笛がなる、さらばメーテル、さらば銀河鉄道999」これが最後のナレーション。今は言えんよね。この臭い台詞。ここから、エンディングテーマ「SAYONARA」へとつながる。多分、今は恥ずかしくてできない。

エンディングテーマは全編英語なんだけど、今の知識と経験なら、この英語が、とても理解しやすいことに気付く。当時、小学生の私には、メロディの切なさと、モノクロの背景が目に焼き付いて離れない。でも今は、この英語が染み入る。

"How can I find a word to say. I miss you."
"Keep in your heart, SAYONARA"

うちの息子たちに語りたいけど、「おやじ、ウザいな」と言われそうかな。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 9

ニクキュー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あの時代ならではの無骨なメッセージ、たまにはどうですか?

映画、銀河鉄道999シリーズの完結作。
宇宙を舞台にした壮大な世界観と、主人公、鉄郎の成長が描かれたスペースオペラ的作品。古い作品だけど画質は良好、音楽はとても印象的で、今見ても十分楽しめる。

この時代のアニメ作品って、今の作品と全く違う質のメッセージ性があると思う。

 当時はアニメが完全に子供向けに作られていたから、飾りっけはないけどストレートで力強いメッセージは、まるで親から子供に伝えるような厳しさや暖かさがある。
これって結構大切な事じゃないかなって、この作品を見ると思い出す。

 老兵から鉄郎へ、エメラルダスから鉄郎へ、ハーロックから鉄郎へ、そしてメーテルから鉄郎へ、、、世代を超えて脈々と伝えられてきた、生きていく上で大切で熱いメッセージ。それが確実に鉄郎を青年、そして大人へと成長させてきた。

 今の時代の作品は画質や表現の多様性などなど、あらゆる点で進化して世界的に見ても間違いなくトップを独走してしていると思うけど、たまには、こんな無骨で、ストレートで、でも大切なメッセージ性があるアニメを振り返ってみるのも、良いんじゃないだろうか?

世代を超えて愛され続け、世代を超えてもなお力強いメッセージを放つ名作。
(映画版2作の感想をまとめてレビューさせて頂きました。)

投稿 : 2024/05/25
♥ :

plum さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

重厚な音楽に胸が熱くなります

1981年公開の劇場版第2作。
前作同様、ひとりの少年が、青年へと成長していく姿を描いた物語です。
本作においてそれは、”父と子”を中心に描かれています。

銀河鉄道999といえば、旅立ちと別れが印象的な作品です。

まずは、旅立ちのシーン。
何と言っても老パルチザンのセリフと、999が飛び立つシーンの
重厚な音楽は、何度見ても胸を熱くさせます。

・老パルチザン(cv.森山周一郎)
 鉄郎。いつかおまえが戻ってきて、地球を取り戻したとき、
 大地を掘り返したら,わしらの赤い血が流れ出すだろう。
 ここは我々の星だ。我々の大地だ。
 その赤い血を見るまでは,死ぬなよ。わしらの倅よ…。


そして、別れのシーン。
前作同様、最後にはメーテルと離別することになるのですが、
その前後のシーン、キャプテン・ハーロックのセリフと、
エンディング曲の「SAYONARA/メアリー・マッグレガー」が印象的でした。

限りある命の人間か、永遠の命の機械化人か。
それに対してハーロックの思いを語ります。

・キャプテン・ハーロック(cv.井上真樹夫)
 親から子へ。子からまたその子へ血は流れる。
 永遠に続いてゆく。
 それが本当の永遠の命だと、俺は信じる。

銀河鉄道999のテーマは「限りある命の尊さ」と言われますが、
限りある命が大切なのではなく、限りがあるからこそ精一杯生きる、
ということが大切なのでしょうね。
それに、たとえ命が永遠になったとしても、きっと心は死んでしまうでしょう。


(蛇足)
それにしても、子供の頃に見たメーテルは、何を考えているか分からない
謎の女性で、それこそ機械のようでした。
でもいま見てみると、意外と女性らしく、また人間臭く、なんだか
とても可愛らしく見えてしまいました。

・・・これが歳をとったということか!

投稿 : 2024/05/25
♥ : 7

69.3 4 ファンタジーで仲間なアニメランキング4位
きみの声をとどけたい(アニメ映画)

2017年8月25日
★★★★☆ 3.6 (115)
517人が棚に入れました
湘南・鎌倉の海辺の町を舞台に繰り広げられる、少女の悩み、葛藤、夢、そして届けたい“声(想い)”の物語。
将来の夢が見つからず少し焦っている16才の少女・行合なぎさは、幼い頃に祖母からきいた「コトダマ」言葉には魂が宿るという話を、ある出来事により信じている。
ある日、なぎさは何年も使われていないミニFMステーションに迷い込み、軽い気持ちでDJの真似事をする。すると、放送されたコトバは 思いもかけない人に届いていて―。

声優・キャラクター
片平美那、田中有紀、岩淵桃音、飯野美紗子、神戸光歩、鈴木陽斗実、三森すずこ
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

これぞ王道の青春感動映画!こういうのが見たかった!/レビュー追記(8.31)

女子校生達がラジオ局を復活させようとする話。
見ててスッキリできる青春映画の良作でした。
(以下ネタバレほぼなし)

( 'ω'o[総括レビュー]o
{netabare}
ことだまとラジオを巡る青春物語。
(詳しい内容は自分で確認推奨)

全体的に分かりやすい展開で、最後まで飽きずに視聴出来たと思います。
キャラの性格も個性豊かで、ちょっとクッスっとしたりうるっとしたりの連続で楽しかったです。

その他にも全体的によく出来ていると思ったのが「音楽」
ラジオ局の話なのでもちろん色々な挿入歌が出てくるのですが、全てを曲が素晴らしかったです。

特に良かったのが最後の曲。
詳しい内容はネタバレになるので言いませんが、皆の思いが重なってからのあの曲は完全に涙腺をやられましたね。

少し不満を言うとすれば、ラジオ局の復活課程をもう少し詳しく描いて欲しかったかなーと思います。

まとめとしては、いい意味での王道の展開で最後にはしっかり泣かしてくれる。普段アニメをみない人にも遠慮なく勧められる良作でした。

是非1度劇場へ!{/netabare}

総合点数【86点】

投稿 : 2024/05/25
♥ : 31
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

想いを声に

海沿いの街で出会った、女子高生達のひと夏の友情を描く物語。

「言霊(ことだま)」として語られる作品のテーマ、「声に出すことの重みや大切さ」を、ミニFMという地域ラジオを通じて、リアルタイムの生の声を届ける事で伝えようとしています。

明るく真っ直ぐな主人公をはじめ、それぞれに良さが描かれる7人の女の子達が、目指す目的のために、協力していく様子は微笑ましく和みます。
クライマックスでは、彼女達の素晴らしいパフォーマンスに魅せられ、爽やかな感動も待っています。

(客観的じゃない個人的なマイナス感想なので一部伏せます)
{netabare}
しかしながら、深夜アニメを少々観てきた私にとっては、インパクトの薄いアッサリした内容だなと言うのが正直な印象。

ストーリーは、多少のツッコミどころ{netabare}(本名やメールアドレスの公開放送にオイオイ大丈夫?!なぎさの母親って?など) {/netabare}は気にならず、自分的には観やすく分かりやすい素直な展開なんですが、逆に驚きも深みも少なく淡白に感じました。

作画も安定してるものの、劇場版ならではと言えるほど美麗さは感じない。

キャラクターデザインも、日曜朝の女児向けアニメの様なスッキリさで、サービスシーン等の萌え的要素はありません。
(作風的には当然のつくりなんですが・・^^;)
{/netabare}

音楽は、「響け!ユーフォニアム」の松田彬人氏が担当されており、劇中歌は良曲揃い。
3000人のオーディションから選ばれた新人声優さん達の歌声も非常に上手く心地いい!
この歌唱だけは劇場観賞の満足感がありました♪
(私、アイドル系のアニメジャンル、ほとんど観た事無いんですが、キャラに入れ込めて、この映画の様に歌うシーンを観たら楽しいんだろうな~と納得できる)


声優さんについては、新人声優さんでメインキャストを固めてる割にはそつなく感じました。
(もちろん三森すずこさんは別格の安定感)
主人公なぎさ役の片平美那さんの新人らしい初々しさは、感情表現としてはやや物足りなさを感じましたが、リアルな高校生らしさを出すよう狙った演技なのかもしれませんね。
乙葉ちん役の鈴木陽斗実さんの歌声が美しくてインパクトありました♪
いずれの皆さんも、今後の活躍に期待です!


最後に

個人的アニオタ目線で、ややマイナスな感想も述べましたが、本作は嫌みの無い後味の良さで、爽やかな青春ストーリーの好きな方にオススメの良作です。
深夜アニメに馴染みのない、小学生から高校生くらいまでの子や孫と、その親か祖父母が一緒に観に行くのにも適してると思います。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 24

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ユニゾンする声

2017年8月25日公開の劇場アニメ。
海辺の街を舞台に女子高校生たちの青春を描くオリジナル作品です。

この映画は御覧になられた方が少ないと思いますので、
ネタバレにならない範囲でストーリーを紹介しておきます。

~あらすじ~
海辺の町、日ノ坂町に暮らすなぎさはごく普通の高校1年生。
主人公なぎさには3人の幼なじみがいる。3人は全員ラクロス部。
かえでは同級生でスポーツが得意。はっきりした性格で気が強い。
雫もなぎさの同級生でお菓子作りが得意。こちらはおっとりした性格。
夕は別の名門学校に通うラクロス部の時期キャプテン。部活では3人のライバル。
特にかえでは夕に対してライバル意識が強く、最近は関係がギスギスしてきている。
夕のことを悪く言うかえでに対して、なぎさは快く思っていない。
でもかえでもなぎさの大切な友達なのでその思いは口に出せず、それがストレスになっていた。
ある時、何年も使われていない喫茶店アクアマリンに迷い込み、
その一角にあるミニFMステーションの設備を見つけたなぎさは、
ちょっとしたいたずら心でDJの真似事をする。
その放送を偶然聞いた少女、紫音との出会いから始まる夏休みの物語。

本作は極めてオーソドックスな青春アニメです。
将来の夢が見つかならず悩んでいるごく普通の女の子が新しい物に触れ、新しい人と出会い、
時にぶつかりながらも仲間たちと共に成長し、今まで気づかなかった自分の強みを見つける。
…という王道そのものの少女マンガ系ストーリー。展開も本当にベタ。
「誰」の声を「誰」に「どうやって」届ける物語なのか、
あらすじをもう少し先まで書くと勘の良い方は最後の結末まで読めてしまうんじゃないだろうか。
ただベタなのは別に悪いことではないですね。奇を衒ったものが良いとは限らない。
(べ、別に打ち上げ花火の映画の話とは言ってないからね)
青春物のツボはきっちり押さえてあるので安心して見れると思います。
いやー映画館で思いましたもん。「こういうのでいいんだよ、こういうので」って。
ほんとバカみたいにまっすぐなお話です。
ちなみに恋愛要素はありません。
「百合は?」あるわけないだろそんなもの!

少し目新しいのは言霊(コトダマ)というテーマでしょうか。
なぎさは幼い頃に祖母から聞かされた言霊の話を今も信じています。
願い続ければきっと叶うし、悪いことばかり口にしているとそれが現実となって自分に返ってくる。
なぎさの目にはその言霊が実際に見えるといいます。
電波な少女…ではなく、彼女は少し夢見がちな女の子なのです。
言霊信仰はなぎさの人当りの良さに作用している反面、
言いたいことがあって言えないという彼女の悩みにもなっています。
「思春期における葛藤」という青春物の大事な要素につながっているわけです。
この言霊の映像表現が平凡で拍子抜けするかもしれません。正直シャボン玉にしか見えない。
おっと、悪く言うと自分に返ってくるんだった。

でも「きみ声」がビジュアル・バリユーに優れた作品とは言い難いのは確かです。
背景等十分きれいなレベルですが、深夜アニメの中でも本作を超えてくる作品は多々あるかと。
僕が良いと思ったのはキャラクターデザインですね。
今の萌えアニメの主流とは明らかに違う"かわいい"というよりは"かわいらしい"デザイン。
言霊という少しファンタジックな要素と相まって、なんだか懐かしい「青春のおとぎ話」
といった雰囲気を作り上げています。

音楽には非常に力が入っていて、どれも良い曲です。
音楽担当は「響けユーフォニアム」の楽曲等を制作された方だそうです。

でもまぁ、中盤まで見た僕の感想は「悪くない。全然悪くない。でもフツー。」という感じでした。
この映画、ベタな話だと書きましたがストーリー構成も超ベタ。教科書通りの三幕構成。
物語の終盤に楽しい日々が終わってしまうような出来事があり、そして映画のクライマックスでは…
お約束。お約束すぎる展開だ。でもなぜだろう?僕の目が涙で滲んでいるのは。WHY!?

これはもう、なぎさちゃんの言う通りかもしれないね。

*。*。 奇跡も、魔法も、コトダマもあるんだよ *。*。

「そんな台詞なかっただろ!!」と怒られそうですねスイマセン。
(実際のキャッチコピーは「コトダマってあるんだよ」)
このアニメは新世代の声優を発掘するオーディション「キミコエプロジェクト」で選ばれた6人を
デビューさせるという声優アイドル企画ものです。
「きみの声を届けたい」は新人声優(=きみ)の声を観客に届けるための物語でもあるわけです。
そう考えると青春物の面白さを表現しつつ、デビューしたての声優のフレッシュな魅力を最大限に活かした
非常によくできた脚本のように思えます。
言葉のチカラ、声のチカラ、音楽のチカラ。それは決して陳腐ではない。
彼女たちの歌声から、声優企画と青春ストーリーのシナジーを確かに感じられたのです。

夏から秋の始まりにかけての時期には爽やかな青春物が見たくなるもの。
そんな要望にきっちり応えてくれると思います。
この作品、欠点はいくつかあれどイヤなところは一つもないんですね。それが大きな長所です。
あまり宣伝されなかったためか認知度が低く、すでに公開を終了している所も多いようですが
青春アニメが好きな方にはお勧めできる内容です。
きっと見終えた後は気分良く映画館を出れるはず。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 27

72.7 5 ファンタジーで仲間なアニメランキング5位
映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(アニメ映画)

2018年10月27日
★★★★☆ 4.0 (21)
84人が棚に入れました
な・な・なんと! プリキュアオールスターズがちっちゃくなっちゃった!それは【プリキュアの想い出】をねらうミデンのしわざ!想い出をうばわれると、これまでのことをぜ~んぶわすれちゃうみたい! ?しかも残ったプリキュアは『HUGっと! プリキュア』と『ふたりはプリキュア』だけで……大ピンチ! !こうしちゃいられない! みんなで力を合わせて、キラキラ大切な想い出を取り返しにいこう! !

声優・キャラクター
引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、田村奈央、田村ゆかり、本名陽子、ゆかな、宮野真守、山本美月

takato さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

オールスターエンタメと革新的CGと悪人正機説の三位一体。「痛みを知らぬ者に真の祈りは生まれません」。

 私が何故プリキュアおじさんになったか?。結論から申し上げるなら、人生最高のアニメ映画が本作だからなのです。人生最高の作品、となると単に優れた作品というわけじゃなく個人的に重要なサムシングがあるもの。本作が私にとって特別なのは、その予期せぬ出会いの驚きという面が大きいのです。油断していたボンクラな私にキュアエールことハナの愛は深く深く私の心を洗い清め、見事にプリキュアおじさんに入信することとなったのです。


 本作の飛び抜けている点を列挙すると沢山あります。


 75分しかないのに3つくらいクライマックスがある上に、応援演出を単なるお約束じゃない使い方で見せてくれる脚本の妙とか。オールスターのバトルをゴチャゴチャさせずに美しくかつ格好良く表現し、後半のほぼを全編手描きの最高峰にも匹敵しているクオリティーで表現しているCGの驚異的なレベルとか。林さんが担当された音楽が最高すぎる(特にオールスターメドレーの部分)等々。



 そんな中でも私が一番痺れたのは、そのテーマ性でした。エンタメとして面白いだけでは良い歳こいた男を号泣はさせられないもの。この物語は、前半まではキュアエールことハナの成長が主眼ですが、後半は本作の敵キャラである宮野さん演じるミデンの救済が主眼になります。


 敵キャラが単なる悪いやつではなく、現実の苦しみを象徴しているキャラではないと深味は出ない。本作のミデンほどにその痛みが痛切に私に刺さり、同時に現代に普遍性を感じさせられるキャラはそういない!。ミデン。それは誰からも省みられない孤独で、幸福な記憶なんて一つもない存在。だから、他人の幸せな記憶を収集して現実逃避しているが決して満たされない空虚…。


 これはオタクの、いや現代に生きる疎外と孤独に震える人々そのものではないか!、っとその正体がわかった瞬間に目を開かれ、もはや本作は私にとって単なる「お話」ではなくなったのです。これは私に、いや私達に向けられている物語だ!。ミデンの姿がてるてる坊主を思わせるのも、大きく見えるが中身は空っぽというメタファーになっているし、クライマックスの世界と対比になっているのも凄い。


 そして、最初から割りと恵まれていて痛切な痛みを知らないプリキュア達には彼を倒そうとするが、ハナだけは彼の孤独と痛みに共感して救おうとする。


 何故なら彼女は、小学校時代に無茶苦茶いじめられて不登校になった過去がある、中学生デビュープリキュアだからなのだ。言うなれば「おジャ魔女どれみ」の長門さんがプリキュアに変身した姿なのである(長門さんを知らない方はドおジャ魔女の3期と4期をご覧ください)。


 彼女だけがミデンの痛みと孤独に共感できる。何故なら彼女もそれを心から共感できるから。彼女のエールは傷ついた事のない人間の呑気な応援ではない。傷ついても前に進んだ者の真の応援なのだ。「悲観主義は気分の問題、楽観主義は意志の問題」という言葉があるが、彼女は困難な現実を知っていても、それでも信じる、それでも願い続ける。それ故に彼女の勇姿は私の胸を打つものだあったのです。


「なんでもできる、なんでもなれる」


 エールのいつも決め台詞が、ここでは全く違った響きに感じられる。声のトーンもいつもと違い、ここでは単なるお約束の決め台詞ではなく、絞り出すような祈りと願いの言葉になっている。


 プリキュアにおじさんになるということは、単に彼女らの物語を観客として眺めてるだけではない。彼女らの体現している理想や生き様を心に固く懐いて共に生きていくこと、正にプリキュアという神と共にあるように生きていくこと!と本作で私は開眼したのです。



 更に後半はほぼCG、決めカットだけ手描きという表現になるのですが、これが日本CG界では「宝石の国」以外では達成できていない高みに至っているのも凄い!。元々プリキュアは回を重ねる毎に宝石のような綺羅綺羅な色彩を多用するようになっていたし、edでCGダンスシーンをやるのが恒例になっていたから題材として非常に向いていたというのもあるででしょう。


 しかし、本作のCGは柔らかい表情の表現まで驚異的なレベルに至っている。なんでこんな凄い技術があるんだ?と不思議なレベルで、このCG表現の革新だけでも見る価値充分です。あと、「ハイキュー」などで最高の仕事をされている林さんの音楽が至高なのも素晴らしい。


 総合すると、本作はビジュアル◎、音楽◎、脚本◎、テーマ性◎、と私には完璧という域を超えた究極的な一本と言えます。しかも、これだけのことを75分くらしかないプログラムピクチャーの中でやっているという奇跡!。今後優れた作品は出るでしょうが、この完成度に思わぬ出会いをするのをリアルタイムで体験できることはそうないように思える。プリキュアシリーズ全体は今後どうなるかわかりませんが、本作を見ちゃうとまだまだ期待せざるをえません!(幾原監督に一層やらせてくれないかなぁ)。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 10

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ファンになって日は浅いですが

今作視聴前のプリキュアシリーズ視聴状況

完走:Yes!プリキュア5
半分:フレッシュプリキュア!
完走:スイートプリキュア♪
完走:スマイルプリキュア!
8割:ドキドキ!プリキュア
序盤:ハピネスチャージプリキュア!
序盤:Go!プリンセスプリキュア
完走:魔法つかいプリキュア!

他は未視聴





ついに劇場にプリキュアを見に行ってしまいました。
でも「土日に行って、席が子供たちでいっぱいだったら肩身が狭いだろう」と思ってわざわざ平日に行きました。

幸いにも(?)客席は数家族でした。
しかし、誰もミラクルライトを振らない(^▽^;)
これが結構さみしくて、次回プリキュアの映画を見に行くときは、
恥を忍んででも子供たちがたくさんいる日に行こうかなという気持ちになりました(笑)



作品のクオリティですが、素晴らしかったです。セルルックCGが。
物語の後半から多分フルCGになるのですが、なぜ"多分"と書いたかというと、たまに手書きのカットがあったような気がしたのです。でも、それくらいセルルックCGのクオリティが向上していることは間違いありません!
「HUGっと!プリキュア」のエンディングを見ていても度肝を抜かれましたが、近い将来テレビシリーズのプリキュアが全編(あるいは変身後のみ)フルCGになっても違和感ないかもしれません(異論は認めます)。

中盤やけに重苦しい展開だったり、観客に歴代の好きなプリキュアの名前を言わせようとしたりと「完全におっさん向けやんけ(笑)!」な展開は少し複雑な気持ちでしたが、まあ泣きましたよね。

ほんの少しだとしても、全てのプリキュアにセリフがある!
プリキュアたちが、シリーズごとに必殺技を繰り出すシーンのカタルシスは半端なかったです。
今作のテーマは、プリキュア15周年ということもあって『思い出』なのですが、クライマックスにプリキュアたちが思い出について各々述べるシーンは、卒業式の訓示っぽくて涙ちょちょぎれました。

上映時間の関係上、難しかったのでしょうが、ベビープリキュアの可愛さはもっと押し出してもよかった気がします。
何とももったいない。アムールだけ異常におとなしいのは最高でしたが(笑)。

宮野真守さんの演技も安定の素晴らしさでしたし、エンディングのダンスは永久保存ものだったりと、
劇場に足を運んだかいのある作品でした。他の劇場作品も、随時見ていきたいです。




P.S.あとモフルンが最高でした(^_^)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

プリキュア・メモリ

貴方の好きなプリキュアは誰ですか?
2タイトル以上好きなプリキュアがある人におすすめしたい映画でした。
総勢55人のプリキュアすべてにセリフがあり、活躍してくれます。

もっとも、尺の都合上キャラによってはセリフがわずかしかないということもあるのですが、「あなたの好きなプリキュアは?」と問われ、「キュアハニー!!あっでも、トゥインクルも好きだし、ムーンライトも…選べないよお!」と思い巡らす記憶、このキャラはこんな可愛さがある、そしてこのキャラは・・・と考えるうちに、画面で活躍している以上の頭に蓄積された活躍が重なって、シリーズ終了から5年以上経っているのに、しゃべって、活躍していることがとても貴重なことに思えてきて、胸が熱くなりました。

大きなお友達は心の中で絶叫できる、静かな体験型の映画が私の中で構築されました。

ああ、ミラクルライトを振り回して好きなプリキュアの名前を大きな声で叫べたら、さぞかし気持ちが良いだろうな・・・
いっそ20歳くらい若返りたい。

まあ、今までの思い出を奪われるミデンの能力はご遠慮願いたいですけどね。

この映画の為に全キャラ起こしたと言われるちびキャラたち。折角なのでもうちょっと見ていたかったかも。

ドラマパートでは幼児化したルールーちゃんが一番かわいかったです。
幼児化したさあやとほまれ、えみるに翻弄されるはなのドタバタはちょっと面白かったけど、コメディだけでは終わらないのがはぐプリでしたね。
途中で心が折れて泣き出しちゃうはなをなぎさは擁護して「だってまだ中学生なんだよ。」と発言しましたね。でも大人でも泣きたいときはいくらでもありますよ。辛いとき助けてくれる人はいない様に思えるかもしれないけど、役場や病院の先生に相談してみましょう。すぐ解決にはならないかもしれませんが、出来るだけいろんな人に相談を聞いてもらうと、解決の糸口が見つかりやすくなりますよ。
なぎさは初代の重圧から、達観した思考をもってしまったのかもしれないけれど、もっと子供っぽさを持っていてもいいのかなと思います。
なぎさが子供らしさを得られる社会に、これからのプリキュアはなっていってほしいですね。

見せ方において、やや不満が残ったのは、説明過剰でテンポが崩れてしまっていたことです。
本作は、かなり映像の情報量が多かったので、省略してもいけた気がします。その分見せ場に多く時間をとってもらえると私は嬉しかったです。

そんな本作の映像ですが、前半ドラマ多めパートは手書き作画で、後半オールスターズはCGでという住み分けになっています。
お互いの質感を合わせるために、なんと手書き作画の処理をCGに似せるという試みを行っていました。

すごいよ!流石スーパーモデラー出身の宮本さんだ!

そして、大量のキャラを生成し、動かす、先鋭の東映デジタル部の技術力の高さ。いつも驚かされます。
いや、ほんと、日本で一番すごいCGアニメを見たかったら、プリキュアを見ろっていつも思います。

さて、そんな本作ですが、ターゲット層である幼児に受けるかは疑問です。
年齢的に過去のプリキュアはそんなに知らないでしょうし、ママ目線でのプリキュアって需要あるのでしょうか。フィルムカメラとかってちっちゃい子分かります?
敵が怖くないのは一応意識してるのかなと思いますが、ちびキャラで結構楽しめたりするのかな。高校生くらいまではちっちゃい子の気持ちがまだわかってたような気もしますが、いつの間にか忘れちゃうものですね。
大好きだったアニメとか、大切なことを忘れていることがあり、時々情けなくなるのですが、そんな状況の中で、過去を思い出させるきっかけになった本作はとても有り難い存在でした。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 2
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