ボクシングで熱いなおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのボクシングで熱いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月05日の時点で一番のボクシングで熱いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.7 1 ボクシングで熱いなアニメランキング1位
ViVid Strike!(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (240)
1279人が棚に入れました
孤児院で暮らす少女、フーカとリンネは、貧しい暮らしの中でも明るい未来を夢見て暮らしていた。
しかし数年後、リンネと離別して孤児院を出たフーカは苦しい生活の中で荒んだ暮らしを送っていた。
そんなある日、不良との喧嘩で負傷したフーカを救った少女がいた。
少女の名はアインハルト・ストラトス。挌闘競技選手である彼女との出会いが、フーカの運命を変えてゆく。

声優・キャラクター
水瀬いのり、小倉唯、水橋かおり、能登麻美子、上坂すみれ、喜多村英梨、福圓美里、伊藤かな恵、斎藤千和、佐倉綾音、阿澄佳奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

K-1 WORLD GP in ミッドチルダ

放送前、本作が『魔法少女リリカルなのは』の冠を外して
『Vivid Strike!』を名乗った時、
私は正直うまく行くのか半信半疑でした。

タイトルからして、魔法にも、なのはさんにも頼らない!
と豪語しているようなもの。
ですが、結局、貫けずにシリーズの遺産にすがり、
中途半端な萌えアニメでお茶を濁すのではないか?
そんな不安が捨てきれませんでした。

少しだけ期待してみようと思い始めたのは序盤。
ジムのサンドバックを殴る、
少女たちの本気(マジ)な打撃音を聞いた時でした。

当初は面白くなるか分からないけれど、
打撃音が気になるから見てしまう。
その内に容赦ない過去の描写などが入って来て、
引き込まれていった感じ。

よって音楽4点はBGMというより、
主に打撃音とあとは主題歌に対する評価です。


競技内容も終盤になれば砲撃手とか召喚士とかが乱入して来るかも?
と高をくくっていましたが、
むしろ終盤になるにつれ"総合格闘技”ルールすらも削ぎ落され、
より純度の高い"立ち技系格闘技”から、
さらにガチの殴り合いへと先鋭化。


ハマっていくうち、段々、私の中で、往年のK-1ワールドグランプリ全盛期の熱気が、
当時のプリンスのテーマ曲と共にフラッシュバックして来ましたw

特に {netabare}ヴィヴィオVSリンネ戦。
内容もさることながら、短期間にトーナメント戦を行う過密日程により、
試合後、勝者でも負傷したらトーナメントの先に進めず、
既に負けていた選手がリザーブとして次に補欠出場する。
大会主催者や視聴者が思い描いた決勝カードがなかなか実現しないw
そんな所までK-1っぽいのが個人的にツボでした(苦笑){/netabare}


なのはさんについても、
{netabare} 一部、エリート公務員との僻み?が言及されるだけで出番なし。{/netabare}
無事"親離れ”できたようです。


演出、構成面では回想の多用が特徴的でした。

近年、表現界には回想の濫用をくどいとする風潮があるそうで、
小説賞等でも応募作が回想しだすとウンザリされる流れがあるのだとか……。

本作はそんな空気もなんのその。
例えば、{netabare} ほぼ一話丸々回想する。殴り合いの最中も振り返りまくる。
挙げ句、決着は次回に持ち越しw{/netabare}
などコッテコテな回想多用アニメ。

過去の『なのは』シリーズでもしばしば過去が掘り起こされましたが、
それでもTVシリーズでは、盛り込みすぎたら胃もたれするかな?
と思った過去話、サブキャラエピソードはドラマCDやスピンオフ漫画等に回して、
バトルシーンに注力してバランスを取りにいったものでした。

本作の場合は、むしろ時に、多少、試合内容を省略してでも、
サブキャラまでもが、身の上話等を語り始める脂身の多さ。

私も終盤、流石にちょっとしつこいかも?と思ったこともありました。
ただ、本作の場合はそれ以上に、熱さや懐かしさも蘇って来ました。
思えば昭和のアニメでは、必殺技一発放つまでに、
各自回想で一話消費とか当たり前でしたw

この決着の前に語り尽くしたいことが山ほどあるんだ!
本気で拳をぶつけ合って、初めて打ち明けたくなる過去がある!想いがある!

細かい演出を斜に見る冷めたハートに、
熱い闘魂を強制注入された感じ。


本作は『なのは』を名乗りませんでしたが、
シリーズ原作の都築さんにも熱さが戻って来たことも確認でき、
来年夏の劇場版『なのは』3rdに向けて、予熱十分。

私はいつでも着火OKです♪

【四話感想】改めて本作の監督は西村純二さんです……。

長いので折りたたみw
{netabare}基本的にもう途中で各話感想を書く予定はありませんでしたが、
四話でなかなか壮絶ないじめ回、女の修羅場に殴られたので、
勢いでここで一筆。

元々『なのは』シリーズは絶望や不幸、馬鹿げた野心など、
美少女バトル物でありながら、人間の負の側面も容赦なく描いて来ました。
それらもみんな叩き壊す、或いは砲撃する勢いでぶつかり合った先に、感動があるコンテンツでした。

ただ、最近、原作者の都築さんに
長年、少女たちが傷付く様を描き続けた心の勤続疲労が見え隠れ……。

『DOG DAYS』で脳が蕩けるくらい凄い、
萌えキャラたちのほんわかバトルを催してみたり、

『なのは』スピンオフの『なのはINNOCENT』展開時には、
本作でまで、なのはたちが傷付くことはないだろうとの主旨の方針を語られてみたり……。

あぁ、昔のように全力全開で傷付いて、それを乗り越える筋書きを
都築さんが量産するのはしんどくなっているのかな?と私は憂慮していました。

本作でも最初、都築さんが『true tears』などの西村純二監督と組んだ時、
理由が分かりませんでしたが、四話の描写を見て、意図が見えてきた気がします。

西村監督は痛み、特に肉体的な痛み以上に、
精神攻撃による心の傷、喪失のダメージを表現して来たアニメ監督でもあります。

彼と一緒にもう一度、痛みと真正面から向き合ってみよう。
何かそんな都築さんの決意のようなものが見えた、
心身の色々な部分が痛むしんどい回でした。


これは終盤にかけて、涙腺をガードする必要もある作品なのかもしれません……。{/netabare}


【一話感想】西村純二監督×『なのは』シリーズの世界観

やはり、長いので折りたたみw
{netabare}
かつてはルール無用、リスク度外視、全力全開の砲撃をぶっ放し、
願いや友情をかけて激しくぶつかり合った
初期の『魔法少女リリカルなのは』シリーズ。

三期『StrikerS』にて、なのはさんとは違う物語を志向する中で、
秩序ある組織や管理社会を形成するルールの中で、術者の健康にも配慮しつつ、
その熱さをどう継承するか葛藤。

四期『ViVid』では、さらにルール運用が厳格な
スポーツ、格闘技大会の中で、魂の継承を試行。

そして、ついに“魔法少女”も“リリカル”の冠も消滅した本作では、
競技色をさらに強化していく模様。

ストーリーは{netabare} 喧嘩に明け暮れる、孤児の貧困少女。
(何故か広島弁wどうやって次元を越えてこの第一管理世界に伝播したのでしょうw)
彼女が競技格闘技のジムに拾われ、拳により、失われた友情などを取り戻しに行く……。
というボクシング物の王道プロットに『なのは』スピリッツの世代間継承を託す……。 {/netabare}

ある意味、拳で語り合って来た『なのは』シリーズの流れで言えばあり得る展開。
けど個人的に意外性があってソワソワするのが、
シリーズ通じて脚本を手がけてきた都築真紀さんが、
本作監督を託したのが西村純二さんだということ。

西村監督と言えば私の中では監督自身が脚本も手がけた
『true tears』や『グラスリップ』等のイメージが強く、
過去に格闘要素のあるアニメ監督も数多く務めているとは言え、
このシリーズの監督でどんな仕事をするのか、ちょっと想像が付きません。

但し、脚本・都築さんがキャラ同士のハートを衝突させた時、
監督・西村さんが修羅場を激化させることはあり得そうですが……。

初回から早速、後々起爆させると思しき伏線爆薬をせっせと仕掛けて、
激しい殴り合いの予感を漂わせています。

そんなはみ出しそうな女と女の魂のどつきあいを、
整った競技ルールとリングの中でどこまで弾けさせられるのか。

脚本力と監督力が問われ続けている、
ある種のジレンマを抱えたこのシリーズの行方を、
西村監督×都築さんの新コンビがどう導くのか。

……まさか、鶏は出て来ないとは思いますがw
この世界に拳で取り戻せる仁義はあるのか。
拳を握って見守りたいと思います♪{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

残された時間を燃焼しろ! そこにお前の命の輝きがあるんだ! ……今から、お前を殴る!!

「魔法少女リリカルなのは」シリーズの外伝?みたいなことかな? シリーズを観てないので、よくわからないです(汗)

[2016秋 個人内ランキング 9位]

《以下ネタバレ》

【各話感想】
{netabare}
第1話
なかなかシビアな冒頭。格闘技系のスポ根もの? やたらとオッドアイの人物多いけど、何の意味もなくオッドアイのキャラを出すアニメはあんまり好きくないな。ヴィヴィオの「アクセルスマッシュダブル」は、「はじめの一歩」「ヴォルグ・ザンギエフ」の「ホワイトファング」にしか見えないw

第2話
絵柄があれだけど、微エロには少し萌えたw 腹とかw フーカの1日を淡々と紹介しつつ、各キャラクターに触れていく感じはなかなか良かった。

第3話
リンネのトレーニングシーンは、しっかりと筋肉を見せたいって感じでしたね。第2話の寝ているフーカの腹の描写もそうだけど、制作にはなんらかの特殊なフェチを感じる(笑)

第4話
リンネ過去編。たまたま、「いじめ~いけにえの教室~」を観てレビューを書いた直後の視聴で、不思議とリンクした。ラストのリンネの暴行リベンジで胸がスッとしてしまった私は、いけない人間なのだろうか?

第5話
大分バイオレンスな回でした。魔法少女の要素、必要ですか?

第6話
ミウラに、分かりやすい死亡(負け)フラグがぁ……。バトルシーンの手抜きがヤバイ(笑)

第7話
アインハルトの1回戦、鳩尾への肘打ちからの延髄蹴りとか、リンネよりエグいんじゃ(苦笑) フリッカージャブって、やっぱり「はじめの一歩」に似ている気が(笑)

第8話
今井VS板垣 戦を観ているようだな。二人ともスマッシュ撃ってたな。ヴィヴィオのスイッチスタイルも、ランディー・ボーイ・ジュニアがやってたな。カウンター狙わず、判定勝ち狙えばヴィヴィオは普通に勝てたんじゃ? でもここでヴィヴィオを勝たせるとか、良い展開ですね!

第9話
やはりここでリンネを負けさせるとは、凡百の格闘アニメとは違いますね。もしかしたらリンネは、「格闘技を辞めるために、格闘技を続けていた」のかな? やたら熱血展開だ(笑)

第10話
殴り合いながらの過去を回想。どこの熱血バトルやねん(笑) 熱く、熱く、熱く!

第11話
意識が無くなりかけ、トレーナーの言葉とミットの位置だけが見えるって、やっぱり「はじめの一歩」じゃんw 怪我と才能の無さを努力と理論でカバーしてきたジルが、才能のあるリンネと出会い、新たな夢をみる。「あなたの強靭な体に、私の技術と理論の全てが乗って、あなたの全身の筋肉が完璧に連動した一撃を討てたのなら、その打撃に耐えられる人間なんていません。きっと神様だって倒せます。」という言葉は、胸熱だった。神様=運命、なんだと思う。私もたまに道場で子供の指導をするので、どうしてもジルに感情移入してしまうw 才能ある若者との出会いは、それだけで幸せだよね。

第12話
殴り合って、仲よくなった後の平和な世界。百合百合してたw 太腿のアップとか、やっぱり制作の妙なフェチを感じるw キャラとか知らない人も出てきてるし、前作(シリーズ)ファンへのサービスも兼ねてるのかな? 決勝は、観たい気もするけど、ここまできたらもう蛇足ですよね。コーチ二人の会話とか、深いこと言ってた。
{/netabare}

【視聴終了】
{netabare}
愛は奇跡を信じる力よ~♪ 孤独が心~閉じ込めても~♪

……ハッ! 仲良くして頂いている(と思ってる)天地人さんのレビューの入りに似ている(しかも平成生まれの方には伝わらない)w

絵柄と違い、ガチのバトルアニメでした。実はリリカルなのはシリーズは観たことがなく、これが初の視聴ですw 結論としては、かなり面白かったです。ストーリーにも重厚さがあり、意表をつく展開もあり、熱さもあり、悲しさもあり。

個人的には第4話が印象に残っています。人としてどうかとは思いますが、正直に言って、スカッとしてしまいました(汗)

4話以降は、ナカジマジムの面々とリンネを中心した話が多く、サブキャラもよく掘り下げられていると感じました。

一方、フーカは途中から空気になっていましたが、リンネとのラストバトルで面目躍如。この作品の主人公であることを証明してくれました。リンネの目の、心の曇りを晴らすために殴り合う姿は胸熱。ところどころ完璧に「はじめの一歩」だったのはまあ、ご愛敬ということでw

ただ私は、リンネとジルのコンビに一番心を奪われました。才能という壁に夢を阻まれたジルと、才能溢れるリンネとの出会い。ジルの「私の理論とあなたの才能が合えば、神様も倒せる」という言葉、じ~んときました。この場合、神様=運命(人生)、だと思います。ジルは自分の不甲斐ない格闘技人生を、リンネは大好きな祖父の死とその後に起こしていまった事件を、それぞれが呪っています。そんな自分の人生を吹き飛ばすような、強烈なアッパー。第4話以上に胸がスッキリしました。

リンネは強くなりたかったのではない。強くなったと思いたかっただけ。だから、形(ベルト)を欲した、というのは納得の出来る心情です。

リンネはこれまで誰とも試合をしてなかったのですね。だから、勝っても冷たい目をしていました。それは、リンネの戦う相手は常に弱い自分自身、弱い自分自身が起こしてしまった過去の出来事だから。そういう、いつまでも過去に立ち止まっている姿、誰のことも見ていないリンネを、フーカは許せませんでした。だから殴ったのです。涙を流しながら。ジャジャジャン、愛は奇跡を信じる力よ~♪(って、もう良いってw)

そんなリンネが、フーカとの殴り合いを通し、過去を払拭し、自分がどれだけ格闘技が好きなのかを自覚し、最後は青空の中で二人揃って倒れるシーンは、正に名シーン。フーカに勝てなかったからもうベルトには手は届かないのだけど、そんなのどうでも良いんですよね。リンネは自分が本当に欲しかったものを手に入れられたのだから。

最終回は、本当に色んなことに結末をつける、温かいものになっていました。ちょい役のキャラにもちゃんと後日談を用意しているとか、芸が細かい。

リリルカなのはシリーズ(というより外伝的な扱い?)は本作が初めての視聴でしたが、予想以上に楽しめました! 時間ができたら、一作目から全部観てみたいと思えました♪
{/netabare}

【総括】
絵柄とは違う、ガチの格闘アニメ。格闘技を観る、というより、そこに至るまでの経緯や、バトル中の心情の変化を楽しむアニメか。シリーズ未視聴だが、ここから入っても充分に楽しめた。他の作品も観たくなった♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

フーカとリンネの投入で物語の熱さには拍車が掛かりましたけれど…

この作品は、私の中でどうにも異端の存在でした。
まずこの作品を視聴するには、「魔法少女リリカルなのはシリーズ」の第4期にあたる「魔法少女リリカルなのはViVid」を視聴しないと話についていけないと思います。

それでは「魔法少女リリカルなのはViVid」だけ視聴しておけば問題無いか…と問われると、答えは「No」…なぜなら4期に登場する人物を知るには3期の「魔法少女リリカルなのはStrikerS」を見ないと人となりが分かりません…こんな風に辿って行くと、つまりは1期から視聴するのが一番登場人物を理解できる事になる訳ですが正にその通りだと思います。

でもこれまで4期までを視聴してきた方には堪らない作品だと思います。
それは、今でこそ友達と一緒にストライクアーツに打ち込んでいるヴィヴィオが、どれだけ壮絶な日々を積み重ねてきたのか…幼いゆえに何も知らずただ翻弄され、激痛に歪むヴィヴィオを全身全霊で救い出した高町なのは…
ヴィヴィオの成長は、なのはママとフェイトママがこれまで積み上げてきた歴史そのもの…
だから主人公が高町なのはからヴィヴィオに移ってもそれほど違和感は感じませんでした。

でも主人公がなのはでもヴィヴィオでも無いとなると話は別です。
いくらシリーズの冠名を外したとしても、そこに脈々と流れるのは4期まで続いたなのはシリーズの血潮なんですよね…
もう少し前作までの繋がりを大切にして欲しかった…というのが本音です。

それともう一つ…放送の構成も違和感がありました。
この作品は4期から1年後という設定ですが、率直に疑問に思ったのは何故「魔法少女リリカルなのはViVid」の続編を先に放送しなかったのか…という事です。
確か4期はインターミドルの大会途中…ヴィヴィオとミウラの対戦前に終幕しましたが、この作品ではミウラはナマジマジムに移籍していますし…
この戦いの結果が素直に気になるところです。

それに4期のインターミドル大会で本作品に登場した選手も、この作品に多く登場するのですが誰が誰やら…というより、4期でハッキリ記憶に残らなったキャラも何の説明も無いまま外野スタンドで普通に応援しているですよね…
残念ながら負けてしまった選手は仕方ありませんが、少なくても勝った選手…というより、インターミドルを描いた後にこの作品を見る方が、色々とスンナリ頭に入ると思うんです。

少しこの作品を批判めいたレビューをしてしまいましたけれど…
実は秋アニメの中で放送が待ち遠しい作品の3本の指に入るくらい大好きな作品でした。
シリーズの冠名が無いとか、そんなのは全然関係無いくらい激アツな展開に何度痺れたことか…
これがいのすけと小倉さん効果と思うと「流石」の一言に尽きます。

いのすけ演じるフーカと小倉さん演じるリンネは幼い日を孤児院で共に暮らしました。
しばらくするとリンネはとある良家に貰われる事となり、二人は別々の道を歩く事になる訳ですが、どちらも順風満帆な人生が遅れた訳ではありませんでした。
そんな二人がストライクアーツで再び接点を持つようになり物語が動いていきます。

ジムで喧嘩の腕っぷしには自信のあったフーカの相手をしたのは、ヴィヴィオを初めとする「おちびちゃん4人衆」でした。
ここでフーカは出鼻を完全に挫かれ基礎の大切さを身を通して知る事となります。
フーカが強くなりたいのは、人が変わったように冷たい目をする様になったリンネを元に戻したいから…
でもその時リンネは、冷徹で残忍なまでの攻撃により快進撃を続けU15ワールドランク1位という手の届かない場所まで登りつめていたんです。

そんな中、満を持してウィンターカップが始まった訳ですが、こんなにも心が大きく揺さぶられる展開を目の当たりにするとは正直思っていませんでした。

リンネが最初に戦ったのは、抜剣と呼ばれる足技の使い手であるミウラでしたが、この戦いの結末には、次を視聴するのが本気で苦しくなる位に心が痛みました…

だってこの戦いの勝者の次の相手はヴィヴィオでしたから…
だから怖かったですけど、ヴィヴィオとの全力全開の一戦に臨んだ訳ですが、こんなに心が震えて号泣する展開が待っていてくれていたとは予想だにしませんでした。
多分、この回だけでも10回以上は視聴したと思います。

そして物語は本当の決着に駒を進めていきます…
物語の終わり方としてはこのシリーズ特有の良い終わり方…これはある程度予想していましたが、そこに至るまでの熱さは半端無かったと思います。
気になる方は是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、小倉唯さんの「Future Strike」
エンディングテーマは、いのすけの「Starry Wish」
どちらも作品にマッチした最高の曲だったと思います。
特に好きなのは物語の余韻を感じさせてくれるエンディングの入りの部分…
もちろん、どちらもカラオケで挑戦済で、間違いなく今期のアニソンBEST10に入る曲です。

1クール12話の作品でした。他にも例えばアギトとリインの姿恰好とか気になるところはたくさんあるのですが、それを差し引いても余りあるほど魅力ある作品だったと思います。
これで4期の続編が無くなったら悲しいですけれど…
次があるならシリーズの冠名を背負って貰えることを期待しています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

64.3 2 ボクシングで熱いなアニメランキング2位
はじめの一歩 Rising(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (202)
970人が棚に入れました
2000年~2002年放送の第1期では、いじめられっ子だった一歩が、プロボクサー・鷹村守との出会いをきっかけに鴨川ボクシングジムへ入門。仲間に支えられ、数々のライバルとの闘いを経て、日本フェザー級チャンピオンの座を勝ち取るまでを描いた。
2009年放送の第2期「New Challenger」では、日本フェザー級のチャンピオンベルトを勝ち取った一歩が、さらなる目標に向かって熱い戦いを展開。一歩の永遠のライバル・宮田一郎は、日本王座に就いた一歩と並ぶために、東洋太平洋タイトルマッチに挑戦。同じジムの大先輩である鷹村は、待望の世界戦にて、野生的な戦闘スタイルの強豪、ブライアン・ホークとの凄まじい死闘の末、見事世界王座を獲得した。
そして2013年... 待望の新シリーズへ!

声優・キャラクター
喜安浩平、小山力也、高木渉、藤原啓治、浪川大輔、関智一、小野坂昌也、田中正彦、相沢まさき、小林ゆう、篠原恵美、津田匠子、飯塚昭三、林沙織、江川央生、阪口周平、三木眞一郎、木内秀信、永井一郎、真殿光昭、てらそままさき、勝生真沙子
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

拳で語るということ。

最近熱い作品を観ていないなと思い、観ました。

はじめの一歩は原作をちょろっと読んだ程度です。
あまり知りません。

なので、内容とかけ離れた感想になっている可能性もあります。ご了承ください。。



この作品はボクシングがテーマです。

彼らは皆、自身の夢のため・希望のため拳を振るって闘います。

心と心のぶつかり合い。ひるんだ方の負けです。

彼らの強さはパンチ力でも体力でもなく、折れない心でしょう。

言葉では多くを語らず、相手と拳で語り合うことでお互いの意志を感じ取り、競い合う。

最後まで自分の心を信じ続けて、上へ上へと登っていく。

その生きざまは美しいものです。



ただ、観ていて思ったこと。

拳に想いを込める、ぶつけることでしか自身の心を表すことができない彼らはとても不器用だということです。

もっとたくさん、私達には想いを伝える方法や願いを叶える術はあるのに、彼らは拳でしかそのやり方を知らない。

そうやって生きてきたのが彼らなのだと感じました。

その生き方はある意味で、孤独な道。


闘いの興奮と勝利の余韻を感じる中で、寂しいような気持ちも残りました。


漢(おとこ)達のドラマは胸をうちます。
激しいバトルは胸が踊ります。

でも何故か、男の性(さが)というものにやるせなさも感じてしまうのです。

僕は彼らのような生き方は出来ないし、真似しようとも思いません。

ただ同じように、燃え尽きるほど心熱く生きようと思いました。



最終決戦がとても熱くて燃えたので、個別に感想載せます。
{netabare}
DVDのアオリに『原作ファン待望のエピソード!』などと書いてあったので期待して観ました。

僕は原作ファンではありませんが、確かにこれは凄いです。


大ベテランの鴨川と猫田の若き日、戦後まもなくの日本での拳闘の物語。


この二人は正に古き大和魂を持った日本男児でしたね。

普段は飄々とした態度の猫田が、リングの上では闘志をまとった戦士になる瞬間に痺れました。

彼が命を賭してアンダーソンに臨んだ文字通りの死闘。
正直鴨川の闘いより素晴らしく感じました。

ハンディキャップを負ってなお、闘いを挑もうとする。愛しの女性のため想いを届けようとする。
その拳に感動しました。


その猫田の想いを継いで、いやむしろ想いを越えてアンダーソンに闘いを挑んだ鴨川。

彼はとても不器用ですね。突っ込んで真正面から殴ることしか知らない。

しかし最後の最後、一騎討ちで肉を斬らせて骨を断つがごとくの強烈なパンチは凄かった。

あんな巨人をたった二発で倒してしまうなんて。

作画から、音から伝わる迫力と気迫は最高潮でした。


それから、アンダーソンが単なる悪役でなくやはり一人の拳を愛する男であったことが救いでした。

勧善懲悪の物語ではなく、ただひたすらに拳闘の物語として終わることができて良かった。
{/netabare}


原作未読なので多分感動半減なのかもしれませんが、観て良かったです。

熱さに飢えている方は一度観てみるといいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

さんちゃ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

こんなに面白いと思えるのは私が原作未読だからなのかな

以前、2期の New Challenger の方の感想書いて
ホーク戦以上の試合はもう無いと思って半分惰性で見てた。
沢村もホークとキャラかぶってたし、
一歩と沢村戦も予想通りそのまんまホーク戦のの流用って感じだった。
鷹村vsイーグル戦もイーグルが良い人過ぎて盛り上がりに欠けてたから
Rising の方の感想は書こうと思ったのですが、最終話付近で化けてくれました。

私のようにスポ根アニメ好きは EP22~EP25 の
鴨川会長と猫田さんの過去の話だけは必見。
はじめの一歩を今まで見たこと無かった人でも内容は分かるような
構成になっています。

(多分)第二次世界大戦後の日本の世界で、アンダーソン軍曹という
悪役アメリカ人を鴨川会長と猫田さんがボクシングで倒す物語。
試合結果は、見ている途中で分かるから言っちゃうし、感動ポイントは
そこじゃないので、これだけは書いておきます。

見所はまさに、試合結果が分かっても面白かった迫真の試合。
見終わってから興奮が止まない。

鴨川会長の一撃必殺の拳が炸裂する瞬間がもう最高だった。

気を失うな、目を見開け!来るぞ!右が来る!腹がガラ空きになる!打てえええぇぇぇぇ!!

ってシーンがもうドキドキだった♪
もう後が無い、起死回生・千載一遇のチャンスに自然と拳を握ってしまった。
そして、アンダーソン軍曹のわき腹に鴨川会長の拳が突き刺さると、
むごいけど凄過ぎて、思わずハハハと笑い声が漏れそうなほどニヤけてしまった。

魔力や超能力に頼ったものではない、綺麗と懸け離れた只管ドロ臭い火事場の馬鹿力は
あり得ないけどあり得そうな人間の未知の力を錯覚して、感覚として分かりやすい
爽快を伝えてきますね。

ユキさん、鴨川会長、猫田さんの三角関係も何気に良かった。
…これ以上はネタばれになってしまう。
本当に良かった。
ただの宣伝っぽいですがもう一度書いておきます、EP22~EP25は良い!

私は原作未読だし、熱狂的なはじめの一歩信者という訳では無いのですが、
面白いアニメのあり方っていうのがまさに詰まってますね。
猫田さんの語尾の「だにだに」いう台詞が鼻にさえつかなければ、
2時間程度のボクシングアニメ映画として見れるはず。

熱い。
それに尽きるので、ぎゃああ、とか、はひぃぃって感想に集約されますが
面白いんだから、それだけで十分かなって思います。

声優さんの演技も素晴らしかった。
STEINS;GATEの岡りんこと、宮野真守さんも個人的には嵌ってた。
おじいちゃんバージョンの猫田を演じてた永井一郎さんが他界してしまって
途中声が変わってしまった事が残念だったけど、天国にこの一視聴者の感動が
少しでも届けばいいな。

お陰でちょっと溜まった疲労が、一気に吹き飛びました。
もうはじめの一歩は打ち止めでしょう?!
アニメ版、もうこれ以上の盛り上がりは無いでしょう?!
4期あるならまた見てしまいそうだけど、ど、どうなんですかねぇ。
これだけ面白かったらまた期待しちゃいそうです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

私的スポコン模範作品★

■評価
テーマ性    :★★★☆  3.5
スポコン度   :★★★★☆ 4.5
燃える度    :★★★★  4.0
原作忠実度   :★★★   3.0
おススメ度   :★★★★  3.8

■ストーリー
漁師の父を持つ一歩は幼少期から強い父に憧れを持っていたが
不慮の事故により父が他界してしまう。それでも一歩は亡き父に
強い男になる事を約束し、母親そして鴨川ジムの仲間と共に
ボクシング世界チャンピオンを目指すことになる。
本作は日本フェザー級チャンピオンとなった一歩の防衛戦(vs沢村)、
そして一歩をボクシング界に引きずり込んだ鷹村守の二冠を狙う
世界ミドル級チャンピオン戦(vsイーグル)の二本を軸にしたストーリー

■感想
原作は島袋戦までは既読です。
また本作は原作を知らない方が楽しめるでしょう。
知っていると色々とカットされているシーンに気付いてしまい
少し残念に思うところがあると思います。
島袋戦はダイジェストにしすぎだと思います・・・もっと激アツだった気が?

はじめの一歩という作品は私の中ではスポコンの王道という
イメージでいますが、本作はまさにその通りの仕上がりです。
スポコンだけにテーマも分かりやすく『努力・不屈・家族愛』
といったベタベタなものだと思います。
しかし、ベタベタでも人をムキにさせ引き込む魅力が本作にはあり、
一戦一戦の白熱した試合展開や緊張感、そしてキャラの心理描写は
非常に分かりやすく胸を熱くするストーリーです。
一に努力、二に努力、三に努力、本作では各キャラの努力が成就する
姿を大いに堪能して頂きたいと思います。また下品ですが笑ってしまう
ギャグもあり、あまり堅苦しくないのも魅力です。

また試合での描写はいささかオーバーとも取れる演出もありますが
実際のボクサー目線でみれば、相手のジャブが弾丸の様に飛んできたり
ココナッツの実でぶん殴られた様な錯覚を覚える事もありえるので
適切な演出だと思います。特に『The Finisher』という名のBGMと
本作の演出は非常にあいますね。腹の底から力が沸いて来る気がします。

最後に現実世界では嫌味で強欲な者が勝者として君臨し、努力が
報われる可能性はそうは高くはないですが、それでも本作は人の
日々培った地力を発揮する姿を清々しく描いた模範的なスポコン作品
だと思います。王道ですがスポコン好きの方には大いにおススメします。

余談:鷹村はリーゼントじゃないほうがイケ麺な気が・・・。

ご拝読有り難うございました。
アニメって本当に良いもんですねぇぇぇ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

72.1 3 ボクシングで熱いなアニメランキング3位
はじめの一歩 間柴vs木村 死刑執行(OVA)

2003年9月5日
★★★★☆ 3.9 (144)
811人が棚に入れました
森川ジョージ原作の大人気ボクシングマンガ、そのオリジナルビデオアニメーション作品。主人公・幕之内一歩と同じ鴨川ジムに所属する先輩ボクサー・木村達也のタイトル挑戦を中心に描かれる。木村のタイトルマッチ挑戦が決定。その対戦相手、すなわちチャンピオンはかつて一歩と死闘を繰り広げた猛者・間柴だった。自らの進退をかけるまでに決意を固める木村。そのとき、自宅で飼うペットのアロワナの動きをヒントに新たなパンチを思いつく。果たして木村は間柴を倒し、ベルトに手が届くのだろうか――。
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

思った以上に激アツでした  (; ゜ ロ゜)!

OVA作品

本編 61分

ジュニアライト級の戦い
間柴了(日本王者) VS 木村達也(日本3位)

木村は、一歩の通う「鴨川ボクシングジム」の先輩です。

木村にとってはチャンピオンベルトを奪うビックチャンスのタイトルマッチ戦。

木村は昔、高校生の頃は、青木と二人で学校の札付きの悪。
「ビー・バップ・ハイスクール」のヒロシとトオルの様な感じの、元ヤンキーでした。

木村と青木も、鷹村 守 きっかけでボクシングを始めた訳だが・・・
そう考えると、鷹村ってやっぱ凄いな~ ^^

木村はソツのないアウトボクサーだが、一歩のような強いパンチ、タフネスさは無いし、これといった武器がない。

今回のチャンピオンである間柴の武器、フリッカーを攻略すべく必死に研究、練習します。
{netabare}
試合前には、 負けたら引退宣言までして自分を追い込みます。
間柴を倒し、チャンピオンになる為に、自分のアウトスタイルを変えてインファイトで戦い、凄まじい打ち合いです。

チャンピオンには、背負っている重さがあり、
木村にはもう後がない、引退を賭けた戦い。
{/netabare}
どちらも勝つ事に必死。

どちらにも負けて欲しくない。

だけど、勝者は一人だけなんですよね。


勝負の勝敗は、ほんの少し、数センチの差・・・

決着の時には号泣でした。q(T▽Tq)


木村 カッコいいよ!
一歩の時より感情移入してしまった。

声の藤原啓治さんが またカッコいい声なんですよね~
(●´ω`●)

最後は、やっぱりなオチがあるのでお楽しみw (^^;



最後に・・・
良い試合でした。
アツかったです。(*´ー`)

次は2期「はじめの一歩 New Challenger」を視聴です!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には、はじめの一歩のベストバトル!

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
ボクシング漫画の金字塔、「はじめの一歩」のサブキャラ、「木村」にスポットを当てたOVA。この作品単品を観るだけでもまあまあ楽しめますが、きちんと本編を観た方が100倍楽しめます♪

今作の主人公「木村」は、一歩の先輩ではありますが、苗字の通り、特徴のない「普通」の選手です。(全国の木村さん、すいませんw)

対戦相手の「間柴」は、「死神」という二つ名をもつ、日本チャンピオン。これまで、幾人ものボクサーを壊し、引退へと追いやった強者です。今回の試合も、世界を目指す上での踏み台程度にしか思っていません。

さあ、「普通」VS「死神」の戦いやいかに? という作品です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品を観る場合、ほとんどの視聴者は「木村」に感情移入して観ると思います。そのためには、やはり本編をしっかり観ないとダメだと思います。

「木村」は、厳密に言うと、「普通」ではなく、「秀才」。じゅうぶんに一流の選手だし、きちんと努力もしている。でも、「努力の天才、一歩」「真の天才、鷹村」らに囲まれる中で劣等感を感じてしまう。親友であり、同じく「普通(変態w)」である「青木」とともに、渋みがあるのに悲壮感のない、はじめの一歩に欠かせないキャラです。

はじめ一歩には、いくつも熱いバトルがありますが、個人的にはこの試合がベスト。男泣きしちゃうはずですよ♪
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

光もいれば影もいる。うだつの上がらないプロボクサーの足搔き

スポーツアニメで正統派と言えば、努力して、かつ成功を収めるサクセスストーリーの事を言いますが、現実はそう上手くはいきません。
努力をしても、どうしても届かない壁だってある。
プロ選手と言えど、うだつの上がらない戦績でいつまでたっても上に上がれない。そればかりか、後輩に追い抜かれていく。
手を抜いているわけでもないのに。
同じジムの鷹村や一歩は成功しているというのに。
彼らが天才であって、自分はそうでないから?

スポットライトの光を浴びている選手もいれば、その影で目立たないながらも栄光をつかもうとしている選手もいる。
はじめの一歩の木村と青木はそういうポジションだと思っています。
この作品はそんな彼が巡ってきたチャンスをものにできるかどうか? という話なのですが……。
相手はかつて、一歩とも死闘を繰り広げた死神という異名を持つ間柴です。果たしてその結果は…?

個人的には、ベストバウトと言われる一歩VS千堂にもひけを取らない試合なのではと思っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

77.2 4 ボクシングで熱いなアニメランキング4位
あしたのジョー2(TVアニメ動画)

1980年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (155)
781人が棚に入れました
力石徹の死後、逃げるようにリングを離れ、街から街へ流れ続けた矢吹丈。しかしかつてのライバルたちに出会うことで、再びリングに立つことを決意する。カーロス・リベラ、金 竜飛といった数々の世界ランカーと死闘を繰り広げ、遂にチャンピオンに君臨するホセ・メンドーサとのタイトルマッチにまでたどり着く。ボクシングに青春をかけたハングリーな生き様を描いた不朽の名作。真っ白に燃え尽きる感動のラストシーンは、見る者の心に深い感動を焼き付ける。

声優・キャラクター
あおい輝彦、藤岡重慶、田中エミ、森脇恵、だるま二郎、仲村秀生、白石冬美、堀絢子、渡部猛、小宮山清、中尾隆聖、宮村義人
ネタバレ

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

Amazon prime様に感謝。(9話まで視聴して)

>9話まで視聴して
3年半?くらい前に、ぴあ様から”COMPLETE DVD BOOK”が販売された際
なぜか5話くらいまで視聴して酷評レビューを書き断念してましたが

最近、Amazon prime様で1&2が配信されていることを知り
2を再視聴開始してみました。

するとどうでしょう。
もう、まちがいなく殿堂入り神作品です!!(昔、観たであろうおぼろげな記憶そのままに^^)。

何一つ、文句のつけどころなんてありませんっ!!。
(声優さんの演技も、まったく問題なし。
 あえて問題あるとすればOP曲中のちょっとチープな映像くらいです)

本編の作画なんて神クラスです!。
特にここ10年のくらいの他のアニメ作品と比べてみても
まったく比べるまでもなく、本作の圧勝です。
一瞬一瞬にしっかり魂がこもっている作画だと思います。


・・ではなぜ、3年半?くらい前に酷評レビューに至ったのか??
考えてみましたが、1が長丁場だったので
ちょっと疲れてしまってたのかもしれません・・><。
(やっぱ、アニメ作品って観るときの自分の状態(精神・肉体ともに)によって
 大きく左右されるものだと再認識。
 時間をおいて、再度検証してみることは、ホント必要だと思いました)

3年半?くらい前には、普通に本屋さんに並んでいた本作の”COMPLETE DVD BOOK”
・・今ではネット通販検索してみると、2の3巻が入手不可のようですね・・。

ああ、後悔先に立たず・・(結局、全部は買っていませんでした)。
ああ、ぴあ様、再販売とかしてくれないでしょうかねえ・・(無理っぽい?)。


調べてみたら、北米版のDVD-BOXもあるようですね・・。
ただ、昨今の海外事情で?、価格は上がり気味??。
←どうしてもそろえられなかった場合の最有力候補とします。
とりあえず、今現在はAmazon prime様で観れるのでよしとします。


・・とまあ、愚痴はこの辺にしておいて本編レビュー再開。

やっぱカーロスが登場してくると、一気に話が過熱してたまりませんね♪。
カーロスの声もたまりません。
声優さん気になって調べてみたら
ドラゴンボールのフリーザ役されてた方なのですね。
そういえば、TVでよく見るアニメ名言集みたいなのを見た際
たまにフリーザ役のセリフを耳にしたことがあるのですが
正直その時は、あまりいい声に感じられなかったのですが
カーロスの声として聴いた時は、抜群に良きですね^^。
そういえば、ばいきんまんも同じ中の人の声のようですね。


ということで取り急ぎ、まずは3年半?くらい前の酷評レビューを謝罪します m(__)m。


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<過去の酷評>(自分への戒めのために残します><)
{netabare}
※50周年記念DVD BOOKでの視聴です。
 あしたのジョー1のDVD BOOK、視聴済です

>5話まで視聴して
ワクワクしながら1話視聴開始したのですが
まずOPで第一声「あれ?、DVD間違えた?。それとも何かのCM映像?」
画面には、何か解像度の悪いCGっぽいボクサーの姿と歌が・・。
え?!。これOPなんですか?。まったく見覚えも聞き覚えもない・・。

ひょっとしたら「あしたのジョー2」は初見だったのかもしれません。
何せ「劇場版 あしたのジョー2」は絶対見てるハズだから紛らわしいったら。

気を取り直して、視聴継続。
・・あれ、「あしたのジョー」1期の終盤は、抹殺されたんですか?ww。
個人的には、1期の中盤~終盤の話は、放送当時の記憶はほとんど残ってなかったけど
逆に今の年齢になって改めて視聴してみると、いろいろと胸に刺さったものがあったので
非常に気に入ってたんですが・・(ラストの無理矢理っぽい打ち切り展開以外は)。

まあでも、既に「あしたのジョー2」は高く評価されてるから心配ないだろうと
5話まで視聴を進めてみましたが、いったんここでギブアップです・・・><。

・・・スミマセン。
「あしたのジョー」が終わって「あしたのジョー2」が作られるまでは
かなり長い年月がかかったのでしょうね・・。
いろいろ大人?の事情があったのでしょうか。。。


【無理要素その1】声優さんの変更
 これ自分にとっては致命傷です><。
 西も白木のお嬢さんも、演技が棒じゃないっすかw。
 感情も何も伝わってこない・・・。性格さえ変わって見えてしまう><。
 なんか段平の演技にまで感染してしまってるような気が・・。
 ・・まだ見てないけど、カーロスもなんですか・・((;゚Д゚)ガクガクブルブル。

【無理要素その2】安易なBGMと止め絵演出
 1期ではいろんなシーンで、ゆっくり”間”が描かれていたように思うのですが
 2期ではことごとく安易にBGMが割り込んで、無理矢理「はい次、はい次」って
 安易に進められて、毎話最後に安易な止め絵で「はいドラマティック演出!」
 っていわれてる気になってしまう・・。
 1期の何気ない演出で、虚無感や時間の流れ・心情が描かれていたような演出の方が
 好きだったなあ。
 作画も1期のキャラの方が生き生きしてた!!。

【無理要素その3】ED(もちろん曲も)、次回予告ともに無しですか???。
 ありえん・・・。もはや手抜きじゃないっすかw。
 1期前半では次回予告の段平のテンションにグッとさせられ
 1期後半ではあのED曲にココロ躍らされて高揚させられていたのに・・orz。

ということで、いったん断念します。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

金字塔

力石とっ...の因縁の対決に潰滅的決着が...付いたあとっ・・・!目先を追うな…!の前で命はもっと粗末に扱うべきなのだ…!丁寧に扱いすぎると澱み腐るを落とす潰滅的力石を見た丈がボクシングを常軌を逸すると嘔吐を...常軌を逸するようっ...になり
ボクシングを...引退しかけていた話から...始まりたのだっ・・・・・!ねっ・・・・!
ずっと圧倒的・・・!圧倒的力石の無意味な死……を引きずり続けっ・・・!潰滅的ボクシングを常軌を逸する決意をした時の丈の決意が見える表情も言うまでもなくっ・・・!たまらなく堪らないんっ...ではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!よっ...ねっ・・・・!
そしてそこからはっ・・・!丈も潰滅的力石のようっ...にっ・・・!とどのつまりっ・・・!まで圧倒的・・・!圧倒的ボクシングを圧倒的・・・!圧倒的自分の潰滅的中で貫き通すん…!!よね...!
言うまでもなくっ・・・!2は世界レベルでの戦いなのでっ・・・!圧倒的・・・!圧倒的試合のスケールが大きく感じました...!
2は名誉挽回のチャンスをやろうか・・・・・・?バトルが多いのが魅力的だと矜持ますっ・・・!っ・・・・!ライバルが魅力的過ぎた理解出来ないっ…!
魅せられましたっ
圧倒的・・・!圧倒的チャンピオンとの戦い...!
そこで...!潰滅的丈は自分の引き際っ…!勝ち逃げ…!分相応……!全てを飲み込む…強運…!をホセにぶつけっ・・・!力石の...ように試合ナイス終了後に命はもっと粗末に扱うべきなのだ…!丁寧に扱いすぎると澱み腐るを落としますっ・・・!...!
この・・・狂人がっ・・・!試合は...!本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に意外にもこれをスルーから圧倒的・・・!圧倒的先ずっと色あせることなくっ・・・!残っていて本当に欲しい物を手に入れたいなら結局これはもう金しかない…!ではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!っ・・・・!
あしたのナイスジョーは本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に潰滅的名作…(ざわ……ざわ………)
本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!にそう思えるような作品でした...!
ここっ・・・いままさにっ・・・ここにっ・・・は...!1の不良少年時代からの作品だった利根川…オレが蛇に見えたか…?ならおまえが蛇なんだっ……!ば......!「最高」の評価を付けていたんですっ・・・!が...!やはりナイス2だけとなると付け辛いではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!ね......!
圧倒的・・・!圧倒的平均評価を下げたくありませーんし...!本来利根川…オレが蛇に見えたか…?ならおまえが蛇なんだっ……!「最高」をっ...付けたいん...っ・・・・・!が...!1ではあった丈の「成長」が...本作には欠けていたと思うん…!!よ...ね...!
1で描かれていた丈のっ...成長...!2で描かれていた他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!の圧倒的選手のストーリー...!
内容的には2の方がI need youでしたが...!1は潰滅的成長の圧倒的・・・!圧倒的過程が素晴らしかった…!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

名作

ボクシング作品で、あしたのジョー2を超える作品は
ないだろう。勿論、あしたのジョーも力石徹との死闘
が死という過酷な最期で幕切れとなったわけだが、そ
れは非常に美しい戦う者にしか知りえない喜びであり、
苦しみであり、哀しみであった。
 
{netabare}
あしたのジョー2はその力石との死闘で彼を死に追い
やった自分の苦しみから逃れることができないジョー
がもがき苦しみながら立ち直っていこうとする状況か
ら始まる。
 
この作品の最も重要な所はカーロスとの出会いだろう。
この二人の死闘は本当に見応えのある闘いで感動でき
た。試合前から二人の間には、二人だけの崇高な絆が
あったからだと思う。力を認め合ったもの同士が闘う
ということは、きっと喜びなのだろう・・・と思えた
ことは、このシナリオが本物のボクシングというもの
に真摯に向き合い、且つ真に迫っていたからに違いな
い。原作が梶原一騎氏なのだから、この種の核心部分
はしっかりと押さえていることは普通に理解できる。
 
闘いを離れたジョーの表情は、いつも哀しい目をして
遠くを見つめていることが多い。泪橋の子供達には、
いつも優しい目をしている。闘いの時は活き活きとし
ている。あしたのジョーは基本的にジョーの目の描き
方で矢吹ジョーの色々な心情を表す。

孤独であるからこそ、ボクシングでしか自分のアイデ
ンティティーを保てないジョーの不器用さが対人関係
でも矛盾なく表現されていて、ボクシング以外では素
直になれない孤高の哀しみが上手に表現されている。
そして、ジョーはその哀しみよりもボクシングを愛す
る本物のボクサーである。
 
ボクシングの行く末は『真っ白になるまで闘う』こと
だと言い放ち、ホセとの闘いで燃え尽きるまで、ジョー
は闘い続ける。そうすることで力石、カーロスとの
何物にも代え難い友情を身体に刻んでいたのだろう。
常に孤独であっても、ボクシングで培った友情が彼の
唯一の宝物だったに違いない。ジョーはそういう優しさ
を持った人間だった。
 
常人とは違う人間臭さをこの作品は感じさせてくれる。
自分を応援して支えてくれる人への感謝も持ち、泪橋
の子供達にはとても優しい。子供達がタバコを吸って
いようが、パチンコ屋に来ていようが、ジョーは常に
子供たちと目線を同じ位置に置いている。1つのことに
秀でている人間は、常人の思考とは違うのだ。
 
ジョーは最後に白木葉子にボクシンググローブを渡す。
それはジョーに大切な出会いを提供してくれた葉子へ
の最大級の感謝の気持ちなのだろう。
 
真っ白になるまでボクシングをできた喜びが、最後の
ジョーの表情から浮かび上がる。
結果を顧みず、ただひたすらに真っ白になるまで闘い
続けることに命をささげる人生が、人々に感動を与え
ることだってある。
 
あきらめないで最後までやり抜けば、たとえ負けても、
充実した人生になるんだと教えられた気持ちになった。
ジョーにとっては、きっと幸せな人生だったに相違な
い。美しい敗北で幕を閉じた本作に拍手を送りたい。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

73.6 5 ボクシングで熱いなアニメランキング5位
あしたのジョー(TVアニメ動画)

1970年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (156)
765人が棚に入れました
東京・山谷のドヤ街に、ふらりと1人の少年が現われた。矢吹丈(ジョー)と名乗るその少年に一方的にたたきのめされたアル中の元ボクサー・丹下段平は、その動きから天性のボクシングセンスを見いだし、一流のボクサーに仕立て上げんと奮闘する。しかしジョーは、ドヤ街の子供たちを引き連れて乱行を繰り広げた揚げ句、自分に向けられる段平の情熱を利用して犯罪に手を染め、警察に逮捕されて鑑別所・少年院へと送られてしまった。ある日、少年鑑別所のジョーあてに、「あしたのために」の書き出しで始まる段平からのはがきが届く。その内容は、左ジャブの打ち方から始まるボクシング技術の講義であった。時間と体力を持て余していたジョーは、そのアドバイスに従ってボクシングの練習に身を入れるようになり、やがて自分のパンチの切れが、今までと比べ物にならないほど向上してゆくのを実感する。

声優・キャラクター
あおい輝彦、藤岡重慶、仲村秀生、西沢和子、西尾徳、小沢かおる、肝付兼太、広川太一郎、牛崎敬子、桑原たけし
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

原作はもはや文学作品

このアニメ作品語る前に、
(あしたのジョー)イコールスポ根物という評され方に、
物凄い嫌悪感をおぼえる、
同時期連載及びアニメ化された(巨人の星)こそスポ根ものだが、
(あしたのジョー)はこれらと全く対極に位置する、
スポ根という言葉の定義や各々の捉え方にも拠るが、
あしたのジョーをスポ根一言でかたずけられるのは悲しい、
{netabare}
主人公の丈だが、
出生孤児院孤立無縁唯一自由のみ求め幼少時孤児院脱走繰り返し、
物語始まったドヤ街に流れてきた頃(推定10台後半)になるまで、
どのような形にせよ我が身一つでサバイバルしてきた事は想像できる、

ヤクザ相手の大立ち回りドヤのガキ引き連れ詐欺所業も生きるため、
投獄されても自由を求め抗い続ける様は、
檻に捉えられた野生の獣と同じ、野獣である。

少年院脱走一歩手前で宿敵元プロボクサー力石と遭遇、
完膚なきまで叩きのめされる、
まさに憎いあんちくしょうで、
自由のみ求めてた丈に力石をぶっ倒すという情念が生まれる、

丈にとってのボクシングは同じ土俵で力石徹を叩き潰す手段であり、
以降必然的にボクシングに対峙してく訳だ、

高度成長期アメリカに追いつけ追い越せな国策的精神論、
時代に沿ったであろう根性で富を掴め的なものではない、
丈のそれはもっと根源的な本能、闘争本能というべきものである、

力石と対決する為のボクサーになる方法からして、
プロボクサーにケンカを売り、倒す事で既成事実を作り、、
プロテストでもレフリー構わず相手を叩きのめし、
プロになってからも野獣、野生的側面失わずそれを本質とし、
その戦い方は不可能を可能にする殺し屋、ケンカ屋と評される、
{/netabare}
何それしたいから何それになりたいから、
富や栄光がどうので「頑張る」ではなく、
内なる闘争本能根源とし闘いたいから闘ってる、
{netabare}
物語は一つの岐路を迎える、
力石を倒す一点のみ目的だった丈だが闘いの末力石が死ぬ、
目的失い放心しするも丈はリングに帰る、
顔面打てなくなりドサ廻りに落ちそれでも何故、
ボクシングにしがみ付くのか?
{/netabare}
「燃えているような充実感はいままでなんどもあじわってきたよ…
 血だらけのリング上でな
そこいらのれんちゅうみたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない
ほんの瞬間にせよまぶしいほどまっかに燃えあがるんだ
そして あとにはまっ白な灰だけがのこる…
 燃えかすなんかのこりやしない…
  まっ白な灰だけだ
そんな充実感は拳闘をやる前にはなかったよ
 負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃない
 拳闘がすきなんだ
 死にものぐるいで噛みあいっこする充実感が
 わりと おれすきなんだ」

丈自らが語った有名な一節だ、
(おいらにゃ獣の血が騒ぐ、)尾藤歌う寺山修司の詩は、
こうしてみると丈の本質を見抜き実に的を得てる、

原作者はちばてつや氏と高森朝雄氏であり、
高森朝雄は梶原一騎の別名、
当時(巨人の星)(柔道一直線)等々で売れっ子原作者であり、
今もスポ根の代名詞的存在として認知される氏であるが、
あしたのジョー連載誌(少年マガジン)には巨人の星もあり、
変名には単一的イメージ回避な理由もあった、

加え梶原一騎物というのは語り口や説明事等氏独特の癖がある、
ただ丈以前も以降も幾多梶原作品は存在するが梶原節の顕著さで言えば、
(あしたのジョー)は物凄く薄い、いい意味で梶原物らしくない、

これは、もう一人の原作者ちばてつや氏の筆力構成力さることながら、
丈のみならず登場人物全般においての表現力のたまものであり、
本能情念のまま真っ赤に燃え上がり後には真っ白な灰だけが残る、
そんな最終回に至るまでの、
ちば氏の原作脚本改変(改善)に至っては有名な話である、

梶原一騎氏とちばてつや氏の融合による奇跡的化合物、
ここに漫画でも劇画でもない、
ある種文学とも称される作品としての原点がある、

主人公しかり作品の成り立ちしかり、
スポ根ものという概念から越脱したものがあきらかに存在する。

話をこのアニメに向けると、
当時虫プロによりアニメ化された(あしたのジョー)であるが、
デジタル技術満載の現代のアニメと簡単に比較すべきものではない、

総合監督は出崎統氏だが作画監督は杉野氏、荒木氏等数班体制、
それでもアフレコ毎回間に合わず、
夜中近所外注叩き起こし塗画頼んで廻らざるおえない等、
地獄的スケジュールの中手作り感満載であったらしい、
班違いからくる画の統合性欠如を修正する暇もなかった、
こんな事は容易に想像がつく、

まあ小学生だった当時は画の違い等さして気にもならなかったが、
後に何度も見返すうち、
比較的纏まった絵は杉野氏かな?
荒削りだが時として情念発露にも観えるのは荒木氏だろうか?
そんな妙な楽しみ方を見つけたりもした、
事実手書きでしかありえないとてもいい線や画もある(主観)、

ごく一例だが、
力石戦決着場面は50話ラストに描かれるが、
翌51話の始めにも同場面は流れる、
アッパーカット放つ事により決着するまでの、
ラストの攻防一連の描き方、
これが50話終と51話始点では同じ場面ながら、
演出から作画に至るまで全くの別物で、
纏まりで言えば51話の方が丁寧だが50話ラストのそれは、
作画どうのデッサンどうので一蹴できない、
ラフな中にも構図も演出も絵も情念発露な感じ抜群で、
丈自身の情念とシンクロする様な描写は個人的には大好きだ、

音楽については初期オープニングやエンディングのせいで、
ともすれば演歌的なイメージのみで語られるが、
BGMで数パターン後にボーカル入りも作られた数種の力石のテーマ、
ジャズやロックも加味された名曲だし、
ラテン的なカーロスのテーマも大好きだった、

後半になり絵も落ち着いてきてカーロス登場くらいから、
アニメが当時連載中だった原作に話が追いついてしまう事象が起きる、

雑誌連載同時アニメ放映な場合、
同じ週一でも数ページ連載な雑誌とCM込みでも30分枠のアニメとでは、
どうしてもアニメの方が進話が早いのは今も昔も変わらず、
話を膨らませたり流れの速さを調整したりというのは、
主に各話担当の脚本の妙に依る処大だがその点、
(巨人の星)の様にボール一球投げるのに数週間?
と揶揄される様な事もなく、
登場人物の人となりも壊さずおおむねうまく熟してる様に感じる、
がしかし追いついてしまった以上仕方なし、


アニメ版の丈はカーロス戦後ふらりと旅立つ訳だが、
「奴はまた帰ってくる、奴があしたのジョーであるかぎりな」
そんな丹下段平の言葉は一種願いにも感じた、

後に(あしたのジョー2)として段平の予言は実現するも、
1~2の間には10年以上の歳月が要される、

出崎氏と杉野氏の黄金コンビによりあしたのジョーが、
(あしたのジョー2)で帰って来れたのは、
(宇宙戦艦ヤマト)の再放送から発したアニメブームの到来、
アニメ雑誌や再放送或いはアニメ映画化の慣例化等、
ジョーファンのみならずアニメ文化としての、
一大ムーブメントがあったればこそだろう。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

圧倒的燃え 金字塔

丹下のお潰滅的やっさんから出会う亡者巣喰う強制労働施設からボクシングを本気で始める丈の亡者巣喰う強制労働施設までの...流れが本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に面白い…。狂気の沙汰ほど面白い…!!ではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!ねっ......!
無論っ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…後のボクシングとしての腕を上げていく丈のストーリーっ・・・!宿敵...!潰滅的力石との因縁の関係ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!も本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!にこの世の中、馬鹿な真似ほど… 狂気の沙汰ほど面白い…!…!!っ・・・・!
やはりナイス1番I need youなナイス試合はっ・・・!丈vs力石(ナイス2戦目先を追うな…!)ですが...!他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!には...丈vs青山や...!丈vsウルフ金串なんっ...かも...I need youっ・・・・・!ねっ・・・・!
青山とウルフ圧倒的金串は圧倒的・・・!圧倒的2人…ユアヒューマンっ…とも丈との決戦を...前にして圧倒的・・・!圧倒的調子に乗っていましたから...!
それでも・・・・・人間かっ・・・・!?を苦戦しながらも倒すっ……! おまえだけは………!丈のっ...カッコ良さに痺れました...!
他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!にっ...もI need youな圧倒的試合はどこかわからぬ・・・地中の底の底・・・・ん…!!が...っ・・・!やはり上記で挙げたものが特に印象深い…!!ね...!
少年院での圧倒的・・・!圧倒的ストーリーも面白かったではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!し
周りに支えられながらっ...っ・・・!ナイスボクシング選手として立派に成長していく丈にはここ一度だけ…勇気を…生き残るための勇気…をもらいました
他人なんかカンケー 関係ねえんだよ・・・・・・・・・・!には......!圧倒的サチを圧倒的中心とした潰滅的子供たち…!!ね...!
たまにの登場利根川…オレが蛇に見えたか…?ならおまえが蛇なんだっ……!別にだがそれでいいんではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!が...!しょっちゅう登場してギャーギャーいうのを見ると...!少しウンザリしますっ・・・!っ・・・・!
あんまり言動がI need youじゃなかったんではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!よ...ね...!
上記の圧倒的・・・!圧倒的2つは...!劇場版の1...!ナイス2ではかなりナイス改善されておりっ・・・!映像面では圧倒的かなり綺麗に...なっていましたし...!子供たちは...I need you最低限で本当に欲しい物を手に入れたいなら結局これはもう金しかない…!登場していなかったんだっ・・・!分かれよっ・・・!っ・・・!賭博黙示録をじっくりと...集中して楽しむことが出来たのは本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に...良かったと思っていたのだっ・・・・・!っ・・・・!
圧倒的・・・!圧倒的男の子向けではっ・・・!熱血圧倒的・・・!圧倒的アニメが多くっ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…圧倒的中がっ...ダメっ...!ロボットアニメが多い中っ・・・!スポーツで来たあしたのジョー...!
個人的にはっ・・・!ロボットアニメよりもかなり燃えました...!
何よりっ・・・!丈が特訓常軌を逸するシーンやっ・・・!その定石という地点が最も浅はかなのだ…ギャンブルではっ…特訓により強くなっていく過程が本当に愚図で どうしようもねえ・・・・・・!に素晴らしくてっ・・・!燃えましたね...!
不良少年の矢吹潰滅的丈がっ・・・!だんだんとっ...大人は質問に答えたりしない それが基本だになっていくボクシング以外でのっ...成長面を見せるのも......!この・・・狂人がっ・・・!圧倒的・・・!圧倒的作品の僥倖亡者巣喰う強制労働施設だと矜持ませーん・・・っ!ゼロゼロゼロ・・・っ!...!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

過去名作品のDVDブック化、大歓迎です!!!(22話まで視聴して)。

>9話まで視聴して(DVDブック1巻)
原作未読です。アニメ版は視聴済ですが、記憶はかなり古いものなってしまってます><。

本作品は、もう語る必要のないくらいのレジェンド作品ですよね^^。
今回再視聴のきっかけは、もちろん今期放送されているメガロボクスです。
おかげで連載開始50周年記念のDVDブックのことを知り、さっそく購入してみました♪。

で、初見時の第一印象は
「画質キレイ!!!。線がくっきりで発色も素晴らしい!!。音も文句なし♪(ノイズは味)。
 ・・・え?、これホントにDVDなの!??」・・でした。
いや、たぶん「BDです」と言われても疑わないと思いますw(古い作品なので、その分込みで)。

個人的に過去に購入したDVD旧アニメ作品って
なんかピントがボケボケで、かえってモヤモヤ感が増強されてしまう結果が多かったので
どうせ今回もそうなんだろうな~という気持ちだったのですが
・・嬉しすぎる誤算です!!!。


本編ですが、OP曲最高!。ED曲忘れてしまってましたが、ちゃんと聴くと味があります^^。
登場キャラ最高!!。やっぱこれですよ!!。
主人公はもちろんですが、特に丹下段平の声の演技が素晴らしい!!(本業は役者さん?)。
1巻はまだ物語の序盤なので、今後初見の方はここで挫折しないでもらいたいです^^。
1巻ラストの9話から、あのキャラが登場して、一気に物語が動きはじめます♪。

今、wiki見てたのですが
このアニメ作品って原作のわずか2年ちょっと後から開始されていたのですね(驚愕っ)。
で、途中で原作追い越しちゃったんですか??。

とにかく驚きなのは、今から48年も前の作品だと知ったことです!。
そう考えると、いやー、クオリティ高すぎます!!。

既にDVDブック2巻も購入してるので
1か月ごと?の今後の巻の発売も待ちつつ、じっくり楽しませてもらおうと思ってます♪。
TVでも再放送したらいいのに^^。

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>19話まで視聴して(DVDブック2巻)
やっぱ自分の古い記憶では、ちゃんと毎回は観れてなかったようです。

印象的な例のブタのシーンなどは鮮明に覚えてたのですが
その後のなんというかあの方の”焦らしプレイ?”は全く覚えてませんでした;;。

早く20話が観たくてたまらないのですが、来週の木曜日あたり?
が3巻の発売日?のようなので、先週からずっと自分も焦らされっぱなしですw。
・・でも、その間いろいろその理由を考えさせられて、楽しい日々となってます。

どうでもいいですが、19話ってちょっと作画崩壊してましたよねww。
でもいいんです。そういうのも現在(いま)となっては味ですから♪。

数少ないあの女性キャラの心情変化の描写も
過去の記憶では、ちゃんと観れてなかったようです。
今後、しっかり見届けていきたいですね!!。

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>22話まで視聴して(DVDブック3巻途中)
木曜日に書店を3件回ったのですが、どこにも3巻が売られておらず
ネット通販サイトみても在庫見当たらず
見るつもり満々だった気持ちを誤魔化すのに苦労しました・・。
気を取り直して翌日再度同じ書店に行ったら、今度は1件目で置いてくれてました^^。

で、気になってた20話以降を今観ているところなのですが
「ああ、なるほど!」と納得させられました。

さらに22話まで観た時点で、気付きました。
「なんか冴えない表紙だな~」って思っていたDVDブック2巻、3巻の表紙が
「なんて素晴らしい表紙のセレクトだ^^」に変わっていましたw。
とりあえずコレ↑が書きたくて、3巻途中ですがレビュー追記しました。

続きも楽しみで仕方ありません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

62.4 6 ボクシングで熱いなアニメランキング6位
セスタス -The Roman Fighter-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (63)
177人が棚に入れました
1997年に「ヤングアニマル」(白泉社)にて連載を開始し23年経つ現在も物語が続き、国内に限らずイタリアを始め世界的に熱烈な支持を獲得してきたロングセラー作品、技来静也さんの「拳闘暗黒伝/拳奴死闘伝セスタス」が、「セスタス -The Roman Fighter-」として待望のアニメ化、4月よりフジテレビ「+Ultra」ほかにて放送開始となる。

声優・キャラクター
峯田大夢、小山力也、小野賢章、東地宏樹、上村祐翔、井上喜久子、遠藤綾、竹内良太、小林沙苗、大塚明夫

井ノ瀬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

膝を砕いただけで技まで滅ぼせたと思うなよデミトリアス 俺の拳は こいつが継いだのだ!!

正しく男の義務教育と呼ぶべき作品であろう。
ザファル先生の言葉に心が奮い立った男子は当時多かったのではないか。
かくいう私も、初めて原作漫画の1巻を読んだ時、溢れる涙を堪えられなかった。BOOKOFFで2巻まで立ち読みした後、残りの巻を全部カウンターに持って行ったのを覚えている。
それくらい、衝撃を受けた漫画だった。芸術と呼んで差し支えない。
40才を過ぎた今でもザファル先生の言葉が脳裏に浮かぶことがある。その度に、すでに彼の年を超えてしまった自分の、人としての至らなさを思う。
名言製造機のザファル先生だが、アニメでは一部または全部が削られてしまっている。以下に、初めの数巻までで当時の私が感銘を受けた言葉をレビュー中にいくつか並べている。
これはほんの一部である。ザファル先生の人間としての熱さ、真摯さ、愛――その全体は底知れない。

……これが拳奴の世界の現実だ 振り返らず死にもの狂いで走り続けるしかないのだ! 悔みも哀しみも 痛みも怒りもッ 全て己の両拳に握り 勝ち進み生き抜け!! セスタス

さて。私が思うことを何点かに分けて述べていく。今回のレビューは、記憶のままに述べると思い出補正がかかってしまうので、先に原作漫画を10巻まで読み返している。
(アニメ化記念で原作漫画が5巻まで無料になっていた。BookWalkerなど)

1. 自由について
 作品テーマの一つに「自由とは何か?」というものがある。アニメのキービジュアルの左には、「自由は、苦しい」とある。
 結論から言うと、「理想を抱いている限り、自由な人間はこの世に存在しない」が答えである。もし理想を――セスタスであれば、「自由を得たい!」ともがき苦しみたくないのであれば、ロボットになるしかない。『VIVY』に出ているAIのように、電子回路のみでしか思考をしなくなれば、得たいものが手に入らない感傷やもどかしさを味わうこともなくなる。
 一瞬話は変わるが、セスタスはVIVYとコラボしてほしい。セスタスとヴィヴィが殴り合ったら、果たしてどちらが強いのだろう。傍にザファル先生がいたら、セスタスの方が気合いで競り勝つかもしれない……。
 話を戻そう。例えば、声優になりたい人が夢を叶えたとする。事務所と正式契約し、まともに喋るキャラクターの仕事を当ててもらえるようになったとする。最初は、夢を叶えた自分に満足することだろう。しかし、すぐに物足りなくなる。飽きてしまうのだ。
 その世界では、自分よりも才能に恵まれた人間を相手に戦っていく必要がある。歌やダンスや演技のレッスンを受けて、自己研鑽のために作品を研究したり、現場のスタッフと良好な人間関係を築いたり、事務所内の権限ある人間へのアピールも欠かせない――そう、夢は叶えたら終わりではない。死ぬまで一生叶え続ける必要がある。
 人間は、どれだけ喜んだり、至福だったり、幸運だったりしても、ありったけ腹に詰め込むことができる。そして、しばらくの間は満ち足りた気分を味わう。だが、それに慣れてしまうと、いままでの満足感などすっかり忘れ、さらなる幸福を求め始めるのである。
 なぜなら、人間は――現状よりもいっそう完全でありたい、完全に近づく道筋があると常に思ってしまうからだ。

……セスタス 眼を閉じて拳を胸に当ててみろ 聴こえるか? 戦いの鼓動が 肉体(からだ)が一刻一秒生存を勝ち取る不屈の噭(さけ)びだ!! 心が挫けてどうする!? 何も失ってはいない 経験を得たのだセスタス 悲観などするな!! おまえには明日が在るッ!!

2. アニメの質について
 2話が終わった時点で、ツイッターやアニメ感想サイトを覗いてみた。想像どおりの内容だった。

・手抜きの2D作画と雑な3DCGが混ざっていて残念クオリティ
・第二のエクスアーム
・セスタス作画ゴミすぎて泣いてる
・カットと改変多過ぎて残念。本当にがっかり
・低予算アニメすぎていまいち。クソアニメだから漫画の方を読んでくれ

 おおよそ、こんな内容だった。
 私の感想は違う。アニメ化してくれてありがとう――これが私の率直な意見だ。
 この、『セスタス』という漫画の質は大変に高い。技来静也が、1998年から幾度かの休載と転載を挟んで描き続けている。
 絵は写実的である。格闘漫画なので、迫力を増すための漫画的演出はもちろんあるが、どちらの描写も甘さがまったくない。作り込んでいる。
 漫画そのものからは、渋くて気高い、葉巻きを入れる箱のスギの香りのような雰囲気がそこはかとなくしている。それは乾いた香りではない。瑞々しくて、それでいて鼻の奥まで心地よい匂いを届けてくれる――ステンドグラスのような深い色の輝きを発する、みずみずしい新鮮さがきらめいているのだ。
 すべてのページが感情で溢れている。人であったり、自然であったり、建築物であったり、日々の食事であったり、奢侈(しゃし)な光景であったり――どんなものが描かれていても、その時代に人が生きていたのを感じる。
 それに比べて、このアニメは描写の拙さがひどい。人間はのっぺりしているし、格闘シーンはまるで餅同士が跳ねているようである。あんなにおいしそうだったステーキと魚醤入りのお粥も、ゴム毬のごとき謎構造物が食卓に置かれているだけだったし、お粥に醤油をかけるところはカットされていたし、何より画に迫力がない。アニメの制作スタッフが作り込んでいないからだ。
 時間がないのか予算がないのか――おそらく両方だろう。本来であれば、WIT STUDIOやトリガーのような一流アニメ会社が制作すべきであった。そういう次元の作品だと言っていい。
 しかし、素晴らしい作品だからといって、放送に耐えられるか? となると別問題だ。セスタスには、もっと早期からアニメ化の話はあっただろう。一流の漫画家が本気で作った作品であり、読者人気もあったからだ。
 簡潔に言う。セスタスはテレビで放送できるコンテンツではない。20年前であればできたかもしれないが、現代では到底無理だ。どうしてもやろうと思えば今回のようになる。すなわち、1巻~5巻辺りまでの残虐描写・不道徳描写・性描写は2021年現在の放送基準に耐えられない。丸ごとカットするしかない。無理に作って放送したとして、放送会社にも、アニメーターにも、何より視聴者にとって負担がかかる。
 だが。そういった章をまるごと飛ばしてしまうと、作品の面白さを減じてしまう。では、どうすればいいかというと、これがひとつの結論というわけだ。つまり、そのままアニメ化はできないが、かといってしないのはあまりに残念なので、『記念碑』的な意味でアニメを作ってしまう。そういうことだ。
 こんな経緯だったとすれば、すべて納得がいく。アニメの企画者にとって、『お金をかけるべきコンテンツ』ではなかったのだ。
 でも、私は嬉しい。アニメになってくれたのが嬉しい。動くセスタスやザファル先生を見れただけで嬉しいと思う。はじめに当漫画をアニメ化する案を出してくれた人、ゴーサインを出してくれた人に感謝したい。
 『セスタス』を見せてくれてありがとう。

……呼吸(いき)を乱すなセスタス 恐怖心を意志の力でねじ伏せろ 怯えは判断(よみ)を狂わせる 恐れは疲労を増幅させ 病魔の如く五体を蝕む 眼を逸らすな! 敵の刃を見極めよ 胆力こそ防御の要だ 殺意と向き合う勇気を持て

3. セスタスの楽しみ方
 今このレビューを読んでいるあなたが、これをクソアニメだと感じていて、かつ原作未読だとする。
 すぐに原作を読んでみよう。私が述べたことをわかっていただけると思う。あなたにとって合わなかったとしても、本気で作り込んだ作品であることは理解してほしい。
 もし、あなたが過去に原作を読まれているのであれば、これを気に最新話まで読んでみるのはどうだろう? 私はそうしている。コンテンツというのは、何歳の時に見るかで感想が違ってくる。
 私がセスタスの漫画を初めて読んだのは学生の時で、今はもう中年のおじさんだ。でも、あの時こんな感情を抱いたな、という感触は確かに残っているし、話の流れや台詞を覚えていてもなお、当時と同じ感動が蘇ってくる。
 令和の時代に、またセスタスに出会えたことを幸運に思う。重ね重ね、スタッフの皆様に感謝申しあげます。

……勝ったよロッコ!!! 自由への第一歩だ!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いきなりエムデン!(← 第1話冒頭にいきなり出てきてビックリしました)

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで視聴終了した時点でこのレビューを書いています。「アニメ化」の報に舞い上がってあにこれ運営さんに作品登録をせっついたりしていたわりには遅いレビュー開始になってしまい、申し訳ない気持ちです。

本作は古代ローマ時代、世界史などで「暴君」として知られるネロ帝時代の拳奴(拳闘士奴隷)のお話です。テーマ的に当たり前ですが格闘技や流血が好きではない人には、まったくもってお勧めできないアニメです。

原作では主人公のセスタス以外にも、ローマ皇帝ネロ、ネロの私兵で護衛任務を主とした「徒手格闘兵団衛帝隊(以下、衛帝隊)」に所属しセスタスと同年代のルスカにはけっこうストーリーの尺を割いて描いていますが、アニメでは話数の関係もあるのかスッパリと「セスタスの話」と割り切った感じになっています。

拳闘士ということで(ボクシングを中心とした)徒手格闘関連や、格闘とは直接関係ない古代ローマ文化に関する蘊蓄も多く描かれている原作漫画ですが、その辺りにもあまり尺を使わず人物関係や作中で発生するイベント中心でストーリーを進めています。

ということで格闘好きや世界史好きにお勧めの原作漫画なのですが、それを期待してアニメを観ると「物足りない」という感想を持ちそうですし、ほぼ格闘要素しか残らなくなってしまうので広くお勧めできる感じではなくなります。


原作がヤングアニマルに掲載されていた当時には好きな漫画として読んではいたのですが、単行本は買っていませんでしたしヤングアニマルに掲載されなくなってしまってからは原作漫画から遠ざかっていました。
(余談ですがセスタスや『ベルセルク』や『3月のライオン』がこぞって連載されていた当時のヤングアニマルはとても輝いていたと思います。)

今回のアニメ化を機会に電子書籍で原作(『拳闘暗黒伝セスタス』15巻+『拳隷死闘伝セスタス』10巻)を揃えて、最近再読していてこのレビューを書いている時点ではまだ未読部分には達していません。

アニメはまだ原作を読んでいた頃のエピソードで、未読部分には達していないようです。もしかしたらこのまま未読部分には達せずに終わるかも…。

アニメ化にあたってはセスタスと因縁の試合をするエムデンを早く見せたかったのと、練習や試合のシーンを中心に格闘アニメとして盛り上げたいという意図が感じられますね。まあ、1クールしかないテレビアニメ作品としては、これはこれで妥当な判断かもしれません。

ということでストーリーの評点: 3.5 は原作未読者には違った評価になる可能性がありますね。

ちなみに第1話冒頭の「いきなりエムデン」ですが、これはコミックスで確認したところ11話冒頭部分に相当します。そこからOPの後の本編で第1巻のエピソードに戻る感じですが、原作2巻の途中から10巻くらいまでのエピソードはかなりのダイジェスト感ですっとばされています。

ただ、すっとばされたエピソードはルスカやネロの掘り下げに相当するものが多く、また採用されたエピソード自体は特に改変はされていない感じなのでアニメがもし楽しめたのなら、原作も楽しめるんじゃないかとは思います。

もっとも、冊数がそれなりに多いので未読者はこれから原作に手を出す人は少なそうだなあ…。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.25追記:
最終話まで視聴終了しました。取りあえず「1クールでアニメ化するにはかなり無理があった気がするけど、原作紹介の販促アニメと考えると悪くはなかった」といったところでしょうか。

YouTubeの感想動画でも「原作未読だったけど読んでみようかな?」みたいな声もあったようですし。

ただ、3DCGでのアニメーションとしての動きは、ちょっとぎこちなかったかなあ…?

原作コミック単行本で16巻だか17巻だかのストーリーが、エピソードを色々とカットするにしても1クールに詰め込まれるのは無理があるに決まっています。

ただ、原作ではキャラが深掘りされたルスカとネロ関連の描写をバッサリと諦めたことで、アニメ作品としては「拳奴セスタスの成長物語」として分かりやすく整理されていて良かったです。

また、個人的には原作を読み直す良い機会になりました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

自由は、苦しい。

この作品の原作は未読です。


これは、圧政ローマの世に生きる、
過酷な運命にもがき、闘い続ける優しき少年の物語―。

奴隷拳闘士の養成所で初めての試合に挑むセスタス。

相手が親友であることに戸惑いつつも勝利するが、相手はその場で殺されてしまう。
敗れし者に明日はない、と師ザファル。

「勝つたびに相手が死ぬんじゃ、まるで人殺しじゃないか!」
哀しみも怒りも全て両拳に握りしめ、生き抜くセスタスの前に、次々に立ちはだかる強敵、

そしてローマ帝国第5代皇帝ネロの影。
勝つより他に自由になる道がないセスタスは、明日を掴み取れるのか?!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

サブタイトルから闘いを描いた作品であると予想はできたものの、ローマ時代の選手として戦う奴隷(拳奴)を描いた作品であるとは思いもよりませんでした。

己の武器は拳一つ…
求めるのは自由…だけど手の甲に押された烙印が彼らを拳奴に縛り付けていました。

主人公であるセスタスは、拳奴としては決して恵まれた体格ではありませんでしたが、天性のスピードと類まれなる視覚、そして師匠から受け継いだテクニックを駆使して、難敵に立ち向かっていきます。
彼は難敵に立ち向かうための精神力も兼ね備えていたから…

ですが、全ての拳奴がセスタスの様に自分の弱点を補える技術を持っていた訳ではありません。
物語の中ではあまり触れられませんでしたが、むしろセスタス側の人間の方が圧倒的に少ないことでしょう。
試合は負けたら終わりで次は無いという常に崖っぷちに拳奴は立たされています。

だから自分の身体と拳を鍛え続けるのですが、それだって人それぞれです。
頑張った分だけ自分の血肉になる訳じゃありませんので…

勿論、物語の主人公ですし体格も小柄なセスタスを応援していましたが、同時にセスタスの同僚の今後に不安を覚えたのも事実です。
ここまで生き残ってきた強者ではあるものの、自分の事よりセスタスの応援に精を出していましたから…
決して悪い事だとは思いませんし、仲間だったら応援したくなるのも分かります。
でも、明日の闘技場に立っているのは自分かもしれない…
そういう緊迫感はもう少し欲しかったように思いました。

それと…物語はこれでお終いでしょうか?
原作の連載は未だ続いているようですが、あまりにも中途半端な場面で終わった感じがします。
ストックの都合なのか、尺の都合なのかは分かりませんが、続編が制作されなかったら単なる販促作品で終わってしまう気がしてなりません。
それだけは避けてほしいんだけどな…

オープニングテーマは、Dragon Ashさんによる「エンデヴァー」
エンディングテーマは、門脇更紗さんによる「きれいだ」

1クール全11話の物語でした。
モーションキャプチャーが使われていたので、キャラの動きはリアルで見応えも十分でした。
現代の拳闘との違いなども懇切丁寧に解説してくれていたので分かりやすかったですし、入り込みやすかったと思います。
だからこそ、ここで終わってしまうのは勿体ないと思ったんですけれどね…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

57.7 7 ボクシングで熱いなアニメランキング7位
リングにかけろ1(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (25)
99人が棚に入れました
『リングにかけろ』は、1977-1983年まで週刊少年ジャンプに掲載された車田正美のボクシング漫画。日本語の略称は「リンかけ」。TVアニメは「リングにかけろ1」として2004年秋にテレビ朝日にて放映。また2006年に続編の日米決戦篇が放映。
主人公の高嶺竜児が姉の菊に学んだテクニックにより、宿敵の剣崎順を倒し世界チャンピオンに輝くまでの軌跡を描いている。

声優・キャラクター
森田成一、田中理恵、置鮎龍太郎、草尾毅、石川英郎、神谷浩史

gkc さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

聖闘士星矢の元みたいな超有名だった作品

僕の中で原作者である車田正美の3大代表作というのがありまして、

「聖闘士星矢」、「風魔の小次郎」、そしてこの「リングにかけろ」であります。

車田正美は「セイヤ」で絶頂をむかえましたが、実はこの「リングにかけろ」が車田正美の最初の大出世作なんですね。

すごく古い作品です。
僕よりも少し年上のお兄さんたちにタイムリーだったようです。

年代順には「リンかけ」、「小次郎」、「セイヤ」の順です。

車田作品の源流みたいな、すごく重要な作品だと思います。

この作品が無ければ「セイヤ」もなかったのでは・・・
と思えるほどそっくりです。www

ですので、「聖闘士星矢」は空前絶後の大ヒットでしたが、
古い車田ファンには「車田正美といえばリンかけだろ!」

という人も多いと思います。

・・・ですがそれはまぁいいとして、

物語はボクシングを題材にしています。
そして、最初はライバルだった者同士が戦いを通じ、友情、固い絆で結ばれ、共に戦う仲間となっていきます。

5人の仲間。
セイヤ、小次郎も同じ、主な5人のメインキャラクター達。

必殺技にもそれぞれ斬新な名前があります。
「ブーメランフック」、「ペガサス流星拳」
これも同じwww

で、5人の仲間が、強敵たちと戦っていきます。
・・・同じwww

そしてこの作品では最終、最も手ごわい敵として
ギリシァチームと戦います。

昔からギリシャ神話を絡めるのが好きなんですねwww
また、それぞれの敵も個性的でかっこいいんですよ。

・・・これまた同じwww

スポ根になると思うのですが、車田作品には特有の個性があると思います。

その個性は明らかに他のスポ根ものとは別物に感じます。

じゃあどんな個性?

「聖闘士星矢」みたいな個性ですwww

こちらはボクシングが題材なだけに多少、現実的かもしれませんが、普通ではないですwww

フィニィッシュブローが炸裂すると相手は100mぐらい吹っ飛んだりします!

ファンタジー的な要素はセイヤに比べると少ないものの、
超絶感はさすが元祖です。

すごい爆発力や勢いを感じさせる戦闘シーンは昔からのものだったようです。

セイヤにせよ、このリンかけにせよ、いい意味で突っ込み所がいっぱいの非現実的な作品ですが、見ているといつの間にか夢中になっている作品でした。

単純明快で、変にこまじゃくれてないのがいいんでしょうかね。

このアニメ作品は中途で終わってしまったのかもしれませんが、原作はもう少し長くて、各話もう少し凝っていたと思います。
原作はもっと面白かったと思います。

今回、最強の敵、ギリシャが割りとあっさり倒されていたw

原作は、主人公の高嶺竜児と剣崎順の最大のライバルであり最大の友である2人の世界タイトルマッチ・・・などがあったと思います。

ですがまあ、良ければぜひ見てほしい作品です!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

テングタケ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

珠玉のスーパーボクシング漫画

私は原作が大好きで、漫画史上5本の指に数えられる傑作だと思っています。そして、本作も良くできているとは思いますが、レビューを見た感じ今の若者には響かないのでしょうか?
アニメはいきなり都大会の決勝から。まあそれまでの熱血根性下町人情路線はかったるいので、飛ばすのはアリでしょう。その影響で、大村のとっつぁんやロクさん、ラクダ親父やクラスメイトなどは存在を丸々カットされてます。都大会自体をスキップすると剣崎との因縁を描けないので、決勝から始まったのはこれで正解。ただ、辻本との試合はベストバウトの一つなので、アニメでも観たかった気もします。あと冒頭に、最終巻の1シーンを持ってきたのはナイス。
1期はチャンピオンカーニバル終了まで。十分尺を取れたので、原作ではあっさり目の準決勝2試合もたっぷり肉付けされていて、これも好印象。その分鬼島との絡みはすっぱりカットされてます。原作完了済みの長所を活かして、後々出てくるライバルたち、ヘルガやスコーピオン、ナポレオンや影道なんかが顔を見せているのもいい感じ。相変わらず天才ヘルガのコンピューターはポンコツでした。
ブーメランフック誕生の経緯も大幅に割愛されてます。なんか既にギリシャ十二神にも通用しそうなスーパーブローでした。対する河井のただのアッパーもスーパーブロー並みで、まあアニメだから派手なのは結構なことです。
キャラの声も皆合っていました。石松はちょっとイメージと違ったけど、すぐに慣れました。作画は思いっきり荒木絵で悪くないです。ただ、原作中最萌キャラの二葉にあんまり力が入ってないのは残念。
主題歌は、曲が「リ~ン〜グ〜に〜か~けろ〜」となんか間延びしてパンチが弱いです。歌詞は原作からカッコいい言葉を借りてきていますが。
私が観たのはU-NEXTの配信版ですが、コーデックが悪いのか、画面がスクロールするとき画像が必ずガタガタになります。エンジニアはちゃんと仕事してください。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

だわさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

…空気を裂くパンチはフォルテ…ッ!…フォルテを超えるのは……『スフォルツァンド』だッ!!行くぞッ!!じぇっとあっぱあああああああああああああああああ!

・20年以上前のボクシング漫画原作(車田正美)
・第1作全12話
・日米決戦編全12話
・影道編全6話
・世界大会編全6話。


以下感想
少年ボクシング漫画と聞いて、どう感じるだろうか。
・熱いんだろ?
・必殺技とかあんじゃね?
・どこにそんな体力が?の連続ぽいなー
・根性論とかあるっぽい

こんなところかなー!( ´ ▽ ` )ノ
そして、この作品はそのどの需要?wにも答えてくれるというなんとも王道な作品w
リアリティのあるボクシングという点ではジョーとかはじめの一歩にも遠く及ばない作品であるので、そこは逆に求めちゃいけない点。
でも逆に、熱い必殺技を
熱いセリフとともにドカーンとやってくれる様はもう
演歌のコブシを好む日本人としてのDNAが沸くねコリャv

期待を良い意味でも悪い意味でも裏切られずに済むというかw
「待ってましたーーーー!」
って出来るから、待ってましたー!をやりたい人にはぜひw

ちなみに個人的な名セリフは世界大会前の、
「三途の川で、また会おう!」
だな!(v`▽´)v 熱い!♪

でもとりあえず、世界大会編までなので原作を完結してなくて、かなり中途半端なところで終わってしまってる(;´Д`)
世界大会編の放送が2011の話だったので、今後完結までやる余地はあるんだろうけど、人気が…ね(;´Д`)
いやここは人気というか知名度としておこう!

2011放送に合わせてパチンコ台出してきたけど、人気はイマイチwこれの収益を見て完結決めるつもりだったんならキツイんだろーなーというのが正直なところだったり…w

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
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