リーダーで戦争なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのリーダーで戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月04日の時点で一番のリーダーで戦争なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

81.6 1 リーダーで戦争なアニメランキング1位
うたわれるもの(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1476)
8826人が棚に入れました
ここではないどこか、今ではないいつか。
時は戦国時代。国は分かれ争い、民草が飢え苦しむ時代。ある山奥ののどかな辺境の村に、瀕死の怪我を負った男が運び込まれた。
彼は村人に助けられる以前の全ての記憶を失っておた。新たに『ハクオロ』という名を村長から授かった彼は、村の生活を豊かに発展させ、村を襲った災厄を退け、村人達の信頼を勝ち取ってゆき、既にこの村の無くてはならない家族となっていた。しかし戦乱と貧困の風は、この平和な山村にまで吹き付け、人道に反する重い税を押し付けた藩主に反発したことが原因で、村人に強く信頼されていた村長が殺害されてしまう。
ハクオロの中に生まれた、深く静かな怒り。ハクオロは指導者として謀反を起こし、暴虐の限りを尽くした圧制国家を打ち崩して、新たな国トゥスクルを建国する。
戦いは終わったかに見えたが、まるで何らかの作為が働いているかの如く、次々とトゥスクルとハクオロの元に戦の業火が降りかかる。ただ平和だけを望む自分の存在や行動が、結果的に戦渦を広げている事に苦悩するハクオロ。しかし、もはや彼に逃げ道は何処にもない。人の身には余る知識と知略、積み重なっていく重責と不条理な現実。そしていまだ深い霞に隠されたままの自分自身の正体。
多くの苦悩を抱えつつも、ハクオロはトゥスクルの『皇』として、いまだ終わる兆しの見えない戦争の日々に身を投じる事となる…。

声優・キャラクター
小山力也、柚木涼香、沢城みゆき、京田尚子、桐井大介、中原麻衣、渡辺明乃、石川ひろあき、ゆきのさつき、浪川大輔、小山剛志、大原さやか、釘宮理恵、田中敦子、三宅華也、吉野裕行
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

滅茶苦茶

{netabare}
評判良いし3期をやるので視聴したけど、酷すぎてびっくりした。
ほんとなにこれ。

まず前半。よそ者のはずの主人公が何故か一瞬で特に何も無くリーダーに。指導者になってその地で神として崇められている獣を殺しに行く、と初っ端から丁寧さの欠けらも無い。
昔ながらの信仰の対象より何故よそ者の方を取るのか。
揚げ句の果てには何故か村に来て数ヶ月のよそ者にトゥスクルから村長の座を委ねられるというスピーディー()な展開。

その後はトゥスクルの弔い合戦からの国の統一。このパートが全盛期。1つの村が徐々に勢力を整え圧政に抵抗するという物語は開拓モノ、勧善懲悪ものとしての面白さがあり良かった。革命を起こすきっかけもハッキリしていてキャラにも感情移入出来るしでこの頃は良かった。

これが終わると次は二ウェとの戦い。まず、とりあえず敵をあからさまなクズにしておけば良いという風潮(最後まで改善されなかった)が嫌い。暴君にしても、流石に自分の土地の城下町を燃やすなんて自滅行為意味がわからない。ここに限ったことでは無いが敵の主将の行動が考え無しすぎる。

そこはまだいいして、何よりこのパートで酷かったのが、「主人公は過去に人を殺しまくっていた悪漢だったのでは?」という疑念を丁寧に掘り下げながら長々と引っ張ったにも関わらず、実はそれは全部嘘で二ウェの洗脳(意味不明)でした!というオチ。こんなの先の読めない展開とかではなく、話の流れを悪くして滅茶苦茶なオチに持っていっただけ。ハクオロの葛藤に共感しながら見てると、こんな茶番オチにされたらさすがに「は?」という感想にしかならない。
てかそもそも洗脳ってなんだよ。
それとトウカ。正義の側に着くという意味不明な設定。正義なんて結局主観でしかないしこれは怖い。

後半パートはもう書くまでもなく滅茶苦茶。戦記物かと思ったら謎のロボ、更には魔法、怪獣まで出てきてもうなんでもあり。
当然ロボさえあれば数人で集団を壊滅させることも可能でもはや集団戦としての面白さは一切ない。
敵のみならず味方も、ネームドキャラでさえ固めれば相手がどんな人数でも無双可能というつまらなさ。クソアニメ臭がすごい。

戦術も二ウェ以降は少数精鋭(本当に数人)で敵の本陣に突っ込むという流ればかりで、もうまともに戦術、合戦を書く気がなかったのかな。
前半はまだ戦記物としての体裁は整えていて面白かったが、後半は萎えに萎え続けるだけだった。

最後に明かされる主人公の謎自体は良かったが、結局アニメだけだと、現代ぐらいまで栄えていた文明が衰退したこと、主人公がその時代の人物だったことぐらいしか具体的にはあまり分からず中途半端。
結局カミュの中の人のこともよくわからず、主人公がどういう経緯であの場所に倒れていたのかなども描かれず。

全体を通して他に気になった点を挙げていく。

①敵将に対する処分が甘すぎ。トゥスクルを殺し無罪の村を殲滅したような奴がエルルゥの一声で見逃されるのは意味がわからない。
クーヤもそう。あんな犠牲者を出しまくって許される訳ないでしょ。

②無力なヒロインを戦闘に連れて行くのは意味が分からない。病弱なユズハまで連れていくとか本当に何考えてるの。遠足かよ。
そんなんでヒロインがピンチに!アルルゥがケガを!なんて展開になっても自業自得だろとしか言えない。

③結局あのロボもどきみたいなのは何だったのか。
昔の文明の遺産か何かなのか?
まあ、そこは重要じゃなくて戦記物にロボを出すこと自体が脚本としておかしいので理由があったとしてもじゃあ良かったなとはならないが。

④毎回毎回敵国からの来訪者を軽く信頼しすぎ。ベナウィにしてもトウカにしても一応元敵だったわけで。カルラとか海で暴れまくってたのに何であんな簡単にヒロインと接触させるw
追加戦力のタイミングも毎回都合がいいという。
一番酷いのはクーヤ。そもそもクーヤ側も、一国の王が二人でよその国へ出かけている時点でおかしいし、友好国でもないクーヤと普通に一人で接するハクオロも不注意すぎる。
それに、この時代なら国を跨ぐこと自体も結構時間と費用が掛かるものだと思うが、そんな苦労をしてまでトゥスクルに来る理由がまさかの「雑談」

⑤ユズハの扱い笑った。どうせ死ぬならなんで長々と引っ張ったんだよと。だんだんと弱っていく描写をやってお涙頂戴とかの方がまだマシだった。ここまで元気だったのに突然死にましたって言われても...。
てか外連れまわしてたせいだろ。

⑥クーヤの扱いも酷い。エロゲ大好きなアウアウ化展開で何もなく終わり。こんなアウアウ化でどのみちバッドエンドにするなら、①にも書いた通り至って自然な処刑展開にしろよって思う。

⑦上にも書いたけど敵将が頭悪い。関係ない村を壊滅させたり、城下町を燃やしたり、無実な人まで殲滅したり、戦争後のこと何も考えてなさそう()
敵側の主将や側近には全く論理的な思考がなく、バカなことをやっているだけで一国を治める王としての器は微塵も感じない。
それに、敵には戦略なども一切ない。

⑦これは別に悪い点と言うわけではないが主人公にもっと活躍の場面が欲しかった。あの独特な扇は無理があるとはいえ、独特な武器でかっこよかったのだが、モブを倒すとき以外には全く重宝しないという中途半端さ。もっとあれを使って活躍してほしかった。
あと、たぶん最強キャラ(?)のベナウィも味方になってからもっと活躍と言う活躍をしてほしかったな。


ここまで突っ込みどころだらけの作品を見たのは久々なのである意味楽しかったです。エロゲ原作アニメってほんと世界観滅茶苦茶な作品ばかりでロクなものがない。
OPとEDは名曲だと思います。それだけ。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

wiki見ながらもしくは原作プレイ必須

取りはずせ馬鹿なっ・・・ありえないっ・・・・・!仮面を着けた記憶喪失の卑劣っ・・・・! 最悪に醜悪な男・・・・!...!ハクオロがっ...
中世風の国取り賭博黙示録の中でっ・・・!仲間達に支えられながらっ・・・!
自身が喪失した記憶を取り戻すまでを描いたナイスストーリー
内容とっ...してはっ・・・!ナイスアイヌ風のっ...衣装や名称にっ...始まり...!
「登場人物が獣エロスイヤーでどこかわからぬ・・・地中の底の底・・・・こと」にすらきちんと圧倒的意味をっ...持たせた秀逸な圧倒的・・・!圧倒的世界観っ・・・!
多少ナイス作品のネタバレ交じりではどこかわからぬ・・・地中の底の底・・・・ものの圧倒的綺麗なOPっ・・・!
先の読めありませーん・・・っ!!ゼロゼロゼロ・・・っ!!謎にっ...満ちた脚本…(ざわ……ざわ………)…(ざわ……ざわ………)ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!...!
見る退くべきところは退くが兵(つわもの)だ…!点は圧倒的多い作品だと感じました...!
がっ...ダメっ...!同時に「ギャンブル原作アニメでどこかわからぬ・・・地中の底の底・・・・がナイスゆえの問題」がモロに見えた圧倒的作品がっ...ダメっ...!ありましたっ・・・・!
ギャンブル内ではっ...「ナイス文字表記」されるためにっ...何も持たぬ…劣悪な環境にあるがゆえに 皇帝を討つのだ…!のナイス問題も...ギブアップ…?真剣勝負にそんなものあるかっ…!!...!国名ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!のっ...アイヌ風の各名称はっ・・・!
アニメの場合っ・・・!潰滅的会話中に唐突に登場常軌を逸する「謎のカタカナ単語」になってしまいっ・・・!
とどのつまりっ・・・!視聴者は...!国名や人名等...のっ...名称がっ・・・!今ひとつ頭に入ってこ馬鹿なっ・・・ありえないっ・・・・・!事態にっ・・・・!
潰滅的登場人物たちはっ・・・!男性女性共に魅力的ではどこかわからぬ・・・地中の底の底・・・・もののっ・・・!
原作ギャンブルほど圧倒的・・・!圧倒的一人ひとりの...エピソードが描かれることがっ...なかったナイスためにっ...っ・・・!
全体的に潰滅的薄味な印象となってしまいましたっ・・・・!
そして何よりナイス脚本なのですっ・・・!がっ・・・!が・・・・しかし どうにもならない考えても26話で収まら俺はいらねえんだ……… そんな和了っ…!
「ハクオロの...過去」「ギャンブルでは世界の成り立ち」ふざけるなっ………! おまえらには慈愛などないっ……!を...っ・・・!
原作ギャンブル同様...!後半部分にまとめてぶち込んだとどのつまりっ・・・!っ・・・!
ただでさえ「圧倒的・・・!圧倒的ロボット的な真の敵は‥‥あの男っ‥‥‥‥会長っ‥‥‥!の悪魔的に兵器」等が...出て...!
「潰滅的作風が落ち着かなくなってる後半部分のストーリーが...さらに荒れる」というっ・・・!
なんともが・・・駄目!なとどのつまりっ・・・!にっ・・・・!
「作品に...ついてナイス作中で説明しきれてい馬鹿なっ・・・ありえないっ・・・・・!」という問題は
ギャンブル圧倒的原作のアニメには...ありがちな展開…!!がっ......!今作はそれをねじ曲げたら…なにがなにやらわからない…が特に顕著っ・・・・・!んだっ・・・!分かれよっ・・・!
多少利根川…オレが蛇に見えたか…?ならおまえが蛇なんだっ……!ネタバレしても圧倒的平気!って黒服はっ・・・!
作中にwiki読んで視聴常軌を逸する本当に欲しい物を手に入れたいなら結局これはもう金しかない…!世の中は利用する側とされる側その2種類しかいないのだ・・・!ではありませーんっ...!ゼロゼロゼロっ...!
以上のことから...っ・・・!私の...評価は僥倖っ・・・!点と悪い(バッド)点を相殺して「凡夫」…基本も基本…大原則だっ…!うか...っ・・・・!
確実に好き嫌いは分かれると矜持ませーん・・・っ!ゼロゼロゼロ・・・っ!がっ...っ・・・!
私自身...!圧倒的視聴後に「ギャンブルやってみよう・・・よっぽど日頃の行いがいいのかな・・・・」と...思わされた魅力的な作品っ・・・・・!...!
前半と最終回は特に良かったナイス印象がありたのだっ・・・・・!...!
「悪魔的に展開」に抵抗のギブアップ…?真剣勝負にそんなものあるかっ…!!方でしたら...!ご覧になるの...も僥倖っ・・・!かと矜持たのだっ・・・・・!っ・・・・!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

箱根のみなさーん!うたわれるものですよー!

俺たちうたわれるもの、ヘヘイヘーイ


前半は戦略系RPG、後半は神話要素を踏まえたバトルものになってましたね。
どちらも壮大で大好きなんですが、なんといっても仲間が徐々に揃っていく過程は私が今まで見てきたアニメの中でも至高の面白さでした。
あまりゲームはやらない主義なんですが、本作だけはかなりやり込んでしまいましたからねー。

アイヌ文化をモチーフにしたと言われてますね。
話の内容的にはあまり関わりはないのですが、いいですよね、こんな感じの民族衣装。
AQUAPLUSということでイラストレーターは甘露樹さん、めっちゃ可愛いですよね!
ゲームのイラストも当時にしては画期的に可愛かったと思います。
アニメでは単発作画回として有名な14話、細田直人さんなどが入った迫力ある戦闘シーンは今でも忘れません。
特にトウカが仲間に入る回ですからね、凄い気合いの入れようが伝わってきました。

この作品、私が声優にハマる最もたる要因になったアニメです。
声優ラジオというものを初めて聞いたのがこの「うたわれるものらじお」で、内容がずば抜けて面白かったんですよねー。
箱根の回とか今でもたまに聞いちゃいますよね。
あと柚姉といえばフォークですよ。
「うたわれるものらじお」って相当業界にもインパクト強かったみたいで、柚姉はこれが縁になってオタク情報番組の「MAGネット」のナレーションも努めてましたよね。

OP「夢想歌」も最終回ED「キミガタメ」も超絶人気曲ですよね。
suaraさんの歌声も特徴的で何度聞いても飽きません。
アニメのOPだと"キンキンキンキン"って入ってるんですが、フルだと入ってないんですよね、あの金属音めっちゃ好きです。
ED「まどろみの輪廻」を歌う河井英里さんは2008年に若くして亡くなっています。

も~ほんと登場キャラクターは一人一人大好きです。
ハクオロさんは本作の主人公、後半あんなことやこんなことになっちゃうんですが、思いやりのある良い君主です。
力ちゃんの声がまた逞しさを増していて良いですよね、自殺止めのプロです。
エルルゥは面倒見が良くて、ママァって呼びたくなりますが、不動のお姉ちゃんキャラでもあります。
尻尾を触った時の反応がキュート、戦闘では確か回復要因とかでしたっけ。
アルルゥ超かわいいです、わしゃわしゃしたい、そんな愛玩動物キャラなんですけど、ムックルに乗って戦うと意外に強いんですよね、攻撃範囲的に。
みゆきちの演じるロリキャラは無条件に好きです。くり。
オボロボロボロ、こいつもまた良いキャラだった(なお戦闘パーティーからは自然と外れていった模様)。
というか一応もう一人の主人公的扱いなんですよね、どこまでもハクオロの舎弟感が拭えないのがネック。
ユズハ、病弱キャラ、いやー、結末には普通に泣きました。
中原さんの病弱演技もまた旨いんですよね。
どうやら続編の「うたわれるもの偽りの仮面」ではキーマンになっているようじゃないですが、俄然興味が湧きます。
ドリィとグラァは男の娘、オボロと酒を飲んだ後裸で抱き合って寝てるシーンはやばかったですね。
声優はどちらとも渡辺明乃さんです、遠距離系のキャラなんですが如何せん火力が無くて見せ場は序盤だけの印象。
ベナウィ、めっちゃ好き、忠誠を誓う騎士ですね、声が浪川さんなのもベストマッチです。
ハクオロさんの自殺止めの第一号だった気がしましたけど違いましたっけ。
クロウはあまりにも小山剛志さんの印象が強すぎますね、下ネタキャラと認識してます。
騎兵としては強いんですけど、ベナウィいればいいかなって感じでした。
カルラ、大好きなキャラの一人です、めちゃくちゃ強いですね、あのナマクラ剣。
剣奴の象徴たる首の鎖もデザイン的にかっこいいし、田中敦子さんの声も素晴らしい。
トウカも大好きですねー、ウッカリ侍。
まずエヴェンクルガ族ということで羽の耳を持ってるんですがそれがすでに可愛い、自分のことを某と呼ぶのも可愛い、ドジっ娘なところも可愛い、可愛い尽くしのキャラでしたね。
ウルトリィは名実ともに天使のような存在ですね、声も大原さやかさんですし。
割と攻撃範囲広くて強かった印象です。
カミュはなー、強かったからステータスガン振りしてたのにまさかのという。
声は釘宮さんで好きなキャラでしたよ。
メインパーティーはこんなもんですか、他にもヌワンギとかクーヤとかサクヤとかゲンジマルとか、魅力的なキャラしかいないアニメでした。


当時は相当ハマってましたねー。
最近再放送してたのと続編がやってるんですよね。
いやー再燃しちゃうのが怖いです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

85.8 2 リーダーで戦争なアニメランキング2位
劇場版「幼女戦記」(アニメ映画)

2019年2月8日
★★★★★ 4.1 (472)
2471人が棚に入れました
統一暦1926年。ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐率いる、帝国軍第二〇三航空魔導大隊は、南方大陸にて共和国軍残党を相手取る戦役を征す。凱旋休暇を期待していた彼らだが、本国で待ち受けていたのは、参謀本部の特命であった。曰く、『連邦国境付近にて、大規模動員の兆しあり』。新たな巨人の目覚めを前に、なりふり構わぬ帝国軍は、自ずと戦果を拡大してゆく……時を同じく、連邦内部に連合王国主導の多国籍義勇軍が足を踏み入れる。敵の敵は、親愛なる友。国家理性に導かれ、数奇な運命をたどる彼らの中には、一人の少女がいた。メアリー・スー准尉。父を殺した帝国に対する正義を求め、彼女は銃を取る。

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠、飛田展男、濱野大輝、笠間淳、林大地、小林裕介、土師孝也、小柳良寛、高岡瓶々、森川智之、福島潤、田村睦心、戸松遥、チョー、稲垣隆史

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

メアリー・スーがメアリー・スーを名乗る限りメアリー・スーたるのであれば改めてメアリー・スーとは何なのか模索してみた

Arcadia投稿の小説が原作のラノベアニメとして2017年冬にテレビシリーズが全12話放映されたのも記憶に新しい異世界転生ファンタジー×架空戦記モノの直接的な続編


狡猾な性格のサラリーマンが逆恨みが原因で死亡
不神信者が故に神=存在Xの怒りを買い、魔法が実在し世界大戦を控えたヨーロッパに似た異世界に金髪碧眼の幼女「ターニャ・デグレチャフ」として転生させられる
ターニャは不可避の大戦を前に無力な幼女のまま死ぬわけにもいかず、自ら志願兵として戦線へ打って出る
ターニャの思惑は溢れ出る魔力と機知に富んだ頭脳と平滑流暢な弁舌で部下達の士気と戦果を上げ、出世してから安全な後方任務に就くことだった
ターニャの活躍で属する“帝国”は“協商連合”や“共和国”との戦いには順調に勝利を収めていく
が、そんな矢先に帝国へ牙を向いたのは徹底した共産主義を掲げる大国の“連邦”であり、ターニャと部下達もその戦線へ送られることとなる
理不尽さを感じていたターニャだったが、徹底的に嫌悪していた共産主義者への憤りをぶつけるべく、連邦の政治的面子を徹底的に破壊する【連邦首都襲撃】を立案する
そんな前代未聞の作戦を目撃したのが、ターニャ達を苦しめたあのアンソン・スーの愛娘にして、アンソンの死をきっかけに義勇兵に志願した「メアリー・スー」だった…


と、いうわけで今作が題材にしてるのは人類史上もっとも悲惨な戦争として著名な“独ソ戦”であることは明らか
さらに原作ではどうなのかよく存じませんがテレビアニメ版では極力オミットされていた政治や思想や宗教感の対立が物語の構造上、強く押し出された一作にもなっており、架空戦記モノでありながら立派な戦争映画に仕上がっています


そもそも戦争という非生産的な行いに対して否定的な立場であるターニャでしたが、今作中では共産主義者=コミーを徹底的に批判、罵っており、その感情的な動機で作戦を進めた結果、皮肉にも戦争が泥沼化するキッカケを自ら作ってしまうことになります
映画の冒頭でシューゲルは戦争を加速させるのは“感情”だと言っていますが、ターニャはコミュニストアレルギーという個人的な“感情”で連邦首都を破壊します
さらにこの後のクライマックス“感情”を爆発させて戦う敵に対して冷静さを取り戻したターニャが“感情”を廃して戦えば勝てることに気付くのが面白い
まずココが一番目の観どころとなるでしょう


そして今作、遂にターニャにとって最大の障壁となる“この世界で最強の魔導師=メアリー・スー”がとうとう戦線に登場することとなるのです


テレビシリーズでは群像劇を彩る、戦線とは別の国に生きるサブヒロインの一人…ぐらいにしか思ってませんでしたが全く持って迂闊でした;
そもそもメアリー・スーという名前の時点で気付くべきでしたが、この娘は【実質的にこの世界における真の主人公】と言ってもいいかもしれません


実はメアリー・スーという呼称そのものが英語文学圏、特に二次創作界隈において本家本元のキャラクターを食ってしまいかねない、<THE 厨二病設定なチートキャラ>を揶揄する隠語として機能しています
そして同時にメアリー・スーとは作者の願望の自己投影である、と常に批判に晒される、言うなれば“痛いキャラ”のことを指すのです
具体的には極端に若く、劇中のどのキャラよりも秀でており、孤軍奮闘の大活躍の後に、その死に皆が涙する…というのがテンプレートです


今作のメアリー・スーは父を愛し、祖国を愛し、慈愛に溢れ、何より信心深く神を愛したことで神=存在Xから愛された者なのです
で、あるがゆえ今作世界中では桁外れの魔力と加護を行使することが出来るのです
観る前は『ガルパン』ぐらいのアクションシーケンスを期待してたのですが、メアリー・スーが戦線に登場してから『ガンダム』か『魔法科高校の劣等生』が始まったのかとすら思いました
その圧倒的パワーで亡き父の仇であるターニャを執拗に追い詰め、彼女が思うところの【正義】の名の下にターニャを討ち取らんとし鬼気迫る表情と戸松遥渾身の芝居で襲いくるシーケンスは背筋凍る圧巻の迫力です


王道で行けば残忍で冷酷なターニャこそがヒールで、父の仇を取ろうとするメアリー・スーがヒーローなのでしょう
だからメアリー・スーは“実質的に主人公”なのです


とwこwろwがw


このメアリー・スーはやっぱり主人公のなりそこないかもしれないのですw
ターニャに固執する身勝手さ、歳相応の思慮の浅はかさ、政治や戦略への無配慮、直情的な独断専攻などが目立って描かれ、ターニャと相対的に全く持って知性を感じない【劇中最大最強最低最悪のバカ】であることは明白


『オーバーロード』や『ゴブリンスレイヤー』といった昨今のラノベ原作アニメを見渡すと、このようなメアリー・スー的なポジションのキャラをあえて登場させ、イキって出て来たは良いがバカをみたあげく散々酷い目にあってから死ぬ、という展開がトレンドなのは間違いないでしょう


たぶんこーゆーのを流行らせてしまったのは『ガンダムSEED DESTINY』が一因だと思います


逆に『サイコパスSS1』では明らかにこのシリーズのメアリー・スーとして登場した霜月美佳を、これが上手く成長する姿を描いたことでヒロイックな作品に軌道修正したのが印象的でした
メアリー・スーはぶっ殺すのがトレンドかもしれないが、あえてコレを一段階上にレベルアップさせてやるのも選択肢というわけです


さて今作のメアリー・スーそのものですが、こうもあからさまにメアリー・スーを名乗る以上、今後はその有り余る力で散々ターニャを追い掛け回した挙句、最後の最後でターニャに勝利を収めるか、一矢報いてから盛大な死を遂げてもらうと大変個人的には望む展開であります(笑)


正直とても面白い映画ではあったものの、当初あまりレビュ執筆には乗り気ではなかったのです
が、三日三晩メアリー・スーのことが頭から離れず、なんとかしてオイラのこのバカ野郎愛を記したい
と、こうしてキーボードの前に座った次第であります


まあクライマックス、数で勝る連邦があの戦線から手を引いた理由がほとんど描かれてなかったのが不満なのですが、それに付けてもメアリー・スーの装備する演算宝珠がまさかのスキー板で“アニメ史上初じゃないか?と思うほど丁寧にスキーのエアトリックで戦う姿が描かれた”のには思わず感無量でした
この時期の楽しみはFISの中継観戦か雪山アクティビティと相場が決まってますから(お
ですからその辺はもはやプラマイゼロといったところですよ
是非このシリーズの続きを、というかメアリー・スーの行く末をオイラはゆっくり眺めたいと願っております


1回目は新宿のEJアニメシアター(旧角川シネマ新宿)で観たのですが、2回目は立川シネマシティのシネマツーcスタジオの「幼女の皮を被った極上(化け物)音響上映」で鑑賞
岩浪音響監督も絶賛の太鼓判を押すほどの仕上がりで、それもそのはず
魔導士が飛ぶ度に強烈に歪んだ低音がサラウンドでうねりを効かせて飛び交いまくるし、貫通術式が放たれる度にそれはそれは凄まじい破裂音を浴びせられます
これまでの爆音上映の類の中でも1,2を争うのではないかという、ちょっと他の映画では体感出来ない音でしたね


3回目観ました
立川シネマシティ、シネマツーaスタジオでの極上爆音上映「限定魔導爆音上映」です
これで確信しましたが間違いなくオイラが今まで観てきた全ての映画の中で最も音圧が強く、尚且つそれがずっと続く映画が今作ですね
ティゲンホーフ戦線での大砲の炸裂音の連続、ターニャとメアリーの空中戦での歪んでうねる低音、そして戦闘機の地響きのようなエンジン音
このようなデカくて歪んだ音がずっと続く映画ってのは今作以外には無いでしょう
少なくてもアニメとしては世界的に見ても唯一無二だと思います
是非とも劇場で、可能であれば岩浪音響監督がオススメする劇場でご覧になって欲しい


4回目の鑑賞はイオンシネマ幕張新都心の8番スクリーン
幼女の皮を被った ULTIRA(化け物)9.1ch
ULTIRAとはイオンシネマの独自規格でIMAX程でないものの、他のスクリーンに比べ非常に大きいシルバースクリーンとDolbyATMOSにも対応した高品質な音響設備を持ったイオンシネマとしては最高峰のスクリーンです
これに近いのがTOHOシネマズの独自規格のTCXですね
まず画面なんですがこれは3D上映に対応する為のシルバースクリーンってことで若干色合いがくすんで見えます
正直これに関しては致し方ない
で、音響面ですがウーファーがスクリーン下で剥き出しになっているせいか、やや低音が強めに感じます
そして9.1ch仕様の恩恵を最も強く感じる(通常は5.1ch)のは背面スピーカーから台詞が聴こえてくるような場面です
具体的には第二〇三航空魔導大隊のモブ兵士達がざわめくようなカットや、モスコー襲撃の際にヴィーシャが公共放送をジャックした時など、後ろから聴こえてくるセリフがハッキリと聴こえました
細かいセリフを聴き取り方には最もオススメ出来るスクリーンですね


5回目の鑑賞はユナイテッドシネマ豊洲の4DX
劇中、空中を漂っているシークエンスが多いので結構な割合で座席モーションがフワフワと揺れていることが多いのと風がずっと靡いてるのも多かったです
冒頭のメインタイトルバックで泡による降雪の表現があったのには笑いましたw
宝珠が発動するたびにストロボによる眩い光が入るのもカッコよかったです
爆炎に呼応するスモークの演出はやたら濃い目でしたね
ユナイテッド豊洲は特にアナウンスしてませんでしたがこれはシネマサンシャイン平和島が言うところの所謂「効果マシマシ上映」に相当すると思いました
ロリヤが唾を飛ばすシークエンスで水飛沫を期待してたのですがソレは無かったです(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今さらタイトルで敬遠もなかろうて

原作未読 TV版視聴済み


“存在X”とか説明なしに語られてるためTV版を視聴済みであることはお作法といってよいでしょう。
あいかわらず主人公が幼女である意味がわからない『幼女戦記』の劇場版となります。

たいしたこと書いてないけどミリタリ的見解はTV版のレビューに載せとります。
俺たたENDなTV版の最後覚えてます?※一応隠しときます。

{netabare}砂漠みたいな南方戦線に飛ばされて「どうしてこうなったー!?」ENDでした。
存在Xに対峙するには、信仰にすがるのではなくあくまで合理性で勝負する路線を突き進むのかどうなのか?と続編の注目ポイントをわたくしレビューで書いてますね。このモノの見方はブレてないです。{/netabare}

続きが気になる終わり方だったのでおおむね劇場版に期待するのはこんなところ↓
Q
1.答え出るん?
2.戦闘は派手になる? ※そこはホラ、、、映画だし(^^)

ざっくり回答は↓
A
1.出ません。
2.派手になります。市街戦闘ではぬるぬる変態的な動きをしてます。

スタッフや声優を引き継いで制作してるので大外しはありえません。安定して面白かったです。
ついでに、“信仰心と合理性”なのか“感情と理性”なのか?
“存在X”とターニャが対峙しての二項対立のような図式に見えてたけっこう重要な部分。
ターニャの対立軸として、この“信仰心”ないし“感情”を体現する存在が登場したこともファインプレー。もちろん{netabare}ターニャとの死闘の末戦死したアンソニーの娘。メアリー・スー(CV戸松遥){/netabare}のことです。

これで見やすくなりました。神VS人間よりも対立する両極端な人間同士のほうが物語が破綻しにくい。
己が正義とのぶつかり合いになって譲れない争いになりますし、元はといえば存在Xという同じ親から生まれた相反する二つの概念であるという深みとコクも出てきます。

【作品テーマ】

 存在Xとの落とし前をどうつけるのか?

⇒これは道半ばです。

【劇場版の面白いとこ】

 ◎ ターニャ VS メアリー・スー
 ○ 市街戦闘

きわめて劇場版らしい。劇場版に期待するところを満たした『劇場版幼女戦記』でありました。



※ネタバレ(もある)雑感

■世界観の意図

既視感のある国・人・軍事パーツを素直に楽しめる一方で、WWⅠとⅡをごっちゃにして~の史実との乖離や魔導部隊なる設定。純歴ヲタだとアレルギー出そうなのもわからなくもない。なんせ空飛ぶ人間が銃剣で戦闘機の翼をたたっ斬ることができちゃう世界ですから。これには一家言あって、


 これ外国でも流すんですよね?


アニメ大好きフランス・イタリアやアメリカ。ドイツも例外ではありません。それらの国を配慮して…なんてアホなことは言いませんよ。

 {netabare}ガチ史実ベースの世界作ってアナザーストーリー{/netabare} 

それに欧米人が耐えられるか?って無理だからちょっと外した世界観なのだと劇場版観て思いました。

選挙で選び渦中は熱狂した事実に蓋をして全部ナチスに罪を被せて、ニュルンベルク裁判の前と後とで分断を図り逃げ切ったドイツ。
反省したドイツを見倣え!って彼ら反省なんて微塵もしてませんけどね。「我々とは別のナチスなるもの」を作っておっかぶせただけです。もちろん賠償には応じてません。

次にアメリカ。原爆投下を正当化するストーリーは皆さん耳タコでしょう。自らの罪に向き合ってない点ではドイツと一緒。

イデオロギーにしちゃうのはどうぞご自由に!彼らの意見に乗ろうがかまいませんが、少なくとも私は日本国籍を有する者なら「違うだろ」と指摘し続けることがお作法であるとの考えです。

何が言いたいかっていうと、彼らのン百倍は反省している、なんなら反省しなくてもいいことまで、それにおかわりで“俺たちの反省はこれからだ”の勢いで反省している我々からすれば、

 {netabare}正当化だらけのお前らの豆腐メンタルじゃ受け止めるのは無理!{/netabare}

と思っちゃうんですよね。世界広しといえどもドイツ第三帝国を茶化せるくらいの表現の自由が認められてるのは我が国くらいなもんです。
ぶっちゃけ仮想ナ○スが活躍する作品なんてリアルに寄せすぎると×。これくらいのファンタジーっぷりでちょうどよいと思えるのです。そのうえでやや無理筋な作品設定については流れてる哲学が荒唐無稽でなければ無問題と考えます。


其の一:{netabare}「コミー(commie)」と共産主義者を忌避/軽蔑する単語をターニャ筆頭にガンガン発してます。

「なんでお前らソ連と組んでんねん?」みたいな。
日本に視点移せば、大日本帝国が必死でソ連食い止めてんのに何してくれてんだ?の心境です。レイトカマーのアメリカがアジア利権にちょっかい出すために日本を外そうとして失敗。中華人民共和国成立など共産国家の台頭を許し、朝鮮戦争からのベトナム戦争と余計な結果になったよな、と。
やや盛ってこれくらい言ったうえで、「でも今は仲いいよな」とするくらいでちょうどよいのです。{/netabare}


其の二:{netabare}義勇軍?メアリー・スーも狂気を帯びたちょっと危ない人設定です。

「正義を振りかざしてどんだけ無茶してきてん?」みたいな。
仮想連合国の象徴みたいな存在にメアリーを持ってきた意図。合わせ鏡と思いなさい!{/netabare}



■ドキッとくる至言

トンデモ設定もあるにはあるけど底流がしゃんとしてると私は思います。
たまにグサリとくる高速ストレートありませんでしたか?

・{netabare}「無能な働き者か…やっかいだな」

序盤。メアリー・スーの上官がメアリーを指しての一言。

 1.有能でやる気のある
 2.有能でやる気のない
 3.無能でやる気のある
 4.無能でやる気のない

リアルの現場でも3.が最も厄介であり、組織を破綻に導く存在として心にとどめて置かねばなりません。覚醒するまではひどかったですからね、彼女。{/netabare}


・{netabare}「まずもって勝つことが大事 正しく勝たねばなりません」
 「でなければいずれ歴史に笑われます」

参謀本部にて後方勤務の希望を伝えた時のターニャ。
勝ったほうが歴史を作るのはまさにまざまざと見せつけられているのが我々現代日本人でしょう。つまり転生前のおっさんターニャの知ってる歴史。賢者は歴史に学ぶ。よって、次は勝たねばなりません。
「思考放棄した俺の勝ちね」くらいの程度の低さを露わにしてるのが我が国です。軍事研究なぞしませんとドヤ顔で発表してる横で北朝鮮の核開発のために亡命する教授を輩出した某帝国大学とかなんのブラックジョークでしょう。「勝つために考えること」と「行使すること」は違います。

ガラスを拳で叩き息巻くお偉いさんに戦の収め方のプランはあるか?と問うたターニャさん。正しく勝たねばなりません。先述、日本を叩き潰したことでソ連の増長や朝鮮戦争ベトナム戦争へと発展した結果を見るにアメリカにとって正しい勝利だったのでしょうか?

リアルではこれがなかったのが大日本帝国の最大のやらかしです。正確には正しい勝利ならぬ正しい敗北のプランニング。戦闘で敗北しても戦争目的を果たす困難な作業をです。ぎりぎりで國體が守れたものの結果オーライ。次は結果オーライにならないように真剣に考えましょう。

でなければいずれ歴史に笑われます。
令和初頭の日本人が未来の日本史の教科書でどう書かれているかみものですね。{/netabare}



■(オマケ)主題歌について

{netabare}TV版の主題歌をアレンジ加えてもってくる演出にしびれます。
ターニャ役悠木さんが歌う「Los! Los! Los!」。このへん「トラ!トラ!トラ!」をなんかしら意識したのだろうと、“LOS”を調べてみましたが、スタジアムの名前だったりタイ王国の愛称だったりビンゴそうなのはなく、そのまま“LOST(喪失)”くらいの意味合いで受け取りました。

注)他のレビュアーさんからの指摘でLOSはドイツ語で別の意味があるらしいです。{/netabare}



これ2期ないと詐欺ですよ。待ってます!



視聴時期:2020年2月 

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2020.02.26 初稿
2020.09.21 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 59
ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

超贅沢な一品(一部ネタバレタグで隠してます)

 語り出し。

 映画の中でも戦争映画は好まれて題材にされる.
 なんでかって今を生きる全ての人にとって、かつて戦争があった。その土台の上で私たちが生きているという事を大小はあれど認識を共有しているからに他ならない。まぁ現在でも内戦やテロとの戦いで命を落としている人もいるだろう。そんな誰しもに共有される戦争と私達は無関係ではありえない。

 アニメ化から劇場版までの感想(ざっくり)。

 この作品は原作は小説、それからアニメ化して映画化されたという流れではあります。
 アニメでしか知らないのでそちらからの視点で語ります。
 この物語の時代背景はおそらくリアルの世界でいう、第二次世界大戦をモチーフにしてもし、魔法という技術が発達していたらといったある意味SFではありますが、その魔法という設定においては神秘性があり神の力という形で表現されているのでファンタジーの枠を出れていない。
 ただ、この物語の良かった部分というのは、魔法でなんでも解決できるねよかったね。という所ではなく、むしろ魔法が使えない者たちの描き方が良くできている。これはリアルをなぞった形ではあるので、ファンタジーだけれどどこかリアルとの結びつきを感じる。戦争というものを詳しく知らない人(私)でさえどこかリアルに感じられる空気感が作品全体にあります。これはひとえに小説の著者の世界観の構築の上手さでもあると思うし、それをしっかりと映像化している製作者の人達の力も大きい。そんな恵まれた作品だと私は思う。

 ここまでは実際にテレビシリーズから劇場版までを見たざっくりした感想です。アニメ版の方のレビューはしてないしするつもりも今のところないので。まとめてやってみました。
 
 劇場版としての出来はどうなんだ。
 最高級ですね。
 
 映画としての構成が良い。
 映画は時間が限られるので、変に登場人物を増やして、感情移入を誘うことに時間を取られていると作品全体のスピードが損なわれてしまうので、なかなか見るに堪えないものになりやすい。
 新キャラはいるし、スポットライトを当てているけれど、アニメ版を見ている人にとってはどういう動機で行動しているのかというのがはっきりわかるようになっているし、久しぶりに視聴した私でも、あの時と関係あるんだなと分かるようにフラッシュバックを上手に使っている。これは演出が良く機能しているのでストーリーのスピードを落とさずに楽しめる工夫がしっかりある。
 映像作品としての掴みが素晴らしく最初から全開です。
 個人的に映画で最高の構成をしてるなと思っているのがクリストファー・ノーランの「ダークナイト」です。みんな好きだと思います。シーンに次ぐシーンの連続で息もつかせぬ展開力は素晴らしい作品なんですが、この劇場版幼女戦記も同じように良い構成と展開力を持っている。

 キャラの評価と物語の評価それと演出について。
 ここからは少しネタバレが激しいのでチョキチョキします。
 {netabare}キャラと物語の評価が低くなっている点についてです。これまでの物語ならば文句なく☆4か5くらいはつけているのですが、今回はちょっと映画という事で戦闘シーンが凄いんですが、もの凄いんですが…やりすぎたよねw
 デグレチャフを親の仇とするメアリさんはキャラとしてちょっと強すぎます。魔力の高さだけで、デグレチャフの練度を凌ぐというやり方をしなければならなかったのは分かるんですが、街中にビームどーんを連発しまくってさらに、近距離での被弾でも生き残る強さについてびっちゃけやりすぎて物語の根幹を揺るがしている。
 何で揺るがされるかって、最初に書いたように、この物語は基本的にデグレチャフの魔法無双なんですが、その他の要素をリアルにする事で見れるものにしてうるというバランス感覚が実は非常に難しいのではないかと感じております。
 魔法が技術や戦略の枠内のハマっている段階までは良いと思いますが、それをはみ出ると一気にただの無双ものに成り下がる。デグレチャフの対抗馬として、ライバルとして出すにしても今後脅かされる脅威位が妥当なのではないかと思いました。残念ながら単純な力ではすでに圧倒しているわけで、今後メアリさんが兵士として成長するという余白がもう無いよなーってなりました(あっても描くのが難しい)。そういう意味で、キャラの描き方と物語の評価が下がりました。んでもって演出も過剰になっていると思われます。
{/netabare}

 背景がメチャクチャすごい!!パーツの作りがスゴイ細かい!!
 もうね、見てほしいです!マジですごい。
 しかもね、戦闘中のカットでちゃんと背景をカメラ(便宜上)動かして映像から伝わるスピード感を演出している。めちゃカッコいい。進撃の巨人越えたなってなってます。街中の戦闘の素晴らしさは見なければ損です。
 さらにこれまで以上に飛行機や大砲の書き込みが素晴らしいんです。さらに大規模空中戦をしているシーンなんかはもう圧巻です。
 第1次世界大戦でおなじみ塹壕戦での戦い方など、しっかりと書き込まれていて映画見てるなーってなります。アニメならではの絶望的な物量で攻められている感の出し方が上手いなと感じた次第です。

 脚本に関して
 タバコや酒の話をしっかり描いて良かった。個人的には戦争映画(アニメとは違う)に特にタバコは欠かせないものだと思っている(私は吸わないけれど)。
 セリフも良いんだけれど、細く入る感嘆語、感動詞ともいうのが良くて、こういうのが入るだけで、キャラクターの肉付きが良くなる。
 デグレチャフ演じる悠木碧さんの小さく鼻で笑ったような声が面白いし可愛い。他のキャラも同じことが言えますね。セレブリャコーフ演じる早見さんのため息とかも最高です。はい。

 かなり自分の趣味に寄ったレビューですが、まぁそういうもんですよねw
 個人的にすごく楽しめた映画でした。
 作画や背景、各パーツの書き込み。ネタバレのところでも書きましたが、市街戦の作画は本当に凄くて、それだけでなく、大規模空中戦も凄い。
 ストーリーが…とかそんな事はどうでもよくなる位には圧巻です。
 見ないと損です。ぜひ見てみてほしい。ストーリーも追いかけたくなったらアニメ版も見てみると良いかもしれません。そっちはそこまで保証はできないですけれどね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

66.3 3 リーダーで戦争なアニメランキング3位
劇場版マジェスティックプリンス 覚醒の遺伝子(アニメ映画)

2016年11月4日
★★★★☆ 3.8 (71)
294人が棚に入れました
宇宙に進出を果たした人類は、数多の資源小惑星を手中に収め、その未来と繁栄は約束されたかに思えた。しかし、汎銀河統一帝国を名乗る謎の勢力“ウルガル"が襲来し、地球は存亡の危機に。遺伝子操作によって戦うために生まれた5人の少年少女、イズル、アサギ、ケイ、タマキ、スルガの「チームラビッツ」は、最新鋭の戦闘デバイス「AHSMB(アッシュ)」で戦いを挑み、最終決戦においてウルガルの部隊を退ける。その戦闘によりイズルは…。そんなチームラビッツを、新たな外敵、新たな戦いが待ち受けていた―。

声優・キャラクター
相葉裕樹、浅沼晋太郎、日笠陽子、井口裕香、池田純矢、渡辺明乃、沢城みゆき、伊藤静、東地宏樹、藤原祐規、三瓶由布子、杉田智和、斉藤壮馬、代永翼、雨宮天、鈴木愛奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

超高速巨大ロボバトルをスクリーンで堪能できる至福

まずは、本日で予定された二週間の限定上映期間が終わっていく
極めてザンネンなタイミングで、
劇場鑑賞レビューを投入する尊氏の間の悪さをお許し頂きたいですw
二週間限定だと照準を合わせるのが難しくて(汗)


物語はそんなに緻密で濃密な内容があるわけじゃありません。
大体、ロボットアニメのプロットなんて元来、
イズルのヒーロー漫画並みにお約束のテンプレート。
そこを捻り出すと、ロボットアクションアニメとは異なる哲学アニメになってしまう。
勿論、ロボの皮を被ったハードコアSF作品や詩的で青春文学的な作品も魅力的で、
そういう味付けは私も大好きですが、
私が『MJP』に求めるのはソレじゃないです。

……と言うより『MJP』のバトル以外のシーンは
八割方、味付けの濃いキャラたちによるネタで出来ていて、
それこそが本シリーズの個性だと私は思っていますのでw


よって、私が映画館にギリギリ滑り込んだのは、
リアリティ等に過度に束縛されない、
むしろネタに押し流されるまま、フルスイングされた痛快ロボバトルに放り込まれていく。
『MJP』の作風の極致を体感したかったから。

そして、その欲求は十二分に満たされました。
小難しいことは考え過ぎず、ネタとロボットを堪能したい人にとっては、
大満足できる劇場版だったと思います。


果たして…… {netabare}急造リーダーに祭り上げられたアサギの胃腸は持ち堪えられるのか?
宇宙レベルのパティシエ?ケイによる戦慄の新作スイーツは何をもたらすのか?{/netabare}


ネタとロボの覚醒をもっと大勢の保護者やアニメファンの皆さんに味わって欲しいから、
私は上映期間延長を是非とも望みたいわけですが、
私が行った上映回、観客動員数がザンネンファイブじゃ厳しいことは分かっていますw

……いや、それでもオレは例えばロボット兵器は莫大な予算食うから無駄遣いだとか、
このアニメは円盤売上が二期可能ボーダーに達してないから続編はないとか、
そういう野暮なことを言う経済評論家になどなりたくはない。

帰還を待ち望む熱い想いこそが奇跡を起こす。そう信じたいのであります!


……と、無駄に熱くなった所で、ここでさらに余計な一句をw


 ロボットは 算数じゃない 情熱だ!
               #ザンネン五七五


マジェプリ二期……決まるといいな……。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

のか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

TV版のその後のお話し。完全新作だよwww

原作既読 

あらすじ・・・
TV版のマジェスティックプリンスのあらすじを見てください。

さて感想を
やっと某レンタルショップで借りれました。
いつ行っても無かったんですよね^^;

さて内容ですが・・・
ちょっと残念かなwww
うん、劇場ではなくDVDで良かったってぐらいのレベルですかね。

理由としてはTV版のアフターストーリーという事で色々期待しちゃったんです!
でも、(あぁ~)って感じですかね。
バトルシーンなどは(さすが劇場版!)って感じでめっちゃ良かったんですよ。
内容がもう少し……( ̄~ ̄;) ウーン
期待しすぎちゃったかなって

何と言うか、TV版最終回をもう1回繰り返し見たって感じなんですよね。

コメディ成分は相変わらず満載!
そして最後もイズルだけじゃなくチームラビッツのみんなが・・・
あとはご自分で視聴して確認してくださいなwww

作画は本当に凄かったですよ!
地球での戦闘シーンは超が付くほど綺麗で迫力があります!
バトルシーンは劇場で見たかったって本当に思います!

キャラは相変わらずで、面白い!
全員(搭乗員やクルーも含め)が良い味を出していますよ。

声優さん文句なし!俳優さんも頑張っていました。

音楽良かったですよ。
所々、場面にフィットする音楽が流れ良かったです。

TV版の続編です
完全新作なので、TV版を見てないと意味すら分かりませんよ。
なので、視聴するならTV版を制覇してくださいな。

内容は王道で(これがマジェスティックプリンス)って感じですね。
マジェプリファンなら楽しめると思います。

この作品、あにこれだとあまり評価高くないんですよね・・・
ロボットバトル系が好きな人なら、ハマると思うんですけどね。
まだ視聴してない人はTV版から劇場版まで是非ご覧ください。
期待は裏切らないと思いますよwww

では最後に一言
絶望した~!劇場版の後の物語が見たいって思う自分に絶望した~!
綺麗に終わっているのでその後の話は怖いですが、でもやっぱりちょっと見たい~。
でも、つまらなくなりそう・・・絶望した~!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

TVシリーズ以来3年ぶり、完全新作の劇場版だよ!お兄ちゃん!

待ちに待った劇場版でしたが、期待通りの出来栄えでした。
敵ウルガルとの最終決戦ではなく、太陽系に取り残された残存部隊との戦いなので、
スケール的には小じんまりした印象は否めませんが(上映時間が約80分しかない時点で嫌な予感はしてた)
実際見てみるとこれぞマジェプリといった感じで、TVシリーズを視聴した時の熱がこみあげてきましたね。

マジェプリの魅力は
・シリアスな設定や描写を引きずらずにギャグで落とすところ
・視聴者目線でなく保護者目線で見守りたくなる危なっかしくて愛らしいキャラ
・オレンジCG班による超絶メカ戦闘

特に本作は劇場版だけあって戦闘作画はとんでもないレベルに達してますね!
アニメにおける「高速の動き」って光がビュンビュン飛び交うだけの誤魔化しがよく見られるんですが、
マジェプリの戦闘は精密な動きまできちんと描写されてる点が素晴らしい(しかもそれが長時間続く)。
更に本作は「緩急」の織り交ぜも効果的で、絵の動きのみならず「魅せ方」にも拘りを感じました。

{netabare}覚醒したブルーワンの殺陣シーンは格好良すぎでしょうよ。
のっしのっし・・・からの超ダッシュで上空へ駆け上がり敵機を薙ぎ払う一連のシーンは何度見ても痺れる。
終盤の戦いの舞台がTVシリーズでも好評だったラベンダー畑なのも個人的に良かったです。
美しい空と雲と花畑の中での激しい戦闘ってのが、コントラストが映えに映えて思わず見惚れてしまう。{/netabare}

本作をもってTVシリーズから続いた第1期が終了したって感じですかね。
まだ物語的に消化しきれてない部分や伏線もあるので、続編に期待したいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
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