不器用で先輩なおすすめアニメランキング 11

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの不器用で先輩な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月09日の時点で一番の不器用で先輩なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.7 1 不器用で先輩なアニメランキング1位
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (729)
3245人が棚に入れました
過去のトラウマと、独自のひねくれた思考回路によって「ぼっち生活」を謳歌しているように見える比企谷八幡は、ひょんなことから生活指導担当教師、平塚 静に連れられ「奉仕部」に入部する。同じ部に所属する息を呑むほどの完璧美少女・雪ノ下雪乃や、クラスの上位カーストに属するギャル・由比ヶ浜結衣とともに、クラスメイトの人間関係の問題の解決から生徒会の手伝いに至るまで、数々の案件をこなす毎日をすごしていた。季節は移ろい、春。雪乃から最後の依頼を受けた八幡と結衣。3月の卒業式を控えた中、いろはからブロムの協力を求められ…。― 本物を求めた八幡は3人の関係を変えていく。果たしてこの先、彼の高校生活はどんな結末を迎えるのか!?

声優・キャラクター
江口拓也、早見沙織、東山奈央、佐倉綾音、悠木碧、小松未可子、近藤隆、檜山修之、柚木涼香、中原麻衣、井上麻里奈、ささきのぞみ、小清水亜美、堀井茶渡
ネタバレ

tag さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

比企谷君、本物は見つかったかな?+裏バージョンレビュー

1期、2期のレビューを更新するうち、3期には裏バージョン(ネタバレ本音バージョン)のレビューが必要と思い。加筆、評価替えしました。
見ていない方は絶対開かないでください。

ここから裏バージョンレビュー
{netabare}
3期通しで見ると、雪乃と八幡の間の関係は、そのセリフ通りに受け取れず、見た目と実態がかけ離れているのではないかと思える部分が多々あります。
見た目は最後にやっと恋人同士ということですが、これも、実質的には婿養子決定と取れなくもないです。以下の1-3期通して二人の関係変化ポイントと“本当の”状態を考察したものです。

1期1話の奉仕部での初対面会話が弾む(見た目は弾んでいないが)時点:
⇒友達承認(セリフは速攻却下だが)
1期、普通は男子と一緒に絶対行かない雪乃が自ら誘って八幡とモールに買い物に行くシーン
⇒友達以上の存在であることを承認(ただ買い物しただけににしか見えないが、一緒に買ったエプロンはずっと使い続ける)
1期12話で再び奉仕部で友達承認を求める八幡を拒否るがウインクで返す雪乃時点:
⇒好意(好き)の表現(再び友達承認さえ拒否ったように見えるが、雪乃のウインクは相当な勇気が必要)
2期設定ディズニーランドのスプラッシュマウンテンの降下ポイントで袖を指で摘まんだ時点:
⇒雪乃からの恋人認定(単に恐怖から摘まんだようにしか見えないが、その写真は枕元にずっとしまっている)
3期10話でプロム後片付けから帰る八幡の袖を“握って”離さなく、ウルウルした瞳で見つめる時点:
⇒雪乃からのプロポーズ(言葉では別のことを言わんとしているように見えますが、行動は真逆の意思を示している)しかし八幡は優しく立ち去る
3期11話で八幡の5分間告白を受諾時点:
⇒八幡からのプロポーズ受諾(これは言葉と行動にしているので明白)
3期12話のほぼ無双している雪乃
⇒婚約・結婚式(八幡の婿養子入り)と新婚状態(雪乃を束縛する問題は全て解け、素の彼女が出ている、言葉と行動の乖離は消失)

これらは、ハッピーエンドに向かう、ポジティブ面を中心にシナリオを追ったものです。この見た目と本音の乖離が物語を面白くしているのですが、同時に難しくしている面もあります。その難しさの源泉がこの乖離でもあり、ネガティブ面のシナリオです。それを解く鍵が雪乃と陽乃の心理状況にあります。

・雪乃はなぜ、こんなに分かりづらい(面倒くさい)のか?
多分、これが、この物語の最大プロットであり、面白さの源泉です。その割には暗く、苦しいプロットではあります。
家族との関係性に問題があることは陽乃や平塚先生の会話などに1-2期にも表れますが、雪乃の口(特に海浜公園からの帰り道)から語られるのは3期になってです。また、陽乃の口からも語られます(海浜公園の夜、八幡を待ち伏せて)。ここから雪ノ下家の家庭環境、そこから来る、雪乃の心の問題が見えてきます。

・家業は姉が継ぐとなっており、自分はほったらかしで、重要視されていない、期待されていない(と思っている)
・期待されていない人生を過ごしていたので、強い承認欲求があり、期待される姉を後ろ姿を追っていた。
・自分は父の職業に興味を持っている。でも、家族に言ったことはないか、言っても取り合ってもらえなかった(しかし、これも承認欲求から来るもので、ほんとに姉、父と同じ方向に行きたいか微妙)
・結局、子供のころからの、ある意味“ネグレクト”で、普通持っているべき最低限の、「家族からの承認、信頼と安心」をもらっていない。心のよりどころがないため、自我が、とても弱く、攻撃されないための鎧をかぶっている。
・姉のコピーを目指すことでしか「自我の鎧=アイデンティ」を保てなかった。それでも満たされることはなく、常に自分(自ら納得したアイデンティティ)を探している。承認不足から自信がなく、これまで作りえなかった。
・これが、対人恐怖や、恐怖から逃れる(自分を守る)ために心とは裏腹の言葉(論理的、攻撃的ストレートトーク)でしか話せなくなった。
・軽度の解離性同一性障害ともいえる。「言葉として出る対人恐怖からの防御をつかさどる」人格1と心の中の本音としての「強く承認、信頼、安心を求める」人格2が同時に存在している。
・本来は一つになって(最終話の雪乃)、感情と言葉が一致し、強固な承認、信頼、安心に基づいてアイデンティティ作りを始める必要がある。最終話の段階でのアイデンティティはまだ形成されていないが、二人で作ってゆく準備はできている。
・そのため、雪乃の反応が劇中で非常に分かりづらい。言葉と心情が別なので、見たまま、聞いたままで理解すると、本音を見誤ることになる。
・一方、正直でストレートな対人関係(=本物)を探し続ける八幡にとってはとてもフィットし、最初の会話で好きになっていた。しかし、だんだんと、雪乃の心の喪失を知り、恋ゆえに、それを埋めて、助けたいと思うようになった。
・初めての相手からの好意を受け取った雪乃は、人格1だけで普段は過ごすのですが、八幡との間では人格2が出て来るようになります。「それが楽しかった。生まれて初めてだった」と3期で述べます。一方、乖離現象が明確になり、これがこの物語の理解を難しくします。3期の乖離は激しく、かつ分かりづらい。
・この乖離現象が端的にでるのは3期最初のプロムの終了後、帰ろうとする八幡を雪乃が追い、袖を掴んで止めるシーンに現れます。言葉では、「だから。。(わたしたちの関係を絶って、結衣の願いをかなえて、自分は大丈夫だかから)」と言うのですが、心の反映である手は、八幡の袖を掴んで放しません。八幡に腕を触られてはっと気づくのですが、それでも放しません。八幡はこの段階ではまだ、自分を何をすれば、雪乃を救えるのか分からないのでそっと指をほぐし、振りほどきます。八幡にゆっくりほどかれた腕を抱えて呆然と立ち尽くす雪乃。もう少しで人格2だけで言葉が出そうでしたが、それでも無理でした。八幡は問題の根深さを強く再認識し、最終章へと向かいます。
・結局、人格が統合されることは八幡の告白までないのですが、人格2を八幡には出せるが故に、返って言葉と心の乖離が頻発するシーンがこの物語には多い。それが2期で関係がどん底まで下がった時に雪乃の言葉「(自分を)分かってくれていると思っていた」に集約されます。人格2が出ているのに、信頼する八幡には理解されていない、やはり自分の心の喪失は埋めてもらえない。しかし、この後も八幡に期待し続けます。このような関係修復と関係破綻を繰り返しが物語を作り出します。
・八幡にとって、雪乃との単なる関係のみが本物ではなく、雪乃の心の喪失を埋め、助け、助けられる関係になることまでが、彼の求める本物であることに、周囲の助けもあり徐々に気づき、ラストの告白へとつながるということを、観衆に伝えたかったのではないかと思います。
・本来、家族が普通に埋めているはずの心の基盤となる承認、信頼、安心を彼が埋めなきゃいけないので、彼は「全部やる」と告白する必要があった。つまり、雪乃の家族になる覚悟を見せる必要があった。
・そして合同プロム終了後の「好き」発言は、八幡の長い長い告白により、雪乃の基本的承認、信頼、安心が満たされ、人格が統合され本当の雪乃になれたことを意味します。

陽乃“も”、なぜ、こんなにめんどくさいのか? ~平塚先生の最終講義、八幡の告白内容の理由へ続く~
・既に分かるかと思いますが、アイデンティティを強固に持っているように見える陽乃もそれは母親から強制されたモノで、自分のモノではありません。そのようにした母親を憎んでいます。
・「いろんな事を諦め、大人になる」と自分に言い聞かせ、雪乃ほど解離性同一性障害にはなっていないように見えますが、症状は同じです。
・葉山との会話で葉山が「そんなに(母親)を憎んでいるの?」と問い「いえ、大好きよ」と言い返します。言葉と心が乖離していることを陽乃は認識しているのでしょうが、一致させられません。
・1-2期では、雪乃に自己・自我の形成の問題を指摘し続ける嫌な存在です。3期では共依存に基づく八幡との関係を絶ち、自己・自我を作りなさいと脅迫します。これらは全て母親との関係における陽乃自身へのメッセージです。八幡を母親と言い換えればよいだけです。妹は自分と同じになってほしくないと思いながら、結局、自分と同じなるよう強要し続けます。ですが彼女も解離性同一性障害です、言葉と本音は違うはずです。
・そんな陽乃を平塚先生は高校時代から知っていて、お互い強い信頼があるようです。海浜公園の夜、タバコを吸う誰かと深酒していますが、これは平塚先生だと推測されます。平塚先生は雪乃と同様に陽乃も救いたいと思っています。劇中でほぼ描かれませんが。平塚先生と飲んだその夜、八幡との会話ではお姉さんとして、「雪乃の考えを尊重してほしい」と言います。同時に「八幡のようなお兄ちゃんが欲しかった」ととも言います。「君は私と同じで酔えない」とも言います。平塚先生との深酒により、いつになく本音をしゃべっています。
・この三つの陽乃の言葉は、「雪乃の心の喪失を埋めようとしているのを理解してほしい。」「自分も同様に喪失している」「君なら私同様、この状況を理解できるよね」と読み替えることができます。
・この後、陽乃はいつもの調子に戻り、「共依存から逃避を辞めるため八幡との関係を絶つべき」と言う論調に戻ります。しかし、最初のプロムの終了後の八幡との会話では、「本物の関係になるため、共依存を乗り越えろ、それが人を傷つけることでも」と言うトーンに変わります。そして最後の言葉は「本物なんて、ほんとにあるのかな?(私も本物が欲しかったな)」です。やっと陽乃の言葉と心情は一致し八幡にメッセージを伝えます。辛うじて、陽乃の本音は「自分みたいな共依存の中でいろんなものを諦め、偽物になっちゃいけないよ」だと取れます。
・この直後、平塚先生による八幡を告白へと誘う最終講義がバッティングセンターであります。八幡は共依存を乗り越える言葉(「全部やる」ことで雪乃の基本的承認、信頼、安心を作る=家族になる)を紡ぐことになります。長い長い告白ですが、言葉のほとんどは、雪乃の心の喪失を埋めるため、自分の全てをささげると、何度も何度も繰り返します。ひたすら“渡す”ことだけです。普通に考えれば、恋愛や家族関係は渡し/渡される関係にも関わらず。それは満たされてからでよいと八幡は思っています。雪乃は普通の「好き」と言う言葉を求めているように見えますが、八幡はしません。何が必要なのか、100%分かっていたのだと思いますし、それには覚悟を見せる必要(何度も繰り返し、雪乃に自分の本心であると安心させる)があることも理解していました。
・劇中では、分かりにくいですが、陽乃と平塚先生の連携プレイです。二人はこの事を事前に話していたのだと思います。

言葉と心の乖離がこの物語のメインプロットであり、それが故に、観衆は、なんで、そう言っていたじゃん?と混乱する。なんとなく、だんだんに素直になってきたねと喜び、最後の八幡の告白と雪乃の幸せそうな笑顔で救わるのですが、背景を深堀すると、中々に重たいものがあることが分かり、物語の理解を深め、また別の面白みを感じることができます。
{/netabare}
”裏”終わり、表バージョンレビュー開始

随分と、時間差で見てしまいました。1期、2期が中々に心に残り、3期は少し嫌な予感というか、2期の感想でも書いたのだけど、完結編は、ただのラブコメかもと思ったと言うのもあります。

結論から言うと、3期はただのラブコメではなく、”表題通り”のエンドロールのような、でもこの物語の主題に忠実なラブストーリーでしたね。悪い意味ではなく。

「本物が欲しい」と告白した主人公。1期、2期にわたる逆説的主人公の動機と行動という伏線があるからこそ、観衆の心に響きます。別に高校生だからでもなく、どの年齢でも、その”本物とは?”と言う問いは人生において、様々な場面で引きずり続けるから。

この完結編では、一気に登場人物たちの恋愛関係に焦点が移ります。ただ二人、この”本物”というものに強く引っかかる、主人公とヒロインたちの中の一人を除いて。

既にオジサン真っ只中の私も、少しの家族のことを考えました。物語中「共依存」というキーワードが出てきます。この共依存、Wikiによると。「アルコール依存症患者とその面倒を見る近親者との、相手がいなければ生きてゆけない、自分が必要とされている事の証、アルコール中毒という病でさえ、その状況を作り出してくれた必要なこと」と言った良くない事として説明されます。例えがアルコール依存症を題材にしているのでこうなるのですが、そうでは無いポジティブな事柄だったらどうでしょう?「共依存」と「恋愛、家族、夫婦、深い友人の間の関係」との違いは実は曖昧です。実際、Wikiでも精神的な病とは述べておらず、そう言う言葉・状況があると、それだけです。自分と家族の関係も「共依存」と呼べばそうだが、そんなに悪いものかねと、自問自答した次第です。(まあ、このワードも逆説的な引っ掛けではあるんですが)

主人公とヒロインの一人は「本物」と言うことを劇中、最も純粋に捉えようとします。なので、「共依存」という言葉にも強く反応してしまう。本物であるためには共依存から脱しなければならないと。

主人公が頬を自分で引っ叩くシーンがあります。そこで彼は、自分の本物の感情を吐露します。この感情は共依存といった”ラベル”を付けて納得する事じゃないと。(このきっかけを作ったのが、劇中、他のキャラから投げかけられた共依存という言葉なのですが。逆説的だな、これがまた。)

「言葉では伝わらない、言葉にしても伝わらない」と言う言葉が劇中頻出するのですが、一方、言葉は人の意識を支配する道具でもあります。「共依存」と言う”ラベル”を貼れば、そして最もらしい傍証が揃っていれば、本当はそうでなくても「共依存」であると信じてしまいます。知識と知恵があるからこその誤解です。今回は、こうした誤解を逆に活用、「ラベルを剥がす」という行為により主人公を一皮むけさせます。彼らしくない、言葉を尽くして、自分の感情を語らせる原動力とします。

さあ、ラベルをはがした主人公は、ヒロインの一人に向き合います。

実は、その前の回のシーンに、ヒロインは、主人公に図らずも接触してしまいます。その時、言葉ではこれまで通り、「関係を終わりにしよう」と言おうとするのですが、(実際は具体的なことは言ってなくて、「だから・・・」と止めている。両義的に取れるのですが。これまた面倒くさいですが脚本と演出の妙技でもあります。)実際のところ、彼女は、行動と表情で「本心=本物」を表してしまうシーン(作画、妙に気合入ってました。まさに両義的な顔をしてました。)があり、主人公は、多分、表情や行動で本心を分かっていて、それでも、その時は優しく拒絶します(この演出も中々!)。これまた、純粋に本物を追求し、ロジカルモンスターならではの反応(共依存を断ち切ることが、彼女のためである。自分は実のところ納得していなくても)で、非常に興味深いシーンです。

さて、ラベルを剥がした主人公のターンです。今度は、主人公がそのヒロインがやったシーンを上書き(これまた憎い演出です)します。しかし、今度はちゃんと言葉にして。でも「共依存」というラベルワードではなく、彼らしい、不器用で、何故かロジカルな言葉を尽くして(都合5分に及ぶ告白シーン)。ヒロインはちゃんと、ラベルワード(共依存ではないですよ。お互い共依存と言う呪縛を解いたからこそ効果を発揮する別のラベルワードです)を言ってと頼むのですが、本質追求&ロジカルモンスターの彼は言いません、いや、言えませんでした。彼には、このラベルワードを使うことに強い抵抗があります。自分の想いはラベルワードでは語れないと。まあ、ここはヒロインが折れるのですが、ヒロインはヒロインで負けず劣らずのパワフルな言葉で返します。

表題通りのエンドロールと申しましたが、物語はその主題に忠実です。主人公の彼らしい、とても誠意を尽くした告白でした。いやはや、自分(私のことです)の時はここまで言葉を尽くしたかな?主人公に負けず劣らずめんどくさい性格と自負していたのですが、反省しきりでした。でも、この物語らしい、「本物の告白」でした。

{netabare}
まあ、告白は、ほとんどプロポーズみたいでしたが、本物追求主義者の彼からすれば、そうなるのは避けられないかなと。そしてそれに返したヒロインもプロポーズ受諾でした。まあ、本物の告白って、やっぱりこれですかね。

追伸:
比企谷君、雪ノ下さんは、ちゃんと「好き」とラベルワードを言ったのだがら、やっぱ、君も、ラベルワードが嫌いでも、ちゃんと言わんとね!
{/netabare}

世の中がコロナですさんだ感じになっている今、ハッピーエンドの物語は良いもんです。

最終話のヒロインのその一人の”破壊力”が凄まじく、もう既にOver50ですが、かなり心と自らの切ない記憶を揺さぶられました(笑い)。思わず、再視聴。少し加筆し、評点を上げた次第です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

完結に、感謝。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
累計部数1000万部を超えるラノベが原作のアニメ。これだけラノベが売れてるっとことは、キャラクターやストーリー、言葉選びが素晴らしいということ。

アニメは、制作会社の変更などありましたが、足かけ7年、全37話を費やしての完結。個人の好き嫌いは当然あるでしょうが、まず、スタートから最後までこれだけきちんと描かれる幸せな作品自体が珍しく、それだけ多くの人に愛されたとは言えるでしょう。

やっぱり、物語は完結まで観るとスッキリするね。1期、2期と観なければ全くついていけない3期です。連続の視聴がオススメ。

個人的には、かなり好きな作品です。本作が、他作品と少し違う部分を、そして、「本物」についての私感をレビューに書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
このアニメって、ラブコメには珍しく、「主人公(男)」を観るアニメだと思う。

本作の良さといえば、ヒッキーこと比企谷八幡のひねくれた、でも筋の通った独特の思考回路。から生み出される、奉仕部の2人や妹との会話の面白さや、劇的なストーリー展開。

雪乃も結衣も、単純に魅力的なヒロインですが、そこにプラスして、「ヒッキーの良さに気付けた(ヒッキーに惚れた)」という点の好感度の高さも大きいように思います。「ただ可愛い」だけじゃなく、「いい女」的な要素。「本質を見抜いてくれた」ってところ。

また、本来は交わるはずのない、太陽と月のようであった結衣と雪乃が、互いを深く理解し、支え合い、「ライバル」「親友」になっていく過程。

いろはす、小町、先生、川なんとかさん、など、個性豊かで魅力的なサブキャラ。

これらの交差点の真ん中にいるのは、間違いなくヒッキーで、彼の個性なくしては成立しない物語であり、定番ラブコメの要素を持ちつつもオンリーワンの作品になっていた。

だから、この作品の肝であるヒッキーから、1期、2期、3期と、微妙に異なる印象を受けるところを、どう見るかというのが、評価のポイントになると思う。

1期と2期は制作会社が変わったことによる作画や監督の違いもあるし、2期と3期は間が空きすぎたのもあって、声優の演技やキャラクターに微妙な違和感を感じた。

簡単にいえば、ヒッキーの陽キャラ化・リア充化、豊かになる感情表現を、どう見るか。

それを好意的に捉えれば、奉仕部での活動を通して、ヒッキーが成長したということ。

否定的に捉えれば、世の中に迎合して自分らしさを捨てた、ひよったということ。

私は、最初は(特に2期の時は)否定的に捉えていて、「なんか普通のラブコメになったな」と、残念に思っていたものだった。それだけ、1期の「嫌みを言っているようで、実は相手を気遣っている」「けどたまにガチで卑屈なだけ」のヒッキーが好きだったということ。

んで、この3期を観てて思ったのは、雪乃も結衣も、1期の「らしさ」を失っていること。

雪乃の他者を完膚なきまで叩き潰すまでの万能感。結衣の他者に気を使いながら周囲を明るくするギャル感。

雪乃は弱くなり、結衣は暗くなった。

これを、初期の3人の方が魅力的だったかと問われれば、「アニメキャラとしては」そうかもしれない。でも彼ら彼女らは、自らとは異なる、でも共通点を持つ奉仕部の面々と関わるなかで、自分にないものを獲得、、、というより、1期の姿は多分、作っている自分であって、強がっていた自分であって、彼ら彼女らの「地(本質)が出てきた」のだと思う。

元々、ヒッキーは優しくて良い奴だし、雪乃は弱くて怖がりで、結衣は暗くてネガティブだった(そういう部分をもっていた)。

これは作中で平塚先生が言っていたが、彼ら彼女らは「表現が下手」なのだ。彼ら彼女らは、本質的には1期の頃から何も変わっておらず、その表現方法が変わってきただけのように感じた。

彼ら、彼女らが、自身の内側にあるものと対峙しながら、素を出せるようになったことは、確かな成長である。「普通になる」ことは、アニメキャラとしての魅力は薄れるものの、「1人の人間」としては好ましいものであり、素直に応援できるものだった。

特に印象的だったのは、由比ヶ浜結衣。

私が「負けヒロイン好き」であるということもあるが、本作の結衣は、切ないし可愛い。報われてほしい。最終的には負けが決まっているからこそ、本作の中では雪乃以上に丁寧に扱われていて、制作の思いが伝わった。ガハマさんが泣くたびに、こちらもせつなくなって、いつかガハマさんには、ヒッキーごとき(笑)ではない、普通に素敵な人と結ばれてほしい。

最後に、本作がずっとこだわってきた「本物」について。

あねのんなんか正にそうだけど、「本物」と「正解」がごっちゃになっているのかな?と思う。大体、異常に本物を求める人って、自分が納得できることは本物で、納得できないのは偽物なんだよな~と思う。

よくある、女子が「どっちの服似合う?」と聞いて、気に入っている方を選ばないとダメみたいな、アレに近い。

私は、「本物」に近い言葉は、「正解」ではなく、「大切」なんじゃないかと、本作を観ていて思った。

捨てようとしても捨てられない、大切なもの、思い。本作で言うなら、ヒッキーと雪乃と結衣が互いに抱く思い、存在は、紛れなく「本物」だと思う。

そして、ヒッキーは自分の思いを「最後まで疑い続ける」ことを宣言した。剣道を含めた「道」の文化とは、「追求し続けること(常に道中)」であること大切にしている。一生疑い続ける覚悟。よほど「大切」じゃないとできない。「一生疑い続ける」というのは、「一生向上を目指す」ことと同義である。

第11話の「人生を歪ませる」なんて、ヒッキーにしか言えない、素敵な告白(プロポーズ)で、上記のような覚悟を感じた。しかも、そこが最終話最終シーンでもいいところ、12話の最後をガハマさんにするのがね、本作に対する制作の愛を感じるところで、剣道部的にポイント高かったです(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
新規の視聴者を完全に無視する展開に、なんだか逆に好印象。本気は感じる。パカパカ携帯電話に時代を感じる(笑) 会話のセンスは変わらず良い。もうそんなに記憶がないけど、ヒッキーってこんな感じだったっけ?

2話目 ☆3
アニメを作るというより、ドラマを作ってる感じ。ストーリーをガッチリ描くことに心を砕いてる感じ。

3話目 ☆4
いろはす回。あざと可愛いな~相変わらず。嫌みをいっているようで、相手を気遣っているヒッキーは、なんからしいな。ダンスの時のガハマさんも、愛しさとと切なさと心強さと(笑)

4話目 ☆5
謝恩会は卒業生のものだけではない、SNSの意見だけを見ない、など、かなり正論ではある。がはまさんの涙は切ない。「いつか守ると約束したから」という台詞に、自分のもとを去ってゆきのんのところに行くという象徴的な出来事で、どうしようもなく流れる涙を笑顔と軽口で隠す。挿入歌に独白。満点!

5話目 ☆5
協力はしないが、勝負はする。いろはす、流石だな(笑) 本来はプロムに対して主役のはずのいろはすが蚊帳の外にいるという悔しさ。

6話目 ☆4
ガハマさん、ベタ惚れやな(笑) 汚れ役を買って出るのが、ヒッキーな。材木座、久々。海行きたいんだね。ガハマさん、眠ったふりをし、ヒロイン力パネェな~。

7話目 ☆3
まさか、分かりやすくなってる(笑) ラップは、、、いらないな~作風的に。横文字不使用で充分に笑いはとれていたから、あれ以上は不要かな。ヒッキーを求めてマッ缶を買うか。なんか素敵。

8話目 ☆4
ここで交通事故持ち出すか。母親に気に入られて、嫌そうだった(笑) ゆきのん、涙だな~。ガハマさん、どう身を引くかだな。

9話目 ☆3
葬式、ある意味正解(笑) ガハママと、ママノンの対決を見てみたい、というか、友達になりそうだな(笑) 

10話目 ☆4
いろはす、良い女、いや、悪い女だ(笑) ていうか、高校生、社交ダンスなんかできねぇだろ。しっかし、イケメンと美人にしか優しくないイベントだよな、プロム。ゆきのんとの、軽口の応酬がなんとも切ない。あねのんが全てを難しくしてるよな~。本物を求める人って、自分が納得できることは本物で、納得できないのは偽物なんだよな。言葉では定義できない思い。静先生、素敵だな。

11話目 ☆5
全部引っくるめて、君が好き。そのシンプルな一言を言うために、遠回り遠回り。人生を歪ませるというプロポーズ。

12話目 ☆4
お前ら、付き合いたてのカップルか!って、付き合いたてのカップルなんだよな(笑) 距離感を見て察するいろはす、と、いろはすに蔑まれて悦ぶ奴ら(笑) 本当にサウナに行った(笑) バスタオルの巻き方(笑)  いろは、ガハマさんをそそのかすなや(笑) そして、的確に麻雀に例えるなや(笑) 三角関係の維持、は確かにおとしどころ。いろはすと小町の極悪同、、、小悪魔同盟(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43
ネタバレ

食前酒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

本格ラブコメ完結しました

【第十二話】(総評も含みます)
{netabare}最終回です。面白かったです。Aパートプロム会場下見という名目の比企谷とゆきのんのデート展開。まずゆきのんの私服も久しぶりに見たし、髪形も特別仕様で可愛かったね…。タピオカのときに二人で写真撮るところとかゆきのんも結構大胆なことしててうらやましすぎる比企谷。今まで結衣とのプライベートでの関りは多かったけどゆきのんはほぼほぼ無かったから今回の二人のデートは新鮮だったしレアものです。Bパートはプロム本番で、あんな高そうな会場を高校生が借りれるか?とか思いながらも話は進み、小町が高校の制服姿で登場したり、プロム実行の男子勢が突然サウナにいったり急展開はちょっとあった。多分原作ではもっと解説的な補足があるだろうけど…そこは最終話だから仕方ないか。最後はゆきのんの逆プロポーズもあったし、一期OPのユキトキも流れたし、最後の結衣の復活からの比企谷タイトル回収もよかったと思います。比企谷、ゆきのん、結衣メイン三人の収め方ももちろんよかったですがいろはや先生の締めどころも私的にはちょうどよかったと思います。いろはは中盤の小町との話の中で比企谷を思っているニュアンスを感じたし、先生も最後に比企谷と二人で踊って去り際はクールに。これが私の思っている俺ガイルの良いところ。幼稚な恋愛ラブコメをしていないところです。普通のラブコメだったらヒロインみんなの感情を駄々もれさせてすぐ告白、やっかいなキャラは最後だけ都合よくキャラ変させて告白。しかし、このアニメはそんな簡単なラブコメを見せてるわけじゃない。ゆきのん然り、結衣、いろは、先生、川崎、葉山、海老名も然りみんな何考えてるか簡単に分からないですよね。思っていること自体は単純なのに言葉にするのが難しい。それを一番に体現してくれたのが比企谷であり、ゆきのん、結衣のヒロイン達。だからこのアニメは見てても飽きないし、今まで見たことないラブコメだけに期待をもって見れたのです。それでいてキャラクターの表情やしぐさの作画演出も完璧。私の言っている本格的なラブコメや他と一味も二味も違うラブコメが見てみたい方は是非一度見てみてください。良い作品ですよ。{/netabare}

【第一話】
冒頭2期の続きからスタート。ヒロイン二人の髪の毛先、指かなり動いてたように見えました。ただ、Bパートの流れは個人的には置いてけぼり感があった気がします。おそらくアニメの中で2期からの話のつながりを意識したんでしょうがあの流れは2話.3話で感覚を取り戻してからでも遅くなかったのではと思いました。
【第二話】
Aパートでは陽乃、Bパートはいろはが登場。続々ヒロインが出てきて、今回の感じだとまたいろはが騒動の発端を持ってくるみたいですね。うわさのOP謎ダンスもなんとなくつながりました。俺ガイル見てるなーって感じがしてきて面白かったです。
【第三話】
プロムのPV撮影兼練習回。ゆきのん男装似合いすぎ、結衣、いろはも可愛さの見せ方がうまい。話も割とライトな笑いが多く、二期のおっもい空気感はここまでほとんどない。そして二期から登場していたいろははこれまで比企谷に対して明確な意思表明をしていないが(アニメ勢の見解)、このプロムを通じて何か企んでいますね。いろはどう仕掛けるか、そして三期一話からちらちら出ている川何とかさんの心中は。それぞれに対する比企谷のアンサーも楽しみです。
【第四話】
{netabare}結衣バラードからのオールブラック背景エンドロールかっけぇ…。今回そこが一番熱くなりました。話のほうは「出たよ俺ガイル特有のわけわからん感じ…」ですね(笑)。細かい心理描写はまた考察サイトにお世話になりそうです。{/netabare}
【第五話】
{netabare}たかが余興の開催するしないのもめ事を無駄にややこしく回りくどくやってます。今作三期始まってからちょいちょい思ってたけど一期や二期よりみんなの考えてる事が私でもわかる(笑)。平塚先生もこんなわかりやすくズバズバ話すタイプじゃなかったような気がするし、いろはも視聴者側だけですが心の声駄々洩れ演出だったし。キャラの考えてることがストレートにわからないのが俺ガイルだと思ってたのでfeelが作り方を変えたのかここまでで原作通りキャラ感情に動きがあったのかはわかりませんが三期はまた違う雰囲気を感じてます。{/netabare}
【第六話】
結衣が負けヒロインにならない世界戦の話が見たくなりました。
【第七話】
{netabare}玉縄生徒会長と比企谷の絡みはやっぱり面白い。しかも今回はラップ調で討論してましたがあれアニオリじゃないよね?(笑)。前半パートはこんな感じの笑いありの穏やかムードで、終盤ゆきのんが登場し、おなじみの三人がそろったとたんに場が冷え込む。結衣はずるがしこく、ゆきのんは恋愛に初心な感じ。相変わらずこの三角関係はアニメ界一見どころのあるものですね。{/netabare}
【第八話】
{netabare}今回はいろんな意味でこんなアニメ他にはないと思わせられる内容でした。まず、プロムのやるやらない問題の方はなんだかよくわからないまま比企谷の勝利になったらしい(笑)。結局雪ノ下母を比企谷がうまく説得してプロムは開催できるようになったけど、つまるところ比企谷達ってプロムの公式サイトつくって比企谷の自身の過去事情使ってうまいこと丸め込んだだけじゃないの?(笑)。あと比企谷と対立関係だったゆきのんいろはサイドはどうしたのか。予想だけど今期のプロムの話って原作では相当長かったのでは?だからカットが多めになってゆきのん側は描かれなかったのかな?ここまで引っ張ってきた割に意外とあっさり決まったからちょっと不思議な感じはした。そしてこれらの中盤の出来事が全部どうでもよくなるくらい衝撃のラストシーンでしたね。あれはゆきのんが比企谷を結衣に譲ったとかそんな簡単なお話じゃないんだろうけど、あそこのシーンのゆきのんはもう一期二期の面影は全くなく、あるいみ普通の女子高生らしい表情でゆきのんの判断が間違っているとか抜きですごく良かったと思う。私的三期のゆきのんベストシーンですね。なので終盤だけの評価ならかなり高評価です。{/netabare}
【第九話】
{netabare}面白かったです。俺ガイルはぎすぎすしてた方が面白いという意見が多いイメージですが私は今回のようなゆるガイルの方が好きです。中盤の学校の廊下のシーンとかゆきのん結衣も可愛いしいろはもいつも通りあざとい(笑)。そしてBパートの結衣とのお菓子作り。結衣が可愛いことはもちろんなんだけど比企谷とガハママのセリフがいちいち鋭い。他作品と比べて原作や脚本が段違いで優秀。作画もいいしセリフもいいから飽きない。最後の卒業式シーンはさすがに泣けなかったけど比企谷がボロ泣きしてたのは面白かったです。{/netabare}
【第十話】
いろはすがあざとかったところと比企谷とゆきのんがインカムで会話してるところは面白かった。Bパートの陽乃は相変わらずヒステリックなこと話してて全く分からなかったけどゆきのんも一皮剥けたようで良かったと思いました。
【第十一話】
{netabare}今回はついにこの瞬間がやってきたかという感じでしたね。俺ガイル全三期ここまで30話越えの長い長い恋愛模様はようやく一幕を終えるようです。Aパートのベンチで話し合う比企谷と結衣。ここで比企谷が言った言葉が「関りが無くなるのが嫌だ」です。今までの俺ガイルでここまでわかりやすく比企谷が言葉を話すことがあったかっていうぐらいこの瞬間は結衣も驚いてましたが私も驚きました。これまでの比企谷のキャラがあってこその良シーンだったと思います。そして何より今回のラスト。比企谷とゆきのんのセリフ回しはどこでも面白い。この大事なシーンでも比企谷はしっかりいつもの比企谷でした。もうぶっちゃけプロムなんてどうでもよかったんじゃないかって思うんですがそれもこの作品のややこしいところなのでしょうね。比企谷はベンチで結衣に話したようにゆきのんに関りが無くなるのが嫌だと言いました。そしてあらゆる作品のあらゆる告白シーンで社交辞令のように使われてきたセリフを比企谷が言う。私は比企谷だったら告白するときでも妙ちくりんな言い回しするんだろうなと思っていたので逆にここも面白かった。それでも比企谷節はいつも通り炸裂していたので比企谷らしいと言えばらしい告白だったのではないでしょうか。両パートの結衣やゆきのんももちろん良かったけど今回は比企谷がMVPですね。そしてあの流れからのゆきのんバラードED鳥肌立ちました。今回はキャラのセリフ、表情(作画)、話の落ちすべて良かったです。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

71.5 2 不器用で先輩なアニメランキング2位
手品先輩(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (406)
1523人が棚に入れました
手品が大好きだけど、アガリ症のせいで失敗率は100%!? そんな「先輩」に、無理やり奇術部に入部させられ、あげくに「助手」扱い…。大道芸姉弟の「咲ちゃん」と「まーくん」、それに化学部の「斑さん」まで巻き込んで、先輩は、今日も元気に、ちょっぴりエロスに大失敗! 見てられないけど、見ていたい、ポンコツ手品GAGアニメ!!

声優・キャラクター
本渡楓、市川蒼、喜多村英梨、高橋李依、浪川大輔、茜屋日海夏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ツッコミ不在の悲劇

原作未読


ショート15分もの。短尺ものは途中断念するまでもないと引っ張りがちです。

ショートものには珍しくOPED完備で中身はさらに短縮。実質12分ちょっとしかありません。通常の主題歌90秒のところを本作では60秒ほど。エンドロールのスタッフ紹介の切り替えが早いです。

さらに短尺の中で3つ4つとショートエピソードが連続する構成なのでけっこう急ぎ足ですね。スピード感はあると思います。例えるなら一試合12分で1Q3分の3on3の試合みたいなものです。


マジック大好きなポンコツ主人公“先輩”(CV本渡楓)の失敗をツッコミ役の助手(CV市川蒼)が合いの手をかます基本スタイル。

水着回は当然あるとして、パンツ丸見え、脱いじゃってきゃーっ、接触してどきっ、水かかって下着スケスケ、SE付きでお胸ばいんばいん、その他悶えて赤らんでのお手軽で品のないエロが売りのギャグアニメです。
あまりにお手軽過ぎて眉間にしわ寄せて「けしからん」というのも無粋な話。B級コレクターにはまずまずの一品でしょう。基本はくだらないです。


二人の掛け合いを序盤に見せた上で、

{netabare}第3話 {/netabare}お姉ちゃん茜屋日海夏
{netabare}第6話 {/netabare}咲ちゃん(CV喜多村英梨)、正志(CV浪川大輔)

と登場人物を増やしていきます。あ、科学部部長斑さん(CV高橋李依)もですね。
人が増えたところで青春群像劇にはなり得ません。

ギャグがイマイチなため“キャラ愛で特化型”作品にならざるを得なかった印象です。そして自分にはキャラ愛で需要はそれほどないので、B級コレクターとして流して観る程度でした。


■ギャグが微妙

ツッコミの重要性が痛いほどわかります。先輩の渾身のボケを助手が拾えません。時おり「なんでやねん」的ななにかをかましますが、間もトーンもちぐはぐで、不慣れな駆け出しコンビのよう。

ツッコミの力不足という点で直近の他作品を例にとると、『上野さんは不器用』の田中でしょうか。お色気を無視すれば『川柳少女』のえーちゃんともいい勝負のダメっぷりです。

逆にツッコミで助けられたものは、『この素晴らしい世界に祝福を』のカズマ、『かぐや様は告らせたい』の書記と会計でしょう。
ポンコツ女子(男子)には有能なツッコミ役を配置してほしいと思います。


■キャラが微妙

先輩について良い点を挙げれば、“奇術(マジック)が好き” ということ。{netabare}3話で“和妻”を題材に持ってくるあたり{/netabare}研究熱心さ一生懸命さは伝わってきます。

アガリ症の裏付けに、一人でやってると失敗しないみたいな描写がありました。だいたい本番でアガるのは練習不足が原因だったりしますよね。先輩練習量は相当あるので、普段通りの力を出せば問題ないはず。対人苦手な性格ならそもそも人前に出る前提のマジックをやる説得力に欠けます。

そうなると「あーそういうの見せたいだけね」となり、自分は線を引いて、後は消化試合です。



ハイテンション先輩を拾ってくれない。露骨なキャラ設定。先輩役の本渡楓さんの孤軍奮闘ぶりが涙を誘います。

先日、「実は東郷平八郎の子孫でー」なネタが駆け抜けましたが、当時の日本の置かれた状況やバルチック艦隊を前にしての閣下の心境と本作での彼女の心境とがリンクするような感覚を覚えたのは私だけではないでしょう。 {netabare}※いやオメーだけだよ!{/netabare}



※オマケ

■種無(たねなし)高校

主人公らが通う学校名です。
良くも悪くも下品で見るに堪えないレベルにまで落ちていないのは助手♂の視線がエロに傾斜してなかったことでした。
だがしかし、、、
多くは言いませんが不自然です。いや、不健康です。先輩隙だらけもいいところでしたから。

 “種も仕掛けもございません”

作中用いられてもいますマジックショーでの常套句。

 “種を仕掛けにいきません”

まだまーくんのほうが見どころありそう。。。
・・・草食化を嘆くおっさんの世迷い言でした。失礼m(__)m



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

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2019.09.18 初稿
2020.04.05 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 45

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

失敗率100%!? ポンコツ手品GAGアニメ!!

この作品の原作は未読です。
最近、物語の内容より出演される声優さんで視聴の軽重が決まっている…そんな無意識な自分ルールを発動させている気がします。
この作品も、自分の演じるキャラをトコトン大切にする本渡さん、それにキタエリとりえりーが出演する…
きっと本渡さん一択でも視聴を決められた作品だったと思います。


「ボクは、出会ってしまった…、カワイイけど"ヘンな"先輩に!」

手品が大好きだけど、アガリ症のせいで失敗率は100%!?
そんな「先輩」に、無理矢理奇術部に入部させられ、あげくに「助手」扱い…。
大道芸姉弟の「咲ちゃん」と「まーくん」、それに化学部の「斑さん」まで巻き込んで、先輩は、今日も元気に、ちょっぴりエロスに大失敗!

見てられないけど、見ていたい、ポンコツ手品GAGアニメ!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品は、本渡さん演じる先輩を愛でる作品…に尽きると思います。
手品の上手い下手はこの際二の次で、手品の面白さを一生懸命伝えようとするいじらしさに軽くKOされる作品でした。

最初は先輩と助手の二人だけでしたが、大道芸姉弟が参画してからはキャラも増えて面白さに厚みが増します。
先輩だけじゃなく、キタエリ演じる咲ちゃんもどこかネジが一本抜けた感じなんですが、そこが逆にポイントだったり…

奇術部4人を見ていると、助手以外はマイペースなキャラだったと思います。
この助手がまた面白い…
きっと自分では奇術部唯一無二の知的クール系で、先輩との距離を一線置いている言動が見受けられますが、完走して振り返ってみると助手はしっかり変化していましたね。
助手がどの様に変化するかは視聴してのお楽しみですが、凡そ1話の段階では想定できないレベルの変化だったと思います。

変化と言えば、化学部の斑さんの立ち位置は未だ微妙でしたね。
彼女がこの後どの様に動くかで、この作品はまだまだ面白くなると思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、i☆Risさんの「FANTASTIC ILLUSION」
エンディングテーマは、鈴木みのりさんの「ダメハダメ」
個人的にはみのりさんのエンディングに軍配です。
テンポとノリの良いメロディが私好み~
ラストの一言も破壊力抜群でした。

1クール全12話の物語でした。
本作品も15分枠のショートだったので、見やすい作品だったと思います。
しかし、先輩って常にテンションが高かったですけど、本渡さん演じていて
大変ではなかったでしょうか…なんてことが気になりました。
果たして先輩が手品を完璧に披露する日が来るのでしょうか。
そんな先輩が見られるのを楽しみにしています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

手品・下手・下品w

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
本作を、3種類の漢字(手・品・下)だけで表現してみました(笑)

ギャグ、日常系ですね。「だがしかし」の手品バージョンって感じ。

ただ、私的には、ギャグで笑うことはほとんどなく、シナリオ的にも印象には残っていません。キャラが可愛いので、ギリギリ☆3で。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
いつもいつも失敗する手品先輩は、ドジっ娘属性で、なかなかに可愛かったのに、だからこそ、エロオチとの相性が悪かったかな。普通に普通の日常系にしていれば、普通だったのに。

だから、エロ要素少なめの回、助手君との絆が描かれるようなエピソードが良かった。

サブキャラの大道芸姉弟は、いてもいなくてもかな。むしろ、化学先輩(斑さん)が、一番可愛かったので、もっと登場回数を増やして欲しかった。海回とか良かったです♪

あと、どうでも良いんですが、EDがゾンビランドサガみたいでしたw
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
開幕で吐くのは、ぼっち と一緒やな。根性芸(笑) コメディは悪くないし、手品先輩は可愛いけど、だからこそ、エロ要素いらんな。邪魔になってる。

2話目 ☆3
このぐらいのエロなら、笑いの範疇かな。

3話目 ☆3
鳩に襲われるのは、ちと笑ったw 糞のクダリとか、蛇足だけど。

4話目 ☆2
助手、良い子やな~。

5話目 ☆3
化学先輩、真面目な上野さんっぽい、少しね。

6話目 ☆2
デブとギャルが来たって(笑) ペットボトルのやつ、何のAVだよ(苦笑)

7話目 ☆2
助手、良い方法だな。

8話目 ☆3
子供の前で、やや成功。良い話だな~。

9話目 ☆3
基本、ギャグで笑えないんだよな。弟君がエロに真っ直ぐなのは、やや笑えた。

10話目 ☆3
マダラさんが一番可愛いな♪ 眼鏡、スク水という、古典的な格好はさておき、行動が素敵です♪

11話目 ☆2
AVネタ、満載だったな。本当に、ただの下ネタアニメに。

12話目 ☆2
下ネタが段々直接的になってきたな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

76.1 3 不器用で先輩なアニメランキング3位
上野さんは不器用(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (408)
1756人が棚に入れました
ココは、とある中学校の理科室。科学部部長の上野さんは、部活の後輩・田中に恋する乙女。天才的(変態?&ちょっとフェチ?)すぎる奇想天外な発明品を使って、あの手この手で気を引くためのアピールをするが・・・。果たして上野さんの恋は成就するのか!?それとも・・・

声優・キャラクター
芹澤優、田中あいみ、影山灯、大森日雅、伊藤美来、井澤詩織、戸松遥、佐藤利奈、竹達彩奈、井口裕香
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

逆セクハラ

田中の鈍さと上野さんへの扱いが酷くてムカつく。いくらなんでも性格悪すぎないか?これに好意寄せるのは自己肯定感が低いかも。それかドM。男女逆転して考えたら完全にアウトだけど、僕はこういうノリは好き。上野さんは逆セクハラばかりしてるのに、肝心なところでは踏み込めなくて、なんか可愛い。まさにHow clumsy you are!!

何気に声優が良い。

OP
閃きハートビート 歌 伊藤美来
歌声可愛い。
ED
マイペース・サイエンス 歌 上野(芹澤優)、田中(田中あいみ)、山下(影山灯)
ラブミーサイエンス 歌 上野(芹澤優)
放課後トラベラー 歌 上野(芹澤優)
コスモルミナ 歌 上野(芹澤優)
不器用センセーション 歌 上野(芹澤優)
心のふりこ 歌 上野(芹澤優)

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
科学部部長の上野さんは、部活の後輩・田中に恋する乙女。天才的すぎる奇想天外な発明品を使って、あの手この手で気を引くためのアピール試みる。1年生部員の山下も冷静沈着なアシストで上野さんをバックアップ!果たして上野さんの恋は成就するのか!?

1. 実験その1「ロッカくん」/実験その2「クマタンダー2号」
ココは、とある中学校のとある理科室-。科学部部長・上野さんは、その天才的頭脳で究極の携帯型濾過装置「ロッカくん」を完成させた。性能を確かめるため、部活の後輩・田中に対し濾過した謎の液体を飲むようにすすめる。果たして、謎の液体の正体とは一体…!?{netabare}自分なら上野さんのおしっこ飲める。なんなら、濾過してなくても飲める。我ながら変態だな。実際、出したておしっこは無菌だから飲んでもセーフ。飲尿健康法もあるくらい。クマタンダーはパンチラ防止機器。スカートの中を暗黒にして履いてない状態で覗かせる。自ら見せるよりめくって見られるのは恥ずかしいようだ。というか田中、スイッチを切ったら駄目。{/netabare}

2. 実験その3「ダッシュたん」/実験その4「一七六防護服」
「田中のパンツくれ」上野さんは田中のパンツを要求した。新たに開発した、瞬間脱臭装置「ダッシュたん」の力を試すため、強力な臭い発生源が必要だという。自分だけ実験台になるのはイヤと言う田中。上野さん、山下も巻き込みお互いの衣類の臭いをかぎはじめるのだった。{netabare}臭い嗅がれるのは恥ずかしいな。女の子に対して臭いはデリカシーなさすぎねえか。防護服着ておっぱい触らせようとするも、違うと言ってるのにお尻に平手打ち。セクハラだけど、SMプレイになってる。言葉責めも激しい。乙女のパンツで遊んだ挙句、さらにけなすのは酷。{/netabare}

3. 実験その5「キルトハイド」/実験その6「ガラクたん」
水泳部部長・北長さんが訪ねてきた。最近、水泳部にのぞきが出るらしく、上野さんに対策のための発明品制作を依頼していたのだ。疑似立体映像投影装置「キルトハイド」-。それを受け取った北長さんは、おもむろに水着を脱ぎ始めて…!?{netabare}全裸になるのはびっくりした。というか田中馬鹿にもほどがある。服は着て帰ろう。ガラクたんで水生成して、間接キスを狙うけど、田中潔癖。{/netabare}

4. 実験その7「ウエノ13号」/実験その8「サモンスタット」
いつもの放課後。どこかいつもと違う上野さん(?)…。田中をじっと見つめたり、ひざまくらを要求したりと、かなり積極的。秘めていた乙女心を解き放ち、ついには田中に頭をなでなでさせはじめる。{netabare}田中は状況を受け入れるのが早い。自分で作ったロボに嫉妬は笑える。サモンスタットで何でもペットにできちゃう。謎の生き物見て触るだけ。パンストだけど。井澤詩織ボイスの無駄遣い。{/netabare}

5. 実験その9「ピースペクター」/実験その10「PEリザーバー」
夜の中学校、理科室。学校に点在する怪しい噂・地獄八怪奇の正体を暴くため、上野さんは新たな発明品を作成した。「ピースペクター」 それは、人ならざるものの挙動を捕捉し、モニタに映し出す装置である。上野さんと田中、山下とウエノ13号のペアに分かれ、校内を探索しはじめるのだった。{netabare}山下まさかのお漏らし。ウエノ13号の機能に救われた。田中が気を利かせてまさかのロッカくん持ってきちゃった。吸水して濾過するPEリザーバーの件では運動場から窓伝いで侵入する女の子西原登場。汗も飲めるぜ。田中は下より上の汗を濾過した水なら飲めるみたい。上野が阻止して飲むけど、西原の母性本能を目覚めさせてしまう。声優は僕の好きな佐藤利奈で嬉しい。{/netabare}

6. 実験その11「II傘」/実験その12「E-Qブースター」
急に降り出した雨。傘を持ってきていないと困る田中に、上野さんが差し出したのは「II(アイアイ)傘」。微弱な重力場を発生させ、対象物を受け流す装置である。傘の歴史が変わると、これには田中も上野さんを称賛する。その時、水たまりに足をとられた上野さんはII傘に向かって渾身の尻もちをついてしまう…!?{netabare}傘が股間かお尻かは定かではないが、めりこんでしまう。一緒に傘に入ってラブラブおち。E-Qブースター装着して上野と田中が相撲をとるわけだが、田中が上野のズボンを直接掴む容赦のなさ。配慮が足りん。{/netabare}

7. 実験その13「パンティロッティ」/実験その14「ガチャポーター」
田中にパンツ食べさす計画会議、通称TPT会合が開催された。いくらなんでもパンツは食べないだろうと思われたが、入念な事前仕込みにより田中は究極の空腹状態を迎えていた。上野さんは、満を持して非常食兼用パンツ「パンティロッティ」を差し出した!!{netabare}田中にパンツ食べさすは草。本当に食べるとは。しかも躊躇なく。ガチャポーターは欲しいものが転送されるらしいけど、実はパンツしか転送されない仕様。パンツ渡してまで、本当にこいつと結婚したいのかあ。まさかの山下のパンツやら北長の水着が出てくる。上野さんの狙い通りにはいかないけど、田中が成敗されててすっきりしますね。{/netabare}

8. 実験その15「コイツネートルナD錠」/実験その16「ペロリリオン」
新たに発明した「コイツネートルナD錠」をさり気なく田中にすすめる上野さん。眠気を解消し、睡眠時には簡易人格を形成するスグレモノである。熟睡する田中に上野さんはそっと身を寄せ、大胆な行動をとり始める。{netabare}手を握って好意を確かめる直前で目覚める。死刑は妥当。田中の双子の妹みずなとよもぎ登場。上野さんがあげた飴がきな粉味なのかチョコミント味かで喧嘩するのを兄として叱るけど、人が口に入れた物を入れるなとかいう視点の違和感。飴は好きな味に感じるというだけ。{/netabare}

9. 実験その17「ジゴスパッツ」/実験その18「SQ水」
スマホの電源が切れ、充電ケーブルを探す田中。 上野さんはおもむろにスカートをまくりあげ、超発電衣服「ジゴスパッツ」を取りだした。 あらゆる日常動作を電力に変換することができるアイテムである。 スマホの充電のため、上野さんは田中にスパッツをこするように要求する。{netabare}下半身に注目って女の子が発する言葉とは思えない。こすりかたがエロい。SQ水着ると宙に浮く。みずなが水筒をくれと教室のドアを開けると激しい引力で上野さんの水着が破れる。田中は少しは何か感じてもいいんじゃない?しかも、みずなが何の用事で教室に来たのか全然覚えていない。{/netabare}

10. 実験その19「カンチカン」/実験その20「レパラー手」
放課後、田中が理科室に着くと教室内は電車と化していた。 車掌の格好をした山下。自らに「痴漢しろ」という上野さん。 痴漢通報装置「カンチカン」の実験をしているのだという。 カンチカンを完成させ、痴漢被害に苦しんでいる人々を救うため-- 田中は痴漢することを決意した。{netabare}触る前から警報鳴っちゃう。痴漢対策としては最適解では?でも、鳴りっぱなしで触られても逆に意味がない。レパラー手は物質を削って、再構成してツルツルにする。ムダ毛処理用らしい。上野さんはムダ毛を処理してもらおうと思うが、田中はなんと女の子はすね毛生えないと思っていた。同じ人間なんだから生えるの常識だぞ。むしろ、ツルツルにする必要性があるのか常に疑問に感じる。女性だから処理しないといけないわけじゃないというのが僕の考え。田中よ、女子の毛について聞いたら駄目。デリカシーなさすぎねえか。{/netabare}

11. 実験その21「インビジブルマ」/実験その22「リアスコート」
新たな発明品「インビジブルマ」は空圧層を展開し、どんな場所にも着席することが可能となる。 装置の素晴らしさを特等席で見せるため、田中の顔の上で実験することになった。 上野さんは装置の不調を装い、田中の顔面に自らのお尻を落下させようと企んでいた。{netabare}お尻を落下させなくても顔面騎乗にしか見えん。田中いつの間にかスカートの下抜けるなんてどんな集中力だよ。最終的にお姫様抱っこ。リアスコートでスカートの中をきっちりガード。男子嫌いな女子テニス部部長南峰が肌着をパンツでないと言い張りつつ、卑猥な目で見るなとか言ったり、公衆の面前で見せたり。流れで可愛いとか言っちゃう。上野さんに言ってほしいよね。{/netabare}

12. 実験その23「眼キュー」/実験その24「バレッタン」
新体操部部長・東川が科学部を訪ねてきた。 部活をのぞき見する連中を監視する装置「眼キュー」が壊れたという。 上野さんに対するスキンシップがやけに激しい東川に対し、いつになく気になる様子の田中。 「お二人って…そういう仲なんですか?」田中は東川にある勘違いをしてしまう。{netabare}一人称が僕っていうだけで、男だと思うなんて。確かに見た目だけで男女の区別はし辛いこともあるかもしれないけど、言動で判別は余計難しいよね。田中の安心したという発言に上野さん反応薄い。僕も山下と同じ気持ち。なんでそこは押しが弱いんだよ。バレッタンは使えば食べてなくても、他の人が食べた物の味覚を感じられる。実験によって自然な流れで手を繋ぐ。山下から恋人繋ぎを促されるのに、そこは踏み込めない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「ちゃんと見んかい!」

この作品の原作漫画は未読です。
芹澤さんが出演されると知り、視聴を決めた作品でした。
芹澤さん…私は個性的な役どころを演じられる声優さんだと思っています。

芹澤さんが出演されている主な作品は以下です。
・「双星の陰陽師」の音海繭良
・「賭ケグルイ」の夢見弖ユメミ
・「3D彼女 リアルガール」の五十嵐色葉
・「魔法少女サイト」の穴沢虹海(にじみん)
・「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」のシェラ・L・グリーンウッド

改めてそれぞれのキャラを見てみると、同じ声優さんが演じているとはとても思えないキャラが並んでいます。
繭良の様な正統派、色葉の様な少し影のあるキャラを演じるかと思えば、夢見弖ユメミやにじみんの様なある意味狂気的なキャラや、シェラみたいな色っぽいキャラまで演じられているんです。
これが声優さんの真骨頂なんでしょうけれど…やっぱ声優さんて凄いっ!

そんな芹澤さんが演じているのは主役である中学3年生の上野…科学部の部長です。
この上野さんが何とも可愛らしい…
上野さんは同じ科学部の田中に(密かな?)思いを寄せていて、何とか気持ちを伝えようとするのですが、普段の態度は強気なんですけれど、いざとなると途端に腰が引けてしまい、顔は真っ赤…汗ダクダク…
挙句の果てには髪の毛まで直立不動になる始末…
ある意味究極とも言える純情でシャイな女の子なんです。

でも何もしなければ気持ちが伝わらないのは上野さんだって百も承知…
だから平静を装ってさりげなく近づくために上野さんが駆使するのは、凡そ中学生のモノとは思えない発明品の数々…

例えばとある発明品を上野さんが身に付け、その効果を田中に確認させる…
すると田中が思春期特有の衝動が我慢できなくなり自分に迫ってくる…
そんな展開を毎回期待しながら、あの手この手で田中を発明品の実験に付き合わせるんです。

田中…いい加減、上野さんの気持ちに気付いてあげなよ…
と思うのですが、この田中が超が付くほど色恋沙汰に鈍感なんです。
上野さんの積極果敢なアプローチ…普通の中学生の男の子なら間違いなく陥落している事でしょう。
ですが、鈍感であるが故に難攻不落なんです。

上野さんにも意地があります。
自ずと言動がエスカレートしていくのですが、上野さんの純情でシャイな性格が災いしてあと一歩届かず堂々巡り…

この展開がお決まりのパターンなのですが、上野さんのリアクションがパターン化されているのを割り引いてもこのやり取りが実に面白いんです。
加えて、上野さんの激しい心情のアップダウンを芹澤さんが見事に演じられている分、面白さも増しましです。
でもこの作品の魅力は、やはり上野さんの開発する発明品の数々だと思います。
「ロッカくん」「ウエノ13号」「パンティロッティ」など…
発明品の効能が気になるのはネーミングセンスがが抜群だからなんでしょうね。

上野さんと田中の微笑ましいやり取り…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、伊藤美来さんの「閃きハートビート」
エンディングテーマは、6曲も用意されていました。
エンディングの個人的な推しは第8話、第9話で使用された上野さんの歌う「コスモルミナ」でした。

1クール全12話の物語でした。
こういう見て元気になれる作品が月曜日の朝から視聴できるのが私的には嬉しかったです。
月曜日の出勤は気持ち的に辛い時もありますが、この作品のお陰で元気になれましたから…
しかも15分枠なのでサクッと視聴できるのも良かった点でした。
原作は連載が続いているようなので、続編があるなら是非視聴したいと思います。
最後に…上野さんの本懐が遂げられることを願っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

もっと不器用でよい

原作未読


1回につき5分×2話で15分と短尺。基本的に1話完結型のギャグアニメ。
昨年(2018年)は『あそびあそばせ』『ポプテピピック』『ヒナまつり』『ちおちゃんの通学路』ことごとくスルーしてきたので、年始に「ギャグ枠なんぼのもんじゃい!」と誓いをたて臨んだ一作。
あまり食指が動かない系統であるとはじめに自己紹介しときます。


上野(CV芹澤優)、田中(CV田中あいみ)、山下(CV影山灯)の科学部三名が主要キャラ。上野(♀)さんが、タイトル名の通り不器用ながらもあの手この手駆使しながら田中(♂)の気を引こうと空回り、山下(♀)が緩衝剤(時にはボケ、時にはツッコミ)として機能するという関係性。放課後の部活動がほぼ作品の舞台で、わりと閉じられた空間で展開されます。
その気の引き方の変態っぷりがギャグの主成分であり本作の柱になってます。第1話から全開なためノリに合わないと判断したら切っちゃってよろしいかと。

科学部三名皆マイペースで、そのコミュニケーションのズレも笑いのポイントなんですが、キャラが固まる前の早い段階{netabare}(第3話){/netabare}でゲストキャラが登場してきました。ゲストキャラの声優さん達とても豪華なのですが、投入をもう少し遅くしても良かったんじゃないかなぁというのが気になるところです。
主演の芹澤優さんは、昨年(2018年)私が視聴した『3D彼女』『魔法少女サイト』とはまた違うキャラクターを全力で好演してます。・・・が、


まあこれが面白くない。クスリとも笑えない。渾身の第1話でさえゴミを見るような目の自分がいたし、リカバリの第2話では寝落ちしました。ギャグ作品で面白くないと致命的です。
なお、“お笑い”については面白かった面白くなかったが全て。笑いのツボこそ人それぞれで、シンプルにツボにはまったかそうでないかと思ってるので、あまりグダグダ言うのもなんかね。


少しフォローしとくと、本作で上野さんのド下手(≒不器用)な愛情表現、田中の馬耳東風、山下の宇宙人っぷりの絡み具合のバランスであったり、ネジの飛んでるゲストキャラ達であったり、ド○えもん/キテ○ツ大百科を彷彿させる珍妙な品々であったりと、こと材料は悪くありません。
そこを増加倍加させるための上野さんの不器用さっぷり変態っぷりだけは尖っていて好感です。
予定調和のお笑いは毒にも薬にもならないと思えば、本作『上野さんは不器用』は挑戦的な意欲作と言えるでしょう。


そしてちょっとだけグダグダ言うと、私としては一般的には度を越してるように見えるところ、もっともっと欲しかったですね。メーターを振り切ってほしかったのです。

{netabare}第5話の山下の失禁シーン。ここでこそ濾過器の登場でしょうに!{/netabare}
{netabare}第6話の山下の激おこシーン。意外とも思わず、上滑ったと感じたのはこれまでの積み重ねで作品にネガティブな印象を持ってしまってたからですね。限界です。{/netabare}

振り切って欲しかったから、上野さんの恥じらいの裏返しみたいな軽いデレ。アレいりませんでした。入れるなら散々イジリ倒されてからの終盤ないし最終話くらいなら破壊力があったでしょうに、、と思います。
ただしそれは{netabare}上野さんが田中に惚れているという{/netabare}作品の構成上、実現は難しい。この度はご縁がなかったものと思うことにします。


15分と短尺でダメージも少ないため多少引っ張りましたが、6話で断念しました。



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2019.08.23追記
《配点を修正》 -0.1


視聴時期:2019年1月~3月リアタイ視聴



2019.03.26 初稿

投稿 : 2024/05/04
♥ : 45

73.7 4 不器用で先輩なアニメランキング4位
舟を編む(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (667)
2928人が棚に入れました
三浦しをんさんの小説「舟を編む」が原作。

玄武書房に勤める馬締光也(まじめ・みつや)が、辞書編集部で新しい辞書「大渡海」を編集することになる……というストーリー。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる学者、徐々に辞書に愛情を持ち始める“チャラ男”など個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、神谷浩史、坂本真綾、金尾哲夫、麦人、榊原良子、斎藤千和、日笠陽子
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

色盲の人に色という概念を伝えるにはどう説明したらいいと思いますか?

原作は三浦しをんさんの同名小説。2013年には実写映画化もされたそうです。

辞書の編纂者として抜擢された、生真面目かつ※1エキセントリックな印象の馬締光也(苗字はまじめと読む。そのままじゃないか‥!)と、その同僚で、いかにも世渡り上手な軽~い印象の西岡正志、二人青年を中心に描くお仕事の物語の様です。

耳に心地良い言葉と言うのは簡潔な表現である事が多いもの。アニメとか映画を見ている時に、台詞を聞き逃したり、見逃したりする時、そんな場面には必ずと言って良いほど、独白や会話の中に耳慣れない表現や珍しい単語が含まれるものです。

複雑に入り組んだ言葉の連なりにはそれを口にする人の個性や心情が如実に表れ、時として人物描写をより精彩のあるものとして際立たせますが、一方で不明瞭な表現と取られてしまう可能性を多分に含んでおり、視聴者にとっては優しく無い表現とも言えます。比べるべくもありませんが、それよりもずっと酷いのは、簡潔に表現出来る事柄を難解な言葉で表現するという行為で、これは不合理この上無く、またひどく滑稽なものです。

辞書を編纂するという行為は上記の真逆。言葉の持つ本来の意味、精髄をいかに簡潔な言葉で短くまとめるかに重点が置かれた作業と言えます。

誰が読んでも理解出来る文章を作るというのは簡単な様で難しいもので、誰々だったらどう解釈するのかな?とか、子供だったらどう思うのかな?とか‥、出来得る限り他者との隔てを無くす必要があります。自身を他者に投影するのではなく、他者を自身に投影しなければなりません。独り善がりの表現は禁物なのです。

ブリキ男は過去に知人から「※2色盲の人に色という概念を伝えるにはどう説明したらいいと思う?」と質問された事がありますが、難しい質問だなぁと思った後、ちょっと想像力を働かせて、色盲の人になったつもりで考えてみる事にしました。すると自然と視点は変わり、色という概念を形状や濃淡などの視覚的な認識の一種として広義に解釈する事によって、どうにか説明に至る事が出来たのです。皆さんは"色"をどういう言葉で説明しますか?

作中にて馬締さんが"右"という言葉に与えた定義、これも同様で、"箸を持つ手"や"心臓の無い方"では不十分。左利きの人にも、心臓が右にある人にも、万人に分かる"右"で無くてはなりません。彼の"右"に与えた明瞭な表現、お見事でした。本編にてご確認下され。
{netabare}
馬締さんの"右"の定義、良く考えたら宇宙空間とか他の天体上(系外惑星とか自転していない星とか)では通用しませんでした(汗)壁掛け時計を正面から見据えた時の3時(左なら9時)の方向という言葉で端的に表せますが、エレガントではないですね‥まぁ宇宙で"右"の項引く人なんて皆無でしょうが‥(笑)
{/netabare}
2話の感想とあれこれ
{netabare}
「大渡海」編纂の志、とても崇高なものですが‥優れた辞書があっても言葉の海をすいすいと渡れるのはその辞書を持っている人に限る‥。値段張りそうだし‥。今ではオンライン辞書もかなり役立つし、こういう辞書手に取る人は限られるのかも‥。タウンページの配布とか毎年いらないから、5~6年に1回でもいいから、税金使って各家庭に一冊ずつ国語辞典の配布して欲しいとか思ったりしました。

ちなみに私が今良く使っている国語辞典は「明鏡国語辞典[携帯版]」。2003年出版の定価3000円のやつですが、今だったら中古で何と200~300円程度で手に入る! 古いからってあなどれない、中々のスグレモノなのでオススメです。常にネットにアクセス出来る環境をもっていないので、割と重宝しています。

本はあれこれ読んでいるけど人付き合いの下手な私は、馬締さんに他人とは思えない様な親近感を抱きました。見守っていきたいと思います。
{/netabare}
3話の感想
{netabare}
どんな男だって、夜ベランダで突然女性と出くわしたらびっくりするだろうと思いますが、朝玄関先で会ってもあからさまにたじろぐとは、馬締さん、どういう学園生活を送っていたのだろう? ちょっと気になりました。何というか、好きな子にばったりと出くわした時の高校生並みの反応‥。

作中で描かれた様な一目惚れを推奨する描写は、私的には手放しでは賛同はしかねます。周囲の人達も馬締さんの恋愛に関して全肯定で、当然の様に応援するし‥。なんかサザエさんとか、ちびまる子ちゃんとか、大衆向けアニメで描かれがちな本質の良く見えない恋愛観を見ている様でした。‥本をたくさん読んでいる人って、人の事を良く観察する癖が付いたり、懐疑的になったりする事が多いから、もうちょっとユニークな価値観を持っているのでは? とか思いました‥。

松本先生の辞書編纂に対する姿勢。恋愛も含め、視野を広く持つ必要があるという意見には納得‥でも終幕のテロップの恋についての説明が微妙‥。

「人を好きになり、いつまでもそばにいたいと思う気もち」

"いつまでもそばにいたい"って、相手の事がある程度分かってくればそうなると思いますけど、知り合ったばかりの片思いの段階では、話したり、顔を合わせるのが恐かったり、逃げ出したい気持ちになる事だってあると思います。大雑把過ぎる印象を受けました。

わたしが恋の項を書くとしたら「主に異性に対して抱く病的な好意、または独占欲。」とします‥が、こんな冷たい言葉で綴られたら恋という文字が可愛そうですね(汗)
{/netabare}
4話の感想
{netabare}
今回は西岡さんの有能さが発揮されるお話。この人もまた馬締さんに負けじと劣らず仕事熱心な人でした。「大渡海」編纂中止を阻止すべく奔走します。初回の印象からはとても想像出来ない機転と行動力を見せてくれました。適材適所とは正にこの事。誰かに出来ない事を誰かがやる。そうやって上手いこと歯車が噛み合う様に、人間関係が絡み合ったら世の中もっと円滑に回るのに‥。理想的なチームの一端を見た様でした。

でも西岡さんのやった様な会社の利益に関わる独断専行をしたら、現実ではどうなるのだろう? 私には分かりません。作中の人物の台詞にある様に「ただでは済まない」事になったりして‥。

続く馬締さんと香具矢さんのデートのシーン、偶然と、半ば強引に引き合わされた二人ですが、言葉の分かる異性と会話出来るって事は嬉しい事ですよね‥。二人を応援したくなる周りの大人たちの気持ちも何となく分かってきました。(大人の癖に何を今更‥)

そしてお約束の最後のテロップ、今回は「漸進」でした。

「漸進」の「漸」の文字は水の流れを切って徐々に導き通す事を意味し、そこから「だんだん」とか「次第に」という意味に変わっていったそうです。

作中では「立ち止まらず、少しずつ進む事」とありますが、前回の「恋」に続いてかなり淡白な表現という印象‥。導き通すという所が欠けていますが流れる水のイメージは感じられるので無難な解釈なのかも知れません‥。

言葉の意味を端的に表現する事は辞書編纂において重要な事だとは思いますが、要約が過ぎて本質から外れた意味を持たせると、言葉の精度が落ちてしまう気がします。かと言って複雑過ぎると編纂者の主観が強くなってしまう‥馬締さんの様に活字に耽溺した者のみが持つ微妙なバランス感覚が必要な様です。

「鏡の国のアリス」に登場するハンプティ・ダンプティは、言葉に給料を払えば、その言葉に好きな意味を持たせる事が出来ると豪語していますが、そんな話も少しだけ思い出してしまいました。

※:エンディングの語釈は「三省堂国語辞典」を参考にしている様です。シンプルな語釈で有名な辞書だそう‥。わたしは持ってません(笑)
{/netabare}
5話の感想
{netabare}
馬締さんの恋文は試金石の様なものかも知れませんね。受け入れてくれる人がいれば運命の人、そうでなければ縁が無かったという事‥。自分を偽ればいつか必ず綻びが生まれて後々大変な事にならないとも限りませんので、意外と相手の心を確かめる懸命なやり方なのかも(笑)

揺蕩う(たゆたう)‥ゆらゆらとゆれる。説明これだけでいいんでしょうか? これじゃあ"ゆらめく"と同じ気がします(汗)
{/netabare}
6話の感想
{netabare}
一目惚れに近い感じの馬締さんもそうですが、恋文なのか何なのか分からなかったのに、伝わってきた真剣さだけで「好きです」って言ってしまえる香具矢さんにもちょっと軽薄な印象を受けてしまいました‥。現実ではそうやって付き合い始める人も多いかも知れませんが、ちょっとこの物語にそぐわない恋愛の描き方だった様に思います。お互いの事をまだ良く知っているわけでも無いのに、決断が早過ぎて思慮深さに欠ける印象を受けました。

共振‥前回に続いて他の語に簡単に置き換えられてしまう語釈でがっかり。共鳴と置き換えても差異が全く無い表現でした。言葉を扱う物語なのだからこういう細かいところにも気を使って欲しい気がします。
{/netabare}
7話の感想
{netabare}
大渡海の執筆依頼を受けていた小田先生の原稿が届くお話。

小田先生、伝えられた執筆容量を無視している上に、馬締さんにダメ出しされまくり‥。この人、名声とかはあるのかもしれないけれど能力は甚だ疑問でした。それに人に土下座させて喜ぶ人の精神構造って、小中学生とかのいじめっ子並みに幼い気がします。要はどっちが偉いかという事を確認して喜ぶおばか思考‥。視野が狭い人の様です。

元々商売としての意義は見出せない大渡海編纂なんだから、権威は無くとも若い人の中から優秀な人材を探すべきだった気がしないでもないです。最初から足手まといにしかならないこんな人に頼まなきゃいいのに‥とか思ってしまいました。でも現実ではコネとかで物事が進む事は良くあるので、ある意味リアルな描写なのかも知れません‥。

馬締さんと西岡さんコンビの「西行」修正シーンは、この作品ならではの面白さを見出せて大満足でした。文字の海の中で戯れる二人の姿は素敵なおもちゃを与えられて喜ぶ子供の様でした。

「遍歴する人、流れ者」という拡大解釈を追記するに至った動機については、西岡さんの「この意味を載せれば心強く思う人がいる」という情に偏った意見に依存しますが、客観性をそれほど無視した選択ではないとも思われたので好感が持てました。

ただ今回の山場、西岡さんの小田先生へ向けた止めの一言「地球のコアより固く、マグマより熱い」という大仰な表現については蛇足気味で、あまり心に響きませんでした。こういう"してやったり"な展開自体わたしは好きではありませんが、最後の台詞がバトルものにありそうな大見得なのでさらに残念。人物や作風にそぐわない気がしました。
{/netabare}
8話の感想
{netabare}
馬締さんと香具矢さんいつの間にか結婚してる(笑)というのは置いといて。

終幕近くのシーン、辞書編集部に新しく入ってきた岸部さんの"右"の説明が1話の馬締さんのものと同じだった点には作為的なものを感じました。性別の違いも経験の違いもあるし、あれこれ違っても良かろうと思われました‥。違った説明を考えるのが面倒なのと、それに続く西岡さんの「君、辞書向いてるよ」という台詞を言わせたかっただけの様に邪推してしまいました‥。

お約束の終幕の語釈について、今回は"編む"でしたが、「文章・歌などを集めて本にまとめる」との事。編むには当然他の意味もあるので、いくつかある語釈の内の一つだとして、それでもかなり雑な印象を受けました。

先ず文章と歌という語が並列に扱われているのがおかしいのと、用例もそれに合わせて「辞書を-」となっている所に強引さがあります。

"など"と入っているので文章という語と用例の辞書からは離れて、歌と並べて記すなら"物語"とし(他に"思想"とかもあるけれど‥)、文章という語は完成品を指す語なので後に置くのが適切かと思われます。二つ例を挙げると‥

「物語、歌などを集めて本にまとめる。」

「物語、歌などを文章にして本にまとめる。」

となりました。まぁ、いつもながら要約し過ぎな気もしますけれど(汗)
{/netabare}
9話の感想
{netabare}
前回に続き製本までの流れを描くお話。

西岡さんのいたずらは端的に馬締さんの性格を伝えようとした試みかも知れませんが、ラブレターのコピーを無断で読ませるって結構ヒドイ気が‥。西岡さんだからしょうがないんですが(笑)

松本先生の"言葉を大事にする"の説明シーン、内容そのものはなるほどと思わせるものでしたが、先の恋文の話の続きとしてみると、流れが間逆の方向に進んでいる様で若干の違和感がありました。馬締さんは例の恋文の中で言葉を大事にしていたのだろうかと‥。

後半、あけぼの製紙の宮本さんが岸辺さんをデートに誘うお話と予期せぬトラブルのお話がありましたが、ドラマ部分はやはり、毎度の取って付けた感があり馴染めませんでした。後者については編纂作業にPCを導入していれば回避出来たかも知れない問題なので、辞書編集部の頭の固さに閉口(汗)作業効率も格段に上がるでしょうに何故そうしないんでしょう‥理由は不明。

文章について、専門書など特定の読者層を想定して編まれた本と違って、辞書やこのレビューの様に、不特定の読者に向けた文章というのは平易な文体を心掛ける事は元より、多くの人にストレス無く読んでもらえるよう、専門用語、難解な表現は極力避けて綴られねばなりません。かと言って平た過ぎる文章には面白みが無いし、情報の詰まった文章というのは面白いもの。やはりバランスが肝要‥。

万人に理解されうる文章にする為には語彙を限定せねばならず、そうすると必然的に表現の幅が狭まり、大まかな意味は伝わっても精密さの欠ける曖昧な文章となってしまいます。逆に馬締さんの恋文の様に知力を総動員して綴った文章では理解が困難になる可能性が生じます。

言葉は生き物と作中にありましたが、その生き物を使って生き物である人間に意志を伝えるという難しさ、今もまたひしひしと感じるブリキ男なのでした。
{/netabare}
10話の感想
{netabare}
大渡海に"血潮"が抜けていたので再チェックというお話。

これまでのお話で既に語られた、未だに用例カードの集積をデータベースとして利用しているという設定にも驚きましたが、今回の24万語の手作業によるチェック作業もかなりきつそうでした。作業量もさる事ながらヒューマンエラーによる問題が次々と出そう‥。時代設定が現代であるという事も相まってPCを利用せずに行う人員を動員しての力技にはやはり前時代的な印象がありました。

日本では辞書などの手書きデータの電子化は80年代あたりから着々と進んでおり、1985年三修社によって発売された日本最初のCD-ROMコンテンツ「最新科学技術用語辞典」を皮切りに、翌々年1987年には「広辞苑第三版CD-ROM版」が発売されていたとの事。当時富士通のワープロ専用機(価格が200万円位もしたらしい)のソフトとして利用可能だったそうです。

現場の事など何も知らないわたしとしては、上記の流れからすると電子化作業は現在ではとっくに完了している様にも思えてしまいますが、実際の所はどうなんでしょう? 近い未来に紙媒体の印刷物自体が無くなる事など、まずあり得ませんが、作業効率の向上や生産コストの削減という観点からすれば、電子化は必然の成り行きとも言えるので、今回の様な時代錯誤とも言える非効率なやり方にはどうしても疑問を抱いてしまいました。

終幕の語釈については特に思う所が無いので今回もはしょります。
{/netabare}
11話の感想
{netabare}
後半の松本先生の死、「大渡海」初版刊行のお話はエピローグ扱いと受け取り、私は前半の松本先生の家の縁側のシーン、延いては荒木さんと真締さんが駅のホームで言葉を交わすシーンをこの作品の終幕と受け止めました。

松本先生の話によれば、日本では辞書編纂に公金が使われた例は皆無との事、それゆえ権威付けや支配の道具として使われる事も無いという‥。以前私はこのレビューで"タウンページの代わりに辞書を配って欲しい"と考え無しに綴ってしまった事がありましたが、いつもながらに浅知恵でした。

日本では一般的な書に関しては、人権侵害や著作権の侵害による出版の差し止めを除き、検閲が禁止されているため、法制度上の発禁は原則として存在しないというのが建前だそうですが、菊タブーだの鶴タブーだのという、いくつかの言論の禁忌に当たるものも確かに存在し、それらを避けなければならない暗黙の了解もある様です。報道についてはその傾向が特に顕著だそうな‥。責任の所在はマスコミ自体にあるそうですが、暴力的なものも含め様々な圧力が掛かる中で公正な記事を書くというのも難しい事なのだと推察されます。

言葉によって綴られる文章の内容については言うまでもありませんが、言葉そのものにまでその様な規制が掛かってしまうと、さらに窮屈この上ない社会になってしまいそうですね‥。松本先生の懸念はもっともな事だと思いました。

「大渡海」出版を待たずして逝ってしまった松本先生でしたが、生前に自分の仕事を引き継いでくれる荒木さん、真締さん、西岡さんを始めとする何人もの人たちと出会えた事は幸運であったと思います。「循環する命の営みほど我々にとって励みになるものはありません。」と話した松本先生は、辞書作りには完成が無い事を誰よりも深く理解してました。世には辞書編纂に限らず様々な未完成品が存在しますが、個人の死により永遠に未完となるものもあれば、引き継がれ完成に至るものもあります。松本先生は引継ぎ先を、命のバトンを渡すべき相手を見つけ、心安らかに息を引き取っていった事でしょう。結果よりも過程に意味があると常々考える私はそう信じます。

人の命もまた、廃れ編み直される辞書の如きに死に生まれ行くもの‥。定まった目的に向かって進む事も時として大事ですが、毎日を悔いなく過ごす様に努める人生の方にこそ真に尊いものがあると改めて教えられたブリキ男なのでした。
{/netabare}

主人公の馬締さんの声を演じるのはサイコパスの槙島聖護役でも有名な櫻井孝宏さん。西岡さん役は、こちらも言わずと知れた人気者、神谷浩史さん。それにしても馬締さんど~りで堂に入った話し方をする訳で‥紙の本とはよほど相性の良い方の様です(笑)朗読とかドラマCDとかの語りが好きな方なら櫻井孝宏さんの淡々とした言葉運びを耳に心地良く感じる事でしょう。

起伏のあるドラマを期待出来る様な作品では無いと思いますが、台詞そのものと落ち着いた作風に魅力を感じました。目に楽しいねこさん作画、丁寧なお料理描写も相まって、最後まで飽きずに視聴する事が出来そうです。

最後まで観終えて、一足飛びで目まぐるしく進む展開には戸惑いを覚える事もありましたが、辞書編纂というお仕事の一端、それに掛ける人々の情熱、真摯さの伝わってくる素晴らしいドラマだったと思います。

アニメのキャラについつい敬称を付けたがるわたしですが、それも極々自然な事と今更ながら確認出来たアニメでもありました。松本朋佑というキャラに対しては"松本先生"と言う呼び方以外は考え付きませんでしたもの‥。本作の落ち着きのある作風を根幹から支える、自ずと敬意を抱きたくなる好人物でした。


※1:奇人、変人と訳される事もあるあまり有り難く無い言葉? 女性名詞"不思議ちゃん"もこれに含まれるらしい。

※2:知人は白と黒しか知覚出来ない全色盲を指していた様でした。

※:"舟を編む"と言う言葉、ちょっと不思議な響きですが、編む様にして作られる舟は実在します。私が知っている限りではアリュート・インディアンの作る伝統的な船"バイダルカ"がそれに当たります。無数のパーツを何本もの紐でしっかりと結わえ付けて作られる、剛性、柔軟性を備えたカヌーで、"バイダルカには間接がある"とまで称されています。

アニメとは全然関係ないけれど、ケネス・ブラウアー著「宇宙船とカヌー」に詳しい描写がありますので、ご興味が湧いた方は是非ご一読を。素晴らしい書です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 56
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「超エモい」は、「マジヤバイ」であり、「いとあはれ」でもあった。

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
辞書作りに邁進する社会人にスポットを当てた、オンリーワンの作品。ノイタミナらしく、大人で、静かな魅力があります。

原作既読。アニメはかなり丁寧に、原作を大切しつつも、アニメーションとしての良さを出そうとして作られていた印象です。このアニメの出来自体にはなんの不満もないんですが、それでも言いたい。

「原作を読んでほしい」

レビューでは、その理由や、原作との印象の違い
アニメの感想などをざっくばらんに。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
日国(にっこく)と聞いて、何を思い出しますか?

そこで、「日本国語大辞典」という貴方は、さては文学部(もしくはよほどの国語好き)ですね(笑) 

「日本国語大辞典(日国)」は、全14巻(本編13巻・別巻1)、50万項目、100万用例を収録し、別巻には漢字索引、方言索引、出典一覧を収録する、日本最大級の辞書です。

あの重厚感のある深緑色の辞書は、学生時代にだいぶお世話になりました。小説を読んでいて、分からない言葉が出てきたらとりあえず日国を引く。今思えば、不思議とネットや電子辞書は使ってませんでしたね。身近に図書館があったのもあるけど、やっぱり私は、紙の本が好きなんですよ。未だに、電子書籍には手を出せてませんし。

という私にとって、元々興味があった作品。ただ、原作を読んだとき、「アニメにする必要はない」と思ってはいました。明らかに実写向き。それはアニメを観た後でも変わらないのだけど、それでも本作をアニメにする価値があるとすれば、

「なんか、良いよな、社会人」

と、子供達(高校生~大学生)が観て感じてほしいということかな。「職業に貴賤はない」という言葉があるけれど、働くことの楽しさ、やりがい、眩しさ。それを感じてほしいな~。

辞書編集なんて、本当に地味でこの上ない仕事を、ちゃんと熱く格好良く描けています。

子供達(小中学生)は別に良いんだけど、大学生くらいになってまで(実力も実績も努力も足りないのに)、「プロ野球選手になりたい」的なことを思っている、オシャレなところ、花形なところ以外は仕事だと思っていないバカがいますよね、いっぱい。

仕事なんてのは、(どんなものでも)必死にやっていくうちに段々面白くなっていくものだし、真剣にやっても何も面白さを見出だせないなら多分、自分が面白いと思っていたことを仕事にしたとしても、次第に楽しめなくなってくる人だと思いますよ。

だからこのアニメで、特に西岡を観てね、良いな~と思ってほしいな~。大人も充分に楽しいんですよ、人生は。

さて、原作好きからして、アニメとの違いだけど、細かなところは置いといて(以下は原作ネタバレありです)、

①西岡の活躍が増して、馬締めの心理描写が減った。
②佐々木さんが明るい

かな、気になったところは。

原作は小説媒体だけに、心理描写が厚い。特に馬締。

原作は掛け値なしに馬締の物語でした。

静かに、しかし情熱と拘りをもって辞書を作ります。香具矢への恋慕(ちなみに原作だと、香具矢が夜這いをかけて童貞喪失で、恋文の返事が夜這いというのはインパクトでかかったけど、不思議と魅力的なヒロインだったんですよね)、西岡との友情が、地味な作品を彩ります。

ただ、馬締は元々寡黙なキャラクターだから、会話文を拾っていけば、アニメのように少し薄味になってしまいますね。まあ、それを補うように西岡が原作以上に格好良く描かれていましたけど。

あと、佐々木さんは、原作だともっと地味で、居るのか居ないのか分からない、熱量もそこまで感じないんですよ、途中まで。だからこそ、少ない決め所をバチっと決め、契約社員だけれど熱意をもった仲間なんだよなという感じがして、好きなキャラでした。

アニメだと、口数が増えたというか、明るくなったというか、正社員感っていうか。

まあ、だから嫌ってことではなく、「アニメにしようと頑張っているな~」と、生暖かく観ていました。

岡崎体育さんのOPも、正直アニメの世界観には合ってないです。作中で文字が乱れ飛ぶような演出もあらましたが、それら全て、この地味な作品を、なんとかアニメーションの枠の中で表現したいと、制作の頑張りを感じました。

それでも、私が「原作を読んでほしい」としたのは、この作品最大の魅力が、三浦しをんさんの紡ぐ、透き通るような文体、日本語のリズムにあるからです。これは、上手く言葉にすることができず、ましてやアニメでは表現しきれない「小説の強み」と言える部分なので、実際に原作を読んで頂くしかない。

よくアニメ化される有名な小説家といえば、森見登美彦さんかなと思いますが、彼の、少し酔ったような、非常に個性的な文体(も勿論好きですが)とはある意味真逆で、とてもシンプルで読みやすい。スッと心に入ってくるような、透明感がありました。言葉の流れに無理がないから、小説の世界に没入できる。

この小説を読んだのが4~5年くらい前ですが、その年に読んだ小説としては一番楽しめました(ちなみに、この本の前に、「スクラップアンドビルド」「火花」と話題作を読んでいましたが、あの2作はあくまでアイディア賞であって、文章の上手さという点では、あまり感じませんでしたね。ただ、本作が楽しかったからその直後に読んだ「風が強く吹いている」では、ちょっと稚拙というか、そこまで美しい日本語の流れを感じなかったので、三浦しをんさんが本来持っているものというより、本作までに成長されたのかなと思いました)。

やっぱり、1クールのテレビアニメに一番向いているのは、1巻で完結している小説なんじゃないかなと思いました。小説原作のアニメ、もっと増えて欲しいです。

レビュータイトルにしたのは、最近読んだ新聞の記事から引用。当たり前だけれど、言葉は変化しながらも、人の心には変わらない部分がある。それを端的に表現しているなと思いました。

ただ、SNSや交通機関の発達により、言葉の変化はこれまでにない速度で進んでいます。これから、どこに行くんでしょうね、日本語は。

日本語を愛する立場としては、世界の中で1国しか使っていないこの小さな舟が、英語という大波に飲み込まれて沈没しないことを、切に願っています。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
作画は綺麗だな。渋い、小説より地味なアニメってどうなのだろう(笑)

2話目 ☆4
言葉は舟、全くの同感。追いやられたのではなく、残った。恋愛模様は、なんか思ってたのと違うな~。

3話目 ☆4
童貞は、辞書作りの障害(笑) 何気に、松本先生、好き者だよな(笑)

4話目 ☆4
デート。2周目(笑)

5話目 ☆4
なんか、良いよな、社会人。そう、子供達に思ってほしい。Cパート、このコピーのシーンが実は重要なシーンになるとは、、、誰も分からないよな(笑)

6話目 ☆4
実は必要とされてた、喜び。童貞卒業シーンは、描くのかな?

7話目 ☆4
彼女の足の短さを笑顔で見られるのは大事だよな。西岡、良いキャラだよな~。「はい、遅れないように行きます」の、真面目な文体は、西岡が本気で自分を見てくれたことに対する返答だよな。上手い。

8話目 ☆4
13年後。岸辺さん。まあ確かに、この部署にきたら引くよな(笑) この「ヌメリ感」って、印象深いな~。松本先生見ると、泣けてくるな。

9話目 ☆3
ラブレターのやつ、5話Cパートの伏線回収。原作ならもっと、グッときたのだけれど。

10話目 ☆3
う~ん、ここまで楽しかったとなるのは、やや違和感。

11話目 ☆5
間に合わなかったのがな。松本先生の手紙、というか、遺影の前にある日本酒から、少し泣いたな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゆっくり

三浦しをん原作。読んではいない。
辞書制作に携わる出版社の社員の物語。人生の多くを費やし、ゆっくりと完成させる辞書だけにゆったりとした話の展開。時間がとんでも歳をとって見た目が変化する以外はそこまでの変化はない。

主人公がこれまたゆったりとした人で時間が経過しても香具矢との関係も出会った当初のままという感じ。それはそれで良い。

作中に挟んでくる教えて!じしょたんずは色んな有名辞書が擬人化して辞書豆知識を教えてくれる。

OP
潮風 歌 岡崎体育
ED
I&I 歌 Leola
Leolaの歌は初めて聞いたけど、EDにぴったりなゆったりとした曲だった。


1. 茫洋
辞書編集部員の西岡は、街の本屋でとある営業マンのお粗末な仕事っぷりを目撃する。それは、西岡も勤める玄武書房の社員である馬締(まじめ)という男だった。一方、辞書一筋のベテラン編集者・荒木は、定年を前に後任者を探していた。そんな荒木に何気なく馬締の話をする西岡。すると荒木は突然立ちがり、足早に営業部に向かった。突然の訪問者に戸惑う馬締は、荒木からの『言葉』に関する質問に自分なりの答えを語る。その瞬間、荒木は馬締のセンスを見抜き、辞書作りに向いていると確信する。そして、その場で馬締をスカウトするのだった---。

2. 逢着
辞書編集部へ異動になった馬締は、荒木や監修の松本先生の辞書作りへの情熱を知ることになる。編纂途中の中型辞書・『大渡海』への想い、そしてなぜ新しい辞書を作り続けるのか……。そんな馬締は、彼らの期待に答えることができるのか……という不安に襲われていた。しかし、下宿先の大家・タケさんは言う。「頼ったり頼られたりすればいいと思うよ」そんな満月の夜。下宿先のベランダで、馬締は美しい女性と遭遇する---。

3. 恋
馬締が、タケの孫娘・香具矢に恋をしたことが発覚。そこで辞書編集部の一同は、香具矢が板前修業をしている店を訪れることに。西岡の雑談にも程よく答えながら、真剣に料理と向き合う香具矢に見惚れる馬締。彼女もまた、辞書作りと同じ長く困難な道を極めようとしているのだ。帰り道、西岡と馬締は語る。馬締は、場を作るのがうまい西岡を尊敬していた。そんな馬締を変な奴だ…と呆れる西岡は、これから面白くなるかもな…という期待も感じていた。しかしそんなさなか、西岡は『大渡海中止』という噂を耳にしてしまう---。

4. 漸進
社内で噂される『大渡海中止』の動きを阻止すべく、辞書編集部は西岡発案の大胆な策を実行する。一丸となって奔走する一同。そんななか西岡は、今までにない生き生きした表情を浮かべていた---。数ヶ月後。久しぶりに休日を取った馬締は、タケの後押しもあり香具矢と二人で出かけることに。二人は観覧車に乗り、東京の街を見渡した。そして、料理への情熱を語る香具矢。感動した馬締も、自分なりに想いを伝えようとするのだが……。その夜。馬締は香具矢へ想いを伝えるべく、手紙を書き始めた---。

5. 揺蕩う
局長に呼び出された西岡は、『大渡海』続行の条件を言い渡される。それは、別の辞書の改訂と、西岡の宣伝部への異動だった---。辞書作りへの情熱を感じ始めていた西岡はショックを受ける。しかし、『大渡海』の見本刷りを見て喜ぶ編集部員たちや、既に条件である小型辞書の改訂作業を始めている馬締。そんな彼らを目の当たりにし、「異動までに俺ができることは全部やる!」と意気込むのだった。一方、恋文が完成した馬締は、勇気を振り絞り香具矢に手渡した---。

6. 共振
恋文を渡した翌朝、香具矢に遭遇した馬締は思わず逃げ出してしまった……。その日の昼、今後の対策について話しあう編集部員たち。そこで、西岡が自身の異動を告白する。衝撃を受ける一同。西岡さんが……と呆然となる馬締は、不安に襲われつつ帰宅するのだった。その夜、恋文の返事を香具矢に迫る馬締。絶対今日中に聞けと西岡から助言を受けていたのだ。しかし、動揺した香具矢は部屋に戻ってしまった。振られた……と肩を落とす馬締。しかし、恋文の文面を再確認してきたという香具矢は、馬締へ想いを告げる。「私も、好きです」---。

7. 信頼
大学教授から上がってきた原稿に問題が見つかり、西岡と馬締は修正案を作成する。そのなかで馬締は、大渡海には西岡が必要だと改めて感じる。そんな馬締に、西岡は力強く語る。たとえ離れても、お前をフォローし続けると---。数日後。修正に激怒した教授から連絡が入り、西岡は一人謝罪に向かう。露骨に不機嫌な態度をとる教授。しかし西岡は機転をきかせ、教授に今後の協力を約束させる。大学を後にした西岡は、晴れやかな表情で新たな道を歩き出した。そして馬締も、新たな決意を胸に一人作業を続けていた---。

8. 編む
13年の月日が流れ、新たな社員・岸辺がやってきた。しかし、入社以来ファッション雑誌を作ってきた岸辺は、なぜ私が辞書を……という悶々とした思いを抱えていた。そんななか岸辺の歓迎会をすることに。そこで馬締は、岸辺が「言葉を大事にする人」だと言う。しかし理解できない岸辺は、自分に辞書作りは無理だと店を飛び出してしまった……。そんな岸辺と遭遇した西岡は、ある質問をする。それはかつて、荒木が馬締のスカウトを決めた『言葉』に関する質問だった。岸辺の答えを聞いた西岡は、微笑みこう言った。「君、辞書向いてるよ」翌日。辞書編集部には、率先して仕事をする岸辺の姿があった---。

9. 血潮
新たなスタートを切った岸辺は、松本や馬締との交流のなかで、『言葉』や『辞書』についてより理解を深めていく。そんななか総仕上げの作業が始まり、並行して『大渡海』専用の紙の開発も続けられていた。来る日も来る日も机に向かい、黙々と作業をする一同。そして季節は移り変わっていく---。約一年が経過し、とうとう紙が完成した。そして同時に、営業や宣伝といった他部署との打ち合わせも重ね、日に日に大渡海の完成に近づいてく。そんなある日、重大なミスが発覚してしまう---。

10. 矜持
抜けている単語が見つかり愕然となる編集部員たち。そこで馬締は、24万語全てのチェックをやり直すと決断した。そんな矢先、松本が入院してしまう。焦る馬締は、いち早い『大渡海』の完成を目指し、黙々と作業を続けるのだった。そうして、編集部員とアルバイトたちの壮絶な合宿生活が始まる。昼夜問わず作業を続け、限界まで働き続けた。馬締は他部署との打ち合わせなどもこなしつつ、かつての自分を振り払うかの様に作業に没頭した。そして時は流れ……とうとう全ての再確認が終了した。西岡も駆けつけ歓喜に湧く一同。こうして、『大渡海』の完成が迫ってきたが---。

11. 灯
馬締と荒木は大渡海の刷り出しを手に、松本の自宅を訪れた。嬉しそうに紙に触れる松本。しかし松本は告白する。食道に癌が見つかったのだ……。そして初春を迎えた頃、とうとう『大渡海』の完成が目前に迫る。そんななか、編集部の電話が鳴り響く。それは、松本の死を知らせるものだった---。『大渡海』は完成し、華やかなパーティが開かれた。そんななか、荒木が取り出した手紙を読んだ馬締は涙を流す。そこには、松本からの感謝の言葉が綴られていたのだ---。そして……桜舞う春の日。馬締と香具矢が歩いている。馬締は、松本の言葉をかみしめながら、辞書作りについて思い巡らせている。「僕らはくり返し、舟を編む」香具矢としっかり手を繋ぎ、馬締は歩み続けるのだった---。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

70.2 5 不器用で先輩なアニメランキング5位
Do It Yourself!! どぅー・いっと・ゆあせるふ(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (216)
611人が棚に入れました
『ディー‐アイ‐ワイ【DIY】Do it yourself「自分でしなさい」の意、家具などを自分の手で作ったり修理したりすること』――広辞苑より。 「Do It Yourself!!」は、女子高生を主人公に、家具や友情や、ひいては人生までも、考え、工夫し、苦労し、失敗し、それでも諦めずに自分の手で完成させて、未来を切り開いていこうとする少女たちの、その最初の一歩を描く物語です。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

再視聴。シンギュラリティの先にある「喜び」は「体験」である。

 現在3回目再視聴中です。最近、シンギュラリティの先にある人間の喜びは「体験」であるという話を聞きました。あとは喜びの共有ですね。(東浩紀氏です。最近以前より人間に寄り添った意見が増えて共感しやすくなりました。)

 1話のプリンの人間は何もしなくなるというセリフを思い出しました。シンギュラリティで何もしなくてよくなるのはもう少し先の話です。が、今のネットの在り方ですね。書籍のダウンロードなど「情報量」と倍速視聴の「タイパ」というのは「無駄=質量による体験や考える時間」を忘れた貧しさということです。そうなったときの人間の喜びってなんでしょう?

 サブスクもそうですけどね。レンタルDVD屋に行ってを手に取って選ぶ。そこには空間と体験がありました。またちゃんと選択しなければ損をするという条件付けや偶然の出会いの作用がありました。本屋も同じです。
 AI絵師問題もそうです。絵を描く商売や人に見せてイイネの数を競うならAIは大問題ですが、絵を描きたいから書くのが人間の本質だということです。

 本作のテーマそのものですね。自分でやるという無駄、つまり経験・体験=試行錯誤には喜びがある。また体験を共有することで喜びを共有できる。無駄というのは人間に残された人間らしさであり成長の原動力であり貴重なものです。それがDIYだと。せるふが怪我をする意味も分かってきますよね。食事を楽しむシーンもまた体験です。海外の子達との出会いもありました。

 ただ、プリンやジョブ子がやっているITも自分で作っているのでそれはそれで必要だし素晴らしいことです。それを受け取るだけでは駄目ということですね。
 学校が2つ並んでいるのはなぜか?AIとDIYが補完しあう新しい未来が見えます。

 あとせるふとプリンの対比では、ペットです。なぜ最新のOSをインストールしろと言い続けるんでしょうね。新しいOSってなんでしょうか。それって、DIYという体験こそが新しいOSなのではないかと。

 それともう1点。本作の評価が気になってユーチューブのレビューを見ました。想像より評価高かったですね。その中で「DIYは自己表現だ」という説があり、なるほどなあと。それぞれのキャラが作りたいものが違うというのはそういう事ですか…と感心しました。

 また、資材を持っていかれる部分ですが、失敗してもめげずにリトライするという表現だったという意見は、ちょっと目からウロコですね。これに対応するのが、1話で学校の石碑に「和顔愛語」とありました。しんどい時こそ笑顔と優しい言葉という意味らしいですが、いいですね。せるふのキャラそのものです。それで繰り返しを入れたのかあと納得です。

 そして、このDIY…人間の喜びを表現するには流行の萌え絵ではもちろん駄目ですよね。このキャラデザと美術には意味があると思います。

 一見、のんきな日常系ですが、シンギュラリティの先にある人間の「喜び」とはなにか、という非常に最先端のテーマだった気がしました。

 評価上げます。本当に素晴らしい作品です。



以下 1回目レビューです。

 良作でした。DIYは「自立」の意味でしょう。ぷりんがヒロインかな?

 本作はまずアニメの雰囲気とか近未来設定で引き込まれました。作画やキャラデザの味わいも良くて、萌えとは違う独自性のある絵作りが心地良い作品だと思います。

 DIYは楽しさや精神は伝わってきましたが、ノウハウモノでは無かったです。要するに日用大工の意味でなく、自分の手で作る、自分のやりたい事をやる、自分で稼ぐという意味のDIYだったと思います。

 それぞれのキャラの親を見せているところが、多分ポイントなのでしょう。まるで一人で生まれて一人で育ったかのようなキャラしか出てこないアニメが乱立する中で、本作の丁寧な家族描写がなかなか新鮮でした。つまり、テーマは「自立」「独立心」ですね。


 キャラ達はデフォルメが効いてちょっと極端な性格造形ですが、淡々としたストーリー展開なので、それがないと寂しい話になったと思います。

 キャラでは、ぷりん、ジョブ子、せるふの母が素晴らしいキャラ造形だったと思います。ぷりんのツンデレは最高でした。せるふと自立性が逆転しているような描写が面白かったです。
 その一方で、全体的にキャラの整理がついておらず、活かしきれてなかったと思います。部長、たくみ、ぷりんでセルフの指導者、ぷりんとジョブブ子でIT、シーとジョブ子で金持ち・外人などがかぶっていました。匠と部長は深掘りが足りなかったと思います。

 そしてなによりせるふですね。「自立」がテーマだとして、彼女が「一人で出来るようになる」という気持ちのきっかけはわかりましたが、それだけでは弱い気がします。
 もうちょっとぷりんや母との関係で何かエピソードが欲しかったかなあ。青春ものとしてヒロインであるせるふの内面が描き切れていなかったです。

 ただ、視点を変えてぷりんがヒロインと考えるとちょっと面白いですね。自分が世話を焼いていた依存の相手が自立してゆくことに、ヤキモキしているような少女が良く描けていました。ぷりんの自立の物語だと思います。だから、一番濃いキャラのジョブ子が同居するのがぷりんだったのでしょう。


 9話10話の「稼ぐ」というのもまたDIYマインドなんでしょう。ですが、やっぱり繰り返す必要があったのか。その分せるふの何かが欲しかった気がします。

 最後はせるふとぷりんの2人というのは、まあいいですけど、しーの立場は?とちょっと思ったりもします。部活ものとしてちょっと意外なラストでしたが、しかし、自立とDIYをかけていると学校への依存ではなく、自分たちでやって行こうという結論は良かったです。
 他校の生徒が参加しているのも枠組みにとらわれないのがDIYマインドにつながるのかもしれません。

 つまり、9,10,12話に何かをもっと乗せられなかったかなあと思いました。ただ、まだ1回目ですから味わうとまた違うものがあるかもしれません。


 総評すると、世界感、設定、キャラ造形、作画、美術などなどどれをとっても私好みの素晴らしい要素を沢山もった作品だったと思います。

 DIYのノウハウは無かったですけど、独立心、自立というテーマが良く描けていたと思います。ただ、やっぱりせるふをもうちょっと丁寧に、特に後半で描けなかったのかなあ、とそこだけがもったいないなあ、と思いました。





以下 視聴時のレビューです。


3話 優れた作画、自然なキャラ設定。極めて優秀なテンプレ作品。

{netabare} 今3話までなんですけど、冒頭から近未来のスマートハウス、スマートペット、自動運転車、ドローンなどのセンスの良さで、感情を持っていかれました。設定を冒頭からセリフで説明しすぎないのも良かったです。この近未来のテクノロジーの設定とDIYの対比がいいんでしょう。

 そして、作画の美しさ。モーションコミックみたいですけど、表情といい手の動きといい、身体の感情表現といい、素晴らしいです。色合いもいいですし。何気なくよく動きますし、この作画の良さは相当なものだと思います。人間がちゃんと立体に見えるのに動くのはすごいと思います。
 背景美術や演出も高レベルだと思います。構図で視点の移動もいいですね。
 平家物語、ユーレイデコもそうでしたけど、こういう面白い作画の良さがもっと広がるといいですね。

 キャラ造形もいいですね。ヒロインセルフちゃんはADHDの設定なんでしょうか。怪我が多い、自分の世界に入る、相手の立場に立てない。心理学的に裏付けがあるような感じです。
 ぷりんちゃんのツンデレもいいです。表情が最高でした。

 ストーリーは正直テンプレです。ドジっ子ヒロイン、出来る先輩、物分かりのいい先生、金持ち幼女(?)、依存性のあるボッチっ娘。ですけど、キャラ達が自然なので見ていて飽きません。

 ひょっとしたら、ゆるキャンと並ぶ最高峰の親父趣味女子高生部活ものになる可能性を秘めていると思います。{/netabare}


5話まで、見ました。

{netabare}  いいですね。このまま最終回まで見ると思います。ラストのカタルシスは想像できますが、失敗してもそれはそれで青春でしょう。自分でやることの素晴らしさを表現するには、どちらでも良さそうです。

 気付いた点としては、ポリコレ配慮の匂いはありますけど、あまり気になりません。
 ITとの対比がもうちょっとあっても面白いかもしれません。そのためにはぷりんちゃんをどれだけうまく登場させるか、でしょうね。
 電動工具の作業の作画がすごかったので注目ですね。{/netabare}



6話 動きと表情が良すぎて何度も見てしまう。キャラも話も良いです。

{netabare} まだ、スタッフの過去作とか確認してないですけど、ダリフラ+フリクリ+グレンラガンみたいな作画な気がしてきました。簡単に見えて相当高度な事をやっている気がします。私が素人故の勘違いなのかもしれませんが、私は最高だと思います。

 遠近法、俯瞰にあおり。表情や手の動き。ぷりんの風呂上りの素足の時のふくらはぎから足の指の作画でちょっと背筋がブルッと来るくらい感情が動きました。

 脚本やキャラ設定もいいですけど、とにかく作画、キャラデザ、演出、美術が最高です。本当に飽きません。素晴らしい作品だと思います。

 天才・優秀な子の孤独とか、天真爛漫なセルフに救われる感じとか、いいですね。エピソードの一つ一つが面白いのはもちろんなんですけど、ちょっと切ない感じがあります。この切なさがある作品はクリエータが優秀なことが多い気がします。

 少しずつセルフのできることが広がってゆくのもいいし、それを部長が丁寧に辛抱強く教えているのがまたいいです。

 あまり評判になっていないみたいですけど、素晴らしい作品だと思います。 {/netabare}


7話 作画・美術だけでなく、ストーリーもキャラもいい。手作り作品が売れるといいなあ、と応援するくらい入り込んでしまう。

{netabare}  6話まで作画・背景美術・演出等の画面の方をほめていましたが、もちろんストーリーキャラもかなりのレベルだと思います。

 というのは1期完結を目指しているのか、話の密度が高いです。部存続→秘密基地の完成というメインのプロットに、セルフちゃんの成長、金髪ロリ美少女ジョブ子ちゃんが1学期限定という時間制限(部長の退部?もあるかな)、それぞれの友情、それぞれの立場、DIYのノウハウとまではいきませんが楽しい雰囲気がよく描けています。

 で、キャラたちが少々立場や性格はデフォルメされていますが、そのキャラ設定がストーリーとエピソードを動かすのに効果的に生きてきています。ヒロイン、セルフちゃんのキャラ芸が段々薄まって、周囲の人間にスポットライトが当たる時間が長いので、物語の世界観にとても感情移入できます。

 くわえて、設定の面白さがいいですね。未来的AI、ITと手作りの対比、街や家の時代設定、隣り合った学校というちょっと無茶だけど目新しい設定が光ります。

 これらがテーマというとまだわかりませんが「IT」に対する「ものづくり」に対応しているのと同時に、「ぷりん」「ジョブ子」のITチームと手作りチームとの対比と融合によって、今後の人間の価値観の問題への視点が生まれていると思います。最終的にぷりんちゃんの着地が気になりますね。

 無駄がない構成に脚本、優れた画・絵づくり。うーん。レベルが高いなあと改めて思います。
 だからこそ、彼女たちの手作りのDIYが売れるといいなあ、と応援したくなるような感情移入ができるエンタメ的にも優れた作品になっているんだと思います。

 連載物のアニメ化もいいですけど、完成度の高さはやっぱりオリジナルだなあと思います。構成が違います。コミカライズもあるみたいですけど。続けて長く見たいですけど、1期できちんと終わる感動もまた、連載ものではない魅力です。最後までこのまま盛り上がって欲しいです。 {/netabare}



10話 残念。繰り返しで同じことをやって1話分無駄だった?

{netabare}  初めの材料がお金の力で集めて、だったら10話のみんなの協力って意味があると思うんですけど、もともと自分たちで工夫して集めた材料だったじゃん、と思います。

 今回の事故がないと顧問が手を貸さないというのも、流れとしては不自然な気がします。過去の部員に声かけるのは責任を回避するための行為なかんじで、あの過去からのつながりの話に説得力がありませんでした。
 一回、ヒロインが落ち込まないと、ぷりんが参加しないからかなあ、今までいい話だったのに、本当にもったいない1話でした。 {/netabare}


11話 ぷりん可愛すぎ。いい感じだけど、セルフの内面描写が弱いのが本当にもったいない。

{netabare} ぷりんについては、説明しすぎない範囲で同級生になれなかったセルフに対するもどかしさや嫉妬、ツンデレが感じられました。というか今週のぷりん可愛すぎでしょう。最高でした。

 一方でセルフが記号的すぎな気がしました。DIYが上手くなりたい、DIYが楽しいという気持ちはいいですけど、そこに何かのエピソードが欲しかったかなあ。過去の挫折で完成に執着する理由とかコンプレックスとかなんでもいいんですけど。そうするとキャラにグッと近づけるんですけど、今のままだと本当に夢みる頑張るドジっ子でしかないです。

 やっぱり9話10話の薄い感じが本当にもったいなかった。

 なお、ここにきてセルフの母親の凄さにちょっと感動もありました。親は飢えさせない、一緒に食事する、話しかける、危険回避だけ教育する。そして信じて肯定してあげる。価値観を押し付けない。学校を落ちたことを責めない。勉強しろといわない。完璧に実践してますね。こちらの面からみるとセルフの内面の想像はできるかなあ。この親がいかに素晴らしいかは、クローズアップしても良いかもしれません。Do It Yourselfという題名とテーマ性でつながってきます。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

和顔愛語のDIY少女

【物語 3.5点】
ゆったりペースの1クールオリジナルアニメ。

プロットはマイナー部活物の典型。
DIY部存続のための部員集め→みんなで物づくりの流れ。
道中、熱血などの圧迫感は少なく、終始、癒やしを提供。

これを可能にするのが主人公・結愛(ゆあ) せるふ独特のまったり感。
ツンデレな幼馴染・ぷりんに、せるふアレルギーとツンツンされても、
「そっか~~」って感じでマイペースを貫き、急かす気分の調子を崩すw

1クールアニメが主流の近年。とかくすぐに展開を求める風潮が。
ですが、せるふを見ていると、もうこのアニメはゆっくりと付き合う他ないと諦めさせられますw

新入部員も気張って獲得すると言うよりは、
全てをいなす、せるふゾーンに、電動ドライバーでネジが穴に収まっていくが如く、
校内外の少女がスルスル吸い込まれていく感じw
ホントいつの間にか、みんなで「どぅ~いっと~ゆあせるふ~♪」と手を上げて団結している。不思議な感覚ですw


諦めて羽根を伸ばせば、ゆるい日常パターンに取り囲まれる至福が待っています。
結愛家の食卓に並ぶ強引な豚肉料理に震えるペットの豚・ミートw
ドジせるふが続ける負傷→保健室皆勤賞wあと酢昆布。
など序盤で、またここへ帰ってきたいと思えるパターンを構築するのは地味に凄い。

あとはジョブ子の「グッジョ~ブ♪」が決まれば、
D(どんどん)I(いごこち)Y(よくなるよ)w


【作画 4.0点】
アニメーション制作・PINE JAM

基本は水彩タッチの癒し系。

一方で、迫真なのが工作シーン。
監修にDIY系ユーチューバーなどで活動しているスワロ氏を迎える。
一部DIY作品デザインまでカバーしつつ、工具の取り扱い方までリアリティを追求。
良い子は真似しないで下さいなどの注意喚起テロップを敢えて出さないのは自信の現れです。


上空には鳥を飛ばす代わりに、宅配ドローンを飛ばし、
近未来に敢えてカビの生えたDIYをやる意義を見出す世界観を構築。
鳥は絶滅したのか?と思いきや、部室近くの樹木をキツツキが突いていて安心。
このキツツキ終盤{netabare}ツリーハウス建築{/netabare}の際も、部員を導いてくれました。


キャラクターデザインには『ヤマノススメ』などの松尾 祐輔氏。
DIY部員の髪色は平凡。ですが髪の裏側の影に青、緑などを入れツートンカラー風にすることで個性を出す。
ヒロインをピンク髪とかにしなくても見分けが付く。これ結構、使えそう。


せるふの隣の家が幼馴染のぷりん宅。窓から会話。ぷりんのツンデレが捗る。ここまでなら普通。
大胆なのは、せるふが通う平凡な普通科高校“潟女”を取り囲むように立地する、
ぷりんが通うエリート高専“湯専”の構図。
上の湯専から丸見えの潟女のせるふが気になって仕方がないツンデレぷりんw

この立地、何かの条例とかに違反しないのだろうか?
ツッコむ間もなく、{netabare}上からショートカットして部室に降ってくる“忍者”しーw{/netabare}


【キャラ 4.5点】
“潟女”校舎前の石碑に掘られた和顔愛語(仏教用語らしい)を体現するノンビリペースのせるふ。
突っぱねつつも世話焼いてしまう須理出 未来こと、ぷりん。
付かず離れずの間に、中盤から入って、{netabare}ぷりん宅に転がり込み、{/netabare}徐々に動かしていくのが飛び級留学生の12歳ジョブ子。
ジョブ子は最先端AIなどに精通しつつもDIYもイケるロリっ娘で、
2人だけじゃなく未来とDIYも橋渡しするキーマンに。

堅い性格と思われたDIY部長・くれい。
打ち解けていくにつれ、工作は得意だが勉強や菓子作りは苦手などの人間味が現れる。
奥手な三つ編みメガネっ娘・たくみに、少女漫画「ひまわりの少女」(ひましょー)について、
熱く語られた時も、部長も一緒にヒートアップする意外性。
コミック、小説版の違いまで論じる少女漫画愛。今度あにこれに何か投稿してみませんかw


水着回等もありますが、エロ萌え要素は控え目。
そんな中、ぷりん宅にて、しきりに入浴を進言するクラゲ型AIが地味にツボw


【声優 4.5点】
主人公せるふ役の稲垣 好さん。
若手ながら、ゆっく~~り語る落ち着いた口調でムードを緩める。

ぷりん役の市ノ瀬 加那さん。
同時期『水星の魔女』ではツンツンされるヒロインも演じ、ここではツンツンする側をこなす。
中々、器用なお方。今後もエンカウント率は高そうです。

ジョブ子役の大森 日雅さん。
せるふに匹敵する中毒性の高いダミ声。
「グッジョ~ブ」だけじゃなく、ナマイキな日本語から滑らかな英語までカバー。
しー役の高橋 花林さんの高めのダミ声の語尾ニャ~とも共鳴しつつ、リズムを生み出す。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は佐高 陵平氏
バックグラウンドで、ピアノ、アコースティックギターなどの優しい音色のミニマル・ミュージックに徹し、
ゆる~い掛け合いを下支え。

OP主題歌は部員たちによるDIY賛歌「どきどきアイデアをよろしく!」
もうこれ、どこかのホームセンターのテーマ曲でよいのではw

ED主題歌は、せるふ&ぷりん「続く話」
ずっと2人いっしょなバラード曲。
これが序盤から流れている時点で、ぷりんがデレるなど時間の問題でしたw


【余談】
物づくりが盛んな新潟県・三条市が舞台の本作。
私も燕三条のスライサー使ってますが良く切れますね。
で、先日、調子に乗ってキャベツ千切りしていたら誤って指までスライスw
これは、せるふの負傷を笑えませんねw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

女の子にやらせてみた系

{netabare}
流行り(?)の女の子に○○をやらせてみたシリーズ。
オリジナル作品だけど、ジェネリックきららでもあるのかな。
題材はDIY。恥ずかしながらこの作品を見るまでDIYと言う言葉は知らなかった。

DIYの描写に関してはかなりしっかりしていると思う。
ベンチや、アクセサリー、ツリーハウスなどを作るシーンが細かに描かれていて、DIYがどういうものなのかわかりやすかった。
廃棄される予定の資材の再利用や既存のモノを分解しての利用など、DIYだからこその強みが描かれていたのも良かった。
ツリーハウスなどは長々と時間をかけた上での完成で達成感が伝わってきたと同時に、自分で作ることの意義も少し伝わってきた。

この作品は世界観が現代ではなく、IT化が進んだ未来。
IT化/自動化が進んだ中で、手作り製品の良さも見直そうというメッセージ性が込められているのかな。時代の逆行というわけではなく、手作り製品の再評価と言う感じの作品だったので嫌な感じはしなかった。
資材集めの際の地元住民との絡みなど、時代の進歩に連れて薄れた人同士のつながりも意識されている作品だったかな。
DIYの際も、不得意な部分があればその部分は他人に手伝ってもらったり、全員協力で何かを成し遂げたり、全員が支え合って何かを成し遂げようとしているのが良かった。

ぷりんに関しては部活加入が遅すぎるようにも感じたけど、一度否定したものを受け入れるのはプライド的に難しいだろうし、あれぐらいの間が開くのも自然ではある。アニメ的にどうかと言うのは置いといて。
最終的には二人とも打ち解け合って和解。
DIYを通じてお互い先に進んでいく感じが良かった。
ぷりん以外のメンバーに関してもそう。
DIYをやっていく中で、色々協力し合う場面があって、そういった場面を通じて段々と仲良くなっていく感じが良かった。

ストーリーにはこれと言って悪かった点はないけど、特殊な喋らせ方によるキャラ付けが多かったことだけは気になった。
このアニメのキャラの喋り方は正直好きじゃない。
作画は独特な雰囲気があるけど、クオリティは高い方だった。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
そこそこ期待はしてる。謎アニメすぎる。ユーレイデコ?
ようわからん…。なぜ近未来設定にしたw やさぐれさん
これ日常系アニメでいいんだよね?
ちゃんと工作関係で専門的な内容はやるのね。
めっちゃ痛そうで草生えない。食べられるクレヨンとはw
それなりに意味わからんアニメ。部活設定はあるある。
個性的で好き。威圧感がすごい DIYの良さを際立たせるための近未来設定か。

2話 ☆9
やっぱ最先端技術との対比なのね。たくみん引き入れろ。
たくみんの方がセンスありそう。いつか大怪我しそうで心配。落ちたな。

3話 ☆7
この子の喋り方好きじゃない。スコーン部
ヒーラーガールとかもそうだけど、髪色複数のキャラって最近流行りなの?
ギスった。喋り方マジで苦手。
けどバカにしてくるようなやつは追い出して正解だろw

4話 ☆7
学校名ぐらいちゃんと確認しろ。これは今のAI技術でも出来そう。
クールドジ女子 謎の神作画。

5話 ☆7
アニメ変わった? このアニメ会話中もかなりキャラの顔を動かしてるよね。
独特な喋り方のキャラ多いのだけは好きじゃない。
使わんなら放置しとくなw リサイクルの観点からDIYを描いた回?

6話 ☆7
強引な水着回。このキャラデザで水着回やっても仕方ないと思うんだけどw
海なのに水着じゃない。まあ普通着てるよね。普通に可哀想でみてられない。

7話 ☆8
いらない文化。資材くれるの優しすぎん? オタク特有の早口。
やっと本格的なdiy けど何作ってんの?
ものづくり全般が得意なわけではないのね。
見た目悪くないのに不味い言われる展開アニメだと珍しい?

8話 ☆7
果たして励ましなのか。そんなロープウェイみたいなもの自作できるの?
実質ぷりんも加わったようなもんか

9話 ☆7
頭いいのかこの主人公w
あんな何も考えてない性格なのに売れてないこと気にしてるのか。
ぷりんも来るんか。ちょっと…?
王道ながら、各々の別の強みを尊重する流れは全員の仲の良さが感じられて良かった。その後の全員協力での豚小屋作成の流れも、ダメな部分は皆で補うという思考が現れていて。

10話 ☆9
謎シリアス。お宅訪問とか今の時代でも怒られそう。寝てたんじゃないんか。
ぷりん好き。手作りの笹団子とスーパーの加工品が対比されてる?
どちらも等しく置かれてて、双方に良さがあるみたいな見せ方なのはいい。
diy部昔からあったのか。普通に熱い展開だな。

11話 ☆8
ここまで長かったな。フードジョブ子可愛い。木思ったより細くて草。
人一人でも乗ったら折れそう。
危険なことは無理せずにできる人に任せるのはえらい。
先輩たちが作った家が。

12話 ☆8
もう完成してた。キャラの喋り方最後まで好きじゃなかった。
セルフとぷりんの話かと思ったら急にジョブ子の話に。
そんな重い過去がw 結構いいアニメだったんじゃないかな。OPED連続

曲評価(好み)
OP「どきどきアイデアをよろしく!」☆5
ED「続く話」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

72.9 6 不器用で先輩なアニメランキング6位
WWW.WORKING!!(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (717)
4053人が棚に入れました
家計の財政難のためにファミレスでバイトをすることになった東田大輔。
しかし、そこには料理音痴フロアチーフ、
なんでも金にものを言わせるホールスタッフなど、
まともな人間がいないファミレスだった…! ?

声優・キャラクター
中村悠一、戸松遥、内山昂輝、日笠陽子、水樹奈々、雨宮天、小野賢章、麻倉もも、小澤亜李、下野紘、細谷佳正、鳥海浩輔
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

神すぎるOPです♪本作を犬組と比較するなんて野暮ですよ!

【第11話までの感想】
犬の「ぽぷら」の偉大さは認めますけど…犬猫どちらが本家かの議論はもう止めませう。
キャラの味は犬も猫も其々で濃厚でせう。
{netabare}猫はアニメ化でリメイクがされていますけれど、元々同人作品で、ガンガンに連載されヒットした犬のような完成度はありません。
逆に同人特有のフリーダムな展開が新鮮ですし、この猫あっての犬でもあります。
考えてみたら、犬猫交互にアニメ化しても良かったかもしれませんね。

ポップなOP曲に乗せて、それぞれのアブノーマルな感性でラブストーリーが交差する猫組WORKING!!
聖バレンチヌスが登場する異空間設定も、単調になりがちなギャグの流れに、少しスパイスを効かせ風味を変えることで、本作特有のラブコメギャグを活かしています。

その聖バレンチヌスに導かれた「華&東田」のカップル。
この二人の会話のすれ違いがとても楽しく、ときに「華」のボケが斜め上過ぎてついて行けないこともありますけど「足立&さゆり」、「進藤&志保」のカップルも交えて猫組の漫才ラブコメには毎週腹を抱えて笑っています。

本作に「ぽぷら」が居なくてもマジ天使な「永田」さん、ホラーな笑顔がとてもキュートな「さゆり」がいるではありませんか!
ドSの「志保」もデレてから少しキャラが変わって、乙女チックになってきましたよ。
結構登場キャラが多いのですけど「店長」と「妃」や「ミリ」をはじめサブキャラを所々で上手く使い熟し、各キャラを立たせる演出は、なかなかに巧みだと思います。
斉木、web原作では朝鮮語設定ですけど、単行本で英語に変更したのはナイス判断!
アニメも単行本設定踏襲の良識ある制作陣の対応がGJ!です。

余談ですけど、{netabare}野幌森林公園{/netabare}での肝試しの際に拾ったアライグマのアライさんを東田が飼いました。
しかし、現実のアライグマは気が荒くてペットには不向きです。
特に春と秋には野生化したアライグマが幹線道路によく出没し、轢かれて毛皮状態になっていますけど、アライグマは逃げずに、轢いてくれと言わんがばかりに何故か道路に立ち止まるのです。
ま、その他にも狐や狸、鹿もよく道路に飛び出してきてヒヤっとしますけどね。
(なお、熊は平地にはいません!鹿を轢いても凄い衝撃です。仮に熊と衝突したら自動車も大破しますし、搭乗者も無事では済まない。)

最後に、本作のシリーズがフェミニズム作品との声も聞きますけど、一見女性上位に見えても、物語は男性陣ペースで進行しています。
第1話から見て女性キャラの性格が徐々に変化しているのが分かりますよね。
犬組も猫組も原作者が理想とする男女関係のモチーフであり、女性の我儘や気まぐれな態度を男性が包容力でしっかりとリードしてもらいたい、こんな原作者の気持ちがしっかりと表現されていると思いますよ。
特に、本作の女性キャラ。
原作者が猫組とネーミングした通り、女性は猫的とのメタファーがメッセージとして存在しているのかもしれませんね。

看板作品だけあってA-1もしっかりと作り込み作画も安定しています。
WORKING!!シリーズを動画工房で制作したらどうなるのかな?と想像しつつも、最後まで完走させて頂きますよ!{/netabare}
各話レビューをタップorクリックすると本作の聖地が出現します。
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第1話メモ
制作は本編と同じA-1 Pictures

正直、またやるの?ネタ尽きないな・・とも思いつつweb版作品なのでどんな展開になると思いきや、本編にも増して一癖も二癖もありそうなキャラが登場して、本編とはまた一味違うカオスが生まれそう。
今後の展開が楽しみになりました。

OP曲が神過ぎw
これを聴くと一週間の疲れと癒され、次の一週間の活力が出る真のエナジーソング。
内容はどうあれ、この曲を聴くだけで価値がある作品。
歴代のなかでも最高のOP曲です。

{netabare} この作品、舞台設定がもろ地元なんですけど、このシリーズが続くと変人ばかり住んでいるように思われそうですね。
初回からいきなり冬景色。これから嫌でも雪と付き合わなければならないのに憂鬱です。

父親の会社倒産でアルバイトをする羽目になった東田君。
でも、このバイト家族に嵌められたのかも?
本編姉妹店のファミリーレストラン「ワグナリア」で働くこととなり、同僚店員のカオスさに翻弄されます。
しかも、1話からいきなり華が東田に惚れたフラグは何かの伏線?
フロアチーフの暴力女子高生の宮越華に霊感女子大生の村主さゆり、金持ちお嬢様の女子大生鎌倉志保に、志保の親への借金で頭が上がらない進藤ユータ、働かないのになぜか出勤している近藤妃、仕事ができず華に体罰を受ける店長の榊研一郎ほか濃いキャラが1話から続々登場です。{/netabare}

本編同様、安定した面白さが期待できそう。

第2話メモ
{netabare}斉木が出てきたけどあんまり壊れないな。
もともと壊れているのか?これから壊れるのか?
それと原作レイプだけど、ちゃっかり韓国隠したね。パチパチ。
www究極のキャラは姫と幽霊おやじだ。
姫の父親は犬のアレだろう。
しかし、宮越バカ過ぎだろう。
やっと調理のギャグが始まった。
滑ってるな。面白くない。
ま、今回の見どころは村主のホラー笑顔かな。(かわいいけどね・・)
足立の指が笑えない。
セリフの方は今ひとつキレがない回。
進藤の草食ってるコマもダルかったけど、ガキ時代はクールだったんだ。
今は面影もないな・
回想で志保との関係を説明しただけだね。
でも、ど直球でふったのがサド志保誕生の理由というのは受けた。
最後は宮越のボケで終わり。
話が錯綜したり行ったり来たりで展開とギャグのツボが掴み難い回だった。
猫組よ!宗家の維持を見せろ!
やっぱ、小鳥遊、ぽぷらは偉大なキャラだったなと思った。
東田と小鳥遊とぽぷらは同じ高校。セーラーが同じだ。1話にちらっとぽぷらみたいのが出てたし。
{netabare}聖地豆
{netabare}WORKING!!のワグナリアのモデルは野幌にあるロイヤルホ○ト。
店が割れた頃、行列になっていて笑った。
東田の高校のモデルは札幌○高校。
進学校で男子詰襟、女子セーラーだから市内では2校しか該当しない。
ぽぷらのセーラーはリボンの色を変えている。{/netabare}{/netabare}{/netabare}

第3話メモ
{netabare}肝試しの場所は野幌森林公園でないかな。
深夜は真っ暗だけど星は綺麗に見える。
ふと、ひたぎと阿良々木の星空シーンを思いだしました。
ああ、熊ネタやったか・・(笑)
北海道は野生の熊がそこいら中歩いていると真顔で信じている方もいるのに。
アライグマは特に野生化すると飼っても懐かないし獰猛だし、私なら金を積まれてもお断りです。
志保は金でペアをユータに取り替えてるしね。
キャラが濃い東田家ならなんとかなるかなコンビニ。
先日、郊外の国道でひかれてシマシマ尻尾だけ残して見事に潰れて毛皮状態のアライグマを見たけど、この時期餌探して飛び出して来るキツネやタヌキも多くて困る。
で、新キャラが登場でしたね。
東田のクラスメート柳葉ミリと永田るい。
不登校ミリ、鬼火引き連れてるってどんなキャラよ。ホラーキャラは村主だけにしてや。
るいは今のところマトモだけど、アライさんの話しで妄想してるところをみると、これからネジが緩んでくるんだろうね。
そのうちぽぷらも出てきそうだ。
今回もお約束の村主ホラー笑顔。涙付き。
これ毎回やるのか。
犬組のもだけど、ワーキングはダルイ回が交互に訪れる法則があるんですよね。
今回は面白かったけど来週はダルイ回かな。{/netabare}

第4話メモ
{netabare}とりあえず家の近所でもある北海道神宮を汚すのはやめなさいw
朝、神宮前に変なのウロウロしてたから。
遠近法もおかしいな。神宮前は片側三車線で反対車線側はあんな近くに見えない。
一応車線はちゃんと描かれていたけど。
猫組ってこんなにラブコメ要素が強かったかな?
村主のホラー笑顔、今回は出番なしか。{/netabare}

第7話メモ
{netabare}7話もまたチョコネタのループだったがどこまで引っ張るんだ。
村主ときさきが小学生時代同級生だった設定を今頃明かしたのたか。
ネタがマンネリ化してきたから脚本も大変だねw

考えてみれば犬組3期の間に、猫組挟んでもよかったのでは?
犬組の小鳥遊とぽぷらの印象が強すぎて、猫組に馴染めないという意見も分かる。
まぁ本来は猫組あっての犬組なのだが、プロデュースのミスは今更取り返しがつかないか。

それでも制作のA−1はこの作品を大作を預かっている意識があるんだな。
噂によるとA-1の制作ラインは破綻寸前とのことだが、この作品に限っては作画が崩れたシーンがほとんどない。
日常コメディで作画崩壊やったら終わっているけどw

しかし、今年は降雪が早かったのもあるが、冬景色はいらないな。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ワグナリアを巡るもう一つの「WORKING!!」…

この作品の原作は未読ですが、「WORKING!!」の方は3期まで視聴済です。
レビューを書くためにwikiをチラ見したところ、こちらのweb版は2002年から約10年662話も続いた作品だったそうです。アニメ化はこちらが後発となりましたが、こちらの方が歴史が長い作品との事でした。
この作品も4コマ漫画の様ですが、ワグナリアを舞台に662話ものネタが続くなんて驚くばかりです。

でも、同じワグナリアを舞台にしている事もあり、両者の作品には共通点があったと思います。
主人公の東田大輔は、小鳥遊 宗太を彷彿とさせるような面倒見の良さがあったり…
あとはどちらもあまり仕事をしていない点でしょうか…

でもこの作品…主人公の東田ではなく以下の3人のフロアスタッフの女性が中心となって動いていくんです。

宮越華(CV:戸松遥さん)母親が料理研究家だというのに料理のセンスは最悪…一体何をどうしたら人を瀕死の状態に追い込むような料理が作れるのでしょうか…?

村主さゆり(CV:日笠陽子さん)愛想がなく無表情で「見えざるお客様担当」である事を除けば、3人の中では一番まともだったのではないでしょうか。

鎌倉志保(CV:雨宮天さん)この人が3人の中で一番ぶっ飛んでいたと思います。お金持ちのお嬢様らしく常に札束をチラつかせ、借金をネタに相手をいじめたり…
そして途中からは轟八千代が携帯していた日本刀まで持ち出して、挙句の果てには振り回したり投げつけたりする始末…
でもポイントはそこじゃありません。デレた時の彼女…可愛らしさが半端ないんです。

他にも近藤妃という仕事をしている姿を一度も見かけたことの無いフロアスタッフもいます。
元々声優は種田梨沙さんでしたが、病気療養のため水樹奈々さんに変更となったキャラです。

こうして改めてキャラと声優さんを見てみると、本当に実力派揃いの声優さんで固められていたんですね。
どうりでキャラが魅力的な訳です…

この3人の女性には、生まれつき…或いは成り行き上から対となる男性が存在します。
宮越の手作りチョコで何度も死にかけた東田…
村主さんの笑顔がトラウマとなってしまった足立…
父親が借金をしているせいで志保のイジメのターゲットになっている進藤…

物語はワグナリアでの仕事っぷり…というより、3組の動向がメインとなって描かれていました。
「店内での恋愛禁止令」が出ていた「WORKING!!」では、仕事に関してもそれなりに描かれていましたが、こちらは本来メインであるべき仕事の部分がバッサリ切り落とされています。
だから、この作品の舞台は別にファミレスじゃなくても良かったのでは…等と思ってしまいました。
まぁ、高校生が気軽にバイトできるのがファミレスだから…という理由なら何となく納得できますけれど…

それにしてもワグナリアのバイトはどういう基準で選考されているのでしょうか。
バイトがこんなに仕事をしなかったら間違いなく店は潰れると思います。
それに普段お客さんがあまりいないのに、バイトの人数が多いのも気になります。

これが北海道ならではの大らかな気質故の事なのか…
或いはワグナリアの経営方針なのかは分かりませんけれど…
まぁ結局のところ、面白ければ結果オーライなんですけどね。

でも、もしどちらの「WORKING!!」もアニメ化されるなら、こちらから先に放送して欲しかったのが本音です。
この作品も十分に面白いのですが、web版じゃ無い方が圧倒的にキャラが濃くて、この作品の持ち味でもあるハチャメチャさが上回っている様に思えてしまうんです。
屋根裏を占拠して住処にするわ…脇差を常に携帯した女性がいたり…「ちっちゃくないよ!」が口癖のぽぷらちゃんの様なキャラがいなかったり…
その分、こちらは声優さんの実力で推していく作品でしたけれど…

この3組の行く末はどうなるんでしょう…?
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは女性主要キャラ3人による「Eyecatch! Too much!」
エンディングテーマは男性主要キャラ3人による「無重力フィーバー」
個人的に好きなのはオープニングです。曲の出だしから可愛い感じが好きです。背景のアニメとも合っていたと思います。

1クール13話の物語でした。物語が1クールで綺麗に纏まっていたと思います。
高津カリノ先生のブログ「うろんにらくがき」に記載されていましたが、コミックスの1‐3巻が今回アニメ化されたそうですが、コミックスは4,5巻と続いているそうです。
それにブログの方ではまだマンガが続いているようですし…
今後の動向次第では続編の希望が全くないわけではなさそうです。
でもまずは本作品…しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24
ネタバレ

戸愚呂(青春) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハート型のチョコレート

前作のワーキングは視聴していません!
何となく1話を観て、そこから毎週気楽に観てました。
オカルトとか吹奏楽はかなり真剣に観てましたからね、こういう作品も大事大事

心地良い会話のテンポと鋭いギャグで毎回笑わせてもらいました。

前半はただただ日常系として楽しく視聴してました。
本当に飽きさせない、いつまでも観てられるなぁ、と。

中盤からラブコメ要素がじわりときて、終盤にかけて怒涛のハートラッシュという印象です!
まさかここまでラブコメになるとは思っていませんでしたよ、嬉しい誤算でした。

この、ハートが少し顔を覗かせ始めた中盤から更に面白くなってきましたねぇ、みんな可愛いし!

この作品の良いところといったら、やはりキャラクターだと思います。
特に女性陣はとてもキャラが立っていて、どのキャラに焦点が当てられても安定して面白いし、可愛いんです。

誰が1番好きかと言われると困ってしまいます。
{netabare}
みんな終盤のデレがたまらんのですよ、、、
{/netabare}

お気に入りのシーンは多々あるのですがひとつ、
妃さんと斉木さんの英会話シーン、、ただ英語で会話してるだけなのに面白い、、ずるいw
というか基本的に斉木さんはミサイルのような一撃が毎回強すぎたw

最終話のEDは女性陣も参加していて心が躍りました

最後の宮越さんの自然な接客での締め、良かったです!

前作の方が面白いと言う声の方が多いみたいですね
3期あるみたいですが、今作を観た感じからして飽きずに観れそうなのでチェックしようと思います!

◼︎まとめ

ありとあらゆるチョコレートを刻んで溶かして大きなハートの型でつくったチョコレートの様なイメージ。
どこから食べても個性溢れる違う味が楽しめ、一向に飽きない味わい。
一見カオスなチョコレートだけれど、
全体を見るとそれはそれは綺麗なハート型のチョコレートになっている。

とにかく楽しくて甘い!そんな作品でした

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

74.2 7 不器用で先輩なアニメランキング7位
理系が恋に落ちたので証明してみた。(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (348)
1592人が棚に入れました
研究に情熱をそそぐ、理系女子と理系男子がもし恋に落ちたら?彩玉大学に通う理系大学院生の才女、氷室菖蒲は同じ研究室の雪村心夜に告白する。当然その「好き」に論理的根拠なんてない!しかし、理工学専攻として、「論理的に好きを証明できなければ、好きとは言えないし、理系としても失格!」その信念をもとに、2人は研究室のメンバーを巻き込んで「恋」の定義に関する証明実験を始める!?デート実験、好きの構成要素の解明、心拍数計測実験、ムード値の計測……。個性的過ぎる愛すべき理系たちが「恋」を論理的に証明する笑いありキュンキュンありの理系ラブコメディ!

声優・キャラクター
内田雄馬、雨宮天、原奈津子、大森日雅、福島潤、置鮎龍太郎、麻倉もも
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面倒な奴だなあ

理系が恋愛を証明しようってお話し。完全に羨ましいくらいのバカップル。
実験とか言っていちゃつきたいだけじゃね?
見せつけられるほうの身になってほしいと思わず言いたくなる作品。
これで付き合ってないとか言われたら、怒髪冠を衝くぞ。

氷室菖蒲がただただ可愛いと感じた。最終話のデレっぷりが最高にたまらない。その他でもずっと可愛い。ポカポカするところとか。雪村にくっついて離れようとしないとことか。

以下はとりとめのない自分の思いやらを書いた。若干愚痴っぽい。まさに心理的リアクタンスの塊。

雪村心夜は性欲に負けないとか言うわりには奏に触ったり、デリカシーない発言したりと真の?理系とは言えないかなと勝手に思った。真の?女性苦手理系は女性は年下であっても必ず「さん」をつけて名前を呼び、触らない喋れないやぞ。勿論、性欲に負けることはない。というかそんな環境にそもそも身を置いていない。

理系って言っても純粋な物理とか数学とかじゃなくて情報科学で実学よりなのか。実学よりの奴って数式が美しいとか言ってるイメージが湧かないのだが。
なんでもかんでも数式とか定理に当てはめるのって割と物理学の考え方だよなあ。数式よりも心理学の話多かったな。あれってあくまでそういう傾向の人が多いっていう話で誰しもに当てはまるわけじゃないから、数学や物理学からかけ離れている。雪村の理系度高いのか低いのか、それとも極限まで突き抜けた照れ隠しなのか。僕は照れ隠しだと思ってる。

調べたところ、情報科学もがっつり数学を使うらしい。実態はよく知らないけど、女性少ないと思う。
女性が多いのって化学、生物あたりじゃない?あとは医療系。
情報なんたらは工学部な気がする。工学部で女性が多いのは建築くらい(多いとは言っても文系の学部と比べるとたかが知れている)でほかの学科は男祭り。うんざりだ。
この研究室は女性のほうが多いなんて見てると辛い。何故こんな気持ちになってしまうのか?もしかして真の理系とは言えないからか?
自分自身は理系だけども、物理学特に力学があまり好きではない。数学とか化学はそれなりに好きだけども。大学レベルの数学とかちんぷんかんぷん。だから、虎輔みたいに研究よく分からないエロゲ大好きみたいな奴に多少感情移入。

理系だと素数山手線ゲームとかするのが定番なのかあ。知らんかった。ベルトラン=チェビシェフの定理を証明したの読むのが面倒。
フェルマーの最終定理まさかのかぐや姫説。証明できたワイルズはかぐや姫と結婚できるじゃん。

揚力ってベルヌーイの定理みたいに有力な説はあっても未だにきちんと証明されていない。つまり、今のところ何で飛行機が飛ぶのか謎である。そう考えると結構怖い。そう思いません?

クマさんが研究とかで使う定義の説明をしてくれる。それなりに分かりやすい。オキシトシンの説明のとこは麻倉ももになんてこと言わせてんだと素直に思った。{netabare}自分で乳首でもいじってオキシトシン分泌しとけ{/netabare}

小倉唯がこれまでと違ってお姉さんキャラクターを演じるなんて感慨深いものがあった。最初、あの特徴的な声が少し抑えられていてびっくり。

埼玉大学が協力してあげているようだ。良いところですね。うはうはな理系大学生は


OP
PARADOX 雨宮天
ED
チューリングラブ feat.Sou ナナヲアカリ
PARADOXのShow me love? 証明Now!ってフレーズは割とお気に入り。雨宮天の歌声とポップなメロディーもたまらん。
チューリングラブも元気いっぱいなEDで好き。
どちらも歌詞に証明が入っていてかなり作品に寄せている。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ある日、彩玉大学に通う理系大学院生の才女、氷室菖蒲は雪村心夜に告白する。だが、恋愛経験のない二人は、互いが本当に好きなのか不安で仕方ない。そこで、「一般性のある好きの条件」を見つけ、互いの気持ちを判定することにした。同じ研究室の後輩・奏があきれる中、雪村は氷室に「壁ドン」「顎クイ」「袖クル」などをしながら、氷室の心拍数を計ることで、恋のトキメキを定量的に計測しようとするが…。


1. 理系が恋に落ちたので解析してみた。
ある日、彩玉大学に通う理系大学院生の才女、氷室菖蒲は雪村心夜に告白する。だが、恋愛経験のない二人は、互いが本当に好きなのか不安で仕方ない。そこで、「一般性のある好きの条件」を見つけ、互いの気持ちを判定することにした。同じ研究室の後輩・奏があきれる中、雪村は氷室に「壁ドン」「顎クイ」「袖クル」などをしながら、氷室の心拍数を計ることで、恋のトキメキを定量的に計測しようとするが…。

2. 理系が恋に落ちたので実験してみた。
相手のことを「好き」かどうか証明するため、至近距離から氷室の頭を撫でながら、心拍数を計測する雪村。それを見ていた同じ池田研の先輩・棘田は、「対照実験」の必要性を説く。つまり、雪村がドキドキしているのは、相手が氷室だからなのか、それとも女なら誰でも興奮してしまうのかを証明するため、雪村は奏や棘田の頭も撫でることに…。一方、氷室は愛情を込めた料理の方がおいしいことを証明しようと調理をするが…。

3. 理系が恋に落ちたのでデートの計画を立ててみた。
池田研の後輩・虎輔が、最愛の藍香に対して総額22万円以上を費やし、毎晩藍香を抱きしめて寝ていることを知った氷室は、自分が雪村にメモ帳くらいしかプレゼントをあげたことがなく、雪村を抱きしめて寝たこともないと動揺し、客観的には「好き」とは言えないのではと不安になる。延々と「好き」を数値的に議論してばかりの雪村と氷室に、奏は二人でデートに行くことを提案するが…。

4. 理系が恋に落ちたのでデートしてみた。
理系らしく白衣でデート実験を始めようとする雪村と氷室。デートの観察と記録役で見守っていた奏は、服を買うよう突っ込むしかなかった。二人は、心拍数計兼血圧計、体温計を装備しながら、スマホアプリで随時「相手にドキッとした回数」「嬉しくなった回数」「安らいだ気持ちになった回数」「もやもやした回数」などを記録することに。そこに、氷室をナンパする男が現れ…!?

5. 理系が恋に落ちたので会議してみた。
今日は池田研メンバーが集まり、研究経過を発表する日。藍香を言い訳に論文を読まなかった虎輔に、池田教授は筋肉を膨張させてペンを粉砕する。一方、雪村と氷室は、先日のデートの結果を共同発表することに。どの場面で瞬間最高心拍数を記録したかを発表しながら、恥ずかしさに悶える二人に対し、池田教授は…。さらに、実験データを増やそうと、雪村と虎輔、棘田と虎輔のペアでも、バイタルデータを計ることになったのだが…。

6. 理系が恋に落ちたのでキスしてみた。
棘田に、恋愛的行為の一般条件は「相手とキスしたいかどうか」が大きな要素ではないかと言われ、氷室にキスをしようとする雪村。しかし、分度器で首の角度を測るような作業的なキスを氷室は嫌がる。観覧車の中のような良いムードだったら、キスをするのもアリかもと気づいた氷室は、雪村とともにムードを数値化した「ムード値」の定義式を見出した。果たして、ムード値が最も高い場所とは?そして二人はキスできるのか…!?

7. 理系が恋に落ちたので飲み会してみた。
前期課程が終了し、池田研究室では、各自食べ物を持ち込んで打ち上げを行うことに。「素数山手線ゲーム」などで盛り上がる中、酔っ払った氷室は雪村についあることをしてしまう…。そして奏まで酔っ払ってしまい…。一方、前回の総当りのキス実験およびムードの数値化で、研究は大きく前進したが、さらに多くのデータを集めるため、雪村たちはおとぎ話の『白雪姫』『シンデレラ』『鶴の恩返し』などを参考にしようとするが…。

8. 理系が恋に落ちたので好きの証拠を集めてみた。
夏休みの勉強会で、沖縄で研究発表を行うことになった雪村たち。夏合宿まで一ヶ月を切ったのに、未だ研究テーマが決まらない虎輔に、池田教授は「恋愛ゲームのトゥルーエンドを一瞬で見つけるアルゴリズムの研究」を提案する。一方、雪村と氷室は、好きな相手と触れ合うことで分泌されるホルモン「オキシトシン」に着目。唾液に含まれる分泌量を調べることで、触れた相手が好きかを判定しようと考え、早速スキンシップを始めることに…。

9. 理系が恋に落ちたので沖縄合宿行ってみた。
いよいよ夏合宿当日。しかし機内では、周囲の目も気にせず、氷室と密着しながら、唾液の採取を行う雪村の姿があった。それを、漫画家山本は不気味な笑みを浮かべながら観察していた。沖縄のビーチで、真夏の太陽に照らされた水着姿の雪村と氷室は、早速密着実験を始めようとする。しかし、せっかくなので「二人の人間が密着する時、密着面積が最大となるような体位」を求めることになり…。

10. 理系が恋に落ちたので研究発表してみた。
リゾートホテルの部屋で、氷室が夕日に染まる海に見とれていると、そこに雪村が「昼間できなかったことを、今やらねばならない」と部屋に入ってきて…。翌日、いよいよ大勢の前で研究発表を行うことに。虎輔は、恋愛ビジュアルノベルゲームに関する発表を堂々と行うが、他の教授から「その研究は誰の役に立つのか」と突っ込まれる。一方、雪村は氷室が見ている事も知らず、発表前にパニック状態の奏を抱き締めるのだった。

11. 理系が恋に落ちたので喧嘩してみた。
無事に発表を終えた奏だったが、戻ってくると雪村と氷室が喧嘩をしていた。発表前の奏の緊張をほぐそうと、雪村は奏を抱き締めたのだが、氷室は「最近雪村と密着実験ができていないのに」との嫉妬心から、つい厳しい言葉で雪村を非難してしまう。それに対し、雪村も「俺達は別に付き合ってる訳でも無いだろうが」と返してしまい、傷心の氷室はその場から走り去ってしまうのだった。それを見た山本は怪しくニヤリと笑っていた…。

12. 君に恋ができる事を証明してみた。
氷室が雪村にプレゼントした眼鏡ケースはなぜか粉々に砕けていて、ショックでその場から逃げ出した氷室。棘田は、氷室が階段で転んだ際に壊れた可能性を指摘するが、雪村は眼鏡ケースの質量、材質、落下時の高さなどから衝撃値を推測し、何者かが人為的に破壊したと結論づける。ようやく夜明けの橋で、裸足でひとりうずくまる氷室を見つけた雪村。果たして二人は仲直りできるのか。そして、恋を証明できるのか…!?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理系が文系に挑んだら、こんな素敵おもろいラブコメに(笑)

[文量→中盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
ジャンルは、ラブコメ。ガチの理系男女が、互いに完全両思いのくせに、「好きとはなにか?」「私はあなたが好きなのか?」を理論立てて説明しようと奮闘する話。

頭が良いバカで、みんな素敵です(笑) OPも好きだな~。

かなり変わった設定なので、アニメをたくさん観てきた層にもウケそうな作品ですね♪


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ラブもコメも、きちんとレベルが高いな~。

序盤から中盤まではコメディ全開で長し、終盤にややシリアス、そして最終話は恋愛で思いっきり萌えさしてくる。

スゲェ良い最終回で、単話☆5をつけました!

実は氷室のキャラデザってあんまり好みじゃないんですが、それでもこれだけ萌えさせてくるなんてスゲェなと。

2期あったら、恋のライバル登場でしょうか? ヤキモチ焼く氷室と、逆走する雪村くんが、また観てみたいっすね♪
{/netabare}

【余談~ あなたは文系? 理系? ~】
{netabare}
文系(文学・史学・哲学・心理学 等)と理系(数学・科学・医学・工学 等)のどちらに自分が向いている(文系脳・理系脳)かは、色々な点検項目(俗説)がありますよね。

ネットで拾ったり、自分で考えたものもあります。皆さんは、文系、理系、どちらですか?


①怒った時、怒鳴るなら「文系」、黙るなら「理系」。

※文系は感情、理系は理論。例えば芸術家(文系)は灰皿とか投げるイメージです。でも、理系のヒトって、怒れば怒るほど静かになり、どうやったら相手を理詰めで追い込めるかを考えていて、逆に怖い気がしてます(笑)


②星の光は昔の光と聞いて、ロマンを感じるなら「文系」、何光年先だから何年前と計算するなら「理系」。

※文系はロマンチスト、理系はリアリストと言われますよね。小説のように、虚構の中で存分に遊べるなら、文系資質あり!(ってことは、アニメ好きには文系が多いのかな?)


③コミュ力が高い人は社会で成功すると言われた時、コミュ力とはそもそも何か、成功とは何を指すのかを考えるなら「文系」、なぜコミュ力が高いと社会で成功するかという理由を考えるなら「理系」。

※文系は概念(コンセプト)、理系は論理(ロジック)と言われます。言葉や考え方に定義をつけたがるのは文系のクセで、飲んで話をするとき、「そもそも優しいって何だろうね?」とか面倒くさいこと言い始めるのは、大抵文系です(笑) 個人的には、上司(社長や会長クラス)は文系、あとは理系ってチームの方が強い気がします。出来るか出来ないかはさておき、まずはコンセプトを打ち出すのが上の人で、それを実現させられる力があるのは理系。これが、「理系→理系」だと、小さな成功は安定的に掴めるけど、爆発的なヒットは生まれにくい。ただ、「理系→文系」「文系→文系」は、そもそも崩壊するので、やはり就職に有利なのは理系かなと思います。


④口喧嘩で不利な時、論点をずらそうとするなら「文系」、そのままなんとか挽回しようとするなら「理系」。

※文系は柔軟、理系は一本気と言われます。理系の人は考えるのは非常に得意ですが、考えたことを言葉にして伝えることが苦手、不器用な人も多い。一方文系は、わりとこだわりが少なく移り気な人が多いので、上手く話題を逸らします。より空気が読めると言っても良いかも。確かに、理系の人の方が頑固だったり粘り強かったりする人は多いように思います。


⑤結論が出ない時、それでも納得するなら「文系」、絶対に納得しないなら「理系」。

※これは④とも被るのですが、文系は答えの出ない(あるいは個人差がある)問題を考え、議論することが好きです。哲学なんて正にそうだし、美術などの芸術分野、文学の読解もそう。最終的には、「人には色々な考え方があるよね」で、全て解決(笑) そもそも、「ハッキリした答えなんてないだろうけど」から議論を始めるため、終着点が玉虫色でも気にならない。どちらかというと、議論をすること、その時間自体を有意義だと感じていることが多い。一方、理系にとっての議論は、「正しい答えを導き出すための手段」であるので、結論がでなければ、その議論自体が無意味なものになる。途中で議論を投げ出すのは、大体文系ですw っていうか、「とりあえず自分が納得できる解を導ければ」満足するから、文系は(笑)


⑥興味の対象を考えた時、人なら「文系」、物なら「理系」。

※(以下、サイトの引用)文系に分類される文学や歴史学、心理学などの学問は、基本的に“人”を対象としていまはす。人間関係や社会構造、経済、文化、芸術など、人間の活動が研究の中心になる学問が文系に含まれることが多いです。一方、理系に分類される数学や科学、医学などの学問は、主に“物”を対象とする学問となっています。人間を対象にしているように思える医学も、実際の仕事内容は非常に化学的(ケミカル)なもので、血液中の化学物質の含有量の変化などを手がかりに診断や治療を行っています。ですので、文系、理系のどちらを選ぶべきか迷うようなら、あなたが“人”と“物(自然現象)”のどちらに、より興味を持っているのかを参考にしてみるとよいでしょう。って、すごい的確だな~と思いました♪


こう考えていくと、雪村や氷室は、フルマークで理系でしょうね(笑) でも、挑んだテーマは「恋愛」という、感情的で、ロマンチックで、概念的で、人それぞれに異なる解がある、人間味ある「超文系」なテーマですから、そのギャップがここまで面白くさせるんでしょうね♪

さて、では私はというと、①「理系」②「理系」③「文系」④「理系」⑤「理系」⑥「文系」と、多分、「理系脳」なんだと思います、文学部なのに(笑) ゼミの教授にも、「君は情理ではなく論理で小説で読み解こうとするのが面白い」と言われたことがあります。

文系か理系かを考えた時、「遺伝的(先天的)要因」と「環境的(後天的)要因」があるのですが、私は多分、「遺伝的には理系」「環境的には文系」なのかな~と思います。つまり、「向いてるのは理系、好きなのは文系」なんでしょう。下手の横好き、と言っても良い(笑)

まあ、文系か理系かなんて、そもそも人類が生み出した勝手な区別なわけで、100%正確な識別方なんてない、、、っていう、論の締め方、ひっくり返し方が、すでに文系っぽい(笑)

私は昔から、「理屈で考え、感情で決断したい」と思って生活してきました。「なぜこうなるのか(理系)」を知らないまま決断するのは気持ち悪いし、だからといって、正しいことだけを常に選ぶのも気持ち悪い。時には、「間違っていると分かっても選びたい」し、むしろ、「間違っていると分かった上で選びたい」こともあります。

だからあにこれレビューも、基本的には、良し悪しは出来るだけ(といっても限界はあるけど)論理的に書き、その上で、好き嫌い(評価)を述べたいと思ってます。まあ普段、そんなこと意識してるわけじゃなく、もはや、「クセ」ですけどね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
頭良いバカ二人(笑) 公式はともかく、バカみたいなラブコメで楽しい♪

2話目 ☆4
そりゃ、Cの実験はしなきゃならんだろ。そりゃ、うちらみたく日本文学専攻は例外として、優秀な論文には英語のやつが多いだろうしね。今日も元気にあの二人はクレイジーだったな~(笑)

3話目 ☆3
AKB~↗(笑) 早く結婚しろ(笑) まあ、ギャルゲのデートといえば、遊園地は定番だよな。キャラによって乗り物選べば良いだけだし(笑) 遊園地に誘うとこ、良いね♪

4話目 ☆4
いちいち服を誉めるのは、一般的か? 連打(笑) 観点(笑) いつプレゼン試料作った?(笑) どんだけ好きなんだよ(笑) ただのビビり(笑) この二人、可愛いな(笑) それは、エロゲ(笑)

5話目 ☆3
先生、強キャラ。トラウマ、いじられまくり(笑)

6話目 ☆4
ムード値の公式は、少し納得してしまった(笑) 泣くぐらいなら実験するなや(笑) 池田研はヤバイ(笑)

7話目 ☆4
酔っぱらい(笑) シンデレラ、DNA捜査(笑)

8話目 ☆3
確かに、難しいことを簡単に説明できる人が、本当に頭良い人だよな。オキシトシン喋りすぎ(笑) この映像を観たくなる(笑) 漫画家(文系)とのタッグ。

9話目 ☆3
水着回。ナイスカップルやな(笑)

10話目 ☆4
不真面目なことを真面目に、熱い話だった。プレゼンのやりとりが面白い!

11話目 ☆3
正論がいつでも正しいわけじゃないしね。でも今は、雪村君とめっちゃ仲直りしたい(笑) めっちゃ乙女やんw 徹底的な仲直りて(笑)

12話目 ☆5
そんなのはどうでも良い(笑) 添削してる(笑) 素敵すぎる、ムード値の伏線回収(笑) 素敵なリベンジ(笑) 粘膜接触行為、強制猥褻罪(笑) 氷室のちょこちょこ、可愛いな(笑) 貧弱(笑) もう一回キスしたい(笑) ファーストキスのダメだし(笑) メガネケースのラストも、余韻があって良し。満点!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

理系あるある早く言いたい

原作未読


渋谷デートについて一言!

「そのまま東急百貨店本店を左手方面に向かい路地に迷いこめばOK!」


第4話あたりできつくなってきました。
遡ることあらすじ。好きになったので好意を定義し証明しようとするおバカな話。理由は理系だから。

共通のコミュニティで通じる“あるある”を飲み屋で悪ノリして大喜利大会始めるのに似てます。飲み放題の上限、二時間くらいでガスが切れることでしょう。
“あるある”繋がりでRGワンマン2Hを想像してみよう。もはや執行猶予なしの懲役2時間です。

「大喜利である」「RGライブである」仮説は証明できませんよ。だっておいら文系だもん。
ただし、つまんない理由は証明できるかもしれません。文系だけど。


ということでさっそく“ラブ”について。タイトルに“恋”使ってますんでね。
ラブストーリーとラブコメディ等“ラブ”が絡むネタで登場人物の心情への共感は肝です。ただこの作品は土台からしてそこで勝負してません。あくまでコミュニティで通じる“あるある”への共感となるわけで似て非なるもの。

 「惚れてまうやろ~」

な行動やセリフは残念ながらありません。ただし、

 「あ、それあるあるだわ」

な行動やセリフは満載です。

そうなると“ラブ”度数は一段下がってキャラの見た目勝負に移ります。かわいいとかかっこいいとかそんなとこ。イケボなんかも含んどきます。このへんは私専門外。
仮に見た目勝負も降りることになっちゃえばラブ度数をさらにもう一段下げて、

 笑えるか?

ギャグ振りしてればラブコメディの範疇には収まるでしょう。で、この作品ここがいけませんでした。
タイプ的に二つの方向性を辿ることができたと思うのですが…


■方向性其の一 ストイックに

中途半端なところで二人ともデレちゃうので流れが止まるんですよ。二人とも辛抱が足りません。
実験→失敗の途方もない繰り返しが理系の真骨頂でしょう。ストイックであればあるほどそこに常識とのギャップが生まれて笑いが生じるのに。せっかく“理系”という万人共有可能なパブリックイメージのある素材なのに活かせてないです。
“○○の定理”が意味する上澄み部分をかすめるに留まっていたため、結局のところ内輪の“あるある”的面白さの範囲を超えないのです。
内輪ウケも最初は仲間内の強固な結束を生みますが、持続可能か?と問われれば疑問符がつきます。{netabare}飽きがくるから、漫画家投入したり水着回でお茶濁してたでしょう?{/netabare}


■方向性其の二 名脇役を投入

本人たちの“ラブ”への向きあい方が無茶苦茶(笑)つまりラブポンコツで戦力として使えない分、ツッコミ役や道化役、狂言回し役が周囲にいないとアウト!
「いいからとっととくっつけよ」な視聴者の思いをかわして騙して目くらましてくれるほどの熱量が舞台役者には必要です。

同じ研究室の奏・棘田・虎輔らが主役の二人(雪村・氷室)にツッコめてません。操縦できてないと言い換えてもOK!マッチョ教授も役不足。みんな観察者もしくは並走する伴走者どまりなのです。福島潤の無駄使いですね。

{netabare}藤原書記と石上会計が仕事をしない『かぐや様は告らせたい』みたいなもんでしょうか。{/netabare}



ふるいにかけてったら、どうやら自分のふるいの目が粗かったようで全部こぼれ落ちちゃいました、という私の結果です。

1段階  ラブでないのでキャラへの共感に薄い
2段階  見た目勝負は自分にはノーカン。皆さんいかがでしょうか?
3段階-1 ズレや違和感で生じる“笑い”ではなく内輪ウケなネタ
3段階-2 ツッコミ不在。狂言回しの不在。

別に素数山手線ゲームで盛り上がってもらって結構ですし、理系をアゲてるように見えてディスってるのもおもろいんですけど、きっちり主人公カップルを転がして欲しかったですね。
理系とか関係なく飲み会で盛り上がった“あるある”ネタもラストオーダー後のロスタイムいれて3時間弱が限度ということだったのでしょう。

{netabare}第7話がほぼ限界でした。9話で漫画家投入。10話で水着回ですもんね。賞味期限切れです。{/netabare}




★とどめかも

三島由紀夫VS東大全共闘の公開討論の映像見たことあります?
立派な方を数多く輩出されてる最高学府ですが、むしろ鳩山由○夫がここ出身だったなという事実に納得できる映像になってます。
で、ここの学生たちのコミュニケーションの特徴が、

・意味不明な文言をぶつけて相手が言い淀んだらこっちの勝ち
・「ソースよろ」をぶつけ続けて相手が回答に窮したらこっちの勝ち

古代ギリシャにソフィストと呼ばれる人達がおりまして、
真理の探究よりも、いかに相手を論破するかということに力を注いだので、詭弁に陥る傾向が強かったという程度の低い連中です。国も傾きましたね。
わざと

 “コミュニケーション不全”

を起こしてマウントを取る行為。イラッとくるでしょ。主人公男にその気(け)があったのですよ。

{netabare}飛行機の中でイチャつこうとしたのを止められて「なぜだ?」でその証明を相手に求めてみたり。{/netabare}


コミュニケーションの究極(と私が思ってる)恋愛行為と、コミュニケーション不全を狙ったかのような主人公らの行動が水と油に見えました。


ここから見えてきたこと。
ラブ要素を一切廃してみればこのジレンマも味あわずに済んだことでしょう。つまり“あるある”だけ楽しむという本作王道の堪能方法。


彼ら見てたら、作中では悪く描かれていたナンパ小僧のほうがまだ健全だと思いましたよ。拙いだけで女性に対しては一生懸命でしたもん。



※ネタバレ所感

■最終話について

{netabare}名探偵の推理が始まり犯人をあてるも「○○しかいない」の根拠が薄弱というかそれ憶測。そこ理系放棄したらだめじゃん。
で最後は気持ちが大事!みたいな。徹頭徹尾ロジカルお化けだったら面白くなっただろうに。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.03.28 初稿
2020.10.13 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43

77.5 8 不器用で先輩なアニメランキング8位
BEASTARS(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (352)
1526人が棚に入れました
肉食獣と草食獣の共存する世界。食肉が重罪とされるなか、名門校・チェリートン学園で演劇部の生徒が食い殺される“食殺事件"が起きる。犯人は見つからず、不安に揺れる生徒たち。そんな中、演劇部では死んだ生徒の代役を巡っていさかいが起きる。次期『ビースター』候補とささやかれ、演劇部のカリスマ的存在であるアカシカのルイに、逆恨みをした肉食獣の部員が襲いかかったのだ。それを庇ったのは、照明係の二年生・レゴシ。『鋭い爪』や『大きな体』など、強そうな外見とは裏腹に、心優しく無口で不器用なオスのハイイロオオカミだ。だが、当のルイはそんなレゴシを偽善的で気に食わないと言い、強引に夜間練習の見張りに任命する。夜。誰もいない講堂裏の裏庭で、ひとり見張りをしていたレゴシの前に現れたのは―――小さな白いドワーフウサギの女子生徒・ハル。その匂いを嗅いだ瞬間、レゴシの体を本能が駆け巡る。我を忘れて襲いかかり、気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。腕の中で聞こえる鼓動が自分のものか、彼女のものかもわからない。しかしこのハルと、そして自分の本能との出会いが、静かで穏やかだったレゴシの人生を大きく変えていく。彼女へのこの感情は、恋なのか? それとも食欲なのか?オスとメス、肉食獣と草食獣。それぞれの痛み、そして強さや弱さに直面しながら、悩めるレゴシの青春がいま始まった―――

声優・キャラクター
小林親弘、千本木彩花、小野友樹、種﨑敦美、榎木淳弥、内田雄馬、大塚剛央、小林直人、下妻由幸、岡本信彦、落合福嗣、虎島貴明、渡部紗弓、室元気、井口祐一、原優子、兼政郁人、大内茜、山村響、あんどうさくら、大塚明夫、星野充昭、堀内賢雄
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

いろいろと生々しいのよ

原作未読


原作者の方。『バキ』を描いてる漫画家の娘さんらしいですね。すげー!
どうやら“動物の本能”を突き詰めたい血筋は変わらないようです。

“本能”を突き詰めすぎてもはやギャグ。荒唐無稽さを楽しむ良質なエンタメ作品を輩出している父。

対して本作『BEASTERS』では

“本能”を突き詰めたついでに社会の矛盾も浮かび上がらせる深みとコクを醸し出す娘。

サムネから想像するに、見た目重視。ケモナー優先。各動物の特性をなぞるかのようなキャラ設定。鳥獣戯画に毛の生えた擬人化ものを想像してました。とりあえず二足歩行させてやることは人間と一緒!みたいなやつです。

全然違いました。もちろん良い意味で、です。
草食動物と肉食動物を擬人化させて、彼らの特性を残しつつもそこに共存している世界を描いた作品。
食物連鎖をガン無視した統治機構を作り、そのための教育を施して理性キープしてますよという表部分と、蓋をしていても肉をどうしても食べたいという本能が見え隠れする裏の部分。その間で揺れ動くハイイロオオカミのレゴシ(CV小林親弘)が主人公です。揺れ動くのはレゴシだけでなく、肉食も草食も関係なく登場キャラたち軒並み葛藤している模様。そもそも本能に蓋をした社会は不健全であり、一見平和な世界そのものが揺れ動いている。そんな不穏さを孕みながら物語は進行します。これが大枠の背景。

そんなシビアな背景を原動力として、肉食動物の中でもそこそこ強い部類らしいハイイロオオカミとは対極の最弱の草食動物ドワーフ種ウサギのハル(CV千本木彩花)との恋物語がメインのストーリーです。一応この世界の恋のルールだったりその他常識については本編でお確かめ下さいね。
とりあえず二足歩行させてみた的な浅さとは程遠いと感じた次第です。


動物もの!?は無条件でパクッと喰いつく層以外でない、むしろ逆で安易な擬人化ものに辟易しているかもしれないあなた! …いいですよこれ。
やりとりされる会話の生々しさは2019年秋期もので断トツです。リアル世界に近いものがあります。そして、肉食と草食の両動物のフィルターを通した独自の世界観は新鮮に映ります。もの凄くファンタジーな世界で繰り広げられる生々しいやりとりと心の機微のリアルさ加減で充分楽しめるかと思います。

本能と理性という二項の対立/葛藤/調整なんて定番のネタでもあったりするので、いい感じでリアル世界の暗喩的なあれやこれやも感じる良作。
言い忘れてましたが、OPは音とアニメーション両方ともこのクールベストかも。ジャズファンク調リズムに乗った手のかかってそうなパペットアニメの組み合わせが素敵な一曲。
これは良いです(小並感) 2期決定したようなので今から楽しみですね。



※ネタバレ所感

■本能を無視すりゃ破綻しますよ

ナチュラリストを無条件で礼賛するほど極論には振れませんが、“自然”の対義語は“不自然”であるという常識(笑) 
この歪んだ世界は変わらずにいられるのでしょうか?

{netabare}レゴシと同族のジュノは「(対肉食への差別が)中学はそんなにひどくなかった」と高校に上がって社会の抱える歪みのひとつに直面。さらに別のシーンでは高校を卒業すれば闇市にも自由に行けることも。
人間と一緒。「お友達みんなと仲良くしましょう」の幼稚園時代から始まって徐々にやっかいな現実に触れていき、社会に出る頃には幼少期のそれは幻想と知る。段階を経て現実を知っていくのです。
ところがどっこい、BEASTERSの世界では幼稚園時代の理想がまかり通る世界。ライオン市長もいろいろ無理して“ライオンは怖くない”イメージ形成に成功したようですが、シシ組との棲み分け等々…蓋をしないとどうにもならないものを抱えざるを得ません。
“みんなと仲良くしましょう”という理想の実現のため歪みが肥大化しきって爆発しそうなのです。{/netabare}

{netabare}「メスは争いが嫌いです。(ジュノ)」に返す刀で「君ほど強欲なメスは違うだろ。(レン)」
矛盾を孕んだ世界を喝破する表現は随所にあるわけでした。{/netabare}



■ロミジュリを凌駕するほど二人を隔てる壁が

{netabare}「捕食者の本能があれば被食者の本能もある」{/netabare}
{netabare}「然るべき関係は体が一番知っている」{/netabare}

最終回で流れたテロップが示唆するところは?

{netabare}肉食草食同士、仲良くやろうという社会の中で、肉食草食同士の交合はご法度という世界観。
前者ですら危うい綱渡りをしているのに、さらにハードルが上がりもはや禁忌の世界。これを打ち破る可能性を秘めてるのがレゴシとハルの関係性ですわな。{/netabare}

どう畳むんでしょう。楽しみでしかありません。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

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2020.01.23 初稿
2020.07.16 修正
2022.01.23 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ビースターズ! ビースターズ!! ビーーースターーーーーズ!!!!!!!!!!

世界観の創造、
フィクションにおける課題であり、野望みたいなものだろう。

価値観どころか、世界をみごとに創り上げた。最高のかたちで。



飲み屋のねーちゃんに、アニメや漫画の話をしているときに初めてビースターズを知った。

「登場人物がみんな動物で、主人公たちは学校に通っていて、ミステリーもあって恋愛もあってサスペンスもあって、とにかくすごい」
みたいな話を聴いて、必ず読もうと思った。
マジ、ありがとう。

あらすじを描こうものなら、
擬人化した動物たちが社会を形成している。
そこには肉食獣もいれば草食動物もいるのに平和な世界が築かれていた。
しかし、肉食獣には抑えられない欲求があり、主人公が通う学校で食殺事件が起こる。
主人公は肉食獣で高校2年生の演劇部員、
灰色狼でありながら静かに学校生活を送っていた・・・みたいな感じかな。

どうか知らんが、俺なら、
人間が擬獣化した世界の話、
特定の獣ではなく、一通りの動物に擬獣化した。
社会として秩序を形成するためには、肉食獣タイプが草食獣を被食者として捕食することは叶わない。
肉を食べることを禁じられた社会であっても本能に抗うことができない。
肉を食べたい、草食獣を食らいたい、
人間なら隣にいる人間を食らうだろうか?
食べたい相手を好きになってしまったら??
これは食欲なのか性欲なのか愛欲なのか、
灰色狼のレゴシが追う相手とは、求める世界とは!?・・・みたいな感じかな。

レゴシは世界を求めていないけどね。

レゴシ、主人公の名前、なんてステキな名前だろう。
舞台はなんかアメリカっぽい感じかな。チェリートン学園って学校だし。

俺が一番いいたいことは、

捕食者と被食者がいる社会を、世界を創ったのがこの作品、Beastars。
Beastarってのはこの歪な社会で与えられる優等生No.1みたいな称号。

例えば、鳥や豚や牛が人間の様になったとして、
人間と上手く生活を築けるのだろうか。
なんとなく彼らを美味しいと知っている人間が彼らを食べずに生きられるのだろうか。

カニバリズムとかエッチしているとき噛みつきたい、痛めつけたいとか、
そんな次元ではない。
肉や魚や米みたいのと学校で学んだり、一緒に仕事したり、腹減ったり、できるのだろうか。

設定が異常だ。
なのに、とても良く考えて、創られている。

擬獣化した登場人物らはその動物の特徴を大きく持っている。
基本的に身長80cmぐらいから200cmぐらいの人物が多い。
小動物たちは10cm、30cmぐらいだったりするが、
あまりにリアルな大きさにしたら物語を進めづらいのだろう。
主要人物らに小動物サイズはいない。
象も何mって大きさじゃないし、マングースが160cmぐらいはありそうだし、
とあるそんなに大きくない鳥が2mありそうなレゴシと同じぐらいだったりする。

その鳥、たった一話のAパートにしか出てこないが、メッチャいい声している。
マジでメッチャ声がいい、びっくりするぐらい声がいい!!!!!

そんなこんなで、大きさは動物のそれと合わせているわけではないけど、
姿形、その動作はそれっぽい。
ちょっとした動作や毛のふさふさ感や動きは、
動物のトレースが良くできている、ような気がする。

ふと、この作品が劇っぽいなぁと思った。
動きや場面展開、セリフが自然なのに際立っている。
どの登場人物もその声であることに違和感など覚えることはない。
主人公らが演劇部であることもあるんだろうけど、映えてるわー。

物語は途中、原作もまだ途中。
多分、今、原作を読んでしまったら続きが気になり過ぎて生きていられないと思う。
今期のアニメ作品で、正直Beastarsだけあれば生きれた。
他のどんな作品もいらない・・・ラディアンだけ欲しいけどw

さて、内容にはほとんど触れずに述べてました。
何か言うなら、R15にした方がいいかも、できれば20歳以上対象で。
若人が変な性癖に目覚めるかも。
あと倫理観が難しい、社会的なバランス感覚も難しい。
何か、変な錯覚が刷り込まれてしまいそう。

子どもには見て欲しくないなぁ。

なんなんだろうね、この溢れて漏れ出す感情は。

大好きだよ。


一つだけどうでもいいことを言う。
ヒロインのハルの{netabare}声優さんは、
【帰宅部活動記録】でデビューし九重クレア役を演じた千本木 彩花さんです。
帰宅部活動記録で生き残った千本木 彩花さんです。
帰宅部活動記録です、帰宅部活動記録、最高のアニメの一つです、
帰宅部活動記録で初演技をした千本木 彩花が声優さん{/netabare}だ!
・・・ふぅ、言いたいことは言った。

作品内容は見て確認してください。

この作品、原作が終わりを迎えるまでは生き永らえようと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

己の信念を貫け…

この作品の原作は未読ですが、千本木さん、種崎さんが出演されると知り視聴を決めた作品です。


肉食獣と草食獣が共存する世界。
食肉が重罪とされるなか、全寮制の名門高校・チェリートン学園では
生徒が食い殺される”食殺事件”が起きる。

不安の渦巻く校内で、演劇部の変わり者・ハイイロオオカミのレゴシは
『大きい身体』と『鋭い牙』とは裏腹に静かに生活していた。
しかし小さなうさぎの女子生徒・ハルとの出会いが、そんなレゴシの心を揺り動かす。

「彼女を求める気持ちは、恋なのか? 食欲なのか?」

彼が本当に出会ったもの、それは自分自身の本能だったーーー


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
そうなんです、擬人化しているとはいえ肉食獣と草食獣はそもそも共存できる存在じゃないんです。
公式HPのINTRODUCTIONにも記載されている通り、食肉は重罪…
つまり、彼らには食べる側と食べられる側の種としての本能が残ったまま、ということなんです。

異種族間でも友好の感情は生まれると思いますし、育まれるとも思います。
よく同じ場所で一緒に昼寝をする仲睦まじい犬と猫の姿などは、テレビなどでもよく取り上げられています。
ですが、猫とネズミが同じようにしている姿は見たことがありません。
当たり前です。眠気よりも種としての本能にどちらも突き動かされるのですから…
トムとジェリーですら、全然仲良くありませんしね…
だから私にとっては、物凄く違和感を感じる作品でした。

決して面白くなかったとは思っていません。
寧ろ、これまで知らなった動物の習性が知れたのは個人的に収穫だったと思っています。

ただ、主要登場人物の個性が強烈過ぎた感はあったかな。
ハイイロオオカミのレゴシですがもっと堂々としていれば良いのにと素直に思いました。
繊細で心優しい性格とオドオドした態度は、正直オオカミには分不相応に見えて仕方ありませんでした。
だって本来は高い狩猟能力を持っているのですから…

一方で、レゴシと同じくらい違和感を感じたのが、アカシカのルイです。
学園のカリスマ的存在なのかもしれませんが、普段の振る舞いが凡そ草食獣に似つかわしくないんです。
虚栄に見えるというか…私の中で少し可哀想な存在だったのも事実です。

一方、ハルさんは弾けていましたね。
ウサギの中でもドワーフウサギは特に小さいらしく、一般的に毛皮や食肉用とに用いられることはないそうですが、これは所詮人間の基準であり、動物に当てはめられるものではありません。
元来、ウサギは繁殖力が高いそうなので、そういうウサギ本来の性質を含めて、ハルの弾け方に納得感があった気がします。

ハイイロオオカミのジュノですが、彼女のことは正直未だ良く分かりません。
でも4匹の中で考え方は一番まともだったと思います。
物語の中や公式HPにも彼女の美貌について触れています。
妬まれるほどの美貌の持ち主との事ですが、私には擬人化した動物の美貌については、ラストまで理解できませんでした。
個人的にはハルの真っ黒なクリっとお目目に可愛らしさを感じましたが、動物の感性では違うのかもしれません。

この様にキャラについては違和感がありましたが、物語としては十分に堪能できる内容です。
ハルのピンチにレゴシが単身で向かった後を追ったルイの状況も気になるところですが、何よりレゴシが己の信念をどれだけ貫けるかが物語最大の鍵ですよね。
種の本能に真っ向から立ち向かい、どんな状況に追い込まれても決して欲求に負けることができません。
しかもたった一度の間違いすらレゴシには許されないのです。
間違ったら即、死に直結してしまうから…
でも、レゴシには己の信念を貫いて欲しいと思っています。

オープニングテーマは、ALIさんの「Wild Side」
エンディングテーマは、YURiKAさんの「Le zoo」「眠れる本能」「マーブル」「月に浮かぶ物語」
個人的にはエンディングの「月に浮かぶ物語」がお気に入りです。

1クール全12話の物語でした。
物語は伏線を残した状況で終わりましたが、既に2期の制作が発表されました。
そりゃそうですよね…ここじゃ終われないですよね。
続編の放送…楽しみに待っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

73.4 9 不器用で先輩なアニメランキング9位
ぼくたちは勉強ができない! 第2期(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (343)
1555人が棚に入れました
苦学の高校3年生・唯我成幸は、大学の学費が免除される「特別VIP推薦」獲得のため、学園が誇る3人の天才・古橋文乃、緒方理珠、武元うるかの教育係を引き受けることに。苦手科目にはとことんポンコツな彼女らを導き、志望校合格を目指すが…!?さらに、冷血に見えつつ超ドジっ子な教師・桐須真冬、メイドのバイトをしながら医学部を目指す先輩・小美浪あすみも加わり、成幸たちの勉強はさらなる追い込みへ!そして密かに恋の気配も…?「できない」天才たちが繰り広げるラブコメディ、 勉強も恋もまだまだ続く!!

声優・キャラクター
逢坂良太、白石晴香、富田美憂、鈴代紗弓、Lynn、朝日奈丸佳
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

確かにうるかも可愛いけど僕はやっぱり

9話と10話が好きだった。なんだかんだ親子。そして、父親と衝突しても説得しようと諦めずに努力しようとする姿勢に好感。やっぱり自分はつくづく古橋文乃派だなと思ってしまった。清楚系ヒロイン派推しは個人的に負けかなとか思ってしまうが、苦手な家事に奮闘したり、もたれかかったりと可愛い。
父親がまさかの大学で数学をしている人で数学の天才である妻を亡くしてから落ち込み、娘と向き合えなかった。でも、影で娘を心配してたし、遺品である論文をいれている(嘘)パソコンを通して関係も改善されて、めでたいことこの上ない。

成幸の進路気になるなあ。自分のしたいことやってほしいなあ。
稼ぎたいならパイロットかなあ。それかゴールドマンサックスとかの外資系いいよな。できる奴は収入が青天井で羨ましい限り。
と思ってたら{netabare}教育者かあ。大変やろうけど、ええやん。{/netabare}

高校3年生とは思えない勉強のしてなさ。受験あるんでないの?こんなもん?
全然わからない。{netabare}合格してるから、いいか。ポテンシャル高すぎ。{/netabare}

卒業して大学行った後まで描いていたな。{netabare}花火のジンクスはやはり、うるかだよね。大勝利。{/netabare}青春だなあ。あの展開はアニメオリジナル?

個人的には好きな終わり方したと思うし、良かった。ただ、もうアニメでは見られないと考えると寂しい。


OP
Can now, Can now Study
ED
放課後のリバティ halca
関係≧方程式 Study
挿入歌
ワンダー・ピュアマジック! 川瀬あゆ子(大地葉)、海原智波(阿澄佳奈)
星空のプレリュード 武元うるか(鈴代紗弓)
仰げば尊し


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
苦学の高校3年生・唯我成幸は、大学の学費が免除される「特別VIP推薦」獲得のため、学園が誇る3人の天才・古橋文乃、緒方理珠、武元うるかの教育係を引き受けることに。苦手科目にはとことんポンコツな彼女らを導き、志望校合格を目指すが…!? さらに、冷血に見えつつ超ドジっ子な教師・桐須真冬、メイドのバイトをしながら医学部を目指す先輩・小美浪あすみも加わり、成幸たちの勉強はさらなる追い込みへ! そして密かに恋の気配も…? 「できない」天才たちが繰り広げるラブコメディ、勉強も恋もまだまだ続く!!

1. 天才と彼はその[x]なる判定に銘々慮る
夏休みも予備校で勉強に励む成幸たち。この日は模試の結果が出て、理珠の志望校判定はE判定。「Eになった」と落ち込む理珠に文乃たちは騒然!…というのも、なぜか胸のカップ数と勘違いしていたからだ。そして理珠は、成幸が自分の胸に興味を示していると勘違いして…。後日、成幸たちは夏期講習の総まとめで予備校の合宿へ。勉強を終えて風呂に入った成幸は、なぜか男湯にいた文乃たちと鉢合わせ! そこに男子たちも入ってきて…!!

2. 先人の誇りは時に[x]どもの事情と背反する
あすみのバイト先のメイド喫茶が家事代行サービスを開始。成幸はあすみとともに依頼主の元へ向かうが、なぜか真冬やうるかといった知り合いばかり。しかもそれぞれ家事代行を恥じてか、あすみは仕事をさせてもらえずイライラ…!そんなある日の小テスト、普段以上に威圧のオーラを漂わせる真冬。実は徹夜でテストを作成したため、必死で眠気をこらえていたのだ。そして下校中、成幸は自動販売機の下をあさる不審な真冬を見かけるのだが…!?

3. 天才は変遷する季節と[x]模様に憂う
父親のせいで、うっかり前髪を切り過ぎてしまった理珠。最初の内は気にならなかったが、徐々に恥ずかしくなって成幸から顔を隠すように。被り物までして自分から顔を隠す理珠に、成幸は自分が嫌われたと勘違いしてしまう!また別の休日、親友・理珠とのお出かけにはしゃぐ紗和子は、完璧なプランで理珠を楽しませようと大張り切り! その途中、偶然に成幸と出くわした2人。紗和子は親友の恋のために身を引こうとするが…!?

4. 時に天才は限定された[x]において奮闘する
図書館で勉強する成幸の隣に、見知らぬ美少女が座って話しかけてきた。成幸は逆ナンと緊張するが、その正体は美容院でイメチェンした理珠だった。そうとは気づかない成幸は、勝手に誘惑されていると勘違い!翌日、英語面接に備えてスピーキングを練習するうるか。うるかの目も当てられない英会話に成幸は、この日の会話は英語以外禁止というゲームを提案する。しかしうるかとの英会話はかみ合わないどころか、勘違いの連発で…!

5. 心尽くしの賜物は時に[x]の錯綜となる
成幸の家で勉強した帰り、文乃は成幸から誕生日プレゼントを渡される。初めての男子からのプレゼントに「どんなもの」でも嬉しいと喜ぶ文乃。しかし開けてみると、そこにはブラジャーが…。果たして成幸の意図とは!?ある日、母親の代わりにバイトへ向かう成幸。そこはいつぞやのランジェリー店の店長が営むマッサージ店だった。あの時と同じく、着ぐるみでマッサージのバイトに励む成幸。そこに文乃と理珠が来店する!

6. 彼らは安んぞ面する[x]の志を知らんや
マンションの風呂が使えないため、真冬は銭湯に行くことに。途中であすみ、成幸たちと出会い、真冬とあすみは一緒にサウナへ。暑くて朦朧とする2人は、成幸との秘密を口走ったり、水風呂で戯れたり…。漏れ聞こえる2人の嬌声に、男湯の成幸は緊張しっぱなし!数日後、真冬を相手に模擬面接が行われる。文乃、理珠は弱点を突く真冬の質問に、すっかり心が折れてしまった。そして成幸の番…彼は真冬に何を語るのか!?

7. 人知れず天才は彼らの忖度に[x]する
オープンキャンパスを訪れた成幸、理珠、紗和子の3人。しかし成幸と紗和子はそれぞれ相手を理珠と仲良くさせるために、変に譲り合っては理珠を放り出すことに…。そんな中、理珠は数学の教授に才能を見出されて数学科に誘われる。あすみのメイドカフェでボードゲームイベントが開催! レアなボードゲームにつられた理珠は、メイドとなって手伝いで参加することに。メガネっ娘メイド・理珠に群がる客たち。理珠のゲームの才能が火を噴く!

8. ゆく[x]の流れは絶えずして…
成幸の体育の成績が赤点目前! うるかが成幸に水泳を教えるが、教え方があまりに下手で一向に効果なし。監督していた真冬が見かねてプールに入り、成幸の手を取るが…。プールの一件で真冬に勇気づけられたうるかは、全国水泳大会で見事に優勝! そして彼女には海外留学の話が。成幸に言い出せずに悩むうるかは、ファミレスで文乃に相談を持ち掛ける。そこに成幸が現れて、うるかはとっさにテーブルの下へ!

9. 最愛の星に[x]の名を(前編)
一ノ瀬学園で三者面談。家のために進路を決めようとする成幸に、母・花枝は自分がやりたいことをするべきと忠告。そんな中、オープンキャンパスで出会った数学教授が現れ、再び理珠を数学の道へ勧誘する。彼の名は古橋零侍、文乃の父親であった。三者面談で零侍と喧嘩した文乃。勢いで家出した彼女は、そのまま唯我家に居候することに。花枝の許可も得て成幸と寝食を共にする内に、どこか新婚生活みたいな雰囲気に…!?

10. 最愛の星に[x]の名を(後編)
唯我家での居候を続ける文乃。この日は花枝たちが出かけてしまい、家には成幸と文乃の2人きり。文乃は居候のお礼をすべく料理や掃除に挑戦するが、ことごとく惨敗! しまいには風呂に入ってきて、成幸の背中を流そうとする!?その後、星空の下で成幸に後押しされた文乃は、零侍と向き合うために家へ戻る。天文学への進路を認めようとしない零侍に、文乃は母が残した動画データを突き付ける。生前の母は何を語るのか…。

11. 祭のはじめは矢継ぎ早 彼らに[x]が降りかかる
文乃、理珠、うるかが希望進路を決める一方、成幸は「自分が本当にやりたいこと」を見出せずに悩んでいた。そんな成幸の悩みとは裏腹に、一ノ瀬学園は文化祭の準備で大忙し! そしてうるかたちは「後夜祭の1発目の花火を触れ合って見た男女は、必ず結ばれる」というジンクスを聞いて…。文化祭当日。理珠のクラスが出店するうどん屋にトラブルが発生! 理珠の父の勘違いで、模擬店の域を超えた大量のうどんが納品されてしまったのだ。

12. 祭の騒ぎは留まらず[x]どもは茨の道を往く
文化祭はますます大盛況! 水泳部のライブステージでは、なぜかフルピュア衣装を着た真冬が海原&川瀬と共演。真冬のダンスのキレに沸く観客。そして続いて登場したのは、見慣れない真っ黒な衣装に身を包んだうるか…!?うどんの宣伝で校内を周る成幸は、ある着ぐるみを着ることで、なぜか先生たちに追われてしまう。あすみの手引きで体育館へ逃れる成幸だが、そこでは文乃主演の演劇が修羅場を迎えていた!

13. 祭の終わりは寂しくも華やかに[X]どもを祝福する
着ぐるみの成幸の乱入により、文乃たちの演劇は大絶賛で終演。しかし着ぐるみ越しにキスした相手が分からず、文乃はただただ混乱…。一方、理珠のクラスのうどん店は、みんなの協力で大量のうどんが売り切れそうな盛況ぶり!そして「一緒に花火を見ると結ばれる」というジンクスがささやかれる、後夜祭の時間が近づいてきた。成幸と一緒に花火を見る、運命の相手とは…!?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

TAMA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

未来はわたしたちの手の中に!!

1期は『うるか』『古橋』がエピソード的にやや優勢だったと思いますが、この2期は結構『古橋』エピソードで応援する人が増えそうかな?と思います。
ただ個人的に最終話は原作全て見てる身としてはあまり好きじゃなかったですね。ま、アニメだけなら良いのかも?


原作・ジャンプで全て。
アニメ・全話視聴。(全13話・30分アニメ)


今年(2020年)で廃止される『センター試験』。来年からは『大学入学共通テスト』に名称が変更になります。
現実世界では受験生をただただ混乱させた文部科学省に絶望しましたよ。「この程度かよ…」って感じです。
だってこの変更をする文部科学省の連中の理由、「マークシートだから」ですからね。しかも出される問題やテストの用紙、やり方等も見ずにただ会議で「選択式はアカンやろ」みたいなノリで決まったみたいです。
ま、私が説明するより『池○彰さん』の本や番組で言ってたのでそちらをどうぞ。
本当、受験生は今後の人生をも変えるかもしれない事なのに文部科学省は何やってんだか(汗)


さて、思いっきり脱線したので戻しますね。
あらすじは2期だから書くのはやめときます。


今回はラブコメやコメディ部分が強かったかな。
ま、少年誌のラブコメ系としては丁度いいレベルだと思います。ただちょっとセクシャルなのが多かったのでそこを受け付けないと評価は下がるかなと思います。♯5と♯6が特に。
1期と比べると勉強系はあんまりだったなぁ。個人的には残念。ただ『桐須先生』の教え方や面接の部分は好きだったな。「大人でも自分の長所なんて…」や「才能あるものの特権」とか共感や感心しました。
後は『唯我』の「自分のやりたいこと」についてかな。指摘されるまで決めてなかった事、そしてちゃんと自分で答えを出せた事。教育係をやってたとしてもやはり『唯我』も一生徒なんだなと。

ツボだったのは『武本』の運動天才なのに教えるのがとても下手な部分やアイキャッチ、『古橋』の毒や『小美浪』のツッコミ等も面白かったです(笑)
歌はED曲の方がノリも良く、キャラも可愛くて好きですね。


♯9〜♯10は『古橋』の株が上昇したんじゃないかな。てかさ、もう新婚やん(笑)
家庭ってそれぞれ事情があると思うし、不器用だから伝わらない・伝えないで向き合えてなかったからこそこうなってたんだな。
詳しくは書きませんがここのエピソードはいい流れだと思います。そして『古橋』にとって今後大変だなと私は感じました。
だってねぇ…、『武本』と『緒方』のねぇ…。
これは『唯我』にとっても難題だな。合格通知は誰になるやら。


♯11からは文化祭なんですけど… …

ラブコメ物としてブッ飛んだ事が多いですね。

…文化祭ってこんなカオスだっけ?

ま、まぁそれは良いとしてもやはり賛否両論の3DCGダンス。これは好き嫌いがハッキリしそうですね。
ダンス後にアニメ絵に戻るから違和感は残ります。
他作品で例えるのは恐縮ですが『かぐや様○告らせたい』の♯3のED曲『チカっ○チカ千花っ♡』みたいなダンス表現だったら違和感もなくて良かったのかな。

でも後夜祭やジンクスもオチも「らしい」終わり方だなと思います。ま、これは後で書こうかな。


さて、原作を見てた私としては最終話のED曲後のエピソードは嫌でしたね。まぁリアルタイムに放送されてる時は連載中だったからこの表現になったのかもしれませんがこの終わり方だと3期は作らない前提な感じがして残念感が強いです。
何故かと言いますと私個人は『桐須先生エピソード』と『小美浪エピソード』が綺麗で好きなのでアニメで表現してほしかったです。それはもう叶わなそうだなと。
アニメだけの表現だと『小美浪』と『桐須先生』の魅力は伝わらないと思います。ただのサブキャラ感が(汗)『桐須(妹)』も出れずだし。

今現在(2020年3/15現在)は1つのストーリーとしては完結を迎えました。中々綺麗な終わり方だったので私個人は評価は良い方です。
ジャンプでは『ニセコイ』が散々な終わり方をしたので心配をしてましたが安心しました(汗)

明日発売(2020/03/16)のジャンプでは『ぼく勉パラレルストーリー』が開幕します。作者の『筒井さん』は「どの物語が本当の結末かは読者の皆様次第です」と言ってます。
やり方としてはギャルゲー・乙女ゲーみたいだなと思いますが試みは面白いかなと。
読者(ファン)に対し『X=???』と解はそれぞれに、って事ですね。
アニメでは♯11と♯最終話の『ジンクス』と『後夜祭』がキー、原作では『問69』のシーン。

なので題名は原作にも書かれた表現と一緒にしました。その意味は…原作見たら多分すぐ分かると思います。さて、最愛の『X』の解は如何に?
気になる方は明日本屋、もしくは電子ですね(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1期→うるか推し。から、2期→文乃推し。と、浮気w あ、物は投げないで下さい(汗)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
正統派のハーレムラブコメ。

難しいこと考えたり書いたりするアニメじゃないですね。

シンプルに楽しめる作品ですね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1期で私が好きだった順は、うるか→文乃→桐須先生→理珠→小美浪先輩。

2期を観て、文乃→うるか→理珠→桐須先生→小美浪先輩、に変わりました。

文乃、怒ってる時が一番可愛いって、どんなキャラだよ(笑) ツンデレのツンではなくて、ただ普通に怒ってるだけってのが良いよね。

でも実際、怒ってる時が可愛いらしい女性って良いですよね、リアルでも。あれ、(怒ってる姿みて、引いちゃう人と)何が違うんだろうね?

怒ってる時が魅力的な人って、愛嬌があるパターンと、サッパリしているパターンがある気がしますが、文乃姫には、その両面があると思います。

怒ってることは大抵正論だし、わりと他の人のためだったりするし、ちょっと照れるしw ガチで怒ってるのに笑顔ってのも、ポイント高いかも。

ナリユキともお似合いだと思うし。ナリユキは尻に敷かれてる方が良い(笑)

と、文乃さんの話ばかりになってますが、私の中の「歴代好きなヒロインランキング」でも、20番以内に入るかも? というくらいにお気に入りですね。

でも、なんとなく正妻にはなれないんじゃないかなと(汗) なんか、最後の最後に、自分(文乃自身)から引いちゃいそうな気がします。

以前からよく書いてますが、王道ラブコメは、展開よりキャラなので、良いキャラが揃ってる本作は、良いアニメです。受験(最終回)まで、追っかけたいですね。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
男子が胸ばかり気にしてるのは間違いないが、だからといって巨乳好きとは限らない。私は、CかBが好きですが、FよりはAです。だからといって、AAやAAAは、そんなにですが、、、って、何のカミングアウト?(笑)

2話目 ☆4
みんな、金で解決(笑) オプションなのか(笑) 居眠り(笑) 学園長の話、苦痛だよな(笑) てか、寝てる先生なんて普通にいたし、それにとやかく言ったりしなかったけどな。温泉卵(笑) ポンコツ先生(笑)

3話目 ☆4
てか、思春期男子が女子の変化に気付かないのって、鈍感ってのもあるけど、恥ずかしくて女子の顔をちゃんと見られていないってのもあると思うんだけど。関城紗和子、良い奴だよな~。回想、良いね。

4話目 ☆4
あのイメチェン姿を見た、文乃のハイテンションが見たかったな(笑) ランジェリー好き(笑) 意外な単語(笑) ①が(笑)

5話目 ☆5
これは予想できひんわ、ホンマに(笑) 文乃さんのツッコミが冴えるな(笑) イメージ伝わった(笑) 「文乃の巨乳化にナリユキ以外は気づくでしょ?」という視聴者の疑問を、アイキャッチで鮮やかに回収。素晴らしい。

デジャブ(笑) フニャフニャじゃねぇか(笑) 声優さんにエロい声を出させるためにやってんのか?(苦笑) ウルカさん、怒ってる(笑)

6話目 ☆3
どうも、キリス先生回は萌えないな~。ナリユキに贔屓しすぎ。

7話目 ☆3
酔いデレは安定的に萌えるな~。サイコロ倶楽部かな?(笑)

8話目 ☆3
うるか回。沈むのやめな(笑) もうちょい、プールでナリユキとうるかのラブコメ観たかったな~。海外留学か~。水泳の場合、日本も世界トップレベルにあるわけだし、うるかみたく英語で苦労してしまうより、日本で競技に集中した方が良い気がするけど。文乃のツッコミ(笑)

9話目 ☆4
文乃回。まさかのお父さん。そこで落ち込むのではなく、怒るあたりが、文乃(笑) 女子トーク、あかんでしかし(笑) よこそこに隠れられたな(笑) 文乃の怒りキャラ、好きだな~。

10話目 ☆5
ダメ文乃さん(笑) いやいや、風呂はやり過ぎ(笑) 「起きてる」は、なかなかの破壊力w これで文乃も正式参戦して欲しいな、ナリユキ争奪戦にw

11話目 ☆4
ダンスシーン、頑張ってますね。でも、やっぱり手描きが好きだな~。なんか、違うキャラにも見えちゃうな。だったら、先生出なくて良かったんじゃ(笑) 文乃の登場ばかり楽しみにしている自分がいる(笑) 先生、ちょろいw キス未遂から流れが楽しみ♪

12話目 ☆5
文乃さん、国語力生かしてる(笑) それもう、プロポーズやんけ(笑) 恋人食いwww ホンモノっぽくなったw 怒ってる文乃が一番輝いてる(笑) メインからサブまで、ほとんど全員に見せ場がある、素晴らしい最終回だね。時と場所と人数(笑) ハーレムエンド(笑) ん? シルエット的には、正妻はやはり緒方?
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

69.1 10 不器用で先輩なアニメランキング10位
キミキス pure rouge(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (702)
4232人が棚に入れました
高校2年への進学を控えた春休み。光一は、友達の一輝達との撮影会をすっかり忘れて、家で一人くつろいでいた。
そこに突然鳴り響くインターホン。玄関を覗いてみると、そこには見知らぬ美少女が…。
我が者顔で家に上がりシャワーを浴び始めた彼女は、何と2年ぶりにフランスから帰ってきた幼馴染みの摩央姉ちゃんこと水澤摩央だった。ビン底眼鏡で受験の鬼だった摩央しか知らない光一は、その変貌ぶりに唖然とする。

声優・キャラクター
日野聡、水島大宙、小清水亜美、水橋かおり、池澤春菜、広橋涼、田中理恵、能登麻美子、野川さくら、中原麻衣、川澄綾子、櫻井孝宏、福山潤

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

恋愛に始まりなんて関係ない

原作:ゲーム 未プレイ

学園恋愛物

全25話(TV放送:全24話)

以前、TV放送をリアルタイムで見てたんだけど、もう 忘れかけてたので
2周目をDVDで一気視聴。


紹介系レビュー

良作!

あれ、こんなにガチ恋愛ものだったっけ?ってくらい真面目な恋愛ものだった。
(完全に忘れてた^^;)

キャラは結構な数がいますが、皆、いい子達ばかりで、可愛いです。
声優さんも有名な方達ばかりで演技は上手。
どのキャラもみんな魅力的でした。


大きく分けると2つの恋模様を描いてて
主人公の光一と両想いの結美、光一の幼馴染の摩央お姉ちゃん、摩央を想う栄二の4人の恋愛と
光一の親友、一輝と、IQ190の天才不思議少女 二見 瑛理子、サッカー少女 咲野 明日夏の3角関係

どちらの恋愛も最後は誰かとハッピーEDを迎える訳だけど、選ばれなかった子の事を思うと切なくて仕方がなかった。

自分としては、どちらも 選ばれなかった方の子のが良かったので、余計辛かったな・・・

泣ける程の恋愛ものじゃなかったけど、それぞれのキャラの心情がちゃんと表してて、しっかりと感情移入できたから、見てて切ない気持ちにさせられました。

似たような物だと、アマガミかな?
でも、アマガミは失恋する所は描かれてないから、そこは違うけどね^^;
アマガミは、話が各ヒロインと恋愛してリセットされるけど、これはリセットされないver.って感じ。

甘いかもだけど、自分的には、キャラにキュンとして凄く感情移入できたので楽しめました。
2周目でしたが、話し忘れてた事もあって良かったです。

ありがちなハーレム物ではなく、真面目なガチ恋愛ものなので、それらが好きな人にはおススメです。



余談
当時は、まだ声優さんには興味なかったので気づかなかったんだけど、この作品、結構 声優さん豪華でした!
個人的には好きな声優さん達ばかりだったので、2周目は声聴くだけでも楽しめました。
特に、水橋さん、広橋さん、能登さんの声聴くだけで嬉しかったです!(@´ー`@) ♪


真田 光一CV:日野聡
相原 一輝CV:水島大宙
甲斐 栄二CV:櫻井孝宏
柊 明良CV:福山潤

水澤 摩央CV:池澤春菜
星乃 結美CV:小清水亜美
二見 瑛理子CV:田中理恵
咲野 明日夏CV:広橋涼
里仲 なるみCV:水橋かおり
相原 菜々CV:野川さくら
祇条 深月CV:能登麻美子
栗生 恵CV:中原麻衣
川田 知子CV:川澄綾子

好きな声優さん目当てに見るのもアリですねw (@≧Д≦@)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 42
ネタバレ

kids さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

揺れる恋心・・・あなたはこの結末をどう受け止めますか?

アマガミSSと同様にして恋愛ゲームが原作です。原作はプレイ動画で4割くらい拝見させていただきました。アマガミSSはゲームの要素がとても色濃く感じられましたが、キミキスはシンプルに恋愛モノとして楽しめる作品でした。


ストーリーについて
ストーリーは主に恋愛での三角関係が描かれています。そして先程も書いたとおり、かなり意外な結末で終わるのが特徴です。あまり詳しいことはここには書きませんが、恋愛アニメとしてはあまり受け入れたくない結末だったと思います。この作品の評判があまり良くないのは、原作ファンとしてはアニメでのオリジナル要素が多かったことと、この結末が主な要因だと感じました。ただ、作中での登場人物たちの心理描写はとても巧みで、少なくとも作中の誰か一人にはとても感情移入できるのではないかなと思います。それから結末についてですが、これは観る側の予想を裏切りたかったというのと、よりリアルな恋愛を描きたかったという理由、それから星乃さんの一途な真田くんへの想いを強調したかったという意図があったのかなと思いました。皆さんはどう思いますか?


登場人物について
この作品では以下のような構図で話が進みます
{netabare}
真田光一 ⇔ 星乃結美

|(幼なじみ)
 
水澤摩央 ← 甲斐栄二


相原一輝 → 二見瑛理子

|(同じ部活)

咲野明日夏
{/netabare}
個人的には主人公が真田くんと水澤さんの二人だったなと思います。原作でメインヒロインだった星乃さんがこの作品では一番可愛らしいキャラクターでした。人と話すのが苦手ではあるが、 {netabare}真田くんのことをずっと好きで・・・ {/netabare}こんな人が彼女になったら絶対手放したくないです(笑)
あとオススメキャラは咲野さんです。サッカー少女なんですが、本当にサッカーに真剣に取り組んでいてとても好感が持てました。終盤に近づくにつれて恋愛要素も出てきてとても女の子らしくて可愛いキャラだなと感じました。


その他
声優陣がとっても豪華です。
星乃結美を小清水亜美さんが、咲野明日夏を広橋涼さんが、柊明良を福山潤さんが演じています。

OP曲が個人的に好みでした。このアニメの雰囲気にとても合っていたと思います。


誰でも気に入る作品だとは思いませんが、登場人物に感情移入できればとても楽しめる作品です。ぜひ一度御覧ください。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

不器用すぎる恋愛

ギャルゲ原作の恋愛アニメ。「ハチクロ」「のだめ」のカサヰケンイチ監督
高校二年生の真田光一と相原一輝、二人の主人公を中心とした恋愛を同時並行して描いた青春群像劇。
原作ファンには頗る評判が悪い作品ではありますが、恋愛アニメとしてはそこそこ良かったです。

・光る心理描写
ストーリー自体ありきたりな恋愛模様を描いたものではあるが、心理描写が非常に丁寧。特に女性キャラの心情の変遷は丹念に描かれていると思います。いざ好きな異性と交際してみたものの、他の異性が気になったり不安になったり・・・そんな不器用な恋愛を描いてあります。ただ2クールまるまるそんな感じなので、結構後半から苦しくなります(笑)

・もっと喧嘩しろよ
基本的にキャラがみんな良い子ちゃんばっかりなんですよねぇ。いや別にそれで良いんですけど、感情を押し殺すような後半の展開は焦れったくてしょうがない。こやつらときたらお互いを気遣ってばかりであまり衝突しないんですよ。同時進行している恋愛もクロスしていかないし、このアニメには衝突が少ない、ゆえに強く友情を感じられる場面があまりなかった。とてつもなく繊細なアニメである。

・不評のラストについて
まぁ確かに色々問題はあると思うんですが、主人公の選択の正当性を視聴者に訴える必要性は必ずしも無いと思います。やっぱりアッチのが好きだったわ・・・ゴメン!で十分です(笑)それは冗談としても、本作のような恋愛ドラマがあっても別に構わないし、そこまで不自然には感じなかったですね。今一つ押しが弱いという気はしましたが。

・総評
イベントが少なく内容に物足りなさを感じる反面、優れた心理描写で恋愛ドラマを見せてくれた作品。
好評の「アマガミ」は全く肌に合わなかったが、これは不満はあれど十分見れた。
ギャルゲアニメの視聴層が何を望んでいるのかよく分かったのも収穫、アマガミ>キミキスという大方の評価は理解はするがちょっと切なくもなった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

67.4 11 不器用で先輩なアニメランキング11位
ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-(アニメ映画)

2015年12月5日
★★★★☆ 4.0 (127)
777人が棚に入れました
水とふれあい、水を感じることに特別な思いを持つ七瀬遙。小学生時代最後に出場した大会でのメドレーリレーで、橘真琴、葉月渚、松岡凛とともに、遙は「見たことのない景色」にたどり着いた―――。そして桜が満開の春。遙は真琴とともに岩鳶中学校へ進学。新たな生活が始まろうとしていた。水泳部に入部することになった遙と真琴は、椎名旭、桐嶋郁弥と4人でメドレーリレーのチームを組んで試合を目指すことになってしまう。考え方も目的もバラバラな4人。そして彼らにはそれぞれに抱えた悩みがあった。そんな中でリレーの練習を重ねるも、上手くいかないままで……。「チーム」となるために必要なこととは何か。過去のメドレーリレーに心が囚われたままの遙が新たな場所で何を思うのか―――。

声優・キャラクター
島﨑信長、鈴木達央
ネタバレ

かさい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女性向けアニメ

京アニファンでもなく、アニメファンでもなくこれはFreeのファンのためのフィルムなのかと振り返ってみて気づく。

Free,FreeES共に視聴済み

【物語】4.6
【構成】4.7
ストーリーは単純にそこまで面白くなかった。Freeと似たような展開。
構成は110分で結構まとまっていて、最後の締めも良かった。見方、見せ方にもよるけど、このカットいるか?と思えるカットも幾つかあった。
テンポはよかったのかな。過程と言うより遠回りが多かった気がする。
たとえば
{netabare}旭がフリーが泳げなくなる過程とその原因と、泳げそうになる過程を描いておきながら、フリーを実際に泳いでいる姿は描かないという。結果的にこの過程は単なる遠回りであって、旭には別の過程が必要だった気がしてならない。実際に、フリーを泳ぐ機会も場面的になかったわけだけど。その中で遥が人間だったという事実だけが明確になっただけ。{/netabare}

【作画】5.0
水の表現。感情表現。身体に関しては内海監督の拘りと比べれば落ち着いたと思えたのと、キャラが中学生だという事もある。誰が見ても凄いと思える水の表現。撮影と手描きエフェクトのバランスが良すぎる。泳ぎも凄かった。表情も素晴らしい。
特に細かい泡や水のエフェクトの物量と質は凄かった。バスケ作画もカッコ良かった。石立さんぽい気もする。
今作ではあまり頰ブラシを使わずに、色トレスしてた印象。境界の彼方とはまた違った感じ。
京アニ色での表現に特化しているし自分もかなり京アニの色に関して好きだけど、今回色は残念だった。夕景や夜に関してはもっといい感じの色を期待していたし、いい色だなと思えたのもアバンの水面の光の反射だけかな。中盤色が全体的に変わるけど、色で攻めてる京アニって感じではなかった。米田さん。


【美術】4.8
背景スゲェなとは思えなかった。基準はユーフォ。美術でいうと、境界の彼方やたまラブの方が質感も空気感も良かった。コースロープのCGとか、桜の花びらとかは安定の凄さ。今作では色はそこまで意識出来なかったかな。

【声優】4.5
これは今作では一つの問題だと思う。
何故声変わり一歩手前の中学1年の役を高校生役を演じたキャストが選ばれるのかと。それの裏を考えると、1期2期でヒットして得たファン層には勿論キャスト中心に追いかけているファンもいるわけで。そのファンを離さないためなのかなとか。そんな事が頭をよぎる。
鈴木さんとそのファンの方には申し訳ないけど、真琴はもはやキモいレベルだった。
細谷さんも中学1年生は無理あるだろ。逆に佐藤さんも可愛すぎて小学6年生気持ち悪い。内山くんもいまいちなりきれてない。どのキャストも高校生役で活躍しているのにも関わらず。さすがに無理を感じた。

【音楽】4.7
加藤さん。加藤さんの音楽は相変わらずいいのだけれど、Freeの劇伴の方がかっこ良かった気がする。キツめにつけて4.7。

【演出】4.8
テンポの良いギャグタッチな演出とか、ユーフォ7話みたいな色は結構武本監督なのかなと。背景を意図的にボケで潰したり。ブレとPANのとこは小川さんっぽい。アオリや俯瞰、影のつけ方が特徴的になったあたりは石立さんかな。京アニ補正付いてるけど、今作でダイレクトな演出を感じることは出来なかった気も…。
中学生らしい感情表現、感情の揺れとかを丁寧に描写しているとは思う。一般客には必要ない描写も多数ある。

【op&ed】4.6
OLDCODEXがそもそも好きではないので。たまラブみたいな素晴らしいedがあったではないし。
評価は難しいですね。

【世界観】4.6
{netabare}練習試合で散々な結果に終わったのに、皆で団結してから相手を寄せ付けない強さになった。
これは正直変化を極端にしすぎだと思う。ここまで極端にするぐらいなら練習風景をもっと描写して欲しかった。確かに元々の実力はあったのだろうけど…。{/netabare}
リアル準拠で、登場してくる中学生キャラは大抵いそうな感じのキャラでそこは面白かった。

【キャラ】4.6
中学生思春期としてのキャラはいいけど、アニメキャラとしては受け入れ難いキャラも。特に真琴はESから少しキモさはあったけど、今回は極まってた。おせっかい?表現が優しいですよそれ。女性向けであって男性向けではないとしみじみと感じてしまった。
{netabare} 尚先輩が旭を抱きしめるシーンや、真琴と遥の夜の水泳も女性向けである事を象徴するかのような演出だった。{/netabare}

どのキャラもホモ臭く、女性キャラなんて親以外出てこなかったのでは?その点Freeでは、百太郎や江ちゃんはいい感じにバランスをとっていたんだと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人気シリーズを原作へ回帰させるという難題への挑戦「可愛い」そう思えたのならこの映画は大勝利

2013年夏期の『Free!』と2014年夏期の『Free!-EtenalSummer-』の原案である『ハイ☆スピード!』の第2巻に当たる部分を映画化した作品


他媒体原作から離れたオリジナル展開に走るアニメは沢山ありますが、ほぼ独り立ちしてしまったテレビアニメシリーズから原作準拠へと話を戻すというのはなかなか無理難題だとあらすじを聞いたときから感じてました
しかも「高校生の肉体美を描く!」ということに注力していた肝心の重要人物、内海紘子監督が今作には【一切として関わっていません】
このことから、京アニ内でも相当混乱した状況下での制作となったことが予想されました
監督は『消失』以来の映画作品となる武本康弘、脚本は西岡麻衣子、上映時間は110分
珍しく石原立也さんはどこにもクレジットされていません


舞台は『Free!』の4年前に遡ります
中学校に入学したての七瀬遙と橘真琴は水泳部入部志望の椎名旭から執拗に一緒に入部しようと勧誘を受ける
しかし小学生校時代の遙、真琴、凛、渚の4人はまさに最高のチームだった、と喪失感に浸っていた遙は水泳部入部を頑なに拒否し、遙の意向に従っていた真琴も難色を示す
また、同学年で孤高を気取っていた桐嶋郁弥もまた、自身が水泳部部長の弟であるというコンプレックスを拭えず、水泳部から距離を置いていた
(彼は自己主張が強いこのシリーズのキャラの中では珍しく内に籠るタイプでしたね)
一悶着あったのち水泳部に入部した4人
で、あったが個々の得意分野が上手いことバラけてる、という理由でリレーのチームを組まされる
各々の実力は高かったがリレーとなると全く息が噛み合わない4人
そんな中、真琴は何かを思い詰めるように無茶な練習に没頭し、旭は突然フリーが泳げなくなり、郁弥は兄との溝をさらに深めてしまう・・・


まず『Free!』ファンに誤解を招きかねない内容なので説明させていただくと、舞台は中学校なので当然ながら当時小学生であった渚と怜の出番はほとんど無い
逆にこのとき既に留学中だった凛の代弁者として宗介が、のちのち同級生であったことが語られた貴澄(キスミー)が遙たちと初対面をしています
ちゅーことで一部のキャラのファンにとっては少し残念な作品なのかもしれません
純粋な目で新キャラの旭と郁弥を含めた4人の少年たちの部活青春モノとしてご堪能いただきたい


さてテレビシリーズより4年も前の話ってことで遙を演じる島崎信長、真琴を演じる鈴木達央は意識的に少年っぽさを醸し出す演技をしており、各々のキャラの描写もどこか可愛げのあるものになっているのが流石
水飛沫のエフェクト、水中に差し込む波紋で歪んだ光、少し濡れた感じの髪と肌など、丁寧な作り込みを感じる部分も沢山
また小学生の渚を佐藤聡美が演じてますが、テレビシリーズでのヨナガッパの演技を間近に観ていたおかげなのか、はたまた元々の実力なのか、まさに‟小さいヨナガッパ”という好演が観受けられ「ホント、プロ声優って素晴らしい」と感じさせてくれます


その一方で男子中学生が4人(キスミーも含めれば5人)も揃えばお馬鹿な会話が弾むモノ、ってことで男子中学生の愉快な日常風景としても楽しめる作品になっております
お泊りのくだりはみどころ


ただ山場の一つである遙と真琴が月夜に着衣水泳するシーンは・・・アレはファンタジーってことにしときましょう;
リアリティを感じる作品の中で着衣で、水中で、背面で、アイコンタクトってのはいくらなんでも無理やw
おまえらはイルカか(笑)
そうかー、これって美少女動物園に対抗した美男子水族館だったのか(自己完結)


結論として今更原作に引っ張り戻そうとか虫が良すぎると思います;
未だ『ハイ☆スピード!』と『Free!』の間には‟空白の4年間”がありそのミッシングリンクにもなっていませんし
ですが『Free!』とは無関係に1本の映画として纏まった作品になっております
ので、『Free!』をよく知らない方にも観てもらいたい作品ではありました

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

仲間と泳いだ、もう一つのチームの物語

アニメ「Free!」の劇場版であり、
遥(はるか)と真琴(まこと)の中学生時代のお話です。

このシリーズの原案となった小説のアニメ化ですね。
私は読んでいないのですが^^;

高校生版でメインキャラとなる5人+2期で活躍した宗介(そうすけ)は、
何らかの形で登場していました。

時系列的にはこの作品が一番最初の物語ですが、
見るのは2期の後がいいかな。

110分ほどの作品です。


● ストーリー
中学校に進学した七瀬遥(ななせ はるか)と橘真琴(たちばな まこと)。

部活を何にしようか迷っているところで水泳部に勧誘され、
流れで入部することに。

1年生は、遥と真琴、
そして椎名旭(しいな あさひ)と桐嶋郁弥(きりしま いくや)の4人。

この4人でリレーのチームを組まされるが、
それぞれの悩みが邪魔をして、なかなかうまく息が合わない。


スイミングクラブに通っていた経歴があり、
泳ぎには自信がある4人ですが、新しい環境に戸惑います。

それぞれが悩みにぶつかって、もやもやを抱えて、
それが邪魔をしていい泳ぎができない。

思うようにいかないから、
余計もやもやする。

中盤まではなかなか苦しい展開でした。
遥と真琴がすれ違う様なんて見たくないよー(´;ω;`)

遥は小学生でのリレーが楽しくて最高で、
あれ以上のものはできるはずがないという寂しさから、

真琴は自分は水泳が好きではなく、
遥といたいから泳いでいるのか?という悩みから、

旭は今まで泳げていたフリーが
急に泳げなくなった恐怖から、

郁弥は兄に突き放された寂しさから。

でもそれを互いの存在で打ち破ることができた時、
4人は最高のチームに…という、終盤への勢いが止まらない物語でした。

いいメンバーだと思うけど、
本編の岩鳶(いわとび)高校水泳部のメンバーに比べると、
やはり劣ってしまう気がしました。

高校時代の方が、
遥も真琴も生き生きしていたような。笑

1期や2期で中学時代の話が少しも出てこなかったのは、
その後3年間どうだったの?と、不安にもなりましたw


≪ 笑いは少なめ、な雰囲気 ≫

中学生が悩みにもがいている場面が多く、
本編のようなふわふわした楽しさは少なかったです。

メインのキャラが数人変わるだけで、
作品の雰囲気も変わるものだなあと感じました。

個人的には本編の方が楽しかったなあ。
怜と渚の2人(特に渚)と凜の存在が恋しくなりましたw


● キャラクター
遥たちと一緒にチームを組む旭&郁弥は、
それぞれにちゃんと魅力を持っていたと思います。

“バカ旭”の呼び方がこれほど似合う人はいないだろうと思うほど、
単純でムードメーカーな旭と、

素直じゃないけれど、
だからこそたまに素直にデレた時の破壊力がすさまじい郁弥。笑

でも私は二人以上に、
先輩である尚(なお)&夏也(なつや)が印象に残りました。

先輩として、後輩の葛藤を見守り、成長に喜ぶ。
こうして見守る存在って、温かくていいなあと思います。


● 音楽
【 主題歌「Aching Horns」/ OLDCODEX 】

1期と2期でOPを担当していたOLDCODEXが主題歌担当です。

OLDCODEXの曲はこの作品のイメージの一部だから、
今回も違和感はまったくありませんでした。

エンドロールによく合っていました^^


● まとめ
タイトルが「ハイ☆スピード」と、
これまでとは異なる名前になっていることからも、

こちらはアニメのサブストーリーとして楽しむのが
ちょうどいいかもしれません。

特別版の映画や3期にこの中学時代のキャラたちが登場するので、
続編を観ようと思っているならば、見逃せない作品なのは確かです。

高校時代よりもちょっと幼くて、まだ筋肉も未熟な遥たちの、
少し青い物語に甘酸っぱくなりました(*´ω`)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
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