京都で家族なおすすめアニメランキング 7

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの京都で家族な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月23日の時点で一番の京都で家族なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.3 1 京都で家族なアニメランキング1位
有頂天家族(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1677)
8062人が棚に入れました
京都には人間と狸と天狗が住んでいる。下鴨神社・糺(ただす)ノ森に暮らす下鴨家。狸界の頭領であった父・総一郎は、ある日何の前触れもなく狸鍋にされたのだが、その経緯は今も謎に包まれていた。残された四兄弟のなかでも偉大な父の「阿呆の血」を色濃く継いだ三男・矢三郎は「面白きことは良きことなり」をモットーに、生真面目だが土壇場に弱い長兄・矢一郎、蛙の姿で井戸にこもっている次兄・矢二郎、臆病ですぐに尻尾を出してしまう末弟・矢四郎、そしてタカラヅカ命の母に囲まれて暮らしていた。隠居中の大天狗・赤玉先生の世話を焼いたり、神通力を得た人間の美女・弁天に振り回されたり、はたまた五山送り火の夜空で宿敵・夷川家と空中決戦を繰り広げる日々の果てに、突如下鴨家を襲う絶体絶命の危機! 父が鍋にされた真相が明らかになるなか、固い絆で結ばれた一家の運命はいかに!

声優・キャラクター
櫻井孝宏、諏訪部順一、吉野裕行、中原麻衣、能登麻美子、井上喜久子、石原凡、佐倉綾音、梅津秀行、飛田展男、西地修哉、畠山航輔、樋口武彦
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おもしろき こともなき世を おもしろく

原作未読。


主人公は下鴨矢三郎(しもがも やさぶろう)。
タヌキの名家である下鴨一族の三男坊。
彼は「面白く生きる」ことをモットーに生活していた。
その言葉どおり、彼のまわりにはひとクセもふたクセもあるタヌキや人間やテングが。
そんな中、タヌキ鍋にされて亡くなった父、総一郎(そういちろう)の死の真相にせまっていく。


あらすじだとミステリーっぽく聞こえるかもしれません。
しかし、実際は「家族」を扱ったハートフルコメディ。
そこそこ笑って、ちょっとほっこりできるアニメです。

テーマ性はレビューのタイトルに書いたとおり。
OPの歌詞の中によく似たフレーズが含まれています。

これは、高杉晋作の言葉とされています。
下の句を含めると、

「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなしものは 心なりけり」

世の中は望もうと望まないと無常に過ぎていくもの。
面白いどうかは、その人の心のあり方によって決まる。
それなら、楽しい方向にとらえないでどうすると。
どうでもいいことだって、見方を変えれば面白いものになります。

それを表現するように、随所にばらまかれた小ネタの数々。
やっていることはハチャメチャなのですが、それを面白く見せるマジックが効いています。
特にセリフの選び方が上手ですね。
面白さの半分は言い回しでできていると思います。
{netabare}
また、どうでもいいことに変に力が入っていたりしますよね。
赤玉先生の風呂のシーンでうまいこと前を隠したり、芸が細かいw
{/netabare}

キャラクターの存在感もポイントです。
下鴨一族はみんなそれなりに個性的で愉快です。

・子供思いの母親
・責任感たっぷりな長男
・ニートな次男
・通称アホだけど機転の利くの三男
・臆病でかわいらしい四男

敵役もどこか憎めません。
じいさんも妙にかわいい。


この「ほどほど感」がクセになります。
1~2話では見えてきませんが、回を重ねるごとに魅力が増してきました。

とにかく何事も深追いはしない。
おかげで疲れとは無縁です。
見ていて時間の経過を忘れました。

この「疲れない」ってのがポイントですね。
日常系ではないのにまったり見られます。
それでいて次回が気になるんです。

和やかな気分で笑いながら見たいけれど、日常系には飽きた。
そんな人に向いている作品だと思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 69

もりもりにーと さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

京都宣伝アニメ。映像と雰囲気がとにかく素晴らしい。

人間に化ける狸たち4兄弟が主人公で、森見登美彦が原作という遊び心溢れる作品だ。

ユーモラスな口語体と、お馬鹿な遊びをたしなむキャラクターたちはさすが、森見登美彦作品。
それをさらに昇華したのは、原作者の京都愛をこれでもかと映像美で表現した作画担当班だ。舞い散る嵐山の紅葉、空飛ぶ屋形船に乗って、花火を打ち上げるシーン。有名なシーン以外でも、背景はとにかく凝っていてどれもうっとりするくらい綺麗だ。未だに記憶に鮮明に残っている。

そして、四畳半では友情愛をテーマにしていたが、この有頂天家族では、タイトルにある通り、家族愛をテーマにしている。
なぜ、この家族の偉大なる父は殺されてしまったのか。その謎と、個性豊かなキャラ達の葛藤も描かれている。

終わりもだれることなく綺麗に纏まっている。BOXが出たら買いたいくらい良いアニメだった。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

一つの大きなサヨナラが、遺された者達を繋ぐこともある。

2013年7月放送。
全13話。


【前置き】

原作者は、メディア芸術祭アニメーション部門大賞のアニメ「四畳半神話大系」も書かれた『森見登美彦さん』。
(本作は、森見作品の中では「毛深い子」という愛称で呼ばれていたりするそうですww)
そして制作は、安定と信頼の作画で定評ある『P.A.WORKS』。

『森見登美彦』に『P.A.WORKS』
どちらも、私にとっては名前を聞くだけで条件反射してしまう単語です。
事実、本作の放送が始める少し前、来期のアニメ一覧を眺めていた中で本作『有頂天家族』を見つけた時も、私の…今思えば「阿呆」の血が無性に騒いだのを覚えています。

『うむ。これは、見ないわけにはいくまい。

 これも、阿呆の血のしからしむるところだ。』

なんて台詞、本作を見る前は出る筈も無かったわけですけどね。



【あらすじ】

千年の都・京都。
ここでは古来より、人に化けた「狸」と「天狗」が、人間に紛れ暮らしておりました。

狸一家『下鴨(しもがも)家』の三男であり、偉大な亡き父から「阿呆」という一点の血を受け継いだ主人公『矢三郎(やさぶろう)』も、その中の一人。
狸界では「名家」であることも顧みず、彼は日々をただ面白可笑しく過ごしていました。

しかし周囲では、その偉大な亡き父の遺志を継ぐ、次期頭領を決める「偽右衛門(にせえもん)選挙」で、躍起立つ者(狸)が出始めておりました…。



【論じてみる】
{netabare}
正直、序盤の数話は
「本当にこれから、四畳半の時のようにドンドンと面白くなるのかな?」
と、半信半疑でした。
理由として、キャラの立ち位置や関係性が分かりにくく、どういう風に話が進んでいくのかも明確でないので、続きが全く気になる感じになれなかったのです。
上記のあらすじにしても、第1話の時点ではよく見えてこなかったですし。

第4話「大文字納涼船合戦」にしても、内が見えないキャラクター達がドンチャン騒ぎをしていても一緒に楽しめるワケもなく、ただただ温度差を感じました。
「四畳半神話大系」の実績が無ければ、まず間違いなく切っていたことでしょう。


ただ、P.A.WORKSの作画は流石の一言。
久米田康治さんが描く、角張った特徴的なキャラクターデザインをアニメ的に上手く表現しながらも、緻密に描き込まれた舞台背景は、見ているだけで心地良かったです。

京都という舞台上どうしても人通りが多いわけですが、そのモブも事細かに動きますので、スタッフの職人魂を感じましたね。
退屈な序盤を視聴継続出来た要因としては、この作画は非常に大きかったと思います。


そして中盤より、やっとこさ

「偉大なる父親狸が、狸鍋にされ人間に食べられてしまった。」

というエピソードを元に、徐々にそこに関わっていたキャラクター達が浮き彫りになっていき、少しずつ物語にも魅入るようになっていきました。

ストーリーとキャラの立ち位置が明確になってくると、序盤とは打って変わりの面白さ。
もぅ毎週、楽しみで仕方無くなっていました。

特に第8話「父の発つ日」にある、次男であり蛙でもある「矢次郎(やじろう)」の回想語りは、胸に響きましたね。


『その当時の俺は、厄介な問題を抱えていた…。

 俺は大いに悩み、その想いを父に打ち明け…判断を仰いでいた。


 俺は…、カタのつけようのない恋をしていた…。』


作中ずぅぅっと引っ張ってきた次男坊の本心。
そして、それを軸に語られる偉大な父の死の真相。

あくまで自分の中でですが、数多あるアニメ作品の中でも間違いなく、私にとって数少ない『神回』と言える一話でした。


ラストに関しても、とんでもないドンデン返しはありませんが、良い意味で予想通り気持ち良く楽しく終わっていたので、本作としては丁度良い塩梅でした。
予想が出来てしまい、そのまま予想通りでも、その絵が見たくて楽しみで仕方無い。
そんな気持ちで、ラスト3話は見ていた気がします。
{/netabare}



【偽右衛門 下鴨総一郎】
{netabare}
さて…「毛深い」だけでなく中々「味のある」キャラクターの多い本作。
その中でも、特に魅力的で味わい深いキャラクター、偉大な父親狸『下鴨 総一郎(しもがも そういちろう)』について、じっくり語りたいと思います。

この父親は、まさに「カッコイイとはこういうことさ」と言わんばかりの立ち振舞いでしたね。


山に化けることが出来る程の、非凡の化け力を持っていた父。
しかし突然、狸を食べる会「金曜倶楽部」に捕まった父親は、その人間達に鍋にされ食べられてしまっていました。

中盤、その父を食べた張本人の一人、大学教授の「淀川 長太郎(よどがわ ちょうたろう)」と矢三郎は奇しくも出会うのですが、そこで語られた父の最期は、想像していたものとは随分と違っていたのです。

その淀川は、人間であるから狸を食うのは当然と言いながらも、「食べることは愛すること」とも言い、狸に対し深い愛情を抱いていました。
そんな淀川に対し父は、狸界のタブーを破り…こう言葉を交わしていたのです。


「俺はコレまでにやりたいことは全てやり、子供達も大きくなった。

 末はまだ小さいけれども、兄たちが居るから…あとは助け合って立派にやっていくであろう。

 俺は種をまき、そこそこ育てた。

 一匹の狸としての役目は全うしたんだ。

 残された日々は天恵である。つまりは儲け物である。

 したがって…、まあ…ここであなた方に食われたところで一向に構わない。

 食いたければ食うが良い。」


狸が喋ったことに驚く淀川にも井を返さず、


「貴方ならば喋っても構わんかな…と、ふと思ったのだ。

 我が生涯最後のイタズラと言うべきか、阿呆の血のしからしむるところだ…。」


と、落ち着きながらも…「狸らしい」個性そのままに、それから食べられるまでの時間を、父は淀川と語り合っていたのでした。

父親の最後となったこのエピソードは、はたから見た残酷さとは裏腹に、まるで長年信頼しきった間柄のような会話を見せており、良い意味での違和感を生む演出がなされていました。
しかしまぁなんと潔い狸(おとこ)でしょうね、惚れ惚れいちゃいましたよ。


そんな父を想い返し、矢三郎は終盤前(第8話の最後)に、こう語っておりましたね。


『この世にサヨナラするにあたり、我らの父は、偉大なるその血を律儀にも四つに分けた。

 長兄は、責任感だけを受け継ぎ、

 次兄は、暢気な性格だけを受け継ぎ、

 弟は、純真さだけを受け継ぎ、

 私は……、阿呆ぶりだけを受け継いだ。

 てんでバラバラの兄弟をつなぎとめているのは、海よりも深い母の愛と、偉大なる父とのサヨラナである。

 一つの大きなサヨナラが、遺された者達をつなぐこともある。』


私はこの2つのシーンが作中でも大のお気に入りで、特にこの矢三郎の台詞の一連シーンでは、演出や音楽の挿入も抜群に良かったのも重なり、不覚にもボロ泣きしてしまいました。
正直、今もこの台詞を読み返すだけで、目頭が熱くなってしまう程です…。


下鴨家を始め、本作を彩るキャラクター達は皆どこかで、この父と繋がっていて、良くも……そして悪くも触発されていました。
それほど、この父親狸『下鴨総一郎』は、大きな存在だったんですね。

今もサントラで、このシーンの曲を聴いています。
曲のタイトルは、『一つの大きなサヨナラ』です。

アカン、泣けてきてしまった……。。。
{/netabare}



【総評】

初見では、序盤で人物設定や世界観が掴み辛く、馴染みづらい点は大きなマイナス。
原作ファンや前知識を持つ人でなければ、ここで切ってしまう人も多かったのではないでしょうか。

ですが後半は、そのマイナスを補って十二分に余りのある、大変面白く心動かされる「馬鹿馬鹿しい狸活劇」となっておりました。

しかし、いやはや序盤の悪印象から、まさかボロ泣きに発展するとは……。
これだから、物語は追ってみないと分かりません。
勿論、数多ある原作の中からアニメ化された作品なので、誰が見ても面白くない内容だなんてことはありえない、と思って一応追ってはおりましたが。
(と言いつつも、やっぱり自分には合わないケースがよくありますので、こういう風に覆るケースは珍しかったです。)


私は、ラノベ作品によくあるような、いわゆる萌え系のアニメも喜んで鑑賞します。
付け加えるなら、本作と同時期に放送されていたアニメを見て、「小学生は最高だぜ!」とも言っていた、本当どうしようもない阿呆の萌え糞豚です。

それでも、このような大人の鑑賞にも十分耐えうる、でもそれでいてカッコ付けて高尚ぶらずに面白いものを描く、こういう作品も大好きです。

この作者が描く「阿呆」に、私はたまらなく魅力を感じてしまうんですよね。
それが面白い出来事に繋がり、それが面白い周囲を呼び込んできてくれるのですから。

そして、まさに『四畳半神話大系』がそうであったように、それが周囲を巻き込んだ「良きこと」にも繋がっていくのですから…☆彡


まさに「面白きことは、良きことなり。」でした。

読んでいただき、ありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『下鴨 総一郎』声 - 石原凡さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『夷川 海星』声 - 佐倉綾音さん



以降、獣に当てた駄文なので〆ておきます。
{netabare}
さて…、これまで美少女にのみ、その欲情を露わにしていた私ですが…。


本作を見てからというもの、私は

『美少女』

ならぬ

『美少狸』

にまで、欲情の目を向けてしまいかねないようになってしまいました。

これに限っては、オスだろうが問答無用で手を出しかねない勢いである。


野生の狸は危険? 気性が荒い? 疫病も持っている?

ノープロブレム。

本能の赴くままに行動している時の私の気性の荒さは、野生の狸を凌ぎます。

爪も使います。

歯も使います。

舌も出します。

何より、私もこの通りの病気持ちです。


以降、私が京都に赴いた際は、町に隠れ住む『美少狸』は、決して私に近づいてはいけないと警告しておきます。


もし私に発情期があるとするならば、狸とだけは同時期でないことを願ってやみません。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 43

62.9 2 京都で家族なアニメランキング2位
京都寺町三条のホームズ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (201)
731人が棚に入れました
「京都寺町三条のホームズ」は京都の小さな骨董品店でアルバイトを始めた女子高生・真城葵が、その骨董品店のオーナーの孫で、周囲から“寺町三条のホームズ”と呼ばれている青年・家頭清貴と、骨董品にまつわる奇妙な依頼を解決していくライトミステリー。

声優・キャラクター
富田美憂、石川界人、木村良平、遊佐浩二、小林沙苗、小山力也、上田燿司、木下鈴奈、堀江由衣

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

超高校級の鑑定士(笑)

……それは違うよ!

原作はエブリスタ掲載→商業出版ということで、これは『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』と似たようなコースですね。ただし出版レーベルは『櫻子さん~』が角川文庫なのに対して、こちらは双葉文庫です。

原作は読んでないのでわかりませんが、アニメの方は事件が起こっても視聴者に本気で推理させるつもりはほとんどない「なんちゃってミステリー」といった感じの作品です。

とりあえず人は死にません。流血やグロいシーンが苦手な方にも安心です。

埼玉県の大宮から引っ越してきた女子高生の真城葵(ましろ あおい)が、第1話でのいきさつをきっかけに「蔵」という骨董屋で働く家頭清貴(やがしら きよたか: 通称「ホームズ」)知り合いアルバイトとして働くようになり、鑑定士見習いであり名推理を発揮することでも周囲に知られているホームズと一緒に様々な依頼や事件と関わるといった感じのお話です。

そこに葵ちゃんやホームズ絡みの軽めの恋愛っぽいエピソードがついてくる感じですかね。たぶん作品傾向的には女性向け。そのあたりを反映してか、キャラクターデザインもちょっと少女漫画っぽい感じになっていますね。

作中での依頼や事件などのいくつかには、ホームズのライバルポジションっぽい円生(えんしょう)という人物が関わってきて対決っぽいストーリーになることもあります。

具体的に計画は聞いていませんが、作風的には実写ドラマ化などもいけそうな感じのお話ですね。

「超高校級の鑑定士」ですが、葵ちゃんがアニメ終盤でいつのまにか楽焼(らくやき)に関してプロ並みに鑑定できるようになっていたのでふざけてレビュータイトルにしてみました(笑)。

でもただの女子高生がそこまで鑑定できるようになったら、凄いぞ…!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 33

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

悪くはないんだけどね・・・

原作未読。
個人的にはこういった話は好きな方なんですが・・・。「氷菓」「ゴーストハント」「ハルチカ」的な日常の中のちょっとした不思議や事件みたいなものを主人公達が依頼を受けて解決していくスタイル。人の心の部分を照らすものが多いかな。うーーん、せっかく京都が舞台だし、骨董品(数奇物)を題材にしているんで京アニさんやJCさん、PAさんあたりが背景や表情なんかにつっこんだ感じで制作してたら結構化けた可能性はあるんじゃないかと思ったり・・・。風情が足りんのよ。作品全体にね。


私のツボ:ほんま乱暴なお人やで

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

いけず!?成分が足りない

2018.08.05記


原作未読。

京都+推理+骨董品+それとイケメン

けっこうひっかかりのありそうな感じはします。
ほぼ1話完結の推理物なのですが、謎解きが浅くミステリものとして微妙。
ではキャラや設定(京都とか骨董)でうまいことお茶を濁せるかというとこちらも消化不良な印象です。

京都の中心部が舞台でそれ相応の描写はもちろんあり、興味を引く要素はあります。京都舞台に関心があって、謎解きはエッセンスくらいであくまでライトにさらっと観たいという気質の方には合うかもしれません。

4話までやってきました。{netabare}葵のトラウマエピソードの一応の決着があり、おそらく葵と清貴とのくっつくかどうかのラブコメ展開が今後続くと予想されますが、{/netabare}ここに至るまでの導入部分に特に惹きつける要素がないため、撤退します。

どうせ「いけず」だったら性別は違えど、ちはやふるの若宮詩暢ばりの突き抜けたキャラ設定にするとか、清貴役に京都出身の声優さんあてるとかこだわりが見られれば楽しめたかもですが、、、



-----
2019.02.27追記
《配点を修正》


原作はそこそこ人気ということで、活字に合うというのは言われて納得かも。

ヒロイン役の富田美憂さん。気がつけば、18年秋『となりの吸血鬼さん』、19年冬『荒野のコトブキ飛行隊』と続けて出演作品を観てますね。それ言ったら石川界人さんもそうです。富田さんを認知した記念すべき作品としておきます。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 31

63.3 3 京都で家族なアニメランキング3位
京騒戯画(Webアニメ)

2011年12月10日
★★★★☆ 3.6 (407)
1960人が棚に入れました
京騒戯画はネット配信アニメ。『不思議の国のアリス』をモチーフとして、街のイメージを京都、世界観を国宝として高山寺に伝わる『鳥獣人物戯画』の3つの要素を融合した作品です。ストーリーは「鏡の都キョウトに現実の世界から入ってしまったコトちゃんが、現実の世界に戻るために活動する話となっていますが、アクションあり、ドタバタのコメディありの作品になる予定です

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

待ってました!の痛快カオスティックワンダーランド!(ようつべ、ニコ動で1期、2期とも無料で観れます!)

若干26歳、松本理恵監督が送る待望のオリジナルアニメーション作品!
商業アニメ作品で彼女より若い監督とか少なくともオイラは知りましぇーん^q^
天才です、これはいわゆる(キリッ










妖怪と人間がアッタリまえに暮らしている京都っぽい街並みの異世界、その名も【鏡都】を舞台にハスキーくぎゅう演じるリボンがよく似合う制服少女『コトちゃん』が所狭しと暴れまわるぅ~!!!!!
笹さんのレビュやひげさんのレビュにもありますよう、森見登美彦っぽいとか、ガイナっぽいなってカオスな第一印象を受けます


初キャラデザとなった林祐己を筆頭に優秀なスタッフが集結
いくらなんでも作画クオリティが高過ぎwちょっとビビるwこの先本当に続くのだろうかw










なんらかの理由で鏡都から「家に帰る」方法を探しているコトちゃんと弟たち


彼女達を世話する優しくも厳しい生臭坊主の『明恵』(ただしイケメンに限るっ!


さらに見た目フリフリドレスでセレブな貴婦人なのにその正体は鬼(?)で妖怪の軍勢を従えている『八瀬』
住職なのに大仏型ロボットとメカヲタ少女など科学的な軍勢を従えた『鞍馬』


彼らは明恵と兄姉関係にあるようで、コトちゃんを利用して【とある事】を企てているようですが・・・・・・










いやー><
期待値を遥かに上回る出来の作品!
だって林祐己ですよ!?w
可愛いいいいいじゃねぇぇぇぇぇかぁぁぁぁぁ!!!!!!
今後一体どんなお話が始まるのか!
PCモニターの前でwktk全裸待機しておりまするっ(キリッ


やっぱくぎゅうのハスキーボイスはどんな高級料理にも勝る究極のメニューだーっ!
軽く白飯三杯はイケルな!











今夏からスタートした第2期では1話10分ほどで各キャラクターにスポットを当てたお話を展開するようです
投げっぱだった1期から各キャラを掘り下げる方向へと路線変更したようで、少々説明臭くなってしまったのが個人的には残念でなりません><
監督もお若いことですし、ニコ動文化に浸った一部の輩の言うことなど気にせず、もっと独創性を見せて欲しいところですよ










しかしまあ;バンプレストとのコラボはいいんですけど一番くじの一般販売は未定とかホントにヤル気あるのかお><;
それときゅんキャラが2600円っておまw

投稿 : 2024/05/18
♥ : 35

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

待っていた第2弾をようやく視聴

ネット配信のこのアニメ作品、
不思議の国のアリス、鳥獣人物戯画、そして京都をモチーフに
作られているらしいと聞き、これはぜひ観なくては!と
期待を大に、まずは第1話を視聴。
ちなみに今後も、何話かに渡って?更新されるらしい。

始まって早々、感じたのは静と動のコントラストが鮮やかということ。
原色に彩られたポップな色彩は大正時代っぽいレトロ感もあり、
静寂感のある京都の風景が絶妙にマッチ。
そしてスピード感のある人物達の動きとカメラワークは
まるで万華鏡を手早く回転させているような感覚で、
彼らのハイテンションぶりに目が回りそうだった。
しかも、セリフの言葉遊びもなかなか秀逸。面白い。

きっと何度も観直せば、画面の隅っこや様々なところに
伏線めいた情報もたくさん仕掛けられていそう。

短いカットの中、登場人物をぱっぱと紹介していく。
制服を着た元気いっぱいの女の子 コト。
彼女と行動をともにするやんちゃな感じの双子 阿と吽。
仕事を抜け出して女の人と逢引している色男の僧侶 明恵。
この明恵は、コトや阿吽たちの面倒を見ている親代わりのようで。
そのほかにも、何かの研究室なのか白衣を着たショーコや男性。
腹黒そうで何か大きなギャップを感じさせる住職 鞍馬。
お城のようなお屋敷に住み、レトロなドレスを着た女性 八瀬。
そして、コトとの再会を嬉しそうにしていた謎のコト様。

彼らを見ただけでも、これから何が起きるのかワクワクしてくる。

wikiの情報どおり、舞台は京都らしい街並みや風景。
でもそこは外界から隔離されて時間が止まった京都=鏡都。
人間と妖怪が混沌となった世界でせめぎあう3つの勢力というのは、
おそらく登場人物の中の3人、明恵、八瀬、鞍馬だろうね。
この3人がどうやら「3人会議」なるものを企ている様子。
コトの知らないところで動き出しつつある計画とは何なのだろう。

そしてバースデーケーキに書かれた「コト」とは
鏡都に戻ってきたというコト様なのか。
コトを見てうれしそうに抱きしめていたコト様。
二人のコトの因果関係も気になるところ。

また、アリスの一部をモチーフにしているなら、
自分達の家に帰れなくなったコトと阿吽たちが
追いかけようと話していた黒いうさぎも、
今後何らかの鍵を握っていそう。

ってことは・・・ますます、置いてけぼりを食らわないよう、
しっかり注目していかないとw

とりあえず、つかみはOK~!の第1弾だった。
----------------------------------------
そして、数日前に第2弾を視聴した。

第2弾は3話構成になっており、コト、ショーコ、八瀬を
それぞれの話で主人公にして展開。
EDもまた、3話それぞれ違っていてなかなか良かった。
中でも個人的に気に入ったのは2話。
10分以内の短さなのに見応えがあった。

早くも次回作が待ち遠しい。
あんまり待たされると忘れてしまいそうだよ~

投稿 : 2024/05/18
♥ : 53
ネタバレ

景禎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

我は後世たすからんと云ふ者にあらず。ただ現世に先づあるべきやうにあらんと云ふ者なり

2011年~2012年にWebアニメとして発表されたものに肉付けしてテレビアニメ化した作品。

全10話を通して見ただけでは、ん~・・・よくわからん。でも雰囲気だけは何となく気に入った、というのが率直な感想でした。放送自体は予習編、聖地巡礼(?)編、復習編を加えて13回の放送だったのですが、そういうのを全部見てもやっぱりよくわからん。放送がすべて終わってから、録画もう一度を最初から見直して、やっとぼんやり内容がわかってきた、というのが正直のところです。難解です。

なぜこの作品はこんなにも難解なのでしょうか? 絵は親しみやすく、原色系のファンタジックな画面も美しく、引きは十分なのに・・・

一番の理由は、お話しの構成が時系列、空間系列(て言う言葉ってあるの?)になっていないことだと思います。もう少しわかりやすく言うと、過去と現在、京都と鏡都が、ランダムに出てくるということです。また、同じ出来事を別の登場人物の視点で何度か描きなおしている、というところにも原因があるかと思います。代表的な例で言えば{netabare}親子の別れのところ。ここらへんは明恵上人、鞍馬、八瀬、薬師丸のそれぞれの視点で何度か描かれます。視点が違うので、似て否なるものです。{/netabare}

もう一つの原因は名前の混乱。別の人物に同じ名前がついている。さらには、同じ人物に別の名前がついている。具体的には{netabare}明恵上人の息子である薬師丸が父と同じ明恵と呼ばれる。古都の娘は母親の名と同じ音のコトである。さらに、明恵上人は現代の京都では稲荷と呼ばれている。{/netabare}視聴中の混乱を避けるために、公式Webサイト等の登場人物の説明なんかを参照しながら見ることをお勧めします。

これらの点が、この作品を難解にしている原因ですが、同時に作品の表現上の特徴でもあり、製作者側が一定の効果を狙ってやったものと思われます。なので視聴者側で、それらをじゅうぶんに理解したうえで視聴する必要があります。そうすれば、お話の内容が結構すんなり頭に入って来るようになります。

だいたい、予習編、復習編なんかがあること自体、製作者側もこの作品が難解であることを認識している証拠ですよね。

1回通して見て分からなかった方は、そのへんに注意しながらもう一回最初から見直してみてください。そうすると、この作品の本来の良さに触れることができるようになると思います。

ちなみに、Webアニメとして発表されたものは、テレビアニメ版よりもさらに断片的であるため、テレビ編よりも難解(というか、これで分かるほうが変?)です。これを見てもほとんど理解の助けにはなりません。

ジャンルはアクションファンタジー。SFの要素もあります。歴史の要素や昭和ノスタルジー的要素もあります。主人公明恵(みょうえ)は、絵に描いたものを現実化する能力があり、それゆえに都に住む人々から気味悪がられている、という設定ではじまります。

ちなみに明恵とは、京都の栂尾(「とがのお」と読みます。紅葉の名所、高尾です。)の高山寺というお寺を開いた、実在した歴史上の人物をモデルにしています。高山寺は、日本の漫画文化のルーツとも言われる鳥獣戯画で有名です。

明恵の5人の家族は、ある事情により一緒に住むことができなくなり、明恵、古都は3人の子、薬師丸、鞍馬、八瀬を置いて鏡都を出て行きます。「いつか必ず始まりと終わりを連れてここに帰ってくるよ。」と言い残して。
その後、数百年をかけて家族が復活するまでのお話しです。神や仏や並行世界が登場する、かなり壮大なお話になります。

この作品のテーマは、ひとことで言えば家族の再生です。そのテーマを、時系列、空間系列シャッフルの手法を駆使して、派手なアクションと原色系の幻想的な絵を使って、まるで万華鏡のように見せてくれます。詳しくは、ここで私がごちゃごちゃ説明するより、作品を見て感じてください。

参考までに、私が心に残った台詞。まず、コトの言葉。
{netabare}いつも一緒に夕日見たよね、ご飯たべたよね。そういうのが愛だよ。
つまんないことで喧嘩したり、くだらないことで笑ったり、いつもより5分早く帰ってきたりする、そういうのが愛だよ。
笑ったり、泣いたり、怒ったり、喜んだり、いつも一緒にしてくれたよね。そういうのが愛だよ。{/netabare}

明恵上人の父(コトの祖父)の言葉。
{netabare}いるだけじゃいかんのか? 理由としちゃそれで十分さ。{/netabare}

ところで、現代の京都の場面では、登場人物がスマホを使ったりしているのですが、一方で、町には市電が走っていたり、蒸気機関車が走っていたり、昭和30年代の京都の雰囲気を楽しむことができます。

音楽も秀逸です。OPの「ココ」もGoodですが、EDの「疾走銀河」の雰囲気はわたし的にとっても好みです。BGMもすばらしい。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 28

64.9 4 京都で家族なアニメランキング4位
京騒戯画(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (338)
2442人が棚に入れました
京都であって京都でない。

独自の発展を遂げた箱庭のような空間、「鏡都」。

ひょんなことからそんな世界に迷い込んでしまった女の子・コト。

謎の坊主に出会ったり、メカオタクの女の子に追いかけられたりと
波乱万丈の日々をけっこう楽しんじゃったりもしていた彼女だが、
知らぬところである計画が動き出しつつあった・・・。

妖怪と人間が入り交じった不思議な街で、今、祭りが始まる!

声優・キャラクター
釘宮理恵、鈴村健一、久川綾、石田彰、中原茂、喜多村英梨、斎藤千和、竹本英史、日髙のり子、白石涼子、矢尾一樹
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

そういうのが、愛だよ

Web版の存在もそろそろ忘れかけてきた頃にやってきたTV版
Web版のトレイラーに有った映像を柱に大幅にボリュームアップされていますが
大体映像として目を引くようなシーンは
それ予告編で見たなぁというようなところが中心で
真新しい驚きは少なかったように思います
ストーリーの説明量は予告編からだいぶ追加されているのに
何がしたいのか何が伝えたいのかという肝心な部分は
むしろより一層わかりにくくなっている始末
「かつて、幾つかの星々が存在し
人と神の境が曖昧だった頃
これは、とある一家を巡る愛と再生の物語である。」
というオープニングのナレーションも全く理解の助けになりません

早いうちに視聴者の心をつかんでおかないと
最後まで見てもらう事さえなく終わってしまうのが
昨今のアニメ事情であることを鑑みれば
この作りは問題があったのではないかと思います

序盤のストーリーは謎に満ちておりそれが終盤に明かされるという流れは
うまく使えばその謎自体がストーリーを牽引してくれるものですが
いったい何が謎なのかすら理解しがたいという状態では
視聴者を繋ぎ止めておくどころか脱落者を増やすだけでしょう
私もちょうど忙しい時期だったのもあって6話で断念しました




下手するとそこで私の中の京騒戯画は終わっていたかもしれなかったのですが
時間に余裕ができたので残り数話を視聴してみると
怒涛のラスト3話でおおよその謎は解決し
同時に作品コンセプトが明確に打ち出されていました
最後まで見終わった上でもう一度最初から見直してみると
色々とまた違ったものが見えてきました
これはまさにOPナレーションどおりの
「とある一家を巡る愛と再生の物語」だったわけです

以下多分にネタバレを含むので視聴済みで時間のある方だけどうぞ

{netabare}
近年日本では核家族化・少子化・未婚化と
「家」というものの概念が大きく変化しています
さらには隣人関係も希薄になってきていて
都会のマンションなどでは隣に住む人の顔を見たことが無い
なんて話もそう珍しいものではなくなっています
その結果、自分の子供以外の子育てに参加する機会などは
ほとんど無くなってしまいました

このアニメと同時期に放送していた「のんのんびより」では
「駄菓子屋」がまだ幼かったれんげのベビーシッターになる話がありましたが
ああいったような経験をする機会は私が子供の頃はまだそれなりに残っていましたが
最近はもうめっきり聞かなくなっています

もっと昔に遡れば義務教育が普及する以前
子供も貴重な労働力と考えられていた時代では
子守りは子供の重要な仕事の一つでした
実の兄弟であったり、親戚や近所の子供であったり
手伝いという形で育児の練習の機会が与えられていた
というか義務付けられていたわけです

そして、たとえ実際に子育てに参加しなかったとしても
家族が多く近所付き合いが活発だった時代は
自分以外に対する育児を第三者として客観的に観察する機会が
今よりもずっと多くありました

そもそも旧来の日本の社会において子育てというものは
二人(場合によっては一人)だけでするものではなく
もちろん両親が子育ての主役なのは当然として
祖父母や兄弟、叔父叔母、近所の隣人までコミュニティ全体で
少しずつ負担しながら行っていくものでした
だからこそ結婚し、子供を作り、家を構えるということは
両人だけの問題ではなかったため
周囲の了解なしでは結婚することも子供を作ることも許されなかったわけです

欧米的な個人主義の広まりとともに
結婚も育児もコミュニティのものからプライベートなものに変化し
生活の単位がどんどん小さくなっていきました
核家族で一人っ子近所付き合いも希薄ともなれば
自分と親の関係が自分の知る唯一のリアルな親子関係の形となり
しかも、自分自身のこととなれば
その親子関係を客観的に育児の手本として認識することはとても困難です
育児の練習の機会が消え、周囲のサポートも受けにくくなったとあれば
子育てが上手くいかないケースが増えるのは当然でしょう
 
さて、話をアニメに戻しましょう

稲荷は創造神(以下祖父)の二男坊でしたが
作った世界に興味を失った祖父はその力を息子たちに預けて雲隠れ
これって一種のネグレクトですよね
よく子は親を見て育つなどと言いますが
祖父は自分の責務を投げ出して失踪し
その息子の稲荷は自分の力をコトと薬師丸に渡して消えることを望み
薬師丸は会ったばかりの生き別れの妹に自分を殺してほしいと願う
親子三代にわたる逃避癖の連鎖は
なんだかんだでこいつらは似た者同士なんだなぁと思わせるものがあります

自分は親に捨てられたと感じていた稲荷が
家族の絆に憧れるのは自然な流れだったでしょう
そうして家長である兄には内緒で鏡都という「家」を作り
そこで歪な家族ごっこをやっていたわけです
周囲の承認もなく、外の世界から隔絶されたところに作られた自分たちだけの世界
これは現代の家庭のプライベートな側面の象徴ですね

でも、自分の「家」を作ったものの父親は失踪し、兄を除けば身寄りのない稲荷には
子供を育て家族を作るための手本にすべき存在が全くありません
だから彼には家族への愛を表現する方法が良くわからなかった
死にかけているところを拾ってきた最初の子供、薬師丸
稲荷は彼に不死の命を与え、兄姉を与え、自分の名を与え、創造の力を与え・・・
稲荷の薬師丸に対する愛情表現はモノを与えること
しかし、自らの死を望む薬師丸を救うことはできませんでした

だから、次の子供コトに対しては
愛をモノのかたちで与えるのではなく
言葉にして伝えることを選びました
しかし、それがただの孤独の裏返しに過ぎないことを
コトにはしっかりと見抜かれており
逆に愛とは何かを自分の娘に諭されることになります

物語は一家が絆を取り戻すと同時に
世界を拒絶し、世界に拒絶されていた「家」が
世界に承認され世界と共存することを選んで大団円を迎えます
親子関係がそのまま世界の命運に直結するあたりは
一昔前にはやったセカイ系の流れを汲んだ作品ともいえますね

この作品の致命的な失敗点はテレビアニメシリーズという土俵を選んだことでしょう
TVシリーズは一話一話が勝負なので
毎週視聴者に来週も観たいと思わせる必要があります
ラストまで見ないと良さがわからない作品はTVシリーズとしては欠陥品です
もし、この作品をもう少し見せ場を中心に圧縮して劇場公開していたならば
これほど低評価に甘んじることは無かったと思います
もっとも内容的に商業的な成功には結局縁遠かった気もしますけど

おまけ1{netabare}

次女とは女の子の中で2番目、三男とは男の子の中で3番目という意味であり
本来ならそれぞれ長女、次男であるべきです
視聴中は何か意味があってわざとそうしているに違いないと思っていましたが
最後まで見ても特にそれらしい理由は見当たらず
まさか普通に間違えてるんだろうか?{/netabare}

おまけ2{netabare}

古都とコトの母娘の会話
コトの目は母と同じ「赤い瞳」
母が手で示す幼いコトのサイズ・・・
生まれたときのコトは人間の姿ではなかったのかな?
ひょっとして母同様ウサギの姿をしていた?
となると漢字だらけの主要人物の中で
ずっとカタカナで表記されていた彼女の本来の名前は
コト=「子兎」なのかもなぁなんて思ったり{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 30

fluid さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

物語に入り込みにくいのではなく、入り込む中身が無い作品

子供向けの作品、大人には厳しい作品です。

・絵が綺麗で世界観もすごいのですが、中身が全く無い
・物語というよりは、動く絵画やフォトフレームのような作品

■演出
脈絡なくシーンが切り替わっていくため、プロモーションやCMとの区別が付かないような感覚が最終話まで続きます。
これはとても物語(アニメ)とよべる作品ではないですね。
物語を見せる気配はなく、すごそうな設定や世界観を絵で表現しただけの作品と言った方がしっくりきます。

絵に引きつけられて意味を期待するとすごくがっかりするので注意です。
なんでこういうシーンを見せられ続けたのかという説明もなければ落ちも付きませんので。
必然性があってそういうシーンに切り替わったと推測するのが自然ですが、この作品はなぜか視聴者を無視して脈絡なく展開していきます。


■視聴者を物語に引き込む導入が無い
一般的な物語では、読み手を物語に引き込むための手法がとられます。
キャラクターの生い立ちや、何を考え何をしたいのかとか、
周りの人との関係性、出会いなどを見せることで視聴者を物語に共感させるわけですね。

この作品には一切そのようなシーンが無いため、最終話まで見続けてもまったく共感できませんでした。
例えるなら、となりに相席した他人の武勇伝や苦労話、悩みなどが聞こえてきても何とも思わないですよね。それと同じ感覚です。
迫力あるシーンを見せられ続けてもそれが何?となってしまうわけです。

謎めいた不思議な世界観を見せることで視聴者を引き込む手法はありですが、、、
それは人物設定などをしっかり視聴者に認識させる土台(導入・共感)があってこそ引き立つものであって、、、


■感想
アニメは500タイトルは見てますがここまで視聴者を無視した作品は初めてかもしれません。
アニメは見せられ努力して理解するものではなく、見たい買いたいと思わせる引きをいかに作り出せるかがプロの仕事なのではないでしょうか?

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

意味が分からないのも魅力の一つ

京都に似た世界、鏡都を舞台にした少し変わった家族の物語。
全13話ですが、本編は全10話です。

なんだか評価が難しい作品ですねw

世界観や雰囲気、絵柄に音楽、ノリに勢い、意味不明な部分も含め、
自分は大好きなんですが、ストーリーが面白かったのかと
聞かれると少し困ってしまう...

正直なトコロ、ストーリー自体はそれなりだったと思います。

少しわかりづらい話だとは思うけど、しっかり見てれば理解出来るし、
疑問などもあまり残らないので、決して悪くはないのだけど、
単純にストーリーとしての面白さは足りてない気がする。

他は良いのに、なんかもったいないな~って思ったりしました。

それに、最終話もキレイに終わっていましたが、なんだか少し
あっさりしすぎな感じがして、物足りなさは残りましたね。
もうちょっと意外性とか欲しかったかな。

まぁ見る前から色んな人の感想を見てたので、ちょっと期待しすぎてた
のかもしれませんねww


とはいっても、全体的に見てみれば、それなり楽しめたし
良い作品だとは思うので、興味のある人にはオススメですw

ただ、好みはハッキリ分かれると思うので合わないと思ったら、
早めに切ったほうが無難かもしれません。


あと最後に、他にもレビューで書かかれてる方がいましたが、第0話の「予習篇」は
最初に見てもよく分からないですし、大筋のストーリーが見えてしまうので、
これから見る人は最後に見たほうが良いと思います!!

少なくとも、自分は最後に見て正解だったと思いましたw

投稿 : 2024/05/18
♥ : 38

67.9 5 京都で家族なアニメランキング5位
継母の連れ子が元カノだった(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (203)
645人が棚に入れました
まだお互いに、好き同士。そんな元カップルが――親の再婚できょうだいに!? 第3回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞の人気ノベルをコミカライズ! 一つ屋根の下で繰り広げられる、ひたすらに甘くて焦れったい悶絶ラブコメ!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ラブコメに見た目と雰囲気は大事だってわかった

【感想】
絵がキレイだし雰囲気のいいアニメなのでお気に入りです!

設定が変わってるのに普通のラブコメになっててなんのための設定なのかなって思うけどキャラデザかなりいいし、前向きなラブコメで雰囲気も良かった、主題歌もいい感じ
このアニメ、見た目と雰囲気の良さでだいぶ得してるとおもいます

主人公の水斗が理屈っぽすぎて好きになれないけど不快感はなくて、たぶん落ち着いたしゃべり方と顔がイケメンなのが大きいかな?
これで顔とか作画が微妙だったらたぶん不快感で途中で切ってたと思う

男性視点で水斗にちょっと都合が良い感じするのでどっちかというと男性向けかな? 不快なほどじゃないけど
ラブコメが好きならいいアニメだと思います!

おはなしに同居と元カノの設定をうまくいかせてたら良かったかも
話し方とかプライベートとかあまり高校生らしさがないかな?

【キャラクター】
{netabare}
好きなキャラクターはいさなと小暮、ツゴウガイイ感じがするけどいい友人キャラ

水斗は面倒くさい性格してるし打算的で理屈っぽくて嫌味ったらしいけど顔はイケメン
結女、いさな、暁月は性格は変だけど顔はかわいい
不快なキャラクターはいないけどみんな変な性格してて付き合ったらめんどくさそう
暁月は友人キャラだからいいけど、かなりアブナイ子でゾワッてなった、小暮君の将来がしんぱいです・・・
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
ふたりとも全然気持ち冷めてなくて特にゆめのほうは最初から主人公に気がある感じなので普通の同居ラブコメになってて
両想いだけどお互いの距離をどうしたいか探ってるだけの面倒くさいカップルでした
周りのキャラクターが二人の恋愛のために不自然な性格にされてることと、
サブヒロインもいるけどゆめの障害になってる感じじゃないのが残念
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 21

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ラブコメ・・・?コメってたかなぁ・・・特に序盤。

うーん・・・。

最初の所感はレビュータイトルのとおり。

物語は、まぁ、無さそうで、ありそうで、まぁ、あんまりないわなぁ(ってかほとんどないだろうなぁ、絶対とは言わないけど)ってシチュエーション。
そういう意味では、フィクションとして物語のカラーに据えるのは悪くないと思う。

作画は今風でとてもきれい。
キャラクターもすべてが自身の好みと言う訳ではないが、ちゃんとしていたと思う。

声優さんは、日高里菜さんのお声は好きなんだけど、今回のキャラクタ『伊理戸結女』はちょっとだけあってない気がした。

繰り返しになりますが、私はこの方のお声、ちょっと落ち着いた高貴な感じがして、高音部がピンと張った、なんというかクリック感のある様な感じがして本当に好きなのですけどね。
まぁ、違和感と言うほどでもないのですが・・・。
過去回の時のお声は割と聴きやすかったんですけどね。

その他は、特に普通に楽しめました。

音楽もフツーにマッチしていてよかったと思いました。

キャラクタは・・・そうですねぇ。
実は主人公の伊理戸結女よりも『南暁月』の方が活き活きとしてお好みでした。観ていて楽しかったですかねぇ。
ちょっと、そっち方面の香りを漂わせていたのも、まぁ、アクセントとしてはアリでしょう。

そして、さらにお気に入りだったのは『東頭いさな』でした。

作品全体での、
序盤のギスギスとは言わないまでも、ツンツンしたやり取りはなんだか、あまり面白いとも、楽しいとも、思うことなく「ラブコメっていう感じじゃないんだなぁ・・・」と思って観ていたところ『東頭いさな』が登場し始めてから、いろいろとザワザワし始め、おもしろくなってきました。

このユニークなキャラがいなかったら、コメディ色なんてほとんど出なかったのではないだろうか、とすら思ってしまいます。
ちょっと作り過ぎなような気もしましたが、とにかく、飄々としたところや、いろいろな欲求、表現に素直なところも面白かったです。
本人もいろいろと頑張ったり、無理したりという事にはなっています・・・。

たしかに、結女自身も作品の後半にかけて色々と思いの変化や気づきがあり、いさなとのアレやコレやな感情がぶつかり、面白みがアップしたという事もあるでしょうが。
とにも、かくにも、『いさな』がラブコメおもしろ部門のカロリーをあげたキャラである事は間違いないでしょう。


幸いなことに、尻上がりに面白みが増したという評価はできると思いました。
けどね、終盤はやっぱり序盤と同じような空気感になっちゃんたんだよなぁ・・・。
東頭さんが登場すると空気感が変わるので、やっぱりこの娘が重要なアクセントになっている気がするなぁ。


個人的には、序盤の「メンドクサイやり取り」を何とかやり過ごして、後半まで持ちこたえて下さい!と言わせていただきます。

悪くはないんだけどねぇ・・・。
何でか、スッキリ、サッパリとコメディ色は出てないですねぇ。
そもそもラブコメじゃないのかもw。

機会がありましたら、ご覧くださいませ。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 17
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

12話まで観て、予想より良かったと感じたので。

原作小説については未読。
コミックは1巻だけ読んだ記憶があります(多分)。

総評と採点-----
●物語●
●キャラ●
{netabare}
『一組のカップルが、別れた直後に、
親同士の再婚で義理の兄妹?姉弟?に』
まぁ・・・まず無いだろうとは思ってしまう設定ですが、
諸々アクセントになっていたと思いますし、
やはり意味があったんだな~と感じております。
(まぁ中学3年の二人を見てると、
普通に自然消滅的な流れで別れそうな物ですが・・・)

メイン二人が揃って捻くれていて、基本テンションの起伏が激しく無く。
その分、サブキャラがかなり振り切れていて。
そのギャップで物語の起伏が作られていたようにも思います。


原作でもそうなのかは分かりませんが、
今のの二人を描きつつ、
ちょいちょい過去の二人を回想しつつ、
また今の二人が進んでいく。

視聴途中には「何回も回想する意味あるのか?」と
若干面倒臭さを感じていたりしましたが、
最後まで観てみて「あぁ、ここがこう繋がるのか」と
腑に落ちたのは、個人的に気持ち良かったです。
当時の二人が何を考えて、どう感じていたのか、
結構丁寧に描かれていたと感じました。


いさなさんは・・・
二人に一石を投じる役目が必要だったとはいえ、
フラれる前後共に、あの距離感を保つというのは・・・
可哀想というか、メンタル強いというか。
いや、普通に良い娘ですよね・・・。


二人の関係性の変化を含めて、
『無駄な』重い要素が無かったのも良かったのかな?と。


アニメにした部分でプロローグといいますか、
リスタートといいますか。
続きが気になるので、2期アニメ作って欲しいと思います。
もしくは・・・原作に手を出してみるか・・・?
{/netabare}
●作画●
{netabare}
終盤に若干不安になる部分がありましたが、
総合的には綺麗な作画だったと思います。

結女もいさなも可愛かったですし。
{/netabare}
●声優●
{netabare}
1話で初めて水斗のボイスを聴いたときは
「・・・これって誰?・・・下野さん?」と
少々不安気な予想をしてました(まぁ正解だったわけですが)。
下野さんのキャラをいろいろ観てきましたが、
この方も演技の幅広いな~と(縦にも横にも)。

個人的に、落ち着いた日高さんというのは
あまりなじみが無いものでして、新鮮に聴いてました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 10

64.2 6 京都で家族なアニメランキング6位
彼女と彼女の猫 -Everything Flows-(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (205)
906人が棚に入れました
ある夏の一番暑い日、彼女と、彼女の飼い猫である"僕"の暮らしが始まった。彼女は通っている短大の卒業を控え、就職活動に追われる毎日を送っている。いつも頑張っている彼女にとって、"僕"と過ごす時間は、互いにひと時の安らぎを感じられる、とても大切なものだった。

声優・キャラクター
花澤香菜、浅沼晋太郎、矢作紗友里、平松晶子
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

吾輩は猫である

新海誠、短編アニメーション。

飼い猫ダルの視点で描く、
一人の女子大生との共同生活。
とても暖かい気持ちにさせてくれます。

大好きな彼女、僕は彼女の猫だ。
いつも優しい彼女。

{netabare}度重なる就職活動の失敗、
家族や友人にも話せない悩み、
先に進めない現実、どこにでもある日常、
そっと寄り添い見守る黒猫ダル。
彼女は誰よりも頑張っているのだから。{/netabare}

扉の向こうの不完全で少し残酷な世界、
そんな世界を精一杯好きになろうとしている彼女。
誰にでも思い当たる厳しい現実、
小さく弱い私たちは、それでも何とか生きている。
誰かを頼りに、誰かを想って。

{netabare}黒猫ダルからの小さなプレゼント。
偶然!?いや必然だよ。家族の温もり。
そっと目を閉じる、安心したんだね。{/netabare}

私たちはまた巡り合う。彼女はもう大丈夫だ。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 51

KANO さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

人生の中にある出会いと別れ

少女から大人へ…様々な苦悩を感じながらも、日々一生懸命過ごす彼女(飼い主)。言葉は解らないが、彼女をいつも
見守り一緒に過ごす僕(猫)の心温まる優しい物語…

原作 新海誠
8分ショートの全4話、計30分程の物語

一般的な苦悩や日々の頑張ってる彼女の姿を
時折り猫視線で描いていて、計4話で時系列は前後
しますが、要点はしっかり描かれています。
特にペットを飼い共に過ごす事で人は何を学ぶのか…
(個人的には、姪が比較的近いシチュエーションなので
感慨深い内容でした)

観賞後の観点は主に2点で
短い尺の中で纏まり良く思える
もう少し長い尺で感情移入したい
だと思います。どちらにせよ素材と内容が良い作品です。

彼女を演じる花澤香菜さんは、言うまでも無く安定で
少し疲れた感じの演技は、秀逸だと思えます。

猫好き、動物好きの方々は勿論の事、
優しい作品が好みの方にはお勧め出来る良作です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 25

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どうして猫が人間になれないんだ?

全4話、計32分で紡がれる人間と猫のお伽噺

舞台は現代、世界は現実

ではどこに不思議の要素が隠れているか?

それはこの物語の語り部が「猫」だという事

「人間」から見た「猫」と「猫」から見た「人間」

どちらも同じ観点から、視点から、世界から相手を見ているのだろうか?

それとも…


動物が何を考えているのかというのは、私自身子供の頃に動物を飼っていたので、よく考えていた事でした。
それは私だけでなく、先人たちも同じなようで…
『吾輩は猫である』を筆頭に、『シートン動物記』『ジェニィ』『カモメのジョナサン』『山椒魚戦争』等々、動物視点の本を数多く生み出してきました。
人間達は彼らの思考を想像という唯一の武器で表現してきたのです。
そんな人々が紡いできた表現作品にまた1つ、新しい物が誕生しました。
新海誠監督の処女作を基に新しく生まれ変わった本作『彼女と彼女の猫 Everything flows』
今作の魅力は何と言っても「彼女」と「猫」の関係性
これに尽きるでしょう。
不完全な世界に生きる「彼女」
そんな「彼女」を優しく見つめる「黒猫」
1人と1匹の重なり合った世界は温かく安らかで居心地の良い物
しかし、人間の「彼女」だけが知る外の世界は不条理かつ不合理で苦しい物
様々に折り重なった世界でも、それぞれ見ている物は違います。
同じ物を見ていても、恐らく、感じ方は同じじゃない…
この作品からは多種族との認識共有の難しさを感じました。

人間の見る世界と猫の見る世界
人間以外の動物は言葉を喋れません。
それは脳に言葉を扱う領域がないから…
人間のように「猫」が言葉を話せるようになるには、人間の脳を持つしかありません。
そうなれば猫は「世界」が世界である事を知る事が出来るようになる。
そして、人間が持つ「認識」という物を理解出来るのでしょう。
もし、主人公の黒猫が喋れるようになったならば、彼は彼女の経験する、辛く苦しい世界を共有する事が出来ます。
逆に、人間語を喋れない猫にとって、人間世界に対する理解は不可能に近いのかもしれません。
しかし、その可能性は本当にゼロと言えるのでしょうか?
その歩み寄って感じようとする過程が、例え喋れなくてもお互いがお互いを理解しようとする軌跡があるならもしかすると…

彼女には彼女の世界があって、黒猫には黒猫の世界がある。
それは重なり合っていても決して交わる事のない物
これは主人公の「黒猫」がそんな決して交わる事の無い「彼女」の世界と必死に交わろうとする物語
「黒猫」はこれからも「彼女」の意思を汲み取る努力を怠らないでしょう。
例え、世界が変わっても
例え、「黒猫」が「白猫」になっても
その結果、全ては創造主の描いた原点へと立ち返っていくのです…

レビュー読んで下さりありがとうございました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 9

62.7 7 京都で家族なアニメランキング7位
映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年(アニメ映画)

2015年12月23日
★★★★☆ 3.7 (14)
61人が棚に入れました
TVアニメの放送開始から25周年を迎えることを記念して制作されるこの新作映画。脚本はさくらももこが自ら担当し、まる子がイタリア人の男の子に求愛されたり、大阪と京都に旅行したりするというストーリーが展開される。

声優・キャラクター
TARAKO、屋良有作、一龍斎貞友、島田敏、佐々木優子、水谷優子、渡辺菜生子、キートン山田、中川大志、劇団ひとり、パパイヤ鈴木、渡辺直美、ローラ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

‟いつものまるちゃん”を維持しつつ映画としてのスケールとクオリティを丁寧に作り込んだ素朴さの中に感動を生む忘れかけたジャンルの傑作

テレビアニメ化25周年を記念して作られた23年ぶりの映画
(まあ25年の間には空白の時間もありましたが)
知ってる人は知ってることでしょうがまるちゃんの映画は過去2作とも【伝説】と呼べる傑作でした
今作もスタッフはテレビシリーズと共通、脚本は原作者さくらももこ


ある日の清水市、花輪クンの友人で外国人の小学5年生6人がホームステイしにくる
アメリカのマーク(菅沼久義)
香港のシンニー(ローラ)
ブラジルのジュリア(渡辺直美)
ハワイのネプ(パパイア鈴木)
インドのシン(劇団ひとり)
そして、イタリアのアンドレア(中川大志)
アンドレアは出会うなり「まる子」というニックネームに興味を持ち執拗にまる子の家に泊まりたがる
はじめは迷惑がるまる子だったが実はアンドレアの祖父が「Marco」という名前であり、彼が日本に興味を持ったのは写真家だった祖父が日本で出会った人々の話をしてくれたからだという
花輪クンは外国人の子供達とクラスメイト達を誘って観光旅行に行こうと誘ってくれた
まる子とおじいちゃんは観光がてらアンドレアの祖父ゆかりの地と思い出の人々を共に探すことを決める


基本的に『まるちゃん』という作品は知っての通りデザインや演出は完成されています
なので、今作で特に奇抜なことはしません
変わらない良さ、を体現している映画だと思います


と、言いつつも舞台となる清水、京都、大阪、そして東京上野の1970年代の様子を丁寧に描写しており、懐かしさを感じたり古き良き昭和に浸ってしまう人も多いのではないでしょうか


ゲストに芸能人を使うという今のフジテレビらしい仕掛けも全く違和感は無く、キャラの味をより濃くしてました
ただ途中の大阪にチラッと出てくる通行人のおっちゃんがトータス松本なんですが、彼だけはシンジラレナイくらい【ド下手くそ】なのでそこだけは耐え凌ぐ必要があります;


特にやはりまるちゃん役TARAKOさん、普段のテレビシリーズではそうそう観られないであろう感極まった演技が際立っておりましたので、ソレと比較するとゴミカスのようでしたわ


クライマックスを盛り上げる大原櫻子の挿入歌やエンドロールで流れるウルフルズの主題歌はさくらももこ先生の作詞ということもあって、印象的な場面を盛り上げる&心地よい余韻を味わえる曲に仕上がっております


映画、というとお金と時間のかかった大作やそれなりのスケール感を期待してしまうところですが、95分という長尺で楽しむ‟いつも通りのまるちゃん”という作品に仕上がったと思います
低予算映画や実録ドキュメンタリーとか、或いはこういう作品に出会ってしまうと高尚さなど至高の感動の前には何の意味も持たないのかもな、と思ってしまいます
素朴さの中にある感動、味わいたい方は是非チェックしていただきたいですね

投稿 : 2024/05/18
♥ : 13
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ボーノ まる子泣き 友情の栓抜き +

 2015年最後に見た劇場アニメ。「映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年」、クリスマスイブに見たです。
一番最後の21時過ぎということもあって、親子連れは流石にいなかったし見てる人も少なかったです。去年最後に見た劇場映画より、こっちのほうが好きでしたです。
 ちびまる子ちゃんというとアニメ化した当初は見てたです。でも、ドラえもんみたいにマンネリ化し、同じ話を繰り返したりしんみりする話が多すぎたようで、いつの間にか私はすっかり見なくなってしまったです。でも、数年ぶりの映画化ということやCN見て、もう一度だけでもと思い見たです。

 劇場CNなどでお馴染み、花輪くん家に来た6人の外国のお友達が、まる子たちの家にホームステイして仲良くなったけど、帰ってしまうお話です。焦点は、まる子とアンドレアです。
 これは、ドラ泣きならぬ、まる子泣きといった感動を感じたです。

 外国のお友達といっても、声優さんの演技からしても外見だけで、外国人のように思えなかったです。まる子たち以外で目立ったのは、まる子のおじいちゃん、たまちゃんのお父さん、小杉くんですかねぇ。
 小杉くん、ハワイから来たネブをホームステイすることになるけど、かなり気が合う反面、食い意地張りすぎて、わがままになってしまうのがたまに傷です。

 まる子、アンドレアに突然気に入られるけど、めんどくさがって初めはかなり嫌がったです。でも、アンドレアの亡くなったおじいさんの話を聞いて、友情を深めていったです。+まる子のおじいちゃんも。
 それがキーワードになった、大阪の「のん気屋吞兵衛」と店の栓抜きなのです。{netabare}ここでなど、アンドレアの言う「半年前におじいちゃんは、死んでしまいました」という表現は、「亡くなりました」とか「他界しました」というほうが、良かったです。{/netabare}

{netabare} 花輪くんの伝手で、大阪、京都に分かれて旅行することに。そこらで、地元の人の暖かさが、非常に良かったです。こういうのも人間味あふれたちびまる子ちゃんの長所なんだなぁです。
 まる子とまる子のおじいちゃんの聞き込み空しく、のん気屋吞兵衛は無くなってて、その夫婦は上野に引っ越したまでで、全く手掛かりは閉ざされてしまったです。{/netabare}

 劇中歌が、何か感動したです。学校のピアノ演奏で、外国のお友達達の歌。巴川灯ろう流しに行った浴衣姿のまる子とアンドレアが過ごす時に流れた歌なんか、あの花EDや最終回を思い起こすような感じみたいな良い歌でしたです。

 アンドレアがイタリアへ帰る日、東京に着いて帰りまでかなり時間があった。アンドレアのために、そこからのまる子とまる子のおじいちゃんの行動も、友情パワーのなせる業だと思ったです。
 今度こそ、アンドレアの日本に来た一番の願いが叶い感動したです。まる子とおじいちゃん凄い!です。

 アンドレア空港から帰るとき、切なさが半端なかったです。以前、まる子が南の島に行ったとき、プサディという少女と仲良くなったけど、帰るときの話を思い起こしたです。今回それとは、比較にならないと思ったです。
 アンドレアがイタリアに帰ったとき、両親に話した内容や、旅行でたまちゃんのお父さんのカメラを借りて取った写真が、良かったです。
 あの栓抜きも素晴らしいものになった!です。これでいいのだ!です。

                         2015 12.25 +


 あれからまた見に行ったけど、平日昼間とはいえ客が、私一人というのも悲しいです。このまる子良い話なのになぁ・・・。もっといろんな人に見てもらいたいと思うのだが・・・。

 まる子とアンドレアの友情、やっぱり泣けるです。感動のまる子です。

 それ以外にも、相変わらず丸尾君の「ズバリ・・・でしょう」や藤木くんと毒のある永沢くんの存在感もあったです。

 アンドレア、外人とは思えない人間味あふれていて良かったです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「おどるポンポコリン」のレビューです(笑)

[文量→小盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
さくらももこさんが脚本を担当した、劇場版。話としては劇場版で完結しているので、テレビ版に詳しくなくても問題ないです。

ゲストで登場する芸能人達が非常に豪華であることでも話題になりましたね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
劇場版というこで、普段よりも少し毒は弱くなり、純粋に良い話に。まる子とアンドレアの別れは、単純ながら感動的だった。
{/netabare}

【余談~ 名曲「おどるポンポコリン」~】
{netabare}
先日、「UTAGE!」のスペシャルで、「B.B.クィーンズ」さんや、みんなで楽しそうに「おどるポンポコリン」を歌ってました。素敵過ぎて、ちょっと泣きそうになりました(笑)

んで、今日、カーラジオ聴いてたら、モモクロのラジオ流れてて、そこでモモクロバージョンの「おどるポンポコリン」。てか、今、モモクロが歌ってることすら、初めて知りましたw

ということで、偶然も重なったので、「おどるポンポコリン」レビューですw

まず、「おどるポンポコリン」は、ものすごくたくさんのアーティストにカバーされてます。

「モモクロ」「ゴールデンボンバー」「E-girls」「マナカナ」「大原櫻子」など。

この中で、一番好きなのは「E-girls」のカバーです。他の方のカバーは、ぶっちゃけカラオケクオリティで、だったら原曲の方が100倍良い。せっかくのカバーですから、その歌手「らしさ」が出ていて、原曲とはまた違う魅力がないとね。

「E-girls」のカバーは、単純に上手いというのもあるけど、POPでオシャレに仕上がっていて、ああいうのから、小中学生が、ちびまる子ちゃんにハマっていってくれれば嬉しいな~と。

今日聴いた「モモクロ」バージョンは、かなりガッカリ。単純に歌が上手くないのは今さらだから別に良いんだけど、せっかくの「モモクロ」なんだから、もっとハッチャケて欲しかった。「怪盗少女」くらい。いや、私はアイドル全般があまり好きではないのですが、モモクロは結構好きなんです。CD買ったりライブに行ったりはしませんが、観てるとなんか元気になるし、一生懸命さに好感ももてるので、アイドルの中では一番好きかもしれません。だからこそ、歌もダンスもなんか大人しいなと。コンセプト的に、幼稚園児~小学生低学年くらいに向けて作ったんだろうけど、おっきいお友達向けに作った方が、良かったんじゃないかと思いました。

さて、前置きwはこのぐらいにして、B.B.クィーンズの曲ですが、久々に聴いてみて、何に感動したかって、メインボーカルの坪倉唯子さんの変わらぬ歌声もだけど、「タッタタラリラ」なんかでコーラスに入る近藤房之助さん、メチャクチャ上手くないですか(笑)? 当時は全然注目してなかったけど、生で歌ってあの上手さ、しかも、声量からタイミングから、コーラスとして完璧でした。68歳で、あの歌声。渋くてすんごい素敵でした。

てか、近藤房之助さん、本業はブルース歌手で、容姿もかなり渋い。坪倉唯子さんも、本来はかなりハスキーな歌声なんですね。今回調べてみて、初めて知りました。インタビュー記事によると、コーラスやバンド含め、B.B.クィーンズは全員が本業でも活躍するプロの集まりで、あの変な格好は、「恥ずかしいから変装している」んだとか(笑) 元々、ああいう人達だと思ってましたよw

やっぱり、ヒットには理由があるんですね。実力のあるプロ集団による本気のふざけ。だから、ただのおふざけにならなかった。イロモノじゃない。

なんか、「おどるポンポコリン」がますます好きになりました♪
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 10
ページの先頭へ