原子力で戦いなおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月06日の時点で一番の原子力で戦いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.2 1 原子力で戦いなアニメランキング1位
ディメンションW(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (759)
4044人が棚に入れました
西暦2072年。第四の次元「W」から無限のエネルギーを取り出せる「コイル」により、人類は繁栄の極致にあった。しかしその裏では、正規外のルートから入手した「不正コイル」を使った犯罪が横行し、回収に懸賞金がかけられるようになった。腕利きの"回収屋"マブチ・キョーマは、ある依頼の中で謎の少女・ミラと出会う。かつてコイル事故ですべてを失ったキョーマと自分の出生の秘密を探るミラは、共に「コイル」の真実を追うことになるが……。

声優・キャラクター
小野大輔、上田麗奈、石田彰、中村悠一、鈴木絵理、斉藤貴美子、松岡禎丞、鳥海浩輔、山下大輝、土師孝也

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

全ての不幸は未来という可能性の踏み台に過ぎない

生きていく上で決断しなければいけない瞬間というのは誰しもが訪れる事象です。
ありえたかもしれない未来、こうなっていたかもしれない結末を空想、夢想しながらも、人間は時に分岐点にぶち当たり、自分の意思でもって未来を「選択」し、進んでいく。
有象無象の中から唯一の「可能性」を見つけだし、「選択」し、「決定」していくのが人生という1つの道であり、続く先に「未来」となります。
そのような、観測した時点で結果となり収束する未来は私達にとっても至極限定的な代物であり、逃れられない結果だらけの産物です。
しかし、たとえどれか1つを「選択」したとしても、いつまでも振り返ったままでいないだけの誇りは持って生きていきたいと…
そんな事を考えている最中にも人類の前には天高く聳えているのです。
「未来」という大きな、しかし「可能性」のある壁が…

それではこれから『Dimension W』のレビューを書いていきたいと思います。
まずはあらすじから簡単に説明しましょう。

西暦2072年
X,Y,Zに続く第4の次元軸「W」の存在が証明された未来
百合崎士堂博士はそこからエネルギーを供給する事が出来る次元間電磁誘導装置、通称「コイル」の開発に成功した。
また、彼は同時に世界中へ「コイル」によって得られたエネルギーを供給していく社会システム、通称「世界システム」を構築
その結果、この世界は表向きには繁栄の極致を築いていく事になる…
そんな科学技術の発達した場所で生きている生粋の「コイル」嫌いの主人公、マブチ・キョーマ
彼は正規ルートを通さない、裏で取引されるエネルギー制御のきかない「コイル」、通称「不正コイル」を回収している裏社会の働き屋である。
変わらない日々、平坦な現実、色のない世界…
過去に生き、過去に死んでいたはずだった男はある依頼の最中に不思議なアンドロイド少女と出会う。
それが自らの結末と向き合う序章であったとも知らずに…
これは、未来都市セントラル47を舞台にした不正コイルの「回収屋」キョーマと、奇妙な相棒ミラの物語である。


さて、現時点で気付いている方がいるかどうかわかりませんが、私、今かなり興奮しながらキーボードを打っています(笑)
それもこれも一気にこの作品を観終わった事に起因しているのは言うまでもないでしょう。
この作品、他の枚挙に暇がない1クールアニメと同じようにして考えると、かなり痛い目をみます。
全体的に高水準のクオリティで持って作られたこの作品には、作中でも描かれていた「可能性」という存在を随所に感じられました。
まず、原作者による高度なストーリー展開と設定を併せ持ったSF作品として生まれてきた可能性
私自身、アニメを観終わってからマンガを大人買いして一気に読みふけり、夢中になりました。
金欠生活で苦労している自分に簡単に購入させるほどの「エネルギー」をこの作品からは感じられます。
そんな漫画を1クールアニメ量産体制の昨今、要所要所を上手く抜粋しながらも綺麗にまとめた可能性
全12話で10巻の内容をこのようにまとめたのは神業に等しいかもしれないと、マンガを読んでからは改めて思いました。
順番を変えたり、別の表現に変更させたり、圧縮させて尚且つわかりやすくさせたりと、アニメ制作人の苦労が自然と想像出来てしまいます。
このアニメを作ったスタッフは非常に高い力量を持っているのではないかと強く感じてしまった次第です。
いや~、とても良い仕事をしてくれまして、私、非常に感無量ですわ…
そして、そんな傑作を毎週リアルタイムに観る事が出来たという可能性
ホントに、とても、良い時代に、なったものですよ…
『Dimension W』という無限の「可能性」を秘めた作品をこの度知れた事、とても嬉しく思います。

さて、そんな数多の「可能性」の上に成り立ったであろう本作
ここからはその見所を存分に書いていきたいと思います。
まず、第1の見所としましてはとにかくキョーマがかっこいい!! ミラが可愛い!!
個人的には2016年冬アニメの中で1番と言える主人公ヒロインだと思います。
重い過去を抱えていながらも自らの信念を胸に前へと進むハードボイルド回収屋キョーマと、なじられながらも彼を真に支え続け、傍に居続けたアンドロイド少女ミラ
2人の関係は一見アンバランスに見えながらも、根っこにはとても純粋な想いを感じさせるつながりがあり、思わずこれから先ありえるかもしれない、ある種夢想化した現実を想像してしまいます。
また、彼らだけでなく、今作に出てくる登場人物たちはとにかく性格や立ち振る舞い、特徴がはっきりしていてとても名前の覚えやすい仕様となっているので、キャラの覚えられない方も安心の出来
個人的にはルーザーやシーマイヤー、コオロギなどがかなりいい性格をしていると感じましたね。
しかし、やはりキョーマとミラ、主人公とヒロインの2人は別格
彼らが中心になってこの物語は始まっていくのです…


あ、エリーとイーストリヴァー兄妹もすっごく可愛いよ!!

さあ、気を取り直して、第2の見所としましてはとにかく設定が凄い!!
第4の次元、「W」、エネルギー供給の根幹を担う「コイル」、エネルギー供給体制を確立させた「世界システム」、次元エネルギーの暴走によって引き起こされる「Wの具象化」など専門用語満載
原作者の岩原先生は恐らく稀代の天才科学者、ニコラ=テスラが提唱した理論や実験、そして彼が経験した不思議な現象を参考にしたんでしょう。
第4の次元、「W」は彼が実験室で感電した事により未知の領域である5次元へ入ったという記録から、「コイル」は「テスラコイル」、「世界システム」は彼の理論のまま、「Wの具象化」は恐らく「フィラデルフィア計画」ですね。
良く調べられているな…と第1話を観てすぐに感じました。
まあ、こう言っては何ですが、SF作品においてこういった設定というのはいわゆる「よくある」代物なのです。
しかし、今作の凄い所はそのありきたりな設定を実に面白い形で膨らませているという事
「コイル」という摩訶不思議装置の多様性や随所に出てくるSF技術の多種にわたった活用法の数々には思わず舌を巻きましたね…
なんか聞いたことあるな…という既視感溢れる最初から、まさかこう持っていくとは…と逆に驚かされてしまう形になってしまいました。
単純でありきたりな設定でもやり方次第で上手く話を展開させる事が出来るんだな…と観終わってから自らの偏見をきつく自省した次第です。
改めてSFという1ジャンルの「可能性」を垣間見る事の出来た作品でした。
もしかしたらSF作品に詳しい人程、この作品には騙されてしまうかもしれません。
勿論、全く知らない方にもおススメですよ!!

最後の見所としてはやはり、とにかくストーリーが面白い!!
もう、この一言に尽きるでしょうね…
このアニメ、第1話~第3話をミラとの出会い、回収騒動、日常と続き、第4話~第5話を八十神湖編、第6話~第12話をイースター島編という構成にしていますが、それとは別に全体的な話として、マブチ・キョーマが過去にけじめをつけるまでの過程を描いた作品となっております。
それぞれ単体として観てもかなり面白いのですが、第1話~第5話までの話が最後のイースター島編の伏線回収に至っていくという一本道の構図になっているので、とてもじゃないですが流し見は出来ません(笑)
特に八十神湖編は結末に至るまでの展開には端的に言って衝撃を受けましたし、オチも古典的でこそありながらも上手く話に作用した構成で尚且つこの話がイースター島編でも密接にかかわっているので、とても重要な回です。
まさに必見!!
そして全ての回の帰結となり、収束を迎えるイースター島編
隠蔽された過去、「コイル」の真実、キョーマの想い
様々な思惑がぶつかり合いながらも重なり合い、結果として1つの起こってしまった結末と解決策を導き出していきます。
また、何故、彼は病的なまでに「コイル」という存在を憎んでいるのか?
何故、彼は自らを慕ってくれるミラに対してきつくあたるのか?
物語序盤で視聴者共々感じた疑問も上手く解消され、一視聴者としましては気が付けば、よくまとめてるよなあ…と感心するしかない内容になっていました。
そして迎える最終回の辿りついた未来
原作が続刊中でありながらも1つの物語が終わったんだ…と満足した充足感を感じた作品は恐らく初めてではないでしょうか?
観ている最中、不覚にも鳥肌が止まらなくなり、終わってからは自然と拍手をしていました。
ここまで深く染み込んだのは久しぶりで、本当に、最高のアニメをありがとう…

2クールあればもう少し詳しく描かれたのでは?という意見もよく見ました。
私自身もアニメ視聴時にそれは少しだけ思いましたが、原作を読んでからはそこまで多いと地味にだれてしまう可能性の方が大きいのではないかと感じてしまいます…
ほんの少しだけ、1話、いや、0.5話だけでもあれば実に良かった…と思うのは流石に我儘でしょう(笑)
いいんです、1クールできちんと目を通して観ればちゃんと話の分かる程度にはまとめてくれましたから!!
それだけで私は至極満足です!!

さて、こういった作品が正当に評価される日の来るのを願いつつ、以上でレビューを終了したいと思います。
「可能性」の果てに行き着いた純粋な愛と再生の物語、興味を持った方は是非…

PS.
先にも述べた通り、今作はまだビッグガンガンで連載中のSF漫画です。
そのためアニメで明かされなかった謎はマンガで随時解明されていくのかと思います(主に最終話)。
先が気になる方はどうぞ、原作を読みましょう!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

過去に生き、過去に死ぬ

これは初回からかなり惹きこまれました。

アニメでは希少な大人の主人公もの。
これは最後まで観届けたい。

1話が非常に気に入ったので原作を読み始めました。

3話まではアニメ観た後に原作でおさらい。
4話のホラー話からは、原作が先でアニメが後。

原作は、設定が緻密に練られているため
独自性が確立できていて新鮮で素晴らしい。

アニメは、尺を考えれば当然ですが、カットや改変たっぷりです。
でも非常に上手く話が整理され、まとめられていると思います
アニメも十分面白い。

このまま最後まで突っ走って欲しいものです。

------以下は、原作コミック第1巻、wiki参照-------

西暦2070年代の日本が舞台。

2036年に存在が証明された、
X,Y,Zに続く第四の次元軸『W』。
そこからは無尽蔵のエネルギーを引き出すことが可能。

●「世界システム」…エネルギー問題を解決する夢の技術

全世界60か所に建造された巨大タワーが
『W』のエネルギーを充実させ、
コイルによる電力の取得を保障。
世界中どこにいても電力を得られるようになり
旧来の発電送電システムは過去のものとなる。
ここでの「コイル」とは、次元電磁誘導装置のこと。
コンパクトで携帯できて、個人でどこでも使える。

2072年、「世界システム」が稼働開始してから
間もなく10年を迎えようとしている。
ガソリンへの課税率は400%を超え2800円/ℓになった。
3年後にはガソリン車は全面廃止の予定。

そんな時代の、時代に取り残された男と、人間と見紛うアンドロイドの物語…

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<各話レビュー>
★File.01「回収屋」{netabare}

主人公マブチ・キョーマ(CV:小野大輔)は
冷血なようで、実は情に厚いオッサン。
電子制御のものは、携帯電話以外は一切使わず
一人頑なに、昭和に生きてるような男。
コイルも大嫌いで、自宅の電気は発電機でまかなう程。

1967年から1970年の3年間で
試作車を含め337台が生産されたTOYOTA 2000GT。
言わずと知れた日本が生んだ伝説の名車。

コンピューター制御の車は論外なのだろう。
そんな時代の流れの中にあって、
希少、かつ100歳以上の2000GTを
自分でメンテや改造を施して、
道具として日常の足にしてるキョーマ。

串焼きで使う鉄串を投げる武器とし、
さらに体術による戦闘力により
回収屋と呼ばれる、犯罪者相手に不正コイルを回収する
物騒な仕事を生業とする。

一匹狼だった彼は、ひょんなことから、
人間と変わらぬ精神性を持つ
訳ありアンドロイドのヒロイン、
ミラ(CV:上田麗奈)と出会い、
仕事上の相棒として一緒に生活することになった…

主人公が、鉄串を手の指に挟んで構えた姿は、
マーベル・コミック「X-MEN」のウルヴァリンそっくり。
映画版で演じたヒュー・ジャックマンをモデルにしたキャラかもしれません。
もみあげと笑わぬキャラが渋くてカッコいい。
小野さんの声も決まってる。

ミラは、本編開始後10分までは人間の少女と見紛うようミスリード。
そして、アンドロイドと判ってすぐにキョーマを平手打ちでゴキッ。
常人とは違うパワーを音だけで表現、シンプルで効果的です。

その後、ニューテスラの精鋭調査部隊「Qi」の調査主任
アルベルト・シューマン(CV:石田彰)初登場。
石田さんが演じてるだけに存在感あって非常に興味が持てるキャラですね。

その他の声優といえば、
天才的な技術者兼ハッカーのコオロギ役の松岡禎丞さんもいい味出してる。

さらに百合崎教授の謎の言動…掴みがバッチリです。
{/netabare}
★File.02「ルーザー」{netabare}
<次元が崩れる…>
『W』の具象化という、世間には一切知らされていない
コイルの恐ろしさをキョーマは熟知していた。

今作の最大悪は、コイルを管理してる会社ニューテスラなのか?
コイルのおぞましい弊害をひた隠しにする会社。
秘密を知る者は抹殺されるという…。
『STEINS;GATE』のSERN社と同類の空恐ろしい存在に思えました。

現代に生きる我々も、近年、
原子力の功罪をあらためて思い知らされました。

「世界システム」が夢の技術といっても、
その恩恵の大きさに比例して闇の部分も大きなものがありそうです。

<コイルの犠牲者、ルーザー(CV:中村悠一)初登場>
初回から登場の、石田彰さん演じるキャラと言い、
脇を固めるいい役者とキャラが揃ってますね。

<十四松とカラ松>
小野さんと中村さんの共演と言えば、同クールでも放映中の「おそ松さん」。
二人の絡みのシーンで、ふとそのこと思い出してしまいキャラのギャップにww


今回、ミラとコイルの生みの親の、
百合崎教授の妻役に本田貴子さんとは…
意外なキャスティングがちょっとうれしい。
ほんのちょっとのシーンでも存在感ありました。

余談ですが、本田さんはアニメより、
どちかというと映画やドラマの吹き替えでご活躍。
洋画も大好きでよく観る私としては、
ヒラリー・スワンク、サンドラ・ブロック、ミラ・ジョヴォヴィッチなど、
男前系の主演女優の本田さんの専属吹き替えが大好き。
役柄によっては、朴璐美さんの声に酷似して聞こえて
区別がつかないことも多いんですけど…。

<かっ・いっ・しゅーぅ・やっ(。◠‿◠。)>
初回は、なんのこれしき、
アニメのキャラではありきたりと抵抗を試みるも、
60%くらいはやられてたけど…。
ヤバいです。
2話のこのセリフで、ミラの魅力に100%攻略されました。

<人間の魂を持ってるアンドロイド>
合理的できれい好きな人格者?ミラ。

ヘアピンアンテナ?とシッポ…実にいい仕事してる♪

彼女は、喜怒哀楽の表情、どれもが可愛い♡
あわてたり、涙流したり、頬赤らめたり…表情がとても豊か。
でも感情は上手くコントロールされてるようで
暴走することは滅多にないように見える。

アンドロイドとはとうてい思えぬ善良な人柄が伝わります。

ミラ役の上田さんの演技は知的で清楚。
色気はあっても肉感的な方向のエロさがあまりない。
ヒロインとして新鮮な魅力があります。
これははまり役と言えそう。
{/netabare}
★File.03「ナンバーズを追え」{netabare}
<ナンバーズ>
ルーザーによってその存在を知ることとなったキョーマ。
独自にその情報収集を始める。

開発初期の試作コイルはナンバリングされており
それらは通称、ナンバーズと呼ばれる。
普及しているコイルとは別格で極秘扱いとされる。

W次元界の未知の領域のエネルギーを引き出せるが
コントロールできなくなると甚大な被害を及ぼすという。
ニューテスラが、ひたすら隠ぺいする不正コイルの事故のうち、
大規模なものは、このコイルによるものらしい。

<こころ、ウッキウッキ~♪きれいがいっちばんでっすぅ~♪>
一方、前回捕獲した鳩型アニマロイドのコイルにより、
現ナマ紙幣で600万円の報酬を得てホクホクのミラ。
一人前の回収屋としても認めてもらう。

2072年の紙幣価値は今と比べてどうなのか不明ながら
キョーマがふて寝するほどうらやましい額のようだ。

それにしても60年先の未来でも福沢諭吉殿が現役とはwww
電子マネーが主流で紙幣の進歩は止まったままのよう。

その報酬でレトロなキャンピングトレーラーを購入。
キョーマの住む、廃ガソリンスタンドの敷地の一画に置かせてもらい
自身の部屋として清掃、家具も買い揃え心ウキウキ。

しかし、そこに思わぬアクシデントが…。
そのことでキョーマは、意外な権力者と対面することになる。


クレアとその孫シオラ、そしてシオラの悪ガキ仲間。
これからどう描かれるのか。

物語にさらなる広がりを見せた今回。
次回も楽しみです。
{/netabare}
★File.04「八十神湖に潜む謎」{netabare}

原作の中でもボリュームたっぷりな話です。
原作を整理整頓の上の圧縮ぶりが絶妙だと思います。

<ロボットが幽霊とかふざけんな>

信州の八十神湖(やそがみこ)、ダム建設により生まれた人造湖。
21年前、ダム反対派の若者たちが洪水により不幸な死を遂げて以来
超常現象、多数勃発。幽霊も出るオカルトスポットとして有名。

湖上の小島にあるホテルで起きた謎の密室殺人。
事件の調査のため、キョーマとミラは現場に向かう。
依頼主はニューテスラ(NT)。

相変わらず無表情で何事にもクールなキョーマと
アンドロイドなのに幽霊に怯えるミラ。

キョーマは現場で、21年前から因縁のナンバーズの存在と
その回収が真の目的であると知ることとなる。

そして精神だけ、
時空間を超越した世界に取り込まれたミラ。
目前に広がる21年前の風景と人物。
当時、災害で亡くなった若者たちが
ゾンビのように襲い掛かりまるで悪夢のよう。
彼女は囚われ絶体絶命の危機が迫る。

被害者の妹、謎の女エリザベス、
NTのシューマンや他の回収屋など
物語を彩る登場人物多数。
さらには第二の殺人も発生。
状況は混迷を帯び始めました。
次回も非常に楽しみです。

それにしても、キョーマに、
ポンコツ、そしてついにはガラクタ呼ばわりのミラ。
ガラクタと呼ばれ凹む彼女のいじらしさ。
アンドロイドが、無理してアンドロイドのふりってのもユニーク。
ミラは毎回、実に可愛いくて目が離せませんね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ミラちゃん・・・なんでこんなに可愛いんでしょ(//∇//)

この作品の原作は未読で、知っていたのはヒロインを上田麗奈さんが演じられる事くらい・・・
最近、上田さんの名前を結構目にしている様に思います。
ハナヤマタのなるちゃん、対魔導学園35試験小隊の鳳桜花など・・・でも私の中で上田さんといえば「てさぐれ!部活もの」の園田萌舞子ちゃんのイメージが強いです。
何せ3年連続六つ子の設定なので高校1年生から3年生まで総勢18人姉妹・・・その18人分の役をたった一人で演じられていたのがとても印象的だったので・・・^^

そんな上田さんがヒロインを演じられるなら視聴してみようか・・・と思い取り敢えず1話を視聴して見る事にしてすっかりハマッてしまいました^^;

いきなり度肝を抜かれたのが・・・オープニングです。何故か分かりませんが今期の作品はやたらとオープニングがツボに入っています。それが1作ならまだしも複数作にも及ぶなんて・・・
まさか、「今期はオープニングに度肝抜き設定を盛りましょうか」などと制作陣が横で繋がっている事も無いでしょうし・・・^^;

この作品の主人公はマブチ・キョーマという和装っぽい服を纏った髭面のオッサンなのですが、オープニングでいきなり踊りだすんですよね〜^^;
しかもステップがメッチャ軽やか・・・キョーマとダンスのあまりのアンマッチさが逆にツボに入ってしまいました(//∇//)
でもこのダンス・・・決して真似はできないでしょうけれど^^;

この物語は、X・Y・Xに続くW軸と呼ばれる第4の次元軸から無尽蔵のエネルギーを取り出す事に成功した世界・・・
人々はそのエネルギーを個人形態用の「コイル」と呼ばれる装置で享受する事で昨今のエネルギー枯渇問題が解決し人々は平和な暮らしを・・・と事はそんな簡単には進みませんでした。

コイルは「正規コイル」と呼ばれるコイルを使用する決まりになっているのですが、光の対に影があるように「コイル」にも「正規」の対極に位置する「不正コイル」が影で出回るようになってしまったんです。
不正コイルは正規のルートを通ったコイルでは無いため、内部構造は無法地帯・・・そのため不正コイルを用いた犯罪が発生するなど、エネルギー問題は解決しても犯罪の撲滅には繋がらなかった、という事になります。
ここで問題となるのが不正コイルの中でも正規コイルを遥かに凌ぐ強大な力を持ったコイルが出現し悪用される事です。
それは不正コイルの回収を生業にする組織が生まれるきっかけにもなりました。
そして、主人公のキョーマが回収屋として不正コイルの回収に向かった先でヒロインのミラと出会い・・・物語が動いていきます。

そんなWのエネルギーを万人が享受している中でキョーヤを見ると・・・まるで生きた化石のようです。
例え正規品であっても誰もが普通に使用しているコイルの使用を頑なに拒絶し続ける彼・・・
その徹底ぶりは車にも及んでいます。
キョーマの愛車はトヨタ2000GT・・・確かに格好良い車ですし、車好きならきっと一度は憧れる一台なのではないでしょうか。
それに物語で登場する2000GTも緻密に描かれているので格好良さは2割増し以上だと思いますが、この作中でのガソリンのリッター単価は2800円もするのだそうです^^;

因みに2000GTのガソリンタンクは60Lで燃費は55km/h定速で15.0km/L(カタログ値)
これはガソリンを満タンにすると168,000円ものお金が必要で、燃費はカタログ値では15.0kmとありますが、街中やキョーヤの様な乗り方で15.0kmまで届くとは到底思えないので、燃費を5.0km/Lと仮定すると60Lで300kmしか走行できない、という事になります。
1km走行するのに必要なガソリン代・・・と見方を変えてみると1785円/kmとなります。
しかもハイオク仕様・・・^^;
私はどんなに格好良い車でも、こんな大金を撒き散らす車には絶対乗れません。

でも、キョーヤがそれを是としていたか・・・と考えると必ずしもそうではないと思います。
もし彼がコイルを拒まなかったら2000GTに乗り続ける事も無かったのかもしれません・・・
それでも彼は2000GTのハンドルを握っている・・・それはそうせざるを得ない理由があったから・・・
事の真相は物語の進展に伴い明らかになりますが・・・私は涙無しには見れませんでした^^;

キョーヤの印象・・・最初は突然踊りだす謎のオジサン・・・という感じでしたが、色んな物語を経て彼に対する見方は良い方向に変わりました。
wikiには「義侠心の強い熱血漢」と書いてありましたが、正にその通りだと思います。

そしてヒロインのミラ・・・アンドロイドなのですが、これまで私が視聴した作品で登場したアンドロイドの中でも可愛らしさはトップクラスだと思います。
そんな彼女の最大の魅力は「頑張り屋さん」なところ・・・時には無理する事もありますが、彼女が無理をするのは決して自分のためじゃありません。
そして大切を守る事にかけては何をも厭わない彼女・・・
自分の優先順位が一番じゃない彼女・・・
そんな危うさが彼女の魅力であり、一緒にいると守りたくなる原動力になるんだと思います。
そんな彼女の魅力を余すことなく表現しているのがエンディグのアニメだと思います。

ピカピカに磨き上げたトレーラーハウスは彼女のお城・・・
風になびくキョーヤとミラの大小二つのタオルが、彼女の居場所の証・・・
色んな表情の彼女を見る事が出来ますが、笑顔が彼女には一番似合っていると思います。
様々な舞台での彼女が描かれていますが、家事をしている時の彼女の表情が一番好きでした^^

キョーマとミラが紡いでいく回収屋として物語・・・どんな着地点が待っているかは是非本編を視聴してご確認頂きたいと思います。
登場人物の魅力に溢れた作品だったと思います。

オープニングテーマは、STEREO DIVE FOUNDATIONさんの「Genesis」
エンディングテーマは、Fo'xTailsさんの「Contrast」
どちらもアニメが大好きだったので毎回ちゃんと視聴しました^^
曲調的にはオープニングの方が好みなのですが、歌詞が途中で聞き取りにくい部分があるので、カラオケで歌うには難易度の高い曲だと思いました^^;

1クール12話の作品でした。ミラの屈託の無い笑顔が見たくて序盤は視聴していましたが、中盤以降は物語も本格化して面白くなってきたので、結果的にドップリハマりながら視聴していました^^
物語の纏め方も綺麗だったので言う事なしです^^
しっかり堪能させて頂きました^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

70.2 2 原子力で戦いなアニメランキング2位
無敵超人ザンボット3(TVアニメ動画)

1977年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (85)
347人が棚に入れました
富野由悠季(当時は“喜幸”)監督の手がけた異色のロボットアニメ。後の「機動戦士ガンダム」へと続く、リアルロボットものへの先駆けになったリアルな作劇が支持される。やんちゃな少年・勝平を始めとした神ファミリーの祖先は異星人であり、彼らには地球を襲う凶悪な敵ガイゾックに対抗できる超メカニックが受け継がれていた。それを操り人々を守る勝平だが、その戦いを眺める民衆の視線は冷たかった…。

声優・キャラクター
大山のぶ代、森功至、松尾佳子、永井一郎、川島千代子、鳳芳野、古川登志夫、渡部猛、島田彰
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

無印ガンダムやイデオンの前触れ的な作品・・・ということで視聴してみましたが。

子供向け“ロボット・アニメ”という触れ込みでスポンサーを騙しておいて、安っぽい“社会派アニメ(※意識高い系ともいう?)”を作ってみました、的な何かか?

これ、商業倫理上どうなんでしょうか?
アニメーターとスポンサーのチカラ関係で、昔はこういうことは業界では別に珍しいことではなかったんだよ、とか言われそうですが、これで企画書どおりにお金を出して、玩具も作って売り出したスポンサーは一体どう思ったんでしょう?

まあ、私の心配することではないでしょうけれども、こんな風にあからさまにスポンサーを騙して金だけ出させて(※損までさせたわけではないと信じたい・・・)、専らアニメーターの自己満足の産物を作ってしまって、本当にそれで良かったんでしょうか?

※このシナリオでは、当時視聴していた子供たちには余り受けなかったのでは?と思いますが、富野監督と同世代の仲間たちには大変に評判が良かったようで、今でも本作を“名作”と評価する声もあるようです、念のため。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
作画等は年代相当だけど、「睡眠学習」で主人公が戦闘機&ロボット操縦スキルを既に取得済みという設定が結構笑える。
・第5-6話視聴終了時点
毎回来襲するメカ・ブーストとの格闘ではなく、町を守っているはずの住民から神ファミリーが忌避され排斥されていく展開に一応の見どころがある作品らしいと気付く。
とくに主人公勝平はやはりアムロの原型か?
・第10話視聴終了時点
ガイゾックが日本国使節団を捕らえて風船に吊り下げて銃で人間狩りをする(撃ち落されるシーンまであり)は、小学校低学年向けアニメとしては明らかに場違いじゃないのか?という疑念から、初の×(疑問回)認定。
・第15話視聴終了時点
モブ以外のキャラが初めて死亡する注目回。
・第16話視聴終了時点
「人間爆弾」が初めて登場する注目回だが、酷いシナリオで×。
・第17話視聴終了時点
北の“七ヵ所村”の避難民キャンプがガイゾックの「人間爆弾」対象者調達基地になっているという設定→明らかに青森県上北郡の六ヶ所村(※原子燃料サイクル施設などの原子力施設がある村)をモデルにしている。
・第18話視聴終了時点
主人公=勝平の幼馴染ブスペアの片割れが“人間爆弾”で爆死で、ここから欝展開本格化か。
・第23話(最終回)視聴終了時点
この回のシナリオは酷くて弁護の余地なし。
この当時は、こんなんで“社会派アニメ”を気取ってたの?{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作           鈴木良武、富野喜幸
総監督         富野喜幸
脚本           五武冬史、荒木芳久、吉川惣司、田口章一、星山博之
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン  平山良二、大河原邦男、スタジオぬえ
音楽           渡辺岳夫(作曲)、松山祐士(編曲)
アニメーション製作  日本サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 無敵超人ザンボット3 (1977年10月-1978年3月) ===========
{netabare}
第1話 ザンボ・エース登場 ☆ キラーザ・ブッチャー復活、神勝平ザンボ・エース搭乗・出撃、メカ・ブースト・ドミラ撃破
第2話 燃える死神の花 ☆ 神(じん)ファミリーの使命(ガイゾック撃退)、勝平苦戦、ザンブル来援(宇宙太搭乗)、ザンベース来援(恵子搭乗)、ジドブラー撃破
第3話 ザンボット3出現! ☆ 剣道奉納試合(勝平vs.香月)、宇宙太&恵子苦戦、勝平の我儘と一太郎の怒り、3機合体(ザンボット3完成)、ガビタン撃破
第4話 集結!キング・ビアル ☆ 神ファミリーの秘密(ビアル星からの宇宙移民の子孫)、移動要塞ビアルⅠⅡⅢ合体(キングビアル完成)、ドヨズラー撃破
第5話 海が怒りに染まる時 ☆ 避難民の神ファミリーへの誤解・嫌悪、家族と生き別れた香月の逆恨み
第6話 父が帰ってきた日 ☆ 勝平の父・源五郎登場、勝平の香月への反発と父の怒り
第7話 さらば!我が友よ ☆ ブスペア(アキ&ミチ)の危機、ミチ救出とアキの反感、香月ら住民の恵子人質・キングビアル侵入、勝平の母・花江の怒り
第8話 廃虚に誓う戦士 ☆ 宇宙太の母・すみ江の反感、ガイゾック東京襲撃、ビアルⅡ離脱、宇宙太活躍・バアルⅡ帰還
第9話 危うし!キング・ビアル ☆ キングビアルの資材調達の困難、大滝社長救助・死亡、資材入手・キングビアル分離
第10話 バンドック現わる! × 埴輪型ガイゾック巨大基地バンドック出現、日本国使節団への人間狩り、野崎副首相救助(梅枝婆さん活躍)
第11話 決死の爆破作戦 ☆ 続き、兵左エ門・源五郎とブッチャーの対談、ブッチャーの黒幕ガイゾック登場
第12話 誕生日の死闘 ☆ 恵子の14歳の誕生日・帰省、松本城騒乱、恵子の親友ヒロミ達の非難・悪罵、傷ついた恵子の立ち直り
第13話 果てしなき戦いの道 ☆ 巻き添えを出さない戦い方、勝平の自暴自棄、香月の励まし・勝平の立ち直り
第14話 スカーフよ永遠なれ ☆ 北海道・札幌避難民キャンプ(アキ&ミチとの再会)、ブスペアとの仲直り・二人の贈り物
第15話 海に消えた老将 ☆ 国連防衛軍からの援助申し出、B.ジェイムス提督壮絶死(囮船団壊滅、補給物資到着)
第16話 人間爆弾の恐怖 × 謎の爆破事件、神ファミリー年少組(和之・公子・きいろ)の人質救出、人間爆弾自爆 ※酷いシナリオで・・・
第17話 星が輝く時 × 避難民キャンプの秘密、健太脱走・救助、勝平キャンプ潜入、香月囚わる、浜本爆死 ※同上
第18話 アキと勝平 ☆ 避難民乗船拒否、アキ救出・爆死、ミチ脱出・救出
第19話 明日への脱出 ☆ 香月奮闘・ガイゾックの正体目撃、敵基地バンドック強襲、人質脱出、バンドック撤退
第20話 決戦前夜 ☆ 国際防衛軍のキングビアル&ザンボット3接収、防衛軍苦戦、パイロット交代、水爆爆発、神ファミリー宇宙へ
第21話 決戦!神ファミリー ☆ 宇宙空間の激戦、バンドック突進、ビアルⅡ突撃・轟沈(平左ェ門夫妻)、バンドック逃亡
第22話 ブッチャー最後の日 ☆ 避難民・非戦闘員の地球送還、青騎士&赤騎士撃破(源五郎戦死)、ブッチャー撃破・爆死、ラスボス登場
第23話 燃える宇宙 × 続き、恵子&宇宙太突撃・爆死、コンピュータードール8号との問答、8号爆発、一太郎・久作・大太爆死、勝平地球帰還(ミチの介抱){/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)20、×(疑問回)3 ※個人評価 × 2.9

OP 「行け!ザンボット3」
ED 「宇宙の星よ永遠に」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

トラウマと言えばこれ

<2017/10/28初レビュー>
富野由悠季監督作品。
キャラクターデザインは、ガンダム、クラッシャージョウ他で著名な安彦良和。
主役の声優さんはドラえもん。
となかなか豪華(?)な感じの"子供向け"アニメです。

子供の頃観ました。
確か、土曜の夕方5時。

その頃は子供向けロボットアニメ全盛でした。
ガンダムがまだ出る前。
アニメと言えば子供のもの。
ロボアニメも当然子供向け。
そんな時代です。

当時のロボアニメは毎週、敵が一体襲ってきて、主役ロボが撃退。
バトルでは街並み壊しまくりますが、翌週にはきれいに元どおり。
そしてまた敵と戦って壊す。
そんな主役ロボを街の人は絶賛。
それが当たり前のお約束でした。

このザンボット3も見始めた時はそうした勧善懲悪の水戸黄門のようなロボものだろうと。
更に、ロボもopテーマもそれまでのどのロボものよりもカッコ良い、と最初ものすごく期待してたのを今でも覚えています。

でもこの作品は違いました。

熱血小学生"神勝平"の操るザンボット3は幾度となく襲い来る敵を撃退していきます。
ところが壊された街は元に戻りません。
住む場所を失った人々は列を成して疎開していきます。
そんな街の人々は「敵はお前達を狙って攻めて来てるんだ。お前らは地球から出ていけ!」と主人公達に石を投げつけます。
そんな人々の中には仲の良いクラスメイト達もいました。

そして真骨頂は勝平のガールフレンド、あきの顛末です。
{netabare}敵はある時から地球人を誘拐、体に爆弾を埋め込んで人間爆弾として地球に返す、という非道な作戦を始めます。
あきも攫われてしまい、主人公がなんとか助け出すのですが実は既に・・・{/netabare}

最終回は{netabare}皆殺しの富野{/netabare}でした。{netabare}主人公以外の主要登場人物、同じザンボットのパイロットの従兄弟二人も、おじいちゃんもお父さんもお兄さんも親戚のおじさん達も皆死んでしまいます{/netabare}

アニメ観て鳥肌立つ、初めての経験でした。
いろいろと悪い意味で。

当時、これ観終えてからロボアニメ観るの数年やめました。
なのでガンダムもリアタイでは観てません。

この作品は私にとってのトラウマアニメです。

ですが、年を経て今となるとやっぱりもう一度観たいなー、という気持ちもあります。
でもこの作品なかなか再放送されないんですよね。

とか思ってたら、明日、BSで一挙放送やるそうです。
これは録画しないと!笑
と思ってレビューした次第です。

(おまけ)この作品、昔イタリアでも放送されてたそうです。イタリアサッカー界でレジェンド級のイケメンストライカー"ピッポ"フィリッポ・インザーギも観てたのだとか。

<2021/5/8 追記>
OP曲好きだったんですよ。
「(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー・GO!
愛と勇気と力とが静かに眠る海の底♪」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

タマランチ会長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

昭和クオリティの安っすい社会派作品

 これまで観視聴だった富野由悠季の問題作をAT-Xで視聴しました。昔のロボットアニメだけあって、ストーリーと関係ないロボットプロレスがだるい。昭和の男の子向けアニメだから、それはしかたないと割り切り、パソコンでゲームしながらやり過ごす。
 序盤の民衆の怒りの矛先が主人公の一族に向かう斜め下を行く展開に首をかしげる。無差別に民衆を攻撃してくるガイゾックを迎撃しているのだから、いくら昭和の日本人がバカでも状況判断くらいできる。これは脚本のための御都合展開。あまりに理不尽な仕打ちに、毎週これ見ていた昭和の子供たちの視聴意欲もダダ下がりだったことだろう。
 中盤、人間爆弾の登場。これはとんでもない外道作戦。自爆テロ犯が紛れ込んでいるかもしれないという疑心暗鬼は恐怖でしかない。サブキャラたちが容赦なく次々に爆死していく姿を目の当たりにし、いつメインキャラが爆死するのかと、物語は一気に緊張感が高まり、視聴意欲爆上がり(笑)
 終盤、宇宙のガイゾック本体との戦い。まさに死闘。しかしその中身は、キャラたちは次々と体当たりを敢行して危機を打開するだけ。スポコンの怪我とバトルモノの特攻同士討ちは安直の極み。最後のガイゾックとの問答も実に陳腐。「悪い考えをもったヤツらを根絶やしにするために作られたコンピュータ」は?一方的に悪い考えと決めつけて虐殺するのなw「何のために戦っている」降りかかる火の粉は全力で払います!「お前たちに感謝するヤツらがいるのか?」感謝されようがされまいが、生存するためには抵抗します。
 ラストでは、一人生き残ったカッペイが地球に残っていた民衆に迎え入れられて終わるんだけど、まずお前らカッペイに土下座して謝るのが先だろ!何もかもご都合展開に見える。

 何気に「睡眠学習で彼らは戦いの恐怖を感じないように訓練されている」とか人権無視した怖いことをシレっと言っちゃうおじいちゃん。昭和の小中学生が思い付きで考えたクオリティーの設定とストーリー展開。当時としては唯一無二の社会派問題作なのだろうけど、ツッコミどころばかりが目につき褒められる部分はほとんどない。人間ドラマやリアルな描写など、この2年後?にガンダムにつながる素地は十分に見られたから、その踏み台として咲いたあだ花だと思うことにします。昭和クオリティの安っすい社会派作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
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