商店街で京都アニメーションなおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの商店街で京都アニメーションな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月08日の時点で一番の商店街で京都アニメーションなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

93.5 1 商店街で京都アニメーションなアニメランキング1位
小林さんちのメイドラゴン(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1689)
8088人が棚に入れました
朝、会社に出ようとしたらドラゴンがいた。
茫然とする小林さんの目の前で、そのドラゴンは角あり尻尾ありのメイド服を着た美少女へと変身した。
トールと名乗るそのドラゴン娘は「今日からメイドとして働かせてください!」と申し出る。
どういうことか分からず尋ねると、昨夜酔った勢いで小林さんが家に誘っていたようだった。
「人を雇う余裕はない」と断る小林さんだったが、会社に遅刻してしまいそうな時間だと気づき―。

声優・キャラクター
田村睦心、桑原由気、長縄まりあ、高田憂希、高橋未奈美、小野大輔、中村悠一、加藤英美里、後藤邑子、石原夏織
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

鶴の恩返しならぬ竜の恩返し? 萌えあり、神話・伝説ネタあり、ほっこり笑えるホームドラマ

ある日ある夜、お酒に酔った小林さん、前後不覚の千鳥足、足向く先は何と山、そこで会ったはドラゴンさん。つるぎ刺さった巨体見て、絆され助けたその翌日に、メイドラゴンのトールさんがやって来た。

OLでオタクで死んだ魚の目(笑)の小林さんとメイドラゴンのトールさんが織り成すの笑い多めの日常もの。

多忙で笑いのない日々を送っていた小林さんのお家に、ドラゴンだけどメイドで、天真爛漫で元気印のトールさんが住み込んで、賑やかな生活のはじまり、はじまり~というお話。寂しさの立ち込めていた小林さんちに新たな家族?の到来で赤々と火が灯った様です。

トールさんが小林さんの服を口に含んで洗濯?したり、自分のしっぽを切って食卓に出したりとギャグは概ね万人向け(笑)クトゥルー神話ネタで一部視聴者を置き去りにした「※1這いよれニャル子さん」みたいな、分かる人にしか分からない神話・伝説ネタとかも若干ありますが、あまりくどくないので気にせず楽しめると思います。酔っ払った小林さんの持ってた一升瓶に"竜殺し"とかの小ネタも笑えました。鬼殺しより遥かに強烈そう‥。

でもあれこれ知ってると面白い場面も‥。私的には1話の電話越しからトールさんに怖ろしげな支持を出すファフニールさんの声(小野大輔さん)に爆笑。彼の※生い立ちとか末路とか考えると無理もない台詞でした(笑)

大まかな印象はありがちなご主人様とメイドのお話で、トールさんが強大な力を持っている所とか、小林さん好き好き(笑)な所は、上でも引き合いに出した「這いよれニャル子さん」に良く似ていますが、女性同士のお話なのでやらしさが全然無くて、老若男女見やすいアニメになっているのではないでしょうか? 主人公に一目惚れというよりは助けてもらった恩返しという所にも好感が持てました。

ご近所さんや商店街の人たちも一緒になって物語に絡んでくる場面などもトールさんが妙に馴染んでいて何となしに顔がほころんでしまいます。ツノあるのに‥(笑)ツノは出せるけどしっぽは出せないという所はトールさんと小林さん以外の人間達との距離感を表している様でした。ツノは出せるんだ‥(笑)

2~3話
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2話ではトールさんを慕う同じくドラゴンの幼女のカンナちゃんことカンナカムイちゃんも登場し、ホームドラマ色やほのぼの色がより強くなった印象。お父さん役の小林さんとお母さん役のトールさん、子供役のカンナちゃんとくれば、まるで仲の良い3人家族ですね(笑)

3話には、電話の声の印象ではかな~り怖そうだったけど、実の所は割と優しいファフニールさんが人間の姿で登場。いつもニコニコ穏やかなケツァルコアトル=ルコアさんも加わり、ますます賑やかな雰囲気に。
{/netabare}
4話
{netabare}
カンナちゃんが小学校に通い始めるというお話。

文房具から体操服から上履きまで、結構色々買い揃えなければなりません。ランドセル38000円もするんだ‥とか小林さんみたいに思いつつも6年間使える上等なものなら安いものですね。小林さんの僅かな動揺を見逃さず、カンナちゃん気にしてましたが、こちらもとてもリアルな描写でした。ちょっとした言葉の端でも子供はお金の話に敏感に反応する事があるものです。小林さんの方もちゃんとそれに気付いてて、言葉じゃなくて行動で「大丈夫だよ」って伝えられた様で‥こういう気遣いは大人として見習いたいものですね。

そして場面変わって小学校。おっとりだけど何でも出来ちゃうかンなちゃんはあっという間にみんなの人気者。小林さんの言いつけで、カンナちゃんの学校生活を監視するトールさんは過保護で文句たらたらなお母さん(お父さん)状態。気持ちは分かりますが、全国のお父さんお母さん真似しちゃいけませんよ? 木の枝の上に横たわったり、草むらの影から頭を出したりしながら人類批評するトールさんの図がちょっとドラゴンっぽくもあり、シュールでもあり何気に笑えました(笑)

後半はいい年した大人(ドラゴンだけど)が子供と一緒になって思いっきり(殺さない程度で)爆風ドッヂ。島本和彦先生の漫画「炎の転校生」とかから脈々と続く、ありがちで伝統的なギャグなんですがフツーに笑えました。ファフニールさんいつになく燃えてるなぁ(笑)地面えぐれたり木とか折れたり色々とメタメタになってましたが、ツノとかしっぽ隠すよりもそっちを心配した方が良いかもとか思ったり‥でもルコアさんが全部元に戻せるそうでヨカッタヨカッタ?

終幕前の子供間のマジやべぇ伝染には‥(汗)でした。子供の前で軽率な言葉は使わない様にしたいものですね。

今回も楽しいお話でした。
{/netabare}
5話
{netabare}
今回は小林さんの事をもっと知りたいトールさんのお話とファフニールさんのお家探しのお話、トールさん、人間の超能力に驚愕というお話の3つ。お約束のカンナちゃんと才川さんの「萌え~(笑)」なオマケもあちこちにありました。盛り沢山ですね。

最初のお話はトールさんが認識阻害(透明人間みたいになる事)を使って小林さんの職場見学するというもの。

人の働く姿をドラゴン視点から見下ろすトールさんでしたが、どことなく興味深げ。

でもパワハラ上司の登場でそんな心持ちも一転、小林さんを罵倒する所長の姿を見て激怒、を通り越して殺意を抱くトールさん。憎き敵を抹殺せんと‥足かけて転ばせただけ(笑)これも小林さんへの愛ゆえですね。

繰り返し同じ言葉で罵倒する人って現実にもいますけど、このアニメで描かれている様に、特に社会的地位のある程度高い年かさの人に多い気がします‥。自分よりも落ち着いていたり、優れていたりする人間に対して攻撃的になるのは、多分自分が見下されていると思い込む心の裏返しなので、怒りの燃料は主に劣等感と被害妄想、ゆえに無尽蔵、なので非常に性質が悪いのです。

所長の2度目の登場シーン、ここでもほぼ同じ問答が繰り返されトールさんのささやかな復讐あり、所長、殺されなかっただけでも幸いでした。小林さんに感謝しなければなりませんね‥パワハラの証拠録られてクビになったけど。リアルでもこういう風に因果応報が上手く機能してくれるといいんですけどね‥(汗)

それはそれとして、人に頼られ、黙々と仕事をこなす小林さんの姿を見て、トールさん、ますます小林さんの事が好きになった様子。恋する人の美点を見つけて歓喜してしまう所など女の子っぽくて可愛らしかったです(笑)

次のお話はファフニールさんのお家探しのこと‥「人類など滅ぼしてくれん」とか突発的に口走るファフニールさんですが、テレビゲームにご興味を持たれた様で(笑)街頭での呆然とした面持ちでのエアプレステ?笑かさせて頂きました。

トールさんの指示に従って人間のやり方で人間界に住む事に決めたファフニールさん、不動産屋さんに「お予算は?」って聞かれて金塊をゴトって‥流石です。いくらでも持ってますものね、この人(笑)

あれこれあって、行き着いた先はオタクモードの「ヤンス」の語尾が面白い滝谷君のアパート。快くファフニールさんを同居人として受け入れてくれました。かな~りいい人。ファフニールさん、ゲーム狂の素質が見え隠れするので滝谷君と仲良く出来そうですね(笑)良きゲーム仲間の誕生?楽しいコンビになる予感がします。

最後はトールさんがテレビで見た人間の超能力に興味を持つというお話。最初のお話の延長上にあるお話ですね。好きな人やものに関する事なら何でも知りたい!と思うのは、人でもドラゴンでも同じな様です(笑)小林さんの事を知りたい、小林さんは人間だから人間の事も知りたいという様に‥よ~く分かります。トールさんの愛と笑いに溢れたお話でした。

今回も充実した内容でした。次回もとても楽しみです。
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6話
{netabare}
新キャラのジョージーさんと翔太君の登場回。

OPで竹とんぼみたいにくるくる回ってるメイド姿の人がジョージーさんなんですが、才川さんのお姉さんで、メイドさんではなく、ただのメイドマニアの人でした(笑)

今回登場したジョージーさんといい、小林さんといい、女性でメイド好きの人って稀だと思いますが、漫画「エマ」の作者の森薫先生とか思い出すと、重度のメイドマニアって案外女性に多いのかもって気になります。(服着れるし)

続いてはお約束の才川さんとカンナちゃんパート。部屋で一緒にゲームとかして遊んでいただけなんですけど、事ある毎にカンナちゃんと密着してしまう才川さん大変でしたね(笑)

性差のはっきり表れる前の子供時代の方が、男女ともに心も体も中性的で、同性や異性の区別無く好きになっちゃう事が多いと思うので、描写は色々とあざとかったんですけど、わたしには割と自然で微笑ましい光景に見えました。

翔太君とルコアさんのお話では、ルコアさん、気まぐれに翔太君の作った魔法陣から現れたものだから最初は悪魔と間違えられ、結局は風貌や態度から淫魔と見なされてしまいました(汗)3話ではトールさんがファフさんの姿に注文付けてたシーンもありましたし、ルコアさん元神だし、外見の融通は利くと思うんですけど‥ルコアさんもトールさんみたいに今の自分の姿を気に入っているのかも知れませんね(笑)

このお話では"魔法使いの家系"という言葉も出てきましたが、メイドラの世界にはハリー・ポッターにあるみたいな魔法界らしき場所がある様子。トールさんの元いた世界との関連は今の所不明。

最後は滝谷君とファフさんの同居生活のお話。2人が仲良くプレイしてた対戦ゲームは「※スパイVSスパイ」(パロディですが)。レトロゲーマーとしてはチョイスが渋くてこういうの見るだけでも嬉しくなります。

でもアニメ内で頻繁に見られる、ゲーマー=ネトゲ廃人=アイドルオタクというテンプレはちょっと控えて欲しい気が‥。3つとも当てはまる人もいるにはいると思いますけど、大抵はどれか一つか二つだと思うので(笑)

ゲームは情報媒体が基板だったり光ディスクだったりするだけで、本や映画と同じで内容は千差万別。誰だって数学の問題集と芸能人のゴシップ本を一緒にしないですよね‥。当然ゲームにも色々あります。ゲーム文化の歴史はまだまだ浅いので、一般的な認知が甘いのは仕方ありませんが、こういった混同は"ゲームはゲームでしょ"という誤解を生む原因になるので、この作品に限らずきっちりと区別して欲しいと思う事はあります。

それはそれとして、ファフさん、イベントのオタ芸?練習とか食事の片付けとか案外人間の世界に馴染む為の努力もしている様で(笑)尊大な口調とは裏腹に結構健気でした。

今回も短編3つ+の構成で飽きずに楽しめました。次回にも期待。

※:VSをアンドと読む。すなわちスパイアンドスパイ。敵を倒すのは目的ではなくあくまでも手段という、アクションながら知恵比べに重点を置いた割と珍しいタイプの対戦ゲーム。罠の仕掛け合いや白兵戦などで相手を出し抜きつつ、フィールド内に隠されたアイテムを集め先に脱出するのが目的。続編とかもある。
{/netabare}
7話
{netabare}
今回は水着回、後半にコミケのお話。

海の家を見て何の気無しに口にした小林さんの言葉の端から、小林さんの家族に興味を持ち始めたトールさん。トールさんに訊かれて小林さん、自分の家族を"普通の家族"という言葉で表現。彼女の社会的立場や温厚な人柄とかを見ると、かなり恵まれた環境で育った人だという事が察せられますので、謙遜した表現というか、事実から大きく外れた表現と感じました。日本人は特に、とかく自分を普通と思いたがる癖がありますよね(汗)

作中で触れられたのは人とドラゴンの常識の違い云々の話でしたが、人同士の家族を比べてみても、それぞれの持つ常識にあれこれと違いはあるものです。国とか地方とか、環境が大きく異なれば尚更の事。どっちが恵まれているとかは一概には言えませんが、小林さんの言う普通の家族ってかな~り貴重なものなんじゃないかと思われます。出来れば"いい家族"と言って欲しかったシーンでした。

次のコミケのお話はその場にしかない一体感、ライブ感を知るトールさんのお話。このあにこれでも新しく参加する人もいれば、去って行く人もいます。代わりになる人など一人も無く、今ここにある巡り合わせはこの時だけのもの。嬉しい事も寂しい事もありますが、この場に身を置く限り、一期一会の気持ちでその時その時を大切にしたいものです‥。

オマケのカンナちゃんパートでは、夏休みの理科の宿題に昆虫採集が含まれている事(選択性ですが)とプリントに"集めた昆虫を貼ろう!"って書いてあるのに唖然。しかもバッタ、チョウ、セミの指定が‥(汗)

虫に防腐剤注射したり、ピンで刺したりするのは知ってますが、"貼る"とはこれ如何に? 昆虫の死骸をボンドとかで紙に貼っつけて提出するんでしょうか? 見るからにおぞましいプリントの束になりそうです(汗)まぁ選ぶ子供(特に女子は)少ないと思いますが‥。

カンナちゃんはと言うと、虫を貼り付ける欄に食感を擬音とかで書いただけでした(笑)貼り付けられるにしても食べられるにしても虫たちの末路は同じですね。合掌‥。

水着回の後にコミケネタと今回は2本立て、単純なギャグになりがちな舞台やテーマを扱ったお話でしたが、家族における親子の関係、人同士の繋がりについてちょっと考えさせられる、メイドラらしい、しみじみとしたお話でした。

他のアニメだと水着回を捨て回みたく思ってるブリキ男としては嬉しい誤算。

次回も楽しみです。
{/netabare}
8話
{netabare}
最初のお話はお弁当対決。

審査員役のファフさんの立ち居振る舞いが堂に入っていて、グルメマンガ張りだったのには笑えました。

お題目はサラダ、肉、デザートの三種、定番からゲテモノ!まであれこれ登場しましたが、弁当作りの経験割とあるやつとしてはトールさんのシーザーサラダは量さえ加減すれば、お弁当箱とは別の密閉容器に入れて有りだとか、小林さんのベーコンエッグは弁当にはおかしいとか思ったり‥。ベーコン使うならアスパラとかにんじんのベーコン巻き、タマゴ使うなら玉子焼きがあたりが妥当なんじゃないでしょーか? 色々と気になってしまいました。最後にヘンテコ生物食べてしまった小林さんがちょっと心配になったお話でもありました(笑)

次のお話では新キャラのエルマさんが登場。いつぞやのシーンのトールさんの台詞の中で彼女と死闘を繰り広げたと言うリヴァイアサン(レヴィアタン)がこの人の様です。中々の純朴(天然)キャラですが、何の冗談か小林さん勤めてる会社にしれっと入社しちゃいました。PC見た事も無いのに入れるSE関係の会社なんて無いと思うので魔法でも使ったんではないでしょ~か?

最後は人に求められるのに慣れていないと、どう応じて良いか分からないという小林さんのお話。愛される事に慣れていない人は愛する事も苦手だったりする事がありますが、小林さんは両親から愛されて育ったはずなのに、何でそんな風になっちゃったんでしょうね? 愛情の匙加減が分からない様です。わたしも多過ぎたり少な過ぎたり、若干そんななので、ちょっと心に痛いお話でした(汗)

最初のお話に"仲良くケンカ"というファフさんの言葉がありましたが、あれも上の話と同じで、ある程度の互いの信頼無くしては出来ない事ですから、小林さんもトールさんに甘えていると見て取れます。愛情表現にも色々とあるのです(笑)

本筋とは関係ありませんが、神と敵対しているはずのトールさんが指で十字架を作ってポーズ決めている図には大きな違和感が。何かの伏線だったりして‥。
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9話
{netabare}
今回は運動会のお話。

前回の小林さんの"求められる事に慣れていない"理由の一端が描かれました。

運動会に両親揃って来てくれると子供はそれは嬉しいものですが(特に低学年の子は)こういうのを見ると家族の人が誰も来てくれなかった子の事も思い出してしまいます。そういう子は大体の場合、友達の家族とかと一緒にちょっと萎縮した面持ちでお弁当を食べるのです。子供にも寄りますけど‥。そう言えばみなみけにもそんなエピソードがありましたね‥。

今回のエピソードを見ても分かる通り、愛情表現の不器用な小林さんもトールさんもカンナちゃんも、欠けたものを互いに補い合って助け合って生活している者同士。これはもう立派な家族と言う印象でした。こういう家族の形もあってもいいんじゃないかとわたしも時たま思います。現実では法律やら何やらで不可能だったり、手続きが面倒だったりするんですけどね(汗)
{/netabare}
10話
{netabare}
今回はほぼ演劇の話一本、老人ホームでボランティア上映と言うお話。

演出担当のファフさんが料理回に続いて例の感じのキャラになっていたのには若干のマンネリ感が‥。でもお約束の笑いは頂けました。ご馳走様でした(笑

上映会の話。結局出来上がったのは、童話にアニメに、老人向けという事で忠臣蔵要素を加味したごたまぜ劇でした。見ていてちょっと恥ずかしい気持ちになるのはルコアさんの衣装のせいではなく(笑)素人の作る劇というのはこのアニメで描かれている様に得てしてオリジナリティが希薄で、どこぞから借用したものの継ぎ合わせである事が多いので、それを見ている気になるからなんでしょうね。わたしも子供の頃そんな劇に参加した事がありました。まぁ劇の内容はともかく、子供が頑張っている姿を見れれば大抵の大人は満ち足りた気持ちになれるんじゃないでしょうか(笑)

オマケはクリスマスのプレゼントのお話。サンタの姿を一目でも見たいという気持ちが子供の眠気を強力に退けると言うのはよくある話ですが、例に漏れずカンナちゃんも頑張ってました(笑)

サンタの存在を疑い始めた頃、わたしも同じ様な事した事ありますが、結局の所、大人の愛と辛抱強さの前には負けてしまってました‥。幼少期を思い返した時、私は大人に関する良い思い出をあまり見つけられないのですが、愚直ながら愛情を注いでくれた人もいたのだと改めて思い出させて頂いた次第。感謝したいですね。

サンタの存在をいつまで子供に隠し通せば良いのか、そもそも隠す必要はあるのか? 疑問に思う方もいるかも知れませんが、私的にはなるだけ隠しておいた方が大人も子供も楽しめるので良いのかと(笑)ネットの普及してしまった現在では秘密を死守するのが困難でしょうけど(園児とかでもサンタ信じてなかったりして?)‥この世には不思議な事が沢山あるのだと夢中でいられる時代というのは、儚くも貴重なものだとも思いますので。
{/netabare}
11~13話
{netabare}
最終話にかけて各話レビューサボっちゃいましたので色々と端折って。

11話は年末年始の小林家の様子を描くごく普通の日常もの、12話はトールさんの過去のお話、最終13話はトールさんとそのお父さんの親子のお話という流れ。

後半にかけて小林さんの態度が若干横柄になり、トールさんの遠慮が薄くなりましたが、これはとても自然な流れで、二人の信頼が強まった事の表れと私は感じました。やはり最初の印象から遠からず、小林さんとトールさん、何となく夫婦関係みたいに見えます(笑)

最終回の中盤、トールさんを失った後の小林さんの心境もよ~く理解出来ました。人との繋がりが深ければ深いほど、その人が去ってしまった時の喪失感は強くなるものです。でもトールさんすぐに戻ってきてくれて良かったですね(笑)

最後はトールさんのお父さんと小林さん&トールさんの対決というお話。

お父様の言う秩序の話ですが、トールさんが人間界に下っても、便乗や混乱は起きないとわたしには思われました。これまでのお話にも異界からいろんな人が来て人間と仲良くやってる描写がありましたし、ドラゴンだって何人か来ていますものね。ファフさんとかルコアさんの方が影響力ありそうですし‥。そんななのでお父様が理屈を盾に無理に説得している様にも見えてしまいました。そとみは厳格で怖そうでしたけど、本当は娘が可愛くってしょうがない優しくて心配性な、割と普通なお父様だったのではないでしょーか?

小林さんがトールさんを"私のメイド"と言うシーンは今回のハイライトですね。好意を素直に受け、与える事が出来る様になった小林さんの成長が伺えました。

その後もあれこれと問答がありましたが、大まかな流れとしては、ドラゴンと人間の立場の違い(人間同士で言うと身分の違いとかに置換出来そう?)はあるものの「娘さんを私にください!」「娘はやらんっ!」な古典的なお芝居に近かった気がします。ただそこに至るまでの過程はちょっと変わったファンタジーで、概ね小林さんとトールさんのラブストーリーという体で上手くまとめた最終回だったのではないでしょうか?
{/netabare}

小林さんの同僚の一見爽やかイケメンの滝谷君も面白い。オタク話になると声の高さもテンションも異常に上がり、出っ歯が生えてメガネ着用、語尾には何故か「ヤンス」が付いてしまいます。もはや変態!もとい変身としか‥それにしてもスゴい変わり様です‥(笑)

スゴい変わり様と言えば、小林さんの酒癖の悪さはかなりのもの(汗)こちらはちょっと不快に感じる人もいるかも知れません。アニメではこういう表現が割と目立ちますが、酒飲み本性違わずという言葉がある様に、しらふでも怒りやすい人は酒を飲んでも怒りやすく、怒らない人は怒らないというのが私が経験上知っている酒飲みの性質です。酒を飲んで人格が豹変する様に見えるタイプの人はしらふの時でもぴりぴりしていて、怒りを抑えている印象を受ける事が多いのです。小林さん、多忙過ぎてストレス相当溜まってるんじゃないかな?とか余計な事考えちゃいました。明るいトールさんとかわいいカンナちゃんとの生活で心癒されて、酒癖の悪さも治るといいですね(笑)

あとちょっとした事ですが、場面が変わる時に表示される格ゲーの必殺技コマンドとか、一見ほぼ無意味なんですけど、シンプルながら気持ちを切り替えるいい演出になっていたと思います。これのおかげでだだ漏れ感が無く、快適に視聴出来る気がしました。

OP「青空のラプソディ」は溌剌としていて動きも多くて見てるだけで楽しくなってしまいますし、ED「イシュカン・コミュニケーション」もちょっぴり邪悪なドラゴン視点の歌詞が印象的。

行き場を失ったドラゴンさんたちが小林さんちに集まって、擬似家族みたいになっていく、笑かされほっこりさせられるアニメです。



最後まで見終えて

原作者のクール教信者さんが重度のおっぱい好きなそうで(笑)趣味全開の描写が毎回の様に有りましたが、男視点からでも目に余るものがありました。女性からはひんしゅく買いそう‥。おっぱいが揺れるのってオタクアニメでは定番の表現だと思いますが、メイドラのはちょっと度が過ぎる‥。よく言えば奔放に作られていると言えるし、悪く言えば節操が無い気がします(汗

全編を通して、日常ギャグ、家族ドラマとして安定した作りだったと思います。キャラ魅力も十分。登場人物の大半をうら若い女性が占めてしまうアニメよりも、このメイドラの様に、滝谷くんやファフさんみたいな男性キャラ、商店街のおじさんとか近所のおばさんみたいなモブキャラ、才川さんや翔太君みたいな子供キャラを、バランス良く登場させているアニメの方が私はずっと落ち着きます。「みなみけ」なんかでも保坂先輩とか藤岡(あえて敬称略)がいなかったら、雰囲気全然違っただろうなぁとか思い出したり(笑)

ちょっとわざとらしい演出が気になるルコアさん関連のお話が苦手でしたが、全編を通してとても楽しく視聴させて頂きました。

2期あれば是非見たいアニメです。

駄文お読み頂きどうもありがとうございました。


※1:人間の真尋君に一目ぼれしたニャル子さんこと邪神"ニャルラトホテプ"とその愉快な仲間たちが繰り広げる、アニメ、特撮、クトゥルー神話ネタ多めのラブコメ&ドタバタギャグアニメ。

※2:財産の為に弟と共謀し父を殺害、後に武力で弟も退け呪われた指輪を含む財宝を独り占め。ファフニールは元々人(もしくはドワーフ)の姿でしたが、洞窟に納めた宝を守るために竜の姿に変身し、その上に横たわりました。宝を奪われる恐れの為、毎日決まった時刻に湖に水を飲みに行き、その時の他は洞窟の外に出なかったという‥。

※:スピンオフ作品(web漫画)「小林さんちのメイドラゴン カンナの日常」も面白いですよ。ニコニコ静画(http://seiga.nicovideo.jp/manga/?track=home)で無料で読めます。(ちょっと重いのでコメントOFF推奨)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 60
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

感情的な場面の積み上げ…という京アニの手法の典型例?

追記 改めて再評価してみました。破壊と悪意、自己保身や欲望があるので日常系ではないと思いますが、だからこそ面白かったと思います。ブラックユーモア的…というとちょっとオチが人情味的すぎますね。

 で、本作を見ていてちょっと思ったのが、京アニのアニメって、面白い、感動的という評価をされてもテーマの深さで評論の対象にならないですよね?ちょっと気が付いたことがあります。京アニのアニメの作成の手法についてです。

 面白そうな「場面」をしつこいくらいに積み重ねているというか…その作品のニーズに対して感情に訴えかける「場面」をこれでもか、と入れてくる感じですね。それを驚異的な作画と感情たっぷりの演技・演出で飾るので、心を強引に揺さぶってきます。

 だから感情は動かされますが、後になにも残らないのでしょう。テーマが無くモチーフと設定しかないからだと思います。逆に言えばだから普通はアニメ化の選択をしない4コマや4コマモドキのマンガ、特に評価が高くない(失礼)原作を、面白いアニメに仕上げられるのだと思います。原作改変が批判されない理由も、この辺にあるのでしょう。

 つまり原作のつまみ食いして良い意味でも悪い意味でエモい場面にどんどん変換して行く感じでしょうか。だから視聴中、視聴後感は感情が高ぶってものすごくレベルが高く感じるんですけど、後になって振り返ると「あれ?」何を得たのだろう?という感じですね。

 京アニの作品が2期になってより感情的になるのは、この動かすべき感情の「ニーズ」がはっきりするからでしょう。ですから私は京アニの2期は、1期の微妙なバランスのチューニングがずれてしまっていてほぼすべて嫌いです。

 特に「らきすた」以降かなあ…「けいおん」はこの手法が上手くいった例でしょうね。ここで、この4コマ的なマンガをアニメにする独特のアニメ制作手法を完成させた感じでしょうか。

 それ以前にフルメタのふもっふの評価が高くてセカンドレイドの人気がない理由もこれが原因でしょう。境界の彼方も深そうでいて内容が無くエモい場面とセリフばっかりですしね。原作をきっちり映像化した「氷菓」と「聲の形」が良かったですね。
 ユーフォの特に2期とヴァイオレットは更にこの感情を強引に揺さぶる手法を進化させた感じですね。


 違う話ですが、本作の小林さんですが、後半に行くにつれ、小林さんが聖女になって行くのは、ドラゴン達がボケで小林さんがツッコミに回ったからだと思います。当初は小林さんも特に対トールではボケてたんですけどね。その比率が下がってゆく気がします。話を回すためにドラゴンの種類を増やしたからこその変化でしょう。

 あとケツァルコアトルが不気味なのは目が見えないから…そして目が見えた時の目の異様さ、でしょうね。



以下 1回目のレビューです。

{netabare} 結論から言って面白いです。といっても日常系やギャグとして面白いというのではなく、価値観がまったく違うドラゴンという種族が、小林を中心とした人間との出会いで考え方に変化が起きる話としてです。また、考え方の変化も必ずしも人間の道徳をそのまま受け入れるのではなく、可能性を感じる程度でとどまることです。

 ファフニールがその意味では一番わかりやすくて、人間の文化と同居人との生活で、人間世界を破壊するデメリットを感じ同居人に対する信頼は得ますが、それでも人間そのものに対しては距離を置きいつかは決別する可能性も理解しています。ですので、ファフニールのパートはギャグにしてもどこかダークな雰囲気が漂います。

 もちろんカンナおよびカンナと才川についてが癒しパートとなります。が、才川の性格や今までの孤独を考えると、あのメイド萌えの姉の存在が少々異質に思えてきます。カンナに対する才川の異常な執着が、才川の両親との関係性の歪みの象徴に見えて少し切なくなります。

 トールそのものも人類をあからさまに信頼していませんし、人命に価値を置いていません。もちろん大量に殺戮を繰り返していたのでしょう。つまり、小林を含めたこの世界の人間は、トールがいる限り死と隣合わせにいるわけです。エルマとの対立もあります。むき出しの悪意に癒しはありません。原作がそうなのか京アニチューニングかわかりませんが、1期を見る限りギャグとして振り切れない裏の設定を強く感じました。

 小林という人物。文句を言いながらもトールやカンナを受け入れて仕方なく同居を始めるというところまではいいのですが、カンナの小学校の道具を用意するところは「こんなにいい人なんだよ」というエピソードが表面にですぎました。このチューニングが以後続いて行きます。

 小林というキャラが謎でした。マイペースで人情的ではあるのですが。我々が漠然と善と見做す価値観を物語に当て嵌めて生まれたような人物像ですね。というより、小林が本当はそうじゃないんだけど「善」とか「道徳」に縛られて、自分の本来の欲望とは違う価値判断をしているというか。だから酒を飲むと性格が変わるのかもしれません。モノローグはたっぷり見せてくれているんですけど内面が見えない人物でした。
 ひょっとしたら現代人の感覚に近いのかもしれません。善悪の判断とか行動の基準が外部の価値判断に縛られているというか。いや、なんか違いますね。そこまで不自然ではありません。カンナによる母性の発露とトールとの出会いによる成長?最終回を見るとそうかもしれません。でも、やっぱり謎でした。この辺りは2期を見終わると言葉になりそうなので追記するかもしれません。

 ケツァルコアトルと少年の部分はなぜか全く面白くありませんでした。エロが過剰というよりも、ケツァルコアトルの少年の扱いが愛情故というより玩具にしか見えないせいかもしれません。このケツァルコアトルというキャラも内面が分からず少々不気味です。いざというときに仲間になる感じもありませんし。
 あと、トールのしっぽを食べるとか舐めて奇麗にするとか、少しリョナというかグロ的な部分もあって、少し気持ちが悪くなったこともありました。

 これらを考え合わせると本作を単純にギャグとみるには「行間」にあるダークな部分や寓話的な何かが表現されすぎています。まして「日常系」にはとてもではないですが、見られませんでした。

 とはいえ、アニメ作品としては面白いです。ドラゴンと人間の価値観の違い的なストーリー部分ですね。ギャグとしてもまあまあですが、笑えたところはあまりなくほっこりもしませんでした。人情もの…でしょうかね。あとはカンナが可愛いくらいでした。どちらかといえば演出とかアニメ表現とかメタ的な視点で、アニメの出来の良さを楽しむという意味で面白かったということかもしれません。

 ただ、京アニのハルヒ、けいおん、氷菓、ユーフォの流れの超一級の作品ではなく、演出と細かいエピソードの積み重ねで何となく話を進めて行く、らきすた、日常の次くらいの流れに属する作品かなあと思いました。ただ、この2作よりはストーリー性がありますので、あるいはまったく違う系統なのかもしれません。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

日常の大切さを知る系アニメ

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
祝! 2期放送開始ヽ(´∀`)ノ

一言で言うと、「流石、京アニ」。

この時期は「響けユーフォニアム」など、シリアスで芸術性の高い作品が続いていた(そしてそれが大好きだった)けれど、むしろこういう日常系が、本来の京アニらしいんだよな、と、京アニの守備範囲の広さを再確認。

癒し、萌え、を求めている方は是非! 私は、残業の後に観るようにしてましたw

作画は抜くところは可愛く抜きつつ、魅せるところではガッツリ魅せてくれ、かなり良かったと思います。

あと、OP、EDはどちらも良かったです。OPは私の好きな「fhana」さん(河合荘の主題歌)。EDも可愛らしくて良い感じ。久々に、どちらも飛ばさずに全話観ました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
このアニメの成功の大きな要因は、小林さんを、中性的ながらも「女性」にしたことだと思います。

話の筋的には、小林さんが男であっても成り立つものばかりです。というか、もし、萌えの方向にもっていきたいなら、「男性」の方が良いくらいです。

この作品は、「日常系」ではありますが、トールの背景には大きなシリアスがありますし、「いつか死が二人を分かつまで」という「期間限定の日常系」です。もし定義するならば、「日常の大切さを知る系」と言っても良いでしょうか(小林さんの社畜感含めw)。

そういう作風の中で求められるのは、「萌え」や「燃え」以上に「癒し」。その「癒し」を演出する上で、小林さんを女性にしたのは、必然性がありますね。

例えば最終回、トールと終焉帝の戦いに小林さんのが割って入るのだけれど、もし小林さんが男だったら、どうしたって打算的な部分が入ると思うんですよ。いわゆる、「男女間に純粋な友情が成り立つか否か」という命題的なアレですよ。

うん、やっぱりなんか違ってくると思う(終焉帝にしたって、娘が現状から逃げて男のところに転がり込んでたら、流石に最後まで許さないでしょうしw)。

トールは小林さんを愛し、小林さんもトールを愛しているけれど、その愛は、「恋愛」に属するものではなく、キリスト教における「隣人愛」に近いものだと感じました(いや、私はキリスト教徒でもなんでもないですが)。だから、この作品は「百合」ではないのかな、と(まあ、トールは怪しいですがw でもあくまで、トールは小林さんを尊敬し、敬愛していると思うのです)。

私はこのへん、「のんのんびより」に近いものを感じました。サンクチュアリ感というか、なんというか。自分的にどストライクでした(音の少なさ、台詞感のたっぷりとした間、というのも共通点ですね)♪

この作品、キャラの良さも光りました。

特に、小林さん。小林さんの良さは、1拍おくところなのかな。

ガーッと感情的になることは少なく、必ず考えてから言葉を発します。その思いやり方が実に微妙で絶妙で、「あぁ、優しい人間ってこうだよな」と思います。小林さんの言葉で、心に残ったものはいくつもありました。

例えば、第2話の「誰かを信じたから友達や恋人になるのではなく、友達や恋人になった後に誰かを信じられる」というのは真理をついていると思うし、第7話の「大体の人って、大人になったんじゃなくて、子供でいれなくなっただけ」とかは色々考えさせられた。第8話の「あの子はメイドだけど、友達でも良いと思ってるよ」は、温かい言葉だし、第11話の(いつも通り尻尾を食べさせられそうになり)「来年も再来年もムリ」という発言は、来年も再来年も一緒にいることが前提ってことで、これ、最終回での終焉帝との問答の伏線になっていたのですね。

などなど、他にもたくさん。これだけ名言が出るアニメも珍しいです。

それだけ思慮深く、ともするとドライな小林さんが最終回に発した、(トールがもう戻らないと聞き)「マジか……」の一言は、胸に突き刺さりました。「マジか」なんて、もしかしたら日本人が一番日常的に使っているかもしれない言葉にここまで実感を込められるのは、逆に新鮮でした。

他にも、トールのドラゴンならではの思考回路や、倫理観、突拍子のない行動も笑えたし、そういう「異種間コミュニケーション」も見所のひとつでした(そこも書くと更に長くなるから割愛します)。
{/netabare}

《以下ネタバレ》

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
衝撃の開幕(笑) かなり良い設定とテンポ。1期にひとつは必要な作風だね。私の尻尾焼き、は笑った(笑) 最後にちょいシリアス。

2話目
カンナカムイ、アイヌの神様だね。「誰かを信じたから友達や恋人になるのではなく、友達や恋人になった後に誰かを信じられる」ってのは、なかなか深いと思う。戦闘シーンの作画は、流石に京アニ!
ふ~ん、なんかやっぱり深みがありそう。

3話目
なんか、いいほんわかさ。「のんのんびより」「甘々と稲妻」以来だな。小林さんの枕元に、寝たまま電気消せるスイッチあった。面倒くさがりの小林さんらしく、細かい作画○。ケツァルコアトルって雄の蛇神じゃなかったっけ? 酒飲んで妹に手だしたはずだし。

4話目
文房具の進化って、計り知れないよね。余談ですが、最近個人的ヒットの文房具は、1位スタンプのり 2位ライフスタイルツール。トールの人間評がいちいち辛辣w 才川さんもなかなかナイスなキャラw

5話目
ルコア、ファフニール、それぞれが人間世界に、それぞれのペースで溶け込んでいるのが良かった。

6話目
ガチのメイドおたく(笑) ホントに刺激的で平和な世界。

7話目
水着回。小林さん、貧乳でgood(笑) 蟹食うなや(笑) 史上最も残酷な西瓜割り(笑) 「大体の人って、大人になったんじゃなくて、子供でいれなくなっただけ」……深いな。コミケを観て、「訓練なしに統率とれてる」って、流石ドラゴン的思考w

8話目
いつもと少し違う作風、小林さんの「あの子はメイドだけど、友達でも良いと思ってるよ」は、温かい言葉。新キャラ登場。OPにいたのに、ホントに「やっと」出てきたね(笑) 百合なんだけど、なんか好きな百合だ。「友達はいたけど、親友はいなかった」……響くな~。

9話目
運動会、相変わらず良い話。余談だけど、最近の学校って、運動会の選手宣誓で、「最後まで戦い抜く」じゃなくて、「最後まで競技する」って言うそうですね。

10話目
婆さんの笠、燃やしたw 爺さん達、大喜びw

11話目
お正月、いつもの尻尾ネタ。でも小林の「来年も再来年もムリ」という発言は、来年も再来年も一緒にいることが前提ってことですね。良い感じ♪

12話目
どんな掃除の歌だw ここで0話に戻るんですねw 酒でグダまいて意気投合かw

13話目
小林さんの動揺。「マジか」の一言が、逆に新鮮。そして、1話目に戻る。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 78

84.4 2 商店街で京都アニメーションなアニメランキング2位
たまこまーけっと(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (2627)
12351人が棚に入れました
餅屋の娘、たまこは餅が大好きな高校1年生。
学校ではバドミントン部に所属、友人らと部活動に励みながらも、家の手伝いと新作餅の開発にいそしんでいる。
向かいにはライバルの餅屋があり、その息子・もち蔵とは幼なじみ。
もち蔵はたまこに好意を寄せており、同じくたまこのことが大好きな友人みどりと、たまこを巡ってバトルを繰り広げている。
大晦日はたまこの誕生日、商店街では毎年お祝いをするのが恒例行事になっていて、これまでプレゼントを渡せなかったもち蔵は、今年こそはとはりきっていた……が、その日、商店街に突然、きらびやかなオウムが現れた。

声優・キャラクター
洲崎綾、金子有希、長妻樹里、山崎たくみ、日高里菜、田丸篤志、山下百合恵、藤原啓治、西村知道、立木文彦、ゆきのさつき、小野大輔、辻谷耕史、津久井教生、渡辺久美子、家中宏、成田剣、日笠陽子、川原慶久、野坂尚也、下野紘、山岡ゆり
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

見れば見るほど居心地が良くなる、そんな商店街へ誘う作品

2013年放送。全12話。
2014年に、続編となる映画『たまこラブストーリー』が公開されています。


【前置き】

「けいおん!」から「日常」「氷菓」と私的に大好きな作品が続き、次は京都アニメーションオリジナル作品ということで、放送当時から楽しみにしていた作品でした。

当時も見ておりましたが、軒並み評価の高い続編映画「たまこラブストーリー」を見る前に本編をおさらいをしたいと思い、一日一話ペースで見直してみたのですが…。。。

「いやはや、こんなに面白かったっけ…?」

っと、思いの外とても楽しめた再視聴となりました。


【あらすじ】

とある街の「うさぎ山商店街」を舞台に、そのもち屋の娘である女子高生「北白川たまこ(きたしらかわ たまこ)」は、商店街の人達と毎日楽しく幸せな日々を送っていました。

ある日たまこは、南の国からやってきたという言葉を話す不思議な鳥と出会い、これまでと少~しだけ違う日々が始まるのです。



【論じてみる】
{netabare}
本作を制作した京アニは、やはり「けいおん!」の爆発的人気に裏付けされている通り、日常系作品のイロハとコツ、そしてツボをよく心得ているような気がしました。
原作ありきの作品だけでなく、このようなオリジナル作品でもその力を見せつけられたのでは、もう疑いようがありません。

監督は、山田尚子さん。
シリーズ構成(脚本)は、吉田玲子さん。
加えてキャラクターデザインも、堀口悠紀子さん。
全て「けいおん!」のメンバーであるからこそ、それが成し得たのだとも思いますけど。


本作は全体を通して、大きな抑揚のある展開はほとんどありません。
しかし、京都アニメーションらしく、話もキャラも作画もとても丁寧で、一切手を抜かず作品を描いてるのがヒシヒシと伝わります。

時系列としては作中で1年余りが経過していますが、テンポが良いという印象より要所要所をゆったり描いている感じがしました。


そのシナリオにしても、お涙頂戴なシナリオも無ければ、主人公のたまちゃんが大きく傷付いて悲しむ描写なんてのもありません。
描かれているのは、ただ、たまちゃんが家族や友達、そしてうさぎ山商店街の皆から「愛されている」ということ。

このストーリー展開に関しては、人によって好みが違うと思うので、「大きな事件が起こって欲しい」とか「急展開が待っていて欲しい」と思う方達には、退屈に感じてしまうかもしれませんね。
特に、「けいおん!」と比べると、圧倒的に認知度が低いキャラ達の、抑揚の少ないエピソードを延々見させられるわけですから。

私的には、当初の視聴ではどこかそういう展開がくるかも…と余計に身構えていた節もあり、100%楽しむことが出来なかったのかもしれません。
作画は綺麗で女の子も可愛いけど、何度も見たいとは思わないかなぁ…って印象でした。


しかし今回、キャラを理解した上で見る2周目は、当たり前ですがキャラも話もすんなり頭に入り、シナリオ的にはほとんど忘れていたのも功を奏し、非常に楽しめたのでした。
やはり日常系作品というのは、ストーリー重視の作品以上に

『繰り返し見てこそ、良さが出てくる。』

と、個人的に思いますね。
ストーリーで勝負しない分、「何度もこのキャラに会いたくなるよう作ろう。」と、存分にキャラを魅せてきますので、当然かも知れませんが。

勿論、それにハマりさえすればですけど……。



私は、この「たまこまーけっと」の登場キャラクター全員が、とても好きなのです。

たまこの家族や、その友達3人は勿論のこと。
たまこに片思い中の、イケメンなのに冴えない、もち蔵。
そして「うさぎ山商店街」の、レコード&喫茶店の主人や、オネェの花屋さん、「うさ湯」のお姉さん、…に片思いしている豆腐屋のお兄ちゃん、精肉店のオバちゃん等々。

悪人なんて誰一人いません。
子供から大人まで皆良い人で、喧嘩してる絵までもとても仲睦まじく見えるのです。

終盤では、たまこが南国へお妃様として迎えられるかも…という話が持ち上がり、たまこの存在を皆が、そしてたまこ自身も皆の大切さを再認識させられていましたね。
本作が好きだと、ここのシーンは見てるだけで自分も、そんな皆のお互いを思いやる温かな気持ちを分かち合えているようで、なんだか優しい心持ちになりました。
大袈裟な言い方かもしれませんけど。


……まぁ、喋るトリ「デラちゃん」だけは、実は序盤はあまり好きになれなかったんですけどね。
異質な存在感や、そのふてぶてしい言動、ちょっと卑猥な目付きを含めた不快な見た目も、な~んだか苛々しました…。。

妙な既視感があると思って調べたら、声を担当された山崎たくみさんは「しまじろう」の「とりっぴい」役でしたね。
どうりで既視感もあるハズです、トリですし。
そういえば、アイツも妙に不快だったなぁww

ただ、話を盛り上げる上で重要なファクターであることや、最終話での立ち振る舞いでもう帳消しになっちゃいましたね。

夕方前なのに商店街が軒並み閉まっている風景を見て、ふいに母の死を思い出してしまった たまこに対し、友達のみどりちゃんより早く顔を覆ってくれたデラちゃん。
そこから、たまこの商店街の想いを聞き、疾走し奮闘するデラちゃん。
最後の最後は、たまこ達には別れを告げず、お父さんの背中越しに言葉を添えて去るデラちゃん。

はい、デラちゃん無双でした、格好良かったよデラちゃん。
なんだかんだで戻ってきちゃう辺りも含めて。

大きなどんでん返し等は全くありませんが、最後まで「たまこまーけっと」らしい終わり方だったと思います。



さて、私的にクレームを言いたいとすれば、オープニングの「ドラマチックマーケットライド」ですね。
本作を知っている方なら、

「えっ? なんで?

 コイツ馬鹿だ!! 

 この変態は何も分かってない!!

 暑さで頭がおかしくなったんじゃねぇのか?」

などなど、思われるかと思います。

このオープニングは、たまこを演じた洲崎綾さんが歌う、作風にも合っている私的にも大好きな曲なのですが……。。。

途中から登場する、チョイちゃんが一切出てこない(絵が最後まで変わらない)のですっ!!!

「けいおん!」では、途中から登場したあずにゃん(ペロペロ)も、ちゃんと新しくオープニングに登場させてくれたのに…。。。
必ずしも重要ではなかったのかもしれませんが、どうせならネタバレでいいので、最初からチラッとだけでも登場させてあげて欲しかったです。

まぁ、何が言いたいかと言うと…

「チョイちゃん、大好きなんだよぉおおぉおおおぉぉぉおおっ!!!!!」

………意見陳述は以上です。
{/netabare}



さてここからは、作中でも大好きなキャラクター4人を、エピソードを振り返りながら語りたいと思います。

高校生枠
【牧野かんな】
{netabare}
たまこの友達で、ちょっとくせっ毛のショートヘア、キャンディー型の髪飾りをしている小柄で可愛い女の子。
表情が乏しく、マイペースと言うか…どこかヌボ~ッとしてますね。
言葉も、どこか寝起きのようなボソボソとした喋り方ですし…。。

でもソレが……、たまらなく可愛いっ!!!!!!

大工さんの娘であり、実際その腕は中々のもの。
それ故のプライドも、ちゃんと持ち合わせていましたしね。
バトン部でも、狙っていた部長の座を友達のみどりちゃんをとられた際は

「まぁ、卒業するまでには下克上しますけどね…。」

と言い不敵な笑みを浮かべたり、内面は実は結構強かな子なのでありました。

それに、時折ふいにブラックなこと言ったり、とある回では策士的に商店街を裏で操ってたり……と、毎度いつも目が離せない子でした。


たまこの友達の中では一番デラと仲が良く、「ミスター」という愛称で呼んでいる辺りも良いですね。
鳥アレルギーなのに……。。。(←このクシャミも、イチイチと可愛いww)
彼女とデラの掛け合いは、いつも緩急がついて面白かったです。

特に好きだったのは、デラを痩せさせる為にバトンを持ち出した時のシーンですね。

デラ「前から聞こうと思っていたのだが、この棒はなんなのだ?」

かんな「なんだと思う?」

デラ「さぁ……」

かんな「ハハ……、オマエをブツんだよ。」

ココは、ふいの暴言で笑っちゃいました。
ボソッとしながらも、声も表情もしっかり可愛いのがまた魅力的。

声を担当された長妻樹里さんは、「中二病でも恋がしたい!戀」の「七宮智音」役もしていましたね。
また違った声のテイストで演じられていましたが、どちらも大好きなキャラクターです。
{/netabare}


小学生は最高だぜ枠
【北白川 あんこ】
{netabare}
主人公たまこの妹で、小学4年→5年生。
餅屋の娘であることや「あんこ」という名前が好きになれず、いつもどこかプリプリしていること(反抗期っぽぃ感じ?)が多い子なのですが、とにかくソレが可愛くて可愛くて。

そして、小学生ながら色恋には敏感なようで、実は作中では一番恋愛模様をクローズアップされた女の子でもありました。
あんこちゃん、言動や立ち振舞からもメン食いかと思いきや…いやはや

「あんこって、すっごく良い子だよね!」

って、みどりちゃんの台詞の通り、実は中身もちゃんと見れる子でした。
自分より小さい子に対する優しさが見えるシーンもあったりと、反抗期的部分を差し引いたら、作中でもかなり大人びた子なのでありました。


ただ、時折見せる言動はやっぱり小学生ですね。
私が個人的に萌え死んだのは、チョイちゃんの服選びに皆で行ったことを聞いた時の、この台詞ですね。

「じゃあ、次の時あんこもだよ? ね?」

あんこって自分で言っちゃってる点も含めて、メチャ可愛かったです。
そんなに言うなら、オジサンが一緒に行って……(以下略)。


日高里菜さんが声を担当されておりますが、この方が演じられたキャラはどれも良いですね。
「禁書目録」の、打ち止め〈ラストオーダー〉。
「ロウきゅーぶ!」の、香椎愛莉。
「ソードアート・オンライン」のシリカ。
「ガリレイドンナ」の、裸オーバーオール(ほっちび)。
パッと思いつくだけでも、萌え死んだ女の子ばかりです。
{/netabare}


南国枠
【チョイ・モチマッヅィ】
{netabare}
あずにゃん(ペロペロ)的ポジションで中盤より登場した、デラと同じ南国から来た褐色の女の子。
年齢不詳ですが、パッと見では中学生ぐらいに見えますね。

ただ、見た目年齢とは裏腹にとてもしっかりした女の子。
これまで意気揚々と暮らしていたデラも、タジタジとなってましたね。(いいぞ、こんな[とりっぴぃ]もっとやっちまえ。)

南国育ちで世間を知らない子なのですが、たまやの家族や商店街の人達に触れ、色々なことに興味を持ち彼女なりに成長していく様子は、作中でも見ていて微笑ましかったです。
ワイドショーに夢中になる、ちょ~っと下世話な一面もあったりしますがwww

私的に一番萌え死んだところは、おもちつきを見たチョイちゃんが

「大地を祝福する踊りに似ているなっ!!」

と言い、踊りだすシーンですね。
ここでは、私的に嫌いなwwデラの言動も不快ではありませんでした。

「チョイ様!!

 それは その雨雲を誘うような手の動きっ!!

 そして、その作物の成長を促すような腰の運びは~!!

 まさに、島に相応しい大地の舞っ!!!!

 チョイ様が…、チョイ様が楽しんでおられる~~っ!!!」

よく分かりませんけど、とにかく楽しんおられて良かった良かった。
もぅクソほど可愛かったです。

かんなちゃんの舞いも可愛かったし、私的にココのシーンは神回でした。
{/netabare}


オッサン枠
【北白川 豆大(きたしらかわ まめだい)】(たまこのお父さん)
{netabare}
クレヨンしんちゃんのヒロシ役でも有名な名声優「藤原啓治さん」が声を担当。
この方が声を担当するアニメにハズレ無しというジンクスがある程、良い役で良い演技をしてくれる方です。

当初は、私的に藤原啓治さんの声が印象強過ぎて、京アニという作風では少し違和感があったのですが、ある回からやっぱり大好きになっちゃいました。
それが、可愛く楽しいだけでなく、ちょっぴりしんみり心に響かせてくれた…、このお父さんの回でした。


悲しさなどは基本的に微塵も見せていませんが、たまこは小学5年生の時にお母さんを亡くしています。
その、お母さんとお父さんの馴れ初めが、あんこちゃんの恋愛エピソードに交えられて、レコード&喫茶店の主人から語られたのです。

それはお父さんが、お母さんに向けてバンドで披露した、自作の歌の話でした。

「クニオさん、余計なこと喋んないで下さいよっ!!!」

お父さんが敬語で会話しているシーンが、とても印象的でした。
高校時代の、先輩後輩の関係だったようです。
人に、歴史ありですね。

その後、娘2人はこう言います。

あんこ「お父さんも、誰かを好きになったんだね。」

たまこ「その誰かが、私達のお母さんだよ!」

微笑ましい会話ですね。

最後に締められた、たまこのこの台詞も大好きです。

たまこ「お父さん、私ね…。お父さんのこと、も~~~っと好きになったっ!!!!」

お父さん「………(赤面www)。。。。 うっっせえええっ!!!!」

お母さんと過ごした大切な思い出を胸にしまい、母の死と最愛の妻の死を乗り越えた、この2人の会話。
そこには、悲しい出来事という描き方は一切ありませんでしたね。

なんて良い家庭だこと。
うん、そんな皆と、そんな描き方が出来る本作が、私は大好きです。

そうそう、藤原啓治さんの歌声もカッコエェ!!!
{/netabare}



【総評】

見れば見るほどハマっていく数ある日常系作品の中で、私は本作もオススメとして上げたくなりました。
「たまこラブストーリー」のおさらいのつもりが、ラブストーリーを見たらもう一度見直してみようかなって思うほど、好感を持っちゃいました。

ただ、やはり全12話でこの多彩な登場キャラ全てを描くことも出来ず、その世界観はまだまだ描ききれていない感じもします。
けど、もうちょっと見たいなって思うぐらいで止めるのが、丁度良いのかもしれないですね。


物語としてはあまり抑揚のない作品で、一度見ただけでは少し印象強くはないかもしれませんが…。
2周してみると、その世界観がとても居心地良くなっちゃいました。
丁寧な作品の強みですね。

なにより幸せで優しい気持ちになれる、見ていてホッと出来る、そんな時間をいただきました。


比較的簡潔にレビューしようと思っていたのに、これまたえらく長々としたレビューになっちゃったな…。。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
(同率1位)
『牧野かんな』声 - 長妻樹里さん
『チョイ・モチマッヅィ』声 - 山岡ゆりさん


◇一番可愛いキャラクター◇
『北白川 あんこ』声 - 日高里菜さん



以下、下衆な駄文なので〆ます。
{netabare}
さて作中、私的にとても印象に残ったシーンの一つとして上記以外にも、こちらも上げたいと思います。

それは、チョイちゃんが初めて銭湯に行った時のこと……。


のぼせてしまったチョイちゃんは、湯船に


『『『『 褐色の桃 』』』』


を浮かべるという、離れ技を披露して下さったのでした。

気が付いてからチョイちゃんは


「このような屈辱は初めてだっ!!!」


なんて仰っておりましたが、状態も良好で健康に良さそうな…、あのフォルム…。


茶色い桃が、こんなにも美味しそうだと思ったのは、私も初めてです。


本当にありがとうございまいました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 42
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

不思議な商店街に現れた、不思議な鳥のお話

「たまこラブストーリー」を経て、ようやく「たまこまーけっと」にも理解が追い付いてきたので、思ったことをまとめてみます。
なお映画の内容のネタバレは避けたつもりです。
してたら言ってくださいね。

あらすじ
{netabare}
うさぎ山商店街の一角にある餅屋「たま屋」の娘である北白川たまこは、実家の年末のお手伝いで大忙し。そんなとき、花屋で買った花束の中に偶然大きな鳥が紛れ込んでいた上、この鳥が人の言葉を喋るのだから大驚き!

鳥は自分をデラ・モチマッヅィと名乗り、遠く離れた南の国から王子の后となる娘を探しに来たのだと言う。
デラに気に入られてしまったため、一緒に住むことになったたまこ。
うさぎ山商店街がデラによって賑やかに変わっていく、人情&青春コメディ。
{/netabare}



内容としてはオムニバスに近いと思います。
2話、3話と別々のキャラがデラやたまこと関りながら新しい感情に目覚めていきます。恋だったり、友情だったり、愛情だったり。

デラという個性的なキャラクターのおかげで、一味違った面白さがありました。

見れば見るほど不思議で、ゆるーい割には奥行きのある作りで考えさせられてしまいます。

傍から見てほのぼのコメディとして楽しめ、じっくりキャラの行動や心理を辿って青春ドラマとしても楽しめる。そんなアニメでした。


見直してみてどの回も楽しめた中で、特にオススメなのはこの辺りです。
2話 恋の花咲くバレンタイン
5話 一夜を共に過ごしたぜ
7話 あの子がお嫁に行っちゃった
9話 歌っちゃうんだ、恋の歌
10話 あの子のバトンに花が咲く
11話 まさかあの娘がプリンセス


いずれも一定のキャラクターに焦点が当てられ、見所は多いです。


また、以下のエピソードは映画との関連性が多く見られました。
{netabare}
2話「恋の花咲くバレンタイン」
ストレートに恋愛をテーマにしたお話。
ここでかんなが言った「誰が誰を好きになってもいいんだよ」という台詞が、みどりの心境に変化を及ぼしているところが重要だと思いました。


5話「一夜を共に過ごしたぜ」
もち蔵の想いとみどりの想いが初めて交錯するお話。
みどりが好きなのはもち蔵か?たまこか?
どっちとも取れる絶妙さが本当に巧いなと感心しきりです。


9話「歌っちゃうんだ、恋の歌」
たまこがずっと思い出せずに口ずさんでいた歌と思い出のお話。
豆大とひなこの馴れ初めや豆大の本音が垣間見えて、特殊EDということもあり、映画に繋がる大事なエピソードでした。


11話「まさかあの娘がプリンセス」
たまこにとって、商店街にとって大きな転機となるお話。
たまこがいなくなる不安をみどりが「わたしからクマのぬいぐるみを取り上げるみたいな」と例えた所が重要だと思います。
みどりにとってたまこはずっと側にいてほしい、依存の対象に近いと感じられる場面です。
史織は「何かが急に変わっていく」ような怖さ、かんなは「宇宙の入り口に立ったような」怖さをそれぞれ感じていた。これはすなわち自身の変化への怖さでもあります。


12話「今年もまた暮れてった」
南の国と商店街を天秤にかけて、たまこが初めて決心するお話。
たまこがやっと自分で一つの答えを出して、ここに居たい。ここが大事だ。と主張するところが重要ですね。
あと王女に選ばれたことより商店街のメダルを大事にするところ。
どんなに大きくて浮世離れした幸せより、身近にある小さな幸せを取るたまこの意思がありました。
チョイが商店街を去るとき、みどりが餞別にクマのぬいぐるみを贈る場面も見逃してはいけないと思います。たまこを留める代わりにぬいぐるみを手放す、そんなところでしょうか。
{/netabare}


少しだけ内容について感想をば。
{netabare}
たまこはかんなやみどりと、もち蔵は映研の連中とそれぞれ携帯で連絡を取り合っているのに、たまこともち蔵が二人で連絡を取り合うのはいつも糸電話。
このこだわりがすごく良いと思います。二人だけの秘密?二人だけの世界?みたいな幼なじみらしい距離感が羨ましいです。
子供の頃にもち蔵のお母さんに作ってもらったこの糸電話を大事に使っているのも、二人とも思い入れがあるからなんでしょうね。


あとダイナマイトビーンズってネーミングセンス、イカしてますね!
豆大だからダイナマイトビーンズ。直球な素直さに惚れます。
あいのうたも歌詞がド直球で聴いてるこっちまで恥ずかしくなってくる徹底さ(笑)
作詞が山田尚子監督とは、よくここまで青臭い感じを出せるなと感心しました。


たまこまーけっとは元々が緩い雰囲気なので気付かなかったんですが、今思うと6話の肝試し回は全く独立したコメディになっていて、ある種の息抜き回だったんだなと思いました。境界の彼方でいうダンス回に近い番外編ですね。
{/netabare}


放送当時はそこまで印象的ではなかったはずのこのアニメですが、見直すと色々発見があって楽しかったです。皆さんにも是非一度この不思議な世界を味わってほしいと思います。










妄想じみた考察をしてみます。


1.たまことたまこまーけっと
{netabare}
このタイトル、うさぎ山商店街のたまこが主人公だからというだけでなく、たまこと商店街の関係を表しているのではないかと思います。


どういうことかというと、この物語の舞台であるうさぎ山商店街は人々に愛され活気のある場所です。
同じくここに住むたまこも商店街の人々に愛され、必要とされる存在。

たまこが喜び勇んで商店街を盛り上げれば街も活性化し、逆にたまこが不安な心持ちのときは商店街もどんよりと静まったように見えます。

たまこに色々な感情があるように、街にも色々な顔があり、両者はお互いに作用しあっている関係です。

多分これは、商店街の姿がたまこを通して映っているからだと思います。たまこから見た世界がそのまま映像になっています。デラが映写機のように自身の目を通して世界を映すのも、そういった意味があるのかもしれません。

時系列が経過して、新たな出会いや別れがあって、その中で人々や街が変化する過程を描いていくことがテーマだとすれば、人が変われば街も変わる。街が変われば人も変わる。そういう変化って良いことなのかな、悪いことなのかな、と問い掛けられているような気がしました。

たまこと商店街全体を重ねあわせて見せることに意味があるのだと思います。

つまり、たまこ(にとって理想の)まーけっとってことです。



ある日突然南の国から来た人の言葉を喋る鳥、デラ。彼が現れたことでたまこの生活と商店街(まーけっと)の活気その両方に変化が与えられました。

このイレギュラーな要因なしで変化を起こそうとしたのが「たまこラブストーリー」であり、まーけっとの一つのifの世界・到達点なのではないかな、と思ったりしました。

もしくは、もち蔵が東京(外部)へ出ていくことを契機にして物語が動き出す、という意味では本編と似通っているとも言えます。

しかしなかなか変化しないのがたまこなんですよね。たまこが変化することはすなわち日常の終わり。TV版でいえばこの物語の終わりを示しているからです。


たまこの側からは周りの人に干渉するけど、誰もたまこへ深く干渉しようとしません。このままでは物語は終わりません。

そこで女性にとって大きな転換期である「結婚」を持ち出すことで強引に変化を迫り、それにたまこが答えを出すことで最終話を迎えられました。

結局たまこの出した結論は大きくなりたくない、成長したくないが為の現状維持であって、成長は見られなかったと考えていいですね。

ここがたまこまーけっとの一つのマイナス要素に感じられます。
何故ならクライマックスになるまでたまこが結婚について思い悩む描写があったでしょうか。おそらく、なかったと思います。

自分の将来を見据えて出した結論というよりは、目先の状況に対して咄嗟の判断をしただけという感じが尺の短さ、まとまりのなさを思わせます。



それに、ふんわりとした商店街の雰囲気に合わせて街の人々まで曖昧に描いてしまったところもマイナスに見られます。

本当に街の雰囲気の添え物くらいの役割しか担っていないような印象を受けました。

しかし、これもあえての演出だったのかも。
たまこが触れ合った人々のたまこが知り得る範囲の側面だけを描き、その他関わりが薄い人間を一切登場させないのも、たまこ視点の商店街であるから。

そうだとしても、やはり物足りなさを感じてしまったのは確か。もっと商店街の人々の出番を増やしてくれればより一層、この商店街という空間を魅力的なものに、実用的なものに出来たのでは、と思います。
{/netabare}




2.あまりに現実離れした商店街の街並み
{netabare}
見ていれば気付くかと思いますが、このうさぎ山商店街の雰囲気ってかなり異質です。現代的なキャラクターと比べてレトロで、まるでここだけ時間が止まっているようです。

どこにでもある商店街ではなく、あえて昭和にタイムスリップしたような舞台を設定したことにきっと意味があるはずです。
人々の温かみ、触れ合いが強く伝わってくる、日本のどこかにあった風景。
これなら今までの作品のような学園ものと違い、より広い世界での日常を描くことが可能です。


しかし監督はまだお若いのでこのような時代を直に体験したわけでは無いはずです。
だからどこか違和感のある光景に感じられます。実際に昭和を舞台にした作品群と比べるとチープというか、現実味が足りません。


これはあるブロガーさんの考察によるものですが、《OPでたまこがシルクハットを被っているのは、これがファンタジーだと強調する狙いがあるのではないだろうか。》・・・というようなことをおっしゃっていました。

これを見て合点がいきました。監督自身あの街並みが現実的でないことは承知で、あくまで‘それっぽい’世界へ招待しますよ、とのアピールです。

たまこが先頭に立って皆を率いているのも、これがたまこの思い描く商店街だからでしょう。

それがあの、リアルとファンタジーの入り混じった奇妙な商店街を生み出すに至った経緯です。

表向きの世界=夢のような商店街の光景=OPで、
裏向きの世界=現実のたまこ達の営み=EDと、
それぞれ全く別の裏表のような映像世界。
この両面性(虚構と現実)がたまこまーけっとの面白い所なんじゃないかと思います。
{/netabare}




3.TVと映画の関係
{netabare}
たまこまーけっととたまこラブストーリーの関係は、交響詩篇エウレカセブンとエウレカセブンAOの関係に近いような気がしました。

たまこは作品の世界を十分に描いてから後にたまこともち蔵の関係へフォーカスしていったのに対して、エウレカは先にエウレカとレントンの関係を描いてから作品の世界を掘り下げていったので、真逆の関係ではありますが。

土台をしっかり固定しておいた方がキャラクターに味が出ると見るか、謎を残しつつ後から解き明かす方が話に面白みが出ると見るか。個人的には前者の方が好きな場合が多いです。
近年は後者の作品の傾向(設定の後だし)が多いので、たまこのような掘り下げをする試みがもっと増えればいいなと思います。
{/netabare}




4. 結論
{netabare}
視聴者が普通に見て感じるよりも特異で面白い作品です。
理想と現実、日常と非日常。それらが混在した世界を表現しようとしたのが「たまこまーけっと」だったのではないでしょうか。

しかし、上手く伝わらなかったのはひとえに尺不足。1クールの制約の中でたまこを通した商店街、商店街の人々を描ききることが出来なかったのです。
日常からの変化を見せるためとはいえ、デラを中心とした南の国の設定が足かせになってしまっただろうことも想像できます。(南の国のお話も勿論好きです)
本当に惜しい…こういう潜在的な面白さを発揮できずに埋もれていく作品は山ほどあります。

その中でもたまこは「たまこラブストーリー」のおかげでこれらの魅力が引き出され日の目を見ることができたので、多少は報われましたね。
僕も映画を見たことで再びTV版を見直し、この作品を包んでいる不思議な世界を少しだけ分かったような気になれたので、とても幸せです。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

商店街に育てられた娘

餅屋の娘たまこを中心としたのほんわか日常ドタバタコメディっぽいですね。

作画は京アニっぽく、あたたかくやわらかい雰囲気でお餅屋さんに良く合っていると思います。

声優さんは知らない人も多いですが違和感は感じませんでした。
たまこの声優さん聴き慣れると心地よく、たまこらしさに合っていると思います。

※1話感想{netabare}
今回の成分 鳥4:餅屋2:大晦日2:商店街1:京アニ1

オリジナルアニメって割には「guguガンモ」に似ている様な気がします。
丸っこいピンクの良く喋る鳥、統一された家族の名前(向こうはおでん繋がり)
ちょっと偶然とは思えないんですけど…まぁ今後の展開は違うでしょう。
どうせなら喫茶店の時コーヒー飲んでくれればいいのに。(^_^)
(分からない人は一度検索してみてね)

最初に鳥が飛び出して顔に張付いた時はエイリアンのワンシーンが思い浮かびましたね。
あっ! たまこに実は何か植え付けたり……してねーか。

鳥が喋る事は平気でしたが、
外国生まれなのに日本語喋る事に疑問を感じちゃいました。(^◇^;)
あっ! たまこに飛びついた時、知識を吸収したり……してねーか。

最後を観るとロボ的なモノなのか?この鳥色々気になります!

レコードの一件を見ると、たまこのお母さんと鳥の出身国は
なにやら関係してきそうな予感がしますが、はてさて。

たまこはみんなに好かれるよい子そうなのでほんわか暖かい展開が期待できそうです。
ほんわかしながらもキッチリ伏線を張っているので結構深い話になるやもしれません。
{/netabare}
たまこの家族の話だけでなく友情やちょっとした恋模様もありそうですし、
鳥さんの謎も気になるんで最後まで視聴する作品になりそうです。

※2話感想{netabare}
今回の成分 バレンタイン5:商店街2:着ぐるみ1:おもち1:鳥1

主軸のないゆるーい日常のお話でした。
恋模様がみどりを含めた三角関係になりそうですが他には進展なしです。
暫くこんな感じでギアを上げないのかもね。
今のところ昭和アニメのリメイクというか要素をを摘んでいるだけの感じです。
このままオリジナリティーのない作品で終わって欲しくないのでもう少し頑張って。
たまこの着ぐるみ地団太は可愛かったですけどね。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
今回の成分 友情6:新学期2:クール1:鳥1

やはりギアは上がりませんでした。
でも軸はあったので感情移入できた人いるのかも。朝霧さん掘り下げ回です。
モブキャラから友達へと昇格しましたが驚く程の引っ込み思案。
今後たまこに触れながらだんだん明るくなって行くんでしょうきっと。

でもでも、今のところ作品としては「ぬるーい」んですよね。
朝霧さん、第一印象では少し冷たそうで、そういうキャラも居て欲しかったです。
実は人見知りで優しいって事ならば、それがなかなかたまこに伝わらず
もっと引っ張っても良かったのでは?と思います。
そうしたら感動につながったかも知れないですが…今回の展開あっさりしすぎです。
たまこにほんのり暖かい友達が増えましたが、それでは温度は変わらない。
時には冷たくなったり熱くなったりして起伏をつけてほしいのですが。

笑いも集団同時ツッコミをよく使うんですけど笑えてないんですよね。
毎回の喫茶店のマスターの詩人コメントが一番楽しめている状態です。
期待はしているのでギアが上がるのをじっと待っています。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
今回の成分 あんこ4:祭2:恋2:御輿1:柏餅1

のーんびりとどうってことない、あんこちゃんのお話。
メガネ君が好きみたいで子供らしい可愛さはありました。
部屋でくさやは後々大打撃を食らいますよ。

たまこってあの年で既におばぁちゃんの臭いがしますね。
恋に鈍いのでもち蔵くんは苦労しそうです。

いつも、季節に合わせた美味しそうなお餅が出てきてお腹が減ります。

マスターの詩人コメントはやはり毎回ありそうです。
祭りの日、多くのお店でシャッター閉じてるんですが…商売としてもったいないです。

今回はそれくらいの感想ですねー。

このアニメって休日のんびりした時間に観るものなのかな。
昭和アニメの要素だけ摘み平坦な作品を京アニ作画で作っただけなら少し寂しいです。
たまこの母との回想もあったので感動ストーリーへの期待を捨てずに観ようと思います。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
今回の成分 三角関係3:林間学校3:カナヅチ2:花火1:鳥1

今までのご近所日常物語と違う趣の回でした。
こうやって少しずつでも話が進む展開なら歓迎します。

もち蔵の恋のお話でした。
デラをキューピット役にしたら…まぁ失敗するよね。
でもなんだかみどりとのキューピットには一役買っていた気がするけど。
今回色々災難でしたがタフさは流石です。

みどりはたまこの衛士みたいで、どうやらコチラへの愛だった様ですね。
たまこは相変わらずのマイペース、もち蔵の受難は続きそうです。
でも花火を見て叫んで、夏の思い出はひとつ出来たかな?
この三角関係の行方も楽しみです。

詩人コメント楽しみにしていたのですが今回は無かったみたい。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
今回の成分 お化け屋敷3:怪談3:ミステリー2:商店街2:新婚0

アバンでお地蔵様に祈ってたけどコレも伏線になるのかな?今回だけかな?
デラの国では人形っぽいの敵に投げる風習(?)があるみたいだけど。

2話目の様にほのぼの商店街のとある日常のお話でした。
高校生三人であのお化け屋敷のクオリティーは凄いです。
先生は意外とヘタレなんですね、対して奥様は冷静でした。

ミステリーに関しては「チャンチャン♪」という音が聞こえてきそうなオチでした。
無理矢理感が強くデラの扱いが雑ですw 
喋るという一番のホラーはスルーなのですが。(^_^;

お化け屋敷にしろ、かんなは裏で色々活躍してそうで、今回はそこが焦点だったのかも。
デラを「鳥の人」と呼んだのは面白かったです。

次回は誰か来日するみたいです。
なぜデラの位置が分かったんだろう?何か秘密があるのかな?

浅い日常アニメで終わるはずがないという願望含みの目線で視聴継続中です。

整理用メモ:{netabare}
【たまこの母ひなこ】
現在音信不通。電話も手紙も出来ない様子。
亡くなったとは限らないが今の所その可能性は高い様には見える。
あんこの回想で出たが後ろ姿のみで遺影や写真なども無い。
おもちが好きだった。
たまこが口ずさむ歌はこの母からで、歌の続きを探している。

【デラ・モチマッヅィ】
かなりファンタジーな存在。
教養があり喋れて目から映像が出せる。
モチ太り。史織を気に入っている。
王子の妃を捜す旅をしている。
南国の風習かクシャミが求愛、地蔵は敵に投げると思っているらしい。
時々王子からビデオレターが届く。
{/netabare}
{/netabare}

※7話感想{netabare}
今回の成分 嫁5:占い3:風呂1:罠1

話が動いてきた気がします。
あの子ってさゆりさんの事だったんですか。
後ろ姿で判らないけど川岸でデートしてたのさゆりさんかな?
豆腐屋の兄ちゃん可哀想だけどいい人でした。
チョイちゃんも王子に恋心を抱いていて似た境遇を重ねていたみたい。
この辺り、なかなかいい演出で微妙な想いが伝わって来た気がします。

デラの位置がなぜ分かるのか疑問でしたが占いだったようです。ほんとに良く当たるなー。
デラの通信機能ってどうやったら直る(治る?)のでしょうか?

最後にはたまこの匂いに反応してたけど…
この流れだとたまこが妃候補になって行きそうな気がします。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
今回の成分 減量4:登校3:秋1:日曜大工1:クラシック音楽1

「匂い」は思い切りスルーでした。
話も日常系で進展なしです。
妃候補か母との繋がりで進展すると思っていたんですが、
シャンプーの香りが目新しかったんでしょうか?

チョイは着替えも荷物もほとんど持たず来日して、学校まで行くとは強者です。
言葉やビザの問題は目を瞑ります。
プレゼントの洋服はきっと大事に着てくれるでしょう。

デラは痩せたら機能回復するのかな?
そろそろ伏線回収&ラブコメ展開のギアが入るかな?
いろいろと来週に期待します。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
今回の成分 ラブコメ7:歌2:リバウンド1

豆大とあんこのラブコメ回でした。切なくも甘酸っぱい良い話だと思います。
歌の正体が分かりました、やるな豆大。
そういえばデラをお化けと間違えていた時に口ずさんでいました。
ですがお母さんの音痴も発覚。原曲と違いすぎないかい?
一輪挿し飾ってたのでやはり亡くなっちゃってるのかな?
でも鏡台だったのも引っかかりますが。

あんこちゃんはお別れが来ちゃいました、素直になれないのも分かります。
好きな子が引っ越すって実体験した人多いよね。
でも上手くお別れ言えたし、引っ越しても時々会えそうなので良かったね。

もち蔵も脈ありかも知れないので希望は捨てずに!
{/netabare}

※10話感想{netabare}
今回の成分 ダンス6:プレッシャー3:文化祭1

バトン部の晴れ舞台。友情と信頼が感じられいいお話でした。
上手くみんなで乗り越えられたようで良かったね。
デラはどこに隠れていたのかな?

チョイちゃんはホクロに気付くの遅すぎですけどね。
妃探しで気にしているなら尚更です。
今までのマッタリとした流れで緊張感は無いんですが
この行方、のほほんと最後まで見届けたいです。

あとコマ飛ばしの手法が多くて少し気になってしまいました。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
今回の成分 お妃6:金メダル4

たまこの気持ち関係なしに話が進んでますね。
もち蔵まで大人ぶったこと言い出してるし…
あの地団太&決めゼリフがまた観られたのは良かったですけど。
金メダルの獲得おめでとう。そういえば一話目からポイントカード集めてましたね。

匂いについては一話の花の香りなんでしょうか。
夜に匂いを発する花らしいけどなんていう花なんだろう?
花詳しくないからな。お母さんとも関わってくるのかな?

次回は波乱含みで最終回突入ですが嵐にはならず穏やかに優しく終わりそうです。
{/netabare}

※12話感想{netabare}
今回の成分 商店街8:妃1:友情1

たまこの思い出を聞いているうちに、
「そうかたまこは母親の代わりに商店街の愛情を貰っていたのか」と思えて
じんわりと暖かな気持ちになりました。
笑顔あふれる商店街はまだまだ続きそうです。
デラは相変わらず間が抜けているというか、気付かぬ花屋ともち蔵が抜けているのか…。
ともかく戻って来てくれました。
何気にもち蔵は一話の汚名を返上し最高のプレゼントが渡せました。

6話でデラもチョイも「地蔵を敵に投げる」様な発言をしていましたが、
どうやらスキンヘッドのSPの事だったみたいですね。

「匂い」は王子の匂いと花の香りが似ているから
チョイちゃんが運命付けてしまったようです。
チョイちゃんの首飾りの下にはもしかしたら印があるのかも知れません。
お風呂に入ったときも外してないので確認できないんですけど、
この2人が結ばれて欲しいです。
{/netabare}

一話目を見たときは山あり谷あり大きな感動ありの作品を期待しましたが、
観ていく内にストーリーの深みを求める作品では無いことを理解しながらも、
大きな山がくる期待を捨てられず観続けてしまいました。
(毎話感想書き留めておくと当時の気持ちが蘇りますねw)

流石に後半は気持ちを完全に切り替え気楽に、
のんびりまったりほがらかな作品の雰囲気を感じながら
観ることで作品の長所を掴めた気がします。

無難と言えば無難、大きな波は無かったですがじんわり暖かく良い話でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 63

84.9 3 商店街で京都アニメーションなアニメランキング3位
Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1832)
10348人が棚に入れました
静かに雪の降り積もる北の街。高校2年生の相沢祐一は、両親の都合で、7年前によく訪れていた北の街に住む叔母の家に居候する事になった。従姉妹の名雪とも7年ぶりの再会になる。名雪に街の案内をしてもらっていた祐一は、月宮あゆという少女と出会う。そして偶然知り合ったにも関わらず、追われているという彼女と一緒に逃げる羽目になってしまい…。

声優・キャラクター
杉田智和、堀江由衣、國府田マリ子、田村ゆかり、佐藤朱、飯塚雅弓
ネタバレ

pop22 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

2018年再度見直し中

{netabare}ここのレビューを読んでいて、
この作品についてほとんど覚えてないことにショックを受けた。
つまらなかったならば覚えてなくても、衝撃を受けないのだが、
Kanonはかなり感動した記憶は残っていたので、そら恐ろしかった。
2018年に見直してみることにした。

おっさんになると、
新しいアニメを見るより、
面白かったアニメを2度見る方が
良い時間の使い方ではないかという
枯れた人間の守りの姿勢も出てきたので丁度良かった。

▼当時の印象
コテコテのお涙頂戴展開だったけど、
キャラに愛着を持つと一気に引き込まれて感動した記憶が残っている。{/netabare}

▼2018年見直してみた感想
●1話
しょっぱなから電流走る。
当時は何も疑問を持たずに見てたはずのキャラデザが、
最近の萌えデザに慣れてしまった今、見ると、

目でかすぎ!目が離れすぎ。たれ目がたれすぎ。
(鍵っ子、ごめんね)

京アニじゃなかったら作画崩壊を疑っていた。
もう、ハルヒとか見れないな…

しかし、それも最初だけで、
1話のうぐぅが登場する頃には慣れており、ほっと一安心。
    ↑こういう覚え方してるから忘れるんだろうな。
これから見る人は耐巨眼衝撃装甲を装備してから見ることを勧める。

麻枝お得意の頭の弱いキャラ(うぐぅ)を見て、
昔から芸風が変わっていない点にほんわかする。
不覚にも麻枝に萌えた。
ヒロインでは無く何故か麻枝に萌えた謎の1話だった。

●2話
日常パートと新キャラ紹介のターン。
感動に至る前に日常パートが短いと、
唐突に感じ、
長いとダレル(クラナドは3クール日常できつかった)。
確かKanonはその塩梅が丁度良かったと記憶している。

●3話
主人公が叫んでるシーンで気付く。
銀さんと同じ声優じゃん。←遅い

うぐぅと大切なもの探し。
↓聞くに堪えない愚痴
{netabare}うぐぅ、マジで天使なんじゃないか。
背中の羽、飾りじゃなく、本物だったり。
OPの翼といい、鍵作品だし確定かな。
やばい、全然覚えてない。
こうやって、見ている最中にすぐ考察して、
ああ、やっぱりね、とか、そっちで来たか、とか、それは無いわ、
みたいな残念なことをやってるから、
驚きが無くて印象が弱く、覚えてないのかもしれない。
悪癖すぎてワロタ。アニメ人生、損してる。
だから最近は、何も考える余地のないアニメが楽しく感じるわけだ。

とりあえず、あうーがまことだと覚えた。
こういうイベントがあると覚えやすい。
やばい、同居人、秋子さんともう一人、だれだっけ。
全然、名前覚えてない。
うぐぅの名前も覚えてない。
短髪黒髪も分からない。
釣り目は知ってる。
舞が主人公の同人アクションゲーやってたから。

全員、公式サイトで調べた。
この作業は必須なのか。
ヒロインは名前を10回叫んでから始まるアニメを要求する。
もしくは毎話の各初登場時は下に名前の字幕を義務付けて欲しい。

みんなヒロインの名前とかどうやって憶えているんだ。
登場シーンだけじゃ無理だろ。
記憶力チンパンジーの俺に教えて欲しい。 {/netabare}

●4話
まことと不毛な争い、凄くいいな。

ゲスな大人になると水瀬家の財源が気になる。
富豪の親の遺産、夫の保険金、ゲスな想像がはかどる。

●5話
エロ本事件良かった。
{netabare}いくらまことが記憶喪失でもエロ本知らないのは変だ。
何かの伏線か。
なんか{netabare}狐{/netabare}的な話、思い出してきた。
悪癖が首をもたげたので思考を強制シャットアウト。{/netabare}

●6話
{netabare}まさかのうぐぅいじめ。
うぐぅの頭が弱いことをいいことに散々いじりまくる。
そして別れ際、楽しかったよ、の一言でうぐぅ上機嫌。
エロゲのヒロインがいくら男に都合の良い存在としてもやりすぎだ。
時代だろうな…
ここは素直にありがたく拝もう。
冗談抜きで、その内、このレベルのヒロインは絶滅するかもしれない。
うぐぅは俺が保護しよう。よし、解決。

お気に入りキャラになりつつあったまことが
お風呂の湯を味噌汁にする。
秋子さん、強く叱る場面で叱らないのは
優しいのとは、また何かが違う気がする。{/netabare}

●7話
{netabare}まことの異常性が如実になってきた。
ここまでいくと悟ってしまう。
こ、これは、ついに来るのか、怒涛の展開が、まこと√が。ざわざわ。

猫に肉まんを分けるシーン。
マジな話、人間の食べ物は塩分高すぎて猫の体に悪い。
なんでこういう細かいことが気になるんだろう。
重要なことは忘れまくるのに。{/netabare}

●8話
ヤバス。感動の下ごしらえが始まった。
まことへの愛着を深めるための怒涛のまことラッシュが来た。
なんか結末想像して、もう感動して来たんだが。
9話まで耐えるんだ、俺。

●9話
これでもか、これでもかと感動攻撃がつづく。

{netabare}俺、もうダメかもしれん。
せっかく感動のシーンに突入したのに、
頭の中は、
まことに尺かけ過ぎじゃないか、
大丈夫なのか、え~と、残りのヒロインの数掛ける~、みたいな
糞みたいな計算しだした。
我ながら駄目過ぎる。
お前、何が楽しくてアニメ見てるの?状態。
原因は娯楽モードに頭の切り替えができてないからだろう。
気を付けなくては。
このままではKanonが感動アニメでなく、
自分がいかにウンコ野郎なのか知らしめるアニメとして記憶に残りそう。{/netabare}

●10話
{netabare}まことが段々、退化していき、
自分の名前すら中々思い出せない辛いシーン。
「お名前は?」
「ま!」
 ↓コンマ1秒後、頭によぎった単語は
〇コ!
9話で自分を戒め娯楽モードに切り替えたそばからコレだよ。
もう、開き直った方が楽かもしれん。

再三にわたる天野の死の宣告のせいで
覚悟は完了しており、
最後の瞬間に涙は出なかった。
消える瞬間も一瞬だったし、
悲しいというより切ない感じの最後だった。{/netabare}

●11話
舞の日常パートメイン。

{netabare}主人公の質問無限ループ攻撃に対して
名雪が顔面に無双正拳突きかましてたら完全に惚れてた。{/netabare}

●12話
天使のぬいぐるみ登場。
{netabare}判決、うぐぅ、天使、確定、執行猶予多分10話ぐらい。{/netabare}

{netabare}舞と舞踏会(どんな学校だよと突っ込んではいけない)が始まる。
「どちらからいらしたお嬢様で?」
舞が一瞬、赤面する。
俺も舞とパーリィしたい。
舞がパーリィし過ぎる。
俺も舞と×暴れたい
     〇パーリィしたい。{/netabare}
どうやら次は舞√のようだ。

●13話
北川爆上げ回。
{netabare}真のヒロインは北川だった。

犬に弁当あげるほんわかシーン。
人間の弁当は塩分多くて犬の体に悪い。あれ、なんかデジャブ。{/netabare}


●14話
舞の相方の不幸話。
{netabare}病院で弟と和解するシーンに感動。
鍵作品はいつでも仕掛けてくると分かっているのにやられた。{/netabare}

●15話
バトル回。
ちょっと待て、京アニ。
戦闘の演出、構図が凄くいいじゃん。
何故に2018年の作品である
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの戦闘の方が糞なんだよ。
何故、こんなに退化した。
いや、退化というより戦闘の演出の技術を持った人が、
技術を伝承する前にいなくなってしまった、
と言われた方が納得するレベルだぞ。
原画マンを優遇して、演出家を冷遇して逃げられたのか。
この12年で何があったんだ。

{netabare}派手に壊れたはずの校舎がほとんど壊れてない。
ここに来て舞と主人公の幻覚説も浮かんだが、
それだとパーリィで壊れた窓の件が説明できない。
やばい、これ考えだすとドツボに嵌まるネタだ。
Angel Beatsで学んだはずだ。
そもそも答えなど無いパターンもありえる。
このネタはひとまず放置しよう。

幼少期の主人公の二つ名はフラグメイカーに違いない。
後、何本、フラグを立てたんだ。
後、何人、幼馴染がいるのだろうか。

舞、自決。
なんでやねんw
アニメだと心理描写がないから、意味不明過ぎる。{/netabare}

●16話
栞√突入。
主人公が少しジゴロっぽい性格になった。
ライター麻枝じゃないな。

{netabare}病弱来た。
舞√で舞の相方が姉と弟の和解ネタをすでにやっちゃってるんだが大丈夫かな。{/netabare}

●17~24話
栞の最後の扱いが雑過ぎてワロタ。
ある意味、ヒロインの中で一番不憫だった。

うぐぅ、天使じゃなかった。
これが一番ショック。

名雪√、スタート地点に立って終わった。
かなり気になる。

▼総括
最初のまこと√は良かったが、
他は特に感動しなかった。
当時見た時は感動したので、俺の心が病んでしまったのだろう。
多分、また10年ぐらいしたら忘れる。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「麻枝+いたる絵」三作品連続で観てみた

それは君のせいではなく自分のせいです。

一通りKeyの泣きゲー系列は踏破した感じ?
『CLANNAD』『AIR』ときて、締めはこちら『KANON』となります。

今回はあまり内容に触れません。


で、似てるんですよね。キャラデザ/音楽/シナリオ作る人一緒だし、こうして一通り観た後だと比較しながら総括したくなるところです。

一連の作品群は、

1.キャラデザインを不問にする
 ⇒俗称“いたる絵”。頭身低くして野球帽被せたらパワプロで使えそうな勢いです。
2.電波な女子を不問にする
 ⇒メインもサブもだいたいキツイです(当社比)。
3.リアリティには目を瞑る
 ⇒奇跡という名のご都合主義

こちらは少なくとも私の場合は、視聴する上で最低限のお作法でした。
そこまでして観る必要がないと判断すれば放置するか、どれか一つを手に取ってみて相性をはかってみる、が吉でしょう。
私はこれで3本目になりますので、そもそものところでは気に入ってはいるのです。


それで本作『KANON』です。
女の子につける名前ランキング2018年/30位。放送当時2006年/26位。となかなかの人気です。東映アニメーション版の2002年はデータがありません(明治安田生命版)。音の響きが素敵でリアル周囲での“かのん”ちゃん率けっこう高めです。え!?違う?
アニメの『KANON』は元ネタが“パッヘルベルのカノン”がモチーフということらしく、こちらは誰もが聴いたことある音の響きが素敵な楽曲だったり。
正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲。カノン自体は、輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、またはその様式の曲のことです。身近なところでいえば“カエルの歌”。

{netabare}作中では佐祐理曰く
「同じ旋律を何度も繰り返しながら少しずつ豊かに美しく和音が響きあうようになっていくんです。」
「そんな風に、一見違いのない毎日を送りながら、でも少しずつ変わっていけたらいいですよね。」
だそうです。(第14話){/netabare}

複数のメロディーを構成する人達は以下の通り。けっこう多いんですよね。

相沢祐一(CV杉田智和) 主役
月宮あゆ(CV堀江由衣) うぐぅ たいやき 
水瀬名雪(CV国府田マリ子) 祐一のいとこ 
川澄舞(CV田村ゆかり) 魔物討伐
美坂栞(CV小西寛子) 病弱
沢渡真琴(CV飯塚雅弓) あうーっ 肉まん 
倉田佐祐理(CV川上とも子) 舞の親友。料理上手
水瀬秋子(CV皆口裕子) 名雪母
美坂香里(CV川澄綾子) 名雪親友
北川潤(CV関智一) ムードメイカー
天野美汐(CV坂本真綾) 不愛想

ギャルゲの宿命のようなもので、主人公祐一が女の子たちを単体撃破していくような体裁をとってます。標的はあゆ、舞、栞、真琴がコア。すでに3つのヴァイオリンの数を超えております。コアに準ずるサブとしては名雪が頭一つ出てますが、残りの女の子たちにも相応のエピソードを用意し全方向です。

欲張り過ぎちゃった気がしております。

尺は充分なので掘り下げが足りないことはなく、それこそ繰り返すメロディーが次第に美しい和音となって響いたかを注視してた私にとっては微妙でした。“名実ともにタイトル回収できたん?”についてイマイチだったということです。{netabare}例えば美汐は、真琴のエピソードが終ればお役御免でその後出てきません。{/netabare}
戦線拡げ過ぎちゃってにっちもさっちもいかなくなった大日本帝国のような印象を受けました。例えがアレですがね。


とはいえ泣きゲーの元祖とも言われた名作ゲームが元ネタです。やはり面白い部分は面白いのです。
季節は冬で舞台は北海道。『CLANNAD』が春、『AIR』が夏、と季節感を上手く取り入れたシナリオとそれを視覚に訴える作画で応えてくれた京アニの作画班。『KANON』においても同様です。
繰り返しですが、レビュー冒頭でのお作法をクリアすればヒット率は上がるでしょう。複数あるサブストーリー(個別エピソード)は良いお話がほとんどです。
ラストもハッピーエンドと言えるオチのつけ方をしてきましたし、サブストーリーのネタを集約しようと試みている節も確かにありました。このへんスタッフサイドの纏める苦労がしのばれるところです。


そうです。努力が垣間見えるのでした。
ゲームまで遡ればおよそ20年前の作品です。アニメとしては2002年の東映アニメーション版と先例のある歴史の古い作品です。
エヴァンゲリオンやハルヒなどその後の流れを作った名作同様、泣きゲーアニメ展開の始祖とされたのが本作。0から1を産み出そうとしたものです。その後、1から100を目指す作品が産まれその多くを目にしてきたな、というのが今なのです。
となると、それはクラシックカーを愛でる感覚に近い。スペックやユーザビリティは劣っていても当時の技術の粋を集めたものに憧憬を覚えるような感覚をこの作品からは受けました。後続の手垢のついた手法を考えなしになぞったようなものとは違うなにか。
よって自分はこの独自性を買い、評点に下駄を履かせときます。
戦線拡げたと文句を言うのは簡単ですが、同時にアメリカ、イギリス、ソ連、そして中華王朝に喧嘩を売るなんて芸当は到底できないことです(結局それかっ!?)。

個別展開が集約されてくるであろうリアル“カノン”な物語は他の作品で触れることにいたします。


■ちょい反省
“マンガ日本昔ばなし”のように捉えとけば良かったかも。
ガッツリファンタジーだけども示唆や教訓に富む各ルートの集合体。各々ばらけてても気にならなかったことでしょう。

■オマケ
パーティでの楽曲“ワルツ”はいい感じ。
別の作品で登場した{netabare}(『四月は君の嘘』で公生と凪が連弾した){/netabare}曲。聞き惚れてしまいました。



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視聴時期:2019年5月 



2019.05.26 初稿
2019.11.27 追記

投稿 : 2024/05/04
♥ : 55
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Key作品の始まり 雪を見ると思い出す・・・

あらすじ

家庭の事情により北国「雪の街」の
叔母の家に居候することになった相沢祐一。
7年前には結構遊んでいたりして
友達と過ごしていたはずにも関わらず、
彼には当時のことが思い出せずにいた。
そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、
幼い頃の大切な記憶を取り戻していき
そして様々な問題と向き合うことになる・・・


※wiki引用


感想


東映版のkanonもありますが
そちらは見てないです

それと僕は原作やってますから
展開は知ってたんですが
それでもまた泣かされましたね


映像に関してはさすが京アニ
文句の付けようがありませんね
ほんと描写が細かくて圧倒されます

内容は、主人公が以前よく訪れていた
雪の降る町に7年ぶりに帰ってくる
そこで少女達と出会いその少女達との
不思議な物語を描くストーリー
全体的に綺麗で悲しい話がメイン。

シリアスな展開が多い中にも
コメディ要素でところどころにボケとツッコミがあり
それが結構笑えて良い


ただ色々なkey作品を見た後にこのアニメを見ると
少々インパクトに欠けるかもしれません。
しかし、1つ1つの話がとてもしんみりした気持ちになり、
心にグッとくるものがあります

何といっても、真琴ルートとあゆのラストが
切なくてめちゃくちゃ感動しました…

特に真琴は最初ウザい感じのキャラだと思っていただけに
ラストとの落差が凄く衝撃を受けた
あまのじゃくな性格も後半の感動に拍車をかけていた

本当は祐一ともっと色んなことを
したかったはずなのに
その性格のせいで出来なかった真琴と
ラストで、逆に素直になる真琴が
本当は最初からこうしたかったのだろうかと思い
切なくなりました…


それに原作をやってる方としては上手く
原作の全ルートをまとめてるなと思った


やっぱりKey作品の特徴として
作画というかキャラデザの好みはわかれるでしょう
それに他のKey作品でも書いたが
結末としてご都合展開とも思える
奇跡がやっぱり好き嫌いわかれるでしょうね

ですが、Key作品だけあって
やっぱりBGMやOPなどの音楽が非常に良く
切ない曲で冬の雰囲気に合っていて
Key作品の中で一番好きかもしれない


感動もできたし
充分楽しめたので良かった
東映版もいずれ見てみたいと思う



ここからは、いつも通り
解説・考察を書いておくので
見たい人だけ見てください
{netabare} ~

と、いってもKanonは他のKey作品に比べてそこまで
難しく無いと思うので
そんなに書くこと無いです


真琴の話ですが、
真琴はなぜ死にそうになったのか?

真琴は元々祐一が世話をした子狐で
再び出会うために人間に化けていました
そして化ける際に狐は寿命を
削っている様でその為に死んだそうです


また、ピロは真琴のお母さん、若しくは仲間だと思います
真琴がピロが財布を持ってきてくれた気がすると発言したり、
また、真琴が異変を起こす途中からピロがいなくなり
美汐が妖狐がたくさん集まると奇跡が起こるのかもしれない
そう言ってることから

ピロは真琴を救うため
仲間を説得していたのだと考察出来ます
そして、最後ピロと真琴が丘で
横たわっていることから
奇跡が起きて真琴は人間になれたのでは無いかと思います

希望的観測過ぎますかね?
でも、祐一の理想だとしたら
ここで、ピロがいるのは少し違和感を感じるので
私はこっちの解釈だと思っています

この奇跡は、あゆによるものか、妖狐によるものか
判断に困りますが個人的には妖狐のおかげだと
思っています



舞について、
この話が1番難しいかもですね

舞には、生命力を回復させる力があり
それで死にそうだったお母さんを救ったのですが
マスコミなどのメディアで紹介されてインチキや偽物と言われ
名雪達のいる町に逃げてきたんですね。


舞と祐一は10年前に既に出会っており、
祐一を引き止めたい一心で「魔物が来るから一緒に戦って欲しい」と嘘をつく。
まぁ、正確には魔物=建設会社だった訳ですね

さらに、祐一が自分から離れていったのは自身の「力」を
疎ましく思ったからだという舞の誤解が「力」を拒んだ結果、
「力」は舞から分離し、魔物として本当に舞に襲いかかる。
また、舞より祐一を狙うのも拒絶された原因が祐一だからでしょう

こうして、舞は自分の分身と10年間同じ場所(かつては麦畑で今は校舎)で戦い続けることになる。

魔物(=力)は自分の分身であるため、
魔物を倒すことは舞自身を傷つけることになる。
舞は魔物の正体は主人公に聞かされるまでわからなかった様だが、
最後の一体を倒したら自分も死ぬというのは経験的に理解していたため、
主人公の前ではあえて止めをささず、牛丼を買いに行かせることで主人公を遠ざけた後、相打ちする気だったと思う。

もう一人の「まい」(=力)である。それによって主人公は昔の記憶を思い出し、事の顛末を舞より早く理解し、その後止めをささんと教室に入った舞を制止する。
そして、舞に全てを思い出させ、誤解を解くべく説得する。それでもあくまで「力」を拒否する舞に対し、「力」を含めた舞の全てを受け入れると語りかけ、佐祐理と三人でもう一度やりなおそうと提案する。

自殺を図った舞ですが、
これは2人に迷惑をかけるくらいならという思いがあったためだと思います。
また、舞は力を受け入れることで、傷は塞がり治りましたね。

そして、最終回ですが佐祐理と舞が退院してましたが
佐祐理さんの回復はあゆの奇跡の恩恵なんでしょうね

{/netabare}

どのキャラも大概最後は
あゆの『奇跡』で救われる
Kanonはまさしく奇跡の物語であったと思う

投稿 : 2024/05/04
♥ : 91

82.9 4 商店街で京都アニメーションなアニメランキング4位
たまこラブストーリー(アニメ映画)

2014年4月26日
★★★★★ 4.1 (1242)
6589人が棚に入れました
少女は、知らなかった。

将来、当たり前のように家業をついて、ずっとこの場所で
このままでいられるんじゃないかって、無意識のうちに感じていた。
そうであればいいと、願っていた。

けれど、幼なじみも友達も、少しずつ変わって行く。
少しずつ大人になっていく。
家族がいて、商店街の人たちがいて、変わらないものと変わっていくもの。

高校3年生の春。
そんなことを思い始めた少女は恋をする。

北白川たまこは、知らなかった。
それは、「宇宙の入り口」に立ったような感覚。

そして少女は、一歩を踏み出す。

たまこ、むけました。

声優・キャラクター
洲崎綾、田丸篤志、金子有希、長妻樹里、山下百合恵、日高里菜、藤原啓治、日笠陽子、西村知道、立木文彦、ゆきのさつき、小野大輔、辻谷耕史、津久井教生、岩男潤子、渡辺久美子、家中宏、成田剣、川原慶久、山下大輝、野坂尚也
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

想いを伝える細い糸…

。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚

企画・原作・アニメーション制作 - 京都アニメーション
監督 - 山田尚子
脚本 - 吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督 - 堀口悠紀子
絵コンテ - 山田尚子
演出 - 山田尚子、小川太一、河浪栄作、山村卓也
作画監督 - 堀口悠紀子、丸木宣明、引山佳代
美術監督 - 田峰育子
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 山本倫
設定 - 秋竹斉一
音響監督 - 鶴岡陽太
音楽 - 片岡知子、マニュアル・オブ・エラーズ
音楽プロデューサー - 中村伸一、山口優
編集 - 重村建吾
製作 - うさぎ山商店街
公開 - 2014年4月26日
上映時間 - 83分

(以上Wikipediaより引用)

。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚


〜Tamako Love Story〜
「たまこラブストーリー」

もうタイトルから想像するだけで、心がキュンとなる
くらいの響きです。

前作「たまこまーけっと」をご存知の方ならあの純真無垢
なたまちゃんにラブがついちゃう。
なんだか嬉しいような寂しいような…
相手は誰?
と思いつつも思い浮かぶのは1人だけ…

1人の少女が恋する事への驚きと葛藤、そして喜びを
感じながら、1人の女性へと成長していく一歩手前の
過程を描いた、とても優しい愛おしさと切なさが感じ
られる作品でした。
そして思春期ならではの性への関心や友情が繊細な心情描写と
ともに優しいタッチで描かれています。

掛け値なしの純愛物語。
京都アニメーションが贈る83分間。
青春の輝きをどうぞ感じて下さい。


【mio's café】
視聴済みの方限定ですよぉ♪
美味しいお餅ありますΩ~ 

{netabare}
作品冒頭から登場する1つの林檎。

もち蔵が何気にコロコロしてて、最後にカウンターから
ぽろりと落ちる林檎。

何だか意味深な物語の始まり方でしたね。

今回は、お喋りなMr.鳥さん「デラちゃん」の登場は
ほとんど無く(最後の方でワンカットだけ、
あっ!デラちゃん!って思ったら消えちゃった…)、
たまこともち蔵を中心にお話が進みます。

そしてたまこともち蔵の恋のお話に絡めて、周りの人々も
成長していくお話しでもあったと思います。

物語序盤の方から、かんなちゃんの登場も多くて
相変わらずのシュールさに、ここは私的に嬉しい演出
でした。
いつの間にかバトン部員に「部長」って呼ばれているし…
実際部長では無いんですが、凄いですね、あの説得力。

「お餅だけを丸めて青春を終える気ですか、
たまちゃん‼」

「お餅は一生丸められますが、我々バトン部の青春は
今だけなんですよーー!たまちゃん‼」

やっぱりかんなちゃん、謎のカリスマ性あります。

みどりちゃんはいつも通り、たまこが大切な存在。
少しだけもち蔵に意地悪な事を言ったりするけれど、
私的には大事なたまこにもち蔵がどれだ本気でたまこの
事を好きなのか、あるいは自分から見て相応しい存在
なのか、彼女なりに試しているようにも見えました。
ただ、邪魔するだけでは無くて。

私はかんなちゃんとみどりちゃん、この2人の存在が
たまこラブストーリーでの大きなキーマンの1つ
だったとも思います。
そして物語の終盤ではこの2人にも大きな変化と絆が
生まれます。

そんなこんなで、お話しは進みますがやっぱり私的にも
最大の関心事は、

「もち蔵、いつ告るん?」

ていう事でした。興味津々。
でも、ドキドキ…

中々踏ん切りのつかないもち蔵。
うなされる様な毎日。寝ても覚めても

たまこ…たまこ…たまこ…

流石にたまこまーけっとよりも好きのグレードが
ワンランクアップしてますね。

わかるよ!もち蔵の気持ち。ましてや幼馴染み。
いつもの生活の中にたまこが普通にいるんだもん。
どうしたらいいのか分からなくなるよね。

そんなもち蔵にみどりちゃんがちょいアシスト。
ここもちょっと、みどりちゃん的にはもち蔵を
試している感じみたいだったけど、結果的にもち蔵に
告白するきっかけを与えた形になりました。

夕暮れの河原にたたずむたまこともち蔵。

作画的にもとても素敵なシーンです。
黄昏時の空にキラキラ輝く水面。
背景の美しさはもちろんですけど、やっぱり
堀口悠紀子さんデザインの横顔は大好きです。

幼い頃2人でよく遊んだ飛び石の上でたまこが
おもちを大好きな理由を語ります。

「あのさ、おもちってさ、ちっこいのに色んな人を
幸せに するんだよね。」

「柔らかくてさ、白くって、優しくって、
いい匂いがしてさぁ、あったかいんだもんなぁ。」

たまこにとっておもちはお母さんのイメージだったん
です。だから大好きで大好きでたまらないんです。
商店街と同じでかけがえの無いものなんですね。

川に落ちそうになるたまこの手首を握りしめるもち蔵。
たまこに東京の大学に行くと告げます。
たまこの潤んだ瞳の横顔、凄いです、いいですね。

そして、

「俺、たまこが好きだ!
めちゃくちゃ好きだ!だから…」

言っちゃた…

もち蔵には早く告白して欲しかったけれど、
実際、この一線を越えた言葉を聞いたら私まで
何かが壊れた、何か大きな物を失った様な気が
しちゃいました。

「ドーン!」って感じ?

「かたじけねぇ…かたじけねぇ…」

たまこのこのセリフ。私までビックリです。
そこまで、動揺するとは思ってなかったので…

でもいつもたまこの生活の中にいたもち蔵。
普通に家族の様に思っていたもち蔵。
そんなもち蔵からの「好きだ。」の言葉。
しかも、「めちゃくちゃ好きだ。」なんだもん。
たまこには今までの世界が見えなくなるのも
当然だったかもしれません。

「あっし、先に失礼するでござんす。」

これは重症ですね。

それからというものは、たまこまでもち蔵を意識して
しまう毎日。
お家のお手伝いも、バトンの練習もままならない毎日。

ここで、このお話のキーワードの1つは「キャッチ」
って言葉なんだなぁって思いました。

かんなちゃんがバトンをキャッチ出来ないたまこに言った

「磁石入りグローブを作るのです。バトンにも磁石を
くっ付ける。あら不思議、引き付け合うS極とN極。」

「どうしようもなく引き付け合うのです。」

多分、かんなちゃん的には深い意味は無かったと
思うんですけど(いや、彼女の事ならあり得るのかな?)
その話を聞いていた、たまことみどりちゃんの
(特にみどりちゃん)の表情が凄く意味深でした。

そして度々、出てきます林檎。
林檎と言えばニュートンの万有引力の法則。
引き付け合うんですね。どうしようもなく。

ここで私がちょっと思い出したお話がアダムとイブの
食べた禁断の果実「林檎」でした。
(あれは林檎では無かったと言う説もありますが、
ここは一応、林檎ということで。)

かなりうろ覚えなのですが、蛇にそそのかされて
林檎を食べてしまったアダムとイブが楽園を追放され、
それまで無かった恥じらいという感情を覚えて、
イチヂクの葉っぱでそれぞれの性器を隠してしまう
というお話しです。

そしてアダムの食べた林檎は喉仏に、イブの食べた林檎
は乳房になったと。

成長期、男性は喉仏がふくらみ、女性は乳房がふくらみ
ます。そして恥じらいを覚えます。

このお話の序盤でもたまこが急にお尻やおっぱい
のおもちを作ると言い出して、みどりやかんなのお尻を
触ったり、うさ湯でボインの女性と自分の胸を見比べて
もの哀しげな顔になったりしています。
そしてもち蔵に対しても恥じらいを見せる様になりました。

この辺り、たまこには無縁だと思われていた女性としての
性的な成長過程も柔らかいニュアンスで表現してるの
かなぁとも思ったりしました。

だから1つの林檎が登場する事で色んな事が想像出来ます。

英語のことわざで
「You are the apple of my eye」
という言葉があります。

日本語で言えば「目の中に入れても痛くないくらい
可愛い」という言葉に該当するのかな。

もち蔵にとってたまこは色んな意味で林檎だったの
かもしれません。
だからお話の冒頭で林檎をコロコロしてたのかなぁって。

そしてもう1つ私が感じたのは、たまこともち蔵の
ラブストーリーを通して周りのみんなも一緒に
成長した事でした。

中でも終盤のかんなちゃんとみどりちゃんのやりとりには
心を打たれました。

嘘をついてまでたまこをもち蔵の元へ送り出した
みどりちゃん。
1人残った教室にやって来ましたかんなちゃん。

このあとの2人の会話がとても素敵でした。

かんな「策士ですな。でも、そういうの好きですよ。」

「今ちょっといい顔してますよ。」

みどり「サンキュっ!かんなっ!」

かんな「ねぇみどちゃん。私も高いとこ登って
みますかね。」

もう、何とも言えないくらい2人の間の言葉以上の物が
伝わってきて、つい涙が出ました。

大好きなたまこの幸せを願って送り出したみどりちゃん。
1歩成長しました。
そんなみどりちゃんを見て、自分も前に進むもうと思った
かんなちゃん。
木に登った時のかんなちゃんの顔がとても素敵でした。
登った時の景色、今まで見たこと無い景色だったのかも
しれません。

この作品を見て私が感じたのは人を好きになるという
事は当たり前かもしれないけれど、とても切ない事
なんだって事。
好きになる方も、好きになられる方も。

何処かに私が置き忘れてきた思い出かもしれません。

そして「ちはやふる」を見て出会った私の好きな
一つの和歌が思い出されました。

しのぶれど 色に出でにけり わが恋(こひ)は
     ものや思ふと 人の問ふまで

歌意:
私の恋心は誰にも知られない様にと心に決めて
耐え忍んできたのに、とうとうこらえきれず
顔に出てしまっているみたいです。
何か物思いでもあるのですかと人が尋ねてくるほどに。

という隠せば隠すほど表情に表れてしまう悩ましい恋心
を表現した歌です。

たまこともち蔵を見ていたら、凄くこの歌が心に
染みてきました。

最後の駅のホームでのシーンはもうなんと言ったら
いいのか分からないくらい、純愛の美しさが表現
された演出だったと思います。

今まで何度もキャッチ出来なかった糸電話。
その糸電話を見事キャッチしてからの、

「もち蔵、大好き!どうぞ!」

たまこらしい最後の言葉でした。

このあと、私にはたまこの

「やっと…やっとね…キャッチ出来たよ。
糸電話ともち蔵の気持ち‼︎」

という言葉も聞こえた様な気がしました。
いえ、確実に聞こえました。

それにしても、もち蔵泣き過ぎ…
でも、そういうもち蔵、私も好きです。
嬉しすぎるもんね!私まで…涙出ちゃうよ…

子供が大人になっていくのは嬉しいけれど寂しい気も
します。
それは作品を通して、豆大さんや吾平さん夫妻から
凄く感じました。
お互いの両親はわかっていたけれど、黙って見守って
くれてました。
でも、みんな色んな事があって今、ここにいるんです。
これから、たまこともち蔵も色んな経験をしていきます。

これから先の2人を見てみたい気もするけれど、

それは、やぶ蛇でしょうか…

〜Tamako Love Story〜
「たまこラブストーリー」

本当に出会えて良かった作品でした。
2人の幸せを祈って…



【主要登場人物・出演者】

北白川たまこ - (CV:洲崎綾)
大路もち蔵 - (CV:田丸篤志)
常盤みどり - (CV:金子有希)
牧野かんな - (CV:長妻樹里)
朝霧史織 - (CV:山下百合恵)


【主題歌】

主題歌「プリンシプル」
作詞 - 愛鈴 ⁄ 作曲 - 藤本功一 ⁄ 編曲 - 谷口尚久
歌 - 洲崎綾

オープニング曲「KOI NO UTA」
作詞 - 北白川豆大 ⁄ 作曲 - ダイナマイトビーンズ
歌 - 北白川豆大

エンディング曲「こいのうた」
作詞 - 北白川豆大 ⁄ 作曲 - ダイナマイトビーンズ
歌 - 北白川たまこ


【劇中曲】

「恋の歌」
作詞 - 北白川豆大 / 作曲・歌 - ダイナマイトビーンズ
「Excerpts from "The Return Of The Drowing
Witch"(Part1 - Part9)」
作曲・編曲・演奏 - Hogweed

「qum Daiwtiigyam」
作詞 - Gunung Bangep / 作曲 - Ro ga-nang / 歌 Daniels

「豆大さんへ」
作詞・作曲・歌 - ひなこ

「上を向いて歩こう」
作曲 - 中村八大 / 編曲 - 片岡知子
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 96
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

恋愛も、友情も、成長も、全ては日常の産物

2014/06/27 鑑賞四回目、レビュー更新

もしこの映画を題名だけでステレオタイプな恋愛映画のイメージで敬遠している方がいたら、一旦その考えを捨て去ってとにかく見てほしいです。

「たまこまーけっと」で作り上げた日常の世界を上から恋愛模様で塗り変えていったのではなく、元あった日常に丁寧に恋愛の色を加えていった。

日常系アニメで成功を収めた京アニだからこそ出来た日常系ラブストーリーです。

※ただ一口に日常系と言っても「らき☆すた」のような日常四コマ系、話に連続性がなくキャラクターの掛け合いだけで成立する類のものと、「けいおん!」や「たまこまーけっと」のような作品は異なる意味合いを持っていると思います。

後者では作中時間が経過しながらキャラクターが成長し、物語に変化あっての日常が表れているので、同じ日常でもそこから生じる現実感に差があります。

あらすじ
{netabare}
高校三年生―誰もが新しい進路に向かって歩み出すとき。

うさぎ山商店街に住む、大路もち蔵(おおじもちぞう)もそういった時期に差し掛かっていた。
自分の中では既に進むべき道が決まっていた彼だったが、心残りが一つだけあった。
それは生まれたときから知っている幼なじみ、北白川たまこのこと。

実はいつからかもち蔵はたまこに恋をしていた。
そしていつその想いを伝えるか踏ん切りが付かないでいた。

そんなある日、あることがきっかけでもち蔵はたまこに告白する絶好の機会を得る。
もち蔵は無事告白できるのか、もし告白できた場合たまこはそれにどう応えるのだろうか。




一方、たまこも卒業後の進路は決定していた。
しかしその決心に迷いがない訳ではなかった。

もち蔵や周りの友達のように自分の将来を見据えての進路ではなく、漫然とした進路の歩み方に不安を覚え一人悩んでいた。

高校卒業を目前に控え、たまこは色々な経験をすることになる。
そうした経験が彼女をどのように変えていくのか。

もち蔵とたまこを中心にした、少年少女の思春期を描くストーリー。
{/netabare}


最初「たまこまーけっと」が映画化すると聞いたとき、(日常系が受けなかったからラブコメかー)とか(また映画化商法かー)みたいな、ネガティブな意見の方が多かった気がします。

自分も、今までのイメージとがらりと変えて同じキャラを使った別物のようなラブストーリーを想像していました。

しかし山田監督が目指したのは、日常アニメからの‘脱却’ではなくより日常に迫った日常アニメの‘昇華’だったのではないかと思います。


何故なら、普通ラブストーリーといえば一に恋愛・二に恋愛、登場人物にとって最も重要な恋煩いを物語の軸に置いて話が進んでいくものですが、
この映画では恋愛している少女を日常の世界から切り離したりせず、あくまで日常の中に同居する一つの要素として扱っているからです。


ラブストーリーのための恋愛、ではなく日々の生活(実家の手伝い・学業・部活等)を過ごしながら感じている恋愛―当然ながら四六時中恋愛のことばかり考えていたとしても現実それだけに専念することは叶わないわけで、その意味では最も本質的な恋愛を描いていると言えます。


学校での休憩時間や放課後に友達と集まって、将来の話だったり恋愛の話をする。学校から帰って寝るまでの間に自分の部屋で、昼間話したことを思い悩んでみる。
いかにも学生らしい、こうした日常の過ごし方がリアルで良かったです。

<追記>
また単にたまこともち蔵の二人の話ではなく、みどり・かんな・史織の三人娘たちもそれぞれの未来に向けて(大なり小なり)成長していくことが見られ、青春色を強めていたのではないかと思います。
[個人的なキャラの成長度]
史織>もち蔵>たまこ>みどり>かんな>あんこ

{netabare}
史織はこの中で一番成長したのではないかと思います。
内気で引っ込み思案だった彼女は、誰の目にも触れない間に自分から殻を破って飛び出していく決心をしていました。ただ視聴者にさえその成長の過程を見せてくれなかったのは残念です。


次に大きく成長したのはもち蔵。たまこよりもち蔵の方が一つ上のステージへ登って大人びています。
彼がたまこに想いを伝えたのは、未練よりも覚悟の現れであると感じました。たまこに想いを馳せながらも決して依存するつもりはなく、むしろ一人でもやっていける強い意志が見られました。


たまこは、自分の中で意識していなかったまたは意識しないようにしていた感情をやっと認識しそれに向き合った。
そして行動に移すことが出来た点で成長があったと言えます。しかしまだ完全に自立は果たせていない、もち蔵に依存している未熟な部分は残っていました。


みどりはたまこへの依存からやっと少し抜け出すことができたといった所でしょうか。
最初自分はみどりがもち蔵に突っ掛かるのは恋心故にだと思っていたのですが、どうやら逆にたまこを取られる嫉妬心から来る行動だったらしく、まだ友達離れの段階だったのですね。
最も大人に見えるみどりがむしろ一番子供らしいというのが面白いところです。


かんなはみどりやたまこの成長を目の当たりにして、それでは自分も、と自身の障害を一つ乗り越えました。
周りの人から見れば(この中のメンバーで見れば)、ほんの小さな一歩ですが、これも立派な成長でしょう。


あんこに関しては劇中あまり出番が描かれませんでしたが、たまことの自宅でのやり取りからやはり彼女なりの成長があったのだろうと推察できます。
大きくなること、変わっていくことに対して前向きに向き合っています。彼女は元々大人びているので成長の度合いとしては最小だろうと判断しました。
{/netabare}


新海誠監督の作品のように、ストーリーの進行速度と登場人物の感情の移り変わりの速度を上手くシンクロさせ、ゆっくりと進んでいく日常の中で徐々に芽生えていく恋心を表現するのは容易いことではありません。
{netabare}
もち蔵に告白されてから、たまこは今まで気付かなかっただけで身近に(商店街の中に)あふれている人々の営みを初めて意識し、過去に自分がもち蔵に失意のドン底から助けられたことを思い出し、またかつて自分の母も同じ経験(豆大に告白され思わず逃げ出す)をしていたことを知り、自分の気持ちと向き合っていきます。
この過程がしっかりしているから、視聴者もすんなりと共感することが出来るんですね。
{/netabare}


それからアニメ映画の中にはTVアニメの拡大版・数話分の内容を凝縮したようなものが多いと感じていましたが、たまこに限ってはちゃんと映画としてのセオリー・手法を取り入れて一つの映画として成立していました。

思うに、場面の切り替え・繋ぎの部分でその工夫がなされていて、ブツ切りにならずに一つ一つのシーンが全体で調和していると思いました。


今までの日常系アニメで実践してきた、登場人物の会話や内面に生まれる絶妙な‘間’も遺憾なく発揮されていました。

たとえば二人の女の子が隣り合ってごく普通の会話をしている光景。何も特別なことはないのにスクリーンに釘付けになってしまうのは、ほんのわずかな無言の時間・無音の空間によって空気が張り詰めるような緊張感を生むからでしょう。


主に女性キャラの仕草や表情、性格などの描写に女性的な感性を強く感じるのも恋愛ものとして効果的でした。

TVアニメのときよりも大胆に赤裸々に描かれている女の子達。その中でも特にたまこの変化が顕著でした。

自分が今どうしたい・この先どうなりたいか悩んで悶えている姿や、自分の本音を素直に打ち明ける姿が新鮮でした。

TVのときはあまりに浮世離れしていて身近な存在ではなかったので、やっとヒロインとして物語に登場してくれたか、という思いです。

その証拠に
{netabare}
EDムービーはTV版のED「ねぐせ」と同じフィルム風の映像で、流れている曲がたまこの歌う「恋の歌」。主題歌のプリンシプルも良いですけど何よりこのEDが吹っ切れた感じで素晴らしかったです。
冒頭では母ひなこの真似っこに過ぎなかったものが、最後はさながらダイナマイトビーンズのような情熱的な熱唱。この変化が良い!
{/netabare}


色々と自分なりに思ったこと・考えたことを手当たり次第に書き連ねてみました。

今回の映画は、非常に少女漫画的な乙女の‘純情さ’と懐かしの青春映画的な‘青臭さ’が共存していて、幅広い層に向けて支持されるだろうと予想されます。
至高の日常系恋愛アニメまたは日常系アニメの一つの到達点としてもっともっと高い評価を受けてほしいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 48
ネタバレ

ostrich さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「手前」「予感」から「確信」「覚悟」へ

山田尚子監督作品を一通り鑑賞してから、本作を再見した。
私の見立てに過ぎないが、監督の作家性が本格的に発揮されたのは、本作からだと思う。

彼女は日常の中のスリリングな瞬間を描くのが本当にうまい。もう少し具体的に言えば、なんでもない日常を丹念に描きつつ、その中に潜み、日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情を掬いとることに情熱を傾けているように思える。
他の映像作品を例にとるなら古き良き日本映画的な作風とも言えるだろう。本作の冒頭で「松竹映画」のロゴがモノクロで映されるのは象徴的だ。私はそれほど「古き良き日本映画」を観ているわけではないのだが、これが小津安二郎や山田洋二へのオマージュだということはわかる。

その視点で思い返せば、彼女の作家性は「けいおん」シリーズや「マーケット」でも、時々、発揮されてはいた。
ただ、どちらの作品も「変わらない日常」に着地する前提があるので、決定的な変化は最後まで起きない。その手前、あるいは、その継続の予感に止めているのだ。もちろん、この選択は両作品を魅力的にしている要因でもあるのだが、現時点から振り返れば、「映画作家としての山田尚子」には足枷でもあったように思う。

その足枷を本格的に外したのが、本作だ。

すでに本サイトの優秀なレビュアーの方が指摘していることでもあるが、本作は「変わっていく日常」を描いている。もう少し、きつい言葉を使うと、日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情が表出して、日常そのものを決定的に変えていく様を描いているのだ。
そして、この過程が緻密に計算された構成と、繊細で慎重なセリフ回しによって描かれるため、大きな事件はほとんど起こらないにもかかわらず、非常にスリリングな印象となる。これが前2作品と決定的に異なる点だ。

これが端的に表れているキャラクターは、みどりだ。
本作における「日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情」とは、主には、たまこともち蔵と恋愛感情なのだが、その表出にはみどりの恋愛感情が大いに関わっている。
実はメインキャラクターの中で、初めてはっきりと他者に対して、感情を表出させるのは、主人公2人ではなく、みどりなのだ。もちろん、ストレートな愛情表現ではなく、もち蔵に対する「いじわる」としてだが、恋愛感情というのはそれも含めてのものだ。
ありふれた作品なら、みどりは自分の感情をコントロールして、2人を応援するところかもしれないが、本作は違う。逆にみどりのコントロールしようとしても出来なかった感情が、2人の状況を変化させる。結果、作品全般を通じて、みどりの行動には常に緊張感が伴うことになる。ただでさえ、繊細な主人公2人の関係が、みどりの行動でどうなってしまうのか、というスリリングさが生まれるわけだ。シナリオ用語的に言えば、狂言回しにもなっている。

これらのことは、映画「聲の形」を観た方なら、ピンとくるものがあるんじゃないだろうか。そう、おそらく、みどりは「聲の形」の植野の原型だ。もちろん、「聲の形」は原作付き作品なので、原型というのは正確さに欠けるのだけど、少なくとも、本作を経過したことで、植野を描くことができた、ということは言えると思う。
また、「リズと青い鳥」の優子あたりも「主人公たちに影響を与える、優しき敵対者」という位置づけにおいて、みどりと共通している。「リズ」における希美、優子、夏紀が語り合うシーンの緊張感は、本作のみどりに関するエピソードが原型になっているとみることも出来るだろう。
いずれにせよ、山田監督にとっては、本作でみどりを描き切ったことが、作家性を確立する重要な契機になったと思う。

    *     *     *

さて、山田監督の後続作品に触れたついでに、それらの作品と本作の全般的な比較もしてみたい。

後続作品から振り返ると、本作は「変わっていく日常」を描いてはいるものの、最終的にはそれほど変化なく物語が終わっているようにも見える。
たとえば、もち蔵が上京してからのたまことの関係については、一切触れていない。それどころか、もち蔵の上京自体、確定事項ではないのだ。その他のキャラクターの「その後」も、セリフの中で「将来のこと」として、語られているだけで、少なくとも、キャラクターたちの位置づけにはほとんど変化がない。

この辺りは前2作品を引きずっているとも言えるが、主人公たちが「変化を確信して、それを受け入れる覚悟をした」という内面の変化は確実にあるし、そここそを描きたかったのかもしれない。少なくとも、これまでは「手前」や「予感」で止めていたところが「確信」「覚悟」まで踏み込んで描いた作品ということは言える。

そして、山田監督は、次作「聲の形」で、「変わっていく日常」どころか、変わって壊れてしまった日常を再生させる物語(しかも、再生させようとしている間にまた壊れる展開もある物語)を描くことになる。
「聲の形」は山田監督の(現状の)代表作、かつ、最大のヒット作でもあるので、ここで作家性が現出したという見立てもあり得るとは思うのだが、全作品を通して観れば、少しづつ段階を踏んだうえで、「聲の形」に至っていることがよく分かる。
中でも本作は、作家性を確立した作品として、「けいおん」から始まるユートピアを出ていく過程の作品として、非常に重要だと思う。

※蛇足

本稿では、山田監督の作家性の展開について書いてきたのだが、彼女の「けいおん」から不変の作家性というか演出法である「間接表現」の巧みさについても書いておきたい。

これは今更、私が語るまでもないことだけれど、山田監督はキャラクターの心情をセリフだけに頼らず、モノや、キャラクターの行動や、風景描写などによって間接的に描くのがとてもうまい。

本作でいえば、{netabare}
たとえば、「糸電話」や「バトン」に関するエピソードだ。
もち蔵が「(たまこは)投げても、100回に1回しか受け取れない」という糸電話は、まさに2人の関係を象徴しているし、バトンはたまこの「受け取りたいけど受け取れない」もどかしさを端的に表している。{/netabare}
そして、その変化によって物語を語っていくわけだが、これがセリフ以上のエモーションを引き起こす。

その最たるものは言うまでもなくラストシーンなのだが、{netabare}私としては、ここで、たまこがもち蔵にする回答(セリフ)は、不要だとさえ思っている。あそこはもう、たまこが糸電話を受け取った時点で決着がついているよ。{/netabare}
そのくらい、山田監督の間接表現は雄弁なのだ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

83.6 5 商店街で京都アニメーションなアニメランキング5位
小林さんちのメイドラゴンS(第2期)(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (554)
2057人が棚に入れました
あのはちゃめちゃドラゴンメイドが再び!ひょんなことから小林さんちのメイドとして働くことになったドラゴン・トール。大好きな小林さんに時々(嘘。たくさん)迷惑を掛けながらも、なんとか人間社会に溶け込み立派に(嘘。そこそこに)メイド業をこなしていた。同じドラゴンのカンナ、ルコア、ファフニール、エルマたちも、それぞれ自分の居場所を見つけて、人間たちと異種間コミュニケーションを満喫していた。そんなまったり、たまに激動の日々を送っていた頃。小林さんに、新たなドラゴンの脅威が襲いかかる―。

声優・キャラクター
田村睦心、桑原由気、長縄まりあ、高田憂希、髙橋ミナミ、嶺内ともみ、小野大輔、中村悠一、加藤英美里、後藤邑子、石原夏織

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

さすがですわ

あれから4年以上経過しているとは。
なんだか色々忘れていた。

今作からイルルというロリ爆乳が登場。
なかなかがっつりな導入であった。

小林さんの懐の広さは安定。話の内容も安定。
気づけば見終わっていた。
体にすっと入って来る。個人的今期覇権アニメ。
それぞれのキャラクターの心理描写を丁寧にしていて素晴らしい。

ルコアさんの翔太君愛は相変わらずすごい。良い動きしてるわ。

小林さんのデレが可愛かった。浴衣着てくれても良かったかも。
ウエディングドレスは良かった。
オチが凄まじいな。ちょっとそれだけは疑問符。
そのほかはベタ褒めしかできん。


OP
愛のシュプリーム! fhána
ED
めいど・うぃず・どらごんず︎❤︎ スーパーちょろゴンず トール(桑原由気)、カンナ(長縄まりあ)、エルマ(高田憂希)、ルコア(髙橋ミナミ)、イルル(嶺内ともみ)
イシュカン♡リレーションシップ トール(桑原由気)
fhánaはいつも素敵な楽曲を提供してくれる。愛のシュプリーム!は今までのfhána楽曲と一味変わってる。ラップ?みたいな。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
あのはちゃめちゃドラゴンメイドが再び!ひょんなことから小林さんちのメイドとして働くことになったドラゴン・トール。大好きな小林さんに時々(嘘。たくさん)迷惑を掛けながらも、なんとか人間社会に溶け込み立派に(嘘。そこそこに)メイド業をこなしていた。同じドラゴンのカンナ、ルコア、ファフニール、エルマたちも、それぞれ自分の居場所を見つけて、人間たちと異種間コミュニケーションを満喫していた。そんなまったり、たまに激動の日々を送っていた頃。小林さんに、新たなドラゴンの脅威が襲いかかる-。


1. 第1話 新たなるドラゴン、イルル!(またよろしくお願いします)
自称究極のメイドであるトールは、今度オープンする新しいメイド喫茶にライバル心を燃やし殴り込みに行く。しかし戻ってきたトールは「なんか働くことになりました」と言い出した。そんな変わらない毎日を送っていたある日、ニュースで小林さんと出逢った山が何者かに破壊されていることを知る。

2. 第2話 イケメン、小林!(いろんな意味で)
イルルを退けた小林さんだったが、その代償に魔法で「アレ」を股間に付けられてしまう。すると普段は何とも思っていなかったトールやカンナが違って見え始め、次第に小林さんは悶々し始めていく。

3. 第3話 課外活動(もちろん普通じゃありません)
小林さんちに遊びに来た才川。しかし見知らぬ女の子(イルル)が……。一緒に遊ぼうと誘うも、イルルは冷たく避けていく。そこに偶然訪れたルコアは、避けようとするイルルの気持ちに気付き、助け船を出そうと計らう。

4. 第4話 郷に入りては郷に従え(合わせるって大変です)
美しいコード配列に感嘆する小林さんと滝谷。なんとそれを書いたのはエルマだった。ついに一人前の戦力になったと小林さんは大喜び。小林さんは会社の「柱」としてもっとたくさんの仕事を抱えているそうだ。しかしその話を聞いた途端、エルマは急に怒りだす。

5. 第5話 君と一緒に(まあ気が合えばですが)
商店街で会うなりいがみ合うトールとエルマ。いつもの光景に呆れ気味の小林さんだが、出会った当初はそうではなかったと言う。犬猿の仲の二人の出会いは、遡ること遥か昔。あちらの世界でトールが一人旅をしている時のことだった……。

6. 第6話 合縁奇縁(片方はドラゴンです)
毎日ルコアの奔放な接触アプローチに悩まされている翔太。本来なら自分が主人のはずなのに……。一人前の魔法使いを目指す身として、主導権を取り戻さなければ、と一念発起する。そこで翔太は、ルコアの弱点を探り始めるのだった。

7. 第7話 一般常識(みんなずれてます)
夜闇が支配する路地裏に、怪しい人物が2人。不穏な空気を醸し、何やら密談を交わしている。「なんだい?こんなところに呼び出して」--2本角の痴女が言う。「お前の力を貸せ」--執事服の陰鬱男が返す。最凶最悪のタッグが今、動き出す--。

8. 第8話 世界に一つだけの(好きな言葉を続けてください)
何やら部屋に籠り始める翔太。父の日のプレゼントとして魔術道具を制作するため、難しい魔術書を読み漁っていた。その難易度が高いため手伝おうと名乗り出るルコアだったが、自分一人の力でやり遂げたい、と断られてしまう。だがやはり制作は失敗続きで……。

9. 第9話 いろいろワケがありまして(エルマざんまいです)
待遇改善を要求する--!それはエルマの一言から始まった。小林さんたちの勤める会社は、極めて“黒”に近い。そこにエルマがようやくおかしいと気付き、旗を掲げたのだ。改善などどうせ無理だろうと高を括っていた小林さんだったが、ドラゴンのバイタリティは予想を遥か上回っていて……。

10. カンナの夏休み(二か国語放送です!?)
小林さんと喧嘩した勢いで家出をしてしまったカンナ。帰りたくないからと太陽のある明るい方向へと大海原を飛んでいく。その時、たまたま見つけた陸地へと降り立ったカンナだったが、なんとそこは決して眠らない街・ニューヨークだった。

11. プレミアムシート(特別料金はかかりません)
本格的に腰を痛めて来た小林さん。改善しようと健康グッズを買い漁るが、それらはほとんど使われないまま……。業を煮やしたトールがしっぽ肉を食べさせようとするも、あえなく拒絶。トールは、小林さんが求める「一般的な治療法」を探し始める。

12. 生生流転(でも立ち止まるのもありですかね)
いつも通りの朝。いつも通りのドラゴン娘たち。何一つ不満のない、かけがえのない平凡な日常。だが小林さんの中には、終焉帝の話を聞いてから、ほんの少しだけ重い何かが転がっていた。でもそれが何か判然としない。もやもやとする中、待ちに待った夏祭りが始まる--。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

肩の力を抜いて笑って観たい

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
「流石、京アニ」と言えるハイクオリティな日常系アニメ。

レビューでは、本作で好きだった部分と、本作が作られたことの意味を、自分なりに書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本シリーズは、「1つ深い日常系」の、とても素敵な作品である。

1期は☆5(神作)、2期は☆4(高評価)。1期よりやや評価を下げたのは、各キャラの掘り下げの要素が強くなり、深みがあるセリフ(トールと小林さんの関わり)がやや減ったからである。

例えば本作なら、

1話目「違いを楽しみ、楽しみが続けば種を好む、尊敬には信頼が加わり、絆を生み出していく」

7話目「眠りは同調圧力」

なんかが好きで、こういうのがたくさんあった方が、個人的にはより好みだった。

とはいえ、単純に楽しい話はいっぱいあって。

10話目の「カンナNY編」は☆5をつけた。たった1話にかけるほどの熱意や労力じゃないでしょと思えるクオリティに、「これぞ京アニクオリティ」と思った。

本作で最も良かったのは、エルマのキャラが深まったことだと思う。過去話や仕事話、仲直り含めて、実質、エルマが本作の主人公だと思う(カンナも主人公級の活躍でしたね。自由研究の話は可愛かったな~)。

まあ、シリーズ構成の大きな流れとして、2期でサブキャラを深めていくのは王道なので、「少し落ち着いた2期」というだけで、物語の面白さは減衰していないと思いたい。ラストは、もしかしたらアニオリかな?と思わせるような、ドタバタ大団円で、非常に読後感が良い。全話見終わって、楽しかった記憶しかない。

さて。

とはいえ本作を語る時、どうしてもあの痛ましい事件を考えなければなりません。

私も1アニメファンとして、心が痛み、今でも忘れられないし、忘れてはいけないことだと思っていますが、本作を通して、京アニも前に進んでいるのだから、自分自身もいつまでも暗い気持ちで作品を観ては失礼だとも思いました。

本作のOPは、事件の前に決まっていたらしいのですが、あの明るい曲をそのまま使ったことの意味、シリーズ監督のクレジット、又、あの事件後に作られた歌の後半部分の讃美歌からも、京アニの思いは伝わります(この辺はReiさんが思いのある素敵なレビューを書いてくれているので、そちらに)。

レビュータイトルを「肩の力を抜いて笑って観たい」としたのはその辺が理由で、本来はそういう作品を作っているわけだから、忘れちゃいけないけれど、囚われても良くないと思うので、そこは、京アニとファンが、時間をかけてでも一緒に乗り越えていかなければならないことなのかなと思います。

ということで、私としても色々な思いがあるし、頭では分かっていてもまだ簡単には割りきれませんが、レビューの中にあえてあの事件のことを書くのは、(それが正しいのか間違っているのかは分かりませんが)このレビューで終わりにしようかなと、今はそういう気持ちです。

最後に、あの事件でお亡くなりになられた全ての方のご冥福をお祈りし、現在なお戦っているご遺族の方やリハビリ中の方、制作に関わったスタッフ全ての方に対し、心からの応援を込めて、レビューを閉じさせて頂きたいと思います。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
燃え燃え(笑) 途中のCMのクオリティ、高いな~。もはやドラゴン語はスルー(笑) あんなに可愛くされたら(笑) 「違いを楽しみ、楽しみが続けば種を好む、尊敬には信頼が加わり、絆を生み出していく」。

2話目 ☆4
まあ、トールなら、そうくるだろうな(笑) チャンスを生かすトールです(笑) メイド服脱がれて冷める小林(笑) いやCM、やっぱすげえな。小林さんが防犯ブザー持ってる意外さ。私に騙される?って、イケメンか(笑) トールガチ切れ。キモ(笑) 繁殖、したい(笑)

3話目 ☆4
なるほど、コスプレがしたかっただけ。逆に深い気がする。カンナの趣味が可愛すぎる件(笑) ここで特殊ED。 

4話目 ☆4
調和勢、面倒くさい(笑) やたら哲学的な遊園地(笑)

5話目 ☆4
お互いの内面が分かる程近づき、認められない部分ではぶつかる。エルマも消す(笑) 

6話目 ☆3
ルコアとファフニールの話。才川、死んだ(笑) CG(笑)

7話目 ☆4
グラム88円(笑) 眠りは同調圧力。久々の哲学的な会話。本当に、CM良いよな。

8話目 ☆4
まあ、父親だよな、小林さんは(笑) 珍しく、小林さんのサービスシーン(笑) ネコバヤシ(笑)

9話目 ☆4
エルマ、良いキャラだよな。素敵な仲直り。

10話目 ☆5
NY編、間違いなく楽しいな。ただ、楽しいな。驚き方が、外人w 小林さんと同じことを。巻き戻したら、ホントに居たわ(笑) さりげないシーンの作画がめちゃくちゃ良いのが、流石京アニだよな。小さな美しい世界を丁寧に描く。 


11話目 ☆3
トールの過去話。最初は皆、個人の意思。

12話目 ☆4
納豆は、破壊と創造(笑) 小林さんのデレ(笑) 花火の煙までちゃんと表現するのがな、流石だよな。なんとなく、アニオリっぽいラスト? 今は死別することを考えなくて良いんじゃない? と同じ意味だよな。結婚式、、、小林すん、ウェディングドレス、似合わない(笑) ここで一期OP。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 37
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

1期と比べると落ちるかな

2017冬放送のメイドラの続編。

{netabare}
率直に言うと、メイドラってこんなにつまらなかったっけ?ってなってしまった。
星3.0を付けている通り、一期と比較しているだけで、一定以上の面白さがあるのは確かなんだが...

たぶん変なシリアスが多かったことが原因かな。
正直シリアス要素に限って言えば全部つまらなかった。
というか、メイドラで良かったシリアスが思い浮かばない、一期の最終話もかなり酷かった覚えがある。
シリアスになると、小林のキャラがきつく感じる。
謎に説教臭いし。
こういうコメディ系アニメに入るシリアス、好きな人もいるんだろうけど自分は嫌いかな。
少しぐらいならまだいいけど、これはあまりに多すぎたし無駄にギスギスだし。

まあ、最初にも書いた通り安定してコメディ要素は安定して面白いので決してつまらない作品ではないんですが。
特に10話のカンナ回は神回だった。ああいうのでいいんだよという感想。
自分は正直メイドラの面白さの7割はカンナだと思っているので。
アメリカのあの金髪の子の登場があれ以降なかったのはちょっと悲しかったけど。
2期要素で言うと、イルルと駄菓子屋の絡みが面白かった。
面白かっただけにあんまりあの駄菓子屋の人が出てこなかったのは残念。

作画も良かった。色々あって作画落ちないか心配だったけど、一期から落ちないどころか上がってるような気もして素晴らしかったと思う。
ただ、正直に言うと、作画はいいけど京アニは嫌い。
押しつけがましいというか、「俺ら作画すごいだろ?」って見せつけてきている感をかなり感じてしまう、例えば9話の戦闘はまさにそれ。

OPとEDは自分が特殊なのかもしれませんが、個人的にはかなり微妙でした。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 7/10
作画わかりやすくなったな。
OP微妙すぎる...。酷い、なんだこれ...
サビが微妙だったらミュートしてたかもしれない。
個性的ってレベルじゃないなw
削り取られたような(直球)
やっぱり一期の最終回のじじい正論だったじゃん
エルマちょろすぎるw
えw 謎展開。
ED一瞬ブレンドSかと思った。
いや、EDもかなり微妙だなぁ。

2話 8/10
謎展開すぎるw ちょっときつい。
いや、ドラゴン相手に何でそう簡単に逃げられる。
シャフト感ある演出。

3話 7/10
メイド服似合ってねえ。 謎に一期OP

4話 6/10
人柱かよ
何か2期シリアスよりになってる気がする
真面目な話とか本当に要らない。
ただ雰囲気壊してるだけで、シリアス展開全然いい話でもないし。
私服あってねえ。
遊園地は1話かけてやってほしかった。 

5話 6/10
トールが人間を見下してるところ見ても面白い風に感じない。
シリアスつまんねえ。
ほんとイキってるトール見ても面白く感じんわ。
コメディアニメなのにここぞとばかりに作画を見せつけてくる京アニの癖嫌い。
カンナが出てくれるだけでめっちゃ面白く感じる。
男との絡み面白い。
駄菓子パートはめっちゃ面白かった。
トールとイルマの過去話いらない。 

6話 5/10
どこから出てきたんだあの謎カメラ。
ほんとにつまらないシリアス多いなぁ。
才川のノリは正直きつい。
それでもカンナパートはやっぱりいい。

7話 8/10
バズるとかいう言葉使う小学生嫌だなw
やっぱメイドラの面白さの7割はカンナだな。

8話 4/10
こんなシリアス方向に走るアニメだったっけこれ。
何で住所もらえるんだよw 前半も後半もコメディ要素がすくないなぁ。
しかもそんないい話だとは思えない。

9話 5/10
今回は面白そう。結局この会社はブラックなのかよw
え、会社の話あれで終わり?
小学生が一人でレンタルってレベル高いなw
翔太君千里眼防げるの強い
いや、翔太君そんな魔法沢山使えるんかよw
???戦闘いらねえよ。
何で今更元の世界に帰るとかそういう話。
普通に仲良くしてるじゃん。
京アニほんと嫌いだわ。
変な描写無理やり挟んで作画見せつけたり「俺らイカしてるだろ??」感出してくるの、OPもそんな感じがしてきつい。
前半めっちゃ面白かったのに後半で冷めたわ。

10話 10/10
日本円分かってくれるのかw
金髪の子また登場してくれないかなぁ。
こういう話でいいんだよ。 

11話 6/10
意味わからん会話だなw
なんで父と仲良くなってるの?
このおっさん何しにきたんだ、ほんといらんわ。
カンナはかわいい。

12話 6/10
イルルと駄菓子屋の人の絡みもっと増やしてほしかったなぁ。
この大団円パート好き。
2期と違って1期のOPはいいな。
{/netabare}

曲20段階評価
OP「愛のシュプリーム!」1.5/10
ED「めいど・うぃず・どらごんず♡」4/10 
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
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