家族で文化庁メディア芸術祭なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの家族で文化庁メディア芸術祭な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番の家族で文化庁メディア芸術祭なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.3 1 家族で文化庁メディア芸術祭なアニメランキング1位
東京マグニチュード8.0(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2691)
13810人が棚に入れました
中学1年生の小野沢未来は弟の悠貴のお守りとして一緒に東京のお台場へロボット展を見に来ていた。その最中、東京にM8.0の海溝型大地震が発生、連絡橋は崩壊し、東京タワーが倒壊するなど、東京は大きな被害を受ける。
未来と悠貴はお台場で出会ったバイク便ライダー日下部真理の力を借りて世田谷の自宅へ帰ろうとする。

声優・キャラクター
花村怜美、小林由美子、甲斐田裕子、喜多村英梨、豊崎愛生、高平成美、遠藤綾、沢城みゆき、野中藍、中博史、井上喜久子、滝川クリステル
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綿密な取材によるリアリティとヒューマンドラマ

オリジナルアニメーション。

主人公は中学生1年生の小野沢未来(おのざわみらい)。
彼女は弟の悠貴(ゆうき)と一緒に、お台場へロボット展を見に来ていた。
その時、マグニチュード8.0の首都直下型地震が発生する。

綿密な取材の元、リアルな地震災害を描きつつも、主人公の「成長」にも焦点を当てたヒューマンドラマ。
どこにでもいそうな家族、どこにでもいそうな姉と弟、そんな環境が一変したらどうなるのか……。


実際に地震発生時に起こりうる出来事をしっかりと描いています。

・人災
・二次災害
・救助活動
・危機管理の方法

地震対策の勉強になります。
そのまま教材に使えそうな場面も多々ありました。


なお、未来の一人称視点で物語が進みます。
そのため、「危機一髪!」といった状況が多くなるのは仕方ありません。
群像劇にすればその辺をもっとリアルに描けたとは思います。
しかし、逆に、11話という短さでヒューマンドラマを構築するのは難しくなります。
人間ドラマと、地震への啓発を両立させるには、妥当な落としどころだったと思います。

そして、オリジナルアニメーションならではの、計算されたストーリー構成。
終盤の展開は賛否両論あると思いますが、私は良い終わり方だったと思います。
客観的な視点で見ていたのに、一気に感情移入させられ、どっと涙があふれてきました。
{netabare}
・現実の無慈悲さ
・別れの重さ
・復興への希望

そういったメッセージを描きつつも物語を締めるには、こういう展開も十分にありでしょう。

しかも、状況が状況、必ずしも作り話とは言えません。
未来の精神状況を考えると、幻覚や幻聴だって、起こりうる事なんです。
未来が悠貴に対して精神的に依存していたならなおさらです。
{/netabare}

東日本大震災以来、地震に対する意識というのは高まっていると思います。
2009年の放送当時より、なおのことメッセージ性が大きくなっているでしょう。

放送当時でも、深夜アニメにしては異例の視聴率5.8%を記録するほどのクオリティです。
見応えは十分です。

テーマがテーマですので、「楽しむ」のではなく、「入り込む」作品。
舞台は東京ですが、どこに住んでいても通用する内容です。
泣けるし勉強にもなる作品。

どんな人におすすめかと聞かれたら、「地震に興味がある人、全員」と答えます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 91
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

生々しい衝撃

<2020/6/1 追記>
明日の深夜、フジテレビで総集編放送するそうです。
6/3(水)1:55〜3:55の2時間
CSBSでもなかなかやってくれない作品なので興味のある方は是非どうぞ。
(ただし、東日本大震災などて被災された方は、ご視聴ご注意ください)

<2017/11/21初投稿です>
もう8年前の作品なんですね。
当時ノイタミナでリアタイで観ました。

専門家を招いての緻密なシミュレーションを元に作り上げたそうです。
テーマは「もし関東にマグニチュード8.0規模の大地震が来たら」

夏休みにお台場に遊びに来た中学生の主人公と小学生の弟。
科学館で災害救助ロボットの展示を見ている時に二人は大地震に見舞われます。
周囲の建物は壊れ、交通網は遮断され、二人は30km離れた練馬の自宅まで歩いて帰ることに・・・。

物語は比較的淡々と進んでいきます。
リアルは地味なのです。
それなのにどんどん引き込まれていきます。
SF的な要素、破天荒な要素はありません。
地震の怖さと息苦しくなるような不安がじんわりと伝わってきます。
そして(重いネタバレです){netabare}実は弟が・・・という衝撃的な{/netabare}ラストを迎えます。
呆然となりながら、背筋が寒くなったのを覚えています。

さらにそして。
今思うとその翌々年に発生した東日本大地震。
その時の東京がまんまこんな感じでした。
交通網はストップし、歩いて帰ろうとする人でごった返し。
都内の高校などが帰宅難民の休憩所として解放され。
マグニチュード8.0と同じ光景。

震災の恐怖とインパクトが強すぎる作品。
間違いなく名作です。
ですが、東日本大地震で被害を受けた方には視聴お勧めできません。
災害の種類は違えど、です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55

suggest@休止 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

地震大国に生まれた私たちだから観るべき作品!

思春期まっさかりの中学生の姉と出来のいい弟の2人が物語の中心です。もうこれだけで嫌な予感しかしないですよね(^^)

最初見始めてお姉ちゃんがなーんか好きになれませんでした。
でもそんなお姉ちゃんの成長も垣間見れます。




タイトルに地震大国うんぬん書きましたが、そうでない国の方達にも見て欲しい作品です。
テーマが『地震』という大きいものだけど、それに負けないストーリー性をもっています!1クールでよくまとめられていて良かった。


表現がむずかしいけど、序盤は少し嫌な気持ちの涙がでそうだった。でも最後は綺麗な涙を流してました!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54

72.5 2 家族で文化庁メディア芸術祭なアニメランキング2位
泣きたい私は猫をかぶる(アニメ映画)

2020年6月5日
★★★★☆ 3.7 (135)
647人が棚に入れました
見つけた、君に会える魔法――自由奔放、ちょっと変わった中学2年生、笹木美代(ささき・みよ)。クラスメイトから「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれ、学校でも家でもいつも明るく元気いっぱい。ムゲ熱烈に想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)に毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。大好きな日之出のそばにいられる唯一の方法、それは猫になって会いにいくこと。≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには日之出に近づける日々。猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになっていく。このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――「猫」の世界を通して繰り広げられる、私をみつける青春ファンタジー。

声優・キャラクター
志田未来、花江夏樹、寿美菜子、小野賢章、千葉進歩、川澄綾子、大原さやか、浪川大輔、小木博明、山寺宏一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

やっぱり猫が好き

佐藤順一監督、脚本岡田磨里。
スタジオコロリド制作。

夏の縁日、少女夜行、
新しい家庭環境に折り合いを付け生きる少女。
夜の祭りで迷い込んだ不思議な猫の世界、
{netabare}少女は猫の世界から好きな少年を見つめる。{/netabare}
少年もまた現実に折り合いを付け生きていた。

決して不幸せではない。
かといって幸せでもない。

どこにでもいる少年少女の日常。
{netabare}きっと2人は人から愛されることの、
イメージが持てないでいるのだ。
些細な日常の中で気付かない些細なこと、
愛することより愛されていること、{/netabare}
とても共感の持てる小さな物語である。

表現したい想いがある。
でも表現の仕方がわからない。

私が私でいられる時間は必要で、
ビタミンやミネラルはそこで補給され、
私と私が歩む人生との整合性が保たれる。
子供だってそうやって生きている。

高度に複雑化した関係性の中で、
私を支え導く大切な人々への、
眼差しが優しい素敵な心象風景である。

きっと、永遠は見つかる。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

見つけた、君に会える魔法…

サトジュンと岡田麿里さんがタッグを組んだオリジナルアニメ…
と聞けば気になりますよね。

ですが、私にとって結果的にラッキーでしたが、劇場での視聴を楽しみにしていた方には残念だったのではないでしょうか。
コロナウィルスの影響により、前売券の発売延期、公開日の延期…
そして劇場公開せずNETFLIXでの配信に変更されたからです。
私はNETFLIXに入会しているので視聴できましたが、多くの方々が入会している訳では無いと思うので…


私はあなたの力になりたい。好きって言われたい…

笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。
空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」という
あだ名で呼ばれている。
しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ
毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。
めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。

それは、猫の姿になって 大好きな日之出に会いにいくこと。

実はムゲは、ある夏祭りの夜お面屋にいた猫の店主から、「かぶると猫へと姿を変えることができる」という
不思議なお面をもらって以来、猫・太郎として日之出の家に通っていたのだ。
普段はクールに振舞う日之出だが、太郎にだけは素直な気持ちを打ち明けることができ、
いつしか太郎は日之出の支えになっていた。
≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには近づけるふたりの関係。
ムゲもまた、猫でいれば周囲との関係に悩むことない自由さを知り、次第に心地よさを覚えていく。

猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになるムゲ。
ある日、再び現れた猫店主から、猫の“お面”とムゲの“顔”を交換し、
≪人間≫を捨て≪猫≫として生きるよう迫られる・・・

このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――
自分が誰に支えられているのか。大切なものに気がつくとき、二人の世界が変わり始める。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

始まって直ぐ、サトジュンワールドにジブリ感がプラスされた感じがしました。
ネコと摩訶不思議な空間との組み合わせは、まさにARIAそのものです。
それに「千と千尋の神隠し」の世界観が雰囲気を助長してくれている感じ…
もう期待感が右肩上がりです。

気になるあの人は今、何をしているんだろうか…?
誰でも一度は気にしたことのあるシチュエーションだと思います。
勿論、自分では会いに行けないし、仮に会ったとしても教えて貰えないかもしれません。
そもそも、会いに行くための口実がなかったり、嫌われたくないからあと一歩が踏み出せず躊躇してしまう…

青春のど真ん中って感じが羨ましくもありますけれど…

でも、それが「自分とは全く違う何か」でなら、見せて貰えるかもしれない…
見てどうするか…それはきっと実際に見てみなきゃ分からないと思いますが、この作品の根底にはそんな「もしもワールド」が息づいていました。

この作品で秀逸だと思ったのは人との関わり方です。
最初は、ムゲが日之出の力になりたいと思い動き出しますが、人との関係性ってそんな一方的じゃないんですよね。

お互いが支え、支えられている…
何かをしてあげたいという気持ちは交錯する…
そんな心情が巧みに描かれているんです。

そして物語を彩る主題歌 ヨルシカさんの「花に亡霊」も抜群だったと思います。

作画も綺麗、キャラはしっかり動くし背景も繊細且つ緻密で申し分無しでした。
日本のアニメーションの素晴らしさが感じられる作品だったのではないでしょうか。
私はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

既視感がある猫物語

絵柄が幼いので、あまり期待せずに観ました。
しかし、巧みな物語構成に徐々に夢中に。
それは各キャラの背景が描かれていたからかな。
人猫関係が有機的に結合し、クライマックスへなだれ込む。
見応えがありました。

恋愛ファンタジーストーリー。
破天荒な女の子ムゲはちょっとクールな日之出が好き。
でも、日之出はムゲのアタックをむげに断る。
だから、ムゲは猫に変身し、日之出に会いに行く。
しかし、ムゲはデブ猫の陰謀にハマり・・・という感じの物語。

私のもっとも好きなのは{netabare}エンドロールの映像です。
暖かい余韻に浸れて清々しい。
日之出のお姉ちゃんが可愛そうとか。
ヨリちゃんの照れ顔が可愛いとか。
本筋と関係ないところが楽しいです。{/netabare}

ムゲの声は志田未来さん。
本業ではないけど、役に合っていたと思います。
並みいる声優陣に引けを取りません。
こっちの世界でも十分やっていけるでしょう。

背景は常滑に似ているなあと思ったら本当に常滑でした。
遠い昔に同級生の実家へ遊びに行った街。
狭い路地を上った先は・・・「猫の森?」
谷山浩子好きの同級生のことを思い出しました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

78.8 3 家族で文化庁メディア芸術祭なアニメランキング3位
ヴィンランド・サガ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (418)
1626人が棚に入れました
千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。最強と謳われた戦士の息子トルフィンは、幼くして戦場を生き場所とし、幻の大陸"ヴィンランド"を目指す――激動の時代で巻き起こる、本当の戦士の物語(サガ)。

声優・キャラクター
石上静香、上村祐翔、松田健一郎、内田直哉、小野賢章、大塚明夫、安元洋貴
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

人生の地図を描くこと

原作幸村誠、WIT STUDIO制作。

風は雄弁に語り、鳥と戯れ、
ロングシップは新天地を求め航海を続ける、
彼の地の名はヴィンランド。

10世紀を前後して、
西欧諸国を恐怖に陥れたヴァイキングですが、
スカンジナビア半島の単なる略奪者ではなく、
新天地や交易を求める商人であったと、
最新の文献では伝えているみたいだ。
永久凍土の大地では農耕に適さない、
家畜の生産性もきっと上がらない、
生きるための必然的選択であったのでしょう。

Aimer、miletの楽曲が静かに心に響く。
壮大な歴史活劇に思いを寄せますね。

17話視聴追記。
{netabare}善悪を超えた場所に戦士としての矜持がある。
まずもって描くべきはその執念であろう。{/netabare}
まとめて観ると物語の見通しが良くなり、
感じることも増えて来ました。

最終話視聴追記。
怒涛の後半戦、お見事。
歴史大河は単話ごとでは評価できない。
{netabare}主人公の復讐劇としては説得力がないが、
アシェラッドの復讐劇、クヌートの変貌が、
序盤の目玉とすれば評価は上がりますね。{/netabare}

命を賭すまで人を動かすものとは、
そして私にはそれがあるのだろうか。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

2019年秋期マイベスト

原作未読 ※大作。まだ完結してないらしい


NHKでやる以上きっちり進行してくれそう。万策尽きるのを許されなさそう、と勝手に期待してます。
漫画原作。西暦1000年近辺のデーン人(北方ゲルマン人)をメインキャストとしてイングランド侵攻などを描いた歴史ファンタジー全24話。
北欧だからといって神話を絡めた異能バトルが展開されるということもなく、実在の人物や地名を登場させながら史実に寄せつつも創作に舵を切った物語です。

録り溜めていたのを観るにあたって最終話のサブタイが目に入ってきました。

{netabare}『END OF THE PROLOGUE』{/netabare}

心構えができたのでむしろ有り難かったです。

剣はあるが魔法は無い。神々が降臨することも妖精の力を借りることも萌え萌えきゅんもありません。


  歴史フィクション


『アンゴルモア 元寇合戦記』が近いかな。また『キングダム』『蒼天航路』『横山三国志』。男の子が好きそうな系譜です。あまり見かけない路線なのでせっかくなので堪能したい。
“サーガ”って中世アイスランドで成立した古ノルド語による散文作品群の総称らしいですね。こうした発見も面白い。

土地名、人物、年代やイベント。まっさらで臨むのも楽しい。
歴史にまつわる各人の知識との照らし合わせ作業も楽しい。この時代についてはせいぜい

【ふわっとイメージ】
・イングランド地方にヴァイキングが立てた王朝あったよな
・フランク王国ってまだあったっけ?
・ノルマンコンクエストってこの時期だったような

十字軍がイスラム世界からいろいろ持ってくるまで。大航海時代で富をヨーロッパに持ってくるまで。ヨーロッパ地域は地球儀見回しても後進地域。蛮族らが荒ぶってるイメージでした。アニメ作中で答え合わせしてもおおむねイメージ通りです。

【Wiki調べ】
・1016年デンマーク王クヌートによるデーン朝成立
・1066年ノルマンコンクエスト ※混み入るので各自調べて!
・フランク王国は9世紀には滅亡してたみたい


ん?クヌート?それは置いときます。
日本では紫式部が『源氏物語』、清少納言が『枕草子』を描きあげてる頃です。
世界史は縦と横で読み解くと面白いですが脱線が止まらなくなるためアニメに戻ります。



ほぼ馴染みのない時代とエリア。ふわっとした知識背景はあるもののほとんど知りません。

 まっさらで臨むのも楽しい

結果、めっちゃ楽しんでました。歴史ものが好きなら迷わず行けよ!
アニメ的にどうこうは他の方に譲りますが、一言で片付けると


 {netabare}濃ゆい{/netabare}


以上です。

後期OP「Dark Crow」イントロのバグパイプはとってつけた感ありだがMAN WITH A MISSIONはやはりかっこいい。
前期ED「Torches」Aimerさん好き。



2クール長丁場と思いきや、あくまでプロローグ。これで続編なければ詐欺ですよ。
最後に魅力と感じた点について触れておきます。


■死に方

濃い物語ではあるが深いのか浅いのか測りかねてることがひとつあります。

※ネタバレ閉じます

{netabare}トールズ(CV松田健一郎)とアシェラッド(CV内田直哉)の二人の男の死に様がよい。
「本当の戦士に剣などいらぬ」何故? 答えは私にもわかりませんが高潔な志は伝わってきます。
「母の地ウェールズ」執着なり生きる意味を故郷ウェールズに見出してます。
二人とも譲れないものがあって守りたいものがあります。

無駄死にはしません。譲れないものを守るための最善の策を導き出し即座に死ぬ覚悟を決めます。
トールズはアシェラッドに。
アシェラッドはクヌートに。
後続に託すに足る人物を見定め信頼します。トールズにとってアシェラッドは敵ですよ。数回のつばぜり合いと短い会話で相手の本質と意図を見極めてるから託せるのです。そして、アシェラッドが顔を見れば器が分かるとしたのは伏線です。クヌートの人相の変化をもって臣下として殉ずる覚悟をだいぶ前から持ってたのでしょう。

 常在戦場

ですね。二人とも守りたいものを守ることができました。{/netabare}


さてそうなると、釈然としないことがひとつ生じます。


■トルフィン(CV上村祐翔)

{netabare}“本当の戦士は剣を持たない”
この父トールズの教えを省みるシーンがただひとつもない。24話終わって未だ復讐の虜囚である。{/netabare}

{netabare}まだプロローグということで不問にしてますが、いつか向き合う日がやってくるんでしょうか?
最初の村でトールズは素手で短剣を握り血まみれになりながらトルフィンを諭そうとしましたが受け止めきれてなさそうでした。その短剣は父の形見として所持しつつも、父の教えが回想としても流れる場面はありませんでした。
命のやり取りをしたアシェラッドはトールズの意図を深い部分で理解してても不思議ではありませんし、トルフィンをあしらいながら、「お前、親父の気持ちわかってやれよ」の気持ちで接していそうな節もありましたが、明示するシーンはありませんでした。

『復讐からはなにも生まない。剣で生命を奪うのは戦士の務めに非ず。生かすんだ!』

みたいなありきたりでしょぼい結論にならないでほしいと思います。{/netabare}


1.{netabare}そもそも荷に隠れて航海についてきてしっかり足手纏いになった自覚ないだろう{/netabare}

2.{netabare}父をヘタレ戦士でないと確かめたくて戦場についてきたわけで前日夜の父の説教ガン無視じゃん{/netabare}

3.{netabare}青年期に至る長い期間で少しは考えなかったのかなぁ。彼を助けた母娘の悲劇とかに何も感じなかったのだろうか{/netabare}


今のところ致命的にオツムが不自由な男の子にしか思えないわけですが、それも自分が平和ボケして現代の感覚で彼を見てるか答えは出てません。
そしてしっかりサーガしてます。2期があるならきっと観ることでしょう。


占領した地での略奪・虐殺。そしてレ○プは常であったであろう時代の話。
直接描写は控えめなものの、エロとグロの後者の雰囲気は充分伝わってきました。前者はさすがにNHKじゃ無理だったのかもで皆無です。

下手に現代の価値観に寄せなくて成功した例ではないでしょうか。
おそらく原作がそうなんだと思います。
マイナーエリアのマイナー年代を題材にした良作です。



※オマケ

これくらいのキリスト教イジリは海外でもウケそうだが実際どうなんだ?



視聴時期:2019年7月~2019年12月   

------


2020.02.08 初稿
2020.02.27 タイトル修正
2020.07.19 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 58
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

生きる意味

アニメーション制作:WIT STUDIO、
監督:籔田修平、シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
脚本:猪原健太、キャラクターデザイン:阿比留隆彦、
音楽:やまだ豊、原作:幸村誠

高校生のときに夢中になって
想像力を膨らませたのが世界史だった。
200万年前に誕生したヒトの元祖ともいえる猿人。
やがて、直接の祖先であるホモサピエンスが誕生し、
文明が生まれると、長い戦いの歴史が始まる。

私がいちばん魅かれたのは、
ゲルマン民族の大移動だった。
世界史における一大起点ともいえる出来事は、
ヨーロッパ中を席巻し、海岸に辿り着いた一派は
ヴァイキングとなって海を渡り、
アイスランドやグリーンランドに居を構え、
やがてはアメリカ大陸にも足を踏み入れた。
それはコロンブスがアメリカ大陸を発見した時代より
500年も前のことだった。
私は壮大なロマンに思いを馳せ、
このリアルな物語に夢中になった。

『グリーンランド人のサガ』と
『赤毛のエイリークのサガ』の2編の物語。
その総称である『ヴィンランド・サガ』については、
あらましだけは知っていた。
それを『プラネテス』の作者・幸村誠が漫画化し、
連載していることは、頭の片隅にはあったが、
色々な事情からまだ手に取ったことがなく、
アニメ化されるのは嬉しかった。

10世紀に実在したとされる
ソルフィン・ソルザリンが主人公トルフィンのモデル。
{netabare}レイフ・エリクソン、のっぽのトルケル、
スヴェン王、クヌート王などの
実在の人物たちが登場する。
そこにアーサー王の子孫という
架空の人物であるアシェラッドなどを加え、
壮大な歴史ロマンを紡いでいく。{/netabare}

物語の核となるのは、トルフィンの父・
トールズが説いた「本当の戦士」という言葉だろう。
「戦士に剣はいらない」というのが、トールズの境地。
それなら、一体戦士とは、どういう者なのか。
トルフィンは、本当の強さや戦士について、
長い旅のなかで考え続けることになる。

掠奪を繰り返すヴァイキングと行動をともにすることで、
多くの人々を殺めるトルフィン。
{netabare}デンマーク・スヴェン王の息子である
クヌートと出会い、国を統べることを通して
大切なことを学んでいくのだろうか。{/netabare}
24話を費やしたが、物語が今後どのように綴られるのかが、
まだ朧げにしか見えてこない。

トールズやアシェラッドは何のために生きたのか。
自らの想いや願いを別の誰かに託すことこそが
人の生きる意味なのだろうか。
(2020年4月12日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51

66.2 4 家族で文化庁メディア芸術祭なアニメランキング4位
アベノ橋魔法☆商店街(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (162)
879人が棚に入れました
『アベノ橋魔法☆商店街』(あべのばし まほう☆しょうてんがい)は、ガイナックスが制作したアニメ作品。
【ストーリー】夏休みのある日、大阪の下町、アベノ橋商店街に住むサッシと幼馴染のあるみ。
昔ながらの商店街は再開発で立退きの憂き目にあっており、風呂屋を営んでいたサッシの家も取り壊された。あるみ一家も北海道に引越しを考えてると聞き、愕然のサッシ。しかし頑固に反対するあるみの祖父。そんな中、二人はお互いの店に商店街の四方を護る四神獣が奉られていることを知る。
だがあるみの店のシンボルであり四神獣の最後の1つであった「ペリカン」が事故で壊れてしまう。いよいよ立ち退きが決まったその夜、奇怪な出来事が起こりはじめた。空を飛ぶドラゴン…そして、神社で体操していた人たちがキノコに…
必死で逃げるサッシとあるみ。だが、逃げる途中街は崩れていき、目の前には大きな城が建っていた。

声優・キャラクター
松岡由貴、サエキトモ、久川綾、小山力也、藤原啓治、青野武、金月真美、渡部猛、龍田直樹、氷上恭子、岡村明美、石井康嗣、小西克幸
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ある意味、ガイナックスの自主制作アニメw ~いまだ、バカやろう!~

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞作。パロディ系のドタバタギャグが中心。オムニバス形式。あのガイナックスが全力で遊んだ作品。様々な深みは感じられ、流石にガイナックスと思える「部分」もちらほら。

ただ、やはり子供向けのギャグが中心だから、その様なアニメが好きな方以外にはあまりオススメはできません。でも、1話は絶品です。何かで無料視聴のチャンスがあれば、1話だけでも観る価値はあるアニメだと思います。

※だって、文化庁メディア芸術祭ですが、「審査員全員が観たのは1話だけで、2話から作風が大きく変わるため、1話のみに対する授賞とした」と発表してますし。

なんじゃそりゃ? てか、そんな感じで賞決めてるの? あにこれでいうと、1話だけ観てベスト10に入れてる感じ? 私達(素人)ですら、基本的には全話観てるのに、、、(いや、私自身は途中切りも多い方だけど)。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品が批判されるとしたら、以下の2点でしょう。

① 1、7、13話以外のパロディ満載のドタバタコメディに飽きる。

② ラストの展開が納得いかない。

この2つに関して、実は繋がっていると思います。

この作品の舞台は「阿部野橋商店街」。昭和の古き良き雰囲気を残す商店街ですが、再開発により、とり壊しが決まっている商店街です。

そんな商店街を最後まで守ろうとするのが、ヒロイン「あるみ」の祖父である「雅じい」。

この作品において「雅じい」は「義理や人情など、昭和的な良さ」の象徴だと思います。

そんな雅じいの死をきっかけに、あるみ と サッシ は不思議な世界に旅立ちます。二人が巡るのは、サッシの心象世界、つまり「子供の妄想」の世界です。

それはどこか、「若かりし頃の」雅じいが自らの夢を具現化した「阿部野橋商店街」とかぶります。

沢山の世界を巡る中で、あるみは何度も「元の世界に戻ろう」と言います。「雅じい」も「昭和の良さは」も死んだ世界に。

それを拒否するサッシ。そして結末は、「雅じいも阿部野橋商店街もある世界の創造」という反則技。普通なら、現実を受け止めることでの、あるみ やサッシの成長を描くはずなんですよね。

ここに、メッセージ性を感じます。

それが「いまだ!バカ(を)やろう!」「いまだ!バカ野郎(でも良いじゃないか)!」というものです。

そこにはガイナックスの、「アニメって、いつからそんな高尚なものになったの?」という、現代の芸術的なアニメに対するアンチテーゼを感じます。アニメって本来(昭和の時代)、「子供達の」玩具、コミュニケーションツールだったはず。

1話目は、掛け値なしに良い出来でした。

あのまま、関西弁の楽しいテンポ、会話劇の中で人情話をやり、阿部野橋商店街の謎を解き明かしながら、商店街の再建(もしくは別れ)を丁寧に描いていれば、「誰もが」「称賛」するアニメになっていたと思います。そんなこと、(私ですら思うのだから)ガイナックスの面々が分からないわけありません。

あの(地味で芸術的な)1話目を作ったのは、「こんなんもつくる気になれば作れるで。まっ、つくらへんけどな」ていうガイナックスからのメッセージだと思いました(考えすぎかなw)。

アニメって、本来バカバカしいものだ。熱いものだ。楽しいものだ。な~~にが芸術だい! こちとら芸術なんてつくるつもりなんかないんじゃ、てやんでぇバカヤロウめぇ!

という、気概を感じた(妄想)。

そういう見方をすると、制作陣が子供の頃にハマっであろう(ちょい古めで)様々な創作物のパロディが散りばめられているのにも、何らかの意味はあるのかもしれない。(制作が趣味100%で、自分が好きだと思っているモノを、誰にも遠慮せず作っている感じが、ある意味で自主制作アニメって感じでした)

……あっ、そうそう。とはいえやっぱり(私もいい大人なので)あのギャグでは笑えなかったので、評価は3ですw 普通に、1話目の流れからの人情話が観たかったっす(称賛か批判かどっちだよ、というレビューですが)w
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

商業になりきる前のジャパニメーションと、世相を映す鏡。

いつの頃からかテレビは大多数が観る最大公約数を求めた宣伝媒体でありそれ以上でもそれ以下でもないと
割り切る人も多くなったかも知れません。全部が全部当て嵌まりはしませんが確かに増えた気はします。

テレビアニメにもその波は年々迫ってきています。

現在もアニメを見続けている人間なので、ロートルぶった“昔のアニメはもっと面白かった”なんてセリフは
虫酸が走るほど嫌いなのですが、そんな恐らく1980~2000年代あたりのアニメ好きたちが“ぼやく”のも、
気持ちがわからなくは無いのです。アニメの進化や歴史というのは考えているよりもずっと短いもので、
最古に近い物でも人間の寿命とさして変わらない程。それがここ50年程度で目まぐるしい発展を遂げてきました。

何かのレビューでアニメは世相を映す物だと表した気がします。時代ごとの流行りや廃りが顕著にあるのです。

まだ若く新しいコンテンツの業界に夢を抱き新雪を踏むような気持ちで開拓していったクリエイター達は、
車が宙を舞い機械が意思を持つ数十年先の未来に思いを馳せ科学の発展を夢想し虚構の世界へと描き写しました。
安定成長期を経てバブル期から崩壊後には時代と同じようにパワーある作品が数多く生まれることとなります。
急速に発展する世の中への不安や畏れ、社会問題やアニメで扱わなかった他ジャンルを取り入れていきます。

音楽を聞くとふと記憶が思い起こされる‥、なんて事があって、あの時あの場所で聞いた曲の数々。
時代を経て場所が変われど色がつき鮮明に思い出す景色、青春の淡い想い出、楽しかったこと悲しかったこと。
アニメにも同じような郷愁を感じることがあります。ファンタジーだろうとSFであろうと一つ一つが時代の空気や
時間そのものを閉じ込めた、映像という名のタイムカプセルのようなものです。

時代を切り取ったようなアニメーションは、今でも時代に思いを馳せ懐かしむことが出来る追憶の欠片(照れ)

本作の舞台は大阪の下町。アベノ橋商店街が再開発により取り壊されるという時代感にノスタルジーを感じながら
パラレルワールドを渡り歩き、とある人物の記憶によりタイムスリップのような不思議な出来事も起こります。

ムック本の「まんがアベノ橋魔法☆商店街~アベノの街に祈りを込めて~」にはテレビシリーズの資料等と、
キャラクター原案を担当している鶴田謙二さんの漫画「アベノ橋魔法☆商店街」が掲載されていました。
完結してないものの、本編のギャグとは逆のシリアスな雰囲気でアベノ橋の世界が広がるような感覚です。

元々はオリジナル脚本を赤井孝美が考案しており、それをベースにコメディとして作り変えたものでした。
各話ごとに作画監督にデザインや演出を全て任せアニメーターが全力で個性を発揮できる場として提供され、
GAINAXスタッフの特色を濃く反映したレイアウトや作画の癖が強く出ました。後にスタジオカラーが企画した
アニメーター見本市なんて近く、大学時代から彼らや彼らの意志を継ぐ人達がやりたいことは変わっていません。
制作する人間の青春期は十数年前に遡るわけで、自分たちの好きな事をやると自ずと古くなっていきます。
この頃にでも懐かしいと思ったパロディの数々は今観るとどう映るのかは興味があれば視聴なさって下さい。

現代のアニメーションには巨大資本の元、メディアミックスや宣伝効果を狙った広告塔のようなアニメも
数多く存在します。アニメの数自体は増えましたが、頭ひとつ抜けて面白いと感じるようなアニメは一握り。
それでも技術自体は日進月歩で、職人である日本の主力アニメーターもそう何度も代替わりはしていません。
予算の都合や制作ペースは有りますが、昔のアニメに劣っている部分なんて探すほうが難しいと思っています。

アニメーションは世相を映すものだからこそ、閉塞気味な時代に不満を感じるし面白くないと辟易している。
青春にあった何かを切り拓くような力を感じるアニメと違い、現代の行き詰まった世間に癒やしや余裕を求め
消費することに慣れたコンテンツに変わった事が過去と比べ不満に思っている点の一つなんだと感じるのです。

レビュータイトルで商業になりきる前のアニメだと言っていますが、これは良い意味だけでは言ってません。
レオタードのようなピッチリスーツに身を包んだSFや、マスキュリズムを感じるラブコメディーに、
内輪ネタで盛り上がるマニアックな物だけを詰め込んだ作品。愚直にそれだけを続けていたのではアニメは
ここまで巨大なコンテンツになりませんでした。悪かったとは言わないし今の業界にも引き継がれている。

今まさに時代を切り取り進化を続けてるアニメーションはスタートから何も変わってはいないのでしょう。
変わったのは好きだった頃に比べて「今の時代そのものを好きでいられているか」それだけだと思うのです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

商店街、それは夢と希望が溢れていた場所

(2014.2/27)

昨今、シャッター街と化しつつある商店街ですが昔は行けば近場でほぼ何でも買えてしまう。
大人にとっては食品や雑貨などがある便利な場所、子供にとってはプラモデルなどのおもちゃのある夢の場所だったんだろうな。

そんな商店街ならではの人情と哀愁を「アベノ橋魔法☆商店街」で感じてみてはいかがでしょうか?

また、大阪弁で進められる会話のテンポの良さと間と1クールという短い作品なのですんなり観る事ができると思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10
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