幽霊で小学生なおすすめアニメランキング 10

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月08日の時点で一番の幽霊で小学生なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

82.0 1 幽霊で小学生なアニメランキング1位
ふらいんぐうぃっち(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1292)
5950人が棚に入れました
青森の親戚の家で居候をすることになった15歳の魔女・真琴と、彼女を取り巻く少年少女の日常をコミカルに描く物語。

声優・キャラクター
篠田みなみ、鈴木絵理、菅原慎介、葵井歌菜、三上枝織、日野まり、井口裕香、佐倉綾音、茅野愛衣、小澤亜李
ネタバレ

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

日常×魔女アニメ 安定の面白さと、和む、癒される感じ[毎話実況レビュー2作目]

2016年春アニメ
2015年の幸腹グラフィティに引き続き今期の毎話レビュー枠
ということで、更新していきたいと思います。

はいふりか、くまみこか、この作品と、どれ見よう~
って悩んでて、好きな声優のみかしー(三上詩織さん)が出ていたので
それで視聴を決めましたw

日常ものの雰囲気がありますが、主人公の子は魔女なので
何かあるかもしれません。
シュールな笑いが起こるシーンも多く、面白いです。


第一話 6年振りの不思議
{netabare}主人公は魔女の真琴、青森に帰って来たところから話はスタート。
真琴の同級生の圭の声が棒って言われてるけど、何か感じがあっていいと思うけどなぁ。。
顔のデザインは作品にあった優しい感じ(-∀-)

真琴は高校生だったみたいで、学校に通いだします。
始業式、そこで、重大発言。

「東北地方は結構魔女多いんですよ」

何とwww
一話で2個ある見所の一つ目でした。

見所の2つ目はですね、
あの真琴がほうきにまたがって、飛ぶシーン…の、
それを目撃して目が死んでる千夏ちゃん。
1話目イチ笑ったシーンですw
こんなとこで飛んでいると他の人にも
見られてそうですが。。(´・_・

まぁでも
千夏ちゃんのおかげでこの作品が成り立ってると言っても
過言じゃないほど、千夏ちゃんは重要な子です。
冒頭での、真琴を頭イっちゃってるやばい人と勘違いするとこも
笑えますw

とまぁ、20分弱見た感想としては、
静かなようで、賑やかなようで、微妙にジブリ感のする作品でした。

EDはmiwaさんが担当で、アニメでは銀の匙以来の出会いです。

2話以降も期待したいと思います。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●●○



第二話 魔女への訪問者
{netabare}またシュールな絵から始まりましたw(何か降りてきた…)
一話でmiwaさんがED担当だと書きましたが、すみません、
OP担当だったみたいです。

マスコットキャラのたか丸くんが登場。

前半は春の訪れの話で、さっき書いた、何か降りてきた人物が
春を運ぶ運び屋さんだったようです。
……(´・_・`)ちょっと見た目が怖いなぁ
千夏ちゃんが怖がるのも分かる。
悪い人に見えるけど、根はすごくいい人でした。
ウチにも春をありがとうございます_(._.)_ 

後半はふきのとう(ばっけ)を道端で採って、家で揚げて食べる話。
作画陣の作り込みの意欲がにじみ出てました笑
ふきのとうの揚がった姿がすごく美味しそうで、
それを真琴がすごく美味しそうに食べるので、
何か食べたくなる衝動に駆られました

でも、実際は結構苦いらしいし。。
千夏たんも顔で嫌がってましたねw

EDもいい感じで今日も平和に鑑賞しました。
ほのぼの枠に入りそう。
20分見て思いましたが、今回の話のタイトルは
「春の訪れ」の方がしっくりくると思うのです。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●○○



第三話 畑講座と魔術講座
{netabare}このアニメは前半と後半に話が分かれるのかな。
今回は新キャラ登場回です。(要必見(・ω・!)

前半は魔女としての格を上げるため、真琴が畑仕事に挑戦します。
草ボーボーの状態から肥料をまいて、耕して……。
平和な時間が流れておりました。
……奴が現れるまでは、、

奴はすばしっこく、挑戦的な視線をふっかけてくる奴です。
とんねるずのみなさんの……でたまに使われるネタ
「こいよ~」
が脳裏を過ぎって一人でウケてました笑
前半のまとめは「みんな似たもの同士」、これに尽きます。

後半は千夏ちゃん「未知との遭遇」第二回!!
ということでターバンぐるぐる巻きの謎の女性が倉本家にやってきます!

あの千夏ちゃんの目が点になる表情が好きなんですよね
今後もそういう場面あるのでしょうか。。

ターバンぐるぐる巻き女の正体は、世界を放浪してる真琴の姉、茜でした。
なんでも、魔女界では有名な御方だそうで、
気さくな感じで千夏たんともすぐに打ち解けてました。
サーヴァント…じゃない、お付きの猫たちの会話も聞けますw

茜は真琴に簡単な魔法を一個教えてすぐに帰ってしまいます。
成長確認と、たまには魔法使えよっ!って言いにきたのでしょうね。
やらないと腕がなまってしまうのは僕達人間と同じみたいです。

と、以上ここまで、3話について書きましたが
今回も相変わらず平和で見ていて和んだ、しかしみかしー要素が
足りない一話となりました。
次回はみかしー(が演じてる子)の出番期待してます{/netabare}

満足度:●●●●●●●●●○



第四話 桜の中の占い師
毎回レビューの前にタイトルを書いていて、題名からも平和なアニメだな-って感じが最近しています。
{netabare}と、いうことで。 きました4話!

祭りに圭と千夏ちゃんと真琴の三人で行くシーンから話は始まりますが
今回は祭りがメインじゃないです。
祭りの部分では、圭君の以外な弱点を楽しみましょう?
「(ぐぬぬ…) 圭め……。さらっと真琴の肩に手を……羨ましいッ」

さて、ふらいんぐうぃっちは今までではですね、
1話の中で、一応前半後半の区切りがあったのですが、
今回の4話目は全体で話一話として成り立っています。

真琴の姉茜に因縁?を持つ魔女犬飼との出会いですね。

今回は今まで、というか、今年アニメの中で一笑った回でしたww

ー一年前ー
茜と祭りで飲んだ夜、ひょんなことから人間犬化してしまった犬飼。
果たして彼女は無事、人間の姿に戻ることができるのでしょうか!?

これが主題ですね。
今回は千夏ちゃん「未知との遭遇」!!って感じじゃなかったです(^_^;
あのOPで「何だこのキャラ……?」と思わせられていた
謎が解けてちょっとすっきりしたです。

でも、夜には普通の人間の姿に戻れるんですね。
日中はほぼ黒タイツ状態って……それもそれで酷ですが。。

犬飼さんは超絶美人なので最後まで必見ですよ~!

ということで4話の感想は短いですがここまで。

ふらいんぐうぃっち可愛い番付に有力者がエントリーしましたね笑
真琴、千夏ちゃん、茜、そして犬飼(人間ver){/netabare}

満足度:●●●●●●●●○○



第五話 使い魔の活用法
{netabare}2クールじゃなければもうすぐ半分になりますね。

というわけで5話です。
使い魔の活用法、とタイトルはなっていますが
今回はタイトル離れというか、内容はものすごく平和でした。

真琴の使い魔の真っ黒ネコの「チト」回です(*^_^*)

前半はチトが散歩しながら街のスポットを探す話、
後半はそれをもとに真琴と散歩する話。

前半はチトのことが気になった千夏ちゃんが
チトを尾行するんですが、どのシーンが後半の伏線になるのか、
見ていただきたいですね。

…………書く事が、、ない。

うん、そんなわけで5話は散歩回でした。
真琴が可愛い回でもありました~{/netabare}

満足度:●●●●●●○○○○



第六話 おかしなおかし
{netabare}今回の6話は簡単にいうと「千夏ちゃんが魔女の弟子入り」
をする回です。
魔女たちの間で有名な謎のほうきあるあるに始まり
かっこいい、可愛い魔女になりたい!と言い出した千夏。

じゃあ簡単な魔法からやってみようってことで始めたのは
「お菓子に魔法をかけて遊ぶ」って魔法。

これで千夏と真琴が茜の罠にまんまと引っかかるっていう……笑
効果が反対だったら良かったのに。。

と思いつつ見ていた6話でした。
……それにしても圭って魔術に興味ないのかな……
3人が魔法使ってるときも無視してDVD見始めたし。

魔女になってから何をしてもいいってのは平和な設定ですね。{/netabare}

満足度:●●●●●●○○○○



第七話 喫茶コンクルシオ
{netabare}第七話は喫茶店に行く話がメインかと思ったら
尺的に前半の山菜採りの方がメインっぽいようです。

今回はなお(みかしー)が台詞多くて良かった。
みんなで山菜採り、木々が綺麗で小川のせせらぎが心地よい、
自然を堪能できた回でしたね。

茜昼間からビールと山菜の天ぷらで、もうおっさんですww

喫茶コンクルシオはOPの最後に出てくるアレですね。
もしかしたら現実にもあんな店ありそうなって感じが。
皆さんも廃墟を見つけた際は「二礼二拍一礼」を実戦してみてはどうでしょう。
p.s. 新キャラが登場しました。{/netabare}

満足度:●●●●●●●○○○



第八話 常連の鳴き声
{netabare}今週は新しい子が登場、
椎名杏子ちゃんとそのお母さんです。
杏子ちゃんお母さんとそっくりで可愛い(*´`)
声優は井口裕香さんかなぁと思って見ていたら最後のEDで
井口裕香と書いてあったので「よしッ!」正解でした(^_^;

8話目は喫茶店のおはなしです。
コンクルシオは200年も続くあちらの世界の皆さんの交流の場なんだと。

そんなわけで人間以外にも、いろいろな人がやってきます。

カップルのてんとう虫とか (お母さん虫と会話できるってすごいw)
夜のとばりさんとか (ハンドルネームみたいで笑ったw)
狐……狐。 (こいつが今回のオチをすべて持っていった笑)

そんないろいろなお方が来店する一見カオスそうな店だけど
流れてる雰囲気はまったり。
彼らから代金は頂かす、周りの害虫駆除等をしてもらってるそうです。

今日は一番満足できた回でした。

ED後のCパートは今回はちょっと長く
茜が魔法の実験で面白いことをやっています。

キーワードは「ベトナム」と「水墨画」。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●●●



第九話 明日の明日は今にある
{netabare}始まりはお母さんの絵本から。
お母さんはプロの漫画家で千夏ちゃんはその絵本をチェックしています。

お母さん「きつねさんがコンコン……」

千夏「お母さん、きつねはワンって鳴くんだよ」

…千夏ちゃん先週のあれをひきずって・・笑

(追記)
→コメントを頂きました。
先週のアレは犬ではなく、やっぱり狐であって
狐の鳴き声は犬に似ているんだよ、ということを伝えたかった。
そう考えると、僕は狐の鳴き声は知らないので
こんこんじゃなくてワンに近いのかもしれませんね笑
コメントありがとうございました_(._.)_ 

今回のタイトルはなんでしょうね。
繋がりはよく分かりませんが。

犬飼さんが久しぶりに登場して
みんなで占いをしました。

ストーンが落ちる描写が
リアルで良かった

結局、占いはあっけなく当たったというか、
唐突でしたねw{/netabare}

満足度:●●●●●●○○○○



第十話 料理合わずと蜂合わず
{netabare}いつも1週遅れていましたが、これで最新に追いつきました。

前半は圭と真琴となおとで学校の調理実習。
カレーとハンバーグって、、重い。
昼前だったら最高だけど、昼からだと辛そう。
(僕の学校は午前でした。食べてからまた昼飯w)

前半は、ただただ真琴の作った「魔女の指」が衝撃的でした(゚o゚;;
ネットで画像検索したら実際にもあるんですね…
なぜ血が付いているんだろう。。
気持ち悪っ(笑
理由が分かる方がいたらメッセお願いします~_(._.)_

さて、その翌日、後半は
みんなでりんごの蕾取り「摘花」です!

圭の解説がわかりやすく、自然の描写も良かったですね。
真琴の作った魔女の指の効力がまだ続いていましたw

もうあと2話となると、名残惜しくなってきますね。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●○○



第十一話 くじら、空を飛ぶ

すみません、遅くなったので見所だけ。。

くじらが街にやってくる!
魔女の新聞は特別!(見てみたい)
みんなでホットケーキパーティー、
美味しく食べて歴史も学ぼう!
杏子ちゃんかわいい。

では最終回にて。

満足度:●●●●●●●●○○



第十二話 魔女のローブと日々は十人十色
{netabare}ついに最終回となりました。
始まりから、終わりのムードがひしひしと伝わってきます(;_;)

真琴も箒乗りが上手になっていてチトさんからお褒めの言葉が……笑
今回はチトさんがいつになく喋りまくりでしたw

千夏ちゃんにローブを作ってあげて
犬飼さんは占いをしていて、
茜は今日も昼からかんぱーい!…酔ってる…

いつものふらいんぐうぃっちの姿がそこにはあります。

で青森が舞台ですので
最後の締めはやっぱりねぷた!(作中ではねぶただったかな…忘れました。)
(ねぷたとねぶたの違いはググりました。)

作画気合いが入っていましたね。
祭りですので犬飼さんの占いも繁盛、気合が入っています。
もちろん茜の酔っ払いっぷりも。w

みんな浴衣姿も良かった(^_^

そして真琴たちの元に訪れた
金魚たちの幻想的な風景に包まれる中、
作品は無事、幕を閉じました。

12話通して感想を書いてきましたが
1話1話感想を書いていたので、
他の春期アニメに比べると
思い入れも強く、内容もよく覚えています。

このレビューをまた見返した時に
作品のことを思い出して、くすっとなれるような
文章になっていることを祈ります。

では、僕のふらいんぐうぃっちの書き留めは
以上をもって終わりにさせて頂きます_(._.)_ 
3ヶ月の間、お付き合いいただきありがとうございました。{/netabare}

満足度:●●●●●●●●●○



作品全体:●●●●●●●●●●
オススメ:超


終わり、後の楽しみ。

・2期への期待
・サウンドトラック
・原作コミック
・声優のうぉーきんぐ、さーちんぐうぃっち。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ゆっくりとした口調や柔和な言葉遣いに安心します。

田舎での落ち着いた日常を描いた作品の様です。

主人公の真琴が魔女なので、少しだけ不思議な事が起こりますが、それらの出来事が自然に日常に溶け込んでいる所に魅力を感じました。同じ様に田舎での日常を描いたアニメ「のんのんびより」と比べて、キャラの年齢が全体的に高めなので、口調や言葉遣いもさらに柔和で、よりゆったりとした空気を醸し出しているのではないかと思います。

登場する人たちの殆どが、他者の行動に自分の行動を合わせたり、気を使ったりせずマイペースに行動している点は、都会を舞台にした日常アニメのキャラたちが、常にお互いの孤独を補い合い、気を使いあう行動に走りがちなのと比べて、自由であり、予測不能であり、それゆえ面白いと感じました。

1~4話
{netabare}
2話で圭君が道端でフキノトウを見つけた時も、なおはあまり興味を示さなかったらしく、さっさと家に帰ってしまいました(笑)。

この作品で今のところ耳障りなものをただ一つ挙げるとすれば、1話で登場したマンドレイクの叫び声で、片耳を塞いで引っこ抜いた真琴は魔女だからってよく無事だったなあと思います。少し離れた所になおもいたので結構危なかったかも知れない。

4話はこれまでの3話と比べてやや賑やかな回になっていた気がします。(ノロイっぽい顔になってた人もいたし)個人的には最初の3話の方がこの作品の魅力を強く感じられました。それでも取り立てて派手と言う訳でも無く許容内でした。やはり毎週楽しみです。桜並木の描写は非常に美しかった。

演出について、使い魔である猫に安易に人間の言葉を喋らせなかったり、3話のお姉さんが去るシーンでも僅かに煙が立ち昇っただけだったりと、控えめな中にも動きや構図などで魅力を出し、作品の雰囲気を壊さぬよう細心の注意を払っている事が伺えました。後者のシーンを見た時、なぜか私は既視感に近いリアリティを感じました。ああいったシーンで、見栄えはするものの雛形に従った表現しか出来ていないアニメと異なり、日常の中の不思議を文字通り空気の様に描いているアニメは、私の知る限りでは殆ど例が無く(※1古いヨーロッパの映画の何かにこんな描写があったかも)素直に感服させられました。畑を開けるために引っこ抜いた雑草の描写や動物たちの動きについても、地味な中にも目を楽しませるものがあり、見ているだけで幸せな気分になってしまいます^^

※1:ジョン・ブアマン監督の「エクスカリバー」ヤロミル・イレシュ監督の「闇のバイブル 聖少女の詩」にそれっぽい描写が確認できました。前者は英・米共同の、後者はチェコの映画。
{/netabare}
5話~最終話
{netabare}
5話はねこ好き必見のねこ主役回であると共に、登場する人物同士が互いに気兼ねする事無く、各々自由に振舞っていた様で、この作品の雰囲気がこれまで以上に強く出ている印象を受けました。

6話では不動の圭くんが珍しくも呆れ気味に漏らした独り言がありましたが、それとは関係なく、かねてから思っていたのですが、ふらいんぐうぃっちの作風は「長くつしたのピッピ」等で有名なリンドグレーン原作の※2「やかまし荘のこどもたち」にちょっと似てると思いました。

むしろそれよりも落ち着いている空気が有ります。上記の作品でも、子供達がぐらぐらして抜けそうな歯を上手に抜く方法を考えたり、草むしりの最中に変な言葉を発明してみんなで遊んだり、ザリガニ釣りに行ったりと、のどかな日常を描くばかりで、取り立てて事件と呼べる様な挿話がありません。

映画版も製作されているのですが、こちらでは出演している子供達の演技も、演技と言って良いものかどうか迷う程に自然で、ハリウッド映画や日本映画に散見される、子供を大人にとっての都合の良い操り人形として扱っている様な、わざとらしい描写の仕方とはまるで違っていて、安心して視聴出来ます。

ふらいんぐうぃっちを気に入った人なら、アニメ一筋の人でも充分に楽しめる映画だと思いますのでおすすめです。

7話は山菜取りとか、山菜をおつまみにしたお姉ちゃんの昼酒とか、廃屋の魔法喫茶や、可愛い幽霊も登場して、物語の展開的にも、美術的にもふらいんぐうぃっちの魅力が凝縮した素敵な回でした。チトさんもいつも以上にニャゴニャゴ喋ってました^^

7話から引き続いて8話も魔法喫茶を舞台に、とっても落ち着いた会話劇が繰り広げられます。椎名さんとそのお母さんの二人の新キャラが物語に加わりましたが、作品の雰囲気は微動だにしませんでした。※3アザミを食べるてんとう虫って見た事有りませんが、葉っぱの部分にアブラ虫がわんさと付いているのを見た事があるので虫にとっても美味しいんでしょうね…。

生長しきったアザミの"がく"や成長し切った葉のイガイガ部分は人間にとっては食用に適しませんが、若芽や若葉、茎、根っこまで、殆どの部分が食用になります。採る時はくれぐれも棘に気を付けましょう。刺さると細菌感染する恐れがあります。

今回も和みました。

最終回は裁縫回、裁縫好きのブリキ男にとっては楽しい回でした。布地選びから採寸、裁断、縫製など、要所要所丁寧に描写されていました。裁縫の手際の良くない私は、裏地付きの見事なマントをぱっぱと作ってしまう真琴の手腕に驚かされました。熟達している人なら出来そうなので、魔法と言う程ではないですが、とても羨ましく思いました。

※2:ピッピにも似ていると思います。リンドグレーン原作のスウェーデン映画(他の国の製作ものはあまりよろしくない。)は他にも色々有りますが、どれも面白いと思います。

※3:概ね鞘翅につやが無いのが草食、あるのが肉食らしいです。作中描写は肉食のナナホシテントウみたいに見えますが、一応テントウムシもアザミを食べる!
{/netabare}
最期まで大きなドラマも中くらいのドラマも無く、小さな小さなドラマを丁寧に一つづつ積み重ねている印象を残す作品でした。こういったアニメは私は今まで見た事がありません。最終話でもその姿勢は揺らがず、いつも通りやさしい時間が過ぎ去りました。


以下はアニメ本編とはあまり関係なく、どこでも採れそうな野草について
{netabare}
ヨモギ:ばばばあちゃんでお馴染み(もしかしたら知ってる人少ないかも)の万能野菜。天ぷらが美味です。それ以外で使うなら湯掻いて水に晒して灰汁を取る。枯れたと思っても地下茎から芽が出てくるので栽培すれば半永久的に葉を収穫出来ます。

ナガミヒナゲシ:近年よく話題に登りますが、特定外来生物などには指定されていない。花が枯れてから花芯を採取します。素手だと黄色い汁が付いて中々取れませんので、袋(新しいのを使うのはもったいないので油っ気の無い空いた菓子袋などで)ごしに取るなどしましょう。炒めても茹でてもおいしい。芥子の実の一種ですが無害です。ナッツの様なこくがあります。

カラスノエンドウ:ソラマメ属。天ぷらが美味ですが、虫が付いている事があるので気になる人は湯掻いて水で何回かすすぐ。おひたしや炒め物など何でも使えます。

タンポポ・ノゲシ・ブタナ:タンポポは全草食べられます。天ぷら、油炒め以外で食すなら湯掻いて灰汁を取る。

スギナ:天日干しか電子レンジで4~5分乾燥させて、すりこぎ等で砕いて粉末状にする。風味がよく青海苔の代わりとして使える。栄養価が非常に高いらしい。

フキ:八百屋でも見かけますが、日当たりのそれほど良くない所に自生している事があります。良くあく抜きすれば葉も食用になり、豚挽きを練ってこれに巻いて、ロールキャベツの様にしてつゆなどで煮ると非常に美味です。同じ場所に関東では1月下旬~2月下旬にかけてフキノトウが出ます。

ミント:近所で見つけたらラッキーです。耐久性が非常に高いので粗悪な環境でも育ちます。一本だけ引っこ抜いて(根が繋がっているので他の株を傷めない様に途中で切断すべき)土に刺して控え目に水やりすれば脅威の成長力で地下茎を張り巡らせます。冬に枯れても復活し、半永久的に葉を収穫出来ます。

ローズマリー:近所で見つけたら超ラッキーです。柑橘系のさわやかな香りが魚、肉料理にとても良く合い重宝します。小枝を一本失敬して挿し木にすれば、根を広げてプランターなどでも成長します。猛暑には弱いのですが、うまくいけばこちらもまた半永久的に葉を収穫出来ます。

セイタカアワダチソウ:香りは春菊に似て華やか。葉はハーブに、花穂は天ぷらに最適。茎が残りますが、極上の味わいです。晩秋~初冬にかけて繁茂します。

ノゲシ:酷暑に計れてしまいますが、寒さには非常に強く、ほぼ一年中収穫できます。背の高いタンポポといういでたち。葉はロゼット状ではなく互生なので区別出来ます。やや苦味が強いので、基本湯掻いてあく抜きしてから料理に使います。ほうれん草の代わりやそばのお供、炒めものなど色々使えます。天ぷらにするなら洗って水を切るだけで大丈夫です。

ブタナ:茎だけががひょろりと長いタンポポの様な野草。タンポポと同じでロゼット状に葉を付けます。葉は大きく食べでがあり、花も美味。全草食用になります。

ヨメナ…花期は7〜10月ですが、ロゼット状に広がった葉を年中見かけます。葉の形は根元がまっすぐで先端に少し刻みのついたきつねの尻尾型。あくや苦味が少ないので下処理は特に必要ありません。春菊に似た風味も良く、さっと湯掻いたものを薬味として利用したり、おひたし、炒め物、天ぷら、お吸い物にヨメナごはん、何でも使えます。キク科の植物は食せるものが非常に多いです。

田舎住まいでなくとも皆さんの身近に食べられる野草は沢山あると思います。是非お試しあれ。

※1採り過ぎはその種がそこで自生出来なくなる原因になるので控えましょう。

※2必ず火を通しましょう。「のんのんびより」のお兄ちゃんみたいな事をやると稀ですが感染症になる場合もあります。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 81

かさい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

J.Cらしさと良さ

なんとも言えない満足度を得られる素敵なアニメ。
ただの癒やしアニメではなかったことは確か。
J.Cらしい丁寧な作品作りがマッチしたアニメになっていたと思う。

※本レビューはブログ『「ふらいんぐうぃっち」の挑戦と生活実感』に多大な影響を受けております。

【注目スタッフ】
〈メインスタッフ〉
監督:桜美さん
音響監督:岩浪さん
撮影監督:大川内さん
制作:J.C.STAFF

〈演出〉
橋本敏一さん
佐山聖子さん
倉川英揚さん
二瓶勇一さん

【良かった点】
〈演出〉
・カット割り
基本的にテンポは遅い。ゆったり気味のカット割りだが、退屈ではない。
スルスルカットが流れていくシーンもある。ギャグ調の時はテンポを少し変えたり。複数人での会話シーンも多かったが、特段被写体が変わるごとにカットを割るのではなく、キャラ自体に芝居をさせて見せるシーンもあれば、上手くタイミングをとって、頻繁にカットを割るシーンもあった。
被写体を映すタイミングと切る(映し替える)タイミングが絶妙だった。
ふらいんぐうぃっちらしい落ち着く画面もここから来ているのかもしれない。

・被写体の映し方、視線誘導
制作陣の意図したチラリズムが見え隠れしていたのもこの作品の魅力。
なんてこと無いカットでキャラはなんてこと無い体制になりあたかも自然に見える腰や太腿、脚などが目についてしまう。これは確実に狙っているアングルであり、視聴者も自然に視線がそちらがわに移ってしまう。
主人公の真琴に関しては肌の露出度が少ないにもかかわらずそのチラリズムは驚異的である。太腿は完全にタイツでガードされているが、撮影処理によって質感のあるタイツに変わり、人が履いているとい実感がより強く強調されている。
お姉さんのだらしないただ寝っ転がっているポージングにも見え隠れしている胸や太腿に必然的に目が言ってしまう。何より罪なのは、このアニメは正真正銘の日常アニメで彼女達は100%健全だということだ。
制作陣、視聴者はそうではない。

・カメラと被写体との距離感
日常を切り取るには近すぎても遠すぎてもダメなんだなと。
キャラ同士の距離感も近すぎず遠すぎず。
日常を切り取る描写としては、かなり引目のロングショットで背景主体や場面説明などに用いられてもいた。

〈作画〉
・そこまで描くか
新たにカットを割らなければならないシチュエーションでも見せてくる。
徹底された日常描写のなかではこの作品だからこその作画シーンが幾つもあり、一つ一つ上げていきたいくらいだ。
日常の芝居は地味でしかもカロリーが高い。
そのため、一般的なアニメは省略できるカットは省略し、次の動作に上手く繋げていく。しかし、この作品の場合は自ら進んでわざわざ入れなくても成り立ちそうな芝居もカットを足して付け足してくる。
[例]
1,トラックの荷台から降りる千夏ちゃんの手を取るお姉さん
なんてことのない一連だが、お姉さんの大人で自然な気遣いが自然と描写されている。他のアニメも場面によってはある一連。

2,コンセントにプラグを差し込む
これは初めて見た。本当になんてことのないカットを手をアップにしてまで見せてくる。圭くんの料理への意気込みや集中力を感じるカットでもあるが、趣味っぽい気もしなくもない。

3,靴を脱ぐ・靴を手に取る・戸を閉める・立ち上がる
日常で必然的に生じる動作。ここも直前でカットを割らずに作画。
ふらいんぐうぃっちの基本スタンスが伺える。

・大人の子供の芝居の差
はっきりと差別化されている。
大人のキャラの芝居には無駄な動作が殆ど無い。言ってしまえばなんの変哲もないごく自然の芝居。
一方子供の千夏ちゃんは無駄な動作しか無い。身体で大きく芝居をする。
表情もコロコロ変わるし一つ一つの動作も可愛らしく仕上げてきている。どこかの小学生を参考にしたかのようなあるあるな仕草。
大人の芝居をさっぱり目にすることによって、より子供の動きがイキイキ見えてくる。そんな差。

・こだわりの猫
黒のシルエットはロングショットだとCGにしても違和感がない。
手描きパートでも猫らしい、動物らしい仕草などに非常に作り手のこだわりを感じた。歩く、尻尾を振る、回る、あくびをする。そんななんてことのない仕草に胸キュンするのだ。

・細かくはない、丁寧な作画
日常の芝居の描写は細かいが、芝居付け自体は細かくはない。やり過ぎだけどやりすぎてない感じ。これ以上行くと作画アニメになってしまう。
そのバランスも良かった。

〈撮影〉
・服の質感、タイツの質感、髪の質感。
監獄学園のイメージ。質感がやはり違うよなぁ。
ただ適当にグラデ処理がされているのではなく、太腿から踝にかけてだったら、より肌の質感を強める影付けになっていたり、服だったら皺に出来る影が意識されていたり。
タイツの処理は印象的。こだわり加減からスタッフに変態がいる気がしますね。今の段階ではJ.C独自のスタイル。

・撮影処理
バスの窓の水滴とか、川の水の表現とか。
窓の透け具合や反射。

・ピント調整
ボケとピン送りのタイミングも絶妙。演出的な撮影処理。

・玉ねぎアップ
J.Cらしさが詰まってる。玉ねぎここまで描かなくてもええんやで?
グラデ加減がほんと絶妙。玉ねぎにも玉ねぎらしさを忘れない。

〈脚本〉
・セリフ
良い。キャラとキャラの間のやりとりに無理がなく嘘もない。
キャラクターがしっかりしているため、セリフに違和感も感じなかったし、らしいセリフと思わせるセリフも多々あり、キャラ設定や構成の上手さも感じたり。

・会話のスピード、バランス
良い。カット割りや場面転換とも密接関係があると思うが、焦らずゆったり、でも遅くもないキャラのスピードで会話が進む心地よさ。

・聞かされていると感じるセリフが一切ない。
キャラ同士で説明的なセリフのやり取りはあるが、視聴者に向けたセリフと感じるセリフは殆ど無く、彼女達の日常を覗く傍観者に徹することが出来た。

・年相応のセリフ
ここでも差別化。子供は子供らしく、大人は大人らしく。
声優さんの演技も噛んでる。

・会話の流れにも無理がない
安心して聞ける。このあたりは原作力も感じたり。

〈音響〉
・環境音、SE
岩浪さんは派手なアクションSEなイメージがあったが、僕街でかなり印象が変わって、器用な方だと理解した。
田舎の自然で自然なSEが自然に耳に入ってくる。
全体的に抑え気味にしている印象。

・子供の演技、大人の演技
子供は子供らしさ全開に。大人は自然に。
演技指示がなかったとは思えない感じがしますね。
大人の女性陣のサバサバっとした自然な演技が個人的にはかなり好み。

・動物陣、可愛い上手い
猫:茅野愛衣さん
猫:佐倉綾音さん
鼠:小澤亜李さん
まず上手い。
しっかり猫してるし可愛らしさとかも備わっていて、これは実力がないと無理だなと。
嫌がったり嬉しがったり、少し威張ったり、あくびしたり、人間と会話したり、結構色々やってるなと。
難易度高いです。

〈音楽〉
・テンポ感
ゆったり目なシーン、少しスピーディーなシーン。お馴染みなシーン。
場面に合った楽曲。癒やし成分かなり放出している。曲だけ聞いてたら寝てしまいそうな。


・フィルスコ的なBGM
偶然?遊び心も感じる楽曲も少なくない。
雰囲気を第一にした劇伴だったように思う。
ふらいんぐうぃっちの為の楽曲。

〈美術〉
・美術の雰囲気
良い感じ。場面描写も丁寧でした。


〈キャラ〉
・ユニーク
可愛らしかったり少しお馬鹿だったり、長所も短所もバランスよく引き出していて、個性も十分あったと思う。
深い余計な設定がなかったのが大きかった。

・お姉さん相変わらず
エロい。

(OP)
・大畑さん
愛すべきは大畑さんOP。
元気が出ます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

65.4 2 幽霊で小学生なアニメランキング2位
まぶらほ(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (276)
2323人が棚に入れました
魔法が存在する世界。
但し、個人が生涯で使える魔法の回数は予め決められている。その回数は個人の素質によるので、多い者もいれば、極端に少ない者もいる。また、使用回数を使い切ると体が塵になって死んでしまう。
物語はエリート魔術師養成学校・葵学園に通う、平凡な能力しか持たない式森和樹の前に突如3人の美少女が現れる所から始まる。彼女達の目的はなんと彼の遺伝子(要は体)。実は彼の先祖には偉大な魔術師が多数存在しており、彼との間に生まれた子供は驚異的な魔力を持つ可能性が高いと言う。大した魔力も無い彼がこの学園に入れた理由もこの遺伝子のおかげ。
こうして、平凡な日常が一変し、波乱の学園生活が始まる!?

声優・キャラクター
阪口大助、生天目仁美、松岡由貴、いのくちゆか、野田順子、辻谷耕史、内藤玲、浅野真澄、渡辺明乃
ネタバレ

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2003年とは思えないほど画質が良い作品で非常に楽しめました。私的にかなりお勧めの作品です。是非見てみてください。

この作品の世界観

この作品の世界は我々の現実とは別に、もう1つの現実が存在する世界(パラレルワールド)。この世界では人々が魔法が使えますが、人は生まれた時から魔法の使える回数が決められていて、もし魔法回数を すべて使ってしまった人間は灰となり死んでしまう、そんな世界でした。ですのでこの世界は魔法回数が多ければ多いほど権力を持つシステムになっていました。

ストーリー

主人公の式森 和樹は成績、運動、見た目、魔法回数すべて残念な残念なエリート魔術師養成学校に通う高校生でしたが、そんなある日、和樹謎の美少女転校生の宮間 夕菜、日本有数の財閥の跡取りの風椿 玖里子と化け物退治を生業とする神城家の継承者候補の神城 凜が和樹の遺伝子を求めてきました。この物語はそんな和樹と3人の美少女の波乱の学園生活を描いた物語です。

私の感想。

2003年に放送された作品かと思えないほど画質が良い作品でした。私の知っている2003年の作品はどれも独特で残念なキャラクターデザインやキャラクターの動きが超不自然な所が多いのですが、この作品はまったく感じられませんでした。下手をすれば今(13年)に放送されている作品よりも画質がよかった思います。私的にはそれほど画質やキャラクターデザインがよかったです。

そして、この作品の世界観は非常に興味深いと思いました。世界に魔法がある作品は結構ありますが、生まれるときから魔法の使う回数が決まっていて世界がこの魔法使用回数で権利が決まるシステムは非常におもしろいと思いました。

{netabare} だが、後半になってから宮間 夕菜の行動にいちいちイラつきましたね。
「私は妻だー 妻だー」 
「浮気するなー きーーー」
うるせぇ!!
和樹は結婚した覚えねぇよ!! 

てか和樹!
遺伝子上げればいいだろう!!
それで、夕菜と結婚すればいいだろう!!

まあ、それではおもしろくないですが、

本当に最後のほうの夕菜には本当にイラっときました。
{/netabare}

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品の胸の形や胸の動きを注目してほしいです。通常、巨乳や豊満な胸を持つキャラクターはワザとらしく胸を強調したり、胸をワザとらしく揺らしたりと少々気持ち悪い所がありますが、この作品にはそのようないやみはあまり感じられませんでした。逆にこの作品の胸の強調の仕方は美しいといっても良いかと思います。ですので、是非女性キャラクターの胸を観察してみてください。

オープニング

「恋のマホウ」
キャラクター紹介やキャラクターの関係がかなり分かりやすくなっていますが、私的には少々世界観の説明不足だと思いました。このオープニングの説明だけですと、少々勘違いしてしまう人が出てくると思いました。私的にはもっとメインヒロインと主人公の関係をつよく強調してほしかったです。
ですが、このオープニングは無駄に脳内侵食度が高かったです。なんと言えば良いのでしょうか、あまり脳に侵食されるようなリピートは無いですが、何故だか頭に引っかかります。一度聞くと歌詞が自然と頭の中に入ってきます。

エンディング

「We'd get there someday」
さわやかなエンディングです。画像は和樹の記憶の中にある記憶をバックに透き通った和樹にか交わすキャラクターをどんどん出しています。このエンディングのエンディングのおかげでキャラクターのよさがかなり出ています。そして、かなり落ち着きの無いこの作品の最後にこのエンディングは我々視聴者の心を癒してくれます。私はこういう癒し刑のエンディングが好きなので、皆さんも好きになれると思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

生天目さんの声が・・ヒロイン声だ・・

コテコテの元ネタギャルゲ風巻き込まれハーレムアニメ。
実際には原作ラノベですが。

魔法が普通に存在するようになった世界で使える魔法の
回数や質?によって優越が決まるような格差社会を背景に
偉大な魔法使いの血縁故、魔法のエリート学園に通う事に
なった主人公は・・魔法が8回しか使えない稀に見る底辺
的人物・・主人公は劣等感が強く卑下した感じでイジイジ
した根暗。
コメディーというかギャグタッチなので徐々に馴染んで
笑えるようになっていくのと・・この手のアニメの主人公
に必須の取ってつけた様な優しさ等を描写するエピソード
が軸になるので・・普通に学園ラブコメかなぁ~という
感じで慣れていくかな^^;

キャラデザとか作画は少し古い感じで少々雑な感じ。
キャラは濃い目でキャラデザと相まって解りやすい。

声優はメインヒロインの宮間 夕菜(みやま ゆうな)
声 - 生天目仁美さんのデビュー間もない頃の声が・・
私の知ってる神宮司奏等お姉さま役やマージョリー等
姉御っぽい感じや桂雪路のような壊れ役?でもなく・・
正統派美少女ヒロイン声での出演・・結構新鮮でした。
中原麻衣等も出ている他は人気よりも比較的安定した
ベテラン声優等が多いようです。

ドタバタとした展開が多い割には・・其処に至るまでの
プロセスを丁寧に描こうとしたのか・・イマイチ盛り上がり
に欠ける描写が多くてやや退屈に感じた。

シリアスな部分とギャグタッチな部分のバランスが微妙?
その割にはパンチラなど余計な所は丁寧に拾い上げ・・・
ストーリー重視という雰囲気でもなく媚びている。

ドタバタならドタバタでもっと解りやすい笑いを・・
テンポがあまり良くないかなと感じた。

其れなりに最後まで視る事は可能なレベルだった。
ただ・・余程視るアニメに困ったり最近のお手軽アニメ
に食傷気味でもない限り敢えて古いアニメを拾い上げる
程の内容ではないかな・・似たアニメは数多あるので。
ネタになるような「何かひとつ」が無いので・・

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

魔法の使い方講座

魔法/学園/ファンタジー
そしてハーレムでありラブコメな作品です。

魔法のエリート学校が主な舞台。
主人公である和樹は劣等生。
本当に劣等生です。どっかのお兄様と違って。
魔法には使用回数に限りがあり、それは人それぞれ。
このエリート校での平均値は数千から数万回。
対して和樹は8回。
いじめられてるとかはないですが、扱いは酷いようです。

でも待ってください。
これはハーレムもの。
そして和樹は主人公。
主人公に女の子が集るのはこの世の理。
この作品もこれに沿ったものとなっています。
つまり劣等生和樹も美少女に囲まれるわけです。
むむっ。

とはいってもさすがに囲まれる理由はあります。
それは和樹の遺伝子が凄いから。
女の子たちは遺伝子採取したいわけですね(*‘ω‘ *)イヤン


ストーリーの鍵は和樹の魔法使用回数の残量。
たった8回の魔法を彼は何に使うのか。
彼の壮絶な学園生活をお楽しみ頂ければなと。


キャラについて。
主人公は嫌いじゃないです。
ヒロインも嫌いじゃないです。
ですが、これといってお気に入りのキャラはいませんでした。
が、みんな普通に可愛いです。


OP「恋のマホウ」 歌ーICHIKO
ED「We'd get there someday」 歌ーICHIKO

ICHIKOさんの歌声が大好きであります。
OP,EDともに気に入っています。



楽しめましたか?
この質問に関してはYesと答えたいです。
しかし、
人におすすめ出来ますか?
こちらは逆にNoですね。

これは人を選ぶアニメとかそういう意味ではなく、
それなりに面白かったけど人に勧めるほどじゃない、
ということです。
何となく楽しんで観れた微妙な作品。
こんな感じです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35

70.1 3 幽霊で小学生なアニメランキング3位
地獄先生ぬ~べ~(TVアニメ動画)

1996年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (322)
1956人が棚に入れました
童守小学校に赴任してきた5年3組担任の鵺野鳴介(通称・ぬ~べ~)。
普段の彼は、ドジでおっちょこちょいなところはあるが、どこか憎めない愛すべき先生として生徒たちに親しまれている。
しかしぬ~べ~には、日本でただ一人の霊能力教師という、もう一つの顔があった。常に黒い手袋で覆われている彼の左手には、この世ならざる存在――悪霊や妖怪などに直接触れて、浄化することのできる最強の力「鬼の手」が封印されているのだ。その力は、かつてある生徒を救うため、わが身を賭して封じ込めた地獄の鬼のものだった。子供たちが〈闇の住人〉に襲われ、危機にさらされた時、ぬ~べ~必殺の「鬼の手」が闇を切り裂き、魔を祓う!

声優・キャラクター
置鮎龍太郎、藤田淑子、笠原留美、冨永みーな、根谷美智子、田中一成、浦和めぐみ、本多知恵子、白鳥由里、森川智之
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

細川美樹の乳揺れに並々ならぬこだわりを感じる ★4.545点

1996年4月 土曜日19:30~ テレビ朝日系で放送された作品
全49話


原作にあった男子生徒が女子生徒の下着になっちゃって汗と涎と鼻血でグショグショになりながら股間をべろべろ舐める話が強烈すぎてアニメの方は印象が薄かったのですが、全話見返してみたらすっごい良かったです。


やっぱり鬼の手のデザインが秀逸です。
骨ばった外郭に筋肉の繊維を思わせる表面がグロテスクと格好良さを併せ持っていて好きです。
最近だと進撃の巨人の50m級巨人みたいなデザインって言ったほうが分かりやすいのかもしれません。
他の妖怪のビジュアルもよかったです。特に「はたもんば」は個人的グッドデザイン賞でした。


あとは主人公、鵺野鳴介のキャラクターがよかったです。
これが教師の理想像、とまではいきませんが「生徒を守る」という確固たる決意にブレが無く、自分より圧倒的に強大な神にすら臆すること無く立ち向かう姿勢がカッコ良かった。それに至るバックボーンもいい話でした。


【総評】
全体的には、基本1話完結のエピソードをTVアニメという枠組みで上手く構成していて作画も年代を考えればかなり安定していた印象。
原作と比べて演出や表現方法はかなりマイルドになってはいるが作品の世界やメッセージ性を損なうほどではなかったと思います。
アニメでは鬼の力を開放するとき手袋に「鬼」の字をモチーフにしたマークが出ているんですがカッコイイ演出だと思いました。


以下、好きなエピソード

第2話 トイレの花子さんが出たぁ〜っ!
{netabare}学校の怪談定番のトイレの花子さん回
戦争で亡くなった哀しみからさまよい続ける話はありきたりながらもいい話だった。実は地縛霊と浮遊霊の2人いたっていう2段落ちもよかった。
あとヒロインの郷子ちゃんのパンツ!パンツがみえるんですよ!!!{/netabare}

第13話 教室が凶器に変身!?妖刀はたもんばの呪い
{netabare}上記でも少し話した「はたもんば」の回
とにかくはたもんばのビジュアルが怖くていい!原作ではもっとエグい絵でトラウマになった人も多いはず。
最強の鬼の手が一回敗れてしまうのも印象的でした。{/netabare}

第15話 ゆきめリターンズ!真夏の冷凍大作戦
{netabare}No.1ヒロインゆきめちゃんメイン回
ゆきめちゃんのぬ~べ~Loveが全面に出ててとってもかわいかったです。
自分のせいでゆきめを消してしまったと勘違いしたぬ~べ~が号泣してしまうシーンもぬ~べ~のどうしようもない人の良さが出ていてよかった。{/netabare}

第25話 しあわせパニック!涙に消えた座敷わらし
{netabare}みんなに幸運を運ぶ座敷わらし回
座敷わらしのマスコット的な可愛さとほっこりとするような話は物騒な話の多いぬ~べ~では珍しい回だったのではと思います。{/netabare}

第34話 今明かされる禁断の過去!鬼の手誕生の秘密!!
{netabare}一生のうち一番霊力が下がってしまう日に鬼の封印が解けかけてしまう回
生徒を助けるためにかつての恩師を鬼とともに封じ込めざる得なかった過去。なぜ生徒を助けるのにここまで執着するのかが分かるいい回だった。{/netabare}

第39話 死の底からの復讐!出るか?鬼と妖狐の合体奥義!!
{netabare}ライバルとの共闘は定番だけどやっぱりいいね回
鵺野に勝つためには愛の力が必要だと思った玉藻は生徒一人を犠牲にして街を救い人々の愛を得ようとした。すぐに間違いとわかり生徒を救うためにぬ~べ~と協力する展開が熱くてよかった。かなり作画がいい回で迫力もあった。
あと前半の健康診断のシーン、でっけぇな・・・{/netabare}


あっ!タイトルに言及するのを忘れていましたw
隙あらば美樹の胸を揺らしていましたねwww作画陣に美樹好きがいたんでしょうか。とってもいいと思います(ニッコリ) 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドジで金欠なオカルト男は、鬼の手を持つ頼れる先生!!

90年代を代表するジャンプアニメの一つで、劇場版やOVAもたくさん出ている人気作『地獄先生ぬ~べ~』

劇場版で「ゲゲゲの鬼太郎」と抱き合わせ…こほん。オカルト・妖怪合わせで同時上映されていたようです。
近所の学校では夕方から夜にかけてお祭りがあって、毎年暗くなるとバックネットにスクリーンを張り、
子供向けの映画を放映していました。確かこれもあったはず。その時期だとデジモン、ポケモン、ワンピース
なんかもあった気がしますね。近くなので毎年行ってたのですが、子供たちがキャッキャと楽しそうでした^^

格好いい先生キャラクターは沢山いますが、そんな中でも彼を一番に挙げる方は多いんじゃないでしょうか。

主人公「鵺野鳴介」は霊能があるオカルトめいた変人で、事あるごとに生徒におごり金欠で苦しむ計画性のなさや
同僚の美人でセクシーなボディコン先生にメロメロだったり(学校にそんな風紀を乱す人が居るのは置いといて)
オッチョコチョイでだらしない所があったりと、生徒にも少し馬鹿にされながら友達感覚で親しまれています。

でもいざという時は危険を顧みず生徒たちの前に立ち勇敢に戦い、親身になりアドバイスをくれる、そんな先生。

原作からの変更点や放送時間に合わせた残酷描写やお色気シーンの軽減こそあるものの概ね原作順守でした。
原作より明るい雰囲気でギャグの量も多かったですね。メインのターゲット層が小学生だったのが大きいかな。


原作の妖怪や表現は怖かったですね~

七人ミサキ、海難坊子、逆さ学校、怪人A、ハタモンバ、人喰いモナリザ、てけてけ、メリーさん、疫病神、
赤いちゃんちゃんこ、くだん、死神、寄生虫、麒麟、木登り幽霊、枕返し、口裂け女、千鬼姫、などなど…。

鬼の手にまつわる話がかなりシリアスなのですが、全48話+SPで終わりなので、OVAや劇場版で補完します。
放送では無いですが鬼の兄妹が出てくる話など、原作でも人気が高いキャラにまつわるエピソードがあり、
テレビ放送の佳境にあたる話や要所要所で雪女の「ゆきめ」は大活躍でした。流石メインヒロイン(笑)

他にも人気が高い「玉藻京介」や「葉月いずな」が目立つものの、この作品の凄いところは通常回である
“生徒のお悩み解決回”が秀逸だということ。実は印象に残るエピソードはほとんどこっちだったりします。
レギュラーキャラである5人の小学生含め、生徒たちは魅力的な子ばかり。私は美樹より郷子がエロいと思う。

好きなヒロインはアニメ第31話「誰にも言えない目玉の恐怖!!天才バイオリニストの大罪」の篠崎愛ちゃん!!

んっ? 篠崎愛!? はぇ~…こんな名前だったっけ。確かに「あいちゃん」って言ってた気がするのだ~。


『地獄先生ぬ~べ~』は今でも生徒の世代になり続編が続いているので(スピンオフ『霊媒師いずな』も)
懐かしい方は記憶を呼び覚まして『地獄先生ぬ~べ~NEO』まで追いかけるのもオツなんじゃないでしょうか。

.
.
.
.
.


この世には、

目には見えない
闇の住人達がいる。

奴らは時として牙をむき、
 君達を襲ってくる。

彼は、そんな奴らから
 君達を守る為、
地獄の底からやって来た、

―正義の使者―


…なのかもしれない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

※注.このレビューを読まないと「はたもんば」が襲ってきますよ(嘘)w

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
基本は、「鬼の手」という退魔の力をもつ先生「ぬ~べ~」が、迫り来る妖怪から生徒を守るという話。エピソードが実に多彩で、視聴者を飽きさせない。怖くて感動して笑えてエロくてほっこりして学べます。自分と同年代(30代前半)以上の方なら、かなり多くの人が知っているアニメ。数年前に(観てないけど)実写ドラマ化されたので、若い人も名前だけなら知ってるかも。

アニメか原作かと問われれば、原作の方が好きですが、原作付きアニメとしては、なかなかのクオリティです。昨今のリメイクブーム?に乗っかり、リメイクしてほしい作品の1つです。

また、OPの「バリバリ最強No.1」は、異色のアニソンとして有名です。他の方のレビューで、「サンシャイン池崎」とあり、的確すぎて笑っちゃいましたw 全く作風に合っていませんがw 凄く耳に残る名曲です。

また、EDは、B'zさんが歌う「ミエナイチカラ 〜 INVISIBLE ONE〜」。アニメにはもったいないくらいw 格好良い曲です♪ これってタイアップなんだけど、ちゃんとアニメの内容にもリンクしてる。意識して作ったのか、単なる偶然なのかは分かりませんが、(昔からEDは1回しか聴かない悪癖をもつ剣道部にしては珍しく)毎回でも聴きたくなる、チカラがある曲です。

ホントに、90年代のアニソンって好き♪ 曲だけでも聴いてほしいし、若い人には、アニメも是非観てほしい♪ 作画は流石に時代を感じさせるけど、当時としては綺麗だし、ストーリーとか、いつまで経っても色褪せないモノもあるので!

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
普段は3枚目な「ぬ~べ~」が、生徒のピンチには急に2枚目になる。そりゃ、モテるわw

ただのバトル漫画で終わらなかったのが、素晴らしさ。設定優先であり、ストーリーは後付けくさいけど、破綻してなくて凄い。ぬ~べ~が、ちゃんと先生として魅力的。1話完結で観やすい。デレたw後の、鬼の手とぬ~べ~の関係が好き。原作の方が怖かったりエグかったりする話は多い。

アニメにおいては、なんか、「ぬ~べ~が人面瘡に襲われて、学級の皆が助ける話」が印象に残ってます。流石に何話かとか細かいエピソードは忘れたけど、いつも助けられてばかり、問題を起こしてばかりだった五年三組の子供たちが、ぬ~べ~を助けるために力を合わせて頑張る姿は感動的でした。

あとは、アニメか原作か記憶が曖昧だけど、「かまいたち」「てけてけ」「はたもんば」「寄生虫」なんかが印象的。妖怪や悪霊たちは、たんに暴れる悪者じゃなくて、ちゃんと彼らなりの「暴れる理由」があって、大抵は人間(子供たち)の方に非があったりして、単なる勧善懲悪のストーリーじゃないところが好き。いつもいつも、妖怪や悪霊を退治して終わりってわけでもないしね。

あと、雪女が可愛いです♪ タブルヒロインでしたが、私は雪女一択っす♪
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

73.7 4 幽霊で小学生なアニメランキング4位
花田少年史(TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (194)
956人が棚に入れました
近所でも有名な腕白小僧、花田一路は悪戯を叱る母親から逃げようと道路に飛び出し、車にはねられてしまう。頭を9針縫いながらも、奇跡的に助かった一路であったが、これ以降なぜか幽霊が見え会話出来るようになってしまう。そして様々なオバケ達が生前の未練や願いを果たすためにと、自分たちと会話可能な一路の元にやって来て無理難題を押し付けられる事となった。

声優・キャラクター
くまいもとこ、桑島法子、矢尾一樹、田中真弓、野沢那智、竹内順子、久川綾、伊倉一恵、永井一郎、ゆきのさつき、井上倫宏、真殿光昭、松本梨香、山口勝平、小林沙苗、堀勝之祐、大原さやか、金月真美、高山みなみ、田中秀幸、かないみか、たてかべ和也

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

笑って泣けるハートフルコメディの名作

☆物語&感想☆

カラーテレビが普及しだした頃の昭和の田舎が舞台で、
ある日車にはねられた事をきっかけにおばけ(霊、生霊)が見えるようになった主人公一路のもとに、
あの世へ行けない霊や生霊が助けを求めてやってくる、という内容の物語。
基本1話~3話完結のエピソードで全25話。

成仏できない幽霊を助ける…となると「あの花」のようなあからさまに泣かせる系の話か、
と構えてしまうところではありますが、
基本的に主人公の一路は非協力的で、とんでもない悪ガキ(糞ガキ)なのが他作品とは異なるところ。
どのエピソードも中途半端なギャグアニメ以上に笑えるコメディでもあるので、
あざとい感じはそれほど受けません。

まぁ幽霊のお願いもシリアスなものもあれば、結構ライト!?なものまであって、
泣かせるエピソード一辺倒というわけじゃないところも飽きさせなくて良いですね。
後半は特にどれも感涙必至な珠玉のエピソード中心ですが、
前半8話の童貞のまま死んでしまった織田の話は異色で、かなり笑えるもので自分は好きですね。

一路の悪ガキぶりだったり、母ちゃんのお仕置きなど、
今ならちょっと放送コードに引っかかりそうな描写も結構ありますが、
当時は今ほど規制とかうるさくなかったんでしょう。
結果的に昭和の時代感がとてもよく描かれていてノスタルジーを感じる所でもあります。

この作品が幅広い年齢層に高く評価されているのは、
笑って泣ける物語で、昭和のノスタルジーを感じる作風だということは明らかですが、
一貫しているのが、親子だったり恋人同士だったりの愛に溢れた普遍性を描いていること。
花田家の面々を観ていても、家族の温かみを感じない人は居ないでしょう。

☆声優☆

主人公一路を演じた、くまいもとこの好演が何と言っても見事ですね。
これほどこの役に嵌るキャスティングはなかなか見つからないでしょう。
また、一路以外にも花田家の面々の演技も素晴らしい。
母寿枝役はどっかで聴いたこと有るなぁと調べてみると、ドラゴンボールでクリリン、
今はワンピースのルフィを演じているんですねぇ~感慨深い。

徳次郎役の野沢那智さん、数々の名優の吹き替えをされてた方ですが、
アニメで思い出すのはあのスペース・コブラ。
もうずいぶん前に亡くなられてたんですね。。

その他各エピソードのゲスト声優も今となってはベテラン揃いの実力派ばかり。

☆キャラ☆

主人公一路の最初の印象が悪すぎてかなりイラッと来ましたが、
観ているうちに慣れ、家族や友達、幽霊との関わりを通じて、
回を追うごとにちょっとづつ成長していく様が見て取れたのが良かったですね。

花田家の面々は個性豊かで演技の良さも相まってかなり笑わせてもらいましたね。
いつも一路を叱っている母寿枝の一路を思う気持ちに涙。
一路にアプローチしてくる霊たちも、バラエティに富んでいて飽きさせませんでした。

☆作画☆

クレジットを見てみると回によってはかなり少数精鋭で制作されたことが判りますが、
キャラデザインが今風の絵柄じゃなく、アクション的にもそこまで派手な場面も多くないので出来たんでしょうね。
ただ表情の描き方なんかはしっかりしていて、手抜き感は感じられません。

高く評価したいのは何より背景&美術の方。
これがとても淡くノスタルジックで素晴らしい出来。
2002、3年の作品ですが、デジタル環境が整った現在のものと比べてもかなり質が高い。
もしこれから観てみよう、という人が居たら背景、美術に注目して観ると良いと思いますよ。

☆音楽☆

OP,EDがバックストリート・ボーイズの楽曲が用いられているのが意外ではありますが、
曲自体は作品に合ったもので違和感はありません。
まぁこれだけ素晴らしい作品なので、やはりこの作品のために歌詞から作って欲しいなぁとは思いますが、
作中BGMの方は絶品。
アコースティックな楽器、生音に拘った温かみや懐かしさを感じるもので、
曲数はそこまで多くないながらも素晴らしい出来、しっとりと染みますねぇ。


内容に難しさはないものの、
昭和のノスタルジーを感じるという意味では、
ある程度大人の方がより感慨深いのではないかと思います。
作画、声優、音楽、クオリティはマッドハウスの本領が発揮された素晴らしいもので、
今時のアニメファン以外の一般層にもオススメして間違いない、名作なのは言うまでもありません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

絵柄で敬遠しないで。隠れた名作ですよ。

<2020/10/26 初投稿>
原作は一色まことさんの1990年代の漫画。
原作好きでした。
アニメの本放送は2002年だそうですが、アニメ化されてることすら気づかず、数年前の再放送で初めて視聴しました。


時は昭和30〜40年頃。
舞台は日本のとある田舎町。
主人公は悪ガキの小学生「花田一路(いちろ)」

ある日、いつものようにイタズラがばれた一路は、追いかける母ちゃんから自転車で逃げ回り、挙げ句に三輪自動車と出会い頭に激突!
するとどうしたことでしょう。
一路はなぜか幽霊が見えて話せるようになってしまいました。

本作はここから始まる「一路とお化けと生きてる人たちが織りなす、笑えて泣ける物語」です。

そうなんです。
本当に心の底から笑えて、
心の底から泣けたんですよ。

一色まことさんの漫画はかなりクセのある個性的な絵柄。
でもめちゃくちゃ「上手」。
コマ割りも台詞回しも読者に十分伝わりながらも余分が何もない。

そしてキャラクター。
表情も仕草も、まるで漫画のコマの中で生きているよう。
一路はもちろん。
各エピソードのゲストキャラやゲストお化け。
レギュラー陣の一路の母ちゃん、父ちゃん、姉ちゃん、爺ちゃんと子犬のジロ、幼馴染みの男の子と女の子。
他にも同級生や近所のババアなど。

みんなみんな、命が吹き込まれ、「生きて」いました。

さらに凄いのは。
本作は1話完結で原作では12エピソードあったのですが、似たようなエピソードが一つとしてないこと。
お化けと人間の話なので似た話が繰り返し出てきそうなところですが、それがない。
そしてどれ一つとってもレベルが高い。

ジロとの出会い、ちんちんジジイ、ハムカツ、ひまわり、瀕死、ゴンパチ、そして倫子などなど。
どのエピソードもハズレがない。
ハズレなく笑ったり、感動したり。

一色まことさんは真のストーリテラーだと思います。

さてアニメの方ですが。
アニメではこの珠玉の原作を高いレベルで再現し、動かしています。
2002年の4:3比率の画面とは思えないハイレベルな高品質。
(ただ、原作の表現力があまりにも高すぎて、原作ファンの私にはそれでも少々物足りなかったり)

声優も花田一路役のくまいもとこさんを始め皆ぴったり。
ちなみに一路の家族は
お母ちゃんは海賊王になる予定の人
お父ちゃんはZZのパイロット
お爺ちゃんはスペースコブラ
お姉ちゃんは七代目火影
と最強一家です。

OPとEDはなぜか洋楽。
それも"あの"Backstreet Boys。
よく許可取れたよな。
でもなぜか少年・一路と麦わら帽子の映像にマッチしてたり。

と、長々と冗長にいろいろ書いてきましたが。
まだ観たことない、というそこのあなた。
本作はオススメですよ。
キャラデザは確かに可愛くないけども、それも3話目ぐらいで慣れます 笑。
もしよかったら一度、ご視聴チャレンジしてみてくださいませ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

Tnguc さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【お気に入り】 正真正銘、笑って泣ける作品

~
「クソガキ」を絵にかいたような少年・花田一路(はなだ・いちろ)は、可愛げの「か」の字もないようないハナタレ小僧で、どうしようもないトラブルメーカーでした。ある日、事故をきっかけに後頭部に九つの縫い跡を持ってしまった一路は、幽霊が見える特異体質になってしまいました。という話。
この作品は、そんな少年一路を中心とした花田家のドタバタギャグの一面と、様々な幽霊との出会いが生み出す感動ドラマの側面があり、他の作品にはない特殊な二面性を持っています。ギャグの部分については、とにかく一路たちのクソガキらしさが前面に出ているので、やっていることは心底下らない感じです。でも不思議と微笑ましさすら感じる面白さがありました。きっとそれは、どんなに下品なやりとりだとしても、その根底には「家族」という素朴な温もりがあるからだと思います。もう一つの側面である幽霊との物語は、幽霊が見える体質であるばっかりに、色んな幽霊から未練の代役を頼まれてしまうのですが、その中には、しょーもない未練を依頼する者や、大切な人との別れをお願いする者など、様々。とにかく幽霊の依頼内容が多種多様のため、ある時はコメディになったり、ある時はヒューマンドラマになったりと、物語のバリエーションがとても豊富です。最後まで飽きることはありません。
この作品は「浦安鉄筋家族」と「夏目友人帳」を合体させたような作品で、登場人物や作風自体は「浦安鉄筋家族」、設定や物語は「夏目友人帳」を彷彿させます。普通に考えると、この二つの作品は噛み合いそうにありませんが、実はその通りだったりします。幽霊メインのドラマが始まると、一路が蚊帳の外になったりして、主人公にも関わらず舞台装置のような扱いになったりしていました。それでも、時には笑い、時には胸が温かくなるような、一粒で二度おいしい作品であることに変わりはありません。

物語:★★★★☆
・本文参照。個人的にメロンとクリスマスプレゼントの回がお気に入り。
作画:★★★★★
・水彩画のような背景が素朴な雰囲気を演出しています。
声優:★★★★★
・有名な声優が多いけど、普段とは違った演技が見れるので新鮮。
音楽:★★★★☆
・バックストリートボーイズは今だからこそノスタルジックに聴こえてしまう不思議。
人物:★★★★★
・子供がみんな生き生きとしています。桂ちゃんが可愛い。

個人的評価:★★★★☆ (4.0点)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

64.5 5 幽霊で小学生なアニメランキング5位
パパのいうことを聞きなさい! ~異人たちとの春~(OAD)

2015年3月25日
★★★★☆ 3.8 (145)
904人が棚に入れました
原作「パパのいうことを聞きなさい! 」第18巻の予約限定版に収録される。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

伝わる“確かな想い”…。成長した三姉妹&パパ 小鳥遊家のハートフルラブコメ、ついにフィナーレ!!

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版とOVA①は視聴済です。
ある意味、自分の願いがこんな形で叶っているとは夢にも思いませんでした。

この作品も原作第18巻OVA付限定版に収録されている作品なので、ずっと視聴できませんでしたが、OVA①「男女8人夏物語」に続いて視聴しました。

サブタイトルの「異人たちとの春」については、視聴前に意味があまり良く分からなかったので追求しませんでしたが、本編が始まった瞬間に理解しました。
これは本編から4年後、幽体となった信吾と祐理が4人の元を訪れる物語だったのです。


みんな少し成長した小鳥遊家、そこにやってきた祐理と信吾の二人。
懐かしい想いと、成長したみんなの姿に心躍らせつつ、いろんなことを覗き見しちゃう。
そんな中、空の“ある想い”を知り二人とも驚くが、その想いはとても確かなものだと実感し…。


AT-Xのストーリーを引用させて頂きました。

祐理と信吾は大切な宝物を置きざりにしてしまいました。
そんな2人に与えられたたった1日が、2人の子供を見守る目線で描かれています。
目に入れても痛くない3人の娘の節目や成長が感じられる展開は流石としか言い様がありません。

小学校でみんなと元気に過ごすひなの姿を堪能して、中学校の体育館では、美羽がアイドル顔負けの人気っぷりを目に焼き付けたかと思えば、高校では逞しく成長した空の雄姿を拝むことができるのですから…

でも、この物語はそれだけじゃありません。
この物語はこのOVAで本当のフィナーレを迎えることになるのです。
これまでTVアニメ版以降の結末は風の噂で耳に入っていましたが、もしかすると続編が制作されるかも、と思い敢えて気にしないようにしていましたが、その結論がいきなり突きつけられる展開には少々度肝を抜かれました。

抜かれましたが、その後の展開は言葉で言い表せない程凄い…
こんなにもボロボロ泣ける展開が待っていたなんて…
というか、こんなにも大切な物語が原作同梱版という位置付けで良かったのでしょうか?
どんな形であれ、この瞬間を待ち望んでいる人は、きっと想像の桁を一つ違えていると思うんですけど…

この4年の間、色んなことがあったと思います。
この部分はアニメ化されませんでしたが、この作品ならではの手法で補間されていました。
アニメで続きが見たかったという欲求が消えた訳ではありませんが、納得はできたと思います。
パパ聞きファンの方なら必見の作品だと思いました。

最後に一言言わせて下さい。

「末永くお幸せに!」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

future☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルなし

.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

大学生の主人公・瀬川祐太は、姉夫婦に代わり、急きょ3人のめいっ子たちの保護者となることに!6畳ひと間のアパートを舞台にし、騒がしくも心温まる同居生活を描くアットホームラブコメ。


.。o○ ○o。.キャスト.。o○ ○o。.

瀬川祐太:羽多野渉
小鳥遊空:上坂すみれ
小鳥遊美羽:喜多村英梨
小鳥遊ひな:五十嵐裕美
織田莱香:堀江由衣
仁村浩一:小野大輔
佐古俊太郎:間島淳司
小鳥遊祐理:大原さやか


.。o○ ○o。.発売日.。o○ ○o。.

2015年3月25日


.。o○ ○o。.OP、ED.。o○ ○o。.

OP「Happy Girl」喜多村英梨
ED「Coloring」堀江由衣


.。o○ ○o。.お話.。o○ ○o。.

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ひなちゃん小学生になったんね

このOVAで本編完結という事らしいです、
アニメ放送時から数年経ちみんな成長してますね、
個人的には商店街の幼女アイドルひなちゃんが、
どうなってるかな~?気になったけど、
可愛さけしからんままでよかった、

副題の~異人たちとの春~だけど、
某邦画からですね、あちらは夏だったけど、
ストーリー大好きで何度も観ました、
片岡鶴太郎氏演じる親父よかったな~、

親の願いは普遍なり、、か。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

77.6 6 幽霊で小学生なアニメランキング6位
若おかみは小学生!(アニメ映画)

2018年9月21日
★★★★☆ 4.0 (158)
729人が棚に入れました
小学校6年生のおっこ(関 織子)は交通事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する旅館<春の屋>に引き取られることになった。

旅館に昔から住み着いているユーレイのウリ坊や、美陽、小鬼の鈴鬼、ライバル旅館の跡取り・真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみ修行を始めることになった。

慣れない若おかみ修行に、毎日失敗の連続…。

「あたしって、全然しっかりしてないじゃん。」

落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに助けられ、一生懸命に接客していくうちに、少しずつ成長していくのだった!

声優・キャラクター
小林星蘭、松田颯水、水樹奈々、一龍斎春水、一龍斎貞友、てらそままさき、小桜エツコ
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

【酷評注意】是々非々 貶してから褒めてみる

☆制作スタッフ
▼原作:青い鳥文庫(講談社)
▼原作者:令丈ヒロ子
▼アニメーション制作:DLE、マッドハウス
▼話数:劇場版94分{netabare}
▼監督:高坂希太郎
・実績
(監督)
『CLOVER』『茄子 アンダルシアの夏』『茄子 スーツケースの渡り鳥』
▼脚本:吉田玲子
・実績
(シリーズ構成/脚本)
『カスミンシリーズ』『マリア様がみてる 』『けいおん!』『ガールズ&パンツァー』『のんのんびよりシリーズ』他多数
▼音楽関係
主題歌:「また明日」
▼CAST(略)
テレビ版に掲載{/netabare}

☆エピローグ
冗談抜きに酷評します。
劇場版のみの方、テレビ版と劇場版、原作既読と劇場版と様々な立場があると思いますが、私はテレビ版視聴済みの立場でレビューをします。
なお、閲覧の際、本レビューでは、本作ファンの方々の気分を害する可能性があることを特記します。

原作未読
テレビ版視聴済

【本文】{netabare}
辛辣なレビューになるから、本作の劇場公開が終了したタイミングで書くことにした。
先にテレビ版をレビューするか迷ったが、圧倒的に出来が良いテレビ版のレビューより、問題の多い劇場版からレビューすることとする。
タイトルの意味はそういう事である。
テレビ版を視聴した者の立場として素朴に「これ、劇場版《製作》する必要があったのか?」である。

テレビ版の後半クールのEDは劇場版のカットシーンで、劇場版鑑賞に来て下さいアピールが見え見えだったことからも、本作はテレビ版既視聴者をメインターゲットにしているのだろう。
ま、それでも内容が伴えばそれで良しだが、あっさりと言えば劇場版はテレビ版のダイジェストで横手さんの脚本を吉田さんが書き直したようなものだ。
それでも宣伝効果で前評判が高く、連休中の公開初日から数日は確かに休みも続き客入りも良かったそうである。
しかし、その後は失速し、興行成績向上のために有名監督や評論家を動員しての鑑賞批評をネット媒体やマスメディアでキャンペーンを張ったのも、一般鑑賞レビューが増えるに従いテレビ版と差異がないことが世間に周知されるとともに、テレビ版と変わらないなら劇場版の鑑賞は別にしなくてもいいな、となりつつある傾向に製作側が危機感を抱いたからだろう。
それを裏付けるかのように、他のサイトではステマ的なレビューすら散見された。
一部の劇場では公開延長があるようだが、マスコミが宣伝するように人気が高いのが理由ではないだろう。
私が鑑賞したシネマで本作は一番小さい劇場割り当てであり、かつ、公開最終日前日にも関わらず、客入りは良く見積もっても6割程度。
子供客で確認したのは1人だけ。
後は私のようなオヤジばかりの『ガルパン』と似たような客層だw
つまり、フェイクニュースを垂れ流してまで興行実績を残すことに必死なのが本作の現実ではなかろうか。

劇場版とテレビ版の大きな相違は、①交通事故のシーンとテレビ版第1話「おっこ」が旅立つカットシーンの追加②「ウリ坊」登場シーンの変更③美陽登場シーンの変更④「おっこ」の両親を殺した加害者運転手家族が「春の屋」へ宿泊したハプニングエピソードの追加⑤神楽の舞子をきっかけに「ウリ坊」「美陽」「鈴鬼」との別れを示唆するシーンの追加⑥両親との回想シーンの追加⑦「ウリ坊」と「みねこ」(祖母)のエピソード追加拡大といったところだ。

【各論】
<物語の批判点>
(1)前述のとおり、テレビ版視聴前提であれば②を除き「美陽」や「鈴鬼」の登場シーンを焼き直して尺を浪費する必要はなかった。そのまま「春の屋」の幽霊として登場させればいいし、テレビ版未視聴者でもさして不思議とは思わないだろう。
(2)②の「ウリ坊」の登場シーン変更だが、おっこが事故にあった瞬間ウリ坊が救出した設定としている。
その後の物語の展開を考えると「ウリ坊」が「おっこ」の両親を殺して、おっこを春の屋へおびき寄せた「悪霊」ようにも見えてしまう、かなり、疑問を抱いた設定変更だった。
なお、⑦は「ウリ坊」が「春の屋」の地縛霊となった経緯のエピソードであるが、さして尺も浪費しておらず「みねこ」のCVに花澤さんを起用し、ファン層の拡大という意味からも設定すること自体はストーリーの大局上、毒にはならない。
(3)③だが、妹を庇う姉としての登場が劇場版、「秋好旅館」に居場所が無くて「春の屋」に悪戯しに来ていたのがテレビ版、劇場版は「おっこ」と「真月」の出会いと合わせて登場シーンを設定し直しているが、前述のとおり物語に大きな影響を与える準主役の「ウリ坊」と立場が違う「美陽」の登場シーン変更ため態々尺を取る必要はないし「美陽」の境遇を考えるとテレビ版の方が共感する。
寧ろ、劇場版でイメージまで変更する必要はないキャラなのだ。
(4)⑥の演出にも関わらず、両親を失った「おっこ」の子供らしい感情発露の心理描写はテレビ版の方が遥かに丁寧であり上手だった。
劇場版では回想シーンを増やしたにも関わらず、テレビ版より劣ったのは、回想シーンのカット映像と他のエピソードとのジョイントの意味付けが希薄であり、結果、共感に至らなかったこと。
テレビ版のように「おっこ」の心理描写は派手な事故アクションや両親との思い出カット挿入ではなく、独立した尺を取り丁寧に描写をするべきだった。
(5)①の事故シーンだが、作画に関しては迫力があった。
しかし、このシーンの挿入は微妙であり、子供が鑑賞する想定ならショックが強すぎる。
もう少し和らげるか、子供には理解し難くても、続く電車内でハシャグ親子を窓の反射で間接的に眺め、悲しみを堪える「おっこ」の心理描写のメタファーと事故を繋げるメタファー演出と後の④のエピソードとオーバーラップするように繋げた方が作品の「品」が断然向上する。
(6)「真月」のキャラを立て過ぎている。
テレビ版でもやり過ぎではないかと思っていたが、劇場版ではよいよ…?(苦笑)である。
テレビ版では小学生らしい描写があったから救いもあったが、劇場版では彼女の部屋の描写を含め小学生が「哲学」に達観するなど、ほとんどギャグに等しい設定だ。
このため同じクラスメートの「おっこ」とのギャップが更に激しくなり興醒めした。
更にキャラデザがテレビ版以上にデフォルメされたプリキュア状態で見るに耐えなかった。
(7)「真月」もだが「美陽」のデフォルメも激しかった。ただでさえ本作の子供キャラは子供の視聴を前提としたデフォルメ系である。
確かに劇場版では背景美術に拘っただけあって素晴らしい出来だ。
しかし、逆に子供キャラがデフォルメされ過ぎていて、折角の素晴らしい背景に対し著しく浮いてしまうのだ。
『ゆるキャン△』のレビューでも述べたが、作品とは総合的な観点で評価されるものである。
キャラデザの性質を考慮せずに、背景に力を入れても徒労ではないのか。
自動車の精密描写も含めて作品の基軸ではなく傍系に拘っても、単に演出の自己満足にしか見えないのだ。
(8)テレビ版と同じエピソードを劇場版でやる必要性を感じない。
特に「あかね」と「おっこ」のやり取りはテレビ版第2話横手脚本、劇場版吉田脚本と明確に分かれるシーン。
だが「あかね」に説教する「おっこ」に説得力があるのは断然テレビ版である。
何故かというと、テレビ版では「あかね」への説教の以前に両親を亡くした「おっこ」の子供らしい素直な悲しみの感情表現が伏線として丁寧に描写されていたが、劇場版ではこの部分が圧縮され「おっこ」は両親を亡くしたという事実のみで、父親が健在で母親を亡くした「あかね」に説教を垂れただけの説得力の片鱗もない描写になってしまっている。
演出や脚本が「(4)」で述べたような「おっこ」の心理描写は既に済んでいるとしたのか、はたまた、テレビ版を視聴したのであれば深い説明が要らないと判断したのか定かではないが、その程度の描写なら「あかね」のエピソードの意味はなく不要であったし、尺の無駄遣いだ。
(9)これは批判というよりも疑問に近い。
⑤のシーンは本作の「完」を連想させるのだが、劇場版では曖昧な形「暗喩」で表現されている。
テレビ版の最終回を視聴した限りでは2期もあり得る終わり方であり、ネタバレになりかねない⑤のシーンは本当に必要だったのか?
テレビ版の2期はありません!劇場版でシメます!という製作ポリシーがない限り、やってはいけないシーンであったのではなかろうか。
喉にモノがつかえたような後味の悪さである。
(10)「グローリー」とのエピソードも焼き直しでありほとんど必要がない。これも「グローリー」の紹介程度にして、既に「おっこ」とは信頼関係が構築されている前提で劇場版のストーリーを立てれば良かったのだ。
このエピソードを冗長化させたのは、背景に拘った動機と同様に「ポルシェ911タルガ4」の3Dモデリングを観客に自慢したかった演出の自己満足にしか見えないし、本当にポルシェのステマ?wかと思うほどこれだけは良く出来ていた。(ステマをしなくても売れる有名なスポーツカーだけどねw)
本エピソードは物語がもうダメだと考えていた頃なので、ポルシェばかり見入っていた。
欲しくても買えないからねw
それにしても、本作のスタッフは相当カーマニアなのだろう。
現代では非現実的なT型フォードや初代クラウンが現役で花の湯温泉街を走り回っている。
「おっこ」の学校も木造校舎で現代では非現実的なのだが、クラッシックカーも遊び心のあるファンタジーとして許容は出来る。
しかし、ポルシェをあれだけ精密なモデリングとするなら、フォードやクラウンもポルシェと同等の精密モデリングとするべきであり、中途半端である。

以下はどうでもいいことだが、和の風景に合わせたオープンカーなら、マツダロードスターや絶版ではあるがホンダS2000など、国産の名車をプロップとして採用するのもアリではないかな。
「グローリー」のブルジョア生活を強調するのなら、ホンダNSX(23,700,000円)レクサスLFA(37,500,000円)という手もあるし、本作は子供が対象なのだから、我が国の工業技術の結晶である国産高級スポーツカーを採用し、将来の日本を担う子供達にモノ作りの夢を託す配慮があっても良かったと思う。
因みに、本作に登場するポルシェ911タルガ4だが、外観で分かる範囲で推測してみると、LEDヘッドライトが標準装備であるからグレードはGTSで21,540,000円。
ブレーキキャリパーがイエローであるから、オプションのセラミックコンポジットブレーキ(1,545,000円)がプラスされる。

<物語で評価される点>
残念ながら本当に少ない。
(1)ポルシェに乗って買い物に出かけた「おっこ」が事故の記憶を思い出しPTSD症状を起こした点。
これが、批判点(5)で述べた事故のメタファーだが、折角こういう名演出があるのに作品全体の軸として繋げきれていないのである。
(2)④はテレビ版にはないエピソード。
加害者一家が春の屋に泊まったシンクロニシティと、両親を殺した加害者を知った「おっこ」が両親との死別を乗り越えて花の湯での新たなスタートを誓い、明るく前向きに生きようとしていた矢先の実に残酷なシーンだ。
「おっこ」の複雑に絡み合った、いたたまれない心理描写は見事であった。
劇場版では実質吉田オリジナル脚本はここだけだが、流石、吉田脚本だと感じたシーンである。

(★は一個0.5点)
物語
★★★★★☆☆☆☆☆2.5
(各論のとおり。)
キャラ
★★★★★★☆☆☆☆3.0
(デフォルメ減点有り。)
音楽
★★★★★★☆☆☆☆3.0
(劇伴はまあまあだが、劇場のサウンドシステムを活かしているとは言い難い。主題歌は記憶に残らなかった。)
作画
★★★★★★☆☆☆☆3.5
(各論のとおり。)
声優
★★★★★★★★☆☆4.0
(テレビ版と一部キャスト変更があるが、大局には影響を与えていない。)

【雑感】
本作は原作も素晴らしく、また、テレビ版は良い出来で一定の評価ができるのに何故こうなったのか不思議でたまらない。
問題の核心はテレビ版を焼き直したプロットにあるのだろうか。
その責任が何処に起因するかと推測するとき、DLEやマッドハウスをはじめ製作委員会が制作に相当関与したと思われる。
おそらく、製作委員会で企画したプロットありきで、コンテと脚本を仕上げた結果が本作ではなかろうか。
つまり、監督も脚本もほとんど関与出来ない次元でプロットが決定している可能性が高いのだ。
原作ではテレビ版以外のエピソードもあるはずだが、テレビ版のエピソードを多用したところをみると、芸術的判断よりも政治的判断が濃い印象を受ける。
国内のファン向けであれば、テレビ版のエピソードよりも劇場版オリジナルの④のエピソードを軸に、テレビ版では触れられていない「おっこ」と両親の平和で心温まる日常、つまり前日譚にも尺をしっかり取り、天国と地獄の如く不幸のどん底に落ちた「おっこ」をより強調することと、若おかみ修業を通して悲嘆から立ち直り成長していく「おっこ」の成長物語とすることが出来たし、脚本吉田さんの起用はこのようなオリジナル性があってこそ生きるのだ。
純粋に芸術的視点で作品を作り込むのなら、テレビ版に左右されず、一からプロットを考えるはずであるが、本作はそういう構成にはなってはおらず、国内のファン向けではなく「アヌシー国際アニメーション映画祭出品」審査員向け作品と考えるのが妥当かもしれない。
審査員は恐らくテレビ版を観てはいないだろうから、相応の評価は受けるだろう。
本作ファンの一人として、可能であれば、マッドハウスのエースいしづか監督を起用し、吉田さんとコンビで作品を作り直してもらいたい気持ちだ。

高坂監督はマッドハウスで活躍し、ジブリ作品も参加経験が多く『風立ちぬ』の作監も務めた有名なアニメーターではあるが、業界キャリアに対して監督経験はそう多くないし、テレビ版のマッドハウス増原監督やDLEの谷東監督とは違いフリーだ。
この状況で劇場版の監督を依頼された経緯を考えてみると、公開されている事情の他、本作はアヌシー祭出品に向けて、カンヌ経験があり、ジブリ作品を手がけていることから国際的に名の通る監督の起用が政治的に必要であったのだろう。

なお、公式の高坂監督コメントに、本作はマルクスの世界観【下部構造が上部構造を規定する】で表現したとのコメントがあるが、本作を鑑賞した限り、テレビ版のシーン流用で独自性発揮の制約もあるし、また、演説でもない限り94分程度の映像では弁証法的唯物論のフル展開は厳しいだろう。
穿った見方をすれば小学生が労働する様は『蟹工船』的とも言えるが、本作はプロレタリアの悲惨さを強調し階級闘争を求めたものではないことは皆様御承知のとおり。
また、実際、本作はそのような組み立てにもなっていない。
ゆえに、誰かが本作を高く評価したといっても、それはコミュニズムへの感化とは無縁の出来事であると、あえて釘を刺しておく。
ま、あのコメントは当然好ましくはないが、監督本人の思想がマルキシズムに立脚しているという程度の意味だろうから。{/netabare}

率直に本音を述べれば、本作を鑑賞した後の気分は詐欺にあったときと似たような感覚だった。
テレビ版を視聴済みなら、あえて1,500円を支払い鑑賞に行く必要は感じられないし、いずれ「Amazonプライム・ビデオ」にエントリーされるだろうから、それを待って視聴しても良いと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

明日、親が死んだらどうする?

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
このアニメ映画は、物凄く評価が難しい作品だった。多分、これまで観てきたアニメの中でもトップレベルに、☆を迷った。

子供向けの作画ではあるけれど、「家族の死」という、とにかく重いテーマを、かなりライトな雰囲気で描いている。

物凄く不安定で微妙な綱渡りを、ギリギリのところで渡り続けるようなアニメ。

このアニメのクオリティは、間違いなく高い。あとは、好みの問題。

ギリギリまで☆4と迷ったけれど、う~ん。やっぱり☆3とします。レビューは、その辺りの理由と、じゃあ自分ならどうしたいかを書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
作品のテーマは、「両親の死を受け止め、どう前進するか」で、これは色々な媒体でやられてきたと思う。

それを、「児童向けアニメ映画」の中でやったのは、スゴいチャレンジだと思う。

両親が、自分の目の前で事故死する。

多分それは、子供にとって、世界でこれ以上ないレベルの苦しみだろう。

序盤はそんな悲劇を感じさせないように、明るい、むしろ明る過ぎる、軽すぎる雰囲気の中でストーリーが進む。が、「流石に最後までこのノリなわけはなく、どっかでシリアスくるよな」と思うので、あまり不謹慎な感じは受けなかった。

中盤の、「あかね&幸水」の話は、子供らしく親の死を悲しむあかねと、まだ死を受け入れられていないオッコとの対比を魅せ、「水領」の話は、オッコにあるトラウマを魅せ、オッコの深い悲しみを魅せる、上手い展開になっていたと思う。

問題は、「木瀬文太」だ。オッコの両親の死の原因になった劇場版オリジナルキャラ。ここのエピソードで、おそらく評価が分かれるのだろう。

私は、やや否定的。

オッコの「春の屋旅館の若女将ですから」というのは、確かに感動したけど、当然、「小6でそれは聖人君子過ぎないか?」と思う人もいる。

私はやっぱり、「無理」だ。今、私は30半ばで、親も健在だけど、(仮に相手の過失が小さくても)もし事故の加害者と会ったら、あんな風にはできない。ましてや、オッコは小6。いくらアニメだとしても、ちょっと理解できない。

また、お客さん(加害者)の立場でも、「絶対に泊まりたくない」。そこで、「自分がツラい」と加害者に言わせた、脚本の吉田さんは流石だとは思ったけど、あそこはそのまま春の屋に泊めなければ、私は☆4にしたかな。

もし私なら、①オッコが宿泊を勧める→②木瀬家は、「ありがとう。でも、自分達がツラいんだ」と言って、春の屋を後にする→③祖母から、「頑張ったね」的な励まし→④オッコ、号泣しながら笑って、「春の屋旅館の若女将ですから」→⑤大人達も皆泣いてフェードアウト→⑥神楽のシーンに移行。に、するかな。

勿論、そういう展開にすれば評価を下げる人もたくさんいるだろうし。この辺は、好みの問題ですね。

あと、個人的な好みを言えば、「成長して幽霊が見えなくなる」と「親の死を乗り越えて前に進む」は、どちらか1つに絞って、そのぶん丁寧に描いてほしかったかな、映画の尺なら。まあ、要素が2つあることが詰め込みすぎなのか感動の倍増なのかも、好みの問題でしょう。

いずれにせよ、制作はそういう「良し悪し」を全て分かった上で、このようなストーリー、演出にしている、「意図」は感じたので、これはこれで良いアニメだと思った。

あと1つ。

レビュータイトルにもしたけど、それが何歳であっても、「明日、親が死んだらどうする?」ということは、常に思わなければいけないことなんだと思っている。

今年はコロナが怖くて実家には帰っていないが、親が60を過ぎたあたりからは、できるだけ実家に顔を出してきた。それはやっぱり、「親の死」を明確に意識するようになって、今のまま(あんまり親に顔を見せないまま)では自分自身が絶対に後悔するし、親自身を喜ばしてやりたいという気持ちもある。実際は、自分も仕事が忙しいし、休日は自分自身に時間を使いたい気持ちもあるけど、やっぱり、親は大切にしたい。

でも、いくら何をどうやったとて、もし親が死んだら、その時は絶対に後悔するんだと思う。仮に親が120まで生きようが、何をどう努力し、覚悟しようが、やっぱり後悔はするんだと思う。寂しくなるのだと思う。

まして、そこに努力や覚悟がないのだとしたら、どれだけ後悔するのだろうか。寂しくなるのだろうか。

私は今、道場で小中学生に剣道を教えているが、彼ら彼女らの中にも、親に対してひどい態度をとる者はいる。試合に応援に来たときとか特にそうだ。

まあ、年頃だし、分からなくはない。余計なお世話だとも思う。それでもそんな時、親御さんがいなくなったあとに、彼らには言う。

「もし、明日親が死んだらどうする? それでも、後悔ないか?」

彼ら彼女らの心には響かないかもしれない。でも、1人でも2人でも、考えてくれたら嬉しい。そう思って、たまに言っている。

このアニメ、是非とも子供に観てほしいな。

私のような深夜アニメ好きのオッサンが、演出が~とか作画が~とかストーリーが~とか言ってする評価なんて、本当はどうでも良い。

子供が、子供の目線からこのアニメを観て、100人中1人でも2人でも、自分の生き方や親との関係について考えるきっかけになってくれればそれで良い。

そんなアニメでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

今期イチの注目株と聞いたので観てみました

テレビ版と原作は触ってません。


以下ネタバレ内に推測上のテレビ版との比較を入れています。
(こんな状態で語るのはおこがましいと思いますが、あにこれに劇場版の感想書いてる人が少ないので一応記載させていただきます。勘違いしている部分があったらその都度指摘してください。詳細を書いてくれる人が現れたら消しますので参考程度で)

{netabare}1スタッフが違う
脚本もキャラデザも監督も違います。つまりはTV版のつぎはぎ総集編ではないということが言えます。

2原作は同じ
オリジナルエピソードではなさそうなので、エピソードの被りはあるかもしれません。

3視点を変えている
これでしょうね。テレビ版は織子が若女将として仕事をする中で、様々な困難に挑み、失敗しながら少しずつ成長していくお話がメインなのかな?{/netabare}
映画版は両親を亡くした織子のトラウマを少しずつ克服して行くところを中心に描いています。

これよりネタバレを含む感想{netabare}
家族との幸せな時間…両親との別れは突然に訪れます。
反対車線に飛び出したトラックに突っ込まれた乗用車。数分前まで会話をしていた両親が亡くなるのを目撃した織子はいったいどれほどのショックを味わったでしょう。
しかし、描かれたのは落ち込んだ様子の無い織子。
おそらくいつもやっているように誰も居ない我が家に挨拶をして離れ、引き取り先の祖母のもとへ向かいます。
移動中は特に両親の話題に触れず夏休みの間だけ親戚の家にお泊りに行くただの女の子のよう。

勿論徐々に両親について話題が出てきますが、
最初は「お父さんとお母さんは生きてる気がする」と言っていました。
幽霊がみれたことも一因なのでしょうか。
現実に目を向けられていない織子。仲居さんが気の毒そうな表情を浮かべますが、織子は気にする様子がありません。
そんな中、母を失ったばかりだという親子が旅館に泊まることとなり、時にお客さんと言い争いになりながらも、親身になってもてなしてゆく織子。
最初はやり場のない怒りを織子にぶつけていた同じくらいの年の子は、織子のやさしさにふれ、たまらず泣いてしまいます。

このあかねという子が布団に潜り込んで泣いてたところは印象深いシーンの一つです。
おそらくあかねさんは同い年の織子が両親を亡くしながらも強く正しく生きているのをみて、恥ずかしさ少々、自分に尽くしてくれたことで愛情を感じ安心して堰をきったのでしょう。
ひとしきり泣いて気持ちに整理をつけたあかねさんは、登場直後のひねくれた感じではなく素直で優しそうな子に変わりました。

続いて登場したのは恋人と別れた直後のお姉さんなお客さん。
織子と意気投合し、織子をドライブに誘いますが、事故のトラウマで震えが出て呼吸も大きく乱してしまいます。
最初は大丈夫でもちょっとした拍子でトラウマが呼び出されてしまう様子は、震災の体験談などで聞いたことがあります。
物語に関わりのないちょっとした仕草ですが、これによって物語のディティールがより細かくなったように感じます。

そして、心の支えにしていた幽霊が徐々に見えなくなっている織子。両親が死んだことも理解できるようになり急に孤独を感じるようになります。
織子役の小林星蘭さんの「置いていかないで!」と泣き崩れる演技、真に迫っていて織子が気の毒に思えて非常に胸が苦しくなりました。
一時自暴自棄になり飛び出す織子にハラハラ。
しかし、これまでの若女将の経験でいつの間にか大人になっていた織子、
事故で正面衝突をした張本人を前に、「私は関織子ではなく春の屋の若女将おっこです(どうぞくつろいでいってください)」と伝えます。
この時の織子がもう、どうしてこの娘はこんなにも逞しいのだろうか。まだまだ小学生だというのに…こんな良い子が…と、我が子の成長を見守る親の気持ちといいますか、そのような感じで胸がいっぱいです。
冷静になれば、菩薩か!と突っ込みを入れたくなるところかもしれませんが、そんな気分にはとてもなれませんでした。{/netabare}

物語の展開はほんとファンタジーです。しかし映像や見せ方のディティールがリアルなのでドキュメンタリーのように錯覚してしまう節があります。
また、両親の死を使った感動ストーリーに一瞬思えますが、最後まで見るとこの作品が織子の成長を描いたものであることがわかります。
この作品は一言で表すことが非常に難しいです。
変なレッテル貼りになっていないかとドキドキしています。

やはり、実際に見ていただくのが良いでしょう。
そして、それぞれ心に感じたことを自分の中で消化していただくのが良いと思います。
私は私の感想を大切にして、さらに読み込んていきたいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

63.2 7 幽霊で小学生なアニメランキング7位
伊藤潤二「コレクション」(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (136)
439人が棚に入れました
『伊藤潤二傑作集』『魔の断片』を原作とする。
『伊藤潤二傑作集』は、『富江』『双一の勝手な呪い』『フランケンシュタイン』など、伊藤さんの人気作を全11巻に収録した作品集。
『魔の断片』は、「Nemuki+」に掲載された読み切り『解剖ちゃん』『黒い鳥』など、全8作品を収録。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、下野紘、名塚佳織、緑川光、小山茉美、末柄里恵

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ありのまま起こったことを話すぜ ホラーアニメ見てると思ってたらいつの間にかギャグアニメを見ていた

なにを言ってるかわからねーと思うが俺にも分からねー。

世界の巨匠伊藤潤二氏のホラーコレクション集。

ホラーとは書いたが厳密に言えばホラーっぽい何かだと思う。
その何かが高度なギャグであることに気付くのに少々の時間を要するのだがそれはまた後ほど。

少なくともホラーと聞いて期待されるであろう恐怖感とかそういうのとは少しばかり縁遠い。

ただ雰囲気は妙におどろおどろしく悪く言えば気持ち悪い。
伊藤氏の絵柄は本来もっと気味が悪いと思うんだがこのアニメに関しては少しばかりそういうのが緩和されてる印象を受ける。
もっと忠実に気味悪く出来たはずである。

ともあれその抜群の気味の悪さ故にどうしてもホラー的ななにかを期待させてしまうんだがどういうわけかアニメで見ると絵柄 演技 見せ方 そのすべてが我々を恐怖より笑いに誘(いざな)ってしまうのだ。

シュールな笑いていうのかね こういうの。

怖いと思った回数より笑った回数のが間違いなく多いと思う。

そういう意味では下手な狙ったギャグアニメより笑えたぶん秀逸なギャグアニメであるとも言える。

笑わせようとする意図は無いのだと思うのだがそういうのに限って笑えてしまう。
そんな経験おそらく誰もがあることだろう。

繰り返すが雰囲気は実に素晴らしいのだ。
だからこそなんだかんだでラストが気になり見入ってしまう。

だが困ったことに物語のオチがよく分からん回もちらほら存在する。

例えばある不気味な存在がいたとしてソレがいったいなんであるのかとかいう説明が放棄されてるため不気味な話ではあったが結局なんだったんだ?て感じになってしまう回も少なくは無い。

知ってる人がどれだけいるかは知らないがホラー短編集「新耳袋」とかもそんな感じだった。
タイプ的には似たようなもんだろう。

そういう細かいとこを気にしたらダメなのかもしれないが気になるんだから仕方ない。
なんともすっきりしないこの気持ちをどうしろと言うのだろうか。

尚、オチの無い回の多い作品ではあるがたまに当たり回が紛れてるのがまた心憎い。

宝クジに当たるよりはるかに当たり回の確率は高いぶん随分良心的である。

不気味というだけでなくどこかシンミリとさせてくれるような秀逸な回も存在する。

個人的なお勧めだが「緩やかな別れ」と「案山子(かかし)」のラストは中々印象に残るものだった。

あんざんことか読んじゃうお茶目な人もいたらアレなんで念のため。

絵柄のせいなのかこれまた余り人気の無い作品のようだが回の出来自体は確かにピンキリではあるが惹き込まれるモノがあるのも確かであり間違いなく見て損はないであろう。

いや多分。

絵柄で敬遠するという行為はそれだけで人生の0.何%かは損していると言える。
絵柄が最優先されるのは薄い本だけで充分なのだと私は思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

ねるる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

スタッフの愛がこもっている"気持ち悪さ"特化のホラー作品!

原作未読。

ホラー漫画家"伊藤潤二"の著書『伊藤潤二傑作集』『魔の断片』に含まれる作品を原作とした、オムニバス形式のアニメ。1話に2作品が含まれます。

"怖い"というよりは、"不気味""気持ち悪い"に特化したような作品でした。グロ要素も多めです。
基本完結した短編集なので、話によって面白さ、怖さに差があります。
個人的な気持ち悪さNO.1は、10話の「グリセリド」。作品の空気感が音と映像から溢れてて、生理的に本当に無理と思う話でした。
2話の「ファッションモデル」6話の「隣の窓」は普通に怖かった。

物語に出てくる女性キャラは、全体的に色気が滲み出てるように感じました。作品自体が、しっとりした雰囲気が続くのでそう感じるのかもしれません。
化け物キャラは、気持ち悪いと感じる要素詰め込まれているので、怖いです。トラウマレベルです。

人気声優たちが各話ごとにメインキャラに声を当てていて、プロが演じるホラーを感じられます。
三ツ矢雄二さん、細谷さん、梶くん、良平さん、下野さん、吉野さん、名塚佳織さんなどなど、この方々の他にも超豪華なメンツが声を当てています。折笠富美子さんの絶叫は素晴らしかったです。

音楽も絶妙に怖さを増幅させてて素晴らしかった。効果音での気持ち悪さの演出がうますぎました。

EDは、各話ごとに映像が変わるので最後まで目が離せない構成になっています。

全体的にとても手が込んでいて、スタッフキャストの作品への愛を感じました。
様々なアニメ作品がある中でも、特殊な今作品。
大声でオススメはできないですが、あと引く面白さ魅力があります。トラウマ覚悟で見てみて欲しい作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

気持ち悪いけれど、かなり笑えるホラー作品

ホラー漫画を原作として、毎回2つのエピソードで構成されるオムニバス形式の作品。全12話で計24のエピソードが描かれています。
内容的には、不気味だったり、不思議だったり、あるいはかなり気持ちの悪い物語が多く描かれていますが、どの話も発想が面白かったので、最後まで飽きることなく、とても楽しめました。ただ、ホラー作品として、観ていて怖かったかというと正直微妙なところ。作品の中で起きることがあまりにも現実離れしているためか、全体的にシュールな空気が漂っており、また、毎回の話のオチも、「え?これで終わり!?」みたいな唐突さがあって、なんだか笑ってしまうことが多かったです。
個人的に特に印象に残っているエピソードは、第2話Aパート「ファッションモデル」と第10話Aパート「グリセリド」で、前者のキャラはとんでもなく強烈でしたし、後者の内容の気持ち悪さは尋常ではなかったです。
声は、毎回なかなか豪華な声優を起用していて普通に良かったです。作画は、それほどリアルな系統の絵柄ではないので、グロいものが得意ではない自分でも意外と平気でした。全体的に独特な雰囲気や味があって悪くなかったと思います。また、EDの映像は、毎週その回の内容に合わせて変えていましたが、遊び心が感じられて楽しかったです。
最後まで観終わって振り返ると、24のエピソードの中で全く面白くないという話はなかったようで、どの回も平均して楽しめました。いちおうホラーというジャンルなので、意図したものかどうかはわかりませんが、笑ってしまうような場面も非常に多くあり、シュールコメディとして、とても出来の良い作品だったように思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

58.3 8 幽霊で小学生なアニメランキング8位
かみちゃまかりん(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (56)
389人が棚に入れました
「もし、人間が・・・神さまの力を持ってしまったら・・・。」大好きだった猫のしーちゃんが死んじゃって一人ぼっちになった花鈴(かりん)。一人でも強く明るく生きていこう!!と、決意する花鈴。そんな時出会った九条和音(くじょうかずね)という少年と、姫香(ひめか)という少女。美少年(☆ー☆)だけどとっても高飛車(-_-)の和音くん。・・・が、ちょっと気になる花鈴ちゃん。優しくされたり、冷たくされたり。一人ドギマギ・・・これって恋の予感なの!?・・・揺れ動く乙女心。しかし、そんな花鈴の思いをよそに、その出会いは花鈴の運命を大きく動かしていく。それは、偶然・・それとも、必然???神さまの力を司る指輪の秘密をめぐり、今ファンタジーの世界が扉を開ける!!

声優・キャラクター
中原麻衣、沢城みゆき、下屋則子、石田彰、浅沼晋太郎、甲斐田ゆき、加藤奈々絵、鈴木達央、吉住梢、こやまきみこ、宮崎羽衣、村井かずさ、吉野裕行

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

「アイ アム ゴッド!!」VS「○○眼鏡っ子」

2007年4月6日 - 9月28日TV放送されたアニメ。全26話。
2002年12月号なかよしに連載された同タイトル漫画が原作。
なかよし=ちゃお・りぼんと並ぶ三大小中学生向け雑誌。

オープニングテーマ
「暗黒天国」歌 - ALI PROJECT

エンディングテーマ
「アネモネ」(第1話 - 第13話)歌 - 中原麻衣
「空中迷路」(第14話 - 第26話)歌 - marble
最終回は歌詞2番が流された。

ALI PROJECT大好きだけど何故こうなった?wという程に
絵が子供向けで可愛いのですが・・癖のあるデフォルメ。
子供向けアニメには雰囲気が有り過ぎるインパクトの曲♪

台詞がそこはかとなくアホっぽいw基本ギャグのよう♡
「神さま」=「神化」すると特殊な神技(能力)を発揮できる♡

要はファンタジー要素を含んだ魔法少女モノと変わらない。
目の大きさと平目位置が何とも微妙で好みが分かれそう。

展開は常に等身やデフォルメの崩れるギャグタッチになる
事が多くコミカルな雰囲気でコント風描写が多い。

主人公は薄幸の美少女と魅せかけ・・実は残念なアホの子。
天涯孤独の身になり困ってる所を和音や姫香と暮らす事に。

何故か母の形見の指輪を狙われ、謎に巻き込まれていく・・
襲撃されたのを切欠に神化する力を発揮するが・・

普通なら直ぐに解説なり説明なりで・・状況を把握するが、
アフォの子なので中々事態を飲み込めないままに翻弄され
結構長い事・・残念なままの展開が続く♪

「和音ーズ」「ミッチリアン」等ファンクラブがある人気者の
男の子がでてくる如何にも少女漫画・・というか男性向け
アニメのお馬鹿設定と共通の逆バージョン?の内容です。
ミッチリアンの4人の名無しに豊崎愛生、佐藤聡美がいる。

基本的には男尊女卑や毒舌気味の和音が何だかんだと花鈴
を見守ったり助けたり・・謎に迫っていくラブコメ風展開。
周囲の敵も含めも逆ハーレム妄想??な作風。

9話~オッドアイの石田彰さんが如何にもな役で更に混乱。
シリアス系のキリオが唯のメガネっ子キャラに、霧火には
毒舌で攻められたりの残念な人物に進化する?

要するに・・あほの子VSアホの子対決に愉快犯が加わる・・
BLや百合?女装男装のような腐女子の入り口の様なゆるい
ギャグやコメディ展開も多い、小~中学向け?作品なので
案外深夜枠の人も苦笑・失笑出来る内容があるかも?



花園 花鈴(声-中原麻衣)聖英学院桜ヶ丘中学部1年生。
両親は幼少の時に死亡している。伯母の元で育てられた。
現在は和音の家で暮らしている。勉強も運動も不得手。
ある日、両親の形見の指輪の力で「神さま」になってしまう。
神化する時のセリフは「アイ アム ゴッド!!」
力を借りている神は「アテナ」「アフロディテ」
武器は槍。先端に花の蕾とオリーブの実と葉がついている。


九条 和音(声-沢城みゆき)聖英学院桜ヶ丘中学部1年生。
花鈴が伯母と暮らしている時に出会った少年。左利き。
学園では「和音ーズ」というファンクラブが在る程の人気者。
幼少の頃のトラウマから気絶する程虫が大嫌い。
神化する時のセリフは「エゴ スム デウス!!」
力を借りている神は「アポロン」「三貴神の1人「ウラヌス」
武器は弓矢と自分の背丈ほどある杖。

九条 姫香(声 - 下屋則子)
和音の従妹。おっとりしていて優しく可愛らしい美少女。

ニャケ / しーちゃん(声 - 加藤奈々絵)
花鈴の昔の飼猫「しーちゃん」とそっくりの女神「ニケ」
花鈴に力を貸し、神化をすると盾になる。語尾は「~しー」

烏丸 キリオ(声-浅沼晋太郎)学園の生徒会長。
霧火の双子の兄で、妃路の母親違いの兄。
妃路を守るために色々な戦闘を花鈴達に卦しかけてくる。

烏丸 霧火(声 - 甲斐田ゆき)
キリオの双子の妹で、妃路の母親違いの姉。穏やかな性格。
力を借りている神は「ニュクス」花鈴に男と思われ慕われる。

烏丸 妃路(声 - 吉住梢)
キリオ達と一緒に住んでいる女の子。年齢他詳細不明。

錦織 みちる(声 - 石田彰/川庄美雪※6歳の頃)
イギリスからの転校生。ハーフという設定。
15歳だが1年間入院していたため、花鈴達と同じ学年。
男女構わず誰とでもフレンドリーで明るくオープンな性格。
トラブルメーカー。「ミッチリアン」という親衛隊がいる。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アイアムゴッド ユーアーゴッド

神様の力を司る指輪
何の因果か、その指輪を持つ少年少女たち
それぞれの思いを胸に、運命の歯車が回りだす…!
てなおはなしです

ファンタジーな魔法少女ものです
バトルももちろんありますが、迫力は期待しないでください
バトルメインではないんだなと捉えてあげましょう


少し暗めの物語ではあるのですが、基本は明るい楽しい作品となっています
シリアス要素はそう多くないので、案外気楽に観れたりします
案外と言うのは、観る前私が勝手に覚悟してたからです
『魔法少女ものにありがちな重たい展開なのかな』と。
多少はそうでしたが、ギャグも多めで笑いながら観れる作品でした


キャラはなかなか魅力的です
主要人物はほとんどが中学生です
なので、それぞれの行動が突拍子もないことだったりして笑えます
特に姫香
彼女の動きを観察するだけでも楽しいです

それと、メインの花鈴と和音くん
花鈴の乙女心は可愛らしかったですね
それと和音くんのツンデレ可愛かったです


OP「暗黒天国」 歌ーALI PROJECT
ED1「アネモネ」 歌ー中原麻衣
ED2「空中迷路」 歌ーmarble

OPけっこう好きだけどこの作品には。。
ちょっと曲に世界観ありすぎかなとか思ってみたり
例えばですが、『屍鬼』とかのOPならフィットしてたと思います
EDは両曲とも落ち着いた雰囲気で好みです



指輪に隠された秘密はいったい何なのか
物語に一貫性があって良かったと思います
ただ、すごく面白かったというわけでもなく、
全体の満足度は普通です

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

nk225 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

連載終了後も、「なかよしラブリー」(講談社)で番外編が掲載されている。

2007年4月6日より同年9月28日まで、テレビ東京系にて毎週金曜日17時30分 - 18時00分(アニメ530枠前半)に放送。BSジャパンでは同年4月10日より同年10月2日まで毎週火曜日19時00分 - 19時30分に放送。AT-Xでも放送された。
地上アナログ放送では16:9のレターボックスサイズでの放送。地上デジタル放送、BSジャパンでは16:9フルワイドで放送しているがハイビジョンではなく標準画質なので「HV」マークは出ていない。アナログ・デジタル双方とも字幕放送対応。全26話。

オープニングテーマ 「暗黒天国」(第1話 - 第26話)
エンディングテーマ
「アネモネ」(第1話 - 第13話)
「空中迷路」(第14話 - 第26話)
最終回は歌詞2番が流された。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

67.7 9 幽霊で小学生なアニメランキング9位
若おかみは小学生!(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (88)
346人が棚に入れました
事故で両親を亡くし、おばあさんの温泉旅館「春の屋」で暮らすことになった小学6年生の女の子・おっこ(関織子)。ユーレイのウリ坊やライバルの真月に助けられながら、次々とやってくる変わったお客様をもてなすために、若おかみとして毎日奮闘中!!

声優・キャラクター
小林星蘭、松田颯水、水樹奈々、一龍斎春水、一龍斎貞友、てらそままさき、小桜エツコ
ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

半分、青い。

ほんと、ごめんなさい。
ブルースクリーンです。
受信機が不安定で、録画に失敗。
半分だけ録れましたが、視聴も途切れ途切れです。
なので、コメントは差し控えます。
ほんとうに、ごめんなさい。
どうしよう。
ぐすん・・・。

2018.9.26追記です。
ちびっとはレビューらしいものを書いておかないといけませんね。
サンキューをいただくのも申し訳なさでいっぱいなのですが、お返しもどうすればいいのかと途方に暮れました。w
半分、青いので、頓珍漢なレビューになっているかもです。
なお、★の評価は暫定です。
{netabare}
● もともとは、"千と千尋の神隠し" につながる世界観を感じながら視聴してみようかと思っていました。
{netabare}
理由は、おっこ(主人公・関 織子)と千尋って、ちょっと似ているんです。

一人っ子であること、転校生であること、両親を亡くすこと(千尋は一時的ですが)、妖たちの加勢と応援があること、優しくも道理を諭すお婆ちゃんがいること、そしてなによりも、湯屋と春の屋の設定が、「おもてなしの場」であることなどの、何とも言えない "共通項がある" んです。
でも、おっこは12歳、千尋は10歳。この違いですね。(ペンギン・ハイウェイのアオヤマ君も小学4年生でした。)
そんなわけで、おっこと千尋の "一騎当千の奮闘ぶり" に注目していました。

千尋の立ち位置は、ファンタジーテイストでしたが、おっこのそのリアリティー性は、明らかに趣を異にしています。
具体的に申し上げれば、お客様の人となりへの考察、オンデマンドのおもてなしへのアプローチ、旅館の将来を担おうとする明確な目的をともなった修行、事業の継続のための創意工夫のアイディアと努力の粘り強さ、といった要素ですね。

えーっと、それって、千尋の世界では、たしか、"湯婆婆の役目" だったような気がするのですが、いかがでしょうか。何気に、若おかみという "語感" に流されていましたが、実は、凄いお役目を、おっこは担っているのではないでしょうか。

そうは言っても、おっこは、旅館業のなんたるかも、右も左も分からない若おかみです。
しかも、おっこは、地域の文化や地場産業にも関わっていこうとするのですからねえ。
この全方位モニター的な全能感・・・。はて?最近、どこかの作品のレビューで使ったような気がしますが・・・。

そんなわけですから、私もそれなりに、ちゃんとした視点と構えを持って見守っていきたいと思っていたんです。あ~あ。

"立場が人を造る" と申しますが、おっこが、覚悟を決めて "若おかみ" という立場を選んだ時から、全くのゼロからのスタートで、おもてなしの妙、こまやかな心配り、汗のしたたる労働、お客様との絆のムスビよう、地域関係者や同級生との関係作りに邁進していく姿が見られました。
そんな彼女を観ながら、「できるの? やれるの? 頑張れるの?」という、そわそわした気持ちを持ちながら、しっかり見守っていきたいなっていう思いからスタートしました。
{/netabare}

● 本作は、ストレートに、"礼" の在りようを、描いています。
{netabare}

私の感じるところは、人の後ろには霊の皆さんがいらっしゃり、霊の後ろには神様がいらっしゃるということを前提にした "礼" の見せ方、演出の妙です。

神様と霊、霊と人、神様と人、人と人らをつなげるのは、"顕と幽" の働きです。(拙レビュー、君の名は。を参照してね。)

まず、"顕" とは、誠であり、言葉と行いに現わすことができます。
おっこの行動をご覧ください。

わざわざ、やっています。
さっそく、やっています。
なんども、やっています。
ささやかでもお土産を準備しています。(手ぶらでは帰さない)
ていねいな言葉遣いで対応しています。(時にはタメ口だけど)

これが、顕祭、誠意の実相なんですね。

次に、"幽" とは、祈りであり、神霊(心霊ではない)との対話、ウケヒです。
おっこは、ウリ坊、美陽、鈴鬼とはしょっちゅうやり取りしていますね。あれもウケヒです。

というわけで、おっこのふるまいは、"顕幽一致" のありようを如実に、そして、とても分かりやすく示しています。(これって外国の方に理解していただけるかしら。すごいことなんですけどね。あにこれのメンバーさんは皆さん体得していらっしゃるので大丈夫なんですけど、アニミズムの概念そのものなんですよね。)

人と霊と神様は、本来は、極めて近しい間柄です。
人は、礼を尽くして神霊を敬い、霊と神様は、徳を持って人を守護するのが、日本の霊性です。(外国の方が、日本人のことを理解しにくいと仰るのは、ここですね。)

さて、霊のみなさんは、数十~数百年も生き延びて(いや失礼、祭られて)いますから、生者の考え方などは、 "とっくにお見通し" なのですね。

修行中の霊ですらそうなのですから、神様に至っては、数百年~数千年も祀られ続けているので、人間の腹の底、その底の底まで喝破されており、手に取るように分かるのですね。

おっこの最大の強みは、頑是ない心根の純朴さであり、打算のない素朴さであり、怖気にさえ打ち勝つ素直さです。
その強みをさらに高めるのが、彼女の目的です。『自分自身のことよりも人の為に尽くす』ことに、いつでも、どんな場面でも、フォーカスできるのが、おっこの長所です。

その帰結するところを、人の幸せに結びつけようとし、その土台がしっかりとして揺るがないから、おっこは、人からも、霊にも神様からも応援され、また導かれるのですね。
ですから、おっこに添った行動をなぞることが、そのまま日本の霊性の発露、ジャパンカルチャーの発信につながります。

おっこは、日本全国の小学生のみなさんの "若おかみ" になってしまいそうですよ。


ところで、本作の劇場版は、国際映画祭に出品されています。
ちびっと紹介いたします。
{netabare}
『アヌシー国際アニメーション映画祭は、1960年にカンヌ国際映画祭からアニメーション部門が独立し設立。フランス南東部の都市アヌシーで開催され、毎年、国内外の約230作品の上映に伴い来場者は約12万人を記録する、アニメーション映画祭としては世界最大規模を誇る映画祭。』(公式hPより)だそうです。

本作のアニメ劇場版が、映画祭に参加された背景を考えてみましたが、日本の旅館業の心意気と、日本人のアイデンティティを伝える "伝道師" 役。 あるいは、日本の旅のおもてなしの神髄を伝える "特使" として先遣されたと見立ててもいいのではないでしょうか。
{/netabare}

東京オリンピックを間近に迎え、ボランティアに携わろうとなさる方も大勢おみえになるでしょう。
外国に住まう外つ神も、外つ霊も、外国人も、こぞって参集するのがオリンピックですから、たぶん、おっこ以上にハラハラドキドキなハプニング満載の夏休みになるはずです。

そんなとき、おっこの心根(こころね)にある "強さと明るさ、気立ての良さ" は、きっと私たち日本人のもつホスピタリティー、おもてなしのスタンダード、雛型になると確信しています。

ゆるキャン△に登場した、各務原なでしこ、志摩リン、犬山あおい、斎藤恵那、大垣千明らの笑顔が、"世界のスタンダードになる" と感じていましたが、本作にも、素敵な女性たちの活躍がみられた(のだろう)と思います。

作品のレビューにならず、ほんと申し訳ございません。
{/netabare}

● おまけだヨン。
{netabare}

おっこ(関 織子)の言霊です。

"関" は、箱根関(神奈川県足柄下郡箱根町)、逢坂関(滋賀県大津市)、鈴鹿関(三重県亀山市)の "関" ですね。元は岐阜県不破郡関ケ原町の "不破関" を指します。刃物の街としても有名ですね。
この "不破関" を境にして、関東、関西と言い表しています。
北は伊吹山、南は養老山地に挟まれている、交通の要衝地です。
伊吹山から見下ろすと、その狭さが実感できます。グーグルマップでもよく分かりますよ。
"関" は、"堰" と同義語です。物事をさえぎりとどめるもの。へだて。しきり。の意味ですね。

さて、"関" の意味が「へだてるもの」でありながら、おっこは「へだてをなくそう」と奮闘しています。
「へだて」とは、屁でもないようなちんまい理由で、立て分けるという意味であり、小さな差と段のことでもありますが、言霊で解せば「サタン」につながってしまうのです。
すなわち、正当な理由もなく、人と人を分け隔て、差と段を作り、嫉妬心や怨恨を煽り立て、紛争や戦争に駆り立てるのは、サタンのなせるわざであり、人を不幸にする所業なのですね。
おっこは、真逆ですね。くつろぎと癒やし、楽しみと幸せですね。それは魂のクリーニング、心のバリアフリーですね。

これは、"織子" の言霊にかかっています。"織" は、縦糸、横糸からなり、その意味は、縦が、時間軸。横が、地域を表しています。糸の交差によって文様が生み出されるのは、文化であるし、戦争でもあります。
"さよならの朝に約束の花をかざろう" のイオルフが、ヒビオルの布を織っていましたが、その謂れのとおりであります。

"織子" とは、世界中の多種多様な価値観を、織り上げるという働きの象意であり、その担い手が "子"、すなわち小国=日本などであることの密意があります。(今どき、少女キャラのネームで、"子" がつくこと自体ちょっと珍しいのでは?)

逆に言えば、日本(=子)の文化が内包してもっている "多彩な価値観(=織)" の世界(=関)への発信です。
すなわち、多様性、融和性、寛容性、信頼性、秩序性、規律性、自律性、普遍性といった要素が、「これから世界に向けて間配られますよ。日本の価値観が、世界中のあらゆる価値観を、包み、束ね、括り、ムスビますよ。」という意味合いが込められています。

"関 織子" の言霊から伝わってくるのは、世界に蔓延(はびこ)っているいろんな関(へだて)をとりはずし、人間の本質、人類の普遍的価値観を織りこんで、よりよい世界を作りましょう。その先頭には、一部の超大国だけが立って進めていくのではなくて、小さな国々が協同して取り組んでいきますよ、という意味合いになります。おそらく、今以上に、国連が主導していく世界になっていくという意味でもあるのでしょうね。

おっこは、世界中の小学生のみなさんの "若おかみ" になるかもしれません。
それに、未来のミライちゃんの一人なのかもしれません。
そうだ、ハマモトさんも忘れちゃいけませんね。
2018年の夏をリードするのは、この3人かな。

世界には、暗黒の日々に身を置いている数100万人もの幼子が、今この瞬間も、救いの手が伸ばされてくるのを息を殺して待っているのでしょうから。

あ、そうだ。"おっこ" って、OKKO と書きますね。「OK、大丈夫。私が、KOしてあげるよ!」っていうことでしょうか。w
{/netabare}
{/netabare}
長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
本作が、皆様に愛されますように。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

関織子、小学6年生! 温泉旅館「春の屋」で若おかみの修行中!!

この作品の原作は未読です。
視聴に至った経緯は…忘れてしまいました^^;
日曜日の朝枠だったからチェックしていたらいつの間にか完走していた…という感じだと思います。

この作品のポイントの一つとして、主人公である「関織子」=「おっこ」の声優さんが挙げられると思います。
おっこ自身は小学6年生の12歳…明るく元気で活発な女の子です。
きっと、私たちに馴染の声優さんでも、おっこの声質にマッチしている人はいると思います。
でも今回白羽の矢が立ったのは、14歳の小林星蘭というタレントさんでした。

wikiで調べてみると、テレビアニメに出演するのは2010年のスペース☆ダンディ以来2作目…
お世辞にも声優経験が豊富とは言えません。
だから正直台詞にたどたどしさが無かった訳ではありません。

でも小学6年生ならではの一生懸命さは伝わってきたと思います。
慣れてくると、おっこのイメージに彼女の声質が本当にマッチしているのが感じられます。
そもそも活舌のメチャクチャ良い小学生…なんてそういないんでしょうから。
劇場版の監督さんも彼女の演技を絶賛していたそうですが、その評価も納得です。

彼女のwikiを少しだけ拝見しました。
原作の愛読者で、オーディション合格の際には思わず感涙したとか…
その位、この作品を愛しているからこそ視聴者を納得させる演技に繋がったのだと思います。
普段、タレントさんの参入には否定的な意見を述べていますが、今回は結果オーライだったのではないでしょうか。

この物語の主人公であるおっこは、両親を事故で一度に亡くしてしまい、祖母の経営する旅館「春の屋」に引き取られることになり、そこで若おかみとして修業することとなり物語が動いていきます。
若おかみ修行は決して順風満帆ではありません。
色んなお客さんに満足して貰うこと自体が難しいことなのに、それを小学6年生の女の子が挑んでいるのですから…
当然失敗だってするし、祖母に怒られるのだってしょっちゅうです。

それでもおっこがめげずに頑張れるのは、持ち前の明るさに加えウリ坊の存在があったからにほかなりません。
そしておっこを支える内助の功はウリ坊だけじゃありませんでしたけれど…
兎に角おっこの頑張りに元気が貰える作品だと思います。

おっこの前に立ちはだかる様々な試練…
ですが、おっこは姿勢は何一つ変わる事はありません。
いつもお客さんのために一生懸命で、お客さんに満足して帰って貰うことに全力全開で取り組むんです。
春の屋に来たばかりの頃と最終話で、まるでおっこは別人のよう…
もちろん若おかみとしての成長も感じられるのですが、お客さんに対する「おもてなし」の心意気もしっかり成長がみられるので、おっこの今後が楽しみです。

主題歌は、水谷果穂さんの「君のステージへ」と、藤原さくらさんの「NEW DAY」
どちらも作品にマッチした曲だったと思います。

2クール全24話の物語でした。
次の日が会社である事を考えると、日曜日は憂鬱になりがちなのですが、そんな気持ちを吹き飛ばしてくれる作品だったと思います。
機会があれば劇場版も視聴してみたいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「青い鳥文庫から来ました!」って、つまりは小学生向けなのですが…。

何故かタイトルに惹かれていて放送開始前から観る気満々だったのでした。もちろん原作は読んでません、っていうか「青い鳥文庫」なんてレーベルの存在しか知らんし。

メディアミックス展開としては既に漫画雑誌「なかよし」でのコミカライズ版連載、本作のテレビ放送&ネット配信、そして映画公開が予定されております。

お話としては両親と死別した小学校6年生の女の子である関織子(せき おりこ: 通称おっこ)が、老舗の旅館の女将である母方の祖母に引き取られて何故か若女将を目指すことになるというものです。

そこに何故か、幽霊や妖怪的なオカルト要素が入っているわけなのですが…。

オカルト設定、なんでやねん(笑)!

ということでチーズスイートホームの新作と放送枠を15分ずつ分けあってのTVオンエアとなっております。

こんなアナクロそうな設定なのに原作シリーズは20巻以上出てるわけですよ。ええ、マジかいっ!

……ということで、気になるので視聴する次第であります。まあ、もちろん小学生向けというのは踏まえてですが。さて、どうなりますか。

2018.9.25更新:
第24話(最終回)を9/23の放送当日に観終わっていましたが、更新が遅れました。後で調べたのですが原作の刊行は本編が2003年4月~2013年7月、さらに短編集が2014年1月、10月に刊行されている足掛け10年の大作だったようですね。

アニメ作中であまり強調はされていないのですがおっこはかなり強力な「霊感少女」であり、問題の解決にあたっては創意工夫もさることながらこのおっこの「能力」に負うところもかなり大きいです。

ウリ坊/みよちゃん/鈴鬼(すずき)の「オカルトトリオ」(笑: 勝手にそう呼んでます)の活躍なくしてはおっこは危機を乗り越えることはできなかったでしょう。

このオカルト要素を良しとするかしないかで本作の印象もだいぶん変わると思いますが、私はまあわりと面白かったと思います。

花の湯温泉郷の大旅館である秋好旅館(しゅうこうりょかん)の同じく若おかみであり、おっこの小学校での同級生でもある秋野真月(あきの まつき)との関係の変化も見どころでした。

小学生向けの作品なので過度な期待はしないでいただきたいところではありますが、ニチアサに観るには良い感じだったということで。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35
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