怪物で魔法なおすすめアニメランキング 14

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの怪物で魔法な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の怪物で魔法なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

79.2 1 怪物で魔法なアニメランキング1位
異世界おじさん(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (509)
1689人が棚に入れました
2017年秋――。17歳のときにトラックにはねられ、それから17年の間ずっと昏睡状態だった叔父が目覚めた。 病室を訪れた甥のたかふみが目にしたのは、意味不明な言葉をつぶやき、異世界「グランバハマル」から帰ってきたと話す叔父の姿だった。 ……叔父さんは、頭がおかしくなっていた。 絶句するたかふみだったが、おじさんは異世界にいた証拠を見せると言って魔法を使う。おじさんの力を金にかえて食っていこうと心に決めたたかふみは、身寄りのない彼を引き取りルームシェアを始めることに。 おじさんとの生活の中で聞かされる、異世界での冒険譚と溢れんばかりのセガ愛。孤独で過酷なおじさんの半生に、時には歓喜し時には胸をいためるたかふみ。 動画配信業に勤しむ世代の離れた男二人、団地の片隅にて繰り広げられる、新感覚異世界コメディ!
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

"顔"が導く異世界のリアル

まずは本作を勧めて下さった先輩レビュアーさんにお礼を申し上げたい。
同工異曲の異世界アニメに辟易していた身には、本作はまさしく福音であり、
このジャンルの閉塞を打ち破るブレークスルーと言い得る快作である。

本作の斬新かつユニークな特長は言うまでもなく、
異世界から帰還した主人公の"その後"が語られるという点にある。
17年に及ぶ異世界での壮絶なサバイバルののちに生還したおじさんは
現在はユーチューバーとして、まったりした悠々自適の生活をおくっている。
そんな日常が同居する甥っ子のたかふみの目をとおして描かれるのだが、
そこに魔法によって再現された異世界時代のおじさんの回想が織り込まれ、
劇中劇のような趣向で、二つのパートが同時進行する。

いわば日常系の中に異世界物がすっぽりと収まった、入れ子構造である。
ジャンルをまたいだこの一種のハイブリッド仕様は昨今の人気作にも見受けられ、
個人的に興味をそそられる現象なのだが、詳しくは次の機会に回そう。
完走後に補筆する前提で、今回はあまり深入りせずにざっと書き流すことにする。


{netabare}さて、本作の真髄は何と言っても、おじさんの"顔"にある。
ホラー風なタッチで、敢えてキモく無気味に描かれたインパクトの強烈さのみならず、
物語の出発点であると同時に、本作のすべてが凝縮されたエッセンスと言っても過言ではない。
その顔は、異世界の人々の目にはとても人間には思えないほどに醜いものなので、
オークの亜種と間違えられれたおじさんは、何度も狩られかけ、吊るされる。
勿論、ここは笑えるところなのだが、自分はもっと本質的な何かを感じた。

すなわち、我々の顔というものが否応なく、最もプリミティブかつ直接的な
コミュニケーションツールとして機能しているという、容赦のない事実である。
つまり本作はそもそもの発端から、一方的にコミュの回路が遮断された状態で始まっており、
この"コミュニケーション不全"というモチーフが作中を一貫して底流しているようなのだ。

本質的な問題に引き直して示してみよう。
コミュニケーションが成立するためには、双方が同じコードを共有していなければならない。
そして、異世界というからには当然、そこには全く異質なコードが存在するはずだ。
例えば、上記の人々の行動は魔物に生存を脅かされる世界ではごく自然な反応なのである。
すなわち、広義の文化的コードの差異を本作の異世界は最初からはらんでいるわけなのだ。
心躍るような冒険ファンタジーを期待していたたかふみが、いきなり目にしたものは
宗教的な禁忌に触れたことでまさにおじさんが処刑されようとするショッキングな場面だった。
これらが端的に示すように、異世界ファンタジーの"お約束"をブレイクしまくる痛快な笑いは
コードが共有されないことで生じる"ズレ"に基づいたブラックな笑いなのであって、
その底にはかなりクリティカルな眼差しが潜んでいるように感じられる。

大げさに言うなら、本作のパロディー的な性格は、一般的なファンタジーの成立基盤を
我々のシビアな現実の論理に根差した、独自のリアリティーに置き換えることによって
内部から書き換えようとする、きわめて野心的な試みなのではないだろうか。
ご都合主義の"お約束"を茶化しただけのパロディーでは得られないような迫真感は、
そこから来ているのかも知れない。量産式アニメと差別化される本作の個性もまた、
こうしたひそやかなリアリティーの在り方から生まれているようにも思われる。

これも考え過ぎかも知れないが、気になった点をもう一つ付け加えておく。
おじさんの超絶的な力は、翻訳魔法による精霊との直接の交信に由来しているのだが、
この精霊に対する自在なコミュニケーション能力は見事なまでに、
相手が人間である場合のコミュ不全と対照をなしていて、完全に両極端に分裂している。
この辺りにも何か示唆的なものを自分は感じずにはいられない。
あるいは抑圧されたコミュニケーションへの渇望がチート能力として現実化する逆説が
ここに想定できるとすれば、それは作者自身の内面にまで遡れるものかも知れない・・・
などとまあ、考えていくとキリがないからこの位にしておこう。

ただ、確実に言えるのは、このコードの問題をめぐるおじさんの態度表明が
彼のキャラクターの一貫した本質を形成しているということだ。
第3話には、おじさんとツンデレさんの間でこんなやり取りが交わされる。

 「顔、かくしたりしないの?」「…したくない。」「ふーん・・・」

災禍の原因である自分の顔を、おじさんは絶対にかくそうとはしない。
生命の危険を冒しても、異世界のコードに自分を合わせることを拒みつづける。
生存の保障よりも自らのコードを優先し、自分ルールを貫く、ストイックな美学。
まあそれも多分、ゲームに影響された薄っぺらいこだわりだったなんてオチがつくのだろうが、
元の世界に帰ること以外に一切関心を持たない、異世界に対するこの醒め切った態度が
結果的に、アウトロー系ヒーローの孤高の風貌をおじさんに与えているのである。

このキャラ造型によって、ツンデレエルフを筆頭とするヒロインたちとの関係に、
クールでつれない男を女が情熱的に追いかけるという、小洒落たロマンスの雰囲気が加わり、
異世界ハーレムとは一線を画した奥行き感を物語に与えている点も見過ごせない。
異世界三人娘については、いずれ稿を改めて書いてみたいと思う。
ついでに付け加えると、ツンデレもまた恋愛表現における特殊なコードの一例として、
コミュニケーションをめぐる問題圏の一環をなしていることは言うまでもない。{/netabare}


近年のアニメの中でも際立っているように感じられる、この作品の非凡な個性が、
どのような場所から発生しているのか・・・そんなことを考えていたせいで、
結局、いつもの調子でどうでもいいことをグダグダと書いてしまった。
原作、アニメともに優れた出来であると書けば、一言で済む話なのだが・・・

それから、本作を観ていると妙な安心感を覚えて、ついリピしてしまうのは
一体どういう訳なのだろうか?・・・また余計なことを書いてしまうが、もしかすると
ズレた生き方をしながらも決して揺らぐことのない、おじさんの超人的な自己肯定感が、
やはり周囲とのズレを感じて生きる人々の、ストレスの受け皿になっているのではないか?
・・・何にしても、おじさんたちの将来もこの国の未来も、先行き不透明なことに変わりはない。
彼らに倣い、せめて現在のささやかな幸せを嚙みしめていたいものである。

最後に、極めつけのどうでもいい話を一つ。
おじさんのソックリさん(?)を偶然発見しました!→ Kaspars Putnins
似てないと言われても責任は負いかねますが、おヒマならどうぞ。

2022.10.24 投稿

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

17年の歳月の重みをSEGA方面から噛みしめる

2017年。17年ぶりに昏睡から目覚めた叔父は異世界帰り。
同居した甥のたかふみと共に、異世界で覚えた魔法をウリにユーチューバーやったり、
異世界での思い出話に花を咲かせたりする同名コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
時代や世代など、ギャップを上手く取り込み開拓した視点を通じて、異世界物に新味。

タイトルの割に、意外と現実世界のシーンも多い。
おじさんが異世界“グランバハマル”に転生していた間に現実世界で起こっていた衝撃の諸々を振り返る。
{netabare} ガラケーが消えて行くわ、『こち亀』や『笑っていいとも』が終了するわ。
そして何よりSEGAがゲームハード事業から撤退するわ。{/netabare}
おじさんと、若いたかふみ、藤宮さんの生きた時代、世界の違いを浮き彫りに。

土台を固めているからこそ、その上で回顧される、
おじさんの異世界体験記にツッコむ、たかふみたちという芸風のキレ味が倍加します。

世代的にツンデレを知らないおじさんは、異世界のツンデレエルフたちの秋波にもどこ吹く風。
おじさんが、エルフの迷惑行為、自らどうでも良い記憶映像と評する。
完全に恋バナだろう?と、たかふみたちが色めきだつツンデレ描写も新鮮でした。

異世界体験記が、動画再生の如き「記憶再生(イキュラスエルラン)」で構成されたのも妙手。
必要な場面だピックアップしたり、ツマラナイ場面は早送りしたり。
「記憶再生」は{netabare} 藤宮さんの禁断の過去{/netabare} を掘り下げるのにも重宝。
お気に入りのYoutubeチャンネルに入り浸っているかのような居心地の良さがありました。

重宝したのは「記憶忘却(イキュラスキュオラ)」も同様。
誰もが消したい過去を持っているという共感だけでなく、
{netabare} おじさんのゴブリン討伐の記憶を消された故にモブから「神聖勇者」に成り上がったアリシア{/netabare} など、
シナリオ展開の原動力としても機能していました。

懐古向けのようで、構成はトレンドを掴んでいるような。
不思議な魅力を持ったシナリオでした。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・Atelier Pontdarc

新興のスタジオながら、異世界&現実世界、各々でのおじさんが放つ魔法エフェクトや、異世界でオークと誤解される言動。
それらを目撃した、たかふみたちや異世界ヒロインズたちの多彩な顔芸など、膨大な設定に対応。
時おり、ねじ込んで来るSEGAネタも特徴的。

まだ制作工程の外部依存度が高いのか、コロナ禍の影響も受け、放送延期と仕切り直しを繰り返す。
時々挟まれるCGもレトロ風味とも言えるがクオリティ自体は凡庸な印象。

ただ、表現センスは面白く楽しませてもらったので、今後の体制強化に期待したいスタジオです。


【キャラ 4.0点】
主人公・おじさん。
重度のセガファンでもあり、それが現実&異世界とのギャップを単なる世代によるもの以上に拡大させる。
私もソニックファンのメガドライバーとして共感できる部分が多々ありました。
ゲームハードがマイナーであればあるほど、入れ込んだ愛は熱く燃え上がるのですw

おじさんの甥・たかふみ。
ツンデレを知らないおじさんの異世界ヒロインズに対する鈍感さに呆れるたかふみ。
だが、たかふみも幼馴染・藤宮さんへの“男友達”意識を捨て切れない鈍感力のバリエーションで、おじさんを微笑ませる。

自分が世間から見てどれだけ浮いているのか?鈍感なのか?
他人を見るようには分からないものなのですw


異世界ヒロインズ筆頭・ツンデレエルフ。
おじさんと良い感じになる度に、無自覚にフラグをへし折られ、
プンスカするベタベタなツンデレパターンを構築。

その他、メンタルがニートな氷の一族の末裔・メイベルなど、
コメディ要員のヒロインが適宜追加され異世界体験談は賑やか。


【声優 4.5点】
おじさん役・子安 武人さん。
スタッフは「もっと汚く!!」と鬼ディレクションw
子安さんも怪しい息遣いなど、全力で応え“テラ子安”伝説に新たな1頁が刻まれる。

「もっと汚く!!」と要求されたのは藤宮さんを演じた小松 未可子さんも同様。
たかふみに想いを寄せる乙女な現在と、小学生時代の落差が強烈w
たかふみや、弟・藤宮千秋には、幼少期には別の声優が配役されているのに、
藤宮さんだけは、みかこしに全てを背負わせる。
この鬼キャスティングから既に笑わせにきていますw

メイベル役の悠木 碧さんに至っては「もう溶けて、何言っているかわからなくてもいいです」と指示が出されたそうで(※1)
全く、わけがわかりませんが、確かにそんな感じの奇声で盛り上げてくれていましたw

その他、エルフ役・戸松 遥さん、アリシア役・豊崎 愛生さん。
キャリアを積んだ中堅以上の実力者を当てにしまくって、見事に面白いことになった感w



【音楽 4.0点】
劇伴担当は末廣 健一郎氏。
木琴がとぼける現実世界の日常コメディパートから、
金管が吠える異世界戦闘シーンの古き良きロープレ風BGMまでフォローする安定感。

OP主題歌は前島 麻由さん「story」
異世界物にタイアップし続ける歌手による不屈のデジタル・ロック。
OPでおっさんが踊る作品にハズレなしという私のジンクスも継続中。

ED主題歌は井口 裕香さん「一番星ソリティ」
このキモチに気づいて!って感じでエルフさんの心情と重なる片想いソング。
井口さんにとってはKADOKAWA移籍後第一弾シングル。かつ自身は本作には出演していない。
今後はよりアーティストとしてアニメに関わることも増えるのでしょうか。


【余談】
おじさんの魔法に対するアプローチ。
精霊の機嫌を損ねないようにお友達になる感じで魔法を“借りる”という感覚が興味深かったです。
{netabare} へそを曲げた精霊に部屋を極寒にされ、イワシの頭を供えてみたりw{/netabare}
この感覚って案外、AIを活用して力を得る技術に近い物があるのかもしれません。
作中でも取り上げられたYoutube規約変更などで、ユーチューバーが立ち行かなくなっても、
おじさんならAIが人を超える特異点をも乗り越えてしぶとく生き残りそうです。


参考文献 ※1.夏アニメ『異世界おじさん』おじさん役 子安武人さん×エルフ役 戸松遥さん×メイベル役 悠木碧さん×アリシア役 豊崎愛生さん、アフレコでされた変わったディレクションとは|《異世界組》声優座談会

投稿 : 2024/06/01
♥ : 32

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

自虐的な要素が作品全般占めすぎて、満足感が得られにくい(7話まで視聴して)。

原作未読です。

>2話まで視聴して
物語は目新しい視点で描かれていて、ここは興味惹かれるのですが
今のところ、現実と異世界、どっちつかずのフワフワした感じの
ストーリーなので、感情移入するまでには至っていません・・。

子安さんのボイスもカッコよすぎて
見た目はおじさん、中身はイケメン?に感じられて
何か自分の中で整合性がとれません・・。


瞬間的に自分の中でのバロメーターが跳ね上がるのは
ちょくちょくはさまれるSEGAネタですねw。

自分がSEGA推しになったのは
ちょうどプレステ1とセガサターンがほぼ同時発売された時期です。
本当はプレステ1を買いにいったのですが、売り切れていて
仕方なく売れ残っていた??セガサターンとバーチャファイターを買ったのが始まり。

その頃から何となく
業界No.1ではなく、2番手3番手で追っている
野心を持ちつつも、いろんな試行錯誤・工夫・努力を惜しまない存在に
惹かれるようになっていきました。


「サターンのゲームは世界いちぃぃぃ!」
「セガのゲームは世界いちぃぃぃ!」
セガサターンマガジンやドリームキャストマガジンで連載されていた神4コママンガ?です。
まさか最新のアニメ作品の中で観られる日がくるとは・・。夢ですか??、コレ。

丁度1年前に「セガハードヒストリア 」が復刻予約販売された際
「セガのゲームは世界いちぃぃぃ!」のpdfファイル特典等が付属されることを
知ってはいましたが、トータルの価格と財布を相談して撤退・・><。
未だに未所持(4コママンガコミックス)なので、欲しくてたまりませんね。

サタマガ読者レース1位は「EVE burst error」ですね。
自分、当時購入&プレイし、文句なしのお気に入りの1作・名作です!。
あ、誰かのTweetで観ましたが
たしかに本作の男性主人公役も子安さんではないですか!!?w。
これは縁を感じますね。意図的??。

「ガーディアンヒーローズ」は未だにちゃんとプレイできていませんが
名作というのはよく耳にしていました。
一時期、入手困難気味で価格も高騰していたように思いますが
現在はいろんな通販手段等もあり、問題ないようですね。
今度時間を作って、ガッツリ遊びたいと思います♪


自分が、他に気に入っていたサターンの作品は
「街」(実写取り込みのドラマが最高!!、同時に複数人のストーリー進行が影響しあう!)
「DAYTONA USA」(ボーカル入りBGM病みつき!!!!♪♪♪♪。どれも神曲です。)
「デビルサマナーソウルハッカーズ」(現在のネット社会を既に予言してましたよね)
「蒼穹愚連隊」(画面のスタイリッシュさだけでなく、BGMも最高でした))
「この世の果てで愛を叫ぶ-YUNO-」(タイムリープ的な進行と目に見えるシナリオ分岐システム!)
「スーパーロボット大戦F完結編」(トップをねらえ!とイデオンに初めて出会った作品!!)
他にも山ほどあるけどほどほどに・・。


そして次世代機「ドリームキャスト」
当時自分はパソコンから離れていたのですが
まさかの本機によるインターネットデビュー。
GEO CITIES等で、HTML記述でHP作ったり、最高に楽しかった♪。
先日、某まとめサイト様で湯川専務のことを知り、激しくショック受けました。
SEGAはいろいろその形を変えていますが、間違いなくその志は受け継がれていると思います。
  
  
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>3話まで視聴して
3話で一気に面白さが爆発しました!!。(正直、1話は睡魔にやられてた・・)

個人的には、おじさんには今後ももっと頻繁に○身してほしいのですが
おそらくあれは今回限りなのでしょうねえ・・。(もったいない!!!)

エルフ役は戸松さんじゃないですか!?(3話まで気付いてなかった)。
ハイ、加点1万点w。
何わざとらしい演技させてるんですかw。
ハイ、加点1万点!。
今後、実際に本人が登場してくれる展開を期待して
ハイ、さらに加点10万点ですっ^^(5段階評価で)。

藤宮さん、さすがにあの幼少期の描画はやりすぎだと思いますが、まいっか♪。

たかふみ、今のところ、あたりさわりなさすぎるキャラ付けで
せっかくの福山さんが、なんか空気になってしまってる気が・・(P5でも同様)。
今後、超絶覚醒する展開を期待!!。


さっきちょっとwiki見てみたのですが
悠木さんは既に登場していたあの人だったのですね!?(全く気付いてなかった)。
今後さらに、豊崎さん、金元さんまでもが控えているのですね!。

どのキャラも、おそらく平凡なままの演技では終わらないと予想っ。
これは、今後さらに期待が高まってきます^^。

★の評価、かなり上昇しました。
 
 
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>7話まで視聴して
う~ん、前回のレビューで評価↑してましたが、また下がってしまってます><。
なんか、話数による”バラつき”が大きいのかな?。

じっくり考えてみたら
自虐的な要素が作品全般占めすぎて、満足感が得られにくいのかも・・?。

・・どのキャラも、根本的なところで”後ろ向き”というか。

藤宮家の一部キャラ作画の扱いも、やっぱ笑えないヒドさでは・・。

ビデオ観る的なシーンも、2~3回程度なら問題ないけど
毎話毎話だと多すぎて
キャラ的にも過去のことばかり固執する人に見えてきて
”現在+これから”が展望できない作風になってしまってないですか?。


 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

60.7 2 怪物で魔法なアニメランキング2位
レンタルマギカ(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (221)
1695人が棚に入れました
人が思うより、少しだけ世界には魔法が多い人が思うより、少しだけ世界には神秘が多い。臆病で弱気な高校生・伊庭いつきが父の失踪を機に継ぐこととなった魔法使い派遣会社「アストラル」。慣れない社長業に悪戦苦闘するいつきが、個性的な社員たちと共に迫りくる敵と戦う異種魔法戦闘ファンタジー。

声優・キャラクター
福山潤、植田佳奈、高橋美佳子、諏訪部順一、釘宮理恵、伊藤静、小野大輔
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

10年近く愛し続けている作品です

放送が2007年でしたから、もう10年近く経ちます。

レンマギと出会ったのは、私が深夜アニメに手を出し始めた頃でした。
それまではキッズ向けや少年誌原作のアニメばかり観ていたのでラノベ原作のアニメというのがとても新鮮に感じたのを憶えています。

特に私の心をつかんだのは古今東西の魔術・魔法が協力しあって、問題解決をするという設定でした。
槍を使うものもあれば、魔獣を操っているものもあるし、玉串(神社にあるアレ)を振るだけのものもある。装いも違えば攻撃方法も術式もバラバラでどんなバトルが繰り広げられるのかとわくわくしました。
陰陽師・巫女・魔女・魔眼・眼帯・オッドアイというとっつきやすい要素が序盤から登場していたことも胸ときめかせた要因の一つでした。

要するに、厨二病心をくすぐられてしまったわけです。

ところが、専門用語や時系列の多いレンマギでは、知らない間に話が進んでしまって置いてけぼりな状態に・・・

「猫屋敷さんを見続ける為にもなんとかせねば…」
そう考えた私は、原作の購入を検討することにしました。

(アニメに関係がないので折りたたんでおきます)
{netabare}まず目を惹いたのは美しい表紙。UN-GOのキャラクター原案やFateGOの織田信長のデザインを手掛けるpakoさんの絵柄はまさに私の好みにドストライクでした。
しかし、その時点で原作は10巻程度出ており、今考えても小説にしては多い巻数・・・1巻買うと全部揃えるまで気のすまないたちでしたので結構悩みました。
家に帰って1巻を読み始めるとこれがまた読みづらいw一応徐々に読みやすくなっていましたが、8巻くらいまではかなり格闘しました。{/netabare}

原作を読んでアニメと見比べて分かったのは、話の順序が想像よりもバラバラになっているということ。長編ストーリーの大部分が削られていること、そして三輪先生という人物についてです。

まず、物語の順序から突っ込んでいきます。原作は長編・長編・短編集…というペースで結構短編集が出ているため、アニメでも短編を1話とする構成になっているのですが、アニメの物語はわざわざ原作の刊行順に関係なく、バラバラに組み込んであるのです。何故入れ替えたのか、物語の流れからは想像もつきません。
アニメが置いてけぼりになった一員はここにありとみました。

次にストーリーカットについてです。
前述のとおり、レンマギには短編集が多くあり、短編については基本的に1話で制作する為、しっかりと味付けされた物語が味わえるのですが、問題は長編の方です。
原作的に丸々1巻分を使った長編は、物語の進行に欠かせない重要な部分になるのですが、長編の1エピソードがアニメになると、2〜3話にしかならないんです!!
し か も、その中には上下巻を1エピソードとした物語がたった2話になってしまったものも!さて、物語の方はどうなったかと言うと…
以外と纏まってはいたのですが、アニオリとしか呼べない別物になっておりました。
これでは原作ファンは怒っても仕方が無い。
2クールもあるんだからもうちょっとどうにかならなかったのかなと思いました。

さて、もう一点の三輪先生という存在についてです。
アニメの最後の魔術解説コーナーに登場しており、ずっと原作者なのかなと考えていたのですが、原作に魔術考証で携わっている三輪清宗さんという方だそうです。
シュタインズゲートの小説を書いていたり、カバネリやヴヴヴなどのSF考証だったり、がっこうぐらしの脚本などをされている方ですね。

SF考証が入っているだけあって、緻密な魔術描写とそれを最大限活かされた世界観は飽和しているラノベ界においても今なおトップレベルに君臨するんじゃないかと思います。

そんな偉大な原作をもったアニメですから、話の面白さで言えば、断然原作の方が面白いと思えます。
しかし、ちょっとでも原作の片鱗をみせるアニメが、つまらないなんて事は、まずありえないですし、アニメにはアニメのいい所があるので、その点について、物語以外の評価で触れていきます。

声優の評価
メインキャストの声優陣がとにかく豪華です!
福山潤・植田佳奈・高橋美佳子・諏訪部順一・釘宮理恵・伊藤静・名塚佳織・小西克幸・安元洋貴・甲斐田裕子・藤原啓治・小野大輔・櫻井孝宏・宮野真守と当時でも錚々たる顔ぶれ。
回ごとのゲストキャラの声優もすごいですよ~
このままガンダムも出来てしまいそうです。

キャラの評価
短編メインだったためか、キャラ一人一人にスポットのあたっていたのが良かったです。キャラを楽しむことが目的なら良いアニメなのかな・・・
特に18話ソロモンの絆の隻蓮さんとダフネさんのやり取りは良かったなあ~
準レギュラーポジションの二人の大人の恋の始まりがちょっとベタに終わりは爽やかに描かれているのが良いです。
アニメを観て以来この二人が大好きになりました。
ちなみに、一番好きなキャラは猫屋敷蓮です。

作画の評価
キャラデザが原作とかけ離れているのはやや残念ですが、安定した作画に、雰囲気のある色使いが魅力的でした。

音楽の評価
主題歌
OP コミネリサ「宇宙に咲く」
ED 吉田旬吾「歩いていこう。」
OPは英語と日本語の2バージョンが入れ替わりで使われています。シリアスな魔導バトルものにふさわしいかっこいいOPです。
タイトルロゴになぞらえた十字に歌詞を流しとてもかっこいい演出になっています。
EDは声優が歌っているアストラルvarsionがあり、こちらも入れ替わりで使われています。安らぎのEDです。黒羽まなみちゃんがとっても可愛いです。


総評
原作ファンとしては、絵柄、ストーリー構成的に納得のいかない部分もあるのですが、見返してみるとアニメはアニメで良いところがあるということに気づかされました。
原作も終了し、アニメも特報が無いままもうすぐ10周年を迎えようとしています。もう世間的にはオワコンなんでしょうか。しかし、それでもかまわないと私は思います。いつまでも私の心の拠り所として大切にしていきたい、そんな作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

霧枝 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

アディリシアさんだけは★5!! 異論はみとめ(ry

アディリシアさん好きです! 結婚して下さい!

作業用BGMを聞いたら”Faith”(コミネリサ)がかかったよ。
なのでレンタルマギカのレビューを書こうと思います。

金髪縦ロールに緑のslanted eyes! 魔術結社”ゲーティア”の首
領にして、名門貴族Mathers家のお嬢様! 
アディリシア・レン・メイザースさんは未だに私の憧れの存在。

痛友に誘われて、アディリシアさんのコスをしてしまった過去は未
来永劫封印するとして、未だにアディリシアさんのフィギュアは大
事に飾ってたりするとかなんとか・・・。もはや家宝!

さて痛いお話は終わりにして、以下アニメの内容。

簡単に言うと、お父さんの失踪により魔法使い派遣会社アストラル
の跡継ぎを任せられた伊庭 いつき君が、個性的なアストラルの社
員(魔法使い)と共に数々の(魔法的な)事件を解決していくと言うス
トーリー。
魔法バトルあり、ヒロインとのラブストーリーありってとこかしら。

メインヒロインはアストラルの社員である穂波・高瀬・アンブラー
さんと、魔術結社ゲーティア首領であるアディリシア・レン・メイ
ザースさんの2人かな。
穂波さんは神戸弁で眼鏡っ娘と言う個性的なキャラ。アディリシア
さんに関しては前述の通りの正統派ツンデレヒロイン。
アストラルには、他に幽霊の黒羽 まなみさん、葛城 みかんちゃん
と言うサブヒロインも居ます。

黒羽さんは”WHITE ALBUM”(ホワイトアルバム)の森川 由綺さんを
彷彿させる黒髪美少女。
みかんちゃんは、くるくると可愛らしいロリロリキャラ。声優さん
は業界に疎い霧枝さえも存じ上げている釘宮理恵さんが担当してい
るんだって・・・。

伊庭 いつき君は妖精眼(glamsight)って言う特殊な眼の持ち主。
普段は眼帯で眼を封印しているんだけど、いざって言う時にはこの
眼帯を外し、妖精眼の力で活躍しちゃう・・・って言う設定なんだ
けど、なんかあんまり格好良く無いかも。
それは妖精眼の設定が、あくまでも”魔物の全てを見抜けるって”
事だけで、妖精眼の力で魔物を直接やっつけるとか、相手の魔術師
を倒しちゃうって事は出来ないから。

なので、アストラルの社員に相手の攻撃予測や、こちらからの攻撃
場所などを指示するだけって立場です。
うん、なんだか微妙だね・・・。

本作ですが、原作を読んだ方からは酷評されているみたいですね。
曰く、時系列をシャッフルしてしまっており、視聴者に混乱を来す。

残念ですけど、もっともかと思います。
私は原作を読んでいませんが、1話冒頭からいきなりフルメンバーが
揃っていて、説明は登場人物の設定やお話の背景の説明が後回しに
なっている事には違和感を感じました。
但し、最後まで不親切かと言うとそう言う訳ではなく、後日のお話
の中でキチンと説明がされます。
また、舞台設定となっている魔術の用語などについても、主人公の
いつき君に説明すると言う設定で親切丁寧に教えてくれます。

なので不親切であるとか、解りづらいと言う事では無いのですが、
問題は観る側の興味を引きつけておけるかどうかだと思います。
そう言う意味で、冒頭で時系列をシャッフルしてしまったのは登場
人物に興味を持つ機会を削いでしまったし、原作を知っている人に
対しては混乱を招いてしまったと思います。

あ、後は主人公であるいつき君が、ともかく優柔不断で頼りない事。
にも関わらずヒロインからは熱愛の対象ってのも違和感あり。
確かに底抜けに純粋でやさしいんだけど、それだけで恋愛の対象に
なるのかな~~なんて冷めた目で見ちゃう自分に自己嫌悪・・・。

お話のエンディングも正直不満。
言いたいこと、伝えたい事は解るけど、当事者が行動を起こそう
と思う原因が余りにも稚拙。そこを納得させないと、誰も感情移
入なんか出来ないと思うな。

後、アディリシアさんと主人公との関係をちゃんと最後まで描いて
よ!! このままじゃすんごく不完全燃焼!!

・・・・・・・・。

ちょっと辛口に書いちゃいましたけど、霧枝は嫌いじゃないです。
この作品。
全24話と長い作品ではありますが、たいていのお話は1話完結で気
軽に観られる点、舞台設定が緻密でキチンと作り込みされている点、
お話のテーマとなる事件が毎回趣向が凝らされており飽きない点、
等がさすがにベストセラー小説である原作のエッセンスがつぎ込ま
れているのかな~?(読んで無いから解らず)と感じるからです。

個性的なキャラも好きです。
キャラ絵も大好きです。(特にアディリシアさん!!)
音楽も好きです。
OPはコミネリサさんの”宇宙に咲く”。
回により歌詞が英語となった”Faith”に変わります。
ともかくコミネリサさんの歌唱力に驚かされる名曲かと思います。

あ、スペシャルアルバム(CD)”THE 縁起物?聴くと幸せになれる
(かも)”に収録されている「紅の伝説」は超お勧め!!
この曲もコミネリサさんで、宇宙に咲くと並ぶ名曲かと思います。
まぁCDの内容自体はどうしょうも無く、正直聞いていると痛いん
ですけどね・・・・。


みなさまからの評判はあまりよろしく無いこの作品ですけど、ア
ディリシアさん好きの霧枝としては、是非次回作をお願いしたい
です。
素材はすごく良いと思うので、もう少し構成を練り込んで貰えれ
ば、きっと化ける作品になると思います。

(最後にひとこと)
レビューを書き終えた後にWikiを見ました。アディリシアさんの
原作でのその後の活躍?が解り、すごく嬉しかったです!!
あっでも本編未視聴の方は絶対Wiki見ちゃ駄目よ。つまんなくな
るから。

アディリシアさんが気になるから、やっぱり原作読んでみようか
な~。

おしまい・・・。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

視ろ!見ろ!

オカルティックファンタジーアクション?全24話。

人が思うより、少しだけ世界には魔法が多い。
人が思うより、少しだけ世界には神秘が多い。

ケルト魔術・ソロモン王の魔術・錬金術・陰陽道・神道
神楽・祓魔式・死霊術・ルーン魔術・密教・禁呪等様々。

其処に所謂「魔眼(妖精眼)」を持つ主人公を軸に展開する。

如何にも和洋折衷で方程式的魔法や神話的なものや伝承
のような曖昧なものも含めたオカルト風の魔法ものです。

主人公他メイン登場人物が高校生位の年齢ということで
学園ラブコメ要素も可也強く盛り込まれている。

序盤は謎展開の伏線張り以外はドタバタなギャグ展開も
あったり、友情や仲間意識やライバルとしての確執など
人間関係中心のエピソードや個々の掘り下げ回想も多い。

メインキャストがひと通り掘り下げられる頃には大きな
伏線が陰謀として露呈して、其々の想いに信念を持って
精一杯立ち向かうという解りやすいストーリー。

其処までのエピソードが結構面白かった。
正直馬鹿にしてた魔眼(眼帯もの含む)で初めて楽しめた。

福山さんが開眼する時の「ルル」と被る台詞の言い回しで
この後逆にルルを視ることになったのだけど・・笑った♪
諏訪部順一さんも掴み所のない雰囲気が良い感じでした。
猫いっぱい纏わりついてて可愛いしw
釘宮さんはどの作品も釘宮病全開ですねw
伊藤静さん・・何でも熟すね・・
植田佳奈は大阪出身か・・

その他の声優も結構良かったです♪
OP/ED他音に関しては可也好みでした。
キャラデザも男女平均のデフォで見易かった。

眼が・・眼が・・の呪力テンプレネタは結構好き。
時々啀み合いの仲裁に使うとかw結構知能犯w


臆病で弱気な高校生・伊庭いつきが父の失踪を機に継ぐ
事となった魔法使い派遣会社「アストラル」。
慣れない社長業に悪戦苦闘するいつきが、個性的な社員
たちと共に迫りくる敵と戦う異種魔法戦闘ファンタジー。


伊庭 いつき(福山潤/大浦冬華※幼少時)
呪力を見る事が可能な魔眼「妖精眼(グラムサイト)」を持つ。
「アストラル」2代目社長。勇花という義妹が居る。
異常なほど恐がり。特徴は右目にある大きな眼帯。

穂波・高瀬・アンブラー(植田佳奈)社長秘書兼教育係
「アストラル」ケルト魔術・魔女術課正社員であり魔法使い。
眼鏡をかけ関西弁(神戸弁)を話す。古びた箒で空を舞う。
大きな帽子に闇色のマント、片手には樫の木の杖。

Adilisia=lenn=Mathers(高橋美佳子)
魔術結社「ゲーティア」首領。名門貴族メイザース家の娘。
ソロモン王の魔術によりソロモン72柱の魔神を行使できる。
胸には五芒星のペンダントを下げた少女。典型的なお嬢様。

猫屋敷 蓮(諏訪部順一)猫をこよなく愛する陰陽術師。
「アストラル」専務取締役兼陰陽道課課長。情報収集が得意。
4匹の猫の使い魔(式神)は青龍、白虎、朱雀、玄武。

葛城 みかん(釘宮理恵)神道系魔術結社本家直系の生まれ。
「アストラル」神道課契約社員。血族から落ちこぼれ扱い。
千早に紅袴という巫女装束に身を包むツーテールの少女。

黒羽 まなみ(伊藤静)事務所の掃除やお茶くみをする見習。
「アストラル」幽霊課契約社員。魔法使い以外には見えない。
自我認識により、ポルターガイストを念動力のように使う。

隻蓮(小西克幸)布留部市にある竜蓮寺の住職で放浪癖。
「アストラル」真言密教課契約社員。武術と武具の手練れ。
常に虚無僧の格好をしており、10代で密教を修めている。

影崎(小野大輔)「協会」における「アストラル」担当者。
中肉中背であまりにも普通すぎる顔他特徴がないのが特徴。
禁忌を犯した魔法使いを裁く「魔法使いを罰する魔法使い」

オズワルド・レン・メイザース(中村秀利)
アディリシアの父で「ゲーティア」先代首領。

ダフネ(甲斐田裕子)「ゲーティア」の徒弟。
石動 圭(櫻井孝宏)「協会」の監査員
ラピス(名塚佳織)12歳くらいに見える謎の少女
フィン・クルーダ(宮野真守)チェンジリング。
城 桔梗(田中理恵)‎鈴香の娘であり、香、みかんの母親

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

77.5 3 怪物で魔法なアニメランキング3位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (461)
1459人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

独特な絵柄による雰囲気だけのアニメ。

1クール目から微妙だったけど2クール目もやっぱり微妙だったかな。

↓1クール目時点感想
{netabare}
障害を抱えた主人公が旅したり色々する話。
正直この時点でもうきついが、主人公が「アウアウ」しか喋らないのがきつさを加速させてる。
で、3話とかそうだけど、その主人公ががんばってる様子を見せて感動させようとしてくる系の作品。
さらに毎回のようにキャラの泣き顔を映してくるのがキャラデザも相まって、感動の押し売り感がしてきつい。
つべにあがってるEDの公式動画のサムネとかもまさにそれ(曲自体はめっちゃいいけど)

感動ポルノだ!とか、感動ポルノだからだめだ!って言いたいんじゃなくて、単純にこういうのが気持ち悪く感じる。
まあ、24時間と何が違うんだとは思ったけど。

あと、耳聞こえないはずの主人公が普通に聞こえてるような行動を取りまくるって言うねw
ちゃんと手話をやってるシーンもあるんだがそうでないシーンの方が多いし、
ボッジ→カゲ以外の他のキャラとかも割と意思疎通ができてるみたいで。
耳聞こえない設定もしゃべれない設定も「かわいそう」感をだして感動させるためだけのものになってる。
11話で障害者を弱者と見ることへの批判をしてたけど、この作品がまさにそれなんだよね。

最近はまだマシだけど最初の方はほんとに見てられなかった。

で、最近になって感動させようとしてる感はなくなって見られるようにはなってきたが...
特段これと言って面白い要素、いい点がない。
作画がいいのとデザインが独特なので面白そうな雰囲気は出てるがそんなことはない。
だらだらと話が進んでいくだけ。
主人公が剣の特訓をして最終的に針のような剣を扱えるようになる、とか展開自体はいいんだが、なぜ過程をちゃんと描かない?ってなった。
丁寧そうに見えてあまり丁寧ではない。
同じような感じのアニメにしても、まだ不滅のあなたへの方が面白かったと思う。
まあとは言え感動させようとして来なければ不快感はまだマシなので(正直主人公はきついが)2クール目でたぶん少しは評価上がるかな。

2話のカゲの話はめっちゃよかったと思います。
あと、11話も序盤のダイダのところは結構良かったかな。
EDは名曲だと思う。

どうでもいいけど、無職信者が複垢でこの作品に☆1評価連投しまくってますね。思ったより評価低いと思ったら。

↓一話毎メモ(1~11)
{netabare}
1話 ☆0
OPなんて? 気の抜けた炭酸みたいな声だな、全く聞こえん。
もっといい歌手を...
障害者主人公かよ...。耳が聞こえないとは。
ああ、こいつとだけ話せるのか。
国民がこんなに王子バカにしてるけど王様は何も反応なしかよ。
何で入れって聞こえてるの?
普通に言葉通じてて草。
障害感強調されたらこれは切り候補かも。
EDはめっちゃいいな。

2話 ☆9
これよく名前聞くKing Gnuなのか。
何でこんな歌手が流行ってるんだか。
過去回引っ張らないスタイルか。
こっちの方が戦い方汚いじゃん。
カゲだけでいいな。主人公いるときつい

3話 ☆1
暗殺されそう。
は?主人公耳聞こえるか聞こえないかどっちだよ。
まあそりゃ王はきついでしょ。
ボッジの力になりたいっていうと第二皇子を暗殺するのが目的ってとらえられそう。
槍使い強い。駄目だ、主人公きつすぎる。
いや死ぬだろw 
神様になった日最終回がボロクソ言われてこのアニメが絶賛されるのはなぜ?w

4話 ☆4
今回は手話ちゃんとやってていい。24時間やん。
旅だったんじゃないの? 回想声聞こえてて草。
カゲってあの手みたいなやつで手話やってたん。
ほんと主人公きっついわ。

5話 ☆7
再会早すぎ。弟のキャラいいじゃん。
ボッジを裏切ったから信頼できないと。
きたない 焼き鳥 洗脳開始w 
けどボッジとの戦闘で不正してたよね。
ボッジが力を奪われた巨人で、カゲが神に姿を変えられた存在?
腕がああああ王の力があああ
ボッジがいなければ面白い

6話 ☆5
だからなんで主人公悲しんでんだよ、言葉通じないんじゃねーの?
アウアウやめて
ダイダのキャラはめっちゃいいと思う。
主人公の期待に沿うよう努力したり。
これほんと話普通だよな、まだ不滅の方が展開凝ってて面白かったと思う

7話 ☆3
見える子 いや草、言葉めっちゃ通じとるやんけ。
紫色料理の昭和ギャグおもんないからやめろ。
主人公がきっつい。
まあ孤独な方が訓練には向いてるわな。

8話 ☆6
腹から声出せ。なんだこいつ
世界一強いのボッジか? 

9話 ☆6
父さんクズ過ぎません?w
母はもっとキレろ

10話 ☆5
刺されそう
お前はもう死んでいるとかいいそう。
キャラの泣き顔毎回写されるのがきつい。

11話 ☆7
ここは障害者を弱者とすることへの批判なのね。
だけどこの作品は障害者を弱者として描いてる気がする。
不滅で見た。戦えるんか?

曲評価(好み)
OP「BOY」☆4
ED「Oz.」☆9
{/netabare}
{/netabare}

↓2クール目視聴後感想
{netabare}
1クール目の時はお涙頂戴感がきつくて酷評したが、2クール目ではそれほどお涙頂戴感はなくて普通に不快感無くみられるようになった。
ただ、それと引き換えにもともと大して面白くなかったストーリーがさらに酷くなって本当に酷い有様になってた。

まず何と言っても尺のさき方が酷い。1クール目の最初の方からやってたミランジョの話がまさか最終話まで引っ張られるとは思わなかった。実際やってる内容もミランジョとボッスが子を犠牲にして生き延びようとしているのをみんなで阻止するという内容だけなのになんでこんなに引っ張られるのか。
特にオウケンVSボッジたちの戦いはほんとに毎回はよ終われと思いながら見てた。あの戦闘のダレ具合は本当に酷い。
かと思えば、途中で主人公が特訓して戦いに参加できる力を身に着けようとするパートはめっちゃ短い。
短いというかちょっと特訓しただけで最強格ぐらいにまで成長してると言うw
なろう系かよって言いたくなるしこういうパートこそ尺割けばいいのにって思う。本当にいきなり強くなりすぎていて面白みがない。

それと「○○が死にそう!」からの回復魔法での復活コンボがマジで面白くない。
最後の方はもうボッジが切られてもその他大勢が大けがをしても「どうせ生き返るんだろうな...」って思えて茶番にしか見えなくなった。
で、案の定誰も死なないし、この作者はキャラを殺せないんだろうなって。
転スラ二期の前半の死者回復展開も酷かったけど、あっちの方がまだ過程がかなりあったぶんこれに比べると数倍はマシだったと思う。なろう系以下。
子供向けアニメみたいな全員集合からの集団戦闘とか、戦いが終わった後の子供向けみたいな大団円も寒い。そういうノリを何回も見せられた気がする。

それで、ボッスとミランジョの話はどうかと言うと、引っ張った割に結局ボッス側に正義は一切なくボッスはただ自分の保身のためにボッジやダイダを利用しただけのただの悪人で、この作品全体を通してやったのはただの勧善懲悪だったっていう。子供向け作品でももっとマシなんじゃないか?
で、ミランジョもなぜか命を取り留めて王のダイダが婚姻を結ぶという。
ミランジョは国に多大な被害も与えてたんだし、処分なしじゃダメでしょって。
で、揚げ句の果てには最終回でまたも不死身のオウケンが復活して...。
これ原作だとこのあともまだgdgdとオウケンと戦ってるんだろうか...。

このアニメ、WIT STUDIOが作っていて作画がすごいのと、絵柄が独特なこともあって名作っぽさがあるから持ち上げられているだけで、これがもしJ.C.STAFFでなろう系っぽい絵柄だったらこんなに評価されてなかったと思いますね。

2クール目のオープニングは本当に良かったと思います。
EDは1クール目が圧倒的だけど。

↓一話毎メモ(12~23)
{netabare}
12話 ☆6
総集編? 嫌いなシーンばかり切り取られてるw
馬の話だけ面白い。こっちのおじさんは許されるのね。

13話 ☆5
最高のOP。ヒリング逃げろやw 
魔法的なのあるのかよ。はよ逃げろ。
ミランジョ何がしたいんだ? 食うの遅くね?
お前らどうせ噛ませだろw 

14話 ☆6
アウアウきっつ。草、なろう系じゃん。
何でその針折れないんだよw
なるほど、言葉はそれで通じてるのか。

15話 ☆3
つまんねえ。え? シリアスにすべきとこでギャグシーンw
なんでこいつら戦ってんの? 

16話 ☆6
泣き顔写すのきつい。まあ許せんわな。
あの変態騎士どう絡んでくるんだ? 

17話 ☆4
ボッジ強すぎんかw
戦闘は面白いんだけど戦う意味ないよねこれ...。
なんかずっとgdgd進行してるイメージがある。

18話 ☆3
は? ポーション、治癒魔法とか言うなろうのご都合主義アイテムが本当に面白くない。アピスは殺しとけよって思う。
どんな国だよ。そうはならんやろ。
ピンチの時に誰かが駆けつけるパターン多すぎない?
ラストは面白かったな。

19話 ☆3
ほんとOPは神なんだよな。進撃の巨人かよw
これまた治癒魔法くる?w 三途の川 テンプレ展開
このだるくなりがちな展開のわりには短くていいな。
これ妄想の世界なんでしょ?感動できないよ。結局助け来るのかよw
やっぱり回復魔法なのね、面白くない。
オウケンが主人公モード入るの草。まあ戦闘は面白いかな。

20話 ☆2
どうやって見せたんだよw
そろそろ死ぬ死ぬ詐欺やめて誰か退場しろよ。
はーつっまんねww なろう系もびっくりだわww
転スラ以下だろこれw 転スラの復活でももっと過程踏んでたぞ。
てかそもそもVSオウケン間延びしすぎでしょ。戦う意味ある? 

21話 ☆4
ボッスゴミすぎやろ。進撃の巨人。
強くなりすぎやろw 略してオウケン なろう主人公
こいつら結局何がしたってん。
子役嫌い。地獄にでも落ちた?

22話 ☆5
また過去回やるんか。落ちる先が手のひらでも死ぬやろw
妻になってくれは唐突すぎる。オウケンいつか助かるんか?
こいつら最終回直前に何する気なんや。

23話 ☆3
ここは決闘のやり直ししろよw そうはならんやろ
ええ、ここでオウケン生き返らせるんかよ。
もう展開が滅茶苦茶。オウケンどこまで引っ張るの
いや結局王位譲るの? ああ、自分で国を作るのね。

曲評価(好み)
OP2「裸の勇者」☆9.5
ED2「Flare」☆5.5
23話挿入曲「」☆6
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ボタンの掛け違い

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
良いアニメだと思います。

基本は、「少年の成長と旅立ち」という、超王道のストーリー。一見すると、NHKやジブリでも通用しそうな、安心安全の世界観。

ただそこに、多くの不幸や悲しみ、残酷な現実なども混ざり合い、単なる児童アニメにはない深みがあります。大人でも楽しめるというか、大人だから楽しめるというか。

本作は考察しがいがあるアニメなので、久々に考察系で真面目に書いてみました。主に、人物描写について思うことを書きました。相変わらずクソ長いので、大変申し訳なくは思います(苦笑)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の特徴として、登場人物が「全員不幸を背負っている」「全員他者のために動いている」ことと、それが、「どれもこれも上手くいっていない」ことがあると思う。

例えるなら、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のようなものだろうか。尤も、「賢者の贈り物」に比べれば、清廉でもないし、幸福でもないけれど。

私は、本作の面白いところは、人物描写の巧みさにあるように思っていて、どの人物も実に「人間らしい」のだ。

日頃から、高い教養と倫理性、社会的制限の元に生み出されたキャラクターを見慣れている我々現代人は、ついついキャラクターに整合性を求めてしまう。しかし、本来の人間は「支離滅裂」なことが普通なわけで。近代の純文学などでは、そういう人物描写がよくみられた。

利己的で、情動的で、短絡的な人間。それでも、100%の悪人とは断罪しきれない人間。大宰作品なんかが分かりやすい。

本作のキャラクターが、なぜ、他人のために動いているのに、誰も上手くいってないかというと、「他人のため」がいつの間にか「自分のため(自己救済)」になってしまっているからではないだろうか。多分、本人すら気付かないうちに。

皆さんの身の回りにもいませんか? 人を救うのが趣味や生き甲斐みたいになっていて、それはとても素敵なことなんだけれど、ちょっとウザがられている人。

簡単に言えば、「余計なお世話」。

論語に、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」という有名な一節がある。幼小中学校の先生は当たり前のように「自分がやられて嫌なことは人にやるな」「もし自分がやられたらどうか考えてみなさい」と言うが、これは間違いとまでは言わないが、正しくはないと思っている。

本来は、「人の欲せざる所は人に施すこと勿れ」だ。「己の~」は、あくまで価値観が自分の側にある。自分が良いか悪いかはさておき、本来は、「その相手」がどう感じるかを見とる洞察力や想像力こそが、正しい意味での優しさなんだと思っている。

本作の登場人物は、正にこの「余計なお世話」が多い。特に、

ミランジョがボッスを子に転生させようとすること。ボッスがミランジョの魂を救おうとすること。

の2つは分かりやすい。どちらも別に、(今となっては)本人は特に望んでいない。そして、ミランジョがボッスを転生させたいのも、「自分がボッスと共に永久に生きたい」からだし、ボッスがミランジョを救おうとするのは、「自責の念」からだ。彼らはそれを死の間際に気付くけれど、それまでは「相手のため」を免罪符に、悪行の限りを尽くす。

なぜこうなったかというと、ボッスもミランジョも、過去に大きな悲しみを背負っており、そうして胸に空いた穴を、「何か」で埋めなければならなかったから。2人にとってそれは、「互いを救う」ことだった。(宗教なんかもそうだけど、本当に怖いのは、ご立派な大義名分の為にどんな手段でも正当化してしまう、どこまでも盲目的で利己的な人間なんだと思った)

これは、本作のヒロインとも言える活躍をした、ヒリングにしても、少しそういう部分が見える(ちなみに、私が本作で一番好きなキャラはヒリングです)。

序盤、ヒリングがボッジに冷たくあたっていたのは、「無能」な「我が息子」が王位につくことで、かえって苦しむのではないかという、親心(愛情)から。実に母親らしい思考。ただ、ボッジは単純に王になることを応援して欲しかった。

一方、ダイダは、母から「王への期待」をかけられているが、それは、「ボッジの代わり」であり、「ボッジを救う手段」だと(ヒリングの深層心理に)気付いていた(だって、ヒリングの性格上、もしボッジが優秀だったら、実子という理由だけではダイダを王には推薦しないだろう)。

正に、「代打」だと自分を卑下していたのである(本当は優秀だから、期待され、手をかけられなかっただけだが)。

だから、必要以上にボッジを見下し、いじめたのだ。あれは、母親の愛を独占したいという寂しさや、母の深い愛を受けるボッジに対する劣等感からの行動なのだろう(基本的にいじめっ子は、親からの愛情が不足している者がなりやすいという研究結果もある)。

ヒリングがあそこまで息子に大きな愛情を抱いたのも、実は、夫であるボッスからの愛情不足があるのだと思う。2人の夫婦間系は破綻までいっておらず、表面上は良いのもしれないが、実は、冷え込んでいる。

だって、旦那は仕事(王様)ばかりに熱心で、自分以上に亡妻を愛していて、更に心のど真ん中には別の女(ミランジョ)がいる。旦那はそれを上手く隠しているつもりだろうが、女性はそういうところに敏感だ。

ヒリングは根が良い人なので、そういう「満たされない思い」を「子に愛情を注ぐ」ことで埋めていたし、ダイダも、「足りない母の愛」を「ミランジョに頼る」ことで埋めていた。こういう歪なバランスの上で安定している関係は、何か1つのキッカケで崩壊するものだ。

だからまあ、最終話でダイダはミランジョを妻とし、ヒリングはドルーシと良い感じになったのだろう。ダイダのような男が、母性的なものを求めて姉さん女房をもらうのも、ヒリングのような女性が、無骨だが一途に自分だけを思う男性に惚れるのも、ままあることだろう。

この辺の背景を絡めないと、最終話の突然の展開に驚き、場合によっては嫌悪を抱くかもしれないが、私は、本作を「弱き、哀しき、不完全な」大宰的なキャラによる話と捉えていたため、そういう「利己的で、情動的で、短絡的な人間」を愛おしいと思った(これは、近代文学好きならではの歪んだ思考ですねw)。

私は、人間らしい人間が好きだ。そして本作のキャラクターは、実に人間らしい。

話は少しずれてしまったが、ドーマスがボッジに寄せる思いと行動も、デスハーやデスパーがオウケンに寄せる思いと行動も、本人の願いとは少しずつズレているように感じ、

「本質的に優しい人間達の、他者を思いやる尊い行動が、悲しみを背負うことで僅かに感覚を狂わせ、まるでボタンを掛け違うように、悲劇を生み出してしまった話」

のように感じた。これが、本作における主たる感想である。

さて、そんな中、主人公のボッジだけは、「他者の理屈」で動いている。アドラー心理学によると、「共感とは、自分の価値観に合うものを見つけるのではなく、他者の価値観で物事を見聞きすること」だそうだ。

ボッジは、耳が聞こえないため、幼少期から周りを見渡す洞察力に長けていた。そして、口がきけないため、自分の思いを表現することが苦手になった。さらに、力が弱くいじめられたため、他者の弱さに寛容になり、共感的に他者を受け入れる素養をもった。

穿った見方をすれば、それが彼なりの「処世術」だったのかもしれない。

そんな彼が歪まなかったのは、彼が多くの愛情に包まれていたから。父、母からの愛情。継母からの愛情。師匠からの愛情。そして唯一足りなかった、友からの愛情。

それらは一部を除き、本質的な意味では「無償の愛」とは言えなかったが、ボッジはそれを最大限好意的に受け入れている。一昔前、「鈍感力」という言葉が流行ったが、その力が強いのだろうか。

確かに、多くの愛情を受けた子供は、他者を受け入れ、自分を見失わない。多くの挑戦と失敗が出来る。

それはそうのだが、如何せん、ボッジの境遇の辛さと、彼の人柄の良さが乖離しすぎていて、ここに「ご都合主義」を感じてしまった方も多いのではないだろうか。私はそうである。

私は本作を「純文学のような人間らしいキャラに魅力がある」と評したが、そういう意味で、一番「人間らしくない」のがボッジである。

たくさんの人物の歪みや悲しみを、まるでスポンジのように一手に引き受け、包んでしまう優しさ。それはもう、「王の器」を飛び越えて、「神の器」とすら思ってしまう。

ボッジが子供だったのもいけなかったのかもしれない。本来、子供なんて自分の理不尽を周りに撒き散らすのが役割で、それを受け入れるのが大人の役目なのに、本作はその逆。そこが、自分的には一番受け入れ難い部分だった(よって☆4)。

それだけに、ボッジがドーマスに見せた、恐怖と怒りの感情は、大変見応えがあったし、ボッジを「人」らしくしてくれた。ああいう場面が、もう少しあっても良かったと思う。

いや、なにも「歪んだ主人公」を見たいわけではない。性急すぎるのだ。ボッジの最終形態は今のボッジで良いとして、「強さ」も「優しさ」も、もっと時間をかけて獲得して欲しかったのである。

私は本作を観始めた頃は、「ジブリに、2時間映画にまとめてほしい」と思ったが、途中から、「世界名作劇場みたく、1年はやってほしい」と思うようになった。

本当は、ボッジとカゲの友情を丁寧に描き、たくさんの街を旅し、幾人もの「善」や「悪」に触れながら、葛藤し、次第に成長するボッジが観たかった。

尤もそれは、「今後」に描かれる部分だろうし、むしろそれかそが作品の主題で「王様ランキング」に関わるのだろう。

そういう意味で、作品のエピソード0(旅立ちの前)だけでここまで描き切れている本作は非常に優秀な作品だし、今後に期待がもてる作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

以前はネットの漫画広告でよく見た

弱すぎる上に難聴のハンディキャップを抱えた国王の息子ボッジの話。
カゲとの出会いもまた重要。彼もまた苦難の道を歩んできている。

冒険譚だったり、途中裏切りのようなよく分からない展開だったり。
なんだかんだ息子想い・兄想いだったりと登場人物の想いが錯綜しまくりで途中、混乱したが、素直に面白いと感じた。
一応、登場人物の名前が彼らの本質を表しているみたいだ。

{netabare}ボッジが巨人の息子なのに小さくて非力なのは父である国王の望みが原因だったとは。これが物語の引き金になったようなものか。せっかく、息子にも素質があるはずだったのにね。前母の死は辛かった。継母が横暴に見せかけて凄く優しくて息子想いなのは良かったけど。{/netabare}

不老不死マンの問題も解決しといてよね。
結婚の話は予想もしておらず、驚いた。


OP
BOY King Gnu
裸の勇者 Vaundy
ED
Oz. yama
Flare milet
よく見かける歌手を集めた感じ。安定している。
中でもKing Gnuとmiletが良かったと思う。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが〝王様ランキング〟である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす―――― 。


第一話 裸の王子
生まれつき耳が聞こえず、口もきけず、まともに剣すら振れぬほど非力なボッジは、第一王子でありながら、家臣や民衆から「王の器ではない」と蔑まれていた。そんなある日、暗殺集団「影の一族」の生き残りのカゲと出会ったボッジは、着ていた服をだまし取られてしまう。

第二話 王子とカゲ
幼いころから盗みを生業として生きてきたカゲ。金目のものを盗むためにボッジの後をつけ城に忍び込むが、ボッス王国四天王の一人・ベビンに見つかってしまう。一方ボッジは、異母兄弟であるダイダと手合わせをすることに・・・

第三話 新しい国王
ボッス王が亡くなり、遺言で王の跡を継ぐこととなるボッジ。しかし、ヒリングにより遺言は覆され、新国王はダイダと発表されてしまう。そしてカゲもボッジの前から姿を消し、ベビンはカゲを探すボッジに「カゲは旅に出たので二度と会えない」と告げる。失意のボッジはとある行動に出る。

第四話 初めての旅
ドーマス、ホクロと共に道中の自然を満喫しながら旅を楽しむボッジだったが、買い出しに訪れた町でカバンを盗まれてしまう。一方、新国王となったダイダの元には、新たにランクを付けるため王様ランキング協会の審査員が訪れていた。

第五話 からみあう陰謀
ドーマスによって冥府に続く穴に突き落とされたボッジ。ドーマスは罪の意識にさいなまれながら、一人その場を後にする。そしてボッス王国では、魔法の鏡によって、ダイダがボッス王の力を手に入れるための儀式が行われていた・・・

第六話 冥府の王
冥府の王・デスハーのもとに連れていかれるボッジとカゲ。ボッジを強くしてもらうために探していた人物がデスハーだと思ったカゲは、ボッジを鍛えて欲しいと頼み込む。ボッジは、その実力を見せるため冥府騎士団の隊長と手合わせをすることに。

第七話 王子の弟子入り
デスハーの弟・デスパーに弟子入りし、カゲと共に家事をこなしながら住み込みで修行をすることになったボッジ。一方、ボッス王国では、復活の秘薬を無理やり飲まされていたダイダの体に異変が起こっていた・・・

第八話 夢のいけにえ
ボッス王の強さの秘密と、ボッスとシーナの出会いが明かされる。ダイダの体をのっとることで復活を果たしたボッスは、魔法の鏡に「今、世界で一番強い人物」を問う。鏡に映ったその人物とは・・・

第九話 王妃と盾
ダイダの体をのっとったボッスと対面した王妃ヒリングは、ショックのあまり気絶してしまう。倒れたヒリングに襲い掛かる魔獣。ヒリングを守らんと応戦するドルーシは、かつてボッス王から王妃の護衛を命じられた日のことを思い出す・・・

第十話 王子の剣
デスパー奥義免許皆伝を祝うため酒場に出かけたボッジ、カゲ、デスパー。楽しく食事をしていると暴れん坊・アバン三兄弟に絡まれてしまう。相手にせず食事を続ける三人だったが、悪口を言われたデスパーがとうとう相手を殴ってしまい・・・

第十一話 兄と弟
成長するにつれ、兄・ボッジを弱者だと見下すようになっていったダイダ。どことも知れない暗闇の中で助けを待ちながら、過去の自分を思い返し後悔するダイダの前に一人の少女が現れる。

第十二話 戦いの足音
冥府での修行を終え、帰国の途につくボッジたち。一方ヒリングたちは、精鋭を集め、一足先にボッス王国へ差し掛かろうとしていた。その頃ボッス王国では、何者かの手引きにより、凶悪な冥府の罪人たちが城内に引き入れられていたのだった。

第十三話 王国の乱れ
「この国を滅ぼしたい――」明かされたミランジョの望み。それを阻もうと立ち向かうドルーシたちを、冥府の魔物、そして罪人たちが襲う。ヒリングを守るべく奮闘するドルーシだが、強敵たちを前に劣勢を強いられる・・・

第十四話 王子の帰還
魔物たちと壮絶な戦いを繰り広げるドルーシ。しかし健闘もむなしく、瀕死の重傷を負ってしまう。ドルーシを治療するヒリングにギガンが迫る。窮地に陥る一同の前に思いがけない救世主が現れる。

第十五話 冥府騎士団
魔法が解け、正気に戻った冥府の魔物たちを冥府に帰すべく、ボッジたちは城の地下にあるという入り口へと向かう。一方、一足先にその入り口を壊すために地下へと入ったドーマスとホクロを待ち受けていたのは、逃げた罪人を追ってボッス王国に攻め入ってきた最強の冥府騎士団であった。

第十六話 王の威厳
デスハーが明かした黒幕の名は、ミランジョ。その名を聞いたボッジの中に、幼い頃のシーナとの記憶が蘇る。ギガンを捕らえ冥府へと連行しようとする冥府騎士団の前に立ちはだかるボッジたちだが、デスハーはギガンの過去、そして彼の犯した罪を語り始める。

第十七話 不死の呪い
かつて冥府を治めた王、サトゥン。その息子であるデスハー、デスパー、オウケンたち兄弟は、それぞれが超能力をその身に秘めていた。ボッス王の城で罪人たちを探すボッジとカゲの前に、不老不死の力を持つオウケンが立ちはだかる・・・

第十八話 神々との争い
冥府の罪人たちに自ら捕らえられたボッス。牢屋へとやってきたベビンは、ボッスにその真意を問いかける。ボッスが語り始めたのはミランジョとの出会い、そしてホウマ国とギャクザ国という2つの国の悲しい過去だった。

第十九話 最後の砦
オウケンとの戦いで瀕死の重傷を負ったデスパー、ボッジ、カゲ。三人が目を覚ますと、そこは大きな川の流れる不思議な世界だった。一方、残されたミツマタに斬り掛かるオウケン。その窮地に、ボッス王国四天王が駆け付ける——

第二十話 “不死身” 対 ”無敵”
大きな川のほとりでミランジョの悲劇的な過去を知るボッジ。そして、ミランジョの心が揺れ始める。生の世界へと戻ったボッジ、カゲ、デスパーの前に現れたボッスは、瀕死のボッジに向かい、こん棒を振り上げる・・・

第二十一話 王の剣
不死身のオウケンを圧倒的な力で打ち負かすボッス。最強であることを見せつけるボッスに、ボッジはダイダの体を取り戻すため、決死の覚悟で挑み、王としてその剣をふるう。

第二十二話 魔神との約束
ボッジの手によって魔法の鏡は割られ、ボッスの魂は天へと昇っていく。そしてボッスからミランジョを託されたダイダは、現れた魔神にある願いを告げる。

第二十三話 王様と太陽
ミランジョとの結婚を発表し、これまでに犯した過ちを償うことを誓うダイダ。その真摯な姿に四天王たち臣下は驚き、思いに応えようとする。そして、新たな王が誕生する。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

65.9 4 怪物で魔法なアニメランキング4位
ラディアン(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (105)
471人が棚に入れました
トニー・バレントさんのマンガが原作で、魔法使い見習いの少年が、世界を救うまでの活躍を描いた冒険ファンタジー。友情や努力、絆、出会いと別れなどを通して少年が成長する姿や強敵とのバトルが描かれる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、朴璐美、小市眞琴、遊佐浩二、子安武人、山口勝平、吉野裕行、東山奈央、三宅健太、寺島拓篤、早見沙織、佐倉綾音、緒方賢一、木村良平、稲田徹、速水奨

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その手でつかみ取るのは未来!

この作品の原作は未読です。
オープニングの最初に「原作:トニー・ヴァレント」とテロップが出るので、どんな方かと思っていたら、フランスの漫画家さんみたいです。
作風に西洋産のイメージが感じられなかったので、てっきりメイドインジャパンかと思っていました。

アニメーション制作は、「機巧少女は傷つかない」「クズの本懐」「あそびあそばせ」などを手掛けたLercheさんで制作はNHK…
安心感が感じられる組み合わせだと思います。
そして極めつけは監督が岸誠二さんだということ…

岸誠二監督とLercheさんって、ここ5年間くらいに結構繋がりがあるんですよね。
「ダンガンロンパ」「ハマトラ」「暗殺教室」「乱歩奇譚」「あそびあそばせ」
これだけ一緒に作品を作り続けている間柄だから安心感が感じられるのかもしれません。

「災いをもたらす怪物、ネメシス…この危険な敵に立ち向かえるのは魔法使いだけ。しかし、魔法使いもまた人々に「穢れたモノ」と恐れられていた…」
この決まり文句で始まるこの作品の主人公は、セトという一人前の魔法使いを目指し女魔法使いアルマの下で見習い修行をしている少年です。

彼は行く先々で問題を起こすトラブルメーカーなので、周りから厄介者扱いされてきました。
そんな彼がある日、偶然空から降ってきたネメシスの卵を割って目覚めさせてしまったんです。
ネメシスを倒せるのは魔法使いだけ…
ですが、ネメシスの想像を絶する強さにセトは全く歯が立たなかったのです。

魔法使いと普通の人間は分かり合えないのは世の常…
ですが、全ての魔法使いを悪者にさせないため、伝説の地ラディアンに赴き、元凶であるネメシスの巣を掃討することを決意するのでした。

セトはこれまで、アルマに育てられてきました。
けれど、自分で行くと決めた道は自分で切り開かなきゃいけない…
だから、セトが冒険に旅立つという事は、もうアルマに甘えられないということ…
そしてそれはアルマも一緒です。
あちこちで問題ばかり起こすセト…
でもそれは必ずしもセトが悪いからだけじゃない…
魔法使いであることを理由に迫害を受けた結果でもあるんです。
だから、アルマはセトを育てると同時に守っていたんです。
突然やってくる親離れと子離れ…
身体と心の反応が異なるのは、お互いが大切でかけがえのない存在だったから…
こうして誰もが一度は通る道をセトとアルマが駆け抜けて、彼らの壮大な冒険物語が動いていきます。

物語はバタバタとした冒険活劇なのですが、常に見え隠れしているのが普通の人間による魔法使いへの迫害です。
確かに人間は異端分子に対して恐怖を感じます。
でも、少なくても命の恩人だったり仲間だったらその風当たりが無くなるのが常識だと思っていました。

でも時に、この物語ではそんな常識は一切通用しなくなるんです。
昨日まで仲が良かったのに…腫れ物に触ったからといって掌を返すかのような態度が平然と行われているんです。
魔法使いが迫害されるのは異端だから…と思っていましたが、もしかするともっと違う理由があるのかもしれませんね。

性格的に合う、合わないや好き嫌いがあるのは仕方の無いこと…
でも、ヒトとしての限度や節度を守るのも必要な事だと思うんですよね。
だから視聴していて痛みを全く感じない作品ではありません。

それでも視聴を続けるのが苦じゃない理由は、主人公のセト、ヒロインのメリが常に気丈だから…だと思います。
途方もないくらい…想像もできないくらいの迫害を受けて、普通の人間には恨みしか持ちえない魔法使いにだって、セトの真っ直ぐな声は届くんですから…
きっと迫害を受けていない魔法使いなんて、ただの一人もいないのでしょう。
けれど真っ直ぐなセトの声は魔法使いの凍った心を甘やかに溶かしていくんです…
その流れは受け止めるべき結末をも変えるほどの勢いになって押し寄せてくるんですけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、04 Limited Sazabysさんの「Utopia」
エンディングテーマは、ポルカドットスティングレイ「ラディアン」
俄然格好良いのがオープニングです。
でも個人的に心に響いたのは、ハーメリーヌ(内山夕実さん)の挿入歌「君の未来」でした。

2クール全21話の物語でした。
起用された声優さんについて一人だけ…
主人公である少年セトを演じたのは花守ゆみりさん…
少年役を演じるのは初めてだったのではないでしょうか。
花守ゆみりさんといえば、真っ先に頭に浮かぶのが「ゆゆゆ:三ノ輪銀」「ゆるキャン△:各務原なでしこ」と現在2019年冬アニメで放送中の「エガオノダイカ:ユウキ・ソレイユ」ですが、セトを含め、全くイメージの異なるキャラばかり…
本当に演技の幅の広い声優さんだと思います。

物語はこれから新天地へ…というところで終わりますが、既に続編の放送が今年の秋アニメで放送されることが発表されています。
首を長くして秋を待つだけですね♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

TV東京系? いえいえ、『Eテレ』です。 一般には〇でしょうが、『ジャンプ』上級者には△?

「ファレノス」という別世界では、どこからともなくあらわれる「ネメシス」という怪物に、街や村々の人たちは脅かされていた。唯一対抗できるのは「魔法使い」のみ。しかし魔法使いも一般の人々からはネメシス同様、忌み嫌われていた。
半人前魔法使いの少年・セトはネメシスを生み出す伝説の場所(?)「ラディアン」を潰そうと旅立っていく・・・



最初「テレビ東京」系の番組を見てるかのような錯覚を起こす冒険ファンタジーアニメ。
フランスのトニー・ヴァレント氏が原作で、画風も「〇ェアリー・〇ール」のように日本で馴染みのあるのコマ割りの漫画で注目。
で、アニメ11話まで見てみたわけですが・・・う~ん、何だろ。「どこかで見た」ような?日本では「既に馴染みのある」ようなコノ感じ。


まず主人公『セト』
少年主人公の定番セオリーとして、
①勇気と正義感があり明るく元気
②思いたったら即実行する行動力
③夢と希望に燃え、信念を貫くド根性!
④心優しくお人よし
⑤若さ故、世間知らずで『バカ』
⑥若さ故、早く一人前になろうとして何かと背伸びをする『バカ』
⑦若さ故、実力も無いのに威勢をはる『バカ』
⑧若さ故、勇気と無謀を履き違え、責任や後先考えずに無鉄砲に行動する『バカ』
⑨若さ故、能天気な『バカ』
⑩若さ故、調子に乗って増長する『バカ』
などの要素を持っておりますが、⑤~⑩の成分がが強すぎて正直『苛っ!』とします。(笑)
回を重ねるごとに成長や利口になってきたり、目を見張るほどの特化能力があれば魅力的に思えるのですが、未だ半人前。
似たようなキャラを「ブ〇ック・ク〇ーバー」で見たような気が・・・
ア〇タ(CV:梶原岳人)「何だとーーーっ!!」(ええい、声が大きいワイ)
(あくまで個人の見解です)


防御魔法が得意な仲間の魔女(少女)『メリ』
極度の緊張に達すると人格が入れ替わるって「ド〇ゴン〇ール」のアノ人みたいだ。
ラ〇チ(CV:小山茉美)「ええ~、そうですか~・・・ハッ、ハクション!・・・(凶悪ver.)ンだとごらぁ!もっぺん言ってみろヤッ!」
(あくまで個人の見解です)

メリの小さな友達『ミスター・ボブリー』
小さくて翼で飛び回り、人語を離せないところといい「Dr.〇ランプ」で恐竜時代の卵から産まれたアレみたいだ。
則〇ガッちゃん(CV:中野聖子)「クピポー!」
(あくまで個人の見解です)


ネメシス研究者『ドク』
片思いにモジモジしたりズッコケたり、トラブルに巻き込まれてギャグ落ちしたりと何かと冴えないオジサン。
「Dr.〇ランプ」で最強の幼女型アンドロイドを発明したアノ人みたいだ。
則〇千兵衛(CV:内海賢二)「ん?」
(あくまで個人の見解です)


セトの育ての親にしてベテラン・ネメシスハンターの魔法使いの『アルマ』。
片腕キャラというところが「ワン〇ース」の左目に三本のカキ傷のある赤髪のアノ人みたいで、
シャ〇クス(CV:池田秀一)「(ギロッ)失せろ!」
暴力ババアと恩師というところが「ワン〇ース」の口が悪いナイスバディの老女医師みたいだ。
ドク〇リーヌ[Dr.ク〇ハ](CV:野沢雅子)「ヒッヒッヒッ、病気(ハッピー)かい?」
(あくまで個人の見解です)


異端審問官隊長の『ドラグノフ』
戦闘力もあり、部下全員に絶品の「まかない料理」を作るところが「ワン〇ース」の美人にやたら弱いヘビースモカーの料理人みたいだ。
黒脚のサ〇ジ(CV:平田広明)「あん?」
(あくまで個人の見解です)


空中都市アルテミス学院創設者『マスター・ロード・マジェスティ』
小動物キャラの管理者(マスター?)って「ド〇ゴン〇ール」のカ〇ン様みたいだ。
(あくまで個人の見解ですってば)


そんな感じで『ジャンプ』作品に疎ければ問題ないでしょうし、『ジャンプ上級者』にしてみれば特に気にはならないか、チョット???な気分になりそうに思えます。(笑)
全21話(でも2期以降つづくだろうなぁ)10話まで見て、「あの」岸誠二監督と聞いて期待してたのですが、EテレはNHK総合と違い審査が厳しいせいかチョット非凡すぎるような出来に思えました。
ドロップアウトしようかとも考えましたが、11話で謎の魔法使い「グリム」の登場で盛り上がるかもしれないのでもう少し付き合ってみようかな。
「ブ〇ック・ク〇ーバー」よりマトモそうだし。(笑)
〇スタ(CV:梶原岳人)「何だとーーーーーっ!!」

2019.02.23
途中退場したかったのですが、後半ランブルタウン編を見てて抜けにくくなり最後まで視聴。
う~~ん。ストーリー・キャラは悪くはないと思いますが「何か」が抜けてて、「変に」間延びし過ぎてるせいか全体的に「キリッ」としたトコロが無く、美術設定も所々中途半端な感じがして・・・予想どおり2期に続きますが、もう見ないだろうなぁ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

起承転結の「承」に工夫が欲しい

2018年10月~2019年3月放送のTVアニメ。第1期全21話。
第2期が2019年10月より放送開始と発表されているので、今回物語評価は3のままにしてあります。

トニー・ヴァレントによるフランスの漫画が原作で、2019年3月現在、邦訳版が9巻まで刊行。私は未読です。

海外の漫画原作というのが気になったので視聴しました。
原作も日本の漫画を意識した作りだそうですし、アニメも違和感なく見られます。ただ序盤は独自性が見出せず、少し飽きてしまった時も。
作画は安定していましたが、もう少しコンテ・演出に工夫が欲しい。
エンドカードがいつも凝っていて楽しかったです。


【良かった点】
ストーリーは王道で直球勝負なのが小気味良く、反面、移民や魔法使いへの偏見と迫害が重くシビアな見所を作っています。この点は海外の作家の感性かな?
さらにアルテミス学院という明るい街が、重い世界観の中で清涼剤的な役割を果たしていて良かったです。
{netabare}
キャラクターの好感度がとても高かった。
意外と暗い世界観に対して、主人公のセトは物怖じせずいつも明るいので、辛い描写があっても見ていて引きずらないで済みました。
セト視点では描けない異端審問官側から世界観を見せてくれるドグラノフが対比的で、それも良かったです。
また女性キャラにそれぞれ個性と魅力があり、特にアルマが最序盤では物語を牽引し、テーマを明確に見せてくれました。
セトに対して母親たるアルマ、良き友人たるメリ、迫害された経験を共有しその死がセトの心の傷となるハーメリーヌ。この3人は立役者だと思いますし、配役も演技もとても良かったです。{/netabare}


【気になった点】
{netabare}原作に対してアニメの尺が長すぎるとわかってしまうのはいかがなものか…
展開が丁寧なのは悪いことではないですが、1クール目では話があまり進まない上、世界観を掘り下げるような展開には主人公が絡まず、正直掴み所が無い。アニメ独自の部分がちょっと煮詰め切れていない印象がありました。
「偏見」「迫害」というテーマを肉付けする回をいくつか入れるなどして、コミカル回とのメリハリを付けるのも一つの方法だったかな、と思います。{/netabare}

起承転結の「承」に何を描くかで作品の厚みが増していくものだと個人的には思っているので、展開をもう少し早めにして、尺が余るなら内容を詰めていく工夫が欲しいかも。
今のところ、第2期も可能なら見てみようかと思っています。(2019.3.11)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

70.2 5 怪物で魔法なアニメランキング5位
マッシュル-MASHLE-(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (248)
752人が棚に入れました
ここは、魔法界。 ここは、魔法が当然のものとして使用される世界。 そんな魔法界の深い森の中で、一人筋トレに励む少年。 その名はマッシュ・バーンデッド──彼の秘密は、魔法が使えないこと。 家族との平穏な暮らしを望む彼だったが、ある日、突然命を狙われ、 なぜか魔法学校に入学し、トップである「神覚者」を目指すことに。 彼の鍛え抜かれた筋肉は、精鋭の魔法使いたちに通用するのか…!? 鍛え抜かれたパワーがすべての魔法を粉砕する、アブノーマル魔法ファンタジー堂々開幕──!!
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

脳筋無双

{netabare}
魔法を使えない主人公が魔法学校で無双...というラノベ感ある設定を少年漫画のノリでギャグ調でやった話。
当然俺TUEEE系ではあるけど、基本的に馬鹿馬鹿しい展開の連続で、なろう系というよりかはモブサイコとかそっち寄りな気がする。

最初は劣化モブサイコとしか思ってなかったけれど、キャラがそろってVSアベル編になってからは味が出てきて良くなった。
結局マッシュが無双して終わることには変わりないけれど、終盤は敵が着実にインフレしていったことにより、完全にギャグのノリだった序盤と比べると戦闘に緊張感が出てきて面白くなったと思う。
味方の出番も最初こそ少なかったものの後半はアベルの手下の各個撃破で仲間たちの活躍もあって、(仲間はマッシュほど強くないので)王道の少年漫画バトルものとしての面白さもあった。

アベル、セルと段々と敵のレベルも上がってきて、更に面白くなりそうなところで終わったので、二期には一期以上に期待してるかな。
一期のように適当にパンチ喰らわせて終わりみたいなことにはならなそう。
このアニメのギャグ部分は正直あまり面白いと思っていないので、バトル作品としての面白さが増してくれると個人的には嬉しい。

私的評価:68点
私的ベスト回:12話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
速攻無視。なろうタウンじゃん。
痣がない人が特別とかではなくてむしろ劣ってるのかw
ちょいモブサイコみある。魔法陣割れるのかよ。

2話 ☆5
ノリが疲れる。メイズランナー
この状況で先生の悪事ばらすのは効果的だな。
いきなり魔力で脅し始めて草。ステラ?

3話 ☆6
男がほうきに乗るのか。不正はなかった。ただのコネかよ。
シュークリーム手作り出来んのか。即落ち2コマ。
そんな暴力的な主人公だったかw 何とかしてこいつなら飛びそうなのにw

4話 ☆6
意味わからんくて草。またすぐに負けそう。環境破壊。
煽っていくスタイル。

5話 ☆7
もうネタキャラ化しとるやん。そうはならんやろ。
今回の負け役。シュークリームしか愛せないからな。
次回の開始数分で負けそう。

6話 ☆7
主人公庇ってやれよ。5回なら普通に耐えてたやん。
主人公助けてやれ。分かりやすいチンピラ負け役出てきてボコボコにされるまでの流れなろう系と大して変わらんな。
おいおい瞬殺だよ。ラスボス感。

7話 ☆7
コイン常備してんのかよ。名古屋市長かな。
キズ二本がデフォになってきた。こんな殺し合い起きてるけどいいんか。

8話 ☆6
シュークリームより人を優先した!? こいつ誰だっけ。
主人公には無縁じゃん。今回は1本線相手か物足りない。
このトラップ飛び越えられるだろw その先に2重であるかもだけどw
余裕ぶって立ったままだから。どう考えても白髪より弱そう。
1人だけ連戦。同族か。

9話 ☆7
言ってることは正論やん。魔力量コンプ。薬頼りってださくね。
才能だけあっても有効活用できないとダメだぞ。普通に負けてて草。
殺す気満々やん。てかこいつ魔法使ってんじゃねーか。
同じとは何だったのか。血が多すぎる。こいつチートすぎんか。
急所は外してくれる優しさ。

10話 ☆7
今期石化多いな。十字クソ強そう。黄色メッシュ何もしてねえ。
ギルガメッシュかな? いいやつやん。

11話 ☆7
優生思想。後ろにおるやん。結局こいつの能力は何なの?
体動かせるの謎理論すぎるw こいつチート能力すぎんだろ。
頭も結構キレるやん。頭からは死ぬだろ。どんどんインフレしてくな。

12話 ☆9
強そう。シュークリームが。汚ねえ。人形の奴使えよw
意思じゃなくてそこは走って殴りに行けや。召喚がデフォになってるな。
マッシュへの相性最悪の魔法具。今更気づいたんかw

曲評価(好み)
OP「Knock Out」☆4
ED「シュークリーム・ファンクラブ」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

メガマインド さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

これは、肩の力を抜いてみれるやつだ!!

少年漫画で真面目な魔法ファンタジー系の話をやるかと思いきや。
実際は王道少年漫画の皮を被ったハリーポッターを面白くパロディにしたギャグ作品である。
ジャンプで中堅レベルのよく後ろに掲載されることの多いこの作品なので、たいした作品じゃないだろと軽くみてましたが意外とグッとくる場面があり
一筋縄ではいかないと思いました。ジャンプで連載されることはあります。

ドロヘドロでは餃子が推されてましたがこちらではなぜかシュークリーム
が推されているという



茶番はおいといて
主人公は魔法がつかなくても、強くて、拳だけでなんでも解決するのは痛快でみていて気持ちいい。

義理の父親思いの優しい性格なのもよい

筋トレで体を鍛えるのは重要ですよね!!
少年漫画誌では健全といえるだろう。

クールなイケメンライバルキャラ!?がシスコンだったりヒロインっぽいキャラが若干メンヘラ気質で惚れた相手に執着するなど登場人物すべてがやばいキャラとして全振りしていて観ていて楽しい!!
多分作者の頭の中がもっとやばい。

濃すぎるキャラクターさえだせればあとはそのキャラが引き立つようおかしな行動させれば面白くなるというのは
作品を作るうえでのお手本の一つといえるだろう

もはやただの暴力だが、みていて不快な気持ちにはならずくずで最低なやつらを主人公がお仕置きするのはワンパターンながらいつの時代でもスカッとさせられる

ギャグの方は結構ゆるい。天然キャラから繰り出されるボケ
を楽しめるかどうかは人を選ぶ

アニメーションのクオリティもよく動く他のアニメと比較するとそこまで高く
ありませんが、笑いのツボにはまれば最高の作品となるでしょう

今季は豊作で人気作品の前では不人気で埋もれがちではありますが、
気軽にみれる点で優勝しました(笑)


とにかく笑える作品、とにかくやばいキャラがみたい
、余計なメッセージ性やストーリーはいらずただ主人公が
悪を成敗する、スカッとしたものが観たい人におすすめかな


頭を空っぽにして観れる作品も悪くないと思った。


観るとシュークリームが食べたくなりました(笑)

最終回を見終えるころには頭の中がシュークリームで埋め尽くされることだろうな!!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ファンタジーワンパンマン…としか言いようがないです。

 本作は「魔法」という価値が生み出した階級社会に「筋肉」という異分子の力を投入することで、システムを破壊してゆくような革命の話と取ることができます。

「ワンパンマン」との強い類似性を感じます。絵柄も主人公のキャラ造形もそっくりです。ヒーロー協会のランキングという部分を学園のメダルに置き換え、ファンタジー世界に置くことで差別化を図っていますが、しかし、本質的な違いが出せているかは疑問です。
 というのは、魔法を力が上回る部分にまったく「とんち」というか工夫がないからです。問答無用の力を振り回すとその圧倒的な力で解決では、ほぼ「ワンパンマン」と違いがありません。

 主人公から見れば格下たちが、主人公のいないところでドラマを繰り広げるような描写もないし、ヒューマンドラマもテンプレなので、そもそもテーマ性を持っているのかも不明です。むしろ異世界「ワンパンマン」を開き直ってやっているだけに見えます。

 その上でですが、それでもこの作品が受け入れられるのは絵が下手なのがいいということです。コミック版の1巻まで読んでいますが、原作は粗削りなフレッシュさがあるので、ストーリーや設定が下手くそでもおおらかに受け止められる感じだったと思います。またこの絵がとぼけた面白さにつながっています。
 それをこういう綺麗なアニメにされてしまうと、ストーリーの凡庸さが際立つ気がします。

 本家ワンパンマンが連載で訳の分からない方向に進んでしまっているので、もともとのワンパンマンの原点みたいな話が見たい読みたい、というニーズにはこたえられると思います。
 ワンパンマンを知らない人、ワンパンマンをもっと単純にした、価値観の逆転劇、痛快な無自覚俺TUEEEを見たいなら良いのかもしれません。
 そして、実はワンパンマンよりも話のプロットや設定そのものは上手いのかもしれません。

 にしても、要するにテーマも設定もキャラ設定も正直既視感が半端じゃないです。ストーリー、キャラは2とかにしてもいいんですけど、まあ、評価せずにしておきます。

 視聴は断念します。なお、7話まで見れたのでそんなにつまらないわけじゃあな気もします。今期は豊作なので、相対評価ですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

58.7 6 怪物で魔法なアニメランキング6位
ゲド戦記(アニメ映画)

2006年7月29日
★★★★☆ 3.2 (514)
2608人が棚に入れました
多島海世界のアースシーでは、聖なる生物の竜が共食いを始め、農民は田畑を捨て、職人は技を忘れていくなどさまざまな異変が起こり始めていた。やがて人々が魔法を信じることができなくなったとき、大賢人ゲドは世界のバランスを崩す者の正体を突き止めるための旅に出て、国を捨てた王子アレンと出会う。
(シネマトゥデイより引用)

声優・キャラクター
岡田准一、手嶌葵、田中裕子、香川照之、風吹ジュン、内藤剛志、倍賞美津子、夏川結衣、小林薫、菅原文太
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

退廃的な雰囲気と行先のない描写

父親を殺した1人の少年のお話。
国を治め、民のことを第一に考える理想の王のようだった父親を少年は殺した。
彼が1人になったその瞬間を狙って背後から迫り短剣で一突きお見舞いしてやった。
簡単なことだった。その後すぐに父の腰に差してあった刀を奪いその場を去った。

少年は肉親を殺したことや人の死に触れたこと、罪の意識に囚われることはなかった。
ただひたすら"それ"を恐れた。
道徳観と倫理観は真っ白に燃え尽きた炭のように死に、徹底的にスポイルされた少年の目はどこも見てはいなかった。
やる気も気力も削がれ生きていく意志さえ持てなかった。生きた屍そのものだ。
道中でゲドに逢い、手を引かれる。ゲドは何も聞かず、何も求めなかった。

世界は大きく変わりつつあった。ちょうどその過渡期だった。
スピリチュアルなものの地位は衰退した。魔法もそしてモラルもその価値は失われ、有形物に対する物欲だけが膨らんでいた。
そんな人間の浅ましさはなにを喜ばせることもなく、鬱屈とした空気だけが漂っていた。龍も彼らを見放した。
この世の終末が実際に目の前にあった。

崩壊の最中にある世界で少年はこれからどうするのだろう。
殺人を犯し逃げてきたはいいけれどするべきことも特別なにかしたいことも見つからなかった。

ただ"それ"を恐れた。自分の中に眠る抑えきれない、望むはずのない欲望を。
普段"それ"は目に見えない。暗闇の中でおとなしく死んだように眠っている。
"それ"が目を覚ますのに周期もきっかけも条件もない。
ただ突然、自分の中でバタバタと激しく悶える。絶対不可避の生理現象に近い。
心の闇は、闇の中にある"なにか"は醜い。しかし、惹く。
殺人の動機なんてものは持ち合わせていなかった。ただ殺した。それだけだった。

闇に救いはなかった。導き手もいなかった。そもそもそれがいてどうこうなる問題ではないのだ。
魂の冷たくなった彼は砂嵐を避けながらどこまでも歩き続ける。目に映る景色は色彩を失い、すべてはすべてを失った。
ただ"それ"からは逃げた。それも死にもの狂いで。

他に僕にやるべきことはあるのだろうか。ゆっくりと空を見上げる。―ああ、なにもないのだ。


この映画は殺人を犯した少年が「その後どうするのか」を物語るものである。


「面白くない」と評判の『ゲド戦記』。
僕も初めて観たときは「ホントつまんねーな」と思いました。
でもストーリーが示唆するものを完全には受け切れず、いつまでも腑に落ちないまま頭の片隅でひっかかっていました。
そして2年の時を経てもう一度観てみました。

ストーリーは平易に見えて分かりにくい。演出は平凡。声優はダメと、まああまりパッとしないアニメ映画です。
工夫しようとして苦心した形跡は認められてもそれが良い方向に転ぶことはありませんでした。
たびたびかかる「壮大な」音楽は耳障りで、いかにも「アニメ」的な引きや場面展開、さらに同様のオチには飽き飽きしてしまいます。
あまりにも「普通」なアニメ映画でした。みんながみんなして観るような作品ではありませんでした。
村上春樹がスコット・フィッツ・ジェラルドのいくつかの短編を訳した『マイ・ロスト・シティー』の冒頭に書いたエッセイでこう言っていました。
「トルーマン・カポーティ―について言えば、彼はまさに100%の作家である。その作品は完璧であり、魅惑的であり、そこには読者のつけこむ隙は殆んどない。具体的に言うなら、他の作家にも『無頭の鷹』のような小説を書くことはできるかもしれないが、誰にも『無頭の鷹』を書くことはできない、そういうことだ。」
本作も、もっと言えば他の宮崎駿臭のする作品も同じことで、
宮崎駿監督作品のようなものは作ることができるかもしれないが、宮崎駿監督作品を作ることはできないということ。
真似はできてもそれは必ず本元に準ずるものでほとんど何も成しません。せめて自分のためになったということくらいでしょうか。

題材は、本当はラディカルなものであったけれど、そのほとんどはあまりにも後ろ向きなものを扱ったために、
さらにその結末も未熟で、本質の追及とはほど遠いものとなったために、あまり良い反響は得られませんでした。
それにぽかんとしてしまうストーリーに観る人は驚きを隠せません。なんだったのだろうという悪い感触だけが肌に残ります。

さらに詳しくはタグの中へ→{netabare}

それは人の心に潜む闇でした。
その圧倒的な強さを描く一方で、逃避を計る人の怠惰な面も表出しました。
前者については考えたことのない人にとってとても理解しがたいものであると思いますし、とてもこの映画だけでは分かりません。
本作では伝えるのではなく、描くことだけしかしませんでしたから。
僕は村上春樹の『1Q84』や『海辺のカフカ』でこれに似たものについて触れたことがあるのでなんとなくは分かります。
でも説明しろと言われても正直、その100%を理解してもらうまで上手く説明することはできません。
自分の中にその存在をはっきりと認めることはできても言葉にするの至難の業です。
でも少しならできるかもしれません。やってみましょうw
男性なら中高生のときに何の脈絡もなく「今、目の前のこいつをぶん殴ったらどうなるんだろう」とかものすごく腹立つ奴をこうやって痛めつけてやりたいなんて考えながら体の内側が熱く、血沸く感覚がありませんでしたか?実際にそんなことはしないのだけれど、想像してしまうすごく暴力的な自分。本作で語られたものはこれよりももっと闇の奥にあり、それは無差別でなによりも暴力的な暴力。純粋なそれです。おそらくアレンはストレスの捌け口が見つからなくなってこういう状況に陥ったのではなく、もっと根本的な部分で病んでいて殺人でしか自分を救えなかったのでしょう。僕らは日常生活の中でそれを色んな形で発散させています。それができなくなっていくと次第に心を病み、さらに沈めばアレンのようになる可能性を秘めていることは言わずもがなです。つまり、"それ"は僕たちから遠くにあるように見えてますが、おそろしく近いところで影を潜めている、どんなにもがいても抗えぬ闇です。これは決して他人事ではなく、限りなく自分自身のことについて語られていたように思えます。
 そうは言っても、前者の方はピンと来ずとも、とりあえずそういうものとしてどこかに置いておけばいい話で、どちらかというと後者がこの作品をどう感じるかを大きく左右するのではないかと僕は思います。なぜならその大半が意志を欠き、人として決定的になにかを失ったアレンの姿を中心に描いているから、観る人はその退廃的な空気を上手く自分の中に取り込むことができないと、それはただ本当に退屈なだけだからです。なんとか音楽や「アニメ」的な引きで物語を進めているように見せてはいたけれど多くの人が不満を口にしたことから、その努力はあまり実らなかったように思えます。そのせいもあってかアレンがテヌーによって救われるまでの岡田准一さんのぼそぼそとしゃべる演技には悪態をつきたくなっても不思議ではありません。
 
 ある作品で描かれる負の面というのものは少なからず人の共感を呼ぶのが常です。それが特にアニメーションであれば、全体は喜劇的に描かれ、大方その結末はハッピーエンドで結ばれ、その回復をもって幕を閉じます。そして、それを観た視聴者には感動と、苦難をくぐり抜けた登場人物と共にした仮体験による気持ち良さが後に残ります。
 しかし本作で描かれたアレンの姿はズタズタにモラルを引き裂かれ、行き場のない死体そのものでした。もっと言えば死を求めていた彼にはこの世界は本当に無価値であり、何も存在しない永遠と続く浅瀬だけが広がる海のように映ったはずです。絶望を通り越した完全な喪失でした。その質は明らかに異形なモノで僕らが簡単に触れられるものではありませんし、またコミットするにはあまりに危険を孕んだモノです。それに堕ちるところまで堕ちた彼にどうやって世の中の多くの人がこぞって共感できるというのでしょうか。まず無理な話です。

{/netabare}


これから観るのであればぜひ、
「みんなが嫌うものを観てなんとか1つでも良いところを見つけ出してやろう」くらいの気概を持って観て欲しいです。
僕はいつもこうして観てます。若さゆえの反骨心です。悪く言えば捻くれ者です。
「ジブリ」に感動を委託して、頼ってしまうのではなく、自ら探して欲しいです。残念ながらそうでもしない限り楽しんで観ることは叶いません。
実際には欠点はたくさんあっても、悪いところばかりではないというのが本作です。

僕は、今回の2度目の視聴では本作をほんの少しは楽しめたと思います。
この退廃的な雰囲気は好きだし、主人公に共感できます。
ただやはりところどころ描写が不十分であったり、的外れであったために一作品として成立しているとは言い難いです。
そのため受け取ることができたのも、書くに値しないほど本当にごくわずかでした。
どう観るか、何に注目して観るか、自分のスタンスはどこか、何を許容し、どう解釈するか。
別に作品が伝えたいことを受け取るだけが観ることの意味ではないと思います。また義務でもないと思います。
拾えるところだけ拾って、また拾いたいところだけ拾って「E.T」がガラクタを集めて作った間に合わせの通信機のような、不完全の塊みたいな解釈だけでも自分の中に持てればそれでいいのではないでしょうか。
だから面白くなければそれで良い。わざわざフォローする必要もない。1つの作品なんてそんなもんだと僕は思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

キャラが全く描けておらず、何も読み取れません。

 以前見て、面白い面白くないと言う前に、何が言いたい映画なんだろう?と悩んだことを思い出します。そして、再び見ましたけど、昔より混乱しています。

 一番初めのシーンで嵐を鎮めるのに、名前が思い出せないというモブの魔法師らしき人物のセリフがあるので、名前がテーマなんだろうなあというのは分かります。伏線も無くはないです。

 国がおかしくなっている、つまり人の在り方によって自然が狂いだしているような世界観も現代のアナロジーでしょう。魔法やまじないが金にならない、役に立たなくなってきているという部分は読み取れます。つまり、古き良き人と自然とのあり方が狂ってきた=魔法の衰退と関連があるということでしょう。

 となった時に、王を主人公が刺した意味ですが、現在を肯定して自然破壊を進める政権を、何か魔術とかドラゴンとかと関連ありそうな主人公が打倒する話?に見えなくはないです。
 が、王はどうやら人望は厚いし、善政を行っているようです。過去の物語も蔑ろにしている様子はないく、年寄を頼りにしています。これって結局なんだったんでしたっけ?

 あるいは不死の問題もありましたけど…ここは呪術的なものが力があるんだ?ダークサイド?という感じで話がよれています。

 で、テルーですねえ。彼女は何者?ドラゴン関係者?というか登場人物全員がそうですけど、キャラの背景が見えなさすぎて、ポカーンとなってしまいます。設定や過去全体を見せる必要はありませんが、あまりに裏付けがないキャラになってしまってます。

 名前が重要なのも伏線になっていた感じですけど…うーん。アイデンティティの問題とかどこかでテーマがあったでしょうか?一応光と影に分裂して云々はありますが、肝心のその部分に読み取るべき何かが何もない気がします。

 とまあ、テーマもそうですけど描きたい世界観が読み取れませんでした。

 ではエンタメとして面白いか?どうでしょう?ワクワクとかドキドキがありましたか?コメディや涙はあったでしょうか?ほのぼのした、物悲しい…作品を貫く雰囲気は作れていましたでしょうか?エロは?萌えは?カッコイイクリーチャーやメカは?冒険譚としての世界の広がりは?
 
 そして、結局何が達成できたのでしょう?世界がおかしくなっていたのは防げたのでしょうか?シリーズものにする気だった?それこそジブリの映画ではありえないですよね?

 特に作画が優れている訳でもないし。ジブリだから当たり前ですが、ジブリ演出・ジブリセリフ・ジブリキャラデザ。クロトワを良く恥ずかしげもなくだしましたねえ。宮崎駿アニメ水準なら、それがブランドだろうということで何もいいませんが、全部が宮崎駿の脚本・コンテに劣っているので、逆に期待を裏切られた感覚が強くなります。

 悪い事をあげつらえばキリがないですが、やはり、この映画で最悪なのはキャラが描けていないことでしょう。背景・過去・性格が全然わからないし浮かび上がってきません。なので感情移入もできないし、なぜそう言う言動をするのかが分かりません。わずか2時間の映画です。初めの10分あるいは4分の1が勝負です。そこでどれだけキャラに没入させられるかが、手腕ということになるのでしょう。

 ということで、以前はアニメの見方が分からなくて低評価だったのかなあと思い、再度確認しましたが、以前に増して低い評価かなあ。
 確かNHKのドキュメントで、この映画の試写で宮崎駿が離席するシーンを見たことがありますが、さもありなん、ですね。

 親と比べてというレベルではなく、普通に全く面白くない映画でした。それがジブリブランドなだけに余計際立ちました。

 もちろん監督・脚本を引き受けたからには本人の責任ですけど、親の名前とジブリという怪物にやられた被害者かなあ…と少し思ってしまいます。

 一応点数は残しますが、音楽と作画は評価してない3です。キャラとストーリーが付いてこなければ意味がないので。声優はキャラのひどさの調整で本当は1にしたいくらいですが、さすがに声優さんに罪はないので。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ジブリ史上最高クラスの主題歌(しか記憶に残ってないw) テルーの歌の歌詞のレビューですm(__)m

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
ストーリー1、歌が5で、合わせて3です(笑) 意外と酷評ではないです。だって、ゲド戦記以外の角度からのレビューですもん(笑)

今回は、ゲド戦記のテーマソング「テルーの歌」の詩の解釈をメインにします。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
結論→テルーの歌は、萩原朔太郎のこころのパクりとは言えないのではないか。というレビューです。

この「テルーの歌」ですが、ネット等でも話題になりましたが、(100年程前に活躍した詩人)萩原朔太郎の「こころ」が元ネタになっています(監督&作詞の宮崎吾朗さんも公式に認めてますね)。

ゲド戦記公開当時は大学生で、たまたまゼミで朔太郎をやっていたので、これでレポート書いた記憶があるので、載せてみます(笑)

※ここからは、テルーの歌を「」で、朔太郎のこころを『』で書きます。

テルーの歌もこころも、ともに3つの連から成る詩です。テルーの歌の第1連の「夕闇迫る雲の上 いつも一羽で飛んでいる鷹」は、雲の上、というのがミソです。つまり、地上の人々からは見えないということ。「音も途絶えた風の中 空を掴んだその翼 休めることはできなくて」……だって、休むと落ちちゃうもんね(笑) この部分は、こころの第2連『こころはまた夕闇の園生のふきあげ』に対応しています。夕方の公園の噴水って、(昼間は子供達に人気だったのに)回りに誰もいなくなって、それでも休むことなく水を吐き出し続けています。吾朗さんは、その噴水の様子を鷹に置き換えた訳ですね。と、いうことで、第1連のテーマは両作とも「孤高」だと思います。

テルーの歌第2連の「雨のそぼ降る岩陰にいつも小さく咲いている花」は、こころの第1連『こころはあぢさゐの花』に、対応しています。朔太郎は、アジサイという、寂しげで多彩な花で、こころの移ろいやすさや儚さを表現しています。が、テルーの歌ではそのような主題は排され、「愛でてくれる手もない」と、やはり「孤高」を表現するにとどめています。

第3連は、詩的には、テルーの歌で一番上手いところだと思ってます。「人影絶えた野の道を 私と共に歩んでる」は、「人影絶えた」「私と共に」と思いっきり矛盾した表現です。この矛盾を解消できる答えは、「私の影」ということになります。

映画ゲド戦記は、小説ゲド戦記シリーズの第3巻を元ネタにしていますが、小説ゲド戦記の第1巻は、「影との戦い」というタイトルです。さらに、テルーの歌では「あなたもきっと寂しかろう」と続けています。「も」ですから、私と私の影は対等の価値をもっていると考えられ、つまり、「影の受容」です。これは、ゲド戦記の大きなテーマですね。

こころの第3連は、『こころはまた二人の旅人』と、はっきり二人と書いてます。そして『されどみちづれの絶えて物言ふことなければ わがこころはいつも かくさびしきなり』から、『出会ったがゆえの別れ』『幸せを知ったからこそ感じる不幸せ』などがテーマになり、テルーの歌とは大分違います。なので、ここの部分は、作詞した宮崎吾朗さんのアレンジの上手さが光っていると言えますね。

総じて、テルーの歌は、こころ→孤高 という主題が強く、朔太郎は、こころ→多彩で感傷的なもの という 主題が強いです。

私は、テルーの歌は、こころのパクりとは言えないと思っています。主題が全く違うので。確かに下敷きにはしているのでしょうが、両方の詩をしっかり読解せず、字面だけ見てパクりというのは、ちょっと、吾朗さん、可哀想^_^; そもそも、ジブリ自体が、完全オリジナルは少ないわけですし。

以上。書きながら、あにこれのレビューか? と、自分でも思いましたm(__)m 吾朗さん、頑張れ♪
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

64.8 7 怪物で魔法なアニメランキング7位
RWBY Volume1(日本語版)(OVA)

2015年12月9日
★★★★☆ 3.9 (71)
376人が棚に入れました
科学と魔法が同居する世界『レムナント』。この世界には人類や獣人、動物、そして『グリム』と呼ばれるモンスターまでもが存在する。人類は『グリム』に長い間暮らしを脅かされていたが、現在は『グリム』の討伐や治安の維持を行う『ハンター』の活躍により、平和な世界が守られていた。主人公『ルビー・ローズ』はひょんなことからハンター養成学校『ビーコン・アカデミー』に入学することになり、そこで出会う仲間たちと共に一人前の『ハンター』を目指していく。

声優・キャラクター
早見沙織、日笠陽子、嶋村侑、小清水亜美、下野紘、洲崎綾、豊口めぐみ、斉藤壮馬、井上和彦、浅野真澄、木村昴、前野智昭、潘めぐみ、井上喜久子、三木眞一郎、甲斐田裕子
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シリアスなバトルアクションだと思って観に行ったら・・・!?

私がこの作品と出会ったのは3年前でした
「海外のオタクが作った無料CGアニメがスゴイ!」
みたいな感じのタイトルの記事が
あちこちの大手のゲーム・アニメ系ブログで取りざたされており
興味本位に動画を開いて観たおぼえがあります

大きな鎌のような銃(笑)を扱う赤ずきんを模したキャラが
雪原で狼男の群れと大立ち回りを繰り広げる無声アクションCG
同人作品としてはこれ以上ないレベルのクオリティで驚かされました

それから長いこと忘れていたのですが
いつの間にかシリーズ化して
豪華声優のついた日本語版OVAが
劇場の大スクリーンで見れるようになっているなんて!
けみかけさんに教えてもらわなければ
たぶんそのままスルーしてましたね

しかし当時の印象しかなかった私は
当然シリアスなバトルアクションを期待して観に行ったのですが
でてきたのはトレイラーのクールな雰囲気からは想像もつかない
ファンタジック学園バトルコメディとでも評すべき作品
トレイラーの赤ずきん。つまりは主役のルビーちゃんも
3年前とは全くの別人かというくらいに柔らかくなっています
こっちはこっちでかわいいからいいんですけど・・・
いやこれはどう評価すべきか難しいところです

バトル部分は相変わらずいい動きをしています
3Dのキャラが縦横無尽に本当によく動く
ただし敵モンスターのクオリティは
人物キャラと比べてかなり低め
モンスターと屋外フィールドのCGは
PS(初代)って感じのレベルで
残念ながら時代に20年置いて行かれています

そんな適当な造りのモンスターなのに
対峙しているキャラクターの顔グラだけは
どんなに激しいシーンでも絶対に崩れず
その表情芸の巧みさはラブライブの3Dライブシーン並
なんともアンバランスな感じです
しかし低予算アニメの限られたリソースの割き方としては
ある意味正解なのかもしれませんね

背景やモンスター、敵mobはできる限り手を抜いて
その分メインキャラ達の顔と武装(と胸)には
徹底的に拘りぬいたスタイルからは
自分たちの描きたいものはコレなんだ!
っていうクリエイターたちの魂の叫びが
はっきり伝わってきました

日常パートも決して面白くないわけではありません
むしろこの日常パートの随所にみられる
ジャパニメーション的なお約束演出が
実にうまく機能していて
見よう見まねの単なる模倣ではなく
どこでどう使えば効果的かをしっかりと熟知していることが伺えます

そもそもこの手の演出って2Dではよく見かけますが
3Dアニメだとほとんど見かけませんよね
精緻な3Dでこれをやるとむしろ違和感しか起きない気がします
元が粗いポリゴンのキャラ達だからこそ
3Dでこの演出が許されるのではないでしょうか?

逆にアメリカンなテイストだなぁと感じたのは
学園内での人間関係の描き方
この辺は日本のアニメというより
海外ドラマを見ているような感覚ですね
{netabare}
日本作品に出てくる典型的な友達が作れない子というのは
内向的でそもそも自分から話しかけたりできない子なのに対して
海外作品の友達作りが下手な子は
ルビーやペニーのように積極的に話しかけては行くんだけど
微妙な空気になって失敗するんですね

あるいはカーディンのように身体能力の高い乱暴者が
スクールカーストの上位に君臨するあたりも
日本のヒエラルキーとは少し違いますね{/netabare}

戦闘パートも日常パートも悪くないのに
全体としてはアンバランスな印象を受けたのは
制作陣の意図した見方をしていないから
という事もあるかもしれません

今回劇場でひとまとめの物語として観ましたが
元々は一本にまとまった話ではなく
細かく少しずつ発表された作品を
劇場用にに繋ぎわせた感じのようです
だからOVA上映というより
TVアニメシリーズの一挙上映を見ているような感覚
しかも間に挟まるOP/EDのようなものが無いので
かなり唐突に話と雰囲気が一変します

本来ならば一話分に相当する部分を見た後
しっかりと余韻を楽しむ時間を経てから
次の話に進むべきなんでしょうね
元々の作品では継ぎ目だった部分を
継ぎ目なく繋いでしまった結果
急すぎる場面転換に違和感が残ってしまったのでしょう

さて、ここからは日本語版の感想
たぶんこれを字幕で見ても
インディーズだからという事で点数を甘くするならば別ですが
ガチの商業作品と同じ土俵で点数をつけるならば
それ程高い評価はできなかった気がします
しかし日本語吹き替えにあたった声優陣が
奇跡的にいい仕事をしています

各キャラクターと吹き替え声優に関して思ったことをネタバレ込みで置いておきます{netabare}

ルビー・ローズ(早見沙織)

チームRWBYリーダー
作品名のRWBYのRはRubyのRでありRedのRでもあります
以前のトレイラーのクールな死神も好きですが
はやみんの声のついたちょっと幼い感じのルビーもかわいくて好きです

はやみんといえば最近白雪姫で話題を集めていましたが
今回は赤ずきんモチーフのキャラです
ああ、でも赤がテーマなのは共通してますね
先日ライブイベントのあったsb69でも
赤がテーマカラーの徒然なる操り霧幻庵ボーカルを務めてます
今最も赤が似合う声優ははやみんで間違いないですね!

ワイス・シュニー(日笠陽子)

RWBYのW。WeissのWでありWhiteのW
ドイツ度でWeissは白Shneeは雪
つまり白雪姫がモチーフのお嬢様キャラです
氷の魔法を駆使した華麗な戦いは
他のメンバーのバトルとは違った意味で画面映えします
中々良質のツンデレキャラでした

ひよっちは幅広い役柄を演じ分けますが
最近だとナッシェタニアがお姫様だし近いのかな?
まぁ黒蜥蜴からかけ離れているのだけは確かw

ブレイク・ベラドンナ(嶋村侑)

RWBYのB。BlakeあるいはBlackのB
ベラドンナ草は和名オオカミナスビと呼ばれる草ですが
その語源はイタリア語で美女を意味するbella donnaから来ています
同時にオオカミナスビという和名の由来となる逸話は
狼男の弱点がベラドンナ草であるというところから来ています
この草は非常に毒性が強く人間やイヌ科の狼が食べると死んでしまいますが
それ以外のほとんどの動物には無害な草なので
そんな迷信が生まれたのでしょうね
彼女のモチーフとなる童話は美女と野獣
その両方を同時に端的に表した中々のネーミングセンスです
しかしそのネーミングゆえにかなり早い段階で
彼女のリボンの秘密に気が付いてしまいましたw

嶋村侑さんは進撃くらいしか知りませんでしたが
調べてみたところプリキュア声優さんのようですね

ヤン・シャオロン(小清水亜美)

RWBYのY。Yang Xiao LongイメージカラーはYellow
ルビーの姉シャオロン
切り取られてるYの字は苗字の方から来ていますね
おそらくは楊小龍とかそんな感じの中華系の名前
妹とはだいぶ名前の付け方が違いますが
再婚設定かなにかあるんでしょうかね?

この子のモチーフは3匹のクマのゴルディロックスだそうです
3匹のクマの絵本は私の家にもあって
幼少期に読み聞かされて育ちましたが
あの女の子がゴルディロックス
という名前なのは知りませんでした

恒星から近すぎず遠すぎずの生命活動にとって絶妙な位置
別名ハビタブルゾーンともよばれる場所を
ゴルディロックスゾーンと呼びます
てっきり提唱者の名前か何かが語源だとばかり思っていましたが
このスープは熱すぎる
このスープは冷たすぎる
このスープはちょうどいい
なるほど3匹のクマの話とリンクしています
ゴルディロックスという言葉にはそういう由来があったんですね
しかしそうなるとシャオロンは
いったい何がちょうどいい塩梅なんでしょう?
単にGoldi(金色の)locks(髪)ってだけなのかな?

小清水さんはアニメだとわっちやSOAのイメージが強かったかな?
ゲーオタ的に一番思い入れがあるのはアルトネリコ2なんですがw
最近だと櫻子さんとか大人な感じの女性が増えている感じ?
アクションシーンでは纏流子を彷彿とさせました

メインの4人以外で気になったキャラは

ジョーン・アーク(下野紘)

スクールカーストの不可触賤民
何をやってもダメなへタレ男
クラスのいじめっ子に目を付けられて・・・
っていじめっ子のカーディン役木村昴じゃねーか!
2代目ジャイアンがおもいっきりジャイアニズム発動してやがるw
構図的にはジョンがのびたでピュラがドラえもん?
覚醒したのび太がジャイアンの危機を救う流れは
さしずめ劇場版の導入部って感じかなw

下野のキョドり具合はもはや名人芸

ノーラ・ヴァルキリー(洲崎綾)

元気娘ノーラ役は遅咲きの大輪洲崎綾
落ち着いたキャラから元気なキャラまで
いろいろ器用にこなしていますが
このハイテンションぶりは満艦飾マコを思い出しますね
ほら、ちょうど流子もいることだしw

ペニー(潘めぐみ)

ふしぎちゃん。なかなかいい味出してました
HXHゴン役でデビューした2世声優潘めぐみですが
変幻自在の演技力は大したものですね
ルビー役のはやみんとはsb69発のバンド
徒然なる操り霧幻庵のバンドメンバーというかお師匠様
しかしペニーからはそんな気配が全くしないので
徒然ファンの私もエンドロールを見るまで
だれがやっているのか全くわかりませんでした
どうでもいいですがカッターがいれば徒然が揃うので
今後の吹き替えキャスティングに要注目w{/netabare}

まぁ声オタなら必ず押さえておくべき作品ですね

中々面白かった作品なのでVol.2の吹き替えが出るならば
ぜひまた劇場まで観に行きたいと思います
しかしあらかじめ英語版をチェックしてから行くべきか
まっさらな状態で観に行くべきか
中々に悩ましいところです

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

xokNW04341 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

vol.9は2023

日本アニメ風キャラデザの海外産CGバトルアニメ。
初期は同人レベルの作画だが現行のvol.9は問題無く観れる品質。

大風呂敷はあくまで舞台背景でシンプルな相関とコンパクトな構造でわかりやすさを追求する日本的セカイ系ではなく、壮大な世界観と多人数での混み入った人間関係と目まぐるしく入れ替わる相関関係による複雑かつ奥深い見応えはアニメというよりスターウォーズ、スタートレック等の長編洋画に近い。いかにもアニメ的なコミカル演出はあるが会話自体もアメドラに近いノリ。メインの若者たちは普通に口が悪いし年相応に耐性も低い。大人たちも舞台装置ではなく人間として描かれ、各々がちゃんとしょーもない一面も持ち合わせながら子供たちとも対等に議論する。このへんの映像作品に対する文化の違いもあるので洋画も観るよってな方の方がハマりやすいとは思う。原作者が途中で亡くなった関係か、日本アニメ的な過去回想や説明セリフも増えてくる。同時に多少のご都合や唐突感もでてくるが、長いこと付き合うと勝手に脳内補完されてしまうので気にはならないはず。アクションもコンビネーションプレイが多いので組み合わせも楽しめる。ただ派手な新兵器等のインフレやパワーアップも無いのでそこも好みが分かれるところか。美少女アニメには違いないが男性オンリーや男女混合チームもある中でのたまたま出来た女性オンリーチームってことで嫌味は無いとは思う。

特に奇抜で斬新な設定や発明は無いがそれを求める作品ではないだろう。キャラデザも洗練された日本製に慣れた目ではテンプレ味を感じるが、逆に日本では今更出来ないストレートさが良かったりもする。現在のアニメ美少女キャラの世界基準はソシャゲ界の覇者MiHoYoかNFTバブル真っ只中の新星ギャルバースか。ウマ娘やリコリコ等の良く言えば先鋭的で悪く言えば偏った嗜好が覇権となるガラパゴス路線では、得意分野のはずだったアニメでも取り残されてしまいそうな予感は拭えない。MiHoYoゲームのムービーもギャルバースも日本人の製作物には違いないが、日本のアニメ業界に貢献するものでは全く無い。もはやネトフリの下請けが業界の正解になってしまうのかもしれない。もう大資本のジャンプ系しか残らないような気も。


ヒーローものに近いので深夜アニメでいうならゆゆゆとか好きなら試す価値はあるかも。
進行度はまだ半分程度っぽいのできちんと終わるまでは続いて欲しい。


amazon吹き替え版コピペメモ

vol.1-1時間56分-2013
15歳の少女、ルビー・ローズはひょんなことから人類の脅威として恐れられている”グリム”を退治するハンターの養成学校「ビーコン・アカデミー」に姉のヤンと入学することに。ルビーはそこで出会ったワイス、ブレイクとヤンの4人でチームRWBYを結成し、ハンター見習いとして活動を始めたが、チームワークもバラバラな4人に対し、様々な試練が迫る。4人は無事に立派なハンターに成長できるのか!?彼女とその仲間たち、チームRWBYの物語が今始まる---!

vol.2-2時間34分-2019
新学期を控え、「ビーコン・アカデミー」に続々と留学生達が訪れる。2年に一度開催される「ヴァイタル・フェスティバル」の準備で盛り上がる中、暗躍を続ける「ホワイトファング」の動向を探るため、ルビー、ワイス、ブレイク、ヤンらチーム「RWBY」は独自に調査を始める。留学生に紛れ込む不穏な影、艦隊を従え来訪するアトラス軍、勢力を拡大するホワイトファング。調査を続けていくうちに、さらなる事件に巻き込まれてしまうチーム「RWBY」。世界を守るため、4人の少女は再び武器を取り立ち向かう-。

vol.3-2時間58分-2019
2年に一度開催される「ヴァイタル・フェスティバル」で賑わいを見せるヴェイル。そんな中、ホワイトファングたちとともに行動するシンダー一味がとある事件、のちにレムナント史上最悪と言われる事件を起こすべく暗躍していた。ヴェイルを、そして大切な仲間たちを救うためルビーたちは立ち上がる。チームRWBYの衝撃の運命が今、動き出す---。

vol.4-3時間10分-2019
人類の脅威である怪物 “グリム”を退治し世界を守護しているハンター。ハンターの養成学校であるビーコン・アカデミーで、主人公ルビー・ローズはワイス・シュニー、ブレイク・ベラドンナと姉のヤン・シャオロンの4人でチームRWBYを結成し、ハンターを目指して日々を送っていた。しかし、楽しくも平穏な日々は反社会的組織ホワイト・ファングと謎の人物たちの暗躍により終わりを迎えてしまう。アカデミーが襲撃され、離れ離れになってしまったチームRWBYの4人。失ってしまった人のため、まだいる人のため---彼女たちは再び立ち上がる!

vol.5-3時間36分-2021
離れ離れになった彼女たちはそれぞれに試練を乗り越え、仲間たちとの再開を目指して旅を続ける--。世界中で支持されている、米国Rooster Teeth Productions制作の大人気CGアニメーションシリーズ、第5弾!強大な敵と計り知れない謎が待ち受ける冒険の旅のなかで、少女たちの成長、熱い友情が、さらにパワーアップした爽快なアクションが描かれる!

vol.6-3時間19分-2021
光は悪を破壊するための手段だとは思わないことだ。光はレムナントの人々を守ってくれるのさ。それぞれの試練を乗り越え、再び集結したチームRWBY。もう離れないと固く結束を誓い、ともに世界を危機から守るため、新たな冒険の旅を続ける少女たちは、偉大なる指導者の壮絶なる過去と、人類の運命を左右する衝撃的な事実を知る--。

vol.7-3時間28分-2021
王国・アトラスに到着したチームRWBY。異様なまでに警戒体制がとられたこの王国で、彼女たちは死んだはずのペニーと運命的な再開を果たす。そんな喜びもつかの間、様々な人の思いが錯綜するこの国で、チームRWBYは戦いの中に身を置くことになる--。世界中で支持されている、米国Rooster Teeth Productions制作の大人気CGアニメーションシリーズ、第7弾!これまでの戦いを経て、成長した彼女たちが戦火を交える相手とは…?

vol.8-3時間51分-2021
セイラムの軍勢がアトラス上空に現れる。最悪の状況を打開するために行動しようとするチームRWBYだがルビーとヤンの間で意見が対立。分かれて行動することになり--。日本でも根強く支持される、米国Rooster Teeth Productions制作の大人気CGアクションアニメ、第8弾!事態を好転させようと行動する彼女たちに待つ運命とは?

vol.9-2023予定

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「This Will Be The Day!」目指していたのはCartoonではなく、Animationだから!!ジャパニメーションへの愛に、日本のプロが本気で応えた完全版が今ここに!!!

2015年11月、ついにワーナージャパンによってVolume 1の日本語版が劇場上映という形態でお披露目となりました
作品の出自や内容に関しては↓をご覧願います
(http://www.anikore.jp/review/1121267/)


いやはや;我々『RWBY』ファンにとってはこの日本語版プロジェクトが明かされる以前から【妄想の日本語版】は語り草ではありましたw
オイラの脳内では、今となっては幻となってしまったニコニコ動画の非公式版を除けば、Ruby Roseは坂本真綾か悠木碧で再生されてましたよw
でもはやみんこと早見沙織に決まって、そんでもって予告編が公開されるや否や、おいおいホントにはやみんでダイジョブか?というオイラの心配もヨソに「だから私達がいる、世界を良くするために」の名セリフに気付いた時にはもう既に涙が出てたわけです
予告編で泣いちゃったよ!そうだよ!これだよ!Monty Oum監督が目指していたのは!
はやみんって最近はどちらかと言えば大人びた少女を演じることの多いお姉ちゃんキャラが定着してきましたけど、Rubyを演じるはやみんはどことなく‟『セキレイ』の結ちゃん”を彷彿とさせるデビュー当時の幼い雰囲気を纏っていて、ああこの感じ久しぶりやなぁ・・・としみじみ


こーゆーのって原語版原理主義者が必ず出てきますよね
もちろんオリジナルの良さってのがありますけど、向こうのキャストは低予算webアニメの性質上、スタッフの兼任とその身内がほとんどで演者としてはほぼ素人なんですよね
それが今回思いつく限りの豪華声優陣という【ジャパニメーションのプロ】が集結したわけです
これはワーナージャパン的に「日本のアニメに近付けたい」という意図があったらしく、Rooster Teethのスタッフは日本のアニメに詳しすぎるぐらい理解があったのでこれを快諾
音響演出の打越さんはアニメと洋画吹替の両方をこなせるキャストを選出したと仰ってましたね
【ジャパニメーションへの愛に、ジャパニメーションのプロが全力で応えたわけ】
まさにこれぞ『RWBY』という作品の完全版とも言うべきなんじゃないかとオイラは思うのです


で、実際この目と耳で体感した今となってはその完成度に感無量
感嘆以外の言葉が暫く出ませんでしたw
正直、翻訳が~とか演技が~とか色々ケチをつけるつもり満々だったのですがwあまりにも完璧過ぎて打ちのめされましたわ;
心の底から「ワーナーさん!ありがとぉぉぉ~!\(T_T)/」と名曲wingsが流れるエンドロール中に男泣き
さらにラストに「弔花に代えて、この日本語版をモンティ・オウム氏に捧げる」のメッセージで完全に涙腺が崩壊
いやw全然泣くような映画じゃないんだろうけどw
オイラにはこの数年の妄想が具現化したという感動と、Monty監督への感謝で胸がいっぱいになってしまったわけですよ;


既に多くの人が指摘する通り、Jaune Arc役のしもぬん下野紘のヘタレっぷりとか、Penny役の潘めぐみのコイツニンゲンジャナイ感は想像を超える名演です!


それとアニメビジネスの視点から観ると、【無償提供され、ソフト化後の今もなお無償提供され続けているコンテンツに対して日本のアニヲタはお金を落とすのか?】という新しい挑戦もしていて、そういった意味でも今作は歴史的に価値のある1作になりました


改めて言いますが『RWBY』は決して高尚な作品ではなく、家でボケ~っと観てもいいような作品です
声優が豪華だから、という理由だけでも視聴の動機としては十分
映像の技術的な面でも10年遅れを取っているのは明白です
が、この作品に込められたジャパニメーションへの愛、Rooster Teethの「俺たちはこーゆーのが好きなんだ!」って想いを受けとめていただけたら幸いですね
あとはとにかくこの勢いってかイマココ感のあるうちにVolume 2の日本語版を作ってほしいところ
Yang姉ぇちゃんの本気が観れるのはVol 2ですよ!
続きが観たいって人は是非少しずつでも『RWBY』を応援してください
誰よりオイラが一番観たいんだ!(爆)
(そんなこと書いてたら遂にVolume2とVolume3のリリースと上映が決定しました!めでたい!めでたい!)


Ruby Rose(ルビー・ローズ)早見沙織
Weiss Schnee(ワイス・シュニー)日笠陽子
Blake Belladonna(ブレイク・ベラドンナ)嶋村侑
Yang Xiao Long(ヤン・シャオロン)小清水亜美
Jaune Arc(ジョーン・アーク)下野紘
Nora Valkyrie(ノーラ・ヴァルキリー)洲崎綾
Pyrrha Nikos(ピュラ・ニコス)豊口めぐみ
Lie Ren(ライ・レン)斉藤壮馬
Ozpin(オズピン)井上和彦
Glynda Goodwitch(グリンダ・グッドウィッチ)浅野真澄
Cardin Winchester(カーディン・ウィンチェスター)木村昴
Sun Wukong(サン・ウーコン)前野智昭
PENNY POLENDINA(ペニー・ポレンディーナ)潘めぐみ
Mysterious Narrator(ナレーション)井上喜久子
Roman Torchiwick(ローマン・トーチウィック)三木眞一郎
Cinder Fall(シンダー・フォール)甲斐田裕子

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

63.1 8 怪物で魔法なアニメランキング8位
11eyes イレブンアイズ(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (576)
3590人が棚に入れました
平凡な生活を送っていた皐月駆だが、ある日幼なじみの水無瀬ゆかと共に、突然不気味な異世界へ迷い込んでしまう事に…。
血の色にも似た不気味に赤く染まる空に、漆黒の巨大な月。そんな『赤い夜』の世界に、呆気にとられる駆とゆか…。
さらに、二人の周りに異形の怪物が現れ、襲いかかる。駆たちの命をかけた戦いが始まる!

声優・キャラクター
小野大輔、後藤麻衣、浅川悠、力丸乃りこ、壱智村小真、森久保祥太郎、萩原えみこ、水橋かおり、たかはし智秋

jethro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ヤンデレという愛すべきキャラ

突如 真っ赤に染まった世界に引き込まれた
高校生の少年少女たち
ここはどこなのか? 何なのか?
襲い来る黒騎士たちとの戦いを通して
衝撃の真実が明かされていく
中二病系 学園バトルラブファンタジー

「赤い世界」って何なのか
その存在理由は?
黒騎士って何なの?
時々導入される中世の世界って?
ヴェラートって何者?
リゼットの本当の狙いは?
そもそも、欠片(かけら)って何?
などなど・・・
一応説明されてはいるのですが
物語の設定が順序だって説明されないので
全体把握するのに労を要するかも
というか・・・
物語を構築する上で視聴者に対する説明の仕方が
あまりうまくないですね
バラバラにネタを明かしていく手法は認めますが
10話でのまとめ解説も解りやすいとは言い難いです。

とはいえ一応はきちんとした世界観となっているので
理解できると深みある物語として楽しめます。

好みは分かれると思いますが本作最大の魅力は
ヤンデレ女子へと変貌を遂げる
主人公の幼馴染にしてヒロインゆか にあります。
狂気とまでいかない点や主人公の駆(かける)が
「気持ち悪がったり」「避ける」行為には至らない点から
ヤンデレといっても、相思相愛は継続され
ピュアな恋愛部分が強調されるので
視聴者は同情的な眼差しをもって
受け入れる事が出来るのではないでしょうか
ただし
ヤンデレ要因ともなる主人公の誤解を招く行為が
取って付けたようなイベントシーンなのはマイナス点

本作のテーマは ゆか のような一途な愛
その投影元となるリゼットの恋愛劇こそが本題となります。
本来主人公であっても良いはずのリゼットのヴェラードに対する
死してもなお抗い続ける愛情は、あまりに破滅的ですが
そこから浮き彫りにされるものは純粋無垢な究極の愛です。
封印状態にある白いリゼットは
邪悪なものを引き剥がされた愛
「剥き出しの愛」そのものの姿と言えるのではないでしょうか
それが主軸に置かれなかった本作は
ある意味、的外れな内容になってしまった気がします。

こうやって考察していくと
残念ながら主人公である駆(かける)が
ミスキャストであることを公言しているようなものなんですが
ギャルゲーってこういうものだから・・・しかたないっスね

アニメ作品なんだから・・・なんて言うのは
贅沢な願いかもしれません

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ジャケット・・・やっぱり良かったです(//∇//)

本作品は、『11eyes -罪と罰と贖いの少女-』というゲームソフトが基になっているそうです・・・ゲームはやらないので知りませんでしたが・・・^^;

この作品との出会いは、あにこれで棚に入れると、「こんな作品もお薦め・・・」と3作品位出てくるレコメンド機能がありますよね・・・あれです^^;
・・・ジャケットのデザインが妙に気になって、なんの気無しに自分の棚に入れたのが始まりです。

視聴済みの方のレビューを少し拝見したので、自分の中で本当は優先順位はもっと後の方だったのですが・・・

私は、視聴済みと未視聴の作品を棚の中で分けているので、棚の整理や次に視聴する作品を探す度にチラチラとジャケットのデザインが目に入って来て・・・そのうち頭から離れなくなりました・・・(//∇//)
(これは、見ない限り続くよね・・・)と思い、思い切って視聴しました・・・^^;

ですが、ジャケットのデザインで作品を選んだ事が無かったので・・・もしかしたら、ジャケットを飾っているヒロインの水奈瀬 ゆか(みなせ ゆか)ちゃんに作品を見てもいないのに惚れ込んでしまったのか・・・ただ単に恥ずかしいだけなのかは正直わかりません(//∇//)・・・そういう経験ってありませんか・・・(//∇//)

・・・という意識があったせいか、私はそこそこ面白い作品だと思いましたよ^^;
突如辺り一面が赤く染まった世界に引き込まれてしまい、そこで自分の力に覚醒し、真実を目指していく・・・という感じです。
人を好きという気持ちを表面に出せる人と内面に秘めてしまう人っていると思います。これまでの生まれや育ってきた環境によっても差が出る人格・性格の描写などは上手に表現されていたと思います。

なので、・・・もし興味のある方はご覧頂いてもいいかも・・・です^^;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

赤いほうの夜

中二アイズ。桃の夜・・ゲホ赤だっけ?

正体不明の現象「赤い夜」に巻き込まれ
赤い夜を生き抜くために仲間とともに
立ち向かう物語。

眼帯の主人公皐月 駆(声小野大輔)の
語り口調等で大まかな世界観等を補足
しつつ展開していくので解り易い。

OP/EDとも重厚な感じで世界観に合う
感じだし挿入歌や効果音の使い方等も
可也インパクト重視で派手目。

世界観等諸設定は可也面白いと思う。
バトル等も臨場感があって効果的に
物語に抑揚をつけている様に感じた。

終始シリアスがメインでミステリーな
雰囲気も学園の日常シーンと良い感じ
のギャップで良い感じで、主人公駆の
心理描写も共感しやすい。

キャラデザは甘過ぎのテンプレ中心。
声優も甘めのギャルゲ的布陣?
服飾デザインも制服など甘め。
敵キャラは小グロ陳腐な雑魚系

くどい気もするけど・・勢いがある内に
全てが終わる感じのスピーディな感じ。


以下は感じたままの描写のイメージ。

駆は姉の謎の自殺以来怠惰で積極的な
交友は無く物静かな性格なため・・
女性陣がパンツ要員として彩り頑張る。

幼馴染の「水奈瀬 ゆか」は更にスペシャル
な癒しパンツ要員として隙あらば魅せる。

緩急?一応・・学園ラブコメ風おぱんつ
展開とシリアスなバトルパンツ展開等で
緩急ある感じかな・・

パンツの謎・・じゃない・・赤い夜の謎
に迫りつつ姉のパンツの色・・じゃない
秘密が徐々に解明され運命的な話になる。


本編と無関係?な番外編13話桃色幻夢譚?
11eyes volume7 OVA Speciaが本編だと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

66.7 9 怪物で魔法なアニメランキング9位
アナと雪の女王(アニメ映画)

2014年3月14日
★★★★☆ 3.9 (400)
2277人が棚に入れました
運命に引き裂かれた王家の美しい姉妹、エルサとアナ──触れるものを凍らせる“秘密の力"を持つ姉エルサはその力を制御できず、真夏の王国を凍てつく冬の世界に変えてしまう。妹のアナは、逃亡した姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、“夏に憧れる雪だるま"のオラフと共に雪山の奥深くへと旅に出る。アナの思いは凍った世界を溶かすことができるのか? すべての鍵を握るのは、“真実の愛"…。

声優・キャラクター
イディナ・メンゼル、クリステン・ベル、ジョシュ・ギャッド、サンティノ・フォンタナ、ジョナサン・グロフ
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

人気が出たから好きなわけではないです。低評価の人にありがちな誤解。

2016.12.23加筆

好き嫌いは人それぞれなので個人の評価をどうこう言うつもりはないですが、アナ雪は単純なストーリーなのに意外と理解されていないと思うことがあります。
批評するなら最低限以下のことは理解しておいて欲しいです。(伝わらないから駄目と言うのも評価のうちですが)

1.姉妹愛の物語
2.主人公はアナ
3.エルサの魔法を解いたのもアナ

{netabare}レリゴーがヒットし過ぎたせいか、そこに社会的な意義を見出そうとする人が多く、女性の自立だとか、マイノリティーからの脱却とかさらにはレズビアンまでorz。考察するのは自由ですが、間違った視点に拘っていると、メインのテーマが見えなくなってしまいます。この映画は最初から最後まで『姉妹愛』がテーマです。男女の恋愛でもなく姉妹愛。単純なテーマのようで、とても深い話だと思います。ディズニーで『真実の愛』とか言っちゃうと「王子様からのキスね!」と安易に考えてしまいがちですが、この作品は既成観念を覆しました。それは姉妹だからということではなくて、愛は求めるものではなく与えるものであるというメッセージを物語中に込めたのてす。
物語の前半では、愛情に飢えたアナがそれを求め、でも大好きな姉には受け入れて貰えず(舞踏会のシーン)、代わりに会ったばかりのハンスに愛情を求めます。自分が幸せになりたかったから。(自己愛)でも、終盤のエルサが殺されそうになるシーンでは、自らの命を投げ打って彼女を助けます。(無償の愛)例え姉が自分を見てくれなくても、自分の命や幸せよりも姉を守りたかった。見返りを求めず、エルサを守ったその姿こそ真実の愛でした。魔法を解いたのは、エルサではなくアナ自身です。
あえて男女の恋愛を選ばなかったのは、普遍的なものとして愛を描くためだと思います。(恋愛と愛は似ているようで大きく異なるので、男女だとこの違いが見えにくい気はします。)
{/netabare}

4.ハンスは心を映す鏡(説)
5.オラフは姉妹の幼い頃の思い出

{netabare}アナ雪はスタッフが皆でアイデアを出し合って、そこから不要なものを削ぎ落とし出来上がった作品だそうです。物語に深みがない?私は細部までよく練られた作品だと思っています。
意味のない描写がほとんどないのです。大半の描写は姉妹の関係に繋がります。

ハンスとの恋愛も姉妹の関係に繋がる話です。アナはエルサと仲良くしたいのにそれが叶わず愛情に飢えていた。エルサの代わりに自分を愛してくれる存在を求めたのです。だからハンスとは最初から本当の愛ではなかった。
ハンスとのやり取りは一見ただのラブコメに見えますが、ハンスが鏡の役割だと考えると、アナの孤独や積年の思いが見えてきます。

オラフは姉妹の幼い頃の思い出です。そして、それを作ったエルサの思いがオラフに宿っていると考えると、オラフがアナを大好きなのも、夏に憧れているのも納得がいきます。
オラフは言います。「愛とは自分より相手のためを思うこと。」その台詞はまさにこの物語のテーマであり、彼がただの愛玩キャラクターでないことが分かります。

トロールの歌も、一見アナとクリストフの歌に見えますが、実際はアナとエルサの関係を示唆する歌になっています。(アナの表情を見ていると、トロールの言葉に真剣に聞き入っているのが分かります)

ラブコメがないわけではないですが、メインテーマではないので。ラブコメを期待していた層(若年層が多い?)は姉妹愛の結末にガッカリしたようです。
一応ラストはディズニーらしいラブコメハッピーエンドでしたが、アナ自身はまだ恋愛のことよく分かっていなさそうです。クリストフのことは好きだと思いますが、これからかな。まあ、彼が誠実な人なので、アナを大事にしてくれるでしょう。

男キャラが活躍してないと不満に思う人もいるようです。
キスしてお姫様を助けた方が格好良かったでしょうか?見せ場がないからつまらない?

でも、アナのために吹雪の中駆け付けたクリストフは勇敢だったし、抱き合う姉妹をそっと見守り心から喜んでいた姿はとても誠実に見えました。
{/netabare}



以下は2016.06.19のレビュー内容

アナ雪は人気が出過ぎた反動か、過度に拒絶反応を示す人も多く、従来のディズニーアニメではありえないほど叩かれていたと思います。
否定派の人は、歌が良いだけでストーリーがスカスカだとか、ブームに乗せられてるだけだとか、言いたい放題で自分の考えが全てみたいな論調ですが、それこそブームに踊らされてニュートラルな見方が出来なくなっているのではないでしょうか?

好みは人それぞれなので、この作品が肌に合わないと言うなら納得しますが、こんなに持ち上げられているのはおかしい、○○の方が面白いのに!という論点でのレビューは意味がないと思います。

私は、アナ雪はブームになる前にCMでエルサが歌うシーンを見て、このシーンが観たい!という思いで劇場に足を運びました。実際、そのシーンだけでも観に行く価値はあると思っています。なので、歌が大きな魅力であることは否定しませんが、それだけではありません。ストーリー含めて予想以上に良かったので、生まれて初めてリピートしてしまいました。近くの劇場で3D上映がなかったことだけが悔やまれます。

というわけで、今更のアナ雪レビューです。
書きたいことが沢山ありすぎて、上手くまとめられそうにないので箇条書きで。
尚、今更ネタバレ気にすることもない気がしますが、長いので所々ネタバレタグを付けました。



1.主人公はアナかエルサか?

レリゴーのイメージが強いのと、序盤は自分の力に苦悩するエルサに共感しやすいので勘違いされがちですが、『アナと雪の女王』なんですよね。主人公はアナの方です。

{netabare}エルサだけに感情移入してアナを見ると、何も知らないくせに!と腹が立つでしょうし、ただの自分本位な尻軽女にしか見えないかもしれません。
主人公はこうあるべき!みたいな理想が強い人ほどアナというキャラクターを受け付けないのかもしれませんが、アナの心情を理解しないと物語の真意は汲み取れないと思います。

私はわりと駄目な子の行動を追うのが好きなのですが、何故彼女が間違ってしまったのか?を考えながら物語を眺めると色々なことが見えてきたりします。すごくリアルなんですよね。(ファンタジーなのにリアルはおかしいと言われるかもしれませんが)心の動きにリアリティを感じました。もちろん、私自身同じ経験をしたわけではないので、実際にそうなのかはわかりません。でも、十二分に心に響くものがありました。

アナ雪はアナに共感出来るかどうかで評価が変わってくると思います。ストーリー自体は単純な作りなので(むしろいらないものを省けるだけ省いて重要な要素だけ残した)、入り組んだ難解なストーリーを好む人には物足りないかもしれません。
あと、歌もストーリーの一部であり、キャラクターの心情や物語の真意が隠されていたりするので、そこを見逃してしまうと肝心なものが見えなくなってしまうと思います。(日本語訳は若干誤解されやすい表現になっています)
この作品はキャラクターの心情の掘り下げと演出が素晴らしいので、物語の表面だけでなくキャラクターの心情をしっかり追って見て欲しいと思います。
{/netabare}


2.『ありのままで』の意味するところ

日本語版の歌詞がポジティブで希望に満ちたイメージを持っているせいか、マイノリティの自立とか抑圧からの解放みたいなニュアンスで解釈する人が多い気がします。確かに、あの時のエルサにはそういう思いもあると思うので決して間違いではないでしょうし、私自身もエルサの悲しみ苦しみには共感しました。
でも、

{netabare}原語の方はもっと投げ遣りな歌詞で、最後の扉の演出が示唆するように、引き篭もってしまっただけなんですよね。エルサ自身はありのままに生きる!と思っていても、結局は現実(社会)から逃げているだけ。(あくまでも物語の意図として)本当の幸せはそこにはない。エルサ自身が乗り越えていかなければならない壁なんです。
{/netabare}


3.何故アナは間違ってしまったのか

アナはディズニー主人公らしく明るく元気な性格なので、心に抱える闇の部分が分かりにくいかもしれません。

{netabare}仲の良かった姉に突然避けられ、閉ざされた城の中で13年間。両親は姉に掛かりっきりだったでしょうし、話し相手もいなかったように思います。リアルに考えたら、もっと暗く歪んだ性格になってもおかしくありません。流石にそこまで鬱々した物語にはしませんでしたが。
アナはエルサが何故自分を避けているかも知らないんです。でも、幼い頃優しかった姉のことをずっと思っていました。(この心の闇は相当深いはずです。)

そんなある日両親が不慮の事故で亡くなり(この辺はかなり端折られています)、姉と二人きり。でも、相変わらず姉は引き篭もっていて…

戴冠式の日、久しぶりに城の門が開き、アナは希望に胸を躍らせます。恋に恋する乙女にも見えますし、エルサの苦悩を知らない能天気な妹に見えるかもしれません。
この映画では所々で扉の演出が効果的に使われています。エルサが心を閉ざす演出だったり、鬱屈した日々の終わりを告げる演出だったり。そこにも注目して欲しいところ。

この時は、アナは一人ぼっちの日々が終わると信じていたんですよね。また姉と一緒に暮らせると。でも、久しぶりに姉と交わした会話で彼女の期待は打ち砕かれました。(ここも日本語訳は若干伝わりにくいです)
エルサはアナの結婚を反対しました。当然です。でも、アナから見れば、姉には避けられるし結婚には反対される、自分が孤独から抜け出す道も閉ざされてしまう。挙句の果てに出て行けと言われる。アナにはエルサが自分を拒絶する本当の理由も分かりません。アナは姉に受け入れて貰えない悲しみと失意のまま広間を飛び出します。本当は姉と一緒にいたいだけなのに。

そこに現れたのがハンスです。ハンスとのデュエットシーンや後の台詞でも分かりますが、アナは愛情に飢えていました。姉と仲良くしたいのに受け入れてもらえない。そして、戴冠式が終わればまた一人ぼっちになってしまう。そんなのは嫌だと。だからハンスに愛情を求めたのだと思います。ハンスもアナと似たような境遇の持ち主でした。互いに傷を舐め合う相手として意気投合したのだと思います。(実際はこの時点でハンスには腹積りがあったようです)

アナの選択は浅はかですが、彼女の心情を思うと同情せずにはいられません。ハンスとの結婚については作中でも散々否定的に描かれていました。(それでも期待していた人は多いようですが)
{/netabare}


4.ハンスの役割と心変わり

以前どこかのサイトで、ハンスは心を映し出す鏡としての役割があるという考察を読みました。

{netabare}デュエットシーンはまさにそれですよね。姉と仲良くしたいのに自分を見てくれない。誰かに愛されたい。寂しい二つの心は瓜二つ。ハンスの存在はアナの寂しい心そのものを映し出していました。

一方では一人のキャラクターとしてのハンスの心情が分かり辛かったというのはあります。本人の台詞から察すると、最初から王位に就きたくてアナに近付いたようです。具体策はないものの、いつかエルサから王位継承権を奪おうと機を伺うつもりだったのだと思います。
エルサが城を出た後、アナの代わりに城を守っていました。この時の彼はアナの伴侶として国を守るつもりでいたと思います。(彼にとっても利害一致しているので)人々を守ろうとする彼の姿は誠実で、家臣達も信頼のおける人物だと思ったことでしょう。
でも、エルサを確保し、凍り付きかけたアナが戻って来た時に転機が訪れました。家臣に「もしもアナ王女に何かあったらあなただけが頼りだ」と言われ、ハンスの心に悪魔が宿ります。
ハンスが王位を得るためにアナはそこまで邪魔ではなかったと思いますが、エルサがいる限りハンスの思惑通りに事を進めるのは難しそうです。エルサを殺すにしても、アナにその事実を知られるわけにはいきません。姉妹のどちらか一人を殺すよりも、二人とも死んでもらう方が確実ですし、アナが死に掛けているこの機を逃すまいと思ったのでしょう。
{/netabare}


5.オラフは良キャラか?

否定派の中でもオラフだけは良キャラだと言う人がいます。マスコット的な場を和ますためのキャラと言うこと?でも、私はもっと重要な意味を持つキャラクターだと思っています。

{netabare}オラフは幼い頃の仲良し姉妹の象徴であり、エルサの心そのものだと思います。「ぎゅっと抱き締めて!」と言ったのも、夏に憧れているのも、アナが大好きなのも、エルサ自身が作ったものだからと思うと見方が変わってきませんか?
{/netabare}


6.愛か恋か

以前、別件で考察したことがあるのですが、恋愛は自己愛に近いものだと思います。相手への欲求(相手から愛されたい)を満たすことが最大の目的になっている。それに対して、愛は与えるもの。(無償の愛)

{netabare}オラフが言うように、「愛とは自分より相手のためを思うこと。」簡単なようでいて難しいことです。
恋愛も美しいのですが、より尊いのが愛だと思っています。そして、愛というのは性別や年齢関係なく誰にでも向けられるものです。

物語の前半アナはずっと姉の愛情が欲しくて、でもそれが叶わず寂しさを埋めるためにハンスに愛情を求めます。(自己愛)でも、やっぱり城を飛び出した姉が放っておけなくて追い掛けます。山を登りながら、「言ってくれれば良かったのに。本当嫌になっちゃう。」と苦笑いします。愚痴のような台詞ですが、自分の行為が姉を追い詰めてしまったこと、そして一人でずっと苦しんでいた姉の辛さを知り、もっと早く教えてくれれば一緒に問題を解決出来たかもしれないのにという後悔の念を感じました。
人々はエルサの力を怖れますが、アナだけは違いました。怖れるものは何もない。だって姉なのだから。エルサの力になりたい、また一緒に仲良く暮らしたいという思いに突き動かされて彼女の後を追います。
でも、アナが思っていた以上に事態は深刻で、エルサの力を止めることは出来ませんでした。

傷付き城に戻ったアナはハンスにまで裏切られ、自分の考えが甘かったことを思い知らされます。彼の愛は真実の愛などではなかった。
「愛が何なのかもわからないのに。」とつぶやくアナにオラフが言います。「愛とは自分より相手のためを思うこと。」それは溶けても良いからアナのそばにいたいと言うオラフの行動であり、アナの望みを優先してハンスのところに行かせたクリストフの選択でした。
仮に、ハンスとキスしたとしてもアナは助からなかったでしょう。アナ自身の中にハンスへの愛がないのだから。

アナは死の瀬戸際で姉の危機を知り、自分の命と姉を天秤にかけます。それまで自己愛でしかなかったアナがエルサのために自分の身を捧げた、その行為こそが真実の愛であり、自らを救う結果となりました。(勘違いしている人もいるようですが、エルサの魔法を解いたのはアナ自身の行動です。)
たとえエルサが振り向いてくれなくても彼女を守りたい。エルサのことが大好きだから。その思いはとても尊く見えました。
{/netabare}


7.王子役不在

ここまでの考察で分かると思いますが、この作品は姉妹愛がテーマになっています。男女の恋愛ではありません。(ましてや同性愛とか論外)

{netabare}一応恋の話もありますが、ハンスとの恋は姉への欲求が歪んだものでした。
この作品ではアナが従来の王子のような役回りをしています。白馬に跨りエルサのところに向かうアナはまるで王子のように勇敢でした。
{/netabare}


8.クリストフは損な役回りなのか

{netabare}終盤の城のシーン、クリストフはアナのために危険を顧みず駆け付けたのに、美味しい場面は姉妹に持っていかれてしまいました。従来のディズニーアニメならここは二人のキスでハッピーエンドの場面かもしれません。でも、この物語はそれでは駄目なのでしょう。アナ自身の愛の変化(自己愛→無償の愛)がキーになっていますから。

クリストフは抱き合う姉妹を見て一瞬困ったように笑みを向けます。でも、アナのことを思うからこそ心から喜んでいたと思います。美味しいところで活躍出来なくても、彼の誠実さはしっかり描かれていますし、キャラクターの格好良さは華々しいシーンがあったかどうかだけで決まるものではないと思います。クリストフはとても勇敢で格好良かったと思います。

ラストのキスは彼にとってはご褒美でしょうか。いつものディズニーっぽさの演出(大団円)だと思います。
でも、アナはまだ恋愛についてはよく分かっていないんじゃないかと思ったりもします。好意は持っていると思いますが。ても、クリストフが誠実な人なので上手くリードしてくれることでしょう。
{/netabare}


9.トロールの歌

トロールの歌もクリストフとアナではなくて、物語的にはアナとエルサに掛かっていました。

{netabare}孤独に暮らしているのは愛されたいから、とか、怯えていると道見失う、でも愛さえあれば最高の道選べる。誰もが完璧じゃない。それを補うために必要なのが真実の愛だと。アナの表情をよく見ていると、この歌の持つ意味が分かります。
{/netabare}


10.余談

一時期のテレビでの持ち上げっぷりには流石に私もうんざりしていました。それこそ人気作に便乗して視聴率を取りたいだけ。面白くもない芸人のネタもうんざり。作品に対するリスペクトなんて一切感じられませんでした。

それはともかく、アナ雪は良くも悪くも色々な方面に影響を与えました。アニメにもアナ雪の影響は波及しています。実は私の一押しアニメの『レディジュエルペット』がアナ雪精神を踏襲しています。演出も似た部分があり(おそらく意図的)、私自身最初は嫌悪感を抱いたのですが、いつの間にかのめり込んでいました。アナ雪の愛の考え方を踏まえつつその遥か先へ行ってしまった印象です。アナ雪ではあまり描かれなかった男女の愛はもちろん、様々な形の愛がこれでもかと描かれていたので、アナ雪絶賛する自分がはまるのは当然の結果かも。是非こちらも観て欲しいです。(ステマ失礼しました)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

True Love is ...

2D字幕版で観ました。
予想外に良かったです!素晴らしい!すっごい泣いてしまったよ!
いや、泣いたっていってもアレだよ?涙がぼろぼろこぼれただけだから!!!

宣伝などでもお分かりになる通り本作ではキャラクターがよく動き、よく歌います。
走ったり、跳んだり!顔の表情だけを観ていても目が追いつきません。
非常に立体的な映像です。奥行きがあり、遠近感がはっきりと表れています。
まるで実際にアニメーションの世界の中にカメラを持っていって撮ってきたもののように思えます。

映像美で言えば短編映画を3Dで観たら声が出るくらい感動したんじゃないかなと思います。
もちろん本編も良かったのだけれどこっちもこっちで虚を突かれます。

歌はとにかくすごい!実際にミュージカルを観ているような気さえしてきます。
台詞からちょっとずつ歌に入っていく感じが上手で、台詞を言うように歌を歌い、歌うように高らかに台詞を言う。
そんな演技の良さが全面にスクリーンいっぱいに広がっています。
どうしてもこればかりは素晴らしいの一言に尽きてしまうのが歯がゆい!実際に観てほしい!

ストーリーの方もよく考えられています。骨組みがしっかりしていて文句の付けどころがありません。
安易でなく、逃げもなく、堂々たる出来でした。ラストに向かえば向かうほどそれがより実感できます。

この作品は歌がたくさん挿入されているせいか、僕は観ていて時間感覚を失いましたw
今ストーリーのどの辺だろうとか、あとどんくらいだろうなど思いつかないほどにこの世界に夢中でした。
でも決して時間が早く経つわけでもないのです。たった100分なのにすごおく引き伸ばされた時間の瓶の中にいたようでした。
それが僕は不思議でした(笑)

{netabare}

物語はとても良い出来でした。それは映像にもはっきりと見てとれました。
雪山に入ったアナとクリストフ、スヴェン、オラフの息が白くありませんでした。
町の人間たちは息が白いのです。彼らは雪山に登っても白いままです。

姉妹の決別を視覚的に、または比喩的にも示したのはエルサが川を渡ったところでした。
これが今回の物語の、非現実への「入り口」となりました。
アリスは穴へ落ちて薬を飲みました。千尋はトンネルを抜けました。漫画でのナウシカは心の中の風景をそれとしました。
今回の「入り口」は地を隔てる川でした。そこを越えると山は言わば、エルサの心の中なのです。
ここはエルサの思い通りになる世界です。
空中に階段を作ることも、雪だるまが動くことも、雪の巨人が人を襲うことが起こっても不思議ではありません。
そして正式な招待を受けることができたのは、アナ、クリストフ、スヴェン、オラフの4人です。
エルサにコミットできるのは初めからこの4人だけだったのです。
他の人たちの息が白く、彼らの息が白くなかったのはそこをはっきりとさせるためにあったと思います。

では「出口」は?
出口の無い物語ほど悲惨なものはありません。救いがないし、無意味だ。
あえて言うならば「True Love」です。

エルサがアナと別れ、山に城を築く際に求めたのは
"No right, no wrong, no rules for me, I'm free!"
「善悪なんて私にとっては意味を持たない。私は自由なんだから。」意訳ですがこういうことでした。
こどもの頃はそれをアナと遊びにも使っていた魔法がそのときでさえその制御することのできませんでした。
その力は守りたいものまで意志にそぐわず傷つけてしまいました。
そういった自責の念はなぜか城の内部から内側に向かって生えるつららにも見られました。
こうした経緯から、また「王女」でありながら民衆に恐れられ挙句の果てに「モンスター」と罵られたエルサは
自分の力が、また同時に自分の存在すらそれらに板挟みにされ分からなくなってしまいました。
しかし、それを救ったのが「True Love」でした。
ひとりの人から愛し愛され、そして支配できるようになった魔法の力は人々に笑顔を与えました。
善悪なんて関係ない?違うわよ、エルサ。あなただってみんなと同じように愛される権利を持っているの。
だからもう大丈夫。あなたは大丈夫よ。

素晴らしい愛の形です。True Loveなんて良い響きでしょう(笑)
そしてひとつの物語としても丁寧に作り上げた本作は評価に値します。


このお話はアンデルセンの『雪の女王~七つのお話からできている物語~』をモデルにしたものらしいですね。
タイトルに少し注目したいです。
本場アメリカでは『Frozen』。こちらはマクロな視点で付けられたのではないかと思います。
大地のことも言えるし、エルサにも関わっているし、包括的です。
日本では『アナと雪の女王』でした。
これはただ単に”雪の女王”という言葉を入れたかったのでしょうか。
僕はアナの1人主人公として分かりやすくはっきりとアナとエルサを対比させ、分けていたように思えます。
物語の一部の構成から、そしてタイトルに名前を出すことから
ブロンドのエルサより、赤毛でそばかすのついた活発なアナに感情移入させることが狙いでしょう。
しかし実際映画を観てみると、どちらのキャラも非常によく立っていましたし、それぞれに物語がありました。
僕はこの映画の二人の主人公で同時進行していく面白さを評価したいです。
決してアナがエルサを助けにいくという一元的で平面な構造ではなかったと僕は思います。

{/netabare}

アニメなんてのはそのほとんどが泡のようなものだと僕は思っています。
自分の体の中で何処と言うには探れなければ、元を辿ることもできないような場所から生まれては消えていく。
僕は自分の視聴形態をその連続に例えることができます。
しかし、湧き出てくる泡の中に、稀に、ほんの一部だけが形を崩さずに自分の中に残ります。
それは靴の中に入った石ころのように気持ちを落ち着かせないこともあれば、
急になにかを思い出したかのようにせわしなく僕のドアを叩くこともあります。
僕はそんなふうにして残った泡を長い時間をかけてゆっくりと眺めます。
近くから見たり、遠くから見たり、いろんな角度からも見てみる。座って見ることもあれば、立って見ることもあります。
急な呼び出しにも雑な返答はせずに落ち着いて応えます。
そうしているとだんだんと見えてくるものがあります。
不確かではあるけれど鍵を手にしたという実感が生まれます。すると泡から薄っすらと白く光る糸が見えるようになります。
僕はそれを繭から糸を引くのと似た要領で優しく優しく引いていきます。切れないように、決してほどき過ぎないように。
そうやって僕はたくさんの物語と関わっているつもりです。まだ完全にほどかれたものはないけれど。

それとは逆に本作のような巨人が山に大槍を突き刺すようなインパクトを持ち、
ファンタジーの可能性を限りないものにしてくれる、極めて単純な感動と希望のようなものを与えてくれる作品です。
音、映像など感覚的なものに結び付き焼きついた記憶は生きるための熱源の一部となり、
自分がすり減ってしまった際には少しの元気とわずかばかりの勇気を与えてくれます。

「俗的かい?酔狂かい?いいや、違うね。これはひとつの作品との極個人的な尊い繋がりなのさ。」

本作は本当に素晴らしい作品でありました。ぜひ一度観てほしいです!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

歴代史上最大ヒットするわけだ、全世界がコレを待っていた~そして古典の中に織り込む『Wヒロイン&Wヴィラン』という新たな挑戦の意欲作でもある

生まれつき雪や氷を作り出す事が出来る魔法を身に着けていたアレンデール王国の王女エルサ
しかし上手く魔法をコントロール出来なかった彼女を不憫に思った両親は彼女を人目から隠すように育ててきた
一方、好奇心旺盛で破天荒な妹のアナは幼い頃から閉ざされきっていた城の門や自分と顔も合わせようとしない姉との生活に退屈し、外の世界へ憧れを抱いていた
やがてエルサは成人し、女王となるための戴冠式の日を迎えたがアナの軽はずみな行動から言い争いになった矢先、力を抑えきれずに魔法を暴発させてしまう
秘密だった魔法を知られてパニックに陥ったエルサは王国を捨てノースマウンテンに作り上げた氷の城に引き篭もるのだが、エルサの魔法の影響で夏季であったはずのアレンデール王国全体が極寒の世界となってしまった
エルサを追い詰める原因を作ったアナは責任を感じ、姉との“仲直り”を望み独り身で旅立つ・・・


まず昨今のディズニー映画・・・というかディズニー作品とピクサー作品で作風が2極化してるようにオイラは感じてます
インパクトあるキャラクターを重視して物語自体は比較的子供向け、寓話的な構成が目立ち奥底に抱える「アニメタ魂を隠し切れないピクサー」
(あくまでオイラの主観です、『トイ・ストーリー』のようにシリーズ化してよりキャラを掘り下げに入る場合もあります)
主人公に強過ぎる個性を求めず、感応的、情緒的、ロマンティシズムある物語を重視する「あくまで映画屋なディズニー」
『ニモ』にしろ『カーズ』にしろ、キャラは立ってるけど話しはダルいんですわ、正直
今作はディズニー制作ということで例の通り後者、キャラよりお話が先に立った作品だと感じてます


アンデルセンの童話『雪の女王』をベースとしながらもカイやゲルダが主人公ではありません
独自のキャラクター、全く新しい解釈、21世紀の今日らしいストーリーの中に力強いメッセージの作品に仕上がっており、やはりディズニーというチームはこういった元ネタをアレンジしていくのが上手いんだな!と再確認


実際視聴してみるとエルサが氷の城に引き篭もった事で大寒波に襲われるアレンデール王国の様はなんか「天岩戸伝説」っぽい
ハンスに初めて会った時のアナのたどたどしい喋りと後退りは隠し事をする「トイ・ストーリーのウッディ」に見えなくもない
アナとハンスがパーティーの夜に語り合う中、船のマストの向こうに見える二人の影はどことなく「ミッシェル・オスロ監督作品」に思えたのはオイラだけ?
クライマックスはどう見ても『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』ですね!わかります!


いえいえ;
この作品をコケにしたいわけでなく、いい意味で既視感のあるお話と映像だったな、と
よくもまあこれらと『雪の女王』を結合したと、オイラはその辺り心の底から拍手を送りたいのです


歴代作品と比較すると毒々しさはかなり薄めで、そういった部分は昨年の『シュガーラッシュ』の方が風刺が効いていましたね
ディズニー作品に悪役の醸し出すオドロオドロしさや狂気染みた冒険のスリルを求める方には少しパンチが弱めな作品と言えます
伊集院光が毒舌で批評したように、ハッキリと好みは分かれます
ちなみにオイラは泣きませんでした


今作やはり一番讃えたいのは音楽、そして歌
もうホント、なんで今の今まで歌わなかったのか!?
ディズニーといえばやはりミュージカルなのです
2013年夏に主題歌が公開された時点から今作がミュージカル映画になると察していたオイラにとっては日本公開までの間そのハードルは上がる一方・・・
しかし、本編を見終えてみてオイラの想定を遥かに超越した圧倒的ネ申曲達のラッシュ!
途切れない!!歌が途切れないんですよ!!!
音楽に5.0評価あげてますが気持ち的には7.0ぐらいあげてやりたいんです!
「Let it go」だと?
今作の最大の見どころはどう考えても
「Na~na~na~heyana♪
Hahiyaha naha~♪
Naheya heya na~yanuwa~♪
Hanahe yunuwana~♪」
だろーがぁ(@д@


お話重視でキャラ立ってないというわけでもなく、今作でキャラクター性成分を補っているのがエルサに命を与えられた雪だるま、オラフ
彼の今作への貢献度は大き過ぎます
彼の存在で適度にコミカルな場面展開が計られ、鑑賞者(特に子供)を飽きさせない工夫がなされています


各所で話題になっているのが「原語で観るべきか?」「吹き替えで観るべきか?」
これに関しては甲乙付け難い、つまりどっちでもいいと思います
特に既に監督自身が賞賛している様にアナの吹き替えを担当した神田沙也加が素晴らしい
が、オイラとしては何よりも褒め称えたいのが前述したオラフを担当したピエール瀧でしょう、面白いw面白すぎるw
松たか子ももちろん悪くない
が、演技は別として歌声となるとやはり本家ブロードウェイミュージカルで活躍していたイディナ・メンゼルの足元には遠く及ばない
ってことで歌を楽しむつもりなら原語で、そこに拘らなければ吹き替えで、という選択をオススメしたいです
(まあMay.Jの“アレ”はいらんかったと思うが・・・)
ああそれと、「雪だるま作ぅろ~♪」は諸星すみれちゃんですねb
【すみれちゃんマジ天使】


ちなみに公開当初「2D吹き替え」「2D字幕」「3D字幕」という3つの選択肢しか無くなぜか「3D吹き替え」だけが後出しで約1ヶ月半ほど遅れて公開されました
よくわからんがこれが新しい商法?らしい
上映館数や1日の上映本数が東京ですら1/3になるというかなりレアな限定公開です、観れたアナタはラッキー
「3Dで観る価値は?」と聞かれたら「同時上映の『ミッキーのミニー救出大作戦』の面白さが全然違うよ」と真顔で答えます


昔ながらの“ミュージカル”に回帰しつつも、ディズニー史上初の“Wヒロイン”という新たな試みに挑んだ今作
流石、アナもエルサも両方魅力的ですb
しかし今作、これもディズニー初じゃないかと思われる“Wヴィラン”作品でもあったんですよね
そう、今作には悪役が2人おるんです
問題はこれ、試みとしては面白かったんですが正直一切何の含みも持たせていない所謂「超展開」でして・・・
昨今のディズニーは如何にもソレっぽい悪役を配することをせず、黒幕をサプライズ的に隠す傾向にあるんですが、、、やっぱ超展開は映画としてやっちゃダメよね・・・;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 49

64.9 10 怪物で魔法なアニメランキング10位
聖剣学院の魔剣使い(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (105)
380人が棚に入れました
最強の魔王レオニスは、来たるべき決戦に備え自らの存在を封印した。 だが、1000年の時を超えて目覚めたとき、彼はなんと10歳の少年の姿に戻っていた! 「なんでだ!?」「君、どうしてここに閉じ込められていたの? もう大丈夫よ。お姉さんが守ってあげる」 <聖剣学院>に所属する美少女リーセリアに保護されたレオニスは、変わり果てた世界に愕然。 未知なる敵<ヴォイド>、<第〇七戦術都市>、武器の形をとる異能の力———<聖剣>。 聞き慣れない言葉に戸惑いつつも、彼は<聖剣学院>に入学することに。 魔術の失われた未来世界で、最強魔王と美少女たちの織りなす聖剣と魔剣の学園ソード・ファンタジーが幕を開ける!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

元・最強魔王×お姉さん 学園ソード・ファンタジー

この作品の原作は未読です。
聖剣×美少女を組み合わせた作品って、久しぶりではありませんか?
あれ、2023年夏アニメで放送された「七つの魔剣が支配する」は聖剣じゃなく魔剣だから除外で良いですよね^^;

加えてメインヒロインを演じるのはあの石川由依さんと来たら私に視聴しない選択はありません。
過去作の未視聴作品をメッチャ積み上げていますが、今期リアルで視聴した作品の一つになりました。


最強の魔王レオニスは、来たるべき決戦に備え自らの存在を封印した。

だが、1000年の時を超えて目覚めたとき、彼はなんと10歳の少年の姿に戻っていた!
「なんでだ!?」
「君、どうしてここに閉じ込められていたの? もう大丈夫よ。お姉さんが守ってあげる」。

〈聖剣学院〉に所属する美少女リーセリアに保護されたレオニスは、変わり果てた世界に愕然。
未知なる敵〈ヴォイド〉、〈第〇七戦術都市〉、武器の形をとる異能の力――〈聖剣〉。
聞き慣れない言葉に戸惑いつつも、彼は〈聖剣学院〉に入学することに。

魔術の失われた未来世界で、最強魔王と美少女たちの織りなす聖剣と魔剣の学園ソード・ファンタジーが幕を開ける!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

リーセリア役の石川さんが、最初に原作を読んだ時の印象をインタビューでコメントをしてくれていました。
「女の子たちがみんなかわいくて、そして「けしからん」というシーンがたくさん出てくるなと思いました(笑)。」

「けしからん」部分の多くは、リーセリアが担っている気もします。とツッコまれると、
「確かに。レオくんも「この世界の倫理観はどうなっているんだ」と言っていましたよね(笑)。」と返していましたが、これ、メッチャ分かります。

レギーナ役・洲崎綾さんも、
「まずは「おねショタ最高!」と思いました(笑)。
由依ちゃんが言っていたように「けしからん」シーンも随所で出てきますが、しっかりと読むとストーリーが重厚なんですよね。色々と抱えている人たちが集まっていて、シリアスなシーンもしっかりあって、見ごたえのある作品です。」
これもメッチャ理解できました。

おねショタ最高!かぁ…
きっとリアルの構図では見るに耐えない気がするのですが、アニメだと不思議と違和感無く受け入れられるから不思議ですよね^^;

でも、古の時代から転生する設定って、割と存在する様な気がしますけれど…
それに、赤子に転生する設定も然り…
「魔王学院の不適合者」のアノス・ヴォルディゴードは2,000年前から転生してきましたし、「無職転生」では、ルディが幼少期をたいそう満喫していましたしね^^

でも10歳という中途半端な設定で始まる展開は、確かに珍しいかもしれません。
思い返してみると、赤子で転生というパターンが多いような気がします。

まぁ、この様な些細な事は置いておいても十分満喫できる作品だと思いますよ。
リーセリアの直向きさ、レギーナの面倒見の良さなどなど…
リーセリアたちが所属する第十八小隊の皆さんは容姿端麗な方ばかりなので、声優さんたちの演技と相まってしっかり堪能できると思います。

少しご都合主義的に思えるところが全くない訳ではありませんが、それはご愛敬で良いかと…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、藤川千愛さんによる「1000年愛」
エンディングテーマは、果歩さんによる「ゆるり」
どちらも通勤中にヘビロテした楽曲です。

1クール全12話の物語でした。
個人的にはしっかり堪能させて頂きました。
この手の作品で唯一残念だと思うのは、続編が中々制作されないことです。
原作のストックも沢山あるようなので、続編が制作されると良いんですけれど…

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

猫好き さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ラノベ販促アニメ

原作は未読。これはキャラデザが綺麗なのとタイトルソングが気に入ったのでつい最後までみてしまった

お話は、魔王レオニスが1000年の時を経て復活も、転生術をしくじってしまい、自分が人間だったころの10歳ぐらいの少年の姿になってしまう。なりゆきで死んでしまった人間の少女リーセリア(セリア)を眷族としてバンパイア女王として復活させ、すっかり変わり果ててしまった世界でラノベ的学園生活をしながら襲い来るヴォイドの脅威に立ち向かう、、、なのかなぁ

ラノベ原作なのでお話の整合性とか世界観はあまり求めてない。それよりもどれだけ萌えさせてくれるかよねw

その観点から一番気になったのは、中身魔王だけど外見子供のレオニスと、ヒロインのおねショタ関係。セリアは保護者顔してレオニスを大切にしてるけど、レオニスはかつて仕えたロゼリア一筋だし、中身は俺様魔王なので、おねショタ基本のショタ側からお姉さんへの依存とか思いは存在しない。そもそもセリアはレオニスの眷属になってるので、レオリスから見たらせいぜい気に入った手下に無意識ツンデレってレベル。この二人の関係性にはイマイチ萌えられなかった

他には、女の子たちがたくさん出てくるハーレム物なのかとも思ったけど、セリアと元から彼のメイドだったシャーリ以外は特段レオニスに興味がある様子もない。レギーナがたまにちょっかい出してくるけど、これは彼に興味があるってよりも単にからかってるとかセリアに手を出させないように釘を刺してるだけな感じでもある

なんというか、こんな感じでラノベやなろうの萌え要素のお約束がお約束として成立してないような気がする。強いて言えば他に楽しめそうな点ってばライトなエッチくらい?セリアの吸血衝動とか、ラッキースケベ、無駄に豊富なお風呂シーンとかその手の物が好きな人には受けるのかな?私には分からないけどw

とまぁ、ネガティブなことばっかり書いたけど、最後まで見ただけあって完全に嫌いだったわけじゃない。何よりキャラ絵が綺麗!(もっとも、女子に比べてレオ君含めて男子がかなり雑ではあったけどw)動画は大したことないけど、昨今のラノベ/なろう物に比べたら並み以上ではあった

話の方もちょっと興味深い。魔王復活で1000年前の復讐ってよりも、世界が完全に変わっていて敵味方がはっきりしなくなってる。人間側の英雄達がヴォイドロードになって人類を破滅させようとしてるとか、魔王様の癖して人間の要塞島を守るって決めちゃったりとか、ロゼリアはどうなっているのかとか気になる設定も多かった。そこらへんはアニメ版ではしょられているんじゃないかと思ったり

というわけでまぁ、アニメとしてはよくあるなろう/ラノベの域を出てないんだけど、お話自体は気になってコミカライズか原作読んでみようかなという気にはなったので、販促目的としてはよかったんでは?

-- 補足

コミカライズは少年エース。そういえばKindle Unlimitedで読めるんだったというか、雑誌自体は毎月読んでたw。ただ、絵柄が古臭くさい少年漫画みたいなので連載は眼中に入らなかったし、雑誌でのアニメ紹介でも漫画がその雑誌で連載中だとは気づきもしなかった

アニメはラノベの挿絵が元になってるので、絵柄が気に入った人はコミカライズ版はかなり毛色が違うから、原作読んだ方がいいと思う

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

ヘンゼル さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

緊張感がない故に勿体ない

第5話まで視聴済み。
MF文庫Jにより刊行されている作品と聞いて、最近のMF文庫J産アニメ(ライアー・ライアーや探偵はもう死んでいる等)の評判は芳しくありませんので、身構えて視聴しましたが案の定、色々と「足りない」作品であると感じました。

作画コストは仕様がないというしかありませんが、第1話の設定の出し方や、キャラクターの言動や行動の不自然さやそのように至った理由や動機づけといったものが足りないと感じました。

具体的に言えば、魔王が少年の姿になった際、いきなり敬語でヒロインに話すシーンがあります。心理描写として「ここは敬語で話して怪しまれないようにしよう」「愚鈍な子供を演じよう」とか、そういった心の声を一言二言、アニメのセリフとして導入すべきだと思いました。
そういう視聴者に分かりやすい表現が足りていないと思いますね。

しかし、本作品の目玉は何と言っても「おねショタ」要素ではないでしょうか。
本作品はライトノベルですので、そういった少しセクシーなシーンで続きを読ませるという手法を取るために、そういった要素を入れているのではないかと思います。
風呂場のシーンはかなり良い出来かなと思いましたね。主人公が石鹼で頭を洗うシーンとかも、過去から来た者を表現するいいシーンだと思います。

本作品の良い所はそういった「過去から来た」と彷彿させるシーンが散りばめられている点ですかね。
世代間ギャップのようなズレがこの作品の面白い要素だと思いました。

ただ、本作品は世界観設定がアポカリプス物で殺伐としたものなのですが、いかんせん緊張感が足りないと感じました。
たった二人で要塞都市郊外の遺跡の調査をするのもそうですし、何故か別行動を取るのも、それに納得できるだけの理由も描写されていません。
そして第4話で要塞都市の脆弱性をテーマにしたのもそれに拍車をかけています。

ただでさえ本作品の敵キャラである「ボイド」と呼ばれる未知の生命体との戦いが第1話だけなのにも関わらず、いきなり負けそうになるのは、メイウェザーが初戦でいきなり敗退するような、拍子抜けした気分になります。
メイウェザーも人間ですし、実際にあり得る例えではありますが、「一度もボイドの侵入を許したことが無い」と豪語する以上、要塞都市の性能を発揮するシーンを、第2話か第3話にでも描写するべきだったと思います。

いきなり侵入を許すシーンを描写するのは、人類に緊張感が無いと思われても仕方がないのでは?と思いますね。

そういった意味で、本作品はおねショタという「緊張と緩和」でいう緩和の部分は及第点ですが、何より本筋のストーリーである「緊張」の部分が足りてないと感じました。
私の中でそれこそ、魔力炉が破壊されるような致命的なものだと思いましたが・・・。

という事で、本作品は良くも悪くもライトノベルだなと感じましたね。
最近の読者はストレス解消の為にラノベを読む事が多いとどこかの記事で観ましたが、本作品ももしかしてそうなのでしょうか。
おねショタで見れば、まあ見れる作品なんだけどなあ。でもそう見ると、世界観が逆にノイズになっているような気がするなあと。
今後の展開に何か良い点があればまた更新します。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

71.4 11 怪物で魔法なアニメランキング11位
BURN THE WITCH(アニメ映画)

2020年10月1日
★★★★☆ 3.7 (125)
618人が棚に入れました
正解には表<フロント>があれば裏<リバース>がある。遥か昔からロンドンに於ける全死因の72%は、人々が見ることのできないドラゴンと呼ばれる“異形の存在"が関わっていた。だが、人知れずそのドラゴンと相対する人々がいた。ドラゴンの存在を見ることができるのは、フロント・ロンドンの“裏側"に拡がるリバース・ロンドンの住人だけ。その中でも、選ばれし人々がウィッチ<魔女>/ウィザード<魔法使い>となり、ドラゴンと直接接触する資格を持つ。主人公は、自然ドラゴン保護管理機関「ウイング・バインド」(通称WB)の保護官である新橋のえるとニニー・スパンコールの魔女コンビ。彼女たちの使命は、ドラゴンに接触できない人々に代わり、ロンドンに生息するドラゴンたちを保護・管理することだった。

声優・キャラクター
田野アサミ、山田唯菜、土屋神葉、平田広明、引坂理絵、麦人、小林親弘、田中美央、清水はる香

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

対照的な二人の女子高生の魔女がクールに、オシャレに、ポップにドラゴンとバトルするお話

この物語は、二人の女子高生が主人公で、しかも、魔女です。
この二人の性格は、とても対照的です。
「ニニー」は、喜怒哀楽がわかりやすく思ったことは態度に出す明朗快活な性格です。
「のえる」は、喜怒哀楽を見せないクールビューティで、ジト目が特徴的です。
観ると分かりますが、こう言うコンビって結構見るよねって感じがします。
それだけ王道のキャラ付けなのですが、そこには変わらない面白さがあります。


■オシャレ

この物語は、二人があーだこーだと言いながら、ドラゴンと戦います。
その時の姿は、学校の制服に赤のシェパードチェック柄のマントをまとっています。
また、小型の乗用ドラゴンにも乗っています。
そして、戦う武器は、なんと「笛」。
でも、その笛裁きとそこから繰り出される魔法がさっそうとしていてあざやかです。
キメるところは、とてもカッコイイです。
それでいて、ギャグも適度にポンポンはいってきます。
これらのバランスの良さが全体的にこの物語をオシャレに見せています。


■劇伴がとてもいい

魔法ファンタジー活劇映画のような感じです。
不安感を伴いながらもテンポ良く進み、時折重厚感がある感じです。
場面によっては、シンセを使ったリズミカルな曲も混ざります。
この物語は、現代のロンドンを舞台にしています。
でも、この劇伴のおかげで現代のゴチャゴチャを遠ざけた舞台を作り上げています。
それが、この作品がもともと持っているクールさにオシャレ感を足しています。


■物語がちゃんとしている

この物語、結構、伏線がありますし、最初から最後まで一本の筋が通っています。

この物語は、主人公の「 おとぎ話なんてクソでしょ」と言うセリフで始まります。
そして、「魔法は途中で解ける」と続けます。

途中のドタバタ劇で、最初のこのセリフを忘れかけてしまいます・・・。
しかし、終わってみると気付くのです。
それは、このセリフを回収するためだけにこの物語があったのだと言うことにです。

途中のステンドグラスの絵や、最後に出てきたドラゴンの名前。
それらは、あるおとぎ話がモチーフとなっています。
それを女性が他人に頼らず、自らの力で未来を切り開いていくと言う主題に昇華させ、
現代的なファンタジーで描いて見せたところは流石だなと思います。

しかも、この物語では、それをこうあるべきだと説教臭く語ることはありません。
さらっと描いて、気付いてくれたらそれでいい、そして、どう考えるかは自由、
そんなノリなんです。
こう言うのをクールって言うんだなと、あらためて気づかされました。


■まとめ

普通に面白かったです。
この「普通に面白い」とは、どう言うことを言うのでしょうか?
私は、あれこれ考えたりせず単純に観ているだけで面白いことを言うのだと思います。
しかし、その面白さの裏にある主題に気が付くと、
その描き方やセリフに対し、なんてクールなんだろうとシビれてきます。
つまり、二度おいしい作品になっています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

魔女、ドラゴン、リバースロンドン 2人の魔女が躍動する…。

この作品の原作は未読です。
Amazon prime videoで視聴しました。
最近は、視聴環境…特に配信面のバリエーションが増えてきたのは個人的には良いことだと思っています。
地域によって視聴できないTV放送が補完できますし、配信のみの作品も出てきたので…


世界には表(フロント)があれば裏(リバース)がある。

遥か昔からロンドンに於ける全死因の72%は、
人々が見ることのできないドラゴンと呼ばれる“異形の存在”が関わっていた。

だが、人知れずそのドラゴンと相対する人々がいた。

ドラゴンの存在を見ることができるのは、フロント・ロンドンの“裏側”に拡がる
リバース・ロンドンの住人だけ。
その中でも、選ばれし人々がウィッチ魔女/ウィザード魔法使いとなり、
ドラゴンと直接接触する資格を持つ。

主人公は、自然ドラゴン保護管理機関「ウイング・バインド」(通称WB)の保護官である
新橋のえるとニニー・スパンコールの魔女コンビ。
彼女たちの使命は、ドラゴンに接触できない人々に代わり、
ロンドンに生息するドラゴンたちを保護・管理することだった。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

2020年、『BLEACH』の久保帯人が新たな物語を世界に放つ――。
という見出し文句で公式HPのINTRODUCTIONが記載されていましたが、そもそも私は『BLEACH』を視聴していないので、その見出し文句が琴線に触れることはありませんでしたが、躍動感があって見応え抜群の作品だったと思います。

物語の設定は結構複雑なのですが、限られた尺の中で丁寧に説明されているので、置いてけぼり感を感じることはありませんでした。
寧ろ、物語が分かりやすい分、のめり込んで視聴できたと思います。

主人公の魔女は、以下のお二人です。
・ニニー・スパンコール(CV:田野アサミさん)
・新橋 のえる(CV:山田唯菜さん)
田野さんは、フランチェスカ(2014年)とゾンビランドサガ(2018年)などに出演されています。
山田さんは、アニマエール(2018年)などに出演されています。
どちらの声優さんともこれまで接点はあったものの、1~2作程度の接点しか無かったのでお二人の演技がとても新鮮に感じられました。
暫くすると、安定感抜群のはやみんも出てこられるので、ファンの方は要チェックかと…

物語は全3話の中で綺麗に纏まっていますが、きっと未だ序盤戦なんだと思います。
この物語の先で出会うであろうドラゴン…どんな特徴を持っているのか何気に楽しみなのですが、2020年10月時点で原作が既刊1巻までしか刊行されていないので、続きがあるとしても未だだいぶ先なんでしょうね。
しっかり堪能させて頂きました!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

続くかわからないので、設定やテーマ性がエンタメの阻害要因です。

 普通に面白いです。設定と人間関係がこれだけ過剰ということは、続きを想定している感じです。が、2年前で1時間のアニメで終わっているということは、これで終わりということもありそうです。
 そうなると人間関係も設定も余白がありすぎですが、オープンエンディングだと思えば、そういう感じもします。

 テーマ性です。「魔法が中途半端」というのがテーマだとすると、テーマの回収ができ切れていないので、そこの結論が「他力=シンデレラとメイシーの関係」だけだとすると無理があります。

 原作の久保帯人さんというのがブリーチの人だとすると、原作はもっとあるのでしょうか?ちょっと調べてないのでわかりません。

 ただ、これだけで終わるならテーマを一切織り込まないで登場人物を減らして、最後の解決を2人の魔女にやらせて、もっと痛快なドンパチでもいいと思います。その点では中途半端です。

 魔法少女=ダークの流れの中、これだけ明るく作ったのは良いと思いますので、アニメは続けるつもりがないのなら、久保氏は原案にして、アニメのオリジナルで設定も登場人物も整理して、結末をつけて欲しいかなあ。

 キャラデザはちょっとダリフラっぽい感じでした。作画は独特の輪郭線でしたね。なかなかいい味のアニメだったと思います。

 あと、この原作者なのか作画なのか監督なのか知りませんが、お尻と太もものラインのフェチとしか思えませんでしたね。尻や太ももの凹凸の凸のラインではなく、つなぎの凹になったラインのフェチですよね?
 パンツの伏線としてあのアングルを狙ってたんでしょうけど、それを伏線に見せかけて自分の好きな尻から太もものラインを描かざるを得ない衝動を感じました。箒にのった魔女の構図を逆手にとったフェチなんだと思います。

 ということで面白いし、見て損はないですが、これだけか、という感じのアニメです。設定や人間関係、テーマ性で深みを出すポテンシャルはありますが、今のところそれらの要素が逆に作用してエンタメ性を少し暗くする阻害要因になっていた気がします。

 制作者サイドはアニメを細切れにしいで、続くなら続くって明言しないと価値を下げるだけです。続きがあるなら評価はもうちょっと高いですが、これで終わる前提だと、あまり高くないです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

69.0 12 怪物で魔法なアニメランキング12位
マッシュル MASHLE 神覚者候補選抜試験編(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (107)
437人が棚に入れました
誰もが魔法を使い、その優劣が全てを決める魔法界。人里離れた森の中で、日々筋トレの鬼と化す少年・マッシュの秘密は、魔法が使えないこと。その秘密を他人に知られた時、日常は一変!! なぜか魔法学校に入学し、トップを目指すことに…!? 鍛え上げた筋力とパワーで、全ての魔法を粉砕するアブノーマル魔法ファンタジー、ここに開幕!!

四ツ谷ミツル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

邪王道ボーイにはグーパンがよく似合う

一期と同じく懐かしきジャンプの王道が心地良い。これだよこれ。
主題歌が鬼のようにバスッている本作だが、内容もちゃんと面白い。
やはり試験を受けて、仲間と友情努力絆グーパンで突き進む姿は爽快感あって非常に良い。
アクションシーンもちゃんと動くし、一試験ほぼ一話で終わるのでテンポも良い。
自分はマッシュルのシリアスになりそうな雰囲気をぼっきり折ってギャグに走る所も結構好きなのでライトに楽しむ分には十分おすすめ出来る。

作画は厚塗りっぽい所からギャグ感満載なシーンが交互に来るので飽きずに楽しめるし、見やすいと思う。
OPの中毒性は言わずもがなだし、EDもなんで東京やねんwwみたいなツッコミ所はあるがマッシュルらしいシュールさで良かった。

声優陣は一期に引き続き有名所が多く、新キャラも役に合っていて良かった。
(ゴニョゴニョした後の)マーガレットなんか見た目がかなりタイプで逆に天を仰いだ(?)
んだよカワイイじゃねぇかよ…!
主人公のマッシュは一期と同じであまり感情の起伏が無い感じの声なのだが、二期のバトルシーンではちゃんと声量大きかったり、ハキハキしてくれるのでメリハリがあって良かった。

お話的にはひと段落着いて区切り良く〆たが、マッシュルの夢はまだ道半ばといった所だろうか。
マッシュルのアニメはこの二期で終わりな気もするが、良作ジャンプアニメなので個人的にはもっと続きが見たい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

lostmemory さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には好きな作品

魔法使い達を魔法が使えないマッシュが力で物理的に
ぶっ倒していく今の時代の作品とは思えないくらい
シンプルな内容。ストーリーもあってないようなもの。
なんだろう。男塾とかあのあたりの時代の作品みたいだ。

でもだからこそ自分みたいなアニメを長年見てきている
人間には割と刺さる。特に最近のはやたら設定が難し
かったり内容が意味不明だったりする作品が多いので。

若い人には受けない作品だろうけど個人的には好き。
懐かしさがあるし。ワンパンマンと似ていると
思った人もいるだろうが、そうでも無いと思う。

ワンパンマンはサイタマが強すぎるので出番が
少ないし出番があるとワンパンで敵を倒してしまう
ので正直つまらない。でもこっちはマッシュは強いが、
相手も結構強いので割と頭脳戦で戦ったりして見ていて
楽しめる。

海外で凄い人気らしいが、結局海外って力こそ全て。
みたいな作品大好きだよね。キャラデザが独特かつ
日本人っぽさが全く無いのも要因かも。

いずれにせよ私はこの作品を評価する。
少なくともつまらないラノベアニメを見るよりは
遥かに面白い。なんだかんだ王道のジャンプ作品
だよ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

今期のOPがむちゃくちゃ良い

Creepy Nuts
あれ?むっちゃいいやんwと思ってたらなんとSpotifyの海外チャートにランクインしたそうな
元々Creepy NutsのR指定はフリースタイルがとんでもスキルの人ですげーなーの記憶の人で曲なんて知らなかった
それがCreepy Nutsで活動してるってのをアニメ夜ふかしの歌で知った
そもそも夜ふかしの歌自体が曲からのイメージで作られたアニメっての聞いてびっくり
アニメの中で流れるロスタイムが気に入って速攻ミュージック開いて検索したけどまだ出てなくてずっと待機してたほど
なのでいずれまたなにかのアニメで曲提供するだろうなーと期待してたので嬉しかった
今回の曲はドレイクのCurrentsにも使われてるドアがリズムよくキーコーキーコー鳴ってるような音が特徴的なサウンドに相変わらず面白い歌詞
マッシュがそれに合わせてリズミカルに踊る

ぜひOPすっとばさずに見てみてね

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

66.1 13 怪物で魔法なアニメランキング13位
うたわれるもの 偽りの仮面(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (538)
2713人が棚に入れました
目覚めたのは雪深き山間部。
過去も名も思い出せぬまま彷徨う男に、世界は優しくはなかった。
巨大な牙を持つ生物が襲い掛かり、闇に蠢く異形が男を追い詰める。
そんな男に差し出されたのは白く美しい少女の手……
その手を取った時、物語は始まった。

声優・キャラクター
藤原啓治、種田梨沙、利根健太朗、水瀬いのり、加隈亜衣、原由実、山本希望、櫻井孝宏、佐倉綾音
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

偽りの仮面

『うたわれるもの』の続編らしい。

1話観た感じでは、前作の続きではなさそうなので、
こっちから観始めました!でも大丈夫そうだと思う。

18話辺りから、駆け足感が強く『?』と感じるところも。

25話
{netabare}
出だし5分ぐらい無音声だった。
オシュトルが亡くなり、ハクが成りすますのは、
タイトル通りなんだろうけど、25話使ってそこまでで終わりとかねー
{/netabare}

24話
{netabare}
ラオウvsオシュトルは一応終わったけど、
最後ネコネ泣いていたから、オシュトル死にそう…

25話のタイトル『意志を継ぐもの』だし。

続きはゲームで!かアニメ3期見てね終わり感しか感じない…
{/netabare}

23話
{netabare}
まだ脱出途中…

ラスボスラオウ、黒幕ルルーシュもどきって感じ?
続きはゲームで!って感じで怖いわー
{/netabare}

22話
{netabare}
オシュトル、アンジュ救出からヤマト脱出まで。
救出に1話とか使い過ぎだろうと思いつつ、
デコポンポが落とした、オシュトルの仮面拾ったのは、
絵面的にラオウ?
毒持った犯人分からない、続きは続編ゲームで!みたいな
終わり方だといやだなー
{/netabare}

21話
{netabare}
帝の崩御はトラップではなさそうで、アンジュも、
オシュトルが差し入れたお茶を飲んで倒れると…

毒もったのは、ホモかルルーシュもどきだろうけど、
ハクが仮面付けて出てアンジュ復活で終わるのかな?

トゥスクル侵攻から、大分、駆け足過ぎな気がするー
{/netabare}

20話
{netabare}
トゥスクル強すぎでしょう

クロウが、クオンを『お嬢』と呼び、あの方の忘れ形見的な
セリフを言っていたから、ハクオロの子供は確定かな。

生んだのは誰になるのかが気になる。

ヤマト側は、帝が策を用いるようなことを言っていたから、
次回予告の『崩御』は何かの策なのかな?

トゥスクル側のキャラの方が、個人的に好きなので
もっと出番を増やして欲しいかな。
{/netabare}

19話
{netabare}
アトゥイの娘LOVEオヤジよりも、
トゥスクルに入り、支援物資輸送中、コポポが、
ムックルに気がつき、暴走して後を追っていくのだけど、
うまい具合にムネチカの所に誘導されて、結果として
支援物資が、コポポが積んでいるものだけになってしまったのは、
アルルゥ策士だわぁと思った。

次回は、ベナウィとクロウが登場するみたいなので楽しみ!
{/netabare}

18話
{netabare}
トゥスクル侵攻の理由が特に説明なく侵攻開始…

そして、ハクに支援物資を送る仕事をオシュトルが依頼。
かなり強引な感じだけど、トゥスクルにハクが行ったら、
ハクオロが復活して出てくるとかあるのかなー
{/netabare}

17話
{netabare}
ハクと帝の関係が分かる回。

帝がハクの実の兄で、ホノカとアンジュは、
帝の妻と娘に似せて作られたものとも…

帝は、家族を取り戻せた的な事を言っていたけど、
トゥスクルに赴いていたウォシスが、17話最後に邪悪な顔していたから、
トゥスクルと戦争して終わるのかな?

トゥスクルは、オボロが帝位?についていたけど、
そうすると、クオンは、オボロの娘とかいうオチなのかな?

17話で、アイスマン(ハクオロ)が、帝の回想で出てきたけど、
あっちの計画より、帝とハクは後の人達みたいね。
TVアニメ3期とかすぐにやってくれるとすごく楽しめそうな感。
{/netabare}

16話
{netabare}
仮面の力を目の当たりにして、何もできなく、
自己嫌悪に陥っていたハクを慰める回。

メインは男祭りで、マロロはやはり男色家で生贄はキウル…
男祭りを見た腐ルティエさんは案の定歓喜で昇天。

しかし、ネコネって、キウルの他にミカヅチにも
好意を寄せられていたとは意外。
{/netabare}

15話
{netabare}
デコポンポの話は一切なく、
ウズールッシャとの戦いで八柱将3人、
ライコウの知力、ムネチカ、ヴライのチート戦闘力と、
オシュトルの卓越し過ぎの剣術がメインフォーカスだったと思う。

ハクオロが巨大な怪物になれたみたいに、帝から仮面をもらったもの
全員同じようになれるってことは、帝はハクオロと同じ人間ぽいなーと。
これは、後々わかるのだろうけど、前回助けた剣豪さん親子、
ハクの所に居候決定のようで、なんかワケあり人部屋みたいだーねw

次回は、笑いネタ回ぽいので楽しみ。
{/netabare}

14話
{netabare}
ルルティエとアトゥイが父の代わりに戦に参戦する為、
オシュトル、ミカヅチの隊に合流するべく移動中、
ハク、ルルティエが集落で人質に取られている人たちを
たまたま見つけ、ルルティエの助けたいという願いにハクが、
知恵を絞って全員救出すると中に幼女が…

その幼女は、剣豪ヤクトワルトの子で、
ハクたちの仲間になるーという回だった。

デコポンポは、まだ敗走しないのかー残念。
{/netabare}

13話
{netabare}
ハクが帝から呼ばれ雑談の相手をさせられている状態からスタート。
そこで、ハクの質問の中から、デコポンポだけ世襲で、
八柱将になっていることが分かったw

で、軍議でみんな、デコポンポスルーしているのに納得。
誰か裏切りそうな感じで進んでいるけど、誰か裏切るのかな?

あと、OP/ED変わったけど、後のネタバレ的な絵が多すぎだよぉ…
{/netabare}

12話
{netabare}
ハクが、帝からアンジュ救出の褒美をもらうのだけど、
双子の巫女さんをもらうことに…
ハクハーレムが増えていく~。

そして、ルルティエは、もう腐要員でしか…
さり気なく、女性専門家をディスってるアニメな気もするけどw

前半戦終わったけど、日常回と、
後半活躍するであろうキャラ紹介で終わっちゃった印象。

あと、4話Cパートで、帝が『やっと見つかった』と言っていたから、
ハクとは、何かしら血縁関係とかなのかな???
{/netabare}

11話
{netabare}
アンジュが皇女としての自覚を持つ回

オシュトルとオウギって面識があるようで…
オシュトル苦労してるなーというのが分かる回でもあった。
ルルティエは、もう腐ルティエってのも…

あとは、ヤマト八柱将でも、アンジュに対して、
オシュトルが飴、ムネチカが鞭という役割もね。

次回から、のほほん回から、本筋に移行するみたい。
長かった…
{/netabare}

10話
{netabare}
ヤマトの皇女アンジュが、オシュトルに恋をしたという恋話回
あと、ハクと女義賊との出会い。

オチを腐ルティエさんが、BLでかっさらうとは…
風呂とBLが好きなアニメだなぁとw
{/netabare}

9話
{netabare}
前回の捕物の話とは変わり、トゥスクルからの使者のほのぼの話。

アルルゥとカミュ、ムックルが登場。
クオンが、この2人を姉様と読んでいるから、
前作の誰かの子供の可能性があるのかな?

カルラとトウカを母様とも読んでいたしね。

風呂、専門家ネタがまた出てきたけど、
もはやネタではなく好きで出しているとしか…
{/netabare}

8話
{netabare}
ヤマト八柱将が一人デコポンポの不正を暴く捕物話
このキャラって前作にも似たようなものがいた気が…
悪者はみんなこの絵なのかw

久しぶりに風呂、専門家ネタがない回だった。
{/netabare}

7話
{netabare}
また風呂から?と思ったら…
BL本からだった…ヤマトの皇女お披露目がメインだったけど、
大体、ルルティエ…腐っている…が持っていった感じ。

あと、ハクが、ヤマト八柱将を見た際に、
1人だけ凄く反応したキャラがいたけど、あれがラストに繋がっていく
キャラになるにかな?
{/netabare}

6話
{netabare}
また風呂から…風呂好きだなぁ。

旅籠屋「白楼閣」の女主人から、酒宴に誘われるハク。
その正体は、クオンの育ての親だった。

舞台はヤマトだけど、前作の舞台トゥスクルでの登場人物が
出てきたということは、今後、たまに違うキャラも出てくるのかな?
ちょっと気になる。
{/netabare}

5話
{netabare}
ハクとウコンの風呂から…専門家向けか…

家出少女とそれを追う少年の新キャラが登場。
少年の方はウコンの部下?みたいだけど、
次回以降、この2人が仲間になったようだから、
どんな感じになるのかな?
{/netabare}

4話
{netabare}
帝都に到着して、ウコンの屋敷?へ

ウコンの妹ネコネの登場から、
風呂回へ…
マロロのメイク落としが見えるのはまだいいけど、
ハク×ウコンで、BL想像する腐ルティエさん…
無駄に画力高いのと声いらないから。

そして、翌朝町に出かけるハク+女子3人
ハクの仕事を探すらしいけど…仕事から戻ってきたら、
ネコネが、ウコンから預かっていた手紙を渡すんだけど、
ハクは字が読めない!!
この時点で、少なくともこの国の住人じゃないと気づこうよー
耳もネコ耳じゃないし…
そして、妄想する腐ルティエさん…

ウコンに呼ばれていった場所に行くと、オシュトルが!
オシュトルの正体はウコンだった!
ハクがオシュトルを次回から演じるのかなー

そして、最後は、また風呂で〆
{/netabare}

3話
{netabare}
ウコンからの依頼で、ルルティエ姫を帝都まで送る護衛につくことに。
それで、盗賊に襲われるのだけど、ウコンが元から仕込んでいた策で、
わざと積荷を奪われ族を一網打尽に。

族の中に密偵ぽいキャラがいたけど、今後、仲間になるのかな???

族を掃討した後に、帝都から、前作の主人公登場?と思ったら、
似ている別人らしい。気のせいか主人公に背格好、髪型似ている気が…

ヒロイン枠は、今のところ、マロロと鳥なんだけど、次回予告で、
腐っているシーンがあったのだけど、ヒロインは女の子以外なのかな…
主人公、風呂シーンでクオンの裸見ても無関心だったし。
{/netabare}

2話
{netabare}
クオンとハクが泊まった里にモンスター出ましたー

ウコンという任侠者に手伝ってくれーと言われ手伝い倒しましたーと、
ウコンという新たな仲間?ゲットと、
体力面ダメダメでも、ハクの数字に強く洞察力に優れているという
長所が分かってきた回。

OPで前作主人公出てたから、同じ時期の話なのか、
それとも、後に仮面を付けるのか?どうなっていくのか楽しみ。
{/netabare}

1話
{netabare}
記憶を失い、雪山をさまよっていた主人公が、
クオンという女の子に助けられて、
記憶を失っている主人公に『ハク』という名前を付けてあげるのと、
主人公の得意分野の描写がある1話だった。

まだ1話なのでなんともだけど、ハクという名前は由緒ある
名前みたいな事をクオンが言っていた気がするから、
前作とも関連性があるのかもね。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

TAMA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

違うよ、ゲームではもっと良い作品だったんだよ!…と言いたい。

脚本!違う!違うよ!
…と、第一声を書いておきます。
やっと同時進行して終わったので書きます。

ゲーム・Vitaでハードクリア。プレイタイム60時間。wikiなし。トロフィー全回収。全演出回収。

アニメ・全話視聴。


ゲームだけの評価は星5でも良いです。三部作の二部作目になるので最後は繋ぎになってしまうのは仕方ない。それでもゲーム版は良い作品でした。早速『二人の白皇』を買いました。書いたらプレイします。

(※注意・かなり長文になります。長文が苦手な方はお避けになって結構です。)

では始めます。

{netabare}
さて、ではアニメ版を…

正直違いが多すぎる。これが第一印象です。
演出が前後してたりや演出がなかったり、居ない筈のキャラが居たり居なければならない所に居なかったり、謎解きもハクがやらなければおかしいのに他のキャラがやってたり…
挙げればキリがない(-_-;)

でも1番の原因は全25話では表現するのに尺が足りなかった事でしょう。詰め込むしかなかった、なら仕方ないですが、最悪なのは脚本がゲームをやってなく、もしくはかいつまんだだけでただ資料を読んだだけで書いた怠惰な方か…。
だったら嫌だな。

アニメ版は1話目から駆け足だった感じがします。
が、それは仕方なかったのかなと思います。
ゲームと同時進行でやってて、情報量の多さをこのアニメで全て表現は無理だと思いました。
せめて3クール、余裕を持たせるなら4クールは欲しかった。
前半に日常回に時間を使いすぎたのも欠点ですね。
もう後半が駆け足ではなく色々と無視したやり方になってました。
3期(二人の白皇)については後で書きます。

折角なので良い点も書きます。
前作、『うわたれるもの』のキャラが出てくるのはプレイした人には嬉しいですね。ゲームでも出て来ますがプレイキャラとしては使えません。
次に食べ物が美味しそう…♪見た感じは中華料理に近いでしょうね。作法などからも、ね。
薬の調合の仕方や薬膳等も中国系だから場所的にもそこかな。
ケモミミ好きなら堪らない!(私はそこまで(-_-;))
古語も合ってる。
一応ストーリーの最初と最後は合ってる。
個人的にまたムックルが見れた(笑)

キリがないのでこの辺で。

さてストーリーやキャラ等なんですが…

まず
『ハク』がちょっと違う。ダメ男だけど人当たりが良いのは合ってるのだけどなんか違う。

『ネコネ』はキャラは◯。なんですが、クライマックスの大切な部分が全く違うストーリーになってて感動シーンがかなりチープな出来上がりに…残念。

『ウルゥル』と『サラァナ』の登場場所が違う。後、クライマックス付近で行動出来て居るのでそれも原作とは全く違う。これは結構マズイ。

『クオン』は能力解放した場所が違う。これのお陰でストーリーが絶望的。

『マロロ』がもう『おじゃ◯丸』。

『ルルティエ』は色々描写が削られて可哀想なキャラ。BL好きだけが強調され残念ヒロインに。ゲームでは良いキャラなのに…。

『キウル』は原作と違う行動を取らされたり、登場回数もかなり減らされている。残念キャラに。

『アトゥイ』戦闘狂などの描写がない。かなりクセのあるキャラだったのにな。持ち味が…

『ノスリ』『オウギ』はほぼゲームと同じ。ただ旅団配下が登場しない。

『ヤクトワルト』は雑。説明もちょっとしかなく、なぜかヤマト側についている。

とりあえずキャラ違和感などです。


次はストーリー。

前半パートはまぁキャラ紹介などがあるから目を瞑るとして帝都に着いてからちょいちょいBLネタが多い。制作してるときがそんな時期だったのかな?そこに時間を裂くくらいならもうちょっと他のパートに生かして欲しかった。
ゲームではハクとルルティエが新しいお菓子の発明をしたりアンジュの火遊びがどれだけの莫迦な事だったかとか結構面白い事をするのでそっちを使って欲しかった。
BLばかりなとこはネコネの言葉を借りて『不潔なのです…』。

ネコネがサコンの正体を知ってたり、殺戮の描写が生ぬるい、グンドゥルアの猟奇さがいまいち等々は尺の問題と放送の問題があるから仕方ないとして1番の問題は後半のクール。クライマックスのオシュトルの所なんか別物になっている。

ハクの落ち込む理由も違う。アレではミトの話が噛み合わない。原作ではハクはヴライの殺戮を見てではないのです。実は仲間と行った洞窟内の出来事を見て…
これからゲームをやる方が居るかもなのでネタバレは書きません。
多少書くならウズールッシャのヴライの戦闘中にはハク達は全く違う場所に居ます。

次に帝の崩御の詳細が出されていない。
ゲーム版は帝の崩御の理由が出ています。が、アニメ版ではない。アンジュも巻き込まれるのですがそれについては理由が出てくるのに帝に関しては何も。帝の崩御の詳細がなかったのでその後のストーリーに影響と弱さが出てくる。
それからここで居てはいけない『ホノカ』が居て『エントゥア』が居ない。どんどん崩れて行きます。

そして崩御の報せを聞いた八柱将ライコウ・デコポンポがトゥスクルから撤退しヤマトの大門で足止めされずに中に入れてしまってること。
ヴライが良識人になっているのももうアウト…
ヴライが帝を病的な程崇拝していて、だからこそヴライの正義は成り立つし殲滅戦のような猟奇さも納得出来る。が、アレではヴライが…
トゥスクルから帰ってきてからの(20話)からはもう別物です。茶番も多い。正直だれる。

原作の大事な事が1つ抜けている。デコポンポとライコウがヤマトに撤退してる間に実はハク達は野営をして何者かに襲われます。そして今後のキーにもなる『塩』…。なぜこれを外した?

1番許せなかったのはヴライVSオシュトルのバトル。『民を…』と言ってたオシュトルをヤマトの街の中で戦わせる暴挙。居てはいけないウルゥルとサラァナ。オシュトル勝負の鍵を握るネコネがあまり関わらない。ネコネの兄を想う行動やその行動後の絶望、これがゲームではかなりの見せ場なのにアニメではかなりチープ。
そしてクオンの能力発動。これはもう終わったと思いました。あそこで発動させてはいけない。

これでも半分くらいなのですがこれ以上書くとまだ長くなるのでこの辺で。ネタバレは少なくしてます。


さて、3期(二人の白皇)についてなのですが…
正直難しいでしょう。1番の問題はアクアプラスの現社長(2017:7/16現在)の下川さんが『アニメ化は考えてない』とインタビューで言ってる事。
そして『二人の白皇』は外伝にしようとしたネタも全て入れたと下川さん。これをアニメ化するとなるとかなりの量になり今回の『偽りの仮面』みたいに駆け足でも入らないという現実です。
4クール以上となるとアニメ化はかなりの賭けです。1クール放送するだけでも数億円掛かるので。
『偽りの仮面』の円盤売り上げもそこまでなので3期は基本難しいと思ってます。
もうひとつ下川さんが言ってたのは、やはり『偽りの仮面』での表現の違い。アニメとゲームでは違いがあり『アニメ・偽りの仮面』の続きにするか、『二人の白皇』単独で放送に持っていくか、悩んでるそうです。
が、今のところ社長を始めアクアプラスの情報では3期は作る気はないというスタンスです。今後は分かりませんが。
海外の反応は良かったし後は円盤の売り上げやゲームの売り上げが必要ですね。そうすれば変わるかもしれません。
下川社長自身は『やりたい』みたいではあるので。(インタビュー記事より。)

後の問題は声優さんですね。

ハク役の藤原さんは2017:7月から徐々に声優業再開されてるのですが、やはり年齢もあるし無理は出来ないでしょう。
クオン役の種田さんもどこまで回復してるか分かりません。
ウルゥルとサラァナ役の佐倉さんも2017:6月だったかな?3週間くらい入院していたらしいです。理由はちょっと分かりません。
情報として有力なのは、ファンイベントで聞かされてない事をやらされて精神的に…ってのがあるようです。

個人的には3期(二人の白皇)をアニメで観たい気持ちは強くありますが、こういった問題があるので正直…かなり難しいと思います。
私は良い作品のオフラインRPGゲームは完全クリアするまでやるので(二人の白皇)もやりますが、『うたわれるもの』『うたわれるもの 偽りの仮面』とアニメでやったので3期もやってほしいと思います。
ゲームが出来ない人の為にも。


こんなに長文になるとは思いませんでした。
読んで下さった方、心から感謝を…{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

格段に綺麗になった作画を引っ下げて帰ってきてくれました・・・

この作品は、うたわれるものの2期に位置する作品です。前作との直接的な繋がりがないのでこの作品から視聴しても問題はありませんが、前作より登場するキャラがいるので、懐かしさや1期との違いを堪能されたい方は前期からの視聴をお薦めします。

この作品の放送はとても楽しみでした。前作が好きで2巡くらいは視聴していると思います。
その上ヒロインのCVが種田さん・・・と知り俄然盛り上がったのを覚えています。

1話を見て感じたのは作画が格段に綺麗になっている事です。前作が2006年の春アニメで放送されたので今から10年前・・・今前作を視聴しても作画には古さを感じませんでしたが・・・
技術の進歩か制作陣の拘りか・・・それとも両方・・・?
作画の綺麗さには舌を巻きましたが、一番ビックリしたのが物語の序盤で前作のキャラ・・・カルラとトウカが登場してくれた時です・・・キャラデザがムッチャ綺麗になっているじゃありませんか^^
ここで前作の記憶を新たにするためもう一巡する事を決め視聴しましたが・・・その気になれば2クールの視聴だってあっという間です^^
こうして自分的には万全の状態で視聴を進めたつもりです^^

物語は、記憶の無い青年が猫耳しっぽのある美少女と冬の雪山で出会うところから始まります。
その少女は名をクオン(CV:種田さん)・・・各地を一人旅をしていたところでした。
青年は自分の名前すら記憶も無ければ文字の読み書きもできない有様・・・
これでは生活もままならない、という事でクオンが親代わりになる事に^^

親代わりになったクオンが最初にしたのは・・・名を与える事でした。
ちょっと考えたクオンは「あなたの名前は・・・ハク」
この名前は「伝承にまでうたわれし御方の名」
そして見覚えのある鉄扇をクオンはハクに渡すのですが、この時点で前作とどの様に交わっていくのかが半端なく楽しみになってしまいました。

肉体労働は苦手ですが頭の回転が早く機転の効くハクは、帝都でオシュトルに認められてクオンと一緒に働くようになり・・・ここから大きく物語が動いていきます。

クオンの勧めで旅籠屋白楼閣を拠点にしたハクは、オシュトルの命によりドブさらいの毎日・・・^^;
ですが、事あるごとにハクの周りには人が増えていくんです。
ハクは普段から特別何かに打ち込んでいる訳でもなければ、周りに気を遣って手伝ったりする様な事は決してありません。
白楼閣で見かける彼は昼間はお茶を飲んでいるか・・・甘いお菓子を食べているか・・・
夜になると男だらけの大宴会に興じてみたりと、やっている事は青年・・・というよりオッサンです^^;

でも・・・だからこそ彼の周りには何の気兼ねもいらないオーラが立ち込めているのでしょう・・・
そのオーラに惹きつけられ・・・癒される・・・だからハクの周りには人が集まるのだと思います。
元々はハクとクオンの二人だけだったのに・・・ホント大所帯と言っても過言ではないと思いますよ^^

クオン(種田梨沙さん):本作のヒロインでハクの親代わりでトゥスクル出身の彼女・・・前作とも大いに関係しています。
ネコネ(水瀬いのりさん):才女ですが激動を渡り歩くことを運命付けられ・・・
ルルティエ(加隈亜衣さん):気弱ですが家庭的で料理や裁縫を得意としています。
アトゥイ(CV:原由実さん):物腰の柔らかい口調が特徴の彼女ですが、戦闘力の高さが魅力です。
ノスリ(CV:山本希望さん):とんでもない事をやらかした後、ハクがお目付け役となり一緒に居ることに・・・
オウギ(CV:櫻井孝宏さん):ノスリの弟で情報の収集や操作が得意。
ウルゥル、サラァナ(CV:佐倉綾音さん):鎖の巫と呼ばれる双子の能力者。
ヤクトワルト(CV:江口拓也さん):各地を渡り歩く剣豪。
シノノン(CV:久野美咲さん):ヤクトワルトの養女。

回を重ねるにつれハクの周りが華やかになっていったと思っていましたが、改めて見てみると女性の比率がメッチャ高いじゃないですか・・・!?
これにカルラとトウカもいるんですよね・・・カルラのその妖艶さはどこから・・・っていう位魅力的・・・
ハク・・・これは羨まし過ぎでしょう^^;

こんな平和な毎日がずっと繰り返されれば良いのに・・・
でもそんな思いは所詮フラグでしかありませんでした^^;
久々に聞いたトゥスクルの地名・・・帝都に起きた一大事・・・
でも事態はこれだけでは済みませんでした・・・

大粒の涙が・・・嗚咽が止まらない・・・
「どういう事かな・・・?」が唯一発する事のできた台詞・・・
その目に生気は宿っていますか・・・?
それでも約束を違えぬようにと全てを振り払って前を見つめるのですが、その目に映っているのは何だったんでしょう・・・
詳しくは本編でご確認下さい。
最終話・・・私は涙が止まりませんでした。

オープニングテーマは、「不安定な神様」「天かける星」
エンディングテーマは、「ユメカウツツカ」「星降る空仰ぎ見て」
全てSuaraさんが歌っています。
オープニングはどちらも格好よくて好きな曲でした。
うたわれのテーマソング=Suaraの図式が既に出来上がっていると思います^^

2クール全25話の作品でした。前作は2クールで物語に区切りがつきましたが、今回の作品は2クールでも未だ道半ばです。
少し前に3期の噂をネットで目にした事があります。
物語の展開的にも面白くなるのはむしろここから・・・という感じがします。
続編が出るという前提で見ると作画も綺麗・・・キャラデザも綺麗で見どころ満載・・・
物語の展開的には帝都の物語にトゥスクルがどう絡んでくるのか・・・あるのは期待ばかりです。
この作品をしっかり活かすためにも・・・続編の制作を宜しくお願いします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

58.5 14 怪物で魔法なアニメランキング14位
アラド:逆転の輪(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★☆☆ 2.9 (23)
83人が棚に入れました
アラド暦1013年の夜、マント姿の男が月光酒場に現れた。男の座ったカウンター席に後ろでは若い冒険者たちがかつての「魔界大戦」の話題で盛り上がっていた。光すら差さぬ魔界、姿を消した使徒、そして4人のウェポンマスターの武勇……その内容はあまりにも大げさで、男は思わず酒を吹き出した。彼らをばかにしたわけではない、男はただ昔のことを思い出しただけだった。魔界大戦の経験者ではないかの問いかけに男は伝説を語りはじめる……。

声優・キャラクター
小野友樹、内山昂輝、花守ゆみり、近藤孝行、石川由依、高橋李依、鈴木崚汰、内田秀

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

原作はMORPGの「アラド戦記」

この作品の原作は韓国発で、ジャンルは「スタイリッシュアクションRPG」なんだそうです。
今回このゲームがアニメ化されたのは2度目で、1度目は2009年の春~夏にかけて放送された「アラド戦記〜スラップアップパーティー〜」という作品があるそうです。
私は原作未プレイ、上記アニメ未視聴で本作の視聴に臨みました。


アラド暦1013年の夜、マント姿の男が月光酒場に現れた。
男の座ったカウンター席に後ろでは若い冒険者たちがかつての「魔界大戦」の話題で盛り上がっていた。
光すら差さぬ魔界、姿を消した使徒、そして4人のウェポンマスターの武勇……
その内容はあまりにも大げさで、男は思わず酒を吹き出した。
彼らをばかにしたわけではない、男はただ昔のことを思い出しただけだった。
魔界大戦の経験者ではないかの問いかけに男は伝説を語りはじめる……。


公式HPのエピソードを引用させて頂きました。

物語の中では、使徒ヒルダーが彼女の手先であるアイリスを使って様々な時間軸に干渉し、歴史を歪曲しようとする極悪人の様に取り扱われていますが、原作では昔の美しかった地球と家族を覚えている唯一人間出身の使徒で、災害の滅びからアラド大陸とくっついてしまった地球を元に戻したいという考えがあったようです。

ヒルダーの計画において障害となるのが以下の3名でした。
①真実を見抜くものミカエラ。
②秘密を知るものセリア。
③龍王バカル。

セリア以外は本作に登場したので良く覚えています。

アニメでもその様な地球を憂うシーンでもあればヒルダーの見方も変わったでしょうに…
アイリスを操り人形の様にこき使うイメージしか持てなかったのが、少し残念に思います。

それと、原作と「アラド戦記〜スラップアップパーティー〜」に登場した主人公の左腕には鬼化する呪いがかけられていたようですが、本作の主人公であるテンサイの左腕はもう少しややこしいことになっているなど、設定も微妙に変わっているようです。

この作品も正直物語は良く分かりませんでした。
あっちこっち時空を移動して、その時代の歴史を正しく修正しようとしているかと思えば、既に歴史が変わってしまった後だったり…
そもそも自分たちもしっかり歴史に干渉していたように思いますけれど…

それと、展開も少しご都合的…
例えば、とても仲睦まじい夫婦がいて一緒に研究に没頭していましたが、実は奥さんの正体は入れ替わったアイリスで、本当の奥さんはもうこの世にいない…
こんな時、旦那さんはきっとアイリスを恨むと思います。
だって自分の大切な伴侶と紡いだ時間が茶番であったことに加え、もう2度と会えないんですからアイリスは恨まれても仕方無いと思います。

ですが、この作品ではアイリスは、ただ操られていただけだから恨むなと言うんです。
旦那さんにとって操られていたかなんて関係ないのに…
旦那さんのこのツッコミに対して明確に回答しなかったのはどうかと思いましたけれど…

だから完走して振り返ってみると、ゆみりんと石川由依さんに視聴意欲が支えられていたことを痛感しました。

オープニングテーマは、新田恵海さんの「ORATIO」
エンディングテーマは、Prima Portaさんの「朝焼けアプローチ」

1クール全13話の物語でした。
きっと原作ゲームをプレイしている方は、十分楽しめるんだと思います。
原作未プレイだとちょっと展開についていくのが厳しいかな…そう思える作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

みゃー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

私にとっては懐かしのアラド戦記

ダンジョン&ファイター(日本でのタイトルがアラド
戦記)という韓国発のネットゲームが元の作品。

私このゲームめっちゃやってました!ww

初めて触れたネトゲーでしたし学友と一緒に
やっていたので学校での話題はほぼアラドw

やれアバターを揃えたいだの、スキル振りを
どーするかだの、武器の強化に失敗してお金と装備を
失っただの、話題が尽きることはありませんでしたw

現在でも韓国と中国では凄まじい人気らしく8月には
中国でモバイル版がリリースされるのですが…


なななななんと!!!事前登録者数が5500万人到達
してるみたいです!!規模がイっちゃってますねww


さて、話をアニメの方に戻しますw

10年ぐらい前にも1度アニメ化されましたが
作品自体に繋がりはありません。

ゲームをやっていた身としては物語上の伝説的な
人物達が出てきているので懐かしさも相まって
一応視聴は継続しておりますが、物語内の専門用語
などの説明がなされていないのでゲーム未経験者が
置き去りにされることはおそらく必至ですw

ゲーム未プレイの方には視聴はオススメ出来ません。

もし興味ある方はアニメ見るより
ゲームをプレイしてみてくださいw

アラド戦記楽しかったなぁ…(遠い目w)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

hohwF79881 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

原作ファンなら

アラド戦記はリリースされて全盛期になりかけぐらいからプレイしていました!なので楽しみにしていました。
登場人物やワードはだいたい把握していたので分かりましたが、初見の人がこのアニメを見たら分かりにくいだろうとは思いました。序盤からかなり使徒の名前やら地域名が出てましたからね……。
ただ、ゲームに存在するスキルを実際シランやメイメイが使っていたりして、そこは私的には良かったです。が、なぜか主人公たちが魔術や剣技の養成学校のようなものに通っていて無理矢理現代風にこじつけた感じがすごかった。アラド戦記自体昔のゲームなので、変に今風に合わせるよりは原作の雰囲気を重視して古き良きを売りにした方が良かったのではないのか。
作画はそこまで気にならなかった。細かい好みですが、線画のペンが所々掠れた感じのアナログチックなタッチで好きです。綺麗だけど、綺麗すぎない線画といいますか。
まとめると、一昔前のファンタジー系ゲームな作風(元々のゲームもそう)で、内容は原作勢でないと分かりにくく、すこし原作を改変している所もあるためゴリ押し感も否めない感じです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0
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