目覚めで先輩なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの目覚めで先輩な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月18日の時点で一番の目覚めで先輩なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.4 1 目覚めで先輩なアニメランキング1位
BEASTARS(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (190)
775人が棚に入れました
「BEASTARS」は「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載中の、板垣巴留さんによる同名コミックが原作。肉食獣と草食獣が共存し、食肉が重罪とされる世界で、ハイイロオオカミ・レゴシはドワーフウサギ・ハルと出会う。我を忘れて襲いかかり気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。「彼女を求める気持ちは、恋なのか? 食欲なのか?」――差別、愛、弱さ、希望を描く、珠玉の動物版ヒューマンドラマ作品である。「BEASTARS」第2期が、フジテレビ「+Ultra」ほかにて2021年に放送予定。

声優・キャラクター
小林親弘、千本木彩花、小野友樹、種﨑敦美、榎木淳弥、内田雄馬、大塚剛央、小林直人、下妻由幸、岡本信彦、落合福嗣、虎島貴明、渡部紗弓、室元気、井口祐一、原優子、兼政郁人、大内茜、山村響、あんどうさくら、梶裕貴、大塚明夫、星野充昭、堀内賢雄、楠大典、木村昴
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

共生を強制してみた

+ultra枠 原作未読

つい先日視聴した「プロが選ぶ!日本のアニメの歴史を変えたスゴいアニメ14」なる番組で、本作『BEASTERS』の3DCGのキャプチャ技術が紹介されてました。なんでもCGで眉や唇など表情に動きを出すのが凄いのだとか。
歴史を変えたは言い過ぎでも技術屋視点でも面白い作品なのかもしれません。

当方の見立てはよりドラマに視点を置いてます。
擬人化された肉食獣と草食獣が共存する一見平和な世界を舞台に、異種族間の共存や浮き彫りになる矛盾と対立を描いた意欲作の2期全12話。

 お友達と仲良くしましょう

我々人間ですと、成長と共に「そうは言ってもな」という現実が目の前に現れるわけでして、どうにかこうにか折り合いをつけて過ごしていくことになるのですが本作では“お友達と仲良くしましょう”がいわば強制されてる世界を描いてます。
動物だからこそ人間で問題提起するのよりも“本能”が際立つ効果があり、そのことで逆の観点と言いましょうか“理性”でどう押さえつけるかも引き立ってくる仕掛け。未読ですが原作の設定が秀逸なのだと思われます。

そんな種族間の共存と対立を描くにあたって1期では“草食と肉食の恋愛”をクローズアップ。とっつきやすい導入です。
2期ではより踏み込んで“草食と肉食各々の自我探求”にスポットが当たってきます。恋愛するでも目を塞いではいられないアイデンティティを深掘りする感じ。
{netabare}ハルちゃんとホテルでアレできなかった1期にて、“そもそもアレすることが御法度”“意図せず傷つけてしまう鋭利な爪や牙”とこれでもかと種族間の断絶が提示されてました。もともとレゴシは1期アバンでハルちゃんうっかり食おうとしてたしね。{/netabare}
そして物語を彩るお楽しみポイント↓

 食殺犯は誰?

ミステリ展開をそれほど期待してませんでしたが、それを見越してか最後の最後に犯人が分かって謎解きスッキリ!というお話にはなってません。早めに犯人が判明しちゃいます(笑)
作者が描きたいのがミステリではないと思われるので、2期の半ばでちゃっちゃとバラしちゃったのは正解。犯人が判明してからの犯人のメンタリティに着目するとわりかし楽しいです。


他の国は知らんけど日本には鳥獣戯画ってものがあります。国宝はなんでも12世紀のものだったとか。
世相を切り取って獣に語らせるアイディアは昔と変わらず。そんな日本人のDNAを最新の技術で包んだものを輸出用“+ultla枠”として世界に提示する。異文化間の争いが相互の無理解から生じるのであれば、その解消に本作品は一役買ってるといえるのかもしれません。
ただしパンチも効いてますよね。あくまで私の解釈ですがこの作品↓

 ポリティカルコレクトネス

通称ポリコレ(政治的妥当性)へのやや斜め方向からのアンチテーゼであり、ポリコレ先進国アメリカに日本から皮肉を込めてるのかどうなのかこの『BEASTERS』を提供するのはなんとも不思議な気分です。
弱者という設定を盾にして歪な権利拡大を要求し続けた結果の終着点はディストピアでしょう。
ただしポリコレ的なものを一概に悪いものとして扱ってはいません。生き物としての自然な姿と理性をもって秩序を作らんとする姿との単純な二項対立にはなってない分、ちょっぴり考えさせられる良作になっておりおススメです。




※ネタバレ所感

■食殺犯のジレンマ

{netabare}内部でしたね。動機もなかなかサイコです。
友情の証と言い聞かせながら肉食の本能に抗えなかった自覚もあることから完全サイコパスと断じるには気が引ける犯人でした。嫌っていたピナ(CV梶裕貴)に手をかけなかったのは、あくまで食殺は友情行為だという物語を信じこみたかったからかもしれません。だから根が深い。{/netabare}
全般通して答えを簡単に出せる題材ではないのです。


■どっかで見たことあるなぁ

現実でも「そら欺瞞ですわ」を想像させるネタは随所に。

・暴対法施行でイメージチェンジしたいヤクザの思惑
 ⇒{netabare}ボスに草食獣を据えるしし組の判断{/netabare}
・意識高いSNS
 ⇒{netabare}肉食と草食のワンショットをアップ{/netabare}

このくらいで。。。



最後にポリコレで締めます。
1期が2019秋クールでそれから1年ちょっと経てからの2期でした。(※注2021年4月当時)
この間何が起こったか一つ挙げてくださいといえば多くはコロナ禍と答えるでしょう。
日本では自粛警察なる言葉が踊り、ポリコレ棒ぶん回す人々を面倒くさいなと思うようになりました。
そのポリコレ先進国アメリカでは大統領選が荒れに荒れました。ポリコレ大好きな人達の「トランプ支持者は人に非ず」が罷り通ってる気持ち悪さを感じました。
逆もしかりで、ここ最近のUber Eats配達員の配達料引き下げ事案なんかは独占的地位の濫用でえげつないもんです。GAFAもけっこうフリーダムですよね。自由にやらせるにしても“神の見えざる手”でレッセフェールばかりしてると庶民が困窮するのも事実なんです。要は程度の問題。

おおむね鬱陶しいであろうポリコレの完成した世界においてそれを全面否定するのではなく妥協点を探り一定の答えを出した点を高く評価したい作品であることは先述の通り。とてもタイムリーでした。
そのなんとか良い塩梅、程度の良いところで手打ちできるかを探る嗅覚はハイイロオオカミよりも日本人は優れていると思いますよ。狙ったかどうなのかそれを引き出した本作のプロデューサーが韓国出身のキムヒョンテ氏という事実も興味深いもんです。優れた仕事には拍手を!

これほど世界は多様なのよねってのがわかる。極端はいかんのよ。



視聴時期:2021年1月~2021年3月   

------


2021.04.21 初稿
2022.01.23 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

苦しみ足掻き、それでも対話を諦めない者だけが得られる成長と変化。殆どルイと伊吹のBLじゃねぇか!。

 連載ものだけに前作では正直ドライブがかかるのに時間がかかっちゃった本作だが、今回はもうセットアップは済んだので突っ走しっててよりよりキャラが魅力的になってきている。主役の二人は当たり前で、実質主人公か!ってくらい輝いているルイ、ジュノ、獅子組の連中ですら単純な善悪や割り当てられた役ではない生きたキャラクターになっているだからこそ愛おしい。


 喰殺犯の謎解きで引っ張らないのも良かったし、犯人が判明しても、こう来るかぁ…という展開が興味深い。喰殺犯のキャラも単純な悪党じゃないからこそ愛おしく…ねぇわ!、こいつマジサイコなところが際立っていて、渋いねぇ〜、おたく実に渋いよ。決着がワクワクする段取りを踏んでるから楽しみぃ!。


 本作における草食と肉食の関係は、今回でより複雑で深いものになっている。善悪でも、被害者加害者というような単純な二項対立に貶めないこの大人っぷり!。


 今のところ一番感動したのは、本筋じゃない挿話である、誤って草食を傷つけてしまった肉食の生徒に対して被害者の生徒が言った台詞「俺は傷ついたけど、お前も傷ついたろう…」。この場面がこの作品を象徴しているように思える。世界はしょせん力で弱肉強食!、なんて薄〜いリアリストみたいなことを気取ってるルイが単なる損得野郎なクズじゃないところ辺りも本作のポイントだろう。


 まさか1期の段階ではルイと獅子組の面々がこんな関係性を築くことになるとは…。本当にキャラが一面的じゃない奥行きがある大人な仕様だからこそ描ける世界がある。正直ハルちゃんのヒロインポジションが…ってくらいの作り手の愛情を感じる。前期より全体的にパワーアップしている作品が多い今季だが、本作も間違いなく進化している。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

迷える狼

板垣巴留原作、制作オレンジ。

擬人化された肉食獣と草食獣が共存をする、
世界を舞台に、全寮制の学校へ通う、
動物たちの群像劇を描くサスペンス活劇。

前半戦で保留となっていた、
テム殺害事件の真相の追及を軸に、
種族を超えた友情や愛情を描いている。
サスペンスフルな展開の中にも、
本能に対するそれぞれの葛藤があり、
種族のあり方、社会のあり方など、
現実にも通じる倫理観が語られている。

ここまでは見やすくなった印象で、
舞台が学園内にとどまらないせいか、
少し離れた視点から社会の構造も見え、
関係者も増え、物語の骨子が、
追いやすくなっているのではないでしょうか。
絵も音楽も世界観によく合っていますね。

事件の真相、犯人とその動機、
予想以上に引きは強いなと感じています。

最終話視聴追記。
肉食獣の爪や牙は何の為にあるのか!?
{netabare}その本質は弱者を捕食するためにある。
それでも抵抗を続けるレゴシの葛藤。{/netabare}
彼が見つけた答えは尊いものだと思う。

迷える狼はこれからも迷い続ける。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

77.5 2 目覚めで先輩なアニメランキング2位
BEASTARS(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (352)
1530人が棚に入れました
肉食獣と草食獣の共存する世界。食肉が重罪とされるなか、名門校・チェリートン学園で演劇部の生徒が食い殺される“食殺事件"が起きる。犯人は見つからず、不安に揺れる生徒たち。そんな中、演劇部では死んだ生徒の代役を巡っていさかいが起きる。次期『ビースター』候補とささやかれ、演劇部のカリスマ的存在であるアカシカのルイに、逆恨みをした肉食獣の部員が襲いかかったのだ。それを庇ったのは、照明係の二年生・レゴシ。『鋭い爪』や『大きな体』など、強そうな外見とは裏腹に、心優しく無口で不器用なオスのハイイロオオカミだ。だが、当のルイはそんなレゴシを偽善的で気に食わないと言い、強引に夜間練習の見張りに任命する。夜。誰もいない講堂裏の裏庭で、ひとり見張りをしていたレゴシの前に現れたのは―――小さな白いドワーフウサギの女子生徒・ハル。その匂いを嗅いだ瞬間、レゴシの体を本能が駆け巡る。我を忘れて襲いかかり、気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。腕の中で聞こえる鼓動が自分のものか、彼女のものかもわからない。しかしこのハルと、そして自分の本能との出会いが、静かで穏やかだったレゴシの人生を大きく変えていく。彼女へのこの感情は、恋なのか? それとも食欲なのか?オスとメス、肉食獣と草食獣。それぞれの痛み、そして強さや弱さに直面しながら、悩めるレゴシの青春がいま始まった―――

声優・キャラクター
小林親弘、千本木彩花、小野友樹、種﨑敦美、榎木淳弥、内田雄馬、大塚剛央、小林直人、下妻由幸、岡本信彦、落合福嗣、虎島貴明、渡部紗弓、室元気、井口祐一、原優子、兼政郁人、大内茜、山村響、あんどうさくら、大塚明夫、星野充昭、堀内賢雄

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本能に抗え

アニメーション製作:オレンジ、
監督:松見真一、脚本:樋口七海
キャラクターデザイン:大津直、
音楽:神前暁(MONACA)、原作:板垣巴留

しょう油顔、ソース顔という
男性の顔の方向性を表現する言葉があった。
「顔」は、ある意味、その人そのものであって、
私たちは一生逃れることはできない。
自分の顔が気に入らなくて整形を繰り返す人もいるが、
結局は自分自身を覆う「何か」は、
死ぬまで付いて回る。

そして「草食系」「肉食系」という
人間の生態や性格を指す言葉もある。
これは、努力によって変えることが
できるものかもしれないが、
もしそれが動物のことなら、
遺伝子レベルのものから逃れることは不可能だろう。

BEASTARSは、動物を擬人化した物語。
登場人物は全員が動物の設定のため、
本能から逃れることはできないはずだ。
しかし、それでも自分の想いを実現させようと
抗い続け、挑戦し続ける者たちがいる。
これは、何かの業に縛られた者が、
「想い」の力によって大切なものののために
本能を飛び越えようとする
信念の物語ともいえるだろう。

物語の中心は演劇部に所属する
ハイイロオオカミのレゴシとアカシカのルイ。
彼らは、自分たちの宿命から逃れるために
想いを募らせていく。
レゴシはドワーフウサギのハルを好きになったことで、
自分の本能について深く考えるようになる。
一方、ルイは肉食、草食という動物社会における
地位の格差について変革を起こす野心を抱いている。
これは人間社会に置き換えるなら、
民族主義的な部分で将来を嘱望されている黒人と
ずば抜けた才能を持った白人によって繰り広げられる
戦いの物語という構図になるのかもしれない。
ただ、これに動物の「本能」という宿命を
付加させることで物語を興味深いものとしている。

レゴシとルイのそれぞれの葛藤を演劇によって表現した
3~4話で物語の深みに引き込まれる。
草食獣の代表として地位を掴み取ることが
悲願であるルイ。そして、オオカミの本能と
自身の平時における性格の違いに戸惑うレゴシとの
対比が実に上手く描かれている。
さらに、ほかの動物たちの思惑も絡み合い、
複雑な様相を呈しているのは、
まさに人間社会そのものだ。

学園内で起こった重罪とされる食殺事件、
動物社会で草食獣が「BEASTAR」に選ばれる意味、
肉食獣、草食獣が共存する世界における
政治家たちの思惑と現実、
レゴシの内面を覆いつくす真っ直ぐな想いと
正しい行い、そして恋心。
さまざまな要素が溶け合って、
あまり今まで味わったことのない
複雑な感情が湧き上がってくる。

人間たちの奥底にある様々な感情を
分かりやすい形で炙り出した群像劇。
続編も決定しており、まだまだ途中なので、
高評価するには早い段階だが、
起承転結のある優れたシリーズ構成によって、
挑戦的な作風を1クールでしっかり見せてくれた。
ジャズを意識した劇中曲やOP、
そして数種類用意されたEDも聴き応え十分。
これまでにない新しいアニメーションを
紡いでくれるのではと期待できる。

草食獣と肉食獣が共存する新しい地平。
それは、どこかにあるのだろうか。
(2020年3月7日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

人間の条件

板垣巴留原作、制作オレンジ。

擬人化された動物たちの物語が、
メジャー少年誌の看板になる。
その時点で物語に一定の力があるのだろう。

17歳、肉食獣のハイイロオオカミ、
身体は大きく繊細な心を持つ主人公レゴシ。
彼は肉食獣としての生き方に葛藤している。

興味深いのはよくある、
少数・多数や、勝者・敗者の関係性ではなく、
肉食と草食で対比している点だ。
この気持ちは「恋」なのか!?の後に、
それとも「食欲」なのか!?が配置されている。

当然、共存する社会の在り方や、
本能の抑制、倫理の確立が問題となる。
僕は単純に擬人化された物語は苦手である。
しかしながら擬人化した理由があるはずだ。

4話視聴追記。
人の持つ機敏な「感情表現」が、
あまりにも豊潤に表現され伝わる。
演劇内演劇の入れ子構造が様々な仕掛けを生む。
{netabare}捕食する側と捕食される側の論理。
否が応でも「他者」を考えさせられる。{/netabare}

最終話視聴追記。
レゴシに称賛を贈らねばならない。
落ち着いた声が素晴らしくキャラに馴染む。
肉食に・草食に生まれた存在意義、
その中で他者とどう分かり合えるのか。
レゴシはきっと見つけたのだ。
本能にも勝る偉大で崇高な感情を。

ここからが勝負どころである。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

いろいろと生々しいのよ

原作未読


原作者の方。『バキ』を描いてる漫画家の娘さんらしいですね。すげー!
どうやら“動物の本能”を突き詰めたい血筋は変わらないようです。

“本能”を突き詰めすぎてもはやギャグ。荒唐無稽さを楽しむ良質なエンタメ作品を輩出している父。

対して本作『BEASTERS』では

“本能”を突き詰めたついでに社会の矛盾も浮かび上がらせる深みとコクを醸し出す娘。

サムネから想像するに、見た目重視。ケモナー優先。各動物の特性をなぞるかのようなキャラ設定。鳥獣戯画に毛の生えた擬人化ものを想像してました。とりあえず二足歩行させてやることは人間と一緒!みたいなやつです。

全然違いました。もちろん良い意味で、です。
草食動物と肉食動物を擬人化させて、彼らの特性を残しつつもそこに共存している世界を描いた作品。
食物連鎖をガン無視した統治機構を作り、そのための教育を施して理性キープしてますよという表部分と、蓋をしていても肉をどうしても食べたいという本能が見え隠れする裏の部分。その間で揺れ動くハイイロオオカミのレゴシ(CV小林親弘)が主人公です。揺れ動くのはレゴシだけでなく、肉食も草食も関係なく登場キャラたち軒並み葛藤している模様。そもそも本能に蓋をした社会は不健全であり、一見平和な世界そのものが揺れ動いている。そんな不穏さを孕みながら物語は進行します。これが大枠の背景。

そんなシビアな背景を原動力として、肉食動物の中でもそこそこ強い部類らしいハイイロオオカミとは対極の最弱の草食動物ドワーフ種ウサギのハル(CV千本木彩花)との恋物語がメインのストーリーです。一応この世界の恋のルールだったりその他常識については本編でお確かめ下さいね。
とりあえず二足歩行させてみた的な浅さとは程遠いと感じた次第です。


動物もの!?は無条件でパクッと喰いつく層以外でない、むしろ逆で安易な擬人化ものに辟易しているかもしれないあなた! …いいですよこれ。
やりとりされる会話の生々しさは2019年秋期もので断トツです。リアル世界に近いものがあります。そして、肉食と草食の両動物のフィルターを通した独自の世界観は新鮮に映ります。もの凄くファンタジーな世界で繰り広げられる生々しいやりとりと心の機微のリアルさ加減で充分楽しめるかと思います。

本能と理性という二項の対立/葛藤/調整なんて定番のネタでもあったりするので、いい感じでリアル世界の暗喩的なあれやこれやも感じる良作。
言い忘れてましたが、OPは音とアニメーション両方ともこのクールベストかも。ジャズファンク調リズムに乗った手のかかってそうなパペットアニメの組み合わせが素敵な一曲。
これは良いです(小並感) 2期決定したようなので今から楽しみですね。



※ネタバレ所感

■本能を無視すりゃ破綻しますよ

ナチュラリストを無条件で礼賛するほど極論には振れませんが、“自然”の対義語は“不自然”であるという常識(笑) 
この歪んだ世界は変わらずにいられるのでしょうか?

{netabare}レゴシと同族のジュノは「(対肉食への差別が)中学はそんなにひどくなかった」と高校に上がって社会の抱える歪みのひとつに直面。さらに別のシーンでは高校を卒業すれば闇市にも自由に行けることも。
人間と一緒。「お友達みんなと仲良くしましょう」の幼稚園時代から始まって徐々にやっかいな現実に触れていき、社会に出る頃には幼少期のそれは幻想と知る。段階を経て現実を知っていくのです。
ところがどっこい、BEASTERSの世界では幼稚園時代の理想がまかり通る世界。ライオン市長もいろいろ無理して“ライオンは怖くない”イメージ形成に成功したようですが、シシ組との棲み分け等々…蓋をしないとどうにもならないものを抱えざるを得ません。
“みんなと仲良くしましょう”という理想の実現のため歪みが肥大化しきって爆発しそうなのです。{/netabare}

{netabare}「メスは争いが嫌いです。(ジュノ)」に返す刀で「君ほど強欲なメスは違うだろ。(レン)」
矛盾を孕んだ世界を喝破する表現は随所にあるわけでした。{/netabare}



■ロミジュリを凌駕するほど二人を隔てる壁が

{netabare}「捕食者の本能があれば被食者の本能もある」{/netabare}
{netabare}「然るべき関係は体が一番知っている」{/netabare}

最終回で流れたテロップが示唆するところは?

{netabare}肉食草食同士、仲良くやろうという社会の中で、肉食草食同士の交合はご法度という世界観。
前者ですら危うい綱渡りをしているのに、さらにハードルが上がりもはや禁忌の世界。これを打ち破る可能性を秘めてるのがレゴシとハルの関係性ですわな。{/netabare}

どう畳むんでしょう。楽しみでしかありません。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

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2020.01.23 初稿
2020.07.16 修正
2022.01.23 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51

62.2 3 目覚めで先輩なアニメランキング3位
愛天使伝説ウェディングピーチ(TVアニメ動画)

1995年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (29)
191人が棚に入れました
主人公の花咲ももこは、聖花園学園中等部に通うお調子者で少々天然ボケな性格の自称「恋する乙女」。ある日、新聞部に在籍する珠野ひなぎくと谷間ゆりの2人と共に部活動の一環としてサッカー部の試合取材を行った帰りに、プリュイと名乗る怪しい男に襲われ母の形見の指輪を奪われそうになる。その窮地を救ったのが天空より現れた天使リモーネだった。リモーネはももこに聖手鏡(セント・ミロワール)ミラーコンパクトを渡し、聖手鏡でももこは伝説の愛天使・ウェディングピーチに変身することでプリュイを撃退する。ももこの指輪は天使の世界・天使界を支える聖なるアイテム「セント・サムシングフォー」の一つで悪魔が狙いをつけたのだった。以後、ももこは世界の愛とそれを支えるサムシングフォーを守り、探し出すためにウェディング・ピーチとして戦う事になる。

声優・キャラクター
氷上恭子、宮村優子、ゆかな、今井由香、三木眞一郎、うえだゆうじ、松本美和
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「貴方に愛のウェーブを捧げます・・・」 出藍の誉れ高い'90s「隠れた名作①」

◆ポスト・セラムン世代の“天使”ネーミングを冠したロマンティック感動作
 ⇒ 《敵を粉砕》するのではなく、《癒し浄化する》ヒロインの創造(その1)

テレビ朝日系列で製作・放送されていた特大級ヒット作「セーラームーン」シリーズの第3期『美少女戦士セーラームーン S』の放送が終了し、同シリーズの人気がピークアウトした1995年2月以降に、この「セーラームーン」シリーズから強い影響を受けつつも、それぞれ独自の設定と見どころを備えた2本の印象的な「変身(魔法)少女戦士」アニメが、テレビ東京系列で製作・放送されています。
(※“戦士”イメージが強調されていた「セーラームーン」に対して、こちらは共に、そのタイトルからも内容からも“天使”イメージが強調されています)

その1本が、本作『愛天使伝説ウェディングピーチ』(1995年4月-1996年3月放送、シナリオ原案=富田祐弘、監督=湯山邦彦、アニメーション制作=ケイエスエス)であり、
もう1本が、『ナースエンジェルりりかSOS』(1995年7月-1996年3月放送、シナリオ原案=秋元康、監督=大地丙太郎、アニメーション制作=スタジオぎゃろっぷ)です。

このうち、
(1) 『ウェディングピーチ』の方は、「セーラームーン」シリーズと同様の「美少女“戦隊”」もの(※つまり美少女戦士が3-5人程度登場し戦隊を組んで敵と対峙する作品)であり、イメージ的には、その後登場する「プリキュア」シリーズに近いものであるのに対して、
(2) 『りりかSOS』の方は、「ソロ(単独)の少女戦士」が、少女以外の仲間(男性キャラやマスコット)のサポートを受けつつも、基本的には一人で敵と対峙する、という初期の『魔法少女リリカルなのは』や『魔法少女まどか☆マギカ』にイメージ的に近い作品となっています(※この両作は、それぞれ魔法少女が複数登場しますが、彼女らは協力関係にあるわけでなく、主人公は単独でシリアスな状況への判断と行動を強いられます)。

また、この両作品(『ウェディングピーチ』と『りりかSOS』)のそれぞれのヒロインは、それまでの「セーラームーン」シリーズで顕著だった「{netabare}邪悪な敵を粉砕する{/netabare}」存在ではなくて、「{netabare}敵(ないし、少なくとも敵の一部)の魂を癒し浄化する{/netabare}」存在として創造されており、その発想が今度は逆に「セーラームーン」に影響を与えて(※『美少女戦士セーラームーン』の原作者・武内直子氏は『ウェデングピーチ』の大ファンだったそうです)、同シリーズの最終作『セーラースターズ』(第5期、 1996年3月-1997年2月放送)ではヒロイン(月野うさぎ)が敵ボスたちを{netabare}浄化{/netabare}する存在に変化を遂げています(※{netabare}ネヘレニア及びセーラーギャラクシアの魂を浄化{/netabare})。

そして、この「{netabare}敵の魂を癒し浄化する{/netabare}」ヒロインという発想は、私の視聴した範囲だけでも、かの『魔法少女まどか☆マギカ』、『レディジュエルペット』、『スマイルプリキュア』、『ハートキャッチプリキュア』といった、2010年以降に制作された「変身(魔法)少女&戦士」アニメの人気作・有名作にもハッキリと踏襲されていて、このジャンルでのヒロインの“お約束”に昇華された感があります。

※なお、レビュー・タイトルに掲げた「貴方に愛のウェーブを捧げます・・・」は、本作の次回予告の決めゼリフです。
※また、同じくレビュー・タイトルにある「出藍(しゅつらん)の誉(ほま)れ」とは、【青は藍(あい)より出でて藍より青し】という有名な諺(ことわざ)を更に短縮した慣用句で、「青は藍を原料としながら藍より青いの意」つまり「弟子がその師よりも優れていること」を例える表現であり、本作がその模範となった先行作品「セーラムーン」よりもアニメの内容としては優れていることを言い表したものです。


◆『セーラームーン』(1-3期)を手掛けた富田祐弘氏のオリジナル企画であり完成度は同作よりもずっと高い

本作のシナリオ原案&シリーズ構成を担当した富田祐弘氏は、本作が放送される直前まで、『美少女戦士セーラームーン』第1-3期(無印・R・S)のシリーズ構成を一括して担当しており、そこで培われた経験が本作にダイレクトに反映されています。

いわば本作は、富田祐弘版“美少女戦士セーラームーン”なのですが、本家の方は全5期200話にも及ぶ長々編作品で、放送当時は確かに特大級のヒット作ではあっても、とくに最初の第1-2期の方は制作時期が古い(1992-94年)ために、その作画や演出のレベルが現在の私たちの目から見ていかにも古く稚拙であり、またシナリオ自体も原作からの水増しによる冗長さが現在の目から見てなかなか耐え難いレベルに達している(※原作に忠実なリメイク版『セーラームーンCrystal』と見比べるとその差がはっきりと分かります)のに対して、本家から数年後に制作された当作の方は、現在の目から見ても作画・演出とも十分に良好です。
(※とくにメインの3少女の表情の豊かさといじらしさの描出は今見ても特筆すべきレベルと思います)

そして、肝心のシナリオの方も、最初の数話(※{netabare}3人の少女戦士が誕生するまでの展開部分{/netabare})で多少視聴にもたついて、「もう打ち切りにしようか?」と思ってしまった以外は、中盤まで安定してまずまず見れる話が続き、さらに、これは特に本作の放送当時も評判になったことらしいのですが、どちらかというと緩慢なシナリオで、あくまで『セーラームーン』の亜流作品と見なされていた前半の後、OP/EDが切り替わる第28話以降の展開が、シリアス込みで想定外の盛り上がりを最終話まで途切れることなく連続的に見せており、本作のヒロインたちの特徴的な変身スタイル(※{netabare}優雅なウェディングスタイルから機動的なファイティングスタイルへ二段階変身します{/netabare})ともども、本作自体も見事な「二段階変身」を遂げた作品と個人的に評価したい気持ちになりました。
(※つまり本作は、後半から格段に面白くなる典型的なスロー・スターター作品なので、序盤の展開の緩慢さに失望して切ってしまったら、かなり残念なことになります)

さらに本作の場合、これもまた特筆すべきことですが、前期OP/ED、後期OP/EDの計4本全部が、「ウェディングドレスを纏った美少女戦士(ないし天使)」という本作の制作モチーフを反映して、それぞれ他作品では余り経験できないレベルの表現のストレートさと、明るさと不安定さの織り交じったノリの良さを醸し出しており、それが4クール51話の長丁場の視聴を私が飽きずに続けられた一つの大きな理由にもなりました。

以上から、本作の個人的評価を、どうしても作画・演出の粗さや全体シナリオの冗長さ・大味さ・散漫さが目立つ『セーラームーン』(※未レビューですが、シリーズ全体の個人評価を ☆ 3.7~3.8 程度とする予定です)よりずっと高い ★ 4.2 とします。
因みにこれは、「プリキュア」シリーズの中で本サイトで一番評判が良く、私の評価も高い『ハートキャッチプリキュア』の個人的評価 ★ 4.1 よりも更に一ランク高い評価です。
※実際「プリキュア」シリーズは、「セーラームーン」シリーズ以上に本作の作風に影響を受けている感があり、なおかつ内容のトータルな面白さでは本作に今なお敵(かな)わない気がします。

※ここで同系列の作品を少しまとめておきます。


◆「変身(魔法)少女」&「戦士」もの作品の簡易な流れ《※個人的な印象です》

『美少女戦士セーラームーン』(1992-97)の特大級ヒットを起点として以下の二系統に分岐していく。

(1) どちらかというと“女の子目線”で、親友たちが協力して事態に対処していく“戦隊”色が強い作品群

→ 『愛天使伝説ウェディングピーチ』(1995) 個人評価 ★ 4.2
→ 『東京ミュウミュウ』(2002) 個人評価 ★ 4.0
→ 『プリキュア』シリーズ(2004~現在) 個人評価 ※最高で『ハトプリ』の★ 4.1

(2) どちらかというと“男の子目線”で、たとえ複数の変身少女が登場するとしても、メインヒロインの“ソロ戦士”色が強い作品群

→ 『ナースエンジェルりりかSOS』(1995) 個人評価 ★ 4.2
→ 『魔法少女リリカルなのは』(2004) 個人評価 ★ 4.1
→ 『魔法少女まどか☆マギカ』(2011) 個人評価 ★ 5.0
→ 『結城友奈は勇者である』(2014) 個人評価 ★ 4.7

※『東京ミュウミュウ』は「セーラームーン」の影響を受けた“戦隊もの”ではあるが、戦闘シーンに余り力が入っておらず、むしろラブコメ色が強く、「戦隊もののフォーマットを借りたラブコメ」と表現したほうが適切かも知れない。
※現在新章が放送中の『カードキャプターさくら』は、表面的には“ソロ戦士もの”のスタイルを採っているものの、邪悪な敵と戦っているわけでは一切なく、明らかにラブコメ作品と言っていいと思うので、この流れからは除外しました。


◆視聴メモ
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・1995年制作・放送ということで、まだ家庭の電話or公衆電話で連絡している点が逆にレトロで良い感じ。
・メインの仲良し三人娘(ももこ/ひなぎく/ゆり)が、それぞれ『魔法少女まどか☆マギカ』のまどか/さやか/仁美にちょっと似ている感じで、とくに美形・長髪のおしとやかキャラ「ゆり」(エンジェル・リリー)は、もし仁美が魔法少女になったら多分こんな感じかも?と想像させるものがありました(※両作の影響関係は特になく、単に典型的な3タイプの少女像として類似しているだけだと思いますが)。
・なお、遅れて登場するスカーレット(エンジェル・サルビア)は、佐倉京子にちょっと似た立ち位置にある(マミさん・ほむらに相当するキャラは登場しない)。
・三人娘それぞれのパートナーとなる三人の男子(ようすけ/たくろう/柳葉先輩)もそれぞれ明確な個性があって割と好印象。
・敵ラスボス(レインデビラ)が最終決戦で愛天使たちを圧倒しつつも、最後は魂が浄化されて人間界から去っていく展開は、少し前に終了した『マクロス7』((1994年10月-1995年9月放送)の敵(プロトデビルン)が主人公バサラの歌の影響で覚醒して銀河を立ち去っていく展開と類似しており、その点で本作は同作から一定の影響を受けているのかも知れません。
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◆制作情報
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原作マンガ       富田祐弘(原案)、谷沢直(作画)(『ちゃお』1994年3月-1996年4月連載)
監督           湯山邦彦
シリーズ構成      富田祐弘
脚本           富田祐弘、寺田憲史、園田英樹、大橋志吉
キャラクターデザイン 只野和子
音楽           長谷川智樹、神津裕之
アニメーション制作  ケイエスエス{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

======== 愛天使伝説ウェディングピーチ (1995年4月-1996年3月) =======

 - - - - - OP 「夢見る愛天使」、ED「21世紀のジュリエット」 - - - - -
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第1話 祝!愛天使誕生 ☆ 花咲ももこ(聖花園学園中等部1年)ウェディングピーチになる
第2話 あっぱれ!お色直し ☆ ファイターエンジェル変身
第3話 ねらわれた花嫁 ☆ サッカー部OB結婚披露宴の騒動
第4話 エンジェルリリィ誕生 ☆ 谷間ゆりエンジェルリリィになる
第5話 3人目の愛天使 ☆ 珠野ひなぎくエンジェルデイジーになる
第6話 じゃ魔ピーの逆襲 ★ 風摩ようすけへのラブレター(同級生しずか) ※意外な展開は○
第7話 食べすぎにご用心 ★ ※ここから敵の心を浄化する展開に変化
第8話 パジャ魔と眠り姫 ★ ももこ大ピンチ、じゃ魔ピーお手柄
第9話 奪われたサムシングフォー ★ 天使界のSaint Somthing Four(聖なる4つの何か)の伝承
第10話 お見事!友情お色直し ☆ 愛天使三人娘の友情、天使界の危機・悪魔族の狙い 
第11話 時をかけるひなぎく ☆ 聖花園学園創立記念日の騒動
第12話 美人悪魔の恋占い ☆ 水魔アクエルダ登場
第13話 勝負!悪魔のPK戦 ☆ プロサッカー試合観戦、梶選手のサッカー指導
第14話 奪われた愛の指輪 ★ ママの形見の指輪、ママ(さくら)の行方、アクエルダ消滅
第15話 潜入!悪魔の森 ★ ももことようすけの進展、幻術使いノクチューン、ようすけ救出作戦
第16話 悪魔族の誇り ★★ 続き、一時的身バレ、消滅の渦(風魔ガスト族プリュイ消滅)、指輪取り戻し ※脚本の甘さはあるが少女アニメらしい展開は○
第17話 聖花園学園の秘密 ☆ 火魔ピュール族サンドラの部下三人衆来襲・撃退、光の雨の謎
第18話 愛天使、夏休みも戦うわ! ★ ラジオ恋愛相談、ようすけの鈴、聖水晶(Saint Somthing Old)出現、ノイーズ浄化
第19話 真夏の夜の神秘 ☆ 肝試し大会、聖なるイアリング(Saint Something Blue)出現、プリッツ浄化
第20話 海辺のペンダント ★ 新聞部夏合宿、ひなぎくが借りたペンダント(Saint Something Borrow)、クラウド浄化
第21話 ピアノよ響け星空に ☆ ゆりの幼馴染(ひとみ)の立ち直り、ドンナ浄化
第22話 ねらわれたじゃ魔ピー ☆ ひなぎく&柳葉先輩の極秘デート、サンドラ浄化 
第23話 初キスが奪われる! ☆ ひなぎくの幼馴染の秀才(天野たくろう)に憑り付く火魔ピュール族イグルス、使い魔ランポ浄化
第24話 ドキドキ学園祭 ☆ たくろうとイグルスの契約、使い魔ブラッキー浄化
第25話 悪魔のキスは甘くない ★ 卑劣なキス魔タラシー、たくろう&ももこの楽しくないデート、タラシー浄化
第26話 いつわりの結婚式 ★ イグルスの姦策・ももこの逡巡、聖なるティアラ(Saint Something New)出現、使い魔リュック浄化
第27話 ウソ!柳葉さまに恋人? ☆ ゆりの先輩保母さん(保育園お手伝い)、使い魔ウキマ浄化{/netabare}

 - - - - OP「Wedding Wars〜愛は炎〜」、ED「ヴァージンラブ」 - - - -
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第28話 恋する少女は最強よ! ★ 同級生秋子&サッカー部田島の恋の取り持ち、ももこ身バレ(たくろう)、使い魔ウルフェン浄化
第29話 ハロウィンな魔女 ★ 水魔アクア族ポタマス登場、たくろう女装回
第30話 グッバイ悪魔さま ★ 冷酷・卑劣・非道が悪魔族の誇り(イグニス消滅)、使い魔ポンプ浄化、たくろう改心
第31話 乱入!恋のライバル ☆ 川浪ひろみ転入・サッカー部マネージャー着任、使い魔シモシモ浄化
第32話 マフラーに愛を込めて ★ 想いの篭った編み物、使い魔フスマ浄化
第33話 戦場に咲いた恋 ★ ポタモスの悪魔のフォース(力)、リリィとリモーネの前世の記憶回復、柳葉先輩の真実 ※物語の転回ポイント?
第34話 恋のあやつり人形 ☆ 使い魔リオマ浄化
第35話 四人目の愛天使 ★ サッカー部合宿旅行(新聞部も便乗)、天界の戦士エンジェル・サルビア登場、使い魔タマタマ浄化
第36話 一人ぼっちの愛天使 ★ サルビア(スカーレット小原)と2人の考えの違い、隠密悪魔ブラニー浄化
第37話 サルビアの涙 ★ サルビアの記憶、3人との協力、使い魔ユキダルマ浄化
第38話 お別れの熱いキス ★ ようすけの好きな人、ひろみ身バレ、ポタマス抹殺命令、ポタマス改心
第39話 先生は悪魔? ☆ ファルゼン族ペトラー(岩本先生)登場、冬休み中止騒動、使い魔ハンマ浄化
第40話 愛が吸われちゃう! ★ 男女交際禁止騒動、使い魔ソージキ浄化、リモーヌ身バレ
第41話 恋愛ごっこ大スキー ★ 雪山スキー回、ようすけの異変、たくろう活躍、使い魔雪之丞変化魔浄化
第42話 ゆりのく・ち・び・る ★ ペトラー完全復活、公園トリプルデート、ももこ身バレ、リモーネ&ペトラー消滅?
第43話 レインデビラの真実 ★ 記憶のない柳葉先輩、カチューシャ登場、悪魔最強の戦士ヴィエント覚醒
第44話 じゃ魔ピーの初恋 ★ ももこ初キス・告白、じゃ魔ッチョ&じゃ魔ポン浄化
第45話 帰ってきたママ ★★ 女王の妹セレーソ登場、ママと過ごす休日、ようすけ身バレ ※リモーネの設定矛盾は×
第46話 私の恋人は悪魔 ★ ももこの困惑・決意、カチューシャ浄化、ローカル新聞大賞
第47話 よみがえれ、愛の記憶 ★ ヴィエントの聖Somthing Four奪取作戦、ようすけの気付き
第48話 愛すれどせつなく ★ ようすけの苦悩と出生の秘密、レインデビラ直属戦士ジュラ浄化
第49話 2人だけの夜 ★ 直属3戦士来襲、ウラガーノ(ようすけの父)の幻出現、悪魔族の真の敵、3戦士浄化
第50話 離れない心 ★ ようすけの決意、ももこ苦悩、レインデビラ&妖魔来襲、リモーネ復活、妖魔浄化、種族を超える愛 
第51話 ラスト・ウェディング ★ ももこ&ようすけ結婚式、最終決戦、嫉妬の女王浄化{/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)30、☆(並回)19、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.2


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◆(参考)後日譚にあたるOVA

本作後半の人気ぶりを受けて、放送終了後しばらくして、以下の4話のOVAが制作されています。
※ももこ達は中学2年(スカーレットのみ中学3年)に進級
※原案・シリーズ構成・脚本は、すべて湯浅邦彦監督が担当

======== ウェディングピーチDX (1996年11月-1997年3月) =======
{netabare}
第1話 愛天使復活! 〜海に行っても戦うわ〜 ☆ 夏休み海辺旅行、記憶の封印と回復、不平悪魔の浄化
第2話 サルビアの恋 〜豪華客船でも戦うわ〜  ☆ 堕天使オアシス(バトラー)、純天使サルビアの悲恋
第3話 再会 〜クリスマスでも戦うわ〜 ☆ ひなぎく&たくろう回、ポタモス再登場、黄金仮面浄化
第4話 偽りの愛天使 〜バレンタインでも戦うわ〜 ☆ 三人娘のネコとの入れ替わり回{/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.6

OP 「Merry Angel」
ED 「Sweet little love」

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

隠れた名作…?

少女マンガが原作として扱われる作品。

なぜこんな持って回った言い方かというと、『ちゃお』で連載されていたマンガも原作(富田祐弘)と作画(谷沢直)が分かれていて、この企画そのものがアニメ制作前提のものだったからです。

作画、評価3にしてますけど当時としては劇的に良い方ですよ…?

作中で「魔法」という言葉は一度も使われていませんが、主人公のももこを含めた少女が各自のアイテムを使って変身する、マスコットキャラに相当する「じゃ魔ピー」が出てくるなど、作品ジャンル的には広い意味での「魔法少女もの」と言えます。

ただ、戦っているのは「天使界」と「悪魔界」であり厳密には人間界において天使側の戦士として戦う「愛天使」はいわゆる「魔法少女」ではありませんね。

「ウェディング」に由来して、作中の強化アイテムはセント・サムシング・フォーと呼ばれる "something four" にちなんだものになっています。

変身時の必殺技があるのは当然として、当時珍しかったような気がする「二段変身」や今や定番となりつつある「追加戦士」的なメンバー、作中でのアイテム発見によるパワーアップなど、こういった作品で今や常識となっているような基本設定は概ね押さえられています。

このあたりは原作者の、セーラームーンでの経験も活きているかも。

主人公たちは敵を滅殺でなく浄化しようとしますが、容赦なく滅殺しようとする原理主義的な考えを持つ存在の登場など、お話もそこそこ面白いです。

とはいえ主人公たちも設定年齢である中学生らしさも失っておらず、またラブコメ的な要素もある意外とバランスの取れた良作だと思います。

ラブコメという観点では主人公のももこに対するようすけの存在も含めて各メンバーに「気になる男の子」的な相手が設定されていて、そこら辺は「女の子向け」を貫き通しております…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

いりあん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

その発想は無かった。

子供の頃、大好きだったアニメ。原作より絵もストーリーも100倍良くなってます。魔法少女×ウェディングドレスっていう発想は無かったですwまだ結婚に憧れたりはしないけど、戦闘服がどの魔法少女物よりかわいいと思います!!!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3
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