群像劇でSFなおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの群像劇でSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月18日の時点で一番の群像劇でSFなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

84.8 1 群像劇でSFなアニメランキング1位
ダーリン・イン・ザ・フランキス(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1072)
4670人が棚に入れました
遠い未来。人類が荒廃した地上で生き抜くために作り上げた巨大移動要塞都市では、名前のないコドモたちが戦うことだけを教え込まれながら、毎日を過ごしていた。コドモたちの1人であるヒロは、角が生えた謎の少女ゼロツーとの出会いを機に彼女のパートナーとなり、命を懸けた戦いに身を投じることとなる。

声優・キャラクター
上村祐翔、戸松遥、梅原裕一郎、市ノ瀬加那、田村睦心、山下七海、後藤ヒロキ、早見沙織、市川蒼、石上静香、小西克幸、井上麻里奈、堀内賢雄
ネタバレ

oxPGx85958 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

なぜこんなひどいものが作られるのか私にはわかりません

序盤では、主人公の少年たちが生きている世界の描写にある矛盾点や不思議な要素が目に付き、それが制作側の不備なのか、後に解決される伏線なのか気になってしょうがなかったのですが、中盤から終盤に向けての雑な展開に、そういうのはどうでもよくなってしまいました。登場人物たちの人間関係のダイナミズムにおいても、SF的な世界構築の面においても、ちゃんと考えてない粗雑な脚本だった、で済む話と納得しました。

それでも、本作の物語の根幹にある、この「こども」たちの性の物語について1つ言わせてもらえば、{netabare}第1話から普通の萌えアニメと同じような性的テンションが満ちあふれているのに、「キスって何のこと?」みたいなセリフを言わせるだけで、性を知らない思春期前のこども、みたいなこと言われても困ってしまいます。百歩譲って、彼らがたとえばお風呂で平然と混浴している、みたいな描写が積み重ねられていれば、ゼロツーとヒロを発端とする気づきや目覚めに説得力が生まれたかもしれない。{/netabare}

これに関連して、このグループが異例なものであることを示すために、「正常」なグループがどんなものなのかという描写があるとよかった。でも、そこの線引きについて本作の製作陣は深く考えていなかったんじゃないかとも思います。

もう1つ、終盤の展開に関わる要素として、{netabare}ココロが妊娠したことに対する本人および周囲の反応が、現代日本社会におけるステレオティピカルな反応で、彼らが育てられてきた環境から想像できるものと違う。彼らが妊娠・出産を異常なものとして捉えるとしたら、人間は動物のような生殖はしない、と教えられてきたため、ぐらいでしょう。それでもあそこまでタブー的な扱いにはならないはず。ゾロメなんか「すげぇー! 俺たちにもこどもが作れるんだ!」と喜びそうでしょう? 自分たちで畑で野菜を育てようとするぐらいだし。{/netabare}

このように、人間関係に関わる大きな物語の根幹にある「性」についての世界構築の穴が大きすぎるため、これに関連する要素はまったく説得力を持てていない、と感じました。いまブームのLGBT的な価値観に真っ向からケンカを売ってるような設定なのに、ロクに理論武装していない点も含めて、発達心理学とかジェンダー学とかの面でのリサーチ、教養、思索が不足していると感じます。その界隈に目を配った感じの{netabare}ゲイのキャラクター{/netabare}の扱いは結局ひどくて、かえって藪蛇になっていると言わざるをえない。

もう1つのSF的な要素については、ツッコミどころが多すぎてお話にならない。設定の穴そのものよりも、次から次へと繰り出される脈絡のない新要素について、その解説役がどんどん出てきてセリフで説明するというご都合主義の方がきつかった。

とりあえずは何千万年もの昔からの存在を、同じく何千万年もの昔からの存在がアルファベット表記の名前で呼ぶというのはやめた方がいい。『正解するカド』で、何百億年かそれ以上のオーダーの存在が、現代日本の50音カタカナと1対1に対応する文字体系を使っていたのを思い出しました。

なんでこんなひどいものが出てくるのか、アニメに関する知識が浅い私にはよくわからないので、いろいろ読んで勉強中です。ネット上のレビューには、これを古いアニメ界の残滓であるとする見方や、特定の制作会社あるいはスタッフの問題だとする見方などがあるようですが、どうなんでしょうか。

なお、アニメ作品としての他の要素に、物語上の欠点を補うだけのパワーは感じられませんでした。ゼロツー役の戸松遥は、ヒロインとしての存在感を備えた個性ある声を出していて良かったのですが、いかんせん与えられるセリフがダサいとどうしようもない。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 22
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

比翼の鳥

TRIGGER×A-1Pictures制作。

荒廃した地上で人類は移動式の要塞都市を築き、
襲い来る叫竜と呼ばれる巨大生命体との戦闘が続く。
戦闘を義務付けられた記号的な子供たちは、
男女が対となり命を懸けて戦いに身を投じている。

初回はロボットアニメの王道で、
{netabare}ボーイミーツガールからの搭乗、戦闘、勝利と、
基本に忠実な展開と演出で序盤は良好です。{/netabare}
ヱヴァにトップと既視感もありますが、
それよりも少々残念だと感じたのは、
フランクス(戦闘機体)に黒目(瞳)を入れたこと。
これで中途半端に機体に命が宿ってしまった。

13話視聴追記。
後半戦に繋がる非常に重要な回でしょう。
{netabare}子供たちだけが暮らす閉じた世界、
美しいものは絶えず外の世界にあり、
知りたいことだけが増える檻の中の日々。
ゼロツーの壮絶な過去…、{/netabare}
願わくば、世界を粉々にしてほしい。

最終話視聴追記。
後半、好みの展開もあるのですが、
{netabare}全体を通して心を動かされることは少なく、
今の時代はもう、指標に成り得る、
ロボットアニメは存在しえないのでしょうか!?
なんて、色んなことを考えていました。{/netabare}

主題歌は好印象で、今でも聴きます。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 90
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

男と女

環境汚染が進み、土地が荒廃した終末的な世界。
人類は万能なマグマ燃料に頼り、地上移動要塞都市の
プランテーションと呼ばれる街で暮らしていた。
しかし、突然、巨大生命体である叫竜が
現れるようになり、コドモの男女1組で起動できる
フランクスというロボットで対抗していた。
主人公のヒロは、ある日、鬼の女の子のゼロツーと出会い、
一緒にフランクスに乗って叫竜と戦うことになる。

アニメーション製作:TRIGGER・A-1 Pictures、
監督:錦織敦史、シリーズ構成:錦織敦史、林直孝、
キャラクターデザイン:田中将賀

個人的には、視聴中に評価が乱高下する作品だった。
回によっては感動的な話もあったし、
雑といえる設定や人間関係にうんざりすることもあった。

そもそも始まりから「オマージュ」というよりは
「コラージュ」と言ってしまえるほど
過去作を引用した設定のオンパレード。
世界観からロボットのデザイン、呼び名に至るまで
徹底的に引っ張り出している。

ロボットの造形は、「STAR DRIVER」にそっくりで、
物語の世界観はエヴァに似通っている。
「ダーリン」と「鬼」というのは、うる星やつらだし、
各キャラの関係性は、これまでの岡田磨里作品と酷似している。
新海誠を彷彿とさせるところもある。
なんとなく観ていると、そういう既視感や共通項ばかりが
目についてしまう。

ただ、ヒロとゼロツー、ミツルとココロに視点を置けば、
分かりやすく収斂していくようなストーリーになっている。
SF要素や背景、群像劇についても、
全て、この2組のカップルを補うための
要素でしかない気がする。

{netabare} ヒロとゼロツーの関係性が明らかになった13話から
物語は心象風景の世界へとシフトしていく。
「まものと王子様」という絵本をイメージさせながら、
ふたりの心の交流が中心になっていくのだ。

ここからは上手く物語が紡がれていき、
ひとつの方向性で落ち着いたように感じた。
作中絵本の展開も『MONSTER』などで
使い古された感はあるものの
デザインや物語がしっかり作り込まれていて、
一定の世界観を構築している。
ヒロとゼロツーのつながりが強固になっていくさまを
絵本の物語を通じて感じられるとても良い演出だった。

そして、ミツルとココロによって、
この世界でタブーとされていた
生殖が描かれたのも大きなテーマのひとつ。
男と女が存在し、その繋がりが
未来に向けた力になっていく。
現在の日本に対するメッセージでもある。
安っぽいと感じる人もいるだろうが、
私はこの2組のカップルを話の中心に据えたのは、
良かったのではないかと思っている。
物語の序盤から中国の伝説上の生物である
「比翼の鳥」によって、男女のつながりを
繰り返しイメージさせた。
男女の関係性を描く部分は、とても力が入っていて、
話に引き込まれることが多かった。

叫竜との戦いからVIRMとの争いに移行して、
スターエンティティが、ストレリチア・アパス、
ストレリチア・真・アパスに変貌していくさまは、
超展開といえるが、個人的には驚きと楽しさがあった。
進化にはいつもヒロとゼロツーの
心のつながりが重要なポイントになっていて、
そこではカタルシスを感じさせてくれた。
また、地球からゼロツーの入れ物だけを残して
旅立っていくのも個人的には好きなアイデアだった。 {/netabare}

永遠の時間が続く凪のような快楽。
限りある時間内での燃え上がるような煌めき。
どちらがより幸せな生き方なのだろうか。
作品のテーマは、今の時代をよく反映している。

音楽はエンディングや挿入歌を
レコード大賞・作曲賞の受賞経験もある
杉山勝彦が担当しており、物語の躍動感を増幅させる
良質な歌謡曲を聞かせてくれた。
これは作品の質を一段引き上げたといえるほど、
良い仕事をしていると思う。

色々な欠点があるものの、それを補って余りあるだけの
作り手のこだわりや執念が滲み出ている。
2クール分を存分にやり切り、
心に確実に何かを残してくれた作品だった。
(2018年7月14日初投稿)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 83

70.5 2 群像劇でSFなアニメランキング2位
revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (308)
1129人が棚に入れました
「これは予言よ。あなたたち五人に、いつか大変な危機が訪れるの。そのときみんなを守れるのはあなた」幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂島大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象──「渋谷漂流」に巻き込まれる。渋谷の中心部が跳ばされたのは300年以上先の「未来」。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。理由もわからぬまま化け物に蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人──ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。

声優・キャラクター
内山昂輝、小松未可子、島﨑信長、高橋李依、石見舞菜香、斉藤壮馬、日笠陽子、田村ゆかり、櫻井孝宏、遠藤綾、てらそままさき、飛田展男、寺崎裕香、大塚芳忠

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「漂流教室」現代版

ネットフリックスにて全話視聴。谷口悟朗さんが監督ということで期待していましたが、正直今回は外れです。

SFとしては楳図かずおの「漂流教室」に谷口悟朗さんの「スクライド」を足して二で割った感じでしょうか。。

お得意の少年少女の漂流もの。。狭義の意味でのクローズドサークルといってもいいでしょう。

しかし、「無限のリヴァイアス」や「コードギアス」程のインパクトは愚か、「スクライド」のようなぶっ飛んだ設定もないので非常に中途半端な内容でした。

もしかしたら、来月公開の「コードギアス復活のルルーシュ」が本命で、こちらはつなぎ程度なのかもしれません。

その程度だったら逆に作らなかったほうがよかったのかも。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 11
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕と君との我慢比べ

オリジナルアニメ


とりあえず初回を観て、馴染みの渋谷だし、思ったよりCGのカクカク感も薄いし、ロボットは置いといて巻き込まれパニックものとして引き込みも良かったので視聴を決めてます。
後から、監督さんが『コードギアス』作られた方と知った感じ。あらすじは省略。
とにかく主人公がウザいで有名な本作。どんだけウザいか覗いてみよう!と野次馬根性丸出しのきっかけでよろしいかと思います。そして、できるだけ心に余裕のある時期に視聴することを推奨します。


主人公についてはなんかもう書くのも嫌(笑)
そこで、

1.主人公がどうしようもなく魅力のない場合の身の処し方

私の場合こうである。

 A こんな奴でも受け入れるキャパの広い俺氏!をきどるために観る
 B さようなら

このAとBの境界に明確な基準を設けられたら良いのに、たいていは気分だったりします。それと心の余裕。踏ん張りの一つ指標になるのは、主人公のマイナスを他のキャラのプラスで補うことです。
{netabare}しかしながらまりまりがダメでした。1話で同級生殺されてるのに、第6話で「化け物が元人間だから戦えない」と号泣。いやいや手を打たなきゃこちらがやられますから(゜o゜)
そしてそんなどうでもよい理由で揺れるゆかいな仲間たち。どうせギリギリになって覚悟決めるんでしょ?だったら手遅れになる前にやりなさいよ、と。{/netabare}
そんなわけで他のキャラもダメでした。

{netabare}ところが・・・ “ヒーロー気取りのバカw” 落書きの内容が視聴者の声を代弁します。{/netabare}

ここまでのキャラ設定にした意図を勘ぐりたくなってきます。ちょっと様子見しよっかな。マイナス×マイナスがプラスに転じるところを期待しました。


2.見せてもらおうか!この者らの末路を・・・

なんか良いお話で終幕しました。むしろクールアニメ平均点よりちょい上くらいの面白さです。
堂島大介くんとゆかいな仲間たちについても、「これを機会に立派な人生を送ってほしい」とエールを送りたい気分。我ながら見事な掌返しです。
終わりよければなんとやら…という作品に見えますので、「いつこの子が鼻っ柱を折られるんだろう?わくわく」くらい余裕をもって臨まれるとよろしいかと思います。

{netabare}転機は第8話。{/netabare}大介くんへの我慢の臨界点に達する頃合いで転機が訪れます。その後、やられた→反省した→改心した、のありきたりな展開とも少し違っていたのが好感でした。
最初から許容できる方はともかく、

 “主人公のウザさとの我慢比べ”

という新しい価値観を提示してくれる作品ではないでしょうか。
内容ほとんど触れずにごめんなさい。それなりに考察しがいのあるストーリーだよというのだけ触れときます。
自分にとってはキャラアニメでした。退屈ということはなくしばらく心がざわつき続けますので興味本位で手に取って良い佳作だと思います。



※レビューは以上でおしまい。以下長めの余談。

3.あっち系の人への挽歌

谷口悟朗氏の『コードギアス』はあにこれでの評価も高い作品で、とくに違和感なく楽しみました。
一方で、作品設定その他政治臭が強いとの声もあり、右だ左だの意見も散見する作品だったみたいです。そんな付帯情報が頭の隅にあってとうに忘れてたのですが、その記憶を呼び覚ますナイスな人物がおりました。そうなると、あれもこれもと繋がってきて、本作を鑑賞する裏の楽しみにもなってたのでご紹介します。

{netabare}その方は渋谷区長:牟田誠一郎

彼と渋谷警察署長黒岩との対比も興味深いものでした。{/netabare}


※政治色強めのネタなのでつまんないですよ。開陳ご注意!
{netabare}やめるなら今のうちですよ。いいですね?忠告しましたからね?{/netabare}


{netabare}リアルでの渋谷区長もポリコレ傾倒していて、条例で憲法違反の同性婚認めちゃうような方です。あれ知り合いのホモ・レズ・バイも軒並み迷惑がってるからね。頼むから掘っ・・・いや放っといてくれというものらしい。
そしてアニメの渋谷区長牟田誠一郎は小者感が際立つキャラで、さっそく第2話から腐臭をさらしてくれてました。言行録で辿ります。

■「君。本部って付けてよ。」「みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!」

小者であるが故に肩書にこだわる。そして権力志向が強い。いつぞやか箔をつけさせる目的で大臣の交代サイクルが異様に速かった3年間が日本にもありました。代議士なら大臣目指すことは悪いと思いませんがGOサイン出す内閣が全く制御できてませんでした。某党の元大臣・元副大臣の多さはもはやギャグのレベルです。
「書いたらもうその社は終わりだから」と踏ん反り返った大臣もいました。これ自〇党の政治家だったら社会的抹殺だけでは済まされなかったことでしょう。“偉ぶりたい”が根っこにある者に権力を渡すとろくなことがありません。


■黒岩「問題は覚悟無き主義者共。人権とか戦争反対とか愛とかそんなものは平和時の祭りに過ぎない。そいつらを黙らせ内部の守りを固めたいですね」
牟田「あ…私リベラルでして…」

あ、自己紹介してくれました。この瞬間、牟田に対しての“実は老獪な人物かも?”のセンが完全に消えます。
天賦人権説は夢想論。枠組み(国家)なきゃ無理でしょう。シリアとかどこぞの半島で同じこと言ってください。黒岩のこのセリフは正しい。
そして゛リベラル”という単語。゛左翼”がネガティブ語になってリベラルと呼び変えるようになって久しい現在。逆側も右翼と言われるのを嫌って保守と言ってます。お互い「パヨク」「ネトウヨ」と罵り合ってる状態です。まあ一般人にはどうでもよいことですね。
最近はリベラルを自称するにも息苦しくなって、立件…いや立憲〇〇党の党首が我こそは保守だと言い出す始末。いやあんたら社〇党からの流れでしょうに。左翼受難の時代です。


■「これは極めて高度な政治判断というものですよ」

と言いつつ何も考えてないですね。これは左右問わずかな?
同義語に「もっと話し合いをもって」があります。何を?がなければ問題外です。


■「これにより全渋谷被災者が元の時代、2017年へ帰還するための交渉のテーブルに着けることになったのです!」

判断材料が乏しい時に敵性勢力から与えられたエサに飛びつくのでは交渉にならない。材料が無いなら無いで出来得る限りの仮説を立てる必要があるものの牟田にはその形跡が皆無。せめて自陣の現有戦力なら把握可能でしょうに。人を使う立場にいてはダメな人物というかもうこれは知性の問題と言ってよろしいかと。


■「ま…待ってください!必ず来ますから!約束通りリストにあった人だけは元の時代に戻してくれるんでしょうね!?私は戻れるんですよね!?」

結局これ。
・根拠なく自分だけは大丈夫、と思ってる。保身第一。
・交渉できない相手との交渉にこだわる{/netabare}


モデルとかはいるんでしょうか?お遍路行ってたあの人かな!?
露骨にあっち系(のとりわけ政治家)をこき下ろしてるため、スラップ訴訟が大好きなあっち系の人から「差別を助長するな」と訴えられないか心配です。
こうやって主人公のウザさの影で、裏の楽しみを堪能してたので飽きることはありませんでした。


{netabare}「いつか来るその時のためだけに過ごしてきた」と猛省するのは牟田ではなく大介です。{/netabare}

{netabare}その時が来て浮かれる気持ちはわからなくもありませんが、高揚感だけで具体的なことは考えてない。彼は手段と目的を取り違えていたのです。ただしその過ちに大介は気づいて行動を変えました。
手段の目的化について現実世界では、ノーアイディアなのに「一度私達に犯らせてください」で「政権後退」してしまった事例がまだ生々しい。
これ以上多くは言いませんが、有権者は学習したのに当人たちがね、1ミリも変わってませんね。長くなったのでこの辺で止めときます。{/netabare}


こうなるとリアルの彼らは大介未満という結論に落ち着きます。そりゃ票は取れません。
事実は『revisions』より奇なり。そんな変態的な捉え方をして遊んでました。繰り返しになりますが、キャラクター以外で特筆すべきものはない作品。


-----
2019.09.01追記
≪配点を修正≫ -0.1

視聴時期:2019年1月~2019年3月地上波放送

もともと地上波に先駆けてNetflixで先行配信してたものらしいです。

ついでにオマケで言っとくと、民〇党系列ど左翼の知人がリアルで県議会議員やってます。話の通じるあっち系の方は大歓迎ですよ。


2019.03.29 初稿
2019.09.01 追記/配点修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 47

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

主人公の言動を許容できるか否か?

この作品の評価は、この1点に尽きると思います。

登場人物の中に『不愉快な人物』が描かれる作品は、たくさんあります。
この作品にも、不愉快な言動を繰り返す人物が、主人公以外にも登場します。

問題点は『不愉快な人物を、主人公に抜擢すること』の意味。
ゴールは『主人公の成長』しかない。
そのために重要なのは、『成長のきっかけ』。

この作品は、タイムリープも含めて、この点が上手く描かれていたと思います。

だけど、物語の評価は☆3が限界。
前半から中盤の主人公の不愉快な言動の数々が、マイナス評価になってしまう。
主人公の姿を目にしただけでも生じてしまう嫌悪感がどうしても拭い切れない。

『不愉快な言動を繰り返す人物を、主人公に抜擢すること』のリスクを感じさせてくれた作品です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 53

85.8 3 群像劇でSFなアニメランキング3位
機動戦士ガンダム(TVアニメ動画)

1979年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1339)
6174人が棚に入れました
スペースコロニーへの宇宙移民開始を紀元とした未来世界、宇宙世紀0079年が舞台。人類は増え続ける人口のため、半数が月軌道周辺にあるラグランジュ点に浮かぶスペースコロニー群(サイドと呼ばれる)に居住していた。その中で地球に最も遠いコロニー群サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦からの独立を求め、人型機動兵器「MS(モビルスーツ)」を駆使して独立戦争を挑んできた。開戦から僅か1ヶ月あまりで双方の陣営は総人口の半分を死に至らしめた。そんな中、サイド7に住む少年アムロ・レイは、地球連邦軍が進めていた「V作戦」に対する調査のためサイド7に侵入したジオン軍MS ザクの攻撃に巻き込まれ偶然が重なり、連邦軍の新型MS ガンダムのパイロットになってしまう。

声優・キャラクター
古谷徹、池田秀一、鈴置洋孝、鵜飼るみ子、白石冬美、井上瑤、古川登志夫、鈴木清信、戸田恵子、潘恵子、永井一郎
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

視聴メモ ※作品評価は保留中

シリーズ全体の評価との兼ね合いで本作の評価は保留中です。
ただ、本作単体としては、私自身の率直な感想として

本作と同じく1980年代初めに制作・放送された長編ロボット/メカ系アニメの中では

・長編政治劇としては『太陽の牙ダグラム』よりかなり格下で陳腐
・戦時下の日常描写は『超時空要塞マクロス』に遥かに劣る
・主人公のキャラものとしては『装甲騎兵ボトムズ』に見劣りが激しい

従って、熱狂的なガンダム・ファンの方には余り嬉しくない感想になる予定です(※個人評点としては、『美少女戦士セーラームーン』と同点の ☆ 3.7)。


◆制作情報
{netabare}
原作         矢立肇、富野喜幸
総監督        富野喜幸
脚本         星山博之、松崎健一、荒木芳久、山本優、富野喜幸、他
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン  大河原邦男
音楽         渡辺岳夫(作曲)、松山祐士(編曲)
アニメーション制作  日本サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価(TVシリーズ)

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

※一年戦争(宇宙世紀0079年~0080年)期間中の物語

=========== 機動戦士ガンダム (1979年4月-1980年1月) ===========
{netabare}
第1話 ガンダム大地に立つ!! ☆ 中立コロニー・サイド7(極秘開発MS)、ガンダム(アムロ初搭乗)vs.偵察ザク
第2話 ガンダム破壊命令 ★ ホワイトベース(WB)出航、兄妹再会、ガンダムvs.赤い彗星
第3話 敵の補給艦を叩け! ★ 続き、ガンタンク出撃(カイ&ハヤト初搭乗)、パプア補給部隊撃滅・シャア撤退
第4話 ルナツー脱出作戦 ☆ WBルナツー入港、正規軍との不協和、シャア隊の再襲撃、カシアス艦長死亡
第5話 大気圏突入 ★ シャア隊再度の襲撃、ガンダム単機での大気圏降下  
第6話 ガルマ出撃す ☆ ザビ家の御曹司(ガルマ・ザビ大佐)、WB包囲戦
第7話 コアファイター脱出せよ ☆ 続き、避難民の座り込み騒動
第8話 戦場は荒野 ☆ 一時休戦、避難民上陸、敵攻撃隊撃破
第9話 翔べ! ガンダム ☆ アムロの搭乗拒否、対ガルマ戦、マチルダ少尉登場
第10話 ガルマ 散る ★ シャアの策謀、WB敵勢力圏を突破
第11話 イセリナ,恋のあと ☆ ジオン公国の政治的事情、ガルマの恋人
第12話 ジオンの脅威 ☆ ジオン新型MSvs.ガンダム、ガルマ・ザビの国葬
第13話 再会、母よ ☆ 母の村でのジオン兵との遭遇
第14話 時間よ、とまれ ☆ マチルダ少尉からの補給、時限爆弾解除
第15話 ククルス・ドアンの島 × ※脚本が安直
第16話 セイラ出撃 ☆ 中央アジアの戦い開始、セイラの不審行動と理由
第17話 アムロ脱走 × ジオン捕虜の脱出騒動、アムロの軍規違反 ※自分の所有物でないガンダムで離艦は窃盗では?
第18話 灼熱のアッザム・リーダー ☆ フラウボーのアムロ捜索、ジオン鉱山基地襲撃、キシリア撤退
第19話 ランバ・ラル特攻!  ★ ランバ・ラル&ハモンとの遭遇、MS同士の戦闘、アムロ帰艦・営巣入り ※脚本は悪くないが作画・演出の古さが目立つ残念回
第20話 死闘! ホワイト・ベース ★ WB白兵戦、ランバ・ラル自決 ※同上 
第21話 激闘は憎しみ深く  ☆ ハモン隊突入、リュウ戦死 ※終わりのシーンが安っぽくて残念×
第22話 マ・クベ包囲網を破れ! ☆ ブライト疲弊、WBおびき出し作戦、ミライの指揮混乱、WB大破
第23話 マチルダ救出作戦 ☆ 補給部隊の危機、ガンダム新パーツ到着
第24話 迫撃! トリプル・ドム ★ 前半はマチルダ周りの日常回、後半はジオン軍強襲(黒い三連星)・マチルダ戦死 ※作画・演出の粗雑さは残念×
第25話 オデッサの激戦 ☆ 内通者、マ・クベ大佐の水爆使用命令、ミサイル破壊、欧州戦線からのジオン軍後退
第26話 復活のシャア ☆ 北アイルランドでの補給(レビル将軍との対面) ※ここから敵役としてシャア再登場だが、脚本は粗雑
第27話 女スパイ潜入!  ☆ カイ離艦、ミハルWB潜入、カイ復帰
第28話 大西洋、血に染めて★ ミハル参戦・死亡、カイの悲嘆
第29話 ジャブローに散る!  ☆ 南米ジャブロー基地(地球連邦軍総司令部)到着、シャア隊の強襲、ウッディー大尉戦死
第30話 小さな防衛線 ☆ WB各員への辞令(アムロの反発)、チビっ子トリオ(カツ・レツ・キッカ)お手柄、シャア&セイラ再会、囮艦WB
第31話 ザンジバル、追撃! ☆ スレッガー乗艦、宇宙空間の機動部隊戦(シャア指揮艦ザンジバルvs.WB)
第32話 強行突破作戦 ☆ 続き、ムサイ(ドレン指揮艦)轟沈、WBサイド6へ
第33話 コンスコン強襲  ☆ 中立コロニー到着、ミライの婚約者(カムラン検察官)、酸素欠乏症の父との再会、コンスコン隊との戦闘
第34話 宿命の出会い ★ ララァとの出遭い、シャア&アムロの遭遇、WB出航・コンスコン隊壊滅
第35話 ソロモン攻略戦  ★ 連邦軍MS隊ソロモン要塞突入、ミネバ脱出
第36話 恐怖! 機動ビグ・ザム ★ 続き、ミライ困惑、スレッガー戦死、ドズル・ザビ戦死 ※作画・演出はイマイチで特にここから急にオカルト風になる点が×
第37話 テキサスの攻防 ☆ テキサスコロニーのMS戦(マク・ベ戦死)、ララァの精神干渉
第38話 再会、シャアとセイラ ★ アムロMS戦でシャアに完勝、兄妹の会話(過去、ニュータイプ)、ワッケン司令戦死
第39話 ニュータイプ、シャリア・ブル ☆ ニュータイプ実戦投入(ララァ少尉、木星帰りの男シャリア・ブル大尉)、シャリア・ブル&シムス技術士官戦死
第40話 エルメスのララァ ★ ギレン・ザビ総帥の目的(※「ヒトラーの尻尾」)、ララァ初陣、ララァvs.アムロ ※見せ場のはずなのに作画・演出・音楽がかなり残念×
第41話 光る宇宙 ★ キシリアのシャア問い詰め、ララァ/シャアvs.アムロ/セイラ、ララァ戦死、ザンジバル轟沈、ソーラーレイ発射 ※同上
第42話 宇宙要塞ア・バオア・クー ★ レビル総司令官&デギン・ザビ公王死亡、ギレン射殺、シャア覚醒
第43話 脱出 ★ 要塞内白兵戦、キシリア爆殺、要塞陥落、WB轟沈・クルー脱出、戦争終結{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)15、☆(並回)25、×(疑問回)3 ※個人評価 ☆ 3.7

OP 「翔べ! ガンダム」
ED 「永遠にアムロ」


◆各作タイトル&評価(劇場版三部作)

================= 劇場版 機動戦士ガンダム(三部作) =================

(無印)        (1981年3月)(140分) ★ 4.2 ほぼTV版1~13話の内容を再編集
II  哀戦士編     (1981年7月)(134分) ★ 4.0 ほぼTV版14~31話の途中迄の内容を再編集
III めぐりあい宇宙編 (1982年2月)(141分) ★ 4.4 ほぼTV版31話途中~43話の内容を再編集
--------------------------------------------------------------
★★★(神作)0、★★(優秀作)0、★(良作)3、☆(凡作)0、×(駄作)0 ※個人評価 ★ 4.2  ※計415分=6時間55分(約18話分)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 28

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

君は生き延びることができるか?

本日、「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」と「閃光のハサウェイ」の予告を観てものすごーーーくいろいろ言いたいのですが、まだ「あにこれ」に反映されていないので後にしましょう。

「機動戦士ガンダム」は富野由悠季がロボットアニメの乱造に切羽詰ってできた作品であり、今までのポジティブで一辺調子のヒーローものだったものを、政治的で人間関係を中心としたリアルなものに置き換えたことにより、「ハリウッド映画」的な重厚感を帯びたのである。

当時のオタクは歓喜しただろう。自分たちの生き様のようなものをそのままアニメ化されたら、そりゃ喜びますわ。

今見ると、当時のアメリカンニューシネマをそのまま「ロボットアニメ」に置き換えただけだと思いますが、それでも情報そのものが氾濫している現在と1980年代初頭では全然、影響力が違うのかと思います。

特にラストにおける新しい時代の「ニュータイプ」たちは、今まで以上に協力して分かり合うことのできる新人類になるというメッセージは2018年現在の若者にも届く素晴らしいメッセージであり、

本作が不朽の名作たる所以だと思います。

。。。。。。初代がやはり一番なのか?

投稿 : 2024/05/18
♥ : 28

おその さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ガンダムから見えたコト

ガンダム、今見てもやっぱり面白い
ガンダム以前の巨大ロボアニメも数々ありましたがやはりガンダムからこのジャンルは確立したと思います
主人公がヒーローで敵が絶対悪がそれまでの流れだと思いますが、ガンダムは必ずしもそうとは限らない
地球連邦軍側から見ればジオンはいきなり独立宣言し宣戦布告、それを認めず開戦に至る
ジオン側から見れば連邦は地球の資源を食い尽くし独裁的に世界を治めてる

連邦何だから各コロニーにも一定の自治権はあるものの、ほぼ連邦の息のかかった知事が就いてる

サイド3(ジオン公国)だけはこれに反し公国と謳うだけあって「国王」を持つ
ニュータイプに先に目をつけたのもジオン
しかし戦場で目覚めたのは主人公であるガンダムのパイロットであるアムロ・レイ

最初に今見ても面白いと書きましたが時代が時代だけに粗も目立ちます
声優の使い回し、作画の使い回し、バズーカを持って出たガンダムが次のカットでビームライフルに変わってたり
重箱の隅をつつくのはナンセンス

物語に世界観にキャラに、何よりガンダムをはじめとするモビルスーツが好きになれれば
こんなに面白いアニメはない

ここから始まるガンダムシリーズ、宇宙世紀は子供心にアニメの楽しさを感じさせてくれた大切な思いで。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 50

76.8 4 群像劇でSFなアニメランキング4位
∀-ターンエーガンダム(TVアニメ動画)

1999年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (492)
2565人が棚に入れました
正暦2343年、月の民(ムーンレィス)の少年 ロラン・セアックは、「地球帰還作戦」の潜入調査員として北アメリア大陸に降下した。旅の途中、川で溺れているところをキエルとソシエのハイム姉妹に助けられた。鉱山を経営するハイム家は新興富裕階級に属し、当主の長女キエルはロランが憧れる月の女王ディアナ・ソレルにそっくりだった。ロランは姉妹の力添えでハイム家に雇われ、のちに機械好きを買われて自家用車の運転手に起用されるなど、地球人として平穏な日々を重ねた。2年後、ロランとソシエは、マウンテンサイクルでの成人式の儀式に参加していた。同じ頃、地球と月との2年間にわたる秘密交渉が決裂し、月の女王の軍(ディアナ・カウンター)が「地球帰還作戦」を開始。巨大MSで威圧するようなディアナ・カウンターに対し、地球のアメリア市民軍(ミリシャ)は複葉機や高射砲などの旧式装備で、果敢に郷土防衛戦をはじめた。この戦力差を理解していないミリシャの攻撃にいらだつディアナ・カウンターの一機(ポゥ少尉)は、発砲を禁じられていたにもかかわらず、強力な対艦ビーム砲を発射し、マウンテンサイクルに封印されている“黒歴史”の遺物「∀ガンダム」を目覚めさせてしまう。ロランはなりゆきから∀ガンダムのパイロットになり、地球と月の共存のために活躍する。

声優・キャラクター
朴璐美、高橋理恵子、村田秋乃、青羽剛、福山潤、渡辺久美子、稲田徹、小山剛志、子安武人、石丸博也

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

私的ガンダム最高傑作

∀を初めて見た人はきっとこう思うに違いない。このMSのデザインは一体何なんだ?これ本当にガンダムなのか?それにこの世界名作劇場みたいなタッチは何なんだ?なんでこんな牧歌的な雰囲気なんだ?という風に。それ故に未見の人から何かと敬遠されがちな作品という印象が強いが、私的には未だにこれを超えるロボットアニメに出会っておらず、強い抵抗がないなら是非とも未見の人に見て欲しい作品である。合う・合わないは勿論あるだろうが、それでも当初抱いていたイメージはいくらか払拭されてはいるのではないだろうかと思う。

Vガンダム以降、しばらくガンダムから離れていた、富野監督の表現する『新世代のガンダム』。それが∀である。Vガンダムで一旦退場宣言をした富野監督が再びガンダムに手を出す気になったのは、年月を経て、生まれた精神的余裕としがらみから離れた事で生まれた考え方の変化が大きいだろう。かつて俺のガンダムをぶっ壊してくれ!と願った新世代のガンダムはバトンを受け継いだ今川監督が、自身の才能を大いに活かす事で、Gガンダムという名作を誕生させるに至った。そして、その成功を受けて、新世代のガンダムは様々なイメージに形を変えて、幅広いファンを獲得するようになっていく。富野監督も例外ではなく、自身、この新世代の描くガンダムに新たなインスピレーションを感じたのかもしれない。そして自らが作り出したガンダムに再度向き合い得たインスピレーションから、自分なりの新世代のガンダムを再構築していく事を選んだのだと、そう思う。

その再構築は、まずガンダムに対して抱かれる普遍的なイメージの払拭から行われた。かっこいい・洗練されたフォルムとガンダムの概念を覆すべく、世界的デザイナーであるシド・ミード氏をメカデザイン原案に起用し、あの強烈な主人公機∀ガンダムを生み出した。

∀を初めとするこの作品に出てくるMSは悉く格好悪い。しかし格好悪さを逆手にとって、動きをコミカルにする事で、MSに対する愛らしさを視聴者に印象付けてしまった。そして今までのようにガンダムを戦争の代用として描くのではなく、人間の生活の一部としてMSを運用するといったシーンを付け加える事で、MSの新しいイメージを模索していった。親しみやすさと格好良さは残念ながらイコールではない。格好悪いデザインというのは富野監督を制作陣も重々承知ではあったと当然思う。しかし制作側がそうやって率先して働きかける事で、ガンダムに対するイメージが再び凝り固まりつつあった視聴者への『ガンダムはまだまだ色々な可能性があるんだよ』と言う一種のメッセージではなかったのだろうかと個人的には思う。

これは機体だけではなく、人物にも反映されている。今までの富野ガンダムでは子供が大人のエゴに良い様に振り回される面が目立ち、その過程で大人に対する嫌悪感・そして失望をどのキャラクターも得ていった。しかし今作の主人公ロランからはそういったものは一切感じられない。周りの状況に振り回されながらも、戦争に対する向き合い方を早々に確立し、最後までそれを貫き通した青年として描かれている。愛らしいロボットと愛される素養を持った主人公。そして何処か喉かな雰囲気を持つ世界観。非常に魅力に溢れる作品なのである。

ガンダムとは伝統でありながら革命の象徴でもある。そして革命とは常に新しい世界を見せる事を常とする。今までそれを行っていたのはテレビの中のキャラクター達だけだった。しかし90年代も終わりを向かえ、新たな時代00年代、そして21世紀を迎えるにあたって、富野監督がどうしてもやりたかったのは
自分が生み出した作品を自分の手で破壊し、そして新たな作品に仕上げることだった。それを他人の手に委ねたままというのは、本人にはどうしても心残りだったのではないかと思う。

色々と見るにあたり、勇気がいる作品だとは思うが、是非とも恐れずに飛び込んで欲しい。そしてこんな拙い意見が、貴方の背中を押した原因の一端になってくれれば幸いである。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 15
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

人を選びますが4クールモノのお手本的作品 

白富野の代表作。

舞台は遥か未来の地球、アルマゲドンから2千数百年。生き延びた地球人の末裔のところに、遥か昔に月へ移住した人々が帰還したいと申し出るとことからはじまります。そこで起こる異文化同士の摩擦を描いた物語。
ガンダム作品では異例の政治劇、群像劇が主。MSは完全に作品を彩る小道具です。

ガンダム20周年作品で菅野よう子、シドミード、あきまん、といったスタッフがありえないくらい豪華。
しかし予算はSEEDに遠く及ばず・・・

ターンエーのデザインが苦手?大丈夫です。劇中でも突っ込まれてますから。あと動くとかっこいいんです。

G,W,Xのアナザーガンダムの登場、製作の補助等で富野監督が生み出した結論です。


∀(すべてを含む)そしてAガンダム(ファーストにかえる)というダブルミーニング。
ファーストがファンタジーにリアリティを求めたものならば、今度はそれをファンタジーへと返す。そんなテーマ。
設定、演出でもTV作品ではファーストと同じく主役機交代がない。
そして当時の夕方ロボットアニメの呪縛からやっと解き放たれ1話でガンダムが登場しない。
富野ガンダムではじめてのプロ(軍属)の主人公。MSの操縦がうまくてあたりまえ。
監督作品で必ずでるNTですが設定上は月の人間はすべてそうなんですがいままでのお約束の表現はほとんどない。
この作品上では戦争をしないNTとなった人々は、去勢された人類とモジャモジャ頭の人気キャラに語られる始末。

ストーリーはよく言われるように『かぐや姫』『とりかえばや物語』『宇宙戦争』『月は無慈悲な夜の女王』などなど古典、古典SF、スチームパンクの様相が非常に強い。
産業革命の起こりはじめた未来の地球でMSが発掘されてしまうという。
そういったことから従来の我々の世界の延長上にあるSFという従来のもととはまったくの別物。個人的には世界観と雰囲気だけで満足。ガンダムじゃなくていいじゃん・・ってそれこそいいたい。ああ・・だから『機動戦士』ないんだっけ。
そもそも本作品、ガンダム、アニメ好きじゃなくて『ファースト世代』へ向けたメッセージだそうです。


V終了後から富野監督が長年仕込んだだけあって脚本、演出、世界設定、キャスティングすべてが最高峰。
構想の段階でロラン役を探していたときに若き朴璐美を実娘の劇団で発掘したのが決定的な製作の発端らしい。

低い予算の関係で画の乱れやセルの少なさが目立ちます。しかし相変わらず動かすところはなんとしても動かすその伝統の技法、、時間経過の表し方はまさに古い映画のよう。それが世界設定とあいまって、名作劇場といわれる所以かと。


{netabare}
大魔神のようなおひげ様の登場w某古典で有名な二本足(だけ)の兵器、通称カカシwこれ初登場のシークエンスがマクロスだよね・・。
胸のミサイルコンテナに牛をいれて引越し手伝ったり、洗濯機になったり土木作業に使ったりとツッコまれどころ満載なのですが。。。。それがいい。
戦闘もウィルゲム発進とか、月での戦いとか、ラストバトルとか。。独特の台詞まわしや、舞台のような演技指導・・ユニヴァース!です。やばいっす。

本作でのNT案は人類がみんなもってる世代を重ねて学習していくことなんじゃないかとか・・。当たり前だけど胸アツ結論だなと。
最終回『黄金の秋』はまさにガンダムというコンテンツの最終回にふさわしい名作。で、周りのキャラが精神年齢的にもオトナだったため、主人公レベルまでになってしまった『ソシエ』が一番すき。悲しいけどキャラ的においしすぎるだろ・・。俺のとこに嫁にこーーーい!
{/netabare}
多数の個性豊かな登場人物たちが物語を盛り上げます。大人になったファースト世代の方は食わず嫌いをせず見ていただきたい作品です。長いですけど・・。


ガンダムシリーズの公式的な最終回であり、『黒歴史』という名言でこれからも生まれ続けるすべてのガンダムや当時バンダイやら角川、講談社やらがとっちらかした設定をまとめあげてしましました。

∀の世界を『現在』にすることで、過去の出来事は異聞譚、あったかどうかもわからない物語ってことにしてしまった。
メタフィクションとして受け取るなら、あなたの好きな通りに解釈しなさい。遊びなさいと。
この発想はまさに目から鱗。
劇中とおなじく神話の世界へ当時半ば宗教化していたガンダム業界を封じ込め、開放してしまった。

『ひげは死すとも黒歴史は死せず』
そもそもこの黒歴史なる造語。作品以前の問題、日本語として最大級の発明品。語源を知らないで使ってる人間があまりに多い。


これを製作された以上、未来永劫新しいガンダムをどんなに作る、語ろうと原作者である富野監督の手のひらの上で遊んでいるにすぎないようだ。それはエゴだよ!って言われてもそもそも原作者なんだし、アラ60のじーちゃんが考えてしまったんだから・・天晴れじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 24

EVIZORI さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

似つかわしくない

ガンダムとは言えないほど不細工だった、初めは。
でも見てみると不思議と敬遠していた気持ちが嘘のようだ。
往来のガンダムとは裏腹に戦闘以外の駆け引きが多く感じられた。
宇宙世紀シリーズを見ていると、過去の機体が出てくるのでなかなかに楽しめるし、俺見たいな機体ファンは何の機体かで若干盛り上がれるだろう。
全てのガンダムを総括するストーリーになってるから、全て観た後に見るとまた違った面白味が出てくると思う。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

64.6 5 群像劇でSFなアニメランキング5位
7SEEDS(Webアニメ)

2019年6月28日
★★★★☆ 3.1 (143)
517人が棚に入れました
少女ナツが目を覚ますと、辺りは海。突然荒れ狂う海に放り出された彼女は、嵐と蟬丸、牡丹と共に島へと辿り着く。その島には未開のジャングルが広がり、巨大化した植物や、凶暴化した動物や昆虫に次々と襲われ、死と隣り合わせのサバイバル生活へと放り込まれる。そんな中、ガイドだと名乗る人物より信じられない計画の話を聞かされる。それは、人類絶滅を回避するため、若く健康な人間を冷凍保存し、災厄が過ぎ去った後の世界に人類の種を残そうという壮大な計画「7SEEDS計画」の話だった。彼女らはその計画に選ばれた人間なのだと初めて知り愕然とするのであった。「7SEEDS計画」に選ばれた若者たちは変わり果てた世界で、過酷な環境にさらされながらも懸命に生きてゆく。

声優・キャラクター
東山奈央、福山潤、小西克幸、沢海陽子、阿澄佳奈、石田彰、悠木碧、井上和彦、浅野まゆみ、三宅健太、加隈亜衣、石川界人、小松未可子、阪口大助、星野貴紀、津田健次郎、佐々木望、野島健児、桑島法子、小野賢章、櫻井孝宏、千菅春香、嶋村侑、寺島拓篤、佐藤拓也、皆川純子、菅原正志、速水奨、興津和幸、寿美菜子

とろろ418 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

これはアニメではございません

これは『7SEEDS』のアニメではなく、ただの質の悪いダイジェスト映像です。
原作未読でこれから見るという人がいるのであれば、知っておいて欲しいポイントが2点。

・原作15巻までの内容
  アニメを漫画巻数で換算したことがある人は分かると思いますが、1クールに詰めるには明らかに異様な量です。
  異様さを表すために例を出しますと、『ちはやふる』は2クールで9巻分でした。
  『7SEEDS』は心理描写が主なので、3~4巻くらいでも詰め込んだ印象が出そうなところをまさかの15巻分。驚愕です。

・最大の売りの欠如
  前述の通り、キャラクターの心理描写が最大の売りになるはずの作品です。
  そこが全くと言っていいほどに描かれていません。
  最早詰め込んだというより、根こそぎ削り落としたと言っていいレベル。
  過程が大事な作品で、過程を切り離して結果だけを示しています。開いた口が塞がりません。

これだけを見て『7SEEDS』という作品に対する評価を下すのは絶対に止めた方がいいです。
原作は深く心に刺さる作品で、名作と言っても過言ではありません。
興味があるなら原作を読んで下さい。
好き嫌いを語るのはそれからでも遅くないはず。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

超期待したコールドスリープ後の原始世界サバイバル

原作は全巻持ってます。
それほど惹かれた作品。
ついに来たか!という感じ。
我慢しきれず、「観たい」時点でレビュー書き込みをしてしまいました。
ようやくNETFLIXで視聴しましたが・・

まず、放送開始が予定より遅れただけあって、
まあ、作画というか動画がイマイチ。
キャラデザも微妙だし、
走って行ってるのに身体の大きさがあまり変わらなかったり、
水に浮いている人の身体と水面の線が波打っておらず立体感もない一直線だったり、人によっては作画崩壊と評するかも。

ストーリーは長い話をよくまとめたとは思うけど
なんか悲壮感とか臨場感とか伝わって来ない。

個人的にはCVもちょっとミスマッチ感あり。
{netabare}
主人公のcvは好きな声優さんだしこの役への思い入れがあったことも知ってますがちょっと花のイメージではなかったかな。あくまで個人的な感覚ですが。
{/netabare}
是非とも2期を、制作会社を変えてやって欲しい。
十二国記もそうだけど、原作が売れてるとアニメ制作に金をかけたくなくなるものなんでしょうか・・ちょっと残念。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これ、原作少女漫画だったんですか!?

この作品の原作は未読です。
Netflixによる独占配信…こういうオリジナル作品を視聴できるのがNetflixの旨味だと思います。
完走してwikiをチラ見した際に知ったのですが、原作漫画は「別冊少女コミック」→「月刊フラワーズ」で掲載されていたんだそうです。
キャラの線も細くないし、内容的にも少女漫画に掲載されていた作品とは思いもよりませんでした。


累計1600マン部超(デジタル含む)
田村由美原作、近未来サバイバルSFストーリー

少女ナツが目を覚ますと、辺りは海。
突然荒れ狂う海に放り出された彼女は、嵐と蝉丸、牡丹と共に島へと辿り着く。

その島には未開のジャングルが広がり、巨大化した植物や、
狂暴化した動物や昆虫に次々と襲われ、死と隣り合わせのサバイバル生活への放り込まれる。

そんな中、ガイドだと名乗る人物より信じられない計画の話を聞かされる。

それは、【~禁則事項~】「7SEEDS計画」の話だった。
彼女らはその計画に選ばれた人間なのだと初めて知り愕然とするのであった。

「7SEEDS計画」に選ばれた若者たちは変わり果てた世界で、過酷な環境にさらされながらも懸命に生きてゆく。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

物語は、この作品の主人公である岩清水 ナツの所属する夏のBチームの物語から始まります。
各チームに随行してくれるガイドから当面の目的は教えて貰えるものの、最初は何もかもが手探りでした。

物語が進むにつれ分かってくるのは、チーム構成に関する以下の3点。
・チームは春夏秋冬それぞれに分散配置されている
・夏だけAとBの2チーム存在する
・それぞれのチームには最初8名ずつ所属する

ですが、ここでの生活を始めるタイミングはチームによってバラバラだったんです。
中には数年以上の違いがあるケースもあったり…
つまり、チームによって情報量、経験に大きな差があるということです。
こういう場合、情報量の多さが役立つのは常套…
ですが、彼らを待ち受けていたのはそんな生易しい世界ではなかったのです。
知る事は判断材料を増やすでもありますが、同時に諦めることにも直結しているんです。

夏Bチームは衣食住が保存されている目的地の一つに辿り着きます。
そこに本拠地を作り安定な生活の基盤を作って根付くのも一つの生き方だと思います。
でも、人にはどうしても譲れない矜持があります。
自分の故郷がどうなったかを確認したいと夏Bチームの青田 嵐が言いだした一言がきっかけとなり、夏Bチームは2つに分かれて…物語が動いていきます。

実は、この物語が一気に面白くなってくるのはここからなんです。
他のチームだってこの世界で一生懸命生きているんです。
様々な願いや思いを持つのは誰だって一緒…
そんな全てのチームの動きが分かるように群像劇的に物語が描き出されるからです。

最初は一本調子の物語だとばかり思っていたので、この展開は嬉しい誤算でした。
夏Bチームのメンバーには一戦級の声優陣が配置されています。
主人公のナツに奈央ぼう、それにあすみんや碧ちゃんとこれだけでも私の耳は大喜びです。

ですが、春チーム…正確には春チームの主人公である日笠さん演じる末黒野 花が登場してきてから、一気に物語の厚みが増しただけでなく、面白さが加速度的に増した気がしました。

この花のキャラが格別なんです。「父親にサバイバル技術を教え込まれた前向きな少女。」と公式HPのキャラ紹介欄には記載がありましたが、分け隔て無い優しさと悪いことを悪いとハッキリ言える芯の強さを持ち合わせているんです。
彼女の良さはそれだけじゃありません。
一度目標を決めたら絶対に折れないんです。どんなに苦しくても前進を選択するんです。

「暁のヨナ」のヨナや、「それでも世界は美しい」のニケが頭の中で被っていました。
勿論、人間だから強さと弱さを併せ持っていて当然です。
でも自分以外のためにどんな危険も顧みず身を挺することのできる私の尊敬すべきキャラがまた一人増えた気がします。
そんな彼女の廻りには、彼女を応援したいという人間が集まってくるのも自然なことなんだと思います。

こうして物語は一喜一憂しながら進んでいきます。
驚愕な事実が明るみになって愕然としたこともありました。
どんなに経験を重ねても天災には勝てない…身の危険を感じたこともありました。
世の中の理不尽に対する解釈は一つじゃないことを教えて貰いました。
勇気と知恵と…ほんのちょっとの幸運がこの物語を支えていたと言っても過言ではないでしょう。

これからだと思っていたのに…
どうしてあの場面で終わっちゃうかな~
原作が全35巻の一大巨編だから、続編の区切りを考えるとここで切るのがベストだったの?
これで終わったら完全な消化不良になってしまいます。
でもその位続編を楽しみにできる作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、天月-あまつき-さんの「Ark」
エンディングテーマは、majikoさんの「WISH」

1クール全12話の物語でした。
Netflixのオリジナル作品は続編の作られるケースが多いので、この作品の続編も期待しています。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12

69.1 6 群像劇でSFなアニメランキング6位
TEXHNOLYZE テクノライズ(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (227)
1400人が棚に入れました
舞台は、絶望と暴力に支配され荒廃した都市・流9洲(ルクス)。老朽化したこの街は現在、外界からのネットワークから外されて孤立しており、街から他の都市へ行くことは困難だが、逆に行き場を失くした者達が流れ着く、吹き溜まりの場所と化していた。

ある日、この地に一人の男が外界から降りてきた。男の名は吉井。ある野望を遂行すべく降り立ったこの男を迎えるのは、生きる為に賭けボクシングで生計を立てる少年・櫟士、近い未来を見ることの出来る少女・蘭、街の声を聞くことの出来るオルガノの長・大西京呉、そして未来の義肢である「テクノライズ」の技術に魅せられクラースから降りてきた科学者・ドク。この男の来訪により、やがて流9洲は街全体を巻き込んだ事件へと発展していく。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

中盤まで恐ろしく退屈で、終盤は胸糞悪くなる・・・全くもってお勧めできない作品!

本作が好きな人は余程のマゾなのか?(失礼!)

私は根性で完走しましたが、かなりの苦行でした。
そして見終わって、「途中で投げださないで頑張って良かった。」という報われ感が全然ないところが・・・また何とも。

変わったアニメが見たい人にはお勧めできる作品なのかも?(これ以上の感想は出てきません・・・)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


=========== TEXHNOLYZE テクノライズ (2003年4-9月) ============

{netabare}ROGUE 01 STRANGER (部外者) ☆ ※初見では何が何やらサッパリ分からない・・・
ROGUE 02 FORFEITURE (喪失) ☆ ※同上
ROGUE 03 TEXHNOPHILE (ハイテクマニア) ★ ※「テクノライズ(義体化する)」という特殊技術
ROGUE 04 SYNAPSE (神経細胞の連接部) ☆ テクノライズ技術の解説回
ROGUE 05 LOITER (彷徨い歩き) ☆
ROGUE 06 REPETITION (反復、模写) ★
ROGUE 07 PLOT (策謀) ☆
ROGUE 08 CRUCIBLE (坩堝、激しい試練) ★ 市街での抗争勃発
ROGUE 09 WIGGLE (体の揺れ) ☆ 
ROGUE 10 CONCLUSION (結論) ★ 吉井の死 ※初めて少し面白いと思い始める
ROGUE 11 VAGRANT (ルンペン) ☆
ROGUE 12 PRECOGNITION (認識) ☆
ROGUE 13 VISTA (展望) ★ もの見(ラン)の予言
ROGUE 14 REJECTION (拒絶) ☆
ROGUE 15 SHAPES (形状) ☆
ROGUE 16 STRAIN (圧力、旋律) ★ シェイプスの侵攻  
ROGUE 17 DEPENDENCE (依存) × シェイプスの秘密 ※単に悪趣味の話だったとは
ROGUE 18 THRONE (玉座) × 三長老惨殺 ※悪趣味さを見せ付ける作品?
ROGUE 19 HEAVENWARD (天国の方へ) ☆ 地上の世界 ※だからどうしたの?という感じ
ROGUE 20 HADES (ハデス(冥府の王)) ☆ 
ROGUE 21 ENCEPHALOPATHY (脳疾患) × ※もうどうでもいい話になってしまっている
ROGUE 22 MYTH (神話) × ※同上 ※ED 「WALKING THROUGH THE EMPTY AGE」{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)6、☆(並回)12、×(疑問回)4 ※個人評価 × 3.1


OP 「GUARDIAN ANGEL (XAVIER'S EDIT)」
ED 「月の詩」

投稿 : 2024/05/18
♥ : 17

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

未来は残酷で美しい、戦慄のSFカルトアニメ

舞台は、絶望と暴力に支配され荒廃した都市「ルクス」。
ヤクザ組織「オルガノ」、オルガノに対立する労働者連合「救民連合」、ギャング集団「ラカン」
様々な組織が入り乱れる混沌とした世界で、巻き起こる抗争を描いたSFカルトアニメ
もちろんただの抗争を描いているわけではなく、何者かの陰謀や謎が付きまといます

このアニメは終始退廃的かつ陰鬱で非常に難解なので、決しておすすめはできないですw

中盤までは「ヤクザの抗争を描いたVシネマ」みたいな内容ですので、
凄まじくバイオレンスな描写も多いです
そして痛快さ・爽快さの欠片もないので、単純に娯楽性を見いだすのは厳しいです。
特に意味不明な1話で90%ぐらいの人がリタイアするんじゃないかな?w
まぁそんな感じなので・・・それでも見てみたい人は挑戦してみてください

どこが難解なのか?というと情報の提示の仕方が、視聴者にあまりにも不親切すぎるところですね。
普通にぼんやり見てたら、間違いなく理解不能な状態に陥るでしょう。
なので、多少ネタバレ覚悟でwikiもしくは公式サイトで調べてから見るか、調べつつ見ることをおすすめします

とりあえず基本設定である「テクノライズ」についてだけ説明すると・・・・
テクノライズとは損失した人体の一部を補う、未来の義肢のことです
そのテクノライズの人間にもたらす影響が、この作品の大きなテーマになってきます。
後半になるにつれ、事態が大きくなってくるので徐々に分かってくるでしょう。
人間が「テクノライズすることによる功罪とその意味」を直接的に描いています

他にも重要な設定は多々あるのですが・・・興味があれば自分で調べてくださいw
設定や世界観がぼんやり分かってきたら、中盤から目まぐるしく事態が動くので面白さが増してくる
ただ終盤はもう想像を絶するカオスです。プラス超絶鬱展開・・・

『serial experiments lain』(脚本家が同じ)と双璧をなす難解作品ですが
個人的にはストーリー性・世界観・設定全てにおいてテクノライズの方が断然面白かったです
SF設定も、殺伐とした世界観・独特の演出も素晴らしい
今まで色々アニメを見てきましたが、色んな意味で一番衝撃的な作品です。

こんなハードなアニメには、もはやお目にかかれないででしょうね。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 20

カカオ副担任 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

慈悲を全く感じい取れない苦味100%のブラックコーヒー

鬱の極致に君臨する後味が悪すぎる良作でした

OPが個人的に大好きだったため視聴をすることに
鬱が好きな私にとって、とても好きな作品でした。
これをHUNTER×HUNTERやワンパンマンを発表したMAD HOUSEが作ってたなんて意外です。視聴者受けなんてあまりなさそうな作品でしたので。

舞台は近未来の世界です。
賭けボクシングで日々生き凌いでいる櫟士(いちせ)がとあることで手足それぞれ一本ずつ切断されてしまいます。それでも生き耐える櫟士が美人医師のドクとであってから物語が少しずつ動き出し、加速していきます。

一話目から鬱の香りが匂ってきます。ここまで暗いのはlainくらいかな。
暴力やエロも気持ち悪さも容赦なく個人的に面白かったです。今発表したら規制されるのは間違いないですね。よくアニメ化できたものです。

本作の世界観を理解するためには、なかなかの時間を使うと思います。
私は下のサイトを見ながら設定を確認し、視聴しながら物語を理解していきました。ぜひ参考にしてみてください。
1話~10話の解説→http://texhnolyzed.blog.fc2.com/archives.html
作品用語集→https://www.fujitv.co.jp/b_hp/texhno/word.html

ここまで暗く重苦し雰囲気は今では中々類を見ない貴重な作品です。
後味が悪いので見終わったらすぐに心を癒すことを強くオススメします。
鬱作品は気分が良くならないのについつい見てしまうのはとても魅力的です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5
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