警察で未来なおすすめアニメランキング 13

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの警察で未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月08日の時点で一番の警察で未来なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.5 1 警察で未来なアニメランキング1位
revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (308)
1129人が棚に入れました
「これは予言よ。あなたたち五人に、いつか大変な危機が訪れるの。そのときみんなを守れるのはあなた」幼いころ誘拐された過去をもつ高校2年生・堂島大介は、幼なじみのガイ、ルウ、マリマリ、慶作とともに、不可思議な現象──「渋谷漂流」に巻き込まれる。渋谷の中心部が跳ばされたのは300年以上先の「未来」。そこで待っていたのは、広大無辺な荒野と森、点在する廃墟……そして、未来人「リヴィジョンズ」と彼らが操る巨大な機械の化け物だった。理由もわからぬまま化け物に蹂躙されていく渋谷を助けようと現れたのは、誘拐事件の大介の恩人と同名で瓜二つの少女・ミロ。彼女は、大介たちだけが操縦できる人形兵器「ストリング・パペット」を提供し、渋谷を守れと促す。誘拐事件の恩人──ミロによる予言「仲間を守る運命」を信じて生きてきた大介は、ついに訪れた危機と手に入れた力に歓喜する。しかし、幼なじみ5人の絆は誘拐事件の影響でバラバラとなっていた。孤立した街。未知の敵。未確定な過去と運命の予言。

声優・キャラクター
内山昂輝、小松未可子、島﨑信長、高橋李依、石見舞菜香、斉藤壮馬、日笠陽子、田村ゆかり、櫻井孝宏、遠藤綾、てらそままさき、飛田展男、寺崎裕香、大塚芳忠
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

堂嶋大介は認められたい

【概要】
 2019年冬。全12話のオリジナルアニメ。3DCGで制作されたSFサバイバルアクション。監督はコードギアスなどで知られる谷口悟朗。

 このアニメの良い所。それは

一、THE ORAL CIGARETTESのOP曲「ワガママで誤魔化さないで」
二、ミロのケツ
三、ルウのケツ

-- 以上 --

 高名な監督が手掛ける作品ということで期待していたんだけどな。まさか「刻越えのデリダ」に匹敵する、時間もの失敗作オリジナルアニメを2クール連続で引くとは思わなかった・・・

【3DCGアニメ】
 revisionsは全編3DCGで制作されている。クオリティは高いと思うのだけど、実は3Dの日本アニメはrevisionsに限らず、逆に海外で人気がない。最近で国外でも好評だった3DCGアニメは「宝石の国」くらいじゃないだろうか。

 どうも海外のアニメファンは日本の伝統的なセルアニメーションの持つテクスチャに魅力を感じているようで、日本以外でも制作されている3DCGのアニメならわざわざ異国の映像作品を観ようとは思わないのかもしれない。+Ultra枠は世界を見据えた作品をラインナップをするという方針だったのだが、前作のINGRESS、そして本作と3DCGアニメはどちらも不評でフジテレビ制作サイドの戦略ミスのように思う。(さすがにまずいと感じたのか次作のキャロル&チューズデイは2Dらしい)

 3DCGは日本のアニメの特色が失われるというやや感傷的な理由だけではなく、最初のモデル作成に手間がかかるため、あまり多くのキャラやセットを用意できないという欠点がある。本作においては渋谷を舞台にしておきながら、実際に画面に映るのは学校、市役所、そして荒野と設定を活かせていないし敵キャラも親玉の3体を除いて量産型で面白味に欠ける。アーヴ側の人間がミロ1人しか登場しないのは3DCGの足枷によるもので、未来人の二大勢力が3人と1人で代表して争うというなんとも寂しいことになっている。設定は壮大なのに小じんまりした映像になってしまったのは残念である。

【SFサバイバル群像劇】
 公式での謳い文句によるとrevisionsはジュブナイル(青春)+パニック(災害)+アンサンブル(群像劇)とのことなのだが、色んな要素を寄せ集めた結果、1クールで処理できず中途半端に終わるというありがちな失敗をしているように感じた。

 {netabare}まずこのアニメは青春群像劇とは言い難い。5人の高校生がメインキャラクターだが視点は随分と偏っており、基本的に主人公の堂嶋大介+他の誰かという組み合わせでしか話は進まない。大介の「ヒーローになりたい」という葛藤が常にお話の中心で、暴走気味の主人公と他のキャラの意見がぶつかる場面が執拗に描かれる。未来の渋谷でどう生き延びるかという状況で、一般人からするとどうでもよい、大介と他の人間との衝突ばっかりやっているのだからうんざりする。視聴者からしてもどうでもいいことだ。

 一見優等生に見える他の4人にも決して欠点がないわけではない。ガイは優秀であるがゆえに人を見下しがち、ガイの双子の妹ルウも同じく優秀だが感情的、マリマリはおっとりした性格だがピンチ場面ではの優柔不断、慶作は典型的な「いい奴」なのだが、彼には悩みがある。慶作はマリマリが好きなのだが、お人良しすぎてマリマリへの恋心を打ち明けないまま大介に譲ろうとしている。マリマリは大介をちょっと意識しているのだ。

 こうしたお話のネタがあるのにも関わらず、全12話を通して5人の関係性はほぼ変化がない。ただ大介が自身のヒーロー願望とどう折り合いをつけて成長するかというだけのお話で、5人のキャラクターの心情が交錯することはあまりなく、大介がルウ兄妹と絆を修復して終わりだ。青春物として単調であまり面白いとは思えなかった。仲直りする場面でMiyuuの歌声が響けば視聴者は感動してくれると思ってないだろうか。挿入歌で誤魔化さないで!

 災害(サバイバル)としてはさらに厳しい。revisionsは未来人の思惑によって渋谷を街ごと未来に転送される、という設定である。渋谷の街の外は見渡す限りの荒野が広がっており、化け物に成り果てた未来人revisions(リビジョンズ)が襲い掛かってくる。ライフラインを絶たれた現代人がいかにして生き延びるのか、という問題は当然力を入れて描写すべき事柄だ。

 ところが、このアニメは人々の生活が全くと言っていいほど描かれないのである。食料も水もどうやって調達しているのか不明。電気は都合よくリビジョンズと敵対関係にある未来人アーヴがモビルスーツ用の電源を供給してくれる。災害時の生活の描写がなければ臨場感に欠けるし、だいいち面白くない。せっかくの面白くなりそうな設定をなぜ活かそうとしないのだろう。しかし次第に人々が不安でイライラしていく様子だけはちゃんと描かれる。何だこの本末転倒な感じは。第6話でムラついた保健室の先生がいきなり主人公を性的に誘惑してくるが、結局何のフラグでもなかった。大人の色気で誤魔化さないで!

 さらに言うとSFとしても褒められたものではない。最初のうちは量子脳という概念を持ち出して渋谷の街を未来に転送した状況を何とか筋道を立てて説明しようとしていたが、最終的にラスボスは時間の概念を超越した存在になり、完全にロジックを放棄してしまう。第一話のミロが5人それぞれに告げた予言も伏線として回収されず、一体あれは何だったの?感が果てしない。ラストバトルはどこで戦っているのかもよく分からない。そして謎の友情パワーで打開。何だ、このジャンプの打ち切り漫画みたいな終わり方は。デウス・エクス・マキナで誤魔化さないで!
{/netabare}

【主人公】
 さて、ここからが本題。本作一番の問題点、それは皆から「うざいうざい」と叩かれる主人公、堂嶋大介のキャラクターである。

{netabare}
 幼い頃、主人公の大介は誘拐事件に合い、不思議な女性・ミロによって助けられる。ミロは大介に「あなたたち5人にいつか大変な危機が訪れる。忘れないで。あなたがみんなを守るのよ」と予言を残して去る。

 その日の出来事が忘れられない大介は俺が皆を守らなければならないという強迫観念に囚われ、問題児になってしまう。独善的な正義感を振りかざし、街のチンピラに絡んで相手に怪我をさせても悪びれる様子はない。仲間からありがた迷惑だと批難されても「だってあの時ミロはみんなを守れって言ったじゃないか!」と逆ギレする。冒頭から印象最悪のキャラだ。

 さて第1話の終盤に話が大きく動く。未来人の力で渋谷転送が起こり、非常事態になると大介は「やっぱり俺が正しかったんだ!」と犠牲者が出ている状況にも関わらずニヤニヤしている。そして未来からやってきたミロからパワードスーツ「ストリングパペット」を受け取ると彼は憧れのヒーローになれたと狂喜乱舞する。しかしパペットはもう2体あり、他の4人も操縦できることが分かると大介は手柄を横取りされてしまうとばかりに露骨に嫌な顔をする。その後も人命よりも自身の功名心を優先する態度を取り、あらゆる人達の反感を買う。

 はっきりいってここまで悪く描かれる主人公は珍しい。だが、周囲の人間が彼を白眼視していることも強調されるため、「大介のヒーロー願望はやがて挫折し、そこから成長して真のヒーローになるお話だろう」とは容易に想像がつく。一応視聴者への目配せはできているのである。が、だからといって温かい目で彼の成長を見守ることができることができるかというと疑問だ。

 不人気主人公・大介クンは、要するにひたすら

 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい
 認められたい認められたい認められたい認められたい

と言っている。これは最近よく聞く「承認欲求」というやつである。承認欲求は誰しもが持つ欲望で、例えばレビューにサンキューを押す行為はレビュー自体の評価をするというよりはむしろサンキューを送り合うことで参加者の承認欲求を満たし、SNSを活性化させる意味合いが強い。ご存知の通り他のSNSにも同様のイイネ!機能はだいたい用意されており、このイイネ!(=他者からの承認)を集めることは現代人の関心事になっている。

 ならば彼の「認められたい」という思いはある程度共感できるのではないか?と思うが残念ながらそうは感じなかった。本作の設定はそもそもがおかしいんだよな。堂嶋大介はヒーローになろうとして問題行動を度々起こし、皆の評価を大きく下げている。これは逆で、メサイア・コンプレックスというのは他の何らかの要因で周囲の評価が低くて、すでに固まってしまった自分の評価を一気に挽回しようという思いに駆られ、自分がヒーロー的な活躍をすることに執着するんだよ。要するに一発逆転を狙っているのである。

 大介のようにわざわざ自分で状況を悪くしているだけの人間には違和感しか感じない。大介は無理にヒーローになろうとしなけば何も問題もない高校生だ。大介の設定を再確認すると、虐められているわけでもなく、友達もいるし、貧乏でもなく、隠れ巨乳の幼なじみが好意を抱いているという状況にある。彼がヒーローになりたいと意固地になる理由は何なのか全く伝わらない。(両親がいないのかと思ったらみんなを守りたいからと勝手に親元を離れたらしい。アホか。)

 あのさ、人はみんなコンプレックスを抱えて生きているんだよ。ブサイクだとかデブだとかワキガだとか頭が悪いとかハゲだとか皮膚炎だとか貧乳だとか性にまつわるエトセトラとか。それなのに特にコンプレックスもなく生きている人間が、勝手なヒーロー願望に駆られ、承認欲求を求めて自滅するアニメを観て共感できるわけがない。うざい・うざくない以前に人間として理解できないし、僕ははっきりいってこんな主人公に興味がない。
{/netabare}

 インタビュー記事(※)で谷口監督は「共感できる主人公である必要はない。」と発言していたが、本当にそうなのだろうか。もしかして制作スタッフは承認欲求が悪だと勘違いしてはいないだろうか。「もっと褒めてほしい」「評価されたい」という思いは人の誰しもが持つ基本的な感情であり、モチベーションの源として必要なものだ。問題なのは承認欲求が一向に満たされない状況にあるのであって、そこに説得力がなければいくらドラマチックな展開を先に用意しても心に響かない。大介のヒーローになりたいと渇望する気持ちにもっと共感できればこのアニメの評価は全く違ったような気がする。


※https://jp.ign.com/revisions-anime/31881/interview/revisions-cg

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ワガママで誤魔化さないで

1話感想{netabare}
自分も結構気軽に「なろう系」って言葉使っちゃってるけど、最近はそれの主流も変わってきてるみたいで、さえないクズ主人公がイケメンクラスメートと異世界行って、そこでは主人公が大活躍して、今まで自分を馬鹿にしてたクラスメートをいびり倒すってのが流行ってるらしい。
まぁ、のび太がジャイアンやスネ夫を滅多刺しにして出木杉クンから神のように信奉され靴なめさせてしずかちゃんを犯すのが流行ってるらしい(犯すと「さすが、さすが」と賞賛される)。
そういう系の作品がアニメ化され出したらキツいなぁと思ってたのだけど…あ、先手打ってきた?
この作品、主人公は暫くの間「のび太が調子に乗ってる段階」を続けるんじゃないかな?
途中で挫折なり「これじゃアカンわ」と立ち止まる展開になる…と思うのだけど、そうではなくずっと調子乗りっ放しで行ったら笑える。
1話じゃまだ分からないですけどね、なろうに阿(おもね)るかカウンター決めるか、今後の展開が気になります。
自分はカウンター決めると思うんだけどなぁ。
ただ、こういう作りは“鉄のラインバレル”がそうだったけど、当時ですら「主人公が調子に乗ってる(後でしっぺ返し食らうのがバレバレなのに)」段階で「主人公気に入らない」として見るの辞めた人が続出だったような…。
主人公は子供の頃、あんな状況でそんなこと言われたら「神から啓示を受けたレベル」で陶酔しちゃってもおかしくないかなぁ~とは思うのだが…それでもダメな人はダメなんかな。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
やっべニヤニヤが止まらないw
ニヤニヤの根拠は「コイツ鼻っ柱折られるんだろうなぁ」を感じるから…とはいえ本当にそんな展開になってくれるかどうかは未来予知能力の無い私には確証が無い。
と思ったら、これって先にネトフリで全話配信されたやつなのか。
なるべくネタバレは見ないように警戒してるけど、どうやらそこら辺は安心して良いっぽい。
但し吠え面かくハメになるのはずっと先らしい…のだけど、片鱗は早くも3話で見せ始めてるかな?

自分語りしてもしょうがないのだけど別にカッコつける気もないので言っちゃうと、主人公の言動に身に覚えが無いワケではない。
クラスで出し物するってのに練習でクラスの連中はヤル気が無く「コイツらつかえねー」と下に見てたんだけど、いざ本番になったら皆しっかり演技して、練習の時必死こいてた自分を振り返って「あれ、オレなに思い上がってたんだ?」と自己嫌悪したこと、あるあるw
他にはにわか知識をひけらかしてたら、その相手が実はその道の専門家で釈迦に説法してたと後から知って顔から火が出る思いになったり、あるあるww
大抵の人はそういう経験(下だと思ってた人間が自分よりよっぽど上等だと思い知らされる経験)って多かれ少なかれあると思うのだけど、「オレも若かったなぁ」と笑って話せるくらいでないとトラウマ抉ってキツい、のか?
自分はアレだなぁ、逆にそういうのがクセになってそういう作品を好む傾向にあるのかも知れない。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
ああもう主人公が可愛くてキスしたいレベル、性的な意味じゃなくて孫を可愛がるお爺ちゃん的視線でね。
5話、電力はカドだし敵がまさかの…ベタすぎて「まさかそんなありきたりな展開はないだろー」と思ってたハダカデバネズミ展開。
もう何万回使い古されたネタだ?
ちょっと前にやってた“グリッドマン”でも「まさかそんなことはないだろーハハハ」と流されたネタで、ここまで直球なのはむしろ「もうひと捻りなにかありそう」とさえ思える。
なにより6話。
まぁ、こうなるわな。
ってか…う~ん、ここぞとばかりにこの作品を警棒にして他作品を殴るようなマネするのもアレですが、さっき例で出した“グリッドマン”もその意思を感じたのだけど、生温い異世界転生モノに「こりゃちょっとアレじゃね?」と思ってるクリエイターはそれなりに居るんじゃないかな。
元居る世界に帰ろうとも思わない、現地の人はあくまで自分を賞賛するための道具としか思ってない、自分と同じ立場の人間がもし居たとしても自分より劣ってることを望んでる、等々のソレ系。
クリエイターがそういうのを不快に思ってるかどうかまでは知りませんが、最近そういうのが流行ってるのであるならそのカウンター作品を作りたくなるのはある意味健全とも。
まぁ自分は不快でしょうがなかったんですけどね、ここまで直截に「言ってやりたかったこと」を出してくるとはなぁ…ゲシュペンストのメッセージね。
ってかちっと書き出してみたんだけど、ここまで辛辣に書けるのは5chでもそう居ないんじゃない?さすがプロだなーと感心するレベル。
そこまで言っちゃって大丈夫?とさえ思えるんだけど、だ、大丈夫だよね?
しっかしまぁ…これでゲシュペンストの言ってたことは大間違い・ただの精神攻撃だったで終わったらちょっと寂しいかな。
逆に主人公開き直って「ああそうだとも、オレはこの世界で一番偉いんだ、喝采せよ」とか言って終わったら皮肉利きすぎてて笑い死ぬかも知れん。

一方でユミコ先生がコワイ。
極限状態に追い込まれてヘンな宗教に目覚めちゃったみたいな…自分の本性に向き合ってるのか目を逸らしたがってる(正当化したがってる)のか、どっちなんだろうなぁ。{/netabare}

8話までの感想{netabare}
キターーー、遂に鼻っ柱折られる展開に。
散々オレが守るオレが守る言ってたのに守ることができずに意気消沈、ヒャッホウ。
ところで──
あんま言わないようにしてたんだけど、すっごく富野臭くない?
反省房入りしたり、「ボクが一番ガンダムを上手く使えるんだ」みたいなこと言わせたり、目の前で母親殺されたり。
おかげで8話でケイサクの母が殺された時はキターーーと思ってしまったし、その後の激怒パンチではカミューラランバンの仇!と言って欲しいと思ってしまったり(実際のカミューラランバンでは感情露わにしてないけど)。
一方ワザとケイサクを煽ってチハルを始末しようとしたニコラスの謀反だと思うのだけど、この展開はどっちかっつーと戦隊ヒーローモノの方が近い?
折角待ち望んだヒトの体を手に入れた瞬間死亡って…RPGの復活した瞬間勇者に倒される大魔王かな?
実際あそこで死んでくれなかったら人工量子脳によって渋谷が固定されてたんだろうし、復活させてはいけない大魔王的ポジよね。
更にケイサクが消えて腕だけ落ちるところは「アブドゥルー!」と叫びそうになった。
…うん、ご免なさい、既存作品ばかり挙げちゃって非常にヲタ臭くてキモいと思われてそう。
だけど作ってる側はそういうの狙ってるんじゃないかなー?
意図的に「どこかで見たアレ」をブッ込んでるような気配を感じる、ハダカデバネズミもそうだし。
なんかの作品で似たような意図を感じる作品があったんだけど思い出せない、あっちはそれが鼻についたのにこっちはそれがむしろ楽しい。
これの違いは何だろ?と考えると、明らかに知っててワザとやってるのと、知らずに似通ってしまったことの違い…なのかなぁ?
単に自分が富野好きだからか?
よくよく考えるとこれがダメそうな方はイデオンもダメそうだし。{/netabare}

最終回まで見ての感想{netabare}
ネタバレは見ないようにしてはいたのだけどちょろっと見てしまい、そこでは「主人公はダイスケではなくケーサク」みたいなことが書かれてて、「え、そんなこと可能なん?」と、どんな展開ならそうなるのか想像できずに居たのですが──。
ナルホドそういうことか。
あはは、確かにこりゃあ主人公はケーサクだw
こういう話好きですよ、運命の星の元に生まれたワケでもない「馬の骨(ダイスケ)」が世界を救うって話。
ゲームwizardryではワザとボーナス値の低いキャラを育成したもんです。

最初に最終回の感想書いちゃったけど、10・11話くらいでは非常に勿体無いという感情に襲われました。
ダイスケが鼻っ柱折られてやっとマトモになった後の描写や、黒岩が死んで指揮系統が混乱とか、渋谷住民の不安が不満に変わって治安悪くなるとか、単純にサバイバル要素とか、もっとやってくれよ!と。
くそう、2クールあったらそこら辺ねっとりじっくりどんよりやってくれたのかなぁと思うとホント勿体無い。
この感情って前にも経験したことあるなぁと思ったら…ああ、“ID-0”だ。
監督同じじゃーん!
“コードギアス”が有名だけど、1クール作品を作る場合こういったのが持ち味なのか?
「あれ?そのネタ掘り下げればスゲー面白そうなのに流しちゃうの?」って感じの。
ぐぬぬ、なんか悔しいなぁ、この監督には2クール以上の仕事回して欲しいなぁ。

タイムトラベルの話って同期放送で自分が見てる分だけでも“えんどろ~”“デートアライブ3”でも扱ってて「ホント好きねぇ」とちょっと飽きてるキライがあるかも?
それに結局は誰が記憶保持能力者(リーディングシュタイナー持ちって言った方が通じやすそう)かでどうとでもなっちゃうというか。
物語の核になる部分なのに余り興味は沸かなかった。
最後のホウチュウの叫びは「お前ガノンかよ?」って感じだったし、ムキューの本体は“ファンタスティックプラネット”だし、最終回のCパートはもうホラー作品の定番。
わざと既視感を刺激するような作りを狙ったんじゃないか?と思ってるのだけど見当違いかなぁ?
よく言われてるダイスケの性格だけど、やっぱり自分は気にならない。
後で更正されるのは明白だし、周囲のキャラもちゃんとウザがってたし。
それよりも「どう見ても難アリの性格なのに誰も(作者含め)おかしいと気付いてなさそう」って作りの方が個人的には苦手。

同監督が1つ前に手掛けた“ID-0”と比較すると、あっちでは意図的に民衆を画面に映さないようにしてましたが、こっちでは普通に映してましたね。
個人的にはこっちのが良いかなぁ、もっと掘り下げてくれたら更に良かったんだけど…。


総評
2クール以上やってくれぇ!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

僕と君との我慢比べ

オリジナルアニメ


とりあえず初回を観て、馴染みの渋谷だし、思ったよりCGのカクカク感も薄いし、ロボットは置いといて巻き込まれパニックものとして引き込みも良かったので視聴を決めてます。
後から、監督さんが『コードギアス』作られた方と知った感じ。あらすじは省略。
とにかく主人公がウザいで有名な本作。どんだけウザいか覗いてみよう!と野次馬根性丸出しのきっかけでよろしいかと思います。そして、できるだけ心に余裕のある時期に視聴することを推奨します。


主人公についてはなんかもう書くのも嫌(笑)
そこで、

1.主人公がどうしようもなく魅力のない場合の身の処し方

私の場合こうである。

 A こんな奴でも受け入れるキャパの広い俺氏!をきどるために観る
 B さようなら

このAとBの境界に明確な基準を設けられたら良いのに、たいていは気分だったりします。それと心の余裕。踏ん張りの一つ指標になるのは、主人公のマイナスを他のキャラのプラスで補うことです。
{netabare}しかしながらまりまりがダメでした。1話で同級生殺されてるのに、第6話で「化け物が元人間だから戦えない」と号泣。いやいや手を打たなきゃこちらがやられますから(゜o゜)
そしてそんなどうでもよい理由で揺れるゆかいな仲間たち。どうせギリギリになって覚悟決めるんでしょ?だったら手遅れになる前にやりなさいよ、と。{/netabare}
そんなわけで他のキャラもダメでした。

{netabare}ところが・・・ “ヒーロー気取りのバカw” 落書きの内容が視聴者の声を代弁します。{/netabare}

ここまでのキャラ設定にした意図を勘ぐりたくなってきます。ちょっと様子見しよっかな。マイナス×マイナスがプラスに転じるところを期待しました。


2.見せてもらおうか!この者らの末路を・・・

なんか良いお話で終幕しました。むしろクールアニメ平均点よりちょい上くらいの面白さです。
堂島大介くんとゆかいな仲間たちについても、「これを機会に立派な人生を送ってほしい」とエールを送りたい気分。我ながら見事な掌返しです。
終わりよければなんとやら…という作品に見えますので、「いつこの子が鼻っ柱を折られるんだろう?わくわく」くらい余裕をもって臨まれるとよろしいかと思います。

{netabare}転機は第8話。{/netabare}大介くんへの我慢の臨界点に達する頃合いで転機が訪れます。その後、やられた→反省した→改心した、のありきたりな展開とも少し違っていたのが好感でした。
最初から許容できる方はともかく、

 “主人公のウザさとの我慢比べ”

という新しい価値観を提示してくれる作品ではないでしょうか。
内容ほとんど触れずにごめんなさい。それなりに考察しがいのあるストーリーだよというのだけ触れときます。
自分にとってはキャラアニメでした。退屈ということはなくしばらく心がざわつき続けますので興味本位で手に取って良い佳作だと思います。



※レビューは以上でおしまい。以下長めの余談。

3.あっち系の人への挽歌

谷口悟朗氏の『コードギアス』はあにこれでの評価も高い作品で、とくに違和感なく楽しみました。
一方で、作品設定その他政治臭が強いとの声もあり、右だ左だの意見も散見する作品だったみたいです。そんな付帯情報が頭の隅にあってとうに忘れてたのですが、その記憶を呼び覚ますナイスな人物がおりました。そうなると、あれもこれもと繋がってきて、本作を鑑賞する裏の楽しみにもなってたのでご紹介します。

{netabare}その方は渋谷区長:牟田誠一郎

彼と渋谷警察署長黒岩との対比も興味深いものでした。{/netabare}


※政治色強めのネタなのでつまんないですよ。開陳ご注意!
{netabare}やめるなら今のうちですよ。いいですね?忠告しましたからね?{/netabare}


{netabare}リアルでの渋谷区長もポリコレ傾倒していて、条例で憲法違反の同性婚認めちゃうような方です。あれ知り合いのホモ・レズ・バイも軒並み迷惑がってるからね。頼むから掘っ・・・いや放っといてくれというものらしい。
そしてアニメの渋谷区長牟田誠一郎は小者感が際立つキャラで、さっそく第2話から腐臭をさらしてくれてました。言行録で辿ります。

■「君。本部って付けてよ。」「みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!」

小者であるが故に肩書にこだわる。そして権力志向が強い。いつぞやか箔をつけさせる目的で大臣の交代サイクルが異様に速かった3年間が日本にもありました。代議士なら大臣目指すことは悪いと思いませんがGOサイン出す内閣が全く制御できてませんでした。某党の元大臣・元副大臣の多さはもはやギャグのレベルです。
「書いたらもうその社は終わりだから」と踏ん反り返った大臣もいました。これ自〇党の政治家だったら社会的抹殺だけでは済まされなかったことでしょう。“偉ぶりたい”が根っこにある者に権力を渡すとろくなことがありません。


■黒岩「問題は覚悟無き主義者共。人権とか戦争反対とか愛とかそんなものは平和時の祭りに過ぎない。そいつらを黙らせ内部の守りを固めたいですね」
牟田「あ…私リベラルでして…」

あ、自己紹介してくれました。この瞬間、牟田に対しての“実は老獪な人物かも?”のセンが完全に消えます。
天賦人権説は夢想論。枠組み(国家)なきゃ無理でしょう。シリアとかどこぞの半島で同じこと言ってください。黒岩のこのセリフは正しい。
そして゛リベラル”という単語。゛左翼”がネガティブ語になってリベラルと呼び変えるようになって久しい現在。逆側も右翼と言われるのを嫌って保守と言ってます。お互い「パヨク」「ネトウヨ」と罵り合ってる状態です。まあ一般人にはどうでもよいことですね。
最近はリベラルを自称するにも息苦しくなって、立件…いや立憲〇〇党の党首が我こそは保守だと言い出す始末。いやあんたら社〇党からの流れでしょうに。左翼受難の時代です。


■「これは極めて高度な政治判断というものですよ」

と言いつつ何も考えてないですね。これは左右問わずかな?
同義語に「もっと話し合いをもって」があります。何を?がなければ問題外です。


■「これにより全渋谷被災者が元の時代、2017年へ帰還するための交渉のテーブルに着けることになったのです!」

判断材料が乏しい時に敵性勢力から与えられたエサに飛びつくのでは交渉にならない。材料が無いなら無いで出来得る限りの仮説を立てる必要があるものの牟田にはその形跡が皆無。せめて自陣の現有戦力なら把握可能でしょうに。人を使う立場にいてはダメな人物というかもうこれは知性の問題と言ってよろしいかと。


■「ま…待ってください!必ず来ますから!約束通りリストにあった人だけは元の時代に戻してくれるんでしょうね!?私は戻れるんですよね!?」

結局これ。
・根拠なく自分だけは大丈夫、と思ってる。保身第一。
・交渉できない相手との交渉にこだわる{/netabare}


モデルとかはいるんでしょうか?お遍路行ってたあの人かな!?
露骨にあっち系(のとりわけ政治家)をこき下ろしてるため、スラップ訴訟が大好きなあっち系の人から「差別を助長するな」と訴えられないか心配です。
こうやって主人公のウザさの影で、裏の楽しみを堪能してたので飽きることはありませんでした。


{netabare}「いつか来るその時のためだけに過ごしてきた」と猛省するのは牟田ではなく大介です。{/netabare}

{netabare}その時が来て浮かれる気持ちはわからなくもありませんが、高揚感だけで具体的なことは考えてない。彼は手段と目的を取り違えていたのです。ただしその過ちに大介は気づいて行動を変えました。
手段の目的化について現実世界では、ノーアイディアなのに「一度私達に犯らせてください」で「政権後退」してしまった事例がまだ生々しい。
これ以上多くは言いませんが、有権者は学習したのに当人たちがね、1ミリも変わってませんね。長くなったのでこの辺で止めときます。{/netabare}


こうなるとリアルの彼らは大介未満という結論に落ち着きます。そりゃ票は取れません。
事実は『revisions』より奇なり。そんな変態的な捉え方をして遊んでました。繰り返しになりますが、キャラクター以外で特筆すべきものはない作品。


-----
2019.09.01追記
≪配点を修正≫ -0.1

視聴時期:2019年1月~2019年3月地上波放送

もともと地上波に先駆けてNetflixで先行配信してたものらしいです。

ついでにオマケで言っとくと、民〇党系列ど左翼の知人がリアルで県議会議員やってます。話の通じるあっち系の方は大歓迎ですよ。


2019.03.29 初稿
2019.09.01 追記/配点修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 47

76.4 2 警察で未来なアニメランキング2位
アクダマドライブ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (360)
1225人が棚に入れました
遙か昔、カントウとカンサイの間で戦争が起き、世界は分裂した。カンサイはカントウの属国となり、独自の発展を遂げていった。しかし、政治と警察力は衰退し、犯罪が横行。その犯罪者を“アクダマ"と呼ぶ――。 本作品の舞台となるのは、高度に発達しながらも歪んだ社会。その中で、アクダマたちはいかにして自分らしくあろうとするのか。一堂に会したアクダマたちの美学がぶつかり合う。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、梅原裕一郎、武内駿輔、堀江瞬、緒方恵美、木村昴、櫻井孝宏、大塚明夫、花守ゆみり、榊原良子、内田真礼
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

わ~るいことす~る度に刑期延びちゃう

1話感想{netabare}
タイトルからカゲプロやクビキリサイタルみたいなのを想像したけど全然違ってブレードランナーでした。
というか…別に対立煽りをしたいワケじゃないのであんまり声高に言いたくないのだけど、前期“ノーガンズライフ”で「足りてないなー」と思ってた部分がガッツリ詰め込まれてた。
丁度飢えてたところにスコーンとこんな作品が出てきたモンだから引き込まれないワケがない。
ノーガンズライフだけ槍玉に上げても悪いので…“ニンジャスレイヤー”もトリガー逃げずにこのクオリティで作ったらなぁ、とか。
他に似てるなぁと感じたのは“ハンドシェイカー”のジグラート(大阪が舞台だからか?)、“P5”の誰だったかのメメントス、“ダグ&キリル”…ここら辺の「目指してた先」はコレなんじゃない?とさえ思えたり。
いやぁ“ドロヘドロ”で「テレビアニメでもここまで頑張れるのか」と驚いたモンだけど、まさかまた出てくるとはねぇ。

但し目を引いたのは背景や小物、それを見せるギミック、演出で、肝心のストーリーはまだなんとも言えない。
まさか黒沢ともよがレプリカントってオチは無いだろうけど、巻きこまれ型で派手にドッカンバッキンやるだけだと飽きちゃうかも。
いや、そんなことは無いと信じたい、頼みますよマジで…。{/netabare}

5話までの感想{netabare}
2話以降、じわじわと作画が…うーん。
悪くはないのだけど1話に比べるとってことね。
それとダンロンスタッフということである程度覚悟してたけど、話の腰を折る展開が目立つ様な?
2話「新幹線を襲撃してもらう」からの『詳しくは場所を変えてってことで、バス奪ってホテルに突撃して』、そこでちょろっと新幹線の詳細について語るけどすぐに『処刑課の襲撃があって戦闘して廃墟に逃げ込んで』3話になってようやく「ミッションの概要を説明」。
どうにも『』で括った部分が邪魔というか、「新幹線を襲撃してもらう」からすぐに「ミッションの概要説明」に行ってくれないと勿体ぶってる感を抱いてしまう。
同様に5話、依頼人の正体を問い詰める医者に一般人が横槍入れるのも勿体ぶってる感が…。
ドラマなんかでたまにある、敵の手下を捕まえて「誰の差し金だ」「く、黒幕は…(物陰から何者かが狙撃)うっ」「しまった!」ってやつと同じ、引っ張るにしてももうちょいやり方ありそうな、尺稼ぎくせぇってやつ。
これも文句ってことじゃなくて、これ以上こういうのが増えると困るギリギリのラインってことね。
ってか何億イエンも報酬払えるヤツを見た目子供だというだけで庇おうとする精神がよくワカラン。
まぁ一般人自身が超アヤシイのでウラがあってそういう行動したのかも知れんので、その件については様子見だけど…。
というか依頼者(兄)が“トイレの花子くん”に見えて仕方ないのだけどどうしよう、医者役でオガメグも居るしw

声優ネタといえばNHK風の解説パート、サメくんの声が「たんけんぼくのまち」でお馴染みのチョーさん。
NHK風を演出する上でこれ以上の適役は存在しない…かも?青野武が存命だったらなぁ。
一方のウサギちゃんは聞いただけでは誰か分からなかったけど…エフェクトかかってるせいもあるのかな?ところどころで藤田淑子っぽく聞こえるような?
「関東って知ってるーぅ↑?」のイントネーションなんてすっごく藤田淑子(「私も北に住みたいわーぁ」は久野三咲っぽいけど)。
“デジモンアドベンチャー”や“ダイの大冒険”のリメイクが放送され、藤田淑子ボイスに飢えてたところにコレでちょっとウルっと来てしまった。
で、確認してみたところ間宮くるみでした…えっ、こんな声だっけ!?へけっ。
ダンロンスタッフだったら声優ネタあるのかな?と思ってたが、これがそれに当たるのかな?{/netabare}

6話感想{netabare}
1話で「お、これは!?」と感じるも、それ以降ビビっとクるものはなく5話までなだらかな下降線だったのだが…6話で盛り返したかな?
やっぱ消耗戦は熱いねぇ。
それぞれの得意分野を駆使した協力プレイでミッションクリアーもいいけど、消耗するものが何も無く常に全力プレイできるのと、リソースが限られててどうやり繰りするかの要素アリだと、後者の方が盛り上がるかな、と。

実は5話最後、処刑課はどうしてアクダマの進入口が分かったの?ってのが不満だったのだけど、ああ、上の連中は結構お見通しなのね。
関東がどうなってるとか積荷はナンなのかとか、現場の処刑課師匠弟子も把握してないっぽい(弟子に至っては死にたがりを繋ぎとめるためのツーマンセル制度だったことも知らなかったみたいだし)。
今後それらの秘密に触れることでアクダマ側に肩入れしてくって展開に…なるかな?どうかな?
師匠死んじゃったしなぁ(ホントかな?)。{/netabare}

総評(これだけ見ればいいかも){netabare}
悪くはないのだけど何か物足りない。
「5話までの感想」でも触れたけど、アクションシーンはよく描けてるのだが、それがどうにも話の腰を折る余計なシーンに感じることが多かった。
9話の「殺人鬼に追われてトイレに閉じこもる」も、どうして居場所がバレるのか分かってるのにワザワザ密室に逃げ込むかなぁ?
ホラー映画演出をしたかったのは分かるんだけど、そういうシーンを描きたいがためにキャラに不自然な行動をさせてる感がバリバリ。
って感じで、各話サブタイトルにも見られる様に映画のオマージュ(主に演出面)に走って肝心のシナリオが弱くなってしまった気がする。
詐欺師が供物にそこまで肩入れする動機の描写も弱い気がするし、眼帯ちゃんの心の揺れ動きももうちょっと踏み込んで欲しかった。
「アクションシーンが邪魔に感じる」ってのはアニメとしてどうなの?とは思うけど、内容のうっすいドッカンバッキン見た目だけ派手な娯楽として見る分にはいいかも?
あ、でも医者の最期は大好きw
「ワルモノ」の末路はこれくらいやってくれなきゃねー、聞いてるか?炎炎。

ところで、市民をコロコロして一旦は暴動を鎮圧するも最後市民によって制圧される処刑課とか、これ…中国じゃ放送できんだろうなぁと思ったり。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ふむふむ。。見応えはあるけど好みは分かれそうな?

 
正直、ジャンル的に優先度は低かった作品ですが、利用しているサブスクでは軒並み配信されず。
Tverで期間限定配信というのを聞き、優先度を上げて視聴しましたが果たして・・・

世界観はいいですね。
絵とかOP/ED、チカラ入ってる感じがします。
この感じ、オリジナルの感触・・
 
 原作:オリジナル
 製作:studioぴえろ
  ニルス/うる星やつら/きまぐれオレンジ☆ロード
  /平成天才バカボン/おれは直角/幽☆遊☆白書
  /はじめ人間ゴン/十二国記/キングダム
  /凪のあすから/転スラ・・・
  結構、老舗なんですね。
 放送:2020年秋(全12話)
 視聴:2020年冬(Tver)


▼あらすじ(公式イントロダクションより)
{netabare}本作品の舞台となるのは、高度に発達しながらも歪んだ社会。
遙か昔、カントウとカンサイの間で戦争が起き、世界は分裂した。
カンサイはカントウの属国となり、独自の発展を遂げていった。
しかし、政治と警察力は衰退し、犯罪が横行。
その犯罪者を アクダマ と呼ぶ ―。
▲{/netabare}

ん~あらすじだけ見ると、やはりテンションは上がらないけど・・
ただ、この声は・・ほほ~
自分はcvだけで完走できる特異体質なのでいけそうw

▼キャラ/キャスト
{netabare}一般人(詐欺師):黒沢ともよ
 ハンコセンター職員の20歳。
 巻き込まれ体質?いやーおせっかい気質じゃんw
 黒沢さん、待ってましたヒロイン。
 やっぱり、演技、声ともに惹かれるものが。
 シリアスな世界に明るさを与えてくれました。
医者:緒方恵美
 豊満な肉体を持つ美女マッドサイエンティスト。
 中の人は、「エヴァ」とか「たまゆら」が印象的かな。
 メインキャラはレア感ありますね。
 担当キャラが突出して有名になると大変ですね。。
黒猫/兄:内田真礼
 アクダマに爆弾付きの首輪を装着し指示を与えた。
 cvマジ?男性役もこなすんですね。
妹:市ノ瀬加那
 兄と共に「カントウ」への供物として囚われていた少女。
 市ノ瀬さんは少し復習・・・
 色づく世界の明日から(風野あさぎ)、
 かぐや様(四条眞妃)、
 Dr.STONE(小川杠)、
 ゴールデンカムイ(エノノカ)、
 天気の子(佐々木巡査)・・
 お可愛いことw
処刑課弟子:花守ゆみり
 アクダマ排除に燃えている処刑課の若手女性。
 花守さんも復習しとこか・・
 ゆる△キャン(なでしこ)、
 オバロ(イビルアイ)、
 転スラ(シズ)、
 エガオノダイカ(ユウキ・ソレイユ)、
 かぐや様(早坂愛)、
 ハチナイ(宇喜多茜)、
 鬼滅の刃(白髪)/慎重勇者(ロザリー)、
 ランウェイで笑って(藤戸千雪)、
 ダーウィンズゲーム(スイ / ソータ/映像研(百目鬼)、
 グレイプニル(愛子)・・
 男性的な声もできるんですね。
▲{/netabare}

ヒロイン、初めは眼を見てロボットかと思った・・
サブ含めキャラの特徴は立ってるかな。
でもなぜか好きになるキャラは少ない・・

正直、視聴モチベーションは、ほぼヒロイン(のcv)w

▼エピソード
個人的にはアニメオリジナル作品って、
物語部分は色んなオマージュを感じたりして、
新鮮味が感じられない(つまり残念な思いをすることが多い)といった印象・・

この作品も、その範疇を超えることはなかったかな。

マンガや小説が原作の場合、原作が市場に出る前に編集部のチェックが入るし、市場で淘汰され人気がある作品がアニメ化されるワケだから、仕方ないっちゃ仕方ないですケドね。すでに原作ファンもいるわけだし。
だからこそオリジナルは絵や曲にチカラを入れる必要があるんだろうけど。
とはいえオリジナルアニメでも好きなものはあるので(すぐには思い出せないけどw)、ちょっと期待しました。

犯罪者視点でのミッションとバトルは、悪くない。
でも、気になるところが・・
~{netabare}
第六話、復習しに来た処刑課師匠はどうやってアクダマたちの居場所がわかったのか。。怪我してたんだしまず組織に報告じゃね。
私情で動くし過度な自信やプライドが身を亡ぼす事をわかってないのは・・美学でゴリ押ししてそうだけどプロと呼べるんかな。

前半は謎が気になって面白味もあったけど、
後半は謎部分が刺さらず、なんだかな~な感じも。。

他にもざっと挙げてみると。。
<cv>
 一部、ちょっとミスマッチというか気になった。
 本人というよりOK出してる方がどうなんだろ。。
<ヒロイン>
 序盤人物像が掴めず感情移入しづらかったかな。
 巻き込まれただけでここまでやる行動原理が不明。
 途中、運び屋に惚れたんだなーとは思ったけど、
 ここまで引っ張らずに視聴者にわかるように
 してくれれば、もうちょい感情移入できて楽しめたような。
 首に爆弾つけてアクダマ達を操ろうとした兄妹を、
 命張ってまで助けようとするのも人が良すぎ。
<その他>
 月に行く?電脳世界?う~ん。
 モブの処刑課、弱すぎ。
 処刑課女ボス、威張るだけで無能すぎ。
 何でも出てくる弁当箱、四次元ポケットすぎ。
 銃弾をはじくとか、人間じゃなさすぎw
 医者、真っ二つにされて手術とか不死身すぎ。
 殺人鬼、赤い糸イミフ。詐欺師の顔舐めんなしw。

途中は良かったけど、
終わってみれば、個人的にはなんだかなー感が強かったかな。
結局アクダマ達の命を犠牲に不老不死の兄妹が逃げおおせた。
よかったよかった・・とは思えない。

▲{/netabare}


設定や演出は光るものがあったし、作画は劇場レベルかと。
キャラとストーリーは好みが分かれそう。
黒沢さん、やっぱいい・・BEST10作り直そうかなw

ただ・・{netabare}ヒロイン殺すなしw{/netabare}
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

浪花節な古事記

オリジナルアニメ 

“アクダマ”とは作中でいう犯罪者のこと。そう言えばいいのにしてないのはそういう世界だから。
その昔「カントウ」VS「カンサイ」で戦争勃発。カントウが新型爆弾を落として決着。焼け野原になったカンサイの復興を助けたりもしてカンサイ人はカントウに感謝するようになった、とのこと。

メタで馴染み深いものが仕込まれてそうですが、当該世界はオリジナリティあるんじゃないかしら。
2020秋スタート新作の中では第1話の引き込みがぶっちぎりで良かったのがこれ。構成がしっかりしてるとか心情描写が丁寧だとかいうのをいったん置いときまして

 {netabare}作った人の頭ン中を覗いてみたいぜ!{/netabare}

人間の想像力は際限ないなと実感できる“架空の世界”を堪能しちゃえばええじゃないかと思うのです。
“アクダマ”が疾走(ドライブ)する全12話。IF世界の近未来モノ。今年2020年でいえば『ドロヘドロ』と同じくどうも言葉に落とす作業が難儀な作品です。「1話観て合いそうかわかるよ」死体がゴロゴロ転がります。そこ本筋ではないもののそれ自体が嫌という方には撤退を推奨するくらいでしょうか。

【アクダマ's】
 詐欺師(CV黒沢ともよ)
 運び屋(CV梅原裕一郎)
 喧嘩屋(CV武内駿輔)
 ハッカー(CV堀江瞬)
 医者(CV緒方恵美)
 チンピラ(CV木村昴)
 殺人鬼(CV櫻井孝宏)

愚連隊は黒澤明の時代より七人と決まってるのかどうなのか。
その七人の通り名には当たり前だが意味がある。
そして通して観ると「進むべき道は自分の意志で決める」真っ当なメッセージも伝わってくる。
突拍子ない世界に私達が置き去りにされないのは基本的なお作法を心得ているのもあるやもです。

アニメに求めるものの一つは表現手段として実写ではしょぼくなると思しきものをいい意味で見せつけてもらうことだったりします。それを満たしてくれた良作ですね。

■むしろ…
『ダンガンロンパ』と比較される本作ですが、肝心のネタ元を知らない私です。
むしろ『PSYCHO-PASS』との既視感が強いかしら。アクダマ認定のオートマティックぶり。某執行官ばりに現場で処刑実行できる公務員の存在。そんな世の中に感じる居心地の悪さなんてのもそうです。
{netabare}さらにサイコな殺人鬼役に櫻井孝宏さん。ダメ押しで公機関の女ボス格に榊原良子さん。榊原さんがどーんと鎮座してると悪の組織風味が何倍か増しますよね。{/netabare}



※妄想劇場

■大大阪(だいおおさか)の衰退

大正末期~昭和初期。大阪が東京を凌駕していた時代を指してこう言う。何年か前に通天閣で大大阪展やっててそれで知ってました。約100年前の大阪イケイケどんどんぶりは白眉ものでしたよ。
そして現在…ってことになるわけでして結果は東京への一極集中。いろいろ理由はあるんでしょうが

{netabare}東海道新幹線開通{/netabare}

{netabare}東名高速道路その他インフラ投資が高度成長を後押ししました。導かれるはリアルでの大阪の没落そしてアニメでシンカンセンの神格化。なんとも皮肉が利いてます。
またこれ“財政健全化”“国民の借金いくら”“角栄の頃と違い公共工事に効果はない”と捉えてる層にとっては、公共工事アクダマ論に乗っかり「そんなのを神聖化するなんて…プークスクス」とさらにマウント取れることでしょう。なお私の意見は真逆です。{/netabare}

蛇足で劇団☆新感線も出自が大阪芸術大学だったりするのもなにかの意図を感じます(しません)。


■暗喩なのか妄想なのか

大阪を好きなのか嫌いなのかよくわかりませんが、無関心ではいられないというのは伝わってきます。
く○るのたこ焼きが500円と現在より安価。デフレーションでも起きているのでしょうか。

{netabare}ハンコも消えてない(笑) このハンコで一元化って仕掛けは面白かったですね。きっと文化と認められての発展形をアニメで描いたのでしょう。そんな発展形ハンコのもたらす災厄を描いてたこともあって、マイナンバーみたいに“国民総背番号制”一元管理どうかと思う層には「ほら見たことか」とウケが良かったかもしれない。なお私の意見は真逆です。{/netabare}

作品チュートリアルなウサギくんとサメくんの寸劇は有難かったですね。ウサギとサメの組み合わせで
{netabare}真っ先に思いつくのは“因幡の白うさぎ”だったりします。文章上のワニ=サメと解釈するのが一般的。その寓話の教訓とは?

1.思いやりの心をもっていると、幸せな結末が待っている
2.余計な振る舞いは災いを招く

といったところでしょうか。本作の展開結果に通ずるものがあります。{/netabare}


とここまでの垂れ流しをご容赦をば。
カンサイという近未来大阪風味な街で繰り広げられる大騒動。やや陰惨でディストピアな世界だからこそ他人様の優しさが沁みる。地でいく娘主人公の立ち居振る舞いに心打たれます。

 思いやりの心をもって迎える結末は幸せなのか不幸なのか?
 余計な振る舞いが招いたのは災いなのか未来への光なのか?

各々で捉えようのある結末も好感度高し。

 馬鹿な出会いが利口に化けて よせばいいのになんとやら

人生どう転ぶかわかんないもんですよね。


{netabare}結局のところ“医者”の年齢は不明のまま。おいくつだったのだろう?{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2020.12.30 初稿
2021.09.25 タイトル修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 50

74.3 3 警察で未来なアニメランキング3位
東京リベンジャーズ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (390)
1438人が棚に入れました
人生どん底のダメフリーター花垣武道(タケミチ)。中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人・橘日向(ヒナタ)が、最凶最悪の悪党連合"東京卍會"に殺されたことを知る。事件を知った翌日、駅のホームにいたタケミチは何者かに背中を押され線路に転落し死を覚悟したが、目を開けると何故か12年前にタイムリープしていた。人生のピークだった12年前の中学時代にタイムリープし、恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始する!

声優・キャラクター
新祐樹、和氣あず未、逢坂良太、林勇、鈴木達央
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

突っ込みどころも含めて楽しむアニメ

最近ちょっと雲行き怪しくなってきたけど
取り戻してほしい。

↓1~13話時点感想
{netabare}
タイムリープ×ヤンキーもの

評価してるのはタイムリープとしてではなくヤンキーものとして。
タイムリープに関してはかなりガバガバだから、
タイムリープはおまけと割り切ってみた方がいい。
それができない人には向いてないアニメかも。

ヤンキーものとしてはかなり面白い。
最初の人生でのターニングポイントとなった地点でそうはならないように努力するといった話。
このアニメの一番の良さはキャラ魅力。
沢山キャラが出てくるにも関わらず、全員キャラが経っていて良かった。
マイキーやドラケンとかもめっちゃ怖い奴を想像してたら結構優しくて好感持てる。
ドラケン人気な理由はかなり理解できる。
11話でいきなり東卍の隊長がめっちゃ出てくるけど、あの一話だけでもかなりキャラが立っていて良かった。

クソザコ主人公にも結構見せ場があって、キヨマサにやられながらも仲間のために諦めないのはかっこよかった。
12話では元の人生がダメになった元凶のキヨマサをちゃんと実力で倒してリベンジを果たすという完璧な構成だった。
1クールの節目としてかなりいい終わり方をしたと思う。
マイキーが長内ぼこぼこにするシーンとか、メビウスとの抗争もそうだけど、そういうかっこいいシーンがかなりあって、そういうところがめっちゃよかったアニメ。

全体的に、現在と過去を行き来しながら目標の達成を目指す話は大好きだったのと、かっこいいシーンが多数あったので滅茶苦茶楽しめた。
なんで東卍は分裂するんだろうとか、稀咲はどうやってトップに立ったんだとかめっちゃ気になって、先の展開も読めないし、次の話が待ち遠しくなるアニメだった。1話の体感時間で言えば今期で2番目ぐらいに短かったと思う。

一方で後半になると結構駄目な点も目立ってきた。
まず、主人公の頭が悪い。最前手(警察を呼ぶ)を取らずに意味不明な行動をする。
それと、主人公が中身が大人のようには見えないのもマイナス。
特に主人公の頭の悪さに関しては14話でもかなり気になったから、今後もしかしたら酷評するようになるかもしれない。
そうはならないように祈る、といいつつもそうなるだろなあと思ってる。

{netabare}
1話 見慣れてる設定だけどヤクザとの組み合わせは新鮮。
死ぬことをすぐ伝えてしまうのか...よくあると思ったら思ってたのと全然違ってなんか面白そう

2話
タイムリープを能力ととらえるの無理やりすぎる。
なんでタイムリープが可能な前提で話が進んでいるんだろう。
握手で元の世界に戻れたって考察無理がありすぎないか。
てか偶然の事故ならヒナにその場所に住まないように忠告すればいいだけでは...?
なんか中学生っぽくねぇなぁ?
最後の決闘申し込むところのアングル?見せ方かっこいい。
ラストは良かった。

3話
学校に乗り込んできて主人公を連れて行くってw
主人公のために不良にビンタするヒナもヒナを守るために龍宮寺を牽制する主人公もカッコよかった
マイキーは味方キャラなのか?
もう一人の方も出てきたしかなり先が気になるアニメ。

4話
微妙に世界が変わっていってる。
主人公も直人も魅力的なキャラになってる。
あっくんめっちゃかわってんなw
稀咲鉄太がラスボスかな?

5話
主人公の言う通り、普通にヒナにリープしてきたって言えば解決な気もするけど、直人は東京卍會を潰したいからそれはやめろって言ったのかな?
過去と未来を行き来して謎を解き明かすっていうのはやっぱり面白いね。このアニメの欠点はタイムリープの設定が雑すぎることかなぁ。
マイキーカリスマ性あっていいな。
私生活は酷いけどw 巻き込まれた彼女不憫。
父の泣き演技上手い。

6話
ドラケンの過去回。マイキー小学生なのに糞強いw 
抗争を止めると言っても難しいよなあ。
実力もない一人の力で。
主人公の立ち回りがあほすぎる。もっと考えろや。
メビウスとの抗争を止めるんじゃなくて、ドラケンを守ろうとするのが普通じゃないか。
まだタイムリープしてることをばらした方がマシ
まあそういう突っ込みどころはあっても面白いからか一話の体感時間がめっちゃ短い
確実に楽しんで見られてるアニメ。

7話
タイムリープ設定さすがにガバガバすぎなのだけどうにかならないのかな。
過去が変わったら未来もかなり変わるはずなのに。
マイキーと仲良くなったなら尚更。
主人公があほすぎる。
こんなんでマイキーと仲悪くなってしまったらどうするんだ。
マイキー強すぎるw 
ギャグかシリアスどっちがやりたいんだ。

8話
主人公が好きになれない。
口きいたら危ないかもとかそういうの思わんの?
なんかドラケンとマイキーが急に善良な小学生みたいに。
キヨマサとかいたなそういやw 
何で警察呼ばんの。 
ドラケンに伝えたら解決なのに謎のモタモタ。

10話
ぺーやん卑怯だな。半間つっよ。 
めっちゃ集まってんじゃんw 警察仕事しろw
主人公無能。
東卍のメインキャラも結構いっぱい出てきたな
結局ドラケン死ぬのか...

11話 警察呼ばんのか...。マイキー強い。
主人公モタモタしすぎ。いやマジで主人公何しとんねん。
救急車は...。ヒロインの方が有能という。
おせーのはお前だw
ナイフ使われたらどうすんだ。
マジで使いやがった、キヨマサゴミじゃねーか。
ナイフで刺しといてみっともない真似すんなってw
タイマンめっちゃよかった。
キヨマサ倒すところで一段落ついた感じ。
キヨマサチームほんとカスばっか。
溝中メンバーにも見せ場あってほんと面白かった。
登場シーンくっそださいし即落ち2コマけどw 
救急車おっそ。てか警察は読んでないの?
救急車大丈夫なんか。

12話
逃げるのかよw BGMいいな。
タケミチだっさw 
確かに怪しまれるだろうしタイムリープばらしていいのでは。
これだと自分の地位を上げるために仕組んだかのようにも見える。
まあそんな地位のあるやつには見えないか、主人公。
何で直人記憶残ってんだよって突っ込みたくなるけどまあ面白いからいいか。

13話
タケミチ子供にしか見えないな。
子供の姿になってる時ならまだ気にならないんだが、大人の姿でこれは違和感が。
何で車で突っ込んで殺すんだよw

{/netabare}
{/netabare}

全話視聴後感想↓
予想通りかなり失速したかな。
ただ、最後の方は良かったのと、やっぱり先の展開が気になる。

{netabare}
最初から突っ込みどころだらけだったけど、そのころは面白さの方が勝ってた。
ただ、中盤あたりはさすがに面白さよりも突っ込みどころが目立った。
展開がガバガバどうこうは突っ込んだらキリがないので置いておいて、主人公の頭が非常に悪い。
稀咲が敵だからといって会うなりいきなり殴りだすし、
血のハロウィンでは、何もしない、ほんとに何も。
警察呼べばそれで解決するだろうになぜか最善手を尽くさない。
目の前でやばいことが起こってても突っ立って嘆いてるだけという最悪な主人公。
それと平気で中学生のヤンキー集団なのにもかかわらずバールとかが出てくるのはさすがに戸惑う。
一虎が場地を恨む理由もしょーもなかったし、場地より一虎を退場させろよとは思った。
場地が死ぬシーンも最悪、あれはギャグとしか思えない。
それと結局場地が遺言残したのに稀咲は東卍に入るのかよと。

主人公や一虎はカスだったが、千冬のキャラは良かった。
千冬と場地の過去回は良かったかな。
ペヤングと聞いたときはギャグかよと思ったけど、普通にいい話だったという。
それと最終回も良かった。
賛否はありそうだが、自分はああいう引きで終わる最終回は好き。
ただし、続編モノに限る。
まあたぶん、あのあと一虎が助けるという展開だと予想はつくけど。

一話毎感想↓
{netabare}
14話 4/10
ハゲドラケン。3番隊隊長主人公じゃないんかよ。
やっと稀咲登場か。
は?主人公あほかよ。うっそだろ。
ほんと主人公の頭の悪さが目立ってきたな。
一発で許してくれるって優しいな稀咲。
せめて稀咲を信用するなぐらいにしとけよ。
もしくはもうタイムリープ話してもいい。
ED微妙だな

15話 6/10
解説回かな?ヴァルハラ強そう。
一虎優しそうな雰囲気だなw やべー奴だった。
煙がすごいことになってる。
証人喚問必要ある?信用になるのかこれ。
唐突な自分語り。もうちょっとテンポ良くていいのに。
ED映像はかっこいいんだけどなぁ。

16話 8/10
当たり前のように無免許バイク。治安がw 
何で海で遊んでんの?
マイキー無双かっこいい。盗んだバイクで走りだす。
回想まだ引き延ばすのかぁ。
結局場地が敵に回った理由分かってないし。
EDスルメ曲だわ。

17話 7/10
振り返りなっが。
一虎がマイキー恨む理由もしょーもないけど場地が一虎に着くのがもっと意味不明だわ。
スパイで入ろうとしてるのはありそうだけど。
無事に返してくれるの優しい。
ほんとにスパイだった。
このバブ、キーアイテムになってきそう。
回想で引き延ばしすぎ。とっとと言えよ。
は? マイキーの前でよくそれ言えんなw
今回つまんねえ。
稀咲の見た目陰キャじゃんw 頭脳系キャラか。
ヴァルハラのトップがマイキーってことにされてるのかなぁ。
一虎の件まで稀咲の仕業とかはないよね。
最後の長内とドラケンパートは面白かった。

18話 9/10
ドラケン視点たけみち頭おかしいやつだろ。
これ場地がスパイなら、説得して場地と協力する展開かなぁ。
なんでドラケンの時の記憶あるねんw 
そんな軽くたけみち許すのかよ。
カリスマだなマイキー。演説良かった。
おい、なんかのスポーツ大会かよww
笑うわこんなん ほんとままごとかと思ったわw  
いつの間にかEDが今期一好きな曲に。

19話 5/10
毎回序盤に尺稼ぎ入れるのなんなの?
喧嘩じゃなくて場地を救うことを考えろw
主人公ガイジかよ。
おい、構想を終わらせることじゃなくて場地を救うことが第一だろ。
なんであれで東卍側は鼓舞されてるんだよ。
マイキー何やってんの?
半間いっつも噛ませじゃん。また噛ませっぽい3人が。
場地空気。
ええ... こういう武器持ち出すのは萎える。
最初から形勢逆転しろ。 微妙回。 

20話 2/10
ええ...
なんでこいつらマイキー殺そうとしてるんだ?
不良と言っても中学生の日本人だろ?
バールも普通に使ってるし、頭おかしいだろ。
これ未来的に何もしなくても大丈夫だろ。
マイキーがこの先一虎殺すことになってんだから生きること確定してるじゃん。
ほんと殺人未遂犯しかいねーな。
守るってなんだよw
お前稀咲守ってんじゃんw
なんでここで場地が行ったら殺される前提なの?
稀咲守る意味ある????
なんでここで宣言してgdgdしてんだよwww
はよ行けやw バールかよだっさ。
場地死にそうだな。酷い回。

21話 2/10
今更「場地が死ぬと~」とか言うなw
何でこんな大人数の集団が全員撤退するんだよw
主人公警察でも呼んどけや。
こんな展開やられても一虎なんて好きになれねえよ。 
応急処置しろ。は? 笑うわこんなん
場地の遺言は良くてもその前が酷すぎだわw
一虎がこれで殺されなくなるは謎理論すぎるだろ。
救急車まだなんかよ。
兄殺して親友殺したやつを許せるわけねえだろw 

22話 10/10
中学生とは。お守りはちゃんと盗まず買うのなw
場地かっこいいじゃん。
主人公いる?
稀咲もタイムリープしてるみたいな設定だったら面白いのに。
春のbilibiliアニメみたいに。
ペヤング草。千冬すき。
東卍化け物しかいないなw
ペヤングいい話だった。
今回久々に面白い。
なんでタケミチいるんだここに。    

23話 7/10
なんだこれw
今回主人公何もしてねえのになんでドラケンとこんなに仲良くなってるんだ。
これ丸見えだろw
てか同じ学校の奴らも空気になってるよなぁ。
不良とは。ここで稀咲どうするか決める感じか。

24話 10/10
今度は殴りこまんのか。
いや、なんで場地遺言とか残してないのかよ。
すっごい見た目変わってるな。
二期が気になる、ほんと先の展開が気になる。
この状況で頼んでどうするねんw
何キレてるんだ。
前期の中華のタイムリープアニメを思い出す終わり方。
こういう引きで終わるの結構好き。
ただ、一虎がタケミチをギリギリで救ったみたいなオチだろうとは予想できる。

曲20段階評価(完全に好み)
OP「Cry Baby」7.0/10
ED1「ここで息をして」7.0/10
ED2「トーキョーワンダー。」10/10
{/netabare}
{/netabare}

総評としては、突っ込みどころも含めて、ただ目の前の展開を楽しむアニメ。
自分は結構好きだったけど、まあそりゃ評価は悪いよね。
個人的に途中で切った呪術廻戦よりは面白かったかな。
鬼滅、呪術、東リベの流れの中では自分的には一番良かった。
それと2クール目のED、最初は微妙と思ったけど聞いてるうちに好きになって、今期で一番好きな曲です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ヒットするには理由がある!、、、が。

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
リアタイでは、「タイトルがダサ過ぎると思った」ので、視聴をスルーしていた(笑)のですが、流行ったアニメですし、A-TXの一挙放送で観ました。

なる程、面白い。個人的には「鬼滅の刃」よりも好きですね(呪術は未視聴)。

私自身がヤンキー漫画大好き(全部合わせると200冊くらいは読んでるな~w)なこともあり、コンプライアンス的なことは気になりませんでした。リアルヤンキーは嫌いですが、フィクションヤンキーは好きなんですよ(笑)

中盤まではとても面白く、☆5もチラっと考えるくらいだったのですが、終盤で評価がガタ下がり。危うく☆3にするところでした(苦笑)

レビューでは、まず本作を絶賛し、その後に不満に感じた一点の酷評を書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
非常によく作られた作品だと思った。

元々、「新宿スワン」を描いていた人だけに、社会の闇や人の闇的な話は得意。しかし、現代の若者に、潜在的なヤンキーへの憧れはあったとしても、(ヤンキー漫画全盛期の)昔のようにリアリティがあるわけじゃない。

そこで、花垣武道という「弱キャラ」を主人公に据える(まあ、「特攻の拓」だけど)。

彼の、一歩引いた位置からの視点は、視聴者の視点だ。彼は特別な力は持たないし、強くなるための努力もしない。あるのは根性と綺麗事だけ。それなのに、なぜか上手くいく。周りに助けられながら。

ある意味これは、なろうの系譜だ。

もっとも、それを感じさせないところに、作者の力量がある。

というか、サブキャラの魅力に救われたよね、実際。

また、コメディ色の強いところは、近年で言うと、「今日から俺は」のヒットも取り入れているのかもしれない(バイオレンスな作品だけに、Cパートのちびリベは効果的だった。あれはアニメスタッフの手柄だな)。

(まあ、個人的には「湘南純愛組」のノリに近いと思ったけど。)

作画、バトルシーン、キャラデザ、音楽。全部クオリティ高い。

近年トレンドの転生要素と、近年の若者に馴染みの薄いヤンキーものをブレンド。

そこに更にシュタインズゲートをふりかけている。

これは「鬼滅」でもそうだが、「主人公が頑張る、キレイな理由」というのは、今の時代のアニメには大事なんだと思う。昔以上に。

「鬼滅」は、ようは単なる鬼退治なのだが、「妹のため」。本作は、ようは単なるケンカなのだが、「恋人のため」「友達のため」。そういうキレイな理由が暴力を正当化させ、女心や子供心を掴むのかな?(知らんが)

まあ、そういう既視感は低評価の理由にはしないけどね。

同じように面白い要素を混ぜようと、つまらない作品しか作れないことも多々ある。まるパクりしてないならば、この面白さは充分に作者の力量と言って良い範囲だと思う。

そして、散々ヤンキー漫画の名作に触れ、たくさんのアニメを観てきた私達には、色々浅く見えても、今の子供達やアニメに縁遠い人達に受けなければ、アニメの裾野は広がらないのだから、本作のようにヒットするアニメが出るのは、1アニメファンとしては歓迎したい。


と、ここまでは絶賛。

ここからが酷評。


とにかく納得いかなかったのが、場地圭介の「死に様」。死んだことがじゃなくて、「死に様」。

マイキーに一虎を殺させたくない、一虎にマイキーを殺させたくない、東卍を守りたい。だから、瀕死の状態で自決を選んだ。それは分かる。

でもだったら、自分が死ぬ前に稀咲を刺し殺すべきだと思う。もし、それがかなわなかったとしても、死の間際に遺言を託すなら、(千冬はともかく)武道よりマイキーでしょ、絶対に。

「マイキー、一虎を許してやってくれ。あと、稀咲は敵だ。東卍に近付けるな。俺からの、最後の願いだ」

くらいをマイキーに言えば、稀咲は終わりでしょ。何てったって、大好きな場地の命をかけた願いだ。

私は理系ではないので、タイムリープの齟齬的な話はどーでも良いんですよ、結構。

そのかわり、文系だからか、人の心の齟齬的な話には納得いかないんすよね、大分。

あれだけマイキーのことが大好きな場地が、あそこまで動ける状態で、マイキーよりも武道に遺言を残すなんてあり得ないと思った。場地は、もっと賢く、もっと情に厚いキャラクターでしょ。

この一連の流れは、ドラケンが刺されるのと同じような展開だが、そこから変化をつけるため。また、ドラケンは(重要かつ格好良すぎて)殺せないから、「ドラケンみたいに格好良いキャラを作って、代わりに殺した」ように見えてしまった。

また、場地が今後も生きていれば、「ラスボス」の稀咲を活用できないし、場地の遺志を継ぐことで武道を(キャラ的に)強くするという効果を狙ったのだろう(ONE PIECEもキングダムも、強キャラの遺志を継ぐのは定番だよね)。現に武道は出世した。

そういう作為が透けて見えてしまい、せっかくの熱いアニメに、水をさされた気分になってしまった。「作品のために生み出され、殺されたい場地が可哀想に感じた」。それが、本当に残念だった。

せめてもの演出として、動けない場地が大声で叫び、視線を集めて、寝たまま自分の腹を刺す。偶然近くにいた武道と千冬だけが場地の最期の言葉を聞けた。

もしくは、「このことを知れば、マイキーは稀咲を殺す。頼む、マイキーを人殺しにさせないでくれ。お前達の力で、稀咲を東卍から追い出してくれ」と、武道や千冬に頼むか。

くらいなら、ギリギリ納得できたかな。

まあ、気になる終わり方でもあるし、全体としては面白かったので、二期があったら確実に観ますし、ていうか、原作を買いたくなるくらいな好きでした、久しぶりに。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
タイムスリップ+ヤンキー漫画。今のトレンドと昔の焼き直し。

2話目 ☆4
なる程、悪い→良い、のタイムリープじゃなく、良い→悪い、のタイムリープか。まあ、無い→悪い、とも言えるか。

3話目 ☆3
正義の不良系? マイキー、王道キャラだな。難しいな、不良の格好良さ。一般人に迷惑かけたらな。

4話目 ☆4
ナオトと握手(笑) わりといったりきたりするんだね。現代も緩やかに変化と成長をしていく。あっくん。飛び降りのリアルさを出すあたりが、攻めてるよな。

5話目 ☆4
ドラケンの格好良さ。Cパート、笑えるな(笑) 

6話目 ☆3
マイキーとドラケンの出会い。流石にタケミチも、もうちょい活躍しないとな。

7話目 ☆4
ウンコで仲直り(笑) コメディの強さも特徴。まあ、これでは終わらないよな。もうひと波乱あるよな。許してねーぞ(笑) これ、ドラケン死ぬ流れ? もったいないキャラだけどな、死ぬには。そんで、ドラケンの代わりに、タケミチがなっていく話になるのかな。


8話目 ☆4
なるほどね、ここで仲直りの伏線。ケンカ中なら来ないか。

9話目 ☆4
スリーパー。さて、ドラケン、助かるか?

10話目 ☆4
ドラケン、助かるか。そして、違う世界線から、違うトラブルが。いや、左手刺されてんだら、入院だろ(笑)これ、ナオトの方の記憶の在りようが気になるな。どういうシステム?   

11話目 ☆4
ネックレス付けてるのがね。ナオトのイライラ(笑) 変わってない。

12話目 ☆4
まあ、シュタインズゲートに至る道は簡単じゃないよな。

13話目☆3

14話目☆4
場地。敵か味方か。どっちかな。

15話目☆4
虎穴に入らずんば虎児を得ず、だな、まんま(笑) ケンカが正当化される設定だからな。

16番目☆4
マイキー、格好良いな。なるほど、マイキーの兄貴殺したのは、一虎か。

17話目☆4
一番隊副長、千冬。ここにも格好良い男が。武道、次は一番隊隊長になるのかな。

18話目☆4
一虎は、マイキーに殺されたいのかな。場地は、一虎も救いたいし、マイキーも救いたいし。実写映画のメインシーンだよな(笑)

19話目☆3
流石に作画ヘタってきたかな。大事なシーンだけに、枚数が少ないのは残念。

20話目☆3
基本、ドラケンの時と同じ展開。じゃあ、流石に場地は死ぬかな?

21話目☆1
とっとと全員でマイキー取り押さえろよ。場地の行動もワケわからん。それでマイキー止まるか? だったら、稀咲を刺した方が効果的では? それか、死ぬ間際に伝えるべきは、マイキーにでしょ、稀咲が敵だって。

22話目☆2
ここで回想。いや、死んでても救急車だろ。放置して帰るか? ドラケンは(格好良すぎて)殺せないから、ドラケンみたいな奴を殺したとしか思えないな。んで、死んだ後にキャラつけてくのも、あまり好きじゃないな。

23話目☆3
ここで日常系か。さて、どう締める? まあ、中学生だしね(笑)

24話目☆

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

元ヤン、母校に帰る。

【紹介】
元ヤンがヤンキーやってた中学生時代にタイムリープして未来を変えるため奮闘する話。
暴力や殺人など刺激的なシーンが多いので苦手な方はやめたほうがいいかも。
シナリオはかなり雑で粗が多いけど面白い。
特に主人公の行動の妥当性のなさと、タイムリープの取り扱いの適当さが酷い。
キャラクターの魅力がすべてかもしれない。
バジ君、ドラケン君、ミツヤ君、マイキー君、千冬あたりが特に好きです。

きさきも含めて敵対するキャラにほぼ人間的な魅力がないのが欠点かも。
味方の魅力を描くのは上手でも、敵の魅力を描くのは苦手なのかな?

【タイムリープについて】
{netabare}
タイムリープはかなりご都合主義というか、いい加減ですね。
過去と現在を行き来して過去の出来事が未来に影響及ぼすのはいいのですが、その影響がかなり大雑把ですね。
それに、未来にいってる間のタケミチや過去変えた後未来に行くまでの十数年は当時のタケミチが自分の意思で動いている設定ですが、そのタケミチは大人の記憶がないので、あんな都合よく話が進まないとおもう。
細かいこと気にしないほうがよさそうです。
{/netabare}

【シナリオ】
{netabare}
タイムリープだけじゃなくシナリオも結構いい加減。

最初はヒナを助けるという明確な目的があったけど、その目的がいつの間にか暴走族の仲間を助けることにすり替わっていて、まずはヒナの安全確保という誰でも思いつくような当たり前の安全策をとらずに、ふつうはどうにもできるわけがない不良の抗争をなんとかすることばかり考えていて、都合のいいときだけヒナを助けるために根性で身体はってんだ!みたいな空気出すのがおかしいと思う。

最初からヒナは誰かに命狙われているわけじゃなくて、事故に巻き込まれているだけなんだから、抗争を止める必要なんてないんじゃないの?
タケミチが何度もタイムリープする動機付けのためだけに関係ないのに殺されるから不自然な感じがする。

きっかけはヒナを救うためでもいいけど、とりあえずヒナの安全を確保して、ドラケン君たちを気に入ってしまったから助けたいという風にタイムリープする目的を切り替えれば良かったと思う。

どっちかというと命狙われているのはヒナじゃなくてタケミチなわけで
劇中でもタケミッチ自身も提案していたが
事件の日付と場所だけマサトとヒナに伝えておいて、この日は絶対にここに近づかないようにって言うのが一番確実で安全な方法だと思う。
ふつうはまずこれを試そうとする。

その方法はマサトが、変な奴だと思われて嫌われるだけだからやめとけって言って止めるけど、これがこの作品で一番おかしいところ。
大事な姉の命かかってるのに何言ってるの?って思った。

それにヒナの性格からしてその程度で嫌うような子じゃないでしょうに

{/netabare}


【キャラクター】
{netabare}
こういう世界と全く縁がないので詳しくないですが、これって昔の暴走族ですよね? 
今はあんまりここまでベタな暴走族なかなかいない気がしますね。
登場キャラは多いが重要な人物とモブの書き分けもしっかりしているしキャラづけがしっかりしているので誰これ?ってのがあまりない。
生き方がカッコいいキャラが多くて魅力的。

残念なのはキサキ。
敵だからというのを抜きにしても魅力が低いですね。
やたら脅威感を強調されていますが、そんなに脅威でしょうか?
現状、ただの詐欺師ですよ?

こういう詐欺師キャラで本人の力が強くない場合って、
たいてい根っこがしょうもない場合が多い。
底がすごく浅そう。

圧倒的な力を持っていて、手が届きそうにない圧倒的な差があるって感じなら良かったんだけど、そうでもなくて
もし演技じゃないのなら、頭もそんなに良くないし、強くもないと思う。
暗躍するのも、そんなにうまくやっている感じもしない

それなのにみんなして、「きさきがこえーんだよ」「とにかくやべーんだよ」ばっかりなのが冷める。
なんでこんな口先だけの詐欺師にビクビクしてるの?
{/netabare}

【バトル】
{netabare}
自分のチームの総長が敵に囲まれて、卑怯な方法で一方的に攻撃されているのに、ぼーっと見ている人多すぎ。助けに行ってあげて。

あと、乱戦中に刃物で刺されるシーン何度かあるけど、刺した人は殺す気で刺していて、刺された人は無警戒で、不意打ちに成功しているのに、なんか変な場所刺しているのが雑だった。

マイキー君の兄は、あの武器の重さと一虎の叩き方からして一撃で即死になるでしょうか? 
ドラケン君はあの出血量だとたぶん死ぬと思うし、バジ君はあの位置刺されてもたぶん死なないと思う。こういうところもよくわかんなかった。


{/netabare}

【音楽】
主題歌はOPもEDもかなりの良曲で作品のテーマにもよくあっている。

【総評】
変なところで終わりますね。
このあとどうなっちゃうんでしょうか?早く続きが見たいです。
細かいことを気にしなければ面白いアニメだと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

64.3 4 警察で未来なアニメランキング4位
アクティヴレイド -機動強襲室第八係-(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (379)
1796人が棚に入れました
第三次流砂現象によりその一部が泥濘に沈んだ東京。復興作業用に作られた、 高出力・強化外骨格<ウィルウェア>を使った犯罪の増加に対処すべく、警察庁警備局は、 その吉祥寺分室に第五特別公安課第三機動強襲室第八係──通称<ダイハチ>を新設した。 様々な法的制約としがらみに縛られながら、 知恵と勇気と口八丁で凶悪事件に挑む若者達(一部を除く)! 決裁完了、出動せよ!!

声優・キャラクター
島﨑信長、櫻井孝宏、小澤亜李、石上静香、倉田雅世、村田太志、相坂優歌、花江夏樹、大川透、大西沙織、鳥海浩輔、緑川光、大原さやか、山下大輝、黒沢ともよ
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

色々頑張ったが・・・タイバニにもサイコパスにもなれなかった残念作

『コードギアス』の監督を務めた谷口悟朗氏を総監督に迎えて、かなり気合を入れて企画・制作された作品だと思うんですよ、これ。

2011年のヒット作『TIGER&BUNNY』や翌2012年のヒット作『PSYCHO-PASS(サイコパス)』をよく研究して、「今の売れ筋はコレ!」みたいな感じで企画が練られ、それらに続くスマッシュ・ヒットを狙って相当な勢いで制作が始まった作品だなあ・・・という感じが本作の視聴を始めてすぐに私にはヒシヒシと伝わってきました。

・・・が、しかし。アニメ業界は非情!
第1期から何故か思うように人気が出ず、慌てたスタッフが第2期では主人公を{netabare}『サイコパス』風の女性キャラから、より腐女子受けが狙える男性キャラに挿げ替える{/netabare}、という大手術を施してテコ入れを図ったにも関わらず、第2期はさらに悲惨な成績となってしまったそうな(いわゆる「爆死」ってヤツですね)。

何で、こうなった????
(私の見解は、下記の◆視聴メモ参照)

いずれにせよ、作画/演出/設定/音楽の各方面で、これだけ高い水準(※『サイコパス』と同水準で、『TIGER&BUNNY』より少し上だと思います)を満たしながらも、企画されたプロットのほんのすこしのミスが、こんな残念な結果を招いてしまうことの実例として、個人的には見て勉強になった作品でした(人にはお薦めしませんが)。


◆視聴メモ(第1期)
{netabare}
第1話視聴終了時点
・『サイコパス』風のヒロインで、『TIGER&BUNNY』風のバトル・スタイルで、『機動警察パトレイバー』風の作品世界・・・とりあえず掴みはOK。
第3話視聴終了時点
・男の娘アイドルあむちゃんって・・・『しゅごキャラ!』か笑(ナギヒコ?)。
第10-11話視聴終了時点
・ここから大詰めだが、リアル・バトルではなく、システム乗っ取り合戦がメインという点をどう見るか?やっぱりソフト関係に疎い層にはいまいち受けないのでは?と危惧。
第12話(最終話)視聴終了時点
・ラストが意外としょぼく、まさに「大山鳴動して鼠一匹」状態で、これでは評価が余り上げられない(※これでは、『サイコパス』の折り返し回どころか『TIGER&BUNNY』にも及ばない印象)。{/netabare} 


◆視聴メモ(第2期)
{netabare}
第1話視聴終了時点
・花咲里あかり転属!まさかの主人公交代か?{/netabare}


◆期別評価

1st.シーズン  ★ 4.0  (12話)
2nd.シーズン  ☆ 3.5  (12話)
--------------------------------------------
総合      ☆ 3.7  (計24話)


◆制作情報
{netabare}
原作         創通、フィールズ、フライングドッグ
監督         谷口悟朗(総)、秋田谷典昭、福島利規(副)
シリーズ構成     荒川稔久
キャラクターデザイン 佐伯俊(原案)、西田亜沙子
メカデザイン     森木靖泰、谷裕司、鈴木勘太
音楽         中川幸太郎
アニメーション制作  プロダクションアイムズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

====== アクティヴレイド -機動強襲室第八係- (第1期) (2016年1-3月) ======
{netabare}
第1話 コード No.538 ★ 西暦2035年、花咲里あかりのダイハチ配属、銀行強盗捕縛任務
第2話 学園崩壊 ★ 人質(山吹凛室長の妹)救助任務(花咲里ウィルウェア(WW)装着初出動)、ロゴス策動
第3話 アリーナからの挑戦 ★ 男の娘アイドル(神明あむ)ファン暴走 ※挿入歌「ミナクル☆ラッキー」
第4話 旋回空域 ★ 民間機爆破物解除任務、瀬名の同期生・統合自衛隊エリート凡河内みほ登場
第5話 消失のポーカーフェイス ★ ロゴスの指金ギャンブラー、天野円活躍
第6話 夢は、彼方の黄昏 ★ 巨大人型ロボット・バトル(舩坂係長と霞ヶ関博士・元正規パイロット)
第7話 ロングレールライフ ☆ 鉄オタはるか巡査部長の犯人説得失敗、長沼都知事候補不審死
第8話 アルティメイドロンド ★ 統自極秘開発WW(凡河内二尉装着)、瀬名&凡河内共同作戦(爆破物解除)、アルティメイド暴走、統自特殊部隊投入
第9話 ロゴスの名のもとに ★ バードのドッグ(通称フィッシャーマン)抹殺失敗、ドッグ都庁襲撃、ドッグvs.凛
第10話 姿なき征服者 ★★ ミュトス&バード面談、生徒会長・八条司稀(ロゴス・トップ)拘留、ダイハチ解散命令(任務は統自移管)、あかり配属の真相、ロゴスの「国家公共統合情報基盤(通称オロチ)」乗っ取り
第11話 ジャパン スタイル ★ 非常事態宣言発令、バードの凜挑発、ミュトス&ダイハチの「ロ」争奪戦、ミュトスの全システム掌握
第12話 誰がための秩序 ★ 最上位権限争い、バードのミュトス裏切り・国外逃亡、ミュトス身元特定・投降{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)10、☆(並回)1、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.0

OP 「Golden Life」
ED 「透明な夜空」


==== アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd. (第2期) (2016年7-9月) ====
{netabare}
第1話 西から来た男 ☆ ダイハチの新体制(エミリア&まりも配属)、スナイパー瀬名復帰 ※挿入歌「なにはなくとも」
第2話 果てなき復讐者 ★ 記憶移植事件(元警察官の復讐、黒騎救出)
第3話 天使と壊神 ★ ダイク花咲里警部への支援要請、フィンガーズ出動 ※挿入歌「なにはなくとも」「戦う怒龍號の歌」
第4話 再びのミュトス ★ ミュトス(巴弥 ともひさ)の操作協力、バード(八条司稀)の帰国
第5話 利するは誰か ☆ 陽の同級生の地下アイドルと反体制派大学生、黒騎の傷 ※挿入歌「ミヴ♡ドリーム」
第6話 逆襲のルドラ ☆ 特撮怪獣映像監督と瀬名の交流
第7話 絶対ピーピング宣言 ☆ 海水浴・水着回
第8話 異邦人は風のなか ☆ 流砂地区と不法移民、カルパヌパ公国への強制送還
第9話 第八係 出撃せず ☆ 高層ビル建設抗議デモ、稲城都知事のダイハチ出動中止指示、仕組まれた一連の騒動・稲城都知事とバードの繋がり(ミュトス指摘)
第10話 訣別の宴 ★ 稲城の凜への2回目プロポーズ、教会の稲城問い詰め、バード死亡?
第11話 偶像の夢 ★ 東京都市サミット開幕、稲城都知事の長沼議員殺害証拠映像公表、衛星落下
第12話 素晴らしき日常{ ★ 黒騎宇宙出撃、衛星破壊、バード逮捕{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)6、☆(並回)6、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「セルリアンスカッシュ」
ED 「Field Trip!!」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

お役所の戦隊ヒーローです

『コードギアス』の谷口悟朗さんが総監督の作品で、日アサの戦隊ヒーローシリーズの脚本を多く手掛ける荒川稔久さんが脚本を手掛ける。キャラクター原案は『食戟のソーマ』の原作者である佐伯俊さんに、『ラブライブ!』キャラクターデザインの西田亜沙子さんと面白い組み合わせだ。

インタビュー記事によると、脚本はデカレンジャ―をイメージしているらしい。デカレンジャーは特に好きなシリーズなので、私はこういうのが好きなのかもしれない。
戦隊ヒーローと警察ものがお好きな方はおすすめ。

【物語】
政治的な圧力で行動を制限されながらの戦いにリアリティがあって面白いけれど、同時に見せ場も奪われて地味な物語になっている気がする。

物語で特にデカレンジャーを感じたポイントは各話によって異なるメインキャラクターに焦点が当てられていること、主人公がよくわからないところだ。

各話の感想
{netabare}1話
メインキャラクターの自己紹介や世界観説明がメイン。
出世街道から逸れてダイハチに配属された花咲里あさみのイタイ娘ちゃんぷりが輝いていた。

2話
正義を振りかぶっていた花咲里あさみが玉砕してしまう。
出る杭は打たれるってね。挫折を経験してあさみちゃんがどう成長するのか楽しみ。

3話
おとこの娘アイドルのライブ会場で歌って踊って盛り上がる回!
あさみちゃんもダイハチに馴染んできた。
敵も間抜けで笑わせてくれる楽しい回だった。

4話
黒騎猛と瀬名颯一郎がメインの回。
雑な性格の黒崎と真面目な瀬名が協力して航空機の爆弾除去に向かう。
グダグダな事件解決と二人の関係がタイバニみたいだった。

5話
天野円のポーカー回。
普段は無口でほとんどしゃべらない彼女だが、昔は凄腕のポーカーの勝負師だった!警察に追い詰められて引退したらしいけど、そんなのが警察にいて大丈夫なのか?

6話
舩坂康晴がメインのロボットバトル回。
全話の中で一番面白かった。
怒龍號と猛銃號の(あんまり見たことないけど)懐かしさを感じずにはいられないロボットのデザインと、船坂視点の熱いロボットバトルシーンがとてもかっこよかった。

7話
星宮はるかの鉄道回。
5・6・7話とずいぶんコアな物語を入れてきたなと思う。スタッフのこだわりを感じた。
鉄道はあまり興味がなかったけれど、鉄橋のジオラマを作成した犯人に同情してしまう彼女の気持ちは痛いほどよくわかる。オタクの性なのかな。

8話
瀬名颯一郎と凡河内みほの拗れた愛の回。
ババミッチーって何者!?

9話
山吹凛がついに出動!
敵が本格的に始動し、クライマックスに向けての第一歩となった。

10話
これと言って印象に残るものがなかった。
協会さんのお名前は佐渡波平さんと言うのか。公式サイトを見ると偽名であるようだ。
名前の由来は『宇宙戦艦ヤマト』佐渡酒造と『サザエさん』磯野波平で間違いないだろう。両者は声優の永井一郎が務めている。おそらくこれが彼の本名なのだろう。

11話
うーん今回も特に。物語は間違いなく終結に向かっているのだが、この話単体でのインパクトが残らない。

12話
完結。
これで終わり?と思うくらいあっさり終わってしまった。
ミュトスの降伏の流れがな…仲間だと思ってた奴に裏切られたショックもあるけど、田舎でお母さんが泣いてるぞレベルの言葉で降伏したのがどうも解せない。
まあ、もう一人のロゴスは海外に逃走しちゃったし、2期もあるから今後に期待かな。{/netabare}

専門用語が多いので公式サイトは要チェック

【キャラ】
欲を言えば、議員秘書の稲城光太郎、黒騎猛と協会さんの見せ場をもっと作って欲しかったけれども、全体的に良いデザインで、キャラ立ちもしていた。

特に好きだったのは協会さん。協会から派遣されている整備士というイメージの固さと、ちょっとチャラいキャラのギャップが良い。
鳥海さんの声も嵌っていた。

【作画】
残念だったところ
EDのLikoの走り方。
腰を左右に捻らない走り方はわざとなんだろうか。人の走り方の基本だから、わざとなのかな。もしそうだとしたら、作中に説明が欲しかったな。

良かったところ
見せ場はやっぱり6話の怒龍號と猛銃號の船坂視点の戦いじゃないだろうか。
そこだけ手書きだったし、今時手書きのロボットバトルの作画なんてガンダムぐらいなものだろう。EDクレジットに船坂視点とあるのは実際はそんな動き出ないためか。この作品SF考証がしっかりしているからね。
コックピットの中のキャラクターのカットもいい。
右下から見上げるような描き方はや顔のアップは迫力が違うな。そういえば最近のロボットアニメはあんまりこの描き方をしてない気がする。現実的に無理があるのだろうか?

【音楽】
OPは AKINO with bless4 が盛り上げる
劇伴は仮面ライダーオーズやキャバルリィの中川幸太郎が盛り上げる
EDは 相坂優歌が可愛く盛り上げる
お洒落なロボットアニメらしさを失わない、清々しい暑さが良い。


全体を通して、尻すぼみ感はあったもののレベルが高く、スタッフのこだわりがみえる面白さがあったと思う。
今回残念だったところは2期できっと回収してくれるだろう。楽しみだ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

ムッツリーニ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

設定の取捨選択が出来ない凡作

あらすじを見て「パトレイバーのパクりかよ!」とツッコミを入れた人は多分私だけではないはず。実際かなり意識してると思いますけど。
まぁ、パクリ云々は置いといて、こういうヒーロー物の作品はかなり好きな方なので、結構期待しています。
まだそれぞれのキャラクターが見えにくいのでなんとも言えないですが、主人公の花咲里あさみの意識高い感じのポンコツ具合や、第八係の面々の飄々としていながらもキレ者な雰囲気はかなり好みです。ただ今の所はキャラの連携が取れすぎててそれぞれの個性が見えにくいのが若干気になる所で、もしかしたら「こいつらスゲー」だけで終わってしまう作品になってしまうかもしれません。

あと、時々出てくる中途半端な英語はできればやめてほしいなぁ……

↓見終わって↓

{netabare}初めに抱いた印象とは全く逆の作品でした。
まず物語の構成として、あの事件もあの事件も実は全て繋がっていたーみたいな展開は良いんですが、これがいかにも後付け臭い。
「この後どうしよーかなー。あ、前にこんなの出してたっけー。じゃーこうしよー」みたいな謎も伏線もへったくれもない雑さで物語が進んでいくので、ヒーロー物としては及第点でも、警察物としては落第かと。
あとまず間違いなくいらない点として、登場人物一人一人を主役にした話。これが明らかに邪魔。
いや、群像劇として誰か一人が主役になるのが許せないとかいう狂気的な話ではなくて、主役にするならその人物の過去とかじゃなくて、人間的な意外な一面が見たいわけで、
なんなの? 伝説のギャンブラーとか夢は巨大ロボットのパイロットとか。
ギャグとして完結する話なら「たまにはこういうのもいいよね」で済みますけど、メインキャラをその扱いって、今後も付き合っていくキャラに対して雑すぎやしませんかね? 挙句手に余ったのか、退職して探偵になったり清掃業者になったりしてるし。(……まぁまどかちゃんの隠れ巨乳は素晴らしかったですが)
まぁとりあえず、この話書いた脚本家に一言、

あほくさ 辞めたら? この仕事。

キャラクターを魅力的に見せたい思惑か何か知りませんが、キャラの設定が物語の足を引っ張っていて、この話って本当に必要なの? と思わずにはいられない。特にそれを実感するのが2クール目で、第八に新人が二人入ってくるんですが、特にそれらしいエピソードがあったり露骨に活躍することもなく最終回を迎えるんですが、特にそれで問題があったかと言えばそうでもなく、それはそれで新人二人の存在意義が問われそうではありますがともかくとして、第三者視点から見える範囲で有効なキャラ付けができていて、新キャラという枠からは脱せない物の十分に馴染んでいたと思います。
うん、こういうのでいいんだよこういうので。

ちなみにその部分に対して谷口総監督はインタビューでこんな事を言っています。
谷口「1クールだと、お話を追うだけでいっぱいいっぱいになるので多くのキャラクターのドラマを描写するのがちょっと難しいんですよね。だから、今回はドラマ的なるものは映像の影に隠そうと思ったんですよ。声優さんとの最初の打ち合わせでもドラマをやらないと伝えています。」
うん、わかってるならちゃんと管理しろやクソが。1クール目そんな話ばっかじゃねーか。

あと本当に必要だったのが疑問に思う設定として外せないのが、「第三次流砂現象」
ざっくり言うと東京23区が地盤沈下で壊滅したってことなんだけど、劇中でその設定って全く機能してないんですよね。
劇中で使われるパワードスーツ所謂ウィルウェア誕生の背景としてあるのは「そういう物」として理解できますけど、それ以外に何もないっていうのはちょっと。
というか、普通はそれに絡んだ話を展開していくもんなんじゃないの?
復興事業に関わる事故とその救助とか、雇用問題に関わるデモ対応とか、復興資金にかかる裏金や利権問題とか、非復興地域の環境調査とか、ウィルウェアにかかるお金や技術競争の話とか、いくらでもとは言わないまでもちょっと考えれば普通に思いつくテーマを完全に無視して犯罪組織と戦ってるとか、もっと自分の作った世界観を活かす努力をしなさいよと。
監督は明るく楽しい感じにしたかったとかほざいてるみたいだけど、だったらそんな重たい設定乗せんなよと。単純に「ハイパーテクノロジーの急速な発展と共に――」で良いじゃん。バカなの? 無意味に沈んだ東東京ほんとカワイソ。
まぁ結局の所、八王子警察とのタイアップってのがその真相で、八王子を舞台にして八王子を大都会にしたかったってのが東東京が壊滅した原因なんでしょうな。
まぁその場合、「災害時に首都機能が移されるのは立川だろ」ってツッコミが入るんだけども。

総評としてこの作品、周囲に余計なものをくっつけ過ぎじゃないかなと。
設定からキャラクターから、もっと言えば企画の段階から。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

75.4 5 警察で未来なアニメランキング5位
PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR(アニメ映画)

2020年3月27日
★★★★☆ 3.8 (223)
1330人が棚に入れました
2120年、東京。シビュラシステムによって管理された社会で、刑事課一係を率いて事件を解決してきた二人の監視官、慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフは、事件を捜査していく渦中で真実と正義を巡り決裂してしまう。それらの事件の裏で暗躍する梓澤廣一は、ついに刑事課そのものを標的に定め、公安局ビルを襲撃する。かつてない窮地に立たされた公安局刑事課一係。灼と炯の信義を問う、最後の事件が起きる――

声優・キャラクター
梶裕貴、中村悠一、櫻井孝宏、大塚明夫、諏訪部順一、名塚佳織、沢城みゆき、佐倉綾音、日髙のり子、宮野真守、中博史、日笠陽子、森川智之、堀内賢雄、矢作紗友里、関智一、野島健児、東地宏樹、伊藤静、本田貴子、花澤香菜
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

シビュラの帰還

AmazonPrimeVideoの編集版を視聴。

【物語 3.5点】
『~3』としては大風呂敷を畳むも、
『PSYCHO-PASS』としての論点は、語る土台を整えるに留まる。
とは言え、刑事ドラマとしてシリーズが脱線、霧散という最悪の事態は避けられた。


道中、シリーズの象徴である“ドミネーター”の出番を制限してまで、
アクションや人質に交渉、脅迫、“狐”やブラフなども飛び交う、
刑事ドラマSPらしいお祭り騒ぎを繰り広げた時は、
興奮はするけど、もう『PSYCHO-PASS』は戻って来ないのでは?
とワクワクとイライラが入り混じった複雑な気持ちにさせられましたが、
最後はちゃんと『PSYCHO-PASS』として着地。


結局、{netabare}いつも通りのシビュラ圧勝でしたw{/netabare}


【作画 4.5点】
各組織の“代表選手”が激突する格闘戦、銃撃戦、ドローン戦などが
よく動く作画でド派手に演出されている。

もっとも、私のベストバトルは……{netabare}“ダンゴムシ”無双ですが。{/netabare}


描き込まれた背景美術に重ねられた季節の描写も頑張っていた本作。
降り止まない雨ばかりでなく、
雪降りしきる真っ暗な冬から、やがてやって来る花吹雪舞う新しい春へ……。
春公開の意外なタイムリー性を見せる。


霜月課長の変顔もあるよw


【キャラ 4.0点】
華やか。舞台を公安局とその周辺にしぼることで、
現状のオールスター戦が実現。


『~3』の新主人公キャラの灼(あらた)については、
シビュラとの関係性も含めて立ち位置が明確になり、
罪を憎んで人は執行せず裁きにかけるという性格が改めて強調。


今後、旧主人公の朱の構想や、狡噛の価値観と、
どう関わり、対峙していくかが、
『~3』が壮大な伏線だったか、脱線だったか、
決定付けるポイントになると思います。


梓澤(あずさわ)は、“紙の本”で読書する中々のボスキャラでしたが、
1期の例のあの方には、やはり及ばず……。

むしろ、スタッフさんたちもそれは承知の上で、
及ばない様を、シナリオで生かす道を模索した感があります。


【声優 4.0点】
主要キャスト陣らが引き続き安定。
ブラフ合戦が醍醐味になるのも役者の好演あってこそ。

天才クラッカー・小畑千夜役を演じた矢作 紗友里さんの悪態と、
受け流す梓澤廣一役の堀内 賢雄さんの掛け合いも程よい毒スパイス。

CV野沢 由香里さんとCV斧 アツシさん。
ベテラン勢が演じた“ピースブレイカー”残党も
“亡霊”として渋味が効いてグッド。


【音楽 4.5点】
劇伴は『~3』からのメインテーマが要所で活躍。
新旧キャラが“肉体言語”で会話するシーンでは、
旧メインテーマの旋律もアレンジされ対決を盛り上げる。

OPはWho-ya Extended「Synthetic Sympathy」
雨が降り止まない首都の闇をハイスピードで駆け抜ける快作。

EDはCö shu Nie「red strand」
変拍子も交えて歪んだ世界をかいくぐり意志を貫き通す。


なんだかんだ『~3』の一番の収穫は新OP&ED主題歌体制の確立。
特にWho-yaの抜擢は大きかったと思います。


【感想】
どこぞの中央銀行が利下げした、統計発表がどうだった。
テロが起きた、選挙結果が意外だった……。

現代の市場取引は、世界情勢などにも反応して、
自動的に売買を即断するアルゴリズムによって、
超高速マネーゲーム化している……。

とすると仮に市況を一変させる出来事を操作、創造できるとしたら、
これはもはや大きすぎて摘発されないインサイダー取引だな……。

本作を視聴していて真っ先にこの着想を思い出しました。


過度な刑事ドラマ路線傾倒への懸念はひとまず払拭されましたが、
22世紀が舞台のSFとして未来を見せてくれたかと言えば、
扱われた問題は、引き続き21世紀的だったと思います。

ビブロストとの戦い自体……
{netabare}シビュラ開発過程で残った過去の問題の精算でしたし。{/netabare}


さらにここに来て、朱が、{netabare}法による人とシステムの保護を提唱し出した件。

そう言えば、そもそも法治主義が何故崩壊したのか。
そこからシビュラシステムがどう確立されたのかについては、
語られていないことも多い印象。

もしも朱が法治主義の復活を目論むならば、
今後の物語は多分に温故知新の様相を呈していくと思われます。{/netabare}


因みに劇場公開版の方は、EDクレジット後に今後の展開も匂わせる映像が追加されているとか……。
流石に新型コロナ感染リスクを冒して劇場に遠征する勇気はないですね……。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

裁くのは、神か正義か

本作品はシリーズ構成になっており、先にTVアニメ版全3期、劇場版アニメ版全4作が輩出されています。
物語の内容に繋がりがあるので、より作品を堪能したい方は、前作からの視聴をお勧めします。


魂を数値化する巨大監視ネットワーク・シビュラシステムが人々の治安を維持している近未来。
変わりゆく世界で、犯罪に関する数値〈犯罪係数〉を測定する銃〈ドミネーター〉を持つ刑事たちは、
罪を犯す前の〈潜在犯〉を追う。2012年にスタートしたオリジナルTVアニメーション作品
『PSYCHO-PASS サイコパス』の第三期TVシリーズ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』で
描かれたふたりの新人監視官の物語が、最新作『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』
としてついに完結する。

変わりゆく世界で真実を追い求める慎導灼、炯・ミハイル・イグナトフが辿り着く先にあるものとは—。


2120年、東京。シビュラシステムによって管理された社会で、刑事課一係を率いて事件を
解決してきた二人の監視官、慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフは、
事件を捜査していく渦中で真実と正義を巡り決裂してしまう。

それらの事件の裏で暗躍する梓澤廣一は、ついに刑事課そのものを標的に定め、公安局ビルを襲撃する。
かつてない窮地に立たされた公安局刑事課一係。灼と炯の信義を問う、最後の事件が起きる――


公式HPのINTRODUCTIONとStoryを引用させて頂きました。

え…これで完結だったんですか!?
公式HPを見たのが視聴後だったので、思わずビックリ…

まぁ、確かにシビュラシステムの全容は見えましたが、まだ気になる点は残っているんですよね。
コングレスマンだった宮野さん演じる法斑静火(ほむら しずか)にはラストで超展開が待っていましたが、その展開に行き着く過程が描かれていなかったり…

何より常守朱の処遇だって気になるのですが、そこは少し消化不良だったかな…
もう少し情報が欲しいところですが、それは脳内で補完するしかないんでしょうかね^^;
少なくても、あやねる演じる霜月課長は仕事がやり辛くなるのは分かる気がしましたけれど…

それに3期の伏線だって回収できていませんよね。
炯の兄の事件の真相はどこに行ってしまったのでしょう…

と、色々書きましたが、思えば第1期のTVアニメが放送されたのが2012年の秋~冬アニメですから、もう足掛け8年にもなるんですよね。
だから「これで終わってしまう」ことに対して寂しさを感じているのかもしれません。

一方、物語の方は序盤から手に汗握る展開の連続です。
これまで公安局がここまでピンチに陥ったことは無かったと思えるくらい、激しい事件が一係に襲い掛かります。

これまで現場の最前線には、監視官と執行官しか出れませんでしたけど、今回は普段局でサポートに徹しているメンバーの違う一面が見えたり、見どころは沢山あると思います。

キャラの動き良し、背景も緻密とアニメとしては申し分無いのですが、少しこの作品を俯瞰すると、結局やっていることは所詮ゲーム…と思えてしまいます。
目的の違う複数のゲームが、それぞれの盤面で行われている感じ…とでも言うのでしょうか。

人々の生活が懸かっているリアルでゲームするなんて、どう考えても正気の沙汰ではありません。
それこそ、シビュラの執行対象になってしまいそうですけど。

まぁ「リアルなんてクソゲーだ!」と言い切った超天才ゲーマーもいるくらいですから、面白ければ結果オーライなんでしょうかね^^;?

主題歌は、Who-ya Extendedさんの「Synthetic Sympathy」
エンディングテーマは、Cö shu Nieさんの「red strand」
Cö shu NieさんはTVアニメ版第3期からの参戦ですが、今回の楽曲も格好良かったですよ。

前編、中編、後編の3部作の作品でした。
サイコパスファンなら必見の作品だと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

常守は。。茜はどうなる?あかね、カムバーック! ><

(視聴開始時の心の叫びです・・)

劇場版3部作以外は視聴済み。
TV版の続き。
鬼滅と言い、コレといい、フジ系列って続編を映画でっての好きですね・・
まあ商業だから、文化活動じゃないから、より儲かる方法をとるのは仕方ないっちゃ仕方がないですけどね・・収入が少なくて業界がしぼむのも良くないし。

さて素子・・じゃなかった常守茜は出てくるかな。

■ストーリー
~{netabare}
あまりにも、それまでのシビュラシステムを絡めた常守茜を主体とした展開が衝撃的過ぎて、サイコメトラー〇〇みたいな外伝感が強かった3期は個人的に肩透かし、といった印象でした。

本作も初めはそんな感じでしたね。
サイコメトリーは多用しなかったですが。

物語のほとんどが、『ダイ・ハード』みたいなビル内のテロリストを捕まえろ!的な。

最後の方でようやく、素子・・・じゃなくて
(しつこいw)
花澤さん・・じゃなくて
(もうええw)
常守茜が登場・・
ようやくかい ><
{/netabare}~

ぶっちゃけ、サイコパスとして言えば、もうちょっと欲しい・・・といった部分もあったけど、これはこれで見応えはあるし、面白さはありました。

■キャラ/作画
正直、バトルの動きが、一部カクカクしていたかな。
劇場版でこれはちょっと・・

個人的に小畑のキャラデザがちょっと受け入れられなかった。
公式サイトではオバサンぽいのに作中では少年感すらあったし。

TV版からすぐに劇場版てことで余裕がなかったのかな、と思ってみたり。

■キャスト
今回注目したのは・・
~{netabare}
日笠陽子(小宮カリナ)
 心地よい都知事のこの声、
 どっかで聴いたよな・・
 だれだっけな・・佐倉さん?いや違うな・・
 で、調べた・・
 おお!ぴかしゃさん!w
 もう、K-ON以降、お世話になりっぱなしですw
 印象的だったのは、ガンゲイル、ノゲノラかな。
 色っぽい声ももう、プロの域ですね ^^
 (あ、プロでしたw)

佐倉綾音(霜月美佳)
 あやねる、こっちでしたかw
 本作では公安局の課長役。
 強い上司感出てたしいい役どころでしたね。
 今後は花澤さん・・いや
 常守茜の上司になるのかな。
 新サクラ大戦とか、新しい無限の住人とか、
 俺ガイルとか、宝石の国とか、バンドリとか、
 SB69とか、かくしごととか、
 ホントお世話になってます ^^

本田貴子(花城フレデリカ)
 本作では外務省の課長役。
 花咲くいろは、シドニア、よりもい、
 イロセカ、イエスタデイをうたって・・
 母親役とか、やっぱ大人な女性役が多いですね。

矢作紗友里(小畑千夜)
 あれ・・オバタちゃんは、
 矢作さんだったんですね。
 最近、遭遇率が高いようなw
{/netabare}~


 原作:オリジナル
 制作:Production I.G
 公開:2020年10月 TV版3期
    2020年 3月 本作
 視聴:レンタルDVD
 (あ、アマプラでやってた・・「あと1本で安くなるよ」というTSUTAYA店員の言葉で焦って借りてしった・・ orz)

次がありそうなので期待大ですね・・

え・・シリーズ最終作!?マジで・・?

 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

75.8 6 警察で未来なアニメランキング6位
イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)

2004年3月6日
★★★★★ 4.1 (765)
4229人が棚に入れました
草薙素子(少佐)がいなくなって3年後の2032年。
少女型の愛玩用アンドロイド(ガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走をおこし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9 課で捜査を担当することになり、公安9課のメンバーであるバトーは新しい相棒のトグサとともに捜査に向かう。

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あなたのハダリにゴーストは宿っているか

 記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。
 なおこれらのレビューは個人的推論に則ったものである。言い切っているような台詞も、独自の解釈の一環であり、一方的な決め付け・断定をしているのではないものだと思ってもらいたい。

『少女型のアンドロイド・ハダリが原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した』
 イノセンスのストーリーを非常に大まかにいうとこういう形になる。
 義体化。体の大部分を肉体ではなく、代替品でまかなえるようになったSFの世界の話である。

 ストーリー上、ゴーストという概念が非常に重要性を帯びてくるため、そこだけwikiから文章を拝借した。

ゴースト
 あらゆる生命・物理・複雑系現象に内在する霊的な属性、現象、構造の総称であり、包括的な概念である。作中においては主に人間が本来的に持つ自我や意識、霊性を指して用いている。
 要約すると人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く、あるいは機械で代行していった際に自分が、自分自身であるために最低限必要な物、又はその境界に存在する物こそゴーストであり、生命体の根源的な魂とも表現できる。

 人形と人間の境界線をゴーストで隔てる、そういう考えが攻殻の世界にはあるようだ。
 では人間と人形の差は何なのか。また人が人形に求めているものは何かである。
 筆者はあるハーレムもののアニメを視聴していたとき感じたのだが、まるでキャラクターが生きているようには思えず、まるで人形に見えてしまったのである。なぜ、人形に思ってしまっていたのか。
 まず、女の子特有の、異常なまでの情報伝達の速さがある。人によっては光の速さで噂が伝わるとまで表現している。ハーレム状態で、主人公の男がそのうち特定の誰かと交際関係を始めたら、一挙手一投足、更には太腿や胸元などに視線を一つ向けたことまで、下手をすると一週間も経過しないうちに、見知らぬ女性にまで伝わってしまうことである。驚異的な噂話好きの女性達にとって、その程度は日常茶飯事なのだし、もっといえば生理現象といってもよい本能だと筆者は強烈に感じ、またそう思っている。
《「女」の字を三つ合わせるとやかましい意の「姦」の字になるところから》女はおしゃべりで、 三人集まるとやかましいという意味があるほどだ。
 それが起きるとどのような事態に変化するのか。何かあるたびに噂のネタにされ、ツツき回され、念入りに人間性を審査され、あること無いことまで吹聴され、話に尾ひれをつけられる。日常生活において支障を来たしてしまうのは無理からぬ状態になると容易に推測される。それがないのだ。
 また、ハーレムでも女性はちゃんと一人一人心を持っている。なので、相手にされず放置を続けると、不満が溜まる一方になっていく。そしてあるとき、見境も無く爆発したりすることがあるのだ。出物腫れ物ところ嫌わずという。だからといって、男が特定の女性一人に決めて行動すると、選ばれなかった他の女性の不満が爆発してしまうときがある。それがないと心を持っていないように感じるのだ。
 男性主人公からすると……
 誰にも女性の暴挙に対する愚痴一つ漏らせない。漏洩した瞬間から女性陣の一斉攻撃が始まるだろう。そして、いつ爆発するかもわからない不満を和らげるために、いつも周囲に気を使う仮面をかぶり、常に自制し続け、自らの意見が周囲にどう映っているかを考え、女性にとって都合の悪いことは何一つとして話すこともすることもできない。針のムシロ。恐るべき閉塞感の中で悶々とした生活を送ることになる……というのが筆者の考えだ。しかし、ハーレムものの中心にいる男性キャラクターにそういう経験したというのを見聞きしたことがない。もし誰か一人の女性だけに交際を定めた場合、女性同士の陰湿ないじめ、果ては自殺などに発展する可能性がある。ハーレムアニメの中でそのような事態になったというようなことも、筆者は見聞きしたことがない。

 ある女性アイドルの男性ファンが『○○ちゃんはウンチなんてしないんだ』といったという話がある。それを話題にしたところ、普通の人間なら、花くらい摘みに出かけることもあるはずだという反論も出た。
 アイドル業はファンあってのものなので、事務所側は汚いものは見せない、イメージダウンに繋がることなどさせたがらない。それは、ある女性アイドルの話を偶然仄聞した事項まで連想させた。アイドル自身、その人を演じていた。あの人はこういう人なのだという言い回しをしていたのを思い出す。等身大の人間ではなく、ドラマの中の登場人物のように演じているのだと。アイドルの語源は偶像である。
 ハーレムアニメのキャラクターは生きているようには見えず、単なる人形・マネキンだと自ら表現したことに対して、同じく自ら反証するとしたらどうなるのかと自問した。答えは、お約束によってアニメが成立するため、人形であろうと問題ない。噂話に興じるような女性特有の生理現象と思えるものがなくてもよい。問題ないという結果になった。
 その矛盾点がないとストーリーとして成立しないのならかまわないのである。それはお約束なのだ。
 単なる手抜きであったとするのなら、そういう矛盾点がなくてもストーリーとして支障を来たさないどころか、あるとストーリーが破綻したりする類のものだろう。
 女性的な生理現象としての噂話、光の速さで浸透する情報はなくてもよい。
 そういう思考にたどり着いて以来、筆者は生理現象のない人、極端な話、花も摘むこともない人の形をしたものでも気にしなくてもよくなったのである。
 筆者がなぜマネキンと評してしまったのかは、生理現象が無い=生きていないと感じたからだった。

 涼宮ハルヒの声優さんが、スキャンダルを起こした、起こさないで揉めたという話が出たことは筆者の記憶に新しい。声優さんとキャラクターは別の存在であり、非難するに値しないという解釈は十分成り立つ。しかし、中の人という表現もある。騒ぎになってしまう原因は、声優とキャラクターを同一視するか、それに極めて近い感情を有している人々がいるからだと推察できる。
 こうしてみると、ハーレムもののアニメはメタ的な作りになっていることに気付いた。まず男性視聴者がアニメの女性キャラを求め、アニメの女性キャラたちは一人の男性キャラクターを求める。その男性キャラクターは男性視聴者の分身として製作されているのではないかと思える。男性キャラクターは一人だけだが、男性視聴者は大勢いてかまわない。この特殊な構造を生み出すことによって、男性視聴者を満足させる試みがなされているのではないか? 以前なら、アイドルの恋愛はタブーのような人気業種だろうし、今でもあまり変わり映えがしないように思える。声優さんの例を挙げるまでもなく、恋愛対象などいないことが好ましかった。それをアニメというジャンルによって、アイドルを擬似的に恋愛させる、恋愛対象は男性視聴者の分身という形に変化したのではないだろうか。
 当然例外は存在するものの、基本的にハーレムものの女性キャラクターは男性視聴者を落胆させるような作りにはなっていないように思える。落胆するかどうかの基準についても、視聴者の目線は主観的であるため、確実性があるとはいえない。
ここまでのまとめとして、アニメのキャラクターも、人気女性アイドルも、同じく偶像的という類似点があるといっていいのではないか。
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうことがある、ということだ。

 偶像化の類似種として登場するハダリ。
 アイドルも、人形・ロボットのハダリも同じように偶像の類似種としてみることはできるのだろう。ハダリそのものは、女性アイドルの代替品として存在しているような感覚を筆者は覚えた。求めるものを具現化する、というやり方はアニメもアイドルも、類似点がある。
 筆者が想起したもの。ハダリの存在理由は、俗に言う嫁ではないかという感想である。アニメの女性キャラクターを指して、自分の嫁だと思うことだ。嫁が画面から出てこないという表記があにこれにもある。あれだ。
 イノセンスの最初の場面を視聴していたとき、筆者の頭の中では、ある想像、いや妄想といってよいものが起きていた。

 以下妄想。
 俗に言う嫁を脳内で愛おしく思っている男性視聴者の学生が、いそいそと塾から戻ってきて、夜食を取りつつ、お気に入りの嫁の映っているアニメの視聴時間が来たのでテレビにスイッチを入れた。
 アニメの主人公の男性はあまり冴えない容貌で、これといった特徴もない人柄。人によってはへたれと呼ばれてしまいそうな性格である。そして、思春期の学生らしく、女性に自意識過剰になってしまいがちで、リビドーを押さえることが難しい感覚を受ける。
 嫁の傍に近寄って、欲情の視線で盗み見た瞬間……
 なぜか嫁は、激しく暴走し、信じられないほどの腕力で主人公の男性を素手で滅多打ちにし、撲殺してしまう。血塗れだ。鮮血が飛び散って文字通り周囲を塗り尽くしている。付近の壁によりかかるようにして斃れた男性主人公の頭蓋骨は陥没し、はみ出た脳が地面に垂れ下がっている。
 溜まりに溜まってきた怒りか、堪忍袋の緒が切れたように爆発したのか。
 周囲にいた人々は怯え、警察を呼ぶ。嫁は路地裏に逃げ込み追い詰められる。路地の突き当たりにまで行き着いた嫁は逃げ場を失っていた。
 そこにやってくる一人の刑事らしき大男。大男と対峙した嫁は叫んだ。
「私は我慢してただけよっ!私は男の奴隷じゃないっ!男のいいなりになんかならないっ!」
 大男は無言で拳を嫁に叩きつける。逃げ場を失った嫁は、どこから持ってきたのかわからない包丁で自分自身の体を切り刻み、自害した。
 凄惨な現場で取り調べが始まる。テレビ画面を見ていた学生の男は呆然として、一言いった。

「俺、殺されてる」

 以上妄想終了。

 ある若手の女性ニュースキャスターが、自分のいいたいことを表現したところ、職場の男性陣からいろいろといわれたという。あいつは生意気だ。人から言われたことをやっていればいいのだ。女が自分の考えをニュースでいうなどおこがましい、と。結局その女性はニュースキャスターを辞めたという。
 男性視聴者の手前、職場からいわれている手前、規制されているような状況と類似した不満。それが爆発したかのような……その記憶との連想を想起させる事件がイノセンスでは起きている。
 筆者のした妄想を、攻殻という形で表現したら、作品としてイノセンスができあがった。そんな感じがしたのだ。事実としてそんなはずはなかった。先に作品はできあがっているのだから。
 筆者が注目したのは、事件を起こしたのが人間ではなく、女性型ロボットのハダリであったことだ。人間型であっても、人ではないはずだ。しかし、どう考えても筆者からみてハダリは「生々しい女」だった。
 ロボットは怒りで人を殺さない、ロボットは逃げたりしない、ロボットは追い詰められたからといって自壊しない、……そのはずだ。それとも前もってプログラムされていたのか?
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうアニメの女性キャラクターは、飽くまで人という設定だ。生身のはずなのだ。なのにイノセンスでは人形であるにも関わらず、ハダリは生身の女のように思えたのだ。
 それは様々な人々によって意図的に隠蔽されてきた、剥き出しの人間性が露出していたからではないか?

 イノセンスのワンシーンが回想される。
「ああ、俺もよくやるよ、感想」
「あんた出世しないな」

 義体化率が90パーセントを超えてしまう人間が闊歩する世の中で、人と人形の差は縮まり、曖昧なものになっている。それが攻殻の世界にみえる。では人と偶像の明暗をわけられるものがあるとしたら、それは一体なんなのか?
 そもそも、なぜそのような事件が発生してしまったのか、原因は何か?
 それを追っていくのが、筆者から見たイノセンスである。

 もし、嫁が暴走をしはじめたらどうするか?
「カオがよくてお金持ちで性格のいい若い男なら」
「今まで素振りもみせなかったけど、ほんとは冴えない男と付き合いたくないよね」
 人間からみたロボットの立場は、奴隷だという人もいた。ゴーストを持たぬ奴隷。ではその奴隷が人間性・ゴーストを持ってしまったらどうなるのか。
 アニメの女性キャラは決して男性視聴者の奴隷ではない。ゴーストはすべての女性キャラに宿っている。そういう人もいるだろう。しかし、アイドルとアニメの女性キャラを比較すると完全にそういい切れないところも出てくる気がするのだ。アイドルは実際にいるし生きている。アニメのキャラは生きているとはいえない、と言い切る人も出てくるだろうし、意見が分かれてしまうだろう。
 規制されていたものがなくなったとき、男性視聴者の予想外の言動が出てきてしまったらどうするのか。その時、若手の女性ニュースキャスターの職場にいた男たちのように、お前は黙って男の望んだとおりに動いていればいいんだ、といえばいいのだろうか?
 それとも、受け入れてやるのだろうか?
 薄い本が好きな、アニメ好きの男性たちの欲求を商品化するとどんなアンドロイドが作られていくのかと想像する。答えは、アニメのキャラそっくりのセクサロイドが作られるのではないか。キャラクターが描かれた抱き枕の発展版かもしれない。それと極めて類似するハダリ。
 ハダリから感じた……剥き出しに露出した人間性、そうみえたものが、ゴーストのように思えてしまったのである。ご主人様を殺害してしまったハダリにはゴーストが宿っていた。
 やたらと夜のオカズにされたりしているアニメの女性キャラは暴走しない。
 そこに、ゴーストは宿っているといえるのか?
 その話をしたところ、

『まぁ当然ゴーストが宿っていたから暴走したというのは間違いないですw』
『ゴーストがやどっていて大人しくしているとしたら、よほどのマゾですね』

 という意見が返ってきた。
 嫁に殺されるご主人様を題材にしたアニメを作るあたり押井監督はえぐい。しかし、その意図はどこまで一般視聴者に読み取られているのか。いや、筆者の勝手な想像にすぎないのか?

 そのようなことを夢想していた。忘れてもらってもいいのだが、心のどこかで筆者は問いかけてしまうようだ。


 あなたのハダリにゴーストは宿っているか、と。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ほんとうはイノセンスであり続けたい。

前作『GHOST IN THE SHELL』の続編にあたる映画です。
この映画を初めて観たときにはピンと来ることはなく、むしろ分からなくて、というか伝える気もないその映像に呆れしまい「もう二度と観るかよ」と吐き捨てるくらい不快感を覚えたものでした。
しかし、2年の時を経て見返すきっかけがあったので時間を無駄にする勇気を出して観てみたところそんなに分からないことだらけではないなと思いました。なんだか不思議なものです。

本作は本編の前に15分のプレビュー解説がありますが前作を観た人にはまったく必要はないと思います。
肝心の本編はCGをこれでもかというくらい駆使した映像の中、草薙素子のいなくなった9課の様子を描いていきます。「2501」この再会の合言葉が使われるときが来るのかというところに期待を持てます。
作品の雰囲気はあんまり明るいことはなく、いつもみんな下を見ているようなそんな感じです。
だれの頭の片隅にも常に少佐がいて任務に出る度、何かを考える度に彼女がいればと口にしてしまいます。

ストーリーにもそんなに捻ったところは見受けられないところをみるとやはりバトーと少佐の再会を最も重視していることが分かります。
でもラストのシーンになってようやく話の内容にとりあえず頷くことはできますがいささか無駄が多いような気もします。
本作が何を意図しているかをとりわけ真剣に考える人にとってこれは厄介です。
本当にそうでもしない限り語ることができないのか、難解であるかどうかは別としてももっとスマートに描くこともできるのではないかと思いました。
これもこれから下に書く混乱の要因として多分に影響していると僕は思います。

情報量のとても多いことが1つの特徴でもある押井監督作品ですが本作でもそれは同じ。
けれど本作を観ていてする混乱の一番の原因はそれではなく度々口にされる引用にあると思います。
本作の登場人物たちは人生の警句や人を端的に比喩した言葉を諭すのに使いジョークのようにも使います。
これらが出てくる度に僕らは何を意味しているか考えるのだけれど会話は止まってくれません。
そこにいつまでも引っかかっているとストーリーは川のように流れて行ってしまって見失ってしまいます。
言っていること自体は難解というほどのことではないのだけれど、この会話のリズムに慣れていない、あるいはすぐにこれらに反応できないがために他のことまで整理できなくなり「わからない」と手を離してしまう。これが一番の混乱の元ではないかと思います。僕はそうでした。
ハラウェイやキムの難しい語りよりもむしろこちらの方が厄介に思えます。

初見では僕はこんな感じでしたが、2度目は割とすんなり観ることができました。
やはり押井監督作品は『パトレイバー 2 the Movie』でもそうだったように何度か観ることを自然と強いられます。
厄介な部分が表面化したところで、これから見返す人は短いスパンでしたのでは新たな発見はあまりないかもしれません。
忘れたころに見返すか、嫌悪感がある程度消えてからか、または脳の中である程度整理されてからの方が内容の理解はスムーズにできるかと思います。


この作品に嫌悪感を持っている人も少なくないはずです。
エンタメ要素は皆無だし、内容も鬱屈としている。
けれどもう一度だけなら観てみてもいいのではないかと思います。もう一度だけ。
初めての人はもういっそのこと、「わからないモノ」として観た方がいいかもしれません。あるいは。

イノセンスがいかに大切であるか。それをアニメーションという形で表現した物語です。


{netabare}

押井監督の持つ哲学や人形の考察は他のレビューで語られているので(ロクに読んでいないけど)僕は”イノセンス”に注目したい。
というより本当はその辺は割とどうでもいい。なんとなく掴むことができればいい。がっつりと注目するところではない。
それがどんなに難しく、かっこよく、あなたの頭にこびりついていようとも、それは所詮細部のことだから。
あなたが一番思考する部分や悩まされる部分が主題ではなく、自分自身で作品から拾い集めて考えること、悩むことが主題を見抜くことに繋がるのだから。
よって主題は表面的な意味での「人と人形の違い」ではない。と僕は思うのですが。

まあ色々ありますが、要するにこの映画は何が言いたかったのだろうと表題の通り”イノセンス”を中心に考えてみる。
あまり参考にはならないかもしれませんが。

 ハラウェイやキムが難しいことを淡々と述べたいたのを観た通り、人は知識あるが故にたくさんのものごとを思考する。とりわけ人間に興味を持った彼ら(先駆者含め)はそれぞれの行動に名前をつけその起源を分析する。その行動が何に基づき、何のためにされているのか。さらにそれが進めば僕たちすべての人間は、有効的かつ合理的でもっとも利益を生むことのできるようにプログラムされた遺伝子を運ぶキャリア(乗り物)であるとそう言えるだろう。でもまたそれが違うことも僕らは知っている。恋やセックスが子孫繁栄のためだけの欲望の発露ではないことは少なからず実感している。こんなことは言うまでもない。
 さらに彼女らのその行き着く先はとても寂しい場所だ。ついに彼女は、私はいったい何者なのだろうと自分に問いかける。だんだんと大事なものがぶれ始め、最後には失ってしまう。そして一度失ったものは死んだ後でも取り戻すことはできない。
 イノセンスであること。もしかすると幸せであることの答えのひとつはこれではないか。
 これは考えなしに馬鹿であればいいという単純なことではない。目の前にある事実を、その嬉しさ、楽しさをそのまま受け入れればいいというイノセンスであること(無垢であるまたは素直であることと言ってもいい)を指す。「何のために」なんていちいち考える必要はない。「ここでこの行動をした人間Aに生まれる利益は?」なんて考察する必要もない。あなたが感じることをありのまま抱きしめることこそが人であるということであり、イノセンスの喜びなんだろうと思う。でもそれはすでに失われてしまっている。
 それをもっとも象徴したシーンがラストでバトーが子どもに向かって激高したあのシーンにある。思いもよらないその台詞と怒りの方向にはきょとんとしてしまった人も多いはず。「自爆した人形がどうなるかは考えなかったのか」とセクサロイドのゴーストのために利用された女の子に言うこのシーンはどう考えても普通ではない。
 ここでのバトーの心情を探るのは僕には難しい。でもこれだけは言える。バトーはその生きている生身の女の子より人形の方を大切に思ってしまったのだ。それを「イノセンス」の一言で気づかされた。「わたしだって人形になりたくなかったんだもん!」
 なぜバトーが生身の生きた女の子でもなく、自爆の際に巻き込まれる人間でもなく、まず人形を気にかけたのか。それはやはり草薙素子だろうと僕は思う。バトーは前作から少佐を誰よりも人として扱ってきた。彼女が裸であれば自分の上着を肩にかけ、着替える時には目をそらした。現在彼女はネットの一部であると同時に全てである。バトーは彼女が問題の人形に入り動いているところも見、共に行動した。だからなのだろう。ネットにアクセスできる全てのものは彼女であるようにまた、どの人形にも少佐は入ることができるということ、つまり人形は少佐自身なのだ。身体を持たない少佐にとってそれが「肉体」であるのだから。それに元々は少佐も全身義体であったのだ。それゆえに、彼にとって人形はとても大切な存在であり、それが無暗に壊されることに議論の余地はなかったのだろう。
 しかしその後に少女のイノセンスのこだまに自分が何を愛でているのかを知る。それは人形。おいおい、そんなもんより生きた生身の人間が目の前にいるじゃないかと彼はそこでやっと気づく。
沈黙が降りる。イノセンスの象徴とイノセンスを失ったものと草薙素子の入った人形が静寂を守る。
 バトーの言葉を草薙素子も聞いていたのだろう。バトーはなんとしても彼女のことを弁護したかったのだろう。今現在少佐の入っている人形がでたらめに壊されることは許せなかったのだろう。目の前のこどもを前にして彼の倫理観は揺れる。答えは女の子の言葉にハッとしたときにすでに出ていたのにだ。
 「行くわ」と女は去る。ガラクタは音を立てて崩れ落ちる。その音はバトーの耳に普通ではありえないくらい大きく聞こえたに違いない。


 本作で言いたかったことはおそらく失われたイノセンスの哀しみだ。特にハラウェイは多くの実験の分析結果と明らかになりつつある事実に、その高度な思考ゆえに背負う苦しみを嘆いていたに違いない。たくさんの思考がいろんなことの妨げになることは僕らにだってたとえ、作品内でされた難しい考察なんかしなくともよく分かる。だって生きることに悩まずにいられればもっと簡単に過ごせるだろうし、迷走することもクレイジーな行動も少なくなるはずだから。一神教やオウムやテレビやカリスマの言葉や誰かの言っていたことでも何でもいい。そこに思考を預けることができたら、そこは正しさに満ちていてとても平和で幸せなんだろうなと思う。でもそうしないのはそれが間違っている(あるいは自分が望むものではない)し、自分の足で歩いていない以上生きた心地はしないだろうと思うからである。僕はハラウェイとは違い、救いがためにイノセンスに憧れたりはしない。イノセンスの温かさはもっと別のものであるし、傷ついても強く、タフに生きていくことの方が僕にとって何倍も意味のあることだから。だから僕は進んで砂嵐に入る。たくさん血を流し、骨が折れても歩むことだけは決して止めはしない。人間がどのようなものであれ、失われたイノセンスと共にその苦を背負い自分なりの幸せの答えを探し出す、少なくともその日までは前を向いていようとそう思う次第です。




余談
バトーの感情の考察はあんまり正しくないかもしれません。ごめんなさい。
でも、あの女の子が叫ぶシーンの動きはあれはダメですよね。あんな動きされたら笑っちゃいますよw
そのせいかなー。そこで切れちゃったのかもしれない(人のせいにする最低なヤツw)。

「イノセンス」ということについて僕は色々考えてもみるんだけどなかなか掴めません。すごく難しいです。

『GHOAST IN THE SHELL』はこれからも何度も観ることになるけれど『イノセンス』はもういいかな。
考えてみたら好きなところないしね。まあでも呆れていた人ももう一度くらいは観てみて下さい。
それでは、あでゅー。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

『INNOCENCE』作品紹介と総評+考察「心と身体の観念②」

押井守監督の代表作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の続編。
TV版(SACシリーズ)との繫がりがないため、前作を観ていないと話に置いていかれる事間違い無しです。
前作レビュー:http://www.anikore.jp/review/381599/

(あらすじ)
前作から4年後の2032年が舞台。
少女型の愛玩用アンドロイド「ロクス・ソルス社製 Type2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者とメーカーの間で、示談が不審なほど速やかに成立し、被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9課で捜査を担当することになり、公安9課のバトーは、相棒のトグサとともに捜査に向かう。(wikipedia参照)

理解が非常に困難だった前作同様、今作も非常に頭を使わされました。ストーリーはより難解に、テーマはより不鮮明に、印象はよりダークに…敷居が相変わらず高い作品です。セリフにも過去の偉人の名言などが引用が多用されているのも、さらに敷居を高めてますよね。ただ、押井監督の独特の世界観・台詞回しは健在で、個人的には非常に引き込まれました。

映像や作画に関しては、前作から9年もの期間が経過しているという事もあり、凄く進化していますね。全体的にCG主体の作風に変わり、前作に輪をかけて美麗になっています。東南アジアを連想させる様なエスニックな風景描写もとても好みでした。また、キャラデザに関しては『SACシリーズ』に近い印象を受けましたね。共通の世界観を持たせたいという事でしょうか?

ここで、『イノセンス』という題名の考察をしたいと思います。
本来ならば『攻殻機動隊2』といった、続編的な題名を付けるべきですが、なぜこの題名なのか?

{netabare}一つ考えられる事は、主役が素子からバトーに変わった事。
前作の続編ではなく、スピンオフ作品という意図があった事が考えられます。

そしてもう一つは、題名からその作品の内容を感じ取らせる事。
本作の題名『イノセンス』の意味は”無罪や無心”という物があります。個人的には、後者の方がしっくりしますね。

本作の結末は、アンドロイドに人身売買でさらわれた少女達のゴーストをコピーした事が発端です。自らの人格を失いたくないとアンドロイドに細工をし、救助の糸口を作ろうとしたのです。その行為はもちろん自らが助かりたいがためで、人を傷つけるという可能性については考えていませんでした。つまり”その事以外に心がなかった”ととる事も出来ます。{/netabare}

さて、ここからは『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のレビューでの続きになります。
哲学的解釈になりますので、お堅い話が苦手な方は「戻る」ボタン推奨です…。
今回のテーマは「人の概念」についてです。

{netabare}前作のレビューでは電脳・義体とゴーストを”二元論”を用いて、”心と身体”の関係で考察しました。その結果、”人間と機械の境界線”が曖昧になってしまったというお話でした。

しかし、”人間と機械の境界”が曖昧になった事により、さらに曖昧になってしまったものがあると私は考えます。
それは”人の概念”です。


・死の定義
まずは死の観念について考えていきましょう。
前作のレビューでも比較した”人間と機械”の死について比較したいと思います。

機械についてはそう難しくはないですね。機械の”死=故障”、つまり動かなくなればそれは死を意味すると言ってもいいでしょう。しかし、機械は故障箇所が分かれば、パーツ交換や修理をする事で再び動く事が出来ます。ある意味”永遠の身体”があるともとれますね。

問題は人間の死についてです。一般的には、”生命活動が止まる事”を指すと思います。
人間の場合、年を重ねるごとに老いが生じ、寿命をもって死に至ります。これは如何に医療技術が進歩しようと、超えられない壁だと思われます。つまり、人間は機械とは違い、”永遠の身体(命)”という物が叶わないという事です。

人間の死の定義について論ずれば、”その境界線”をどう捉えるかという問題が生じますが、それについては医学的なお話しになるので…深くは語らないでおきます。


・”二元論”の観点での”死”とは
前作のレビューでも述べましたが、二元論とは”心(魂)と身体(肉体)がそれぞれ存在し、それらの相互作用によって人間の行動は為されるという物です。つまり、人間は”心と身体”が存在してこそ”生きている”と言いう事を体現し、どちらか片方が失われればそれすなわち”死”を意味しています。しかしながら、もちろんこれは”生身の人間”での話です。

本作の世界観では身体は義体化(アンドロイド化)、脳は電脳化(バイオネット化)がされており、体が失われてもパーツを交換する事で修復する事が出来ます。上記にも述べましたが、機械の特性である”永遠の身体”を手に入れてしまったということを表していると思います。

しかし、二元論的観点から考えると、心(魂・ゴースト)が失われれば人間は”死”へと向かうため、”永遠の命”は実現出来ない…と思われるでしょう?
今作ではなんと”ゴーストの複製”が登場してしまいました。人間が生まれながらにして、唯一無二である”魂”までもが複製可能になってしまったのです。これすなわち、”魂”までもがバックアップ(復元)可能ということですね。

こうなってしまうと、人間はまさしく機械と同じく”永遠の命”を手にしたも同然なのです。”人間と機械の境界”が曖昧になると、その存在の定義までが曖昧になってしまう、と私は感じました。

その事が最も顕著に感じられたのは、アンドロイドが自らを壊した現象の呼び方です。
”自殺”なのか”自壊”なのか…行為は同じでも、その意味は全く違うと私は思いました。


・狂った人間の意識
”人間と機械”が混同した事により、死の概念だけでなく”人の意識”も曖昧になり、そして狂ったのではないかと感じてしまいました。それは、人間とアンドロイド(人形)との関係性です。

この事については、本作の登場人物であるハラウェイとキムが語った対称的な人形の美学に注目したいと思います。
子供の人形遊びは子育ての練習ではなく、むしろ子育てが人形遊びの快感の再現だと語る未婚のアンドロイド技師ハラウェイ。そして、人がアンドロイドを愛でるのは、両者が完全なる無意識の存在だからであるとし、自らも意識のない人形になろうとするキム。

両者の意見は異なりますが、その本質は”無意識への愛情”。
”魂”ある人間が、”魂の入っていない(イノセンスな)”人形を愛でるという事です。

”機械に限りなく近くなった人間”は自身の存在の曖昧さの為に、無意識の内に”人間に限りなく近い人形”を愛でる。
”人間と機械”の境界線の曖昧さは”愛情”といった感情までをも狂わすということだと思われます。

そう、狂せるのは人形や機械ではなく、人間の方ではないでしょうか。
人が招く災いは堪えないのかも知れないですね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

52.7 7 警察で未来なアニメランキング7位
EX-ARM エクスアーム(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.3 (125)
328人が棚に入れました
2014年、機械嫌いの高校生・夏目アキラは自分を変えたいと思い一歩を踏み出す。が、突如とトラックにひかれてしまう──。そして2030年。東京港湾部、未知の兵器「EX-ARM」取引現場に潜入した警察・上園美波とアンドロイド・アルマのコンビを、「EX-ARM」No.08を装備した敵が襲う。彼女たちは起死回生を賭け、敵から奪った「EX-ARM」No.00を起動させるが……!?

声優・キャラクター
斉藤壮馬、小松未可子、鬼頭明里、浪川大輔、上坂すみれ、石川由依、八代拓、左座翔丸、小林ゆう、富田美憂、新井里美、遊佐浩二
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

みんな目が死んでる~

3話までの感想{netabare}
原作未読、前情報一切ナシ。
視聴した瞬間の第一印象は「お?忍者コレクションCG導入したんだ」。
うん、まぁ作画っていうか映像クオリティは酷い。
思い切ってフルCGなら“RWBY”みたいに「この世界はこういうもの」と、抵抗あるかどうかは別として没入できそうなところを中途半端に挟まれる手描きアニメがそれを阻止する、素に返る。
ってか手描き部分が標準レベルのアニメで、そこはCGに合わせて死んだ表情にすれば多少は違ったんじゃないかなー?
まぁRWBYに比べたらアクションもガッタガタでとても見てられない部分もあるんだけど…2話のヘリなんてもうなんだよと、劇場版ゴルゴ13かよと。

けど、あくまで個人的にはだけど、“ジビエート”よりは随分マシ。
ちゃんとした原作のあるなしの違いなのかな?ストーリーや台詞の掛け合いは普通に出来ている。
ジビエートなんて内容スカスカで30分もたないから会話の途中に妙な間が空いたり、カーナビやカレー等のお寒い尺稼ぎしたり、アップ多用で位置関係が謎だったりしたもんだけど、こっちではそういうことは…無い、多分。
先述の2話のヘリも、作画スタッフのアレ加減を見て急遽差し替えたような感じで、コンテ段階まではマトモだったんじゃないかな?と予感させる。
どのシーンを切り取るか、どのシーンに何秒取るか、そういった辺りは普通に出来てて、それに作画が追いついてないだけな気がする。
その…酷いこと言っちゃえば、画面見なければ楽しめるかも?
ジビエは画面見なくても不愉快だったからね、この差はデカいんじゃないかなー?(物凄い底辺の争いではあるけど)

一番残念なのは、アルマって“ビートレス”のレイシアや“プラメモ”のアイラみたいな役所ちゃうん?
もっと突っ込んで言えば“楽園追放”のアンジェラ的な、「なんでそういうキャラってレオタードなの?」「いいんだよ!好きなんだから!!」と押し通す熱意が画面からは微塵も感じない。
…って、これ中国スタッフが大きく係わってんの?意図的に扇情的な描写を避けてる?キスシーンが全然嬉しくないのもそれ??ま、まさかね…。


んでストーリー。
死んで目が覚めたら異世界に転生ではなく、脳だけになって未来に飛ばされてました。
エクスアームっていう異能を巡って犯罪が横行してるらしい。
んで主人公はハルモニエ使いで“ビッグオーダー”みたいな夢をちょいちょい見てるんだってさ。

ワザと投げやりな書き方したけど、実は結構好きな設定だったりw
3話なんてメイドロボがギュケスに乗って襲ってきたのでブリアレオスを駆って対抗だー!ってところでのヒキで、抑えるところはチキンと抑えてる…と思うんだよなぁ。
予想としては事故死した弟を蘇生させようと研究してたらエクスアームってのが開発できちゃって、封印してる間にアンドロイドの実用化まで技術が進んだ、とか?
果たして主人公は肉体を取り戻すことができるのでしょうかー、ってところが見所になると思うのだけど、果たしてアニメがそこまでやるかどうかは知らない。
ブリアレオスがメインボディで固定化しちゃったら面白さ半減するかも。{/netabare}

4話感想{netabare}
一度交わした約束を頑なに守るのが美徳とするなら、一度受けた指令を実行し続けるロボットはある意味人間なんかより尊い?
というテーマはありがちっちゃありがちだけど、やっぱり良いもんです。
今回のメイドロボがそれだったって話で、しかも元人間の主人公が暴走して人ならざるものになりかけたのを電脳世界?から連れ帰って来れたのが皮肉にもアンドロイドのアルマだったといのもエスプリが効いてる。
どこかで見た話とはいえ映像が他に類を見ないので独自性を感じる…ってのは好意的過ぎ?9割嫌味ッス。
いやホント映像は酷い。
そんなでも戦闘シーンにしっかり尺を取ってて、比較に上げるのは悪い気がするが戦闘シーンをカットするのをカッコいいと思ってそうだった“ノーガンズライフ”よりも好感が持てる。
ってか無理にでも戦闘シーンを入れるこのノリは…香港映画の流れ?なんかそれっぽさは感じる。
また、ただドッカンバッキンを続けるのではなく逆転送や衛星ズラしてGPSの座標を変える等、攻略の道を切り開く辺りも…これまた比較に上げるのはアレだけど、ほぼ1話戦闘に使っといて結局力押ししかしてない“蜘蛛ですが~”の4話よりも全然面白い。
やっぱコンテまではマシな作りなんじゃない?というか原作がよく出来てるのか??

で、上でも書いた様に原作未読なワケだけど、表紙を見てみた限りとっても士郎正宗wそれは構わない。
アップルシードのブリアレオスみたいなのはオーガって名前らしいが、いっそ開き直ってヘカトンケイレスで良かったんじゃ?とさえ思えるw
原作がマトモでお約束をしっかり守るのであれば…今度こそ多脚砲台を期待していいのかな?
やっぱクライマックスにデカブツは欲しいところで、映像はどうであれ話の方だけでもやって欲しいなぁ、と。

まぁその…原作者はスタジオ訴えていいんじゃね?{/netabare}

5話感想{netabare}
伝えたいことを文章だけで表すってのはホント難しい。
ってことで「文章だけ」は諦めて、「これ見てくれたら簡単に通じるかな」というのがあったのを思い出したので貼ってみる。
他にもっと参考になるモノが転がってそうな気もするけど、ここに貼っていいものかどうかワカランし、公式が上げてるヤツってことで──

モンストアニメができるまで-アーサー編-【モンストアニメTV】
https://www.youtube.com/watch?v=sIvCC8GtJow

全部手描き・CGと手描きの合成・フルCG作品とで工程違うし、現場や規模によってもまた違う(特にこういったのが公表されるのは劇場作品が多いと思うのだけど、劇場版はTVアニメへの参考としては…)のであくまで話のネタ程度に留めておいて欲しのだけど…。
エクスアームはここでいうレイアウトアニメーションを見させられてる気分。
ゲームの開発段階で「そこに村人が立ってる」って場所に、村人グラが完成してないので仮のオブジェクトを配置してる感じ(と言った方が通じるのかな?)。
当然「未完成品を見せるな」という主張は尤もだし否定はしないけど、「レイアウトアニメーションとしてはよくできてる」というのが個人的な感想。
何度も比較に上げてアレだけど“ジビエート”はコンテ撮の段階からおかしい、作画をどんなに頑張ってもどうにもならないクラス。
作画崩壊で有名な“いもいも”はコンテ撮まではマトモだったような気がする、指示がいい加減だったか上がった原画が指示通りじゃなかっただけのような?
同じく作画崩壊で有名な“はてなイリュージョン”はコンテ撮からおかしかった上に急遽差し替えが発生したかの様。
一方、作画は頑張ってるけどレイアウトがダメダメと感じる作品は枚挙に暇が無く…分かり易い例ではキャラがワープするとかカメラに映ってない間はフリーズしてそうとか。
──と、完成品の出来の良し悪しだけじゃなく、工程のどの段階からどうだったのかを想像するのもアニメの楽しみ方としてはアリでは?と思ったり思わなかったり。
まぁ事実は関係者しか分からないんだけどねー。

とはいうものの5話はちょっとフォローし切れんかも。
内容は悪くないのだけど、お色気シーンはやっぱ当局からストップがかかってるのかな?
アルマを轢きかけたトラックが画面外で処理というカメラアングルで、これはモデリングが間に合わなくて急遽変更した?(ロイヤルリムジン使えばいいのにw)
そしてなんといってもアクションシーン、もう、うん、もう…「画像は開発段階のものです」「お使いのテレビは正常に作動してます」と画面にテロップ出しておいて欲しい。
画面に映ってる絵がおかしいだけで間の取り方はマトモなのでMMDで作り直した方が完成度高いのが出来そう、誰かやってくれんか?モデリングからやり直しで。


それと…これは考えすぎだとは思ってるけど、それでもやっぱり言わずには居られない。
日本アニメの評判を落とすために中華が仕掛けてきたんじゃないか?
そこまでではないにしろ、原作潰しを狙ったんじゃないかと邪推したくなる、だってこれでちゃんとした“エクスアーム”のアニメ化は無くなったでしょ。
失礼なこと書くけど台無しにしても構わない程度の原作なんて他にもっとあるし、かといってスタジオ変えて作り直しするほどこの原作が超人気って訳でもなさそうだし。
指差して「クソだクソだ」と笑い飛ばして終わらせてしまうだけでいいのか?とちょ~~っと心のどこかに引っかかりを覚える。
更には“鬼滅”の大ヒットで、それまでアニメに係わったことのない企業が首突っ込んでくる可能性もあるワケで、なんともかんとも…。
考えすぎであって欲しいけどね。{/netabare}

総評{netabare}
アニメを作る工程の、どの段階でアレだとこうなってしまうのか。
それを探るには良い教材だったと思う。
要はコンテ撮?Vコン?そこまではしっかりと作られてた…ような気がする。
最終工程の「仕上げ」がキレイなだけでシナリオやコンテがヘンテコな作品よりは見れるんじゃないかなー?と。
言い方変えれば「画面は開発中のものです」として、完成品を想像しながら見る分にはそこまで変ではなかった。
…。
とはいえそれも中盤まで。
台本ではどう書かれてるか知らないけど「ハッ」だか「ウッ」だか、息を呑む・ハっとする時に出す声、これが中盤以降妙に増える。
場繋ぎのテクというか急場しのぎというか…作画が間に合わない影響がとうとうコンテ・台本にまで及んでしまった、そんな雰囲気が漂ってきてガックリ。

話ちょっとズレるけど、糞作画だった放送版を円盤で修正した例(最初から放送と円盤では違うってのとは別)っていくつか見たけど、基本直すのは作画だけでコンテ・レイアウトの段階から~ってのは私は知らない。
ましてや台本(セリフ)を修正ってのは無いんじゃないかな?私が知らないだけ?
で、大抵作画が糞な作品ってのはそれに合わせた「手間のかからないコンテ・レイアウト」になってるモンで、例えば──。
巨大な戦艦が登場してキャラクターが「なんて巨大な船なんだ」と呆気に取られるシーンがあったとして。
戦艦がどれだけ巨大か見せるシーン──町のビルと戦艦を同じ画面に入れて対比を見せるとか──を描く手間が無くて、ひたすら呆気に取られてるキャラの顔だけを映すことで誤魔化しました、と。
そこのキャラの顔が作画崩れてたってことで後で円盤で修正したところで「どれだけ戦艦が巨大か見せるシーン」が省かれたことには変わりが無かったり。

で、話を本作に戻すと、中盤以降は「想像上の完成品」も限度が知れた感じになってしまいました。
「ハッ」や「ウッ」の間の取り方だけでなく、ストーリーの方も…いやでもこれはどうなんだ?原作からこうなのか?
ユグとか登場しても一体何が出来るのかまだよく分かってない(キャラの掘り下げが浅い)状態で「もうよく知ってるでしょ?」って体で話が進んだり、アルマがプログラムを書き換えられて敵に寝返ってもそこまで思い入れが無いので「な、なんてこった」とは思えず「ふーん」としか感じなかったり。
一癖もふた癖もありそうだったオークション参加者(※)があっさり退場したり、イリヤ博士が目覚めた必要性や議事堂に突撃した課長の安否など、投げっ放しに感じるシーンもチラホラ。
話を複雑にしようとして複雑に出来なかった感。
なんか…週間連載漫画で「次回で打ち切り」ではなく「あと4回で打ち切り」ってなった時の畳み方を彷彿とさせる、この原作がどうかは知らないけど。
アニメは無理やり話を詰め込んだ?掘り下げが浅いというか必要なシーンがスッポ抜けてる気がする。

とはいえ、多脚砲台が出たりハッキング能力で〆たりとお約束はしっかり守ってて、エンタメとして軽く流して見る分には楽しめると思う。
少なくともノーガ…ノーガン…いや言うまい、あれよりは面白い、作画班入れ替えて欲しい、もしくはキャラがみんなニヤけてるから炎炎と…ゲフンゲフン。
但し軽く流して見るには作画がねぇ…「完成品を想像して」って集中力が要るワケで、ここで思い切り矛盾が発生w
いやぁ誰向けになるんだろう?



初登場時は手描きだったのにその後CGになるキャラが居て、「手描きのキャラはモデリングが間に合わなかった脇役だろう」という先入観を良い意味で裏切られました。
現場がゴタゴタしてたせいの偶然だろうけど、これは面白い副産物だったと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

つまらない理由はCG(だけ)ではありません。元々の話が駄目です。

 アニメの研究としてあまりに酷評されるので本作を視聴しました。原作もチェックしました。

 脚本そのものは原作を端折って省略した感じですね。原作はエロシーン満載なので、まずその関係はバッサリいっています。また、肝心の犯人等を捕まえるためのプロセスに省略が多いので、原作が好きな人には不評になるかもしれません。
 ですが、私は原作そのものの出来がSFあるいは脳だけになった主人公の冒険譚としてはいかがなものかという出来でしたので、あんまり脚本に不満を抱きようがありませんでした。
 要はエピソードの一つ一つの作り込みがSFとして、あるいはストーリーとして原作の時点から甘いので、省略してくれたアニメ版もそう悪くはないかなあと。

 原作は要はエロイねーちゃんたちと、ドンパチやりながら最後はボスキャラと戦って…みたいな話でした。設定そのものもEXARMという「謎」と主人公の能力とかキャラ設定みたいのが全然しっくりこない感じで、ハッキング最強理論的なご都合主義に見えました。
 ですので、正直どっちもどっちという感じです。結局EXーARMという設定そのものが、まあ、未知の技術だったので、謎解きの深みがないです。


 CGですが、ひどいというのはわかります。プレステ2くらいの時代ならみんな喜んだかもね、という感じです。が、この物語の面白さがCGで台無しになったかといえば、先ほど申し上げたとおり、マンガ版も好みのストーリーではなかったので、そういう感じはありません。

 マンガ版の良いところは圧倒的な画力といいたいところですが、マンガ版の造形がCG的であまり堪能したいような個性を感じないので、そんなもんか、という感じです。

 絵柄に個性がないだけでなく、SF的な発想も画面からは感じられません。
 例えば黒い球体が出てきて街を飲み込む画って、どれだけ今まで描かれてきたでしょうか?脳だけ取り出してトランクに入っているって…あの多脚戦車的なものとか、どっから持って来たかは明らかです。ブラックジャックのシーンとか、機械を取り込んで大きな身体になるとか、ラストの宇宙空間で地球を見ながら終幕とか…まあ、オマージュと言っておきますが、出典をほぼ全部言えるような画面ばっかりです。
 つまり、原作の段階からオリジナリティが無いと言いますか、SFで大切なセンスオブワンダーを感じないと言うか、どこかで見た画、どこかで見た設定を組み合わせているだけでした。

 また人物もヌードばっかりですが、原作のヌードにはまったく色気がありません。ヌードのためのヌードで、100点満点で5点という感じです。その意味ではまだアニメCGのほうが100点満点で12点くらいの色気はあります。


「けものフレンズ」で分かると思いますが、CGが酷くても話が面白ければ面白いのです。それはアニメもマンガも一緒です。
 このアニメはSFとして流し見するにはそんなもんか、というレベルでは見られました。マンガ版を不当につまらなくしたのか、といえば、あまり違いを感じなかったという感想です。つまり、CGが酷いのではなく、話がもともと面白くないというのが本作の評価でしょうか。


 本作に関しては「CGひどい」という風評(とはいえ事実ですが)ありきで、批評されることが多いですが、つまらない原因はそこ(だけ)ではないと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

超常兵器犯罪バトル

この作品の原作は未読です。
みかこしや、あかりんが出演されると知り視聴を決めた作品でしたが、あかりんの演じているキャラがエンドロールを見るまで分からなかったのが唯一の心残りでした…^^;


2014年、機械嫌いの高校生・夏目アキラは自分を変えたいと思い
一歩を踏み出す。が、トラックに轢かれる──。

そして2030年東京港湾部、未知の兵器『EX-ARM』取引現場に
潜入した警察・上園美波とアンドロイド・アルマのコンビを
『EX-ARM』No.08を装備した敵が襲う。彼女たちは起死回生を賭け、
敵から奪った『EX-ARM』No.00を起動させるが…!?


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

完走後にwikiをチラ見して知りましたが、原作の連載は既に完結しており、全14巻全98話で構成されているそうです。
今回はその中から12話分をチョイスしてアニメが制作されたようですが…
何と贅沢な原作の使い方をするんだろうと思いました。
最初と最後と間の幾つかの物語を抽出し、後は全部バッサリと切り捨てているのですから…

まぁ、私は原作を知らないのでアニメを見ていて違和感はありませんでしたが、原作者や原作のファンの方は複雑な心境だったのではないでしょうか。

確かに視聴していて違和感はありませんでしたが、唐突感はあったように思います。
物語の脈絡…というか物語同士の繋がりが希薄というか…

それに、伏線は完全に回収されていなかったと思います。
例えば、主人公の夏目アキラですが、彼は交通事故に遭ったところまでは理解できるのですが、その後、どうしてああなってしまったのでしょう。
公式サイトのキャラ紹介欄では「自身の失った記憶と身体を取り戻す」ため色々行動すると記載されていますが最終的にこの本来の目的には遠く及ばなかったのではないでしょうか。

一方で、バトルシーンは迫力があったと思います。
3DCGを駆使した、さながらマトリックスを彷彿させてくれるような感じ…
個人的な好みの分かれるところだと思いますが、私的には全然OKでした。

オープニングテーマは、AIRFLIPさんの「Rise Again」
エンディングテーマは、Dizzy Sunfistさんの「Diamonds Shine」

1クール全12話の物語でした。
もう少し尺を取ってそれぞれの物語を補完し合えば、もっと評価の変わる作品だったのではないでしょうか。
個人的には総じて楽しませて貰いましたが、強いて言うなら物語の構成が少々残念だったように思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

64.3 8 警察で未来なアニメランキング8位
紅殻のパンドラ(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (359)
1839人が棚に入れました
先進国では、一部ではあるが、サイボーグや自律ロボットが一般に出回り始め──
戦争や災害をはじめ、世界はあらゆる災厄に覆われ、救いをもとめて人々がさまよっていた時代。
これはそんな時代に──全く関係なく、『彼女が、彼女に出会う物語』

声優・キャラクター
福沙奈恵、沼倉愛美、田中敦子、森田順平、松田颯水、村川梨衣
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

TEXHNOLYZEのカウンター作品 と言えなくも無い(汗)

 思うところ有ってテクノライズを再視聴してて、若干設定面では差異はあるしその視点と未来への展望は対極では有るものの肉体の置き換えという部分に関しては意外と近い作品だなと感慨深いものを感じたので点数見直します。
片や理想郷、片やディストピアの極みですが比較すると結構面白いですw
セナンクル島{netabare}(後のオリュンポス){/netabare}
と流9洲{netabare}(統括第九小地獄){/netabare}とか。
もっとも対比ならば流9洲じゃなくて地上かもですが・・・

島の通信障害による混乱と、流9洲のオベリスクの機能停止とか。

 全身義体(無機質サイボーグ)とシェイプスの表現の差に至っては、作り手のビジョンの違いが明確すよね。
士郎作品は最早人の姿に固執しなくなった時代のサイボーグに関してもブリアレオスや双角等とても愛嬌が有るデザインなのに、シェイプスなんて虫の腹みたいなのがぶら下がった骸骨すもんね。とても不快なグッドデザインだと思う。
(ジェイムスン型サイボーグの阪華精機社長とかも攻殻にゃ居ましたが、葉巻吸う姿がラブリーですしね)

んで福音と違って、ある意味スタンドアローンの極みとも言える櫟士w


 テクノライズは記憶の外部化・自我の境界云々に関しては物語には盛り込まれてないですが、紅殻は電脳化・義体化と言うテクノロジーに対して(戸惑いはありつつの)とても前向きで希望を感じさせる世界観が私は最高に心地良かったんですよね。その点では無二の作品なのは間違い無い。
そこは士郎正宗作品全般の事であって紅殻の特色ではないかもしれませんが、其処を示唆する表現は多分に盛り込まれていた作品であったにも関わらずほぼスルーされちゃってるっぽいのがこの作品の不幸と言うかw
{netabare}
 10歳で肉体を失った少女が元の肉体の動かし方を捨てて「しっぽをふるように」「はねをはばたかせるみたいに」全身義体に対応し、「はじめてものをみるみたいに」システム補助無しで情報の海にダイブしてゆくこの時代では常識を外れた驚異の適応者と言う側面。

「初めて歓迎してもらえたよ」「私は私を(両親以外から)もらったの」
最先端の技術で社会や周囲のおかげで"生かされている"現実と負い目。常にロボットと間違われる疎外感。

 そしてクラりんから問いかけられる"力の行使と持てる者の義務"
未来を作れってのは士郎正宗作品にはよく出てくる言葉ですし、攻殻新劇場版のラストでも引用されてた部分ですが、この作品にもきちんと盛り込まれている。
{/netabare}

 汲み取ろうと言う気さえあれば、哲学的とは言わないけど十分中身の有る作品だと思うんですけどねぇ。まぁこの手の意見は多勢に無勢なのは判ってるつもりですが。
パンドーラデバイスのアクセスのシーンがエロくて気に入らないという事ならば、ドラえもんの四次元ポケットにのび太が手を突っ込んでると置換えて見る事をお勧めします。

/////////////////////////////////////////////////////
以下、視聴時のレビューです
{netabare}
最終話視聴。
 アニメとしての総合的な質と言う点では、正直駄目な作品とは私も思ってます。お勧めもしません。
ですが個人的には今期一番楽しませてもらった作品でした。本放送中の期間に何度も繰り返し観返した作品は久しぶりですし、原作も何度も読み返しちゃいまして。正直見る気の無かったARISEの円盤買う切欠にもなりましたし。

 設定面も士郎正宗作品に馴染んでいないと"あぁ"とすら気付けない所も多々ある為、攻殻→アップルシードに連なる作品では無く単独の作品として見た場合は面白味の無い話と思われるのも止むを得ないかと。
"光学迷彩では無く熱光学迷彩"とか、クラりんのナイフ夜龍・灰虎の"MADE IN P.I.A"の刻印とか、普通はスルーしちゃうと思います。そもそもクルツの背後にポセイドンが居ると言う点ですら、士郎作品観てなければ「何ソレ?」で終わっちゃうでしょうし

 絵に関しても残念すね。低予算だったでしょうし、名和監督自身がCGを生かしたメカ物作品の経験が無くて色々と相談しながら作ってた旨を公言してますもんね。アクションのスピード感も欠けてるし、かんたんクラりんとは別にマンガ的記号に頼ったとこも多い。
そこは個人的には止むを得ないかなと割り切って観てましたが、それ以上に残念だったのはコメディとしての印象を左右する大事なシーンを再現しきれなかった点が多かった。代表的なのがフィアーの目前での変身シーンの"場違いな面白さ"をクルツの怒りと部下の赤面だけで済ませちゃった点とこですかね。
日常系等で女の子をかわいく見せる点では手練れだったであろう制作側の良改変も有りましたから、痛し痒しのトコは有ると思いますが。猫王子のトコは良かったですね。「耳に触っていいニョ」のトコは声優の沼倉さんが声変えたのもあってバカバカしくて良かったかと。

 原作とのラストの展開の差異の大きさは正直残念でしたが、制作時期的に原作無しの状態だった訳でその点を加味すれば無難に纏めたかなと思います。
距離を置いて見ればアニメとしてのクオリティも高くは無く、中盤の昔の魔法少女モノみたいな部分が無駄回に思えても仕方のない1クール内の構成の悪さから世間的に低評価も止む無しですね。やはりニッチ過ぎたと思います。
本来ここでの評価点を付けるとすれば低くすべき作品とは思いますが、個人的な思いで高い点付けちゃいます。


原作と比較しての不満点ですが

・福音の全身義体故の世間に対する引け目がさほど表現出来ていなかった。
原作もけしてその点に関しては表現は多くないですが、アニメでは誇張すべき要素だった気がします。全身義体の可能性の裏の側面として"高度なメンテが有ってこその体"という社会への感謝と恩返しが福音の社会への貢献と世界平和への願いの根の一つですので、表現が皆無では無いですがもっとアピールすべきだったかなと。

・クラりんの福音に対する認識
原作では事件の終息後に、福音との共同作業が自分の計算上は不可能な事を可能とした事に戸惑い「・・・ありが・・・とう・・・」とやっとデレるんですよね。アルゴリズムでは生まれ得ないノイズとしてゴーストの発生を匂わせている。
アニメのラストも悪くないですが、クラりんのアンドロイドとしての書き方がかなり人寄りかなと。福音も本来彼女たちには目の洗浄液でしかない"涙"を流して泣きますし。
多分、制作側の方々はあまり士郎正宗作品思い入れは無い気がします。
福音達を尾行してたゲルツェコマの光学迷彩を"熱光学迷彩"と言わせた件はweb上でも色々指摘されてましたし。私もアレは台詞のミスだと解釈しました。

・ロバートとの共闘と太鼓の達人・キノコとタケノコを描けなかった。
アニメの制作時期的には原作と併せる事が出来なかったのは止むを得ないんですけど、やはり原作では福音のチート能力の最大の見せ場でしたしロバートが事態収束の当事者の一人としてこそ前段の繋がりが生きたと思います。

福音「これだーーーーーって、私の何かが囁いたんですよーーーー!!」
クラりん・ロバート・クルツ:「お前は一体何を言ってるんだ・・・」

をアニメで見たかったんですよね。福音役の福さんもキャラにマッチしてましたし。
このアニメをコメディとして観るかSFとしてシリアス多めで見たいかは個人差有るかと思いますが、私は終始コメディで通して欲しかったです。


実は今期アニメに関しては、コレにご執心過ぎて他のアニメがかなり印象薄いです。私、かなり趣味が変かもですねw

///////////////////////////////////////////////////////
10話視聴
 正直、残2話だと原作通りにクルツとの決着迄を消化するのはかなり厳しいような。公式HPにもアニメのオリジナルの展開になる様な事書いて有りましたが・・・
OPから予想すれば目だけ書かれてたランドメイトとの戦闘は要れるでしょうし、当然クラりんへの電子戦闘支援も外さないでしょうから。
描かれていない福音のシステム補助無しでのシステムのハックを削るのだとしたら、一番攻殻らしいシーンだけにガッカリかも。11話のサブタイからすると外さないでしょうが(汗)
 個人的には原作終盤の展開が好きだったもんで、あのヒドいオチも含めて原作に忠実にやって欲しかった気はします。

それにしてもニッチなアニメすね、ホント。好みにカスリもしない層が多いのも止むを得ないというかw
私は今期手をつけたアニメでは、質は別の話として一番好きです。

/////////////////////////////////////////////////////
8話視聴
 今期の一番のお気に入りですので、何故かマメに書きたくなっちゃうと言うか。今期は他にいい作品いっぱいあるのにコレが一番好きな自分は変わり者だなとは思うんですけどね。恐らく円盤の売り上げも撃沈でしょうから、私は買う事にしましたw

 こういう各話の内容の書くのって個人的には好きじゃないんですが、ちと判り辛い回だった気もするので敢えて。流し見でなければ判る程度の事ですが、この作品の場合真剣に観て貰えてない可能性高そうですし(汗)

・火災の原因はクルツのハックで"くしゃみした"ブエル(大)の荷電粒子砲。
もしかすると敢えて火災とラストのシーンの関連の表現は次回に回したのかもしれませんが、人によっては紐付けできなくて訳ワカメにしか見えないような。
ブリ(ドカーン)のノース君の着ぐるみがなんで突然燃えだしたのも、原作ではこの時点でちゃんと火線が絵に描かれてるんですけど・・・・

・デパートの売り物だった耐火布をクートゥリエのスキルで袋にしてその袋に入って身を守り、周りが見えない袋の中から電動カートと携帯ゲーム機と自らの機能を利用して視覚情報では無く音響情報(エコー)を視覚化する事で移動。

・取り残された子供に、全身義体(サイボーグ)の福音は自らの体内残留分の酸素で人工呼吸。
福音は脳だけ生身ですので、本来必要な酸素は脳の維持分のみで済むため僅かの酸素しか必要でなく1話も含めこのような過酷な状況で1時間程活動が可能。
しかし、そのわずかな量を通常の人間に供給したため急激に残量が減った。
クラりんはアンドロイド(ロボット)なので酸素が無くても活動が可能の筈(1話は海底でタンク背負わず調査活動)
ただアニメでは酸素ボンベで吸引してましたね。原作ではクラりんは吸ってるシーンは無いんですが。多分ミステイクかなと。

・耐火布の袋に風船用のヘリウムガスを貯め、地上にダイブ。
そのまま地上に落下するにはロバートが言ったように速度が出過ぎだったが、議長のリムジンの屋根に着地した事で変形のエネルギーを利用して緩衝した。でも原作ではその前に建物の壁を蹴る事で減速もしてるんですよね。

 通常の人間では無理だがサイボーグである福音とアンドロイドのクラりんだから出来る事(可能性)とは何かがこの作品の総体のキモの一つであり、その意味でわざわざ他の"料理の鉄人""ジャグリング"等の「便利だね~」程度のスキルを前半でやって"人形遣い"とこのエピソードを話の山場のクルツとの対決の直前にこのエピソード持ってきたんだと思いますが。
 けど、流石に1話の短い尺で原作の絵の情報量を全て詰め込むのはこのエピソードに関しては苦しいかも(汗)
ブリ(ドカーン)の突撃インタビューや議長の抱えた"大きな問題"のシーン自体は話の本筋には無駄ですが、彼の政治家としての暗部の表現のシーンでもあるので削れなかったんでしょね。

 クラりんのロジカルで合理性を優先する思考と福音の人間的行動原理の話でもあった回でしたので、ラストのクラりんが自らの判断を誤りだったと認めるシーンを原作より長めにしたのは好印象でしたです。

 初期の原案でも阪神淡路の被災者である体験からか、基本的な緊急救命を盛り込んだ作品にしたいと言う思いは有った作品らしいので、ある意味本作らしい回ではあったのかもですね。
/////////////////////////////////////////////////////
7話まで視聴
 相変わらずアニメとしてのクオリティはアレだと思いますが、私的には今期のアニメで何度も繰り返し視聴してるのはコレだけでして(汗)
原作も読んじゃったので今後の展開も判っちゃってるんですけどね。
恐らく大半の方が何の面白味も感じないと切ってるんでしょうし、その気持ちも判りますホント。
この作品を脳内変換してでも楽しむ気持ちでいないと、アホらしくなると思います。今期だと小麦ちゃんRに近いかもしれませんねw
この後8話の火災の話以降は結構派手な展開なんですが・・・
もちっと金掛かった作りならばとも思わないでもないんですが。

 この作品のせいで久しぶりに士郎正宗熱が上がっちゃったもんで、14年発売のPIECESGem01買っちゃいまして。
本作に関しても言及されてまして、別にアニメのネタバレには当たらないと思いますが
やっぱりオリュンポスに関連してましたw
初期設定ではオリュンポス形成の初期実験の物語として設計されてたそうでして。もっともマンガの六道氏がそれを使うかは別な話なんでしょうけど。
7話の福音のお勉強のシーンでの講師のお話もよ~く聞くと、士郎正宗ファンなら「やっぱりそういう時期ね」と納得なんですよね。

webで見ましたが日常系が多い名和監督自身は自らこの手のSFは畑違いと思われてたとの事で、実際魔法少女モノ風にアレンジする事も視野に入れてたみたいですが・・・
にしては意外と士郎正宗の原案と言うものを大事にされてるんだなと感心したのと共に、であればこそ士郎正宗のマンガのテイストが感じられるんだなと納得しましたです。もちろんマンガの六道氏が有っての作品だと思いますが、"アニメの攻殻"という商売に染まってないカドカワと制作会社で作られた事の福音なのかもですね。

士郎正宗の読み物なんて攻殻2.0巻読んで以来なんですが、PIECESGem01読んでアニメの攻殻って色んな意味で色々有った作品なの知って「あぁなるほどね」って感じでして。正直、押井版も含めアニメとしての出来は別として"コレ、士郎正宗じゃねぇよね"と言う違和感感じてたのは私だけでは無い筈。
 紅殻のパンドラと言う作品が変化球なのは間違い無いですが、こういう形でもテイストを継承した作品が出てきてくれた事が嬉しく思います。

もっとも、今でも士郎正宗って名だけでときめくなんてのは古い世代だけなのかもですが(汗)
////////////////////////////////////////////////////
意外と原作に書かれて無い部分足してたりするんですね。

原作は現時点7巻でフィアーとの戦闘のクライマックスで、これでほぼ一区切りかと思ってたんですが。
OP見てて気付いたんですが、クルツの背後にフィアー以外の目が光ってますよね。ラストに更にもうひと山作るって事なんでしょうか?(汗)

 個人的には今期のアニメで一番好きで観返すのも多いんですよね。
別に賛同求めはしませんがw
アニメの1作品としての出来云々で言えば低評価なのは納得なんですけど、個人的にはこういうのツボなんすよね。

世界でこの時点で10人と居ない適合者の福音が"肉体の代替品"に留まらない全身義体のその可能性をパンドーラデバイスと言う"最高のスキルの取り込み"で更に広げるってプロットが正に士郎正宗というか。電脳化が世界を変える新技術と言う認識は有っても未だ倫理的に抵抗の残る時代と崑崙八仙も劇中で言ってましたし、私は今となっては大昔の本のアップルシード・データブックの年表読み返したりして楽しんでます。
本作の段階では連合・米帝の大戦中の様ですが、ムンマ教国の台頭の時期且つMMによる"日本の奇跡"の前なのかなと思って観てるんですが。劇中の宿題の職場訪問のエピソードで浮遊MM云々なんてセリフも有りましたしね。
セナンクル島って意外とオリュンポスの原型だったりするのかな~とか思ったりして。ガチの士郎正宗ファンの方の見解聞きたいすね。
 んで、そんな士郎正宗の世界の中で繰り広げられるサイボーグの福音とアンドロイドのクラりんのユルい百合とブエル(小)の暴走というギャップが堪らないw
フィアーとの戦闘ですらアレですしね。
 士郎正宗のお膳立てだけで楽しめる人にはナカナカな御馳走だと思うんですが、そうでない人にとっては雑な三流以下でしかないというニッチな作品というかw
 
 別にクラりんのデフォルメで作画リソース節約は私は気にしてないんですが、義体の関節部分を線足しだけで済ましちゃってるのが残念なんすよね。
もうちょっと手間かけて欲しかったとは思います。2ndGIGの素子の少女時代と見比べるとガッカリ。
作画金掛かってたら個人的には円盤迷わず買ったんですが・・・

//////////////////////////////////////////////////////
 面白そうなんで原作読みはじめましたけど、士郎正宗自身が自分の作品の色では今時はウケないからと六道氏にお任せって感じなんすね。マンガ本編と士郎正宗のあとがきのテイストの違いが変な感じw

部分義体に出来る事の限界と全身義体の可能性の違いとかってアップルシードの頃から書いてたし、スキルの外部記憶化というパンドーラデバイスとの相性の良さなんて要素もとても士郎正宗っぽいすよね。
(そいえば無彩限のファントムワールドでも3話で外部化された記憶・体験の共有ネタやってましたね)
崑崙八仙の傘下の企業の名前もメガテク・セブロとかお馴染の社名出てきたり、マンガの方では福音がヘカトンケイルシステムの実験させられてたりするし。
そういう懐かしさもあって、なんか個人的には好きなんすよね~。

 自称"魔界の哲学者"ブエルも五本目の脚がイイ味出てるし、かわいい全身サイボーグとロボットのコンビでユルい感じってのも個人的には好きなんでその気に入った気持ちを評価に反映します。

まぁ明確に"彼女と彼女の出会いの物語"と深~い話じゃ無い事は明言してますし、客観的にアニメの出来として観れば切る人多発なのは納得ですんで私もお勧めはしないですけどねw
////////////////////////////////////////////////////
 個人的にはなんかカオスな出来が楽しい気がするんですよね。お勧めはしないし多分切る人多発だろうけどw

絵も動きも雑だし変なアニメなのは間違い無いんですが、意外とドミニオンのマンガにテイストに近い気はします。コンフリクト編じゃなくて初めの方ね。SFベースのドタバタ劇と言う点で。
まぁ本作品自体の原作は士郎正宗では無い訳ですが、マンガのドミニオン・オリオンが有りの人は別に抵抗無く見れると思いますけどね。

何度もくどいですが、お勧めはしません(汗)

士郎正宗というとアニメの攻殻・アップルシードというイメージの人は耐え難いかも。
//////////////////////////////////////////////////////
 攻殻以前との話ですので、古い世代の士郎正宗ファンなもんで個人的には期待しちゃうんですけど最近はエロばっかですしねw
全身義体(無機質サイボーグ)の黎明期のお話みたいなので、希望としては攻殻→アップルシードの流れに繋がるミッシングリンクがちょっと埋まる作品だと最高にうれしいんですが・・・多分ふつうに萌えですね(汗)

まぁ別にかわいくて面白ければOKかなと。
1話目の印象は絵は崩れないけど、電車や船等のオブジェクト動きがイマイチすかね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

stodio五組最新作!今回もゆりゆりしてます!でも実は・・・

攻殻機動隊のスピンオフ作品です

・・・と聞いて興味が湧いた人は残念ながら向いていない可能性が高いです
おそらくレビューで呪いの言葉を吐露することになるでしょう

逆に攻殻と聞いて硬派なSFはちょっと・・・
と敬遠しようとする層のほうが
どちらかというとこのアニメに順応しやすいと思うのですが
そういう人たちは0話で切ってたりするんじゃないでしょうかね?

原作士郎正宗とか攻殻機動隊スピンオフとか
そういった情報よりももっと端的にこの作品を表すステータスは
レビュー題の通りです

咲の製作中に母体のGONZOが吸収合併された際に独立
以来Aちゃんねる、きんもざ。ゆゆゆと
ヒットさせたアニメはどれもソフトな百合描写を含むものばかり
今回もその流れを汲む作品で
そこにSFバトル的な味付けが添加されていると思えば
まぁ大体この作品の大雑把な方向性がわかると思います

しかし、主人公の七転福音(ねね、以下福音)は事故の影響で全身義体で
脳核以外は全て機械になっています
ヒロイン(?)のクラリオンはもともとアンドロイドなので
そこに萌を見出すのは
俗にいうピグマリオン・コンプレックスにあたるのでしょうか?
さらにくらりんには猫耳メイドとかいう属性までつけたられており
さすがにいろいろやり過ぎ狙い過ぎに感じる面は否めず
そういう意味でレベルの高いというか適合者を選ぶ作品なのは確かです

しかし二人の機械設定のおかげで
湯煙規制0のシャワーシーンや下着描写
さらには、くらりんの股間に福音が指を挿入するシーンが毎週のように流れたりと
生身の人間だったら絶対NGなレベルのシーンが
堂々と放送されているのにはびっくり
パンツじゃないから(以下略
的な発想ですね
こやつら天才か!

もし仮に誰かがこれに性的過ぎると苦情を入れようものなら
その人は自分がお人形に欲情する変態さんだと宣言しているようなものです
昨今。アニメの肌色が厳しく規制されるなかで
これだけ全裸の女の子を堂々と描くアニメはなかなかありません
よく理解していない人から見れば福音もくらりんも人形かもしれませんが
クラリオンはともかく福音は歴とした人間の女の子ですからね!

いやしかし、よくよく考えてみると福音は本当に全裸と言っていいのでしょうか?
全身義体というのはいわば究極のウェアラブルPC
つまり本来の彼女の全裸は脳核だけの状態であり
全身義体を着ているのだと考えることもできます
だとすると全裸どころか
フルメタルアーマーもびっくりの鉄壁の防御で
彼女の裸はガードされていることになります

はたして義体は彼女そのものなのか?
それとも義体を身に着けているだけなのか?
これは非常に難解で哲学的な命題でもあります
すなわち自分と世界の境界線は何処に線引きされるべきなのか?
はたして自己とは一体何なのか
人類はいまだにこの究極の問いに普遍的な解答を見つけることができていません

古来人類は、精神と物質をはっきりと分離せずに考えていました
万物に魂が宿るとする日本のアニミズムでは特に顕著ですが
それは日本に限ったものではありませんでした
近代科学はその二つを無理やり引きはがすことで
現在の物質文明を築きあげてきましたが
ここにきて精神もまた物質世界の一部としてメスを入れられる時代が到来しつつあります

その一つが脳波入力インターフェイス
つまり心の中で念じるだけでいろいろなデバイスを操作できる装置です
実際に脳波でキーボードを入力したり、ドローンを飛ばしたり
といった実験にはすでに成功しており
一部は実用化されています
しかし、この装置の扱いはなかなか難しく
何も練習せずともすんなり動かせる人もいれば
幾ら練習しても全く動かせない人もいるようです

作品世界に話を戻しましょう
こちらでも似たような話が出てきたのを覚えていますか?
発展途上の技術全身義体
福音は世界でも希少な成功例
適合者(アデプタ)の1人だそうな
幼いころに難病を患い電脳化し
10歳の時事故に巻き込まれ両親を失い全身義体となった彼女
機械の身体を自分の身体と認識し駆動する能力は
生きるため全てを奪われた少女が
生きていくために身に着けた、たった一つの希望です

11話で彼女は {netabare}自己の定義をさらに拡張し
基地のシステムをも自身の一部として取り込んでしまいました

あるけどわからない・・・昔と同じだ

わからない

わたしがあるけどわからない

1からやり直したらいいんじゃないかな?
1番初めの最初の最初から

生まれて初めて体を動かすみたいに
生まれて初めて物を見るみたいに

近くて遠いたくさんのきらきらした何か

なんだろう?一度にたくさん見えてるのに全部わかる
{/netabare}
彼女の世界認識は自他の境界が極めて曖昧
あるいはそもそも存在しない主客未分の状態にあるようで
拓美もそれをどこまで見抜いているのかわかりませんが
「福音ちゃんの世界観は興味深い」
と評しています

このアニメを低俗で悪趣味な萌アニメだと思っている人達がいるようです
悪趣味な萌アニメという部分に関しては何も返す言葉はありませんが
これだけ科学的・哲学的に最先端の話題まで踏み込んだ作品を
低俗の一言で片づけるのは
受け手の見識が低すぎるだけのように思います

実際には作り手サイドにそんな深遠な主張などなく
私の個人的見解というか無理やりなこじつけただけの妄言ではなないか?
と疑っている方もいるかもしれませんので
11話のアレが作品の主題であるという証拠を上げておきましょう

もともとこの作品はGHOST URNの題名で士郎正宗が企画し
攻殻ARISEのキャラを登場させ
ARISEの数年後を舞台にした作品となる予定でしたが
企画そのものがいったん没になり
再始動する際に色々な変更点が加えられ今の形となりました
GHOST URNという単語はこの作品のルーツであり
物語の核心に最も近い部分です
そして11話のサブタイトルが
「心の在処 -ゴーストURN-」であることを考えれば
このアニメが精神と身体の関係をメインテーマにしていることは
だれの目にも一目瞭然ですね

しかし、硬派なアニメファンの大半は
11話までたどり着かづに脱落するか
低俗なクソアニメと決めつけてちゃんと見ていないでしょうし
逆にこの作品をメカっ娘たちの繰り広げるレズレズアニメ
として観ている変態紳士の皆様方は
そんなメッセージ性をそもそも求めていなかったりで
どれだけの人にこのテーマが届いているのか
正直疑問に思うところではありますねw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「世界平和は小さな親切の積み重ね」

この作品の原作は未読ですが、原作が士郎正宗さんである事、「紅殻」と「攻殻」の読みが同じことから何か関連はあるんだろうとは思っていましたが、それ以上突っ込む事はしませんでした。
後から「攻殻機動隊」好きな友人から教えて貰いましたが、この作品は「攻殻機動隊」より時代設定は前なんだそうです。
それでも「全身義体」のキャラは登場しますけれど^^

この物語の主人公は、脳以外の全身を義体化した七転 福音(ナナコロビ ネネ)。
彼女は遠い親戚である崑崙八仙 拓美(コロバセ タクミ)に引き取られてセナンクル島にやってきたところ、ウザルという女性科学者に遭遇し・・・いきなりブエルと呼ばれる巨大兵器の暴走トラブルに巻き込まれてしまいます。

でもそこで福音はウザルが製造した戦闘用アンドロイドであるクラリオンと運命的な出会いを果たし・・・物語が動いていきます。

物語は大きく2つの流れで動いていきます。一つは福音とクラリオンの日常パート・・・もう一つは巨大兵器であるブエルを我が物にしようとする輩が秘密裏に動いていくパートです。

ブエル絡みの展開は、身体の各部を義体化した敵との白熱したバトルやいかにも電脳系・・・という感じで物語が進んでいくので、こちらも息を呑む感じなんですが、個人的に圧倒的な面白さを感じたのは日常パートです。

「夢が世界平和」という福音は自己犠牲も厭わないスタンスで人を助け、それをクラリオンがサポートする・・・一つ一つの出来事は大きいことばかりではありません。中には命の危険を賭して人助けを行ったりする事もありましたが、公園での炊き出しの手伝いなど些細な事でも心が温かくなるような一幕を見る事ができるんです。

でもセナンクル島の住民は決して善人ばかりではありません。
例えばこの時代、アンドロイドは高価なモノとして盗難事件が起こったり・・・
福音とクラリオンは全身義体・・・きっととんでもなく高価なんだと思います。
それでもそんな悪党に屈する二人ではありません。
詳しくは本編で確認頂きたいと思いますが、キーワードはパンドーラデバイスです^^

セナンクル島に住むのは善人ばかりでは無い・・・と先述しましたが、ちゃんと善人も住んでいます。根が素直で正直な福音の周りに集まるのは、心優しい人達ばかり・・・

義体って・・・部分的でも動かすのが難しいんだそうです。
全身が義体化された身体を普通に動かしている福音はきっと過酷な訓練と調整に耐えてきたんだと思います。
皆んなが福音の様に義体を動かせる訳ではありません。
でも、病気やケガで身体の機能の一部を失って・・・これまでと同じ様な生活が送れなくなる・・・
それが義体を使うことで日常が取り戻せるなら・・・頑張りたいと思いますよね^^
福音の分け隔てない優しさも相まって、そういう「これからの人」に対し福音は希望だったと思います。

一方、物語の中で良く分からなかったキャラもいます^^;
一番分からなかったのが、福音の遠い親戚である拓美ちゃんです。
まず彼女の口調・・・これまで様々な口調を聞いてきましたが、語尾に「〜だや」を聞いたのは今回が初めてだと思います^^;
「何故、だやなの・・・?」
正直言いにくいと思います^^;
それに普段の生活において出不精なのかそうじゃないのかが不明ですし・・・^^;
でもクラリオンへの足枷は・・・クラリオンにとっては厳しい条件でしたが福音の事を思う親心なんだろうな・・・と思いました。

色々書きましたが、基本的に福音とクラリオンが普通に可愛いので、愛でながら視聴していると30分なんてあっという間に過ぎてしまう・・・そんな作品だったと思います^^

オープニングテーマは、ZAQさんの「hopeness」
エンディングテーマは、七転福音、クラリオンの「LoSe±CoNtRoL」
EDの制作もZAQさんでした・・・OP、EDともZAQさんらしい曲だったのではないでしょうか^^
リフの曲調がちょっと難しいけれどサビが抜群に格好良い・・・そんな印象です^^
個人的にはEDのサビのメロディが好みでした^^

1クール12話の作品でした。「こうかく」の文字が変わるだけで作品の雰囲気が全く別物になっていましたが、この作品も毎週の視聴が楽しみでした。
「ガール・ミーツ・ガール」の物語・・・良かったと思います^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

61.6 9 警察で未来なアニメランキング9位
劇場版 BLOOD-C The Last Dark(アニメ映画)

2012年7月7日
★★★★☆ 3.5 (256)
1166人が棚に入れました
古くから湖への信仰が残る風光明美な町にある浮島神社。そんな浮島神社の巫女 更衣小夜(きさらぎ さや)は、神主である父親 更衣唯芳(きさらぎ ただよし)と二人暮らしをしている。小夜は 私立・三荊(さんばら)学園に通う高校2年生で普段はクラスメイト達との学園生活をめいいっぱい楽しんでいるのだが、一方で、父の命を受け ある「務め」を果たしていた。それは、『古きもの』と呼ばれる、人を遥かに凌ぐ力を持ち、人を喰らうモノを狩ること——。『古きもの』を唯一倒すことができる小夜は、人を『古きもの』から守るため、大好きな父親のため、浮島神社に伝わるという御神刀を手に独り、戦う。果たして小夜に待ち受ける運命とは!?
ネタバレ

おなべ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

復讐と愛憎の物語(レビュー超改変版)

スローテンポの内容、やり過ぎなグロ描写、最終回のどんでん返し等に賛否両論(否の方が圧倒的)だった「BLOOD-C」の劇場版作品。あにこれでは劇場版も評判が芳しくないようですね。テレビ版に懲りずに映画館にまで観に行った口ですが、いやはや…またも「BLOOD-C」には楽しませてもらいました。


テレビ版は黒幕を後一歩で取り逃がした所で終了し、劇場版は黒幕と遂に対峙します。舞台は田舎からCLAMPお墨付きの東京に、季節も夏から冬に変わっています。作風だけではなく制作スタッフもテレビ版と異なっています。

脚本はBLOODシリーズにお馴染みの藤咲淳一さん、監督は水島努さんに変わり塩谷直義さん。
名前だけ聞くと「え〜と…」と思いましたが、「このアニメOPがかっこいい」の一例でよく挙げられるBLOOD+の3クール目OP(曲はUVERworld「Colors of the Heart」)の絵コンテや演出を手掛けた方だったそうで。意外とBLOODシリーズに関わり深い若手監督です。これは…きっと今回もシャレオツに仕上がった作品になっているに違いない!!そんな期待をして公開当時ワクワクしていましたね。


以下様々な観点からレビューをしていきます。


・すげぇ作画
まず第一に注目したいのは、作画の質がテレビ版に加えて格段に向上しています。特に背景美術が素晴らしいことこの上なし。東京の冬景色からは寒さまで伝わってきます。初代BLOODのリスペクトとも言える冒頭の地下鉄の描写も緊迫感があります。リアルな東京の町並みが良く再現出来ていました。


・ふつくしいキャラデザ
Production I.Gの最終兵器と言われている(らしい)黄瀬和哉氏の小夜のキャラデザが美し過ぎて惚れ惚れします。眼鏡がないだけでこんなに小夜は違うんだねえ…。
CLAMPのキャラ原案も、テレビ版より比較的リアル頭身に近づけたそうです。本作では肉付きがしっかりしたキャラデザになっていました。これなら刀振り回しても違和感はない、はず。


・一本調子でないカメラワーク
作画云々言いましたが、個人的に劇場版「BLOOD-C」で最も評価したいのはカメラワークです。テレビ版では一歩引いたような客観的視点が非常に多く、臨場感のない戦闘シーンにはヤキモキしたもんでしたが、こちらでは真逆の痺れる戦闘シーン目白押しです。冒頭8分の目紛しい戦闘が良い例でしょう(逆にこの8分が凄過ぎて、後の戦闘は物足りなくなってしまうかも)。縦横無尽に動くので、酔わないようにご注意下さい。
戦闘シーンだけではなく、会話シーンも然り。各キャラが話す度に画面が切り替わる事はあまりなく、カメラの長回しで演技を見せています。最近やたらめったらチャッちさを感じるカット演出が多い作品の中、本作では平面的な演出は一切せず、きっちり丁寧な演出で会話シーンを見せてくれたのが好印象でした。

あんまり誉め称えるだけだと怪しい業者に見えそうなので、そろそろツッコミ所も交えて挙げていきます。


・「さやー(棒」が気になる
アニメに事欠かせない声優さんの話題に切り替えます。本作のオリジナルキャラでもありヒロインでもある「柊真奈」っていうキャラに、何でか分からんけど朝ドラ「あまちゃん」でご存知の方も多い橋本愛をキャスティングしてます。
予告編CMで水樹奈々の演技が気になった方も多々いらっしゃいましたが、橋本愛が結構な大根演技を本編で喰らわせてくれる為、左程気にならなくなっていきます。脇を固めるのが実力派声優さんばかりなので、かなり浮いてしまっています。「さやー(棒」と叫ぶ声が耳にこびり付きました。
ただ、やる気が感じられない棒読みでは決してなく、声質そのものは綺麗だと思ったので、今後の橋本愛の演技力の向上に期待したいです。


・小夜のキャラが変わり過ぎている
いやね、鼻歌口ずさんでばかりいたお気楽天然系キャラが、いきなり無愛想で無口なキャラに変わってたらそりゃ違和感は拭えません。テレビ版の小夜とは正反対のキャラになっているので、テレビ版を見ていた方は本作の小夜の性質を受けいられるか否やで、印象が大きく変わりそうです(キャラが変わった理由はちゃんとあります)。
また、本作では小夜の過去や真相には追求しません。彼女が何を思っているか明確な心理描写も少ないです。小夜の事をもっと知りたかった方には残念だったと思います(ただ、自分のことを多くは口にしないものの微妙な表情の変化から、少なからず心情を読み取れます。)
私は劇場版の小夜の寡黙なキャラが直ぐに好きになれたので、別段違和感はなかったです。水樹奈々の演技もこちらの方が合っている気がしました。


・黒幕との絡みが少ない
一番の欠点がこれかなあと。黒幕の親族が劇中で関わってくるんですが、そいつの話題は別にどーでもいいんです。こっちは小夜とアイツの絡みが早いところ見たいのに、終盤まで真っ向から対峙しないので、無駄なシーンが多く感じてしまいます。
お世辞にもフォロー出来ない最大のツッコミ所は
{netabare}ハリウッド映画級のハッキング万能性能力です。”塔”の本拠地を見つける手立ては、もっと順序立てて出来ないものかと。ハッカー有能過ぎぃ! {/netabare}
小夜とヒロインの交流の方が圧倒的に多いです。この2人の絡みに面白みを感じるか感じないかで、本作を駄作か良作か分離すると思います。
{netabare} しかし、真奈と小夜の掛け合いは中々面白い。小夜は最初ぶっきらぼうで、無視もするんですが、犬みたいに引っ付いて来る真奈に悪い気がしないのか、次第に心を開いていきます。中盤で古きものとの戦闘シーン、今まで真奈のことを「お前」呼ばわりしていた小夜が始めて真奈を名前で呼んで身を犠牲にして守るシーンは燃えた。小夜がツンからデレに変わっていく過程がとてもわかりやすく描かれています。百合?百合だろうがいいものはいいんです。文人よりも真奈との絡みの方が結構楽しめました。{/netabare}
そして黒幕の目的がわかりにくい。明確な動機ではないので、もうほんと何がしたいんだよ、あんた…となってしまう方も多そうです。
{netabare} 小夜を心底愛していたが故の文人の行動理由は、個人的にはアリでした。でも、意味が分からんという意見も納得出来ます。やはり文人と小夜の掛け合いももっと時間を取ってほしかったです。
小夜の心情描写が少ないないですが、復讐の鬼には成り切れず、迷いや情けを時折見せる人間臭いキャラクターは逸脱だったと思います。蔵人さんから「君も文人を殺したいのは同じだろう?」とか言われた後の微妙な表情が特に(水樹奈々さんの「ん…」と唸るような演技も良かったです)。小夜は憎しみを持ちつつも心の何処かでは文人の事を理解しようとしていたのかもしれませんね。
自分の心情をベラベラ喋ることはせずに、表情や行間で感情を読む映画的な要素は大いに評価したいです。{/netabare}


・結局CLAMPじゃねーか!
これを見ると「BLOOD-C」の"C"って結局CLAMPの"C"じゃねーか!という事になります。ファンサービスなのかもしれませんが、個人的には自重してほしかった…。考え直すと黒幕の目的もCLAMPらしい動機です。




・他色々・総評
復讐モノとして名義を立てていますが、クエンティン・タランティーノ監督のようなスカッとするスタンスとは全く異なります。その上脚本は結構荒々しいので、ツッコミ所も目紛しくあります。冒頭8分は非常に引き込まれるのですが、それ以降山場が中々来ないので肩透かしくらっちゃう方もいそうです。そして終盤の辺りの駆け足具合が目に余ります。
そんなやっつけ部分が何ともB級アクション映画っぽいです。滅茶苦茶なカオス描写はないので、テレビ版が好きだった方は物足りないかもしれません。グロ描写もテレビ級を期待するのはやめましょう。

でも、作品からは制作者が何でもいいから印象に残るよう見てもらおうとする意気込みが感じられました。だから多少の荒っぽさもある意味微笑ましいというか、ま、細かい事はいっか〜アクション格好良かったし!と私は思ってしまいました。とても不思議。それは小夜のキャラクターを好きになれたからかもしれません。

「BLOOD-C」はBLOODシリーズの汚名をそそいだ超駄作なんてよく言われていますが、こうして楽しんだもんもいます。世間的には失敗作だったのかもしれませんが、私にとっては大いに楽しめた価値のある作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

晩酌の肴に・・・「食べる」のではなく「喰う」アニメ作品

テレビアニメ版を観てから視聴しました

お話はテレビ版からの続きとなっています

舞台は東京
とある田舎町で「古きもの」とよばれる化け物と戦っていた
女の子の「さや」ちゃんが
自分を騙していた謎の男の子「ふみと」くんに復讐するというお話


印象的だったのは
さやちゃんのキャラ・・・
天然でドジっ娘だったさやちゃんが
まったくの別人と化してしまってます

とてもシリアスで怖い

{netabare}「私に・・・喰われたいのか?」{/netabare}
登場していきなりこのセリフ
ぶゎっと鳥肌が立ちました

テレビ版でも「古きもの」と戦うときのさやちゃんはこんな感じだったので
変わったというより
激しい怒りのため
怖いときのキャラに固まった
という見方のほうが正しいのかもしれませんね

まあ
テレビ版と比べたらお話や他のキャラの雰囲気が
とてもシリアスな感じになったからなのでしょうが
個人的には
イケメンキャラが少なくなってしまっていることも
大きな要因のひとつだと思えてなりません(ちょっと残念)
このシチュで天然ドジっ娘キャラは痛すぎますからね

一方で
バトルのときのグロさは相変わらずです

というか
テレビ版にも増して
血しぶきの激しさ
流血の量がぱない

これ
元の体の容量を超えてるんじゃね?
って思うくらいの量の血が出てきます

でも
テレビ版でなにかしらの問題があったのでしょうか
切られたり血が出る部分が映しだされるのは
専ら古きものの惨殺シーンで
"人間"に対する残虐なシーンは圧倒的に少なくなっています


さて
お話のほうですが
テレビ版は主人公の「さやちゃん」と「古きもの」が
戦うことに特化したようなお話だったのに対して
こちらは
ちゃんと構成されたストーリーになってましたね

登場人物や組織などの設定はしっかりしていて
お話のなかでの絡みもうまく考えられています

テレビ版でのエピソードもちょっとだけ盛り込まれたりしているのですが
お話が単純だったため
あまり本作のお話に影響を与えないような感じのシーンばかり

ぶっちゃけ
テレビ版は見なくても十分"堪能"できると思います


でも
多くの謎を残したままで
劇場版へと引き継がれたこの作品

コレだけ
厚みのある設定を施して
各々のキャラをいかにも意味ありげに立たせておいて
結局分かったのは

{netabare}喋る犬のカラクリ{/netabare}と

今までのドタバタ劇って結局
{netabare}ふみとくんがさやちゃんに
「ちゅー」をしたかったから?{/netabare}
ということだけ・・・

問題のシーンを見たとき
飲んでたチューハイを
思いっきり噴き出してしまいましたよ(ToT
{netabare}「ちゅー」だけに・・・^^!{/netabare}

できれば最後はお話をかっこよく締めて欲しかった・・・


余談ですが
テレビ版と本作を通して
とても多くの流血やグロいシーンが描写されたこの作品
Hぃシーンも含めて
画像処理はちゃんと施されているのですが
それでも
普通に問題ありそうで残虐な映像がとても多く映し出されてます
(ちなみにDVD、BDは画像処理が入っていません)

そのことについてはネット上で物議を醸していたのも事実です

流血のシーンについては
本作品製作サイドからは見解が出ていて
オーバーな描写の方が逆に現実感が薄れるから・・・
という考えでこのような演出になったらしいです

芸術的な観点からの解釈だと思うのですが
やっぱり
やりすぎっていう感じは否めません

一方で倫理的な観点からなのか
本作(劇場版)では人の死の描写については少なくなっているようで
その辺は考慮されていたみたいですが・・・

なんにせよ
問題は
"観る側"の受け止め方によるところが大きいと思います

ちなみに私は躊躇なく観ることができましたよ^^

さらに余談ではありますが
恥ずかしながら
本作品
{netabare}私は晩御飯(お刺身)を食べながら観てました^^!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

BLOOD-Cの集大成。Cの意味するものとは?

※このレビューはかなり主観的な解釈による、ネタ的文章です。
 決して参考にはしないでください。



TV版を見てから随分間が空いてしまったのは、TV版でいまいち何がやりたかったのか理解できなかったからです。
でも、やっとこさ劇場版を見て分かりました。
これはつまり、
{netabare}
「アニメでハリウッドぐらいに豪華なB級・・・いやC級アクション映画を作ろうぜ!」ってことだったんだよ!!
{/netabare}

TVアニメだと時間と予算の制約があって規模を縮小せざるを得なかったんですね。だから盛り上がりに欠けてしまい、狙いも見えづらかった。
あの強いんだか弱いんだか分からない古きもの、茶番劇を繰り広げるキャラクター、壮絶(?)なラスト・・・それら違和感は全てこの映画を見れば解決します。


今回は舞台を孤島から都会に変え、登場するキャラクターもより現代的な設定に。
いかにもな軽いノリの若者たちがメインで緊迫感はほぼ皆無でした。
{netabare}
在り合わせな感じの設定が良いですね。とりあえずハッキングとかハッカーとか入れとけ!みたいな魂胆は潔いです。
やられるために出てきたようなキャラが多くて、そこらへんはTV版と共通していました。
{/netabare}


相も変わらずだったのは展開の唐突さ。
「古きもの」の登場やその戦闘だけでなく、小夜と真奈たち(映画オリキャラ)の織りなす人間ドラマもかなりスピーディで、共感する隙もありませんでした。
{netabare}
唐突に自分の過去を語り始める真奈。必要以上に真奈にべったりの月ちゃん。そして相変わらず自分語りの激しい文人さん。
古きものでは、九頭とかいう男が口からゲロンと飛び出たシーンや蔵人が巨大生物として登場するシーンは○。

突然挿入されるお色気シーンや、ラストを後日談で締めるお約束も良い感じです。
{/netabare}

真奈、というキャラを演じている橋本愛さんの演技もこのアニメに華を添えていたと思います。
{netabare}
無論、B級的な意味で。ああいう棒演技のヒロインはベタだな~と思いつつ見てました。
最初はイライラしてましたが、お風呂に入るお色気シーンで許せました!おっぱいが大きければ大概の欠点には目を瞑れます。小夜ちゃんも相変わらず豊乳で満足。
{/netabare}


アクション映画として迫力あるシーンは欠かせません。そこで、クライマックスで巨大な敵と対峙します。それにしても・・・・
{netabare}
デカすぎる!! あれじゃ完全に怪獣ですよ!(笑)
いやむしろあの怪獣風味の古きものこそ、この映画の象徴だったんだと思ってます。
{/netabare}


TV版だと作画が崩れることも多かった反面、この映画では全編に渡って高水準の作画でした。
ただ、ヌルヌルとしたスタイリッシュでダイナミックな作画のせいでわずかに漂っていた幽玄さや妖気は完全に失せてしまったように思います。
{netabare}
ある意味で初代BLOODと同じ方向性のスタイリッシュさも持ち合わせていると思います。内容は完全に異なるものになっていますが。タイトルのLastも掛けているつもりだったのかも。
{/netabare}



今まで書いたのは批判ではないです。おそらくスタッフも狙ってこのような映画に仕上げたのだと思っています。
そして、このようなB級映画は割と好みなので(高得点は上げられませんが)悪くないと思います。

こう、見終わった後の脱力感というか拍子抜けする感覚を味わいたい方にお勧めします。あとグロ表現に耐性のある方に限ります。












真面目に褒めると水樹奈々さんの主題歌での歌声と、小夜を演じる美声が素晴らしかったです。後は、、、序盤のワクワク感、でしょうか。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

57.3 10 警察で未来なアニメランキング10位
爆裂天使(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (62)
365人が棚に入れました
犯罪の凶悪化が進む21世紀の東京。治安維持を目的として銃の所持が合法化される。しかしそれはさらなる犯罪者達の増加へ繋がり、各都市は無法の街と化した。主要な市街地はそれぞれの地域のボス達に支配され、人々は暴力と隣り合わせの日々に怯えながら暮らす。
そんな東京に裏の世界の任務を遂行する仕事人達がいた。ジョウ・メグ・セイ・エイミーの4人組は、外見はただの可愛らしい女の子達だがその腕前は超一流。実は彼女達は華僑組織「白蘭」(バーレン)のエージェント。そんな彼女達にまた今日も任務が下される…。

声優・キャラクター
渡辺明乃、豊口めぐみ、高橋美佳子、田中理恵、うえだゆうじ

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「連れてってやるぜ。地獄へな」

裏の世界の任務を遂行する仕事をするジョウ・メグ・セイ・エイミー
中でもジョウは二丁の拳銃に
戦闘サイボット「ジャンゴ」に乗り超人的な戦闘能力を持っていいる
毎日の任務の先にあるものは…?


~感想~
メグは…本当に役に立たない。。攫われたりして足を引っ張る。
この作品を観た誰しもが思うであろう
2クールあって一回は役に立つだろうと思いきや見事に期待を裏切られた
きっとそーゆう星の元に生まれてしまったのでしょう
そして終盤にかけてジョウに異様な執着心があからさまに出てくる
メグがもっとしっかりとしていればジョウも連れていったはず…
遠回しにお荷物になると言われてるようなもの

一番好きだったキャラはジョウ
普段は寡黙で無気力・戦いとなれば好戦的

終盤までは日常任務のお話
それでも飽きずに観られた

最後メグが「さよなら、ジョウ」と言って赤いサイボットと出てきたエンディング
この意味を終わってからすごく考えた
メグがどんな気持ちでその言葉を言ったのか、赤いサイボットは?
そんで私の解釈はたどり着いたところにもうジョーはいない。自分ひとり。
決別し、これらかはジョウのように強く生きていく!
その気持ちに動いた赤いサイボット…ではないかと!
そしてジョウ・セイは生きていると思う

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

rocknlol さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

萌え版ビバップというべきかな

未来を背景にしたSFアクション的な部分もさることながら、物語の進めがビバップと結構似ている。何らかの過去をもつ主人公、オムニバスの中で所々過去にまつわるエピソードがはめ込まれ、終盤になって一気にラストへ駆け抜ける展開までも。

ただ、ビバップが何もかもが跡腐れなく終わる形で見事終止符を打ったとしたら、当作品はどうしてもラストのやっつけ感が否めない。例えば、物語の要とも言える光る脳なのだが、これが最後まで何なのかはっきりしないまま曖昧な結末を迎えてしまった。説明不足なのか、自分が見落としてしまったのかは分からないが、24話という割と短くない道のりにも関わらずちゃんと説明できていないまま、余韻というよりはただはっきりしない虚しさだけが残る終わり方にするしかなかったのか、非常に残念である。

個人的にはキャラデザインにつられて見ただけにキャラはすごくよかったが、メグの無能っプリにはさすがに呆れる。それに、いくらキャラが美形といっても、こうも作画崩壊が頻発しては、むしろそのギャップがネックになっている気がする。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

Comprends さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

何度も観かえしている作品です。

何度も観るのですから、好きな作品であることは間違いありません。

でも、話もこれといって特筆するものじゃないし、中の人が好きなわけでもありません。
登場するメカも、さほどカッコイイ訳では無いし……ゴメソw

それでも好きな理由は以下の3点ですね。
1.エイミーちゃん(これは白亜右月さんということにしておいた方がよかったかwww)
2.ED曲
3.GONZOさん

おそらく、この作品を好きな人の共通意見でしょう。
評価も付けてみますが、これからも何度も観ると思いますので、変更するかもしれません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

64.3 11 警察で未来なアニメランキング11位
HERO MASK(Webアニメ)

2018年12月3日
★★★★☆ 3.3 (38)
123人が棚に入れました
刑事ジェームズ・ブラッドの前に現れた謎のマスク。
そして、それを持っていたのは、存在してはいけない人間だった。
マスクとは・・・一体・・・?
美しき街を舞台にしたクライムアクションここに開幕!

声優・キャラクター
加瀬康之、甲斐田裕子、森田順平、高野憲太朗、内山昂輝、青山穣、菅生隆之、仲野裕、渋谷はるか、志村知幸、烏丸祐一、藤井ゆきよ、宮寺智子

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

題材を活かしきれていないのと描写に欠ける

主人公達の所属しているのはFBIみたいな独自の捜査権を持つ警察組織SSC
そして特殊な異能力を持つ科学兵器MASK
これらが物語の根幹となって絡み合い展開される。

まあここまではよくある設定、観たことある展開
良くも悪くもないがストーリー次第で幾らでも楽しめるかなと思います。
ですがここで台無しにしてくるのが『HERO MASK』という作品
何故なら人間の行動に矛盾や違和感バリバリ
主人公ジェームズ・ブラッドの昔の相棒であり、SSCの同僚であり、唯一の友(親友)でもあったハリー・クレイトン
彼は序盤~後半までジェームズやSSCを追い詰める敵として登場するキャラです。
彼が敵に回った理由は3話冒頭の回想で語られます。
最愛の恋人であるイブ、彼女の重い病気の治療費を得る為にライブ・コーポレーションという大企業に転職したのです。

かつての同僚であり、相棒であり、唯一の友(親友)が敵組織として立ちはだかる。
使い古された古典的な展開ではありますが、燃える展開だなーと私は楽しみに観ていたのです。
きっと最後はジェームズの元に帰って来て一緒に強敵に立ち向かい、そして庇って死ぬみたいな展開を待っていたのです。
監督:青木弘安「だが断る」
そう悉く私の期待は裏切られるのです......
話を重ねる毎にハリーの小物感が増し、最愛の恋人イブの為にその手を悪に染めた筈なのに
終盤彼女が死んだのにかかわらず、無駄にジェームズを全力で殺しに来る始末
私(お約束の熱い友情展開でいいやん!ここは!)と思った訳です。

その他にも酷い始末が多々あります。
一期のSSCのトップであるリチャード・バーナーは
同じく一期の敵組織ライブ・コーポレーションのボスであるスティーブン・マートランドと20年以来の因縁を持っていたのですが
それまでのリチャードの執念なんだったの?と思わざるを得ない、まあ酷い展開になる訳ですよハイ。
リチャードは20年前、結婚記念日に妻(銀行員)を銀行強盗爆破事件で失う。これは全てスティーブンが仕組んだ事件でそれを切っ掛けにスティーブンを逮捕しようとする訳です。
20年も執念で追いかけて来た相手な訳ですよ!それが一期の最後でスティーブンを漸く容疑者として検挙できたのに
逃走を図るスティーブンを私情で爆殺
私(……?)
20年ずっと執念で追いかけて来た相手だよね?殺そうと思えばいつだってそれはできたのに法の裁きを求めたのか知らんけど、ずっと殺さずにいた相手だったんだよね?
せめて殺すにせよスティーブンの罪が公になってから殺さないと意味ないよね。
流石に酷過ぎる結末
心情描写の甘いことこの上ない。

物語LASTも掘り下げ不足な変な爺さん(教授)出して来て、意味不明な展開に持って行くし
そんな展開に持って行かずにジェフリー・コナーを倒して、ティナ・ハースト救う締めくくりで良かったと思います。

まあタイトルに書いた通り、題材を活かしきれていないのと描写に欠ける残念な作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

スタジオぴえろ制作の完全オリジナルアニメーション

NETFLIXで独占配信されている作品です。
前からずっと視聴したいと思っていましたが、中々機会が無く視聴できませんでした。
今回この作品が視聴できたのは、コロナ禍の影響で今期放送予定の多くが延期を余儀なくされた結果、視聴時間にゆとりができたから…
あにこれの「見たい」棚に入れている作品なので、コロナが無くても視聴する予定でしたけれど。


首都警察・特殊捜査部(SSC)の有能だが型破りな刑事・ジェームズは、
恩人の女性検事の殺害疑惑事件を追う中、装着すると超人的能力をもたらす《マスク》をめぐる謎に辿り着く。

そこに立ちはだかる、かつてのSSCの相棒・ハリー。
彼は、巨大企業・ライブ社の人間となっていた。
そこでは、主任研究員・コナーが《マスク》開発を違法な方法で進めていた。

ジェームズたちSSCは、ライブ社会長・スティーブンが雇った武装集団による度重なる妨害を乗り越え、
《マスク》研究にまつわる人物関係を突き止め、
ついにそのライブ社の陰謀の核心へと迫ろうとするが……。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

かなり本格的なミステリー・サスペンス作品です。
そしてこの作品もR15なんだそうです。
NETFLIXって、年齢制限のハードルが少し高過ぎなんじゃありません?
確かにドンパチやり合うシーンはありますが、普通に民放で放送される映画とほぼ変わらないレベルですよ。
…と思って少し調べてみたら、ヴァイオレト・エヴァーガーデンもR15指定だったり。
現在放送中の「とある科学の超電磁砲T.」もR15指定…
フルーツバスケットや食戟のソーマはR12指定でした。
もしかして年齢制限があるのはアニメだから!?

こうなると全年齢に適したアニメが無いかが気になります!
もう少しググってみるとありました…
「よりもい」「魔入りました、入間くん」「のんのんびより」
全年齢適応作品がゼロでは無いのは分かりましたが、ホント平和チックな作品ばかりですね^^

すみません、思い切り脱線してしまいました^^;

「HERO MASK」というタイトルから想像できるのは、マスクを被ったヒーローによる勧善懲悪モノ…
という感じなのですが、これまで視聴している限り私の想像は1㎜も合っていないようです。

主人公のジェームズ・ブラッドはバリバリの刑事で、いつでもどこでも素顔丸出しです。
ヒロインのサラ・シンクレアも検事なのでマスクとは縁遠い存在…
但し、SSCが追いかけている事件の渦中にはマスクが潜んでいますが、どうもそのマスクの尋常じゃない感じが半端無いんですよ。
他にもこのマスクには秘密が隠されていそうな感じがします。
この辺りはPart2で明らかになるのを期待しています。

1クール全15話の物語でした。
尺の長さを気にせず作成できるのも、NETFLIXの旨味だと思っています。
本作品も第1期は全15話…TV放送なら枠をはみ出しかねない話数ですからね。
引き続き、Part2を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

かりんとう さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

海外映画、ドラマを意識したアニメ

2018年12月にシーズン1、2019年8月にシーズン2が放送。
初めはNetflixでしか放送されなかったんですが、その後地上波でも放送。私はこっちで観ました。

※感想
まるで海外ドラマを観てるような、そんなアニメです。ジャンルはSF×アクション×サスペンスってとこかな?
声優も海外ドラマでよく見かける方々で固めてるところ、やはり意識してると思います。

物語は首都警察・特殊捜査部(SSC)の刑事・ジェームズが、恩人の女性検事モニカの殺害疑惑事件を追う中、装着すると超人的能力をもたらす《マスク》をめぐる謎に辿り着くって感じのお話です。

シーズン1では《マスク》より女性検事モニカの殺害疑惑事件の真相を明らかにして終わります。
当時シーズン2の情報がなかったことから、何も解決してないうえにシーズン1のラストがまだ続きがありそうな終わり方をするためネットで騒がれてました(笑)
自分も地上波で観ましたが、シーズン1観終わって速続きがないか調べました(笑)
調べた結果、Netflixでは現在シーズン2が放送されてるとのこと。地上波でのシーズン2放送はNetflixでの放送が終わった頃に放送されました。

シーズン2ではいよいよ《マスク》について明らかになります。
シーズン1ラストでバスの交通事故でたった1人生還した少女ティナを巡って物語は進んでいきます。

↑このことからシーズン1、2を観ないと完結しないので少し長いです。つまらないと思ったら途中で切ったほうがいいかもしれないです…結局《マスク》の謎は明らかになったものの、謎の男(cv津田さん)の正体などわからないまま終わります。

後味は少し悪いですが、全体的に良作かなと。
ぴえろ初のNetflix作品らしいので、物語に力を入れたって感じですし、面白かったです。アクションシーンもよかったです。

シーズン3とかもしきたら、観ると思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

66.0 12 警察で未来なアニメランキング12位
ノー・ガンズ・ライフ 第2期(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (64)
268人が棚に入れました
ベリューレン社により戦時中開発された新技術「身体機能拡張技術」。
その技術により身体の一部、もしくは全部を機械化された者は、拡張者(エクステンド)と呼ばれていた。

拡張者と生身の人間の非拡張者が混在する社会では常にいざこざが絶えず、それらの問題を解決する「処理屋」を、
乾十三(いぬいじゅうぞう)は生業としていた。

そして、十三自身も、頭部が巨大な銃の「拡張者」だった。

ある日、十三は、全身拡張者の大男から一人の少年の保護を依頼される。
その少年の名は荒吐鉄朗(あらはばきてつろう)。ベリューレン社から誘拐された少年だった。
だが、十三は依頼を受けたもののベリューレン社からの追手に、鉄朗を奪われてしまう。
十三はなりゆきで街を牛耳るベリューレン社と事を構えることになるのだが…

鉄朗を誘拐した全身拡張者の男は何者なのか? 
ベリューレン社と鉄朗の関係は?

「ウルトラジャンプ」にて大好評連載中のSFハードボイルド
ここに開幕!
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

それウチのシマじゃノーガンだから

1期おさらい、これを読めば1期見てなくても大丈夫かも?{netabare}
まずこの世界は拡張という名の肉体のサイボーグ化が普通に行われている、拡張技術を受けた人間はエクステンドと呼ばれる。
但しこの拡張技術の発展の裏には黒い影がある模様。
拡張技術を開発したベリューレン社は世間に拡張技術は安全だと謳ってるが実はそうでもないみたいで、普及するか否かの分水嶺の時期に大きな事故があったらしいのだがベリューレンはそれを隠蔽している模様。
というのが大まかなバックグラウンド。

以下は原作未読・wikiも意地でも見ないでアニメの情報のみで私が解釈した内容、間違ってたらゴメン。
15年前に、拡張手術第一弾の被験体によって結成された部隊ティンダルスというのがありまして。
10年前「ノースコッドの悪夢」という事件が起き、調査に向かった復興庁所管の拡張者対策機関(のちのEMS、当時は前身の軍警察)の局長だったオリビアの父が殺される、他にも犠牲者多数っぽい。
どうやらノースコッドで行われてた実験(もしくは実験の失敗、拡張技術の致命的な欠陥もある?)を隠蔽するためにティンダルスの一人だったメガアームド斎がやった模様、他のティンダルスメンバーも加わってたのかはちと不明。
アームド斎自身もノースコッドでの非道な人体実験に愕然とはしたものの、ここで拡張技術が取り止めになったらそれまでの被害者が浮かばれないということで隠蔽をしたっぽい、多分(ノースコッドで何が行われてたのかまだ伏せられてるので推測)。
また本人が結構な英雄願望持ちで、ベリューレン社もこれ幸いにとバックアップをしてた。

そして現代、英雄として祭り上げられてたアームド斎の元に、元ティンダルスメンバーの一人がノースコッドの件でゆすりをかけて来て、アームド斎は返り討ちで殺してしまう。
そしてその隠蔽をベリューレンに頼み込み、ベリューレンの幹部チーム「ブルツェル」は配下のカニンガム(デブ)に、カニンガムは後述のガンスレイブユニットとハンズのセブン&ペッパーにハルモニエのレプリカを渡し、やっぱりティンダルスメンバーだったゴンドリーを操って連続殺人犯に仕立て上げてアームド斎の犯行を隠蔽する。
更に最後はアームド斎も口封じするつもりだったが、ここで主人公の十三の働きで阻止、ゴンドリーを戦闘不能に。
が、アームド斎は十三に助けられたものの十三も危険人物だと判断し殺そうとして、その時過去の犯行を喋り、それをオリビアに録音されてしまう。
そしてアームド斎はゴンドリーと共に逮捕され連行されるがその途中、輸送車がセブン&ペッパーにより狙撃され「ノースコッドの悪夢」の真相は闇の中に──。
と思いきや、オリビアは録音データを「信頼できる検事」に送ってて、だけどその検事も殺され、だけどデータは娘に預けてて、それを十三が手に入れたところで1期は終了。

でもって十三は何者かというと、エクステンドの中でも現在はEMCの認可が無くては町を歩けないオーバーエクステンドで、更にその中のガンスレイブユニットという機種らしい。
過去の記憶は無いらしいがティンダルスのことは覚えてたり、かつての戦争では機密事項に深く係わってたみたい(まぁボディ自体が機密の塊だし)。
もう片方の主人公の鉄郎は、ベリューレンの元CEOの息子らしいのだが過去の記憶は殆ど無く、ベリューレンの実験にされてハルモニエという新技術を搭載されてる。
ハルモニエとは拡張体の操縦を乗っ取る技術だそうで、シンクロ度が高いとフィードバックも起きるらしく、遠隔操作とは微妙に違うみたいでこれまた世間に公にしてはマズい技術らしい。
で、ガンスレイブユニットが本来の力を発揮する&制御するためにはハンドという相棒が必要で、鉄郎は一度ハルモニエで強引に制御しようとしたがプロテクトを突破することはできなかった。
今後哲郎が成長してハルモニエもパワーアップしてプロテクトを解除できるようになるのかな?と予想したりもしたけど、それもこれもぜ~んぶ2期以降へ持ち越し。


と、大雑把にこんな内容、キミは理解してたかな?
私は2週目メモ取りながら見てようやくでしたw
複雑・難解なのではなく、造語とノイズが多くて説明が不親切って感じ。
例えばキュウセイクツをシマとするキュウセイカイというヤクザの幹部にホワンというのが居るのだが、登場シーンにやたら尺を使った割にそれ以降出てこないせいでノイズにしか感じない。
なにより全ての謎は10年前のノースコッドの悪夢にあると思うのだけど、それを「隠蔽するために行われた工作」に触れる展開ばかりでなっかなかノースコッドで何が行われてたのかには踏み込まない。
更には隠蔽として反拡張団体「スピッツベルゲン」のやったことだと偽装するのが多々あるのだが、肝心の本物のスピッツベルゲンそのものが登場しない、規模も分からなければ本当に実在してるのかもよく分からない。{/netabare}

1話感想{netabare}
あ、続きやるの今期からなのか。

で内容は…前期見てないと全っ然分からない展開になってました。
かくいう私も前期の記憶が曖昧になってたり。

とりあえず反拡張団体が出てくれたのはありがたいかな?
確か前期では「そういう団体も居る」って台詞で説明しただけで、ついでにその団体がやったことに偽装しようとしたりと、物語に関わっていながらその姿は一切画面に出なくて不親切だなぁとは思ってまして。
って、今回登場したのもまたニセモノだったりして…さすがに無いよね?{/netabare}

16話(4話)までの感想{netabare}
おおう、作風的に質量を無視したのは止めて欲しいんだけどなぁ。
それやられるとSFというより魔法って感じがしちゃって…せめて亜空間から引き出すだったら納得できなくもないけど、そういうことではないっぽいし。
確か前期でも同じようなことがあって指摘したはずで、「何を今更、この作品はそうである」とこっちが覚悟しとかなきゃいけないんだろうけど…。{/netabare}

18話(6話)までの感想{netabare}
あれ?透視野郎は1話限りのゲストキャラ?
その力を使って十三達がピンチを切り抜けるための前フリか?と思ったのだが、次の回で完全に居なくなっちゃって…。
ホントこういうの多いなぁ、ノイズというか本筋に関わらないゲストキャラ…前期の針使いもどこ行ったんだ?
まだ途中なのでそのうち出てくると思いたいんだが…。

ローサは前期でオリビアから「信頼のおける検事」としてメガアームド斎との会話データを送られて殺されたジョージの娘。
オリビアは間接的に父親を殺してしまった立場なのでどんな気持ちだったんだろう?と思いを馳せるところだったのかな?
いや分かり辛いよw

スピッツベルゲンの幹部はまさかの拡張技術の生みの親と呼ばれるオシャウスキー博士、前期でも名前は一回だけ出てたハズ。
自分が開発したはいいけどその危険性に気付いて根絶する側に回った…ってことか?
ビクター(亡霊側)もそんなだったし、記憶無くす前の鉄郎も同じ感じか?
で博士はハルモニエを使って十三の内部を暴け、と伝えて鉄郎を解放した模様。
内部を見ればエクステンドは根絶するべきと考えるハズだ、って感じか。
ああやっぱりハルモニエでプロテクト解除目指すのね、前期見ればそういう方向に向かうのかな?と予感はさせてるのだけど、やっぱり分かり辛いよw
ってかエドムントはガンスレイブユニットのファイブの相棒と言ってるし、ひょっとしてハンズか?

ところで透視、物理的だけじゃなくて心を読めるなどのキャラクターが、謎の多い主人公の中を覗き見てビビるってのはものすごい鉄板。
と思ったら具体的に作品が出てこなくて我ながら記憶力の無さに困惑、あったよねぇ最近でも見た記憶があるのだが、なんだっけー?
とりあえず、中身覗いたらエクステンドになる前の生身の十三の顔があって「お前ではない」と言い放つとか、それくらいやって欲しかった(“ドロヘドロ”ネタ)。{/netabare}

19話感想{netabare}
オシャウスキーとしてはセブン&ペッパーがベリューレン打倒に於いて最大の障害だと思ってるってことかな?
セブン&ペッパーがどれだけ強いのか絵的に見せてないのでなかなかピンと来ない気が…。
ベリューレン側は幹部から直々にセブンに命令しないでカニンガムを挟んで指令を出してるため、そこまで重要視してる様に感じないんだよね。
で、オシャウスキーはセブン&ペッパーを倒すために十三をぶつけようとして、ハンズ代わりにハルモニエを利用しよう、と。
まぁ今回鉄郎は十三を乗っ取ってない気がする、けどハルモニエ発動中であることは確認取られてるので何を操ってるんだろ?
ファイブの元ハンズを操ったら十三のハンズは務まる?務まらない?

過去に大きな出来事があって、それらが全部バラバラで繋がりは無いのかな?いつか一つに繋がると思ってたんだけど…。
1、ノースコッドの悪夢(10年前)→これを隠蔽しようとしてメガアームド斎が云々、話題によく出る「あのデータ」はこれ絡み
2、ベクターが並列型補助脳で生み出した偽人格が研究所を破壊
3、戦後用済みになったガンスレイブユニットの反乱&それの鎮圧(6年前)

1と2はイコールなんじゃ?と睨んでたのだけど、それが明かされる前に3が出てきてそれぞれ別のこと?という可能性の方が高くなった予感。
ベクターは2が起きる前まで十三の専属医師として親しかったワケで、1とイコールの線は元から薄かったけどね。
気になるところはガンスレイブユニットを作ったのは誰?とその時期なワケだけど、少なくともメガアームド斎より後継機なハズで、1と関係あるんじゃないかなー?
十三のかつての相棒、ハンズは何者?というのはあんまり興味が沸かない。{/netabare}

23話感想{netabare}
エンタメ的に、もうちょっとざっくり言えばキッズアニメ的に「面白くなりそうな描写を避けるのがカッコイイ」と思ってそう。
いくらオシャウスキーがガンスレイブユニットがーと言ったところで「どれだけつおいの?」を見せてないのでピンと来ない。
町ひとつキノコに変えてしまったとか弱パンで山を吹き飛ばしたとか、そういうのが無いってどうなんだろ。
で、そんな中セブンとの対決!とやられても…全然盛り上がらない、“フェアリーゴーン”みたい。
しかもそれだけは止めてくれないかなぁと願ってた「質量無視」だし、お前ガラットかと。
散々スカしといてそこはキッズアニメなのね。
もういっそのこと最後に体内から多脚砲台とか出してくれんかなぁ、ブリュツェルにひと泡吹かせる展開は無さそうな予感…。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
「原作がそうだから」と言われたらしょうがないのだけど、ひたすらアニメに合わない展開・演出の連続。
絵的に派手になりそうな展開になるとそれをかわす・すっ飛ばす。
そしてメモ取らなきゃ分からないような会話劇をダラダラ続けて、こんなの流し見しても眠いだけ。
ひょっとしてこのアニメフタッフはアニメが嫌いなんじゃないか?と思ってしまうほど。
まぁ私は

メモ取りながら見たんですけどね

↑で1期のあらすじ書いたし2期のあらすじも書こうと思えば書けるけど…やめときます、面倒臭い、3期がもしあったら書きます。
スタッフ的に「どう?これが一番気になるでしょ?」と言いたげなのが十三のハンズについてなのだけど、個人的にはそこには大して興味無くて興味のポイントがズレてるのもなかなかに痛い。
私が一番興味があったのは「ノースコッドの悪夢」の真相…というか2期始まって最初の頃はそれ絡み(メガアームド斎の音声データ絡み)だったハズなのに、何故か話が別方向に向かっちゃって…。
じゃあ次はベクターの居場所?と思ったらそれも中途半端にスルー。
その次はスピッツベルゲンの詳細と十三の過去(一部)になって…確かにスピッツベルゲンについては1期の頃疑問を抱いてた部分ではあるので助かるっちゃあ助かるのだけど、折角オシャウスキーが変形してひょうきんな姿になってくれたのにそれを活かした戦闘が無いってのはどうなんだ。
じゃあ絵的な部分では「本気を出したガンスレイブユニットの戦闘」に期待せざるをえなかったのだけど、そこはカット。
カットというか横槍による中断か?ブルツェルお付きのペアによって…もう消化不良もいいところ。
まぁ元々質量を無視したガッカリ兵器なので派手な戦闘を描いたところで盛り上がったかどうかは不明だけど、カットは無いよカットは。
なんていうかアレだ、話を振っておいて振った側が話をはぐらかすのをカッコいいと思ってそう、原作もそうなん?

そして最後は黒幕「ククク、計画通り」「世の均衡を司るアストライアの天秤」(うわぁ)、十三「戦う相手が分かったぜ」エンド。
わーお。
せめて、せめてカニンガムがギャフンという描写でもあれば…いやそれでも脱力感半端無かっただろうけどさ。
ブンダーベンダーはベリューレンでも手が出せないのか支配下なのか、それすら分からんので規模もワカラン。
最終回も、服を縫ったのがローサだローサだとセリフでは言うものの、ローサの絵は一枚たりとも出ない。
不親切を通り越して怠けてるような…視聴者が何週間も前の情報を細部まで覚えてると思うなよ?と思ったり思わなかったり。
ってかだったら透視野郎はどうした?1期で出たキュウセイカイの連中は?と、投げっ放しになったキャラの扱いに疑問が浮かぶ。

それとこれは細かい話になるけど、ハルモニエがエクステンドを操れるという設定、サイバーパンクでボディースナッチネタは鉄板だしそれはいい。
けどその後のビクターの遠隔操作、更には針使いによる人体操作と、原理を別とした「他人の体を操る」ネタが連発されるのはどうなんだろう。
“爆丸バトルブローラーズ”がやっぱり色んな手段で「他人の体を操る」ネタが続いて不満に思ったことがあるのだけど、こういうのって1作品1原理(手段)が限度じゃないかなー?
もしくは別の原理同士で衝突させようよ、ベクターに遠隔操作されてる拡張体にハルモニエ使うとどうなるの?とかね。


「興味を持ったところでどうせはぐらかされる」「見たいと思ったトコロを見せてはくれない」のは覚悟してたつもりだったけど、まさかここまでとは…ってのが率直な感想でしょうか。
ここまで来たら意地でも原作見ないぞ!と心に決めてるけど、果たして原作ファンはこれで満足だったのかはちょっと気になる。
折角アニメになったのに大したアクション無くて会話ばっかりって…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

再び「弾丸(願い)」は込められた パート2

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期は視聴済です。
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

第2期を完走して気になったこと…
第2期までの放送で、原作のストックをどの程度使ったのか、ということです。

様々な攻防を見てきました。
ガンスレイブユニット同士、或いはベリューレン社やスピッツベルゲンなど、乾十三にとって安息の日など殆ど無かったほど、抗争に明け暮れていたと言っても過言ではありません。
ですが、十三と復興庁のオリビエは第2期のラストで「対峙すべき相手が明確になった」と言ってるんです。

これまで見てきたのは前座ってこと…!?
まさか、「本当の戦いはここから」なんて言わないよね…!?
などと思わずにはいられませんでした。

これまでの視聴も十分痛みを伴うモノでしたから…

それに、これまでもガンスレイブユニットを含む拡張者は虐げられてきました。
元々戦争の道具として生み出され、戦地で使うだけ使われて、戦争が終わったら今度は邪魔者扱い…
確かに人間を遥かに凌駕した戦闘力を秘めているので、拡張者に対して恐怖心があるのは仕方無いと思います。
ですが、そこで拡張者との共存を否定してしまったら、それこそ人間のエゴでしかありません。

そういう物語の展開の中、終始立ち位置が好ましかったのが、拡張技師であるメアリー(CV:ぬーさん)の存在でした。
人間と拡張者に分け隔てなく優しい…どちらかというと拡張者寄りだったのが好印象でした。
拡張技師になったのは兄との再会を強く願っていたから…
実際、兄との再会は実現するのですが、顛末には少し寂しさを感じずにはいられませんでした。
それでも明るく振る舞う彼女…頭のネジが2,3本ぶっ飛んだキャラばかりが登場するなか、私にとって心のオアシス的なキャラでした。

それと、第2期で強烈に印象に残っているのは、やっぱりベリューレンのペッパー(CV:いのりん)でしょう。
強烈な個性と果てしない独占欲…
正直キャラといのりんの声質が合っているか不安がありましたが、視聴を進める中で不安は解消されると共に、ペッパーの難しい役どころを踏まえると、今ではいのりんで正解だったと思っています。

ペッパー以外にも、麗奈ちゃん、石上さん、石見さんもベリューレン社の一味として登場するのですが、出番があまりにも少なかったのが個人的には残念でした。

一方、物語の方ですがベリューレン社とスピッツベルゲンの区別が個人的には難しかったかな。
視聴するとき十三の敵か味方かで区別していたので…^^;
それにどちらも荒吐鉄朗を狙っていたのが余計に混乱を招いた気がします。
加えて時折復興庁の連中も十三に襲い掛かるのですから、私の中の相関関係は完全に破綻していたと思います。
日笠さん演じるオリビエとか、分かりやすいキャラなら良いんですけどね。

オープニングテーマは、SawanoHiroyuki[nZk]さんの「Chaos Drifters」
エンディングテーマは、THIS IS JAPANさんの「new world」

1クール全12話の物語でした。
頭部が巨大なリボルバーという異質なキャラデザの物語でしたが、想像以上に堪能させて貰った気がします。
もし、続編が制作されるなら是非視聴したい思える作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

木村天祐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

機械化された人間が出てくる。社会を裏で操る大企業が敵。二期

体が機械化された者「拡張者(エクステンド)」が出てくる世界観のお話です。
大戦時、秘密部隊にいたエクステンドである銃頭の主人公のところに、誘拐された少年がやってきてそれを助ける。その少年に大企業の極秘技術が組み込まれてる~って話の二期です。

一期の方が面白いですね。
二期は終盤、話が動くんですが、はっきり言って内容がよろしくないです。

具体的に言います。一期から出てるテロ組織の指導者であり、エクステンド研究の第一人者で、少年の過去を知る爺さんが、少年を引き入れようと出てくるんですが、{netabare}少年とそりが合わず、暴力の末負けて、しかも第三者(ライバルのコンビ)に殺されます。{/netabare}
少年と爺が意見交換をする場面がありますが、少年も爺さんも何が言いたいのか、結局何がやりたいのか、具体性が全くなく、{netabare}結局暴力で決着しました。
少年の過去を知る時点で超重要キャラのはずなんですが、全く中身のある内容を聞くことができませんでした。爺さんは、作者が敵を作るために脳死して描いてたんだと思います。とりあえず少年をアゲるために、老害出せばいいみたいな。最後は少年が暴力で勝って、ライバルコンビの乱入で死亡退場させられてるし、始めからいらないキャラだったんでしょうね。{/netabare}

この作品には主人公たちのライバルとして、銃頭と女の掃除屋コンビがいるんですが、こいつらとも決着をつけます。こいつらがアニメの実質的ラスボスなんですが、全く魅力がないです。
性格についてですが、ただの自己中な人たちです。女は、{netabare} 特に理由はなく主人公の銃頭のことを気に入って、自分の物にしたがってるだけのキャラです。相棒の銃頭くんはそれに嫉妬するだけのキャラです。
薄っぺらくありませんか?一期から登場してるのに全くキャラ掘り下げてませんでしたよね?この作品で貴重な女キャラだってのはわかるけど、一期から話数引っ張って生かしておくキャラではないと思います。普通なら一話でポッと出て消えるくらい浅いキャラです。こいつらラスボスにします?しかもちゃっかり女助けられてるし、脚本的な話、生かしておく必要ないと思いました。一期の中盤に出して、味方に変わるキャラだったんじゃないのこいつら。掃除屋(殺し屋)だから生かしておくのもどうかと思いますけどね。{/netabare}

これだったらエクステンド技術の第一人者である爺の方がいくらでも深く掘り下げられる余地があったと思うんですけどね。
この爺とライバルコンビの話、ラスト5話くらい使っているんです。爺が少年の極秘技術を欲しがって敗れて、ライバルコンビと戦って決着をつけるだけで、5話です。中身薄くないですか?

音楽はよかったです。OPは澤野弘之でしたから。

2期やって、黒幕の大企業の内情が全く出てこないとは思っていませんでした。もう少し原作進めてからアニメ化してほしいってのが本音ですね。以上です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

66.0 13 警察で未来なアニメランキング13位
破裏拳[はりけん]ポリマー(TVアニメ動画)

1974年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (23)
98人が棚に入れました
70年代前半、ブルース・リー映画ブームの熱気の中で制作された、タツノコプロのSF格闘アクション。ワシンキョウ市の一角に、私立探偵事務所を構える車錠。彼は国際警察のおこぼれに預かろうという、しがない探偵だ。だがその助手で見た目も凡庸な若者・鎧武士は、実は国際警察・鬼瓦長官の実子で、変身強化服を身にまとう正義の味方ポリマーだった。頑固な父に反発する武士=ポリマーは正体を隠し、今日も世の悪と戦い続ける。
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

青いブーメランパンツが超セクシー!

何やら2017年は漫画・アニメ原作の実写映画がラッシュですね。本作も溝端淳平くんが主演で5月に公開されるとか。世界観はどうやら変えてるようです。監督は坂本浩一さんですが実写「009ノ1」を見てると全然期待できない仕上がりになりそうです。
PV見た限りではガッカリ感がしますが若い人はどう思うのかな?

本作は1974年放映。映画「燃えよドラゴン」のヒットで世間はカンフーブーム(掛け声の怪鳥音「アチャーッ!」がブレイク。でもブルース・リーは前年’73に没)。
ブームに乗ってアニメでも何か出来ないかとして作られたのがタツノコプロの「破裏拳ポリマー」。タツノコ4大等身ヒーロー(ガチャマン・キャシャーン・テッカマン)の一つとして今なお語りぐさになってます。

・ギャグ(おマヌケ演技)
・お色気(パンチラ・乳〇も見える胸チラ)
・メカ&バトルアクション(悪党メカVSポリマーのTPO形態・ムチャクチャな格闘技)
・時代劇ヒーローパターン(登場時の口上“この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ。破裏拳ポリマーここに参上ぉ!”)
と結構てんこ盛りです。
{netabare}
世界観は無国籍。架空都市アメホン国(アメリカ+ニホンの造語)ワシンキョウ市(ワシントン+トウキョウの造語)で日々起こるコスプレ犯罪者集団の悪行に鉄槌を下すポリマーの活躍がみものです。

国際警察の鬼河原虎五郎(おにがわらとらごろう)長官の息子・武士(たけし)は共に正義に熱い想いはあるものの捜査の意見が違い犬猿の仲。
鬼河原長官:捜査・検挙の為ならば犠牲も止むを得ない。
鬼河原武士:人命を優先しない捜査は許されない。
折しもオレガー・スッテル博士(俺が吸ってる?)の新発明・重化合物質「ポリマー」を鬼トカゲ団が悪用の為に奪うという情報を聞きつけ、武士は単身オレガー博士の研究所に向かうが時すでに遅く研究所は炎上。
何とか逃げ出したオレガー博士を見つけた武士だが、博士はもう虫の息。鬼トカゲ団の追手が迫る中、博士は持ち出した発明品「ポリメット」を武士に託し正義の為に使うことを願い息を引きとった。
この単独行動を鬼河原長官に咎められた武士は勘当させらることに。

武士は鎧武士(よろいたけし)と名を変え、国際警察庁本部の向かいにある車探偵事務所に探偵助手として入り普段は使えない三枚目を装い、山場になると正義の超人「ポリマー」に転身して悪党どもをなぎ倒す。しかし正体は誰にも明かさず秘密にしています。
車探偵事務所の面々は、
車錠(くるまじょう):探偵長でハードボイルド気取りのオッチョコチョイのヘボ探偵。肝っ玉も小さくハッタリの拳銃は水鉄砲かライター。いつも国際警察を出し抜いて事件を解決し、名声を取りたがっている。
男爵(だんしゃく):ヤル気のない元警察犬のセントバーナード。視聴者に対してボヤキを呟いてばかり。ポリマーの正体が武士であることを知る唯一のキャラ。でも「犬」なので周りに知らせることができない(ワンワン)
南波テル(なんばテル):車探偵事務所の入ってるビルのオーナー。探偵事務所の家賃滞納に頭を痛めるも冒険好きなので何かと一緒に行動する勝気なアクティブお姉さん。ポリマーの大ファンで「イヤーン」担当。

基本ストーリーパターンは、
国際警察の会議室に武士が盗聴器を仕掛ける→国際警察の会議室で対策会議→探偵事務所で盗み聞き→国際警察を出し抜いていち早く現場に急行する探偵事務所一行(車探偵長・武士・テル)→事件進行→悪党に捕まる車探偵長・テル。こっそり逸れる武士→悪党のアジトで探偵長・テルが処刑寸前に高笑いで現れるポリマー→チートに強いポリマーの勝利→一件落着
というような感じ。

【「ポリマー」ムチャクチャ強ェェぞ】
オレガー博士が発明した高分子重化合物「ポリマー」。ポリマー粒子で作られた「ポリメット」を武士が被り、初期声紋認証で登録された武士の掛け声「転身!ポリマー!」によりポリメットから出る粒子が武士の体全体を被覆しポリマースーツを装着した「破裏拳ポリマー」に変身。
ポリマースーツは防弾・防炎・耐圧は当たり前。人間の筋力を数倍はねあげ、普段から空手の心得のある武士は独自に「破裏拳流」をつくりあげました。
破裏拳流:相手の動きや技の[裏]から打ち[破]る[拳法]らしいですが見ている限りでは[力]のゴリ押しに見えます。あと竜巻現象の一つ「ハリケーン」と語呂を合わせていているところが面白いです。ポリマー1人に複数の悪人が飛び掛かってもボコボコにされて吹き飛ばされていく様を表しているのでしょうね(吞み込まれたら吹き飛ぶ)。
それでも数で力負けしそうな時に出す気合の掛け声「ハァァァァリィキェェェェェェン(胸や手の甲の[P]文字が光る)」は子供心にはこちらも気合が入りそうでした。
そして編み出した必殺技の数々「真空片手独楽(しんくうかたてごま)」「反動三段蹴り(はんどうさんだんげり)」「幻影破裏拳(げんえいはりけん。[質量のある残像だとっ?BY:カロッゾ])」など。
さらに「新造人間キャシャーン」の「フレンダー」の如く5つのマシン形態で突貫体当たり攻撃。これで玩具売上アピールも万全!(でも当時あまり売れなかったように思えますが・・・)
各マシン形態の名前を叫ぶと全身のポリマー粒子が形状変化。
・ポリマーホーク:音速で飛ぶ小型航空機形態。
・ポリマーグランパス:大海原をいく小型潜水艦形態。
・ポリマードリル:地中を潜るドリルタンク形態。
・ポリマーローラー:道路舗装で使うようなロードローラー形態で敵を伸し烏賊に。
・ポリマーマシン:フォーミュラカー形態。あまり出番はなかった。
そんな無敵とも思えるポリマーもいくつか弱点があるわけで、ポリマー粒子が全身を覆っているので皮膚呼吸が全くできず活動限界が46分ほど。電磁フィールドが動力源なので極低温(-50℃)や長時間電流を浴びると変身が解除されてしまうことに。

’93年頃から始まったタツノコ・リメイク祭りの一つとして梅津泰臣キャラ・新房昭之監督(物語シリーズ)で’96、7にOVA化されましたが諸般の事情でリメイクは尻切れトンボの状態で終わっちゃいました(割と面白かったのになぁ){/netabare}

OPは勢いがあっていいですね。ダンダンダンダン、ディンダダーンあたりは未だ歌いにくいですが(後期になるとシメでポリマーが叫んでたような記憶があります)
EDもたまに鼻歌しちゃったりします。

「破裏拳ポリマーここに参上!」

あ~かい正義の、影ぇ~ひーとつー

闇を破って、あらわーれる~

せ~かいに危機~が迫る時ー

うーなる鉄拳、はーりーけんーーまぁ~くぅ~~

のさばる敵をひとひねりー

てんし~ん、てんし~ん、ポリマーマシン~

悪を~~斬るっ!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

推理?そんなものより徒手空拳だ! 

普段は車探偵事務所の助手として働く“鎧 武士”
しかしてその実態は・・・破裏拳ポリマー!

街にはびこる怪人たちを正義の使者ポリマーが打ち倒す、
“コメディテイスト”のSFヒーローアクション(公式)
{netabare}
ええ!? コメディアニメだったの?ポリマー!?

確かに、ギャグだけで言うとチャージマン研!に近い
圧倒的にポリマーのほうが面白いですけど。
(チャー研が1974春で、こっちが1974秋なんですね。)

タツノコイズムのカッコイイピッチリスーツに身を包み、
柔道と空手から編み出した自己流の拳法!

「破裏拳流」で悪の組織をなぎ倒す!!

ひと殴りで敵を天井に突き刺すほどのパンチ力を持ち、
特に説明もなく変身!(変形?)あらゆる環境に適応し
陸海空を網羅する。謎に包まれた無敵のヒーローなのだ!!!

なにより“強い”とにかく“強い”

RXがリボルケインを抜いた時のように。初号機が暴走した時のように。
ポリマーが、常に持ち歩く「ポリメット」をかぶったら・・

視聴者はこう思う  「・・勝ったな・・。」

実は本編でいくつか弱点が出てくるんですけど
その弱点は他のヒーローに比べて緩すぎないか?
とツッコミを入れたい(^_^;)

他にも、なんでピッチリスーツで色んな形になれるんだ?
と思ってました。そうか。。科学の力か・・
{/netabare}
天野喜孝キャラに大河原邦男メカデザインの
タツノコ黄金期の名作、破裏拳ポリマー!

『この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!
 破裏拳ポリマー、ここに参上!』

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タツノコプロ色が強い!

『新造人間キャシャーン』、
『科学忍者隊ガッチャマン』の
系譜を受け継ぐ、タツノコプロ色の強い作品ですね。
ただ、、『キャシャーン』がシリアスだったのに対して
この作品はコメディ路線でした。
ただ、格闘技ものをイメージしていたので
主題歌等はすごい「気合」が入っています。
【これは2つの意味で、、、
1つはささきいさお氏の声が、
もうひとつは空手等の【チェストー!!】の
掛け声的な】
だから、正直本気なのか
ギャグなのか子供には分からない微妙な作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
ページの先頭へ