超能力で戦争なTVアニメ動画ランキング 8

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の超能力で戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月02日の時点で一番の超能力で戦争なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.3 1 超能力で戦争なアニメランキング1位
クオリディア・コード(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (654)
3203人が棚に入れました
人類の敵――〈アンノウン〉と戦争を続ける世界。

 数十年前の〈アンノウン〉侵攻時、コールドスリープ施設に避難させられていた子供たち­は、その眠りから目覚めたとき、己の身に超自然的な力――〈世界〉が発現していること­を知る。東京湾ゲートから現れる〈アンノウン〉から国を護るため、少年少女たちは東京­・神奈川・千葉の各防衛都市で戦いを繰り広げるのだった。

東京をさがら総、神奈川を橘公司、千葉を渡 航が担当し、
“QUALIDEA”を作り上げる。

声優・キャラクター
悠木碧、福原綾香、斉藤壮馬、石川由依、内田雄馬、安済知佳

ぷらむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

非常に惜しいアニメ

非常に惜しい、ポテンシャルが高すぎるアニメ。
最近見直したから書いてみる。

物語自体は今までに例を見ない実力作家3名が書いてるだけあって凄まじい設定。まあ千葉カス君は俺〇イル感強すぎたが。
そして制作側も声優のキャスティングもさることながら、LiSAとClariSというアニソン界を背負っていると言っても過言ではない実力者を前半と後半でそれぞれ2曲ずつ。

原作は作家3人が分かれて東京神奈川千葉の3つからそれぞれの物語、そして千葉カス君の両親の若き頃である原点の物語、最後にこのアニメの原作であり3作+1作を纏めあげた本編のクオリディアコード。
構想にどれだけ費やした事やら。
原作を読んでいればなおアニメが面白くなるだろう。

だがしかし、始めに書いた通りこれはクソアニメだ。いや正確には神アニメのポテンシャルを秘めたクソアニメだ。
そう、神アニメのポテンシャルを秘めながら何がこのクソアニメをクソアニメたらしめたか。
それは構成と作画だ。
あまり構成について触れている人は少ないので作画から言ってみるが、とりあえずCGはよく出来ていた。大抵の量産アニメは原画との分離感、作画の脆さが露呈する部分ではあるが関係者が関係者なだけに下手なCGは作れなかったんだろう。エフェクト部分なんかはとてもよかった。
しかし問題は原画の方で、影も無ければシワもない服や背景。極めつけは序盤はそこそこだった作画が中盤から終盤にかけて恐ろしいスピードで劣化していき、舞姫の巨大丼が縮小してしまうという作画崩壊まで起る始末。

まあ作画はこの辺にして構成の方だが、個人的に百歩譲って作画が少々ゴミでも別にさして問題ではなかった。終盤は許容レベルを超えていたが、構成がちゃんと出来ていれば無視できるレベル。
とにかく構成が駆け足で、特にカナリアが死ぬ(死んでないけど)ところとかコンマ何秒よあれ。

自分としては2クールに分けてでも24話構成にするべきだったと思う。
なんならクズと金貨のクオリディアは切るとして、本格的に本編に入る前の東京神奈川千葉それぞれの部分を多少混ぜ込んでもよかったまである。
まあ外伝的な感じで出してくれてもいいが、今となっては叶わんだろう。
とまぁ原作を読むことをおすすめ致します。特に千葉はおすすめなんでどうぞ。

珍しく長文を書いたがそんだけ惜しいアニメってこった!
以上。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

作画と話数によって名作に成り損ねた、が、かなり優秀なセカイ系アニメ

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
最近(2016夏に記述)、日常系やラブコメ、ファンタジー系ではそれなりの頻度で良い作品がありましたが、セカイ系はしばらく夢中になれる作品がありませんでした。久々のヒットです。バトルも面白いし。

絵で評価を下げないタイプの方にはオススメですね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
第1話冒頭、ハリウッド映画のような格好良い(というよりは格好つけた)カット割りと、ペラペラの兵器(や、カクカク倒れてくるスカイツリー)のギャップが、逆に笑えたw 日常系アニメなら、全然許せちゃう作画レベルなんですが……。

というガッカリ感から始まりましたが、次第にどんどんハマっていきました。

六者六様の主要キャラクターはそれぞれに魅力的で、能力的にも面白いです(サブキャラ含め)。良い感じの憎まれ口の応酬にニヤリとするおもしろさあります。

特に、千葉勢のやり取りが良かったです。朱雀が「まとも」になった時のやり取りなんか、マジで笑いましたw

中盤以降はシリアス展開が続きますが、これまたシナリオが優秀ですね。う~む、(作画以外)文句のつけようがないです。

ほたる&青生&霞&明日葉の連係はツッコミどころも多いけど「固有能力の連係」にトライしたことに好評価。そこを放棄して無理矢理なんとかしちゃうバトルアニメの方が大半だからね(主人公最強系とか正にそう)。

「セカイの真実」はなかなか面白い設定でした。人間vsアンノウ、というよりは、産みの親vs育ての親。アンノウも、(元は誘拐とはいえ)子供を愛しているというのが良かったです。

いや~、これはかなり面白いアニメです! 「セカイの真実」が明らかになった後はやや失速しましたが、にしても上手いシナリオだった。

強いて言えば、朱雀達が(認識を狂わされて)倒し続けていた相手を、あえて人間の「無人機」としたところに疑問があります。あれが、「人間」だったら、もっともっとシリアスになっていたと思います。子を助けたい、親。それを親と気付かず殺し続ける、子。この上ない悲劇です。そうすれば、「セカイの真実」が明らかになった後、メインキャラ達を大きな苦悩が襲ったことでしょう。これだけのシナリオが書けるなら、そんな苦悩をどう乗り越えるかまで、描いてほしかった。

まあ、そうなると、確実に2クール必要なんで、1クールで完結させるとなると、ああいう能天気路線なんでしょうね(もしくは、そこまでのシリアスを望んでいなかったか)。

敵側であるアンノウにも魅力アリ。異世界からきた知的生命体。進化の過程で自らの時間を止め、死を拒絶したことで子孫を残せなくなった生物。しかし、利用するために拿捕した子供に情が移り、同族殺しや自死まで選択する愛離。それに同調し、愛してしまった人間である求得。そこにある苦悩や狂った純粋な愛。十分に魅力的な敵キャラでした。

一方、千草母も、狂っていて良いです。アンノウへの明確な殺意は、子を奪われたゆえの恨みでしかないという、どこまでも人間臭い、良いキャラでした。

最後は愛離と具特の死により、戦いに幕をひきましたが、死を恐れる同族に、自らの死をもって侵攻を諦めさせるという行動には説得力がありました。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
六者六様のキャラクターにはそれぞれに魅力があり、特に千葉勢のやりとりは面白かった。憎まれ口の応酬など、ニヤリとした。能力バトルも及第点。

中盤以降のシリアス展開(世界の真実)も良かった。シナリオが優秀。もっとシリアスでも良かったが、1クールならあれが限界かな。

作画と尺以外は、本当に不満のないアニメです。
{/netabare}


【余談 ~「クオリディア・コード」を名作にするための妄想~】
{netabare}
①作画を「進撃の巨人」「神撃のバハムート」並にする(ムチャな要求w)

②2期アニメにする。

③1期はアンノウ編に絞り、主要6キャラ以外にも光を当てていき、味のあるキャラ数を「K」並にする。

④1期ラストでセカイの真実。

⑤2期は、青生のようにアンノウ側につくキャラを数名作り、戦力を二分させる。

⑥2期の中心は、アンノウと人間の戦争。仲間との戦いに苦悩する主要キャラの葛藤を描きつつ、それぞれの種族の主張。

⑦そして、互いの落としどころを見つけ、大団円。

ってのはどうでしょうか? これだけのシナリオ書けるなら、いけると思うんだけどな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 39
ネタバレ

にゃーん。@のんびり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

おにいちゃんがかっこよかった!ストーリーも毎週すごく楽しみでした!作画は残念(>_<)

アンノウンを相手に特殊能力で戦う子供達のストーリー。

序盤は魅力的なキャラクター達のかけあいやバトルを
ライトに楽しむ作品かと思いましたが、案外シリアスでした。

4話以降は毎週続きがすごーく気になる展開で、
毎週楽しみに見ていましたo(^-^)o

可愛い女の子キャラが多い中、
おにいちゃんでスナイパーの千種 霞がかっこよかったです!!

皮肉屋で露悪的だけれど頼りになるし実は優しい*(^-^)*

主人公の朱雀との口喧嘩とか、妹の明日葉ちゃんとのかけあい、
悪口多いですけどテンポが良くって面白くてツボにはまりました♪

女の子キャラは明日葉ちゃんと青ちゃんが好きでした。
…あ、2人とも霞と関りが深いキャラですね(n╹ω╹)η

皆さん言ってますが作画は残念な感じでした(>_<。)
でも、綺麗なカット絵もあります♪全部悪いわけではなかったです。

私は結構好きな作品でした!(╹◡╹✿)

●最終話まで観終わって感想●←霞中心です。
{netabare}
<霞と明日葉>
仲良し兄弟は良いですねo(^-^)o
東京・神奈川・千葉の中ではもちろん1番好きな陣営でした♪

<霞と壱弥>
2人がだんだん仲良くなっていくのが微笑ましかったです♪
壱弥はだいぶダメダメな主人公だと思ってましたが、
中の人が壱弥は真のヒロインだと公式twitterで呟いてたので、
ああ確かにそんな感じだったなと思いました(笑)

眠り姫とか俺のコト好きすぎでしょとか、
スタッフさん狙ってますね、これ(n╹ω╹)η
面白かったです(笑)

<霞と青生(あおい)>
最終話で青ちゃんを追いかけて行ったのが
明日葉ちゃんじゃなくて、霞だったらどうなっていたかなと思います。

青ちゃんが「私には何もなかったのに!」と言っていたけど、
そんなことないよ!霞は青ちゃんのこと好きだったよ!
と切なくなりました(>_<。)

霞が追いかけて好きだと伝えていたら、
青ちゃんも救えたんじゃないかな…。
青ちゃんも霞と仲良くなって欲しかったです。

2期とかないかなぁ…o(^-^)o
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 25

63.6 2 超能力で戦争なアニメランキング2位
ブレイク ブレイド(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (462)
2778人が棚に入れました
化石燃料が採れないクルゾン大陸では、人々は石英に命令を与えることで動力源や熱源にしてて暮らしていた。この力は「魔力」と呼ばれほとんどの人々が持っていたが、ライガット・アローは生まれつき魔力を持っていなかった。そのため、能なしと呼ばれ続けてきたが、あるとき、地中から発掘されたゴゥレム(魔動巨兵)「デルフィング」は魔力を持たないライガットでなければ動かすことができなかった。折しも、ライガットの暮らすクリシュナは隣国アテネスとの戦争に臨んでおり、親友であり国王のホズル、同じく旧友で王妃のシギュンを助けるため、ライガットはデルフィングを駆り、戦いに身を投じることになる。

声優・キャラクター
保志総一朗、斎藤千和、中村悠一、神谷浩史、花澤香菜、井上麻里奈、鳥海浩輔、白石稔、河相智哉、菅原正志、緒方賢一、葛城七穂、柳沢真由美、浅野真澄、中井和哉、寺島拓篤、白石涼子、土師孝也、喜多村英梨、林和良、宝亀克寿、ささきのぞみ、井上喜久子

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

勿体ない

原作:漫画 未読

全12話

ジャンル:ロボットアクションファンタジー

劇場版:第一章~第六章まで 未視聴


感想

作画は奇麗ですね。

戦闘シーンは、凄くリアルで迫力ありました。
結構死人がでるので、手に汗握る緊張感もあります。
けど、なんだろう?
キャラに感情移入しにくい。

原作読んでる知人に聴いたら、9巻分だったかな?(違ってたらすみません)
それを12話に詰め込んでるから、端折り過ぎてて見せられてる感じ。
主要部分をダイジェストで纏めてる感じかな~。
場面がころころ変わり過ぎだし、展開早すぎる。

キャラ同志の関係性や、立場、過去の出来事等が理解できないまま進むし、重要人物とか簡単に死んでるし・・・(これから!って言うキャラとかが)
正直ついていけない。

これ、2クール×2クールの48話で製作してくれたら、すっごく良い作品になるんじゃないかな~?
って思いました。

もしかしたらこのTV版って、原作紹介アニメなのかもね。
面白く感じたらコミック買ってね!みたいな ^^;
それか、原作ファン向け的な作品なのかな?
まぁ、そんな事ないと思うけど、こんな風に思わせる作品、最近多いですよね!
(2期あるのか解らない、投げっぱなしの作品とか!)

自分としては、ここ数年、毎期放送されるアニメ作品の数が多くなってて、全部観たいけど、現実 時間がなくて観れないから、切らなくちゃいけない訳で・・・
なので、できればアニメ化する作品は、人気がある原作が、終わりそうになったらしてくれればいいな~っと思います。

それか、せめて原作が10巻くらいまで出て、ちゃんと原作通りに製作して、上手く奇麗に〆て欲しいです。

だから、この「ブレイク ブレイド」勿体なかった気がします。


原作ファンならいいかもですが、知らない人にはあまりおススメできないですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 55

たにぐー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

久々に、熱くなったよ、、、

1話を観た感じは、なんかありきたりなお話になりそうで特に面白くなるとも思わなかったし、とりあえず全然ワケわかんなかった。
でも、見続けてたら、俺、こういうロボットアニメ好きだなって思いました。

とある拍子に、今まで田畑を耕すしかしてこなかった主人公ライガットが古代のロボットデルフィングに乗ることになります。
そうすると、当然ロボットなんか動かしたことのないライガットの操縦はかなり大雑把な感じになってしまいます。
なので、動きはでたらめです。でも、そのでたらめな動きが個人的にはかなり好みでした!

もちろん、実践経験もないど素人なので、戦場にでても計算して戦うことが出来ず、とりあえず、敵を倒せばいいんだろ的な感じで後先考えず突っ込みます。それがいいんです!
その、ライガットのでたらめな操縦と、デルフィングのこの世界ではありえない機能性がマッチして、久々にロボットアニメでこんなにも熱くなれました。

とある話で、デルフィングに乗ったライガットが敵に向かって一直線に突進するシーンがあったんですが、そこが一番興奮しましたね。
デルフィングに向かってプレスガンを連射する敵、それでも止まらないデルフィング、そして衝突し吹き飛ぶ敵、飛び散る破片、、、ヤバイです!興奮しすぎて鳥肌がたちました!

終わってみればけっこう面白かったです!
ジルグもかっこ良かった!
クレオには驚いたな、、、あれでそれはなしでしょさすがにw
作画もきれいだったと思います!
ストーリーは正直理解できていない部分もありましたが個人的には良作です!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 22

うっきー星人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

バトルシーンかっこ良すぎてチビるw

【総評Sランク】
S:特別好きなアニメ A:かなり良い B:なかなか良い C:普通 D:微妙 E:くそ

ロボットアニメで一番戦闘がカッコイイアニメは何ですか?と聞かれた時、俺がオススメしたいのは絶対これ!
レーザーぶっぱ系ロボではなく主に接近戦、格闘戦重視ですが、
そこがリアルで良いし、戦闘に物理的なというか空気の「重さ」を感じる
スピード感もあるんだがそれ以上にパワー感を感じるアニメ

作画、音楽ともに最高で鉄と鉄のぶつかり合う感じがたまらず興奮します
鉄血のオルフェンズの戦闘シーンが好きな人に合うと思う、雰囲気はそれに近いタイプだから
特に全身重鎧なタイプで突進するライガットVSゼス戦と、ジルグの無双シーンが印象的でした
ジルグの戦闘なんてボロボロの機体を極限まで使いこなして容赦なく敵を虐殺していく様がヤバイし、
華麗に銃弾を交わすシーン、折れた足の骨で操縦部をブッ刺すシーンなんかは惚れそうですわ!!

ストーリーは人間関係の描写と心理描写が上手いと思ったなあ
敵であろうと殺したくないという自分の甘さのせいで死んでしまった人へのやりきれない罪悪感
唯一理解し合えた親友と戦わなければならない心境、
特に恋愛描写なんかはリアルで結構面白く、
シギュンとライガットなんか素直になれず切ないスレ違い方しちゃってて親友にNTRれちゃってますが、
逆にNTR返しそうな雰囲気もあって、この「友達を裏切れないが恋愛感情にも嘘をつけない」感じがたまらん
誰にでも過去に素直になれなかった事ってあるだろうしこのジレンマは結構経験してると思う

でもライガットVSジルグのシーンには特に納得がいかなかった
ライガットは稼働時間的にあそこに留まるしかなかったんだろうが味方同士そんなことしてる場合か?とw
それでもドラマ部分も素晴らしくマイナス部分よりプラス部分の方が大きく評価できるアニメと思います

主人公も最初は無能タイプかと思いきや、おまいらの大好きな最強系に近い
だからNTRアレルギーなんか発症してないでそういうのが好きなおまいらも観ろよな!!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

58.5 3 超能力で戦争なアニメランキング3位
ノブナガン(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (358)
1886人が棚に入れました
2013年。 修学旅行で台湾に訪れていた女子高生「小椋しお」は、突如出現した怪獣「進化侵略体」に襲撃を受ける。軍隊も歯が立たない中、そこに現れた謎の男たち。彼 らは超国家機関「DOGOO」のエージェントで、偉人の魂を受け継ぎその力で戦う「E遺伝子(ジーン)ホルダー」だった。そして友人の危機に、しおの「偉 人の魂」も覚醒するのだった...

声優・キャラクター
武藤志織、鈴木達央、島﨑信長、浅川悠、石田彰、上坂すみれ、斎藤千和、保村真、津田健次郎、田村睦心、村瀬歩、井上遥乃、さとうあい、遊佐浩二、渡辺明乃、飛田展男

gagaga123 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

バトルアニメの娯楽傑作!

ノブナガンはアニメの教科書です。

低予算でもすばらしい原作とアニメ制作スタッフの創意工夫・頑張りによって傑作になった作品だと思います。

具体的に
1~3話の日常~戦闘~友情・決意~特訓の流れは、主人公のひととなり・世界観・キャラの立ち位置を提示し、各パートも楽しめて、導入としてお手本になる出来です。

4~10話では、進化侵略体との戦いを軸としつつ、主人公の成長、友情、仲間との協力・関係、(敵・味方)組織についても描き物語をより強化し、クライマックスに向けてのお膳立ては整っています。

10~13話でのストーンフォレスト作戦は、アニメ史上に残る戦闘だと思います。主人公を中心に各キャラの能力をフルに生かし連携・協力し、一般兵器にも活躍の場を与え、想像の上を行く作戦をチームで実行し、意外性もありハラハラドキドキで興奮は最高潮です。

こんなにも気持ちのいい洗練された作戦・戦闘は記憶にないです。
すべてのアニメの戦闘は、この作戦を基準・お手本にして作っていくべきです。

そう思う理由は原作の力でもあるのですが、

・凝った設定、ひねりが効いて飽きさせない戦闘、キャラの行動原理や活躍の理由がしっかり描かれている点
・各キャラのできることと、できないことがはっきりしており、役割分担があり組織で戦っている点
・敵である進化侵略体もシンプルそうで意外に賢く戦略を持っており、短時間でありえない進化をし、得体の知れない恐ろしさを十二分に発揮し魅力がある点

です。

それと積み重ねられた細かい真実と大胆な嘘もこの作品のよさです。

勝利に説得力が乏しいことが多い現在のバトルアニメに一石を投じる作品です。
勝利には納得感のある理由が必要です!

また、新人声優の武藤志織さんを主人公・小椋しお役に抜擢したのもよかったです。
新人声優とそれを支える実力派声優の配置とアニメでのDOGOOの新人・小椋しおと仲間達の構図及び武藤志織の成長と小椋しおの成長が見事にリンクし、他ではなかなか味わえない感慨に浸れます。

そしてなにより全13話できれいに締めた点も高評価です。

私の結論としてノブナガンは血沸き肉踊る快作で、アニメ史に残すべき名作だと思います。
さらに言えば、小学校4年生~6年生の男の子すべてに見せるべき作品です。昔、そうだった人にも見てほしいです。

PS 惜しむらくは低予算ということです。演出で補いながら作画も頑張っていたと思いますが、もう少しリッチな絵作りになっていれば、より魅力的な作品になっていたと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

隠れた良作。低予算でも工夫次第で面白くなるお手本アニメ

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
レビュタイ通りですが、これはなかなかの掘り出し物。バトルものですが、しっかりとした工夫が見られます。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
能力系のバトルものは、各キャラに「出来ることと出来ないこと」があって、そういうの能力系同士をどう組み合わせるかというところに見処があると思うんだけど、そこがしっかりやられているんですよね。

小椋しお のキャラも良かったし、通常兵器がちゃんと活躍してくれるのが良かった。B級感が心地よい作品でした♪
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

にゃっき♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

best is cheapest

史実にある人物をモチーフにした作品はたくさんありますが、アニメの世界では織田信長は一番人気かもしれません。

女子高生なのに何故かおっさんの遺伝子が覚醒した主人公の小椋しお(おぐらしお)が、ノブナガンという狙撃銃を武器にDOGOOという組織に参加して、通常の兵器では歯が立たない宇宙生物である進化侵略体と戦う異能バトル作品です。
敵の進化侵略体はその名のとおり、戦闘から学習してマッハで進化を続け、どんどん姿形を変えていく得体のしれない相手で、不気味な恐怖感を感じさせてくれる、よく練られた設定だと思います。

DOGOOの他のメンバーもそれぞれ偉人の遺伝子の継承者なわけですが、元ネタの偉人のチョイスがかなりマニアックで、知ってる必要がないというより、知っているとかえって個々の能力に困惑するような気がしないでもありません。
地味で渋い能力者たちが多いのが興味深く、力で押し切るような爽快感はありませんが、ものを重くする能力を、銃の反動を抑え命中率を上げるのに使うなど、勝つために考え、協力して作戦勝ちをおさめるような戦い方は、王道ではありますが、とても魅力的に感じられました。
運よく勝つシナリオを作るのは簡単ですが、やり方をひとつ間違えたら勝てなかったようなパワーバランスの匙加減が絶妙な作品には滅多に出会えるものではありません。
もちろん圧倒的な力の差を見せつける作品には違った魅力がありますが、溢れかえっているインフレ状態の能力を持て余すような異能バトル作品群には、ぜひ見習って欲しい出来栄えだったと思います。

作画についてはB級作品特有の臭いが漂う、低予算である事がまるわかりのチープな作品なのですが、見せる場所と手を抜く場所をちゃんと心得ていて、視聴しているうちに、狙っているとしか思えない野暮ったく垢抜けないネーミングさえも心地よく感じてる自分がおりました。

何の期待もなしに見始めた私は、主人公の成長に伴って白熱するバトルにいつも間にか夢中になってしまい、綺麗に1クールで終わってしまったのが残念に思えるような完成度の高い作品だったと思います。
目立たない場所にまでオカネをかけた、こだわりの作品が素晴らしいのは当然の事ですが、オカネをかけなくてもそれなりに楽しめる作品があることを、ぜひその目で確かめてください。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 26

76.3 4 超能力で戦争なアニメランキング4位
Dr.STONE(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (394)
1673人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。文明が滅んだ石の世界(ルビ:ストーンワールド)を前に、千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。新たな仲間を集め『科学王国』をつくりあげる。火、鉄、電気、ガラス、ケータイ……石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がる千空たち。しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司が率いる『武力帝国』が立ちはだかる。人類浄化を目指す司は、強大な武力によって、科学の発展を阻止しようとするのだったーSTONE WARS、いざ開戦!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、市ノ瀬加那、沼倉愛美、佐藤元、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人、中村悠一、石田彰、豊崎愛生、小野賢章、中島ヨシキ、種﨑敦美

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

科学 VS 武力、いざ開戦

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期は視聴済です。
第1期は2019年の夏から2クールで放送されました。
私の2019年秋アニメのBEST10において第5位を獲得しました。

本当に面白かったので、本来であればもう少し順位が上でもおかしくない作品なのですが、放送されたタイミングに難があったと個人的には思っています。
何故なら、上位にはそれだけ素晴らしい作品がひしめき合っていましたから…

因みに私の2019年BEST10のうち、第1位~第4位は以下の通りです。
第1位:この音とまれ! 第2クール
第2位:慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~
第3位:ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld
第4位:ハイスコアガール II

やっぱり振り返ってみても、どれもその順位に相応しい作品ばかり…
だから第1期の準備を第5位にしたことに後悔はありませんが、この第2期を視聴してより一層この作品が好きになった気がします。


全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年——。
超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。

文明が滅んだ石の世界を前に、
千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。

新たな仲間を集め『科学王国』をつくりあげる。
火、鉄、電気、ガラス、ケータイ……
石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がる千空たち。

しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司が率いる『武力帝国』が立ちはだかる。

人類浄化を目指す司は、強大な武力によって、科学の発展を阻止しようとするのだったー

STONE WARS、いざ開戦!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。


番組の最後に「この物語はフィクションですが、登場する動植物や物質、製造方法などは実在するものに基づいています。
個人の判断による採取や製造は大変危険であり、また法律に触れる恐れがありますので、決して安易にマネをしないでください。」という注意書きが表示されています。

まぁ、マネをする人はそうそう居ないと思いますが、科学文明が一歩ずつ前進している様には大きなロマンが感じられるんです。
それを物語っているのが千空の会話に登場する数値の単位なのではないでしょうか。
「100億パーセント」とか「1億倍」とか…
なんか想像を絶する単位に最初は戸惑ったものの、最近は全く気にならなくなりました。
改めて人間の順応性の高さにビックリです^^;

今期はレビューのタイトル通り科学王国と武力帝国の真っ向勝負が描かれています。
拠り所とする力、思想に至るまで全てが真逆の科学王国と武力帝国には正直接点が見い出せませんでした。
ただし物語の中盤まで…ですけど。

完走して思ったこと…
科学には思想を捻じ曲げる力があると痛感しました。
「捻じ曲げる」というのは悪い意味ではありません。

思考領域を限りなく広げられる…
限りなく広がられたその先の着地点を選択できるという意味での捻じ曲げるです。
人間が実行に伴って思考する際、思考の枠内には限界が設けられるのではないでしょうか。
自身の遂行能力に対する限界や、周辺状況や物資の有無などによる限界などが挙げられると思います。
ですが、科学の力は限界を限りなく押し広げてくれる可能性があるんですよね。
この作品は、その可能性を如実に感じさせてくれました。

この作品のタイトルである「Dr.STONE」の意味は、ストーンワールドにおける科学力のことだと思っていました。
ですが第2期を完走すると、もう一つの可能性が浮かび上がってきた気がしてなりません。
ネタバレ要素を多分に含むので記載は割愛しますけれど…
今後の展望に大きく寄与する可能性なんじゃないかと個人的には思っています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、フジファブリックさんの「楽園」
エンディングテーマは、はてなさんの「声?」

1クール全11話の物語でした。
この作品も尺の短さを感じましたが、続編の制作が発表されたので文句なしです。
乗りかかった船です。
原作は未だ連載中のようですが、最後までお付き合いさせて頂きたいと思っています。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いまさら、ですけど

1期視聴済み。

完全に1期の続きをやっているので、1期の事前視聴は必須と思います。

1期同様、それなりに楽しめました。

物語:
{netabare}1期にて宿命づけられた「つかさ」との決戦、いよいよ。
「ものづくり」アニメとしてのわくわく感はだいぶトーンダウンしたかな。
{/netabare}

作画:
{netabare}
変わらず、高値安定と思います。
{/netabare}

声優:
{netabare}
父親がね。。。。仕方がないですよね。でも、寂しいですね。
{/netabare}

キャラ:
{netabare}
いよいよ大樹と杠(ゆずりは)が物語に本格参戦・・・というほど強く関与したとも思えなかったかな。つかさ帝国側のキャラが登場します。
{/netabare}

音楽:
{netabare}
好き嫌いを言えば、1期の方がだいぶ好き。OPもEDもです。劇伴は1期を基本的に踏襲した感じだったかな?
{/netabare}

思うこと:いまさら、ですけど。
{netabare}
1期の段階でうっすらと思ってはいたけど、1期で受けた感動に飲み込まれていた疑念、思いのようなものが、2期のちょっとトーンダウンした物語の中で頭をもたげてきました。

これ、科学?それとも、工学?

少しずれますけど、日本って「かたちあるもの」にしか価値を認めない風潮が強いと思っています。いまなお、その傾向は強いと思う。それでどれだけ今世紀に入って損してきたか、考えるだに・・・・。
{/netabare}

[2021/04/05 v.1]

投稿 : 2024/04/27
♥ : 26

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かつて誰も殺さない戦争をした国などあっただろうか?

この物語は謎の光線により人類が石化してからおよそ3700年後の物語
シーズン1を見てられない方は先にシーズン1を見てくださいね。

今回は石神 千空(いしがみ せんくう)率いる科学王国と獅子王 司(ししおう つかさ)率いる司帝国との全面戦争です。
科学王国の千空は、石化した全人類を元に戻そうとする考えですが、司は選ばれし若者のみを石化から元に戻すという考えの持ち主。
両者は相譲れない信念を持っており、そのために戦争となります。

この物語の魅力は、自然界に存在する物質をもとに千空が電話器や蓄音機、蒸気機関車など、現代の機器をつくり出すことです。
もちろんラーメンや綿菓子、コーラなどの食べ物も作り出します。

でも、千空の最大の魅力は、全ての人を救おうとすること、戦争になっても誰も殺さないようにする考え方です。

人類史上かつて「誰も殺さない戦争」をし、勝利した国などありません。
確かに現実的にはありえない甘っちょろい考え方だと思います。ですが、私はこんな考え方は大好きです。

それに、全人類を救うことなんで誰もできない。誰もがそう考えるでしょう。
頭脳明晰な千空すら、その方法はわかりません。
でも千空は、今の自分たちにできないのであれば、みんなで考えれば何とかなるだろうと思っています。その「みんな」とは、これから誕生する子供たちや子孫も含まれています。

私たちが暮らしている現代世界は、一人一人の努力により長い長い年月をかけて一歩ずつ築き上げてきたものです。
火をおこすことから始まり、青銅器、鉄器をつくり、蒸気機関、電気製品をつくってきた人たち。
決して一人では成しえなかったものの積み重ねで今の世界ができています。

科学は人々を幸福に導くためにあるもの。それが千空の考えなのでしょう。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 36

63.1 5 超能力で戦争なアニメランキング5位
戦う司書 The Book of Bantorra(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (262)
1642人が棚に入れました
人の魂が結晶化した「本」に触れるとその人の生前の記憶の全てを知ることができるため、地中から掘り出された「本」は、過去神・バントーラの作った「神立バントーラ図書館」に収蔵されていた。それを管理する、常人を超える戦闘力と知識を持つ「武装司書」たち。
世界最強の武装司書・ハミュッツ=メセタを頂点に、武装司書たちは世界の調停機関、警察機構として機能していた。しかし、一見平和に見える世界の裏側で、ある闇の組織が動き出す。それは、「天国」に導かれることを最上とし、そのためには一切の欲望を肯定する「神溺教団」――。
武装司書に戦いを仕掛ける、彼らの目的とはいったい…。

声優・キャラクター
朴璐美、大川透、沢城みゆき、戸松遥、中村悠一、石田彰、竹口安芸子、三宅健太、広橋涼、入野自由、川澄綾子、大木民夫、置鮎龍太郎、納谷六朗、野島裕史、野島健児、小西克幸、佐藤利奈、釘宮理恵、野中藍、能登麻美子、櫻井孝宏

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

腰の据わったハードボイルドファンタジー

<2017/10/31初投稿>
観たのは数年前。
知人に「図書館戦争好きなら絶対ハマるよー!観てみー!」と言われたのがきっかけです。

1話目観て「図書館戦争と似ても似つかねー!でもこれはこれで好き!」
最後まで一気見でした。

舞台はダークな雰囲気のちょっと不思議な異世界。
人間は死ぬとその魂は本となり、図書館に収められます。
魂、つまり生前の記憶の全て。

よく考えたら嫌な世界ですね。
「トイレで大をしたら紙がなくて◯◯で拭いた」みたいな思い出も書かれちゃうんでしょうか。
もし自分がその世界に生まれたら遺言は「自分の本を探し出して燃やしてくれ」に決まりです。

物語は図書館館長代行ハミュッツ・メセタ、通称ハミを軸とした群像劇。
謎に満ちたハードボイルド異能バトルです。
バトルシーンがかっこ良いですね。
異能なんですが妙な現実感あります。
そして渋い。

登場人物たくさん出てきますが、やはり白眉は作中「世界最強」と言われるハミさん♪

ハミは一言で言えば"エロかっこ強い!"
「峰不二子のような妖艶さ」と
「ブラックラグーンのバラライカのようなカッコよさ」
そして「血界戦線のクラウスのよな冗談みたいな強さ」を持ち合わせてます。
なんだかんだ物語の中心の人です。

少しストーリーわかりづらいところもありますが、こういうトーンがお好きな方にはお勧めしたい作品です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんか好きな作品

人気無いなこれw

攻殻のレビュー書いてる時にふと思い出した作品。
この画像の人の声が攻殻の少佐=田中敦子に「声が少し似てる朴璐美」
タグに豪華声優陣ってあるけど、 アスランの石田彰くらいな気が・・

この作品何故か何度も見てるけど、何が面白いのかはよく分からない。
1話がつまらないから飛ばして、2話から先を何度も見てた


単なるキャラ用品かとも思ったけど、攻殻との類似点を考えてみると
声が似てる以外は「正義」の部分かな。キャラそれぞれが独自の正義への
価値基準を持ってて、少しネタバレ気味だけど仲間同士で争う事もある。
どっちの主張にも一理あるってか、何に重点を置くかですね。

キャラ用品として見ると、素敵な大人3人、ババア1人、あとはSEEDの
制服着たまま戦うような若くて青い奴等。と、素敵肌黒、位・・かな。
やや熱くて、青くて、緑髪の男が色々な面で好きだった。

話は最後の強引な部分を除けば、割とよく出来てる、というか最後の
強引な部分が個人的には一番好きなんだけど。

これが806位かよ・・なんか凹むなww 少し評価高くしておこう

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

あれるぎ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大好きな作品ですけど・・・  残念なアニメです

ラノベ原作、綿密に練り込まれた世界観が魅力のダークファンタジー

人間の死後、魂だけが結晶化し「本」と呼ばれる石板になり、「本」に触れることでその人物の生涯を追体験することが出来る世界
その「本」を管理するために超人的な戦闘能力を備えた「武装司書」と、邪教「神溺教団」との戦いを描いた物語です
ジョジョの荒木飛呂彦先生が絶賛された程の作品なのですが、残念ながらアニメはその魅力半減といったトコでしょうか・・・  まあ、それでも十分面白いんですが

まず現代と本の人物の記憶が混在したストーリー展開が聊か解り難い
とくに序盤は予備知識がないと登場人物の立ち位置さえ読み辛く、原作未読の視聴者から見れば不親切この上ないシナリオと言わざるを得ないでしょう
しかも無理矢理2クール(27話)に詰め込んだ結果なのか、終盤になると物語の根幹である部分を相当端折ってます
更にグロ描写や鬱要素が多く万人受けする作品でもないと思います

ただ物語そのものは本当に面白いんですよねー
このまま埋もれてしまうにはあまりにも惜しい!
ここ「あにこれ」でも布教しようとレビューを書いたのですが1717位・・・  もはやなす術なし
他のレビュアーさんも書かれていますが、あまりの人気の無さにチョット凹みました(笑)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

59.5 6 超能力で戦争なアニメランキング6位
Dies irae(ディエス・イレ)(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (232)
1246人が棚に入れました
諏訪原市の学園に通う藤井蓮は、 とある事件を境に親友・遊佐司狼と決裂し、 殺し合いじみた喧嘩の果てに2ヵ月間の入院生活を余儀なくされていた。季節は秋から冬に―― クリスマスを間近に控えた12月。半身をもがれたような喪失感を覚えつつも、退院した蓮は司狼のいない新たな日常を構築し直そうと思っていた。失ったものは戻らない。ならせめて、 今この手にあるものを大切にしたいと思いながら。しかし、それすらも崩れ去る。夜毎見る断頭台の夢。人の首を狩る殺人犯。それを追う黒衣の“騎士"たち。常識を超えた不条理が街を覆い、侵食していく。聖槍十三騎士団との戦い。狂気と殺戮と呪いに満ちた戦争の続き。その果てに、蓮はいったい何を見るのか。

声優・キャラクター
鳥海浩輔、榊原ゆい、福原綾香、生天目仁美、前田剛、牧野芳奈、諏訪部順一、成田剣、谷山紀章、瑞沢渓、安元洋貴、いのくちゆか、矢口アサミ、はらさわ晃綺、羽吹梨里、環有希

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

普通のバトル物とは一線を画す

原作プレイ済みです。

いろいろなアニメやらゲームやらやり込んできましたが、ここまでキャラにこだわっている作品は見たことがありません。

連載物の漫画にありがちな、【さらなる強敵】新登場でグダることもなく、かといって成長がないわけでもありません。むしろそれ以上に熱いです。

一つ心配があるとすればオペラ風味の強さをどうアニメで表現するかという点ですね。あのセリフの長さや言い回しが果たしてアニメで機能するのか……原作者らの裁量にいろいろな意味で期待しています。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

66.5 7 超能力で戦争なアニメランキング7位
OVERMAN キングゲイナー-オーバーマン(TVアニメ動画)

2002年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (204)
1182人が棚に入れました
時代は地球環境が悪化した未来。
かつて人間が暮らしていた豊かな土地は食用地として保全され、 人々は凍えるツンドラ地帯や灼熱の砂漠地帯のドームポリスに押し込められ、中央政府や食料を運んで来る鉄道公社には逆らえなかった。
そんな生活が何代も続いたとある時代に、ふと疑問を抱く人々が現れ始める。『自分達の先祖が生活していた土地への帰還』=エクソダス。
そんな中、シベリアのドームポリス『ウルグスク』に住む少年、ゲイナー・サンガは、シベリア鉄道警備隊に逮捕されてしまう。容疑はドームポリスから脱出する『エクソダス』だった。
ゲイナーは留置場で出会ったゲイン・ビジョウという男と共に脱走するが…。

声優・キャラクター
野島裕史、かわのをとや、小林愛、鬼頭典子、子安武人、水城レナ

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

深いことを考えてはいけない。

FFのごとく厨二的専門用語が多発。
いつものことだが、だいたいはあとでわかったり説明的な台詞で補足してるれるのが毎度のことだが、今回は一切ない。
ただ話の流れでああ。。なるほど。。。となる。
ここいらは禿げ御大の天才たる所以。
近年のFFノムリッシュには到底及ぶことはデキない。

まじめにみようとするとかなりの気合がいる。
ニュアンス、フィジカルで感じればいい。
一番問題なのは『あきまん』デザインのぬいぐるみ型ロボットを受け入れられるかにある。ガチコはマジでかっこいい。であきまんは2chで管巻いてるオッサンらに人気がでてしまったのがムカつくらしい・・相変わらずかわいいな。
あきまん、キヌ先生(キャラデザの一人)と似た絵で有名な吉田さんのキャラ、作画はあいかわらずすばらしい。吉田神と呼称されているのであのタッチの元祖は彼ということなのか・・。
富野監督自身はキヌ先生派のキヌシタン・・。とか・・じゃないとか・・。おらはストZEROあきまんが一番すきだなぁ。


終盤があまりにぶっとびすぎててついていけない。
いや話はわかるんだが、なぜそうなった!的な・・・。

ちなみによく聞かれるので 主題歌のシャウトは『メタルフルコート』っていってる。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12
ネタバレ

イワレニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ザブングル+ZZ+ガンダムX+Gガン  恐ろしくポジティブなキレイな富野

まず、率直な直感だけの感想として
面白いし、感情引入も出来、感動する。
これに尽きる。

しかし、ガイナックス作品を見たとき天野っぽいな~と思ってしまうことが多々あるが(エヴァとかエヴァとかエヴァとか)

この作品も非常に「富野」っぽい作品である。
ストーリー、メッセージ性、セリフ回し、テンション、どれをとっても富野らしい作品であると言えよう。

感じ的には、ザブングル5割+ZZガンダム4割+ガンダムX1割と言った配分。
もしも、上記の作品が好きならばハマれると思う。
(他にもGガン、Wが好きでもイケる)

と、だいたいスペックは分かってもらえたと思う。



要するに、この作品。面白いは面白いんだが一癖あると言ったところ。

まず、見るのに下記のハードルがある。

1、モビルスーツ(ロボット)の形が独特。
生き物のようなぬいぐるみの様なものに乗って戦う。(コックピットなんてファスナーだしねw)

2、しゃべり方が独特。
(ZZガンダムっぽい)

3、テンションは高い。
はじめはついて行けないかも?w

4、専門用語が多い。
序盤6話ぐらいにすべての用語が登場するといってもいいぐらい序盤は詰め込んでいる(説明っぽい?)これを乗り切れるかどうか。
実際には理解しないでノリで突き進むのが正しいであろう。



この、いくつかのハードルを乗り越えることが君にできれば「面白いキングゲイナーワールド」が待っているだろう!


俺の好きなところ

{netabare}
・もう一回見れるアニメというのを結構高く評価してるのだが、このアニメは1~5話ぐらいに情報がとにかく多くそこが2回目見たときに全て分かる。というのがよかった。

・富野と言ったら「富野だったら死んでた」の名言を残してるぐらい普通に重要キャラが死ぬ。しかし、このアニメ重要キャラはおそらく誰も死んでないであろう。敵も含め。戦争をしているのに死なない作品は珍しい。そういう意味では、富野っぽくない作品とも言える。

・明るい富野。先にも言ったが死なないだけでもなくメッセージがとてもポジティブ。普段だったら、「全員死んだらそれで終わりなんだよ」ともとれる鬱になるようなメッセージがこの富野はキレイで正反対。「ポジティブにやり直ししよう!」という気持ちが伝わってきます。

・とにかくOPのノリが素敵。
アナ姫さんがいちいちかわいい。それだけでも見る価値ありなアニメ。アデットさんもいい女すぎてヤバイ。

・引きこもりなゲームマスターが主人公。
なんかぐっと来るシチュエーションでした。アクセルワールドを思い出すような設定w

{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『OVERMAN キングゲイナー』作品紹介と総評

富野由悠季総監督による『∀ガンダム』以来2年半ぶりのTVアニメシリーズ。
自ら始めたシリアスな作風のロボットアニメとは異なる明るく楽しいエンターテイメント作品を目指した作品です。

(あらすじ)
時代は地球環境が悪化した未来。シベリアのドームポリス「ウルグスク」に住む「ピープル」の一人ゲイナー・サンガはドームポリスからの脱出「エクソダス」に反対していた両親を暗殺され、日中は学校に通い、家ではテレビゲームに埋没するという孤独な毎日を送っていた。
そんなある日、ゲイナーは授業中唐突に現れたシベリア鉄道警備隊に拉致されてしまう。その理由とは自らの忌み嫌う「エクソダス」の共謀だった。ゲイナーはメダイユ公爵邸内の牢獄でゲインと知り合う。ゲインと共に脱走したゲイナーは成り行きの中で乗り込んだオーバーマン「キングゲイナー」への執着をきっかけに忌避していた「エクソダス」に係わっていくことになる。(wikipedia参照)

作品テーマを侵略や戦争ではなく「エクソダス」(環境保護を大義名分とし聖地ヤーパンへの回帰)とすることで、以前の富野監督作品(黒富野)で扱った悲惨な死の描写を軽減する事が出来ています。

また、作中のロボットであるオーバーマンの特殊能力を「盗み取る」「幻を作る」といった捻りのあるものとすることで、戦いの場面を単なる力と力のぶつかり合いでわなく、展開を楽しませるものへと発展させています。

作品は全体的に明るく作られ、主人公であるゲインが様々な人達と接し、成長する様をポジティブに描いています。
また、OPも70年代~80年代のロボットアニメでは普通だった「主役ロボットの名前を連呼する」スタイルをとり、メロディに合わせて登場人物がミュージカル風にポーズを取ったり、登場人物や作中に登場するオーバーマンがモンキーダンスをしたりする楽しい映像となっています。

まぁ、個人的には「世界一恥ずかしい告白」のイメージが強すぎますが…。(第17話参照)

『天元突破グレンラガン』が好きな方にはとても相性のいい作品だと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13

69.8 8 超能力で戦争なアニメランキング8位
Sonny Boy サニーボーイ(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (283)
793人が棚に入れました
長い長い夏休みも半ばを過ぎた8月16日。学校に集まっていた中学3年生・長良〈ながら〉たちは突然、思いも寄らない事態に巻き込まれていた。長良自身はもちろんのこと、謎の転校生・希〈のぞみ〉や瑞穂〈みずほ〉、朝風〈あさかぜ〉ら、36人のクラスメイトとともに、学校が異次元に漂流してしまったのだ。しかも彼らは、漂流と同時にさまざまな《能力》を入手。人知を越えた能力に大喜びし、好き勝手に暴れ回る者もいれば、リーダーとして他の生徒たちを統率しようとする者も、元の世界に戻るための方法を必死で探す者もいる。渦巻く不信や抑えきれない嫉妬、そして支配欲からくる対立。次々と巻き起こる不可解な事態を前に、少年少女たちは突如として、サバイバル生活に放り込まれてしまう。果たして長良たちはこの世界を攻略し、無事に元の世界に帰ることができるのだろうか……?
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アンチ・モラトリアム

本作とは全く印象が異なりますが、難解な青春アニメというと
今やネタアニメの定番になった「グラスリップ」が思い出されます。
揺れ動く思春期の心情を独自の表現語法を用いて描き出し、
心の内奥までも可視化しようとした点で両者は共通していますし、
結果、意味不明などと揶揄されてしまうのもやはり共通です。

「グラスリップ」では「未来の欠片」という超常的な現象が
ヒロインの深層心理をヴィジュアル化する装置として機能し、
また、エッシャーのトリックアート、「昼と夜」が解釈の鍵となっています。
イメージの喚起力に訴える同様の象徴表現を本作も駆使していますが、
こちらは比較にならないほどの徹底振り、まさしく完全な極振りです。

こうした野心的な独創が視聴者にウケないのはきわめて自然で、
この種の作品では視聴に払った注意力の量が感動に比例するので
制作に注がれたエネルギーに見合うだけの熱量で向き合わなければ入り込めず、
結果、作り手の自己満足のように感じられてしまうわけです。

本作はとにかく情報量が尋常でなく、深入りすると収拾がつかなくなるので
核心と思われる部分だけを抽出して概観することにします。
全体の大まかな構成は、漂流の"謎"をめぐる前半と、
漂流の"意味"を追求する後半とにはっきりと分かれていますが、
その転換の軸となる主人公長良の、決断と行動に焦点を当てた
いわば"長良ルート"と呼べるものが一応、標準的な読み筋になるようです。


{netabare}まず指摘したいのは、序盤のミスリードについて。
SF風の少年少女・異世界サバイバルというパッケージには
あふれんばかりの既視感が漂っていますが、
実はこの既視感を逆手に取った意図的な操作、
いわゆるミスリードが序盤に仕組まれているふしがあります。
惨劇の匂いを漂わせたり、魔女狩り風のイベントを持ち込んだりと、
常套的なサスペンス展開で前半部を偽装しつつ、
ストーリーが進むに従い、"哲学的"と評すべき本作の真の姿、
この作品のアレゴリカルな本質が鮮明になってきます。


平たく言うと、物語全体が「喩え話」だということです。
例えば第4話のモンキー・ベースボールは「ルール」および「能力」の不均衡、
第7話のバベルの塔は「労働」や「希望」の転倒をめぐる一種の寓話だし、
全編の至る所にメタファーや象徴、暗示などが散りばめられた
さながら「アレゴリー(寓意)」の祝祭の趣があります。

ならば「漂流」とは何を意味しているのか?

結論から言うと、すでに指摘されている通り
「モラトリアム」の寓意、そう素直に考えてよさそうです。
終わらない夏休み。止まってしまった時間。
"静止した世界"とは、永遠に続くモラトリアムの表象でしょう。
隔絶され孤立した校舎。管理のもとに置かれ、ルールに守られた閉鎖空間。
そして、訓練キャンプで強制的に"一人前"にされた少年少女が
社会という「戦争」に送り出される・・・このあたりにもアイロニカルに
制度や世相を風刺する、現代の寓話としての側面を見ることができそうです。


さて、転換点となる第6話。漂流の真相が明らかになり、
原因となった長良に対して「神(校長)」から宣告が下される。

「君は世界を創っていたわけじゃない。
 可能性の箱を開けているだけの、ただの観測者なんだよ。
 君がいるからこの世界は存在している。」

観測者が箱を開ける、という言い回しから、元ネタはよく知られた
「シュレーディンガーの猫」と称される量子力学の思考実験だと思われます。
専門的な内容はわかりませんが、本作に応用されている方向性としては
事物ないし事象の存在そのものに関わる理論上の不安定さを
モラトリアムの本質に結びつけようとしている、といった感じでしょうか。

その際、重要な意味を担うことになるのが「可能性」という概念です。
漂流世界の原理となる「可能性」とは、すなわち「不確定性」、
存在が非決定の状態にあるという、ネガティブなニュアンスを含んでいます。

 君たちはもう、必要ないんだよ。
 君たちはただのコピーなんだよ。
 君たちだけが、特別だと思っていたのか?

「神(校長)」が生徒たちに告げるこれらの言葉は、
着想のベースになっているらしい確率論の文脈に置き換えると、
「君たちは確率論上のただの可能性に過ぎない」となる。
つまり、まだ何者でもない可能性だけの存在である思春期の少年少女、
あるいは可能性の海を漂流するモラトリアム人間たちの在り方を
原理的に否定し、切り捨てているわけです。


ここは物語の転換点であると同時に、長良ルートの真の起点ともなります。
つづく第7話、バベルの塔に仮託したエピソードの中で長良は、
転倒した世界を自らの観測者の能力を用いて反転させ、こう宣言します。

「この世界をひっくり返す。
 僕はみんなの分まで前に進まなきゃいけない。
 全部僕のせいなんだ。それでも、もう逃げないって決めたんだ。
 この漂流を間違いにしたくないから。」

漂流の原因として世界から断罪された彼が、
自らの手でそれに決着をつけるための行動を起こす。
これは、責任を猶予されたモラトリアム的な心性からの脱却であり、
主体的な自我の確立を描いた成長ストーリーとして、ある意味、
世間一般のモラトリアム論に即した模範解答とも言えるものでしょう。
ただ、あまりに模範的すぎて、もしやこれもミスリードなのではないかと
つい身構えてしまうのは本作の場合、やむを得ないところです。


多分、ドラマの核心となる部分は、もう一歩踏み込んだところにあります。

「観測者がいなきゃ、みんなただの可能性で終わっていた。
 みんな解っているはずだ、結局どこにいたって
 僕らは抗い続けなければならないって。」

これは、長良に共感したこうもりの言葉ですが、
着目したいのは「反抗」という契機が、世界観と物語をつなぐ形で導入され、
物語後半で長良が企てる元の世界への帰還計画が本質において、
この世界を支配する「神」へのプロテストになることを予告している点です。


その経緯。まずは、漂流の"真実"を見究めたラジダニの言葉。

「そうか、これは漂流なんかじゃない。
 神が振ったサイコロだったんだ・・・。」

サイコロは「偶然」の表徴であり、確率論のシンボル的なアイコンです。
漂流世界は無限にある可能性の中から、たまたま出た一つの目に過ぎず、
偶然の結果に過ぎないから当然、その現象には何らの意味もない。
やまびこが言うように、「この漂流に意味なんてない。無だ。」
「偶然」という絶対的な「神」が支配する確率論と決定論だけの世界。
長良の計画は、この世界への挑戦を意味するものでした。

長良:ロビンソン計画に追加したい項目があるんだ。
ラジダニ:ああ、そうこなくっちゃ。

ちょっと分かりにくいですが、最終盤の展開はここからスタートします。 
追加した項目がどういうものか、ここでは説明されずに、ただ、
希のコピーであるコンパスを掌にのせて長良が呟きます。
「どうせ世界は変えられない。それなら・・・」


追加した項目は最終話で明らかにされます。
彼らが目指したのは"元の世界"ではなく、コンパスが指し示す世界。
ここでふたたび「可能性」がキーワードになります。
偶然の支配から可能性を解放し、それに別の意味を与えること。
それが「神」への反抗の最終形態になります。

瑞穂:そこに行っても希が生きてるかはわからないんでしょ?

長良:だからコンパスを使うんだ。
   何も結末は変わらない。
   起こり得ることしか起こらない世界だから・・・
   可能性をもう一度振り直す。

神が振るサイコロに対抗して、長良はコンパスを"振り直す"。
コンパスの針は、どこかの世界で希が生きている可能性を指し示しています。
「希はもう戻らない。でもね、彼女の意志はまだ生きている。」

「過去は変えられない。でも、未来ならいくらだって変えられる。」
・・・かつて希はこう語っていました。
つまり、希が信じた「未来」という可能性を彼もまた追い求める。
「起こり得ることしか起こらない」決定論の世界では単に確率論上の
ニュートラルな意味しか持ちえないネガティブな「可能性」を
ポジティブに反転させ、「偶然」に意味を与えようとするのです。

乱気流のように錯綜する次元の混沌の中を、長良と瑞穂が走り続ける。
その時、上方に現れた鳥の群れが、彼らを先導するように先立ってゆく。
希と鳥とは終始一貫して、アナロジーの糸で結ばれています。
やがて、満ち溢れる光に包まれて二人が立っている地点で
回り続けているコンパスの針が、目的地に到着したことを告げています。

瑞穂:長良はさ、何で帰ろうと思ったの?
長良:これは、希が見た光だから・・・{/netabare}


長良ルートを締めくくる最終話の内容については、
希と瑞穂のその後の動向も含めて、いずれ補足する予定です。
本作のユニークな特色は、鬼面人を嚇すような世界設定よりも
この結論部分に提示されている独自の思想にあると自分は考えていて、
それを「アンチ・モラトリアム」などと呼んでみたのですが、
そもそも観る側に結論を委ねることを本作は意図しているようでもあり、
自分も確認できたポイントだけを覚書風に記しておくつもりです。

本作が執拗に反復する「死」のモチーフについても触れなければなりません。
光を志向しながらも死と親和的であり、作中に死の契機を導入する
希というヒロインの両義性は、本作の複雑な性格を端的に表出するものです。
また、「死」を「モラトリアム」と並ぶもう一つのテーマと捉えるならば、
その両者を統合する存在が瑞穂であり、最終話にその帰結が示されます。
長良ルートがシンプルな成長ストーリーであるのに比べ、
難解なメタファーや象徴が横溢するこの裏ルートの方に、余程興味をそそられます。


・・・しかし、さすがに四周もすると、最後は達観した心境に至ります。
これ、解らなくても別にいいんじゃないの? なんて。

理解しようと頑張ると、他作品を視聴する時間が削られます。
それよりは、クールでポップなヴィジュアルと雰囲気を楽しみつつ
一通り完走すれば、もうそれで十分なのではないだろうか?
哲学風味に抽出されたビターな青春のエッセンスをフィーリングで味わう、
こういうのが本作の正しい鑑賞法なのかも知れない、等々・・・

のっけから散々思わせぶりに引っ張りまわされた挙句、
最後は一方的に突き放される。有り体に言ってかなり鬼畜なアニメでした。
これがハッタリなら断じて許されないところですが、悔しいことには
十分過ぎるほどの内実を備えており、余韻も深いので黙らざるを得ない。
とは言え、好きになれるかどうかはまた別問題であって、
人に勧めたい気はあまりしないし、案外残らない作品にも思えます。

2022.11.23 投稿

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17

御宅 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

唯一無二の夏目監督。異世界の描き方。

小説をそのまま映像化したような作品

不思議な世界観であり、効果音だけの演出などが興味深かった。銀杏BOYZの主題歌もとても爽やかな夏を感じさせるものでとても良く、劇伴もとても良い。謎の世界観のため、好きな人は好き。嫌いな人は嫌い。極端に層が別れると思います。

opとedがなく、銀杏の主題歌だけで勝負するという挑戦を行なっている。最後の銀杏でいかに爆発させられるかが鍵になってくると感じた。

これぞ異世界というものを夏目監督は描いてくれている。異世界アニメの異世界は本来こうあるべきなのではないか。

市川さんと大西さんを中心としたキャスト陣のアフレコも良く、全体的に良かった作品。

哲学的作品が好きな人は好き。刺さる人には刺さるでしょう。監督もその人にしか求めてないです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 13
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

いいですね、とても。結末の後どうなるかを想像する話なのでしょう。

12話まで視聴しました。

 大いなる勘違いをしてましたね。1話の時点で希はクラスメイトかと思っていたら夏休みの途中で転校してきたと。最終回を見てあれ、と思って1話に戻ったら、希は8月16日に転校してきて、クラスの人たちと面識がなかった。長良の名前を知っていたのは面接を後ろで聞いていたから。で、屋上で主人公と出会って、行くところはないのか、と問いかけたから主人公が違う世界に移転させてしまったと。

ただ、6話で希は元の世界で死んでいましたし、世界史の教科書は1話で自分で破いていたので、やっぱり自殺したのでしょう。それを希は知ってしまった。友人たちは泣いていたので、仲間外れとかじゃないと思いますが、作品を見返すと答えが見えるかもしれません。

 その情報が希の頭に残っていたのかもしれません。希は元の世界で卒業して高校に行って、アレとああなったのでしょう。どう見るかですよね。長良は変りました。鳥、見てましたから。希または瑞穂とこれでまた出会えたわけですから、今後は長良しだいということでしょう。

 長良も言っていますが、人生はこれからです。希とはあんな感じで終わったとしてもどうなるかわかりません。あっちの世界では朝風を認めていなかったし、長良と上手くいっていました。物語の結末は、すなわちこれからスタートだと。

 または中学校の卒業とかそういう区切りで人生終わるんじゃなくて、その後いろんな世界がまっているんだから、昔を引きずるな、ということでもあるでしょう。その意味では希も瑞穂の事も、過去として考える強さを長良は持ち始めたという意味かもしれません。(この意味だとしたら、秒速5センチメートルみたいな悲劇は起こすなという感じでしょうか)

 ああ、でもコンパスですよね。コンパス忘れちゃいけません。あれの意味を考えると…。あ、でもEDの歌の最後のフレーズが…。

 まあ、本作は最終回のラストシーンを見るための話なのでしょう。考察も無粋だと思いますので、もう1回どっかのタイミングで見て、何か書きたいことがあれば、また書きたいと思います。

 とてもいい話でした。



11話まで。
 なるほど、中学校…に限らないかもしれないですが、閉塞した世界=大人の世界に旅立ちたくない思春期の少年少女たちの話だと。やりたい事をやり続けたいという思いが、大人になっても残り続けて成長できない…中学生のころが一番良かったという日本人の停滞感の話でしょうか。
 だから、ラジタニが外国人として外から見ているので、いろいろ見えてくるものがある、と。

 また、海外帰国子女で{netabare}勉強について行けない、あるいは友達が長良しかいない希ちゃんは、自殺したということですね。スマホ嫌いでしたもんね。世界史の教科書を破っていたあるいは破られたのか。イジメの線も考えられます。恐らく屋上から飛び降りたのでしょう。だから光をもとめて飛び降りたと。そのとき、朝風は希を見捨てたという感じでしょうか。長良が死んだ鳥に冷たいのは死の現実を知っている、あるいは死んだ鳥は彼そのものなので同情もできないとか。 {/netabare}まあ、詳細は違うかもしれませんが、こんな感じではないでしょうか。

 並行世界を確率論的に云々ではなく、長良は希ちゃんと一緒の未来が見たかったんでしょうか。現実世界で彼の心は空になって、妄想の世界に入ったと。ただ、希の残したコンパスは長良が進むべき道なのでしょうか。
 3人は皆と離れていました。3人とも現実世界では孤立していたのかもしれません。瑞穂と一緒に旅立ちました。これは3人で死んだということではないと思いますが、可能性はありそうです。瑞穂の能力とか長良の境遇とか考えると分かりません。猫も瑞穂の心配をしていました。指輪も気になりますし。
 ただ、コンパスを考えると希が残した「2人は現実を見つめて生きろ」というメッセージなのかもしれません。

 あの犬の先輩は、結局中学校時代の思い出あるいは初恋に引きずられて年をとるまで成長ができなかった、ということでしょうか。
 穴の中の世界は意味のないことに騒いでそこに意味を見出していた中学校のクラスの象徴なのかもしれません。
 クラスが分裂したり一人で何かやってる奴とか、駄目だししてバツを人につける奴とかはまさに中学生の教室そのものでした。
 アキ先生はFAXとかコピーとか小間使いにされていました。多分その反動で支配者になりたかったのでしょう。


 9話、10話、11話と見ていろいろ気が付きましたし、考察は的はずれかもしれませんが、そういう何かを感じて欲しいという話なのは分かりました。この3話はすごく面白かったです。で、6話を見るとここでいろいろ解答につながるヒントを出していたと。考察すれば1話からなにかあるかもしれませんが、最終話見たら改めてやってみたいと思います。




以下 7話までのレビューです。

 7話です。希ちゃんが一番ダーク説でどうでしょう。
 額面通りに受け取れば確率論的に存在する並行世界を主人公がランダムに移動、観測することで実体化するという話に受け取れます。
 ポイントは主人公が鳥を助けずに猫は救ったこと、いつも寝転んでいたこと、主人公の家がゴミ屋敷でおそらく過去なにかの事件で母親が精神的におかしくなっている状況などです。

 考察をすればSF設定的にはいろいろ矛盾があると思います。1例をあげればその場で傷がなおる、時間の経過、超能力は何かの解答になっていません。今後のストーリーしだいでしょうが、現時点で材料は出そろっていない気がします。
 瑞穂の能力が猫と箱(シュレーディンガーの猫)でモノが出てくるということで、雰囲気だけで並行世界ですと力技で言い切るのかもしれません。その場合はSFではなく単なる物語だと割り切るのでしょう。
 
 キャラについて。主人公の逃避根性と厭世が前面にでています。また、あの空を飛べる子の嫉妬、瑞穂の正義感と物欲等々、その他のキャラも中学生の感情や悩みなどの縮図をこれでもか、といわんばかりに強調しています。あまりにダイレクトな感情表現が少々不快になるくらいですし、逆に言えば不自然すぎます。ただ、ポイントはどうやらそれが超能力と一致しているだろうという事です。

 となると、ヒロインの希ちゃんの内面を見せていないことが圧倒的に怪しいです。帰国子女ということもあいまって、まあこの子がキーパーソンではあるのでしょう。それぞれの能力が願望に準じているのなら、光が見えるという彼女の内面がもっともダークな予感もします。
 一方で、外国人を混入させていることに意味がありそうです。一番楽しんでいるのは黒人(インド人?)の彼でした。希ちゃんとインド人?の彼が実は…もありそうな気がします。外国人と帰国子女であることを明確に表現していますし。なにより一番面白そうですし。

 いろいろ謎はあります。瑞穂ちゃんの指輪も怪しいですね。男の先生と何かあった気がします。そして、白衣の先生は多分中学生なのでしょう…というか露骨に学生服のスカートをはいていました。そして星のほっぺのあいつですね。目の描き方から言って何かにとりつかれている感はありますので、こちらが犯人説が自然なのでしょうが、だとしたら捻りが無さすぎです。

 今のところ面白くないとはいいません。アニメの見方としては、SFとかの設定より推理小説的な犯人捜しの方が面白そうです。理屈が通ったどんでん返しなら大歓迎ですが、ご都合主義にならないことを期待します。ワンダー〇ッグプ〇イオリティーに似た匂いを感じるので心配です。

 アニメについては、少し「味」を出し過ぎでしょう。手抜きのごまかしに見えます。江口寿史の風景の雰囲気はでていません。希と瑞穂のキャラデザは可愛いです。
 ストーリーや映像は奇抜に走りすぎです。作家性の出し方のチューニングがちょっと悪い方にアンバランスです。謎がどうこうの言う前に切る人が続出しないことを祈ります。

投稿 : 2024/04/27
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