異種族TVアニメ動画ランキング 37

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の異種族成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月22日の時点で一番の異種族TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.6 1 異種族アニメランキング1位
転生したらスライムだった件(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1369)
6356人が棚に入れました
スライム生活、始まりました。

サラリーマン三上悟は気がつくと異世界に転生していた。
ただし、その姿はスライムだった。
魔物種族と仲間となり、獲得したスキルを駆使しながら、
さまざまな問題を解決していくスライム創世記。

声優・キャラクター
岡咲美保、豊口めぐみ、前野智昭、花守ゆみり、古川慎、千本木彩花、M・A・O、江口拓也、大塚芳忠、山本兼平、泊明日菜、小林親弘、田中理恵、日高里菜
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

しっかりと練られた物語が面白い異世界転生モノ

原作未読。最終話まで視聴。

主人公が、元の世界では37歳のおじさんだったことが幸いし、中二病要素が少なく、好感度の高い、サクサクを視聴できる作品でした。

【課程と所以がしっかりと描かれる、好感度の高い主人公最強系】
{netabare}単純に、「転生したら最強でした」という話じゃないところがとても良いです。

転生した時点で得ていたのは、大賢者と捕食者といくつかの耐性くらい。
ここから始まって、徐々に強くなっていく。
この過程がしっかりと描かれている物語は好感度が高いです。{/netabare}

【主人公の目的は街づくり】
{netabare}主人公が常に攻められる側というのも面白いです。
主人公一行が、周囲の国々に攻め込むことはない。
主人公一行は、いつも降りかかる火の粉を払うだけ。
その結果、徐々に仲間を増やし、レベルアップしていく。
そして、主人公一行は、安心して暮らせる街づくりを進めていく。

そして、また攻められて・・・(笑)。

こんな優しい物語なので、サクサクと視聴できます。{/netabare}

【ハーレムじゃないところも好感度が高い】
{netabare}主人公最強系って、ハーレム要素が強くなる傾向にありますが、この作品に関しては、ハーレム要素はかなり薄めです。

もちろん、主人公の周りには可愛い女性たちが集まりますが、それ以上に男性も集まってきます。
こういう、男女の分け隔てなく周囲の人に愛される主人公って、好感度が上がりますよね。

周囲の人々に愛される理由が明確なのも良いです。
作者の都合じゃないって所がとても好感度が高いです。{/netabare}

第2期も、とても楽しみにしています!

投稿 : 2024/06/22
♥ : 60

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

異世界建国記、ただし国主はスライム…?(本編は第23話まで)

原作ライトノベルは同タイトルの「なろう作品」(投稿サイト「小説家になろう」投稿作品)を元に商業出版されたものですよね。コミカライズ版もあるようですがいずれも私は未読です。

が、タイトル自体はかなり有名でアニメ化にあたっても強く期待されていたと思います。例によって「テレビアニメ観るならタダだし」でさっそく視聴開始。

後輩カップルを庇って死んだ独身サラリーマン男性が異世界でスライムに転生したという「なんだそりゃ」なスタートなのですが、人間時代の記憶や知識は主に文化的な生活や社会規範を形作るために使われていて、それ自体が異世界での無双につながったりはしない感じのお話になっています。

いわゆる「チート」にあたるスキルは<大賢者>と<捕食者>で、このスキルを元に争いのない文明的な共同体を広げていこうとしていった結果としての一大建国記になるのだと思います、よう知らんけどたぶん…。

なおストーリーとして戦記や建国記が好きな分、「物語」の評価は甘めになっているかもしれませんが悪しからず。

余談: スキル獲得の演出は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』のアニメ版と比べると明らかに優れていますね。こういう、わかりやすいのが良いと思います。

2019.1.9追記:
第14話を視聴終了。原作未読だから良くわかりませんが、リムル様の勢力拡大という意味ではここで一区切りってことになるのでしょうか?

OP主題歌は変更ありませんでしたが、ED主題歌が変わりました!

2019.3.27追記:
本編と呼べるのは第23話まで。第24話「外伝: 黒と仮面」はリムル転生よりも前のシズさんに関しての前日譚、閑話「ヴェルドラ日記」はリムルの体内に取り込まれている竜であるヴェルドラ主観で語る第1期:第1~23話の総集編的なお話でした。

「ヴェルドラ日記」ですが、たぶんコミックスの巻末に載っている短編小説「ヴェルドラのスライム観察日記」に着想を得たんじゃないかと思います。

最近はこういった「1話跳んでも大丈夫」みたいな作りにして不測の事態に備えるのが流行っているのでしょうか。ただ、本作に関してそのような事態は発生しなかったようで何よりです。

なんだかんだで面白かったです。第2期目の制作が決まったそうなので結果的に本作は第1期目ということになりますが、この範囲での話としては概ね順調な建国記であり波乱要素は少なかったと思います。

2期目がどんな具合になるのか、原作を読んでいないので知らないのですが楽しみにしています。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 68
ネタバレ

すがさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

異世界魔物LIFE

人気作品だと聞いていた上で第1話を観た感想としては、う~んって感じ。

作品タイトル通りなら最弱モンスターの苦労話が見られると思っていたから、トントン拍子で強くなられるとう~んってなっちゃう(う〜ん)

とはいえ、別に視聴を止めたくなるほどの不快要素は無かったので、
OP映像にある幾つかの気になる要素が開示されるのを気長に待ちながら、
リムルがいつ・どういった目的で人間の姿になるのか興味を持って見ていた。

明確に面白いと思い始めたのは第8話。

{netabare}「運命の人」ってそういうことだったのか!

シズさんとは単に結ばれるものだと思っていたから意表を突かれた。

人間の姿になる理由が想像の100億倍ちゃんとしてたので拍手したくなったけど、さすがに拍手まではしなかった。

ここまで「ゆったり」だなあと感じていたこの作品への認識が、「丁寧」なのだという認識に変わった。

オークロード編の焦らしは巧くて、あの辺りの話は毎週次回を心待ちにしていた記憶がある。

ただ、鬼人たちのリムル絶対主義は個人的にとても嫌いで、
リムルに忠誠を誓ったのなら穏健な思想を持つリムルの意向を汲んでやれよと、モヤモヤ。

オークロード編後の話は、ちゃんりなミリムが色んな意味で強かったことだけが印象に残っている。

他の魔王に会いに行くというミリムを送り出すリムルの「騙されるなよ~」で笑った。

てか、「リムル」と「ミリム」って超まぎらわしいなw

最後の章は強大な敵(例えば騙されたミリムとか)と対峙するのではなく、
シズさんのやり残した使命を果たすという落ち着いたエピソードで締めたのは結構気に入った。

{netabare}【余談】※閲覧非推奨度1[5段階評定]
{netabare}
"スライムが強い"といえば、『このすば』世界の{netabare}「デッドリーポイズンスライム」{/netabare}を彷彿とさせるが、
『転スラ』世界のスライムは普通に雑魚らしい。

とすると、リムル以外のスライムがどんななのか少し見てみたいなと思った。{/netabare}{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/06/22
♥ : 35

87.4 2 異種族アニメランキング2位
新世界より(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (3341)
15926人が棚に入れました
渡辺早季は、閉鎖的だが穏やかな田舎町「神栖66町」で幸福に少女時代をおくった。ある日、町の外へ同級生たちと出かけて小型図書館端末ロボット「ミノシロモドキ」と出会う。質問することにより21世紀前半の超能力者誕生から非能力者との敵対、その抗争から能力者の勝利と文明の崩壊、その後の暗黒時代、町の管理支配の実態といった禁断の知識を知ってしまう。その直後、バケネズミ同士の戦争に巻き込まれ、命からがら町に戻るがしだいに恐ろしいことが起き始める。

声優・キャラクター
種田梨沙、東條加那子、花澤香菜、工藤晴香、藤堂真衣、梶裕貴、高城元気、村瀬歩、浪川大輔、平田広明
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

残映抄―未来への挽歌

まず結論から言おう。この作品の評価は不可能である。
すべての星を並べたのは、「規格外」という個人的判定を意味している。

観る者はただ圧倒されて終わるしかないだろう。
SF的な着想の土台の上に緻密に構築された、壮大な世界観に。
人間という存在の本質に向けられた、苛烈極まる問題提起に。
緊迫の展開とスペクタクルが連続する、傑作エンターテインメントに。
無理に評言をひねり出そうとすると、こんな宣伝文句風の言葉にしかならない。

独断だけで済ませるわけにもいかないので、アプローチの足場を探してみると
そこに独特の複雑さが見出される。精神を刺激し、思考を誘発してやまない複雑さだ。
勿論、それは第一に原作小説に由来するものだが、おそらくそれだけではない。
アニメーションという表現形式が全力を傾けて原作の高みに挑んでいるためだ。


Ⅰ 物語の奪還
{netabare}
開始と同時に作り手は勝負を仕掛けて来る。
衛星画像のような日本列島が映し出され
俯瞰されつつ、徐々に高度を下げて拡大される地上の街で
今まさに繰り広げられている、超能力者による大量殺戮。
場面は唐突に転換し、代わって、暮れなずむ空を背景に
遊びに興じる子供たちのシルエットが浮かび上がる。

このプロローグは本作の構造を要約した縮図だと自分は考える。
連続と転換によって対比的に並置されているものは多分、本作の世界観と物語だ。

世界観と物語。この二つを独立させて並べるのは奇異な感じを与えるだろう。
通常、世界観と称されるものは作品世界を成立させている枠組みないしは設定、
その結果生じる雰囲気などである。
そうした常識的な範囲からは逸脱した独特の機能を有していることに気づく。
それは「歴史」に擬態して物語の内部に侵入している。
冒頭の俯瞰はおそらく、「歴史」のはじまりを告げる演出である。
以降、二話三話でも物語に先立って血腥い歴史の一頁が冒頭に挿入されている。
人類の中に超能力者が出現した時点にはじまり、以後一千年にわたる血に塗れた新・人類史。
それこそが世界観の具体化に他ならない。

「歴史」が俯瞰視点で表される理由、それは端的に「支配するもの」だからである。
先行する原因によって現在という結果が規定されている以上、
歴史とは過去による現在の支配であり、それは不可逆的な必然の堆積である。
物語の舞台となる、一千年後の未来日本の一隅に存在する、神栖66という町。
この町こそはまさしく、人間社会が忌まわしい危機管理システムへと変貌した姿であり、
ある意味で人類史の終局に出現した究極のディストピアである。
すなわち、物語は幕開けの時点においてすでに逃れがたく
世界観=歴史によって規定され、俯瞰され、支配されているのである。


ふたたび冒頭に戻ろう。
プロローグの完了とともにタイトル、そして間髪を入れずに物語の幕が上がる。
水郷地帯である神栖町の夕暮れの田園風景が広がる。
その夕景のなかを一艘の船が川の流れを遡ってゆく。
船の進行に合わせてカメラは水平に滑っていくが、
頭上に張り渡された巨大なしめ縄をくぐるタイミングで上方に向けられ
しめ縄越しに仰ぎ見られた鮮やかな夕映えの空が徐々にクローズアップされる。
このカメラワークの意図は明らかだ。
俯瞰を反転させた逆の視点が導入されるのだ。俯瞰に対する逆俯瞰。仰視の視点。

ここにまた、読解の重要な鍵が与えられる。
しめ縄は八丁標と呼ばれ、結界のように町の周囲に張り巡らされている。
この日、ヒロインの渡辺早季が生まれて初めて八丁標の外に出たことがこの後で明らかになる。
つまり船に乗っていたのは儀式のために川上の寺に赴く早季だったのだ。
すなわち、導入された逆俯瞰の視点はこの早季の視点に合致する。

俯瞰と逆俯瞰。世界観と物語はこの一対の視点となって、物語の内部で対峙する。
この対置が本作のユニークな構造なのであり、そこに生まれる張りつめた緊張こそが
本作の悲劇性の力学的な根源である。
この複層的な構造が、神栖66町のクロニクル(年代記)と新・人類史とが
複合的に交錯しながら展開する本作の物語の特徴を説明するものだろう。
その核心となるのは、残酷な必然の支配に抗う者たちの悲劇。
つまり、世界観=歴史による俯瞰構図は物語の内容にまで及び、それを規定しているのだ。

俯瞰的な世界観の視点と対決する地上的な物語の視点は
悲劇を生きる者たちの視点となり、ヒロイン早季に収斂される。
この仮定から出発して物語へのアプローチを試みてゆこう。
敢えて挑戦的に言うならば、これは世界観から物語を奪還する試みなのである。
{/netabare}

Ⅱ 早季と真理亜
{netabare}
早季と真理亜、二人のヒロインのドラマを鮮やかに視覚化した
アニメのエンディングは明らかに、物語の核心を要約した解題となっている。
特に真理亜バージョンは驚異的と言っていい。
仄かなエロスを漂わせる彼女の赤い髪と白い肌が、雪と紅い花のイメージに重なりつつ
流れていく映像に、異物のように挿入される二つの暗示―。
一瞬映る胎児のショット、子殺しのシンボルが刻印された謎の石造物。
それらは確実に一つの意味を指し示している。
彼女の存在の本質、真理亜の悲劇的な母性である。

真理亜という名前。永遠に人類に祝福される、母の中の母の名。
皮肉にもそれは呪いに反転する。人類を滅ぼす「メシア」を生んだ母の名として。
勿論、単に機転を利かせたネーミングなどではない。
彼女の愛情の本質である母性は、弱い守を庇護して自ら悲劇への道を選ばせ
その犠牲によって、抹殺されたすべての子供たちの母となるのである。

彼女は物語の根幹となる悲劇を体現し、象徴する存在である。
町によって組織的に遂行される、おぞましい子殺しが第二部を中心に展開される。
秘められていた大人対子供の対立の構図を、反抗という主体的なアクションによって顕在化し
同時に物語の中に「子供」という包括的なモチーフを導入する役割を担う。
守とともに町から逃亡し、雪山に姿を消す直前に早季に書き残した手紙。
そこには第二部までの流れを総括し、さらに第三部の展開までも予告した記述がある。

 私たちの町は異常です。そうは思いませんか?
 町の安定と秩序を維持するために子供たちを殺し続ける町が
 人間の社会としてまともでしょうか?
 いま、町で起きたことを思い出してみると、
 その異常性がどこから来るのかもだんだん見えてきました。
 それは、大人たちが心の底から子供たちを恐れているという事実です。
 私たちは、何となく嫌な予感がするというだけの理由で、割られ、捨てられてしまう
 何百何千もの卵の一個になることだけは願い下げです。

第三部の激動の発端となる夏祭の晩、早季は消された仲間たちの姿を見る。
このエピソードが重要なのは、潜在する「子供」のモチーフを示すことで、
反乱の勃発に「子供たち」の町への反逆という二重の意味が加わるためである。
自らの犯してきた罪過の報いによって町は劫火の炎に包まれる。
その危機の中で早季は真理亜の声を聞く、「早季は私が守ってあげるから。」
次々に襲いかかる極限的な状況を早季は乗り越えてゆくが、そのとき
彼女を導いてゆくのは真理亜であり、瞬である。

この展開は真理亜が残した言葉の成就に他ならない。

 もし私が町から処分されると決まったら、両親は散々泣いて、
 そして最後には忘れることでしょう。
 あなたのご両親が最終的にあなたのお姉さんのことを諦めたように。
 私たちの絆はきっとそうじゃないと信じています。
 もし私が処分されることになったら、あなたなら絶対私を見捨てないでしょう?
 あなたに危機が迫った時には、私や覚はどんなことをしたって救おうとするはずです。
 私たちにはもう一人、友達がいました。今は、名前を思い出すことも許されない友が。
 彼Xもそんな時はきっと私たちを助けてくれたんじゃないでしょうか。
 だから私は今、守を助けなくてはなりません。

―「私たちの絆」。
破滅を受け容れながらも真理亜が貫いた仲間たちへの信頼は
自らがそれに殉じることによって指し示した、未来につながる道である。
物語の奥深くにひそかに進行する、絶望から希望へと至る超克のプロセス。
その転回の基軸となるものが「子供たちの絆」である。

ヒロインとしての早季の真の姿は、実はこの軸に沿ってしか捉えられない。
早季もある意味、作品同様、規格外のヒロインだと言える。
発端から終結に至るまで、ほぼ一人芝居と言っていいほどの活躍を見せ
語りまでこなしながら、視聴後には不思議なくらい印象に残っていないのだ。
物語が世界観に圧倒される要因はこの、ヒロインの存在感の希薄さにも求められるだろう。

その理由は明らかだ。早季は実質的には物語を主導していないからである。
決して折れることのない強い心と自由で柔軟な思考を持つ一方、
主体的に決断し行動した真理亜とは対照的に、その行動には理念的な動機はなく
常に周囲の状況に対する受け身の反応に終始する。
エンディングの早季バージョンもそうした彼女の性格を表現している。
仲間たちへの尽きせぬ思慕を抱き、絶望に抗い、涙を流しながら進みつづける姿。
だが、その一途さと多感さは必ずしもヒロインとしての魅力とはなっていないようだ。

その早季が真のヒロインとなる決定的な契機を指摘したい。
第二部の中盤、姿を消した瞬を追い、その壮絶な死を見届ける第十話のラスト。
死に呑まれてゆく瞬を目前に見ながら助けることができない絶望に打ちひしがれ
涙を流しながら早季は最後に言う、「私は生きなければならない」。
その後、瞬に関わる全ての記憶が抹消され、この記憶も失われていたのだが
十二年後、バケネズミの反乱の渦中で爆発に巻き込まれ、その時の体験が幻視となって甦る。
瞬の死を見届ける自分と仮面を被った少年とが不分明に重なり合うのは
彼女も消されかけた子供の一人として、同一の存在であることが含意されているのだろう。
そしてその時、もう一度この言葉を口にする、
「私は生きなければならない」。

第二部と第三部を縦断して受け渡されるこの一対のシーンを結んだとき
早季というユニークなヒロインの本質がはじめて顕現し、定位する。
この時までに彼女は、姉と、級友たちと、初恋の人と、最愛の友を失い
その人たちがかつて存在した記憶までも奪われてしまっている。
誰も救えなかった無力な自分への絶望が彼女の心の底に澱んでいる。
だが、そこから立ち上がり、絶望に抗うことによって早季は早季になってゆく。

「私は生きなければならない」、
この言葉に込められた生きる決意とは、彼らから託された「未来」を生きることだ。
早季は受動的である。だが、彼女の受動性の本質はここにはっきりと表れている。
それは、誰かの「想い」を「託される」存在であるという意味なのだ。
早季が最終的に物語の主題を具現する存在となっていく契機がここに認められる。
早季の本質に備わるこの、いわば「媒介性」と「可塑性」とは
彼女が主題を満たすための「器」へと形成されるために必要な資質として
アプリオリに付与されたものなのではないだろうか。
あるいは、まさしく規格外のスケールをもった本作の主題を担うために
敢えてニュートラルな没個性の状態にまで個性を制限した特異なヒロイン像を
意図的に造型したようにさえ思われる。
{/netabare}

Ⅲ 悲劇の超克
{netabare}
「子供たちの絆」という軸。あるいは、終局の希望に至るまで
早季の歩んでいく方向を示しつづける指向性、一つのベクトル。
ここに、物語の水面下に底流するもう一つの「物語」の存在が認められないだろうか?
物語視点からの読解とは、この「物語」の発見であると言っていいのではないか。
それは多分、早季が自分に託された想いを実現する「絆」の物語だろう。
従ってそれを辿ってゆくことはそのまま、早季の視点に同期することを意味している。
そしておそらく、最終的な主題はその先に見出される。

ここからは、早季と瞬が「物語」の中心になる。
彼らの絆が決して消え去ってはいなかったことを証しするかのように
二人を隔てていた死の沈黙を破って、瞬が早季に語りかける。

 早季。早季。(誰なの)
 早季、僕だよ。(あなたは…)
 僕の名前はまだ思い出せないんだね。でもいいんだよ、ずっと一緒だから。
 僕は君の心の中に住んでいるんだ。(心の中に…)
 そうだよ。呪力とは想いを外の世界に刻み込む能力のことだ。
 そして、人の魂とは、煎じ詰めれば想いにほかならない。
 僕の魂の一部は君の心の奥底に刻み込まれているんだよ。
 (あなたは一体どうなってしまったの?)
 忘れてしまったの? でもかまわない。いつか思い出すから。
 (せめて名前を教えて)
 君は僕の名前を知ってるよ。でも、心の中に障害物が置かれているせいで
 思い出すことができないだけなんだ。

彼らの絆が心の奥底で生き続けている事実が瞬の言葉で明らかになる。
そもそも、この対話が早季の心の奥底で交わされていること自体がその証しである。
深読みをするならこの対話は、物語の深層で進行するもう一つの「物語」の存在を
メタレベルで示唆しているようにも思われる。

さらに踏み込んだ大胆な解釈を試みてみよう。心の深層を無意識と結びつけてみるのだ。
本作の世界観で無意識は、制御の及ばない呪力の源として
悪鬼や業魔を出現させるメカニズムの根源とされ、大人たちの恐怖の対象となってきた。
だが今やそれは、大人によって無残に絶ち切られた「子供たちの絆」を秘かに保護する
一種のアジールとなり、いわば子供の側からの反逆のツールとして機能する。
深層の「物語」のさらに深層で、隠微な逆転の装置が作動しつつあるのだ。

 早季。早季。何も心配はいらない。そのことだけを言いたかったんだ。
 (でも、私は本当に悪鬼を倒せるの?)
 悪鬼? 君は誤解しているんだよ。あれは悪鬼なんかじゃ …

対話が途切れる直前のこの部分は逆転への重要な伏線となっている。
この中で瞬がほんとうに早季に伝えたかったことは何だったのだろうか?
彼はあるメッセージを伝えようとしているのではないだろうか。

早季の行動と関連させて解釈を導きたい。
悪鬼への唯一の対抗手段であるサイコバスターを咄嗟に無効化したあの驚愕の場面である。
そのとき早季が恐れたのは、覚が巻き込まれて死ぬこと、
そしてその結果、自分がたった一人取り残されることだった。
常識的に見れば自己本位の極みとして非難されて然るべき行為だろうが、
常識では理解不能なこの行動こそが実は「物語」の最重要ポイントなのである。

「悪鬼」にそのような形で「勝利」することはおそらく最初から忌避されていた。
それは「物語」が指向するベクトルからの逸脱を意味するからである。
もし仮に早季がここで全人類のために覚の犠牲を受け容れていたとするなら
その勝利は結果的に何をもたらすだろうか?
子供の犠牲によって世界がこれまで通り存続する。
つまりまた新たに子供の悲劇が繰り返されるだけで、世界は何一つ変わらないのだ。
そのような変化の可能性の閉ざされた世界に本当の未来が訪れることはないだろう。
瞬はそのことを早季に伝え、想いを託したのだと解したい。

そして早季もまたその想いに応えたのだ。
追い詰められた最終局面で、既成観念に囚われない彼女の自由な思考が発動する。
相手が悪鬼などではなく、バケネズミに兵器として育てられた一人の人間の少女であるという
決定的な事実を看破し、大人たちを呪縛していた「悪鬼」という固定観念を乗り越え、
この認識の転換によって、絶体絶命の状況を逆転させる。
「瞬が教えてくれたの」と早季が言うように、これは「子供たち」の勝利なのである。
顔と名前を奪われた少年Xがついに素顔を顕し
記憶の封印を解かれた早季が瞬の名前を叫びながら駆け寄っていく、
このシーンこそが「物語」のクライマックスと言えるだろう。
瞬の復活は闇に葬られたすべての子供たちの復活を象徴している。
彼らを包む壮大な夜明けは言うまでもなく、悲劇の超克、絶望から希望への転回を表し、
子供たちがもたらすであろう未来の予兆となる。

全編がまさに結ばれようとする瞬間、やや唐突に掲げられる標語風の命題、

「想像力こそが、すべてを変える。」

ここには無意識とのアナロジーが確認されるだろう。
想像力は豊饒な無意識の深層に根差しているものである。
既存の世界を更新する新たな原理、それは自由な想像力から生まれる。
この言葉を包むように、無心に笑いさざめく子供たちの声が周囲に響いている。
可能性としての想像力。無限の可能性の象徴である子供たち―。
早季が綴る回想の手記が結ばれるとき、一片の言葉の中にそれは結晶する。
「恐怖の対象から、希望へ―」

おそらくここが「物語」の最終地点である。
そしてこれこそが、世界観が提起した問題への、物語の側からの解答ではないだろうか。
早季が「人類」よりも「覚」を選択した事実は何よりも重い。
彼女の選択にはおそらく、俯瞰的な支配の原理に対抗するもう一つの原理が示唆されている。
それは非情な大人たちの論理に反抗する子供の側の愛情の原理として物語に底流し
俯瞰し支配するものの真の意味を逆方向から照射するだろう。

悪鬼とされた少女の亡骸が横たわり、彼女の赤い癖っ毛が風に吹かれて微かに靡く、
その瞬間、在りし日の真理亜と守、二人との思い出が一挙に甦り早季は泣き崩れる。
子供の悲劇がまた繰り返されてしまった…。
人類の危機が回避されたとき、そこにあるものはただ果てしない悲痛さと虚しさだけだった。
十年後の早季、つまりこの物語が語られる時点の彼女が書き綴る回想録は
遠い未来に、悲劇の一切が克服される願いを込めて
自分が仲間たちに想いを託されたように、一千年後の読み手に想いを託して結ばれる。
悲劇の語り部としてのその姿に、渡辺早季というヒロインの全てが結像する。
{/netabare}

Ⅳ 偽神と人間
{netabare}
本稿はある危惧から出発している。
本作の世界観が内包するイデーは確かに、それだけで十分に完結していると言える。
だが、それがあまりにも尖鋭かつ衝撃的であるために、結果として物語がかすんでしまい、
その部分だけが作品の主題として受け取られてしまっているのではないか?
物語に内在するベクトルを掘り起こそうとした本稿の意図はそこにある。
本作のメッセージは物語の側から補完されて完全なものになると考えたのである。

「偽りの神に抗え。」

例えばこのエピグラフ(題辞)である。
作品全体を貫くライトモチーフ、そう捉えるのが多分正確だろう。
世界観だけを踏まえて理解した場合、かなり限定された意味だけを示すことになる。
「偽りの神」(以下「偽神」と呼ぶ)は超能力を有した人類、それに抗うバケネズミ、
そのような図式になるが、勿論、本作の射程はもっと広大である。

ふたたび「俯瞰」というメタレベルの仕掛けからアプローチを試みる。
第三部の折り返し点となる第二十一話、
神栖66町を襲った動乱の最中に、あの俯瞰構図が回帰する。
冒頭の俯瞰では視点が上空から下降していたが、ここでは反対に、
宙を振り仰ぐ早季を起点にひたすら上昇し、神栖の町から日本列島、
ついには宇宙に浮かぶ地球の全体が視野に収められる。
俯瞰を歴史による支配の象徴とした前章の解釈を踏まえると
ここに暗示されているものはおそらく、歴史の逆転だろう。
「歴史を変えられるはずだった・・・これほどの好機は恐らく、もう二度と訪れない。」
圧政からの解放という大義を掲げ、「すべての我が同胞のため」に
人類に反逆したスクィーラが敗北の後に語る
この言葉には歴史が更新された可能性が示唆されている。

この場面で明らかになるスクィーラの本当の目的は全人類の制圧であり、
そのために人間の赤ん坊を手に入れて悪鬼の部隊を編成することだった。
新・人類史と仮に呼んだ本作の歴史とは、超能力を有した人間の出現によって
人類存続のための危機管理が極限まで追究されてきた過程だった。
彼はそのシステムを逆用して超能力者の支配を覆そうとした。
まさにそれは逆転と呼べるものだ。だがさらに進んで
この俯瞰図が意味するものは、神の座の簒奪による新たな「偽りの神」の出現という、
もう一つの逆転にまで及んでいるのではないだろうか。

「種は生き残るためだったら何だってするんだよ。」

第一部で瞬の口から出たこの一言に、すべては要約されている。
種の存続という絶対的な要件は、あらゆる形態の下で常に追求される。
高度な知的生命体の場合、そこに複雑な社会システムや技術が生み出されるが、
その帰結として階層分化や差別、有形無形の力による支配と管理と抑圧の構造が出現する。
これこそが歴史世界において新たな偽神が出現するメカニズムであり
むしろ、偽神そのものがこの盲目的な原理のメタファーだと言っていい。

ここに、本作の世界観が内包する極限的な原理、イデーがある。
勿論それは、私たちが今まさにその中で生きている現実にも重なるだろう。
SF的な世界観の有効性とは、現実の自明性を転倒させることにこそある。
神の如く不可視でありながら人間を支配する原理。あるいは人間性を喪失したシステム。
そして、偽神というアイロニカルな寓意によって人間存在の両義性が暴かれるのだ。


真理亜の告発の中に反復される「人間」という言葉。

 町の安定と秩序を維持するために子供たちを殺し続ける町が
 人間の社会としてまともでしょうか?

 こんなの、人間じゃなくて、不良品を選別するのと同じやり方だと思わない?

断罪裁判の法廷でスクィーラが放った叫び。

「私たちはけものでも奴隷でもない! 私たちは人間だ!」

二人の叫びに共通する「人間」という言葉。
この両者が響き合い、同一のベクトルを示していることに気づかされる。
それは「偽りの神」に抗おうとする、「人間であること」を否定された者たちの魂の叫びだ。
真理亜の反抗とスクィーラの反逆とは根本において一致するのである。
「偽りの神」と「人間」との闘争。このシェーマからはおそらく
作品全体を包括する主題の全体像が透視されるはずだ。
まさしく世界観と物語とが重なり合い融合する結節点をそれは示している。

そしてその最深の主題を導き出す鍵は、やはり早季に委ねられている。
最終回の後半部は、前半部の劇的な展開の余燼のようにも見えてしまうが
主題を開示するプロセスはこのパートに集約されている。
それは、早季とスクィーラとの一連の対峙による内面の変化として段階的に描かれる。
問題の核心部へと早季が接近し、ついに彼女が覚醒するに至る一連の流れの中で
我々はその視点に同化し、主題の内在的な理解に導かれるのである。

獄中のスクィーラとの対話。早季は人間たちへの謝罪を要求し拒絶される。
スクィーラの裁判。早季は法廷の外でつぶやく、「何が正しいのかわからない…。」
そして、バケネズミの正体にまつわる衝撃の真実が覚からもたらされ
人間が人間に対して行った悪魔の如き所業が明らかになる。その時、
「私たちは愧死するべきだった…。人間を殺したのよ… 何人も、何人も…。」
この瞬間の早季の心に、観ている我々もまた同化して同じ衝撃を味わっている。
そして同じ一つの問いの中に投げ込まれるだろう、
― 人間とは一体何者なのか? 人間が人間であり、我々が我々である根拠とは―。

・・・・・・・・・

前章で導かれた結論をここで想起しよう。
世界観が暴き出す人間性の限界に対し、その超克の地平を物語が開示する。
つまり、世界観が提起した問題に対して、物語がその解答を提示する。
本作特有の対置構造はそのような形で、主題に至るプロセスをアプリオリに内包したものだったのだ。
ヒロインの早季が物語の内部で問題そのものを生きることで、
俯瞰的な支配の原理に対立するもう一つの原理が彼女に具現され、物語の中に受肉化される。
早季に託されていたその原理とはこの、偽神に対抗する人間の原理なのではないだろうか。

世界観を反映したライトモチーフ、「偽りの神に抗え。」と
物語からの答えである「想像力こそが、すべてを変える。」
二つの言葉を並べれば、それらが一対で一つのメッセージになっていることがわかる。
言葉による説明ではなく、物語に最終的な決着をつける早季の行動の中にそれは表現される。

争乱の収束からおそらく一年後の追悼式典の日。
その日、当時の記録を展示した記念館を早季は訪れる。
彼女はそこで一人、肉塊のような姿になって生き続けているスクィーラと向かい合う。
親しみをこめて彼に語りかけ、互いが出会った日のことを回顧する。
それから、ある行動に出る―。
呪力を用いてスクィーラを燃やし、町が課した無限の責苦から自らの手で彼を解放するのだ。
これが、早季が「偽りの神」に反逆した瞬間である。

この時、彼女はすでに問題の本質をすべて理解していた。
スクィーラもまた偽神に抗い、滅び去った「人間」の一人なのだ。
彼らと共に悲劇を生きた証人として、早季もまた自ら偽神に抗いつづける道を選んだ。
立ち昇る炎は疑いもなく、人間という種の根深い宿業に立ち向かい
真の人間性の回復を希求する、遠大な反抗の始まりを告げる狼煙である。
{/netabare}


全編を締めくくるのは、やはり「家路」である。
とめどなく郷愁を誘うメロディは、亡き魂に捧げられた挽歌のようだ。
ラストシーン。鮮やかな残映の中に、在りし日の姿をよみがえらせる懐かしい人たち。
荘厳な響きとともに彼らを包んでいる夕空には、深い安らぎがこもっている。

「早季、ありがとう。」「ずっと一緒よ、早季。」
次々にかけられる温かい言葉は、彼女が託された使命に全力で応え切った証しなのだ。
そして、遥かな未来への出発をさりげない一言にこめて、この壮大な叙事詩は幕を閉じる―。

― 早季、そろそろ行こうか。―


(初投稿 : Ⅰ 2021/01/16,Ⅳ 02/21,ⅡⅢ 03/21)

投稿 : 2024/06/22
♥ : 30

World さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

史上最高峰の作品

素晴らしい。素晴らしいです。

原作未読ですので、単にアニメとして評価しますが、この作品はアニメ史に残る大作であると言えます。
もっと大きな反響があっても良いかと思いますが、テーマが万人受けしないからでしょうか。
大変楽しめました。


さて。この作品は、ジャンルとしてはSFになるかと思います。
しかし、それ以外にも様々な要素が盛り込まれています。

主要なテーマを抜きにして、最初に感じたのは、圧倒的な恐怖です。

今まで、アニメーション作品で恐怖した事は殆どありませんでした。
アニメのホラー作品は、グロテスク表現や、BGMでの演出、キャラクターの表情等で恐怖心を煽って来るのが常だからです。

恐らく、キャラクターと自分を重ね合わせる事が難しいからだと思います。
アニメはどうしても絵だという先入観がありますから。

ですが、この作品は違いました。

この作品は、自分が認識している世界そのものが偽りであるという事に対しての恐怖、根本的な部分での恐怖心を駆り立てます。

浅はかな発想かもしれませんが、クトゥルフ神話を連想しました。
対人、対もののけ等ではなく、もっと大きな、世界そのものへの疑問、違和感、恐怖。

そして、この作品内の常識と現実の常識との乖離。さらに、作品内の世界そのものが歪み、段々と露になる狂気。

とんでもなく怖いです。
そこに、独創的な作画やBGM、演出が重なり、更に昇華されていく。
素晴らしいです。


次に、世界観ですが、これもまた良い。

SFというのは、全てを理解してしまうとチープになってしまいます。
わからない方が幅が出来て良い所が多々あります。

そこにおいて、この作品は絶妙でした。
理解しておきたい部分はきっちりと説明してくれますが、ぼかすところはとことんぼかす。

ぼかされた部分は脳内で補完出来るので、より壮大な世界観を演出出来ています。

そして、個人的には「和」の雰囲気がとても良かったです。

日本人に最も馴染みのある世界ですから、ある程度の説明は無くても大丈夫ですし、八丁標や呪力等々、どういった意味合いなのかを理解しやすかったです。

日本人にしか感じ取る事が出来ない要素が多く盛り込まれていました。


世界観に関連してですが、テーマ。これも大変素晴らしかったです。

表現し辛いのですが、この作品は、主観ではなく客観的な視点から作られています。

世界という箱の外側から見ている様な感覚です。

ハッピーエンドだとか、そういった話ではなく、この場面ではこうなりました。この世界では、こうなりました。という結果を見せられている様なものです。

ですから、ストーリーの構成云々というのは正直どうでも良くて、どう感じるか、どう想うかが大事な作品です。

その点においても、人それぞれ違う感想を持つかと思いますが、私は、人間の芯たる部分を少し見ることが出来たと思います。

これは人それぞれ本当に違うと思いますが、テーマの性質上、それで正解なのでしょう。
狙いも十分に果たせていると思います。



この作品はネタバレ厳禁ですから、このくらいにしたいと思います。
一気に見ることはオススメしません。

1日3話位ずつ、ゆっくりと見ていくことをオススメします。



個人的に、SF小説は得意ではないです。創造力が欠如しているので。
子供の頃は楽しめたのになぁ。

小説原作アニメ。もっともっと出てきてほしいです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 26
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

綿密な設定と深いテーマのSFアニメ。加速していく面白さと、強烈な余韻。

原作未読……が、これは読みたい!

今から1000年後の未来、場所は日本。
人間は「呪力(じゅりょく)」という力を持ち、異形のものを従えながら生活していた。


いやー、面白かったです!
斬新な世界観に引き込まれ、強烈な余韻を残してくれました。
ここまで原作が気になる作品に出会ったのは初めてかもしれません。

純和風SFという珍しいジャンル。
一昔前の片田舎を連想させるような、穏やかな風景です。

しかし、物語全体が、強い不安感に支配されています。
これには物語の構成と、演出が大きく作用していると思います。

物語は12歳編・14歳編・26歳編と3部構成。
ほぼ主人公視点で物語が進むため、主人公の見る風景が、視聴者にとって、世界のすべてです。

まず、最初の12歳編で、周囲の大人、異形のものたちに対する「疑心暗鬼」を徹底的に植え付けられます。
それと同時に、ドヴォルザークの"新世界より"から"家路"がBGMとして何度も流れます。
これが、後の14歳編、26歳編で、「"家路"が流れるだけで不安になる」という演出上の効果を生み出すわけですね。


さて、この独特な雰囲気の中、物語は加速するように面白くなっていきます。
伏線の張り方、ミスリードも見事ですね、ほとんど無駄がありません。
{netabare}
大抵の伏線は、分かりやすい形で回収されていますが、

・1話で早希が「ビリ? 何言ってんの? 私の他にもまだ何人もいたよ?」→すでに思考がコントロールされている証拠
・1話で早希「ここ(全人学校)、農場に似てる」→大人たちに実験動物として飼われているという暗喩
・石ころがしのゲーム→呪力が守りに弱いことの現れ
・はったりをかます12歳の覚(さとる)の性格→鏡を作り出す呪力

……など、一見それと気付かないような細かい伏線も多数あります。
{/netabare}

しかし、万人にお勧めというわけにはいきません。

理由は二つあります。


一つ目は構成のバランス。
原作はなんと1000ページ超え!!
しかも、非常に綿密な設定がされているようです。
序盤は世界観の説明に多くの時間が裂かれ、専門用語もたくさん出てくるため、退屈に感じるかもしれません。
また、思わせぶりでなかなか解決しない展開にもイライラするかも。

しかし、25話という短いスパンで1000ページを表現しているわけですから、それでも展開が速いんです。
流し見なんてしていたら、あっという間に置いていかれます。
そのため、頭を空っぽにして、雰囲気だけを楽しみたい人には向いていません。


第二の関門が、BL、百合、性的な行動、残虐な行動、利己的な行動など。
これがきついという方もいるでしょう。

ただ、この作品のテーマは「教育や{netabare}洗脳{/netabare}」「倫理や道徳観」といったものです。
視聴者が、例えば、BLや百合に偏見を持つことが、物語のメッセージ性と重なっているんですよね。
もっと分かりやすく言えば、主人公を含め、キャラクターの行動に不快感を覚えること自体が、ある意味「狙いどおりの」反応なわけです。
{netabare}
人類は、化けネズミたちを同胞とは扱っていないですが、実際は過去の人類と同じ立場にある存在。
それでも、今まで植え付けられてきた教育や洗脳の力で、それを感じ取ることができない。
よって、視聴者は、アニメの登場人物と、自分の倫理観とのズレを感じ、彼らの行動に対して不愉快な感情を抱くんですね。

そして、衝撃のラストで「道徳的観念には穴がある。偽りの神に二度も敗北した、呪力を持たない、悲しい人類。彼らを救うには、どうすればいいのか?」という、重たい問いを残していきます。
{/netabare}

その辺のテーマ性を早い段階で感じ取り、じっくり見れば、本当に面白い作品だと思います。
見終わるとガツン!とくる、激しいパンチの効いた作品。
ストーリー、テーマ性重視でSF好きの方にはピッタリです!


それにしても……原作が読みたい!

投稿 : 2024/06/22
♥ : 132

77.0 3 異種族アニメランキング3位
異種族レビュアーズ(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (436)
1858人が棚に入れました
ここは人間だけではなく、エルフ、獣人、悪魔に天使と、あらゆる異種族が混在し、暮らしている世界。そこには当然、あらゆる異種族のスケベなお店もあるわけで…。足しげくムフフなサービスをしてくれるお店に通う人間の冒険者・スタンクは、ある日種族間の(性的な意味での)感性の違いで悪友のエロエルフ・ゼルと衝突する。決着の方法は……嬢のレビュー!?あらゆる異種族娘のサービスをクロスレビュー方式で採点し、他の仲間達への“お役勃ち"情報として提供していくスタンクたちの活躍は、まさに性戦士のごとし!今日もレビュアーズたちは新たな快楽を求めて旅勃って行く……。

声優・キャラクター
間島淳司、小林裕介、富田美憂、湯浅かえで、M・A・O、小山百代、礒部花凜、日野まり、松嵜麗、日笠陽子、加藤祐梨、貫井柚佳、小市眞琴、井澤詩織、田中貴子、高森奈津美、八百屋杏

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「下品こそこの世の花」、或いは誠実への情熱。

アニメレビァーの笠さんが異種族レビァーズをやってくれると聞いて!。


~♪

(BGMツァラトゥストラはかく語りき)


みなさん、こんにちわ。本日は今期屈指の意欲作「異種族レビュアーズ」について語っていこうと思います。今回は作品の各論につきましては、他の方も語っていらっしゃると思いますので、本作の何が一番重要で、本質なのか語っていきます。


今回のレビューのタイトルの副題をいぶかしく思われた方もいらっしゃると思います。この副題は、ニーチェが著作につけようと考えていたものでして、今回のBGMも合わせて、本作の重要なポイントは、ニーチェの思想における誠実さの重視に通じているからであります。


何を言ってるんだ!、これは只のスケベアニメやろ!という非難をされる方もいらっしゃると思いますが、まぁまぁ冷静にお聞きください。作品が内包している思想とは、何も作中で哲学や思想について議論している物をさすわけではありません。いかなる人も、別に哲学を勉強しないでも価値の優先順位、意味の有無について自然と判断しているものです。即ち、作品においても言明されずとも、自然と制作者が身に付けてきた無意識的な価値観、思想を反映しており、多くを語らずとも語っているのであります。


少々横道にそれてしまいましたね。では、本筋に戻りましてニーチェが語った誠実さとは何か?。それは形式に堕した道徳を捨て、裸になって自身と向き合い、率直かつ情熱的に誠実さを追求すべし!というものなのです。


本作は、偽善、責任逃れ、忖度、不誠実が横行している現代日本において、そういった悪徳が最も蔓延っているスケベの世界の中で、大胆にも瞠目すべき誠実さを貫き通した作品なのであります。


そのことはopの歌詞の幕開けから明きからですね。「スケベが大好き!」。なんと率直で隠し事のない誠実な叫びでしょうか…。私はこの時点で感服いたしました。男なら、いや実は女性だってスケベが大好き、これこそ人類全てに共通する真実ではないでしょうか!


そして、彼等は更に先に進むのです。「エロいこと好きならば、種族超えた仲間さ!」。この言葉は、グローバル社会である現代においてなんと気高い叫びでしょうか。スケベが大好き、この人類共通の想いで繋がれば人類融和という夢も幻ではないのです。違いではなく、共通するところに目を向けるべし!。多様性の尊重などという単なる言葉ではなく、この精神こそ今後世界において重要になっていくでしょう。


更に、本作は一般エロアニメというジャンルの中でも他を圧するスケベに対しての誠実さを誇っています。他作品は、あくまでスケベは要素に過ぎませんでした。あるものはラブコメ、あるものはバトルという形式を表面上とり、本当はみんなが見たいスケベはオマケ的に示してきたに過ぎません。こういうった作品の中にも勿論優れた作品があることは否定致しません。しかし、スケベに対して誠実であったか?というと疑問であります。


そこで本作です。本作にスケベ以外の何がありましょうか?。何もない。純粋にスケベを追求しているのです。繋がってるところが映らないだけで完全に本番なのです。胸糞悪い要素もなく、実に爽やかですらあります。逆にこっからどう進んだらいいのか?と心配になるほどです。


ここまで語れば本作の重視さが皆さんにもわかっていただけたかと思います。各話における、ここヌキ!ポイントなどの詳細につきましては、近いうちに刊行予定の私の著書「始めにスケベありき」でのべたいと思います。本日はお付きあい頂きた、真にありがとうございました。


インタビュアー「はい、本日は世界的スケベ学の権威、スケベフスキー博士のインタビューをお届けしました。皆さん、ご興味を抱かれたら是非ソフトの購入をお考えください。(何言ってんだか全然意味わかんねぇ…。帰ったらメイドリーちゃんでヌこう)」。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 45
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

メイド イン ジャパン

作中では様々な設定用語が駆使されているが、要するに「異世界」で風俗店の風俗嬢レビューを書くスケベ男どものギャグアニメ。

控えめに言って「サイテー」な内容だが、OPやEDが輪をかけてヒドい(笑)
OP曲は明らかにオマージュだが、ヴィレッジピープルの『Y.M.C.A.』ではなく、西城秀樹の『ヤングマン』の方だろう。
『ヤングマン』の歌詞検索をしてみれば、このまま使用してもよかったのではないかとも思えてくる。
EDの方も、曲以前にタイトルで笑わせてくるのは、ちょっとズルい。

ほとんど出オチの一発ネタにみえながら、案外に言語感覚が独特で飽きさせない。
「レビュー」の言い回しだけでなく、ちょっとしたやり取りや映像表現にも独特のひねりがあって、下ネタを「ネタ」として表現できているのは、けっこう鋭い言語感覚のおかげだろう。
女体化風俗の点数付で、平安貴族の遊びである「貝合わせ」のビジュアルで点数表示をするところなど、映像表現のベースに言語感覚が透けて見える。

ちょっと未成年の視聴者向きではないかな、と思えるのは「過激」な「ギリギリ」の表現の為ではない。
平成には、文化放送という地上波ラジオで『やる気MANMAN』という伝説の昼番組が放送されていて、真っ昼間から女性アナウンサーが下ネタを連呼する「風俗店珍名当てクイズ」などを堂々と流していたのを知るオジサンには、今更この程度のアニメ表現を過激とかギリギリと大騒ぎするのはナイーブすぎると感じられる。
(一番爆笑した店名は渋谷の「亀頭洗士ガンナメ」だったが、これを当たり前のように女子アナが昼の地上波で読み上げるのだから、深夜アニメの「過激」など過激の名に値しないと感じても当然だろう)

未成年向きではないというのは、未成年を下に見ているわけではなく、例え性行為の経験があったとしても、風俗店舗での「あるある」ネタまでは笑えないだろうと思うからだ。
視聴していると、アニメ本体から離れて様々に考えさせてくるのだが、未成年視聴者の参考になればと書き連ねてみる。
(以下はオトナの話)



{netabare}「異種族」と遊んだことなどあるわけはないが、「異国」という事であれば、いや、その、なんだ、まあオッサンだからね、うん。

異世界の異種族ほどではないにしろ、やはり外国では勝手がちがう。

日本ではあきれるほど様々な種類の風俗店があるが、風俗嬢は、一種の疑似的な恋人のように振る舞うよう期待される文化、というか傾向があるようだ。
吉原のような遊郭の伝統と関係があるかはわからない。

一方、アメリカ(おそらく西ヨーロッパも)では、完全に「金銭」と「サービス」を交換するビジネスで、時として満足した客がチップを出すことはあっても、あらかじめチップを期待して金銭以上のサービスを提供しようとすることはまずない。
基本はあくまで等価交換のビジネスだ。

中国文化圏の東アジアでは、日本とアメリカの中間、といった感じだろうか。

最も顕著な違いは、お相手の女性は、日本では(建前上は)「風俗嬢」であるのに対し、海外では例外なく「娼婦」であることだ。
一部の例外的なケースを除き、海外での「遊び」は性行為一択であり、相手をするのは「娼婦」という事になる。

しかし、売春が法的に禁止されている日本では、「本番」以外の性的サービスを提供する「風俗店」しか(表向きは)存在せず、したがって、そこにいるのは「娼婦」ではなく「風俗嬢」という事になる。

現実でも風俗店の「レビュー」という行為が成立するのも、この日本の特殊事情によって多様な「合法」風俗サービスが存在し、在籍する「風俗嬢」が「合法的に」働いているからであり、本作の「異種族レビュー」の多彩さは、日本の風俗産業の中からしか発想できないものであることは明らかだろう。

だが、娼婦による売春が基本の海外の遊びでも、必ずしも売春が合法的な国ばかりではない。
そうした「非合法」の売春でも、自覚的に「非合法」の商売をしています、という覚悟の上で「営業」しているように見受けられる。

「本番」はしていないので「売春」ではありません、というような「言い訳」で、「合法」のお墨付きを得ようとする態度は、日本独特だ。
まるで「座って読んでるから「立ち読み」ではないもん」という子供の屁理屈のような「言い訳」だが、権威者から「怒られ」ずに「許して」もらわなければならないという、まさしく「子供じみた」心性が骨の髄までしみついた国民性を示しているのかもしれない。
放送局の自社都合である「規制」を絶対の権威のようにみなして、勝手に「過激」とか「ギリギリ」と思いこむ視聴者の感受性と共通したものでもあるだろう。

こうした「言い訳」のタテマエを厳守するわけでもなく、「怒られない」ように守っているフリだけはする姑息さもまた国民性だ。



様々な設定を創り上げて、多様な風俗店が「合法的」に存在する中、数々の「レビュー」をものす本作の「レビュアー」たちは、このように日本独自の風土から生まれ出ている。

日本の伝統的な「遊び」では疑似的な「恋人」として振る舞う傾向があると上述したが、それは、「客」にも求められるものがある、という事でもある。
サービスを受ける「消費者」ではなく「恋人」ならば、マナーや気遣いといった要素が必要になるだろう。

それらに欠けるところがあれば、十分に金銭を支払っている「客」であっても、「野暮天」「無粋」「朴念仁」などと(表立ってではないにせよ)蔑まれることになるのは、日本流の「遊び」に特有と見受けられる。

本作の「レビュアー」が、ワイワイと楽しく遊んでいるのは、愛嬌のある言動で「嬢」と有効なコミュニケーションをとれているからであり、こうした遊びのマナーの描写もまた、日本の「風俗」の中から生まれてきているものだ。

ついでに想像をたくましくすれば、特に地方都市の風俗街に立脚しているのかもしれない。
東京あたりでは、風俗店の待合室では、見ず知らずの男どもが、妙に白けたしんと静まり返った空気の中で、無表情に順番を待っている光景が見受けられるが、地方都市では仲間同士で繰り出してくることが多いらしい。
地方都市で「一人で来たんですか」とひどく驚かれたことがあるが、この辺の男どもは連れ立って風俗店に来るのかと、こちらが驚いた。

連れだって来店してクロスレビューする描写は、地方都市風俗街の反映かもしれない。


本作の成立基盤は、このように日本という国そのものといえるが、海外に出したときに十分に理解はされないかもしれない。

多種多様な「風俗」産業は、権威者に「怒られたく」ない「子供の理屈」の産物だが、海外からは、日本人は性戯の探求に異常に熱心だと誤解されることは多い。
外国人から「紳士同士の会話」として風俗事情について尋ねられたことが何度もある。
外国人の友人を持つ視聴者は、本作について質問されたら誤解なく教えてあげて欲しい(笑){/netabare}


他作品の感想に少し記したことがあるが、権威者の管理する「禁止」を「侵犯」して立ち現れるエロティシズムは、それ故に、好むと好まざるとにかかわらず「権威」への反抗の性質を帯びる。
真正面から「権威」と対決することから逃走する日本の風俗産業から誕生した本作が、「権威」に「お目こぼし」される「微エロ」を振り切って、はっきりと禁止線を踏み越えるエロティシズム=スケベを選択しているのは興味深いものがある。

権威者の「禁止」を「侵犯」して実現したものが、「スケベ」の言葉の下に「すべての異種族は(スケベな)仲間だ」という宣言であるのが、フラワーチルドレンのラブ&ピースを思い起こさせて、未成年や女性の顰蹙を買うのは承知の上で、オッサンが応援してしまう由縁だ。

まあ、こんな連想をするのはオジサンだけで、未成年や女性は、ただ笑って視聴していればいいのかもしれない。

風俗店経営者が「権威」に「怒られ」ないように配慮しようが客には無関係なように、放送局の基準を「権威」化して配慮する放送局員に一体化して、「ギリギリ」だと視聴者までが気をもむのは無意味だろう。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 12

やまだいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最低のアニメ

異世界で異種族の風俗店がもしあったら、という妄想を膨らませたアニメ。
当然のことながら男性向け。

性的な表現しか無いようなアニメなため、地上波で放送中止も全くもって妥当である。
しかし原作もアニメも好きな人しか作らないと予想できるだけあり、クオリティは中々のもの。
異種族についてよく考察してあるため、ぬるいアニメではない。また、こんなアホなことを真面目に取り扱った作品は他にないため高評価を付けざるを得ない。
視聴をお勧めしにくいアニメではあるが、印象に残りまくるのは間違いない。

そしてこのアニメで一番気になるのは、製作陣の女性スタッフがどんな気持ちでこれに携わっているのかである。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 6

76.5 4 異種族アニメランキング4位
ソマリと森の神様(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (380)
1665人が棚に入れました
森の中で私は"それ"と出会った。それ(人間)は、わたし(ゴーレム)を「おとうさん」と呼んだ----。地上は異類異形の人外たちが支配する世界。人間は迫害され、絶滅の危機に瀕していた。そんなある日、森の番人である「ゴーレム」とひとりの人間の少女が出会う。滅びゆく種族「人間」と森の番ゴーレムの父娘の絆を綴った旅の記録・・・

声優・キャラクター
水瀬いのり、小野大輔、七海ひろき、鈴木達央、小野友樹、早見沙織、小林ゆう、速水奨、関智一、茅野愛衣、高垣彩陽、柴田理恵
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ソマリの笑顔のもとは・・・

とても暖かい物語です。
見終わった後、優しい気持ちになれます。

物語は遥か未来。
異類異形の人外が世界を支配しており、人間が迫害されている世界。
ロボットのゴーレムは、森の神様として森に生けるものを見守っていました。

だが、ある日、ゴーレムが一人の幼女ソマリと出会います。
ソマリに出会うことで、ゴーレムに奇跡が起こります。
感情を持たないはずのロボットに優しい感情が芽生えるのです。

でも、ゴーレムは自身がまもなく寿命で、活動を停止することがわかっていました。
活動が停止する前に、ソマリを人間に預け、幸せにしたい。
それがゴーレムの願いでした。

ソマリは、ゴーレムが大好きで、いつも「お父さん」と呼びます。
ソマリは人間に出会うよりも、お父さんと一緒にいたかった。
お父さんさえいれば、あとは何の願いもなかった。

やがて…、{netabare}ゴーレムは気づきます。
自分が最もなすべきことは、ソマリの傍にいることだと。
それがソマリを最も笑顔にすることだと、気づくのです。{/netabare}


笑顔の素敵な天使と一緒に暮らしてられる人は、
決して天使を手放さないでください。
自分がいない方がこの子の幸せだ…などとは、決して思わないでください。
だって、その笑顔は、貴方がいてこそ見せることができるのですから。


オープニングは、森山直太朗が歌う「ありがとうはこっちの言葉」
エンディングは、ソマリ役の水瀬いのりが歌う「ココロソマリ」
どちらも優しく美しい歌です。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 52

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「人間」とは何か? 「親子」とは何か?

== [下記は第4話時まで視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで観た時点で、このレビューを書いています。原作は未読です。

ここでいう「人間」は、作中の種族としての人間って意味ではなくて魔物も含めた「心を持った生き物」って意味ですけど、ゴーレムは人工生命的なもので本人(?)も「ゴーレムに心や感情はない」って言ってますが、じゃあそもそも「心」とか「感情」って何なのかという、わりとAI研究寄りでもある問題がこの作品では扱われているように思われます。

また「実の親」に対して「育ての親」という言葉があるわけですが、成長途中の子供にとっての「親」とは何なのかという問題もこの作品では扱われているように思われます。

そういった問題について、ファンタジー世界をバックに考えてみようという中々の意欲作のようですね。背景美術が美しかったりする点もあって、あにこれではわりと高評価を得ているようです。

こういうストーリーへの向き不向きはあるとは思うのですが、ハマる方はハマる感じの作品じゃないでしょうか。

上記の他にも人間とその他の種族たちとの関係とか、それと関わって残されている伝承とかもわりと気になりますよね。

追記:「共同体への帰属意識」という問題も扱われそうですね。ソマリの生い立ちでは、もはや「普通の人間の社会」では暮らせないように思われます。
== [第4話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.3.27追記:
第12話(最終話)まで視聴終了。

最初のレビューで「気になる」と書いていた「人間に関する伝承」については、作中でけっこう明かしてもらえたように思います。

「人間」にしろ「魔物」にしろ、「被害を受けた」と思っている当事者たちはどうしてもその怨恨を拭い去ることができませんし、それを子々孫々に渡って語り継いでしまうというのは世の常といったところでしょうか。

一方、森の中で共同体との関わりを長らく絶っていたゴーレム、あるいはそのゴーレムに育てられたソマリにはそういったわだかまりはないわけです。

本作の問題を現実の人種や国籍に当て嵌めて考えてみるといろいろと思うところは出てきます。そういう意味で「良い作品」だったんじゃないでしょうか。

もちろん情緒面でも心情に訴えてくるものは多かったです。親子関係とは最初から「ある」ものではなく「作る」ものといったところでしょうか。仮に「生みの親」であったとしても、「親であろう」としない限り親子関係は成立しないんですよね…。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 49

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こういう世界観は好き

【あらすじ】
ソマリという人間の少女と、森の守護者のゴーレムが出会い、一緒に旅をする事になった。

【内容】
本作品の世界は、人間以外にも多数の種族がいて、そんな中、ソマリとゴーレムが一緒に旅をするのだが、人間は他種族から狙われやすい対象となっている。

【みどころ】
本来感情を持ち合わせていないゴーレムが、ソマリとの出会いをきっかけに、感情らしきものが芽生えるところかな。
そして、狙われる危険性の高いソマリを守るために動くゴーレムと、ゴーレムを「お父さん」と呼ぶソマリとの絆が、一番の見どころだと思います。

【感想】
決して派手な作品では無いけど、独特の雰囲気と世界観。
つい、続きが気になってしまう作品でした。
面白いというより、その後の展開が気になる内容で、満足感はありました。
ただ、大きい動きがそれほどないため、作品の評価は分かれそう。

血のつながりも種族間も全く関係のない「父と娘」の関係はとても良かったです。

これは、どういうジャンル何だろうか?
取り合えず、1話を見て雰囲気が気に入った人は最後まで見て満足できるかも。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 22

83.5 5 異種族アニメランキング5位
GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (1857)
10137人が棚に入れました
異世界戦争勃発!陸上自衛隊員達の運命は――?20XX年、突如として東京銀座に「異世界への門(ゲート)」が開かれた。中からあふれ出た「異世界」の軍勢と怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと調査に赴く。第三偵察隊の指揮を任されたオタク自衛官の伊丹耀司二等陸尉は、巨大な炎龍に襲われる村人たちを助けたことで、エルフや魔導師、亜神ら異世界の美少女達と奇妙な交流を持つことになるが……

声優・キャラクター
諏訪部順一、金元寿子、東山奈央、種田梨沙、戸松遥、日笠陽子、内田真礼、安元洋貴、石川界人
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

開いた扉はすべてを変えていく

1話から2話を一気に観たら話にあっという間に惹き込まれました。
非常に面白い。
シンプルで分かり易いスト-リー。
テンポもとっても良い。

オープニング「GATE~それは暁のように~」
(作詞・作曲 - 岸田 / 編曲・歌 - 岸田教団&THE明星ロケッツ)が最高!
イントロとサビの部分が特にいい。
テンションがどんどん上がる。

原作未読でしたが
2話観た後は無性に読みたくなりました。
個人的に今期のダークホースか!?

<監督:京極尚彦(きょうごくたかひこ )さん>
近年の大ヒットシリーズ、『ラブライブ!』の監督さん。
今迄ノーマークでしたが、今作が注目のきっかけになりました。
ラブライブ!はまだ全く観てないので後で必ず観ようと思います。

<シリーズ構成・脚本:浦畑達彦さん>
『僕は友達が少ない』『境界線上のホライゾン』『咲-Saki-』など
評価高いシリーズ作品を数多く手掛けてらっしゃいますね。

<アニメーション制作:A-1 Pictures>
電波教師と同じ制作会社とはとうてい思えないほど作画はいい。


★第1話「自衛隊、異世界へ行く」
★第2話「二つの軍勢」{netabare}
<ゆりかもめに乗り損ねたばっかりに隊長になっちゃった主人公>
異世界に繋がるゲートが東京銀座六丁目に突然出現。
そこから現れたRPGの世界観まんまの軍隊やモンスターたち。
空には兵士乗るドラゴンが飛び交い、人族の兵士は馬を駆り
弓矢や剣で民間人を無差別大量殺戮。
ゴブリンやオークなど人外の兵士も多数。

非番中に同人誌即売会に行く途中の新橋で
その混乱に偶然居合わせた自衛官、
伊丹耀司(いたみようじ)(CV諏訪部順一)33歳。
あり得ぬ事態にも冷静に柔軟に対応。
機転を効かし民間人避難に多大な貢献をする。
そして、一躍ヒーローとして時の人となり昇進。

陸上自衛隊が出動後は、異世界の軍隊はあっという間に制圧。
防衛の任は果たされ、残されたゲートは自衛隊が奪取。
異世界は特地と呼ばれるようになる。

ゲートを使うのは今度は自衛隊。
伊丹は、交渉と情報収集の任を持つ特地派遣隊に配属される。
さらには、本人は望まぬのにとても重要な役割を担わされていく…。

<ファンタジーなのにリアリティ豊か>
自衛隊は専守防衛の立場で先に攻撃することは絶対しない。
しかし自衛隊が防戦すれば、圧倒的な戦力差で
敵側はあっと言う間に掃討されてしまう。

敵側の横暴さゆえの自業自得の結果なので
可哀そうと思う以上に観ててスカッとできます。

陸上自衛隊の兵器や戦闘シーンもリアリティを感じる。
ミリオタの受けも良さそう。

日本とA国、
そして異世界の最大国家の施政者たちの描き方も丁寧。

それぞれの国の立場や思惑もわかりやすく
今後の展開に目が離せなくなりました。

<魔法少女が好きで仕事より趣味優先で生きたい主人公>
昼行燈のおっさんキャラの典型。
仕事に対する情熱や、やる気は普段は全く見せない。
頭も良く、周りから給料泥棒と言われながらも
クビや左遷を回避する程度には職務には忠実。

マイペースでオタク。けど、成熟した大人の有能さも併せ持つ。
即断即決で、必要とあらば火中の栗も拾いに行ける勇猛心の持ち主。
根は正義感に溢れ優しく、やるべき時はやれる頼りになれる奴。

野心も欲心も少なめで老成した部分もあり、
見た目だけでは単純に推し量れない性格。

実は人望厚いとてもかっこいいキャラなのです。

自分がこの作品を気に入ったのは
こんな主人公のキャラが、どストライクだったのが大きい。

こういうキャラは冷静かつ柔軟性があり、能ある鷹タイプなので
いろんな困難や課題を飄々としながらも
いつの間にか乗り越えられると相場が決まってる。
だから落ち着いて見守れるし、
特にスカッとさせてくれる活躍を見せてくれるのが楽しい。

類似キャラとしては、
年長となるが「機動警察パトレイバー」の後藤隊長。
そして最近では、「バディ・コンプレックス」の倉光艦長あたり。

伊丹は、第3偵察隊隊長になって
次回からエルフのようなキャラとも交流するようで楽しみです。
彼の指揮下にある隊員たちの中でも
特に女性隊員2名は、OPから既にキャラ立っててかなり魅力的。
{/netabare}
★第3話「炎龍」{netabare}
<陸自の中から第3偵察隊のみをフォーカス>
1、2話から雰囲気がガラリと変わりました。
今迄は大局的に見た国家間な戦争の悲惨な現実をクローズアップ。
しかし3話でファンタジー色全開。
特地の人類と人外のキャラとの交流が始まった。

<主人公の味方側主要ヒロイン続々登場>
話のテンポの良さは今作の特筆すべき魅力です。
単調ではなく緩急巧みで飽きません。

今回、魅力あるキャラが一挙に3人も登場。
それぞれに既視感がある。
他作品の人気キャラからモデリングしてる印象。
独自性もありとてもいい。
今後の主人公モテモテのハーレム展開必至を暗示してました。
キャスティングも絶妙です。

(以下、本編ではまだ不明瞭な点はwikiを参照)

◎テュカ・ルナ・マルソー(CV金元寿子)…エルフ。
今回はまだ顔見せ程度ながら主要キャラの一員なのは間違いない。
エルフはファンタジーに必要不可欠といっても過言でないので
今後の描き方が楽しみ。

◎レレイ・ラ・レレーナ(CV東山奈央)…魔導師と呼ばれる魔法使い。
レレイという名から綾波レイをモデルにしてるのは明白。
そして長門有希も入ってる第一印象。
淡白な性格ながら少女の面影が強い15歳。
無表情ながら聡明さを感じるキャラが魅力。

東山奈央さんはナレーションも担当してて
思えば、初回からレレイの淡々としたキャラによる
主人公解説はいい味だしてました。

◎ロゥリィ・マーキュリー(CV種田梨沙)
…死と断罪の神エムロイに仕える不老不死の亜神(神に近い存在)。

個人的に最も注目したくなったキャラ。

見た目は「俺妹」の黒猫。
そして中身は「デート・ア・ライブ」の時崎狂三。
巨大なハルバード(斧槍)を武器として常時携行。
ゴスロリが神官の証。

見た目は12~13歳くらいの少女でも、戦闘力が半端無い。
笑顔で盗賊を容赦なく瞬殺する残忍さを持ちながらも
住民には神の使いと敬われる人望とのギャップがいい引きでした。
主人公の部隊に興味を持ったようで
初対面でもいきなり主人公の膝の上に座ってみたり、
小悪魔的な魅力も全開でグッド!

◆炎龍…ガメラの世界のギャオスのような存在。
やはり自衛隊VSドラゴンの構図は怪獣映画をほうふつとする。
捕食対象として住民を襲撃。
この世界の住人にとっては最恐最悪の存在であり、
軍隊でも出会ったら逃げるしかない。

口から吐き出す炎が最大の武器。
頑強な体と空を自在に舞う機動性。
天下無敵。知恵が回り同じ手は二度と通用しない。

隊員「怪獣と戦うのは自衛隊の伝統」なんて台詞が飛び出す。
また、2話の最後で初登場時の隊員の台詞に
「首1本のキングギドラか!?」なんてのもありました。

地上に立った時の動作と顔のドアップはゴジラに激似で
狙っての怪獣寄せなキャラデザと演出。
それらが実に効果的で戦闘描写が実に見事。
緊迫感と恐怖感がよく伝わるシーンでした。

そんな天敵にも逃げ出さず住民を守るため果敢に挑む偵察隊。
苦戦の末、ロゥリィのサポートもあり片腕をもぎ取る。
炎龍の一時撤退にかろうじて成功。
隊員は無傷だったが多くの住民の命は失われた。

伊丹は、被災し行き場を失った民を
ゲート中心に展開した自衛隊駐屯地であるアルヌスの丘に
独断で連れ帰ることにする。
(上層部に報告したら受け入れ拒否かもしれないので)
通信が繋がらなかったことにした。)

ロゥリィは、救援してもらう必要性はないが
避難民を守護する神官としてのお目付け役として同行。
陸自の装備や武器、そして謎の異世界人の人柄や技術に
好奇心の塊となり、興味津々で楽しそうなのはレレイ以上。
仮に民がいなくても勝手に付いて来ると思う。

役者もかなり揃ったので次回も楽しみです。
{/netabare}
★第4話「見知らぬ地へ」{netabare}
3話視聴後に、とりあえずコミカライズ版の原作読みはじめました。

ますますこの作品が気に入り、本来の原作小説も読まずにはいられなくなった。
と同時に、アニメと原作と比べてどうのこうのという悪弊にも陥りそう。
早速、敵側の姫君ピニャがコミックよりマイルドなキャラで若干不満。
でもサブヒロインの位置付けで、
これからどう描かれるかとても楽しみの一人。

<今回は戦闘はゼロ>
その分、丁寧な人物紹介と人間関係の状況が描かれた。
伊丹と正反対な性格ゆえ対立も多いが、
これからサポート役となる必要不可欠のパートナー、
エリートの柳田が初登場。

また、日本で勃発中の自衛隊特地派遣の是非の問題、
日本の近隣C国の思惑まで描かれた。
今後はR国も登場すると思われる。
特地の利権問題がリアルで話が濃い。

これ、1クールじゃ到底描き切れない、と思ったら
どうやら分割2クールでの全24話予定のよう。
それで今回のペースダウンも納得。

<自衛隊の避難民救援施設のリアルな描写>
ここでの仮設浴場の入浴シーンはアニメオリジナル。
一見サービスシーンと見紛うが、露出は多くない。
サービスというより合理的なシーン。
話の流れを自然にすることに貢献。
のんびりとした裸の付き合いで、リラックスしたフランクな会話。
初対面の3人のヒロインの距離が一気に縮まる。
そして異世界の住人から見た日本が見える。

<3人の会話から三者三様のキャラが見えてくる>
レレイは、思った以上に社交性があり、地味ではあるが無口キャラではなかった。
勤勉で探究心旺盛。日本語の習得も人一倍熱心。

陸自の防御マスクと戦闘服を借りて避難所近辺の探索開始。
なんか可愛い。好感度急上昇。
早速、翼龍の鱗という市場で高価に取引される
避難民自活のための資金源を見つける。

テュカは、炎龍に父親を殺されたダメージが大きすぎて心が病んでるようだ。

ロゥリィは、相変わらず謎多いけど、子供の頭を洗ってあげたりと根が優しい。

<イタリカへ>
次回、伊丹の部隊は、特地での商取引の情報収集と
ヒロインたちの送迎と護衛の任で、とある領地に同行。、
彼女たちの目的は龍の鱗の換金目的のため。

伊丹は強運の持ち主。
だけどトラブルに巻き込まれる、という先天的な星を持つ。
ただでは済まない第二の冒険の行方は如何に。

<原作読むと描くべきことが多い>
完全なコメディリリーフに振り切ったおばかキャラもいないし、
完全ギャグ路線は、まず無いと思います。
まだ始まって間もない現時点では、断定するには早計ですが。

<伊丹は、口では軽そうにしてても異性に対しては意外と堅物>
多くのヒロインから慕われてハーレムっぽさはありだろう。
ただベタなハーレム物にしては、キャラデザが微妙。
オッサン臭さを排除してもっとかっこ良くしないとね。
人間ドラマ重視の物語と予測してます。

それにしても
モテ度で伊丹に敵わない柳田のほうが
キャラデザがスマート、というのが皮肉ww
{/netabare}
★第5話「イタリカ攻防戦」{netabare}
イタリカへ無事到着した伊丹一行に待ち受けていたものは
500~600名の敗残兵で組織された盗賊の度重なる襲撃に疲弊した街だった。
街の攻防の総指揮は、盗賊襲撃をてっきり自衛隊による襲撃と思い
街に先に駆けつけていた帝国の第三皇女ピニャが執っていた。

伊丹隊は成り行きで攻防に協力することにする。
ピニャは伊丹隊を最も突入確率の高い城門前に配備して囮にするつもりだった。
しかし、思惑が外れ敵は自らの戦力に集中。
危機的状況に陥る…。

<王道の冒険&ヒーローものの魅力全開>
毎回、脚本が丁寧で無駄が無く見事。
状況の説明、キャラの掘り下げを確実に織り込みながらも
きっちり緊張感と次回への期待感を募らせる。

頭打って、異世界の言葉があっという間に理解できるようになった伊丹は
ご都合主義もいいところだが、
まあそのほうがストーリーがスムースになるのでいいと思う。

レレイ、片言ながら日本語が話せるようになってきた。
方位磁石に好奇心一杯の彼女がとっても可愛い。

道中、黒川二等陸曹を意識するテュカはどうやら百合の気もありそう。

ロゥリィの仕える神は、闘いの神。
人を殺めることは否定しない。
でもそれだけに動機が重要。
偽りや欺きは魂を汚すとされ彼女のハルバードで断罪される。
戦う動機を正直に告げる伊丹を
本格的に気に入り協力関係が強固になる。

次回、伊丹たちに、陸自のヘリも加勢する一大攻防戦のクライマックス。
ロゥリィの神の使いとしての能力も全開か。
伊丹たちは街を守り、ピニャの信頼を得ることが出来るのか。
{/netabare}
★第6話「戦女神の騎行」{netabare}
<伊丹散々、主人公は誰?>
今回は、健軍俊也(けんぐんしゅんや)団長(CV小山力也)率いる
第4戦闘団(ヘリによる空中機動部隊)と
ロゥリィと脳筋娘の栗林二曹が主役だった。

小山力也さんの演技が流石。場面を引き締めてました。
原作に忠実な「地獄の黙示録」(1979年)のオマージュも見事。
陸自無双再び&近接戦闘の見せ場たっぷり。

ロゥリィの胸を触ってぶん殴られ、
金髪縦巻きロール、ベルばら娘のボーゼスたちに単独捕まり、
痛めつけられる羽目になる伊丹。

どうやら彼には女難の相あり。
生傷絶えない状況から脱却して、
オタク三昧な平穏な日々を満喫できることは当分なさそうで哀れw

<イタリカは盗賊から救われ自衛隊と協定締結>
一大攻防戦はAパートのみであっという間の決着。
自衛隊&ロゥリィの共闘で盗賊全滅、圧勝する。

鋼鉄の天馬と称した戦闘ヘリ、銃器の殺傷力…
ピニャは、異世界のとてつもない兵器の威力を目の当たりにして
自分が井の中の蛙であることを思い知る。
人道的という概念すらない帝国側の武人たちには
初めてのカルチャーショック。

<戦闘狂娘たちと伊丹たち>
伊丹は的確な判断力、実行力がある優れた指揮官として描かれた。

南門に待機していた伊丹隊の内、東門へ救援に向かったのは、
伊丹と富田二曹と栗林二曹、そしてロゥリィの4人。

ロゥリィ×栗林、アイコンタクトだけで分り合う無言のシーンがかっこいい。
仲間として息もびったり無双発揮。バッタバッタと敵を掃討。

共闘する中で、伊丹と富田はサポートに徹し、
彼女たちの背後を取ろうとする敵だけを射撃。
自然と役割分担が決まって見事なチームワークでした。

そしてハルバートによる人体切断は見せず、血しぶきも最小限。
血の海もなく死体の損傷具合も控えめ。
ロゥリィと栗林の戦闘シーンは、グロさを抑えることで、
まるで演舞や演武のような美しさがあり見事な演出でした。

<リアルな自衛行為>
イタリカの代表から派遣要請があり出動した第4戦闘団。
威嚇射撃など悠長な手順が、彼等に無いのは当たり前。
交渉、駆け引きは政治や警察の役目であり、
交渉の余地は無いという前提で彼らは出動して実力行使する。

1話の銀座事件も、2話の帝国同盟軍によるアルヌスの丘急襲も
自衛隊が応戦する先にあるのは、無差別大量殺戮の可能性しかない現実であり
一瞬の判断で死ぬか生きるか真っ二つ別れるリアルな戦場。
生存本能と闘争本能むき出しで、
使える武器はすべて使い全力で応戦するのが
自然な描写と言えましょう。

ただ、平和な社会に慣れきった日本人にとっては、
犯罪を取り締まる警察と
軍事行動で戦争の被害を最小限に食い止めようとする自衛隊を
混同して、立場の違いも理解しかねる方も多そう。
この一方的な無双の戦闘シーンに拒絶反応を起こす視聴者が数多くいても
無理もないと思います。

<調子に乗った、数では何倍もの敵軍勢>
元帝国側正規軍の盗賊は、臆病を嫌い、
戦場で全力で戦って死する勇猛を美学としている。
そんな彼らに、仮に威嚇射撃したとしても、
停戦はおろか、却って舐められ、
市民含め犠牲者の増加も食い止めようもないだろう。

異世界の軍隊は、近代兵器の威力にこの時点でも無知に等しい。
近代兵器の威力を知る者は、自衛隊との過去の戦闘体験済みの者に限られ
体験者は、死亡済か捕虜になってるかで、盗賊の首領は無知蒙昧な一人なのは明らか。
冷静な戦力分析などもできるわけもなく、
なまじ元軍属であるゆえ、降伏は末代に至る恥とばかり
名誉のためなら捨て身で立ち向かう輩と思われる。

<認めんぞ。こんなものが戦いであってたまるか…そうは思わんか?>
そして予測以上の戦力差に、自衛隊とロゥリィに、
一矢も報いることなく当然大敗した盗賊たち。
ロゥリィに問いかけた首領の台詞が空虚に響く。
問いかけには無言のまま首領の止めを刺すロゥリィ。
神の裁きは、戦闘の是非と人知を超越。
このシーンの意味するところは深い気がした。

<もし原作通りなら>
今後、平和な日本の世論で誤解される自衛隊も描かれることになるでしょう。
そこは、この作品の魅力の一つと思います。

6話まで観て、多少のアレンジはあっても丁寧な作りなので、
原作からの、不要な省略や改悪する心配はなさそうで、今後に期待します。

ただ、陸自無双の大規模対人実戦シーンは、
少なくても1クール分の残り6話の中ではもうないでしょう。
原作うんぬん抜きにしても、
ピニャという、間近で近代兵器の恐ろしさを知ることになった王族も現れ、
不用意な軍事行為は避けるのが当然の流れになると思われますし。

おそらく当面は、武力より交渉力、作戦立案力などの
頭脳戦が鍵になる新たな局面を迎え、
外交力がものを言う流れへ移行するのと思われる。

既存キャラの掘り下げと共に、
まだまだ重要な新キャラも増えていくはずです。

分割にせよ2クール目があれば、
炎龍との決着で陸自の武力の大きな見せ場もありそう。

<レレイの存在感がますますアップ>
レレイ、OPの壇上の彼女の演説シーンと
今回の通訳と商談における彼女の有能さが暗示しているように
今後は彼女の勤勉さと聡明さが物語上重要になりそうです。
レレイは今の所、一番のお気に入りキャラとなりました。

<バラだな!?…バラです!!>
今回は、ピニャの騎士団を発見したときの伊丹と倉田の会話が面白い。
オタク同士ならではの、短いキーワードで盛り上がり思わず二人が身を寄せるシーン。
コミックにはない描写でアニメオリジナルかな?(小説は未読なので)
阿吽の呼吸が伝わる、動画と声優によりキャラに命宿るアニメならでは楽しさでした。

アルヌスの丘を中心に、文化交流の活発化もどう描かれるのかも楽しみです。
{/netabare}
★第7話「皇女の決断」{netabare}
毎回、話の切り所が非常に上手い。
引きが絶妙なので、次回が非常に気になる。
今回も、見せ場となる次回へのインターバルとして上出来でした。

全体的に、いいテンポ感を生み出してると思います。

コミック版から、印象的な台詞はかなりカットされてるけど
自分はそれをマイナスには感じない。

例えば、伊丹がレンジャー資格を持ってると判るシーンは
贅肉を上手く削ぎ落としつつ、アニメ用に上手くアレンジできてる。

思えば、レンジャー資格持ちだからこそ、
1話で非常事態に遭遇しても動揺することなく敵を刺し殺したり、
状況を冷静に分析して最善の策を生み出す力があったのだと納得出来ました。

<「と」の一言だけでかわいさ伝わるレレイ>
レレイが橋渡しをしての自衛隊幹部とピニャたちの会話シーン。
会話上の通訳の省き方が、レレイの個性と上手くかみ合ってて、
クスッと笑えるほどいい感じでしたね。

<前回のギャグを上手く再活用>
今回も前回もAパートの終わりは、女性キャラに引っ叩かれ伊丹の情けない叫びで締めくくり。
諏訪部さんの演技力がいい感じに嵌ってます。
今回と前回は別な脚本家さんが執筆してますが、上手く連携できてますね。
今回は前回以上に漫画チックな伊丹の生傷とやられ具合も絶妙。
またまた女難再来のギャグが今回の一番のツボでした。
憐れな伊丹。前回はグーパンチ、今回は半殺しの上、平手打ちの締めとは…。
アニメならではの楽しい演出。
今後も原作をどうアレンジするか楽しみです。

<新登場の人外キャラも魅力的>
ウサ耳娘と猫耳娘がとっても可愛い!
新登場の中でも蛇髪メデューサは、モンスター娘属性ありますね。
同時期放映中の「モンスター娘のいる日常」は
キャラデザにドン引きして1話で挫折しましたが、
これくらい人間に近いときっと視聴継続出来たのに、と思います。

<今回で丁度コミックの2巻まで描かれた>
次回は久しぶりに日本が舞台に。
3人娘とピニャとボーゼス、初めての日本訪問編。

異世界のかわいい5人のキャラたちによる、
色々な不思議発見の旅の行方は如何に?
伊丹のスマホに大量に送られていたメールの主は一体何者なのか?

もしかすると省略されるかもと、少し心配したキャラも
ちゃんと日本編で登場してくれそうなので、次回も非常に楽しみです。
{/netabare}
★第8話「門の向こうのニホン」{netabare}
前回は、伊丹の女難再来の描き方やレレイの「と」の件など、
時にコミック版より面白い演出があり、
期待値ちょっと上がってたせいもありますが…
今回はコミック版の面白さにはいまひとつ届かないかな、といった印象。

話を詰め込みざるを得ないと思われ、緩急が不足して出来事の羅列に終わっていた感強し。
淡々と話が進み、笑える所のタメが足りずツボらなかった。

例えば、ロゥリィの質疑応答自体は、全体的にはいい感じでしたが、
ロゥリィの年齢が明かされる所は、コミック版に忠実に
伊丹の心の声や周りの反応をもう少し丁寧に取り入れたほうが
視聴者の好奇心を駆り立てられて好かったかも。
流れがあっさりでいまいちでした。

あと、国会での質問者の幸原野党議員のキャラデザに違和感強し。
オシャレすぎて国会議員というより女優やタレントのように見える。
自分としては、コミック版のように色気は極力排除して、
ショートヘアで男顔負けの切れ者感ある
いかにもお堅い感じの中年女性のデザインの方が
ギャフンとさせたときの痛快感があったのに、と思う。

<今回の、コミック版を超えてると思えた好かった点>
・地下鉄で、ロゥリィにツンデレ台詞を求める伊丹の描写。
・ピニャとボーゼス牛丼初体験時の、子供のような無邪気さで口元にご飯粒付けたまま食べるシーン。
・梨紗のキャラデザ。

コミック読んで、残念系のアラサー、梨紗は結構好きなキャラです。
で、アニメでの登場を密かに期待していました。
次回からの彼女の絡みが楽しみです。
もちろん、箱根温泉でのサービスシーンも期待してます(^.^)

それにしてもロゥリィのハルバート、
通常は一般人には持ち上げることすら不可能なほど重いよう。
しかし6話で、伊丹はハルバート持ったままのロゥリィをお姫様抱っこして走ってました。
ロゥリィが手に持つと重量制御出来て極端に軽くなる、といった設定なのかな???
まあ、神さまの武器兼法具ですから何でもありですねー。
{/netabare}
★第9話「箱根山中夜戦」{netabare}
前回も今回も、伊丹の人脈、影響力、修羅場に強い指揮官としての凄さが何気に滲み出てた回でしたね。
天才的な危機回避力と状況判断力で機先を制する智将の才覚あり。
さらには、旧知の中で同じ趣味を共有できる防衛大臣との意外な繋がり。
持って生まれた運の強さもあって彼自身も将来、防衛大臣になりそうな予感。

せっかくの入浴シーンなのにバスタオル巻いてたりと、
なんだかバラエティの温泉紹介番組みたいな残念な画もありました。

そして、全体的にコミックからは、かなりのシーンがカットされてました。
例えば伊丹の元嫁、梨紗宅でのやりとりで、ロゥリィにいきなり♡で飛び掛る梨紗とか、
梨紗の代わりに朝食を準備する伊丹とか…。
そもそも梨紗の家に転がり込んだのは、
本来の宿泊先である市ヶ谷会館が放火されたためなのですが、
言葉の説明不足で状況はわかりにくい。
(前回の最後に、梨紗のPCのモニターにそのネットニュースが映ってましたが)

特地に残されてる倉田と猫耳娘との件も丸ごとカット。
新キャラの嘉納防衛大臣と伊丹の絡みも随分アレンジされてました。

カットの結果、梨紗の腐女子ぶりもマイルドになってて少し残念。
でもその分、異世界ヒロインズにいい感じに尺を使って
バランス感覚が素晴らしい!

伝えるべき情報を上手く整理してポイントを絞り込むことに成功。
クスッと笑えるシーンが多く前回よりも楽しめた。

前回不満だったシーンのタメのなさも今回は全くなく、
例えば伊丹と富田の入浴中の会話の間とか絶妙だったし、
いきなりドアップのロゥリィそっくりのビスク・ドールでギョッとさせるなど
脚本だけでなく、絵コンテと演出も実に冴えてたと思います。

伊丹夫妻の離婚の経緯を入浴中の女子の会話に
コミック以上に丁寧に組み込んだのもグッド。
また、「荒野の少年イサム」ネタなど、
コミック版からそのままの印象的な台詞も
随分生かされてたので全体的には大満足です。

<FATE(フェイト) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり>
伊丹の過去に関しても、アニメではかなり省略されてる部分があり
箱根夜戦内でFateに因んだコードネームが使われたのは、
アニメだけだとわかりづらいですが、コミック読んでると納得。
伊丹が特戦群に所属していた時に、同僚にゲームやアニメを布教した結果を
さりげなくシャレに使ってるようでww

<殿下、ここは異世界です~そうだった!>
この台詞のパターンの繰り返しにはツボった。
ピニャとボーゼスの、日本の特殊な芸術にどんどん嵌っていく様が可笑しい。
とても皇女と優秀な部下とは思えないほど、少女に戻ってしまった二人。
前回の牛丼体験のシーンといい、今回の腐女子への道にまっしぐらの描き方といい、
二人はとても素直な女の子として描かれ可愛さアップ。
この二人の描き方はコミック版を超えてます。

<やっぱりレレイが一番>
今回はロゥリィ推し。それはそれでとても好かった。
コミック版以上の可愛さでしたね。
個人的には、発情モードで伊丹に迫る彼女より
朝日に向かって祈る神々しさ溢れるロゥリィ、
ファッションに開眼して原宿で白いドレスを自慢げに着こなすロゥリィがお気に入り。

しかし、今回は台詞も少なく地味な存在でしたがレレイがそれ以上に輝いてた。
台詞や動作少ないのに、画だけでもしっかり存在をアピール。
安心しきって子供の顔で伊丹に身を寄せて眠るレレイ、
湯船でじっと動かず、空中に浮かべたお湯の玉を注視しているレレイがとても可愛い。

肉(ロゥリィ)と野菜(レレイ)のバランスのとれた栄養価満点の出来でした。

次回はOPにもある浴衣のロゥリィの狂いの乱舞が観られそう。
そして、某国群の奸計を突破するための奇策発動なるか?

次回はどんな演出で魅せてくれるのか、自ずと期待が高まります。
{/netabare}
★第10話「絶望と希望」{netabare}
4話以来のシリーズ構成の浦畑さんの脚本、
1話以来の京極監督の絵コンテ&演出でした。
原作からの省略のさじ加減と、アニメ独自のキャラの描き方は
相変わらず絶妙で安心のクオリティ。

<皆さまぁ~こんな夜半にわざわざご足労さまぁ~♥>
A国の政治的駆け引きにより、特戦群の護衛が解除されて伊丹一行に危機がせまる。

工作員はA国だけじゃなかった。
C国もR国の工作員もターゲット近くにて意外なお見合い状態。
夜陰で状況もよく分らないまま工作員同士の乱戦。
しかし、本当の脅威は別にあった。

<エロのいいところで邪魔が入るのは、アニメでもドラマでもお約束>
案の定、突然の伊丹の携帯に太郎閣下の警告メール。
興をそがれたロゥリィの欲求不満の矛先は伊丹から工作員たちへ。
着物姿のロゥリィ、颯爽と登場。
彼女のハルバートが宙を舞う。
効果的なBGMと相まってコミック版よりグロさ抑えた分、
夢の中の世界のような幻想的なシーンに感じた。
(6話の対盗賊戦の時より、血しぶきはそれなりに描かれたけど)
もはや誰のコントロールも効かない情け無用の修羅の世界。
あっという間に、多くの魂がエムロイの神に召される…。

<今回もロゥリィ推し>
バトルの魅力と彼女のカリスマ性発揮。
網タイツ履くロゥリィのセクシーさに釘付け。
あっという間の30分。

しかし次回以降は、いままで一番目立たなかったテュカの物語になる予感。
彼女のメインの武器は、日本で購入したコンパウンドボウ(化合弓)になるよう。
エルフの彼女に相応しい武器ですね。

<殺傷せず、無力化が出来れば良い?>
出しゃばらず、さりげなくサポートするレレイ。
彼女は温和で、ロゥリィと対照的なのが
この作品のバランスを支えてると思う。
そして賢く有能。魔法の威力は要所で必ず活かされる。
日本でのお土産にノートPCをチョイスするとはさすが!

<誰が好み?…容姿はエルフ、性格は黒ゴス、保護欲そそられるのはプラチナブロンドの娘かなぁ>
アニメでは青い髪のレレイ。
梨紗の台詞は、原作と同じだけど違和感ありすぎ。
さすがにツッコミたくなりました。
しかし、伊丹と梨紗の絆の深さ感じるこのシーン、とても好い。
カットされず良かった。

そして、伊丹と梨紗の別れ際のシーン。
梨紗はいじらしくてとてもかわいい。
伊丹も梨紗のことをいまだ愛してるのが伝わってきたのがとても好い。
しかも、異世界3人娘による、銀座事件犠牲者慰霊の献花をネタに
大衆を大量動員して伊丹たちを逃がそうとする梨紗、中々やりおる。

前回腰やられ、登場早々退場した公安のコロンボ駒門、ちょっとだけ再登場。
グッジョブで工作員の奸計を封印。公安の面目を保つ。
「伊丹、露払いはしといたぜぇ」の一言が渋かっこいいい。

<栗林の銀座です>
今回特に、栗林妹のドジっ娘ぶり、いい味出してたなぁー。
身長と髪型が違うだけで、目鼻立ちはそっくりなキャラデザも好かった。
脳筋系と天然系。一見正反対な姉妹なようでも、
マイペースで不器用な所が似てるのが微笑ましい。
二人とも、打たれ強い逞しさを感じます。
姉はアナウンサーの妹のマイクを奪い公共の電波を私用w
結果的に二人の絡みは、工作員たちの抑止のひとつの要因となった。

ところでTV局の撮影クルーを全員女性にしたのはアニメオリジナル。
どういう意図なんだろう。
でもそのほうが好いので、まあ、いいっか(^.^)

<全24話なら残り2話で折り返し>
今回でコミック版第3巻の内容終了、次回から4巻の内容へ。

次回にてようやく、次のお話に繋がる重要キャラのお出まし。
CV日笠陽子さんの演技が楽しみです。

1クール目の締めも大方の予想がついてきました。
2クール目はいつからなんだろう。
むしろそっちのほうが気になります。
{/netabare}
★第11話「来訪者」{netabare}
日本と帝国が開戦して5か月が経った。
武力による争いは、イタリカ以来しばらく途絶。
帝国軍は軍備再編中で、一見平和な日々が続く。

そんな平時、ゲートを介しての人的、物的交流が盛んになるにつれ
アルヌスには、仕事を求める者、商人など、多数の異世界の住民(人族も異種族も)が多数集い、
難民キャンプの周辺に少しずつ町が出来て活気が出てきた。
そして避難民自立支援の組織が母体となる、アルヌス協同生活組合も生まれていた。

日本から帰国して多くを学んだピニャは、個人的趣味嗜好は一旦封印。
為政者らしく己を律し、和平のため不眠不休で有力者の根回しと交渉に尽力する。
日本からは外務官僚も特地に乗り込み、事態は水面下で行われる外交戦術へ移行、新たな局面へ。

今回、栗林の出番ゼロ、久しぶりの黒川登場。
そして、外務省官僚の菅原、ダークエルフのヤオなど新キャラ多数登場。
(ただ、EDのキャスト表記は、ミスで次回分のキャストが表示されてしまった模様。
公式HPのNEWSにて謝罪文載ってます。)

<綾波降臨!>
冒頭、いつもと違う聡明さの欠片もない、幼げで寝不足気味の寝起状態のレレイ登場。
物憂げな目元なんか、まんま綾波レイ。
演出の遊び心が楽しい。
原作コミックでは一コマしかないない描写を上手く拡大、絶対狙ってると思います。
そして今回、この後彼女は本編に一切絡まず。
しかしこのシーンと、レレイ役の東山さんのナレーションで存在感はバッチリ!
控えめなのがレレイの魅力だし、適度な緩さが彼女の持ち味。
的を射った演出に感謝です。

<主人公が30代に相応しい成熟度なのが、キラリと光るシーン>
ロゥリィは1000年近くもの長い間、星の数ほどの出会いと別れを繰り返した。
伊丹もたかが33年とは言え、人生いろいろあったんだろう。
黒川に対して「最後まで責任を持てないのなら何もするな」の一言がかっこいい。
伊丹とロゥリィが酒場で二人きりになってからの、
大人同士の落ち着いた会話も味わい深い。
しばし伊丹がオタクだということを忘れる。
今回で一番好きなシーンでした。

因みにコミックではプラスαで、ロゥリィの心情がよく伝わる
心の声の描写も盛り込まれ、より魅力的なシーンになってます。

<またまたロゥリィ推しの押し>
いつの間にか、伊丹じゃなくヨウジと、下の名前で呼ぶロゥリィ。
二人きりになると、すっかりお気に入りの伊丹に再度のアプローチ。
日本から戻っても諦めず、なんとしてでも「しっぽり」したいようだ。
お酒の席の自然な流れでちょっとだけいいムードへ。
でも、齢961らしい策略もまたしても邪魔が入り逃げられる。
日本から帰ってから、これで何回失敗したんだろうか?
登場早々の新キャラで今回の邪魔者、ダークエルフのヤオに
向けられた腹いせの一芝居が、当に神の悪戯となる。

<綾波の次はルパン降臨!!>
伊丹、いいこと言って、目がイケメンぽくなったなと思ったら、
ロゥリィの嫌がらせでヤオに誤解され危うく成敗されそうになる。
あらら、あっという間に三枚目に逆戻り。
しかし、ヤオの一瞬の隙に神出鬼没にも伊丹は消えていた。
逃げる緑の人、伊丹の後ろ姿は、まるで緑ジャケットのルパン三世。
イケメンモードの伊丹はカリオストロのルパン風。
これまた演出の遊び心が楽しい。

因みに伊丹が猛ダッシュで逃げるときの台詞、
アニメでは諏訪部さんのルパンの物まねで「あ~ばよ~」だけでしたが
コミックでは「あ~ばよ~ とっつあ~ん ツケといて~」ですww
これだと露骨過ぎるし、アニメだと一言だけでも物まねで伝わるので必要十分でしょう。

善意でしたことも裏目に出てしまうとは…。
ヤオはなんとも不憫なキャラ。
間が悪いというか、運がないというか、いろいろポンコツらしい。
なぜなら、彼女がアルヌスに訪れたのは、他ならぬ伊丹たちに炎龍退治を依頼にきたのだから。
知らぬこととは言え、伊丹に恐れられ、避けられてどうするw
彼女に比べたら、特殊な芸術に開眼したピニャのポンコツぶりなどかわいいもの。
ヤオ役の日笠さん、こういう役やらせると見事に嵌る。さすがです。

<F-4ファントム復権>
開戦5か月の間には、陸自のみならず空自も特地に派遣。
F-4は、かなりの旧世代機だけど、
戦闘機同士のバトルもないし、帝国軍への牽制なら十分過ぎ。
対炎龍としてはどうなのか、は今後のお楽しみ。

今回、作画かなり力入ってました。
二機のF-4の演習シーン、ヌルヌルの動きは3DCGで細部は手書きの作画らしい。
短いシーンながらなかなかでした。
演習を目撃したヤオが感動するのも納得のかっこよさ。
F-4はやっぱり名機だよなぁ…子供の頃にプラモ作った記憶が蘇る。

あと、ヤオの回想の中で出てきた炎龍にF-4同様の作画の拘りを感じた。
動きのヌルヌル感、確実にヴァージョンアップしてる印象。
この流れの感じから察するに、しばらく先とは思うけど、
本格的な再登場時への期待値高まる。

<語学研修も活発化してる様子とか町中の交流シーンに興味ある方は原作をどうぞ>
原作から端折るところは思いきり端折ってますが、かなり丁寧な進み方。
いかにも、2クール目がありますよ、という流れでしたね。

次回も非常に楽しみです。
{/netabare}
★第12話「伊丹なら」{netabare}
<1クールの最後の2話は、思った以上に原作の流れを尊重>
アニメ11話は、原作コミック4巻頭より、第25話「炎流の影」、第26話「褐色の使者」より、
12話は、第27話「ヤオの希望」第28話「絶望のヤオ」より。
原作2話分の話でアニメ1話を構成。丁度、4巻のど真ん中で区切られた。

<今回は、締めに相応しく脚本チームの総大将、浦畑達彦さんのシナリオ>
いわゆる、俺戦(おれたた)エンド(「SHIROBAKO」で一躍有名の業界用語)と言っていいかも。
原作を多少のアレンジはあれども下手なカットもなく好印象。
原作知らないと中途半端な区切りと捉えかねませんが、
物語の流れを知る自分にとっては、そつのない纏め方だと思います。

<見事じゃレレイ、さすがはわゎ………見事過ぎて言葉もない>
淡きこと水の如し。
カトー役のチョーさんの演技最高!
アニメオリジナルのギャグ。使い古されたベタさでしたが、
打たれ強い師匠と淡白キャラのレレイのコンビのおかげで大爆笑!!

<不幸を呼ぶ女、ヤオ>
どうやら彼女に関わるとロクなことが起きないようだ。
伊丹こそが彼女が求める英雄であったがすれ違い。
見た目美女でも、中身が不器用で武骨な彼女の願いは果たされるのか?

GATEはヒロインズのキャラの立て方が絶妙です。

<ピニャも今回、かなり可愛いい>
ちゃんと趣味と職務の両立も出来てる様子。
語学研修中の薔薇騎士団は彼女の命令により、
伊丹の実態調査もしてるようで抜け目がない。
キャラとしてどんどん面白味増してきて、
レレイ、ロゥリィに次いで好きなヒロインになりつつあり。

イタミハーレム絶賛拡大中か!?
来期乞うご期待!!

<小説版は単行本全10巻(本編5巻+外伝5巻)で完結済>
(文庫版では本編10巻+既刊の外伝は6巻迄となります)
アニメ1クール目は結果として、
原作小説の本編第1巻(文庫版では第2巻まで)「接触編」に該当してましたね。
来年1月開始決定の「炎龍編」(第2クール)が非常に楽しみです。
これは小説第2巻(コミック版では第4~7巻)相当となります。

はなから2クールでコミック7巻まで描くつもりだからこそ、
1クール目最後をコミック上の半分で区切ったのでしょう。
配分がしっかり決められてるようで、これなら無理なく7巻まで描き切り
ひとつの大きな達成感を味わえそうです。

小説版3巻以降(「動乱編」「総撃編」「冥門編」)のアニメ化は、
「炎龍編」終了後の反響次第でしょう。
せっかくなので、出来れば小説版5巻の最後まではアニメ化されて欲しい。
そのためにもこの「接触編」と次の「炎龍編」が商業的に成功することを祈ってます。
{/netabare}

<アニメ版第1クール「接触編」の総評>
今クールスタート作品の中では、一番面白く一番のお気に入り作品となりました。
伊丹という主人公が、自分にはツボでしたので初回から嵌れたし、
自衛隊に対する偏見も特にないので、自衛隊無双もエンタメとして単純に楽しめた。

リアルな戦争と外交と異世界ファンタジーのコラボが絶妙。
かつてこれほどまでにリアルとファンタジーが無理なく共存していたアニメに出会った記憶がありません。

ヒロインでは、ロゥリィも大好きですが、レレイが最高でした。
アニメでの彼女は、コミック以上に可愛かった。
過去観た全てのアニメの中でヒロインのマイベスト3には入ります。
「そこに居てくれるだけで癒されるヒロイン」ランキングなどあれば、ベスト1間違いなし!

<アニメのキャラデザに関して>
伊丹他オッサンキャラとメインの3人のヒロインと黒川はコミック版とそれほどは変化ない。
しかしそれ以外、女性キャラを中心に若々しくマイルドになってました。
男キャラでは、公安の駒門のアニメでのコロンボ化が面白かった。
女性では、特に栗林はスマートになり美人度がかなりアップ。
ピニャはコミックでは、髪型が全然違い年齢的にアニメより5歳以上年長に見えるし、
ヤオなんか、ボンテージファッションでもっとアグレッシブで野性的なイメージです。
梨沙もアラサー感、残念感がコミック版のほうが強い。
自分はどっちもありで気にならなかったけど、原作好きな方には賛否両論ありそう。

演出は全体的に外れが少く、コミックとは別の魅力があって好かったです。
シーンによっては、コミック版を超えていたと感じられた所もありました。
結論としてコミック、アニメ、どちらも一長一短があり両方とも好きです。

アニメ版「炎龍編」も大いに期待します。
コミック版は既刊分の7巻までは数回読み返しましたので、
これから待ってる間に、入手済で読み始めたばかりの小説版も全巻読破するつもりです。

<炎龍編開始直後の追記> (2016.1.12)

2クール目開始までに、小説版の本伝は読破しました。

非常に面白かったし、結末も好かったですが、
状況や背景の説明が長く、くどかったり、
筆者の価値観が出過ぎていたりして、
結果的に物語のテンポが悪く
意外なストレスを感じることがありました。

肝心な場面で舞台や時系列が、
あっちこっち飛ぶこともあり。

原作をこれから読もうかな、という方は
旨味成分のみで構成されたコミック版を
初めに読むことをおすすめします。

その上で、コミック版では描き切れていない部分に
興味が持てたら小説版を読むといいかもしれません。

また、2016年1月からスタートした2クール目は
あくまでも分割された全24話の残り12話です。
2クール目をアニコレでは別スレで炎龍編としていますが、
実際は動乱編までが描かれます。
誤解しがちですが、二期ではなく一期の一部として認識すべきと思います。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 43

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これまた賛否両論あるでしょうねぇ・・・

タイトルのとおり、観る人が見れば卒倒しそうな内容でしょうねぇ。

私としては「エンターテインメント作品として」楽しんで視聴できました。
もちろん、たくさんの人の生死が描かれており、ある意味の加害側として「自衛隊」が描かれているので「ヒャッハー楽しい~」って事ではないのですが、エンタメと不快の間っていうのは人それぞれですし、まったく人の生死を描かない作品ばっかの世の中も変でしょ、というのが私の考えです。
不快な人は観なければ良いだけ、強制はしませんし。
(とは言え、絶対に許容できない、してはいけないというレベルの表現も世の中にはあるでしょう、という事も踏まえておきたい事です)

個人的には、総じて自衛隊という職業に対しては敬意を持っている方の人間だと思っているのですがね。

さて、物語の内容としては、
異世界系戦国自衛隊+異文化交流ってところでしょうか(交流には遺憾ながら戦いも含む)です。
なかなかに異色な異世界ものという事で大変興味深かったです。

現代の日本と中世ファンタジーレベルの異世界がつながってしまう・・・。
そこに対して、争いながらも、日本国、自衛隊らしいアプローチでの対応を重ねていくという・・・。
まぁ、やはり戦闘シーンについては、私とて「むむっ」と思っちゃったりしないことは無いのですが「事にあたっては・・・」という事もありましょうし、自国民またはその保護下にある人々を守るためには、やる時にはやってほしい訳で・・・。
話が進むうちに外交交渉的な話も進んで行くにつれまた一段話が面白くなってきました。
シンゴジラ的と言いますか、政治部門のお話も描かれ「ほーん、なるほどねぇ、そういう話になるんか」と。


そしてファンタジー部門ではやはり多彩なキャラクターが光りましたね。
どのキャラクターもなかなかにキャラ立ちがしていて楽しかったです。
そして、そのキャラクター達との自衛官、日本人との交流もなかなかに楽しかったです。

それと、OP/EDともに私は好きになりました。
多少、POP過ぎてイメージに合わないのかな、とも思いましたが曲としてはよかったです。

異世界ものとしては、異色な作りかもしれませんが、割と全体的にきっちりと作ってある印象がありました。
もちろんフィクション故のテキトーなところはあったかと思いますが、そういうところが目立たなかったのはお手柄だと思います。

ぜひ観てみる価値はあると思うのですが、
やはり自衛隊が人を殺めるシーンが多くある点が、許容できるかどうかが一つの壁になるかもしれませんねぇ。
自衛隊というだけでアレルギーがある人には無理でしょう。

でも、やはりいろいろな問題、要素を含んだ作品は観る価値のある作品と私は評価したい。
エンタメとしてとらえるも良し、問題作と捉えるも良し、です。


2021.10再視聴。
細かいところを言えばガバガバなところはあるのでしょうけれど、やっぱり物語として面白かったです。
私的には再視聴に耐えうる作品と言う扱いです。
自衛隊が「敵」を殺めるシーンには確かに「!?」と思うのですが、「敵」に対して躊躇したり、ブレたりすることが自身や仲間、あるいは助けるべき人の命に直結するとしたら、やはりやむを得ないと私は思うのです。
「やる気の敵」と相対して「話せばわかる」は私としてはナンセンスだと・・・、おおぅ、またいらぬことを書いてしまいました。

ガバなところはあるにしても、日本国の矜持とするところ、守るべきルールはクソ真面目に守ろうとする姿勢が描かれている所も好きでしたね。
ま、この点も言いたいことがある方は多々おられるでしょうが、私は好きだ、という事で。

ちょっと厳しい事を書いてしまいましたが、私はやはり異文化、異世界と交流して仲間をつくっていく作品が好きなようです。
そういう点では、戦った相手国の人間と交流したり、全然レベルの違う文明、文化の人たちを仲間にしていくこの作品は好きな作品でした。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 24

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

炎龍編と一括。冒険・外交・文化と面白いんだけど、バランスが……

無印と炎龍編との一括レビューです。

自衛隊と異世界ファンタジーという組み合わせ。
東京に「ゲート」と呼ばれる門が出現し、謎の軍隊が現れ、襲撃を受ける。
日本は自衛隊を出動させ、敵の軍隊を押さえた後、「特地」と名付けられたゲート内の調査に乗り出すのだった。


冒頭の描写が致命的!

冒頭の襲撃時には、こちらの被害はほとんど描かれませんし、数字も出ません。
数人が襲われ、周囲の物が殴られて凹むような被害描写と、「これじゃ夏コミがあ~」とか言ってる主人公。
それに対し、敵側の犠牲者は6万人というクレイジーな数字。
二次戦闘ではさらに6万人と、絶望に打ちひしがれる兵隊が映し出されます。
この描写の仕方では、やりすぎにしか見えません。

また、訓練されているとはいえ、自衛官にとって、人の命を奪うのは初めてのはず。
しかし、倫理的問題で葛藤している様子も微塵も見せず、涼しい顔をしています。

これが私の中での後の印象を決定づけてしまいました。


ストーリー中では、

* 主人公である伊丹耀司 (いたみ ようじ)の冒険譚
* 日本と敵側の外交
* そして間を取り持つ自衛隊の姿

が語られます。


異世界側のキャラと行動する、伊丹の冒険は楽しかったです。
ラブコメあり、真面目なヒューマンドラマや、情報戦みたいな頭脳労働もあります。
ドラゴン退治とか、異世界ファンタジーもやってます。

また、先が読みにくいストーリー展開です。
「もしかしたらピンチに!?」「誰か裏切るかも!?」みたいな漠然とした不安(と期待)が常に発生。
一定の緊張感を保ってくれます。


続いて外交政治・異文化交流。

こちらは力が入っています。
伊丹も自衛官であり、自由にどうこうできるわけではないため、ストーリーを支える軸が必要です。

伊丹以外のメインキャラは主にここに配置されています。
特に外交官の菅原と、皇女のピニャはヒューマンドラマも担当しています。

異世界側の中心となるのは、帝政に権力の弱めな元老院を組み合わせた古代ローマ帝国風。
それに対し、日本はご存知の議院内閣制。
お互いの外交を、両者の立場で対比しながら描いているのは面白いです。
君主の一声で決する帝国議会、対外交渉のために奔走する日本の総理大臣や国務大臣。
「本当に同じアニメなのか?」と何度思ったことか。

しかし、魔法の杖を持って国会議事堂に現れたり、スーツで玉座の間に現れたりすると、
シュールさと同時に、「ああ、やっぱり同じアニメなんだな」と現実を受け入れるわけです。

異文化交流もおもしろいです。
物語を通して言語の壁が語られていますし、挨拶一つとっても違いがちゃんと描かれています。
また、毎度のごとくハイテク技術が異世界側に驚きを持って迎えられます。
逆に現代社会の側が異世界キャラの生命力に驚いたりするシーンも……(魔法にも驚けよ、と思いましたが)。
娼婦を買わない自衛官と、性病に対する報告書が同時に映されたり、細かいこだわりも見られます。


さて、主役である自衛隊は力の権化で、無双しまくります。
まあ、力の権化だからこそ敵側も動きを変えるので、物語としては必然です。

ただ、ほかに無力化する手がありそうに見えても、なぜか殲滅戦ばかりです。
何百人もの敵兵をまとめて蜂の巣にする中、自衛官が肩に矢を一発だけ受ける。
この明らかな火力差と描写の差のおかげで、戦闘が単なる殺戮に見えてしまいます。

人命救助は何度も出てきますし、反応や対応の面でも日本側の美点を推しています。
大筋としては、日本や自衛隊を「良いもの」として描こうとしているはずなんです。
しかし、戦闘は終始一方的で、毎回多数の敵兵が命を落とします。
容赦のない圧倒的な破壊を見せた冒頭の描写を加味すると、人の命をどう考えているのかさっぱりわからなくなります。
つまり、普段の行動と戦闘時の行動に大きなズレを感じるんです。

「それが戦争ですよ」とか言われるとオシマイですが、冒頭で日本側の被害や敵側の悪意をちゃんと描写していれば、ギャップはいくらか埋まったと思います。
復讐心でもなんでもいいから、作品なりの「正義」がしっかり描かれていればよかったんですよね。

原作小説や漫画では細かい描写があるようなので……大人の事情なのかなぁ?


設定、ストーリーはおもしろいし、話の筋はしっかりしています。
それだけに普段の活動と戦闘とのバランスの悪さがもったいないです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 43

83.8 6 異種族アニメランキング6位
小林さんちのメイドラゴンS(第2期)(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (555)
2066人が棚に入れました
あのはちゃめちゃドラゴンメイドが再び!ひょんなことから小林さんちのメイドとして働くことになったドラゴン・トール。大好きな小林さんに時々(嘘。たくさん)迷惑を掛けながらも、なんとか人間社会に溶け込み立派に(嘘。そこそこに)メイド業をこなしていた。同じドラゴンのカンナ、ルコア、ファフニール、エルマたちも、それぞれ自分の居場所を見つけて、人間たちと異種間コミュニケーションを満喫していた。そんなまったり、たまに激動の日々を送っていた頃。小林さんに、新たなドラゴンの脅威が襲いかかる―。

声優・キャラクター
田村睦心、桑原由気、長縄まりあ、高田憂希、髙橋ミナミ、嶺内ともみ、小野大輔、中村悠一、加藤英美里、後藤邑子、石原夏織

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「変わらない」って、実はすごいこと。

OPは、メイドラゴンらしい良い味がでていました。
曲の冒頭は、耳に残りますよね。
カンナちゃんは、相変わらず可愛いです。
他のドラゴン娘たちの乳は、相変わらず大きいです。
しかし、もはやここまでくるとエロを通り越して、エロくありません。
トールのしっぽと同じ類の「なにか」になってしまっています。
こうなると、別の何かを求めカンナに人気が集まるのも頷ける気がします。


1期では、小林とトールが各々自分の気持ちに答えを出すと言う話でした。
二人は、生まれ育った世界が違うのに一緒にいてもいいのかと悩みました。
でも、最後は、「一緒にいたい」と決心したのでした。

一方、2期は、大半が面白系エピソードですが、少しだけシリアスです。
小林とトールの間に急に重い話が入ってくるように感じるかもしれません。
しかし、これは二人にとって必要なエピソードなのだろうなと思います。
やはり、付き合いが長くなってくると、いつかは、こう言う時がきますよね。
相手のことが、面倒くさくなったり、重く感じてみたり・・・。
むしろ親密になってくればくるほど避けて通れません。
二人は、これを乗り越えられるかどうかがこの物語では試されます。
もし、ここでお互いが「重いな」って思って距離を置いてしまったら・・・。
所詮、それまでの仲だったと言うことになってしまいます。
さて、二人の結末は如何に・・・?


確かにギャグ作品でシリアスエピソードは必要かと言う話はあります。
でも、そう言う意味では、1期も重い話はありました。
ですので、メイドラゴンとは、そう言う話だと納得できれば大丈夫でしょう。
ただ、1期は、そのシリアスの描き方がたぶん上手かったのだと思います。
つまり、シリアスを上手く日常ギャグの中に溶け込ませていたと感じます。
逆に2期は、シリアスとギャグの境目がはっきりしちゃったのでしょうね。
そのため違和感があったのだと思います。


ところで、2期は、いろいろ翻弄された作品でした。
しかし、拍子抜けするほど良い意味で前作と変わっていませんでした。
「変わらない」って実はすごいことなのだと思います。
それは、一度途切れたものをもとに戻すには相当な努力が必要なはずだからです。
また、2期は、暗い過去や努力の痕跡を視聴者に感じさせませんでした。
そう言うところも、また、プロフェッショナルの仕事だなと感心させられます。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 40

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

スーパーちょろごんずに追加メンバー!

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
「S」の付かない『小林さんちのメイドラゴン』の続編となる2期目。原作漫画『小林さんちのメイドラゴン』はスピンオフ作品を含めて月刊コミックフラッパーズの看板連載になっています。

京都アニメーションとしてはいかんともしがたい理由により武本監督から石原監督に交代となっていますが、シリーズ総監督として武本氏の名前はクレジットされています。

1期目終了から本作まで間がけっこう開いたからか、本作でのキャラの初出でキャラ名がテロップ表示されるのは親切設計ですね。

2期目ともなると混沌勢、調和勢、傍観勢といったドラゴンたちの間の勢力争いといったこの作品ならではの設定も特に説明もなく当たり前に出てくるのですが、それでも日常パートでの笑いも取ってくる謎のバランス感覚は健在ですが、何とはなしに監督交代の色みたいな物は感じなくもないです。

原作漫画では3巻巻末で登場のイルルが新たなドラゴンとして加わって、ここまで多少のエピソードの原作からの入れ替えなども交えつつ、原作4~6巻辺りのエピソードを中心として、イルルが人間界に馴染む過程を含めた人間とドラゴンたちの間の異種族間コミュニケーションによる人外日常コメディーとしてアニメも楽しんでゆくことができそうです。

ただ今のところの印象では、1期目よりも本作の方が原作のテイストに近いシリアス目の成分多めな感じを持っています。

OP主題歌『愛のシュプリーム!』の歌い出しがラップだったのはビックリでしたね。背景アニメーションも、監督の違いによる色みたいな物は感じました。

本作は最終話まで観る予定です。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.10.1追記:
第12話(最終話)まで観終わっていましたが、更新が遅れていました。

喋ってる人間とは直接関係ないところで、キャラがいちいち細かい所作で動きまくる。良い意味で頭のオカシイ演出と作画でした。京アニしか、勝たん。

ストーリー/エピソードに関しては必ずしも原作に忠実というわけではなかったんですが、もうメイドラゴンはこれで良いのかもしれない…。
(それでも全体ストーリーに関わる、キーになるエピソードはちゃんと拾われてはいます。)

投稿 : 2024/06/22
♥ : 48
ネタバレ

olmo さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメ業界盟主の帰還

あの事件以来もう二期はないんだろうな…と考えていましたが、良い意味でのまさかテレビシリーズで二期があるとは思いもしませんでした。

さて前書きが長くなりましたが、1話目を観た感想としては控えめに言って作画が最高でした。
他のアニメ制作会社にはできない色合い、そして安定した描写と動きの作り込みが良くできていた印象です。

また、opアニメーションも頭に印象付けられるような動きをしておりこれに関しては一期より更に良くなっているように感じられました。

ストーリーに関して言えば、アニメ制作側の要因ではないのですが、{netabare}漫画とはどうしても流れが違うので後半パート、イルルの登場シーンが微妙になってしまってた印象です。
しかしながら前半パートのトールのバイト回は漫画を上回っていたと感じましたのでそこまで後半パートに関して言えば気になりませんでした。{/netabare}

再び京アニ作品を観れることに感謝しつつ、ここから1クールでどのように収めるのか楽しみに見ていきたいです。

4話までの感想(2021/07/31)
{netabare}ここまでのところ原作のストーリーを忠実に踏んでいる感じですね。
あとは会田君とイルルとの絡みとトールとイルマさんの過去回やる程度なのかという感じですが、折角ここまで忠実に作ってるのなら作者も交えて日常回のアニオリを作ってもいいかもしれませんね。

どちらにせよ作画は基本的に安心して観れるので、とてもノーストレスです。{/netabare}

6話までの感想(2021/08/13)
{netabare}ここまで原作とのストーリーの乖離は無いですが、5話以降急に作画と演出が変わったように思えます。
特にキャラクター毎のシリアス展開な演出もそれぞれの性格に深みを持たせてきている所が以前と違うかなと感じました。

ここからは石原監督のメイドラゴンになり、原作もシリアス?な展開が続くのでここからまた見方が変わるかもしれません。{/netabare}

投稿 : 2024/06/22
♥ : 8

66.8 7 異種族アニメランキング7位
セントールの悩み(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (247)
967人が棚に入れました
【姫】こと君原姫乃は、【人馬(ケンタウロス)】の形態をした女子高生。この世界の人類は、現実とは別の進化をたどっており、【翼人】【竜人】【長耳人】【角人】【牧神人】【人魚】【人馬】といった形態に分かれています。そんな様々な形態をしたクラスメイトの少女たちと、楽しい高校生活を送っていく人外娘たちの日常コミックが原作。

声優・キャラクター
桑原由気、深川芹亜、白石晴香、鎌倉有那、綾瀬有、桐生朱音、宮島えみ、黒木ほの香、大泊貴揮、本橋大輔、矢野智也
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ピュアリーモンスター

原作未読。最終話まで視聴。

亜人(というよりモンスター)娘の日常+αな作品。

『両手足+背中の羽根』のキャラデザはほかの作品でもよく見かけるし、あまり違和感を感じなかったけど、姫ちゃんの人馬スタイルは最後まで馴染めなかったです。
(っていうか、人馬って裸足なんだ・・・。って思った)
姫ちゃんは可愛かったですけどね!

物語として面白い回(日常回orコメディ回)は良かったです。
それなりに楽しめました。
{netabare}(第4話の、女子高生がお互いの股間を見せ合う話は少し引いちゃいましたけどね・・・){/netabare}

何かよくわからない回(シリアス回ともちょっと違う気が・・・)は正直、意味不明で、少し残念でした。

委員長の家の3姉妹(千草・千奈美・千穂)は面白可愛かった。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 26

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「人間だけど人間じゃない」娘たちのキュートな日常…

この作品の原作は未読ですが、キャラデザからモン娘的臭いを感じたので視聴を決めた作品です。
でも放送開始早々、ふと感じたことがありました。

この作品のアニメーション制作はHAOLINERSなんです。
HAOLINERSといえば、「Spiritpact」や「一人之下 the outcast」のような中国発の出生が謎に包まれた無双系…或いは「銀の墓守り」や「縁結びの妖狐ちゃん」のような血の繋がりを大切にする作品を輩出するイメージを強く思っていました。

でもこの作品はこれまでの作品と明らかに毛色が違います。
それだけじゃありません…HAOLINERS枠の放送でもなければキャラデザも悪くないし何より面白いんです。
正直謎だと思っていました。
でも、完走してレビューを書くためにwikiをチラ見してようやくこれまで抱いていた謎が解けました。
この作品…もとは日本のコンテンツでHAOLINERSが制作を請け負っていたんです。
だから総監督は「蒼の彼方のフォーリズム」や「えとたま」を手掛けられた追崎史敏さんでその他のスタッフ陣も日本人が勢揃い…
決して中国発の作品が面白くない訳ではありません。
ですがクオリティは流してきた血と涙の量に比例すると考えているので正直差はあると思っています。
それに日本人ならではの風習や考え方も自分に合っているので…

この物語は女子高生の日常を描いた作品なのですが、ポイントは様々な人種が入り混じって生活していること…
肌の色が違う…というレベルではなく、人馬・竜人・翼人といった根本から違う方々が共生しているんです。
そして人種差別が法律違反になる事から人種間の争いもなく皆平和な日々を謳歌しています。
だから殺伐とした雰囲気は微塵も無く、とてもほのぼのとした雰囲気が感じられる作品です。
そして、このほのぼのとした雰囲気はとても心地よく感じられるのですが、この作品の持っている武器はそれだけではありません。

この作品の盾と矛に匹敵するのが笑いと可愛らしさだと思っています。
登場人物はいつだって一生懸命…だけど、それが逆にクスッと笑える時ってあると思います。
この作品の笑いはそういう類です。
そしてもう一つの可愛らしさ…人馬である主人公の姫を取り囲む高校の友達は皆さんそれなりに可愛いと思いますが、私にとって核爆弾に相当したのが姫の翼人の友人である三つ子の妹たちでした。

別に三つ子の妹…ちぐさ、ちなみ、ちほが保育園児だったから、という事は断じてないんだからねっ…
息のピッタリ合った年相応の言動が堪らなかっただけなんだから…
こんな言い訳が思わず頭をよぎるほどの存在…
好奇心旺盛で、元気一杯で、お姉ちゃんが大好きで…
そういう意味からすると、姫の従妹の紫乃も三つ子の妹と同格だったかも…

何をするにも全力投球で言動が素直で裏表がなくて…
人間幼い頃は誰だってそんな感じだった筈なんですが、年齢を重ねていくうちに幼い頃の面影はどこへ行ってしまったのやら…
生きていくために必要なこと…だと思います。
人は必要に迫られながらどんどん変化していきます。
今の自分はどっちを向いて変化しているかは分かりません。
けれど、願わくば退化ではなく進化であって欲しいと思っています。

声優陣は若手を中止に実績のある方を織り交ぜたような布陣です。
山賊の娘ローニャのローニャ役、あんハピ♪の雲雀丘瑠璃役を演じた白石晴香さん…
灼熱の卓球娘の出雲ほくと役、小林さんちのメイドラゴンのトール役を演じた桑原由気さん…
ハイスクール・フリートの宗谷ましろ役、風夏の秋月風夏役を演じたLynnさん…
因みに三つ子役は大図書館の羊飼いの小太刀凪役、響け! ユーフォニアム2の鎧塚みぞれ役を演じた種崎敦美さんでした。

日常を描いた作品なので展開に抑揚はありませんが、日常ならではの良さがしっかりと感じられる作品だったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ピュアリーモンスターさんの「教えてダーウィン」
エンディングテーマは、亜咲花さんの「Edelweiss」
どちらの曲も大好きでした。
でもより心を惹かれたのはオープニングでした。
マイナー調のサビのメロディとか私にとってのストライク…
誰が作ったんだろう…と思って調べてみたら志倉千代丸さんでした。
そっか…いとうかなこさんを彷彿させる曲調にも納得です。

1クール12話の物語でした。
物語上、きっと1クールで終わるんだろうな…と思って見ていましたが、いざ実際に終わってしまうと寂しさを感じてしまいました。
毎回の視聴が楽しみでしたから…
もし続きが制作されるなら絶対に視聴したいと思います。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 13

37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

OP前のアイキャッチだけがマイナス。心に刷り込まれた負のイメージ

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:ハオライナーズだが、中華臭は一切ない。ハオライナーズで-1、中華臭がないので+1
期待度:★★★

これって、ハオライナーズが作成してんの?結局ほかの中華駄作達と明らかに一線を画したクオリティーなんですけど。。

そういった背景に全く疎いのですが、そういったの度外視してみてもかなり面白い日常系になっているのではないかと思います。

モン娘よりも全然こっちの方がいい出来。

途中女の子同士で股間見せ合ってるのだけはかなりドン引きしましたけど…

後、途中ちょっと政治色が出てきたときはひやひやしましたが、ああいった主張的なことはせずやわらかーい雰囲気で通してほしかった。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 14

66.4 8 異種族アニメランキング8位
モンスター娘のいる日常(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (727)
4348人が棚に入れました
人間以外の種族との交流が認められた日本が舞台となる。

主人公・来留主公人(くるす・きみひと)の家に、下半身が蛇のラミア族のミーア、鳥の翼と脚をもつハーピー族のパピ、下半身が馬のケンタウロス族のセントレアをはじめ、個性豊かなモンスター娘たちが続々と転がりこんで共同生活を送るストーリーとなっている。

声優・キャラクター
間島淳司、雨宮天、小澤亜李、相川奈都姫、野村真悠華、山崎はるか、中村桜、小林ゆう、麻倉もも、久保ユリカ、持月玲依、大西沙織、加隈亜衣、大津愛理、瀬戸麻沙美、種﨑敦美

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どの娘を推して見るか・・・真面目に考えたら結構悩んでしまいました^^;

この作品の原作は未読で内容も全く分からないまま視聴を始めてしまいました。
視聴の決め手は雨宮さん、小澤さんが出演されるということ、のみでした(//∇//)
やっぱり好きな声優さんが出演される作品は見ておきたい、と思いますよね^^;
こうして当期内で視聴する作品が膨れ上がっていくのは認識していますが、こればっかりはどうしようもありません^^;
結果的に殆どの作品で楽しめているので問題無いんですけれどね^^;

物語は、人以外の種族との交流に関する法律「他種族間交流法」に基づき、人以外の人種が地球で暮らせるようになった世界が舞台になっています。
そしてこの物語の主人公は、他種族間交流のホストファミリーとして任命された来留主 公人(くるす きみひと)。
他種族は地球上ではこのホストファミリーの家で生活する事になっています。

こうして1話目からモン娘とご対面するわけですが・・・最初は大きさにビックリしましたが、それはすぐに慣れて・・・慣れるとモン娘が可愛く見えてきました^^
人間とは異なる体型をしていますが、喜怒哀楽を全身で表現するのは、人間も他種族も一緒です。
それにそれぞれの特徴を良く捉えているので、生傷の絶えない主人公には申し訳無いと思いますがしっかり堪能させて貰いました^^

この作品では、以下のモン娘が主人公の家で同居する事になります(wikiより)。
・ミーア(CV:雨宮天さん):ラミアの少女。
・パピ(CV:小澤亜李さん):ハーピーの少女。
・セントレア(CV:相川奈都姫さん):ケンタウロスの少女。
・スー(CV:野村真悠華さん):少女の形をしたスライム。
・メロウヌ(CV:山崎はるかさん):人魚の少女。
・ラクネラ(CV:中村桜さん):アラクネの女性。
・ララ(CV:加隈亜衣さん):デュラハンの少女。

また、主人公の家にモン娘を送り込んでいるコーディネーターの墨須さんの部下にもモン娘が存在します。
・マナコ(CV:麻倉ももさん):単眼種(モノアイ)の少女。
・ティオニシア(CV:久保ユリカさん):鬼人(オーガ)の少女。
・ゾンビーナ(CV:持月玲依さん):リビングデッドの少女。
・ドッペル(CV:大西沙織さん):影人(ドッペルゲンガー)の少女。

沢山のキャラが登場するため、一人一人のモン娘に当たるスポットライトは序盤から登場しているミーア、スー、セントレアなどと他のキャラを比べると差が生じてしまうのは仕方の無いことだと思います。
それでもキャラ単独で登場するシーンが多くないので、沢山のキャラが登場する作品にありがちな「最初に登場したキャラはどこへ行ったのやら・・・」という事を感じる事が少なかったと思います。
その分制作サイドは大変だったと思いますが・・・^^;

私は普段作品を視聴する際、推しキャラを決めてそのキャラ中心に見る事が多いので、今回も推しキャラを決めようと思いましたが、誰を推すか今回は結構悩んでしまいました^^;
爬虫類、鳥類、哺乳類、魚類などとありとあらゆる種族が入り乱れている中で誰を推すか・・・
皆んなちょっとずれているところもありますが、役に立ちたいとか、格好良いところを見て欲しいとか、根が素直で一生懸命なので見ていて微笑ましいんですよね^^

結局雨宮さん演じるミーアを一推し、小澤さん演じるパピを二推しで視聴していました(//∇//)
その他のキャラが嫌いなわけではありません。
ケンタウロス族の誇りを必死に守ろうとするセントレア、何気に皆んなのピンチを救っているスー、殺伐とした雰囲気の多い中、おっとりとした感じのメロウヌ、お姉さん的立ち回りで推しの候補に入れようか最後まで迷ったラクネラ、終盤に登場したララの恥じらいの顔も気になりましたが、序盤から何度も見て来た一生懸命の回数が決定要因になったようです^^;

オープニングテーマは、ミーア、パピ、セントレア、スー、メロ、ラクネラの「最高速 Fall in Love」
エンディングテーマは、墨須 with MONの「Hey!スミス!!」
オープニングはヒゲドライバーさんが作曲されています。それを知って速攻でゲットしちゃいました^^;
どちらも車の中で聴いています^^

1クール12話の作品でした。冒頭にも記載しましたが、モン娘達の可愛らしさと一生懸命をしっかりと堪能させて貰いました。
この作品で一番気になっているのが今後の動きです。
最終話16分15秒くらいの場面でとあるお店の看板が映し出されているのですが、何やら書いてあるんですよね^^
これに関する事実関係は不明ですが・・・もう期待しちゃっているのが本音です^^

投稿 : 2024/06/22
♥ : 28

うち. さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

モンスター娘のいる日常に私は行きたい(切実)

ヒロインが「モンスター娘」の珍しい(?)アニメです。
よくある主人公がモテモテで女の子にチヤホヤされる展開ですが、ヒロインは全員人間ではなく外見がモンスターなのが特徴。
下半身が蛇とか馬とかのヒロインが出てきますので人を選ぶでしょうね、気にしない方はハーレムラブコメとして認識すると思います。

二話感想
今回はハーピー、ケンタウロスが出てきましたね
ハーピーは比較的馴染み深い存在だと思います、主にカードゲームやテレビゲームによく出てきますからね。
ケンタウロスはハリーポッターに出てきたかな?(曖昧)
パピは漫画より可愛さが増していた、やはり動くと違いますね…声優効果もあります。
セントレアは動くたびに「パカッ」と馬特有の音が聞こえるのが面白いですね。
主人公が料理(家事)を手伝って欲しいと言っていましたがミーアとセントレア以外の料理の腕は判明していません。

五話感想
 人魚のメロが参戦しました。
名前の由来はおそらくメロドロマから。
人魚は極めてポピュラーな存在だと思われます童話「人魚姫」やディズニー映画「リトルマーメイド(実は観たことが無い)」等です。日本のアニメでも「むろみさん」とか「瀬戸の花嫁(観たことが無い)」等あります。
 人魚…セイレーンの類もまた人に害をなすモンスターとして登場したりしますが、主に船に乗っている人を歌で魅了し海に落とし…といったとんでもないことをする種族です。
 人魚は魅力たっぷりな存在なので是非調べてみてください。
・SIREN2
PS2のソフト、人魚っぽいキャラが出てくる。一部の物語は人魚姫をモチーフにしている。
・ウィッチャー3
PC,PS4のゲーム。敵としてセイレーンが出てくる。泳ぐ上に空も飛ぶ。敵としてモンスター娘も登場する(生かす選択も出来る)
・ハリーポッターと炎のゴブレット
映画。セイレーン(人魚?)が出てくる、怖い。
・陰陽師(一作目)
映画。人魚の肉を食べた女性役に小泉今日子さんが出演してます。

…人魚が好意的な待遇の作品ってアニメくらいしかない?

六話感想
ミーアの脱皮回とパピの産卵回でした、遂にヒロインが脱皮とか産卵する時代がやってきたのですね…

七話感想
遂にMONが出てきました。
抜け穴だらけの他種族交流法を補う為に他種族のみで結成された部隊です。

 マナコ…銃撃を外したのは夜目が効かないからだそうです。
モノアイ族で視力が凄く良い。妖怪か何か?いやめっちゃ可愛いキャラですよ?
 ゾンビーナ…ゾンビです(知ってる)おそらく世界で一番有名なモンスター属性。
 ティオニシア…オーガ族、バストサイズはなんとPカップ!良い子はGoogle画像検索しちゃダメだぞ!良い子はオーガ 姫騎士とか間違っても検索しちゃダメだぞ!
 あんまりオーガ族というのは良いイメージが無いですね…ティオは可愛いよ!
 ドッペル…ドッペルゲンガー、正確にはシェイプスター(変身能力者)なのですが結局のところ本当の正体は不明。

八話感想
スーの声真似と動作真似が良かったですね。
あそこはアニメだからこそ栄えました。
物真似と言えば「ほぼ毎日◯◯!生っぽい動画」でドッペルが全ヒロイン(MON含む)の物真似をしましたがあれはびっくりしました…脳が混乱しました。

しかしあのDQN(常識を弁えない連中の指すネットスラング)のカップルは瓜二つの他人なんでしょうか、彼らもドッペルの可能性が…?

 最終回まで観た感想
 ヒロイン全員モンスター娘という異色のハーレムアニメでした。
やたら作画が良くてキャラデザも高品質でエロスも完備している良作だったのではないでしょうか。

 一話の時点で人を選ぶと思います、蛇とか蜘蛛が本当に生理的に無理な人は果たして視聴出来るのかが疑問です。そういった面ではこの作品は視聴者にとっては狭き門なのでしょう…
 やはり私にも苦手なキャラというかキャラの特徴があるのですが、メロの鰓が苦手で理由は「めくったらグロそう」というアホの理由です。でも好きなキャラですよ?

 エロい時はとことんエロく可愛い時はとことん可愛く描写されていたアニメだと確信しています。

WEB漫画時代からアニメ化するとは夢にも思いませんでした、スタッフに賛辞の言葉を贈りたいです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 15

うぐいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

女性にもおすすめできるエロ、、だと思う

タイトルにひかれて日常系だと思い視聴したが、非日常にも程があった。
序盤からエロシーン連発だが主人公の誠実さがこのアニメの良心だった。
女性?キャラもそれぞれ奥ゆかしさがあり、品の良いエロがあるアニメだと定義してもよいと思う。
メインヒロインの雨宮天はキャラ的に損してる感じで思ったほどでもなく、パピ役の小澤亜李の演技はエロ的に良かった。
個人的にはドSなのに優しさを持つラクネラさんが好き。
物語の本筋は結構良い話だと思った。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 6

75.1 9 異種族アニメランキング9位
ありふれた職業で世界最強(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (664)
2960人が棚に入れました
“いじめられっ子"の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい――!?脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強"異世界ファンタジー、開幕!――そして、少年は“最強"を超える。

声優・キャラクター
深町寿成、桑原由気、高橋未奈美、日笠陽子、大西沙織、花守ゆみり、加隈亜衣
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ありふれたの定義とはいかに

【紹介】
異世界に召喚されたものの錬成士という戦闘向けではない職業だったために
仲間からお荷物扱いされて、命を失いかけたことがきっかけで覚醒して最強の能力を手に入れたという話。

錬成士って職業はありふれているの??よくわかんない。

主人公が嫌な体験から性格こじらせている点は盾の勇者の成り上がりと似ている。主人公が復讐にこだわらないところも一緒。
主人公の能力は転スラと似ていて、食べた魔物の能力を手に入れるというもの。
ただこちらはスライムではなくベースが人間なので、転スラほどのチート感はない。

主人公の能力はかなりチートだけど、チートでも苦戦する敵ばかりなので意外と緊張感があって悪くなかったです。
ありふれた異世界チート能力モノとはちょっと違った面白さがありますね。

主人公が敵と戦う時に
{netabare} どうしようもない悪は容赦なく殺すところは好き。
ほとんどのアニメは健全な視聴者への配慮なのか、悪を簡単に許しすぎだと思う

{/netabare}

残念なポイント
・全体的な説明不足。
・性格こじらせるのはわかるけど、もともとの性格から変わり過ぎ。
ほぼ別人で元々の性格の面影がみじんもないのは気になった。
いくらひねくれても元々の性格の名残はどこかに出てくるものだと思う。
・主人公を陥れた人がほぼただのモブなのが残念。もっと倒すべき敵って感じが出ていれば良かったけど。
・性格ひねくれさせすぎて、他人に無関心になりすぎなのは賛否分かれそう。

残念なところもあるけど、異世界転生モノの中ではだいぶ面白いほうで、最後まで楽しんでみることができました。

2期もあるので是非ご覧ください。私は2期も雑なハーレム以外は好きです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 23

ほのほの さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

なろう小説が好きなんじゃない、『ありふれ』が好きなんです!

なろう小説サイトを知り、他の作品も幾つか読んでみたんだけど、どれも途中で読むのやめてしまった。

その中で、唯一飽きることなく最後まで読み込んだ作品。
web版、小説版、外伝零、漫画版、『日常』を全部読んでしまうくらい引き込まれました。

賞賛や批判は各々意見があるでしょう……むしろ、なろう小説ということから、あまりいい評価を貰えない可能性の方が高いかもしれない。


けれど、そんな事はどうでもいい。
自分は『ありふれた職業で世界最強』が大好きなんです!

投稿 : 2024/06/22
♥ : 10

バニラコーク さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

錬金術はありふれてはない。

なんだか評価低めみたいだけど、
すっげー面白かったです。
底辺から這い上がる主人公。
いきなり最強ではなく過程を踏んで強くなる。
何が足りないって、異世界に召喚される前の
学校での事。主人公の生い立ち。
ここいらを丁寧に描写しておけば
もっともっとのめり込めたんではないかと。
あと、クラスメイトとの絡みがもっと欲しかったかな。
これも召喚前の描写があれば色々出来たのになぁ。
クラスメイトとの関係性がいまいち説明不足なのが惜しい。
最終話はやはりスカッとするけど
なんとなく主人公にとって良くない結末を迎える
そんな気がします。
ともあれ二期があるようなので首を長くして待ちたいと
思います。
ソードアートのレビューでも書きましたが
やはり異世界召喚ものは現実世界の描写が大切であると
痛感します。
錬金術ってありふれてないよね?

素敵な作品に大満足。感謝です!

投稿 : 2024/06/22
♥ : 8

71.0 10 異種族アニメランキング10位
うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (361)
1503人が棚に入れました
若くして頭角を現し、その名を知られる凄腕冒険者の青年「デイル」。とある依頼で深い森へと足を踏み入れた彼は、ガリガリにやせ細った幼い魔人族の少女「ラティナ」と出会う。片角を折られ罪人の烙印を押されたラティナをそのまま放置できず、保護者になることを決意したデイルだったが――「ラティナが可愛すぎて、仕事に行きたくない」――気づけばすっかり親バカ全開に!?

声優・キャラクター
高尾奏音、岡本信彦、小山剛志、沼倉愛美、桑原由気、高野麻里佳、田村睦心、広瀬ゆうき、福原かつみ、井上雄貴、福緒唯、芝原チヤコ、関俊彦、中村桜、米内佑希、井澤詩織

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

笑顔が止まらないホームアニメ

このアニメは心がほのぼのとなります。
ラティナの笑顔が可愛くて可愛くて、すごく癒されます。

18歳の凄腕冒険家デイルは、ある日、森の中で魔人族の女の子ラティナに出会います。
ラティナの父親(?)は森の中で死んでおり、ラティナは独りぼっちでした。
孤独な幼子をほおっておくことができないデイルは、ラティナに食べ物を与えて町に連れて帰り、面倒を見るようになります。
デイルが下宿している居酒屋の夫婦も、ラティナのことを大切にしてくれます。

そしてこの居酒屋は、怖い面相の荒くれ男たちがたくさん出入りしていますが、その荒くれ男たちも、ラティナに優しくしてくれます。ラティナの前では、ただの優しいおじさんに変わるのです。
そのギャップがとてもほのぼのします。
まるでホームアニメのようです。

ラティナは賢い子です。デイルがいない間、ラティナは居酒屋のお手伝いを自発的にします。自分が置かれている立場を幼いながら理解しているようです。
そしてラティナがけなげに店のお手伝いをする様子が、大変愛らしくて癒されます。


ラティナの笑顔を見て、私は、我が子が赤ちゃんのときに見せた笑顔を思い出しました。
どんなにつらいことがあっても、この笑顔のためならば、我慢できる。
そう思わせてくれる笑顔です。


ラティナのためならば、デイルは本当に魔王でも倒せるかもしれません。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 43

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

こちらのアクセラレータさんも女児にはメロメロです(笑)

原作未読。最終話まで視聴。

ただただひたすら、ラティナを愛でる作品。
それ以上でもそれ以下でもない(笑)。

「こちらのアクセラレータさん」ことデイル(CV岡本信彦さん)もメロメロ。
ジルさんをはじめ、踊る虎猫亭の常連たちもメロメロ。
登場人物の多くがメロメロになっちゃうラティナの魅力満載な作品。



以前から言ってますけど、私はロリコンではありませんからね!

投稿 : 2024/06/22
♥ : 27

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

能天気な異世界ものではなく、悲哀がありました。

 娘を狙われている父親が魔王倒すという物語を想像していたのですが全然ちがいました。テンプレ俺TUEEEでも日常でもありませんでした。
 根底に流れるのは寿命の違いによる悲哀です。7話と最終話でかなりクローズアップされます。女性たちが語るセリフ、特に7話の未亡人がなかなか良かったです。
この寿命という日常生活では忘れるけど、どこかで意識してしまう物悲しいテーマがあるので、なんといいますか能天気には見ていられないところがあります。
「泣かせるストーリー」ではなく「悲哀」あるいは「切なさ」が自然に表現されている物語は基本的に良作なことが多いし、本作もその通りだと思います。
 
 全体的に魔族との対立みたいなテンプレでもないのが良かったです。学校での事件も少し話が短絡的でしたが、幼いラティナが思い切った行動に出たとき、思わず息を飲んでしまいました。もちろん胸が痛くなりました。現代の子供たちに通じる内容で、いろいろ考えてしまいました。

 ちょっと異世界版よつばとという雰囲気もありました。内容はよつばとほどギャグでなく、もっとシリアスよりな感じですが。

 もちろんシリアスだけでなく、ラティナの可愛いところはたっぷりあります。動物に好かれる、そして食堂というか酒場の皆から可愛がられるところ。ほのぼのして良かったです。

 なぜ似たような異世界ものが多い中、こうやってなかなか感動があるのと、まったく内容が無い物があるのか不思議です。製作者側は、やたら本数を作るのではなく、こういういい話をしっかり2クールとかでしっかりした作画でやって欲しいです。

 最近の異世界もののアニメの特徴の尻切れトンボでしたが、この先が非常に気になります。2期くるんでしょうか。アニメの出来からいってきてもおかしくなさそうです。是非お願いしたいところ。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 6

65.8 11 異種族アニメランキング11位
異世界迷宮でハーレムを(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (206)
669人が棚に入れました
ある日、この世に絶望していた加賀道夫が見つけたのは、あやしげなネットゲーム。 ゲームに書かれた、この世界が生きづらいなら異世界で生きればいいという言葉に誘われるまま、 設定やキャラメイクを終えた道夫を待っていたのは、現実とは異なる本物の異世界だった。 様々なスキルやジョブ、魔法に迷宮とまるでゲームのような異世界を舞台に、 自らのステータスを自由に再設定することができる力を駆使して、道夫の冒険が幕を開ける。

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

Roxanne You don't have to put on the red light

2023/01/03 初投稿
2023/01/09 加筆

「エロ枠でしょ?あんまり興味ないけど冷やかしで見てみようか。」って感じで見てみました。

正直,認めたくないのですが・・・面白かったです^^;
すごく短く感じました。気がついたら全12話見終わっていた・・・
感覚的には半分くらいにしか感じませんでした。
いったい何が面白かったのか考えてみると
恐らくなのですが,自分は結構ゲームをやるのですが,ゲームに近い感覚だった事かなと思います。あ!もちろんエロゲじゃなく,RPGですよ!!w
ゲームだとかなり時間を要します。
それに比較してなんとなくゲームをやっているようなストーリー展開で全12話OP,EDカットすれば正味約4時間というお手軽さです。タイパかなりいいです。

一方面白かっただけにエロ要素はむしろ不要と感じました。そういう関係になるのは全く不自然では無いというか,むしろ当然の流れだったとは感じるのですが・・・結構な尺を使い描かなくてもいいのでは?てかウィンドウ並んでいるカットを見せられても・・・(突起エラーや割れ目エラーにはちょっと笑っちゃいましたが^^;)その分本編に時間を割いて欲しかったw

一応申し訳程度ではあるのですが,主人公が現在の日本での価値観と異世界の価値観の狭間で葛藤する様子も描かれていて良かったと思います。エンタメ振りなので突き詰めず触れる程度で十分かとも思いました。

あとは,ハーレム物のように見せかけてハーレム要素は臭わせたくらいなのも悪くありませんでした。

OP 曲は普通ですがロクサーヌが素晴らしいです。
EDはヤバいです!!一回聞いただけで「お魚天国」のように脳内で反復されます。
「絵画より!ダイヤより!!美しい夢の逸品!!!・・・」無限ループ。油断していると口ずさみそうになりますf^^;

まとめると
ま,なんか分からなかったけど面白かったのです(笑)

でも。これの直前に見た「黒の召還士」と脳内で混ざり合っているような気がしますf^^;


2023/01/09 加筆
レビュータイトル
「Roxanne You don't have to put on the red light」
検索してもらえると嬉しいです(^0^)/

投稿 : 2024/06/22
♥ : 15

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

このエロには意志がある!(お見合い夫婦の距離感)

AT-Xにて「超ハーレム ver.」での視聴でした。地上波放送の方が時間帯的に後だったこともあり、たまに規制シーンがどうなっていたのかを録画で確認したくらいで規制版はほとんど観ていません。

本作はコミカライズからの流れでいわゆる「エロシーン」が評判になったアニメですが、意外にもラノベなどにありがちないわゆる「ラッキースケベ」的な描写はまったくありません。

迷宮(ダンジョン)での戦闘シーンにおいて女性キャラが粘液まみれになる、グルグル巻きに糸で縛り上げられる、下着や肌が露わになる、服が溶けるといった他作品でありがちなエロ描写は一切なく、翻ってエロシーンは必ずそれを始める意志が伴って始まる点が特徴的です。

さて本作主人公の加賀道夫ですが、転移先の異世界において特に「世界としての役割」を負わされていません。なろう異世界ものでお馴染みの転生担当女神みたいなのもいませんし、魔王を倒す勇者としての役割を負わされたりもしていません。

状況としてはオープンワールドRPG的な世界でただただ生き延びて明日を無事に迎えることが直接的な目標になってしまっている、ある意味で「志の低い」ストーリーです。

そんな中で始まりの村的なところでゲームイベントとして盗賊を殺し、生計を立てる手段として迷宮探索を選び、ソロ攻略は辛いからという理由で奴隷としてロクサーヌを買い、生き延びるために地味に迷宮や世界自体のルール把握に努めます。

奴隷商のアランからは「獣人で戦闘力は高いが、人間との性行為では子供ができないし性行為に応じることにも同意している」ということでロクサーヌを紹介されますが、道夫はロクサーヌの意思を探りそれを尊重しながら徐々に深い信頼関係を結んでいく点がなかなかに興味深いところです。

二人目の奴隷セリーが登場するのは終盤2話だけであり、道夫とロクサーヌの関係が深まってゆく感じはまるでお見合い夫婦のそれのようでした。

「エロシーン」が単に「裸を見せるため」というところにとどまっておらず、かなり面白かったです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 21

70.2 12 異種族アニメランキング12位
群れなせ!シートン学園(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (242)
850人が棚に入れました
ここは様々な動物が共に生活する、動物たちの学園。その名も「私立シートン学園」生徒たちが弱肉強食の精神を育むための神聖なる檻。各々の生存を懸け、絶えず異なる種族間での争いが日々巻き起こる。動物嫌いの"人間"間様 人(マザマ ジン)と独りぼっちの"オオカミ少女"大狼ランカ(オオカミ ランカ)1人と1匹の運命的な出会いによって、ハチャメチャ学園ライフが始まる―!姿形は違っても、ペロペロすれば群れなせる!「ペロペロしたら仲間!私の群れへようこそ!!」

声優・キャラクター
木野日菜、石谷春貴、宮本侑芽、久野美咲、小原好美、徳井青空、青山吉能、杉田智和、玄田哲章、津田健次郎
ネタバレ

まいやひ~ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ミユビ死亡!

今期一番楽しんでるアニメです。
{netabare}♀オオカミがヒロインだけど、普通のワンちゃんは登場しないのかな?
OPもEDも次回予告も最高(笑)
ひとつ気になるのは、主人公が(仲間を含む)他のケモノたちを呼ぶ時に、
頭にいちいち「クソ」を付けるところ。
最初は気にならなかったんだけど、こう毎回だとだんだん鼻につくように
なってきたかなぁ。
今後もずっとあの呼び方なんだろうか・・・・・・う~ん。{/netabare}

投稿 : 2024/06/22
♥ : 5

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

生き物百科事典

色々な動物が一緒に通っているシートン学園。
人間の間様人と牝野瞳は料理部を作り、仲間たちと過ごすようになった。

初っ端の料理部の入部テスト。
調理した(?)結果の食べ物にはモザイクが……
コアラやパンダの幼少期の食べ物について知る事ができたのですが、
とても真似できません。
腸内にバクテリアを住まわせて特定の素材を栄養として摂取する。
生存競争はキビシイです。

本作品の良い所は守備範囲の広さ。
珍獣のパンダがいたり海洋生物のイルカ(クジラ)、
はたまた絶滅したマンモスまで登場。
まるで博物辞典です。
12話の最後はファーブル学園の存在を匂わせて終了。
昆虫まで入れたら種類が多過ぎです。
(褒めています)

動物に関する豆知識。
ハイエナのメスにもオスのような生殖器があったり、
ストレスで自殺してしまうメガネザルなど、
全然、知りませんでした。
ネアンデルタール人は絶滅していたのですね。

EX団が登場。
(EXとは、元〇〇や古い〇〇という意味)
「人は嘘を言う。」と言っていました。
はい。
人間は平気で嘘を言います。
私は、言って良い嘘と言っては悪い嘘の2種類があると考えています。
普通、嘘は悪いイメージ。
「嘘吐きは泥棒の始まり」という言葉もありますし。
しかし、例えばですが、身内が難病になって告知するかどうかは悩みます。
正直に話をしたら絶望してしまうかも。
生きる意味を失くしてしまうでしょう。
そこで、良い嘘を。
少し症状の重い風邪程度、などと言ってごまかすのも嘘になります。
どちらが正しいのかは、その時次第。
簡単には判別できません。

人間中心で動物を擬人化させた作品。
ヒト目線になってしまうのは仕方がないでしょう。
凝視しなくても大丈夫。
視聴しながら色々な動物に関する知識を覚えられる作品でした。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 23

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

擬人化された動物たちの学園生活を描く、下ネタ多めのギャグアニメ

様々な種類の擬人化された動物たちが学ぶ全寮制の私立学校・シートン学園を舞台にしたギャグコメディ。全12話。
人間の男子である主人公・間様人(まざまじん/ジン)を除くと、男子キャラの顔は動物のまま。一方で、女子は美少女化されているという、なかなか潔い設定です。作風は、下ネタや微エロ描写が多め。動物豆知識を使ったギャグにはたまに既視感もありましたが、素材の活かし方が上手いので普通に笑えました。ストーリー的には、「群れなせ!」というタイトルの通り、ジンの周囲にオオカミのランカなど様々なキャラが集まってきて、種族の壁を超えて仲間になっていく、みたいな流れになっており、根底は意外と「いい話」です。こういった内容は、そのまま真面目に美談風に描くと、偽善的な白々しさが漂いそうなところですが、この作品は、アホで下品なギャグで覆い尽し、主人公もゲスで乱暴なキャラで描いているので、善意の押しつけがましさのようなものがなくて、個人的には逆に好感が持てました。
作画は普通に問題なし。キャラは、ジンの性格には賛否がありそうですが、根は悪い人間ではないので、嫌いではなかったです。その他のキャラも、ランカ、ミユビ、メイメイ、キング、ミキなど、それぞれにしっかり個性や持ちネタがあって、全体的に良かったです。声は、ランカ役の木野日菜が、ED曲の歌唱も含めて、強烈な存在感でした。ナレーションの玄田哲章も、まさに適任だったと思います。
最後まで観終わって振り返ると、作品開始当初に予想したよりも、ずっと面白かったです。こういう、ちゃんと笑えるギャグアニメというのは、こちらもちゃんと評価したいですね。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 10

66.6 13 異種族アニメランキング13位
モンスター娘のお医者さん(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (194)
733人が棚に入れました
ここは魔族と人が共に暮らす街“リンド・ヴルム"。新米医師のグレン先生、今日もキワドイ診察中――!?マーメイドのエラを奥まで診察したりフレッシュゴーレムの太ももを縫合したりハーピーの産卵をお手伝いしたりドラゴンの鱗を隅々まで触診したり見た目も構造も性質も異なる彼女達を救うため、全力で診察しているだけなのに、なぜかいつもアブナイ♥雰囲気に……?でも大丈夫、100%医療行為だから問題なし!ラミア族の助手・サーフェの尻尾の締め付けに窒息しかける時もあるけれど、今日も診療所は開かれる!史上初!モンスター娘の生態に迫る、メディカルファンタジー開幕!!

声優・キャラクター
土岐隼一、大西沙織、ブリドカットセーラ恵美、藤井ゆきよ、嶋村侑

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

モンスターが存在する世界で人間がモンスター専門の医者をやっているお話

問題は人とモンスターが共存するリンド・ヴルムでモンスター向けの診療所の医師を務めるグレン・リトバイトが若い男性で、その「モンスター」というのが看護師のサーフェも含めて女の子ばっかりというところ。

モンスター娘たちがグレンのことを好きになってしまい、見た目的には「モンスターによるハーレム」となってしまっているのが、とても世間におもねった感じになっています。そしてあくまでも「治療シーン」ということになっていますが、モンスター娘たちがあられもない声を上げてしまうあたりも…。

ですがグレンが治療したモンスター娘たちが後のエピソードでもサブキャラ的に活躍し、終盤のエピソードでは全員参加で総力を挙げてある人物の治療に力を尽くしていくシリーズ構成は決して悪くはないと思いました。終盤3話のエピソードまで付き合うと、人によってはある程度この作品の評価を変えるかもしれません。

作中の歴史では人間とモンスターとの間で大きな戦争があり、その後に訪れた戦後の平和のシンボルであるリンド・ヴルムの町の営みこそが本作品の主軸であろうと思うので、そういう「異世界日常系」の話と思うとけっこう楽しく視聴できました。

そういう意味では本作はまさに「モンスター娘のいる日常」であるという気がしますが、本作はそもそも人類とモンスターが敵対種族であったという歴史を背景に、グレンが医者となる前の幼少期を含んだサーフェとの関係や、t多種族の共生が進んだリンド・ヴルムの街の雰囲気などを楽しむ作品であったように思います。

ユルい雰囲気の中にもジワジワと楽しめる要素が侵食してくる感じで私はけっこう好きでした。ただ、世間での評価はあまり高くはなさそうだなあ…。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 25

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

単純な建て付けの物語だけど面白い!

原作未読。最終話まで視聴。

魔族と人間が共存する世界が舞台。
人間族のグレンはラミア族のサーフェと共に、魔族専門の診療所を営んでいる。

【単純な建て付け】
モンスター娘を治療する→『グレン先生好き!』→サーフェがヤキモチ

ひたすら、このパターンが繰り返される物語。

【だけど見ていて飽きない工夫】
登場するモンスター娘の症例が、それぞれの習性とマッチしていて、妙に納得がいく。

一見、ハーレム物なのに、グレン先生が治療に取り組む姿勢が真剣なので、とても好感が持てる。

登場するモンスター娘が、とにかく可愛い。
しかも、性格や口調を工夫して、多くの人がお気に入りのキャラクターと出会える。

【あとは余談ですが・・・】
私、爬虫類(特にヘビ)が苦手で・・・。
サーフェの尻尾のリアルな動きが、『うわぁ~』って・・・。
ほとんど『怖いもの見たさ』的な状況でした(笑)。

ただしこれは、逆に言えば作画の良さの証。
高評価です(笑)。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 17

66.2 14 異種族アニメランキング14位
ピーチボーイリバーサイド(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (254)
691人が棚に入れました
昔々のお話です。ある所におじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山へ芝刈りにおばあさんは川へ洗濯に──(中略)ついには鬼を退治しましたが、外国にも鬼がいるようなので…桃太郎は海を渡りました。すごいのは倒したこと 喜ぶべきは救ったこと ただ一つ…駄目だったことは……────楽しんだことこれはもしもの話だが……もし流れてきた大きな桃が一つではないとしたら…日本に流れてきた桃が複数あるうちの一つに過ぎないとしたら…

声優・キャラクター
白石晴香、東山奈央、M・A・O、増田俊樹、戸田めぐみ、斉藤次郎

ボンゴレ11代目 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

オンエア版の意味 原作観てる

設定はシンプルで気軽に観やすい!だがオンエア版(テレビ放送)は本当に意味を感じない、まずこの作品はオンエア版とdアニメストア限定の時系列版があるがオンエア版は1話から視聴者を逃がさない工夫としていきなり盛り上がりシーンの時系列2話を1話として放送されている。(時系列版は原作通りの順番)なので説明もいきなりなしでいきなり始まる、制作してる側は意味があってのことだろうが本当に無駄だ、まずオンエア版から入ると2話からなので内容が頭に入って来ない盛り上がりシーンをいきなり見せたら視聴者がハマるとでも思っているのだろうか?
大間違いだ、現に話についていけないって言っている人達はオンエア版勢ばかり
それに比べてdアニメストアの時系列しっかり1話から放送されているので内容も入って来やすいので2話目の盛り上がりがしっかり伝わってきて良い
本当に原作も面白くアニメも作画悪くないのでオンエア版が本当に残念です。なのでdアニメストア入ってない人はオンエア版を時系列で辿ると面白いと思います。オンエア版での放送は確実に失敗している。
時系列版星4オンエア版星2くらいが自分の評価

投稿 : 2024/06/22
♥ : 4
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シャッフルされることで、クリアになるモノ

この作品、オンエア版と配信版で、
「シャッフルVer.」v.s.「時系列ver.」っていう2種類の構成があって、
「どっちが正解なんだ?!」
「シャッフルに意味なんてあるのか?!」
「時系列なんて面白くないゾ!!」
みたいに、ごく一部での事かも知れないけど、
議論巻き起こしてしまってて、
実は、{netabare}それこそが面白いです(^^♪
何故かというと、
こういう、自分と異なるものを認められない人に突き付ける
「立場を違えてしまった時、
お互いを認め合えるのか?」
という問いかけって、
この作品の中心にある命題なんですね!


そうなんです、この作品のテーマって、
ちゃんと、
あるにはあるって思うんです。

・異種族間での共生や相互理解は可能なのか?

・立場の数だけ、異なる正義が存在するのじゃないか?

・結果的に正義であれば、おこなった事が単なる快楽の追求であってもいいのか?

みたいなことではないかなとは、思います。


でも、私の場合、
見所はそこじゃなくて、
やっぱりバトル!

闘争本能とか
殺戮衝動とか
破壊欲求とか・・・

そして、それも、
舞台設定は、
実力伯仲とかじゃなくて、
圧倒的な力の差を見せつけられることで得られるカタルシス!!

時系列的には中盤にあたる、
自我を放棄というか、見失って快楽殺人(殺すのは鬼ですけど)に走る序盤のサリーが、
最終回では自我を保ったまま強大な敵(これももちろん鬼です)を滅する、
そんな有り様の違いの大きさに、
覚悟というか、
意志の昂ぶりというか、
自分でちゃんと快楽を制御できるレベルにまでになった、
そういう生き方を選んで、
桃太郎さんと肩を並べ得る存在となったという到達感。

これは時系列順にストーリーを追ってしまっていては、
きっと単なる「俺たたエンド」になってしまって、
平板な仕上がりでつまらなくなっちゃうんじゃないかな?
って、思ってしまいます。

そして、
こういう見せ方にカタルシスを感じられたので、
「シャッフル面白いよ」派であることは、
間違いないと思うんです。


あと、蛇足ですけど、
猿+鳥+犬、で、サルトリーヌ(笑){/netabare}
「座布団一枚!」って思っちゃいましたww

投稿 : 2024/06/22
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シャッフル版、アリなのでは…?(← 個人の感想です)

アニメの全話視聴が終了した現時点でも、原作漫画は未読です。お話としては、昔話の「桃太郎」をベースにした世界観になっています。

この作品では人外の存在として「鬼」がいるわけですが、「人外には人とは違った価値観や倫理観がある」という辺りは他の同一原作者(クール教信者)作品である『小林さんちのメイドラゴン』などと相通じるところがあるやもしれませんね。

本作は話数ナンバリング通りの放送順でない版と、dアニメストアで配信された時系列版が存在します。

ちなみに時系列版の第何話にあたるのかは、特にどこかのサイトで調べたりはしなくても、放送時もしくは次回予告時に表示されれるサブタイトル画面の右下の数字を見れば一応わかるようになっています。
(私は録画を保存するときに、サブタイトルを編集してこの話数番号を各話サブタイトルの前に付けてわかるようにしました。)

私が見たのはTV放送順のシャッフル版で、時系列版の存在は知ってはいましたが、これを見てしまうとシャッフル版の正当な評価が出来ないように思えたので、時系列版での視聴はしていません。

さて、シャッフル版を視聴していると当然のことながら、前に観た回で死んでしまっているはずのキャラクターが普通に生存して暴れてたりとかの違和感があるわけなのですが、それを些細な問題として横に置いて全体を観てみると、意外と違和感なく観れてしまったりします。

各話にその話の中のメイントピックみたいなものがあると思うんですが、そのメイントピックだけアウトライン風に並べてみるとなんとなく辻褄が合っているという感じなんですね。

価値観の異なるコミュニティ同士は放っておくと衝突してしまいがちですが、理性で並立/共存を図ることはできるはず、みたいなトピックで追っていくと、放送された順番にエピソードを並べたことを積極的に支持しないまでも、なんとなく共感はできたりするわけです。

なんというか、音楽で例えるとDJがオリジナル楽曲からリミックスバージョンを作る的な感じなんでしょうか。ただ、「原作漫画のアニメ化」としてそれは許されるのかと考えると、「絶対に許さない」という人もいて当然という気はするので、世間でシャッフル版が非難されるのもまた当然という話だとは思っています。

あと、おそらく原作既読者はシャッフル版を受け入れられないんじゃないかという予測は立ちますよね。

しかし個人的にはシャッフル版はそれなりに面白く観ることができました。ただ、時系列版で改めて観るかと言われれば微妙ですねぇ。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 30

77.6 15 異種族アニメランキング15位
BEASTARS(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (354)
1532人が棚に入れました
肉食獣と草食獣の共存する世界。食肉が重罪とされるなか、名門校・チェリートン学園で演劇部の生徒が食い殺される“食殺事件"が起きる。犯人は見つからず、不安に揺れる生徒たち。そんな中、演劇部では死んだ生徒の代役を巡っていさかいが起きる。次期『ビースター』候補とささやかれ、演劇部のカリスマ的存在であるアカシカのルイに、逆恨みをした肉食獣の部員が襲いかかったのだ。それを庇ったのは、照明係の二年生・レゴシ。『鋭い爪』や『大きな体』など、強そうな外見とは裏腹に、心優しく無口で不器用なオスのハイイロオオカミだ。だが、当のルイはそんなレゴシを偽善的で気に食わないと言い、強引に夜間練習の見張りに任命する。夜。誰もいない講堂裏の裏庭で、ひとり見張りをしていたレゴシの前に現れたのは―――小さな白いドワーフウサギの女子生徒・ハル。その匂いを嗅いだ瞬間、レゴシの体を本能が駆け巡る。我を忘れて襲いかかり、気付いた時には、彼女を両腕に抱きすくめていた。腕の中で聞こえる鼓動が自分のものか、彼女のものかもわからない。しかしこのハルと、そして自分の本能との出会いが、静かで穏やかだったレゴシの人生を大きく変えていく。彼女へのこの感情は、恋なのか? それとも食欲なのか?オスとメス、肉食獣と草食獣。それぞれの痛み、そして強さや弱さに直面しながら、悩めるレゴシの青春がいま始まった―――

声優・キャラクター
小林親弘、千本木彩花、小野友樹、種﨑敦美、榎木淳弥、内田雄馬、大塚剛央、小林直人、下妻由幸、岡本信彦、落合福嗣、虎島貴明、渡部紗弓、室元気、井口祐一、原優子、兼政郁人、大内茜、山村響、あんどうさくら、大塚明夫、星野充昭、堀内賢雄
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

いろいろと生々しいのよ

原作未読


原作者の方。『バキ』を描いてる漫画家の娘さんらしいですね。すげー!
どうやら“動物の本能”を突き詰めたい血筋は変わらないようです。

“本能”を突き詰めすぎてもはやギャグ。荒唐無稽さを楽しむ良質なエンタメ作品を輩出している父。

対して本作『BEASTERS』では

“本能”を突き詰めたついでに社会の矛盾も浮かび上がらせる深みとコクを醸し出す娘。

サムネから想像するに、見た目重視。ケモナー優先。各動物の特性をなぞるかのようなキャラ設定。鳥獣戯画に毛の生えた擬人化ものを想像してました。とりあえず二足歩行させてやることは人間と一緒!みたいなやつです。

全然違いました。もちろん良い意味で、です。
草食動物と肉食動物を擬人化させて、彼らの特性を残しつつもそこに共存している世界を描いた作品。
食物連鎖をガン無視した統治機構を作り、そのための教育を施して理性キープしてますよという表部分と、蓋をしていても肉をどうしても食べたいという本能が見え隠れする裏の部分。その間で揺れ動くハイイロオオカミのレゴシ(CV小林親弘)が主人公です。揺れ動くのはレゴシだけでなく、肉食も草食も関係なく登場キャラたち軒並み葛藤している模様。そもそも本能に蓋をした社会は不健全であり、一見平和な世界そのものが揺れ動いている。そんな不穏さを孕みながら物語は進行します。これが大枠の背景。

そんなシビアな背景を原動力として、肉食動物の中でもそこそこ強い部類らしいハイイロオオカミとは対極の最弱の草食動物ドワーフ種ウサギのハル(CV千本木彩花)との恋物語がメインのストーリーです。一応この世界の恋のルールだったりその他常識については本編でお確かめ下さいね。
とりあえず二足歩行させてみた的な浅さとは程遠いと感じた次第です。


動物もの!?は無条件でパクッと喰いつく層以外でない、むしろ逆で安易な擬人化ものに辟易しているかもしれないあなた! …いいですよこれ。
やりとりされる会話の生々しさは2019年秋期もので断トツです。リアル世界に近いものがあります。そして、肉食と草食の両動物のフィルターを通した独自の世界観は新鮮に映ります。もの凄くファンタジーな世界で繰り広げられる生々しいやりとりと心の機微のリアルさ加減で充分楽しめるかと思います。

本能と理性という二項の対立/葛藤/調整なんて定番のネタでもあったりするので、いい感じでリアル世界の暗喩的なあれやこれやも感じる良作。
言い忘れてましたが、OPは音とアニメーション両方ともこのクールベストかも。ジャズファンク調リズムに乗った手のかかってそうなパペットアニメの組み合わせが素敵な一曲。
これは良いです(小並感) 2期決定したようなので今から楽しみですね。



※ネタバレ所感

■本能を無視すりゃ破綻しますよ

ナチュラリストを無条件で礼賛するほど極論には振れませんが、“自然”の対義語は“不自然”であるという常識(笑) 
この歪んだ世界は変わらずにいられるのでしょうか?

{netabare}レゴシと同族のジュノは「(対肉食への差別が)中学はそんなにひどくなかった」と高校に上がって社会の抱える歪みのひとつに直面。さらに別のシーンでは高校を卒業すれば闇市にも自由に行けることも。
人間と一緒。「お友達みんなと仲良くしましょう」の幼稚園時代から始まって徐々にやっかいな現実に触れていき、社会に出る頃には幼少期のそれは幻想と知る。段階を経て現実を知っていくのです。
ところがどっこい、BEASTERSの世界では幼稚園時代の理想がまかり通る世界。ライオン市長もいろいろ無理して“ライオンは怖くない”イメージ形成に成功したようですが、シシ組との棲み分け等々…蓋をしないとどうにもならないものを抱えざるを得ません。
“みんなと仲良くしましょう”という理想の実現のため歪みが肥大化しきって爆発しそうなのです。{/netabare}

{netabare}「メスは争いが嫌いです。(ジュノ)」に返す刀で「君ほど強欲なメスは違うだろ。(レン)」
矛盾を孕んだ世界を喝破する表現は随所にあるわけでした。{/netabare}



■ロミジュリを凌駕するほど二人を隔てる壁が

{netabare}「捕食者の本能があれば被食者の本能もある」{/netabare}
{netabare}「然るべき関係は体が一番知っている」{/netabare}

最終回で流れたテロップが示唆するところは?

{netabare}肉食草食同士、仲良くやろうという社会の中で、肉食草食同士の交合はご法度という世界観。
前者ですら危うい綱渡りをしているのに、さらにハードルが上がりもはや禁忌の世界。これを打ち破る可能性を秘めてるのがレゴシとハルの関係性ですわな。{/netabare}

どう畳むんでしょう。楽しみでしかありません。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

------


2020.01.23 初稿
2020.07.16 修正
2022.01.23 修正

投稿 : 2024/06/22
♥ : 51

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本能に抗え

アニメーション製作:オレンジ、
監督:松見真一、脚本:樋口七海
キャラクターデザイン:大津直、
音楽:神前暁(MONACA)、原作:板垣巴留

しょう油顔、ソース顔という
男性の顔の方向性を表現する言葉があった。
「顔」は、ある意味、その人そのものであって、
私たちは一生逃れることはできない。
自分の顔が気に入らなくて整形を繰り返す人もいるが、
結局は自分自身を覆う「何か」は、
死ぬまで付いて回る。

そして「草食系」「肉食系」という
人間の生態や性格を指す言葉もある。
これは、努力によって変えることが
できるものかもしれないが、
もしそれが動物のことなら、
遺伝子レベルのものから逃れることは不可能だろう。

BEASTARSは、動物を擬人化した物語。
登場人物は全員が動物の設定のため、
本能から逃れることはできないはずだ。
しかし、それでも自分の想いを実現させようと
抗い続け、挑戦し続ける者たちがいる。
これは、何かの業に縛られた者が、
「想い」の力によって大切なものののために
本能を飛び越えようとする
信念の物語ともいえるだろう。

物語の中心は演劇部に所属する
ハイイロオオカミのレゴシとアカシカのルイ。
彼らは、自分たちの宿命から逃れるために
想いを募らせていく。
レゴシはドワーフウサギのハルを好きになったことで、
自分の本能について深く考えるようになる。
一方、ルイは肉食、草食という動物社会における
地位の格差について変革を起こす野心を抱いている。
これは人間社会に置き換えるなら、
民族主義的な部分で将来を嘱望されている黒人と
ずば抜けた才能を持った白人によって繰り広げられる
戦いの物語という構図になるのかもしれない。
ただ、これに動物の「本能」という宿命を
付加させることで物語を興味深いものとしている。

レゴシとルイのそれぞれの葛藤を演劇によって表現した
3~4話で物語の深みに引き込まれる。
草食獣の代表として地位を掴み取ることが
悲願であるルイ。そして、オオカミの本能と
自身の平時における性格の違いに戸惑うレゴシとの
対比が実に上手く描かれている。
さらに、ほかの動物たちの思惑も絡み合い、
複雑な様相を呈しているのは、
まさに人間社会そのものだ。

学園内で起こった重罪とされる食殺事件、
動物社会で草食獣が「BEASTAR」に選ばれる意味、
肉食獣、草食獣が共存する世界における
政治家たちの思惑と現実、
レゴシの内面を覆いつくす真っ直ぐな想いと
正しい行い、そして恋心。
さまざまな要素が溶け合って、
あまり今まで味わったことのない
複雑な感情が湧き上がってくる。

人間たちの奥底にある様々な感情を
分かりやすい形で炙り出した群像劇。
続編も決定しており、まだまだ途中なので、
高評価するには早い段階だが、
起承転結のある優れたシリーズ構成によって、
挑戦的な作風を1クールでしっかり見せてくれた。
ジャズを意識した劇中曲やOP、
そして数種類用意されたEDも聴き応え十分。
これまでにない新しいアニメーションを
紡いでくれるのではと期待できる。

草食獣と肉食獣が共存する新しい地平。
それは、どこかにあるのだろうか。
(2020年3月7日初投稿)

投稿 : 2024/06/22
♥ : 54

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その愛は苦く酸っぱい。それは本物な薫りがあるから。

「宝石の国」でCGアニメの新時代を切り開いた制作会社オレンジ。二作目の本作も連載中の作品だけにストーリー面での満足度には少々かけるし、前作ほどビジュアルの圧倒的な威力はない。


しかし、主役二人の愛に集約されているものは、安易な「純愛」なるもの安売りするような作品とは比べ物にならないくらい、深くて重い。


やはり女性作家が書かれてるだけあって恋愛に関しての描き方が典型的でロマンチックなだけでなく、色んな矛盾と戸惑いに満ちた複雑さに満ちている。


故にスッキリとカタルシスには至らないが、他にはない問いかけと濃密さがある。山田玲司先生の解説は、恋愛問題をよく取り上げられるだけあって流石の鋭さ。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 26

70.5 16 異種族アニメランキング16位
コップクラフト(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (324)
1169人が棚に入れました
一五年前、太平洋上に未知の超空間ゲートが出現した。その向こうに存在したのは、妖精や魔物のすむ奇妙な異世界「レト・セマーニ」だった。「サンテレサ市」。二〇〇万を越える両世界の移民が住む都市。雑多な民族と多彩な文化。そして持てる者と、持たざる者。ここは世界で最も新しい『夢の街』。だがその混沌の影には、数々の犯罪がうごめいていた。麻薬、売春、武器密売。それら凶悪犯罪に立ち向かう刑事たちが、サンテレサ市警察に存在していた……。刑事マトバ・ケイと異世界人の騎士ティラナ、性別も性格もそして「生まれた世界」も違う二人が出会うとき、事件は起きる。二つの世界 二つの正義 その先に-バディポリスアクション開幕!

声優・キャラクター
津田健次郎、吉岡茉祐、折笠富美子、浜田賢二、高橋良輔、鶴岡聡、中原麻衣、井上麻里奈、高木渉、ボルケーノ太田、大塚芳忠

haiga さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今期1番可愛いヒロインはティラナ・バルシュ・ミルヴォイ・ラータ=イムセダーリャ・イェ・テベレーナ・デヴォル=ネラーノ・セーヤ・ネル・エクセディリカだあ!!

今観終わりました。とても面白かったです。

貴重なおっさん主人公のアニメですが、
とにかくティラナがクッソ可愛かったです。
私の中の最高ヒロインランキングに食いこんで来ましたね。
キャラデザが最高でしたし、ティラナの色使いは素晴らしかったです。瞳の色もブルーかと思ったらスミレ色になったり、髪もシルバーと思いきやパープルになったり、とにかく拘ってありました。
時々衣装や髪型も変わってドキドキしますね。
私、今まではつるぺたは好みではなかったんだけどなあ。新たな扉を開かれてしまったわ。

簡単に説明すると、エルフみたいな容姿の異世界住人ティラナと、中年?刑事ケイ・マトバのバディ物アクションアニメです。
ぬるぬる動くアクションではありませんが、フラッシュ的に動かすやり方は嫌いじゃありません。時々作画がバラついた所はマイナスかな。

最初はいがみ合っていた2人が少しづつ距離を縮めてベストパートナーになる過程が楽しいですね
(おっさんの私的にはもう少し紆余曲折を経てもよかった所です)まあ尺も限られてるから仕方がないとは思いますが。

お話も異世界人が犯罪を犯すのを解決していく2~3話で解決するシンプルな物です。ワンクールで綺麗に終わっていて良かったです。

オープニングの歌もストーリーのドタバタ劇にマッチしていますし、ティラナ自ら歌うエンディングは最高でした。まあ私のティラナ好きで補正入りまくりかもしれませんがw

ぶっちゃけワンクールだけじゃ勿体ないですし、このキャラでもっと大事件の長編エピソードも見てみたいですね。何時でも続編出来そうですので2期を期待したいです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 31

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

賀東節は健在? おっさん刑事と異世界からの来訪者(美少女)とのバディ物!

== [下記は第5話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり] ==
このレビューを書いている時点では第5話まで視聴済みです。

原作は読んでいないのですが、賀東招二原作作品にありがちな原作者自らシリーズ構成を担当するスタイル。

太平洋の孤島カリアエナの近くの洋上に、我々の地球と異世界「セマーニ」とをつなぐ超空間ゲートが出現して15年。異文化の接点となった島には両世界の出身者が居住するサンテレサ市が構築されて極めて特殊な異文化交流都市として発展していた……、といった感じの中々魅力的な設定の本作です。

本作はそんな特殊な都市での警察的な組織に身を置くケイ・マトバと、セマーニから妖精が関わる犯罪を追ってやってきたティラナ・エクセディリカ(本当はもっと長い名前)によるバディ物です。

武器や戦闘に一家言ある感じの演出は賀東招二原作っぽくはありますね。4話で1エピソードのキリがついて、4話の引きから次のエピソードに入っています。1クールで3、4エピソードくらい消化される感じなのでしょうか。

今のところ楽しく観ています。
== [第5話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2019.9.20追記:
第10話、R.I.P.メッサーシュミットKR200…。
(さすがにKR175じゃないよね…!?)

今のこの、市長選挙のエピソードでシリーズを締めるのかな?

2019.10.1追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。お話の切れ目としてはきれいに終わりましたね。作画はところどころ残念でしたが、ティラナに関してはまあまあ頑張っていたと思います。

ストーリー的に海外ドラマっぽい感じがありましたね。好き嫌いはわりとはっきりと分かれそうです。『91Days』(← オリジナルアニメーションですけど)とかもそうですが、ストーリー的には実写ドラマっぽさがあっても、いざ映像化するとなるとアニメの方が圧倒的に安くつく作品ですよね。

ケイとティラナがコンビとしてお互いを信頼していく過程が描かれたお話でした。毎回二人を叱りながらも案外良くしてくれる上司のジマー主任をはじめとして他の特別風紀班の面々や検視官のセシルも良かったです。

お互いへの信頼は、最後の戦闘場面にもしっかりと出ていましたね。作中で数多の名車たちが壊れましたが、それについては痛ましいです。

主題歌はOP/EDともに良かったと思います。特にOPは視聴の度にスキップせずに聞いていました。オーイシおにいさん、凄いです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 40

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

二つの世界 二つの正義 その先に… バディポリスアクション開幕!

この作品の原作は未読です。
個人的に今期のダークホースの一角は「まちカドまぞく」でしたが、対を成すもう一角がこの「コップクラフト」だと思っています。

主人公であるカリアエナ島サンテレサ市警に勤務するケイ・マトバ役に津田健次郎さん、もう一人の主人公であるティラナ・エクセディリカ役にW.U.Gでまゆしぃ役を演じた吉岡茉祐さん。
その他サンテレサ市警の同僚の役どころをベテラン声優さんを配する手堅い布陣…

でも正直あと一歩背中を押して欲しいなぁ…と思っていたところ、アクションシーンの躍動感が半端無いことを実際に視聴して気付きました。
キャラはしっかり動いていますし、カメラアングルも凝っていたと思います。
結局作品自体に背中を押して貰い…視聴継続です。


15年前、太平洋上に未知の超空間ゲートが出現した。
その向こうに存在したのは、妖精や魔物のすむ奇妙な異世界『レト・セマーニ』だった。

「サンテレサ市」。二〇〇万をこえる両世界の移民が住む都市。
雑多な民族と多彩な文化。そして持てる者と、持たざる者。
ここは世界でもttも新しい『夢の街』。

だがその混沌の影には、数々の犯罪がうごめいていた。
麻薬、売春、武器密売。
それら凶悪犯罪に立ち向かう刑事たちが、サンテレサ市警察に存在していた…。

刑事ケイ・マトバと異世界人の騎士ティラナ、
性別も性格もそして「生まれた世界」も違う二人が出会うとき、事件は起きる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品の魅力…それは兎にも角にもケイとティラナの掛け合いです。
ティラナにとって、この地球はまさに異世界コミュニケーションそのもの…
これまでの自身の価値観がそのまま通用する世界ではありません。

そこで、何度も二人は衝突するのですが、時間が経つにつれお互いの立ち位置が少しずつ近づいているのが実は堪らなく気持ち良かったり…。

また、お互いにとっての共通点に成り得る「悪」に対する価値観にもズレがあったり…
ケイは刑事でティラナは騎士なので、どちらも「悪」を野放しにしておけない筈なのですが、ティラナには「必要悪」という概念が存在しないので、この点でも度々衝突していましたね。

でも、個人的にはティラナの毅然とした立ち振る舞いと価値観はストライクでした。
彼女はミルヴォアの騎士としての誇りを常に尊んでいる姿は好印象でした。
何より、彼女が時折頬を赤らめながら嬉しそうに話をしている姿が可愛い過ぎなんですけどっ…
一度剣を持ては、全力全開の剣技で相手を圧倒する時とのギャップが彼女の最大の魅力なのかもしれません。

それだけじゃありません。
ティラナは良くも悪くも「優し過ぎ」の一面が常に彼女に付き纏っていたと思います。
刑事という仕事柄、その時の状況に応じて自分を使い分ける必要がありますが、絶対遵守事項として「追っている相手に肩入れしない」があると思うんです。

ある程度相手との距離を縮めるのは、捜査上必要な事だと思います。
でも、それは自ら引いた一線を越えないのが大前提です。
ところが、状況がそんな一線を危うくすることがあるのも事実です。

こっちで初めてできた友達…
沢山話をして約束まで交わす間柄になれたのに…
大粒の涙が彼女の頬を伝い流れます。

きっと脳裏に浮かぶのはいくつもの後悔…
最悪の結果を呼び込まないよう立ち振る舞えなかった自分に…
初めてできた友達を目の前で失ったことに対する後悔…

彼女がこの世界でこれから生き抜いていく上で、必要な痛みだったのではないでしょうか。
じゃなかったら、ケイがもっとティラナのことを止めたでしょうから…

成熟していく二人の掛け合いは見どころ満載です。
特にお互いがお互いのパートナーとして唯一無二の存在に昇華してからは、更に面白さの質が向上するんです。
人種、文化など様々な違いが混在するサンテレサ市で繰り広げられる数々の犯罪の物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、オーイシマサヨシさんの「楽園都市」
エンディングテーマは、ティラナ・エクセディリカによる「Connected」
嬉しい誤算だったのは、吉岡茉祐さんの歌が予想の遥か斜め上だったこと…
これまでW.U.Gでも歌声は聞いていましたが、ソロで聞いたのは初めてでしたが思った以上に良かったです。

1クール全12話の物語でした。
全体的なクオリティは高めの作品だったと思います。
アニメーション制作は、「ミルパンセ」さん。
これまで「君のいる町」「ベルセルク」「W.U.G!新章」などを手掛けてこられた会社みたいです。
あのベルセルクを制作した会社なら、このクオリティも納得です。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 32

70.6 17 異種族アニメランキング17位
平穏世代の韋駄天達(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (183)
550人が棚に入れました
“韋駄天" × “魔族" × “人類"、何が起こるか誰にもわからない禁断のバトルロワイアルがいま始まる―!! 壮絶な戦いの末、圧倒的な速さと強さを誇る戦いの神々「韋駄天」が世界を破滅に導く「魔族」を封じ込めてから800年。今や“あの戦い"は遠い神話の中の昔話でしかない。生まれてから一度も戦ったことのない「平穏世代の韋駄天達」が平和ボケしている中、何者かにより、再び魔族が長い眠りから復活させられた―!? 武力、智略、政治、陰謀、使えるものはとにかく何でも持ってこい! ノールール&ノーリミットな三つ巴のバトルロワイアルがいま始まる!!
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

お手軽にハイブリッド戦争

原作未読


キービジュアル/サムネや作品タイトルから少年誌でもさらに子供向けな内容を想像してさほど期待してませんでしたがところがどっこいでした。紛れもなくクール(2021夏)トップの面白さです。

韋駄天≒神様と魔物が対立する設定。強力な魔物を封印し平和が訪れ800年経過した世界が舞台です。脅威が去って久しいため、いい加減平和ボケしてるよの趣旨で“平穏世代の韋駄天達”なんでしょう。
半端な幕切れは原作との兼ね合いみたく、ならばと韋駄天が如く駆け抜けた疾風怒濤の全11話でした。


原作者クール教信者さんの同クール3連発。『小林さんちのメイドラゴンS(2期)』『ピーチボーイリバーサイド』『平穏世代の韋駄天達』のうち一つになります。食べ比べしてみるのも一興ぐらいの構えでしたが、なかなかどうして共通したテーマが見え隠れするのもお楽しみポイントです。余力があれば他のもどーぞ!
と褒めまくりなのですが一点。俺たたエンドでもないぶつ切りエンドが減点材料ですかね。だがネガティブ要素はこれくらい。というわけで中身なんですがあらすじ抜きでエッセンスを以下ご紹介↓

パワーゲームが上手いこと描かれてます。韋駄天VS魔物の構図はもとより第3極人間の立ち位置が趣深い。魔物に使役されるのは想像つきますが韋駄天にとって必ずしも守るべき存在ではありません。第一優先は魔物の殲滅であり人間保護は副次的なもの。
国家に例えるとわかりやすい。友好だなんだのというのはホームグラウンドの安全が担保されてこそ成立すること。一昔前は韓国、今だと台湾。あくまでロシアの南下や赤化勢力の橋頭保としての半島であり、沖縄防衛・シーレーン確保のための台湾であるのが地政学の常道です。“友好”は副次的で自国の国益優先で考えるのが筋なため「○○が親日だから」は要素であって不可欠な条件ではありません。
本作での人間は“プレイヤー”とはならず大国の都合で右往左往する〝傍観者”であり、言い方悪いですけど駒。それがうまいこと出てます。二項対立なプレイヤーと流動的な第三者という大枠部分がシンプルでわかりやすい。

そんなパワーゲームを下支えするのがややエログロな表現手法が取り入れられていること。なかなかお目にかかる機会がありませんが本作では特長となってます。
そりゃ胸糞に蓋できればいいんでしょうけど敗者がどんな目にあうかは自明の理ですからね。ウィグルとかどうなん?って話です。話せばわかるは絵空事。こと世界は残酷で不条理なのです。
た・だ・し…アニメでそれ見たいかどうかは人によるでしょう。私は抵抗のない人。むしろそれっぽい作風でしたらメタでも表現されてないと冷めるかもしれません。

 平穏世代=平和ボケ

かどうかは観てのお楽しみですがほぼ答え言ってるようなもんですね。
最後にインテリジェンス。情報戦です。ウォーポテンシャル=戦力も強い上で情報戦に強ければ万事安泰ですが、たいていは弱いところこそ情報戦に力を入れるものです。
ネタバレ無しではここまでですが、きちんと弱いほうが必死で情報戦仕掛けてきます。火力よりも情報戦がどれだけ大事かわかるような作品となってるんですよね。不思議なことに『三国志』で諸葛亮や司馬懿ら軍師の計略の威力をまざまざと見せつけられて知っているくせに、現実社会に置き換えると途端に感覚マヒしちゃって影響力工作の威力やどんなものかが分かんなくなることが多い。スパイ天国という単語は知ってても具体的にどんな工作があるか指摘できる人は少ないものです。


となんやかんや堅苦しいネタですんませんでした。実際は脱力系と言っていいくらい小難しさとは無縁なのでご安心を。この手の作風での教科書は『進撃の巨人』あたりかと思いますが、その『進撃の巨人』の設定を荒くしておふざけ増やして原型留めてはないんですけど旨味成分が遺伝子レベルでは一緒みたいな感じ。

ぶつ切りエンドだけはポカーンなるかもわかりません。11話と短めですから、サムネ/キービジュアルでイマイチ食指が動かん方もちょい重い腰をあげてもらって損はないと思える良作でした。
途中区切りのつけ方が綺麗だったらさらに点数上げてるのでもったいないですね。



※ネタバレ所感

■食べ比べ

言うまでもなく他のクール教信者作品との比較です。
{netabare}敵対種族とのコミュニケーション問題ばっかですね(笑) 

本作では魔族が絶滅危惧種という設定で、種の生存をかけて必死。うっかり肩入れできちゃう悪いやつらなんです。彼らにとって韋駄天は種の存続を脅かす不倶戴天の敵。
たしか300体だったと思いますが個体数の少なさで生じる危機感からか倫理観は吹っ飛んでましたね。劇中では輪姦・児童姦はもとより女性を生む機械と見立て多子出産推奨は当たり前と胸糞展開でした。
これがリアルだ!としたり顔で言う気はさらさらありませんが、どういう人たちがどういう時に胸糞なことやらかすかは歴史に複数事例があるので知っといて損は無いでしょう。尼港事件・通州事件・真岡郵便電信局事件あたりは良いテキストになると思います。

韋駄天側のミスは慢心なのかしら。私がたまに大日本帝国ネタを使う理由なんですけど日本型組織の良いところと悪いところの見本市みたいなとこあるからなんですよね。
それで慢心についてなんですが、当時の日本って
片手間に東南アジアに出張って200年~300年居ついていたイギリス・オランダ・フランスを駆逐し
片手間にドイツ第三帝国を敗走せしめたロシア改めソ連の南下を満蒙エリアで食い止め足止めして
片手間に内戦状態で国の体をなしてなかった共産軍・国民党軍の便意兵に連勝
しかも一等国民として調子に乗り満州で狼藉を働き散々足を引っ張る列島出身でない同胞を抱えながら
ついには太平洋渡ってアメリカの国土に攻撃加えるオマケつき

それぐらい強かったって解釈は可能です。それを地でいくくらいお強い韋駄天の皆さん。これで情報戦でも勝ってたらと悔やまれる展開だったので示唆に富むなぁと高評価の理由の一つです。

『ピーチボーイ』だと敵対種族の和解模索を示唆するくらいで終わってましたが、こちらは今のところお花畑皆無です。平穏世代と言いながら世界は残酷です。『メイドラゴン』となると私は1期止まりでして日常劇に落とし込んだ中にほろ苦さを感じる作りだったと思います。いづれの作品でもハレーションが必ずどこかで描かれ、そんなやっかいなテーマに向き合おうとの姿勢を感じるんですよね。{/netabare}


このアニメ観てまともな情報機関が欲しくなりました。
あまり性差を言わない私ですがこのアニメはパワーゲームに鼻の利く男連中が好きな気がします。



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

------


2021.10.14 初稿
2021.12.04 タイトル修正/配点修正 -0.2

投稿 : 2024/06/22
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「面白かったけど、ここで終わるの?」という感じですね。

読んでないのでわかりませんが、「ここで終わる」に関しては原作事情によるものみたいで仕方がないようです。

ストーリーはいろいろとありますが、ぶっちゃけて言えば「超頑丈な異能者」(韋駄天)と「そこそこ頑丈な異能者」(魔族)によるバトル的なお話ですね。

韋駄天も魔族もその存在の維持は人類の存続に依存している一方で、どちらも人間は生存に必要な分だけ生きていれば良いという点で人類とは別の倫理観を持っていて、本当の意味で人類には与しない存在になっている点が面白いです。

韋駄天と魔族は不倶戴天の敵であり、普通に戦えば韋駄天が勝つであろう状況で、しかし頭を使うことで魔族側も韋駄天に対抗しうるという構図になっています。

韋駄天側の頭脳担当イースリイと魔族側の頭脳担当ミクの心理戦と、不倶戴天という状況自体をなんとかして人類も含めた三者の共存が図れないかと悩むギルといったあたりのキャラクターたちが本作を面白いものにしてくれていると思います。

ということで終始面白く観ることができたんですが、最終回が「え、ここで終わるの?」的なものだったのでそこは残念ですね。続編があればきっと観ますけど、いつのことになるのだろう…?

投稿 : 2024/06/22
♥ : 22
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

敵側を応援したくなるアニメ

人間、魔族、韋駄天が存在する世界で魔族VS韋駄天を描いたバトルもの。

{netabare}
このアニメは珍しく主人公側がオーバーパワーで、7話時点ぐらいで魔族が絶滅寸前にまで追い込まれるという。
俺TUEEEE系と言えばそうなのだが、同じ相手にずっと俺TUEEEをし続け、相手は必死に耐えるという斬新なアニメ。
その斬新さ、絵柄の独特さ等もあってかなり面白かった。

最初はひたすら魔族に対して俺TUEEEをして魔族側をほぼ壊滅させるが、追い込まれると魔族側は引きこもり、どうやって韋駄天に対抗するか?、どうやって魔族を立て直すか?と作戦を練る。
前半部分も勿論めっちゃ面白かったんだが、自分は後半部分が特に好きだった。
頭脳戦という自分が好きなジャンルをしっかりと描けていて好印象。
前半部分もそうだけど、敵との駆け引きがかなりうまく描けていたアニメだと思う。
ミク達とイースリィの駆け引きが見ていてすごく面白かった。
韋駄天の思考がサイコパスめいてて、魔族側の方が生き延びようと頑張ってるから魔族側の方を応援したくなるというw
最後、魔族側がイースリィを出し抜いた時はよくやった!って感想が出てきてしまった。

それと結構この作品はエログロで、今期で言うなら女神寮よりもエロ要素が多め?
ところどころエロ漫画かよwってなるようなシーンもあったり...。
自分普通のアニメに入るエロ要素は嫌いなのだが、この作品はエログロがいいスパイスになっていて良かったと思う。

一個だけ気になった点を書くと、倍速再生だけはやめてほしかった。
尺の都合?演出?どっちかはわからないけど普通に聞きたかった。

最後はイースリィ達が拷問されてる途中で終わりという中途半端な終わり方。
二期をやってほしい。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 6/10
殴るシーン割とグロい。
韋駄天は悪なのか?平穏ってゆとりって意味かw 
いや草、普通にレイプされるじゃんw
アニメなのに珍しい
神様仕事して... 

2話 9/10
ポーラ可愛い。女にも厳しいな
いいリョナ。一話の最後そういうことか
魔族と韋駄天の設定しっかりしてるの面白い。
悪は魔物だけって感じか
腸飛び出してるじゃん。結構面白そう。

3話 8/10
リン強すぎる。
あのじじいボコボコにされてたのにそんなすごい奴なのかw
イースリイが指示していた人たちって人間なのか?

4話 6/10
韋駄天は味方なのね。この白髪男かよ。

5話 8/10
イースリィのイキリっぷりきついわ。
最近のアニメ媚薬の登場率高くね?w
女神寮よりもエロい。
展開がエロ漫画w 倍速やめてくれ。
6話 こいつらあんまりつよくないのか? 謎ボールギャグ 7/10

7話 7/10
イースリィのイキリが少しきつい。
あのおじさんを評価するの面白いなw
譲歩することで本題を認めさせたってことかもね。
ところどころイキリがきつい

8話 9/10
#8 韋駄天w
意外と渡り合えるんだな韋駄天と。
普通に人間も殺してるじゃん。
なんでいいシーンでエロやってるんだ。
え、この人韋駄天になるのかw
メインキャラの韋駄天たちがどうやって韋駄天になったかみたいな話はないのか。
ええ...気絶させるのはなぁ。
リンは死なんのか?

9話 8/10
ぶっ飛んだ世界観からSNSという現実感のある言葉がw
魔族を応援したくなるアニメ。
慰めてやる(意味深) マジでそっちの意味かよw
グロいな。

10話 8/10
この駆け引きパート面白いな。
ほんとに魔族側を応援したくなるw

11話 9/10
媚薬投げといて変な下心がないとは。
隙あらば媚薬
やっと魔族側が韋駄天を出し抜いてくれたw
もうちょっと拷問シーンやってくれても良かった。
中途半端だなぁ、終わり方。
{/netabare}

曲20段階評価
OP「聖者の行進」8.0/10
ED「雷火」3.0/10
{/netabare}

投稿 : 2024/06/22
♥ : 5

68.5 18 異種族アニメランキング18位
異世界のんびり農家(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (225)
710人が棚に入れました
ブラック企業で体を酷使し闘病の末に命を落とした青年・火楽(ヒラク)が神様に授けられた「万能農具」を手に、異世界で吸血鬼や天使、エルフなどと出会いながら、第二の人生を送る農業ファンタジー。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

スローライフもだけど内政物として観るととても楽しいなろう原作アニメ

ただし「のんびり農家」なのは3話くらいで、どちらかというと「農村」ないしはほぼ「国家」と言った方が正しいかもしれません。

『転生したらスライムだった件』のスピンオフ『転スラ日記』にも通じるところがあるかも。

「小説家になろう」での原作は読んでいて、コミカライズもかみさんが購入しているのでそちらを読ませてもらっていますが、商業出版されているライトノベルは未読です。

お話としては生前はオーバーワークが原因で結局病死してしまった街尾火楽(まちお ひらく)が異世界の創造神さまの力で転生し、そのときに転生ボーナスとして病気にならない健康な身体と「万能農具」を授かり、「死の森」と呼ばれる危険な秘境を開拓して「大樹の村」を作って仲間を増やしていくというものです。

なかなかヒラク以外の男性の住民が増えずにハーレムっぽくなっていく「なろう転生ファンタジー」的なところはあるのですが、このアニメ化ではヒロインの一人であるルールーシー・ルーを中心として演出などでハーレム感をマイルドに表現していて、忌避感を下げていると思います。

またルー中心に描くためのエピソード順の変更や登場キャラクターの整理(原作には出てくるがアニメでは登場しないキャラがいる)ということが生じているのですが、私見としては原作のエッセンスは大きく損なうことなくうまく処理できていたと思います。

あとはいくつか特筆すべき点を挙げるとすると:

[作画]
動きとかで作画枚数を多く割いたりはしてないけど、SDキャラの使い方が最高に上手い。

[声優]
作中で様々な状況により外見年齢や心情の変化が多いルーの、状況による演じ分けが素晴らしい。

[音楽]
第6話でのワイン造りのために収穫したブドウを踏むときに初出だった挿入歌が名曲で、後のエピソードでも様々なアレンジで使用されます。
(ただし、歌詞はまったく意味わからんですが。)

[キャラ]
ヒラク以外のキャラの多くが、大樹の村の内外を問わずけっこう経済的あるいは政治的な合理性に基づいて行動するのでストレスがたまりにくいです。ここまでみんな有能に描かれるなろう作品は少ないかも。

[ストーリー]
ヒラクが感じることと、むこうの世界の常識が微妙にすれ違っていてそこから生じるコント的なやりとりが面白いです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 22
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ウラ設定がヤバい、DASH(it)村

いきなり私的な嗜好のハナシで恐縮なのですが、
基本的に僕は『ハ-レムもの』というのがキライであります。
最近だと、完走した作品はほとんどありません。

  だってさあ……

  なんだコイツ、とか思っちゃうような主人公に、
  よりどりみどりの美少女が次々寄ってきてキャッキャウフフ。
  ねえよ、と言いたくなるご都合テンカイに世界観がムンクの叫び。

  でもって、その美少女たちが、
  リアル女子なら一発でカエル化しそうなクサいセリフに感動し、
  好きよ好きよのがぶり寄り。
  優柔不断な主人公をめぐって押し合いへし合いせめぎ合い。
  ラッキースケベもたっぷりあるでよ皆の衆。

  と、DT乙、としか言いようがないハナシが目白押しなんですもの。


本作『異世界のんびり農家』も、見る前はその系統かと思っていました。
あいかわらず原作は未読なんですが、その原作が、
  なろう系
  +異世界転生もの
  +ハーレムもの
  +スローライフもの
なんて、ほとんどマンガン確定じゃないですか。
ですからまあ「Aパ-トぐらいは見てもいいかな」ぐらいのつもりで、
点棒8000点ぶん握りしめて視聴を開始しました。

  結果はというと……みごとに完走。
  ためいきもストレスもなく、楽しく見ることができました。
  けっこう、というか、かなり好きかもです、これ。

  そもそも、妄想ラブ要素が満載の『ハ-レムもの』じゃなく、
  いわゆる『環境ハ-レムもの』でしたしね。
  アレな方には物足りないでしょうが、拙にとっては実によき。

  あにこれの評価を見る限り、けっこう厳しめの意見が多く、
  完走しなかった方、ハナから相手にしてなかった方も多そうですが、
  モノづくり的にも『かなり興味深いトコロ』があるんですよね。

  というわけで、ほとんどの方にスル-されるのを覚悟しつつ、
  製作的な見どころも踏まえたりしながら、
  ちくちくと本作を語ってみようかと思う次第であります。


おハナシは、神さまの手違いで過酷な人生を強いられたという、
主人公の街尾火楽(まちお ひらく)39歳が、
つぎの人生では人のいないところでのんびり農業でもしたい、
という願いを聞き入れてもらい、
健康なカラダと『万能農具』を与えられ、森の中へ転生したところから始まります。

この森、実は『死の森』と呼ばれ、
魔物がめっちゃ徘徊していて人が寄りつかない(寄りつけない)という、
おおよそ『のんびりと農業を営む』には全く適さない過酷な場所でした。

ただ、与えてもらった『万能農具』がスグレモノ。
あらゆる農具(それも超高性能)に変化するというだけでなく、
  ・どんなに作業を続けても疲れない。
  ・念じて使うだけで、種がなくても願った作物がすぐに芽をはやす。
  ・ドラゴンすら倒す武器にもヘンシンする。
という、リアル農家の方々が逆上しそうなチ-トグッズであるわけです。

この『万能農具』のおかげで、
テレビでしか農業を知らないヒラク君もなんとか体裁を整え、
柵で魔物を防止しつつ、孤独な自給自足生活をスタートさせることができました。

やがて、一人、また一人と、
同居する『村人』が増えていきます。
(ヒトではなく、吸血鬼や天使、エルフなどの亜人ですが)

最初のころの村人は「追われてる」「住むところがない」など、
ワケありの、そしてけっこうな、いや、かなりの美人さんばっか。
ところがこの村人たち、建築や道具づくりなど村づくりに有用なスキルもち。
しかもなかなかにパワフルかつワイルドで、
居住区は少しずつ、健全かつ文化的に発展していきます。

こうなると移民希望者が増え、雪だるま式に人口が増加。
リザードマンだの鬼人族だのも移住してきて、
ワインなんかも作れるようになり、そこそこの『農村』へ進化します。

近隣の町や村、さらに魔王なんかと物々交換による『交易』もはじまり、
ついにはじめての赤ちゃんも産まれたりして、
のびのびと、明るく楽しい農村ライフが続いていくのでした。

 ……とまあ、リアル農家の方々からはジト目でにらまれそうな、
   ある程度はリアルだけど、かなりのご都合主義、
   アニメだからこそ許される『楽しい農村づくり』物語なのであります。


僕がこの作品を『よき』と評価しているのは以下のポイントです。

  ① ロリっ子がでてこない。
  ② ラブ要素・恋のさやあてみたいな部分が一つもない。
  ③ 女の子が『守るべきもの』でなく『たくましきもの』として描かれている。
  ④ ラッキースケベみたくチープな演出がない。
  ⑤ 主人公のヒラクくんがオンナにハァハァしない。

まず①『ロリっ子がでてこない』ですが、これ、ダイジですよね。

  このテの作品って『ロリ成分命』みたく考えてる方が少なくありません。
  開拓初期に非労働力のロリはいらんだろ、
  という極めてまっとう、というかイッパン常識的な考察に対しても、
   『見た目はロリだけど実は300歳』
  なんて使い古された手で強行突破してきますしね。

  その点、本作にはロリ成分がほとんどありません。
  物語後半、移民の中にショタだのロリっぽいのが混じりますが、
  あくまでもモブで本筋にカンケイなし。実によきです。

次に②『ラブ要素・恋のさやあてがない』のもグッジョブかと。

  村にやってくる美女たちは、
  みんなヒラクくんに『好感』はもつけれど『好感どまり』なんですね。
  あくまでも『いい村長さん』であってレンアイ対象じゃありません。
  (繁殖の『種馬』にしたいとは思ってますが)
  {netabare}
  そもそもヒラクくんは第一村人のルールーシーに、
  誤解と勢いでプロポーズをして、OKされているんですよね。
  ですから、
  最初っから『他のオンナのだんなさま』ポジションですので、
  ラブの対象としては外れているんです。
{/netabare}
  そんなわけで、実にケンゼンにのびのびと、
  明るく楽しく農業に従事しているところが実によき、であります。

そして③『女の子がたくましきものとして描かれている』ところも好感度大。

  ラノベ系の作家って女の子を『守りたい』傾向があるっぽくて、
  どんなツンデレだろうが女騎士だろうが、
  最後はオトコに守ってもらって目がハート、というのがお約束かと。

  その点、本作のキャラには『男性依存』の傾向がみじんもありません。
  ヒラクくんってチ-ト武器のおかげで最強なんですが、
  本作においては、それと『目がハ-ト』は別モンダイになっております。

  開墾・土木・建築などの力仕事も自分たちでこなしますし、
  『自分のチカラで生きる』という姿勢が身についているんですよね。
  丸の内の有能OLみたく、しっかり働き、しっかり飲み、しっかり遊び、
  いやほんと、みんなかわいいクセに、たくましい。
  オトコがなんぼのもんじゃい、と。

  こういう自立性、というかたくましさって、
  なんかあったら『政府・世間のせい』にする男連中にも
  ぜひぜひ見習ってほしいものであります(←差別発言)。


さらに④『ラッキースケベみたくチープな演出がない』ところもよき。

  というか、みんなワイルドかつたくましいし、
  そもそも亜人ですからジョ-シキも我々とは違うのであります。
  ハダカ見られたぐらいで赤面して、
   「ばっ、バカっ、あああ、あっち向いてなさいよっ」
  なんて定番のセリフ吐くヤツ、いないんですよね。

  男の子みんな大好き『モジモジ・うじうじ・テレテレ』演出もなし。
  混浴も平気で、ヒラクくんの方がモジモジだし、
  脱衣麻雀も大喜びでやって「脱~げっ、脱~げっ」の大合唱。
  
  で、そういう設定だからサービスカット大満開の章かと思いきや、
  全12話で、お風呂シ-ンが一回あるだけ。実によき。
  おさわり厳禁オトナの社交場、がきんちょはお帰りくださいまし、

最後の⑤『ヒラクくんがオンナにハァハァしない』もポイント高し。

  環境的には、美女にかこまれウハウハのハ-レム状態。
  そしてその美女たちのほとんどが『繁殖』をしたがっているわけでして、
  その気になればアラブの王様みたいな暮らしもできるわけです。

  でも、しない。奥さま一筋。
  だからといって、べつに草食系をこじらせているわけでもなく、
  奥さまとの間には、きっちり子どもを作っております。

  いやあヒラクくん、アンタ男だよ。


とまあ、ここまでがアニメに描かれているハナシ。
なかなかにケンゼンな『環境ハ-レム村』だと思うじゃないですか。
で、その方向でレビュ-しようかなと思い、
下調べとしてウィキペディアで原作情報を見てですね……思わず

  Dash it!(なんてこった、ちくしょうめ)

と叫んじゃった次第です(あ、いえ、実際には叫んでませんが)。

で、ここからはウィキで調べた原作情報・ウラ設定。
正直『反転術式かよ』と思うぐらい作品を見る目が変わっちゃいますので、
まるっとネタバレで隠しておきますね。
  {netabare}

 原作では、第二村人のティアって、
 入村当初からヒラクくんの『第二夫人』なんですね。
 ルールーシーの策略でティアもヒラクくんと「励む」ようになって、
 なりゆきで二番目の妻になっているそうなんです。

   アニメでルーが「わたし一人じゃカラダがもたないのよぉ」なんて、
   なにそのオモシロ掛け言葉、みたいな台詞いってましたが、
   実際は掛け言葉でもなんでもなく、マジでガチなアレだったわけです。
   (ヒラクくんが転生の際に神さまにもらった
    『健康な身体』がゼツ〇ンだったみたいですね)

 さらにウィキペディアによりますと、
 ヒラクくんは二人の妻でマンゾクしているのですが、
 種族繫栄のための『種馬』リクエストにお応えするカタチで、
 たいていの女の子とカンケイをもち、
 次々に子どもをこさえていくそうであります。

   アニメと同じく正妻であるルールーシーの子どもが一人目ですが、
   原作ではそれ以降、10人以上も、
   別の女の子との間に子どもを作っちゃうんだそうです。

   ちなみに原作の時系列では
   アニメ最終回のすぐあと、同じ年の秋にティアが出産するんだとか。

 え? そんなに原作改変したの? よくカ〇カワが許したなあ、
 なんて思って再視聴してみるとですね……

   『してる』描写は一つもないけれど、
   『してない』とはヒトコトも言ってない。

 ということに気づくわけです。
 まいった、完全にやられた。
 おまえ『シックス・センス』かよってハナシです。
 いや、確かにこれ、カ〇カワも文句言えないわ。
 原作改変(専門用語で言うと『翻案』)してるわけじゃないんだもの。

   まあ確かに、原作に描かれていることをそのまま表現していたら
     ご都合満載の『農村ゼツ〇ン物語』
   みたくなっていたことが容易に推察できるわけです。

   それはそれで別のリアリティなり需要なりはあるかもですが、
   少なくとも僕は、あんまり見たくないかな。
   そんなもん、大枚はたいてアニメ化する意味がわからんし。
 
 というわけで本作は、
 なんかちょっとかなりアレな原作を改変することなく、

   『健康的で楽しい農村づくり』

 にベクトル変換するという、レベル5級の能力が発揮されているのであります。
 製作的には、菓子折りもいらず大助かり。えらい、スゴい。
 倉谷涼一監督、グッジョブです。
{/netabare}


で、本作の拙的なおすすめ度は、
あまり深く考えずまったり楽しむ、という前提でAランクです。

万能農具のチ-ト性能もさることながら、
物語の中盤あたりからかなりのご都合テンカイで村が発展していくので、
そこのところにツッコむと一歩も前にすすめません。

本作の視聴ポイントというのはそこではなく、

  健康的でたくましく、おまけに相当きれいな女の子たちが、
  元気に、明るく楽しく農村づくりをしていくさまを、
  ちょい鼻の下をのばしつつ、にこにこ笑いながら健全に楽しむ。

という、かなりマニアックな楽しみ方に限られるわけなのであります。


そのぶん、見るだけでも楽しめるよう、映像にリキ入ってます。
制作はゼロジ-さんで、
これまで『悪くはないけどクセがあって微妙』なイメ-ジだったんですが、
本作は『健康的できれいなおねいさん』の作画に大成功。
ほとんどのキャラが、姿勢がよく、リッパな谷間をおもちです。

キャラデだけでなく動画さんもがんばってまして、
なめらかな人体曲線やタブりの多い洋服デザインがけっこうあるのに、
動かすべきところはきっちり動かしています。
OP、ル-ル-シ-がジャンプしてくるっと一回転するところなんか、
ちゃんとジャパニメーションしていますもの。

そして、人物作画にリキいれるだけでなく、
畑・森・農作物などもていねいに描き込まれており、
質感や空気感まで表現できていて、世界観が心地よく伝わってきます。

  こんなにいちいちリキいれてたら予算合わないだろ、
  というような心配は、SD演出の多用でカバ-。

  このSD演出、ただ単に枚数稼ぎになっているだけでなく、
  ちゃんとカワイイうえに、メリハリが効き、
  シ-ンに応じた『演出』として立派に成立しているんですよね。

  わりとよく見る枚数稼ぎの手法であり、
  キメツでもしょっちゅうやってたりするわけなんですが、
  あっちは『箸休め』的な扱いなのに、
  こっちは本編進行と連動していて、しかも違和感がありません。
  倉谷涼一監督、本作に限って言えば、かなり有能です。


キャラクターの作り込みも、けっこう繊細にできております。
みんな『きれいなおねいさん』であるだけでなく、
『チ-ト的能力もち』『しっかりした自立心もち』『ウジウジしない』
という共通項をもっているのに、
しっかりと性格付けができていてキャラかぶりがありません。

  とりわけスゴイと思うのは、
  関西弁も廓言葉もにゃんにゃん言葉もボクっ娘もおかしな語尾もなく、
  みんな基本的にきれいな言葉遣いをしているのに、
  個々のキャラが書き分けられ、きちんと立っているところ。
  これ、作家を目指すワカモノたちにぜひ見習って欲しいかも、です。

  それだけでなく、同じキャラが同じ内容の話をするときも、
   「ラスティって呼んでください」
   「ラスティって呼んでね」と、
  相手との位置関係で自然に言葉が変化しているんですよね。
  こういう『キメ言葉にせず会話の自然さをダイジにしてください』という指示、
  脚本家的にはとてもウレしいものなのでありますよ。


キャラに生命を吹き込む役者さんたちも、いい仕事しています。

本作って、難しくとんがったキャラがいない分、ぶっちゃけて言うと
大手事務所に正所属できるレベルの役者さんなら
  『誰でもそれなりにできる』タイプの作品なんですね。
正直、駆け出しの若手や預かりレベルの役者さんをずらりと並べても、
ふつうの視聴者さんなら、良し悪しが判別できないテイストかと。

それだけに、違いを生んだり声の表情をつくったりするのがムズカしい、
手を抜こうと思えばいくらでも抜けるけど、
役者の根性見せたんよ、と思えばかなり難易度が高くなる作品であります。

  で、根性見せてくれたのが、物語序盤メインのお三方。

     下地紫野さん(ルールーシー役)
     洲崎綾さん (ティア役)
     Lynnさん(リア役)

  「わかったわよ」「え? ここにですか?」「皆さん、張り切って働きますよ」
  なんて、個性の出しようがなさそうなセリフにも徹底的にこだわって、
  実に活き活きとした人物像をつくってくれました。

  先行役者がいいお芝居をすると後続が『燃える』のが役者の性質であります。
  その例にもれず、中ほどから出てくる役者さん、
  藤井ゆきよさんや日岡なつみさん、伊藤かな恵さん、岡咲美保さんなどが、
  少ない出番でなんとか自分の爪痕を残してやろうと、
  テンプレふうでありながらも実はすごく細かいお芝居を披露しています。

  おかげさまで、同系統の『なろう系』作品に比べ、
  かなり耳ざわり・聴き心地のよい作品に仕上がっております。実によき。
  (それにしても洲崎綾さん、相変わらずスゴい声してますよね)


音楽は、OP・EDともに、耳に楽しい素敵な曲かと。
とくにOP、
この曲に下地さん・洲崎さんの二人をあてるのは、反則級のキャスティング。
劇中の、葡萄ふみの唄もいい感じ。
劇伴は……ごめん、なんにも耳に残っていません。



というわけで、作り手側はかなり頑張って、
あちこちに強い『こだわり』を見せている本作なのですが、
ショ-ジキ言って、視聴者の琴線に触れそうなところは少なめです。

のんびり農家、というわりにけっこう新展開が多めでせわしなく、
たとえば『のんのんびより』あたりと比べると、
ぜんぜん、まるっきり『のんびり』感が足りませんしおすし(←死語)。

  既述のように、ロリっ子もラッキースケベもなんもなし。
  ついでに言うと、リアル農家につきまとうJAとのしがらみもなし。
  ほんと、あっちこっち流用されているキャッチコピー、
    『なにもない、がある』
  みたく、田舎のやけくそ集客作戦が似合いそうな作品であります。

ただまあ、ムネの谷間と自然とおいしそうなごはんはたくさんあります。
そして最終話、出産前後の村人たちを見ればわかるように、
ヒト(亜人ですが)の本能に基く日々の営みが、ていねいに描かれています。

おすすめ度Aと書きましたが、
それはあくまでも『拙はスキ』という主観まみれの評価でありまして、
決して万人にすすめられるタイプの作品ではありません。
ですが、粗製乱造のおおい『のんびり系』において、
細部まできちんと気を使って作り込まれた『良作』ではあるまいかと。

女性の方が見られても
 『男の子ってホントこういう話、好きよねえ』
なんて感じにはならないと思います(たぶん、ですが)。


  ちなみに、脱サラ・定年退職してあこがれの農村生活を始めたものの、
    思ってたのとチガう、
  なんていろいろご苦労なさっているハナシをよく耳にします。

  まあ、あたりまえですよね。世の中そんなに甘くありません。
  都会には都会の、イナカにはイナカの、
  いろんなしがらみだったりアレだったりがあるのが人の世かと。

  都会であくせく働く方々にとっては、
  こういうかなり非ゲンジツ的なアニメをたまに見たりして、

    農村っていいなあ、自然っていいなあ、

  なんて思ってるのが『ほどよい生き方』なんじゃないのかなあ、
  と、愚考する次第なのであります。ゆめゆめ、
    あいてます、あなたのNOSON♪
  みたいな誘い文句には、カンタンに乗らない方がよろしいかと。

  いやほんと『となしば』というのは、
  言い古されているようでいて、
  いつの時代もけっこう真理だったりするんですよね。

    むかし隣の家で飼ってた豆芝は、ガチで可愛かったんですが。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 22

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ハーレムだけど・・・(汗)

2023/07/03 初投稿

「異世界スローライフ」物を謳っている作品は数多くありますが,概ねスローライフでは無かったりします。

この作品は,割と地道に生活します

トイレを作り
寝る所を作り
畑を作り
水路を作り

やがて家族が増え
もっと家族が増え
仲間が増え
村に成長して

戦闘要素のかなり弱い「転スラ」みたいな感じ


村づくり・国づくり
外交・経済

こう言うのが好きなのです。
そんなわけで,量産型B級臭強めの本作ですが,自分としては高評価です。


あえて,難癖を付けるとしたら・・・

1 「農家」に違和感問題
ずっと,「農家」に違和感を感じながら視聴していました。なんでか自己分析。たぶん自分の中で「農家」って社会の中で主として農業を担当する人と言ったイメージなのです。農家は野菜などを生産し,漁師は魚を捕り,手工業者が道具などを作る感じでしょうか?でも火楽は全部やっちゃいます。農家じゃ無くて自給自足ですよね?後半,外部と交易を行い,やっと社会に農業で貢献するようになりますが,その段階には「農家」というよりは「農村(あるいは小規模な国家?)」レベルの規模に成長していてやはり違和感が・・・

2 ネーミングセンス悪すぎ問題
主人公の名前がひど過ぎ・・・街尾 火楽(まちお ひらく)って(´・ω・`)
文字で見るまで勝手に「拓(ひらく)」というイメージでした。火楽ってぱっと見「火薬(かやく)」にしかみえないw

投稿 : 2024/06/22
♥ : 16

62.2 19 異種族アニメランキング19位
警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 -トクナナ-(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (183)
584人が棚に入れました
ただ真っ直ぐに、憧れたものを追い続けて──2×19年、東京。過去頻発していた種族争いも絶え、平和になったと思われた現代。かつて種族の頂点に君臨していた『ドラゴン』に心酔し、その力を取り戻そうと画策する犯罪組織『ナイン』が現れた。世界を作り変えるべく凶行を繰り返す彼らを阻止するため、警視庁内でとある集団が組成された。その名も『警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課――通称トクナナ』。個人の能力はずば抜けて高いものの、「はぐれ者集団」「ごくつぶし集団」とも噂される『トクナナ』に新たに加わることとなった、ルーキー・七月清司。個性あふれるメンバー達に振り回されながら、彼は持ち前の明るさと真っ直ぐさで事件解決に挑む。次々と起こる難事件の中で、彼は自分の信じる正義を見つけられるのか――。

声優・キャラクター
下野紘、津田健次郎、鈴木達央、甲斐田裕子、小澤亜李、乃村健次、森川智之、平田広明、松岡禎丞、島﨑信長

しゅん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

テレ朝サスペンス枠のドラマでやってそうなアニメ

【物語の評価】
ミステリーや謎解き要素はあまりなく、探偵ものをイメージしていると間違えると思う。どちらかといえばサスペンスっぽいと思う。テレ朝のドラマでやっているような。
エルフとかドワーフの設定をあまり活かせていたとは言えない点はあったが。
【作画の評価】
【声優の評価】
【音楽の評価】
【キャラの評価】
7人のキャラが個性豊かで分かりやすく、キャラ付けも役割も分かりやすかった。
【感想】

投稿 : 2024/06/22
♥ : 1

56.8 20 異種族アニメランキング20位
異世界召喚は二度目です(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★☆☆ 2.6 (122)
376人が棚に入れました
かつて異世界エクレールへと召喚され、戦乱を収めて平和をもらたしたセツ。 しかし戦いの後で元の世界へと転生、二度目の人生をやり直すことに。 そして高校生になったセツは再びエクレールへと召喚されてしまう。 エクレールでは五年が経過し、世界は再び戦乱の兆しを見せていた……

84.7 21 異種族アニメランキング21位
ブラック・ブレット(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2566)
15368人が棚に入れました
突如、現れた異形の寄生生物「ガストレア」。赤く輝く目と圧倒的な力、そして桁外れの再生能力を持つ彼らの侵攻に、人類はなす術もなく大敗を喫する。国土の大半を失った現在、人類は彼らが唯一弱点とする金属「バラニウム」で作ったモノリスで囲われた、狭い「エリア」の中で、ガストレアの脅威に怯え、隠れながら生きることを余儀なくされていた。そんな中、生き残りをかけた人類のささやかな抵抗として組織されたのが、ガストレアへの対抗手段を持ったスペシャリスト集団「民間警備会社」――通称、民警。そのひとつ、天童民間警備会社に所属する高校生・里見蓮太郎は、相棒の少女・藍原延珠と共に、東京を壊滅に追い込まんとする、危険な企みに巻き込まれていく――。

声優・キャラクター
梶裕貴、日高里菜、堀江由衣、黒沢ともよ、小山力也、悠木碧、甲斐田裕子、豊崎愛生
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ロリっぽい...BUT...

悲しい設定だよね。
{netabare}感染源として、敵でもあり、味方でもある{/netabare}っていうのは。。。
えんじゅがかわいいだけに、今後どういう展開になるか期待!ですね^^

■第2話
{netabare}
「呪われた子供たち」への扱いがヒドイですね。
長老さんいい人だ^^
{/netabare}

■第3話~第12話
{netabare}
木更さんが最後に謎の闇落ちに・・・(笑)
カゲタネがラストで登場してアツかったですね!
{/netabare}

投稿 : 2024/06/22
♥ : 81
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ロリになった覚えはないんだけど・・・。

延珠ちゃんを初め、少女がたくさん出てきます。
{netabare}
彼女たちは“呪われた子供たち”と呼ばれ、市民から激しく迫害されています。
時には殺害されるほどに・・・。

ところが、彼女たちはその人間離れした身体能力を活かし、“イニシエーター”として、市民を守るために戦います。
{/netabare}
ロリになった覚えはないんだけど、彼女たちに心奪われずにはいられませんでした。
{netabare}
後半で、延珠ちゃんの友人たちの命が、一度に奪われます。
{/netabare}
ロリになった覚えはないんだけど、思わず涙が溢れ出してしまいました。


コメディとバトルがバランスよくミックスされた内容。
全13話と短目なので、一気に見れると思います。

バトル好きで、アニメで泣きたい方にはお勧めです。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 75
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

戦慄のロリ

あらすじ
{netabare}西暦2021年……ウイルス寄生生物「ガストレア」により人類壊滅。
人類は、ガストレア避けの「バラニウム」製の巨大金属壁「モノリス」
に囲まれた東京エリアなど、僅かな生存領域で命脈を保っていた。

敵に対抗し得るのは、ウイルスと抑制因子を体内に宿した少女「イニシエーター」と
指揮する「プロモーター」のコンビのみ。

「民間警備会社」のプロモーター少年・蓮太郎は、イニシエーターの延珠と共に、
裏で大人たちの陰謀渦巻く戦いへ、足を踏み入れていく……。{/netabare}

同名ライトノベル(未読)のアニメ化作品。


【物語 4.0点】
原作4巻分を1クールでということで、ややハイペース。
心情や状況を想像で補う場面もあり。
ただ、その中でも要点は押さえ、
ラストも{netabare}第三次関東会戦{/netabare}という区切りまで描く良好な“俺たた”エンド。


この種の人類存亡を賭けた崖っぷちで尚、
人間社会が汚いのはいつもの光景だが、
本作は少年少女&ロリの純心との対比が徹底しており、一層、醜さが際立つ。

ロリコン紳士はしばしば、ロリに現実にはない清浄な世界を夢見たりするが、
ロリを戦士として容赦なく社会の汚泥に放り込んだら、
むごたらしい惨事を招くという好例。

呆れるのは、風前の灯にありながら、尚、存在する“平和ボケ”
それが、人類を守り戦う少女たちに対し、
“呪われた子供たち”と忌避するムードに拍車をかけていること。

巨大ガストレアによる人類殺戮など、使徒による天誅とすら思えて来る。


こんな人間たち、救う価値などあるのか?
主人公少年たちの葛藤に終始、胸を掻き毟られる。


【作画 3.5点】
作画はCGも含めて標準レベルだが、グロも交え作品の持ち味は引き出す。

ウイルス感染により超進化を遂げたガストレア寄生生物との戦い。
アクション作画も超高速移動と大跳躍で挑む少女たち等を描写し、
一般人が立ち入れないバトル領域を演出。

背景美術も「モノリス」に囲まれた生存域の異様に加え、
一般人が暮らす呑気な中心部と、戦闘の爪痕が廃墟として残る外周区を描き分け、
矛盾を孕んだまま、滅亡へ転がり落ちていく終末感をアシスト。


【キャラ 4.5点】
主人公少年・里見蓮太郎。
上でふんぞり返る大人には舌鋒鋭く批判を浴びせ、
下で虐げられた“呪われた子供たち”には慈悲をかける。
弱きを助け強きを挫く、典型的なラノベヒーロー像。

作品によってはガキだな……と鼻白むこともありますが、
本作に関しては、胸クソ展開で、
主人公が怒りを代弁してくれるのが本当に大きいです。

ヒロインズは、中々ハイレベルなロリラブコメ展開で誘惑して来ますがw
このグダグダも、凄惨な現実の中で正気を保つため、
懸命に紡いできたロリだと分ると、かけがえのない日常だと思えて来ます。


【声優 4.0点】
主人公・蓮太郎役は梶 裕貴さん。理不尽な運命への抗いをぶちまける。
この種の沸騰ボイスを提供させたら一級品。


彼を取り囲むロリボイスは、ややマニアックだが百花繚乱。

一人称「妾(わらわ)」の延珠役に日高 里菜さん。
昼夜の緩急が激しい夜行性ロリのティナ役に黒沢 ともよさん。
何でも斬りたい病んだロリの小比奈役に悠木 碧さん。

など各種ロリボイス取り揃えておりますw


もう一人のメインヒロイン。「民間警備会社」社長兼、JK剣士の木更役に堀江 由衣さん。
最後の{netabare}復讐闇堕ちボイス。悪を裁くのは正義ではなく絶対悪。
哀しいシーンでしたが、今後の主人公との対決も予感させられ、ゾクゾクしました。
まったく、大戦が一段落した後くらい、穏やかに終わってくれよ~。{/netabare}


その他、蓮太郎に人類を見限るよう甘言する
蛭子影胤(ひるこかげたね)役の小山 力也さんなど、
方々から渋い毒ボイスも聞こえ、油断できません。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は鷺巣 詩郎氏。
決してオーケストラ音源を多用して迫力を出す構成ではないが、
象徴的なBGM「Crisis Point」では運命を呪詛するような電子音と混声コーラスで、
しっかりと精神を侵食して来る。


OPは、fripsideの「black bullet」
ストリングスと混声コーラスなど挑戦的なアレンジ。

EDは、やなぎなぎさんの「トコハナ」。他、挿入歌もあり。
マントラのコーラスで始まる滑り出しが大胆。

両曲とも、主人公・蓮太郎の生き様を補強する優秀な主題歌。


【感想】
正直、放送当時は、人類が壁に囲まれるの飽きて来たし……。
といった感じで、何となく避けていた作品。

ガストレアが侵攻して来る2021年も間近に控え、
いい加減、覚悟を決めて観てみたら、
ロリが悲惨な目に遭う描写などに打ちのめされました。


原作者は本アニメ化後、体調不良による長期“冷却”期間に入ったまま音沙汰無く、
続編は絶望的と思われますが……。
もう十分戦い抜いて来た、少年少女とロリっ娘たちに、
どうか安らげる場所を与えて欲しい。そう願わずにはいられません。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 27

64.2 22 異種族アニメランキング22位
ピーター・グリルと賢者の時間(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (155)
639人が棚に入れました
ここは、剣と魔法の世界――ヤケッパチ戦士ギルド所属のピーター・グリルは、見事に武闘祭を勝ち抜き、地上最強の男の称号を手に入れた!これで、恋人ルヴェリアとの結婚も認めてもらえるだろう。しかし、大いなる力には大いなる代償がともなう…。オーガ。エルフ。オーク。地上最強の遺伝子を狙う様々な異種族の女たちが、ピーターの子種を狙い、今まさに蠢きだそうとしていた。なぜ人は、事が終わってからこんなにも冷静になるのだろうか。かつて誰も見た事がない、地上最強の賢者タイムがやってくる!

声優・キャラクター
下野紘、浅水健太朗、二ノ宮ゆい、竹達彩奈、山村響、上原あかり、千本木彩花

64.1 23 異種族アニメランキング23位
ドラゴン、家を買う。(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (165)
537人が棚に入れました
一族から勘当された臆病なドラゴンの子・レティ。多種多様な種族が暮らす広大な世界で生き抜くために、弱い自分でも安心して住める家を探して旅に出ることに。その最中、勇者一行と遭遇したレティの危機を救ったのは不動産屋を名乗るエルフ・ディアリアだった…。共に旅をすることになった2人。果たして、レティは無事に安住の地へ辿り着くことができるのか――。ドラゴンと魔王による新感覚ファンタジーがここに開幕!

声優・キャラクター
堀江瞬、石川界人、井澤詩織、福圓美里、伊東健人、たかはし智秋、平川大輔、西山宏太朗、M・A・O、近藤隆

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

今期のMANPAは全部おもしろい_1

ナレーションの人、森本レオにそっくりだなぁ~。

・・・って思ってみていたらなんと!本人じゃあないですか!

最近見ねぇなと思ってたらなんとこんなところに!


まあそれはいいんですけども、これ面白いですよねぇ。
なんつうかそおゆう切り口あったんだなぁ!と感心しながら見ています。

これから不動産を購入しようと考えている方の参考には残念ながらなりませんが、一人の経済活動が社会に及ぼす影響がどのようなものかとゆうことが面白おかしく表現できており大変好感が持てます。

オーイシマサヨシ氏のOP『ロールプレイング』もこの作品の中身をよく理解されたのだと思わせる歌でなかなかいいです。

全体的に軽めの仕上がりとなっていて気楽に見れてとてもいいですね。

おすすめです。

:::::::::::::::::::::

いやぁ。おもしろかったですよ。

なんか津田健の黒龍と島本さんのヨルムンガンドが出てきたハナシ。
アレ好きだったなぁ。

なんかこう。すとんと腑に落ちたとゆうかですよ。

ああゆうハナシ大好きです。

それに『スカタン』とゆう言葉がどこばり通用する言葉でないとゆうことも初めて知りました。

勉強になりました。
ありがとうでした。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 16
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

好みは分かれそうだが...

自分にとってはかなりいい作品だった。
家探しという名目でドラゴンと魔王ディアリアが旅をする作品です。

{netabare}
基本的にこの作品はパロディネタ(モンハン)だったり、ゲームあるあるネタだったりを取り入れていてそれを面白いと思えるならハマる。
戦利品のことしか考えてない勇者や、中世なのにところどころに挟まれる現代感を感じるネタ(納税システムなど)も面白かった。
このアニメの面白さはそういうギャグがいかにもギャグっていう感じに描くのではなくて、普通の会話の中にさりげなく入っていることが多くてそこが面白かった。
いちいち会話の中に出てくる細かい意味不明な設定がクスッと笑える感じで良かった。

話に関してもディアリアとダメダメドラゴンの二人旅でほっこりするし、ぴーちゃんを育てたり、小人に靴を作ってあげたり、ほのぼのした空気感が落ち着く。
勇者みたいな敵もでてくるけどシリアスにはならず勇者はディアリアに蹂躙されるけど別にそれで死ぬわけではないし、言うなら全体的に魔王城でおやすみに近いかも。
萌え要素はないし主人公の性格は真逆だけど。

あと、最終回は話が普通に良かったと思う。
王の誤解を解くところもベタとは言え良かったが、何より最後の方でディアリアが笑ってたのが良かった。ディアリアがなぜここまであのドラゴンに肩入れするのかというところも分かったのも良かったかな。
{/netabare}
見た感じ、この作品を好きな人の方が圧倒的に少ないようで悲しい。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 8

72.1 24 異種族アニメランキング24位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (262)
1024人が棚に入れました
迷宮都市オラリオ―― 『ダンジョン』と通称される、壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。この街で、一柱の小さな女神と出会った冒険者志望の少年は、 仲間をつくり、ダンジョンに挑み、多くの死地をくぐり抜け、 さらなる<昇格ランクアップ>を遂げていた。そんな彼のもとにもたらされた一通の書状。 書かれていたのは、ダンジョン未到達階層への遠征任務。 未知なる冒険へ向けて、仲間たちと共に、少年は新たな一歩を踏み出す。これは、少年が歩み、女神が記す、――【眷族の物語ファミリア・ミィス】――

まーさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

神々と人類。1000年の時を超えた壮大な物語の新たなステージが幕を開ける!

ご存知「ダンまち」こと「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」シリーズ4期TV版が7月22日より放映されます。原作 大森藤ノ(ラノベ) 制作J.C.STAFF。TVアニメ版 1~3期 全37話+各話OVA(外伝含む)。劇場版1話 構成。他コミック等メディアミックス作品。

【前書き】
知らない方は少ないメジャータイトルの1つ。J.C.STAFF渾身の力作。先日、本作の第4期放映が正式に公開され、そのPV2本他を視聴し「新章 迷宮編」の内容とOP楽曲「sajou no hana 天灯」に感動したので新章への期待を込めて書きます。

公式サイト︰https://danmachi.com/

PV︰ベルクラネルの軌跡︰
https://youtu.be/RglcGT_IoX0

PV︰新章 迷宮編︰
https://youtu.be/1Z_0xP-bS4Y

【本シリーズ振り返りを含めて】
2015年4月~TV版が放映開始され、劇場版「オリオンの矢」も人気だった、シリーズ新作が4期目となる長編人気タイトルです。時代は神々と人類が通じ合う約1000年の昔…。英雄に憧れを抱く少年ベル・クラネルが、神ヘスティアと出会い冒険者として歩み・成長する姿を中心に、仲間、友情、絆、愛、神々、人間、モンスター等、エンタメ要素満載の話題作。
当時の作画レベルとしては細かい描写に多少荒さはあるけど、キャラの個性豊かな描写に好感を持ったし、ストーリーにも引き込まれました。特に1期 8話…当初駆け出しでLv1のベルが、冒険者として憧れるアイズ・ヴァレンシュタインの稽古を受けた後、ある女神の策略で強敵ミノタウロスと対決するシーンには惚れました。このシーンで掴まれたきっかけは音響です。
当時の調べでは、音響担当 井内啓二氏による作品で明確な楽曲名は示されておらず、盛り上がりを観せるシーンで度々使われたため「英雄願望」「 英雄回帰」作中で描かれる英雄譚(物語)から「アルゴノート」などと呼ばれた壮大なオーケストレーションです。これは素晴らしい!後に2017年6月リリースの「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 〜メモリア・フレーゼ」に伴い、ゲーム版のサウンドトラックとして正式に配信されました。

https://youtu.be/wq1Aftaq_wI
(JASRAC準拠)

本作放映後は女神ヘスティアの衣装が「例の紐」と呼ばれ、キャラとして海外でも話題となったりと、注目度の高い作品です。
個人的には1~2期でベルの冒険、成長をワクワク観られたましたが、3期、モンスターがゼノスとなり、接触したベルは彼らを庇う役回りに…これまでモンスターはダンジョン内の人間と敵対する者として描かれていましたが、展開の変わり方に戸惑いました…。実は、ダンジョンには秘密が隠されているとの伏線はあったし、次期に繋げる期だとは解ってはいましたが、ベルが偽善者的な役回りで、人間側もゼノス側も戦わなければならない…辛かった事を思い返します。ラスト1期 8話で降したミノタウロス…アステリオスと再戦するシーンで「僕は英雄になりたい!」と発するベルに違和感も覚えました…。でも…敗北するも「僕、強くなりたいです」と言ってくれた事で、次期の展開、成長、変革が予感され、少しほっとし…期待値がアップしました。

本作を通じてベースとなる物語はギリシャ神話です。改めて背景等を確認し発見した事を少々…。

前述した楽曲から繋がりで「アルゴノート」って何だ?…。
文献を漁ったところ、ギリシャ神話に記されるアルゴー船に乗船した英雄達アルゴナウタイをモチーフにしていると思われ、なる程…繋がりますね。メインキャラはもとより、神様キャラやモンスターの描写も見直して、改めて作家(脚本家も含め)って、作品を描くのにベースとなる時代背景やキャラ設定を行うのに、ものすごぉ~く色々調べてるんだなぁ…って。凄いなぁと…。感激!

創造、創作ってとってもパワーが必要だから、作品を世に送り出してくれる関係者には心から感謝!

して…4期…。実はダンジョンは神々が人間に課した試練の場?…。その秘密が明かされて往く?…。ベルは!?仲間は?ダンジョンとは何なのか?…。放映を楽しみに待ちます♪

投稿 : 2024/06/22
♥ : 5

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には1期よりも面白い。

ダンまちは1期が最高に面白かった。
今回のシリーズまではそう感じていた。

でも、今回のシリーズはしっかり胸がワクワクする展開があるし、
それでいて強さのインフレが我慢できる範囲で破綻していないようにも感じる。

まあ冷静に振り返ってみると、
第一期のミノたんの強さって、強く描きすぎな感もあるけれど、
そこはベル君の個人的な感覚を表現したということで。

今回のシリーズは全体としてレベルが高かった。
次のシリーズはジリジリしそうだけど、
そこは1期のような冒険活劇英雄譚ではないので、
個人的には今回くらいシリアスが組み込まれた方が好きかな。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 3
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ダンジョン攻略再び

原作未読 全11話 2クール1クール目、2クール目(厄災篇)は2023年1月放送予定

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか「ダンまち」の4期です。関係性から1期から観ることをオススメします。

ファミリア同士の抗争やモンスターたちとの共存など、ダンジョン攻略とは行かないエピソードが多かった作品ですが、今回は久しぶりにダンジョン攻略の旅に出かけますね。

ただ、トラブル続出、モンスターたちも強く、かなり苦戦を強いられます。絶望的な展開も何とか凌いでいる一行、人間関係の複雑な事情もあり一層混迷を深めます。

モンスター強い強いw絶体絶命のピンチ連続の中で終わっています。
{netabare}
まさかダンジョンが意思を持ち、修復するダンジョンを一掃するために最強のモンスターを出現させるとは考えつかなかったです。ジャガーノート強いですね。
{/netabare}
観ている私も力を入れて観る場面も多かったですね。どんな形に決着がつくのか2クール目が楽しみです^^

OPはsajou no hanaさん、EDは早見沙織さんが歌っています。

最後に、主人公のベルくん{netabare}の二つ名「白兎の脚(ラビット・フット)」は{/netabare}可愛い{netabare}二つ名{/netabare}ですねw

投稿 : 2024/06/22
♥ : 16

64.1 25 異種族アニメランキング25位
金装のヴェルメイユ~崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む~(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (170)
533人が棚に入れました
王立オルティギア魔法学院――。 召喚魔術が成功せず留年の危機に瀕していた学院生のアルトは、偶然見つけた古びた召喚魔術の本から魔法陣を描き、封印されていた悪魔ヴェルメイを召喚してしまう。彼女は古来より恐れられる“悪魔”であり、厄災をもたらす強大な力を持っていた。 使い魔となったヴェルメイには定期的に魔力を供給する必要があり、その方法は濃厚なキスをすること。そんな2人の関係にやきもきする幼馴染みのリリア、そして前代未聞の使い魔に呆然とする生徒たち。 最強の使い魔と契約したアルトは、目標である偉大な魔法使い“魔導を極めし者”(プラチナスクエア)を目指す。 崖っぷち魔術師と不健全な悪魔のお姉さんの王道ファンタジー開幕!

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

照れ隠しがエロとは恐れ入る(笑)

1クール12話の間で起承転結が3周くらい回っていて、ちょっとあわただしい感じもしますが原作から意外とエピソードは削られていないので、結局は原作漫画のテンポが速めということなんでしょうね。

自身の傾向として異種族恋愛系の話はわりと好む傾向があるので、そういう意味では本作はそこそこ楽しく観ていました。

大雑把には魔法とか使い魔の召喚とかがアリなファンタジー的な世界にある学園を舞台にしたラブコメディってことになるんだと思いますが、主人公のアルトくんには特に転生設定とかはありません。

メインヒロインのヴェルメイさんは悪魔であり、人間に対しては長命種ということになります。また作中世界で過去に悪魔がもたらした災厄などもあって、悪魔であることを公にするにはリスクが伴います。

また幼馴染みのリリアとしては、自身がアルトくんに恋心を抱いていることもあり悪魔のヴェルメイさんがアルトくんと親密になることは快く思えません。

このあたりのドタバタを楽しめるか、あるいはヴェルメイさんの過去の境遇に関して一定以上の共感・同情心が芽生えるかというのは本作の視聴の上での重要要素の一つと言えると思います。

あとはヴェルメイさんが奔放そうな見た目に反してかなり純情キャラである点、逆にリリアが常識人ぽく見えてアルトくん絡みになるととんでもない暴走をする点が人情面での見どころかと思われます。

個人的にはヴェルメイさんのエロいシーンよりは、リリアの暴走の方がエロ的には目に余る感じでした。リリアはある意味で本作の被害者と言って良いキャラかもしれませんが…。

今クール最終決戦でのヴェルメイさんの過去が明かされる回については、人間のえげつなさが出ていて良かったと思います。風評って怖い…。

投稿 : 2024/06/22
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

もう、あなたを一人にしない――

この作品の原作は未読ですが、まややんが出演されるのを知り視聴を決めた作品です。

ここのところ、まややんの出演作品がグッと減っていたので寂しさを感じていましたが、ようやく今期から出演作品の本数が増えてきたのでホッとしています。
仕事に忙殺されていると思いますので、体調不良とかじゃ無ければ良いんですけどね。


王立オルティギア魔法学院――。

召喚魔術が成功せず留年の危機に瀕していた学院生のアルトは、
偶然見つけた古びた召喚魔術の本から魔法陣を描き、
封印されていた悪魔ヴェルメイを召喚してしまう。
彼女は古来より恐れられる“悪魔”であり、厄災をもたらす強大な力を持っていた。

使い魔となったヴェルメイには定期的に魔力を供給する必要があり、その方法は濃厚なキスをすること。
そんな2人の関係にやきもきする幼馴染みのリリア、そして前代未聞の使い魔に呆然とする生徒たち。

最強の使い魔と契約したアルトは、目標である偉大な魔法使い“魔導を極めし者(プラチナスクエア)”を目指す。

崖っぷち魔術師と不健全な悪魔のお姉さんの王道ファンタジー開幕!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して振り返って思うこと…
良くも悪くも主人公であるアルトと、アルトの使い魔であるヴェルメイさんに特化した作品だったと思います。

もちろん、他のキャラも普通に登場するのですが、アルトの幼馴染であるリリアを除くと、皆さんちょいちょいしか出番がありませんでしたので…

かおちゃんこと石原夏織さん、香菜ちゃん、興津和幸さんや岡本信彦さんなど旬な方々が顔を並べているんですけどね。
個人的には「ストライク・ザ・ブラッド」で舞威媛である煌坂紗矢華を演じた葉山いくみさんが本当に久々の出演だったので、名前を見た時には嬉しさを感じてしまいましたよ^^

物語の方は…
悪魔を使い魔にする生徒なんて、きっと前代未聞なんだと思います。
この物語の世界でも悪魔は特異であり異端として見られます。
未知の相手に対して恐怖心を抱くのは仕方ないことだと思います。

例え恐怖を抱いたとしても、それは取り除くことができるから…
ですが、恐怖心ではなく別の感情…例えば悪魔の力の悪用など邪な考えを持つ人間がいるのも仕方ないことだと思います。

そう考えると、アルトがヴェルメイさんを呼び出せた理由は本編で語られるので、ここでの説明は割愛しますが、悪魔というだけで翻弄されたのは間違いありません。

ですが、ヴェルメイさんが何故悪魔になってしまったのか…
ヴェルメイさんがどんな絶望に心を折られてしまったのか…
この物語の見どころだと思いますし、公式サイトのトップページに「もう、あなたを一人にしない――」と書かれた訳もしっかり伝わりましたので。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、かおちゃんによる「Abracada-Boo」
エンディングテーマは、Miliさんによる「Mortal With You」
かおちゃんの楽曲も通勤時に聴いていましたが、最近Miliさんが個人的に大のお気に入りです。
最近、幾つもの作品の主題歌に起用されているのも納得です。

1クール全12話の物語でした。
今、中々アニメの視聴時間が捻出できず、視聴が現在進行形でどんどん遅れています。
こちらの作品もラストの数話は一気見することになりましたが、内容をハッキリ覚えている状況で物語を進めることができたので、これはこれで有りかな…と思いました。

しかし、まややんの「おまえさん…」はヤバいですね^^
これ耳元で囁かれたら軽く気絶しちゃいそうです^^;

投稿 : 2024/06/22
♥ : 14
12
ページの先頭へ