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「劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)」

総合得点
87.5
感想・評価
407
棚に入れた
1878
ランキング
148
★★★★★ 4.3 (407)
物語
4.1
作画
4.5
声優
4.3
音楽
4.4
キャラ
4.3

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劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~の感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

もう一度観たくなりますよ。コレ。

アニメ作品は今迄視聴済。
原作は未読。
本作品について一言
「話が速すぎてもう一度観たくなる!」

内容は良いと思いますが如何せん{netabare}一年間を{/netabare}110分ではユーフォ(女子高生の葛藤)では足りないですよね・・・。
本作品は2年生になった久実子たちと部長、副部長になった優子と夏希。
そして昨年全国出場した北宇治に期待して入部する新入部員達の物語。
それなりの問題を抱えながら北宇治高校吹奏楽部は成長して行きます。
特にヒロイン黄前ちゃんも高校2年生としての責任と{netabare}プライべートOPでいきなりのお付き合い確定!と{/netabare}低音パートの一年生4人の個性溢れる問題に対応して行きます。
やはりTV5話程度として劇場で終わらせるのではなく個人の心情をより深く3期のTV放送でやって欲しかったなとは思ってしまいます。{netabare}もっと細かく心情を理解できるような物語が作れたのではありませんかね。{/netabare}
でも本作品は{netabare}バックトゥーザフィーチャーでいえば2作目。優子と夏希には失礼になりますが、次作品への布石!の大前部長と麗奈の全国大会への軌跡のハズです。絶対ありますよね!!!本作品の最後の黄前ちゃんの力強く自信に満ち溢れた「部長黄前久美子」というところは鳥肌が立ちました。{/netabare}是非楽しみにしてゆきたいと思います。
冒頭にも書きましたが本作品1回だけ観るのだけでは内容が早すぎる。
是非複数回観たい作品です。
これも京アニの仕掛けでしょうか。

投稿 : 2020/05/24
閲覧 : 450
サンキュー:

60

ネタバレ

ふぁんた さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

それぞれの成長と黄前相談所の開所

前回の劇場版リズとは打って変わり物語の本筋を進める今作。
TV版での主要キャラの成長を感じることができます。

主人公の久美子。
2年生になって後輩をサポートし、人間関係の不和に立ち向かっていきます。

50人以上いる大所帯の部活では、思春期の未熟さも相まって、
人間関係が簡単に壊れてしまったり、逆に簡単に深い絆になったり、
ガラス細工のような繊細さがあります。

それを新入生を軸にしたストーリーを久美子がしっかりと主人公らしく正面からぶつかっていきます。


主人公がしっかり動いて、物語を進めてくれるので非常に感情移入しやすいです。


欲を言えば、新入生の新キャラ達は、映画という短い時間ながら際立った個性を光らせていたので、できればもう少し長尺でしっかり掘り下げて欲しかったですね。


久美子達の3年最後の{netabare}コンクールをフィナーレとして飾るには、
2年生編を少し落とす必要があるのは分かりますが、3年生のキャラ達も長く親しんでいただけに結果は残念でした。{/netabare}


でかリボン先輩
1期では見事に悪役を演じ切りましたが、
今作では成長著しく、部長として、馬の合わなかった副部長なつきと二人三脚で部を見事にまとめあげていました。

1期のごちゃごちゃがあったからこそ、彼女の成長はとても嬉しく、部長として{netabare}全国に行って欲しかったなと悲しい気持ちになります。{/netabare}



なつき先輩
最初期のやる気ない勢から見事成長し、憎まれ口を叩くでかリボン先輩を母親のようなおおらかな心でしっかりサポートしてあげていました。
彼女のフェアで真摯でとても広い心を持つキャラクターはユーフォの成長物語でも地味ですがすごく心地よく物語の素晴らしさを底上げしてくれる有能キャラでした。

{netabare}彼女が選ばれた時は本当に嬉しくて涙してしまいました。{/netabare}



みぞれとのぞみ
リズでみた2人の掛け合いの本番がしっかり見れて感無量です。



本番のシーンは圧巻です。
通しで楽曲をやり、楽器演奏という絵としては地味になりがちなシーンをこれでもかと音とシンクロさせた動きを作り上げ、瞳や表情で奏者の情熱を際限なく表現していました。

さすが京アニ、最高峰のアニメーション会社です。


1年間をやるにはちょっと尺が足らなかったことは否めなく、
駆け足で過ぎてしまいましたね。

3期はぜひTV版で深く人物の掘り下げ等行って欲しいですね。

投稿 : 2020/05/22
閲覧 : 178
サンキュー:

13

ネタバレ

天地人 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

もっとー私的アニメ感想簿78

TV版の続きで2年生となった久美子達の前に、新たに1年生が入部し、全国大会金賞を目指して部活動をする物語です。

先輩となった久美子
個性的な1年生
めんどくさい先輩(まあお互いでしょうけど)
一向に進まない秀一と久美子の仲(ん?)
省略される個々のエピソード(そりゃあ映画だし、時間が)
ええい、もっと恋ばなを入れんかい(無理無理)

正直言うと、TVで1クールか2クールで見たかったです。
でも、やっぱりユーフォはいいです。
印象的なセリフやきれいな画像、そしてラストの演奏シーン
ホントに面白かったです。
でも、映画とは別にTVで作って欲しい気が・・・(あ、やっぱり)

おまけ
あにこれ(?)投稿で悩む後輩

「本音?そんなの、あなたが先輩(投稿者)だからですよ。文章が下手な先輩は存在自体が罪ですよ(グサッ)」
「本人が気にしなくても周りが気にしますよ。言葉にしないだけで、みんな思ってますよ(ええーっ)」
「ま~だ何かあるんですか、天地人先輩って、そういうとこありますよね。人畜無害って顔してズカズカしょーもないネタを入れてくる(グサグサ)」
天地人
「ぼ、ぼけっとしてはいないと思うんだけど」

「鏡をお貸ししましょうか」

ううっ(涙)、そんなに言わんでも(って、何の話だ)

投稿 : 2020/05/09
閲覧 : 295
サンキュー:

24

うぐいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

これでもかと曲に絵を合わせる

テレビアニメの一期二期ときてその続きが劇場版のこの作品。
あすか先輩達が卒業して黄前ちゃんは二年生になり、初めての後輩が出来る。
物語としてはアニメ1クールを駆け足でギュッと凝縮した感じなので全体的に浅いのは否めないが、クライマックスの曲の楽器の動きに絵を完璧に合わせにいってる感じは拘りを感じた。
癖の強い一年生が何人か入ってきているのでテレビアニメでじっくり観たかったが、売上など考えると人気アニメは映画の方が儲かるであろう。
だとしたら良い制作会社はより良い作品を作るために儲けて欲しい。
だが、じっくり観たいというジレンマがここにある。
テレビアニメから通して、夏樹と優子ちゃんが重要な役割を果たしており葵ちゃんがスパイスになっている。
あすか先輩も最後にちょっと出てきたのは嬉しい。

投稿 : 2020/05/06
閲覧 : 196
サンキュー:

9

pop22 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

久美子無双

久美子による久美子のための久美子の映画。
始まり初手の久美子の驚きは久美子だった。
水も滴るいい久美子はもう久美子としか言いようがない。
夏祭りの久美子は迫られてもやっぱり久美子だった。

以上

投稿 : 2020/04/08
閲覧 : 212
サンキュー:

6

ネタバレ

O.Y さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

文句なしの一作[93.8点]

圧巻でした、文句の付け所がありません。
ただ本作を楽しむにはアニメの「響け!ユーフォニアム」の1期と2期、欲を言えば「リズと青い鳥」という作品も見ておく必要があるでしょう。アニメ視聴は必須ですね、1つ1つのシーンの見え方がかなり変わります。

※これ以降ネタバレ含みます

{netabare}
あにこれの5項目別で評価すると…(100点満点)
・物語[91.0]
足早ではあるがうま〜くまとまっていて見やすい、内容はかなり濃厚で100分しっかり楽しめた
・作画[98.0]
最初のシーンは圧巻、アニメ本編から良かったがそれをしっかりキープ、そして最後の演奏シーンは鳥肌
・声優[95.0]
結構キツめの性格の奏ちゃんの演技良かったな…雨宮さんvery good‼︎その他も引き続きいい味出してましたね
・音楽[97.0]
リズと青い鳥の本番シーンが見れて良かった‼︎いつもOP担当のTRUEがED担当だったのも良かった
・キャラ[93.0]
久石奏を筆頭に新1年生の低音パートの個性が強いのが良かったね、久石奏はユーフォの中で1番好き‼︎
総合換算得点[93.8]

【総評】
久美子の2年生編がこの劇場版1作品で終わってしまったのは正直ちょっと残念でしたが、やはりこの2年生編が動いた状態で見れた事自体が幸せだなあと思いました。1クールやってもおかしくない物量だったのにそれを上手い場合に濃縮した作品だったと思います。

あと久美子がだいぶ大人びた感じがします。面倒くさい後輩たちに自分の意見を示しつつしっかりと導いていく姿が見られました。

あとは新入生キャラの久石奏ですね。このキャラがドンピシャすぎました…‼︎なんていうか本音を隠してるキャラっていうか、ずる賢いというか、実際に居たらめちゃくちゃ腹立つキャラだけど、アニメではそれが光って見えた。ちょっと頭から離れなくて困ってます…、でもやっぱりその性格は中学の時の吹部でのオーディションが原因で…それで奏が思ったことは

「努力するってなんなんですか…?」

オーディションは一応演奏技術が高い人を選抜するものだが、やはり人間関係が絡むことが多い。特に後輩が先輩を差し置いて選ばれた時…、結果が出ればみんな納得するのかもしれない、これで良かったのだと…
、ユーフォニアム1期の高坂と香織先輩のソリストのオーディションも結局は高坂が選ばれたのだが、決まった後にイザコザが無かったのは全国に行けたからなのかもしれない、結果が出てなかったら果たしてどうなるのか…、結局努力するとはなんなのか、努力してオーディションを勝ち抜いても周りからは評価されないどころか非難を浴びせられる、そういう考えになってしまいますよね…よくわかります。

そんな奏が北宇治の夏のコンクールのオーディションの1件で中川先輩に対して放った本音にあった言葉が結構グサッときました…

「下手な先輩は存在自体が罪」

自分自身も結構部活動で技術面で劣っていると感じることは何度もありましたね、後輩からそんなこと言われたらちょっと立ち直れないなあ…:(;゙゚'ω゚'):
でもこのセリフ自体酷いことを言っているとは一概に思いません。もしそういうオーディションで自分みたいな人が落ちて、後輩が受かった時、自分が気にしていなかったとしても周りのみんなが気にするかもしれません。そういう意味で部活動での人間関係って一筋縄ではいかないのです。

以上のことより奏は全員が納得できるよう、そして自分の周りに敵を作らないよう部内で立ち回るようになります。それに対して久美子が真剣に向き合っていくのは本当に面白かったです。結末がどうなるかは実際に見て楽しんでいただきたいと思います‼︎

あと思ったのはやっぱり中川先輩は良い先輩だなあ…って、結構中川先輩っていろんな部内問題に関わっていますよね、そんな中でやはり他人を思いやれるというのが本当に良いですね。
{/netabare}

本作もリアルな吹奏楽部を繊細に表現できていたなあと思いました、京都アニメーションならではのキャラの豊かな表情変化も重なって、本当に良い仕上がりでした。ここまできたらユーフォの3期も絶対に見たいですね…何年でも待ちます…。

投稿 : 2020/04/06
閲覧 : 268
サンキュー:

18

ネタバレ

画王 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

これがラストじゃない

 映画を観て第2期からのストーリーが、チャイコフスキーの交響曲第4番をモチーフとしていることを確信できました。よく練り込まれた原作を、美しい吹奏楽部の青春アニメとして見せてくれたアニメーターに敬意を表します。「フィナーレ」というタイトルからこの映画がシリーズラストのような印象を受けますが、交響曲をモチーフにした一連のドラマのフィナーレという意味で、次回作の製作も決まっているようです。京〇ニ作品に込められたメーセージを素直に受け止めれば、人生や孤独に絶望する必要なんてありません。希望をもって次回作を待ち続けたいと思います。
 ここからは、チャイコの交響曲第4番第四楽章フィナーレに合わせて映画のあらすじを振り返ります。作曲家本人が曲想を解説したメック夫人宛ての手紙を参考にしているのでググって下さい。(テレビ版第2期の続編なので、一~三楽章のレビューはそちらを参照して下さい。)ドラマを演出するのは加部ちゃん先輩、みっちゃん(新入生)、奏ちゃん(新入生)、そして1~2期を通して成長した主人公の久美子先輩です。
 第一楽章で提示された交響曲の曲想は次の通りです。「幸福の追求(絶望からの逃避)は目的を貫くことを妨げる、それは変えることのできない運命である」。この曲想を各キャラが抱える問題(運命)に置き換えてみます。

・加部ちゃん先輩は、顎関節症によりトランペットを続けること(幸福の追求)が絶望的になり、コンクール出場という目的を失う。
・みっちゃんは、自分の実力が正当に評価されていないと感じて人間不信(絶望からの逃避)になり、吹奏楽部を続ける目的を失う。
・奏ちゃんは、コンクール金賞を逃したトラウマから人間不信(絶望からの逃避)になり、コンクール出場という目的を失う。

一方で久美子は、この運命に陥ることのない決意を奏ちゃんに語っています。
「あたしね、上手くなりたいんだ、ユーフォニアム。」
「(上手くなりたい理由を)そんなの考えたことない。」
自分のやりたいことを後先考えずにやってみるということですね。現実には、高校生になると具体的に進路を決めなければならないので、それほど余裕はないです。しかし劇中では、楽器初心者の葉月先輩や実力で劣るさっちゃんは部活を続けています。数々の困難が待ち受ける人生においてそれが必要なことであると、チャイコは第四楽章で訴えています。
 それでは、第四楽章フィナーレの楽想を見てみましょう。「自分自身が楽しくないなら、人々の中にとけこみ歓楽を共にするべきだ。しかし人々の幸福で自分が満たされようとする刹那、再び不幸な運命が襲いかかる。その運命は無邪気に我々を弄ぶだけで、顧みるいとまもなく過ぎ去る。これで世界は悲哀に沈んでいると言えるのか、いや幸福もまた存在する。人々の幸福を喜ぶことができれば、自分はなお生きていけるのだ」。この楽想を、久美子とともに運命に立ち向かう各キャラに置き換えてみます。

・加部ちゃん先輩は、マネージャーとしてみんなをサポートし久美子に自分の想いを託す。
・みっちゃんは久美子に諭され、みんなにとけこみ吹奏楽部を続ける。
・奏ちゃんは久美子と夏紀先輩に諭されオーディションに合格し、みんなとコンクールに出場する。

 チャイコの4番は、ベートーヴェンの5番「運命」より地味で、運命に対する華々しい勝利に感動することはできません。アニメの京都大会もダメ金で目標の全国金賞には遠く及ばず(人々の幸福で自分が満たされようとする刹那、再び不幸な運命が襲いかかる)、エンディングとしては納得いかない内容です。しかし、華々しい勝利を治めることができるのは社会の少数派です。ベートーヴェンも私生活ではそれほど幸運には恵まれませんでした。そのことを考えると運命に打ち克ち、幸福を自分の力で掴み取るだけでは生きていけません。チャイコのフィナーレは現実的で、生きていく上で必要なことですし、ベートーヴェンのフィナーレは人生の終幕で感じられればいいことでしょう。
 映画は尺足らずの消化不良で、テレビ版に比べてドラマに引き込まれません。新キャラのキャラ付けに前半を費やして、ドラマの核心は各キャラのセリフ説明で終わるため「めんどくせぇー奴等」という印象しか持てません(キャラを理解するには、それなりのコミュニケーションが必要です)。久美子先輩の成長を見せつけるために、無双の働きでわずらわしい後輩をあしらい問題を解決させるので、視聴者が完全に置いて行かれます。雨の中をズブ濡れになりながら先輩と後輩で追いかけっこして訓示くさいセリフを絶叫するのは、青春ドラマの反則技で感動する人がいるのか疑問です。いっそうの事、人間不信のカワイイ奏ちゃんを主人公に据えた方が感情移入できます。ドラマの主役を絞って新入生視点から久美子先輩を追いかけた方が、説教くささも出ないでしょう。主人公気取りの先輩なんて、イタすぎてアニメで見たくないです(超高齢化社会を現出させた某国の大人達を見ているようです)。
 それにしても、新入生キャラをクローズアップするスマホ撮影シーンは「何ですか、これ・・・」です。次回作はこのキャラ達で行きますよ、という暗示ですかね。アニメ史に残る傑作だった第2期とリズ鳥に比べて少し残念な本作ですが、交響曲のフィナーレを反映させた内容は90分の中でわかりやすく構成されています。

投稿 : 2020/04/02
閲覧 : 179
サンキュー:

5

ネタバレ

USB_DAC さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

過去最高のアンサンブルでした(苦笑)

★物語
・原作 : 武田 綾乃   ・演出 : 山田 尚子 他
・監督 : 石原 立也   ・脚本 : 花田 十輝

原作『波乱の第二楽章』を主とした作品。更に多事多難を増す人間関係。
その障壁を越えながら、ひとつの音楽を完成させていく王道ストーリー。
しかし劇場版という尺の問題か、そこに焦点を絞る故に、コンクールに
向けた練習の過程と三年生達が奮闘する姿は抑え気味。原作を良く知る
人には少々物足りなさが残るかも知れません。とは言え、単体としては
非常に良く纏まっているのは確かです。恐らくいずれ発表されるだろう
最終楽章編を含めたプロットに準ずる内容なのだと思います。


★作画
・作画監督 : 池田 晶子 、西屋 太志
・美術監督 : 篠原 睦雄
・色彩設計 : 竹田 明代

雅さを感じる京都の美しい背景。明るい色使いで描く宇治橋や川東公園、
青を基調とした大吉山展望台の夜景は相変わらず見事。もはや作画に於
いては語る必要など無い。そのくらい完成された作品です。


★声優
・久石 奏(ユーフォニアム): 雨宮 天
・月永 求(コントラバス) : 土屋 神葉
・鈴木 美玲 (チューバ) : 七瀬 彩夏
・鈴木 さつき(チューバ) : 久野 美咲

新たな声優陣で特に印象的だったのは、さつき役を演じた久野美咲さん。
一味違う個性的なその声は、他の三人とは正に対称的。次第にシリアス
さを増すシリーズにとって、今後も場の雰囲気を変える貴重なスポット
的キャラとして重宝される気がします。

そして久石奏役の雨宮天さん。礼儀正しい理想的な後輩の陰にちらつく
狡猾さの演技は実に見事。嫌らしく相手を蔑むような巧みな言葉回しは、
胃がキリキリする程の好演でした。w


★音楽
・主題歌:「Blast!」 / TRUE
・音楽 : 松田 彬人

コンクールの合奏曲「 リズと青い鳥 」。フルートとオーボエの美しさ
は勿論、ティンパニーの迫力には本当に圧倒されました。歴代の作品の
中でも明らかに最高と言っていい演奏だったと思います。


★キャラ
・キャラクターデザイン : 池田 晶子

香織に良く似た可愛らしい容姿を持ち、普段は後輩らしさを演じながら、
先輩である久美子や夏紀に平気で本音を巻き散らす久石奏はやはり強烈。
しかしその真の実力と今までの努力を認め、自分と同じ辛いトラウマを
持つ者として、最後まで優しく癒そうとする久美子もまた凄かった。

そして気になるもう一人の異端である月永求。露骨に名字で呼ばれるこ
とを忌み嫌う理由は一切明かされず。その切っ掛けとなる人物はほんの
一瞬だけ登場していましたが、果たして三期でその経緯は暴かれるのか。
葉月の言う「血統書付きの捨て猫」は実に的を射ていて少々笑えます。



[感想]

久美子達が高校生活をスタートして早一年。北宇治の吹部にまた新たな
風が吹き荒れる。全国という変わらぬ目標を目指す中で、自身の立場や
人間関係を顧み、再び体制を整える季節。進級して初めて知る先輩達の
苦労。そしてまたひとつそれぞれが心の成長を遂げる。これがある意味
リアルな部活動、そして学校生活を送るということなのでしょうね。

物静かでコミュニケーション能力に劣り、自ら孤立してしまう美鈴や求。
口は達者。けど常に自己の保身に走り本心をなかなか見せてくれない奏。
そして人懐っこくて明るいさつきなど、一癖も二癖もあるメンバー四人
が低音パートに加わったことで、初日早々、妙な緊張感が漂い始める。

彼女等が持つ上級生をも凌駕する実力。それが生む内に秘めた強い自信。
本来それは臆せず前を進む上でとても大切なものです。しかし、過ぎた
自信は時に周囲を見下し、己が持たぬ別才に嫉妬しては苛立ちを見せる。
そんな自ら厚い壁を築く奏と美鈴に対して、真正面から向き合う久美子。

奏が頻りに問う「頑張るって何?」。それはきっと大好きなものに夢中
になれるということ。好きだからこそ結果に囚われず、純粋にその価値
を見い出すことが出来る。上下関係や周囲の目、極度にしがらみを意識
した行動からは、決して物事の真の楽しさや飛躍的な成長は生まれない。

そしてそこで得た喜びや悔しさ。頑張り続けた者にしか得られないもの。
メンバーに選ばれた者、選ばれなかった者それぞれがそれを理解し信じ
合うから、全力で努力し互いがサポートする美しさが生まれる。その後
美鈴と抱き合う葉月とさつき、悔しさに涙する奏がとても印象的でした。

それにしても「リズと青い鳥」の演奏は本当に痺れました。コンクール
用に編曲されたこの楽曲。ドラマティックで美しい旋律を聴いていると、
改めて童話の世界と物語を思い出し感無量です。メロディに沿うハープ
の指使い、息継ぎの瞬間まで描写する細かさ、そして立体的に飛び回る
カメラアングルは酔うほどに素晴らしく、演奏もほぼ完璧に感じました。
ただ原作に沿っているとは言え、この内容での落選は残念でなりません。

次はいよいよ物語の最終章。原作通りの波乱の展開、あるいは新たな驚
きと感動が待ち受けているのか。そして葉月の初ステージと全国制覇を
どう描くのか(頑張れ葉月)。その瞬間が待ち遠しくて仕方ありません。


[ちょこっとだけ趣味の語り]
{netabare}
この劇場版が公開された2019年、第67回全日本吹奏楽コンクール
高校の部で見事金賞を受賞した8校の中で、特に印象に残った中国代表
岡山学芸館高等学校。自由曲「巨人の肩にのって/P・グレイアム」の
圧倒的迫力とスピードは最早高校レベルを遥かに超える鳥肌が立つ名演。
今現在もYOUTUBEにて一般公開されていますので、高校生の実力、
そして北宇治高校が目指すレベルを知る上でも、是非一度ご覧になって
頂きたい演奏です。因みにこの「巨人の肩にのって」はブルックナーの
交響曲第8番第四楽章を元に生まれたブラスバンド用の編成曲。かつて
アイザック・ニュートンが語った一節に掛け、偉大な先人・音楽家達に
敬意を込め作られた壮大且つスピード感溢れるブリリアントな一曲です。
{/netabare}


以上、拙い感想を読んで頂きありがとうございました。

投稿 : 2020/03/22
閲覧 : 309
サンキュー:

29

ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

京都アニメーションについて

はじめに注意書き

本稿は 劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~ の要素をそれほど含みません。予めご留意くださいませ。


-------------

※本作に関する評価は評点にて

実は公開直後の2019年4月に本作品を劇場で鑑賞し、なにかしら書こうと思ってましたが筆が進みませんでした。

 「この続きの物語を早く観たい」

真っ先に沸き上がった感情がこれで、それ以上でも以下でもなかったことが理由です。

鑑賞後の感想が「続編早く観たい」だったので、その後の続編発表はなによりの朗報でした。無名の大学生の小説を発掘し素敵な物語に仕立て、数年かけて育ててきた魅力的なコンテンツ『響け!ユーフォニアム』。拙稿のTV版のレビュータイトルは1期2期を通じて “ モブはいない ” としております。
コンテンツの歩みは仕上げの工房から始まり、地方のハンデを乗り越えながら三十年以上かけて築きあげてきた実績と、一人一人輝きを見せるキャラクターたちは誰一人として欠けてはいけないクリエイター集団としての京都アニメーションという制作会社の実像とイメージを同じくするものでした。



2019年4月。
「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」の公開前後、京都府宇治市にある京アニショップの店頭ボードにはこのようなメッセージが添えられていました。


{netabare} 劇場作品を一本作り上げるには、すべてのスタッフが
一丸となって取り組まなければ乗り越えられません。
 クリエイターが、日々真摯に作品の制作に向き合うの
は勿論、制作を支えるスタッフも、クリエイターが自分たちの
作業に集中できるよう、最適な環境を整えてくれました。
 全てのセクションが毎日細かな情報まで共有し、遠く
離れたスタジオにいるスタッフでも、まるで隣の席にいるか
のように感じることができました。そして、時間との戦い
になっても、一人として諦めることはありませんでした。
 最後は、各スタジオのスタッフが一ヶ所に集まり、この作
品の完成を一心に目指しました。あの時の高揚感は忘
れることができません。一人として欠けては、この作品が
皆様のもとへ届くことはなかったでしょう。

 「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」には、
京都アニメーションとアニメーションDoの“いま”を余すこと
なく詰め込んでいます。映画を通して、私たちの想いを
感じていただければ幸いです。
 
 そして、ここから続いていく劇場作品もまた、同じように
大切な想いが詰まっていて、『京アニ映画year』はそうし
た想いが寄り集まって始まります。

 私たちの想いが、皆様に響きますように-----。

    京都アニメーション・アニメーションDo一同 ※原文ママ{/netabare}



届きました。響きました。


しかし、ここから続いていったであろう大切な想いが詰まった作品たちは現在足踏みまたはゆっくりと歩を進めている状況です。
「今暫く、時間をください。」「必死に戦っていきます。」公式コメントで誓われてる以上、我々は再起を信じて待つほかありません。


次は自分たちの番だと思ってます。


 『一人でも多くの人に京アニの作品を知ってもらいたい』


“ 夢に向かって一生懸命な人たちのプロの仕事を紹介する ” とのスタンスで普段はアニメを観ない層へ働きかけています。けっこうな方が実際の作品を観て感想を寄せてくれました。

『らき☆すた』『CLANNAD』『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん!』『氷菓』『中二病でも恋がしたい!』『Free!』『響け!ユーフォニアム』『聾の形』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』etc
アニメに興味のない層はこれらのタイトルを知りませんから、技術的なことや内容よりもクリエイターのモノづくりへの想いに言及することで一般層の琴線に触れる場合が多いと感じております。


あにこれはレビューサイトです。
レビューを書くことは抽象的な映像作品を言語化するというやっかいな作業です。そのやっかいな作業を質量関係なくおこなった経験が皆さんにはおありです。
一介の在野レビュアーごときの世迷い言に少しばかりでも共感してくれて、どこかで思い出して行動に移していただけるのなら望外の喜びです。



願わくば、地上波のゴールデンタイムで京アニ作品が流れるその日まで。



世間の話題に挙がらなくなっても京アニの必死な戦いは続きます。
私たちも決して希望を捨てることなく、また、アニメファン一人びとりがこれからも長く心を寄せ、京アニ再興の道のりを見守り続けていきましょう。


令和元年九月七日 記


※本稿に関するサンキューには御礼メッセージを控えさせていただきます



-------------
2020.03.20追記

○周忌や月命日でもないなんともない日にあらためて更新です。
レンタルなり配信が開始されたのでしょう。レビュー新規投稿なりサンキューをいただく機会が増えました。劇場公開からそろそろ一年。

何かの折にコンテンツに触れられることはありがたいことです。
一方で、消費される宿命にあるのもコンテンツの事実。
忘れない。想い続ける。いざやろうと思っても四六時中というわけにはいきません。


さて、実績報告となります。
事件後、普段アニメを観ることのない4名の知人に京アニ作品を鑑賞していただきました。反応は様々でしたがそれでいいかなと。

引き続き、各々が現実世界で動いていく。
今後更新するかはまったくの未定です。


2019.09.07 初稿
2020.03.20 追記

投稿 : 2020/03/20
閲覧 : 1319
サンキュー:

75

老倉育 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

これぞ青春!!!

響け!ユーフォニアムシリーズ久美子2年生編!!
先輩と(めんどくさい)後輩にはさまれて奮闘する久美子の話。
相変わらず作画が綺麗すぎて本当にすごい京アニ。ひきこまれるよ。演奏シーンの指の動きとか楽器とか瞳とかただただ全てが美しい。
すごく久美子の言葉が胸に刺さって涙でてくる。あと最後も泣く。
ただ、2時間で1年をやるから結構サクサク進む。もう少し時間ほしかったな…。あと1時間くらい?
どうなるかは分からないしどれくらい時間がかかるかは分からない。こんな私が言っていいのかも分からないけど私は大好きな京アニさんをいくらでも待つし応援しています。京アニさんが作る久美子3年生編がみたいです。やっぱりエンドロールは感謝が溢れて止まらなくて泣いてしまいます。

投稿 : 2020/03/18
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14

響け! さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

正直最高でした!

高校卒業してからバイトして響けユーフォニアムシリーズの円盤全部買って、その時に初めてみたのですが、はい、泣きました。特に自分はリズと青い鳥も見ていてのでそこのストーリー含めて色々と思い巡らせると本当によくできている作品だなと感じました。また、自分の高校時代の吹奏楽部の時の思い出とかも色々思い出されて、もう泣かずにはいられない感じでした。
作画よしストーリーよし音楽よし。もうほんとにただただ大好きです!
是非是非みてください!あと、吹奏楽やってた方々、細部まで耳をすますと吹奏楽の名曲だったり、よくやるミスだったり、基礎練だったり、すごくよく作り込まれているのでより一層楽しめると思います。
自分ももっかいユーフォしようかな。

投稿 : 2020/03/16
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14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

もっと、もっと、強くなれる…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ2期までと1期OVA、そしてTVシリーズを振り返る劇場版2作と「リズと青い鳥」は視聴済です。
なお、本レビューはこの作品視聴済の前提で記載しているのでご了承下さい。

私の「お気に入りの棚」の序列25位である本シリーズ…
この劇場版の視聴を言葉で表現できないくらい待ちわびていましたが、ようやくその夢を叶えることができました。

本作は「黄前久美子の高校2年生版」という位置付けなのですが、1年間を約100分の劇場版に詰め込んでいるので、内容がメチャクチャ濃厚です。
それもそのはず…「黄前久美子の高校1年生版」は2クールの尺を取って描かれたのですから…
個人的にはTV放送1期分くらい使っても良かったんじゃないかと思いましたが、そこは作り手の意志が強く働いたところなんでしょう。


昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。
2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、
4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。

全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、
低音パートへやって来たのは4名。

一見すると何の問題もなさそうな久石奏。
周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。
そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。
自身のことを語ろうとしない月永求。

サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。
「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?

北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。
黄前久美子の代も個性派揃いだと思っていましたが、今度の1年生の個性も半端ありません。
個性と言うか…良くも悪くも真っ直ぐなんです。
真っ直ぐである事は決して悪いことではありません。
ですが、今度の1年生の場合、そこに葛藤が見え隠れするので、そこが厄介と言うか、問題の火種になっちゃうんですよね。

新入生のキャラの掘り下げにはもう少し尺を取って、様々な角度から見たかったのが本音です。
一方向からだけだと、キャラのイメージが固定されてしまうので…
逆に言うと、一方向からだけでも十分にキャラが印象付けられている証拠なので、これはこれで凄いんですけどね。

一方、物語の方は、サンライズフェスティバル、オーディションなどイベントごとに問題が勃発するのですが、そこに全て1年生が絡んでいるのが特徴です。
黄前久美子が1年生の頃って、彼女たちの廻りに問題の火種は燻っていなかったと思います。
むしろ上級生のいざこざに振り回されることの方が多かったような…

2年生と3年生は自分は、掲げた目標に対してどう取り組まなければならないかを痛いほど分かっています。
その痛みを伴いながらこの1年間を過ごしてきたのだから…
そしてそこに1年生が交わってくるのですが、いくら経験者だとしてもいきなり上級生と同じ色を出すことはできません。
そりゃ、そうです…1年生がこの学校の…この吹奏楽部のことを何も知らないのですから…

何も知らない場所に突然放り出されたら誰だって緊張するし警戒だってすると思うんです。
それだけじゃありません。
「勝負」の世界を生き抜く代償を…消せない傷の痛みを彼女たちは知っているんです。
自分で一番やってはいけないこと…自分自身の本能とは真逆の行動であると知っていても、反射的に自衛の行動をとってしまう…

でも、この物語の真骨頂はここからです。
自衛の行動が勝負の世界において一番邪魔であることを悟らせて向かえたメンバー発表…
選ばれなかった人に悔しさが無い筈なんて絶対にありません。
それでも、選ばれた人の背中を笑顔で押す優しさに、私の涙腺は耐えられませんでした。
そして選ばれた人が目標を強く意識する瞬間となったのも痛いほど伝わってきました。
部員が纏まるって、こういうことを言うんだろうなぁ…そんなことを考えていた矢先、舞台はあっという間にコンクール本番を迎えることになります。

認識はしているつもりでしたが、劇中で「リズと青い鳥」が流れた瞬間、希美とみぞれの成長を描いた前作が脳内に一気に流れ込んできて、全身に痺れが走りましたよ。
本作では殆ど台詞はありませんでしたが、楽曲を聞いて希美はみぞれと交わした約束をしっかり守ったと思いました。
はやみん演じる前部長も涙ぐんでいたので、きっと素晴らしい演奏だったのでしょう。

そして息継ぎする間もなく結果発表…
言葉と気持ちは時代と人が変わっても受け継がれていくことを如実に感じる展開が待っていてくれますので…
結果が気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

公式HPには「久美子3年生編制作決定」のニュースが掲載されています。
その久美子3年生編制作決定PVも見れるようになっているのですが、この内容が激アツなんです。

PVに掲載されているテロップを抜粋します。
テロップの文字だけ見ても熱さの感じれれる単語が並んでいますが、PVと合わせてみると半端無い熱量を秘めているのが実感できると思います。

「全国なんて、無理だと思っていた。」
「でも、諦めなかった。」
「そして、みんなで掴んだ…全国大会への道」
「全国大会は、銅賞で終わった。」

「次の目標は、全国大会 金賞。」
「叶わなかった、目標。」
「でも、流した汗と涙は…いつかきっと、報われる。」

「このままでは終われない!」
「残された時間はあと1年」
「次こそは全国金賞!」
「北宇治高校吹奏楽部の決意の最終楽章が始まる!!」
「久美子3年生編制作決定!!」

もうこれは待つしかありませんよね。
えぇ、どれだけでも待ちますとも…
物語を余すことなく描き切って貰えるのを期待しています。

投稿 : 2020/03/15
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36

ネタバレ

みーた  さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

間違いなくおもしろかったんだけど…

京都アニメーションならではの
美しい作画、丁寧な演出はやはり見事です。

ただ、
{netabare}
原作が3~4巻分を2クール約10時間かけて描いた1年目の話と異なり、
原作2巻分を、映画2本約3時間で収めた第2楽章は、
ただでさえ詰め込み過ぎにみえるのに
「リズと青い鳥」の方を丁寧に描いたこともあって
本作はかなり駆け足な印象で、
特に中盤はダイジェストを見ているようでした。

また、 {/netabare}
本作は時間の制約もあってか
TVシリーズを見ていなくともある程度楽しむことができた
「リズと青い鳥」とは異なり、
完全にTVシリーズ(またはその再構成版映画2作)および
「リズと青い鳥」を見ている前提で製作されて{netabare}いるため、
これらの作品を一部でも見ていない状態で本作を見ても
正直言ってなんのこっちゃな作りになっています。
大会の結末に関しても、
これまでの作品を細かく見ていけば
途中差し込まれるいくつかの伏線を考慮すると
(2年目である点を差し引いても)
ある程度予想のつくものとはなっていますが
この作品単体として見れば、ややアンチ・クライマックス的なものになって{/netabare}います。

映像化できていない細かなエピソードもたくさんあると思いますので
是非第3楽章では、2年生までの補足となる話を含め
アニメシリーズなどでしっかり描いていただけたらと思います。

最も、本作品については
冒頭で絶賛した作画技術の根幹をなす
キャラクターデザイン・作画監督が
残忍な事件によって
多くの優秀なアニメーターとともに故人となっております。
精神的にも、技術的にもなかなか続編とはいかないでしょうが
時間がかかっても何とか完結させていただけたらと思います。

投稿 : 2020/03/09
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6

ネタバレ

うにおいくら さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

いつものユーフォニアム

 原作は武田綾乃の小説。
スピンアウト・新作としての劇場版が「リズと青い鳥」「誓いのフィナーレ」である。

前作の劇場版『リズと青い鳥』とは違って、今回はいつもの『響け!ユーフォニアム』だった。安心して見ていられた。(決して前作が劣っているとか面白くなかったと言っている訳ではない)
勿論監督も山田尚子→石原立也(TV版と同じ)と代わっている。
 
 内容は三年生が卒業して新入生が入部してきた吹奏楽部の物語。
『響け!ユーフォニアム』の劇場版三連作の最後。なのでTVシリーズ27話を見た上でこれを観てもらった方が無難。


 今回の劇場版は……新入部員が結構面倒くさい性格が多い……と言うのが見ていて最初に感じた感想。

 映像は流石『京都アニメーション』と思わせる期待を裏切らない出来。
コンクールの演奏シーンはいつものように臨場感を感じます。

 久石奏役の雨宮天は良い演技をしていた。少年役も多い彼女だが、こういったねじ曲がった女子高生を演じさせてもいい味を出しているなと、改めて感心した。

進級した各登場人物へのこだわりも見られて、このアニメの完成度の高さを実感した。

 個人的には中川夏紀役藤村鼓乃美と吉川優子役山岡ゆりの地味だが成長した二人を感じさせる演技が好感を持てた。




 この映像を見て「ピアノの森」の演奏シーンのこだわりのなさを思い出してしまった。TVと劇場版の違いがあるとは思うが、音楽を題材としたアニメなら演奏シーンはそれなりに覚悟して作画して欲しいものだとこのアニメを見て思った。

 所詮はアニメ制作会社のプライドのあるなしと予算のあるなしに依るのだろうけど、内容が良い作品であればあるほど作画にはこだわってほしいともうのはオジサンの我儘だろうか?

中二の娘も見終わった後『面白かった』と大満足だったが『あの久石奏は性格悪すぎ、生意気すぎる』と何度も言っていた。

どうやら文字通り中二病の娘には許せないキャラのようだ。

 オジサンには少しひねくれているが判り易い少女に見えたのだが、これは私が文字通りオジサンだからそう思うだけだろう。

 最後の結果はOBが出て来た時点と部長の吉川優子が副部長中川夏紀へ掛けた言葉で見えてしまった。『あ、フラグが立ったわ』と思ったがその通りだった。

やはり劇場版という決められた尺の中ではそうならざるを得ないのだろう。


 出来ればこれをTV版で2クールで見たいものだ。
更にできれば三年生になった黄前久美子部長で2クール見てみたいものだ。

 このシリーズを最初から見ていたので、当たり前のようにこの劇場版も見たが、面白い映画だとお勧めできる。
この劇場版しか見なくても、作画監督の拘りを随所に感じられるだろう。

しかしできればTV版から全作を見た上で、観る事をお勧めする。


映画の中で気になった点が1つ。
前作でもチョコチョコとどうでも良いのを見つけてしまったが、今回もあった。


関西大会での演奏シーンで、舞台上に謎の2年生女子部員を発見した。
鉄琴(グロッケンシュピール)を演奏しているのはどう見ても男子部員なのだが、後半に2カット程女子部員が増えている。

まあ、他の楽器も兼務でする場合もあるので、一概に間違いとは言えないが、曲の流れからも言って部員の数を数えても1名多いような気がする。

というどうでも良い事をまた発見してしまった。

投稿 : 2020/03/03
閲覧 : 262
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20

ネタバレ

Jun さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ダイジェストと言っていいほど駆け足

1クールでやったことを2時間弱でまとめようとしているので、全体に駆け足です。ただ1、2秒の鍵になるシーンをみると昔の話がフラッシュバックしてきます。ただ新キャラとの感情のもつれ等ある程度時間をかけないとドロドロ感が出ないので、大前ちゃんの得意技が決まってもあまり感動しません。同じことの繰り返しになっても、このシリーズは時間をかけて努力と犠牲を一つ一つ丁寧に描いた方が心に響くのではないかと思いました。

音楽は最高でしたが、前作リズと青い鳥の時のようには震えませんでした。
こんな見事な演奏なのに全国には行けないんですね。対戦校の演奏がないので負けた気がしない。部長の言葉が腑に落ちないです。

作品の話では無いですが、冒頭から故人の名前を目にするとメタ的にアニメって、キャラってなんだったんだろうってうわのそらになってしまいました。(お祭りの後、喧嘩別れした後、走って渡る橋のシーンの一瞬とかも、一瞬アニメの世界から出て思考停止してしまいました。)

投稿 : 2020/03/03
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15

ネタバレ

けいP さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

悔しくて死にそうです!

原作は未読です。

アニメは2015年から始まり、現実世界では2019年ですが久美子達は一年生から二年生になったばかり。長い青春ですね羨ましい笑

当然新入生が入ってきます。

その中でも久石奏、こいつは最初サイコパスかと思ったが、中学時代のトラウマが原因と判明。やはりそういう問題つきものなんですね~部活動には。

葉月ちゃん、鈴木は全国で2番目に多い名字だぞ笑

やはり本番の演奏シーンは素晴らしかったですね。

リズと青い鳥で主役だった希美とみぞれは今回まったくセリフがありませんが、その分本番の演奏ではひときわ存在感を放っています。
特にみぞれはサンフェスでの無表情ダンス(笑)からのリズのソロパート。
オーボエソロが始まった時は「キター!」と思いましたね。

全国行けなかったのもリアルでいいんじゃないですか?てか関西から3高だけ全国いけるの?狭き門ですね。

この映画の公開が終わり久美子達の3年生編
のアニメ化が決定してから数日後にあの事件。
ホント悔しくて死にそうな気分になりました。
3年生編はやる予定みたいですので
いつまでも待ってます。

投稿 : 2020/02/14
閲覧 : 517
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38

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

3年生編の前振りか

TVシリーズでもよかったと思うくらい、ボリュームがあり、全体的に駆け足な感じはありましたが、映画という枠の中では 仕方がない事と割り切り、久石奏や塚本秀一などの関係を中心にした事で、物語が分かり易く、各パートにおける1年生との関係や、加部友恵の様な登場人物の多さが深みを加えていました。
まるまる一曲の演奏シーンは好きです、相変わらずの指先の動き、楽器を手に取り演奏を開始する間の取り方は見新しかったです。鎧塚みぞれのソロや各パートのアップ、特にパーカスは、井上順菜、堺万紗子に加え、東浦心子と 可愛いから目立つのか、目立つから可愛いのか、見栄えがしました。
部員一人ひとりの心の奥が 透き通る様に映し出される このシリーズは大好きで、さらに今回この様な結果でしたので、3年生編の次回作が待ち遠しいです。

投稿 : 2020/01/25
閲覧 : 179

ヴァッハ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

魂の傑作

ユーフォニアムシリーズの集大成。

・はじめに
個人的には、シリーズ内で一番好きな作品です。
一期があるから二期の流れが生まれ、二期があるからリズの派生が強力な意味を持つ。
それら全てを受け止め収束させた今作は、見事という他ない。
ただ、映画である以上どうしても尺の問題が発生します。正直、一つ一つの事柄に対する起承転結が弱い嫌いはありました。
シュウイチとの恋愛や、各後輩と距離を詰める過程、また上達までの挫折や立ち上がり等のドラマがもっと見たかった。
でもそれは、今作の魅力故に発生した不満です。
大した事のない作品なら批判に終わりますが、ことユーフォニアムに関していえば、それは批判ではなく願望や希望といったもの。良い作品だったから、もっと見たい。

・テーマ
シリーズを通して感じたのは努力というテーマ。
今回は特に感じられた。
努力して結果が出るのか? 結果が出ないのならば、努力に意味はあるのか?
努力は裏切ります。
頑張って頑張って、がむしゃらにやったことが何にもならなかった。なんてことはザラにある。誰もが経験して来た事でしょう。
夢半ばで挫折した人も、夢を叶えて第一線で活躍している人も。屈辱と後悔を積み重ねて今の位置に立っています。
努力をして結果が出る保証はない、でも努力をしないと結果は出ない。
ならば立ち向かう以外に選択肢はありません。
ユーフォニアムに「友情・努力・勝利」の概念は存在しません。
強い人間の、真正面の馬鹿正直な努力は描かれていないし、勝利もまた約束されていない。
でも熱意は確かに存在する。だからこそ存在するのかもしれません。


・キャラクター
不安定な年頃だからこその物語。大人になると、良くも悪くも落ち着いてしまう。
この時期の熱は、愚かしく青臭く輝いている。
大人ぶって分かった風を装ったり、弱みを簡単に見せてしまったり、悩みが尽きず考え過ぎてしまう。
だから本気が見えるし、心が動かされる。
各キャラクターの悩みは似ているようで全く違う。と思ったらやっぱり似てる。
みんなぶつかって強くなる。


・まとめ
途上だけど乗り越えて来た久美子達と、これから乗り越えて行く後輩達。
後輩を導きながら、自分達もまた新たな壁に立ち向かって行く。
努力は終わりがなく果てしないです。
燃え尽きず戦い続ける彼女達の姿は、本当に生き生きとしていました。
三年生編いつまでも待っています。

投稿 : 2019/11/29
閲覧 : 293
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13

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

群像劇としての厚みを出す為に台詞は一言もいらないということを学びました【LIVE ZOUND&イオン幕張ULTIRA感想追記】

※以下の本文では2018年の映画『リズと青い鳥』の略称を“映画『リズ』”、劇中に登場する楽曲「リズと青い鳥」の略称を“「リズ」”、劇中劇としての童話「リズと青い鳥」の登場人物は“リズ”と表記しています


2015年の第1期テレビシリーズ、
2016年の劇場版総集編『北宇治高校吹奏楽部へようこそ』と第2期テレビシリーズ、
2017年の劇場版第2作『届けたいメロディ』、
2018年の映画『リズと青い鳥』、
それらに続く『響け!ユーフォニアム』シリーズの完全新作長篇映画


結論から先に言ってしまうと、【『届けたいメロディ』と『リズと青い鳥』は本作やテレビシリーズとはパラレルワールド】と割り切ってください
本作の世界観は【テレビシリーズ第2期の続き】になりますので特に映画『リズ』との整合性は一致しません
メインスタッフはテレビシリーズでお馴染み、石原立也監督、花田十輝脚本、池田昌子キャラデザ、音楽は松田彬人、京都アニメーション制作


昨年度、全国大会出場を果たすも銅賞に終わった北宇治高校吹奏楽部
ユーフォニアム奏者の黄前久美子は同級生でトロンボーン奏者の塚本秀一の告白を受けて付き合いだす
久美子達は2年生となり、新たな体制となった吹奏楽部で改めて全国大会金賞を目指すことに
昨年度の全国大会出場と、顧問の滝昇先生の人気も相まって新入部希望者は潤沢
低音パートにも4人の1年生が入ってきた
しかし新入生でチューバ担当の鈴木美玲は卓越した演奏技術を持っているものの協調性が無く、同じ低音パート部員達にも馴染めていない
さらに久美子の直接の後輩に当たるユーフォニアム担当の1年生、久石奏もまた社交的な表の顔とは裏腹に部活動そのものに含むところを持っているよう
1年生の指導員を兼任する久美子は1年生の抱える問題を「めんどくさいな~」と口にしながらも積極的に支えていくことになる…


『リズと青い鳥』を除けば『ユーフォ』シリーズにとっては初の完全新作の長篇
劇中ではかなり長い年月の多岐に渡る出来事を合間合間を区切りながら描いており、非常に濃厚な内容の映画と言えるでしょう
具体的には起承転結が3回以上繰り返すと思っていただいて結構です


これまでのシリーズを踏まえた作品なので、最低でも総集編映画である『北宇治高校吹奏楽部へようこそ』と『届けたいメロディ』の2作はご覧になってから今作をご鑑賞いただくことをオススメします
と、言うのも今作の久美子はとても主人公らしい牽引力を持った人物として描かれますが、それは久美子が1年生の時に“アレだけ色々な事件を経験してきた”からなのです
特に印象的な部分で一人になった久美子が「響け!ユーフォニアム」という楽曲を演奏してあすか先輩のことを思い出したり、吹奏楽の原初的体験である姉との思い出を振り返ったりするシークエンスは、そのシークエンスが持つ久美子の心理描写をセリフや表情だけでは読み取れない形にした高尚な演出になっていると感じることでしょう


また劇中でコンクールの自由曲として選ばれる「リズと青い鳥」という童話をモチーフにした組曲が持つ物語性については、映画『リズと青い鳥』の中で詳しく描かれているので興味があればそちらも是非どうぞ
ただし先述の通り映画『リズ』はパラレルワールドであり、今作と整合性は一致しません
具体的には映画『リズ』劇中の傘木希美だと、ソリストになるだけの実力に及んでいないこも
映画『リズ』劇中で本来はオーボエとフルートが掛け合いをするパートを、(遊び半分だと思うが)久美子と麗奈が練習していたシークエンスが今作には存在しないこと
今作の鎧塚みぞれの性格が明るめに描写されているのでシリーズでは比較的に最も好転的なみぞれが描かれた『テレビ第2期』或いは描写が無かっただけで可能性としては存在する『届けたいメロディ』の世界観の続きと考えるのが自然なこと
この3点から映画『リズ』はパラレルワールドだと推測が出来ます


さて、「リズ」という楽曲を踏まえた上でクライマックスの演奏シークエンスまでに描かれる“群像劇としての『ユーフォ』”について話したいと思います
よくオイラは群像劇が好きだという話をするんですが、『ユーフォ』って登場人物が多い割りにスポットが当たるキャラが非常に搾られていて、ソレはソレでまとまっているという肯定的な観方も出来るんですが、登場人物は多ければ多いほど物語に厚みが欲しい派なんです、オイラは
そういう意味で『ユーフォ』は諸手を挙げて絶賛出来る作品では無かったのですが今作で少し考え方が変わりましたね
と、いうのも劇中では度々にみぞれと希美という2人が見切れるカットがあり、この2人がメインストーリーライン上はともかく、北宇治高校吹奏楽部の、特に「リズ」という楽曲に関しては欠かすことの出来ない重要な人物であることが多くを語らずに表現されているのです
「リズ」の第3楽章が始まるとオーボエとフルートがそれぞれ青い鳥とリズを表現する掛け合いパートがあり、それがこの楽曲において最も印象的なフレーズとして幾度か登場します
そこでこの掛け合いを演奏するのがみぞれと希美というわけ
ですがこの超重要人物2人、なんと台詞が一切として無いんですよね
声優もクレジットされてないのでガヤ等も含めて台詞ゼロは間違いなさそうです
この2人の関係性についてはテレビ第2期、或いは映画『リズ』で散々語られているので今更何か付け加えたところでメインのストーリーラインが散ってしまう恐れもあり、あえてモブの一部として扱っているということなのでしょう
そうまでしてもみぞれと希美を登場させているのは、この2人の存在こそが「リズ」という楽曲の物語性を引き立てているのだと、クライマックスで気付かせる為なんですね
台詞の無い登場人物から物語の厚みを感じるとは…いやはや恐れ入りました
思わず演奏シークエンス中に泣いてしまいましたからね;;


メインのストーリーライン上かかすことの出来ない人物として新1年生も加わり、物語は新しい局面を迎えます
特に鈴木美玲は卓越した演奏技術を持ちつつも孤立しがちな高坂麗奈と似た様な側面を持ちつつも、実際は麗奈ほど孤独を愛しているワケではない“弱い麗奈”とも言える存在であること
そして久石奏もまた、他人との距離感を計ることが得意ながら性根が捻じ曲がった“歪んでしまった久美子”と言える存在であることなど、久美子達2年生世代との対比になるキャラとして設定されてるのが面白い


原作では3年生になった久美子達の物語がいよいよ始まったようですが、3年生篇のアニメ化は正直難しいかもしれませんね…
今作では1年生指導員になったことでまるで悟りを開いたかのような落ち着いた様子で物事に対処する達観した態度の久美子が徐々に見受けられるようになっていきます
でもそれってつまり久美子にその任を指名した、恐らく吉川優子部長と中川夏紀副部長の才なんだと思うんですよ
久美子世代が入学する前に部の雰囲気を険悪にしてしまったのは優子世代ですし、麗奈と香織先輩のソロ争いに物申したのも優子自身、今作で奏ちゃんが途中憤慨するキッカケは夏紀ですし、映画『リズ』の主役は言うまでも無く優子世代
これまでの北宇治の事件には、常にその中核に優子世代がいたわけです
実は物語上の最大のキーパーソンは優子世代だったということになりませんか?
“なかよしがわ”と“のぞみぞれ”がいなくなった北宇治はあんま観たくない…;
というのがオイラの本音ですね


(とか言ってる間に3年生篇のアニメ化が決定しました、オイラが言いたいことは上記の通りなのであとは原作がめちゃくちゃ面白い、とかそういった不確定要素に期待しています)


ところで早見沙織に二言しか喋らせないアニメってなんだよwww


本日、2019/6/5までに4回ほどリピートしましたが4回目に数多くの『ユーフォ』ファンが“最高”と賛辞を贈る川崎チネチッタの8番スクリーン、通称“LIVE ZOUND”が今週で上映終了とのことで初めて足を運んでみました
いや~、本当に最高です!
関東近郊で『ユーフォ』を観る上でこのLIVE ZOUNDを超える劇場は存在しないと断言できます
剥き出しのウーファー2基にフロント左右に吊り下げられたラインアレイスピーカー、と仕様自体は立川シネマツーaスタに似ています
が、箱が正方形の為、音の定位が非常にハッキリしています
環境音、つまり川のせせらぎや人混みの喧騒などに広がりが感じられますし、演奏シークエンスではドコで何の楽器が鳴っているのか、一音一音がよ~く聴こえます
低音や高温が中音にかき消されて無いんですね
序盤の「それが私の生きる道」で左手に夏紀先輩のエレキ、右手に緑輝のベースがいるのが瞬時にわかりますし、クライマックスの「リズと青い鳥」に至っては、もはやこの劇場でなければ100%の音を聞き分けるのは難しいのでは?とすら感じます
セリフ類の音量も確実に上がっているのに、不自然な圧力や歪みは感じられませんので他の上映より数段セリフが聴き取り易いと思います
メインのキャラにセリフが被ってしまっているバックのモブが、何を言ってるのかが明白に解ります
唯一、このLIVE ZOUNDについて注意が必要な点ですが、後ろの席ほど傾斜が付いていて観易く聴き易くはなっているものの、最前列になるとスクリーン位置やスピーカー位置が高いこともあってかなり観上げることになってしまう点です
最前列ではLIVE ZOUNDの真価を体感することは出来ないと思って頂いて結構でしょう


イオンシネマ幕張新都心にてセカンドラン上映が決定し、イオン幕張が誇る8番スクリーンULTIRAで鑑賞してきました
正直音の定位はまぁまぁですかね
音の定位に関しては川崎チネチッタ>幕張≧新宿ピカデリー≧その他という感じです
低音は重く響くまさに重低音という感じですが歪んだ印象は無くクリアです
でも肝心の大型スクリーンが3Dに対応する為にシルバースクリーンなんですよね…『幼女戦記』の時にも同じことを書きましたシルバースクリーンだと色調が暗めになる上に霞が掛かったような靄が掛かった様な映像になります
これはちょっと僕の好みから外れる、というのが結論です

投稿 : 2019/09/20
閲覧 : 915
サンキュー:

21

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

観れただけで満足

初めて自発的にアニメ映画を観に、劇場に足を運びました。
結論から言えは、元の作風に戻って、ユーフォニアムにを観れた事自体に満足でした。
2年生が劇場版で完結してしまうので、単純にもう少し長くユーフォニアムの世界に浸りたいと思うのが、映画を観た、大半の方々の感想では、無いでしょうか。

最後に今作に関しては、やはり優子先輩です。
誰よりも感情的になるはずで、悔しさを出してるシーンもありましたが、部長としての最後のスピーチは立派の一言です。本作のベストシーンです。

いよいよラストシーンで真打の展開が待ち受けていました。最後まで見届けるしか選択肢は無いですよね。

抜群の満足度及び、身震いする程の期待感を感じて劇場を後にしました

投稿 : 2019/08/08
閲覧 : 336
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

1期のアンチテーゼ 久石奏

新キャラクター久石奏。
演奏力高いのはもちろん、その社交性の高さや頭の良さなど後輩としては非常に高スペックで文句なしの彼女。
しかし、一方で本心を常に隠しているというどこかの先輩に似た面を持つ。
今回も久美子はそこに対して正面から向き合います。物語の佳境はやはり彼女が本心を洗いざらい話すシーンですね。

久石奏が本心を語った時、アニメ1期の方であった麗奈と香織のソロパートを巡る一件について再度考えました。もしもあの時北宇治高校が全国に行けてなかったら、麗奈に対する評価も違ったものになってしまったのではと。あの結論に本当に皆は納得したのかと。
久石奏は麗奈に起こりえたもう一つの可能性の象徴であり、あの美しい終わり方をした一期のアンチテーゼ的存在とも言えるかもしれません。

価値観の曖昧さや多数派工作、あやふやな判定基準に、そこから出る結果の絶対さ。誤解やすれ違いを起こし、ときには心ない言葉をかける人の感情。これだけの理不尽がはびこる世界で努力する事に本当に意味はあるのか?努力してどうするのか?

それでも久美子たちは前に進み続ける。相変わらず眩しいですね。そんな彼女たちはいつまでも僕の背中を押し続けてくれることでしょう。

投稿 : 2019/06/21
閲覧 : 309

h さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

神作画

相変わらず神作画です、さすが京アニと言ったところでしょうか笑
そして何より心情描写がほんとにすごい作品だと思います。一つ一つの描写に意味が込められているのでじっくり考えながら見るとより楽しめます♪

投稿 : 2019/06/10
閲覧 : 284
サンキュー:

11

ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

フィナーレという名の贅沢な伏線。 (追記あり)。

原作は既読です。(何度も読みかえした口です)

それで、どうにも困ってしまうのは、各ページの場面が脳内補正されて、勝手に動き出してしまうことです。
あのページの記述はこう動くだろうとか、このページの会話はこんなふうに喋ってほしいとか、ともかく、期待値を上げすぎてしまって、「もう、お願いします!!」って祈るような感覚です。

そんなふうにバイアスがかかった状態で視聴したものですから、少し印象が違っていたと言いますか、むしろ新鮮だったと言いますか、久美子ふうに言えば「まあ、麗奈らしいね」みたいな感じでしょうか。
「これも、響け!ユーフォニアムらしいね」でいいんじゃなかろうかと納得しています。

そういう意味では、ファンの方には楽しめていただけるポテンシャルは十二分にあると思います。
コンクールの場面も、この大会のこの12分をこんなふうに魅せるのかって感じで、北宇治らしいポテンシャルが如何なく発揮されています。
ぜひ、劇場のスクリーンと音響で「リズと青い鳥」の "全て" を楽しんでいただきたいと思います。


今作では、3年生の吉川、中川、鎧塚、傘木、そして加部を加えた魅力溢れるメロディーラインは、久美子ら2年生、久石ら1年生の「誓いのフィナーレ」の "下支え" に徹しており、素晴らしい輝きを放ちながら、彼女らの1年間を疾け抜けていきます。

その意味では、「リズと青い鳥」が、どうして、画風、作風さえも違えて、味わいすらも変えてきたのか、その意味合いと位置づけが、ちびっと理解できたようなそぶりになっています。
かの作品は、あくまでも "3年生のためだけ" にあった濃厚なシナリオであり、本作のステージシーンを視聴することによって、2人を中心とした3年生部員の絆が、しっかりとした厚みをもって織りあげられていた「もう一つの "響け!" 」だったのだろうと、あらためて感じました。

また、「リズと青い鳥」における、みぞれと希美が奏でた静謐な旋律は、それぞれの音楽性を通い合わせようとする "心の律動" に焦点を合わせています。
それは、吹奏楽部を構成する誰もが、ともに創り上げようとする音楽性への "静かさのなかの真剣なまなざし" を描こうとする "未来への秘めた音律" でもあったように感じました。




本作の終幕において、いよいよ久美子の "立場性" が明らかになります。
久石らという素晴らしい奏者たちを得たこと、また、新しく1年生(特に、女子かな!)を迎えるだろうことによって、もう一度 "全国大会金賞" というステージを目指して、"最後" の曲が始まるのです。


おそらく次回作では、久美子と麗奈の2人のメロディーラインを柱に据えて、全学年が絡んでくるのでしょう。
そんな久美子たちが迎える、来年へのチューニングの "期待感" こそが、ファンをして新しいドラマを「響け!」と言わせるのかもしれませんね。



おまけ その1

{netabare}

ところで、バスの中で、久石にかけた言葉に、久美子の "人誑(たら)し" ぶりが如実に現われていましたね〜。
あんな言葉を、しれっと顔で言っちゃえるなんて、いつのまにか、あすか先輩以上の圧力です!

久美子先輩って優しいですね・・・?

いえいえ、たった一言で、{netabare}部員の闘志に火をつけるのが久美子センパイの真骨頂。 {/netabare}

次回作では、すごい展開になりそうですよw

2019.4.22 投稿
{/netabare}


おまけ その2 (追記分)

宝島社文庫から、久美子が3年生になったシリーズが刊行されています。
「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編」

(とりわけ原作ファンの方へ。)

{netabare}

プロローグの "先生" の一人語りと、桜の植樹。

そしてページ番号のない "382ページめ" の11文字。

ちびっと深読みしてみませんか?

2019.5.22 投稿
{/netabare}


長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本作が、皆さまに愛されますように。

投稿 : 2019/05/31
閲覧 : 504
サンキュー:

47

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

京アニの演技指導

京都アニメーションは非常にクオリティの高いアニメは作るものの、正直ドラマのレベルは非常に薄いと感じます。

まあ、女性でも一定のファン層がいるので何とも言えませんが、女性に対する過剰な期待と男性目線でしか語られない「女の子」というのが非常に狙っている感が漂ってくるんですよね。

女性のリアリズムがあるかと聞かれるとそうでもない気がします。

女性も人間なので、すっぴんな時もあれば、ダウナーな時もあるし、性欲もあるしと色々なリアルがあるんですが、そういうのは描かないんですよね。少女漫画でもそういうところは描くのに、「ファンタジー」としては良いですが、なかなか女性そのものは撮していない気がします。

まあ、僕が浦沢直樹や今敏さんが好きなのもありますけどね。

投稿 : 2019/05/28
閲覧 : 304
サンキュー:

11

ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

想いはつながっていく

製作:京都アニメーション、監督:石原立也、
シリーズ構成:花田十輝、
作画監督:池田晶子、原作:武田綾乃

久美子が高校2年生に進級した
原作の2冊分をまとめた作品の映画化。
ただ、希美とみぞれの関係性を描いた部分は、
『リズと青い鳥』で映画化されたので、
それ以外の部分ということになる。

物語は黄前久美子と塚本秀一のシーンに始まり、
桜が舞い散る新入生入学時に
吹奏楽部員がパフィーの『これが私の生きる道』を
演奏して歓迎するところからから描かれる。

物語は最初から最後まで
久美子と新入生のユーフォニアム担当・
久石奏との関係性が軸になっている。
これはある意味、映画『届けたいメロディー』と
同じような構成だ。
ただ、今回はそれに加えて、久美子の脳裏には、
卒業生のあすかの姿がいつも思い浮かぶ。

2年生になった久美子は、
トランペットの加部ちゃん先輩とともに
1年生指導係となり、後輩たちの面倒を見ることなる。
低音パートには、チューバの鈴木美玲と
鈴木さつきのW鈴木とコントラバスの
月永求、ユーフォニアムの久石奏が
新たに加わり、波乱を巻き起こす。

部活において「頑張るとは何なのか?」と
いうのが、大きなテーマのひとつ。
効率良く技術を上達させていくことか、
それとも部内の皆と仲良くして
溶け込んでいくことなのか。
難しい問題だが、どちらも正解というのが
正しいのだろう。ほかにも正解はあるだろうし、
また、部内の状況によっても変化する。

純粋に正しいことと間違っていることだけで、
部活内は割り切れるものではない。
時には間違っていたと思えることでも、
人間関係によっては
正しいことになることもある。
無理をして何かを合わせなければ
いけないこともある。
久美子はそれらを踏まえた上で、
現在の北宇治において「頑張る」ことに
ついて、踏み込んだメッセージを奏に送る。

{netabare}奏は過去の経験から、部内の人間関係を鑑み、
自分自身の演奏を諦めることを決断した。
そんな奏を諭すために久美子たちが
連れ出した場所は、あすかを説得するときに
利用したのと同じ校舎裏のゴミ収集場だった。
かつて、あすかに跳ね返されたのと
同じ場所だったことは、その時の出来事と
関係性をしっかり対比させる制作陣の意図だろう。
(当時は、あすかも演奏を諦めていた)
1年前、久美子は同じ場所で自分の他者に対する
距離感をあすかから思い知らされることになるのだが、
今回は、距離感を詰めて雨中に飛び出した奏を追いかける。
「気になって近づくくせに、
傷つくのも傷つけるのも怖くて、
なあなあにして、安全な場所から見守る。
そんな人間に相手が本音を
見せてくれていると思うの?」と
あすかから言われた自分から脱却するために行動する。
「本音」が知りたいと久美子は奏にはっきりと問う。
そして自分の経験から本心で
「頑張ることは無駄ではない」ことや
「頑張っている奏のことを
自分たちは見ている」し、
「奏のことを守る」ことを伝える。

かつて麗奈から教えられたように
頑張ったからこそ、コンクールがダメ金で
「死ぬほど悔しい」と思うことができる。
結果が出なくて死ぬほど悔しいのは、
頑張ったことで得られる本物の気持ちなのだ。
あすかや麗奈から久美子に、
そして、久美子から奏、そのほかの部員へと
想いがつながっていく。
今回の物語で監督がこだわったのは、
そういう何かを受け継いでいくことなのだろう。

雨に濡れて、次第に久美子の天然パーマが
ストレートになっていく様や、
あすかに対したときのような熱のこもった
説得シーンには引き付けられた。
これは、奏への説得と同時に
1年前のあすかに対しての久美子の回答でもあった。
そしてコンクール当日にあすかが現れ、
名残惜しそうにする久美子に絵葉書を渡していく。
わざわざ映画で原作のこのシーンを入れたのは、
続編で回収するつもりだろうと考えたい。

時間を短くまとめるために、奏との関係性と
そこから垣間見えるあすかに対する想いを
強調したことで、久美子の成長を軸にした
1本の作品としてまとまっている。
初見のときは、観賞の直前に
また原作を読み返していたこともあって、
展開に無理があると感じていたが、
100分という時間制限を考慮すると、
最初から最後まで計算され尽くされている構成だと思う。

ただ、奏と夏紀の関係性についての描写が薄いため、
問題が起こって解決するまでの経緯が
今ひとつ腑に落ちない感覚に陥ってしまう。
また加部ちゃん先輩との関係性も
積み重ねられていないだけでなく、
先輩の努力などもあまり分からないため
その重大な決断が心に響かない。
時間がないので仕方のないことだが、
久美子が部長になる際の優子や夏紀との
やりとりや黄前相談所創設の説明も
全くなかったことは残念だった。
(黄前相談所創設は、久美子が後輩から
信頼を得て、スムーズに部長として活動できるよう
優子が1年前から計画して行ったことだった)

これらを考えると、本来は2期で入れるべきところを
敢えて無視した秀一との関係を無理して入れる
必要があったのだろうかと感じた。
しかも秀一と別れる理由が原作での
部長に指名されたからということなら分かるが、
映画では曖昧にした上に、
秀一が納得しているのも気になってしまう。
ただ、この関係性を描くことは
石原監督のこだわった部分だったようで、
しかも、秀一との会話を入れることで、
奏と夏紀の関係性や求についてのこと、
麗奈との友情の機微などを表現できているので、
物語全体に深みを持たせられたとは思う。
また進路に悩むということで、原作にはないのに
敢えて久美子が父と将来のことを話すシーンまで
入れている。そこには父の姉に対する
後悔の念も滲んでおり、父親も何かに迷う
ひとりの人間であることを示しているのが面白い。{/netabare}

初見のときは、原作との違いや描写不足から
細部に不満を感じたが、何度か観ると、
限られた時間内での完成度の高さが目に付く。
しかし、やはり描写不足が拭えないのも確かで、
できれば最終章はテレビ放映することを願う。
音楽は相変わらず聴かせてくれて、
部員それぞれの動きも迫力があった。
(2019年5月26日初投稿)

投稿 : 2019/05/27
閲覧 : 949
サンキュー:

68

ネタバレ

※アニをた獣医師() さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

一点だけ!本当に!

個人的に一点だけ不満だった。ネタバレです。

{netabare} 全国いくと思ってたよ!あんだけ頑張って、演奏も素晴らしかった…なのに…
伏線なのかもですが、絶対全国いくと思ってました… {/netabare}

作画は素晴らしく、ストーリーも短い時間でよくここまでまとまったと思います。新キャラが登場して、話に収拾がつくのだろうか?と思っていましたが、問題はあまりなかったように思います。

さて、個人的なネタバレです。

{netabare}
新キャラたち、そして卒業生(クミコはアスカ先輩のことをOBといっていましたが、OGでは? そういうの総称してOBなのでしょうか?まあいいです。)、様々な人が出てきて、最初から最後までワクワクできました。

演奏の選曲もいいものでした。

クミコが恋しているところもよかったと思いますが、一番は、アオリズです。のぞみちゃんとみぞれちゃんが、リズと青い鳥を完璧に表現できていたところですね。最高でした。二人のテンポ、呼吸、そういうものが伝わって、外伝のアオリズが再生されたかのようでした。個人的には一番好きです。


この作品の一番の見所は、クミコが、恋をしたり、進路に悩んだり、後輩に奮闘したりしますが、不器用なりの彼女の答えは、やはりユーフォ一筋という決意を見せ、全てが終わったら、答えを出すといった感じで向き合っていくというものでした。


最初に一番ビビったのは、新しいユーフォの子ですね。はじめは普通に怖かったです。癖のある子でした。でも根はいい子なんですね♪

レイナとクミコの関係は、近いけど、親友を越えたなにかを感じました。二人もリズと青い鳥になるのかもですね。

そういったギクシャクもありながら、ほんわかした雰囲気も忘れていないといったのが良かった。



最後の最後で、クミコが部長になって引っ張ってくんですね…うるうるきました。

{/netabare}

あまり言葉がうまく出ませんね。
テレビの続きとしても良かった。


個人的には完成度はリズと青い鳥のが高かったかも。

投稿 : 2019/05/23
閲覧 : 286
サンキュー:

16

ネタバレ

へも さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

次も劇場版?・・・3期制作に期待せざるを得ない

遅ればせながら観了。<2019/05/14 劇場にて2回目視聴完了。初稿の微修正と、末尾に妄想追記しましたw>

原作小説は既読でしたので話は全てわかってた訳です。でもね、やっぱ僕はユーフォシリーズを愛してるんだなと思いました。京アニが作るアニメユーフォを欲しているんだなと。
ああ久美子がそこに居る、奏ちゃんもそこに居る、その質量感にもう感激ですよ!
(武田綾乃先生にはすごく申し訳ないんですけど、ユーフォはアニメになって初めて完成度MAXに到達したという想いがあります。。)

もちろん隅から隅まで余さず視聴して、満足感はとても高いです。しかし! やはり! 劇場版ではどうしても駆け足になってしまうとも思いました。。劇場版1を観たときのような“ワンクールアニメを綺麗にまとめた感”があります。(劇場版2は再構成が巧みでした)
小説版を知っているだけに特に加部ちゃん先輩の話にはもっと時間を掛けてほしかったし、久美子を部長に仕立て上げたのも先輩たちの深遠な計画があってのことと知ってほしいww
あと「リズと青い鳥」と本作品は同時進行のはずですけど、そこはメリハリ付けてお互いのストーリーにはあえて深入りしないようにしてましたね。それでも新山先生のあいさつのシーンにはちゃんとみぞれも映ってたり、剣崎さんも結構映ってましたね。
(そうそう、サンフェスでも“水色の悪魔”立華高校も断片的に映ってましたね!)

上映時間100分でしたから、週ごとTV放送のパッケージ20分くらいの5~6話ぶんくらいをギュッと凝縮した感じでしたね。
ていうか自分にとっては来たるべき(来るのか?)ユーフォ3期のティザーPVを100分見た印象なんですww
良いんじゃないですか? 劇場版が先にあって、ワンクールアニメを後出し制作というのも(゚∀゚)

ほんとユーフォは自分にとって最高のアニメ作品です。。どのシーンも、どの会話も、残さず観たい聴きたい。(今回の大吉山のシーンは小説にもありましたっけ? あのシーンだけでも30分は観てられますww)
そして更なる続編はいつ?? わくわくが止まりません・・・

※ユーフォはこれで終わりではありませんよ!! アンコンによる少数精鋭スキルアップもあるし、久美子部長と秀一副部長の生殺しラブストーリーも待っているはずです!!(><)


<どうでもいい余談>
鈴木さっちゃんのCVが久野美咲さんとのことで、久美子がヤンキー声でガナる展開もついつい夢想してしまいましたw(そうです! ひそねと名緒さんの再来ですww)


<さらにどうでもいい余談2:ライクとラブとインファチュエーション>
映画序盤で、久美子と麗奈の距離感が近すぎませんか!?と美玲ちゃんが引いてましたが、確かに劇中では距離感の近さを思わせる麗奈から久美子へのどつき愛wがアチコチで見られました。
反面、久美子と秀一の関係は最初から最後までぎごちない。オープニングからしてお前が好きと言わなければ伝わらない、駅のシーンで秀一が新一年生の女の子とは何も無いから!!と弁明するときもかなーり距離を置いて座ってたり。小説では部長・副部長にそれぞれ任命されたことをきっかけにいったん恋人関係の停止に至ってましたが、映画では関西コンクール前に合宿のときに早々とそういう話になってました。
あがた祭でも偶然にも初キッス?展開になりそうなところを、久美子からNGが出てしまい秀一はムカムカショボーン;;
なのにその直後の大吉山の久美子-麗奈のランデブーでは、久美子は麗奈から無造作に差し出された食べかけのミカン飴を自然にかじる(あたかも二人のキスシーンのようでドキドキしました!!)
ユーフォ公式サイト内のキャラ相関図でも、久美子-麗奈の関係は『引力』という名フレーズで表現されているわけですが、そこでふと思い出したのです。
麗奈は“滝先生への想い”が「ライクじゃなくてラブのほう」と力説してましたが、久美子への想いはライクともラブとも言ってないよね、ということに(゚∀゚) もちろん自分もユーフォを安易な百合作品にはしたくないのですが、あまりにも距離感の近さに妄想が捗りましたwww
(なお、麗奈と秀一の関係もけっこう近かったりしてて面白い。秀一に投げられたハンドソープや、合宿での秀一ー麗奈のボケツッコミっぷりなどw)

僕自身は秀一も好きなキャラなので、久美子-秀一の恋愛が成就してくれたら良いのにな~と思うのですが、どうもそうはならないのでは?という予感がします。思い起こせば、秀一の初恋の相手は麻美子ねーちゃんっぽかったりしますしね(トロンボーン志願もその影響)

ここでようやく話のまとめに入ります・・・ 英語の話ですが、ライク=好きとラブ=愛にも至らぬ"恋に恋した状態”を「インファチュエーション(Infatuation)」と呼ぶそうです。ラブならばお互いの愛を信じ不安になることもないのに、インファチュエーションでは相手が自分を好きでいるかどうかをひどく恐れるそうな・・・
うーむ、考えれば考えるほど秀一の久美子への感情=インファチュエーションに思えます。1年生の葉加瀬さんと居るときのほうがリラックスしているように見えたし、そういう展開あるんじゃないかな~~(ハズれてほしいのが本心ですけどね!)

以上、我ながら妄想乙!!でした・・・

投稿 : 2019/05/14
閲覧 : 405
サンキュー:

36

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

劇場版第2作「届けたいメロディ」との対比が際立つ劇場版最新作!

原作は『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』<前編>+<後編>ということになります。

TVシリーズ1期目も作られた上でさらに原作的にもほぼ1巻分の内容でしかなかった劇場版第1作、TVシリーズ2期目のうちでもほぼ原作3巻目の内容に絞って同じく原作1巻分の内容といって良かった劇場版第2作に比べると、対応するTVシリーズがない上に原作2巻分の内容となった本作は劇場版としてもかつてない尺の厳しさなのでした。

同じく『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』<前編>+<後編>を原作とする『リズと青い鳥』において傘木希美と鎧塚みぞれ関連の部分を映像化したためその分は差し引くとしても、原作からオミットされた描写はかなりあってその最大の犠牲者がトランペットパートの新1年生、小日向夢(こひなた ゆめ)ちゃんその人だったのでした…。← 原作未読の人からしたら「夢ちゃんって、誰?」(笑)

なお、上映劇場で買った鑑賞用パンフレットによれば、石原監督は原作サイドでの続編が無かった場合でもオリジナルで久美子が進級した続編を作りたい意向があったそうですが、原作続編の話がありそれをまって本作を製作することになったとのことです。

== [以下のレビューは、TVシリーズ1+2期目を未見の人には非推奨。] ==

劇場版第2作「届けたいメロディ」ではTVシリーズ2期目のうちでも特に主人公である黄前久美子と同じユーフォニアム担当の先輩である田中あすかとの関係性の部分にフォーカスしたストーリーで、この文脈で久美子の姉の麻美子との関係性の描写はあるとはいえほぼあすか先輩との関係性に特化した劇場版といえます。そしてそんなあすか先輩は北宇治高校を卒業してしまったのでした。

対して本作では、シリーズ上で初めて「先輩としての黄前久美子」が主人公となったストーリーになっています。そして原作でも私が好きな屈指のキャラのひとりとなった久石奏(ひさいし かなで)が満を持して登場なのです。
(そんな奏ちゃんですが、映画しか観てない人はまさかと思うかもしれませんがたぶんあれでも原作よりはマイルドな子になってます。)

劇場版の尺では原作の群像劇的な側面を描き切ることは難しく、第1作での「久美子+麗奈」、第2作での「久美子+あすか」、リズ鳥での「希美+みぞれ」に相当するストーリーの軸として「久美子+奏」が据えられます。

この「久美子+奏」という関係性で言うと「対-後輩」という軸が「久美子+あすか」での「対-先輩」と対比的な関係になっていて、作中で久美子が奏への対応を考える際にたびたびかつてのあすかの存在がチラつきます。でもあすかは既に部にはいないので対応は自分で考えることになりますし、久美子自身はユーフォのエース奏者ということになってそこからストーリーが紡がれているわけです。

TVシリーズがない分、物語として全体を成立させるために上記の軸以外の描写に割かなくてはならない尺が増えてしまい、軸を際立たせるか全体を描くかがが中途半端な部分があって、その辺りは原作を未読だと微妙な感じになっているように思います。原作を読んでると「あの場面やあの場面がアニメ化された!」という満足感によって問題が薄められてしまっていますが…。

あと、軸を「久美子+あすか」に絞り切った「届けたいメロディ」は案外単体の映画として成立しているように思われますが、軸だけに描写を絞れなかった本作は結果的に前作を観ていないとかなり意味がわからない作品になってしまったように思います。(特に優子、夏紀の学年に関するエピソード?)この辺りでの対比も際立っていますね。


おまけその1: 今回も「悔しくて死にそう」の台詞が出てきます。いつどこで誰が言うのかは観てのお楽しみに!

おまけその2: TVシリーズであればW(ダブル)鈴木(鈴木美玲&鈴木さつき)や月永求(つきなが もとむ)の「月永ではなく求と呼んでください」問題、そしてオミットされてしまった夢ちゃんの弱メンタル問題などもより突っ込んで描写されたのでしょうが、いかんせんそれは果たされなかったのでした。

おまけその3: 原作ではどうやら6月に発売予定の最新巻で果たされそうですが、なんとかアニメでも久美子を北宇治高校から卒業させてやってください(笑)!

投稿 : 2019/05/14
閲覧 : 630
サンキュー:

61

さかもと さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

頑張った先に何かがある

響けユーフォニアムシリーズの最新作
若干駆け足気味だったのは否定し難いが、それでもやはり、この作品の最大の魅力だと思われる「人間の本音と建前」を抉り出している点はやはり素晴らしかったし、演奏シーンも十分良かったと思う。「リズと青い鳥」が、繊細でどこか儚げな物語だとしたら、今作は響け!節全開といったところか(どちらも名作なのに違いはない)。あと、相変わらずTRUEさんの曲は名曲だし、黒沢さんは演技が抜群に良いですね!

投稿 : 2019/05/13
閲覧 : 255
サンキュー:

18

lll1 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

テレビ

 思っていたよりも評価が高いのでびっくりしています。
 結構私は否定的です。

 映画を観に映画館に行ったら、テレビ見せられた感じです。制作費大して、変わってないんじゃないかこれ。

 1年を僅か100分で描いたことに無理を感じる。出来事だけを描いて、人間にカメラを向けていない。もっと人間にカメラを向けて、生活を描いてほしい。
 ストーリーだけあって、脚本はない感じ。

 あんな少ない描写で、登場人物のことを好きにはならない。けれど、そんなことはおかまいなく話は進んでいく。

 合奏のシーンも、全体を映すのを何回やってるんだよ。久美子の視点から撮ってもよかったんじゃないかと思う。
 ずっと外から撮ってる印象を受ける、中から撮ってほしい。

 短いですが、物凄く言いたいことはこれだけです。

 最後に黒沢ともよの演技は良いね。好きです。

投稿 : 2019/05/09
閲覧 : 326
サンキュー:

7

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劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~のストーリー・あらすじ

昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!(アニメ映画『劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~』のwikipedia・公式サイト等参照)

ティザー映像・PVも公開中!

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2019年4月19日
制作会社
京都アニメーション
公式サイト
anime-eupho.com

声優・キャラクター

黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏

スタッフ

原作:武田綾乃(宝島社文庫『響け!ユーフォニアム北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』)
監督:石原立也、脚本:花田十輝、キャラクターデザイン:池田晶子、美術監督:篠原睦雄、色彩設計:竹田明代、楽器設定:髙橋博行、撮影監督:髙尾一也、音響監督:鶴岡陽太、音楽:松田彬人、音楽制作:ランティス/ハートカンパニー、音楽制作協力:洗足学園音楽大学、演奏協力:フレッシュマン・ウインド・オーケストラ、音楽監修:大和田雅洋

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