お菓子でミステリーなおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのお菓子でミステリーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月13日の時点で一番のお菓子でミステリーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

83.0 1 お菓子でミステリーなアニメランキング1位
ACCA(アッカ)13区監察課(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (824)
3664人が棚に入れました
13の自治区に分かれた王国にあある、巨大統一組織"ACCA(アッカ)"。
かつてクーデターの危機により結成されたACCAは、国民の平和を守り続け100年が経とうとしていた。
ACCA本部の監察課副課長 ジーン・オータスは、「もらいタバコのジーン」の異名をもつ、組織きっての食えない男。
飄々とタバコを燻らせながら、13区を廻り不正がないか視察を行っている。
そんなジーンを見つめる視線、不穏な噂と――おやつの時間。
ジーンの平和な日常は、ゆっくりと世界の陰謀に巻き込まれていく!

声優・キャラクター
下野紘、津田健次郎、悠木碧、諏訪部順一、遊佐浩二、大川透、緑川光、安元洋貴、田中敦子、後藤ヒロキ、上田燿司、前野智昭、八代拓、宮野真守、上村祐翔、中尾隆聖、石塚運昇
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

この作品は名作だ!!

原作未読。最終話まで視聴。

まず、本作未視聴の方のために・・・。

この作品は見るべき価値のある作品、『名作』に属する作品だと思います。
何よりも、物語が良い。
最後まで全く予想のつかない展開を見せてくれます。
この作品は尻上がりに物語が面白味を増していきますので、早々と切らないで下さいね!

ここからは視聴済みの方のために・・・。
{netabare}
重度のネタバレが含まれますので、未視聴の方は、本当に見ない方が良いかもです。m(__)m
この作品はネタバレしてしまうと、面白味が半減しますから!
{netabare}
初めは、少しスタイリッシュな作風が気に入って視聴開始。
毎回登場する食べ物(お菓子やパンとか)が美味しそうに見えて、本当に『飯テロ』アニメだなぁ・・・と。

途中からスパイ物か、推理物かと思いつつ視聴継続。

ところが、7話で一気に急展開!
8話まで見終わった正直な感想は、『あれ?もしかして名作の予感!』

8話まで見終わった時点で2巡目視聴。1巡目とは違う物語を見ているように感じた。
きっと、ジーン目線からニーノ目線に変わったせいだと思った。

{netabare}3話。国王とロッタのシーン。
7話。国王とジーンのシーン。

1巡目は何気ないシーンだと感じていたが、2巡目は全く違って見える。

国王の「ありがとう」に対するニーノの受け答え。
ニーノの声が震えている。
前髪で隠れていて表情は見えないが、ニーノは泣いているんだと思った。

8話。事故で両親を亡くしたジーンにニーノが声をかけるシーン。
自分だって同じ事故で父親を亡くしているのに、そんな素振りは全く見せずに自身の役割をキッチリと果たすニーノ。{/netabare}

このあたりから、ジーンの言動が違ってくる。

そして最終話。
{netabare}クーデターの意外な結末。そして、ニーノの上司の正体。
全てが私の予想とはかけ離れていた。
しかし、実は万人が一番納得の行く結論だったと思う。
実に見事なストーリー。
感服しました。{/netabare}
{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 86
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

粋な革命

マッドハウス制作。

主題歌ほんとカッコいいですね。
作画は癖があり、人を選びますが、
洋風な街にこのキャラ絵はあってるのかも。
原作未読、登場人物は多いですが、
キャラ分けがきっちりしていて好印象。
{netabare}物語は水面下で行われている革命の話。{/netabare}
何やら不穏な噂が!?

異様な程のスイーツ推しです。
みんな甘いものばかり食べてる。
そしてもらいタバコのジーン。
タバコ吸いすぎ、大人向けの作品でしょうか。

最終話視聴追記。
{netabare}涼やかなラストでしたね。
最後まで主人公はクールで好感が持てます。
静かですが、粋な革命でしょうか。{/netabare}

ACCA13区のさらなる発展を願って。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

良いですね。地味だけど。→ 大変盛り上がってまいりました!→ 面白かった!

[2017年冬作品1クール視聴終了時ランキング] コメントより
==
ストーリーを地味に感じる人がいそうですが、良く練られた良ストーリーです。 『91DAYS』のような海外ドラマ風が好みの方にはおすすめ。 流血はないので、その点は安心。
==

同タイトルのマンガ原作は未読です。俄然原作が気になってきましたが、本編は終了しているらしいのでここは珍しく原作はアニメ終了後まで我慢する方向で。

舞台はヨーロッパ風な仮想の小国です。対外的には統一王国でありながら13の自治区に別れていて、クーデターの陰謀が水面下で進んでいるらしい。

ACCAは作中では「民間組織」って言っていますけど、事実上の警察組織ですよね。そんな組織の中の監察課っていう主人公ジーン・オータスの所属部署が、本作の魅力に繋がっていると思います。
→ どうやら警察も含む消防や鉄道など、社会インフラを一手に担っているらしい。

後、ストーリーとは関係ありませんがモーヴ本部長(女性)のビジュアルがめちゃめちゃどストライクです。アニメキャラで「可愛い」じゃなくて「美人」って感じなのは良いですね!

ジーンの妹ロッタちゃんと、監察課のヒラっぽい三人娘は可愛いです。登場人物の男女比はあまり偏ってなくて、それも個人的には好評価。

それからいつもパンやその他の食べ物がとても美味しそうに描かれます。成分「飯テロ」は、わりとそうかも…。

2017/2/22追記:
これ、メインキャラクターたちの立場や役職などの配置が絶妙ですね。結構人数がいるはずなのに誰が誰だかわからなくならない。

今更毎週観るのをやめたりはしませんが、ここまで観てない方にはまとめて一気に観るのをお勧めする感じかもしれません。

決着の仕方にもよりますが、「ストーリー」という意味では今期TOP3入りかも…。

2017.3.29追記:
終盤怒涛の盛り上がりで、大団円を迎えました。変な爆発力こそないものの、連続ドラマを観ているようで毎週楽しみで仕方がありませんでした。

これはおそらく原作の勝利なのでしょうが、作画も安定しておりストレスなく観られて良かったです。キャラクターデザインは好みが割れそうですが、私は好きでしたよ。

91DAYSみたいな暗い話にはならなかったのも、良かったですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 68

75.8 2 お菓子でミステリーなアニメランキング2位
ハッピーシュガーライフ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (524)
1958人が棚に入れました
松坂さとうには、好きな人がいます。その人と触れ合うと、とても甘い気持ちになるのです。きっとこれが「愛」なのね。彼女はそう思いました。この想いを守るためなら、どんなことも許される。騙しても犯しても奪っても殺してもいいと思うの。戦慄の純愛サイコホラー。

声優・キャラクター
花澤香菜、久野美咲、花守ゆみり、花江夏樹、洲崎綾、石川界人、井上喜久子
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にがみのエッセンスが醸し出す「フロイト」的な世界観が気に入った!!

作品概要
▼原作:月刊ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
▼原作者:鍵空とみやき
▼アニメーション制作:Ezo'la(ディオメディア)
▼話数:全12話{netabare}
▼総監督:草川啓造(ディオメディア)
・実績
(監督)
『魔法少女リリカルなのはA's以後のシリーズ』『迷い猫オーバーラン!』『ロウきゅーぶ!』『艦隊これくしょん』『風夏』『アホガール』他
▼監督:長山延好
・実績
(監督)
僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件
▼シリーズ構成:待田堂子
・実績
(シリーズ構成)
『らき☆すた 』『ティアーズ・トゥ・ティアラ』『おおかみかくし』『THE IDOLM@STER』『Wake Up, Girls!』
『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』『はるかなレシーブ』他多数
▼キャラクターデザイン:安田祥子
・実績
(キャラクターデザイン)
『銃皇無尽のファフニール』『sin 七つの大罪』『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』
▼音楽関係
音楽:亀山耕一郎
OP曲:「ワンルームシュガーライフ」(ナナヲアカリ)
ED曲:「SWEET HURT」(ReoNa)
挿入歌:「カナリア」(ReoNa)第9話
▼キャスト
【声優】項へ{/netabare}

原作未読
リアルタイム視聴済

☆エピローグ
普通のアニメは見飽きたぜ!糖質サイコホラーはドツボだ。
清々しいほどのバッドエンドや、スクイズやヨスガが大好物な私にとって、やっぱねーっ!これぐらいサイコパスで頭逝ってる作品がないとアニメはつまんねぇw
王道や名作、勧善懲悪ばかりじゃ肩が凝るもんね。
本作は世界線やら異世界やらと物理学分野のSFフアンタジー全盛なトレンドに対し、精神医学を世界観の基軸に据えた稀有な作品だ。
したがって、擬似リアリズムであっても、健常な精神感覚では一切のカタルシスを承認しない作品である。

異常心理に興味があったり、最近では『フリップフラッパーズ』を理解できる方々には面白いかも。
本作はストーリーが安定しているから分かり易い。
『ガリナン』もだが、アホアニメ制作会社の評価が定着して社会的には評価が厳しいディオメディアだが、たまに私のツボに入る作品を出すから、目を離せないw

主要キャラでマトモなのは「しょうこ」だけ。
他のキャラは悪い意味で個性が凄まじく、心の闇という健常と異常の行き交う「境界線」の想像どころではなく、真性の「精神病疾患者」であり、ペドフィリア、エフェボフィリア、パラノイア、火病、発達障害etc全員閉鎖病棟の患者でも不思議ではないような連中が繰り広げる異常人格者による基地外純愛群像劇(草)
共感できるキャラが見事に誰もいない稀有な作品ゆえに、様々な矛盾も精神異常が織りなす現象と見ているので許容の範囲であり、作中何が起こっても感情移入が生じることなく、エンタメとして割り切り楽しむことができた☆

タイトルの「フロイト」は精神医学の始祖。
世界的な心理学者「ユング」や「アドラー」の師匠でもある。
原作者はフロイト入門書の『精神分析入門』や『夢判断』を読んでいるな。
フロイトを読むと、読んだ側も精神をやれかねない危険物。
本作も視聴すると、そうなる方向性で演出されている。
異常心理の描写が精神医学的に考察されて「超自我」のメッセージがしっかりプロットされている。
さすがに1クールで精神医学界の巨匠フロイト的世界観を表現するのは厳しいのだが、そこに挑戦したことは評価されよう。
精神分析学的視点に立った考察はメンドクサイし、レビュー読まれる方々の気分を害するからしない。(いや、でも、気が向いたら追記をするかもw)
キャラ設定のベースがフロイト的価値観だから、基地外とは何かを問うているのと同様で、そりゃ陰鬱な世界観にもなるな。

とにかく可愛いOPや絵柄に騙されてはいけない。
マトモな神経では視聴できない作品だから、そこは覚悟した方がいいデス。はい。

それにしてもジエンコって『serial experiments lain』以来、この手の一風変わった作品のプロデュースが好きなんだな。
提供にバップもあったが、ジエンコ+バップ、あーあれか!w

ところで、最近ディオメディアはいろんな名義を使っているね。
「doA」に続いて今度は「絵空」か。
『BEATLESS』は綱渡りだったし、万策(略)に備えて、リスク分散でもしているのか?

【音楽】
OP曲はとてもインパクトがあり癖になる電波ソングだ。
不詳私、DLをいたしました。
OPの作画と楽曲『ワンルームシュガーライフ』で本作の世界観をしっかり視聴者に伝えた(伝わったかは別にして)好演出だ。
ED曲『SWEET HURT』は『GGO』の神崎エルザの曲を歌ったReoNa。
彼女のなんとも言えない切ない声質が、本作の無情で悲惨な末路を暗揄していてなかなか良い。これもDL。
EDの作画は折しも同じ精神異常系の『フリップフラッパーズ』と同様の演出。
「さとう」と「しお」が抱えている闇と二人の関係性を1分30秒でしっかりと表現している。
{netabare}「さとう」の幼少期から現在の描写、そこに「しお」が現れて、二人で城に向かって歩く。
ハッピーシュガーライフの描写と、スキップしながら城から旅立ち、二人で躓いたところで「さとう」が消える(さとうの死)でも「しお」の心には「さとう」が生きている、とこんな感じでEDはこの物語の顛末を分かり易い暗喩で演出している点は視聴者に優しい。{/netabare}
{netabare}しょうこが殺される{/netabare}9話の挿入歌『カナリア』も歌詞に込められたメッセージがそのシーンの演出にしっかりと映えていて良い曲だ。

{netabare}本作、9話は「しょうこ」の恋もあり内容が濃く相当の字数が必要だが、割愛して、挿入歌まで用意された「しょうこ(小鳥)」は本作にとって、さとちゃんの狂気を強調する意味でも重要なキャラだったし、彼女の存在が無ければ、ただの基地外ドラマで終わったな。
(7話の展開が殺される伏線だが)さとちゃんと向き合うタイミングを逸したとはいえ、幼女を「彼氏」として拉致しているさとちゃんの素顔を知った「しょうこ」がとった選択は極めて常識的だが、基地外相手には通じず、理不尽な結果となったが{/netabare}共感シーンが皆無な本作にとって唯一の救いだった。

【物語とキャラ】
キャラは本作一番の問題提議点だろう。
{netabare}よくもまー、あるゆるタイプの基地外を設定したものだと感心した。
しかし、「さとう」の叔母と「しお」を除き他のキャラのサイコパスの根源は抑圧され無意識下に封印された記憶、いわゆる「トラウマ」だ。
「さとう」、「太陽」、「あさひ」は過去エピソードの描写があるから分かり易いだろう。
今では「トラウマ」という言葉は普通に用いられるが、その概念を提唱したのがフロイトだ。{/netabare}
現在フロイトの【精神分析学】はポパーの科学定義にぶった斬られて【非科学】とされているが、なお、その研究は医学のほか哲学としても各方面に多大な影響を与えている。
因みに「トラウマ」と似た概念で「PTSD」があるが、こちら医学的な診断名、つまり科学。
医学的なフレームで論じるのが「PTSD」であると理解したらいいだろう。
そして、この三者の異常行動は明確に「PTSD」である。
「さとう」叔母は「トラウマ」の過去描写がないので、その異常性の因果関係は判別しないが、他人への関与が異常な博愛が動機である点から、所謂「離人性人格障害」であることは確かだろう。
{netabare}「しお」は年齢的に幼くまで認知能力が完成されてはいなから、母親との関係や「さとう」の死をきっかけとし「PTSD」を発症するのは想定内だろうし、「さとう」の狂気の正統後継者となるだろう。{/netabare}
基地外の成長物語を望むか望まないかは視聴者しだい。私は(怖いもの見たさで)今後も観察してみたいものだが。

以上、キャラの性格設定を多少考察したが、個人的に気になっているのはネーミング。
ここ突っ込んだレビューが少ないだよね。
物語と主人公とヒロイン?他女の子キャラのファーストネームの関係だが、「さとう」と「しお」。
これは、第三者視点で物語を俯瞰したときに醸される、二人のイメージなんだろう。
{netabare}さとちゃんの心が至福に満たせるときは「あまーい」、ストレスを感じたら「にがーい」と味覚で心理描写をしているのも本作の特徴だ。
これは丁度可知差異(物理学用語)が「フェヒナーの法則」による感覚量でも定式化されており、物理でメシを食っている私の心を擽った直喩だ。
「しお」の存在を「さとちゃん」から見た場合は「あまーい砂糖」だが、第三者視点ではさとちゃんに試練を与える文字通りの【塩】な存在。
自らの「あまーい生活」を守るためにさとちゃんは、せっせとバイトで生活費を稼ぎ、脅迫、傷害、詐欺、挙句の果てには殺人までやってのけた。
ある意味、これほどの純愛ドラマはスクイズ以来かもね。
これが、「しお」が【塩】である所以である。

そして「さとちゃん」の光に立候補し、人の道に戻そうとした「しょうこ」は「胡椒」の捩りで、そのお節介は、さとちゃんにとっては「辛い」味覚、はた迷惑で排除すべき存在として描かれているのではないのだろうか。{/netabare}

次に、苗字についてだが、「神戸」と「飛騨(飛騨しょうこ)」に共通するのは高級和牛ブランド。
さとちゃんの苗字「松坂」を「松阪」とすると、やはり高級和牛だが、これは作者の誤字なのかな?
他にサブキャラの宮崎すみれ、但馬みとりも高級和牛ブランド。
本作と高級和牛の相関関係は謎だが、キャラネーミングには法則があるようだね。

で、本作のキャラ設定だが、精神疾患と異常心理の掘り下げに作者の知識の限界からか詰めの甘さが残るが、これだけの基地外キャラをクリエイトし、物語をプロットした点は評価されよう。

{netabare}最終回はオリジナル展開だが、さとちゃんを「あさひ」に殺させ、それでも「しお」に切られ、自殺を図る展開も悪くないと思ったが、さとちゃんを死なせて、「しお」を生き残らせ、「あさひ」を切った展開は前述のとおり、{/netabare}これからの「しお」の異常人格発揮を十分妄想できる余韻を残した意味でも評価できる。

あと「しお」の失踪だが、{netabare}物語の通り捨て子であっても「しお」は小学生だ。
失踪すれば、社会的に何らかにリアクションがあるはずだが「あさひ」が述べたように警察で相手にされないのは不自然すぎる。{/netabare}
欠席が続けば「しお」の担任教師が家庭訪問をするし、親に不審な点があれば、児相とも連絡を取り合い世間にバレるはず。
その過程で事件性があれば警察が動くが、事件性はないとする裏設定でもあるのかな。
「しお」の境遇を考えると、無戸籍である可能性もあるが、視聴者が納得できる線で簡単にでも触れておくべきだったろう。

【作画】
全般的にディオメディアクオリティであり、動かす場面も少ないから、ボロも出ず可もなく不可もなくといったところだが、シャドーの用い方、基地外の表情など、サイコホラーとしての演出は頑張っていたと思う。
ただし、9話は{netabare}本作の神回であるにもかかわらず、作画が演出についていけていない。
挿入歌とナレーションを背景にCVを入れずに「さとう」と「しょうこ」の葛藤シーンが描かれた。
前述したとおり、演出は素晴らしかった反面「しょうこ」の表情が「棒」であり、迫力が全く伝わってこなかった。
基地外表現の作画に手一杯で、健常者の必死の訴えの表情演技まで手が及ばなかったようだ。
CVなしで映像表現のみを用いて視聴者へ訴えるのは、自信と相当の作画センスが要求される。
試しに、スクイズとの見比べで「誠」殺害後の「言葉」と「世界」の葛藤シーンを音声なしで視ると分かるが、迫力が全然違う。
ディオメディアの作画センスの限界が、この素晴らしい演出を削いでしまったと思うと残念でならない。

ただ、小鳥の演出を含めてだが「さとう」が文化包丁を「しょうこ」の首に突き刺し殺す描写は、頸動脈からの血飛沫には違和感を感じつつも、「さとう」を引っ掻き断末魔に喘ぐ描写や小鳥の死を比喩した痙攣描写など殺人過程はしっかり描ききっている。
ただし、グロ描写を強調し過ぎたことで視聴を打ち切った方々を出したという負の作用もあったが、{/netabare}これを斟酌して私的には高い評価をしたいと思う。

【声優】
原作を読んでいる方々には花澤さんはミスキャストだとの意見も多いが、原作を読んでいない私にとって可もなく不可もなしだ。
寧ろ、客寄せパンダ役も兼ねて、演技力が要求される「さとちゃん」役には適任だったのではないだろうか。
個人的には「しお」役の久野美咲さんの演技が輝いていた。
『WIXOSS』や『LOST SONG』でも思ったが、主役よりも準主役や重要キャラをやらせると巧いタイプかもしれない。
さとうの叔母役の井上喜久子さん。
『らんま1/2』から活躍しているだけあって、ベテランらしく味のある演技でサイコパスを演じていたのが印象的だ。
難しいキャラの「三星太陽」を演じた花江夏樹氏も好演だった。

ゆえに総じて高評価とする。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヤバい、面白い…。

語彙力ぅ!

そういえば天狼のレビューを書いたときにこいつの存在を忘れていました。

2018年7月期で原作付きの大物。観ますっていうか、観てますってだけで情報量ゼロです、すみません……。

2018.9.29追記:
とりあえず、虐待に傷ついた二人の少女が真実の愛を求めてあがいたあげくに、犯罪レベルの奇行に走るお話。

第12話(最終回)まで観終わったので、少し真面目に書いてみます。

まず、一見して松坂さとうが主人公のようで物語の中心は神戸しおですよね。それと「作中の登場人物が(飛騨しょうこを除いて)異常な人物ばかり」に見えはするんですけど、「罪無き者のみ石を投げよ」っていう感じで、みんなちょっとした行き違いや不幸(ちょっとしてないのもある)がきっかけでたまたま異常に見える行動が発現してしまったというだけの話で、メインキャラには理解不能レベルなことをやっている人物はいなかったです。

自分がはっきり嫌いと言えるのはしおちゃんの父親と、次点でさとちゃんの叔母さんくらいかなあ。

まあとにかく、他の人物に関しては共感まではいかないにしても理解は及ぶ感じでとても良く書けたお話だったと思いました。漫画原作ですけど小説っぽいストーリーでしたね。最終話、しおちゃんの言動によって受けたあさひのショックはいかばかりか想像を絶する…。

……って、これかなり面白かったけどウケないだろうなあ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

胸糞キャラのケーキバイキングなのだがペロリと完食

2018.09.30記


原作未読


サイコだねぇ
サイコだねェ

サムネと内容とにものすごい乖離のある作品でした。

主人公は容姿端麗JK松坂さとう。愛を求め男を漁ってた過去を持ち、しおと出会って本物の愛を知る。
サブヒロインに8歳の幼い少女神戸しお。同居するさとうに幼子らしい愛を振りまく。
二人はもともと赤の他人。血縁でもありません。

どうして二人は一緒に暮らしているのか?

最初のハテナが視聴者に提供され、しおを探している家族、さとうを怪しむ高校やバイト先の友人・知人などが絡む仕掛け。
この甘い幸せに満ちた、でもどこか歪で危うい共同生活を守ろうとするのはさとう、といったところから物語は進行していきます。


JKと年端もいかない少女との共同生活と、その設定自体がイカれてる(褒め言葉)し、出てくる面々がモブ以外は頭のネジの何本かどこかへいってしまったような人たちばかりのサイコでスリラーなサスペンスといったところでしょう。
そしてヒロインさとうを演じる花澤香奈さんの怪演が光る一品。
今夏は観る作品ざーさんのヒット率が異様に高かった気がします。そのどれもが主役・準主役級だったりと、ちょっと働き過ぎなんじゃないですかね。本作も、「はたらく細胞」「Phantom in the Twilight」「パンドーラ」「メジャーセカンド」「シュタゲゼロ」のアフレコ後、変なテンションかゾーンに入ったような状態でアフレコしたんじゃないかと。
それぐらい松坂さとうのヤバい感じが出ておりました。この一点でも観る価値はあります。


サイコ、サイコと言ってもとってつけたようなサイコっぷりだとただの感じ悪い作品で終わりますが、本作では普通だった人間が壊れていく経緯だったり、壊れざるを得なかった生い立ちだったりを割ときっちり描いているため、胸糞の中にキャラへの同情にも似た共感を覚えることもあろうかと思います。
ふんわりとしたキャラデザインは、ハッピーでシュガー(甘い)なライフ(生活/人生)を表現するにはちょうど良かったかも。

人間の狂気を描いた作品が好き!という方には薦められる佳作だと思います。


■ネタバレ所感
作品の面白いところを語ろうとするとどうしてもネタバレは避けられないので畳んどきます。
{netabare}飛騨しょうこ殺害あたりを起点に、綻びが出始めていた歯車の狂いが加速していきます。それまで狡猾だったさとうに焦りが見えて行動や言動が純化していきます。それと反比例してほんわか天使しおちゃんがこれまで見せてなかった自我を発動していく。それも悲劇的な顛末が予想されるかたちで、といった終盤の展開は良かったですね。{/netabare}
{netabare}結局残されたしおちゃんがこれまた救われない。理想のバッドエンドでうまい感じに締めました。{/netabare}


それにしても砂糖と塩の示唆することは何だったんでしょうか?
同時利用可能な調味料は共生できるという意味なのか。
白は何にでも染められるという意味なのか。
相反する味覚の刺激は対立という意味なのか。

同質で異質。矛盾したものを内包したのが人生だよん、という至極真っ当で浅い考えしか思い浮かびませんでした。

陳腐だねぇ
陳腐だねェ



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2019.03.10追記
《配点を修正》


レビュー初稿書き上げた後のレビュアーさん達とのやり取りで、「登場人物はブランド牛の産地だ」「OPムービーのアレはこうで」…その他考察やこう思うといったネタがけっこう出てきた作品でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50

67.9 3 お菓子でミステリーなアニメランキング3位
ダンタリアンの書架(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (717)
3922人が棚に入れました
蒐書狂(ビブリオマニア)である祖父から、古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだヒューイは屋敷の地下で静かに本を読む少女、ダリアンと出会う。彼女は禁断の『幻書』を納める『ダンタリアンの書架』への入り口、悪魔の叡智への扉だった……。

声優・キャラクター
沢城みゆき、小野大輔

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

雰囲気が良いですねo(*^▽^*)o~♪

■「ダンタリアンの書架」ってどんなアニメなの(*゚・゚)ンッ?
ラノベが原作のダーク・ファンタジーなのですけど、ミステリーっぽい内容にもなってますね♪
ミステリーと言い切れない点は、基本1話完結だと思うので、綿密な伏線も張れないでしょうし、絶対に謎解き不可能なシナリオ構成もありますので、本格的なミステリー小説と比較してしまうと、物足りなさを感じてしまうのではないでしょうか?
そう考えると、やっぱりファンタジー作品なのでしょうね♪
 
日本では、マジックリアリズム的な表現を用いている作品が多くなってきているようですけど、「ダンタリアンの書架」の独特な雰囲気もその部類に入るのでしょうね♪
そう考えると「GOSICK」に似た感じを受けるのも頷けるような気がするのです。
ミステリーとファンタジーの狭間でグレーな部分の位置付けの作品って評価の目線をどこに持ってくるかでだいぶ評価が分かれそうですけど、アタシσ(゚-^*)はこういう作品は大好きです♪
どうせ推理しても解らないので・・・
(´ρ`)ヘー・・・とか( ̄。 ̄)ホーーォとか・・・(^ー'*)bナルホドとか言いながら雰囲気を楽しめれば良いなって思ってます♪
 
 
■注目はやっぱり「ダリアン」と「ヒューイ」ですよね(-ω☆)キラリ
ヒロインのダリアンは小さくって、とっても可愛い女の子なのです♪
そんな小さな体に、90万666冊の幻書を封印している迷宮図書館の入り口と、その錠前を胸元に持っているのです。ちょっとインデックスっぽいですねw
お人形さんのような美貌と、赤ワインのような瞳が魅力的なのですけど、その美貌とは裏腹に、強烈な毒舌の持ち主でもあるので・・・
ポカッ! (._+ )☆ヾ( ̄ヘ ̄; ) ォィォィって思わずしたくなっちゃいますねw
でも可愛いからなんか許されちゃうのかなw
 
「ダンタリアンの書架」の鍵を持つ主人公のヒューイがどのように立ち回っていくかがこの作品の方向性を決めていくような気がします。
迷宮図書館内の子供の頃の回想シーンをどう結び付けていくかも注目ですよね♪
 
 
■前半まで視聴した感想(*^o^*)
まず、沢城みゆきさんの演技がとっても良いです。
ダリアンの魅力を余すことなく出し切っている所はさすがですね♪
まり†ほりの寮長先生とはまた違った毒舌っぷりでした!!(*`◇)<毒毒毒毒ブオォォオ*_*;)
 
舞台は20世紀初頭のイギリスで、その街並みや情景とシリアスな展開が非常にマッチしていて、コントラストの使い方がしつこくなく、重い空気感を演出していてダークな雰囲気をさりげなく演出しているような印象を受けました。
 
残念なのは幻術をつかったバトルシーンには物足りなさを感じちゃいます。
せっかく良い雰囲気を作っているのに、幻書の危険な香りや重みが感じられずに、魔法少女的なきらびやかな演出で綺麗に終わってしまっているのです・・・。
幻術を使わない格闘シーンは悪くはないので、もったいないなーって印象です。
  
 
■総評
各話単体での出来自体はショートストーリーとしてそこそこ面白いのです♪
でも・・・最終話まで通しての印象としては、各話の出来栄えにバラつきがあるので全体を通してのストーリーがぼやけてしまっていましたね。
なんだかドラえもんのポケットを迷宮図書館に例えるなら、ポケットの中のアイテムが幻書ってところでしょうか!
色んな幻書をクローズアップしてショートストーリーを構成するのはもちろん魅力的なのですけど、この物語の根底でもある迷宮図書館や鍵守や読み姫の関係などの説明や描写が不足しているのです♪
「ダンタリアンの書架」の世界観を作るだけ作って放置という状態になっちゃってますね!
雰囲気の作り方が良いだけに、肝心の物語に深みが感じられない要因となってるのが残念だなぁって思っちゃいました><
 
ともあれ、ダリアンちゃんの毒っぷりと可愛らしさは一見の価値はありますね♪
続編みたいですか?と言われたら。。。o(゚^ ゚)ウーンとなりますけど、他の読み姫との絡みも気になりますし2期やるならきっと観ちゃうと思いますけどね(*v.v)
 
 
■MUSIC
OP曲『Cras numquam scire』
 歌:Yucca
 寂しさを感じさせる、しっとりとした歌声で作品の雰囲気作りに一役買っているナンバーですね♪
 
ED曲『yes,prisoner』
 歌:maRIONnetTe
 意味腐なED映像はさておき・・・この曲のタイトルもかなり鬱ですねw(@`▽´@)/ ハイッ囚人!!
 聴くと心が病んでいくようなプログレッシヴ・ロック的?なナンバーですw
 
 
2011.08.28・第一の手記
2011.10.02・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

幻の書を宿す迷宮図書館

三雲岳斗によるラノベが原作で、2011年 TVにて放送された作品。
蒐書狂(ビブリオマニア)である祖父から、古ぼけた屋敷とその蔵書を
引き継いだ青年 ヒューイが主人公。

舞台は1920年前後の第一次世界大戦直後、イギリスのロンドン近郊。
祖父亡き後、彼の屋敷を訪ねたヒューイは、地下でダリアンという少女と出会い、
禁断の「幻書」を納める「ダンタリアンの書架」への入り口の扉は
胸についた鍵穴の鍵を開けないと入れないと言われ、行動を共にすることになる。

幻書とは、焚書で焼かれたり、失われた古代図書館の蔵書など、
本来、この世に「在らざるべき」幻の本のことで、
正しい読み手が紐解けば計り知れない恩恵を与えるが、
ふさわしくないものが持つと、幻書は世界の境界を超え、
世界のバランスを崩してしまうという曰くつきの書物。
また「ダンタリアンの書架」とは、世界のバランスを崩すような危険な幻書を
封印するための迷宮図書館であり、その扉を開くための鍵穴をもつ読姫と鍵守が、
この図書館を守っているという設定。

幻書に深い憎しみを抱き、焚書を目的とする焚書官という存在が
ヒューイたちを追っていくことで、物語に緊迫感を与えている。
登場人物はヒューイと黒の読姫であるダリアンのほか、
銀の読姫フランベルジュとこの焚書官、
赤の読姫ラジエルと白衣を身に着けた教授など、
幻書を取り巻くさまざまな人々が登場し、時にはバトルを繰り広げる。

1話ごとにほぼ完結するスタイルなので、観やすく、
しかしながら、途中でいきなりヒューイの過去の回想になったり、
あまり説明や伏線がないまま、焚書官や教授が現れるので
原作を読んでいない人からは、すごくわかりにくい部分があるかも。

でも、呪文のような言葉を唱えながら
胸の中に手を入れて本を取り出すシーンがなかなか美しいので、
ついつい魅入ってしまったりした。
ダリアンのゴスロリファッションやツンデレ風味な部分、
それに似合わず甘いものには目がないというギャップなど、
和む要素も多少あるものの、最終回までを観終えてみると
どこか中途半端で物足りなさを感じてしまうのは否めない。

結局、この作品で一番自分が気に入っているのは、
Yuccaが唄うOPの「Cras numquam scire」と、
嶽本野ばら氏が作詞をしたダークな雰囲気のED「yes,prisoner」かも。
この曲をフルで聴くと、すごくアングラ演劇っぽくてお気に入り。

このあとの話をぜひ観たいものだが、原作さえも大人の事情とやらで
無理やりの完結になってしまっているらしい。
なので2期は見込めなさそう。雰囲気はとても好きだった作品なので残念だ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40

mennma さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ダリアンファン

ジャンルはダークファンタジーです。
全部終わって思い返してみるとGOSICKと似たような雰囲気です。
ラノベが原作ですが、アニメの方が断然良いです。
声優はヒューィ役が小野大輔さんでダリアンは沢城さんです。
ダリアンのときの沢城さんの声は良かったです。
ダリアンは本当に可愛かったです。
ダリアンを可愛いと思った方は必見です。
ダリアン(*´Д`*)モエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモエモエ

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31
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