ドーピングおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのドーピング成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月03日の時点で一番のドーピングおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.7 1 ドーピングアニメランキング1位
終わりのセラフ Seraph of the end(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (1345)
7811人が棚に入れました
ある日突然、未知のウイルスにより世界は滅びた。生き残ったのは子供だけ。そして、その子供たちは地の底より現れた、吸血鬼たちに支配された。百夜優一郎は、家族同然の絆を持つ百夜ミカエラら孤児たちと、吸血鬼に血を捧げることで生きていた。家畜同然の扱いに耐えかねた優一郎は、ミカエラや幼い孤児たちと共に、外の世界へと脱出を図るが……。時は4年後。百夜優一郎は日本帝鬼軍の吸血鬼殲滅部隊「月鬼ノ組」に入隊。恐るべき吸血鬼たちとの戦いに、その身を投じていく…!!

声優・キャラクター
入野自由、小野賢章、中村悠一、櫻井孝宏、早見沙織、岡本信彦、石川界人、井口裕香、前野智昭、鈴木達央、悠木碧、鈴村健一、種﨑敦美、石川由依、小野大輔、嶋村侑、山村響、永塚拓馬、梅原裕一郎、古木のぞみ、日笠陽子

Nyan002 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

矛盾点が目立つ

吸血鬼と人間との闘いというわたしの好物でしたので、
観てみました。
原作は読んだことありません。

最初は吸血鬼と人間の悲劇っぽくて期待できるかなと思っていましたが、
中間の急に学園ものっぽくなったのが少し残念。

戦地にいる時もヒロインがふざけはじめたりして意味不明でした。
でも物語に謎も多いし、これから予感させるものがあったので見続けています。

2クール目も始まり、今後の展開がとても気になります。
あとOPは神曲だと思います。

バトル物が好きな人にはお勧めできる作品ですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

え。めっちゃ面白いんですね…!?

これ,絶対自分好きなやつだと思ってもったいなくてずっと観れてなくてそのまま忘れてたシリーズです。
まぁ,正確には2話までは観てたのですが,1話があまりにもショッキングで,「これこのまま観続けても絶対また誰か次々に死んでくやつじゃん(>_<)」って勝手に推測しちゃって観る気失せてた。
でも,きっかけがあって「観てみるか★」という気になって全話一気に観てしまいました。
そしたらめっちゃ面白いです!!
アニメは名古屋決戦編まで全て観終わったのですが,結局2期は作られていないのでフラストレーションがたまり,原作の漫画&小説を読みました。
こちらはまだ連載中なんですね。
大分前のアニメなのでとっくに終わっていると思ってました。
漫画は既刊のコミック分は取り敢えず全部読み,小説は「一瀬グレン、16歳の破滅」&「一瀬グレン、19歳の世界再誕」の現在刊行されてる2巻まで読みました。
それでわたしが勝手に勘違いしてたところもあるのでレビュー書き直します。
原作の内容もあるので(核心には触れませんが),嫌な方はタグを開かないでくださいね。

まず,キャラクターデザインがわたし好み♡
主人公もさることながら吸血鬼ミカエラくんのキャラデザまじで神がかってるんですけど!!
もう王子じゃん!!天使じゃん!!
あんな容姿でヴァンパイアってそそられます♡
後述しますが,OPの少年の人間ミカの影から現れる青年の吸血鬼ミカがほんとに美しすぎる。
あの演出印象的だと思います。
あと,あの真っ白なふんわりクローク。装飾的なゴールドの留め金。
ラクスとか他の一般吸血鬼たちも着てたからお仕着せなのかな??
あのデザイン素敵すぎません!?
そしてサイハイブーツに剣。やっぱ王子じゃん!!
フェリド・バートリーと一緒に十字型の柱(?)に座ってるとき片膝に肘をのっけてるのがまじでかっこよかった。
あと,主人公である優ちゃんとフェリドくんと深夜のキャラデザが好きです。

ストーリーですが,この第1クールに関しては特に問題ありません。
とっても面白いです♪
この物語で1番好きな点は優ちゃんとミカエラの友情です!!
この2人離れ離れになって,4年経ってもまだずっとお互いを強く想い合ってるのがなんだか美しくも切ないなぁって思いました。
{netabare}ましてや,優ちゃんの方はミカはもうこの世にいないと思っちゃってるわけだし…。
ミカは優ちゃんとの再会をずっと願ってきただろうし,優ちゃんは家族を殺された復讐心ですよね。{/netabare}
ただこの第1クールだけだとやっと物語が動き出してきたなってところで終わっちゃうので,第2クールはやって当然だと思いました。
わたしは9話~11話が特に面白かったです。
{netabare}10話のミカエラとグレンの戦いはやばすぎて震えました。
バトルシーンが良いというよりはこのキャラ同士が戦うんだ!?っていう点で…です。
でも,グレンもっと強いと思ったよ~。
ミカを手玉に取るくらいかなと思ったら,1対1だとミカが勝っちゃいますね。
まぁグレンが弱いというよりミカが強すぎるのか。
あの高慢な態度をとってるだけのことはあるなと思いました。
「どこに僕の負けがある?」とか言ってるミカがかっこよすぎるし,さらに「ほら チェックメイトだ吸血鬼」のグレンもかっこよすぎてわたしの方が死ぬかと思いました。{/netabare}
それ以外にもグレンの「お~っとやべぇ この距離で気付くのかよ」とか「今のよけんのかよ たまんねぇなおい」とかがヴァンパイアの強さを表現していてこっちも興奮できました。
「五士 幻術展開」「もうやってる」のやり取りとかセリフもいちいちかっこよくて頼もしいなって思いました。
グレンは性格もそうだけど,細かい所作というか仕草までもかっこよく描かれていてこれはグレン隊の女子たちみんな惚れちゃうなって思いました。

―って,グレンの話になってきちゃったので,このままキャラクターについて書いていきます。
グレンは,あれで24歳なんですね。びっくりです。
若くても26,7歳くらいかなと。
30代って言われても驚かない。老けて…じゃなかった貫禄ありますよね(^▽^;)
まぁ24歳ならあの好戦的な感じとか会議途中で抜け出す件とか分かる気がする。。
あとはグレンは優ちゃんとのやり取りが好きです。
お子ちゃまを手玉にとってる感じが(笑)。
あとは,優ちゃん。
優ちゃんの1番好きなとこはミカをずっと想ってるところかな。
4年経っても鬼とのやり取りで必ずミカが出てくる辺り,彼の中で深い傷になっていて癒えることはないんだろうなって思いました。
優ちゃんの中ではミカが1番って感じがしました。
確かにあんなに好意を全開にされたら好きになっちゃうよねぇ。
それにあのサングィネムで兄弟たちを2人で守ってきたんだもんね。
だからグレンに「昔の家族はもう忘れろ 過去には何もねぇぞ」って言われたの,シンプルに胸に突き刺さったんじゃないかな。
ずっと過去に囚われていて,でもそれが今の生きる意味になってるわけだから。
あと言っておきたいのはこいつ天然女たらしだなってことです(`Д´)
三葉をぐいって引き寄せて助けたりとか,シノアの首元を確認するときとかさ!!
あんなの好きになっちゃうよ!?三角関係になっちゃうよ!?
{netabare}小説だとグレンの方もハーレムになっててそこら辺はやっぱ男の子向けだなぁと思いました。
それにシノアはさ,初め三葉のことをからかってたくせに自分の方が好きになるのかよ!?{/netabare}
シノアは決して嫌いじゃないんだけど,ちょいちょい妙に芝居がかったしゃべり方をするところがなんかうっとうしいなって思いました。
恋愛面に関してはこの物語は描かれないと思って観てたから正直意外でした。
三葉も嫌いじゃないけど,シノアと同様わたしの好みの女の子ではないんだよね。。
あんまり好きなタイプの女の子が居ないことが残念だったなぁ。
強いていうなら小百合かな♪
このアニメだけ観てると小百合や時雨が従者って知らなくて「あ グレン様!」「小百合か」ってやり取りで「様?ただの教官の同僚じゃないんだ?」ってなったんですけど,美十と典人の立ち位置もアニメだと分からないので小説読んで良かったと思いました。
次にミカエラ。ミカはわたしの1番の推しです!!
少年のミカは可愛すぎる。
「ねね 優ちゃん」「いま忙しい」「ねねねね 優ちゃん」のとことか!!
そもそも優ちゃん呼びが可愛いんだよね。
物語が始まるまでの4年間は優ちゃんも苦しんできただろうけど,ミカも自身が自分が憎んでいるはずのヴァンパイアになってしまって,更にそのヴァンパイア達の世界で家族もなく友達もなくたった一人でサングィネムに取り残されて孤独に生きてきたんだなって思ったら,優ちゃんよりも辛かったんじゃないかなと思いました。
そして,優ちゃんが外の世界でちゃんと生き延びることができてるのか,だとしたらどんな生活を送ってるのか気になって仕方がなかったろうな。
少年ミカと青年ミカのキャラの違いがヴァンパイアの世界で生きていくために培ってきたもの(もしくは捨ててきたもの)なんだろうなって考えたら辛くなりますよね。。
個人的にはあの高慢で自信家(フェリド様は傲慢とおっしゃってましたが)なところは大好きですが…♡
そして,フェリドくんですね★
ミカでも及ばないような圧倒的な強者感!!そして色気!!
「あはぁ~」が若干口説く感じられることもあったけど,声がめっちゃ合ってますね。
好きなキャラでありつつも優ちゃんに倒してほしいヴァンパイア№1です。
―って思ってたんだけど,原作を読むとそうでもなくなります。
悪役だと思って観てたけど,どちらかというとトリックスターなんですね。
何考えてるか分かんない感じもそうだし,銀髪ロングヘアをリボンで結んでてサイハイブーツ!!なキャラクターデザイン。
あの若気た感じ。
上にも書いた十字の電柱に立ってるときの佇まいかっこよすぎるし,フェリドくんだけグレンに気付いてるんだよね。やば~。
そしてOPでは歩いてるだけでめっちゃ強いことが分かるってどゆこと!?
個人的には優ちゃんに銃でうたれて髪がほどけてるのも色っぽくて好きでした。
それにしても,フェリドくんとミカくんの関係も微妙じゃないです?
少年(人間)のとき,血をあげてただけだよね!?
なんか他にいけないこと(あんなことやこんなこと)されてないよね!?
―って邪推しちゃいません(笑)?
ミカがあまりに美少年だからね。。
{netabare}ロリコンって言ってたし…(^▽^;){/netabare}
そのフェリドくんも「異常なほどに美しい顔」らしい。
それに,クローリーくんと何気にお互い君付けで呼び合ってるの可愛すぎるんだが…。
あと言及しておきたいのは深夜かな。
彼もフェリド同様色っぽさと強者感,そして飄々とした感じが好きです。
彼のことは小説を読んで更に好きになりました。

そして作画ですがとってもきれいです。
ミカのお仕着せ(他に言い方ある!?)も細かくて面倒臭そうだけど,グレン達上層部の人達が来てる軍服(隊服?)も凝ってて描くの面倒そうですよね。
でも,あの人間とヴァンパイアの装飾的な衣装かっこいいんだよなぁ。
人間も遠目になるとテキトーになっちゃってるのが残念ではありましたが,アップのキャラは常にきれいでしたぁ。
そしてあの地下都市サングィネムが素晴らしかったなぁ。
それでいうと,わたしは1話で世界が滅亡したときに吸血鬼がどこからともなくやってきたのだと思って視聴していたんですが,違うんですね。
そう思ってたからサングィネムの昔から存在するようなヨーロッパ風の街並みに違和感があったけど,このアニメの世界には吸血鬼は元々いて共存していた―という感じみたいです。
あとは荒廃した東京。
あんまりディストピアな話は好きじゃなかったけど,今回はSFよりファンタジー寄りのアニメだからなんとか観れました。
あと普通に缶ジュースとか存在してたけど,外の世界はあんななのになんか変じゃないですか?
一体どういう風に経済とか回ってるんだろう―なんて考えてしまいました(^-^;
まぁ,作画がきれいなだけにバトルシーンは残念でした。
だめってわけじゃないけど,やっぱ鬼滅の刃とかに慣れちゃうと動いていない画にがっかりしちゃう。
1話のヨハネの四騎士のシーンはモブの隊士からカメラが回ってきて優ちゃんの後ろ姿が映るっていうカメラワークでとても良いと思ったのだけど,ミカとグレンの戦闘シーンの方に力を入れてほしかったな。。

あと1番疑問に思っているのは元人間以外の吸血鬼っているのかな!?って点です。
レーネが「素性はどうあれ元は人間でしょう 所詮はあさましい人間あがりよ」ってミカのことを言っていたから,レーネは生まれたときから吸血鬼で元人間の吸血鬼はあんまりいないのかなと思ってたんですが,{netabare}原作を読み進めるとわたしの知る限り上位の始祖たちもみんな元は人間なのよね。{/netabare}
それと与一が「優くんは子供の頃吸血鬼の都市で監禁されてたから読み書きは日本語より英語やラテン語の方が得意なんだよね」なんて言ってたし{netabare}原作でクローリーくんが「まず日本語で出すのがいじわるすぎない?」って言ってて…。{/netabare}
吸血鬼は普段英語やラテン語を使ってるのかな!?
吸血鬼がラテン語を使うってのもなんだか変な感じはするけど…。
実は英語で会話してるって設定なのかな??

そしてOP&ED!!
上にもちょっと書いたけど,アニメーションも音楽も素晴らしいです♪
音楽はどっちもめっちゃかっこいい。
OPは上記のミカエラくんはもちろんのこと,キャラがミカの後から次々に入れ替わるように出てくるのも好きだし,優ちゃんとミカが顔を寄せ合うのも好きだし…。
あとEDのアニメーションは切なくなりますね。
まだ少年だったころの優ちゃんとミカが笑ってるところから青年ミカがすとんと落ちる(下りる)ところの対比がなんとも…。
何もかも変わっちゃったんだなって何度見ても悲しくなっちゃいます。
それと作中でグレンがレコードを流しているシーンがあるんですが,それが「My Foolish Heart」っていうジャズなんです。
{netabare}グレンが主人公の小説で真昼がジャズが好きだと言っていたのを思い出して「だからジャズなんだ!!未だにグレンは真昼のことを想っているのね。悲しい( ;∀;)」って思ってたんです。
が,よくよく考えてみたらあそこは鬼に憑りつかれた方のグレンで,だから鬼である真昼が好きなジャズを聴いてたんだ!!って気付いてぞっとしました。
そもそも恋人の好きだった曲を聴くとかいうのもなんだか女性的な感じがしてグレンはしなそうですしね。{/netabare}

2期のレビューは「吸血鬼ミカエラの物語」を読み終わり次第書きたいと思っています('ω')ノ

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3
ネタバレ

キスショット☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

続きが気になります!

全12話
WIT STUDIO制作
(原作8巻まで既読)

ファンタジーで、刀・鬼・バトル、隠された謎
ダークファンタジーっぽい

設定としては、よくありそうな気もしますが、こういうの大好きです!

青の祓魔師を思い出しました。

1話から、次の展開が気になるタイプで、
展開スピードもほどよいです。

{netabare}
なぜ、ミカが吸血鬼側になって、人間は悪。という位置づけになってしまったのか。
人間側だけがしているのか、吸血鬼とも繋がって、セラフの研究をしているのか?{/netabare}
などまだ分からないところが多々ありますが、そこがどう展開していくのか楽しみです!


セラフ(セラフィム)は、天使としても有名ですよね!
三対六枚の翼を持ち、2つで頭を、2つで体を隠し、残り2つの翼ではばたく。
{netabare}ラストにでてくる、主人公ユウからは、片翼のみ登場しているので、
ミカが、もう片翼を持っているのかなぁと思っちゃいますね^^;{/netabare}

どうなっていくのか、今後に期待です!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16

65.5 2 ドーピングアニメランキング2位
GANGSTA.(ギャングスタ)(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (662)
3481人が棚に入れました
マフィアにチンピラに売春婦に汚職警官が巣食う悪党だらけの街・エルガストルムを舞台に、誰もかかわり合いたくない汚れ仕事を引き受ける便利屋を営むウォリックとニコラスを描いたハードボイルド作品。

声優・キャラクター
諏訪部順一、津田健次郎、能登麻美子、金尾哲夫、石川界人、三上哲、悠木碧、宝亀克寿、小山剛志、前野智昭、橋詰知久、桐本拓哉、榊原良子、吉野裕行、小松未可子、植田佳奈、櫻井孝宏、稲田徹、梅津秀行、磯辺万沙子、小清水亜美、村瀬歩、花江夏樹
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハードボイルドな作品は稀少

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ハードボイルドな世界観に、派手なアクション。銃、刀、ドラッグ、金、マフィア。そんな中、ある「特別な特徴」をもった二人の主人公が、互いを信頼しつつも頼りきりにならず、闇の世界を渡り歩いていく。そんな「相棒感」が一番の見所。作画はやや悪く、そこが一番残念な点。

【視聴終了】
{netabare}
主人公のニックは肉体労働(バトル)担当であり、聴覚に障害があり、その設定はバトルものとしては斬新だったと思う。そういう設定にありがちな超感覚的な要素(例えば筋肉の筋が透けて見えるとか)は少なく、戦闘は肉弾戦であり、手話や読唇術でコミュニケーションをとるのは良かった。また、声優(津田)さんの演技力の高さというのはこの作品を大きく支えたと思う。

このニックは「トワイライト」という、言ってみれば強化人間なわけだが、その設定をよく生かしてたと思う。短命で、薬物に依存しなければならず、それ故に「強者に飼われる」ことを宿命づけられている、トワイライト。しかし、その中で「自由」に生きることを選んでいるのが、ニック。「自由」に生きるためには、それなりのリスクや腕っぷしの強さが求められる。そこの部分の危うさと格好よさのバランス、短命が故の刹那的な一瞬を好きに生きている感じが、作品の雰囲気を作っていると思う。

そういう意味では、やはり雰囲気アニメ。ちょいシリアス追いかけすぎ、回想が多すぎたのと、折角の格好良い雰囲気をぶち壊す終盤の作画崩壊がこの作品の評価を下げていると思います。
{/netabare}

【余談 ~○○に似てる?~】
{netabare}
巷ではよく、「BLACK LAGOONの劣化コピー」なんて言われることもありますし、トワイライトの代償とか、「DARKER THAN BALCK -黒の契約者-」もヒントにしたのかな~と。ただ私は、トワイライトのランク付けの感じとか、薬物の感じ、ハンターの存在だとか、なんか、ラノベ未完の名作である「ラグナロク」を思い出してました。

ちなみに、私は似ている作品があろうが、テンプレだろうが、それだけで評価を下げる気はありません。「既視感がある」というのは確かにマイナス要因ですが、それを跳ね返す面白さがあれば問題ないと思っています。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 25

めがもん。 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

犯罪まみれの街

場所は治安の悪い犯罪にまみれた地区でギャングまみれ。

むさ苦しいオッサンや男だらけで
12歳の看護師ニナと電話番の女アレックスの女子が唯一の花(2話までみて)
グロさは血しぶきだけで、私は平気でした。


主役は、便利屋を営む聴覚のない男と眼帯男。お互い歳は30オーバー。
銃と刀が武器になっています。

OPはセクシーとシンプル、おしゃれ感出してましたね~
内容を探るとどうもDOGS思い出しますが
ブラックラグーンにも近いか?
ギャングスタのバトルアクションの方は凄みはないけど。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

辛口猫Mk2 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

制作会社倒産によってこけた悲劇のアニメ

というか、マングローブは倒産以前のとうの昔にこけきってたんだから、後は立ち上がるだけ。

作画崩壊はもちろんの事、会社倒産の前兆とも呼べるようまとめかたと、オチ。総合的な評価は散々かと思ったが・・・

何故かファンは多い。

もちろん、自分はこのアニメが好き。

何故かって、

このアニメ、今まで見てきたハードボイルド作品の中で、一番ハードボイルドしてる。

まず、キャラ、めちゃくちゃカッコいいんですよ。

戦闘シーンも群を抜いてヌルヌル動くし、中二病的なカッコよさではなく、マジで渋い。

台詞、キャラ、文句のつけようが無い設定だと自分は思う。


作画が安定していなくても、ストーリーがそれを凌駕しているから余裕で面白い。

製作陣の原作リスペクトが感じられる作品。


補足ですが、

今月24日から円盤発売再開っすね。

素直に嬉しい。

ハードボイルドアニメ好きはこの作品を避けて通れない。お勧め。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

74.2 3 ドーピングアニメランキング3位
虐殺器官(アニメ映画)

2017年2月3日
★★★★☆ 3.8 (251)
1843人が棚に入れました
世界の紛争地を飛び回る米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。その男、「ジョン・ポール」は、紛争の予兆と共に現れ、その紛争が泥沼化するとともに忽然と姿を消してしまう。かつて有能な言語学者だった彼が、その地で何をしていたのか。アメリカ政府の追求をかわし、彼が企てていたこととは…?

声優・キャラクター
中村悠一、三上哲、石川界人、梶裕貴、小林沙苗、大塚明夫、櫻井孝宏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジェノサイドの正当化

または
虐殺をジャスティファ~イ

いつもながら原作は未読。本編もレビューも不穏なタイトルですね。文字通り不穏なやつです。
少し前に遇々『バビロン』という迷作に触れ、その作品談義で頻出してたタイトルがこれでした。

・34歳の若さで早逝した原作者伊藤計劃
・原作『虐殺器官』その評価の高さ
・ノイタミナムービーなるブランド

これまで知らなかったことを知ることができました。これだけでもお得感あるかしら。
早逝したこともあり数少ない輩出作品をアニメ化する試み「Project Itoh」三部作の締めを飾った作品。2017年2月公開のR15+指定。115分です。

あらすじ:サラエボで起きた各爆弾テロを機に世界各国でテロが激化。アメリカを筆頭にテロに対抗する中で先進国では沈静化の方向。後進国では内戦や虐殺が頻発。といったIFストーリー。
後進国で指導層に接触し対立を煽り、内戦や民族対立による虐殺などを引き起こす黒幕として暗躍すると見做されたとある人物を暗殺せよ!
その実行役である特殊部隊員クラヴィス・シェパード大尉が主役の物語です。


戦闘行為にまつわるグロ表現っぷりでR15+指定となってます。
詳細に触れると、タイトル“虐殺”から想像しそうなスプラッター的おどろおどろしさが主成分のグロではありません。あくまで銃撃戦で斃れる敵兵の描写がそれらしいだけ。想像と違ってライト風味かもよってことは指摘しておきます。程度や具合は18禁ではなくR15指定ということでお察しくだされ。
年齢制限が入るのはクリエイターがやりたい表現をできていることの裏返しな部分もあって、本作のミリタリ描写はアニメの中でも超一級の部類に入ると思われます。オペレーションの合理性や演出の迫力などモノが違う感じがします。
『劇場版PSYCHO-PASS』のミリタリ描写との既視感を覚えましたが、プロデューサーがご一緒ということで納得。ノイタミナで辣腕をふるった山本幸治さんです。それでノイタミナムービーということもあるのね。いろいろ繋がってきました。


 世界観 ◎ ※後述
 軍描写 ◎


軍事作戦がベースにあるお話なので根っこが変だと台無しになっちゃいますがその心配はありません。
あとは通しでの物語の面白みであったり、黒幕ジョン・ポールの目的が腑に落ちるものかだったり、やはりというか作品から受け取るメッセージへの共感の有無が気になります。


 物語 △と○の間


タイトル回収を済ませ、大国のエゴも匂わせる国家の繋がりや人間の持つ原罪のようなものへの言及。おそらくこうだろうと想像できる結末もアリといえばアリ。ただしいかんせんよくわからない。

 {netabare}雰囲気だけかっこいい?{/netabare}

劇場版なので視聴者に想像させる手法を否定しないけど軽い匂わせ止まり。肉を焼く匂いで白飯を食べるような感覚。もう少し踏み込んで欲しかったです。
ところがふとしたとこで原作のネタバレを聞き、

 物語・改 ○と◎の間

となりました。

※原作ネタバレ
{netabare}ジョン・ポールの遺志を継いだクラヴィス・シェパードがアメリカに戻り、“虐殺の文法”を駆使してアメリカを内戦に導いていく。{/netabare}

{netabare}小国の犠牲の上にある大国の繁栄について自問自答が描かれてたとのことです。南北問題ですね。{/netabare}


“人工筋肉”なるガジェットが途上国の子供たちによる搾取的な労働に支えられている、とフェアトレード運動に通底するネタが挟まれてましたが、そんなネタが最終的に繋がっていくところまで提示しないのはもったいなかったですね。
とは言っても雰囲気や見た目を馬鹿にするなかれ、です。映画を観てる時間だけその世界に浸れる幸せを実感できる劇場版作品でしょう。その点で買い!優秀な娯楽作品です。




※後述…の世界観◎について

■United Nations

“国際連合”とは意図的な誤訳です。“連合国”が正しくその国連憲章には日本を敵国と見做した条項が残存していることをご存知でしょうか。たかが条文、実態は違うとも言われますが、この敵国条項を除こうと日本が働きかけてもしっかりChinaは潰しにきてくれたりするのが現実です。
永らく“平和のための国際組織”と喧伝され教科書でもそう習ってきた私たちですが、非常に矛盾を孕んでいるのです。直近の事例だと国連の専門機関WHOの武漢肺炎をめぐるグダグダっぷりでしょうか。

 金だけ出して口は出さないでね

日本に求められてる役割がこれ。よって個人的にはあまりこの組織をよく思ってません。そんなとこへ作品の冒頭↓


{netabare}「寛容と多文化主義がこの国の美徳だったのに」と今は民族浄化に勤しむ途上国の指導者がベートーベンの『月光』をバックにシェパード大尉に独白します。
何故自国民に手をかけたのかわからない。黒幕ジョン・ポールの存在を匂わせる一幕です。その前段。

シェパード:
「その国民を殺して回る。あんたの言う政府とやらはどの国連加盟国からも承認されていない」
えらい人:
「国連?我々の文化を土足で踏みにじり、自決権を鼻で笑う最悪の帝国主義者どもが…」{/netabare}


主人公へのシンパシーはもちろんのこと小国の哀しみなんかをこの指導者に見ることができます。きちんと序盤から下地を作っているのです。



■1974年と1975年

原作者伊藤計劃氏とプロデューサー山本幸治氏の生年です。けっこう作品に影響しているような感じ。
だいたいにして小学生時代のバイブル。ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』が原題『A計劃』。これホント漢字なの?と伊藤少年の脳裏に焼き付いてたことは想像に難くありません。
多感な中高生時代で起こった世の中の出来事と暇な大学生時代に触れたであろう作品群。この年代特有の感覚が作品に反映されているとふんでます。

15歳前後で「ベルリンの壁崩壊」「ソ連崩壊」を経験。なんとなく大きなうねりが起こっていることを感じつつ、チャウシェスクの銃殺遺体のインパクトだけ覚えていた思春期。
中学の社会科では、“コルホーズ”“ソフホーズ”などを例にとり計画経済を好意的に捉えていた教科書で学んでました。なんせまだ崩壊前だったので。

その後の東欧民主化で泡を食ったのが欧州の火薬庫バルカン半島。ユーゴ紛争が停戦合意したのが彼らが社会に出る頃合い2000年頃でした。
思索に励むことが可能な大学生時代には小林よしのりの『戦争論』が大ヒット。United Nations(連合国)が構築したWWⅡ後の枠組みに疑義を呈した意欲作と言えましょう。

ドイツおよびチェコを舞台としたサスペンス作品『MONSTER』(浦沢直樹)
ユーゴ紛争で故郷を破壊した者への復讐の物語『PEACE MAKER』

90年代後半に発表された東欧を舞台にした名作群もきっと学生時代に目にしてるんでしょうね。
思えば「ソ連崩壊」とはもの凄く大きな出来事で共産主義の敗北に象徴される第二次世界大戦後の枠組みが崩れたことを意味してました。余波は覇権国アメリカにもおよび歪みの極地が“9.11”にと。

そういえば『MONSTER』のヨハンもニナも1975年生まれの設定です。
朝日・岩波的な言説がインテリの条件だった時代から潮目が変わったのはこのへんの年代からかしら。


国際紛争やミリタリ要素の強い作品を描く時にチェコやユーゴの東欧を舞台にしたくなる気持ちがわからんでもない世代。
お話にしやすい国際情勢の煽りを若かりし頃に浴びちゃったこともあるし、中東やジャングルでの紛争よりも身近に感じることのできるエリアでした。今は情勢も落ち着いてますので実際訪れてみるのをおすすめしますよ。異世界ものにありそうな古き良きヨーロッパの風景は中欧・東欧に残ってます。



視聴時期:2020年3月

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2020.12.09追記

5月が初稿の本レビュー。半年経過して“武漢肺炎”の呼称は聞かなくなりましたね。“新型コロナ”で定着した感があります。こうして振り返って気づくことはままあります。
定点観測することで変化に気づく。現在の断面だけ見て踊らされることのなんと多いことか…


2020.05.18 初稿
2020.12.09 追記

投稿 : 2024/04/27
♥ : 35

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「僕達」は「終末」である。それとも、「始まり」であろうか?

これは心に「覆い」が被さる前に、「無感覚」になる前に、「罪」を背負って「罰」を受けなければならない、「僕達」の物語だ。



『虐殺器官』と言う小説が出版された時の事は、今でもよく覚えています。
小松左京賞なんてど偉い賞の最終選考に、円城塔氏の『Self-Reference ENGINE』と共にノミネートされた本作『虐殺器官』
2006年は、約10年と言う歴史を紡ぎ終えた賞において、最上級の激論と最大級の衝撃が巻き起こった年だったといえるでしょう。
賞が作られてから初めての受賞者なし
小松左京賞を作った小松左京氏自身が、『虐殺器官』受賞を反対したと言う事実
しかし、反対された当の本人は時代を切り開いた、鮮烈な立役者でありました。
発売された当時、「傍観者」であった私も書店へ行って購入した事が記憶に新しいです。

そして、昨日、この映画を観て、ああ、また思い出してしまいましたよ。
ページを捲っていく中途に段々と生じていった、あの「緊張感」
他人の「業」を眺めていく内に、自らに薄汚い性悪説を見せ付けられていく、あの「嫌悪感」
そう、あの最後に至ってしまった時に生じた、ざわざわとした感情も…
「恐怖」と俗にカテゴライズされる物が、私の脳裏を一色に染め上げて行く感じ
原作もそうだが、この映画も同じくそう…
下手すると、この『虐殺器官』と言う作品は、べたなホラー映画よりも恐ろしい。
「共感性」も「罪悪感」も持たない、感情を操作された、相対するゾンビ共の紡ぐ、実に「人間らしい」物語です。
詳しくは他の方がかなり緻密に、詳しく説明されているので私は割愛するとしましょう。
また、「虐殺の経済学」について知っている人は、ジョン・ポールの目的にもやすやすと辿り着くと思いますので…
驚きたい人は無理に調べない事を推奨します。

さて、これから観る方達は、映画を見終わって自分達の家に帰るまでに、様々な「傍観者」を見る事でしょう。
スマホを見ながら、脇見せずに画面だけ見て歩く人
音楽を聴きながら、外界と隔絶した世界を自身の中に構築してる人
和気藹々と語り合う家族や友人同士、恋人同士などの群れる人
世の中には様々な人間がいます。
しかし、そんな彼らに違和感を感じたなら、あなたの鑑賞姿勢は大成功、充分に映画を理解したと言えるでしょう。
人々は「見たいものしか見ない」もの
あなたは「見たくない物」をきちんと見据えられていますか?
映画を観終わった後に「見た者」を見て、あなたが「違和感」を感じる事の出来る、「ほんとうのこと」を見咎められる、強い人間である事を祈っています。

今作は終わらないノイズが語る、「終わらない終末」「滅びのない滅び」
つまり、これは「僕達の終末」を描いた物語
そして、これは「僕達の始まり」を描く物語
決して終わる事のない、これから先も紡がれるであろう「終末の物語」です。
彼の言葉を阻む事は決して出来ない。
私達に出来るのは、彼の遺志を、他者に語り継いで伝える事だけ…
あなたは『城』の住人であり続けますか?
それとも「測量士」となって、周囲を見渡す覚悟を持ちますか?
「終末」を選ぶか、「始まり」を選ぶかはこの映画を観た私達にかかっていると言えるでしょう。
さあ、決断の時だ。

P.S.
もう既に原作『虐殺器官』をお読みになった方へ1つご忠告を…
この映画では、原作において恐らく最も印象深かったであろうシーン、「母親」とのシーンが丸ごとカットされています。
しかし、違和感は全くありません。
寧ろ、制作側も苦渋の決断だったようで、パンフレットを買うとそのカットした「意思」が大変よく分かる物でした。
気になる方は是非ともご購入を…

P.P.S.
http://www.news-postseven.com/archives/20120425_101144.html
本書が発売された当時は「夢物語」だと想っていた産物が、10年経った現在では「預言書」として扱われています。
どうか、この「預言書」が「預言」のままで…
「預言書」が「歴史書」に変貌を遂げない事を願います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

虐殺器官 レビュー

端的に言えば、アメリカの特殊部隊に所属するシェパードが、世界各地で虐殺を扇動するジョンという男を捕まえようとする話です。
{netabare}
シェパード達特殊部隊の隊員は、マスキングと呼ばれる、ナノマシンによる痛覚遮断技術、および感情調整における何事にも動じない兵士という、近未来的兵士を描いています。

このマスキング、感情調整という、フラットを生み出す設定が、心身の痛みに鈍感になった人間達を暗に示しており、鈍感な人間社会に住む一人のシェパードが、鈍感さを失っていく話になります。

私のように後追いで見た者の見方としては、「どれどれ、本当に何事にも動じない兵士なのかじっくり観察しようかな」なんて思うのですが、シェパードに関しては、ジョンの虐殺文法と呼ばれる手法に引っかかった敵や、ジョン本人に対しても、感情を揺り動かされ、ルツィアに関しては特別な思い入れまで入っていたように思えます。
まあですから、この作品は、特殊部隊が大事な仲間を失いながらも仕事を全うするようなアダルトなものではなく、社会に支配された(ここはジョンとシェパードの最初の会話、国家への隷属の部分)個人が、支配から逃れるまでに変化する物語だと思います。

シェパードとルツイアの関係は、最初こそ、情報軍のスパイと、チェコ語教師(ジョンの元恋人)という関係に過ぎませんでした。ところが、ルツイアがここで死ななくてもよかったとか、個人軽視の社会の個人感情を消した兵士(少年兵であろうが躊躇なく殺せる兵士)であるシェパードが個人の価値というものを見出しています。
どこで変化したか、ジョンとの会話の中でか、楽し気なルツイアとの会話の中か。(後者であるなら、調査対象に情が入るなんともお粗末なスパイなので、前者を押したいですね)もしも前者を押すなら、土壇場で言語学を専門とするジョンの巧みな会話による精神誘導に引っかかったともとれるので、やはり兵士としてはお粗末、なのですが、この作品のそもそもが兵士としての優秀さを描くものではないことは上の方で述べた通りです。
そのため感情に揺り動かされて無能な兵士であっても、兵士を感情のない兵器であるとするなら、そこからの脱却を描いたのが今作品だと思います。

ここで無感情の脱却という点で、いくつかのセリフとシーンが繋がります。
遠い場所で起きている虐殺で、アメリカに住んでいる人たちに届く話はほんの僅か。この意味と、ピザを食べながらテレビでラグビー(アメフト?)を見ているシェパードと、ウィリアムズのシーンは共通するものがあります。
世界のどこかで起きている虐殺、それを感情的に深入りしようとする人はほとんどいません。ニュースとして聞き流し、そんなことがあったのかと日常に戻る。感情的に起伏がない(フラット)のです。それが悪いかどうか、悪くはないでしょう。ただ、あまりにも世界の遠くで起きている虐殺に、痛みを感じなさすぎなのではないかと、そういうことを感じるのです。
一方でラグビーを見るシェパード達は、日常の中での痛みへの無感情を描いています。彼らが見ているラグビーの試合では毎回けが人が出ます。その怪我に対して驚くわけでも、悲しむわけでもない、フラットな感情なままです。ウイリアムズに至っては、バカなルールだと何気なく言う始末。同情ではなく、なんでこんなバカなスポーツやってるんだという、嘲笑(それを見ている彼らの鈍感さ)。
彼ら兵士にとって、ラグビーはどこか遠いようで近い、怪我をしてでも任務を遂行する所が似ているように感じてからの、仕事に対しての皮肉でしょうか。
しかし、2回目に映し出されたそのラグビー鑑賞シーンで、けが人が回復したときに、少しの安堵のようなものがその場に広がった時、彼らは鈍感な社会、鈍感な職業にいながらも、どこかで感情を持っているという、人間臭さを出しているのが伺えます。

さて、色々書きたいことはまだありますが、今回はこれで。
ありがとうございました。

【再視聴~雑多なシーンとテーマについて】
ストリーミング期間があるので、再視聴までそんなに期間を置かずに視聴しました。
まずは、ストーリーとはあまり関係のない、いくつかのシーンにおいて、気付いた事をメモ程度に示そうと思います
まず、赤髪の敵女兵士について。
印象的なシーンは、シェパードが路面電車に何気なく乗り込んで来ようとする赤髪の女を見て、ルツイアに「仲間か!?」と聞いた所。
なぜシェパードが赤髪の女を、敵兵士として認識できたか。
それは、赤髪の女の初登場シーンがその前にあるからです。ルツイアとチェコ語のレッスンを受ける契約をしたその日の帰り道、シェパードは何者かに付け狙われます。その時、シェパードの乗った地下鉄の電車に入ってくる怪しい者たちの中に、赤髪の女がいた。それをシェパードは記憶していたからです。

次に、序盤の仲間の死体置き去りと、ルツイアの死体置き去りの比較について。
まあ、これはシェパード自身が語っていますが、ルツイアの死体を置いてきてしまった、大切な人の死体は物に見えない。
つまり序盤で死んだ仲間の死体については、シェパードは物としてみていました。
その差異について何故発生したか、というのは、シェパードが特別な感情をルツイアに持ち、その感情を持つまでにシェパードが変化したから。
ここで差異の理由を述べるよりも、映像で見たときのシェパードの変化を見たほうが、ありありと彼の変化や感情を受け取れると思います。

民間軍事会社がなぜジョンを取り戻そうとしたか。
これは邪推に過ぎませんが、内戦が起きることによって軍需があり、軍需が発生し続ける限り、ジョンを生かすメリットがあったのではないでしょうか。


ここから、一つのテーマの話になります。世界の選択の責任
ここでいう選択は、世界の真実を知るべきか知らざるべきか。情報の隠蔽と選択。
知らなくてもいいことは知らず、安穏とした堕落した生活を守りたいと思う人、ジョンやウイリアムスがそれに当たります。(彼らにはそれを提供したい恋人や家族がいました)
世界で虐殺が起きている事を知らせるべきと思うのが、最終的なシェパードやルツイア。人々に今の生活がある理由を知らせ、その中で選択すべきという考え。
ルーシャスのセリフ、高度な自由であったり、人は見たいものしか見えない、人工筋肉の悲惨な生産現場など、便利や安全を得る自由を何気なく選択しているが、その自由を得るために使われている犠牲を人々は知るべきか知らざるべきか。

そういったテーマがある中で、ルツイアの願い「突然大切な人が奪われることがないような世界」をかなえるためにジョンが遠い世界の人間の命を天秤に掛けて選択します。結局、ルツイアはジョンの作り出そうとした願いの世界を否定するという、未だにジョンを好きだったはずのルツイアの選択、ジョンの間違いを描いた恋人の関係を描かれています。精神的依存がルツイアにあると視聴者に思わせていた状態から、実はジョンがルツイアの願いをかなえたいという、ジョンの依存精神を描いている、人物の精神的強弱の逆転、もしくは入れ変わりが面白かったですね。







メモ {netabare}
重要な言葉をいくつか挙げてみたいと思います。

虐殺、器官、言葉、痛み、マスキング、少年兵、サラエボ、フラット、ピザ、ラグビー、個人、国家、世界、心、感情調整、PTSD、遠い場所で起きている、伝わってくる話はごくわずか、潜在的意識、存在の消えた傭兵、人工筋肉、イルカ、クジラ、
二回目
民間軍事会社 情報の隠蔽 頭の中の地獄 仲間殺し 究極の兵士 ウィリアムズ 仲間意識 生得的文生成機能 赤い髪の女(電車) 指紋 網膜認証 俺は誰でもない 情報社会とのバランス(ルツイヤ)
自由の選択 プライバシーの自由と、テロの抑圧からの自由 指紋認証の銃 諜報機関 それほどの隷属(国家と兵士) ルーシャス ナノマシン 人は見たいものしかみえないようにできている 犯人は軍事会社 僕は知らない オルタナ(ナノマシン) 仕事と鈍感 心に覆いをする(ジョン) 中国製ヘリ マスキングされた敵兵士 計数されざる者たち 軍事企業がなぜジョンを助けるのか 内戦の勃発による軍需 自分が生まれた世界を守る 選んだ世界への責任 嘘っぱち 死体を置き去り(冒頭の置き去りとの比較)大切な人の死体はものに見えない 大切な誰かを突然失ったりしない世界 人の命の天秤  罪を背負う 
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

69.0 4 ドーピングアニメランキング4位
ブラック・ジャック 劇場版(アニメ映画)

1996年11月30日
★★★★☆ 3.8 (46)
234人が棚に入れました
世界中で超人類ブームが起こっていた。従来の人間では考えられない集中力でパワーを発揮する彼らは、オリンピックや芸術の分野で次々に驚異的な活躍を見せる。ところが、実は彼らはある共通の病気に冒されていた。超人類と呼ばれる人達の入院管理をしているブレーン製薬のジョー・キャロル・ブレーンから、彼らの体に巣喰う病原菌の原因究明と手術を依頼されたブラック・ジャックは、その病原菌が脳下垂体の中に入り込んで、大量のエンドルフィンを分泌させていることを発見する。しかし、そもそも病原菌を彼らに移植して人体実験を行っていたのがジョーの仕業であることを、戦う医師団“M・S・J"のメンバーによって知らされたブラック・ジャックは、その非人道的なジョーのやり方に腹を立て、研究を降りようとした。ところが、ジョーはピノコを人質に取った上に、ブラック・ジャックの体内にその病原菌を植えつけてしまった。

79.1 5 ドーピングアニメランキング5位
僕の心のヤバイやつ 第2期(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★★ 4.2 (172)
553人が棚に入れました
重度の中二病で陰キャの市川京太郎と、クラスで人気者の山田杏奈。 美少女らしからぬ行動を繰り出す山田に、市川は目を離せずにいた。 そんな市川の恋心を知ってか知らずか、山田は天真爛漫に近づいて来る!! 全く違う世界にいたはずの2人。しかしその距離は、徐々に近づいていき……。

声優・キャラクター
市川京太郎:堀江瞬
山田杏奈:羊宮妃那
小林ちひろ:朝井彩加
関根萌子:潘めぐみ
吉田芹那:種﨑敦美
足立翔:岡本信彦
神崎健太:佐藤元
太田力:福島潤
原穂乃香:豊崎愛生
市川香菜:田村ゆかり
南条ハルヤ:島﨑信長
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

観た後にじんわりくるラブコメの名作 第二章

[2024.3.31見終わって]
最終話みてあらためて思ったこと。
山田さんのことを本気で心配して山田さんの一部になりたいって思う下心なしの純粋な気持ち。
市川くんの山田さんへの想いはもう恋じゃなくて愛だなぁって。

なんていうか、大人の普通の恋愛ものよりも、こういうピュアな恋愛もののほうがココロにくるのって、市川くんのお姉さんの放課後デートじゃないけど、思春期の恋心ってもう二度と味わえないものだから尊く思えちゃうんでしょうね。

市川くんは山田さんのおかげで成長できて、山田さんも市川くんのおかげでもっと自分を好きになれた。
ほんと、とても素敵なラブコメでした。原作者さん、アニメスタッフさんありがとうございました。

ラストで1期OPのヨルシカの「斜陽」が流れる粋な演出にまた涙腺が。。

[初回感想]
1期は私にとって名作でした。
原作の良さをうまく引き出してる演出とリズと青い鳥の音楽などを手掛けた牛尾憲輔さんの静かでエモい劇中曲、そして市川くんが山田さんと出会ってからのココロの動きと成長を丁寧に描かれてて、見てる私のココロを何度もヤバくさせていただきました。

そして待望の2期!!
実は原作も最新刊まで読んでまして、これからの展開はおおよそ知ってはいるんですが、でもだからこそ あの展開を1期と同じスタッフがどうエモく演出してくれて私のココロをヤバくしてくれるのか、楽しみで仕方ありません。

OPの二人のダンス、かわいいですね。スキロー思い出しました。
EDは1期に続いて こはならむさん。今期もまた本編の余韻をいい感じにしてくれそうな曲ですね。

各話感想は以下のとおりです。

ツイヤバ
{netabare}アマプラで12月から公開されてる短編集です。
2期のとこから入って一番上から見れます(^^♪
なんとなくタイトルの音楽とか高木さんっぽい感じしますね。
全部面白かったですけど、「おねえと買い物」「肉まん」が好きかも。
僕ヤバがお好きなら見て損はないと思いますよ☆彡{/netabare}

karte13「僕らは探している」
{netabare}「山田さんは仲いいとかじゃないんで・・」
男の子の照れ隠しあるあるなのかな。。
「・・でも一番・・頼りたいと思ってる・・」
1期の初めの頃に比べてここまでちゃんと自分の気持ちを山田さんに伝えることができるようになった市川くんにじんわり。
自分が載ってる雑誌を見せたい山田さんもかわいい。
「仕事、好きなんだな」
こういうこと好きな子から言われたらすごく嬉しいよね♡
失くしたキーホルダーを必死に探す市川くん。
「ある!絶対にあるから!だから気にするな」
こんな大きな声で山田さんを励ますようになるなんて。。
市川くんの想いと成長にちょっとうるっとしちゃいました。{/netabare}

karte14「僕は大人のなりかけ」
{netabare}好きな相手に自分をもっと知ってほしいって気持ち、よくわかる!
卒業アルバム見せたり、自分のココロの奥底にある思いを打ち明けたくなったり・・
その気持ちをちゃんと優しく受け止めてくれた市川くん。
でもそんな市川くんにもココロの奥底にある不安な気持ちがあって。
少しずつ大人になっていく二人のやりとりが甘酸っぱくてたまりません。。{/netabare}

karte15「僕は山田と」
{netabare}「中学生だから好きなこといっぱい増えて成長して・・環境も心だって変わるんだよ」
市川くんのお姉さんの言葉はそのとおりなんだけど、
「それはない!僕は・・ずっと山田が好きだと思う」
市川くんのこの想いも間違っていない。
2人がこの先どうなっていくかなんて誰にもわからない。
でも山田さんに嘘をつかせたくなくて、真っ直ぐに向き合っていたいって思う
そんなのいやだーって叫びたくなる、山田とつきあいたいってつぶやいて悶えてしまう
思春期の、初恋の、この想いにキュンとしちゃうんですよね。{/netabare}

karte16「山田は僕を」
{netabare}「勘違いしても・・いいよ」
二つに割ったチョコの文字がスから♡に見えたとき。
市川くんの中の、そうだったらいいな・・が確信に変わって。
先輩の言葉に言い返したり、負けずに手を振ったり。。
それも山田さんが自分のことを好きだと分かって、もっと素直に自分の気持ちを出せるようになったから。
早よ告白して付き合えとか思っちゃうかもだけど、こういうもどかしいけど少しずつ進んでいく二人の初初しい恋もいいなぁって思います。{/netabare}

karte17「僕は知りたい」
{netabare}山田は自分と違う景色を見ている・・
それでも・・僕の知らない景色を話す山田は美しいんだ

仕事が好きなんだなって言ってくれた
市川が気づかせてくれたんだよ。。すごく嬉しかった。。

もし山田が普通の中学生に戻ったら・・
もしそうだったらこんなに好きになってない!!
尊敬してるんです・・杏奈さんを

でもなぜかつらい
自分が子供すぎてくやしい

そんな真っ直ぐな市川くんがとても素敵だなって見てて思いました。
こういうところが山田さんも好きになったんだろなって。
自分が撮った山田さんの写真をすごく綺麗だろって素で言ったり。。

次回は原作読んでた時も好きなお話だったので、とても楽しみです♡{/netabare}

karte18「山田は僕が好き」
{netabare}市川くんの周りにくる人が増えて嬉しそうな表情したり、いい先生ですね。
中学生になって、自信が持てなくて自分を嫌いになっていた
でも今は・・
前よりも自分を好きになって信じることができたのは、光と出会ったから。。
二人の勇気のバトンとしての秋田けんたろうのやりとりも良かった。
それを手に握りしめながら、勇気をもらって自分の気持ちを話す山田さん。。
自分の気持ちにちゃんとケジメをつけたり、去り際にわざと連絡先の話したり、先輩も普通にいい人でした。{/netabare}

karte19「僕らは溢れ出る」
{netabare}市川くんのカラオケからのOPの流れ良かった♬
挙動不審になったり、相手の言動に敏感になったり
お互いの気持ちはわかってるのに・・わかってるからこそ落ち着かない気持ち。
お互いに好きだけどまだ恋人になりきれていない二人。
ほんと、ここまで少しずつ進んでく恋する気持ちを丁寧すぎるくらいに描いてるラブコメってなかなかないと思う。
市川くんがマフィンを渡して死ぬほどかわいいって言ったあたりでうるっときちゃいました。。{/netabare}

karte20「僕らは夜更かしした」
{netabare}山田さんが家にお邪魔して妙にテンション上がる市川のお姉さんかわいいw
今回あんまり書く感想ないので、関根のことでも。
関根って山田家でチョコ作りのとき彼女の振りを喜んでやってたり、わざと市川の机で義理チョコ配ったり。
行動の表面だけなぞると市川のことが好きみたいだけど、全然決してそんなことはなくて。
たぶん、モデルやってて彼氏みたいな存在もいる山田に対してのちょっとした思いの裏返しなのかな。。
でも山田のことは友達だと思ってるしちょっとした悪戯だと思うんですけどね。{/netabare}

karte21「僕らは約束した」
{netabare}素でうっまぁ。。って言われたら料理人としては嬉しくなるよねー。
でも本人への告白の前に親に告白って・・w
ラーメン二郎、昔連れてってもらったことあるけど、予想以上に量があって少し残しちゃいましたw
いつも山田さん側に立って気遣いしてる市川くんが素敵。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 34
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

話が重くなるのだから演出と音楽は抑えて欲しかった。

 2期は1期がラブコメ最高の傑作という評価に対して、通常の良作というイメージです。1期が良すぎて原作を読んで…読み込んでしまったというのはあると思います。自分なりの読み方とズレるところの違和感が大きくなったせいかもしれません。それがいいところもありましたけど。
 ただ「京アニ」的なマイナス要素「2期の過剰演出」がちょっとなあ、という感じは確かにあったと思います。

 誰でも、評価が高い作品の2期を作るなら1期の「いいところ」を強調したくなるのは分かります。が、作品の面白さは微妙なチューニングの上に成り立っているものです。それの部分で見辛くなっている気がしました。それとその演出は裏にスタッフの顔色が見えてどうしても距離感が出るというか、冷めてしまいます。

 2期のパートは、劣等感を克服し、相手をリスペクトしつつ成長する、成長を目指すという内容です。家族を巻き込んだり、関根が主人公の理解者になって行く素晴らしい話だと思います。そして最大のイベントもあります。

 つまり、1期の半分コメディだった部分が2~3割になって、恋愛とか内面の部分をクローズアップせざるを得ません。いいかえると内容的にもともとかなり感情的なのです。それを1期のいいところとして、演出と音楽を過剰にしたために非常に感情表現がくどく押しつけがましくなりました。2期はただでさえ、重くエモい話です。

 逆に9話が代表的ですが「面白いところ」のコメディ演出が甘くなって、バランス、チューニングを外している気がしてなりません。ホワイトデイの「可愛い」のところもですね。あとバレンタインチョコづくりの回も演出というか作画含めてよくなかったかなあという気がしています。
 お姉さんのたこ焼き屋の「制服デート」のセリフも、原作だともっと面白く感じたのですが…その辺、間延び…ではないのかもしれませんが、強調するポイントが少し私の感覚とズレている気がしました。

 内容的には11話の足立をキャラとして成立させようとしたのか、運動会とか結構無理もありました。ギャグ要員で終えるべきだったと思います。

 ということで、ストーリーが面白いのは今更ですし、作画も1期よりパワーアップして良くなっています。が、演出と音楽に不満が残りました。2期から後ろは延長戦みたいなものですからね。それでもかなり面白いですけど。まあ、いわゆる原作厨化している自覚はありますけどね。

 卒業までに一回別れる、みたいな大事件が無い限り、早めに終わらせた方がいいと思います。なお、私は関根エンドが見たいです(後日談でよりを戻すのは可。人生において中学時代の恋愛が一生続くのは不自然な気がしますので)。




1話 関根萌子萌え。雪の日のライティングが見事。ただ音楽がちょっと過剰かも。

{netabare} 話が面白いのは原作を読んでますし、いまマンガクロスまで手を出したので語るまでもないです。2期…いきなり関根萌子いいですねえ…私は山田より関根推しです。

 山田はいいんですけどちょっとキャラとして記号化してしまいますので、それを補うのが関根です。この子と姉がいるから2期は面白さが持続すると思います。
 原作の偶然要素を減らして、関根の女気をより鮮明に見せたんですね。この改変はとても良かったです。

 で、ちょっとエモいエピソードではありますが、音楽がうるさかったかも。感情盛り上げなくてもストーリーと声優さんでちゃんとできてるので、過剰な音楽演出は必要ないと思いまますが、1期と同じなんでしょうか?
 音楽に限らず、人気作ですから張り切るのはわかりますが、あまり過剰演出だとうるさくなりますので、チューニングをお願いします。

 一方、雪の日の教室のライティングは見事でした。拡散する光で窓の外の雪がわかる感じでした。シンエイ動画は「高木さん」を初めこのところライティングと撮影が見事です。構図もいいし、アニメらしいアニメを作り続けたシンエイ動画の面目躍如ですね。雪の日のオゾン臭まで感じるような素晴らしい画面でした。


追記 EDのスタッフロールを見たら、オープニングはWIT STUDIOがやったみたいですね。で、ダンスのモーションキャプチャをプロダクションIGみたいです。ダンサーの名前も振付師の名前もクレジットされてますので、このOPの作画カロリーというか制作のカロリーはすごかったですね。


再追記 なぜ秋田犬のキーフォルダーは親切な人に木に掛けられていたのか。雪が降っていたからというのはあるでしょうけど、ちょっと不自然な気もします。
 どうしても市川が山田を見上げる構図を作りたかったのでしょう。キーフォルダーは2人の気持ちのつながりの象徴。それを市川は見つける努力をした。市川は山田を「見上げていた」から「見つけられた」ですね。忘れてはいけないポイントだと思います。

 山田が仕事をしていることに市川が思うところがあるのも「見上げる」構図と関係あるのでしょう。
 親切な人とは関根そのものではないかもしれませんが、原さんなども含め、2人の関係だけではなく周囲の人たちに応援されているというアナロジーにもなっている気がします。

 この辺のエピソードはエモいですが、非常に緻密に物語を紡いでいると思います。{/netabare}


2話 見えているようで見えてなかった山田の内面に触れる回

{netabare}  さて、市川のモノローグで話が進行しますので、どうしても感情移入先は市川になる構造です。

 で、今まで視聴者側も山田について市川に気があるのはもちろんわかっていましたが、山田の内面って結構見えてませんでした。自分がユニークに見られることを喜び、泣き虫だけどネガティブな感情は人に見せないことくらいでしょうか?
(追記 そうそう紅茶花伝は忘れてはいけないポイントですね)

 それが、ここで分かりました。今まで山田のキャラを分かった気になっていましたが、ここで意表を突かれることになります。なるほどな、と。どう読み取るかは人それぞれでいいと思います。

 家にあげる=内面が見えるというアナロジーの効果もあったと思います。以前は山田のジャージを市川は結局着れませんでしたが、服を借りる=山田になってみるという意味もちょっとあるのかな?

 一方で、男である市川が山田を家族に紹介する意味と、女である自分が家族に市川を紹介する意味の差が分かっていない点で、山田がまだ子供だというのも分かります。

 臭いのを気にするというのも、外面は気にしなかった山田の初めての側面だったと思います。人を遠ざけるのを嫌がるという点で前半とつながっている感じです。
 対比として洗濯ものの匂いがありました。この辺は表現が微妙で、距離感が縮まる感じのエピソードはいいんですけど、読み取りずらい部分でした。
 
 今回、マンションのバスルームの描写に注目です。あのユニットバス、山田の家のは高級マンションに入っているタイプだと思います。広さも明確に市川家のとは違いました。原作も確認したら描き分けていましたので、結構細かいところの描写まで気を使っているのがわかります。

 (追記 両家の間取りがコミックに乗ってましたが、戸建て・マンションの違いはあっても全体の広さは同じくらいのイメージでした。ただ、作画を見ると山田家の方が広々と感じます)

 気になった点は、お鍋の具材の切り方が料理をやっている人の切り方でした。卵が割れない設定と矛盾はないのか?という気はしました。母親が用意しているとすると2人前近い分量なのはおかしいですし。{/netabare}


3話 え、作画崩壊?サブキャラがいい回なのに…残念です。

{netabare} ここに来て作画崩壊???というほどではないかもしれませんが、関根を初めサブキャラの作画明らかにおかしかった気がします。動きも少ないしスクロールでごまかしていた感じだし、構図もいまいちだし。

 ですので、ただでさえ原作の読み取りが分かりずらい回なのに余計よくわからない回になってしまいました。そして、関根とお姉さんを初め、サブキャラたちがいい回なのに残念でした。

 うーん…出来は脱落者がでてもおかしくないレベルだったのではないでしょうか?スタッフ大変なら休憩してもいいからクオリティは保ってほしいなあ。来週以降の持ち直しを期待します。 {/netabare}


4話 既刊9巻中で一番乗れなかったパートでしたが、そういう回もあります。

{netabare}  本命と義理の差、言葉なのかチョコの形状なのか。そして失敗してしまったチョコを渡せずにいる山田…と話はわかります。が、山田・関根の2人の言動が分かりずらい回かなと思います。

 山田については、チロルチョコ将棋とか、原さんを見せる、コンビニの場面等々意味はわかりますけど、何か非常に不自然な感じです。視聴者はその不自然さの裏の意図を読み取ってねという回だとは思いますが、心の動きにすんなりと同調できない感じです。

 関根の市川に対する言動はなんでしょうね?「だからイッチの机に…」が何度読んでも理解できませんしアニメでも補完無かったですね。市川の成長を横で見ていて見直しているという感じで来ていますので、友達だと認定したということでしょうか?応援なんでしょうか?

 これはアニメ云々ではなく原作からそうでした。むしろアニメで多少は分かりやすくなっている気もします。

 今回のパートは実は今のところ発売中の既刊9巻の中では一番乗れなかったですね。あともう1カ所あるのですが、まあ、そういう回もあるでしょう。作画が持ち直しているのは良かったと思います。


追記 そうそう、チョコまんを指で撫でたのとカップケーキをちぎった後がハートマークになっているのは、原作よりも非常に分かりやすく表現していました。そうかな、と思ってましたが確信が持ててなかったので、その点で理解は進みました。あとは関根なんですよね…関根がカッコイイんですけど分かりづらい。 {/netabare}


5話 今までの話が回収される回。構成やニュアンスの変更が素晴らしい。

{netabare} マネージャーの諏訪さんは名前が祐希だし、雰囲気的に原作で男か女か不明でしたが、本作を見ると男か?と思ったら声優さんは女性みたいですね…と思ったら、ご本人の写真を見ると…なかなか考えた人選ですね。

 で、お姉さんの制服デートのセリフが最高です。これは私も実感として思ったことがあります。本当に本作はお姉さんと関根を活躍させたのが成功していると思います。

 原作から微妙な修正をしてカーディガンのポケットのところ若干理解しやすいようになっていますね。雪の日の見上げるという表現とか、前回の山田の奇行は、原作だと非常に分かりずらかったです。読み取れているか不安だった部分がアニメで納得できました。

 山田の仕事=容姿もそうですが大人である、責任ある行動ができている…と言う市川の見方が尊敬というセリフになっていました。雪の日に犬が木に掛けられていたから、山田を見上げる構図になったシーンが伏線ですね。もっというと雑誌に写真が載っている…という場面の時系列を変えていました。市川が山田の外見だけでなく内面を理解したいという気持ちが非常に伝わってきたと思います。

 そして、バレンタインの時の言葉で伝える…が活きていました。そしてやっと「キレイ」までは言えました。山田が本当に欲している言葉は背が高のもコンプレックスがあるようで少し違いますけどね。こういうキャラ造形と内面・言動の一致は見事だと思います。

 一方で山田の鍋のところのセリフでは、自分に自信が持てないけど仕事はちゃんとできている。見捨てられる恐怖などが、仕事につながっていて、そういうところを市川には見て欲しい…という劣等感の裏返しでした。

 2期の1話~5話のところが2人の関係性となぜ惹かれ合うのが端的に表現されて好きな場面です。なので4話のチョコのハートや関根のチョコの意味が取りづらいのが勿体ないと思っていました。
 その点アニメで随分と分かりやすくなっていました。構成の変更や細かいニュアンスを変えて、原作で深いのだけど読み取りづらいところが理解しやすくなっていると思います。

 それと最近マンガ・ラノベ・アニメでは「家族」を意図的に排除して作品を作ることが多いですが、本作や「グイグイ」など家族を含めて描いているのがいいですね。主人公・ヒロインが人物が立体的になります。物分かりが良すぎる気もしますけど、トラブルメーカー要員ではないのが自然なのかもしれません。EDを見るとその辺を制作も意識している気がします。

 ただ、やっぱり音楽の使い方には不満があります。エモく作らなくてもいい話です。作品以外の過剰演出は感情の強制になるのでもっと上品に音楽は使って欲しいかな、と。

 前半の区切りになる話かなと思いますので総括です。 {/netabare}


6話 中学校の時って成績は劣等感の克服の役にたたないんですよね。

{netabare}  まあ、この原作者は本当に女性なのか?と思うくらい、中学生男子の気持ちを汲んできますねえ。

 中学生くらいの時って、成績が良い人間からすると成績なんてなんの自慢にもならないというか、だから敢えて関根に自慢するしかないマインドを表したのが見事でした。関根は成績については価値が分かってくれる同士ですからね。
 ここは中学校の時の成績とどういうポジションだったかでひょっとしたら今回6話以降の思い入れは随分と違ってくるかもしれません。
 お姉ちゃんもアホに見えて実は〇〇大学なので、原作者の成績も相当良かったのだと思います。

 小学校の時は素直に自慢できるんですけどね。中学になると他の価値観が目立ってきて成績なんて劣等感の補償にはならないんですよね…2番というのもまた絶妙な感じです。

 中学は女子側も価値観が成績ではなくて、面白さとかルックスとかスポーツとかになって行きますのでこうはなりませんが、山田と先輩との関係性で、劣等感の克服とラブストーリーが上手く物語になっています。

 本作はお互いが好きかどうかという問題はもう前提条件で、市川の成長物語ですから今回が真骨頂と言えます。この後の展開のポイントにもなる回でした。

 そして、過去のいろんな場面が伏線として機能しているのがいいですね。お菓子の袋のときに先生が市川に言ったセリフとか、大晦日の先輩との絡みの伏線を見事に回収してきました。一部アニメオリジナルですけど、この作品のアニオリは原作の意図を分かりやすい形で修正してくるので非常に見やすくなっています。

 やはり力が入った回なのでしょう。演出とか作画、特に後半は素晴らしかったです。

 で、その流れで卒業式の送辞というイベントのエピソードを持って来たのはすごい構成だと思います。決意表明とか過去との決別とかいろんな意味が乗ってきます。
 原作も素晴らしいし、それをアニメ化にあったっていろいろ工夫したところも素晴らしいです。{/netabare}



7話 話が濃すぎてアニメだと刺激が強すぎて見るのがきついです。

{netabare} 話が濃すぎて原作でも気持ち的にきつかったのに、アニメで見せられると刺激が強すぎです。全部見終えるのに何度途中で止めたことか。2期ってどこまでやるんでしょうね。どんどんエモくなるので…見るのが辛い。もちろん見ますけどね。{/netabare}


11話 9話~11話がちょっと…やっぱり1期に比べて落ちているかな

 うん。正直な感想を書くと初めの数話は良かったですけど、アニメ版2期の特に後半は見辛かったです。コミック10巻をもう注文しているファンだし、それは1期のおかげだからいいんですけど、エモさのチューニングを間違っているかな、と思います。

 2人の関係性が濃密でくどくなりますので、演出は意識的に淡白にするぐらいでちょうどよかったと思います。かと思えば9話の父親とのシーンは結構あっさりだったし…そう、9話があまり良くなかったですね。花見のシーンとラーメン屋のシーンはかなりの面白いポイントだったと思うのですが…

 10話の半沢さんももうちょっと魅力的に描けなかったの?と思いますし、11話もそもそも原作で必要あった?と思う回でした。9話~11話は良くなかったと思います。関根が良くなっていくはずなのに、関根の描写が7話以降ものたりないです。

 まあ、原作も後はこれ以上引き延ばすとどんどん凡作化していく懸念があると思います。3期、修学旅行…あるいはライブのシーンまでで良いのでは?という気がします。

 





ツイヤバ 突然のゼロ話でビックリしました。アマプラでどうぞ。

{netabare} 突然のゼロ話でびっくりしました。原作にはないオリジナル脚本がほとんどですので、既読勢としてはうれしい限りです。が、疑問が1つ。これ実質付き合ってるじゃん?

 2期は関根萌子とお姉さんに注目です。

 なお、ゼロ話と書きましたが、アマプラの僕ヤバのシーズン2の「ツイヤバ」をご覧ください。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

僕の心と君の心のヤバイやつ。私の好きな自己承認の物語。

 遂に来ました2期。最初から市川の誠が示される「カードキャプターさくら」の小狼みたいなエピソードから始まるクライマックスぶり。今回の部分は漫画を少し読んじゃったが、マジにヤベ〜展開になりそうで今から顔がニヤニヤして気持ち悪くなりそうな予感マシマシ。


2話にしてキモくてエモくて心もってくんじゃねぇ!。山田は単なるバカじゃないし、市川は単なる中2でもない。ちゃんと複層的な魅力があって、当たり前を当たり前にやる素晴らしさ。


 7話。ずっと見てきたけど改めて心が溢れ出るような表現の上手さと積み重ねが活きてグッときますね。原さんの可愛さもマシマシ。結局自分を救えるのは自分だけ。でも、周りの人々の助けが必要って点では「聲の形」とかに通じるテーマ性が1期から素晴らしい。それにしても「京太郎」や「キョー君」とか段階を踏んだ方がいいような。


結局キャラ造形の愛がちゃんとしてるからこそ彼等の心に物理的に触れられたような喜びがある。物語は、設定やなんとなくのシチュエーションじゃなくて、地道なわかりやすく目に見えない創作の底力があるかないかに尽きる。あと、井口さんは最高よ!。


 それにしても最終話の展開なんてやはり「聲の形」だなぁ〜。自分を否定してるからこそ世界を否定していた主人公が、人々との出会いの中で自分を受け入れれ、世界を受け入れるようになる。


karte26

「僕は」

「僕が好きだ」

「君とみんながいる世界の一部の」

投稿 : 2024/04/27
♥ : 26
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