虐殺器官(アニメ映画)

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「虐殺器官」

よみがな:ぎゃくさつきかん

上映開始時期:2017年2月3日

★★★★☆ 3.9
物語:4.0 作画:4.1 声優:4.0 音楽:3.8 キャラ:3.7
総合得点 67.5
感想・評価 122
棚に入れた人 1215
ランキング 1027
世界の紛争地を飛び回る米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。その男、「ジョン・ポール」は、紛争の予兆と共に現れ、その紛争が泥沼化するとともに忽然と姿を消してしまう。かつて有能な言語学者だった彼が、その地で何をしていたのか。アメリカ政府の追求をかわし、彼が企てていたこととは…?(アニメ映画『虐殺器官』のwikipedia・公式サイト等参照)

このアニメの感想・評価 122

ネタバレ
2018.04.19 21:40 たわしの評価 | 観終わった| 93が閲覧 ★★★★☆ 4.2 評価対象: 虐殺器官(アニメ映画) 物語 : 4.5  作画 : 5.0  声優 : 4.0  音楽 : 3.0  キャラ : 4.5

SFとしてはハリウッド並みに頑張ってはいる

日本人では初めて、アメリカのSF文学賞「フィリップKディック賞」を受賞している享年34歳で亡くなった小説家伊藤計劃のデビュー作であり、「死者の帝国」「ハーモニー」次ぐ、アニメ化第三弾「虐殺器官」

原作の小説は未読で、元来SFが好きなので「死者の帝国」「ハーモニー」は劇場で視聴済み。

で、今回で伊藤計劃作品最終作な訳ですが、アニメ元請け制作会社が倒産し企画が倒れかけていたにしては非常に良質なアニメーションで、演出も作画も撮影も上手い。特に3Dの使い方は最近のSFアニメやロボットアニメを凌駕するぐらい自然に違和感なく使われていて手練ているのが直ぐにわかったし、攻殻機動隊ARISE以来の電脳空間も理解しやすく、設定やデザインに抜かりがないのには驚いた。
以前に見た「ハーモニー」のグダグダがまるで嘘の様に感じたのが正直な感想だ。値段以上のものは観れた。

脚本の方だが、全体を通して見終わったときの感想は。。

「。。。。これって黒沢清の「CURE」に似てね?」

だった。

1997年に黒沢清監督が役所広司主演、窪塚洋介助演で撮ったサイコスリラー「CURE」に非常にプロットが似ている。というか、SF要素を抜けばほぼ同じである。

黒幕が言語でまるで催眠をかけたように人を操ったり、猟奇的になったり、現代の社会問題に悩んだりするところがそっくりである。(笑)

しかし、社会問題の定義に関しては、2017年現在、アメリカ合衆国で行われているドローン技術や対テロ活動、戦前のような内向きの世界経済状況、まるでナチスドイツのようなトランプ政権などを見ていると、一切笑えないから困る。現実がフィクションの世界を越えようと動き出しているからだ。

そう考えてこの映画を見ると、非常にタイムリーな作品であるし、現実を直視できるという意味では、「今」見るべき映画のひとつと言えよう。

三作品の中ではダントツでSFとしても映画としても極めて上質だ。

亡くなられた作者も、このレベルでアニメ化すれば納得できるだろう。

ただ、内容を理解するには「攻殻機動隊」並みに予備知識が必要なので、間違っても恋人と一緒に行ってはいけない。(笑)

あと、説明ゼリフや静かな演出で眠気に誘われる場合もあるので、睡眠を充分に取ってから観ることをおすすめする。まるで押井映画のように脳をフル活用するからだ。

声優に関してはあまり触れないでおこう。可もなく不可もなくといったところだ。

 サンキュー(11)
2018.03.29 21:31 maquitの評価 | 観終わった| 28が閲覧 ★★★★☆ 4.0 評価対象: 虐殺器官(アニメ映画) 物語 : 4.5  作画 : 4.5  声優 : 3.5  音楽 : 4.0  キャラ : 3.5

ポジティブな意味でステレオタイプ

非常に好きな世界観であり
抵抗なく話に入っていくことができた。
つまり、
ある種の典型であるとも言えるだろう。

小説が原作にあるため、
以下はできるだけ映像作品としての内容としている。


【インターフェイス】
{netabare}
いつの頃からかアニメ制作スタッフ内に
インターフェイスデザインなる肩書を見かけるようになった。
近未来を舞台とした場合、
その先進性を表現するのに
最も簡単で効果的なのは電子デバイスであり、
そのインターフェイスに手抜きは許されないと思っている。

本作においては
軍用に最適化された視覚デバイスにおいて
その表現が確認できる。
が、
それはあまりにもFPS的で、目新しさは感じられない。

邪推すると
あまりにゲームライクなインターフェイスは、
受け入れ易いというメリットを優先した結果なのだろうか。
よりゲーム的にすることで
残酷なシーンをフィクショナルな位置に移行し
痛さや怖さ、罪悪感といった
負の感情を軽減させることを期待していたのかもしれない。
ただ、
これによって残虐的表現が肯定できるとは言えない。

むしろ、
作中の『痛覚マスキング』という概念と併せて
感情調整を受けている主人公の追体験として
好意的に捉えたほうがポジティブといえようか。{/netabare}


【キャスティング】
{netabare}
おそらく声優のキャスティングについて
異論を挟む人は少ないと思われる。
特に
主役二人による掛け合いは
展開の核心に迫るヤマ場であり見せ場でもある。
声優ファンにはその声質だけで魅了されているのでは?
と、想像に難くない。

確かに
声優に無知な自分でも
さすがに声を聞けば「あっ、あの役の人か!」となる。
実はここが曲者。
本作で演じている役より先に
他の作品のキャラをイメージ出来てしまうのは本末転倒であろう。
慣れ親しんだ声による安心感は、
意外性や驚きといった面白みを欠いていることに少し無自覚だ。
第一、
映像作品を見ているのであって
声優の声を聞くための映像を見ているのではない。

主役二人の声質が
どこか似通った印象を受けたのは個人的心象だとしても、
候補となる選択肢の幅が少ないのは
現実に存在している事実。
狭い範囲内での人選しかできない現状を憂慮すべきであろう。{/netabare}


【レトリック】
{netabare}
物語の核心についての評価はかなり高く見積もっている。

要約すると、
種としての生存・存続のために『虐殺』という本能があり、
その発動には『言葉(文法)』がキッカケになっているということ。
おそらく
『子殺し』からの着想と勝手に思っているが
あくまでフィクションであるため、
発動条件が語音なのか語彙なのか、
それを科学的に議論するのは不毛であるし、
本質はその議論を求めていない。

着目すべきは『文字』である。

例えば
文章を書こうとした場合、
その選ぶ単語や語順、そして形容詞や副詞など多くの選択肢の中から
たったひとつの組み合わせを選ぶことになる。
仮に、
多少、語順が入れ変わったとしても、
似た意味の単語に入れ替えたとしても、
伝えたい意味が大きく変わることはないだろう。
ただ、
一つの作品を作るには
この工程を際限なく続けていくことになる。
そんな単調な作業中に、

『ある特定の組み合わせの場合には、
表向きの意味とは別に、別の意味がこの文章に生まれているのでは?』

と、あらぬ方向に想像が飛躍しても何ら不思議ではない。

ただ
それを映像表現にするのは難しく、
仮説の正否を確かめるまでには至っていない。
むしろ
原作に手を伸ばし
作者の紡いだ言葉を理解しながら、
どこかのタイミングで
『あっ、虐殺器官が働き始めたかも?』と
想像力豊かに読み進めるのは、実に楽しそうではないかと思う。{/netabare}

 サンキュー(7)
2018.03.17 02:19 アトランティスの評価 | 観終わった| 49が閲覧 ★★★☆☆ 3.6 評価対象: 虐殺器官(アニメ映画) 物語 : 4.0  作画 : 3.5  声優 : 4.0  音楽 : 3.0  キャラ : 3.5

ジェノサイド

あにこれである方のレビューを読んで見ようと思っていた作品。

内容は、文明が進んだ(といっても2020年代の)現代世界で
人間の意識の根源に眠る本能について自分の生き方との中で葛藤する
アメリカの特殊部隊所属の主人公のストーリー。

主人公の物語と書いた理由は本作を最後まで見て頂けると分かると思います。

硬派なSFものでタイトルからして疎遠している方もおられることと思いますがグロ描写は多いです。(サイコパスに近いかも)

文明が進み豊かな生活を送る人間、
遅れた文明の中で常に誰かの負の意識に囲まれて生きる人間、
その両者の線引き。
人間の生存本能。

現代社会を生きる人へのメッセージを多く含んでいる内容です。

いろいろ考える所はありますが
中でも印象に残ったのは
「現代の私たちが使っている便利なものがどんな残虐な過程
を踏んで作られているか、人は考えようとしない」
って言葉でした。

 サンキュー(18)
2018.02.25 20:54 藤乃の評価 | 観終わった| 25が閲覧 ★★★☆☆ 3.9 評価対象: 虐殺器官(アニメ映画) 物語 : 4.0  作画 : 5.0  声優 : 4.0  音楽 : 3.5  キャラ : 3.0

虐殺器官

ノイタミナムービー第2弾「Project Itoh」の一環として、2017年2月に劇場公開されたSFアニメ映画。
近未来の世界では、徹底的な監視社会が先進諸国に形成されていた。
一方で、発展途上国では内戦や紛争が頻発し、その黒幕として言語学者ジョン・ポールが浮かび上がる。
米軍特殊部隊員が潜入捜査でジョン・ポールの目的と、市民を扇動するその手法を探るミステリー作品です。

複雑で難しい題材ですが、しっかり説明されているので問題なく観れます。
まず、本作の重要なファクターである虐殺器官という発想が見事でした。
また、あまりにメッセージ性が強いストーリーも衝撃を受けるほど素晴らしいです。
痛覚麻痺や感情抑制によって殺人マシーンとなって任務を遂行する軍人。
自分達を豊かにする情報だけを取捨選択し、他国の内戦や紛争から目を逸らし続ける先進国の人々。
決して夢物語ではない設定の数々に現実味を感じて、まるで未来を示唆しているようで恐ろしくなりました。

豪華声優陣の演技はさすがだし、音楽も見せ場を盛り上げていて良かったです。
作画はとてつもなくキレイで、近未来技術を駆使した戦闘シーンはすごくカッコいいです。

「Project Itoh」の中ではストーリーが文学的でよくまとまっているしるし、テーマも明確で一番楽しめました。
同じく近未来SF作品の「攻殻機動隊」や「サイコパス」が好きな方にオススメです。
ただ、これはきっと活字で読んだほうが面白いだろうなぁと思います。
映像作品では内容を咀嚼する前に次々と進行してしまうので、そのうち小説でゆっくり味わいたいですね。

 サンキュー(0)
2018.01.23 02:01 nico81の評価 | 観終わった| 26が閲覧 ★★★☆☆ 3.6 評価対象: 虐殺器官(アニメ映画) 物語 : 4.0  作画 : 4.0  声優 : 3.5  音楽 : 3.0  キャラ : 3.5

すべての人間の心の中に潜む闇

それを浮き彫りにする言葉。
戦争を引き起こし助長させる無意識の悪意や集団心理、それらを作り出す社会の大きな波や流れを「文法」として可視化してみせるという発想が見事だった。

ただ、これはきっと活字で読んだほうが良い。原作未読でもかなりはしょられているのがわかるし、この言葉の面白さは活字でこそきっとよくわかる。
映像作品では見せ方としてどうしてもアクションに寄ってしまうし、そのスピード感についていこうとすると、そこで語られる言葉は頭で内容を咀嚼する前に次々とこぼれ落ちて行ってしまう。

舞台は近未来だが設定は9.11後の現代。戦争へと突き進むアメリカや世界へ警鐘を鳴らしたいという気持ちはわかるが、第3世界の描き方は本当にそれで良いの?という疑問は拭えないし、アメリカ人なのに日本語で会話するという違和感も若干残るから、欲を言えばできれば設定は完全に架空の近未来にして欲しかった。

それでも、テーマも明確でよくまとまっていて文学的、映像作品として十分見応えもあり、伊藤計劃の3作品の中では一番良かった。

 サンキュー(2)

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