侵略でオリジナルアニメーションなおすすめアニメランキング 9

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74.9 1 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング1位
終末のイゼッタ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (795)
3900人が棚に入れました
西暦1939年、帝国主義国家ゲルマニア帝国は突如隣国に侵攻を開始した。その戦火は一気に欧州全域へと拡がり、時代は大戦の渦に巻き込まれていく。そして1940年、ゲルマニアはその矛先を美しい水と緑に恵まれたアルプスの小国エイルシュタット公国に向けようとしていた。

声優・キャラクター
茜屋日海夏、早見沙織、内田彩、東山奈央、花澤香菜、諏訪部順一、高橋広樹、花江夏樹、KENN、細谷佳正、遊佐浩二、置鮎龍太郎、間島淳司、平川大輔、森川智之、山寺宏一
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

愛が恐れているのは、愛の破滅よりも、むしろ、愛の変化である。終末に咲き乱れる美しき死生観にこそ我々は魅了されるはずだった。

■Staff
{netabare}監督:藤森雅也(代表作品:トライブクルクル)
脚本・構成:吉野弘幸(代表作品:マクロスF、ソ・ラ・ノ・ヲ・ト、マギ他)
キャラクターデザイン:BUNBUN(原案)、山下祐
アニメ制作:亜細亜堂{/netabare}

■Cast
{netabare}イゼッタ:茜屋日海夏
フィーネ:早見沙織
ビアンカ:内田彩
ロッテ:東山奈央
エルヴィラ:花澤香菜
ジーク:高橋広樹
ハンス:KENN
トビアス:間島淳司
ヘルマン:置鮎龍太郎
ベルクマン:諏訪部順一
リッケルト:花江夏樹
バスラー:細谷佳正
オットー:山寺宏一
他{/netabare}

グロス請のイメージが強い亜細亜堂制作のWW2を背景とした「魔法+ミリタリー+美少女」のオリジナル作品です。

(設定関係)
軍事関係の設定考証は戦車雑誌で有名な月刊PANZERがクレジットされていましたので、まず間違いないでしょう。
本作の軍事設定詳細は下記の雑誌で特集されています。
興味のある方は御覧になるといいでしょう。
なお、同誌の記事はまとめサイトへも転載されているようです。
『PANZER 2016年11月号/PANZER Nov.2016』

12月22日最終稿
12月22日文字数オーバーの為更に6話、7話メモも削除編集
【総評】
{netabare}美学なき物語は道標を失い、WW2の世界観を使い熟すことなく軽薄なストーリーとなった残念作品。期待倒れでした。
※本作は期待が大きかったばかりに、リアルタイムでの感想で長文が多かったゆえレビュー文字数がとうとうオーバーとなりました。
本来は残したいのですが、遺憾ながら個人的に盛り上がっていた6話までの感想を削除いたします。{/netabare}
(1)作画
{netabare}秀逸な3DCGによる、兵器の精密描写と圧倒的な迫力は認めざるを得ません。
しかし、空母ドラッヘンフェルスを2Dとしたことから、3Dとの繋ぎに違和感を感じてしまったことは少々残念です。
それと、ゲール軍の鉄兜シュタールヘルムの作画はいただけません。
側面の折り込みが分からず、ノペーとした感じとなっていることと、光沢感が表現されていない点が残念です、仕上げがべた塗りではいけません。
8、9話で一部、キャラの崩れもありましたけど、難易度が高い戦闘描写の高クオリティを維持していたことは、評価に値しますし、ミリオタ視点からも十二分に納得がいくものです。{/netabare}
(2)声優
{netabare}声優さんは熱演されていました。概ね満足です。
特に、フィーネ役の早見さん、ゾフィー役の雨宮さんの演技は頭一つ突き抜けていました。
しかし、肝心のイゼッタ役の茜屋さんの感情表現には課題が残りました。
イゼッタは設定そのものにも問題があるので、声優さんが役に成りきるに当たり感情移入へのネックとなっていたのかもしれません。{/netabare}
(3)キャラ
{netabare}ここでは、各キャラの私見を交え物語を振り返ります。
各話でも記述をしている通り、主人公イゼッタの設定が致命的にチープなので、評価は辛めになります。
本作はイゼッタとフィーネに共感が出来ないと、物語として楽しむことは出来ません。
私は10話まで終始イゼッタへはイラつきました。
その理由は各話で述べている通りですので、イゼッタについてはここでは省略します。

次に準主役のフィーネです。
大公の崩御で指導者の地位につきましたが、指導者というものは私情より先に国家、国民がが優先されるものです。
しかし、フィーネの公私混同は国家指導者となっても改るところがなく、私が懸念したようにイゼッタとの友情を超越した愛情関係(以後、百合と表記)が本作のストーリーを歪めてしまったと思います。
百合路線で行くのなら、そう割り切ったキャラ設定や現実を揶揄しないようにファンタジックな世界観の設定が必要です。
いくら国名を架空設定としても、ゲールはドイツ、アトランタは米国、ブリタニアは英国、テルミドールはフランスとWW2の当事国であり実在する国家がモデルとなっているのは一目瞭然。
事実として少なく見積もっても全世界で5千万人以上の死傷者を出したWW2のリアル史実を世界観とした場合、巫山戯た百合とフィーネの愛情ゆえにイゼッタの歪んだ大義との取り合わせは、アニメのみならず文芸作品にも精通し目が肥えている層には当然不評乃至顰蹙を買う取り合わせです。
本作の場合、大義を貫く凛とした君主のフィーネを設定し、その姿に魅せられたイゼッタの成長物語と合わせ、祖母の言い付けを破るだけの信念をイゼッタが自らの意思で構築し、自発的にエイルへの愛国心や忠誠心を抱くに至ったのであれば自然なストーリーでした。
または、大公を崩御をさせず、責任の軽い王女のままの方がよりフィーネらしい役所となり、世間知らずの王女の戯言としてなら、多少の百合展開には目を瞑る事も出来ました。
イゼッタの設定と合わせ、フィーネの設定も稚拙であったことが、本作を救いようがないB級アニメにしてしまったことを、監督の藤森氏、脚本構成の吉野は特に反省をして頂きたいと思います。

ゲール側のキャラを必要以上に邪悪に設定したのもいけません。
設定の都合で、邪悪に描くのはゲールの指導者皇帝オットーだけで十分であり、SSを登場させ、そのキャラでもゲールの邪悪さを強調し、他国のキャラは真っ当に描くことで、相対的にゲールへの敵愾心を煽る手法は、ハリウッド製B級映画と同じ手法で感心いたしません。
戦争というものは、開戦動機の如何に関係なく、ゲールに限らずも交戦国全てを狂気にします。

オットーのモデルは紛れもなくヒトラーですけど、それを皇帝としたことで、特に海外ではヴィルヘルム2世とも解釈できる誤ったメッセージにもなっています。
そも、ゲールを帝政設定にした理由は何だったのでしょう?
帝政であれば、近隣諸国の王家には養子や婚姻で血縁親族が必ずいます。
野望だけで他の王制国家への侵略などは起こせません。
WW1までは欧州王室会議が欧州の安全保障に大きな役割を果たしていた歴史を研究すべきですし、ゲールの隣国であり、同じ言語圏(ドイツ語)であり、かつ、王室があるエイルと王室間の繋がりがないとする方が不自然です。
制作側は欧州王室のことを何も理解をしていないようなので、野望を抱いた軍事大国が小国を侵略する程度の稚拙さで、本作のような設定を考えたのでしょうけれど、その図式を成立させるのであれば、ゲールは11月革命を経た後の共和国として設定し、史実の通りオットーはVerfassung(全権委任法体制)を達成した擬似皇帝"Führer"とすべきです。

さて、ゲール側の人物描写ですが、不足や矛盾はありますけれど、ベルクマン、リッケルト、バスラーを掘り下げていたことは評価いたします。

リッケルトは貴族の家庭でなに不自由なく素直に育てられた国家エリートであり、ウブで女(の恐ろしさ)もよく知らない真面目な人物であり、本来汚れ役の特務に向いている資質ではないでしょう。
貴族の威光に依らず、自らの実力で国家に貢献すべく志願してエールに潜伏した折、あろうことか、エールの近衛指揮官ビアンカに一目惚れをしてしまいました。
この安直な設定を批判する向きもありますけど、私はビアンカとの恋は、無自覚で意図しないハニートラップだったのかとも思い、自分を納得させて、このエピソードを流しました。
総じてサブキャラの掘り下げが少ない中で、リッケルトとビビンカ双方を描きキャラを立てたこのエピソードに一定の評価をします。

最終回でバスラーがベルクマンの言い分に対し怒りに任せてワルサーの引き鉄を引きましたけど、バスラーはベルクマンの自己中心主義をどう思ったのでしょうね。
情けなくなってトドメを刺さなかったというところでしょうか。
戦局が極度に悪化したなか、バスラーがBf109で飛び立つシーンがありますけど、超展開戦史でV1、V2まで登場したのですから、ミリオタサービスも込めてMe262で彼に花を持たせても良かったのではないでしょうか。

ベルクマンに関しては「最終回」メモに記述をいたしましたので省略します。

エイルの近衛兵であるビアンカ、ルイーゼ、アデーレ、クリスタですけど、近衛部隊が全て女性編成というのは非現実的であり、かつ、この中でキャラが立ったのは、リッケルトととの束の間の恋と悲劇的な結末を描いたビアンカ程度で、他のキャラは百合要員にしか思えないような過大設定です。
近衛という大風呂敷よりも、シークレットサービスや、SPのようなフィーネの護衛官程度で設定べきだったでしょう。
それであれば、女性だけの設定でも不自然ではありません。

エルヴィラ・フリードマンですけど、折角花澤さんを起用しながら後半は殆ど空気となっていました。
フィーネが指導者としての自覚が足りない部分をエルヴィラがフォローするなり、フィーネが国政を顧みず百合を満喫できる為の環境要員として、活用すべきだったと思います。

ジークハルト・ミュラー、白き魔女ゾフィーを死に追いやった家系の末裔。
最後はイゼッタの秘密を守る為に射殺した自国の兵士ヨナスと出合い頭のゲール兵が脳裏で重なり、油断した隙に射殺されますけど、ゾフィーに対して責任を取ったとも思えます。
国に殉じた彼の最後と国を裏切りなお生き延びているベルクマンの運命と対照的で、好印象を抱いたキャラの一人です。{/netabare}
(4)音楽
OP曲『cross the line』、ED曲『光ある場所へ』とも良曲です。
私事ですけどDLします。
{netabare}『エイルシュタット国歌』は疑問ですけど、『魔笛』他劇中曲はハイセンスです。
しかし、曲のセンスに物語が追いついていないのが残念です。
でき得れば『ゲール国歌』を原曲『皇帝讃歌』(ハイドン作曲)で聴きたかったものです。{/netabare}
(5)物語
{netabare}「終末」には様々な意味、解釈があるようですけど、本作の舞台ドイツ語圏から考えると、とってつけたようなこじつけかもしれません。
ストーリーから考えて素直にドイツ語タイトルの「最後の魔女イゼッタ」が本作のタイトルとして相応しかったと思います。
内容ですけど、百合と魔法と戦争群像の三兎を追った結果、物語の焦点がばらけて全てが中途半端に終わった感は否めません。
戦略でもそうですけど、焦点の拡散は各個撃破され敗北の道を歩みます。
妙に現実的な設定と百合を含めたファンタジーの接合が悪く、現実とファンタジーの振幅の激しさに多くの視聴者がついて行けなかったという印象です。
視聴者は雑多な福袋よりも一点豪華を求める傾向にありますので、このシナリオの失敗は如何ともしがたいでしょう。
また、1クールの尺であれば、WW2ではなく架空の地域紛争程度のコンパクトな世界観にするべきだったのではと思います。
なお、制作スタッフ(主として監督、脚本、設定制作)は当時の政治や世相の深淵を咀嚼せず、戦史中心でストーリーの時系列を組み立てています。
したがって、本作からは政治的なメッセージは得られません。
本作の詳細な問題点は各話メモに記述をしていますので、ここでは俯瞰的な意見のみとします。

物語本筋だけでしたら「2」が最大限の評価ですけど、本作は本筋以外に圧巻な3DCG戦闘シーンなど傍系の見所がありますので、下記のように項目を細分して評価をしています。
《物語評価の内訳》
・軍事考証4.5(史実に対し、兵器、軍装、軍事付属物のレイアウト設計、描写など主としてハード部分)
・戦史考証3.5(史実に対し、作戦のフローチャート、作戦の時系列的整合性、作戦の背景など主としてソフト部分)
・政治考証1.5(史実に対し、軍事作戦以外の政治、外交、インテリジェンスの設定など)
・物語の基軸2.0(物語独自の設定における脚本・シリーズ構成)
・演出、効果4.0
・Ave.3.1≒3.0{/netabare}
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【考察】「ドイツの核兵器について」
もう、本作のレビューを書く機会はありませんので、各話メモで未稿でした「ドイツの核兵器について」に触れたいと思います。※長文なので畳みます。
{netabare}現在、先端科学の中心地は米国ですけど、戦前、先端科学の中心はドイツでした。
これは、自然科学部門のノーベル賞受賞者を御覧頂いても、お分かりを頂けるかと思います。
ドイツの科学研究は19世紀後半に設立された「帝国物理工学研究所」から「カイザー・ヴィルヘルム研究所」、現在は「マックス・プランク物理学研究所」(現在は研究項目ごとに分立している)と変遷をしていますけど、国家を挙げて科学技術の育成に取り組んできた古い歴史があります。
なお、我が国の「理化学研究所(理研)」と「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の設立はほぼ同時期で、後身の「マックス・プランク研究所」と研究連携協定を結んでいます。
特に、戦前期の「カイザー・ヴィルヘルム物理学研究所」の所長にはM.スブランク(前期量子論の父)、A.アインシュタイン(相対論)、F.ハーバー(毒ガス化学兵器の父)、W.ハイゼンベルク(量子力学)など全てノーベル賞受賞者である、そうそうたるメンバーが就任しており、量子論を確立したN.ボーアなどドイツ人外の欧米の一流科学者の多くが本研究所で研究に携わるなど、世界最高の研究機関でした。
当時、戦前ドイツの科学技術はナチス時代で突然開花したものではなく、19世紀から国家を挙げて積み上げてきた成果です。

さて、ドイツにおいて核兵器の開発はどういう状況だったのでしょうか。
まず、核兵器には核分裂エネルギーを利用した「原子爆弾」(*1)と、熱核反応エネルギーを利用した「水素爆弾」(*2)があります。
※1核爆発の爆風には「マッハステム衝撃波」という特性があるが、これは原爆の放射熱で周囲の空気がプラズマ化し生じるもの。
『オカルティックナイン』11話でアヴェリーヌ(稜歌)は電磁波を用いたプラズマ爆発によるマッハステムを暗示しているものと思われる。
※2中性子爆弾は水爆に含まれる。
核分裂エネルギーを効率よく取り出す為には「連鎖核分裂反応」を生じさせる技術が必要です。
「連鎖核分裂」は「原発」でも用いられており、ゆっくりと反応させる制御をしているのが「原発」、制御せず一気に連鎖核分裂をさせるのが「原爆」です。
「核分裂」により、膨大なエネルギーが放出されることは「特殊相対論」で既に示されております。
世界初の核分裂実験は「カイザー・ヴィルヘルム研究所」でO.ハーンにより濃縮ウランを用いて成功しました。
(原爆に必要な「連鎖核分裂反応」は後のマンハッタン計画で成功します。)
O.ハーンによる実験成功の事実が、「カイザー・ヴィルヘルム研究所」の実力を知り尽くしているアインシュタイン他米国亡命科学者の顎を外したのは、理学者の立場では容易に想像できますし、ナチスによる原爆開発の現実的な脅威と危機感から、ルーズベルトへの原爆開発の提言へと繋がります。
実際、アインシュタイン達の懸念通りドイツにおける核兵器開発は1939年「カイザー・ヴィルヘルム研究所」が中心となって開発に着手、プロジェクトのリーダーは戦中の所長であったハイゼンベルクが就任し、ハイゼンベルクはヒトラーの腹心で後の軍需大臣となるシュペーアに条件が整えば2年以内に兵器化可能と回答します。
しかし、種々陰謀論めいた怪しげな話も存在しますけど、技術的な可能性はあったものの、結果的には以下の理由で完成には至っていません。

1.ユダヤ人の大量追放と科学者の戦時召集で原爆開発に必要な科学者が手薄であったことから計画に遅延が生じた。

2.原爆開発方針を巡り、高濃縮ウランか天然ウランかで意見が割れ、結局、膨大なエネルギーを消費するU235の純度を高める高濃縮は取りやめ、ハイゼンベルクの重水炉案に則り天然ウランを用いることとなり、その為にドイツ国内では製造をされていない重水の確保が急務になった。
しかし、当のハイゼンベルクはこの決定で、兵器化にはウラン濃縮が必要で、重水炉は発電施設として考案したものであり、天然ウランでは小型化し、兵器としての原爆の実用化は困難と判断している。
※重水炉と旧共産圏で使用された黒鉛炉の燃料は天然ウランをそのまま用い、現代の原発の主流である軽水炉は高濃縮ウランを用いる。
なお、当時、高濃縮ウランの製造には膨大なコストがかかることを考えれば、天然ウランの使用もあながち非現実的とは言えない。
※天然ウランの成分の殆どは核分裂を起こさないU238で、核分裂を起こす同位体U235は天然ウランの中に僅か0.7%程度しか存在しない。
また、当時、天然ウランから核分裂物質のU235を抽出する最も効率が良い方法はサイクロトロン技術を応用したローレンツ力を利用する「電磁濃縮法(Y12P)」、ついで手間がかかる「ガス拡散法(K25P)」が主流だったがどちらも膨大な電力消費が課題であった。
マンハッタン計画ではウラン濃縮の為に専用発電所まで建設をしており、潤沢な資金に恵まれた米国以外は選択出来ない方式だろう。
我が国では、理研が「ガス拡散法」、京大が「遠心分離法」でウランの濃縮を試みているが成果が出る前に終戦となる。

3.英国でもドイツの核開発を知るところとなり、原爆の研究に着手をしているが、ドイツが重水を求める理由に二通りの解釈を持っていた。
※原爆の性能向上(小型化)と水爆の可能性
どちらも英国にとっては破滅的な脅威であり、重水製造プラントがあったノルウェーの工場を攻撃し、更に重水を積んだ運搬船を攻撃して沈めドイツ核開発の息の根を止めている。
なお、重水プラントの確保はドイツがノルウェーを占領した大きな理由でもある。

4.ヒトラーは原子物理学をユダヤの科学として忌避しており、原爆開発へは予算や人員などの政治的な支援が行われなかったこと。
結局、軍需大臣シュペーアは1944年2月、原爆は本戦争には間に合わないと判断し正式に開発を中止する。

5.ヒトラー、シュペーアの会談録でヒトラーは核開発について、ハイゼンベルクチーム以外にも研究を指示していると述べている。
これは国防軍のE.シューマングチームのことであるが、この詳細はシュペアーやハイゼンベルクにも知らされていなかった。
E.シューマングの研究については現在もなお不明な点が多く、物証もなく陰謀論的な憶測も多いが、特に以下の二点が注目されている。
★広島に投下された原爆と同様「ガンバレル型起爆装置の開発」
(マンハッタン計画では現代の原爆に採用されているプルトニウム爆縮型起爆装置の開発が主軸であり、世界初の原爆実験も爆縮型で、ガンバレル型起爆装置について米国は一切非公表としている。)
★重水素を用いた水爆理論構築。ただし、水爆を起爆する為には原爆級の膨大なエネルギーが必要であり、原爆の開発を断念したドイツでの完成は不可能。
なお、戦争末期、我が国に向かって出航した潜水艦U-234号は、ウラン鉱石の他「ガンバレル型起爆装置」の設計図も搭載されていたとする証言もあるが証拠はない。
なお、U-234号は大西洋上で米海軍に降伏したが、その際乗艦していた日本海軍士官2名は自決している。{/netabare}
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※第1話から第7話までのメモは文字数制限の為削除。

第8話メモ
{netabare}各論
今回は軍事考証の必要はないので物語のみ。
吉野氏はソラノオト気分で脚本を書いているのか、戦時と平日の区別すらついていないようだ。
それにしても、戦時下の防諜対策とはどういうものかがマトモに考証がなされていない酷い回だなコリャ。
古城→重要機密施設の警備体制にしては甘過ぎるし、近衛兵が女性だけという設定も含めて非現実的。
非現実的に加え、ゲールの特務リッケルトをビアンカ達が偶然に拾い、伏線なしで痴情展開を設定してカタルシスを押しつけるご都合主義にはいい加減辟易する。

まぁ現実と非現実のギャップはあってもいいが、その折り合いのつけ方が子供騙しで既に物語のチープ化は避けられない状況と思う。
この物語の課題点は5話、6話でも散々指摘をしたし、改善の意欲も感じられないので言葉を費やすだけ無駄だろう。

アトランタが都度登場しているが、この国が欧州情勢に関与する動機が描かれていないのは致命的なミスだ。
つまり、アトランタがゲールとエイル両国を排除する「国益」は脅威の排除などという上辺なものではないだろうし、また、その程度で軍を動員出来るほど史実の米国事情は単純ではない。

米国の正義は常に攻撃された被害者の事実から始まるのがお約束。
現に史実では被害者になるように我が国だけではなく、ドイツに対しても策謀していただろう。
なぜ、そうまでして欧州情勢に介入したいのか。
史実を追い、アトランタのドロドロとした野心を見せないと視聴者をジンテーゼに誘導出来ないだろう。
ストーリー構成に参加している戦争屋にとって史実の米英同盟関係は空気のように感じているのか、設定そのものすら考えていないかもだな。

ドイツのポーランド侵攻から大西洋憲章締結に至るまでの両国の外交史を全く調べていないのが見え透いているし、戦史には詳しくても背景の歴史に音痴だと本作のように薄っぺらい脚本になる。{/netabare}

第9話、第10話一括メモ
諸般の都合により第9話のレビュー時期を逃したので一括します。
{netabare}しかし、この作品のレビュー少々書き難くなった。
{netabare}理由は余りの物語の陳腐さに我慢しきれず7話視聴後に制作会社ヘメールを入れた訳です。
他にも似たような意見があったのか、誠意のある回答を頂いた。
端的に言えば「まあ観ていて下さい。期待は裏切りません。」とのこと。
なお、今後のネタバレについては一切返信には含まれていない。{/netabare}
いや、確かに9話でマトモな流れになったが、尺も詰まった段階では少々遅きに逸した感もする。

さて、本作を視聴して戦争を感じさせないとの意見もあるようだが、想像力を欠いているのではないか?
本作を好む層は概ね実写戦争映画や実戦記録フィルムを鑑賞している層も多いと思う。
イゼッタやゾフィーのチート能力で多くのゲール兵やロンデリアン(ロンドン)市民が死んでいることを黙殺出来るとは、平和ボケな我が国の一端を窺わせ、とても憂鬱な気分だ。
一度、実戦の記録フィルムでも鑑賞してみたらよかろう。

本作では『魔法少女育成計画』のように生々しく凄惨な殺人描写がされていないだけで、実質的に多くの戦死者が出ているし、実写記録フィルムと重ね合わせれば死者累々の悲惨な状況は想像出来る。
東京空襲やサイパン、硫黄島、沖縄の玉砕戦、ドレスデンやロンドン空襲などの実写記録フィルムをしっかり鑑賞するのがよかろうが、グロいから見たくないとか言いそうだな。
しかし、それが戦争というものの現実なのだ。

戦争に対して背を向けてきた教育の歪みも問題だが、死体が少ない戦争アニメだから見易いなどと宣えているから、今般、尖閣のみならず、九州でも我が国の領海に堂々と浸入してくるシナの脅威など微塵とも感じない有難い感覚なのだろう。
シナ空軍の挑発で沖縄上空のスクランブルも異常事態だし、命を削りながらも国防に勤しみ我が国の平和を守っている自衛官諸氏の苦労を少しは考えてみたことがあるのだろうか。

某フィギュアアニメを無条件で讃えている層にも言えることだが、戦争が身近に来ているかもしれない現実は逃避して、戦争の悲惨さを感じさでないと本作を讃えながら、シナの良いように国土を蹂躙されてから後悔をしても遅いのだがな。

ガルパンオヤジの怒りはこの程度にして、物語はどうなのかに移ろう。
8話でその存在を暗に知らしめる伏線の通り、9話で白き魔女のクローンゾフィーが登場し、イゼッタに対し圧倒的な力量差で打ち負かす。
この種はイゼッタが魔力を地理的条件に依存していることに対し、ゾフィーは魔石を利用して地理的条件に左右されず魔力を発揮出来る設定だ。

この設定は上手く考えたと思うが、ゾフィーの存在を匂わせたり、古城への浸入目的が魔石の取得であったのも今後に向けての伏線で必要な尺だったのだな。

あと、ゾフィーがクローン技術で生まれた設定に対する批判もあるようだが、遺伝子操作によるクローン技術の思想的な始点はナチスの優生学からであり、実際に「レーベンスボルン」という交配で人為的に優れたヒトを作る実験が行われている。
ユダヤ人絶滅収容所ではその為の基地外じみた実験に囚人が利用されてもおり、その意味では可能性の範囲で荒唐無稽な設定ではないと言える。

次に、10話で登場したV1であるが、これは時系列的に無理があるだろう。
寧ろV2の方が現実的だ。
なぜならば、V2の原型であるA型ミサイルは1940年には既に発射実験が行われている。
フォンブラウンで調べてみるといいだろう。
対し、パルスジェット搭載のV1の開発はバトルオブブリテンの終了後であり、今回の設定はどう考えても可笑しいだろうな。

まぁ戦史を完全に無視をしているのなら、大戦初期でタイガーやパンサー、Me262を登場させてもいい訳だが、大戦初期の定石通りに3号、4号戦車、Bf109を登場させているし、また、本作が戦史準拠である事はPANZER誌でも述べられている。

しかし、設定に細かくイチャモンをつけても「魔女」の設定が荒唐無稽なので目を瞑っているのも必要か。
それでも、あまり無茶な設定をすると全てで陳腐になるので、止めた方がいいのだがな。

8話でも記述したが、アトランタ(米国)がたかが一駐ブリタニア大使の一言で軍の動員を図ったとするのはご都合主義もいいところだ。
アトランタは現実に攻撃されないと軍は動員しないし、ゲールのような独裁国家とは違い、この国は動員が正義となる確固たる理由が必要な国だからな。
でも今回ゲールがロンデニオン攻撃に踏み切ったことで、アトランタ軍動員の正当化を図るのだろうな。
史実では、ロンドン空襲時点でも米国は対独戦線布告はしていないのだけど。

10話の作画だが、2Dの爆発シーン、MS406の墜落爆発シーン、MS406vsBf109の3D空戦シーンは圧巻だった。
航空機と戦車、火砲の作画(3D含む)はパーフェクトなのに、空母の作画に課題を残したのは惜しまれる。

また、捕られたイゼッタ救出の為に、エイルの陸軍部隊と近衛が突撃の準備をしているところ、絶対装備数が少ないMS406が地上部隊との連絡もなく唐突に出現したのは、よくあるご都合主義に思える。

シナリオに厚みを加えるなら、突撃→撃退後退→空軍支援→再突撃の尺を取るべきだろう。
特に名機関銃MG34(WW2最高傑作機関銃MG42の前モデル)の連射で、エイル兵がなぎ倒されるシーンが見たかったが。
この、イゼッタ救出は重大局面で見せ場なのだから、もっと救出に苦労をするよう工夫をするべきだった。

陳腐な設定を残したまま、物語は進んだが、もう本作では誰もハッピーエンドは期待していないだろうし、バッドエンドをどのように迎えるのか焦点はそこだろう。
10話でも十二分に分かることだが、ゲールは帝政に置き換えたナチスそのものだ。
皇帝オットーはヒトラーの置き換えと見た方がいいな。

海外評価サイトでは現実の国家にするべきだとの意見もあったが、もろにヒトラーを出すといろいろと面倒臭いことになるし、この設定は仕方がないだろう。
それと、何故か10話では不可侵条約を反故にし史実通りヴォルガ連邦(ソ連)侵攻を目論んでいるが、局面はヴォルガ連邦との戦いで何か変化があるのかな。
ゲールはゾフィーを使いこなせるのか?不安な一面を見せる描写もあったが、史実通りの予定調和やオレタタ終了は避けて欲しい。{/netabare}
もうクールも残り少ないし、11話は相当詰め込んでくるだろうな。

第11話メモ
{netabare}うーん、どこまでも御都合主義で物語を進めるのかな。
しかし、親衛隊(SS)を登場させてゲールの邪悪なイメージを増幅させ、相対的にエイルへの同情を誘う演出は稚拙過ぎる。

10話で伏線が張られたベルクマンの失脚の理由も暗喩を含めて説明不足である。
一般に重大な国家機密を握っている人物を何かの理由でパージするのなら、国内に軟禁して行動の自由を制限するのではなかろうか?
したがって、寝返る必然性を含めて今話の展開は首を傾げたくなる内容だし、更に輪をかけて核兵器もどきとV2のセットか…

ベルクマンが寝返るにしても、これだけの超兵器を取引に使えば、エイルを降伏させる流れの方が自然だろうな。エイルから情報に見合う膨大な金と身の安全の絶対的な保証でも取らぬ限り。
常識で考えれば裏切り者は裏切った国のみならず、国を売った事実だけで保護国でも信用はされない。
場合によっては保護国側が取引の材料に使うだろうけど、安直に信用して行動の自由を許すなどエイルは子供が運営している国なのか?
ベルクマンをゲールに手渡してはならないだろう。

魔石の持つ裏の現実を突きつけてもイゼッタには全く感情移入をしない。
寧ろ、フェーネの危機に都合良く間に合わせる御都合主義には辟易してきた。
本作のキャラの誰にも感情移入が起こらないのは、ゴルゴ13ほどのシビアさは求めないが、現実とファンタジーの接合が悪い上に振幅が激しいことと、間の悪い百合描写と御都合主義の展開が余りにも多いことに尽きるな。
国家の命運を背負った会議に向かうシーンが、フィーネの緊張感ではなく百合なら誰でも呆れるぞ。

もう、子供なら喜びそうな話にまで劣化してしまったな。

イゼッタの出撃シーンは特攻に飛び立つような雰囲気だが、緊張感も悲壮感も中途半端で全く共感しないな。
イゼッタへ感情移入が起こらないのはストーリーの拙劣さもだが、茜屋さんの演技力にも問題がある。

イゼッタのおっぱいアップのカットはサービスとして捉えておこう。{/netabare}

【最終回】
{netabare}結論から述べる。
最終回も残念賞。
粗を探せば多々あるが、しかし、広げた風呂敷の回収はしっかり成就させている点は認める。
そこに至るプロセスや、設定の甘さは除き、イゼッタは平和への対価としての犠牲とさせたが、あくまで救われない形で幕を引くということは、イゼッタの死か消滅であることを意味する。
戦争という苛酷な現実を世界観に設定したのであれば、一つの使命を果たしたイゼッタの殉死こそ世界観に見合った彼女の最後だろう。
ゲールという国家の滅亡とイゼッタの命の取り引きで物語は醍醐味あるバランスは取れるのだけれど、脚本は本質的に履き違えてしまったようだ。
2期を考慮していないのだから、視聴者に平和の使者イゼッタを印象づける意味でもバッドエンドにすべきだった。

幕引きに至るまでについては、以下の各論でこの作品の課題点を指摘する。

(アトランタについての軍事考証)
アトランタにとってはゾフィーもイゼッタも「戦略兵器」として捉えていた脚本は評価するが、派兵(動員)に関してはモデルとした戦前の米国の政治、とりわけモンロー主義をもっと研究するべきだ。
アトランタを物語の正面へ出す場合、ゲールの潜在的脅威のみならず、具体的な脅威がアトランタにあった事実を描写すべきだろう。
史実のWW2では我が国の真珠湾奇襲後にドイツは米国へ宣戦布告をしている。
つまり、民意が国家運営の土台である米国は、仕掛けられない限りは兵を動かせない、厳密に言えば(当時は)海外派兵のような大規模な陸軍の編成は戦時状態が生じた上での戦時動員が必要な国である。
国家の成立上、地方自治が高度に発達している米国における陸軍の平時編成は州知事に統帥権がある現役州兵が主体であり、ベトナム戦争以前までは、平時における州兵の動員は治安維持等法律の緊急限定事項を除き大統領統帥の範囲外にある。
州兵、予備役の動員は戦時状態が必要十分条件であり、大統領統帥権に基づく戦時動員をする為には「攻撃された」という既成事実と大統領判断のみならず、戦時状態(宣戦布告を含め能動であっても受動であっても)の議会承認が不可欠なのだ。
つまり、当時の米国のシステムでは戦時状態を認識し、陸軍の戦時動員を完成するには1年近くかかるはずだし、動員編成に関しては軍事マニアの基本的な常識。
余談だが、太平洋戦争においてガダルカナルから反攻を開始し、太平洋戦線で終始戦闘を繰り広げたのは海兵隊である。
現在は第4軍として独立した地位にある海兵隊だが、当時の海兵隊は海軍の指揮下にあり、海軍は陸軍とは異なり平時から大統領の統帥下にある。
海兵隊は有事発生の際に速やかに編成動員可能なメリットがあるが、戦術使用は可能でも一国家を軍事的に降伏させるのには戦力不足であり、戦争終盤では陸軍の役割となる。
太平洋戦争も終盤の海軍主導の中部太平洋戦線の硫黄島、沖縄では米陸軍も戦闘に参加しており、陸軍のマッカーサーが率いる南太平洋戦線が膠着気味であったのは、動員編成が複雑な陸軍の特殊性によるものだ。

ノルマンディーにしても、あれだけの大部隊を編成する為に宣戦布告から2年半近くの準備期間を要している。
本作では大使の進言から数ヶ月でブリタニアに派兵をしているが、アトランタの政治システムや軍事常識外の陳腐な設定であったことが窺い知れよう。
各国の政治や、陸軍の性質をもっと研究した脚本でなければダメだな。
特に米国は正当な理由に基づく徴兵拒否を認めている国でもあり、戦前の我が国のように赤紙1枚で簡単に頭数を揃えられない複雑な事情もある。
完全志願制の我が国自衛隊の悩みは予備役の不足であるが、いざ戦争となれば現役の員数ではなく、予備役や後備役の動員がどれだけ可能かで、その国の軍事力が決まる。

登場国家こそパロディではあるが、史的事実関係に沿った脚本を評価していた折に、アトランタ参戦プロセスの端折り方は軍事設定において致命的とも言えるミス。
WW1のように、ゲールのUボートがアトランタの民間船舶を攻撃したシーンでも挿入しておけば、アトランタの派兵には現実味が帯びたのだが、残念だ。

(ベルクマンに見る脚本の底の浅さ)
まず、ベルクマン失脚の動機が曖昧なのは前回にも記したが、単に知りすぎた人物というだけではなく、もっと具体的な説明が必要であっただろう。
結局、ベルクマンはゲールへ引導を渡した物語のキーパーソンなのだが、その描写が雑過ぎたのが頂けない。

フィーネとイゼッタの百合百合しい関係の尺を、ベルクマンという人物の掘り下げに当てればまた違った評価となっただろう。
愛国心より個人の命が優先するとした利己的なベルグマンの人物像の描き方は、倫理的な抵抗はあっても、ある意味では真理だ。
しかし、それをゲールの国民の一人として描いたことに、脚本の政治的な意図が感じられなくもない。

脚本が、史実として祖国敗戦後でもゲールのモデルとなったドイツ人気質とはとのようなものであったかは、シベリア抑留記で記述されているドイツ人捕虜だが、ソ連に屈せず最悪の環境を甘受してドイツ人としての誇りを抱きシベリアの土になった事実を知っていればベルクマンのような描き方ができたのであろうかな。
ドイツ人捕虜の高貴な態度に胸を打たれた著者は、自分可愛いさに次々と祖国日本を裏切りソ連へ忠誠を誓っていく周囲の日本軍捕虜の節操のなさを憂いていた内容だった。
これは、15年程前に『丸』が特集していたシベリア抑留記に書かれてあった。
おそらく、ヒムラーやゲーリングのような往生際が悪かったナチス高官や、連合国に脚色されたドイツ人のイメージでベルクマンの人物像を設定したように思う。
ドイツ人であれ、アメリカ人であれ、日本人であれベルクマンのような人物は確率的に存在するのは認めるが、ネガティブな人物であればこそ、人物描写を掘り下げなければベルクマンがドイツ人代表のような間違ったメッセージを与えかねない。
そう考えるとやはり脚本の底の浅さは拭いきれない。

危険人物として暗殺の対象とされたにも関わらず行動の自由を許したゲールの対応や、売国人物と知りつつエイルがベルクマンを利用した浅はかさは「国家」というものを脚本が理解をしているのか甚だ懐疑するお粗末な展開だった。
ベルクマンとミュラーは同じ情報を扱う者として、国家への忠誠に関しては対極的に描かれている。

ミュラーがエイルへ絶対忠誠を誓う背景には彼が貴族であることが挙げられよう。
爵位は国王から授けられるものであり、国家(というより君主)に対し絶対服従を誓う根拠ともなり得る。
ベルクマン部下のリッケルトも貴族家系ではあるが、彼の国家への忠誠心もミュラーと通じるところがあるだろう。
脚本はミュラーをリッケルトの隠喩としても表現し、ベルクマンとの応酬を通してベルグマンの性格を掘り下げたかったかな。
更に、バスラーの愛国心を強調し、ベルクマンという人物像を確立したかってのかもしれないが、これだけ物語のキーパーソンとして活用した以上、ベルグマンの直接的な掘り下げをしなかったことは脚本の怠慢としか評価が出来ない。
最後は生き延びて、アトランタへ魔女の力で得た核兵器を売却したようだが、この人物の生き様は、百合や他のサブキャラの描写を減らしても尺を取るべきだった。

(ゲールがヨーロッパ征服を試みた動機が意味不明)
さて、本作はWW2を背景とした世界観だが、ヒトラーが何故欧州大陸で戦火を拡大させたかを理解しているのかが甚だ疑問なストーリー展開である。
そも、ヒトラーは全欧州の覇権を握る意図があった訳ではない。
ヒトラーの目的はWW1で喪失した旧帝政時代の失地回復であり、ポーランドを占領したのもWW1の結果でポーランドが独立し、飛び地となった東プロイセンとケーニヒスベルクの回廊復活が目的だ。
ヒトラーの政策の第一目的は「ベルサイユ体制」の破壊であり、当時のドイツ国民が支持したのもこの政策を掲げたナチスに対してである。
ヒトラーとて、それ以上のことはドイツの国力を考えても出来ないことは重々承知をしていた。
したがって、ベルサイユ体制の守護者である英仏と本格的な戦争状態となることはヒトラーの本意ではなく、ポーランド侵攻までには相当の外交努力が行われていることは注視をすべき点である。
当時の英仏もWW1の後遺症から抜け出せてはおらず、可能な限り外交交渉で決着を図る姿勢でドイツの要求を呑んでいた。
ヒトラーはポーランド侵攻にあたり、ソ連と不可侵条約を締結し、モロトフ=リッペントロップ秘密議定書に基づき、西からポーランドに侵攻、東からはソ連が侵攻しポーランドは消滅した。

勿論、ソ連との不可侵条約は後に明らかになるようにドイツ側の欺瞞工作である。
東プロイセン回廊の確保でヒトラーの目的は達したが、ポーランドと軍事同盟を締結していた英仏は「集団的自衛権」に基づきドイツに宣戦布告をする。
ヒトラーはポーランドに関する英仏の感触や、ソ連もポーランド侵攻に同意したことで英仏との対立は避け得ると判断したが、英仏はソ連は黙殺しドイツのみに宣戦布告を行う。
ヒトラーとしては不本意な結果を招いている。
実際宣戦布告をした英仏もポーランドを直接助けることはせず、ドイツとの軍事衝突を避けていたのだが、ヒトラーのタイムスケジュールには第二段階としてソ連侵攻があった。

しかし、フランス侵攻をヒトラーが考えたのは、対独英仏宣戦布告が明確な動機であり、隣国であり大国であるフランスが宣戦布告を放棄しない限りは、常に軍事的な脅威に晒せれることとなり、今でいう「先制的自衛権」という考えから軍事侵攻に踏み切ったものだ。
フランス侵攻と同時に英国のチェンバレンが辞職し、対独強硬派のチャーチルが首班となり、これでヨーロッパでの全面戦争が不可避となった。
つまり、ヒトラーのフランス侵攻はドイツにとっては防衛であり、彼が描いていた大ドイツの図版には含まれてはいない。
中央ヨーロッパや東ヨーロッパには傀儡政府を樹立せず、ドイツ直轄の軍政であったが、フランスには傀儡政府(ビシー政府)を樹立した点、南ヨーロッパにはヒトラーの盟友ムッソリーニがおり、イタリアの勢力圏をドイツが奪う意思はなかった。
スペインは中立国だがフランコ体制の同国も、ポルトガルに対しても領有の意思は見せてはいない。
ただ、イタリアがあまりに軍事的に情け無い戦いを続けムッソリーニがヒトラーに泣きついてきたことから、南ヨーロッパやアフリカへも派兵をせざるを得なくなり、イタリアの降伏で南ヨーロッパ戦線の維持をドイツ一国が背負うこととなったのは、ヒトラーの意図以外の不確定要素から生じた出来事である。

ダンケルクでの詰めの甘さは、ヒトラーがなお英国との和平を切望していた証しでもある。
しかし、チャーチルの強硬姿勢に結局、対英問題解決は軍事的な勝利しかないと悟ったのでろう。

ソ連侵攻の目的は『我が闘争』にもあるように、ユダヤ人の抹殺とスラブ人種の奴隷化と天然資源の確保であり、これは政権に就く以前からの思想であるので、ソ連がどのように下手に出ても戦争は不可避であったと思う。
『我が闘争』を読んでも、また、現実のヒトラー政策を考えても、彼の大ドイツ構想は東方拡大であり、全欧州にまで野心があったものではない。
フランスが対独宣戦布告をしなければ、フランスへの迂回路であるベルギー、オランダの軍事占領が行われたかも疑問だし、フランスを含む、南ヨーロッパは元来、彼の図版の外にある。

本作ではゲールがヨーロッパ征服の野望を如何なる動機で抱いたのかが不明瞭であり、かつ当時のドイツを巡る欧州情勢や史実は上記のとおりであり、ゲール(ドイツ)を無条件に悪者とする姿勢は、ハリウッドB級映画のテンプレや、ニュルンベルク裁判史観や侵略者ゲールを設定したのは、安直かつ幼稚に思えてならない。
WW2の設定を用いるのであれば、ゲールの国家戦略も政治的に詰めて設定すべきであろう。

(フィーネ発言の真意)
アトランタの意見では魔女を抱える国は戦略的に絶対的な優位を誇ることとなるが、それはアトランタが述べるようにゲール亡き跡の安全保障に直結する課題だ。
アトランタがこの会議に参加した経緯には大きな疑問があっても、発言趣旨そのものは妥当だろう。
フィーネはここで、イゼッタ個人の死ではなく、レイラインの魔力を吸い上げた結果は魔法そのものがこの世から消え失せるとした発言をした。
しかし、フィーネの最後の涙はイゼッタは死ぬかもしれないとの絶望のメタファーであり、その死を以ってしてアトランタの懸念は取り除けるとした大義と私情の狭間で大義を取った指導者の意見であると私は考える。
反面、フィーネの本音は魔女イゼッタではなくイゼッタとなっても愛情には些かの変化がないことと、自らの力量不足をカバーしてくれたイゼッタへの感謝の涙でもあろう。
私情と大義の狭間に揺れるフィーネは、指導者としては未熟だが、人としては共感を得るものと思う。
このフィーネを描いた脚本は評価できよう。

(イゼッタとゾフィーの対決)
イゼッタとゾフィーの属性については「(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)」で述べるので、ここではラストの対決に的を絞る。
パリ上空を舞台に繰り広げられた、白熱のバトルシーンの描写に関しては、圧倒的な作画で十分に楽しめる内容だ。
イゼッタがエッフェル塔を折るところは凄い迫力だが、迫力においてはゾフィーも負けてはいなかった。
しかし、命が惜しいゾフィーに対し、イゼッタは自らの死を厭わずに最大魔力で応じている。
イゼッタの気迫勝ちだが、イゼッタが死をも辞さない覚悟を抱くプロセスがお粗末である為に、本来は十二分に感動するべきシーンなのだが、私には50掛けとなってしまった。

(オットーの自殺)
史実でヒトラーは自殺をしたが、その状況に合わせたのかな。
しかし、史実のドイツの末期はとても悲惨であり、ヒトラーはソ連兵が闊歩するベルリンの地下壕で自殺を図っている。
本作のノイエベルリンの描写では末期ベルリンの断末魔の悲鳴が伝わらない。
私は実際、壁崩壊直後のベルリンと壁の緩衝地帯にあった空き地のまま放置されていた、総統大本営地下壕跡を訪れているから、余計に陳腐に思えるのかもしれないが。
ノイエベルリン市民が参加している地上戦を描いた方が、追い詰められたゲールの直喩にもなったろうし、オットー自殺にも説得力があっただろう。
オットーにずっと付き添っていた側近エリオットは架空設定だが、自殺を確認したという意味ではボルマンがモデルだな。

(イゼッタの忠誠をフィーネ個人への愛情で描写した短絡さ)
本作で最も問題となるのは、イゼッタの立ち位置だろう。
本作では執拗にイゼッタとフィーネの過去の出会いを描写し、イゼッタはフィーネへ恩義を感じていることを強調している。
また、フィーネは一国の君主の立場を超えてイゼッタを大切にすべき友人から愛の対象として描いている。
本作も多くの視聴中断者を招いたが、その原因の多くは百合展開である。
世界観と百合のミスマッチが視聴者の嫌悪感を招いたと思うが、それには十分同意を出来る。
脚本の吉野氏には戦時と平時の見境がついていない旨の指摘を散々してきたのだが、平時が背景での百合展開ならば、そうとも割り切れる。
『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』は平時における兵士達の日常を描いた内容であるから、百合要素もエピソードの一つとして受け入れることは出来る。

しかし、国が危機に際している状況で百合でイゼッタの忠誠心として描くのは、戦争という無慈悲で凄惨な現実を余りに茶化してはいないかな。
イゼッタはフィーネの存在がなくても、戦争を終わらせる為にはゲールと対決する心構えがあれば、平和の使者としての彼女に大きな共感が生じただろう。

しかし、フィーネという個人に陶酔する余り、彼女の理想を現実化したいという利己的な理由でゲールと対峙させても何も共感は生じない。
戦争というのは一個人の理想ではどうにも出来ない過酷な現実であり、魔法というチート能力の設定を用いるところを錯誤し、現実とは大きく乖離してしまったことは本作最大の失敗であろう。

魔法と兵器の対決はエンタメ的には間違えてはいない。
『ストパン』もそういうファンタジー設定で人気を博したのだから。
しかし、本作は『ストパン』よりも妙にリアルを追求しているが故に、ファンタジー設定をよく練らずに用いると、世界観との齟齬や乖離が生じるリスクと裏腹の関係となることも指摘済みである。
軍事オタが本作を評価しない点はこれに尽きる。

更に、イゼッタの理想は大義に立脚したものではなく、フィーネの理想の具権化であったこともWW2という大きな器に対しては説得力がないものとなった。
海外評価が辛辣なのは、イゼッタの正義はフィーネの借物の正義であり、百合感情で得た極めてストイックに反する俗物的で許容しがたい点にあることだ。
ゲール討伐という大風呂を広げず、フィーネとの愛情物語に路線展開をすれば、また別の評価を得られたであろう。
最後、イゼッタが生き残る点も、殺したくないスッタフの御都合主義だと思うが、殺した方が殉教者となる訳だし、魔女というキリスト社会においては極めてアグレッシブな存在に対する明確なメッセージとなったはずだ。

逆に、エイルで過去に魔女裁判にかけられ、命を落としたゾフィーに私に共感を抱いた。
だってそうだろう。
ゾフィーは本気で愛したかつてのエイルの国王の遺言によって異端審問の上処刑された。
異端審問が吹き荒れ、魔女狩りが横行していた当時の欧州情勢を考えると、この国王の判断こそ、フィーネが見習わなければならない、私情を捨て大義を守る指導者としての矜持だが、大義には犠牲が生じ、多くの私怨を招く。
その意味でも私怨でエイルを滅ぼしたい気持ちは正直で嘘偽りはないだろうし、イゼッタの偽善よりも遥かに自然な感情だ。
更に、感情移入はゾフィー役に雨宮さんの熱演もあったのだが、対しイゼッタ役の茜屋日さんの演技力には課題を残している。

イゼッタが述べた「みんなの命を預かる人はたった一人に拘ったらダメ」はそのままイゼッタへのブーメランとなり、このセリフを吐かせながら生き延びるのは余りに矛盾が過ぎるのではなかろうか。
更に、回想でフィーネが百合私情を振り切り涙ながらにイゼッタへ戦いを命じた描写を感動として活かし、イゼッタがゾフィーに語った大義(私情に揺さぶられた偽善的な大義だが)を衝突させたのであれば、ジンテーゼは視聴者へ判断を委ねる、双方生死不明のメタファーとして結論付けなかった方が良かったのではないかな。
よって、最終回でイゼッタも消えていれば良作ではあったと思う。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 76
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

第二次大戦を下地にした魔女と王女の物語…信じ尽くす大切さを問う物語

この秋、ユーフォ二期とともに期待した作品でした。第二次世界大戦のヨーロッパをモチーフに、小国の皇女が大国に立ち向かう。それに加わる魔女、これは面白そうだし、1話で引き込まれてしまいました。展開しだいではそうとうな作品になる予感がしました。

1話…あっという間に引き込まれてしまいました
{netabare}小国の皇女(モチーフはスイス?…ではなくリヒテンシュタインだったようだ)フィーネが、大国で戦争しかけているゲルマニア(どう見てもドイツ)の脅威から自国を守るために、同盟を求めてイギリスっぽい国にいく話でした。
道中で敵から逃れるために奮闘するフィーネ。従者は倒れ、自国はとうとう戦争に巻き込まれ、自らも囚われとなっても信念を曲げないフィーネがカッコいいです。それからキャラデザインも良いです。最後に主役のイゼッタが登場してフィーネを救う場面で次回へ。箒でなく銃に乗った魔女のイゼッタ、こんな設定もありかと。

1話があっという間に終わった感じです。これは面白そう。最後までこの面白さが持続しますよう祈ります。{/netabare}

2話…二人の絆
{netabare}フィーネのピンチを救ったイゼッタ。国にたどり着いたは良いけど、フィーネは重傷。イゼッタとフィーネの関係が深いものだった事が分かり(1番肝心なところは後回しみたいだが)、イゼッタはフィーネの国を救うことを決意する。

魔女狩りのピンチをフィーネが体を張って救ったのかなと思いますが、イゼッタがどうしてゲルマニアに連れられそうになったのか、興味がありますね。とにかく深そう。まだ2話か、先が楽しみで仕方ないです。{/netabare}

3話…最終兵器魔女
{netabare}大国に攻められる小国、兵士たちのフラグたちまくりのなか、戦闘は圧倒的不利な状況。大国の軍は余裕降りまくり、これフラグだよな?
そこにイゼッタが参戦、なんだこの魔女は?圧倒的ではないか!ランスのファンネル?楯?おいおい、つえぇぇぇぇぇl!
ピンチはたった一人の魔女によって救われた。という展開。それと、フィーネの心の強さと王的資質いったら…惚れます。これは思っていた以上に面白い。つかみはすごく良かったです。でも、鬱な話も有るんだろうな…{/netabare}

4話…魔女の秘密
{netabare}魔法が使えるのは特定の場所のみ。そこから外れると使えないという。
フィーネの父、つまり王が亡くなり、フィーネが王位へ。そこでイゼッタを登場させて白き魔女の再来を告げ、他国への牽制も狙うという。
イゼッタとフィーネの過去が明らかとなり、イゼッタが忠誠を誓う理由が分かりました。それにしてもフィーネがカッコいい。

白き魔女の裏切り、気になります。イゼッタがゲルマニアに捕らえられていたこともあり、再び捕らえられて洗脳させられ…なんてことないよね? あまりにもフィーネとイゼッタの絆が強いから、イヤなフラグに感じます…{/netabare}

5話…探り探られ
{netabare}フィーネの王位継承式でイゼッタを面前に披露。その能力を世界発信して、他国を牽制させる狙いだ。
白き魔女の末裔の存在はやはり影響が大きく、小国を無視できなくなっていた。が、ゲルマニアはその存在を見透かし、イゼッタに弱点が有ることを察知する。
ゲルマニアの侵攻が再びはじまるが、そこは魔法が使えない場所。フィーネ達は策を練り、その侵攻を食い止める。という展開でした。

大国対小国の心理合戦、なかなかの筋書きでした。ただ、ゲルマニアの諜報部員が入り込み、イゼッタの弱点がバレそうな気配、眼鏡君も加わりそうな気配が…眼鏡君、いっぱいフラグ立てているからなぁ…。

ここに来て、ちょっと粗が見えてきた気が…。近衛が全員女子というのはさすがにないかと。しかも、先祖伝来って言うからね。近衛師団の女子団っていうことにしていいのかな? ま、細かいことだけど。{/netabare}

6話…貴重な眼鏡君
{netabare}小休止の日常回…と思ったのは前半だけ。ゲルマニアには何か研究施設があったり、新型戦闘機が製作されていたりと着々と準備始めてます。研究ってまさか核じゃねぇよな?
ブリタニアで会議が行われるためイゼッタ、フィーネが向かうことに。その頃、スパイの報告が入り、ジークが向かい、イゼッタの秘密を知っている眼鏡君を射殺…そうだ、この話は戦争の物語だったね。ジークの決意を聞いたときに、そういう役目を負う人間が必要だよねと思った。

バチバチ戦う以上に緊張感あるストーリーだったように思います。前半の日常も良かったですけどね。フィーネの可愛い部分が見えて。ただ、パイを食べているフィーネがどうしても小鳥ちゃんに重なったのは何故だろうか…。{/netabare}

7話…いっしょにおいで
{netabare}ブリタニアに到着したフィーネとイゼッタ、そこにはゲールに対抗する諸国のお偉いさんが会議をしていた。ゲールは空母を完成させ、さらに強力な力を手にしていたという。フィーネはイゼッタが空母を蹴散らすと告げる。
魚雷を従えて空母に向かうイゼッタ。しかし、空母はすでに出航、敵に動きが読まれていたのだ。待ち構えていた敵兵に狙われるイゼッタ。4発あた魚雷は2発失い、しかも海に墜落。魔法使える地場からずれたのだ。魔力使えるポイントには空母が、そこでイゼッタは空母の隙を狙い、魚雷をぶち込む。見事空母を撃破。しかし、その動きでベルクマンに弱点がばれてしまい、しかも、なぞのカプセル登場で次週。

ゲルマニアはイゼッタのほかにも魔女を捕らえていたようだ。ということは、イゼッタを逃してものうのうとさせていたのは、魔女の力がどんなものか、弱点は何かを探っていたということなのかなと思う。ゲルマニアも実際に魔女の力がどんなものか計りかねていたのではないだろうか。
イゼッタが戦っているシーンは痛快なんだが、服の汚れぐあいとか、一生懸命さとか見ていると、なんか切なくなる。不幸な話にならないでほしいと心から思います。{/netabare}

8話…スパイと近衛の小さな恋物語
{netabare}エイルシュタットに潜入したリッケルト。目指すは旧城、その途中で出会ったのがビアンカとロッテだった。ロッテの実家の宿屋に宿泊し、ビアンカとも仲良くなるが、目的である旧城に潜入。そして発見した白き魔女の秘密。その証拠を持ち帰る途中に近衛に見つかり、ビアンカに撃たれて絶命するリッケルト。ビアンカもまさかの展開に呆然とするしかなかった。リッケルトに証拠を託されたローレンツもまた、近衛に狙撃され死亡する。証拠は謎の住民に引き継がれ…
一方、ブリタニアでは仮面舞踏会が開かれ、フィーネとイゼッタが外で踊ろうとしたところに現れたベルクマン(なぜお前がここにいる?)と謎の少女。謎の少女はイゼッタの唇を奪い、口を切らせて血を吸う。その瞬間、謎の少女は白目を剥き気を失う。
イゼッタの力を知ったアメリカ…アトランタ合衆国ではこの戦争に本格参戦を決定した。それはゲルマニアとともに、脅威となってきたエイルシュタットも撃ち滅ぼすために…

後半の伏線を張った回でした。ゲールの魔女は何なんだろう?人工物?となると、イゼッタを捕まえていたのはイゼッタの魔力を抽出するためだったのか?
アトランタの本悪参戦で戦局ががらりと変わるんだろうな。エイルシュタットはどうなってしまうのか…。
なんだか悲しい結末待っているのではないかとハラハラします。ED物悲しいし…{/netabare}

9話…展開急変、あぁ…ヤバい…
{netabare}ブリタニアの会談から3ヶ月、包囲網が築かれつつあり、ゲールの動きが鈍くなっていました。イゼッタは世界から注目されるようになり、エイルシュタットも束の間の休息感に浸っていました。
そこから一転、ゲールが西を囮に東から攻めてきました。イゼッタは新兵器とともに向かいますが、打ち込んだミサイルが何者かに撃退されてしまいます。なんと、ゲールが送り込んだのは魔女。しかも、伝説の白き魔女(のクローン)なのです。クローン技術使ってきやがった! 伝説の白き魔女はイゼッタに止めよう説得しますが、フィーネのために戦うと言う。イゼッタは白き魔女と戦うけど、魔法使える場所なのに墜落、白き魔女はアンチ魔法の道具使えるものと思われます。敗れたイゼッタは鎖に吊るされ…
イゼッタの敗北により、空ががら空きとなり、ゲールはエイルシュタットに突入。首都がぼろぼろ…

急展開でした。どうなるのか気になって仕方ありません。いちおう、これまでの伏線を回収しつつ、次の展開に入ってきてますが、一気に重い展開になってしまいました。白き魔女の過去に何があったのか、戦争はどうなるのか、イゼッタはどうなってしまうのか…。

これ、一期で終わるのかな? どうせなら丁寧に描いてほしいので、二期までいかないかな? このままだと半端になってしまう気がします。面白いだけに、丁寧にいってほしいです。{/netabare}

10話…絶望か、希望か、どっちに進む?
{netabare}イゼッタが捕らえられ、エイルシュタットは首都が陥落。イゼッタを命がけで救うエイルシュタットの兵士たち。イゼッタはなんとか救われ、首脳陣たちが避難した防空壕兼秘密基地で療養。
そのころ、ゲルマニアはゾフィーの力を使い、ブリタニアに大量のミサイルを撃ち込み、ロンドン…ロンデニアを木っ端微塵に。ゾフィーがゲルマニアの兵器として確立したことにより、ベルクマンがお役ごめん。ほぼ捨てられて状況に。ゾフィーの量産化が図られ、さらにはどう見ても「核爆弾」を開発したゲルマニア。もはや怖いものなしとばかりに各国に講和の条件を突きつけ、さらには東の大国ソ連…ヴォルガ連邦と不可侵条約結んで(当然表面だけ、侵攻する気満々)、最後はアメリカ…アトランタを攻める気でいる。

ジークから白き魔女の秘密が語られ、その力の源になっている魔石の半分を見せられたイゼッタは…で次週。

フィーネがその先をどうするのかを迷い、イゼッタは姫を助ける決意は変わらない。どう転んでも魔石を使うんだろうね…となると、イゼッタの命は…。
ゲルマニアの先も見えてきたようです。二次大戦をトレースしているので、ゲルマニアは連合国から逆襲され、首都陥落、皇帝自殺(もしくは暗殺)という全体の流れなんでしょう。しかし、イゼッタ対ゾフィーの決着はどうなることやら…なんとかイゼッタが生き残れる決着にならないだろうか…イゼッタがあまりにもけなげ過ぎて、見ていると切なくなるんだよね…{/netabare}

11話…そういう展開になるよね…
{netabare}秘密の基地がゲール軍に発見され、急襲される。フィーネは投降を覚悟し、絶体絶命のピンチ。そこに魔法を使って救出するイゼッタ。魔石の片割れを使い、魔法を使えるようになったのだ。それはつまり、命を削ること。フィーネが弱気になっているのを檄するイゼッタ。フィーネも覚悟を決めて最後まで戦うことに。
ゲール軍に付いてきたベルクマン。ベルクマンは自分が生き残るためにゲールの情報を伝えた。その内容は国の終末を意味し、それを阻止する必要があり、フィーネとイゼッタは最後の決戦に向かう。

かなりすっ飛ばしましてつじつま合わせがスゴいのですがが、内容は濃かった回でした。ベルクマンとジークの会話が良かったです。
えっ?もう終わり?…やっぱり一期では短い…イゼッタ、生き残って幸せな結末になってほしい…。{/netabare}

12話(最終回)…「地球のみんな!ちょっとずつ元気を分けてくれ!」
{netabare}ゾフィーとイゼッタの最終決戦はこんな感じでした。
ゲールが主催する会談に向かうフィーネ一行に立ちはだかるバスラー。これを振り切り会場へ向かうが、その途中、ジークが倒れる。彼が最後に観たのは眼鏡君の幻だった…。
一方、ゾフィーとイゼッタの最終決戦は魔石の力を全解放した激しいものとなる。二人は信頼する者のために戦い、一方は裏切られ絶望し、一方は最後まで信じ抜くことで戦った。ゾフィーがイゼッタとの戦いから離れられないことに、ゲールの部隊はミサイルを発射する、クローンの力を使って。
ゲールと諸国の会談に現れたフィーネ。フィーネはイゼッタがゾフィーと戦っていることを伝え、終息させると宣言する。しかし、魔女が残ると同じことになると憂慮する首脳たち。それに対しフィーネは言う、すべての魔力をこの世から無くすと。これはイゼッタからの提案だった。
イゼッタはすべての力を使い、この世にある魔力の全てを吸い上げる。ゾフィーの魔力もゾフィーのクローンの魔力も、ミサイルに搭載された爆弾の魔力も…。
これによってゲールの力は弱まり、大戦の流れも変わり、3年後にはゲールが敗れる。フィーネはとある森にあるコテージを訪ねる。そこには成長したロッテに車イスを押される赤い髪の女性が待っていた。

終わっちゃった…どんな終わり方するかと思ったら、あるあるな感じでした。イゼッタが全てを背負い、最悪をを除去する。よくある。生きていたことを示唆する終わり、あるある。
ゾフィーが救われなかったのは可哀想かな。最後に何かしら笑顔にできるシーンがあってもよかったように感じます。{/netabare}

第二次世界大戦をトレースしたこの物語。キャラは本当に良かったです。イゼッタは最後の最後までブレませんでした。とにかくフィーネのために戦い、やり遂げました。綺麗な衣装着てボロボロになるイゼッタの姿は切なかったです。フィーネは小国ではあるが国王として苦労と悩みを抱えながらも国のために戦いました。エイルシュタットの幹部、ゲールの幹部、それぞれ曲者揃いだけど個性強くてそれが絡んで物語を盛り上げました。

ストーリーは12話でギリギリまとめた感じは否めません。世界観が大きいのに、こじんまりとテンプレのようなまとめ方です。これだけのキャラと内容なら二期とは言いません、せめて5話くらい余裕があったらもっといい作品になったと思います。映像は好きでした。特に戦闘の場面は滑らかで迫力ありました。

魔女と王女の世界を変えるための戦い。戦争をモチーフにしてますが、人間の物語が強くなってます。期待分のものは見れたように思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 53

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

西暦1940年…そして少女たちは、世界に挑む。

この作品は亜細亜堂さんの制作したオリジナルアニメだったみたいですね。
正直存じ上げない会社だったのでwikiでググってみたところ、制作元請の下で制作に協力する体制で制作に参画するケースが多い会社みたいです。
この会社が元請として入ったのは、直近では「北斗の拳 イチゴ味」が該当するようです。
でもはやみんと東山さんが出演される事を知り、早々に視聴を決めていた作品でした。

物語は第2次世界大戦時のヨーロッパのような世界を舞台としています。
ゲルマニア帝国は、欧州の中でも大国で圧倒的軍事力をによって周辺諸国の支配に乗り出します。
そしてそれは辺境の小国であるエイルシュタット公国も例外ではありませんでした。
欧州全域を舞台に激しい火蓋が切っておとされ…物語が動いていきます。

エイルシュタット公国の第一皇女であるフィーネは、ゲルマニアと敵対する隣国の要人と会談するため秘密裡に動いていました。
そんな激動の真っただ中…それぞれ敵国の囚われの身となっていたフィーネと…この作品の主人公であるイゼッタが劇的な出会いを果たし…物語が動いていきます。

この作品…枝葉を取り除いて幹だけを見ると、主人公であるイゼッタと、イゼッタの友人でエイルシュタット公国の第一皇女であるフィーネの…二人の物語だったと思います。

1話での出会い…本当は再会で、前に二人が会ったのはどちらも幼かった頃…
でもその頃には、現在のフィーネの下地は出来上がっていました。
大切な国と国民を守るためには、自分の身を厭わない強さです。
持って生まれた資質…といっても過言では無いと思います。

イゼッタの脳裏に焼き付いているのは、両手を広げて自分を守ってくれている幼いお姫様の姿…
ふと気づくと、目の前の状況はまるで昔をフラッシュバックしているかのよう…
きっとここで会うべくして出会った2人なんだと思います。

あの時と一緒…何度だってお前を守ってやる…
あの時は守って貰ってばかりだった…だから今度こそ私が絶対に姫様を守る…
お互いがお互いを思い合う気持ちが随所に感じられるんです…

イゼッタは魔女一族の末裔です。イゼッタは手に触れたモノは自在に操れる魔力を持っていますが、これは本来人が持ちえない力…だからイゼッタはこれまで力を隠しながら暮らしてきました。
これは一族の掟でもある絶対遵守事項…

だからイゼッタは人前で魔力を使う事は絶対しない…そんな女の子でしたが、フィーネが困っているとなると話は別です。
ゲルマニアの猛攻によりエイルシュタットは、選択肢が殆ど無くなってきています。
選択肢が無くなるという事は、それほそのまま国の敗北に直結するのです。

姫様が…国民が笑って明日に迎えるならと…禁忌を冒すのを厭わないイゼッタ…
本当は苦しい時こそフィーネが国民にかけてあげたい言葉があるのをイゼッタは知っています…
でもそんな状況を作れなかったフィーネは自分を不甲斐無いと責めるんです…
次期大公として背負わなければならない荷物は、フィーネにはまだ重すぎるのかもしれません。
でも自分の立場をわきまえたフィーネは国民に対してどこまでも真摯…
そんなフィーネだからイゼッタも心が動かされたんだと思います。

でもイゼッタの申し出を二つ返事で了承するようなフィーネではありません。
何故なら自分の命令によって、イゼッタを最も危険な最前線に送り出す事になる訳ですから…
いつ命に重大な危機が訪れるかもしれない最前線…大切な友人に「死んでくれ」と言っているようなものです。
だから一度は申し出を拒否はするものの…2度目は拒否できないのがフィーネなんです。
だって、イゼッタが最前線に赴かないとそこで苦しい思いをするのは同じエイルシュタットの大切な民なんですから…
只のお涙頂戴的物語ではなく、頭首の聡明さが垣間見えたところでもあったと思います。

数あるフィーネの命令の中で…やはり物語終盤のイゼッタへの命令が一番我が身を切られる思いをしたのではないでしょうか…
そう…イゼッタがフィーネにお願いする時って…いつも笑ってるんですよね…
一片の曇りのない本心からのお願いをしているんです…
この二人のやり取りには何度も目頭が熱くなりました。

だから後戻りのできない崖っ淵での最後の勝負…一筋の光を見てフィーネが号泣するのも納得です。
こうなる事は分かっていたし予見もしていた…けれど、想像と実際とでは雲泥の差がありますよね…
本当に悲しい時って…きっと人目を憚る事なんてできないんだと思います
こんな二人の絆の物語…こう書いてしまうと軽いですが中身のギッシリ詰まった重厚な物語の上で展開される二人の立ち回りの気になる方は、是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、AKINO with bless4さんの「cross the line」
エンディングテーマは、May'nさんの「光ある場所へ」
どちらも物語の重厚さを支えた素晴らしい曲だったと思います。
これもアニソンBEST10行き決定です。

1クール12話の作品でした。
この作品の様な終わり方…大好きです。
世の中は絶望と悲しみだけで出来ている訳じゃない…そんな気持ちを持つ事ができました。
物語もしっかり纏まっていたと思います。しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 37

90.7 2 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング2位
新世紀エヴァンゲリオン(TVアニメ動画)

1995年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (6253)
25242人が棚に入れました
西暦2015年。15年前に起こった大災害・セカンドインパクトで総人口の半数近くを失った人類は、使徒と呼ばれる新たな脅威にさらされていた。国連直属の非公開組織である特務機関NERV(ネルフ)は、汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン (EVA) を極秘に開発し、予測されていた使徒の襲来に備えていた。そのパイロットに選ばれたのは、わずか14歳の少年少女たちだった。
 主人公である「碇シンジ」は、他人との接触を好まない内向的な少年だが、ネルフの総司令である父親ゲンドウによって、EVA初号機のパイロットに突如選任される。こうしてシンジらEVAのパイロットたちは、世界の命運を託され、命をかけて戦う過酷な状況に追い込まれる。セカンドインパクトの真相や襲来する使徒の正体、そして秘密裏に進められる「人類補完計画」など数多くの謎と共に、主人公シンジの成長と挫折を織り交ぜながら物語は進んでいく。

声優・キャラクター
緒方恵美、三石琴乃、山口由里子、林原めぐみ、宮村優子、立木文彦、石田彰、清川元夢、優希比呂、長沢美樹、子安武人、関智一、岩永哲哉、岩男潤子、麦人

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あの時代、あの瞬間だからこそ生まれた神話。

言わずと知れた社会現象を巻き起こし後続作に計り知れない絶大な功績と悪しき産物を刻印した作品。
複雑難解なストーリー、専門用語の羅列、主題歌の衝撃、個性的なキャラなど、現在でも画期的であり
単刀直入に言うならば、全てが斬新でありながら全てが他の追随を許さない折り紙付きの歴史的傑作。
流石に全てと言うと、語弊を生むが、先行作品に対するオマージュを絡めながら、本作独自の世界観を
構築しており、結果的に唯一無二のエヴァ色に染め上げたと思う。先行作品の恩恵や当時の情勢など
大ヒットを後押しする因果が多々あったのは事実だが、それらを差し引いても社会現象たる謂れはある。

思春期の少年少女のインナースペースを深く抉った描写やアイデンティティ・クライシスの描写は見事。
リアルタイム世代でなくても、あの時代、あの瞬間の閉塞感を、如実に体験出来るのではないだろうか。
また、視聴者の心を掴んで離さない数多の謎は、最大の見せ場であると同時に賛否両論の火種であり
物議を醸した最終話は、受け取り方一つで全くの別物になってしまうという、台詞が象徴しているように
エヴァに対する見方・解釈は特に千差万別であり、称賛と同じく批判が入り混じるのは致し方ない事実。

それ故、他者の意見を唯々諾々と受け入れるのではなく、個人の見解を確立してこそ真価が問われる。
収拾すべからざる混乱を招いた無数の異本的解釈は、単線的・一元的な図式へのアンチテーゼであり
25話・26話に関してもエヴァがエヴァたる所以であり、当時の既存アニメに対する懐疑であると言える。
無論、付け焼刃的ガジェットや聖書の引用など、難解さを競うかの如き流儀が本作以降頻出しているが
個人的には良し悪しの問題は別個として、アグレッシブかつアヴァンギャルドな試みは高く評価したい。
賛否こそ分極化するものの、クオリティ・ポテンシャルの高さは、誰もが認めるところではないだろうか。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 61

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

エヴァは何を救ったのか

(エヴァ評 その1:承認欲求編)

 エヴァについて書くのは恥ずかしいことだ。
 そう思っている。
 間違いなく、これは90年代最大のインパクトを誇った物語だ。それゆえ、包括的に書くことは難しい。どう書いても、誰かに何か言われるだろう。「わたしにとっては、そういうものではなかった」と。
 だから、とりあえず、まずは個人的な雑感を――とりわけ人の承認欲求にかかわるものとしてのエヴァについての話を――すこしまとめておきたい ※1。

■「立派になりたいとすら思わないわたし」の居場所

 当時、内向的な性格だった私自身も、ご他聞にもれず、たいへんハマッた。
 そのこと自体が恥ずかしいといえば、恥ずかしい過去でもある。しかしながら、それは一方で、わたしにとっての大事な過去でもある。
 ハマッた当時、シンジくんに、ベタに感情移入しながら見ていた。
 これは、シンジくんに感情移入できるかどうか、でまったく観方が変わる。
 だから、ここからの記述は15年前にシンジくんに感情移入できた側の人間の書いたものだと思ってもらいたい。
 当時のわたしにとっては、エヴァは「内気なわたし」に何か希望をあたえてくれるもの、でもあった。

 その理由は主に二つある。
 一つには、「どこにでもいるしょぼい私が、一足とびに世界の救済にかかわる」はなし、だったことだ(※2)。
 シンジくんが世界の救済にかかわりえた要因ははっきりといえば偶然に与えられていた資質でしかない(※3)。だが、「偶然」ではなく、多くのスポーツマンガにあるような「能力もある人間が努力によって、世界をすくうヒーロー」の話よりも、偶然によって世界を救う、という話は多くの凡庸な人々に希望をあたえる。たいした能力もなければ、努力をすることもできない。そういう人間に希望を与える話だ。
 もっとも、「どこにでもいる凡庸なわたし」が見出され、肯定される話は、少年少女向けの話ではよくある。
 「クラス一の人気者の彼に、ワタシなんかが告白されるだなんて…!」的な少女マンガのお約束展開でもある。肯定されるべき本人の自己評価の低さ、の種類はいろいろとある。少女漫画の場合は、多くの場合「ドジなわたし」「普通のわたし」だ(※4)。だけれども、多くのマンガやアニメでは、最初はドジで凡庸なわたし、が次第に精神的に成長し、努力家になったり、こころに余裕が出てきて周囲に配慮のできる人間になっていったりする。
 「努力」や「成長」によって、ヒーローになる話というのは「立派な人物」を称える話だ(※5)。
 「立派で善良な人物」を褒め称える話では、わたしは救われない。
 そういうことを思う人は、たくさんいただろう。全く立派ではないわたし、が生きていくしるべがあるのなら。それを見てみたい。立派ではないわたしが「いけない」ものではない、ということ。それをどうにかして肯定することができるのならば、その形を見たい。
 そう思っている立派ではない少年少女。そもそも「立派になりたい」とすら思うことのできない少年少女は、全国に何万、何十万といただろう。
 立派ではないわたし、が何がしか、世界にいていいのだ、と思わせてくれる。そういう物語がある。そして、その「立派ではない」わたしの、立派でなさ加減たるや、だいぶ徹底して救いがたい。そういう人間に救いがあるような世界観を提示してみせたこと。それだけで、エヴァは救いだったと思う。

■人を肯定してみせることの「闇」

 「あなたは、何も恥じることはない」
 そのことを強く感じさせてくれる経験は、強い力をもっている。
 だからこそ、実は、この経験は危うい力としても用いられる。
 うがった言い方をすれば、エヴァの熱狂は新興宗教の教義があたえる熱狂と同類のものである、というように言ってみせるひともいた。それもそうだと思う。当時で言えば、「オウム真理教にハマる若者」と、「エヴァへの熱狂」が同類のものだ、という評論家は、決して少なくなかった。
 自分なんて生きていていいのだろうか、という自分への自信のなさ。
 同時に、世界の役に立ちたいという底なしにピュアな善意。
 その二つを同時に兼ね備えた若者というのは、そこらじゅうに転がっている。そうして、どうやって世界と関わっていけばいいのか、その関わり方がわからなくなる。それは「若い」ということのもっているそもそもの性質なのだ、とわたしは思う。※6

 そういう若さ。
 それは「<しょぼいわたし>が、いきなり<世界の革命>に関わることができる」というストーリーに惹かれやすい。
 オウムが信者向けに用意していた話も、そういうものだった。
 オウムの信者と、シンジくんとほとんど同じじゃないか。そういう批判は、実際あった。※7

 こういう話は、いつしか定番のパターンとなり、二〇〇〇年代にはセカイ系、と呼ばれるようになった。
 こうしたお話、が新興宗教と類似の性質をもっていること。それはそのとおりだと、わたしも思う。
 だから、「エヴァなんて駄目だ」という人は、たとえば次のようなことを言う。
 「こんな浮世離れした話をみていないで、仕事で成功して、自分の自信をつけなさい」
 「こんなウジウジしたものを見て救われてないで、地元に親しい友達を見つけて、友達から認めてもらいなさい」
 と。

 それは、それで、そのとおりだということは、ある。
 その説教も、意味がある、と思う。この作品のラスト自体をそういうメッセージだと見て取るひともいる。
 
 一方で、その説教によってはやはり救われない人もいる。それもまた、もう一つの事実だ。
 仕事にも、友人にも、勉強にも、どう頑張れば、自らの居場所を得ることができるのかわからない。
 そういう少年少女は、溢れかえっている。そういう気分になっている人に、「あなたを肯定する物語」を与えることは、決して意味のないことではない、とわたしは思う。「新興宗教と同類の欲望を与えているのが事実だとしても、アニメという代理のもので欲望を昇華しえているのだから、問題はない」と、そう言うこともできる。

 一方で、
 「おまえらはみんな乱暴なんだ!おまえらは、ぼくのことなんか、ぜんぜんわかってないんだ!!」
 そう言い続ける人は、いる。
 そう言い続けたい人のための、免罪符として、エヴァのような物語があることにすがる人もいる。
 「ダメな自分」をいつまでも肯定し続けるためだけの装置になってしまっていたことも、もちろんあっただろう。
 そういうことの道具としてエヴァのような物語が使われたら、それはやっぱり不幸なことだと思う。

 エヴァはその意味で、危険な物語である。

■危険であり、重要な承認でもあるということ

 そういう、危険な物語。そういう未熟な人間のための物語に、ハマったということ。
 それは、今の視点でどう考えるにせよ、十代中盤の中学生のときのわたしが、どハマリした事実は、恥ずかしながら、素直に書けば承認欲求の問題だ。
 それは恥ずかしいとも思っているし、それは大事な「思い出」だとも思っている。
 この手の、そういう承認欲求の問題は、
 未熟なものとして否定してもいいし、
 しかしながら普遍的な悩みとしてもちあげてもいい。
 その二面性をもっている。

 未熟者を釣り上げるだけの話だといえば、「コンプレックス商法乙」という批判もでてくる。センチメンタルな表現による無内容な自己肯定とも言っていい。悩める日々を美しく描くことで、未熟さにとりあえず「青春」とか「思春期」とかいう名前をつけて肯定してみせる。そいういうやり方で、それは一部の新興宗教の与える物語とも実は近しい。
 普遍的な悩みなのだと言えば、「少年少女の繊細で、重要な問題の表現」になる。それは、実際、どこにでも転がっている凡庸な悩みでありながら、どこにでも転がっている凡庸んな悩みだからこそ、きちんと取り扱われることを要求する問題だ。


 わたしは、ダメで苦しい自分でしかいられないのか。もっと、立派でラクな自分になれるのか。
 そういうことは、人生のいつまで経ってもわからないけれども、
 若ければ、若いほどにそういうことは全くわからない。

 人生を少し生きていくと、「ああ、わたしはこういう自分でもありえたのか」と納得することもあれば
 「ああ、わたしにはこれが限界なんだなあ」ということをしみじみと思うこともある。
 若いということは、その範囲がまったくわからない。
 「自分」についての不安が、とても、とても大きい。

 だからこそ、「立派なわたしになる」ためのヒーローものや、成長物語が希望を与え、
 同時に、エヴァのような「立派ではないわたし」の抱える不安の物語も、一種の安堵を与える。

 どちらかの視点だけを強力に打ち出してくるようなタイプの考えは、わたしは非力だと思っている。
 どちらかが、完全に消去されることはない。
 そこのところのややこしさはある。
 立派であることを諦めるばかりでは、未成熟なまますぎるし、
 立派になれないことがある、ということを理解できないのも阿呆すぎる。
 自分ではなく、他人に対して「おまえも、もっと立派になれよ」としか言わない人間だったりすれば、それは無神経すぎる。
 何かに「立ち向かうこと」と、何かから「逃げること」との価値は紙一重だ。
 そのバランスが難しい。
 どうしても傷が深い人間には立ち向かえないことはあるし,
 だからといって逃げてばかりいてはいけない。
 そのバランスが難しいからこそ、いつまでも、人は脳天気に悩みから解放されない。
 「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!」
 というシンジくんのテンプレートは、まさしく、そのバランスの難しさに直面した人間のそれだ。

 エヴァは、何かから「逃げるかどうかを迷う」話である。
 立ち向かってばかりいる人には「逃げる」ことの感覚を思い出す話は、それはそれで貴重なものだし、
 「逃げている人」には、世の中に数少ない(※8)何かから「逃げるかどうかを迷う話」は貴重だろう。
 迷っていい。

■沈黙のわからなくなってしまったわたしにとっての価値

 シンジくんは、基本、とってもウジウジとしていて煮え切らない。
 「凡庸」というよりも、もっといえば、自己評価が低すぎる人間、だといったほうがいいだろう。

 「自分など、生まれなかった方がよかったのではないか」
 そういうことを、思春期のときは何度も思った。
 自己評価の低さにあえぐ日々を送る人間にとっては、この人物描写はやっぱり深刻なものがあった。
 エレベータのなかで訪れる長い沈黙など、どうしようもなく、ささった。
 エレベータの「沈黙」や、綾波が雑巾を絞っているのを遠くから見つめている風景や、カヲルくんをエヴァから握り締めてながく沈黙する、あの沈黙の間の表現は、ひどく印象にのこっている。
 わたしは、この場にいて、何をすればいいのだろうか?
 そうやって、うろたえることが、わたしの昔の日常だった。

 わたしは大人になってから、
 「何をやっている人間なのか」を宣言することができる何者か、になった。
 何かの専門家であったり、何かの職業の人間だったり、会社の人間だったり、
 そういうものになった、ということだ。
 それはそれで辛いことは、もちろんあるけれども、
 行く先々で、わたしが何を期待されているのかが、だいたいは、わかるようになった。
 会議があれば、会議の時間で、わたしがひっそりと沈黙しなければいけないことはなくなった
 そうすると、不思議とこういった少しの沈黙や、人の微妙な言葉遣いなどがほとんど気にならなくなった。
 今はこういう沈黙の「重さ」がほとんど感覚的にはわからない。
 
 だけれども、かつてのわたしにとっては、こういう「沈黙」の重みこそが、切実な日常だった。
 こうした、きわめて自己評価の低い人間であっても、なにがしかの形で肯定されえたり、とんでもなく重要な問題の中心に置かれたりすることを描く。
 それだけで、これは、わたしにとっては、これがとても重要な物語たりえた。
 

 三〇を過ぎて、
 今になってみると、シンジくんに感情移入ができるかどうかは不安だ。
 いま、見たら、まったく違う感覚で見るしかないだろう、と思う。
 エヴァを見ることは、今のわたしにとっては、そのときの感覚を思い出すことになるかもしれない。
 それならば、それはそれで、今のわたしにとって貴重な物語だ。


 むろん、エヴァの全体のこうしたエポックメイキングな方向性は、描写の細やかさや、作話、作画の水準などの高さに支えられているのはいうまでもない。


 

■■■■注■■■■■

※1 なお、別途、エヴァの「解釈論」にかかわる感想を、「新世紀エヴァンゲリオン Air/まごころを、君に」のほうのレビューで書きました。「エヴァの「難解さ」ははっきり言って、ただのフェイクである」という一般に言われていることを全面的に肯定しますが、そのフェイクがどうして、機能したのか、ということのほうについての話です。

※2 いわゆる「セカイ系」
※3 シンジくんが、乗ったのは「必然」だったんじゃないか、というツッコミをいただきましたが、物語の受容のされ方によっては、そう感じられる、というのは確かにそうだと思います。なので、はじめの書き方だと、言葉遣いが適切でなかったかも…と思い、少し言い方を変えました。
 わたしがここで案に前提としている対比は次のようなものですたい
A:努力によって能力を得た人が必然的に選ばれる物語
B:たまたまの才能や、ほんとにただの偶然によって選ばれる物語
 との対比です。

 その人の自己評価などをめぐるさる社会調査で、努力・才能・運を分けて議論している話がありましたが、この三つは、それぞれ
・努力:後天的で、コントロール・選択可能なもの
・才能:先天的で、コントロール・選択不可能
・運:後天的だが、コントロール・選択不可能
 という分け方になります。(シンジ君は、デザイナーベビー的な側面がありますから、先天的にコントロールされた存在…とも言えますが)。要するに、ここでわたしが書いた「偶然」というのは、「運」という意味ではなく、本人によってコントロール・選択不可能な要因によって、エヴァにのるわけで、その意味で「偶然」と申し上げました。
 まあ、「努力する才能をどう考えるか」とか突っ込まれると、話がさらに混沌としていくというか、ディフェンスをするためにもってまわった言い方が必要になってくるわけですが、そこまで配慮した書き方をしようとすると、言葉の定義や選択をゼロから述べていく学術論文みたいな記述になってくるので、この程度の説明で許してつかぁさい。

※4 さらに言えば、シンジくんと、当時のわたしは、他のマンガなどで表現されている人格なんかよりも、だいぶ性格的にも近しかった。あそこまでいじけていたかどうかは、さておき、人の多い場所が慣れなかったり、会話に入れなかったりするコミュニケーションに対する自信のなさ、というのはだいぶ似ていたように思う。

※5 こういうものは、いまや誰もが古臭いと認める高度成長期的な価値観を、再強化するものでもある。その意味で、ヒーローの話しか存在しない世界と比べれば、こういう偶然性によって個々の人間の固有性を肯定する、という話の存在は、相対的には歓迎してもいいものだろう。(このような擁護の論理自体、ふるくさい)。こうした「高度成長期」の価値観への批判というのは、もう何週もしてしまって、賞味期限切れではあるけれども、一応、定番ものとしては見田宗介の時代区分「理想」の時代→「夢」の時代→「虚構」の時代あたりは、なんのかんのいいつつ何度も参照されるので、まあ一応、前提として確認しておきます、ということで。現代においても、「理想」を前提とする価値観こそを高尚なものと考える素朴な議論はあとをたたないですし。

※6 2012年現在においては、こういう「高度成長経済のメンタリティ」とからめてセカイ系を論じるという議論設定そのものがもはやきわめて古臭いわけだ。…が、いずれにせよ、こうした「高度成長」「バブル」の物語のあとにくる承認欲求物語はまったく空白だった、ということを論じていたのが、80年代後半~90年代の論壇だった。
 ある種の論壇人とかは、こういうタイプの「高度成長」「バブル」後の空白を埋める物語として、エヴァが機能した、というようなことをよく言っていて、それはまあ、確かにそうだといえばそうだろうということは、わたしも思っている。

※7 少年少女が、どのように世界と関わっていけばわからなくなる瞬間というのは、何度も訪れる
 青少年にむけて、こういった公共的な物語の空白というのは、90年代においてはじめて現れたものではなく、戦後1950年代~60年ぐらいの間にも存在していたものでもある、わけで。戦争のあとの空白感たるや、それはすごいに違いない。
 そういうのは繰り返す。
 最近だと、いまさらハルヒがそういう欲望を代替していた、と論じる人がけっこういっぱいいるけれども、こういうのは繰り返すものだから今だと確かにハルヒなのかもね。わたしがハルヒを見たときは、もうすでに承認欲求をめぐる問題からは、ほとんど自由だったので、ハルヒの中のそういう要素に対してはまったく反応できなくなっていたのだけれども。

※8 正確には、ジュヴィナイル小説だとか、青少年向けコンテンツに数が少ないだけで、純文学系だと腐るほどあって、それはそれでうんざりするような気分になることすらあるのだけれども…

投稿 : 2024/04/20
♥ : 44

米粉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

理解力を必要とする名作

話題になっているという
理由から見始めたアニメ、

面白いです!
設定が凄く変わっていて
ロボットアニメが苦手な私でも
全然抵抗なく見れました♪
まぁ、エヴァはロボットではなく人造人間なんですがね…
中身も(内蔵など)もちゃんと詰まってますしね!
そうゆうところ凄く好きです。

しかし
内容が少し難しいです
何回か見て解説サイトなどを
みて分からない部分を補ってくと
また新しい発見があって楽しめると思います!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 12

88.8 3 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング3位
マクロスFRONTIER[フロンティア](TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★★ 4.1 (3905)
18296人が棚に入れました
西暦2059年。「新統合軍」が擁する戦闘艦と一体化した居住艦を中心に、1000万人以上が住まう超巨大宇宙移民船団の一つ「マクロス・フロンティア」(通称「フロンティア」)は、銀河系の中心部を目指す航海の中にあった。
ある日、近隣で航行中の「マクロス・ギャラクシー」船団出身の歌姫・シェリル・ノームが、コンサートのためにフロンティアを訪れる。同じ頃、パイロット養成学校に通う少年・早乙女アルトは、シェリルのステージの一部であるエア・アクロバットに出演することになっていたが、彼女の大ファンだという女子高生・ランカ・リーとひょんなことから出会う。そんな折、フロンティアへ謎の宇宙怪獣が突如来襲。アルト、ランカ、シェリル、そしてフロンティアの人々は、否応無しに宇宙怪獣との戦いに巻き込まれていく・・。キラッ☆

声優・キャラクター
中村悠一、中島愛、遠藤綾、神谷浩史、福山潤、桑島法子、小西克幸、豊口めぐみ、大川透、小林沙苗、三宅健太、田中理恵、平野綾、福原香織、井上喜久子、西村知道、杉田智和

人工知能 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

これぞ現代のマクロス!

これを手に取ったのは、周りで人気だったから。そんな気持ちで手に取った作品だったのですが……。
やべぇ!こんなに続きが楽しみなアニメ、久しぶりだ!レンタルしにいかねぇと!続きがねぇ!ふざけんなぁ!
とかなり熱中し暴走したのを覚えています。
 ただ萌え要素だしただけかと思えば、そんなことはない。ちゃんとマクロスってました!シェリルとランカとアルトの三角関係、バジュラとの戦い、アイドルとして歌う二人の歌。ちゃんとマクロスの三原則守ってる!その上、前シリーズのオマージュもたくさん隠れていました。ZEROとか7とか。シリーズ見てから見るのもよし。初めてのマクロスシリーズとしてみるも良しかと。せめて初代マクロスの知識はあったほうがいいかもね。初代マクロスの劇場版を見てからをお勧めします。そのほうが世界観は共通なのでわかりやすいかも。歌、音楽が素晴らしいです。最終話なんか鳥肌ものです。キャラクターも魅力的です。
「ロボットアニメはちょっと…」と敬遠している方にぜひお勧めしたい作品です。
 ちなみに自分はクラン大尉が一番好きです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 25

reverb さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

持ってっけー?!

主題歌、挿入歌の良さは認めます。イヤ認めさせてください。じゃなくて認めるなんておこがましい事を…
以下の感想は、ストーリーや絵に関しては皆無です(爆)

歌詞が変なんです。悪い意味じゃなくて、これまで聞いたこと無いんです。「持ってっけー」とか「生き残りたーい」とかあんまり歌詞に使わないし(笑)

でもって、ドッグファイトのシーンなんかでこの曲が流れると寒イボ(鳥肌?)が出るんすよ。
お気に入りは「ライオン」かな、菅野ようこさん凄すぎです。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 14
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

『初代マクロス』を見ているかどうかで評価が激しく変わってしまいました

(2018.11.19)レビュー全面改訂

◆『初代マクロス』完走前に視聴した時の個人評価(☆ 3.6)と、完走したあとに改めて視聴した時の個人評価(★ 4.3)が余りにも違い過ぎる・・・

初見時の私は、例えるなら、「古今和歌集」を読んでいない人が、いきなり「新古今集」を読んでしまい、頭の中がチンプンカンプンになって、どう評価していいのか分からない状態に近かった?

・・・つまり、本作は、その第1話から終盤の決着のつけ方まで、あるいは主要キャラの配置やメカの設定まで、『初代マクロス』を様々な形で「本家どり」していて、その「本家」の方をきちんと見ていないと、そうした様々なシーンや、主要キャラの行動パターンでさえも、いかにも“ワザとらしい・不自然な”モノにしか思えなくて、私のような一部の視聴者には、本作の全編に溢れるそうしたサービスが、却って意味不明で不必要、場合によっては不愉快なものにすら感じられてしまう作品ではないでしょうか?(もしかして私だけ?)

・・・というわけで、本作の個人評価を大きく変更します。
ファンの皆さん、長い間「マクロスF」をディスってて・・・ゴメンナサイ。

但し、ここで少しだけ弁明するとすれば、このTVシリーズの方は、後半のシナリオが若干甘いと思う(※とくに、後半になって急に存在が大きくなる{netabare}グレースとブレアのキャラ{/netabare}が何だかブレていて、いまいちシックリ来ない点)。

その後、制作された劇場版2本では、この欠点は見事に解消されており、とくに劇場版後編(サヨナラノツバサ)は、TVシリーズとはひと味もふた味も違ったドラマチッな展開で、私の個人評価もかなり高くなりました。

取り敢えず、しばらくして、TVシリーズ→劇場版の順に今度は落ち着いてもう一周して個人評価をキッチリ確定したい作品です。


◆視聴メモ(2回目以降)
{netabare}
・第1話視聴終了時点
展開の速さは◎、但しヒロイン(ランカ)の声演の下手さはやはり気になる。
・第2話視聴終了時点
アルトがランカを可変戦闘機から救助するシーンは『超時空要塞マクロス』で一条輝がリン・ミンメイを救助するシーンのオマージュ。
一瞬ながら大気の希薄な状態に投げ出されてしまったランカが無事だったのは、彼女がゼントラン(ゼントラーディ人)とのクォーターだったから→なるほど上手な理由付けだと感心。
・第7話視聴終了時点
バトル&歌融合回として◎
・第10話視聴終了時点
この回って『マクロスゼロ』をモチーフとしていたんですね。なるほど・・・。
またアルトが歌舞伎の家元の跡取り息子であることがランカにバレる回だけど、シェリルは以前からそれを知っていたらしいことが述べられる回でもある。
なお、ランカを襲った獣(ヒドラ)の原産地・惑星エデンは『マクロスプラス』にでてくる設定。
・第12話視聴終了時点
この回は『超時空要塞マクロス』全体をモチーフとしており、同作のブリタイ/エキセドル/カムジン似のゼントランが登場、またランカ=ミンメイが明確になる回。
・第15話視聴終了時点
ここで、黒幕グレイスによる「プロジェクト・フェアリーは失敗と判断。フェアリー・ナイン廃棄。本作戦はリトル・クィーンという重要な駒を得て新たな段階に進む」という宣言。
・第16話視聴終了時点
『超時空要塞マクロス』第27話の“ミンメイ・アタック”を本家取りした“ランカ・アタック”が描かれる回。
・第17話視聴終了時点
オズマのエピソードに絡めて『マクロス7』の曲が沢山挿入される回。
・第21話視聴終了時点
アイランド3誘き出し作品で使用される爆弾の名称が「リトル・ガール」というのは、いくら何でも安直で脚本家(吉野弘幸氏)のセンスを疑う。
・第24話視聴終了時点
次回予告が実写でアルバムをめくるシーンになってるのは明らかに『超時空要塞マクロス』のEDへのオマージュ。
・第25話(最終話)視聴終了時点
SMSオーナー(リチャード・ヴィルダー)がラスト付近でリン・ミンメイの写真入りのロケットペンダントを暫し眺めて閉じるシーンが入る点、およびその一つ前のシーンで子供時代のブレラ&ランカ兄妹と母親に交じって、『マクロスゼロ』のマオ・ノーム(※シェリルの祖母)が小さく映し出されている点、に注目。
{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作             河森正治/スタジオぬえ
総監督・ストーリー構成 河森正治
監督             菊地康仁
シリーズ構成・脚本    吉野弘幸
キャラクターデザイン   江端里沙、高橋裕一
メカニックデザイン    河森正治、石垣純哉
音楽             菅野よう子
アニメーション制作    サテライト{/netabare}


◆作品別評価

(1) TVシリーズ (全25話) ★  4.4 (2008年4-9月)
(2) 劇場版1(虚空歌姫)  ★★ 4.5 (2009年11月) ※119分
(3) 劇場版2(恋離飛翼)  ★★ 4.7 (2011年3月) ※115分
-------------------------------------------------------------
  総合          ★  4.4 (25話+劇2≒35話相当)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


============== マクロスFRONTIER (2008年4-9月) ==============

 - - - - OP「トライアングラー」、ED「ダイアモンドクレパス」他 - - - -
{netabare}
第1話 クロース・エンカウンター (最接近) ★ 移民船団マクロスF(西暦2059年)、歌姫シェリル公演、バジュラ来襲・SMS出撃、市街戦 ※ED「アイモ」
第2話 ハード・チェイス (猛追撃) ★ 続き、バジュラ撃退・再襲来、三人の鉢合わせ(早乙女アルト/シェリル/ランカ)
第3話 オン・ユア・マークス (位置について) ★ 閉じ込められた三人、オズマ負傷、アルトSMS入隊志願、ランカ歌手志願
第4話 ミス・マクロス ★ 入隊最終試験、ランカのミスコン参加、アルト初戦果、三角関係の始まり ※挿入歌「私の彼はパイロット」
第5話 スター・デイト ★★ 巨人都市、歌い始めるランカ、鹵獲バジュラの目覚め
第6話 バイバイ・シェリル ★ 非常事態宣言・マクロスギャラクシー救援作戦開始、キャシーSMS着任、戦闘艦SMSマクロスQtr(クォーター)発進 
第7話 ファースト・アタック (最初の急襲) ★★ シェリル・サヨナラライブ、バジュラ母艦VS.マクロスQtr、アルトのルカ救出戦、謎の機体(ブレラ・スターン搭乗) ※ED「アイモ」
第8話 ハイスクール・クイーン ★ ランカ美星学園1年転入、シェリル来園騒動、幼生バジュラとの出遭い、シュリル学園転入
第9話 フレンドリー・ファイア (誤射) ★ 狙撃手ミッシェルの迷い、バジュラの巣、謎の敵との遭遇戦
第10話 レジェンド・オブ・ゼロ ★★ ランカ&アルトの映画『鳥の人』出演、アルトの個人事情、ブレラのランカ救助、ランカ大抜擢(マオの気持ち、海中撮影) ※ED「アイモ〜鳥の人」
第11話 ミッシング・バースデー (失われた誕生日) ★ アルト誕生日(3つの選択肢)、アルトの選択(シェリル護衛)、振られたランカ ※ED「ねこ日記」
第12話 ファステスト・デリバリー (最速の移送) ★★ 惑星ガリア4慰問、シェリル体調不良・ゼントラン暴動、ランカ熱唱、不時着・旧世代型マクロス発見 ※ED「愛・おぼえていますか」
第13話 メモリー・オブ・グローバル (グローバル号の記憶) ★ 第117調査船団旗艦、バジュラの巣、囚われたランカ、グレイス豹変・ガリア4崩壊 ※シナリオの大味さは×
第14話 マザーズ・ララバイ (母の子守唄) ★ バジュラ大群来襲、マクロスF船団防衛戦、ランカの歌とバジュラの混乱、ブレラのランカ救出、バジュラ壊走、リトル・クィーンの涙 ※同上×{/netabare}

 ^^^^ 物語の便宜的な折り返し点(※ここでこれまでの総集編的な種明かし回が入る) ^^^^

{netabare} 
第15話 ロスト・ピース (失われた欠片)※半総集編 ☆ オペレーション・カニバル(黒幕の策謀進行)、三島レオン主席補佐官のランカ召喚、SMSオーナー(リチャード・ヴィルラー)のアルト召喚 ※ED「ダイアモンドクレバス50/50」
第16話 ランカ・アタック (ランカの攻撃) ★ ランカの新任マネージャー&ボディガード、魔法の石フォールドクォーツ、バジュラ殲滅成功、戸惑うランカ ※ED「ノーザンクロス」{/netabare}

 - - - - - - - - OP「星間飛行」、ED「ノーザンクロス」 - - - - - - -
{netabare}
第17話 グッバイ・シスター  ★ 義兄オズマの想い、常に進化する生物、オズマ負傷、シュエリルのグレイス問い詰め{/netabare}

 - - - - - - - - OP「ライオン」、ED「ノーザンクロス」他 - - - - - - -
{netabare}
第18話 フォールド・フェーム (折りたたまれた名声) ★ グレイスの実験体、シェリル凋落、超長距離フォールド作戦開始・成功、ランカの腹部激痛 ※挿入歌「愛・おぼえていますか」
第19話 トライアングラー (三角関係の者達) ★★ 美星学園ランカ公演、告白の決心(ランカ)、クーデター計画発動、屋上の鉢合わせ ※ED「トライアングラー」
第20話 ダイヤモンド・クレバス(ダイヤ 形の亀裂) ★★ 幼生バジュラ襲撃、大統領暗殺、絶望の中で立ち上がる歌姫、クラン告白、ミッシェル戦死 ※ED「ダイアモンドクレバス」
第21話 蒼のエーテル ★★ レオンの全権把握、アイランド3誘き出し作戦成功、アイ君の脱皮、ランカ告白、ブレラとの旅立ち ※ED「蒼のエーテル」
第22話 ノーザン・クロス (北の十字架) ★ シェリルの新しい可能性、新大統領就任演説、マクロスQtr離脱、バジュラ母星
第23話 トゥルー・ビギン ★ シェリル&アルトの共同生活、バジュラの習性判明、ランカの記憶回復、バジュラ母星侵攻計画開始
第24話 ラスト・フロンティア ★★ グレイスの謀略進行、最終決戦、シェリル絶唱、ランカの本当の力、アルト機被弾 ※挿入歌「愛・おぼえていますか」{/netabare}

 - - - - - - - - - - OP(なし)、ED「トライアングラー」 - - - - - - - - -
{netabare}
第25話 アナタノオト (貴方の音) ★ マクロスQtr来援、バトルギャラクシー出現、バジュラの女王乗っ取り(グレイス)、バジュラとの意思疎通成功、クィーン融合グレイス殲滅 ※挿入歌「アナタノオト」他{/netabare}
---------------------------------------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)7、★(良回)16、☆(並回)1、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4


=== 劇場版 マクロスF 虚空歌姫 〜イツワリノウタヒメ〜 (2009年11月) ===

全1話 ★★ 4.5 ※TV版前半を再構成、シナリオ改変・新規映像も多い ※119分


==== 劇場版 マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜 (2011年3月) ====

全1話 ★★ 4.7 ※完全新規映像のアナザーストーリー ※115分


============== 娘クリ Nyan×2 Music Clip (2010年12月) ============

全1話 ★ 4.0 ※シェリル&ランカ両者のインタビュー付きミュージック・クリップ、映像は2/3新規&残り1/3は「マクロスF」及び「マクロスゼロ」より流用

投稿 : 2024/04/20
♥ : 40

65.7 4 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング4位
輪廻のラグランジェ(TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (802)
3975人が棚に入れました
主人公・京乃まどかは故郷である千葉県・鴨川の海を心から愛する女子高生。「困っていることがあったら、助っ人しちゃう」のが売りの「鴨女ジャージ部」、ただ一人の部員として、今日も元気に活動中の17歳。ある日、謎めいた美少女・ランと出会ったまどかは、一目見て彼女を同志と思い込み、熱烈にジャージ部に誘う。ひょんなことから部員が増えて、まどかは大喜び。そればかりか、ムギナミという不思議な転校生がまどかのクラスにやってくる。ゆるふわな性格のムギナミは、軽いノリでジャージ部に参加。 まどか一人だった鴨女ジャージ部は、一気に三人に増え、やがて鴨川を守る希望の星となっていく…!

声優・キャラクター
石原夏織、瀬戸麻沙美、茅野愛衣、野島健児、吉野裕行、松岡禎丞、興津和幸、能登麻美子、浜田賢二、井口祐一、保村真、田中理恵、藤村歩、川田紳司、山口立花子、三森すずこ、浅倉杏美、南里侑香、野水伊織、森谷里美
ネタバレ

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

感激のコラボレーションここにありo(*^▽^*)o~♪

■輪廻のラグランジェの世界はこんなんですよo(*^▽^*)o~♪
Production I.G原作のオリジナルアニメーションで千葉県鴨川市が舞台となってるんですね♪
鴨川と鴨川シーワールドのイメージが強いですけど、山も近く海も綺麗な自然豊かな街並みを忠実にそして鮮やかな作画で描写しているのです♪

主人公の京乃まどか[kyouno]ちゃんはとっても明るくって元気な女の子!
困っている人がいると何でも手助けしたくなっちゃう性格で、鴨川女子高校での部活動も彼女にぴったりでした♪
その名は「ジャージ部」…(;・∀・)ハッ?
部員はまどか一人なのです…Σ(^∇^;)エッ! それじゃあ同好会じゃんw
活動内容…人助け(o^-')b グッ!
鴨女「ジャージ部」拡大を目標に毎日精力的に活動していると…ついに部員確保!?
ランと言う女の子と同士となったまどかは、彼女のお願いを聞くことに!!
「あなた、ロボットに乗れる?」‥‥‥‥‥‥ ∑(〃゚ o ゚〃) ヘッ!!
ランに出逢い手助けすることになった彼女の運命が大きく変わることになったのは言うまでもありませんでした( ゚∀゚ )

って事で「輪廻のラグランジェ」はロボットアニメなんですね♪
しかもロボットのデザインをNISSAN自動車のカーデザイナーがデザインを手掛けるという新しい試みがあったのですヽ(`▽´)/
女の子が乗るロボットらしく、女性らしい曲線美を生かしたデザインになっていて、デザイナーの大須田さんは普段内装のデザインを手掛けているので、ロボットのコックピットも洗練されていて見所の一つと言えるんじゃないでしょうか♪


■日記『まどかの一日♡』を読んだ私の日記 φ( ̄∇ ̄o)
◯月△日
{netabare}
公式サイトにアップされている『まどかの一日♡』読んだよ♪
まどか、プール掃除ご苦労様でしたo(*^▽^*)o~♪
でも…「プールの神様」ってすぐ信じちゃダメだよwww
それにね…プールをでっかいゴミ箱とカン違いする人なんていないからね(>▽<;; アセアセ
そりゃーまちこ先生に怒られるって!
それと南田先生って藻マニアw
どんだけ藻を持ってってあげたん?
今日はまどかがかなり天然って事を発見♪ まる。{/netabare}

◯月■日
{netabare}
今日の活動は試食係だったんですね(^▽^)/
「さんが焼きバーガー・まどかスペシャルNo.12(仮)」って試作品No.1~11があったって事だよね!とっても気になる~♪
さんが焼きはなめろうを使った南房総の漁師料理だよね!
落花生も千葉県産は有名だね!めっちゃ値段高いのがw
さんが焼きに何でも入れちゃう浩さんはかなりのチャレンジャーなのね!
まどか以上にプラス思考の人発見(。・w・。 ) ププッ
さんが焼き食べた事ないから今度ご馳走してね~。 まる。{/netabare}

◯月×日
{netabare}
テスト期間中なんだね~!!
大変だねって…オイ!!
田んぼの草刈りとテスト勉強を天秤にかけないでww
またまちこ先生に怒られてるじゃん!まぁまどからしいけどね!
ところで、みちとさちと一緒にテスト勉強したみたいだけど…
まどかぁ…勉強でも頼られるジャージ部を目指そうね(。・w・。 ) ププッ
今日はまどかの諦めの良さを発見。…まる。{/netabare}

△月◎日
{netabare}
怪我をしたトンビを助けてあげるなんてえらいぞまどか!さすがジャージ部!
バード部部長の鳥居さんもきっと喜んでいるよね♪
でもね…恩返しのお礼でトンビが油揚げ持ってくるなんて(ヾノ・∀・`)ナイナイ
もう、まどかったらトンビがいなり寿司に見えてるじゃない!!
今日はまどかがとっても食いしん坊だって事がわかりました。 まる。{/netabare}

△月◆日
{netabare}
今度はテニス部あかねちゃんの緊急依頼だったんだね♪ジャージ部も大変だ!
ところで、まどかってテニスやったことあるの?(゚ロ゚;)エェッ!?ない…
ルールも知らないでよく試合に出たよねw
で試合の方は勝てたの…(ノ´▽`)ノオオオオッ♪すごい!さすがまどか!
ジュースの力で勝てたって?…(;・∀・)ハッ?
「ジュース」じゃなくって「デュース」だよwww
ルール知らなくってよかったね!
今日はまどかの運動神経の良さと食いしん坊を再確認! まる!{/netabare}

△月※日
{netabare}
鴨川沖に古代文明が沈んでるって本当なの!?
でもこういう噂は周期的に話題になるよね~♪
また7年後にお店も大忙しだねw
がんばれまどか!鴨川ピラミッド発見の日は近いぞ!?
鴨川を全世界にアピールする野望を知った日でした。 まる。{/netabare}

△月★彡日
{netabare}
今日はジャージ部のトレードマークのジャージを新調したんですね♪
浩さんから命じられなかったらいつ新しくするつもりだったの…?w
私もさち、みちと同じで、何でいつも同じ色って思ったけどお姉ちゃんが初めてのバイト代で買ってくれたんだってね!
優しいお姉ちゃんって羨ましいな♪
(*'ω'*)......ん?「ジャージおろしの儀式」ってwwwww
ジャージを馴染ませるって大変なんだ…
ウォーキング1時間、砂浜ダッシュ20本、着たまま昼寝3時間w
今日はまどかのジャージに注ぐ愛情の深さを感じました! まる!{/netabare}

■月▽日
{netabare}
夏の鴨川は賑わうよね!おっ菊川製氷さんのトラックがエンスト!!
ジャージ部の出番だね(^ー^* )フフ♪
海の家のかき氷を守るのが今日のお仕事だったんだね!
(・・。)ん?氷を自転車で海の家まで運んでる途中で迷子と遭遇!!
ここはやっぱり放っておけないまどかだよね!えらい!
結局2人分の氷しか運べなかったみたいだけど、菊川製氷さんもまどかの好意にきっと感謝してるよ!
今日は鴨川を愛するまどかの正義感を再確認。 まる。{/netabare}

■月★日
{netabare}
夏休みなのにやっぱり忙しいジャージ部のまどかに、わたしの方がまじそんけいです♪
「ジャージ部 拡大!」がんばれまどか!
細かいことは気にしないまどかの事が大好きです。
アニメでの活躍の方も楽しみにしてるからね♪
                                     大きく、まる!
                                      [おしまい]{/netabare}


■総評
この作品は思わぬところで忘れられない作品となりました♫
実はアニメの内容どうのこうのではないんですよね…(^o^*;
主題歌を初めて聴いたとき、あっ(゚o゚*)この曲いいかもって思ったんです!
そこで調べてみると…なんと知る人ぞ知るRasmus Faber(ラスマス・フェイバー)がプロデュースしているって…
アニメとJAZZが大好きなσ( ̄∇ ̄*)アタシにとっては衝撃的すぎて、オロオロヽ(-0-ヽ)Ξ(/-0-)/オロオロしてしまいました(^=^;
日本のアニメが大好きなスウェーデン出身のハウス・ミュージック・プロデューサーとして知っていて欲しい人なんですよねw
しかも中島愛ちゃんとのコラボなんてファンとってはヽ(*⌒∇^)ノヤッホーイ♪って感じでテンション
(´∀`∩)↑↑なのですw
さらにED曲の方でもアニメ『ARIA THE ANIMATION』との絡みもちょっとだけあったのです♪
Rasmus Faberについては後述してますので興味のある方は是非参考にしてみてくださいね(*^0゚)v

で、肝心のアニメの方は分割2クールの作品だったみたいですね♪
ってことは1期を観ただけで作品全体の評価するのは難しいのかなって思うんですけど、視聴するかどうかの判断基準は公式サイトの「まどかの1日」か最初の1話を見れば充分かなって思います♪
まどかの個性を前面に押し出したシナリオ構成となっていて、1期観る限りではロボットアニメというよりも、学園青春アニメって色合いが濃かったような印象だったのです。
なのでまどかの事を好きになれないとあまり面白味を感じられないかも知れませんね…でもわたしはまどかのこと大好きなので応援しながら観てましたけどね(≧ ౪ ≦๑)☆彡

ちなみにロボットアニメって、戦争背景ってとっても大切なファクターだと思うのですρ(・д・*)コレ
「何のために戦っているのか」っていう根本的な概念が希薄だったので、学園での明るいイメージもあってかメリハリがなく重みがない印象となってしまっていたのが残念だった気がします。
シェルターに避難する人々のシーン一つとっても、戦争に慣れているかのような落ち着きぶりで、イマイチ緊迫感が感じられないし、戦闘シーン自体が軽くかっこ良く魅せるだけのファクターとしかなっていなかった印象で残念でした。
もちろん必要以上に重いシリアス展開はこの作品には必要ないとは思うのですけど、せっかく鴨川の綺麗な街並みを忠実に描いているのですから、「戦争」に対してもうちょっと現実感と説得感のある作風に仕上げて欲しかったかなぁって思ったりもしましたC= (-。- ) フゥー
でも洗練された変形可能ロボットの「ヴォクス」の美しさを活かした優美な演出と、スピード感溢れる戦闘シーンはラグランジェらしく個性的で、甘美な気分にさせてもらいましたのでとっても良かったです(*^▽^*)

戦争のシナリオはseason2に期待するとして、キャラについてはまどかを筆頭に魅力的な面々が揃っていたと思います。
まどかの愛機「AURA」って『風』っていう意味の素敵な名前だと思うんですけど、「みどり」って呼んじゃうのがまどからしくってwまる。
過去に母を亡くして心を閉ざしていたまどかは、従姉のようこの姿を見て今の元気で明るく前向きな女の子になったわけですけど、その恩を還元するかのように鴨川を愛する気持ちや仲間を想う気持ちが良く表現出来ていたと思います。
ジャージ部の活動を通して、まどかを中心に鴨川の街や自然があり、そして仲間や住人達いて、とにかく一体感があって微笑ましく思いながらまどかを見ていました☆⌒d(*^ー゚)b グッ!!
まどかに引っ張られる形で親交を深めていった「わん!」と「かしこまり~!」の今後の活躍にも期待したいですね!
それではいざseason2へ≡≡≡ヘ(*--)ノ ………ミ(ノ;_ _)ノ =3…って録画出来てなかったのです…
(。>0<。)ビェェン


■Rasmus Faber(ラスマス・フェイバー)ってこんな人なのですρ( ̄∇ ̄o)
数々のハウス・ミュージックを手掛けてきたラスマスの魅力は洗練された音楽センスにあると思います(*^^*)
今でこそハウスプロデューサーとして活躍していますけど、若いころのジャズピアニストとしの経験が今の彼の楽曲に反映されているのだと思うのです。
ハウス系でありながジャズの魅力である自由な発想とアレンジ感を取り入れた流麗で迫力のあるサウンドは聴いていて楽しい気分になれるんですよね♪
そんな小気味良い楽曲が多いので、是非一度は聴いてもらいたいアーティストの一人です(^ー^* )フフ♪
ちなみに日本との関わりはアニメからだそうですw
坂本龍一さんや菅野よう子さんの影響を受けていることもあって、ラスマスがプロデュースした
「プラチナ・ジャズ - アニメ・スタンダード」シリーズはまさに必聴の価値ありですよ♪
とくに「オネアミスの翼」なんか鳥肌モノです♪古っww
そんな「プラチナ・ジャズ」と坂本真綾さんに楽曲提供した「sayonara santa」のPVをどうぞ(^^♪

★「プラチナ・ジャズ」より『星間飛行』
{netabare}http://www.youtube.com/watch?v=-C5GiMmbiyw{/netabare}

★坂本真綾『sayonara santa』
{netabare}http://www.youtube.com/watch?v=59ANA8WLkwI{/netabare}


■MUSIC♫
OP曲『TRY UNITE!』
 【作曲・編曲】Rasmus Faber【歌】中島愛
 いきなり第一声が「ジャージ」で始まるって(*≧m≦*)ププッちょっとストレートすぎw
 でも久しぶりに中島愛さんのハイテンポで疾走感ある曲なのでいいですね♪
 とにかくラスマスとのコラボが聴けたのが何よりも嬉しかったです(^^♪
 「まるっ」が「キラッ」っ聴こえるのはσ( ̄∇ ̄*)アタシだけではないはずw

ED曲『Hello!』
 【作詞・作曲・編曲】 北川勝利【歌】中島愛
 ROUND TABLE featuring Ninoという名前でも活動している北川さんと言えばわかる人が多いはず♪
 アニメ『ARIA THE ANIMATION』の主題歌「Rainbow」「夏待ち」など提供してくれてました(^▽^)
 どちらかと言えば『Hello!』の方が笑顔と優しさが満ち溢れてくるような中島愛さんらしい楽曲だとおもいます♪


挿入歌『ジャージ部の歌』
 【歌】まどかw 
 貫け~♪    走れ~♪    ジャージ部魂~♪
 逃げるな~♪  攻めろ~♪   ジャージ部魂~♪
 ひたむきに~♪ 真っ直ぐに~♪ ジャージ部魂~♪ 


2012.01.22・第一の手記
2012.09.09・第二の手記(追記:■総評、■Rasmus Faber~、■MUSIC♫)

投稿 : 2024/04/20
♥ : 44

だわさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

視聴終了!分割2クール残りは7月~放送(´・д・)

1月~12話、7月~12話の分割2クール。
「機動戦艦ナデシコ」の佐藤竜雄×XEBEC作品。
本作は日産自動車との共同プロジェクト作品。
オリジナルロボットアニメ。
OP/EDは超時空シンデレラ 中島 愛


以下感想
女子的ロボットアニメということで、スタイリッシュなデザインの可変系のロボットに元気な女の子が乗り込んでバトルするっていう、なんとも暑苦しさのない綺麗な展開。

なのだが…盛り上がりに欠ける。
というかむしろそこまで盛り上げようとする意思の感じられない内容だった気がする。あくまでキャラ背景と雰囲気理解、露骨な鴨川押しを前面に押し出すための1クール目といった印象でした。最終回(1クール目12話)についても盛り上げるというよりはきれいに区切る方向に力を注いでいたように感じました。そんな感じで、区切りポイントとしてはスッキリ区切ってくれたので、その点では気持ちいいです。

個人的な希望としては、1クール目はあくまで雰囲気紹介の位置づけで、2クール目で芯のあるしっかりとしたシナリオを用意しておいて欲しい感じです(・∀・)


ってか、主人公の「まるっ!」
っての、あれ、この作品の個性を象徴するいいアクションだと思うんだけど、全然好きになれんわwwwwww

以上


※※※※※※※※※※※※※※※※※※

以下は視聴前のレビューです

※※※※※※※※※※※※※※※※※※


以下コメント

オリジナルロボットと聞くだけでなんとなく期待してしまう人、多いんじゃないでしょうか^^
とってもおいしそうな感じなのに、イマイチスタッフから伝わってくる空気感がわからない不思議な作品。
1話見る限り、テーマ性はまだ不透明だけどロボットアクションはなかなか良い感じv
作画が明るいイメージなのが印象的。
ロボットで
ジャーマンスープレックスホールド3カンKOとかなかなかないだろww


女の子中心ロボットものっぽいので、とても新鮮な感じのこの作品。とりあえず難しさは無いみたいですw
分割2クールというボリュームで何を描くのか気になるところ!!

投稿 : 2024/04/20
♥ : 27

めかぶ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

Production I.Gの汚点

二期まで頑張って観ました

作画は滅茶苦茶キレイ
キャラは脇役に至るまで魅力的
ロボは美しくかっこいい
歌も凄く良い

なのに!
肝心のお話がグッダグダすぎて全く面白くない
呆れるほど酷い

主人公は京乃まどかという女子高生なんですが

他の星からやってきた得体のしれない奴をあっさり自宅に住まわせたり

街のすぐ近くやど真ん中でロボ同士戦ってエライことになっているのに
住民普通に近くをゾロゾロ歩いているし
パイロットのまどかがヘラヘラしているので緊張感ゼロだし

ロボかと思えばしょうもない日常話突っ込んできたり

監禁していたはずの捕虜にはどういうわけか簡単にロボごと逃げられるし

地球への侵略者と言っている男三人ががあっさり地球の家に住んで
「海が見えるよ凄いー」とかお茶呑気に飲んだり
挙句の果てメイドコスしてまどかの叔父の店で働いたり

やたら鴨川連呼するのもどうかと思うし

どんなに作画、キャラ、音楽等が良くてもお話がダメなら
全てをぶち壊す悪いお手本のような作品

キャラ萌え出来る方のみどうぞ

投稿 : 2024/04/20
♥ : 1

72.0 5 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング5位
王立宇宙軍オネアミスの翼(アニメ映画)

1987年3月14日
★★★★☆ 3.9 (273)
1123人が棚に入れました
所属が10人に満たず「失敗ばかり」「なにもしない軍隊」と揶揄され、世間に落第軍隊として見下されているオネアミス王立宇宙軍の士官・シロツグ=ラーダットは、欲望の場所でしかない歓楽街で献身的に布教活動を行う少女・リイクニ=ノンデライコとの出会いをきっかけにそれまでのその日暮らしの自堕落な生活を捨て、宇宙戦艦という名目の人類初の有人人工衛星打ち上げ計画に参加し宇宙を目指すことになる。

声優・キャラクター
森本レオ、弥生みつき、内田稔、飯塚昭三、村田彩、曽我部和恭、平野正人、鈴置洋孝、伊沢弘、戸谷公司、安原義人、徳光和夫
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

スペースモンキーズ

山賀博之監督作品、作画庵野秀明。
精鋭クリエイターたちが若さと勢いで、
精巧に作り上げたGAINAXの傑作SF。
音楽総指揮は、坂本龍一。

架空の国オネアミス王国が舞台、
役立たずの王立宇宙軍士官シロツグが、
人類初の宇宙飛行計画に志願し挑む様を描く。

物語は公表されているもので全て、
特別何もなく退屈さを感じるほどだ。
しかし理数系の夢、宇宙飛行士の夢、
アマチュア集団の夢、クリエイターの夢を乗せて、
{netabare}大きな花火が、夜空と真空を彩る、
ラスト10分に全てが集約され報われるのである。{/netabare}

猿から人類への歴史は火の歴史である。
そして火によって災いは数多く生まれるが、
我々は火によって生かされてもいるのだ。
歴史を間抜けな猿が始めたことだとしても、
人類の進む先が暗闇ならば灯を消してはいけない。

打ち上げられた猿には、
神様も見逃した小さな矜持がある。
そうだ、その猿は夢を持っていたのである。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 60

edoya さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

私的 最高傑作

何度も見返しているが、リリースから二十年以上経った今でもノスタルジーではなく、全く古いと思わない。

完璧に作り込まれたオリジナルの世界観。
棒状の通貨、敵国の言語などにその徹底したコダワリが見て取れる。
そこで繰り広げられる王立宇宙軍の、庶民と政治の間での葛藤。
ヒロイン、リイクニ・ノンデライコへの主人公の届かぬ思い。
のんびりした中盤の流れを一気に蹴散らす怒涛の終盤。

画の繊細さは今でも充分素晴らしい。
森本レオの抜けた声も前半こそグータラなシロツグ・ラーダットにハマっている。

そしてオリエンタルで時に詞的に、時に荘厳に響く坂本龍一の楽曲。
そのメインテーマはガムランを思わせる導入部のリズムだけで鳥肌が立つ。
更にはサエキケンゾウが作曲した戦闘シーンの楽曲は、中近東音階を駆使した名曲。

これらを当時、原作の実績なしに、一から、アニメーションで作ったと言うのだから、空いた口が塞がらない。

個人的な思い入れがあることは否定しないけれど、この作品は私の傑作アニメーションランキング不動の一位であり続けている。
早く二位に退いて頂きたいのだが、残念ながらその輝きは未だ衰えてくれない。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 8

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメの限界に挑戦してみた

<2022/10/17 追記>
続報です。
4Kリマスター版での劇場公開は10/28(金)からだそうですよ

<2022/5/21 追記>
今年の秋に4Kリマスター版で劇場公開されるそう。
10月かな。
映画館で見たら迫力凄いだろな
観に行きたくなってきた。

<2019/12/7 初投稿>
当時、新進気鋭の若手クリエイターたちが
GAINAXに集まって、
自分たちの作りたいものを、
自分たちのやりたいように作ったオリジナルアニメ映画
らしいです。

興行的には大失敗で、この失敗が後の「トップをねらえ!」や「新世紀エヴァンゲリオン」の誕生に繋がっていったのだとか。
1987年作品。

私はこの頃〜2002年ごろまでアニメ見る習慣なくて。
でも何故か本作は1990年代後半にレンタルで借りて観たんですよね。
なんで手に取ったのかよく覚えてないけど。

たぶん、
「異常なくらい細部に拘った丁寧な絵」
「とことん練り込まれた個性的なアナザーワールド」
をパッケージから感じ取ったのかも。

この2点は本作が他と一線を画すものです。
細部に拘った絵は、もうそうとしか言いようがない。
一枚一枚が時間をかけて作成されたイラスト画のよう。

そして、世界観。
テクノロジーは現実世界で言えばおそらく1900年代の半ばぐらい。
でも、文化・風俗は現実の世界とは全く異なります。
衣服や建物のデザインが全く違う。
食器や硬貨など日常触れるあらゆるもの少しずつ現実と変えている。
どの国をモチーフにしたとかそういったことが一切感じられません。

例えば硬貨。
この世界の硬貨は「金属の棒」です。
ちょうど麻雀の点棒サイズくらいの棒。
自販機で切符を買う際はこの「某」を穴に突っ込んでいきます。
超違和感 笑。

着る服も、軍人の礼服とかどこかで見たような気もするけどどこも思いつかない個性。
お洒落かどうかは置いておいて、
アニメのデザイナーってファッションデザイナーの才能も必要なの?
と思った記憶があります。

そうした細かいところにこだわり抜いた本作。

ストーリーは、現実とは異なるとある世界の、
新設されたばかりの「宇宙軍」所属の為、階級だけ高い、
やりたいことが見つけられない冴えない若い軍人「シロツグ」が主人公のお話です。

これである意味全て説明が終わってしまう。
そのシンプルさが素敵、という考え方もあります。

ただ一つ難点が。

キャラクターの心情描写です。
可能な限り表情や仕草で表現しようとしている。
まるで実写のように。

本作は純文学のように登場人物の心情がさりげなく、そして赤裸々に綴られていきます。

これ、実写映画だったら、実写でこの映像・演出だったら。
名作の部類だったと思うんです。

でもこれはアニメ。
つまるところ、表情や仕草だけで実写と同じ手順で感情を表すのは無理あると思うんですよ。
一コマの絵で伝えられる情報量が違いすぎるのでは、と。

アニメは実写に比べて「映像」としての情報量が少ない。
裏を返せばそれがアニメの強みのはずなのですが。
その強みを捨てて、ひたすら実写映画のような表現に寄せていく。
しかも純文学。
観てる側としてはまぁ伝わらないことこの上ない。

でもでも。
これはそういう「挑戦」なのかも、とも。

「アニメは実写を超えられるのか?」
という疑問を持った若きクリエイター共の挑戦なのかもしれませんね。

で玉砕。

そして「トップをねらえ!」「新世紀エヴァンゲリオン」へ

こういう挑戦は素敵だと思います。
「素敵がたくさん」by 灯里

本作はそういう風に観る作品なんだと思います。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 53

71.3 6 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング6位
プラネット・ウィズ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (272)
970人が棚に入れました
「おれは、おれが味方したい人達の味方だ。そんだけだ!」
過去の記憶を失いながらも、平穏に暮らしていた高校生・黒井宗矢。だがある日、
世界は謎の巨大兵器「ネビュラウェポン」に突如襲われる。
猫のような姿をした「先生」とゴスロリ姿の銀子と共に、宗矢は戦いに巻き込まれる
ことになったが_________なんと相手は人類を護る7人のヒーローの方だった!
宗矢の記憶に隠された戦う理由とは?

気鋭の漫画家・水上悟志が贈るオリジナルアニメーション、ここに開幕!

声優・キャラクター
阿部敦、原田彩楓、井澤詩織、小山力也、乃村健次、後藤沙緒里、梅原裕一郎、大和田仁美、渕上舞、菅原慎介、石上静香、興津和幸、清川元夢、若本規夫
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

猫と犬

J.C.STAFF制作。

新感覚でどこかフリクリに似た、
センス溢れるぶっ飛び具合が楽しいです。
え?そっち?的なサプライズもあり、
集中力が途切れませんでした。
構成力の高い魅せる入りだったと思います。

ロボアニメに新機軸はあるのか、
火力一辺倒の戦闘ではないのが興味深い。
アニメーションらしい作品ですので、
あまり構えず、素直に楽しめれば嬉しいです。

4話視聴追記。
SF的なガジェット満載ですが、
広義ではコメディになるのでしょうか。
なるほど、この感覚、タイムボカンシリーズだ。

9話視聴追記。
力の籠った演出が増えて来ました。
{netabare}先生も閣下も信念のもとに最後はどう動くのか。
物語の総仕上げが、どうなるのか楽しみです。{/netabare}

最終話視聴追記。
緩急付けた演出にキャラと声優の相性、
{netabare}物語の構成も最後まで見事にまとまっている。{/netabare}
今年の夏上位作品で間違いないでしょう。

お勧めの作品となりました。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 53

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

何をモチベーションにして戦ってるのか

設定やキャラが個性的で話の進め方も悪くない。
雰囲気は、一回りか二回り前の子供向けロボットアニメって感じで最近のアニメにしては珍しさもある。
全体的に平均越えの印象を受けるけど、どうも嵌れなかった。

登場人物は割と世界規模で戦ってるけど、全員物分かりが良すぎるせいか、葛藤やドラマが足りなかったからか、戦う理由がふわっとしていた気がした。
結果としてこじんまりとした世界での戦いに感じた。

原作の水上悟志さん、なんか見たことある名前だと思ったら、惑星のさみだれの人か。
話題のタイトルということで、おすすめされて読んだことあるけど、プラネットウィズと同じような感想だった。

単に好みの問題なのかな。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オレはオレの助けたいと思ったやつの味方だ!

視聴理由 特になし

序盤 ヒーローものかな

中盤 コレは...

終盤 正義とは何か

この話は普通の中学生に起こった非日常を描いた話
ジャンル的にはロボット・大戦
途中から宇宙に進出しちゃったり、なんか謎の原理で戦闘してたりするけど、キャラの信念とか考えとかは面白いから、4.5かな
決して主人公が圧倒的最強とかではないんだけど、やっぱここでも「信念」はカンケイあるんだよね

作画は普通。音楽も普通。
キャラの熱血度がわかるし結構好きだな

まぁ全体的に普通だけど熱血キャラとか好きな人は良いかもしれない

投稿 : 2024/04/20
♥ : 10

53.8 7 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング7位
アクエリオンロゴス(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (168)
786人が棚に入れました
ロボットアニメの王道と呼べるギミック“合体”を通じ、人とその関係性を探求することをコンセプトとした『アクエリオン』シリーズ。記念すべきシリーズ10周年に送り出される第3作『アクエリオンロゴス』で語られるテーマは“文字”である。


SNSなどの普及によって、意味をなさない文字が増えた現代。

文字の世界であるロゴスワールドでは、現実世界にも影響を与えるほどの異常事態が発生する。

灰吹陽たち創声部のメンバーは、文字に込められた意味を紐解きながら、世界の危機に向き合っていく。

アクエリオンと文字が巡り合い、生まれる新たな力とは?

10年目の合体が新たな時代を切り開く!

声優・キャラクター
島﨑信長、佐倉綾音、千菅春香、梅原裕一郎、淺井孝行、小澤亜李、安達勇人、白石涼子、中野さいま、中田譲治
ネタバレ

Robbie さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

アクエリオンとしてでは無く1つのアニメ作品としての評価

無印、EVOLを視聴してすぐに書いた感想

全アクエリオンファンを裏切った作品。
本当に存在するだけで迷惑な作品。
アクエリオンを語るうえでこの作品は観なくても良いレベル。
まず、設定が子供向けすぎる。
特撮の失敗作みたいな出来だった。
...と上記から分かるように前2作のような熱さを期待していたら見事に肩透かしを食らったためもはやレビューというより怒った時に書いた感想になっている。

そして、今回2度目の視聴を終えた。
注意したことはアクエリオンであることを忘れるということだ。
そのためレビューのタイトルにある通り1つのアニメ作品として評価する。
この作品はまず最初から勢いが全然無く物凄く退屈だ。
キャラは終始寒いギャグを連発してるしろくにテーマ性のない出来の悪い1話完結の回が多すぎるため。
したがって、途中で断念した人もかなり多いと思う。
しかしこの作品、20話からはそこそこ面白いのだ。
伏線も回収されているしそれ以前の回に比べると全然無駄が無い。
最後もスッキリ終わる。
{netabare} ただ、留置所のシーンはエピローグで流してそれで〆た方がより良かったと思う。{/netabare}
1クールにしろとは言わないが(1クール目と2クール目でテーマ性が結構変わる構成のため)無駄な話がほとんどだったためもう少しテンポを意識して欲しかった。
ハッキリ言って約3割はいらない回だと感じた。
しかし残りの7割全てが出来が良いという訳ではなく伏線とキャラの成長する回のためまあ必要だろうと感じた程度。
物語とキャラに関しては以上。
映像面は同時期のアニメに比べればまあまあ綺麗な方だと思うがこの作品の3年前に放映されたEVOLとは比べられないくらいクオリティーが低い。
これはEVOLのクオリティーが高すぎるというのもあるがもう少し頑張って欲しかった。
安っぽいCGにオタクに媚びを売ったような同人レベルのキャラデザは残念だった。
声優に関しては演技によって熱くなれるシーンはなかった。
叫ぶシーンや合体シーンも印象薄いし...
そこそこ豪華な面子のため残念だった。
音楽は劇中BGMは本当に印象が薄い。
1曲も頭に残っていない。
歌はどの曲も良曲だったと思う。
アクエリオンらしさはないがこの作品には合っていると思うし単純にレベルが高い。

最後になるがこの作品は全アクエリオンファンを裏切った作品であることは間違いない。
だってアクエリオン10周年記念作品なのにアクエリオンらしくないのだもの。
10周年記念作品は短いけど創勢のアクエリオンEVOLで良いと思うし。
いくら同じものを作らない監督であってもマクロスのように良いところは引き継ぐべきだろう。
まあ、そもそもアクエリオンはEVOLまでで良いというのが本音だが。
しかし、上記に書いたように20話以降はそこそこ面白いし河森正治ファンであるのなら観ても損はないだろう。
それ以前の回はつまらな過ぎるため忍耐力は必要だが。
趣味の話だがこの作品、いつになったらスパロボに参戦するのだろうか...
参戦すれば多少は救われると思うのだが...

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

一万年と二千年前はいずこへ・・・^^;

この作品はこれまで放送された「創聖のアクエリオン」「アクエリオンEVOL」と同じオリジナルアニメ作品です。

かつて一万年と二千年前に勃発した人類と堕天使との大戦・・・堕天使アポロニアスと人間であるセリアンの禁断の恋に落ち、大きな運命の歯車が回り始めました。
「創聖のアクエリオン」では、アポロとシルヴィアが・・・
「アクエリオンEVOL」では、アマタ・ソラとミコノ・スズシロが・・・
それぞれ一万年と二千年という途方もない悠久の時を隔てて蘇る熱き戦い・・・
2期(EVOL)も面白かったですが、1期の面白さが・・・特にシルヴィアの可愛さが半端なかったのを鮮明に覚えています。

この作品は3期に位置する作品だと思いますが、1,2期を視聴していない場合はそちらから視聴した方が良いか・・・と問われると答えは微妙です^^;
制作発表の段階で「1,2期を視聴していなくても楽しめる作品を作る」という事を制作側が言っていましたが、確かにその通りだと思います。
その当時はあまり深く考えませんでしたが、1,2期を視聴していなくても頼めるという事は、1,2期との接点が少ない・・・という事なんですよね^^;
「アクエリオン」と一万年と二千年前の設定は、切っても切り離せないモノだとばかり思っていました。
創聖のアクエリオンのオープニングのサビにも出て来るくらいなのに・・・

一万年と二千年て途方もなく長い時間だと思います。
その間ずっと待ち続けて・・・やっと出会えた奇跡の様な瞬間・・・
だから必死だったし、なりふり構わず本懐を遂げようとしたんです。
だって、この期を逃したらまた一万年と二千年待たなければいけないんですもん・・・

そう考えると文字と声を力の源にした本作品は、過去2作品とは少し異質なんですね^^;
前作から踏襲されているのは、アクエリオンの機体と所属する組織くらいでしょうか・・・
1期:地球再生機構ディーバ
2期:ネオ・ディーバ
今期:世界創声力機構ディーバ

この作品は、軽薄で無意味な文字が繁栄する社会を破壊しようとロゴスワールドの文字に現実世界の文字を侵食させようと企むネスタと、それに対抗するため声の持つ力「創声力」でベクターマシン操りロゴスワールドの文字の暴走を止めようとする両者がぶつかり合う物語です。

改めて登場人物の名前を見ると様々な状況が思い浮かびます。
2クール作品なので、一人一人に焦点を当ててしっかりキャラを深掘りしているんですよね^^;
舞亜とショウコさんが軸になって展開の時には、涙で前が見えなくなってしまいました(//∇//)
文字と声の力・・・どの様に着地させるのか・・・気になる方は本編でご確認下さい。

【世界創声力機構DEAVA】
 灰吹 陽(CV:島﨑信長さん):ベクター壹号機
 月銀 舞亜(CV:あやねる):ベクター貳号機
 綺声神 心音(CV:千菅春香さん):ベクター参号機
 土聞 努虫(CV:淺井孝行さん):ベクター肆号機
 空篠 翼人(CV:梅原裕一郎さん):ベクター伍号機
 海凪 花嵐(CV:小澤亜李さん):ベクター陸号機
 粗朶 桜子(CV:白石涼子さん):ディーバの総司令
 岩上 ショウコ(CV:中野さいまさん):オペレーター

オープニングテーマ
May'nさんの「ヤマイダレdarlin'」と「夜明けのロゴス」
エンディングテーマ
千菅春香さんの「ジュ・ジュテーム・コミュニケーション」
May'n featuring 千菅春香で「本当の声をあなたに預けたくて」
前半、後半で主題歌が分かれていましたが、後半のOP、EDはどちらも難しい歌でした^^
格好良いんだけれど難しくて中々頭に入ってこない・・・そんな感じでした^^;

そして挿入歌には・・・きっとこれはお約束なんでしょうね^^
「創聖のアクエリオン」(1期OP)
「君の神話〜アクエリオン第二章」(2期OP)
曲が流れた瞬間テンション上がっちゃいました(//∇//)

2クール全26話の作品でした。
これまでの様にアポロニアスらとの繋がりはありませんでしたが、完走して振り返ってみると堪能させて貰った作品だと思います。
お気に入りのキャラは舞亜・・・あやねるの演技も抜群でした^^
4期があるなら・・・もう一度アポロニアスとの繋がりを描いた作品が見たいです^^

投稿 : 2024/04/20
♥ : 15

pikotan さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

作らないで欲しかった

私はアクエリオンシリーズが大好きです。
創聖もEVOLもお気に入りの棚に入れています。
3期制作を知ったときは歓喜しましたが、その後にキャラデザを見てがっかりし、それでもストーリーは面白いに違いないと僅かな期待をして本放送を見ましたが、1話で絶望的な気持ちになり、最終回まで毎回苦痛でした。
良かったのはMay'nさんの歌だけです。
この作品があるせいで、シリーズの評価が落ちるじゃないですか。
ロゴスから入ったら絶対に前2作見てくれませんよ。
この作品、無かったことにして欲しい。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

63.2 8 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング8位
エガオノダイカ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (202)
701人が棚に入れました
地球より遥かかなたの星にある、笑顔に溢れた王国。王女のユウキは十二歳、そろそろ多感なお年頃。毎日泣き、笑い、時にはときめいたり…?しながら、王宮で楽しく暮らしている。日々を彩るのは、忠実な家臣たち。教育役のレイラ、政治を補佐するイザナ、騎士団長ハロルド、そして……幼馴染の側近、ヨシュア。「ユウキ!気合と根性さえあれば、何だってできる!」「……もうっ。またそれ~!?ヨシュア、もっと貴族らしくしてっ!」ステラは十七歳、有能かつクールな軍人。けれど微笑みはいつも絶やさない……笑顔は生きるためには、欠かせないから。これは、遠い星に生まれた、二人の少女の物語。

声優・キャラクター
花守ゆみり、早見沙織、松岡禎丞、佐藤利奈、神奈延年、置鮎龍太郎、小市眞琴、榎木淳弥、松山鷹志、長久友紀、増田俊樹、石谷春貴、白石稔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

笑った私は素敵でしょう・・・ね?どう?どや!素敵でしょ?

タツノコプロ創立55周年企画オリジナルアニメーション、とのこと。


そのまんま『笑顔の代価』となるのでしょう。好物である不穏な展開が待ち受けてそうなタイトルが視聴の決めてでした。鬱展開カモン(^^)

王国と帝国。二つの勢力に別れての戦争もので主力兵器はロボットという世界が舞台です。キービジュアルからは想像つかないですけどね。王国側の王女ユウキ(CV花守ゆみり)と帝国側の一兵卒ステラ(CV早見沙織)のWヒロインになります。
戦争の原因は資源エネルギーに絡んでと妥当な理由でした。
タイトルから“笑顔は何と引き換えなのか?”
OP映像から“ユウキとステラはどう絡むのかなぁ?”
そんなところが気になる序盤です。


観終わって、、、そこそこ期待した通りの“不穏さ”ではありました。
エガオにまつわるオチのつけ方やたぶん監督が描きたいであろうテーマも伝わってきます。ただわかりづらい。

戦争もののくくりで本作を捉えるとして、陣営の違う二人を主人公に据える場合、まずはお互いの関係を決めてくれると楽だったのです。
 ・一番手っ取り早いのは二人をライバルにしちゃうことでしょう。
 ・次に考えられるのは敵味方を超えた友情物語にしちゃうことでしょう。
これがどちらでもなく関係性は不明のまま。
ただそれ自体は悪くないことです。後半に結びついてこればいいだけの話。

次に早い段階で二人が会うなり相手を認識すること。接点を作ってあげないと一つの作品のなかで別個の物語を追うハメになるからです。これもないため、視聴者は二つを追いながらの集約待ち状態が続きました。これもそれほど悪くないことです。
代わりかどうかは知りませんが、同じ事柄を王国視点で次は帝国視点でと交互に見せる演出が何回かあって理解を促してました。
おもしろい演出でしたが、《話の進行速度》を代価として払った感じですね。終盤近づいてももやもやが依然として残ります。
{netabare}9話以降、クラルスとは何ぞや?が解明されたあたりから物語は加速していきますが、{/netabare}どうしても終盤慌てて畳んだような印象です。

 尺不足ではなくこれは脚本が悪いです。

並行で物語を進行させる場合、興味を引き付ける要素を要所で挿れないと置いてけぼりになります。その悪い見本。
最終盤はいろいろ繋がって作品のメッセージも受け取りましたが、それまでの組み立てのしょっぱさから{netabare}ラストカットのユウキとステラの二人に{/netabare}感情移入できた方がどれほどいたでしょうか?私は2週めでやっとおぼろげながら見えてきた感じでした。

 『その笑顔のためにどんな代償を二人は払ったのだろうか?』

ここに注視する必要がありそうです。鬱展開は好物です。ただしそれは人間の根っこ部分を摑まえてこそ。メッセージ性があるものの根っこが弱い、もったいない作品でした。
テロップ挿入ありのOP。「笑った私は素敵でしょう」とストレートなED。OPはムービーがネタバレやんと思いつつ、両曲とも作品世界に合っており肝いりだったことがわかります。


※以下ネタバレ所感
■笑顔の意味
ヒロイン二人の笑顔には別々の意味がありました。
{netabare}ユウキ:幼くして両親を失う不幸に見舞われながら周りの助けもあり、愛情を注がれて育った娘の笑顔。
王女らしく笑顔の対象は自国民だったり『公』に向いている。しかし次々と愛する人(家臣含む)を失っていき、笑顔は消えていく。愛する人を失わずに済む日が訪れた時に笑顔は取り戻せるのだろう。{/netabare}

{netabare}ステラ:幼くして両親を失う不幸に見舞われ里子に出されても厄介者扱いで、愛情を注がれずに育った娘の笑顔。
自己防衛ありきで笑顔の対象は自分『私』に向いている。仮の居場所(軍)を見つけ必要がなくなり、笑顔は消えていく。在りし日のかすかに残る記憶。人と人との繋がりを取り戻せた時に心から笑える日が訪れるのだろう。{/netabare}

{netabare}ユウキは民を統べる者としての自覚が芽生え、その責任を全うしようとすることで。
ステラは戦災孤児や隊の仲間の温もりに触れ、居場所を見つけようともがくことで。
クライマックスに向けて両者の心の変化みたいなものが集積していき、ラストピースをレイラさんが埋める。そして繋ぐ。ここはちゃんと筋が通っているんですよね。{/netabare}


■メッセージ
非戦反戦であることは明確です。王国にも帝国にもそれぞれ兵士たちには愛する者がいて、と。両陣営の視点で描かれているので狙いはある意味分かり易い。戦争なんてろくなもんじゃない。その通り!
なんだけど、物語の収束のさせ方が自分には刺さらない刺さらない。受け取ったメッセージに共感するまでには至りませんでした。

{netabare}作中でも再三指摘されてましたが、動力源(クラルス)を失えば、新たな争い生まれないわけないでしょうに。自覚あるだけマシと言えなくもないが、クラルス停止の正当性の根拠に持ってきたのが住環境の維持、すなわち環境破壊の阻止です。しかも1000年後。
これは問答無用でグレートリセットすればなんとかなる、のテロリストの発想ですよ。クラルス停止してもいいようにエコ手法を周知徹底するロードマップを敷くとか代替エネルギー研究するとかまじめな議論すっ飛ばすやり方はどうも性に合いません。そんな真っ当なツッコミに対しての反論が{/netabare}

{netabare}『気合と根性さえあれば、なんだって出来る…』
ヨシュアの伏線回収です。 ダメだこりゃ (*´▽`*){/netabare}

賢明な皆さんならもうお気づきでしょう。既視感のあるプロパガンダ臭がプンプンで胡散臭いったらありゃしないのです。
エンタメはエンタメで楽しみたいのでこういうのいらんかなぁ。リアリティの欠如した作品は今の時代ウケませんよ、タツノコプロさん。
GO!GO!がコンセプトの55周年企画なそうですが、これが非難轟々にならないことを切に願います。


■オマケ
1.CV花守ゆみり
ユウキが野営のキャンプで食事にありついてるシーン。もうすぐ冬ですね。
※出典:寒い季節にキャンプを楽しむアニメ
2.役名リリィ
仲間が戦死する度にこのフレーズが耳から離れない
「さよならはやってくるけれど ずっと先だって思ってた」
※出典:ゾンビがアイドルするアニメ

お粗末さまでした。



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2019.08.25追記

視聴時期:2019年1月~3月リアタイ視聴

ED『この世界に花束を』のフレーズ。「笑った私は素敵でしょう」
これ放送中は気にならなかったのですが、最終話を観終わって、

 「素敵って言えや、ゴルァ!」

と迫られてるかのように感じました。作中のメッセージが押しつけがましかったのが理由です。お姫様は自分は良いことしてる!って信じて疑ってないですよね。だいたいこの手の方って人の話聞かないんですよ。



2019.03.29 初稿

投稿 : 2024/04/20
♥ : 46

pikotan さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

残念

ネットの評価が散々なので、逆に気になりdアニメで視聴。
なるほど叩かれるだけのことはある作品だなと納得。
たぶんクラルスは原発をイメージしていますよね。
これに戦争も絡めて現実世界へ問題提起しているのだとは思いますが、ストーリー展開が悪過ぎます。
10話目まで観たときは「これ2クールだったかな?」と思ってしまうほど遅々とした展開の後、11~12話で一気にまとめましたね。よくあるけど。
ラストでは敵だった人間同士が何事も無かったかのように仲良くなってるし…。
そんなに簡単に気持ちを切り替えられますか?
観ているこちらの気持ちが追いつきませんでした。

キャラクターで何よりイライラさせられたのは、王女であるユウキです。
子供だからと言えばそれまでかも知れないけれど、腐っても王女ですよ。
普通は王女就任の前に、内政や外交の状況についてレクチャーを受けるのでは?
国の状況を隠していた周りの大人に問題ありです。
状況を知ってからも変わらない言動が、更にストレス溜まりましたけど。

意外だったのはヨシュアの早期退場です。
てっきりヨシュアは近衛兵的役回りで、最後までユウキのそばにいると思っていたので、まさか第2話であんなことになるとは、ここだけ展開早かったですね。

これがタツノコさんの55周年記念作品とは、何とも残念です。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7
ネタバレ

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

驚きの雑さ

【良い点】
・ロボのバトルシーンが綺麗
・OPが良い
・一応物語が終わる。

【悪い点】
・稀に見る雑さ
・キャラがうざい
・不明部分多すぎ

主人公はwikiによると、王国の王女、帝国のステラ、この2名らしい。
王国vs帝国の戦争もの。ロボを使ってのバトルアニメ。
OPの曲と歌はいいですし、最終話にはちゃんと物語としてきちんと終わります。
そんな良い部分をあっさり潰してしまう程の雑さ、そしてコロコロ手の平返しをするような主張や言動と感情面。後々浮彫になってくる設定内容の為、アニメ全体の半分まで見ないとほとんどが分からない内容。

具体的にどういう事かというと、以下の内容です。
{netabare}
【雑なところ】
・人間が移動する際、移動の仕方がスケートのようにスィ~。
・ロボに乗ると周りの大きさが人間サイズ基準のものに変化。
・死なせ方が雑で、フラグ立てて「取り合えず死んで感動して貰おう」という感じ。
・重要施設、一般人でも簡単に入れる程の何もない。捕虜部屋は見張り1名で鍵も無く外にあっさり出れる。
・王女がロボ内のモニターに顔出し命令。戦争中、前が見えないっ!!邪魔っ!!ありえんっ!!
・「300m先で我が軍の部隊が敵に囲まれてる」ロボ目線で300m!?目と鼻の先じゃないかよ!!

【キャラがうざい】
・王女の主張が『味方だけでなく敵にも犠牲を出したくない』。結果、味方だけ犠牲が増え続ける。それを見かねた偉い人が、反論するも「私はこういうやり方しかできないのぉー!」無能!!
・側近眼鏡女「争いを止めたいとおっしゃられましたね。ならば懸命にお考え、それが出来ないのであればあなたは無力のままです」王女に戦争中である事を隠してたお前が言うのかよ!!


【不明部分】
・戦争している理由が分からない。
・ロボの性能、強さ、武器等が全く分からない為、王国と帝国の戦力差等が不明。
・新型が出ても、どれが新型か分からない上、性能差も全く分からない。
・新兵器の威力を見せるが、比較対象が無い為、凄さが分からない。
・主人公が誰か分からない。
・地図が何度か出て来るけど、それがどこなのかが全く分からない。
{/netabare}

このアニメは、ロボでの戦闘シーンが見どころだと思います。
ストーリーは一応ありますが、どうでもいい死亡フラグの会話と、女王の心情を表す会話が多々あり、ストーリーが全く頭に入って来ません。
しかも、6話の終盤までは不明部分が多すぎて「彼ら彼女らは一体何を言ってるんだ?」という状態に陥ります。
これを楽しむ為には、この作品の基礎知識が必要みたいな気がしまくります。
かといって、2周目を見る気にはなれませんでした。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 28

63.0 9 侵略でオリジナルアニメーションなアニメランキング9位
BLUE GENDER [ブルージェンダー](TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (77)
402人が棚に入れました
「バブルガムクライシス」のAICが制作したハードアクションSF。種の存亡を賭けた壮絶な戦いの中で、主人公の葛藤と成長を描く。現代では治せない新種の奇病に侵された海堂祐司は、未来の医療技術の発展に賭けて冷凍冬眠者“スリーパー”となった。だが、西暦2031年に冬眠から目覚めた海堂が見たものは、謎の生命体“BLUE”の繁殖によって絶滅の危機に瀕した人類だった。絶望の中で、海堂の“生きる”ための戦いが始まる。
ネタバレ

藤浪サトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

深夜アニメ黎明期の傑作

注:弊ブログより一部抜粋

随所で露骨なエロシーンが展開されていたり、ブルーの内臓や血液などのグロシーンが修正なしで頻繁に登場する点など、深夜アニメ黎明期特有の雰囲気がある。お色気シーンの数々だが、いつ死ぬか分からない世界観を踏まえると、かけがえない生の輝きの表現に昇華されていると言える。エロシーンが単なる視聴者サービスではない、作品のテーマとも関わる非常に深い表現となっているのは大変珍しい。

作画

作画全体の雰囲気は、80年代末のOVAを彷彿とさせる。しかしながら、際立った作画崩壊は見られず全体的なレベルは結構高い。通常の虫以外にも、カニやタコといった虫を含む漢字で表される水棲生物がモデルのブルーもおり、ブルーのデザインはよく考えられている。また、マリーンのキャラデザが異様なくらい美人である。

音楽

次回予告の際に流れる軽快なBGMが非常に良い。次回へのワクワク感を高めてくれる。劇中のBGMも良く、特に物語序盤で流れる曲のクオリティが凄まじく高い。

オープニング曲も盛り上がる良い曲。特に、「一筋の光を求め ひたすらどこまでもただ彷徨う」という入りが最高。絶望的な状況と不屈の精神を一文で表しており文学性すら感じる。

制作に東芝EMIというレコード会社が参加しているため、音楽のクオリティは全体的に高い。

ストーリー

{netabare}毎回のように予想を超える意外なストーリーが展開され、結末がどうなるか想像も付かなかった。仲間がどんどん死ぬ絶望的なストーリーと思わせて、予想外に熱い展開になっていったのも最高である。マリーンたちの被っているヘルメットが妙に敵っぽかったり、「人間もブルーも害虫だ」という趣旨のセリフが飛び出したり、思わぬ箇所が伏線になっていたのは流石。終盤の展開は常人の理解を超えていたため、評価を下げている。{/netabare}

人物

各キャラの心情はそれなりに掘り下げられていた。しかし、規律の厳しい軍ゆえか、登場人物のキャラが全体的に薄い印象である。{netabare} 祐司と両親とのやり取りや、タカシとのエピソードをもう少し描いていれば、物語がより厚みを増していたと思う。最高議会の面子を始め、登場人物の多くがそれぞれの信念を貫いて行動していたのは大変良かった。セノ・ミヤギの、碇ゲンドウのようでもあり、気難しい芸術家のようでもある独特の雰囲気が物語に深みを与えている。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 2

ジョニー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

お勧め。

現在には無い表現の自由さがあります。
まぁハッキリ言えばグロありです。
謎の生命体との戦いの話なので、ガンガン人が死んでいき、子供が死んだりもします。
ただ、それも今に無いアニメの良さだと思うし、当時の中では、アニメのクオリティも高いです。
戦いの中での、主人公とヒロインの精神的な変化も面白いです。
特にヒロインは時間を重ねるごとに魅力が増していきます。
レンタルであるか分かりませんが一見の価値はあります。

投稿 : 2024/04/20
♥ : 7
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

待て、しかして・・・

まず本作に少しでも興味を持った人はネタバレに【厳重注意】
ここのレヴューゾーン微妙にネタバレの雰囲気が・・・
それと進撃の巨人2期を楽しみに待ってる人も警戒が必要。
本作→ガンパレード→進撃 という微妙な関係性があるので
間接的にネタバレしてしまう可能性も(もしかしたら?)あり。

さて、本作とは如何なるジャンルに属し、どういう作品であるかについて
考えた時、説明するのが非常に難しいという問題にぶち当たる。
それはある意味『高いハードル』であるかもしれない。

SF的ロボットアクションもの?
機動戦士ガンダムとエヴァを足して2で割ったような作品?
そう言われてみればそうかもしれないし、そういう要素も確かにあるだろう。

しかしだからと言って、王道的ロボットアクションを期待して本作を見た人は
恐らく期待ハズレだったという感想を抱くかも。

メカデザインは無駄にカッコイイ(というかカッコよすぎる)し
スピード感と臨場感溢れる見せ場の戦闘シーンも確かにあるのだが、
戦闘シーンの数が不足気味で、高性能戦闘メカの性能を最大限に生かしたシーンは
限りなくゼロに近い。
(もの凄いの潜在能力を持ったパイロットはいるのに何故?と訝しがる人もいるだろう)

本作を敢えてジャンル分けするならエヴァ進化系に属し、エウレカにも似た要素を持つ。
(グロシーンがあるのもその理由のひとつ)
一つ例を挙げるとエヴァ第9話「瞬間、心、重ねて」の戦闘シーンよりも
二人のパイロットの奇妙な共同生活に力点を置いているような感じのタイプ。

本作には様々な『高いハードル』が山積している。
視聴者にとってのそれは、主人公が文字通り『お荷物』であり
ヘンなヘアースタイルの『猿』みたいな存在に思えてしまうことであり
『カイ・シデン』のように人の感情を逆なでする要素と『碇シンジ』のような
軟弱さを同時に併せ持ち、かつ田名部愛のようにうざったい台詞を吐くという
厄介な人間性を持っていることである。

そしてそのことは未来人であるヒロインにとってはより強烈で鮮明なリアリティーであり、
成り行き上の任務とはいえ、無駄口叩くこの『お荷物』、『旧世代』の『猿』を
なんとか目的地まで届けるというのはヤレヤレな気分であると言えよう。

とまぁ、そういう方向性で物語は進行していくわけだが、
本作の最大の魅力、見所とはまさにそういう要素であり。

ロボットバトルよりも自分たちの足で大地を踏みしめ
世界を流離うことであり、目的地の前に聳え立つ文字通り『険しい山』に挑むことである。

世界を流離うことが本作の最終目的でもなく、次のステージもちゃんと用意されているのだが、
一見無駄とも思えるプロセスやキャラの言動を丁寧に描いているのにはそれなりに
意味があり、それを飛ばしてしまったら本作はもっと味気ないものになっただろう。

だから結局あんな『猿』にも存在理由はあって、
そんな彼{netabare}の微妙な心理描写{/netabare}にも大いに意味があったりする。

早い話が主人公はヘタレ系で、ヘタレ系主人公が好きな人には本作はかなりお薦め。
ヘタレ系ストーリーには当然の如く物語の進行をサポートする役目が
つまりその辺はヒロインが十分すぎるくらいに穴埋めするので安心して視聴できる。

ここからは少し踏み込んだネタバレにつき本作未視聴の方にはご法度で。
{netabare}実は本作をエヴァ系と称すのにはもう一つの理由がある。
それはエヴァと同様にフロイト心理学のテイストが意欲的に活用されている点だ。
それはある意味ペテン的手法であり、生と死や二項対立が織り成す葛藤の要素を
持った物語ならなんでも適用可能で無難に解釈できてしまう若干無理ある荒技である。
それはエロスとタナトスという概念で物語を解釈するやり方である。

単なるこじ付け的連想ゲームと言われればそれまでだが、実戦してみるとこんな具合。
エンジェルは天使。天使のイメージの原型はローマ神話のキューピッド。
キューピッドはギリシア神話のエロス。エロスはマリーン・エンジェル。

眠りの神はヒュプノス。ヒュプノスの兄はタナトス。
故に眠れる者(スリーパー)はタナトス(死)の近親者。
エロスとタナトスの衝突は葛藤を生む。
エンジェルとスリーパーの対立衝突も人間心理の葛藤の現れ、という風に。

エロスは生、融合、肯定承認、友愛を象徴し
タナトスは死、解体、否定拒絶、攻撃性を象徴する。

しかし、「それがどうした?」と問われたら返す言葉がないのが
フロイト心理学の限界なんだこれが・・・

しかし、進化論という現代では絶対不可侵の神話的学説の基本的メカニズムも
繁殖と淘汰という二項対立に突然変異という概念を付加しただけの
ある意味ペテン師的な解釈理論に過ぎないわけなので、似たり寄ったりなのかも。

さらに蛇足だが、マリーンは海、海は生命の源=母を象徴するから
ブルーは海とは相容れない存在っていう解釈も成り立ちはする。{/netabare}

投稿 : 2024/04/20
♥ : 6
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