昆虫でファンタジーなおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの昆虫でファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の昆虫でファンタジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.9 1 昆虫でファンタジーなアニメランキング1位
ハクメイとミコチ(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (398)
1583人が棚に入れました
ハクメイとミコチ。
緑深き森で暮らしている、小さなふたりの女の子。
木の洞(うろ)に家を造ったり、葉っぱを傘にしたり、昆虫や鳥の背に乗ったり……
身長9センチメートルなら、そんな事も出来るのです。
そーっと覗いてみませんか?
穏やかで愉快で、とびきり愛らしいその生活を。

声優・キャラクター
松田利冴、下地紫野、悠木碧、安済知佳、松風雅也
ネタバレ

※アニをた獣医師() さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これいいなぁ♪ 小人たちの日常。

コロボックルの日常なのかな♪
癒しっぽいですね!(がっこうぐらしとかのたぐいではなさそうじゃ!それはそれでいいが。)
ファンタジーの世界。それがいい。

頭空っぽにしてほのぼのできます。ミコチ~かわいい
この不思議な世界観。グロのないメイドインアビスとびんちょうたんを混ぜた感じ(個人的意見)

1話。美しい夜空だ!なんて綺麗な作画だ!しかも満月が水彩画のような味がある!
自然の中で暮らす二人の小人。それはそれは不思議な生活の始まりです!
それにしても良い話じゃの~♪
おいちゃんだいすき。

緒方さんだ!もう良い声だなぁ~♪色気ある大人の美声。それにさすがの演技。


ウィキに、
一話完結の本作は、回によってストーリーの作り方が異なるが、樫木によると一番多く取られる手法は「言葉にできない『面白いこと』を起点とし、それを掘り下げて面白い理由を突き詰める」ということである。 この方法について樫木は、「『面白いこと』を見つけるまで執筆できない上、面白さの本質を見つけてもそのまま伝えられないため、打ち合わせに時間がかかる。だから、とにかく伝わるよう丁寧に書くよう心掛けている」としている。

と書いてあって、なるほどなぁ~♪と思ってしまったよ♪
たしかに語彙力の低下もあるが、言い表せない面白さや暖かさが作品から伝わってきました!

そして驚いたのがハクメイも女の子なんですね!そう思うと僕っ子かわいいですな♪

あれ?原作だとミコチは歌が下手だって…まあいいか
歌がうまいことに越したことはない!良い曲だ!

一言。これしゅきです。

少女終末旅行の後釜には良いですね! {netabare}
(余談。少女終末旅行、終わりましたね。切ないけど、二人の旅は続いていくでしょう。) {/netabare}

2話。曲、この世界観を表すような優しい曲だ。
悠木碧さんだ。歌姫役ですね。コンジュさん。
二人ともきれいな声です!楽しい歌ですね~♪
心暖まる。そういう作品です!

幽霊に弱いミコチ(笑) 研究者さん。どんな研究?
焦る研究者さんかわいい。ハクメイ、君は面白いな!
研究者の名前はセンさんか、どじっ子枠かな?

マスターの過去話。お!九十九神様!
マスターたちが愛して使ったおかげだろうね。
マスターも新しい、自分の道を。

3話。家は爆発した(完)

なんでだよ!(笑) そしてしばらく野宿です!
テントだテント。ハクメイ、さすがだぜ!
ミコチのテンションも上がってます!お料理上手は良いですなぁ♪ 楽しそう~♪ 嫁にしたい~♪
この星空は点数をつけられない(後ろでポン柑がボカン! なにいってんだろ…)
そして家が進化して帰ってきた!(変性してんな)

ハクメイ、仕事モードだとごみを見る目でした(感謝
さすがの腕前。
親方!優しい親方~♪いたちの親方~♪
ハクメイの反省。ミコチはそんな時も優しい。
優しいお話。

湯煎ってなんだっけ? おおっと(笑) 
適材適所ですな~♪うまそうな石鹸だ(なにいってんだろ)

後半は少しシリアス。だけど、ハクメイの暖かさが伝わるよ。そしてミコチも。

5話。ハクメイちゃん、仕事したいばしょがあるんだな
そんな一所懸命な姿がもう。頑張ってほしいという気持ちが強くなっちゃうよ!
そうやって心を動かしていくんだね♪

6話の髪を切ったハクメイかわゆいなぁ~♪
いわし、なんて着こなしだ!かっこいいぜ!
値切れ!値切るんだ(笑) 

と、頭領!こんなとこでも出てくるとは!

町巡り。こんな日常的な休日も良いものです!

小倉唯のむしちゃんコハルとりえりーのラビットミミ
ぐうかわですね♪癒しですよ~♪

8話は少し物騒かな?それでも根がいいやつしかいないのな~♪ 仲がよろしいものな~♪
やっぱり仲良きことは良いことだ!
宴は皆で楽しくだ!

9話。せんとコンジュ。ぎすぎすしてるけど、ハクメイとミコチのお陰でね♪皆で歌うぜ!
ハクメイ~♪かわいいな!みんなで歌うと楽しい~♪

せんの服作り。どんどん仲良くなるってのが見てて癒される♪
皆もかわいいけど、せんは美人さんだ~♪

10話。温泉だぁ~♪そしてセイソウチュウ…
目が死んでおる。そして露天風呂造り。
そこに竹がある。ならば竹風呂!
ハクメイとミコチって何歳なんだろ?
風呂で茎ワカメか~♪なんかいいな♪

あら、ミコチ姉、アユネ。かっこいい御姉様。
大根。2500円?かな? お高いんですな。
素の御姉様いいね♪
ハクメイとミコチの出逢いも気になるな。
ミコチ、そこはかってるのな(笑) 作家の実力。
サウスポー。姉。典型的な天才型。
ミコチ可愛い。おこなミコチ(笑) ハクメイ、さすがだぜ!男勝りの喧嘩止め!
いい姉妹だなぁ…愛だなぁ。

おおお!御姉様。おめでとう!結婚か!知らせに来たのか!そしてミコチに聞きたかったんだね♪作家をやっていくか!愛されてるね。ミコチも。

11話。汽車にのる。いってら~♪
夜汽車で旅へ。あげ山芋…だと…美味しそう!
ハクメイ、よく食べるねぇ♪こういう屋台は楽しそうですね♪

トンネル抜けて雨。釣りは雨でもできます。雨の方がつれたりするんですね♪(どうもり知識)

釣り話。みこちが何もわからなそう(笑)かわいいな♪

でもミコチはハクメイの嬉しそうな顔見てるだけで楽しいんだろうな♪

最終話。それはハクメイの昔の記憶。ハマーン様(リョクビロウ?)の武勇伝。また会えたらと願うハクメイ。
取り出すは、ダイナマイ~ト(ではない)。
優しいアライグマ(タヌキさん?)。
こんな大きなピーナッツ頬張ってみたい!
ハクメイは、マキナタが全ての者が入れるからと思っていた。リョクビロウと一緒にいたかった。

だけど、別れがあるから出逢いがあった。ミコチと出逢い、今がある。

ミコチのゴンドラ到着の何事!?には笑ったよ(笑)
そして猿のおばちゃんにも笑ったっす~♪
ハクメイは楽しくやってるよ。ミコチと一緒に。


この作品、本当に心が暖まります!皆の関係が深いんだなぁ~♪と思える。人間関係の暖かさよ!
最近暖かいしかいってない。尊いとか(笑)

自分はこんな風にやりたいように暮らしていけるかわからない。こんなに楽しそうに暮らせるかも。だけど、そうやって生きていければと、頑張ろうと思える作品でした。ハクメイやミコチみたいに自然の中で、自由に楽しく。そうやってみたいと思ったよ。

2期があれば見るでしょう。このような自然の重要さがわかるアニメは必要だと思います。



Ova ありがたく見させてもらいました~♪
旅館? 魅かれるものがあった~♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

森の小人の日常を描いた日常ほのぼの系

原作未読。最終話まで視聴。

【視聴前に】
原作未読の私には、内容については全く白紙状態。
サムネやCMのキャラデザが気に入って、視聴を決めました。
『メイドインアビス』、『魔法陣グルグル』、『少女終末旅行』・・・
最近、この手のキャラデザに、ハズレが無いからです!
(あくまでも個人の見解です)(笑)

【視聴を終えて】
いわゆる日常ほのぼの系とは少し異なる気がするんだけど、視聴していると、まったり・ほっこりする作品。
人間(?)関係の温かさを感じる作品。
不思議な世界観が魅力の作品。

という訳でお気に入りの棚に直行です。
第2期あるかな?
あると良いな!

【以下は、各話レビュー的な「何か」です】(笑)
{netabare}
【第1話】
森の小人の日常を描いた日常ほのぼの系の作品。
作画が、物語が、見ているこちらをまったりとした気分にさせてくれます。
作画良し、声優良し、物語良し。
上々の出だしではないでしょうか!

【第2話】
吟遊詩人のコンジュ役の悠木碧さんと、ミコチ役の下地紫野の歌声が良い。
小骨のマスター役の緒方恵美さんの声が素敵すぎる。

後半はセンの回。
骨に音ランプを繋げて動かすんだそうだ。
不思議な世界観の作品だ。

【第3話】
ハクメイが目立った回。
前半は自宅(とうか、ミコチの家)を爆破。
野宿の際にはミコチを上手にリード。

イワシ親方のもとでの仕事ぶりは、興味深く、面白かった。

【第4話】
{netabare}コンジュが新築祝いにハーブティーを持ってきたら・・・、
実はそのハーブティはミコチが作った物で・・・。

ミコチが作っているハチミツワッフル作りを手伝おうとすると・・・、
コンジュはお料理が大の苦手で・・・。

そんなコンジュは、ラッピングが得意で、ミコチのお手伝い。

コンジュは棚に置いてあった白い四角い塊を発見。
ミコチは石鹸の試作品だというが、飾り気も香りも無い・・・。
そこでコンジュは・・・。{/netabare}

この話が、後半の話に絶妙に繋がっていく。
自然な流れで、ハクメイとミコチ、そしてコンジュの持ち味を生かした良い物語でした。

【第5話】
再びハクメイ回。
第3話ととつながりが面白い、良い物語だったと思います。

石貫會(いわぬきかい)の話。

{netabare}1.会長との話。
ハクメイが「仕事をさせて欲しい」とナライ会長に頼むが断られる。
しかし、ハクメイはイワシ親方の刃物砥ぎとして参加。
仕事ぶりを認められたのか、ハクメイは会長からノミの研ぎを頼まれる。
しかし、ハクメイは「怖い」という理由で断ってしまう。
ところがこのことが、逆に会長に気に入られたハクメイは、ようやく仕事を任せて貰えることに・・・。
会長の「怖いもの知らずは信用ならねぇ」は。経験から得た、良い言葉だと感銘を受けました。

2.崩落事故の話。
ハクメイは、第3話で”あわや大惨事”の事故に遭遇した。
その時はイワシ親方に助けて貰ったのだが、かなり落ち込んでいた。
今回は、作業中に異音に気付いて、崩落事故から周辺の作業者をも救った。{/netabare}
第3話からの絶妙なつながりが魅力の良い話だったと思います。

【第6話】
美容師の話。
とことんマイペースな人だ。
ハクメイ、ショートカットになる。

イワシ親方と町へ行く話。
ハクメイとミコチはもとより、イワシ親方の良い人ぶりが心地良い。

この作品は、とにかく良い人ばかり出てくるので、終始、ニヤニヤワクワクが止まらない。
不思議な魅力あふれる作品。

【第7話】
ミコチの家の上の方が、なんだか賑やかで・・・。
上がってみると、そこには見覚えの無い扉や梯子がたくさん!
どうやらセンの仕業らしい。

後半は、カメラマン・ミミの話。
自然な写真しか撮らなかったミミが、ハクメイ・ミコチと3人でカメラ目線で写真を撮ると・・・。

ほのぼの心が温まる物語。

【第8話】
何でも有りが特徴の蜂蜜館で、古参者と新参者が小競り合い。
そこに余所者のハクメイとミコチが加わってさらにドタバタ・・・。
古参者がコンジュをさらったことで、ハクメイに火が点いて・・・。

この作品は、本当に不思議な魅力に溢れている作品だ。
最後のオチはほっこりする。

【第9話】
センの作った潜水艦(サイモン)で水中探検。
ハクメイとミコチ、コンジュが同行。
音ランプの音源は吟遊詩人のコンジュが担当するが・・・。
吟遊詩人のコンジュ役の悠木碧さんと、ミコチ役の下地紫野の歌声が心地良い。

後半はミコチがセンの服を作る話。
センが喜んでいる様子がとても可愛かった。

【第10話】
最近、肩こりがひどいハクメイ。
湯治のために近場に出来たばかりの温泉宿を訪ねたら、猫の団体客の抜け毛のせいで・・・。

後半は、ミコチの家に突然の来客が・・・。
ミコチの様子が何か変なのだが・・・?
{netabare}ミコチの姉・アユネが初登場。
ミコチとは似ても似つかぬ・・・。
何だかんだ言いながら、ミコチはアユネを、アユネはミコチのことを愛していることが伝わってくる。{/netabare}
ほのぼのほっこりするお話でした。

【第11話】
前半は夜越しの汽車の旅。
確かに、『揚げ山芋』は美味しそうだ!
この作品は、地味に「食べテロ」アニメなんだよね。

後半は旅先での釣りの話。
楽しそうなハクメイに対して、ミコチは・・・。

今回も、ほのぼのほっこりするお話でした。

【第12話】
かつてハクメイが一緒に旅をしていた緑尾老のキャラバンが通りかかるので、二人で見に行く話。

最後までほっこりが止まらないお話でした。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 48

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ハクミコにファンタジーを求めるのは間違っているのだろうか

■概要
 2018年冬アニメ。原作は「ハルタ」にて連載中のマンガ。森で暮らす身長9センチの小人、ハクメイとミコチの暮らしを描く日常系作品です。どちらも女性なのだけど、ハクメイは男の子にしか見えないのでたぶん戸惑うんじゃないだろうか。そしてこの2人、夫婦にしか見えません。

 「メイドインアビス」「少女終末旅行」が面白かったので、「キャラデザがまんじゅう顔(海外ではポテト顔というらしい)のアニメは神アニメ!!」という全く根拠のない理由で視聴してみました。もっとファンタジー的なものを求めていましたが、最終的にはボチボチ楽しめたという感じです。いわゆる「癒し系」に属する作品ですね。この類のアニメの中でも特にまったりしていて毒っ気は全くなし。昆虫や小動物たちとも仲良く会話する、いたって平和で優しい世界が広がっています。あと、食べ物とお酒(本作はお酒が毎回登場する)がとてもおいしそうな飯テロアニメでもあります。

■作画
 正直作画は全然詳しくないのだけど、このアニメは絵が一番のウリだと思うのでレビューで書いておかないといけないですね。やわらかいテクスチャーの背景美術と手書き感のある人物作画の調和が取れていて、素晴らしい作画だったと思います。おそらくコンセプトは「フルカラー漫画アニメ」なのでしょうね。コマ割を連想させる画面分割で見せたり、集中線や怒りマークといった記号的表現を使ったり、「さわさわ」「ギュッ」といったオノマトペをそのまま文字で描いたりと漫画的な表現がとても多いのが特徴です。描線もペンのかすれを再現するこだわりぶり。あとカメラワークもあえて立体的に見せないことを意識して、縦横のじわPANが基本になっています。原作も絵の評価がとても高い作品なので、ファンには嬉しいアニメ化だったのではないかと思います。

■世界観
 本作はメルヘンチックで優しい世界が特徴なのですが、一方で設定的な粗が非常に目立つ作品です。正直ガバガバw

 やたらとインフラが整っていて森に住んでいても不便さは全くない。動物に乗って移動している場面を描いておきながら、後半のエピソードではなんと汽車が登場する。昆虫や動物とは仲良しなのに鳥や魚とはしゃべれない、そして魚介類はおいしく食べる。その線引きの考え方は不明で、食材として干し肉が登場するのだけど何の肉なのかは全くの謎。このアニメは果物など周りの大きさとの対比で小人の小ささを表現しているのだけど、日常品は全部小人サイズのものが揃っている。そして自然物も頻繁に小人サイズになってしまう場面が見受けられる。さっきでかかったキノコが急に一口サイズに小さくなったりしますw

 サイズが小さければ当然重力の影響も違うのだけど、そのへんの物理法則はほぼ無視されています。絵には随所にこだわりが感じられるのに世界観はこだわりが全くなくて、「優しい世界」と良く言われる本作ですが、だいぶん「都合のいい世界」寄りになってしまっているような感じもあります。何より、このアニメの世界は僕たちの暮らしとの距離感が近すぎて、小人っぽさに欠けているのが残念な点でしょうか。

 ・・・とここまで批判してきましたがレビュータイトルの疑問に至るわけです。これファンタジーとして見ているから駄目なんじゃないかと。つまり、ハクミコにファンタジーを求めるのは間違っている。たぶんカニカマボコに「カニ入ってねーぞ!」と文句を言うくらい間違っている。「カニカマにマヨネーズつけて食べると美味しいよね」みたいな寛大な精神で見るべきなんでしょう。ファンタジーちゃいまっせ。ただの日常アニメでっせこれ。

■日常
 日常系は雰囲気が合わないとけっこう退屈なジャンルで、僕はファンタジー的な要素を期待していただけに、最初はこのアニメをそんなに楽しめていなかったのですが第10話がとても印象に残ったので軽く紹介しておきます。

 第10話「大根とパイプ」は突然ミコチの姉がやってきて、相変わらずマイペースで世話の焼ける姉に飽きれつつも、懐かしい話に花を咲かせる・・・というよくあるストーリーなのだけど、これがとてもよくできているんですね。日常系アニメに対して使うクリシェとして「日常の愛おしさ」があります。この「日常の愛おしさ」を、私達はいつ感じるのでしょうか。

 このエピソードはその答えを示しているように思います。昔と何ら変わらないと思っていた姉との関係。でも別れ際に「ある大きな変化」を見せられた時、2人は別々の暮らしをしていて、お互い少しずつ変わっていることを実感する。同じことを繰り返す毎日で忘れてしまっている、人生は1回きりで時は有限だということ。それを朧げに意識した時、人は何気ない日々の出来事に「愛おしさ」を感じるのだと思います。

 世間的には普通に優良回という扱いでいわゆる神回という感じではないのですが、2018年冬アニメの個人的なベスト回がこの「大根とパイプ」でした。そんなに毎週楽しみにしていた作品でもなかったのでこれには自分でもびっくりですね。

■総論
 本作にセンス・オブ・ワンダーみたいなものは求めない方がよいと思います。あくまで日常系として見れば、とても丁寧に作られた好感度の高い良作です。まったり・のんびりした雰囲気の日常系、癒し系アニメが好きな方には良いんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39

58.8 2 昆虫でファンタジーなアニメランキング2位
絶対防衛レヴィアタン(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (267)
1202人が棚に入れました
水と緑の惑星アクアフォール。
突如降り注いだ隕石群は悪しきモノを放ち、それにより、大地に生きる全ての生き物に消滅の危機が広がっていった。「あたし、シロップ。早速だけど、あなた、<アクアフォール防衛隊>に入隊しない?只今、隊員大募集中なのっ。」お喋りでいつも腹ぺこな妖精<シロップ>が見込んだ隊員候補は3人の竜族の少女。笑顔を忘れた少女<レヴィアタン>、自由奔放なお嬢様<バハムート>、心優しい力持ち<ヨルムンガンド>。竜族の三人と小さな妖精が<アクアフォール防衛隊>として結束してゆくグローイングアップ・ストーリー☆

声優・キャラクター
早見沙織、喜多村英梨、竹達彩奈、花澤香菜、近藤隆、乃村健次、阿久津加菜、水野マリコ、金田朋子、笹本菜津枝、宮澤正、山本綾、長妻樹里

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オープニングや本編が始まる前の可愛い声の解説が最高でした。こういう解説は「作品が始まる!!」って気合を入れてくれます。

ストーリー

この作品の舞台となる「要と成りし柱あり、七拾と弐、星の礎を支う。要を守りし神、七拾と弐あり、その姿、幻の様なり。」と言う神が存在し、七種族の生命体が暮らす、水と緑の惑星アクアフォールにある日謎の隕石が降って着ました。そこからルーカサイトと言う謎の生物が世界を侵略しようと湧き出て来ました。この物語は主人公のレヴィアタン、 バハムート、 ヨルムンガンドが世界を救うたびを描いた作品です。

私の感想。

キャラクターそれぞれがとても可愛く、かなりたのしめました。本当にこの作品のキャラクターたちは愛でる可愛さです。けれど、女性キャラクター以外のキャラクターは少々無理がある感じで私的にはあまり好きにはなれませんでした。

この作品の原作はGREEで配信されているソーシャルゲームっと聞いてどんな話かと思いましたが、かなり楽しめました。ストーリーがきちんとしていましたし、キャラクターとの関係が最高でした。

しかし・・

これは少々言ってはいけない気がしますが・・

この作品のキャラクターの名前が何故・・

ギリシャ神話の神やUMAや神の名前なんだ・・・

まあ、かっこいいのは分かりますが・・

もうちょっとオリジナルの名前を考えましょうよ・・・

せめて、中田とか田中とか中村とか中井とかそういう個性あふれた名前にしろよ・・

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品のキャラクターは先ほど言いましたが、かなり愛でられるキャラクターデザインです。ですので、是非皆さんもこの作品のキャラクターを愛でて愛でて愛でまくりましょう。(ちなみに 「愛でる」は「めでる」と読みます。)

オープニング

「始まりのResolution」
あまり他の人には高く評価されていませんが、私的にはかなり高く評価しています。かなりリズム感もありますし、そして、かなり脳内侵食度が高いです。私はかなりこの曲を気に入っています。キャラクター紹介もきちんとされていますし、世界観の紹介も最高です。このオープニングで一番最高なのははじめの所です。私はかなり気に入っています。

エンディング

「Truly」
可愛い曲です。キャラクターがなんだかかっこよくなっています。私はこのエンディングがもっと評価されてほしいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

鱗だから平気だもん♫

2013年4月6日 - 7月6日TV放送された。全13話。
ソーシャルゲームを元に制作されたTV放送版アニメ。

水と緑の惑星アクアフォールが舞台のファンタジーRPG風の
世界に七種族の生命体が暮らしている。という設定。

宇宙から飛来する隕石から出現した侵略者「ルーカサイト」
から、アクアフォールを守っていく物語。


感想。

「笑顔を忘れた少女」"レヴィアタン"と「お喋りな妖精」との
出逢を切欠に個性あるキャラが集まってPT風に展開する。

出逢の後は4人の個性や生立ち等のエピソードで掘り下げ。
緩めの描写に所々コミカルな描写が入る感じで種々の問題
が仲間意識を強めて解決していくキッズアニメ風な仕様。

声優は美少女萌え系アニメの人気声優を集めた感じかな?

早見沙織はイカロス・ハクア・新垣あやせ 他。
喜多村英梨はタチアナでデビュー後幅広く活躍。
竹達彩奈は中野梓・高坂桐乃・沢渡楓 他。
花澤香菜はぽてまよ・結城美柑・千石撫子 他。
どの声優も幼女から個性派や正統派迄熟す人気声優さん。

ナレーションは30文字以上のセリフを喋ると噛んでしまう。

キャラデザはややデフォルメが強めの萌でソフトな感じ。
下着?が龍族の鱗という設定で水着の様な扱い等露出が
多い服装が多い。動きは柔かで良く及第点以上に感じた。

全体的に詰めが甘く控えめの演出で穏やかなコメディ?
午前中の女児用変身モノを深夜枠が得意のスタッフが制作
したような感じだろうか? 

敢えて盛り上がりを抑えたのでは?という感じもある。

レヴィアタン=海の怪物。悪魔。長い物から水竜?
バハムート=ベヒモス。怪獣の一種。豊穣神、また悪魔。
ヨルムンガンド=北欧神話に登場する毒蛇の怪物。


レヴィアタン  早見沙織
バハムート  喜多村英梨
ヨルムンガンド  竹達彩奈
シロップ  花澤香菜

謎の少年  三瓶由布子
レヴィアタン兄  近藤隆
レージ・ロゥ  乃村健次
トラビス叔父さん 高岡瓶々
メタル      佐藤美由希
ルドラ      西野ゆみこ
ラゴン      平田真菜
ケートー  笹本菜津枝
ムシュフシュ  阿久津加菜
ガルグイユ  山本綾
ツチノコ  水野マリコ
エインセル  長妻樹里
オルテッド  阪口周平
スフィンクス  長妻樹里
ワイバーン  七瀬亜深
保安官      宮澤正
ナレーション  金田朋子

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ぬるいファンタジー日常系?

原作はソーシャルゲーム。
ファンタジー世界の冒険ものの体です。
レヴィアタンとは主人公の名前。その他、バハムート、ヨルムンガント、となかなかイカついお名前の少女達がメインキャラ。
魔法が使えるドラゴン娘達が、なんとなーくの成り行きで、あちこち旅をしたり人助けしたりしちゃうお話です。


冒険はしますが、アツさは全然ありません。
レヴィアタン達は基本的には普通に日常を過ごしてるだけで、受け身的に騒動に巻き込まれたり方々に出向いたりする羽目になるという流れです。
設定上は、惑星に倒すべき敵のような者がいて、各地での事件もそれが関係している事が多いのですが、それに相対するのも成り行きで。
RPGの主人公っぽく、世界を救うために旅にでるぞー!的なノリにはなかなかなりません。

悪くはないんだけど、常にヌルめ。
動機の薄い冒険RPG、とでもいえばいいでしょうか(^_^;
とにかく、そんな雰囲気の作風です。

キャラクターは普通に可愛いです。
竜の血族でありますので、しっぽや翼が変身時に生えたりする以外は可愛い人間の女の子と同じ。
仲良し3人娘それぞれ個性が違っていて、性格や境遇や家庭環境もバラバラ。
ベッタリと親友だーという暑苦しい関係というわけでもなく、それでも、何となくウマが合って一緒に居るといった感じ。
近すぎず遠すぎずのヌルい距離感がまた、本作らしい味になっています。

冒険の過程で当然、魔法を使ったバトルなどもしますが、戦闘それ自体は並。
可も無く不可もなくのファンタジー系らしい戦いです。
なんとなく緊迫感に欠けますが、それも本作らしいといってしまえばそれまで。ハラハラはしないけど、ある程度ドキドキはして観ていられます。


結局、日常なんだか冒険なんだかよく解らない作品でした。
レヴィアタン達のキャラを鑑賞する作品・・・と評するにもちょっと弱い。
出来は悪くはないんだけど、ここだ!と推すところも貶すところも見つからないレビュー泣かせの作品でした。


低温の冒険バトル風ちょっと萌えキャラ日常アニメ?

・・・・うーん、定義できない作品です^^;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

61.3 3 昆虫でファンタジーなアニメランキング3位
空戦魔導士候補生の教官(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (653)
4390人が棚に入れました
カナタ・エイジは、学園浮遊都市の一つ《ミストガン》の空戦魔導士科(ガーディアン)本科2年に所属する生徒であり、特務小隊(ロイヤルガード)S128小隊にも所属している。しかし、ある理由によってエイジは後方支援科(ロジティクス)の手伝いをするなど、本来の任務と小隊の仲間から距離を取っていた。そんな折、エイジは同じ小隊の仲間であり同級生であるクロエ・セヴェニーから、ある小隊の教官を務めることを要請される。


声優・キャラクター
松岡禎丞、山本希望、東山奈央、野水伊織、種田梨沙、山田悠希、藏合紗恵子、柿原徹也
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

教えてやるよ―― 最強への方程式ってやつをな

タイトルの響きから壮大で硬派なアニメを想像して観ることにしたのですが,キャラクターデザインを見た瞬間に違うということを悟りました。
後から調べたら案の定ラノベ原作でした(^-^;
でも,一応最後まで観たのでレビューします。

当時あった石鹸枠と呼ばれたアニメと「魔法科高校の劣等生」を足して2で割ったような話です。
キャラクターデザインや魔甲蟲と呼ばれる敵と戦う辺りは「銃皇無尽のファフニール」みたいな感じだし,ランキング戦で他の小隊と戦う件なんかは「魔法科高校の劣等生」味を感じました。
そういえば,タイトルの付け方も「魔法科高校~」っぽいですね。
主人公が男子で,可愛い女の子たちに囲まれているハーレム状態なとことか,女の子のテンプレなキャラ,彼女たちのやたら露出の多いコスチューム,お風呂シーンとか色々これでもかとテンプレを詰め込んだようなアニメだと思いました。
ヒロインのミソラなんかは「精霊使いの剣舞」に出てたよね(笑)!?

主人公のカナタは何で周りから裏切り者って呼ばれているのか分からなかったし,裏切り者呼ばわりされてる割には堂々としてます。
彼が教官として,ミソラ,レクティ&リコの3人を教えることになるのだけど…彼まだ17歳なのよね。
フロンという空戦魔導士科長も存在するんだけど,彼女も空戦魔導士科本科3年の18歳ということらしいので学生なんですよね。
生徒会長みたいなもの??
この子たちをちゃんと教える大人の先生方は居ないわけ!?!?
3人が本当に落ちこぼれならちゃんとした先生をつけた方が良いと思うのだけど…。
カナタだって自分の勉強とかやらなきゃいけないことないのかな??
ミソラ,レクティ&リコは高校生くらいに見えるけど,実際は14歳で予科2年ということなので中学生くらい。
なんかめっちゃロリってるな。。大丈夫かな??
予科生の落ちこぼれちゃん達はけっこう痛い子達です(^▽^;)
{netabare}ミソラは上記の通りだし,初め食パンを食べながら登校する件は古典的すぎて笑ってしまいました。
しかも,ジャムの付いてる面がカナタの股間の部分に…ってマーフィーの法則かよ!!
リコは「女神なわたし」とか思いっきり中二病を発症しちゃってます。
レクティの「○○さんですぅ~。」みたいな話し方は1番痛いと思いました。
彼女はカフェでウェイトレスをすることになるんだけど,メイドじゃなくてウェイトレスね!!
他の人たちは普通のカフェの制服を着てるのに彼女だけ露出多めのひらひらフリフリの服で…それって良いの!?
そして恥ずかしくないわけ!?!?
本科生に対してはそこまでイライラしなかったけど,カナタが何で裏切り者と呼ばれてるのかが分からなかったので,ユーリに対しても「はぁ!?」って感じだったし,クロエやロイドは事情を知ってるならユーリやみんなに教えてあげれば良いのにと思いました。{/netabare}
正直,物語の作りやキャラクターに目新しさがないので安っぽく感じたし,敵である魔甲蟲も気持ちが悪いだけでどこから何の目的でやってくるのか分からずじまいで,これからも彼らは魔甲蟲と戦い続けなければならないので何の解決にもならずに終わってしまいました。
{netabare}一応,あのユーリのストーカー事件だけは解決した…のかな。
キメラ・アンタレスの目みたいなやつは相変わらずまだあるんでしょうに…。
このアニメでは予科生の落ちこぼれ3人組がメインヒロインなのだろうけど,ストーカー事件においてはユーリがヒロインっぽくてそこら辺定まっていない感じがしました。
ユーリはあんだけカナタに反発してたのに実際は好きだったのか!!
カナタは鈍感すぎない!?!?
ユーリ「2人っきりで」ってはっきり言ってるじゃん(-_-💢)ってイライラ。
わたしはこの2人がくっつけば良いのにと思いました。
お願いだから予科生の3人には手を出さないでほしい。
カナタとユーリがくっついてくれたらもう少しだけ評価あげたのにそうはなりませんでした。{/netabare}

全体的にツッコミどころが多くてイライラしたアニメでしたが,唯一良いなと思ったのはEDです。
OPの最初にチラッと出てくる空の映像がずっと続いているアニメーションでメインキャラクターの4人が空を飛んでいます。
曲も最初は特にどうとも思いませんでしたが聴き続けていくうちに良い曲だと思うようになりました。
OPはいかにもラノベ原作アニメの主題歌って感じでそこら辺にいくらでも転がってる曲調なので好きではありませんでした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

スポ根ドラマを現代のラノベテイストで焼き直し

その昔、トレンディードラマと言うものが流行る前に、大映あたりが制作された
高校運動部を舞台にしたスポ根ドラマを現代のラノベテイストで焼き直した
とても拙い物語の作品。

人類の存亡をかけて異形種と戦争をしている雰囲気がまるでない、とてもぬるい
世界観であまりのもラノベ的テンプレなストーリー進行が退屈で第1話の
開始5分後ぐらいから1.5倍速でまわしてしまった。
早々に切っても良かったのだが、ラノベ特有の極端なハーレムストーリーに
ならなかったので一応完走は出来たのだが、最終話まで1.5倍速の時短再生で
流し見しつつの視聴になってしまった。
序盤から感じていたのは冒頭でも書いたが、昭和50年代あたりで製作された
スポ根物の漫画やドラマに初期設定が良く似ている事。
問題児ばかりの弱小運動部に過去そのスポーツで名を馳せた教師が赴任を
してきて顧問に就任した途端、学校側から次の大会で優勝できなければ廃部に
すると通告され、紆余曲折しながら最終的に教師も問題児たちも解り合い
一丸となり優勝を目指していく。
本作のあらすじを高校部活のスポ根物の設定で書くとこんなとこかな(笑)
今現在、活躍している作家の作品で過去の作品に似ている所はたくさんある
そうなってしまう事は致し方ない事も解るし否定はしないが似せるなら似せるで
2番煎じやパクリと言われない執筆者独自の表現で創作してほしい。
本作の舞台設定が高校の運動部だったらら差ほど違和感はなかっただろうが
人類の存亡をかけて戦っている軍の教育小隊だとどうしても違和感が出てしまう。
そういう意味で本作は基本設定のTPOが間違っていたのだろうな
まぁ軍事物に疎い作家が中途半端に戦闘物に手を出すと違和感だらけの
物語になってしまう典型だと思う。
たとえば、
{netabare}空戦魔導士課長の立場で考えれば、人類存亡の戦いの中、戦力の
底上げをする事が任務だと思うが、意味もなくE601小隊を目の敵にして行く
主人公カナタ・エイジに思う所があるのであれば自分の職権を使い本人に
対して事を起こすか遠ざければ良いだけなのに{/netabare}
とても不自然なストーリー進行になってしまっている。
また
{netabare}人類最後の砦としている空中都市がいとも簡単に空襲され
教育課程中のE601小隊がいきなり最前線に実戦配備されるあたりは
{/netabare}
「ああ!こいつら負け戦だな」と言う
感想しか出なかった。
それに数で圧倒している魔甲蟲との戦闘シーンも緊迫感がまるでなく、その割には
貧相な戦術しかない描写には残念としか言いようがない。

作画も全体的におざなりで、アクションシーンはまったく迫力がない構図と
動きで1.5倍でまわしてもまったく違和感なかったのはどういうことなのか謎だな
まぁ日常シーンも差ほど違和感はなかったが、ラノベ原作らしい
意味もなく入浴シーンや着替えシーンは無駄に多かったのは残念だな。
正直、本作の女性キャラのキャラデザにはあまり心惹かれなかったが、唯一
良かった点は女性キャラの衣装デザインは凝ったデザインで個人的には
良かったと思っている。
もう少し肌色が少なければもっと良かったかなと思ってはいるけど

今回出演している声優陣に関しては、ほとんど1.5倍速でまわしてしまっているので
演技が安定している松岡さんや東山さんなどはともかく、本作に関しては
特に言及しないでおこうかな(笑)

結論として、本作は創作の入り口である主題の構想などの原案の時点で
間違った選択をしているので、ファンタジーの戦闘物としては、どうしても
ストーリー構成が不自然に成っているのは残念。
ただ、ラブコメとしては極端なハーレムストーリーではなかったのは評価できるが逆に
メインのヒロインが誰になるかがはっきりしないので、軸がぶれているのも事実。
円盤の売り上げ次第では2期もありうるが、現状の物語の延長線だったら
視聴することはないだろうな。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

テンプレであろうと何であろうとこの手の作品は好みです・・・^^;

この作品の原作は未読ですが、この作品も出演される声優さんの配役を見て視聴を決めた作品です。
タイトルにもなっている「教官」役に松岡さん・・・^^
この時点で主人公最強系の作品だと勝手に想像していましたが・・・予想を裏切りませんでしたね^^
そして他に出演される声優さんは山本希望さん、東山奈央さん、野水伊織さん、種田梨沙さん・・・
「やった、東山さんと種田さんの組み合わせ^^」
もうこの時点でテンションMAXです(//∇//)

この物語の舞台は、魔甲蟲と呼ばれる存在に人類が地上を奪われ、住む場所を空の上に変えた世界・・・人類はこの空の上で唯一魔甲蟲と戦える「空戦魔道士」の育成に力を入れていました。

松岡さん演じるカナタ・エイジは、魔甲蟲と戦うエリート集団S128特務小隊のエースとして活躍していましたが、ある日を境に戦闘に対する態度が変わり・・・いつの間にか周囲から白い目で見られるようになっていました。
そんなある日、カナタは小隊の教官を任命されることになります。
その小隊はE601小隊・・・今までの模擬戦でただの一度も勝利したことの無い最弱集団だったのです。
こうしてE601小隊とカナタが出会い・・・物語は動いていきます。

小隊は3名で構成されており、E601小隊は以下の3人が所属しています。
ミソラ(CV:山本希望さん):赤の長髪が特徴的な小隊のリーダー。
レクティ(CV:東山奈央さん):金髪碧眼のロリ巨乳です。優しい性格ですが気弱な面も・・・
リコ(CV:野水伊織さん):自称「女神」を連呼するだけあって絶世の美少女だが性格は気まま・・・
因みに今回の推しはレクティ・・・決め手はキャラ立ちと東山さん(//∇//)

このE601小隊・・・全戦全敗するだけあって蓋を開けてみたら問題だらけでした^^;
やる気はあるけれど空回り・・・
武器が上手く使いこなせない・・・
人の目が怖い・・・
女神なのだからそんなことはする必要がない・・・
模擬戦における戦術も無くそれぞれが勝手に行動・・・

こんなダメダメな小隊にカナタがどの様なメスを入れるのか・・・それがこの作品の見どころです。
カナタは彼女達に飄々とした表情で「ん?言わなかったか?」と色々な特訓を施します。
でもその飄々として表情の裏には、教官として・・・先輩空戦魔道士として・・・魔甲蟲と戦っても決して死なない小隊を目指す熱い思いが溢れていたのでしょう・・・
一見「これで強くなれるの?」と思える事もちゃんと先に繋がっているんです^^

初めはカナタを受け入れ難かった小隊の3人・・・教官はその立場を利用して私達にあんな事やこんな事をさせているのでは?
しかもその教官は周囲から白い目で見られている人だし・・・
時々突拍子の無い注文をするカナタは、3人にとってそう映る事もあったかと思います。

時には誇りを汚したかもしれない・・・
時には冷酷だったかもしれない・・・
それはE601小隊に欠けている大切なモノに気付いて欲しい親心です・・・

E601小隊とカナタが共に過ごした時間・・・この時間は小隊にどの様な変化をもたらすのでしょうか^^?
気になる方は本編でご確認願います。

オープニングテーマは、野水いおりさんの「D.O.B.」
エンディングテーマは、la la larksさんの「ハレルヤ」
個人的には躍動感溢れるオープニングが大好きでした^^

1クール12話の作品でした。
作品はテンプレだったかもしれません・・・魔甲蟲を剣で切り倒すとき、もっと勢いが無いと切れないんじゃ・・・それじゃ撫でてるだけなんじゃ・・・?
と視聴していて気になったところが無いわけではありません。
でも、良いんです^^
最強系の松岡さんはやっぱり格好良くて・・・登場する女の子は皆んな可愛い・・・おまけに大好きな声優さんも出演してくれている・・・私にはもうこれだけで十分でした(//∇//)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

65.8 4 昆虫でファンタジーなアニメランキング4位
借りぐらしのアリエッティ(アニメ映画)

2010年7月17日
★★★★☆ 3.6 (662)
3144人が棚に入れました
とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。アリエッティの一家は、屋敷の床上に住むふたりの老婦人、女主人の貞子とお手伝いのハルに気づかれないように、少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。借りぐらしの小人たち。そんなある夏の日、その屋敷に、病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。人間に見られてはいけない。見られたからには、引っ越さないといけない。それが床下の小人たちの掟だった。そんなある日、アリエッティは翔に姿を見られてしまう・・。

声優・キャラクター
志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、竹下景子、藤原竜也、三浦友和、樹木希林
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

我が家においでませ

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 2回目です。95分くらいの現代ファンタジー。
 「傑作か」と聞かれると「まぁまぁで」と言いたくなるのですが、好き嫌いで言うと結構好きな作品です(悪いところはレビューの下の方にまとめています)。

 スケール感はとても綺麗に表現されていると思います。軒下とその周辺というアリエッティの世界が、家と庭へと拡大して、その先へというストーリー展開に合わせた世界の作り方もいいですよね。小人のいないシーンでも時折不意に入るローアングルが、私たちの知らない世界を見せてくれて、ドキッとさせてくれます。

 甥っ子と遊んだりすると、彼らの住む「膝丈の世界」に驚いてしまいます。腰丈のテーブルの下を走り回り、腰掛けるソファによじ登り。そんな彼らの目線に合わせると、自分たちのスケールで作られた世界のなんと不便なことか。でも、彼らにとってはもともと「そういう風に作られた世界」であって、そんな世界にいることに何の疑問も持ってはいないんです。アリエッティたちも同じですね。
 私たちも以前は確かに「膝丈の世界」に住んでいたんですが、成長とともに気が付くとギャップが埋まっていて、いつの間にか「当たり前の世界」に住んでいる。でも、最後までこのギャップが埋まらないのが、アリエッティたちのいる「小人の世界」です。


ギャップ:{netabare}
 問題はスケールのギャップではなくて、認識のギャップ。

 アリエッティたちは「借りぐらし」をしています。でもハルは彼女たちを「泥棒の小人」と言っていました。
 例え少量でも、返すあてのない無断の借り物は泥棒です。「借りている」と主張する側と「盗まれた」と主張する側の認識の乖離は埋められず、事実は「盗まれている」のです。正に借りパクですね。小人と人間の間には、「取る側」と「取られる側」というギャップが拭えないのです。

 アリエッティたちも同族からは「借り」ないはずです。同族だと罪になるけど、他種族なら「借りる」という言葉を使って「盗む」ことを正当化してしまうのです。
 これは私たちも同じです。私たちも生きるために「殺し食べる」必要がありますが、同族に対しては罪になります。他種族に対しては「いただきます」という感謝の言葉を使って、「殺し食べる」という事実を正当化するのです。
 「借りる」も「いただきます」も罪の意識を軽減するための言い訳の言葉と捉えることができます。善悪の問題ではなく、それぞれがそういう「当たり前の世界」を作り上げているのです。生きるための行動に罪を感じてしまっては、生きること自体が辛くなってしまいます。
 それぞれの異なった「当たり前の世界」が存在していることが、この作品の根底にあります。

 小人に理解を示すショウ。彼ですら二つの「当たり前の世界」を壊し、一つにすることはできませんでした。
 彼は盗まれたものを「わすれもの」とすることで、小人の正当化を幇助しました。でも、これは上から目線のほどこしであって、「共生」ではありません。「取る側」と「取られる側」という一方通行の構図自体は変わらないのです。彼のほどこしを受けることは、アリエッティたちにとっては、自助努力を無くした単なるペット化に等しいものです。プライドのあるアリエッティは受け取りませんでした。

 相容れない二つの世界が出会ってしまったら、ハルのように破壊するか、ショウのように懐柔するか、このいずれかであって、共生は困難なのだとこの作品では語られています。アリエッティパパの言うとおり、「見つかってしまたら離れる」ことが生への道なのです。もののけ姫の結論に非常によく似ています。

 もし、巨人というのがいて、私に餌付けをしてきたらカチンと来ますよ。私はペットになる気はありません。自力で「借りる」ことを選択するでしょう。例えそれが巨人にとっての「盗む」だとしても、です。「悪者なら殴っていい」とまで理論を展開するつもりはありませんが、環境の変化に合わせて、自分を正当化する新しい「当たり前の世界」を作り出してしまうことでしょう。
 もし、我が家にアリエッティが来たら、餌付けしたくなっちゃうけど…見て見ぬふりをしなければいけませんね。餌付けはエゴですものね。ビデオで撮ってこっそり愛でることにします。
{/netabare}

アリエッティの髪型:{netabare}
 アリエッティは髪を上げたり下ろしたりと結構忙しいですよね。

 最初は、初めての屋内探索の日に行っています。日取りが事前に決まっていたこと、衣装替え、髪を上げる、腰のベルトなどからすると裳着(成人の儀式)のアレンジみたいに思えます。14歳ですから妥当な年齢です。裳着は結婚適齢期に入ったという意味も持ちます。アリエッティママが、アリエッティにスピラーとコミュニケーションを取らせようとしていることからも伺えます。

 最後の髪下げはエンディングで、こちらは二つの意味を持ちそうです。
 一つ目は、ショウ(人間)との別離。角砂糖を受け取ること自体は「和解」とか「共感」だとは思います。そして、ヘアクリップをプレゼントするのですが、「あげる」というよりは、「借り物を返した」だけですからね。「盗む」にはならなかったけれど、最後まで真の意味での与える側にはなれなかった、という埋まらないギャップを感じます。「共感」までが限界で「共生」はできませんでした。

 二つ目は、女性化ですね。髪が伸びるとか髪を下ろすというのは、やっぱり女性を感じます。成人の儀式があって、女性化が描かれているので、やっぱり結婚は近そうです。相手は、スピラー…なの? 少なくとも選べるほどは候補がいなそうですけどね。まぁ、選ぶなんて言っているのも私たちの価値観のもとで成立することであって、彼女たちにとっては選べないことが「当たり前の世界」なんでしょうけどね。

 ちょっと話はズレますが、エンディングテーマ中に、スピラーがアリエッティに木イチゴを渡すシーンがあります。この木イチゴの大きさは、ちょうど角砂糖と同じくらいです。角砂糖はカバンにしまいますが、木イチゴはその場で口に含むんでいますよね。こういうのを見るとやっぱりアリエッティは小人側なんだな、と思います。
 スピラーはコオロギの足ではなくて、木イチゴに変えていて、渡す仕草からも思春期っぽさが出ていましたね。
{/netabare}

小人と人間:{netabare}
 冒頭の軒下を駆けるアリエッティには、高い身体能力を感じますよね。で、そんなアリエッティが拍手喝采を送るのがアリエッティパパなんですけど、そんなパパを優に超えていくのがスピラーです。身体能力以上の生命力みたいなものを感じます。
 一方のショウ。心臓の手術に備えて、安静にするためにこの屋敷に来たわけですけど、どんどん弱っていく。顔色が変わらないので分かりづらいですが、胸を押さえるシーンが増えますよね。

 「滅亡する種族」と「繁栄する種族」という大局の対比があるのですが、その中身を見ると少し違う。
 「滅亡する種族」の家庭には逞しいお父さんと活発な子供達がいるんですが、「繁栄する種族」の家庭には、二人の老婆と心臓を病んだ少年しかいないんです。種族という大きな枠で見ると滅亡する側と繁栄する側なんですけど、家庭という局所でみると、滅亡と繁栄が逆転されています。「生きて行く滅亡する種族」と「死に行く繁栄する種族」という構造になっています。
{/netabare}

エンディング:{netabare}
 ショウとの別れのあとで描かれるのは、「生きて行く滅亡する種族」が川を下る姿だけです。
 ヤカンの上で描かれるのはアリエッティとスピラーの思春期です。これはやはり「生きて行く」姿だと思うのです。そして、ヤカンは障害物にも引っかからずに川に沿って下って行きます。この流れに沿う感じとその淀みのなさに、小人という種族の行き着く先の必然性みたいなものを感じてしまいます。やっぱり運命には抗えない「滅亡する種族」なのだろうと実感してしまうです。結局、エンディングテーマ中で描かれているのは、思春期という清々しさを隠れ蓑にした「生きて行く滅亡する種族」の姿なんだと思うわけです。

 エンディングでは、ショウについては何も描かれていません。ショウには不吉なフラグが立っているんですが、そのフラグを壊すところも行き着く先も描かれません。この描かないところがなんとも嫌な予感を受けます。
 「生きて行く滅亡する種族」が「生きて行く滅亡する種族」として説明されている以上、「死に行く繁栄する種族」も「死に行く繁栄する種族」なのではないだろうか、と予測せざる負えません。

 ただ、この予測に対しては二つの反証があります。
 一つ目は「君は僕の心臓の一部」というショウのセリフ。このセリフは、心を奪っていった的なものではないと思います。奪ったのではなく、その逆。補完しただと思います。
 ショウの心臓は、そもそも病んだ心臓・欠けた心臓です。生きることに後ろ向きでした。ここの欠けた部分に、アリエッティのために頑張るという思考が加わって、生きることに前向きになった、というのがショウの持っているストーリーです。アリエッティがショウの生を補完してくれたのです。ショウは生きたいのです。
 二つ目は、オープニングの「僕はあの夏…一週間だけ過ごした」という語り。二日後の手術前に「あの夏」という振り返りはないでしょうから、もう少し先の未来からの語りでしょうね。ショウは生きているんです。

 二つ目の反証はショウの生存を確定的なものにしますが、一つ目の反証は期待できるという程度のもので、反証とは言い切れません。オープニングだけでしか生存を明言しないために、最後の最後でモヤモヤしてしまうのですが、個人的には明言しなくて良かったと思います。最後に言い切ってしまうと、積み上げてきた「生きて行く滅亡する種族」と「死に行く繁栄する種族」という構造を壊す、ご都合主義エンドになっちゃいますからね。
 まぁ語りの時点での生存が確定していたとしても、「死に行く繁栄する種族」の枠から抜け出せなければ、どれほど元気かはわかりませんけどね。個人的には元気でいて欲しいです。
{/netabare}

 何やらこの作品には賛否があるようですが、決して悪い作品ではないと思います。
 テーマが分かりづらいなんて意見もあるようですが、構造をシンプルにしている分、むしろ分かりやすいのではないでしょうか。「(別々のところで)共に生きよう」という擬制的な共生は、もののけ姫が持つテーマと変わりません。一緒にいることに価値を見出しているのではなく、別々のところであっても生きていることに価値があるってことです。「生きろ、そなたは美しい」の精神です。

 で、悪いところがないのか、と言われると残念ながらあります。結構あります。
 以下、文句。{netabare}
 軒下、家、野外と舞台が展開していくにも関わらず、後半になると世界のダイナミズムみたいなものが、むしろ失われていきます。これはホントにダメ。

 私たちの天敵(?)のゴキブリが、小人にとっては天敵足りえないというのは百歩譲って許しましょう。でも、カエルとかネズミとか「外にいる怖いもの」のエピソードに不足しているのはどうなんですかね?チラ見せだけにせずに、外の怖さを感じるエピソードも欲しかった。結局外に出るんだし。

 ディティールへのこだわりが強いのは分かるのですが、なんにも効果を持たずに、綺麗なものの列挙で終わっちゃうのもいただけませんね。例えば、アリエッティ一家の三人が使っているマグカップのデザインは、ハートダイヤクラブなんですけど、スペードはありません。スペードをショウかスピラーに担わせておけば、とかね。描いたものを活かそうという視点には欠けています。

 あと人物描写。感情にもうちょっと溜めが欲しい。唐突な感情爆発が結構多いです。感情爆発自体は構いませんが、そこに至る過程があまり良くありません。人物の掘り下げもちょっと足りない。
 最後にアリエッティ。あんなに楽しそうだったアリエッティが、罪の意識に苛まれて後半はほとんどふさいだ顔。最後の最後はハツラツとしたアリエッティが見たかった。
{/netabare}

 酷評してもおかしくないんですが、脚本が宮崎駿だけあって、骨子自体は悪くないと思います。アニメ作品としての表現の部分が今ひとつなだけで。ただ、観察眼は良いと思いましたし、水関係の描き方はホントに素晴らしい。なによりアリエッティがかわいい!全てを許しましょう!


対象年齢等:
 私が一番重視しているのって対象年齢なんですけど、この作品はちょっと厳しい。
 言葉の選び方やキャラクター(昆虫とか悪役)の使い方は子供向けっぽいんですよね。でも、「借り」の概念を伝えるエピソードに乏しくて、子供への説明は足りてないように思えます。大人向け、というのも粗が目立って難しい。
 子供が見ても分かるように説明するか、後半のエンタメ要素を増すかのテコ入れは必要でしょうね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

セレナーデ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」の不自然さ

「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」
自分としては、冒頭5,6分にアリエッティママが放ったこのセリフで全てが決したといっていい。この一言で本作への期待値がスゥーっと下がり、その後の展開も期待値に背反することなくエンディングを迎えたのである。引きの強さを感じた場面も少しはあったのだが、総じて言うと、予感した通りの低空飛行シナリオであった。
それくらい、ママの一言はある意味象徴的といえるものだった。

◆「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ。」の不自然さ

このセリフ、一言で言うと説明くさいんである。

そのセリフが発せられたのは、アリエッティが外界から帰宅した直後。まだ外界の危険性を熟知していないアリエッティの活動的な行動を、アリエッティママが心配し、諭すシーン。

そのシーンでは、「外界の生物が小人にとって脅威となることは、小人の世界での社会通念である」という情報を発信している。つまり、人間にとっては特別注意を払う必要のないカエルや猫のような小動物も、小人にとっては命を脅かす存在であり、そのことは小人の世界では常識だ、という世界観を、アリエッティとママとの会話で「表現」しようとしていたわけである。

・・・・・・であるのだが、カエルや猫が脅威的な存在である世界観において、心配の言葉をかけるなら「カエルや猫だっているのよ?」とかそういう親身な言い回しが自然と思う。

そこのとこ「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」という一言は、作品が持つ「小人にとって外界の生物(小動物)は脅威である」という世界観を「描写」するのではなく、視聴者に「説明」しようとしてるようなマインドが感じられる。

シナリオの文脈ではさも「自然に発せられた咄嗟の一言」のような口跡だったけれど、視聴者を意識しすぎてる香りがして、観てるこちらとしては、ナチュラルな一言には感じない。

しいて例えるなら、免許とり立てでいざこれからドライブにいかんとしてる息子に注意を促すとき、本来なら「気をつけて走りなよ」とか「右折には気をつけるんだよ」と目線を合わせた物言いをするところを、いきなり「車社会には危険がいっぱいあるのよ」という大上段な諭し方をされたような、ぎこちなさ。

ママのセリフにはそのような、表現として生硬な印象を受けてしまう。視聴者に対し、小人の生活を「見せる」ためではなく、小人の生活を「教える」ために見繕われたような不自然さ、それは、作品世界への陶酔の妨げに他ならないんである。

で、

しいては「そんなセリフがまかり通った脚本」に、後の展開にも一抹の不安を覚えてしまったわけで、個人的な感想の範囲として、その不安は奇しくも的中した形となった。
楽しめれたのは、小人が人間の家宅を探検するときはこうやってるんですよ的な描写くらいで、基本的には予感したとおりの味気なさ。病に苦しみ死を案じていたショウくんのドラマのカタルシスの薄弱さ、樹木希林が小人の捕獲に執念を燃やす唐突さと動機の不明瞭さ、住まいを放棄しざるを得ない宿命を背負ったアリエッティ一家の結末の投げやり感。あと、なんだ、あれとか、これとか、それとか。ともかく、面白くねえなこれ、の連続で。

脚本至上主義者の自分としては、「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ。」には、その面白くねぇなの連続を予感してしまったのでしたとさ。

以下、ネタバレじゃないけど、独り言で。

◆「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ。」は子供向け

{netabare}「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」に対しての考えをもうちょっと言わせてもらうと、こういう説明じみた表現自体は、全然あってよいと思います。

ただ、本作にはやって欲しくなかったな、というだけで。

このママのセリフは、低年齢層向きな手法なわけです。表現としてはかなり直接的で、「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」という言葉と、「小人にとって外界の生物は脅威である」という情報とのリーチを短く表現している。

なんで直接的な表現が子供向きかというと、単純に分かりやすいから。
というより、そうでないと子供に分かってもらえないかもしれないから。

大人は「直接的な表現」でも、対する「間接的な表現」でも対応が可能なわけです。怒った表情で「怒った」と言いながら勢いよくドアを閉めて退室される、柔らかい笑顔で「怒ってない」と言いながら勢いよくドアを閉めて退室される、どちらも”怒り”の表現であると理解できる。

むしろ後者の「間接的な表現」のほうが、残る印象は強いんじゃないかと勝手に推測してます。少々の計算というか、「空気を読む」という作業を通過したほうが、大人は真に迫る説得力を感じられるんじゃないかと思う。

しかし、子供の場合、皆が皆「空気を読むスキル」を有しているとは限らない。人生経験が不十分であるがゆえ、「『怒ってない』と言ってたから怒ってないのだろう」と認識してしまう子がいても不思議ではない。

仮にママのセリフが本当に「カエルや猫だっているのよ?」であったとした場合も同じで、子供によっては、「外にはカエルや猫がいると説く」+「心配する声のトーンや表情、前後の会話の内容など」で、
≒「小人にとって外界の生物は脅威である」と答えを導き出す計算が働かず、「外にカエルや猫がいることをママは教えただけだ」と、そのままの意味で捉えてしまうかもしれない。

つまり、「行間を読む」とか「文脈から察する」と言った高度なリテラシーを要求する間接的な表現方法は、低年齢層のオーディエンスをおいてけぼりにしてしまう危険性がある。

そんなリスクを背負う表現をするくらいなら、素直に「直接的な表現」をした方がいい。怒ったなら「怒った」、悲しいなら「悲しい」、許せなかったら「許さないぞバイ*ンマン!」、外の世界が危険だったら「外には危険がいっぱい」とキャラに言わせたり、叫ばせたり、説明させたりすれば、子供に情報が正確に伝達する可能性はぐんと高くなる。低年齢層向けコンテンツであれば、その手法は極めて真っ当な手段であり、大正解だと思う。

ただ、個人的には『借りぐらしのアリエッティ』が、ターゲットを低年齢層に特化させた作品だとは、ちょっと思えない。低年齢層寄りではあるかもだけど、アダルト層の集客を見込んだシナリオや演出を目指してる姿勢も、なんとなく感じるわけで、本作が劇場版の『ドラえもん』や『アンパンマン』や『プリキュア』と同じ敷居かと訊かれると、感覚的にはやっぱNOなのです。

だからこそ「外には危険な生き物がいっぱいいるのよ」という、お子様向きである純度の高い直接的説明的なセリフには、少々落胆してしまいました。もうちょっと気の利いたセリフにならんかったのかと、そんな気分になりました。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ここに宣言しよう、「小人姫アリエッティー」の方が絶対良かった!

二回見ました、この作品。
まぁ酷評の人が多いと思います。なんせ終わり方が、というか話全体が設定と共に縮小してしまって薄い内容になっていましたからね。

では、なぜこの作品は設定と共に縮小してしまったか、それから結末を回避することは可能だったのかを吟味していきましょう。

この作品で一番面白かったのは初めの30分でしたw
小人という設定、小さい人間から見た世界観、小人の生活スタイルなど斬新なものばかりで興味津々で見入ってしまいました。特に作画。家具など本当にリアルに描かれている部分もあれば、水(水滴)みたいなものは独特な最近のジブリらしいタッチで素晴らしいデキだったと思います。
問題はアリエッティーが子供に見つかってから。ここから小人ワールドから人間を含めた世界を描き始めます。

一つここで疑問。人間の子供を出す必要があったのか。
この作品は人間と小人が共存または敵対する世界を描いています。もしこの作品に人間を登場させなかったらどうなっていたでしょう。全体的なスケールは小さくても、その枠内で壮大な話を展開出来たのではないでしょうか。
例えば、人間を完全に敵と設定することで、もういないと思われていた別の小人たちと小人たち内だけの冒険を始める。スケールは小さくなりますが、ストーリーとしては独特の世界観を維持しながらファンタジー物語を展開することが出来ます。勿論映画としてのメッセージは完璧に変わりますが、視聴者にはこちらの方が受けたのではないでしょうか。

話を戻します。
本編が始まったのは主人公であるアリエッティーが人間の子供と接触してから。ここから映画としての方向性が見えてきて、世界観も一気にファミリアーになります。
さて、今作品での最大の問題は世界観を最終的にどっちつかずにしてしまったことです。
人間の観点から見るのか、小人の観点からこの作品を描くのか。
人間の観点になると、病で元気をなくしている男の子が小さいけど頑張っている小人から勇気を得る、生きる意味を知るといったテーマになります。
小人視点になると、人間に存在がばれてしまった事から新しい居住地を探す羽目になる。その過程で別の小人たちと出会い、生きていける可能性を見出だす、
といったものになるでしょう。
この二つをごっちゃにするから中途半端な作品になってしまい、結末も曖昧なものになってしまうのです。

では、選ぶとしたらどちらが良かったのか。それは明らかに後者でしょうね。前述したように、世界観はジブリの技によって良く描けているのだから、それを利用する以外はないでしょう。それに病の男の子が誰から生きる勇気を得る、といったパターンはありきたりで斬新さに欠ける。

私がもしこの設定で話しを進めるとしたら、もうちょっと尺を長くして、さらに特殊な能力、「脳内で意思伝達できるテレパシー」なる設定でも追加して、話を一気に世界規模にします。
そうですね、タイトルは「小人姫アリエッティー」でw
初めの20分は小人独特の世界観を描いて、その後すぐ現在の居住地を人間に見つかり新たな開拓地を目指す。その旅路に新たな小人民族と出会い、そこから人間に対抗すべく長年計画を練っていた馬鹿げたシュール小人民族たちの存在を知る(まぁ勿論反乱なんか出来るわけがないんですが)。しかし、主人公の秘められたそのテレパシー能力が開花し、それにより世界中に住んでいる小人たちを集合させ・・・・
この後は想像にお任せしますw反乱するのも良し、友好関係を築くのも良し。劇的最後を迎えるのもありですねw

まぁ要は世界観は良く描けているんだからそれをベースに話を展開させた方が良かったのでは?といったことです。

ここからは二つ目の問題。人間と小人の世界観を合わせた上でのストーリー展開で、あの最後以外の最終を迎えられたのか、というよりあの最後より良いオチは無かったのかということですけど、う~ん多分難しい。
よくよく考えれば、あの終わり方はあの尺と設定にしては良く出来ていると感じてしまう。一応、二人のオチは付いている訳だし(だって後半から突然アリエッティーの旅だけを描くわけにはいかないから。なんせタイトル「借り暮らし」ですからw)、あそこからの発展は不可能。それに人間たちが全面的に協力して新しい居住地を探す旅に出るってのも無理がある終わり方。
だったら、もうあのオチで良いじゃん!ってことになる。

結論、人間と小人の世界観をごっちゃにしたのが全ての間違いだった。

うん。なんかすいません、製作者の皆さん><ホント勝手なことばっか書いて・・・汗

投稿 : 2024/05/04
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