東京で神社なおすすめアニメランキング 14

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの東京で神社な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の東京で神社なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

91.1 1 東京で神社なアニメランキング1位
君の名は。(アニメ映画)

2016年8月26日
★★★★★ 4.1 (2501)
11427人が棚に入れました
新海誠監督による長編アニメーション。

千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。
小さく狭い街で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会へのあこがれを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の町並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も奇妙な夢を見た。
言ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。

「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた…。

出会うことのない二人の出逢い。
運命の歯車が、いま動き出す

声優・キャラクター
神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、悠木碧、島﨑信長、石川界人、成田凌、谷花音
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

夢の儚さを越えて二人は繋がる。

見終わった後、私は夢から覚めて、まどろんだ時ようなな気持ちになりました。

あのシーンの背景が良かったとか、あそこのスピード感が最高だったとか。
でも、その記憶は、強く「覚えていよう」と思い、まるでこれは面白い夢から覚めた時と同じじゃないかと。

でも、人の記憶は曖昧で、全ての良いシーンを覚えておこうと思っても、次第にディテールが失われていきます。
やがて夢の記憶は、「面白い夢をみた」に代わり、そして夢をみた事をも忘れていく。

時間に対して夢の中の記憶はあまりにも儚い。

この作品はそんな弱い繋がりで繋がった瀧君と三葉の物語です。



感想
{netabare}

【演出】
二人の入れ替わり生活が始まるときに曲が入り場面の切り替わりのスピード感は新海監督らしい演出。

二人の入れ替わり生活とは別に強く印象に残っているのは
時間が100倍速になった感じで都会の光や信号が光を放つシーン。
これは時間の経過を示しているのでしょうが
その綺麗さが強烈に印象付けられました。

また、夢の中の出来事という作品の設定のように
幻想的な美しさが視聴者を夢と現実の境界線に引き込んでくれます。

三葉の人生が瀧に見えたときのシーンもグッと来ました。何でだろう?
人の生き死にに涙もろいのかな。
あのシーンは母親との直接的な繋がり(へその緒)や親との別れ、家族の濃い「人と人の繋がり」を感じてしまったからでしょうかね。

【展開】
「瀧君、覚えてない…?」という三葉のシーンは本当に胸が痛くなりました。
3年後の瀧君にとってはずっと前から繋がっていた。三葉にとってはようやく繋がった。
だけど瀧君はこのときはまだ知らない、三葉は不審そうにこちらを警戒する瀧君に思いを伝えられない。
「二人が会えた」「繋がった」という嬉しさと同時に
勇気がでずに思いを伝えられない三葉の姿に自分を重ねてしまいました。



【キャラ考察】
瀧君がクレーターの上で君の名は!と涙ながらに叫んだ気持ちがわかってしまう。
大切な人に会いたいと、思いが募ると、苦しくて、吐き出したいなにかが心のなかにたまってきて、自然と涙が出てくるんですね。

三葉の境遇について
母親を幼い頃に亡くしていて、それをきっかけに父親が神職をやめて離ればなれとなっています。
離れて暮らしながらも、政治というなにかと目立つ仕事をしている父親のせいで
学校で本人の意思とは関係なく少し浮いてしまう三葉。
そんな狭い村社会に嫌気が差してどこかに逃げたい気持ちでいる時に起こる入れ替わり。
三葉にとって入れ替わりは逃避になり得た(まさに夢に逃げる)のですが
突然終わる入れ替わりは、夢の終わりであり、それは自分の逃げ場所がなくなったともいえます。
夢の続きが見たくて。そういう気持ち(逃避)、わかります。
東京にいるはずの瀧君に会いに行き、あの日々の続きがみたい。
でも、せっかく会いに行ったのに瀧君は三葉のことを知らなくて、繋がりの喪失を感じてしまった。
(ですか、ここで過去と未来を繋ぐ糸を渡したシーンの懸命さや、その糸が忘れかけた瀧君と三葉を繋げてくれた意味を持つアイテムであることの重要性が「繋がった!」と嬉しさを感じさせます)

その後の三葉の行為は、瀧君への思いをたちきりたくての髪を切る行為だったのでは。(切るということは思いや繋がりをたちきりたいための行為?)(夢の終わりが夏祭りの近くの日、つまり、一般的には夏の終わり近くです。夏の終わりの儚さと夢の終わりの儚さをかけているのではないでしょうか)

また、三葉が夏祭り前に暗い部屋で涙を流すシーンには、喪失感を感じ、失恋等のなにかを失う出来事を思わせました。


その後の彗星の衝突により、三葉は現実の問題と向き合い乗り越えることができました。
瀧君の残した「すきだ」が現実と向きあう最後の勇気をくれたのかもしれません。

そして、瀧くんにとっては、一生忘れられない体験であり
忘れられない繋がりだったのではないでしょうか。
それが記憶がなくなっても四年後も繋がりを求めていた理由かもしれません。
忘れたくないと思っても忘れてしまう、だけどどこかでおぼえているその繋がりのことを。
だから、これはなくなってほしくないという、繋がりの肯定なのではないかな。
【美術】
新海監督の作品は見たり見なかったりなのですが、背景の綺麗さは今作もすばらしかったです。
田舎のゆったりとした風景にはそこに溶け込めそうな気分にさせてくれました。まるで、その場所が自分の帰る場所のような。

都会の朝の風景はどこか孤独だけどエネルギーを感じます。
夕方の忙しそうな風景には少し寂しさがあって、早く帰りたいな、そんな気持ちにさせてくれます。

季節感も夏に始まり、春に終わるという、季節ごとの綺麗な風景を描いてましたね。

最後に桜さく路地の階段で二人が出会うシーンも、優しさと暖かさをリアルに感じてとてもよかったです。


【記憶が失われる設定について】
多くの人がここについて指摘してきました。
ですが、私はレビューの最初に書きました通り、夢だから、でストンと納得しています。
作中で夢をフォローしているシーンがあるのは覚えていますか?
三葉の祖母が三葉(瀧くん)に「三葉、お前、今夢を見ているな」と言う印象的なシーンです。
また、三葉も「夢の中で見たあの人の名前が思い出せない」と言い、友人を困惑させます。
それはそうでしょう。普通のひとはそんなことを非常時でも平常時でも口に出したりしません。
共通認識として「夢の中の内容は忘れやすい」ということがあるからです。
ですので、スマートフォンの中の日記が消えていくあの表現や、
二人が御神体のクレーターで出会うシーンが、
夢と現実の境界線が曖昧な時間や場所を表現していて
見た人間も、夢と現実の境界線にいるようなそういう作品だと思っています。

【朝、目が覚めるとなぜか泣いている】
印象的な導入のセリフです。
二人の繋がりを失ってしまったことを自分の中のどこかが泣いている。
そして、それにとりつかれているようになってしまっている。
私はそうやってどこかに繋がりを探すような感情を現す言葉は知りませんが
自分のどこかに、よく似た感情があると確信があります。
それが、私の心にズキズキとした胸騒ぎを起こしてくれます。

【総評】
色々書きましたが、瀧君と三葉のような10代の気持ちや考え方を上手く描いています。
君の名は。でとめていますが、これは相手への問ですよね。
相手の名前を知らないからこそ尋ねる(訪ねる)。
そして相手の事を知りたいからこそたずねる。
相手の事を知りたいという感情をエネルギーにして伝えてくる作品でした。

また、人と人の繋がりを感じる、もしくは、心の中のどこかにあるつながりを求める感情を肯定する物語だったとまとめさせていただきます。

【蛇足】
三年前の瀧君と三葉が東京でであったとき、二人の糸はどう繋がったのか、一瞬はまりかけました。
二人の糸は絡みあって大きなわっかを作った。そんな思いです。でも始まりはどこかよりも、今と未来の彼らが気になって(笑)

キービジュアルの瀧と三葉が東京の坂で振り返って見つめる絵って
ラストの5年後の二人を、であった頃の高校生の姿に置き換えているのかも?
これが「出会い」の絵なのか「再会」の絵なのかちょっと気になって面白い。

幻想的で儚さのある二人の奇跡の繋がりと、現実の繋がり。
ラストで二人の繋がりを現実の繋がりにすることで生まれる嬉しさ。
なぜだろうか?多分、二人が求めていたその繋がりは、人間が奇跡を信じたい気持ちの肯定だからでしょうか?

{/netabare}

ストーリー考察?(繋がりを軸にストーリーを考えてみました。)
{netabare}
三葉の祖母が、糸に例えて人と人の繋がりを話しました。繋がって、絡みあって、離れて、近づいて、また繋がっていく。その繋がることを結びという。

瀧と三葉の関係もまたそうでした。夢で繋がって、入れ替わりを繰り返して二人の糸は絡みあう。
入れ替わりは突然になくなる。突然糸が切れたように。
三葉のいる場所は時間を越えて遠く離れた場所だった。
真実を目にした時、三葉との思い出は一瞬で消えていき、崖から突き落とされたようなスピードで二人の距離は離れていく。(二人の距離が明確に離れていくことに儚さや悲しさを感じました)
でも、瀧は「そこにいかなくちゃいけない」という自分でもわからない使命感に押され御神体のある場所へ
三葉のいるかもしれない場所へ近づいて行く。(確信のない行動です。しかし、そこには記憶という曖昧な繋がりよりも、もっと深いところでの繋がりを感じます)

そしてまた入れ替わり、二人はお互いを自分の体で出会う。
今まで顔を合わせて話したかったことをいいあって、笑う。(ようやく、もがいてもがいた結果、出会えたという喜びを感じます)

互いの姿が見えなくなって、名前を忘れた瀧は叫ぶ。
「君の名前は!」忘れちゃいけない大切な人を思い出せない苦しさで一杯になる。(本気で相手の事を求めるシーン、記憶がなくなっても、もっと深いところからの欲求です)

名前は思い出せない。でも誰かが大切なことは覚えてて
誰かが思ってくれていることが「すきだ」という言葉からわかる。だから三葉はやりとおせた。

そして時が流れ、あの時間の記憶もなく、あるのはかすかな心残り。
どこかに大切な繋がりがあるような。

冬が終わり春が来る。
二人はまた近づく、自分の中の心残りの先にある繋がりを探して。
そして出会い、ずっと探し続けてきた繋がりだと信じて問いかける。「君の名前は」。
(最初のシーンと繋がる。どこかに特別な繋がりがあるという不思議な感覚。ラストはなんとなくわかるという感情の肯定が、とても心地いい)
{/netabare}


2018年1月3日 地上波放送を見て。
{netabare}
本当は追記する予定はありませんでした。
でも、見たら、自分の中に生まれた何かを書きたい衝動を抑えられなくて、
書こうと思いました。

今回の再視聴で感じたのは、
繋がりが消えることの悲しさでしょうか。
どこか身近に感じていた、繋がりの断絶。
私が繋がりの断絶を感じたのは、福島なんですが、
レビューを社会派にする気はないので詳細は伏せます。

それは、人間の営みの断絶であったり、人の関係の断絶。
繋がりが消えてしまうことへの悲しさ、つらさ。
そういったものが多分糸守町の消滅、三葉と瀧の入れ替わりの終わり、
そういった作品世界の出来事から、私はいつも感じていたこと、
繋がりの断絶を感じていました。

繋がりの断絶と同時に、繋がりを求める声も同時に感じました。

三葉が瀧に会いに東京に出た時も、瀧が三葉の名前を忘れて叫んだ時も、
繋がりを求めるその行動、その思いが、私には、
無くした繋がりを取り戻したい気持ちを感じて、
どうしようもなく、泣いてしまいました。
(すこし安っぽい表現ですが、実際少し泣いてます。
多分泣いた理由は、登場人物達と同じ理由で、
繋がりを求めたから、でしょうかね。
多分これが、共感何でしょうね。初めて実感出来たかも)

こんな瀧君のセリフがありました。
「今はもうない街の風景に、何故ここまで胸を締め付けられるのだろう」
心のどこかで糸守に繋がりを感じている瀧君。
私も、どこかで知らない街の知らない人の営みに、
繋がりは感じないまでも、営みの中にある繋がりを見て、
親近感を感じたりするのです。
それは人と人の繋がり、人と土地の繋がり、繋がりの中で生まれた営み、
そういったものを、私は求めているのだろうし、
大切にしたいし、失いたくないと思うのです。

だから、この作品を再視聴して、このレビューは、
完全に私の感想であるのですが、
私が求めていた繋がりを描いてくれているし、
私が恐れている繋がりの断絶も描いてくれている。

だから、私は、この作品が好きなんでしょうね。



{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 134
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アニメを伝道する好機

世界観:8
ストーリー:8
リアリティ:8
キャラクター:7
情感:7
合計:38

1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。
(シネマトゥデイより)

最近話題として何回か出てきたので、折角なので劇場に足を運ぶことに。そう決めてから、京アニの「聲の形」も上映中であることに気付いて、1日2本の豪華スケジュールを組みました。映画は、昔はよく観に行っていましたが、1日2本観たことは初めてのことです。

「君の名は。」は、午前中の回が満席だったので、「聲の形」→「君の名は。」の順で視聴しました。新海誠監督作品は「秒速~」と「言の葉の庭」を視聴済ですが、どちらも良作となる4点にぎりぎり届かない程度の評価をしてきたところ今回は評判が良く、京アニは「けいおん!!(二期)」で評価を上げたところでしたので、この2作は接戦になるかなと思っていましたが、本作は期待をさらに上回りました(劇場版の尺では過去最高点です)。

作画と楽曲はこれまでの作品の通り素晴らしい上で、映画の尺に合うだけの充実した設定とストーリーになっています。
入れ替わりネタはココロコネクトで経験済ですが、前半に和みの要素としてよいエピソードでした。やはり男は悪いと思っても揉みますね(笑)
入れ替わりが終わってからが本編という感じ。物語の展開がどうなっていくか、最後まで集中して視聴できました。

良作アニメは「時間」を効果的に利用しているものが多いです。タイムリープする必要があるわけではないですが、経年による物語の厚みは基本です。人間は、時間を遡ることができず、過去を振り返ったり後悔したり、そして遅かれ早かれ死ぬ、はかない存在であることの裏返しなのでしょうね。{netabare}この作品でも3年のズレが良い味を出していました。瀧が三葉に出会う前に、三葉が瀧に会いに行くシーンがありましたが、ああいう伏線は好きです(最初どのように描かれていたかは1周だけではよく思い出せないのですが)。

この作品ではさらに、入れ替わりが「夢」であって、その記憶がなくなっていく、という表現をしていたのも特徴的でした。夢を思い出したいのに思い出せない、あの感覚を、大事な人の記憶と結びつけたのはとても切なくて巧みでした。携帯の日記の消え方はちょっと変でしたけどね。{/netabare}

そうそう、リアリティ面では、細かいことを言えば上記のようなものがいくつかあったと思いますが、{netabare}名前の記憶が消えていくように{/netabare}終わる頃にはほとんど忘れてしまいました。それくらい浸れる作品ということかと思います。

興行成績でも今後どれくらいの数字を出せるかも期待大ですが、新海誠監督の代表作と言えるものになったことは間違いないでしょう。

{netabare}最後の二人が出会えるのかというところは「秒速」が繰り返されないかとヒヤヒヤしました。私は心の中で思い切り「よくやった!」と叫びました(笑)。ハッピーエンドが、良い余韻を呼んでいます。{/netabare}

そのほか、「言の葉の庭」の先生が登場していたり、彗星(星)を扱ったところなどにも、過去作品とのつながりも感じられ、新海誠監督の集大成になったのではないかと思います。もちろん、今後も今作を超える作品を目指していただきたいですね。

ヒロインの三葉の名前は、凪のあすから2クールED「三つ葉の結びめ」の影響もあったようです(前向きになれる、自分もとても好きな曲です)。
色々なところでつながっていると感じられることも自分のアニメ道の進歩ですね。

この作品でアニメに興味を持つ方も多いと思います。クールジャパンの代名詞のひとつがアニメだということは多くの方が知っているでしょうが、他にも「君の名は。」クラスの作品があることを、機会があれば伝えていきたいですし、あにこれの方々もそうしたら良いんじゃないかと思いました。(自分が初心者だという方には、私の棚でも見ていってください)

もう1回くらい劇場で観たいと思える作品です。劇場で観ておくことをおすすめしたいアニメ映画です。

(2016.9劇場で鑑賞)

追記(2016.9.20)
{netabare}余韻に浸り、あれこれ考えています。設定について補足したいと思います。まずは、入れ替わりが本人たちにとっては「夢」として感じるものであること(遠くにいる男女が出会う物語を考えつつ、古今和歌集の小野小町の和歌から着想を得たというのもイイですね)。朝起きて自分の人格に戻っていて、相手側の人格に入った記憶は消えているので、当初は訳が分からなくなり、周囲の言動などから、現実として入れ替わっていることを認めざるをえなくなるという流れでした。結果的には素晴らしく機能しているのですが、観客としては、別人格の2人がしっかり自分の意思を持って行動しているのを見ているので、忘れてしまうことに違和感を覚えます。ここを、注意深く見ていくには、1周では心もとないですかね(私も序盤は見落としがある気がします)。

それから、時間描写に特殊性のある作品でもあるかと思います。携帯電話の日記が消えてしまう部分はマイナスとして取り上げさせてもらいましたが、過去改変の可能性を示唆した表現でもあるのかなと思いました。つまり、我々が1本だと思っている時間軸は実は1本ではなく、交差することもあるけれども、その時は我々の記憶や記録物までもが改変されていて、我々に認識できないだけなのではないか、ということです。

また、通常、時間軸は1本であり、パラレルワールドを扱った作品は世界線が平行に並んでいるというもので、別の世界線に移動しても同じ時間というのが一般的ですが、この作品では別の世界線(と言ってよいのかも確信を持てませんが、多分そうかと)が3年ずれています。これは斬新ですよね。光速に近づくほど時間の流れは遅くなるという相対性理論もありますし、時間の経過は常に一定ではないとすれば、時間の流れが世界線ごとに異なっているというのもありじゃないかと思いました。{/netabare}

追記(2016.9.21)
{netabare}RADの主題歌を購入。その中の夢灯篭に「5次元にからかわれて」という歌詞があるのを見て、個人的にはパラレルワールドを描いた作品であると認識してみる。

(参考)私的次元の数え方
0次元…大きさのない点
1次元…太さのない線
2次元…厚みのない平面
3次元…静止した空間(これを0次元に戻して以降を想像する)
4次元…時間軸のある空間(1次元的な線としての時空=我々の認識する世界)
5次元…複数の時間軸のある空間(2次元的な平面としての時空=パラレルワールド)
{/netabare}

追記(2016.9.23)
{netabare}上記から、私は本作はタイムリープものではなく、時間の経過がズレたパラレルワールドの交錯した世界の物語と考えてみました。

①瀧のいる世界線と、三葉のいる世界線(瀧の世界線の3年前)がムスビの力によって重なってしまい、互いに心と体の入れ替わりが生じた。

②しかし、三葉のいる世界線において三葉が死に、入れ替わりは終わった。ムスビの力がなくなり、存在しないはずの三葉とのやりとりは過去改変により消失する。このため瀧の携帯電話の日記も消えた。

③三葉の「半分」である口噛み酒を飲むことでムスビの力が復活。三葉のまだ生きている世界線とつながり、再度入れ替わりが生じた。

④危機回避の努力の結果、三葉たちが助かり、その世界線と繋がった影響で瀧のいる世界線の過去が改変され、三葉が生きている世界になった。
という感じでしょうか。

小説版は1日で読み終わりまして、文章で読むと正直そんなに凄い作品とは思えなかったのですよね(本当に、映画の内容をそのまま文章にしたという感じのものですが、情感の起伏があまり湧かないのです)。
最高峰の作画と、疾走感や情感の溢れるRADの楽曲と、綺麗にはまった声優と、後半超展開となるストーリーと、感情をストレートに紡いだ心情描写と、夢のはかなさを活かした設定とが高度に融合した、アニメがベストの作品なのだと思います。

本日、9月22日までの28日間で興行収入100億円突破とのニュースがありました。祝!
もう一度見たくなってしまう、高揚感の余韻が強い作品です。
{/netabare}

追記(2016.10.10)
{netabare}最近週末まで多忙となり2回目をまだ観に行けていませんが、多数のレビューを見ていた中で一番良かったものをご紹介。
http://blog.kanjutsu.net/entry/2016/09/09/115947

作家性を捨ててエンタメに振れた、プロデュースの力によるもの、斜に構えた意見も多々見受けられますが、表面的な受けも狙いつつも底辺の深みに魅力がある作品だからこそ、何度も足を運ぶ方がいるのだと思います。
{/netabare}

<2019.1追記>
世界観の配点を1点減点しました(作画によるボーナス点を与えていましたが、他作品との平仄の観点から削除しました)。

(2017.2、2018.4、2019.1評価調整)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 102

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

空前の大ヒットも頷ける完成度を差し置いて劇場で笑い転げるヲタクとはオイラのこと~ぼくらタイムフライヤー_時を駆け上がるクライマー~IMAX観ました

新海誠監督が手掛けた5本目の長篇作品


東京の大都会に住む男子高校生、立花瀧
山深い田舎町に住む女子高校生、宮水三葉
1200年振りに地球を訪れるという巨大彗星の到来を一ヵ月後に控えたある日、瀧が目覚めるとそこには見知らぬ自分と知らない天井、見知らぬ家族と知らない町があった
同じように三葉もまた、想像すら出来ていなかった大都会で朝を迎える
ただ一つ確かなことは、自分の身体が見知らぬ異性のものだということだけ
瀧と三葉は全く原因がわからぬまま不定期にお互いの身体と心が入れ替わってしまうことに気付いた
お互いの生活に干渉しないよう、日記で連絡を取り合うことにした二人
田舎育ちの三葉は憧れの都会に想いを馳せ、自由気ままに過ごす
一方の瀧も他人のそれも異性の身体だということを忘れ好き勝手してしまう
周りからはまるで人が変わったようだ(笑)と思われ少しずつ人間関係に変化も起きる
瀧が好意を抱く先輩との仲を、三葉が瀧に変わって取り持ったことで瀧には良い事尽くめの大団円かに思えたが、次の日の三葉はある決心をしていた
そして彗星到来の10月4日、瀧は記憶から消えていた重大な事実に気付く・・・


『言の葉の庭』が全国東宝系で大きく展開し成功を収めたことから、遂に全国約300館での上映となった新海誠監督にとって最大の大作となった今作
キャラデザはZ会のCMでタッグを組んだ田中将賀
作画監督は元ジブリの安藤雅司
音楽は挿入歌から劇伴に至るまでオイラが中高生の頃に(ごく一部ではあるがw)一世を風靡したバンド、RADWIMPSが担当


声優陣には瀧役に声優経験豊富な若手演技派、神木柳之介
三葉役には『舞妓はレディ』の上白石萌音
その脇を固めるのは長澤まさみ、市原悦子といった豪華俳優
さらに悠木碧、島崎信長、石川界人といった豪華声優
そして『I LOVE スヌーピー』でいい芝居をしてくれた谷花音、とキャスティングにもかなり力が入っているのがわかりますね
身体が入れ替わった時の芝居は聴きどころですb


単純に少しアニメに詳しい人なら、将賀さんのキャラデを見て『あの花。』の絵だ!観に行こう!という気持ちになってくれるでしょうし、本編が始まるとすぐ「夢灯篭」という楽曲に合わせてOPアニメみたいなのも流れる
オイラは初見観た時このOPが「めちゃくちゃダセェ!」と思ってしまったのですがwやはり深夜アニメなどに慣れ親しんだ世代にとっては心を掴む取っ掛かりになっているのでしょう
ああ、ちなみに今は「夢灯篭」もOPも好きですよ?w


そして序盤はそれこそ深夜のラノベアニメのラブコメタッチで物語が進む
キャラの表情もコロコロ変わり、身振り手振りの作画も非常に丁寧
中身が入れ替わった男女の微妙な違いを作画で表現する、言葉にすれば簡単ですがこれを見事にやってのけた作画陣には最大級の賛辞を贈りたい
ジブリが崩壊し、『攻殻機動隊ARISE』と『アニメ(ーター)見本市』が完結した等、作画スタッフの足並みが綺麗に揃ったのが大きかったでしょう
尚且つ、新海作品お得意の美しい光と色と街並みが、このアリエナイ話にリアリティと説得力を醸し出す
制作中は当然完成していなかったバスタ新宿がちゃんと描かれてるのも凄い


後半はミスリードで張ったミステリアスな伏線をスペクタクルと共に回収しつつ、所謂新海節が炸裂する内容なのですが、まあとにかくメジャーかマイナーかで言えばメジャー路線な作品に作ったことです
今日までの大ヒットがソレを裏付けてますね、明らかにこれまで新海のシの字も知らんかった人たちが劇場を訪れているのです
実際オイラが鑑賞オフ会を開いたら半分の参加者は新海作品初体験でした
こうなると昔からのファンは遂に資本主義の犬となったか新海よーとかワケのワカランことを言い出す輩が湧いてくるもんです
まあ、言いたい事はわからんでもない


ただオイラはこう考える
【新海ファンこそ、この映画は10倍楽しく見れる】


そう、今作が初見でもなんも問題無い
でも今作、新海誠がこれまで積み上げてきたものがほぼ全て詰め込まれたいわば集大成なのです


『彼女と彼女の猫』から続くゆっくりとしたモノローグでの幕開け
『ほしのこえ』では恋人達が時間差で引き裂かれていく様を描いていました
『雲の向こう約束の場所』では田舎町と都会に分かれて物語が交錯していましたね
これを同時並行させたのが『クロスロード』
「何も無い」という田舎風景を印象付ける画作りは相変わらず上手い、これは『桜花抄』
2時間に1本しかない電車はまさに『星を追う子ども』
朝食と通学風景から始まるのもそう
真っ二つに裂ける彗星は『コスモナウト』のH2Aロケットの発射ですね、意味合いは逆だけど
挿入歌に合わせて映像を積み上げていくのは『秒速5センチメートル』や『クロスロード』で魅せた技
コミカルなタッチで進む前半は『猫の集会』のお茶目な演出を思い出しました
東京、特に都会の象徴として新宿を描きたがるのは『言の葉の庭』が顕著
同じく、途中での雨描写は秀逸でした
主役二人の生活感の違いを描写する様子は『大成建設』や『だれかのまなざし』の経験が大いに生きてるでしょう
いやしかし瀧くんが面接を受けてるのが大成建設だったのには笑いましたね
宮水神社のご神体がある湿原を見下ろす描写は、さしずめ地下世界アガルタのフィニス・テラですね
瀧くんのお父さんが井上和彦だったのでもしやおまえは森崎なのか?
そもそもファンタジーかSFかと思えば途中からロードムービーになってしまう辺りはまさに『星を追う子ども』のソレ
『ほしのこえ』で膝を抱えるミカコ然り、『雲の向こう、約束の場所』で足の指にてんとう虫がとまるサユリ然り、靴の型取りに足を差し出すユキノ然り、美女の足に拘る新海作品、今作では東京で歩きつかれた三葉に注目したい
思えば新海映画とはずっと男女のすれ違いを描いてきましたが、今作は「顔も名前も身体も私生活すらも知り尽くした二人がまるで会えない」という究極的なすれ違いをしてるのが面白い


ほんとそう、新海映画を知れば知るほどこの作品にのめり込んでいけるのは間違いないでしょう

“花澤香菜が演じる古文の先生”が恐らく別の世界線なんでしょうが「ユキちゃん」という名前だった時、周りが静まり返っている劇場でオイラは一人笑ってましたさーせんw
良い映画か否かという以前に、ある種のネタ映画として最初から最後まで笑いながら(時に笑い泣きしながら)観れましたねb


まあ強いて言うならラストシークエンスはちょっと引っ張りすぎたようにも思いますが、「なんでもないや」という楽曲の持つエピックなキックのリフレインとウィスパーボイスのボーカルに思わず感極まってしまう
なにより『秒速』を知っているとあのすれ違い方は辛いものを思い出させる(笑)
そう、この厨二病全開な内容に対して厨二病をこじらせてしまったバンドの日本代表とも言うべきRADWIMPSの音楽が見事に調和してるのが今作の評価を押し上げてるポイントでもあります
まさにクサイ内容にはクサイ音楽
『ここさけ』でも言いましたが単体では正直目も当てられないような詩の主題歌が、割とすんなり入ってきてしまうまさに映像マジックですねこりゃ


今作を受け入れられない人、良い意味で厨二病を卒業出来たんだと思います
誇らしく思ってください
オイラ?は、駄目ですね
この映画を面白いと思ってしまったのでアラサーになっても心はまだティーンエイジャーのようです(笑)

























~TOHOシネマズ新宿のIMAXデジタル版観ました~
IMAXというのは実にビル三階分ほどの高さと20メートル以上の横幅を持つスクリーンに二台の映写機で投影する現代における最大級規格の映像フィルムです
人間の視覚を上回る大きさのため観る、というより観回す感じになります
さらに劇場によっては12.1chの音響システムもそなえており音の迫力も通常の規格とは異なります


そもそも普通の規格で作られた作品をIMAXにするってことは拡大して引き伸ばす、ってことですからオイラは最初この『君の名は。IMAX版』は反対の立場でした
それにアニメって視覚的情報量が実写より多いので単純に疲れそう、だとも思いましたし


しかし実際鑑賞してみると新海作品特有の美麗背景が大きく引き伸ばされてるにも関わらず全く精細さを欠いてないんですよ
むしろ画面の中に描かれる糸守町や新宿の風景に吸い込まれていくようでした
だから鑑賞、というよりはむしろ体感、に近い感じでした


音響の方ですが意図的に音圧を上げてるようでしたがどちらかと言うと山びことかそういった反響音がクリアに聴こえるようになったという印象です
挿入歌がやたらデカイ音で、それもどっか独立した別chから出てるっぽくてやたら大きく感じたのですが、肝心の挿入歌より手前にいるはずのセリフが少々聴き取り辛くなった気がしましたので、これはちょっと好み分かれそうです


初見の方にはあんまりオススメしません
先にも言ったとおり、情報量に加え目で追う作業が加わるのでストーリーに集中し辛くなります
ただリピーターには一見の価値があることでしょう
アニメにIMAX不要、と言いたいところですが新海作品のIMAX化に関しては歓迎できますねb

投稿 : 2024/06/01
♥ : 42

84.0 2 東京で神社なアニメランキング2位
天気の子(アニメ映画)

2019年7月19日
★★★★☆ 3.9 (704)
3042人が棚に入れました
「あの光の中に、行ってみたかった」高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らす少女・陽菜。彼女には、不思議な能力があった。「ねぇ、今から晴れるよ」少しずつ雨が止み、美しく光り出す街並み。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――

声優・キャラクター
醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、吉柳咲良、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子、小栗旬
ネタバレ

こすみどる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

【追記】この作品は絶対2回以上観るべき

【2回目の視聴】

【物語:4.5】
1回目の視聴じゃ見逃した(気付かなかった)ところに新たな発見が多々あり、すごく面白かったし、初見の時は一切泣かなかったのに、ボロボロ泣いてしまった。
前回のレビューから変わらない疑問点はあれど、根幹に触れて気にならなくなった。いや、そこにもまだ見逃している伏線があるのかもしれない。気になるからまた観てみよう。
【声優:4.5】
変わらず。ただ、後半の本田翼の声は、慣れたのではなく良かったんだと思い直した。
【キャラ:4.5】
見逃していた、須賀さんのキャラの重要性に気付いた。
【作画:5.0】
変わらず最高。
【音楽:5.0】
変わらず最高。
---

1回目の視聴ではかなり辛口なことばかり書いていて、実際にそう思っていたが、新海誠作品大好きな自分としてはどうしても納得がいかない部分があったため、再度映画館へ。

観終わった時には、1度目には流せなかった涙がボロボロ流れていた。

映像美が凄すぎるあまり視覚的な情報量が多いから、つい見落としがちな細部も2回目とあってしっかり確認でき、それでいてストーリーに没入できたことで、1回目とは全く違ったメッセージを受け取ることができた。


以下、ネタバレ含むため隠します。
---
{netabare}

須賀さんが思いの外、重要な役割を担っていたことに気付いた。
というか、観る人にとっては帆高よりも主役だと思う。

須賀と帆高の対比が物語の根幹だったのか…。
全く、些末なことにばかり着目して考察していた。

1回目の視聴時、須賀があまりに違和感のない「普通の大人」に見えてしまったものだから、むしろクライマックスシーンに違和感があって、なぜ必要以上に帆高を止めようとするのか?と、彼に苛立ちすら感じていたんだ。

だけど、廃ビルで帆高を無理矢理止めようとするあのシーンこそ、それまでの伏線を一気に回収して、メッセージをギュッと詰め込んだシーンだったんだと2回目の視聴でようやく気付いた。

ここから須賀の心情を考察する。

---

須賀にとって帆高は、過去の自分だった。

希望を持って上京し、失敗もたくさんあったろうがガムシャラに前向きに働いて、
最愛の人と出逢って恋をし、愛の結晶である子をもうけて、
きっと彼にとってこれ以上ない幸せのさなかに、最愛の人を事故で奪われた。

どうしようもない絶望。
止めることのできない悲しみ。

それでも自分は生きていて、愛する子どもがいて、
悲しみに暮れ立ち止まったこともあったろうが、立ち止まり続けることは許されなかった。
唯一生きる希望だった娘さえも義理の母に取られて、自分は何のために生きるのか?と自問自答しながら。

受け入れられなくても、受け入れたくなくても、受け入れるしかない現実。
彼は妻を失い、子を取られて以来ずっと、きっと「何か」を諦め、生きる気力も希望も曖昧なまま、ただ目の前に広がる現実を受け入れて生きてきたんだろうと思う。
振り返るたび固く、強く、ギュッと心に蓋をして…。

そんな折に出会った帆高。
助けたのは偶然でも、恐らく出会った瞬間から須賀は帆高を自分と重ねて見ていたのだろうと思う。

眩しさと、どこか懐かしさを感じながら。
目の前の苦難を切り拓いて突き進む帆高に、少しずつ希望を見出していた。

でも、自分と同じように帆高も大切な人を失うかもしれない。
そういう予感みたいなものが彼の中で生まれた時、須賀は帆高を突き放した。

きっと、帆高には自分を同じ道を歩んで欲しくなかったんだと思う。
家から追い出し、実家に帰れるくらいのお金を渡して、
「自分にとってできることはやりきった」と、自分を無理矢理納得させた。

それなのに、
帆高は実家に帰るどころか警察に捕まり、そして逃げた。

その時の天候は、真夏らしい晴天。
須賀の予感は的中してしまい、陽菜がこの世を去ったことを察しただろう。

その時にベテラン刑事から聞いた話で、須賀が蓋をしていた心にヒビが入る。
それは、警察という抗いようのない強大なものから逃げ出してでも、自分の大切なものを必死に追い求める帆高の姿。
そして、自分はずっと蓋をしていた亡き妻への深い愛情と心の叫び。

最後、廃ビルに須賀がいた理由は、決して帆高の邪魔をしたかったからじゃない。
大切な人、最愛の人を失い、まだ現実を受け入れられない帆高の気持ちを痛いほど理解できてしまうからこそ、助けに行ったんだ。

「大人」になってしまった須賀にとって帆高は、現実に向き合おうとせず駄々をこねているように見えただろう。
でも、帆高はただただ陽菜を案じ、信じていた。決して諦めようとしなかった。

須賀が妻を亡くした後、そして帆高を突き放した時に捨てた「希望」を、もう一度信じてみたくなった。
「仕方ない」なんかじゃない。
自分が自分よりも大切なものを失いたくないという純粋な心の叫び。
須賀が過去に失い、信じられなくなったものが、帆高によって呼び起こされた。

---

1回目の視聴時には納得できなかったものが、
ストーリーの端々で描かれていた、須賀がこれまで歩んできた人生をきちんと結んでみるとすごくしっくりときて、胸が熱くなった。

絶望と希望
現実と理想
失ってしまったものと、失いたくなかったもの

その対比が、ストーリーの根幹なんだと思う。

ここまで書いて、新海誠作品にはいずれも共通するテーマなんだなぁなんて思いつつ、
やはり今回も、自分が見失っていた想いを呼び起こしてくれるような名作だった。

本作は前作同様ハッピーエンドだったが、前作になかったものが付け加えられている。
それは、「対価」

色々と書いたが、今回の視聴でストーリーの根幹と、メッセージを受け取れたように思う。

最後に、自分が思う本作のメッセージ。

---

「希望」や「理想」を追い求めれば、誰でもハッピーエンドを迎えられる。なんて、そんなわけはない。
選択には常にリスクがあり、選び取ったことで、同時に捨てなければならないものもある。
それが現実だとしても、
大切なものを見失わず、「それでも」と言い続けられる人生を、
「仕方ない」という諦めや悔いの残らない人生を歩もう。

-あなたの、絶対失いたくない大切なものはなんですか?-

---


{/netabare}


1回目の視聴とは差がありすぎて、残しておくのも恥ずかしい限りだけど、自分の振り返り用に残しておく。


-----------------------
【1回目の視聴】

【物語:3.5】
ネタバレ部に記載してるが、メッセージ性や問いかけを感じることができた一方で、納得いかない点が多い。
【声優:4.5】
タレントとしては大好きな本田翼の声だけが少し違和感。それ以外は文句なし。本田翼の声も後半は慣れるが、きっともっと合う声優さんいたと思う。
【キャラ:4.0】
主人公だけが残念。
それ以外は細かいことを言えば刑事も違和感があるが、まぁ問題ない範囲なのかなと思う。
【作画:5.0】
言わずもがな。
【音楽:5.0】
言わずもがな。
---

公開初日に1回目の視聴行ってきた。
新海誠作品大好き!な自分にとっては、これは今までの新海作品を彷彿とさせる作品で、どこか懐かしさを感じた。

が、
しかし…
良かったのか?
名作だったのか?
他人に薦められるか?
また観たいか?

と自問自答すると、1回目の視聴では悩ましいところ…。
いや、また近いうちに観るけども。
正直今の感想じゃ自分が納得できない。

とりあえず、1回目の視聴の感想として後々のために記載。批判的な感想多め。

なんだか、本作は色々と投げっぱなしの要素が多い気がしていて、「観た人の解釈次第で~」っていう新海監督の想いは納得するにしても、さすがに投げっぱなし感が強くて、シンプルなメッセージに対して、解釈の余地がありすぎる反面、考察の余地がなさすぎるように感じた。

あ、過去作品を観た人は楽しめるシーンがいくつかある。
笑いもありで、劇場で観るのは観客との一体感を楽しめると思う。

あと、2019年は梅雨らしい雨が毎日のように続く天候だったため、物語を身近に感じられたというのはあると思う。
そこは、新海監督持ってるなぁと思った。


以下、壮大なネタバレ含むため隠します。
---
{netabare}
【メッセージ性が意外なほどシンプル】

視聴を繰り返すごとに解釈が変わるだろうか…。
従来の新海誠作品では、見方によって様々な解釈ができ、捉え方や感じ方が全く異なるように作られていたように思う。
それが今作では、まだ1度の視聴のみの感想だが、
「当たり前で身近な大切なものをいかに感じ、見つけることができるか」
そして、
「決断に迫られたとき、本当に大切なものと世界のどちらを選ぶのか」
といったメッセージだったように思う。

多種多様な生き方が認められつつある現代で、画一的なものではなく、自分だけの大切なものをいかにして見つけ、手にするのか。

うーん。
メッセージ自体はすごく受け止めやすく、納得できるのだが…。
なんというか、そこまでの道のり、アプローチが従来に比べると単純というか弱いというか、なんというか…直線的すぎると感じた。

今までの作品は登場キャラクターが「些細な事ながらも本人にとっては重大な決断」を繰り返して、物語が紡がれていたように思うのだが、本作に関しては、年相応と言えばそうなのかもしれないと理解しつつも、苦悩や決断をするシーンの描写が少なく、多くの行動が衝動的すぎるように感じた。

一時の感情や状況に流されて後先考えずに行動した結果、取り返しがつかなくなってからようやく気付くが、時すでに遅しで、選択肢は生きるか死ぬかの2択(例)くらいしかなくて、そりゃ生きる方を選ぶよね。みたいな。

欲を言えば、もっと繋がりが見たかった。見落としてただけかなぁ?

帆高が家出した理由とか、天気の巫女のもう少し詳細な歴史とか、鳥居の謎とか、空との繋がりに関する描写とか、使命とか、運命とか、、、挙げればキリがないが、それぞれ繋がりそうな要素はあるのに細切れになっていて、結局最後は幼い子どもの本気モードでどうにかなっちゃった感じ。


【ファンタジー要素に関しての説明が足りない。足りなすぎる。あれをよしとしてしまうと全てがなんでもありになってしまい、個人的には悪い意味で無限大の解釈ができてしまうように感じた】

前作の「君の名は。」でもファンタジー要素は多分にあったが、あの作品では丁寧な歴史描写や韻を踏むように繰り返された過去の描写があったから、ファンタジー要素を受け入れやすかったと思うし、物語を上手に紡いでいた。

それが今回は、ファンタジー要素が物語の根幹であるにも関わらず、謎が多すぎて作中で言及されることがほとんどなかった。

そもそもなんで雨が降り続けるような異常気象になったのか?
物語の中で、「今のこの形になったのはつい最近で、それが昔に戻っただけ」といった表現はあったが、それにしてもそこに至るまでの経緯の描写が一切なく、現実味がなさすぎる。

陽菜のお母さんが天気の巫女だったのか?と思ったりしたが、亡くなる以前より異常気象が続いていたなら無関係だろう。

元々陽菜に素質があったような描写があるわけでもなく、天気の巫女になったのも「また母と晴天の下で一緒に歩きたい」という少女の願望でしかなく、陽菜である必要性、必然性が感じられなかった。

陽菜が最初に鳥居をくぐる際、廃墟ビルに備えられたばかりのナスやキュウリがあったが、誰かがお供えしたものなのかな。そこの伏線も結局回収されていなかったように思う。


【主人公が従来の新海作品の主人公に比べてとても幼稚に感じた】

終盤で明らかになるが、帆高の家出理由には特に深い理由があるわけではなかった。
自転車で雲の切れ間を追っている際に顔に傷があったことから、イジメや虐待にでも遭っているのか?と思ったが、島に戻って以降の描写を見るにそうではなかったようだ。

キッカケは些細なもの?そうかもしれない。
ただ、前半で「絶対に東京にいなきゃいけない/帰りたくない」と本人が言っていた理由がわからなかった。

男が一度決めたことだからとか、そりゃ解釈しようと思えばいくらでも理由は見つかるんだがどれも決め手に欠け、思い込みが強い少年というイメージが拭えない。

前半で陽菜に会う以前の悲惨な出来事を踏まえ、家族に連絡をするなり、心が折れそうになり帰ろうかと思い悩む描写がもう少しあればまた見方が変わってくるがそうでもなく、一体何が彼をそこまで東京の、しかも歌舞伎町という街に縛り付けたのか。これも理由が分からず感情移入と理解ができなかった。


【魚と空中の水たまりの謎】

陽菜が力を使うたびに登場する、魚と空中の水たまり。
水たまりは帆高が東京に来る途中のフェリーでも登場していたが、関連性が見えない。

異常気象がなく、ただ雨を止ませたことによる弊害や条件なら理解できなくない。また、空とつながった陽菜が力を使ったことで一時的に空と現実が繋がって、空で起こる現象が現実でも起こるということなら、分からなくないのだが…、既に異常気象。陽菜が力を手に入れたことが原因でもなく、元から原因不明の異常気象。
1度の視聴では、そこの原因や関連性が全くわからなかった。


【なぜ陽菜が救われたのか】

透明になる理由も謎だが、それはなんとなく解釈できる。
晴れの力には知られざる条件があり、力を使うことで空へと還る。もしくは空の世界と同化する。みたいな感じかなぁと思った。

ただ、完全に空の世界に引きずり込まれた陽菜が、なぜ現実に帰ってこられたのか?
帆高もまた空の世界に入り込んだわけだが、彼は晴れの力を得ることもなく(得たが使わなかった?)、ただ陽菜を連れて帰った。そしてその後の陽菜は透明になることもなく、日常生活を送っているようだった。

なぜ帰ってこられた?
ここは「観客の解釈に任せる」という部分だと思うが、もう少し解釈するための前提条件が欲しい。

答えは一つじゃないと思うし、正解は人によって様々。それは良いと思うが、
観たものを観たまま捉える人にとっては「???」で、深く考察したい人にとっても解釈が無限大すぎて「???」になってしまう。

なんだか、新海作品の魅力である問いかけと、成功を収めた「君の名は。」のハッピーエンドを、めっちゃバランス悪く、中途半端に融合してしまった感…!

2時間じゃ尺に限界があるのは分かるが、刑事のくだりとか、削ろうと思えば削れそうなところがあるんだから、もう少し丁寧な心理描写が欲しかった。

{/netabare}
---

何はともあれ、
相変わらず背景は写真と見間違うかのごとく綺麗かつ繊細だし、RADWIMPSは今回も期待以上の良い曲作るし、OPやEDの編集は最高だし、観て損したかというと全くそんなことはなく、観てよかったと思う。

なんだか、自分なりの解釈やイメージを求めすぎたのかも。
なるべく先入観や個人的な感情抜きに、また観てみよー。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

作品<商品の視点はそれなりに重要

オリジナルアニメ劇場版 114分


興収250億円。日本歴代4位の記録を打ち立てた『君の名は。』から3年。新海誠監督2019年の新作。
良くも悪くも『君の名は。』以前と以後で語られてしまうのはしかたないでしょう。
立ち位置もこの大作を起点にして、

 1.変わらず好き
 2.以前よりもっと好き
 3.昔のほうが良かった
 4.これを機に新海誠を知った
 5.一貫してネガティブ評価

ニワカな私は4.です。『君の名は。』で知って、『秒速…』や『言の葉…』に流れていった人。
余計なお世話は承知の上で放言しますけど、3.のスタンスの方、ヲタ村から一歩出た実社会では注意が必要です。メガヒット作品だと普段アニメを観ない一般国民の関心が低くありません。しかも好意的に作品を捉えたケースが当然ながら多い。それを事情を聞かずぶった切ってる方の多いこと多いこと。私はドトールで実際に遭遇しました。本人の狙いはともかく地下アイドル好きのキモオタ扱いされ撃沈するのが関の山です。5.も似たようなもんですが「一貫してるのね」と傷は少ない。
『けもフレ』の前と後がどうだ!とか、○○(制作会社)の新作があーだこーだとかは一般人にはどうでもいいことなんで彼らも他人事として聞いてられるのですがこのテの作品はその一般人のテリトリーに入ってることを十分意識しておきましょう。

声優を例にすると分かりやすいかもしれません。先日、民放ゴールデンタイムでの『聾の形』放送に際し、知り合いの非ヲタ一般人に出演声優を説明するにあたってはこうでした。

 主役→『千と千尋』のアシタカ役
 永束→ハリーポッターの中の人
 妹→『君の名は。』のさやちん役

彼らがイメージ湧くのはここまで。ヒロイン役の早見さんは残念ながら「誰?知らん」です。興行収入の多さと一般認知度は比例します。ハリポタは違いますが基本的にはディズニーかジブリ強し!という勢力図の中に割って入ってきた新海さんは凄いと思いますよ。

一般人と共有できるアニメ作品は貴重であると思うので、いつも以上に盛大に脱線しました。
作品単品での評価も気になりますが、マーケティング視点も少しばかり導入しつつ興収含めた一般社会での受け入れられ方も気になるそんな作品という前提で以下。

メガヒットの次に何をもってくるか?

『CROSS ROAD』でミリオン達成。シーンに認知されたMr.Childrenは次に年間チャート1位となる『innocent world』、その次にバンド史上最も売れた『Tomorrow never knows』をリリースしました。答えは簡単。名曲を出し続ければ良いという結論です。もちろんおいそれと真似は出来ません。
次にやらかしがちなパターン、特にここ最近顕著なのがヒットしたものをそのままなぞらえた模倣品を作ること。短期間に消費されること前提であり飽きられるのも早いのでクリエイターには不評。こればかりは会社だったりプロデュース側の方針に依ります。
というわけで最後。目先を変えてくパターン。すなわち王道な売り方。成功事例だとX JAPANが分かりやすい。『紅』でシーンに躍り出てからの次回作が『Endless rain』。前曲の激しい曲から一転してピアノのイントロが美しいバラードです。振り幅で勝負!人気を定着させました。
なお現在の音楽シーンはメディアミックスが複雑すぎて音楽単体評価が難しく該当事例ナシです。


そしてやっとこ作品そのものについての言及になるわけですが、
本作はだいぶ模倣品リリースに傾いてたと思われます。パッと見た感じは「模倣品」。中身は「異物」なんですけどおおむねパッと見た感じで判断しますもんね。別に「俺たちの新海戻っておいで」でもいいのですがせっかくドがつくほどのメジャーに踊り出たんでしばらくは居座っていて欲しいです。、
私は『秒速…』以降しか知りませんが、少なくとも全てボーイミーツガールです。お家芸となってる過去作品のキャラ登壇は本作に限らず伝統芸能といって差し支えないでしょう。実写より美しいともされる作画やモノローグを多用する心情描写は作家の色なので模倣品とまで言うのは酷ですが既視感あることは致し方なし。RADWIMPSの再起用はやり過ぎな感もあり。といったところでしょうか。

『ナウシカ』『ラビュタ』と連発。『未来少年コナン』以降の監督の得意分野である冒険活劇あるいはファンタジーを2本続けてから第3弾では2本立てにトライ。『火垂るの墓』で原作有り&別監督と目先を変えてきたジブリを無条件に賛美する意図はありませんが、早くチームか会社設立しちゃったほうが良い気がします。需要に対しての供給力が足りてないというか今のままでは監督への負担が大きいのではないかと思われます。
ボーイミーツガールの完成系を目指して試行錯誤しているクリエイター!? 技術的には積み重ねを感じる。例えば『言の葉の庭』で培った雨の表現をトレースしてたり違うものを見せたりと。そんな持ち味を楽しみにしているファンも大勢いるためガラッと変えるのは実際難しいところなんでしょうね。


して映画の肝心の中身は?

良いです。ボーイミーツガールは好物だしこの監督の演出する男女の営みも自分には合います。
特にツボにハマったのが新宿の繁華街の裏通りの雰囲気。終電逃してさあこれからって空気や、朝を迎えた時点での気だるさを感じさせるあの雰囲気がよく出ています。

これが家出少年の目にはどう映ったか?

宿無しの不安とおそらく束縛からの解放がないまぜになった心理状態。そんな者すら受け入れる街。“ここではないどこかへ”来た感がこれでもかと出ております。
ウチの中学生の倅が劇場で鑑賞し「面白かった」と感想を言ってましたが、メインストーリーとは別にこのちょっとした淫靡な空気に吸い寄せられたのかもしれないなぁ、と実際の作品を観て思いました。朝オープンしたてのカフェに昨晩オールした若もんがぐったりしてるでしょう?そういうところです。

そして不穏な街には不穏な物語が良く似合う。
当人たちの問題がそのまま世界の危機に直結する“セカイ系”に分類されそうな物語でした。


 “ボーイミーツガール”

 “怪しい街新宿”

 “セカイの危機”


難点はキャラの行動原理がわかりづらいところ。その点はけっこう狙っていたらしく、例えば主人公穂高の家出理由はわざとぼかしているとのこと。自分はあまり好きではないです。
総じて“良い”と感じてますが、行動原理に納得感がないからか主人公らがやや低年齢だったからかは定かではありませんが、結局キュンキュンしなかったので評価爆上がりには至らずでした。

マーケ視点としては合格。メガヒットの次という超絶難易度をクリアしてます。「あー結局アノ作品だけの監督だったんじゃん?」という声がない。充分でしょう。
これで次回作も一般人巻き込んでみんなで楽しめますね。ぜひデートの誘いに新海映画を!
ボーイミーツガールは不滅です。



※閑話休題

■人身御供

ちょいちょい日本文化のわりとコアな部分を突っついてくる作風は今回も。
本質的には巫女さんの役割のお話なんだと思います。

{netabare}現代版の卑弥呼{/netabare}

僕らの血肉に息づいてる感覚をモチーフにしているので賛否はともかくイメージはしやすい。
{netabare}※自然の怒りを収めるための人身御供という概念のことです。
相方が人身御供となることを良しとするか否とするか?本作での結論は観ての通りでしたがあの結論はアリだと思います。{/netabare}

↓ネタバレ
{netabare}今のこの時代に社会正義を捨ててヒロインを取ったる!とやったのは痛快でした。
公の精神は大切です。ただしポリコレ棒をぶん回しての昨今コロナ禍での自粛警察みたいなのとは似て非なるもの。{/netabare}



■東京

{netabare}「街の風景を自分の手で・・・」
「東京だっていつ消えてしまうかわからないと思うんです」{/netabare}

建設会社希望の某就活生の志望動機をふと思い出しました。
もしやこの伏線回収か!?と思いきやところがどっこい消えずにたくましく東京の人達は生きている。
むしろ「埋め立てる前はもともと海だったしね」のセリフにお台場はもちろん江東区あたりもイメージしてそりゃそうだと膝を打ちました。

{netabare}「東京だっていつ新しいものが生まれてくるかわからないと思うんです」にバージョンアップ{/netabare}

自然災害を無視できない風土。だからこそ生まれた“もののあはれ”なる概念。そんな諦観だけに留まらず対となる進取の気性との両輪でここまで続いてきた国なのにどうやら後者の気概が最近弱まっている模様。もう一度取り戻して前を向いて歩いてく。
なんだかんだそんな前向きさを感じるのはエンタメの良い部分が出てるのかもしれません。



視聴時期:2020年7月

-----

2020.08.22 初稿
2020.10.25 タイトル修正
2021.05.30 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 64
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界と君なら、僕は迷わず君を選ぶ。

2019年公開の新海誠監督の作品。
劇場用作品7作目です。

前作「君の名は。」が大ブームとなった以来の作品なので、
世間の注目度も高い!

事前にちらっと見かけたネット上の評価では
賛否が分かれる作品だと書いていましたが、

私は好きでした♪

120分ほどの作品です。


● ストーリー
16歳の森嶋帆高(もりしま ほだか)は、
家出をして東京にやってきた。

バイトを探すも雇ってもらえる場所もなく、
お金が尽きる。

東京へ向かうフェリーの中で出会った須賀圭介(すが けいすけ)を頼ると、
彼は超常現象や都市伝説をネタに記事を書くプロダクションを営んでいた。

雨続きの東京。
そんな中でも100%晴れ間を呼び寄せると都市伝説になっている晴れ女。

それが、天野陽菜(あまの ひな)という名の少女だった。


事前情報は入れないようにしていましたが、
それでも問題なく話についていけました。

むしろ、事前情報がない方が
純粋にストーリーを楽しめると思います。

ファンタジーな設定だけれど、舞台は現実。
その舞台に意味を探す子どもたち。

彼らの前に立ちはだかるのは、
子どもにとって抗うことが難しい、高い高い社会という壁。

いや、実際には世界とか、もっと大きな壁だったかな。

越えられないのは知っているけれど、
必死で抗い、あきらめずつかみ取ろうとする姿。

きっと多くの人が感動し、
心動かされたと思います。

{netabare}
「もう二度と晴れなくたっていい!
 青空よりも、俺は陽菜がいい!
 天気なんて、狂ったままでいいんだ!!」
{/netabare}

狂ったままじゃダメだろうと冷静にツッコミながらも(笑)、
そう言い切らせてしまえる、理屈じゃないところが大好きですw

決してラストの展開や
帆高の行動のあれこれに賛成と思っているわけではないけれど、

そこは個人的にはどうでもよくて、
大事なのはキャラがどう決断し、どう動くか、

そして見ている人が
キャラの決意に共感したり感動したりできるかなのだと思いました。


● キャラクター
主人公二人もよかったですが、
脇役のキャラクター達も光っていました。

自分の願いを持ち、
まっすぐ生きようとする子どもたち。

社会の正当性を押し付ける大人たち。

自分の中のはかりを持ち、
理解しようとしてくれる人たち。

何も考えず、見たものを見たままに受け取り、騒ぐだけの民衆。

そういう、確かにこの世界にある
人間のえぐさや優しさの描き方もうまいなあと思いました。

その人を理解しようとせず、
懸命さを笑う人間にはなりたくないなと感じました。


ちなみに私のお気に入りは凪(なぎ)先輩ですねww

小学生ながらやり手でモテモテなのに、
嫌な性格じゃないって新鮮でしたw


● 音楽
今回私が満足できなかったのが、音楽です。

観る前から2作連続RADWIMPSなのは引っかかっていました。
やっぱりどうしても雰囲気が似てしまいますから。

インパクトこそ劣るものの、今回も曲単体はよかったです。
BGMは前作よりさらによくなっていると感じました^^

ただ、挿入歌の使い方がね…。


≪ 挿入歌の使い方 ≫

「君の名は。」でインパクトが強かった挿入歌。

挿入歌とアニメーションの融合は、
見た人の心をぐっとつかみました。

そこに引きずられたのか、
今回は似た演出が多用されていて…。

どうしても「君の名は。」がちらつく。
曲が同じRADWIMPSだから尚更。

今回のこの演出を私は微妙に思いました。
「君の名は。」とは切り離して観たかったのもあるけど…。

「はいはい、ここはアップテンポで見せていきますよ~。」
「ここから見せ場ですよ~。」な、あからさま感が恥ずかしいw

しかも多用されるものだから、
「またかよー。」と苦笑してしまいましたw

確か挿入歌は5曲使われていたと思うのですが、
自然だと思えたのは4曲目「グランドエスケープ」だけでした。

あとの曲は、
曲の入りから唐突すぎるように感じました。


≪ 挿入歌で語りすぎるのは… ≫

もうひとつ、
挿入歌について文句があるのでお付き合いくださいw

挿入歌の特徴は、
BGMと違って歌詞があること。

だから普通のBGMよりも存在感が出てくるのは、当然。

例えば5曲目「大丈夫」は、曲としては一番好きでしたが、
挿入歌としては、うーん…。

{netabare}
久しぶりにヒロインと再会。
救えなかった空へ必死に祈る彼女。
{/netabare}

すごく感動的なシーンです。
でも歌詞がその場の心情を語り過ぎていてw

その時の陽菜の心情や様子は、
見ているこっちで推し量りたいんだけどなー。
推し量れるから感動できるんだけどなー。

帆高が感じ取った情景が歌としてバックに流れていて、
誘導されているような変な心地でした^^:

ただのBGMだったらどんな感じだったのだろうね?
やっぱり歌詞ありのほうが感動できるのかなあ。


● まとめ
あれだけ前作がブームとなって、
きっと世間の感想や反応もすごく気になったと思うのですが、

自分の作りたいものを貫き通される姿勢に安心しました^^
(実際のところはどうかわかりませんが。
 私にはそう感じられたという話。笑)

作画はやっぱりすごいです。

雨や晴れの天気の表情、水滴の細やかさ、
花火のダイナミックさ、都会や雲の風景…。

どれも一瞬で切り替わるのがもったいないぐらい、
私が感じた美しさの何倍も、いや、何十倍も美しいであろう作画たちでした。

登場人物たちの行動は、
確かに万人に好感を得られるものではないです。

リアルな世界を基準にして考えるか、
それともこの世界の中だけの物語として考えるか。

そこで評価が分かれるかもしれませんね。

でも、ストーリーに関しては、
個人的にはマイナスに思う部分はなかったけどなあ。

私は好きでしたよ♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 35

75.1 3 東京で神社なアニメランキング3位
江戸前エルフ(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (264)
763人が棚に入れました
東京都中央区月島。 江戸時代より400年以上の歴史を刻む『髙耳神社』。 祀られたるそのご神体は、異世界から召喚され、すっかりひきこもったエルフでした。 ご神体のエルフ・エルダに仕えるのは、高耳神社15代目巫女の小金井小糸。現代文明とオタク趣味をエンジョイするエルダに振り回されながらも、彼女が教えてくれる江戸の文化に胸をときめかせ、連綿と紡がれる月島の人々とエルダのつながりにほっこり。 でもやっぱりこのエルフ、ぐうたらすぎる! しかも他の神社のエルフ&巫女コンビまで現れて……!? 江戸と令和をつなぐゆったり下町コメディ、始まります。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

オヤシロ様、神道の秘密を暴露する!?

●「住吉神社」が正解でした

何故エルフなのか?についての謎を解く鍵は、
他の方が指摘していた「住吉神社」にあるようであります。

住吉神社に祀られている{netabare}「神功皇后」は神託を受け子どもを身籠りながらも
朝鮮半島の新羅に出兵し、戦わずして新羅、そして高麗、百済の三韓を従わせたという
伝説の人物であり、日本のジャンヌ・ダルクと評されることもあるらしいようです。

また「住吉大神」は弓矢の守護神であるということから、ジャンヌ・ダルクと弓矢のイメージが
合わさり、それでエルフ?ということになったのかもしれません。

3匹のエルフの元ネタもどうやら住吉三神の「底筒男命・中筒男命・表筒男命」が
由来であるようであります。

「住吉神社」が絡むという情報提供により何となくエルフが神道の神という理由は見えてきましたが、
徳川家康により召喚された理由など表向きには説明不足でありまして、裏設定的には
【グノーシス主義】がすべての理由であると理解できていますが、エルフで神道を表現するのは
説得力が乏しく微妙なものがあると言わざるを得ません。

すべての元凶は【グノーシス主義】にあるわけですが、ただでさえストーリーにほぼ意味がない
日常系作品に【グノーシス主義】全力投球の傾向ある本作は、駄作の極みと言っていいくらいに
設定やら物語やらとか等々が視聴者に全く伝わらない、意味不明作品で終わったように思います。

「住吉神社」を題材にした作品とまでは理解できますが、なんでエルフが「住吉神社」の神なの?
と問われたら、何も説明できないのが本作の最大のウイークポイントでありまして
むしろ一般視聴者が普通に見てほぼ誰も理解できない「住吉神社」を題材にする
自己満足的なアニメの制作とか、全く以て意味不明な話でございます。

例えば本作を高評価した「あにこれユーザー」に対し、本作が「住吉神社」を題材にした作品だと
理解しているかと問うたなら、「そんなん知るか!」と返答されるのがオチでございます。

誰も知らない住吉神社物語、そんな自己満足作品を垂れ流す日本のアニメ業界は既に末期症状にあり
ジャニーズの件で既に終わっている芸能界共々に綺麗さっぱり【グレートリセット】される
予感を禁じ得ないところがあるように思います。{/netabare}

●武士の魂

「機動武士ゴンゲム」の元ネタは当然「ガンダム」ということになるでしょう。

その昔プラモデルが流行ったガンダムでありますが、プラモデルに価値を置くというのは
{netabare}【偶像礼拝】の一つの形態であると考えれるわけであります。

もしかしたらゴンゲムとは「権化」という言葉が由来なのかもしれません。

「仏作って魂入れず」という言葉には隠された意味合いがありまして、
つまり「仏像」には「魂」が宿るということであります。

仏像などの「神の像」に「悪霊」の類が憑依し、それと繋がるのが「神降ろし」の儀式
であると考えられるわけであります。

エルフとは本来「妖精」であり、「霊的存在」でありました。

肉体を持たない霊的存在が人間に存在感を示すには、「形ある器」に憑依する必要性があり
人間に【偶像】を作らせ拝むように示したのが【偶像礼拝】の起源であります。

「御使い」たる【天使】は霊的な存在でありましたが、「地上の神」になろうと【堕天】し
器を纏い、神の姿を人々に知らしめたのであります。

【鬼神の偶像】を拝むのが、「ゴンゲム」が暗示する【鬼神信仰】でありまして
「ひぐらしのなく頃」の「オヤシロ様」を崇め奉る宗教と繋がるわけであります。

本来は霊的な存在であるエルフ族の長耳様の器がゴンゲムでありまして、だからこそ
長耳様はゴンゲムのフォルムがカッコイイなどとやたら愛でるわけであります。

ということで「ゴンゲム」のプラモデルの描写には相応の意味合いがあると言えますが
今回の「お弓神事」は意味がないと言いますか、かなり無理やり感があるように思います。

エルフは弓が得意なのはいいとして、弓と大漁祈願には全く関係性が見出せません。

中途半端な「エルフの神」設定が空回りしている感は否めず、早い話が
普通に和風の神でできた話をエルフにこじつけているだけのように思えて仕方がありません。

要するに【グノーシス主義】的な主人公やヒロインをごり押ししたいだけでありまして
魔法少女とか吸血鬼とか鬼娘とかエルフとか、本来悪役でどちらかというと醜い本性をもつ種族を
【逆転の発想】で美化したいという「異端的思想」の影響によるところが大きいという話であります。

「まどマギ」の魔法少女は覚醒すると災厄の魔女になり、
見た目もグロテスクな感じになります。

そもそも見た目が可愛らしい「魔法少女」という存在が嘘なのですが
「まどマギ」は【グノーシス主義】のネタばらしを敢えてやった作品だったわけであります。{/netabare}


●三柱の神??

カミカツの御霊様はアホ毛ホルダーでありますので、{netabare}【鬼神】{/netabare}確定であります。

その一方で本作の長耳様は「エルフ」というのが表向きの設定であり、{netabare}しかも
徳川家康に召喚されたと言うのですから、当然何故?という疑問が浮かび上がるわけであります。

たまたま偶然エルフが一匹神社に巣くっていたというならば誤魔化しは効いたでしょうが
3匹も出てきて、かつ熱心な高齢者の信者の姿も描いていますので、当然の如く何故
エルフが神道の神の役割を担っているのか?説明が求められるわけであります。

結論は砂糖菓子職人の物語と同じです。
何故?については説明はされないでしょう。

宗教には秘密があるのですが、その秘密を知っているのは聖職者と一部の人種だけであります。

与党の議員などは足繫く神社参拝に赴き、企業経営者は新興宗教や占い師の類を拠り所とします。
彼らは本作に登場する長耳信者と全く同じで信心深い人たちなのであります。

ただのハートフルコメディを描きたいだけなら、神社もエルフも必要ありません。

何故神社?何故エルフなのか?

現時点で表に出てきた情報だけで判断すると設定が破綻しているか、無意味な設定の物語
ということになり、結局は単なるマニア向けの萌えアニメになるような気がしてなりません。

●【グノーシス】の女神は、微笑む

逆に開く傘やドローンが{netabare} 濡れないようにドローンに傘をさすという発想は
「逆転」の発想であり、このような思想のことを【グノーシス主義】と言います。

ダークヒーローの「デビルマン」や魔法少女が主人公の物語などは
【グノーシス主義】に基づく作品ということになります。

本来【魔女】というのは悪役であり、同じように桃太郎に登場する【鬼】も悪役であります。

ということで、【鬼神】や「【妖魔族】のエルフ」を崇め奉る信仰は
【グノーシス主義】ということなります。

「巫女」とは「神降ろしの儀式」を行う【呪術使い】でありまして
【呪術使い】は【魔女】と同じく「禁断の秘術」を使う聖職者であります。

「巫女」は【鬼神】などとチャネリングを行い、これと意思疎通を計り
知恵を賜ったりするのでございます。

「巫女」は【鬼神】の下僕ということになります。

天皇家は「巫女」であり、【呪術使い】の家系でもありまして
天皇は「現人神」でもあるということで、【古代エジプト文明】の「ファラオ」と
似たようなところがございます。

【古代エジプト文明】、【バビロン文明】、【フェニキア文明】、【縄文文明】
これらはすべて【呪術】と深い関わりがあり、【鬼神信仰】という共通点があります。

以上の文明は非常に高い文化水準を誇っていたと言われておりまして
【呪術文化】には特別な秘密があったと考えられるわけであります。

【プロビデンスの目】とは「全能なる神の目」や「知恵」を意味しますが
【呪術文化】の種族はそれを会得していたのでありましょう。

【フェニキア人】は【占星術】、「天文学」の知識に長けていたため
星の位置関係から然るべき海の航路が割り出せるのでありました。

かくして【フェニキア人】は海上貿易で栄え、【海賊】のルーツとなるのでございます。

【フェニキア人】に「知恵」を与えたのは【鬼神バアル】でありまして
「オヤシロ様」ということになります。

【呪術文化】の天敵と言えば、「創造主ヤハウェ」の庇護を受けた「ユダヤ人」でありまして
「ユダヤ人」と対立した【バビロン・エジプト文明】、そして【カナーン人】などは、
宗教戦争により尽く粉砕され次々に崩壊していくのであります。

最終的に【フェニキア人】の海上貿易拠点群もローマ帝国との抗争で崩壊しますが
高度な文明力を餌に「ユダヤ人」を懐柔することに成功してから、状況は一変し
【フェニキア人】の【生存戦略】が大逆転の展開を呼び起こすのであります。

【鬼神信仰】自体は【シュメール文明】から直通で日本にもたらされたとも考えられますが
明治以降に【鬼神信仰】を補完、強化したのは、【フェニキア人】の血族と考えて
間違いないでしょう。

「ユダヤ人」のピークは「ソロモン王」の時代でありまして、
以降ヘブライ王国は分裂崩壊の運命を辿ります。

逆に勝ち組路線に乗ったのは【フェニキア人】でありまして、歴史のメインストーリーを担うのも
【フェニキア人】ということになります。

「ユダヤ人」の【ダン族】は【フェニキア人】の宗教に改宗し【フェニキア人化】し
このことにより「ユダヤ人の選民性」は完全に失われたのが確認できるわけであります。

「創造主ヤハウェ」との契約により「選ばれた民」としての地位を保護されていたのは
「ソロモン王」までのことであり、今の「ユダヤ人」は「選ばれた民」でもなく、
「選民性」もありません。

もしも現代に経済的繁栄や成功を誇示する「自称ユダヤ人」がいるとしたら
もの凄くピントがずれているか、【フェニキア人化】した「ユダヤ人」ということになるでしょう。

「ユダヤ教」を信仰してないのに「ユダヤ人」を自称したり、
【バビロン文明】由来の【バビロニアタルムード】を「ユダヤ教」の経典と信じ込んでる
「ユダヤ人」などなど現代の「ユダヤ人」はカオスの極みであります。

「イスラエルの国旗」には【ソロモンの星】=【✡】=【六芒星】のシンボルが
刻まれております。

【✡】は【土星】であり【666】を意味します。
【土星】は【呪術文化】と密接な繋がりがありまして
【✡】は「ユダヤ教」では完全にNGなものであります。

【✡】を【ソロモンの星】という所以はソロモン王が【フェニキア人】と交流を持ち
【拝金主義者】に成り下がったからであるなどとも言われております。

【✡】のシンボルを堂々と掲げ、尚且つ
ユダヤ人の末裔を自称してるイスラエルとは?
どこぞの人種の国なのかさっぱり意味が不明であります。

これもある種の【グノーシス主義】の再現でありまして、
「ユダヤ人」が「ひっくり返った?」ということを意味しているのかもしれません。

【偶像】を拝んではならないとする「ユダヤ教」の教えは骨抜きにされ、形骸化し
あらゆる【アイドル】が崇め奉られるという現代の世界体制が作り出されます。

それを成したのは【フェニキア人の血族】であり、
彼らの【生存戦略】が功を奏したということになるでしょう。

ギリシア神話の神々と同様に下種な神が祀られていても何の違和感もないのが
現代という時代であります。

部屋のかたずけもできない駄目駄目なエルフを神と崇め奉る信者脳は
まさに【アイドル信仰】そのままを示しています。

神の品性よりも「ご利益」の方が大事という価値観を世に広めたのが、
まさに【フェニキア人】なのであります。 {/netabare}


●一般視聴者には伝わらない完璧すぎるキャラ設定

金沢からのお客様が襲来!!いたします。
金沢と言えば加賀藩であり、加賀藩と言えば「どろろ」に登場する加賀藩藩主
「醍醐 景光」でございます。

金沢からの来訪者は{netabare} 耳長様の姉貴分に当たる存在でありまして、その名も
「ハイラリア・アイラ・ミララスタ」と申します。

「ハイラリア」=「ハイラ」という名には、恐らく
【ハイランダー】の意味合いが込められているのでしょう。

【ハイランダー】をわかりやすくざっくり言うならば、【堕天使】の血族ということになります。

高耳神社の御神体である長耳様はオタク脳全開の駄目エルフでありますが
姉貴分ハイラもこれに負けず劣らずのギャンブル狂で駄目目駄目なエルフであります。

これはつまり【堕落の種族】の特性を表しているのでありましょう。

長耳様がネックレスとして身に着けている勾玉は【666】の【獣の刻印】を
示していますが、【666】は拝金主義者を表すシンボルでもあります。

「金」髪や「金」色の瞳は「黄金の魂を持つ」王家の血統を示すものであるとも考えられますが
【金星】を意識しているということもできるでしょう。

「美しいエルフ」は【金星の女神】や【美しい天使ルシフェル】が由来と考えられます。
そして『「金」沢』にもそのような意味合いが込めれていたと解釈できるのかもしれません。

加賀藩藩主「醍醐 景光」は【鬼神】と取引して、凶作で経済が傾いた加賀藩を見事立て直します。

自分の子供を【鬼神】の生贄に捧げるという禁断の儀式=【人身御供】を行い
【等価交換】の取引により経済危機の窮地を脱したのであります。

「ひぐらしのなく頃」に登場する巫女=古手梨花も同じく【人身御供】の供物であります。

子供を生贄に捧げるという禁断の儀式は【モレク信仰】や【バアル信仰】が特に有名でありますが
【偶像崇拝】のご利益信仰は【等価交換の原則】を大前提にしており、
【鬼神信仰】には供物が必須ということになるわけであります。

【女神信仰】、【ルシファー信仰】、【バアル(鬼神)信仰】
すべては【偶像崇拝】のご利益信仰であり、同じ種類の宗教ということになります。

長耳様に対してファンタやスイーツやVRゴーグルなどの貢物を贈るのは
【等価交換】の供物の提供を表しているということであります。

「【堕落】の種族」=【ハイランダー】が最も好んだものは「人間の子供」であったため
例えば「祇園祭」などでは、子供や子供の人形などが巫女のような特別なもの
として祭り上げられるのであります。

江戸時代の茶屋娘やインスタグラマーは【アイドル】と同じでありますが、
【偶像崇拝】のご利益信仰においては【人身御供】の生贄も【偶像化】され
「祇園祭」などでは担ぎ上げられるわけであります。

【偶像礼拝】と言えば【鬼神信仰】であり、【人身御供】と言えば【鬼神信仰】
と考えて間違いないでしょう。

金沢から来た巫女=「いすず」のぶっきらぼうな対応に長耳様は「石」に成りますが
これには実は元ネタがありまして、例えば「Dr.ストーン」の石化した人類や
「進撃の巨人」の「壁の巨人」や「巨人の結晶化」なども同じ元ネタが由来と考えられます。

太古の昔に【鬼神族】は石化し、例えば「イースター島」のモアイ像なったというような
類の伝承がありまして、伝説の【鬼神族】は石化して滅んだなどとも言われています。

この説に従って解釈すると「ひぐらしのなく頃」の「オヤシロ様の像」はかつては
生きていた【鬼神】であったものの、何らかの事情で「石化」し、それを後に発掘した人々が
神の【偶像】として崇め奉ったという話になるわけであります。

【鬼神】や【巨人】の伝説というのは、ただの神話と言ってしまえばそれまでなのでしょうが
本作にしても「進撃の巨人」にしても、神話の理解力と再現力が度を越しており、
【鬼神信仰】のリアル信者並みに核心をついているのが、非常に奇妙なところであります。

金沢来た二人のコンビはともに「水玉模様」をあしらったものを纏っています。

「水玉模様」のことを「ポルカドット」ともいうのには個人的には興味深いものを感じましたが
「水玉模様」には「てんとう虫」の模様とも関係性があるということにも、
特別な意味合いがあるように思いました。

てんとう虫は「天道虫」とも表記され、「太陽信仰」と関係があるということになります。

「太陽信仰」は「天体信仰」でありますので、「天体の【光の祝福】」を神聖視する
【イルミナティ】に繋がりますが、それだけでなく太陽信仰と言えば【バアル信仰】でありまして
【光明信者】の【イルミナティ】=【バアル信者】ということなるわけであります。

また、てんとう虫は欧米では「神の使い」と認識されており、「Lady Beetle」と言ったり
「marienkafer」などと言いますが、【聖母マリア】の使いの虫とも考えられており、
つまり【女神信仰】そして【アイドル信仰】に繋がるわけであります。

【イースター】という主に「カトリック」が祝う宗教行事の由来は
【女神イシター】=【イシュタル】=【アシュタルト】信仰でありまして
【イースター】の「モアイ象」は【鬼神族】の伝説に繋がると言うことで
本作の古代宗教を前提にしたキャラ設定は完璧すぎるという結論に至るわけでございます。{/netabare}



●オヤシロ様の神秘のナンバー!?

本作は一見して日常系萌えアニメのように見えますが、実は宗教的なエッセンスが強い作風のため
予想外にレビューを書くのに手こずっております。

長耳様のコレクションなども宗教的バックボーン濃厚過ぎてすべてを説明し始めたら
大変なことになりそうですが、でき得る限り言及していきたいと思います。

まずは「レッドブル」と「モンエネ」です。

{netabare}「ブル」とは「牡牛」のことでありまして、株式の用語で強気相場のことを言います。

レッドブル=「赤い牡牛」、「赤べこ」ということですが、牛と言えば【モレク神】であり
【鬼神バアル】という【フェニキア人】が崇拝する神と一致します。
【フェニキア】語源は【フェニキア】特産の貝から取れる染料の色が緋色(もしくは紫色)
でありまして、その染料の色をギリシア語で表すと【フェニキア】であるということで
「緋色」=「スカーレット」は【フェニキア人】にとっての特別な神聖な意味を持つ色なので
【鬼神】を象徴する「雄牛」と緋色の組み合わせで「レッドブル」になった
のであろうと推測できるわけであります。

「SPYファミリー」のフォージャー家の食卓には「牛」の置物と一対で
「【ベル】(=鈴)の絵」が配置されています。

「アーニャ」の親友は「ベッキー・ブラック【ベル】」です。

チェンソーマンの「魔人PoweR」と「ノー【ベル】賞」も対の関係であります。
【ベル】と言えば「美女」と「野獣」であります。
これと似た様な関係性を示すならば【女神アシュタルト】と【鬼神バアル】になるでしょう。

「レッドブル」のキャッチコピーは「レッドブル、【翼】を授ける」です。

【翼】言えば当然【天使の翼】でありまして、【天使】と言えば【光の天使】であります。
【光の天使】の祝福を受けたものを【イルミナティ】と言いますが、
【イルミナティ】は「【光明】信徒」という風に表現できます。

【光明】とは【啓蒙】とも変換可能ですが、
「光り輝く由来」が【天体】であることが重要であります。

「星」や「太陽」などの「天体」は【光明】を発しますが、【光明】は「光輪」として表現されます。

ギリシア神話の【アポローン】は太陽神でもありますが、もともとは【光明の神】でありました。

「金色」や「黄金」は【金星】と所縁が深いようでありますが、
「黄金の魂を持つもの」と言われる勇者や王族のルーツを考えるならば
【金星】のみならず【土星】や【水星】や【シリウス】など様々な天体から
【光明】の祝福を受け、黄金の魂を持つ種族が生まれたのではないかと考えられるわけであります。

ということで「光の祝福」を受けた【光明信徒】=【イルミナティ】は
【星の眷属】ということになるわけです。

「モンエネ」は「モンスターエナジー」の略であります。
「モンスター」と言えば怪物や化け物ということでありますが、
【怪獣】あるいは「ビースト=【獣】」とも変換可能であります。

パッケージデザインに「爪痕」を表現したようなの模様がありますが
これはモンスターの頭文字「ⅿ」ように見えて実は
ヘブライ文字の「6」が3つ並んだものであります。

小文字の「r」が反転したような形でありまして、同じ文字が3つ並んだ状態で
「111」あるいは[ ⁀1⁀1⁀1 ]あるいは[¶¶¶]これで【666】を表しているのであります。

【666】は【獣刻印】でありまして、長耳様の所属を示しています。
長耳様は【獣の種族】であり、【モンスター】であり、【魔物】であるということであります。

長耳神社には2体の「狛犬」の像が置いてありますが、背中には見事「羽」が生えております。

「羽」は【ハイランダー】の種族性を表していますが、この「羽」により
より具体的に狛犬のルーツが明確に見えてくるわけであります。

狛犬の元ネタは「シュメール神話」の【エンキ】と【エンリル】であり、
【獣神】ということになります。

北欧神話の【フェンリル】も似たような【獣神】でありますが、2体の狛犬は「阿吽」の関係性があり
「阿吽象」と同じであるとも考えられるのであります。

【獣神】は「ビースト」であり、「モンスター」であり、【666】の種族であるわけであります。

長耳様は折り紙で「ペンギン」と「カエル」を作りました。
「ペンギン」は2足歩行する翼持ちの種族を表しており、【ハイランダー】を示しています。
【輪るピングドラム】にも「ペンギン」が登場しますが、これも【ハイランダー】を
暗示しているわけであります。

「輪るピングドラム」には同じく「カエル」も登場しますが、カエルは【魔術】との関係性が強く
【魔女】の【使い魔】でありまして、何故カエルなのかと言いますと長耳様が【女神】であり【魔女】
でありますので、「僕のカエル」が必然的に召喚されるということであります。

ギリシア神話の女神は魔法を使うので必然的に【女神】=【魔女】という関係性が成り立ちます。

「輪るピングドラム」の「女王クリスタル」がペンギンの上に立つのも、
使い魔のである僕との関係性を示しているということになるでしょう。

【鬼神バアル】は【バエル】とも呼ばれ、ある説によれば老人と黒猫とカエルの3つの頭を持つ
とも言われており、時にカエルは「慎重勇者」で登場したように【魔王】を示す存在として
扱われることもあります。

【魔王ルシファー】と【鬼神バアル】は一致し、【女神】と【光の天使】も同じ種族に一致します。

【ハイランダー】の種族は「【黄金】の魂を持つ」血族であり、
「羽」(のシンボル)を有する存在であります。
更に【光明】や【金星】などのあらゆる要素が【666】の刻印によって
一つの眷属に繋がることが明確に見えてくるわけであります。

以上のことから長耳様が「ゴールデンカエルパンツァー」を欲しがる理由も
既に説明した通りのことが由来になるわけですが、同じパターンは何度も繰り返され
カエルの頭の位置にある砲台も「角」を表しているということになるわけであります。

巫女の小糸は光り輝くものが好きな長耳様の前世はカラスであったのでは?と問いますが
カラスはカラスでも【八咫烏】であり【ハイランダー】の種族性を暗示している
ということなのでありましょう。

黄金のカエルを欲しがる長耳様の瞳には「星十字」の模様が現れますが、「十字」は「4」を暗示し
両目で【8】を示すことから、「※願い事」を表す数字【8】【5】【13】の法則が
発動する展開になるのであります。

「カエル戦車」は「5等」の景品であり、福引のためには「5個」のスタンプ集めが必要とのことで
ますは【5】が示されるわけであります

長耳様はスタンプ集めのために商店街に赴く事になりますが、
向かった先の住所が案内板により以下のように表示されております。

①「月島一丁目108-4」
②「月島一丁目108」
③「月島一丁目109」

①の数字「108」「4」をたし算すると【13】になり
その【13】に一丁目の【1】を足すと「14」で
1+4=【5】になります。

①②③の「108」「108」「109」をたし算すると「325」
「325」は「(3+5)+2」の形で足し算し「【8】+2」とします。

①②③の「一丁目」の「1」が3つで1×3=「3」
「【8】+2」+「3」=【8】+【5】=【13】となります。

①②③に表示された番地の数字の中でまだ足してない数字「4」を【13】に足すと
13+4=17 となりますが、この数字を更に足すと1+7=【8】になるということであります。

【8】【5】【13】すべての数字が示されたので長耳様の「※願い」は叶うということになります。

「沈丁花」は「ダフネ(=ダプネー)」の神話を暗示する花であります。
「ダフネ」は男嫌いのLGBTを示す存在であり、【光明の神アポローン】が絡んで参ります。

【アポローンの光明の祝福】を受けたものは【イルミナティ】であり
例えばLGBTの思考回路を持つ【レディーガガ】は【イルミナティ】であることで有名でして、
つまり思想的なLGBTとは【イルミナティ】という結論になるわけであります。

「沈丁花」→【光明の神話】→【イルミナティ】→(思想的)LGBTという流れでありまして
【両性具有】の【金星】の【光の天使】が絡んでくるというわけであります。

すべては【古代宗教】に関する表現でありまして、日常系の作風はダミーと言った方がよいでしょう。

もんじゃ屋では医者の娘が「朝日ビール」を飲んでいます。
「朝日」と言えば【天体】でありますので、【光明】に繋がります。

店内の壁にはもんじゃの人気商品ランキングベスト10が貼りだされております。

1~10の数字を全部たし算すると「55」になるのはよく知られたことでありますが
この「55」に対応する数字があるとしたらいくつになるでしょうか?

答えはベスト10の隣に表示されている「サイダーの価格表示」にある「33」であります。
【55】+33=【88】となります。

シークワーサジュースは「418円」でありますので=【5】+【8】となります。
【33】というのは【フリーメイソン】スコティッシュ・ライトの階級の数と一致します。

【8】【5】【13】の法則、【数秘術】の秘密を握っているのは【メイソン】であり
【33】の数字もそのルーツとなった【フェニキア人】を暗示しているということなのかもしれません
が兎に角このような数字の表現はこれからも馬鹿の一つ覚えのように繰り返されるのでありましょう。

福引の景品は、以下の通りであります。

1等ハワイ「5」日間ペア旅行券
2等商品券「5」万円分
3等お食事券「3」万円分
4等缶ビール(「350」~)
5等ゴールデンカエル

「1」等~「5」等の数字をたし算すると
「1+2+3+4+5」=①「5+5+5=15」になります。

「5」日間、「5」万円分、(「350」~)の「5」を同じく
たし算すると②「5+5+5=15」になります。

「5」以外の残った数字は「3」が2つであり、③「3+3=6」となります。

①「5+5+5=15」→「1+5=6」
②「5+5+5=15」→「1+5=6」
③「3+3=6」
①+②+③=【6+6+6】=【18】

【666】は長耳様の首飾りである【勾玉】に一致しますが、これは
「契約成立」の印を意味するものでありまして、「※願い」が叶えられる
ということを暗示しているわけであります。

すべては古代宗教に関わる表現でありまして、それこそが一般視聴者が知らない
裏設定の秘密であるというオチでございます。{/netabare}


●【偶像礼拝】と【バベルの塔】

「機動武士ゴンゲム」の頭についているものは{netabare}「ブレードアンテナ」でありまして
「機動戦士ガンダム」と同じものであります。

つまり「機動武士ゴンゲム」とは【鬼神】を示すものであり、その【偶像】であるわけであります。

【鬼神】と言えば【バアル】であり、この【鬼神】を崇め奉った種族と言えば
【フェニキア人】であります。

【フェニキア人】は【呪術文化】に属すわけですが、【呪術文化】と言えば【古代エジプト文明】や
【古代バビロン文明】も同じ特徴がありました。

【バビロン文明】が誇る象徴的な建造物が【バベルの塔】であります。

時と場所は変わりますが「東京スカイツリー」も【バベルの塔】と同じ種類の建造物になります。

文明の力を誇示するために人々は高い塔を建設します。

【フェニキア人】は【星の眷属】であり占星術に長けていましたが、
占星術のルーツは【バビロン文明】にあったようであります。

【星の眷属】は「占星術」に長けていたわけですが、
「占星術」と対になる「数秘術」も得意であったのであります。

「機動武士ゴンゲム」の全長は「18」mでありますが
【18】と言えば長耳様が身に着けている「勾玉」が示すように【666】であります。

次に「江戸城」は「60」m、「凌雲閣」は「52」mということで
「6052」の数字をたし算しますと6+0+5+2=13
【13】という数字の答えが出るということであります。

そして「スカイツリー」の全長は「634」mですので
6+3+4=13 またしても数字の答えは【13】になります。

展望回廊の高さは「450」mでありますが、(【13】に対応する数字が欲しいので)
「江戸城」の「60」m、「凌雲閣」の「52」m、「スカイツリー」の「634」m
それと展望回廊の「450」mをすべてたし算してみますと
6+0+5+2+6+3+4+4+5+0=35 となりましてこの数字を更にたし算すると
3+5=8 で【8】の数字の答えが導き出されるのであります。

これは【8】【5】【13】の法則でありまして、【金星】の周期運動に関する数字であり
【金星の女神】と【光の天使】を暗示しているということになります。

【18】=【666】は【光の天使ルシフェル】が契約者に与える【刻印】であります。

「機動武士ゴンゲム」は【鬼神信仰】の【偶像】を意味するだけでなく、
【ルシファー】が与える【獣の刻印】を意味する数字が刻まれるシンボルでもあります。

「富士遥拝の儀」とは要するに【偶像崇拝】の【ご利益信仰】でありますので、
「※願い事」を叶える【金星の女神】と【光の天使】を暗示する数字が示されるのでございます。

【13】と【8】が出ましたので次に示される数字は当然【5】になるということであります。

スカイツリー公式キャラの「ソラカラちゃん」は【五芒星】の形をしてまして、それで
【8】【13】【5】とコンプリートするわけですが、参拝地点であるところの柱には
以下のような表示が記されているわけであります。

「最高到達点 451.2m/634m 」というソラカラちゃんが示すソラカラポイントのこの数字ですが
今回は分数表示になっているためまずは分子と分母の数字をそれぞれ別にたし算してみます。

分子451.2m→4+5+1+2=12
分母634m→6+3+4=13

次に分子の「12」を分母の「13」で割ってみます。
12÷13=0.92307692~と答えが長いので「0」の以降の数字を切り捨て
「0.923」としてこの数字をたし算しますと
0+9+2+3=14 この数字を更にたし算すると1+4=5
【5】というソラカラちゃんの【五芒星】を示す数字が得られるのであります。

【バアル信仰】では日の出の時間の朝日に祈っていたなどと言われていますが
本作では「スカイツリー」が朝日を示す【オベリスク】の役割を果たしていた
ことも追記しておかなければならないでしょう。

巫女の小糸が参拝の儀式に持ち出した「棒っこ」はひぐらしのなく頃にの綿流しの儀式で
使われたもののようにも見えますし、頭に装着した烏帽子のようなものが「鬼の角」のようにも
見えることからしても、あらゆる点から【鬼神信仰】との関係性に疑いの余地は
無いものと確信いたします。

もしも【バアル信仰】に偏り過ぎているこの展開に何も違和感を感じないのだとしたら
宗教感知度はかなり低いかもしれないと疑った方がいいのかもしれません。

本作は宗教儀式的表現がかなりきつい印象を受けます。{/netabare}


●「グノーシス」の神々

「精霊」を{netabare}酷使{/netabare}し過ぎた長耳エルフ様でありますが精霊と言えば霊的な存在であります。

エルフとはそもそも妖精であります。
妖精とは霊的な存在であり、 {netabare}精霊も霊的な存在であります。

要するに精霊も妖精も似たようなもので大して違いがないとも考えられます。

ゲームにしろアニメにしろ、エルフというものを霊的なものでなく実体あるものとして
扱っている都合、本作では精霊とエルフが妙な関係になっているというわけであります。

しかしながら、そもそもエルフが神社にいるのがおかしいということになりますので
一見して辻褄が合わないこの状況について考えてみることにします。

答えについては既に申し述べましたが、見た目はエルフでも実質はエルフとは違う
神道の神をキャラデザを少々デフォルメして描いているだけなのであります。

エルフ=クランプス=【デーモン族】=【鬼神】

「ひぐらしのなく頃に」の「オヤシロ様」と本作の長耳様は同じ存在であります。
もっとわかりやすく言えば「羽生」=「長耳エルフ」ということになります。

エルフが神社にいると少々違和感がありますが【鬼神】の化身である羽生ならば違和感はありません。

「精霊」とは「御使い」であり「御使い」とは「天使」のことであります。

「精霊」=「天使」を使役するのが神でありますから、そういう主従関係を意識しているからこそ
長耳エルフ様が精霊を酷使する描写が出てくるということになります。

神社には賽銭箱がありますが、あれのルーツはユダヤ教の「契約の箱」であり
「アーク」であります。

「契約の箱」は「祭壇」でもありますが、それで何をやったのかと言えば
「贖罪の儀式」を行っていました。

今ではタブーとされ禁止となった「贖罪の儀式」をデフォルメして
賽銭箱として取り入れたのが神道であったわけです。

「天使の神話?」にはパクりたがる【堕天使】の願望が記されています。

ある意味「カミカツ」の御霊様の再現度が凄すぎて脱毛するばかりなのですが、地上に降りた
【堕天使】は世界を統べる王であり神になりたがり「本家!神様道」を新規開店したわけであります。

キャッチコピーは「※願い事が何でも叶う!神様本舗」であります。

【鬼神】=【堕落の天使】なので、長耳エルフ様は見事に自堕落な
オタク生活を満喫しているわけであります。

しかもファンタやポテチや砂糖満載の佃煮、カツカレー、ケチャップパン?など
いかにも体に悪いジャンクフードの類を好む食生活などは「チェンソーマン」に登場する
魔人PoweRと瓜二つであります。

悪魔族は体に悪い食べ物を好むのであります。
更に言いますとケチャップ満載のパンを食べる時の長耳様の手の持ち方が
見事なまでに【コルナサイン】なのは完全に狙ってやっています。

【コルナサイン】は「I love you」サインに似てますが
人差し指と小指を立てる形で【角】を表現するサインであります。

羽生、御霊様、魔人PoweR、そして長耳エルフ様
よく見りゃどことなく似ているこの方々は【コルナサイン】が示す眷属であるというわけであります。

精霊は神の御使いでありますが、巫女も神の僕であります。

巫女娘がやたらと大人っぽいハンドバッグやコートなどを欲しがるのも、
「天使の神話」に由来するというわけであります。

御使いたる天使が神に憧れたように僕の巫女も神に憧れて
大人っぽい服装をしたがるというオチでございます。

あらゆる状況証拠から神社のエルフはエルフではなく「オヤシロ様」ということになります。

「ひぐらしのなく頃に」登場する巫女=古手梨花は「綿流し」の「儀式の生贄」であります。

神社にある「賽銭箱」は「祭壇」であり、そこで「血の儀式」がとり行われるわけであります。
賽銭箱とはそもそもそういう類のものでありますが、血の儀式=生贄の儀式の直接表現は
流石にまずいと言うことでドバドバのケチャップが着物に着くという間接描写で
神道の本質を何気なく描いたのだろうと考えられるわけであります。

【666】の勾玉首飾りに、同じく【666】を表すオタマジャクシ
すべて計算ずくでやっているのでございます。{/netabare}



エルフがヒロインのファンタジー作品などそれこそ腐る程ありますが
日常系なのはまぁいいとして、何故エルフが「神道」の神なのでしょうか?

そもそもエルフとは如何なる存在なのかについて少々考えてみたいと思います。

エルフは容姿が美しい??らしいということになっているようですが、それは本当でしょうか?
{netabare}エルフは妖精でありますが、ドワーフやゴブリンも同じく妖精であります。

そしてゴブリンは豚の姿で描写されることが多いオークと同一視されることもあることから
ゴブリン族の見た目は美しくはなく、むしろ醜いと言うべき存在であります。

RPGの世界ではエルフも妖精も「モンスター」という概念で括られるわけでありまして
「怪物」であり「化け物」ということになります。

ゴブリンは醜い妖精でもエルフはそれとは違い美しい妖精なのでしょうか?

アニメなどの作品内でエルフが描かれる時、美しい存在として扱われることはよくあることで
ありますが、顔に注目してみると要するに「人間と同じ顔」をしており、それに
「耳長」をプラスしたような感じになるのが典型的なパターンのようであります。

「美しいエルフ」は人間と同じ顔をしているのでありますが、果たしてそれは「エルフが美しい」
ということを表していると言えるのでしょうか?

美人というのは美しい存在であり、個人的な好みの違いはあれど美人を見たならば
当然の如くその美しさに何らかの衝撃を受けるわけであります。

その美人を見た時と同じように美しいエルフを見たら同じような衝撃を受けるのでしょうか?
通常の現代人はエルフなんてものは見たことがありません。
しかし美人ならば見たことはあります。

もしもエルフが美しい存在というならば、人間族の美人に匹敵するくらいの美しさを
兼ね備えていないと理屈に合わないのですが、アニメに描かれるエルフは人間の顔をしています。

エルフというのは「人間の美人」と同じくらい美しい生き物であるとは言えても
エルフが美しさで人間の美人に勝っているということにはならなくなります。

道理で考えれば結論は明白であります。
人間にとって最も美しい存在は人間であり、「モンスター」という概念で括られる
ゴブリンやエルフなどの妖魔族が美しいというのは発想に無理があり、
実際に「人間とは別の顔」をしたエルフの描写により美しさを示した事例など
1件もないのであります。

美しい人間の顔に「耳長」の要素をプラスした姿こそが究極的に美しいということなのでしょうか?

もしも「耳長」が美人の条件と言うなら、美しさを追求することに余念がないより多くの
人々は「耳長」に整形するでしょうし、そうでなくとも耳が長い人こそがミスコンなどで
評価されるはずでありますが、現実世界ではそんな話は全く聞きません。

「耳長」が美しいとか「エルフ」が美しいとかいうのは要するに妄想であり
「異世界転生ものが流行っている」説と同じくらい出鱈目な話なのであります。

「シュガーアップル・フェアリーテイル」では妖精=【妖魔族】が人間に虐げられ
奴隷的な扱いを受ける中、この【妖魔族】に同情する主人公が他の人間たちから
酷い扱いを受けるというある種の糞テンプレパターンを繰り返します。

妖精は【妖魔族】でありモンスターでありますから、そもそも人間と共存できる
わけなんてないのが道理というものであります。

エルフは知性が高い種族なので交渉の余地はあると言えるのかもしれませんが
そもそも住む世界が違うエルフと人間が当たり前のように共存生活できるとか
かなり無理がある話でありまして、いくらフィクションでも野生動物と
人間が対等の関係で共同生活できないように、モンスターと人間も対等の関係で
共同生活できないのは道理であるのでありますから、人間による【妖精族】に対する
差別の惨さを視聴者一般にアピールするのは頭のネジが外れているというしかないのでございます。

エルフとはどのような存在であるかと言えば、「クランプス」というゴブリンのように
見た目が醜い怪物がそのプロトタイプであると推測いたします。

所詮フィクションなのだから、妖魔とは悪の存在でも、妖精は人間に友好的な善の存在で
あるという解釈があってもいいのでは?という考え方を全否定はしませんが、
物事の道理を外れているだけでなく、バカの一つ覚えみたいに繰り返される
やたらと【妖魔族】を美化したがる風潮とその背後にある思想の偏向性には
見るに堪えないものがあり、故にこのように苦言を呈する次第にございます

「古英雄詩ベーオウルフ」によれば、「オーク骸」族は悪しきモンスターであり
悪霊の類と解釈されており、「オーク骸」「巨人族」「エルフ族」は【カインの末裔】
として記されているということであります。

「進撃の巨人」の人間を食らうような「巨人族」と同じ種族である「エルフ族」と
人間が仲良くなれるというのはかなり妄想が惨く、極端な思考傾向であると言えるでしょう。

エルフが美しいというよりは、エルフのあの「耳長」がクレオパトラの鼻の高さが示すように
知性が高いという意味で「美しい」としたかったのでしょうが、誰かが意図的に
捻じ曲げたかのようにしてエルフは美しい説が定まったような気がいたします。

文献などから導かれるエルフの正体は、知性は高いが見た目は「クランプス」の
ように醜いモンスターというのが真相でありまして、アニメで描かれる美しいエルフは
全くの出鱈目ということになります。

「シュガーアップル・フェアリーテイル」や本作のような【妖魔族】の美化や
「進撃の巨人」のような【巨人族】をやたら美化することに
もの凄いバイアスがかかっているような傾向の背景には一体何があるのでしょうか?

考えてみたら昔々の「デビルマン」や「妖怪人間ベム」、「悪魔くん」の頃から
更に言うと「魔法少女」系も含め、ダークヒーローもの作品を数え上げたらきりがないほど
溢れかえっているような状況だったりします。

「デビルマン」=【悪魔】が主人公という発想は、【逆転の発想】であります。
「上なる如く、下も然り」という言葉から導き出される思想傾向、
それを【グノーシス主義】と呼びます。

【イエズス会】や【テンプル騎士団】などにこの思想傾向が見られると言われており
【イエズス会】は【聖母マリア信仰】と【黒い太陽】のシンボルが特徴的であり
【テンプル騎士団】は【ソドムの罪】を犯したなどと囁かれています。
【ソドムの罪】をわかりやすく言えば「LGBT」的行いということになるかと思います。

本来あるべきもの、本来の道理をひっくり返した逆転的な考え方をするのが
【グノーシス主義】ということになります。

故に「ダークヒーロー」こそが正義であり、「耳長モンスター」が美しいとなるわけであります。

【グノーシス主義】的傾向が著しい作品の代表例を一つ挙げるとしたら
「オーバーロード」になるかと思います。

主人公が【魔王】であり、容赦なく人間を大量殺戮いたします。
「シュガーアップル・フェアリーテイル」の事例のように
妖精を差別し惨い扱いをする下等な人間族など根絶やしにしても構わないという発想は
人間の価値観の「真逆」でありまして、典型的な【グノーシス主義】と言えます。

魔王、エルフ、妖魔、巨人族をやたら美化し、人間族を愚かで醜い悪の存在であると
このように扱う傾向が著しく表されているのであります。

【グノーシス主義】を踏まえて考えるならば、本作の神道の神設定というのもなかなかに
説得力があると言えるのかもしれません。

エルフのあの耳長は【妖魔族】であることを示していますが、【クランプス】とエルフが同じならば
エルフは【デーモン族】ということになります。

【デーモン族】と言えば【鬼族】であり、【鬼神】も同じ種族ということになります。
【鬼神】と言えば「ひぐらしのなく頃に」の「オヤシロ様」であり「羽入」であります。

【鬼神】は「どろろ」や「ガンダム」などいたる所に登場しますが、
【須佐之男命】=【牛頭天王】が【鬼神】であることからも明白なように
神道においては代表的な神であるということになります。

「エルフ」=【鬼神】という発想は少々イメージし辛いかもしれませんが
そもそも【デーモン族】も「妖魔族」も「魔族」であり、同じモンスター族に分類されますので
エルフも【デーモン】も同じ【魔族】と言ってしまえば話はそこで終わります。

本作のエルフが【デーモン族】と同じ魔族である根拠を一つ示すならば
おたくエルフが首にぶら下げている3つの【勾玉】でありまして
【勾玉】は【6】の形をしていますので【6】が3つで【666】となります。

【獣の刻印】を持つ種族でありますからまさに【カインの末裔】であるということになるでしょう。
更に言えば胸元には「十字架」のような紋章が2つあり、「十字架」=4が2つで
【8】の数字が導かれ、「【金星】の女神」と【光の天使】を暗示しているということになります。

そもそも【女神】のルーツが【天使】であるのですが、【女神アシュタルト】は
【鬼神バアル】の妻でありますので、【堕落の天使】との関係性から見ても
【鬼神】との関係性から見ても【悪魔族】ということになります。

オタクエルフが松果体の当たりに付けているアクセサリーは【プロビデンスの目】
を示しており、部屋の床のカーペットは【フリーメイソン】のロッジの床と同じ
「白と黒の市松模様」でありますが、チェス盤のような白と黒の床が意味するのは
「上なる如く、下も然り」ということであります。

オタクエルフが自堕落な引き籠り生活の日々を送っているのは
【堕落の天使】の眷属であることを示しているのでありましょう。

エルフが金髪でも何の違和感もありませんが、金髪の意味を敢えて考えてみるとすると
【金星】との関係性もあるでしょうが、ギリシア思想由来の【黄金の魂を持つ種族】を
表しているのであると考えられます。

【黄金の魂を持つ種族】には【黄金】がふさわしいということで
宗教行事である【オリンピアの祭典】では勇者には「金メダル」を授与したわけであります。

【黄金の魂を持つ種族】について言及し始めると話が長くなりますのでここでは
ざっくり示すだけにしますが、要するに【ハイランダー】のことであり
【王侯貴族】ということになります。

最終的には【カインの末裔】と繋がる見込みですが、なかなかに難航しそうな予感がいたします。

オタクエルフのコレクションである「プラモデル」は【偶像礼拝】の【鬼神信仰】を表しています。

「神道の神」=「オヤシロ様」は「※願い事」を叶えてくれます。
しかし「代償」がとても高くつきます。

「どろろ」や「王様ランキング」そして、「ひぐらしのなく頃に」「水星の魔女」で
【鬼神信仰】の本質が描かれています。

「巫女」とは「卑弥呼」のような【呪術使い】であり【鬼神】と「チャネリング」する能力を持った
オカルティストでありまして、「ひぐらし」の古手梨花ダークver.のようなのが本当の姿であり
「萌え」の要素など一切ないはずなのですが、アニメでは極端に歪められ
アイドルかなんかのように祭り上げられていることに激しい違和感を覚えます。

神道自体がかなり怖いものであると認識していますが、真実を捻じ曲げて萌えアニメの題材にする
やり口にも同じような怖さを感じずにはいられません。

現在の日本ではドラッグは違法ですが、本来巫女とはドラッグを常用し、白目むいたような感じで
トランス状態に入り、【鬼神】だとか【竜神】だとかの類と交信します。

要するに宗教というものは【オカルト】でありまして、
思想傾向がニュートラルであるはずがないのであります。

アニメ作品でこれを取り上げどこぞの神社が「聖地」みたいな扱いになるようなことは
非常に不健全であり、詐欺的であり思想洗脳しているのと同じであると思います。

フィクションを楽しむのは個人の自由ですが、神道の歴史を無視したようにして
これを無条件で美化するようなやり口には胡散臭いものを感じずにはいられません。

「羽入」は「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」と謝罪の言葉を繰り返します。
何故でしょうか?それはきっと許されざる「罪」を犯したからなのでしょう。

神道に関わるならばまずは【鬼神信仰】の本質について知るべきでしょう{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【最終】だから「異色の組み合わせ」で「ハートフルコメディ」やるならこういうのやれよな!!

【レビューNo.67】((最終レビュー)初回登録:2023/6/24)
コミック原作で2023年作品。全12話。
これもタイトル切りしかけたんだが、たまたま観たPVで「想像していたのと違うかも」
ってことで視聴してみることに。

(ストーリー)
月島で江戸時代から400年以上続く「高耳神社」を舞台に、異世界から召喚されご神体と
して祀られてきたエルフ「エルダ」と、そして巫女を引き継いだ女子高生「小糸」による
ハートフルな日常コメディ。

(評 価)
・第1話:「エルフ」という設定がきちんと生かされている上々の滑り出し
 {netabare}本作で一番感心したのはこの部分ですね。
 ・エルフのくせに現在文明にどっぷり浸かり、引きこもりの駄目ニート
  {netabare}・エルフ →文明を嫌い自然を愛する神秘の一族である(作中解説より)
   いやいや、ゲームにアニメにしっかりハマって、現在人以上に現在文明を満喫し
   てますからw
   ・単にゲームやアニメ観てるとかだけでなく、本堂でエアブラシ使ってプラモデ
    ルを完成させるとか、なかなかのマニアックな描写が個人的にはツボ
   ・本来なら酒や米等を奉納する、氏子さんからの神饌も
    → ポテチやファ●タ、果てはVRゲーム機等みんなエルダのことが大好きで、
      好みをちゃんと把握している。
      (VRゲーム機は「ハードを渡しておけば、ソフトはウチで買うしかない
       だろ」というオチまでつけているのがGood!)
   ・そもそも神体として祀られても「神通力とかないからなあ」
    こういう細かいセリフ回しが上手い!
    (精霊魔法は使えることと上手く対比させてる点がGood!){/netabare}

 ・エルフという長寿を生かした構成
  ・召喚されてから400年この町を見届けてきたという、エルフ設定がきちんと生かさ
   れている。神を引き受けた理由が
   {netabare}→ 「自分の代わりにこの江戸・国の行く末を見守ってくれ」400年前に友と約束
      を交わしたから →  {netabare}その相手が「徳川家康」という盛大なオチまでw{/netabare}
  ・それゆえエルダにとっては、自分が知るこの町が目まぐるしく変化していくことや
   愛する人との死別等は悲しい出来事 → だから引きこもりになった。
  ・そしてその思いを察した小糸は
   「その友達はエルダに未来を見てほしかったんだと思う。世界が変わっていくこと
    はきっと悪いことじゃない。だから私と一緒に東京を観て回ろう。」
   というハートフルなオチで1話を締めくくるという・・・{/netabare}

 単なる「エルフの現世での駄目神ぶりを愛でる」浅い作品かと思いきや、このエルフ(ご神体)
 は「高耳さま」と呼ばれ、神社共々皆に愛され生活に根付いている。そんな下町情緒溢れる
 古き良き伝統を背景に、しっかり心情等を描いているので、今後が気になる作品ですね。
 コメディはベタなところが多いですが、よく言えば王道ですし、エルフネタを生かしたり、
 上述のような細かいネタにセンスを感じ、個人的にはツボでした。
 とはいえ「出オチで終わらず、1クール乗り切れるのか」という不安もありますかね。
 しかし、ハートフルなエピソードを丁寧に描いていけば、結構いい感じに展開していける
 んじゃないかなと期待もしています。

 最後に、「異色の組み合わせ」で「ハートフルコメディ」やるならこういうのやれよな!
 安易に「幼女」×「ヤクザ・殺し屋」という奇抜さだけで、後にそれを生かしたストーリー
 が作れないのなら、思い付きで手を出すんじゃねーよと。
 この作品が成功例となることを願いつつ、今後に注目していきたいところですね。{/netabare}

・第2話:無難な日常回 →エルダにとってのいろいろな第一歩
 {netabare}1話を受けて2話どうするの?感じでしたが、無難に日常回を入れてきましたね。
 ・妹の小柚子と親友高麗の紹介
  まずは使えるサブキャラを育てるということで、上述2人をエルダに絡ませてきました。
  ・小柚子:小学生なのに料理が凄く上手で、町内でも一目置かれる存在。
  ・高麗:快活で歯に衣着せない言動もあるが、性格は男前(江戸っ子ぽさがある)
  2人ともキャラは悪くなく、今後も期待できそう。
  エルダにとっても小糸以外の初顔合わせで、ぎこちない感じであったがまずは第一歩。
 ・「佃煮とカエルキャラの食玩」で乗り切るAパート
  っで、Aパートの話のメインは「佃煮とカエルキャラの食玩」という・・・
  いやあ、この原作者なかなか大胆だなw特に「カエルキャラの食玩」については(1話で
  も感じたが)オタクへの理解度というか描写がめちゃリアルでしっかりしているんだよ
  な。本人も何かのオタクなのかなw
  個人的にはエルダのキャラがより鮮明になって高評価だが、この辺は評価が分かれるかな。
 ・地元密着のもんじゃで締めるBパート
  (小柚子のもんじゃ新メニュー開発依頼のリサーチを兼ねて)もんじゃを食べに行くとい
  う話でしたが、月島ということで地元密着を印象付ける上手い流れでしたね。
  そしてエルダにとっても初の外食(いつもは本堂で一人で食事している)という、ここで
  も第一歩を踏み出します。

 緩い日常回ながらも、エルダのキャラの輪郭をより明確にし、人間関係や外食して皆で食事
 するという、エルダの閉ざされた世界が少しづづ変わっていくのを感じられた、意外とよく
 練られた構成だったかなと思います。{/netabare}

・第3話:いろいろと作品の今後が見えてきた回
 {netabare}・Aパート:お取り寄せグルメ/Bパート:小糸の巫女・継承の儀
  可もなく不可もなく、緩い日常回って感じでしたが、
  ・(冷凍技術等)今とは違う、江戸時代の宅配事情
  ・きれいなガラス瓶に愛着 → 舶来品のギヤマンとして心躍らせていた過去
  等、400年生きてきたエルダの「江戸時代の生活ぶり等の豆知識紹介」がこの作品の鉄板
  ネタのひとつになるのかな。
  また「小糸の巫女・継承の儀」では、先代巫女の「小糸の母」とのちょっとした思い出を
  懐かし気に語るなど、(小糸は母との思い出が少ない感じで)こういうハートフルなネタ
  も織り交ぜていくのかなっというのが垣間見えた回でしたね。
  「エルフ設定」を上手く生かしつつも、ただこれだけだと「あと10話ほど大丈夫か?」
  って不安もあったのですが・・・
 ・Cパート:新キャラ登場
  終了間際に、大阪在住らしき「新エルフ」を突っ込んできました。さすがにその辺はきち
  んと考えられているようです。次週は東京のエルザに会いにいくようで、この作品が
  「出オチで失速とならず、今後に繋いでいけるか」
  次週は結構重要な回になるかもですね。{/netabare}

・第4話:コメディ展開の限界が見えてきたんだが・・・
 {netabare}・前回下記のように書いたんだが
  >終了間際に、大阪在住らしき「新エルフ」を突っ込んできました。さすがにその辺はきち
  >んと考えられているようです。次週は東京のエルダに会いにいくようで、この作品が
  >「出オチで失速せず、今後に繋いでいけるか」
  >次回は結構重要な回になるかもですね。
  図らずも不安が的中した感じですね。
  大阪のエルフ「ヨルデ」はエルダより1歳年上らしいが、幼稚で面倒くさいキャラ。個人的に
  は笑いどころが一つもなく「なんでこんなキャラ設定にしちゃったの?」と苦言を呈したく
  なるレベル。救いは大阪在住だから出番は少ないかなっと。
 ・Bパートはエルダが風邪を引き、小糸が世話を焼くという話だったが、こっちもこの2人でコメ
  ディ展開していくのは厳しいって感じだったかな。
  ・親友の高麗を上手く使うor新キャラでの打開
  ・地元民とのふれあい&ハートフルなエピソード
  ちょっとこの辺の割合を増やさないと、エルダも小糸も自分から面白展開を作っていけるキャ
  ラじゃないので、誰かが火付けてやらないと面白く話が回っていかないという印象ですね。
  (で、今回ヨルデを入れてみたものの、大きく期待を裏切ったかなっと)
  それにエルダの声優「小清水亜美さん」の演技、少し愁いを含んだ回想などは、400年の歳月の
  重みを感じさせ、今のところこの作品の一番のウリかなと思うので、その辺をもっと上手く活用
  して欲しいところ。
  今の感じだと次回もちょっと心配かなあ。{/netabare}

・第5話:これがこの作品の1つの理想パターンかな
 {netabare}>・親友の高麗を上手く使うor新キャラでの打開
 >・地元民とのふれあい&ハートフルなエピソード
 >ちょっとこの辺の割合を増やさないと、今の感じだと次回もちょっと心配かなあ。

 まあこちらの声が届いた訳でもないだろうが
 ・エルダの駄目っぷりをベースにしつつも
 ・飛脚や江戸のおしゃれ事情の豆知識は面白く
 ・Bパートで高麗が入ると、会話の流れに変化が生まれ〇
 ・最後に歴代巫女たちを偲ばせる、ハートフル展開でホロリとさせる
 なんだ~、やればできるじゃないですか!
 やっぱり前回のヨルデに問題があったようで・・・
 飛びぬけた面白さではないですが、この作品らしい味のある構成だったかなっと。
 あと、エルダの顔のアップは◎。やはり作画のレベルは高いので、そういうところも活かして
 いけばいいんじゃないですかね。{/netabare}

・第6-7話:エルダが外出するとやはり話が広がり面白い
 {netabare}(6話)
 ・Aパート:テスト勉強/Bパート:50年に1度の大神事
  ・テスト勉強でエルダに歴史のことを聞いたり、大神事では富士山が見える場所ということ
   でスカイツリーに登りながら富士山の名前の由来等、エルダの豆知識多めでそこは面白い。
  ・ただ2人だけのコメディ展開は、(個人的には)やはりちと厳しい印象ですね。
  ・そして小糸は時折見せる、エルダの愁いを含む(?)笑顔があまり好きじゃないとのこと。 
   はじめはよくわからなかったのですが、EDの歌詞で
   「たまにするその顔~遠くにいってしまいそうで~好きじゃなかった♪」
   とあり、そういうことなのかなっと。こういう描写が入ると作品が締まってGood。

 (7話)
 ・Aパート:昔の遊び/Bパート:福引き
  ・Aパートは小柚子回。
   ・小柚子の自由研究で「昔の遊び」を調べるとのことで、エルダが「私に任せろ」と。
    「いかのぼり→たこあげ」になった経緯等、エルダの豆知識はやはり鉄板。
   ・しかしこの自由研究は、実は小柚子の嘘で、最近忙しくあまり構ってもらえない小糸に
    遊んでもらいたかったから。
    ・普段のしっかり者キャラとのギャップ
    ・実は寂しがり屋だが甘え下手
   ハートフルな展開で、小柚子の新たなる1面が見られた非常に優れた構成でしたね。
  ・Bパートは商店街へのお出かけ回。
   ・前回やったエルダがハマっている「カエルキャラの食玩」のレアアイテムが限定販売。
    → 抽選が外れて落ち込んでいるエルダだが、商店街の福引き景品にあることが判明。
    ということで、2人で福引きのために商店街のスタンプラリーに参加することに。
   ・エルダを見つけると、陰から「高耳さま」と拝む町の人々。この辺り皆エルダとの付き
    合い方を心得ているようです。
   ・そして商店会を回りスタンプを集め終わると、いざ福引きへ!
    → 見事5等で念願のレアアイテムをゲット!!
     → しかしこれには商店街の皆が裏で協力していて・・・
   エルダが町の皆に愛されていることが改めて伝わる、こちらもいいエピソードでした。

  エルダが外出するとやはり話が広がり断然面白くなりますね。
  そもそも1話で「だから私と一緒に東京を観て回ろう」といった割に、神事以外ではほとんど
  外出していないというw 作品も後半戦、エルダがいろいろな東京を観て回る展開が増えると
  いいですね。{/netabare}

・第8話:新キャラ登場 →ギャンブルはエルフをも狂わすw
 {netabare}今回は久々に新キャラ登場でした。4話でヨルデたちを出したきりなので、タイミング的にも悪
 くないですね。金沢のエルフと巫女のようです。
 ・ハイラ
  ・前田利家に召喚されたという、エルダより100歳程年上のエルフ。そのためエルダを子供扱
   いする。(エルダにはお姉ちゃんと呼ばれたいようだが、エルダは拒否)
  ・糸目で上品な話し方をするので、普通にしてれば高貴な雰囲気が漂う。
  ・でも、重度なギャンブル狂w
 ・小伊万里いすず
  ・8歳から麗耳神社の巫女をしている。小糸と同じ16歳の女子高生。
  ・インスタのフォロワー15万人を誇るインフルエンサー。
  ・実はハイラのことが好きすぎて、給料の大半をハイラのブロマイド作りに費やしている。
   (こいつもちょっとおかしいやんw)

 2人は「金沢物産展」のお手伝いをするために、今回上京。ハイラ曰く
 「金沢は愛する氏子たちが住む街。だからこんな機会にお返しをしたい。」
 と、立派な志を持っているのかと思いきや、やっぱりダメエルフだったかwww
 しかも東京競馬場目当てのようですしw
 (でも一番の目的は、エルダに200年ぶりに会いたかったらしい)
 ハイラが道中ギャンブルで宿代をスッたため、2人は高耳神社でお世話になることに。
 最初はハイラと最近上手くいっていない影響で、小糸に対してもツンケン気味ないすずでしたが、
 小糸と同じで「ハイラの隣にいてもいい位かっこいい大人になりたい」といった思いを語り合い
 ながら、すっかり打ち解けたようです。

 今回一番面白かったのは、恒例のエルダの豆知識で「水茶屋娘」の話ですかね。
 ・水茶屋(今でいうカフェ)にアイドルばりの人気の町娘がいた。
 ・あまりの人気振りに「茶屋娘見立て番付」というランキングまであった。
 ・(一介の町娘が)当時最先端のメディア「浮世絵」にも描かれていた。
 これって今のアイドル事情そのまんまやんけ!!江戸時代からすでにそんなシステムが存在して
 いたのは驚きでしたね。

 別れ際にいすずからこう問われます。
 「寿命の短い私たちの方が先にいなくなる。それなら仲良くしないで、悲しい思いをさせない方
  がいいと思うことはない?」
 「あるよ。でもきっと間違ってる。」
 それにいすずも同意。2人がエルダたちを思っていることが分かる、ほっこりとした締めでしたね。{/netabare}

・第9-10話:コメディ展開もこなれた感が出てきて〇
 {netabare}(9話)
 ・Aパート:雨降り/Bパート:部屋の片づけ
  ・エルダ「雨は好き、堂々と引きこもれる」 →まあ晴れても引きこもるんですけどねw
   2人で漫画を読んでいると、雨漏りが!
   → エルダのオタクグッズや押入れのものを退避
    → まさかBパートへの伏線だったとは・・・
  ・小柚子「傘をさすと片手がふさがって不便」
   エルダ「ドローンに逆開きの傘をぶら下げるのはどうだ!」
   → エルフのくせに、人間よりハイテクに詳しく、柔軟な発想してるの草www
  ・雨も上がり、屋根の修理も終わり、出した荷物を片付けているとビデオテープが出てきて
   → 小糸の世代になるとビデオテープを知らないんだな・・・
     (まあ「ReLIFE」でMDを知らないのをネタにしてた位だしなw)
     しかも1本はβテープとか、またマニアックなw
  ・そのビデオテープを観ると、小糸と同じ頃の母親が映っていて・・・
   エルダ「そのテープ小糸にあげようか?」
   小糸「ううん、エルダが持ってて」
   → 行間を読むような「間」の演出といい、やっぱハートフル展開はさすがですね。

 (10話)
 ・アバン:エルダの1日/Aパート:大阪ヨルデたちの日常/Bパート:金沢ハイラたちの日常
  /Cパート:小糸の1日
  ・エルザ
   ・7時起こしてもらうの起きず →10時起床~4時就寝。
    という夜型エルフに染まってる1日の紹介。
  ・ヨルデ
   ・こちらはエルダと違い、一人でウメダの地下街へ買いものに行き迷子になったり、食べ物
    を奉納してくれた氏子さんにお礼にいくと言ってたり、積極的に外へ出歩いている模様。
  ・ハイラ
   ・いすずはハイラ好きが高じて、前回のブロマイドに続き、ハイラ写真集も作っている模様。
    (200冊目)
  ・小糸
   ・巫女の朝は早い →5:20~23時就寝。
    久しぶりに高麗が登場。
  それぞれのエルフの日常を切り取り、対比で見せる構成はなかなか面白かったかな。

  原作未読なので推測でしかないが、始めの頃のコメディ展開は。無理に笑いをとろうみたいな肩
  に力が入ってたように感じたのですが、だんだん作品の方向性が固まってきて、コメディ展開も
  自然でこなれた感ができてたように思いますね。
  話数が進むほどに作品がよくなっていく感がいいですね。{/netabare}

・第11話:緩い日常回 →ラストは最終回への布石なのか?!
 {netabare}・Aパート;探偵/Bパート:弓耳祭り
  Aパートはガッツリ高麗ちゃん「暇だしな!」。
  ・エルダのオタクコレクション・ゴンゲムの限定プラモデルが見つからず、エルダは
   「盗まれた」と大騒ぎ。 →遊びにきてた高麗が「探偵ごっこ」を始める。
  ・「探偵」も江戸時代の捜査を行う者(同心・与力等)「探偵方」と呼ばれたのが始
   まり。今の形になったのは明治になり「私立探偵」現れてから。(エルダ豆知識)
  ・推理で犯人を暴き出すと、今度は裁判を始める高麗。
   そしてエルダの豆知識「町奉行所」ネタ。

  Bパートは弓耳祭り。
  ・海の平安を願う、高耳神社のお祭り →「お弓神事」宮司が船に乗り矢を射る。
   エルダはその的を持つ係。(昔は矢を射てたが、誤って川に落ち溺れたのでやめた)
   ここでも豆知識「徳川家康の運河整備」ネタ。
  ・ところが宮司(小糸の祖父)が怪我をしたため、今年は小糸が矢を射ることに・・・
  
  もうラスト周辺ですが、緩い日常回で終わりましたね。弓耳祭りを描くのか思ったら、
  その手前で終わったし。もしかしたら来週が最終回でそこで描くとか?!
  このままだと、ちょっと消化不良な感じがしますね。{/netabare}

・第12話:「エルダダイブ」にコメディもキレッキレで満足感高かった
 {netabare}・Aパート:お弓神事/Bパート:辻占
  >もしかしたら来週が最終回でそこで描くとか?!
  やはりラストは弓耳祭りで来ましたね。
  ・怪我で欠場する宮司(小糸の祖父)に代わり、矢を射ることになった小糸ですが、なか
   なか上手くいきません。
   で、エルダが見本をみせるのですが、さすが腐ってもエルフ!見事に中心を射抜きます。
   「コツは風(の精霊)の声を聴くこと」さすがコツもエルフですw
  ・ついに弓耳祭り当日。ラブコメ等の夏祭りイベントとは違い、しっかり神事としてその
   過程で町の人たちが信仰している様子を描いていたのは、さすがですね。
  ・そしてお弓神事本番。やはり2本の矢を外し、最後の矢を「エルダに当たらないように」
   と大きく外した小糸。それを見てエルダは、なんと矢に向かって大きくジャンプ!!
   盛大に海にドボン。でも矢は中心を射抜いていました。
   このまさかの演出は心に響きました!!そして、島田のばあさんが「小糸の母」の時の
   神事を振り返りホロリをさせるという・・・最終回神がかってるな。
  ・さて神事も終わり、日常に戻ったエルダたちですが、エルダには小さな不幸が立て続け
   に起こり、エルダは不安に陥ります。
   そんなエルダに小糸は本神社のお守りをおススメしますが、
   「この私をご神体に祭るような神社のお守りは頼りない!!」
   と、言い切っちゃいます。どうした最終回、ギャグもキレッキレだぞw
  ・で、「辻占」に頼ることにしたエルフ。
   (江戸時代に流行った占い。夕方に辻(神の通り道)に立ち道行く人々の声を聞いて占う)
   「ご祭神がよその神さまの声に頼るのはちょっと・・・」小糸のツッコミもキレッキレw
   でも引きこもりのエルダが人通りの多い街角に立てるはずもなく・・・
  最終回にしては、特別なこともなく普通の日常で締めましたが、お弓神事での「エルダダイブ」
  やら日常のコメディにも切れがあり、結構見所は多かったかなと思います。{/netabare}

(最 終)   
「『異色の組み合わせ』で『ハートフルコメディ』やるならこういうのやれよな!」ですが・・・
1話のレビューで書きましたが、特殊設定を打ち出してきたならそれを出オチで終わらせず、最後まで
その設定を活かしたストーリー展開をこちらは期待するわけですよ!
その点本作はしっかり最後まで、エルフという特殊設定をちゃんと活かせていたのではと評価。
そして他の方も「小清水劇場」と書かれていますが、エルダ役小清水亜美さんの「ダメエルフの緩さ」
や「400年の歳月の重みを感じさせる、少し愁いを含んだ回想」等はホントハマり役で、彼女の熱演
を楽しむだけでも、この作品を観る価値はあると思います。
あとエルダの顔のアップなど、やはり作画のレベルも相当高かったのではないかと。

ただこういう緩い感じのコメディはあまり見ないので、個人的にはコメディ展開の当たり外れはあった
かな。でも上述したように回を追うごとに「こなれてきた感」が出てきて、良くなってきてましたが。
あと個人的には「ハートフル要素」はもう少し多めの方がよかったかな。その方がエルダのキャラや
小清水さんの演技が活きたような。
それに「私と一緒に東京を観て回ろう。」と言っておきながら、全然東京巡りをしていない点も。
やはりエルダがもう少し外出した方が、展開に変化が生まれより面白くなったのではと思いますね。
この辺り、もし2期があればそういう機会も増えるのかもしれませんが。
それでも(出オチで終わり失速するのを懸念していましたが)最後までしっかり完走してくれたかなと
思います。


(追 記)
エルフの長寿命を生かした作品としては「葬送のフリーレン」が有名ですが(今年アニメ化)
・江戸前エルフ:「少年マガジンエッジ」2019年7月号~
・葬送のフリーレン:「週刊少年サンデー」2020年22・23合併号~
ということで、本作の方が先輩らしいので。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

家事とエルフは江戸の華

この辺りは東京の下町情緒が残っていてなんだかんだ、
なんて言葉がよく耳目に触れますが、
僕はそういうのにあんまり心ひかれないヒトであります。

もちろん『キライ』というわけではありません。
アリかナシなら『アリ』なんだけど、
ありありのアリ、ではなく、ふつうよりのアリぐらいかと。

おのぼりさんよろしく
浅草・上野・柴又あたりをプラプラ歩いたこともありますが、
特別楽しいわけでもなく、
だからといってつまんないわけでもなく、
ほんとにまあ、ふつう。
(京都出身なので古い下町とか門前町とか見飽きてるのあるかもです)

  ただ、いまはもうムカシと違って、
  「てやんでえ、べらぼうめ」なんて言って
  手鼻かんだりするおっちゃんを、
  「粋だねえ」なんてアリガタがる風潮が廃れてきたのは高評価。
  むだなケンカ腰はナシの方向でお願いいたします。


そういう『特に東京好きというわけじゃない』拙でありますが、
本作『江戸前エルフ』は、
のんびり楽しく、そして関心を持って見ることができました。

舞台は月島(その気になれば銀座・築地から歩いて行けるとこ)。

そこにある高耳神社(架空)に、
江戸時代に召喚されたエルフ(エルダ=引きこもり)が、
ご神体として祀られていております。
そのエルフと巫女(小糸=きびきびJK)の絡みを中心に、
ヒトの暮らしをまったりと描いた日常系ですね。

  机をばんばん叩いて爆笑するようなコンテンツではなく、
  ゆるめでやさしい世界観に肩までつかるような『温泉系』。
  とはいえ、笑えるところはくすくす笑える、意外な良作であります。


僕は最初『ほとんど期待せず』一話を視聴したのですが、
  けっこう見やすいかも
ぐらいの印象で『とりあえず』視聴を続けることにいたしました。
で、話数を重ねるにつれてジワジワささってきて、
最後はかなりマエノメリになって完走しちゃった次第であります。

なんでお気に入りになるまでそんな時間かかったんよ、
と言いますと、
実はこの作品『よくできた椀物』みたいな構造になってるんですよね。
澄んで芳醇な風味のあるお出汁があって、
そこにしっかり味と歯ごたえのある具材が浮いている、みたいな感じです。

最初は具材の味しかわからなかったんですが、
しだいにそれを支えるお出汁の風味を感じるようになり、
  ああそうか、これが渾然一体となってるから美味しいのか
みたいなことに途中で気づいたという、
食わせ甲斐のない味オンチ野郎まるだしのていたらくでありまして。


具材というのは大きく分けると二つ。
  ① ヲタぐだ(オタク+ぐだぐだ)+萌え
  ② お江戸トリビア

まず①は、今日的なアニメだとド定番具材ですね。

  オタクでヒッキ-でナマケモノのぐだぐだエルフ(エルダ)と、
  きびきびJK巫女(小糸)の取り合わせで、
  エルフ萌え、巫女萌え、だめヲタギャグなどの需要をしっかりと。

  ス-パ-小学生の小柚子(こゆず=小糸の妹)も差し込み、
  特定需要をお持ちの方にも、
  さらりとお応えいたしております。

  同じ具材ばっかで飽きられないよう、
  他のエルフだの巫女だのも適宜投入いたしておりまして、
  いわゆる『ばっかり食べ』の方も最後まで美味しくいただけます。

これに対して②の『お江戸トリビア』は、けっこう斬新。

  江戸時代の文化・風俗って、
  みんな知ってそうでいて、実は知らないんですよね
  (違ってたらごめんなさい。少なくとも拙はそうです)

  それを、エルフの長命を利用し『思い出』として語らせる。
  このアイディアが実によき。

  特に『お江戸好き』というわけじゃない拙の耳にも、
  ものすごく自然に入ってきますし
  知的好奇心もいい感じに満たされます。
  学校の授業もこんなだったらいいのに、なんて思っちゃう、
  ステキで実のある斬新な具材なのでありますよ。10ヘエあげちゃう♪

ただ、こうした具材だけだと、
定番の具材に目新しい具材をくわえてちゃっちゃと炒めただけ、
いわゆる『なんちゃってエスニックめし』にしかならないわけであります。

これをステキな『椀もの』に仕立てているのが、
じゅわっと沁み込んでいる『お出汁』の存在ではあるまいかと。
ほんと、この存在のおかげで、
ちょっと尖った風味のある具材も、やさしくまろやか、
舌に心地よくなじむ味になってるんですよね。

このお出汁、単一素材ではなく『合わせ出汁』になっております。

ひとつめは『登場キャラの切なさとやさしさ』。
これは前面で具材の味を引き立てる、
いわば『かつお出汁』にあたる部分ではあるまいかと。

  残酷だけど受け入れざるを得ない『寿命の違い』という現実。
  これ、残して逝く者と残される者、
  どちらもつらいけど『残される者』がより哀しいのは自明の理ですよね。

  エルダはそんな思いを何百年、
  家族同然の人々との『別れ』を何代にもわたり繰り返しています。

  小糸にとってエルダは人生で仕える『たった一人』のエルフだけど、
  エルダにとって小糸は、
  何度も繰り返してきた哀しき人間関係の『最新版』なんです。

    おたがい、そんなことは百もわかっています。
    わかっていても、どうしようもないから、
    どちらもあえてそこには踏み込もうとはしません。

  そんなこと考えたって仕方ない、自分は自分のできることをやろう、
  そんなふうに思い、一所懸命にエルダのお世話をする小糸。
  その気持ちを嬉しく思い、
  あとから見送るのがつらくなるだけだとわかっているのに、
  あえて距離を置こうとせず、甘えたり慈しんだりするエルダ。

    この、お互いがお互いを尊重し、
    慈しみと愛しさをもって『いまを大切にする』心。
    これが底辺に流れていることで、
    物語にステキな暖かみが宿っているんだと愚考する次第です。
    (まあ、OPでロコツなカットありますが)

ふたつめのお出汁、
あまり前面にでずふうわりと具材を包み込む、
いわば『こんぶ出汁』みたく上品に物語を支えているのが、
『市井の人々のおだやかな信仰心』であります。

  この作品で描かれる月島の人々って、
  ご神体であるエルダを
  すっごく自然に、愛情をもって、崇めているんですよね。

  みんなが『さまづけ』で呼び、ちゃんとお参りし、
  好きそうなものを奉納したり、  
  姿が見えても驚かしたりしないよう遠くから見守ったり、
  神事の際に町ぐるみで消灯したり、
  お祭りにはみんな総出で駆けつけて応援したり。

    狂信的に崇拝することも、
    勝手にバシャバシャ写メ撮ったりすることもなく、
    みんながみんな、
    あたりまえに受け入れて静かに敬意を払っているんです。

  現代っ子(←死語?)にとっては、
  それ、なんのメリットがあるの? というハナシです。
  実際、エルダに御利益をもたらすリッパな霊力なんかありません。

  でも、日本ホンライの宗教観って、こういうもんなんですよね。

  特に深い教義だのロジックだのシバリだのがあるわけでなく、
  (もちろん神職系の方々は別で、あくまでも市井、庶民のハナシです)
  万物に神は宿るみたくムチャな話さえも、はあそうですかと受け入れ、
  あまりムズカシイことは考えず。
  スナオに神仏どちらも敬って、静かに手を合わせ、感謝する。

    言いたいことがたくさんある方がいるかもですが、
    こういうスナオさ、おだやかさ、寛容性って、
    拙は日本人特有の美徳、ステキなところだと思うんですよね。

  本作の舞台である月島の人々は、
  みんながみんな、そういうココロをもっています。
  エルダたちを温かく見守り、
  なぜもへつたくれもなく穏やかに敬っています。
  これ、すっごく上品でほっこりできるお出汁だと思いませんか?
  (そういうのがキライな方、ごめんなさい。もちろん押しつけません)



僕的なおすすめ度は、堂々のAランクです。

肩ひじ張らず、くすくす笑いながら視聴して、
  ああ、ニッポンってこうだったよね、
みたいな気持ちを堪能できる上品で楽しい一椀ではあるまいかと。

もちろん、そこまでキレイキレイを追いかけた作品ではなく、
  ふつうにもんじゃ焼き爆食いしたり、
  他のエルフが賭ケグルイであったり、
  巫女の一人がインフルエンサーやってたり、
具材にしっかり味がついているのでバクゼンと食していても大丈夫。


お話は、
日常ものらしく一話(パート)完結でさくさくと。
基本はクスクスまったり系で
三話に一話ぐらいのペースで切ない話や人情噺がはさまります。
とは言っても、泣かせる話ではなく『チョイいい話』ぐらいでして、
味変に気づかないヒトいるかもレベルです。


作画は、
見心地のいい高レベルで安定しています。
崩壊らしい崩壊はアリマセン。
制作のC2Cさんは出来・不出来の差が激しいのですが、
本作は『いい方』のC2Cさんですね。

  ただ、EDの3DCGはいただけませんな。
  商業レベルじゃないし、そもそも3Dにする意味ないし。
  育成だの付き合いだので仕事ふるのやめれ。


キャラは、
一人一人にちゃんとタマシイが入っていてよきです。
単にテンプレをあてはめるんじゃなく、
そこにお出汁がじゅわりと染み込んだときどんな化学反応を起こすか、
きちんと考えて落とし込んでるんですよね。
  {netabare}
  大阪エルフのヨルデと向日葵。
  金沢エルフのハイラといすず。
  どちらもエルダと小糸の関係と同じものを『抱えて』いるのに、
  コトバ(方言)の位相に頼らず、
  三者三様の接し方・距離の図り方が描き分けられていて実によき。

  美味しんぼ風にいうならば、
  一つ一つの具材にちゃんと『仕事』がなされているんですよね。
  ほんと繊細なお椀であります。オカボシさんかおまえは。
{/netabare}

役者さんのお芝居は、
大御所・ベテランさんが多めで、全体的にかなり安定しています。
音監が『呪術廻戦』『着せ恋』『ぼざろ』など、
幅広いテイストの作品をうまくまとめられる藤田亜紀子さんなので、
キャラによる凸凹もなく、
耳馴染みのいい仕上がりになっているのではあるまいかと。

  エルダを演った小清水亜美さんが『うまい』のは一聴瞭然。
  いやほんとこのヒトは、
  役柄を捉える感性と、それを表現する技術がハンパないですよね。

  そのほかで僕が「おおっ」と思ったのが、
  小糸を演じた尾崎由香さん。
  このヒトのまっすぐできびきびした『雑味のないお芝居』が、
  ものすごくエルダを引き立てているんですね。
  しかも、エルダに負けず劣らず、キャラがぴいんと立ついい演技。
  {netabare}
    僕は尾崎さんのことを失礼ながらまったく存じ上げなかったので、
    関心を抱いて調べてみたところ、
    あの『けもフレ』でメインはっていた方らしいですね。
    (見てないからまったくワカリマセン)

    で、なんかの番組トークでやらかしちゃって、
    この数年はかなり干され気味の状態だったんだとか。

    そもそも番組トークなんて『テラハ』みたいなもんですし、
    ご本人がナニ考えてるかなんて本人以外は誰もわかりませんが、
    本作におけるお芝居は『ホンモノ』です。

      平野綾さんのときも思ったんですが、
      そういうので大騒ぎして溜飲下げてるアンチさんたちって、
      芝居を聴き分ける耳、なさすぎ。かっこわるいです。
{/netabare}

音楽は、
ナナヲアカリさんによるOPも、
Cody・Lee さんのEDも楽しくていい感じであります。
どちらもSME系列所属の方々。
たまにやらかすSMEさんですが、今回はがんばった。
(とりわけナナヲさんは、新境地開拓ですね)

  ちなみに、劇伴もけっこう感じいいなあと思っていたら、
  松田彬人さんでした。
  あの『響け!ユーフォニアム』劇中曲『三日月の舞』を書いたヒト。
  (それだけじゃなく劇伴ゼンブされてます)

  アニメの劇伴やアニソンの編曲等が主戦場の方らしいけど、
  吹奏楽のスコア書けるってすごくね?
  本作劇伴もできがいいから、ちょっと気をつけて聴いて欲しいかもです。



というわけで、
項目別に見ていっても特に減点すべきところが見つかりません。
だから名作だとか傑作だなんてハナシじゃありませんが、
隅々まで配慮が行き届いた、
ほんと見心地・聴き心地のいい作品に仕上がっております。

  あとはもう、こういうテイストを『好きかきらいか』だけですね。

  無理強いするほどのものじゃありませんが、
  試しにちょっと口をつけてみる、
  ぐらいの価値は充分にある作品じゃないかと愚考いたします。


僕は、きちんと現代のコンクリっぽい街並みも描かれており、
その中で息づく日本の情緒、
みたいな全体のトーンというか方向付けが、すごく好きでした。

伝統的な価値観に『縛られる』のは好ましくないかもですが、
永く受け継がれてきたものの良さって、
ときどき足を止めて向き合ってみるのもいいなあと思うんですよね。

キャッチーなモチーフやプロットをずらずら並べただけで、
下味もなんにもついてないアニメが多い昨今、
こういうお出汁の効いた作品って希少だよなあと思ってもみたり。

  ちなみに、実際にお料理するときって、
  ちゃんと出汁を取るの、けっこうめんどいんですよね。
  ダシの素だの出汁入り味噌だのに走る方の気持ち、わかります。

    江戸時代というか昔の人って、ほんと偉かったよなあ。

  ただ、ひと手間かけるとやっぱり『お味』は変わります。
  三度三度のお炊事まではムリにしても、
  モノづくりにおいてはそういうの、横着して欲しくはないですよね♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

75.1 4 東京で神社なアニメランキング4位
空の青さを知る人よ(アニメ映画)

2019年10月11日
★★★★☆ 3.8 (233)
1072人が棚に入れました
山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。2人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、2人きりで暮らしてきたのだ。あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして金室慎之介の名があがる。あかねのかつての恋人であり、高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が町に帰ってくる…。時を同じくして、あおいの前に、突然“彼"が現れた。“彼"は、しんの。まだあかねと別れる前の、高校時代の姿のままで、13年前の過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。思わぬ再会をきっかけに、次第に、しんのに恋心を抱いていくあおい。一方、13年ぶりに再会を果たすあかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。

声優・キャラクター
吉沢亮、吉岡里帆、若山詩音、松平健、落合福嗣、大地葉、種﨑敦美
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

魂と時間

秩父三部作と通称される長編アニメシリーズの完結編。
先行する「あの花」「ここさけ」で描かれた鮮烈な青春群像劇を受けて、
青春の「その先」にあるもの、選択と迷い、行き詰まりや停滞など、
より広汎な人生の諸相を包括した物語となっている。

東京での成功を夢見る高校生のあおい。かつての輝きを失って帰郷した慎之介。
二人が歌うそれぞれの「ガンダーラ」に込められた、対照的な「夢」の姿。
自分の可能性を信じるあおいのアグレッシブな歌いっぷりと、
ギターを爪弾きながら慎之介が絞り出す、うらぶれたひとり歌。
青春ドラマに人生の苦みを足し加えた、独特の渋さが本作の個性である。

少し前に投稿したレビューを今回、ほぼ全面的に書き直した。
自分の関心は相変わらず、しんのというキャラクターの本質、そして、
三部作を一貫する主題の探求にあるのだが、前二作との比較をより鮮明にしつつ、
主題の一貫性を内在的な発展過程として捉える、思い切った試みをした。
それによって、出発点の素朴な疑問、しんのとは本当は何者なのか?
という問いをめぐる解釈に、多少の説得力が加わったか、どうか…。

(プロローグ)
{netabare}
物語の出発点を要約する導入部は、
短いカットやシーンをモンタージュ風につなげた凝った趣向で、
まずは主要なキャラクターを登場させ、さらにはその前史をも先取りする。

その中に断片的に挿入される、薄暗い、不明瞭なカット。
押し入れから何かを取り出しているらしい、無精髭を生やした男。
取り出されたものは、ガムテープで封印されたギターケース。

この部屋とは別にもう一つ、納戸のような場所も映し出される。
これらの場所が意味するものは物語の進行とともに徐々に明らかになる。
一方は、慎之介が現在暮らしている都会の一室。
もう一つは彼の故郷の、お堂と呼ばれている神社の拝殿の中。
そこには今も一本のギターが残されたままになっている。

暗示めいたこの冒頭の一連のカットには、わざと目立たないように
最も重要なメタファーが潜められている、というのが自分の推測である。
つまり、観ている者が後から気づくことになる決定的な事態とは、
これこそが「しんの」がお堂の中で目覚めた瞬間だったこと、
さらに、その目覚めとギターケースの封印が解かれるのが同時であったこと。

このメタファーの意味は踏み込んで考えるまでもなく、至って明解なものだ。
一方には空っぽのケース。そして、遠くに残されてきた本体のギター。
この両者が、しんのと慎之介との関係、即ちしんのの正体を説明している。
空虚な抜け殻になってしまっている現在の慎之介。
それはまさしく、中身の入っていない空っぽのギターケースだ。
だとすれば、周囲からは生霊とか地縛霊とか言われ、
慎之介の方が「本体」扱いされているのとは逆に、実はお堂にいるしんのの方が
置き去りにされた中身であり本体、いわば慎之介の「魂」と呼べるものなのだ。

ギターケースの中には、当時の記念の品々と、一枚の写真がしまわれている。
空っぽの心の中に過去の思い出だけを抱える現在の慎之介を象徴するようだ。
だから、これから始まろうとするものは、過去に残してきた自らの本体、
真実の自分、すなわちおのれの「魂」と再会するための旅であり、これは
しんの=魂という視点によって、物語の全体を読み解いてゆく試みである。
{/netabare}

Ⅰ 魂の顕現
{netabare}
「封印された過去」。これがしんのの一応の設定である。
岡田作品通有のモチーフであり、とりわけ「あの花」との関連は明らかだろう。
トラウマとして封印された過去の記憶の中から突如、実体となって現れる懐かしい異人。
めんまはそんな存在であり、しんのもまたその分身のように見える。
つまり本作の基本設定は「あの花」の延長線上にあると言ってよいだろう。

目覚めたしんのは、お堂に閉じ込められたまま一歩も外に出ることができない。
一切の活動を奪われた彼の状態は、文字通りの「封印」である。
その結果、外界から隔絶された閉鎖空間の中で
自分の存在をずっと自問自答する苦行を課せられることになる。

 なあ、俺どうしてここにいるんかな?・・・どうして、か・・・

封印された過去が自意識を所有して、自らの存在理由を問い続けている。
例えばめんまも自分の正体がわからず、その追求のプロセスが周囲を巻き込み、
やがて一人一人を自分の内面と向かい合わせる契機となった。
それが結果的に周囲の人々を苦悩から解放し、自らの救済にまでつながった。

しんのの場合も同じように、彼と関わる人々の心に徐々に変化をもたらしてゆく。
その変化のメカニズムを、物語の水面下で持続しているはずの彼の自省と関連させてみたい。
すなわち、あおいやツグに向けられる彼の率直な、全面的な肯定は
自身が完全に無力であるという苦い認識の裏返しなのではないか。
自らへのネガティブな反省が、他者へのポジティブな肯定に反転する。
ネガティブなものがポジティブな作用を及ぼすことは常識的には逆説に見える。
だが、魂の背理な力は常識の眼には、一個の逆説と映るものなのである。
自分はこれを魂の作用、働きかけと捉えたい。

ストーリーの軸となる、しんのとあおいとの関係をこの視点から見た時、
本当の力点は恋愛とは別のところにあるように思われる。
しんのへの想いを本物の恋愛と呼ぶには、あおいの心はあまりにも未熟に感じられる。
例えば、やさぐれた慎之介に失望し、さらに周囲の大人への反発が重なって
衝動的にあかねの生き方を全否定してしまうような幼さ。
しんのは、そんな突っ張ったり背伸びしたりする部分も含めて
等身大の、ありのままの自分を受け容れてくれる、心の支えのような存在である。

しんのへの淡い恋心は、あおいの内部に葛藤を生じさせる。
あかねの幸せを願う気持ちと、しんのが消えてしまうことを恐れる気持ち。
あかねへの愛情ゆえに揺れ動く、そのアンビバレントな感情の縺れは
心の奥底にある、最も素直な感情に立ち還ることによって解きほぐされる。
その役割を担ったのがしんのの存在であったように思われる。

ヒロインのあおいと主人公の慎之介は共に、心に抱えた屈折を
しんのの働きかけによって解消される。そこには本来の純粋な自分への復帰、
いわば「魂への回帰」が生じている。これが本作の固有のテーマではないだろうか。
本作が危機からの救済をめぐる「魂の劇」であるという事実を
「魂」そのものの顕示によって明らかにするものではないだろうか。
{/netabare}

Ⅱ 時間の肯定
{netabare}
秩父三部作を巨視的に通観する時、全作品に共通する
危機の救済のプロセスが、純化されていく方向性が認められるように思う。
つまり、前二作に潜在していた本質的なものが明確に顕現した結果、
「あの花」の心理ドラマが本作において「魂の劇」に昇華したと自分は捉える。
その過程で転回点になったのが、中間に位置する「ここさけ」の
あの極度に張り詰めた対話劇だったのではないか。そんな仮説が思い浮かぶ。

以前書いたレビューの中で指摘したことだが、「ここさけ」の終盤、
順と拓実が「本当の言葉」をぶつけ合う対話の場面には
相互の働きかけによる同時的な救済が実現している。
ここにおそらく、岡田作品に特有の救済の位相が認められると思われ、
漠然とだが、そこには魂への省察が予感されていたような気がするのだ。

本作にも山場となる二つの対話がある。
まずはしんのと慎之介。自分と自分、過去と現在とのドラマチックな対決。
もう一つはラストの、しんのとあかねとの再会の場面である。

しんのと慎之介の間では、否定と肯定が弁証法のように交錯する。
しんのは当然、現在の慎之介を非難するが、それが否定ではないことに注意したい。
しんのの否定は自らに向かっている。その否定の中に実は、
慎之介を肯定する契機が内在しているのだ。それはおそらく「時間」である。
具体的には、慎之介が耐えてきた13年という重たい歳月。
停まったままの自分には持ちえなかった時間。
それが、今も所在なく無為に存在している自分の現実と鋭く対比される。

この場所に留まってしまったしんのと、歯を食いしばって踏み出した慎之介。
尖鋭に向かい合う二人の姿に「いま」が顕現し、「時間」が可視化される。
そして今、過去を回収し、決着をつけてふたたび前に進むためにこの場所に来た
慎之介の覚悟は、しんのによって自分が存在した理由として理解された。

 俺さ、あの写真見ていろいろわかっちまった。
 あいつはさ、あん時、閉じ込めることでしか前に進めなかったもんに
 もっかい向き合おうとしたんだ、って。
 俺の中にもあるこの想いを、後悔になんてしないように、
 だから俺はあそこにいたんだ、って・・・

しんのとは、慎之介が向き合うべき「過去」の具現化だった。
そのような自分と向き合うために来た13年後の自分。その決意が彼に救いをもたらす。
しんのの方からの肯定によって、慎之介もまた過去の呪縛から解放される。
救済は一方通行ではなく、双方向的・相互的に成就する。
これが、三部作を通じて深められてきたテーマの真髄ではないだろうか。

そして、完結編となる本作ではさらに多方向的な展開を見せる。
クライマックスとなる、しんのとあかねが再会して交わす対話の中では
あおいを中心として、次々に肯定の連鎖が生じていく。

真っ直ぐに成長したあおい。その彼女のために地元に残ったあかね。
あかねの選択をしんのは今、心から肯定することができた。
そしてその肯定は、あかねを愛した彼自身にも及んでいく。
13年前のあかねの選択をしんのが肯定し、それによって自らを肯定する。
あかねへの断ち切れない想いが実体化した、凝固してしまった時間の象徴である
ネガティブな存在が肯定され、彼は安らかに消えていく。

そしてここでも、肯定されるものは「時間」である。
それはあおいと共に生きることを選んだあかねにとっての時間であり、
物理的な時間とは異なる、一人一人によって「生きられた時間」である。
成長した今のあおいはその結晶、具現化だと言ってよい。
ここに込められた本作のメッセージを自分は以下のように読み取った。

時間とは残酷なものだが、それが救いをもたらす場合もある。
本作はその両面を描きつつ、後の一面を支持していることは言うまでもない。
過去の意味は一概に判断できるものでなく、時間をかけて明らかになる真実もある。
「生きられた時間」を持てなかったしんのが結果的には
周囲の人々が新たな一歩を踏み出すための契機となったように
人生に無意味な時間というものは実は存在しないのではないだろうか。
「無用の用」という奥深い逆説的真理を体現したしんのの存在の奥に、
魂というものの本質が潜んでいるように感じられるのは自分だけだろうか…。
{/netabare}

Ⅲ 魂への回帰
{netabare}
過去の自分、現在の自分、未来の自分。
それらを貫いているものとは一体何だろうか―?

私たちはそれぞれに自前の判断基準=「ものさし」を持っている。
いつかは消え去る多くの夢、偶然の事柄に左右される日々の生活。
それら曖昧で不確かなものに基づいて私たちは往々、自らの現実を評価していないだろうか。
だが、もっと確かな、定点となるべき固有の実体が存在するはずだ。
それがその人の「魂」と呼ばれるものなのではないか。
過酷な現実の中で魂と折り合いをつけながら進むこと。魂を保って生きること。
そのような魂の所在こそが人生の本質的な課題となるのではないか。

その尺度に照らした時、夢とか現実とかいう区分は解消されるだろう。
魂にとってはただ為すべきことだけがあり、その進行の経過が現実というものだからだ。
だから当然、挫折などというものもない。
慎之介があかねに語ったように、すべてはまだ実現の途上でしかない。

 俺さあ、俺、ちゃんと前に進んでんだと。
 けど、まだ全部途中なんだ。途中だったって思い出した。
 だから、あきらめたくねえんだ、俺も・・・。

「思い出した」という表現が特に意味深く感じられる。
それは単に、忘れていた初心に帰るといったこととは違うだろう。
停滞とは多分、虚像にとらわれて本当の現実を見失ってしまうことだ。だからこれは
見失われていた自分の魂との再会による、本当の自分の回復を言い表すものであって、
魂を尺度として生きる人生への転換を意味する言葉なのだ。

——そして、慎之介の時間が再び流れはじめる。傍らのあかねと共に。


魂への回帰——。

それは個々人の人生の転換点において生じる事態である一方で、
人間の生存の条件をめぐる根本問題としての広大な射程をも有している。
本作の主題も実は、その地平にまで及んでいるのではないだろうか。

封印からついに解き放たれたしんのがあおいを連れて、広大な空を駆け回る、
全編のクライマックスとなる「魂の解放」を描いた場面。
魂の自由な躍動をヴィジュアルに描き切ったこのシーンは決して
単なる派手な映像的見せ場などではなく、ここまでの省察を踏まえれば
その内包するメッセージ性に気づかされるのである。

しんの=魂に導かれて、初めてあおいは、この空の本当の青さを発見する。

 空、青いね。・・・
 出たい出たいって思ってたけど、こんなにきれいだったんだね。

自分が今生きている「場所」の再発見、そしてその肯定を表明する言葉である。
「魂への回帰」とは、人が真に根差すべき場所をあらためて確認することなのだ。
しんのに抱かれたあおいがまるで、あやされる赤ん坊のように描かれるシーンがあるが、
ここにもおそらく、それぞれの固有の風土に抱かれて育まれる
人間存在の本来の在り方への暗示が含まれていると自分は解釈する。

この空の青さが魂の宿りだからこそ、どこまでも高く高く、跳ぼうとする。
この場所が魂の故郷だからこそ、どこまでも遠く遠く、駆け巡ろうとする。
このシーンは秩父への、そしてすべての「魂の故郷」に捧げられたオマージュである、
そのように捉えていいのではないだろうか。

デラシネ=故郷喪失。かつてアクチュアルな思想課題として熱く論じられた
あのテーマが、今再びここに喚び起こされているのだろうか——。
アニメ史に残るであろう記念碑的な連作・秩父三部作を締めくくるものは、
魂の「根差し(enracinement)」をめぐる新たな思索の可能性への
いまだかすかな予感なのかも知れない。
{/netabare}

(エピローグ)
{netabare}
エンディングに織り込まれた趣向は、エピローグと呼ぶのが相応しいものだ。
あおいたちのその後の歩みが、何枚かの写真によって伝えられる。その中の、
華やいだ記念写真に混じって、部屋の中だけを写した異質な一枚が注意を引く。

おそらく、ひとり暮らしを始めたあおいの部屋の中なのだろう。
愛用のベースの隣にはあの「あかねスペシャル」が仲良く並べられている。
慎之介とあかねが結ばれた後も、魂のしんのはずっとあおいと共にいる・・・
あおいのエア彼氏として(笑)。どうやらそんな感じの結末のようだ。
{/netabare}

総評:(主に前二作との比較を、旧レビューから再掲。)
{netabare}
「あの花」「ここさけ」に見られた求心性と緊迫感は
物語の固有の磁場を形成する、オリジナルな原初の「事件」に由来する。
原罪とも呼び得るトラウマからの解放に向け、極限的な感情と言葉とがぶつかり合い、
それらが思春期の心の揺らぎと共振し、作品は独特の屈折と陰翳を帯びる。
そうした内発的な展開の契機が、今作ではいわば外部化されている。
両親の死亡によるあかねの東京行の断念は、一般的な人生の有為転変に属しており、
そこにはあの私小説風の、特異で尖鋭な端緒が見られなくなっている。

また、説明的な描写、外的要因に頼る展開などに、一種の省エネ志向が認められる。
例えば、慎之介とあかねが会場の裏手で偶然出会う重要なシーン。
ここは再会した二人の心の揺らぎをもっとじっくり描くべき所ではないか?
目撃したあおいが姉の知らない一面を再認識し、一方でしんのの消滅を恐れて
板挟みの苦悩を深めるという方向につなげるのは、確かに無駄がなく効率的だが、
その分、キャラクターの心情への共感的な没入が妨げられる。
予期せぬ偶発事の発生で急転直下、物語に決着がつく終盤も展開本位だ。
視聴者は作品の中に入り込むよりも、外から筋の流れを追っていく感じになり、
映画的な感興がそがれ、テレビドラマ風な平板な印象が残ってしまう結果になった。

発展と見なせるのは、過去に関わる葛藤の乗り越えを描くのに際して、
思春期の心の「成長」から、人生の「成熟」へと視野が拡大し、さらに
それを促す要件としての「魂」の存在が、暗示的に主題化された点だろうか。

視点を多重化した本作の試みは功罪両面で評価できそうだ。
複層化に対応した構成は、前二作よりも明らかに緊密になっているが、
それにもかかわらず、逆に弛緩したような印象を受けることは上記の通りであり、
作品としての感銘度では、前二作には及ばないというのが自分の結論である。

蛇足になるが「井の中の蛙~空の青さを知る」というこの格言を
「魂」の方向に徹底させた言葉があるので、引用しておきたい。
沖縄学の父と呼ばれる伊波普猷が座右の銘とした、ニーチェの言だそうである。
曰く、
   ― 汝の足元を掘れ。そこに泉はある。 {/netabare}


(初投稿 : 2021/06/01)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タイトルなし

かの高名な超平和バスターズということで長井龍雪監督作品。
岡田磨里は青春作品を作るの上手だなと思ってしまう。多感な思春期の感情描写とかね。
ただ、前の作品のほうが僕にはインパクトが強くて、爽快な感じは良いのだが少々あっさり系に感じた。見ていたときの年齢も関係ありそうだが。

最初は高校生の姉とその彼氏しんのと妹あおいとのやり取り。
あおいが当時の姉と同じ歳になったとき元彼であるしんのが当時の年齢で生霊として現れる。
若さ故の尖った感じや矛盾した気持ちとか10年以上の経過で性格が様変わりしてしまった大人の諸行無常な感じと見せかけて本質自体は全然変わっていない様子とか描かれている。
キャッチコピーの通り、これは、せつなくてふしぎな、二度目の初恋の物語。


ゴダイゴのガンダーラかあ。若者というかバンドマンはそれを求めてるということだろうか?東京をガンダーラに見立てているのかな。選曲理由知りたい。

井の中の蛙大海を知らずされど空の深さ(青さ)を知る
後になって「されど空の深さを知る」という続きが作られたらしい。狭い世界で一つのことを突き詰めたからこそ、世界の深いところまで知ることができたということらしい。ガンダーラじゃなくても幸せはある。
お姉さんは十分幸せなんです。

{netabare}最後は結婚してるんすね。幸せになって良かった。{/netabare}


主題歌
空の青さを知る人よ あいみょん
葵 あいみょん
売れっ子あいみょんを起用するとは中々。


wikiに凄まじいネタバレがあった。備忘録として載せておく。
{netabare}
高校二年生の相生あおいは、秩父市の山あいに31歳の姉のあかねと二人暮らし。二人の両親は13年前に交通事故でそろって他界した。当時高校三年生だったあかねは、同じ高校でバンドのギター担当だった金室慎之介と交際していたが、一緒に東京に出るという約束を断念して地元の市役所に就職し、あおいを育てる傍ら独身を貫いていた。あおいは高校を卒業したら東京に出て働きながらバンドをすると決めており、放課後は一人でベースの練習に明け暮れる日常だった。

相生姉妹の住む地区で大物演歌歌手の新渡戸団吉を呼んで音楽祭が開く話が持ち上がる。仕掛け人は、あかねと幼馴染で同じ市役所に務める中村正道。正道は慎之介のバンド仲間でドラム担当でもあった。離婚歴のある正道はあかねに気があり、あおいにもそれをほのめかしていた。正道は、別の部署にいるあかねを「ヘルプ」として音楽祭の要員に加えてしまう。

月曜日、あおいが近所のお堂でベースの練習をしていると、13年前のしんののような高校生が突然現れる。あおいは幼い頃、このお堂でしんののバンドの練習を姉と眺めた記憶があった。あおいが驚いて姉のいる自宅に帰ったところに正道が訪れ、姉妹は団吉の到着を歓迎する手伝いをさせられる。団吉は西武秩父駅前にステージトラックで歌いながら現れ、そのバックバンドでは31歳の慎之介がギターを弾いていた。先に帰宅したあおいは、正道の息子・正嗣とともに再度お堂に向かう。高校生は13年前、あかねに東京に行かないと言われてそのままお堂にとどまり目覚めたしんのだと話す。なぜかしんのはお堂から外に出ることができなかった。正嗣はこのしんのは慎之介の「生霊」ではないかという。今の状況をあおいから聞いたしんのは、あかねと今の慎之介がくっつけば生霊の自分は慎之介の中に戻るから、二人を一緒にしてやりたいとあおいに頼む。一方、慎之介は歓迎会で酔いつぶれ、あかねにホテルまで送られる。飲みなおそうと絡む慎之介をあかねはいなし、「がっかりさせないで」と言い残して帰宅した。

翌日、あおいが高校の図書室であかねや慎之介の卒業アルバムを見ると、あかねは「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」と寄せ書きに記していた。団吉のバックバンドではドラムとベースが火を通さずに食べた鹿肉が原因で食中毒に倒れ入院。あかねの提案で正道とあおいが代役を務めることになるが、慎之介は「遊びと一緒にされたくない」と不快感を示し、あおいは意地になり演奏を披露。周囲は好評だったが、慎之介だけは厳しい表情をする。

次の日、練習で正道とあおいの演奏に慎之介は容赦なく厳しい言葉を浴びせ、高校生の頃の優しい姿との違いにあおいは怒りを覚える。そこへキャバクラ嬢がバンドメンバーを誘いに訪れ、練習は解散。その模様をあおいが貸したスマホを通じてしんのは目にした。未来の「自分」の姿にしんのは憤るも、プロのギタリストになっていたことには素直に感動し、戻ってきたあおいを励まして練習に付き合った。

翌日、慎之介は素人と練習すると腕が鈍るという理由で練習に来なかった。夜、お堂であおいは、自分は卒業後に東京に出てバンドをやるとしんのに打ち明けた。自分の意志を継ぐ者がいたと喜ぶしんのに、あおいはあかねに自由に生きてもらいたいから自分が地元を離れるという邪な理由だと話す。それでもあおいをほめるしんのにあおいはデコピンをねだり、逃げるように自宅に戻った。

金曜日、同級生の大滝千佳が前夜慎之介と一緒にいたと知ったあおいは、帰宅したあかねに「一緒についていけば慎之介はクズにならなかった」「自分はあかねのようになりたくない」となじる言葉を投げつけ、正嗣の家に行ってしまう。正道に、あかねと結婚してもいいと話すあおいだったが、正道が団吉を呼んだ真意が慎之介をあかねに引き合わせるためだったと知って、大人は汚いと非難した。

土曜日、新渡戸団吉一座とあおいやあかね、千佳は音楽祭の準備のためにホールに集まる。千佳は慎之介は真面目で何もなかったとあおいに話す。ホールの裏で一人ギターを爪弾く慎之介のもとにあかねが現れ、慎之介の唯一のソロ曲をねだった。慎之介はいろんな声帯模写を織り交ぜて歌い、あかねは笑い転げる。その場面をあおいは遠くから目撃し、高校生の頃と同じだと気づく。慎之介がその場を去ったあと、あかねが一人静かに泣いているのをあおいは目にした。帰宅後、偶然あおいは、あかねが高校生の時自分の養育のための工夫をつづったノートを見つけ、涙をこぼした。あおいは雨の中お堂に向かい、しんのが好きだがあかねも同じくらい好きであることをしんのに打ち明けた。

翌日、ホールでのリハの前に団吉が肌身離さずつけているペンダントがないと言い出した。スマホの写真から割り出された紛失場所(トンネル)に、あかねは自分の車で探しに出かけた。しばらくして弱い地震があり、あかねの向かった方面で土砂崩れが起きたという知らせが入る。あかねのスマホが不通で不安に駆られたあおいはお堂へと足を向けた。お堂では先に来た慎之介が、しんのと対面していた。しんのはあかねを探しに行こうとしない慎之介を罵倒する言葉をぶつけ、自分と違って外に出たのだから将来お前になってもいいと思わせてくれと叫ぶ。しんのは見えない壁を押し始め、それを見たあおいも全力でしんのの手を引くと、しんのはお堂から外に出ることができた。しんのはあおいの手を引いて飛び跳ね、二人は空高く舞い上がり、あかねのいる場所に向かった。一方慎之介はタクシーであかねのいる場所をめざし、通行止めの場所からは歩いて現場のトンネルに駆け付ける。トンネルの入口は土砂崩れで埋まり、あおいが先に来ていた。

そのころ、トンネルの中でペンダントを見つけたあかねは、反対の入口にいたしんのに出会う。しんのは、あおいという妹を大切にできるあかねを好きになれてよかったと話す。しんのはあかねを救出してあおいと慎之介に合流した。あおいは「3人で行って」とあかねの車に乗らなかった。しんのが眠る車中で、慎之介はあかねへの思いを口にし、あかねがそれに応じると、しんのは姿を消した。一人残ったあおいは田舎道を走り、急に立ち止まって涙をこぼしてから「あー、空、クッソ青い」とつぶやくのだった。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

柳の下のどじょう狙い丸出し。「空の青さ」が描けてない。

 正直いって題名と連動したテーマ性が見えない話でした。

「空の青さを知る」は「井の中の蛙大海を知らず」につながるフレーズです。盆地を強調していましたので、秩父盆地の田舎の暮らしの閉塞感を表していることだと思います。その中でどんな「空の青さ」つまり「深さ」を知るのかというのが題名から読み取れるテーマです。

「スーパーカブ」の準ヒロインのレイと同じマインドだし「進撃の巨人」のマインドにも通じます。そこは良いでしょう。現代日本のアナロジーにもなるし、秩父という土地の特徴でもあります。

「ガンダーラ」という古の曲が使われましたが、この曲の歌詞を確認すると、夢がかなうと言われれている土地で、それは到達不可能なほどはるかな土地という意味にとれます。つまり夢がかなう土地は幻で、何のために生きるかが重要ということだと思います。

 でまあ、そこまでは分かりますが、ツナマヨと昆布のアナロジーはかなり分かりやすく慎之介とあおいの対比という感じで描かれていました。そうなると、肝心の空の青さを知る人=あかねのやりたい事は子育てだということ?
 ですが、親が死ぬ前から昆布しか握らなかったと思いますので、それでは矛盾があります。妹が好きすぎる?が理由なら作品として「空の青さ」の意味不明です。新しいものと古いものの対比とも取れますが、ツナマヨが新しい?都会?のアナロジーはさすがに無理があります。

 演歌歌手を出してきたので、その新旧という点で何か言いたい事があるのかもしれませんが、読み取れません。そもそもあの大御所キャラが全く役に立っていません。

 となると「空の青さ」の深さ=子育てとなります。これは良く分かりません。東京では駄目なんでしょうか?途中あかねはここ=秩父でやりたい事があるようなセリフを言いましたが、それが子育てということ?だとすれば慎之介への愛情がかなり浅くないでしょうか。ミュージシャンとして独り立ちしたこともあかねは知っていなすたし。
 地元の市役所の町おこしの仕事の手伝いも結構イヤイヤでしたよね?あかねって、地元愛が深いように見えないんですよね。

 しかも、ラスト…EDの様子を見ると結局あかねに秩父の地で成し遂げたい何かがあるのかわかりません。慎之介が夢をかなえて迎えにくるのを待っていた、では成立しない気がします。
 それは「空の青さを知る人」という言葉と合っていないからです。要するに苦労してあかねを育てた、立派だねという話にしか見えないです。

「すずめの戸締り」を見た人はわかると思いますが、その数歩先まで描けていた環さんと比較すると何とも言えない綺麗ごとの気がします。

 で肝心の慎之介の幽霊ですけど、彼は何のために出てきたかイマイチはっきりしません。残留思念なんでしょうけど…そして、あかねとの恋愛は何がしたかったんでしょう?

 あのビッチっぽい子とやったやらないの辺りも良く分かりませんでした。あのやったかどうかがこのビッチキャラを配した理由?あかねは襲って、あの子には手を出さないということでピュア性を言っていた?うーん。31歳のミュージシャンが?それにそもそも秩父に戻ってきたのも偶然だしなあ。

 そう…キャラの背景が薄いんでしょうよね。どうしてそういう行動をしたのか、というキャラの作り込みが薄いです。緻密さが感じられません。

 それとアニメですが、ご当地ものですから写真をそのままアニメ化したい気持ちはわかりますが、だったら実写でやればいいじゃん、と思います。人物が浮いてしまい、画面がメタ視点になってしまいます。アニメ作品なんだから人物ありきじゃないと駄目でしょう。

 あと肝心な「空の青さを知る人よ」の歌詞内容ですけど、歌詞を何度確認しても映画のテーマ性と重なってきません。あおい=青、あかね=赤で、歌詞と重なるかどうか何度もチェックしましたが、分かりません。
 映画の内容を理解して作った曲ではないでしょう?それがメインテーマで使われているので、非常にノイジーです。これは音楽をモチーフにした作品なのに最悪でしょう。

 全体的に話の構造は分かりやすいし、エモい話に仕立ててますが、夢、生き方、恋愛、秩父という閉塞した土地で暮らすということ…つまり「空の青さ」のどれもが全く描けていなかったと思います。

 私にはまったく評価できない映画でした。柳の下のどじょうはやはり作品の質を低下させると思います。作家性として描きたい内容、連作全体で何かが見えてくるような構想がないシリーズ化はやめた方がいいでしょう。


追記)今回、これが本当に「あの花」と同じスタッフが作ったのか?という出来だったので、自分の見落としがないか皆さんのレビューを少し多目にじっくり読ませていただきました。

 皆さん、点数も高いし、コメントもいいコメントが多いですが、気が付くのは、泣けなかった、後もう少しこうしていれば、あそこがなあ、キャラが余計だった、みたいなコメントがかなりの頻度でありました。

 まあ、私は悪いところ中心に拾ってしまって過小評価なのかもしれませんが、微妙で中途半端な印象がある映画なのは確かな気がします。



再追記)例えば、慎之介にとっても、あおいにとっても、井戸とは「東京に出てやりたい音楽をやる」という意味だとしたら、どうかなあとも考えます。つまり視野が狭い=井戸ということです。そうなるとあおいのキャラと成人した慎之介のキャラが頑ななことは説明が付きます。目の中の星の設定も、目が同じ特徴がある=同じ見方・同じ視点を持っているとも読めます。

 どこでやっても音楽は音楽で、夢を追うのは理想の環境・外形だけじゃない、とも解釈はできます。そうなれば演歌のバックバンドである意味は理解できます。
 残留思念の慎之介が「閉じ込められる」状態から、青い空を飛ぶところにカタルシスがあるとは思います。思いますけど、それが「空の青さ」を知るということ?

 どうでしょう?行間を解釈すれば整合性は取れてきますが…強引な気がします。映画を見ているときには、キャラが上滑してここまで到達できませんでしたし、それだと、肝心な「閉鎖した環境で自分を知る=自分の理解」という部分があおいにも慎之介にも見えてきません。

 なんとなくですが、テーマ性というか題名に引っ張られて脚本がよれている気がします。といいますか、キャラの不自然さとか、感動の薄さがやっぱり気になります。

 少し深掘りすると評価点が低い気がしなくもないですが、今のところ第一印象通りの点にしておきます。気分の問題かもしれないので機会があれば再評価するかもしれません。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

64.3 5 東京で神社なアニメランキング5位
真夜中のオカルト公務員(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (202)
670人が棚に入れました
フツーの公務員になったはずの新宿区役所職員・宮古新が配属されたのは、東京23区すべての区役所に人知れず存在する「夜間地域交流課」だった。そのお仕事は、人ならざる者が関与するオカルト的事象の解決。先輩で課のリーダー榊京一、オカルトマニア姫塚セオに連れられて人の世の理を超越した存在と対峙しに、夜な夜な出勤する。

声優・キャラクター
福山潤、前野智昭、入野自由、遊佐浩二、櫻井孝宏、土岐隼一
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

レッツ!異種間コミュニケーション(笑)

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
妖怪、精霊、神々、などを「アナザー」と呼称し、彼らの起こすオカルトな事案を専門に処理する公務員達の物語。

男ばっかり出てきますが、特にBLってことはないし、安心安全の当たり障りのない作風。、、、だって、公務員ですから(笑)

これといって際立った良さはないのですが、なんとなく、普通に最後まで観られるアニメでしたね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
扱うテーマは、「価値観」。

それぞれの種族にはそれぞれの価値観があり、他種族(人間)には理解できないものだったりする。

そこで、アナザーと言語によるコミュニケーションをとることができる唯一の存在、宮古新 を中心に物語は動いていくのだが、、、

う~ん、飛び抜けた良さがない。

これはしょうがないけど、「アナザーならではの価値観や発想」も、所詮、「サイコパスではない普通に善良人間(作者)」が考えたものだから、視聴者にも納得できる枠内に収まってしまった。理想を言えば、「そんなん思い付きもしませんがな」という、予想のナナメ上をいくような「意味のわからなさ」が欲しかった(そういう意味では、宇宙人との交流を描いた冨樫さんのギャグ漫画「レベルE」は凄い)。

強いて、上記のような「異種間」ならでは軋轢がしっかり描けていたのは、7話のアザゼルに復活させられた少女の苦しみ、叫びくらいかな。あれは聞いてて胸が痛くなった(心に残った)。

キャラクターとしては、やはりウェウェコヨトルがよくできていただろうか。つかみどころのないフワフワしたキャラクターだが、だからこそ、一番の「異種」を感じさせてくれた。8話のお散歩回は、妙なコメディタッチながらも、美しく切ない話。なかなか素敵だった。

ラスト12話に、1話完結の「良い話」をもってくるのは、作品に対する制作の愛情を感じた。ヘタに2期に含みを持たせるよりも、よほどスッキリする。

あぁ、あと、東京各所の風景がわりとちゃんと描かれていたし、新国立競技場が使われたのは、なんだか感慨深かった。リアルタイムで良いなと思った。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
普通は、あのスプレーがヤバい薬品で、幻覚を視ていると思うよな(笑) いや、わりと面白い。新人、神の耳(笑) 超エースになれるじゃん。アナザーと言語コミュニケーションをとれる奴が一人いれば、文字を教えて、種族間のコミュニケーションがとれるだろ。

2話目 ☆3
なんかちゃんとストーリーアニメになってきたな。

3話目 ☆3
妖怪の怖さ。愉快犯。思い、、、出した(笑) 神様か。

4話目 ☆3
神様と酒盛り。ハイエナ、渋い。

5話目 ☆2
言語が理解できても、文化や思考を理解できるとは限らないしね。パンドーラーとは、これまたメジャーどころを。

6話目 ☆2
ストーリーに戻ったね。人間は、圧倒的弱者、なのかな?


7話目 ☆4
なんか、ありがちな動機に、がっかり。もっと、発想の外側の動機が良かったな。なんて迫力のない、逃走劇(苦笑)

ただ、復活を喜ばない、少女の、泣き叫び。あれは良かったな。人間として、何が幸せなのか、アナザーとの価値観の違いが出ていた。

ラストは、まあ平和だけど、目が見えないままにしておくというのも、展開としてはアリだったかな。

8話目 ☆4
後楽園から上野、そして、浅草、押上。歩いて歩けない距離じゃないけど、かなりキツいな(笑)

妙なコメディタッチながらも、美しく切ない話。なかなか素敵な回だった。

9話目 ☆3
踏み潰して、一閃。人間の方が、複雑怪奇。

10話目 ☆3
新国立競技場、ある設定なんだね。繭を作るアナザー。アナザーと神の境目は、格なのか?

11話目 ☆3
アナザーと人間の協力、は分かるし、アナザーの支援は嬉しいけど、アナザーの能力はほぼ使わず、人海戦術、か。

12話目 ☆3
ラストに、ちょっと平和な話をもってくるのは、作品に対する制作の愛情を感じる。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

妖怪、精霊、神々といった超常的存在との平穏を図りながら、都内でのオカルト事件に対応する夜間公務員の物語。

この作品の原作は未読です。
事前情報一切無しで視聴を始めて、気が付いてみたら完走していた…私にとってそんな作品でした。


フツーの公務員になったはずの
新宿区役所職員・宮古新が配属されたのは、
東京23区すべての区役所に人知れず存在する
「夜間地域交流課」だった。

そのお仕事は、
人ならざる者が関与するオカルト的事象の解決。

先輩で課のリーダー榊京一、
オカルトマニア姫塚セオに連れられて
人の世の理を超越した存在と対峙しに、
夜な夜な出勤する。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
公務員の中でもオカルト的な相手との接触を生業とするのは、普通に考えると物凄くリスキーです。
同じ給料しか貰えないのなら絶対配属されたくない部署だと思いますが、新が配属されたのはある意味必然でした。

それは、新たにしかない…かどうかは分かりませんが、少なくてもこれまで登場したキャラの中では新だけが「砂の耳」を持っていたから…
妖怪、精霊、神々、これら一般の人間には感知されない超常的存在を、この作品では「アナザー」と呼んでいるのですが、砂の耳の持ち主はアナザーと対話することができるんです。

アナザーが何を言っているかを理解することができ、アナザーにこちらの意思を伝達することができる…
確かに凄い特殊スキルだと思います。
でも、見方を変えて考えると、アナザーが何を言っているかが全く分からない状態で、これまで超常的存在と対峙してきたことの方が遥かに凄いと思います。
下手したら、相手を怒らせてしまうかもしれない…
そうなったら、相手がどんな手を打ってくるのやら…底が知れません。

何故、新が砂の耳を持っていたかは、彼の出生に秘密があるようなのですが、結局のところ、この件については真相に辿り着きませんでした。
そこは完走しても少しモヤっと感が残るかもしれません。

だから…なんでしょうね。
アナザーに近づきすぎるな…と新が先輩たちから警告を受ける場面を何度も見ました。
そりゃそうです…アナザーと呼ぶ位、人間とは在り方から異なっているのですから…

彼らと対話する以上、ある程度寄り添う必要があります。
それは先輩たちからすると、十分過ぎるくらい危険領域に踏み込んだ行為…
でも対話が、解決に向けた一番の近道ですから…

慎重さを無くして良い訳じゃありません。
新の加入をきっかけに、仕事の仕方が変わりました。
例えば人間とアナザーで酒盛りするとか…

お互いの意思疎通が図れなければ、絶対実現できないことです。
人間とアナザーは共生していかなければいけない間柄である以上、交流は欠かせません。

もちろん、新の仕事のやり方を否定する同業者も存在します。
誰もが砂の耳を持っている訳じゃない…
持たざる者には勝てない…?
特にエリートなら真っ向から否定するでしょう。
じゃないと、これまで積み上げてきた自信を、きっと失ってしまうから…

だれもが能力者ではないんです。
選ばれなかった者は、自らに努力を課すことしかできませんから…
私も選ばれなかった側なので、否定する人間の気持ちは良く分かります。
この作品がスルっと完走できたのは、そんな視聴者に寄り添う視点で物語が描かれているからかもしれません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、福山潤さんの「dis-communicate」
エンディングテーマは、土岐隼一さんの「約束のOverture」

1クール全12話の物語でした。
物語は綺麗に纏まっていたのではないでしょうか。
作画も特に崩れや乱れは感じませんでした。
設定も良かったからでしょう…しっかり堪能させて貰った作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

『発想』は良かった。でもあまりにも『不完全で不十分で不器用』!

2019.07.01
主人公・宮古新(みやこ あらた)22歳。
東京都の公務員採用試験に受かり配属されたのは「新宿区役所夜間地域交流課」。ここは都内の闇に存在するアナザー(妖怪・心霊・神々などのオカルト案件)を監視・調査・被害が発生すれば対処する部署。人間とアナザー、お互いに深く干渉して(傷害)事件性を起こさないように対処するのが目的。
しかし会話や意思疎通が双方ともまったく出来ないので「行動」で推測するのがかなりの難点。そんな折、新人・新は「砂の耳」と言われるアナザーの「声や会話が聞こえる・理解できる」能力に開眼。こうして新は闇世界に関わっていくのだが・・・

【簡易感想と若干の指摘(?)】
●国家事業(?)としての灰色なオカルト対策部署という設定は面白いと思います。惜しむらくは、もっと組織ゆえの複雑すぎてダメなトコロが見たかった。

●人の都合とアナザーの都合。双方思惑が食い違うテーマはイイですね。実際、野猿や野生のシカ等がが里山の畑や民家に入って食い散らかす被害が出ても、人間様の社会生活事情なんて知った事じゃないから食料があれば本能的に漁るのが当たり前でしょうし・・・そこでどのように共存するかが悩みどころ。そういう着眼点は良かった。


しかし!

●アナザーのデザインは、やはり「(創造が)出来ない人」特有の「人間素体」が基準になっているようで『奇抜』さが無かったのが残念。 むしろ、それぞれの「縁や関係性重視」でストーリーを組み立てる主義なのかもしれませんね。

●宮古新が『(砂の耳を)持ってる』のに「ボンクラ」過ぎるのが見ていて腹立たしくもあり、不愉快でもありました。見事に「平和ボケ日本」で育った青年です。(笑)
公務員としての仕事はそつなくこなすものの、配属されたオカルト専門の部署にも関わらず、
・オカルトに関する「造詣・知識無し」。
・オカルトに関する「興味(あまり)無し」。
・なので、すすんでオカルト知識を学ぶ「意欲無」し。
・平和ボケしてるのでアナザーの危険性に対して悲しい程「無警戒(スキだらけ)」。
・「砂の耳」という常人がうらやむ能力が有りながらも「自覚無し」。(凄腕ネゴシエーター=交渉人になりうる素質がありながも凡庸すぎ)
『才能』があるにもかかわらず、まったく伸ばそうとしない「ボンクラ」ぶりに苛々苛々苛々苛々苛々苛々苛々・・・・・・・。
・安倍晴明と縁があると知っても、まったく「自覚無し」。(え?誰ソレ?偉い人?)
など、なんかポヤ~~ンとしすぎ。
良い面としては、
・基本優しい善人
・対話解決主義
なんだけど・・・・・アクティブさが無い分、なんか観ていて苛々させられました。(表情も固かったしネ)

●自由本舗なウェウェコヨトル=琥珀。性別は無いだろうけど、女性のようにしなやかな肢体で優男声。相手をまったく気遣わない自分主義。その結果周りを混乱・争乱させるトリックスター。う~~ん、何か気持ち悪かったです。(笑)


そんなわけで、「オカルト面」に関しては、何かと「ニワカ知識」で浅く、面白味がいまひとつ。
ストーリー・ドラマに関しては、もう3~5工夫すれば面白くなるように思えました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

72.8 6 東京で神社なアニメランキング6位
ささみさん@がんばらない(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (1335)
6833人が棚に入れました
引きこもりの「ささみさん」と奴隷体質の「お兄ちゃん」のささやかな生活に降りかかる、八百万の神々による怪奇現象。
そして、個性あふれる「邪神三姉妹」とのありえないラブコメ。
そんな日常系として描かれる非日常の物語。

声優・キャラクター
阿澄佳奈、斎藤千和、花澤香菜、野中藍、大塚芳忠、沼倉愛美、日高里菜
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

がんばらないで見るのが調度良い、シャフト演出が光る作品

2013年1月より放送
全12話。


【前置き】

「物語シリーズ」「まどか☆マギカ」等で有名なシャフト制作。
放送当時も見ておりましたが、ふともう一度この独特の世界観に触れたくなりDVDで視聴しました。

シャフト制作アニメは毎作DVD版で、「そこまでこだわらなくて良いでしょ!」って思う程の異常な量の作画修正をしてくれるので、2度見するのもまた楽しいですしね。



【あらすじ】

主人公、『月読 鎖々美(つくよみ ささみ)』通称「ささみさん」は、ヒキコモリです。
着替えるのも、食事をするのも、とにかく「がんばらない」。
その生活の面倒を見るのは、異常なまでの奴隷体質の「お兄ちゃん」唯一人。

そんな彼女は、実は神霊「最高神のちから」をその身に封じた『月読の巫女』であり、これまでの環境や辛く非人道的な修練の日々から、遂に逃げ出して来ていたのでした…。

この兄妹と、難癖もある『邪神(やがみ)三姉妹』を中心に、八百万(やおよろず)の神々による怪奇現象が、面白おかしく時に残酷に…彼女の身に起こっていきます…。


【論じてみる】
{netabare}
本作は、シャフト制作作品の中では今一つの知名度ですね。
しかし、その独特の雰囲気や演出は、まさにシャフトらしさに溢れています。
前知識が無くても、これ「物語シリーズ」っぽいっと思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。

キャラクターも皆可愛らしく描かれ、それを彩る作画に関してもシャフトの中でもかなりのクオリティ。
ささみさんの部屋でのみ入る、シャボン玉越しに画面を眺めているような淡い七色タッチの演出も、とても独創的でしたしね。
本編が終わったかと思えば、エンディングでは毎回キャラクター達のガヤが激しかったり、次回予告でも趣向を凝らしたヒキコモリ小ネタが色々と用意されたり…。

こういう、普通ならただ仕上げるだけで終わるところに
「もう一癖入れてやろう!」
という製作者の心意気を感じたのが、私が本作をもう一度見たくなった理由だったのかもしれません。

ただ…、肝心のシナリオに関しては、改めて観直してもイマイチでしたね。
原作が完結していないこともあり、全12話で全容が全く描ききれていない…、もとい描き切ろうとする感じすらなかった点が、何よりの残念要素だと私は思います。



冒頭は、まさに謎だらけのキャラクター達の理解不能な展開が続き、置いてけぼりをくらいます。
(この時点で、既に初見の人は視聴をやめかねないかもしれませんね…。)

世界観の説明は、第3話での「ささみレポート」。
ここでやっと、この「日本神話」を主軸にした世界観と、人物設定が明かされていきます。
ささみさんが、これまで色々な柵に縛られていた自分を断ち切る為に、あえて今は「がんばらない」ことにしていることが垣間見えてきましたね。

ただ「最高神のちから」と一言で言われても、意味不明な人も多かったかと思います。
とても分かり易く言えば「涼宮ハルヒ」に近いチカラを、ささみさんも持っていると思えば大きな差異もないかと…。
ただ、ささみさんはハルヒと違い、その自身のチカラを理解し、コントロールしようとしているのですが…。



さて、どこかファンシーな ささみさんの雰囲気とは違い、描かれるのは日本神話を元とした八百万の神々達。
これを、シリアスに見たらいいいのか、気楽に見たらいいのか…。

それこそ、タイトル通りの「がんばらない」。
世界観や台詞を覚えて、シナリオを熟知しようというよりは、基本的に演出や小ネタを見て気楽に楽しむが一番の作品のように私は思いました。
そうして身構えていないからこそ、世界観がガラリと変わった時も余計に楽しめるかと思いますしね。

何より、キャラクターがそれぞれ可愛いので、そう楽しむのが一番です。
変に萌えに走りすぎていないキャラクターデザインも、個人的には好みでしたし。


ささみさんは、阿澄佳奈さんの声が非常にマッチしていて、気怠さと頑張らなさ加減が光っていましたね。
「邪神三姉妹」も、でっかいロリから、ロリババァに加え、メカ女子高生と、バラエティーに富んでますし。
この姉妹に関しては人によって好みが大きく分かれるので、論争の火種にもなりそうですが…(笑)

ちなみに私は断然、次女のメカ女子高生『邪神 かがみ』派でした。
ちびまる子ちゃんのような黒髪ショートの髪型は勿論のこと、特徴的な「~のです」の喋り方や、時に挟む暴言、さりげないオヤジギャグ等々。
そしてそして、毎度眠たがる際の彼女の

『ふにゃぁ~~♪』

に、私はもぅイッチイチと悶え苦しんでおりました。
(この苦しみには、恍惚がブレンドされています。)

声を演じられているのは大人気声優の「花澤香菜さん」。
私としては、彼女が演じた数多くキャラの中でも、このかがみが個人的にかなり上位に食い込む程大好きなのです。
「千石撫子」「黒猫」「結城美柑」「天使ちゃんマジ天使」と、少し上げるだけでも名立たる超有名キャラが揃い踏みですが、それでも決して負けてはいません。
不器用ながら、とても友達思いの良い子ですしね。

いやまぁ、後の姉妹も良いんですけどね。
ロリにロリですし(*´Д`)ハァハァ



さて、物語としては中盤の、ささみさんとお母さんとの回が最高潮でした。
ここに関しては、本作をアニメ化にまで押し上げる人気となっただけの良エピソードだったと思います。
あのお母さんの、頑なな姿勢とその反面の内にあるデレっぷりは、とっても可愛かったですしね。
(しかしまぁ「働きたくない」「がんばりたくない」に加え「死にたい」を連呼するお父さんといい、ささみさん一家のキャラは濃すぎますね…。)

ただ、以降のエピソード「悪徳オカルト結社『アラハバキ』との一戦に関しては、かなり投げっぱなしで終わっている感が強く、多くが謎のまま先の展開を暗示せず物語が終わります。
この点が、本作最大の短所と言えるでしょう。
シャフト制作では、原作シナリオを忠実に再現することが多く、このように話が途中で終わるケースが多少ありますが、「化物語」などはそれでも物語の区切りはしっかりしておりました。

今現在の話題性を顧みて、まず2期がないことを考えると、本作は結局ただの原作販促アニメでしかなくなってしまい、非常に残念です。
決して内容が悪くないだけに…、余計にそう思います。
{/netabare}



【変態お兄ちゃん、月読 神臣(つくよみ かみおみ)】
{netabare}
さて、前述でも述べた通り本作は、ささみさんや邪神三姉妹が、可愛く個性的なキャラ立ちを見せるのですが……。
私的には、この奴隷体質の「ささみさんのお兄ちゃん」の強烈なキャラ立ちに、全部食われてしまったのでは…とすら感じましたね。

作中一切顔を見せないその風貌だけでも、既にかなり異質に見えるのは当然として…。
(この顔を見せない演出も見所!)
その行動や言動は、全て妹のささみさんへの溺愛に満ちており、


『お兄ちゃんはいつでも、ささみさんの側にいますよ~。

 お兄ちゃんを1人見かけたら、30人はいるものと思って下さ~い。』


なんてゴキブリ染みた変態発言は、最早日常茶飯事。

彼女への奴隷的な振る舞いも非常に板についており、回転寿司での一コマでは会話の合間にある

「あっ、次サーモン」「シャリ半分にして」「ワサビ嫌い」「シャリにお醤油付けたら殺す」「フーフーして」

という、ささみさんのワガママ要望に全て迅速に対応したりと…、気持ち悪い反面なんだか私もこんなお兄ちゃんが欲しくなっちゃいました。
…いやまぁ、その後すぐ全裸になって、

「僕を…、僕を食べて下さ~~~~~い!!!」

と言って、回転台から流れてくるような人なんですけどね……。
まぁ一応ちゃんと、お寿司を乳首に乗せてはいたようですけど。(←なんのフォローだ!)


ただ、基本的にゴキブリのような扱われ方をされているワケですが、その実ささみさんも

「お兄ちゃんが変態だったから、私は落ち込んでいる暇もなくって…。

 ……おかげで救われた。」

と言っているシーンもしっかり描かれているのが、また良いんですよね。
にくい兄貴ですね、こういうキャラクターはホント大好きです。


声優「大塚芳忠さん」(ワンピースの「Z」や、NARUTOの「自来也」等を担当されています)の起用は、「お兄ちゃん」というにはいささか高齢の声に思えましたが、それを補って余りある演技力に脱帽しました。
あの低い声での剽軽な言動の数々は、非常に耳に心地良かったです。

彼のその異質さの起因は結局、作中で明らかになることはありませんでしたが…、そのミステリアスさも含めて作中でもダントツのインパクトでした。
お母さんから「哀れな存在」と呼ばれていた彼ですが、その言葉にはこの個性以上の何かが、きっとあるのでしょうね…。
{/netabare}



【総評】

やはりアニメ単体として見る限り、説明不足で尾を引く展開のまま終わっていることは大きなマイナス。
あえて説明していない点があるにしても、それが人気に繋がらなければ商業作品としては失敗と言っていいでしょう
そういう点からも、人には自信を持ってオススメは出来ない作品です。

ですが中盤までの展開は、日常とシリアスを上手く表裏させた作りで、高クオリティの作画で彩られる可愛いキャラクターと、その演出や多くの小ネタも含めて、個人的には大いに楽しませてもらいました。
オープニングの「Alteration」(ZAQ)も、とても好みでしたしね。


しかし、やはりなんといっても…、ささみさんのお兄ちゃん。

『婚姻届は既に、ささみさんの名前を書くだけのものを用意してありますからね!

 法律だけが、僕らの敵ですねぇっ!!!』

なんて異常な台詞を繰り返す、この上なく残念なキャラクターを愛でる、そんな作品でした。
視聴の際は、是非がんばらないで♪


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『月読 神臣(お兄ちゃん)』 声 - 大塚芳忠さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『邪神 かがみ』 声 - 花澤香菜さん



以下、私がもし「お兄ちゃん」になったら……。
(※どーでもいい話なので〆ますね。)
{netabare}

ちなみに私も、ささみさんのような可愛い妹がいたら、

きっと本作のお兄ちゃんみたく、この上無い愛情を行動で示そうと躍起立つのではないかと思います。


ともすれば当然、私も彼と同じように、妹に美味しく食べられたいという気持ちから、

回転寿司で、妹の眼前に全裸で流れてしまうのでしょうね。


あぁ一応、ネタとしては「おいなりさん」となります。


どうでしょう…。

こんなお兄ちゃんで良かったら………。。。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41
ネタバレ

泉 時雨@ゆーたくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

予想以上にファンタジー

予想以上に面白かったです。

私の考察的にはラブコメハーレムものかと思っていましたが、
けっこうファンタジーものじゃないですか。
世界観があり表現の仕方や背景が独特というか。。

なんでも、ほかの方のレビューを読むとアニメ制作をしているシャフトというのはすごいところらしいですね!
私はシャフトの作品はあまり見てないので、初めて知りましたよ^^;
興味深い会社になりそうですw

また、opもとってもかっこよくてお気に入りの曲の一つです!
edはとっても笑えますねw

兄役の大塚さんは50代なので、そんな大御所が
「ささみさーん」を言っている姿を想像すると恥ずかしさと笑いが出てきます^^


~12話~(最終回)
{netabare}よかったね、仲直りできて。
友達というのは裏切られる時もある、喧嘩するときもある。
だけど、そういうことを繰り返して仲直りして、
どんどん仲が深まっていくんだよね^^

少し微笑ましかったです。

でも、逃げちゃえばいいんだよってそ、それはうーん・・
確かに頑張りすぎちゃうのはダメだけど、頑張らなきゃいけない時もあるような・・?
少しその言葉が意味深で深くて印象的でしたね。

ファンタジックな友情&家族愛な物語でした!{/netabare}


~11話~
{netabare}あんなに友情って深いものですっけ?
確かに、仲いい子が別の子と仲良くしたら嫉妬するかもだけど、
あんなにゆりゆりしいですっけ?w

このアニメは裸シーンが多くて、ゆりゆりしいですねー。

とにかく、友情パワーを見せつけられて
羨ましいし悔しいです。

また、最後のシーン気になりました。
つるぎってもしかしてお兄ちゃんのこと・・!?

次回が気になります^^{/netabare}


~10話~
{netabare}つるぎって私と似てるなぁ。
勇者っぽくていいやつなのは私と違うけど、
変態なところが私と同じ。

デュフフいってよだれ垂らすなんて私と同一人物としか思えませんね。

ということで少しニヤニヤ笑うことができた回でした。

あと、最後の愛媛みかんのダンボール!
やっぱりみかんは愛媛ですよね~。

和歌山という人もいるけど、質や種類の多さは愛媛の方が多いと思うし、
昔からのみかんという歴史があるのですから。
量だけで勝った気になるのはよくないですよ。

愛媛の温州みかん美味しいのでぜひ食べてね!

・・・話逸れましたね。{/netabare}


~9話~
{netabare}ちょっと急展開過ぎてついていけませんでした。

まとめると、
ささみさんは過去を後悔していたので、
つるぎとねの国から戻ったお母さんと過去へ行くことになって、
誤解なども解け過去に後悔はなくなりました。

そして、無事現実に戻ったらまた新キャラ登場で波乱の予感。

これぐらいのだいたいな感じはわかりました。

また、疑問点がひとつあって
現実に戻ってきた時にお母さんも一緒にいましたよね?
ということはこれからもお母さんは一緒ということなんでしょうか?

生き返ったんでしょうか?

次回にはわかるといいですね・・{/netabare}


~8話~
{netabare}ささみさんが太ったのを解決するため過去へ行くことに。

だけど、覚えがないようなことが起きて、
あの怪物が言うにはどうやらここは過去ではないようで。。

「あなた、過去を変えたくない?」
この一言、ささみさんはきっと母親のことで過去に悔いがあったはず。
次回もまた波乱の予感ですね。{/netabare}


~7話~
{netabare}こういう展開になっちゃいましたか・・
私としては、お母さんが悲しい展開になるのは少し辛いね。

だけど、ささみさんも一緒だよね。
大好きなお母さんだったよね。。一緒にクレーンゲームして楽しかったよね。。

ささみさんが泣いてる姿を見ていると私も釣られて涙が出てました。

ひどいことをしたけど、ささみさんにとってはずっと大切で大好きだったお母さんだったと思います^^

今回感動してましたが、少しツッコミどころがありました。

え、愛媛みかんのダンボール!びっくりで嬉しかったです!

あと、最後の頑張らないランキングにすごく共感しました。
アームやインクのないボールペンも頷いてしまったし、
なんといっても予告頑張ってないよね、うん。{/netabare}


~6話~
{netabare}どっちもどっちってやつだね。

確かにささみさんは子供で自由にするのが最も。

だけど、ささみさんの気持ちや行動によって世界を変えるのは事実。
人類は大事だから、修行をしないといけないのかもしれない。

ささみさんのお母さんはそんなに悪い人には見えないけれども・・
これからどうなるんでしょうか?{/netabare}


~5話~
{netabare}あれ・・ささみさん、こんなキャラでしたっけ?w
兄にはあんなにツンなのに、
かがみには百合と間違えるほどデレデレしてるよ?

かがみと話してる時のささみさん、兄ぐらいデレてるもの。
(これささみさんに言ったら殴られそうだな)

人によって態度が変わる子みたいですね。

友達はいいなっと改めて思いながら羨ましく(少し妬ましく)なるお話でした。

・・しかし、ささみさん本気になれば歌上手いなぁ。
見直したぜ!w{/netabare}


~4話~
{netabare}兄。。それ映画泥棒。。ツッコミ入れたくなりました。
あと、ささみさんはけっこう大人のとこ行けるほど、普通に変態かと思ってましたが、
純情な乙女のようです。

少し今回は1話と同じくらい??のまま終わった感がありました。
「あの宇宙人は一体なんなんだろう・・姿1回も見てない・・、急展開だな・・」
ですね。

ものすごく、ファンタジー詰め込んでて、こういうものは初めて見るので
理解しがたいところがあります^^;

これからも、戦いとかありそうですね。{/netabare}


~3話~
{netabare}二話に続き、さらに謎が解けました。

兄は力を持っているわけではないんですね。
ささみさんが兄に幸せになって欲しいという願いを持っていたから、神々が兄の願いを叶えていたと。
まんまと私も勘違いしてましたw

そして、ささみさんとそのの周りの人達の過去のお話も聞けてよかったです。

ささみさんは、十分頑張っていましたよね。
何度も外に出ようとして兄を連れ戻そうととして・・
頑張ってるじゃないですか!
これからは、もっともっと頑張ることができそうです。

少しでも私と同じと思った自分。。^^;{/netabare}


~2話~
{netabare}最初のシーンで1話の謎溶けましたね。

不思議な現象(怪変)が起きるのはお兄ちゃんが願ったことを叶える(神がご機嫌を取ろうとして)ためだった。
で、能力者の邪神3姉妹が世界を元通りにしていると。

なるほどなるほどですねw

ちなみに、私もささみさんと同じでpcをよくするので
お菓子を食べた手で触ったり食べ物をこぼすのはしてほしくないかもですねw

そんなこんなだから、ささみさんとかなり共感するみたいです^^;
これからも。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

12話鑑賞後。第1稿。間隔開いてしまいましたので総評のみでお願いします。

原作小説・コミカライズなどはノータッチ。

新房シャフト製でなかったら、切ってたタイトルです。続けておいて良かったと感じております。

物語:先々の展開は全く読めませんが、テンポなど合っているようで素直に楽しめているので、4.0。次回予告&EDも好評価です。
声優:良くも悪くも、いつもの面々で、安心して観られます。やっぱ千和さん&花澤さんは良いですね~。いえ他の方もOKだと思います。4.5。
キャラ:話が進まないと細かいところは見えてこないのだと思いますが、問題無くいけました。4.0。
作画:こちらも問題無く観ています。このタイトルは「よく動いているな~」というのが印象。シャフトの印象というと、やはり「美麗さ」「細かさ」「独特さ」でしたので。4.5。
音楽:ZAQさんのOP、鎖々美さんのED。どちらも良いですね~。EDはそこで展開されている物語も面白いです。4.0。

総評っぽいもの。
{netabare}
・ストックすることもなく、順調に消化していました。のですが・・・神話(のような物)をベースにしたお話なのは理解できたのですが、そちら方面の知識が足りなく、コメントができずに終わってしまいました。
・個人的な評価としましては、確実に面白いと思える部類でした。
・ただのヒッキーかと思いきや頑張る鎖々美さん。いつも顔を隠していて謎ですが妹思い(?)な神臣さん。ビジュアルと年齢が真逆な鎖々美さんの応援団(?)邪神三姉妹。メインキャラからサブキャラまで見た目も立ち位置もわかり易いキャラ立てしてたと思えます。
・物語は基本先が読めない物で、次回予告もあれど予告するつもりが全く無いことが伺えつつも、面白いものでした。下手すると本編を台無しにし兼ねないEDも毎回楽しみでした。
・ただ・・・恐らく原作小説の方は終わってなさそう(あくまで推測)な上に、途中までのアニメ化っぽいでの・・・中途半端さが拭えない点が悔やまれます。
・一度ED曲をフルコーラスで聴いてみたいです。が・・・これも手に入れるには(以下略)。
・新房シャフト作品では常連のキャスト様達含め、声優陣の方々におかれましては素晴らしいクオリティだったかと思います。
・画的な方面では・・・個人的に「シャフト」といいますと「静」的な綺麗さを思い浮かべるですが、この作品では戦闘シーンを始めとした動きのある部分も印象に残りました。
・2期があるなら観たい作品です。
{/netabare}

以下各話レビュー(4話までですが・・・)
{netabare}
4話鑑賞後-----------
3話までで各キャラの設定や背景・立ち位置などが一通りわかって、「さぁどうなる?」と構えてみたわけですが・・・。

1回目では「???」となる展開でしたw
つるぎ先生のセクハラやら、月読兄のカブリ物とか、その他諸々のネタは楽しかった、そんな感想でした。

2回目でようやく、特に前半部分の、意味が理解できたわけでして。一筋縄では行かないな~と、しみじみ感じた次第です。

今でこそ続けておいて良かったと思えるタイトルです。
が、前情報無しで観始めていたら・・・とも思います。

(追記)
同僚に「明るい家族計画」について質問しまくってみました。いや・・・場合によってはセクハラなんですが、答えて頂けました。

とりあえず・・・わからない世代、いましたw
正直ショックでしたw ヒントを幾つか出して、ようやく正解にたどりつく始末でしたw

3話鑑賞後-----------
前回「改変=兄の力」と踏んでいたわけですが・・・見事に裏を掻かれたようですw 原作側にしてもアニメ側にしても、僕は思惑通りに観てしまったわけですね~。脱帽しました。

この回は各キャラの説明などが主だったと思いますので、ストーリー的な部分はスルーで。
ただ1つ思うのは・・・力の継承の為とはいえ、薬を使って意識を混濁させてまでというのは、正直重いといいますか、引くといいますか。
「外の世界を知らなければ」「何の疑問も持たなかった」のかもしれませんけども。

邪神三姉妹の助力を得たEDでしたが・・・やっぱりちゃんと歌えてないw
次回予告は「料理番組」という体裁でしたが、レンジでチンしただけな上に、作ってるのはお兄ちゃんという、これまたがんばれてない仕様w
でも面白いので有りです。

2話鑑賞後-----------
「改変」の原因がお兄ちゃんにあるんではないのか?ということに気付いたのは、1話を繰り返し観ていたときのことです。しかも結構何度も観て、ようやくw

世界観みたいなところは見えてきましたが、
・アマテラスの力は何時お兄ちゃんに移ったのか
・三姉妹の(力の)正体
そこら辺が現在抱いている謎です。

1話で家の外に出ようとしては、ケロケロして戻るというのを繰り返していたのは・・・兄妹どちらかの「力」によるものなのでしょうか。

がんばらない占いのみずがめ座の結果を楽しみにしていたのですが、占いですら無かったw ちなみに僕は「非リアの山羊座」ですw
今回はがんばらない天気予報。札幌、東京、名古屋、大阪、長崎しか無いって・・・アバウト過ぎw もうちょっとがんばってw

OP好きです。今回のZAQさんも良いと思います。咲阿知賀編の時から気に入ってます。音使いとでもいいますか、その辺り。
ED好きです。でも今回はボーカル無かったようなw でもエンドロール内では「歌・月読鎖々美」ってw がんばれ大塚さん。

1話鑑賞後-----------
と書いてみましたが、冒頭にありますように、肝心な部分が不明すぎです。ので真っ当なレビューには・・・。

・やさぐれ気味な阿澄さんが新鮮でした。
・三姉妹のサイズがおかしくないですか?w
・お兄ちゃんは妹を溺愛してますが、逆方向は? 監視装置ってw
・鎖々美さん、どれだけ体力無いの?w それとも何か要因が?
・徐々にでも肝心なところは明かされていくでしょうから、そこら辺期待してます。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

74.8 7 東京で神社なアニメランキング7位
三ツ星カラーズ(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (440)
1667人が棚に入れました
上野の平和を守るため、朝から夕方まで街を駆け回る小学生3人娘・カラーズの活躍が描かれる。

声優・キャラクター
高田憂希、高野麻里佳、日岡なつみ、田丸篤志、玄田哲章、名塚佳織、朝井彩加、東城日沙子
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

楽しいことしか楽しめなくなった、大人達へ

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
女子小学生が、「上野を救う」という名目のもと、上野でただひたすらにイタズラをしまくるという、日常系アニメ。

この辺は、多分好みが分かれるところで、ダラーズ、、、じゃなくてw、カラーズのJS3人衆を、「可愛らしい」と思うか、「憎たらしい」と思うかで、評価は真っ二つだと思う。

「みなみけ」の「南夏奈」や、「苺ましまろ」の「松岡美羽」を愛でられるなら、楽しめるアニメだと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品の難点は、作中でカラーズ本人も認めていたけど、ツッコミの不在。カラーズ内での立ち位置は一応、さっちゃんがボケで、琴葉が悪ノリ、結衣がツッコミですが、これがイマイチ微妙? というか、結衣もボケですよねw

ツッコミ的に、唯一秀逸だったのが、2話のかくれんぼのクダリ。

(ようやくさっちゃん達を見つけた結衣が)「どれだけ隠れるの? 照れ屋か!」「いや~、灯台もと暗しだったんだよ、最初は」「灯りから離れすぎても見えないわ!」「でもいっぱいすれ違え(通信でき)たよ」「いっぱいすれちがったよ、気持ちがね!」

と、こんなクダリ(不正確ですが)。これは、シンプルに笑ったわ~w でも、ここだけでしたね。

この作品はツッコミが弱いことを作者は知っていて、上記のような秀逸なツッコミを考えられる作者が、どうしてその後はツッコミをさせないのだろう?

と考えた時、(原作未読だからワカランが)作者(あるいは制作)が狙っているのは、「笑い」ではなく、「優しい(寛容な)世界」なのかな? なんて思ったりもしました。

このアニメでむしろ印象に残ったのは、上野の大人達。

みんな、結衣達に優しい(というより、激甘)w

オヤジはその代表格だけど、同年代の友達のように接する ののか や、結局色々な物をくれる さっちゃんの母。ゾンビゲームに付き合ってくれた一般市民達。齊藤だって、クソガキだのなんだの言いながらも、結局、カラーズに付き合ってあげています。

このアニメに出ている大人達は、みんなどこか子供っぽくて、寛容で、ゆとりがあります。彼ら彼女らのようなスタンス、そういう社会のスタンスこそ、作者が描きたかったのかな、って思います(それが社会的、教育的に素晴らしいかは別として)。

ボケ(ガキの理屈)にツッコム(正論を吐く)のではなく、向き合い、笑ってあげる、大人の余裕。

そんなところですかね。

この作品で一番印象的だった言葉は、6話の「明日は違う事件がおきるんだよ」というオヤジの言葉です。上野は今日も平和で、本当は何の事件も起きていません。でもそれは、大人の理屈であり、子供達にはきっと新鮮な「何か」がおこっているんです。その「何か」を見過ごさず、積極的に楽しもうとしている子供(カラーズ)は、遊びを見つける天才なんだな、と思いました。

いつから我々(大人)は、楽しいことしか楽しめなくなったのかな、、、? なんてねw
{/netabare}

【余談~ もしもカラーズがデュラララにいたらw ~】
{netabare}
きっと、折原臨也も手を焼くに違いない(笑) なんか、悪どい提案をしたのに、さっちゃんに「よし、分かった! うんこだな!」と言われ、呆れながらも降参してしまう、臨也君を妄想して、ほっこりしてしまいました(笑)

他にも、
サイモン「オ~、カラーズ。ロシア寿司ウマイヨ~。」
さっちゃん「なんだ! タダか! くれるのか?」


(ヤンキーにからまれるカラーズを助ける平和島)
結衣「あ、ありがとうございました」
静ちゃん「ガキが気にすんなって。俺はムカつく野郎をぶっ飛ばしただけだからよ」
さっちゃん「なんかその髪、うんこみたいだな!」
静ちゃん「・・・・・。」


とか、いくつでも思い付くな(笑) 多分、デュラララに女子小学生キャラがいなかったのと、デュラララのキャラがしっかりしているからですね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
よし、笑ったネタを載せよう。

RPGやん(笑) パンダはその気になれば食べられる(笑)

2話目○
どれだけ隠れるの? 照れ屋か! 灯りから離れすぎても見えないわ! いっぱいすれちがったよ、気持ちがね! 、、、ツッコミが秀逸(笑) エキストラバージン、オイルw

3話目
Bパート、短い(笑) 地下街のリアルさヤバイw

4話目
光ってみて、パー(笑) 説明して?(笑)

5話目
けんだまの武器化、何気に危険だよな(笑)

6話目
雑な草(笑) ゲーム下手(笑) 斎藤はバ~カ(笑)

7話目
展示されているのか(笑) これ3つ下さい(笑) 除夜の鐘までに別れる(笑)

8話目


9話目
量産型か(笑)

10話目
ウンコで、初めて笑ったわw

11話目


12話目
ちょっといい話。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29
ネタバレ

|箱| さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

これは先生が言ってたことなんだけど、うんこはばっちぃからゲームクリア!なんだって。

上野の街の平和を守ることを目的に優しすぎて周りに振り回されるけど一応リーダーを務める赤色の結衣、うんこが大好きすぎてうんこ問答をする癖のある騒がしい黄色のさっちゃん、クールでシニカルな言動が目立つけどゲームに関しては熱狂的な水色の琴葉で構成されたカラーズが周囲の大人たちを巻き込みながら商店街や駅などを東奔西走するという日常系のギャグアニメ。見る前に赤青黄の日常系…ゆゆ式か?と無自覚に想起してました。

この作品を鑑賞しているときに自分もこんな自由で積極的に街を楽しんでいく小学生やってみたかったなぁ(なお周囲に迷惑など)と思わせる演出が随所にちりばめられていて、小学校から帰るやいなや家で黙々とゲームを消費しながら時間を潰していた身からするとちょっとした憧れすら覚えてしまいました。

なんというか羨望のまなざしでいえば、高校生の爽やかで甘い青春に匹敵する位の必要最低限の社会的なルールを守れば何をしても許されるような小学生の特権がほんと上手く表されていて、人によっては交番の斎藤みたくクソガキ!とウザい嫌悪感を覚えたり叱りたくなるような、またはおやじみたいに子供の持つ世界観を尊重していっそのことエンジョイしたくなるような、そのカラーズの持つキッズ感を周りにいる大人たちが豊かに反応分けしていることでよりキラキラぽさやリアリティが増して個人的に暖かい癒しが得られた作品でした。

{netabare}
三ツ星カラーズの印象に残ったシーンやキャラの感想

おやじ:なんでいつも眼鏡を変えてるのかはアニメをみた限りでは不明。
好奇心の強さというか刺激を楽しむ姿勢など童心を忘れていないハツラツさが窺えてカラーズはこの人に関われて幸せだろうなぁ。わざわざ金庫やらトランシーバーやらの道具を用意してカラーズの世界観を見守ってるのとても人が良さそう。ただカラーズの暴走が凄いときは反省させるようなクソオヤジな一面も見たかった。(子供のためだと言うのならアメ横の看板に乗るのはやめさせてあげて…)

斎藤:カラーズの敵であり、上野の平和を脅かし、パトロールという名のサボりをする…と見られている警察官。警察官の職務についている斎藤はカラーズにとっての必要悪みたいな存在(いじられキャラ)なので銀杏を投げつけられたり、うんこの入った雪玉を投げられたりするのは必然なのかも。カラーズのやらかすところにだいたい斎藤いるの面白かった。

結衣:すぐに泣いてしまうなど威厳がないリーダーと弱点探し会議で責められていたけど、よくよく考えるとこの威厳のなさもとより優しすぎてしまうところがカラーズが崩壊せずに柔軟性を持てたところなのかもと思う。黄色や青色だったら主体性が強すぎてしまって混乱することもありそう。トランシーバーでハイパーかくれんぼが台無しになるからってワーワー喚くシーンは結衣ちゃんの優しさと責任感の強さが垣間見える良いシーンだったなぁ。
あとパンツの価値は貶めないように努力してるの可愛い。

さっちゃん:とにかくうんこが好きでじっとしていられない。子供の頃ってうんこを言うだけで爆笑できた下ネタの王様であるうんこ黄金期があったような気がします。チューチューカブリラもそうだけど小さいときに意味ももなく笑える変なものってあったよなとこの子のうんこ!を聞くたび懐かしい気持ちになりました(なってない)。うんこを公言することを咎めるシーンいくつもあることを考えてみるとどことなくうんこに宇宙を感じてくるような…。(うんこも元は自分の体一部だった訳でもあるので親近感もわくのもうなづける?)

琴葉:パンダみたいな猫を捕獲するときに殺すとか言いだしたり、人の頭に足を踏みつけることに快感を覚えたりステレオタイプなゲーマーの悪い癖を見ている様でヒェッとなってしまったけど、ゲーム下手くそと赤に指摘されてヘコむところをみてちょっとかわいかった。(珍しいさっちゃんの気遣いがあったことや、結衣のリーダーとしての威厳を見せようとしてるところもあってこのシーンはお気に入り)どこかひねくれてる物言いが癖になる子。

ちなみに自分はこの作品の中ではののかが一番好きなキャラです。女子高生にしかない幼馴染的バブみがロリの前だといかんなく発揮されてるので。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

上野の街の平和を守る、我らカラーズ参上!

この作品の原作は未読です。
タイトルからはどんな作品なのかは読み取れませんでしたが、キャラデザが嫌いじゃなかったことと出演される声優さんが視聴の決め手となりました。

カラーズのリーダーである結衣のCVは、NEW GAME!の涼風青葉役を務めた高田憂希さん
カラーズ二人目のメンバーであるさっちゃんのCVは、イヤホンズの高野麻里佳さん
そして三人目のメンバーである琴葉のCVは、くまみこの雨宿まち役を務めた日岡なつみさん

放送されてからそれほど時間は経っていないのですが、これらの作品を思い出すと懐かしさを覚えます。
それだけ大量の作品が巷に溢れているから…なんでしょうけれど。

この物語は、カラーズ三人組が街の平和を守ると題して上野を縦横無尽に駆け回りながら、下町情緒溢れる人々の関わりが描かれています。

上野は今日も平和…ですが、その平和の中に潜む事件…気付きとも言うと思いますが、三人組はその穴を探り当てる達人です。
火の無いところに煙を起こす三人組…という表現も概ね間違ってはいないと思います。

この作品の気持ち良いのは、元気一杯の小学生が小学生らしさを保ったまま、無邪気に遊びまわるところだと思います。
核家族の増加と生活の多様化によって人との付き合いが希薄になっている折、部屋に籠ってゲーム三昧…という子供たちが増えている中、身体を使った昔ながらの遊びをしているカラーズには好感が持てます。

とは言え、この三人組が全くの人畜無害かと言えば決してそんな事はないんですよね…
小学生らしさ…からの発想に基づく言動が時に危ういんです。
特に問題児と言えるのは、一番表情の少ない琴葉でしょうか…

琴葉が少ないのは表情だけでなく話すこと自体が他の二人よりは控えめ…
その分、真っ先に手足が出るのが琴葉なんです。
他の二人もゼロではありませんが、琴葉と比べると雲泥の差があります。
ゲームばかりしているせいで性格が狂暴化しちゃったの…?
と思わず思いたくなる場面がしばしば…
琴葉の行動は決して良いところばかりでは無かった…というのが本音です。

行動が琴葉なら言葉で危ういのがさっちゃん…
無邪気と元気の塊みたいな女の子で、決して悪気が無いのは見ていて分かります。
でも人が聞いて決して快く思えない台詞を連発するなど、言葉遣いはお世辞にも綺麗とは言えませんでした。
良くも悪くも小学生らしい…と言えばそれまでなんですけどね。

三人の中で一番無害なのがリーダーの結衣…
逆に琴葉とさっちゃんの様な強烈な個性は持っていないので、どこにでもいるちょっと礼儀正しいの女の子…という感じなのですが、振り返ってみると、一番喜怒哀楽が激しい子だった気がします。

性格が凸凹で一人でできる事なんて限られる…だけど、集まって初めて本領を発揮できるのもこの三人ならなんだと思います。
時にやり過ぎることもあるけれど、根底にあるのは優しさだったりするんです。
今どきカラーズの様な活動をするものなら糾弾されてお終い…だと思うのですが、それでもカラーズが平和を守っていられるのは、上野という土地柄が多分に影響していると思います。

大人と子供分け隔てなく人とのかかわりを大切にしている…
そんな場所だからカラーズの活動も成立し、街のみんなから受け入れられる…
これって人間の温かさや大きさ…にほかなりません。
この作品ならではの情緒が感じられる作品…だったのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは「カラーズぱわーにおまかせろ!」
エンディングテーマは「ミラクルカラーズ☆本日も異常ナシ!」
どちらもカラーズ三人組のカラーズ☆スラッシュが歌っています。
どちらもノリが良くこの作品にピッタリの歌だったと思います。
個人的にはどちらかというとオープニングの方が好みだったかな…
カラオケで歌ったら楽しくなれる曲だと思います。

1クール12話の物語でした。
雰囲気から1クールで終わる作品だと思っていましたが、最後は綺麗に纏まっていたと思います。
カラーズの言動は決して良い事ばかりではありません。
だけど、小学生が元気に外を走り回っている姿にほのぼのさせて貰った気がします。
久しぶりに上野に行ってみたくなりました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

72.1 8 東京で神社なアニメランキング8位
BRIGADOON[ブリガドーン] まりんとメラン(TVアニメ動画)

2000年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (161)
812人が棚に入れました
時は1970年。大阪万博の開催まで一年をきったある日、東京下町の長屋に住む平凡な少女浅葱まりんは突如空に現われた異世界「ブリガドーン」からやってきた謎の生体兵器(モノマキア)に襲われる。その時、根津神社に御神体として祭られていたアンプルの中から別のモノマキアが現れ、まりんを救う。彼の名はメラン・ブルー。まりんを守るのが任務だという。二つの世界の運命をかけた戦いが始まる。
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

夢の中の熱き純情。9話から観ちゃイカン。

原作監督・米たにヨシトモ、構成脚本・倉田英之

オープニングのフォルクローレな民族調歌声、すごく物語にあっていて伝承性が増して気持ちが惹きつけられますね。何度も飽きずに聴けてしまった。

ある日空からの謎の落下物とともに、頭上にはブリガドーンなる空中都市が浮かぶようになっていた。地上の下町に住むまりんは、神社の祠でロボットのような生き物を目覚めさせる。「生体兵器メランブルー」と名乗る彼が付き従うようになり、まりんは二つの世界のひずみに巻き込まれてゆく…。

ぐりんぐりんの目玉、13才には見えない眼鏡っ娘まりんのあんまりありがたくないパンチラネタ、設定の1960年代風味な駄洒落、アハーン?って口癖に閉口しつつも、何だか気になる勢いで始まりました。
メランブルーは全身タイツ姿の肢体の端々にメカがくっついたようなデザインで、ハイヒールのような脚の耽美さに反してストイックな堅い奴です。(´・_・`)お腹と尻は出しといていいのか。

まりんを囲む長屋の憎めない面々のキャラクターも、芸が細かく和ませられます。その手厚さに、てっきりまりんはこの世界における愛されキャラなのかと思いきや、次第に「みなしご+謎の武器用心棒持ちの貧乏少女」として学校で迫害を受け始める。
しかし登校拒否になったまりんに、まっすぐな優しい言葉を向ける長屋の婆さんのセリフ、ちょい百合入ってそうだったモエちゃんとの熱い友情、かっこいい先輩のセリフ…4話にて、これは善いアニメだ!!と断定しました。なんていうか…それぞれのキャラクター、脇役に底力を感じます。


しかし、9話のヤーラシサってばどう〜なんですか。
この回から見たら絶対、違う目的のアニメだと思われるでしょう…~_~;
{netabare}
( 銭湯でまっ裸 + 泡と縛りの攻撃 + 味方メカ「ポイクン」の運転方法…。
乗り物になる亀型生体兵器ポイ君、内部に生えてる
弾力のありそうな有機的突起ブツをギュッて握って運転するんすよ。子供が考えそうなデザインでしょ?って見た目で、ああいうことする…。意味わかる方がやらしいとでも言いたいんかーオイッ!){/netabare}


そして10話以降の不幸の連鎖には、すべての中心点にまりんがいるのは物語だから仕方ないのか?、虚構が時に冗談のように束になって襲ってくる、ユメウツツ。

それでも先が気になるのは、主人公たちの主張や心情が吐露される時の、本気の純情さにグッとさせられるからです。ここは冗談にしないで頂きたい、と見守るしかない。もっとも、一話ごとに展開が早いのでひとつの苦しみが解決されるのも手早く、次への引きも上手いのですが。宵越しの銭はもたねェぜ( ´Д`)y━・~~的な感じで、話をまたぐ鬱はもたねェぜ(T ^ T)という甲斐性(解消)ありです。

{netabare} そして16話での、メランの理性的な説得の中に想いが滲んでいる様子にはジワジワ泣かされましたよ…。またメラン、いい声なんす。定められたと思われた絆を一旦不確定なものとして揺さぶるところがシビアなドラマでした。

そんでもって17話以降のさらに怒涛の、世界の崩壊の連鎖と逆恨みにあてこすられるまりん。やりすぎなような、ここまでやらないとみなしご様式美として意味ないのか。
救っては落とし救っては落とし救っては落としの夜店の金魚状態。生き抜くのに必死な昭和の時代の苦労ドラマ成分を目一杯盛り込んであるのか?、避難した人達の生活や群像心理など、いやに生々しく執拗な描写もあるし。
けれど、まりんを助けた先輩はカッコ良く善い人だったし、逆恨みしたり差別した人の後の扱いもきちんと考えてあったと納得。あと、崩壊後の世界だからこそ自分のあり方に立ち返ったキャラもチラホラいて、悪くなるばかりじゃないな、とも。
先に書いたように、苦難にぶつかってもまりんは脱出する糸口に恵まれていたと思います。だからやっぱり夢のあるお話。{/netabare}

面白いのがトリックスターのように現れる、猫のようなブリガドーンの奴ら。全てを知って誘導しているかのようで、翻弄されつつ、どこか憎めない。こいつらのおかしみで、重い展開もどこか安心して観られました。


20話を越えると、まりんは顔身体つきは変わってないちんちくりんなのに、妙に女性っぽく見えるのが不思議です。苦労は女を磨くんでしょうか。
メランの同期で女性型のエリュンにも「あの女のために強くなったのか」って、あのオンナ呼ばわりされてましたが。全体的に飛ぶ戦闘の切れ味がよく、とくにエリュンとメランの戦闘シーンがカッコ良かったです。

最終話まで行って特別意外な結末でもなかったのですか、壮大のちに全てを大事にして終わった、熱く優しい話でした。
まりんとメランのラブストーリーがロマンチックに締められるなか、私が感動していたのは、登場人物たちのその後を描く中で、子供を失って逆恨みした人を最後まで忘れずに一瞬ですが描いていたところ…。(;_;)こういうところがとても響きます。



物語の舞台となっている1969年(昭和44年)はどんな年か
{netabare} テレビでは「サインはV」「8時だョ!全員集合」「ひみつのアッコちゃん」「サザエさん」放映開始、リストに「海底少年マリン」なんてタイトルもありましたがまりんとマリン?
漫画はドラえもん連載開始。
学生運動で安田講堂でブイブイ、アポロ11号で初月面着陸、高度経済成長の盛りで地方の過疎化と公害問題がいろいろ。そろそろカラーテレビが一般に出回る時代、作中に出てきたテレビはまだ白黒でしたね。
原作者の方は、人情味溢れるまりんたちの暮らしの時代から先を分岐点と表現したのでしょうか。 {/netabare}


この作品を知り観てみたいと思っていたきっかけは、 {netabare} ちょっと古いアニメ好きな人なら結構名作扱いしていることと、以前「ノエイン」感想サイトさんで地味に推されていたからなのです。

そう言われれば、異世界から来た訓練された大人型の守護者と、世界の鍵を握る子供の組み合わせってところ、共通ですね。守護者が感情表現が下手なところも。エリュンとコサギ姐さん似てるし。あと真面目な顔で全身タイツなところも。


端々のデザインの冗談みたいなぬくぬくした垢抜けない感じや、まりんの目玉のデカさのおかげで、オススメされていなかったら観なかったと思います。観て良かったよ、もちろん。観返すと思います。 {/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

珍しい《長屋住まいヒロイン&昭和もの》ロボット?アニメ

大阪で万博(万国博覧会)が開かれた1970年頃の日本(※実際は1年ズレているらしい)を舞台とした、メカ騎士とお姫様?の《セカイの真実探索》系物語・・・でいいのかな?

本サイトでの評価が非常に高い作品(※総合評価 ★ 4.1)なので、前々から気になっていたのですが、シリーズ構成・脚本が、『メイドインアビス』や『かみちゅ!』を担当した倉田英之氏だったこともあって、余り期待しないで視聴してみました。

結果からいうと、倉田氏の担当作品って、やはり自分のツボからは外れてしまうようで、個人的には微妙な感想になってしまいましたが、一話一話の脚本自体は飽きずに楽しめたので、幾人ものファンが付いて本サイトでの評価が高くなることも何となく理解できる気がしました。

・・・と、いうことで、『メイドインアビス』が好きな人にはお勧めできる作品かも知れません(責任取れませんよ・・・)。

※参考

まりん(本作のヒロイン)→リコ
メラン(本作のメカ騎士)→レグ
異世界ブリガドーン→アビス

・・・と考えると何となく合ってる気がします。
(※女児(と思ったら中1だった)の余り嬉しくない全裸シーンが長々と出てきて「早く服着せろ・・・」と思ってしまう点も共通)


◆制作情報
{netabare}
原作         矢立肇(サンライズの共同ペンネーム)、米たにヨシトモ
監督         米たにヨシトモ
シリーズ構成・脚本  倉田英之
キャラクターデザイン 水玉螢之丞(原案)、木村貴宏
音楽         吉野裕司、上野洋子
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========= BRIGADOON まりんとメラン (2000年7月-2001年2月) ======
{netabare}
第1話 出会いは浅葱色 ★ 浅葱まりん(中1、13歳)の災難(ダルマ型モノマキア来襲)、ブルー・メラン登場
第2話 紺碧なるモノマキア ☆ 生体兵器(モノマキア)メラン、戦闘用モノマキア(ブロンテ)来襲
第3話 鈍色き雲間から ☆ まりん&如月萌の友情、中学校のいじめ
第4話 虹をもとめて ★ まりんの不登校、歴史観測委員(亜呂真)と真乃先輩、液体モノマキア(ヒュドン)来襲
第5話 ソーダ色の空の下 ☆ 警察の取調べ、根津神社の伝承
第6話 銀灰の訪人 ★ まりんの拘留、生活向上委員長ロロ接近、銃剣士パイオンvs.メラン
第7話 赫赫たる決戦 ☆ 真乃先輩&長屋住人の活躍、メランとの約束
第8話 海が紫紺に染まる夜 ☆ 萌と過ごす夏休み、資源採掘用MM(タラッター)撃破、移動用MM(ポイクン)
第9話 ピンク・フライト ☆ お風呂回、看護婦純ちゃんの駆け落ち、デュンマ来襲
第10話 大怪獣、燦爛! ★ 大阪万博旅行、カルキニオンvs.クシャトーン、モト婆ちゃん死亡
第11話 やぶれた傘、闇の雨 ★ 予想外の分岐、萌の好意とまりんの拒否
第12話 漆黒からの巣立ち ★ 逆恨み被害者の襲撃、パスカの日接近、米国大統領の依頼、ブリガドーン探査ロケット発射
第13話 天井暗黒世界 ★ 等価崩壊、ブリガドーン中枢都市、クレイスと都市の異変、エリュン登場・パイオン再登場
第14話 千紫万紅の果てに… ★ これまでの種明かし回(ブリガドーン中枢議会での証言、パスカの画策、まりんはクレイスに非ず)
第15話 極彩サヴマトン・カラー ☆ まりん&メランのサヴマトン探査、ロロとメロンの通信 ※演出のチープさがイマイチ×
第16話 金ぴかの約束 ★ 偽マリーン判明後の戸惑い、地球(ファニーワールド)帰還、二人の約束
第17話 未来色をさがせ! ★ 故郷の惨状、真乃先輩との再会、まりん失明
第18話 私は茜に輝いて ★ スキアvs.メラン、失明まりんの彷徨、変身型MM(コスモス)発動、メラン救出、まりん重症
第19話 仄かな破滅を運ぶ舟 ★ 純ちゃんとの再会、銃剣士エリュンとビザの箱舟来襲
第20話 雪あかりの下で ★ 長屋の人々との再会、箱舟管制奪取、エリュン敗北、萌のアンプル発見
第21話 萌葱色、永遠に… ★ 巨大化萌出現、抗体投与、萌救出 ※早く服着せろ・・・
第22話 赤錆びた壁を越えて ★ 亜呂真の調査結果(マリーンの消息)、マリーン出現
第23話 褐色の化身 ☆ 最新型MMクストン来襲、連れ去られたマリーン&銃剣士たち、ブリガドーンの異変、まりん再びブリガドーンへ
第24話 命はかくも透きとおり ★ ロケット・クルーとの再会、最後の等価崩壊迫る、メランとの哀しい再会
第25話 白きパスカの刻 ★ メラン意識回復、マリーン説得、クストンとの再戦、身代わりマリーン、クライスの生体洗浄、3銃剣士の誓い、アゴンギドラ来襲
第26話 サヨナラは海の碧(まりん・ブルー) ★ クストン敗北、復活の儀式パスタ、変数値の正体(ルル)、世界の回復 ※ED「出逢いをア・リ・ガ・ト・ウ…」{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)18、☆(並回)8、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.6

OP 「風の碧、海の翠」
ED 「虹色の宝物」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

絵柄故に中盤がキツいです

 1969年、貧しさ故蔑まれながらも健気に生きてる孤児の女の子まりんと謎の生命体メランの出会いから始まる物語な訳ですが。
異世界ブリガドーンと地球の間に起こる等価崩壊と言う現象の進行を止める鍵としてまりんという存在を奪いに来るブリガトーンの生態兵器モノマキア達、マリンを守るメラン、事情が読めてない地球側という状況の中で展開してくんですが、確かに中盤のまりんの境遇がキツいです(汗)
{netabare}
地球の生活に慣れてないが故にメランがまりんを守る為にとった行動が原因で、学校でいじめられるところから始まり警察に連行されて刑事に荒っぽい尋問されたり。13歳としても体の小さい女の子なのに(汗)
二人が状況のカギを握る事を理解した国からのお達しで警察から解放され、気晴らしも兼ねてと出かけた出先でモノマキアの襲撃を受け、その晩に同行していた保護者のお婆さんが無くなった上、襲撃のあおりで娘を失った女から逆恨みを買って襲われたり。
{/netabare}
その後も暫く彼女の畳みかける不幸の連鎖が続くんすよね。挙句に {netabare} 失明{/netabare}まで(滝汗)
途中に挟まれる彼女のコミカルな妄想とかブリガドーンと地球の間に有る異世界での束の間の休息とかが無ければ、ひもじさから我を失いパン泥棒するヒロインとか悲しすぎて見てらんないと言うか。鬱作品と言われるのも判ります。
wowwowで放送されたアニメですが、前年に"今、そこにいる僕"が放送されてたりしてる訳で・・・なんかスゴイすよね。

そういう「まりんの不幸」を不器用ながら身を賭して助けてくれるメランとの絆が愛に代わってくってストーリーですので、ベタな話は照れ臭くて観てらんないと言う方は多分観てらんないかもです。
実際2クールの十分な尺が有るから感情移入できるんであって、今時のアニメの様な絵や台詞等の感情描写の巧みさは無いと思います。作りとしてはやはり相応に古いと思う。
ですが、ベタとは言えラストシーンの二人の交わす言葉はイイすよ。
私はちとウルっと来ましたw
{netabare}
二人のその後は具体的にされず

まりんとメランの未来色
ふたりでさがそう虹の色
しあわせ色のたからもの

 と締められます。この締め方に関しては私は好きですが、絵で具体的に示してほしいと言う方も居るかもですね。
私は"ふたりでさがそう"ですから一緒の世界に居ると解釈しましたが・・・
ここが物語の真相としては矛盾では?と指摘されてる部分すかね。
{/netabare}

 絵柄がこういう絵柄ですし頻繁に出てくるコミカルなシーンが不幸な少女と彼女だけの騎士と言うラブストーリーに水を差してる気はするんですが、であればこそ作品全体が湿っぽくなり過ぎなかった事を考えるとコレでいいのかもとも思います。
90年代のアニメとしては絵も綺麗ですしメラン達銃剣士の動きも良く、まりんも今時の萌えとは違うかわいらしさですんで、絵柄が受け付けられない・90年代のノリが無理という方以外なら悪くないと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

63.2 9 東京で神社なアニメランキング9位
INGRESS(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (125)
522人が棚に入れました
2013年、スイスの原子核研究機構『CERN』──。ヒッグス粒子発見の影で、ある秘密プロジェクトが発足した。そのプロジェクトの名前は『ナイアンティック計画』。その目的は人間の精神に干渉する未知の物質を研究することにあった。 『エキゾチック・マター(XM)』と呼ばれる事になるその物質は、古来より人々の精神・能力に感応し、人類の歴史にさえ大きな影響を与えてきたのだった。世界各国の機関が、秘密裏にその研究に取り組んだ。XMは、人類の希望または脅威とされ、 大国や巨大企業による争奪戦が巻き起こってゆく。XMの力を受け入れ、人類の進化に利用しようとする『エンライテンド』。XMを脅威と見なし、コントロールしようとする『レジスタンス』。世界はふたつの陣営に別れ、今も争い続けている。この世界で起きている争いの背後には、XMの存在があったのだ。そして、2018年──。東京、そして世界を舞台に、XMをめぐる新たな戦いが幕をあける。アニメーション、オンライン位置情報ゲーム、そして現実がリンクする、かつて体験したことのない新たな「拡張現実エンターテインメント」が、始まる。

声優・キャラクター
中島ヨシキ、上田麗奈、喜山茂雄、新垣樽助、鳥海浩輔、利根健太朗、佐々木啓夫、緒方恵美

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

キャッチコピーは、「The world around you is not what it seems.」(あなたの周りの世界は、見たままのものとは限らない)

この作品の原作はオンラインゲームだったんですね。
完走してwikiをチラ見するまで全く分かりませんでした。

それと我々にとって朗報が一つ…
この作品はNetflixと地上波で放送されましたが、地上波でじゃフジテレビ「+Ultra」の枠第1弾作品として放送されました。
深夜のアニメ枠が増えるのは嬉しい事です。
これでフジテレビの深夜アニメ枠は、これまでの「ノイタミナ」枠に加え2枠となった訳です。
但し、「+Ultra」のwikiを見ると、本枠での放送は日本と海外を意識すると記載されていました。

元々IngressはGoogle発のオンラインゲームで、アニメの原作もGoogleから独立した「Niantic, Inc.」というアメリカの企業が作成しています。
海外原作の作品・ゲームを日本人スタッフによってアニメ化する…
これも海外を強く意識した展開と位置付けるなら、アニメ化される作品のジャンルが増えそうですね。

この物語の舞台は2018年の地球…
2013年からスイスで極秘裏に「エキゾチック・マター(XM)」という物質に関する研究が進められていました。
XMは古来より人々の精神・能力に感応し、人類の歴史に大きな影響を与えてきた物質なんだとか…
やがて研究は全世界規模に拡大するのですが、XMに対する見方で世界が二つに分かれてしまったんです。

XMの力を受け入れ、人類の進化に利用しようとする「エンライテンド」
XMを脅威と見なし、コントロールしようとする「レジスタンス」
そして2018年…この作品の主人公である翠川誠は、幼い頃から特殊な能力を持っていました。
それは触れたモノの記憶を読み取る能力…
警察の特殊捜査官である彼は、普段からその能力は行使できないため、能力を隠しながら任務に従事していました。
ところが、とあるXMの研究所の爆発事故現場に赴いた際、奇妙な記憶と遭遇するんです。
爆発事故唯一の生存者である記憶喪失のサラと、指輪に残された奇妙な記憶…
これに巨大企業が絡み始めた上、XMにより特殊な能力を発揮する男まで現れ…一気に物語が動いていきます。

壮大な物語のスケール、CGを駆使した緻密な作画…
迫力も満点で見応えのある作品だったと思います。

アニメーション制作はCRAFTAR。
聞いたことない会社だと思ってググってみると、博報堂グループが2016年に新設したアニメーションスタジオなんだそうです。
日本のアニメ技術の海外流出に一石を投じる施策であると思います。
これからのMade in Japanの商品に求められるモノ…
コスト面だけなら、人材単価面で海外の方が有利かもしれません。
だからコストが合わないなら同じステージで勝負する必要は無いと思います。

どの産業分野でも共通して我々が強みを発揮できるのは、ありきたりですが「付加価値」だと思います。
日本発のアニメには他国の追従を許さない品質に対する付加価値があれば、十分世界でも勝負できると思います。
現在、CRAFTARではアカデミー賞にノミネートされたアニメーションスタジオと組んで世界規模のプロジェクトを複数本進行させているそうです。
徹底的に品質で勝負する…こういうスタンスも期待できるのではないでしょうか。

レビューから思い切り逸れてしまいました^^;
原作は「エンライテンド」と「レジスタンス」に分かれた陣取りゲームなのだそうですが、アニメの方は内容に捻りが加えられています。
単なる陣取りゲームだけでは物語にならないので…。

第3勢力の存在…
そしてみんながサラを手中に入れようと躍起になって追いかけてくるのですが、その理由も物語の進展と共に明らかになっていきます。
サラの声優さんは上田麗奈さんなので、安定感抜群の演技を期待して良いと思います。
主人公の翠川誠役は中島ヨシキさん…「ヒナまつり」の新田と言ったらピンと来る方もいらっしゃるのでは?

原作がゲームという事もあり、物語の重厚さと言う面では及第点かと思いますが、作画やS.E.の面は日本発の作品として世界に売り出すには相応のクオリティだったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは「Tessellate」
エンディングテーマは「In Cold Blood」
どちらも、alt-Jさんの楽曲です。

1クール11話の物語でした。
ラストテロップに「To be continued…」と書かれていたので、素直に続編を期待しています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

販促失敗!!

この話はスマホアプリゲーム「ingress」が実は現実かもね、て話

Q ingress?なんやそれ
A 知らね

まさかの存在を確認したのが放送終了後。友人が始めるまでは、本作オリジナルスマホアプリゲームかと思ってました。しかも進化し続けてるらしいじゃないですか。すごいですねぇ
3DCGというのもあり、現代感あふれる作品ですね。

さて内容です
はっきり言いますが面白くはなかったです
{netabare}主人公と女の子出会う→アメリカ人と逃走中→中国人が女の子奪取離陸→主人公とアメリカ人渡航失敗→AI発見→中国人死亡アメリカ人死亡→世界平和{/netabare}
これのどこを面白がればよかったのでしょう。{netabare}序盤で腕がもげるとかで能力が使えなくなったり、能力には代償が必要{/netabare}みたいのだったらまだしもありきたりで面白みに欠けたストーリー。雑な始まり方と終わり方。終始パットしない。
全く共感の出来ないキャラたちの思考。まるで昔のRPGの悪役キャラのようなバカバカしい考えと価値観でかなりきつい。
しかもせっかくIngressを題材にしているのに、Ingressに大して全く面白みを感じない。販促(というのか微妙)にもならない。

{netabare}ラストシーン。Lainとかまどマギみたいな感じにしたかったんでしょうね。{/netabare}路線変更というかハンドルを握るのが遅かったのが失敗の原因だと私は思っています

監督は櫻木優平さん。初監督だそう
シリーズ構成は月島総記さん。
アニメ制作はCRAFTARさん。コウペンちゃんのところらしい。知らなかった…

自分の存在意義を知るには何が必要なのだろう
ということで締めます

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

聖剣 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

Japanimationize

所詮ソシャゲのアニメ化だと見限ると少し損をするだろう
とはいえ、スルーしたところで惜しむほどではない程度

元ネタはガチャゲーじゃないので
世界中のあらゆる神話や宗教、過去の偉人の名を借りた萌絵は出てこない
その点では神々の名を汚すような愚行は起こりえないので
安心して見ていられる。

元ネタのゲームは2つの勢力のいずれかを選んで行う陣取り合戦であり、
当初から敵対勢力が判明している点では驚きは皆無で
物語の発展性には乏しい。
ドラマ性で構成上、難しくしているのは明白であり、
このことから第三勢力の登場は必然だったのかもしれない

評価すべきは
前半部における異能バトル展開で、
ありがちなパワーインフレバトルとは少し異なる。
ジョジョ4部以降のスタンドバトルにも似た機知に富んだ印象で
個人的に見ていて小気味良い予感を感じさせる。
だが、限られた放送枠内であることは避けられないので
どこかで結末を用意しなくてはならない。
となると、
どうしてもラストバトルだけは、力任せ気味の展開と予定調和で
陳腐化してしまうのが残念でならない。

ついでに
Netflixで世界に配信されることが決定しているのなら
主役の女性はもう少しコーカソイドらしい容姿(骨格)にすべきだった。
あれじゃまるで萌え絵の金髪幼女だ。
世間じゃホワイトウォッシングで炎上してしまうのに
ジャパニメーション化されることに(世界は)寛容なのだろうか?
むしろ、世界は日本のアニメを求めているのだろうか?

少しだけインテリぶってみる

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

66.8 10 東京で神社なアニメランキング10位
劇場版 はいからさんが通る 後編ー花の東京大ロマンー(アニメ映画)

2018年10月19日
★★★★☆ 3.5 (48)
173人が棚に入れました
まだ女性が恋も仕事も自由に選べなかった時代。女学校に通っていた花村紅緒は、祖父母の時代から決められていた許婚、伊集院忍少尉と出会う。紅緒は、当初少尉に反発していたが、やがて2人は許婚という関係を超え、心の底から惹かれあっていく。しかし、少尉が戦地で消息不明に――。どこかで少尉が生きているのではと諦め切れないそんな彼女の目の前に、少尉と瓜二つの人物が現れる。ロシアからの亡命貴族、サーシャ・ミハイロフだ。ところが、少尉そっくりなサーシャは紅緒のことをまったく知らない様子。ショックを受けた紅緒を励ましてくれたのは、彼女が働く出版社の編集長、青江冬星だった。愛する人と同じ姿でありながら自分のことを知らない、サーシャ。一方、過去は忘れて新しい道を歩き始めるべきだと語る冬星。2人の間で紅緒の心は激しく揺れ動く――。そんな中次々と衝撃的な事実が明らかとなり、ついには歴史的大事件に巻き込まれることにも… 短くも激動の大正時代。その真っ只中を時には笑い、時には涙し、ひたむきにまっすぐ駆け抜ける「はいからさん」。彼女は、最後に何を選び、誰と結ばれるのか――。

声優・キャラクター
早見沙織、宮野真守、櫻井孝宏、中井和哉、梶裕貴、瀬戸麻沙美、石塚運昇、鈴木れい子、三宅健太、伊藤静
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大正時代の大災害

出だしから、満州の大草原。
大活劇の始まりだ。
なんて思ってたら、あっさり東京に戻った紅緒さん。
それもそのはずサブタイトルが花の東京大ロマン!

原作が少女漫画だから、ホントベタ。
{netabare}ラストまで一点の曇りもなく見え見えなのです。{/netabare}
その上、感情が超ストレート。
私はほぼノックアウト状態でした。

終盤は大正時代の大災害関東大震災です。
その描き方には、色々つっこみたい。
だけどそこはアニメ。
暖かい眼で見守りましょう。

以下、関東大震災について。
アニメと関係ないので閉じます。

{netabare}大正12年9月1日午前11時58分。
相模トラフを震源域とするM7.9のプレート境界型地震が発生した。
直後、南関東は激しい揺れに見舞われた。
その揺れに誘発された直下地震も加わり、帝都東京は数分間の激震が続いたと言われる。
このため、多数の木造家屋が倒壊。
折からの強風により発生した大火災により、一晩で東京は壊滅した。
死者行方不明者10万人強、日本史上最大の地震災害である。

私が震源域に近い南房総を訪れたのはもうずいぶん前。
神社に建立された石碑にはたくさんの被災者の名前が書かれていた。
こんな田舎でもこんなに被害が、と思ったのを覚えている。
また、海岸を歩いていた時に出会ったおばあさん。
津波がこんなところまでって。
多分、10m程度の津波が襲ったんだろう。

つい先日訪れた東京は美しい花の都だった。
六本木森ビルより見まわした風景は一面のビル群。
私にとって大切な人が暮らす東京。
この地に再び地震があると考えると背筋が寒くなった。

元禄関東地震からも約300年。
大正関東地震を上回る規模の相模トラフ連動地震も懸念されている。
首都直下地震を含め、様々な角度から南関東の防災計画を見直す必要性を感じている。
そして、庶民レベルでは防災意識の向上が必須であろう。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

こんな展開 冗談はよしこさ~ん

 これは、TV放送でも描かれなかった部分にも触れた前編のさらに先となるお話なので、かなり期待して見に行ったです。

 少尉の消息を知ることもかねて、前作で新聞記者になった紅緒が、手がかりをつかんで満州に!からのになる訳だったです。

 悲しい結末かと思いきや、こんなのありかの急展開。{netabare}UFOの襲来?紅緒も知っているそっくり??誰かさんの登場で、急展開連続のスタートの連続だったです。
 諦めきれない紅緒、果敢に迫るです。{/netabare}急展開が、多すぎる中で複雑な事情、かなり絡むです。
 {netabare}そっくり??誰かさんが、宿泊先を離れて散歩して、何故この場所を歩くのか?出来すぎていたです。{/netabare}この時、真相が明らかになっていくきっかけになるです。
 で分かったけど、後には引けなくなる状況で、紅緒もこの事実に区切りをつけるけど、忘れられないみたいなです。

 さらに続く出来すぎた複雑でかつ、無理やりにも見えあり得ない偶然みたいな急展開が、続くです。

 上映前劇場チラシにもあった画像にもある、紅緒の花嫁姿になるきっかけは、まさかの成り行きに。このままいくと思った{netabare}ら、日本の歴史上有名な災害発生。{/netabare}いくら何でもどうなっているのか?こんなのありか?なぁだったです。

 HAPPY ENDにならなきゃ話にならないけど、いくら何でも出来すぎた駆け足のような、諦めとあるべき結末には驚かされたです。

 今まで知らなかった、「はいからさんが通る」の結末を見れたのはい良かったです。しかし、劇場アニメにおいて限られた時間もあったかもしれないが、「これでいいのか?」なご都合主義に見えなくもない進行には疑問と、期待した知らない展開とかけ離れた進行に、ある意味拍子抜けもしたです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

星ノ海酩夜 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

決して悪くは無いけど印象にあまり残らないかも

前編をアニメサイトで視聴し、後編を映画館で視聴。

なんかパンチ力に欠ける映画だったと思います。
主人公がどちらの男性キャラと結ばれるのか……?
というハラハラを期待していたのですが、無駄にグダグダなコメディを詰め込んでいるせいでテンポが若干早くて感情がついていけない。

前編で主人公と少尉が惹かれあった理由が描かれていなかったので、後編では描かれているのかと思ったのですが…………うーん。

前編でも述べたのですが主題歌は神ですね。竹内まりやさんの曲はこの映画の主題歌にピッタリだと思いました。

なんか惜しい作品だった気がします。嫌いではないです

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

61.0 11 東京で神社なアニメランキング11位
レーカン!(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (482)
2393人が棚に入れました
――わたし、視(み)えるんです。
誰もいない放課後の教室。黄昏時の元殺人事件現場。
ないはずの視線が気になる夜のお風呂場。
漆黒の艶髪をなびかせて。そう、霊的スポットにいつもいる。
気になるあの子は霊感少女――
霊感が強く常に幽霊に囲まれている主人公・『天海響』が様々な幽霊と交流しつつ、
クラスメートと仲良くなっていく『ほのぼのと感動』そして『怖くない』ホラーアニメ。

声優・キャラクター
木戸衣吹、伊藤美来、飯田里穂、M・A・O、山崎エリイ、山谷祥生、川原慶久、くじら、内田彩、井澤美香子、松井恵理子、木野双葉、羽多野渉、皆口裕子
ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ハートフルな幽霊ファンタジー+日常系。地味さや粗もあるけど、かなり好きです

芳文社の4コマ漫画原作の日常系+幽霊ファンタジー。
清楚なお嬢様系の霊感少女と、彼女の霊感知りつつも楽しく傍にいてくれる友達、そして愉快な幽霊たちが、和気あいあいと過ごしていく。
全般にほのぼのした呑気な雰囲気と、少しハートフルなエピソードが持ち味。
(賑やかしの男子一人居るが)基本的に芳文社のガールミーツガール系。
地味な作風ではあるが、とても優しい作品です。

キャラ萌えやコメディー面での地味さ、ノリの古さ故か、イマイチ不人気な不遇作。
エンタメ的に見ると仕方がない面もありますが、決してク○アニメではない!
2015年春アニメの中でも地味に好きでした。(地味だけど…)

{netabare}『物語』
まず見所は、霊感持ちの天然不思議系お嬢様な天海響(あまみ・ひびき)と、幽霊ニガテなツンデレ井上成美(井上さん)との、ガールミーツガール。
井上さんが怖がりながらも響と仲良くなっていく過程に、若干の百合萌えあり。
2話にしてハートフル路線の、ちょっとイイ話が来るので、ここで幽霊否定派の井上さんの心境の変化も見所。
怖がりつつも響ラブな井上さんの百合萌えオイシイです♪
…仲良し女子グループに一人だけ男子居ますが、ラブコメ要素は皆無。
完全に賑やかし要員であり、山田騒ぐ→女子に制裁される流れが一種のお約束になっている感じ。

他の級友たちも気の良い仲間たちで、ごく自然に響の霊感体質にまつわるトラブルや、幽霊たちと交流していく。
この自然さが本作の持ち味で、人間と幽霊(死者)の境界が曖昧な世界観で、少し優しくハートフルな雰囲気が良いです。
コメディー面では、幽霊が日常的に学園生活にまざる事でのシュールな状況が面白い。
ギャグも文字通りの意味で「命」を張った幽霊ギャグは笑えましたw

中盤以降、かなりハートフル路線に。
コギャル霊と、彼女の母親…との絆を響が繋いでいく話は、親子の愛情を感じさせて良かった。
8話がベタだがかなり泣かせてくれる。
※「あの花」彷彿とさせる感動エピソードでした。1話完結の感動話としては完璧です。
8話ではアホの山田見直しました。
…2話の井上さんとおばあちゃんなど、全編を通して

「生者と死者を問わず、大切な人(家族)との絆」

を優しいタッチで描いた良エピソード多し。
本作はファンタジーであり、現実ではあり得ないけれど、(あったらいいな)と思えるステキなお話です。
感動一辺倒ではなく、基本は呑気なコメディーなのも良い。
代返侍とかコギャル霊とかが喧しく日常に絡んで来たら…ちっとも寂しくは無いですね。

終盤の展開は唐突感ありますが、響がいかに愛されているのか、親と子の絆を見せてくれました。
これまでの個別エピソード(井上さんと亡き祖母の思い出の卵焼き、幸せになった先生、コギャル霊など)が、しっかりと結実していく全体構成も上手いです。
ラスト手前で最終回でもおかしくない感動系、更に+1話で楽しい日常続きます的な締めも文句無し。
素直に温かい気持ちになれる、ステキな霊感ファンタジーでした。


個人的に大好きな作品だったのですが、ここからいくつか難点も。
コメディーはややノリが古い面があり、序盤はまだ友人たちのキャラ分からない事もあり、悪い意味でグダグダ感が否めない。
ここら辺は4コマ原作アニメとしての構成が若干上手くなかったのかな?
ギャグは「命」以外では特に笑える部分が乏しい。
井上さんの幽霊怖がりと山田が制裁される二大ネタを、お約束のノリとして楽しめるか否か…?
山田が邪魔?
ガールミーツガール系の中で、彼がウザかった。
(8話で彼の存在意義見直しましたが)
…個人的には、これらも致命的では無かったのですが、前半地味過ぎて切られる恐れはあると思った。
逆に後半は素晴らしい。幽霊含めキャラ増えてくる中盤以降、尻上がりに面白くなります。
ラスト手前の説明不足も全然気にならないです。


『作画』
響ちゃんのキャラデザがかなり好み。清楚系お嬢様かわいい。
井上さんのツンデレな表情など、キャラデザ面では非常に好きです。
気になるのは、目を髪で隠しつつも透けて見せる表現。
正直若干の違和感あり(古いタイプの表現か?)
構図の取り方や場面転換の演出面でも難あり、特に前半コメディー面でのテンポに影響した模様。
…とはいえ、個人的には、特に致命的とは思わんです。
響ちゃん可愛いじゃん。井上さんかわいいじゃん。花子さんかわいいじゃん。

『声優』
木戸ちゃんこと木戸衣吹さんが清楚系天然お嬢様を好演。
良いじゃないですか!木戸ちゃんのお嬢様系アリですな♪
伊藤美来さんのベタで些か不器用なツンデレも中々。
演技の上手さはともかく…ベタだけど可愛いから良いじゃないですか!
※私の中では伊藤美来さんすっかり「ろこどるのなにゃこちゃんの人」で定着してしまってますw
ろこどるではゆかりさんに百合萌えされ、本作では響ちゃんに百合ツンデレ…

皆口裕子さんと井上喜久子さんの、娘を想う母親役も非常に良かったです。
エロ猫のくじらさん、見事にくじらさんでしたw
代返侍の川原慶久さんの好演も光った。

『音楽』
OP「カラフルストーリー」は明るく楽しげ、ED「ケサランパサラン」含めて本作雰囲気に合ってます。
後半の感動系の余韻を、良い意味で壊してくれる。

『キャラ』
響ちゃん、清楚で天然なお嬢様で可愛い。奥ゆかしく、慈愛に溢れ、友達にも霊にも好かれる、良い子です。
萌え的にはありがちなキャラに見えるが、その掛け値無しの優しさは天使!

井上さんはベタで古典的すぎるツンデレであったが、対象が百合というのが芳文社4コマらしい。
井上さんはガチ。
霊感持ちに百合萌えなのに幽霊には滅法弱いギャップも萌える。
やはり非常に思いやりのある優しい子なのも好印象。

幽霊たちが個性派揃いで、またゲストも印象的でキャラ層は厚い。
代返侍とコギャル霊はユニークかつ良いキャラでした。
花子さんメリーさんかわいい。
地縛霊が(姿は見えないか)イケメンだったり。

アホの山田は存在が邪魔だったのではないか?
とも思えたが、8話で値千金の心憎い気配りを見せた事で、評価急上昇しました。
本作のコメディーにおいて欠かせない存在ですし。

他友人たちは前半キャラが薄めなのが難。
メシアさんやスマホ心霊写真の子はそこそこキャラ立ってましたが…
最後まで視聴するとどのキャラにも愛着湧きますが、4コマの萌えアニメとしては、華のあるスター性のある萌えキャラが不在かもしれない。
…個人的には、響ちゃん×井上さんで十分満足ですけれど。


『追記』非常に好みの作品です。
個人的に、数値以上に贔屓したくなる好きなアニメです。
微妙な部分も含めて、本作の空気感が愛おしい。
あにこれでも他でも評価伸びない理由が何となく分かってしまうのは、我ながらアニメに慣れ過ぎてしまっている…
初心に返って、こういうアニメを絶賛してみたいなぁ…。

『追記2』ハロー!!きんいろモザイクが手強すぎた…
他レビュアーさんも何人かご指摘されてますが、同時期に同輩の芳文社のエース「きんモザ2期」とカチ合ってしまった。
個人的にはレーカンにも良さがあると思いますけど…
きんモザとレーカン両方好きなんじゃ^~!{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 37
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

最終話まで視聴済。採点内にて感想を少し追記。総評も少し。

原作未読。
雑誌の表紙でアニメ化を知りました。

採点について-----
●物語●
{netabare}
ギャグ・コメディパートとシリアスパートと、
バランスの良い配分だと思います。
振り幅的な面でのバランスになりますか。
大笑いはさせないけど、ドン底に落とされることもない。

それでいて
何処か「泣かせてやろう」という意図の見える展開も。
まぁ見事に思惑通りになって、泣いていたわけですがw

同時期の『きんモザ2期』とは真逆で、
季節の移り変わりの早いことw
12話で1年半・・・。
{/netabare}
●声優●
{netabare}
正直この項目は評価し辛い。
メイン5人(山田込みで6人でも可)のキャストさんの演技そのものを、
他で聴き馴染んでいない面もあるとは思いますが・・・。
例えば・・・6話での「コギャル霊の母親」と比べると、
やはり『慣れ』『演技』『声質』などで差を感じてしまいます。
本当にすみません、偉そうなこと書いてしまって・・・。
{/netabare}
●キャラ●
{netabare}
メインの5人も悪くないのですが、
『猫』やら『代返侍』やら『コギャル霊』やら、
霊やお化けの方がキャラクターの濃いのが多いように感じるw

ツンデレの井上さんは輝いてると思いますw
{/netabare}
●作画●
{netabare}
12話通して安定していたと思います。
大荒れすることもなく。
1話がやたら綺麗だった印象はありますが、
見直してみても不満なところは無いです。

人物より背景や物の方が凝ってる印象があります。
{/netabare}
●音楽●
{netabare}
OPもEDも悪くないのですが、どちらかで(敢えて書くならEDかな)
ノリやテンションの抑えた曲が欲しかったかな?と。
意外と泣かせにくるお話が多いようなので、
EDは静かな曲でもマッチしていたような気がします。
あとは・・・「両方とも同じユニット」というのも無理矢理感が。
番組用のユニットなら仕方がないですが・・・。
{/netabare}
●総評●
{netabare}
ここ数年はきらら系以外の4コマ誌を購入していなかったので、
完全にノーマークからの視聴になりました。
強いて言うなれば「4コマ原作だから観てみるか~」くらいの動機。

だからなのか、存外に楽しんで観ていられたように思います。
飛びぬけた何かを持っている作品では無かったとも思います。
素人さんにオススメできる点を挙げるように言われても、
正直できるか怪しいですね。
それでも、何かがあったのだとは思っています。
ガッツリ霊感物でも無く。
霊は出てきても怖い部分はほとんど無い。
どちらかといえば、ゆったりまったりほんわか。
そして随所に散りばめられた「泣かせる」ポイント。

途中からキャラが増える度に、
足があるか確認しながら視聴するという
変な習慣ができましたw
{/netabare}


6話まで視聴後-----
{netabare}
敢えてネタバレタグを使う内容で無いのですが。
書きたいことは「採点」内に記せたと思います。

「声優」「音楽」の二項目は厳しめに書いてますが、
総じてはかなり楽しめてるのが正直なところです。
溜めることもせずに、毎週キチンと消化してます。

『きんモザ2期』が同じクールでなければ、
日常枠として評価が高めになっているのでしょうが・・・
相対的に低くなってしまうのが勿体無い。
掲載誌面は違えど、何故に競合させたのか・・・。
{/netabare}
3話まで視聴後-----
{netabare}
4コマ原作としては、今のところ可も無く不可も無く。
どちらかといえば良い印象ですが・・・。

この比較に意味は無いのかもしれませんが、
対抗馬(きんモザ2期)が強力すぎる。
扱う題材も作風も絵柄も掲載されてる雑誌も
全く違いますが・・・。
そういう意味で勿体無いといいますか。
同じ出版社だし、時期ずらせなかったのか?と思えてなりません。

1話、3話で予想外にホロリとさせられました。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

次々に起こる心霊現象・・・でも、あったかいんです^^

この作品の原作は未読ですが、原作は月刊誌の4コマ漫画みたいですね^^
この作品の事前情報は黒髪ロングの女子高生が登場することと、主人公を演じるのが木戸衣吹さん、という事くらいでしたが、キャラデザも好みだったので視聴を決定した作品です。

この物語の主人公は、他校から転校してきた天海 響ちゃん。黒髪ロングな美人さんで清楚で物腰が穏やか・・・まるで、どこぞのお嬢様のようです。
そんな彼女ですが、生まれつき強い霊感の持ち主なので頻繁に霊が見えるそうです^^
この作品では、霊感の強い女の子と彼女を取り巻く友達との日常を描いたモノになっています。

私は霊感が全く無いので、霊を見たことはありません。
もし、見えたら・・・きっと怖いと感じると思います。
考えてみると人間の視覚に反応しないモノって他にもあるんですよね。
力や電気は見えないし、紫外線や赤外線だって直接見ることはできません。
でも、これらが怖いか・・・と問われると、誤った使用方法や過度な摂取は危険を伴いますが、怖いという感覚はありません。
だから、霊は見えないから怖いのではなく、思念を持った存在でその思念を伝達する手段が無いから恐怖を感じるのだと思います。

なので、響ちゃんの傍にいたら間違いなくクラスメイトの井上 成美ちゃんと同じ言動を取っていると思います^^;
でも、もしその霊と意志の疎通ができて、霊の願いを叶えてあげられるなら・・・全ての霊が怖い存在とはならないのでしょう・・・
響ちゃんの仲良しクラスメイトは、これまで未知の世界だった霊との接触を体験しつつ・・・物語が動いていきます。

霊の中には、悪意を持つ霊もいるようですが、全ての霊がそうではありません。
物理現象に介入できないから人間に代わりをお願いしたかったり、生きている間に伝えられなかった一言を伝えたかったり・・・元は同じ人間だったと考えると霊たちの要求する気持ちも分かるような気がします。
自分のお墓を直してもらったり、食べ物を分けて貰った事に恩を感じ、響を守護する代返侍・・・
母に謝りたい・・・そんな気持ちで成仏できずにいるコギャル霊など、基本的に気持ちの温かい霊が殆どなので、安心して見る事ができます。

むしろ、本来であれば輪廻転生の輪に身を投じるべきところで、その流れに逆らいこの世に留まり続ける・・・という事は本来進むべきレールから外れているので、霊にとって大変な事なのかもしれません。
それでも留まり続けるって・・・意志の強さの成せる業? それとも優しさ?

だからかな・・・この作品を見ていると心が温かくなるんですよね^^
こういうココロがホッコリする作品も良いものです^^

物語の終盤・・・響きちゃんは願ってしまいます・・・
どうしても会いたかったから・・・
触れた記憶が欲しかったから・・・
これまでずっと我慢してきたから・・・
彼女の想いは届くのでしょうか・・・気になる方は是非本編をご覧下さい^^

オープニングテーマ「カラフルストーリー」
エンディングテーマ「ケサランパサラン」
どちらの曲もevery♥ing!さんが歌っています。

1クール13話の作品でした。心がホッコリ温かくなる作品が多く、きんモザとはまた違った癒しを与えて貰った作品でした。
そして物語は普通に・・・何の前触れも無く終わったように思いましたが、続編があるのでしょうか^^?
4コマ漫画だからストックに時間がかかるのかもしれませんが、もし次期があるなら是非視聴したいと思います♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

62.2 12 東京で神社なアニメランキング12位
新サクラ大戦 the Animation(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (145)
502人が棚に入れました
太正三十年(1941年)帝都・東京は、平和な日々を取り戻していた ―――『帝国華撃団・花組』は隊長神山誠十郎が欧州へ赴任し、天宮さくらが隊長代理に就任していた。日々奮闘している花組の元に神山が一時帰国するが、その傍には見知らぬ少女がいた。少女の名はクラーラ。大きな事故に遭い壊滅した莫斯科(モスクワ)華撃団の唯一の生存者だという。神山から託され、花組へと転属になったクラーラを迎え入れるさくら達。そんな中、『莫斯科華撃団』を名乗る一団が突如帝都に現れる―――莫斯科から来たクラーラとは何者なのか?そして、壊滅したはずの莫斯科華撃団の来日の目的とは?帝国華撃団・花組の新たな戦いの幕が開く!

声優・キャラクター
佐倉綾音、内田真礼、山村響、福原綾香、早見沙織、阿座上洋平、富沢美智恵、和多田美咲、白石晴香、赤羽根健治
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

観終わった

1話感想{netabare}
第一印象、キャラヘボっ。
なんでこんなにヘボいんだ?見続けたら慣れる?
3Dでキモくなるなら前期やってたPSO2を3Dでやりゃあ良かったのに…あっちならキモくても「原作ゲームからそうだしw」で気にならなかっただろう。
一方でサクラ大戦でキャラがヘボいのは致命的じゃない?
セガ発注先間違ってない?
ステージシーン考えると3Dにせざるを得なかった?

で、内容に関しては様子見。
因みに前作は殆ど覚えてない、横山智佐が真宮寺さくらのコスプレして「笑っていいとも」に出てたことと田中真弓の数少ない美女?役が印象的だった(他はうる星の竜之介くらいしか知らん)、その程度。
と思ってたら…富沢美智恵キター!
そっかそっか、クレしん見なくなって久しいせいかスゲー久しぶりに聞いた。
じゃあ富沢美智恵のためだけに見続けられる…かも?
最近パズドラが神代千衣目当てで見続けられると踏んでたら挫けたばっかりでねぇ、チト自信無いけど。

ところでパルマってパルマすみれか?…あー育ててるわ、とうとうカチ合っちゃったかぁ。{/netabare}

最終回(12話)までの感想{netabare}
3話、「敵出現、場所は勝鬨橋」ってことで足止めで折角橋を跳開してるのに、そこは全然クローズアップしない。
気付いた方はニヤリとしてくださいってことだろうか?
んなこと言われても…正直霊子甲冑の活躍より勝鬨橋の跳開の方がカッコいい・画面栄えすると思うのだが。
その一方で4話、前の回で出すぎた真似をして失態をこいた初穂にわざわざ台詞で「思わず飛び出して家に帰ってきたけど…」と言わせておいて、次のシーンで「実家に帰る」という書き置きが画面に映る。
どっちか片方で分かるよ、なんでここはそんなに親切なんだ。
と思ったら千年桜…千年桜って名を冠してる割には木が若い、中野の街路樹レベル。
「千年桜」で画像検索すりゃ分かると思うけど古木だったらつっかえ棒してナンボってなもんで、名前使っただけで全然調べてないのがなんか見えちゃって…おおう。
サクラ大戦ってタイトルにまで使ってるのに桜の描写がイマイチって、良いのかなぁ…。
と思ったら6話ではセキシュウの屋敷に藤棚らしきものが映ってるのだけど…えっ、花じゃなくて実がぶら下がってるwヘチマやヒョウタンじゃないよね?
前々回で桜が咲くより前の季節(千年桜が咲いたのはクララのせい)だったのにもう夏?と一瞬思ったけど、葉っぱ繁ってないし前年のものが残ってるのか。
変わったモン描くなぁと思うと同時に、妙に背景に映り込むので何か意味があるのかも?と思ったが無かった。
そんなところに凝るなら千年桜の方を…まぁいいか。
そしてボレロw
コロナ関係で3話で止まっちゃってるけど“デジモンアドベンチャー”が同時期放送されてるのにこっちで聞くことになるとは。
7話、浅草は花やしきでセキシュウから尾行されてると言われ凌雲閣へ移動…って、こっちの凌雲閣は13階建てなんだが!?不吉すぎんだろw

と突っ込んだり感心したりでなんやかんや楽しめたのはここまで。
8話からは話が動き出して設定紹介と〆に向かって展開するのだけど、これがちょっと…総評の方にまとめておきます。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
作画は3話くらいまで見ると案外慣れた。
違和感覚えるのはサクラと初穂とあざみの顔とクラーラのまつ毛なんじゃないかな。
よりにもよってこいつらが序盤登場頻度が高いっていうね。

でもって内容…どうやら家族をテーマにしてるっぽいのだけど、超うっっっっっすい、薄っぺらい。
クラーラを家族として絆を深める描写が無い(足りないではなく、無い)ので、私の中では「ロシア華撃団が胡散臭いからクラーラは渡せない」って認識から前進してない。
なのに「クラーラは家族だクラーラは家族だ」言ってて全くピンと来ない。
お前らそんなに仲良かったっけ?
3話から7話の間にもっと話数が存在して本当は4クールの作品だったんだろう、と納得するしかないのかな。
また、前作だか原作を知ってることを前提とした作りなのか、コウマをどれだけ敵視してるのかこれまた描写が無いため、クラーラがコウマ人間だと知って受け入れられるかどうかの葛藤もピンと来ない。
(ってか「コウマ人間」ってどこかで聞いたことあるなーと思ったら“クイーンズブレイド”の甲魔忍軍でした、いやそんだけ)
そして9話でクラーラと姉妹だって分かってるのにレイラに対して化け物呼びは軽率すぎじゃない?
シナリオの都合で言わされた感が半端ない。
そもそもレイラが全然、全~然化け物に見えない。
“BEM”のベラくらい変貌するのが最低ラインじゃないかな、あれだったら「美しい」と言うのがどれだけブっ飛んでたかよく分かる。
BEMが名作だとは言わないけど、あれを見た後でこっちを見せられてもただひたすら薄く感じるだけ。

一番の問題は最終回。
ナウシカがテトを手なずけ、ササミがミサの殻を破って、集結したマクロス軍団がヴァジュラを撃って、ダークファルスが復活してダーカーを召還して、ルールカがZZガンダムのコアファイターに乗って駆けつけ、荷電粒子砲をシールドライガーが防ぎ、ZZガンダムがドッキングして…。
えーっとえーっと、レイラの亡霊が想い人たるラスボスの足を引っ張るのも何かあったぞ?
なんかもう既存作品の名場面をこれでもかとツギハギした展開、もうちょっと手加減しようよ。
スポンサーを同じとする前期アニメ“PSO2エピソードオラクル”もお約束展開てんこ盛りだったけど、こんな1話にごっちゃり詰め込みはしてないぞ?
試製桜武なるものを操縦するには命の危険が伴うなんて設定はどこかに飛ぶし、コウマ人間をナディエージダと呼ぶことも忘却の彼方。
ラスボスに「あなたは神じゃない(中略)人間なのよ」とトドメを刺す時は何処かに不完全な部分があってそこを突いた時に言う台詞じゃないかなぁ?
でもって騒動の発端は大昔のセキシュウが原因っぽいんだけど、そこは本人も自覚無かったみたいだし責任追及するのは酷かな?
そっちよりも人体実験した博士が良い人扱いだった方が…いやそれもロシアだったら仕方ないのか?

結局、家族だと言えば道理が引っ込む空虚or押し付けがましい展開ばっかりで、クラーラを家族と認めたのも美少女だったからじゃねーの?というオチ。
そうだなあ、これがサクラが男でちょいとロリコンの気があったなら辛うじて話が成立したかも知れないけど、そのフォーマットのまま無理やり女だらけにして微調整をしないまま作品を仕上げてしまった感じ。
それと美少女をブサイクorキモいクリーチャーに変容させるのはスポンサーから待ったがかかったのだろうか、このストーリーにそのデザインは合わないよって状態になってた。

とはいえ繰り返しになるけど問題のCG作画は見続けると慣れる。
動きに不自然さが少ないのかな?“空挺ドラゴンズ”よりずっとマシ。
またメインキャラクター以外は手書きなので、どこがCGでどこが手書きだか注意して見てみるのも面白いかも知れない。
「なにか変わったことをやろう・新しいことをやろう」というのではなく、ひたすらベタな展開を寄せ集めて切り貼りしたある意味ド無難な作り、ただ「繋ぎ目」が雑だったという感じ。
ゲーム原作にありがちなキャラが大量に出て覚えきれないってことも無いし、総合すると並よりちょっと下くらい、こき下ろす程のものでもない。
シリーズ全部見て思い入れがあるとまた違ったのかな?(特にコウマへの敵対心)
そうそう、あと作中「今季節は冬です、少なくともサクラが咲くより前の時期よ」と印象付ける描写が多いので、最後桜が舞い散って終わるのかと思ったらそうではなかった、まぁいいけど。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

死んだものは容易には蘇らない

サクラ大戦の新シリーズ…のゲーム後の時間軸のアニメらしい
ゲームに関しては旧作の1をちょっと触った程度
そのためシリーズに対する思い入れは特にない

総評はタイトルの通り
サクラ大戦ってシリーズ自体が2005年に旧作のゲーム展開を終えていて、10年そこらの断絶が起きている
そこから突然新たな展開を始めても、一度コンテンツ全体が「死んだ」状態にあるために蘇生させることが出来なかった

この辺はシリーズに関する余談
{netabare}当時ハマった人だろうが10年も経てば環境も趣味も変化を迎えるわけで、再度の取り込みはもっと丁寧にしないと駄目だろうと
逆に掘り起こすには10年というのは古典になりきれていないため、新規層の履修ハードルがやや高い
というより古参の存在が前提にあるため、「履修を前提にした要素」が求められてしまい新規層が近づきづらい
その上懐古する人にとっては大きすぎる変化の振れ幅で、何をターゲットにどう展開したいのかがかなり曖昧だった

…傍目に見ていても旧作の動きが鈍いまま新作を展開しても難しいだろうと思っていたので、
その点については企画の見通しが甘すぎたなという印象
じゃあ「サクラ大戦」じゃなければこのアニメは上手くいったかと言えば、単品で見ても粗が多いわけだけど…
{/netabare}

こっからアニメシナリオの話
{netabare}一言で言ってしまうと「お前ら生身でいいじゃねーか」
霊子甲冑を纏う帝国華撃団の面々は基本的に無力で、話のメインは生身の師匠が無双する展開ばかり
終盤で戦う敵キャラも人間サイズだし、ラストシーンのトドメもサクラの生身での特攻
最後は生身ってのは上手く行けば熱い展開になるけど、それまで散々生身の活躍ばかりだったから、
「やっぱ生身かよ…」の失速感ばかりが目立ってしまう
大筋は悪いとまでは思わないけど、展開の作り方が上手くないなという場面が多かった

というか根本的な話になるけど、アニメにするなら新キャラ出してのシリアス展開はいらなかったと思う
新シリーズのキャラは馴染みがないために、アニメから新作に入った人間にとってはメインキャラ全員の掘り下げが足りない
そこにクラーラの秘密や偽モスクワの陰謀を仄めかされてもイマイチ乗り切れない

いっそ歌劇団としての活動の部分をメインにして、日常回の合間に敵を退治するシンプルな構成のが良かったと思う
日頃の活動を通してキャラへの感情移入をさせて、そこからゲームに誘導して本編の活躍を見せれば
メディアミックスとしては十分だったかなと

まぁそもそもシリアス展開を用意して、プレイヤーキャラの出番を削るにしても花組全体を空気にしたのがまずおかしい
師匠一人でなんでも出来てしまうから、花組がいないほうがスムーズに話が進む場面のが多い
ゲーム本編で活躍した(だろう)キャラが生身の師匠の前座に過ぎないってのは流石に…
{/netabare}

そして気になったのがCGキャラのモデリングとモーション、構図
{netabare}これはハッキリと悪い点なんだけど、キャラが可愛くない
キャラデザの問題(3Dで可愛くしづらい)はあるのかもしれないけど、それにしたって…
特に黄色の子に関しては服装や眉の形、髪型がとにかくチグハグで、一瞬だけ可愛く見えるのにちゃんと見るとかなり微妙

モーションに関しては違和感の強いような部分はない
自然に歩かせるのはまだ技術的に難しいんだろうなと思った程度で、標準的なクオリティ
ただ、画面の構図の取り方、カット割りの悪さとマッチしてかなり微妙な印象

中途半端に遠目の視点になっていて、キャラの「動きをつけていない部分」が割と目立つ
特にロシア組は舞台的な大仰な仕草が多いために、中途半端な引き絵と合わさって動かない余白がむしろ寂しい
優雅さの演出のためか動き自体もゆったりとしているため、余計に「何もないとこで手だけ動かしてる感」が見えてしまう
キャラクターが動き回り、背景でエフェクトが飛び交う戦闘中はこの手の違和感もないため、会話シーンの見せ方にも工夫が欲しかった

そして何より問題なのが戦闘シーンで棒立ちの場面が多いこと
これは脚本が「花組が棒立ちしてる間に敵が襲ってきてピンチ!でも師匠が全て解決!」としているのが最大の問題ではある
でも、後衛キャラに関しては適当に魔法を使わせるなり銃を撃たせるなり出来たのでは?
前衛がノープランで飛び出してワンパン大破、後衛は棒立ちで見守って前衛が倒れてから慌てだすってシーンが多すぎる
まるでターン制バトルを見せられてるような順繰りの行動ばかりで、総攻撃するのは終盤だけ
敵の出現数が少なすぎてキャラを一度に動かせる場面が少ないのが原因なので、そこはちゃんと擦り合せをしてほしかった
{/netabare}

歌に関してはまぁこんなもんやろって感じ
可もなく不可もないし、歌劇団としてはちょっと怪しいけど声優の歌唱ならこれで十分

{netabare}むしろ気になったのはOPの編曲
旧作アレンジにするなら大筋のメロディを変えるべきじゃないし、イメージを刷新するならこの曲にすべきじゃない
再三になるけどこのシリーズは一度「死んでる」わけで、引き継がせるならもっと丁寧にやらないと
仮にこれが「シリーズ展開を続けた上での6作品目のアニメ化」ならこの曲でも良かった
それまでのシリーズの総決算と、新シリーズとしての展開として相応しかったと思う
でも、一度完全に流れが断絶したとこに派手なアレンジを加えても無用な馴染みのなさばかりが目立つ
キャラデザを一新して心機一転を図っている割に、中途半端に旧作を引きずろうとして失敗している印象
{/netabare}

シリーズとしては失敗で、単品としては中の下といったところ
企画の発端から甘かったんだろうな、という新サクラ全体が見える作品だった

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

大戦というより小競り合い

実は元ネタ観たことない


たしかJUMPでちさたろー(横山智佐)が主役やるよーというのがあったようななかったような。
サターンなんぞ持っとらんよ。プレステ派でした。
CMで流れてたので『ゲキテイ』は知ってます。
大正時代でしょ?『はいからさん』と宝塚ががっちゃんこしてロボバトルしてるイメージ。


前作への思い入れはありません。
視聴動機は“広井王子のワークスに触れてみよう”でした。自分が中学か高校くらいの時に勃興してきた人、というイメージの彼。『天外魔境』『魔神英雄伝ワタル』『グランゾード』そして『サクラ大戦』と彼の作品群に触れずにこれまで生きてきました。作品名は存じてますが、PCエンジン持ってなかったりサターン持ってなかったり、アニメだったら地方では放送してなかったりと縁がなかった印象です。満を持してはじめて触れたのが『ソラとウミのアイダ』ですかね。こういっちゃなんですがひどかったです。はたして“昔は凄かった過去の人”なのか“単にパブリックイメージが肥大化しちゃった普通の人”なのかこの目で確かめたかったのです。
なおこれについての結論は保留。やや後者寄りの見解です。実際のところ広井氏はこの新作に関与してないらしいのでこれで評価するのはフェアじゃないというのが理由。

おそらくこの『新サクラ大戦』視聴層は旧作経験者で占められるのではないでしょうか。前知識ないとこんな感じでした、的な感想書いときます。


結果↓


{netabare}失敗した。つまらん。{/netabare}


あくまで仮定ですが、旧作ファンが懐かしんで愛でる以外の需要はないのではないかと思われます。
ポジティブに評価できるのは一点。ゲーム原作にありがちな“独りよがり謎設定”に置いてけぼりにされるのがなかったことくらい。旧作キャラの登場や踏襲された世界観はオールドファンに寄せた無難さを感じました。

そしてメリットはデメリットと裏返し。そら整合性求めりゃグダグダなところは随所にあるのですが、度し難い謎設定ではないので拒否反応はない。ただ単に時間が流れていくだけ。なんとなくいい話のような緊張感あるようなシーンが続きだらだら鑑賞はできるのですがビックリするほど記憶に残りません。帝国華撃団の主役級五名のキャラ回らしきものがなかったのも輪郭がぼやけた理由でしょう。
あとは自分の好みないし事前のイメージ(期待)とかけ離れていたことかしら。具体的には以下二点↓


1.ヅカ感に乏しい

実際のモデルは松竹らしいのですが、華撃団≒歌劇団なわけじゃないですか。そう宝塚です。
舞台に生きてるシーンが極めて少なく、本筋が降魔との闘いだったとしても日常パートとしての舞台シーンがほぼ無く他のアニメと同様な日常パートが展開されてたのが残念です。ここ差別化できるポイントだったと思うのですが素材を使いきれてない。

{netabare}普段はトップスタア。でも実は…{/netabare}

そして舞台シーンもイマイチでした。人数が5人だからってのもありますが、カーテンコールのとこしかなかったんじゃないかしら。“ラインダンス”“レビュー”とかやりゃいいのに。寸劇もアイドルもの延長線上の演出で、これでサイリウムとか出てきたらたぶん即切りしてたと思います。
旧作がどうか知りませんが、やや期待してたヅカ的舞台演出がなければその他作品に埋没するのです。


2.大正感に乏しい

大正二十九年の設定です。
いくらスチームパンクな世界観だったとしても背景や小道具とかもっと史実に寄せることはできなかったんでしょうか。ビールやキャラメルの広告をさらっと挿入したり、やれることはあったでしょうに。

{netabare}大正モダニズムの欠片だけでも…{/netabare}

年代的に“レニングラード”だったであろう場所が“ペトログラード”のままだったり共産革命なかったのかしら!?と妄想するのは楽しかったんですけどね。


1.にせよ2.にせよ当方が勝手に期待して勝手にがっかりしただけとも言えるのでみなさんはあまり気にせずともいいでしょう。単に期待値コントロールを失敗しただけともいえます。
とはいえキャラもストーリーも凡庸だったので、他と差別化できるアドバンテージをみすみすドブに捨てた感じ。作品としては並も並。オールドファンが温かい目で観てあげたらよろし。そんな作品です。



※余談

■セヴァストポリ

いいっすね空中要塞。
言わずと知れた黒海へ抜けるクリミアの要所。要所ゆえに要塞化したのが現実のセヴァストポリ。クリミア戦争ではナポレオンⅢ世が、WWⅡではドイツ軍がえらい目に遭ってました。作中でこれを持ってくるセンスはさすがです。

日露戦争とかやらなかった世界線でしょうか。
要塞攻略といえば“旅順要塞”なんかも有名です。司令官の乃木希典は攻略にてこずったことになっていて、司馬遼太郎『坂の上の雲』では愚将としてボロカス言われており評価別れてますよね。
実際のところ、要塞攻略時の損耗率をみると同条件でないことを差し引いても乃木大将の戦略は極めて効果的であったと判断できます。少ない犠牲で陥落させているという意味です。この辺は好き好きでしょうし興味なきゃスルーでしょうが、伊達に神社ができたり駅名になってたり、アイドルグループの冠に使われてたりしないよね~とあらためて思ってたりしました。



視聴時期:2020年4月~6月 

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2020.06.21 初稿
2020.12.19 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 47

61.9 13 東京で神社なアニメランキング13位
X-エックス(TVアニメ動画)

2001年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (47)
359人が棚に入れました
東京を舞台に、人類の存続を求める天の龍と、汚染されたそれではなく、自然のあふれる地球に帰したがっている地の龍の戦いを描いている。CLAMP原作のファンタジー・アニメ。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

初期CLAMPの未完作ですが、ツバサの外伝的な楽しみ方が出来ました。

◆設定過多でカオスな異能力バトルもの

自然破壊が続く東京で、{netabare}「天の龍」と「地の龍」という異能力者の二大勢力が、それぞれ「人類」と「地球」の生き残りを賭けて{/netabare}激突する・・・というなかなか壮大なプロットの作品ですが、登場キャラが多く、かつ彼ら/彼女らの異能力の設定がゴチャゴチャし過ぎで、肝心のシナリオがキャラ設定に振り回されてイマイチ面白さが伝わって来ない印象でした。

CLAMPらしく、悲しい恋あり・熱い友情ありのドラマチック&ロマンチックな作風ですが、本作の頃はCLAMPさんもまだシナリオを綺麗に纏める技術が発展途上だったのかも知れませんね。

とはいえ、本作には、後のCLAMPの人気作『ツバサ・クロニクル』の脇役キャラが多数登場するので、私のようにそちらを先に視聴して気に入っている人には、本作をその外伝みたいに楽しめる余地があるかも知れません(そういう意味で個人評価を ☆ 3.8 と心持ち高めに付けています)。

なお本作には、先行して制作されたダイジェスト的な劇場版もあるのですが、そちらはTV版以上のトンデモ展開が続くので敢えて視聴はお薦めしません。


◆設定メモ

登場キャラが多いので、キャラ名・能力・役柄等を事前にある程度把握しておくと視聴が楽になると思います。
(以下WIKIPEDIA等から引用編集、★は『ツバサ・クロニクル』の登場キャラ)

◎天の龍

「天の龍の神威」に率いられる7人の能力者。別名「七つの封印」。
彼らが勝ち残れば、人類は生き延びる。
彼らのうち少なくとも6人は結界を創り出す能力を保持。
真面目タイプが多い。
{netabare}
(0) 丁(ひのと):※七つの封印の召集者
  国会議事堂の地下で暮らし、予知夢によって歴代の総理に数々の助言を与えてきた夢見。
(1) 司狼神威(しろう かむい):★
  主人公。高校1年生。地球の未来を左右できる存在(1人目)。
(2) 有洙川空汰(ありすがわ そらた):★
  高野山の一葉で、高野山の開祖に匹敵する力を持つ。結界は立方体。
(3) 鬼咒嵐(きしゅう あらし):★
  伊勢の隠し巫女で、伊勢の霊力総てをその身に隠す。掌から御神体を出す。結界は四角錐。
(4) 蒼軌征一狼(あおき せいいちろう):★
  出版社勤務。心優しい風使いで、妻と娘を愛している。結界は八角柱。
(5) 夏澄火煉(かすみ かれん):
  ソープ嬢の経歴を持つ火を操る異能者。結界は十字架型。
(6) 猫依護刃(ねこい ゆずりは):★
  眷属神「犬鬼」を使役する三峰神社の孫娘。結界は円柱。
(7) 皇昴流(すめらぎ すばる):★
  陰陽師の最高峰・皇家当主。夢見の双子の姉(皇北都)を7年前に亡くしている(『東京BABYLON』)。結界は星型。{/netabare}

◎地の龍

「地の龍の神威」に率いられる7人の能力者。別名「七人の御使い」。
彼らが結界をすべて破壊し尽くせば、地球は生き長らえる。
サイコパスや引きこもりタイプが多い。
{netabare}
(0) 庚(かのえ):※七人の御使いの招集者
  丁の妹。夢見ではないが丁の夢に入り込むことができる。東京都知事秘書の要職にあり、都庁地下に七人の御使いを召集。
(1) 桃生封真(ものう ふうま):★
  刀隠神社の跡取り息子。高校2年生で神威の幼馴染にして添星。地球の未来を左右できる存在(2人目)。
(2) 麒飼遊人(きがい ゆうと):
  区役所に勤める公務員。ホストっぽい外見の水使い。
(3) 八頭司颯姫(やとうじ さつき):
  天才ハッカー。都庁の地下にある彼女が設計・製作したスーパーコンピュータ・獣(ビースト)とケーブルに全身を絡ませる形で一体化して情報を収集する。
(4) 志勇草薙(しゆう くさなぎ):★
  陸上自衛隊員。草木や動物と話ができる。
(5) 桜塚星史郎(さくらづか せいしろう):★
  皇家と双璧をなす暗殺者集団(桜塚護)の力を継ぐ。昴流を庇い右目を失明しており、北都を殺している(『東京BABYLON』)。
(6) 那吒(なたく):
  サンシャイン60の地下にある塔城製薬の研究施設で女体を通さずに生まれた生命体(素体の遺伝子情報は塔城製薬会長の孫娘(塔城霞月(とうじょう かづき)のもの)
(7) 玖月牙暁(くづき かきょう):★
  FOUR SEASONS HOTELに長期滞在客として宿泊している夢見。植物人間状態。{/netabare}

◎その他
{netabare}
(1) 桃生小鳥(ものう ことり):
  神威の幼馴染で封真の妹。心臓の弱い病弱美少女。植物や鳥と話ができ、潜在的に母親譲りの夢見能力を持っている。
(2) 桃生鏡護(ものう きょうご):
  封真・小鳥の父親。刀隠神社の神主。神社を襲った那吒から神剣を守るために命を落とす。
(3) 桃生紗鵺(ものう さや):
  封真・小鳥の母親。小鳥が10歳の時に神剣を生み死亡。
(4) 司狼斗織(しろう とおる):
  神威の母親。紗鵺とは高校以来の親友。地球の影贄となったが失敗。旧姓:真神(真神家は、重要人物などの影贄となり、総ての厄災を受けその人物を守ることを生業とする)。
(5) 真神時鼓(まがみ ときこ):
  斗織の妹。神威より14歳上。神威のためにもう一本の神剣を生み出す。養護教諭免許持ち。
(6) 皇北都(すめらぎ ほくと):
  昴流の双子の姉で故人(『東京BABYLON』)。
(7) 砕軌玳透(さいき だいすけ):
  10歳の頃から丁に仕え、密かに好意を持っている。伊勢付きの風使い一族の一人。「七つの封印」の一人蒼軌征一狼の甥。{/netabare}


◆制作情報(TVシリーズ)
{netabare}
原作マンガ  CLAMP(『月間ASUKA』1992年5月-2002年まで連載、以降休載)
監督     川尻善昭
脚本     川尻善昭、杉原研二、筆安一幸、ときたひろこ、江夏由結
キャラクターデザイン 兼森義則
音楽         佐藤直紀
アニメーション制作  マッドハウス{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== X -エックス- (2001年10月-2002年3月) ============
{netabare}
第0話 予兆 - AN OMEN ☆ 皇北都の死、玖月牙暁の夢見、桃生小鳥の夢渡り ※ED「STRENGTH」
第1話 再会 - A REUNION ★ 天の龍「7つの封印」招集、司狼神威と桃生封真・小鳥兄妹の再会
第2話 夢見 - A NIGHTMARE ☆ 丁姫の夢見、「七人の御使い」の妨害 ※異能力バトルものと判明
第3話 約束 - A PLEDGE ★ 刀隠神社の真剣、那吒の真剣強奪
第4話 影贄 - A SACRIFICE ☆ 二つの真剣・二人の神威、身代わりの家系(真神家)、神威の母の死因・叔母の忠告、伊勢の巫女と高野の一葉の出遭い
第5話 宿命 - A DESTINY ★ 丁姫と神威・空汰の面会、丁の夢(地球の未来、東京の結界、神威の真意、庚の介入)、桜塚護の影
第6話 高野 - KOUYA ☆ 高野山の秘蔵っ子(有洙川空汰)の決め人(伊勢の巫女)
第7話 電脳 - CIVER ☆ 「七人の御使い」の一人、電脳融合技術者(八頭司颯姫)、塔上製薬のクローン実験
第8話 添星 - GEMINI  ★ 桃生鏡護(封真・小鳥の父)の死、桜塚星史郎来襲、もう一人の神威
第9話 陰陽 - ONMYOU ☆ 陰陽道の最高峰当主(皇昴流)と星史郎・北都の因縁 
第10話 犬鬼 - INUKI ★ 秩父三峰神社の巫女の孫娘(猫依護刃)の過去話 ※市ヶ谷周辺と靖国神社の大鳥居の描写あり
第11話 境界 - BORDER ★ 小鳥の予知夢、神威の過去(転校後、母の死)、二振り目の真剣誕生 ※かなりのトンデモ展開だが第11-12話で前半の山場◎
第12話 選択 - ALTERNATIVE ★★ 牙暁の夢渡り、神威の選択(今か変革か)、封真の変貌、小鳥死亡「未だ、未来は決まってなんかいない」 ※CLAMP学園笑
第13話 帰還 - RETURN ★ 地の龍「7人の御使い」、昴流と神威(夢の中の出遭い)
第14話 集結 - GATHERING ★ 天の龍「7つの封印」集結、五芒星の中心、丁の告白、週末の戦い開始
第15話 守護 - GURDIAN ★ 池袋サンシャイン60の死闘、砕軌玳透(丁の護衛)死亡
第16話 虚無 - SLAUGHTER ☆ 皇昴流の右眼喪失、裏丁初出、北都最後の呪文と星史郎死亡 ※キャラの心情が説明不足×
第17話 苦悶 - WISH × 神威の決意 ※第17話迄の総集編(ラスト5分のみ新規シーン)
第18話 新生 - NEWBORN ★ 護刃回(草薙との交流、犬鬼死亡・生まれ変わり)
第19話 煉獄 - INFERNO ★ 火煉回(過去回想、那吒との戦い、遊人との戦い、征一狼の救援)
第20話 恋歌 - RIPPLE ★ 嵐・空汰回(嵐の過去回想、空汰の嵐救援、結ばれる二人)、嵐の決意
第21話 流浪 - CURRENT ★ ビ-ストの嫉妬、火煉・遊人相撃ち・死亡、颯姫死亡
第22話 背信 - BETRAYAL ☆ 裏丁の呪符、丁自決・真剣封印解除、嵐出現・草薙重症
第23話 天地 - EARTH ★ 港湾コンテナ施設の戦い(空汰死亡、封真半焼の重症)
第24話 伝説 - LEGEND ☆ 那吒消滅・封真回復、東京タワー最終決戦、後日譚{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)14、☆(並回)9、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.8

OP 「eX dream」
ED 「secret sorrow」


◆制作情報(劇場版)
{netabare}
原作マンガ        CLAMP
監督           りんたろう
脚本           渡辺麻実、大川七瀬、りんたろう
キャラクターデザイン 結城信輝
音楽           清水靖晃
アニメーション制作  マッドハウス{/netabare}


◆タイトル&評価

============== 劇場版 X -エックス- (1996年8月) ============

全1話 ☆ 3.5 ※TV版のダイジェスト的なアナザーストーリー、1時間28分

主題歌「Forever Love」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

20年以上前の作品でも十分楽しめる普遍的な面白さは、さすがCLAMP!

【レビューNo.91】(初回登録:2023/10/21)
コミック原作で2001年作品。全24話。
今では、(魔法を含め)異能力モノと言えば異世界やゲーム世界への転生で
「凡人でも異能力者になれる」
作品が多いですが、本作は古い作品らしく陰陽師や霊峰高野山だの由緒正し
しき神社の巫女といった「神聖なる力を宿した血筋」という正統派。
そういう意味では、引きニートでもガチャが引けるいい時代になったのか?!

(ストーリー)
母の遺言で沖縄から東京に帰ってきた少年がいた。彼の名は司狼神威。異能を
有する彼には、人類の存亡を懸けた2つの選択肢が示されている。
・「天の龍」となり人類の存続を願う道
・「地の龍」となり人類を汚染とみなし、自然あふれる地球に戻そうとする道
 (人類の滅亡)
また「運命の時」が近づいたとして
・「天の龍」陣営 →「七つの封印」と呼ばれる者たち
・「地の龍」陣営 →「七人の御使い」と呼ばれる者たち
それぞれの運命を背負った異能力者たちも、続々と東京に終結しつつあった。
そして司狼神威は決断する。自分は愛する者を守るため「天の龍」になると。
その時、彼の幼馴染で「神威の添星」であった桃生封真が「もう1人の神威」と
して覚醒、「地の龍」として別人格が現れる。
こうして「天の龍」と「地の龍」の「2人の神威」が誕生した今、人類の存亡を
懸けた最終決戦が幕を開ける!!

(評 価)
・CLAMPお得意のスターシステム型のエンターテイメント作品
 CLAMPのアニメ化作品といえば「カードキャプターさくら」「XXXHOLiC」
 「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」などが有名ですが、本作はそれ以前の作品
 となります。
 (といってもいまだ原作は完結していないが)
 「X」以前の作品「東京BABYLON」等の登場人物が出演するなどクロスオーバ
 ー作品でCLAMPお得意のスターシステムを採用しています。
 両陣営の登場人物を下記に示します。

 『天の龍ー七つの封印(人類の存続)』
 {netabare}・司狼神威
  「天の龍」と呼ばれる者
 ・有洙川空汰
  高野山の秘蔵っ子で、高野山の開祖に匹敵する力を持つ。
 ・鬼咒嵐
  伊勢の隠し巫女で、伊勢の霊力総てをその身に隠す。
 ・蒼軌征一狼
  風使いの一族の出で一族最高の風使い。
 ・夏澄火煉
  火を操る異能者。
 ・猫依護刃
  三峰神社の孫娘にして、眷属神「犬鬼」を使役する。
 ・皇昴流
  陰陽師の最高峰・皇家当主。(初出は「東京BABYLON」){/netabare}

 『地の龍ー七人の御使い(人類の滅亡)』
 {netabare}・桃生封真
  「地の龍」と呼ばれるもう一人の「神威」
 ・麒飼遊人
  水を操る異能者。(初出は「破軍星戦記」)
 ・八頭司颯姫
  天才ハッカーで、スーパーコンピュータ・獣(ビースト)を操る。
 ・志勇草薙
  草木や動物と話ができる(パワーファイター?)
 ・桜塚星史郎
  皇家と双璧をなす暗殺者集団「桜塚護」。(初出は「東京BABYLON」)
 ・那吒(なたく)
  製薬会社の研究施設で造られた人造人間。
 ・玖月牙暁
  夢見と呼ばれる未来を予見する者。{/netabare}

 また「天の龍」の拠点として「CLAMP学園」も登場します。
 その他夢見という存在が物語に大きく関わっており、国会議事堂の地下で
 国を未来を予見して国事にかかわる丁(ひのと)の存在であったり
 (夢見で神威の運命を指し示し、人類存続のため神威に助けを求める)
 玖月牙暁を通じて(以下重要ネタバレ)
 {netabare}・桃生小鳥(司狼神威の幼馴染で封真の妹:覚醒した封真に殺される)  
 ・皇北都(昴流の双子の姉:「東京BABYLON」で星史郎に既に殺されている)
 といったキャラが、夢見の世界で物語を紡ぐ等作品に彩を添えています。{/netabare}

・東京は地球の要?!結界石を廻る攻防
 物語では「東京は地球を支える楔」として、数々の人為的な結界が張り巡
 らされています。
 ・(皇居を中心に仏手の形に敷かれた絃状結界の山手線
 ・サンシャイン60、靖国神社、レインボーブリッジ、東京タワー等
 これらの人工建造物は「結界石」と呼ばれ、全てが破壊されれば大規模な
 災害が発生し、文明が破壊され人類が滅ぶとされており、
 ・この結界石を守るのが「天の龍」の役目であり
 ・逆に破壊するのが「地の龍」の目的
 となっており、この結界石の攻防を廻って、両陣営の激しい攻防が繰り広
 げられます。

・しっかりした人物描写に恋愛模様、果てはBL要素まで
 2クールなので登場人物の掘り下げはかなりしっかりやってくれます。
 それに意外にも恋愛要素が多く、それも結構面白いです。 
 そして「神威×封真」や「東京BABYLON」から続く「昴流×星史郎」のBL
 要素までwww(それほど強い描写はないけどね)
 2000年辺りの少し古いキャラデザではありますが、当時のCLAMPらしさが
 発揮されており美少年・美少女ぶりが映えるって感じですね。
 (「コードギアス 反逆のルルーシュ」のキャラデザ原案もCLAMPが手掛
  けいるのですが、それをよりキリっとシャープにした感じですかね。
  作品全体としても終末の戦いを連想させるためか、暗めのトーンながら
  も結構はっきり目の強い感じですし。)
 四六時中バトルしてるわけではないので、むしろ3:7位でヒューマンド
 ラマの割合の方が高いって感じですね。
 (大体「2人の神威」誕生が12話と結構遅めなんだよなw)

上述の通り本作はいまだ原作が完結しておらず、途中からはアニオリ展開と
なりますが、きちんと結末まで描いてくれているのは高評価。
(休載理由として、阪神淡路大震災や神戸連続児童殺傷事件やその他の猟奇
 的な事件が起こったことでオチが難しくなったと述べている)
それでも2021年3月時点で累計発行部数は1200万部を記録するなど、原作は
かなりの人気作であります。
単純な異能力バトルだけでなく、良くも悪くも人間模様も細かく描写されて
おりその辺りが複雑に見えたり、2人の神威やら夢見や神剣のくだりなどい
ろいろ話を盛ってくるので、初見ではちょっと理解し難い部分が多いかも。
それでも作画のレベルも高く、物語もしっかり作り込まれているので、今の
量産型の異能力モノに食傷気味の方には、結構新鮮に映るのでは。
(ここまで手が込んだ重いダークファンタジーって今の流行じゃないしね)
20年以上前の作品ながらも普遍的な面白さがあるのは、さすがCLAMPといった
ところ。

それに毎回最後にかかる劇中音楽も、荘厳な感じで締めてくれるので高評価。

(追 記)
この辺りだと本作と「東京BABYLON」の原作は既読ですが、かなり前だったの
で、原作がどこまでだったとかは全然覚えてねえw
あと「東京BABYLON」は「東京BABYLON 2021」としてのアニメ化プロジェクト
が、まさかの盗作騒動で中止になるとはwww
(でも調べてみると、原作への敬意を感じないキャラデザとか、大コケしてた
 可能性も高そうなんだよな)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

詰めが甘い・・というか世界観や設定が浅い感じ。

2001年10月3日 - 2002年3月25日TV放送された。全24話。
1992年5月号連載開始の漫画を元に制作されたTVアニメ。
1996年8月3日公開の劇場版アニメもある。上映時間98分。
※原作は諸事情(大震災等災害や猟奇事件の影響)休載中。
原作 - CLAMP / アニメーション制作 - マッドハウス。

あらすじ&設定。

東京を舞台に、人類の存続を求める「天の龍」と、自然溢れる
地球に戻そうとする「地の龍」の戦いを描いている。

感想。

序盤は粛々と・・かと言って地味という展開でもなく色々な
謎や問題・・登場人物も矢継ぎ早に登場。派手さはないけど
作風や世界観は分かる感じ。キャラデザも落ち着いた感じの
綺麗系でキャラの個性も解りやすく出ている感じ。

もう少し日常が明るい描写があっても良いような気もする。
終始重い感じで暗いので・・関西弁の人だけ妙に浮いてる。
俗っぽく軽口の空汰が軸で、結構キツイと感じる事も多い。

そういう意味でも演出は徹底していて作風の雰囲気を重視。
作画も丁寧で特に表情は綺麗に描いているので印象は良い。
メイン人物の掘り下げに1話丸ごと使うエピソードも多い。

後2~3人でも人気声優が入れば完璧だった気がするけど・・
特に役不足という声優がいたというわけでもなくそれなり。

1クール終了でも殆ど変化は無く・・天と地の闘いの意味は
明確になってるけど、作風から関西弁の空汰・・でしゃばり
過ぎに感じるのは私だけだろうか?半分どころか、1/3でも
充分目立ったと想うのだけれども・・凄く静かな進行なので
ボケもツッコミもしない軽口だけの空汰が結構鬱陶しい・・

17話で総集編?愈々クライマックスなのかな?凄く半端な?
タイミングにも感じるけど・・作品も半端な感じなので・・

23話まで相当死者が出るけど・・音楽は異常な程に盛り上が
るのに、超感動な描写では余り感動やお涙頂戴は感じないと
いう・・何処で盛上がるのか?と期待した人が居ないと想う
けれど・・それでも予想以上に盛り上がらないのは物語とし
て・・どうなのだろう・・


司狼 神威:鈴村健一
高校1年生。地球の未来を左右できる存在(1人目)。
短気で粗暴だが、口下手で穏やかな、優しく繊細な性格。
封真と小鳥の幼馴染。小柄な美少年。戦闘能力は高く強大。

桃生 封真:諏訪部順一
高校2年生。地球の未来を左右できる存在(2人目)。
刀隠神社の跡取り息子。神威の幼馴染。寡黙で家族思い。

桃生 小鳥:能登麻美子
神威の幼馴染で封真の妹。
植物や鳥と話ができ、潜在的に夢見としての能力を持つ。

有洙川 空汰:真殿光昭
「天の龍」の一人。結界は立方体。社交的な性格で関西弁。
高野山の秘蔵っ子で、高野山の開祖に匹敵する力を持つ。

鬼咒 嵐:柚木涼香
「天の龍」の一人。掌から御神体を出す。結界は四角錐。
伊勢の隠し巫女で、伊勢の霊力総てをその身に隠す。

蒼軌 征一狼:森川智之
「天の龍」の一人。結界は八角柱。出版社勤務。
心優しい風使いで、妻と娘を愛している。

夏澄 火煉:沢海陽子/金田朋子
「天の龍」の一人。火を操る異能者。結界は十字架型。
自分の能力を気味悪がった母親に虐待を受けて育った。

猫依 護刃:佐久間紅美
「天の龍」の一人。結界は円柱。志勇草薙のことが好き。
三峰神社の孫娘にして、眷属神「犬鬼」を使役する。

皇 昴流:杉田智和
「天の龍」の一人。陰陽師の最高峰・皇家当主。結界は星型。
可也の実力者でだが、周りとはあまり協力をしたがらない。

麒飼 遊人:古屋道秋
「地の龍」の一人。区役所に勤める公務員。暗器を使用する。
ホストっぽい外見の水使い。飄々とした性格。

八頭司 颯姫:桑島法子
「地の龍」の一人。天才ハッカー。スパコンとリンクする。
過去にフリーメーソンでセフィロトの研究をしていた。

志勇 草薙:相沢まさき
「地の龍」の一人。陸上自衛隊員。草木や動物と話ができる。
犬鬼が見えた事が切欠で護刃と親しくなる。心優しい性格。

桜塚 星史郎:かわのをとや
「地の龍」の一人。皇家と双璧をなす暗殺者集団の力を継ぐ。
温和な表情とは裏腹に、感情を排した冷徹な人格破綻者。

那吒/塔城 霞月:くまいもとこ
「地の龍」の一人。後者は塔城製薬会長の孫娘の名前。

玖月 牙暁:うえだゆうじ
「地の龍」の一人。夢見で、現在植物人間状態。
FOUR SEASONS HOTELに長期滞在客として宿泊している。

丁:久川綾
国会議事堂の地下で暮らす夢見。見た目は護刃より幼い。
地球存亡の為、神威に助けを求める。頭に直接語り掛ける。

庚:幸田夏穂
丁の妹で東京都知事秘書。外見20代の美女。
夢見ではないが、他人の夢に入り込む能力を持つ。

砕軌 玳透:谷山紀章
10歳の頃から丁に仕え、密かに好意を持っている。
伊勢付きの風使い一族の一人。征一狼の甥。

蒼氷・緋炎:河原木志穂
丁に仕える女官たち。両親に倣い、丁を「姫」と呼ぶ。

桃生 鏡護:石井康嗣
封真・小鳥の父親。刀隠神社の神主。
神社を襲った那吒から神剣を守るために命を落とす。

桃生 紗鵺:根谷美智子
封真・小鳥の母親。小鳥が10歳の時に神剣を生み死亡する。

司狼 斗織:井上喜久子
神威の母親。紗鵺とは高校で出会った。
地球の影贄となったが失敗する。旧姓:真神。

真神 時鼓:渡辺美佐
斗織の妹。小鳥達の通う高校の保健医だった。
神威より14歳上。神威のためにもう一本の神剣を生み出す。

皇 北都:雪野五月
昴流の双子の姉で、すでに故人。牙暁の最愛の人。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

65.3 14 東京で神社なアニメランキング14位
神在月のこども(アニメ映画)

2021年10月16日
★★★★☆ 3.3 (19)
93人が棚に入れました
少女の名は、カンナ。母を亡くし、大好きだった"走ること"と向き合えなくなったこども。そんな少女が、在る月、絶望の淵に母の形見に触れたことで、歯車が廻りはじめる。現れたのは神の使いの、うさぎ。出雲までの旅にカンナを誘う。少女は問う「本当に、お母さんに会えるの?」白兎は答える「ご縁が、あれば。」行く手を阻むのは、鬼の子孫、夜叉。行く先で出あうのは、大小様々な八百万の神々。神無月と書き、全国から神々が姿を消す月を神在月と呼び、神々を迎えてまつる神話の地。島根・出雲、この島国の根と読む場所へ、自分を信じて駆ける少女のものがたり。

声優・キャラクター
蒔田彩珠、坂本真綾、入野自由

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

神無月でも神在月でもどっちでもいい

 幸せだったころの回想から、走ることに現在は違和感ある主人公カンナが、夜叉、シロに出会って、韋駄天としての役目をすることになったです。亡くなった母親を求めて旅の途中迷い、そそのかされながらも自分を見つめ、本来の自分を取り戻していくお話だったです。
 東京から出雲へと神社を訪れるので、神がかりな話が盛り込まれているです。出雲の神様に渡す供物をゲットしていくわけです。

 カンナの内面、母との日々、亡くなったことが自分に非があるのかと思い込む苦悩といろいろです。カンナの声優さんが、私にとても子供の声のように聞こえなかった点が残念なところです。

 目的は、達成されなければ話にならないけど、なんか平凡なような気がしないでもなかったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
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