神社で切ないなおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月08日の時点で一番の神社で切ないなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

91.0 1 神社で切ないなアニメランキング1位
君の名は。(アニメ映画)

2016年8月26日
★★★★★ 4.1 (2500)
11415人が棚に入れました
新海誠監督による長編アニメーション。

千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。
小さく狭い街で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会へのあこがれを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の町並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も奇妙な夢を見た。
言ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。

「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた…。

出会うことのない二人の出逢い。
運命の歯車が、いま動き出す

声優・キャラクター
神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、悠木碧、島﨑信長、石川界人、成田凌、谷花音
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

夢の儚さを越えて二人は繋がる。

見終わった後、私は夢から覚めて、まどろんだ時ようなな気持ちになりました。

あのシーンの背景が良かったとか、あそこのスピード感が最高だったとか。
でも、その記憶は、強く「覚えていよう」と思い、まるでこれは面白い夢から覚めた時と同じじゃないかと。

でも、人の記憶は曖昧で、全ての良いシーンを覚えておこうと思っても、次第にディテールが失われていきます。
やがて夢の記憶は、「面白い夢をみた」に代わり、そして夢をみた事をも忘れていく。

時間に対して夢の中の記憶はあまりにも儚い。

この作品はそんな弱い繋がりで繋がった瀧君と三葉の物語です。



感想
{netabare}

【演出】
二人の入れ替わり生活が始まるときに曲が入り場面の切り替わりのスピード感は新海監督らしい演出。

二人の入れ替わり生活とは別に強く印象に残っているのは
時間が100倍速になった感じで都会の光や信号が光を放つシーン。
これは時間の経過を示しているのでしょうが
その綺麗さが強烈に印象付けられました。

また、夢の中の出来事という作品の設定のように
幻想的な美しさが視聴者を夢と現実の境界線に引き込んでくれます。

三葉の人生が瀧に見えたときのシーンもグッと来ました。何でだろう?
人の生き死にに涙もろいのかな。
あのシーンは母親との直接的な繋がり(へその緒)や親との別れ、家族の濃い「人と人の繋がり」を感じてしまったからでしょうかね。

【展開】
「瀧君、覚えてない…?」という三葉のシーンは本当に胸が痛くなりました。
3年後の瀧君にとってはずっと前から繋がっていた。三葉にとってはようやく繋がった。
だけど瀧君はこのときはまだ知らない、三葉は不審そうにこちらを警戒する瀧君に思いを伝えられない。
「二人が会えた」「繋がった」という嬉しさと同時に
勇気がでずに思いを伝えられない三葉の姿に自分を重ねてしまいました。



【キャラ考察】
瀧君がクレーターの上で君の名は!と涙ながらに叫んだ気持ちがわかってしまう。
大切な人に会いたいと、思いが募ると、苦しくて、吐き出したいなにかが心のなかにたまってきて、自然と涙が出てくるんですね。

三葉の境遇について
母親を幼い頃に亡くしていて、それをきっかけに父親が神職をやめて離ればなれとなっています。
離れて暮らしながらも、政治というなにかと目立つ仕事をしている父親のせいで
学校で本人の意思とは関係なく少し浮いてしまう三葉。
そんな狭い村社会に嫌気が差してどこかに逃げたい気持ちでいる時に起こる入れ替わり。
三葉にとって入れ替わりは逃避になり得た(まさに夢に逃げる)のですが
突然終わる入れ替わりは、夢の終わりであり、それは自分の逃げ場所がなくなったともいえます。
夢の続きが見たくて。そういう気持ち(逃避)、わかります。
東京にいるはずの瀧君に会いに行き、あの日々の続きがみたい。
でも、せっかく会いに行ったのに瀧君は三葉のことを知らなくて、繋がりの喪失を感じてしまった。
(ですか、ここで過去と未来を繋ぐ糸を渡したシーンの懸命さや、その糸が忘れかけた瀧君と三葉を繋げてくれた意味を持つアイテムであることの重要性が「繋がった!」と嬉しさを感じさせます)

その後の三葉の行為は、瀧君への思いをたちきりたくての髪を切る行為だったのでは。(切るということは思いや繋がりをたちきりたいための行為?)(夢の終わりが夏祭りの近くの日、つまり、一般的には夏の終わり近くです。夏の終わりの儚さと夢の終わりの儚さをかけているのではないでしょうか)

また、三葉が夏祭り前に暗い部屋で涙を流すシーンには、喪失感を感じ、失恋等のなにかを失う出来事を思わせました。


その後の彗星の衝突により、三葉は現実の問題と向き合い乗り越えることができました。
瀧君の残した「すきだ」が現実と向きあう最後の勇気をくれたのかもしれません。

そして、瀧くんにとっては、一生忘れられない体験であり
忘れられない繋がりだったのではないでしょうか。
それが記憶がなくなっても四年後も繋がりを求めていた理由かもしれません。
忘れたくないと思っても忘れてしまう、だけどどこかでおぼえているその繋がりのことを。
だから、これはなくなってほしくないという、繋がりの肯定なのではないかな。
【美術】
新海監督の作品は見たり見なかったりなのですが、背景の綺麗さは今作もすばらしかったです。
田舎のゆったりとした風景にはそこに溶け込めそうな気分にさせてくれました。まるで、その場所が自分の帰る場所のような。

都会の朝の風景はどこか孤独だけどエネルギーを感じます。
夕方の忙しそうな風景には少し寂しさがあって、早く帰りたいな、そんな気持ちにさせてくれます。

季節感も夏に始まり、春に終わるという、季節ごとの綺麗な風景を描いてましたね。

最後に桜さく路地の階段で二人が出会うシーンも、優しさと暖かさをリアルに感じてとてもよかったです。


【記憶が失われる設定について】
多くの人がここについて指摘してきました。
ですが、私はレビューの最初に書きました通り、夢だから、でストンと納得しています。
作中で夢をフォローしているシーンがあるのは覚えていますか?
三葉の祖母が三葉(瀧くん)に「三葉、お前、今夢を見ているな」と言う印象的なシーンです。
また、三葉も「夢の中で見たあの人の名前が思い出せない」と言い、友人を困惑させます。
それはそうでしょう。普通のひとはそんなことを非常時でも平常時でも口に出したりしません。
共通認識として「夢の中の内容は忘れやすい」ということがあるからです。
ですので、スマートフォンの中の日記が消えていくあの表現や、
二人が御神体のクレーターで出会うシーンが、
夢と現実の境界線が曖昧な時間や場所を表現していて
見た人間も、夢と現実の境界線にいるようなそういう作品だと思っています。

【朝、目が覚めるとなぜか泣いている】
印象的な導入のセリフです。
二人の繋がりを失ってしまったことを自分の中のどこかが泣いている。
そして、それにとりつかれているようになってしまっている。
私はそうやってどこかに繋がりを探すような感情を現す言葉は知りませんが
自分のどこかに、よく似た感情があると確信があります。
それが、私の心にズキズキとした胸騒ぎを起こしてくれます。

【総評】
色々書きましたが、瀧君と三葉のような10代の気持ちや考え方を上手く描いています。
君の名は。でとめていますが、これは相手への問ですよね。
相手の名前を知らないからこそ尋ねる(訪ねる)。
そして相手の事を知りたいからこそたずねる。
相手の事を知りたいという感情をエネルギーにして伝えてくる作品でした。

また、人と人の繋がりを感じる、もしくは、心の中のどこかにあるつながりを求める感情を肯定する物語だったとまとめさせていただきます。

【蛇足】
三年前の瀧君と三葉が東京でであったとき、二人の糸はどう繋がったのか、一瞬はまりかけました。
二人の糸は絡みあって大きなわっかを作った。そんな思いです。でも始まりはどこかよりも、今と未来の彼らが気になって(笑)

キービジュアルの瀧と三葉が東京の坂で振り返って見つめる絵って
ラストの5年後の二人を、であった頃の高校生の姿に置き換えているのかも?
これが「出会い」の絵なのか「再会」の絵なのかちょっと気になって面白い。

幻想的で儚さのある二人の奇跡の繋がりと、現実の繋がり。
ラストで二人の繋がりを現実の繋がりにすることで生まれる嬉しさ。
なぜだろうか?多分、二人が求めていたその繋がりは、人間が奇跡を信じたい気持ちの肯定だからでしょうか?

{/netabare}

ストーリー考察?(繋がりを軸にストーリーを考えてみました。)
{netabare}
三葉の祖母が、糸に例えて人と人の繋がりを話しました。繋がって、絡みあって、離れて、近づいて、また繋がっていく。その繋がることを結びという。

瀧と三葉の関係もまたそうでした。夢で繋がって、入れ替わりを繰り返して二人の糸は絡みあう。
入れ替わりは突然になくなる。突然糸が切れたように。
三葉のいる場所は時間を越えて遠く離れた場所だった。
真実を目にした時、三葉との思い出は一瞬で消えていき、崖から突き落とされたようなスピードで二人の距離は離れていく。(二人の距離が明確に離れていくことに儚さや悲しさを感じました)
でも、瀧は「そこにいかなくちゃいけない」という自分でもわからない使命感に押され御神体のある場所へ
三葉のいるかもしれない場所へ近づいて行く。(確信のない行動です。しかし、そこには記憶という曖昧な繋がりよりも、もっと深いところでの繋がりを感じます)

そしてまた入れ替わり、二人はお互いを自分の体で出会う。
今まで顔を合わせて話したかったことをいいあって、笑う。(ようやく、もがいてもがいた結果、出会えたという喜びを感じます)

互いの姿が見えなくなって、名前を忘れた瀧は叫ぶ。
「君の名前は!」忘れちゃいけない大切な人を思い出せない苦しさで一杯になる。(本気で相手の事を求めるシーン、記憶がなくなっても、もっと深いところからの欲求です)

名前は思い出せない。でも誰かが大切なことは覚えてて
誰かが思ってくれていることが「すきだ」という言葉からわかる。だから三葉はやりとおせた。

そして時が流れ、あの時間の記憶もなく、あるのはかすかな心残り。
どこかに大切な繋がりがあるような。

冬が終わり春が来る。
二人はまた近づく、自分の中の心残りの先にある繋がりを探して。
そして出会い、ずっと探し続けてきた繋がりだと信じて問いかける。「君の名前は」。
(最初のシーンと繋がる。どこかに特別な繋がりがあるという不思議な感覚。ラストはなんとなくわかるという感情の肯定が、とても心地いい)
{/netabare}


2018年1月3日 地上波放送を見て。
{netabare}
本当は追記する予定はありませんでした。
でも、見たら、自分の中に生まれた何かを書きたい衝動を抑えられなくて、
書こうと思いました。

今回の再視聴で感じたのは、
繋がりが消えることの悲しさでしょうか。
どこか身近に感じていた、繋がりの断絶。
私が繋がりの断絶を感じたのは、福島なんですが、
レビューを社会派にする気はないので詳細は伏せます。

それは、人間の営みの断絶であったり、人の関係の断絶。
繋がりが消えてしまうことへの悲しさ、つらさ。
そういったものが多分糸守町の消滅、三葉と瀧の入れ替わりの終わり、
そういった作品世界の出来事から、私はいつも感じていたこと、
繋がりの断絶を感じていました。

繋がりの断絶と同時に、繋がりを求める声も同時に感じました。

三葉が瀧に会いに東京に出た時も、瀧が三葉の名前を忘れて叫んだ時も、
繋がりを求めるその行動、その思いが、私には、
無くした繋がりを取り戻したい気持ちを感じて、
どうしようもなく、泣いてしまいました。
(すこし安っぽい表現ですが、実際少し泣いてます。
多分泣いた理由は、登場人物達と同じ理由で、
繋がりを求めたから、でしょうかね。
多分これが、共感何でしょうね。初めて実感出来たかも)

こんな瀧君のセリフがありました。
「今はもうない街の風景に、何故ここまで胸を締め付けられるのだろう」
心のどこかで糸守に繋がりを感じている瀧君。
私も、どこかで知らない街の知らない人の営みに、
繋がりは感じないまでも、営みの中にある繋がりを見て、
親近感を感じたりするのです。
それは人と人の繋がり、人と土地の繋がり、繋がりの中で生まれた営み、
そういったものを、私は求めているのだろうし、
大切にしたいし、失いたくないと思うのです。

だから、この作品を再視聴して、このレビューは、
完全に私の感想であるのですが、
私が求めていた繋がりを描いてくれているし、
私が恐れている繋がりの断絶も描いてくれている。

だから、私は、この作品が好きなんでしょうね。



{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 134
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アニメを伝道する好機

世界観:8
ストーリー:8
リアリティ:8
キャラクター:7
情感:7
合計:38

1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。
(シネマトゥデイより)

最近話題として何回か出てきたので、折角なので劇場に足を運ぶことに。そう決めてから、京アニの「聲の形」も上映中であることに気付いて、1日2本の豪華スケジュールを組みました。映画は、昔はよく観に行っていましたが、1日2本観たことは初めてのことです。

「君の名は。」は、午前中の回が満席だったので、「聲の形」→「君の名は。」の順で視聴しました。新海誠監督作品は「秒速~」と「言の葉の庭」を視聴済ですが、どちらも良作となる4点にぎりぎり届かない程度の評価をしてきたところ今回は評判が良く、京アニは「けいおん!!(二期)」で評価を上げたところでしたので、この2作は接戦になるかなと思っていましたが、本作は期待をさらに上回りました(劇場版の尺では過去最高点です)。

作画と楽曲はこれまでの作品の通り素晴らしい上で、映画の尺に合うだけの充実した設定とストーリーになっています。
入れ替わりネタはココロコネクトで経験済ですが、前半に和みの要素としてよいエピソードでした。やはり男は悪いと思っても揉みますね(笑)
入れ替わりが終わってからが本編という感じ。物語の展開がどうなっていくか、最後まで集中して視聴できました。

良作アニメは「時間」を効果的に利用しているものが多いです。タイムリープする必要があるわけではないですが、経年による物語の厚みは基本です。人間は、時間を遡ることができず、過去を振り返ったり後悔したり、そして遅かれ早かれ死ぬ、はかない存在であることの裏返しなのでしょうね。{netabare}この作品でも3年のズレが良い味を出していました。瀧が三葉に出会う前に、三葉が瀧に会いに行くシーンがありましたが、ああいう伏線は好きです(最初どのように描かれていたかは1周だけではよく思い出せないのですが)。

この作品ではさらに、入れ替わりが「夢」であって、その記憶がなくなっていく、という表現をしていたのも特徴的でした。夢を思い出したいのに思い出せない、あの感覚を、大事な人の記憶と結びつけたのはとても切なくて巧みでした。携帯の日記の消え方はちょっと変でしたけどね。{/netabare}

そうそう、リアリティ面では、細かいことを言えば上記のようなものがいくつかあったと思いますが、{netabare}名前の記憶が消えていくように{/netabare}終わる頃にはほとんど忘れてしまいました。それくらい浸れる作品ということかと思います。

興行成績でも今後どれくらいの数字を出せるかも期待大ですが、新海誠監督の代表作と言えるものになったことは間違いないでしょう。

{netabare}最後の二人が出会えるのかというところは「秒速」が繰り返されないかとヒヤヒヤしました。私は心の中で思い切り「よくやった!」と叫びました(笑)。ハッピーエンドが、良い余韻を呼んでいます。{/netabare}

そのほか、「言の葉の庭」の先生が登場していたり、彗星(星)を扱ったところなどにも、過去作品とのつながりも感じられ、新海誠監督の集大成になったのではないかと思います。もちろん、今後も今作を超える作品を目指していただきたいですね。

ヒロインの三葉の名前は、凪のあすから2クールED「三つ葉の結びめ」の影響もあったようです(前向きになれる、自分もとても好きな曲です)。
色々なところでつながっていると感じられることも自分のアニメ道の進歩ですね。

この作品でアニメに興味を持つ方も多いと思います。クールジャパンの代名詞のひとつがアニメだということは多くの方が知っているでしょうが、他にも「君の名は。」クラスの作品があることを、機会があれば伝えていきたいですし、あにこれの方々もそうしたら良いんじゃないかと思いました。(自分が初心者だという方には、私の棚でも見ていってください)

もう1回くらい劇場で観たいと思える作品です。劇場で観ておくことをおすすめしたいアニメ映画です。

(2016.9劇場で鑑賞)

追記(2016.9.20)
{netabare}余韻に浸り、あれこれ考えています。設定について補足したいと思います。まずは、入れ替わりが本人たちにとっては「夢」として感じるものであること(遠くにいる男女が出会う物語を考えつつ、古今和歌集の小野小町の和歌から着想を得たというのもイイですね)。朝起きて自分の人格に戻っていて、相手側の人格に入った記憶は消えているので、当初は訳が分からなくなり、周囲の言動などから、現実として入れ替わっていることを認めざるをえなくなるという流れでした。結果的には素晴らしく機能しているのですが、観客としては、別人格の2人がしっかり自分の意思を持って行動しているのを見ているので、忘れてしまうことに違和感を覚えます。ここを、注意深く見ていくには、1周では心もとないですかね(私も序盤は見落としがある気がします)。

それから、時間描写に特殊性のある作品でもあるかと思います。携帯電話の日記が消えてしまう部分はマイナスとして取り上げさせてもらいましたが、過去改変の可能性を示唆した表現でもあるのかなと思いました。つまり、我々が1本だと思っている時間軸は実は1本ではなく、交差することもあるけれども、その時は我々の記憶や記録物までもが改変されていて、我々に認識できないだけなのではないか、ということです。

また、通常、時間軸は1本であり、パラレルワールドを扱った作品は世界線が平行に並んでいるというもので、別の世界線に移動しても同じ時間というのが一般的ですが、この作品では別の世界線(と言ってよいのかも確信を持てませんが、多分そうかと)が3年ずれています。これは斬新ですよね。光速に近づくほど時間の流れは遅くなるという相対性理論もありますし、時間の経過は常に一定ではないとすれば、時間の流れが世界線ごとに異なっているというのもありじゃないかと思いました。{/netabare}

追記(2016.9.21)
{netabare}RADの主題歌を購入。その中の夢灯篭に「5次元にからかわれて」という歌詞があるのを見て、個人的にはパラレルワールドを描いた作品であると認識してみる。

(参考)私的次元の数え方
0次元…大きさのない点
1次元…太さのない線
2次元…厚みのない平面
3次元…静止した空間(これを0次元に戻して以降を想像する)
4次元…時間軸のある空間(1次元的な線としての時空=我々の認識する世界)
5次元…複数の時間軸のある空間(2次元的な平面としての時空=パラレルワールド)
{/netabare}

追記(2016.9.23)
{netabare}上記から、私は本作はタイムリープものではなく、時間の経過がズレたパラレルワールドの交錯した世界の物語と考えてみました。

①瀧のいる世界線と、三葉のいる世界線(瀧の世界線の3年前)がムスビの力によって重なってしまい、互いに心と体の入れ替わりが生じた。

②しかし、三葉のいる世界線において三葉が死に、入れ替わりは終わった。ムスビの力がなくなり、存在しないはずの三葉とのやりとりは過去改変により消失する。このため瀧の携帯電話の日記も消えた。

③三葉の「半分」である口噛み酒を飲むことでムスビの力が復活。三葉のまだ生きている世界線とつながり、再度入れ替わりが生じた。

④危機回避の努力の結果、三葉たちが助かり、その世界線と繋がった影響で瀧のいる世界線の過去が改変され、三葉が生きている世界になった。
という感じでしょうか。

小説版は1日で読み終わりまして、文章で読むと正直そんなに凄い作品とは思えなかったのですよね(本当に、映画の内容をそのまま文章にしたという感じのものですが、情感の起伏があまり湧かないのです)。
最高峰の作画と、疾走感や情感の溢れるRADの楽曲と、綺麗にはまった声優と、後半超展開となるストーリーと、感情をストレートに紡いだ心情描写と、夢のはかなさを活かした設定とが高度に融合した、アニメがベストの作品なのだと思います。

本日、9月22日までの28日間で興行収入100億円突破とのニュースがありました。祝!
もう一度見たくなってしまう、高揚感の余韻が強い作品です。
{/netabare}

追記(2016.10.10)
{netabare}最近週末まで多忙となり2回目をまだ観に行けていませんが、多数のレビューを見ていた中で一番良かったものをご紹介。
http://blog.kanjutsu.net/entry/2016/09/09/115947

作家性を捨ててエンタメに振れた、プロデュースの力によるもの、斜に構えた意見も多々見受けられますが、表面的な受けも狙いつつも底辺の深みに魅力がある作品だからこそ、何度も足を運ぶ方がいるのだと思います。
{/netabare}

<2019.1追記>
世界観の配点を1点減点しました(作画によるボーナス点を与えていましたが、他作品との平仄の観点から削除しました)。

(2017.2、2018.4、2019.1評価調整)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 102

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

空前の大ヒットも頷ける完成度を差し置いて劇場で笑い転げるヲタクとはオイラのこと~ぼくらタイムフライヤー_時を駆け上がるクライマー~IMAX観ました

新海誠監督が手掛けた5本目の長篇作品


東京の大都会に住む男子高校生、立花瀧
山深い田舎町に住む女子高校生、宮水三葉
1200年振りに地球を訪れるという巨大彗星の到来を一ヵ月後に控えたある日、瀧が目覚めるとそこには見知らぬ自分と知らない天井、見知らぬ家族と知らない町があった
同じように三葉もまた、想像すら出来ていなかった大都会で朝を迎える
ただ一つ確かなことは、自分の身体が見知らぬ異性のものだということだけ
瀧と三葉は全く原因がわからぬまま不定期にお互いの身体と心が入れ替わってしまうことに気付いた
お互いの生活に干渉しないよう、日記で連絡を取り合うことにした二人
田舎育ちの三葉は憧れの都会に想いを馳せ、自由気ままに過ごす
一方の瀧も他人のそれも異性の身体だということを忘れ好き勝手してしまう
周りからはまるで人が変わったようだ(笑)と思われ少しずつ人間関係に変化も起きる
瀧が好意を抱く先輩との仲を、三葉が瀧に変わって取り持ったことで瀧には良い事尽くめの大団円かに思えたが、次の日の三葉はある決心をしていた
そして彗星到来の10月4日、瀧は記憶から消えていた重大な事実に気付く・・・


『言の葉の庭』が全国東宝系で大きく展開し成功を収めたことから、遂に全国約300館での上映となった新海誠監督にとって最大の大作となった今作
キャラデザはZ会のCMでタッグを組んだ田中将賀
作画監督は元ジブリの安藤雅司
音楽は挿入歌から劇伴に至るまでオイラが中高生の頃に(ごく一部ではあるがw)一世を風靡したバンド、RADWIMPSが担当


声優陣には瀧役に声優経験豊富な若手演技派、神木柳之介
三葉役には『舞妓はレディ』の上白石萌音
その脇を固めるのは長澤まさみ、市原悦子といった豪華俳優
さらに悠木碧、島崎信長、石川界人といった豪華声優
そして『I LOVE スヌーピー』でいい芝居をしてくれた谷花音、とキャスティングにもかなり力が入っているのがわかりますね
身体が入れ替わった時の芝居は聴きどころですb


単純に少しアニメに詳しい人なら、将賀さんのキャラデを見て『あの花。』の絵だ!観に行こう!という気持ちになってくれるでしょうし、本編が始まるとすぐ「夢灯篭」という楽曲に合わせてOPアニメみたいなのも流れる
オイラは初見観た時このOPが「めちゃくちゃダセェ!」と思ってしまったのですがwやはり深夜アニメなどに慣れ親しんだ世代にとっては心を掴む取っ掛かりになっているのでしょう
ああ、ちなみに今は「夢灯篭」もOPも好きですよ?w


そして序盤はそれこそ深夜のラノベアニメのラブコメタッチで物語が進む
キャラの表情もコロコロ変わり、身振り手振りの作画も非常に丁寧
中身が入れ替わった男女の微妙な違いを作画で表現する、言葉にすれば簡単ですがこれを見事にやってのけた作画陣には最大級の賛辞を贈りたい
ジブリが崩壊し、『攻殻機動隊ARISE』と『アニメ(ーター)見本市』が完結した等、作画スタッフの足並みが綺麗に揃ったのが大きかったでしょう
尚且つ、新海作品お得意の美しい光と色と街並みが、このアリエナイ話にリアリティと説得力を醸し出す
制作中は当然完成していなかったバスタ新宿がちゃんと描かれてるのも凄い


後半はミスリードで張ったミステリアスな伏線をスペクタクルと共に回収しつつ、所謂新海節が炸裂する内容なのですが、まあとにかくメジャーかマイナーかで言えばメジャー路線な作品に作ったことです
今日までの大ヒットがソレを裏付けてますね、明らかにこれまで新海のシの字も知らんかった人たちが劇場を訪れているのです
実際オイラが鑑賞オフ会を開いたら半分の参加者は新海作品初体験でした
こうなると昔からのファンは遂に資本主義の犬となったか新海よーとかワケのワカランことを言い出す輩が湧いてくるもんです
まあ、言いたい事はわからんでもない


ただオイラはこう考える
【新海ファンこそ、この映画は10倍楽しく見れる】


そう、今作が初見でもなんも問題無い
でも今作、新海誠がこれまで積み上げてきたものがほぼ全て詰め込まれたいわば集大成なのです


『彼女と彼女の猫』から続くゆっくりとしたモノローグでの幕開け
『ほしのこえ』では恋人達が時間差で引き裂かれていく様を描いていました
『雲の向こう約束の場所』では田舎町と都会に分かれて物語が交錯していましたね
これを同時並行させたのが『クロスロード』
「何も無い」という田舎風景を印象付ける画作りは相変わらず上手い、これは『桜花抄』
2時間に1本しかない電車はまさに『星を追う子ども』
朝食と通学風景から始まるのもそう
真っ二つに裂ける彗星は『コスモナウト』のH2Aロケットの発射ですね、意味合いは逆だけど
挿入歌に合わせて映像を積み上げていくのは『秒速5センチメートル』や『クロスロード』で魅せた技
コミカルなタッチで進む前半は『猫の集会』のお茶目な演出を思い出しました
東京、特に都会の象徴として新宿を描きたがるのは『言の葉の庭』が顕著
同じく、途中での雨描写は秀逸でした
主役二人の生活感の違いを描写する様子は『大成建設』や『だれかのまなざし』の経験が大いに生きてるでしょう
いやしかし瀧くんが面接を受けてるのが大成建設だったのには笑いましたね
宮水神社のご神体がある湿原を見下ろす描写は、さしずめ地下世界アガルタのフィニス・テラですね
瀧くんのお父さんが井上和彦だったのでもしやおまえは森崎なのか?
そもそもファンタジーかSFかと思えば途中からロードムービーになってしまう辺りはまさに『星を追う子ども』のソレ
『ほしのこえ』で膝を抱えるミカコ然り、『雲の向こう、約束の場所』で足の指にてんとう虫がとまるサユリ然り、靴の型取りに足を差し出すユキノ然り、美女の足に拘る新海作品、今作では東京で歩きつかれた三葉に注目したい
思えば新海映画とはずっと男女のすれ違いを描いてきましたが、今作は「顔も名前も身体も私生活すらも知り尽くした二人がまるで会えない」という究極的なすれ違いをしてるのが面白い


ほんとそう、新海映画を知れば知るほどこの作品にのめり込んでいけるのは間違いないでしょう

“花澤香菜が演じる古文の先生”が恐らく別の世界線なんでしょうが「ユキちゃん」という名前だった時、周りが静まり返っている劇場でオイラは一人笑ってましたさーせんw
良い映画か否かという以前に、ある種のネタ映画として最初から最後まで笑いながら(時に笑い泣きしながら)観れましたねb


まあ強いて言うならラストシークエンスはちょっと引っ張りすぎたようにも思いますが、「なんでもないや」という楽曲の持つエピックなキックのリフレインとウィスパーボイスのボーカルに思わず感極まってしまう
なにより『秒速』を知っているとあのすれ違い方は辛いものを思い出させる(笑)
そう、この厨二病全開な内容に対して厨二病をこじらせてしまったバンドの日本代表とも言うべきRADWIMPSの音楽が見事に調和してるのが今作の評価を押し上げてるポイントでもあります
まさにクサイ内容にはクサイ音楽
『ここさけ』でも言いましたが単体では正直目も当てられないような詩の主題歌が、割とすんなり入ってきてしまうまさに映像マジックですねこりゃ


今作を受け入れられない人、良い意味で厨二病を卒業出来たんだと思います
誇らしく思ってください
オイラ?は、駄目ですね
この映画を面白いと思ってしまったのでアラサーになっても心はまだティーンエイジャーのようです(笑)

























~TOHOシネマズ新宿のIMAXデジタル版観ました~
IMAXというのは実にビル三階分ほどの高さと20メートル以上の横幅を持つスクリーンに二台の映写機で投影する現代における最大級規格の映像フィルムです
人間の視覚を上回る大きさのため観る、というより観回す感じになります
さらに劇場によっては12.1chの音響システムもそなえており音の迫力も通常の規格とは異なります


そもそも普通の規格で作られた作品をIMAXにするってことは拡大して引き伸ばす、ってことですからオイラは最初この『君の名は。IMAX版』は反対の立場でした
それにアニメって視覚的情報量が実写より多いので単純に疲れそう、だとも思いましたし


しかし実際鑑賞してみると新海作品特有の美麗背景が大きく引き伸ばされてるにも関わらず全く精細さを欠いてないんですよ
むしろ画面の中に描かれる糸守町や新宿の風景に吸い込まれていくようでした
だから鑑賞、というよりはむしろ体感、に近い感じでした


音響の方ですが意図的に音圧を上げてるようでしたがどちらかと言うと山びことかそういった反響音がクリアに聴こえるようになったという印象です
挿入歌がやたらデカイ音で、それもどっか独立した別chから出てるっぽくてやたら大きく感じたのですが、肝心の挿入歌より手前にいるはずのセリフが少々聴き取り辛くなった気がしましたので、これはちょっと好み分かれそうです


初見の方にはあんまりオススメしません
先にも言ったとおり、情報量に加え目で追う作業が加わるのでストーリーに集中し辛くなります
ただリピーターには一見の価値があることでしょう
アニメにIMAX不要、と言いたいところですが新海作品のIMAX化に関しては歓迎できますねb

投稿 : 2024/05/04
♥ : 42

82.3 2 神社で切ないなアニメランキング2位
有頂天家族(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (1677)
8061人が棚に入れました
京都には人間と狸と天狗が住んでいる。下鴨神社・糺(ただす)ノ森に暮らす下鴨家。狸界の頭領であった父・総一郎は、ある日何の前触れもなく狸鍋にされたのだが、その経緯は今も謎に包まれていた。残された四兄弟のなかでも偉大な父の「阿呆の血」を色濃く継いだ三男・矢三郎は「面白きことは良きことなり」をモットーに、生真面目だが土壇場に弱い長兄・矢一郎、蛙の姿で井戸にこもっている次兄・矢二郎、臆病ですぐに尻尾を出してしまう末弟・矢四郎、そしてタカラヅカ命の母に囲まれて暮らしていた。隠居中の大天狗・赤玉先生の世話を焼いたり、神通力を得た人間の美女・弁天に振り回されたり、はたまた五山送り火の夜空で宿敵・夷川家と空中決戦を繰り広げる日々の果てに、突如下鴨家を襲う絶体絶命の危機! 父が鍋にされた真相が明らかになるなか、固い絆で結ばれた一家の運命はいかに!

声優・キャラクター
櫻井孝宏、諏訪部順一、吉野裕行、中原麻衣、能登麻美子、井上喜久子、石原凡、佐倉綾音、梅津秀行、飛田展男、西地修哉、畠山航輔、樋口武彦
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

今期一番まとめが完璧だった!(最終話まで

全13話。原作小説未読。

京都を舞台に、狸と天狗と人間が入り乱れて繰り広げる波瀾万丈のハイセンスコメディドラマ!


●関連URL
・番組公式サイト:http://uchoten-anime.com/
・番組公式Twitter:http://twitter.com/UchotenAnime


※相関図
http://p.twpl.jp/show/orig/wjOMs


最初はたぬき合戦ぽんぽこ的なジブリ風のアニメになるのかなぁと想像していたんですが、まさかの四畳半風味!
なんか主人公のセリフ回しが凄く四畳半っぽい。
四畳半凄い好きだったので期待値8/10。
絶対最後まで見る。


原作未読の人向け、ネタバレ無し補足説明

・主人公・矢三郎はタヌキ
 天下の大ダヌキ・下鴨総一郎の息子四兄弟の三男

・赤玉先生は天狗
 4兄弟のもと先生。赤玉ポートワインが好物。弁天にベタ惚れ。昔は名を馳せていた凄い天狗だった

・弁天(鈴木聡美)
 天狗の赤玉先生にさらわれてきた、もと人間
 修行の末、ほぼ天狗になった
 大人になったのか、もともとの性格なのか、先生をほったらかしで遊び回っている

・金曜倶楽部
 京都の重鎮たちのよりあい。月イチで宴会をする。メンバーを七福神の名で呼び合う
 忘年会で毎年タヌキ鍋を食うのがなわらし


○総評
いやぁ実に良いアニメだった。
弁天キャラが全然好きになれなかったので途中で見るのを放置していたが実に良いアニメだった。
この辺で断念した人もいるのではなかろうか?惚れた理由は結局明かされなかったって言うか最初のあれでって事なのかな。
最後まで魅力は感じなかったが。
しかしこのアニメ弁天の話が中心ではない。人間と天狗と狸の三つ巴の話なのである。
主軸は要するに勢力争い見たいな話。なのでちょっと話がややこしいので一気見とかの方がお勧めかも?
キャラの名前や誰が何処の勢力かとか覚えてないと分かり辛い話かもしれない。
簡単に言うと大人版たぬき合戦ぽんぽこ?ジブリ?みたいな感じw
萌え路線のアニメにうんざりした人やジブリ好きにはお勧めの作品です。
あと化物語っぽい会話劇も特徴かな。じっくり話聞いてないとわからなくなる感じがあるかも。


各話感想
{netabare}2話
ママンの話かな。なんで主人公はいつも女装してるんだろう。
アニキはカエルに化けてるのね。
招き猫はさっきの双子が化けたのかな?
何故口が動かないんだ。手抜きなのか化けてるから動かないのか。
虎でけぇ!なんか妖怪大戦争みたいになってきたw
何処噛んでるんだよw
結局オカッパ双子も狸だったのね。
兄さん絶望先生っぽいなwさすが同じ作者のデザイン。
母上なんで狸になっているんだろう。
母上また人間に化けたか。
父上は弁天に食われたのか?金曜クラブに食われたのか?
うーんそのうち鍋にされて食われちゃいそうな予感がしてきた。
弁天はやっぱ敵なんだな。何故惚れたし。


3話
うーーん弁天が本当に良くわからない。なんで惚れたんだ?
なんか漂うビッチ臭が気に入らない。
しかし相変わらず背景の映像が綺麗だなぁ。良くも悪くもジブリっぽい。
クジラのしっぽが引っ張ってみたいとか意味がわからない。

弁天にイラっとしてから見てなかったが再開。


4話
母上はなんでいつも宝塚の格好なんだろう。
先生入り口で何してんだwなんともへそ曲がりなじいさんだw
弁天キャンセル多いなw
ちらし寿司食べたくなってきた。なんとも便利な茶釜エンジン。
たんぽぽくらいの毛玉って随分ちっちゃいんだな。
蔵馬天狗vsヤクシボウ&父上って事か。偽如意ヶ嶽事件。
なんかホント弁天イラっとするキャラだなぁ。
なんという花火戦争w
風神の扇子かなんかなのかな?
貴重な燃料ワインを飲むなw
風神雷神の扇無くしちゃったのか。
逃げの弥三郎w


5話
金曜クラブのトップは弁天なのかな?
お茶飲んでる相手は誰なんだ。今日も牛丼かw
なんで慌てているのか。ダルマに変身したか。
箪笥の引き出しに入ってるのは金角と銀閣の妹だったのか。
あぁそういやあの空飛ぶ家壊したらって約束してたっけ。
ってか胸が口元と一緒に動いてるw
すき焼きうまそうだ。ホテイさんと肉の取り合いw
この集まりは人間の集まりなのか。
この弁天の上から目線な感じがうざいなぁ。
ホテイさん見とれすぎだろw
狸は雑食なのかな?雷を怖がるってもしかして母上か?
食べちゃいたいほど好きなのだ。なんだこの人もかw
弁天ホント嫌なキャラだなぁ。わがまますぎる。まるでバブル女だな。


6話
連れ去っちゃったのかよw師匠となった赤球を蹴り落としたとか何がどうなってんだw
ホテイさん無理し過ぎだろw
父上が食われた夜にホテイさんは惚れたのか。
ん?弁天泣いてるのか?
葉巻のポイ捨てかよ。まぁフィルター無いから問題無いか。
なんで握り飯と酒持ってんだよw
焼きおにぎりはうまいよなぁ。味噌焼きオニギリが好きだ。
一風変わったと言うより一昔前のバブル女じゃないか。
毒の入ったものでも食うもんなぁ人間は。発酵食品だの腐ったもんでも食うしな。
なんか銀の匙みたいになってきた。
狸に食われるのが良いだと?ホテイさん上級者すぎて付いて行けない。
昔そう言った狸がいたって父上か。やっぱりか。
立派な狸だからおいしいって理論はおかしいだろ。
やっぱり母上を救った人だったのね。
キスしただけで惚れたとかって理由なら実に下らないな。まぁよくある話でもあるけど。
弁天はなぜ泣くのだろう?


7話
酒は飲めるうちに飲んでおくことだ。良い事言ったように見せかけてそうでもない罠。
弟可愛いな。先生天狗風を吹かすって天狗じゃないのかw
香水ってファブリーズ?w先生力が無くなってるww
なんともうまい流れを作ったもんだ。ちゃんと風呂行くきっかけを作ったわけか。まるで秘書とか官僚みたいだ。
それでも先生なかなか入る気無いのかww子供か!w
どうしようもないエロじじいだなぁまったくw
おい股の手ぬぐいで殴るなきったねぇww
今度は風呂に使ったら出ないのかよwwまったくどうしようもない大人の子供はこれだからたちが悪いw
何気に弥三郎を気にかけてるのな。
なんだなんだここは両国の風呂なのか?夷川親衛隊とはなんだ?タダ飲みの愚連隊なのか。
まーた金角と銀閣か。相変わらず弱いこの小物感が実に良いキャラしてるw
誇大広告って四文字熟語じゃねぇw前の樋口一代もあれだったがw鉄のパンツってなんだよw
いやいや兄上おまえが風呂に放り込んだんだろwアッー水風呂はやめたげてw
捕まった日誰かとぐでんぐでんになるまで飲んでいたのか。一体誰と…弁天か?
なんとカエル兄貴と飲んでたのか。
もしかしてカエルから戻らないのも責任を感じてとかかな?
酔っ払った父上をほったらかしにしたのか。やっぱりそれで責任を感じて井戸から出ずにカエルから戻らずにいるのか。
生きている限り必ず別れはやってくるからな。ある程度一線置いて事前に受け入れておかないと辛いものになってしまうんだよね。
あれなんか深い話になってきたかな?


8話
おや兄さんえらくゴキゲンの悪い声だ。
元気そうだね阿良々木君、何かいいことでもあったのかい?を思い出した。
京都で一番やる気のない狸とは誰の事だ?カエルの兄様か。
弥三郎の許嫁に恋しちゃったのか。えびす川カイセイ…
父上になんでも相談してたんだな。人間ならそうそう無いだろうなこういうの。父親と仲良くやっている友人を見た事が無い(男限定だが)。
うーむしかし酔っ払っている風ではなかったよなぁホテイさんの話だと。
勝手に勘違いして責任感じちゃってる感じかな。なる程ねぇ。
しかし間々で入ってくる絶望先生風?のMOBがシュールw
乳ではなく父だろw何がそんなにおっぱいに魅力があるのかわからない。おっぱいよりケツだろ!
父上に最後にあったのは先生だったのか?化けられる身ではないとはいかに?
え?死んだ後の話なのか?それとも先生の妄想なのか?それとも死ぬ事を覚悟しての発言なのか?
母上だったのかこの人。変身するとわけわからんな。
カイセイが好きだった事を言っちゃうのか。なんだ母上は知ってたのか。
弥一郎(´;ω;`)ブワッ
「1つの大きなさよならが残された者達をつなぐこともある」名言(/_;)


9話
なんかややこしくなってきた。カイセイの名は父が考えたのか。
ちょwホテイさんバームクーヘンどんだけ重ねてるんだよw
なんという大食いw一口で飽きるわこんなのw
後三週間で狸狩りが始まるのか。
あぁなるほど双子の妹ちゃんがカイセイだったのか。未だ姿を見せないから覚えられない。
弁天の前だと化けれないってどういう事?魅了されちゃってって事なのかな?
さてどちらが後釜になるのやら。師匠に託しちゃうんかいw
女の子はオシリを冷やすと子宮に影響があるからなっておいお前は男だろw
先生相変わらず動かないのなwきっかけ作るんだろうなまたwなんともツンデレであるw言い換えれば不器用ってとこか。
実にうまく交渉したもんだな。
だからなんでそんなシリを温めたいのよwカイセイの声!?いい加減姿を表したらどうなんだ…
なる程女湯から話してたのかw割りと可愛かったw
妹ちゃん兄貴をバカアニキと言いつつも慕ってるんだな。
生天狗か。まぁ狸の天敵だもんな。
元許嫁だったのかよ。今は違うのか。あれ?そういやどっかでそんな話あったような…
謝罪のコメントはなんだったんだろうか。


10話
偽えもんを決める日がやってきたか。
父上に憧れていたのか兄貴。夷川が何か企んでるのか。
父の死んだ日だったのか。兄貴気をつけろよってなんか死亡フラグな気がしてくる…
弟ちゃんまた騙されてるのかよ。やっぱり閉じ込められたか。
ヤジロウはほっとけばいいって完全にフラグだよな。
フライドチキンを食べるカエルってなんかシュールだな。歯が無いのにw
父上の最後の言葉…
何か大変嫌な事が起こりそうなのか。雷神が来たのか。
風神雷神の扇拾った奴は誰なのか。
恐らく金曜クラブに拐われたか…?
鍋にされるのかやっぱ。おじさまを鍋にしたのは私の父だと!?妹ちゃん姿現すの初めてじゃないか。
なる程妹ちゃん変身したまま話聞いてたのか。弁天…
なんで兄弟を売ったんだ。そしてまたこいつの策略か。


11話
弁天は味方になるのか。弁天うぜぇ…
都合よく天狗だの人間だの言いやがって。ツンデレかよ。
淀川教授なんで変身して店員になったんだ。母上まで捕まってたのかよ。
なる程薬を混ぜるためだったのか…って金閣銀閣だったのかよ。
あーあ皆捕まっちまったか。完全に悪代官w
なんだよその鉄のおむつw
そういやカエルの兄さんだけか捕まってないの。
なんだ妹に弱いのかよw
卑怯極まりないな夷川。まるで天狗や人間のする事…
ドナドナドーナードオナー…
おっ妹ちゃん赤色灯に気付いたか。見つかるの早っ!何故巴投げw力つええw


12話
カエルの兄ちゃんまた変身出来るようになるのかな?電気ブランで燃料投下か!?
キタ━(゚∀゚)━!
なんつう酔っぱらい運転w逆に捕まえたかwなんだこいつらが扇持ってたのか。
「おもしろきことはよきことなりー」
自転車は押して歩きましょう。ってのがシュールw
電車の外の背景が永遠ループしてるんだが…やっぱりか。
なっいつの間に電話をしてたんだ!おいおいET並に空飛んでるなw空飛べるのかよwww
そーっと所じゃねぇwwwぶっ飛んだぞw
檻を開ける作画省きやがった。
母上の事か…潜入捜査かよwなんだ弁天さっきの耳打ちで告げ口したのかと思ったら違うのか?それとも…
選挙のほうがせまってきているのか。先生ナイスタイミングwwしかも泥酔状態w間に合ったか。
うわっ金曜クラブも来たのか同じ所に…何か大変なことになりそうだな。
うおー凄い盛り上がり方が良い!遂に次回最終回!


13話
人間と狸と天狗の三つ巴。さてどう結末が着くのだろうか。
むしろ弁天が何を企んでるんだ…
あっそうだ!ホテイさんそういえば母上助けたんだったっけ…鳥肌立った。
遂に鉢合わせたかw
ん?なんでそこまで夷川が母上に固執するんだっけ?
さすがホテイさん!w待ってました!いいぞもっとやれ!w
まぁ矛盾があるのが人間だよな。さぁて弁天どう動く?
っと思ったら師匠www何してんのww浮気の現場wうまいなw
アッー!全部ふっとんだーw先生激おこプンプン丸w
師匠相変わらずちょろいなww
あれそういやカエルの兄さんもう変身戻れるのにw
ヤジロウ兄さんとお母さんの会話でなんか泣けた(´Д⊂ヽ
ホテイさんと話してる時の後ろで弟の仕草が可愛いw
カイセイちゃんマジヒロイン!
最終的にこのセリフに落ち着くな。「おもしろきことはよきことなり」
いやぁ今期最高にうまいまとめだったのではなかろうか?実に良いアニメだった。
本当に面白かった。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 63
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

一つの大きなサヨナラが、遺された者達を繋ぐこともある。

2013年7月放送。
全13話。


【前置き】

原作者は、メディア芸術祭アニメーション部門大賞のアニメ「四畳半神話大系」も書かれた『森見登美彦さん』。
(本作は、森見作品の中では「毛深い子」という愛称で呼ばれていたりするそうですww)
そして制作は、安定と信頼の作画で定評ある『P.A.WORKS』。

『森見登美彦』に『P.A.WORKS』
どちらも、私にとっては名前を聞くだけで条件反射してしまう単語です。
事実、本作の放送が始める少し前、来期のアニメ一覧を眺めていた中で本作『有頂天家族』を見つけた時も、私の…今思えば「阿呆」の血が無性に騒いだのを覚えています。

『うむ。これは、見ないわけにはいくまい。

 これも、阿呆の血のしからしむるところだ。』

なんて台詞、本作を見る前は出る筈も無かったわけですけどね。



【あらすじ】

千年の都・京都。
ここでは古来より、人に化けた「狸」と「天狗」が、人間に紛れ暮らしておりました。

狸一家『下鴨(しもがも)家』の三男であり、偉大な亡き父から「阿呆」という一点の血を受け継いだ主人公『矢三郎(やさぶろう)』も、その中の一人。
狸界では「名家」であることも顧みず、彼は日々をただ面白可笑しく過ごしていました。

しかし周囲では、その偉大な亡き父の遺志を継ぐ、次期頭領を決める「偽右衛門(にせえもん)選挙」で、躍起立つ者(狸)が出始めておりました…。



【論じてみる】
{netabare}
正直、序盤の数話は
「本当にこれから、四畳半の時のようにドンドンと面白くなるのかな?」
と、半信半疑でした。
理由として、キャラの立ち位置や関係性が分かりにくく、どういう風に話が進んでいくのかも明確でないので、続きが全く気になる感じになれなかったのです。
上記のあらすじにしても、第1話の時点ではよく見えてこなかったですし。

第4話「大文字納涼船合戦」にしても、内が見えないキャラクター達がドンチャン騒ぎをしていても一緒に楽しめるワケもなく、ただただ温度差を感じました。
「四畳半神話大系」の実績が無ければ、まず間違いなく切っていたことでしょう。


ただ、P.A.WORKSの作画は流石の一言。
久米田康治さんが描く、角張った特徴的なキャラクターデザインをアニメ的に上手く表現しながらも、緻密に描き込まれた舞台背景は、見ているだけで心地良かったです。

京都という舞台上どうしても人通りが多いわけですが、そのモブも事細かに動きますので、スタッフの職人魂を感じましたね。
退屈な序盤を視聴継続出来た要因としては、この作画は非常に大きかったと思います。


そして中盤より、やっとこさ

「偉大なる父親狸が、狸鍋にされ人間に食べられてしまった。」

というエピソードを元に、徐々にそこに関わっていたキャラクター達が浮き彫りになっていき、少しずつ物語にも魅入るようになっていきました。

ストーリーとキャラの立ち位置が明確になってくると、序盤とは打って変わりの面白さ。
もぅ毎週、楽しみで仕方無くなっていました。

特に第8話「父の発つ日」にある、次男であり蛙でもある「矢次郎(やじろう)」の回想語りは、胸に響きましたね。


『その当時の俺は、厄介な問題を抱えていた…。

 俺は大いに悩み、その想いを父に打ち明け…判断を仰いでいた。


 俺は…、カタのつけようのない恋をしていた…。』


作中ずぅぅっと引っ張ってきた次男坊の本心。
そして、それを軸に語られる偉大な父の死の真相。

あくまで自分の中でですが、数多あるアニメ作品の中でも間違いなく、私にとって数少ない『神回』と言える一話でした。


ラストに関しても、とんでもないドンデン返しはありませんが、良い意味で予想通り気持ち良く楽しく終わっていたので、本作としては丁度良い塩梅でした。
予想が出来てしまい、そのまま予想通りでも、その絵が見たくて楽しみで仕方無い。
そんな気持ちで、ラスト3話は見ていた気がします。
{/netabare}



【偽右衛門 下鴨総一郎】
{netabare}
さて…「毛深い」だけでなく中々「味のある」キャラクターの多い本作。
その中でも、特に魅力的で味わい深いキャラクター、偉大な父親狸『下鴨 総一郎(しもがも そういちろう)』について、じっくり語りたいと思います。

この父親は、まさに「カッコイイとはこういうことさ」と言わんばかりの立ち振舞いでしたね。


山に化けることが出来る程の、非凡の化け力を持っていた父。
しかし突然、狸を食べる会「金曜倶楽部」に捕まった父親は、その人間達に鍋にされ食べられてしまっていました。

中盤、その父を食べた張本人の一人、大学教授の「淀川 長太郎(よどがわ ちょうたろう)」と矢三郎は奇しくも出会うのですが、そこで語られた父の最期は、想像していたものとは随分と違っていたのです。

その淀川は、人間であるから狸を食うのは当然と言いながらも、「食べることは愛すること」とも言い、狸に対し深い愛情を抱いていました。
そんな淀川に対し父は、狸界のタブーを破り…こう言葉を交わしていたのです。


「俺はコレまでにやりたいことは全てやり、子供達も大きくなった。

 末はまだ小さいけれども、兄たちが居るから…あとは助け合って立派にやっていくであろう。

 俺は種をまき、そこそこ育てた。

 一匹の狸としての役目は全うしたんだ。

 残された日々は天恵である。つまりは儲け物である。

 したがって…、まあ…ここであなた方に食われたところで一向に構わない。

 食いたければ食うが良い。」


狸が喋ったことに驚く淀川にも井を返さず、


「貴方ならば喋っても構わんかな…と、ふと思ったのだ。

 我が生涯最後のイタズラと言うべきか、阿呆の血のしからしむるところだ…。」


と、落ち着きながらも…「狸らしい」個性そのままに、それから食べられるまでの時間を、父は淀川と語り合っていたのでした。

父親の最後となったこのエピソードは、はたから見た残酷さとは裏腹に、まるで長年信頼しきった間柄のような会話を見せており、良い意味での違和感を生む演出がなされていました。
しかしまぁなんと潔い狸(おとこ)でしょうね、惚れ惚れいちゃいましたよ。


そんな父を想い返し、矢三郎は終盤前(第8話の最後)に、こう語っておりましたね。


『この世にサヨナラするにあたり、我らの父は、偉大なるその血を律儀にも四つに分けた。

 長兄は、責任感だけを受け継ぎ、

 次兄は、暢気な性格だけを受け継ぎ、

 弟は、純真さだけを受け継ぎ、

 私は……、阿呆ぶりだけを受け継いだ。

 てんでバラバラの兄弟をつなぎとめているのは、海よりも深い母の愛と、偉大なる父とのサヨラナである。

 一つの大きなサヨナラが、遺された者達をつなぐこともある。』


私はこの2つのシーンが作中でも大のお気に入りで、特にこの矢三郎の台詞の一連シーンでは、演出や音楽の挿入も抜群に良かったのも重なり、不覚にもボロ泣きしてしまいました。
正直、今もこの台詞を読み返すだけで、目頭が熱くなってしまう程です…。


下鴨家を始め、本作を彩るキャラクター達は皆どこかで、この父と繋がっていて、良くも……そして悪くも触発されていました。
それほど、この父親狸『下鴨総一郎』は、大きな存在だったんですね。

今もサントラで、このシーンの曲を聴いています。
曲のタイトルは、『一つの大きなサヨナラ』です。

アカン、泣けてきてしまった……。。。
{/netabare}



【総評】

初見では、序盤で人物設定や世界観が掴み辛く、馴染みづらい点は大きなマイナス。
原作ファンや前知識を持つ人でなければ、ここで切ってしまう人も多かったのではないでしょうか。

ですが後半は、そのマイナスを補って十二分に余りのある、大変面白く心動かされる「馬鹿馬鹿しい狸活劇」となっておりました。

しかし、いやはや序盤の悪印象から、まさかボロ泣きに発展するとは……。
これだから、物語は追ってみないと分かりません。
勿論、数多ある原作の中からアニメ化された作品なので、誰が見ても面白くない内容だなんてことはありえない、と思って一応追ってはおりましたが。
(と言いつつも、やっぱり自分には合わないケースがよくありますので、こういう風に覆るケースは珍しかったです。)


私は、ラノベ作品によくあるような、いわゆる萌え系のアニメも喜んで鑑賞します。
付け加えるなら、本作と同時期に放送されていたアニメを見て、「小学生は最高だぜ!」とも言っていた、本当どうしようもない阿呆の萌え糞豚です。

それでも、このような大人の鑑賞にも十分耐えうる、でもそれでいてカッコ付けて高尚ぶらずに面白いものを描く、こういう作品も大好きです。

この作者が描く「阿呆」に、私はたまらなく魅力を感じてしまうんですよね。
それが面白い出来事に繋がり、それが面白い周囲を呼び込んできてくれるのですから。

そして、まさに『四畳半神話大系』がそうであったように、それが周囲を巻き込んだ「良きこと」にも繋がっていくのですから…☆彡


まさに「面白きことは、良きことなり。」でした。

読んでいただき、ありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『下鴨 総一郎』声 - 石原凡さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『夷川 海星』声 - 佐倉綾音さん



以降、獣に当てた駄文なので〆ておきます。
{netabare}
さて…、これまで美少女にのみ、その欲情を露わにしていた私ですが…。


本作を見てからというもの、私は

『美少女』

ならぬ

『美少狸』

にまで、欲情の目を向けてしまいかねないようになってしまいました。

これに限っては、オスだろうが問答無用で手を出しかねない勢いである。


野生の狸は危険? 気性が荒い? 疫病も持っている?

ノープロブレム。

本能の赴くままに行動している時の私の気性の荒さは、野生の狸を凌ぎます。

爪も使います。

歯も使います。

舌も出します。

何より、私もこの通りの病気持ちです。


以降、私が京都に赴いた際は、町に隠れ住む『美少狸』は、決して私に近づいてはいけないと警告しておきます。


もし私に発情期があるとするならば、狸とだけは同時期でないことを願ってやみません。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43
ネタバレ

しんばくん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

たぬき・天狗・人間 さて、どんな話でしょう。

物語:4.3 作画:4.7 声優:4.3 音楽:4.2 キャラ:4.6 【平均:4.4】                           (82.4)

ジャンル        :コメディ、群像劇
話数          :全13話
原作          :森見登美彦(小説)
アニメーション製作 :P.A.WORKS
監督          :吉原正行
シリーズ構成     :菅正太郎
脚本          :菅正太郎、檜垣亮
キャラデザイン    :久米田康治(原案)、川面恒介
音楽          :藤澤慶昌
主人公声優      :櫻井孝宏
OP           :「有頂天人生」作詞・歌 - milktub / 作曲・編曲 - 宮崎京一
ED           :「ケセラセラ」作詞 - 林英樹 / 作曲 - 佐藤純一 / 編曲・歌 - fhana

参照元        :Wikipedia「有頂天家族」

【あらすじ】
 千年の都・京都。ここでは古来より、人に化けた狸と天狗が、人間に紛れて暮らしていた。糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父であり、狸界の頭領「偽右衛門」でもあった総一郎はある年の瀬、人間たちに狸鍋にされ、帰らぬ狸となってしまった。遺された息子たち「下鴨四兄弟」の三男で「面白く生きる」がモットーの矢三郎と、それを取りまく狸と天狗と人間たちの奇妙で多彩なキャラクターが繰り広げる奇想天外なコメディドラマ。 Wikipedia 有頂天家族「物語」より

【特徴】
①独特のセリフ回し
②コメディだけどシリアス
③家族、兄弟
④事件の真相
⑤好事家

【長所】
①謎多きキャラの行動が意味深
②微笑ましい家族模様が描かれている
③狸、天狗、人間の関係が面白い
④独特のセリフ回しが見所

【短所】
①日常会話で使われる事の無い語句を多用するため、煩わしく感じる事もある
②一見すると何について描いた物語か分かり辛い

【理由】
{netabare}[ 長所 ]
①作中にしっかりヒントが隠されていました。この謎は物語の引きの強さに寄与していると感じました。
②物語の温か味を感じられる部分です。また、感動する部分は家族関係の話になります。
③3つの種族が狸界の下鴨家と夷川家の争いに深く関わる物語です。この3種族の事情は各個にあり、物語の構成を面白くしていると思いました。 
④本作の目立つ特徴のうちの一つ。特に主人公である矢三郎のセリフが個性的。

[ 短所 ]
①要するに、人によっては何を言っているのか分からないという事になるかもしれません。よって、独特のセリフ回しは長所にも短所にもなると考えます。
②作品のジャンルがはっきりしません。楽しめる事が出来れば大した問題ではありませんが、結局何を描いた物語だったのかが分かり難く感じる事もあると思います。{/netabare}

【総括】
 様々な要旨を題材とした作品です。どの様な作品かという事をはっきり断言出来ませんが、【特徴】【長所】に挙げたような事を描いた作品でした。そして物語は最終話でしっかり締まります。また、上記には挙げませんでしたが作画、音楽共に綺麗で、キャラに至っては扱いも丁寧です。更に、キャラデザインはクセが少なくとても見易いです。尚、笑いを取るタイプのコメディ作品ではありませんが総じてクセが少なく見易いので、万人にお勧め出来る作品だと思いました。



【思った事・蛇足】

●どんな内容?
群像劇、家族愛、その他諸々描かれていましたが
私が思うに本筋は何かと言うと

『下鴨家、夷川家、両狸一族における頭領の座を掛けた争い』

だと思います。
その争いの中で家族愛だったり、種族ごとの群像劇が描かれていました。



●見所が多いと思ったキャラクター

1.矢三郎
  群像劇というよりこの矢三郎メインで進行する物語でした。
  主人公で下鴨家の三男。

2.矢二郎
  カエルから元に戻れなくなった下鴨家の次男。

3.弁天様(鈴木聡美)
  うーん・・・ ちょっと変わってました。
  天狗の妙技を赤玉様に伝授された人間。
  金曜倶楽部メンバー

4.布袋(淀川長太郎)
  大分変わった人でした。
  大学の農学部教授。
  金曜倶楽部メンバー



●好事家
この表現で正しいのか分かりませんが
人生を面白おかしく生きるキャラクター達が多数登場します。

観終えると
人生を面白おかしく生きる方法を模索したくなる!
…かもしれませんw



●阿呆の血のしからしむるところ

意味:アホの血統がそのような愚行を行わせているのだ。

私「あほうのちからしむところ…??」(汗)


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視聴前はタイトルやサムネ画像から作品の雰囲気を想像出来ず
積極的に観たいと思える作品ではありませんでした。
それにジャンルはコメディとwikiに書かれており
笑いのツボに入らなかったら楽しめないかもしれないと
そんな風に思ってました。


しかし
いざ観てみると違いました。


コメディはコメディでも
「笑いを取るタイプのコメディ」ではありませんでした!
コレ重要です!
更には話が進むにつれてシリアス度が上がります。


こんな具合に書くと「堅苦しい雰囲気なのか?」と思うかもしれませんが
そういう訳ではありません。


あらすじにも書かれていますが
ある日、主人公を含む狸一家(下鴨家)の父が人間に食べられてしまうのです。
そして物語は
偉大な父が人間に捕まってしまうという経緯に
徐々に隠された真実が明らかになって行くといった構成になります。
(※勿論明らかになった後も物語は続きます。)
なので
真実に迫るにつれてしんみりする場面や
家族の温もりを感じる場面などがあり
笑いとは程遠い内容だと思いました。


ですが!
描かれるキャラクター達は
わがままな天狗のおじいちゃんだったり
おかっぱ頭の四字熟語を使いたがる双子の狸だったり
はたまたやる気のないカエルだったり。
他にも個性的なキャラクターが登場し
これらのキャラクター達のおかげで堅苦しい雰囲気にならず
最後まで気楽に見ることが出来ました。




総括に書きましたが
兎に角クセが無く見易いので
万人にお勧め出来るのではないかと思います。



●グラフ[物語の転機が分かってしまう可能性あり※閲覧注意]
http://shinbakuns.blog.fc2.com/blog-entry-31.html

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
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