艦隊で宇宙なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの艦隊で宇宙な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月11日の時点で一番の艦隊で宇宙なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.6 1 艦隊で宇宙なアニメランキング1位
星界の戦旗(TVアニメ動画)

2000年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (82)
514人が棚に入れました
『星界の戦旗』は、森岡浩之のライトノベル、SF小説(スペースオペラ)『星界の紋章』の続編となるシリーズである。他媒体には、アニメ化、ゲーム化、漫画化もされている。
【ストーリー】「アーヴによる人類帝国」と「3ヵ国連合」との戦争は、当初こそ連合側に帝都ラクファカール目前まで攻め込まれたものの、時間をかけて帝国史上最大の艦隊を整備した帝国側に有利に展開していた。
戦役の発端となった人類統合体の先制攻撃は、双方に甚大な損害を出し、艦隊の再建に3年を必要とした。再編成を終えた星界軍は、人類統合体領打通作戦「幻炎」を発動。
新米艦長として新設の突撃艦「バースロイル」に乗り込んだラフィールは、同じく書記として乗り込んだジント(父の死により爵位を継いだ)と共に、戦いに身を投じて行く。二人の直属の上司アトスリュア百翔長は、3年前にラフィールが殺したフェブダーシュ男爵の妹であった。担当領域のアプティック門は前線を遠く離れ、予備艦隊が駐留していたのだが…。

声優・キャラクター
川澄綾子、今井由香、清水香里、斎賀みつき、大塚明夫、山田美穂、深見梨加、千葉進歩、塩沢兼人、鈴鹿千春、井上和彦

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『星界の紋章』は序章でここからが本編!(2017.5.24: 若干改稿)

SF小説 <星界シリーズ>『星界の戦旗Ⅰ』(森岡浩之著)を原作とするアニメ化作品。

視聴時点で原作既読でした。WOWOWでの有料放送だったため、たぶん知名度は低め。

タイトルにⅠとありますが実質的には『星界の紋章』に継ぐシリーズ2作目です。以下のレビューは『~紋章』を観ているか、もしくは原作の『星界の紋章』を読了しているかいずれかの方を前提に書いていますので、どちらもまだで読んで意味不明な箇所があればごめんなさい。

本シリーズは典型的なスペースオペラで、いくつもの星系の連合体である星間国家が複数(具体的には帝国<フリューバル>を含めて5つ)でてきます。

各星間国家の対立や通商同盟、戦時同盟などいろいろとややこしい話もあるのですが、本作品中の戦闘はもっぱら帝国<フリューバル>対<人類統合体>ですので、普通の宇宙戦争ものと思っていただいて問題ありません。

一方で主人公ジントとヒロインである皇女ラフィールのラブロマンス的な側面も大きいので、「戦争は苦手」でも、こちらに注力すれば観られるという方もいるかもしれません。二人の出身文化圏は異なっているので、往々にして「価値観の相違」的な場面もありますが、そこから生じるすれ違いやお互いの価値観のすり合わせもなかなかに楽しめます。

前作『星界の紋章』では主人公ジントが数奇な運命を経てアーヴによる帝国<フリューバル>の貴族(伯爵公子)となって皇女ラフィールと出会い、帝都ラクファカールを目指すストーリーでした。

このときのジントは巡察艦ゴースロスにおいていわば「帝都へ運んでもらうお客さん」だったのですが、前作でラクファカールを目指した理由は普通の言葉で言うと「士官学校」にあたる施設に入るためでした。

本シリーズからジントは爵位を継承して伯爵となり、突撃艦バースロイルに書記<ウィグ>すなわち主計科主任士官として着任して初めて実戦を経験することなります。

突撃艦バースロイルの艦長は本作のヒロインであるラフィールで、本作以後の二人は星界軍<ルエ・ラーブル>の軍人として(ときに止むなき事情により離別することとなるが)行動を共にします。

本作の範囲で星界軍が展開する「幻炎」作戦は『星界の紋章』時点で奇襲を受けた帝国<フリューバル>の失地回復作戦であり、比較的イケイケなムードですので本作独特のカッコいい戦闘場面、ラフィール以外のバースロイルの乗艦クルーとジントとの間の絆の構築などを楽しむと良いと思います。

本作で知り合ったメンバーは、以後のシリーズ作品にも大きくかかわってきます。特に火器管制・航法の担当であるエクリュアや、艦の整備・修理を担当していたサムソンなどは原作でも人気キャラで、後のアニメの同シリーズでの登場機会も多いです。

アニメのOPは『星界の紋章』と同じ曲が使用され、以後のシリーズでも共通です。インストゥルメンタルのわりと壮大な感じの曲で、スペースオペラの大作らしく、個人的にはかなり好みです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

おしゃれな戦旗

前作「星界の紋章」より3年後の世界。
突撃艦バースロイルに搭乗する艦長ラフィールと書記ジントの話。

ラストの状況が前作とかぶるのが面白く、その時のラフィールのセリフがまた感動的です。

戦争中とは思えないほど、冷静でおしゃれな会話も相変わらず見どころです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

スペース会話劇オペラ

星界シリーズ第2期。
前作にあたる「星界の紋章」の続きとなります。
宇宙を舞台に、人類社会を2分する戦争の只中のスペースオペラ。
ですが、もっぱら大きな戦況や政治情勢のことは扱いません。
貴族である主人公と皇族であるヒロインの戦時下における小さな日常と非日常。大艦隊の中の1分艦隊、それも小さな突撃艦1艦が彼らが自由にできる戦いのステージです。


やはり星界シリーズの最大のウリは会話劇。
やりとりがいちいち”大人”な言い回しです。主人公達に限らず上官と部下の会話が多いのですが、形式ばった内容ではなく、皮肉と情緒に富んだウィットな言葉の応酬になっています。
なので、ストーリーを楽しむというより、登場人物の人柄と微妙な人間関係、それを会話の行間から読み取るのが楽しい・・・・そういう作品。

重厚なSF設定の中での戦闘を描きつつも、あくまで人間ドラマとなっている本作。
とはいえ、SF部分がおざなりになっているワケではなく、宇宙戦争モノとしての出来も充分です。(設定がややこしいので、とっつきにくいですが)
メカニックや戦闘アクションを描かせれば揺ぎ無い安定感を誇るサンライズ製。過剰に派手な超兵器の登場や斬新な戦術がとられることもなく、普通に物量と地勢、戦略によって勝敗が決する当たり前の戦争を描いてます。
スペースオペラとしては見所が薄いカンジもしますが、主人公達は軍人としてはまだまだ駆け出し。
戦略的な影響力なんて無いに等しいので大局の動きは、この物語にはあまり関係がないのです。

信頼とも友誼とも愛情ともとれる絆で結ばれたジントとラフィールの冒険譚。
放送当時はそんな言葉はなかったですが、今風にいえば軽いツンデレ&クーデレです。
ラフィールが、ぼそっと洩らす「ばか・・・・」ってセリフがたまんないッスw


ちょっと古い作品ですが、「紋章」共々、もっと評価されてもいいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

65.0 2 艦隊で宇宙なアニメランキング2位
星界の戦旗II(TVアニメ動画)

2001年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (69)
436人が棚に入れました
『星界の戦旗』は、森岡浩之のライトノベル、SF小説(スペースオペラ)『星界の紋章』の続編となるシリーズである。他媒体には、アニメ化、ゲーム化、漫画化もされている。
「アーヴによる人類帝国」と「3ヵ国連合」との戦争は、当初こそ連合側に帝都ラクファカール目前まで攻め込まれたものの、時間をかけて帝国史上最大の艦隊を整備した帝国側に有利に展開していた。
戦役の発端となった人類統合体の先制攻撃は、双方に甚大な損害を出し、艦隊の再建に3年を必要とした。再編成を終えた星界軍は、人類統合体領打通作戦「幻炎」を発動。
新米艦長として新設の突撃艦「バースロイル」に乗り込んだラフィールは、同じく書記として乗り込んだジント(父の死により爵位を継いだ)と共に、戦いに身を投じて行く。二人の直属の上司アトスリュア百翔長は、3年前にラフィールが殺したフェブダーシュ男爵の妹であった。担当領域のアプティック門は前線を遠く離れ、予備艦隊が駐留していたのだが…。

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

愛情ある「バカ」、いいですねえ。

今作は、刑務所惑星が主舞台です。
引き続き会話はスパイスがよく効いています。

途中ストレスの溜まる展開でしたが、ラストは相変わらずでした。

今回もラフィール大活躍。
ラフィールの愛情ある「バカ」は、ほんと好きです。

ラフィールの声を務める川澄綾子さん、この作品で初めて意識しました。
今ではだいぶうまいです。
私の好きな声優さんのひとりです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

僕の、かわいい殿下

星界シリーズ第3弾。
スペースオペラでありながら、登場人物の会話に重点を置いた作風はそのままです。
キャラ同士の掛け合いで、その人となりや、置かれている状況、微妙な人間関係を表現するのに長けた作品。
長々とした会話中心なので、ストーリ進行は遅いのですが、その遅さが気になりません。


前回の続きですが戦線は帝国に有利に拡大しており、主人公達が宇宙空間でドンパチやって活躍する場はありません。
今回はの舞台は1つの星系の地上世界、占領地でのエピソードです。
ネタバレになるので内容は詳しくは語りませんが、この事件を経て主人公達の絆が深まります。
いや、絆が深まるというより、初めて会ったときから今まで培ってきた、互いの想いを再確認するといった方が正確でしょうか。

周りの連中にはバレバレなのですが、感情を見せず、上官として、軍人として、皇族として振舞っていた毅然とした態度が崩れ去るとき、深い愛情が溢れているのが見て取れました。
胸のあたりがこそばゆくなりましたがw、素直に感動を覚える瞬間でもあります。
やぁ、ほんとにイイ関係の2人です。


スペースオペラ・・・・というより、スペースラブロマンス。
前作を見ないで本作を見る人はいないとおもいますが、
ここまでシリーズを見てきて、2人の関係を知っているからこその感動です。
是非とも、星界の紋章、星界の戦旗、と続けてご覧ください。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 7

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

陰鬱すぎてストレスが半端ない。シリーズファン以外は見れないかも。

 さて、私はこのシリーズは大好きなのですが、この戦旗Ⅱの陰鬱さはさすがに厳しかったです。

 遺伝子改良をして宇宙に適合した人間で構成される帝国と通常の遺伝子の統合政府(人類統合体)間の争いが、このシリーズの根幹にあります。
 銀河帝国もの、宇宙戦争ものですから、当然華やかな艦隊戦などを楽しみにしてもいいでしょうが、本作のほとんどの部分は人間ドラマになります。

 シリーズ全体では、いままで帝国の存在を知らなかった遺伝子を改良していない主人公ジントが皇孫女のラフィールと出会い、お互い惹かれ合う。歳のとり方の違いが物悲しい雰囲気を醸し出します。帝国の艦隊運用や、艦の中の人間模様と掛け合い。平面宇宙での戦闘などが描かれます。
 また、帝国側のアーヴと呼ばれる貴族たちの強烈なキャラクターも楽しみです。

 が、本作のストーリーがなんというか…

 帝国の支配領域に入ったことにより、混乱する流刑惑星が舞台です。この惑星には刑務官つまり刑務所としての機能を担う人間、男性・女性・去勢された男女の4つの勢力に分断しています。

 地上の統治に興味がない帝国の支配地になることで、刑務官たちは武力が不十分と考え亡命を希望します。
 また、女性たちも犯罪者ではありますが性的な犯罪被害にあっている人間も多く、男性との共存はできないと考え亡命を希望します。男性側は子供が残せなくなる、惑星で子供が増えなくなるのは許せないとして、壁を取り払い男女が共存することを望みますが、当然性欲が本当の理由です。

 そして男性が反乱を起こしますが、運の悪い事にジントが捕まってしまいます。さて、ジントは救出されるのか?という話です。

 一応ドンパチはありますが、ほとんどが会話劇です。しかも犯罪者の対立ですから非常に言葉が荒いです。結局、交渉と言う名の喧嘩を延々と見せつけられる感じになります。アブリエルの裏の顔が見えたりもします。

 そして、ジントが非常に苦しい目に合います。ラストはネタバレしませんが、まあ、シリーズが続いているのでそこはわかるでしょう。が、いや、こんなの2度と見たくない…という息苦しさがある感じです。

 性犯罪とか男女の問題も根底のテーマにはあるかもしれませんが、若干設定に無理がある感じもあります。
 というように非常にストレスフルな展開が延々続きます。いついつものジントとラフィールの2人のやり取りを見せてくれるんだろう?という期待は裏切られます。そしてカタルシスも残念ながら弱いです。視聴後感に爽快感はまったくありません。


 私はファンなのでひいき目に付けますが、それでもアニメの評価の最大のポイントを再視聴したくなるか?特に数年後に見ても面白いと言えるだろうか?で判断していますので、本作はあまり高い点はつけられません。

 作画はサンライズのWOWOW枠ですので、クオリティは高いです…と言いたいですけど、時々オヤ?という崩れ方がある気がします。動いている分にはあまり気になりませんが。
 ラフィールの横顔の迫力がとてもいいです。
 声優さんは相変わらずいいですねえ。ジントもラフィールもとてもキャラに合っています。

 全体的には評価したいけど、さすがに擁護しきれないという感じです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

63.8 3 艦隊で宇宙なアニメランキング3位
星界の戦旗 III(OVA)

2005年8月26日
★★★★☆ 3.7 (58)
321人が棚に入れました
「狩人」作戦終了で、戦況は一時膠着し、二人はジントの故郷にして3ヵ国連合から帝国が奪還したハイド伯国(旧:ハイド星系)へと向かうが、待っていたのはとても好意的とは言えぬ歓迎であった。一方、星界軍は未だ帝国に帰順しないハイド星系における戦略級演習を企画する。そしてついに、ジントは育ての親にして現・ハイド星系首相ティル・コリントと再会する。しかし、ティルの出した答えは…。

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

星界の短編

今作は、ジントの故郷ハイド伯国と新設第1蹂躙戦隊の話となります。
全2話と短いため、ストーリーはあっさりしており、戦闘もありません。
ジントのラフィールへの思いが、ノスタルジーとともに描かれています。

ラフィールがジントにべったりなのが笑えます。
ラフィールがデレデレになりつつあります。

操縦時のエクリュアの豹変が面白いです。

今作で本シリーズは終了。
もっとみたいなあ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

アニメはここで一区切り

星界シリーズ4作目。
現在アニメ化されているのは、本作で最後になります。
星界の戦旗Ⅱのその後のお話ですが、星界の戦旗Ⅲは2話しかありませんので、戦局的に大きな事件もあまりありません。
(原作ではそれなりに盛り上がったエピソードらしいですが、アニメは戦闘部分を大幅カットしたそうです)
主人公、ジントにとっては人生の大事件ですが・・・


ストーリーは、ジントの故郷にまつわる話です。
一応はアーヴ貴族という立場でありながら、決して幸福とはいえない生い立ちのジントですが、このお話でも哀しい目に合います。
基本的に穏やかな性格で、怒ったり泣いたりという感情をあまり現さない性質の彼ですが、悲惨な境遇を「仕方ないな」というような困った表情で、受け入れているように見えるのが痛々しい。
皮肉なことに、そんな試練がより一層ラフィールとの絆を深めているのですが。


あまり戦闘シーンはありませんが、星界軍の面々の粋な会話劇は健在。
部下への叱責や激励の言葉のひとつとっても、なんともまぁ、いちいち文学的でカッコイイ。
やっぱり、本作はこうでなくっちゃ!です。

シリーズのファンの方、締めくくる意味でも是非ごらんください。
前作をご覧になっていない方は「星界の紋章」から、ね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

ひごもっこす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

シリーズとしては最高

軽い恋愛話もあるけど、主題は種族間の長~い争い。

ライトノベル原作ですが、基本設定がしっかりしています。

SFものにありがちな距離を無視した通信や物理的な移動に時間がかかる設定。

かの『銀〇英〇伝〇』ですらかなり怪しいところがあるけど、このシリーズはそれが無い。


情報伝達は限られているし、亜空間(平面宇宙)を介した通信を使ったとしてもその伝達容量は非常に限られている。
しかも双方向通信ではなく電文形式の片方通信というところがマニアック。
実世界の通信も本当はこんな感じですから。


また主人公の乗艦がチート級に強い訳ではなく、単なる量産艦に乗艦、戦闘。
ま、主人公の身分が普通じゃないので、そういった意味ではチートなんですが。

明らかに玄人向けファンタジーSFです。

小説はゆっくりですがまだ執筆が続いていますが、最後まで読めるのか俺。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

82.4 4 艦隊で宇宙なアニメランキング4位
無限のリヴァイアス(TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (959)
5792人が棚に入れました
2137年、大規模な太陽フレアによって出現した高密度のプラズマ雲が黄道面を境に太陽系の南半分を覆いつくし、地球も南半球が壊滅、17億もの人命が失われる被害を受ける。このフレアは「ゲドゥルト・フェノメーン」、プラズマ雲は「ゲドゥルトの海」と名付けられた。2225年、地球の衛星軌道にあった航宙士養成所リーベ・デルタは何者かの襲撃によって制御不能になり、ゲドゥルトの海へ突入してしまう。しかしその時、リーベ・デルタ内部に隠されていた外洋型航宙可潜艦「黒のリヴァイアス」が起動した。教官たちは全員殉職し、リヴァイアスに避難できたのは少年少女ばかり487人。彼らはなぜか自分たちを救助してくれるはずの軌道保安庁から攻撃を受け、戸惑い、混乱しつつもこれと戦い、そして更には密閉された極限状態にある艦内では、艦の指揮権や物資の配給を巡り少年少女同士が陰惨な争いを繰り広げながら、火星圏から土星圏、天王星圏へと当てのない逃避行を続けていく。

声優・キャラクター
白鳥哲、保志総一朗、関智一、桑島法子、丹下桜、氷上恭子、檜山修之

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

無限の鬱SF漂流記(93点)

個人的満足点:93/100点
アニメ系統:鬱系SF

サンライズが送り出したテレビオリジナルアニメ。
全26話。
コンセプトモチーフは「SF十五少年漂流記」。

監督は谷口悟朗氏、ルルーシュ、スクライド、プラネテスなど数々の名作を送り出した監督である。
その谷口氏の初監督作品がこの「無限のリヴァイアス」である。

自分がアニメを見て初めて本当の鬱を味わった作品でもある。
とにかく衝撃的な作品だった。
当時、アニメでここまでやっていいのか?とさえ思った。
完全に子供向けじゃないだろうと。
(今でこそ、色々な意味でやりすぎなアニメは沢山あるが)
鬱系を好物としている私だが、このアニメを観た後はかなり鬱な気分にさせられた。

SFの舞台設定で物語りは展開するものの
大筋では少年少女達の人間関係、心理状態が描かれている。
その少年達の心理描写が非常によく物語に引き込まれてしまう。
少年達の閉鎖空間での極限の心理描写がドロドロとしていて秀逸。
いや、至高といってもいい。
是非、少年たちの心の葛藤を観ていただきたい。

正直、鬱系が苦手な方には全くおすすめはできない。
万人向けではないものの、それでもそれでもお勧めしたい。

放送から10年以上たっていて作画等は今に比べれば
見劣りはするものの十分視聴できるレベルであろう。
そういう補正がかかった評点になってはいる。
個人的には歴代5本の指に入る名作。
現在でも鬱系最高峰のアニメと思っている。

できれば皆様にも1度観ていただきたいものである。


とまあ、色々書いてきたが
つまり何が言いたいかというと
 
「例え傷ついても…俺は、
  誰かを傷つけたくなんかないんだ」

 いやいやw是非観て鬱になってくれw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 56

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

リアルな社会構造と心理描写

オリジナルアニメーション。

宇宙開発、宇宙災害が進んだ未来の物語。
何者かの仕業により、リヴァイアスという宇宙船に閉じ込められた、487名の子どもたち。

子どもたちだけの社会。
子どもたちだけの自治。
閉鎖された空間、危機的状況で、どのように社会構造や心理が変化していくかを描いた作品です。


鬱アニメとして挙げられることの多い本作。
たしかに、夕方にやっていたアニメとしてはちょっとヘビーかもしれません。
しかし、「鬱」と付くほどではないと思います。
一般的なシリアスアニメの範囲内かと。
後味も決して悪いものではありません。


見どころは生々しい人間心理の表現。
宇宙空間が舞台ですが、リヴァイアスは言わば巨大な監獄。
閉鎖環境での心情変化を扱っており、SFにしては非常に現実感あふれるものとなっています。
権力争い、集団心理やパニック状態の描写は見事なものです。
映画ではよくありますが、アニメでは珍しいのではないでしょうか。



ジャンルとしては群像劇です。

主人公はいますが、主人公らしくありません。
あくまで悩みに悩むひとりの少年。
特殊な環境に置かれながらも、

・弟との対立
・親友との関係
・恋人の存在
・社会の中での立ち位置

こういった、身近な葛藤が語られています。

しかも、出来事は主人公の思惑とは関係なく、淡々と流れていきます。
主人公は、徹底的に平凡な少年として描かれているんですよね。
何もできずに、周囲の人間から文字通りたたかれることも。
何でもかんでもひとりで解決してしまうキャラとは、対極をなす存在です。

したがって、俺TUEEEを望んでいる人にとっては、拍子抜けするかもしれません。
しかし、芯の強さはしっかりと描かれていますし、心情変化の代表をなす存在。
それに、その他の登場人物も、だれひとりとして完璧な人間が存在していません。
眉目秀麗、才色兼備のキャラクターですら、その弱さをさらけ出しています。

まあ、人によっては「キャラクターに魅力を感じない!」となりそうです。
しかし、私としてはおおいに評価できるポイント。
そういった「弱さ」こそが、少年少女の情緒不安定さ+極限状況という環境をよく表していると思うからです。


最後までハラハラドキドキさせられた展開。
入念な人間心理や社会構造の描写。

古めのアニメですが、もっと評価されて欲しい作品のひとつです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

濃厚すぎる人間ドラマで描く鬱アニメ

制作はサンライズのオリジナルアニメです。
ジャンルはヒューマンドラマ・SFです。
監督は「コードギアス」「プラネテス」「スクライド」で知られる谷口悟朗氏。
じわじわと首を絞めていくような鬱展開なので視聴には注意が必要です。


航宙士養成所リーベ・デルタが襲撃を受け制御不能となり宇宙に放り投げられる。
それを修正するために大人たちが次々に犠牲となり、リーベ・デルタには子供ばかり478人が残る。
危機的状況の中、リーベ・デルタ内に「黒のリヴァイアス」なる外洋型航宙可潜艦があることが判明し、それに避難し出航することで全員一命を取り留める。
ここから少年少女たちの残酷な旅が始まる…。


一見すると本格SFにロボットが含まれた感じに思われますが全く違います。
この物語は「長期間の閉鎖空間における人間心理と関係性」を中心に描いています。
あまりにも人間の負の感情を臆面もなく描いているため、暗いヒューマンドラマというのが一番正しいでしょう。

群像劇で描かれており、主要人物たちの心情描写が秀逸です。
群像劇では「花咲くいろは」などが有名で良くできた作品ですが、本作も引けを取っていません。
異常なキャラ立ちは凄いの一言。
最初の内はまあまあ平穏に過ごしているわけですがだんだんと雲行きが怪しくなっていきます。
478人もの人が何か月も閉鎖空間の中にいたら、いったいどうなるでしょうか?


以下考察と感想。
{netabare}食料が絡むとやはり人間は大変なことになります。
暴力、実力主義、合理主義。
人権なんてくそ食らえ。
リヴァイアスの中だけでも大変なのに、加えて謎の敵が襲い掛かってきます。
膨らむ船内の不安によって、被害者視点しか持たない多数の子供たちは精神がやつれてきます。
さらなる暴力が起こり、だんだんと無気力になっていく。
特権階級に対する嫉妬、些細なことに対する怒り、ストレスによる破壊衝動。

イクミが「普通にしろ!」と叫ぶシーンがありますが、これが一番難しい。
あれだけの人がいたら「自分はいいだろ」という気持ちになってしまいます。
授業中一人がしゃべりだしたらみんながしゃべりだすような感じです。

あとこのアニメで私が一番きつかったのはなんだかんだでこずえが襲われるところです。
彼女の依存性、わがままっぷりは確かにいらっときますが、だからと言ってあれはあんまりですよ。
事件の後、彼女はイクミと相互補完の形になり、性格も急にしおらしくなります。
ラストではその依存から自分を解き放ちました。{/netabare}


ほとんどの主要人物が物語の最初と最後で印象が変わる、なかなか珍しいアニメです。
また死んだり、グロいことになったりもしません。
でも、凄く暗い気分になりますw

難点としては、やたら同じ声優がいろいろなキャラの声を担当していることです。
恐らくあまり声優に詳しくなくても気になると思います。
ここら辺はちょっと古いアニメだからしょうがないかもね。


総括して、あまりに心情描写が丁寧すぎて、それがために鬱アニメになっちゃったという感じです。
人間は追い込まれたらこんな感じになりますよという縮図を、精神がまだ未熟である子供を使って表しているように見えました。
決して人にはお勧めできない作品です。
でも個人的には好きw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 52

72.5 5 艦隊で宇宙なアニメランキング5位
モーレツ宇宙海賊[パイレーツ](TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (952)
4589人が棚に入れました
どこかの宇宙・海明星(うみのあけほし)に住む高校一年生の加藤茉莉香。茉莉香はある日、故人である父親が実はつい最近まで生きており、宇宙海賊船・弁天丸の船長であったことを知る。
弁天丸が海賊として活動を続けるのに必要な、私掠船免状の継承のためには直系の跡継である茉莉香が船長になるのが条件と告げられ、元・父親の船である弁天丸、そしてそのクルーとともに、女子高生兼宇宙海賊船船長としての生活を送ることになる。痛快スペースオペラ、華麗に登場!

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

白凰海賊団に入団希望しますd(❀╹◡╹)っ

■モーレツ♡宇宙海賊ってタイトルで甘く見てたら大火傷よ♥
原作は『ミニスカ宇宙海賊』っていうライトノベルで、その著者の笹本祐一さんは自身で「現役最古のラノベ作家」と言ってるようですねw
アニメ化発表から2年の月日を経て『モーレツ♡宇宙海賊』と改名して放送開始にこぎつけたみたいです o(^ー^)o☆パチパチパチ

ストーリーはと言うと、主人公の加藤茉莉香[marika]はごくごく普通の女子高生で喫茶店でバイトしながら楽しい学園ライフをすごしていたのですけど、突然なにやら怪しげな人たちがバイト先にご登場w
なんと宇宙海賊船・弁天丸の乗組員でしかも茉莉花のママである梨理香[ririka]の知り合いっていうじゃないですか(;・∀・)ハッ?
先代船長のゴンザエモンって誰?Σ(- -ノ)ノ エェ!?パパなの…食中毒で死亡ってw
ママは何者Σ(- -ノ)ノ エェ!? 伝説の女海賊!?∑(゚◇゚;) ゲッ
突然カミングアウトされた茉莉花に驚くべき提案が…
海賊船・弁天丸に乗りなさい! 工エエェェ(´д`)ェェエエ工
茉莉花の青春の学園生活はどうなっちゃうのでしょうねw


■モーレツ♡宇宙海賊に出逢った日の日記 φ( ̄∇ ̄o)
1話観た瞬間、こっこれは…面白いって思っちゃいました♪
宇宙海賊と高生生活の両立という奇抜な設定とか、制服にいかにもっていう海賊服のコラボレーションといったギャップが新鮮で面白かったです♪
設定は斬新なのですけど、その中身はどうやら「まともな宇宙モノ」って事なのでシリアスなアクションシーンなんかも期待できそうです♪
作画の方もクオリティが高くって、艦隊戦なんかかなりの迫力があるんじゃないかなぁって楽しみにしてます!

キャストの方もかなり豪華なんですけど、ヒロインで主人公役の茉莉花役に大抜擢されたのが小松未可子さんでしたね!
引っ張りだこの人気声優さんたちを押しのけてのキャスティングだけに、彼女の演技力にも注目したいところです♪

茉莉花を中心に、学園生活と海賊の2つの視点からキャラの友情や成長をみれそうなので、今後の展開を((o(´∀`)o))ワクワクしながら楽しみたいと思っています♪


■総評
「決断は自分で選んだベスト!!」って茉莉花も言ってましたけど、「モーレツ♡宇宙海賊」ってタイトルで判断しないで本当に良かったなって思いました♪
作品のタイトルを初めて見た時は、品の無さそうなタイトルだなって思っちゃったんですよねwヾ(´ε`*;)ゝ
それが1話観た時に、あっ!面白そう♪って思って第一印象は良かったんです!
ただ2クール作品なので、最後までこの期待に応えてくれるのかな?ってちょっと不安も抱きつつ視聴だったんですけどね(^ー^* )フフ♪
そんな不安もどこ吹く風って感じで、観るたびにo(^O^*=*^O^)o ワクワクさせてくれてグイグイ作品の魅力に惹きこまれていくのでした( ̄▽ ̄)=3 プハァー

まずσ( ̄∇ ̄*)アタシの目を釘付けにしたのは、優雅で秀麗な「オデットⅡ世」でした♪
宇宙空間でありながら「帆船」という設定がとっても新鮮で、マストを広げソーラーセイルに太陽光を受けて静かに航行する船体はとっても美しく、白凰女学院ヨット部らしい船体だったと思います(゚∇^d) グッ!!
また映像としての見せ方もとっても良かったですね♪
宇宙空間に限らず、遠近を意識した見せ方が秀逸で、地上と宇宙空間など適材適所でCGの使い方にも工夫が観られました!
オデットⅡ世は磨き上げられた汚れ一つない美しい船体なんですけど、弁天丸やバルバロッサ等の現役の海賊船は使い古された感じに仕上げていて、そういった細かい所にまで配慮されているところも好印象でした(*^^*)

女子高生と海賊というアンバランスな設定を見事に融合してしまったこの作品の世界観をつくり上げるために、キメ細かい設定がなされているのですけど、それが観ている視聴者にわかり辛くならないように心配りされているシナリオ構成は、2クールを無駄なく安定した面白さを見せてくれていた印象です(⌒^⌒*)b
各話の冒頭のナレーションは「ガンダム」とかでもお馴染みですけど、細かい設定や世界観を少しでも理解しやすくするためには有効ですし、作中での説明臭くなる部分をここで解消する役目もあるんでしょうね♪
また、この時代では砲撃戦や白兵戦の前に「電子線」がとっても重要であることも、白凰女学院ヨット部の演習のシーンで取り入れることでさり気なく指南してくれてましたね♪
ただヨット部のメンバーと弁天丸を関連付けるのにちょっと強引だったかなって思いましたけど(感染症で隔離ってねw)、それ以外は茉莉花を中心に個々の個性を生かしつつバランスよくキャラを動かしていた印象です(*^^*)

声優さんでは茉莉花役の小松未可子さんは自信の一生懸命な感じが相まってなのか「海賊船見習い」と言う微妙な立場を上手く演じていてとっても良かったと思います♪
また、茉莉花の親友で役を演じた小見川千明さんも演技にも関心しました☆彡
「花咲くいろは」でミンチ役を演じていた小見川さんだったんですか∑('◇'*)エェッ!?って驚いちゃいました!声優さんって♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!

そういえば、1話でミーサさんがこんな事言ってましたけどρ( ̄∇ ̄o)
「ホントだったら加藤船長もこんなことはしたくはなかったんだろうけど・・・」
この本当の意味はなんだったのでしょうね♪
原作を読んだことないのでわからないですけど、故・・・ゴンザエモン船長wと、「ブラスターリリカ」こと梨理香さんの思惑が不透明なままなので続きがあるのかな?
茉莉香が正式に船長になった姿も観てみたいですし、まだまだ弁天丸の活躍を観たいので続編を強く希望します八(^□^*) オネガイ!!


■MUSIC♫
OP曲『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』
 【作詞・作曲・編曲】前山田健一 【歌】ももいろクローバーZ
 ヒャダインこと前山田健一さんとももクロとのコラボはドラゴンクライシスのED曲「ミライボウル」以来かな?
 ももクロの元気な部分を前面に押し出したモーレツなナンバーですw
 
ED曲『LOST CHILD』
 【作曲・編曲】NARASAKI【歌】ももいろクローバーZ
 こちらも「ミライボール」の編曲を担当したNARASAKIさんの楽曲です♪
 荒削りさが癖になるももクロの魅力を惹き立てる軽快なエレクトロニカなナンバーですd(-_^)good!!

ED曲『Black Holy』(第9話、第12話、第16話)
ED曲『透明な夜空 〜瞬く星に包まれて〜』
ED曲『未來航路』
 【歌】小松未可子
 ももクロのあとに聴くとなんだかC=(^◇^ ; ホッ!としちゃう憂いがある小松さんの歌声♪
 楽曲はオーソドックスでキャッチーな構成となってるのでとっても聴きやすいです。☆⌒d(*^ー゚)b グッ!!
 個人的には『Black Holy』のようなBメロからサビにかけて盛り上がるアップテンポな曲がお気に入りです♪


2012.01.21・第一の手記
2012.10.07・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 69

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女子高生船長も悪くない(´ー`)♪

高校1年生である加藤 茉莉香が亡き父親の跡を継ぎ
女子高生兼宇宙海賊船船長としての生活を送るお話。
全26話。
原作は「ミニスカ宇宙海賊」名のラノベ。

宇宙海賊というだけあり内容はSFもの。
宇宙海賊船同士のバトルシーンなどはなかなかの迫力。
作品の見所の1つになると思います。

主人公・茉莉香の女子高生としての姿と
宇宙海賊船船長としての姿を上手に描いています。
明るくイキイキと前向きな姿勢で成長して行く
様子は主人公としてとても魅力的に映りました(*´∀`*)♪

多少のコメディ要素も入る作品で
茉莉香が船長を務める「弁天丸」クルーや
学校の友人など個性的なキャラが笑いを誘いますw

何気に印象に残ったのが茉莉香が高校で入部する
ヨット部員の声優陣の豪華な顔ぶれです。
出番、セリフの少ない役で知ってる声優さんが多数w
正直驚きましたw
時間のある方は調べてみてねw

2クールと少し長い作品になりますが
視聴後には爽快感を得られる内容でした。
これといったオススメ要素の少ないのが玉に瑕ですが
時間のある時にでも視聴して貰えればと思います(・∀・)v



《キャスト》
加藤 茉莉香(CV.小松未可子)
チアキ・クリハラ(CV.花澤香菜)
遠藤 マミ(CV.小見川千明)
グリューエル・セレニティ(CV.戸松遥)
グリュンヒルデ・セレニティ(CV.金元寿子)
ミーサ・グランドウッド(CV.伊藤静)
ケイン・マクドゥガル(CV.松風雅也)
百眼(CV.藤原啓治)
クーリエ(CV.堀江由衣)
シュニッツァー(CV.三宅健太)
ルカ(CV.水原薫)
三代目(CV.松岡禎丞)
加藤 梨理香(CV.甲斐田裕子)
加藤 芳郎(CV.小山力也)



《主題歌》
OP:『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」』/ももいろクローバーZ
ED:『LOST CHILD』/ももいろクローバーZ

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

さぁ!オッサンホイホイの時間だ!!

個人的に1話でドツボにキた。
ハーロックネタw爆笑。まさか21世紀に聞けるとは。
中身は70、80年代から散々読んで、観てきたもの。
始祖たるヤマト、銀英のパロ、ナデシコ、タイラーで大輪となった,おちゃらけたスペースオペラの風格。
肌が合う合わないでいったら15年ぶりに幼馴染にであったような・・・。いちいち涙が出てくる演出。
エヴァとかの大月Pまでいるwナデシコメンバーなんですね。納得です。
オカエリナサト

キャラ原案が変態絵師、あきまん
お布施はよくしてる。
∀ガンダム以前、カプコンの頃から愛してる。ストゼロくらいが好きだったな。
ユーストでエロいマミさんだか描いてBANくらったとか。
昔たまに書いてたデリヘルの感想がおもしろかった。


今年はコイツだけやっぱりひとつ抜けてるかな・・
売れはしないだろうけど・・
オンナのコが主人公ってだけで恋愛、ハーレム的なものを感じない。おっさんだって登場するし。きょうびのテンプレアニメと違うけど、90sはこれがテンプレw
まさに黄金期のアニメ、世代にはたまらないよね・・。

ZEROのあとにあのアバン、ナレーション、シュールだなぁ・・・。

ゼーガの音響さんらしく花澤チアキちゃんががなぜかかわいいのも見所。
ざーさんがこんなにかわいいわけがない。


くだらない感想{netabare}
途中からちょっと雰囲気が変わってくるのですが、
あえて原作を追い抜いたとか。
やるからには作者と協議の上だろうけど。

それ以降、海賊→オタクっていう暗喩な気がしてきたよ。
ネット社会でなまじ光の速さを超えてしまった(超えてないけど)我々への提言なのか。オトナになって離散してしまったオタクたちのことなのか・・。
それについてのメッセージだとするのであれば・・。

どこぞで読んだらストロングスタイル?プロレスだぁ?ww
オタクにはかわらないな。あたらずしも遠からず・・・
茉莉香がレスラーの娘で、後ついで、親父がガチもやってみないかと?wくだらねえww
UFCバリならいいけどガチでも空気読む試合はイヤよ・・。
てことは映画は関係なくて、2期はガチとエンタメどっちがいいか、ファンが決めてくれってことだね?
ガチにしたら個性がかけるな。
見世物だけど、たまに頭に血がのぼっちゃってガチっぽくなるのががプロレスの真髄。あと技の美しさ。
どこぞのアメプロくさく、親父とのくだらない抗争劇とかでもいいよ。


作品概要
最初は部活の話、で海賊になって仕事をする話、部活と海賊を合わせた話、ガチンコの宇宙海賊としてマジでやりあうラスト。

実際には3種の構成なのか。
原作未読ですが、海賊なるまでにものすごーーくかかると聞いております。
さすがにそれはイカンので、2クールとはいえなかなかのハイペースで進みます。正確には一気に時間が飛ぶんです。

必然的に主人公の成長物語はほぼシカト。第一話から海賊になって仕事して、そこまでは比較的丁寧には描いてありますが、理解できません。
形式的にやってみました感が・・。

結局茉莉香が海賊になる資格を持っていて、英才教育、エリート娘。天性の宇宙海賊なだけじゃんかと。それに納得するかどうかってだけ。まぁそれでいいんですこんな話。

むしろ隙間がたくさんあるのでOVAででも補完話がたくさんでたらたのしいな。


この作品のすげえなってとこ

キャラクター
とにかくこれ。あきまんがたぶんヤバイんだと思う。もっといえばキャスティング。
大量に登場するヨット部員だが、クラスの(この場合部活だが)書き分けできてるのは名作とはよくいったもの。
ビジュアル、ちょっとしたしぐさで誰がどんなやつか分かる。逆にメインを食わないように添え物程度にしてあるのでほっといても問題ない。
その程度の扱いなのだが無駄に豪華なキャスト。
声優さんや外見の特徴のみでできるだけ表現。
そのサジ加減が秀逸。

SF考証も同じく、セリフを少なく、作画からどれだけの情報を視聴者にわからせるかといことに徹底してる。



オッサンじゃないとわからない舞台演出
みんないってることですが、古今SFのパロオマージュなどなどで構成。
本家作品でツッコミ入れられてたようなことに対してさりげなく修正、フォローをするというか・・
これならあの演出が成立するよねという。
電子戦は独特ですが、宇宙船モノではってめずらしいだけ。
レーダーのエフェクト、対艦戦のインターフェイスとか心当たりはいっぱいあるでしょう。ナデシコパロもあるのがニヤリ・・。そこいらがわからないと説明がほとんどないので会話の意味が不明になるかと。
物語はあまり関係ないのですが・・。この作品独自の楽しさがわかりません。

そんなこんなでここまでオタク、オヤジ知識を必要とする作品・・・よく出せたなと。。
{/netabare}













以下リアルタイムな覚書
{netabare}

3話まで、
ひたすら舞台説明、こちらも宇宙旅行を強制させるチュートリアル。海賊になる前にしっかり勉強しろてね。
どうやら日本語が常用なのか?習字してるし、船のあのシステム・・。
練習艦のデザインもOPにでるお約束の弁天丸ブリッジとは違い、トップなどのSFオタで言われてきた円卓、証券取引所タイプ。
お約束程度にお色気をいれてるが健康的なだけでエロも萌えもない。女子高生をガキあつかい。オトナとしてまったくもって正論。
船外でロープつけないのも絡まってあぶないからだろうな・・。ガスガン的なものがあるんでしょう。
セイリングじゃない、一般の通常エンジンなら半日で太陽回って往復できるってのもさりげない。あの世界は巡航でもすさまじい速度ってことですね。
プラネテス以来の本格宇宙SFだった。
リアリティと世界観にこだわってそのままおちゃらけだけどハードスペースオペラなのか・・基礎は知ってるんだぞと示しといて独自設定とかでぶっ壊すのか・・・楽しみ。

4話
もうこれこのまま部活作品でいいんじゃねえの。十分作品が成立してる。本格的に弁天丸に乗っちゃったら、おしまいな気がしてきた・・。みんなで乗り込むのか?二束のわらじか。
そんなことより小見川千明さんが恋しいのだが、またでるよね?・・・。電子戦とか地味だなぁwwこれは売れねえww楽しすぎるんだけどw

5話
エピソード1的な一区切り。
丁寧に説明を重ねてきた世界設定がついに明らかになる。
これ、かなり見せ方もお話もすごくうまいと思う。
あそこまで電子戦を見せといて、視聴者も登場人物もそんな航行システムっておかしくね?って思ったらコンピューターが無くても手動で操艦できるにきまってるじゃんって。ですよね。そもそもオデット2世は元々スタンドアローンのシステムだったわけだし。ちゃんと前フリしてる。
そして部長の通信が伝説の台詞『バカめ』wwwおまえがなw
あの攻撃方法とかあの作品のあれやしな。SF愛してるんですね。
視聴者の疑問に一気に回答をだし作品のノリも示してくれた。風呂敷たたむのがすごく綺麗。
ついでに宇宙空間で制服なのにパンツは絶対に見せないという製作の勇気!!。
普通なら着座の際に慣性の法則に逆らえないでスカートがめくれるはずなんだが・・・。仕掛けがあるんでしょう・・。

6話
やはり学園モノのほうがいいなぁ・・。まだまだ部活アニメのがよかった。海賊になったらエンディグでwざーさんが転校してしまったのが残念。たまに海賊って感じを期待。
そんなことより当OPを披露したはじめてみたももクロが斜め上のユニットすぎて衝撃的だった。。。

~10話
完全に銀英バリのスペースオペラになってきたYO。
作戦も銀英じゃねーかYO。
ポーズのかっこよさとか余分な台詞のなさとかすげえぞこの作品。
たまらんわぁ・・俺らはオタクであってヲタクではないというのを再認識させてくれる。
セレニティってアレか、セラムンからか。
戸松っちゃんヘタクソだなぁww。
ざーさんも好きじゃないけど、チアキちゃんいいな・・なんか似合ってるしかわいいわ。
マミとの絡みもなかなかでしたが、ノリノリで営業やってるのがなんともかわいらしい。

14話
こんなこともあろうかと・・なチアキチャン。
某作品でいう声優さんのギャラとか下世話なこと考えるとこ絶対やると思ったがなんか出すのが早いw〆にするべきネタじゃない?
日笠部長、レズらしいのにマジかっけえよ。
じつはこれがラストエピソードってことはないよね?かなりの長編にすんのかな・・。もうすこしタメがほしかった激アツいネタっすね・・。

~16
弁天丸にヨット部を乗せることでついでにSF考証というか説明もしてくれちゃう、普段のクルーがどれくらいすごい奴らなのか・・ってな。
うまいな・・
~17話
ブッ!!っていう衝撃のガチレズ展開。ドン引きするレベルのキスがすげごいっす。完全に入ってる音にわざとしているのは、ノリノリのアドリブか、いやがらせかw
ピンチになったらとにかくワープってもういつからだ・・古典的なお約束で燃えますね。

19
開幕から座右の銘が全否定されました。
なんか台詞の雰囲気もかわったな・・。


24
ド王道なクライマックス、ハーロックにツッコミをいれるセリフ。ガンダムだと演出見て察しろというだなw。かっこいいからは真理。
途中から感じていたがやはり海賊=おたく、オタクのような気がする。


海賊会議・・・あれですねヨーホーヨーホーのパクリっすね。
ハーロックの船外操縦→ホログラム、サイボーグ化で実現。
意味はない、かっこいいからだって・・wわかってるね。


クオリティは一定しないが絵の動かし方は要所要所でうまい。作画→本来アニメでは絵をうごかすこと。
セリフの使い方、テンポはすばらしい。説明的になりがちだが最小限。画面よく観とけってことかな。
アニメというよりは完全にガチなSF、


売り上げがまぁまぁすごいとの結果が・・世の中捨てたモンじゃねえな。


OPについて
モヒカンになったドラえもんが弾いているようなイントロからはじまり、どう考えてもロマサガイトケン節、ドラクエ風(というかクラシック)のごとく拍子が代わり、しょっちゅう変調、サビは90s王道のアニソンメロディー。泣き?っていうの?変にオサレぶらずにそのまま上がり続けて限界まで突破するという・・。で〆はFFのクリスタルのテーマってか。

ジャンル的にはシンフォニックメタルっていうの?。よく知らないけど。
マーティがあらぶってるのはわかった。
久しぶりに聞いたアニソンの珍曲なのは間違いない。
おもしろいけど、とにかく詰め込みすぎで疲れる。しかし中毒性が・・。
『ポゥ』じゃねーよ。マイケルネタかよ。

ももクロがヘタクソとかいわれるが、こんなすごいメロデイー誰もこのままは歌えないよ・・。きれいに歌うとたぶんダサいぞ。
あくまでタイアップじゃなくてアニソンだし、イメージってもんもある。
あえてアイドルのヘタクソボーカルなのがいいんだと思うよ。
ヒャダインさんもプロなんだから考慮してるんじゃないかな。
こういうヘンテコな曲を弾くとピアノを習っていたときのドラクエ4の気球のトラウマスイッチガ・・・・

{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50

76.0 6 艦隊で宇宙なアニメランキング6位
機動戦艦ナデシコ(TVアニメ動画)

1996年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (786)
3759人が棚に入れました
22世紀末。突如として木星方面より現れた謎の兵器群木星蜥蜴(もくせいとかげ)は、圧倒的な戦闘力で火星、月の裏側を次々に制圧。今や、地球各地にもチューリップと呼ばれる母艦を多数降下させるに至っていた。2196年。そんな中、木星蜥蜴の支配下に置かれた火星に残された人々を救うべく、民間企業ネルガル重工は「スキャパレリプロジェクト」を計画し、その要となる実験戦艦 ND-001 ナデシコの艤装を終了させていた。クルーには「能力が一流なら性格は問わない」と言う方針の下、一癖も二癖もある人物ばかりが揃えられた。ナデシコ発進の日、火星生まれの青年テンカワ・アキトは、偶然再会した幼なじみミスマル・ユリカを追って出港直前のナデシコに乗り込む。アキトはコックとしてナデシコのクルーに採用されるが、IFS処理をしていたため、人型機動兵器「エステバリス」のパイロットとしても戦っていくことになる。

声優・キャラクター
うえだゆうじ、桑島法子、伊藤健太郎、高野直子、岡本麻弥、南央美、飛田展男、関智一、小杉十郎太、小野健一、真殿光昭、一城みゆ希、田中信夫

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大和をかける撫でし子のように

花の名であります撫子は女子供を例えた「撫でし子」から来ていて、時には清楚な日本女性を「大和撫子」と
表したりと様々な意味合いを持つものでございます。和歌や雅語を昔は「大和言葉」と呼んだとか。
文脈や人の立場や感情にも左右される日本語の妙。つまり「込められた意味」は読み取るのが楽しいもんで。
――――――――――――――――――――――――
「目の上のたん瘤(こぶ)」1.あって邪魔なもの 2.非常にうっとうしいという意味だそう。
「目上」の方に対して使うことが多いでしょうか。
――――――――――――――――――――――――

テラフォーミングやワープ航行があるSF世界で問いかけられるのは「大人や社会の嘘」と、反抗する若い世代。

内容を表面的に点で捉えると本作はパロディとギャグ多めのロボットアニメにしか見えませんが、
時代を切り開いた先人に対するアンチテーゼとして考えるとカチリとハマる気がします。
SFを構築したアニメ界に対する、初脚本であった「佐藤竜雄」他、若いスタッフ達と重なるものでありました。

放送されていた1990年代中盤は時代の移り変わりとともに各々の人気シリーズが変化を求められていた時代で、
ガンダムシリーズ「機動武闘伝Gガンダム」、マクロスシリーズ「マクロス7」勇者シリーズ「黄金勇者ゴルドラン」
たまたまですが、ナデシコと同じ年1996年で戦隊シリーズに「激走戦隊カーレンジャー」というのもありますね。

共通するのが「ギャグ路線とパロディ」でした。

シリーズ化された人気作が若年層を取り込む意識と変化をつけて往年のファンも呼びこむ工夫だった訳です。
近い年に「新世紀エヴァンゲリオン」や「マクロスプラス」などシリアス路線な屈指の名作もあるため、
すべてがそうでないにしろ、今でもシリーズの異色作と謳われるタイトルは1990年代半ばに集中していました。
前時代からの脱却を図りながらも名作を踏襲しオマージュする形式はシリアスなタイトルにも共通点が有りますし、
歴代の名作アニメに憧れ業界入りした若いスタッフ達らしいカラーを出した結果、生まれた作品のように思います。

宇宙戦艦ヤマトと対になり(ヤマト・ナデシコ)女子供を乗せた異色の戦艦をナデシコ(撫でし子)と呼ぶような、
重なったいくつかの意味を持つ設定過多を全ては回収出来ず、スタッフさえも忘れた複雑な設定があり、
劇場版も良い出来だが小説版の補完ストーリーを見なければTV版から繋がらないという声もある。
あと何故モテるのかわからない主人公(一応、ヘビーな人生で背負った影と母性本能をくすぐられる事が理由)

賛否ありますが「自分に世界に酔える作品」とはまた違った明るさを持つ独特なシリアスさが魅力です。

若さや推進力をエネルギッシュに描く荒々しさと、
火星・木星・地球の社会構造と隠された謎。

作中でキーとなるスーパーロボットアニメ「ゲキガンガー3」は
作品内外で意味を持つ懐古的な作品で、前述したことを踏まえると作中の台詞が向かう先を納得できる気がします。

カッコつけてますが私らしく言えば、
人気キャラ、ホシノ・ルリの「あなたの一番になりたい」を何度もリピートした萌え豚(私)が当時ハマったアニメ。


90年代に輝くSFアニメの寵児、機動戦艦ナデシコ。大和を駆ける撫でし子は、今なおファンに愛され続けています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

キリン  さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なぜなにナデシコをみんなで見よう

今やビッグタイトルすぎて、説明不要の
『新世紀エヴァンゲリオン』が放送終了後に
放送されたので、
なんとなく
「『エヴァ』の次は『ナデシコ』か
どれ、どんなアニメかお手並み拝見」的な空気が
漂っていました。

『エヴァ』とはかなり方向性が違い
ラブコメ要素が強く、
当時『エヴァ』っぽいのを期待してた方は
「もっと、ちゃんとせぇーよ!!」
となっていたかもしれません。

でも私は違って良かったと思います。
『エヴァ』も『ナデシコ』もどちらも好きです。

どうしても『エヴァ』と比較して“違う”となると
テキトーなアニメに感じるかもしれませんが
決して、いいかげんな設定では無く、
組織、敵、世界、戦闘理由などは至ってシリアスです。
いや、それもまた違うか・・・
(この辺はネタバレを大いに含みますので)

とにかく
シリアスとラブコメやおバカの比率が
『エヴァ』と逆ですね。

一応ジャンルは
ロボット物になるんでしょうか(スパロボ登場経験あり)
私の印象としてはロボット感は薄いです。
『無責任艦長タイラー』っぽいジャンルです。

女の子がいっぱい出てくるので
そういうのがお好きな方にも
オススメです。

「バカばっか」
でお馴染みの『ルリルリ』こと
『ホシノ・ルリ』を鑑賞するアニメとしても
楽しめます。

『なぜなにナデシコ』は必見です。
『萌え』という言葉が定着されていなかった時代ですので
『カワイイ』だけじゃ気持ちを表現しきった気が
しなかった思いでした。

今思い出すと
“ジト目”に惹かれだしたのは、
この頃だったかもしれません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

軽いノリの愉快なアニメだが、所々重い内容もある

これはSF・ラブコメロボットアニメだそうです。但しお笑い要素が相当あります。
今ならYouTubeで無料視聴可能です。

物語は、22世紀末に、謎の木星蜥蜴(もくせいとかげ)により火星や月を制圧され、地球も危機に直面していたとき、機動戦艦ナデシコが地球を救うために活躍する内容です。が…、タイトルの『機動戦艦ナデシコ』は、『機動戦士ガンダム』と『宇宙戦艦ヤマト』を合成してつくったとのことです。
それだけに、このアニメがいかに軽いノリでつくられたかが想像できそうです。

ナデシコ艦長のミスマル・ユリカは、美人ですが底抜けに明るく、楽観的で、一見おバカのように見えます。実際に彼女は物語の大半をおバカにふるまっています。でも1割か2割ほどは超優秀な頭脳を用いて皆を指揮していますね。

また、主人公のテンカワ・アキトは、火星での戦闘がトラウマとなり、臆病な性格でしたが、幼馴染のユリカを追ってナデシコに乗り込み、少しずつ成長を遂げます。但し、それ以上に多くの女性にモテます。

登場する女性は全て美女ですが、ほとんどおバカです(もちろん登場するすべての男もおバカです)。唯一おバカになれない女性は、ホシノ・ルリだけ。彼女のため息交じりの口癖が「バカ…」。この口癖を何度も聞かされます。それほど戦艦の内部とは思えないほど、皆がバカなことをしでかします。

ところで、少しだけ真面目な質問をしますが、
今まで正義の戦いと信じ続けてきた戦争が、実は侵略のための戦争だとわかったとき、あなたはどうしますか?

そして、別の質問ですが、
少女が幼い頃に優しくしてもらった年上のお兄さんが、実は10歳以上も年下の青年だと大人になってから気づいたとき、その少女(女性)は、嬉しくて泣くでしょうか?それとも悲しくて泣くでしょうか?


オープニングは「YOU GET TO BURNING」 とても魅力的な歌です。
エンディングは「私らしく」 艦長のミスマル・ユリカが歌っている不思議な魅力がある歌です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

70.5 7 艦隊で宇宙なアニメランキング7位
無責任艦長タイラー(TVアニメ動画)

1993年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (184)
1123人が棚に入れました
時は未来、地球と惑星ラアルゴンとの戦争のさなか、主人公の放浪者ジャスティー・ウエキ・タイラーは楽な仕事がしたい!と、地球軍に入隊してしまい、あれよあれよという間にオンボロ駆逐艦「そよかぜ」の艦長にまで出世してしまう。持ち前の強運で数々の難事件を乗り切り、気づけばラアルゴン帝国の大艦隊を「そよかぜ」1隻で撃退するまでになる。そして、ラアルゴン帝国の皇帝ゴザ16世のアザリンはタイラーに興味を持ち始める……。

声優・キャラクター
辻谷耕史、天野由梨、速水奨、笠原弘子、関俊彦、麦人、西村知道、三石琴乃、成田剣、八奈見乗児
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

無責任で無鉄砲な漢。

疲れたとき見るのに最適!って感じですね。
スペースオペラ、ってなんだか敷居の高いものに感じられてしまうけど、この作品は設定を色々ゆるゆるにしてあってすごく見易かったです。

基本的な設定は地球とある惑星の間で繰り広げられる戦争。
宇宙を駆け巡っての艦隊戦が舞台です。

しかし。。。
初っ端から主人公のタイラーは軍隊への入隊理由として「楽がしたいからです!」と言い放って、そのままのらりくらりと戦争開始のどさくさに紛れて軍に入っちゃいます。
そんなのありえないだろ!と突っ込みたいところですが、戦争が始まっちゃったら仕方ないよな~人員不足だしな~と無理矢理納得させられてしまいます。

で、そのままのノリでタイトルの通り一隻の艦長にまで上り詰めます。

ここからが楽しいです。
タイラー擁する駆逐艦‘そよかぜ’はダメ軍人の流刑地だった、ということで乗組員にロクな人間がいないのです(笑)
一日中酒ばかり飲んでるのんだくれ軍医とか、
軍規に人一倍うるさい割に繊細で胃腸が弱い副艦長とか、
放っておくと乱闘騒ぎを始める世紀末なチンピラ兵士とか、
「お肌に悪いんで夜勤はパスねー」とか言って途中で寝ちゃう通信士とか。


例えると学級崩壊した小学校みたいなところです。
ここにダメ教師(艦長)であるタイラーが現れることで、皆が生まれ変わっていきます。
絆を深めていくクルー達、一向にやる気を出さない艦長。
反面教師タイラーです。


これ、原作のライトノベルのタイトルは『宇宙一の無責任男』ですが、アニメのタイトルの方が好きです。
タイラーがどう無責任なのか、具体的に示されているからです。
後から振り返ってみると、ああ・・確かにタイラーは無責任で最高の男だなって思えます。
{netabare}
つまり、艦長として、軍人としては失格ですが、人として大事な心を戦時中においても見失っていない。
敵であっても出来る限り殺したりしない。どんな時でも楽しく、自由に生きること。
タイラーが口だけの怠け者だったら失笑ものですが、彼は目立たない所できちんと自分のやるべきことをして、実行できるだけの力があるのです。
人間としては無責任どころか偉人の域でしょう。
{/netabare}

この男、何故か戦争で勝ちまくり女性にモテまくり。
それだけだと主人公が強いことに至福を感じるアニメかに思えますが、見進めていく内にじんわりとタイラーの人間的魅力が滲みだしてきます。
なんか、この絶妙さが素敵・・・(笑)


しっかりと宇宙の広大さを感じさせるシナリオも素敵です。
惑星ラアルゴン、っていう星の話がSFファンタジーっぽくてまた良い雰囲気です。
ライトノベルと一口に言っても、この頃のSFってけっこう侮れないというか、マニアックですよね。
面白おかしいだけじゃなくて奥深さが感じられました。



僕は『超時空要塞マクロス』が好きなので、マクロスが好きな人なんかには是非お勧めしたいですね。
ヒロインが皆可愛いし・・アザリンちゃんは特に異星人ヒロイン萌えの人にはたまらないです。


蛇足。
{netabare}
このアニメ、ヒロインの声優陣がすごく(個人的に)贅沢でした。

ユリコ・スター少佐・・天野由梨さん
キョンファ・キム中尉・・三石琴乃さん
ハルミ伍長・・岡本麻弥さん
アザリン・・笠原弘子さん
ユミ・ハナー&エミ・ハナー ニ飛曹・・かないみかさん


男性陣も速水奨さんや八奈見乗児さん、関俊彦さんまで出てて豪華すぎましたね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

coldikaros さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ガチで面白いでしょ、これ

いや本気で面白い。エヴァの監督さんが影響を受けたってのも分かります。そのままナデシコに結果が出ています。
内容の方ですが、SFなのはもちろんですがタイトル通り主人公が無責任だってのが肝です^^;
序盤はたぶん主人公のおちゃらけ具合とご都合主義具合にうんざりしてしまうと思います。
しかし中盤・終盤と見ていくと、ご都合主義なのか策士のなの分からなくなってきます。
最後ら辺になるともう策として見てしまって、次に何をするのか期待してしまった感じでしたが^^;
そこに仲間たちとの連帯感も伴って途中あまりの良作ぶりに感動するぐらいでした。
音楽もいいところにクラシックを採用していたりして凄い愛を感じました。
OVAも良かったので、そちらと一緒に楽しんでもらえたらいいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

無責任とも思える行動の先には…

(2013.11/8)
全26話のSFコメディ作品。何といっても主人公であるタイラーの自由奔放さが周りのクルーや敵までも巻き込み、組織の中で人の在るべき姿とは何なのか?と問いかけているように思えました。

また、キャラ(モブキャラも含めて)魅力的なのは中々ないので2クールではなく4クール放送でも良かったんじゃないかと…^^;

まぁ、その辺はOVAで補完されているようなので視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

74.7 8 艦隊で宇宙なアニメランキング8位
銀河英雄伝説 外伝(OVA)

1998年2月1日
★★★★★ 4.1 (138)
743人が棚に入れました
銀河英雄伝説シリーズの外伝。銀河系宇宙を舞台に、英雄たちの群像劇を壮大なスケールで描く。銀河帝国幼年学校を卒業し酷寒の惑星・カプチェランカに赴任したラインハルトたち。ベーネミュンデ侯爵夫人は彼らの抹殺をヘルダー大佐に指示する。

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

銀河の歴史がまた1ページ。

アニメーション制作:ケイファクトリー
OVA外伝第1期 — 全24話(1998年2月 - 1998年)
OVA外伝第2期 — 全28話(1999年12月 - 2000年7月)


銀河英雄伝説本伝の前日談にあたる物語で全部で52話にも及びます。

銀河帝国で後に“金髪の英雄”として知られるラインハルトと、
彼の忠実な腹心にして“赤毛の親友”キルヒアイスが未成年だった頃の話。
彼らが如何に活躍して出世の階段を登っていったのか?

片や“エル・ファシルの英雄”となったヤン・ウェンリーが新たな任地に赴任し、
事件に巻き込まれたり、後の人生で関わることになる人達との出会いがあったり。

本伝では歴史を眺めるといった具合なのに対して、
外伝では登場人物の更なる掘り下げが行われている気がします。

本伝では既に艦隊を所有して、更には元帥府を開き、
後には最高権力者にまで登りつめてしまうラインハルトしか観られないので、
艦長やら司令官やら上官に敬礼する中間管理職なラインハルトが新鮮ですね。

そこでは下級兵士など様々な立場の人間に直に接することにより彼らの気持ちを知ることもあり、
孤高ではあるが、足もとを疎かにして前を向いて走ることしか知らなかったラインハルトが、
帝国の腐敗と問題点を認識する上で中々に重要なエピソードなのかもしれません。
(ラインハルトの圧倒的な才能と最高のパートナーのキルヒアイスの補佐で危機を切り抜けられますけどね)

にしてもオリジナルエピソード3部作は波乱万丈な気もしますがw

アニメオリキャラの美幼女伯爵令嬢(CV.大谷育江)が出てきたり、
某侯爵の娘(CV.榎本温子)が美少女だったり、
銀英伝にも萌えの時代が来たのか?という驚きが…w
ふたりとも、碌でもない父親に似てなくて良かったですねえ。

おおよそ、原作外伝に存在しているエピソードが中心なのですが、帝国サイドが殆どですね。
なかでもいちばん嬉しいのは本伝では第1部で退場したキルヒアイスの出番が主役並に多い事ですね!
本作品の中では人気の高い魅力的な人物であり、キルヒアイスファンにはたまらないことかと思います。
実際にキルヒアイスが主役のエピソードもありますしね!

逆に残念だったのは富山敬さんが亡くなられて、主役の一人のヤン役が変更されていることでしょうか?
二代目の声優の郷田ほづみさんも十分に実力のある方ですし、郷田さんの声も好きですけどね!

そういえば、ヤンが主役の捕虜収容所のお話以外ではヤンの出番が少なかったような?

同盟サイドではシェーンコップの出番が多かったですね。陸戦部隊の出番が多めですので、
コンバット物が好きな人には、ちょっと嬉しいかもしれませんね。

とりあえず本伝110話を視聴済みで、こっちをまだ観てない方には是非とも観ることをおすすめします。
時系列順に各話の関連性がありますが、それぞれを独立したエピソードとして楽しむことが出来ますしね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

白銀の谷('16.5.2視聴) 第三次ティアマト会戦('16.5.5視聴)そして壮大なる叙事詩の幕が上がる・・・

銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
⇒(2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
 (8) 「千億の星、千億の光」
 (9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」

前作OVA「螺旋迷宮」は、自由惑星同盟のヤンを主人公として物語が描かれていましたが、本作「白銀の谷」は、銀河帝国のラインハルトが主人公の物語です。
これで自由惑星同盟と銀河帝国の主人公がそれぞれ出揃った訳ですが、両者がぶつかるのはもう少し先の事のようです。

ラインハルトは元々下級貴族の長男として生まれ、5歳年上の姉であるアンネローゼがずっと面倒を見てくれてきました。
ラインハルトは友達を作りませんでしたが、それでも隣の家に住むジークフリード・キルヒアイス(以下、キルヒアイス)がラインハルトの唯一無二の親友でした。

清楚で気品があり、そして優しく温かい微笑みを二人に向けるアンネローゼは、二人にとってとても大切な存在・・・アンネローゼの作ってくれるおやつは絶品で、こんな時間がずっと続けばいい・・・きっとみんなそう思っていたのだと思います。

でも事はそう上手くは運びませんでした・・・アンネローゼが皇帝フリードリヒ4世の後宮に召されてしまったんです・・・
皇帝を激しく憎悪するラインハルト・・・精神的ショックで打ちのめされたキルヒアイス・・・
これまで何もかもが上手く回っていた歯車が音を立てて崩れ去ったよう・・・

ここで二人は誓い合います・・・現王朝を倒し帝国の現体勢を変えてアンネローゼを取り戻す事を・・・
二人はその誓いを最短で叶える事のできる軍人への道を選び・・・物語が動いていきます。

現王朝も帝国軍も規律から大きく逸脱していたのが実態で、元々下級貴族の生まれであるアンネローゼが皇帝に見初められたこと・・・皇帝の後宮を姉に持つラインハルトが特別待遇で少尉から軍歴を始めること・・・これら全てが面白く無い、と思う輩も少なくなかったのです。

今は150年にも渡る戦乱の真っ只中・・・優先事項は限られている筈なのですが、何故人間は面白くないと人の足を引っ張るのでしょう・・・^^;?
思いがけない出世を羨む事はあって良いと思います・・・同じ目標に進んでいるライバル同士なら尚更です。
でも、そこで迷惑をかけて恩恵を受ける人なんて、ひと握りだけなんです。
そのひと握りのために尊い犠牲を厭わないんじゃ、勝てる局面も勝てなくなってしまいます。

そんな渦中に放り出されたラインハルトとキルヒアイスですが、どんな逆境にも毅然と立ち向かいます。
彼らには誓いがありますから・・・それを成就するまで負けられませんから・・・
二人の行動と事の顛末は、是非本編をご覧下さい。
約束と純愛が随所に感じられる作品だったと思います。

視聴前のキャラデザから、個人的にはヤンの方が好みかと思っていましたが、この作品を視聴して軍配がどちらに上がるか、全く分からなくなってしまいました^^;

OVA全4話の物語でした。
もう少し視聴を進めたらキャラに対する見方に深みが出てくる事を期待しながら、次作の「叛乱者」を視聴したいと思います。

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あにこれに作品が登録されてなかったので、第三次ティアマト会戦のレビューをここに記載します。

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
 (2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
 (8) 「千億の星、千億の光」
⇒(9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」 (1) 「螺旋迷宮」

この物語はタイトル通り第三次ティアマト会戦が描かれた作品です。
「ティアマト会戦」は特に自由惑星同盟軍にとっては、思い入れのある戦いです。

ブルース・アッシュビー・・・士官学校を主席で卒業し、たくさんの輝かしい戦績を残した彼が僅か35歳の大将として挑んだ戦いが、先の第二次ティアマト会戦だったんです。
ですが、ブルース・アッシュビーはその戦いで自艦に被弾して戦死してしまいました。
生きていれば36歳で元帥という過去に類を見ない早さで昇進する筈だった彼は、今でも英雄として称えられています。

3度目のティアマト会戦・・・この戦いがどういう意味を持つか・・・国民が期待しているのは何か・・・
幕僚関係者には分かりすぎるくらい理解しています。
これまで帝国軍と同盟軍の戦いは一進一退の繰り返し・・・150年という戦争の歴史が、戦争の目的自体を「相手に勝利する」事ではなく「戦争を続けること」に変わってしまったのでは・・・と思えるくらい膠着状態が続いているんです。
そんな中、国民の苦しい生活を強いられているのでしょう・・・そんな国民が抱くのは「英雄の再来」による明るい希望そのもの・・・

でも、そんなにポンポン英雄が出て来る事なんて有り得ません・・・ブルース・アッシュビーが没してまだ4,50年しか経っていないんです・・・
それでも、同盟軍の荒ぶる獅子のごときポーランド中将がティアマトでの作戦を提案し・・・通算300回目の幕が上がっていきます。

第3次ティアマト会戦・・・ここでの教訓は、集団行動を行う時には仲間と蜜に連絡を取りつつ、常に余裕を持った行動をする事・・・だったと思います。
文字にすると、子供でも分かる簡単な事です。

でも、世の中にはその判断を鈍らせるトラップが張り巡らされていて、得てして気付けない時があるんですよね・・・^^;
「予想以上に上手く事が運んでいる時」なんかは最も典型的だと思います。
物事が一番見えていないのは当事者自身で、事が上手く運びすぎるとつい自分を過信してしまう・・・それが敵の罠かもしれないのに・・・
これを常に肝に銘じておき、人の話をちゃんと聴く耳を持っていればそんなトラップには引っかからないのですが・・・

今回の会戦で一番得をしたのは、殆ど働いていないラインハルトでした。
戦いにおけるポイントをしっかり押さえた結果だったので当然と言えば当然ですが・・・
第三次ティアマト会戦の具体的内容については、是非本編でご確認下さい。

OVA全2話の作品でした。そろそろラインハルトとヤンの直接対決の雰囲気が色濃くなってきましたが、一方で外伝と劇場版も残すところあと僅かです。
もしかしたら二人の真剣勝負は本編に持ち越しなのかもしれません・・・
OVAとしての続編は「汚名」になるようですが、時系列的には間に劇場版「わが征くは星の大海」が間に入るようなので、次は劇場版を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

よっしゃー。これでコンプリート?

本編を観た勢いでこちらもコンプリートなう!
いやー、長かった、長かった。外伝なのに何時間あるんだよ…

■アニメとしてはこっちのほうがベタな意味では出来がいい

 アニメとしては、こちらのほうが「普通」のアニメになっていたな、というように思います。というか、キャラクターの人格表現や、話の盛り上げ方とかは、こっちの外伝のほうが、オーソドックスな意味ではよくできいた、と言ってもいいように思います。基本的に2話~12話完結の短編がオムニバス方式で並べられているものなので、起承転結が短いターンでよくできてたな、っていう印象が残りました。
 ラインハルトとか、もはやただのツンデレじゃないかとか、キルヒアイスとラインハルトはどんどんとやおいネタ一直線じゃないかとか……まあ、そういう配慮もこちらでは前面に押し出されつつ。
 ラインハルトや、ヤン・ウェンリーの人格的な統一性は、こっちをみたほうが本編をみる前にはよかったね。

■本編の異質さがあらためて際立った

 なんか、こっちを観たことで、逆に本編の話の構成のさせ方の異質さがあらためてきわだって感じられた、という気もしました。
 本編のほうって、ヤン・ウェンリーとかは「名言」がとても多いのだけど、それが物語構成上のクライマックスにはなってないんですよね。つまり「民主主義における軍隊というのは云々~」とか、いくつかの名言は、物語においてクライマックスが登場したあとに、解説のようにして付け加わる。
 でもこれって、ベタな物語作法から言えば、クライマックスを盛り上げるために、主人公たちがどういうジレンマを抱えているかを先に書いたほういいわけですよ。
 本編ではいくつかのジレンマがあるけれども、ジレンマがクライマックスにいたる前の「仕込み」として、ジレンマ状況を説明するための認識って示すのが普通なわけですよ。でも、クライマックスが終わったあとに「解説」として言葉を付ける。何なんだ、これが、ということを思うわけです。
 一応図式化しておくと

 【ジレンマ状況の説明】→【対立のクライマックス】
 
 というのが普通の物語作法。この方法によって、クライマックスのときに、登場人物たちが何に歯ぎしりしているのかを視聴者は共感して見ることができるわけです。

 【対立のクライマックス】→【ジレンマ状況の説明】

 という形を、銀英伝の本編はとっています。

■銀英伝は、物語作法ではなく、論説文の作法を採っている

 まあ、クライマックスの前の説明がないわけじゃないんだけれども、クライマックスが終わった「後」の解説がふつうの物語よりもかなり多いのですよ。
 この「ジレンマ状況の説明」が「ヤン・ウェンリーの名言」なのですよ。これは、けっこう不思議な構成で、物語のなかのポジションとしては、エピローグみたいなところに入るのが普通でしょう。これって。なんだけれども、エピローグに入り込ませられるべきものが、本編のなかの途中途中で、入り込むことになっています。
 「ジレンマ状況の説明」を、クライマックスの前ではなくて後にもってくるという作法は、物語作法というよりも、エッセイとか論説文を書くときのノウハウ。物語を最初に紹介することで、そのあとに続く抽象度の高い議論を理解するための補助線にする、というのはエッセイとかではよくやる技法です。
 これは、ヤン・ウェンリーが歴史学者としての側面をもっているキャラだからこそ…というのもあるのでしょうけど、物語が終わった「後」に説明をするからこそ、何か抽象度の高い議論にもみえるし、銀英伝は分析的な思考をかきたてるのにも、面白い物語になっているのでしょうね。

■各シリーズごとレビュー

螺旋迷宮:★★★☆
ヤンがエル・ファシルの英雄として帰還してからの14話。某老人の人格描写はちょっとおもしろかったかな。

白銀の谷:★★★
極寒の地で生き延びろ!ラインハルト少尉!のはなし。お前ら強すぎだろう。

叛乱者:★★★★
宇宙船からの生還だ!ラインハルト中尉!の巻。これは、クライマックスの作り方がうまかった。物語技法的には、一番ベタにしっかりとしていた。銀英伝そのものの良さとは別方向だけれども、エンタメとしては出来がよかった。

決闘者:★★★
今度は決闘だ!ラインハルト!の巻。なんかハウス食品劇場もののアニメを観ているような気分になった。ラインハルトせんせい、つよすぐるよ…w

奪還者:★★★☆
今度はスパイだ!ラインハルト!の巻。これは外伝全体のなかでは三番目ぐらいによかったかな。こういう話は比較的好きですよ。

朝の夢、夜の歌:★★★
今度は探偵だ!ラインハルト大佐!の巻。なんかベタな探偵物だった。

千億の星、千億の光:★★★
今度は地上戦だ!ラインハルト少将!の巻。銀英伝らしいかんじのはなし。これは本編の雰囲気と比較的連続性がたかいと思う。

第三次ティアマト会戦:★★★☆
今度は艦隊船だ!ラインハルト中将!
これは、本編+αといえる内容。組織の無能なやつへのいらだちの表現とか、よかったですよ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11

64.9 9 艦隊で宇宙なアニメランキング9位
ヤマトよ永遠に(アニメ映画)

1980年8月1日
★★★★☆ 3.6 (29)
142人が棚に入れました
外宇宙から現れた謎の光が地球に向けて進んでいく。その光球飛行物体が通り過ぎていった各惑星の前線基地からの通信が次々と途絶し、さらに光球飛行物体は急速に地球に接近、地球側も迎撃ミサイルで応戦するも効果はなく、地球上に悠然と降り立ったそれは、超大型ミサイルであった。そして後から地球に押し寄せて来た大艦隊の奇襲攻撃に地球艦隊は為すべも無く壊滅し、地球は瞬く間に制圧される。暗黒星団帝国はヤマトの在処を示せと要求、超大型ミサイルは重核子爆弾で、地球の中間子質量を破壊し、人類の脳細胞を一挙に死滅させることが出来ると脅してくる。古代達ヤマトの乗組員達は、英雄の丘に集結、森雪のもたらした地球防衛軍長官からの極秘命令を受け小惑星イカルスへと向かう。

柴犬→柴猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

頭多くして艦(ふね)山に登る:宇宙戦艦ヤマト~迷走編

1980年公開:初めて自分のお金で買ったレコードが布施明さんの歌という渋い子供だったあの頃

この映画を観終えるといつも同じことを思います。
・・・で、どの辺が『永遠に』?
いかにも完結編っぽいタイトルなのに全然そんな感じがない。
実は一番最初の企画の段階ではこれがシリーズ完結編になる予定だったとか。
それを考えたのは松本零士さん。
ならばこれまでのシリーズの流れからいって今回は松本零士主導作品なのかというと、
そうではありません。
松本さんの企画を元に西崎プロデューサーと舛田監督が
意見を出し合ってストーリーが練られています。
その結果出来上がった話は松本案とは大分違うものに・・・。
結局のところいろんな人の意見が入り過ぎて何かチグハグな感じがします。
期待を持たせる序盤、しかしその後に続くのはメロドラマとご都合主義ばかり。
それでも最後はヤマトらしく(無理やり)壮大に幕を閉じるのですが、
話が進むほどに気持ちが醒めてくる、まさに竜頭蛇尾という言葉がぴったりの作品です。
さて、その蛇の尻尾のところで流れるのが布施明さんの『愛よその日まで』。
布施さんの曲らしく高らかに愛を歌い上げ、紅白で歌われた初めてのアニソンとなったのでした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

サーシャと森雪の戦いと想いと弱さが素晴らしい。それ以外は…

 さて「新たなる旅立ち」の続編なのか、こちらが本編なのかはさておいて、本作の作画はかなりいいです。色彩も黒の深さがゴージャスです。ヤマトの設備もSF臭がするいい作り込みです。
 敵将もスキンヘッド隈取ではなく、ちゃんとイケメンです。そしてサーシャはとても可愛いです。音楽もさすがヤマトの劇場版で素晴らしいと思います。

 掴みの冒頭も降下部隊が降りてきて制圧される、新兵器で脅迫されるなどなかなか迫力がありました。
 古代進と離れ離れになった森雪の心情、サーシャの叔父に対する禁断の想い、古代守の決意等々、見どころは沢山あります。

 と、ヤマトシリーズの中ではヒューマンドラマがしっかりしていて、作画技術が良く今みても見やすいと思います。

 が、敵の白い基地を攻撃するところから、ん?となります。なんかナレーションで状況を説明されて、コスモタイガーⅡが気持ち良く軽快に発進すると、あっというまにやっつけてしまいます。と思うとあっというまに敵の母星について波動砲一発で、惑星が吹っ飛び要塞が出てきます。うーん。一体これはなに?という感じでした。

 この作品はストーリーとか、ヤマトの戦闘シーンよりもむしろ、サーシャと森雪をたっぷりご覧ください…でしょうねえ。この2名は本当に感情たっぷりに古代ラブと強い精神力、時々みせる人間味とか弱さが描けていました。つまり、この作品はそれが主眼なんでしょう。

 ストーリーそのものは、脳みそを破壊する爆弾握られてたら、パルチザン活動意味なくね?とか、アンドロイド設定はわかるけど地球乗っ取ってどうする気だったの?とか、ストーリーそのものは、キャラを描くための型でしかありません。

 とまあ、宇宙戦争ものとしては、まったくお話になっていない感じです。が、サーシャと森雪のところが本当に良くて、視聴後感は悪くありません。話の整合性とか細かいところに目をつぶれ、なかなかいい作品だと思います。

 それにしてもイスカンダル星の人は、そこまで自己犠牲精神が発達して、よく文明を築けましたねえ…それ以前に人類として早々に生存競争から退場している気がします。

 評価点ですが、キャラは女性陣の点数で4.5で、個々のエピソードの評価もここに入れます。一方ヤマトとしてのストーリーは3つの映画の中では一番悪いですし、整合性が取れていません。音楽は相変わらずいいですが「さらば」に比べれば落ちます。声優さんは昔なのでいい演技ですがちょっと過剰です。作画はヤマトシリーズ内では相当いいですが、今と比べるとそこまでは評価できないかなあという感じでした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

タイトルなし

BDで鑑賞。
本編が今の常識では考えられない程長くて説明部分でうとうとしたがどうにか最後まで観ることが出来た。
注目のポイントは、金田伊功による当時の先進的なエフェクト作画と今迄のヤマトのイメージを覆すポップな音楽らしい。
作画は確かに凄いと思ったが、音楽は従来の雰囲気の方が良かったのでは?

気になったのは、
・スターシャの娘サーシャは1年で赤ん坊から年頃の娘に成長していること
あり得るかもしれないけど、劇場版でいきなり出す設定かな

・サーシャが暗闇の画面に飛んでくる隕石が見えるということ
サーシャの活躍を書きたかったのは分かる。分かるけど…
見えるなら、普通ピンチになる前からオペレートするよね?

・波動砲よりも弱いエネルギーの爆弾で難攻不落の大要塞が次々に誘爆
これはもうお笑いでしかない。
補給基地殲滅作戦よりも尺短いし、入れる必要が果たしてあったのか

・敵のアルフォン少尉が森雪を囲い、最終的に星の命運を握る重核子爆弾の解除方法を教えてしまう
今作の一番の突っ込みどころ。
失礼だが、頭以外は機械だけど、一番問題なのは頭じゃないの
森雪もなんでこの男に心揺らいでるの
全く理解の出来ない世界だった。


この作品を機に過去のテレビ版ヤマトの視聴を開始しました。
テレビ版の方が遥かに面白いです。

この作品の見どころはわかりませんでした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4
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