19世紀でスチームパンクなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の19世紀でスチームパンクな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の19世紀でスチームパンクなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.9 1 19世紀でスチームパンクなアニメランキング1位
プリンセス・プリンシパル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (980)
3927人が棚に入れました
舞台は19世紀末、巨大な壁で東西に分断されたアルビオン王国の首都ロンドン。伝統と格式ある名門、クイーンズ・メイフェア校には、5人の少女たちが在籍していた。彼女たちは女子高校生を隠れ蓑に、スパイ活動を展開。変装、諜報、潜入、カーチェイス……。少女たちはそれぞれの能力を活かし、影の世界を飛び回る。

「私たちは何?」
「スパイ。嘘をつく生き物だ」

声優・キャラクター
今村彩夏、関根明良、大地葉、影山灯、古木のぞみ、菅生隆之、沢城みゆき、山崎たくみ、土師孝也、飯田友子
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

二期ありきの構成

4話までの感想「いいからちせを出せ」
{netabare}“悪魔のリドル”ってアニメでは、ど根性ガエルの五郎というかモグラというか、そんな三下キャラを美少女化したようなキャラが居て、しかもそれがしっかり可愛くて、「こんなものまで美少女化するのかー、スゲーなぁ」と感心したことがあります。
で、このプリンセスプリンシパルだけど、1話を見てその時と同じ衝撃を受けました。
単なる思い違いだと思うのだけど…というかそうあって欲しいとさえ思うことなんだけど…。

ちせがモータルコンバットのライデンの美少女化に見えて仕方ない

う~~~ん、やっぱり思い違い?
三度笠?に能面貼ってないのでゼイラムでもないし、砂ぼうずともちょっと違うような…とはいえ、まさかそんな…ねぇ。
けどもしライデンであるならこれまたスゲーところから引っ張ってきたとして、もうそれだけで評価せざるを得ない。
そのうちケイバーライトを使ってサイコクラッシャーや感電死みたいなことするんじゃないかとヒヤヒヤしつつ視聴。
フェイタリティやったら拍手モノだけど、放送できないよね?
…が、2話3話と、ちせが全然出ずに地味~な話が続く。

ええい、プリンセスとかいいからちせを出せちせを

と思う程になってたのだけど、モーコンであろうとなかろうとここまで思わせたのはスタッフ大成功だと思う。
そして4話、やっとちせがマトモに登場する話になったけど…ぐぬぬ、あんまり活躍しない。
さすがにずっと脇役させられるとも思えないので、この先に期待ってことでしょうか。{/netabare}

5話感想「本当にちせが出た」
{netabare}4話までの感想で「ちせを出せ」と書いたその直後の5話で早速ちせメイン回キターーーー!
しかもアクションスゲー頑張ってるし。
やったね、オレ様大勝利?
…。
と喜んでたのだけど、あれ、ちょっと待てよ?
ひょっとして4話終了段階で公式とか見れば次回どんな話か予告あったり…する?
自分見てなかったのでやったーって感じなんだけど、周りらはナニ当たり前のことを…と思われてたりして。
こ、公式の予告(あるのかすら知らない)とか雑誌の予定とか見てないっすよ、ホウトウデス。

で、話は戻って5話感想。
この世界の日本はなんか怖いのう…ちょっとのことで簡単にハラキリしそう。
相手はプリンセス言っても順位はそんなに高くないんだよね?まぁ不利な条約をもちっとマトモにしてくりゃれと頼む側なので下手(したて)に出るのはしょうがないんだろうけど。
トランプのシーンはよく分からなかった、手先の器用さを競い合ってたのだろうか?
でもって親父との対決、↑で書いた様にモーコンのイメージがあるので、いつ親父の指先から電撃が飛び出すんじゃないかとヒヤヒヤした。
最後ちせは親父を打ち倒し涙するワケだけど…同時にベア子は忌まわしき改造手術が4話に引き続き身を守ることとなり、内心どう思ってるか気になった。
ってか改造は喉だけなのだろうか?ホントにそれだけ??

とりあえず2話以降、時系列を変えてメンバーがどのように集まったのかを見せる回が続いてきたけど、5話でひと段落?
まだ居たっけ?
出揃ったらプリンセスが継承権を上げるために親戚兄弟をヌッ殺してく話になるのかなーと思ってるのだが…今のところそれを匂わす描写は余りない。
これからってことかのう?
かなり期待の作品…だけど、レガリアみたいなことを起こすんじゃないかとちと不安。
特に5話あんなに頑張っちゃって…息切れせんよね?大丈夫だよね?{/netabare}

6話感想
{netabare}自分の親父には改造され、ちせの親父には斬首されかけ、ドロシーの親父には機械いじくり回され…ベア子はなにかと親父に縁があるな。
ってか主人公ベア子ちゃう?
妙に活躍多い気が…メンバー紹介用に「視聴者と同じ目線(何も知らない)キャラ」として扱われてるだけ?
ええい、もっとちせを出せ。{/netabare}

7話感想
{netabare}ああ、こうだよこう。
戦争モノいうたって兵站や銃後の描写が疎かだとションボリしちゃうクチなのですが、こういう「兵隊だけでなくそこで生活してる人」がちゃんと描かれてるのはホっとしてしまう。
それよりなによりビックリなのは6話で登場した借金取りの再登場!
6話では「ひょっとしたら親父殺害の犯人に仕立て上げられてるかも?踏んだり蹴ったりだなぁ」と同情は寄せつつも、所詮その回限りの捨てキャラだろうしと思ってそこまで肩入れはしてませんでした。
時系列よく分からないので6話の後なのか不明だけど、再び元気な姿を見せてくれて安心しました。
でもってこれも6話から気付いてたけど広川太一郎ボイスじゃーん?
1回限りの捨てキャラならまだしも、もしこれからもちょくちょく出てくるようであるなら…この作品の批判書けなくなってまう!(現状書く気は無いけど)
世代的にねぇ…あの声をまた聞けるというだけで涙腺緩みまっせ。
しっかしなんで広川太一郎?モーコン(これは自分の勝手な思い込み)といいこのスタッフのセンス物凄いかも知れない。

ところで自分は滅多に声優については言及しないんですが広川太一郎ついでにちょっとだけ。
ベア子登場時、3話前半までキャンキャンうるさくて「ちょっとイヤだな」と思ってたのだけど、それは後半の変声機使った時の対比を引き立たせるためワザとそうしてたんだ、と最近になって思うようになりました。
序盤に感じたうるささがいつの間にか気にならなくなってるので多分意図的だったんだろう、と。
よくある話、第一印象がマイナスからスタートだと0に戻っただけでも好印象に錯覚するというヤツのせいか、ベア子もかなり好きになってたり(一番はちせだけどねー、インパクトが異常だったので)。
そこまで狙ってやってたとしたら…ひょっとして音響の方って凄い人だったりする?

で、肝心のちせですが、勤勉くんか!ついでにこれは…塚原卜伝か?
ああいった世界なので人種差別どうなってんだろ?と思ったけど別に日本人だからといって差別はされてない?
5話で大人達が奇異な目で見られてたけど、あの土下座っぷりは特殊な局面だったのか武士だか政治家がああってだけで、民草は至って普通なんかね?
いや~今後も活躍が楽しみですが…借金取りの再登場はあるのかどうかも気になり出したりしちゃったりなんかしてー。


余談・他サイトのネタを拝借してるため問題がある場合は消します
なんでまた広川太一郎が?と思い、ついつい考察サイトを覗いてしまいました…考察なだけでネタバレは無いのでダメージは無いかな。
そこでちょっと気になる点があったのでここでちょいと。
OPの花についてなのだけど、
ちせ  :梅
アンジェ:ユリまたはキキョウ
ベアト :牡丹?
ドロシー:不明
となってて、多分ドロシーはオダマキじゃないかな?
花だけ見たらスイセンやヒメノカリスも候補に挙がるけど、葉っぱが三複葉ってことで。
問題はアンジェ。
自分はよく考えずにキキョウだと思ってたら、六弁なので違うかもしれないとのこと。
あそっか…かといってユリというのは違う気がする。
意匠化されてるとはいえひょんと突き出た柱頭が無いのはあり得ないというか。
じゃあ何かといえば、見た目だけで言えばバビアナが近いような…?
けどそんなの使うんかいな?あんまりマイナー…ってよりもドメジャーな物しかこういった所では使わない気がするんだが。
う~ん、なんか見落としあるのかのう。
ついでに言うとベア子は美女ナデシコだと思ってた。
これは歯車一個一個を花と捕らえるか花びらと捕らえるかの違いだけど…フォルム的にボタンはどうかな?
ボタンってアレよ?賭ケグルイのEDの背景にでんと描かれてるやつ(あっちは花札からの引用だろう)。

更にもうひとネタ。
カサブランカをユリの何たら~と書いてあったけど順序が逆。
ヤマユリ等を品種改良してできた純白の花にカサブランカって名前を付けた園芸品種。
野生には生えてないし作出されたのも1970年代、作中のメッセージとして使うには時期が違い過ぎる。
作中は単に命名由来の地名を指してるだけでユリは関係ないかと…「カサブランカの白い家」はちょっとフフッとなったけど。
{/netabare}

8話感想
{netabare}まさかの2話のネタバラシ。
てっきり「アンジェとプリンセスはずっと以前から入れ替わってた?」はクライマックスまで引っ張るのかと思ってたのでビックリ。
これは「そこまで引っ張るほどでもない」ってことなのか「クライマックスに相応しい山場は存在せず、淡々とした話が続く」ってことなのか?
まぁどっちでも良いし、ボンヤリとした部分を早目に明確にしてくれたのは親切心だと受け取ろう。
(自分は考察サイトを覗いてしまったので「やった睨んだ通りだったぜ」と喜ぶことはできませんでした。しまったなぁ…)
継承権上げるために身内同士の骨肉の争いをするのかと思ったけど、そっちには行かないのかな。

それにしても(作中の)現代でも孤児は居るけど、革命前は更に酷い有り様だったんやねぇ…。
単に史実を元にそう描いただけかも知れないけど、あれでは革命起きても止む無しと納得のできる描写で好印象。
やっぱり民間人描いてナンボだよ、ウン。

ケイバーライトを使って物凄い怪力を演出してたけど、発光は視聴者には見えてキャラには見えないのかな?
それと残念なことに広川太一郎は出ませんでした、2回で打ち止めかねぇ?{/netabare}

9話感想
{netabare}ちせメインで異文化ギャップを見せつつ世界観の掘り下げと今までのおさらいっぽい回。
多分異文化交流で最大のハードルは匂い、靴履きっ放しで足が臭い⇔納豆や糠が臭い、お互い臭い言ってて、美少女相手でも容赦のない姿勢は好感が持てる。
7話感想で日本人差別はどうなってるんだろ?と思ったら、差別以前の「よく分からない国」だったと判明。
いやぁ~こういう回は必要です、分かってるねぇ。
折角出身の違うキャラを一人ポンと投入したのだから、当然起こるべきことを当然のこととしてスラっと描いてくれるのは子気味いい。
そりゃあ目立つし、からかわれもするだろうて。
同時にプリンセスが継承権がそんなに高くない“らしさ”も上手く表現されてたと思う(高かったらちせへの挑発はすぐに止めたかと)。

まだNINJAは広まってない模様、下手にちせが活躍したら勘違いNINJAが流行っちゃいそう。
なんかあったら黒トカゲ星人よりも噂になりそうじゃない?NINJA。
ってか活躍する機会は今のところあんまり無いのね、スパイだったら仕方ないやね。
刃傷と人情かけてた気がする。
堀川公の邸宅は大使館みたいなものと思っていいのか?
弱小国扱いにしては立派な庭園に見えたが…。
それ以上に気になったのはちせの姉の存在、あれ、以前から触れてたっけ?
ひょっとして実在してない?
と思ったのも、手紙の内容が機密をぶっちゃけ過ぎてるから。
あの世界なら普通に検閲あるよねぇ…日本に住む姉宛てというより天国宛てな感じがした。
“きんつば”も含め、餡子って実は外国人は抵抗持つ人が多いと聞いたことがある、甘く煮た豆が信じられないとかなんとか。
ってことで振舞われたきんつばはちせにとってのみご馳走で、もしお土産に持ち帰っても糠漬け同様不評だったろうなぁと思うとちょっとクスッとくる。
あそうそう、安易にSUSHIを出さなかったのも好印象、時代的にあり得ないもんね(なれ寿司ならあるんだろうけど)。
SUMOUは言わずもがな、カン違いっぷり全開で笑うところだろうけど、どんなに珍妙に思えてもその民族の儀礼なら尊重するってのはこれまた常識…ってのはあくまで対等な場合で、プリンセスが弱小国の珍妙文化を実践してくれるってのはなかなか凄いことなんじゃなかろうか。
これでちせは篭絡されちゃったかなー?{/netabare}

10話感想
{netabare}8話で、2話で張った謎(アンジェとプリンセスの入れ替わり)をサラリと明かしたのはなんでじゃろー?と思ってたら、ナルホドねぇ。
委員長の憧れの相手…その相手が持つ憧れの部分──気張らず飄々とした感じか──は、真似しようとしたってそう簡単にできるものではない。
また真似しようとしてヘマこいて二重スパイしなきゃならないハメになったっぽい、薬に手を出した?
入れ替わって上手いこと演じ切ってる(真似てる)アンジュとプリンセスとの対比を明確にするために8話では早々にネタバラシをしたんだろうと推測。
同時に、入れ替わって演じ続けるのもいつか限界が来るかも?ってのを暗示してるようにも思える。

アンジェが犬小屋(じゃないけど)へワイヤー使って行く際、ベア子がなにか言おうとした内容は「なんでCボール使わないの?」って感じかと。
手の内を明かさない→委員長を疑ってるって伏線やね。
もしあそこでケイバー使ってたら逃走経路に電車は使わず、もっと面倒なことにになってただろう。
ケイバー使い過ぎると病気になるんで使用を極力避けてるのか?とも思ったけど、その件は掘り下げられないのかな。

鹿威しのシーン、池に浮いてる葉はオオオニバス、温室でないと栽培は難しい、ってことで室内庭園か。
そしてそれが何のためなのかはちせも知らず…くっそw着実にカン違い日本を広めてやがる。

いや~今回も楽しめました。
驚くくらい毎回しっかりとした内容で、一部では大河内チェンジリング説が飛び交ってる模様…ヒデー言われようだw{/netabare}

11話感想
{netabare}・植民地からの人員で結成された軍の一部に反乱の兆しアリ、プリンセスを旗印に掲げようとしている
これが11話始まる前に起きてた出来事だと思うんだ。
それとあの状況で「プリンセスをなるべく目立つように殺せ」ではなく「“暗殺”せよ」と命が下るということは…暗に「アンジェがプリンセスに入れ替わりなさい」と言ってるって解釈でいいのかな?
で、それを受けての11話の感想というか推測。
ゼルダの上司、ってかコントロールでいいのかな?の思惑について。

仮説1・反乱するにしても本物のプリンセスではなく息のかかったアンジェの方がコントロールしやすいってこと?
仮説2・わざと反乱させてその後「お前のプリンセスはニセモノでしたベロベロバー」として瓦解させる、反乱分子を燻り出して潰す作戦?
またはこれら以外。

要はLの更迭によってどっち側になってるのか自分には分からない。
ほほう、こりゃ次の話が気になりますなぁ…といいつつひょっとして大きな見落とししてる?という不安を抱きつつコレ書いてたり。
ってかね、単に戦争やりたいだけだったらCボール精錬技術盗めばいいんじゃね?(※)と思ってるので、内部の不穏分子粛清狙いなんじゃないかなー?と思ったり。
その一方であの時代に身の証を立てる手段ってあるんかいな?という疑問も。

それにしても継承権上位の連中出ないねぇ。
女王陛下自らでもいいけど「実は私も壁は要らないと思ってます」ってドンデン返しもありえる?と思ってるので。
あと気になったのは「プリンセスは始末した」と聞いて死体の確認をしないのはどうなんだろう。
ゼルダも何かウラがあったり?
…と、ここら辺は疑い出したらキリが無いですね。
いやぁホント次回が気になる。



4話より、共和国側はケイバーライトの小型化はできたけど実用化(実戦配備化)できるほどの精錬技術は無いらしい、一方で帝国側はその逆。
10話より、Cボールの配備はスパイでもごく一部止まり。
その問題をクリアして反乱軍に配備されたとかでもなければ反乱の狼煙を上げるのは早計な気が。
まぁ所詮は帝国内の内乱なので、共和国としては上手くいけば儲けもん程度で焚きつけただけだったりして。
Cボール自体が物語を左右する鍵となってるのかただの小道具止まりなのか…どっちでも良いけど現状では不明なため、予測は難しいのう。{/netabare}

最終回まで見て
{netabare}ああやっぱり、コントロール(の更に上、共和国上層部)は一枚岩じゃなかったってことか。
帝国で内乱起きればそれでいい、植民地軍がどうなろうが共和国側の腹は痛まないってことで扇動することにしたゼルダ・ジェネラル派と、それはアカンとする慎重派・L派に分かれてるってところか。
まぁやっぱり戦争おっ始めるならCボール大量生産からでないとちょっとアレよね。
恐らくジェネラルはあの後始末されただろうけど、共和国にタカ派(といっていいのか?)が残ってる限りゼルダはその手先として働き口があるのであんなに余裕綽々だったんでしょう。
日本としては帝国と共和国どっちに着くべきか決めかねてる状態なので、自分から仕掛ける気は無いが何かアクシデントが起きてくれた方が見極めやすいってことだったのかな?
なのでアクシデント(騒動)を未然に防ごうとするちせが堀川に諭されたってことなんだと思う。
ヤバいのはノルマンディにプリンセスの影武者が存在すること、共和国側にCボールがあることが知れてしまった点か。
スパイで一番ヤバいのは尻尾を掴まされることで、こりゃ大変だ~ってところでアニメは終わってしまいました。
2期やる気なのかね?ってか是非やって欲しいのだが。

充分面白かったけど、最後はちょっと物足りない感じだったかな?
・結局ゼルダの失態は死体を確認しなかったこと
・アンジェが会場に戻ってくるの早すぎ
→航空機で暫く飛んでたんでしょ?結構な距離離れてたと思うのだが…。
・10年前に入れ替わったネタを使い切れてない
→是が非でも壁を無くしたいという動機にはなるけど、別にそんな理由無くても昔出会ったことがあるってだけでも動機としては充分満たせるかと。
→イングウェイ少佐から鍵を奪ったのは10年前まだ乞食だった頃に培った技で「こんなところで活かせるなんて」くらい言わせれば良かったんじゃないかなー?
→その場合、鍵はすぐには取り戻されずに最後まで引っ張る展開にしないといけなくなるが。
・さすがにちせは対Cボール用の技を編み出しては居なかったか
→そこまでやってたら「ああ、日本はどっちつかずで場合によっては簡単に掌返す勢いなんだな」ってのに深みが増したんじゃないかな。
・これは追及してもしなくてもいいことだけど、そもそもアンジェとプリンセスがソックリな理由も…できたらあった方が良い様な?

と、突っ込み所が無い訳ではないけど、総じて充分楽しめました。
なにより序盤ちせのモーコン勘違い、中盤の広川太一郎で中ダルみ回避は個人的にはお見事と言わざるをえない(どっちもオッサン向けのような…)。
あと2話で張った謎を8話であっさりバラすのもビックリでした。
それだけに終わり方がねぇ…やっぱり2期っすか?2期に期待ってことっすかねぇ。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

飛び立つの~ モロッコへ~

オリジナルアニメって良いね(^^)


2018秋期『RELEASE THE SPYCE』観てた時に比較対象としてちょくちょく挙がってた本作。
ハードだよ、と聞かされつつもキービジュアルはいたって平凡。視聴を後回しにしてましたが劇場版控えた?再放送にて視聴しました。これきっとサムネで損してます。

19世紀末起点のスチームパンク作品。技術特異点は「ケイバーライト(重力遮断物質)」。このなんかすごそうなものをきっかけにあれやこれやの末、革命で東西に分断された架空のロンドンで暗躍するスパイたちの物語です。
現実のベルリンに「Checkpoint Charlie」通称「壁博物館」というのがあります。
勢力の境い目は常にインテリジェンスの最前線であるためきわめて妥当な設定。版図を広げた結果 “王国” と “共和国” に分裂した本作の舞台 “ アルビオン王国 ” のモデルはイギリスです。
イギリスといえば「007」を真っ先に思い浮かべますね。向こうは色男でこっちはJKです。指令役、向こうは“M”こっちは“L”。サイズアップしたことで一匹狼から五人組に変更が加えられております(嘘)。


結果、、、めちゃくちゃ面白かったです。
身も蓋もないハードな内容ですが、物語の柱となる主要キャラ二人の因縁に焦点をあてると、けっして後ろ向きではないメッセージが伝わってくるのがよい。
混み入ってるため整理がてら久々にあにこれ準拠で評価すると、


■物語
製作スタッフ曰く

「アニメ的に盛って作っています。綿密に考えているところと、わざとガバガバに見えるように盛ってあるところは強いメリハリをつけています。」

じゃあそういうことで(笑) 
全体のトーンはハードなんですけど力抜くところとのバランスが絶妙でごりごりの鬱展開手前でおさえる演出は見事でした。


■声優
可もなく不可もなく。主要キャラ五人組は以下。

 アンジェ(CV今村彩夏)
 プリンセス(CV関根明良)
 ドロシー(CV大地葉)
 ベアトリス(CV影山灯)
 ちせ(CV古木のぞみ)

私の場合どなたのお名前も存じ上げず、そのことがむしろ人知れずな存在であるスパイを体現しているかのように感じられました。
またアンジェ役今村彩夏さんは既に声優業を引退されたとのこと。続編を不安視する向きもあろうがきっと代役がしっかりこなすのでしょう。人知れず消えても何事も無かったかのように代わりの者が任に就く。スパイ稼業とシンクロするなぁと一人感慨に耽ってしまいました。ファンの方ごめんなさい。


■キャラ

アンジェとプリンセスをある意味超越した存在に仕立て、人間くさいドロシー、なごみとガヤ担当のベアト、ギャップボケのちせと緩急つけたキャラ配置。
そしてノルマンディー公や「コントロール」の面々。ハードな世界観を死守しました。いい塩梅です。


■作画

のっけの1話。架空ロンドンの街並みの妖艶さ。続けて2話。パーティーでのカメラワーク。そして緊迫感をともなうカット割り。正直文句はないです。そもそも技術の巧拙はよくわからんし。


■音楽

梶浦由記案件は無条件に5.0点!ドラマティックな劇伴の印象が強い梶浦氏。本作では緊迫のやり取りや潜入の緊張感を高める作曲。いわんや「志村後ろ~」を盛り立てるかのような楽曲たち。
OPEDは自分的には佳作。日本語でやっておくれ~、、、ただしOPアニメーションは秀逸。
{netabare}5人のワンカットが見事に各々のキャラを表わしています。黒蜥蜴星人からアンジェに切り替わってプリンセスに手を伸ばすカットからのツイストさせて銃爪をひくまで一連の流れがなかなかのメタファー。{/netabare}


概観するとこんな感じです。
以下はネタバレ込みで視聴済の方向け。


■非情をしっかりと描く

非情な世界で友情を貫けるのか?
保身に走ってもおかしくない状況でどう振舞うかは作品の見どころでした。説得力を持たせるためにハードな描写は必要不可欠だったのです。

{netabare}さっそく1話で襟は正されます。あ!死ぬのね・・・を目の当たりにして作品の方向性がわかる仕掛けです。過剰なまでに “ 嘘 ” というセリフを言わせて頭脳ゲーム的展開を想起させる良い導入でした。そしてセリフとしての “ 嘘 ” は2話以降控えめになってます。うさんくさくならない手前でやめといて正解だったと思います。{/netabare}


{netabare}作戦がどういった類のものかに着目してみました。

1. 亡命幇助(西→東)
2. 建造計画流出阻止
3. 共和国紙幣原版の回収作戦
4. 王国で“ケイバーライト”小型化成功
5. 共和国寄りの要人暗殺者の特定
6. 王国外務省の暗号表奪取作戦

どれもパワーバランスを崩すインパクトのあるものばかり。使い古されているとはいえチンケな作戦はありません。とりわけ3.4.6.は力関係が逆転するほどのものです。{/netabare}


{netabare}1話完結タイプでその1話内で伏線提示と回収を済ませるテンポの良さにも感心しました。非情さの面で一例を挙げると、委員長回(第10話)の「さよなら」の使い方ですね。

冒頭。養成所時代のアンジェの回想
「基準に足りないと判断された子はある日突然いなくなってしまう」「だからさよならなんて言ったことなかった」

時は流れて委員長 (*´Д`)
「さよなら ドロシー」

養成所同期でアンジェに続いて万年2位だった委員長。彼女が求めたのがどうあがいても辿り着けない才能ではなくどうやっても真似できない生き方というのがなんともせつなく、クスリに頼るような優等生の弱さを見抜いていたアンジェがかけたせめてもの優しさだったかと思うと震えます。

「どいつもこいつも、ウソつきばっかりだ」
ヘタに泣き言を言わないだけにドロシーの胸中も察して余りありますね。特殊EDが涙を誘った父親回もそうですがこのアニメはドロシーに厳しすぎます。{/netabare}


■ベアトリスとちせの効用

ほっこり担当の二人。鬱ストッパーとして活躍しました。二人のいないプリプリは想像できません。

{netabare}なかでもベアトのポンコツシーンが良くてそれを見せるために(嘘)、アンジェの飛行機潜入(第3話)とドロシーの死体漁り(第7話)などペア組み作戦では必ず帯同していたのを忘れてはなりません。{/netabare}

{netabare}ちせは五人揃っている場面で波風立たせる役回り。ペア作戦がない分ちせ回 を用意してバランスを取ってたような気がしてます。{/netabare}

{netabare}セリフ回しでもいい感じで脱力できるシーン多々。

・「(日本では神は)山に川に厠にまでおるからな」 第5話ちせ
 →それって『トイレの神様』ってこと?w{/netabare}




こうして描かれてきた非情さとほっこりといった「緊張」と「弛緩」のバランスの上に立って物語の主軸となすのはアンジェとプリンセスの因縁の関係。
数奇な運命を辿った二人がお互い難しい立場ながら相手を想い続けられるのか?
この運命の濁流に飲み込まれ翻弄されるタイプの物語は控えめに言って大好物な私です。

{netabare}「その子が壁をなくしたいって言った時どういうことかわからなかったけど辛い事や悲しい事がなくなるなら本当にそうなってほしいって思った…」
「でも私がそのチャンスを彼女から奪ってしまったの!だから私が代わりにこの国を変えるって誓ったんです!」

プリンセスの命を懸けた訴えです(第11話)。前の回での「私の人生をあなたのおもちゃにしないで!」とアンジェに吐き捨ててからのこれですよ。尊いったらありゃしません。{/netabare}

{netabare}My turtledove,
Run and live
as Ange!

「アンジェとして生きて!」脱出用パラシュートに残されたプリンセスのメッセージも芸が細かい!{/netabare}



期待値を大幅に上回った良作でした。ご都合展開は当然あるしラストは急いで畳んだ感も残ります。
しかしながら作品から受け取るメッセージに共感できる部分が多く、マイナス要素は不問としました。要は手のひらで踊ったわけです。
大きな力に抗うかのようなさまは、『踊る大捜査線』の室井管理官と青島刑事との関係性に近いものを感じたりもして自分的にはどストライクな一品でした。お薦めです。



最後に、、、

{netabare}「カサブランカに白い家を用意したの」

 Casa(家) blanca(白){/netabare}

やっぱりこの作品はどこまでも洒落てました。




※以下自分用整理メモ

ほんとやめて~の時系列シャフル。
まるで2期前提かのような時系列ミスリード

#01 case13 Wired Liar
#02 case1 Dancy Conspiracy
#03 case2 Vice Voice
#04 case9 Roaming Pigeons
#05 case7 Bullet & Blade's Ballad
#06 case18 Rouge Morgue
#07 case16 Loudly Laundry
#08 case20 Ripper Dipper
#09 case11 Pell-mell Duel
#10 case22 Comfort Comrade
#11 case23 Humble Double
#12 case24 Fall of the Wall

空白のエピソードがあるのかないのか?

{netabare}時系列で整理すると以下のとおり。TV放送と円盤とで話順もちがっていてややこしい。

#02 case1 チェンジリング作戦始動 アンジェ転入 王女と接近 建造計画流出阻止
#03 case2 共和国紙幣原盤の回収作戦 Cボールまじ無双 ベアト融和的に
 ★A case3~case6★
#05 case7 ちせと残り4人との初対面 ちせさんマジ五右衛門からの十兵衛討伐
 ★B case8★
#04 case9 王国で“ケイバーライト”小型化成功 王女の身分利用でパーティ顔パス 
 ★C case10★
#09 case11 ちせ担当学園回 ちせ融和的に
 ★D case12★
#01 case13 亡命幇助(西→東)の話 キャラクター紹介
 ★E case14~case15★
#07 case16 共和国寄りの要人暗殺者の特定 洗濯工場潜入
 ★F case17★
#06 case18 王国外務省の暗号表奪取作戦 ドロシー担当潜入回 ベアトと一緒に死体漁り
 ★G case19★
#08 case20 重要回 アンジェとプリンセスの馴れ初め
 ★H case21★
#10 case22 委員長二重スパイ プリンセス暗殺指令
#11 case23 ゼルダ登場 お買いもので巻く
#12 case24 ラスト


虫食いは8箇所で12話分と見てとれる。劇場版で6編描くみたいなので楽しみにしとく。
間を埋めるエピソードなのか?case24以降を描くのかは不明。 {/netabare}

{netabare}想定はこちら↓

★A case3~case6★:どこかでプリンセス(王国側)とコントロール(共和国側)とでの合意事項を描いておく必要がありそう
★B case8★:case9での初潜入前にプリンセスのスパイトレーニング描写がないと不自然かも
★C case10★:チームの信頼を勝ち取ったプリンセスの後日談もしくはちせが客人扱いされて疎外感を感じる話が欲しい
★D case12★:五人組が相互に信頼を寄せあえるようになってからの初回。スカッとするようなチームアクション希望
★E case14~case15★:どっかでノルマンディー公の人となりの話がほしいな
★F case17★/★G case19★:1.王国(ノルマンディー公)への情報流出っぷり 2.クーデターの萌芽 ・・・終盤の展開から逆算すると説明不足だった箇所
★H case21★:いかようにでも・・・アンジェとプリンセス再開するまでを深掘りするのが無難。二重スパイを思いっきり悪役に描くとかヤク漬けにする鬼畜プロセス描写などもあり。{/netabare}



視聴時期:2019年7月~2019年9月 地上波再放送

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2020.03.11 追記

アンジェ役後任の古賀葵さん。まんまアンジェでした。劇場版も楽しみですね。

{netabare}「レビュータイトル『世界でいちばん熱い夏』っしょ?」{/netabare}

二重三重に隠した慎ましいボケを言い当てた○○さん、さすがです。
引き続き宜しくお願い致します。


2019.09.04 初稿
2019.09.27 修正
2020.03.11 追記

投稿 : 2024/05/04
♥ : 61
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最終話&総評 傑作ではないが良作

このサイトのあてになるのかわからないランキングで1位になっていたので、見ることにしてみた。

第1話、第2話 いろいろ含みがありそうだけど
{netabare}
作画やキャラデザは文句なし。設定はやや複雑だけど、伏線をちゃんと回収して、ストーリーもそこそこ。注文をつけるなら、つづきが気になる終わり方をしてほしい。
絶賛するほどではないが、今期のアニメではいいほうだと思う。ゲームにはなってそうだけど、オリジナルかな。

西側が共和国で、東側は王国。王国のほうが強大なのだろう。アンジェたちは共和国側で、スパイとして王国側の学校に潜入中。
プリンセスは王位継承の順位が下のほうで、トップに立とうと奮闘中。そのためにアンジェに近づいた。だけど、アンジェとプリンセスは幼いときに知り合っていた……。こんな感じでいいのかな。

こういう展開だと、アンジェとプリンセスは子供のころに入れ替わってるんじゃないかって深読みしたくなる。アンジェとプリンセスの容姿が似ているのは、ただの偶然なのか、とか。

今後は、アンジェがプリンセスになりきって、王国に潜入する展開になるのか。でも、プリンセス自身がすでに肝が据わっているようにも見える。
いろいろ含みがありそうだけど、あまり期待せずに見ていきたい。
{/netabare}

第3話 主要キャラの背景を予想してみた
{netabare}
・アンジェ
プリンセスとは姉妹。東の王国側で生まれたが出生に秘密がある。命を狙われているため、西側に逃れた。王室の親族であるにも関わらず虐げられた経緯があり、王室を憎んでいる。
「プリンセスなんか大嫌い」と叫んだのはプリンセスというより、王室に対するもの。アンジェの目的はプリンセスと入れ替わり、プリンセスを消し去ること。だから、プリンセスに「一緒に逃げよう」と言った。

・ドロシー
二重スパイ。王国側のスパイで、コントロールの居所を探り、壊滅させるのが目的。成功したら金銭や地位を約束されている。裏で糸を引いているのはノルマンディー公。だけど、約束を反故にされたうえに命まで狙われる。結果、両方から追われることになる。

・ベアトリス
二重スパイ。共和国側のスパイで、プリンセスに接近し、さらに地位の高い人物を狙っている。ただし、彼女自身にスパイの自覚はなく、機械によってコントロールされたりする。裏で糸を引いているのはドリーショップ。

・プリンセス
女王になることでなく、ケイバーライトを消滅、または均等に分け与え、世界のバランスをただすのが目的。そのためには女王になる必要がある。

現時点ではこんな感じ。二重スパイはありそうだし、プリンセスも嘘をついている気はする。
アンジェとプリンセスの容姿が似ている点は、何度かセリフ等で出ているので、伏線の可能性は高いが、ミスリードかもしれない。
{/netabare}

第4話 とくにオチはなし
{netabare}
毎回、オチがあると思ったけど、今回はなかった。
王国は共和国のように小型化には成功していなかったけど、飛行戦艦は製造できて世界を凌駕している、と考えればいいのかな。飛行機あるならじゅうぶんだろって思ったりするけど。設定が複雑で把握してないとわからなくなりそう。

プリンセスが二重スパイとは考えなかった。ひねりがないから。あるなら、王国でも共和国でもない三重スパイか。
情報をリークした人物がわからずに終わった。最後にアンジェがドロシーをチラ見してたのが気になるけど。

ドロシーが二重スパイで王国側の命令で動いていると予想しているけど、ドロシーがプリンセスを二重スパイと疑うのは不自然か。二重スパイ同士、味方ってことになるから。ドロシーは共和国側の人間だけど、王国側に寝返っているという設定ならいいか。書いててわけがわからなくなってくる……。
{/netabare}

第5話 オチはわかった
{netabare}
車両を切り離すのはやりそうな気がした。映画ではよくあるので。切り離されたほうにいて車で追いかけたりする。オチもわかった。ちせを裏切り者と呼んでいたから。

わかりやすい話だったけど、面白かった。ちせのズロース(?)も和洋折衷でよかった。

わからないのは、なぜ、話の順番を入れ替えているのか。ややこしいだけで、それほどメリットを感じない。伏線なのか、変わったことをしたかっただけなのか。
{/netabare}

第6話 ドロシーのエピソード
{netabare}
よくある泣ける(でもないか)話。そんなことしゃべったらフラグ立つぞって突っ込んでいた。
もともとドロシーは王国側の人で共和国に逃げてきた。共和国のスパイになって王国に戻っている……でいいのかな。このアニメ、設定は複雑。

スパイらしい活動はしているが、緊迫感や緊張感が乏しい印象。
case18とする必要があるのか疑問。普通、第18話になったら、かなり話は進んでいると思うんだけど……。
{/netabare}

第7話 伏線?の回収
{netabare}
ちせが弾丸をよけたところが面白かった。それ以外は普通。オチもなかった。バッドエンドになりそうな雰囲気はあったけど。
前回(case18)の借金取りがまた出てきた。今回(case16)のエピソードのほうがさきになる。前回、ドロシーが借金取りを見てハッとなった伏線(と言うほどでもないが)が回収されている。

case1~case18まではキャラクターの裏事情のエピソードで、話はそれほど進んでいない気がする。
次回はcase19以上だと思う。1クールアニメならそろそろ結末に向かわなければいけないので。
{/netabare}

第8話 この展開はあると思った
{netabare}
最初のレビューで、アンジェとプリンセスは子供のころに入れ替わってると深読みしていた。ありがちな展開だけど、面白かった。これがないと、味気ない。

アンジェ=シャーロット(プリンセス)、プリンセス=アンジェ、でいいのかな。ややこしいので、いままでどおりで。
アンジェの髪の色が気になった。意図的に染めているのか。子供のころは金髪だったので、二人が姉妹の可能性も高くなったか。

第3話で、アンジェが「プリンセスなんか大嫌い」と叫んだのは、自分自身ということになる。このセリフが入れ替わりの伏線だった。アンジェの言っている黒とかげ星は、王国のことを指しているのかも。
いままでの話を入れ替えて見直すと、面白いかもしれない。
{/netabare}

第9話 ちせのエピソード
{netabare}
ほのぼのと始まり、ちせの決闘という展開。ちせのエピソードがあってもいいけど、もっとまえに入れるべきじゃないか。
前回の入れ替わりに繋がるところは、アンジェの表情に影が差したくらい。

スパイものとしても物足りない。仲間を見捨ててミッションをつづけるか、といった緊迫したものを期待していた。

これまでの話をcaseで並べてみる。

case01(第2話)プリンセスとアンジェの再会
case02(第3話)紙幣の原版ミッション、ベアトリスの声の秘密
case07(第5話)ちせが仲間になる
case09(第4話)小型化ケイバーライトミッション、リークは謎
case11(第9話)ちせの決闘
case13(第1話)王国の研究者を共和国へ逃がすミッション
case16(第7話)洗濯ものミッション
case18(第6話)ドロシーのエピソード
case20(第8話)プリンセス、アンジェの入れ替わり判明

なにかあるかなと思ったけど、なにもないなあ……。リークした人物がまだ謎のままだけど、たぶん、ドロシーだろう。
{/netabare}

第10話 終盤なのに意外と普通の話
{netabare}
ドロシーが関係するエピソードはバッドエンドになるなあって思った。
遊園地を絡めたオチはよかった。アンジェではなく、ドロシーに持っていくのはありがちな展開だけど、このアニメはうまく描いているので、ありがちだけど楽しめる。

一話完結として見ると秀逸ではあるが、全話で一つのストーリーと思って見ているせいか、ちょっと物足りない。せっかくの入れ替わりが生かせていない。次回は期待できそうではあるが。
{/netabare}

第11話 最終回を予想してみた
{netabare}
シャーロットが女王になって終わる。

これは普通にありそうな結末。
残り1話でアンジェがシャーロットだと説明する尺はない。簡単に済ませるにはこうするしかない。

現女王は、入れ替わりに気づいている。

身内なら当然である。気づいたなら放っておくはずがないので、

"チェンジリング作戦"は王国側が考えたもので、シャーロットを取り戻すのが目的だった。

この作戦を共和国に持ち込んで円滑に進める王国側の人間が必要となる。

それが、ドロシー。

ドロシーは王国側のスパイで、いくつもミッションを成功させてきた。現役のスパイなので、養成所もパスできた。年齢の謎も解決する。みんなドロシーに騙されていたというオチ。

問題はプリンセス。アンジェの気持ちを変えるため犠牲になる可能性大。プリンセスの結末がこのアニメの印象を決めるだろう。タイトルの「プリンセス・プリンシパル」はプリンセスのことかもしれない。
{/netabare}

最終話&総評 傑作ではないが良作
{netabare}
最終話はあっさりしていた。
"Fall of the Wall"はじっさいの壁ではなく、アンジェの心の壁というオチだった。
このタイトルなら、プリンセスかアンジェが女王になって壁をなくすと思うよ。
もう少しひねりのある結末を見たかった。残り1話では仕方ないか。
水着(?)のラストから考えると、このアニメはミッションインポッシブルでなく、チャーリーズ・エンジェルのほうなんだろう。


総評

作画、キャラデザは文句なし。ストーリーもさいきんのオリジナルのなかでは一番いい。とくに第2話(case1)がいい。入れ替わりがわかってから見ると違った印象になる。これで終わってしまうのは惜しい作品である。

ここからは不満点。
山場と言えるのは、入れ替えの第8話。終盤にかけてこれを生かしたなら、もっと面白いクライマックスになった。

チェンジリング作戦が主軸なのに実行されずに終わってしまった。アンジェを王室に潜入させて、色々ミッションをこなすほうがよかった。

ホームページに説明まであるのに、ほとんど登場しないキャラがいたりする。その一方で、ホームページで紹介されないキャラを終盤の敵役にさせるのはどうかと思う。

スパイらしい活動が少なかった。仲間をとるか、ミッションをとるか、といったスパイにありがちな展開もなし。

メンバーのなかに一人くらい二重スパイがいてもいいと思うんだけど……。アンジェがドロシーを疑うようにチラ見したシーンはなんだったんだ。case順に並べたダイジェストがあるので、そこでなにかわかるかも。

二期がありそうな終わり方だったが、あまり期待できない。それに全12話でうまくまとめたほうが傑作は生まれる。傑作になり損ねた良作というのが全体の感想。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

68.9 2 19世紀でスチームパンクなアニメランキング2位
ヴァニタスの手記(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (174)
588人が棚に入れました
吸血鬼が存在する19世紀のフランス。吸血鬼の青年ノエは、吸血鬼に呪いを振り撒く魔導書「ヴァニタスの書」を探すためにパリへ向かい、その途中の飛行船の中である事件に遭遇した。その最中、吸血鬼の専門医を自称するヴァニタスと名乗る青年がノエの前に現れるが、ヴァニタスはノエの探す「ヴァニタスの書」を手にしていた。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ある吸血鬼フェチの実像

原作未読 分割クールの前半12話


“手記”と書いて“カルテ”と読みます。
いわゆるヴァンパイアものですがわりと変化球。
不老不死吸血鬼と命限りある人間が対峙する物語とは違い、吸血鬼に降りかかる災厄が柱となります。
その吸血鬼の“真名”いわば魂みたいなものが奪われちゃうと正気を失って、まるで渋谷交差点ど真ん中で佇むTウィルス感染済の中島美嘉ちゃんみたいになってしまうという呪いに怯えているのが本作の吸血鬼“ヴァンピール”たちです。その呪いからヴァンピールを救うお医者さん役を担うヴァニタス(CV花江夏樹)と呪いについて含みありそうなヴァンピールのノエ(CV石川界人)のW主人公もの。
作中で言うところの“呪い持ち”になったヴァンピールは発症すれば殺処分の運命が待ってるわけですが、唯一ヴァニタスのみが手持ちの“ヴァニタスの書”を使って真名を取り戻すことができる唯一無二の存在というのがポイントです。ジョーブ博士みたいなもんですかね。またこっちは名前を返してもらう書ですが、名前を返してあげる『夏目友人帳』と本質的には変わらなさそうな作品でもあります。

前置きそれくらいで、事前情報からはこちら↓

 ボンズ制作 梶浦由記劇伴

こちらが吸引力となりました。まあ綺麗ですもんね。梶浦さんは事後知りましたがくどいくらいドラマチックで壮大ないつものノリは控えめな印象です。さはさりながら19世紀後半のパリの情景にはよく似合うBGMなのはさすが。美術は総じて美しく印象的だったのはOPアニメーションでの早朝太陽の光具合。綺麗な朝焼けです。ちな本作の吸血鬼は太陽の光浴びても灰にならない設定です。

一通り前半終わってポジティブな印象を持ってます。理由は3点

1.綺麗
 →前述の通り
2.続きが気になる
 →{netabare}「そして…その旅路の果てに」「彼をこの手で殺すまでの物語」{/netabare}
  第1話ノエのモノローグが示唆する結末はぜひ見てみたい
3.俺の好きなヴァンパイア
 →吸血鬼ものにはどこか“退廃”“耽美”を求めがちな私の趣味に合っている

とりわけ3はフェチシズムの世界ですね。美形男子のバディもので女性作者とバイアス入りがちなのですがどうなんでしょう。矢印はノエ→ヴァニタスでも性格や見た目に惹かれてというより「ヴァニタスの血が美味そう」と吸血鬼の本能に則した動機ではあるんでそれほどでもないなぁと見ております。
それよか禁じられているとされる人間への吸血行為の描かれ方が素敵。まぁえっちいです。欲求・衝動・理性との葛藤ないまぜの吸血シーンは親と一緒に観てると確実に気まずくなる水準です。
やはりヴァンパイアものは“耽美”なとこないとね。作品評価は分割前半のため例によって保留ですがこれは好物です。来たる後半待ち~



※余談

■ペース配分

ここ一年くらいで『SLAM DUNK』『空手バカ一代』『カウボーイビバップ』『エヴァンゲリヲン』とクラシックを堪能してたからかもしれません。
{netabare}近年の深夜アニメの1クール2クールサイクルでの話の詰め込みっぷりに慣れてる自分に気づきます。本作は新作の中ではゆっくりめ。
昔のって最初から最後までやるんですよ。なんかしらの大筋があって伏線張りながらゆっくりめの尺の中で丁寧に回収する感じ。最近は大筋があっても描写を削ってスピード解決します。それに慣れてるから“ゆっくりめ”と感じるんですよね。
普通の早さの作品が遅く感じる弊害みたいなのはあって、期を跨ぐものやとりわけ分割クールものにそれは如実に表れると思います。とどのつまり「遅せーな」と感じてしまう。{/netabare}

{netabare}ジェボーダンの獣と新展開をチラ見せして中締めしてエンタメの体裁は保ってるものの、展開自体は??が依然として謎のままのハーフタイム。

 丁寧にやってるので期待がもてる or よくわかんねーまま終わったよ

私は前者の感覚ではありますがみなさんどうでしょう?
分割ものは後から一気にGOも手段でして、とりわけ本作のゆっくり展開でこそアリな選択肢かも。{/netabare}


■耽美

{netabare}ジャンヌ(CV水瀬いのり)良かった。
まずは水瀬さんやってるとはわからんのが良かった。
古今東西チョロイン枠って顔を赤らめてもじもじして照れ隠しのプンプンするようなリアクション芸に長けたの出しときゃ安パイなのに彼女は自ら欲求を満たそうと行動するんですよね。
ハリウッド映画ならそこチューするだろ?みたいなとこでなにもしないのがアニメに対する数少ない不満だったりするんですけどそこを突破する本作のヒロイン。
なお、ただのチューよりいやらしかったです。
ロエの幼馴染ドミニク(CV茅野愛衣)も悪くない。{/netabare}



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.09.19 初稿
2021.11.16 配点修正 -0.1

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

わたし好みのテイストです✧

原作は知らなかったのですが,タイトルに惹かれて観てみました。
わたしが好きな19世紀が舞台で吸血鬼もの,そしてスチームパンク!!
19世紀やスチームパンクというと,イギリスを舞台にしがちだと思うんですが,こちらはフランスはパリ。
そこら辺は珍しいと思いました。
出てくる用語もフランス語が用いられてて雰囲気あって良いですね☆
こちらは分割2クールでやるらしいのですが,第2クールはまた別に出るかもしれないので,取り合えず第1クールまでのレビューをしようと思います。

話自体はファンタジックでとても好みですし,雰囲気も好きです。
ただ,原作を読んでいないこともあり1回観ただけでは用語を覚えられずなんだかよく分からないままお話が進んでいった感はあります。
そもそもこの第1クールでは謎が多すぎて結局それぞれが何を目指しているのか分からないまま終わってしまいました。
ただ,それぞれの回自体は面白くて毎回時間があっという間に感じました。
あとちょいちょい出てくる色っぽいシーンのエロ度が丁度よくて好きでした(笑)。

作画はとてもきれいだと思いました。
まぁ,そもそも元々の原作のキャラクターデザインがあまり好きではないとは思いつつも,背景の19世紀フランスはほんとに素敵だと思ったし,飛空船もとても美しかったです。
最近同じ時代のイギリス・ヴィクトリア朝を舞台にした小説を読んでいて飛行船が出てきたり,パリでタイムトラベルをしちゃう「ミッドナイト・イン・パリ」という映画を観たり,別の吸血鬼もののアニメを観ていたりしたのでなんだか今の気分にもぴったり合っていて観るべくして観たという感じでした。
特にOPの夜のパリはうっとりしちゃいますね♪

キャラクターは上記のとおりデザインがあまり好きじゃないなと思いましたが,キャラの性格自体は割と好みでした。
主人公がトリックスターな感じも他にはあまり無いのでわたしは好きです。
最初,ヴァニタスの髪型がどうなってるのか気になって仕方なかったけど(^-^;
ノエはヴァニタスに振り回される役ですね。
この2人は夢枕獏「陰陽師」の安倍晴明と源博雅の感じに似てると思いました。
初め,ヴァニタスはめっちゃ強い奴なのかなって思ったんですけど,1話目で早くも無様にやられてて面白かったです。
彼は最初からトリックスターな雰囲気が出ていたので,ジャンヌにいきなり無理無体をはたらいた(笑)のにはびっくりしました。
色恋には興味ないキャラかと思ってたので…。
しかも歯の浮くようなこと平気で言うし…(´∀`)
でも,ほんとにジャンヌに惚れてる感じはしなくてただからかってるだけに見えるけどね。
ジャンヌはジャンヌで業火の魔女とかいうからどんなキャラかと思ったらチョロQだし…。
そこら辺も面白かったです。
彼女の性格は好きなんだけど,わたしはショートヘアの女の子のキャラクターがあまり好きではなくて…。
それに,19世紀にショートヘアの女性なんて居なかったよね!?
それが残念でした。
もっとわたし好みの女の子が出てきてくれたら嬉しいのに…。
1番好きなのはルカ様かな。可愛すぎますね,彼は♡
あとムルのふてぶてしい感じも可愛い♪
あと,やばそうな人シリーズですが…
ベロニカはなんで着物を着ているの!?
ジャポニズムがお好きなのかしら??
あと,先生とルスヴン卿は怪しいですよね。
ルスヴン卿はいかにも悪役っぽいですけど,先生の得体の知れない感じも怖い。

OP・EDはわたし好みでした♪
アニメーションも好きです,特にOPの!!
オープニングテーマはそれ自体は良い曲ではあるんだけど,このアニメに合ってるかと言われると合ってないと思いました。
日本的な楽曲だと思ったので…。
エンディングテーマは合ってると思います。

正直,まだまだ分からないことだらけなので第2クールに期待です☆
第2クールは来年の1月~らしいです。
待ち遠しいなぁ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

呪いと救いの吸血鬼譚

この作品の原作は未読です。
2021年夏アニメにおける花江夏樹さん主演3作品のうちの一画に位置する作品です。


蒸気機関による技術が発達し、吸血鬼(ヴァンピール)が存在する19世紀のフランス。
吸血鬼の青年ノエは、吸血鬼に呪いを振り撒く魔導書「ヴァニタスの書」を探すためにパリへ向かい、
その途中の飛行船の中である事件に遭遇した。

その最中、吸血鬼の専門医を自称するヴァニタスと名乗る青年がノエの前に現れるが、
ヴァニタスはノエの探す「ヴァニタスの書」を手にしていた。

吸血鬼そのものとも言える刻まれた真名を崩して狂わせることも、
そして復元して正気に戻すこともできる機械仕掛けの魔導書。
それをめぐる人間と吸血鬼の物語。


「ヴァニタスの手記」「あらすじ」でググった結果を引用させて頂きました。

この作品のジャンルは「ダーク・ファンタジー」や「スチームパンク」に分類されるのだそうです。
「スチームパンク」の作品といえば、「甲鉄城のカバネリ」や「プリンセス・プリンシパル」が代表格かと思いますが、言われてみると雰囲気が合っている気がします。

完走して振り返って思ったこと…
やっぱ同クールで花江さん主演3作品はちょっとお腹いっぱいになりますね。
特徴のある声質なので、花江さんだと直ぐに分かりますし…

一方、いのりちゃんも今期は3作品に主演として出演されていました。
・「現実主義勇者の王国再建記」のリーシア・エルフリーデン
・「死神坊ちゃんと黒メイド」のヴィオラ
・「ヴァニタスの手記」のジャンヌ
こちらについては、全く違和感を感じませんでしたけどね^^;

この作品に出演していたいのりちゃんや、かやのんもですけど、一時期に比べてTVアニメ出演する作品が減っているような気がするのは私だけでしょうか。
…と思ったら、お二人ともゲームのCVを沢山演じられているようでした。

しかし、お二人の演じているゲーム作品を改めて見てみると、膨大なゲーム数は世の中に蔓延しているのが実感できます。
正直、これほど需要があるかは疑問ですけれど…

私もアサルトリリィのラストバレットをプレイしていますが、本格的なゲームは正直1つで限界です。
ガチャ回すのもそれなりにお金掛かりますし…

ヴァニタスの内容から思いきり逸れてしまいましたが、分割2クールの前半クールが終了した段階なので、現時点での評価は難しいかな。
個人的には、終盤でのジャンヌの…いのりちゃんの「デレ」が最高だった、というところでしょうか。

物語の方は最終話で次の展開が頭出しされるという、分割2クールならではの構成でした。
100年以上前に人々から恐れられた輩が出現するという、これまでとは全く異なる展開が後半クールで展開されるようです。

作画もしっかりしていて見易い作品だったと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニグテーマは、ササノマリイさんによる「空と虚」
エンディングテーマは、LMYKさんによる「0 (zero)」
個人的にはエンディグの方が好みでした。

1クール全12話の物語でした。
そう言えば、この作品は分割2クール作品ですが、後半クールがいつ放送されるかは情報がありませんね。
後半クールの視聴も楽しみにしています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

70.0 3 19世紀でスチームパンクなアニメランキング3位
ヴァニタスの手記[カルテ](第2クール)(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (93)
386人が棚に入れました
【そう遠くない未来に、吸血鬼(おまえたち)は滅ぶ。】――聞いたことはありませんか? 吸血鬼に呪いを振り撒くという、機械仕掛けの魔導書(グリモワール)のお話を。いま“ヴァニタスの書"に導かれて、物語の歯車は廻り始める…。「19世紀パリ×吸血鬼×スチームパンク」をテーマに、「PandoraHearts」の望月淳が紡ぐ、呪いと救いの吸血鬼譚、開幕。

声優・キャラクター
ヴァニタス:花江夏樹
ノエ:石川界人
ジャンヌ:水瀬いのり
ローラン:河西健吾
オリヴィエ:前野智昭
アストルフォ:村瀬歩
クロエ:釘宮理恵
ジャン=ジャック:濱野大輝
ルカ:下地紫野
ドミニク:茅野愛衣
先生:石田彰
ムル:小牧未侑
ダンテ:木内太郎
ヨハン:遊佐浩二
リーチェ:久間梨穂
ベロニカ:日笠陽子
ルスヴァン:森川智之
ルイ:島袋美由利
ネーニア:名塚佳織
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゴスの故郷はおフランスだかんね

原作未読


分割2クールの後半。前半“ジェヴォーダンの獣”次なる事件を示唆して終了。さてどうなるやら?
ご参考までに前半1クールで撤退された皆さんのお声はおおかたこんな感じ↓

 ・ヴァニタスとノエが近い→女子向けやん
 ・唐突なデフォルメと挿入されるギャグが寒い

仰々しく荘厳なノリには場違いなコメディ要素挿れんでもよくね?ってのと、BL要素には距離を置きたい心境ってところでしょうか。
これら後半2クール目は前半より控えめだったと思います。あるいは慣れたか。前者については作風なので相性の良し悪しはありましょう。後者は定義が難しくこの作品にみられる耽美的なノリでは致し方なし。よくよく物語を追ってくとホモよりヘテロに重きを置いてそうな気もします。
よく言えば尻上がりってかんじでしょうか。嫌気されそうな要素が抑えられたか上回るなにかがあったのか、前半で垣間見えた呪い持ちやらなんやらの世界観に肉付けがなされていきます。
“ジョヴォーダンの獣編”が呼び水になってさらにひと盛り上がりある感じ。なんでだろう?
ジャンヌみたいな史実では救国の少女から一転魔女認定で火あぶりーの末路なり、UMA相当のジェヴォーダンの獣などなど舞台フランスのちょいとした怨念ネタが吸血鬼設定によく合います。素材選びが功を奏しているのがまずは前提。
次に背景が明かされのっぴきならない事情が露わになるにつれて、DQN系主人公ヴァニタスも「まあこれじゃぁしゃーないかな」と思えてきます。前段で「ヴァンピールってなんぞや?」と作品説明兼周辺キャラの深掘りを済ませてから、今回の後半2クール目にて主人公らに焦点を当ててます。下ごしらえ済み周辺キャラと本丸主人公が絡む相乗効果で尻上がり感が出たのでしょう。
そして最後のワンピース↓

 破滅の美学

本来のゴシックと趣きは異なりますが日本で花開いた文化位相とでもいいますか。闇、死、廃墟、神秘的、異端的、退廃的、色で言えば「黒」といったイメージをボンズさんがうまいこと装飾してくれた結果良いものに出来上がってます。キーワードまとめると

 ・ゴシック心の故郷フランス
 ・吸血鬼
 ・闇寄り史実モチーフ
 ・もちろん本丸ゴシック
 ・無駄に荘厳な梶浦劇伴
 ・ボンズさんの作画

私の年代だとヴィジュアル系バンドなんかがイメージしやすいです。今となっては格付けマスターの某ドラマーさんなんて満身創痍でドラム叩く姿が一つバンドの味だったりしましたけどあれって破壊的なプレイと身体の崩壊とが行き来する危うさがあって妖艶な魅力を放ってたものです。幸せな老後のイメージがつかず、というよりもつけちゃいけない気にさせる数少ない人たち。そんなのの集合体。
能天気に構えてたら思いのほか重く、よくよく考えたら全体の仕掛けがそういった重さにマッチすることで結局堪能できましたよって作品でした。



※雑感

■マシ
{netabare}あいかわらずジャンヌとドミニクの業が深い。好物。{/netabare}

■たぶんこういうとこ
リトグリの『Your Name』はムービー共によかったです。冬のパリも良さげ。
{netabare}でもしいたけ目のノエは映像に合わないよね。たぶんそういうとこ。{/netabare}

■ラスボスのその先に
{netabare}「そして…その旅路の果てに」「彼をこの手で殺すまでの物語」
未だ成らずですね。続きやってほしいっす。{/netabare}



視聴時期:2022年1月~2022年3月 リアタイ

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2022.04.09 初稿

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

箸休めの名店

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
本筋はダークファンタジー。吸血鬼と人間の友情、それぞれの世界における憎愛等も描かれる。

1期に比べると、ストーリーが重視され、内容にも重みが増した。作品全体の流れとしては、正しい方向なのだろうが、個人的にはやや不満が残る2期となり、1期☆4から下方修正し、2期は☆3とした。

レビューではその理由を、レビュタイに絡めて。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
つまり、ダークファンタジーとして観るなら、☆3。ラブコメとして観るなら、☆5だということ。ポテサラがめちゃくちゃ旨いのに、唐揚げは普通の定食を食べてるイメージでした(笑)

だからぶっちゃけ、3話に1話くらい、ジャンヌのラブコメ入れたら☆4にしたんだが(笑)

この2期は、ストーリーを重視してサブキャラを深めたことで、色々と分かりにくくなった感じがした。ジェボーダン編は、確かに魅力ある2人の魅力ある愛の物語だったが、やや長く意味が分かりにくくなった。

個人的には、2人の恋愛面に内容を絞り、3話くらいにスッキリまとめてテンポを上げてくれた方が好みだったかな。

その上で、本作の箸休めたる、ヴァニタスとジャンヌのラブコメをちゃんと魅せる。

つまりはまあ、ショートエピソードを繰り返し、主要キャラの関係の深まりに注力した1期の構成が正解だったと、私は思っているということ。

現に、ラブコメ要素を取り戻した19話目は☆4、ラブコメ全開の20話目は☆5と間違いないクオリティだと思った。

ヴァニタスもジャンヌも、本当に可愛い♪ あの2人をずっとニヤニヤ眺めていたいな。

まあ、それもそれで、シリアスの合間にあるのも大きいしね。ポテサラは確かに旨いけど、ポテサラ定食にされたら、それもまた違う気がするし。

ということで、三期がもしあるのなら、もう少しラブコメの比率を増やしてほしい。それだけっす。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
いきなりアクセル全開だな。こちとら、ジャンヌのラブコメが観たいのに(笑)

2話目 ☆4
ジャンヌ、カッコ良いカワイイだな♪

3話目 ☆3


4話目 ☆3


5話目 ☆


6話目 ☆
ジェボーダン編、よくわからないまま進んだな。

7話目 ☆4
ようやく、ラブコメに戻ったな。クロエもジャンヌも可愛いな~(笑)

8話目 ☆5
ヴァニタス、デレた(笑) ローラン、テンション高い(笑) ストン(笑) 腑に落ちた(笑) 100か0かの好感度(笑) 肉食系女子(笑) ルカ様(笑)

9話目 ☆3
蒼月の吸血鬼、なかなか面白いキャラだな。

10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「ヴァニタスの書」…「蒼月の吸血鬼」という童話に登場する呪われた本の名前です。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメの第1クールは視聴済です。
第1クールでは、物語が尻切れトンボで終わっていましたが、公式サイトの構成などを見ると、最初から分割2クールの前提で制作されていたようです。


これは、滅びゆく吸血鬼たちの物語。
人間と吸血鬼が存在する19世紀フランス。

吸血鬼の青年 ノエは、
吸血鬼に呪いを振り撒くという魔導書“ヴァニタスの書”を探しにパリへ向かっていた。

途上の飛空船の中で、ノエはある事件に遭遇する。
その混乱の最中、ノエの前に現れたのは、吸血鬼の専門医を自称する人間 ヴァニタスだった。

ヴァニタスの手には、ノエが探していた呪いの魔導書“ヴァニタスの書”があり…。
二人の出逢いにより、呪いと救いの吸血鬼譚が幕を開ける―


dアニメストアのあらすじを引用させて頂きました。
あらすじの内容も第1クールの内容を配慮したモノになっていますね。

主人公のヴァニタスを演じているのは、最近良くお声を耳にする花江夏樹さん。
まぁ、多くの説明は必要無いと思いますので、これ以上は割愛の方向で…^^;

個人的には、ジャンヌを演じたいのりちゃん、ドミニクを演じたかやのん、他にも、みかこしやくぎゅも出演されているので起用されている声優さんは豪華です。

ですが、個人的にはアメリアさんが抜群だったと思っています。
主要登場人物ではないので、登場の機会は限られていましたが、演じている声優さんは公式サイトやwikiにも記載されていないんですよ。

でも、声を聞いたら一発で分かります。
そう、アメリアを演じていたのは下屋則子さんなんです。
この作品の音楽は梶浦由記さんが担当してくれています。
下屋さんと梶浦さんの組み合わせって…
まんま劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel]じゃありませんか!?
下屋さんの温かく包み込むような声質…キャラとの相性も抜群だったのも相まって、この作品でも目一杯堪能させて頂きましたよ。

一方、物語の方は第2クールまで尺を使って描かれましたが、必ずしも歯切れの良い終わり方だったとは思えませんでした。
原作が連載中なので、これは仕方ないんですかね…
アニオリエンドという選択肢もあったかと思いますが、きっと原作を大切にした結果なのでしょう。

オープニングテーマは、Little Glee Monsterさんによる「Your Name」
エンディングテーマは、モノンクルさんによる「salvation」

1クール全12話の物語でした。
作画も綺麗ですし、声優さんの演技も申し分無し…
物語にある一定以上の結果を求めなければ、楽しめるのではないでしょうか。
個人的には総じて楽しませて貰った作品になりました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
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