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「ひるね姫 ~知らないワタシの物語~(アニメ映画)」

総合得点
67.1
感想・評価
153
棚に入れた
575
ランキング
2525
★★★★☆ 3.5 (153)
物語
3.3
作画
3.8
声優
3.3
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ひるね姫 ~知らないワタシの物語~の感想・評価はどうでしたか?

DEIMOS さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

神山健治による近未来SFファンタジー?

神山健治最新作ということで視聴。2020年の岡山が舞台と聞いていたが、冒頭は、ジブリ作品のような夢の中のファンタジー世界から始まる。

全編通して、夢の中の世界と現実の世界が交錯しながら、主人公の母の過去が徐々に明らかになっていく形でストーリーが進む。この二層構造は、あまり新鮮味がなく、ストーリーへの没入を阻害する逆効果をもつように思う。

近未来の科学技術設定や時事ネタなどのディテールと説得力はさすが神山、といったところだが、芯となるストーリーがどうも平凡に見えた。また、岡山を舞台にした必然性も感じられなかった。その土地の地理的特性をフルに生かさないと、聖地化しないのに。(同じ瀬戸内を舞台にした「ももへの手紙」との差は歴然。)

作画とCGの品質は圧巻。クオリティだけでいえば、2017年の劇場作品の中ではトップクラス。ただ、脚本が平凡で、話題性に欠いたのが残念。

投稿 : 2017/12/30
閲覧 : 216
サンキュー:

2

ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ひるね姫ってタイトルかわいい♪ これから観る方に一言。

評判などを耳に入れず観ました。

この『ひるね姫』は、メインにドラマなどで活躍する役者を使い
ストーリーは大人なら察する事が出来る伏線やセリフ回しなどを入れ、
子供には理解しやすいように細かく説明をして難しくならないような工夫をしてます。

もっと小さな子には、映像だけで楽しめる派手な演出が各所であり、
普段アニメなどを見ていないファミリー向けに作った事がよくわかります。

意識した部分がわかり易くて良いです。

日本のアニメってこうなんだよ!とオマージュ等で何度も言われたようでした。

世間的に『アニメ』は子供のもので、特撮ヒーロー等と同じ。(最近少しずつ認識変わってますけど)

休みに家族サービスでフラッと立ち寄った映画館で、お父さん一人楽しんで、
お母さんと子供たちが寝てたらなんにもならないので、この作りは納得。

家族愛などをテーマにしていて、現代でお馴染みになった携帯端末や、
これから先、現実でもある出来事をストーリーに盛り込んだりしてます。
一般常識で観られて、アニメ知識など要らない作品になっていますね。

印象に残ったシーンなど数々あり、劇場アニメらしい出来でした。


一番言いたいのは、これからみる方々は気張らずに素直にどうぞ^_^

私はそれで失敗してしまったなと感じたので、失敗例を活用してやって下さいな。


【ネタバレ↓】
{netabare}
最後までみたら考察するアニメじゃないなーと反省しました。

ゴメン、オッサン間違えてた! みなさんどう観てましたか?

山程ミスリードしました。さながらピエロですぜ。

栄えた異次元orファンタジー世界があり、住人達は特殊なルールを守り圧迫された社会に生きる。魔法やその世界の技術を隠して現代社会に紛れ込み別の名前を偽り潜んでいる・・など。

夢と現実の境界が揺らいで現実へも少しずつ影響し同化する。・・など。

魔法という名のテクノロジー(プログラム)などが重要なファクターだと解り、実は巨人は魔法を滅ぼすためのウイルス対策プログラムで、アンバランスな機械化が進んだ社会はそのためだったんだ!・・・などなど。

ロードムービー風に展開していく話を見ながら、口頭での説明が多いなと思ったり・・夢を題材に扱うならもっと現実とシンクロさせるんじゃないの?などと思いながら、途中で・・ハッ!!となりました。・・・見方を間違えたorz 他にも多々勘違いしながら観て、ちょっと自己嫌悪ですw

色々負けた気分ですわ\(^o^)/


タブレットやスマートフォンなどを作中で重要なものとして扱い、賞味期限が切れることを恐れない姿勢で驚きました。極めつけが東京オリンピック・・。自動運転システムなど、今まさにって題材ですよね。

そういえば、キャラデザも可愛いけれどオタク向けでは無いな。

エンディングに過去話ぶち込んで、そこでも予想はできるけどショッキングな描写を見せないなど、徹底していましたね。ちゃんと解ってれば違う見方もできたのになあ・・。やっちまったぁ~。
{/netabare}

投稿 : 2017/12/18
閲覧 : 290
サンキュー:

15

ネタバレ

mamiko さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

物語としては、面白いが詳しい説明があった方が良かった

ココネは寝ている時に夢を見ます。最初はただの夢と思っていたけどいつの間にか、夢と現実を行き来するように。ココネの夢が物語の鍵となります。
ファンタジーとしては面白かったが、所々で分かりやすく説明して欲しい
後半からは
なんだか分かりずらくなりました。

投稿 : 2017/12/01
閲覧 : 195
サンキュー:

1

ネタバレ

megyumegyo さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:観終わった

もったいない!

キャラ、技術がレベル高いのにストーリーの練り上げがなってない!
結局 夢だろ!感が頭から離れず せっかくのクオリティー高いアクションシーンに一喜一憂出来ないし、夢設定全部無しで作った方がまだまし。

カバネリもそうだったけど もったいなさ過ぎて逆に頭にくる。

投稿 : 2017/11/27
閲覧 : 182
サンキュー:

0

ネタバレ

不良中年 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

なかなか面白かった。

 内容は知らないまま観始め導入部分でチョットと思ったけど、直ぐに主人公の夢の話と分かり少しワクワクしてました。

夢と現実が交差してストーリーが進むのだけど、交差具合が少々雑な感じがしました。後半になると夢の中でこうなってるということは、現実はどうなのかという状況の説明もなく進んでいくので何が何やら? という感じでスピード感で持って行かれた気がします。

自分的にはすぐに主人公に感情移入するタイプなので少々暴走しても付いて行くけど、ほかの人だと置いてきぼり感がぬぐえないかも

設定に無理やり感というかご都合主義が多々見受けられるが、全般として好きです。
キャラクターも声優もあとで知ったら大物俳優だったのでビックリ

主人公のココネちゃんが如何にも瀬戸内にいそうな大らかな優しい子という感じで大好きです。

ストーリーがもう少し整理されてたらもっといいと思います。
もしかしたら魔法云々がなくてもいいお話になるんじゃないかな

投稿 : 2017/11/26
閲覧 : 187
サンキュー:

1

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

夢に逃げて<41>

夢の世界から始まってネクタイが南京錠ってのはニヤリとさせられたが、基本的に世界観が雑で幼稚な感じでこれはキツイわーと思ってたら現実世界にもどって物語開始。

現実世界で起こる事件はショボく、夢の世界で派手に描写することに逃げてた感じ。
夢の世界で使った魔法が現実でも影響を及ぼしてる?ってなあたりはよかったけど、クライマックスになると脈絡もなく夢の世界に行きっぱなしでいったい現実世界で何が起こってたのか不明なまま。
現実世界ではシジマの無人自動車が暴走でもしたの?
現実とリンクしてないとただのデキの悪いご都合世界でしかないんだが。

結局、夢の世界に意味づけすることなくスイカを食べて終わり。
酷い話だと思ったら原作・脚本も監督でしたとさ、めでたしめでたし。

投稿 : 2017/11/18
閲覧 : 231
サンキュー:

4

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

お昼寝しない方が良かった、水と油は融合しない

視聴してる時に感じた東のエデンみたいと思って後で調べたら、神山健治監督て東エデンも手掛けてたのね。

作画と言うか逃げてるドキドキ感が東のエデンかも。


ひるねした時にヒロインの妄想?魔法?ファンタジー部分になりますが、正直必要無かった…
ファンタジーの無いシリアスなストーリー部分が良く出来てたと思うだけに、もったいない印象です。

声優はヒロインの森川心羽に高畑充希、心羽の父親に江口洋介と俳優さん多くを起用していますが、気になら無い、そつなくこなして流石一流俳優は違う。

作画も目を見張る物は無いですが、まあ普通。

ファンタジー部分に目をつぶるとドキドキ感もありストーリーは筋が通ってたし良作だったかも、見て損は無いです。


ちなみに舞台は岡山県倉敷市
事情で以前は何度か訪れました、美観地区に鷲羽山ハイランド、天満屋は関係ないかw
一度訪れてもいい所ですよ。

投稿 : 2017/10/29
閲覧 : 344
サンキュー:

21

ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

パクリ批判も何のその。心羽ちゃんは、自分でも制御不能な絶妙のタイミングで夢の世界に行ってしまうから、そのたびに観ているこちらはドキドキさせられるんで、

夢を効果的に使った作品が、またひとつ、佳作として劇場映画に名をつらねた。と思う。

例によって事前情報はなるべく入れずに劇場鑑賞。


鑑賞前は複雑に入り組んだサイエンス・ファンタジーを予想していたのだが、
鑑賞してみての印象は思ってたのと違って、もっといい意味で単純で、
話のころがりがいい感じに流れていくんで退屈しない。
この物語のキーポイントとなる「眠り=夢の世界」が、
妙な感じに現実社会とリンクしていて、
主人公・心羽(ココネ)は前ぶれ無く眠ってしまう癖があって、
そうすると、この夢の世界に、唐突に行ってしまうので、
ここが都度つど、ハラハラしたりワクワクしたり、突っ込み入れたくなったりで、面白かった。
{netabare}たとえば夢の中で、サイドカーで空を飛ぶ素敵なシーンがあるのだが、このあいだに現実ではココネと幼馴染みのモリオが四国から大阪までたどり着いてしまっていて、
この作品のキーファクターである自動運転技術が綺麗に描かれて楽しいエピソードになっていた。

そんな感じで、ココネが眠っているときに、
現実世界とリンクする異世界の夢を見るのだが、
このリンクが現実世界での事件が夢をなぞるように進行していくのが構成上のお楽しみになっている。

で、演出上のポイントとしては、
冒頭のシーンで、ハートランドを本作の舞台とするファンタジーだと思わせるミスリードが、上手い(これ他のレビュアーさんからの指摘が既にあり)。
また、ハートランドがディストピア風に描かれているのが、志島自動車を去った母親の、その心象を表していたと最後の方で解るようになってるのもいい構成。{/netabare}

映像も流麗だし、ロードムービーとしても、夢と現実がない混ぜになった、一風変わったものとして、楽しかった。

鑑賞後、他のレビューサイト見てみたら、あまり評判がよろしくないようで、
大雑把に言って、
話のテーマが盛り込みすぎ、またはピンボケで絞り込めていないっていう意見と、
神山監督作品にしては大人の鑑賞に堪えないという意見と、
主に「君の名は。」と「サマーウォーズ」からのパクリだという意見が多く見られた。

で、私はというと、面白く鑑賞出来ましたよ。

描きたかったのは、結局は父から、祖父から、亡くなった母からの家族愛。
この辺、たしかにどうも、子供向けにはややっこしいと批判の対象になってはいるんだが。
わたしゃ子供じゃないからいいんだ。

そして余計なはなしだが、
どうも勘違いしているとしか思えないパクリ批判が横溢しているようで、
いわく、PC、タブレット、パスワード等の使い方が「サマーウォーズ」のパクリだとか、
眠っている最中に夢と現実がリンクして世界が動く演出が「君の名は。」のパクリとか。

なんか批判自体のピントがずれている感じ。

PCの使い方やパスワードの演出は、サマーウォーズではなく、
TV版エヴァの第7話のジェットアローンへのオマージュであることは、
夢の世界に登場する、人の造りしものであるロボット=エンジンヘッドのデザインや、
姫=ココネが腕力で挿入して戻した、稼働停止のために排出された制御棒のシーンから見てとれるし、
パスワードの件やタブレットの件も、同様。

眠りの演出に対する批判については、偶然「君の名は。」から数ヶ月遅れで公開されたせいだと思うが、
本作では眠ることをトリガーにして物語を動かしてはいるが、眠りの効果の設定が全く違うし、
公開時期が近すぎてネタとして取り入れる、というかパクるには時間的余裕がなくて無理だろうし、
夢と現実が交錯する話なんて幾らでもあるんで、こういう批判は、
タイムリープを描いた作品に、時かけのパクリだといちいち文句つけるのと同類だと思う。

さらに言うと、{netabare}この作品では、夢を、世界が自分に有利な方向に導かれる道具として活用しているのが妙味なんで、
目覚めたばかりのココネに、モリオから「あまえ、今すぐ早く寝ろ!」と言われたりしてるのが面白いし、
上述した「自動運転技術」と上手くつながっているのも、面白い。
さらには、ココネが、ウェットないしは反感を抱く可能性のある、おじいちゃんとの初対面のシーンで、
唐突に眠りに落ちてしまい、夢の中で話を進めちゃったりするところなど、
思わず笑っちゃってから焦らせてくれる面白い趣向だったし、
目が覚めるまでに厄介ごとを夢の中で処理しちゃうってのが、可笑しくてたまらなかった。

父親を追うこと、祖父と出会うこと、母親を知ることすべてが重要なテーマなのに、これを全部夢の中でやってしまうんだから、大した演出度胸だ。{/netabare}


それから、そんなに他のレビューを見なかったから、
たまたまこれを指摘している人を見かけなかっただけかもだが、
冒頭の夢のシーンは明らかにカリ城へのオマージュだと見て判る。
姫を幽閉する塔のシーンと、その塔の屋根瓦と、窓から伝って出入りする、あれね。

カリ城で、北の塔への行き来に使われる可動式橋梁設備を、
昔、鑑賞した当時から「これ構造力学的に無理だよな」と思っていたら、
橋梁を可動式にするなら、こういう構造なら行けるでしょ。と絵解きしてくれてたのが個人的にはツボだった。

投稿 : 2017/10/23
閲覧 : 476
サンキュー:

14

ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

夢と現実、未来と過去、ソフトウェアとハードウェア、個人と社会、様々な境目で成り立つ不思議な映画

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
最初にタイトルとPVを観たときには、心温まる分かりやすいファミリー向けのアニメ映画なのかな?と思っていましたが、結果、(良くも悪くも)分かりにくいファミリー向けのアニメ映画でしたね。

この辺は、「深みがある」と捉えるか、「どっち付かず」と捉えるかで評価は別れそうですね。

私は後者です。社会実験的なアニメだとしたなら、同監督の「攻殻機動隊」くらい振りきってほしかったし、ファミリー向けなら、「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」の劇場版くらい、それこそ観ている大人が少し気恥ずかしくなるくらい、ガッツリファンタジーを貫いてほしかったかな。

なんとなく、監督が創りたかったモノと、出資者のリクエストが解離してたのかな? と思ったり。

とはいえ、クオリティが高いアニメであることは間違いないと思います。特に作画は良いです。風景とか綺麗。声優陣も、俳優さん中心の中ではハマっていた印象。そんな(声優若葉マーク陣の)中で、圧倒的に上手かった釘宮さんに、なぜかほっこりしましたw

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
やや、酷評です。良い映画なのに勿体なかったな~と。

テーマとしては「家族愛」「(目標としての意義の)夢」「自動運転技術(技術革新)」「日本社会の在り方」などでしょうか?

邪推ですが、前者の2つが出資者からのリクエストで、後者の2つが監督の描きたかったことなのかな? と思いました。せっかく、アニメ映画作成の話が来たから、それに乗っかって、かなり濃い味付けにした感じがしたのは私だけでしょうか? それがどこか、「ショートケーキとステーキを同時に食べているような」食い合わせの悪さを感じました。

夢と現実がリンクし、夢の合間に同時進行で現実が進んでいく展開は面白かったです。特に、夢を観ている(バイクで空を飛んでいる)間に、自動運転技術で大阪に着いているのは、本作のアイディアとストーリーが上手く噛み合っている良シーンだったと思います。

ただ、ラストの展開で、ココネが宙吊りになっているのには、?。会長と会った後、どのタイミングで寝るの? 寝ている最中に、どうなったらあんな状況になるのかが分かりませんでした。ナルコレプシー&夢遊病でもない限り、あんな状況にはならないのでは?

それから、バイクが風船に跳び乗ってココネを助けるのはいかがなものかな? モリオが「家に帰れ」とインプットしたのが、「家=ココネの元」と機械が勘違いした?のはまだギリで良いとして、その後は、? そもそも、バイクの中に落ちるより、風船に直接落ちた方がココネが受けるダメージが少なそうだけど(汗)

機械へのプログラミングを「魔法」と解釈するのはとても素敵だな~と思いました。でも、それが、本当の「魔法」になってしまうと、なぜか安っぽくなってしまうのが不思議でした。

他にも、夢の中で襲ってくる「鬼」は、多分、(自動運転技術に対して反対する、不安を抱く)「世論」の比喩だと思います。その「鬼(世論)」を「倒せる(説得できる)」のは、「エッシェン(イクミ)」の「魔法(プログラミング)」だけだというのも、夢と現実が上手くリンクしていて、素晴らしかったです。でも、ベワンが「炎上しろ」と言ったことで興醒め。ハートランド(自動車の国)の火災と、SNSの炎上とをかけていることを分かりやすくするヒントでしょうが、そこはハッキリ言わない部分に面白さがあるのでは?

そういう意味では、映画冒頭のハートランドの「説明」シーン(エッシェンの語り)も蛇足だったと思いました。ハートランドを本作の舞台(ファンタジー映画)だと思わせ、実はココネの夢の世界だったというミスリードは、(私も騙されましたし)凄く良い構成でした。でも、ハートランドは、ブラック企業感が凄まじく、明らかに「現実(もしくは過去、高度経済成長期)の日本社会」の負の一面を意識していて、それを否定的に捉える構成です。そのこと自体は悪くないけど、それを「描写」で「感じさせる」のが「アニメ」であって、「言葉」で「説明」されると、「説教」くさく感じてしまいます。そもそも、「ファミリー向けの映画」で、冒頭に、あんな「世知辛い世界」を見せる意味があるのかな? 子供の頭には?が浮かび、大人の心はズーンと沈む、誰得?な冒頭シーンだと思いました。

そもそも、機械技術を肯定したいのか否定したいのかが分かりにくかったです。

他にも、ソフトウェアとハードウェアのこととか、夢と希望と無茶に溢れていた旧東京オリンピックの時の日本と、どこか覚めた目でオリンピックをひかえる(話題になるのは、お金の嫌な話ばかりの)現在の日本との対比とか、書きたいことはあるけど、いい加減、長くなってきたのでやめておきます。

端的に言うと、「この作品に家族愛という主題は必要ない」「家族愛をテーマにしたいなら社会的な問題提起は必要ない」と思います。例えばラストシーンの「3世代軒下西瓜」は良いシーンだけど、なんか作品から浮いていた気がしました。取って付けたような感じがしました。

いずれにせよ、「もっと神山監督に自由に作ってほしかったかな~」と思いました。上記の「分かりやすい台詞」にしても、何処かの偉い人から「ファミリー向けのアニメにしては分かりにくい」とのクレームが入り、付け足したのではないかと邪推してしまいます。もしくは、視聴者に気を使いすぎた(信じてない)か。

まあ、映画を観ている大半は、私たちのようにアニメを数百とか観ているダメな大人ではないと思うので(笑)、絶対数的には、これで良いのかもしれません。そもそも、映画館に行かず、レンタルDVDで観ている分際で文句つけるなと怒られてしまいそうです(自戒)w
{/netabare}

投稿 : 2017/10/09
閲覧 : 412
サンキュー:

21

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

家族向け

まず、神山監督を期待すると辛いです。

子供連れで見れる安全で健全なストーリーです。
家族の不和と和解、両親の過去、自分が産まれた歴史。
ちょっとひねって、白昼夢と現実が交差してます。

家族で見れるように作ってるはずですが
大人向け、子供向け、どっちつかずです。

神山監督なら攻殻機動隊みたいに完全にオタク向けも大得意でしょうし、
東のエデンのように少女漫画系ラブコメとオタク向けの融合も得意なはず。
今作では神山監督にオタク向けと家族向けは
融合が困難であることが立証されました。

個人的には映画クレヨンしんちゃんのモーレツ大人帝国の
育児放棄に立ち向かうしんちゃんに泣けたり、
旧ドラえもんのSF要素は十分にオタク心を満足させるレベルでしたが、

神山監督はそこまではたどり着けてないと思います。

投稿 : 2017/10/06
閲覧 : 160

KYY23 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

車好きも楽しめるアニメ映画

U-NEXT動画にて1080P動画を540円でレンタルし、先程、視聴しました。アニメ映画を見るときは楽しみが半減しないよう事前情報をまったく調べず、視聴しております。


冒頭ではいきなり機械仕掛けの夢の世界が出てきて?となってしまいました。テレビCMでは岡山の橋の映像ばかり出ていたので・・・

でも話のキーだったのですね。

また、お父さんが開発して近所のおじいちゃんの軽トラにプレゼントしていた自動運転機能付きカーナビのデザインが懐かしい!8年くらい前に流行った折り畳み式の高級カーナビとデザインが似ている。しかも画面表示は緑がメインの1990年代後半の表示です。文字の表示も懐かしい

いまの車はどこもダッシュボードへのポップアップ式か埋め込み式がメインですので・・・
私が15年愛用した前の愛車 インプレッサWRXを思い出す・・・当時はソニー製4.8インチカーナビでした。


また、一瞬ですが渋滞中の車列にランドローバーのテールランプが映ったりとアニメで描かれることが少ない車が見れた点が嬉しかった。

高畑充希さん演じる森川心羽も父に似た頑固さがかわいいです。

作品の作画は安定しており、新大阪で新幹線に乗るときのシーンや、お台場の移動シーンではリアルさに驚きました。10年ほど前のアニメ映画とは比べ物にならない現実感を感じました。
というか、現実風景と差異ないのでは!?

投稿 : 2017/10/02
閲覧 : 296
サンキュー:

3

ネタバレ

teji さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

見るにはみたけど・・

見るにはみたけど・・ なんか 不完全燃焼って感じがするのは なぜだろう

投稿 : 2017/09/21
閲覧 : 172
サンキュー:

0

あれいし さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ネットの評価に流されるべきじゃない。早く観るべき。

話はわからない人にはあまりわからないかもしれない。少し混乱してしまうかもしれない。でも1回見たらしっかり内容を把握するため何度でも見たくなる。そういう映画。そう言われているほどつまらない映画じゃない。むしろ面白い映画だ。作画は本当に綺麗だし何より感動できる。しっかりと今の良アニメ映画の波に加われたと思う。あんまり興行の面では芳しくない様なので早くに観に行くことをおすすめします。

投稿 : 2017/09/18
閲覧 : 209
サンキュー:

4

ネタバレ

シルメリア さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

「現実(うつしょ)は夢 夜の夢こそ真実(まこと)」

現実と夢の接続物語。
見終わって思ったことだけど
現実ラインだけで良くね!
まあ、小さい頃の読み聞かされていた?物語を絡めての〇〇の思い出とか思わせつつ
〇〇は、夢の住人なのとかのミスリード。
夢7対現実3の割合じゃバランスが悪かったかな?
都合の悪いところは、夢で表現して
現実パートが意味不明な部分が幾つか出て来ているのが気になりましたね!
例えば、鬼と戦っていて宇宙に取り残された父
助けに行く娘。(夢)
現実に戻ると志島自動車会社の吹き抜けで鉄骨の上から逆に父親に片腕で中ぶらりんで助けられてる娘。えっ∑(OωO; )なぜ
ヒロインが現実と夢はリンクしているとも言っていたのに。破綻させてるよなぁと。
普通は思うよね…。

結局、〇〇の死の真相は謎だった。
現実だと、事故と教えられてたが…。
本当に事故死だったのかなぁ?
タブレットのヒビが、夢の世界で付いていたから
夢の住人なのかと思わされちゃったよ。
ミスリードも多いし∑(OωO; )
そうなると崖かなんかで現実で父は、救えなかったことになるが…。
線引きが曖昧で作品自体悪くは無いんだけど
色々と気付くと気になっちゃう物語でした。
ハーツが最後、ヒロインを助けるシーンは
母親の思い的なものとは思いますがバルーンを
引くくらいならまだしも、ジャンプしてサイドカーの席に乗せて救うのはやり過ぎたかなと…。
だから、ご都合主義と言われるアニメ作品が生まれてくるわけで。勘弁して貰いたい。
スマートフォンとタブレット等も時代にあわせて
作品に入り込んできましたね。
では
(。>ω<。)ノ またねぇっ

投稿 : 2017/09/16
閲覧 : 209
サンキュー:

9

ネタバレ

めがね さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

難しくなく見やすい

まず、声を大にして言いたいのは、「君の名は」要素は一切ありません。
よく「君の名は」をパクっているなどの記事を目にしましたが、自分には理解できないほどの別物でした。
もし、パクリ疑惑を気にして見るのを躊躇されている方が居れば気にせず見てほしいと思います。


感想ですが、
家族愛がテーマなのかな?多分、きっと
世界観は現代日本、岡山県のご当地アニメ?の色が強く、岡山弁が色濃く出ている。耳に障る人もいるかも。(岡山県出身の私は少し気になった)

意外にメカ要素があって、意外にカッコよかったりするw(FSS好きなのかな?)

キャラはそんなに立ってない。みんな控え目な気がする。マスコットが意外とモブい?

主人公が10代女子ですが恋愛要素は皆無。超展開・どんでん返し等も無く、
小難しい伏線とか、特殊能力の説明・補足なども無い、何も考えず素直に見ることができる。いや、何も考えてはいけないw

最後に
お子様連れ向けなのかもしれない。
多分、人に勧めることはないと思う。

しかし、個人的には見て損はなかったし、結構楽しめた。
{netabare}エンジンヘッド{/netabare}のガレキが出たら是非買いたいと思うww

投稿 : 2017/04/23
閲覧 : 162
サンキュー:

3

ネタバレ

珈琲-coffee- さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 2.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

え、なんか思ってたのと違う、、、

ひるね姫というタイトルだったので
ほのぼの系や恋愛、友情を期待して見たのだが
正直、よくわからん感じが多くて幻滅した。

{netabare}寝ている間に別の世界で行動するという設定はいいんだが、、、その時現実ではどんな感じで起こっているのかわからなすぎた。終盤あたりとか特にそう思えた。{/netabare}

投稿 : 2017/04/16
閲覧 : 189
サンキュー:

4

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

夢と現実を行ったり来たり…最終的には家族の絆のお話し

昨秋に劇場予告を見たときから見に行きたいと思っていた作品でした。

物語は2000年東京オリンピック直前が舞台で、主人公で倉敷に住む高校三年生の森川ココネが、夢の世界と現実の世界を行き来しながら、現実に起こっている事件を解決するという話です。夢世界と現実世界がちょくちょく切り替わり、何がどう展開するのか、ミステリアスな雰囲気を醸し出します。

最終的には家族の話にまとまっているのが特徴です。登場人物、起こる事件はそれほど難しいものではなく、大人から子供まで幅広く見られるようにしているように感じました。設定には強引なところもありますが、これから3年後には現実にありそうな話(車のこと)でもあり、興味を引きます。

作画は綺麗です。舞台背景も美しく、メカニックなところも非常に良いです。ただ、なんとなくあちらこちらで見たことあるようなデザインが多いなと思ったら、作画、デザイナーの担当を見て納得しました。色んな要素詰めているんだなと思います。

この作品をどこに向けたものか、けっこう考えました。SFではなく、メッセージ性も強いものではなくありません。子供向けでもないし、若者向けにしては足りない感じもします。「万人向け」と言った方がしっくり来ます。日テレが絡んでおり、ポスト宮崎作品としての期待込みなのかなと思いました。

ちなみに、国立競技場ですが、SAOでは旧デザインだったのに対し、こちらは新デザインで描かれています。余談です。

投稿 : 2017/04/10
閲覧 : 356
サンキュー:

21

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

現代版桃太郎はツッコミどころ満載

正直クソアニメだと思う。
映画館で見ていて「?」「??」「?????」
と?マークが何百個も頭に浮かんだ。
作画は劇場アニメだから良いのは当然として、
うーん、後はココネのあひる口のかわいさくらいしか評価できない。

ちょっとだけ真面目に批評すると
家族愛がテーマのわりに父親の愛情をあまり感じられなかった。
インパクト第一の劇場アニメで照れ隠しなんていらないと思うの。
もっとあざといくらいに見せて欲しかったなぁ。
ストーリーは全体的にとっちらかっていて、完成度が低い印象を受ける。

でも穴だらけでツッコミどころ満載ゆえに、
見終わった後ワイワイ盛り上がれると思う。
一人で観に行くのはやめた方が良いかもしれない。

投稿 : 2017/04/03
閲覧 : 390
サンキュー:

13

ネタバレ

しゅう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

神山監督作品

夢と現実が入れ替わりながら進むストーリー。タイトルからファンタジーや感動的なストーリーを期待して見に行きましたが…正直裏切られました(笑)

パシフィックリム的な巨大ロボやベイマックス風の変形バイクなどSF的な要素が強かったなという印象。

テンション上がるシーンや特に感動したシーンも無く、ズルズルと物語は進み後半だいぶ眠くなってしまった(^^;
もう1回見たら良さが分かるのかな…
DVD出たらもう1回見直してみます。

投稿 : 2017/04/02
閲覧 : 169
サンキュー:

3

双真 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

★★★★★☆

おもしろかった!

投稿 : 2017/03/27
閲覧 : 178
サンキュー:

0

79 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

とにかく見てください!

期待以上の面白さです。
夢と現実で、それぞれ何を表しているのかとか考えながらみるのが楽しかったですね。
絵や見せ方も凄かったです。
あと魔法のタブレットというので笑いました。「魔法」と科学の最先端である「タブレット」を組み合わせる発想が愉快でした。

投稿 : 2017/03/25
閲覧 : 174
サンキュー:

3

ネタバレ

fusui さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

夢か現実か

感想
PV通りの内容だったので、私は満足でした。

ココネが走るシーンが多々あり行動的で男勝りの決断力(モリオ:幼馴染 大学生、リアリスト、モヤシより上)を発揮して困難に立ち向かうが、少ないが少女としての恥じらいもあるところが印象に残った。
エンディングではモモタローとイクエとの出会いが描かれている。


ザックリ内容
ココネが昼寝(昼寝に限らない)をして、見る夢がココネの知らない物語になる(実際はお父さん:モモタローの創って幼少期ココネに話した物語)。
現実と夢を交差させながらココネの母:イクミの話に繋がる(母はココネが生まれて他界。父からは母の事は他界以外何も知らない)。

微妙なところとして
モリオとココネが一緒に夢の中でバイク(ハーツ)で飛ぶシーンがあるが、正直ダサいCGとなっている。雲と橋だけにハーツが動き回るだけなのだが、CGのメリットが何も生かせず終わる。空を飛ぶ映像にする意味があったのか良く分からないシーン(夢と現実を分けるためか?実際はオート操縦で高速に乗り大阪まで行く)

わけの分からないまま終結
終盤でお爺ちゃん:志島一心との会話後夢に入るがもうわけがわかりません。
父がロボに乗り鬼を退治しようと暴れ周り宇宙に行きココネは父を追いハーツに乗り宇宙へそして・・現実へいきなり落下中のココネが・・・・

投稿 : 2017/03/25
閲覧 : 166
サンキュー:

2

esso-neo さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

嫌に嫌われるね

酷評をよくよく見たけどそれには当たらない
子供に宛てたにしては分かりづれえってのは最もかもしれんが
技はあいも変わらず。神山健治だった。フェイクとして有効打を連発。おいこのまま俺の嫌いな展開じゃねえだろうななんて不安にもなったけど締めるとこ締めた。パロディや比喩表現がふんだんに盛り込まれているがオリジナリティがそれほど損なわれないのが趣深い。初めてラピュタを見たあの気持ちを思い出した。悪くないぜそんなに。

投稿 : 2017/03/24
閲覧 : 191
サンキュー:

3

ネタバレ

りっとん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

普通に面白かった

大小2つの自動車会社の関係を軸として過去と陰謀を解き明かすために東奔西走する、ファンタジーなどの様々な要素もあり、ストーリーに安定感をすごく感じました。

投稿 : 2017/03/24
閲覧 : 173
サンキュー:

0

ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

近未来技術のプロジェクトX的な技術者の夢を題材に、ジブリっぽい活劇を「ヒロインがアグレッシブ」に見せてくれるSFファンタジー

「攻殻機動隊」や「精霊の守り人」「東のエデン」を手掛けた神山健治監督のオリジナルアニメ映画です。
岡山県倉敷市の女子高生が「昼寝」して「夢の中の物語」と「現実の陰謀事件」がリンクする形で活劇していく…
ファンタスティックな一方で「自動車の自動運転技術」という現在進行形の技術開発を題材にしたSFとしても優れている。
王道で分かり易く、適度にハラハラ、父と娘の家族愛、躍動感ある展開など、110分飽きさせぬ良作でした。

配信時期が近い「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール」と並び、「現在進行形の近未来技術」を夢見させてくれる、面白いです。

{netabare}『物語』
平凡な(というか精神的に結構しぶとい)女子高生・森川ココネが、悪者の陰謀に巻き込まれるけれど、「昼寝して夢の物語中で魔法使う」&「現実では幼馴染の大学生モリオの協力+アグレッシブな行動力」を駆使して元気に立ち向かっていく。
舞台が2020年(東京オリンピックが近い)の倉敷で、悪者の陰謀は「自動車の自動運転AI」に関わる等、「ジブリ的な王道ヒロインを現実路線でやっている」感じ。
けれどココネちゃん、自力で突き進む強さとそれを可能にする力に説得力があって良かった。
狙われるヒロイン、何となくルパン三世辺りのゲストヒロインにありそうなストーリーなんですが、そこに「昼寝の夢の世界の力」と「現実での自動制御技術」をフル活用して、ヒロイン自身が頑張って道を切り開いていく。

夢と現実が連動していく摩訶不思議な展開で最初戸惑いますが、基本ストーリーは結構王道で分かり易い。
夢の世界「ハートランド」は自動車産業が高度に発達し過ぎたディストピア、ここでの寓話により「機械と人間らしさの在り方」とか「自動制御AIの可能性や夢」をファンタスティック活劇に絡めて見せつつ…

現実パートでも自動車の自動運転制御技術絡みの陰謀である事や、ココネの素性や両親(と大手自動車産業の会長)の秘密などが、次第に判明していく。
夢世界の寓意も決して分かり難くはなく、ごく自然と事件の真相が分かってきて飽きさせない。
悪党な渡辺も現代日本の企業重役に過ぎず、あんまりムチャな暴挙(銃撃したりとか組織力動員したりとか)は出来ないのも、昼寝と自動AIはあれど平凡な女子高生(と男子大学生)がムリなく逃避行しつつ適度な緊張感と呑気さ両立していた感じ。

呑気で真っ直ぐなココネが「渡辺から逃げる」→「父を助ける」過程で、過去の両親の絆、自動運転技術開発にかける夢、ロマンスと家族愛に繋がっていく。
東京オリンピックという直近の近未来に向け、現在進行形で技術者たちが夢見ているであろうセカイの一端を垣間見せてくれる。
終盤に向けて夢世界も現実も活劇が加速、高所に飛び乗ったり飛び移ったりのジブリ的な大活劇の末…
しっかりと家族の絆を感じさせる大団円で後味も良かった。

奇抜に見えて案外王道で安定感ある良作なんですが、難を挙げると…
ヒロインと男の活劇な割に、ラブコメの波動やドキドキ感はやや薄かった。
抜きん出て盛り上がったり感動する程の名場面はあまり無い。
…ただ、それでも終始面白かったし、ココネちゃん特有のキャラと雰囲気が良い塩梅、本作特有の良さに繋がっていた。


総じて、夢のファンタスティックな世界観も面白いのですが、それ以上にSFとしても良かったです。
「心根一つで、人は空も飛べるはず!」
ココネちゃんが多用するキャッチフレーズにも込められたテーマも、自動運転AIへのポジティブな夢や憧れを感じさせてくれてよかった。
最初こそ夢と現実の交差に戸惑うものの、次第に分かり易く真相が判明して行って終始飽きさせず、良質なテーマと家族愛も素晴らしかったです。

…「ココネの夢は結局何だったのか?」
最後まで謎のままなのですが、色んな解釈ありそう。
別の方の見方ですが「攻殻機動隊的なSF要素」とか、色々な仮説があるっぽい。
私はあまり深く考えず、物語の都合とか、父と母の夢の物語をココネちゃんの深層意識が覚えていたのかな?とか、まあ理屈はどうでも良いです。
メタ的には、現実の自動運転技術の可能性への挑戦の意志、自動AIへのポジティブな夢を、寓話で見せてくれたのだと解釈。
テーマは「心根一つで、人は空も飛べるはず!」というフレーズや、クライマックスで、AIに過ぎぬハズの自動運転車が、まるで自分の意志を持っていたかのようにココネを救ってくれたシーンに象徴されている気がする。
※余談ですが同時期放送中の「けものフレンズ」のボスとも重なるかも…
本作のテーマは機械知性の在り方、というわけでは無いのでしょうけれど、もしかしたら…という夢と憧れをちょっぴり感じさせてくれるのも魅力だと思う。
「優れたSFはファンタジーと見分けが付かない、逆もしかり」
本作は一見ファンタジーだけどSF、そしてやはりファンタジーでもあり、そのどちらも良かった。

※余談
「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール」の「仮想現実・拡張現実」に対し本作は「AI、自動運転技術」
どちらも現在進行形で発展途上の近未来の夢の技術です。
2017年のアニメ作品がそれぞれ題材にして近未来への可能性を夢見させてくれる、これは後世振り返って意味のある事かも知れない。

※余談2
「飛び降りる宮崎駿、飛び降りない押井守」
とある方の論説で両監督の作風の違いを的確に指摘されておりますが。
神山健治監督は両者の中間だったように思える。
クライマックスでココネと父が高所落下→助かる過程で、ショッピングセンターの垂れ幕で何度も減速する描写など、怪我せず助かる説得力を感じる。
でも押井監督よりはファンタスティック。
神山監督も攻殻機動隊を手掛けた方、ここら辺のコンセプトも注目して見ると面白いかも。


『作画』
ココネちゃんが美少女とは言い難いのは残念。
十分可愛いし、平凡な女子高生らしさは良かったかも。
でもヒロインは美少女なのに越したことはない…
夢の世界描写、大迫力のバトルシーン、高低差でハラハラさせる活劇など、劇場版として引き込まれるに十分な魅力あり。

『声優』
俳優中心だが概ね配役は良かった。
ココネ役の高畑充希さん、方言もバッチリはまっていた。
モリオ役の満島真之介さんは、まぁまぁ。キャラには合っていたのでは。
古田新太さんの悪役っぷり、高橋英樹さんの頑固老会長など。
江口洋介さんの父親役が一番良かった。渋い。
…俳優陣に混じって本職の釘宮理恵さんは一発で分かる♪

『音楽』
ココネ役の高畑充希さんが、60年代アメリカのポップス「デイドリーム」をカバー。
本作のテーマにしっかり合致していて良い感じの余韻ありました。


『キャラ』
森川ココネちゃん、呑気だがアグレッシブなヒロインでした。
大企業の会長の孫という、現実でもある意味お姫様であった。
メンタル強い。「どこにでもいそうな普通の女子高生!」※いません。
…半ば夢見る強メンタルが独特な魅力ありましたが、難を言えば普通の少女では無かったような。
エンシェン姫はかなり可愛かった。
マスコットのジョイはプリキュアのマスコットばりに健気であった。くぎゅぅぅ。

モリオは「君の名は」だと勅使河原ポジのヒロインお助け役。
近年のテンプレになりつつある感じ。
彼もまた強メンタル、順応性高くスムーズにココネをサポートして活躍。
見所は夢の世界でも冷静に対応するシーン。中々面白い男だった。
…ただ、便利キャラの域を出なかった感も。
クライマックスでココネ助けるのはココネ父ではなく、彼の役目だろうに。

渡辺は定番の悪役、序盤から分かり易くって良い。
権力も実力も限定的なので小物ではありました。

父がワイルドでカッコ良い。モリオより断然主人公っぽかった。
技術開発にまつわる母とのロミオとジュリエット、ステキです。{/netabare}

投稿 : 2017/03/23
閲覧 : 345
サンキュー:

24

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

祖父を訪ねて三千里(三千里じゃないけど・・・)

 ココネの夢から始まって、現実世界とごちゃ混ぜになるアニメだったです。

 夢の中では、ココネはエンシェンという小さな女の子。夢に出てきたキャラが、そのまま現実にいたり、現実のキャラが夢に出てきたりと、かなりリンクした世界観だったです。

 見るからに悪そうなおっさんの策略により、お父さんのモモタローが罠にはめられるです。お目当てはタブレットで、このアニメのキーワードになるですね。これをもとに、母型の祖父に会いに行くきっかけとなり物語は進むです。ココネのすり足忍び足は、面白かったです。

 ココネの夢は、現実になると幼馴染のモリオも巻き込んで、夢遊病を越した展開になっているです。倉敷でサイドカーで寝て起きると、大阪についているという。あの状態で寝て、寝ているときに高速道路を本当に横断できたのかなぁ?です。というように、夢が進むと現実も進んでいるというあら不思議展開。これは、終盤でも思いがけない話の繋がりになっていくです。

 夢の物語が何だったかも、明らかになっていくのも見どころだったです。お母さん、おじいさん、モモタローの真実が、ココネが、どいう受け止めてラストに繋がるかだろうかです。にしてもこの夢の世界、どこか映画クレヨンしんちゃんにでも出てきそうな感じのロボットや、敵みたいに思い浮かべたです。

 ココネの声優さんは、どこかのんびりしている口調で上手いのか下手なのかわからなかったです。あの話し方は、岡山県倉敷市の方言なのでしょうか?です。
 モリオの声優さんが、業とらしく不自然に思える声が、艶消しだったです。

 終わりは、やはりこれでいいのだだったです。団らんな感じです。

投稿 : 2017/03/22
閲覧 : 224
サンキュー:

8

YY さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:----

EDがとりあえず神

是非お勧めできます!
家族愛のクセが少し強いですがEDでは少し涙腺をしげきさらます!!

投稿 : 2017/03/21
閲覧 : 182
サンキュー:

1

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ファミリー向け娯楽アニメ映画。。かな

作画は良かった。
全体的には子供も大人も楽しめるように意識したような感あり。
それもあってか交互する世界の関係性の理解にはついて行けたもののツッコミどころがところどころにあって没入感は浅く。。
声優はしっくり来ていたんですが。
エンディングの曲は作中でも何らかのエピソードに欲しかったですね。
まあ、ここんとこ名作が続きましたからね。
娯楽アニメとしては、良作の部類なんでしょう。

投稿 : 2017/03/19
閲覧 : 184
サンキュー:

1

k-papa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

夢による予知夢?実はあまり意味がなかったりして・・・。

公開初日鑑賞。
割と人気で約八割りの入り。

監督が神山さんなので、そこそこ期待しました。
総評を言いますと最後がカオスし過ぎて、若干グダグダになったが、
最後しんみりさせましたので、まあまあとします。

時は2020年の東京オリンピック寸前の瀬戸大橋傍の倉敷市の
高校三年生の女の子が主人公。
父子家庭でお父さんは自動車修理の自営業。

主人公はよく自動車工業の発展した王国のお姫様の夢を見ます。
夏休みに入ってから、いろいろなトラブルに巻き込まれる展開になります。

ラストまでの展開は結構はハラハラしますが・・・。
まあ、そこそこ面白かったとします。
お母さんとの話もちょっとウルウルきましたし。

投稿 : 2017/03/18
閲覧 : 269
サンキュー:

5

2010sw さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

世界の切り替えのロジックが弱いかなー

夢と現実の世界を行き来するのだけど
君の名では”時空を超えた入れ替わり”
異世界ものでは”門を超える”とか”タイムスリップ”とか
納得感があるのだけど、この作品はちょっとそこが
弱いかなーという感じ。自分は脳内補完強めで
対応したから大丈夫だけどネ。

自分は自動運転とか、人工知能とか発達してく過程で
人間の意識とデジタルの世界が”時折つながる現象が生じている”
と補完した。不安定で完全でないがゆえに夢という形になっている・・

あと高所恐怖症な人はハラハラ多目だからココロの準備。

”エンシェンと魔法のタブレット”は観といたほうが
いいかも。世界感の下描きが頭に描けるのと
メカとか”あーなるほどー”と面白い。
ネタバレは無いヨ。

エンディングのディドリームビリーバーは、
個人的に好きなコトもありヒロインと同じ名の
ボカロのKokoneで作ってみた。
動画あげたんでカラオケヨーにいかがでしょ。
(女子用キー)オケのデータもありやんす。
あんま関係ないか・・

投稿 : 2017/03/18
閲覧 : 186
サンキュー:

4

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ひるね姫 ~知らないワタシの物語~のストーリー・あらすじ

2020年の東京オリンピックを目前にした岡山が舞台になっている。(アニメ映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2017年3月18日
制作会社
Signal-MD

声優・キャラクター

高畑充希、満島真之介、古田新太、高木渉、前野朋哉、高橋英樹、江口洋介、釘宮理恵

スタッフ

キャラクター原案:森川聡子、 監督:神山健治、脚本:神山健治、ハーツデザイン原案:コヤマシゲト、作画監督:佐々木敦子、演出:堀元宣/河野利幸/黄瀬和哉、クリーチャーデザイン:クリストフ・フェレラ、色彩設計:片山由美子、美術監督:鮫島潔/日野香諸里、3D監督:塚本倫基、撮影監督:田中宏侍、音響監督:はたしょう二

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