すれ違いおすすめアニメランキング 51

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79.8 1 すれ違いアニメランキング1位
ゲーマーズ!(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (925)
4113人が棚に入れました
ゲーム好きで“ぼっち”な高校生・雨野景太、学園一の美少女でゲーム部の部長・天道花憐、景太と犬猿の仲の星ノ守千秋、“リア充”だが実はゲーム好きの一面もある上原裕ら個性的なゲーマーの青春を描いたラブコメディー。

声優・キャラクター
潘めぐみ、金元寿子、石見舞菜香、大久保瑠美、豊永利行
ネタバレ

丸太旭日旗六四天安門 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

勘違いが錯綜する五角関係ラブコメ。作画が残念

ゲーマー高校生たちの青春物。

評判がいいので追っかけで見てみたが…2話まではなるほど良かった。
凡ラブコメに見える第一印象に反して人間がちゃんと描けている。決して斬新なことをやっているわけではないが、丁寧なキャラクター描写の積み重ねが出来ている。{netabare}景太の下した判断も共感できる。孤独のグルメの五郎的に言えば「ゲームをする時はね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで…」という事だろう。{/netabare}
1話の中盤で切ってしまう人もいるかもしれないが、もう少し我慢してから判断してもいいかも(スタッフも気にしているようで、先の展開の説明をちょっと入れたりしている)。

その後は8話くらいまで、それぞれの登場人物が〇が△を好きだと誤解する勘違いが錯綜して混乱する様をニヤニヤしながら楽しめる(それを別に面白いと思わない人はすぐ見るのを止めた方がいいかも)。
終盤は失速気味にも感じて、最終回の内容は肩透かしに思えたが、全体としてはそこそこ楽しめた。

ただ後半からかなり作画が崩れ始めてしまい、見苦しいと感じるまでに絵が劣化してしまう。これがこの作品の最大の欠点だろう。

ゲームネタは序盤だけでその後はラブコメ一色になっている{netabare} (最終話でゲームのあり方?について議論するけど){/netabare}。
OPで色々なゲームのパロネタをやっているが、スクールガールストライカーズEDのほうが魔訶魔訶とかへべれけとかマニアックなゲームを元ネタにしていて良かったな。

各話感想
1話
{netabare}シュミレーション!?この間違いわざと?
RTA(実機での早解き)って説明付けた方がいいでしょwTAS(エミュでの早解き)とは違うんだよね。
ソシャゲについては原作ではネガティブに描いてるらしいね。TVだとスポンサーが…。{/netabare}

2話
{netabare}このスクールカースト描写は俺ガイルを思いだすな。陰キャに触れることを許さない陽キャたちの同調圧力。
祐は高校デビューか。
ペルソナは実名出せるのか。音楽なつかしい。
孤独ゲーマーは対戦ゲームやるとハイになるあるある。
ここで亜玖璃が決して薄っぺらいキャラじゃないことを開示するのはあざといかな。{/netabare}

3話
{netabare}景太はクソ同人ゲーマニアか。
ネトゲ嫁展開か?
千秋…もこっちに似てる…。
メインヒロインが完全放置されてるw
俺は洋ゲー嫌いだから景太側だなw
MONOさんは千秋だろうと普通思うよな…花憐はソシャゲ嫌いだし。{/netabare}

4話
{netabare}花憐回。このままメインヒロインがハブられ続けてても面白かった気がするがw
景太はゲーム部の思想自体は否定してなくて、ついて行く力が無いから入らないだけ。そうなると花憐は景太を買いかぶっていたことになり、惹かれる理由が無くなってしまうが…好きに理由はいらない、ですか?
花憐の誤解を解いただけであまり話は進まなかったな。MONOの正体マダー?{/netabare}

5話
このアニメの登場人物すぐ誤解しすぎだろw
{netabare}千秋がMONOだとわかったが、ネトゲ嫁みたいにあまりにも偶然過ぎるという問題はあるな。まあいいけど。
景太と千秋って顔もそっくりだけど実はいとこだったってオチがあるかもな。
ちょっと仲良くしてるだけですぐ誤解してしまう人たちだけど、現時点で
・景太と亜玖璃が仲がいいと花憐以外に誤解されている。
・景太と祐がホモップルだと千秋に誤解されている。
・花憐と祐が仲がいいと皆に誤解されている。
・景太と千秋が仲がいいと花憐に誤解されている。
って感じか?ごちゃごちゃしすぎて登場人物自身もわけわからなくなってそう。
現時点ですでに千秋は恋愛で蚊帳の外なんだな。誤解を除くと。{/netabare}

6話
わけがわからねーw凄まじいセリフ量wこの勘違い心理描写はサクラダリセットより複雑かもなw
{netabare}亜玖璃が関係を整理してたけど誤解が入ってるから参考にはならないw
勘違いが錯綜したけど結果はシンプルだった。景太の言い間違い告白でハッピーエンド。
話を聞いてると、千秋はやはり景太が好きなんじゃないかと思う。この後MONOだとわかって景太と花憐に割り込んでくるのかな。景太も花憐がそこまで大好きというわけでもないような。
祐と亜玖璃はもうこじれようがないはずだが、まだ波乱があるのだろうか。{/netabare}
作画がかなり悪くなってるのが残念。

7話
{netabare}告白から一夜明けて…景太が男共から妬まれて重苦しい雰囲気。
亜玖璃に背中を押されてデートすることに。
ここまでそれぞれの誤解は解けてないんだけど、物語は結果オーライな方向に進み始めた。
なんだかんだ花憐と景太は相性ばっちりやね。なんでもゲームにして競おうとする花憐の残念な所も見えてそれでむしろ景太の気が楽になって距離が縮まった感じ。
千秋は花憐は景太を救うためにお情けで付き合っていると思っている…そう思いたいんだろうね。内心は景太に惹かれている。MONOの正体という切り札はいつ使うんだろう。
最後はそれぞれの互いの好きな所を再確認してリア充爆発しろ!END。
もう花憐と景太は順調に行きそうだけどあと残り3人をどうするかだな。千秋が余るんだろうけどそれで紆余曲折がありそう。亜玖璃が景太を好きになってきてるようにも見えるが。
ベタな展開になってきたけどこれでいいと思う。{/netabare}

8話
話動いたね。第二ラウンド開始?
{netabare}エロゲ好きの千秋の妹登場。高校は同作者の生徒会の一存と同じ名前なのか。メンバー4人もそっくり。そしてこの妹も景太の語りを聞いて惚れた感じ。
そしてメイン5人衆が誤解を解くため一同に会した。半生ゲームで一時変な空気になったものの、祐と亜玖璃の誤解は目論見通り解消したようだ。
そしてここでようやくMONOの正体の件に…景太はまだ気付かず、千秋の方が真実を知る展開に。
千秋はどうするんだろう?祐の言うように、MONOとしての盟友ってだけで景太を好きになってしまうのは安易に感じるが…まぁ妹がからんでくるんだろうな。{/netabare}

9話
{netabare}えーMONOの正体を景太に妹だとか嘘つく展開はつまらんと思うのだが…。
ファミ通が実名で出てるな。
最後は祐がらみの勘違い展開に。
…メインヒロインが出てないw{/netabare}
なんか終盤はつまらなくなりそうな予感。
それにしても作画が酷い。ED変える余裕があるなら作画何とかして。

10話
お、これはちょっと面白い展開かも。
{netabare}祐に告られたと誤解した千秋だったがそれを受け入れてもいいような態度。景太への想いが自分でもよく分からないからそれならそれでいいと思っているのかな。
祐は勘違いの勘違いで千秋の景太への想いを正しく理解しているという…マイナスとマイナスかけてプラスになってるような。
景太はスターオーシャンが好きなんだね。PSPでやったことあるけど。
千秋は景太とどうしたいのか自分でもわからず…花憐がいるのもあるが。
その後に胸糞悪いヤンキー共と会う亜玖璃。まぁ絶交やな。ここで景太をバカにされて怒るのもまた伏線。
そして景太がかけつけたけど勘違いであることを認めて、丸く収まるかに見えた、が…。
自分もずっと気になっていた「景太と亜玖璃って相性良すぎるのでは?」という懸念、それが大きな伏線となって効いて来たー!
これは面白いな。景太も亜玖璃も内心、お互い居心地がいいと感じている。でもこのままだと景太総受けのハーレムになってしまうのではw{/netabare}

11話
{netabare}景太と亜玖璃の相性の良さに落ち込む花憐と祐であったが…さすがに勘違いはしないものの自分らがあの二人の仲を超えられるか自信を持てない。そこでダブルデートを企画。
景太がまだ花憐と祐の関係を疑ってるのがなんでか分からんな。祐が千秋に告ったと勘違いしてたのはどうなるん。
そしてダブルデートに千秋と妹も乱入。
でも千秋はもう手遅れでノーチャンスだよね。実際千秋は何もできず、ダブルデートの二組は大成功。
残りあと1話どうするのかな。千秋が景太に自分がMONOだと教えて千秋の戦いはこれからだ!で終わりか?{/netabare}
この回の途中からアニオリ展開になったそうで、たしかに原作の方が「らしい展開」だと思う。こっちは次で締めなくてはならないしな。作画の酷さから最初から二期諦めてるようだし。

12話
{netabare}最後は恋愛は置いといてゲームそのものについての議論で締め。
でも元ゲーオタだった自分としては内容は枝葉末節で本質をついてないと思った。
ソフトの値段が高いとかDLCとかはどうでもいいことなんだよ。スーファミの頃はもっと高かったしさ。
今のゲームの根本的な問題は市場が洋ゲーに支配されてメインストリームが似たようなTPSとFPSばっかりになっていることと、それ以外のジャンルもマンネリ化しきっていて新しい物が出てこないことだ。これをどうにかしないとゲームは次のステージに行くことはできない。もうだめだと思ってるけど。だから自分はゲーオタ辞めてアニオタになってるわけだし。
途中の風呂シーンでは千秋が魚類がどうのこうの言ってたが議論が頭に入ってこなかったwなんか作画ちょっと良くなってるしw{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 20
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いや、味付け間違えてるって。策士策に溺れる、、、。

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
私のレビューで「評価4なのに酷評系」は、「名作になったのに勿体ない」「愛ゆえのレビュー」と思って頂ければ幸いです。

ゲーム好きなオタク系主人公と、実はオタクでゲーム好きな美少女ヒロインのラブコメ。それだけだとテンプレなので、色々と小技を使って違いを出そうとしています。

まあ、ラブコメの評価は、キャラと会話によるので、設定とか凝らなくても良いんですがね。そのキャラと会話が良いので、及第点以上のラブコメだと思います。

あぁちなみに、単純なクオリティでいけば☆3(65点くらい)かなとも思いつつ、星野森千秋が可愛すぎるので、☆4は贔屓でふ(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
つまるところ、天道花憐と星野森千秋のどちらが好きか、というアニメだと思います。

私は断然、星野森千秋派です♪ 勿論、どちらも可愛らしいですが♪

「圧倒的リードしていたはずなのに、気づいたら半周遅れでスタート地点に立っていた」千秋の切なさ。ツボでした♪

自分が好きなヒロインといえば、「河合荘」の「河合律」、「サーバント×サービス」の「ルーシー」、「ReLIFE」の「日代千鶴」、「ネトゲ嫁」の「アコ」、なんかなんでまあ、千秋も同じ系統ですよねw

亜玖璃もかなり良いキャラでしたが、やはり上原君とベストカップルですから。2話の亜玖璃は激可愛いかったし、その後のアホデレな感じも良かった。

地味に千秋妹も良い。不器用な秀才は好きです(アニメでもリアルでも、男でも女でも)。

しかし、どうにも「クセが強くて報われないサブヒロイン」を好きになる傾向があるなw 「俺修羅」でも「チワワ」派だったし、「とらドラ」でも「あーみん」派だった。あまり、正ヒロインとか金髪ツンデレにはハマらないんだよね。

それに、「好きになる理由」も、天道さんより千秋の方が深いと思うし。

勿論、正妻の天道さんもかなり良い♪ 完璧超人からどんどんダメになっていく様子は、かなり萌え度が高かったです。


さて、ここからが酷評。愛ゆえにです。

う~ん、ストーリー、余計なことしたな~。すれ違いコントは面白かったけど、引っ張りすぎ。すれ違いコントは中盤の2話くらいで良かった。後は、正統派のダブルヒロイン+ハーレムものとして、シンプルに各キャラの魅力を出していくだけで良かったと思う。これだけキャラが良いんだし。最終話のコメディもいらなかったし、サービスシーンもいらない。ゲーム部の面々のキャラも立たず。

色々とダメな点が多い本作。制作は、本作の良さ、分かってるの?

2話の「中学時代からの純愛を貫く、亜玖璃」。6話の「キャラ崩壊&迷走がたまらなく可愛い、天道さん」。9話の「色々残念ながら切な可愛い、千秋」

なんかが、間違いなく本作の良さ。

そこを生かさずに、無駄に凝った演出や展開、逃げのサービスカット、空回りするギャグや聞いてて不快なゲーム批判展開してどうすんの? 正直、12話なんて無い方が良いレベル。

おいしい魚は、刺身が基本でしょ。やっても、塩焼きか煮付け。せっかく素材が良いのに、カレーにしたりハンバーグにしてどうする。

うまくやれば、お気に入り棚入りもあった本作。でもやっぱり、星野森千秋はメッチャ可愛いですです! 2期、絶対やって、がっつり王道のダブルヒロインラブコメやってほしいですです!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
ゲーム好きなオタク系主人公と、実はオタクな美少女とのラブコメ。先の展開をハッキリと文字表記するのは新しいかな。そして、そんなオタクが自分の分野で打ちのめされるのはなかなか面白い。

2話目
TOPへの愛は、テイルズのレビューにw タスク君、地味にナイスキャラだね♪ リア充への捉え方、なかなか良いね。へ~、アグリも良いね。二人の出会いと、二人とも高校デビューだね。

3話目
演出がクドい(笑) デスデス! 仲良し(笑) 星ノ森さん、なかなか萌えが強いw 正統派のラブコメって感じ♪

4話目
面白い演出ではあるけど、早く先週の続きを知りたいんだよね

5話目


6話目


7話目
あっ、夢中で感想かくの忘れてた(笑)

8話目
千秋、フリーターw 千秋、フラグ立ってるw 曇りガラスの作画とか、無駄にちゃんとしてる。運命キターw

9話目
おい、妹、汗かいてナニしてたw おい、女子高生、上下灰色スウェットで出歩くなやw なんだその定期を隠す可愛らしさw 千秋、大自爆(笑) どの口がって、正しいツッコミw

10話目
作画、変じゃない? スターオーシャンセカンドストーリーは確かに名作だね♪ ニコ動演出w

11話目
笑い方、クレヨンしんちゃんですやんw 千秋かわいいな~。溢れる魅力でw

12話目
このアニメに関しては、露骨なサービスシーンいらない。せめて、OVAで。
{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 34

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

こじらせゲーマーたちのすれ違い青春錯綜系ラブコメ

この作品の原作は未読ですが、潘さん、金元さん、大久保瑠美さんや桑原由気さんが出演されると知り視聴を決めた作品です。
もちろん、キャラデザも好みの範疇なので私にとって何の抵抗もなくスルリと入り込める作品だったと思います。

ですが、完走して振り返ってみると…どうしても突っ込まざるを得ない点が1点出てきてしまいました。

この物語の主人公は、無類のゲーム好きな高校2年生の雨野 景太…
まずこの主人公なのですが、あまり人気の無いゲームやマニアックなゲームにも手を出すなど守備範囲は広く、自分がプレイしたゲームの中に面白さを見出そうとする姿勢はどちらかというと私好みです。
あ、好みといってもBL目線ではありませんよ…

彼の抱える問題は自分を貶め過ぎているということ…
決して自身過剰が良いという訳ではありません。
でも生きていく上で…例えば自らの進退を決めようとする時、自分の自信に対して正当な評価ができないと可能性を自分で狭める結果になる可能性があります。
それって、絶対勿体無いと思うんです。
あと視聴を進めていけば気付くと思いますが、状況の説明・判断能力がどうにも今一つなんですよね。

きっと彼の言っている事は概ね正しいと思います。
でも主語や人物を特定する一言が欠落しているので、彼の言動でいつも周りが右往左往…
そんな彼は、周りの右往左往にも気付かずこの攻撃を連発するのですが悪気が微塵も無いので始末に追えません。

だから景太の唯我独尊道を淡々と連発されるのを眺めるだけだったら、きっとこの物語は面白くないと思います。
でも、この作品…面白いんです。
何が面白いか…景太を取り巻く仲間たちが最高なんです。

本作品で私のイチ推しであり一番面白かったのは、金元さん演じるメインヒロインの天道 花憐です。
容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能…きっと神から全てを与えられた人って、こういう人の事を言うんだろうなぁ…と思えるような人です。
それだけではありません。
性格も人当たり優しく物腰も柔らか…
これだけ高スペックを並べたって面白さの欠片もありませんが、物語を重ねるうちに少しずつ変わっていくんです。
周りの人からの影響が過半を占めているのですが、その変わりっぷりが堪らなく面白いんです。
金元さんが演じられた、という要因も多分にあるとは思いますけれど…

次に気になったのは、石見舞菜香さん演じる星ノ守 千秋…
彼女も激変した一人です。
そう考えると天道さんも激変した一人ですが、その変化にもしっかり個性が感じられる上、結果的にその人の魅力となって跳ね返ってきていたので、二人の変化は結果オーライだったんだと思います。
千秋に可愛らしさを感じたのは、口癖とちょっと引っ込み思案な性格…

主人公とヒロインの二人…これからどの様に物語が転がっていくかが楽しみです。

そしてこの3人に振り回されたのは景太と同じクラスの上原 祐と彼女の亜玖璃…
振り回された、というより巻き込まれた…という表現の方がしっくりくるかもしれません。
この二人は本当に優しくて面倒見がよくて…
でも、祐もどこか景太に似たところがあって、彼も大切な一言がすっぽり抜け落ちているんですよね。
そのお陰で話はこじれまくりました…その状況に時にはモヤモヤした時もありましたが、結果的に面白かったのだから良いと思います。

と、ここまで主要登場人物にスポットを当ててきましたが、この作品のジャンルが「学園ラブコメ」に指定されているように、物語の展開は色恋沙汰満載です。
だから当然続きも気になる訳ですが…
だからこそ、あの最終話の展開には衝撃を受けざるを得ませんでした。

私の期待していた展開とは凡そ真逆…
確かにその展開は間違ってはいないと思います。
でも、これが多くの視聴者が待ち望んでいた最終話だったのでしょうか…

そしてもう一度見返してみて納得…
この作品は1クール12話の作品…というより、1クール11+1話と考えた方がしっくりくる作品だったんですね。

オープニングテーマは、天道花憐、星ノ守千秋、亜玖璃による「GAMERS!」
エンディングテーマは、「Fight on!」と「恋のprologue*」でどちらもLuce Twinkle Wink☆が歌っています。
OP、ED共に曲は好きでしたが、レビューを書くためにをチラ見したときにその理由が分かりました。
オープニングの楽曲提供はまふまふさんで、エンディングの作詞はKOTOKOさんと黒崎真音さんなんです。
改めてアニメにおける楽曲の大切さを痛感した気がしました。

原作はまだ続いているようです。
色々としっかり決着を付けて欲しい…そしてそれを見届けたい気持ちでいっぱいです。
続編が制作されるなら絶対に視聴したいと思います。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 23

78.6 2 すれ違いアニメランキング2位
Just Because!(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (707)
2808人が棚に入れました
高校三年の冬。
残りわずかとなった高校生活。
このまま、なんとなく卒業していくのだと誰もが思っていた。
突然、彼が帰ってくるまでは。
中学の頃に一度は遠くの街へと引っ越した同級生。
季節外れの転校生との再会は、
「なんとなく」で終わろうとしていた彼らの気持ちに、
小さなスタートの合図を響かせた。

声優・キャラクター
市川蒼、磯部花凛、村田太志、芳野由奈、Lynn、櫻庭有紗、貫井柚佳、近藤玲奈、千本木彩花、天﨑滉平、山本祥太、柳田淳一、小林大紀、大川透
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

気持ちの揺らぎを感じとりつつ・・・

好き、嫌いの感情の白黒じゃなく、そのときどきの感情の揺れや移り変わり・・・、卒業間近の高校3年生達が恋をあきらめたり、恋が芽生えていく過程や揺れ動く心情・心理の方に命題を置く本作は非常に秀逸な作品です。登場人物はみんな高校3年生としては真面目で賢い一般的な生徒達で、かなりリアルな設定となっている。ラブコメのようなバカっぽさや面白さは全然ないので、好みじゃない方も多いでしょうが、私には今年一番の作品であり、傑作と断言できる作品です♪
{netabare}
メインヒロインである夏目美緒と泉瑛太は割と似たようなタイプのように思える。 二人とも共に不器用で自分の気持ちを想う相手に率直に表せない。想いを明確に表すことで心地よい関係が無くなってしまうことも避けたかったのだろう。この切ない想いを抱いたまま中学・高校生活を送ってきた二人の心がどのように変化をしていくのか、そしてどのように気持ちを近づけていくのか、その『なんとなく』近づいていく二人の距離(恋)をどのように捉えるのかが視聴する側に大きく委ねられているように思う。だからいろいろな見解があっていいと思うし、良否も分かれる作品だと思う。的外れなレビューは相手にしないが、恵那や葉月推しのレビューがあっても然りだと思う。恵那ルート&恵那エンドを望む方がいても全然意外には思いません。
 
メインキャラクターそれぞれに、その性格に見合った恋愛観があって、優劣がつけられないように気を配ってあったと思う。美緒は陽斗への好意を自分のこころの中で大切にし過ぎて、決着(告白)をつけることから逃げていた。自分の中から『陽斗への想い』が無くなってしまうことや、告白をして実らなかった時の怖さもあったのでしょう。普段は活発そうに見えても実は臆病で繊細な子のように印象付けた。そして、陽斗が森川葉月のことを好きだということを、なんとなく陽斗の行動から分かっていたから自分の気持ちを自分の心の中にしまい込んでいたのだと思う。私はこういうタイプの子が好きなんだろうねw・・・切ないけど、美緒はかわいいなって思いました。
 
瑛太は柏尾川高校に転校して来てから再会した美緒がまだ陽斗への想いを引きずっていることにすぐに気付き、そんな美緒を前に進めようとする。しかし、瑛太自身も美緒への想いを抱き続けていた為に、心から美緒と陽斗がうまくいくことを望んではいなかったのだろう。もうただただ切なく地味なシナリオを鴨志田氏は序盤から丁寧に表現していたと思う。
二人とも想う相手の気持ちを考えて行動するが、結局それは自分のためになっていない・・・ただの『いい人』になっているところを、本作では『不器用』と表現しているのでしょう。
 
陽斗と葉月の関係ももどかしいものになったが、陽斗は想いを告げて葉月の答えを待つことになる。葉月は恋愛経験も無く、しっかりとした地味で真面目な女の子だったことがJBを綺麗に輝かせた一因でもある。葉月は陽斗の気持ちをしっかりと受け止め、考える時間をとって答えを出すわけだが、その答えも、堅実で真面目な彼女らしい内容で良かったと思う。高校卒業間近のしっかりした女の子らしい答えで終始葉月のままで物語が終わったことも評価できる。変わらなきゃいけないということも自覚し努力していた所も可愛かった。(明確な陽斗への返事は10話)
 
葉月は陽斗の告白を断った後に美緒に相談を持ちかける場面があったが、そこはとても大切な場面でした。美緒は、真剣に陽斗の気持ちを受け止め考えている葉月と話をして、女性として自分よりも葉月の方が上だと感じ、『自分の想いは叶わない』と感じたのではないかと思う。だからこそ、陽斗の告白を断ったにもかかわらず、真剣にもう一度考えようとしている葉月の気持ちを受け止め、アドバイスができたのであろう。自分(美緒)はこんなことはできないと痛切に感じながら・・・。葉月が陽斗のことを話している時に葉月をチラリと見る美緒の目が全てを物語っていた。美緒の気持ちを考えるとほんと切ないシーンでした。
 
自分の好きな陽斗が告白した相手から相談を受けるなんて、ちょっと冷静になれないと思うが、美緒は真剣にその相談を受けとめ、精一杯の助言をする。女子高生の切ないながらも、そのホスピタリティには感動せざる得ない。美緒の魅力の一端を垣間見た気持ちになりました。いい場面でした。
 
初詣の時に、陽斗に対する気持ちを引きずり続けて苦しんでいる美緒に対し、瑛太は強く咎めるような口調で美緒に現状の可否を問う。しかし、これは瑛太にとっても当てはまることで、彼自身も傷ついたであろう。核心をつかれた美緒は逆切れするわけだが、瑛太の指摘を痛感したに違いない。そして、瑛太じゃなかったら言えないことだったことも美緒は自覚したのではなかろうか・・・。後日瑛太に謝罪に行く場面があったが、美緒にとって、厳しくも温かい指摘であることに彼女自身が気付き理解したからだろう。美緒は素直で賢いいい子なんだな・・・って強く印象づけられた。
 
瑛太の美緒に対しての想いは、陽斗への劣等感に苛まれていたように思う。陽斗は親友であったが、中学の野球部では常に陽斗の方が檜舞台にあがる人気者で、瑛太は逆だったのだろう。瑛太が美緒への気持ちをハッキリさせるためには、陽斗との勝負に勝たなければならないという自分なりのプライドと意地があったように思う。野球の一打席勝負に込めた強い想いが瑛太から滲み出ていたところ(6話)も彼のこだわりが感じ取れて切なかった。瑛太と陽斗は中学の時の親友だったから、野球勝負以外では男同士の友情が描かれていて見てて気持ち良かった。男の友情と恋は全くの別物として描かれていたところも好きでした。
 
6話くらいまで、瑛太には陽斗、美緒には葉月という高いハードルがあり、飛び越えることができなかった瑛太と美緒の心情はただただ切なかった。瑛太は密かに美緒と同じ大学を受験することを志したわけだが、自分の気持ちを受験にぶつけ合格をして告白をしようと考えていたのでしょう。それはそれで彼らしい自分だけの美緒への愛情表現だったのかもしれません。高校在学中に美緒に告白しても陽斗のハードルを越えられないと思っていたのでしょう。後半はもう両想い状態だったので、見ている方も胸が苦しかったです。

もう一人重要な人物は後輩の小宮恵那ですね、彼女のファンは多いのではないかと思う。自分の気持ちを率直に表現できる恵那は依子(葉月の親友)の言うように男子から人気があったでしょうね。美緒を「会長」と言って慕い、コンテスト用の写真の件で瑛太と親しくなり、瑛太が美緒に気があることも察知すると、最初は応援する気持ちでいたが、美緒に対して一途で不器用な瑛太を気になりだし、彼の不器用な中にある優しさや思いやりに惹かれていく。彼女の天真爛漫さは地味な本作の清涼剤のようでした。小宮や依子の存在はJBの潤滑油になっていて、楽しく見ることができた理由でもあります。ペットのプータはなかなか主思いの粋な奴でした(8話)^^
 
6話は瑛太、美緒、陽斗、葉月の心が揺れ動いた大切な話でした。瑛太と陽斗はそれぞれの想いを懸けて校庭で一打席勝負をする。陽斗が勝ったら葉月のLINEに躊躇していた返事をする、瑛太が勝ったら(美緒への)気持ちをハッキリさせるという勝負だった。この勝負を美緒と葉月も遠くから見ていた。小宮もカメラを構えながら見ていた。瑛太は1球目に陽斗めがけて悪球を投じる。それは美緒の想いにひとつも気付かない陽斗に対しての怒りの投球のように私には思えた。2球目はスローボールを投じた。どんなことをしても陽斗に勝って、美緒への想いをハッキリさせたい(告白するということだと思うけど・・・)と思う瑛太の気持ちが伝わってくるようだった。そして、3球目からは全力の直球勝負で陽斗から三振を奪いにいく。

自分の気持ちを美緒に伝えるには陽斗に勝つことが瑛太にとって最重要なことだったからだろう。美緒は全力で投げる瑛太を見て、葉月は、懸命に打とうとする陽斗を見て、心を動かされるのである。延々とファールで粘る陽斗を見ていた葉月は突然吹奏楽部の部室へ走り出す。陽斗が好きだったトランペットを吹く姿を捨ててしまってはいけないと感じたのだろう。陽斗の気持ちに対して如何に真剣に向き合おうとしているかが分かる葉月の所作でとても感動した。恵那はファインダー越しに陽斗に負けた瑛太の姿に、何か違う想いを感じ取ったのだろう。「なんだろう・・・この感じ・・・。」と呟いた恵那の一言が、瑛太の負けたこと以上に、色々な感情がこもった悔しさを表現していたように思う。

一方美緒は、瑛太からの想いの欠片(初詣の時に気付いていれば・・・)を持っている状況で、陽斗に懸命に勝とうとする瑛太を見て中途半端な自分の気持ちに踏ん切りをつける決心をする。中学の時に陽斗にもらった消しゴムを返す時に、陽斗と一緒にいた瑛太は美緒が陽斗に告白をするのかと勘違いして先に帰ろうとしたが、その刹那に美緒から「ダメ、すぐ終わるから居て。」と言われる。そして消しゴムを返した後、最後に瑛太に視線を向ける(ここは見逃してはならない!)。ここの解釈が難しいが、瑛太に『ハッキリさせたからね!』という物言わぬ視線のように私は捉えた。
しかし、たまたま通りかかった葉月はその場面を見て美緒が陽斗を好きなのではないかと思ってしまう。ただ物語に大きな影響を与えたわけではなく、葉月は、あくまでも自分の気持ちと真摯に向き合った方に重点が置かれていた。(そこもとても良かった所です。)

美緒のアドバイスを受けていた葉月は、野球勝負の後、陽斗へもう一度考えてから答えを出すと告げる。葉月の真面目で真剣な姿勢はとても好き。ラストは瑛太が小宮に抱きつかれている所をたまたま目撃した美緒が動揺するところでED曲へ・・・。6話はそれぞれの想いが交錯した内容の濃い回で唸ってしまいました。
 
7話は恵那にとっての写真部存続の重要性を瑛太は知り、瑛太がコンテストへ写真を出すことを承諾するところから始まる。男心をくすぐるような普段とは違う恵那の真剣な言動が瑛太の承諾を引き出した。恵那は瑛太が真剣な自分の気持ちを理解してくれたことで、『人として好き』から『瑛太が好き』に気持ちが変化し、ここから瑛太を恋愛の対象として強く意識していくことになる。ただ、律義なのは、会長(美緒)とのことを応援すると言った約束は決して忘れてなくて、その後も会長との仲を恵那なりに気にかけるが、そんなことが上手くいくわけがなかった。恵那の心の移り変わりや応援から自分の気持ちを優先する過程の表し方がとてもリアルで、10話のラストで恵那が告白するというアニオリ引きで終わる。小説を読んだ人ですら、ひょっとしたら恵那エンドもあるのか・・・?と思わせる本当にうまい演出でした。

センター試験当日(7話)は雪で交通網が麻痺し、美緒は会場に行く手段を失くし路頭に迷う。瑛太はその状況を察知し駅まで全力で走る。半ば受験をあきらめかけていた美緒を見つけ、瑛太なりの激励と応援をしてセンター会場まで美緒を送る。ここまでやったら、「好きだ!」って言ってるのと同じようなもんだと思うけど、中学時代から困った時に助けてくれた瑛太のことを美緒はまだこの時点では恋愛感情としてみることができていなかったのかもしれないし、センター試験が優先でそこまで考えられなかったのかもしれません。

でも「聞きたいことあるかも」「ある!」と言ってた所から察するに、瑛太に対して今までとは違う感情が生じたということは十分理解できた。帰りの電車の中で、瑛太との中学時代のエピソードを回想する場面で、困ったときにいつも自分を助けてくれたのは瑛太だったことを美緒は振り返り、瑛太が大切な存在だったことの記憶と共に、気持ちは恋へと傾きかけていく。
引きの作画は残念だったけど、ラストの小宮に語りかけながら階段を降りる美緒の横顔の描写は気持ちのモヤモヤが吹っ切れたようなとても綺麗な表情と演技(CV)でした。一連のBGMも抒情的で良かったです。
 
そして誰もが唸ったであろう名場面7話最後の『・・・・・・ダメ』は衝撃的過ぎるラストでした。まだこの時点では瑛太のことを恋愛の対象として意識していなかったはずなのに、反射的にイヤだと思った美緒の素直な感情表現でほんとに胸に響きました。「・・・ダメ」と明確に意思表示させたラストは本当に素晴らしかった。シナリオのセンスはこの場面だけじゃなく、全体的に本当に秀逸でした。この7話のラストで感動できなかったら、もう見る必要はないんじゃないかな。「・・・ダメ」までに至った経緯とその重みすら分からないのではJBを楽しむことは無理だと思う。
 
もう一つ、センター試験の帰りの電車の中で、美緒が回想し終えた後に「損な性格はどっちよ・・・肝心なことは何も言わないんだから・・・」と呟くシーンがあった。
肝心なこととは・・・『告白してくれてれば・・・』ということなのかちょっと分からなかったが、陽斗への想いに区切りをつけた今だからこそ言える美緒の素直な気持ちなのだろうと解釈した。
 
8話の美緒の行動はとても重要。6~7話では小宮の言動に揺り動かされ、小宮とのデートに向かう瑛太に偶然会った美緒は、予備校へ行くと言いながら、わざわざ遠回りとなるモノレールまで瑛太について行く。この行動が意味するものは、美緒の瑛太に対する気持ちが恋へと発展したことを表現している。ただ、美緒は、その気持ちを完全に自覚できず、瑛太に対して冷たく接してしまう。そして自己嫌悪する。小説にはこのシーンで本気モードで瑛太のことを想う自分を嬉しく思った・・・と表現してあったが(アニメでは10話)、8話では嬉しい様子まで表現されてなかったですね。美緒の予備校までの遠回りは、瑛太のことが好きな自分の気持ちをかなり自覚できた行動だったわけです。

もう一つ、小宮に会う前に美緒に会った瑛太は、小宮に抱きつかれた場面に遭遇したことを美緒から遠まわしに告げられるが、彼は言い訳も否定もいっさい言わなかった。美緒もそれ以上の理由を聞かなかった。センターの時に聞きたかったことの一つだったはずなのに聞かなかった。この場面は二人が似た者同士で不器用であることを表現していたように思った。お互いに好きだと言ったわけでも言われたわけでもない。中学時代の友人同士という状況で、言い訳したり、問い詰めることは自分が『好き』であると告げることになると思ったからだろう。そして、そうすることで関係が疎遠になることを恐れていたのでしょう。なんか面倒くさいなぁ・・・と思う人がいるかもしれないが、『なんとなく』続いているいい関係を保つため、二人とも好きな人に好きと言えず数年間心の中で想い続けたわけだから、これくらいのことで自分の気持ちをあからさまに表現するようなことはしないだろう。地味だがよく考えれば二人の不器用さをよく表したシーンだった。こういうところに不合理な点が無い所も、細部までよく練られてあるなぁ~と感心しました。
 
「ダメ。」と言ったにもかかわらずデートに誘った恵那に対する美緒の視線はちょっと怖かったですが、美緒に許可を取りに行った恵那は、行った理由を「なんとなく」とあっけらかんと答えた。(美緒は怒るわな・・・)
美緒は恵那のような天真爛漫さを持ち合わせていないので、自由に感情表現をする恵那を羨ましく思っていたに違いない。これはパーソナリティの違いとはいえ、この時期の女の子にとっては、かなり辛いことだったのではないかと思う。

陽斗の時には葉月が越えられないハードルになったように、今度は恵那がそうならないか心配で・・・且つ、なんで自分は素直になれないのか・・・という自己嫌悪の渦に美緒は巻き込まれてる感じが可哀想でした。恋するって苦しい時もあるけど、美緒はずっとその状況ばかりで、報われて欲しいと思わずにいられなくなりました。

瑛太は恵那と一緒にいる時には素の自分を出すことができていた。それは、美緒に対する気持ちを恵那が知っていて、応援すると言われていたからだろう。瑛太も美緒への想いを隠し続けていることに辛さを感じていたことの証しで、後輩である恵那には利害関係は無いと思い気を許していたのだろう。親友である陽斗は、瑛太が中学時代から美緒のことを好きだったということを知っており、且つ、美緒の意中の人だったわけだから、親友とはいえ自分の気持ちを吐露できなかったのであろう。
しかし、8話後半でコンクールで賞を取ったら告白すると恵那に言われて驚く。そもそも瑛太は恵那に対して恋愛感情は無かったと思うので驚いたのでしょう。(照れてちょっと頬を染めてましたが・・・)美緒だけでなく、瑛太の鈍さも天下一品なので、美緒の気持ちにいつ気が付くのかヤキモキしました。
ラストの葉月の変身登場で終わる演出も絶妙でセンスの良さを感じました(笑)。ただ変身前の方が、私は好きでしたけど・・・w 葉月はどっちでも普通にモテますよ。女子力は本作中1番だし、文句なしの素敵な子です!!

10話はほとんどアニオリで、しかも恵那、美緒、葉月それぞれのシナリオにそれぞれの固まった気持ちが表現されていて、文句無しの出来栄えでした。美緒が瑛太のスマホの壁紙(待ち受け変えとけよ!!)となっていた小宮の画像を見て走り去るときの切なさ・・・せっかく思い切って自分の想いのまま頑張って行動したのにVデーのチョコも渡せず、涙を見られたくなくて走り去るシーンは胸が痛かった。でもここで、美緒は瑛太への想いをしっかりと確信できた自分が嬉しくて、泣きながら笑うシーンでしたが、抜群の改編でした。相当考えたね、この大切なシーンの入れどころを・・・。

その場面をこっそり見ていた恵那は瑛太のスマホ画面を直しただけで、手作りチョコを渡せず走り去る。も~モヤモヤがいっぱいでしたが、写真部の男の子二人が面白くて悲壮感を和らげてくれましたね。(この鉄マニの二人はいつも笑わせてくれました♪)
葉月と陽斗の話もほぼアニオリで演出も綺麗で良かった。堅実で真面目で思慮深い葉月の返答も表情も完璧でした。
恵那のお守り集めも最後の告白もアニオリで、ラストシーンの作り方は本当にうまかったです。

他にも作中で、相手の真剣な告白に対して難聴になったり、はぐらかしたりしなかったこともJBの優れている所です。
4話で陽斗の告白に『ごめん。付き合えない。』とはっきり答えた葉月や、7話ラストの美緒の『・・・ダメ。』とか10話の葉月の返事や恵那の告白も、すべていい加減にはぐらかさなかった。こういう作品を作りたかったのだという意識が多分に感じられたし、とても良かった。 
 
美緒のお姉さんは美緒にとって、とても大切な存在であることも見ていて感じました。お姉さんは美緒と違ってさばさばとした素敵な人物で瑛太と美緒が中学時代からいい関係であったことも知っていたのでしょう。(11話)女友達との間でも自分の気持ちを隠し続けた美緒が素を出せる存在が瑛太であったことは、潜在的な『好き』が美緒の心の中に宿っていたことも表している。美緒が陽斗から瑛太に心変わりすることの整合性も充分でした。

美緒は葉月に瑛太が好きであることも告げている。美緒にとって葉月は心底信頼できる素敵な女性としての位置づけであることも11話で描かれていた。何から何までしっかりと作られている。感服です。
受験の前日の夜に、美緒と瑛太はベランダに出てお互いの家の方を眺める。二人の『受験に込めた万感の想い』が伝わってくる静かないい場面でした。(11話)
 
JBのラストを私はどう捉えたかというと、二人とも想っていても決して言えなかった『好きだ!』という言葉を、ようやく言える自分になった・・・つまり成長し大人になったということと、本当に人を好きになるということは喜びであるということ。最後は美緒と瑛太が笑顔でお互いの距離を詰めて終了とは美しいエンドだと思いましたよ。物足りないと思う方もいるでしょうが、あそこで涙流して抱き合ったんじゃ、リアルを追求してきた鴨志田氏のシナリオに泥を塗ることになりますからね。

もし、転校先で突然美緒と恵那が目の前に出てきたら、恵那を選ぶ人の方が多いかもしれません。それくらい恵那はいい子でしたよね。だけど瑛太は恵那を選ばなかった。それは美緒と過ごした中学時代の数々のエピソードと不動の恋心があったからです。恵那の告白に微塵も美緒への恋心を揺さぶられることはなかった瑛太の強い想いは分かる人にしか分からないかもしれないですね。美緒の気持ちは卒業式の答辞が全てでしょう。なんか凄く懐かしい光景を見せられているようで私は感動しました。リアリズムってのはこうでなくちゃいけないんです。最後まで徹底した小林監督と鴨志田氏の姿勢がこの作品の品性をとても高めていました。『君じゃなきゃダメなんだ!!』っていう気持ちをここまで地味に熱く表現されると感服の域に達しますね。{/netabare}

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葉月には親友の依子がいて、美緒には大好きな姉や友人たちがいて、陽斗には猿渡や陸生、そして瑛太がいて、瑛太には陽斗や恵那がいて、恵那には清水や山口(写真部の二人)そして瑛太がいて、周りを取り巻く友人たちにも案外重要な役割があって、作品の質をあげてくれました。アニメ版の素敵な学園ドラマを見せてもらいました。人間が演じるよりも、もっと人間らしい感覚を得られたのは、それぞれの演技(キャラクターや声優)・演出・構成が素晴らしかったからでしょう。こういう作品は年に1回は見たいですね!!

陽斗と葉月、瑛太と美緒の恋の分岐点となった5話と、神回だと思った10話はプラメモの林直孝氏が演出を担当したようで、彼の演出はここでも冴えていました。この系統の作品なら彼は間違いなく素晴らしい演出家だと私は思っています。特に10話はとても良かったです。7話もやって欲しかったなぁ~。
 
原作・シリーズ構成・脚本の鴨志田氏はアニメありきで小説を書きおろしたことは間違いないでしょう。小説は美緒と瑛太の視点のみのストーリーで、アニメでは読みとりにくい二人の心情をしっかりと書いてあります。

アニメの肉付けに不合理な点や不可思議な点が一切なく、むしろ小説以上の出来栄えである構成と脚本になっていたと思うので、鴨志田氏はアニメの方に力を入れていたのだろうと思われます。そのあたりも大いに評価できる。美緒と瑛太以外のキャラクターが活き活きと描かれていたことからも、そもそもアニメで全てを語ろうという意図があったのでしょう。

気持ちのすれ違いの多い地味で味わい深い人間関係を、まとまりのあるシナリオにできていたことも、小説執筆以前にアニメ視点でこの作品の構成を考えていたからだと思う。美緒と瑛太に関してはアニメでは描ききれないから、小説で読んで下さいと言われているように感じました。読む価値は十分にありましたよ!
 
私が見た今年のアニメの中では一番内容の詰まっている美しい作品です。こういう地味な傑作にはなかなかお目にかかれないだろうなぁ・・・って思います。人を選ぶ作品だと思うので誰にでもお薦めできる作品ではありませんが、私にはどっぷりと嵌れる作品でした。円盤は作画が良くなってることを期待して絶対に買います♪
プラメモ以来、久々に円盤買うぞ!!と思った作品でした♪
 
卒業間近の17~18歳(高3)の若者たちの数カ月のドラマをリアルにアニメで再現したようなシナリオは、そこいらの実写学園もの映画とは比較の対象にならないほど完成度が高く、アニメだからこそのリアルさ、面白さがありました。鴨志田氏が描きたかった美緒と瑛太のリアルな物語に膨大な味付けと、きめ細かいキャラ設定を施し、全話が連鎖している構成・脚本の完成度の高さは、もはや圧巻としか言いようがないです。微細な感情の変化をこれだけ綺麗にまとめあげた優秀なスタッフの皆様にも拍手と感謝です。本当にありがとうございました。私の3作品目の5.0作品となりました♪

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評価は5.0なので、全て5.0評価にしていますが、作画は4.0程度の評価が妥当だと思います。しかし構成・脚本が秀逸な作品で総合評価が5.0相当なので、5項目を5・0評価にしてあります。
 
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各話のエピソード♪ 

12話{netabare}
最後まですれ違う二人。それでも二人の気持ちは赤い糸で結ばれていた。
美緒は本当の恋を知り、瑛太は好きな人に告白する強い気持ちをもてた。それは、友人たちの力でもあり、人が生きて成長していく上で大切なものは何か?・・・というこの作品のメッセージでもあったと思う。
好きな人と気持ちを分かち合うまでの過程を、微細に美麗に描いた素敵な作品でした。最後の二人の笑顔が二人の始まりなのです。感動しました。続きがあったら是非見たいものです。{/netabare}
 
11話{netabare}
私の中で絶対に必要なシーンがもう一つあったのだが、それがしっ
かり入っていました。それは、美緒のお姉さんと瑛太による車内で
の会話です。
ここで美緒の姉は、美緒は瑛太の前ではかなり素を出すということ
を話している。瑛太はそれをネガティヴに受け止めていたが・・・。
この部分も瑛太と美緒の関係がとてもフランクであったことを表す
大事なシーンでした。そして、美緒のお姉さんは二人の関係がいい
ことをかなり以前から感じ取っていたことも分かった。
美緒の姉は、とってもいい人だなってしみじみ感じる場面でした。
 
グループラインでの友達の応援シーンも心温まるシーンでした。
 
試験問題を解いている時に今までの二人の気持ちを表す各話の印象
深い会話が流れた。
この二人がどんな気持ちで試験を受けているのかを伝えるための
いい演出でした。
原作のいい所はしっかり入れてあり、改編も文句なし。ここまで
完璧に作られてるシナリオは本当に感動的です。約70%くらいは
改編で構成も変えているのに、原作の遥か上をいくアニメ作品なん
てなかなかお目にかかれないです。早いうちから傑作だと言いまし
たが、間違いなく傑作です。最後はどういうシナリオと構成で魅せ
てくれるか楽しみにしたいと思います。
美緒、合格おめでとう!!{/netabare}

10話
これは神回だな。
ほとんどアニオリで、素敵なシナリオです。これ以上の形容はない。
絵コンテと演出にプラメモの林直孝氏の名前がありましたね。
10話の演出の妙に納得しましたね♪彼が絡んできたことはとても
光栄で嬉しいことです♪
しかし、ほぼアニオリなのでラストはどうなるか分かりませんね。
アニメオリジナルなラストも十分あり得る展開だし、どうなるか
最後の2話は必見です!!
{netabare}終わり方がさ・・・ほんと心憎い。 
瑛太、美緒だぞ!美緒じゃなきゃいかんぞ!!
「がんばれ!!美緒!!」・・・と言いたくなる話でした。

葉月と陽斗のシーンも良かったよ。葉月らしい陽斗への返事で、
この二人は、きっとうまくいくんじゃないかな・・・。

美緒が自分の本気に気付いて笑顔で涙するシーンがしっかりあった
ので感動しました。この場面は絶対に必要だと思っていたので、ここ
できたか~って感じです。

小宮さんも、本当にいい子なんだよね・・・。瑛太にチロルチョコを
渡す時の心境を思うと胸が締めつけられます。
シナリオも構成も一級品です。JBを見て本当に良かったよ。
来週も楽しみです♪ {/netabare}

9話{netabare}
美緒が自販機でコーヒーを買った。森川が髪形を変えたように、
美緒も飲み物を『なんとなく』変えてみたのだろう。誰にでも
経験のあることではないだろうか・・・?鴨志田氏の構成・脚本
は、本当に素晴らしい。小説はアニメの為に書いたものだろう。
これだけ肉付けが完璧な作品は賞賛しかないよ。紛いなき傑作を
私は見ていると感じています。
美緒と葉月の陽斗に関する会話は、美緒が葉月に陽斗に対する好
意があったことをしっかりと話した。
美緒は一歩でも前進しようと葉月に話したのだろう。そして本当
に好きな人がいることも葉月に告げた。大学も自分の気持ちを率
直に汲んで瑛太が推薦で合格している大学を受験しようと決めた。
瑛太と美緒はやっぱり、好きな人に対しての姿勢が似ているよう
です。二人とも合格したら、一体どうするんだろうね・・・。
 
JB待ちの木曜日の夜中はとても楽しみですが、あっという間に
終わってしまって、はやく次が見たいです。シナリオは完璧に鴨
志田氏の思った通りに仕上がっているのでしょうね。鴨志田氏の
アニメ用のシナリオとストーリー構成は練りに練られてあること
が小説を読むと分かります。安心して残りのシナリオを堪能して、
監督はじめ、他の優秀なスタッフを称えたいと思います。
 
皆さんは、小宮派でしょうか?美緒派でしょうか?葉月派でしょ
うか?私は美緒派になりました。最後に幸せな美緒を見て終われ
ればいいのですが・・・。{/netabare}

8話{netabare}
絵コンテや原画の人数を増やしたようですね。かなり画がまとま
って全体的に綺麗でした。8話を見て確信しました。この作品は
素敵な作品に仕上がると思います。やはり、アニメの脚本は原作
にほどよい脚色を加えてより良い作品になっています。
今回は小宮と夏目の気持ちと森川の気持ちをほどよく表していま
した。JBは人物のアップ画はとても繊細で心情を表している場
合が多く、各話の随所で目を中心とした表情の構築に気を配って
いると思います。小宮は気持ちをストレートに表す子なので分か
り易いですが、夏目は胸の内に秘めた感情を表に出さないので、
その表情がとても大切な言葉になっています。全話見たら、その
あたりも含めてレビューを書きたいと思います。
夏目は、泉に対する自分の気持ちを自分の行動で再認識して、う
まく気持ちを表現できない自分に葛藤しつつ受験勉強に取り組む
という苦しい状況なんだと思う。そのあたりも上手く表現できて
いました。やっぱり小説はそのあたりの夏目の気持ちを理解する
為の補完本となりますね。
全体的に原作のいい所を残し、邪魔をしないような脚色を加え、
見応えのあるシナリオになっています。8話も良かったです。
後半に向けて作画も安定しそうですし、次週以降も期待できる
と思います。ほんと楽しみです。JBは円盤買おうと思います。
こういう作品はまたしばらくお目にかかれなそうだし・・・。
小宮のペットのプータはいい味出してましたね♪{/netabare}
 
7話{netabare}
最後の『ダメ・・・』の一言に至るまでの過程がとても綺麗でし
た。この一言に集約されている想いや記憶、そして夏目が泉に対
して抱いていた中学時代からの感情が全て込められた一言。この
二人の気持ちが徐々に近づきつつある今、中学時代に遡った場面
を挿入し、今思えば・・・と思える数々のエピソードが二人には
もっとあるのだろうと推察できるストーリー構成で大いに意味が
あり、刹那的な感情ではないことを印象付ける丁寧なシナリオで
した。
6話まではため息の多いジリジリとした内容でしたが、後半は
微妙にズレていた夏目の想いや気持ち、森川の想いや気持ちが微
妙に変化していく過程を、どのように見せてくれるのか楽しみで
す。夏目は泉の想いに気付いていたんだろうね。そして今回、そ
れが確信に変わって、小宮のデートの申し出を拒絶したのだろう。
夏目も泉のことを大切な存在として認めた『ダメ』の一言で終わ
るところが心憎い演出です。いい作りをしています。
半信半疑で見始めた作品でしたが、こんなに次回が待ち遠しく思
えるなんて、嬉しい誤算でした。小宮と待ち合わせた駅での夏目
の作画がちょっと荒かったのは残念でした。{/netabare}
 
6話{netabare}
個人的に感慨深い場面がありました。森川の演奏を相馬が聴いて
いる場面。好きな人が自分だけの為に演奏してくれるって凄く感
動するんだよね。だから相馬が「やっぱり好きだわ・・・」って
森川に言う場面が心の底から共感できました。
なんか自分のとても大切な想い出のシーンと重なってしまい、こ
の二人を応援したくなっちゃったなぁ・・・。この場面は相馬君
の心の中に一生美しく残る、そんな素敵な一幕です。
受験が終わったら夏目はどうなるんだろう・・・。なんか切ない
気持ちに覆われそうですね。胸が痛くなるシーンもあったり、
素敵なシーンもあったり、とっても構成がいいです。もう早く次が
見たいです。森川の性格を考えると、夏目の気持ちに気をつかって
またジリジリ展開になりそうな気もするけど、要はそれをどう見せ
るかが大切。でもこのシナリオを作っている方のセンスは何気なさ
を上手に表現されているので期待できそうです。ここまでは、とっ
てもいい作品ですね!!{/netabare}

5話{netabare}
森川と夏目の心の動きをゆっくりと進めていて気持ちの交錯部分を
丁寧に表現しているように感じます。こういうシーンはきっと何か
につながる大切なシーンなのではないかと思います。夏目の友人3
人(佐藤・鈴木・高橋)は相馬と夏目を応援しているが、その気持ち
に素直に喜べない夏目の気持ちの揺らぎを感じるところまでストーリー
にハマっちゃいました。森川の相馬に対する気持ちもまだ明確では
なく、自分の本当の気持ちに鍵をかけたまま泉と接している夏目と
相馬が障壁となって夏目にあと一歩踏み込めない泉の微妙な気持ち、
どれも繊細で微妙な思春期の一幕で、どう展開していくのかとても
楽しみです。不思議なことに、この作品にはご贔屓キャラがいない
のです。でもそれがこのストーリーに没頭できる一因になってる気が
します。どう終われば納得がいくのか、自分でも分からない状況な
ので、中盤の核になる事象を見逃さずに堪能していきたいです。{/netabare}

4話{netabare}
夏目と泉、森川と相馬、夏目と相馬、どの組み合わせも成就しない
恋愛感情が交錯しててなかなか良い。これをどうまとめていくのか
とても興味深いです。森川が誰を好きなのか??・・・・もともと
恋愛気質って感じじゃないキャラに仕立ててあるものの、なかなか
な思わせぶりを発揮し、あっさり相馬の告白を賺すあたりは森川
の気持ちの中により強い何かがあるのだろう。それが何か気になる。
恋愛が成就しない話はよくあるが、リアルにありそうな状況でなん
か見てるこっちの気持ちも切なくなる。ここまでは妙な暗さで話が
澱んでいて、個人的に感情移入もできている。今後の展開がとても
楽しみです。今の所、今期で一番興味深い作品になっています。 {/netabare}

3話{netabare}
ストーリーとキャラクターに派手さがないおかげで独特の雰囲気と
世界観が伝わってきて心地いいです。夏目さんと森川さんの女心を
どう描くのか・・・そこはとっても重要な気がします。
この二人に共通する所は、前向きなように見えてネガティヴさが
根本にあるので、それが今後どのように変わっていくのかも見どころ。
また、物事に冷めた感じがある泉がどのように変わるのかも見どころ。
いい作品に化ける要素は十分にある作品だと個人的に思っています。
CGと作画のバランスは微妙なところもありますが、ストーリーで
魅せてもらいたいです。まだそれぞれの環境の中での個人的な感情
にしかタッチしていない段階なので、今後のメインキャラ達の心模様
をどう表現していくのか、期待したいと思います。
雰囲気や色合いはとっても好みなので感動して泣きたいなぁ~  {/netabare}  

1~2話{netabare}
入口は平凡な学園青春ラブストーリーっぽい感じでした。
画は若干雑かなぁ・・・って思うけど、夏目と泉のフワフワ
した関係をどう深めていくのかがこの作品の肝だろうね。
制作者のセンスに共鳴できるかどうかが、視聴者の賛否に反映
しそうだから、意見が分かれそうな作品です。
夏目も泉も真面目な賢い子って感じなので、イライラ系の
話になりそうだけど、感慨深い作品になるといいな・・・と
期待しつつ継続視聴したいと思います。{/netabare}

==================================
追記
Blue-R 1枚目は特典もあり良かったです♪

そうそう・・・美緒の口癖のような、「ほんとにほんと」には肯定文と疑問文があるんですよね!そこが可愛いです。
それに育ちのよい女の子って感じで、ちょっとしたことでも「ありがとう!」って言える子でしたね。そういうとこも美緒のいい所でした!!

投稿 : 2020/04/04
♥ : 53
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

高校生活の終わりに始まるストーリー…スタンダードな青春恋愛物語が心地良い作品

恋愛の名作(になったと思う)「月がきれい」の放映中に情報が流れたこの作品。キャラデザインも設定も好みです。青春ものとして名作になる予感がします。が、ハードルを上げすぎるのも良くないです。じっくりと見てみたい作品です。

1話…高校3年冬の始まり、みんな微妙なのだ
{netabare}高校3年の終わりに転校してきた瑛太。そこは中学2年まで過ごした町そこで中学の同級生だった陽斗とばったり。何かが動き始める…という内容。

どこにでもあるような高校、どこにでもあるような3年生後半の一場面がとても新鮮に感じてしまいます。そういや、この時期は受験生もいれば、就職活動している生徒もいれば、もう先が決定している生徒もいたな…もううん10年前のことだけど、よく覚えています。それと、陽斗気持ちというか、なんかやり残しもあったような感覚ね。

期待感が高まる始まりだったように思います。メインの登場人物を少しずつ出し、その子達がどんな様子なのかを描いた感じです。瑛太と陽斗、美緒と葉月と恵那、この5人がどう絡んでいくんでしょうね。楽しみです。{/netabare}

2話…再会と思い
{netabare}陽斗が告白しに行ったのは葉月だったが、へたれやがった…。結局は瑛太と美緒も巻き込んだ日曜デートになる。
瑛太は中学の時の美緒を思い出す。美緒は陽斗が好きだったのだ。美緒はその事を隠した。瑛太だけが知っている話だった。
日曜、水族館には瑛太と陽斗、美緒と葉月、葉月の親友の依子、そしてなぜか葉月の弟たちが集まった。陽斗の思いとは裏腹に弟に好かれる陽斗。美緒はなんか複雑そう。そして葉月は陽斗の気持ちに気づいていない。
水族館を出るときにみんなでLINEの交換。高校生みたいだと葉月は言う。帰り道、瑛太は恵那につかまる。

まだまだ序盤でハッキリしないところがあるけど、思い交錯系の恋愛ものっぽいな。交錯系の恋愛ものって、落としどころ間違えると物語全部がガタガタになるので難しいんだよね。うまく繋いでいってほしいな…。
主人公の瑛太の気持ちがいまいち分からない。美緒も今はどう思っているのか分からない。葉月は苦労人ぽい鈍感系の娘(プラスして卑屈)だけど、こういう子がモテたりするんだよね、なぜか大人っぽく見えるし。陽斗は真っ直ぐだけどヘタレ系。たった3ヶ月の物語だけど、まだまだ先は長そう。{/netabare}

3話…すれ違い
{netabare}恵那から付きまとわれる瑛太。撮影した写真をコンクールに使いたいから許可がほしかったようだ。瑛太は当然のごとく断ったが、恵那の押しのつよさにLINEを交換した。
陽斗と葉月は進まない。陽斗の思いに気づかない葉月を依子が取り持ち、散歩に呼び出すが…犬の苦手な陽斗は顔面蒼白に。

恵那の、良く言えばフレンドリー、嫌な言葉だと「押しが強くてしつこい」は好き嫌い別れるかもしれない。ここから恵那と瑛太の物語も始まるんだろうな。瑛太の気持ちは美緒だし、どうなることやら…。
陽斗と葉月はちょっと厳しい感じ。あまりにも葉月が陽斗に感心無さすぎて…。{/netabare}

4話…勢い
{netabare}陽斗の犬嫌いを克服するためになぜか巻き込まれる瑛太と美緒と恵那。帰りに陽斗との会話で複雑な思いになる美緒…
初詣でとうとう陽斗の告白。が、爆死…。
美緒の心情年吐露に思わず告白しそうになる瑛太。

思いがあっち、こっちそれぞれ絡まりそうで絡まない。どう転ぶからないのがとても面白いけど、ちょっとイライラします。にしても陽斗の告白からの「お断りします」、けっこう早い回できたな。これで二人の話が終わるとは思えないがはたして。
思わず告白しそうになる瑛太だったけど、たぶん自分なら勢いで言ってしまうかもしれないな。だって、中学の時からの思い引きずって、会えることもないかもというところからまた出会って、しかも変わらないし、奇跡だと思っちゃうもん。{/netabare}

5話…交錯
{netabare}冬休み明け。一人で別教室に席を置く瑛太、告白断られ無理に普段を装う陽斗、気まずい雰囲気漂わせる葉月、瑛太に言い過ぎたことを悩む美緒、写真の許可がほしい恵那。
美緒は瑛太に謝りにいくも、恵那と仲良さそうにしているところを見ていらっする。告白が爆死だった陽斗。草野球で少しは前向きに。葉月は告白に戸惑い断ったが、陽斗のことをゆっくり考えたいという。美緒と瑛太がバス停でばったり。初詣の時のことを互いに話す。

初詣がひとつのヤマになっていたので後日譚という感じでした。
美緒は陽斗のことが好きだったのだろうけど、現時点では思いが別の方向に。瑛太と恵那を見ていらっとしたの見て、瑛太を考えているんだろうという感じがした。二人の微妙な距離感がたまらなく好き。{/netabare}

6話…前へ
{netabare}葉月のLINEを受けた陽斗は返事できずに瑛太に相談。ホームランを打ったら返事したら良いと勝負に誘う。真剣勝負の二人を見て動く美緒と葉月。恵那は心の微妙な変化を感じる。
美緒は消しゴムを返してスッキリさせ、葉月は陽斗に今の気持ちを伝える。
恵那が警察沙汰になっているところを瑛太が見つけて…。

依子のキューピット力が高すぎる。
葉月が陽斗に正直な気持ちを伝えていたけど、美緒のことが気になるんだろうな、美緒が陽斗を好きだということに感づいて。陽斗のニブチン力の高さよ…。
美緒の告白というか、思いを絶ちきる場面を瑛太に立ち会わせたのは瑛太に陽斗のことは終わったことなんだと伝える意味のあったのかもと邪推しました。{/netabare}

7話…確信
{netabare}恵那が撮影していて警察沙汰に。偶然通りかかった瑛太に救われ(たかどうかは分からない…)、なぜか八つ当たり。瑛太は恵那の真剣さを知り写真の許可を出す。嬉しさのあまり抱きつくところを美緒に見られた。
センター試験当日、センター試験名物(?)の雪による交通障害で試験会場に向かえない美緒の元に駆けつける瑛太。美緒を落ち着かせ、会場まで連れていく。安心した美緒は試験に望む。
モヤモヤする恵那は美緒を呼び出す。瑛太をデートに誘っていいか?と伝えた恵那に「…ダメ」と言う美緒だった。

おぉ、すごく動いた回だ。
瑛太マジイケメン。いつも一言足りない瑛太だけど、行動で示すんだよね。恵那も気持ちに気づいたし、美緒も思わず「ダメ」って言っちゃうし、もう3人の関係がどうなるのか分からない。恵那と瑛太の相性良さそうだし、恵那の真っ直ぐで、小悪魔的で、明るいところとか、普通にヒロイン像だよ。
でも、この物語の主人公とヒロインは瑛太と美緒なんだよね。どうしてもこの二人を中心に見ているので、何とかこの二人で決着してほしいと思う。
にしても、最後の「…ダメ」は破壊力抜群の演出だった。思わず壁叩き壊しそうになったではないか!{/netabare}

8話…思い
{netabare}葉月の家に瑛太、陽斗、美緒、依子が集まり美緒のセンター試験の慰労を兼ねた鍋パーティー。美緒の素顔を見て葉月と依子は親近感を覚える。
恵那が瑛太をデートに誘う。当日、瑛太は美緒と遭遇。恵那とデートと悟り、思わず付いていく美緒。恵那と対面して駅に降りる。
恵那の行動力に戸惑いながらも付き合う瑛太。気が気でない美緒だったが…。
瑛太の気持ちが美緒から揺るがないことを悟った恵那は「コンクールで賞を取ったら告白する」と事実上の告白。

恵那の揺れても真っ直ぐな感情がすごく良く伝わる回だった。この子が人気あるのはキャラデザインが可愛いのもあるけど、喜怒哀楽の表情がとても豊かな点ではないかと思います。他のキャラが表情をあまり変えないのとは対照的です。それと、ギャップ。ツンデレではなく、恋する乙女心に至った時の可愛さは特筆もの。それでも美緒に行ってほしいんだよね…。
それと最後の〆、本当にこの作品は上手です。次が気になる。葉月の髪切ったあとに瑛太と遭遇シーン、面白い。{/netabare}

9話…繋いで
{netabare}髪を切って綺麗な感じの葉月にざわつく教室。心ここに有らずな美緒。瑛太を変に意識してしまう恵那。
葉月と話す美緒。葉月は美緒に陽斗のことを聞く正直な感情を話す美緒。美緒は今は好きな人がいるという。恵那は瑛太に不器用ながらもまっすぐに向かう。
葉月は陽斗が声をかけてくれないのが寂しい。陽斗は髪を切った葉月をわいわい言うことにモヤモヤだった。気持ちを伝えた陽斗に葉月は嬉しそうだった。
美緒は進路を迷っていた。しかし、決断する。それは瑛太が推薦決めていた大学を受験することだった。

今回も引きが良い…。美緒の決断と対照的に美緒の大学を受験しようとする瑛太。なぜすれ違うんだ…もう互いに気持ちが交わっているのに…。気になるではないか‼
葉月がどんどん陽斗に向かっているのが伝わります。この二人の決着もすごく気になります。就職する陽斗と遠くへ行く葉月。どうなるんだろう…。{/netabare}

10話…涙の理由(わけ)
{netabare}美緒は瑛太が合格している大学をじゅけんすることに決めた。一方で瑛太は美緒が受けるといっていた大学を受験しようとしていた。
2月の登校日、その日はバレンタインデーで美緒も恵那も瑛太にチョコを渡そうと考えていた。美緒が先に瑛太に会ったが瑛太のスマホを見て愕然、その場を立ち去る。恵那はそのシーンを見ていて瑛太に謝るが…。美緒の気持ちは本気になっていた。
陽斗は葉月に誘われグラウンドに。そこで葉月から付き合えないと伝える。葉月は本気でこの先を考えてのことだったが、その先まで好きでいてくれたら付き合ってくださいと告白する。
恵那が瑛太を呼び出す。恵那は合格祈願のお守りを瑛太に渡そうとしていた。ぶっきらぼうな瑛太だったが、恵那の頑張りを認めて優しい言葉を掛けた。恵那はやっぱり瑛太が好きだと伝える。

青春してるなぁ…。とても良い感じで進んでいる。
葉月と陽斗の話はこれで決着かな。葉月はちゃんと陽斗のことを考えていたんだな。髪切ったあとの葉月の陽斗への表情や態度見ていたら、まんざらでも無さそうな感じはしていたけどね。現実的な回答も葉月らしくて良いかもしれない。
瑛太と美緒、互いに気持ちを伝えられるのか? 気持ち伝えても付き合うことにならない感じがするんだよね…この流れで行くと。こういう話って、大抵は切ない〆をしたがるものだし…。
恵那が健気すぎて瑛太は罪作りなのだが、凪あすの美海を思い出してしまう。恋して大人になるパターンで締めるのか…。
とにかくあと2話、どうまとめるのかです。まとめ方によっては最高の作品になるし、ドン引きにもなるし(個人的にだけど)。{/netabare}

11話…春の始まり
{netabare}受験が迫る。瑛太と美緒は互いの受験のことを知らなかった。瑛太と陽斗、美緒と葉月がそれぞれ心境を話し合う。
受験当日、瑛太と美緒はそれぞれの会場に向かう。学校でばったり出会う陽斗と葉月。そこで瑛太と美緒がすれ違いだったことを知る。
受験結果、恵那のコンクール結果の日になる。帰宅した美緒が封筒を開けると「合格」の文字。恵那はコンクール会場で写真を見て微笑む。瑛太は掲示板で口が緩む。

瑛太のニブチンめ!美緒をずっと見てたら気持ち気づくだろうに…いや、ずっと好きだったし、普段どおりだったら自分に気持ち来ているとは思えないかも知れないな。くそ、この構成にやられる。

ラスト、ハッキリと結果出したのは美緒だけなんだな。恵那、瑛太は笑っただけ。普通ならあの笑顔は良い結果だろうけど、持ち越すとは…くそ、やっぱりこの構成にやられる。

いよいよラスト。3人の結末が気になってしょうがない。OPの歌詞がかなり意味深。フルコーラスだともっと意味深なんだな。楽しみなような、寂しいような、ドキドキするような…{/netabare}

12話…卒業(たびだち)、そして…
{netabare}瑛太の受験、失敗だった…
卒業式、そこには卒業生代表で答辞を読み上げる美緒の姿があった。答辞の言葉が瑛太に響く。卒業式後の教室は別れを惜しむクラスメートで賑わう。
それぞれの別れ。そんな中、美緒は瑛太を探す。LINEを送るも瑛太からの返事はない。
瑛太は恵那を尋ねる。そこには写真コンクール金賞の盾が。しかし、それは恵那のものではなく、同じ部員のものだった。その写真は瑛太を撮影している恵那を写したもので、表情が素晴らしいとの評価だった。
瑛太が恵那に答えを出す。それは恵那にとってツラいものだった。
美緒は瑛太に会いたいことを伝えるが、瑛太は答えられないでいた。陽斗が瑛太をバッティング勝負に誘う。瑛太は打ち返す、あのときの陽斗のように。意を決して美緒のもとに走り出すが…
一ヶ月後。瑛太は推薦で合格していた大学に入学していた。しかし、どこか気持ちは晴れない。美緒にLINEを送る。すぐに返事が返ってきた。瑛太が後ろを振り向くとそこには少し髪が伸びた美緒が立っていた。瑛太は告白する、美緒が好きだと。美緒も答える、瑛太が好きだと。

収まるところに収まったという感じです。山場は恵那に答えを出すシーンだったかもしれません。切ないシーンだった…。恵那が良い娘だっただけになおさらね。
卒業式からクラスメートたちとの別れを惜しむところが良かったです。懐かしい雰囲気を存分に感じる、とても良い場面でした。
これで終わりなのか…4ヶ月の間の話だったけど、内容は2クールやっても申し分ないくらい濃かった気がします。{/netabare}

とてもスタンダードな青春恋愛ものでした。卒業間近の高校生たちの心の動きが分かりやすく、捻りはないけど、それがかえって物語を締めていて好感が持てました。
惜しむらくはそれぞれの気持ちの描写、特に主人公である瑛太とヒロインである美緒のそれぞれが互いに思っている心理や心の移り変わりとか薄い。恵那の気持ちは痛いほど伝わるのに、肝心の二人が繋がっていくところが伝わりにくい感じです。ここが残念ながら「月がきれい」には及ばないと思います。
主人公がぶれない、二人の間に割って入る女の子、気持ちは繋がっている、LINEが重要など、似ているところは多いです。でも、陽斗と葉月のことや、本編(二人の恋愛模様)に入る前段が無駄に長いなど、実にもったいない感じです。

それでも高校生の恋愛ものとしては十分に楽しめる作品だったと思います。特に7話のエピソードはキュンキュンします。最後の締め方は特筆です。それと、毎回の引き方、上手に思います。

高校生の恋愛模様。青春と恋愛、ともに楽しみたいというh方にお勧めできる良作です。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 52
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

タラレバばっかり言ってたら高校生活が終わってしまった

PINE JAM制作オリジナルアニメーション。
イマドキの高校生たちの姿を飾らずに描く青春ストーリー。
タイトル「Just Because」の意味は「ただ、なんとなく」。

【Just Becauseらしさ】
さて、本作でまず褒めるべきは雰囲気作りが非常に良くできている所だと思います。
おそらく写真を加工していると思いますが、
舞台となる鎌倉の深沢周辺の風景をふんだんに使った背景の上に、
歩く、走るといったキャラクターの日常芝居を丁寧に書き込むことで
空気感や生活感を出すことに成功しています。
劇伴も控えめで、冬の校舎の静かな雰囲気もうまく演出できていたと思います。

また演出も凝っています。
例えば第4話の初詣のシーンでは
画面に映される焚火で燻っている二人の恋心を表現したり、
第9話の冒頭、お気に入りのイチゴ牛乳ではなくコーヒーを選ぶところで
夏目の心境の変化を表現したり。
こういった細かな仕掛けを様々なシーンに忍ばせ、
少ない台詞でキャラクターの微妙な心情を引き出そうとしています。
モノローグを使わないのもこだわりなのでしょう。

キャラクターやストーリーに派手さはありませんが、
現実にいそうなキャラ、起こりそうな出来事で話を組み立てる。
いわゆる「生っぽさ」出すための気遣いが随所に感じられます。
Just Becauseらしさというものが、この作品にはありました。

僕がJust Becauseで一番感心したのが友達の描き方ですね。
野球部のバカ3人組、写真部の冴えない男2人、リア充感漂う美緒の友達、
それぞれが気の合う仲間でつるんでいるときの楽しさや居心地の良さを自然体でうまく出せている。
依子と葉月の気心の知れた関係、奥手な葉月をさり気無くフォローする感じも好印象でした。
物語上それほど大きな要素ではないのですが、文句なしに素晴らしかったと思います。
ぶっちゃけ恋愛よりも友情の方がうまく描けているような気がします。

【タラレバ高校生】
{netabare}
本作は恋愛物です。恋愛物で大切なのは雰囲気よりも登場人物への共感。
「ああ、その気持ち分かる」と思わせることが何よりも大事だと思います。
思いっきり個人の好みが出る要素ですが、ここが弱く感じました。

部活引退したら…
ホームランを打てたら…
消しゴムを返せば…
センター試験が終わったら…
コンクールで入賞したら…
お互いの新生活が落ち着けば…
志望校に合格したら…

このアニメの登場人物は誰もかれも思い切りが悪い。まるでタラレバ高校生です。
リアルといえばリアルなのかもしれないが、そこに対して作り手が無自覚なのはいただけない。
無自覚ゆえに、それぞれが自分自身の臆病さを克服するという成長感を感じられる場面を作れない。
また、せっかく高校3年生の最後の冬という舞台を用意し、
主人公に季節外れの転校生という興味を引く設定を与えたのに
「今やらなければもう時間はない」という切迫感や
「あの時ああしておけば良かった」という後悔が表現されていない。
結局最後もLINE頼み。既読がつかなければそこから行動に移せない。
類似点が指摘されるアニメ「月がきれい」の最終回で
主人公はLINEでヒロインと連絡を取ろうとして思い止まり走りだす場面がある。
対照的な主人公の行動、どちらが視聴者の共感を呼ぶかは言うまでもありません。

というか、この主人公が両ヒロインに好かれる理由がいまひとつ分からないのです。
意外と付き合いが良い所もあるけれど、基本的に不愛想で痛い所を突かれると不機嫌になる癖がある。
決して心象が良いキャラとは言えない。別に容姿が優れているわけでもない。
何か秀でているものがあるわけではなく、人を惹きつける要素は見当たらない。
意味なくモテる、まるでライトノベル主人公のようだ
…と思ったら原作者はライトノベル作家だった。
{/netabare}

【負けヒロイン】
{netabare}
登場人物たちの煮え切らない行動が目立つ中、自分の気持ちに一番素直なのが小宮なんですね。
「私もコンクールで賞取ったら先輩に告白する」という事実上の告白だったり
合格祈願のお守りを渡して自分は身を引こうとしたのに
「私…やっぱり瑛太先輩が好き」と言ったり。
彼女は、気持ちを邪魔する障害物があったとき、遠回りせず飛び越えられる
たった一人の人物です。
だからJust Because!のキャラで圧倒的一番人気なのでしょう。

しかし残念なのは小宮をただの負けヒロインにしてしまったことです。
せっかくの良いキャラクターをあまり物語の中で活かせていない。
彼女のひたむきさに心を動かされ、美緒や瑛太が積極的になる…という展開にもならない。
要するにこのアニメは群像劇の体をなしていないのです。

美緒に関しては、陽斗と葉月の現在進行形の恋を見て、
中学生の時から前に進めない自分の恋が馬鹿らしく思えてきて、
片想いを終わらせるという流れが一応あるのですが、
小宮については話のつながりがあまり感じられず、
もったいない使い方をしてしまったなぁという感想です。

「本作は型にはまった物語ではなく自然体の恋愛描写を志向している」という反論もあるかと思う。
それにしては推薦を蹴るとか最終話の1ケ月LINE放置とか不自然な話運びが目立ちました。

結局、受験勉強で主役の二人をあまり動かせず受け身な印象を拭えなかったように思います。
これを解決するには受験が終わってから卒業するまでの期間に
話の山場を持ってくるべきだったのではないでしょうか。
{/netabare}

【総評】
ライトノベルと少女漫画を足して4で割ったような薄味の内容。
演出は上々、作画もリソースが足りないなりに頑張ったとは思います。
でも繰り返しになりますが恋愛物で一番大切なのは雰囲気ではなく、共感できるかどうか。
私は脇役以外にあまり共感できるキャラがいなかったので評価が低くなります。
ストーリーも作り込みが足りないように感じました。
残りわずかの高校生活、季節外れの転校生という設定をもう少し活かして欲しかったです。
合格点(3.5以上)はギリギリつけられないかな…


【各話コメント】
毎週各話コメントをつけていましたが、
本文がそれなりの長さになったので大幅に削ってあります。
{netabare}
第1話「On your marks!」
恐ろしく地味な立ち上がり。
恋愛物の第1話で主人公とヒロインの顔合せすらないというのは前代未聞じゃないだろうかw

第2話「Question」
どうも相関図的には
瑛太(主人公) → 夏目(メインヒロイン) → 陽斗 → 葉月
という一方通行パターンのようですね。
OPアニメーションで駅のホームに登場人物が並ぶカットがあるのですが、
この時のキャラクターの目線に注目すると
小宮 → 瑛太⇔夏目 陽斗⇔葉月
という関係に進んで行くのではないかと思います。

第3話「Andante」
アンダンテの意味は「歩くようにゆっくり」
しかし第1話の「On your marks=位置について」から始まって
陽斗は勢いよく飛び出したけど、主人公カップルは全然動かんよな。

第4話「Full swing」
この回は犬と猫を使った演出が面白かった。
犬が飼い主を案ずるような表情をしていたり、猫もジト目で瑛大のことを見ていたり。
実写でも十分な内容だけど、こういう表現ができるのは漫画やアニメならでは。

第5話「Rolling Stones」
うーむ退屈なエピソードでした。
このアニメの欠点は色々あるけど、「キャラが薄い」のが一番いただけないね。

第6話「Restart」
ヒロインが昔に消しゴムをくれたことをずっと忘れず大切な思い出にする、
という話は「恋と嘘」でもあったんだけど、ジャスコの方が上手く使えていると思う。
このエピソードってはっきり言ってガキくさいじゃないですか。
第2話の台詞を使えば「高校生っぽい」感じではない。
だから夏目がここで片想いを終わらせるという選択が自然にみえる。
彼女の恋心はあの神社の焚火のように燃え尽きる間際だったのだろう。

第7話「Snow Day」
夏目と小宮がライバル関係になることで、話は盛り上がる。作画は完全に崩壊。

第8話「High Dynamic Range」
1週間の総集編を入れて作画は回復。内容は平凡。

第9話「Answer」
やっぱり話に大きな動きはないけれども、
この素朴さがJust Becauseらしさなのかもしれません。

第10話「Childhood's end」
このあたりでキャラクターの恋の行方にあまり興味を持てなくなってきた。

第11話「Roundabout」
受験本番でのカットバック演出はなかなか良かったです。

第12話「Get set, go!」
LINEに依存しすぎだろ君たち!!
{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 49

90.2 3 すれ違いアニメランキング3位
君の名は。(アニメ映画)

2016年8月26日
★★★★★ 4.2 (2183)
9271人が棚に入れました
新海誠監督による長編アニメーション。

千年ぶりとなる彗星の来訪を一ヶ月後に控えた日本。
山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。
小さく狭い街で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会へのあこがれを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。
見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の町並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。

一方、東京で暮らす男子高校生、瀧も奇妙な夢を見た。
言ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。

繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。
二人は気付く。

「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。
残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いた瀧は、三葉に会いに行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた…。

出会うことのない二人の出逢い。
運命の歯車が、いま動き出す

声優・キャラクター
神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、悠木碧、島﨑信長、石川界人、成田凌、谷花音
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

夢の儚さを越えて二人は繋がる。

見終わった後、私は夢から覚めて、まどろんだ時ようなな気持ちになりました。

あのシーンの背景が良かったとか、あそこのスピード感が最高だったとか。
でも、その記憶は、強く「覚えていよう」と思い、まるでこれは面白い夢から覚めた時と同じじゃないかと。

でも、人の記憶は曖昧で、全ての良いシーンを覚えておこうと思っても、次第にディテールが失われていきます。
やがて夢の記憶は、「面白い夢をみた」に代わり、そして夢をみた事をも忘れていく。

時間に対して夢の中の記憶はあまりにも儚い。

この作品はそんな弱い繋がりで繋がった瀧君と三葉の物語です。



感想
{netabare}

【演出】
二人の入れ替わり生活が始まるときに曲が入り場面の切り替わりのスピード感は新海監督らしい演出。

二人の入れ替わり生活とは別に強く印象に残っているのは
時間が100倍速になった感じで都会の光や信号が光を放つシーン。
これは時間の経過を示しているのでしょうが
その綺麗さが強烈に印象付けられました。

また、夢の中の出来事という作品の設定のように
幻想的な美しさが視聴者を夢と現実の境界線に引き込んでくれます。

三葉の人生が瀧に見えたときのシーンもグッと来ました。何でだろう?
人の生き死にに涙もろいのかな。
あのシーンは母親との直接的な繋がり(へその緒)や親との別れ、家族の濃い「人と人の繋がり」を感じてしまったからでしょうかね。

【展開】
「瀧君、覚えてない…?」という三葉のシーンは本当に胸が痛くなりました。
3年後の瀧君にとってはずっと前から繋がっていた。三葉にとってはようやく繋がった。
だけど瀧君はこのときはまだ知らない、三葉は不審そうにこちらを警戒する瀧君に思いを伝えられない。
「二人が会えた」「繋がった」という嬉しさと同時に
勇気がでずに思いを伝えられない三葉の姿に自分を重ねてしまいました。



【キャラ考察】
瀧君がクレーターの上で君の名は!と涙ながらに叫んだ気持ちがわかってしまう。
大切な人に会いたいと、思いが募ると、苦しくて、吐き出したいなにかが心のなかにたまってきて、自然と涙が出てくるんですね。

三葉の境遇について
母親を幼い頃に亡くしていて、それをきっかけに父親が神職をやめて離ればなれとなっています。
離れて暮らしながらも、政治というなにかと目立つ仕事をしている父親のせいで
学校で本人の意思とは関係なく少し浮いてしまう三葉。
そんな狭い村社会に嫌気が差してどこかに逃げたい気持ちでいる時に起こる入れ替わり。
三葉にとって入れ替わりは逃避になり得た(まさに夢に逃げる)のですが
突然終わる入れ替わりは、夢の終わりであり、それは自分の逃げ場所がなくなったともいえます。
夢の続きが見たくて。そういう気持ち(逃避)、わかります。
東京にいるはずの瀧君に会いに行き、あの日々の続きがみたい。
でも、せっかく会いに行ったのに瀧君は三葉のことを知らなくて、繋がりの喪失を感じてしまった。
(ですか、ここで過去と未来を繋ぐ糸を渡したシーンの懸命さや、その糸が忘れかけた瀧君と三葉を繋げてくれた意味を持つアイテムであることの重要性が「繋がった!」と嬉しさを感じさせます)

その後の三葉の行為は、瀧君への思いをたちきりたくての髪を切る行為だったのでは。(切るということは思いや繋がりをたちきりたいための行為?)(夢の終わりが夏祭りの近くの日、つまり、一般的には夏の終わり近くです。夏の終わりの儚さと夢の終わりの儚さをかけているのではないでしょうか)

また、三葉が夏祭り前に暗い部屋で涙を流すシーンには、喪失感を感じ、失恋等のなにかを失う出来事を思わせました。


その後の彗星の衝突により、三葉は現実の問題と向き合い乗り越えることができました。
瀧君の残した「すきだ」が現実と向きあう最後の勇気をくれたのかもしれません。

そして、瀧くんにとっては、一生忘れられない体験であり
忘れられない繋がりだったのではないでしょうか。
それが記憶がなくなっても四年後も繋がりを求めていた理由かもしれません。
忘れたくないと思っても忘れてしまう、だけどどこかでおぼえているその繋がりのことを。
だから、これはなくなってほしくないという、繋がりの肯定なのではないかな。
【美術】
新海監督の作品は見たり見なかったりなのですが、背景の綺麗さは今作もすばらしかったです。
田舎のゆったりとした風景にはそこに溶け込めそうな気分にさせてくれました。まるで、その場所が自分の帰る場所のような。

都会の朝の風景はどこか孤独だけどエネルギーを感じます。
夕方の忙しそうな風景には少し寂しさがあって、早く帰りたいな、そんな気持ちにさせてくれます。

季節感も夏に始まり、春に終わるという、季節ごとの綺麗な風景を描いてましたね。

最後に桜さく路地の階段で二人が出会うシーンも、優しさと暖かさをリアルに感じてとてもよかったです。


【記憶が失われる設定について】
多くの人がここについて指摘してきました。
ですが、私はレビューの最初に書きました通り、夢だから、でストンと納得しています。
作中で夢をフォローしているシーンがあるのは覚えていますか?
三葉の祖母が三葉(瀧くん)に「三葉、お前、今夢を見ているな」と言う印象的なシーンです。
また、三葉も「夢の中で見たあの人の名前が思い出せない」と言い、友人を困惑させます。
それはそうでしょう。普通のひとはそんなことを非常時でも平常時でも口に出したりしません。
共通認識として「夢の中の内容は忘れやすい」ということがあるからです。
ですので、スマートフォンの中の日記が消えていくあの表現や、
二人が御神体のクレーターで出会うシーンが、
夢と現実の境界線が曖昧な時間や場所を表現していて
見た人間も、夢と現実の境界線にいるようなそういう作品だと思っています。

【朝、目が覚めるとなぜか泣いている】
印象的な導入のセリフです。
二人の繋がりを失ってしまったことを自分の中のどこかが泣いている。
そして、それにとりつかれているようになってしまっている。
私はそうやってどこかに繋がりを探すような感情を現す言葉は知りませんが
自分のどこかに、よく似た感情があると確信があります。
それが、私の心にズキズキとした胸騒ぎを起こしてくれます。

【総評】
色々書きましたが、瀧君と三葉のような10代の気持ちや考え方を上手く描いています。
君の名は。でとめていますが、これは相手への問ですよね。
相手の名前を知らないからこそ尋ねる(訪ねる)。
そして相手の事を知りたいからこそたずねる。
相手の事を知りたいという感情をエネルギーにして伝えてくる作品でした。

また、人と人の繋がりを感じる、もしくは、心の中のどこかにあるつながりを求める感情を肯定する物語だったとまとめさせていただきます。

【蛇足】
三年前の瀧君と三葉が東京でであったとき、二人の糸はどう繋がったのか、一瞬はまりかけました。
二人の糸は絡みあって大きなわっかを作った。そんな思いです。でも始まりはどこかよりも、今と未来の彼らが気になって(笑)

キービジュアルの瀧と三葉が東京の坂で振り返って見つめる絵って
ラストの5年後の二人を、であった頃の高校生の姿に置き換えているのかも?
これが「出会い」の絵なのか「再会」の絵なのかちょっと気になって面白い。

幻想的で儚さのある二人の奇跡の繋がりと、現実の繋がり。
ラストで二人の繋がりを現実の繋がりにすることで生まれる嬉しさ。
なぜだろうか?多分、二人が求めていたその繋がりは、人間が奇跡を信じたい気持ちの肯定だからでしょうか?

{/netabare}

ストーリー考察?(繋がりを軸にストーリーを考えてみました。)
{netabare}
三葉の祖母が、糸に例えて人と人の繋がりを話しました。繋がって、絡みあって、離れて、近づいて、また繋がっていく。その繋がることを結びという。

瀧と三葉の関係もまたそうでした。夢で繋がって、入れ替わりを繰り返して二人の糸は絡みあう。
入れ替わりは突然になくなる。突然糸が切れたように。
三葉のいる場所は時間を越えて遠く離れた場所だった。
真実を目にした時、三葉との思い出は一瞬で消えていき、崖から突き落とされたようなスピードで二人の距離は離れていく。(二人の距離が明確に離れていくことに儚さや悲しさを感じました)
でも、瀧は「そこにいかなくちゃいけない」という自分でもわからない使命感に押され御神体のある場所へ
三葉のいるかもしれない場所へ近づいて行く。(確信のない行動です。しかし、そこには記憶という曖昧な繋がりよりも、もっと深いところでの繋がりを感じます)

そしてまた入れ替わり、二人はお互いを自分の体で出会う。
今まで顔を合わせて話したかったことをいいあって、笑う。(ようやく、もがいてもがいた結果、出会えたという喜びを感じます)

互いの姿が見えなくなって、名前を忘れた瀧は叫ぶ。
「君の名前は!」忘れちゃいけない大切な人を思い出せない苦しさで一杯になる。(本気で相手の事を求めるシーン、記憶がなくなっても、もっと深いところからの欲求です)

名前は思い出せない。でも誰かが大切なことは覚えてて
誰かが思ってくれていることが「すきだ」という言葉からわかる。だから三葉はやりとおせた。

そして時が流れ、あの時間の記憶もなく、あるのはかすかな心残り。
どこかに大切な繋がりがあるような。

冬が終わり春が来る。
二人はまた近づく、自分の中の心残りの先にある繋がりを探して。
そして出会い、ずっと探し続けてきた繋がりだと信じて問いかける。「君の名前は」。
(最初のシーンと繋がる。どこかに特別な繋がりがあるという不思議な感覚。ラストはなんとなくわかるという感情の肯定が、とても心地いい)
{/netabare}


2018年1月3日 地上波放送を見て。
{netabare}
本当は追記する予定はありませんでした。
でも、見たら、自分の中に生まれた何かを書きたい衝動を抑えられなくて、
書こうと思いました。

今回の再視聴で感じたのは、
繋がりが消えることの悲しさでしょうか。
どこか身近に感じていた、繋がりの断絶。
私が繋がりの断絶を感じたのは、福島なんですが、
レビューを社会派にする気はないので詳細は伏せます。

それは、人間の営みの断絶であったり、人の関係の断絶。
繋がりが消えてしまうことへの悲しさ、つらさ。
そういったものが多分糸守町の消滅、三葉と瀧の入れ替わりの終わり、
そういった作品世界の出来事から、私はいつも感じていたこと、
繋がりの断絶を感じていました。

繋がりの断絶と同時に、繋がりを求める声も同時に感じました。

三葉が瀧に会いに東京に出た時も、瀧が三葉の名前を忘れて叫んだ時も、
繋がりを求めるその行動、その思いが、私には、
無くした繋がりを取り戻したい気持ちを感じて、
どうしようもなく、泣いてしまいました。
(すこし安っぽい表現ですが、実際少し泣いてます。
多分泣いた理由は、登場人物達と同じ理由で、
繋がりを求めたから、でしょうかね。
多分これが、共感何でしょうね。初めて実感出来たかも)

こんな瀧君のセリフがありました。
「今はもうない街の風景に、何故ここまで胸を締め付けられるのだろう」
心のどこかで糸守に繋がりを感じている瀧君。
私も、どこかで知らない街の知らない人の営みに、
繋がりは感じないまでも、営みの中にある繋がりを見て、
親近感を感じたりするのです。
それは人と人の繋がり、人と土地の繋がり、繋がりの中で生まれた営み、
そういったものを、私は求めているのだろうし、
大切にしたいし、失いたくないと思うのです。

だから、この作品を再視聴して、このレビューは、
完全に私の感想であるのですが、
私が求めていた繋がりを描いてくれているし、
私が恐れている繋がりの断絶も描いてくれている。

だから、私は、この作品が好きなんでしょうね。



{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 133
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

アニメを伝道する好機

世界観:8
ストーリー:8
リアリティ:8
キャラクター:7
情感:7
合計:38

1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。
(シネマトゥデイより)

最近話題として何回か出てきたので、折角なので劇場に足を運ぶことに。そう決めてから、京アニの「聲の形」も上映中であることに気付いて、1日2本の豪華スケジュールを組みました。映画は、昔はよく観に行っていましたが、1日2本観たことは初めてのことです。

「君の名は。」は、午前中の回が満席だったので、「聲の形」→「君の名は。」の順で視聴しました。新海誠監督作品は「秒速~」と「言の葉の庭」を視聴済ですが、どちらも良作となる4点にぎりぎり届かない程度の評価をしてきたところ今回は評判が良く、京アニは「けいおん!!(二期)」で評価を上げたところでしたので、この2作は接戦になるかなと思っていましたが、本作は期待をさらに上回りました(劇場版の尺では過去最高点です)。

作画と楽曲はこれまでの作品の通り素晴らしい上で、映画の尺に合うだけの充実した設定とストーリーになっています。
入れ替わりネタはココロコネクトで経験済ですが、前半に和みの要素としてよいエピソードでした。やはり男は悪いと思っても揉みますね(笑)
入れ替わりが終わってからが本編という感じ。物語の展開がどうなっていくか、最後まで集中して視聴できました。

良作アニメは「時間」を効果的に利用しているものが多いです。タイムリープする必要があるわけではないですが、経年による物語の厚みは基本です。人間は、時間を遡ることができず、過去を振り返ったり後悔したり、そして遅かれ早かれ死ぬ、はかない存在であることの裏返しなのでしょうね。{netabare}この作品でも3年のズレが良い味を出していました。瀧が三葉に出会う前に、三葉が瀧に会いに行くシーンがありましたが、ああいう伏線は好きです(最初どのように描かれていたかは1周だけではよく思い出せないのですが)。

この作品ではさらに、入れ替わりが「夢」であって、その記憶がなくなっていく、という表現をしていたのも特徴的でした。夢を思い出したいのに思い出せない、あの感覚を、大事な人の記憶と結びつけたのはとても切なくて巧みでした。携帯の日記の消え方はちょっと変でしたけどね。{/netabare}

そうそう、リアリティ面では、細かいことを言えば上記のようなものがいくつかあったと思いますが、{netabare}名前の記憶が消えていくように{/netabare}終わる頃にはほとんど忘れてしまいました。それくらい浸れる作品ということかと思います。

興行成績でも今後どれくらいの数字を出せるかも期待大ですが、新海誠監督の代表作と言えるものになったことは間違いないでしょう。

{netabare}最後の二人が出会えるのかというところは「秒速」が繰り返されないかとヒヤヒヤしました。私は心の中で思い切り「よくやった!」と叫びました(笑)。ハッピーエンドが、良い余韻を呼んでいます。{/netabare}

そのほか、「言の葉の庭」の先生が登場していたり、彗星(星)を扱ったところなどにも、過去作品とのつながりも感じられ、新海誠監督の集大成になったのではないかと思います。もちろん、今後も今作を超える作品を目指していただきたいですね。

ヒロインの三葉の名前は、凪のあすから2クールED「三つ葉の結びめ」の影響もあったようです(前向きになれる、自分もとても好きな曲です)。
色々なところでつながっていると感じられることも自分のアニメ道の進歩ですね。

この作品でアニメに興味を持つ方も多いと思います。クールジャパンの代名詞のひとつがアニメだということは多くの方が知っているでしょうが、他にも「君の名は。」クラスの作品があることを、機会があれば伝えていきたいですし、あにこれの方々もそうしたら良いんじゃないかと思いました。(自分が初心者だという方には、私の棚でも見ていってください)

もう1回くらい劇場で観たいと思える作品です。劇場で観ておくことをおすすめしたいアニメ映画です。

(2016.9劇場で鑑賞)

追記(2016.9.20)
{netabare}余韻に浸り、あれこれ考えています。設定について補足したいと思います。まずは、入れ替わりが本人たちにとっては「夢」として感じるものであること(遠くにいる男女が出会う物語を考えつつ、古今和歌集の小野小町の和歌から着想を得たというのもイイですね)。朝起きて自分の人格に戻っていて、相手側の人格に入った記憶は消えているので、当初は訳が分からなくなり、周囲の言動などから、現実として入れ替わっていることを認めざるをえなくなるという流れでした。結果的には素晴らしく機能しているのですが、観客としては、別人格の2人がしっかり自分の意思を持って行動しているのを見ているので、忘れてしまうことに違和感を覚えます。ここを、注意深く見ていくには、1周では心もとないですかね(私も序盤は見落としがある気がします)。

それから、時間描写に特殊性のある作品でもあるかと思います。携帯電話の日記が消えてしまう部分はマイナスとして取り上げさせてもらいましたが、過去改変の可能性を示唆した表現でもあるのかなと思いました。つまり、我々が1本だと思っている時間軸は実は1本ではなく、交差することもあるけれども、その時は我々の記憶や記録物までもが改変されていて、我々に認識できないだけなのではないか、ということです。

また、通常、時間軸は1本であり、パラレルワールドを扱った作品は世界線が平行に並んでいるというもので、別の世界線に移動しても同じ時間というのが一般的ですが、この作品では別の世界線(と言ってよいのかも確信を持てませんが、多分そうかと)が3年ずれています。これは斬新ですよね。光速に近づくほど時間の流れは遅くなるという相対性理論もありますし、時間の経過は常に一定ではないとすれば、時間の流れが世界線ごとに異なっているというのもありじゃないかと思いました。{/netabare}

追記(2016.9.21)
{netabare}RADの主題歌を購入。その中の夢灯篭に「5次元にからかわれて」という歌詞があるのを見て、個人的にはパラレルワールドを描いた作品であると認識してみる。

(参考)私的次元の数え方
0次元…大きさのない点
1次元…太さのない線
2次元…厚みのない平面
3次元…静止した空間(これを0次元に戻して以降を想像する)
4次元…時間軸のある空間(1次元的な線としての時空=我々の認識する世界)
5次元…複数の時間軸のある空間(2次元的な平面としての時空=パラレルワールド)
{/netabare}

追記(2016.9.23)
{netabare}上記から、私は本作はタイムリープものではなく、時間の経過がズレたパラレルワールドの交錯した世界の物語と考えてみました。

①瀧のいる世界線と、三葉のいる世界線(瀧の世界線の3年前)がムスビの力によって重なってしまい、互いに心と体の入れ替わりが生じた。

②しかし、三葉のいる世界線において三葉が死に、入れ替わりは終わった。ムスビの力がなくなり、存在しないはずの三葉とのやりとりは過去改変により消失する。このため瀧の携帯電話の日記も消えた。

③三葉の「半分」である口噛み酒を飲むことでムスビの力が復活。三葉のまだ生きている世界線とつながり、再度入れ替わりが生じた。

④危機回避の努力の結果、三葉たちが助かり、その世界線と繋がった影響で瀧のいる世界線の過去が改変され、三葉が生きている世界になった。
という感じでしょうか。

小説版は1日で読み終わりまして、文章で読むと正直そんなに凄い作品とは思えなかったのですよね(本当に、映画の内容をそのまま文章にしたという感じのものですが、情感の起伏があまり湧かないのです)。
最高峰の作画と、疾走感や情感の溢れるRADの楽曲と、綺麗にはまった声優と、後半超展開となるストーリーと、感情をストレートに紡いだ心情描写と、夢のはかなさを活かした設定とが高度に融合した、アニメがベストの作品なのだと思います。

本日、9月22日までの28日間で興行収入100億円突破とのニュースがありました。祝!
もう一度見たくなってしまう、高揚感の余韻が強い作品です。
{/netabare}

追記(2016.10.10)
{netabare}最近週末まで多忙となり2回目をまだ観に行けていませんが、多数のレビューを見ていた中で一番良かったものをご紹介。
http://blog.kanjutsu.net/entry/2016/09/09/115947

作家性を捨ててエンタメに振れた、プロデュースの力によるもの、斜に構えた意見も多々見受けられますが、表面的な受けも狙いつつも底辺の深みに魅力がある作品だからこそ、何度も足を運ぶ方がいるのだと思います。
{/netabare}

<2019.1追記>
世界観の配点を1点減点しました(作画によるボーナス点を与えていましたが、他作品との平仄の観点から削除しました)。

(2017.2、2018.4、2019.1評価調整)

投稿 : 2020/04/04
♥ : 98

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

空前の大ヒットも頷ける完成度を差し置いて劇場で笑い転げるヲタクとはオイラのこと~ぼくらタイムフライヤー_時を駆け上がるクライマー~IMAX観ました

新海誠監督が手掛けた5本目の長篇作品


東京の大都会に住む男子高校生、立花瀧
山深い田舎町に住む女子高校生、宮水三葉
1200年振りに地球を訪れるという巨大彗星の到来を一ヵ月後に控えたある日、瀧が目覚めるとそこには見知らぬ自分と知らない天井、見知らぬ家族と知らない町があった
同じように三葉もまた、想像すら出来ていなかった大都会で朝を迎える
ただ一つ確かなことは、自分の身体が見知らぬ異性のものだということだけ
瀧と三葉は全く原因がわからぬまま不定期にお互いの身体と心が入れ替わってしまうことに気付いた
お互いの生活に干渉しないよう、日記で連絡を取り合うことにした二人
田舎育ちの三葉は憧れの都会に想いを馳せ、自由気ままに過ごす
一方の瀧も他人のそれも異性の身体だということを忘れ好き勝手してしまう
周りからはまるで人が変わったようだ(笑)と思われ少しずつ人間関係に変化も起きる
瀧が好意を抱く先輩との仲を、三葉が瀧に変わって取り持ったことで瀧には良い事尽くめの大団円かに思えたが、次の日の三葉はある決心をしていた
そして彗星到来の10月4日、瀧は記憶から消えていた重大な事実に気付く・・・


『言の葉の庭』が全国東宝系で大きく展開し成功を収めたことから、遂に全国約300館での上映となった新海誠監督にとって最大の大作となった今作
キャラデザはZ会のCMでタッグを組んだ田中将賀
作画監督は元ジブリの安藤雅司
音楽は挿入歌から劇伴に至るまでオイラが中高生の頃に(ごく一部ではあるがw)一世を風靡したバンド、RADWIMPSが担当


声優陣には瀧役に声優経験豊富な若手演技派、神木柳之介
三葉役には『舞妓はレディ』の上白石萌音
その脇を固めるのは長澤まさみ、市原悦子といった豪華俳優
さらに悠木碧、島崎信長、石川界人といった豪華声優
そして『I LOVE スヌーピー』でいい芝居をしてくれた谷花音、とキャスティングにもかなり力が入っているのがわかりますね
身体が入れ替わった時の芝居は聴きどころですb


単純に少しアニメに詳しい人なら、将賀さんのキャラデを見て『あの花。』の絵だ!観に行こう!という気持ちになってくれるでしょうし、本編が始まるとすぐ「夢灯篭」という楽曲に合わせてOPアニメみたいなのも流れる
オイラは初見観た時このOPが「めちゃくちゃダセェ!」と思ってしまったのですがwやはり深夜アニメなどに慣れ親しんだ世代にとっては心を掴む取っ掛かりになっているのでしょう
ああ、ちなみに今は「夢灯篭」もOPも好きですよ?w


そして序盤はそれこそ深夜のラノベアニメのラブコメタッチで物語が進む
キャラの表情もコロコロ変わり、身振り手振りの作画も非常に丁寧
中身が入れ替わった男女の微妙な違いを作画で表現する、言葉にすれば簡単ですがこれを見事にやってのけた作画陣には最大級の賛辞を贈りたい
ジブリが崩壊し、『攻殻機動隊ARISE』と『アニメ(ーター)見本市』が完結した等、作画スタッフの足並みが綺麗に揃ったのが大きかったでしょう
尚且つ、新海作品お得意の美しい光と色と街並みが、このアリエナイ話にリアリティと説得力を醸し出す
制作中は当然完成していなかったバスタ新宿がちゃんと描かれてるのも凄い


後半はミスリードで張ったミステリアスな伏線をスペクタクルと共に回収しつつ、所謂新海節が炸裂する内容なのですが、まあとにかくメジャーかマイナーかで言えばメジャー路線な作品に作ったことです
今日までの大ヒットがソレを裏付けてますね、明らかにこれまで新海のシの字も知らんかった人たちが劇場を訪れているのです
実際オイラが鑑賞オフ会を開いたら半分の参加者は新海作品初体験でした
こうなると昔からのファンは遂に資本主義の犬となったか新海よーとかワケのワカランことを言い出す輩が湧いてくるもんです
まあ、言いたい事はわからんでもない


ただオイラはこう考える
【新海ファンこそ、この映画は10倍楽しく見れる】


そう、今作が初見でもなんも問題無い
でも今作、新海誠がこれまで積み上げてきたものがほぼ全て詰め込まれたいわば集大成なのです


『彼女と彼女の猫』から続くゆっくりとしたモノローグでの幕開け
『ほしのこえ』では恋人達が時間差で引き裂かれていく様を描いていました
『雲の向こう約束の場所』では田舎町と都会に分かれて物語が交錯していましたね
これを同時並行させたのが『クロスロード』
「何も無い」という田舎風景を印象付ける画作りは相変わらず上手い、これは『桜花抄』
2時間に1本しかない電車はまさに『星を追う子ども』
朝食と通学風景から始まるのもそう
真っ二つに裂ける彗星は『コスモナウト』のH2Aロケットの発射ですね、意味合いは逆だけど
挿入歌に合わせて映像を積み上げていくのは『秒速5センチメートル』や『クロスロード』で魅せた技
コミカルなタッチで進む前半は『猫の集会』のお茶目な演出を思い出しました
東京、特に都会の象徴として新宿を描きたがるのは『言の葉の庭』が顕著
同じく、途中での雨描写は秀逸でした
主役二人の生活感の違いを描写する様子は『大成建設』や『だれかのまなざし』の経験が大いに生きてるでしょう
いやしかし瀧くんが面接を受けてるのが大成建設だったのには笑いましたね
宮水神社のご神体がある湿原を見下ろす描写は、さしずめ地下世界アガルタのフィニス・テラですね
瀧くんのお父さんが井上和彦だったのでもしやおまえは森崎なのか?
そもそもファンタジーかSFかと思えば途中からロードムービーになってしまう辺りはまさに『星を追う子ども』のソレ
『ほしのこえ』で膝を抱えるミカコ然り、『雲の向こう、約束の場所』で足の指にてんとう虫がとまるサユリ然り、靴の型取りに足を差し出すユキノ然り、美女の足に拘る新海作品、今作では東京で歩きつかれた三葉に注目したい
思えば新海映画とはずっと男女のすれ違いを描いてきましたが、今作は「顔も名前も身体も私生活すらも知り尽くした二人がまるで会えない」という究極的なすれ違いをしてるのが面白い


ほんとそう、新海映画を知れば知るほどこの作品にのめり込んでいけるのは間違いないでしょう

“花澤香菜が演じる古文の先生”が恐らく別の世界線なんでしょうが「ユキちゃん」という名前だった時、周りが静まり返っている劇場でオイラは一人笑ってましたさーせんw
良い映画か否かという以前に、ある種のネタ映画として最初から最後まで笑いながら(時に笑い泣きしながら)観れましたねb


まあ強いて言うならラストシークエンスはちょっと引っ張りすぎたようにも思いますが、「なんでもないや」という楽曲の持つエピックなキックのリフレインとウィスパーボイスのボーカルに思わず感極まってしまう
なにより『秒速』を知っているとあのすれ違い方は辛いものを思い出させる(笑)
そう、この厨二病全開な内容に対して厨二病をこじらせてしまったバンドの日本代表とも言うべきRADWIMPSの音楽が見事に調和してるのが今作の評価を押し上げてるポイントでもあります
まさにクサイ内容にはクサイ音楽
『ここさけ』でも言いましたが単体では正直目も当てられないような詩の主題歌が、割とすんなり入ってきてしまうまさに映像マジックですねこりゃ


今作を受け入れられない人、良い意味で厨二病を卒業出来たんだと思います
誇らしく思ってください
オイラ?は、駄目ですね
この映画を面白いと思ってしまったのでアラサーになっても心はまだティーンエイジャーのようです(笑)

























~TOHOシネマズ新宿のIMAXデジタル版観ました~
IMAXというのは実にビル三階分ほどの高さと20メートル以上の横幅を持つスクリーンに二台の映写機で投影する現代における最大級規格の映像フィルムです
人間の視覚を上回る大きさのため観る、というより観回す感じになります
さらに劇場によっては12.1chの音響システムもそなえており音の迫力も通常の規格とは異なります


そもそも普通の規格で作られた作品をIMAXにするってことは拡大して引き伸ばす、ってことですからオイラは最初この『君の名は。IMAX版』は反対の立場でした
それにアニメって視覚的情報量が実写より多いので単純に疲れそう、だとも思いましたし


しかし実際鑑賞してみると新海作品特有の美麗背景が大きく引き伸ばされてるにも関わらず全く精細さを欠いてないんですよ
むしろ画面の中に描かれる糸守町や新宿の風景に吸い込まれていくようでした
だから鑑賞、というよりはむしろ体感、に近い感じでした


音響の方ですが意図的に音圧を上げてるようでしたがどちらかと言うと山びことかそういった反響音がクリアに聴こえるようになったという印象です
挿入歌がやたらデカイ音で、それもどっか独立した別chから出てるっぽくてやたら大きく感じたのですが、肝心の挿入歌より手前にいるはずのセリフが少々聴き取り辛くなった気がしましたので、これはちょっと好み分かれそうです


初見の方にはあんまりオススメしません
先にも言ったとおり、情報量に加え目で追う作業が加わるのでストーリーに集中し辛くなります
ただリピーターには一見の価値があることでしょう
アニメにIMAX不要、と言いたいところですが新海作品のIMAX化に関しては歓迎できますねb

投稿 : 2020/04/04
♥ : 41

78.9 4 すれ違いアニメランキング4位
花咲くいろは HOME SWEET HOME(アニメ映画)

2013年3月30日
★★★★★ 4.1 (1193)
6716人が棚に入れました
美しい北陸の四季を背景に、祖母の経営する温泉旅館に住み込みで働くことになった東京生まれの女子高生の成長を描いたTVアニメ「花咲くいろは」(2011年4~9月放送)の劇場版。温泉旅館「喜翆荘(きっすいそう)」での住み込み生活にも慣れた松前緒花は、次第に変化していく自分に気づきはじめていた。そんなある日、緒花のクラスメイトでライバル旅館「福屋」のひとり娘・和倉結名が、女将修行のため喜翆荘にやってくる。自由奔放な結名に振り回されながらも、面倒をみていた緒花だったが、物置の中であるものを見つけて……。監督の安藤真裕、脚本の岡田麿里、アニメーション制作を担うP.A.WORKSほか、TVシリーズのスタッフが再結集。

声優・キャラクター
伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥、能登麻美子、梶裕貴、本田貴子、久保田民絵、浜田賢二、間島淳司、山口太郎、恒松あゆみ、諏訪部順一、チョー
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

おはなのオハナのおはなし

テレビ版を視聴してから観ました


{netabare}先ず最初に
「劇場版」というより
テレビ版を含めて
この「花咲くいろは」という作品の
私の主観的な感想を述べさせていただきます

この作品を観た
{netabare}ほとんどの石川県民が・・・{/netabare}

いいえ
{netabare}石川県出身の女性の多くが・・・{/netabare}

っていうか
{netabare}石川県出身の"ある年齢層"の女性の大半が・・・{/netabare}

もとい
{netabare}石川県出身のある年齢層の"独身女性"の一部が・・・{/netabare}

じゃなくて
{netabare}ごく一部の女性が・・・{/netabare}

もしかしたら
{netabare}私だけが?・・・{/netabare}

{netabare}「輪島巴」(わじまともえ)という人物に
極めて強い共感を覚えたのではないでしょうか{/netabare}

{netabare}輪島巴ちゃん・・・


喜翆荘の仲居頭
28歳
独身・・・

(以下Wikiの巴データ){/netabare}

{netabare}キャラクターカラーはピンク
部屋着は黒いタンクトップだったりと大人の女でもある
左眼の下に泣きぼくろ

さらには・・・{/netabare}

{netabare}噂好きかつ覗き見好きなのが玉に瑕・・・云々
学生時代の友人が次々に結婚してゆく・・・云々
多忙ゆえに・・・云々
三十路を前に・・・云々
嫉妬心を隠せない・・・云々

・・・云々かんぬん{/netabare}

{netabare}なんか笑いながら涙出てきた~(ToT{/netabare}


{netabare}そして
なんといっても
その声の主{/netabare}

そう
あの・・・

{netabare}「能登麻美子」さんです!!! キャァァ~!!!{/netabare}

{netabare}石川県金沢市出身ですよ~ キャァァ~!!!{/netabare}

{netabare}どうでもいいけど私と同じ石川県出身なんですよ~ キャァァ~!!!{/netabare}

{netabare}金沢弁がとてもハマってて迫真の演技~ キャ{netabare}・・・あ

実は私
出身が金沢市じゃないからよく分かりませんでした~^^!
(金沢以外の"地方"はビミョーに違う){/netabare}{/netabare}

{netabare}っていうか・・・
「バカタレどもが~」って迫真のアドリブ・・・("ぼんぼり祭り"での本人コメント)

これ
金沢弁じゃないよね・・・(冷{/netabare}

{netabare}おうちが金沢なのに
なんで名前が「能登」?・・・(冷{/netabare}

{netabare}まあ
とりあえず・・・{/netabare}

{netabare}麻美子ちゃん最高だよ~ キャァァ~!!!{/netabare} 

{netabare}能登かわいいよ能登~ キャァァ~!!!{/netabare}

{netabare}キャァァ~!!!・・ゲホッゲホッ・・オエェェェ~

叫びすぎた^^{/netabare}











気を取り直して^^{/netabare}
    ↑
(どうしようもないことなので興味のない方スルーしてね)

この作品
個人的に
とても印象に残っているのは
たまに出てくる金沢の風景です(ほんと・・・たまにですよ)

あえて
城下町金沢をイメージさせる観光名所など
いかにも"不自然な"描写を控えめにして

普通の街中や田舎の風景が多いのは
地元の人間にとって
とても興味のあるところです

でも
観ていると
いつも思うんです

なんか違う・・・
って


「湯涌温泉」(作中では湯乃鷺温泉)に
「のと鉄道」乗り入れ?
あの"3セク赤字企業"が事業拡張?(失礼^^

便利になったもんだ~^^
のと鉄道さん太っ腹~^^

っていうか
そもそも
湯涌に鉄道敷けるほどの広くて平らな地面あったかな?

多分
実際に電車を走らせるとなると
箱○登山鉄道みたいになっちゃいますね

金沢市街の建物などの位置関係もなんか変・・・

なこちゃんの妹のまなちゃんを
おはなちゃんとなこちゃんが探すシーンでは

(多分)金沢駅から
(多分)安江町の商店街を抜けて
いきなり
(多分)香林坊ってどういうこと!?

しかも
二人が来たのは
駅と反対の方向から^^
(あきらかに香林坊アトリオに向かって片町方面の"横に変な走るオブジェがあるミスド"の方向から来ている)

どー考えてもおかしい・・・
こりゃいったいどこなの?

・・・超ローカルな話題で申し訳ございません!

気になる方は
一度
金沢に遊びにきまっし~^^
実際の町並みと比べてみるのも面白いかも


さて
お話は
テレビ版での「ぼんぼり祭り」の少し前のお話だそうで

「喜翆荘」と
おはなちゃんたち仲良し女の子4人のエピソード
さらに
おはなちゃんのお母さん
「松前皐月」(まつまえさつき)さんのお話

キャッチコピーの「私、もっと輝きたいんです……!」のとおり
みんな輝いてました!
みんなぼんぼってました!
ホビロン・・・叫んでました!

そして
おはなちゃんはというと
いつものごとく
元気に走りまくってました!

いつでも
走る!走る!走る!

どこでも
走る!走る!走る!

廊下の雑巾がけで
走る!走る!走る!

さつきさんも
走る!走る!走る!

そして
{netabare}泳ぐ!泳ぐ!泳ぐ!・・・{/netabare}

{netabare}泳ぐ???{/netabare}

そう
冒頭の{netabare}「クソババァ」(失礼^^){/netabare}のシーン

これ
どこかの{netabare}競泳BLアニメ{/netabare}を
パクったんじゃね?
って思うくらいの
{netabare}みごとな
夜間の飛び込みシーンでした^^
(※製作はこっちのほうが先です){/netabare}



最後に
もう一つ
とても気になったのは
おはなちゃんのお父さんのお話です

さつきさんとお父さんの出会いから
おはなちゃんの誕生(ここで"オハナ"の秘密が明らかに・・・)
そして
お父さんが・・・

ここでもまた涙が・・・(ToT

って
あれ・・・
よく考えたら
おはなちゃんって
{netabare}病弱なジャズシンガーのお母さんと
港にやってきた米兵さんの間に生まれたんじゃなかったっけ?(テレビ版第1話より){/netabare}


とにかく
いっぺん石川に遊びに来てみんけ~^^

投稿 : 2020/04/04
♥ : 33
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

さっぱりとした良作です

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。65分くらい。
 テレビシリーズはチラッと見たことがある程度で、内容はすっかり忘れていました。ストーリーもキャラの名前すらもあやふやな状態での視聴となってしまいました。
 ただ、見始めてすぐにキャラクターの名前や性格、抱えているエピソードなどが伝わってきました。ここまでしっかりとキャラクターが描かれいるのならば、テレビシリーズもきっと良作なんでしょうね。

 で、この映画版なんですけど、記憶があいまいだったせいもあって、楽しめないかもなと覚悟していました。ただ、そんな心配は無用なもので、想像以上に面白かったです。一番の見どころは生き生きとした登場人物たちですかね。モブもきちんと演技をしてましたし、作画関連に突っ込みどころは感じませんでした。

 軽くストーリーで描かれていた要素をまとめてみます。


客観視:{netabare}
 物語の大半は「客観視」をすることに費やされていました。
 「自分が見ている自分」「自分が見ている親」「自分が見ている家族」というのを、「第三者の視点」を通すことで理解しよう、というのがストーリーの中心です。

 例えば、学生時代のオハナママが見ている「自分が見ている自分」というのは、「写真に写った自分」を介して再評価がされることになります。
 同じように「オハナが見ているオハナママ」は「豆じいの業務日誌」を介して、「オハナが見ているオハナファミリー」は「ナコのファミリー」を介して、客観視されていきます。

 これは他の登場人物にも表れていました。例えば、ミンコは宿泊客の視点で、板長のレンジですらトモエの視点で、それぞれの思惑に対しての再評価がなされていました。
 描かれているのは「客観視」というたった一つの要素なんですけど、マンネリにならないように非常に上手くストーリーが組まれていました。一貫して描き続けよう姿勢というはすごく伝わってきましたね。
{/netabare}

オハナとオハナママ:{netabare}
 一番面白かったのは、オハナとオハナママのエピソードの書き分けですね。

 まずはオハナから。
 「オハナが見ているオハナ」を第三者の視点から見るエピソードはありません。思春期における自己の客観視は、オハナママのエピソードで足りているからかもしれませんし、テレビシリーズの話なのかもしれません。
 で、オハナは、「オハナママ」と「自分のファミリー」の両段階を、他人の目に頼っています。上で述べた「豆じいの業務日誌」と「ナコのファミリー」のことです。

 一方でオハナママ。
 学生時代の自分を客観視するためには「写真」に頼っているんですが、「オハナママの親(女将のスイ)」と「自分のファミリー」を客観視するためには、他人の目を必要としていないんですね。いずれも子供のオハナを抱えた状態で、自分の目で客観的に見れています。

 この構造的な違いというのは、そのまま年代や境遇の違いになるんだと思います。学生という未熟な視点と、子を持つ親の成熟した視点ということなのでしょう。このオハナとオハナママの似ているようで全く違う描き方が絡み合いながら、エンディングを迎えます。

 「私、輝きたいんです!」の源泉は、自分をきちんと見つめることにある。そして、親や家族に対してもその視点を適用することで、映画版のサブタイトルである「HOME SWEET HOME」につながる。これがテーマでした。
{/netabare}

対象年齢等:
 予備知識はそこそこあれば問題ないと思います。もちろん、あった方が楽しめるのは否定しませんけどね。私程度の予備知識でも楽しめましたから、コアなファン向けってわけではないと思います。
 家族ものですから、思春期以上なら視聴年齢は特に気にしなくても大丈夫です。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 7

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大人になるっていうことは―― 走り出すっていうことは――

花咲くいろは・劇場版。

こちらを観る前にテレビシリーズを視聴してくださいね♪


私はテレビシリーズ大好きでした。

テレビシリーズを観ているとき、右も左もわからない、手探りな毎日に
戸惑っていた時期でした。

だからこそ、常に全力で前に進む緒花ちゃんたちにはものすごく元気を
もらって、この作品が大好きになったのです。
(おかげで満足のいく結果が残せてほっとしているところ^^)

今は何事も好調な時期なので、花いろに対する感じ方が変わっちゃうかも…
とちょっと心配に思ってたんですが。

いやいや、精神状態なんて関係なかったですね。

やっぱり花いろは花いろ!劇場版も大好きでした。号泣でした。笑


● ストーリー
テレビシリーズのラストより少し時間はさかのぼって、時はぼんぼり祭りの数日前のこと。

ひょんなことから、緒花は昔の業務日記を見つける。

そこに書かれていたのは、皐月(緒花の母親)がまだ喜翆荘にいた頃のこと。


キャッチコピーは「私、もっと輝きたいんです……!」

今回は、大きく2つのことがテーマだったように感じます。


≪皐月の過去≫
自分は何がしたいのか、もっと輝きたい、素敵な人との出会い…。

思春期の悩みにぶち当たる皐月の姿に緒花が出会う。

そこから垣間見えるのは、「大人になるということ」。

人は誰でも赤ちゃんからスタートして、いつか大人になる。

どんな大人だって昔は子どもだったんだ。

いろんなことに悩んで、いろんな壁にぶち当たって、自分の感情を
押し殺して…。

親や先生など身近な大人のそういう話って、たとえどんなに
くだらないことでもすごく心に響いた覚えがある。

テレビシリーズでは緒花たちががむしゃらに突っ走ってくれたけど、

今回は皐月さんがひたむきに前に進む姿で元気をくれました。


≪家族≫
緒花、なこち、スイさん…。それぞれに家族があって、それには
いろんな形があって。

どんな形であっても、家族ってかけがえがなくて、まぶしくて、愛おしいもの。


本当は1番近くにいるはずなのに。

近すぎるから言えないことがたくさんあって。

近すぎるから言えないことに苦しんで。

近すぎるから想いが止められなくて。


私は、なこちの「帰ってきてよ!」に号泣でした。

やっぱり親って、親なんだな。どんなにけんかしても、すれ違っても、
思いやっても、自分にとって心の支えで、唯一甘えることが許されていて…。

そんな偉大さに対して、この世のすべての親御さんに頭が上がらないです。

”緒花”…最高だね。この名前の由来を思い出すだけで今でも号泣なんですけど(笑)


● 走り出す
私の中では、花いろ=走る!というイメージがあるんですが、

今回もいい走りっぷりでした。

誰かのため、自分のため、先にある未来のため…。

とにかくみんな走りすぎ!そんなの見せられたら、私も走りたくなる
じゃないか!うおおおおおおおお!(興奮)


● 音楽
【 主題歌「影踏み」/nano.RIPE 】
テレビシリーズを観終わってから、劇場版を観る前に聴いていました。

その時は特に何も感じなかったんだけど、今では大好きです。

やっぱりnano.RIPEの曲は花いろの雰囲気とよく合う!


● まとめ
語られなかった部分もあるけれど、全部を語らないところがまたよかったです。

皐月の過去については、明らかになっていないところがあるぐらいが皐月らしくてちょうどいい。

これで何もかも語ってたら、花いろらしさが薄れてしまいそう。


たったの1時間だけど、すっかり花いろの世界に入り込んでいて、

観終わった後、現実に引き戻されるのになんだかすごく抵抗を感じました。

それぐらい、ぐいーっと作品に引き込まれた1時間でした♪

投稿 : 2020/04/04
♥ : 40

79.7 5 すれ違いアニメランキング5位
たまこラブストーリー(アニメ映画)

2014年4月26日
★★★★★ 4.1 (1111)
5991人が棚に入れました
少女は、知らなかった。

将来、当たり前のように家業をついて、ずっとこの場所で
このままでいられるんじゃないかって、無意識のうちに感じていた。
そうであればいいと、願っていた。

けれど、幼なじみも友達も、少しずつ変わって行く。
少しずつ大人になっていく。
家族がいて、商店街の人たちがいて、変わらないものと変わっていくもの。

高校3年生の春。
そんなことを思い始めた少女は恋をする。

北白川たまこは、知らなかった。
それは、「宇宙の入り口」に立ったような感覚。

そして少女は、一歩を踏み出す。

たまこ、むけました。

声優・キャラクター
洲崎綾、田丸篤志、金子有希、長妻樹里、山下百合恵、日高里菜、藤原啓治、日笠陽子、西村知道、立木文彦、ゆきのさつき、小野大輔、辻谷耕史、津久井教生、岩男潤子、渡辺久美子、家中宏、成田剣、川原慶久、山下大輝、野坂尚也
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

想いを伝える細い糸…

。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚

企画・原作・アニメーション制作 - 京都アニメーション
監督 - 山田尚子
脚本 - 吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督 - 堀口悠紀子
絵コンテ - 山田尚子
演出 - 山田尚子、小川太一、河浪栄作、山村卓也
作画監督 - 堀口悠紀子、丸木宣明、引山佳代
美術監督 - 田峰育子
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 山本倫
設定 - 秋竹斉一
音響監督 - 鶴岡陽太
音楽 - 片岡知子、マニュアル・オブ・エラーズ
音楽プロデューサー - 中村伸一、山口優
編集 - 重村建吾
製作 - うさぎ山商店街
公開 - 2014年4月26日
上映時間 - 83分

(以上Wikipediaより引用)

。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚


〜Tamako Love Story〜
「たまこラブストーリー」

もうタイトルから想像するだけで、心がキュンとなる
くらいの響きです。

前作「たまこまーけっと」をご存知の方ならあの純真無垢
なたまちゃんにラブがついちゃう。
なんだか嬉しいような寂しいような…
相手は誰?
と思いつつも思い浮かぶのは1人だけ…

1人の少女が恋する事への驚きと葛藤、そして喜びを
感じながら、1人の女性へと成長していく一歩手前の
過程を描いた、とても優しい愛おしさと切なさが感じ
られる作品でした。
そして思春期ならではの性への関心や友情が繊細な心情描写と
ともに優しいタッチで描かれています。

掛け値なしの純愛物語。
京都アニメーションが贈る83分間。
青春の輝きをどうぞ感じて下さい。


【mio's café】
視聴済みの方限定ですよぉ♪
美味しいお餅ありますΩ~ 

{netabare}
作品冒頭から登場する1つの林檎。

もち蔵が何気にコロコロしてて、最後にカウンターから
ぽろりと落ちる林檎。

何だか意味深な物語の始まり方でしたね。

今回は、お喋りなMr.鳥さん「デラちゃん」の登場は
ほとんど無く(最後の方でワンカットだけ、
あっ!デラちゃん!って思ったら消えちゃった…)、
たまこともち蔵を中心にお話が進みます。

そしてたまこともち蔵の恋のお話に絡めて、周りの人々も
成長していくお話しでもあったと思います。

物語序盤の方から、かんなちゃんの登場も多くて
相変わらずのシュールさに、ここは私的に嬉しい演出
でした。
いつの間にかバトン部員に「部長」って呼ばれているし…
実際部長では無いんですが、凄いですね、あの説得力。

「お餅だけを丸めて青春を終える気ですか、
たまちゃん‼」

「お餅は一生丸められますが、我々バトン部の青春は
今だけなんですよーー!たまちゃん‼」

やっぱりかんなちゃん、謎のカリスマ性あります。

みどりちゃんはいつも通り、たまこが大切な存在。
少しだけもち蔵に意地悪な事を言ったりするけれど、
私的には大事なたまこにもち蔵がどれだ本気でたまこの
事を好きなのか、あるいは自分から見て相応しい存在
なのか、彼女なりに試しているようにも見えました。
ただ、邪魔するだけでは無くて。

私はかんなちゃんとみどりちゃん、この2人の存在が
たまこラブストーリーでの大きなキーマンの1つ
だったとも思います。
そして物語の終盤ではこの2人にも大きな変化と絆が
生まれます。

そんなこんなで、お話しは進みますがやっぱり私的にも
最大の関心事は、

「もち蔵、いつ告るん?」

ていう事でした。興味津々。
でも、ドキドキ…

中々踏ん切りのつかないもち蔵。
うなされる様な毎日。寝ても覚めても

たまこ…たまこ…たまこ…

流石にたまこまーけっとよりも好きのグレードが
ワンランクアップしてますね。

わかるよ!もち蔵の気持ち。ましてや幼馴染み。
いつもの生活の中にたまこが普通にいるんだもん。
どうしたらいいのか分からなくなるよね。

そんなもち蔵にみどりちゃんがちょいアシスト。
ここもちょっと、みどりちゃん的にはもち蔵を
試している感じみたいだったけど、結果的にもち蔵に
告白するきっかけを与えた形になりました。

夕暮れの河原にたたずむたまこともち蔵。

作画的にもとても素敵なシーンです。
黄昏時の空にキラキラ輝く水面。
背景の美しさはもちろんですけど、やっぱり
堀口悠紀子さんデザインの横顔は大好きです。

幼い頃2人でよく遊んだ飛び石の上でたまこが
おもちを大好きな理由を語ります。

「あのさ、おもちってさ、ちっこいのに色んな人を
幸せに するんだよね。」

「柔らかくてさ、白くって、優しくって、
いい匂いがしてさぁ、あったかいんだもんなぁ。」

たまこにとっておもちはお母さんのイメージだったん
です。だから大好きで大好きでたまらないんです。
商店街と同じでかけがえの無いものなんですね。

川に落ちそうになるたまこの手首を握りしめるもち蔵。
たまこに東京の大学に行くと告げます。
たまこの潤んだ瞳の横顔、凄いです、いいですね。

そして、

「俺、たまこが好きだ!
めちゃくちゃ好きだ!だから…」

言っちゃた…

もち蔵には早く告白して欲しかったけれど、
実際、この一線を越えた言葉を聞いたら私まで
何かが壊れた、何か大きな物を失った様な気が
しちゃいました。

「ドーン!」って感じ?

「かたじけねぇ…かたじけねぇ…」

たまこのこのセリフ。私までビックリです。
そこまで、動揺するとは思ってなかったので…

でもいつもたまこの生活の中にいたもち蔵。
普通に家族の様に思っていたもち蔵。
そんなもち蔵からの「好きだ。」の言葉。
しかも、「めちゃくちゃ好きだ。」なんだもん。
たまこには今までの世界が見えなくなるのも
当然だったかもしれません。

「あっし、先に失礼するでござんす。」

これは重症ですね。

それからというものは、たまこまでもち蔵を意識して
しまう毎日。
お家のお手伝いも、バトンの練習もままならない毎日。

ここで、このお話のキーワードの1つは「キャッチ」
って言葉なんだなぁって思いました。

かんなちゃんがバトンをキャッチ出来ないたまこに言った

「磁石入りグローブを作るのです。バトンにも磁石を
くっ付ける。あら不思議、引き付け合うS極とN極。」

「どうしようもなく引き付け合うのです。」

多分、かんなちゃん的には深い意味は無かったと
思うんですけど(いや、彼女の事ならあり得るのかな?)
その話を聞いていた、たまことみどりちゃんの
(特にみどりちゃん)の表情が凄く意味深でした。

そして度々、出てきます林檎。
林檎と言えばニュートンの万有引力の法則。
引き付け合うんですね。どうしようもなく。

ここで私がちょっと思い出したお話がアダムとイブの
食べた禁断の果実「林檎」でした。
(あれは林檎では無かったと言う説もありますが、
ここは一応、林檎ということで。)

かなりうろ覚えなのですが、蛇にそそのかされて
林檎を食べてしまったアダムとイブが楽園を追放され、
それまで無かった恥じらいという感情を覚えて、
イチヂクの葉っぱでそれぞれの性器を隠してしまう
というお話しです。

そしてアダムの食べた林檎は喉仏に、イブの食べた林檎
は乳房になったと。

成長期、男性は喉仏がふくらみ、女性は乳房がふくらみ
ます。そして恥じらいを覚えます。

このお話の序盤でもたまこが急にお尻やおっぱい
のおもちを作ると言い出して、みどりやかんなのお尻を
触ったり、うさ湯でボインの女性と自分の胸を見比べて
もの哀しげな顔になったりしています。
そしてもち蔵に対しても恥じらいを見せる様になりました。

この辺り、たまこには無縁だと思われていた女性としての
性的な成長過程も柔らかいニュアンスで表現してるの
かなぁとも思ったりしました。

だから1つの林檎が登場する事で色んな事が想像出来ます。

英語のことわざで
「You are the apple of my eye」
という言葉があります。

日本語で言えば「目の中に入れても痛くないくらい
可愛い」という言葉に該当するのかな。

もち蔵にとってたまこは色んな意味で林檎だったの
かもしれません。
だからお話の冒頭で林檎をコロコロしてたのかなぁって。

そしてもう1つ私が感じたのは、たまこともち蔵の
ラブストーリーを通して周りのみんなも一緒に
成長した事でした。

中でも終盤のかんなちゃんとみどりちゃんのやりとりには
心を打たれました。

嘘をついてまでたまこをもち蔵の元へ送り出した
みどりちゃん。
1人残った教室にやって来ましたかんなちゃん。

このあとの2人の会話がとても素敵でした。

かんな「策士ですな。でも、そういうの好きですよ。」

「今ちょっといい顔してますよ。」

みどり「サンキュっ!かんなっ!」

かんな「ねぇみどちゃん。私も高いとこ登って
みますかね。」

もう、何とも言えないくらい2人の間の言葉以上の物が
伝わってきて、つい涙が出ました。

大好きなたまこの幸せを願って送り出したみどりちゃん。
1歩成長しました。
そんなみどりちゃんを見て、自分も前に進むもうと思った
かんなちゃん。
木に登った時のかんなちゃんの顔がとても素敵でした。
登った時の景色、今まで見たこと無い景色だったのかも
しれません。

この作品を見て私が感じたのは人を好きになるという
事は当たり前かもしれないけれど、とても切ない事
なんだって事。
好きになる方も、好きになられる方も。

何処かに私が置き忘れてきた思い出かもしれません。

そして「ちはやふる」を見て出会った私の好きな
一つの和歌が思い出されました。

しのぶれど 色に出でにけり わが恋(こひ)は
     ものや思ふと 人の問ふまで

歌意:
私の恋心は誰にも知られない様にと心に決めて
耐え忍んできたのに、とうとうこらえきれず
顔に出てしまっているみたいです。
何か物思いでもあるのですかと人が尋ねてくるほどに。

という隠せば隠すほど表情に表れてしまう悩ましい恋心
を表現した歌です。

たまこともち蔵を見ていたら、凄くこの歌が心に
染みてきました。

最後の駅のホームでのシーンはもうなんと言ったら
いいのか分からないくらい、純愛の美しさが表現
された演出だったと思います。

今まで何度もキャッチ出来なかった糸電話。
その糸電話を見事キャッチしてからの、

「もち蔵、大好き!どうぞ!」

たまこらしい最後の言葉でした。

このあと、私にはたまこの

「やっと…やっとね…キャッチ出来たよ。
糸電話ともち蔵の気持ち‼︎」

という言葉も聞こえた様な気がしました。
いえ、確実に聞こえました。

それにしても、もち蔵泣き過ぎ…
でも、そういうもち蔵、私も好きです。
嬉しすぎるもんね!私まで…涙出ちゃうよ…

子供が大人になっていくのは嬉しいけれど寂しい気も
します。
それは作品を通して、豆大さんや吾平さん夫妻から
凄く感じました。
お互いの両親はわかっていたけれど、黙って見守って
くれてました。
でも、みんな色んな事があって今、ここにいるんです。
これから、たまこともち蔵も色んな経験をしていきます。

これから先の2人を見てみたい気もするけれど、

それは、やぶ蛇でしょうか…

〜Tamako Love Story〜
「たまこラブストーリー」

本当に出会えて良かった作品でした。
2人の幸せを祈って…



【主要登場人物・出演者】

北白川たまこ - (CV:洲崎綾)
大路もち蔵 - (CV:田丸篤志)
常盤みどり - (CV:金子有希)
牧野かんな - (CV:長妻樹里)
朝霧史織 - (CV:山下百合恵)


【主題歌】

主題歌「プリンシプル」
作詞 - 愛鈴 ⁄ 作曲 - 藤本功一 ⁄ 編曲 - 谷口尚久
歌 - 洲崎綾

オープニング曲「KOI NO UTA」
作詞 - 北白川豆大 ⁄ 作曲 - ダイナマイトビーンズ
歌 - 北白川豆大

エンディング曲「こいのうた」
作詞 - 北白川豆大 ⁄ 作曲 - ダイナマイトビーンズ
歌 - 北白川たまこ


【劇中曲】

「恋の歌」
作詞 - 北白川豆大 / 作曲・歌 - ダイナマイトビーンズ
「Excerpts from "The Return Of The Drowing
Witch"(Part1 - Part9)」
作曲・編曲・演奏 - Hogweed

「qum Daiwtiigyam」
作詞 - Gunung Bangep / 作曲 - Ro ga-nang / 歌 Daniels

「豆大さんへ」
作詞・作曲・歌 - ひなこ

「上を向いて歩こう」
作曲 - 中村八大 / 編曲 - 片岡知子
{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 94
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

恋愛も、友情も、成長も、全ては日常の産物

2014/06/27 鑑賞四回目、レビュー更新

もしこの映画を題名だけでステレオタイプな恋愛映画のイメージで敬遠している方がいたら、一旦その考えを捨て去ってとにかく見てほしいです。

「たまこまーけっと」で作り上げた日常の世界を上から恋愛模様で塗り変えていったのではなく、元あった日常に丁寧に恋愛の色を加えていった。

日常系アニメで成功を収めた京アニだからこそ出来た日常系ラブストーリーです。

※ただ一口に日常系と言っても「らき☆すた」のような日常四コマ系、話に連続性がなくキャラクターの掛け合いだけで成立する類のものと、「けいおん!」や「たまこまーけっと」のような作品は異なる意味合いを持っていると思います。

後者では作中時間が経過しながらキャラクターが成長し、物語に変化あっての日常が表れているので、同じ日常でもそこから生じる現実感に差があります。

あらすじ
{netabare}
高校三年生―誰もが新しい進路に向かって歩み出すとき。

うさぎ山商店街に住む、大路もち蔵(おおじもちぞう)もそういった時期に差し掛かっていた。
自分の中では既に進むべき道が決まっていた彼だったが、心残りが一つだけあった。
それは生まれたときから知っている幼なじみ、北白川たまこのこと。

実はいつからかもち蔵はたまこに恋をしていた。
そしていつその想いを伝えるか踏ん切りが付かないでいた。

そんなある日、あることがきっかけでもち蔵はたまこに告白する絶好の機会を得る。
もち蔵は無事告白できるのか、もし告白できた場合たまこはそれにどう応えるのだろうか。




一方、たまこも卒業後の進路は決定していた。
しかしその決心に迷いがない訳ではなかった。

もち蔵や周りの友達のように自分の将来を見据えての進路ではなく、漫然とした進路の歩み方に不安を覚え一人悩んでいた。

高校卒業を目前に控え、たまこは色々な経験をすることになる。
そうした経験が彼女をどのように変えていくのか。

もち蔵とたまこを中心にした、少年少女の思春期を描くストーリー。
{/netabare}


最初「たまこまーけっと」が映画化すると聞いたとき、(日常系が受けなかったからラブコメかー)とか(また映画化商法かー)みたいな、ネガティブな意見の方が多かった気がします。

自分も、今までのイメージとがらりと変えて同じキャラを使った別物のようなラブストーリーを想像していました。

しかし山田監督が目指したのは、日常アニメからの‘脱却’ではなくより日常に迫った日常アニメの‘昇華’だったのではないかと思います。


何故なら、普通ラブストーリーといえば一に恋愛・二に恋愛、登場人物にとって最も重要な恋煩いを物語の軸に置いて話が進んでいくものですが、
この映画では恋愛している少女を日常の世界から切り離したりせず、あくまで日常の中に同居する一つの要素として扱っているからです。


ラブストーリーのための恋愛、ではなく日々の生活(実家の手伝い・学業・部活等)を過ごしながら感じている恋愛―当然ながら四六時中恋愛のことばかり考えていたとしても現実それだけに専念することは叶わないわけで、その意味では最も本質的な恋愛を描いていると言えます。


学校での休憩時間や放課後に友達と集まって、将来の話だったり恋愛の話をする。学校から帰って寝るまでの間に自分の部屋で、昼間話したことを思い悩んでみる。
いかにも学生らしい、こうした日常の過ごし方がリアルで良かったです。

<追記>
また単にたまこともち蔵の二人の話ではなく、みどり・かんな・史織の三人娘たちもそれぞれの未来に向けて(大なり小なり)成長していくことが見られ、青春色を強めていたのではないかと思います。
[個人的なキャラの成長度]
史織>もち蔵>たまこ>みどり>かんな>あんこ

{netabare}
史織はこの中で一番成長したのではないかと思います。
内気で引っ込み思案だった彼女は、誰の目にも触れない間に自分から殻を破って飛び出していく決心をしていました。ただ視聴者にさえその成長の過程を見せてくれなかったのは残念です。


次に大きく成長したのはもち蔵。たまこよりもち蔵の方が一つ上のステージへ登って大人びています。
彼がたまこに想いを伝えたのは、未練よりも覚悟の現れであると感じました。たまこに想いを馳せながらも決して依存するつもりはなく、むしろ一人でもやっていける強い意志が見られました。


たまこは、自分の中で意識していなかったまたは意識しないようにしていた感情をやっと認識しそれに向き合った。
そして行動に移すことが出来た点で成長があったと言えます。しかしまだ完全に自立は果たせていない、もち蔵に依存している未熟な部分は残っていました。


みどりはたまこへの依存からやっと少し抜け出すことができたといった所でしょうか。
最初自分はみどりがもち蔵に突っ掛かるのは恋心故にだと思っていたのですが、どうやら逆にたまこを取られる嫉妬心から来る行動だったらしく、まだ友達離れの段階だったのですね。
最も大人に見えるみどりがむしろ一番子供らしいというのが面白いところです。


かんなはみどりやたまこの成長を目の当たりにして、それでは自分も、と自身の障害を一つ乗り越えました。
周りの人から見れば(この中のメンバーで見れば)、ほんの小さな一歩ですが、これも立派な成長でしょう。


あんこに関しては劇中あまり出番が描かれませんでしたが、たまことの自宅でのやり取りからやはり彼女なりの成長があったのだろうと推察できます。
大きくなること、変わっていくことに対して前向きに向き合っています。彼女は元々大人びているので成長の度合いとしては最小だろうと判断しました。
{/netabare}


新海誠監督の作品のように、ストーリーの進行速度と登場人物の感情の移り変わりの速度を上手くシンクロさせ、ゆっくりと進んでいく日常の中で徐々に芽生えていく恋心を表現するのは容易いことではありません。
{netabare}
もち蔵に告白されてから、たまこは今まで気付かなかっただけで身近に(商店街の中に)あふれている人々の営みを初めて意識し、過去に自分がもち蔵に失意のドン底から助けられたことを思い出し、またかつて自分の母も同じ経験(豆大に告白され思わず逃げ出す)をしていたことを知り、自分の気持ちと向き合っていきます。
この過程がしっかりしているから、視聴者もすんなりと共感することが出来るんですね。
{/netabare}


それからアニメ映画の中にはTVアニメの拡大版・数話分の内容を凝縮したようなものが多いと感じていましたが、たまこに限ってはちゃんと映画としてのセオリー・手法を取り入れて一つの映画として成立していました。

思うに、場面の切り替え・繋ぎの部分でその工夫がなされていて、ブツ切りにならずに一つ一つのシーンが全体で調和していると思いました。


今までの日常系アニメで実践してきた、登場人物の会話や内面に生まれる絶妙な‘間’も遺憾なく発揮されていました。

たとえば二人の女の子が隣り合ってごく普通の会話をしている光景。何も特別なことはないのにスクリーンに釘付けになってしまうのは、ほんのわずかな無言の時間・無音の空間によって空気が張り詰めるような緊張感を生むからでしょう。


主に女性キャラの仕草や表情、性格などの描写に女性的な感性を強く感じるのも恋愛ものとして効果的でした。

TVアニメのときよりも大胆に赤裸々に描かれている女の子達。その中でも特にたまこの変化が顕著でした。

自分が今どうしたい・この先どうなりたいか悩んで悶えている姿や、自分の本音を素直に打ち明ける姿が新鮮でした。

TVのときはあまりに浮世離れしていて身近な存在ではなかったので、やっとヒロインとして物語に登場してくれたか、という思いです。

その証拠に
{netabare}
EDムービーはTV版のED「ねぐせ」と同じフィルム風の映像で、流れている曲がたまこの歌う「恋の歌」。主題歌のプリンシプルも良いですけど何よりこのEDが吹っ切れた感じで素晴らしかったです。
冒頭では母ひなこの真似っこに過ぎなかったものが、最後はさながらダイナマイトビーンズのような情熱的な熱唱。この変化が良い!
{/netabare}


色々と自分なりに思ったこと・考えたことを手当たり次第に書き連ねてみました。

今回の映画は、非常に少女漫画的な乙女の‘純情さ’と懐かしの青春映画的な‘青臭さ’が共存していて、幅広い層に向けて支持されるだろうと予想されます。
至高の日常系恋愛アニメまたは日常系アニメの一つの到達点としてもっともっと高い評価を受けてほしいと思います。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 48
ネタバレ

ostrich さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「手前」「予感」から「確信」「覚悟」へ

山田尚子監督作品を一通り鑑賞してから、本作を再見した。
私の見立てに過ぎないが、監督の作家性が本格的に発揮されたのは、本作からだと思う。

彼女は日常の中のスリリングな瞬間を描くのが本当にうまい。もう少し具体的に言えば、なんでもない日常を丹念に描きつつ、その中に潜み、日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情を掬いとることに情熱を傾けているように思える。
他の映像作品を例にとるなら古き良き日本映画的な作風とも言えるだろう。本作の冒頭で「松竹映画」のロゴがモノクロで映されるのは象徴的だ。私はそれほど「古き良き日本映画」を観ているわけではないのだが、これが小津安二郎や山田洋二へのオマージュだということはわかる。

その視点で思い返せば、彼女の作家性は「けいおん」シリーズや「マーケット」でも、時々、発揮されてはいた。
ただ、どちらの作品も「変わらない日常」に着地する前提があるので、決定的な変化は最後まで起きない。その手前、あるいは、その継続の予感に止めているのだ。もちろん、この選択は両作品を魅力的にしている要因でもあるのだが、現時点から振り返れば、「映画作家としての山田尚子」には足枷でもあったように思う。

その足枷を本格的に外したのが、本作だ。

すでに本サイトの優秀なレビュアーの方が指摘していることでもあるが、本作は「変わっていく日常」を描いている。もう少し、きつい言葉を使うと、日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情が表出して、日常そのものを決定的に変えていく様を描いているのだ。
そして、この過程が緻密に計算された構成と、繊細で慎重なセリフ回しによって描かれるため、大きな事件はほとんど起こらないにもかかわらず、非常にスリリングな印象となる。これが前2作品と決定的に異なる点だ。

これが端的に表れているキャラクターは、みどりだ。
本作における「日常を壊す可能性をはらんだ個人の感情」とは、主には、たまこともち蔵と恋愛感情なのだが、その表出にはみどりの恋愛感情が大いに関わっている。
実はメインキャラクターの中で、初めてはっきりと他者に対して、感情を表出させるのは、主人公2人ではなく、みどりなのだ。もちろん、ストレートな愛情表現ではなく、もち蔵に対する「いじわる」としてだが、恋愛感情というのはそれも含めてのものだ。
ありふれた作品なら、みどりは自分の感情をコントロールして、2人を応援するところかもしれないが、本作は違う。逆にみどりのコントロールしようとしても出来なかった感情が、2人の状況を変化させる。結果、作品全般を通じて、みどりの行動には常に緊張感が伴うことになる。ただでさえ、繊細な主人公2人の関係が、みどりの行動でどうなってしまうのか、というスリリングさが生まれるわけだ。シナリオ用語的に言えば、狂言回しにもなっている。

これらのことは、映画「聲の形」を観た方なら、ピンとくるものがあるんじゃないだろうか。そう、おそらく、みどりは「聲の形」の植野の原型だ。もちろん、「聲の形」は原作付き作品なので、原型というのは正確さに欠けるのだけど、少なくとも、本作を経過したことで、植野を描くことができた、ということは言えると思う。
また、「リズと青い鳥」の優子あたりも「主人公たちに影響を与える、優しき敵対者」という位置づけにおいて、みどりと共通している。「リズ」における希美、優子、夏紀が語り合うシーンの緊張感は、本作のみどりに関するエピソードが原型になっているとみることも出来るだろう。
いずれにせよ、山田監督にとっては、本作でみどりを描き切ったことが、作家性を確立する重要な契機になったと思う。

    *     *     *

さて、山田監督の後続作品に触れたついでに、それらの作品と本作の全般的な比較もしてみたい。

後続作品から振り返ると、本作は「変わっていく日常」を描いてはいるものの、最終的にはそれほど変化なく物語が終わっているようにも見える。
たとえば、もち蔵が上京してからのたまことの関係については、一切触れていない。それどころか、もち蔵の上京自体、確定事項ではないのだ。その他のキャラクターの「その後」も、セリフの中で「将来のこと」として、語られているだけで、少なくとも、キャラクターたちの位置づけにはほとんど変化がない。

この辺りは前2作品を引きずっているとも言えるが、主人公たちが「変化を確信して、それを受け入れる覚悟をした」という内面の変化は確実にあるし、そここそを描きたかったのかもしれない。少なくとも、これまでは「手前」や「予感」で止めていたところが「確信」「覚悟」まで踏み込んで描いた作品ということは言える。

そして、山田監督は、次作「聲の形」で、「変わっていく日常」どころか、変わって壊れてしまった日常を再生させる物語(しかも、再生させようとしている間にまた壊れる展開もある物語)を描くことになる。
「聲の形」は山田監督の(現状の)代表作、かつ、最大のヒット作でもあるので、ここで作家性が現出したという見立てもあり得るとは思うのだが、全作品を通して観れば、少しづつ段階を踏んだうえで、「聲の形」に至っていることがよく分かる。
中でも本作は、作家性を確立した作品として、「けいおん」から始まるユートピアを出ていく過程の作品として、非常に重要だと思う。

※蛇足

本稿では、山田監督の作家性の展開について書いてきたのだが、彼女の「けいおん」から不変の作家性というか演出法である「間接表現」の巧みさについても書いておきたい。

これは今更、私が語るまでもないことだけれど、山田監督はキャラクターの心情をセリフだけに頼らず、モノや、キャラクターの行動や、風景描写などによって間接的に描くのがとてもうまい。

本作でいえば、{netabare}
たとえば、「糸電話」や「バトン」に関するエピソードだ。
もち蔵が「(たまこは)投げても、100回に1回しか受け取れない」という糸電話は、まさに2人の関係を象徴しているし、バトンはたまこの「受け取りたいけど受け取れない」もどかしさを端的に表している。{/netabare}
そして、その変化によって物語を語っていくわけだが、これがセリフ以上のエモーションを引き起こす。

その最たるものは言うまでもなくラストシーンなのだが、{netabare}私としては、ここで、たまこがもち蔵にする回答(セリフ)は、不要だとさえ思っている。あそこはもう、たまこが糸電話を受け取った時点で決着がついているよ。{/netabare}
そのくらい、山田監督の間接表現は雄弁なのだ。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 11

70.2 6 すれ違いアニメランキング6位
好きっていいなよ。(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (1100)
5366人が棚に入れました
16年間、彼氏も友達も作らずに生きてきて、周りからは暗いやつと思われている、橘(たちばな)めい。ある日、ひょんな誤解から学校一のモテ男・黒沢大和(くろさわやまと)にケガをさせてしまうが、なぜか大和はめいを気に入って一方的に友達宣言、むりやりケータイ番号を押しつける。めいがストーカーにつきまとわれた時、呼んだらすぐにきてくれた大和は、めいを守るためとキスまでしてきて……!?

声優・キャラクター
茅野愛衣、種田梨沙、櫻井孝宏、島﨑信長、内山夕実、寿美菜子、前野智昭
ネタバレ

ヒカリ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

甘酸っぱくて、切なくて、胸がいっぱいになる作品


友達がいない歴16年・橘めい
学校1のモテ男・黒沢大和

そんな2人のラブストーリー。


大和くんの友達、中西くんがめいちゃんのスカートをめくろうとした→そばにいた大和くんにめくられたと勘違いするめいちゃん。→回し蹴り

少女マンガあるあるの出会いから始まります。

いきなり回し蹴りをしてきためいちゃんに、他の女の子にはないものを感じて、1話目から大和くんはめいちゃんに猛アタック。

だけどめいちゃんは、携帯のアドレス帳に自宅とバイト先しか入っていない、16年間、友達がいない女の子。

とりあえずアドレス帳には「黒沢大和」が増える事になるのですが、

めいちゃんは大和くんにとまどい、抵抗を続けます。

それからめいちゃんはストーカーにあい、大和くんにとっさの電話。そうしてストーカーを撒くため2人はキスをします。

ここまでがよく「好きっていいなよ」のあらすじとされる部分です。


★{netabare}私は再視聴で作品に良さに気付く事が多いのですが、この作品もそのパターンでした。

理由は大和くん。
大和くんがめいちゃんに猛アタックして、2人は恋人となるのですが、めいちゃんは友達いない歴16年に対して、大和くんは学校1のモテ男。
それも君に届けの風早くんタイプではなく、女の子と結構遊んでるタイプの男の子です。

そんな2人が付き合い始めて、めいちゃんはおどおど、大和くんは余裕の笑み。
恋人ができても女の子と出かけることもあるし、モテるし、そりゃめいちゃんの立場になって考えると、
「どうして私なんか…」ってなりますよね。
でも大和くんはキスしてきたり…

そんな大和くんに不信感を覚えてしまった私は、あまりこの作品の良さに気付けず…(もったいない!)

再視聴で大和くんにも悪気がないんだし、何より当事者のめいちゃんが幸せならそれで…ということに気付き、好きっていいなよってこんなに感動ものだったっけ?と涙しました。

それともう1つ、この後手つないで、キスして…と物語の先が見えて、冷静に視聴できたからかもしれません。{/netabare}


★この物語のテーマとなっている「人を信じるということ」
それは
ヒロインのめいちゃんにあてたものでもあり、大和くん、そしてライバルとして登場するめぐみさん。
色んな人に、というか観ている側の私たちにも、語りかけてくれているような、そんな気持ちになって、いろんな感情がわっと溢れてきます。

各キャラの「人を信じる」エピソードをかいたので長くなりました。ほんとに全部かいてあるので、視聴予定の方は注意してください{netabare}
☆大和くんと付き合うようになって、めいちゃんには、信頼しあえる友達・あさみちゃんができます。

{netabare}あさみちゃんは友達もいるし、大和くんとも仲のいい、華やかな子なんですが、それゆえに嫉む人だっているんですよね。

巨乳のあさみちゃんは、胸をたとえて「スイカ」とバカにされて、あげく大和くんの友達、中西くんに自分の事を「巨乳で可愛い」としか思われていないと思って…
でも中西くんは本当にあさみちゃんの事を可愛いと思っていて、背中を押してくれたのがめいちゃん。

あさみちゃんと中西くんは恋人になり、あさみちゃんとめいちゃんは親友になって、
めいちゃんはそれを「黒沢のおかげ」といって。
あさみちゃんにお揃いのストラップをもらって、嬉しそうなめいちゃんは本当に可愛らしかったです{/netabare}


☆それから、初めてのライバル愛子ちゃん。
{netabare}初めてのデート中、こちらもまたデート中の愛子ちゃんに出会って、4人でポウリングに。

そこで愛子ちゃんは、大和くんに好かれてるくせに、そっけないめいちゃんが気に入らなく、大和とは1度関係を持ったといい、動揺しためいちゃんは帰ってしまいます。

でもめいちゃんが大和くんに対して本気なのを認めて、それから話数を重ねていくごとに、めいちゃん、あさみちゃん、愛子ちゃんの3人で過ごすことが増えていますね♪3人とも恋人がいるので6人でいることも。{/netabare}


☆そして、一番やっかいだった、最大のライバル・モデルの「めぐたん」ことめぐみさん。
{netabare}人気読者モデルのめぐたんがめいちゃんの学校に転入。そして大和くんと出会います。
放課後、めぐたんは
「私ぃ~大和くんに一目惚れしちゃってぇ~、彼女がいてもいいから、付き合おうよ。私たち、ハイレベル同士で♡」

え?モデルやってるんだったら、大和くんじゃなくても、お気に召す人が周りにいるんじゃ?と思ったのはさておき。

大和くんは「そういう見た目しかみてないやつは嫌い。俺には彼女がいる」
と言いばっさり。
こうして観てみると、そうして1度目の視聴で大和くんの、こういう一途なところに気付かなかったんだろう…と思いますね笑

次の日めぐたんは「ごめんなさい」と謝り、大和くんとは友達になりたい、と友達に。もうこのときからすでに、悪い方向へ進んでいるのが見えますよね笑

それから大和くんをモデルに誘い、「めいがカッコいいって言ってくれてるし」と大和くんはモデルになって…
あさみちゃん達もやりなよ~と盛り上がってる中、不安だからといって止められないですよね。うん、いいと思う、とめいちゃん。

雑誌に、大和くんはめぐたんとカップルみたいに載っていることも多くて、もう観てるこっちがハラハラ。
2人ほんとのカップルみたい!橘よりどう考えてもめぐたんの方がお似合いだよね~
周りもそんな感じで、めいちゃんの耳にも入って。
それからめぐたんの家に大和くんが出入りしているろいう噂(これは本当)

やっぱりこんなとき支えてくれるのは、友達なんですよね。
あさみちゃんと愛子ちゃん、それぞれの慰め方で、めいちゃんも少し元気が出たみたいでとりあえずホッ。

これからも色々、もうほんとに色々あるんですが長くなるのでとりあえずは省きます。


そんなこんな、めぐたんでしたが、やっぱり大和くんが選ぶのはめいちゃん。
どうして私じゃないの?とあさみちゃんたちを誘って、めいちゃんを誘わなかったり、こわっ!女子こわっ!
愛子ちゃんがびしっと「私らはテメーのペットじゃねーんだよ」とびしっと言ってくれました!女子に人気が出そうなヒールキャラですね♪♪

ネット上でもめぐたん性格わるい、ブス、早くやめろ
と書き込まれまくって、(女子こわい!)
今まで、我慢してたポテチなどなどを買い込み、引きこもり、両親とも仕事先とも、連絡をたって、

そこで現れた“ももちゃん”という存在。ももちゃんは前からめぐたんのことを気にしていたんですが、幼なじみだったんですね!

そんなもももちゃんが家に来ても「あんただってバカにしてたんでしょ!」
と拒絶。大和くんがきて、ももちゃんはめぐたんに
「周りからどう思われたっていいじゃん!私はめぐが1番カッコいいって思ってるよ。」

めぐたんはやっと出てきて、ももちゃんはずっとみてきてくれてたのに、と気づきます。

大和くんを追いかけてきためいちゃんをひと睨み。
めぐたんにとってはすべての元凶だもんね。。

実はめぐたんも昔、ブスブス!と長身をバカにされていた過去があって、こうやったら可愛いじゃんと、声をかけてくれたのはももちゃん。

イジめてたくせに、可愛くなったら、なかったかのように声をかけてくる男子に嫌気がさして、スカウトをきっかけにモデルになって、、
自分は全部「めぐたん」を演じてきたんだと、髪をばっさり。

最後には、
えー大和くん今日風邪なの?お見舞いいこっかなぁ?
はいはい、とももちゃんに引っ張られるすごいいいキャラになってくれました☆彡{/netabare}


☆そしてやっぱりめいちゃんと大和くん
{netabare}めいちゃんが友達を作らなかった理由。それは小学生のころ、学校で飼っていたウサギに、クラスメイトがお菓子などをあげて、
ウサギが死んでしまって、どうしたの?という先生に
めいちゃんが~と言われ、それから人は人をすぐ裏切るから、
となったからでした。

そんなめいちゃんにまっすぐぶつかってくる大和くん。
実は大和くんも、中学生の時、1番仲の良かった友達がイジめにあって、表面上はみんなと一緒にイジめて、裏で話していて、結局その友達は転校してしまった過去があった。だからめいを見たとき、惹かれたんだと言いました。その友達も登場しますね♪

ほんとにどうして私は大和くんのこういうところを観てこなかったんだろうと思います笑

大和くんの妹、凪ちゃんは不登校で、学校は楽しいよって教えてあげたのはめいちゃん。人は人を裏切るけど、そんな人ばかりじゃないんだよって
きちんとわかってるめいちゃんだからこそ、できたのでしょうね。
{/netabare}

すごく長くなってしまいました…。特にめぐたんの話はすごく印象ぶかくて…
{/netabare}

OPはフルーツバスケットの主題歌などの岡崎律子さん。
とっても優しいメロディと歌声で、大好きです。

それからめいちゃん役の茅野愛衣さん。
大和くんに話しかかられて、照れながら「ぅん…」というのがとーっても可愛らしかったです。
あさみちゃん役の種田梨沙さんも「あ~またいちゃついてる~」とめいちゃんと大和くんをからかうのが、とっても可愛くて、きゅんきゅんしました!

お2人のが好きな方はぜひチェックしてくださいね♡ ♥/●´v`)┃(´v`●\♥♡

長くなりましただが、読んでくださった方、ありがとうございます。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 30
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

<最終回まで視聴完了> なんだんねんw

いろんな意味で、少女マンガの王道だったかもだね。
誰かの嫉妬から嫌がらせを受けたりして傷ついたり、
ありもしない噂流されたら本人に確認する前に信じちゃったり、
そういう人間くさい愚かな部分を描きつつ、恋を実らせ育んでいく2人。

やきもきしたり、じれったかったり、イラッときたりしながら
最後まで観たわけだけれど、う~ん・・笑っちゃったな。

期待しすぎてしまったのかな。もう少し感動が欲しかったんだと思う。
なぜそこでそう思う・・?ってことがあまりに多くて
それは、めいにも大和にもすごく感じた。
{netabare}
しかも、めいと大和の間に会話はあまりないようで、
お互いがもっといろんなことを何でも話し合ってる仲だったら
こんなことにならないのに、ってことが多かった気がする。
付き合いが浅いからこそ、たくさん話をすべきだし
それがないから、すごく好きなのに信頼関係が浅いってことに
なってしまうんだろうね。
{/netabare}
でも、愛子やあさみっち達のようにいろんなカップルがいるわけで
その2人だけのカラーみたいなものは確かにあるし、
めいと大和も、これまでの経験と教訓を生かしながら
今後はもっともっと会話に花を咲かせたり、信頼関係を深めていくのかも。
そう思わせてくれる可愛く初々しいい話ではあった。

ちなみに、愛子やカイがいてくれたから成り立ってたし
この2人がとても魅力ある人物で、けっこうお気に入りだった。

展開的には前回(12話)のほうがよほど最終回にふさわしい内容で
盛り上がれたような気がするなぁ・・

リアルだなとは思うのだけれど、せっかくのアニメ作品だし
もう少し見せ場が欲しかったのは正直なところ。
それでも、作画は毎回美しかった。
背景がきめ細かく、隅々まできれいに描かれていて
つい見落としそうな小道具や部屋のインテリアや
置いてあるものなんかで、キャラ設定もわかりやすかったし、
そういう行き届いた想いが伝わってくるのは嬉しかった。

それに表情の微妙な変化なんかも細かくて。
あと、OPに岡崎律子の歌が起用されていたことも嬉しかった!
彼女のやさしい歌声とメロディーはとてもピッタリだったと思う。

一応、原作が手元にあるのでこれから読んでみるつもり。
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<8話の感想>

モテるからって恋愛上手なわけじゃない。
大和は確かに八方美人なところ、あるよね。
誰にでも優しくしてしまうのは、中学時代・・苛められないよう
表面を取り繕ってた時から変わってないんだなぁ。
嫌われたくない思いと、女の子は大事にしたいって思いは
わかるけれど、目先だけで動いてしまうんだろうなぁ。
あとは実際、恋愛経験が少ないから気が付かなさ過ぎてるだけ。
でも本気で好きな子がいるなら、その子を不安にさせちゃダメだよね。
めいみたいな子と出逢ったことで、これから彼もわかっていくんじゃないかな。
めいも大和と出逢って、自分の気持ちを表現するにはって悩みながら
どんどん変わっていってるしね。
新キャラの男の子、大和を昔から知ってるような感じだったし
今後どう絡んでくるのか楽しみ。
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<7話の感想>

読モのめぐちゃんは、自分に正直な子。
しっかりしたところもあって決して悪い女の子ではない。
愛子はけっこう冷静に観察しているけど、情に厚い姉御肌。
{netabare}
デリカシーないのか?と思ったあさみっちも、実はちゃんと気づいてた。
大和は、心変わりや裏切りなどしてないし、
めいには誠実なんだけど彼女の本音までは見抜けなかったかもだね。
ずっとメールを待っていためいが、大和からのメールに
「遅かったね」と打ちそうになったのを「おつかれさま」に
変えた気持ちが痛いほどわかる。
{/netabare}
でも、やっぱり気持ちは伝えないと伝わらない。
お互いが本音に気づいてあげられるほどの関係じゃないから、なおさら。
嫌な噂を耳にして、不安が疑惑に変わってしまったり
理解してるつもりで本音を隠し、いい子ちゃんぶってしまう・・
誰にでもよくあることかもしれない。
でもそのままにしておくと、気づかないうちにどんどん歯車がズレていく。
いつのまにか離れてしまってた、なんてことがないように
大切なその自分の想いをまずは信じて、勇気出すしかないのだよね。
{netabare}
愛子やあさみっちに気持ちを打ち明けためい、一歩前進できて良かった。
大和を想う気持ちの分だけ、少しずつ髪が伸びていっているめい。
気持ちをわかってくれる友達もできて、ますます変化が楽しみ。
{/netabare}

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<6話の感想>

ふたりで下校中の夕焼け空を一直線に横切る飛行機雲が、
一途な思いを揶揄しているように見えた。
でも、めいが久しぶりに1人で下校したときの夕焼け空は
どこか淋しげに映った。
だけど彼女は、今まで恋をした経験も友人もいなかったわけで
大和に対しても好意は持ちつつ、まだ自分を見失うほどの情熱には
発展していない段階なのだよね。
大和や他の登場人物の言動によって、自分の気持ちに少しずつ気づいたり
相手のことを信じれるようになったり、全部まだこれからって状態。
そんな中、大和の気持ちが今のところ揺らがずにいてくれてるのが
せめてもの救いだし、安心して観ていられる。
1クールなのかな?だとしたらそんなに話も入り組めないから
めいが今後、心乱されながらも大和と信頼関係を築いて
ほんとうに「好き」って言えるまでを描くのかもしれないね。
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<5話の感想>

猫を通してさらに距離が縮まっていく流れがいい感じ。
生真面目で優しい、めいのキャラがとてもよく表現された回だった。
そして、大和のちょっとだけ生意気な妹の繊細な気持ちが
いろいろな言動に表れていて、思わず抱きしめたくなった。
オーブン電子レンジからケーキを出すあの後姿が、めちゃ可愛い!
子供の頃の自分と重なる想いやエピソードもあって切なくなったけど
彼女には めいがいてくれて良かった。
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<4話の感想>

大和の友だちである早川君、音立てて汚い食べ方(苦笑)
イヤ~な奴の描き方がすごくわかりやすいよね。
それぞれの人物の細かな表情の変化、しぐさ、目線、指先。
そういう演出がとても良いと思う。
場面によっては、こっぱずかしくて赤面しそうなんだけど
それは、そのピュアさが今の僕に無くなりつつあるからなのかな。
大和とめいの信頼関係が少しずつ少しずつ深まっていくのは
心地良いし、素直に応援したくなる。
毎回OP聴いてるだけで泣きそうになるんでホント反則だぁw
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<3話の感想>

この作品、OPがものすごく好きだけれどEDもいいな♪
歌だけでなく、あの紫陽花色のイラストの数々がすごく好きだ。

人には多少なりとも心の傷があったり
罪悪感や劣等感を持ちながら前へ進んでいるよね。
そんな自分の心のうちを大切な人に打ち明けることで
お互いの距離を縮めたり、理解したり、しようとしたり。
大人ならさらっと流してしまうことでも、彼らは高校生。
ひたむきさ、みたいなものが伝わってきて
大和やめいはもちろんだけれど、波乱因子になりそうな愛子のことも、
ちょっと憎めないものを感じた。
それにしても、大和モテすぎだろww
まぁ、実際ああいう人いたけどね(笑)
{netabare}
チャラいようで実は、めいを好きになった理由がちゃんとあったってことが
今回は言いたかったみたいだね。
{/netabare}
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<2話の感想>
{netabare}
中西くんが意外にいい奴で、初々しくも想いをはっきり伝えてるところ
なんかけっこう好感持てた。
あさみっち、ライバルになるのかと思ったら、
いいお友達になれそうだしホッとした~
にしても、あのチュー攻めは観ててニヤケながら複雑というかw
思わず顔がほてったww いったいどんな展開が待ってるやら。
{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 63
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

典型的チャラ男&ビッチ像を眺めるアニメ

純愛ものを期待している人には基本的におススメできない。
この作品の楽しみ方は、ちょっと偏った見解によって生み出されたかのようなキャラクター・恋愛観を、
少し離れた位置から生暖かく傍観する感じがよろしいかと思います。
ある意味作者のこういうのを描きたい!みたいのがその都度わかりそうなので、
穿った見方で読み解こうとするレビュワーにとっては良い題材、もしくは曲者かもしれない。
そういうわけで感想たくさん書けたけど、やっぱり色んな意味で上級者向けアニメ、という感じ。

以下視聴時感想
{netabare} 君に届けに邪気を振り撒いたような・・ってそれもはや君届じゃないけど、キャラの立場的にはそっくり。
怪物君といい {netabare} ウサギ死ぬのといきなりキスするのは {/netabare} お約束なのか。
今期は対比するのが面白いアニメが多いかも。怪物君の主人公は自らの意志で
他人と関わろうとしなかったけど、こちらはトラウマを抱えて他人と関われないタイプ。
そしてお相手の男はあからさまにいけ好かないイケメン君で、
この時点で対等ではなく、上から目線感がヤダー。女視点だと王子様なのこれ?

都合のいいことに{netabare} ストーカーが、都合のいいことに電話番号が!
イケメン展開のために都合のいい悪を用意するっていうのが、もうシナリオにあんまし期待できない。
しかもストーカー実質何もしてないし見せつけたっただけやんwwあれで解決した気になるのはおかしい。
主人公ちゃんもトラウマのわりに対人スキルが結構高い。2日目ですでに普通に会話できてるよ。{/netabare}

ただ見所は演出が凝ってる気がする。音楽切って電車ブオーンとかコマ割ったり。
定番でもそれなりに面白そうではあるけど、私的には怪物君の方がいいかなー。

ー2話ー
{netabare}ウオエアアアアアアアアアアアアヴォエアアアアア キャラも展開も節操が無さ過ぎて胃がキリキリ
開幕から終わりにかけてもがき苦しんだ2話。君に届けと似た境遇なのになんだろうこの差は。
人の事を考えてる、思いやってる?いやいや、理性もリミッターもない短絡思考な人しかいないの?!
主人公もかなり直球だけど唯一まともに見える。イケメンさん回想の時の髪型なら良かったよwww
最後のアレは「これは○○の分、これは○○の分、そしてこれは俺の分だァーッ!!」的な
少年漫画展開を思い出した。少女漫画風にするとこうなるのか。もうやだこのアニメwww{/netabare}

ー3話ー
{netabare}道を歩くだけでイケメンイケメン言われてるwwwww
過去語りのカメレオンのように過ごしてきた……それはまぁわかるが、
ならどうして今そんな浮いてるのか?!チャラ男になってる意味はないよね……!?
新キャラの女は尻軽女のステレオタイプで、これは作者による風刺なのか皮肉なのかと思う程。
惚れる理由がまたちょろいwwwともかく周りを下げて、主人公を際立たせる構成なのかなぁ。
こういうのが絡んでくる原因を作ってるのは外面ばかり良く言行の軽い黒沢くんのせいなわけだが。{/netabare}

ー4話ー
{netabare}もはやつっこむ方が無粋なのかもしれないが……
まず第一に黒沢くんは早川くんのどこをみて紹介しようと思ったのか?
さらに状況把握してるわけでもないのに「たかがあんな女」発言だけで手がでる大和氏。
こんな理不尽な態度にでたら余計な恨み買って、結果めいに迷惑かかると思うんですが。
一方で盗み聞きしつつ追い打ちをかけるめいさんぱねぇ。
めいさんがバッサバッサと人の悪を斬り捨てる勧善懲悪的なアニメなのかもしれんね。{/netabare}

ー5話ー
あれ……!?今回いい話だった。どうしたことなの……こんなの好きなよらしくないよ……。
もしかして恋愛が絡まなければいい話書けるんじゃないのかこれ。

ー6、7話ー
あ、これこそ好きなよwwwあさみっちさんいい子じゃないか、大和よりこちらの良さに気付くべきやで。

ー8話ー
グアアアめんどくさいwwwこういう色恋沙汰は嫌やなほんと……。でも少しありそうなのか生々しい。
これこそが好きなよ……!とな怪や神はじとは一線を画すベクトルが、何か存在する……!

ー9話ー
{netabare} めいさんもう完全に落ちてますよね。成就した恋ほど語るに値しないものはないとは四畳半のお言葉。
完全にのろけ話になってるが、この先は嫉妬に狂う人やぽっと出ライバルとの取り合いが見所になるよう。
愛子さんはすっかり姉御肌キャラになってるけど、自分のこと棚に上げすぎではないのかこれ。
仕返しの考えは別に悪くないと思うけどなぁ、めいさんがそれっぽいこと言って、
さも正しいことを諭した風になってるのが解せぬ。あなた反撃で後ろ蹴り喰らわしたでしょうに。
そりゃやられたことを別の誰かにやる、っていうならやってきたやつと同じことだが、
やってきた相手に対してやり返すのは同じことではないだろ……。 {/netabare}

ー9話ー
{netabare} 海君がいいやつすぎて、もはやめいも大和も霞む。 {/netabare}

ー最終話ー
{netabare} まさかのギャグ回wwwシュールでシリアスな笑いにかなりツボった。
最初の頃は刺激的な展開が多かったのに、最後になるにつれ丸め込まれていく感触。
どちらかというとアンチな感想を書いていたのに、ここにきて、この作品に対して言わなければならんのか
案外……好き、だったよ {/netabare}{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 19

66.5 7 すれ違いアニメランキング7位
僕等がいた(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (430)
2890人が棚に入れました
彼はその時 まだたったの15歳で そして今 まだほんの16歳で 支えなければならない現実は いつも彼の体より 大きい ― 胸に期待をふくらませ、友達をいっぱい作ろうとしていた七美の高校生活が始まった。だけど女の子たちは、クラスの3分の2が一度は好きになるという、矢野という男の子の話題で持ちきりだった。七美には、意地悪でむかつく男にしか見えなかったけれど…

声優・キャラクター
ささきのぞみ、矢崎広、川久保拓司、中山恵里奈、清水香里、寺崎裕香、ゆりん
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

好きな人が 君で良かった

僕らがいた、は高校生の恋愛の物語です。
矢野くんと高橋七美ちゃんの物語。

まだ大人ではないけれど、魂は真っ直ぐで激しい。
ここまで人を愛おしく想えるのですね。
乙女ゲームなどと違い、夢見がちな恋愛ではなく、とてもリアルです。
想いが届いて、ふたりで歩いていくということ、を表現していると思います。

幸せってなに?という問いかけ {netabare}
七美ちゃん
「ほこほこするやつ
肉まんとか焼きイモとか寒い時でもあっためるもの。心をポッとさせるモノ!」

矢野くん
「雪みたいなもの…」
矢野くんが雪を手で掴むと溶けてしまいます。

正反対の答え。{/netabare}

切ないです。。
矢野くん、前はこの答え分からなかったけれど、今の私なら分かるよ。

{netabare}
高校生の頃の恋愛って
止まってられないというか、、一生懸命で精一杯で、でも日々移ろう、揺れる。
毎日真剣にぶつけあって泣いたり笑ったり怒ったり。
お互い相手を散々ふりまわすのだけれど、抱きしめると体温が伝わって
それだけで今までの溢れていた想いが溶けてゆきます。


永遠を信じて約束していた頃、

変わってゆくなんて思いもしないで駆け抜けて。
お互い笑顔がみたくって届かせたこと、全部夢になってしまうのかな。

心が離れていく様を感じ続けることは苦しいですね。
まるで心が燃えてくみたいに、なにもかもが熱くて痛くて冷たい。
終わりがあるのなんて全然思わなかったから、
全部をぶつけてしまった。

矢野くんと七美ちゃん、このふたり幾度も幾度もそんなこと繰り返します。
そんなボロボロになるまでぶつけ合ったら、立って居るのも辛いだろうに。

最後は原作で読みました。
ふたりが笑顔になって本当に良かったです。{/netabare}



この作品をみて、読んで、
私は臆病になってしまったなぁ と思うのでした。
真っ直ぐな想い、受けとめたいけれど失うことが怖い。
あの頃の私が今の私に会ったら笑うだろうか。
「あんたなんか知らない」って私のこと気づいてもくれないかもしれない。


ここからは私に響いた言葉たちです。
{netabare}
ゼロじゃなくてプラマイプラス だったよ 高橋と出逢ってから。
オレは高橋と出逢うために 生きてきた


幾度でも君に出逢うよ
幾度でも君にだまされる
うんざりするくらい君とやり直し
嫌になるまで君と不幸に落ちる
道化にもなる馬鹿者にも犬にも
誇りも冷静さも全て捨てて何もいらないから
ただ君が愛してくれるというなら

矢野くんの言葉。
こんな強い想いを届かせてきます。




こんなにあたしを
ドキドキさせてくれる人は
ほかにいない
ほかにいないんです 神様


あたしの得意技は
いつでも どこでも
矢野を見つけだすこと


私の願いが矢野の願いになり
矢野の願いが私の願いになる
離れても大丈夫
毎日 想いは増えてゆくから
辛いほど
気持ちは強くなってゆくから
耐えれば耐えるほど
愛はあふれていくんだよ
好きだよ 好きだよ 好きだよ

だから 私は誓ったの
次に会ったら 二度と離さないって


七美ちゃんの言葉たち。
{/netabare}


矢野くんと七美ちゃん
こんなに苦しくて切ない気持ちを怖がらずに投げる、受けとめる
そう幾度だって繰り返してふたりは辿り着いたのかな。

私はアニメよりも原作のほうが良かったです。
深い描写でした。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 24

たつじん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

本当に幸せな恋愛って

『嘘つきなあなた 泣き虫のあたし』
これはOP曲「君だけを・・・」の歌詞です。

高校に入学した「高橋七美(たかはし ななみ)」は、イケメン男子「矢野元晴(やの もとはる)」
と出会い、いつしか惹かれ付き合うことにはなったが・・・
その恋愛はつらく、傷つくことばかりだった。
過去を引きずる矢野・・・。
そんな過去に嫉妬する七美・・・。
この作品は恋愛中の男女の姿をリアルに描いた作品です。

淡いグラデーションで描かれた画は、余計な背景や人物をあえて描かないことで中心人物を
浮き出させて見せてくれます。
また恋愛に未熟な七美のキャラデザと心の声には、その純真で繊細な感情が溢れてて・・・
なによりそのキュートな声と台詞に心を撃ち抜かれてしまいました。
ちょこちょこと変わる髪型のバリエーションも見ものです。

片思いの恋が実る喜びよりも、実ってから2人で育む恋愛の難しさを伝えてくれます。
観ていてすごく「じれったく」て「はがゆい」感じもしますが、それほどに恋愛中の男女の心理は
デリケートなのかもしれません。
子供っぽくてわがままな矢野なんかほったらかして、その親友で温かく見守ってくれる竹内に
乗りかえれば?って何度思ったことか・・・。

自分でもわからない「自分の気持ち」・・・。
相手のことを思って口に出した「嘘」と「本当」・・・。
気持ちとは裏腹な「言葉」・・・。
そこから生まれた気持ちのすれ違いは、「もろ刃の剣」のように相手を傷つけ自分も傷つくことに
なってしまうんですね。

どんな恋愛をすることが、本当の幸せなのかを考えさせる作品だと思います。

ちなみに実写版が前・後編で公開されましたが、この作品では前編を描いているので後編も
是非観たいものです

投稿 : 2020/04/04
♥ : 17

ゆかりん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

第6話切り

タイトルにある通り、六話で切りました。最近バトル物ばっかりを見ていた気がしたので、違うジャンルにも手を出してみようと思い見始めました。見るのをやめた理由の一つとしてはシリアスな展開に発展しようとしていたからですね。ほのぼのとしたカップルの日常が見たかったので、自分の趣旨とは相反するとの理由で見るのをやめました。

俺妹の黒猫と京介や、中二病でも恋がしたい!の六花とダークフレイムマスターや、物語シリーズの阿良々木とひたぎさんの様にカップルが両方とも初々しいか、女性が主導権?を握っている方が萌えますね。僕達がいたの様に矢野男子がいわゆる主導権を握っている展開はあまり好きではなかったです。七海女子の個性があまり目立たなかったのも関係しているかもしれません。

七海女子からの視点から展開される物語はおもしろかったと思います。彼女のなにげない思考などはとても可愛かったです。ただ逆にそれが裏目に出て、彼女の矢野に対する評価が共感できませんでした... 矢野のうざさは共感できたのですが、矢野の良いところがいまいちわかりませんでした。

この作品独特のゆるい雰囲気は好感がもてましたが、各キャラの人間性を深く掘り下げていった時点で共感が足りずこの作品を切りました。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 0

66.7 8 すれ違いアニメランキング8位
ほしのこえThe voice of a distant star(OVA)

2002年2月2日
★★★★☆ 3.4 (552)
2810人が棚に入れました
『ほしのこえ -The voices of a distant star-』 は、新海誠 監督 が制作し2002年に公開されたアニメーション映画。
2039年、人類の調査隊は火星のタルシス台地で異文明の遺跡を発見したが、突然現れた異生命体によって全滅させられてしまう。その異生命体はタルシアンと名づけられ、その脅威に対抗すべく国連宇宙軍が組織された。
2046年、中学三年生の長峰美加子は、国連宇宙軍のロボットのパイロットの選抜メンバーとなり、翌年にはタルシアンの追跡調査のため編成されたリシテア艦隊の一員として、同艦隊旗艦〔リシテア〕に乗艦、地球を発つ。ほのかな恋心を抱く友人寺尾昇を残して。調査艦隊がタルシアンの痕跡を追って、地球から離れてゆくにつれ、ミカコとノボルの距離も光年単位で離れ、二人の携帯電話メールのやりとりにかかる時間も次第に長くなってしまう。
ついにはミカコは地球から8.7光年の距離に位置する惑星アガルタに降り立つ。そこでミカコは、地球に届くのに8年もかかるメールを ノボルに送信する。
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

総論大賛成、各論反対

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。25分ほどのショートストーリーです。
 非常に良い作品でした。特に時間と距離と心の関係を表現した部分は素晴らしかったです。エンディングに至るシーンも、情緒があり、リズミカルで素敵でした。風景の描写もきれいでしたね。新海作品の原点みたいなものは確かに感じることが出来ました。
 テーマの描き方を含め、全体的には素晴らしいのですが、細部の描写はオリジナリティに欠けていて、それが作品を毀損しているようにも思えました。総論部分と各論部分に分けてレビューします。

<総論編>

メール:
 メールは、テーマを担った一番大事な象徴物です。{netabare}
 手紙というのは、送り手と受け手の時間的な乖離が内包されているわけです。送り手の「届いたかなぁ」という心情が伴います。手紙が届かないというのは、物理的にも心情的にも届かないことを意味するので、送り手と受け手において「永遠の乖離」が存在しているわけです。
 メールというのは、「届いたかなぁ」という心情も確かにありますが、原則的には届かないことは想定されていないわけです。「届いているはずだ」という心理が手紙よりも強く働いてしまいます。メールが届かないというのは、実際には遅れているだけです。時間的な遅れはあっても「永遠の乖離」ではないわけです。しかし、時間の遅れが拡大化していくと、手紙と同様に物理的にも心情的にも「永遠の乖離」に近づくのだ、と表現されているわけです。
 つまり、「~=0」の物語ではなく、「~≒0」の物語を描いている。でも決してゼロではないので、確かに存在はしている。つまり「ここにいる」わけです。この辺のロジカルさには驚嘆しました。

 この作品は、「世界」の定義から始まっています。そして、つながりの強固な世界から、つながりの薄い世界へとストーリーが進んでいきます。つまり、メールがすぐに届く世界から、メールの遅延が拡大化した世界への展開です。つながりのない世界(手紙が消失してしまった世界)の説明が省かれているのですが、これは省略されているだけです。構造として確実に存在しているものを、あえて隠すことで、作品が抱える厚みを視聴者にゆだねていました。{/netabare}

雨:
 メールを基礎としたメインテーマを、背景の側から支えていたのが雨です。ここでは、雨の表現が意味するところを考えてみます。{netabare}
 最初の雨は、二人でバス停にいるところでした。雨が降っている最中は、高校生活について話していて、雨が上がった後で宇宙に行くことを告げるという展開です。
 次の雨は、ノボル側のエピソードです。女の子との傘のシーンの前から雨が降っていて、雨はバス停でのメールの受信まで続きます。「8年7か月」というミカコのメッセージとともに雨が上がり、晴れた後は「引き裂かれる恋人みたい」と展開していきました。
 最後の雨は、ミカコ側のエピソードです。雨の最中に「ノボル君に会いたい」と言い、「好き」というメールを送った瞬間に雨は上がります。雨が上がった後の最初のセリフは「届いて」でした。実際には願い空しく「好き」の部分は届きませんでした。

 これらの表現からは、雨降りが理想(希望)で雨上がりが現実(乖離)という表現のようです。一般的な作品では、雨は障害や不吉のイメージが強いですから、逆転させているようです。ミカコは、最後の雨のシーンで「雨にあたりたい」と言っていますから、雨自体は肯定的なもので間違いありません。
 また、雨の前後の表現だけでなく、雨が上がるタイミングにもかなり気を使っているのが感じられました。テーマを盛り上げる機能は十二分に発揮していたと思います。雨の使い方によって、作品の切なさを際立たせていました。{/netabare}

過去とロボットの足跡(雨の続き):{netabare}
 雨のシーンで疑問を抱いたのは、最後の雨の中で描かれる「ロボットの足跡が雨によって埋まる」シーンです。このシーンは非常に混乱してしまいました。
 当初私は、この文脈を、「ロボットの足跡」が「雨」によって埋まると解釈しました。足跡というのは過去を象徴するものです。また、この作品における過去は中学時代を言いますから、「正」のものだと捉えました。雨も前述の通り、「正」の表現ですから、「ロボットの足跡」を「雨」によって埋めるというのは、「正」に「正」を被せた演出であり、違和感を抱いてしまったのです。
 この文脈を、「ロボット」の「足跡」が「雨」によって埋まると解釈することも出来ます。ロボット自体は「負」のイメージを持っています。ミカコが選抜されたことが、自薦か他薦(徴兵)かは語られていませんが、作品の雰囲気から察するに、他薦のほうが近いように思えます。もちろんノボルとの乖離の原因でもありますから、「ロボット」が「負」であることは間違いないでしょう。「足跡」が単なる「過去」であるとすると、「ロボット」の「足跡」が「雨」によって埋まるというのは、「負」の「過去」を「正」によって消したい、と読み替えられます。これは論理性を持ちますから、おそらくこちらが正解です。

 私が前者のような誤った解釈をしてしまった原因は明白です。そもそも後者の解釈は、他の作品のように、過去自体に正負を持たせていない場合でのみ成立するものです。この作品で描かれる過去は、美化された中学時代が中心ですから、過去の表現を見ると、自動的に「正」を想像してしまうわけです。それゆえに、前者の解釈に至るということです。
 ここを正しく解釈するためには、この作品の特性を理解していなければなりませんでした。この作品は、メールの項で書いたように、「構造として確実に存在しているものをあえて隠している」のです。つまり、作中では過去が美化されていますが、過去が美しいものだけであるはずがない、という前提を抱えているのだと思われます。過去の象徴物である「足跡」は、「正」なのではなく、単なる過去でいいのです。これによって、後者の解釈が正解になるのです。 
 私は、理解するまでに時間が掛かってしまいましたが、一度理解するとこれ以外にないと言い切れるような素晴らしい演出だと思います。ロボットは終始出てきますが、タイミングとしてもあのシーン以外に考えられませんでした。

 話は変わりますが、全方位モニターというのでしょうか、座席のみになるやつです。あれは孤独を表現するいい手段になっていました。ロボット全景からロボット内部、座席のみという段階的な表現も良かったと思います。{/netabare}


<各論編>
 ここからは、否定的な見解を含みますので、読みたくない方は<総括>まで飛ばしてください。

街並み・小物:{netabare}
 なぜ現代(2002年)と同じなのか全く理解できませんでした。殊更に未来的な表現を使うべきだとは思いませんが、テーマの一つに「年月を経ても変わらぬ思いがある」というのはあったはずです。これは言い換えると、「物は変わってしまったが、思いは変わらない」ということではないのでしょうか。
 作中における8年の経過は、物への描写に表れていませんでした。街並みや携帯・バス停などの小物は、ほぼ一貫して現代(2002年)と同じものが描かれています。なぜ、思いと同じ「変わらない」側の表現だったのでしょうか。「変わらない思い」との対比が成立していません。
 思いの普遍性は、作品の中だけでなく、私たちにとっても同じです。私たちの存在も作品の対比構造の中に入れるべきだったと思います。つまり、2002年と2040数年とその8年後、それぞれ「物は変わってしまったが、思いは変わらない」と言えたはずです。変化を描いていないせいでミカコの言う「20世紀のエアメール」の効果が減退しています。

 確かに、作中のミカコとノボルの関係は、非日常と日常の対比であるのは、間違いないことです。しかし、ノボルの日常を2002年に固定するのは拙速です。非日常と日常の対比に、テーマである時間の経過を織り込むと、ミカコが「不変の非日常」であることに対して、ノボルは「変化の中にある日常」になるはずです。ノボルの周囲を変化させないことが、テーマを殺しているように思えました。
 私たちが近未来のSF物を見るときには、現代との違いを機微に捉えることが出来ています。この作品では、そこを捨て置いてしまっていました。トレースやコピーをしたのではない、新海監督の中にある時間の経過・未来の世界を描いて欲しかったと思いました。{/netabare}

ミカコの制服:{netabare}
 こちらもテーマに沿った演出になってないように思えました。別にパイロットスーツを着ろというわけではありません。8年という時間が経過して社会人になるノボルとの対比をする上でも、ミカコに制服を着せておくというのは必要な表現だと思います。
 ただ、中学時代の制服そのままというのはあり得ません。中学時代の制服は、思い出を想起させる重要なアイテムになるべきものです。中学時代の制服とそれ以外の制服で対比構造を作っておくべきだったのではないでしょうか。回想中だけとか、メールを送るシーンだけとか、過去に絡めたシーンでのみ、中学時代の制服を着用すべきだったはずです。もちろんガラッと服装を変える必要はなく、シーンによってネクタイの色だけ中学時代に戻す、という程度で十分だと思います。
 2040数年の制服が、現代と同じ制服であったことも含めて、やや工夫を放棄していたように見えてしまいました。{/netabare}


<総括>
 メールやロボットの足跡の項で述べたように、あえて省略している表現というのがありました。その部分の読み取りを視聴者にゆだねることで、作品の持つ背景に厚みが加えられていたと思います。誤読を誘発する可能性も孕んでいますが、効果は非常に高かったと思います。25分というショートストーリーだからこそ、大幅に省略した表現が成功したのでしょう。
 一方で、各論で述べた項目は、ここでいう省略には該当しません。描写をあきらめてしまったような印象に映りました。または、ただ書きたかったから書いただけというような印象です。オリジナリティも欠如していました。作品のテーマの描き方に成功している分だけ、この部分のミスマッチが気になってしまいました。個人製作ということですので、時間的な制約があったのかもしれませんが。
 SFの部分であるロボットや戦艦もオリジナリティには欠けていました。ただ、この作品はSFをモチーフにしているだけで、SF作品ではないと思うので、そこまで気にはしていませんでした。もちろんオリジナリティがあるに越したことはないのですけどね。

 この作品自体は、際立った良作です。
 むしろ、この作品の後の新海監督の作品に関して、やや不満を持っています。未視聴の方のために詳細は述べませんが、この作品における描写から逸脱できていないのではないでしょうか。別れや乖離を示す電車の表現は秒速でも使われていましたし、トレースとフレアレンズを多用する風景描写にも変化をあまり感じません。原点と言えば聞こえはいいですが、これ以降の作品で新しいものを生み出していないようにも思えてしまいました。
 ただ、私の個人的な愚痴はともかくとして、この作品における主題部分の完成度は、新海作品に限定せずとも高いものだと思います。他の新海作品よりは、まずこの作品を視聴することをお勧めします。

対象年齢:
 思春期世代でしょう。大人も大丈夫だと思います。あまり細部にこだわりすぎず、メインテーマにどっぷり浸かった方が楽しめると思います。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 12

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その愛は、時間も距離も、飛び越える……

新海誠作品第1弾『ほしのこえ』

25分のアニメを作るうえで必要な要素である監督・脚本・演出・作画・美術・編集を全て1人で行ったと言う伝説的作品です(オリジナル版なら声優も)

今から14年前に作られたこのアニメ作品はSF要素を組み入れた物でこそありながらも、その本質は人間が持つ「想い」に焦点を当てていました。

誰かが誰かを想う気持ち

心の距離と、身体の距離の対比関係

離れていても、メールが届いた事によって感じる喜び

離れているからこそ、メールが届かない事に感じる寂しさ

次第に遠くなる一方でも、変わらない、いや、次第に近くなっている物も確かにあって、それは普遍に色濃く輝いている…

決して古臭く感じさせない……
現代の私達にでさえ、語りかけて来る物があると自然に感じられた作品でした。
いえ、寧ろ、今の電子機器が跋扈する時代だからこそ感じる物が今作にはあるのかもしれません。
今だったらメールではなく、LINEに取って変えられるんですかね…
既読が付くかつかないかで悩む描写がきっと出ますよ、多分(笑)


しかし、『ほしのこえ』で描かれた落ち着かない感覚、「不安」「じれったさ」と言う感情
これらを「誰しも心の中に持っている!!」と断言する事は私には出来ません。
しかし、少しでも他者と関わった事があるならば、こういった挙措の失いは多くの人が抱いた事のある「想い」です。
一般的に考えれば、殆どの方が持っている代物
彼らのように壮大では無いにしろ、私達の周りにそういった存在は確かにあって、生きている物語のように着実に、知らない所で紡がれていました。

それは、今は昔のボトルメール
海に流して返事を待ち、他者との交流を図ろうとする宛ても無き媒体
無事に陸地に着くか分からない、着いても誰が拾うか分からない、拾っても連絡してくれるか分からない……
「分からない」と言う「不安」ばかりで埋め尽くされた感覚には、しかし、どこか「期待」と言う感情が見え隠れしています。

それは、離れ離れになった人との文通
久しぶりに送る過去への手紙
書きたい事は沢山あるのに何を書けばいいか分からなくなるあの感じ
それはその瞬間だけに訪れる、たった1つの宝物です。

それは、ミカコとノボルのような人達
何かを媒体として育まれる交流は、何らかの関係を無くさないが為の応急処置
互いに違う環境、違う関係、違う人生で進めば、違ってくる未来の路
しかし、どこか必死さをも感じさせる交流には、道のりが違っても維持していこうとするいじらしさを感じて堪らなくなります…

このような物語は知っていても知らなくとも確かにこの世界にあったのです。
同じように、作中で進んでいくストーリーも「ウラシマ効果による弊害」と言ってしまえばそれまででしょう。
しかし、今作の伝えたい事は何もSF的要素、切ない雰囲気だけではありません。
「誰かを想うなら、心は、時間も距離も飛び越えて、その胸の温もりさえも、運んでくれる」
人間の想いが開花する過程を私達に見せつける事で生まれる物
それはノボルが心を硬く、冷たく、強くしたあの時から唯一持ち続けた感情を武器にして生まれた代物
読めないメールを理解した彼が必死に体現しようとした結果が最後には描かれていたのです。

「さよならだけが人生だ」というフレーズを聞いた事があるでしょうか?
人生、出会いと別れの繰り返し…だから、くよくよせずに新しい一歩を、次の出会いを探そうじゃないか!!
中国で生まれた1つの詩をとある文豪が訳した時に生まれた言葉です。
過去は過去と振り切って前に進むのは、想像する余地を脳から排除し、考えないようにすると言う点において確かに楽でしょう(フラッシュバックしない限り)
作中でもノボルは1度、他の人と付き合う事でそれを実行しようとしましたからね…
彼もまた、ミカコのいない事に耐えられなくなってしまった悲しき被害者
しかし、ノボルは結局、被害者のままでいる事を止めました。
元の鞘に収まる事、つまり、ミカコを待ち続ける事、いえ、彼女を追いかける事を選んだ…
心を硬く、冷たく、強くした1人ぼっちの大人になる決意を内に秘めて…
そんな彼らのように遠く宇宙の彼方まで離れても、時間が2人を分かつとも「さよなら」したくない関係と言うのは確かにある。
割り切って前に進む事の出来ない繋がりと言う物が現代でも確かに生き続けている。
願わくば、そんなこってこての「理想」が現実のどこかで存在していてほしい…
視聴後にこんな風な戯言を自然と想像してしまう程、心に沁みた良作でした……

さあ、あなたの周りに私の想う「理想」は果たしてあるのでしょうか?
ノボルとミカコのような「確かな関係」を育んでいる人は果たしているのでしょうか?
自分の辿ってきた人生と合わせて、振り返りたい方は是非ご視聴をお勧めします……

「ここにいるよ。」

PS.
視聴後は漫画家の佐原ミズ氏によるコミカライズ版『ほしのこえ』を読んでおくことをお勧めします。
これを読んで真の意味で『ほしのこえ』は完結です…

投稿 : 2020/04/04
♥ : 11

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

自主制作アニメが全国ニュースになった衝撃

声優項目はオリジナル版の評価。


全国を巡回中の「新海誠展」の感想も交えつつ……。


私がこの短編アニメの存在を知ったのは朝のニュースで特集されているのを見て。
一人で作ったとは思えない細かい背景描写、光源処理に驚かされました。

後に視聴してみて、地球と宇宙に引き離される男女の想いが極まる中、巡っていく世界の風景。
その残酷なまでの美しさに胸を打たれました。

思えば本作がここまで話題になったのは、やっぱり背景作画の存在感故だと感じます。
これが、背景は簡素だけど人物の表情は凄い個人制作作品。
とかだったらマニアの中でもごく一部で愛好されるだけで止まったと思います。

実際、本作の作画ソースは背景に多くを割かれていることが「新海誠展」でも確認できます。
自主制作を実現するための工程の省エネなどは人物やメカ描写に向けられ、
背景の細かさとは対照的に、人物の表情などの制作工程は意外なほど簡素です。

これは、背景も登場人物の一人と言う監督のこだわりの表れなのでしょうが、
この作画構成こそが、自主制作→背景は大したことないだろう。
という先入観の裏をかいてサプライズを巻き起こし、
ゲーム会社出身でアニメ業界の経験も縁も乏しい若手クリエイターがたった一人で、
種々のしがらみをすっ飛ばして、インディーズでスマッシュヒットを飛ばすと言う、
夢のような成功例を生んだのだと思います。

いよいよ個人が自主制作で成功できる時代になったのかもしれない。
この夢物語が業界に与えた衝撃も相当な物だった……。
展覧会会場で当時、私も読んだ新海監督×『ガンダム』富野監督の対談なんかも見直したりして……。
私は、アニメ業界で働く人たちって、クリエイティブな仕事を通じて、
自分たちの思う通りの作品を世に出す夢を実現した自由な人たち
という憧れを抱いていたけれど、
現実は案外、色んな組織の制約等に縛られているんだな……。
と『ほしのこえ』への食い付きぶりを眺めて、
切ない所感を抱いたことを思い出しました。


展覧会を通じて、新海監督の足跡を振り返る中で、
再三、目に付いたのは「作品をコントロールする」と言う監督の強い意志。

この場合の“作品”とはアニメーション作品そのものは勿論、
世に出した作品が与える影響、鑑賞者や世間の反応をも含めてコントロールする。
というもので、非常に貪欲。

『星を追う子ども』で視聴者の反応が思う通りにならなかったと感じたら、
後の作品では、敏腕プロデューサーと手を組み、
プロモーションでもアイデアを出して制御していこうとする。
例えばその具現化の一端が『君の名は。』&サントリーのコラボCM。
と貪欲なだけじゃなく具体的かつ積極的。

やはり原点は、組織を飛び出して、ひとりで思う通りのアニメを世に出す。
という夢を具現化した『ほしのこえ』だと展覧会場を巡っていて改めて痛感しました。

とは言え、『ほしのこえ』以降の新海作品は拡大していく制作規模に、
監督の作家性を如何にして薄めずに反映し続けていくか?という苦闘の歴史。
『ほしのこえ』のケータイメールじゃありませんが、
監督と現場の末端との距離は作品を重ねる度に、どんどん遠ざかって行く。

それに抗うように、例えば『言の葉の庭』では、輪郭線に黒以外のカラーを当てるなど、
規模に比例して効率化されていくアニメ制作の現場に、
手間のかかる工程をねじ込んで個性的な色を出していく。
こうした“戦歴”を俯瞰すると『ほしのこえ』というビッグバンから続く、
自主制作由来の気風を感じます。

ただ流石に展覧会も『君の名は。』のコーナーに足を進めると
制作の大規模化も極まり、大量人員を動かすため、
業界でも一般的な制作体制を取らざるを得なかったとのこと。
それでも手綱を握る監督のコメントは強気で、
光源処理などで相変わらずの作家性を発揮していましたが……。
『君の名は。』以前からの新海誠ファンの中にたまに、
『君の名は。』では監督の個性が薄れた。
という感想が散見されますが、その感覚も強ちズレてはいないと私は思っていて、
大規模化した作画工程の中から生まれた背景に、
感覚的に監督ならではの存在感を見出せなかった人もいたのかな?と思っています。


先日、制作発表された新作『天気の子』
所信表明した新海監督は「賛否分かれる要素もある」などと個性発揮を予告しつつ
「純粋に『面白かった』といえる作品」などとハードルを爆上げし戦闘意欲十分。

男女の物語を基軸に、登場人物としての背景の再確立を予感させるタイトル&概要。
大ヒット作の次作でも尚、あの自主制作の気概に満ちた『ほしのこえ』は響き続けるのか?
答え合わせを心待ちにしています♪


あと……プロデューサーやスポンサーは中々、許可してくれないでしょうが、
監督にはまた、『ほしのこえ』みたいなSFロボットアニメを作ってくれたら嬉しいです。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 35

82.8 9 すれ違いアニメランキング9位
冴えない彼女の育てかた Fine(アニメ映画)

2019年10月26日
★★★★★ 4.5 (157)
830人が棚に入れました
ある春の日、安芸倫也は桜舞う坂道で運命的に出会った少女・加藤恵をメインヒロインにした同人ゲームを制作することを思いつく。美術部に所属していながら、同人イラストレーターとして活動する澤村・スペンサー・英梨々と、学年一位の優等生でありながら、ライトノベル作家として活躍している霞ヶ丘詩羽を誘い、blessing software を結成。やっとのことで一作目を発表した――。英梨々と詩羽は大作ゲーム『フィールズ・クロニクル』を開発するために、人気クリエイターの紅坂朱音のもとへ。blessing software 代表の倫也はサークル活動を継続し、副代表の恵とともに新作の開発を開始した。イラストレーターに後輩・波島出海を起用、プロデューサーを出海の兄・伊織へ依頼し、氷堂美智留と彼女のバンド icy tail とともに新作の開発を進めるが……。英梨々と詩羽の大作はどうなるのか? 倫也と恵の関係に異変が? はたして blessing software の新作の行方は?

声優・キャラクター
松岡禎丞、安野希世乃、大西沙織、茅野愛衣、矢作紗友里、赤﨑千夏、柿原徹也
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

誰もが悶絶するヒロインの描きかた

映画館でこんなに顔が火照った事はない!
萌えて悶え過ぎて顔がゆでダコのようになりました。

ヒロイン「加藤 恵」が可愛すぎる♪♪♪

ここまで徹底したあざとい可愛さは見事と言うしかない!

主人公が力説する「オタクにとっての理想的なヒロイン」

私も含めた2次元オタク男性が萌えて悶えて魅せられる「恋する女の子キャラ」を描き上げる為に構築されたアニメシリーズの最終章であり最高潮の仕上がり。

テレビドラマ2クールで、クリエーターとしての才能と尖った個性を持つヒロイン達を魅力的に描きつつ、唯一目立った才能が無い普通の女の子でありながら、抑えてきた感情のインパクトある露出によって存在感を示したメインヒロイン。
その彼女の清楚で可憐な魅力が劇場の大スクリーンで満開に花開きます。

本シリーズの脚本構成を担当されたのは丸戸史明氏。
恋愛物としては、同じ丸戸シナリオで個人的に傑作だと思う「WHITE ALBUM 2」に比べると、主人公の(CV松岡さんのイメージも手伝って)ハーレム的ご都合感は拭えませんが、ヒロイン達が主人公を好きになる要素は俺Tueee系より断然説得力があり、丸戸氏がゲームシナリオ作家として培ってきたノウハウを活かすゲーム仕立てのプロットで、ヒロイン達の切ない恋の進退をドラマチックに纏め上げてます。
(ちなみに丸戸氏のギャルゲーが原作の「WHITE ALBUM 2」は、楽曲を織り込んだストーリーと演出、中盤の盛り上げや鳥肌物のラストの脚本構成も合わせ1クールの恋愛アニメの中では神懸かった出来映えです!)

加えて、ゲーム作りに纏わる主人公やヒロイン達の言動には、ゲームシナリオ作家として歩んできた丸戸氏のクリエーターとしての情熱が伝わり見応えがあります。
{netabare}(倫也の書いたゲームシナリオを紅坂が豪快に笑い飛ばすとこなんて、青臭い頃の自分を振り返りつつ自分の道程を肯定的に受け止めている様でクリエーターとしての矜持を感じる。){/netabare}

また、登場人物にゲームシナリオを演じさせる様な客観的なセリフは、丸戸氏ならではの視聴者へ寄り添う遊び心があってユニークでした。

《作画》

テレビ版から背景も含め綺麗な作画で、挟まれるパステルチックなカットもお洒落。
そして本シリーズでは何と言っても、アイラインのカラーが特徴の女子キャラの描写に力が入ってます。
弾力感が伝わる肉感的な体のライン、あざと過ぎる可愛い仕草やエロいポーズをふんだんに描く事で萌えに徹してます。
かがんで見せるたわわな胸の谷間、テーブル下で絡み合う脚線美・・フェチなアングルも堪りません。
アニメと無縁の女性に鑑賞させたらセクハラになります♪

《音楽》

春奈るなさんの主題歌を初め、声優さん達の劇中歌も多く、ヒロイン達の恋心を盛り上げてます。
エンドロールの挿入歌に「ラブ・ストーリーは突然に」とあり、いつ流れた?と思ったら・・・オッサン世代へのサービス♪

《特筆声優さん》

今回の劇場版ではメインヒロイン役、安野希世乃さんの透明感のあるクリスタルボイスにキュンキュンさせられました。
安野さんは歌も上手いですね。今作の挿入歌も良かったし先日まで放送の「ソウナンですか?」のEDも好き♪

《キャラ》

よく泣く主人公は、女々しく感じ好きになれませんでした(同じオタクとしての妬みか^^;)が、ヒロイン達には制作スタッフの思惑どおりブヒブヒと鳴かせていただけました。

以下は萌えブタのネタバレ鳴き(見苦しいのでお許しを)
{netabare}
スカイプでの会話で「とっくにフラグは立ってる」(2期終盤の坂道での二人を見てる視聴者への完全表明)にまず、
ブヒー♪

ホームでただの手つなぎから恋人つなぎに!
ブヒブヒブヒー

誕生日デートの約束に「どうなっても、し~らないよ~♪」
ブヒブヒー

名前呼びを指摘されて
「それのどこが悪いの!」
倫也以外にも♭じゃない態度露出で、
ブヒブヒブヒー

2人の初めてのキスシーン
「タイミングがずれただけだよ」
ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒー
「「いっせーの!」」
ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒーヒーヒーヒーヒー

「私の事、好きだった~?!!」のエリリにも、ブヒブヒブヒブヒブヒー(泣)
(ちなみに1期では私、エリリ推しでした(^^;) エリリと詩羽先輩の、二人が居たからこその恋の引き際も、切なくも素晴らしい魅せ方でした!)

ラストのエンディング曲中
「あなたが望むメインヒロインになれたかな?」
ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒ悶絶ー

正直オマケパートは折角の余韻が冷める蛇足だと感じましたが、クールダウンしたのは良かったかも知れません。
あのまま直ぐ映画館を出てたらどんな顔をしてたやら
(*^^*)

「回収しとくね♪」のキスにも
ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒー♪{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 21
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

だれが終わりだと?

視聴理由 冴えカノがついに完結ときいて

視聴前 楽しみでしょうがない

視聴後 ....

この話は終始府を打ち始めたクリエーターの話
ジャンルはラブコメ・オタク
fineとはイタリア語で、音楽関係の終わりを示します。ということは察してください。まぁ多分智也はこの映画を何も考えず見るんでしょうが
展開内容としてかなり好きです。♭を視聴断念した大半の人の理由である「智也のウザさ」はあまりなかったように感じられました。しかし、♭みないと何にもわからないストーリーとなっているので、♭でやめた人は頑張って♭完走してください。♭の苦労がこれで救われますので全力で見てください。
Fineとは楽曲の終わりを示すといいました。二期は「♭」という名で放送しました。つまり、この作品全体が一つの音楽ということです。どこから始まりどこまでなのか。「冴えない彼女の育て方」は「冴えない彼女」が誕生してから、つまりあの「運命」と出会ったあの坂からはじまります。「智也が生まれた時からじゃないの?」と思われるかもしれませんがそれは「智也の人生」という楽曲のハジメです。今回焦点を当てているのは「育て方」です。{netabare}そしてラストでは両者自分の気持ちに気づき、正直に言いました。その時点でもう冴えなくない。彼女を育てる必要もない。一緒に「走り続ける」ことを選んだのです。しかし、だからと言ってもうここでゲーム制作は終わりかというと違います。「冴えない彼女の育てかた」は終わりますが、今度は「彼女との歩き方」とでもいいましょうか。その「歩きかた」が始まるのです。だからこそエンドロールの後にあの打ち合わせやイチャイチャシーンがあるのでしょう。それにしてもあのエンドロール後の展開はびっくりしますよね。伊織君何やったの!?みたいな感じになりますし。あと英梨々ちゃんと詩羽ちゃんが名前呼びになってるのもかなり好き。{/netabare}
今回比喩表現がオンパレードです。「何言ってんのコイツ」と思っても反芻しまくって頑張って理解して下さい。理解した瞬間かなり面白いです {netabare}一応、大体の解説。自分のサークルが締め切り間際なのに先輩と英梨々のとこに行く智也に対して、「サークルの代表なのに仕事をほっぽりだすなんて最低」という建前上、「智也は自分のことが好きなのにあの人たちのほうを優先するんだ」と嫉妬する恵ちゃんは「付き合ってるのでは」と言われて現実(まだ恵ちゃんと智也が付き合っていない)を改めて感じさせらて自分の気持ちを話す。その時の普通だとか特別だとかいう下りは「特別な能力を持っていない私を智也は特別扱いしなかった。そして私は智也を好きになるくらい普通ではない。だから智也は普通じゃない私を好きになった。だから智也は私のものだ」みたいな強欲まみれのえげつない意見(なはず。ここらへんはあまり自信がない。すごい強欲だけど私的に好きよ。このキャラ)

そして、智也を頼る代わりに智也の恋を応援することを選んだ先輩と英梨々は自分たちは「クリエーターの安芸智也」の「目標」にならなければならない。全力で先(業界)に走りながらも、いつかは自分たちと同じ土俵に立つまで待とう。と諦めながらも好きであることを辞めない、という複雑な立場なんだよね。最後の「智也君は私たちのことを好きだった」というのはクリエーターの智也が必死に追いつこうとした「霞歌子」と「柏木エリ」の作品や作者自身が好きだった、ということ。かといって今では好きではないかというとそれも違って、今は追いかける目標になっている、ということ。もうこの澤村・スペンサー・英梨々という人間がもう本当に好き。どんだけ可愛いの?本当に{/netabare}

作画は良く、印象に残したいシーンや絵などは本当に綺麗でした。歩いているシーンも丁寧でしたし、人も3DCGではありませんでした。制作はテレビアニメの制作をしたA-1 Picturesさんの分割(?)会社であるCloverWorksさんです。「そらあお」もあったのに大変でしたね
主題歌はいつも通り、沢井美空さん作詞曲、春奈るなさん作詞歌唱の「glory days」主題歌は普通でしたが、作中のBGMのかけ方が良かったので4.5です
キャラは全員好印象で朱音さんに関してはもっとすきになりました。あとイオリ君が超カッコいいです。
声優さんも素晴らしく、力の入った演技は感動しました

総評 かなり面白かった!オススメします!がんばって ♭みて!

投稿 : 2020/04/04
♥ : 10

tao_hiro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

冴えない彼氏の育て方

すみません、読み苦しい箇所(誤字等)を訂正しました。
_______________________________

<テレビシリーズ(1期、2期)のレビューも含めます>

皆さんは「浪花恋しぐれ」と言う歌をご存知でしょうか?
♪芸のためなら 女房も泣かす~という歌い出しで、
1983年(昭和58年)に大ヒットしたデュエット曲です。

この歌では、「自分の夢のためには、妻の苦労を顧みない夫」と、
「夫の夢のためには、自分の苦労を厭わない妻」の堅い夫婦愛が
描かれています。

今時あり得ないような男女像なのですが、約40年ほど前には、
このような男女像が支持されていたのです。

しかし、男女同権と言われる現在で「一方の夢のために一方が犠牲に
なる」という思想は、特に女性にとっては”キモい”かもしれません。
「夢も苦労も二人で分かち合う」というのが正しい姿でしょう。

ところが、私も含む少なからずの男性が、このようなアナクロな男女
関係に憧れを抱いていると思われます。

つまり、男性は、何でも受け入れてくれて、認めて応援してくれて、
”ちゅっちゅ”までしてくれるのが、最高に心地いい女性であると
考えている節があります。(そうでない男性諸君にはお詫び申し上げ
ます。)

ずいぶん都合のいい身勝手な話なのですが、さる女性誌の記事によれば、
男性と言うのは、基本的に”子供”であり、”お母さん”のような母性
あふれる女性を求めているそうです。

そう、加藤恵と言う女性は、そんな男性の理想像なのではないでしょう
か?

もちろん彼女は、倫也をただ甘やかしているだけではない賢い存在です。
自分が傷つきながらも、あきらめることなく、自分の理想とするゴール
を目指し、倫也を導き、そしてやり遂げます。

そして自分が「最高に胸がキュンキュンするようなメインヒロイン」に
なるとともに、倫也を「最高に胸がドキドキするようなヒーロー(主人公)」に”育て”上げます。

この物語のタイトルは、「冴えない彼女の育て方」ですが、結局、本当
に育てられたのは主人公(倫也)の方だとも思えます。だから、この物
語は「冴えない彼氏の育て方」でもあります。

浪花恋しぐれの世界、すなわち「男性を支えるのが女性」という価値観
から約40年が経ちました。現代風にアレンジはされていますが、この
価値観を踏襲したこの作品のヒットは、果たして男性の理想の女性像は
「変わらない」のか、はたまた2次元オタク男性の中にしか「生き残っ
ていない」のか、はなはだ考えさせられる作品となりました。

ただ、いずれにせよ、しょせん男性は女性の手の平で転がされる存
在なのは、いつの時代でも変わらないようです。


・・・さて、本劇場版の出来ですが、私には文句のつけようがないほど
素晴らしい出来でした。まさに大団円だったと思います。

上映時間中、ニヤニヤが止まりませんでした。上映後もたぶんそう短く
ない時間の間ニヤニヤした気味の悪いおっさんだったと思います。

視聴後しばらくは「優しい気持ちになれる」作品だと思います。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 12

70.9 10 すれ違いアニメランキング10位
3D彼女 リアルガール(第2シーズン)(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (137)
612人が棚に入れました
高校三年生の筒井光(つつい・ひかり)はいわゆるオタク少年。
ゲームやアニメの二次元の女の子さえいれば一人で生きていけると思っていた…。
ところが、超絶3D(リアル)美少女・五十嵐色葉(いがらし・いろは)から、いきなり告白されて、お付き合いをすることに!
奔放な色葉に振り回されながらどんどん好きになってしまう筒井だけど…。

声優・キャラクター
芹澤優、上西哲平、蒼井翔太、津田美波、寺島拓篤、上田麗奈、神田沙也加
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

THEベタ恋愛ドラマの破壊力

原作はさわりだけ


1期観た流れからの視聴です。
コミュ障オタクが超絶美少女と付き合ってからの顛末を追ったラブコメディー。芹澤優さん演じるヒロイン五十嵐色葉の低体温キャラがお気に入りだったのと、殻に閉じこもってた筒井光が不器用ながらリアルガールと向き合おうと頑張る姿も微笑ましかったり、ぐだぐだな最終回もご愛嬌と1期は楽しませてもらいました。そういえば実写の劇場版もやってたりしましたね。
私にとって芹澤さんの声は色葉役がデフォルトで、その後『魔法少女サイト』のにじみんや『上野さんは不器用』の上野さんなどオクターブ1個2個上がった演技を横目に見ながら、1年ぶりに帰ってきた2期を期待控えめに迎えたものです。


観終わって、、、
2期は{netabare}気づけば“えぞみち”なかなか出てこなかったり、{/netabare}オタ要素だいぶ薄めのほろ苦いラブコメに仕上がってました。同期の『かぐや様』『ドメ彼』『五等分』がある中で、トリッキーなことをせずまじめにラブしてたのは本作だけ。前期と比較するならこちらのほうがいいです。まだの方は1期から観てどうぞ。

1期で山あり谷あり二人の関係が落ち着いた!?上での2期になるのか、周囲のほうがざわついておりました。
猫耳伊東と綾戸さん、高梨と石野さん、それに小学生から中年のカップルまで、自分の殻を破ってひとつ勇気を振り絞ってみよう!が共通しており、全俺の共感を誘います。
最初は設定勝負のオタクがなぜかモテちゃうしょーもないのを想像してました。ところが実際はコミュニケーションが少し苦手な高校生たちの手探りの恋愛劇だというのが見えてきて、そのうちこんなんオタクとちゃうわ!ってツッコミをする気も失せていきます。回を重ねて良い意味で裏切られて始まった2期は、そういえばこいつ(つっつん)コミュニケーション拒否して「爆発しろ!」って言ってた男子だったこともすっかり忘れておりました。
1期のわかりやすいフラグも周囲のざわつきで埋もれそうになっておりました。さはさりながら、そこは几帳面で色葉ファースト(早くも死語)のつっつんはしっかり覚えてましたね。{netabare}他の組が順調に身を固めていく中で時限爆弾は着々とゼロに向って針を進めてました。2期第9話にあたるepisodo☆21からの{/netabare}終盤は、色葉とつっつんに焦点が絞られたラブストーリーになり、身悶えます。


■応援したくなる二人 ※重度ネタバレ
{netabare}色葉としたい〇〇リスト。不格好です。某武田鉄矢主演の大ヒットドラマを彷彿とさせるダサかっこいい一途さにやられます。まずは第一の決壊。
「転校するなんて…嘘だからね」成績落としてるつっつんを思ってつく嘘。嘘だとわかってて「そうか…良かった」と受け止めるつっつん。お互い大切に思ってることがひしひしと伝わってきて第二の決壊。
この先ずっと一緒にいられるなら「帰るのよそうか」とはならないでしょう。
1期の頃にはこんなオサレアニメになるとは思いもよりませんでした。{/netabare}

時間と記憶をkeyに進む終盤4話はこれまでの二人の歩みに共感できてたらすんなり入り込むことができます。

{netabare}再会色葉から名前を聞かれ、ちらっと千夏を見るつっつん。後難の憂いが無いようにとあくまで名乗らず去ろうとするのも全ては色葉のため。想い続けた人との7年ぶりの再会でこんな行動できる男は神!
{netabare}そして、全て思い出した色葉を前につっつんはたぶんはじめて真っ直ぐな自分の想いをぶつけるというクライマックス。ごちそう様です。{/netabare}{/netabare}


1期は作画の乱れや畳み方がイマイチだったり、評価をそれほど高くしてませんでした。しかし2期まで通して観て良かったと思える作品です。
ベタ?その通りです。ポテトチップでいえば“うすしお”。私はオーソドックスが好き。恋愛は一生懸命が尊いと思わせる良作でした。
浄化されました。


※オマケ
{netabare}本作以外でもなにかと作画でお騒がせしたフッズ・エンタテイメントさんの製作でした。アニメ制作会社に就職したっぽい伊東の現場のギリギリ制作過程の様子など笑っていいものか迷うところです。しかも似たような描写2回もなんて、並々ならぬスタッフの熱意(訴え)を感じました。{/netabare}

くるりは卑怯(T_T)




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2019.09.21追記 
《配点修正》 +0.1


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴


ガン泣きしたので加点!



2019.04.16 初稿
2019.09.21 追記

投稿 : 2020/04/04
♥ : 34

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

なんか、青春っぽい。

この作品は「3D彼女 リアルガール」の続編に位置する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

超絶美少女である五十嵐色葉と、オタクの筒井光…
こんな夢の様な…奇跡の様な展開が存在して良いのか…と激しく地団駄を踏んだ1期は、2018年の春アニメで放送されました。

それから約1年後の2018年冬…満を持して続編の放送が始まりました。
アニメーション制作はフッズエンタテインメントさん…
昨年放送されたメルヘン・メドヘンの余波は完全には無くなっていないと思います。
残り2話が未だ放送されていないのですから…
でも、少なくてもこの作品には影響は無かったと言ってよいでしょう。

シリーズ構成が赤尾でこさんだったのも大きいと思います。
最近感じるのは構成の良し悪しで作品の面白さに雲泥の差が生じること…
赤尾さんはこの作品の魅力を最大限に引き出してくれたと言っても過言ではありません。

2期が始まり、「つっつん」こと筒井光と色葉の仲の良さは相変わらず…
どちらかというと二人の周りの方がざわついていたと思います。

文化祭に始まり筒井の家でのゴタゴタ…
そういえば伊東と綾戸さんもしっかり青春してましたっけ…
青春といえば、高梨の妹も…そして高橋と石野さんもキラキラしていましたね。

そんなバタバタばかり見ていたからでしょう…
すっかり忘れていました…筒井と色葉の時間に限りがあったことを…
途中までは意識していました。
仲の良い二人を見ているともう「うやむや」になったのかなって…
でも、全然そんなこと無かったんですね。

嵐が何の前触れも無く突然訪れたかのように、その時はやってきました。
きっと最大級の試練になる…
だから出来る事は全部やってきた…
その筈なのに、心にポッカリ穴が空くのは何でなんだろう…
ズキズキと胸が痛むのは何でなんだろう…
昨日までと同じ景色の筈なのに、なぜこうも輝きが見出せないんだろう…

これは残された側の視点…
思い返せば私にもそんな時代はありましたっけ…
でも、今思うのは残された側だけじゃない…残した側も一緒だということ…
しかも今回それだけじゃありません。
この一歩踏み出す、そのリスクが半端無く大きいんです。
言葉で表すことができないくらいの恐怖と隣り合わせで過ごし、運命の日を迎えなければいけないのですから…

「自分で出来る精一杯で頑張るだけ…」
今自分に出来ることはこれだけ…
それならたったそれだけに必死に縋れば良いと思います。
最後まで足掻いて縋って…しがみ付いて離さなかったモノがきっと一番大切なモノなんでしょうから…
人間は生きていく上で最低限の責務を果たさなければいけません。
けれど、自分の心まで抑圧される必要なんて無いんですから…
思い続けていれば、奇跡の方からやってくるかもしれませんし…

振り返ってみると最高の青春だったのではないでしょうか。
もう地団太を踏んでいる自分はどこにもいません。
今の自分にできるのはただ願うこと…
そして物語を最後まで描き切ってくれた作り手の皆さまに感謝です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、BiSHさんの「二人なら」
エンディングテーマは、フジファブリックさんの「HiDE the BLUE」
個人的にはオープニングの方がお気に入りでした。

1クール計12話、全部で2クール全24話の物語でした。
1期同様、2期もしっかり堪能させて貰いました。
強いて要望を挙げるなら、放送地域が限定されていたことでしょうか。
私の住んでいる場所では問題無く視聴できましたが、友人のところでは放送されていなかったようなので。
テレビ番組もローカリティーが強いので、ある程度は止むを得ないのは分かりますけれど…

投稿 : 2020/04/04
♥ : 15

のか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

泣ける作品なのに、安定の作画崩壊が邪魔してる^^;

原作既読  全12話

あらすじ
ヲタクでネガティブな男子高校生とちょっと変わった女子高生の恋愛話


では感想を
原作を読んでいても泣けましたよ!
えぇ、間違いなく良質作品ですよ!

にもかかわらず・・・
安定の作画崩壊!

視聴者をなめているのか~~~~~!
1期と同じく所々で顔や身長、動きや背景・・・

勿体ないの一言に尽きます!

1期のレビューでも書きましたが、王道の恋愛アニメ!
甘々の雰囲気を楽しむアニメなのに、作画崩壊がありすぎて雰囲気壊し過ぎ!

と言っても物語自体は物凄くいいですよ^^
まあ、王道過ぎるほどの恋愛アニメなので(ふ~ん、こんなものか)って言う人も多いと思いますwww

ギャグスパイスも風味程度だし、伏線とかも多くないしwww
女性向けアニメかなって~感じも


作画は本当に酷かった・・・
まあ、1話通してではなく所々だから我慢出来ましたが
本当に原作者やこの作品を好きなファンに謝罪するべきレベルです

声優さんは個人的意見ですがイメージと違ってたwww
もう少し何とかしてほしかったかなって。
若干、感情移入出来なかった^^;

音楽は普通
DLもしなければ、特に印象なしです。

キャラは日常系なので普通。
良い味を出しているのは数人だけって感じですかね
個人的に主人公のお母さんは良い味出してたと思いますwww


ほぼ原作通りに進んでいますが、色々と端折られています。
2期後半は一気に進み過ぎ感がありました。

王道の恋愛作品が好きな人にお薦めです
作画崩壊には目をつぶって、良質な恋愛アニメを楽しんで頂きたい!

先にも書きましたが、展開が王道&ベタ過ぎて断念する人も多いかも^^;
でも原作を知っている私でも楽しめましたよ

綺麗な恋愛でドロドロ感とか無いし、1期2期で綺麗にまとまっています
個人的に2期11話12話で本気でウルウルしてしまいました(爆笑)

ぜひ、心を折らずに最終話まで視聴しちゃってくださいな
o(*^▽^*)oあはっ♪



では最後に一言
絶望した~!2期まで作画崩壊するアニメに絶望した~!
1期の反省の色が全く見えませんよ!
流石に2期には直してくるだろうと思っていたのは私だけじゃないはず!
まさか同じように崩壊シーンを12話全部に入れてくるなんて。
作画が良ければもっと人気が出たと思いますよ!
お約束のよう1期と同じく作画崩壊を天丼してくるアニメに絶望した~!
これで崩壊ネタで笑いは取れません~~~!!

投稿 : 2020/04/04
♥ : 12

90.1 11 すれ違いアニメランキング11位
天空の城ラピュタ(アニメ映画)

1986年8月2日
★★★★★ 4.2 (2223)
13086人が棚に入れました
ある夜、飛行中の飛行客船を、航空海賊の一団が襲撃する。政府特務機関に捕らわれ客船に乗っていた少女シータは、混乱に紛れて特務機関の指揮官であるムスカ大佐を気絶させると、彼の懐から青い石のペンダントを奪い取る。窓を伝って逃げようとするが、海賊に見つかり、驚いた拍子にシータは客船から転落してしまう。雲間を落ちていく中、気を失った彼女の胸にかかっていたペンダントの青い石が突然光を放ち、シータは光に包まれゆっくりと降下していった。鉱山町で働く少年パズーは、青い光とともに空からゆっくりと降りてきたシータを助け、自宅にかくまう。一夜明けパズーは、シータの行方を追う空賊や政府からシータを守り逃走を図る。

声優・キャラクター
田中真弓、よこざわけい子、初井言榮、寺田農、常田富士男、永井一郎、糸博、鷲尾真知子、神山卓三、安原義人、亀山助清、槐柳二、TARAKO

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

【ジブリ】「ナウシカ」は再放送数最多! 宮崎駿アニメを愛する“リピーター”の特徴

皆さん、宮崎駿作品は好きですか?  

私は好きです。劇場に足を運んで観るのはもちろんのこと、TVで再放送を楽しむことも。何だか再放送の回数が多いので、「また、放送だ!! 」と心の中でツッコミを入れつつも、しっかり録画予約。

そして、ラピュタのあのシーンでは、「バルス!! ! 」なんてお決まりの投稿をしているのです。パズーとシータの目玉焼きパンのシーンは相変わらず美味しそうだし、ナウシカが生き返るシーンを心待ちにしてしまうのです。結局は毎回楽しんでおり、子どもが大きくなったら、どの作品から観せようかと妄想したりするのです。

そこでこちらの数字をご覧下さい。

『風の谷のナウシカ』……15回
『となりのトトロ』……13回
『ルパン三世 カリオストロの城』……13回
『天空の城ラピュタ』……13回
『火垂るの墓』…11回
『魔女の宅急便』……11回

こちらの宮崎アニメ(※脚本参加含む※『火垂るの墓』は準宮崎アニメ)と数字の関係は一体なんだと思いますか?  実はこれらは、「金曜ロードSHOW! 」で放送された宮崎アニメの回数なのです(※出典・書籍『<面白さ>の研究』※1975年~2015年1月)。

私だけでなく、再放送が多くて「またか」と思う人は少なくないはず。それもそのはずで、同枠での宮崎アニメの放送回数はとにかく多いのです。これは、突き抜けて多いと言っても過言ではありません。上記のランキングは、「金曜ロードSHOW! 」で放送された宮崎アニメの回数でありますが、その順位そのものが、同枠での再放送の回数と一致するのです。

11回の『魔女の宅急便』よりも少ない放送回数で見ると、『紅の豚』が10回、『耳をすませば』が9回、『もののけ姫』が8回再放送されています。つまり、「金曜ロードSHOW! 」での再放送ランキングの1位~9位までを宮崎アニメが独占しているのです。そして、同着9位として、ようやく宮崎監督が関与しない『ルパン三世 ルパンVS複製人間』『幸福の黄色いハンカチ』(同8回)がランクインするのです。

何となく多いと思っていたけど、こんなにも多いとは……。私もそうですが、宮崎アニメの人気は「リピーター」が支えていると言っても過言ではありませんね。視聴率がとれるから放送するわけで、その視聴率にはリピーターが貢献しているのです。

書籍『<面白さ>の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか』の著者であり、京都精華大学マンガ学部准教授の都留泰作さんは、「宮崎アニメのリピーター」について自著で分析。なぜ、ここまでリピーターがいるのかについて語っています。

その前に、リピーターの少ない作品とはどのようなものがあるのでしょう。都留さん曰く、最もリピーターが少ないのは「推理物」とのこと。確かに推理物は犯人やトリックを解明することが最大の山場。その真実を知りながら繰り返し視聴するのは、なかなか気が進まないもの。一方の宮崎アニメには、山場そのものはあるのですが、だからといって一度観て終わりとはならないのです。宮崎アニメには、全てのシーンを楽しむことができる。「推理物」との違いに、「住まわせ力」があると都留さんは説明します。

住まわせ力とは、「それは庭園を散策する人の姿を思わせる。繰り返し同じ景色を別の角度から眺めて、そこから受ける刺激を楽しむ。または同じ料理を食べる人にも似ている。食欲が起こるたびに、同じ刺激を求めてお気に入りの料理を注文してしまう。それは習慣性がある」と同書で説明されています。

皆さんが宮崎アニメを楽しむ時に、上記のような宮崎監督が用意した世界に住んでいるような感覚になることはありませんか?  再放送を観る時点で結末は既にわかっています。しかし、私たちが求めているのは結末だけではないのです。

不思議な乗り物・メーヴェの飛行シーンであり、恐ろしい巨神兵の攻撃力であり、ナウシカがオームの金色の触手の上で「ありがとう」を伝えるシーンなのです。決して結末だけを楽しみにしているだけでなく、これら物語の全てのシーンを何度でも観たいのです。

「人はストーリーではなく、『世界』を消費しようとしているのだ。それはあたかも、人がナウシカの世界に住みたがっているかのようでもあり、それを丸ごと食したがっているかのようでもある」『<面白さ>の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか』
宮崎アニメの魅力は、「その世界の住人になりたい」と思わせる力があるから。ですので、リピーターは、テレビの再放送や、DVDで何度も何度も同じ作品を観るのです。まだ、次回の宮崎アニメの再放送は決まっていないようですが、どの作品が登場するのか、今から楽しみでなりません。

名作アニメの知られざる「その後」の物語
ジブリアニメの名作『天空の城ラピュタ』にも、劇中では描かれなかった後日談が存在します。

劇場版はパズーとシータがムスカ大佐の野望を打ち砕き、ラピュタ島を脱出した場面で終わりますが、小説版では二人のその後のストーリーが描かれているのです。

ラピュタ島での騒動の半年後、再びゴンドアの谷に戻ったシータ。そこにパズーからの手紙が届きます。

手紙には、軍部と政府がラピュタでの一連の騒動を闇に葬ろうとしていることや、空賊のドーラが軍の給料を奪ったこと、そしてパズーが製作中だった鳥型飛行機が完成間近であることなどが記されています。パズーは飛行機を完成させ次第、シータのいるゴンドアの谷へ行くことを約束しているようです。

離ればなれになっても、お互いを思い続けている二人の姿はとても微笑ましいですね。

徳間書店より発売されている「スタジオジブリ作品関連資料集I』には、パズーとシータが再会する場面のイラストが収録されているので、そちらと合わせて小説版を読んでみると楽しいですよ。

<ラピュタの島>台風で桟橋壊れる 友ケ島観光ストップ
旧日本軍の砲台跡などが残り、宮崎駿(はやお)監督のアニメ映画「天空の城ラピュタ」の舞台に雰囲気が似ているとして人気の和歌山市沖の無人島・友ケ島で、唯一の発着場である桟橋が今月の台風で損傷した。島に渡る交通機関は同市加太港からの定期便しかないが、運航再開のめどは立っていない。

友ケ島は大阪湾入り口にある▽沖ノ島▽虎島▽神島▽地ノ島--の四つの総称。定期便が最も大きい沖ノ島と加太港を約20分で結んでいる。

島には明治時代に建設された砲台が6カ所残る。アニメの登場人物の格好をまねるコスプレファンらが数年前から注目し、ツタの絡まるれんが壁の第3砲台跡が「天空に浮かぶラピュタの城のようだ」として特に人気が高い。爆破跡がある第2砲台跡、とりでのような旧海軍聴音所跡を訪れる人も多い。昨年度の観光客は3万1634人と3年前から倍増した。

壊れた野奈浦桟橋は第二次世界大戦後間もなく整備された固定型の鉄製桟橋。近年は腐食が進み、市が昨年度から改修工事を進めていた。しかし、昨秋に海底に岩盤が見つかり、くい打ちができなくなって工事を中断。工法を変えると特産のワカメ漁などへの影響が大きいため先月末に改修工事の断念を決めていた。

更に今月5、6両日に接近した台風18号で、船に乗り移る乗降部分が折れ曲がり、桟橋の一部が流された。台風襲来に備えて4日から定期便を運休していた友ケ島汽船(和歌山市)や市は9、10両日に被害を調べ、このまま桟橋を使うことは困難と判断。週内にも台風19号による被害の本格調査に入る方針だ。

市観光課は「今後の改修工事の工法や時期については地元と一から協議して考えたい」と話し、復旧には時間がかかる見通し。地元の同市加太観光協会の利光伸彦会長(48)は「以前から何度も改修工事を進めるよう市に要望してきた。台風で壊れる前に工事を完了していれば」と悔しがっている。

◇天空の城ラピュタ
スタジオジブリ製作の1986年公開の長編アニメーション映画。鉱山で働く少年パズーと、天空に浮かぶ都市ラピュタの王族の末裔(まつえい)シータの冒険を描く。ラピュタの城は何百年も無人だったという設定で、作品中ではコケに覆われツタが絡まるなど印象的な風景が描かれている。

横須賀沖の猿島が聖地化!ジブリの「ラピュタのよう」
神奈川県横須賀市沖の東京湾に浮かぶ無人島「猿島」が、スタジオジブリの人気映画「天空の城ラピュタ」を連想させるとして人気となっている。来島者の増加と景観や史跡保護のため、同市は来年4月から入園料を導入する方針を決めた。宮崎アニメの舞台や、似ている風景は観光地として人気が高く、同島も新たな聖地の一つとなりそうだ。

同島は周囲1・6キロで、島の半分が猿島公園となっている。同市の三笠桟橋から定期船(中学生以上往復1300円)で10分の距離だ。夏場の海水浴やバーベキューのほか、島内に旧日本軍の要塞(ようさい)跡や砲台跡が残されていることもあり、史跡めぐりが人気。自然豊かな緑や、レンガの要塞跡が「天空の城ラピュタの舞台のようだ」とインターネットなどで話題となり、じわじわと人気が出ている。

また、「仮面ライダー」の撮影にも使われており、ショッカーの基地があることでも知られている。来島者は2013年度が約11万人で、03年度の1・7倍となっている。同市の公園管理課によると、数年前からバーベキューの利用客数の制限をしているため「海水浴やバーベキュー以外の観光客が増えている」と見ている。

市は年間約3300万円(14年度)をかけて島の整備を行っているが、ガス・電気・水道はない無人島で、トイレは雨水の循環式。昨年の台風で、木が倒れ、根が張っていた史跡の一部が崩れたこともあり、より本格的な整備が必要となっている。

「70年以上手を入れていない植物の整備や、なにをするにも資材や機材を船で運ばなければいけない島の管理にはどうしても費用がかさむ」(同課担当者)として、入園料の徴収を検討。今夏、来島者にアンケートを取ったところ、約8割が100~300円の徴収に理解を示したため、11~12月に開催される定例議会へ議案として提出することに決めた。正式な料金は未定。

市では「自然や歴史に興味を持っていただき、観光客が増えるのはありがたいこと。受益者負担として入園料をお願いし、いい状態で保存をしていきたい」と話した。

◇ジブリ作品のモデルになったとされる場所
▼となりのトトロ(88年公開) 埼玉県所沢市から東京都東村山市にかけて広がる狭山丘陵
▼もののけ姫(97年公開) シシ神の住む森は、鹿児島県屋久島の白谷雲水峡
▼千と千尋の神隠し(01年公開) 公衆浴場「油屋」のモデルの一つが愛媛県の道後温泉本館。また、入りくんだ路地の風景は台湾北部の町・九分
▼崖の上のポニョ(08年公開) 港町の風景は、広島県福山市鞆の浦

1986年8月2日から東映洋画系の103館で公開された。
「ラピュタ」という名称はスウィフトの『ガリヴァー旅行記』に登場する、空を飛ぶ島にある王国「ラピュタ王国(en:Laputa)」からとったもの。劇中に空飛ぶ島の物語を空想した人物としてスウィフトの名前も出てくるが、名前の借用以外は『ガリヴァー旅行記』との関連はない。19世紀後半、産業革命期のヨーロッパを元にした架空世界での冒険を描く。

主題歌『君をのせて』
後に「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」などの主題歌、挿入歌を担当することになる井上のジブリデビュー作。 また、2002年のDVD発売時に合わせ、石井竜也がアンサーソングとなる歌詞違いの『君をつれて』を発表すると共に、『君をのせて』のカバーもしている。

イメージソング - 『もしも空を飛べたら』
本編では未使用。公開当時、味の素から発売されていた炭酸入り清涼飲料水「ラピュタ」のCMソングであった。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 15
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

自然と人間の物語シリーズ

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 3回くらいは見てるかな。2時間ちょっと。
 とある作品を見たんですが、ストーリーの基本プロットがラピュタと同じだったので、その作品を語る前にラピュタの方を先に片付けることにしました。プロットが同じなだけで、中身が同じなわけではないんですけどね。ラピュタのレビューはそのうち書こうと思いながらも放置していたので、まぁいい機会かなと。
 他作品との関連について書くだけで、とりあえずは終わりにします。


ざっくりとした話から:{netabare}
 ラピュタは冒険譚なんですが、一般的な冒険譚とは違うところがあります。それは、冒険譚でありながらも成長譚ではないということ。
 パズーやシータは、最初から最後まで一貫した姿勢を見せています。彼らは要所で決断をしますが、その決断の前後において心的変化が描かれるわけではありません。彼らの決断は成長のためのものではなく、「何を優先するか」という優先順位の確定のために行われるものだと言えます。

 例えば、パズー。パズーは、一旦はシータの救出を諦めます。それは、シータの身を案じたからこその決断だったわけですが、ドーラの導きによりその決断が間違いであったことに気付きます。そして、シータを救出することを再決断する。

 これは、単なる決断の失敗とそのやり直しであって、成長による変化が描かれたわけではありません。「何が起こってもシータを守る」というパズーの中の優先順位を再確認しているだけです。決断の前後でパズーに心的変化が起こっていないわけですから、パズーは、決断前においてもパズーだし、決断後においてもやはりパズーです。最初から最後まで一貫したキャラクターなわけですから、成長譚ではないということです。

 では、成長譚の代わりにラピュタで描かれたのは何なのか。それが、宮崎駿監督お得意の「自然と人間の物語」です。
{/netabare}

自然と人間の物語①ラピュタ以外:{netabare}
 先立って、ラピュタ以外の「自然と人間の物語」について確認します。ここでいう他の作品とは、マンガ版ナウシカ・もののけ姫・ポニョのことです。

 この三作品の「人間と自然のせめぎ合い」の描かれ方は全く同じです。「人間の領域」があって、「自然の領域」があって、両者がせめぎ合う「中間の領域」がある。最終的には、自然側が爆発的に膨張して、人間の居場所がほとんどなくなってしまう。そして、その後の人間を示唆するという話。
 これを簡単にまとめますが、ポニョのレビューと同じ内容ですから、あちらを読んでいる方は飛ばして構いません。


 まずは、ナウシカから。
 「人間の領域」というのは、人間の居住地です。風の谷とか他の町とか。「自然の領域」は人間が踏み込めない腐海の深層です。そして、「中間の領域」が腐海の表層です。「中間の領域」である腐海の表層には、人間はマスクなしで踏み込めませんから、人間側が不利な状況にあるます。このせめぎ合いの構造が、大海嘯により一気に形勢が自然側に傾き、「人間の領域」が破壊されます。そして、自然に支配された世界になる。
 この結果、居場所を失った人間は、滅亡に向けた緩やかな衰退を始めます。

 次に、もののけ姫。
 「人間の領域」というのは、同じく人間の居住地です。たたら場とかアシタカがいた村とか。「自然の領域」は人間が入ると帰れないと伝えられるシシ神の森です。そして、「中間の領域」が戦場です。人間が自然を後退させるようにストーリーが展開しますが、シシ神による「死」の効果で状況は一転し、「人間の領域」が破壊されます。そして、シシ神の「生」の効果で世界は自然に満たされます。
 この結果、やはり人間の居場所が失われます。そして、アシタカを介して、自然(サン)と人間(エボシ)がそれぞれ譲歩をし、共存を模索するようになります。

 最後に、ポニョ。
 「人間の領域」というのは、人間の居住地である陸地です。「自然の領域」が人間が入り込めない深海です。そして、「中間の領域」が浅瀬です。浅瀬は海でありながらも、船が行き交い、人間のゴミが漂うという人間に浸食された場所です。ナウシカと違って、人間側が有利な状況にあるということです。ポニョの魔法により大津波が起こり、「人間の領域」が破壊されます。そして、海という自然に満ちた世界が誕生する。
 この結果、またまた人間の居場所が失われます。そして、子供たちに希望が託されます。


 表面的な描かれ方がどうであれ、この三作品がやっていることは変わりません。人間と自然の綱引き状態から、極端な自然優位の状況に変貌し、それと同時に人間の世界が破壊される。これだけです。その後の展開だけが、宮崎駿監督の思想の変化に伴って変わります。
 それは、ナウシカでの「人間死んじゃえエンド」であり、もののけ姫での「共存しようよエンド」であり、ポニョでの「がんばれ子供エンド」であるということです。

 ポニョは、ナウシカやもののけ姫と同じ構造の話なのに、「分かりにくい」の大合唱になってしまいました。これは、バトルという単純化された図式ではないために、人間と自然という対立軸が読み難くなっていることが一因だと思われます。
{/netabare}

自然と人間の物語②ラピュタ:{netabare}
 ラピュタも基本的には前項の三作品と同じ構造です。人間と自然がせめぎ合い、人間側が完敗する。では、具体的にどう描かれていたのかを見てみます。

 ラピュタにおける「人間の領域」というのは、人間の科学の結晶である「天空の城」です。ここでいう「天空の城」というのは、大地のもの(大木)を天空に持ち込んでしまうような「人間の科学技術」を指します。人間の居住地としては、既に滅んでいます。

 そして、「自然の領域」というのは、「大地」です。シータの「土に根を下ろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を謳おう」や「どんなに恐ろしい武器を持っても、沢山のかわいそうなロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」というセリフに表れているものです。

 では、「中間の領域」とは、どこだったのか? これも「天空の城」です。
 ただ、ここでの「天空の城」は「人間の科学技術」のことではありません。「自然(大木)と科学(人工物)が融合した姿」を言います。


 ラピュタも前項の三作品と同じ、「人間と自然のせめぎ合い」なんですが、二つの特殊性があります。
 一つ目は、人間と自然が直接対立しないということです。科学を求めるムスカと、自然と生きることを望むシータという人間同士の争いとして描かれます。つまり、代理戦争であるということ。
 二つ目は、自然側の爆発的な膨張がないことです。ただただ「人間の領域」が崩壊するのみです。これは、「中間の領域」としての「天空の城」が、上昇していく大木(自然)と下降していく人工物(人間)に分離することに表れています。自然側にいない人間には、救いはありません。

 そして、これらの二つの特殊性が導いたのが「バルス」です。前項の三作品における「人間の領域」の崩壊というのは、人間の間接的な関与があったとしても、人間にとっては「想定外」でした。ですが、ラピュタにおける「人間の領域」の崩壊というのは、それが自然の代弁者であったとしても、「人間が主体的に」行っているということです。

 この「人間の領域」の崩壊において、なぜシータとパズーが救われたかというと、シータが自然とともに生きることを宣言し、パズーがそれに共感しているからです。これは、二人の救われ方にも表れています。シータとパズーは、木の根に引っかかることで落下を免れました。つまり、自然に寄り添う姿勢があれば、自然側が救ってくれるということです。地味な描かれ方ですが、これがラピュタにおける「自然と人間の物語」の結論です。
 そして二人は、「天空の城」を離れます。このときも、グライダーのような人工的な動力に頼らない乗り物を利用していました。「天空の城」からの脱出に、科学技術は相応しくないということでしょう。
{/netabare}

四作品の関連:{netabare}
 ポニョのレビューでは、比較のためにナウシカともののけ姫を引用しましたが、ラピュタに関しては一言も言及しませんでした。なぜ、ラピュタだけが別枠なのか、その理由をここで説明します。

 ナウシカ・もののけ姫・ポニョの三作品は、エンディングの差こそあれ、構造的には全く同じ展開をします。それは、この三作品のベースが共通であることを意味します。平たく言ってしまえば、もののけ姫やポニョは、ナウシカのアレンジバージョンに過ぎないということです。

 ですが、ラピュタは違います。
 ラピュタにおける人間側、すなわち、「人間の科学技術」の結晶としての「天空の城」は、人間の居住地としては一度滅びてしまっています。そして、一度滅亡を経験した人間が、「人間の科学技術」の復古を目論むムスカと、その崩壊を望むシータに分かれて代理戦争をする。
 この「人間が一度滅んでいること」がとても重要なのです。「人間のいない天空の城」というのは、極めて穏やかな場所です。生物も非生物も、人間がいなければ争うことはない。人間に対して滅亡願望を持つ宮崎駿監督の、理想郷ともいうべき場所です。
 この世界観というのは、ナウシカのエンディングの至る先にあるものです。緩やかな衰退の果てに、実際に人間が滅亡してしまった世界です。ナウシカのアレンジバージョンに過ぎなかったもののけ姫やポニョとは違い、ラピュタだけはナウシカの正当な続編に位置しているということです。

 宮崎駿監督の「自然と人間の物語」シリーズは、四作品ではなく、「3+1」作品というのが正しいと思います。アレンジ三作と続編一作。だから、ラピュタだけは別枠になるってことですね。
{/netabare}

おまけ:{netabare}
 ナウシカのエンディングというのは、「自然や命をないがしろにした人類は滅んじゃうかもよ」というものです。
 ラピュタのエンディングは、このナウシカエンドを裏から描いたものです。「自然や命を大切にする心があれば、きっと自然は助けてくれるよ」というもの。
 この思想をベースにしているからこそ、もののけ姫での「共存しようよエンド」エンドになるし、ポニョでの「がんばれ子供エンド」が出てくるってことですね。
 ラピュタは、ナウシカの続編ですが、思想的な結論はポニョですね。

 ただ、全ての作品において、人間の世界を破壊したいという宮崎駿監督の願望と、その実行が描かれていることは忘れてはいけないことだと思います。私たちは、シータやパズーに感情移入するのだとは思いますが、宮崎駿監督が見ている「人間」というのは、ムスカのことですからね。希望を託されているのは、子供だけで、大人は救済対象ではありません。


 なお、トトロも自然の大切さを伝える作品ではありますが、ベースは「母親の死」ですし、構造的にもこの四作品とは全く異なった作りになっています。「自然と人間の物語」シリーズには並列させない方が良いでしょうね。
{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 8

シェリングフォード さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

終わりの始まり

 僕がこの作品を面白いと思う理由が2つある。
 1つは、ドキドキハラハラさせてくれる冒険性が誠見事に表現されていること。これは本作を観て面白いと思った人の共通した感想だと思う。だからまあ今更僕がこれを語ったところで何の面白味もないと思うのでここでは遠慮する。
 このレビューでぜひ主張したいのは2つめ。それは「夢の終わり」である。上で言ったようにこの作品の看板とも言うべき面白さは「冒険」つまり、「この先何があるのかわからない期待感」にあると言っていいと思う。少女が空から降ってきたり、追手から逃げたり、ドンパチであったり、高所サスペンスや"竜の巣"、"天空の城"などの言葉も含めてこれらの描写はとても刺激的であり、扇情的でさえある。実際に観ていると次第に鼓動は早くなり、体に力も入るし、鳥肌も立つ。感動がフィジカルを通して伝わってくる。こうした非日常的ファクターは何の苦もせず飲み込めるし、気づけばいつの間にか自分もラピュタを夢見ているのだ。そんな、控えめに言ってもド迫力のあるシーンがありながらもラストは決してハッピーエンドには落ち着かない。むしろそれは哀しみを残していった。
 ラピュタは少年少女の夢であると同時に、物欲に溺れた人間の自己顕示欲の具現化であり兵器であった。後者はもちろん否定される。ムスカはそれを見るための目を焼かれ地獄の業火に落とされた。実に良い気味である。では前者の夢は一体どこに?

 シータは言いました。「どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」と。作中の人々がかつてラピュタを作ったのには色んな種類の理由があると思う。それは軍事的であったり、政治的であったり、誰かの私的なことであったりと様々なことを思い浮かべることができる。NASAが成し遂げた人類初の月面着陸が冷戦中のアメリカと旧ソ連にとって「アメリカ人が月に初めて行った」だけでは済まなかったように。でも僕はそんなややこしい理屈以前にそれを造ったのは、ただ純粋に空を飛びたかったからだと思う。さらにそこで暮らし一生を過ごしたかったのではないかとさえ思う。それはこどもの好奇心そのものなのだ。もし自分の背中に翼があったらと人は幾度となく想像してきた。自分達より上位の天使や神をキャンバスに描くとき、彼らには人の姿でありながら翼が生えた。空を飛ぶことは古来から叶うことない人の夢だった。時は経ち、文明と科学の発展により、あまり余った科学の力は良くも悪くもその具現化を成功させた。少なくとも当時の人々は、しばらくはその夢を掴んだ陶酔に浸りきったに違いない。人々は出来上がった夢に乗り込み、夢の中で生きた。けれどシータが言ったように、人がみなそうであるように、いつまでも夢の中にいることはできなかった。物理的な要因が大きかったのだろう。所詮、この夢の中では人は生きられないのだ。いいや、どんな夢の中でだって人は生きてはいけない。

 パズーにとって「ラピュタ」の存在は(それが実際にあるなしに関わらず)生きるための糧であった。そしてなによりも、不名誉を負って亡くなった父親の残した真実であり、パズーの誇りだった。その熱い想いはシータをも感化するほどだった。シータにとっては自分に隠された秘密であったし、長きに渡って守られてきたものでもあった。それにパズーが求めるならと彼女もついて行ったのだろう。そう、その存在を確信したラピュタに、2人は自分たちの意志でドーラの船に乗って行くことに決めたのだった。それが、誇りの証明であり、秘密の所以でもあり、夢の実現であったからだ。2人は実際にラピュタに行き着く。そこで2人は荒廃したラピュタの姿にいささか戸惑う。けれど絶望はしなかった。なにがその目に映ろうともそれがラピュタなのだから。それにまだそこに生き残った生命が優しく出迎えてくれた。ここはまだラピュタなのだと、そう言っているような気がした。

 夢は輝く。僕らの頭上で、または向こう岸に灯る緑色の光のようにひたすら輝き続ける。人に希望と活力、ときには絶望を与える。2人は心の中で初めて手にした夢の形を確認し、最後にその崩壊を選んだ。ここまで壮大に描かれたストーリーによって築かれてきたのにも関わらず、最後には石1つ残らないくらい跡形もなく消えてしまう。僕はここに魅力を感じずにはいられない。映画のラストシーンとしては申し分ないくらい派手で、かつピタリと締まる展開であった。だけれどもラピュタはそのすべてと共に消えてしまった。触れた瞬間に花が枯れるかのように。実体として残るものは何も無く、夢は独りで天高く昇っていき、後には見事なほどに何も残らなかった。終わりは始まりへと帰還した。そのことで世間のパズーの父の不名誉が変わるわけでも、なにか新たに獲得したものは何も無かった。ただ始まりと同じようにぼくらがまだ生きていただけだった。

 言わずともがな、目には見えない大切なものは彼らの心にしっかりと刻まれた。少年少女の苦労、挫折、困難、覚悟、短い間に彼らは生きる上で大切なとても豊かな経験をした。そして、この冒険で手にしたものの中でかけがえのない、パズーにとって最も大切なものとなったのはシータだった。シータにとってもパズーはそれに勝るとも劣らない大切な人となった。パズーにとってのシータ、シータにとってのパズー。苦しみを共に分かち合い、苦難を共に乗り越えた2人はなにものにも違うことはできなかった。握る手、抱きしめる体の温かさのひとつひとつがそのまま彼らの滋養となり、心の宝物となった。シータの秘密はその形を変えてパズーとふたりの秘密になった。眠っている猫を抱くように彼らは大切なものを胸の中にそっとしまい込んだ。2人は夢を遂げたのだ。
 パズーにとって亡くなった父の言葉とラピュタの真偽、さらにシータの血筋を仮に呪いと呼ぶのであれば、ラピュタに実際に行き、その崩壊を目にした彼らはそれらから完全に払拭された。まごうことなき自由の身であり、これからどこにでも行けるし、何にでもなれる可能性を秘めていた。つまり、彼らの人生はこれからだったのだ。人は生まれる場所を選ぶことはできず、先天的に与えられたものはそのほとんどを背負わざるを得ない。でも、もうすべては終わったのだ。解放されたのだ。2人の乗った風の吹くままに飛ぶ本体から切り離された見張り台は最後、ドーラたちと別れ夕闇にゆっくりと消えていく。自覚のない恋はいずれふたりが成長しそれを知るまで、最も信頼できる友人として互いを必要とし合い、辛いときには励まし合い、明るく晴れた日には共に笑ってくれるだろう。それはどこへ行こうと決して変わらない。たとえそれが地平線の彼方だろうと、ふたりはすでに幸せへの糸口を見つけたのだから。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 23

85.3 12 すれ違いアニメランキング12位
東京マグニチュード8.0(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (2515)
12866人が棚に入れました
中学1年生の小野沢未来は弟の悠貴のお守りとして一緒に東京のお台場へロボット展を見に来ていた。その最中、東京にM8.0の海溝型大地震が発生、連絡橋は崩壊し、東京タワーが倒壊するなど、東京は大きな被害を受ける。
未来と悠貴はお台場で出会ったバイク便ライダー日下部真理の力を借りて世田谷の自宅へ帰ろうとする。

声優・キャラクター
花村怜美、小林由美子、甲斐田裕子、喜多村英梨、豊崎愛生、高平成美、遠藤綾、沢城みゆき、野中藍、中博史、井上喜久子、滝川クリステル
ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

長尺の目と、fuushinの妄想、もう、よそう。2018.12.5 追記。

本作のレビューからズレてしまうことをお許しください。

{netabare}
先日の大阪の地震は、愛知県では震度4でした。
私は職場にいて、「あ、ついに来た!」と身構えました。
熊本地震、東日本大震災、阪神淡路大震災の実情。
桜島、霧島連山、御嶽山、草津白根山などの噴火の記憶も生々しい。

しかし、私の知識はほぼほぼ中学生レベルで止まっています。
高校で、地学を取りましたが記憶するばっかりで、実学には結びついていません。

本作では、地震学者から見ると、待望の啓蒙作品でもあるし、危機管理と対策の教本的なものなのかもしれません。

マグニチュードという言葉を調べていて、ちょっと理解が進んだのですが、先日の大阪の地震はM6.1でした。震源地は地下13㎞です。

これは、広島に投下された原爆(20キロトン)の放出エネルギーと同じです。地下13㎞のエネルギーは、地表ではあの爆発規模になるのですね。

ちなみに、東日本大震災(M9.0)は、関東大震災の約50倍、阪神・淡路大震災の約1400倍です。

(ここまでは、「日本の地下で何が起きているのか」(鎌田浩毅氏著。岩波科学ライブラリー。2017.10.18)より一部引用。)

さて、私はザックを担いで鈴鹿、比叡、伊吹山などから琵琶湖を眺めるのが好きで、その大きさに感銘を受けるのですが、同じように、北、中央、南アルプスを縦走するのも好きです。雄大な山並みや巨大な山塊には地球のパワーに圧倒されます。
体力的には2泊3日が限界ですので、そうそう長い距離は歩けませんが、見るだけなら、160㎞くらいは(富士山から槍ヶ岳)。思いを馳せるだけなら、九州・北海道の山も・・見て見たい。

それで、南海トラフの距離は、東西約700㎞と、全く私の想像を超えます。ここが動くかも・・・ということですね。


ここから先は、fuushinの虚妄です。はい。

本作を観た後のレビューとして適切ではないかもしれません。
いつものようにちょっぴり、スピリチャルっぽく書いていますので、お好みでない方はスルーしてくださいね。
 
私は、「君の名は。」や「かぐや姫の物語」などで、いささか異質なレビューを書いていますが、その視点は、縁の不思議さや魂の錬磨といったたぐいのものです。そして、そのアプローチには、言霊、数霊、シンクロニシティといったたぐいの概念を使っています。

前振りした地震についての妄想なのですが、今、こう思います。

ひとつは、ジュセリーノ・ダ・ルース氏の「予言」です。ネットでは「怪情報」としての扱いです。まあ、そうでしょう。

2018年6月21日。(夏至ですね。陽の極点です)

明日ですが、東海地震の発生を「予言」しています。本当かどうかは分かりませんが、この人の予言は結構な確率で「的中」させているので、個人的には全否定はしていません。もちろん当たらないことを祈りますが。

マグニチュードは、10.6。 東日本大震災が9.0でしたから、放出されるエネルギーは、数100倍(詳しくないのでごめんなさい)。

日本地震学会では、「中央防災会議での「現状では東海地震の確度の高い予測は困難」との議論もあり、より範囲の広い南海トラフ地震の想定震源域全体(駿河湾〜宮崎沖)を対象とした「南海トラフ地震に関連する情報」の運用が平成29年11月1日から始まりました。」と述べ、ホームページの「東海地震に関する項目」はすべて「改定中」になっています。つまり、学会としては見解を出してはいません。

これを受け、気象庁は「当面の間、気象庁は「南海トラフ地震に関連する情報」を発表することとしました。この情報は、平成29年11月1日から運用を開始しました。」としています。

ちまたの官民合わせた情報においても、「いつ起きても不思議ではない」となっています。そういういろんな科学的な知見、防災予防、啓蒙に機運がかつてなく高まってきてはいます。そう思うと、私は、ジュセリーノ氏の予言もあながち間違いではなく、当たらなければいいわけで、当たれば困る・・・ということです。


それで、fuushinの思いとしてはこうです。

日本を、龍体と見立てたとき、琵琶湖は「子宮」、淀川は「産道」になります。震源地はその付近でした。それは陣痛?何かが生みだされる?それは何?

琵琶湖には、竹生島があり、都久夫須麻神社(つくぶすまじんじゃ、竹生島神社)が坐しています。
主祭神は、市杵島姫命(イチキシマヒメ)。
天照大神の子で、皇孫(こうそん)邇邇芸命(ににぎのみこと)が降臨に際し、養育係として付き添い、邇邇芸命を立派に生育させたことから、子守の神さま、子供の守護神として、崇敬されている」との謂れがあります。
女性の人格を持った神様ですね。
仏教(4次元界)になると、弁財天です。日本最古・最初の弁財天で、日本三大弁財天とも言われています。江島神社(神奈川県 江の島)・厳島神社(広島県 厳島)

女性・子宝・生産の象意をもつ神仏の働きを予感させます。

また、『近江国風土記』には、夷服岳(伊吹山)の多多美比古命が姪にあたる浅井岳(金糞岳)の浅井姫命と高さ比べをし、負けた多多美比古命が怒って浅井姫命の首を斬ったところ、湖に落ちた首が竹生島になったという記述があって、ここにも"夷"の文字がありました。
(今季、春アニメには、この"夷"に纏わる作品がちっくと多いような・・・。ちなみに、夷→エビス→外国人→外来の知見(特に農業生産技術)→尊敬・崇敬→神社の主祭神という流れがあります。また、夷=戎≒十戒=モーセの十戒ですね。伊吹山の隠された主祭神はどなたかしら、なんてね。)



プールの壁が崩れたのは、"寿栄小学校"。
被害にあわれたのは9歳の女の子。

この小学校の校章は"六芒星"を彷彿とさせます。(一般的にも校章に6角形を取り入れたデザインは多いのですが)
六芒星は、伊勢神宮、元伊勢とも呼ばれる籠神社(京都府宮津市)の隠された印章です。一説には「ダビデマーク」とも言われています。
ダビデは、約3000年前にイスラエル王国の王となり、12部族をまとめたと言われています(旧約聖書)。

寿栄という言葉は、歴史的には地元の寿町と栄町の両方の名前を使ったものなので、それだけをみると深い意味はありません。しかし、非常に印象的な言霊の響き(ことほぎ、さかえる)です。

9は数霊では「尊いもの・人間」を意味します。
女の子は「社会的な弱者」の暗喩になるでしょう。
壁は、「重い何かが覆いかぶさっている」「出るに出られない状態=どうにかして間もなく出てくる」という意味かもしれません。

これらを、シンクロニシティしてみると、日本で、あるいは世界情勢に、なにか大きくて尊いものが現れる前兆、狼煙(のろし)のような、加えて、南海トラフ地震への直前の警鐘のようにも感じるのです。



・・・はい、そうです。ただの妄想です。もちろん大きな地震は起こらないにこしたことはありません。ただ、科学的には「いつ起きても、明日起きても不思議ではない」という評価もあるので、ちょっと気になっただけなんです。

それをどう捉え、どう乗りこえるのか。
魂をどう磨くのか。どう守るのか。
自助、共助、公助にどんな知恵を働かすのか。
当面のポイントはここのような気がしています。

不快な気持ちにさせてしまったら、本当にごめんなさい。
{/netabare}

本作を鑑賞して、ふと、要らないことを書いてしまいました。

2018.6.22追記。
{netabare}
今日から、予言は予言でなくなりました。ただ、ホッとしていいのかどうかは一概には言えなくて、これで安心して眠れるという訳にもいきません。まんじりともしない気分です。
例えれば、今日から"毎日が8月31日"のような気分です。ごめんなさい、告白します。学校なんてなくなっちゃえばいいって、何度も思ってました。懺悔します。本作の主人公と同じです。
 
ものの本によると、"正しく怖がりましょう"と書いてありました。
地域ごとで言い伝えられている伝承とか史跡とかは、激甚災害から生き延びてきた先人たちのしたたかな知の財産ですし、最新の科学(プレートテクトニクス理論からプルームテクトニクス理論へ)もまた、未来につなげられる知の財産のひとつだと思います。

プレートが4つもひしめき合っている地域は、日本、インドネシアとその周辺、コロンビアとその周辺くらいです。
この地域は、文学的に言えば、地球規模の"ムスビとすれ違い"のもっとも激しい場所。
大地と海洋の感情と情動を、敏感に感じ取って生きている地球人の一人として、こうした国々とネットワークを組み、世界一の災害強国としての知性と見識、行動と体制作りなどを共有して70億人の人々に還元できるようになるといいですね。

長尺の目で、100年、500年、1000年、1万年というスパンで、自分と周りの人たちの命も同様に、慈愛で視る目を持ち、率先避難者(逃げるが勝ち)になろうと思います。
そうして何があっても、生き延びねばと思います。サッカーならいいけど、戦争や紛争なんてしている場合じゃないな。

そういう意味でも、本作の魅力を発信し続けていくことは大事ですね。先輩レビュアーさんの感想を読んでそう思いました。感謝しかありません。
{/netabare}

2018.12.5 追記。
{netabare}
またぞろ、こんなことを書いて不謹慎なこととは重々承知しています。
おバカな fuushinの妄想かと笑い飛ばしていただければと思います。

ジュセリーノ氏ほか、直近の地震の予言をなさっています。
12月7日、9日です。9日が本震で、マグニチュードが8.5と言う人もいるようです。
書籍、ネットにも記されています。関心のある方はご覧になってみてください。
ないにこしたことはありませんが、準備だけはしっかりとしておきたいと思います。
{/netabare}

長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

本作が、みなに愛されますように。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 26
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

後悔、先に立たず。

制作はボンズ×キネマシトラスのオリジナルアニメです。
ジャンルはリアル地震シミュレーション・ヒューマンドラマです。
ノイタミナ作品になります。


中学一年生の少女・小野沢未来を主人公とし、M8.0の直下地震に襲われた東京を舞台に描かれる作品。
未来は弟の悠貴とともに、お台場のロボット展へと来ていた。
名門私立に通う彼女はどこか厭世観を持っており、鬱屈とした感情を抱えていた。
それを晴らすためか「こんな世界、壊れちゃえばいいのに。」とインターネットに描き込んだ、その時…。


東日本大震災の発生で一際注目され、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門において優秀賞を受賞している作品。
ノイタミナ作品の中でも、かなりの社会派に分類されます。
こういった題材の作品ですので、いつになく真剣に書きます。


前半は地震に対する恐怖と三助(自助・共助・公助)・それにまつわる人間ドラマについて描き、後半は未来が{netabare}PTSDとなって悠貴の存在の大切さに気づき、心理的に{/netabare}成長する姿を描きます。
流石に地震のみを題材に作品を作ると重すぎるし、尺も取れないから人間ドラマを主体にした構成としたのでしょう。
全11話ですが、正直8話くらいでも上手くまとめられた内容かとは思いますがね。


本作における“リアリティ”は“地震”という現象の捉え方や初動時の対応、一般人の描き方にあるかと思います。
この面における過剰描写はほぼなく、すっと物語に入り込めました。
建物崩壊の描写は、多分見たらゾッとすると思いますよ。
やたら性悪な人物とかが出てくると冷めてしまいますけど、そこの塩梅も上手かったですね。
もちろんフィクションなので扇動的な描写もありますけど、許容範囲かと。


逆に主要人物たちの心情描写は雑に感じる場面も多かったです。
主人公の未来は捻くれた性格という設定ですが、それを引っ張りすぎている感はあります。
最終的に改心させて、視聴者を泣かせる意図が最初から透けて見えてしまったのは少々残念なところ。
また、姉弟とともに行動した日下部真理。
正直、なぜ姉弟と一緒に行動したのか終始分からず。
劇中で触れられていますが、幼い娘がいるならばそちらを優先すると思いますが…。

また、どの建物もほぼ半壊以上というのはやりすぎではないかとも思いました。
世田谷区は密集住宅地ですのでまだ分かるのですが、都心三区の一つである港区はそこまで軟な耐震基準じゃないはず。
地震描写に関しては、ここだけ納得できなかったです。




以下ではネタバレありで、細かい部分について詳しく書きます。

○終盤における“あの演出”
{netabare}見た人の中で多分最も賛否両論となるのが、“実は終盤の悠貴が幽霊だった”という事でしょう。
最初に書きますが、私自身この設定には否定的です。

本作は“リアル地震シミュレーション”という触れ込みで制作されています。
リアリティを重視しているはずなのにファンタジーを入れてしまったら、それはもう何だか分からないシロモノになってしまいます。
人間ドラマを主眼とし、終盤の盛り上がりのための設定だと思いますが、もう少し上手く出来なかったかなと。
後述しますが、幽霊で通すならば細かいところまで描写してほしかったですね。

でも最終回は上手く泣かせに来ていますね。
幽霊だから、ちょっと「あの花」と被りましたけど、こっちの方が上手かったような気もします。
まあ “質の良い涙”ではないですから、何とも。{/netabare}



○“影”について(「妄想代理人」の第8話、「明るい家族計画」のネタバレも含みます)
{netabare}細かいところだと思いますが、私は“影”が気になりました。
正直、8話時点で悠貴が死んでいるのは読めましたので、類似していた「妄想代理人」を思い出して“影”を見ていました。
8話から10話までは実は普通に影がありますが、11話だけ悠貴自身の影がないです。
「妄想代理人」では死んでから自身の影は完全に消していたので、ここは是非とも統一してほしかったところ。
8話から10話は演出次第で上手く誤魔化せると思いますしね。

同じような論点ですけど、悠貴が物体に触れていない点は良かったと思います。
彼は幽霊として出てきてからは何も触れていませんから。{/netabare}



○ “性格”と“思慮分別”
{netabare}ここについては思う人も多いのではないでしょうか?

まず主人公の性格。
キツくて、合わない視聴者も多いのでは。
ここに関しては合う合わないの問題なので追及はしませんが、前述の通り、体の良い主人公像に見えてしまう部分もあります。
設定自体はそれでも構わないですが、経過の部分をもっと大切に描いてほしかったかな。

続いて“思慮分別”。
ロボットオタクの少年が出てきますが、彼は別に登場させる必要がなかったと思うのですが…。
ロボットを救うために自分が崩壊しそうな場所に立ち入るっていうのは、いくら中一だからって“危なすぎる行為”だと分かりそうですけど。
彼の登場が以降のエピソードに影響しているわけでもないので、ここに関しては無駄と感じてしまいました。
悠貴がロボットを追うというのならば、まだ分かりますがね。{/netabare}



○9話の真理に関する演出
{netabare}具体的に言えば、真理が小学校で娘・義母?の遺体と対面する場面です。
布で顔が隠れているわけですけど、同じ地域に、同じ年齢構成の、同じ髪型の女性二人が生活し、それが死亡する確率はいったいどれだけのものでしょう?
気が動転していて勘違いしていたでは済まされない部分だと私は感じてしまいました。
この後、娘・義母ともに生きていることが分かるわけですけど、ちょっと無理がある演出だと思います。
感動の気持ちがサーっと引いてしまった。{/netabare}



総括して、確かに悲しくて泣ける作品です。
防災に対する啓蒙作品としても優れています。
私自身、心情的には惹かれる部分も多々ありましたが、論理的には納得のできない部分も同様にありました。

でも本作を駄作・凡作とは露ほども思いませんし、「一度は見ておいてよかった」とも思います。
地震について考えてみたい方は、一度ご覧になってはいかがでしょうか?
家族で見れば、防災について考える良いきっかけにもなるかと。

点数の割に酷評気味な書き方ですが、いろいろ思うところがあったからです。
本作自体に興味がなかったら、こんなに長文を書きませんからね。
それでは、長文失礼しました。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 51
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

東京で大きな地震が発生。そして家族のかけがえのなさに気が付いた…。

この作品は、観るかどうかとても迷いました。

震災の恐ろしさや悲しさ…
そんなやるせなさの中に自ら飛び込む勇気が持てなかったからです。

自分たちの身にもいつか…
なんてことを考えてもどうしようもないし、

もしもの時のために備えをしても、
どれだけ覚悟をしたとしても、

「よし、これでいつ大きな地震が来ても大丈夫!」
なんて言える日は絶対に来ない。


幼い頃、阪神淡路大震災を体験しました。

あらゆる記憶がはっきりとしていないほど幼かったのですが、
それでも地震発生時の事は今でもはっきりと、鮮明に覚えています。

体験したことのない激しい揺れ。
横並びで寝ていた私と妹の上に覆いかぶさりながら、何かを叫んでいる母。
起き上がることも何もできず、
ただ揺れが収まることを待つことしかできなかった時間。

そして揺れが収まった後に見た、家の中の有様。
高速道路の下敷きになって死んだ近所の人の話。
水道が復旧するまで、地下水を汲みに行くのは私の仕事だったこと。

幸いにも大きな被害のない地域でしたが、
あの時感じた揺れと恐怖、非日常な日々は、はっきりと私の中に残っています。

その記憶で十分…
今さら、わざわざ怖いものを観なくても…。
そんな迷いがありました。

だけど観終わった今、
この作品を観てよかったと思っています。

そして、たくさんの人に知ってもらいたい作品だと思いました。

全11話です。


● ストーリー
未来の事なんてわからない。

共働きで忙しくしていて、
口を開けば小言ばかりの両親。

家族、自己中心的な人たち…
いろんなことにイライラが募る日々。

夏休み、弟の悠貴(ゆうき)に付き添って、
お台場のロボット展にやってきた小野沢未来(おのざわ みらい)。

「いっそのこと、こんな世界、壊れちゃえばいいのに。」
何気なくそうつぶやいた瞬間、その地震はやってきた。


東京を襲ったマグニチュード8.0の地震。

これは、
大きな震災を体験したことがない人ほど見てほしい作品です。

そしてこんな現実に、
いつか直面するかもしれないイメージを持っておくべきだと思います。

この作品で描かれていることは、
決して大げさなことではないから。

むしろ現実はもっとひどいと思うから。


主人公の未来が常にイライラしていて、

元気づけようとしてくれる悠貴にさえ当たり散らすのは、
観ていて気分がよくありませんが、

そこに目をつぶることができれば、
ストーリーの構成は素晴らしい。

地震発生、
お台場から世田谷の自宅へ歩いて戻る道中、
家族の安否に募る不安、
そして自宅に到着…。

こういうアニメを、本気で作ろうとする意欲が素晴らしい。
国家認定のアニメにするべきだ!

11話 {netabare} 家族との再会と、悠貴の死と、悲しさを乗り越えようとする未来の姿 {/netabare}には大泣きでした(´;ω;`)


● キャラクター
中学1年生の女の子、未来。

いろんなことに不安が募って、
毎日がイライラ。

それは等身大な中学生の姿だと思います。

だけど、ちょっと性格が歪んているのが難点。笑

弟の悠貴(小学3年生)は、
とてもいい子なのにな…。

だけど、この震災を通して、
一番心が成長するのは彼女です。

観ていてイライラする子ではありますが、
この作品の主人公としてはふさわしい子だとも思います。


偶然未来と悠貴と知り合い、
途中まで一緒に帰ることになった、マリさん。

自分の娘と母の事も心配でたまらないはずなのに、
2人の事を放っておけず、あれこれ面倒を見てくれるなんとも優しい人です。

自分がマリさんの立場だったら、
ここまでできる自信が私にはない…(;´Д`)

マリさんと出会えたことが、
2人にとって最大の幸運だったと言えるでしょう。


● 音楽
【 OP「キミノウタ」/ abingdon boys school 】

abingdon boys schoolは、
西川貴教さんがボーカルを務めるバンド。

曲もかっこいいですが、
何よりも私が衝撃を受けたのは、映像ですね。

OPで流れるのは、震災後、倒壊した東京各地の様子。

写真やテレビで見たことある有名な観光地も、
震災にあうとこうなるのかも…

というリアルな映像が、
とても衝撃的でした。

いつもOPもEDも必ず観ますが、

あまりにもOPの映像がリアルで怖くて、
とばしたくなってしまったほどです。

この映像だけでも観る価値ありですね。


【 ED「M/elody」/ 辻詩音 】

この曲単体でも、
十分いい曲です。

この作品を最終話まで観たなら、
より魅力が増します。

明るい曲調には、
未来を信じて、というメッセージが込められているような気が…。


● まとめ
「もしも大きな地震が起こったら」というテーマを、
見事に描き切ったと思います。

恐怖、不安、不便さ、心配、我慢、
家族への想い、辛い別れ、辛い想いを抱える人々…。

今ある当たり前の生活は、簡単に壊れてしまうかもしれないこと。
今ある当たり前の生活が、とても幸せで恵まれたものであること。

それを忘れてはいけないですね。
傍にいる人の大切さに気づけなかった後悔が生まれないように。

もっと多くの人に観てもらいたいと思う作品でした。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 31

77.7 13 すれ違いアニメランキング13位
Phantom ~Requiem for the Phantom~(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1044)
6803人が棚に入れました
犯罪組織・インフェルノの暗殺者・ツヴァイは、ファントムの称号を持つインフェルノ最高の暗殺者・アインと共に、与えられたミッションをこなす日々を送っていた。実はツヴァイは平凡な日本人旅行者だったが、インフェルノの幹部・サイス=マスターに暗殺者としての才能を見出されて記憶を消去され、インフェルノに取り込まれていたのである。ツヴァイを暗殺者として養成する際、サイスは思考能力が失われるほどの激しい訓練をツヴァイに課し、彼を完全な組織の奴隷として育て上げようと目論んでいた。しかし、サイスの知らないところで、ツヴァイは運命の力に負けない意志を取り戻す。サイスの目を盗み、彼の上司であるクロウディア・マッキェネンがツヴァイの耳元で「君は組織の奴隷と思ってはいけない」とささやき、自由な生き方が残されている可能性を示唆していたのだ。自分が本当は何者なのかも思い出せないながら、ツヴァイは心の奥底で組織の奴隷ではない生き方を模索し始めた。

声優・キャラクター
高垣彩陽、入野自由、沢城みゆき、久川綾、千葉一伸、渡辺明乃、千葉進歩、志村知幸、保志総一朗
ネタバレ

fluid さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きる理由 殺す罪悪感

【記憶】を奪われ全てを失った少年が、人殺しを強要され【暗殺者】になるまでの苦悩を描いた作品。

絶望の中にもったった一つの希望が。
自分の中に見失った生きる目的を大切な誰かの中に見つける、そんな描写が素晴らしいアニメでした。

現代人ってアニメや映画で人の死に慣れ過ぎて、どこか他人事のように見てるとこあると思うんです。
最近は、死の重さが全然感じられないアニメが量産され、死者をバカにしてるのかと思うような作品も少なくないですよね。
それと比べると【生きる理由】や【殺す罪悪感】をここまで細かく表現した作品は珍しいんじゃないかな。

■どこにも存在できない亡霊、誰でもないファントム
逃げれば組織に殺される、そもそも海外旅行中に記憶を失い帰る家が分からない、自分が誰なのかすら分からない。
【生きる理由】を失った彼らの【絶望】の描写が素晴らしかったです。

■オレは・・・殺す、生きるために殺す。
はじめて人を殺すときの描写
相手を殺す直前でためらい、舌なめずりして逆にピンチに。
人殺しになるくらいなら自分が死んだ方が良いというあきらめにも近い力の抜け方。
そして自分が本当に殺されるという瞬間、極限状態で呼び覚まされた生存本能。 ためらいの無い一突き・・・

殺らなければ殺られる、という描写をここまで精密に表現した作品は珍しい、というより他では見たことが無いですね。凄すぎです。

■無表情、そしてギリギリ保たれる精神
一人殺すだけでも物凄い罪悪感なのに、何度も何度も殺さなければいけない、暗殺者をやめれば組織に追われる。

感情を押し殺して何も考えないようにしてるのは、そんな終りの見えない【罪悪感】によって精神が壊れないようにする為なんですよね。
自分がやってることを他人事なんだと自分に暗示をかけて、意識しないようにしてわけです。
【心の壁】ですね。ちょっとしたことで壊れてしまいそうな危うい壁。

アインがたまに見せる無表情ではない表情、そこに危うさを感じました。

■生きる理由
絶望の中で生きる理由を失った彼らが触れ合うことでお互いを大切にしたいと思うようになる。
生きる希望を見つけるまでの描写が素晴らしかったです。

自分の中に失った【生きる理由】を大切な誰かの中に見出したわけですね。

人を思う描写ってなんでこんなに目を奪われるんだろう?
と考えると、人が人を好きになる本質ってここにあるからなんじゃないかな。
好かれれば好かれるほど、必要とされるほど、好きになる。

恋愛だけでなく人付き合いにも通用する原理↑なので、身近に幸せになってほしい人や子供がいたらぜひ教えてあげてください。

いきなり告白しないで自分が好きだということを相手にさりげなく気付かせるのも有効的ですね。
まあ実際、自分もそんなトラップに引っ掛かってしまったことがありますし(笑)
ポイントは気があることを相手に気づかせてから少し考える猶予を与えることですね。あとは時間が経つうちにだんだん好きになってくれるかどうか、そこが分かれ目です。

■大切な人を殺さなければいけない・・・
知らない人を殺すことでさえ物凄い罪悪感を感じて、無感情にならないと精神を保てないほどの苦しみだったのに・・・
物語の後半、大切な人を殺さなければいけないシーンがいくつも出てきます(泣)

大切な人のためなら自分の命さえ引き換えにしたり、
昔大切だった人と今大切な人、どちらの命を選ぶのか悩み苦しんだり、
泣けるシーンが沢山ありました。

無感情になんてなれない、逃げ道のない苦しみ・・・

答えなんてない極限状態で何を選び、どうするのか、目が離せないですね。

■名作だけど見る人を選ぶ?
このアニメは間違いなく名作ですね。
実写の海外映画を見てるようなクオリティ、今まで見た暗殺アニメの中で一番面白いです。
ただ、心理描写が良すぎて、、その複雑すぎる描写を読み取れるかどうかで見る人を選ぶ作品かな?

無表情でつまらないという感想も見かけますが、、感情を押し殺すのは精神が崩壊するのを防ぐためですし、無表情だからこそ輝くたまに見せる表情に隠された心理を読み取るのが楽しいわけです。

■ドラマがホント素晴らしい!
このアニメで特徴的なのが視聴者にキャラの考えを伝えるためのセリフが必要最小限なところ。
そのおかげで、心理描写から少ないヒントを探し出し、組み上げて予測するという楽しみが倍増!

人間って1から10まで言葉にしなくても伝わったり、人の考えを予測するのが人付き合いの面白いところじゃないですか。
人間って100%自分の思い通りにならないところが面白い、自由への欲求は不自由が無ければ生まれない。とも言いますしね。

アニメの心理描写にも同じことが言えると思うんです。
全てを説明してくれるアニメの方が視聴者が理解しやすいというメリットはありますが、面白味が無い。
例えるなら、映画見てる最中に横から色々説明してくれる人がいると楽しくないですよね、それと同じです。
逆にこのアニメみたいに過剰に言葉数を減らす作品は視聴者が理解しにくいというデメリット、つまりは楽しめない人の割合が増える危険性がある反面、難しいパズルを解くような楽しみを演出できるわけです。

もちろん作るのが難しいのは後者ですね。この作者さんはかなりの頭脳派。
まあどちらが面白いと感じるのかは見る人によると思いますけど、自分は難しい心理描写の方が好きですね(笑)

ちなみに小説やラノベのように文字が原作のアニメは前者のタイプ、つまりは全部言葉で説明するアニメになりやすい傾向が。そこはアニメ制作会社の腕次第?

■ニトロプラス
ニトロプラスの原作は銃やメカ、戦闘の知識がはんぱないですね。ビックリさせられます。
なのでバトルアニメとして評価する人が多いみたいですけど、本当に評価するべきなのは中身。このアニメはドラマが素晴らしい!
心理描写のクオリティは今まで見てきたアニメの中で最高クラスでした。

■ドイツ
サイスマスターはドイツ出身。
アイン、ツヴァイ、ドライ、というのもドイツ語で1,2,3、つまりファントムの1番目、2番目、、という意味ですね。

■アインの真実{netabare}
アインはあんなに強そうに見えたのに実は心の中は普通の人よりか弱いらしいです。それを聞いてビックリ。
サイスは弱いと表現してますが、言い換えれば人の痛みに共感しやすい、感情が豊かってことなんですよね。

何も感じない無感情な人間に見えたのに、実は【感情豊かな人間】。

そういわれると納得で、人の痛みに共感しやすいからこそ自分の感情を押し殺さないと耐えられなかったってことなんでしょうね。
人殺しを何も感じないような人間は自分の感情を押し殺す必要なんてないですしね。

今、振り返ってみると、たまに無表情がピクリと崩れるシーンがありましたけど、ああ、そういうことか、という感じです。
ギリギリ保っていた無感情が崩れそうで崩れない、そこにギリギリ精神を保ってる様子が現れてたわけですね。

ということは、感情豊かな方が人形になりやすい?
サイスが選ぶファントムシリーズって女の子しかいないけど、あれって感情豊かな女性の方が人形のように洗脳しやすいってことなのかも?

それにしても・・・
記憶も帰る家も無くして、何もない、生きる理由も分からない、唯一の存在理由があのサイスマスターだなんて可哀想すぎですね(悲)
考えることを許さず人形のような振る舞いを強要するサイスマスター・・・
対する玲二は優しいクローディアのお気に入り。そんな彼を見て思うところがあったに違いない。

玲二は2番目のファントム、アインと同じ境遇。
今まで一人だったのに、自分にそっくりな玲二を見ると暗殺者としての自分の姿を写し鏡で見せられるような状況に・・・
これって何も考えないようにしていたアインにとっては大ダメージ!
玲二を見ることで自分が人を殺してるんだということを自覚し、罪悪感で震えるシーンもありましたね。
→暗殺の手順を冷たい表情で話す玲二を見て、もういいわ、と静止するアイン。

その後、クローディアから自分で考えなきゃダメよと言われた玲二。
上からの指示に対して自分の意見を話すようになった玲二を見てアインは、「考えると壊れるわよ」と一言。
殺す罪悪感と向き合うなんてアインには出来ないこと、そして、アインは考えることを許されない人形扱いなのに玲二は考えることを許され人間扱い。

そっくりだと思ってたのに、違いを感じ始めるアイン。
羨ましいような、嫉妬のような、自分には無い強さへのあこがれもあるのかな?
色んな感情が入り混じり自分にも理解できない感覚に少し嫌悪したんだと思います。
人間ってそういうとき、とっさに反発しちゃうものですしね。
アインが玲二に反対的な意見を言ったのもそういうことなんでしょうね。
子供が好きな子に反発したり意地悪しちゃうのも同じ原理。←自分が理解できない恋愛という感情に嫌悪し、本能的に防御反応を見せる。

そしてアインの玲二への気持ちが決定的に表れたシーンがこれ。
サイス「クローディアにツヴァイを寝取られないように」
アイン「寝取られても任務に支障はありません」
サイス「そうだな」
アイン「・・・」
ちょっと女の子っぽい反応に見えますよね。

そんな見え隠れする感情にアイン自身も気づきながら、だんだん玲二に魅かれていく様子、玲二に【生きる理由】を見出していく様子には見ごたえがありました。

あと最後、自分の意思では人を殺せないアインがサイスを殺すシーンはスカッとしました(笑)
{/netabare}


■感想{netabare}
生きる理由も見当たらない絶望の中、大切にしたい守りたい誰かに出会い、
何人も殺すことで生き延びた自分の命ですら、たった一人のために引き換えにするという生きざま。感動しました。


組織に追われるクローディアをリズィが殺さなければならないシーンはすごかったですね・・・
他の誰かに殺されるならせめて自分の手で・・・という言うことなんでしょうね。
クローディアもそれが分かってるからこそ最後に砂浜を選んでリズィに身を任せ、リズィが打ちやすいように決して後ろは振り向かない・・・
「最後まで・・・ごめんね。」の一言はうるっときました。

そんなリズィも結局キャルに殺されちゃいましたね・・・
玲二にもキャルにも死んで欲しくない。二人が殺し合うのなんて見てられない。
例えキャルが望み通り玲二を殺したとしても何も残らずに苦しむことが分かってたんでしょうね。
クローディアを殺した自分と同じ思いはさせたくなかったんじゃないかな。
命を懸けて、銃口を向ければ分かってくれると信じたのに結局・・・
例え、自分が死ぬことになってもそれで少しでもキャルに何か伝わるのなら、っていうのもあったんでしょうし、何よりクローディアを失ってこれ以上誰も失いたくないっていう気持ちが強かったんじゃないかな。
リズィ、良い人すぎるでしょう!


キャルはキャルで撃ち殺すことないじゃん、とは思いますけど、、もうそれくらい狂ってる、玲二しか見えてない。。
姉を殺され一人になった女の子、そんな孤独を救ってくれた玲二。
唯一信じていた好きだった人に裏切られたら、そりゃ2度目の孤独ですしね。中学生くらいの女の子ならなおさら。
もう何も信じられない、リズィの優しさすら心に届かない悲しみを抱えててもおかしくないですね。

キャルの成長は2年でそんなに?とは思いますけど、着てる服が大人っぽいだけで年齢は15~16くらいなんですよね。
その年齢の外国人が日本人の大人くらいの身長っていうのは考えてみれば自然な話。
リズィと2ショットのシーン見ると分かりますけど外国人にしては背低いですしね。子供なんだなぁって言うのが良く分かります。
胸は・・・まあ日本人でもあれくらいの成長の子は居ますよね。

キャルの憎しみはパッと見ホント異常すぎですよね。
でも、あの憎しみが実は玲二への愛情の裏返しなんだと思うと、どれほどの喪失感なのか・・・切ないですね。
もし、再開した玲二のそばにアインが居なかったら・・・キャルのその強い思いは憎しみとは別の表れ方をしてたんじゃないかな。

自分には玲二しかいない、でも玲二がアインを選ぶのは目に見えている。
微かな希望にかけて、玲二に振り返ってもらう問いかけをすることはできたんでしょうけど、期待して断られたら・・・もうこれ以上の喪失感には耐えられない、何度も失って心は壊れる寸前だったに違いないです。
それに、そんなのは彼女のキャラじゃない、自分の性格が許さなかったんでしょうね。中学生くらいですしね。

壊れかけの心を守るためにどうしても素直になれない。
これ以上傷ついたら耐えられない、絶対に本心は悟られたくない。
憎しみ続けるという理由づけが無いとそばに居続けることが出来ない、命を狙うことでしか振り向いてもらえない。
そんな選択しか残されていない彼女が可哀想すぎて仕方がなかったです(泣)

あの憎しみは一緒に居るためのフェイク。
素直になれない仮面の下には2年前の優しい女の子が居るわけで・・・あの優しいキャルが玲二と再会してるんだと思うと悲しくなりますね。


振り返ってみるとこのアニメって、バトルアニメなのにバトルアニメな感じがしない。
いやいや、バトルのクオリティは素晴らしいわけですが、それ以上に心理描写が素晴らしかったということなのでしょう。

あと、敵味方が入り混じる描写が多い割に、台詞の中に「敵」「味方」「正義」「悪」というワードが見当たらない。
この点に気づいた瞬間、このアニメすごいぞ!と思いました。
この世には誰から見ても「善」「悪」に見えるものは存在しない、有るのは誰にとって誰が利となり害となるか、ただそれだけなんです。
だからこそ、偏った意識を他人に植え付けるようなそれらのワードを使用しない。分かってるわぁこの作者!
作者は善悪についての理解も素晴らしいんだな、ホントとビックリさせられました。


音楽もすごく良かったです。
作品のイメージと音がすごく合う!
OP、EDの歌詞が作品にマッチしてるあたりを見ると作品内容を知ってる人が書いたのかな?
自分もそうですが、こういった心理描写が細かい作品はとても伝わってくるものが多くイメージしやすい、そしてレビューの走りも止まらない!
そんな作品だからこそ音を発注された側もイメージが沸きやすく良い音楽になったのかもしれませんね。


最後は、玲二があっけなく死んじゃいましたね・・・
え?って感じでした(笑)
まあでも、はかないものほど輝くとも言いますしね。

自分が生き延びるだけならいくらでもやり方あったはずなのに、アインを、大切な人のために自分の命を引き換えにという生きざまでしたしね。

罪悪感をずっと感じながら、いつか報いを受けると何度も言ってましたし。
先が長くないことなんて分かってたんでしょう、それでも少しでも長く、二人で生きる道を選んだわけです。

それを考えたら、こんな終わり方も逆に良いかも?


追記:
凄腕なのに銃弾受けたり、ラストあっけなく死んだりしておかしいという感想もありますが、良く考えてみましょう。
実際、視覚から攻撃されたら人間はよけることが出来るでしょうか? ほぼ不可能ですよね。
あらかじめ周囲の空間を把握して、どこに敵が潜んでてどこから攻撃が来そうか予想し、反射的に動けるように心構えすることくらいしかやれることは無いんです。
それが索敵能力ですね。プロなら索敵能力もかなり高いんでしょうけど、所詮人間です・・・限界がありますよね。不意打されたら普通の一般人にもやられます。

だからこそ、暗殺で一番重要なのが言葉のごとく、隠れて見つからないようにしながら相手に気づかせる前に先手を取る。
そして倒した後にどれだけ静かに逃げ切るかも重要ですね。 音を立てれば相手の増援が来て面倒ですし。 顔バレなんてしたら最悪、あんな風に町中で普通に暮らすことなんてできなくなりますよね。

つまり、狙うのが上手いからといって、狙われるのに慣れているとは限らないということです。
むしろ影から痕跡を残さずに殺すのが上手い暗殺者ほど狙われる経験が少ない、なんてこともあり得ます。
そもそも、銃弾かわせる人間なんて居ませんしね。狙われた時点ですでに遅いんです。そんなことできるのはマトリックスのネオくらいです(笑)

バトルアニメに登場するキャラクターって強い=攻撃も防御も強いっていうイメージが定着してますけど。
そもそも防御力っていう考え方もおかしいですよね。
どんなに肉体を鍛えた人間でも、あっさり殺せる方法いくらでもありますしね。 素手やナイフで十分なんです。
ましてや銃なんかで狙われたら回避なんてほぼ不可能。 銃で狙われて手を挙げるシーンがよくありますが、そういうことです。
さらには視覚から、さらには遠距離から狙われたら・・・察知や予測(索敵)すら不可能になります。

最終回で玲二があっけなく死んだのも、え?ファントム弱いじゃんって思うかもしれませんけど。
今まではインフェルノが隠れみのになってて、顔バレも無く素性も謎にされていたおかげで普通に生活できてたわけです。
素性を知ってるインフェルノに追われる身になった時点で決着はついてたわけですね。

インフェルノを裏切ったら長生きは出来ない、それでもアインを逃がす道を選んだ、ということなんでしょうね。
そう考えたら、あの、あっけない死に方・・・素晴らしい自己犠牲でした(笑)


あと、車乗ってるようなキャラがいきなり学生になるのはおかしい、っていうのもあれは実際に年齢が高校生なわけではなく、大人が学校に潜伏しているというイメージですよね。
ものすごく老けてる高校生もいれば、物凄く若く見える大人もいますし、5~10前後の違いならありえない話ではないですね。
キャルの成長がおかしいという人は、海外の15~16の女の子を実際に見てみると良く分かると思います。物凄くでかいです(笑)
{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 25
ネタバレ

丸太旭日旗六四天安門 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ゴッドファーザーの世界で綾波とシンジ君が暗殺者になる話。終盤の展開がちょっと…

私はブラックラグーンやヨルムンガンドのような、SFやファンタジーでもないのに女が銃で無双するアニメが嫌いなのでこの作品を避けていたのだが、虚淵玄の処女作を見るのはまどかファンの務めかと思って見てみた。
結果としては、メインヒロインのアインがレヴィやココよりもずっと好きなタイプのヒロインなので、愉しんで見ることができた。終盤の展開は微妙に感じたものの、まどか以外の虚淵作品ではFate/Zeroに次いでサイコパス・ガルガンティア・楽園追放よりも好きな作品になった。
でもアインのキャラは綾波レイに似すぎじゃないかと思う。{netabare}「こういう時は普通は笑うのかしら。ごめんなさい」{/netabare}とか綾波と同じようなセリフもあるし。暁美ほむらのように感じるシーンもあったけど。

作風は主人公の男がヘタレな序盤を除くとハードボイルドだと言えると思う(ヒロインのキャラデザは結構萌え系だけど)。ストーリー展開は平坦ではなく大きな転機が何度もあって(終盤の展開は驚いた。ちょっと無理があると思うが)、同じ虚淵作品のFate/Zeroのような切ない無常観が漂う。まぁヤクザ映画のアニメ版と言えばそれまでだけど。

原作がアダルトゲームだけに、ガンアクションも多いものの、それよりもヒロインたちとの心のふれあいが話のメインに感じた。主人公とアインの関係は、単なる恋愛の次元を超えて生死の境を共に生き延びた深い愛を描けていると思う。{netabare}「この世界が無限の地獄じゃないとしたら、それはあなたが生きてるからよ」{/netabare}は至言。さすがは虚淵先生。
{netabare}アインは低い声が素で高い声が演技のように見えるが、終盤のモノローグでは高い声で私の命はあなたのためにあると言っている。実はアインはいつも無理をしていて、本当の素は普通の弱い女の子であることが伺える。{/netabare}ここは声優の演技を生かしたいい演出だと思う。

気になる点はいくつかあって、{netabare}まず宿敵のサイスマスターに魅力が無い。インフェルノの道具となる暗殺者を増やしていくキュゥべえ的な存在だが、結局はボスの手下の小者にすぎない。序盤では味方に裏切られた被害者でもあるし。「鬼哭街」で言えば謝逸達程度の存在でしかない。ただ、ワイングラスを傾けながら自分の駒の戦いを眺める様は、後のFate/Zeroの「愉悦」の元になったようにも見えた。
あと原作にあったであろうラブシーンがカットされているせいで、キャルの「捨てられた」と言うセリフが軽く感じた。玲二はキャルには終始紳士的で、別に何も悪い事してないよね?って思ってしまう。{/netabare}
それとほとんど総集編の回があるけど(でもたまに新規シーンもあるので飛ばしにくい)それは抜いて24話構成にして欲しかった。
そして{netabare}問題のラストシーンだが、小池一夫のキャラクター塾で小池一夫と虚淵先生が子連れ狼のラストについて話していたことを思い出した。{/netabare}

全体的な作風、演出は2009年という年にしても古臭く感じるが、これは原作の発売が2000年だからだろう。ブラックラグーンが2001年、Fate/stay nightが2004年だからそら古いわな。

声優については沢城みゆきがロリキャラやってるのが珍しく感じた{netabare}が、終盤の展開でなぜ沢城さんなのかわかった。でも声変わりすぎじゃね?{/netabare}まあノーゲーム・ノーライフとかでもロリやってたけど。あと水橋かおりさんのキャラは笑った。意外とこの役が後のマミさんにつながったのだろうか。

なお原作がリメイクされた時の虚淵先生と下倉バイオの対談を以下で読める。
http://www.nitroplus.co.jp/game/totono/interview/04.php
虚淵先生がシナリオ書き以外の作業も全部やっていたそうで昔は大変だったんだなあと。
「ニトロプラスらしさ」の話もなるほどなあと。安堵感よりも刺激。
それにしても下倉バイオは虚淵先生の前だとこうしてヘコヘコしてるのにTwitterでまどかに対して暴言を吐いたのは許せん。

2017/2/7
http://dengekionline.com/elem/000/000/260/260281/
ここにも虚淵先生のインタビューがあるけど、{netabare}アインに名前を付けるってそういう意味合いがあったのかと感心した。フルボイスじゃない時代の良さだね。
アニメだといきなりカレンとか言い出してハァ?だったけど。
キャルについては元ネタがレオンと明言していて笑った。
虚淵先生がToHeartに影響を受けていたとは。東鳩は偉大。
日本編はここからギャルゲーになったら驚くよねといういやらしい意図があったってのは笑った。やっぱ作り手からしてあざといと思っていたのか。
後発のブラックラグーンが似たことについてフォローしているのも面白い。
でも当初の予定通りメキシコとかの方が良かったなあ。
リズィは旧版だとごつい顔だけどこだわりがあったのか。アニメスタッフからあのままはダメだと反対されたとか笑った。{/netabare}

各話感想
{netabare}1話
ご都合主義な記憶喪失だなぁ。
アインとツヴァイはドイツ語で1と2。

2話
わけがわからないよ!やっぱり虚淵作品なんだなあ。
やっぱシンジと綾波みたいだなあ。
リボルバーじゃなくてオートマチックの拳銃を使えよ。
シンジの訓練みたいなや…目標をセンターに入れてスイッチ。
決められたレールだけどスピードは自分次第ってのはいいセリフ。さす虚!

3話
エロいことされてるけどアインは処女なんだろうか?
もう何も怖くない!やっぱり虚淵作品なんだなあ。
虚淵先生は黒田洋介に3話で仕掛けることを学んだって言ってるけど別に何もなかったな。節目ではあるが。

4話
アインがキャラ変わりすぎ!
アインってそんな表に出てきて面割れしないんだろうか。
アインが乃絵ちゃんみたいな声になっとる。
銃弾回避はマトリックスのパロか。
しかしこんな所で襲撃するとか隠密性考えてなさすぎやろ。
アインちゃんちょっとデレたな。
韓国に行ったのかよ。

5話
ハードドラッグを扱わないインテリヤクザか。
原作エロゲだけどミズマッキェネンルートもあるんだろうか?
この辺の縄張り争いの話はまどかに通じる所もあるのかな。
この回はだめだな。狙撃できる所で交渉するとかありえんだろ。ボスの家族も殺さず人質でいいのでは。追い詰め過ぎず逃げ道を残すのが勝者の戦術なんだが。欲しい縄張りを戦場にしたくないんでしょ?ツヴァイが葛藤しなくなるのも早急に感じるし。やはり17年前の虚淵先生はこの程度か。黒田洋介程度の奴に軽く見られるのも仕方がない。逆に黒田のせいでこの回がダメなのかもしらんが。

6話
なんかゴッドファーザーみたいになってきたな。ずっと前に見たから内容忘れたが。
記憶喪失なのに車は運転できるんやな。
もうアインが裸でも動じないのか…。
必殺仕事人かw
アインがほむほむみたいなこと言ってる。さす虚淵!

7話
ギャグシーンって初めてか?
ミズマッキェネンはマミさんポジションだな。
NTR!
これ過去の話か、アインが電車の中にいる所で切り替わったのがわかりにくい。
またほむらちゃんみたいなこと言ってる。
この回は背景の作画がいいな。
結局内部対立の話になってきたか。

8話
原作エロゲだからここでエロ展開あるんだろうか?
なんかサイスマスターの離反についての流れが適当やな。
このシーンはセックスのメタファなんだろうけど別に原作エロゲだしメタファしなくてもいいのでは。
え?いつもの本拠地に行ったら捕まるやろ…虚淵先生~

9話
また綾波みたいなこと言ってる。
なんでエレンやねん。

10話
もう「終幕」なのかよ。
サイスマスターはロシア人だったんか。
「こういう時は普通は笑うのかしらごめんなさい」って綾波に似すぎでしょ虚淵先生。

11話
正面から4発も撃たれて海に落ちて生きてたはねーだろ虚淵先生。これじゃ黒田に文句言われるわ。
唐突に総集編が始まった。総集編なら飛ばせるようにそうはっきりしてほしい…。
一部だけ総集編じゃないとか嫌なパターン。3カ月たったのか。
なんだこのダサいファントム襲名儀式w

12話
6か月後?
梧桐組って日本人のヤクザなのか。ゴドー組とかいうマフィアなのかと思った。
「商品」って麻薬だからな。
ツヴァイがキャラ変わりすぎィ!
珍しい沢城みゆきのロリキャラ。
ヒロインをロリに交代でここからは映画「レオン」みたいな展開になるのか?

13話
ツヴァイが話をそらしてるwあれでボスを丸め込めるんかい。

14話
ワイズメルが黒幕って決めつけやん。マッキェネンって有能に見えないんだよね。
メガネがサイスと裏でつながってるやん。
マッキェネンがビッチやなあ。

15話
メガネが梧桐組をインフェルノと縁を切らせたいから裏でサイスと画策してるってオチかな?にしては犠牲が多すぎるけど。
キャルが有能なのはご都合主義やなあ。
演歌w
アメリカに二宮金次郎像ってあるのけ。
わざと外して任務完了か。交渉を決裂させればいいのかね。そうなるとメガネの策略か。

16話
まあマッキェネンには渡りに船やな。
リズィはワトソン役か。
五百万ドルの件が簡単に片が付くなら最初からキャルが見つける展開にしなくても良かったのでは虚淵先生。
そろそろこのボスすげー無能に感じるんだけど。
無駄に殺さなければいいという問題でもねえんだよなあ。
原作エロゲだからここでアレするのか?
メガネの謀略かと思ったらメガネもサイスに踊らされてたのか。サイスの目的はインフェルノへの復讐だな。
あっフラグ立ててる。

17話
フラグ立てまくりだな。
あれがマッキェネンの差し金ってわかるのはここが初めてだっけか?
サイスマスターは裏切るつもりはなくて完全な濡れ衣やったんやな。
ただ途中からはサイスにはめられてるから誤解だよな?
味方に取り込むならともかく殺すつもりなら梧桐組の親分はなんで長々と説明したんだw
向こうの車両にすぐ飛び移ればよかったのに。
ツヴァイはサイスより諸悪の根源のマッキェネンを恨むべきじゃね?
貿易のお仕事wこのJKもヤクザだってわかれよ。
フラグ立てるから…。

18話
このボス無能すぎでしょw組織ガタガタやんw
ロメロは弟だったんか。ここで初めてだよな。
フェラーリもったいねえ。
マッキェネンはもっと悪あがきして良かったんじゃないですか虚淵先生。まぁFate/Zeroみたいにバンバン殺す方が好きなんだろうけど。
なんという次元を超えた深い愛なんだ!さす虚!

19話
また総集編が始まった。総集編はもういやだ!
キャルが金持ってる展開にしたのはツヴァイとくっつけるためか。
総集編かと思うと新規カットもあるからいやらしい。
キャルはたまたま助かったのか。
ツヴァイはキャルの死亡確認ちゃんとすべき。

20話。超展開すぎ!虚淵先生ー!
えっ二年後w
学園物にwwwこの展開はねーよwwwなにも高校生にならなくてもええやろ。
梧桐組の兄貴の妹だっけ。
エレンは妹ってことにしたのか。
つーかエレンはツヴァイが取られていいのか?
エレンの今のキャラは素なのか演技なのかもはやわからんな。
早苗の中の人マミさんやんけ!
日常は前半で終わったか。
追手来るの2年後じゃ早くないでしょ。
キャル2年で変わりすぎでしょ!つるぺただったのに。
あーこの展開だから沢城みゆきだったのか。ロリキャラで終われば別の人にするわな。

21話
OPこのままでいいのかw詐欺OPじゃん。
結局三角関係になるんだろうか。
×亡霊〇昔の女
なんかブラックラグーンみたいになってきたな。
リズィが正座しとる。
ラブコメすぎる…。

22話
修羅場キター
キャルあれから2年で酒飲めるようになるのか?

23話
キャルは過去と今の姿の中間はないのかw
この回は作画悪いな。

24話
「キャルが一番好きだ!一緒に逃げよう!」で解決するようなwまあアインを殺せって言うだろうけど。
ここは原作ではレズセックスするのか?
ツァーレンなんとかはなんでみんな女なんや。
最後のモノローグでエレンが高い声なのはそっちが「素」ってことなのか。

25話
いやそこは突き放せよツヴァイwなんか三股かけてるみたいやで。
梧桐組の人たちとばっちりすぎるだろw
キャルルートの妄想か。

26話
歪んだセンスw
サイスマスターは前はツヴァイから逃げ回ってたのにどういう心境の変化があったのか。
アインはモンゴル人だったんか。
モンゴル人すげーさすが相撲が強いだけはあるわ。
最後ワロタ。あの馬車のおっさんが最強だね。{/netabare}

投稿 : 2020/04/04
♥ : 10
ネタバレ

love_kg さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

最終シーンの賛否両論以前に、終盤の展開について語ろーよw

原作未読です。

物語 ☆3.5
1〜3話、訓練編。4〜6話、ファントムとしての仕事。
ここらまでは展開も遅く、さして面白くは感じませんでした。

7〜10話 (11話)、逃走編?。は、良いテンポで話が進み先がどんどん気になりますね。{netabare}しかし最後のアインと礼二が撃たれた所は普通死ぬでしょw、しかもそのまま海に落ちるしw特に礼二なんて3発打たれてますからね!後々出てくる傷跡は肩口の辺に3発撃たれた跡がありますが、撃たれた場面を見ると腹部に撃たれてますよね?wwあれで生きてるのは化物です。あ、ファントムは化物みたいなもんですねw{/netabare}

12〜18話(19話)、キャル編。
ここが1番面白かったですね。ここだけなら☆4.2でも良い位ですよ(そんな星ねぇーよw)この章は、特に変な所もなく、様々な人物の思惑が交錯して面白い感じになってますw(語彙が貧困ですいません){netabare}僕のオススメは18話ですかね。礼二、アイン、サイス、クロウディア、リズィら全員が活躍して覚悟をしていきます。{/netabare}

20〜26話、日本編。
{netabare}まずopどーしたw、20話だけなら雰囲気があってたかも知れないがそれ以降の話は…。後、キャル!外人にとっての2年はそんなに大きなものなのか?w、変わり過ぎたろーww、面影なんて髪の毛の色位なもんだぜw{/netabare}

この章が1番の蛇足。まずいくら礼二の故郷だからって日本に来て銃をぶっ放すって言うのはちょっと雰囲気が合わないかなー。

{netabare}キャルがファントムとなっていますが、礼二に貰った懐中時計をまだ大事にしていて、懐中時計の音楽がきれると撃ち合うという殺し方をしてますが、あれはキャルが西部劇とかが大好きな影響でしょうか?ただ単にカッコつけてるだけだとするならあれほど寒い演出で非効率的な殺しは無いでしょー。

サイスも最後までよく分からんキャラで掘り下げに乏しかったかなー。まぁあえて考えるのなら自分の作った作品を愛してやまなかったのでしょうw

梧桐組も若頭が大輔から志賀に移ったために頭の良い立ち回りをするのかと思いきやサイスに踊らされてるだけでしたね。残念です。日本に来るまでは梧桐組は義理と人情を大切にする良い奴らだったんですけどね…{/netabare}

とりあえず日本編についてまとめると!
あんまり面白くないですw
↑ネタバレタグをみてくださいm(_ _)m

作画 ☆4.0
綺麗です。稀に崩れるのはアニメなのでしょうがないです。
{netabare}戦闘描写について、銃の扱い方とかマニアなので知りませんが、正面から撃ち合うって言うのはなんか違うなと。銃を使うなら、様々なトラップ等を使いながら気付かれず殺すって言う方がこのアニメの雰囲気に合ってると思うんですよね。なんか陳腐に見えてきてしまいますね。一体一の正面衝突と言えば、男同士の殴り合いでしょ!(笑){/netabare}

声優 ☆4.0
語れないので、割愛。特に何もないので☆4.0で

音楽 ☆3.0
op1、ed1、後挿入歌だけなら☆3.5でしたね。
op2はまじで無いでしょ!曲とかじゃなくて、背景の動画が何あれ?日常アニメ?は?まじ意味わからん!
ついでに、サントラは良い曲が多いんですがなんか使う場面が違うなーと思ったんですよね。プロの人に対して言ってるわけじゃないですよ!w
{netabare}ついでに礼二とアインが2人で車に乗って逃走してる時、礼二がop1の曲を流しますが、あれは流すなら挿入歌の方でしょ!曲名分からないけども!w{/netabare}

キャラ ☆3.5
リズィカッコいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!好きだー!
すいません、取り乱しましたw

このアニメは、
掘り下げられてるキャラと掘り下げられていないキャラの違いが大きくありますね。主要キャラに無ければ良いのですが、これがまた…(特にサイスとか、意味わからん変態じゃんw後はマグワイヤとかですかね。なぜファントムを作り、なぜ裏社会のてっぺんを目指すのか位は掘り下げて欲しいものです。)

いやーでも
礼二、アイン、キャルの3人は凄く掘り下げられていて、感情移入してしまい苦しかったですw

それとですよ!(変に語ります。)
クロウディアとリズィ!あの2人の胸熱関係?!良いですね。{netabare}18話はあの2人が輝いていました。リズィの何が良いって?やはりあの何よりも義理を重んじる所ですかね。だから友人であるクロウディアを苦しみながらも銃を向けて殺したんですねー。

いやー、リズィこそ裏社会の人間ですよw
それだけに最後引き金を引けなかったのは何故なんでしょうね?

日本では誰が好きかって言うと、みおですね。
彼女も礼二を一途に好きな所、いいですね〜。彼の本当の姿を知っても逆に応援する姿が何とも愛おしいw{/netabare}

まとめると、
キャラ項目の1番始めの文章になりますねww

総評 ☆3.6
本当の所は物語の部分を☆4.0にしたいのですが、どうしても日本編に納得出来ない自分がいるので☆3.5として頂きたいと思います。ファンの方には申し訳ない。

この物語について、
{netabare}自分はファントムは3人共死ぬと思ってましたので、最後に礼二が撃たれたのにはそこまでビックリしませんでした。逆にアインが生き残った方にビックリしましたがこれこれでありかもしれないですね。3人共、罪のない人を多く殺してきただから報いを受けるのは当たり前です。

キャル→死亡
礼二→キャルを巻き込んだ、死亡、アインと共に生きられなかった
アイン→唯一生きる意味であった礼二が死亡(あなたと一緒なら生きて行けると言っている)

この三人にはこの様に各々落とし前を付けられている。

しかし、キャルが1番マシな地獄かもしれませんね。
礼二との誤解も解け、愛しの礼二に殺された訳ですから。

こう考えると、礼二はキツイですね。
根源であるインフェルノの力を増加させて行ったのは礼二のファントムとしての力が大きいのでこれだけの報いを受けたのかもしれません。

それにしても、
綺麗に話が終わったように見えて、インフェルノは残ってるんですね。最高幹部であるマグワイヤが生きてますから。途中から彼は余り話に関係ありませんが彼を潰さなければインフェルノは残りますから、ファントムという悲しい存在はなくならないわけです。{/netabare}

色々と報われない話です。

最後に、
なんだかんだ言いましたが長い時間楽しませていただきました。ありがとうございます。時間に余裕のある方は是非見ていただきたいなと思います。

長文、駄文、失礼しました。

投稿 : 2020/04/04
♥ : 2

76.6 14 すれ違いアニメランキング14位
神様はじめました(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1344)
6646人が棚に入れました
父親が家出して、若い身空でホームレスとなってしまった女子高生・桃園奈々生。
困っている奈々生の前に「私の家を譲りましょう」という怪しい男が現れる。男の正体は、土地神ミカゲ。
奈々生は家(=廃神社)と引き換えに神様の仕事を任されてしまい・・・!?
しかも社には、性格最悪で凶暴な妖狐・巴衛が神使として居座っていた。
社の精である鬼切と虎徹に励まされながら社の仕事をこなす奈々生に、巴衛はいつも悪口ばかり。
ある日奈々生は鬼切から「神使の契約を結べば、巴衛が絶対服従する」という話を聞く。
喜びいさんで契約方法をきくと「口づけ」だって・・・?
「冗談じゃない! 巴衛とキスするぐらいなら出て行ってやる!!」
奈々生の明日は果たして!?

声優・キャラクター
三森すずこ、立花慎之介、岸尾だいすけ、岡本信彦、石田彰、佐藤聡美、浪川大輔、堀江由衣、高橋広樹、大久保ちか、新子夏代、森嶋秀太、山﨑バニラ