テロリストで漫画原作なおすすめアニメランキング 10

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのテロリストで漫画原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番のテロリストで漫画原作なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.2 1 テロリストで漫画原作なアニメランキング1位
亜人(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (911)
4967人が棚に入れました
高校生、永井圭。トラックによる追突死の直後、謎の蘇生。これにより国内3例目の不死の新人類・亜人であることが判明した。警察および亜人管理委員会により捕獲作戦、開始。同刻、管理下にあった2例目の亜人が何者かの幇助により逃走。この者らは直ちにテロ活動を展開し人類への復讐を開始した。
永井圭の動向を注視せよ。繰り返す・・・

声優・キャラクター
宮野真守、細谷佳正、大塚芳忠、櫻井孝宏、小松未可子、平川大輔、洲崎綾、福山潤、木下浩之
ネタバレ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

もう少し違った方向性を期待したんだけど…

CG屋のポリゴン・ピクチュアズがシドニアの騎士以来に制作する漫画原作作品。
同時期に映画が公開され、映画の方は3部構成になっているらしい。

5月から第2部公開のようだが、アニメで描かれている部分と共通している部分があり、
第2部でアニメで描かれた部分の後までやるのか、またアニメに2期があるのか、
その辺りの事情が今のところよく分からない。


☆物語☆

17年前のアフリカの戦場で初めて不死の亜人が確認された、という背景があり、
舞台は現在の日本、主人公永井がある日トラックに轢かれたことで、
自身が亜人であることが判り逃亡するが、捕まり人体実験の対象となる。
帽子と呼ばれる他の亜人佐藤が救出に来るが決別、研究所を脱走し田舎に隠れる。
佐藤はネットで他の亜人を集め、実験に加担した製薬会社を破壊、
最後には自らが国を統治する、と宣言し政府組織、警察と戦う...


まぁ大体こんな感じのストーリーなんだけど...

まず、何故「亜人になる」のか自体謎で解らないんだから、
とりあえず捕まえて人体実験、しかも殺してばっかりっていうのは、ちょっと安易過ぎる気がする。
遺伝的に亜人が生まれる、のでないとすれば、何かしらのウイルスとかの感染症とか考えられるのに、
厚生省は何を考えてるのやら。。

亜人か亜人じゃないか、死ななければわからないんだから、一体どれだけの亜人が居るかわからないのに、
ちょっと亜人に対する人間側の描き方が単純過ぎる展開だなと。。

また、気になるのは警察含めた権力側の無能さ。
戸崎に関しては、終始無能だし。。

いくら佐藤が戦闘力があるからって。。
{netabare}麻酔銃で眠らせて捕獲、っていうのはまだ分かるけど
ひたすら銃で殺し続けるって、ちょっと子供じみた発想で笑ってしまった。。{/netabare}
もっと捕獲ネットやら、催涙弾とか粘着剤やら、撃った後に拘束具とか手錠掛けるなり色々考えられる方法あるだろうと。。

また、{netabare}永井が研究所脱走した時、なんですぐに捕まえられないのか、というのも疑問で、
やすやすと逃げられすぎだろ。。{/netabare}。

亜人側、佐藤の行動にも疑問。
{netabare}ネットで世間に権力側の悪事を知らしめるというのは良いと思うんだけど、
結局国を統治するとか言い出して、{/netabare}どうも安直過ぎる行動に感じる。
まぁ只の戦闘狂らしいから、結局大して考えて行動してない、ってことなんだろうけど。。

亜人の金の作り方に関しては上手く考えたな、と思った。
けど、人間じゃなかったら使い物にならんのじゃないのか?という疑問もあるけど。


☆声優☆

人気&実力のあるキャストが揃っていて演技自体に不満はなく、概ね満足。
注目は山中(婆ちゃん)演じる大ベテランの久保田 民絵さんですかね。
去年は幸福グラフィティ、一昨年はWIXOSSなどにも出られてましたが、今回もナイスな婆ちゃん役(笑)


☆キャラ☆

出てくる主要なキャラの行動が安易というか、場当たり的過ぎる感がある。
主人公永井の性格がクズなのは、別に好き嫌いで評価する訳じゃないからいいんだけど、
頭脳明晰、合理主義的な考え方なのに、田舎に逃げてからの行動がしっくり来ない。
結局 {netabare}最終話には佐藤を止めに行くって...{/netabare}

先に書いた通り佐藤の行動も安直過ぎる気がするが、それに賛同する亜人も頭悪すぎ。。
て言うか、別の亜人達は永井同様、一回死んだから自分が亜人だと気付いたはずだと思うけど、
人が死ぬような場面って、そんなに人目に触れないもんだろうか。。
年寄りは居ないし、みんな人目に付かないようなところで自殺を計った人ばっかり?殺された?
どうもその辺の事情がよく分からない。

キャラで良かったのは戸崎の部下の下村がなかなかCGにしては可愛かった笑
最初の永井を助けた海斗がどうなったのか、その後出てこんし。。


☆作画☆

やっぱり見どころは作画(CG)ですかね。
視聴者がシドニアの騎士を観てれば、だいぶCGにも慣れてきていると思うけど、
本作では戸崎の部下の下村も可愛いと感じた人は、自分だけじゃないと思う。。
フルCGじゃまだまだ「萌え」を期待するのは難しいと思ってたけど、
意外と遠からず、違和感なしに観れるようになるかもしれない。

コマ数が多くシームレスなCGだから、より人間の動きに近い自然なヌルヌルした動きを描くことが可能なんだけど、
それが観る側が違和感を感じる、っていうのは、如何に普段コマ数の少ない作画作品を観てるかってことで、
次第に慣れてくると思う。(ディズニー映画を観て気持ち悪い、という人はあまり聞いたことがない)

ただ、今期の「ブブキブランキ」が同じCGアニメでも作画を合わせて使ったり、コマ数を意図的に減らしたりして、
より作画アニメに近い、違和感の少ない仕上げに拘ってたのは、本作とは違うところですね。

CGならではで良かった点は、IBMの描き方。
作画でやるとなるとかなりしんどい部分だと思うし、同様に戦闘部分動きのある所は良い。。
あと背景との馴染みが抜群で、輪郭線や色彩もいい感じにボカしてほとんど違和感がなく同化しているのは、
これは通常の作画アニメだとなかなか難しい部分だと思う。
CGの違和感ばかり言うんじゃなくて、こういうCGならではの良さ、という面も見るべきじゃないかと。
どうせこれからどんどんCGアニメは増える一方だし。。


☆音楽☆

OPは人気バンドのタイアップ曲だが、歌詞はちゃんと作品にリンクした内容になっている点は評価できる。
EDはアニメーションが結構インパクトあったかな。曲自体はどちらもなかなか良いと思う。
作中BGMはここぞという場面で緊迫感がよく伝わってくるもので、演出上効果的でなかなか良かったと思う。


まとめ

結局亜人VS人間(国家権力)ってのを描きたいんだなっていうのは分かるけど、
東京喰種とかと同じような展開で、題材が興味深かっただけに、期待してたような方向へ行かなかったのが少々残念。

まだ東京喰種は人間を喰わないと生きていけない、主人公が喰種になる過程も描かれてて深みがあったけど、
こちらはまだこれからどうなるか分からないけど(寄生獣とかの方向へ持って行きたいのかな?)
どうも今の段階ではキャラの行動や設定が浅い気がする。

色々と疑問や気になるところはあるものの、なんだかんだ1クール退屈すること無くそこそこ面白く観れた。
映像に関しては見応えがあるので、今後の展開次第という感じ。
ただ、続きがあればいいけど、劇場版だけで終了、だとするとちょっと寂しい感じはするかな。。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

かさい さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

この上ない満足感

ポリゴン・ピクチュアズ制作のフルCGアニメ。
挑戦的な試みと、文句のつけようがないクオリティ、原作をリスペクトしたシナリオと構成。
何より、他のアニメでは味わえないフルCGならではの表現も見事だった。

スタッフ陣は瀬下総監督率いるシドニアの騎士制作陣。
この作品は安藤監督中心で制作している模様。

【総合】
4.81/5

【物語】4.8
【構成】4.9
とにかく純粋に面白かった。同時期に放送されているどの作品よりも楽しんでいたかもしれない。

・原作準拠の内容と巧みなオリジナル展開
ネタバレを避けるため、内容に触れたレビューは避けるが、この作品は内容も魅力的だったことには間違いない。
主に原作のシナリオどおりに話は運ぶが、オリジナルでアニメ版として消化している部分もある。基本設定やキャラをブレさせず、しっかりとアニメ版としての展開を用意しているシナリオには感服。

・1話構成、引きとタメ
1話の構成はシドニアよろしくなスピーディーかつ緊張感のある仕上がりになっており、リズムやテンポも途切れない。またCMやEDまでの引きが物凄く上手い。
原作ものとしては、1話でどのくらいの内容を消化するかは非常に作品によってはネックになる要素ではあるが、この作品はそれさえも武器にしてしまった。また、焦らし方、セリフのタメ方も非常に良い。アバンで前回のあらすじを挿入するが、その構成も上手いとしか言えない。セリフとカットのチョイス、構成が素晴らしい。前回の興奮が蘇った状態で最新話を迎える事ができる。
こうした要素が重なって、話数単位での満足度はずば抜けて高い。


【CG】4.85
この作品では、CGならではの表現や、カメラワーク、撮影処理が施されていて、緊迫感や臨場感も他のアニメでは味わえない別のものになっていた。

・人間らしさ
この作品ではまず、収録方法にプレスコを用いている。
そのため、喋るキャラクターはまさにリアルタイムで話しているかのような生々しい芝居になっている。表情や動作に関しても、人間らしさを随所で感じるモーションになっている。
細かいリアクションや仕草などにも力が入っており目線の調整も非常に細かい。この表現は手描きでは厳しいだろうなと見ていて感じる映像だ。

・IBMアクション
形が定まっていない常にエフェクトを出し続けている人の形をした何かを手描きで表現するのは至難の業だと思う。この作品では、フルCGを存分に活かし、際どいアングル、レイアウトでの戦闘を容赦なくやる。
IBMからは常時エフェクトが出続けており、接触した際のエフェクトなんかは気持ちよさすらある。SEも迫力を全面に押し出し、IBMアクションは臨場感と迫力を兼ね備えた映像だった。


【美術】4.75


【声優】4.8
・ハズレのないキャスティング
主人公役の宮野さん中心に実力派が揃うこの作品は、個人的には原作でもっていたイメージ通りの見事なキャスティングになっていた。
佐藤に至っては大塚さんしかいないだろうと思える入り込みぶり。

・プレスコで強まる生々しさ
宮野さんや大塚さんには持って来いな収録方法。
キャラに入り込める人ほどプレスコの効果は向上する気がする。
また、キャラ強化面だけでないく人間的描写の生々しさも増す。
CGの芝居もリアル、キャスト陣の芝居もリアル。この生々しさがたまらない。

【音楽】4.8
凄く良い。
勿論、作品の世界観にはマッチしているがSE的な音使いとフィルムスコアリング的なタイミングが絶妙。
パターンとシチュエーションが上手く噛み合っている成功例とも言えるレベル。

【演出】4.85
・日常を切り取ったフィックス
気づけば長尺のフィックスになっていたりする。
フルショットだったり、フカンであったり、隠しカメラ的な位置にカメラを置き、動かさないでひたすらキャラに芝居をさせるという手法。
個人的にはかなり好きな日常描写ではあるが賛否は分かれそう。
カメラが動かない、カットが切り替わらないということは、画面上に大きな変化は無いが、それだけ落ち着いてキャラを見せることが出来るということでもある。日常描写には拘りを感じた。

・的確な空間表現
日常描写に必須のレイアウト、これも素晴らしかった。
どのキャラがどこにいても、必ずそこには空間があり明確な場所になっている。その中で、芝居やアクションをキャラがこなす。正直たまらん。

・CGならではの演出
多数のモブを同時に動かす演出。
病院で、車が入ってくる瞬間に多数の報道記者が駆け寄るカットや、特殊部隊が連動した動きをフカンで同時に見せるなど。
報道記者のカットはゾロゾロ感が気持ちよく、またものすごく自然な動きになっている。
特殊部隊は、一人ひとりが厳重な装備を施した衣装を着て、警戒しながら連携するモーションは正にCGだった。

狭い空間で動くキャラ
どんな空間でも自在に動かせるのが強みだと再確認。

・的確に明確に捉える
キャラに関してもものに関しても。
カット構成も見事だったが、いつ、どのタイミングで、何を映すかが徹底されているように感じた。
そのタイミングも素晴らしいが、焦らし方もなんとも言えない。


【OP&ED】4.8
ポリピクお得意の新規映像がほぼ(ない)構成だが、カット割りや構成、撮影処理が絶妙。楽曲との相性もドンピシャ。
EDも映像って感じ。好きですね。


【キャラ】4.8
・踏み込みきらないキャラ描写
特に主人公。
もう少し踏み込んだ心情描写ができるはずだが、キャストの演技やキャラの芝居に任せている印象。余計な描写はとことん省かれている。その必要性を感じない。

・スポットライトの浴びせ方
もう敵味方は分からない。ただ、両サイド全てのキャラに思考があり、それを元に行動しているのが分かる。
偏りのないスポットライトの浴びせ方としては非常にバランスが取れているなと感じる。

・視聴者は誰視点で見るのか
自由が効いていると思う。
警察側、亜人側、主人公側、どのサイドにも魅力的なキャラはいて、程よく描写されている。場面転換も非常に効果的。第三者視点で見るのもありか。


佐藤さんたまりません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ポリゴン・ピクチュアズさん渾身の一作・・・

この作品の原作は未読ですが、劇場版が先行上映されたので作品の存在自体は知っていましたし、劇場版を見た友人から良い評価を聞いていたのでTVアニメ版の視聴は決めていました。
でも、視聴を決定付けたのがアニメーションの制作がポリゴン・ピクチュアズさんだと知った事です。

ポリゴン・ピクチュアズさんと聞いて最初に頭に思い浮かぶのは「シドニアの騎士」です。
フル3DCGに手書きを併用した作品で・・・谷風 長道を中心につむぎ、イザナ、ゆはたらと日常、戦闘時における高いクオリティを思う存分堪能できる作品でしたので今回の作品にも期待していました。

この物語では、決して死なない新生物の存在が確認され、その新生物は「亜人」と名付けられました。
見た目は普通の人間と一緒なのですが、違いは不死であることだけ・・・

不死・・・個人的にあまり憧れはありませんが、今でも不死を願っている人達は存在するのでしょう・・・その様な人たちにとって亜人の解明は人類の不死への一歩になる訳です。
そもそも何をしても死なないという事は、何をしても殺人罪には問われない事の裏返し・・・
不死に対する妬みも手伝ったのか、亜人に対する仕打ちは正直目を覆いたくなるくらい残酷なモノだったと思うと共に、人間って罪に問われないとこんな事まで出来ちゃうんだ・・・と少し怖くなったのを覚えています。

亜人の存在は世界中で数例・・・これは天文学的確率で対岸の火事と認識してしまう程の極めて稀な事例・・・自分の身の回りの日常には何の関わりもない・・・と思ってしまうのが人間の心情だと思います。
これに「そもそも他人の事なんて・・・」という利己的な考えを付加したのが主人公永井圭の人物像です。

人との間に壁を作る・・・確かに人間にパーソナルスペースは必要だと思います。
けれど、必要以上の壁は相手が見えなくなるだけじゃなく、実際自分が助けて欲しい場面に遭遇した時相手に声が届かない・・・若しくは気付いて貰えなくなる要因にもなり得るように思えるのです。
でもきっと・・・知らず知らずのうちにたくさんの壁を作ってしまっているようにも思えますけれど・・・^^;

とある夏の下校中・・・永井 圭がトラックに轢かれてしまうという正に青天の霹靂と言えるべき出来事が発生してしまいます。
この後の展開として考えられるのは、①駆けつけた救急隊の懸命の救助によって一命を取り留める、②そのまま亡くなり物語はそこで完結する。
魔法少女展開など作風に合わない可能性を排除すると、考えられるのはこの2つくらいだと思います。
でも、永井には第3の選択肢・・・③亜人の能力で生き返る、を持っていたんです。

自分を取りまく環境が一瞬にして変わるのが分かります・・・いま彼を襲っているのは「自分とは違う生命体」であるという視線、「化け物」として永井を捉える目線、そして日常から恐怖のどん底に落ちていく周囲の空気・・・
亜人になりたくてなった訳じゃない・・・
そもそも今の今まで自分が亜人である事さえ知らなかったのに・・・
それでも今現実に起こっている事実は変えられません・・・
こうして「亜人 永井圭」の物語が動いて行きます。

「死なない」と「死ねない」
最終的な結果は同じですが、その言葉の持つ意味の過程に違うがあると思います・・・
「亜人」はどっちなのか・・・と考えると答えは難しいです。一人ひとりがこれまで背負ってきた人生に違いがあるから一概には言えないと思います。
けれど、結果だけ見ると「不死」である事がどういう事なのか・・・この問いにはこの作品が一つの答えを出していると思います。
少なくても私にとって「不死」は常軌を逸脱した状態である事は間違いありませんでした。
「亜人」は人間なんです・・・ゾンビなんかとは違うんです。
人間が致命傷を負って・・・何事も無かった様に起き上がる様は、やはり違和感を感じてしまいます。
きっとそれは無意識のうちに亜人を否定しているからかもしれませんが・・・^^;

亜人も人間に無抵抗の存在であり続けるか・・・と言うと決してそんな事はありません。
私達だって嫌なことやして欲しくない事を執拗に繰り返されると怒りだってこみ上げてきます。
「怒る」は人間が人間らしくあるため必要な感情なのですから・・・
だから亜人だって怒るのも当然ですし、それは人間がやり過ぎた結果が招いているというのに・・・

「集団的心理」と「数の暴力」
絶対的少数の亜人は人間にとって「忌むべき者」と認識されたら亜人はどうすれば良いんだろう・・・と考えてしまいます。
人間は亜人にはけ口を求めました・・・けれど亜人にはそのはけ口がないんです。
だから・・・亜人は固まらざるを得なかったんだと思います。
一人ひとりは弱いから・・・死なない痛みを繰り返されるのは嫌だから・・・

これまでの平穏な生活を守るため・・・?
亜人をもっと人々に正しく理解して貰うため・・・?
様々な思惑を胸に一部の異端者を除く亜人は立ち上がります・・・
ただ一つ分かっている事・・・それは亜人が必死だという事です。
この事の顛末は是非本編でご確認下さい。
迫力とスリル・・・そして痛みを伴う物語だったと思います。

オープニングは、flumpoolさんの「夜は眠れるかい?」
エンディングは、宮野真守さんの「HOW CLOSE YOU ARE」

1クール計13話の物語でした。劇場版は3部作である事が公表されていて、今回のTVシリーズは劇場版の第1部に相当する事から物語としてはまだまだ序盤です。
今後、物語がどの様に展開されていくかが楽しみなのですが・・・劇場版の2部,3部はTVシリーズで放送する予定は無いのでしょうか^^;?
それとも物語自体にTVシリーズで放送するだけの尺が無いのでしょうか^^;?
何れにしろ、今後発信される情報に期待しています^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

59.3 2 テロリストで漫画原作なアニメランキング2位
東京ESP(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (544)
3094人が棚に入れました
貧乏学生の漆葉リンカはある日、空飛ぶペンギンとそれに追われる光る魚の群れに遭遇する。そして、魚の一匹が彼女に入り込むことでリンカは物質をすり抜ける超能力(ESP)を手にした。同じくESPを手に入れた先輩、東京太郎と共に彼女は超能力者によって起こされる様々な事件に遭遇することになる。

声優・キャラクター
木戸衣吹、三澤紗千香、河本啓佑、相沢舞、稲田徹、緒方恵美、田所あずさ、川原慶久、今野宏美、安原義人、井上和彦、中田譲治、玄田哲章、江原正士、麦人、緒乃冬華、平松広和
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

拳『こぶし』 ~Elevated Second Perfection~

最終回で下唇の評価が急上昇!!!!!

www

レビュータイトルはなんかそれっぽく、
ただ押したいだけwwww

最高に単純なネタとバトルのアニメだったが、
結末だけは物語としてなかなか評価高い。
なんか久しぶりに{netabare}負けエンド{/netabare}を見た気がする。

OPの拳ちゃんの演出全てが最高☆☆☆☆☆
あの「真打登場!!!!!」的な感じは、マジええわ~♪
眼を見開いた瞬間、曲は絶頂を迎え、走り出す!!
もう、辛抱たまらん♯

きっとこの作品を熱く語る人がいないだろうから、
オレが超能力を駆使して作品を素晴らしいものに変えてやる!!!!!

◇能力:自分が見ている妄想を人に晒す、文章で!
◇能力名「Especially Specially Punch」

人物紹介
{netabare}
☆主人公 こぶしちゃん
親に捨てられ身寄りもなく、泥水をすすり、盗みを働いても生きてきた。
ある日「光る魚」が自分の拳をすり抜け心臓へとたどり着く。
死を垣間見たこぶしは、この世界で自分が透明な存在だと気付く。
気を失い立ち上がると、鏡には自分の姿が写っていなかった。

○サブ りんか
こぶしちゃんがねぐらにしていた空家の隣の家のアパートに住んでいた。
ある日、自らの体をすり抜けた買ったばかりの下着が風に飛ばされ、
隣の家の屋根に乗っかった。
楽しみにしていたこと、なかなか高かったこと、体を通り抜けたことが合い重なり、
全裸で混乱しながら隣の家の空家に飛び乗ると、そのまま屋根も外壁もすり抜け、
寝ているこぶしちゃんの頭に蹴りを入れてしまった。

☆主人公 りんかの父
裸で屋根をすり抜ける娘を追い、かつての仕事で培ったピッキングの技術で隣の家の空家に侵入。
玄関を開けた瞬間に漂う犯罪の香り、闘争心が昂る一方で氷の様な落ち着きが肉体を包む。
神経を尖らせていたつもりが、ピリピリしていたのは裁縫針がお尻にささっていたからだった。
状況とその不可解さに驚き心を乱すと、
突然目の前に現れた黒いライダースーツのチャックに強烈なデコピンをかまされ気を失う。

以下略{/netabare}

ふぅ、これ以上この能力を使うと色んな意味で危険だw


流れも、物語や登場人物の根幹を成す部分が単純かつ雑なのだが、
それがこの作品の魅力である。

1話をなかったことにすれば、もうちょっと良くなる。

ツッコミどころが多いし、
{netabare}オレたちの戦いは続くエンド{/netabare}でもあるけど、
良い所、たくさんあるよ!

主人公側の能力が{netabare}地味とか、どちらかというと弱い{/netabare}とか、
バトルで容赦なく{netabare}女の子の顔をボコボコにされる{/netabare}とか、
何かあったよ!


・・・と、そもそもフォローしようとする感想を書いてる時点で、
微妙な作品であることは否めない。

では微妙だとつまらないかというと、そんなことはない。
中二病なOPやキャラの信念にそそられた方は最後まで楽しめると思うよ~



★1話観た感想→{netabare}

2014.07.13 20:02
物語 : 2.5  作画 : 4.0  声優 : 3.5  音楽 : 3.0  キャラ : 2.5
【エスパー微糖】

え、世界の使い回し??
喰霊零ってそんな人気あったの?元ネタから派生させたものって、大抵・・・

なんかあらすじにエスパーが~、ペンギンが~って書いてあったから、
ギャグ色の濃いエスパーの話だと思ってたんだけどな~


エスパーギャングが国会議事堂を占拠し○ピュタの様に浮かせて落とそうとしてるみたい。
ついでに街ではやりたい放題♪
エスパーヒーローズが地味な超能力でギャングの目論見を叩き潰し、街を救っていく、って感じ。

うーん、
シティーハンターからエンジェルハートぐらいの無理やり感がある。
旧キャラ、あの二人には黙ってもらえるのかな?

ということで、3話ぐらいまで観て切るかも~

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

超能力バトル(´Д´(○====(≧□≦*)oパーンチッ!!!

少年エースで連載中の漫画が原作のアニメです。
ある日,主人公の漆葉リンカは「謎の光る魚」に遭遇します。
その後,彼女は物を透過してしまうようになります。
それがESP(超能力)。
普通だったらこの魚に遭遇できるのは主人公だけ―というのが,漫画においては一般的だと思うのだけど,この漫画は彼女だけが特別ってわけじゃないんですね。
この魚は不特定多数の人と遭遇していろんな人がESPを身に着けてしまうというなんとも荒唐無稽なお話なのです。
そして,彼女はそのESPをもった人達と,ある人は仲間になり,そしてある人は敵になり…といった感じでお話が進行していきます。

あたしの第一印象としては…このアニメよく観ようとしたな,自分っていう…(汗)。
ロボットが出てきてくれたらすぐに観るの止めたのになかなか出てこないから最後まで観てしまったよ。。
(まだご覧になってない方,これは決してそういうアニメではありません。)
単純に自分の好みのジャンルではなかったので…。
そして,ビジュアル重視の自分的にはキャラデザが好みじゃないです(>_<)
原作を読んでないので知らないのですが,そもそも原作があぁいう感じなのかな?
そして,戦う話もそうなんですが,戦う女の子があまり好きじゃないのです。。
今,少年漫画で主人公が女の子って珍しくないのかな!?
でも,主人公の好感度的には少女漫画の主人公より好感度高いです。
だって,まぁ正義感強くて良い子…ってこれは少女漫画の主人公もそうか…。
彼女は東さんのことが好きってことで良いんですよね?
でも,少なくともこのアニメではあんまり東さんと一緒に居ないっていう印象でした。
お節介もないし,がつがつしていないというかね★
まぁ恋愛モノではないのでそれもそうか。
東さんは(キャラデザは置いといて)かっこいいですね。
でも,もうちょっと強くても良かったと思います。
それだと主人公が霞んじゃうかな。
{netabare}美奈実と同じESPを持っているのに美奈実の方が全然上って…。
それはあの魚のせいなんですかね。
そうだとしたら納得いかない。{/netabare}

あと,あたしだけですかね。
紫ちゃんと歩くんの区別がつかない∑(゚□゚;)
性別も違うのに…。キャラも全然違うのに…。
だってだって,紫ちゃんショートヘアなのと,2人ともメガネかけてるから!!←言い訳。
よく見れば分かるんですけど,バトルものなので,けっこうドタバタしてる時なんかはいちいちゆっくり確認してられないし。。

好きなキャラは小節ちゃん。
{netabare}初めは完全に悪い奴だと思ってた!!
けど,お父さんにぽっ♡ってなっててうけました(笑)。 {/netabare}
小節だってリンカくらい強いのだからもうちょっと活躍させてほしかったな☆

{netabare}1番気になったのは船が東京タワーに立てかかってる画!!
いくら船がでかくてもあの比率おかしくないかい!?
それとも,意外と大きい船はあれくらいあるんでしょうか?
あるの。まぁあるなら仕方ないですね。
あたしが悪かったです。←{/netabare}

あとはやっぱり人が簡単に次々に死んでいく話は好きじゃないです。
観てていたたまれなくなって…いるっていうのにどんどん物語は進行していって…。
それはこのアニメに限ったことではないのですけど…。
{netabare}それだけじゃなくて,東さんの手に刀が突き刺さってからのあれ!!
もうやだ。痛くてしょうがないです。゜(>д<)゜。{/netabare}

原作の方ではまだまだこれから続いているんでしょうから,たった12話のアニメではすっきり終わりませんでした。
全然まったくもってダメなアニメじゃないと思うのですが,好みじゃなかったので,2期やっても観ないでしょうね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

突如超能力を手にしたら・・・正義のためにその力を使えるでしょうか・・・?

この作品は、原作未読、事前情報無し・・・東京を舞台にした超能力系の作品なんだろうなぁ・・・という程度の状況で視聴に臨みました^^;

物語の冒頭で登場する二人の女子高生・・・
「あれっ、この人達どこかで・・・?」と思われた方も多いと思います。
それだけじゃありません・・・第1話のAパートにはやたら懐かしい面々が登場します。
それも結構な時間を使って・・・

気になったのでwikiで調べてみました・・・なるほど、作者繋がりだったんですね^^

この物語の主人公は、高校1年生の漆葉 リンカちゃん・・・
彼女は、ある日突然超能力を手にします。
でも、超能力を手にしたのは彼女だけではありませんでした。
その能力をどの様に使うかは本人次第・・・なのですが、リンカちゃんはその能力を手に入れたが故に様々なトラブルに巻き込まれ・・・物語が動いていきます。

生き方には二通りしかない・・・
奇跡など全く起こらないように生きるか、
全てが奇跡であるかのように生きるかだ・・・

物語の冒頭・・・このようなナレーションが入ります。
この意味深な台詞が今でも頭に残っています・・・
きっとこの作品のメッセージが凝縮されていると思うから・・・
そして、少なくても自分の手の届く範囲のことは後者でありたい、と思っているから・・・だと思います。

もちろん、人生において前者の様に石橋を叩いて渡る慎重さも必要ですが、それだけでは越えられない壁が目の前に立ちはだかった時・・・
乗り越えるために全力で立ち向かいたいですよね^^

この物語でも、登場人物の一生懸命をたくさん見ることができます・・・
人それぞれ・・・色んな一生懸命がありますが、人の頑張る姿は見ていてとても気持ちが良いです・・・^^

でも、ただガムシャラに頑張るだけじゃ駄目だってことを、この作品では示唆しています。
難しいのは、やっぱり人の気持ちを向けること・・・振り向いてもらうことだと思います^^;

大切だからずっと見てきた・・・そう思っていた・・・
私にとって、それはとても些細だった・・・
でも、貴方にとってそれは些細ではなく、全てだった・・・
もし、それに気付いていたら・・・今こうじゃなかった・・・?

登場人物のたくさんの葛藤・・・是非本編で感じて頂けたら、と思います。

オープニングテーマは、飛蘭さんの「東京ゼロハーツ」
エンディングテーマは、妖精帝國さんの「救世Άργυρóϛ」
特に飛蘭さんのオープニングは好みだったので毎回欠かさず見ていました^^
養成帝國さんの曲も格好良いのですが曲名が読めません・・・^^;
何語・・・? 何て書いてあるの・・・?
一度気にすると止まらなくなるので、あまり気にしないようにしています^^;

1クール12話の作品でしたが、原作は2部構成になっていて現在2部が連載中で、1部が今期の作品に相当するそうです。
続編・・・もし制作されるなら是非視聴したいと思います^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

70.1 3 テロリストで漫画原作なアニメランキング3位
亜人(第2クール)(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (511)
2525人が棚に入れました
高校生亜人・永井圭。下校時、交通事故に遭い、亜人であることが発覚。
以降、警察、及び、亜人管理委員会から追われる身となる。

圭が逃走中に接触を図ったのが、亜人テロリスト・佐藤だった。
佐藤は圭を教育するため、彼を亜人管理委員会に引き渡す。
が、試みは失敗。佐藤は圭と袂を分かち、独自に集めた亜人協力者と共に、グラント製薬爆破という大規模テロを引き起こす。

そして、現在。
亜人テロリスト・佐藤と亜人管理委員会との戦いは、新たな局面を迎える。
「第2ウェーブのテーマは、『浄化』だ」
佐藤による第2の犯行予告。それは、亜人関連要人15名の連続暗殺計画だった。
亜人対日本国政府、佐藤対永井圭の、国の存亡を賭けた最後の戦いが、幕を開ける……!

声優・キャラクター
宮野真守、細谷佳正、福山潤、大塚芳忠、平川大輔、櫻井孝宏、小松未可子、木下浩之、鈴村健一、森川智之、坂本真綾、洲崎綾、斉藤壮馬

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

佐藤さん…そりゃやりすぎでしょう…

この作品はちょっと異色な作品で、劇場版を上映した後にTVシリーズが放送されました。
劇場版は3部作で3作とも上映済で、TVアニメの方は本作品の第2クールまでが放送されています。
私は劇場版を視聴していないので何ともいえませんが、劇場版の第1部とTVアニメの第1クールが対になっているかが分かりません。
今回第2クールを見て続きが見たくて仕方なくなりましたが、劇場版の第3部と繋がっているのでしょうか。
それとも劇場版を3本視聴するべきなのか…
そう思えるくらいTVアニメの第2クールは迫力がありました。

佐藤と亜人の仲間たち vs 厚生労働省の構図は基本的にかわりませんが、回を追うごとに次々と権力者たちが引きずりだされていきます。

一方、立場的に微妙なのが永井と中野2名の亜人でしょうか。
佐藤の悪行を止めたい気持ちは2人にもあります。
ですが、組織だって活動している上、個々の能力でも適わない佐藤を相手にしても所期の目的は達成されません。
それに厚生労働省の戸崎からは敵のように見られていますし…

永井は本当に賢いと思います。
状況を冷静に俯瞰し、最善のカードを引き当てる事ができるのですから…
今回彼が選択したのは佐藤を止める事…
永井は紆余曲折あった戸崎と手を組むことになり…物語が動いていきます。

佐藤の言動…最初は全く分からない訳ではありませんでした。
亜人に対する人間の容赦ない仕打ち…
「死ねない」事を良いことに非道の限りを尽くされる…
その内容は思わず目を塞ぎたくなることも…

「死なない」からってやって良い事と悪い事があります。
そんな当たり前の事を分かってほしい…
そう思うのは自然の発想だと思います。

でも途中から良く分からなくなってしまいました。
だって佐藤のやっている事…明らかに常軌を逸していましたから…
佐藤は明らかにやってはいけない一線を越えてしまっていました。
結局自分がやられた事と同じ事を相手に仕返ししている事にどうして気付かないんだろう…

だから永井の選択…個人的には嬉しかったし応援したいとも思いました。
嬉しかったのは、実は中野と一緒で「すっげえキレイ」な下村さんの出番が増えるから…
応援は純粋に佐藤を止めたい一心です。

彼女は綺麗なだけではなく、仕事への姿勢も好みです。
恩人である戸崎を何よりも優先し、自分が戸崎の盾になる事を厭わない彼女…
そしてその気持ちはどんな状況に陥っても絶対に揺るがない…
こんな人が現実にいるなら、きっと心が揺れると思います。
ただ、戸崎が向いているのは残念ながら下村さんじゃないんですよね…

だから自分の気持ちが報われる事が無い事を彼女は知っているんだと思います。
知っていて自分を貫く事ができる…それって中々出来る事ではありません。
そう考えると下村さん…とても素敵な女性だと思います。

佐藤の手が緩められることは一切ありません。
そして要求もエスカレートしていくばかり…
そして迎えた決戦の時…この先の気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
精一杯の頑張りと粋な計らいが彩りを添えてくれていました。

オープニングテーマは、angela × fripSideさんの「僕は僕であって」と、fripSide × angelaさんの「The end of escape」
エンディングテーマは、クリープハイプさんの「校庭の隅に二人、風が吹いて今なら言えるかな」
オープニングはどちらも同じ組み合わせですが、先に名前が記載されたユニットが楽曲を提供しています。
こんな夢のような組み合わせって実現するんですね。
angelaさんもfripSideさんもどちらも好きなので、どちらの曲も覚えました。
今度カラオケでは「The end of escape」に挑戦してみたいと思います。

第2クールは1クール計13話の作品でした。
正直最終回の最後を見るまではこれで終わりなのかな…と思っていました。
けれど、随分大きな爆弾を残していきましたね…
これじゃ続きが気になって仕方ないじゃありませんか…
できたらこの続きもTVアニメでじっくり視聴したいところです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

北山アキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

傑作でした

原作未読

最後まで観て
まず、設定上の日本がかなりブラックな社会だ。
「ヒト」の概念について超ラディカルな態度をとっている。
現在の日本で言えば、ヒトの精子と卵子からできた受精卵から生まれた生物を
ヒトと認めないという態度はあり得ない。
百万年の祖先に遡ったときにいる生物がヒトかどうかは別として、
現在のヒトから生まれた生物をヒトと認めないことは、
自分の首を絞めるのに等しい行為だからだ。
しかし、物語の中では、亜人はヒトとは認められていない。
だから、特に1期冒頭から描かれているような陰湿な人物描写や人間関係が普通の、
不安定で猜疑心に満ちた社会となっている。
ただし、実際に生物学的にはヒトとは言えないから、
ヒトじゃないと言っても間違っていないところが対応の難しさなのだろう。
戦いが激しさを増すにつれ、その違いは浮かび上がってゆく。
中野の死に芸なんて笑うしかない一方で普通のヒトは簡単に死んでゆく。
{netabare} でも、良い奴も悪い奴も平等に死ぬところはこの作品のいいところだ。
最終的に亜人管理委員会が亜人に乗っ取られているというところや、
結局、佐藤さんの行動が亜人に市民権を認める結果に繋がるところなど、
皮肉とブラックなユーモアに溢れていて笑える。{/netabare}

登場人物には物語世界の影が差したかのような人物が多く、
その部分は好みが分かれるところもあるかもしれない。
でも、好き嫌いではなく、利益の一致不一致がヒトの行動の基本である以上、
万人の万人に対する闘争に過剰な道徳観を持ち込んでもしょうがないのだ。
伝統、宗教あるいは科学の装い纏っていても道徳には多分に上意下達の企てが含まれている。
戦争より平和が支持されるのは道徳ではなく、大多数の損益計算に適っているからに過ぎない。
佐藤さんは不死なのだから、道徳なんて退屈なものに縛られる必要はない。
逆に、ヒトであることに縛られているのは永井のほうかもしれない。
亜人でも人間であり続けるか、人間を止めるかの選択は、一義的には個人の中にあるが、
その選択が許されるか否かは外部環境次第でもある。
どちら側に答えがあるのか?というのはエンドレスな問いになる。
ラストはある意味それを象徴しているかのようでもある。

6話(19話)まで観て
今のところ今季で1番面白いことになってる。
振り返れば、前期最初の逃亡劇のところが一番おもろなかった。
{netabare}
余談だけど、主人公チームが使用する銃がグロックなのがなんか好き。
実写でもアニメでもベレッタ92ばかりっておかしいとずっと言いたかった。
(B・ウィリス主演「ダイハード」頃から30年近くベレッタ時代なんじゃ?)
グロック17は見た目ごつく無くて地味だからベレッタのが画面映えするという理屈は分かる。
でも、使用弾は同じ=威力は同じで、装弾数は同等以上、より軽量で、携帯性に優れる。
(だから、警察や軍に制式拳銃として採用されている実績もベレッタに劣らなかったはず)
特に日本人の体格を考えればグロック>ベレッタでしょ?と思ってた。
この作品の主人公は少年だし尚更そのほうがリアリティを感じる。
6話の建物制圧のアクションもすごくそれっぽかったし、
ガチのミリオタが見たらいろいろと小物も含めてこだわりが見つかるかも。
(僕は詳しくは無いのでよく分からんが)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

ZORRRO さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

クレイジーなワクワクさん(佐藤)との戦い。

【ストーリー・キャラ】

これからどうなる!?エンドだった1クール目でしたが、1話からいきなり流れ変わりますね。
もう逃げるだけじゃ無理ゲーなので、主人公たちが行動を起こします。そこから始まる2クール目。

1クール目では誰が味方なのか…という要素がありましたが、ここまで来るとハッキリしてきますね。
物語を引っ掻き回しまくり、本格的にテロリストになってきたvs佐藤さんというのが今回の話。

正直その佐藤さんですが、敵ながら無双っぷりがかなり爽快で見どころです。かっこよい。
また、佐藤サイドも有能な亜人の協力者が活躍したりと、なかなか面白いメンツになってます。


主人公サイドですが、同じく亜人の脳筋中野くんを始め協力者と共に戦い始めます。
頭が良い主人公で策士なのだが、まだ若い、どこか詰めが甘いし気も弱いという欠点だったり、
元々人間関係が微妙すぎた主人公だったため、協力者と絡んで徐々に変わっていく様子、
そのあたりがまとめて主人公の見どころかなと思います。

1クール目終盤とか、展開的に海斗くんや妹はかなり空気でしたが、2クール目で果たして…?


結局亜人の発端ってそもそもなんなんだったんだ…という深い語りはありません。
また、新たな敵も少し出てきたりと目移りしそうですが、結局はクレイジー佐藤さんを
主人公たちがどう攻略していくのか!?これが本筋です。今回も見応えありました。


【作画・音楽】

作画はフル3Dですが、何気ない日常動作が驚くほど自然に表現されてます。警備員が棒振ってるとかね。
モーションキャプチャかなんかなのかな?よく分かりませんが、動きが自然にリアルで良かった。
ただ少しもっさり感は気になるかな。カクカクしてるのはしょうがないのか。

銃撃戦とか、IBMとか戦闘シーンも増えたので、迫力マシマシでより良かったと思います。


OP・EDの表現は1クール目と同じようですが、主題歌はかっこよかったです。fripsideが絡んでます。
BGMの演出も、話のスケール的にも非常に噛み合っていてかっこよかったです。


【他】

実写化するだけのことはありますね。原作との相違は未読なのでようわかりません。

ラストは怒涛の追い込みからの良いエンドでしたし、終始手に汗握る展開で今回も楽しめました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

64.5 4 テロリストで漫画原作なアニメランキング4位
キューティクル探偵因幡(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (455)
2476人が棚に入れました
狼男探偵・因幡洋のもとに警察犬時代の相棒、荻野警部が事件への協力を求めてきた。
事件の首謀者はイタリアンマフィアの首領(ドン)・ヴァレンティーノ。
明らかにヤギにしか見えない首領・ヴァレンティーノの前に、赤毛フェチの因幡とゆかいな仲間たちがグダグダで立ち向かう、“ヤギ大増量毛探偵ギャグ物語”。

声優・キャラクター
諏訪部順一、入野自由、下田麻美、森川智之、大川透、小杉十郎太、日笠陽子、巽悠衣子、鳥海浩輔、深田愛衣、斎賀みつき、杉田智和、瀬戸麻沙美、岡本信彦、志村由美、日高里菜、子安武人、浅沼晋太郎、黒田崇矢、檜山修之、福山潤
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

探偵らしい事をあまりしない+悪役に魅力がある作品

(2013.1/11 1話:偽造通貨印刷事件・因幡洋誘拐事件)
{netabare}真面目な探偵アニメかと思いきや、ギャグアニメなのか?

毛に触れただけで個人を識別する。だからキューティクル探偵なのねwww
子山羊さん、変身後の因幡に恨みを持ってるみたいだね^^;3匹の子豚じゃあるまいし…
ロレンツォ(CV:小杉十郎太さん)なのかww

首領・ヴァレンティーノが主人公より良いキャラしてますね。
と言うか、全然探偵らしい事してないwww{/netabare}

(2013.1/19 2話:機密文書事件・母子ストーカー事件)
{netabare}首領が可愛すぎでしょwww 首領を愛でる為に観るわwww

緒方の犬好きに警察犬がストライキ(その中に因幡もwwwって犬扱いか!?(゚д゚;)){/netabare}

(2013.1/26 3話:チョコレート悩殺事件・狼少女暗殺事件)
{netabare}Aパート、安定のヴァレンティーノ回でした(*´▽`*)

ユータくん、勘が鋭いなwww
ココアと日本庭園のミスマッチ=和洋折衷だな。それにしてもヤギ可愛いであろー、ヤギwww

KEIJI、因幡より強いだろww

Bパートも、安定のヴァレンティーノ回でした( ´ー`)
やめて~ヤギだけは殺さないでくれ… この作品の魅力が無くなるからwww
ベルサイユ宮殿の「ベ」はベニヤ板の「ベ」とかww(。・w・。 ) ププッ

それじゃ、キューティクル探偵因幡の「バ」は「ヴァレンティーノ」の「ヴァ」wwww{/netabare}

(2013.2/2 4話:制服警官襲撃事件・猫バカ洗脳事件)
{netabare}ヤギ、肉と紙(紙幣)食べてるしwwww
日本国民ヤギ好き化計画って紙の消費ハンパなく上がりそうwwww

へぇ~、犬用の爪切りで日本刀って切れるんだー(棒)

遥が持ってたぬいぐるみの中、狼いたよねwww 首領、大丈夫か?{/netabare}

(2013.2/10 5話:天才タッグ結束事件・慰安旅行極楽事件)
{netabare}じゃあ、次はヤギでお願いしますwww
妄想を現実に…それだけ首領の妄想がくだらない事を証明しているんだな(゚д゚;)
ってか刑事、カテキン摂りすぎwww

「あろー、あろー、あろー、であろー」ヤギ、It's Cute!wwww

「そっちのヤギが首領で良いじゃん!」とか言うなよ…orz

そんな怪しい慰安旅行あるか!(x_x) ☆\( ̄ ̄*)バシッwwww

「おのれ、デリケートさん!」が何か知らないけどツボwwww

この回が一番面白いwww{/netabare}

(2013.2/16 6話:黒幕”黒い牙“到来事件・オオカミの家)
{netabare}聡明さん:「ウール、ウールwww(面かせや!)」

弥太郎、杉田さんだったんか(゚д゚;) 喋らんから分からなかった^^;
今回、ヤギ成分少なめ?

リアルヤギ恐っ( ̄■ ̄;)!

EDだけが救いでしたwww{/netabare}

(2013.2/23 7話:毛立キューティクル学園入学・バー・ラグドール・キューティクルLIFE 13年前の馬鹿息子&10年前の馬鹿息子・九条組組長暗殺事件)
{netabare}圭くん相変わらずのツッコミ(´▽`) ノ

チャイムがヤギの鳴き声とかないわ~(-_-;)あと、鞄がダンボールに見える…
緒方と山羊が絡んでるシーンで首領が居なかったぞ!(-д-;)ドーイウコト?

ドン可愛いであろー。リアルヤギ、声だけならカッコいいであろー。
ん!?ヴァレンティーノファミリーってこんなに格好良かったっけ?

いつものヤギが良いですwww{/netabare}

(2013.3/2 8話:佐々木優太誘拐事件・因幡親子決裂事件)
{netabare}「あろあろあろあろあろっ」ヤギの扱いがwwww
ヤギ基、首領は非戦闘員というよりマスコットキャラですwww
ヤギは、どうでもいい…だと!?

遥、それを世間ではブラコンと言うのだよ。
しかし、良い所で終わったなぁ~^^;{/netabare}

(2013.3/9 9話:因幡親子誘拐事件(後編)・恋愛フラグ乱立事件)
{netabare}荻さんの前髪大好きなんですね、因幡w
「鬼が金棒2本持ってるよ!(゚д゚;)」wwww
いや、茶髪の特殊能力じゃなくてそれ、茶羽根の通常能力だからwww

あれっ!?今回ヤギの出番は?(-_-;)

ヤギ来たであろーъ( ゚ー^)
その、ドンのぬいぐるみ欲しいww

優太、ジェイソンマスクと太刀持って街中歩くな!ヾ(-д-;)ぉぃぉぃ

なっちゃんの想い、報われるといいな…{/netabare}

(2013.3/16 10話:ヤギ園満事件・首領パワースポット陰謀事件)
{netabare}ヤギは、首領を知って好きになりましたwww ドンみたいなヤギなら触れ合い大歓迎です(´▽`)
「残像だ…」by飛影

捨て駒って、おいっヾ(ーー )ォィ

私にも首領パワー下さいww

ロレンツォ、イケメンwww{/netabare}

(2013.3/24 11話:首領・ヴァレンティーノ脱獄事件)
{netabare}動物愛護団体が黙っちゃいないZE☆
「人成らざる者の刑務所」それは動物園か何かですか?荻さんwww
そんな島、アルカモネ(゚ー゚☆キラッ
まぁ、確かに“無人”島ですね^^;

結構、いい話だったり?


「ハローであろー」の後の照れてるヤギカワイイな(*´▽`*)

今更な感じだけど、秋吉って聡明さんの前の器だったんだな。

今までで一番いい話(゚ーÅ) ホロリ{/netabare}

(2013.3/31 12話:「キューティクル怪盗誕生事件」「悪の組織拡大事件」)
{netabare}さすが、キューティクル探偵www
ダイヤ!?氷かと思ったw ダイヤモンド・ヴァレンティーノ!!カワイ過ぎ(*´▽`*)

毛、バファ○ンかよ!

ヤギ、元気ィィィィィ!wwww
えっ!?何この、急なホラー展開!?

福潤さん!!(ルルーシュ!) 楽しそうですねwwww{/netabare}

2期ありますよね、首領!?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

 BlackCat さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ギャグを貫き通して欲しかった。でも、毎回安定して笑えます^^

原作:漫画
ジャンル:ギャグ
話数:12話

      ~物語のあらすじ~
元・警察犬である因幡がどんどん、犯人を捕まえていく話で、警察の荻野と犯人を追いかけていく話

あらすじを見ただけでは「探偵」「警察」とシリアスな物語かなと思ったりすると思います。 それは誤解です!w
めちゃくちゃギャグですww しかも割とハイテンションで物語が進んでいきます。普通のアニメだったらシリアスな雰囲気なシーンでもギャグに見えて笑ってしまいますw

登場人物も個性豊かなです。
山羊だったりダンボールかぶってたりもやし(笑)だったり。
でも、真面目なキャラも1人だけいましたね^^;
もう登場人物を全体で10とすると
ボケ:ツッコミ=9:1 
もしかすると 10:0 
ってぐらいみんなボケていますw

しかも、どの話も安定して面白かったです。
これといって盛り上がりをみせた話もありませんが
毎回面白かったですw

ただ、途中であった若干シリアスな話はいらなかったと思いますねw ギャグをずっとして欲しかったです。 さらにギャグアニメとして見てるので感じるものはこれぽっちもありませんw 
あと、最終回をどうにかして欲しかったです(^^;
なんだあのニートって感じでしたww 
でも、ギャグアニメとして見ていたおかげでなんとか笑って見終わることが出来ました^^
ただ、落ち込んでいる時や元気がないときに見ると
うるさく感じることもあると思いますが
ギャグアニメを見たい、好きな人にはおすすめしますね!

OPは主人公の因幡さんが歌っていてけっこうかっこいい歌だと思います!
EDはドンバレンティーノが歌っていてかっこよくはないですけどあまり聞かない曲調でしたw 演歌っぽいかな?


  
    【 1~4話の感想 】
1話の感想
{netabare}最初のシーンとは裏腹にギャグ中心でしたねw
木造平屋にマフィアがいるとはwwww
さらに荻野の復活の仕方やなんか最近の文化じゃないような作画、登場したものもありました^^{/netabare}

2話の感想
「機密文書盗難事件」と「母子ストーカー事件」
{netabare}一応圭がツッコミをしてますが、やはりツッコミを心の中でしてしまいますw 機密文書盗難事件なのにすごろくをしてタイムスリップして、母子ストーカー事件なのに犯人であるヴァレンティーノをてなずけたりと、、、もうこの設定で笑えてきますw 内容はもっと面白いです!ww
梓はお父さんより仕事が出来そうですねwwww
いろいろとwww
{/netabare}

3話の感想
「チョコレート悩殺事件」と「狼少女暗殺事件」
{netabare} バレンタインの話ですかね?w
ロレンツォは男の気持ちをよく分かってますねww
ガブリエラの目面白いですねwwww古い感じですね(^^;
あれ?優太の灼熱ジェラシーは・・・ド○ゴ○ボールのあれじゃ?(^^; あの気の高まりと言いw
最後はまさかオヤジギャグで終わるとは・・・意外ですw
ステラは可愛いですね^^ でもやっぱりボケのインパクトが強いですwww ステラの情報収集の仕方がなんか心配です(^^; でも、血じゃなくて本当に良かったです^^
{/netabare}

4話の感想
「制服警官襲撃事件」と「猫バカ洗脳事件」
{netabare}
因幡さんの弟の探し方が無茶すぎますねwwww
あれ?弟らしき人物がドンと話してますねww
いきなり事件に巻き込まれましたねww
因幡さんのホイホイって言動・・・まさかゴキブリホイホイの伏線?ww しかもバカだwww さらに弟発見! 急展開すぎw 鬼ごっこなのにずれてるww しかも弟息切れ早いw そうめいさんもツッコミどころですねw
殺すの!って思ったら旗でしたねwwww

猫好きを犬好きに・・・w ちなみに僕は犬好きですww なぜにヤギ好きになって世界征服wwww 
スフィンクスこええええwwww つっこめええええww
着ぐるみと猫を見間違えるとはw 誰か因幡さんのツッコミじゃあ足りないww 
弟は心が読めるみたいですね(゚д゚lll)琴(ry
洗脳マシンは本格的ですね。 本当に犬好きになったみたいですねw ってか舐められすぎだろw 
まさかのあの電撃で・・・(;_;) と思ったら生きてるねw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

100人乗っても大丈夫!キューティクル探偵因幡物置!!

警察犬(シークレット・ドーベルマン)として働いていた因幡洋(いなば ひろし)は、行方不明になった弟を探すために警察を辞めて探偵となる。
警察時代の同僚だった荻野邦治(おぎの くにはる)の依頼により、首領(ドン)・バレンティーノ一味と関わる事となり、犬猿の仲のような関係の狼山羊の仲(?)になってしまう。

警察・探偵・マフィア(バレンティーノ一味)など、ハードボイルド系の作風になりそうなのですが、探偵物などを期待した方は残念でした。
探偵などの設定をしたコメディー作品と考えたほうが、しっくりときます。


登場する人物は、かなり個性的です。

首領(ドン)・ヴァレンティーノの外見はヤギそのもの。
根っからの悪人という感じではなく、少しとぼけた面もあります。
「シャーシャシャシャ」という笑い声や語尾に付ける「~であろう。」は印象に残ります。

警察時代の因幡と共に行動していた荻野邦治(おぎの くにはる)は、超人的な肉体を持っていて優秀な人物なのかと思いきや、こちらも少し間の抜けた所があります。
ただし娘のことになると性格が変わり、鬼のような形相に・・・

テロリスト集団・野羅(のら)の名目的トップであり、洋の弟である因幡遥(いなば はるか)も登場しますが、虚弱体質のせいか、すぐに倒れたり寝込んでしまいます。
もう少し活躍してもいいのではと心配になります。

ほとんどの登場人物がボケの役割になっていて、ツッコミ役は探偵事務所に勤める野崎圭(のざき けい)しかいないので、ツッコミの重要性が分かります。
(1話だけ、ボケ役に変身してしまいますがw)

その他の登場人物も全て個性的なので、お気に入りのキャラを選んでおくのもいいかもしれません。


個人的には、首領・バレンティーノ(ヤギ)が笑いのツボであろうw
ヤギとオオカミだったらヤギを応援するであろう。
送りオオカミが嫌いなので、日本狼と同じ境遇にしてやるであろう。
と言う訳なので、ヤギ推しであろう。


最終的には、警察&探偵VSヴァレンティーノファミリー&野羅という構図が出来上がりますが、緊迫感がほとんど無く、それぞれのメンバーの個性・設定を活かしたコメディー作品であろう。

探偵事務所でお茶を出されるシーンがありますが、意味が分かったであろうか。
炊飯器にお茶を入れてお茶漬けとなりますが、京都でお茶漬けを出されたら「帰って下さい」という合図になるので、それを狙ったのであろう。


OP曲
「遥か、日常の中で」
歌 因幡洋

ロック調の曲であろう。
アニソンらしい曲なので、因幡役の声優・諏訪部順一さんのファン向けのような気がするであろう。

ED曲
「プリマ・ステラ」
歌 首領・ヴァレンティーノ

所謂、”ムード歌謡”というジャンルであろう。
電波系とは違うと思いますが、聴いているうちにクセになっていくような・・・w


この作品を視聴する事に対して・・・・・

     こ~と~ば~なんて~♪ いらないであ~ろ~う♪♪♪



{netabare}誰にも気づかれずに途中から吾輩がレビューを書いたであろう。この作品を通じてヤギのファンを増やすであろう。シャーシャシャシャ!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

64.2 5 テロリストで漫画原作なアニメランキング5位
紅殻のパンドラ(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (360)
1839人が棚に入れました
先進国では、一部ではあるが、サイボーグや自律ロボットが一般に出回り始め──
戦争や災害をはじめ、世界はあらゆる災厄に覆われ、救いをもとめて人々がさまよっていた時代。
これはそんな時代に──全く関係なく、『彼女が、彼女に出会う物語』

声優・キャラクター
福沙奈恵、沼倉愛美、田中敦子、森田順平、松田颯水、村川梨衣
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

TEXHNOLYZEのカウンター作品 と言えなくも無い(汗)

 思うところ有ってテクノライズを再視聴してて、若干設定面では差異はあるしその視点と未来への展望は対極では有るものの肉体の置き換えという部分に関しては意外と近い作品だなと感慨深いものを感じたので点数見直します。
片や理想郷、片やディストピアの極みですが比較すると結構面白いですw
セナンクル島{netabare}(後のオリュンポス){/netabare}
と流9洲{netabare}(統括第九小地獄){/netabare}とか。
もっとも対比ならば流9洲じゃなくて地上かもですが・・・

島の通信障害による混乱と、流9洲のオベリスクの機能停止とか。

 全身義体(無機質サイボーグ)とシェイプスの表現の差に至っては、作り手のビジョンの違いが明確すよね。
士郎作品は最早人の姿に固執しなくなった時代のサイボーグに関してもブリアレオスや双角等とても愛嬌が有るデザインなのに、シェイプスなんて虫の腹みたいなのがぶら下がった骸骨すもんね。とても不快なグッドデザインだと思う。
(ジェイムスン型サイボーグの阪華精機社長とかも攻殻にゃ居ましたが、葉巻吸う姿がラブリーですしね)

んで福音と違って、ある意味スタンドアローンの極みとも言える櫟士w


 テクノライズは記憶の外部化・自我の境界云々に関しては物語には盛り込まれてないですが、紅殻は電脳化・義体化と言うテクノロジーに対して(戸惑いはありつつの)とても前向きで希望を感じさせる世界観が私は最高に心地良かったんですよね。その点では無二の作品なのは間違い無い。
そこは士郎正宗作品全般の事であって紅殻の特色ではないかもしれませんが、其処を示唆する表現は多分に盛り込まれていた作品であったにも関わらずほぼスルーされちゃってるっぽいのがこの作品の不幸と言うかw
{netabare}
 10歳で肉体を失った少女が元の肉体の動かし方を捨てて「しっぽをふるように」「はねをはばたかせるみたいに」全身義体に対応し、「はじめてものをみるみたいに」システム補助無しで情報の海にダイブしてゆくこの時代では常識を外れた驚異の適応者と言う側面。

「初めて歓迎してもらえたよ」「私は私を(両親以外から)もらったの」
最先端の技術で社会や周囲のおかげで"生かされている"現実と負い目。常にロボットと間違われる疎外感。

 そしてクラりんから問いかけられる"力の行使と持てる者の義務"
未来を作れってのは士郎正宗作品にはよく出てくる言葉ですし、攻殻新劇場版のラストでも引用されてた部分ですが、この作品にもきちんと盛り込まれている。
{/netabare}

 汲み取ろうと言う気さえあれば、哲学的とは言わないけど十分中身の有る作品だと思うんですけどねぇ。まぁこの手の意見は多勢に無勢なのは判ってるつもりですが。
パンドーラデバイスのアクセスのシーンがエロくて気に入らないという事ならば、ドラえもんの四次元ポケットにのび太が手を突っ込んでると置換えて見る事をお勧めします。

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以下、視聴時のレビューです
{netabare}
最終話視聴。
 アニメとしての総合的な質と言う点では、正直駄目な作品とは私も思ってます。お勧めもしません。
ですが個人的には今期一番楽しませてもらった作品でした。本放送中の期間に何度も繰り返し観返した作品は久しぶりですし、原作も何度も読み返しちゃいまして。正直見る気の無かったARISEの円盤買う切欠にもなりましたし。

 設定面も士郎正宗作品に馴染んでいないと"あぁ"とすら気付けない所も多々ある為、攻殻→アップルシードに連なる作品では無く単独の作品として見た場合は面白味の無い話と思われるのも止むを得ないかと。
"光学迷彩では無く熱光学迷彩"とか、クラりんのナイフ夜龍・灰虎の"MADE IN P.I.A"の刻印とか、普通はスルーしちゃうと思います。そもそもクルツの背後にポセイドンが居ると言う点ですら、士郎作品観てなければ「何ソレ?」で終わっちゃうでしょうし

 絵に関しても残念すね。低予算だったでしょうし、名和監督自身がCGを生かしたメカ物作品の経験が無くて色々と相談しながら作ってた旨を公言してますもんね。アクションのスピード感も欠けてるし、かんたんクラりんとは別にマンガ的記号に頼ったとこも多い。
そこは個人的には止むを得ないかなと割り切って観てましたが、それ以上に残念だったのはコメディとしての印象を左右する大事なシーンを再現しきれなかった点が多かった。代表的なのがフィアーの目前での変身シーンの"場違いな面白さ"をクルツの怒りと部下の赤面だけで済ませちゃった点とこですかね。
日常系等で女の子をかわいく見せる点では手練れだったであろう制作側の良改変も有りましたから、痛し痒しのトコは有ると思いますが。猫王子のトコは良かったですね。「耳に触っていいニョ」のトコは声優の沼倉さんが声変えたのもあってバカバカしくて良かったかと。

 原作とのラストの展開の差異の大きさは正直残念でしたが、制作時期的に原作無しの状態だった訳でその点を加味すれば無難に纏めたかなと思います。
距離を置いて見ればアニメとしてのクオリティも高くは無く、中盤の昔の魔法少女モノみたいな部分が無駄回に思えても仕方のない1クール内の構成の悪さから世間的に低評価も止む無しですね。やはりニッチ過ぎたと思います。
本来ここでの評価点を付けるとすれば低くすべき作品とは思いますが、個人的な思いで高い点付けちゃいます。


原作と比較しての不満点ですが

・福音の全身義体故の世間に対する引け目がさほど表現出来ていなかった。
原作もけしてその点に関しては表現は多くないですが、アニメでは誇張すべき要素だった気がします。全身義体の可能性の裏の側面として"高度なメンテが有ってこその体"という社会への感謝と恩返しが福音の社会への貢献と世界平和への願いの根の一つですので、表現が皆無では無いですがもっとアピールすべきだったかなと。

・クラりんの福音に対する認識
原作では事件の終息後に、福音との共同作業が自分の計算上は不可能な事を可能とした事に戸惑い「・・・ありが・・・とう・・・」とやっとデレるんですよね。アルゴリズムでは生まれ得ないノイズとしてゴーストの発生を匂わせている。
アニメのラストも悪くないですが、クラりんのアンドロイドとしての書き方がかなり人寄りかなと。福音も本来彼女たちには目の洗浄液でしかない"涙"を流して泣きますし。
多分、制作側の方々はあまり士郎正宗作品思い入れは無い気がします。
福音達を尾行してたゲルツェコマの光学迷彩を"熱光学迷彩"と言わせた件はweb上でも色々指摘されてましたし。私もアレは台詞のミスだと解釈しました。

・ロバートとの共闘と太鼓の達人・キノコとタケノコを描けなかった。
アニメの制作時期的には原作と併せる事が出来なかったのは止むを得ないんですけど、やはり原作では福音のチート能力の最大の見せ場でしたしロバートが事態収束の当事者の一人としてこそ前段の繋がりが生きたと思います。

福音「これだーーーーーって、私の何かが囁いたんですよーーーー!!」
クラりん・ロバート・クルツ:「お前は一体何を言ってるんだ・・・」

をアニメで見たかったんですよね。福音役の福さんもキャラにマッチしてましたし。
このアニメをコメディとして観るかSFとしてシリアス多めで見たいかは個人差有るかと思いますが、私は終始コメディで通して欲しかったです。


実は今期アニメに関しては、コレにご執心過ぎて他のアニメがかなり印象薄いです。私、かなり趣味が変かもですねw

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10話視聴
 正直、残2話だと原作通りにクルツとの決着迄を消化するのはかなり厳しいような。公式HPにもアニメのオリジナルの展開になる様な事書いて有りましたが・・・
OPから予想すれば目だけ書かれてたランドメイトとの戦闘は要れるでしょうし、当然クラりんへの電子戦闘支援も外さないでしょうから。
描かれていない福音のシステム補助無しでのシステムのハックを削るのだとしたら、一番攻殻らしいシーンだけにガッカリかも。11話のサブタイからすると外さないでしょうが(汗)
 個人的には原作終盤の展開が好きだったもんで、あのヒドいオチも含めて原作に忠実にやって欲しかった気はします。

それにしてもニッチなアニメすね、ホント。好みにカスリもしない層が多いのも止むを得ないというかw
私は今期手をつけたアニメでは、質は別の話として一番好きです。

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8話視聴
 今期の一番のお気に入りですので、何故かマメに書きたくなっちゃうと言うか。今期は他にいい作品いっぱいあるのにコレが一番好きな自分は変わり者だなとは思うんですけどね。恐らく円盤の売り上げも撃沈でしょうから、私は買う事にしましたw

 こういう各話の内容の書くのって個人的には好きじゃないんですが、ちと判り辛い回だった気もするので敢えて。流し見でなければ判る程度の事ですが、この作品の場合真剣に観て貰えてない可能性高そうですし(汗)

・火災の原因はクルツのハックで"くしゃみした"ブエル(大)の荷電粒子砲。
もしかすると敢えて火災とラストのシーンの関連の表現は次回に回したのかもしれませんが、人によっては紐付けできなくて訳ワカメにしか見えないような。
ブリ(ドカーン)のノース君の着ぐるみがなんで突然燃えだしたのも、原作ではこの時点でちゃんと火線が絵に描かれてるんですけど・・・・

・デパートの売り物だった耐火布をクートゥリエのスキルで袋にしてその袋に入って身を守り、周りが見えない袋の中から電動カートと携帯ゲーム機と自らの機能を利用して視覚情報では無く音響情報(エコー)を視覚化する事で移動。

・取り残された子供に、全身義体(サイボーグ)の福音は自らの体内残留分の酸素で人工呼吸。
福音は脳だけ生身ですので、本来必要な酸素は脳の維持分のみで済むため僅かの酸素しか必要でなく1話も含めこのような過酷な状況で1時間程活動が可能。
しかし、そのわずかな量を通常の人間に供給したため急激に残量が減った。
クラりんはアンドロイド(ロボット)なので酸素が無くても活動が可能の筈(1話は海底でタンク背負わず調査活動)
ただアニメでは酸素ボンベで吸引してましたね。原作ではクラりんは吸ってるシーンは無いんですが。多分ミステイクかなと。

・耐火布の袋に風船用のヘリウムガスを貯め、地上にダイブ。
そのまま地上に落下するにはロバートが言ったように速度が出過ぎだったが、議長のリムジンの屋根に着地した事で変形のエネルギーを利用して緩衝した。でも原作ではその前に建物の壁を蹴る事で減速もしてるんですよね。

 通常の人間では無理だがサイボーグである福音とアンドロイドのクラりんだから出来る事(可能性)とは何かがこの作品の総体のキモの一つであり、その意味でわざわざ他の"料理の鉄人""ジャグリング"等の「便利だね~」程度のスキルを前半でやって"人形遣い"とこのエピソードを話の山場のクルツとの対決の直前にこのエピソード持ってきたんだと思いますが。
 けど、流石に1話の短い尺で原作の絵の情報量を全て詰め込むのはこのエピソードに関しては苦しいかも(汗)
ブリ(ドカーン)の突撃インタビューや議長の抱えた"大きな問題"のシーン自体は話の本筋には無駄ですが、彼の政治家としての暗部の表現のシーンでもあるので削れなかったんでしょね。

 クラりんのロジカルで合理性を優先する思考と福音の人間的行動原理の話でもあった回でしたので、ラストのクラりんが自らの判断を誤りだったと認めるシーンを原作より長めにしたのは好印象でしたです。

 初期の原案でも阪神淡路の被災者である体験からか、基本的な緊急救命を盛り込んだ作品にしたいと言う思いは有った作品らしいので、ある意味本作らしい回ではあったのかもですね。
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7話まで視聴
 相変わらずアニメとしてのクオリティはアレだと思いますが、私的には今期のアニメで何度も繰り返し視聴してるのはコレだけでして(汗)
原作も読んじゃったので今後の展開も判っちゃってるんですけどね。
恐らく大半の方が何の面白味も感じないと切ってるんでしょうし、その気持ちも判りますホント。
この作品を脳内変換してでも楽しむ気持ちでいないと、アホらしくなると思います。今期だと小麦ちゃんRに近いかもしれませんねw
この後8話の火災の話以降は結構派手な展開なんですが・・・
もちっと金掛かった作りならばとも思わないでもないんですが。

 この作品のせいで久しぶりに士郎正宗熱が上がっちゃったもんで、14年発売のPIECESGem01買っちゃいまして。
本作に関しても言及されてまして、別にアニメのネタバレには当たらないと思いますが
やっぱりオリュンポスに関連してましたw
初期設定ではオリュンポス形成の初期実験の物語として設計されてたそうでして。もっともマンガの六道氏がそれを使うかは別な話なんでしょうけど。
7話の福音のお勉強のシーンでの講師のお話もよ~く聞くと、士郎正宗ファンなら「やっぱりそういう時期ね」と納得なんですよね。

webで見ましたが日常系が多い名和監督自身は自らこの手のSFは畑違いと思われてたとの事で、実際魔法少女モノ風にアレンジする事も視野に入れてたみたいですが・・・
にしては意外と士郎正宗の原案と言うものを大事にされてるんだなと感心したのと共に、であればこそ士郎正宗のマンガのテイストが感じられるんだなと納得しましたです。もちろんマンガの六道氏が有っての作品だと思いますが、"アニメの攻殻"という商売に染まってないカドカワと制作会社で作られた事の福音なのかもですね。

士郎正宗の読み物なんて攻殻2.0巻読んで以来なんですが、PIECESGem01読んでアニメの攻殻って色んな意味で色々有った作品なの知って「あぁなるほどね」って感じでして。正直、押井版も含めアニメとしての出来は別として"コレ、士郎正宗じゃねぇよね"と言う違和感感じてたのは私だけでは無い筈。
 紅殻のパンドラと言う作品が変化球なのは間違い無いですが、こういう形でもテイストを継承した作品が出てきてくれた事が嬉しく思います。

もっとも、今でも士郎正宗って名だけでときめくなんてのは古い世代だけなのかもですが(汗)
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意外と原作に書かれて無い部分足してたりするんですね。

原作は現時点7巻でフィアーとの戦闘のクライマックスで、これでほぼ一区切りかと思ってたんですが。
OP見てて気付いたんですが、クルツの背後にフィアー以外の目が光ってますよね。ラストに更にもうひと山作るって事なんでしょうか?(汗)

 個人的には今期のアニメで一番好きで観返すのも多いんですよね。
別に賛同求めはしませんがw
アニメの1作品としての出来云々で言えば低評価なのは納得なんですけど、個人的にはこういうのツボなんすよね。

世界でこの時点で10人と居ない適合者の福音が"肉体の代替品"に留まらない全身義体のその可能性をパンドーラデバイスと言う"最高のスキルの取り込み"で更に広げるってプロットが正に士郎正宗というか。電脳化が世界を変える新技術と言う認識は有っても未だ倫理的に抵抗の残る時代と崑崙八仙も劇中で言ってましたし、私は今となっては大昔の本のアップルシード・データブックの年表読み返したりして楽しんでます。
本作の段階では連合・米帝の大戦中の様ですが、ムンマ教国の台頭の時期且つMMによる"日本の奇跡"の前なのかなと思って観てるんですが。劇中の宿題の職場訪問のエピソードで浮遊MM云々なんてセリフも有りましたしね。
セナンクル島って意外とオリュンポスの原型だったりするのかな~とか思ったりして。ガチの士郎正宗ファンの方の見解聞きたいすね。
 んで、そんな士郎正宗の世界の中で繰り広げられるサイボーグの福音とアンドロイドのクラりんのユルい百合とブエル(小)の暴走というギャップが堪らないw
フィアーとの戦闘ですらアレですしね。
 士郎正宗のお膳立てだけで楽しめる人にはナカナカな御馳走だと思うんですが、そうでない人にとっては雑な三流以下でしかないというニッチな作品というかw
 
 別にクラりんのデフォルメで作画リソース節約は私は気にしてないんですが、義体の関節部分を線足しだけで済ましちゃってるのが残念なんすよね。
もうちょっと手間かけて欲しかったとは思います。2ndGIGの素子の少女時代と見比べるとガッカリ。
作画金掛かってたら個人的には円盤迷わず買ったんですが・・・

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 面白そうなんで原作読みはじめましたけど、士郎正宗自身が自分の作品の色では今時はウケないからと六道氏にお任せって感じなんすね。マンガ本編と士郎正宗のあとがきのテイストの違いが変な感じw

部分義体に出来る事の限界と全身義体の可能性の違いとかってアップルシードの頃から書いてたし、スキルの外部記憶化というパンドーラデバイスとの相性の良さなんて要素もとても士郎正宗っぽいすよね。
(そいえば無彩限のファントムワールドでも3話で外部化された記憶・体験の共有ネタやってましたね)
崑崙八仙の傘下の企業の名前もメガテク・セブロとかお馴染の社名出てきたり、マンガの方では福音がヘカトンケイルシステムの実験させられてたりするし。
そういう懐かしさもあって、なんか個人的には好きなんすよね~。

 自称"魔界の哲学者"ブエルも五本目の脚がイイ味出てるし、かわいい全身サイボーグとロボットのコンビでユルい感じってのも個人的には好きなんでその気に入った気持ちを評価に反映します。

まぁ明確に"彼女と彼女の出会いの物語"と深~い話じゃ無い事は明言してますし、客観的にアニメの出来として観れば切る人多発なのは納得ですんで私もお勧めはしないですけどねw
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 個人的にはなんかカオスな出来が楽しい気がするんですよね。お勧めはしないし多分切る人多発だろうけどw

絵も動きも雑だし変なアニメなのは間違い無いんですが、意外とドミニオンのマンガにテイストに近い気はします。コンフリクト編じゃなくて初めの方ね。SFベースのドタバタ劇と言う点で。
まぁ本作品自体の原作は士郎正宗では無い訳ですが、マンガのドミニオン・オリオンが有りの人は別に抵抗無く見れると思いますけどね。

何度もくどいですが、お勧めはしません(汗)

士郎正宗というとアニメの攻殻・アップルシードというイメージの人は耐え難いかも。
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 攻殻以前との話ですので、古い世代の士郎正宗ファンなもんで個人的には期待しちゃうんですけど最近はエロばっかですしねw
全身義体(無機質サイボーグ)の黎明期のお話みたいなので、希望としては攻殻→アップルシードの流れに繋がるミッシングリンクがちょっと埋まる作品だと最高にうれしいんですが・・・多分ふつうに萌えですね(汗)

まぁ別にかわいくて面白ければOKかなと。
1話目の印象は絵は崩れないけど、電車や船等のオブジェクト動きがイマイチすかね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

stodio五組最新作!今回もゆりゆりしてます!でも実は・・・

攻殻機動隊のスピンオフ作品です

・・・と聞いて興味が湧いた人は残念ながら向いていない可能性が高いです
おそらくレビューで呪いの言葉を吐露することになるでしょう

逆に攻殻と聞いて硬派なSFはちょっと・・・
と敬遠しようとする層のほうが
どちらかというとこのアニメに順応しやすいと思うのですが
そういう人たちは0話で切ってたりするんじゃないでしょうかね?

原作士郎正宗とか攻殻機動隊スピンオフとか
そういった情報よりももっと端的にこの作品を表すステータスは
レビュー題の通りです

咲の製作中に母体のGONZOが吸収合併された際に独立
以来Aちゃんねる、きんもざ。ゆゆゆと
ヒットさせたアニメはどれもソフトな百合描写を含むものばかり
今回もその流れを汲む作品で
そこにSFバトル的な味付けが添加されていると思えば
まぁ大体この作品の大雑把な方向性がわかると思います

しかし、主人公の七転福音(ねね、以下福音)は事故の影響で全身義体で
脳核以外は全て機械になっています
ヒロイン(?)のクラリオンはもともとアンドロイドなので
そこに萌を見出すのは
俗にいうピグマリオン・コンプレックスにあたるのでしょうか?
さらにくらりんには猫耳メイドとかいう属性までつけたられており
さすがにいろいろやり過ぎ狙い過ぎに感じる面は否めず
そういう意味でレベルの高いというか適合者を選ぶ作品なのは確かです

しかし二人の機械設定のおかげで
湯煙規制0のシャワーシーンや下着描写
さらには、くらりんの股間に福音が指を挿入するシーンが毎週のように流れたりと
生身の人間だったら絶対NGなレベルのシーンが
堂々と放送されているのにはびっくり
パンツじゃないから(以下略
的な発想ですね
こやつら天才か!

もし仮に誰かがこれに性的過ぎると苦情を入れようものなら
その人は自分がお人形に欲情する変態さんだと宣言しているようなものです
昨今。アニメの肌色が厳しく規制されるなかで
これだけ全裸の女の子を堂々と描くアニメはなかなかありません
よく理解していない人から見れば福音もくらりんも人形かもしれませんが
クラリオンはともかく福音は歴とした人間の女の子ですからね!

いやしかし、よくよく考えてみると福音は本当に全裸と言っていいのでしょうか?
全身義体というのはいわば究極のウェアラブルPC
つまり本来の彼女の全裸は脳核だけの状態であり
全身義体を着ているのだと考えることもできます
だとすると全裸どころか
フルメタルアーマーもびっくりの鉄壁の防御で
彼女の裸はガードされていることになります

はたして義体は彼女そのものなのか?
それとも義体を身に着けているだけなのか?
これは非常に難解で哲学的な命題でもあります
すなわち自分と世界の境界線は何処に線引きされるべきなのか?
はたして自己とは一体何なのか
人類はいまだにこの究極の問いに普遍的な解答を見つけることができていません

古来人類は、精神と物質をはっきりと分離せずに考えていました
万物に魂が宿るとする日本のアニミズムでは特に顕著ですが
それは日本に限ったものではありませんでした
近代科学はその二つを無理やり引きはがすことで
現在の物質文明を築きあげてきましたが
ここにきて精神もまた物質世界の一部としてメスを入れられる時代が到来しつつあります

その一つが脳波入力インターフェイス
つまり心の中で念じるだけでいろいろなデバイスを操作できる装置です
実際に脳波でキーボードを入力したり、ドローンを飛ばしたり
といった実験にはすでに成功しており
一部は実用化されています
しかし、この装置の扱いはなかなか難しく
何も練習せずともすんなり動かせる人もいれば
幾ら練習しても全く動かせない人もいるようです

作品世界に話を戻しましょう
こちらでも似たような話が出てきたのを覚えていますか?
発展途上の技術全身義体
福音は世界でも希少な成功例
適合者(アデプタ)の1人だそうな
幼いころに難病を患い電脳化し
10歳の時事故に巻き込まれ両親を失い全身義体となった彼女
機械の身体を自分の身体と認識し駆動する能力は
生きるため全てを奪われた少女が
生きていくために身に着けた、たった一つの希望です

11話で彼女は {netabare}自己の定義をさらに拡張し
基地のシステムをも自身の一部として取り込んでしまいました

あるけどわからない・・・昔と同じだ

わからない

わたしがあるけどわからない

1からやり直したらいいんじゃないかな?
1番初めの最初の最初から

生まれて初めて体を動かすみたいに
生まれて初めて物を見るみたいに

近くて遠いたくさんのきらきらした何か

なんだろう?一度にたくさん見えてるのに全部わかる
{/netabare}
彼女の世界認識は自他の境界が極めて曖昧
あるいはそもそも存在しない主客未分の状態にあるようで
拓美もそれをどこまで見抜いているのかわかりませんが
「福音ちゃんの世界観は興味深い」
と評しています

このアニメを低俗で悪趣味な萌アニメだと思っている人達がいるようです
悪趣味な萌アニメという部分に関しては何も返す言葉はありませんが
これだけ科学的・哲学的に最先端の話題まで踏み込んだ作品を
低俗の一言で片づけるのは
受け手の見識が低すぎるだけのように思います

実際には作り手サイドにそんな深遠な主張などなく
私の個人的見解というか無理やりなこじつけただけの妄言ではなないか?
と疑っている方もいるかもしれませんので
11話のアレが作品の主題であるという証拠を上げておきましょう

もともとこの作品はGHOST URNの題名で士郎正宗が企画し
攻殻ARISEのキャラを登場させ
ARISEの数年後を舞台にした作品となる予定でしたが
企画そのものがいったん没になり
再始動する際に色々な変更点が加えられ今の形となりました
GHOST URNという単語はこの作品のルーツであり
物語の核心に最も近い部分です
そして11話のサブタイトルが
「心の在処 -ゴーストURN-」であることを考えれば
このアニメが精神と身体の関係をメインテーマにしていることは
だれの目にも一目瞭然ですね

しかし、硬派なアニメファンの大半は
11話までたどり着かづに脱落するか
低俗なクソアニメと決めつけてちゃんと見ていないでしょうし
逆にこの作品をメカっ娘たちの繰り広げるレズレズアニメ
として観ている変態紳士の皆様方は
そんなメッセージ性をそもそも求めていなかったりで
どれだけの人にこのテーマが届いているのか
正直疑問に思うところではありますねw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「世界平和は小さな親切の積み重ね」

この作品の原作は未読ですが、原作が士郎正宗さんである事、「紅殻」と「攻殻」の読みが同じことから何か関連はあるんだろうとは思っていましたが、それ以上突っ込む事はしませんでした。
後から「攻殻機動隊」好きな友人から教えて貰いましたが、この作品は「攻殻機動隊」より時代設定は前なんだそうです。
それでも「全身義体」のキャラは登場しますけれど^^

この物語の主人公は、脳以外の全身を義体化した七転 福音(ナナコロビ ネネ)。
彼女は遠い親戚である崑崙八仙 拓美(コロバセ タクミ)に引き取られてセナンクル島にやってきたところ、ウザルという女性科学者に遭遇し・・・いきなりブエルと呼ばれる巨大兵器の暴走トラブルに巻き込まれてしまいます。

でもそこで福音はウザルが製造した戦闘用アンドロイドであるクラリオンと運命的な出会いを果たし・・・物語が動いていきます。

物語は大きく2つの流れで動いていきます。一つは福音とクラリオンの日常パート・・・もう一つは巨大兵器であるブエルを我が物にしようとする輩が秘密裏に動いていくパートです。

ブエル絡みの展開は、身体の各部を義体化した敵との白熱したバトルやいかにも電脳系・・・という感じで物語が進んでいくので、こちらも息を呑む感じなんですが、個人的に圧倒的な面白さを感じたのは日常パートです。

「夢が世界平和」という福音は自己犠牲も厭わないスタンスで人を助け、それをクラリオンがサポートする・・・一つ一つの出来事は大きいことばかりではありません。中には命の危険を賭して人助けを行ったりする事もありましたが、公園での炊き出しの手伝いなど些細な事でも心が温かくなるような一幕を見る事ができるんです。

でもセナンクル島の住民は決して善人ばかりではありません。
例えばこの時代、アンドロイドは高価なモノとして盗難事件が起こったり・・・
福音とクラリオンは全身義体・・・きっととんでもなく高価なんだと思います。
それでもそんな悪党に屈する二人ではありません。
詳しくは本編で確認頂きたいと思いますが、キーワードはパンドーラデバイスです^^

セナンクル島に住むのは善人ばかりでは無い・・・と先述しましたが、ちゃんと善人も住んでいます。根が素直で正直な福音の周りに集まるのは、心優しい人達ばかり・・・

義体って・・・部分的でも動かすのが難しいんだそうです。
全身が義体化された身体を普通に動かしている福音はきっと過酷な訓練と調整に耐えてきたんだと思います。
皆んなが福音の様に義体を動かせる訳ではありません。
でも、病気やケガで身体の機能の一部を失って・・・これまでと同じ様な生活が送れなくなる・・・
それが義体を使うことで日常が取り戻せるなら・・・頑張りたいと思いますよね^^
福音の分け隔てない優しさも相まって、そういう「これからの人」に対し福音は希望だったと思います。

一方、物語の中で良く分からなかったキャラもいます^^;
一番分からなかったのが、福音の遠い親戚である拓美ちゃんです。
まず彼女の口調・・・これまで様々な口調を聞いてきましたが、語尾に「〜だや」を聞いたのは今回が初めてだと思います^^;
「何故、だやなの・・・?」
正直言いにくいと思います^^;
それに普段の生活において出不精なのかそうじゃないのかが不明ですし・・・^^;
でもクラリオンへの足枷は・・・クラリオンにとっては厳しい条件でしたが福音の事を思う親心なんだろうな・・・と思いました。

色々書きましたが、基本的に福音とクラリオンが普通に可愛いので、愛でながら視聴していると30分なんてあっという間に過ぎてしまう・・・そんな作品だったと思います^^

オープニングテーマは、ZAQさんの「hopeness」
エンディングテーマは、七転福音、クラリオンの「LoSe±CoNtRoL」
EDの制作もZAQさんでした・・・OP、EDともZAQさんらしい曲だったのではないでしょうか^^
リフの曲調がちょっと難しいけれどサビが抜群に格好良い・・・そんな印象です^^
個人的にはEDのサビのメロディが好みでした^^

1クール12話の作品でした。「こうかく」の文字が変わるだけで作品の雰囲気が全く別物になっていましたが、この作品も毎週の視聴が楽しみでした。
「ガール・ミーツ・ガール」の物語・・・良かったと思います^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

64.6 6 テロリストで漫画原作なアニメランキング6位
名探偵コナン 天空の難破船(ロストシップ)(アニメ映画)

2010年4月17日
★★★★☆ 3.7 (264)
1643人が棚に入れました
世界中を股に掛けて宝石を狙う怪盗キッドのところに、彼との対決に執念を燃やす大富豪・鈴木次郎吉からの挑戦状が舞い込む。世界最大の飛行船ベルツリー号の宝石“天空の貴婦人”を盗んでみろという次郎吉の申し出を知らされ、コナンや蘭、小五郎も駆けつけるが……。

声優・キャラクター
高山みなみ、小山力也、山崎和佳奈、山口勝平、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、緒方賢一、松井菜桜子、堀川りょう、宮村優子、永井一郎、石塚運昇、優木まおみ、大橋のぞみ、大友龍三郎、中田浩二、大矢兼臣、小山武宏、小川真司、茶風林、井上和彦、湯屋敦子、千葉一伸
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

怪盗キッド登場3作品目

本作は銀翼の奇術師以来3回目の怪盗キッド登場作品である。キッドが登場する作品は、ハングライダーを見せたいのか、空が舞台の映画が多い(とはいえ2/3だが)。
本作から毛利小五郎の声優が小山力也に変わった。また、著名人によるゲストは、大橋のぞみ、優木まおみが出演。
前作からの反省か重要な役は演じない。(優木まおみの役には名前も無い)
原作では自称怪盗キッドのライバルでお馴染みの鈴木次郎吉が映画に初出演。

以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
東京都西多摩市の国立東京微生物研究所が、7人組の武装グループに襲撃される事件が発生。武装グループは研究所に厳重保管されていた殺人バクテリアを強奪、研究所を爆破して逃走した。

翌日、警視庁での記者会見の最中にテロ組織「赤いシャムネコ」から「殺人バクテリアを手に入れた。7日以内に次の行動を起こす」との犯行声明がインターネット上に流される。

時を同じくして、鈴木次郎吉がまたもや怪盗キッドに挑戦状を叩きつけた。鈴木財閥が建造した世界最大級の飛行船「ベル・ツリーI世号」に収めたビッグジュエル「天空の貴婦人(レディー・スカイ)」を盗んでみろというのが今回の挑戦。制限時間は東京を出発する13時から大阪に到着する19時までの6時間。キッドからは「夕方、飛行船が大阪市上空に入ってから頂きに参ります」との返事が届いた。

赤いシャムネコの犯行予告期限の7日目、飛行船は次郎吉の招待を受けたコナン、蘭、小五郎、少年探偵団、さらに中森警部ら刑事と独占取材陣たちを乗せて離陸した。ところが、各々が遊覧飛行を楽しんでいた矢先、赤いシャムネコから「殺人バクテリアを船内にばら撒いた」との脅迫電話が次郎吉にかかってくる。喫煙所を調べると、ソファーの下に赤いシャムネコのアンプルが発見された。その直後、乗客と乗務員の2人に感染症状である発疹が発生。さらに船内に侵入した赤いシャムネコによって飛行船がハイジャックされ、船内に爆弾を仕掛けられてしまう。爆弾が爆発すれば乗客・乗務員全員が犠牲になる。そして、大阪上空で飛行船が爆発して細菌が飛散した場合、関西圏の1000万人の人々が感染の危機に晒されることになる。

テロリストたちの目的は一体何なのか? そしてコナンとキッドの対決はどうなってしまうのか。
{/netabare}

物語が飛行船内で展開され、ハイジャックのスリルが味わえる本作だが、キッドとコナンが仲が良すぎな気が・・・(戦略的互恵協定だろうけれども)
キッドが登場する作品はいつもキッドにオイシイ場面をもっていかれ、コナンは地団駄を踏むわけだが、本作はそんなキッドの「まじっく快斗」の顔である、少しドジな一面も伺える。
服部も2作連続出演し、3人が協力し活躍するのは私は好きである。また、最近あまり取り上げられない新一と蘭の色恋沙汰もきちんとあって、盛りだくさんな作品だ(相変わらずコナン無双のシーンは存在する)。

総評としてはコメディ要素が強く色々詰め込んでいて面白かったが、肝心の推理が今一つ。
犯行の動機も・・・{netabare}仏像盗む為に何をしているのこいつ等は{/netabare}

キッドが好きな人にはお勧めです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ハイジャックだと劇場版ぽい

世界中を股にかけて宝石を狙う怪盗キッドは、名探偵コナンにとっても手ごわいライバルだ。そのキッドとの対決に執念を燃やす大富豪・鈴木次郎吉が挑戦状を叩きつけた。世界最大の飛行船ベルツリー号に収めた宝石“天空の貴婦人”を、盗んでみよというのだ。制限時間は東京から大阪に着くまでの6時間。小五郎と蘭、コナン達少年探偵団も飛行船に招待されて乗り込んだ。コナンは護れるのか?キッドは盗めるのか?大空を舞台に頭脳戦が始まったまさにその時、謎のテロリスト「赤いシャムネコ」が飛行船を襲う!果たして、ハイジャックの目的は? キッドとコナンの対決はいかに!?というあらすじ。


バイオテロ目的なのか最近を奪った集団と園子のおじさま飛行船VSキッドやで。
相変わらず紛れているキッドがかっこいい活躍。いつものことながら凄い飛び降り。
片や空の上でテロリストと戦い、片や地上から色々画策して事件を解決していく。{netabare}ヘリコプターで上空へ。警察カップルもまんまと騙された。新一=キッドという勘違いが{/netabare}

{netabare}実は細菌は嘘で赤くなるのは漆のせいだったというオチ。用意周到やな。仏像窃盗カモフラージュということまで。最初に被害者を装うのがボス。仲間が潜んでいるというかコナンに近い関係以外はテロリストじゃん笑。裏切りとは切ないねえ。六甲の夜景は良いすね。それにしても低空飛行。{/netabare}

規模が比較的大きい事件だと劇場版らしい感じがしますね。
ラストは蘭姉ちゃんと新一と勘違いされたキッドがキスしそうになる。まさかそこで違うことがばれるとは。彼女はさすがやな。お尻か


主題歌はGARNET CROWでOver Drive。コナンにGARNET CROWが欠かせなくなったのはこのくらいからかな。あの声が絶妙よな。
歌詞が作品の内容に合うかは??一応、空の話しているから合っているか

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

えぇっ!蘭ちゃんがキッドと・・・!

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第14作目。

巨大飛行船を舞台に、コナンと怪盗キッドの凸凹コンビが大活躍する話です。
そして地上では、平次と和葉ちゃんが活躍します。

ネタバレになっちゃいますけど、{netabare}本作では一人の死者も出ません。なので、殺人事件が苦手な人でも{/netabare}安心して視聴する事が出来ると思います。

物語としては謎解き要素より、アクション要素の強い作品です。
コナンとキッドの凸凹コンビは相変わらず面白いです。
平次と和葉ちゃんのコンビも面白いです。

ラストに、蘭ちゃんとキッドの“ドッキリ”シーンがあります。
蘭ちゃんファンなら、誰もが目を覆いたくなるようなシーンなのですが、我慢して必ず最後まで見て下さい。
{netabare}思わず笑ってしまいますから!{/netabare}

しかし、いつも思うんですけど、コナン君、怪盗キッドを捕まえる気はサラサラ無いですよねぇ?
義賊であるキッドを認めているとか、『コナン=工藤新一』である事をバラされたくないとか、たまに新一の真似をして貰って助けて貰っているからとか・・・。どちらかといえば、キッドとの知恵比べを楽しんでいるとしか思えないんだけど・・・。

主題歌はGARNET CROWのOver Drive。名曲です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

56.2 7 テロリストで漫画原作なアニメランキング7位
トリアージX(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (295)
1593人が棚に入れました
法で裁けぬこの世の悪を悪性腫瘍として選択<トリアージ>し、闇に葬る秘密組織があった――。

その名も「ブラックラベル」。

17歳の高校生・三神嵐は、そのメンバーとして巨悪に立ち向かう。

この物語は、高校生にして処刑人である少年の、選択と覚悟と闘いの記録である。 

声優・キャラクター
赤羽根健治、近藤唯、佐藤亜美菜、緒乃冬華、浅野真澄、白石涼子、久川綾、黒田崇矢、嘉山未紗、安野希世乃、佐藤せつじ、星野貴紀、仲谷明香、野島健児、國立幸、三木眞一郎、大空直美、橘田いずみ、手塚秀彰、味里、野水伊織、幸田夢波

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

「トリアージX」このタイトルからもっと違う内容を想像していました^^;

トリアージって、一般には災害医療において、負傷者等の患者が同時発生的に多数発生した場合、傷病者の重症度と緊急度によって分別し、治療や搬送先の順位を決定すること。
平時では最大限の労力をもって救命処置された結果、救命し社会復帰し得るような傷病者も、人材・資材が相対的に著しく不足する状況では、全く処置されず結果的に死亡する場合もある・・・(wikiより)
というのが特徴なので、もっと違う内容の物語を勝手に想像していましたが、色々違っていましたね^^;

この物語は、法律で裁けない悪人を「悪性腫瘍」と位置付け、この世から切除する「ブラックラベル」という組織の一つである「アンプルワン」に所属する隊員達の日常が描かれています。

アンプルワンに所属する隊員は以下の通りです。
三神 嵐(CV:赤羽根健治さん):17歳の高校生。トリアージというタイトルは、彼の過去と密接な関係がありました。
木場 美琴(CV:近藤唯さん):三神より1学年上の先輩。学校では普段お嬢様ですが、もう一つの顔は三神とコンビを組みバイクで敵に特攻する、そんなお嬢様です^^;
梨田 織葉(CV:佐藤亜美菜さん):14歳のアイドル歌手なのですが、アンプルワンでは爆破処理担当という過激な女の子です^^
狭霧 友子(CV:大浦冬華さん):外科医である一方、日本刀を自在に操る近接戦闘者です。
剣 光姫(CV:浅野真澄さん):麻酔医で腕力も強く、青春に憧れる一面を持っていますが、狙撃、尾行、潜入なども得意なようです。
柩 小夜(CV:白石涼子さん):看護婦さんですが、素手で人間を屠れる程の怪力の持ち主なんだそうです。

文字の羅列のみでは伝わりませんが、この作品に登場する女性全員は美形で、殆どの女性が峰不二子ちゃん並のスタイルの持ち主で色っぽいんです(//∇//)
何を食べたらあんなに大きくなるのやら・・・^^;?
と思う一方で真逆の人もいるし・・・「適度」というカテゴリーは無いのでしょうか^^;?
個人的には適度が一番だと思いますけれど(//∇//)
需要が少ない・・・のかなぁ^^;?

悪人を排除することを外科手術と位置付けている事から、大きな意味では医療行為と同意なのでしょうが、やはりタイトルとのギャップは否めませんでしたね^^;
それでも、アンプルワンのメンバーは何故このような活動をしているのか・・・
それはそれぞれの過去の出来事と密接な関係があるのですが、その具体的な内容については是非本編をご覧下さい^^

オープニングテーマは、藏合紗恵子 featuring 流田Projectさんの「triage」
エンディングテーマは、山本和臣さんの「ソレーユ・モア」
どちらの曲もキーの低い曲なので、カラオケで1オクターブ下で歌うのは難しそうですがオリジナルのキーだときっと歌えなそうです^^;

1クール10話の作品なので尺の短さを感じましたが、物語として丁度良いところで10話を迎えたと思います。
と思えるのもラストのテロップに「See you next time!」という記載があったからなんですが^^;
具体的な続編情報は未だ発表されていないようなので、楽しみに待っていたいと思います^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24
ネタバレ

jethro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

原作からの切除要素の選択

まず最初に提言すると
原作は面白いです。

本アニメはオンエア開始当時既刊されていた
「トリアージX」原作マンガ第9巻までを基本網羅している
(2015年現在12巻までとアンソロジー版が発売されており現在も続行中である)
9巻は物語の第一ステージ終了的な、それなりにキリのいい終わり方をしており
ここをアニメの終着点にしたのは、ごく当たり前の判断だったと思う

先ほど「基本網羅」という言葉を使ったが、原作の内容はアニメに比べ濃く
「基本網羅」はしているが「完全網羅」ではない
そのため全11話(OVA1話含む)に収めさせるため、いくつかの省略要素が存在する
省略方法は一定のセオリーに則って行われている
つまり抑えるべきテーマに集中するということである
まず一つは主人公のアラシだ、彼の基本情報を欠く事はできない
そのため、サイドエピソードのように見えるユウコやミツキが関わった
過去のヒツギのエピソードはアラシの過去を知る上で重要な意味を持っているがゆえに
外せないものとなっている
そこで省略のためにガッツリ削ったのがミコトとオリハの過去話
彼女たちの過去の話が無いことによって
アラシとの関係性に違和感が生じてしまうミコトに至っては
アラシに対する思いやラブコメ的要素の部分が大きくカットされている
そのため2人の関係性は終始クールで甘えの無いものとして表現しなければならず
初回のシャワーシーンなど
少々現実離れした二人の関係性が紹介され戸惑った視聴者も多いのでは無いかと思う
{netabare}原作ではフロアに一つしか無いシャワー室なのでもともと男女共有しているものの
ミコトはオリハととともにシャワーをあびに来ており
なかなか来ないオリハに「さっさとシャワーあびちまえよ」と声をかけたところ
偶然にもアラシとはち合わせしてしまうという
ありがちなラブコメ的シチェーションとなっている {/netabare}
とはいえミコトは基本本作の事実上のヒロインなので、どんなにカットしても
ラブコメ的片鱗は残ってしまう、結果的に違和感はぬぐいきれず
本作の欠点要素になってしまっているのはとても残念だ

テレビで放送する以上、エンタテインメント要素は重要だ
しかしエンタテインメント要素とはなんだろう
主人公の主軸となる部分は残したにせよ、その次に重要視したのが
アクションとエロ・・・昨今の製作陣の基本的ミスはここにあるのではないか
アクションとエロは強靭な物語の上に存在するからこそ
至高のものとなりうるのでは無いだろうか?
別領域となるオリハの過去話はともかく、ミコトの要素に関しては
アクションやエロを削っても
導入すべきシチェーション、エピソードだったのではないか
この程度の選択ミスで、クソアニメ呼ばわりされ
ひいては、原作をも傷つける要因となってしまうのが非常に残念でならない

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

ぼくのかんがえたせいぎのみかた

校内では冴えない高校生が、「裏」では悪党を殺してまわる最強のガンマン。

誰でも一瞥して感じる通り、幼児性を窺わせる妄想的な設定だ。

本作を「必殺仕事人」と形容する人はいるようだが、「テロリスト」と表現する人は何故かいないように見える。

陰謀的な小集団が独自の価値基準で他者の選別と抹殺を正当化するのは、教科書通りのテロリズムそのものだ。
対象が「悪党」だから「テロ」とは違うと感じるようであれば、すでに作中の幼児性に感染しているのではないかと疑ってみた方がいいだろう。


オートバイと銃器を駆使して悪党の死刑を執行すると云えば、先行作として『ワイルド7』がすぐに連想される。肉感的な女性がアイキャッチとして導入されているところも。
あちらは国家テロルの実行部隊として超法規性を与えられた、国家機関の手先である「白色テロ」組織だが、与えられた超法規性を活用(悪用?)して国家権力への敵対を画策することもしばしばあった。

餌で手懐けられた飼い犬と人間を同一視して疑わない権力が、自分が許可した「力」によって破滅させられるという逆説が背景に込められていたのだが、本作では、人間を「腫瘍」と言い換えて人格を剥奪する主人公の属するテロ組織が、自分たちを相対化してみる視点はない。

敵をなぎ倒すアクションの爽快さを描きたいという欲求自体はありふれているし、悪いことでもない。
が、殺しても構わない程の「敵」という理由づけに、中学二年生以上であれば、もう少し捻った理屈付けを設定するだろう。

理由が倫理的なものである必要は全くないが、自分たちは法律を順守するつもりが欠片もないのに、「奴ら」を殺していい理由が「法律で裁けない」悪党だからだ、というのは、あまりといえばあまりに理屈がなさすぎる。
単に自分にとって許せない人間だから殺すと言えば済むものを、根拠をでっち上げて正当化しないと安心できない自堕落さが、テロリスト的とも子供じみているとも見える。

この独善的な幼児性がどこかで相対化されるのかと最後まで視聴したが、そのような視点はなかった。

主人公たちの秘密組織のアジト(?)が、何の疑問もなく、金銭的に非常に恵まれた清潔でリッチな施設としてイメージされることに、子供の欲望全開の無批判性が現れていて、うんざりさせられる。

背景はすべてカッコに入れて、アクションの描写自体を鑑賞できる人であれば楽しめるだろう。が、その数が多いとは思えない。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

62.6 8 テロリストで漫画原作なアニメランキング8位
ライドバック RIDE BACK(TVアニメ動画)

2009年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (197)
1035人が棚に入れました
国連の解体や東京大震災などを経て、学生達による反政府運動が再び活発になっている2020年の日本。学生運動の一拠点でもある武蔵野文芸大学に、一人の少女が入学してきた。彼女の名は尾形琳。類い稀なる舞踊の才能を持つ琳は、入学初日に人型二輪車ロボット・ライドバックと出会う。それが、世界を変革するきっかけだとは、誰一人知る由もなかった…。
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

「答えのない問い」を突きつける予言的な傑作

(2022年9月、末尾に【小論】を付け加えました)

【総合評価☆☆☆☆☆】
 傑作であるにもかかわらず、知名度が低いアニメの代表だろう。
 基本的なプロットは、テロリストと政治権力の相克を巡って展開されるが、何と言っても、テロ撲滅という大義名分の下に導入された自律型ロボット兵器(実質的な殺人マシン)が興味深い。
 プレデターに始まる軍用の無人ドローンは、テロリスト暗殺の兵器としてアフガニスタンやイラクで実際に使用されたが、遠隔操縦で人殺しの指示を出すオペレータに多大な精神的ストレスを与えることが問題となった。そこで、個人識別のためのAIを搭載し、自力で標的を探し出して暗殺を遂行する自律型殺人マシンの開発が、アメリカを中心に進められている。人道的観点から国際法によって禁止しようとする動きもあるが、実現していない。
 本作に登場するのは、ライドバックと呼ばれるオートバイに手が付いたような機械。もともとは人間が跨がって操縦する乗り物だったが、プレデターを思わせる新型ライドバックは、無人でもAI制御で攻撃ができるように改良されている。物語のクライマックスでは、クラシックバレエで鍛えた運動神経でライドバックを操るヒロインが、人間としての尊厳を懸けて、暴走する無人ライドバックの群れに立ち向かう。

【小論】「答えのない問い」を突きつける予言的な傑作
 きっかけは、10年ほど前に大陸の片隅で始まった小さな戦争だった…。国際的なパワーバランスが崩壊し秩序が一変した社会情勢を背景に、錯綜した状況に翻弄される少女・尾形琳の姿を描くアニメ。2009年制作とは信じられないほど予言的である。ちなみに、琳のテーマとして作中で何度も繰り返される旋律は、ムソルグスキー作曲「キエフの大門」。
 政治的に微妙な問題を扱っている上、残酷なシーンもあり、子供向きではない。だが、世界秩序について考えようとする大人の視聴者には、多くの示唆を与えてくれる傑作である。

【作品の舞台】
 作品の舞台となるのは、局地戦での核兵器使用をきっかけに、国際情勢が大きく揺れ動いた世界。一時は核を保有する超大国が主導的だったが、新たに開発された分散型兵器によって基地が制圧され核兵器が事実上無力化されると、強大な軍事力に頼ってきた世界の秩序が一変する。日本は核の傘を失った上、続いて起きた巨大地震の打撃で社会が混乱、頻発するテロを抑えきれなくなったため、もともと海外のレジスタンス部隊だったGGPを治安維持の目的で駐留させる。
 本アニメの設定によると、核兵器を無力化したのは、ライドバックと呼ばれる「オートバイに手が付いたような」ロボットとされる。ただし、これはアニメ的な視覚効果を狙った便宜的設定と考えた方が良いだろう。近未来の戦争が、巨大な破壊力を持つ大型兵器ではなく、サイバー攻撃による敵兵器の無力化や、多数の自律型ドローンによる分散攻撃(ガメラに小型レギオンが取り付くような)をメインとすることは、多くの軍事専門家が指摘する通り。AIによる顔認識機能を使って人間が操作しなくても要人を暗殺できるドローンも、2020年頃に実用化されたらしい(アニメ後半で登場する無人ライドバックは、このドローンの地上走行版と言える)。ライドバックは、安価で大量生産可能な民生品でありながら、容易に兵器に転用できるPCやドローンなどのアレゴリーである。
 GGPは「Global Government Plan」の略称で、超大国主導の国際政治を再編することが本来の目的だが、日本に駐留するのは、司令官ロマノフに率いられた事実上の軍隊。警察を傘下に置き政府に無断で緊急事態宣言を発令するなど、強権的な体制作りを進める。当然の結果として反GGP運動が盛り上がる中、GGPとBMA(反GGPを掲げるテロ組織)は、ともに軍用ライドバックを導入し武力対決に踏み切る。

【脚本の素晴らしさ】
 物語は、GGP対BMAの争いを軸にしながら、その周辺の動きを含めて多面的な展開を見せる。GGPとBMAいずれにも主流派・反主流派があり、複雑な内部抗争が陰に陽に進行する。驚くべきは、こうした策動をきちんと描ききった脚本の妙。ストーリーに直接関わる主要人物だけで1ダースを超えるのに、各人が従う指導原理が明確に叙述され、それぞれの行動方針に納得がいく。
 私が好きなのは、GGPで副官的な立場にある女性士官の描写。ふだんは感情を見せず実務的なのに、ロマノフが退席すると、書類をさっさと片付けながら自分でパラパラめくり、不敵な笑みを浮かべる。{netabare}この女性が陰で何かしていることを匂わせ、終盤における急展開の伏線となる。{/netabare}登場人物の多くがただの賑やかしにすぎない水増しアニメとは一線を画する、本格的な群像劇と言って良い。
 全体の中心にいるのが、ヒロインの琳。彼女は、震災で早世した天才バレリーナの娘として過度の期待にさらされ悩んでいたが、舞台上での怪我を契機に、バレエからきっぱり引退。何の目標もなく進学した大学で、スポーツとしてのライドバック競技に出会い、バレエで鍛えた身体能力を生かして好成績を収める。そのまま楽しい学園生活を送れるかと思いきや、親友をテロから救うためにライドバックを超絶技巧で乗りこなす映像がテレビで放映され、運命が一転。GGPとBMA双方から目を付けられ、両者の狭間で翻弄され続ける。
 琳は、もともとモラトリアム型で社会問題に関心がなく、バレエという閉ざされた世界で生きてきた。そのせいでGGPやBMAについての知識が乏しく、しばしば優柔不断に思える言動を示す。しかし、そのことが逆に、2つの勢力を善と悪に分ける教条的な解釈をいましめ、人間らしい生き方の何たるかを教えてくれる。このような描写を正しく読み解くことができれば、最終局面で彼女がある選択を行う理由がはっきりとわかるだろう。
 興味深いことに、こうした琳の姿は原作漫画と大きく異なっており、アニメ独自のものである。脚色を行ったライターの貢献か、監督が作品の方向性を指示したのか、具体的な経緯はわからない。

【高度な演出テクニック】
 アニメ『RIDEBACK』最大の眼目は、練り上げられた脚本を完璧に映像化した演出テクニックだろう。新人監督・高橋敦史の力量には端倪すべからざるものがある。
 例えば、何度も挿入されるテレビの報道番組。第5話では、テロ騒動から脱出するライドバックの映像を紹介しながら、いかにも聡明そうな解説者が、乗っているのが二人連れの女性であり、民間人が軍の包囲網を突破したことを、驚きを押し殺した口調で指摘する。時間軸に沿って繰り広げられるアクションを堪能してきた視聴者は、その瞬間、自分たちの目にした光景が、客観的にはどう認識されるかを察知する。このように視聴者の理解を映像でコントロールするのは、きわめて高度な技術を要するのだが、高橋は、いともやすやすと実行している。
 アクションシーンも素晴らしい。ライドバックは、近未来の乗り物であるにもかかわらず、エンジンを吹かす音やタイヤの軋みがオートバイそっくりで、妙に生々しい。これは、SFの世界に視聴者の知悉する現実を適度に混ぜることで、リアリティを増す手法である。よくよく目を凝らすと、走行中に車輪の位置が変わったり、かなりの高さから無事に着地したりと、工学的に無理のある動きも散見するが、エンジンやタイヤのリアルさが際だっているので、あまり気にならない。近未来的な操作パネルと旧式のハンドルやペダルが混在する外観も、印象的な音響と相まって臨場感を増幅する。
 人間が搭乗する二足歩行型巨大ロボットは、技術上の障害が多く高速走行は困難である。ロボットアニメでは、(『コードギアス 反逆のルルーシュ』のように)脚部に車輪を取り付けたり、(『新世紀エヴァンゲリオン』のように)あえて人工物には不可能な動作をさせて逆に非現実感を強調したりすることで、表現上の問題を回避する。『RIDEBACK』は、オートバイ型変形ロボットという独自の解決法を提示した訳である。オートバイのようにスピーディに動き回って視聴者に高揚感を味わわせた後、変形して人型に近い形態になる(こうした工夫は、オープニングアニメで集約的に表現されている)。
 ロボット同士のバトルもある。特に、第6話と第11話の終わり近く、琳が軍用ライドバックと闘うシーンの迫力は凄まじい。どちらも数秒で終わる一瞬の闘いなので、子供には物足りないだろうが、状況を把握できる大人は、息を殺して画面を見つめ、終わった後はしばし呆然としてしまう。

【作品に込められたメッセージ】
 アニメは、最終回でストーリーラインが分裂したように見える。{netabare}GGPとBMAの対立は、陰で暗躍していた勢力が事態を収める。一方、琳は独自の行動に出て、自律型殺人ライドバックを、バレエを思わせる華麗な動きで破壊していく。{/netabare}このラストは、ハッピーエンドのようで、どこか煮え切らなさを感じさせる。
 ある意味、それは当然のことである。世界秩序が一変したのに、すべてがあっさり解決するはずがない。「こんな解決法もありますよ」と提示するにとどめたと考えるべきだろう。
 力に頼る秩序は意外なほど脆く、簡単に壊れてしまう。現代人は、その危険性を至る所で目にしているはずだ。では、どうすれば良いのか。答えはない。しかし、アニメの中で琳は、答えがないなりに、決して踏み越えてはいけない一線、揺るがしてはならない原則があることを示す。それは、「命を守る」ということだ。時に力への憧れに身を任せそうになりながらも、彼女がこの原則を失念することはない。
 琳は、大切な家族や友人を助けようとするとき以外、他人に暴力を振るわない。第6話で弟を守るために警官を負傷させてしまうと、その警官が夢に現れ彼女を責めさいなむ。それほど、命を守るという原則を重んじているのだ。BMAのリーダー・キーファが、抜群の技量を持ちながら優柔不断で行動を起こそうとしない琳をなじったとき、彼女はこう答える。

 「人の命をなんとも思わない人たちと一緒にいるだけで、吐き気がします」

 素朴で情緒的だが、人間らしく力強い答えである。

【どうでも良いことですが】
 琳は、幼い頃から短いチュチュを穿いてクラシックバレエを踊ってきたので、パンツが見えても恥ずかしくないのだろう……多分。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

映像的なオーパーツ。すさまじい映像のアニメでした。

 当時、本作を見てアニメというものの表現の可能性に驚かされました。すさまじい3DCGでした。OP映像のレンダリングのすさまじさ。グランツーリスモみたいなゲーム専用機ではなく、アニメでここまで金属光沢が表現できるのか、という感動がありました。映像的にはオーパーツかもしれません。

 話はバレエを怪我で諦めた女子大生が、バイク+ロボットのような乗り物ライドバックに出会い、テロに巻き込まれてテロリストとして指名手配されるというストーリーです。
 正直テーマは見つけづらいところがあります。ライドバックの動きがバレエに通じるところがあって、ヒロインは覚醒します。が、ヒロインには主義主張もなく友人を助けるという動機で、テロに巻き込まれて逃げ回るだけです。

 友情のエピソードも主体的ではなく憧れの存在としてなついてくる幼馴染とのストーリーでした。

 ただ、13話で話が奇麗に完結しているうえに、ストーリーは面白かったと思います。ライドバックというバレエに通じる機械と出会い覚醒する。この乗り物を極めたいと思う。そこまでは良かったと思います。ただ、その後のヒロインの行動の選択になんでもいいので「動機」があればなあと。テロに加わるにしても、逃走するにしても、全く別の競技などのストーリーにするにせよ「私はこうしたい」が弱いですよね。「友人を助けたい」はウォンツではなくマストですので動機とは言い難いです。

 だから、最後ヘリに乗らない選択をした時に「おお」と思いましたし、彼女が主体性を持って動けたのはいいのですが「心の赴くままに舞う」ためだけにその選択をしたのがどうだったでしょう。バレエの代替ではないのか、という疑問が生じます。
 彼女がライドバックで美しく舞うのを見るためだけに作られたアニメに感じてしまい、ちょっとストーリーの深みという点で残念でした。

 ただしそのヒロインがライドバックで舞うアニメの出来は半端ではありませんでした。迫力、動きやエフェクト、3DCG等々が素晴らしく、なんといってもヒロインの造形の魅力があって「アニメを見る」という楽しみにおいては、すさまじい水準の作品だったと思います。ですので、映像を楽しむだけでも見る価値があると思います。映像だけは何年たっても心に残っていました。声優さんも一世を風靡した水樹奈々さんでしたので、力が入っていたのでしょう。

 再視聴したくてアマプラやDアニメを探しましたが無くて、結局古い録画を探して見つけ出しました。ということは、やはり人気は無いのでしょう。JDという年齢層、テロに巻き込まれて行く、{netabare}友人の死{/netabare}という題材が、受け入れられなかったのかもしれません。


追記 SF設定について、バイクで戦うは荒唐無稽のような感じがあります。その昔のSFでメガフォースという映画でバイクで戦ってましたが、やっぱりちょっと頼りないというか、空想にしか見えないというか…瓦礫には圧倒的に弱そうですし、射撃をするにも進行方向をそっちに向けたら事故っちゃいますし。ロボット化できるならありなんでしょうか?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ロボットアニメへのなり損ない

キャラの絵柄は地道。雰囲気もちょっと大人しい。
ぱっと見、ロボットものだと思われがちですが、実際に視聴してみるとロボットアニメのカテゴリーには微妙に入らないのが理解できます。
オートバイに手足が生えたような車両「RIDE BACK」(ライドバック)。
ひとりの少女が、このメカと出会い、天才的なライダーとしての才能を開化させていくお話。

・・・・だけじゃあない作品でした。


作品タイトルにもなっているライドバックは、基本的にはオートバイの進化系のようなもの。手が出ていたり人型に変形するのは、姿勢制御や移動する場所を選ばないためのバリエーションのような役割です。人間が搭乗し、移動する乗り物であることに変わりはありません。
怪我でバレエダンサーとしての夢敗れた主人公が、偶然このライドバッグに乗って新たな喜びを見つけ、バレエで培ったセンスを活かしたライドで一流に上り詰めていく・・・という、話だと思いました。最初の方は。
颯爽とスカートを翻しながら華麗に踊るような主人公のライディングが素敵です。


ただ、中盤からは、政治やテロやらが絡んできて、ライドバッグ=兵器、のような扱いになってしまいます。
そういう路線、つまりライドバッグをロボットアニメのロボット的な扱いにして、アクションバトルをやるならソレはソレで良かったんですが、いまひとつそういう方向にも突き抜けていない。半端なポジションで納まってしまい魅力半減でした。
こういうメカなら、アクションはカーチェイスやアクロバットで充分でしょうに、普通。
鉄砲撃ったり殴ったりするシーンが多くて「何か違う」って印象でした。

また、不必要に世界を支配する組織がどうのこうのと、大きな風呂敷を広げるもんだから、暗くて血生臭いストーリーになってきます。
レースやメカアクションものの肝であるスカッとする要素が、そのやたらと重苦しい雰囲気ために台無し。爽快感に欠ける展開と進行でした。
そもそも設定に無理がありすぎるんです。
世界情勢を変えるくらいの新機軸って・・・これが? ( ̄△ ̄)


素直に「少女が特殊な愛機とレースする」作品だったら面白かったとおもうんですが、個人的には。
いいギミックなのに、素材の調理方法を間違ったようで残念。
ほんと勿体無い。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

68.3 9 テロリストで漫画原作なアニメランキング9位
魔法少女特殊戦あすか(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (228)
927人が棚に入れました
21世紀。人類は遂に他の知的生命体との接触を果たす。しかし、その出会いは幸福なものではなかった。地冥界より侵攻する化け物は、現用兵器の多くを無効化し、人類の運命は風前の灯火と思われた。だが同じく地冥界に苦しめられていた、精霊環境条約機構の助けにより、人類は起死回生の一手を手にする。魔法少女である。強大な魔力を手にした少女たちは、心身に多くの傷を負いながらも、人類を勝利に導き、ついに大戦を終結させる。しかし、それさえも、新たな戦いの始まりに過ぎなかった。国際犯罪、無差別テロ、内戦、紛争……。魔法少女の戦いは終わらない――

声優・キャラクター
洲崎綾、関根明良、松井恵理子、竹達彩奈、高橋李依、橋本ちなみ、M・A・O、日笠陽子、乃村健次、菊池こころ
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

マジカル☆バイオレンスアニメ

 3年前。地冥界(ディスアス)の化け物たちの侵略により人類の運命は風前の灯火と思われた。だが地冥界と敵対関係にあった精霊たちは人類に手助けする。精霊の力によって魔法少女が誕生し、強大な魔力を手にした少女たちは心身に多くの傷を負いながら冥獣王を倒し、大戦を終結させる。しかしそれさえも、新たな戦いの始まりに過ぎなかった。国際犯罪、無差別テロ、内戦、紛争……。魔法少女の戦いは終わらない――

 「魔法少女特殊戦あすか」はかつて世界を救った伝説の魔法少女の生き残り、「マジカルファイブ」の少女が各国の特殊部隊メンバーとして戦場に舞い戻り、グローバルテロ組織「バベル旅団」と激突するというお話です。ベトナム戦争後、「ランボー」が代表されるように帰還兵を主人公にした映画がアメリカで大量に制作されたそうですが、邪道魔法少女ものの枠組みで同じような退役軍人が主人公の作品を作ったような感じです。

 最初に断っておくと、本作は容赦ない暴力表現が特徴です。毎回のように血しぶきが飛ぶシーンがあり、部位欠損も満載。過激な拷問シーンまで搭載。原作者のどうしようもないリョナ好きが遺憾なく反映されていて、ゴア度は高し。この手のアニメのお約束通り、不条理な設定で少女たちが可哀想な目に合います。原作コミックの帯で虚淵先生から「魔法少女にこんな残酷な運命を背負わせるなんてひどいよ! あんまりだよ!」というお褒めの言葉を頂いたくらいですからね。苦手な人はまず耐えられないと思うので、手を出さない方が良いでしょう。

 さて、タイトルに「魔法少女」と冠するアニメなのですが「邪道魔法少女もの」というよりも「戦闘美少女もの」というカテゴリーに入れる方がしっくりくる作品ですね。魔法は身体能力を高めるエネルギーであり、魔法少女たちはマジカル・カランビット(※ただの暗器にしか見えない)などの魔法武器を使った物理攻撃で敵と戦います。また魔力の消耗を抑えるため、彼女たちは銃の扱いや軍隊格闘術に習熟しており通常戦闘の能力も極めて高い。それゆえにテロリストとの戦闘の場面は激しいものになる。肉弾戦になることすらあります。魔法少女がトレーニングルームで汗を流す場面はなかなかシュール。視聴していても魔法少女ものを観ている感覚はあまりなくて、力と力のぶつかり合いが描かれる格闘漫画に近い作風になっています。

 荒唐無稽な設定のB級娯楽アニメらしく、エンタメ要素はやたら充実していて僕は楽しく観ることができました。特にこのアニメのマジカル〇〇ネタは面白い。美少女×ミリタリーは深夜アニメで人気の組み合わせですが、そもそもの組み合わせが歪であるためどうしてもシチュエーション的に無理のある場面が出てきます。「魔法少女特殊戦あすか」の上手い所は、ミスマッチな感じをあえて強調し、ネタとして笑いを取っている所ですね。魔法少女たちの武器にしろ必殺技にしろアイテムにしろ、設定上は魔力で強化されているということですがどう見たって魔法少女らしくない。それを「マジカル自白剤!」だの「マジカルスパンキング!」だの何でもマジカルをつけるバカバカしい演出で「それただの自白剤じゃん!スパンキングじゃん!こんなの絶対おかしいよ!」と観ている方の突っ込みを誘ってくる。これはなかなか楽しい。

 「マジカルファイブ」のリーダー、大鳥居あすかは良い主人公でした。あすかは過去の戦いで仲間(もともとはマジカルイレブンで6人が戦死した)と肉親を失い、PTSDを患っていて取り乱すこともあるのだけど、メンタルが弱いという魔法少女としての欠点であると同時に、人との繋がりを大切にする優しさがあるからこそ仲間たちから慕われ信頼もされている、という長所の両面からきちんと描けていました。それ程作画が良いアニメではないのですが、たまにマジカル作画カロリーロールアップ!が起こり要所要所であすかが凄くいい表情をしていたと思う。普段はクールでやや表情が硬いキャラなので、顔つきが変わる場面は印象に残りました。他の3人の魔法少女(アニメ化された範囲でペイペイはほとんど出番がありませんでしたが)もエロ格好よくてナイス。

 そして魔法少女といえば使い魔がつきもの。本作はサッチュウという黒いネズミ型の妖精が登場します。こいつがまたナイスなキャラなんですよね。魔法少女のサポート専用に生み出された妖精なだけあって極めて有能。基本は魔法少女の戦闘補助が役割なのだけど、小型の冥獣なら、どこから拾ってきたのかよく分からない武器を使い、自分でやっつけてドヤ顔をするくらい殺る気まんまん。サッチュウは殺チュウだったのだ!突然始まる「魔法少女まめちしき」コーナーも楽しかったし、ブサ可愛い見た目もお気に入り。笑いが取れるキャラはやはり魅力的ですよね。

 脚本に関しても、僕は悪いとは思わない。あすかが復帰するまでの流れは丁寧だったし、その心境を第9話で{netabare}「人は誰もが、自分だけの仕事を背負って生まれてくる。私は運よく…あるいは不運にも、それと巡り合ってここにいるんだ。他のみんなもな」{/netabare}とミアに代弁させたのはうまい。他にも例をあげると、{netabare}第5話であすかは敵の魔法少女アビゲイルに「指を落とされたくらいですごい顔するんだな」と煽り文句を放つのですが、後の第11話で片腕を失ってからも痛みに耐えながら戦う場面で有言実行してみせたり、同11話で「君は少女と思えないほど悲しい目をするんだな」という台詞と「あなた…本当に悲しい顔をするのね」という台詞のリフレインであすかとちさと、守るべきものがある者と無い者の差を表現するなど{/netabare}台詞を効果的に使って魔法少女の格好良さを引き出せていたと思います。

 あと地味なことだけど本作はモブの描き方が良い。軍人は魔法少女たちの絶大な力を認め畏敬の念を抱きながらも、年端もいかない少女を最前線に立たせることへ罪悪感を感じ、魔法少女に頼り切りになるまいと魔法戦への対処能力を上げようと努力をしている。そういった描写をすることで無茶苦茶な設定のフィクションにある程度のリアリティを与え、安っぽくなりすぎないように工夫していた点は評価できます。

 俗っぽいエログロバイオレンスアニメで正直言うと欠点も多いのですが、原作を最新刊まで読むくらいにはハマってしまいました。ただ暴力的な表現の数々はどうしても人を選んでしまう。ポリコレにやかましい最近の風潮に辟易している方も多いだろうけど、公安や自衛隊が捕虜に拷問を加えるなど、さすがに擁護できない場面もあって残念ながら他人にはお勧めできないかな。好きな人だけでこっそり楽しめばいい作品でしょうね。

・・・間違ってもコレを自衛官募集ポスターに使ってはいけませんよ!マジカル炎上なんてネタはもういいですから!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

魔法少女の戦いは終わらない…

この作品の原作漫画は未読です。
この作品の視聴を決めたのは、声優さんもさることながら監督が山本秀世さんだったから…
これまで様々な作品を手掛けてこられた監督ですが、私が一番印象に残っていて今でも大好きな「ストライク・ザ・ブラッド」の監督だったからです。

そして視聴したのは大当たり…良い意味でストブラ臭がプンプンするではありませんか…
きっとこれから山本監督の名前を見たら無条件で食い付いてしまいそうですけれど…^^;


伝説。神話。魔法…。科学の発展とともに忘れられた、もう一つの世界と、人類はついに邂逅を果たす。
だがその再開は幸福なものではなかった。
地冥界より侵攻する化け物は、現用兵器の多くを無効化し、人類の運命は風前の灯火と思われた。
だが同じく地冥界に苦しめられていた、精霊環境条約機構の助けにより、人類は起死回生の一手を手にする。
魔法少女である。
強大な魔力を手にした少女たちは、心身に多くの傷を負いながらも、人類を勝利に導き、ついに大戦を終結させる。
しかし、それさえも、新たな戦いの始まりに過ぎなかった。国際犯罪、無差別テロ、内戦、紛争…
魔法少女の戦いは終わらない…


公式HPのintroductionを引用させて頂きました。
この作品の設定が好きです。
普通なら大戦で奮闘する少女を取り上げるのが常套だと思うんですけど、この作品は大戦の終わりが物語の始まりなんです。
恋愛作品で例えると、お互いが好き同士になり付き合い始めが物語のゴールが常套なら、付き合い始めてからがこの作品と同じ立ち位置になります。
一段落付いたから物語はそれでお終い…あとは平和な世の中に、なんてならないのが世の常…

この作品で活躍する魔法少女はマジカル・ファイブと呼ばれる5人の魔法少女たち…
けれど、本当は魔法少女って大戦前はもっと大勢いたんです。
大戦でボロボロになって5人に未来を託した魔法少女たちの上に、物語の世界が成り立っていると言っても過言ではありません。

作品でも触れられていましたが、かつての大戦は相当酷かったようなので…
だから、彼女たちに託されたこの世界を汚す奴は絶対に許せない…
この様に思考が巡るのも理解できますし、正義の味方の考えそうなことだと思います。

この物語の主人公は、大鳥居 あすか…大戦終結時のマジカル・ファイブのリーダーでしたが、物語が始まった時、彼女は魔法少女を引退していました。

彼女は「ラプチャー☆あすか」という近接戦闘においては他の追随を許さない程極めて高い戦闘能力の持ち主だったんです。
でも、それが魔法少女で有り続けなければいけない理由にはなりません。
魔法少女である前に一人の高校生の女の子なんですから…

どんなに戦闘に強くても心まで強い訳じゃないから…
きっと心だって普通の女の子よりは相当強いはず…
じゃないとかの大戦を生き延びることなんて出来なかったから…
でも、彼女に降りかかった厄災は、心をポッキリ折るには十分過ぎました。
もし自分が魔法少女じゃなかったら、きっと厄災なんて無関係だった…
自分が魔法少女に選ばれたから…

でも自分でいくら魔法少女を引退したとしても、彼女の潜在能力が無くなった訳ではありません。
ですから、彼女を煙たいと思う人間は少なからず存在するんです。
そういう輩が考えそうなこと…
彼女をどこまでも追い詰め、彼女の周りから切り崩していく事…

自分が魔法少女だから…
友達を巻き込みたくないから…
こうしてあすかは再び魔法少女として立ち上がり…物語が動いていきます。

まず、山本監督の仕事が凄いです…
強くて格好良い女の子の描き方を熟知されているのでしょう…
魔法少女の戦いは圧巻の一言でした。
作画も展開に合わせてしっかり付いてくるのでこちらも文句なしです。

キャラデザには若干のクセはありますが直ぐに慣れます。
ストブラと違い、どの魔法少女も未だ幼さが抜けきっていません。
最初はそこにクセを感じましたが、完走して振り返ってみると年端のいかない少女たちが世界を守るためにボロボロになりながらも戦っている感がとても出ていたと思います。
そう考えると、このキャラデザにも納得です。

ここで少し魔法少女を紹介しておきます。
まず、魔法少女には2通りの存在が確認されています。

精霊条約機構の正当な力を手にしたマジカル・ファイブの様な魔法少女と、非合法で魔法少女になった少女です。
お互い相反する存在ですが、どちらも悲しい運命を背負っていることには変わりません。

どうして魔力を手に入れられるのが少女ばかりなんだろう…と考えたこともありました。
もっと屈強な男でもいいじゃん…と考えたこともありますが、そうしたら魔法少女物語が軒並み「魔法少女 俺」物語になってしまう事を考えると、商業的に成功しないのが理由なんじゃないか…と思う様になりました。
個人的にも屈強な男バージョンは敬遠したいかも…^^;

魔法少女を翻弄する戦いは熾烈を極めていました。
個々の戦闘能力は高いものの、数で攻められたらジリ貧ですから…
それでも彼女たちの前に立ちはだかるのは、暴力としか思えない程の圧倒的な戦力差なんですけどね…
そんな状況の中、人類の未来のために彼女たちがどの様に立ち振る舞うのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、nonocさんの「KODO」
エンディングテーマは、GARNiDELiAさんの「REBEL FLAG」
どちらの曲も痺れるほど格好良かったと思います。
勿論、どちらも即買いして今も通勤中に聞いています。

1クール全12話の物語でした。
てっきり2クールの作品だとばかり思っていました。
途中から絶対物語が集結しない確信がありましたから…
でも、最終回の纏め方は続編を意識させる構成だったと思います。
新たな布石もいくつか打たれましたし、何より回収されていない伏線が残っていますから…

続編はストブラの様にOVAではなく、テレビ放送を希望したいところですが、この作品の持つ残酷さや猟奇的な一面を表現しようとすると、OVAも止む無しなのかもしれません。
だからこの作品においてはどちらでも構わないので、続編が制作されることだけを願っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

このままでは、魔法少女は、子供がなりたくない職業1位になるぞ(苦笑)

[文量→小盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
グロ、鬱ありの、新しい時代の魔法少女モノの定番。

全体としては悪くなく、平均すれば☆3くらいには楽しめた感じもするんだけど、、、どうにも私とは相容れないモノがあるというか。。。胸くそ悪い、いくつかのシーンで大きく評価を下げさせて頂きました。

ただ、クオリティ的にはそんなに悪くはないので、こういう作風が好きな方だったら、まずまず楽しめるアニメかと。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
9話や10話(沖縄防衛戦)のように、きちんとバトルしている時は、標準以上に楽しめた。

「魔法少女の辛さや、背負った業」を表現するために、グロが必要というのも分からなくはないので、最低評価はしません。が、やはり「焼けたトングに皮膚がはりつく」とか「脳に直接注射して感覚を強め、お胸をモミモミ」とか、贔屓目に見てもやり過ぎな描写が多く、手放しには誉められない。

う~む、評価が難しい。
{/netabare}

【余談~私にとっての味噌ラーメンと魔法少女~】
{netabare}
これは、極々個人的な話なのですが、私にとっての味噌ラーメンって、「白味噌 卵麺 野菜たっぷり」の甘いラーメンなんすよ。北東北は、それがスタンダートだと思います(少なくともウチの地域はそうでした)。

例えば仙台に行って、初めて「辛味噌ラーメン」なるものを食べた時、「これも味噌ラーメンなのか!?」という衝撃を受けました。でも、メチャクチャ美味しくて、今でも時々食べたくなる味です。

とはいえ、やはり(私にとっては)味噌ラーメンといえば、白味噌であり、野菜の甘味が感じられるやさしいものであり、他は、亜流に過ぎません。もし、店のメニューに「辛味噌」や「赤味噌」と表記がなく、ただ「味噌ラーメン」と書いてあるのに、辛い味噌ラーメンが出てきたら、ちょっとガッカリします(まあでも、美味しく完食しますがw)。

でも、東京に行って分かったのは、「白味噌 卵麺 野菜たっぷり」の甘い味噌ラーメンって、むしろ少数派なんですよね。なんか、寂しかったです。

魔法少女モノもそうです。

私にとっての魔法少女モノとは、「魔法使いサリー」を出発点にし、「美少女戦士セーラームーン」や「魔法騎士レイアース」を経由し、「カードキャプターさくら」くらいまでを指します。さくら なんかは少し現代に近づいていますが、基本的には、「勧善懲悪」で「ヒーロー的な」、優しく強い存在でした。

それが、初めて「魔法少女まどか☆マギカ」を観たとき、「これも魔法少女なのか!?」という衝撃を受けました。でもメチャクチャ面白くて、今でも記憶に残っている作品です。

ただ、それがスタンダートかと言われれば、やっぱりなんか違う気はする。

本作なんかも、ガッツリ激辛の、蒙古タンメン系味噌ラーメン的な魔法少女モノです。正直、やや食傷気味です。

本作や、マギカ以降の魔法少女モノもあって良いんですが、やはりベースは、人々を幸せにし、自らも幸せなる、魔法少女モノを観たい。そんな気持ちを込めたのが、このレビュータイトルです。

セーラームーンに憧れる少女はいても、あすか に憧れる少女はいないんじゃないかと思うわけですよ(まあ、そっち方面はプリキュアがカバーしてるから大丈夫という説もありますが)。

ただ、勿論出身地が違えばベースになる味噌ラーメンも違うわけで、本作のような魔法少女モノこそ本流で、他は亜流だという方もいて当然だと思います。

あくまで、「私は」という話です。(って書いてたら、深夜にラーメン食いたくなった)w
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
大戦後の魔法少女。これ、グロに流れていくなら、ノゾミやらサヤコやら、死んじゃうかもな~、惨たらしく。いや、出血多量で死ぬだろう。ストーリーを売りにするなら観られるし、グロを売りにするなら、途中離脱かな。

2話目 ☆3
ノゾミの父、拷問官か。女キャラ全員、半端ない巨乳だな。ナース、正論だな。

3話目 ☆3
ナースも、病んでるの、か。わりと平和な日常系見せたか。作風的に、次は更なるグロ、かな。。。

4話目 ☆1
焼肉トングに、皮膚の張り付き。BPO、大丈夫か?

5話目 ☆2
魔術斧は回収して使おうよ、特殊部隊の良い武器になるよ。記憶消去で解決ね。まあ、1週間くらいなら、良しとしないと。

6話目 ☆2
まあ、死んだと思われた魔術少女の誰かだろうけど。あんな都合よく、ピンポイントで落ちるか?

7話目 ☆2
とりあえず、腕を切り落としがち。

8話目 ☆3
マジでクソだな、あの親父。宜野湾、、、内村さま~ずのイメージ(笑) ゴーナース、汚れ仕事担当なのか。マジカルスパンキング、は、ギャグなのか? 無駄なサービスシーンに、ドン引き。スゲェ、魔法少女試験だな。

9話目 ☆4
タマラ、お前も変なのか(笑) なんかちゃんと組織戦をしてるな、相手も味方も。

10話目 ☆4
まあ、足が折れてても走るよな、普通は。ミアは、ハロウィン3体くらいでやられるの? これは、タビラ将軍が弱いのか、敵が強いのか。

11話目 ☆3
どした?? ああ、やっぱり斧は回収してたのね。

12話目 ☆2
拷問シーンはやはり胸くそ。ただ、後半の説教は、良い話、、、なのかな? よくワカラン。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30

57.7 10 テロリストで漫画原作なアニメランキング10位
太陽の黙示録(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (14)
72人が棚に入れました
舞台は大震災で富士山噴火や首都・東京及び関西水没により国土の五分の一を失い、地割れによる日本海峡誕生で本州が東西に分断されてしまった近未来の日本。南(サウスエリア)をアメリカ、北(ノースエリア)を中国に管理され、福岡と札幌にそれぞれ首都を構えて互いに自らの正当性を主張する南北両政府、分断された国民、台湾へ流れた難民、全世界に散った『棄国者』などを描く。

声優・キャラクター
松田洋治、小山力也、森川智之
ネタバレ

じぇりー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

【注意】震災トラウマのある方の視聴は慎重に…

と、表題には書いたものの、私自身も被災経験があるが、冒頭の震災のシーンはそれほど見てて辛くなる…ということはなかった。当然、思うところや感じることは色々あったけれど。

ただ、今のご時世このアニメを見て、何も感じないということは、もうないと思う。

むしろ、私が戦慄を覚えたのは、他国による「復興援助」という大義名分を掲げた事実上の簒奪行為や政治的介入、そして国が2つに分断されてそれぞれ別の政府が立ち上がることにより、もはや別々の国家になってしまうこと、そして台湾への難民となった日本人たちが{netabare}受ける迫害や差別、そしてそれに抗うためにテロリストとなってしまう姿だ。{/netabare}

もちろんこの話はフィクションだけれども、実際に、このアニメのような日本の中枢を壊滅的にさせてしまう災害が起こっても、このような状況には陥らないと、言い切れるだろうか。

「黙示録」という言葉が示す通り、私はこの物語をある種の予言…というか、「首都圏、関西主要都市、中部地区が一気に大災害を被ると恐らくこうなるよ」という「予測」と捉えた。

本アニメは80分程度でそれぞれ「海峡」編と「国境」編の2話構成だ。特に前編の海峡編は、震災のシーンからその後の政治的な動きが非常にリアルに描かれており、この物語の世界観が出来上がるまでの内容を含んでいる。

後編でようやく主人公が動き出し、日本を変えるべく旅立つまでの様子が描かれている。

娯楽作品では全くない。観終わった後の気持ち良さなんてまるでない。

向き合えるかどうか、観ていて試されている気がしたアニメだった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

某宗教アニメ作品みたいなタイトルですがこれは違います。

前編「海峡」では、大地震に見舞われ日本が壊滅状態に陥ります(「日本沈没」みたいに)。
やけに正義感の強い小学5年の舷一郎の落ち着きぶり、日本の行く末を真剣に考える政治家の落ち着きぶり。
原発でガタガタ騒ぐどこかの国の政治家に見せたい作品です。(「ローゼンメイデン」好きの首相もいましたが ・・・注)私も好きです)
後編「国境」では、舷一郎が青年になり、米中に分割統治されている日本から台湾に渡った難民達の苦悩の話です。
「国」とは何なのかを考えさせられる作品になっています。
原作漫画ではまだまだ続きます。今みたいに年一ペースで全話製作してほしかった作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

HeX さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ハードな社会派アニメ?

かわぐちかいじ原作のものらしく、非常に考え込まれて作られた、ハードな世界観。

大災害で壊滅的打撃を受け、首都機能や政府機能が麻痺した場合、近隣の大国に占領・統治を受け、その結果日本人はどのように生きることになるか。東日本大震災を経験した直後だと、妙なリアルさを伴ってみてしまいそう。

漫画原作をすべて網羅できていないので、ちょっと物足りなさはある。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
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