ミステリーで恋愛なおすすめアニメランキング 35

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月09日の時点で一番のミステリーで恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

90.4 1 ミステリーで恋愛なアニメランキング1位
氷菓(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★★ 4.1 (8341)
35308人が棚に入れました
何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。

声優・キャラクター
中村悠一、佐藤聡美、阪口大助、茅野愛衣、ゆきのさつき、置鮎龍太郎、ゆかな、小山茉美、早見沙織、悠木碧、川原慶久、浅野真澄、豊崎愛生、小倉唯、阿部敦、伊瀬茉莉也、入野自由、小清水亜美、広橋涼、秦勇気、山崎たくみ、小西克幸、こぶしのぶゆき、日笠陽子、伊藤かな恵、升望、近藤孝行、森川智之、進藤尚美、茅原実里、寺島拓篤、竹達彩奈、寿美菜子、福山潤、杉田智和、谷山紀章、杉山紀彰、平川大輔、吉野裕行、石塚運昇、永井一郎、西村知道、二又一成、田中正彦、千葉繁、諏訪部順一
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

青春がミステリー

原作既読での感想です。と、言うよりもアニメを見てから原作を買った口です。
加筆しすぎて、ネタバレのところは文体が統一されてないのでご容赦を。

2022年10月、愚者のエンドロール編について追記しました。

原作古典部シリーズは3つの主なストーリーがあり、
このレビューではわかりやすい順、時系列を遡る形で書いていこうと思います。
各話のあらすじを書かないことをご容赦ください。

【クドリャフカの順番編】
{netabare}
話の中にちょくちょく出てきた文化祭の話。個人的にはいよいよ文化祭だなと感じる構成だと思う。
(文化祭のために文集「氷菓」を作る→文化祭の為の映画を見る、の後の話になるので)

聡志の「期待とあきらめ」の発言を軸に見ると登場人物達が何を思ったのか良くわかると思う。
文化祭での聡志の折木への一方的な期待の感情の裏にある自分への諦めの感情は、
こうち先輩と「夕べには骸に」の作者にもいえる。
真犯人とは別の、もう一つの謎、登場人物の気持ちがわかるだろう。
高知先輩が何を思ったのか考えてみてほしい。

また、風紀委員会委員長と生徒会長の関係も、自分への諦めと期待の関係だと思われる。
委員長は生徒会長の才能を認めることで諦めを持ち、期待しているからこそ、
「夕べには躯に」の次回作を書かないこと、才能を持ちながら行使しない生徒会長に対して、
怒りのような感情を持っているのかもしれない。
登場人物が何を思ってそんな言葉を言うのか、それを解いていくのがこの作品だと思っている。

ちなみに聡志の「データベースは結論を出せない」という口癖は、
折木という才能をみて諦めの中からでた言葉なのだろう。
その道の才能が無いから、他の道を探す。それは逃げから来る言葉だが、
クドリャフカ編で犯人を暴こうとした聡志の行動からも、
聡志があきらめ切れないことがわかり、やりきれない。
こういった感情で行動方針を変えようとする辺り、
実に青春をしていて現実の人間らしいのが福部聡志なのだと思う。

また、「まわりがどうあれ基本属性が薔薇色なんだよ」という言葉もあったが、
これは他人から見れば、自分は薔薇色に見えるだろうという諦めが入った感じだった。
「誰かが薔薇色に染めようとしても駄目さ、染まってあげない」というのは、
中学時代の過去とは違い誰かが自分に勝負を仕掛けてきても、
自分は受け流すというスタンスを取りたかったのかなと思う。
聡志は人に流されず自分を見つけたかったのだろうなと思えた。

【伊原の涙について】
高知先輩の話を聞いて、なぜ伊原は涙を流したのだろうか?
「名作は最初から名作として生まれてくるんです」
「ボディトーク、やっぱりこれも良い」この言葉は「夕べには骸に」との比較。
「私のは100枚落ちる」この言葉が高知先輩を自分に置き換えたらどうなる?という意味として捉えてみた。
努力をしてきて生まれた「ボディトーク」という作品が、
努力の先に名作が出来るという気持ちの肯定をする作品なら、
「夕べには骸に」は伊原の「名作は最初から名作としてうまれてくるんです」という理想の肯定に見える。
「夕べには骸に」を肯定してしまえば、圧倒的な差に対して諦めを持ち、
他人に期待をするしかなくなる。
今までの努力はなんだったのかという無力感も感じるだろう。努力の否定になってしまう。
そのことがわかって、自身も努力していつか名作になる作品を書いてやろうと思っている伊原は、
自分の才能のなさへの自覚や自分の無神経さに涙を流したのだろうと思う。

【折木の推理に対する聡の怒りについて】

「どうやってさ!」
折木が真犯人を探し出す手がかりについて、聡の提示した被害にあった部室の共通点や、
十文字のミスでも見つけたかという事に対して、どちらも否定した時の聡の怒りの言葉。
そしてその後に「期待してるよ」

伊原の涙について考えてこの件も整理が出来た。聡が努力して探していた点に対して全く否定する折木。
聡志の努力が無駄であるかのような折木の主張に対する怒り。
そして気付く、圧倒的な視点の違い。才能の差。それを感じてしまったから「期待してるよ」ではないだろうか。
これは、高知先輩と「夕べには骸に」作者との関係とまるで同じではないだろうか。

【生徒会長陸山宗芳がクドリャフカの順番を読まなかった理由】

「おつかれ!」陸山は田辺に向かってわざわざなぜこのように声を掛けたのだろうか?
その言葉を掛けたときの陸山の笑顔からしても、
「クドリャフカの順番を読んだのか」という田辺のメッセージは届いていないように思える。
ただ、田辺が自分に対してメッセージを送ったことには気付いているようにも見える。

では、「夕べには骸に」は陸山にとって、遊びだったのだろうか?
折木の「(あれが遊び?)」という、
夕べには骸にが陸山にとって遊びだと主張した田辺の言葉への反応を見ると、よほどの作画だと想定してみる。

sideストーリーである伊原と高知先輩のラストの会話から、
陸山も高知先輩と同じ方向の事を考えたのではないだろうか?
陸山も高知と同じく漫画をよく読んで、漫画を描いていたのかもしれない。
そして、安城春菜の才能と出会ってしまい、諦めを覚えてしまったのだろうか。
陸山が「夕べには骸を」を読んで、届かない才能に諦めを持ち、さらにその作画を担当することで、
漫画を描くことをやめるほどの感情を持ってしまったとしたら。それは、友達という枠を超えてしまったのか?
友達の原作をほおりだしてまで描かない理由とは?それも原作を1ページも開きもしない理由とは?
とても気になるが、与えられたヒントでは答えの出ない疑問として残された物なのかもしれない。

だが、「おつかれ!」は原作にはないセリフだった。
ただ、「あれが遊び?」や、「原作を開いてもいなかった」というヒントから、
上記の推論も、多少は原作でも成立するのではないだろうか。


{/netabare}
【愚者のエンドロール編】
{netabare}
文化祭で上映するミステリー映画の犯人を当てる話。
今回の、ストーリーの正解を当てる⇔推理小説作家を実はやらされている、
というすり替えのトリックは多くの人がこれに気づいたとき、
自分は身勝手だなと思うかもしれない。
本郷という作り手の人間を無視して、
計算問題のように無機質に問題を回答しようとしたことに罪悪感を折木が感じたように。
(少なくても自分はそのすり替えに気づいたとき、初視聴時にひたすら密室のトリックを考え続け、
本郷の気持ちを考えていないというメッセージも受け取れなかったことに自分の浅はかさに悲しくなった)
千反田がトリック問題が解けない、人の気持ちを誰よりも思いやる心を持っていたからこそ、
折木はその過ちに気づけたのだと思う。

ちなみに折木が最初に出した「万人の死角」の結末(回答)が
「文章問題」と折木自身に言わしめた理由の裏づけとしてだが、
「カメラを気にしていたキャスト」という「オチがわかった行動」をしている人間がいるのなら、
キャスト達に結末を聞けばいい。
それが出来ないのは、結末をキャストが知らないためであり、
カメラを気にしていたのは、キャストが不慣れだったということだろう。

注意深く視聴していくと、イリスの「観方を変える」発言について気付くことができるだろう。
また、千反田がイリスの術中にはまらず、観方が変わっていないことも描かれている。
イリスと折木が対決する茶屋のシーン、そして今後持つ折木のイリスへの不信感は、
他人の気持ちをないがしろにするイリスに対しては当然といえばそうだろう。

だからこそ最後のシーンで自分の視点で動いたことにはしたくなかったイリスが描かれている。
全体のためという大義名分がなくなり、本当にエゴで人の気持ちを利用して、
使い捨ててしまった自分を肯定できないのだから。

イリスは、折木の姉に、クラスメイトが悪い、自分(イリス)は本郷を救ってやった立場という自分の主張を否定された。
「あなたの主観で判断した事に責任を持つ」という折木姉の言葉に、
自分が善か悪かで答えてしまうイリス。
「私はあのプロジェクトを失敗させるわけにはいかない立場でした」という正当化だったが、
「自分の所属するクラス出し物の成功」という自分の利益の為に本郷の脚本を切り捨てていたにもかかわらず、その業を自分で背負わなかったことへの責めは、どうしても自分の人間性の否定に繋がるので反論したかったのだろう。本郷を助けてやりたかったという善人的な目的ではなく、堂々と自身の利益を追求したといえないイリスを、折木姉は批判したのだろう。


【えるの本郷先輩への固執について】
「きっと志半ばで筆を折った本郷さんの無念が、叫びが、隠されていると思うんです」
川原での折木との会話のシーン。この「無念」と「叫び」は、
氷菓編でえるの叔父が文集「氷菓」に隠した思いと同じではないだろうか?
えるが本郷先輩の隠された思いを汲み取りたい理由は、
叔父の時のような悲しい「思い」をだれかが明らかにして、
当事者にとって良い方向に物事を持って行きたい、
もしくはその悲しい思いを供養するような、そういう感情が働いているのだと感じた。

【折木とイリスの対決について~折木の怒りについて】
「だれでも自分を自覚すべきだといったあの言葉も嘘ですか!」
折木はなぜここでこれほど激怒したのだろうか?
折木はイリスに乗せられて推理と称した脚本コンテストに乗せられてしまった。
名探偵を一瞬でも気取り、本郷の思いを無視してしまった自分に対しての怒りと、
そうさせたイリスに対して、あれほど怒るのは自責の念がそれほど強かったからではないだろうか。

2022.10.6 追記
上記レビューの至らなさに反省しきりです。
折木が起こった理由、それはシンプルに「あなたは特別よ」「だれでも自分を自覚すべき」」というイリスの言葉によって自分の器を特別なものと意識させられた、そしてその言葉が建前、嘘であったこと、嘘により利用されたことが理由でしょう。
返して言えば、折木を利用するために折木自身が自分の評価を「特別」であるように思いこませる嘘をイリスにつかれたわけです。
それは折木にとって、自分を自覚する、あるいは自覚した行動、それは自分というものをポジティブに再評価できた、人生の分岐点のようなものだったわけですが、イリスという標識は、折木の人生の利益ではなく、自分自身の利益の為に折木を誘導し、折木はそれにはまってしまった訳ですから、
その自身の利益をイリスに再確認(可能性はゼロでも)せずにはいられなかったのでしょう。イリスの回答がわかっていたからこそ、折木は問い詰めたときに激怒していた、それが私の今の感想です。


【聡志「それにしても、羨ましい限りだね、全く」について】
聡志のこの言葉は、折木に対して言われたものであるが、
探偵役として人に物を頼まれる折木が羨ましく見えた・・・だけではないだろう。
折木が聡志の才能に対するフォローをした後の言葉だったわけであって、
皮肉であると捉えるのもいいだろう。折木は持っている才能が発揮され、
活躍している立場からの聡志への言葉だからこそ、
聡志は自分が日陰者で折木が表舞台に立っているような状態を、
日陰者として皮肉っぽく言ったのではないだろうか。

【江波倉子は何を思った?】
「私は企画に参加していません 興味がなかったので」
「本郷は生真面目で注意深く 責任感が強くて馬鹿みたいにやさしく 脆い 私の親友です」

これが江波の人間性が見えるセリフ。このセリフから読み解けるように、
映画企画は自由参加であり、興味が無い人は参加しなくても良かった。
興味が無いからと参加しないのは、人の輪に交わる必要性を感じていない性格といえる。
エピローグでの本郷のチャットでのセリフからも、
江波と本郷は対照的な人物でありながら、親友であった。
二つ目のセリフは本郷の性格を示すことで脚本の正体を暗に示しているが、千反田の仮説と合わせて考えると、
江波が何を思って案内役を引き受けていたのか、謎が深まっていく。

そして千反田の江波に対する仮説がこうだ。
「本郷さんは脚本の見通しを最後まで持っていたと思うんです 
途中で倒れたとしても 聞くことは出来たと思います 
それすら出来ない容態なら 
親友といっていた江波さんは絶対にクラスの皆さんを許さないくらい怒ると思うんです 
案内役なんて引き受けないくらいに 」

江波倉子は一体どのような立ち位置にいたのだろうか?
本郷の本当の状態を知っていたのだろうか?
イリスによる台本作りに乗って、本郷をかばおうとしたのだろうか?
本郷の脚本の結末を知った上での行動だろうか?
だがその場合、本郷の脚本が出来ているのをもみ消すイリスに対して、江波はどんな感情を抱くだろうか?

そして、台本作りをさせていることをわかっていたなら、古典部にどんな気持ちを持っていただろうか。


江波が本郷に嘘をつかれていたとしたら?本郷は病欠が多かったが、
それがあったために、江波はいつもの事とあまり気にしなかった?本当に?
江波は本郷と親友だと言ったなら、倒れた後に連絡をするはずだろう。
そこで、親友とまで言っている二人の間に嘘が存在するだろうか?
原作者の作品は暗いオチが多いので、それも考えられるが・・・

他薦で脚本は本郷と決まったというが、それは参加不参加の前だったのか、
参加の表明をした後だったのか、それはわからない。
だが、そこの真実で江波の中で本郷の自己責任だったという気持ちがあったかなかったか、
そんな事も考えられるだろう。

【本郷の脚本とえるの結末への興味】
えるが本郷の脚本の結末で気になっていたところ、それは、犯人と被害者が、どういう関係性であったのか、という部分にある。
それは、えるが想像した、密室への回答も含めた本郷の脚本であり、人の心情を考える、というえるらしい興味だと思う。
そこには、なぜその人物がその行動をとったか、という行動の裏付けの動機、確かに感情が存在する。それをえるは考えていたんだと私が気付いたとき、私はまた、この作品に新たな新鮮さと胸いっぱいの暖かさを感じた。
私はまだまだ、この作品を読み解けていないのだなという悔しさも味わいながら。(2022.10.6追記)

{/netabare}
【氷菓編】
{netabare}
文集氷菓を読み解き45年前の真実を解いていくお話。
関谷純が千反田に残した言葉の意味、氷菓二号における文芸部員の言葉の意味から、
時間の経過によって古典になってしまった45年前の真実が解き明かされる。

最後の謎解きで折木がイラついた理由、それは氷菓の示す関谷の残した苦悩のメッセージを、
気づいてやるべき後輩達(自分達)が気づいてくれない事に対してだろう。
関谷の苦悩を知ったとき、叫びたくても叫べない、生きながら死ぬ、
その苦しさや無念に少しでも共感をする事ができたなら、この作品が好きになっていることだろう。

悲鳴も上げられず死ぬとはどういうことだろう。
周りが悲鳴を上げることも許してくれない。
周りがなんと言おうと悲鳴を上げる勇気も必要なのではないか。
だれかに弱いと思われたり、言われたりしても、叫んだり泣く事も自分を守るためには必要なのではないか。
千反田に対して「強くなれ、生きたまま死ぬことになる」といった、
関谷純のその時の感じた恐怖、悲しさ、無念さ、辛さを感じることができただろうか。
(私には、自分にはどうしようも出来ない物事の大きさに恐怖し、
自分が大きな流れに声も上げられず潰されていく苦しさ、
自分の全てが終わってしまったような無念さ、そのどれもが辛く、苦しく共感を覚えた。)

「全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典になっていく」
氷菓編にこんな言葉が出てくる。主観性とは、当事者の気持ちであり、
今伝えられているお話は当事者の気持ちが失われたお話であり、それを表面的に読んでも、
当時の人が何を思ったのかは分からないという事だ。
その言葉からも、関谷純の感じた感情が薄らいでいくことへの無常さ、
そういったものがこの作品の儚さに繋がっているのだと思う。

再度書くことになるが、
このアニメは提示された謎解き(氷菓、映画のストーリー、泥棒の犯人)だけが謎解きではない。
登場人物が何を思ったのかを考え、どんな気持ちだったかを考えることが視聴者に送られた謎なのだろうと私は思う。

【薔薇色について】
折木は自分の灰色の高校生活の中で薔薇色に憧れがあったのかもしれない。
そして45年前の真実は薔薇色だったのかに疑問を持つ。
つまり、45年前の事件の真実を知ることで、自分が薔薇色に対して憧れがあるのか?
自分がなぜ他の人間を見て落ち着かないのかに答えを出したかったのではないか?
それが折木を推理に向かわせた原動力ではないだろうか。
そしてその落ち着かなさの理由はは他人が感情に揺さぶられ一喜一憂している姿を見ているからだろう。
最終回でのエア告白では折木は感情に揺さぶられ薔薇色になっているのかもしれない。

【生きたまま死ぬ?について】
これがえるのトラウマになったか、元々死への恐怖が人一倍あったのかは分からないが、
「愚者のエンドロール」編のエピローグで、死ぬお話に抵抗があると打ち明けている。
えるが本郷先輩の脚本にこだわった理由がここからきているのかもしれない。

「今感じた私の気持ち、それが将来どうでもよくなっているかもなんて、今は思いたくないんです」
えるの、人の思いを大切にしたいという気持ちの現れだろう。
時間が惜しいという意味ではない。未来の自分に胸を張りたいという思いでもない。
恐らく、すべての事に意味があると思いたいのではないのか。
対立する2つの事があっても、
どちらにも言い分があるという考えをするのが千反田えるではないだろうか(「大罪を犯す」を見てほしい)。
なにであろうと、無価値と思うことに抵抗が有り、失われていく記憶の中にある思いも、
価値があったと送り出してやりたい、そういう気持ちがあるのではないだろうか。
折木の「お前の中で時効になっていくのかもな」という言葉に反応し、
恥や外聞を捨ててまで45年前の真実を明らかにしようとした事からも、
千反田の性格の根幹にあるものではないか。

{/netabare}

【折木の成長について】
{netabare}
では、折木はこの問題を解いていきどのように成長したのだろうか。
1話目では「保留」千反田という感情の塊のような存在に、
無機質な回答しか行ってこなかった折木は答えが出せず「保留」した。
この保留は「不慣れな者は奇をてらう」という事を身をもって実行したことについてだった。
現状の状態に変化を求めず、様子見をしたかった、という折木の気持ちを福部聡は保留という言葉で言い表した。
しかし、この屈託が高くつくと予想した聡の言葉通り、
千反田は折木の能力を買って折木に頼ることになり、折木は変化を求められることになる。

2~5話では姉に書いた手紙で自分の省エネ主義へ疑問を向けたことを明かした。
折木は自分が周りが青春を謳歌し、なにも楽しめない自分に違和感を感じていたが、
氷菓の事件を追求することで自分の主義は悪くないと確認し、今まであった居心地の悪さを解消した。
少なくとも折木の中で「変化」があったことは確かだろう。
薔薇色と呼ばれる青春時代は誰かの犠牲の上に成り立っているのかもしれない。
そう考えると灰色の青春を過ごす自分には、
薔薇色は誰かを犠牲にしてまで手にいれるものじゃないな、と思ったのだろうか。

折木が氷菓事件の最後にイラついたことからも、問題解決に客観性を持ちつつ回答していくが、
誰かの感情に気づくことが出来るようになったことは人間として、大切な成長を遂げたと思う。
だが、千反田が関谷純との思い出でなぜ泣いたのかが、千反田が4話で疑問を解消できず、
5話で謎が全て解けたときに千反田が思い出して折木はその泣いた理由を知る。
その事からも、折木にはまだ人の感情まで推理に組み込む力はまだないと思う。


8話から11話では自分の能力と向き合い始め、
初めて大きな挫折をすることで、折木が成長する糧になった。
この挫折には、自分が問題の答えを外したから悔しい、ということではなく、
自分が他人の思いを考えてやれなかった自責のようなものが折木の心に深く残ったのだろう。

12話から17話では福部のセリフにもあったように、折木の才能が遺憾なく発揮された。
これは、挫折(愚者のエンドロール編での挫折)を味わったことで折木に成長があったということだと思う。
その成長は計算問題のように謎を解くのではなく、
他人の思いを考えることがより出来るようになったことではないだろうか。

最終話では折木が省エネ主義から脱却しそうになる。
折木の中で少しずつえるの存在が大きくなっていき、
えるに関してのことは「やるべきこと」になっていくのが伺える。
それは、折木の「やるべきこと」が少しずつ見え始めているともとれる。
{/netabare}

以下、1話完結の話のレビューです。
【正体見たり】
{netabare}
1話完結。古典部員達がまやかのツテで温泉旅館に泊まりに行き、
まやかのみた幽霊の正体を解き明かすという話。

この話で何が枯れ雄花なのかというのは、折木からすれば、幽霊は枯れ雄花であり、
有りもしない幻想や妄想に入る。同じくして、折木にすれば仲の良い兄弟など枯れ雄花である。

つまり、折木達は幽霊など存在しないということを明らかにしながら、
仲の良い姉妹というえるの理想も枯れ雄花である現実も明らかにしてしまった。
ラスト前、真実を知ったときのえると夕焼けの空が、
現実を知ることで、大人になるような、儚い気持ちを思わせた。

実はこの話の最後のシーン、原作とは異なる。詳しくは原作を読んでほしいが、
個人的には(兄弟のいる身として)アニメ版は救いがあって良いと思う。
確かに幼い姉妹兄弟はケンカばかりするものだが、
根底では兄弟愛というものが存在しているかも知れないを思う良い改変だった。
{/netabare}
【連峰は晴れているか】
{netabare}
折木の中学の先生がふとヘリを見て「ヘリが好きなんだ」と言った理由を突き止める話。
私は結構人の気持ちがわからないんだなと、改めて思い知らされた話。
折木は、仲間の心配をした先生の気持ちを考えてやれた。
えるは過去の他人の気持ちを考えて上げられる折木に対して、言い表せない感情を抱いた。
(折木が優しいというのもおかしいと思ったのだろう、
あえて言うなら、人の思いを大切にしてくれる人、だろうか)
私は折木の言葉も、えるの気持ちも察することができなかった。
人の思い、その時の感情、それを大切にしたい、
それを考えてやれる人間になりたいと、またひとつ、この作品に教えてもらった。
この話、原作の書籍には載っていない話なので
(野性時代か何かに載っていたのみらしい)漫画での書籍化が非常に楽しみだ。

追記【千反田の興味が折木に向いた】
折木がなぜ小木先生のヘリ好きが気になったか、それが気になってしまった千反田。
それは折木が他人のためには頑張って頭を働かせ、いつも自身の事には無頓着だった折木が、
自発的に自分の疑問を解決する為に動いたように千反田には見えたからだ。
単純に折木が気になるからではなく、
折木という人間をよく観察して人間性を分析しつつ千反田は疑問をぶつけている。
だが、単純に異性に対して「あなたの事が気になるんです」といわれるシチュエーションに折木は何を思っただろう。

{/netabare}

【手作りチョコレート事件】
{netabare}
あらすじ
バレンタインの日、まやかが聡志にチョコレートを渡すつもりだったが、
部室に置いていたチョコレートが誰かに盗まれてしまう。
千反田はチョコレートを盗まれた責任を感じ、古典部男子二人と一緒に犯人を捜す。

この話に関しては、まだまだ、考察しきれていない。
特に折木と橋の上で話したときの聡志の思いが中々難解。
勝ちにこだわった中学時代は高校生になった聡志はつまらないと評した。

そして、こだわることを辞めて、こだわらないことにこだわるようになった1高校時代の今を毎日が楽しいと言う。
聡志に「つまらなかった」と評された中学時代は、他人と自分を常に比較し続け、
自分の価値が、他人より上か下かの判断しかなかった自分に「つまらなかった」といったんじゃないか
その中で、自分のアイデンティティが貧相なことを悟り、こだわることをやめたのではないかと思う。
では何にもこだわらない高校時代を毎日が楽しいと評しているのは、
勝ち負けの世界を抜け出して、他人のいい所を直視し、自分と他人の境界を引き始めたため、
今まで見えなかった世界が見えるようになった、
もしくは他人と自分を比較しない世界(オンリーワンでいられる世界)が気楽で、
「楽しい」という自己評価に繋がったのではないだろうか。

また、「僕はまやかにこだわってもいいのかな」というセリフからは、
勝ち負けの世界からフェードアウトした自分が、勝ち負けの世界がまやかの住む世界や社会だとしたら、
その世界のルールを外れた自分が、まやかを独占することは許されない事、
という思いを持っているんではないか。
まあそんな事(世界の誰かが許さない事なんて)はないと思うのだが・・・。
自分の行いを許さない人が見てるかもなんて、
それこそいるかわからない神様に遠慮してるようなものだろう。
だけどそういう部分に許せない部分(非合理的)があるのが青春っぽくもある。

「あとちょっとでわかりそうなんだ」
聡志が折木に言ったその言葉は、
こだわらないことにこだわることで、
自分のアイデンティティ、進むべき道のようなものがはっきりとわかりそうだと思っているのだが、
でも今はもやに包まれた感じがする。そのような思いなのかもしれない。


{/netabare}

【遠回りする雛】
{netabare}
折木は千反田に頼まれ、いき雛祭りで傘持ちの役をしにいく話。

「しまった…よくない、これはよくない。
多分なんとしても俺は、ここにくるべきではなかった。
俺の省エネ主義が、致命的におびかされてる…」

千反田のいき雛姿を見て、こんな事を思う折木。
折木は千反田の顔が見たくてしょうがなくなる。
ここで、折木は「顔がみたい」という「やるべき事」かわからないことに執着する。
折木の省エネ主義は「やらなくてもいいことはやらない、やるべきことなら手短に」という考え。
やるべきことじゃない事をやろうとしている折木は自ら省エネ主義を壊そうとしている。
それほどに千反田に気持ちが傾いていて、折木の中では1秒が1分にも感じるような緊迫感があり、
しかし期待のようなものを感じてしまうワンシーンです。

「見てください、折木さん。ここが私の場所です。
水と土しかありません。人も段々、老い、疲れてきています。
私はここを最高に美しいとは思いません。
可能性に満ちているとも思っていません。
でも、、、、、折木さんに紹介したかったんです。」

千反田が桜の下で折木に言ったこの言葉は誰にでもいえるものと受け取った。
自分が生まれ育ってきた風景を特別愛しているわけでもない、憎むわけでもない。
千反田は自分がうまれ、見てきた風景を折木知ってほしかった。
折木に自分の事を知ってほしかった。
それは自分の事を知ってほしい相手に対して誰しも思うことがある思いだと感じた。
これは千反田にとっての告白なのかもしれない。
遠回りしてしまった雛のように遠回りな告白。
いろんなしがらみを抱える世界にいる千反田が、
少しでも折木に自分を知ってほしいという気持ちが伝わり、
いじらしく、綺麗なシーン。

折木「・・・寒くなって来たな。」
 千反田「いいえ。もう春です。」

告白とも取れる事を言いそびれた折木は言葉に詰まってごまかす。
寒くもないのに「寒くなってきたな」。その返しが「いいえ。もう春です」。

折木がいつものような会話でごまかす。
それに対し千反田もいつものような会話で返す。
お互いがお互いを理解し、いつもの関係を維持しながらも少し関係が進んだような終わりかたが、
いじらしさと喜びのようなものを感じさせてくれた。

{/netabare}

【持つべきものは】
{netabare}
そもそも省エネ主義をモットーとする折木がバイトをするという時点で、
既に折木に変化があったと見ていいだろう。
このときの折木は省エネ主義がぼやけている。
「愚者のエンドロール編」でのイリスとのやりとりで自分の立ち位置が分からなくなったのだろう。
特別でもなんでもない自分が何か特別な主義主張があるのが嫌気が差していたのかもしれない。
それが自分がモットーにしてきた省エネ主義であったとしても。
特別を気取ってしまった自分に対する嫌気が
「どちらにしろ俺は普通だ」なのではないだろうか。

「(大丈夫だ)」という折木の確認は、自分の気持ちに折り合いをつけたのだろう。
その気持ちは、「めんどくさ」という最後の言葉からも省エネ主義に立ち返ってはいるのだろうが、
「たまに頼られるのもいいな」という言葉からも多少灰色からの脱却も入っている。
頼られることで救われたのは折木だった。
それは折木が特別だとか普通だとかの非日常的な憂鬱な考えにとらわれていた所を、
古典部の面々に頼られることにより日常に戻れたことからの発言ではないだろうか。



{/netabare}

全体の感想として、日常的な青春の感じだけど、非日常な青春も交じり、
非常に羨ましく思う部分もあり、共感できるような出来事や人物の立ち位置、
登場人物に対する感情移入が多く、楽しめた作品でした。

未だに氷菓の本当の魅力を伝えきれずむずむずしています(笑)。
私が氷菓に心を打たれた理由が未だに伝えられない。
今のところ、「人の感情や思いを考えることの素晴らしさ」を気づかされた、
という感じにしか書けませんが、私のレビューで、
氷菓という作品に込められた思いを少しでも感じ取って下さる方がいれば嬉しく思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 215
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

最終回まで視聴完了 満足のいく終わり方だった

<22話最終回の感想>

結論から言うと、満足のいく終わり方だった。
折木は折木らしく、千反田は千反田らしく、それぞれの持ち味を
決して崩さないまま、少しせつなくほろ苦く、だけどリアルで納得できた。

そして景色はリアル以上に毎回美しかった。
はらはらと夕陽の中で舞う桜の花びらに泣けてきた。
夢の中のようなお雛様の行列。
狂い咲きした桜の前に来たときの、えるたんの顔は
折木でなくともぜひ、観てみたかったよ~

観終えた後でしばらく、じわじわきていた。
2クールあった中、1クール目はスピードが緩やか過ぎて
物語を知らなかった分なおさら、退屈になりそうだったけれど
13話から見違えるほど面白くなり、観れば観るほどこの作品の良さや
登場人物たちそれぞれの魅力を強く感じることができるようになって
ほんと、観続けて良かったと思う。

背景の小道具ひとつとっても、人物のしぐさの描写ひとつとっても
必ず意味があって、細かく描かれていたので、
きっとまたしばらくして観直すと、新たな発見があって楽しいかも。

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<21話の感想>

ヴァレンタインデーに里志へチョコを渡そうとする
中学時代の摩耶花も、ラッピングのリボンを真剣に悩む今の摩耶花も
彼女の部屋そのものな乙女チックさが出ていて、かわいかった。
でも、周囲からはちょっと意外に受け取られそうな里志の想いや厳しさは
わかる気がするし、自分も似た部分があるので共感してしまった。

その一方で、振り回されてしまった千反田えるは少々かわいそうだったし
真相に薄々気づいて肩を落としている摩耶花も、ちょっと不憫だった。
それでも、メンバーのそれぞれがメンバーたちを思いやり
やさしい嘘をついたり受け入れたりしている姿に、
ちょっとこみ上げてくるものはあった。

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<20話の感想>

もう元旦?
えるちゃんの小紋姿がとてもキュート。
「見せびらかしたかったんです」なんて言っても、
それは彼女だから許されるのだよね(笑)
白っぽいトレンチコートの折木くんは、ちょっと背伸びした感じが否めない。
しかし、いつまでも冷淡な態度の折木くんだよなぁ・・

で、いきなりのアクシデント発生。
今回は前回のゆる~い雰囲気の部室でとは違う密室劇が始まった。
でも、さすがは里志。 ちゃんと伏線も回収されているし、
タイトルの「あきましておめでとう」の意味にも、
なるほどそういうことか!と、とてもいい脚本だったと思う。

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<17~19話までの感想>

里志の本音が出るときの表情って可愛い(笑)
そしてそんな彼をみつめる摩耶花の真顔も可愛い~
推理中心のこの3話、19話は特に部室での動きの少ない密室劇。
演出がとても演劇的で印象に残った。
文化祭編のような面白さは少ないものの、吐息の温度や
制服や髪から漂う香りまで伝わってきそうな繊細な描写は
相変わらず脱帽モノ。
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<14~16話までの感想>
{netabare}
14話=文化祭はまだまだ続く~お料理対決が最高に盛り上がり
折木の機転とまやかの頑張りについ、ぼろ泣きw
古典部の面々、結束力が高まってきてるよね。最高だ!

15話=怪盗事件に絡んだ古典部の面々の、それぞれの焦り。
なぜだか、サトシの想いにアツいものを感じて萌えてしまったw
{/netabare}

16話=文化祭はコレでそろそろ終了かな?
怪盗事件に関する推理を本格的に掘り下げていってて
今回はじわじわした感じで見応えあったと思う。
相変わらず顔出ししない折木くんのお姉さまが、「私気になります!」
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<13話の感想>

数話ごとに感想をまとめようと予定していたが、
今回の13話も書かずにいられない可愛さでw
前回はえるちゃんと奉太郎がメインだった気がするけど
今回は見せ場として、まやかとサトシがメインだったように思う。

歩くデータベースことサトシは当然クイズ好き。
頭に土星乗っけて参戦(笑)っていうのがまず目立ちすぎ~
でも、遠くからでもよくわかって演出的にもナイスだった。
放送開始当時から感じてたけど、サトシと自分に共通点があまりに多く
個人的になんだかすごく親近感が湧いてしまうw

また、漫研でのまやかと先輩との対立も面白かった。
名作はいかにして名作と呼ぶのか・・・両者とも一理ある意見で
観ているこちらも真剣に考えさせられたりして。
ちなみに、まやかの自室はピンクの壁とカーペットに白い家具で統一され
フリルのついたレースのカーテンなど、姫っぽさ満点。
棚のあちこちに置かれたかわいいマスコットや雑貨類、
TVのフレームまでピンク色、本棚にはコミックがいっぱい。
少しボーイッシュな活発さのある普段の彼女からは、なかなか想像しにくい
いかにも女の子らしい、かわいい部屋だったのが好印象。

奉太郎がえるちゃんのコスプレ写真みつけて、照れながら
じ~~~っとみつめてしまってるシーンも、
その写真の封筒に気づいて慌てるえるちゃんも、
ほんと・・・今回もみんな細かい描写がなんとも可愛く
観れば観るほど愛着を感じてしまう作品になってきてるのを感じる。

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<12話までの感想>

12話まで視聴済み。2クールということなので、ちょうど折り返しかな。

前半、テンポが遅いように思え、じれったく感じたりもしたけれど
6話くらいから面白くなってきた、というのと、この作品の観方が
つかめてきたのかもしれない。

学校内でのちょっとした出来事や、謎を解き明かしながら
古典部の仲間たちの友情も深まり、温泉回やプール回などもクリアw 
ミステリ物というよりは、まさに青春群像劇といった趣で、
人物描写がとてもきめ細やかなのには毎回驚かされる。
特に会話中の息継ぎとか、瞬きした瞬間の髪の揺れ具合とかね、
そんな何気ない部分やシーンの作り方を観ていると、
これぞ京アニクオリティということか、と。
あぁこれでテンポが遅く感じるなら仕方なかったなと思うほどで。

これまでの話の中、文化祭前日と当日を描いた12話がダントツに良かった。

文化祭を楽しみにする部員たちのそれぞれの夜。
特にフクちゃんの部屋は、彼がこれまで身に着けていた巾着たちや
手芸部で作ったひまわりの衣装なんかも飾られていて、
ごちゃごちゃしながらも、彼らしい雰囲気の部屋が良かった。

それとは対照的な、無駄のないシンプルな奉太郎の部屋。
こういう、細かな小道具にいたるまでの演出にはすごく好感が持てる。
そして嬉しくなってしまう。

また、文化祭当日の、いつもはしっかり者の伊原の困った顔つきや表情に
守ってあげたくなってみたり、出し物を見て無邪気にはしゃいだり
手を叩いて驚いてみたりの純真無垢な、えるちゃんの横顔も可愛くて。
あちこち学校中を走り回りながら出し物に立ち止まってしまい、
はっと我に返って「いけませんっいけませんっ」と走り出す彼女の後姿には
やれやれと思いつつ、妙にツボってしまった(笑)
なんとも、好奇心旺盛な彼女らしい演出だったと思う。

また、12話からは新しいEDがお目見え。
子供の頃に観たような、アニメらしいアニメのEDっぽくて、これも良かった。

残すところあと12~13話だろうか・・
まだまださまざまな展開を見せてくれるだろうし、
個人的には、まだ全貌が現れていない奉太郎のお姉さんが気になってる。

なにはともあれ、今期の新アニメが続々放送される中
この作品を楽しみでいられて良かった。

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<4話まで視聴>

主人公達が通う神山高校の古典部に潜む45年前の謎。
時代は1960年代、学園紛争が盛んになり始める直前。
過去の文集を頼りに、推理を始める古典部の4人。

何があったのか・・主人公 折木が冷静に推理していく様子を
見ていてふと、京極夏彦氏の小説に登場する京極堂を思い出した。
なんだかめちゃめちゃ似てないか?

ところで、今回もフクちゃんがいい味出していた~
彼の個性あふれるファッションもかわいいのだけど、

「僕は基本属性がショッキングピンク。
 何をしていても 僕は僕だからね。
 誰かが薔薇色に染めようとしてもダメ。染まってあげない。
 染まってるわけじゃないんだ。僕が誰かを貶めるとしたら
 君は無色だって言うよ」

って、このセリフがすごく印象的だった。
あの2人・・なかなか良いコンビだと思う。


(以下 第1話を視聴しての感想)

============================================

米澤穂信氏の原作小説を京都アニメーションがアニメ化。
ということで、放送初日も今期の他のアニメより
遅いスタートだったので、随分と期待の大きかった作品。

舞台と登場人物は・・・
舞台は伝統ある高校。そしてその中の古典部。
何事も合理的に済ませたい主人公・折木奉太郎、
好奇心旺盛なヒロイン・千反田える。
中学からの腐れ縁だという福部里志。

「わたし気になります!」

そんな千反田の一声で、数々の難事件を推理していく。。
という青春学園ミステリなんだそうで、古典に関わることは
特に出てこないのかも?

今のところ、2話まで視聴してみて。
とにかく作画の美しさはハンパない!
繊細に描かれた背景に、やわらかな春の陽射し。
ゆっくりとはらはら舞い散る桜の花びら。
そして、バッハの『無伴奏チェロ組曲』
あまりにも似合いすぎて、思わず見惚れてしまってた。

1話では、このほか・・同じくバッハの『G線上のアリア』
ベートーベンの『月光』が使用され、
1話と2話ではフォーレの『シシリエンヌ』も流れていた。
今後も、さまざまなクラシック曲が聴けるのかと思っていたら
どうやら上記の3曲以外は、オリジナルのサントラになる模様。

それにしても、すごくタイミングよく流れるし、
作品の古風な雰囲気には、ぴったりなので、とても嬉しい。

あと、フクちゃんこと、福部里志の持ち物が可愛くて仕方ない。
例えばカラフルなドット模様の巾着袋とか、
グリーン地に一部だけオレンジ系のチェック模様という雨傘。
少し小柄な彼の雰囲気に、よく似合っていた。

で、えるちゃんは、自分で意識してか否かまだわからないけど、
折木のパーソナルスペース乱しすぎ~(笑)
顔も身体も近づけすぎるし、あんな・・瞳を覗き込むような目で
みつめられたら、しかも折木の背中を包み込むようにして本を見るとか、
なんか・・無防備すぎるんですけど。。

それから、ひとつ気になったのがモノローグ。
小説が原作だとこの問題がどうしても出てきてしまうのだけど、
本来なら、言葉で説明するのじゃなく、
表情や仕草なんかで気づかされるほうが、断然楽しいので
これはけっこう大きなネックかも。

物語の進展は、おそろしくゆっくりなので、
観る人にとっは、そのあたりどうなるかな・・と。
個人的には、時々眠くなってしまう瞬間があるのだけど
引きつづき、楽しみに視聴していこうとは思う。

投稿 : 2024/06/08
♥ :
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

控えめで遠まわしの告白

名作は、筋書きが頭に入った後の2回目の鑑賞時が一番面白い、といいますが、このアニメはその典型であるように感じました(もちろん1回目から安定して面白い作品も沢山あります)。
以下、1回目と2回目に分けて、視聴後の感想をまとめていきます。

=================== 1回目視聴後の感想 ==================

推理ものアニメという事前情報を多く聞いており、自分が特に進んで見たい分野ではないので、視聴前の期待値はそれほど高くはありませんでした。
ただし、この作品を高評価する方が多く、自分もexperienceとして一度は視聴しておくべき有名作品とは思っていました。

視聴を開始して、すぐに作画・演出のレベルが最高度に高いことはわかりました。
しかしストーリーは・・・謎解きが面白くないことはないが、やはり・・・と斜に構えて眺めていました。
俺も、何とかして省エネ視聴したいよ、と。
まるで奉太郎のように(←ココが肝心)。

そしてようやく迎えたラスト3話。
ヒロイン=千反田えるのキャラクターがはっきり描き出され(※注釈)、それまで微温状態で密かに進行していた心理関係の変化が少しずつ顕在し始める。
ここまで我慢して、視聴して良かったと思います。

もう一度、一話一話を注意深く視聴し直したら、きっと、さらに好きになる作品だと思いました。

(※注釈)千反田えるの好奇心と諦観

「好奇心少女」と公式サイトでも紹介されている千反田えるの本質について。
第1話で、千反田家は神山市きっての豪農という説明がある。
反(たん)というのは田圃(たんぼ)の面積の単位のことで、一反=300坪=約991平方メートル=田圃1つのこと。
それが千反だから、うがった見方をすれば「千反田える」とは「田圃を千反える(=相続する)娘」という意味になる。
実際に作中では、 {netabare} 千反田家の豪邸ぶりが描かれ、第20話(荒楠神社に初参りする話)では彼女が地元の人たちに悪い噂が流れることを極端に怖れる描写があり、そして第22話では彼女が毎年4月の雛行列で生き雛の役を演じることが描出されている。 {/netabare}
そして、フワフワした好奇心の強い少女という描かれ方をずっとされてきた千反田えるが、 {netabare} 奉太郎と二人で歩きながら自分たちの進路を話し合う本編ラスト近くで、「私はこの土地が最良とは思っていません」と前置きしながらも、「ここが私の生きる場所である」こと、そして、そのことを奉太郎に知ってほしかったこと、を唐突に告げるシーンが描かれる。 {/netabare}
これは、言葉や行動は全然激しくはないけれども、{netabare}背負うものが多くそれゆえに控え目で古風な彼女にとっては全身全霊を込めたはずの重い「告白」であって、{/netabare}彼女の、奇矯と思われた好奇心が、 {netabare} 実は彼女の深い諦観の上に成り立っている装いに過ぎないことが、 {/netabare} ここでようやく明らかになる。

おそらくここで視聴者が、ああ成る程・・・と納得するかどうか、がこの作品を評価する場合の分かれ目となると思う。
私は、このラストがとても良いと思ったので、元から高評価していた作画と演出に加えて、ストーリーやキャラクターもかなり高く評価する結果になりました。


※以下は個人的なメモ書きです。

【主要キャラ、時間・期間】

{netabare}
古典部部員=神山高校1年生4人(男2×女2)
時代設定 =現代
期間設定 =高校入学のしばらく後~高校2年の4月までの約1年
{/netabare}

【作品の構成】

本編22話+OVA1話=全23話
本編は以下の4部構成と考えると分かり易い。

{netabare}
====================================================
第1話「伝統ある古典部の再生」 古典部の謎を解く話
第2話「名誉ある古典部の活動」    "
第3話「事情ある古典部の末裔」    "
第4話「栄光ある古典部の昔日」    "
第5話「歴史ある古典部の真実」    "
----------------------------------------------------
第6話「大罪を犯す」    数学教師の勘違いの謎を解く話
第7話「正体見たり」    夏合宿先での幽霊の謎を解く話
第8話「試写会に行こう!」 映画シナリオの謎を解く話
第9話「古丘廃村殺人事件」      "
第10話「万人の死角」        "
第11話「愚者のエンドロール」    "
------------ OP / ED 変更 ---------------------------
第12話「限りなく積まれた例のあれ」学園祭で進行する盗難事件の謎を解く話
第13話「夕べには骸に」       "
第14話「ワイルド・ファイア」    "
第15話「十文字事件」        "
第16話「最後の標的」        "
第17話「クドリャフカの順番」    "
----------------------------------------------------
第18話「連峰は晴れているか」  遭難事故にまつわる思い出を考える話
第19話「心あたりのある者は」  生徒呼び出し放送の謎を解く話
第20話「あきましておめでとう」 荒楠神社の蔵に閉じ込められる話
第21話「手作りチョコレート事件」ヴァレンタイン・チョコが紛失する話
第22話「遠まわりする雛」    水梨神社の旧暦の雛行列に参加する話
----------------------------------------------------
OVA  「持つべきものは」    ※ファンサービスの水着回  
====================================================
{/netabare}

【その他メモ書き】

※『氷菓』というタイトルにも謎が仕組まれている(第一部で解消)。
※第18話のラストの会話はまだ理解できていない(次回視聴時の最重要課題)。
※神山市は原作者の生地である岐阜県高山市がモデル(高山市の「山」と隣りの神岡町(現在は飛騨市に合併)の「神」を組み合わせて「神山」)
※第18話に出てくる3,000メートル級の山々は飛騨山脈(北アルプス)の穂高連峰。
※ただし、作中の45年前の学生運動の描写や登場人物たちの行動パターンはかなり都会的であり、その点でモデル地域と幾分齟齬が生じている。
※ベナレスはインドのガンジス河畔にあるヒンドゥー教の聖地の以前の表記。現在ではバナラシに統一されている。
※プリシュティナはコソボ共和国(旧ユーゴスラビアの一部)の首都。
※第20話・第22話の神社や祭典の作画・演出のディテールが特に秀逸。
※第22話の生き雛祭りは、実際に「飛騨生きびな祭り」として地元の水無神社で4月初めに催行されている。
※第1~5話の終わりに出るテロップ「The niece of time」(邦訳:時の姪)は、英国の推理作家ジョセフィン・テイ著『時の娘(The Daughter of Time)』をもじったもので、時が事件を解決する、という意味。
※第20~22話の終わりに出るデロップ「Little birds can remember」(邦訳:雛は忘れない)は、アガサ・クリスティの推理小説『象は忘れない(Elephants can remember)』のもじりで、わずかな言葉や動作が忘れ難いものとなる、という意味。

=================== 2回目視聴後の感想 =================

推理アニメという先入観があった最初の視聴時と違って、2回目はもっと素直に作品内容を楽しめたと思う。
結局、このアニメは、ミステリーものという表看板の裏で、高校生の少女2人が同級生の男子2人(の心)を「逮捕する」物語だったらしい。

こうした制作者の意図する裏テーマは、次のEDで明確に表現されていると思う。

※ED1(まどろみの約束)は、少女たちが幸福な恋の成就を夢見る歌詞
※ED2(君にまつわるミステリー)は、少女たちが探偵役となって怪盗役の少年たちを追いかける歌詞

★ED1(~11話まで)
まどろみの約束
http://www.youtube.com/watch?v=65LOib5_-d8
{netabare}
歌:佐藤聡美/茅野愛衣
作詞:こだまさおり
作曲:岡本健介

今夜恋にかわる しあわせな夢で会おう
きっと ねえ 見つけてね
まどろみの約束

芽生えてたぬくもり あたたかくて戸惑う
こんな気持ちをまだ あなたはわからないの

その視線には意味なんて別にないはず
だって友だちにしてるのと同じ

明け方に消えてく ちいさなねがい星
夜のあいだだけの魔法 …気づいてほしい
今夜恋にかわる しあわせな夢で会おう
きっと ねえ 見つけてね
まどろみの約束

放課後はいつでも 特別な空間で
一緒にいなくても 隣にいる気がする

このままふたり何気ない時を過ごそう
もっとふさわしいはじまりの前に

瞬く星たちに あなたを探してた
すぐに出会えると信じて …ここにいるよ
いつか恋にかわる あたらしい朝が来ても
きっと ねえ 消えないで
微笑みに祈るの

このままふたり何気ない時を過ごそう
そっと胸の中やさしさが満ちる

明け方に消えてく ちいさなねがい星
夜のあいだだけの魔法 …気づいてほしい
今夜恋にかわる しあわせな夢で会おう
きっと ねえ 見つけてね
微笑みをかわそう

瞬く星たちに あなたを探してた
すぐに出会えると信じて …ここにいるよ
いつか恋にかわる あたらしい朝が来ても
きっと ねえ 消えないで
まどろみの約束
{/netabare}

※ストーリー的には、第11話までは、{netabare}千反田えるが古典部で出会った折木奉太郎の意外な問題解決能力の高さと控えめな優しさに次第に惹かれていく過程を地味に描いたもの、と見ることができる(=千反田えるの恋心が、まどろみの中から次第に芽生えてくる{/netabare}→ED1の歌詞そのもの)。

★ED2(12話~)
君にまつわるミステリー
http://www.youtube.com/watch?v=OgunBNQSAqY
{netabare}
歌:佐藤聡美/茅野愛衣
作詞:こだまさおり
作曲:高田暁

状況は非科学的に 感情のモンタージュ
誰が誰を呼んでる?
振り向けば逃げてく視線 感じる
気のせいじゃつれないよ
アンテナは才能って言うでしょ

だってだって 知りたい 君は違うの?
青春の温度差 今のうち正してあげるよ
明日解決するなら 今でもよくない!?

君のミステリー 解いてみたい
少年のヒミツめいた背中探せ!
今日も君はファンタジー 惹かれていくよ、ずるい
ふくらんだ好奇心 トリックはないのに
気になるよ興味深い どうして?

見えているコトじゃ半分?
なんだって話して やっぱどこかシャイなんだ
目があえばヘンな違和感 ちくちく
恋なんて正解じゃ 君はまだ腑に落ちないね

だけどだけど 聞きたい ホントのこと
難しい顔して 単純なかけひき 教えて
笑い飛ばせば心外? きっと待ってる!

君とシンパシー つかまえたい
届きそうですぐに消えてしまう不思議
だから君にテレポート いちばん傍にいくよ
お手あげの好奇心 バカみたくはしゃいで
ごまかした好きな気持ち 認めよう

ムキになってたのはわたし? 意識されたいくせに
ゆれてる未来 自分次第だけじゃヤダよ

君のミステリー 解いてみたい
少年のヒミツめいた背中探せ!
今日も君はファンタジー 惹かれていくよ、ずるい
ふくらんだ好奇心 トリックはないのに
気になるよ興味深い どうして?
{/netabare}

※ストーリー的には、第12話以降は、{netabare}千反田えるが折木奉太郎に対して抱いた恋心を、遠まわしに少しずつ形に表していく過程を描いたもの、と見ることができる(=千反田えるが、慎重に、しかし用意周到に、奉太郎の心の中に忍び寄ろうと画策する{/netabare}→ED2の歌詞そのもの)。


さて、1回目視聴後に一番気になっていた第18話である。
おそらく、ここでの会話が、第22話での千反田えるの控え目で遠まわしな告白につながっているはずである。

第18話「連峰は晴れているか」ラストの奉太郎×えるの会話
{netabare}
「折木さんは他の人のためには色々力を尽くします。私も何度も助けてもらいました。」
(独白)「とんでもない誤解だ」
「でも折木さんて、自分のことには無頓着ですよね。それなのに、どうして今日だけは、自分の疑問を調べたんですか?」
「う・・・ん」
「済みません。私、どうしても気になるんです。」
「ああ・・・里志から雷のことを聞いて、嫌な連想が浮かんだんだ。」
「はい。そう言ってましたね。」
「その連想が当たっているか、はっきりさせたかった。だから、調べに行こうと思った。それで図書館さ。一週間もかかる大調査だったら別だが、古い新聞をめくるだけのことなら、大したことじゃない。手伝いもいたし、(嫌な)連想が当たっていたら、気をつけなきゃいけないことだからな。」
「気をつける、ですか?」
「実際は、ああいうことがあったのに、小木は、ヘリが好きだったなあ、なんて気楽には言えない。それは無神経ってことだ。そりゃ、さすがに気をつけるさ」
(驚いて)「は・・・」
「ん?分かりにくかったか・・・無神経というか、あれだ。人の気も知らないでっていう感じだ。多分二度と小木には会わないから、人の気も何もないけどな」
「折木さん」
「ん?」
「それって、とっても・・・・あ・・・上手くいえません」
(独白)「こいつは何を言おうとしたんだ?まあいいか。上手く言えないことなら、上手く聞き出せないだろうし」
「じゃあ、ここで。今日は手伝ってくれて助かった。」
「どういたしまして。今日は、折木さんの意外な一面が見られて、よかったです。」
「もう勘弁してくれ」
「あ、済みません。・・・・ではまた。」
{/netabare}

第21話「手作りチョコレート事件」では、
{netabare}
(1)摩耶花は、手作りチョコを渡すことでストレートに里志に自分の恋心をぶつけようとするが、
(2)千反田えるは、摩耶花とは対照的に、奉太郎に通学途中に「私の家では、本当に親しい人にはお中元などの贈り物をしません」と俯き加減に告げて、彼の心を困惑させてしまう。
{/netabare}
このように、えるは、自分の持つ価値をさりげなく(しかし用意周到に)小出しにしながら、奉太郎に遠まわしに自分の希望を伝えようとする(第20~22話)。
そうした過程が新鮮で、興味深い作品でした。

※(5/22)評価点数微調整

投稿 : 2024/06/08
♥ : 151

92.6 2 ミステリーで恋愛なアニメランキング2位
STEINS;GATE [シュタインズ・ゲート](TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★★ 4.4 (16690)
50840人が棚に入れました
舞台は「ニュージェネレーションの狂気」による渋谷崩壊から1年後の秋葉原。秋葉原を拠点とする総勢3人の小さな発明サークル「未来ガジェット研究所」のリーダーで、厨二病から抜け出せない大学生の岡部倫太郎はサークル仲間と日々ヘンテコな発明を繰り返していた。2010年7月28日、岡部は単位取得のため同期にして友人の橋田至と共に向かった講義会場で、弱冠18歳でアメリカの科学誌に学術論文が掲載された天才少女、牧瀬紅莉栖と出会う。しかし、彼はその数時間前にラジオ会館の8階奥で大量の血溜まりの中に倒れる彼女を見ていた。そしてそれを橋田へ報告した携帯メールは、何故かその1週間前の日付で受信されていた。その直後、ラジオ会館ビル屋上に人工衛星らしきものが墜落しており周辺が警察によって封鎖されていたことに気付く。検証の結果、発明品の一つである電話レンジ(仮)が偶然にも携帯メールを過去へと送るタイムマシンとしての機能を備えていたことが判明する。そしてその偶然が全世界の未来を左右する出来事になると、世紀の大発明に浮かれていた「この時の」岡部自身は知る由もなかった……。

声優・キャラクター
宮野真守、今井麻美、花澤香菜、関智一、田村ゆかり、桃井はるこ、小林ゆう、後藤沙緒里、てらそままさき、山本彩乃、小形満
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

序盤の退屈な厨二押しを耐えれるかが肝(86点)

全24話。
タイムリープを題材にしたゲーム原作のアニメ。

個人的満足点:86点
アニメ系統:タイムリープSF(厨二病全開)

私自信はゲーム未プレイである。
ゲームの評価はかなり高いようだが、アニメはどうかなと期待値が高めで視聴を始めた。

序盤、ほとんど意味が分からず正直これ面白いのかって感じで始まった。
主人公の岡部も厨二病でちょっとついていけない、そんな印象が最初だった。

それでも3話ぐらいで「ほんの少し」だが物語りが見えてくる。
そして、厨二病設定にも慣れ、また周りのキャラの2chスラングを多用した会話に面白みも出てくる。

そして徐々に物語は加速する。
タイムリープものらしく、物語が複雑にからみあってくる。
中盤からの加速は止められない。
最後まで数々の鳥肌物の展開が繰り広げられる。

今となっては、よくぞ3話で首の皮一枚
繋がってくれたと思わずにはいられない。
あそこで一歩間違えば切っていたかもしれない。

また、2周目視聴時にも驚かされた。
序盤意味不明だった物がすっきりしてくる。
その上、伏線の張り方が尋常じゃない。
序盤の関係ないと思っていたシーンが伏線になっていて驚いた。

OP曲ED曲も作品にマッチしていると感じる。
歌詞もじっくり味わって欲しい。
きっと別の衝撃を受けるはずである。

キャラデザは個人的にはあまり好みでは無いのだが、それでも、そんなことは気にならなくなる。

原作のゲームも機会があればプレイしてみたい。
それほどまでにこのアニメには魅力があったといえる。
聞いた話だがゲームの方がよりいいという話である。

総じると、キャラデザと物語の序盤の意味不明さ、そして、主人公の厨二病全開のキャラ設定。
周りのキャラの電波とかオタとかの設定。
かなり観る人を選ぶ作りにはなっているものの8話ぐらいまで観ていただければ、この作品にはまれるのではないかと思う。
逆に言えば8話ぐらいまで観ても面白さを感じなければ、この作品は合わないのではないかと思う。
個人的にはかなりお勧めの作品である。
是非1度ご覧いただきたい。

また、映画化も決まったようでそちらにも注目したい。


と、まあ色々書いてきたが
つまり何が言いたいかというと

偽ニュー特選隊の隊員達よ!
ゲームをプレイして「貧乳は正義」のルカコEDを目指そうじゃないか!


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以下、毎話後の報告書だ。
機関のエージェントの仕業により
ネタバレが含まれている可能性がある。
未視聴の諸君はスルーすることお勧めする。

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{netabare}
1話視聴。
プロローグというだけあって、まだまだなぞだらけ。
まだ、なんともいえない。
しばらく様子見。

2話視聴。
いきなり名言「ばかなの、死ぬの」(笑)
そんなことはさておき、
相変わらずよくわからない内容。
次週ぐらいで少しは分かってくるのかな。
もうちょい様子見。

3話視聴。
ジョジョネタキター。
そんなことはさておき、
少し話がつながってきた。
ちょっと面白くなってきたかな。
そしてなかなかの引き。
今週、何も無かったら
切っていたところだが次週に期待。

7話視聴。
4話以降だんだん面白くなってきた。
なかなか深い話になってきた。
少しずつタイムマシーンの謎も解けてきた。
タイムマシーン自分も欲しいです。
Dメールがあればあんなことやこんなこともw
これから楽しみ。

やっと8話視聴。
盛り上がってきた。
最初のころのダレぶりはどこへいったのやら。
もう目が放せなくなってきた。
連続で9話も行ってくる。

9話視聴。
相変わらず色々なパロが豊富で笑える。
まあ、そんなことは置いておいて
話しが色々複雑に絡みあってきた。
最後鳥肌たった!
来週も楽しみ。

10話視聴。
貧ニューは正義!
ええ、そうですとも!
そんなことはさておき、
クリス可愛かった・・・
いやそんなことが言いたいんじゃない。
来週よ、早く来い。

11話視聴。
クリスもともと好みでは無いが
なんか可愛く見えてきた。色々な意味でw
ストーリーもまた、さらなる深みへ展開。
wktkが止まらない。
現在のところ
今期1番続きの気になるアニメに浮上。

そしてこいつも勘違いしていた。
全24話とは。
今期のアニメで上位陣が2クール物とは
夏が大変だ。

12話視聴。
丁度半分となった今回。
クリス可愛い。
やっぱ俺ってツンデレ好きなのかね?
そんなことはおいておいて
物語はかなり大きく動いた。
ドキドキハラハラの展開。
えっ?!
ええええええええええええええええええ
なんだよこれ!!!!!!!!!!!
ちょ来週はまだか!

13話視聴。
手に汗握る展開。
ネタバレなしでの感想は無理だわこれは。
もう皆も観てくれとしか言えない。
ひとこと、まゆしーーーーーーーーーーーーー。

14話視聴。
クリス可愛いよクリス。
頬を赤らめるのがまたいいよね。
重要なのはそんなことじゃない。
物語の加速が止まらない。
岡部、無茶しやがって。
ぐっと核心に迫ってきた。
とある人物の核心にも。
ええい、来週はまだか!

15話視聴。
ドラゴンボールなクリスwwww
そんなことは置いておいて、
今回は未来のことが語られた。
これでかなり話の謎が解明されてきた。
セルン恐るべし。
IBN5100の重要性。
バイト戦士の目的も。
そして、岡部カッコイイ。
最近、厨二の岡部が何かカッコイイんだがw
来週も楽しみ。(くそっ1週間なげええw)

16話視聴。
ダル回。
かすかに予想はしていたが、そうきたかw
しかし、ちょっと整理しないと時間軸が難しくなってきた。
1度表にでも書いて整理したいところだ。
そして、バイト戦士・・・
うおおおおおおおおおおおおおお
切ない切ない。
まゆしーーーーーー
さてこの先どうなるのだろう。

17話視聴。
先週からもしかしてと思ったがまだだめだった。
しかし、何かが変わりつつあるようだ。
今週はフェイリス回。
フェイリスがあの時送ったメールの真相が。
そしてIBN5100はいったい。
何か始めはどうでもいいような設定に感じたものも
色々関係していそうな気がしてきた。

18話視聴。
今回はるか子回。
ここ最近シリアスな話で来たが
今回少し笑いをからめていた。
オペレーションヴァルキリアでの
岡部のたどたどしさが笑えた。
そして、切なさを感じる。
そんな、回であった。
いよいよ終盤、楽しみで仕方ない。

19話視聴。
シャイニングフィンガー回。
結構あっさり行くのかと思ったら
なかなか手ごわい。
さて、どうなるのやら。
IBN5100はどうなるのか。
最後はどんな閉めへもっていくのか。

20話視聴。
FBの正体がまさか!
とんでも展開にちょっと引いた。
そして、あああああああああ!!!
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
そうだった、そうだった!
なんてこったい。
どうするんだ、岡部。

21話視聴。
α世界戦もβ世界戦もダメならγ世界戦にでも行くしかねえんじゃねえのか?
問題はどうやっていくかだが。
残すところ3話となったが、もう2盛り上がりぐらいするのではと勝手に想像している。
さあ、どうやって風呂敷たたんでくるのか楽しみだ。

22話視聴。
ちょいと個人的には疑問の残る22話だったが、
つまりは
クリーーーーーーーーーーースな回だった。
クリス・・・・あああああクリス・・・・・
残り2話。
もう終わっちまうのか・・・・

23話視聴。
うおおおおおおおおおお
最後の「特に意味はない」にぶるった。
いよいよクライマックス。
狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真!
がんばれ、岡部。

24話(最終話)視聴。
最終話はおおよそ、予想通りの展開だった。
まあ、丁度いい落としどころだったかな。
しかし、最終話まで毎話毎話衝撃をあたえてくれてよかった。
時間が出来たら1話から見直したい。
特に序盤をもう1度観ると色々な伏線が転がっていそう。

ところで、ダルの嫁は誰なんだよ。
気になるじゃねえかw

そして、映画も気になる。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 226
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

一級SFアニメ。どの評価も低くできませんでした

原作をプレイしてから見直してみました。
順番が逆だったなとちょっと後悔。
ゲーム→アニメのほうが感動できたと思います。


大学生になっても中二病が抜けない主人公、岡部倫太郎(おかべりんたろう)。
またの名を「鳳凰院凶真(ほうおういんきょうま)」。
普段はさえないラボ暮らし。
しかし、ちょっとしたきっかけで、世界をひっくりかえすほどの大発見をすることに。
実用化しようと目指すものの、それを知った何者かの姿が……。


しかし、出来がすごいですねコレ。
大事なポイントをしっかり押さえながら、アニメとして見やすいように料理。
終盤(22話~24話)の演出においては、原作を完全に上回っていると思います。
激熱すぎて涙が出てきます。


中二病全開な序盤の展開。
そこから重厚なストーリーが生まれるなんて、だれが予測できるでしょうか。

いたるところに張り巡らされた伏線。
綿密で科学的、論理的な設定。
視聴者を「あっ」と言わせる大どんでん返し。


理系ホイホイな設定なので、視聴者層が絞られるような気がしますが、そんなことはなかった……。
ランキング、評価の高さを見てもわかるとおり、圧倒的多数の支持を得ています。

大多数の人が楽しめ、理系が好きならなおのことおもしろい。

まあ、現実的に考えれば無理のある理論も出てきます。
ただ、まじめに考察している人は、すでにファンなんじゃないかと思うので触れません。


声優の熱演、音楽(特にOP)もすばらしいですね。

岡部倫太郎役の宮野真守さんの演技力には脱帽です。
特に叫び、泣き、掠れ声。
この辺は魂がこもりまくっています。

OPの歌詞も聞き逃せません。
簡単に言えばネタバレなんですが、見ている時は、わかりそうでわからない。
でも、見終わってみれば、これ以上ぴったりな歌詞はないと思える。

23話以降、歌詞が変化しますが、これまた内容にドンピシャ。
{netabare}
歌詞中の「時を欺く 残された仕掛け」と劇中の「世界を騙せ!」とのリンクはやばい……。
鳥肌が立ちました。
{/netabare}


悪い点を挙げるとすれば、ペース配分でしょうか。
前半がちょっと長くて、後半が駆け足気味。
特に「つかみ」となる序盤が若干だれています。
これでもだいぶ端折っているのですが……。

また、この作品には個性的なキャラクターが多いです。
中二病だったり、天然だったり、ネットスラング満載の色物キャラだったり。
そういったキャラクターが好きになれないと、序盤の苦しさが加速するのも仕方ありません。


ただ、そんな序盤も伏線・布石の嵐。
そして中盤から盛り上がり、終盤に頂点に達する。
最後まで見れば、「無駄な展開なかったんじゃね?」と思わせてくれます。


抜群のシナリオと演出力。
シナリオの質で世間を騒がせたという点においては、「まどか☆マギカ」と並んで、2011年を代表するアニメだと思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 213

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ストーリーがすごく良かったです!

とても面白かったです

とにかくストーリーが良かったです
1話からちゃんと伏線が張られていて
最後のほうで驚かされます
中盤あたりから毎回どんな展開になるのか
先が気になって一気に見てました
やっぱり後半の盛り上がりが凄いので
一話で切ったり途中で切った人は
ぜひ最後まで見てから判断して欲しいです♪

キャラも良くて
クリスは可愛いし、ダルは面白いし
主人公の岡部も最初は厨二病でどうかなと思いましたが
最後の方ではとてもかっこよくて
一番好きなキャラになりました

音楽も良くて物語を盛り上げてくれました

ストーリーがとても良いですけど
その分ネタバレされると面白くなくなると思うので
ネタバレに気をつけて見て欲しいですね!

映画が始まるので全話見直して来ました
やはり真相まで分かってから見ると
あの場面はそういうことだったのかと
納得出来て知らずに見た時とは
別の楽しみ方が出来ました♪

映画観てきました!
映画も面白く
アニメとは違った楽しみ方ができると
思うので良かったら見てください♪
特にクリスが好きな人は
気に入ると思います

投稿 : 2024/06/08
♥ : 201

87.0 3 ミステリーで恋愛なアニメランキング3位
GOSICK[ゴシック](TVアニメ動画)

2011年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2841)
14784人が棚に入れました
聖マルグリット学園の図書館塔の上の上、緑に覆われたその部屋で、妖精のような少女―ヴィクトリカは待っている。自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を―。その少女は語るのだ。パイプをくゆらせながら。「混沌の欠片を再構成しよう」そして、たちどころにそのどんな謎をも暴く…いや、〈言語化〉してしまうのだ…という。西欧の小国・ソヴュールに留学した少年・久城一弥。彼はふとしたことから知り合った少女・ヴィクトリカとともに、郊外に住む占い師殺人の謎に挑む。しかし、それはある大きな謎の欠片でしかなかった。囚われの姫と、彼女を護る死に神が、幽霊の現われる呪われた船の謎に挑む。白と黒の物語の幕が今、開きます。

声優・キャラクター
悠木碧、江口拓也、下屋則子、木内秀信、鹿野優以、沢城みゆき、大川透、根谷美智子

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ヴィクトリカの頭脳と可愛さに魅了された^^

◆内容◆
舞台は第一次世界大戦後のヨーロッパ。
ソヴュール王国にある聖マルグリット学園に
日本から来た留学生「久城一弥」が学園内の図書館塔で
金髪の人形のような少女「ヴィクトリカ」と出会う。
また彼女には天才的な頭脳を持ち合わせており
その二人が様々な事件に遭遇していく…。

◆感想◆
作画・音楽・キャラはどれもピカイチ!
作画の雰囲気はとても気に入った。
他のアニメで例えると「D.Gray-man」に雰囲気が
似ていると思った。
またOP、EDもこのアニメの雰囲気にとてもマッチしていて
とても好きです。
なによりヴィクトリカがとてもかわいいです!
物語が進むごとにヴィクトリカの魅力がどんどん伝わってきました!

推理アニメということですが
個人的には謎解きと捉えて見るより
ヴィクトリカが謎をすらすらと解いてく
ヴィクトリカの頭の良さやすごさ、
と捉えて見た方が良いと思った。

もちろん謎の答えが明かされたときは
とても分かりやすかったし、
推理をする過程はとても面白かった。

物語としてはとてもよく練り込まれていて
見ごたえのあるアニメだと思います。
シリアス好き、ヨーロッパの歴史好きはもちろん
推理もの苦手だ~という方もおすすめです

投稿 : 2024/06/08
♥ : 87

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

か弱き雄弁な灰色狼は愚かな子栗鼠と出逢い愛を知る  【ねこ's満足度:83pts】

舞台は20世紀初頭、近代ヨーロッパ。
人類の歴史上、最も世界の様相が変化した頃のお話です。

この作品は単純にヴィクトリカに萌えるアニメではないと思います。
かと言って、彼女の推理を楽しむミステリー物でもありません。
基本的に古典的なトリックが多いですし、
彼女の頭の中でしかわかってないことも多く、推理物と呼ぶにはあまりにもアンフェアだからです。
ただし物語の重要な鍵を握る部分であり、
彼女の有能さを表す指標にもなっているので、作中の大切な要素ではあります。

ではこの物語の本質、作家が表現したかったものとは何か。
個人的には、娘を想う母の壮絶な「愛」と母娘の哀しき「宿命」、
さらには娘がその宿命を乗り越え掴んだ「絆」であると感じました。
終盤そこに至るまでに、一話一話丁寧にエピソードを積み上げていっている印象です。

もちろん、ヴィクトリカに萌えるだけでも十分楽しめます。そのくらい彼女は可愛いし魅力的。
中盤からはあからさまに”九条大好き光線”出しまくりで、彼女を見てるだけで嬉しくなってきます。
特にテンポ外れの歌声と、独特な乾いた笑い声には大いに笑わせてもらいました。
ただしそこばかりにとらわれていると物語序盤のカオスの欠片(伏線)を取り逃がし、
終盤になってから話の全体像が掴めなくなる恐れがありますのでご注意を。

決して難解なストーリではないですが、難解にみえる構造にはなっています。
少なくとも『オカルト省』と『科学アカデミー』の関係性、
それぞれの関係者とその目的くらいは見失わないようにして観てみてください。
最終話、全容を理解できた時にはこの作品への評価が一段階上がっているはずです。

OPED曲はともに作風にマッチしていてよかったです。
世界観もわたし好み。個人的にはかなり満足できる作品でした♪

投稿 : 2024/06/08
♥ : 86

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ぷにぷに桃色ほっぺが可愛いね♪

■GOSICKを評価する前にまず考えてみました♪ \_( ・_・)ハイ ココチュウモクデスヨー
直木賞作家、桜庭一樹さん原作の作品ですが、森見登美彦さんと同じ様にマジックリアリズムという
手法を取り入れている作家さんなのです。
四畳半神話大系のレビューでもちょっとだけ説明してますが、見ていただいてない方の為にちょっと
だけ説明です♪
 
・現実の世界と、まったく異なる法則の出来事が混在していて、どこからどこまでが現実で、
 どこからどこまでが幻想か、判然としない物語をマジックリアリズムと呼ぶのですね♪
 
簡単に言えば、不可解で神秘的かつ神話的な印象を与える手法とでもいうのですね!
なので、ミステリー色が強く感じられますが、簡単にミステリーというジャンルの目線で評価するの
はちょっと違うのではないかという印象を受けました。
また、桜庭さんは数々の女性ヒロインの物語を書き上げてきた作家さんみたいですが、本作品のヒロ
インであるヴィクトリカの悲劇的な生い立ちから、人の温かみに触れて、愛を知り成長していく人生
譚を描いた心温まる作風に目を向けて評価をしていこうと私は考えました♪
 
■GOSICKの舞台背景などなど・・・
時代背景は、第一次世界大戦後のヨーロッパなのです!
ソヴュール王国と言われる小さな国の聖マルグリット学園という自然豊かな学園を中心に物語が展開
されていくのですね♪
中世風の建物を舞台にした幻想的なゴシック・ロマンス(ゴシック小説)を意識しているかのような作
画が物語の雰囲気を作り出していたのも好印象でした♪
※ドラキュラ・オペラ座の怪人・嵐が丘(文学少女第2巻の題材)という作品もゴシック・ロマンス。
 
主人公ヴィクトリカの能力「知恵の泉」は「名もなき村」の出身者で母親のコルでリアの血を引いた
わけですが、一般の人々から恐れられ、また一部の権力者が手に入れようという描写がヨーロッパに
おける魔女狩りを連想させていて、中世ヨーロッパの雰囲気に深みを与えてくれたように感じました♪
 
■総評
冒頭にもちょこっと触れましたけど、GOSICKはヴィクトリカの人生譚をうまく表現している作品だな
っておもうのです♪
そんな可愛いヴィクトリカに多大な影響を与えた2人、久城 一弥(kujyou kazuya)とコルデリアとの
出会い・再開からの展開に魅力を感じこの作品に惹かれたポイントでした!
久城とは、宿命ともいえるように、様々な事件に巻き込まれながら2人の絆がただの知り合いから友
情・親友そして愛情へ変わっていく過程で、ヴィクトリカの心情の変化がとってもうまく表現されて
いてとっても可愛らしく愛おしく感じられましたね♪
また、遠くでヴィクトリカの成長を見守りながら変わらぬ愛情を注ぎ続けるコルデリカの姿と、その
愛を少しずつ感じ始めるヴィクトリカの関係にも心が奪われました(*^.^*)
一人の少女がこんなにも輝いて見えるアニメって私は素敵だとおもいます♪
是非おすすめしたいアニメの一つですよー(*^o^*)
 
■一言・・・
最後に、切なくも心温まる作品が出来上がるための隠し味に使われたスパイスとは・・・
タイトルGOSICKという造語のなかに隠された「TRICK」という言葉のスパイスこそ、
『混沌(カオス)の欠片』の一つなのだと思うことにしておきます(。・ω・。)♪
 
∑∑∑(/゚□゚)/ヴィクトリカマッテー!!   (..)(・.)(: )(¨)( :)(.・)(..)(・.)(: )(¨)( :)(.・)(..)ゴロゴロ
 
2011.07.22・第一の手記

投稿 : 2024/06/08
♥ : 65

87.2 4 ミステリーで恋愛なアニメランキング4位
絶園のテンペスト(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (2715)
15173人が棚に入れました
ある日、魔法使いの姫君が、魔法が使えない無人島に閉じ込められた。またある日、一人の少年が復讐のために魔法使いと契約した。復讐と魔法が織り成す前代未聞の戦いが始まる。

声優・キャラクター
内山昂輝、豊永利行、沢城みゆき、花澤香菜、小山力也、水樹奈々、野島裕史、諏訪部順一、吉野裕行、浅沼晋太郎
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「いいから黙って8話まで観ろ!いいか、8話までは絶対観ろよ!!」by俺の友人

友人に「絶縁のテンペスト」はマジ名作だから観ろと強く勧められたので視聴。

あらすじとしては、(知っている方は飛ばしてください)
ある日、魔法使いの姫君である鎖部葉風が魔法を使えない無人島に閉じ込められた。
葉風が海に流したボトルメールの中には小さな人形が入っており、声だけの通信が可能。
それを偶然拾った不破真広は
1年前に妹の愛花を殺した犯人を探す手助けをしてもらうことを条件に
葉風に手を貸すことになる。
一方、街では無数の蝶たちが舞う中、黒鉄病と呼ばれる奇病により人々は金属化していく。
真広の親友、滝川吉野も巻き込まれていき、壮絶な戦いの幕が上がる。

まず、キャラデザを見て友人に文句を言いました。

不破真広は金髪の釣り目でオラオラ系のオレイズム。
頭も切れるし、運動神経バツグン。
「チッしょーがねーな」とか言いつつ子猫を拾うタイプですw

滝川吉野は一見優男風なんですが、
非常に頭が切れ、いざという時は躊躇なく銃の引き金を引ける冷酷さもあり、
芯が強いタイプです。

その他出てくる男キャラ全員が美男ばっかりです。いや、美男しかいません。

俺 「おい、なんだこのイケメンパラダイスは!
   俺が腐女子だったらカップリングはかどりまくりじゃねーか!!」

友人「ポイントはそこじゃねー!ストーリーだ!!」

俺 「ストーリーってどうせ魔法バトルの復讐劇だろ。
   しかもテンペストって。どうせイケメンがシェイクスピア気取りの
   キザいセリフのたまうんだろ?なに?ハムレットもかよ。うぜー!」

友人「いいから黙って8話まで観ろ!いいか、8話までは絶対観ろよ!!
   文句はその後聞いてやる」

俺 「お前は上島竜兵か! そこまで言うなら観てやんよ!!
   だが、つまらなかったら熱々のおでんを鼻から食えよ!!」

ということでのろのろと8話まで視聴したんですけど・・・これは驚愕の展開!!
そこからは全24話のこの作品をほぼノンストップで完走でしたw 友人サーセン!!

この作品では、魔法バトルと言っても火や雷を使うというようなものじゃなく、
加速や防御といった地味なもので鉄パイプとかを武器にして戦うといったものです。
駆け引きや戦術といった面が大きく、バトルそのものもなかなかの迫力です。

ただ、この作品はバトルメインではないのです。
テーマは「運命」もしくは「運命への抗い」
そして一体誰が真広の妹愛花を殺したのか?

伏線の張り方やミスリードさせるような仕掛けが上手く
「続きはよっ!!」とのめり込んでしまうようなおもしろさがあります。
だだ、物語の後半(14話くらい)からはラブコメ要素が強くなる部分もあるのですが、
正直この辺はちょっとダレました。
ピークは8話から前半ラスト、後半は人によっては評価が分かれるでしょうが、
それでも引きつけられる展開だとは思います。
それに物語の幕も綺麗に下ろしてくれたので心地良い余韻に浸れると思います。

いや~おもしろかった~
ここ最近のアニメの中では、相当いい出来の作品だと思います。
今度友人にセブンイレブンのおでんでもおごってあげようと思います。


「ネタバレありの雑感」(未視聴の方は絶対に見ないで下さい)

{netabare}愛花が自殺したのは、吉野と真広の為というのは分かる。
愛花が生きていたら1年後に吉野と真広が生きている保証はないわけだし、
それこそ黒鉄病で死亡してたかもしれないしね。
でもやけにあっさり受け入れちゃったよね。
まぁ愛花らしいと言えば愛花らしいけど。
今思えば愛花の回想シーンがやたら多かったのも
愛花ってそういう人だからと視聴者に納得させる為だったかもね。

あとは絶縁の魔法使いが吉野だと完全に思ってましたw
でも、そっちの方がおもしろかったかもって思ったりします。
最後の戦いでは、吉野も真広もただの傍観者だったしね。
もうちょっと二人の活躍シーンが見たかったです。
でもあの二人が本気の殺し合いをするところなんて見たくないですしね。
難しいところですね。

最後に好きなキャラは鎖部左門です。
彼のリアクション芸はそれこそ上島竜兵、いやカイジばりでしたねw {/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 77
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

中盤以降が楽しめました (@´▽`@)

原作 漫画 未読

全24話

簡単に説明すれば、滅亡する世界を救おうとするお話。

ファンタジーなんだけど、推理、恋愛要素も含まれてます。


感想

ダブル主人公なので、ちょっと新鮮味があり、掴みはOKでしたが・・・{netabare}
話が進むにつれ、主人公の2人が死んだ人間(不破 愛花)の為に行動して行く姿に、後ろ向き過ぎて段々つまらなくなりました。
2人とも引きずり過ぎ感が半端ないです。
恋人の吉野はまだ分かるが、真広は単にシスコンでしかない。
まぁ、吉野は真広について行く感じでしたけどね・・・。

それに、シェイクスピアのハムレットとテンペストの話がでてくるのだけど、自分、全然知識ないのでその辺も理解できず楽しめなかったです。
知ってれば、より面白かったのかな?

だけど、中盤以降 俄然面白くなる展開が!

そう、島で2年後に死ぬはずの葉風さんが、生きて2年先の今に現われてからです!

この時の真広、吉野、左門の3人の言葉の駆け引き&心理戦がよかった。

特に、佐門の苦悩に歪んだ顔と、心の言葉には、見てて面白かったです。
それにしても吉野と真広って、高校生なのにあの理詰めには驚かされる。
とても高校生とは思えない。(まぁ、フィクションだからしゃーなしだけど)


この葉風の登場で、一気に面白くなりました。

これにより、もしかしたら、死んだ不破 愛花も生き返るかも!・・・・っていう期待が持てたので。
それに恋愛要素も強くなったしね。
葉風さんが吉野に惚れて、デレたりする所は可愛かったです。

でも、結局生き返る事はなくて残念でした。

終盤で分かったんだけど、愛花ちゃんが自殺だったとはね。。。
自分は葉風さんが過去に行く事になった所で、葉風さんがやむなく愛花ちゃんを殺すものだと思ったので・・・。
(これならつじつまが合うし・・・多分、皆もそれくらい予想できたと思うけど)

それにしても愛花が自分の死をあっさり納得し、それが当たり前の様に受け入れるのには・・・何だかな~でした。
(-ω-)

絶園の魔法使いだった愛花が不憫でしたし、残された吉野も可哀想でした。
(自分は吉野目線で観てたので)


ラストでは、世界が救われ、だれも魔法が使えなくなるのだけど・・・
只のじゃじゃ馬娘になった葉風さんと吉野には上手く行って欲しいと思いました。
{/netabare}

綺麗な終り方で、なかなか楽しめた作品でした。
何方にもオススメできます。


最後に二言
{netabare}
吉野、よく殴られてたね・・・痛そうでした。(> <) 

無職のエヴァンジェリン山本・・・君の存在って・・・?
28歳で、あのミニスカ衣装はよくやるよ!
頑張ったで賞をあげます。φ( ̄∇ ̄o)
{/netabare}


OP:「Spirit Inspiration」歌 - Nothing's Carved In Stone
OP:「大好きなのに」歌 - Kylee

ED:「happy endings」 歌 - 花澤香菜

ED:「僕たちの歌」 歌 - 佐香智久


「僕たちの歌」「大好きなのに」CD購入

「大好きなのに」この曲が特にお気に入りでした。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 67

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悲しくも惹かれるアニメ♡

原作が好きでアニメも観ました!

愛花の死んでいるその姿が悲しくもとても美しい印象です。

私がこの作品で特に好きなのは
吉野と愛花の回想シーンですヽ(*´∪`*)ノ"
愛花の言動や身振り手振りにいちいち癒される私がいました。
なんなら2人の回想をずっと観ていてもいいくらい♡


シェイクスピアを使用していてそこがまたおもしろさを
個人的に増幅させられました。
愛花も大好きですが、吉野も好き♡
吉野の性格が私は大好きでした。
だからこの2人がすごく好き!!本当にお似合いだと思います。

まだまだ魅力的なキャラはいますが・・♪

作画も綺麗ですごくお洒落なアニメだと思いますヽ(´∀`*)ノ+.★
ただちょっと悲しいなって思う部分もあります。

私は、バトルシーンより回想シーンのが好き。
で、原作のが好きだけどアニメも充分良かったと思います♪

読んでくださりありがとうございましたヾ(●´□`●)ノ

投稿 : 2024/06/08
♥ : 61

87.4 5 ミステリーで恋愛なアニメランキング5位
新世界より(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (3341)
15922人が棚に入れました
渡辺早季は、閉鎖的だが穏やかな田舎町「神栖66町」で幸福に少女時代をおくった。ある日、町の外へ同級生たちと出かけて小型図書館端末ロボット「ミノシロモドキ」と出会う。質問することにより21世紀前半の超能力者誕生から非能力者との敵対、その抗争から能力者の勝利と文明の崩壊、その後の暗黒時代、町の管理支配の実態といった禁断の知識を知ってしまう。その直後、バケネズミ同士の戦争に巻き込まれ、命からがら町に戻るがしだいに恐ろしいことが起き始める。

声優・キャラクター
種田梨沙、東條加那子、花澤香菜、工藤晴香、藤堂真衣、梶裕貴、高城元気、村瀬歩、浪川大輔、平田広明
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

綿密な設定と深いテーマのSFアニメ。加速していく面白さと、強烈な余韻。

原作未読……が、これは読みたい!

今から1000年後の未来、場所は日本。
人間は「呪力(じゅりょく)」という力を持ち、異形のものを従えながら生活していた。


いやー、面白かったです!
斬新な世界観に引き込まれ、強烈な余韻を残してくれました。
ここまで原作が気になる作品に出会ったのは初めてかもしれません。

純和風SFという珍しいジャンル。
一昔前の片田舎を連想させるような、穏やかな風景です。

しかし、物語全体が、強い不安感に支配されています。
これには物語の構成と、演出が大きく作用していると思います。

物語は12歳編・14歳編・26歳編と3部構成。
ほぼ主人公視点で物語が進むため、主人公の見る風景が、視聴者にとって、世界のすべてです。

まず、最初の12歳編で、周囲の大人、異形のものたちに対する「疑心暗鬼」を徹底的に植え付けられます。
それと同時に、ドヴォルザークの"新世界より"から"家路"がBGMとして何度も流れます。
これが、後の14歳編、26歳編で、「"家路"が流れるだけで不安になる」という演出上の効果を生み出すわけですね。


さて、この独特な雰囲気の中、物語は加速するように面白くなっていきます。
伏線の張り方、ミスリードも見事ですね、ほとんど無駄がありません。
{netabare}
大抵の伏線は、分かりやすい形で回収されていますが、

・1話で早希が「ビリ? 何言ってんの? 私の他にもまだ何人もいたよ?」→すでに思考がコントロールされている証拠
・1話で早希「ここ(全人学校)、農場に似てる」→大人たちに実験動物として飼われているという暗喩
・石ころがしのゲーム→呪力が守りに弱いことの現れ
・はったりをかます12歳の覚(さとる)の性格→鏡を作り出す呪力

……など、一見それと気付かないような細かい伏線も多数あります。
{/netabare}

しかし、万人にお勧めというわけにはいきません。

理由は二つあります。


一つ目は構成のバランス。
原作はなんと1000ページ超え!!
しかも、非常に綿密な設定がされているようです。
序盤は世界観の説明に多くの時間が裂かれ、専門用語もたくさん出てくるため、退屈に感じるかもしれません。
また、思わせぶりでなかなか解決しない展開にもイライラするかも。

しかし、25話という短いスパンで1000ページを表現しているわけですから、それでも展開が速いんです。
流し見なんてしていたら、あっという間に置いていかれます。
そのため、頭を空っぽにして、雰囲気だけを楽しみたい人には向いていません。


第二の関門が、BL、百合、性的な行動、残虐な行動、利己的な行動など。
これがきついという方もいるでしょう。

ただ、この作品のテーマは「教育や{netabare}洗脳{/netabare}」「倫理や道徳観」といったものです。
視聴者が、例えば、BLや百合に偏見を持つことが、物語のメッセージ性と重なっているんですよね。
もっと分かりやすく言えば、主人公を含め、キャラクターの行動に不快感を覚えること自体が、ある意味「狙いどおりの」反応なわけです。
{netabare}
人類は、化けネズミたちを同胞とは扱っていないですが、実際は過去の人類と同じ立場にある存在。
それでも、今まで植え付けられてきた教育や洗脳の力で、それを感じ取ることができない。
よって、視聴者は、アニメの登場人物と、自分の倫理観とのズレを感じ、彼らの行動に対して不愉快な感情を抱くんですね。

そして、衝撃のラストで「道徳的観念には穴がある。偽りの神に二度も敗北した、呪力を持たない、悲しい人類。彼らを救うには、どうすればいいのか?」という、重たい問いを残していきます。
{/netabare}

その辺のテーマ性を早い段階で感じ取り、じっくり見れば、本当に面白い作品だと思います。
見終わるとガツン!とくる、激しいパンチの効いた作品。
ストーリー、テーマ性重視でSF好きの方にはピッタリです!


それにしても……原作が読みたい!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 132

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

作品全体を通して非常に良く作り込まれた作品。序盤でポイントを確りと押さえて視聴すれば、中盤から一気に盛り上がります!!【総合評価:72点】

2012年秋から2013年春にかけて全25話で放送された作品。
原作は2008年、第29回日本SF大賞受賞作品です。

人々が『呪力』と呼ばれる所謂サイコキネシスの能力を手に入れ、1000年後の世界を舞台とするSF作品で主人公の渡辺早季が12歳の時点から開始され、14歳、26歳と三部構成になっています。

正直、12歳編の内は毎週視聴していたものの、そこまで内容を捉えきれていなかった感がありました。
作品として独特の設定や用語も多い中、説明が簡略だったりと少し取っ付き難い感じではあります。
しかし、12歳編で登場する設定や用語は14歳編や26歳編で生きてくるので、取っ付き難く視聴を断念する方も多いでしょうが辛抱してください。
自分も12歳編でその取っ付き難さ故に一度視聴を中断しておりましたが、中盤に差し掛かったあたりで、最初から真剣に視聴してみると世界観がぐっと把握出来て一気に作品への評価が上がりました。
まぁ、最初から真面目に視聴していれば良かっただけと言われればそこまでなのですが……

しっかりとポイントを抑えながら一気に視聴するか、時間さえあれば2週視聴してもらえれば、この作品への理解が深まりより面白い作品と感じて頂けるのではと思います。
物語全体を通して爽快感はないですが、視聴後は何とも言えない余韻に浸ることが出来たので、視聴してみて非常に有意義だったと思います。


作画に関しては若干の低評価をつけています。
個人的な意見として、自然の風景などはかなり綺麗なのですがキャラクターデザインがそこまで好きになれなかったと言うのが大きいです。
そして、作画のレベルが目に見えて悪くなる場面も多々あった様に思えます。


主人公の渡辺早季は苦難に対して人並みに揺らぎ、混乱するものの、最終的には立ち上がる事の出来る強さはあります。
しかし、中途半端な善性を持ち、都合の良い社会を形成する裏事情などに嫌悪感を示しつつも、行動力に欠け、自身の行動原理も結果的には自分に都合の良い様に……
まぁ、アニメの主人公としては爽快感にかけるキャラクターではありますが、逆に人間味があると言えると思えます。
王道な主人公から逸脱していながら、この作品の恐怖演出や人間の醜さと言った重要なポイントをじっくりと視聴者に感じさせるのには抜群なキャラクターだったように思えます。


「割れたリンゴ」(第1話 - 第16話) 「雪に咲く花」(第16話 – 第24話)
どちらも作中のキャラクターが歌い上げる主題歌はタイプこそ違いますが、どちらも良曲で個人的には両方お気に入りです。
BGMに関しても、独特な世界観を効果的に演出していて非常にマッチしていた思います。
こんな感じで音楽面に関しては、主題歌、BGM共に素晴らしかったです。。



序盤からしっかりと伏線を張り、その全ての設定をしっかりと扱っていて、物語全体を通してかなり作り込まれた作品
しかし、序盤から面白そうな雰囲気こそ出していますが、どうにもその面白さを実感できるまでに時間が掛かるように思えます。
序盤、物語の取っ付き難さと微妙な作画で断念したい気持ちになる方も多いように思えますが、中盤から巧みに伏線の回収が行われ一気に盛り上がってきますので是非とも流して視聴するのではなく、最後まで真剣に視聴してみてください!!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 115
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ニヒル アンバウンド

貴志祐介原作、日本SF大賞受賞作品。

偽りの神に抗うこと。
この惑星の塵の中で歪んだ進化を歩み、
人は心の奥底に潜む虚無に対し抵抗する。
{netabare}そしておそらく我々は敗北したのである。{/netabare}
比類なきメッセージを持つ歴史絵巻であろう。

舞台は千年後、茨城神栖町。
人は「念動力」を手にしている。
煩悩を捨て解脱を目指す少年少女たち。
天から授かった能力を駆使し文化を築いている。
園内での生活を謳歌する若者たちは、
{netabare}夏のキャンプで先史文明が残した、
未知の生物「ミノシロモドキ」と遭遇し、
封印された人の歴史の歩みを知り驚愕する。{/netabare}

呪術と王の成立、信仰と禁忌、
孤独は「業」の苗ごとになり心を蝕む。
我々は何をもって人であるのか?
社会秩序は何をもって守られるのか?
革命はいかなる正義のもとで行われるのか?
{netabare}断続平衡された進化は階級と闘争を生み出し、
ここにもまた悲劇の種が芽生える。{/netabare}

素晴らしい演技と終盤怒涛の演出で、
観るものを選びますが飽きることはない。
世界観と物語を優先させる方にお勧めします。

アニメが1つの「倫理」を語ったのだろう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 73

83.5 6 ミステリーで恋愛なアニメランキング6位
サマータイムレンダ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (584)
1931人が棚に入れました
「潮が死んだ―――。」幼馴染・小舟潮の訃報を聞いた網代慎平は、2年ぶりに故郷である和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた。家族や友人との再会。滞りなく行われていく葬儀。しかし、親友・菱形窓は「潮の死には不審な点があり、他殺の可能性がある」と慎平に告げる。翌日、近隣の一家が突如として全員消えてしまう事件が発生。時を同じくして、慎平はある不吉な噂を耳にする。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ。影に殺される――!」さらに、潮の妹・澪が「お姉ちゃんが亡くなる3日前に影を見た」と言いだして......!?紀淡海峡に浮かぶ夏の小さな離島で、時をかけるSFサスペンスが、今幕を開ける――!
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

影絵の世界

オー・エル・エム制作。

幼馴染の小舟潮の訃報を聞き、
故郷和歌山の離島に帰省した網代慎平。
葬儀に参列した慎平は、友人から、
潮には他殺の可能性があると打ち明けられる。
同じ頃、島にはある異変が!?

サスペンスならではの強烈な引き。
{netabare}島には自分と同じ姿の影を見たものは、
死が訪れるという伝承があった。{/netabare}

とにかく今日を生き延びること、
起きた事態を注意深く観察すること。

6話視聴追記。
とある女性の存在により事態は動く。
{netabare}影の見分け方、倒し方、そして目的、
母なる存在と首魁らしきものの正体!?
慎平の右目に宿る時間を複製する力は、
不吉な死の連鎖から人々を救えるのか。{/netabare}

10話~12話視聴追記。
山奥にある菱形医院の旧病棟から、
{netabare}異形のヒルコ像と地下壕への入口を発見。
ここらあたりはホラー色が強めの展開が続く。{/netabare}

最終話視聴追記。
{netabare}常軌を逸した離島でのひと夏の体験、
予測出来ない展開、死に戻る違った世界線、
一定以上の緊迫感があり楽しませてくれます。{/netabare}

夏祭りの夜、涼やかな余韻があり、
素敵な物語の着地だったように思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 42
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

夏の幻影

【紹介】
離島の3日間を何度も繰り返して事件の真相を追うタイムリープ×ミステリー×ホラー×アクションアニメ
閉ざされた田舎に不気味な言い伝え、他人を信用できない疑心暗鬼に次々起きる不穏な事件・・・ロケーションは「ひぐらしのなく頃に」に似ています

【感想】
すごくきれいに話がまとまっていてテンポが良くてあっという間の2クール、面白かった
夏の日差しの眩しさと温度さえ感じられる魂こもった作画が凄い、
ホラーの不気味さと夏の日差しの温かさと夏の夜の静けさと夏祭りの楽しさ
そういった夏の魅力が強く感じられる夏に見たいアニメ!!

回が進むごとにどんどん後付けで設定が増えていくのと、SFとかタイムリープの設定はあんまりこだわりがなさそうなのは残念だった
あとは、最初本格ミステリーを期待してたのでちょっと期待してたのと違う・・・ってなったけど面白かったのでいいです

絵が綺麗でバトルシーンなどとてもよく動くし、時々「映画か!!」ってなるくらい作画が壮大で凄い場面もありました
最初から面白かったけど中盤からどんどん面白くなって先が気になる展開で目が離せませんでした
{netabare} 最初のループで起きた事件のごく一部だけ見せて、この時何が起きていたんだろう?なんでこの人はこんなことしてるんだろう?って不思議に思ったことが
ループを繰り返すたびに主人公の目を通じて一つ一つ答え合わせされていって、また新しい「これはどういうこと?」が生まれていく感じでどんどん物語に引き込まれました
慎平や仲間達はみんな頭がキレるので起きたことをしっかり整理して考察して頭使って動くし、敵も頭を使って追い詰めてくる
タイムリープも万能じゃなくて、繰り返すほど時間遡行が制限されていくという突き詰められた期限が緊張感を持たせているのも良い
前半はミステリーやホラー・アドベンチャーが強めでしたが後半はアクションが強めで頭脳と異能を駆使した駆け引きがあるバトルが面白かった {/netabare}
前半に引き込まれた人が後半も楽しめるかどうかは、キャラクターや世界観が気に入ったかどうかが分かれ目でしょうか?

【BAD】{netabare}
・キャラデザはモブ感なくキャラが立ってるけど慎平と親しい人以外は掘り下げがないので死んでもあまり喪失感がないかも
・みんな死ぬときはあっさり死ぬしループもので同じキャラが何度も死ぬので死が軽く感じるかな?
・後半のバトルは前半の面白さとは違うので好き嫌い分かれそう
どんどん後付けで設定が増えてきてわけわからなくなってくるし、裏読みの裏読みの裏読みって感じがずっと続く
状況説明で忙しそうでした、これがもうちょっとスッキリしていたらよかったかな?
でも前半でキャラクターに愛着が出てくるので、ちょっと蛇足に思ってもみんな幸せになって欲しいって願いながら見ていました
{/netabare}


【主題歌】
OP星が泳ぐ(マカロニえんぴつ)

夏の暑い日差しがイメージできるような夏らしい良曲ですね、好きです!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 41
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

消える夏の日々

アニメーション制作:オー・エル・エム、
監督:渡辺歩、シリーズ構成:瀬古浩司、
キャラクターデザイン:松元美季、
音楽:岡部啓一、高田龍一、帆足圭吾、
音楽制作協力:MONACA、
原作:田中靖規(集英社ジャンプコミックス刊)

既視感のある作風だ。
誰もが感じていることだろうが、
舞台設定は『ひぐらしのなく頃に』だろうし、
主人公の設定は『あの花』にも通じる。
もちろん、時間遡行は『シュタインズゲート』や
『Re:ゼロから始める異世界生活』。
またスワンプマンのくだりは、
アメリカの哲学者の思考実験ではなく、
『サクラダリセット』を参考にしたのではないか。
そう感じさせるほど、内容にアニメ的な背景が鮮明に映る。
ストーリーは、『寄生獣』を下敷きにしている。
細部の設定や世界観、根幹をなす部分までも
かなりの相似といえるだろう。
謎解きのエピソードの絵で、
漫画『寄生獣』そっくりのシーンもあり、
大きな影響を受けていることは間違いない。

これだけ他作品の「影」を感じさせる作風は、
『ダーリン・イン・ザ・フランキス』を思い起こさせる。
「観たことがある」感覚は、マイナス感情を抱かせるが、
作品の完成度とは別問題だ。
この作品も『ダーリン・イン・ザ・フランキス』と同じように、
既視感はあっても優れた部分が目立つ。

タイムリープのSF的な辻褄は別にして、
過去作品のマイナス部分を考慮して
作品内の主人公優位性をなくしているのは上手い。
{netabare}例えば、あるときから敵のシデが
ループする慎平とともに記憶を引き継ぐことが
できるようになることや、
ループしたときに戻る場所が少しずつ進んでしまうことなど、{/netabare}
能力に制限をかけているところは、
物語の面白さを増幅させている。

バトル自体は、元々それほど好みではないのだが、
小早川家に踏み込むところや、
ひづるの浜辺の戦いは胸が高鳴った。
緊張感を出すための表現は好みだった。

作品のベースとなっている
慎平と潮のラブストーリーがとても良かった。
慎平は数年前に故郷から離れ、
葬式のために島に戻ってくる。
潮との別れを思い出して、
懐かしい顔や思い出の場所を巡りながら、
事件に巻き込まれていく展開になっている。

{netabare}そんなときに慎平とともに事件の謎を追うのが
死んだはずの潮で、「影」として敵と戦う役目も担う。
影となってもその人自身が持っているものは、
全く失われないことから、
潮は影でありながら、大切な人を優先する思考を持つ。

影の潮の持つ魅力に惹かれる。
謎解きホラー型のストーリーだが、
いちばんのカギとなるのが慎平と潮の関係性だ。
ここの描き方は惹かれた。{/netabare}

しかし、シデがなぜ世界を滅ぼそうと考えたのか
という理由は、相当弱いし、
{netabare}何百年も生きてきた人間が辿り着く思考ではないように思う。
リアリティを感じないし、
共感することができなかった。
何百年も生きてきたということは、
それだけ多くの人々と関りがあったはずだし、
感情を動かされた知り合いの「死」というのも
間近で見てきたはずだ。{/netabare}
その上で、たったあれだけの理由で
世界を終わらせることを選択する思考は、
あまりにも短絡的で説得力がないと言わざるを得ない。
同じ展開にするにしても、もうひとつかふたつ、
重要なエピソードが必要だと思う。

OPとEDの音楽が心に残る。
前期OPのマカロニえんぴつ『星が泳ぐ』は、
重厚なサウンドが特徴のロックで作品の謎を表す歌詞が
とても印象的だし、cadodeの『回夏』は、
ミステリアスな雰囲気でEDにふさわしい。
1話の終了時にこのEDが響くと、
謎めいた余韻を残すようで心地よかった。
後期OPの亜咲花『夏夢ノイジー』は、
敵との戦いやスピード感のある楽曲で
文句のつけようがない。
EDのりりあ。『失恋ソング沢山聴いて 泣いてばかりの私はもう。』は、
作品のラストも思わせる叙情的ともいえる曲。
ただ、この曲を聴いてラストを想像すると、
見事にすかされてしまったというのが正直なところ。
それにしても2期分で、これだけハズレの全くない曲を
揃えたのもあまり記憶にないほどで、
毎回音楽を聴くのが楽しみだった。

シデの感情の推移をもう少し丁寧に描ければ、
完璧とも思える優れた作品。
最終回まで息をつかせぬ展開で、
もう二度と戻らないひと夏の日々を堪能させてくれた。
(2023年1月9日初投稿)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 37

86.4 7 ミステリーで恋愛なアニメランキング7位
未来日記(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (3915)
19728人が棚に入れました
周囲に関わろうとせず"傍観者"であることを望む中学2年生の少年・天野雪輝は、見聞きした全てを携帯電話の日記に付けていた。友人と呼べるのは、時空王デウス・エクス・マキナと彼の小間使い・ムルムルだけである。もっとも、これらは雪輝の空想のはずだった。ところがある日、自分がまだ体験していないはずの未来が日記に書かれるようになる。それは空想のはずのデウスの仕業だったのだ。未来を知ることで調子に乗り、有頂天になる雪輝。しかしその後、同じように未来日記を持つ人間が自分を含め12人いることと、その12人による次期時空王の座をかけた殺し合いのサバイバルゲームが開かれていることを知る。

声優・キャラクター
富樫美鈴、村田知沙、土門仁、田中正彦、真田アサミ、仙台エリ、関智一、桑谷夏子、今野宏美、相沢舞、平松広和、土師孝也、川原慶久、石田彰、松岡由貴、ゆかな、白石稔、若本規夫、本田愛美
ネタバレ

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

このトマト、重さが違うよ Σ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!!

■「未来日記」ってどんなアニメなの(*゚・゚)ンッ?
冴えない中学生で主人公の天野雪輝(amano yukiteru)は、他人と関わるって自分が傷つく事を恐れるあまり、他人と関わることを極端に避けるような日々を過ごしていたのです(_TдT)
そんな彼が他人に関わらないようにする為に、携帯電話で日々の変哲もない出来事の日記を付ける様になっていったのです(゚ロ゚;)!?
 
そんな雪輝の唯一の友達は空想の中で作った、時空王「デウス」とそのこま使いの「ムルムル」だけだったのでした・・・エア友達ってやつですね(>o<")
空想の世界のはず・・・だったのに・・・!?
そうなんです、時空王デウスは現実に存在する者だったのです!
デウスは時間と空間を支配する“神の座”を持ち、その後継者をデウスに選ばれた後継者候補12人で争わせる事になるのです。
デウスに選ばれし者には特殊な未来が記される「未来日記」という能力を与えられ、「未来日記」をつかった殺し合いのサバイバルゲームをさせられる事になるのですね♪
 
 
■「未来日記」と出逢った日の日記"φ(・ェ・o)~メモメモ
まず最初に書いておきたかった事が・・・
ヒロインの我妻由乃(gasai yuno)ちゃんって、ARIAの灯里ちゃんの面影がありますね♪
「もみ子がグレた・・・」って暁さんが言ってそうな気がしますヽ(`▽´)/
σ(^_^)アタシだけは「グレもみ子」と呼ぶことに決定(>o<")
 
それはさて置き・・・第一印象はとっても面白そうです♪
携帯端末を使うあたりは「東のエデン」を思い出しますし、選ばれし者同士で戦う設定と言うのも良くある設定だと思うのですけれど、心理的に((((o゚▽゚)o))) ドキドキ♪させてくれそうな雰囲気が魅力なのでしょうね!
 
何がいいって若本さんの声がいいですねw
もちろん、キャラデザも各キャラごとに個性があって良いですし♪
なんといっても、ユッキーこと雪輝くんのおびえる表情や、どこか精神的に欠落しているような由乃ちゃんの危険な表情などが丁寧に描かれていて、今後の心理的な恐怖感や緊迫感などもうまく表現されてそうな予感はしますね♪
それと、各未来日記には長所と短所があるので、この辺りをどうストーリーに絡めてくるかがポイントとなりそうです(⌒^⌒)b
白熱必死の未来日記バトルがどんな展開に発展していくのか、最後の結末がどうなるのか、とっても気になるのです(o^∇^o)ノ
 
 
■デウスに選ばれた後継者候補達\_(*゚▽゚) ワタシガエラビマシタ♪
【1st】天野雪輝(声:富樫美鈴)◇代表作◇日常(水上麻衣)
{netabare}
 『無差別日記』所持者・・・自分を中心とした周囲の未来を無差別に予知する能力
 本作品の主人公。気弱で人付き合いが苦手な臆病者なので傍観者に徹して日常を過ごしていた。{/netabare}
 
【2nd】我妻由乃(声:村田知沙)◇代表作◇伝説の勇者の伝説(イリス・エリス)
{netabare}
 『雪輝日記』所持者・・・雪輝の未来を10分おきに記録する能力
 本作品のヒロイン。愛称「グレもみ子」?
 雪輝のことを「ユッキー」と呼ぶストーカー∑(;゚0゚;)ー ̄){/netabare}
 
【3rd】火山高夫[hiyama takao](声:土門仁)◇代表作◇日常等の端役・脇役で数多くの作品で活躍
{netabare}
 『殺人日記』所持者・・・自分が起こす未来の殺人の状況を記録する能力
 中学の教師の顔と連続通り魔事件の犯人と言う2つの顔を持つ。{/netabare}
 
【4th】来須圭悟[kurusu keigo](声:田中正彦)◇代表作◇はじめの一歩(間柴了)
{netabare}
 『捜査日記』所持者・・・未来の自分の捜査状況が記録される能力
 これ以上人が死なない為にって・・・ユッキー撃とうとしてたじゃないw{/netabare}

【5th】豊穣礼佑[houjyou reisuke](声:仙台エリ)◇代表作◇
{netabare}
 『はいぱーびじょんだいありー』所持者・・・朝・昼・晩の1日3回、自分の未来を絵日記で記録する能力
 目がバッテンなパペット人形を常に持っている、可愛らしい5歳児♪
 そんな可愛い見た目とは裏腹に、知略策略を駆使してユッキーと由乃を残虐な手口で追い込みます( ̄□ ̄*;){/netabare}

【6th】春日野椿[kasugano tsubasa](声:真田アサミ)◇代表作◇シゴフミ(美川文歌、綾瀬明日奈)
{netabare}
 『千里眼日記』所持者・・・1000人以上の信者から寄せられる未来の「報告」が記録される能力
 新興宗教団体「御目方教」の教祖を務める巫女。
 両親が無くなってから、信者から辱めを受ける屈辱な毎日を送っていたため、世界破滅を目論む事に…{/netabare}

【7th】戦場マルコ & 美神愛[ikusaba -]&[mikami ai]
 (声)大人マルコ・・・関智一◇代表作◇Fate/Zero(アーチャー)
    美神愛・・・・桑谷夏子◇代表作◇LAST EXILE(アリスティア・アグリュー)
{netabare}
 『交換日記』所持者・・・由乃の日記の相互版みたに、マルコと愛がお互いに観察しあった記録
 なぜかエウレカセブンのチャールズ&レイの事を思い出しちゃいました(^▽^;)
 とっても素敵なカップルです♪{/netabare}
 
【8th】上下かまど[ueshita kamado](声:今野宏美)◇代表作◇アマガミSS(中多紗江)
{netabare}
 『増殖日記』所持者・・・サーバーを通して他者に未来日記の力を与える能力
 児童養護施設「母の里」のやさしい院長さん。
 3等身の顔デカキャラは最後まで馴染めませんでした。。。インパクトはあるけどねぇ…(^▽^;){/netabare}
 
【9th】雨流みねね[uryu -](声:相沢舞)◇代表作◇喰霊-零-(神宮寺菖蒲)、日常(長野原みお)
{netabare}
 『逃亡日記』所持者・・・自分の未来の逃走ルートが記録される能力
 爆破テロが得意の怖い女の子ですね♪ 物語をかき回してくれそうな予感です!
 ぽい!(((ノ≧∇≦)ノ :・'.::・>+○((≪***ドッカーン!!***≫)){/netabare}

【10th】月島狩人[tsukishima karyudo](声:相沢舞)◇代表作◇重戦機エルガイム(ダバ・マイロード)
{netabare}
 『飼育日記』所持者・・・未来に行う彼の愛犬たちへの命令と遠吠えによる報告を記録する能力
 日記を譲渡された娘の日向が友人のまおと共にストーリーの一翼を担う事に(*^^*){/netabare}
 
【11th】ジョン・バックス(声:土師孝也)◇代表作◇北斗の拳(アミバ、トキ、アルナ)
{netabare}
 『The watcher』所持者・・・他者の未来日記の予知内容を覗き見る能力
 いや~悪そうな顔をしてますねー(^▽^;) でも桜見市市長さんなんですよねw
 こういうタイプの人は自分の力を過信しすぎちゃう運命なんですよね(・-・*)ヌフフ♪{/netabare}

【12th】平坂黄泉[hirasaka yomotsu](声:川原慶久)
{netabare}
 『正義日記』所持者・・・未来に自分が行うべき善行の情報を記録する能力
 一度見たら忘れられないくらいのインパクトのあるキャラですね♪•このトマト、重さが違うよ
 全盲だからって烏避けの風船かぶせるなんてw
 歪んだ正義感が危ない感じで、この作品にぴったりなキャラでしたw{/netabare}
 

■総評
神に選ばれし12人の日記所有者が、己の命を賭けて神に座を目指して挑んでいったその結末は…
少々強引な幕引きでしたけど、最期まで楽しく見ることができました♪
『未来日記』の魅力はなんといってもキャラの個性だと思います!
どのキャラもどこかしら歪んだ人格で、どう考えたって時空王なる「神」って器じゃないよね(≧▽≦;)
誰が神になってもまともな世の中にはならないような気が。。。
そもそも神デウスって、こんな事で神を決めようなんて頭おかしいですよねwww
そんな個性豊かな登場人物の中で、やっぱり由乃ちゃんのご乱心のシーンは目を引くものがありました・・・
あっ・・・目を覆うシーンもありましたw..・ヾ(。 ̄□ ̄)ツ
ユッキーを追いかける姿は、可愛かったり怖かったりで、本当に忙しかったですねε=(・o・*) フゥ
12人の日記所有者が徐々に判明しながら対決といったベタなストーリー展開の中、由乃ちゃんに徐々に飼い慣らされていくユッキーのヘタレっぷりも際立っていましたね!
まさか本当に飼われるとは思ってなかったですけどーww(/≧◇≦\)アチャー!!

まぁそれは置いといて…∑('◇'*)!?、作品を通して各キャラの『目』の描写がとっても印象的だったなぁって思いました♪
サスペンス作品少なからずとも、目で恐怖感を煽る手法が使われるわけですけど、本作品でも色々と工夫されていました!
シルエットを使った手法はもちろんですけど、玄関ドアの新聞受けから覗く血走った眼の演出なんかは(◎_◎;) ドキッ!!っとさせられました♪
平坂さんの目の演出!?w\(◎)ゞはちょっとツボでしたww
っといった感じで突っ込みどころ満載で、笑いと恐怖感を独特のスピードで押し切ったこの作品は、結構楽しめましたo(*^▽^*)o~♪


■MUSIC♫
OP曲『空想メソロギヰ』(第2話 - 第14話)
 【歌】妖精帝國
 未来日記の世界観を表現した幻想的なメロディーのゴシックロックなナンバーです♪

OP曲『Dead END』(第15話 - 第26話)
 【歌】飛蘭
 飛蘭らしいアップテンポで疾走感のあるカッコいいロックナンバーです♪

ED曲『Blood teller』(第1話 - 第14話)
 【歌】飛蘭
 苦痛苦悩などの重苦しさを表現したダークな曲ですね♪
 力強い飛蘭の歌声がマッチしている感じです(*^^*)

ED曲『filament』(第15話 - 第26話)
 【歌】妖精帝國
 前期OPよりもスローテンポでグルーヴ感を強めたダークな印象のナンバーです♪
 
 
2011.10.15・第一の手記
2011.10.27・第二の手記(後継者候補の情報更新【4th】【9th】)
2012.05.25・第三の手記(追記:■~後継者~、■総評、■MUSIC♫)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 100
ネタバレ

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

『未来日記』と言う設定は魅力的だっただけに非常に勿体無いと感じた。【総合評価:69点】

2011年秋から2012年冬、全26話で放送された作品。

時空王デウスにより、未来を記した日記を『未来日記』与えられた主人公、天野雪輝
そして、雪輝と同じように『未来日記』を持つ総勢12名により、次期時空王の座をかけたサバイバルゲームが始まる。
この大まかな設定は第一話の時点で開示され、一気に視聴意欲を駆り立てれました。

各々、記す未来の傾向やその性質が違い、それぞれ獲られる未来の情報が偏っていると言うのが面白かったですね。
まず、新たな日記所有者が登場する度に、この日記所有者の日記の能力は?と毎度楽しみでしたね。
ですが、12人の日記所有者の『未来日記』の能力、若干微妙な物も多く、ネタ無かったのか?と思わされたのも事実

{netabare}中盤から終盤に掛けて登場する『増殖日記』の能力もあり、実質12種類を超える『未来日記』が登場します。
そのせいで、ネタに詰まったんだろって感じられる、明らかに面白みの無い『未来日記』が多く、ちょっと残念でしたね。
特に11thの『The watcher』に関しては、それ日記じゃなくね?とか思ってかなり残念
まぁ、最大の力を持った敵として描くのなら、あの能力は適切だったのかもしれませんが……
実際、あのチート臭い相手の能力を覆しての11thを倒すのは、かなり大規模な闘いになって盛り上がったのも事実ですがね{/netabare}

それから、どうにも未来日記の能力よりも所有者個人の持つ、権力やら、まぁ戦闘能力の方が重視されてしまっている感じが否めない話もありましたね。
そう言った点から、『未来日記』と言う設定事態はとても秀逸で魅力的に感じられたものの、どうもそれを存分には生かしきれていない感じを受けましたね。

{netabare}由乃が実は一度サバイバルゲームに勝利して、時間をさかのぼってもう一度サバイバルゲームに参加している。
この設定も、なかなか良いとは思っていますが、それならもっと日記所有者に対して的確な行動も取れたのでは?と疑問も抱きます。
あのちょくちょく出ていた由乃の記憶改ざん、で説明が付くのかな?それにしても自分の正体には自覚あったっぽいし……
と言った何だか上手く纏まっていないんじゃないのかな?と思われる点もありました。
まぁ、自分が見落としてたり、理解出来ていないだけかもしれませんがね。
中盤から、ちょっと流し見してしまっていた所もありましたしww{/netabare}

{netabare}あと、9thがデウスによって命を救われ、知識と力、右腕を与えられて半人半神化するって言う設定にもかなりご都合主義を感じて不満ですね。
まぁ、終盤の展開でこの9thの半人半神化によって救われるので、物語には必要だったのかも知れませんが、どうにもこの展開は好きになれず、寧ろ苦笑してしまいましたね。{/netabare}

酷評を続けてしまっていますが、序盤はかなり楽しめました。
『未来日記』の能力も記される未来に偏りがあって、その能力を逆手に取ったり、能力の穴を付いて戦ったり。
『未来日記』と言う設定を存分に生かしていた印象を受けます。
しかも、その能力に意味不明な物も無く、それぞれ個性と魅力があって好評価

{netabare}個人的には中盤、10thの『飼育日記』あたりから、登場する『未来日記』にあまり魅力を感じなくなってしまいましたね。
そこから一度、そう感じてしまってのもあり、どうにも右肩下がりな展開に思えてしまった……
まぁ、最終話では神になった雪輝以外の日記所有者はそれなりに幸せな方向に進んでいるので、そこに至る流れは別としても、後味は悪くなかったです。
それに一人孤独となった雪輝の元に、由乃が現れると告げた未来日記
最後の最後で気になる終わらせ方は少し好感が持てたし、続きの展開も気になりました。
もしかしたらもう一度視聴してしまうかもしれませんね。{/netabare}


この作品のもう一つの特徴を挙げさせてもらいますと、由乃のヤンデレを楽しむって面ですかね。
今まであまりヤンデレキャラが登場する作品を視聴していませんでしたので、由乃のヤンデレにはかなり新鮮さを感じさせられましたね。
まぁ、そのヤンデレがずっと続くと、ちょっとウンザリしましたし、その対象である雪輝もそれを若干受け入れつつ、かと思えば突き放し、都合が悪くなるとまた由乃に縋る。
そう言った雪輝のスタンスには若干、苛立ちやら嫌悪感も抱いてしまいましたがね。
まぁ、これがヤンデレと言うキャラの扱いなんだろうなと、勉強になりましたww
実際、ヤンデレキャラの登場するアニメはこれ以外視聴していないので、由乃のヤンデレ具合がどの程度なのかは分かりませんが、まぁヤンデレ要素もこの作品の特徴だと思います。


作画に関しては、そこまで特筆する程、綺麗な作画でもありませんね。
音楽に関しては、まぁOP、ED共にまぁ良い感じ、作品の感じにも合っていたのではないでしょうか。
個人的には前半のOPとEDの方が好みでしたが……


個人的には少し残念な感じを抱いてしまった作品
しかし、その設定は非常に秀逸で魅力的ですので、楽しめる方は非常に楽しめるのかもしれません。
ラストから今後何らかの展開が控えている様子
興味のある方は一度視聴してみるのも良いかもしれません。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 84
ネタバレ

メルヘン◆エッヘン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

限界状況の中で、ごくふつうの女の子<由乃>の台詞の持つ意味が迫ってくる。価値観がせめぎ合う。

■ごくふつうの女の子の台詞の持つ意味が迫ってくる

また観てしまいました。再評価しても原作も含めてよくできてますね。作品のコンセプトがぶれてない。無駄に長大にしていない。あらためて感じました。

さて、お気に入りの台詞を抜粋してみました。我妻由乃のものだけです。ほとんどの台詞がごく普通の女の子なんですよね。それゆえ作品に深みをもたらしているようです。

●「おやすみ、ユッキー……」玄関扉新聞受けから、お休みの挨拶。逃げ出したくなるほど恐ろしい。

●「わたしが未来のお嫁さんになってあげる」<---導入段階での象徴的な台詞で、あとあと効いてくる。

●「ユッキーだいじょうぶ」<---誰かを殺戮した後に、駆け寄って。本心に正直な娘です。

●「ユッキーのお母様がいい人でよかったわ」<---鞄の中の凶器を使わずに済んだことに対して。<いい人>の価値判断が興味深い。

●「だからユッキーの未来は由乃のものだよ。」<--自分の日記がゆきてるストーキング日記であることを説明しつつ。

--------------------------
本論:最強の病んだ女の子、ヒロイン由乃の選択、行動原理は間違っているのか、批判されなくてはならないのか?

「由乃の行動原理は間違っているのか?」――僕自身は彼女の選択は正しかったように強く思う。まず、それだけを書き置いて続ける。

■倫理観

常に作中につきまとう、由乃の暴走的残虐行為への批判めいた、作中人物の捉まえ方には、強い違和感を覚え続けた。捨て置かれたこの限界状況において、上っ面の倫理観や正義感がどれほど意味を持つのだろうか。既に数話が完了した時点で、超ストーカーなどとは言ってはいられないはずで、優雅に人倫主義を語っている状況ではないはずだ。

もちろんこれは、物語の展開における必要不可欠だった仕組みでもあるわけで、二人が共に残虐行為にあけくれていては、行動、ストーリー展開に、ディレンマが成立しないことはわかってはいる。

■この物語には終わりがない。はじまりもない。だから、結末もない

これは僕にとって、時空を超えた純愛の物語だった。たしかに血しぶきが飛び、ナイフで切り裂かれる人の首があり、腐乱しきった死体が転がっているし、そういった要素にフォーカスしても構わないが、ぶれなかったのは純愛の物語性だったような気がする。

作品世界のすべての謎へのヒントはクラシックに冒頭話に凝縮されており、ミステリー、サスペンス的な要素でも評価できた。(終話でやられたと思った)

とにもかくにも、細かい瑕疵は気にしない。面白くて、これまでに2度観賞した。コミックも読んでみた。ひとことでいうと、シビレる作品。事前知識なくみはじめたが、驚きとともに丸一日で一気に見終えてしまった。

この作品の魅力については多くは語り尽くされているので、途中何度も考え込んでしまった「本当にヒロイン由乃の選択、行動原理は間違っているのだろうか?」という観点を軸に考えてみる。

{netabare}
■世界の選択または愛の行く末

ラスト二話ぐらいで、繰り広げられる、やりとりがもっとも気になる。由乃が主人公に対し背徳的行為(死者再生の嘘)を行っているという周囲の「ともだち」の指摘がほんとうに正しいのだろうか。彼女の側の選択がなぜ間違っているといえるのだろうか。

物事は単純に善悪で判断できるものではなく、ともだち側の考え方そのものも、ひとつの価値観から導かれた立場=結論でしかない。人類愛が必要か? 多様性を持つ分岐世界の誕生のどこが問題なのだろう。

■最高、最強の病んだ女の子

由乃に思い切り魅力をかんじてしまったので、由乃を肯定的にみてくれない周囲が気にくわないのかもしれない。彼女のすべての行動原理は、雪輝への行き過ぎ、時には屈折する行為につながる(拉致)、愛情によってほとんどを説明できるわけで、俯瞰して観賞できる側からすれば、それはとても胸が苦しくなるほどだった。

ふたりは日記同様、常にふたりで一人でありつづけ、解釈は自由だけれども、最後には精神的にも「結ばれる」ことで、一体的精神性をもったような気がする。

{/netabare}

余談:

最後に、私にとっての由乃というキャラクターの魅力は、病んでいることはもちろん、異常な身体能力、戦闘能力の高さ、高度な知性と素早い判断力、そして、その美貌に尽きる。実際に、こんな彼女ができたとしたら、必死で逃走するだろうが……、物語世界では由乃を断固支持する。ヤンデレ最高なのである。

{netabare}

■物語の終わり

この物語には終わりがない。はじまりもない。だから、結末もない。世界を作るのは作者の特権だが、作品を解釈するのは読み解く側、感じる側の特権である。その意味では物理的な結末については共感をもちえなかったというのが正直なところ。

かといって、だめというわけではなく、僕らがそれぞれ考えてみればいいことで、終わりのない未来日記の「終わり」を夢想すればいいのかもしれない。

{/netabare}

若い人よりも青年期以降こそ楽しめる一級作品だとおもいます。
アニメ好きだけにとどめておくのはもったいない。いつかアニメでのリメイク(実写はみたくない)が観てみたいです。それとオープニングは作品をあらわしていて素敵(=合致している)とおもいました。自分の中ではめずらしいです。

ちなみに、私は泣いた。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 62

75.8 8 ミステリーで恋愛なアニメランキング8位
名探偵コナン(TVアニメ動画)

1996年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (753)
4057人が棚に入れました
高校生にして日本屈指の名探偵・工藤新一は、幼馴染みの毛利蘭と遊園地へ遊びに行く。新一はそこで謎の組織の取引現場を目撃するが、組織のもう一人の仲間に気付かず殴り倒されてしまう。新一を殺す為に組織の男が飲ませた毒薬は何故か新一を幼児化させてしまった。小さくなった新一は正体を隠しながら謎の組織を追う為に、周りには新一の親戚、江戸川コナンだと名乗る。コナンは父親、毛利小五郎が探偵をやっている蘭の家へ居候し、謎に包まれた黒の組織を追う為、探偵として事件を解き続ける。

声優・キャラクター
高山みなみ、小山力也、山崎和佳奈、山口勝平、緒方賢一、高木渉、大谷育江、岩居由希子、林原めぐみ、茶風林、湯屋敦子、井上和彦、千葉一伸、堀川りょう、宮村優子、松井菜桜子、田中秀幸、島本須美、高島雅羅、堀之紀、立木文彦

molecule さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

八方美人で人気者の長寿アニメ凄い

犯罪モノって現実的な素材であるだけに解きほぐ機構を固めておけば発展は無限…なようで、流石に連載十数年も超えるとキャラの使い回しが利かなくなって当然か。
事件なんて幾らでも数起こせるけど、主目的がそれによって引き出される常連キャラの内部ストーリーと見るアニメの方法論で限界がないわけない。
ただその見方を歓迎する要素が、引き出しの多い題材→話数の膨大なことによって、物語世界に引き籠っていられる期間が長いという利点を生んでクオリティの瀕死なことをファンの目から庇ってる。

実際TVオリジナルストーリーに限ればもっと遥に早い段階で退屈なものに落ちていたし、劇場版はシナリオの浮き沈みはあるものの完全に爆弾に依存しはじめたのは題材と媒体の宿命かな。

しかしほとんど本筋(黒の組織)の解明に引きずられてるだけの興味を、それでも繋ぐだけの牽引力のあるキャラってそうはいない。リアリティとファンタジーと、ここまで扱い易いバランスの「人」は他の分野には生めないだろうな。物語っていうのはストレスだから、このキャラクタの万能ぶりこそ神だね。

大人のファン層と子供、どっちに向けても愛想が良くて八方美人で人気者の長寿アニメ凄い。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 5

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

大人気推理アニメ

私が大好きなアニメの一つ。
難易度の高いミステリーとトリック、魅力あるキャラクターの活躍、手に汗握る展開とアクション、かっこいい名言、雰囲気を十分に盛り上げてくれる音楽、恋愛やギャグ要素など、どれをとっても申し分ない出来です。
矛盾や強引な設定が多々あって突っ込みたくなる時もありますが、それを指摘するとアニメが成り立たなくなるのであえて考慮はしませんが・・・。
また長い間このアニメが続いているのでさすがにマンネリ化を感じる事もありますが、黒の組織が絡んだストーリーになると緊張感満載のハラハラ感が楽しめます。
謎が謎を呼び、私の予測を外れた展開や衝撃的な展開は早く続きが気になりもう目が離せません。
なかなか黒の組織との話が進まないところが欠点ですが、進んでしまうとこのアニメが終わってしまう感もあるので、いつまでもこのアニメを楽しみたいファンにとっては微妙なとこですね。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 4

ootaki さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

一旦区切ります

一応、まだ続いていますが自分の中で終わったことにさせていただきます。ガキの頃は面白いと思っていたのですがね。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 3

66.7 9 ミステリーで恋愛なアニメランキング9位
心霊探偵 八雲(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (559)
3307人が棚に入れました
生まれながらの“赤い瞳“で死者の魂を見ることのできる大学生斉藤八雲が、大学の友人小沢晴香や「未解決特殊事件捜査室」の後藤刑事らのもちこむ怪事件をその能力で解決する。

声優・キャラクター
小野大輔、藤村歩、東地宏樹、川島得愛、関俊彦、納谷六朗、高瀬右光、柚木涼香、豊口めぐみ
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

宿命に打ち勝とうとする強さとは

神永学の小説シリーズが原作の、全13話からなるTVアニメ作品。

タイトルに「心霊」とあってもそれほど恐怖をあおるものではなく、
「探偵」とあっても、一般的なイメージの探偵とは違い、、
ただ、片方の赤い瞳で死者の魂を見ることができ、
霊の心情を理解することができるという大学生が主人公。

ある事件の解決以来、彼に付きまとう大学の同級生 晴香や、
彼の能力をあてに難事件を解決をしている刑事、
彼を引き取って息子のように接している叔父の僧侶など中心に、
大抵は1話完結の事件を解決しながら、八雲の生い立ち、両親失踪の謎、
晴香との因縁など、さらにもっと奥深い内容に迫っていく・・というお話。

ハッキリ言って6話までの前半は、さまざまな事件解決をしながら、
周囲の人間との心の距離を縮めていくだけの内容なのだが、
誰にも心を開かなかった八雲が、この前半で徐々に変化していく事実は
最終話までの後半の急展開にすごく必要で。

それと、死者の魂が事件に関わっている者だとしても、
むやみに祓うのではなく、いや・・むしろ八雲は、
霊祓いを金儲けにする霊媒師などを否定しているので、
魂が訴えていることを理解した上で去ってもらう手法を取る
ってところが、なかなか好感持てた。
{netabare}
中盤・・・八雲となぜ名づけられたか、
両目が赤い男が誰なのか、八雲の生い立ちやこれまでのことも含め、
僧侶であり、誰よりも彼の理解者であった彼の叔父によって語られる。
{/netabare}
さまざまな児童虐待をはじめとして、家族、親子、
人の悪意と愛情やエゴイズムというものを
現実と非現実を交錯させながら展開していくので、暗く重い内容だが、
八雲を執拗に追い込んでいく両目とも赤い男の存在と真相が、
大きな鍵となって物語全体を包んでいた。

こういう物語は、好き嫌いがかなりハッキリしそうだけれど、
自分は後半で複雑な思いを抱きながらも、
最後まで観ないと気が済まなかった。

{netabare}最終的にはホッとできるものの、謎を残す終わり方に {/netabare}
2期があるかどうか・・わからないが、
この作品はミステリーホラーやサスペンスタッチで描かれながらも、
本筋としては八雲の心の変化、もっと言ってしまえば
「憎悪」との向き合い方に一番意味があったと思う。

個人的には、八雲の姉を名乗り、両目の赤い男といつも同行している女性、
七瀬美雪の半生と悪魔主義的な異常愛と心情のほうに、
すごく興味がわいたので、
彼女を主人公にした物語を別に作って欲しいくらいだった。


声の出演は・・・

斉藤八雲 - 小野大輔
小沢晴香 - 藤村歩
後藤和利 - 東地宏樹
石井雄太郎 - 川島得愛
斉藤一心 - 関俊彦
斉藤奈緒 - 小清水亜美
畠秀吉 - 納谷六朗
両目の赤い男 - 高瀬右光
七瀬美雪 - 柚木涼香
土方真琴 - 豊口めぐみ
宮川恵理子(原作では宮川英也) - 皆川純子

なお、OP「Key」という曲が、かなり気に入っていて、
最初聴いたとき、デヴィッド・シルヴィアンかと思うような曲調と声に
おぉ~~っと身を乗り出したのだけれど、小野大輔さんでした^^;

投稿 : 2024/06/08
♥ : 41

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

見えない絆。

原作未読。コミック途中まで読んで止まってます。
アニメ全13話。


この作品観た第一印象は主人公の八雲がかなりイケメン!タイプですw

片目が赤い目をして産まれた八雲。
彼には死者の魂が見えて会話ができます。
しかし、除霊とかはできないとか・・!

ストーリーは最初は軽めな感じで
だんだん本題の八雲も父絡みの事件に入って行きます。

なかなか謎が謎を呼ぶって感じで絡み方がちょっと複雑に感じましたが
分かるとスッキリヽ(*´∪`*)ノ"
ああー!なるほど!ってなります。

◎八雲のお母さんのお話涙でました。感動!

◎最終回八雲の叔父の斉藤一心と八雲の会話。もらい泣きしそうになりました。

この2点が私が個人的に感動できたポイントでしたε=ε=ε=(●・д・ノ)ノ


タイトルにあるように心霊探偵ーー。
だけどホラーとか苦手な方にも比較的観やすい作品なんじゃないかと思います♪
怖い作品ではないです♪
八雲の性格(言動)がなかなかおもしろいので
笑っちゃうシーンも多々あります♪♪
お時間ある方ぜひぜひいかがでしょう☆

読んでくださりありがとうございました(○`・∀´・)ゞ★

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

心霊モノですが 怖い内容ではありません

あらすじとしては、死者の魂が見える主人公が心霊事件を
解決していくって感じのお話。全13話です。

こういう心霊モノってよくあるけど、他の作品と違うのは、
直接退治というか御祓いなどをしないってトコですね。
強制的に力で祓うのではなく、霊自身の声を聞き対話して、
その問題を解消する事で霊を徐霊していきます。

なので、霊能力を使って戦ったりするアニメではありませんw


内容としては、前半は一話完結で色んな事件を解決してく感じで、
後半は 主人公の過去に関連する事件を主軸に進んでいきます。

真面目でシリアスな話が多く、笑える要素はほぼ無いですが、
過去の話や作中の謎、伏線の回収などもしっかりされていて、
1クールでキレイにまとまっていて良かったと思います。

主人公やヒロインのキャラは少し苦手だったりしましたが、
ストーリーは わりと面白かったかな。


ただ、題名は一応『心霊探偵』ですが、サスペンスではあっても、
ミステリーではない。そういう部分は期待しないほうがいいかも...

正直、犯人探し的な部分はちゃちいですw

まぁ 全体的に少し重くて暗い感じの雰囲気ではありましたが、
それなり楽しめた作品だったと思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 29

66.1 10 ミステリーで恋愛なアニメランキング10位
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (803)
3508人が棚に入れました
森博嗣の『S&Mシリーズ』が原作。

映像化するのは、「エルフェンリート」の神戸守監督とA-1 Picturesのタッグ!


理系の女子大生の西之園萌絵と工学部建築学科准教授の犀川創平が難事件に挑むサイエンスミステリーとなる。

声優・キャラクター
加瀬康之、種﨑敦美、木戸衣吹
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

感覚の病的な鋭さ

森博嗣メフィスト賞受賞の本格ミステリー。
多くの続編を生んだ傑作シリーズの始まり。

混乱を覚えます。
すべての言葉が意味をなさないのではと。
{netabare}事件を丁寧に描いてくれていますが、
事件の全貌が見えてくると同時に、
犯人の動機がとても繊細で、
観念的な方向へ進むからです。
そして告白しなければいけません。
その動機をどこか「理解できる」のです。{/netabare}
極めて理性的で合理的な方、
真反対に精神薄弱の方にはお勧め出来ません。

ここでは劇中で交わされた、
印象的なある独白をピックアップして、
皆さんの判断を仰ぎたいと思います。
物語の根幹に通じる独白ですので、
少しでも興味のある方は開かないで下さい。

{netabare}子供の頃は誰でも1つの人格ではなかったはずだ。
常に矛盾し今よりもっと多様な考え方をしていた。
それが成長するにつれて矛盾を統合し、
1つの人格になろうとする。
大人になるとは1つの精神、肉体に縛られることだ。
ただ解き放たれたい、その為の儀式である。{/netabare}

問いかけに立ち止まるのが人間だと思う。
束縛と寄り添って歩むのが人生だと思う。

もしどこかで出会えたら、
聞いてみたいことがたくさんあるな。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 77

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ノイタミナミステリー(o・д・)

愛知県のとある離島で起こる数奇な殺人事件。
巻き込まれた大学助教授とその教え子である
女子大生が謎を解き明かすミステリー作品。
全11話。
原作:森博嗣による推理小説(未読)


ノイタミナ枠、A-1 Pictures制作という事で
丁寧に作られたミステリー作品を期待して視聴。
結果から言うと充分合格点を付けられる出来と
個人的には評価させて頂きました!

事件のストーリーやあらすじは割愛。
本編で楽しんで頂ければと思います。

1つの事件をプロローグからエピローグまで
じっくりと描いて行く展開は個人的に◎です。
本格的なミステリーとあってストーリー、登場人物に
誇張した派手さが見られない点も良かったと思います。
裏を返せば地味展開が続く、地味キャラという事ですが
まぁ、その辺りは人それぞれの好みって事で…(´∀`;)

OP、EDを含めた作画とキャラクター、声優陣や
音楽とどれも作品の世界観に合ったものでした。
アニメという映像を観ているにも関わらず
まるで小説を読んでいる感覚になっちゃいました。


ここ最近、ミステリーものを観ていなかったので
ちと褒め過ぎ・高評価過ぎかも知れませんw
サイコパスなどの方がやはり面白かったような…
そんでもラストまで楽しめるミステリー作品だと
思います(・ω・)ノ

原作は賞を受賞したり、ドラマ化もされている
作品なのでミステリーファンなら抑えておいて
損のない1本だと思います。



《キャスト》

犀川 創平(CV.加瀬康之)
西之園 萌絵(CV.種崎敦美)
真賀田 四季(CV.木戸衣吹)
山根 幸宏(CV.鈴木達央)
弓永 富彦(CV.佐々木敏)
水谷 主税(CV.伊藤健太郎)
島田 文子(CV.日笠陽子)
新藤 清二(CV.咲野俊介)
新藤 裕見子(CV.小林さやか)



《主題歌》

OP
『talking』/-KANA-BOON
ED
『ナナヒツジ』/シナリオアート

投稿 : 2024/06/08
♥ : 57
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

簡単そうで難解なパズルを埋めるような

原作未読 全11話

大学助教授の犀川創平(さいかわ そうへい)と犀川の恩師の娘で同じ大学の学生である西之園萌絵(にしのその もえ)は、ある事情で完全密室殺人事件のトリックと事件の真相に迫るお話です。

色々と難しい用語が飛び交いますので、難解なお話になっていますね。

私はなんとなくわかるお話でした。{netabare}(まさかの16進数w){/netabare}

劇的な展開やアクションシーンもなく、お話は最初はゆっくり進行して会話が中心なため、途中で退屈な感じがするかもしれません。

また、最後までみると謎は分かりましたが、現実と幻想が入り混じっていますのでどうなっているのか分からない部分がありましたね。{netabare}(最終話の最後の部分、親子の会話の部分とか、結局、真賀田四季はどこに行ったんでしょうね){/netabare}

独特な作品なので好き嫌いが分かれると思います。推理ものが好きな方には見てもいいかもしれませんね。

OP・EDは歌っている方が違いますが、CD1枚になっていてお財布に優しくなっています。OPのイントロ部分が好きですね。

最後に、犀川の着ているTシャツが妙に気になっていましたw{netabare}(妹さんのセンスや趣味だとしたら何とも言えませんねw){/netabare}あとタバコのシーンも多くて(犀川がヘビースモーカーなので)私は気にならなかったのですが、気になる方は気をつけてくださいね。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 35

70.6 11 ミステリーで恋愛なアニメランキング11位
ISLAND(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (383)
1682人が棚に入れました
本土から遠く離れた海に浮かぶ「浦島」
そこは楽園と見まごう豊かな自然と、複雑な過去と因習に囚われた人々が息づく島だった。

本土から見放され、忘れられつつあるこの地で半ば諦めを懐きながら生きる島の住人。

そんな島に「タイムトラベラー」を自称するひとりの青年が流れ着く。
「せつな」という名前と「ある使命」以外の記憶を失ったその青年は、凛音、夏蓮、紗羅という3人の少女たちと出会い、やがて島の未来を変えるべく奔走をはじめる。

排他的な因習と数々の謎を秘めた浦島をめぐる青年と少女たちの物語がひも解かれるーー。

声優・キャラクター
田村ゆかり、阿澄佳奈、山村響、鈴木達央、佐藤利奈、茂木たかまさ、中島唯、高柳知葉、田中貴子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

綱渡りの1クールアドベンチャーもの

2018.09.20記


ゲーム未プレイ


視聴の理由って何だったんだっけ?

猛暑となれば、清涼感求めて絵面が海・太陽多めだと惹かれるというのはある。
タイトルも ISLAND いいね~楽園テイスト。

2018年夏のクール、海・太陽を前面に出した作品が目に留まり、『ぐらんぶる』『はるかなレシーブ』『free3期』と夏を求めてここらへん漁りました。
そんな夏モノの先陣を切って放送スタートしたのがたしかこの『ISLAND』。

いきなり波打ち際で寝っ転がってる本作の主人公、自称タイムトラベラー刹那さん登場であります。

夏を感じたかったのが視聴動機となりました。


そんな個人的な動機はどうでもよく、物語は本土から遠く離れた島(楽園)を舞台に何かしら事情がありそうな登場人物たちがなんか謎めいたあれやこれやに触れて進行する感じ。 なんのこっちゃ( ;´Д`)
あらすじは公式をどうぞ

一種の謎解きものにあたるんだと思います。
となると全12話1クールで収めるには始めからハンデを背負わされたようなもので、そこをどれだけ感じさせないようにするか?がポイントになります。

その点で見ると、、、

 敢闘賞

といったところでしょうか。

1話~3話の掴みはOK
刹那がこの島に現れた理由探しが物語の軸となります。そこに島に伝わる古くからの因習や排他的な地域性などがスパイスとなって、そこかしこに散らばる謎がどうやって解き明かされるか、に興味を惹かせる内容でした。

そこから複数ルートがあることを匂わせつつ、後半{netabare}超展開があり、{/netabare}残り数話でラストスパートをかけ、結末は、、、少なくともがっかりする内容ではありませんでした。
{netabare}むしろハッピーエンドだったのは好印象です。{/netabare}


いかんせん尺が足りず説明不足になるのは始めからわかってたこと。
そこをぎりぎり踏みとどまっていたとは思います。
1クールでの謎解きアドベンチャーと割り切って観る分にはお勧めです。


原作のゲームではおそらく複数ルートが存在するものと思われますが、その場合、制作にあたってはどのルートを採用するか、アニオリ展開させるか、スタッフの力量が問われます。
本流のルートに帰結させるまでの持っていきかたとして、途中アナザールートを匂わせることは良いとして{netabare}(沙羅や夏蓮のことね){/netabare}、ただししっかり回収できないとバランスが崩れます。
この点、回収できたとは言えないのが何よりの残念ポイントでしょう。
観ていただけるとわかります。エピソードの相関がわかりづらいと感じられた方が多かったのではないでしょうか。
「いつ面白くなるんだ?」状態が続き途中脱落者が出てもおかしくない。
しかしながら最後はそこそこ良いので視聴にあたっては一気に観るがよろしいかと思います。


良くわからん

でも終わりよければまぁいっかww 


と、1クールものアドベンチャー系作品について考えさせられる作品でした。


なお、作画は頑張ってましたよ。
視聴動機であった「夏」感はしっかり堪能できました。
キャラデザインや音楽は好みでしょう。私にはどちらかというと苦手な部類でした。


以下、ネタバレ所感。
{netabare}リアルりんねさんの声が別の人だったのは良かった。もしかして苦難の道のりの果てにキャピ声が低く変わったのか!!おいたわしや!!と軽い妄想を掻き立てられた感じです。{/netabare}



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2019.03.06追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/06/08
♥ : 52
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

中盤までは苦痛、後半は面白かった

最終話まで視聴。原作ゲームは未プレイ。

前半は様々な謎が示され、一見、謎解き物なのかと思いました。
ところが、どういう訳だか{netabare}安っぽいラブコメにしか見えませんでした。
ラブコメとしては正直、駄作なレベル。
主人公の、男性としての魅力が無かったから・・・。{/netabare}

後半は一気に物語が動いて、なかなか面白かった。
まあ、{netabare}強引なご都合主義な展開は{/netabare}目を瞑らないといけないでしょうけど・・・。
例えば、{netabare}切那が同じタイミングで目覚めたかと思ったら、切那と玖音が目覚めるタイミングが大きくズレちゃったり・・・とか。『時を止める装置』の精度はとても高いのかアバウトなのか???みたいな(笑)。{/netabare}

でも、それを超えるような超展開エンディングはとても良かったです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 40

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

一千年の未来から時の流れを越えてやってきた

……のは、スーパージェッター(笑)。

いや、作中で「あなたが『未来の国からやってきた知恵と力と勇気の子』ですか?」という台詞があったものでついレビュータイトルに。「一千年の…」はスーパージェッターOP主題歌冒頭の台詞パートより、そして「未来の国から…」はOP主題歌の歌詞の一部ですね。なお、おそらく今作では一千年も未来からのタイムトラベルではなさそうな模様。

ノベルゲームが原作らしいですね。ゲームで伽藍堂紗羅(がらんどう さら)役だった村川梨衣さんが脚本を巡るトラブルで降板したことにより放送前に話題となった本作でしたが、その内容や如何に?

浦島という小さな島に素っ裸で漂着した、自称「未来からやってきた」らしいが記憶喪失な三千界刹那(さんぜんかい せつな)、刹那の記憶の鍵を握っているっぽい御原凛音(おはら りんね)、浦島の名士の娘で島からの脱出を企てる枢都夏蓮(くるつ かれん)、刹那が未来人だと信じ命を狙う巫女の伽藍堂紗羅(がらんどう さら)、そして姿は見せず声だけだった凛音の母親で引き籠っている御原玖音(おはら くおん)といったキャラクターたちが一気に紹介された第1話でした。

シチュエーション的に死人が出そうですが、原作を知らないので死人が出るかどうかは観てのお楽しみ…。

2018.9.18追記:
最終回まで観終わりました。「NEVER ILAND」編からは「ええ、そんな話になってるの!?」という感じでしたが、終わってみたらまあそんなものかという感じでした。

観ている最中は決してつまらなくもなかったし途中で切ろうとも思わなかったのですが、是非にと他の人に薦める感じの作品でもなかったと思います。

キャラの名前(切那(せつな)=刹那/凛音(りんね)=輪廻/玖音(くおん)=久遠)は、ありきたりですが良く考えられていたとは思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33

75.4 12 ミステリーで恋愛なアニメランキング12位
虚構推理(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (573)
2329人が棚に入れました
怪異"たちの知恵の神となり、日々“怪異"たちから寄せられるトラブルを解決している少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、“怪異"にさえ恐れられる男だった!?そんな普通ではない2人が、“怪異"たちの引き起こすミステリアスな事件に立ち向かう[恋愛×伝奇×ミステリ]!!2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は――!?

声優・キャラクター
鬼頭明里、宮野真守、福圓美里、上坂すみれ、浜田賢二、佐古真弓、下山吉光、本山かおり、塙真奈美、後藤ヒロキ、宮田幸季、前田玲奈、飛田展男、大南悠
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

小粋な言葉遊びをできてただらうか

原作未読


どっからみても小説っぽいです。小説とミステリの相性は基本的に良いものかなということで特に抵抗もなく視聴に至る。

“虚構”そして“推理”。
ジャンルはまんまミステリかと。お化け・妖怪・怪奇現象。この作品では“怪異”という表現を使ってます。『夏目友人帳』『物語シリーズ』未視聴のため適切な比較は不可能ですが、この世ならざる者とのやり取り混じりの推理物ということになります。

一概に推理物といっても捻りが加えられていてそこが本作の面白みでしょう。
なんでも目的というものがありましょうが、例えば“犯人捕まえるぞ”“真実はこうだ”というノリは皆無です。本作の主人公らの目的は、“怪異の世界と人間世界とに保たれている秩序の維持”。そのバランスが崩れそうになる、または崩そうという力が働く時に秩序をキープするために最適解を導き出す。そんなお話です。まぁ口八丁でなんとかする手合いですね。

構成は大胆というかある意味リスキー。一話完結または二~三話完結という当初想定とは全く違うものでした。私は好意的に受け止めてます。
{netabare}ルール説明的な第1話。同じくチュートリアル的なエピソードで第2話。その後第3話のBパートからはひたすら“鋼人七瀬(こうじんななせ)”でした。レビュー書きながら知ったのが、あまりエピソードストックが無かったのでそうせざるを得なかったかなということ。実際のところ、鋼人七瀬は5話分くらいあれば十分だったことでしょう。{/netabare}

岩永琴子(CV鬼頭明里)と桜川九郎(CV宮野真守)が主人公になるのでしょうか。ホームズとワトソンの関係ともちょっと違うパートナー。九郎の元カノ弓原紗季(CV福圓美里)も絡んできて賑やかになってきます。
物語構成と同じく好意的に受け止めてるのが紗季のキャラ設定。主役を引き立てるために周囲にはやや愚鈍というか暗愚なキャラを置いてバランスを保っても良さそうですがそれがない。本作でいえば岩永を際立たせるために同性の紗季をやや落とす手法を取らない。
{netabare}岩永と六花が両方ともぶっ飛んでいるというか情に薄いため、常識人の紗季がオアシスのようでした。常識人かつ聡明さがあるので救われておりました。{/netabare}


推理物なのでこのへんくらいにして。
わりとミステリの変化球のようにして臭みがない作品ではありました。そこそこ楽しめた佳作です。



※袋とじ

■岩永

{netabare}なんというか真顔で卑猥なことをたまに言ってくる琴子さん。鬼頭明里さんになんてこと言わせてるんだとこっそり喜んでました。{/netabare}

{netabare}ただし鬼滅の刃から流れてきたちびっ子が観たらダメなやつです。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.08 初稿
2020.10.15 修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 58

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2020年冬クール開始前から期待の一作、出だしは好調! 第3話後半より「鋼人七瀬事件」に突入!

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話を観ました。評価は暫定です。

放送開始前から楽しみだった一作です。作品ジャンルは「伝奇ミステリー」とかそんな感じ。

きっちり1話を使って妖たちの間での岩永琴子の立ち位置であったり、桜川九郎の能力であったりを説明してなおかつ1つの「事件」を次に引きずることなく解決する。でも九郎が何者なのかはハッキリとは明かされず次話への興味を引っ張るという、シリーズ物の第1話としてはかなり上出来なエピソードでした。

琴子のビジュアルと、声や性格のギャップは人気を得る要素になり得そう。視聴継続の判断を1話できっちりとできそうな感じでとても良かったと思います。
== [第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.2.3追記:
第3話後半から「鋼人七瀬(こうじんななせ)事件」編に入っています。第1話が原作1巻プロローグ部分をコミカライズ時に膨らませたもの、第2話~第3話前半が原作短編集に含まれていた1エピソードだったのに対して、「鋼人七瀬(こうじんななせ)事件」は原作小説ほぼ1巻全部に相当するので結構話数を必要とするはずです。

作中でアイドル七瀬かりんのSNSアカウントや、「鋼人七瀬まとめサイト」が出てくるのですが、これらをわざわざ作成しているこのアニメの制作スタッフは良い意味でアホです(笑)。

七瀬かりんtwitter: https://twitter.com/karin7se
鋼人七瀬まとめサイト: https://www.kojin7se.com/

第4話に出てきた、作中ドラマ『青春!火吹き娘!』のOP主題歌も力が入っていますね。

2020.3.29追記:
最終話まで視聴終了。

結局、「鋼人七瀬事件」で終わりましたね。原作は短編集も含めて文庫3巻分しかないので、それほど潤沢に原作エピソードがあるわけでもないということを「こんなものか」という気もしますが、1クールのアニメ作品として見ると「鋼人七瀬事件」に尺を使いすぎてテンポが良くないという見方もあると思います。

私の場合はそこは置いて映像化自体を喜んでいた口ですが、合わない人もけっこういたんじゃないでしょうか。

作画は画が崩れたりはしないのですが、なめらかでない動きなどもあって手放しに「良い」というほどでもないです。(それでも最近だと良い方かも?)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 55

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

妖怪や規格外の化け物相手に、ハッタリと嘘八百で勝つ、濃い女の子キャラが素敵(^^)

4話まで放送されたところですけど、
今期ちょっと多めな、ミステリー系では、
いちばん楽しいかも?

主人公の琴子ちゃんが、抜群に可愛い(≧▽≦)
可愛いって意味の可愛い、じゃなくて、
凄くわがままで、濃い性格してて、
それが面白いんです(*^。^*)

1話完結タイプのミステリーアニメじゃないみたいなのが、ちょっと残念ですけど、
キャラの設定とデザイン、
凄くいいと思います。

お話がこれから、どういう風に展開するのか、
全然わからないけど、
これからに凄く、期待しています(*^^*)



~~~~~~~~~~
観終わって感じたこと。
ちょっとがっかり。
で、評点下げちゃいました。

琴子ちゃんのキャラは、ウソで真実に勝ってしまう頭脳も、
キャラデザインも、濃お~い性格設定も、
とっても好きなんですけど、
お話しのほとんどは、鋼人七瀬との対決。

もっと、
最初の方の、
図書館の化け物とか、
沼の大蛇の話みたいな短いエピソード、
いっぱい積み上げて
観せて欲しかった、というのが本音です。

原作準拠らしいからしょうがないんですけど、
琴子ちゃんと九郎先輩コンビの屁理屈&超常能力を、
いろんなエピソードで観たかったと思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 49

73.7 13 ミステリーで恋愛なアニメランキング13位
名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)(アニメ映画)

2017年4月15日
★★★★☆ 3.9 (162)
1118人が棚に入れました
日本の百人一首会を牽引する「皐月会」が開催する皐月杯の会見収録中の大阪のシンボル・日売テレビで爆破事件が発生。崩壊していくビルの中で、西の名探偵・服部平次とその幼馴染・遠山和葉が取り残されてしまうが、間一髪のところで駆け付けたコナンにより無事救出される。そんな騒動の中、コナンたちは平次の婚約者だと言い張る女性で、百人一首の高校生チャンピオンの大岡紅葉と出会う。そして、時を同じくして京都・嵐山の日本家屋で、皐月杯の優勝者が殺害される事件が起こる。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、堀川りょう、宮村優子、宮川大輔、吉岡里帆、ゆきのさつき
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒロインたちを愛でる作品・・・かな?

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第21作目。

今回の主役は、劇場版では久々の服部平次と遠山和葉。
謎解きよりも、登場人物の人間模様を楽しむ作品、という印象。
とても面白かった。

序盤のアクションシーン。{netabare}平次とコナンの信頼関係に胸が熱くなる。{/netabare}

しかし、本作の一番の見所はヒロインたちでしょう。

蘭ちゃん、和葉ちゃんに加えて、大岡紅葉も魅力的だったし、灰原や園子も出番は少ないながらも「らしく」活躍する。
物語が上手くまとめられている印象。

ラストがコメディだったのも良かった。

いつもながら、ゲスト声優さんにはガッカリさせられることが多い。
和葉の同級生のおさげの娘は、恒例の「子供の声優体験」の人かと思うほどひどかった。
宮川大輔さんの棒読みは、少し意外だった。結構、器用な人ってイメージがあったので・・・。

余談ですが、園子が風邪をひいて寝込んでいた理由を知りたい人は、{netabare}前日譚である本編855話を見て下さい(笑){/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 24

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

百人一首に乗せた恋の気持ち、あなたに届きますように――。

2017年に公開された劇場版名探偵コナン21作目。

興行収入はシリーズ最高を記録。

コナンの人気は根強いどころか、
上昇傾向とはすごいです。

普段、コナンは劇場アニメだけ見ています。
(昔は原作も読んでいましたが…。)

そんな私にもわかりやすい登場人物で、
問題なく楽しめました♪

120分ほどの作品です。


● ストーリー
百人一首の会・皐月会(さつきかい)の会長と
対談を行う小五郎(こごろう)に同行して、
大阪のテレビ局へやって来ていたコナンたち。

百人一首・高校生チャンピオンの大岡紅葉(おおおか もみじ)は、
テレビ局の廊下でばったり出会った服部平次(はっとり へいじ)を
「未来の旦那」と呼んだ。

同じ頃、
対談を行う予定だったテレビ局に爆破予告が届いた。


爆破に巻き込まれて、
序盤からコナン君死にそう…。

なんとか脱出してその後平然としてるけど、
割とマジでやばかったんじゃないの?病院行かないの?不死身なの?笑


今回は大阪と京都が舞台。
ということで、平次と幼馴染の和葉(かずは)の2人も大活躍。

むしろ今回の主役は
平次と和葉と言ってもいいぐらい^^

このコンビ好きなので、
嬉しかった♪

平次のエセ関西弁は、
妙にクセになるんだよなw


ストーリー自体も
なかなかおもしろい展開でした。

ただ、事件うんぬんよりも、
三角関係の方が気になる展開w

平次と和葉と紅葉。
三人の三角関係が一番楽しめましたw

和葉も平次も、
お互いの事好きすぎて(/ω\)ニヤニヤしちゃうw

早く告白すればいいのに!とじれったくなる♪
少年探偵団(小1)に茶化される高校生に笑いましたwww

平次の赤面可愛かった(*´Д`)ハァハァ


● キャラクター
活躍の差はあるものの、
なんだかんだ主要キャラは全員登場。
抜け目がありません。

キャラの中で印象深いのは、
和葉と恋のライバルとなる紅葉。

平次に想いを寄せる強気な態度。

この妙な自信たっぷり感、
勝ち目のないライバルキャラとしては嫌いじゃなかったですw


平次たちもコナンたちも、
散々ラブラブなところを見せつけてくれて、
はいはい、ごちそうさまです(´Д⊂


● 音楽
【 主題歌「渡月橋~君 想ふ~」/ 倉木麻衣 】

百人一首に合わせて、
“和”な印象の主題歌ですね^^

エンドロールが実写映像というのは
ちょっと驚きましたけど。

京都の観光地や映画のロケ地と思われる場所が楽しめます♪


BGMはお馴染みのテーマソングをはじめ、
百人一首というテーマに合わせた“和”のアレンジも。

テーマソングはお気に入り。
何回聴いても飽きません♪


● まとめ
おもしろかった♪

事件も見ごたえあったけど、
和葉と平次のいちゃいちゃにニヤニヤできたことが楽しかったw

コナンも活躍してたけど、
主人公は平次&和葉だと思いました。

エンドロール後のおまけエピローグもよかった♪
ごちそうさまです(・∀・)ニヤニヤ♪笑

最近見たコナン映画の中では一番好きでした^^

投稿 : 2024/06/08
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

真実はいつもひとつ!脱出ルートもいつもひとつ!?

原作コミックは未読。

劇場版『コナン』視聴は第17弾の『絶海の探偵(プライベート・アイ)』以来。
そう言えば、映画館で鑑賞するのは、この第21弾が初めてでした。


春の京都を舞台にした第7弾『迷宮の十字路(クロスロード)』以来の“上洛”
秋の京都、大阪に、かるた、百人一首が絡むストーリーと言うことで、
平次の恋バナやラブコメにも期待しながらの鑑賞。


実際、観てみたら、恋愛要素ばかりが目立つのでは?と考えていた、
私が思っていたよりは事件が存在感を示した印象。

ただし、謎解きの難易度は非常に易しく、
推理力皆無の私でも真相に見当が付き、優越感でニヤニヤできる程度w
(ついでに言うと、博士のクイズコーナーも今回は速攻で分かりましたw
なぞなぞもからっきしな私にとっては何だか嬉しかったですw)

よって本格的なミステリーを期待する方にとっては歯ごたえはないとは思います。
が、私は毎度よく、ミステリーと各々のキャラの見せ場を、
分かりやすく絡めたエンタメシナリオを考え出すなぁ~と感心しながら観ていました。


恋バナの方は、かるた絡みと言うことで、適宜、百人一首の恋歌も持ち出しつつ、
力を入れて盛り込んで来ましたが、やや設定過多な印象も受けました。

特に、{netabare} 事件の真相に絡む恋愛要素が、ほぼ説明だけになったのは少し残念でした。
平次の三角関係?については新一&蘭の出番を削ぐことで、
フィーチャーできていたとは思いましたが……。{/netabare}


恋バナや事件よりも私が圧倒されたのは脱出劇。

空中にラインを描き、曲芸じみた脱出ルートを切り開く様は、
名探偵と言うより、もはやアクションスターw

コナンや平次にはその内、『007』や『ミッション:インポッシブル』などから、
エージェントの依頼が舞い込むかもしれませんw


名探偵だけでなく今回は和葉も頑張りました。
普段は合気道で超人ぶりを披露する印象ですが、今回は違うベクトルの超人ぶりを発揮。

と言うより……{netabare}青春のほんの一部分を賭けただけで、
初出場のかるた大会を勝ち上がるとかチート過ぎます(笑){/netabare}

けれど、コナンとその一味なら、これくらいは普通にやるだろう。
そう納得してしまうのが『コナン』の恐ろしいところですw

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19

78.1 14 ミステリーで恋愛なアニメランキング14位
終物語(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1397)
8380人が棚に入れました
十月下旬、私立直江津高校三年生の阿良々木暦は、転校してきたばかりの一年生女子、忍野扇を後輩の神原駿河から紹介された。
放課後、扇は不思議なことを言い出した。彼女はとある事情から転校を繰り返しており、新しい学校に来るたびにその図面を作成しているという。そして、直江津高校の図面を作成したところ不思議な点があるのだと。図面上は3階の視聴覚室が奇妙に細長くなっているはずが、中からはそうは見えない。もしかしたらそのスペースには何か隠し部屋があるのかもしれないと。暦と扇はその隠し部屋を発見し、中に入るのだが、その部屋から出られなくなってしまう。時計が止まり、扉も窓も接着剤で張り付けられたように動かない。窓や扉を破壊しようにも机も椅子も跳ね返されてしまう。まるで、時が止まったかのように。
扇は何らかの怪異現象では無いかと言いだし、暦は二年前のある事件を思い出す。犯人が分かるまで決して出られない教室で、暦は自分が孤立した原因となった「物語」を扇に語る。

声優・キャラクター
神谷浩史、水橋かおり、井上麻里奈、斎藤千和、堀江由衣、沢城みゆき、花澤香菜、坂本真綾、早見沙織、ゆきのさつき、加藤英美里

PPN さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

満足(^∀^)♪

言わずと知れた西尾維新の物語シリーズ作品。
シャフト、新房監督コンビの代表作の1つ。
全12話。
原作:青春怪異小説(未読)


もう安定感しか感じられないほどの独特な世界観や演出
作画に色彩、会話劇は今作品も健在、特徴的でした。

阿良々木暦と忍野扇の会話劇を中心に進行する構成。
前半は数学が得意な少女「老倉 育」とのエピソード。
後半は忍野忍の過去にまつわる「初代怪異殺し」を題材に。

詳しいレビューは他の良レビュアーの方にお任せ。
おれはぼそぼそっと感想をw

上記しましたが、このシリーズ独特の持ち味は存分に発揮
されていると思います。
視聴者を引き込む方法を知っている作り手の作品といった
印象が相変わらず強く残りましたね。
今作はコメディ要素が少なくどちらかというミステリー系
だったかも知れません、ただ個人的には◎でした。

もう1つ特徴的なのは声優陣、皆さん素晴らしい好演ぶり。
阿良々木暦役の神谷浩史は本当にハマり役ですね。
新キャラ老倉 育役には俗に言うシャフト声優から井上麻里奈。
まぁ、どのキャラも安定感抜群の演技でしたね。
OP、ED曲やBGMの完成度が高かったです(*´∀`)♪


物語シリーズファンとして、とても楽しめました。
もし弱点があるとしたら「飽き」かなぁ(´∀`;)
長いシリーズとなってきているので飽きの来ない作品を
最後まで届けてほしいと思います!




《キャスト》

阿良々木 暦(CV.神谷浩史)
忍野 扇(CV.水橋かおり)
老倉 育(CV.井上麻里奈)
羽川 翼(CV.堀江由衣)
神原 駿河(CV.沢城みゆき)
戦場ヶ原 ひたぎ(CV.斎藤千和)
臥煙 伊豆湖(CV.ゆきのさつき)
斧乃木 余接(CV.早見沙織)
忍野 忍(CV.坂本真綾)




《主題歌》

OP
『decent black』/忍野 扇(CV.水橋かおり)(第1話)
『mathemagics』/老倉 育(CV.井上麻里奈)(第2、3、5話)
『mein schatz』(第7、8、9、11話)
ED
『さよならのゆくえ』/瀧川ありさ

投稿 : 2024/06/08
♥ : 65
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

終わりを告げる影

全体的にサスペンスフルな演出。
新キャラ登場で見所満載です。

「おうぎフォーミュラ」
忍野扇が本格的に動き出します。
謎多き転校生との最初の出会い。
いいキャラしています。
黒目だけにしたデザインが正解ですね。

「そだちリドル」「そだちロスト」
オイラーさん登場、根はいいやつ。
{netabare}阿良々木暦の人間不信の原因である。
そだちロストのラストは、
物語シリーズ屈指の名シーン、
涼やかでお洒落な終幕の余韻が好き。{/netabare}
彼女には幸せになって欲しいです。
隠れた名曲「夕立方程式」必聴です。

「しのぶメイル」
キスショット、初代眷属の登場。

阿良々木暦の波乱必死の高校生活、
いよいよ完結に向け準備は整ったでしょう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 45

ato00 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

尻すぼみ物語

物語シリーズももうかなりの話数。
と言うことで、数えて見た。

化物語       15話
偽物語       11話
猫物語(黒)     4話
セカンドシーズン  26話
花物語        5話
憑物語        4話
終物語       12話

合計77話とかなりのボリュウム。

個人的評価は低下傾向。
終物語に至っては眠くて仕方なかった。
その原因を考えて見た。

その1;
シャフト演出がワンパターンで退屈。
当初は真新しかった映像表現に慣れてしまった。
冷静になると、紙芝居的な手抜きに見える。

その2;
シリアスに偏重し、笑いの要素が貧弱。
当初は、登場人物のコミカルな会話に目を見張った。
シリアスベースは小難しくて、原作者の自己満足感が漂う。

その3;
ヶ原さん成分が欠如。
私の好きなツンデレヶ原さんはどこに行った?
メインヒロインなのに登場シーンが少ない。
その代わり、余計なキャラが多数登場。
個性的であることは認めるが、興味をそそる性格ではない。

以上のことから、物語シリーズをこれ以上視聴するのはつらい。
終物語ということで、もうこのシリーズ終わりにしませんか?

投稿 : 2024/06/08
♥ : 42

54.2 15 ミステリーで恋愛なアニメランキング15位
京四郎と永遠の空(TVアニメ動画)

2007年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (68)
517人が棚に入れました
大崩壊から10年が経ち、復興のシンボルとして作られた巨大学園都市「アカデミア」。そこで学園生活をエンジョイしながらも、どこかなじめない少女「白鳥空」の前に、彼女が夢の中で見た王子様と瓜二つの少年「綾小路京四郎」が現れる。空は、「絶対天使」と呼ばれる人造生命体を巡って人知れず戦いを繰り広げる京四郎と親しくなっていくが、京四郎のパートナーであるせつなとの間の三角関係や、自分自身もまた人間ではなく絶対天使であったという真相に苦悩を深めていく。

声優・キャラクター
矢作紗友里、小西克幸、松岡由貴、川澄綾子、下屋則子、田中敦子、望月久代、岸祐二、間島淳司、緒方恵美、成田剣

とってなむ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

私と永遠の空虚

これはキツかった…。
☆の評価の平均値が低いわけです。
私もこれは苦手でした。


ジャンルは恋愛にミステリー的要素を混ぜたもの。
ロボットの成分も含まれています。
ごく普通の女子高生・白鳥空と超イケメン(設定上)の綾小路京四郎の
恋愛と悲劇を描いたものであります。(多分←)


内容が二転三転するので話の流れが掴みにくいです。
それに理由はあれども、途中から『京四郎、お前誰?』
と問いたくなるようなキャラブレが目立ちました。
まぁ序盤の京四郎にはイライラさせられたものです。
それを考えれば、ヒーローらしく成長(キャラブレ)したのは
良かったのかもしれません。

他にも、空の『拝啓、私の王子様~』という台詞。
たまになら全く問題ないんです。
でも多すぎやしませんか。
1話に3,4回もリピートされると、さすがにちょっと…。


非難するだけでは何だかな~なので、
良かった点を挙げたいと思います。

1.物語の展開としては悪くなかった。
正直この作品、1話でこれは相当ヤバいんじゃないか…と思ったものです。
それを考慮すれば、立て直したほうではないかと。
特に盛り上がりを見せたわけではありませんが、
展開にそれなりの起伏を持たせた点は評価したいです。
とは言え…ですが。

2.場面ごとのBGMが雰囲気に合致していた。
言葉通りです。
時には明るく時には寂しく…。
特に最終回の物語の背景に流れる音楽は素敵でした。



OP「クロス*ハート」 歌ーCooRie
ED「微睡みの楽園」 歌ーCeui

うわっこれ私の大好きなアーティストコンビ。
OP,ED共に透き通った綺麗な歌声に癒されました。
観ながら早くED来ないかな…とか思ったり。笑



フォローは一応入れたものの、
やはり私にはちとダメな作品でした。
ロボットを取り入れるならバトルにもう少し迫力を求めたいです。
というかロボットの必要性…。
物語とロボットの混在が上手くいっていないように感じました。
純粋な恋愛ものとして成立させればまだ何とかなったものを、
などと素人目からですが思ってしまいます。

…あまりオススメ出来ませんm(__)m

投稿 : 2024/06/08
♥ : 29
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

『神無月の巫女』のアナザー的な何かだが・・・

敢えてお薦めはしません。
(※ジャンルは一応、これも「百合×ロボット」ものでいいのかな?)

マンガ原作者&アニメーション制作者が『神無月の巫女』と共通している作品ということで興味を持って視聴してみたのですが・・・シナリオが全然頭の中に入ってこない・・・ここまで訳の分からない作品は久々でした。

《まとめ》
『神無月の巫女』のダブルヒロインの片割れ(姫宮千歌音)そっくりなキャラが出てきて、もう片方のヒロイン(来栖川姫子)に性格が近いキャラも出てくるので、同作のファンの方は最初の数話だけお試し視聴してみると良いかも知れません。

あと、気が向いたら第7話まで頑張って見続けると、ちょっと良いシーンがあるかも?


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ      介錯(『月刊ドラゴンエイジ』2005年5月-2007年7月連載)
監督         柳沢テツヤ
シリーズ構成・脚本  植竹須美男
キャラクターデザイン 介錯(原案)、藤井まき
音楽         窪田ミナ
アニメーション制作  ティー・エヌ・ケー{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================== 京四郎と永遠(とわ)の空 (2007年1-3月) ================
{netabare}
第1話 永遠の空(とわのそら) ★ 白鳥空の王子様、綾小路京四郎転入、猫娘の襲撃
第2話 三華月百夜 ☆ 
第3話 舞い踊る螺旋 ☆
第4話 恋蛍 ☆
第5話 くちづけ洗礼 ★ 空の真実(絶対少女)
第6話 ゆめはて十字路 ☆
第7話 彷徨いの哀歌 ★
第8話 刻(とき)の目覚め ☆
第9話 乙女見果てぬ ☆ 
第10話 天使の牢獄(バスティーユ) ☆
第11話 天使回廊 ☆
第12話 永遠の空(えいえんのくう) ☆{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)9、×(疑問回)0 ※個人評価 × 3.4

投稿 : 2024/06/08
♥ : 7

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

拝啓私の王子様…

恋にこがれる妄想癖のある主人公白鳥空は実は…というのは予想外であったが、神無月の巫女の続きなのか?円盤皇女ワるきゅーレに魔法少女猫たるともミックスされてるよな?
たるろって…中の人まで一緒とは(笑)

柳沢テツヤ監督の見せ方と藤井まきのキャラデザは嫌いではないのでラストまで観れるのだが、なんか頭の中に残らないんだよね。
思うに、このアニメもロボットは必要か?である。

OP、EDは素晴らしい!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 6

62.9 16 ミステリーで恋愛なアニメランキング16位
京都寺町三条のホームズ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (201)
732人が棚に入れました
「京都寺町三条のホームズ」は京都の小さな骨董品店でアルバイトを始めた女子高生・真城葵が、その骨董品店のオーナーの孫で、周囲から“寺町三条のホームズ”と呼ばれている青年・家頭清貴と、骨董品にまつわる奇妙な依頼を解決していくライトミステリー。

声優・キャラクター
富田美憂、石川界人、木村良平、遊佐浩二、小林沙苗、小山力也、上田燿司、木下鈴奈、堀江由衣

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

超高校級の鑑定士(笑)

……それは違うよ!

原作はエブリスタ掲載→商業出版ということで、これは『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』と似たようなコースですね。ただし出版レーベルは『櫻子さん~』が角川文庫なのに対して、こちらは双葉文庫です。

原作は読んでないのでわかりませんが、アニメの方は事件が起こっても視聴者に本気で推理させるつもりはほとんどない「なんちゃってミステリー」といった感じの作品です。

とりあえず人は死にません。流血やグロいシーンが苦手な方にも安心です。

埼玉県の大宮から引っ越してきた女子高生の真城葵(ましろ あおい)が、第1話でのいきさつをきっかけに「蔵」という骨董屋で働く家頭清貴(やがしら きよたか: 通称「ホームズ」)知り合いアルバイトとして働くようになり、鑑定士見習いであり名推理を発揮することでも周囲に知られているホームズと一緒に様々な依頼や事件と関わるといった感じのお話です。

そこに葵ちゃんやホームズ絡みの軽めの恋愛っぽいエピソードがついてくる感じですかね。たぶん作品傾向的には女性向け。そのあたりを反映してか、キャラクターデザインもちょっと少女漫画っぽい感じになっていますね。

作中での依頼や事件などのいくつかには、ホームズのライバルポジションっぽい円生(えんしょう)という人物が関わってきて対決っぽいストーリーになることもあります。

具体的に計画は聞いていませんが、作風的には実写ドラマ化などもいけそうな感じのお話ですね。

「超高校級の鑑定士」ですが、葵ちゃんがアニメ終盤でいつのまにか楽焼(らくやき)に関してプロ並みに鑑定できるようになっていたのでふざけてレビュータイトルにしてみました(笑)。

でもただの女子高生がそこまで鑑定できるようになったら、凄いぞ…!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

この作品の醍醐味は何ですか?

原作未読。最終話まで視聴。

この作品の最大の欠点は、最終話まで視聴した結果、心に何も残らないこと。
視聴者に何を伝えたかったのか?
何を見せたかったのか?
全く伝わってこない、不思議な作品。

物語は薄っぺらで、ツッコミどころが満載。

目利きを描きたかったのか?
謎解きを描きたかったのか?
それともラブストーリー?
色々な要素を盛り込み過ぎで、結果、ピントがぼけてしまうという悪循環。

終始、作画が乱れがちなのも残念な点。
背景の美しさに対して人物が浮いてしまっている。

【雰囲気だけの物語。薄っぺらな物語】

第1話は良かった。
「ああ、贋作骨董系謎解きの作品なんだ」と・・・。

第2話以降は、何が何やら・・・。
もはや、骨董品は単なる背景。物語には全く関係なし。

依頼者の不自然な言動と、ホームズの強引な推理だけが鼻につく、ツッコミどころ満載の作品。
{netabare}第2話の佐織と香織。
真犯人を知っていながら、親友に罪を着せようとしたり、生け花の作者を偽ったり・・・。
とんでもない、性悪姉妹じゃないですか。
それなのに、斎王代は辞退しないって・・・。
性悪姉妹、性悪母娘の物語としか受け止められないんですけど?

第3話の犯行動機。
納得できた人、いらっしゃいますか?
名作・名探偵コナンも、犯人の犯行動機が微妙な時がありますが、あちらは、トリックの謎解きが一つの醍醐味。
この作品は、何が醍醐味?
『耳』っていわれても、この作画レベルで『耳を見分けろ』と?

第4話に至っては何の解決にもなっていない。
元カレと親友が、友人たちを連れてやってきて・・・。
葵ちゃんがトラウマを解消する、重要な回だと思うんですけど・・・。
ホームズの解決方法では、根本的に、何の解決になっていない。

第5話は、依頼者の目的がよく分からない。
副住職は犯人に心当たりがあったご様子では?

第6話。
まず、香織の厚顔無恥ぶりに呆れる。
そして、意味不明の謎解きシーン。
「もう一度確かめさせてくれませんか?影山さんの宝を贋作と鑑定したあなた方の目利きが本物なのか!俺とポーカーで勝負して下さい。それであなたが負けた時には、影山さんに謝って貰いたい」
どういう理屈?
壺が贋作か否かの鑑定と、トランプのイカサマが同レベル扱い(笑)
それ以上に、トランプのイカサマと、配られたカードの中身がわかるのは別問題では?
ホームズは透視能力か何かの超特殊能力者なのか!?

第7話。
ホームズと円生さんの知恵比べを描きたかったんだろうけど・・・。
とにかく物語が薄っぺらい。
何やかんやと理屈をつけているが、全く知恵比べになっていない気がする。

第8話。
再び厚顔無恥の香織が登場。
この作品の作者は、よほどホームズを特別な存在にしたいらしい。
上田さんのカフェで女性の人だかり&黄色い歓声・・・。
一方、いつもホームズがいる骨董品店『蔵』の周囲で女性ファンがたむろしている描写無し。
黄色い歓声も、『蔵』では聞いたことが無い・・・。
一貫性が見られない。

橘さんはフラれるオチフラれるだと思ったらそうでもないらしい・・・。
第2話の性悪母娘と同じ展開。

第9話。
円生さん回。
どう見てもホームズの圧勝なのに、円生の嘘がきっかけで、円生の勝ちでホームズの負けみたいな雰囲気に?
なんだ?この話?
名探偵コナンの『コナンVS怪盗キッド』は、お互いに『WIN×WIN』となるように、上手く物語が練られている。
こちらのホームズと円生は、いつもホームズの一方的な勝利なのに、円生のハッタリのせいだけで、いつも勝敗がうやむやになっている気がする。
物語に上手さが感じられない、薄っぺらい印象。

第10話。
おばあさんの人形の話。
これは推理でも何でもない。
単に、ホームズの想像でしかない。
それが、たまたま当たっていただけという、陳腐な話。
エスパー・ホームズ再登場の回。

第11話。
今回も推理でも何でもない。
単なるホームズの当てずっぽう。
推理小説作家の話だったから、今回こそは”推理”を期待していたのに・・・。
う~ん・・・。
もしかして、最後まで”推理”ではなく”当てずっぽう”な展開になってしなうのかな?

第12話。
跡継ぎを目利きで決める???
金持ちの考えることはよく分からない。
それ以上に、こんな話を最終話に持ってくる意味が分からない。
恐らく、葵ちゃんの成長を手っ取り早く描きたかったんだろうけど・・・。

この作者は円生さんをホームズのライバルとして描きたいんだろうけど、結局、最後まで足元にも及ばない・・・。
こうなっちゃうと、円生さんを何度も登場させた意味も良く分からなくなってしまう。
{/netabare}

【背景の美しさが目を引く半面、人物の作画が微妙な作品】

{netabare}第2話の謎解きの場面。
木漏れ日が登場人物に当たっているのを表現したかったんだろうけど・・・。
残念だけど、平面図に光が当たっているようにしか見えない。
アニメだからといって、2次元に光を当ててどうする?
こういう手抜きをするなら、しない方が良いのに・・・。

第4話の浴衣。
人物は動いても、浴衣の柄は動かない・・・。
柄は大きくなったり小さくなったり・・・。

第7話。
斜め方向のカットが多過ぎで、目が回りそうになる。
しかも、背景との縮尺がいちいちおかしいので、余計に混乱する。

第10話。
動かない着物の柄、再来!
大きくなったり、小さくなったり変幻自在の着物の柄、再び!

第11話。
割と早い回からそうだったけど、遠めの人物が笑える。
子供の落書きレベル。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 28
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

いけずな京男による、ぶらり京都骨董旅 ~推理に恋愛がメインだよ~

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
女性向け×推理×京都×骨董 という作品。

ホモホモしさはなく、男でも普通に観られるけれど、作画が良くないのと、様々な要素が中途半端になってしまったのが残念だったかな。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作はまず、ホームズが好きになれるかでしょうね。物腰は柔らかいのですが、本質的には俺様系のS男。ギャップ萌えというやつかな?

骨董の知識と推理が噛み合う回は、本作の特徴が出ていると思いました。そこに、恋愛要素まで上手くからめられれば尚更良かったのでしょうが、恋愛は恋愛で独立して動いていた感じでしょうか。まあ、一応最終回で、恋愛面にケリがついたのは良かったかなと。にしてもホームズ君、自分がイケメンなことを分かっているというか、イケメンでなければ許されないことばかりしていて、嫌な奴でしたね(笑)

円生とのライバル対決が後半の縦軸になっていたけれど、この対決が出ると妙に安っぽくなってしまったイメージ。あんまり魅力のないライバルキャラでしたね。

あと、骨董品をあまり大切に扱っていなかったというか、貴重な掛け軸のすぐそばで、平気でコーヒー飲んでいるのには違和感がありました。

う~ん。観ても観なくてもかまわない作品、って感じかな(汗)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
鑑定がテーマはなかなか面白い。分かる(笑) 名門大学って、意外と院には入りやすいんだよね(笑) コーヒー出してるすぐそばで、凄い掛け軸をばんばん開く違和感。腹黒イケず京男子(笑)

2話目
推理が、論理的なようで、当てずっぽうな感じ。

3話目
絵のメッセージは少し、らしさがあったかな。ただ、絵なんて色んな解釈があるから、決めつけるのは早いとは思います。

4話目
クダラナイが、「下の句を詠まれたらキュンとくる」って、なんかエロいな(笑) ゴメンと言われるのはキツいな。。。つか、自己満だよな。いやいや、このクソ男、茶番が過ぎるな(苦笑)

5話目○
頭良すぎるのもダメだな。つか、サラリとクズ発言に(笑) ライバル登場?

6話目
バトルに移行?

7話目


8話目
いちゃいちゃしてますな~。

9話目
いや~、ホームズ、Sですな~。

10話目
この対決シリーズ、なんか安っぽくなるんだよな~。

11話目
警察にいけば?

12話目
葵は天才かな(苦笑) にしてもホームズの蹴りが(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 24

77.9 17 ミステリーで恋愛なアニメランキング17位
薬屋のひとりごと(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (366)
1258人が棚に入れました
大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。 人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

毒にも薬にもなる表裏一体性が心地よい中華風宮廷ミステリー

原作小説、コミック2作とも未読。

【物語 4.5点】
架空の中華風な後宮等を舞台に1話~複数話完結の事件を、
毒と薬の知識が豊富で毒味に目が無いw主人公・猫猫(マオマオ)が、
やたら絡んで来るイケメン宦官・壬氏(ジンシ)の依頼に顔をしかめつつもw
謎解きしていく。

各々無関係に思えた事件が、やがて一つの大きな企てに結びつき、
親と子という全体テーマが浮上して来る。


振り返れば、大事なことは、結構、口で説明せず映像で表現する
飲み込み辛い作品でもあったはずです。
勿論、事件の謎解き等は解説しますが、猫猫や壬氏の生い立ちなど、
特に人間ドラマの肝心な部分については、心情はアニメーションで伝えるから、
後は察して下さいといった感じで割とハイレベル。

ですが例えば序盤から子を想う妃の愛など事件の背景に隠し味として仕込んだ要素が、
終盤の猫猫の親子関係という核心への道標となり、
ストレス少なめで難事件の真相と人物の深層へと誘導される。

それを行き当たりばったりではなく、全体構成から緻密に計算してやっている。
視聴後、この地味な凄さに舌を巻き、さらに加点したくなってしまう上質な構成・脚本だったと思います。


毒にもなる薬、生と死、陰と陽。
表裏一体な性質を掘り下げる中華思想がふんだんに活用されていたのも、
中華風ファンタジーとしてやった意義を感じられ良好。

ラスト(※核心的ネタバレ){netabare} 羅漢は、長年、人の顔が駒にしか見えず不幸を撒き散らして来たが、
最後の最後に“鳳仙花”のような想い人の美顔を誤認して幸福をつかむ。{/netabare}
不幸と幸福もまた表裏一体。余韻を感じる素敵な幕引きでした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・TOHO animation STUDIO×OLM

コメディーからシリアス、猫顔までカバーした猫猫(マオマオ)の多彩な顔芸などを花開かせた人物作画。
夕焼けだけで10色のパターンを使い分けて心情表現をアシストしたという背景美術。
作画・背景もまた、視聴者の無意識領域に真相へナビゲートする標識を植え付けるだけのパワーを有する。

特に後半、壬氏とすれ違い様にサブリミナル気味に垣間見せた猫猫の鬼の形相。
前半、警告するように広がった真っ赤な夕暮れ。
ここから先は入るな危険と、口で説明する以上に効果的な警告サインに鳥肌が立ちました。


各話の中で作画が強烈だったのが第4話・もああん氏の作画監督回。
いつもとキャラデザが変わった?との違和感が、
冒頭、毒味の所作描写の細かさで払拭され、これは凄い!と背筋を伸ばされ、
そのまま最後まで魅了されまくった忘れ難い回。

正座のまま追い出されてバウンドする猫猫のコミカル描写バンクwによるリズミカルな演出から、
間違った知識で主を危機に陥れた“馬鹿に折檻する”猫猫の闇深な強面まで、
4話は私が猫猫のキャラクターに一気に引き込まれた回でもありました。

キャラデザの一貫性や安定感が評価されがちな昨今のアニメーション作品では、
あまりお目にかかれない個性的な作監のお仕事。
今後、もああん氏が絡んで来たアニメでは、私も鑑賞ギアを一段上げて挑みたいと思います。


【キャラ 4.0点】
“薬屋”猫猫(マオマオ)と美形宦官・壬氏(ジンシ)
共に周りから過度に担がれたり、警戒されたりしないよう猫やら美男子属性やらを被っている凸凹コンビ同士。
どんな女官をも虜にする壬氏のイケメンパワーが、猫猫には悪寒をもたらすだけで、まるで通じないw
でも毒草には猫化して涎を垂らす猫猫w

単に探偵&助手コンビのテンプレートというだけでなく、
人によって薬になったり毒になったりを、お約束のコミカル描写でも好表現するお二人の掛け合いは見ていて楽しかったです。

花街の出で、しばしば矛盾に満ちた社会の影を覗かせる猫猫に、
想いを巡らせる壬氏。完全に恋する美男子なのではw
国家の縮図としての宮中を体現する二人の一面もスパイスとして効いていました。


そんな強烈な個性二人の間で堅実に役割をこなす高順(ガオシュン)や、
筋肉担当?で花街に入れ込み、宮中と花街を橋渡した武官の李白が、
妃たちの駆け引きも渦巻く中で、ある意味、私にとっての癒し?となった男たちでした。


【声優 5.0点】
全体構成から逆算してテーマへと誘導する監督スタッフ方針により、
単純に事件の状況を表現するだけでなく、
後々明かすことになるテーマも織り込んだ多重的な演技を要求するなど、
繊細なディレクションに対応できる修正能力を有した声優を選りすぐったキャスト陣。

特に主演・猫猫(マオマオ)役の悠木 碧さんは、
毒に狂喜するコミカル演技から、「これは、毒です」のシリアス演技まで、
濁声を駆使して作品を制圧していました。

モノローグのオン、オフの切り替え。今のセリフは説明なのか会話なのか。
この演じ分けが当たり前にできるのもまた地味に凄いこと。(※1)
これができないと、例えば量産型2時間サスペンスにて、クライマックス、崖の上で激情と事件解説をゴチャ混ぜにしてぶつけるが如き茶番劇で、興が冷めてしまうわけで。

説明都合丸出しの演技で視聴者に違和感を覚えさせることもなく、
気持ち良く真相へと惹き付けた声優陣。
プロ中のプロの仕事に経緯を表して、私は声優5.0の満点評価を付けさせて頂きます。


【音楽 4.5点】
『<物語>シリーズ』など多彩なジャンルを横断したミニマル・ミュージックで会話劇を演出する神前 暁(こうさき さとる)氏。

『メイドインアビス』などオーケストラによるスケール感溢れるファンタジー音楽を提供する豪州人・ケビン・ペンキン氏。

『呪術廻戦』1期などでも魅せた和楽器対応で東洋成分アレンジに重宝する桶狭間 ありさ氏。

三者三様の劇伴担当による化学反応への期待が私の本作視聴の決め手に。
中でもノッていたのが神前氏。
次回予告でも使用された「薬屋」などの宮廷BGMだけでなく、
挿入歌も多数提供し、掛け合いが織り成す人間ドラマを盛り上げる。



OP主題歌は前期が緑黄色社会「花になって」、後期がUru「アンビバレント」
ED主題歌は前期がアイナ・ジ・エンド「アイコトバ」、後期がWacci「愛は薬」
いずれも事物の表裏一体性や多面性を追求した作品世界に触発された良曲。

前期OP「花になって」は最初は中華風に随分攻めたアレンジするなwと私は苦笑していましたが、
物語の理解が進むに連れて、奥深い歌詞世界が病み付きに。
1クール目放送で流れていた時より、使われなくなった2クール目、放送終了後と、後になるに連れ、私はドハマリしていきました。

「花になって」はOPアニメーションも出色の出来。
猫猫ってこんなに美女だっけ?との違和感も、
{netabare} むしろソバカス顔の方が花街で搾取される美人顔を隠すための化粧{/netabare}
として伏線回収され唸らされ。
華麗な猫猫の舞の方も、ラスト{netabare} 身請けされた妓女の餞に舞として再び披露され{/netabare}
曲もOPアニメもスッカリお気に入りとなりました。


【余談】
YouTubeにて、日本在住中国人による李姉妹chというのがありまして。
アニメ専門とかではない異文化・言語学発信系のチャンネルなのですが、
TVアニメ版『パリピ孔明』の中国での反響などのネタも貴重なのでしばしば覗いています。

『薬屋のひとりごと』の中国での評判についても、
猫猫(マオマオ)の発音は中国語にはない発音なので、あくまで中華風と割り切って見ているとか興味深い話が発信されています。

因みに華流ドラマ界でも宮廷物は定番で、放送中は『薬屋』が実写ドラマ化されたら、
壬氏役はどのイケメン華流俳優が演じるか勝手に予想して盛り上がっているのだとかw

もし調子に乗って実写化とか企んでいる方々がいるとしたら、
取り敢えず、猫猫に悪寒を走らせるwイケメン俳優起用は実写化の絶対条件だと釘を刺しときますw


【参考文献】(※1)animate Times「アニメ『薬屋のひとりごと』は無意識を刺激する計算された一作/長沼範裕監督インタビュー」

投稿 : 2024/06/08
♥ : 29
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ザツになって

拙は好きに仕事を選べるほどエラくも才能があるわけでもありません。
ほんとたいしたニンゲンじゃないので、
やれと言われたらたいていのことはやるタイプなのですが、それでも
  『宦官』だけはカンベンして欲しい
と心より思うわけです。いやほんと、それだけはやめて、お願い。

後宮華やかなりしときは何万人もいて、
チョン切るのに麻酔すらしなかったというのは有名なハナシ。
それなのに自宮者と呼ばれる『志願してなった』若者も多かったそうですね。
なんと申し上げますか、
書きながらついつい内またになってしまうジブンがおりますです。


さて、本作は日向夏さんの『なろう発』ライトノベルが原作で、
人さらいによって後宮に下女として売られてしまった薬屋の女の子の、
推理ありいのサスペンスありいのといったエンタメ作品です。
(いつものごとく、原作未読)

後宮、といっても、中国が舞台ということではありませぬ。
中国に似た感じがする架空の国のおハナシ。
原作者の日向夏さんが
 「考証であれこれ言われるのがイヤ」
だったから、そういう設定になっているんだそうであります。

で、実際にそこまで考証がおかしいのか、
最近知り合った福建省出身の青年(日本在住)に、
いろいろと尋ねてみました。

 〇 猫猫(まおまお=『猫ちゃん』の意)という名前について
   → ジブンの常識の範囲ではありえないっス。
     ただ、中国は人口が多くていろんな部族・風習があるので、
     ワンチャンあるかも知れないっスね。
     それよりも、
     正一品4夫人の名前の方がありえないっス。

 〇 町並みや文化、服装について
   → 三つぐらいの時代がごちゃまぜになってるっスね。
     建物や室内は中国と日本のちゃんぽんっス。
     いちいち突っこんだら負け、みたいな感じじゃないっスか。

 〇 食文化について
   → マツタケはほとんど市場にないし、
     値段はけっこう高いんスけど、誰もアリガタがらないっスね。
     土瓶蒸しってのは聞いたことないっス。
     あのへんの時代の人がチョコ食ってたとか、
     菓子作りにバター使ってたってのは、笑っちゃうレベルっス。

 〇 中国人として、見ててイラっとしない?
   → いやいや、中国制作のドラマでも、
     考証がめんどくさくて適当な国でっちあげるの、あるんスよ。
     ましてやアニメだしエンタメだし、
     それでも気になる人は気になるんでしょうけど、
     ジブンは大丈夫っス。面白かったらいいんじゃないっスか。


みたいな感じでした。大人っス。

ちなみにwikiによると、
リアル宦官というのは声がほとんど女性、あるいは不自然な裏声みたいだったそうで、
そのへんも、リアリティは追及していないですね。

あと、作品にぜんっぜん関係ないチョイネタなんですが、
宦官になってもリビドーは残るらしく、
大量のヘンなものがちょくちょく押収されていたそうであります。
(だから切っちゃダメなんだってば)



というわけで、あくまでも本作はファンタジー。
舞台が中国風というだけで、
考証という意味ではザツの精緻を極めており、
中国の歴史とか文化とかを伝えるみたいな学術的価値はありもさん。
(そこに突っ込んだらアビス行きかと)

じゃあつまんないんですかと問われると、
面白いんだ、これがまた。
僕個人の主観まるだしランキングでは、
今期の新作アニメでは『フリ-レン』に次ぐ堂々第二位ですね。
(ちなみに三位は『アンダーニンジャ』です、ごめんなさい)

  同じファンタジーでも『パリピ孔明』みたいに原典をまったく理解せず、
  これが三顧の礼ダ-とか言って、
  他国の文化を間違って伝える・ウソを伝えるのはよくないと思うんですわたし。

  だけど『一騎当千』みたく、名前だけ借りて遊ぶのは拙的に全然アリ。

  ましてやこの作品は中国の『雰囲気』を借りてるだけですしね。
  異国情緒たっぷりをウリにしている日本の街で、
  ここんところが異国と違う、なんてアラ探しをするのは詮無きことかと。

  もちろん文化・芸術作品なら『いやでもね』なんですが、
  面白さを追求したエンタメ娯楽作品なんだから、
  そこんところはスルーするのが大人のたしなみかなあと愚考する次第です。


で、この作品のおもろしさはそういう『世界観』ではなく、
猫猫役の悠木碧さんを筆頭にしたお芝居と、
脚本・映像・演出の『バランス』にあると拙は思っております。

そもそも『世界観』なんてのはムカシの中国風というだけで、
OPで猫猫がダサいドレス着て踊ってたりして、
綿密に作り上げられた感というのはぜんぜん、まるっきりありませぬ。
ぶっちゃけ、
でたとこショウブでやってたらこうなりました、みたいな感じかと。

で、物語の舞台というか骨組みは、

  かどわかされ後宮の下女として売り飛ばされた花街の薬屋の女の子が、
  薬に関する知識を買われ『毒見役』に昇進し、
  身の回りで次々と起こるナゾや事件を解き明かしていく。

という、面白くも駄作にもなりそうなものであります。

これで『なろう系』だと聞くとイヤな予感する方いるかもですが、
猫猫は転生ものみたいな『チ-ト知識の保有者』ではないんですよね。
あくまでもその時代の薬屋さん。
ちょっとビョ-テキに薬の実験が好きだったりしますが、
その時代レベルでの毒・薬に関する知識が豊富な女の子にすぎません。

ですから、転生ものみたく、
  この薬はこういう化学反応で人体のココにこう作用してあ~だこ~だ、
みたいなウンチクは出てきません。
現代科学・化学・医学のセカイじゃないんです。
  これ、毒ですからこういう症状がでます。こうしたら治ります。
という、『なぜ』をぶっちぎった結果と対処療法のセカイ。
『おばあちゃんの知恵袋』のおくすり版、みたいな感じなんですよね。

  というわけで、言うことがずるくも鼻につくこともありませんし、
  なによりもわかりやすい。
  そいでもってムダなウンチクがない分、ドラマに尺が割けるんです。よき。


で、そのドラマ部分も、ほとんど1~2話完結。わかりやすくてよき。

中華風後宮ものと言えば
  権力・出世欲・愛憎ごちゃまぜのドロドロ系
のイメージですし、実際、その要素がけっこう含まれてたりいたします。
ただ、見ていて『しんどさ』を感じないんですよね。
猫猫のキャラクターが、そういうのを気持ちよく中和しているんです。

  そもそも猫猫って、かどわかされて後宮に売り飛ばされた身の上なのに、
  ぶつぶつモノローグでグチを言うだけ、
  復讐に心を燃やしたり我が身をアイゴ-と嘆いたりしないんです。

  ここ、花街の薬屋、という設定が利いてるんですよね。

  虚栄と色欲と権力とカネに彩られ、
  一歩裏をあるけば犯罪者や落伍者が闊歩する不条理のセカイ。
  そこで薬屋を営むとは、そういう連中とうまく付き合うということ。
  アルプスの少女みたくふわふわなんかしてられず、
  強く、たくましく、そしてしたたかでなければ生きていけませぬ。

  だもんで猫猫も、
  後宮に売り飛ばされた事態を冷静にうけとめ、
  粛々と仕事をこなし、年季が明けるのをじっと待っております。

  かと言って心が死んで感情をなくしているというわけではありません。
    他の下女を恫喝してみたり、
    コミカルな言動で道化回しに徹してみたり、
    乞われて名探偵役をしてみたり。
  ほんと、いい意味で『実践的にかしこい』女の子なんですよね。

  あと、これはまったくの主観なんですが、
  ぜんぜん媚びることのないボソボソした言動が、
  一周回ってすごくかわいいです。

そして、さすがファンタジー世界だけあって、刑罰がやさしいです。
これがリアル古代中国なら
{netabare}
  毒とわかっているおしろいを隠し持って、
  帝の子まで産んだ上級妃に使い続けていたなんて、ふつうにクビちょんぱ。
  (たぶん、一族みんなそうなります)
  兵士が毒で倒れたら、理由なんか調べず村人みんなクビちょんぱ。
  下女が皇帝の妃にいじわるなんかしたら、やっぱりみんなクビちょんぱ。
{/netabare}
そういうリフジンさがないぶん、
現代にもつうじるニンゲン模様的なドラマが成立してるんですよね。
ふつうのヒューマンサスペンスみたく、楽しく見れちゃうんです。

  それでもシリアス展開が続くときは続きます。
  そういうときはSD映像なんか使ってかわいらしくガス抜き。
  たまにある下ネタも、けっこう攻めててよきです。



拙の個人的なおすすめ度は、Aランク。ほとんどSに近いです。
 ・中国マニアで歴史考証絶対主義
 ・バトル・ロボ・アクションこそアニメの神髄
 ・アニメは美少女がキャンキャン声でなんぼ、きゃぴきゃぴしてなんぼ
という方々にはおすすめいたしかねますが、
(アクションなんか『ない』のもいっしょですし)
その他の方々は、楽しい時間が過ごせるのではと愚考いたします。

なろう系にありがちな
 『推理と呼べない推理みたいなもの』
 『局面によって人格がころころ変わるご都合テンカイ』
 『因果関係がはたんしているプロットつなぎ』
といった『作家のひとりよがり性』は、まったく見受けられません。

コミカルな演出でしっかり尺をつなぎながら、
人間ドラマやサスペンス要素がしっかりと描かれております。
しかも、もう終わった話かと思いきや、
次回や次々回でその断片がピタっとつながるなど綿密なプロット構成がすてき。
ストレスフリーなのにホネのあるエンタテインメントかと。


映像は、作監によるブレも少なく、高いレベルを維持しています。

キャラデや作画がちょっとジュニア寄りかなあとか、
演出がときおりムカシふうだなあとか、
そういうところをを感じなくもないんですが、
それはそれでちゃんと一つの『世界観』になってるんですよね。
ですから、あとは好き嫌いの領域かと。

  SDキャラ演出による枚数・尺稼ぎも、
  きちんとした演出として作品の楽しいアクセントになっており、
  うまいこと作ってると拙の目には映ります。

  けっこうタマシイ入った作画もちょくちょく見受けられ、
  剛柔あわせて『良作』と呼べるレベルなのではあるまいか、と。

  ただまあ、動きが少ないっちゃホントに少ないです。
  いやほんと、言いわけ聞き苦しいぞ、と思われるぐらい少ないんですが、
    止め画の連続をパンとセリフとSEでごまかす
  みたいな感じでない限り、僕、気にならないヒトなんですよね。
  口元を袖で隠す碇ゲンドウ式動画枚数節約も、演出として全然アリです。
  (背中向けてしゃべるカットも多いですね)


キャラとお芝居は、猫猫を演っている悠木碧さんが傑出しています。

この作品って、全国の萌えアニファンには大変申し訳ないのですが、
清楚カレンな美少女声でやったら、
すっごくあざとい物語になっちゃうと思うんですよね。

悠木さんって使える音域めっちゃ広い役者さんなんですが、
役柄を考えてトーンを中低音域に絞り、
リフジンな世の中をしたたかに生き抜く少女像を構築しておられます。

  ちなみに、同じ『したたかな女の子像』のお芝居であっても、
  背景にある社会性を考慮して、
  『サクラダリセット』とはまるっきり方向性を変えてるんですよね。
  あの作品で演じた相麻すみれも悠木さんの名演の一つであり、
  機会がございましたら、ぜひ、聴き比べておくんなまし。

そして本作における悠木さん、
喜怒哀楽それぞれで、お芝居のいや細かいこと細かいこと。
いわゆる「ただテンプレにあてて読んでいるだけ」という芝居が一つも、
ほんとうに一つもありません。
このへん、いわゆる『アイドル声優』さんたちにぜひ見習って欲しいかもです。

あと、けっこうスルーされているんですが、
玉葉(ぎょくよう)妃を『フリ-レン』の種﨑敦美さんが演ってるんですよね。
種﨑さん、こんな天然っぽいミセス声もだせるんだ。すごい。

  ちなみに、同じ役者さんが猫猫やってもサブキャラやっても、
  一話あたりのギャラは同じです。
  ギャラって役の軽重関係なく、ランクによって一枠なんぼなんですよね。

  それにしても
  玉葉妃ってドラマCDでは日笠陽子さんがやってた役なんですよね。
  ところが、アニメ化に際し、
    種﨑さん、収録ワク空いてるならぜひ
  ということで無情のキャラ変え(担当役者の交代)になったのかと。

  拙個人としては、正解のキャスティングだと思っています。
  玉葉妃の天然っぽさが物語をカラっとさせて、
  後宮を『大奥』みたいな生臭さから引き上げてる効果、大きいですもん。
  (申し訳ないけど、日笠さんが演ると女オンナしちゃうんですよね)


音楽は、OPが緑黄色社会さんの『花になって』。
MVはなんかちょっとアレな感じですが、楽曲自体はすっごくいいです。
EDはアイナ・ジ・エンドさんの『アイコトバ』。まあまあ。

  劇伴は、神前暁さん、ケビン・ペンキンさん、桶狭間ありささん。
  特に中国宮廷風とこだわっているわけでもなく、
  中華風の楽曲もあれば、現代風オケ、電子楽器もありもうす。
  (誰がどの曲やってるかはぜんぜんわかりませぬ)

  このへんも、考証ぶっちぎったことが良い目にでてる感じですね。
  特に不自然さ・違和感などはありませんし、
  むしろ、いろいろ変化があって楽しいかと。作品に合ってます。



いろいろ書いてまいりましたが、
まだまだ放送中の作品ですから、最終的な評価はできませぬ。
いやほんとできないんですが、
これまで(9話放送段階)のところ、とってもいい感じで回っています。
よっぽどのことがない限り、このままいくんじゃないかしら。

もうそろそろ作品のセカイ観に慣れてきたかな、と思いきや、
9話の猫猫のセリフで
 「ストイックな性格」とか「ストレスも原因になります」とか、
いやもうそれどの時代のどの国の言葉なん?
みたいな単語も飛び出し、
己の想像力の未熟さを痛感させられたりもしてますし。いや奥が深い。

考証ぶっちぎって自由奔放やりたい放題、天上天下猫猫独尊。
そのくせ人間模様やサスペンス要素はきっちりしっかり。
なんかもう、そのテイストが病みつきになりそうな、ならなさそうな。

  とにもかくにも、エンタメとしては一級品。
  見てソンをする作品ではありませんので、
  後宮テイストが苦手で未視聴の方、一度お試しになってくださいまし。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 26
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

宮中に咲く石楠花

中国っぽい宮中を舞台にして、薬の専門家である主人公・猫猫が毒の知識を頼りに宮中で発生する事件を解決していく華やかなミステリーアニメ

同じような展開が続くので飽きる人はいそうですが、最初から最後までちゃんとしたミステリーで葬送のフリーレンと並んで2クールにわたってとても楽しませてくれた作品、文句なしにオススメ!!

まず絵と雰囲気と音楽が美しいですね、マオマオが「化粧をした顔(あえてそう書きます)」とか作中のキャラと同じように見とれてしまって、すごく力が入っているのがわかります
性格の悪い人達がたくさんいて陰謀と策略が渦巻き、一回ミスしただけで死刑になりかねない宮中で、誰にも媚びないマオマオのキャラクターも清々しくて好き
そして周りのキャラクターとの知恵比べにスマートな事件解決が鮮やかで見ごたえありました
作中にも出てくる石楠花の毒、石楠花の花はとても気品があってまるで女王様みたいな美しさがあります。でも毒がある・・・まるでマオマオのよう
過酷な宮中で生き抜くためにはそんな美しさと気高さと毒を持ってないといけないのかもしれません
王氏もただのイケメンじゃなくて{netabare} マオマオとの駆け引きや協力関係が心地良かったし、彼の出自はたぶん高貴な人なのかな?って思っていたけど、そういう印象を受けるのはシナリオ的な意味があって、ちゃんとそういう風に見えるように描かれているのもキャラクターをしっかり作りこんでいて魅力的でした{/netabare}

欠点が本当に見当たらない綺麗な作品でした

投稿 : 2024/06/08
♥ : 24

69.4 18 ミステリーで恋愛なアニメランキング18位
名探偵コナン 天国へのカウントダウン(アニメ映画)

2001年4月21日
★★★★☆ 3.7 (329)
2152人が棚に入れました
キャンプの帰り、西多摩市に新しくできたツインタワービルを訪れた少年探偵団。しかしそこにはジンの愛車ポルシェ356Aが待ち受けていた。奴らはいったい何をしに来たのか訝るコナンだが、タワーの建造にかかわった人物が相次いで殺害される事件が発生。

タワーオープンパーティに来ていたコナン達は、組織によって仕掛けられた爆発に遭遇する。コナンは蘭と辛くも脱出するも、少年探偵団がいなかった…。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、山口勝平、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

歩美ちゃんが可愛い!

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第5作目。

物語としてはかなり面白いと思います。


劇場版に黒の組織が初登場します。ジンがかっこ悪いです。ターゲットと園子を間違えて狙撃しておいて『まさか!別人か?』って、こういうのはウォッカの役割だと思っていたけど・・・。

恒例の蘭ちゃんのアクションシーン。今回の蘭ちゃんはロープアクションに挑戦(?)します。蘭ちゃんの新一の対する想いも含めて、このシーンは何回見ても感動します。

あと少年探偵団が大活躍します。特にラストシーンは5人それぞれに活躍を見せ、見事に大脱出を成し遂げます。
特に歩美ちゃんは可愛さ全開です。
『吉田さんを泣かせたら、私許さないわよ』という哀ちゃんのセリフも頷けます。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 18

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

元太と光彦の10年後の姿に爆笑ww

劇場版コナンシリーズです。

今回はいつもの事件プラス黒の組織が絡んでいましたねえ。

少年探偵団も大活躍!

●あらすじ
少年探偵団+あがさ博士でキャンプに行く途中に見たツインタワービル。

キャンプの帰り道に寄ると,小五郎,蘭,園子と遭遇。

そしてみんなで見学。

しかし後日,ツインタワービルで殺人事件がおこり…。

そして怪しい行動をとる哀ちゃんは…?

ジンとウォッカの狙いは…?


●感想

安定のコナン。

事件の真相,ちっとも推理できませんでした(笑)

でもまあ,特に「おもしろかったー!」とも感じなかったかなー^^;

つまらないとも感じなかったけれど。

いつも通りという感じです。

いつもと違うのは爆破スケールの大きさかな?笑

脱出シーンは手に汗握るわくわくどきどきでした。

少年探偵団の活躍がよかったよ!

やりとりもおもしろいしww


蘭姉ちゃんといい,あゆみちゃんといい,恋する乙女は強いんだね!

あゆみちゃんにきゅんきゅんしてました。あーかわいい。

みんなの10年後の姿を写す写真があって,そのあゆみちゃんがまたかわいかったー。

元太と光彦の10年後は爆笑wwwwいるいるそういう高校生www

蘭姉ちゃんも撮ったのにどんな姿かは見せてくれずだったよね…?うーん,見たかった。


とまあ,つらつら書いてますがそんな感じ。

コナンが好きな人は普段通り楽しく見れると思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 15

ASKA さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場版コナン5作目。今回は爆弾事件と連続殺人。黒の組織も登場。

今回は黒の組織が登場します。またコナン、蘭、園子、小五郎はもちろん阿笠博士と少年探偵団+灰原も登場。西多摩市のツインタワービルのできたことをきっかけに事件が起こります。殺人事件を謎を解きつつ、今回は黒の組織の動向も描かれています。また今回もコナンたちが爆弾によってピンチになるので、それをどう切り抜けていくのかも見どころです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 14

75.5 19 ミステリーで恋愛なアニメランキング19位
ペンギン・ハイウェイ(アニメ映画)

2018年8月17日
★★★★☆ 3.8 (262)
1212人が棚に入れました
小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったときにどれほど偉くなっているか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか…。アオヤマ君はペンギンの謎を解くべく研究をはじめるのだった。そしてアオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」“お姉さん”とペンギンの関係とは? そしてこの謎は解けるのか?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語。

声優・キャラクター
北香那、蒼井優、釘宮理恵、潘めぐみ、福井美樹、能登麻美子、久野美咲、西島秀俊、竹中直人
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

私たちはどこから来て、どこへ行くのか

スタジオコロリド制作。

石田祐康監督、待望の初長編作品。
ひと夏の不思議な体験を鮮やかに描く、
心弾む思春期ファンタジーの良品であろう。

主人公アオヤマ君は研究熱心で、
世界の不思議に興味津々、
日々学んでは、知の探究に励む。
少年特有の好奇心と冒険心も旺盛で、
気になるお姉さんのおっぱいにも、
多大な関心を持つどこにでもいる少年だ。
{netabare}突然、広場の空き地に現れたペンギンたち。
忘れる事の出来ない、ひと夏が始まる。{/netabare}

少年の視点で描かれる数多くの演出、
世界や異性に対する戸惑いと妄想こそ、
どこにでもある思春期の原風景なのだ。
ペンギンハイウェイとは何であろうか!?
{netabare}それは人が歩む、進化への道であり、
思春期から大人になるための道標だ。{/netabare}

ここでは2つの世界が衝突している。
{netabare}折りたたまれ亀裂が生じた世界の果てと、
成長の儀礼として、少年が歩む内的世界だ。{/netabare}
どこか村上春樹「海辺のカフカ」を想像する。

移ろいゆく記憶を、夏という季節に見出す。
それは美しい等式、解けない夏の方程式、
どれだけの冒険をして大人になるのだろう。

私たちは幾つになっても、道の途中なのだ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 63

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

子供の時に図書館で読んだらはまりそう

<2019/6/9初投稿>

WOWOWで昨夜放送されてたの観たので、蒼井優結婚記念レビューです。

小4の理系の男の子を主人公としたジュブナイル・フィクション。

サイエンスのない方のファンタジーなので現象に理屈を求めても意味のない作りになっています。

大人が見てもそれなりに楽しめると思いますが、小学高学年〜思春期ぐらいまでに「小説」で読むと真価が発揮されるタイプではないでしょうか。

小学校の図書室によく置いてあるちょっと不思議な話。
それを森見登美彦テイストに大人でも楽しめるようにしました、という印象。

例えば「花田少年史」とかは、あれも子供を主人公としたファンタジーですが、視点は「読者」「視聴者」。
つまり読んだ人目線で作ってある。

本作はあくまで小4の主人公アオヤマくん目線。
なので年齢が近い人の方が楽しめるんじゃないかと。

そして、映像は素晴らしかったのですが、何が起きてるのかを映像と台詞だけで説明するのは少しむずかしかったのかな、という気も。

小説で、文字で、「アオヤマくん」になりきりながら、起きていることを理解し、その映像を想像して、読み進めていくと楽しさが広がっていく気がしました。

以下、感想。
・アオヤマくんのおっぱい好きが異常。
このまま偏執的な巨乳好きに成長しそうで将来が心配。
ところで巨乳好きな男の嫁さんや彼女って意外とそうでもないこと多いんですよね。

・お姉さんが魔性っぽい。
蒼井優だからかな。
それはそうと蒼井優さん、魅力的な演技でしたねえ。

・アオヤマくんの子供部屋。
あんなん最高だろ。子供としては。恵まれてる子供だ。

・アオヤマくんのおかあさん。
能登さんなんだけど、能登さんの子供ってうらやましいと真剣に思ってしまった 笑。
看病のシーンとかさ。
確か、割と最近出産されたんですよね。
生まれてきたお子さんがうらやましい(←自分でもおかしなこと書いてるって自覚はある)

・監督さんが「フミコの告白」の人。
へえ。そうなんだ。という感じ。
まだ作風は掴みきれてません。

以上です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 40

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

愉快で不思議で、ちょっと切ないファンタジー

これからの季節にお勧めです!

科学的探究心が旺盛な、小学校4年生のアオヤマ君のひと夏の活躍を描く、
ミステリーのような、冒険譚のような、楽しくて、ちょっと不思議な味わいのお話しです。
いろいろ辻褄合わなくても全然かまいませんw そういうお話しじゃないって思うから。

小学生のくせに、大人ぶっていて、でも大人の女性の胸に興味津々で、
それを恥ずかしいと自覚するまでにも至ってない、二次性徴を迎える前で
恋とか愛とかも、当然知りもしないアオヤマ君。
潔い、というより、まだ性に目覚めていないから、
素直に「おっぱいが好きだ」って堂々と主張して悪びれもしない。
なんだかそんなところ、すごく可愛い!
きっと2~3年もしたら、自分の「お姉さん研究ノート」が、
死ぬほど恥ずかしくなって、
黒歴史として封印しちゃうんだろうなあww
ああ可愛い(^^)
わたしショタとか全然趣味じゃないですけど、
こんな、無自覚に背伸びして小理屈こねくり回してる子供がいたら!!
可愛くて堪らなくていじりまくりそう!

お姉さんもなんだかとっても素敵です。
奇麗なだけじゃなくて、キュートでファニーな、
それでいてちょっと謎もある、少年の目にも大人過ぎない、
ちょうど魅力的に映える感じで。
あと重要なファクターの、
お姉さんの胸の描き方が、いい意味でアニメっぽくなくて、
グロテスクな巨乳とかじゃなくて、ちゃんと普通に、女性の胸らしく、自然で綺麗な線で描かれているのがとってもナチュラルでいいって思います。

それと、サブヒロインになるのかな?
ハマモトさんもすごく、可愛いんです。
プライドは高いんだけど、子供らしく真っ直ぐに生きてて、
年相応に賢いのがとっても好感度高いです。

お話し自体は、ジブリっぽいっていうか、
トトロとポニョを足して二で割ったような感じで、
夏休みにファミリーで楽しめるように作られていて、
森見さんの原作なのに嫌味な感じが全然しなくて。
監督も、教えられるまで気付かなかったけど、
あの「フミコの告白」作った石田祐康さんなんですね。
初の長編商業作品で、ここまで出来るってすごい!

アニメ上級者の方にはちょっと物足りないかもですけど、
そんな方以外の、普通の人なら、
誰が観ても楽しめるんじゃないでしょうか。

アニメ初級者の私は、すごく楽しめました(*^▽^*)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 40

63.3 20 ミステリーで恋愛なアニメランキング20位
スピードグラファー(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (242)
1268人が棚に入れました
舞台は失われた10年の混乱から脱し、一部の富める者だけが我が世の春を謳歌する“快楽都市”と化した東京。 雑賀辰巳は、友人戸越清冶郎からセレブリティーのみが出入りできるとされる闇の社交場六本木倶楽部の潜入取材を依頼される。
潜入に成功した雑賀は、六本木倶楽部の深奥で行われる儀式の巫女、女神として崇められる謎の少女、天王洲神楽と出会う。雑賀は助けを求める神楽をつれ逃亡するが、六本木倶楽部支配人水天宮寵児が仕向ける欲望により特殊能力に目覚めた超人、ユーフォリアたちから執拗に追跡される。そして雑賀も神楽と接触したことにより、被写体の魂を吹き飛ばす写殺能力に目覚めていた。
自由を求める神楽のため、そして普通に写真を撮影する事の出来なくなってしまった自身を元に戻すため、彼らの孤独な逃避行が始まったのだった。

声優・キャラクター
高田裕司、真堂圭、本田貴子、森川智之、高島雅羅、優希比呂、津田健次郎、江川央生、広瀬正志
ネタバレ

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

EDの作画は詐欺っぽい...

サスペンスタッチの超能力アクションで、バイオレンスや性的な描写が多い
少し大人向けの娯楽アニメ。全24話です。

内容としては、前半と後半で内容が結構変わる作品だと思います。
前半は特殊な能力が使える変態達との戦いで、後半は...{netabare}
水天宮の復讐劇へと変わります。{/netabare}
後半の展開からは結構楽しめました。
{netabare}
なんというか、雑賀と水天宮のどちらをメインと見るかで印象がえらく変わる話でしたね~
それに、最終決戦で主人公が負けてしまうところも、他作品にない面白さもありました!! {/netabare}

あと、この作品で意外に面白かったのは、16話であった総集編です。
いままでのストーリーをお金に換算しながら見ていくのは なかなか面白かったです。
金と欲にまみれたこの作品だからこそですねww{netabare} 神泉の密葬代が4万5千ってのも印象的でしたw{/netabare}

まぁ前半の内容が少し残念でしたが、ラストもキレイにまとまってるし、
最終的にはわりと面白かったと思います。

性描写やグロい描写もあるのでオススメはしませんが、
悪くない作品だったと思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 18

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

変態キャラのインパクトが凄まじいSF超能力バトルアニメ

このアニメは、超能力バトル物の中でも非常に癖の強い
作品である。良くも悪くも人を選ぶタイプのものであること
は間違いない。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
主人公の雑賀は、戦場カメラマンとして活躍していたのだが、
重傷を負ったために日本に帰国。その後、フリーの
カメラマンとして生活する日々を送っていた。ある日、編集長の
依頼により、とある「秘密クラブ」の情報を得ることに。
潜入を試みるのだが…。

この作品の大きな特徴は、タイトルにも書かれている通り
強烈な変態達が次々と登場する点だ。
彼らの持つ超能力が、自身の性的嗜好(フェチ)に
由来しているからだ。
ゴム、ダイヤ、歯、電気等といったように様々だ。
個性が、あまりにも強烈であったため主人公ではなく
彼らを応援しそうになった。

また、社会風刺もきちんと描かれている。
資本主義の本質とは何かを考えされてくれた。
秘密クラブと密接に関係しているという点も
非常に興味深い。

回によって差はあるものの、グロテスクな
シーンやエロシーンが存在するので
耐性はある程度持っておいた方が良い。

16話の総集編にも工夫がなされていた。
回想を費用として、換算しながら見直していくスタイルで
あったため見ごたえがあった。よい試みだと思う。

ラストも上手くまとまっているということもあり楽しめた。
設定に関しては、文句なしに素晴らしいと感じた。
普通のアニメでは、物足りないと感じる方や
一風変わった超能力アニメを見たいと思っている方が
見たらはまるのではないかと考えている。
個人的には、名作と言われても不思議ではないと感じるほど
とても面白かった。間違いなく、良作だと思う。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 10
ネタバレ

uppo さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

オカネクダサイ

happy end好きには向かない作品。
後半から面白くなるタイプのアニメ。
資本主義を問い、あなたの金の価値は愛より上ですか、大切な人より上ですかと問われてる気がした。
金だけで無く、戦争についても所々描かれている。
幸せですか?のあの看板は今でも印象に残っている。
{netabare}資本主義をここまでぶった切ってくれた事は見ている分には痛快だったが、日本が破産して円が大暴落する事は将来的に有りそうで怖い。{/netabare}
この作品は雑賀が主人公なはずなのに水天宮が主人公と言っても良い位のキャラだったと思う。特に終盤は彼への好感度が急上昇しまくった。
{netabare}水天宮の妹との再会シーンは本当にキツかった。
ここまで目を背けたくなるシーンってなかなかないと思う。 
こういう結果を全く予想してなかったと言えば嘘になるがこうまざまざと現実を見せつけられると・・・。
金が全て。
金を持ってる奴が正義、持っていない奴は家畜。
これが資本主義・・・。
そんなものをまざまざと見せられた気分だった。
妹の死に際の笑顔がとても印象的だった。 
このシーン見た後はただ絶望感しかなかったな。 {/netabare}

この作品は全体的に暗いし、変態が多いし万人向けの作品ではないと思うが自分の中では名作です。
この作品に出会えて良かった。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 10

71.2 21 ミステリーで恋愛なアニメランキング21位
名探偵コナン 紺青の拳(アニメ映画)

2019年4月12日
★★★★☆ 3.7 (103)
645人が棚に入れました
19世紀末に海賊船と共にシンガポール近海に沈んだとされる、世界最大のブルーサファイア“紺青の拳"。現地の富豪が回収を目論み、表舞台にその姿を現した時、マリーナベイ・サンズにて殺人事件が発生。現場には、怪盗キッドの血塗られた予告状が残されていた──。一方、シンガポールで開催される空手トーナメントを観戦する為、蘭と園子は現地を訪れていた。パスポートを持っていないので海外渡航できないコナンは留守番のはずだったが、彼を利用しようとするキッドの奇術的な方法により、強制的にシンガポールへ連れてこられてしまう。キッドに従わなければ日本に帰ることすらできないコナンは、メガネ、腕時計、服などすべて奪われ変装することに。その正体に気付いていない蘭に名前を聞かれ、とっさにアーサー・ヒライ(!?)と名乗る。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、山口勝平、山崎育三郎、河北麻友子

ASKA さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

劇場版コナン23作目。青い宝石をめぐるシンガポールでのミステリーにコナンが挑む。

劇場版コナンの23作目です。今回はコナン君とキッドがメインになり、舞台はシンガポールで、紺青の拳(フィスト)と呼ばれる青い宝石をめぐっての色々な人物の陰謀が展開され、コナン君がキッドと対決しながら、時に協力しながら真実に迫っていきます。また、新キャラの京極真の活躍も見逃せません。
京極真が恋人である鈴木園子のために活躍します。
キッドの活躍シーンも多めで、また今回は灰原さんの出番が割と多いのも良いです。探偵団、博士の出番は少なめです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 12

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

テレビ版を一切見ていないけど

視聴理由 友人に誘われ

視聴前 テレビ版見てないけど大丈夫かな

視聴後 んんんん?

青山剛昌!それでいいのか!
この話はシンガポールで行われた「空手(という名の総合格闘)大会」の開催中に起こった事件の話
流石「コナンが歩けば事件に当たる」とはよく言ったものだ
まず友人には軽く私の知らないキャラについて見る前に紹介されたが…されてなかったら何が何だか
でも軽くで良かったっぽい。てか前にも戦ったことあるんかーい
そして内容的には…あれ?なんか薄く感じる…恋愛要素入ってんのかよ…いや恋愛要素っていうよりイチャイチャ要素か?
そしてやはり答えありきの推理!物理法則ガン無視のアクション!そして人間を辞めた人達!

正直期待はしてなかった周りの評判で良いものを聞かなかったからね(悪いのも聞かなかったけど)
それでもガッカリかなぁ

主題歌は登坂広臣さんの「blue sapphire」
作画は普通かな。戦闘シーンはちょっとすごかったけど

まぁ良いんじゃない?悪くは全然無いと思うよ
オススメはしないだけであって

投稿 : 2024/06/08
♥ : 7

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

園子の彼氏・京極真が劇場版初登場

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第23作目。

シンガポールのマリーナベイ・サンズを舞台に、コナンと怪盗キッドの凸凹コンビが大活躍する話です。

海外が舞台になるのは初。
園子の彼氏・京極真も初登場の本作。

コナンとキッドのコンビは鉄壁ですね。
安定・安心です(笑)。

空手の達人の京極真とコナンと怪盗キッド、そして蘭ちゃん・・・。
ここまでそろえばアクションは派手になっちゃいますよね。
各々にしっかり見せ場があります。

事件の謎解き要素もしっかりしていて、そちらも面白かった。

そんな中でも一番の好評価は、髪を下した園子の可愛さ。
これは意外な発見だった(笑)。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 6

68.2 22 ミステリーで恋愛なアニメランキング22位
美少年探偵団(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (168)
486人が棚に入れました
「美少年シリーズ」は、講談社タイガより刊行されている西尾維新さんの人気小説シリーズで、私立指輪(ゆびわ)学園を舞台に、校内のトラブルを非公式非公開非営利に解決すると噂される謎の集団「美少年探偵団」を中心とした物語が描かれる。TVアニメ化際し、アニメーション制作はシャフトが手掛け、総監督は新房昭之さんが担当する話題の作品だ。

声優・キャラクター
坂本真綾、村瀬歩、坂泰斗、増田俊樹、矢野奨吾、佐藤元、七海ひろき、鳥海浩輔
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

その生き方は美しくない

西尾維新×シャフト。

指輪学園中等部で秘密裏に活動する、
美少年探偵団による美しき青春ミステリー。
瞳島眉美は旅先で見た星に関わる事件で、
彼らと出会い物語が始まる。

美少年!?どうでも良いかと思いつつも、
ミステリーであることが功を奏している。
ふと思えばシャフト躍進の着火点は、
さよなら絶望先生だったのでしょうか。
一癖ある演出ですが嫌いではないです。

ここから先、キャラも増え、
次なる事件の依頼も舞い込み、
乱歩の世界観だとは推測できますが、
それほど気にしなくても良いでしょう。
美学を語り、美学とともに生きる。
期待しすぎず楽しめたらと思います。

最終話視聴追記。
{netabare}推理の考察を楽しむというより、
世界観を楽しむというのが正しいでしょうか。
西尾維新プロジェクトも化物語は別格として、
謎解きなら戯言シリーズをお勧めします。{/netabare}

くずはくずでも星屑に、
星を探す少女の美しき青春の一篇。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 32
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

依頼人がまともで助かった

人によって評価がかなりわかれそうな作品。
あまり他人の評価は気にせず、実際に視聴してみて自分の感性にしがって視聴することをお勧めしたい。
合わない人はたぶん1話で合わないとわかると思う。

美少年達が依頼人の依頼を叶える探偵?として活動する話。
キャラデザは癖が強いが、作画はかなり力が入っている。
特に色使いには目を見張るものがある。
主題歌はオシャレでとても良い。

美少年探偵団の団員は何を言ってるのかようわからんが、依頼人の女の子はまともな感覚らしく、「何言ってるのこの人たち?」とちゃんと突っ込んでくれているのは安心した。

キャラクターはかなり芝居がかったセリフが多く、~物語シリーズをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思う。
リアリティは欠片ほどもなく、理詰めで考えると穴だらけ。
だが、雰囲気を楽しむ作品なので、些細な問題なのだろうと思う。
まるでミュージカルだ。

雰囲気とかノリが合わない人にはとんでもない駄作に見えるだろうし、ツボにはまる人もいると思う。

どちらかというと女性向け作品だが、男性でもこういう作品が好きな人はいると思う。

私はこういう作品は好きだ。


第一話で依頼人が探している星について考察。
{netabare}
10年前の回想シーンで、フランスのエッフェル塔のようなデザインのものが見えたのと、その場所で花火とか砂浜でバーベキューをしたとあった。

日本で見ることができなくてフランスでは見ることができる一等星はたぶんないはず。北半球で夏の夜空の星と言えば、夏の大三角だとは思うが、当然日本でも観測できるし、星がきれいな場所に行けば再現はできるだろう。

だけどそれは、フランスのエッフェル塔なら、の話。
エッフェル塔はそれを模したものが世界のあちこちに建造されているのは知っていて、調べてみたらオーストラリアのブリスベンにもあるそうな。
たぶん、南半球ではこれが唯一か?

もし依頼人の少女が行ったのがオーストラリアで日本で見つけることができないと言っているのなら、日本で見ることができないor見るのが難しい明るい星ということになる。
そして花火を砂浜でしたのならたぶん向こうでの季節は夏。
ブリスベンはオーストラリアの東に位置するので、海岸で見上げたということは、東の空を中心とした範囲のはず。

可能性が高そうなのはカノープスだろうか?

というのも、ひときわ目立つということは、近くに一等星がないと思われるので、サザンクロスとかケンタウルスα星あたりは該当じゃないと思う。

などとせっかくなのでちょっと探偵っぽいことをしてみたり。
でも、その星を探すのが人生の目的みたいになっている依頼人は、
その程度のこと調べると思うので違うのかな?

→2話を視聴して完全に見当はずれだったことが判明しました。
ドヤ顔で考察して、盛大にはずして、めっちゃ恥ずかしいやつ。
せっかくなので自戒の念も込めてさらしておきます。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

眩しいほどに美しい―― 美少年探偵団、開幕!

この作品の原作は未読ですが、「物語」シリーズや「刀語」を執筆された西尾 維新さんと、シャフトの組み合わせ、となると私に視聴しないという選択肢はありませんでした。

アサルトリリィ Bouquetを視聴した時も思いましたが、「物語」シリーズで良く見られた鋭くエッジの効いた作画、という感じはなく、シャフトさんらしさを感じつつも少し当たりの柔らかい感じが個人的には好印象でした。
あ、これは「物語」シリーズの様なエッジの効いた作画が嫌いという訳ではありませんので。


十年前に一度だけ見た星を探す少女、瞳島眉美。

彼女は「美少年探偵団」の事務所を訪れる。
そこにいたのは個性豊かな五人の美少年たち。

彼らとの出会いで眉美の十年来の星探しが大きく動き出す。

眩しいほどに美しい謎解き冒険譚、ここに開幕!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
実に西尾 維新さんらしさの溢れる作品だったのではないでしょうか。
あの言葉遊びという独特の言い回し…一発で西尾さんの作品であることが分かる程、特徴的だと思います。

美少年探偵団とは、指輪学園中等部における校内のトラブル全般を解決するために秘密裏に活動する、非公式かつ非営利組織です。
そして本作の主人公でもある瞳島 眉美(CV:坂本真綾さん)も探偵団の団員と言う設定になっています。

瞳島 眉美は女の子です。
女の子が何故「美少年探偵団」に入団できたのか…
それは是非本編で確認頂きたいのですが、探偵団の団則が関係していると言えます。

一、美しくあること
ニ、少年であること
三、探偵であること

団則は上記3か条ですが、wikiにはもう1ヵ条付け加えられていました。

四、団(チーム)であること

実際に第4の団則については明確な記載は無かったものの、本編では「私たちらしさ」として触れられていたので、アニメ版も実質4ヵ条だったのかもしれません。

そう言えば、wikiの登場人物欄を見て知ったのですが、この作品の主人公である瞳島 眉美は、「物語」シリーズにも登場しているのはご存じでしょうか。

正確には、「物語」シリーズとのコラボ小説である「混物語」なんですけどね^^;
この「混物語」は、初のクロスオーバー作品で、西尾さんの数多のシリーズから選りすぐりの人気キャラクターがゲスト登場し、皆さん「阿良々木暦」の元を訪れるんだとか…
単行本では全15編が収録されるそうなので、きっと15人のキャラが阿良々木君の元を訪れるのでしょう。
そして瞳島 眉美も「第眼話 まゆみレッドアイ」で登場するんだとか…

気になりますが、西尾さんの作品をこの作品以外では刀語、<物語>シリーズと十二大戦しか視聴していないので、きっと知らないキャラだらけなんでしょうけれど…
せめて「戯言シリーズ」が配信やレンタルしてくれると嬉しいんですけどね^^;

思いきり脱線してしまいました^^;

彼ら美少年探偵団がどの様な美学を見せてくれるのか、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、sumikaさんによる「Shake & Shake」
エンディングテーマは、美少年探偵団による「Beautiful Reasoning」と「Welcoming Days」

1クール全12話の物語でした。
見る人を選ぶ作品かもしれませんが、私は総じて楽しめた作品でした。
そして、最終回のエンドロールで「続」というメッチャ気になる単語が目に入ってきたんですけど…
言葉通りに解釈して良いんですよね…!?

投稿 : 2024/06/08
♥ : 14

73.7 23 ミステリーで恋愛なアニメランキング23位
名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊(アニメ映画)

2002年4月20日
★★★★☆ 3.8 (359)
2634人が棚に入れました
工藤優作(コナンの父)がシナリオを提供した新型ゲーム機「コクーン」の披露パーティーに招かれたコナン達。会場で発生した殺人事件の手がかりを求め、コナン達はコクーンが作り出す仮想空間へと入るが、システムは人工頭脳ノアズ・アークに占拠されてしまう。

「日本という国のリセット」を企てる彼は、プレイヤーである子供達が一人もゲームをクリアできなければプレイヤーの脳を破壊すると宣告。コナン達が選んだゲームは「オールドタイムロンドン」。19世紀末の殺人鬼・切り裂きジャックを追いかける、命がけのゲームに挑む。

一方、現実の会場では優作たちが殺人事件の捜査に乗り出していた。ゲームの世界と現実の世界。ノアズ・アークがゲームに仕掛けた現実の事件の解決に至る真実とは何か?ノアズ・アークはゲーム世界のどこに潜むのか?

現実世界の殺人者は誰なのか?そして、その動機は?これらの謎に立ち向かうため、工藤親子は二つの世界を隔てた「親子による共闘」を開始する。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、山口勝平、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、田中秀幸
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

コナン版『ソードアート・オンライン』

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第6作。

{netabare}
(Wikipediaより抜粋)
コナン一行は仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに招かれた。そのパーティーの最中、殺人事件が発生し、コナンは被害者のダイイング・メッセージから、事件の手がかりがゲームの中にあると考え、コクーンに乗り込む。
ところが、ゲームのスタート直後にシステムが人工頭脳「ノアズ・アーク」によって占拠され、コクーンに乗り込んだコナン達を含む50人の子供達が人質に取られてしまう。
「日本という国のリセット」を企てるノアズ・アークは、プレイヤーである子供達が全員ゲームオーバーになってしまったら、プレイヤー全員の脳を破壊する、つまりプレイヤー全員を死亡させると宣告する。
覚悟を決めコナン達は、5つのステージの中から「オールドタイム・ロンドン」を選択した。19世紀末に実在した殺人鬼・切り裂きジャックを追いかける、命がけのゲームに挑戦する。
{/netabare}

どうです?『ソードアート・オンライン』の世界、そのものですよね。
面白くない訳がありませんよね。
事実、かなり面白かったです。

最近流行の『異世界』物の先駆け。【本作は2002年公開】

投稿 : 2024/06/08
♥ : 25
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

AIは「ノアの方舟」伝説たり得ない

仮想ゲーム内の19世紀末のロンドン。
コナンたちが現実世界で起きた殺人事件の手掛かりを探していく、
2002年公開の劇場版『名探偵コナン』第6作。

【物語 4.0点】
『コナン』としても、ミステリーとしても、SFとしても異色。


緻密なミステリーや推理より、
大がかりなシナリオによるドラマ性が追求される劇場版。
本作に至っては、仮想世界なので、
リアルでは絶対に死なない登場人物も“ゲームオーバー”で退場に……。
仮想世界の権限を有するAIによる“介入”もあるので常識は通用しない。


親の血統や地位を笠に着た、今風に言うところの“上級国民”の横柄さも描かれる本作。
それに対するアプローチも変化球で、
本作は、それらを腐敗と断罪して、庶民のストレスを発散する痛快さは提供せず、
むしろ、血筋を受け継ぐ“貴族”たちに、
今後も世の中を背負って立つよう奮起を促す渋い“説教”


人工知能(AI)についても、上記の旧態を打破するための革新として過信はしない。

19世紀末、栄華を極めた大英帝国にも矛盾はあった。
そもそも我々は「ノアの方舟」伝説で腐敗が一掃された世界で選ばれた創造物ではないのか。
今の世の中が汚いからと言って、安易に浄化とか、“リセット”とか言うもんじゃない。

そんな示唆も残して、AIは……{netabare}今は技術悪用の恐れがあり時期尚早と去っていくのだ。{/netabare}


【作画 4.0点】
最後のセル画制作による劇場版『コナン』となった本作。

VRロンドンの霧も、風情のある現象としてではなく、スモッグとして描き、
時代の光としてのホームズ、闇としての切り裂きジャックが求められた、
激しい格差といった歪みも抱えた往時の英国の社会心理まで再現しようという意欲が伝わる。


AIが主催するデスゲーム等、未来テクノロジーのデモとしての華やかさがある一方、
ゲーム内で、博士による秘密道具及び超絶アクションを封じられたコナン君は、
名実ともに頭脳だけ大人の小一に……。
鑑賞者は久々に、この縮んだ身体で追い詰められて行くもどかしさも共有することに。
『コナン』アクション映画としても本作は異色。

但し、某空手少女は本作でも元気はつらつ♪

最後も{netabare}列車アクション{/netabare}で見せ場はあり。


【キャラ 4.0点】
本作の鍵を握る“天才少年”ヒロキ。
出る杭を打つ日本の教育への毒針、本当は友達が欲しい孤高の天才。

犯人役もまた、{netabare}血筋を背負いきれなかった存在{/netabare}として描かれる。

そして、上から目線の“上級国民”チルドレン。

各々テーマ性を内包したオリジナルキャラが物語深化に寄与。


一方でコナン君は親父同様、重度のホームズオタクぶりを発揮し、
ピンチの中でも妙にイキイキ!?
悪党であるモリアーティ教授への愛まで語り出したら、いよいよ重症ですw
今回は推理力よりホームズ知識力に舌を巻く。


【声優 4.0点】
モリアーティ教授(CV.小林 清志さん)、モラン大佐(CV.藤本 譲さん)
切り裂きジャック(CV.速水 奨さん)
などリアル世界だけでなく仮想世界内の敵役までベテラン声優で固める盤石の布陣。

コナン君の親子の絆もテーマの本作。
CV.田中 秀幸さん&CV.島本 須美さん。
工藤夫妻のボイスがVRロンドンの何処で出張ってくるかも注目w

{netabare}父ちゃん、いくら奥さんが好きだからって、
妻をホームズが愛したオペラ歌手に当てはめて、美声披露まで美化するのはやり過ぎやでw{/netabare}

緒方 恵美さんによるセレブ少年グループのリーダーの生意気ボイスも〇
{netabare} 実は真相を隠す煙幕だったりする。{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴はお馴染みの大野克夫バンド。

いつものコナンのテーマ曲もロンドン仕様?にアレンジするなど、
現実&仮想世界にまたがるシナリオを好アシスト。


ED主題歌はB'z「Everlasting」
孤独の中から絆を取り戻す壮大なバラードと共に、
実写のロンドンの街並みを眺め余韻に浸るひと時。


【感想】
血縁やコネにより腐敗する人間による統治より、
決定のいくらかを人工知能に委ねた方がクリーンな政治ができる。
地方議会レベルではありますが、そうした主張も出ては来ている昨今。

とは言え、その水準まで、AI技術や信頼が高まるのは、
もう少し先になるのではと私は思います。

“家”の宿命を背負った“貴族”の底力も中々の物。
古くて汚いからと一掃するのは勿体ない。

だから二世、三世の皆さんには、どうか“リセット”されないように、
襟を正して奮起して欲しいなと願います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 18
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ゲーム内での話です。

コナンはパスポートの取得が出来ない為、海外へ行けない。
その為、バーチャル世界であっても、名探偵コナンの中では
数少ない海外が舞台の作品である。
(劇場版では唯一、因みにコナンは最近、ロンドンに行った。単行本の71,72巻に収録されている。)

本作は劇場版で唯一、倒叙形式(始めから犯人が判明している)で、現実での犯行の推理が行われる。これは他作とは一線を画すものだ。(私のコナンマニアの友人は、これが理由で本作を劇場版の中で最低評価している。)
また、新一の父、工藤優作が登場する唯一の作品である。
現実での犯行の推理は彼が行う。
本作の趣旨はバーチャル世界内なので、
コナンは少年探偵団+蘭で、ゲーム内での推理を行う。

以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
江戸川コナン(工藤新一)の父・優作がシナリオを提供した仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに招かれたコナン一行。そのパーティーには日本の未来を担うことになる、警察官僚や政治家の二世・三世が勢ぞろいしていた。そんな最中、殺人事件が発生。コナンは被害者のダイイング・メッセージから、事件の手がかりがゲームの中にあると考え、コクーンに乗り込む。ところが、ゲームスタートの直後にシステムが人工頭脳「ノアズ・アーク」に占拠され、コクーンに乗り込んだ50人の子供達を人質に取られてしまう。

「日本という国のリセット」を企てるノアズ・アークは、プレイヤーである子供達が一人でもゲームをクリアすることができなければ、プレイヤー全員の脳を破壊すると宣告。覚悟を決めコナン達は、5つのステージの中から「オールドタイム・ロンドン」を選択した。19世紀末に実在した殺人鬼・切り裂きジャックを追いかける、命がけのゲームに挑戦する。

一方、現実の会場では優作たちが殺人事件の捜査に乗り出していた。ゲームの世界と現実の世界、次元を隔てた2つの世界でコナンと優作が事件解決に挑む!
{/netabare}

しかし、本作の恐ろしい所は、ノアズアークがどこまでの個人情報を入手していたのかとういこと。なぜコナン=新一が理解できたのか。それにヒロキが自殺してから二年しかたっていないのに、あれだけ成長するとは人工頭脳恐るべし。
また、コナンがゲームに参加していなかったら、確実に全員死んでいたわけで・・・。とまあ、疑問が多い作品だった。
モリアーティの声優が小林清志さん(ルパン三世の次元大介の声優)だったのが良かった。

非常に評価の高い本作だが、コナンとして観るとどうも倒叙形式が鼻につく。またシンドラー社長が頭悪すぎ。
コナンに出てくる犯人は、衝動殺人を犯した一般人でも難解なトリックを仕掛けられるのに、この人は計画犯罪のくせに、足がつく杜撰さが納得出来なかった。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 11

70.8 24 ミステリーで恋愛なアニメランキング24位
名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)(アニメ映画)

2003年4月19日
★★★★☆ 3.8 (342)
2362人が棚に入れました
東京・大阪・京都で、5人の男が刀や弓矢で殺される事件が発生した。犯人は翁の能面をかぶっていた。警視庁・大阪府警・京都府警の合同捜査本部による捜査の結果、殺された5人が古美術品を狙う窃盗団「源氏蛍」のメンバーであることが明らかになった。
同じ頃、小五郎は山能寺の僧侶から依頼を受け、ちょっと風邪気味のコナンたちを連れて京都に来ていた。山能寺では8年前、12年に一度公開する秘仏が何者かに盗まれていた。そして最近、その仏像のありかを示すという謎の絵が、差出人不明で山能寺に届いたので、小五郎に解読を依頼したのだった。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

古都十字路、桜花夢幻……

原作コミックは未読。

劇場版七作目にして、京都に“上洛”したコナン。
弓による連続射殺事件と、関連が疑われる仏像消失事件。
その謎解きの鍵を古典と京都各地に点在する観光スポット等に散りばめ、
ミステリーのメッカと堂々マッチアップの構え。

でも、個人的には、申し訳ありませんが、
事件の子細は割とどうでもよくて……(苦笑)

強いて言えば……{netabare} 仏像盗んで銭儲けを企てる不届き者には、
仏罰が下ると言う教訓ぐらい。{/netabare}
密室トリック等に収められない劇場版スケールの事件は、
ご多分に漏れず、派手で華やかですが、やや大味な印象も……。

私が本作で気に入っているのは、むしろロマンス要素。
コナンですら春の京都、桜の如き刹那の美しさに触れれば
ロマンティックな方向へ逸脱する。恋バナが花開く(笑)
この脱線にこそ価値を見出している作品。
(ただし……{netabare} 小五郎のおっさんは違う意味で脱線し過ぎなので自重した方がいいと思いますw{/netabare})

特に平次が幼い頃京都に行った時、桜の木の下で出会った初恋の相手は誰か?
事件の真犯人が誰かより、ついついそちらの方に興味が行ってしまいます。

新一と蘭のアツアツぶりは平常運転として……。
いや……{netabare}春の出会いパワーを背景に
“再会”を演出した発明は超文明過ぎますがw{/netabare}

何より“ホーム”の関西で活躍する平次が格好いい作品。
古都をバイクで爆走する男は絵になります。惚れてまいます。
(まぁ……あんな暴走したら間違いなく免停やけどw)
初恋の記憶に浮つきがちな平次にヤキモキする和葉も可愛い♪

東西の名探偵による頭脳や武術だけでなく、
ベストカップル度もアッツアツです。

私は劇場版『コナン』はそれほど鑑賞してませんが、
春の京都のロケーションを生かした本作は、
私にとって桜が咲く度、思い出すとても印象的な『コナン』です。


付記:今年の劇場版『コナン』は秋の大阪、京都が舞台の模様。
平次が“ホーム”でまたもや事件とラブコメの波動に挑むようでw

この最新作公開に先立ち日テレはやはり『迷宮の十字路』放送を仕掛けて来ました。
ジブリやルパンなんかでもそうですが、
犯人より名探偵より、日テレのプッシュは執拗かつ老獪(ろうかい)で参りますw
脱帽ついでに、最新作『から紅の恋歌(ラブレター)』劇場鑑賞に行って来ようと思います♪

投稿 : 2024/06/08
♥ : 21

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

蘭ちゃん、ちょっとだけだったけど新一に会えて良かったね!

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第7作。

服部平次と遠山和葉ちゃんが活躍します。
平次の初恋物語も微笑ましい。
一時的に復活した新一と平次の絡みも面白かった。
そして、蘭ちゃん、ちょっとだけだったけど本物の新一に会えて良かったね!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

暗号と十字路に隠された謎。服部平次の初恋の真相は…

2003年に公開されてた劇場版名探偵コナン第7作目。

観終わってから15年も前の作品と知り、
とても驚きました。

確かに登場する携帯が古いなあとは思いましたが。笑

でも内容は十分面白かった♪
ぎこちないCGも、15年前の作品というのなら納得。

100分ほどの作品です。


● ストーリー
東京、大阪、京都で起きた殺人事件。
そこには窃盗団“源氏蛍(げんじぼたる)”が絡んでいると警察は睨んでいた。

一方、小五郎は京都の山能寺から
盗まれてしまった仏像探しの依頼を受ける。

コナン、蘭、園子も京都へ同行し、
寺に届いたという仏像のありかを示す暗号を解読しようと試みる。

西の高校生探偵・服部平次もまた、
独自で殺人事件の調査を行い、調査中のコナンと遭遇する。


今回の舞台は京都。

西で事件が起これば、
平次と和葉も絡んでくる。

大阪から京都に通うって、
意外と距離あるんだけどな…。

まあ、そこを突っ込んでも仕方がないのでスルーしますw

平次&和葉が絡むお話、好きです^^
見ていて微笑ましいもの(*´ω`*)痴話げんかイイネ


暗号や殺人事件のトリックなど、
内容はしっかりしていました。

コナンや平次のアクションシーンも
盛りだくさんでした。

二人とも人間離れしていますw
そんな二人と対等にやり合う犯人もすごいわw

平次のバイク爆走はスピード感もあって、
アトラクション体験しているような楽しさがありました♪

劇場の大きなスクリーンで見たら、
もっと迫力があったでしょう♪


≪ 京都の路地 ≫

京都には何度も遊びに行っていて、
有名な観光地近辺なら土地勘もまあまああるのですが、

路地は確かにややこしい!
名前言われても全然わかりません。笑

その路地名を事件に取り入れるというのは、
おもしろいネタだと思いました^^

路地名の勉強にもなったし。
覚え方の歌なんてあるんですね~。

逆に言えば、京都の人でさえ、
歌にでもしないと覚えられないということなのかしら?

恐るべし、京都…。笑

義経や弁慶もテーマに隠れているので、
彼らにまつわる実在の史跡が登場するのは京都観光気分でした♪


≪ 現代化するトリック ≫

携帯電話が普及している時代背景からも、
情報ネットワークが急激に栄えている時代であったことがうかがえます。

トリックにもそれを活かしたものがありましたし。

これからの推理ものは物理や化学要素だけでなく、
こういった機器をいかにうまく使うかで、トリックの幅が広がりそう。

それを見抜く探偵側も、
情報や知識を持っていないとトリックを見破れないので、
なんだか大変な世の中になってきたなあと感じました。笑


● キャラクター
平次の初恋話が登場!
そのお相手は…。

嫉妬する和葉。
いやでも平次のインタビュー記事を持ち歩いているってよっぽどww

そんな余裕のなさも、
可愛い一面なんだけどね^^

平次もかっこいいしね♪
剣道部で鍛えた剣さばき、かっこよかった♪

カップル的には東のカップル(新一&蘭)よりも、
西のカップルの進展の方が気になります♪


● 音楽
【 主題歌「Time after time~花舞う街で~」/ 倉木麻衣 】

私はTV放送の録画で観たのですが、
そこではカットされていました。

平次の初恋エピソードの映像と
よくマッチしています♪


● まとめ
コナン映画には面白いものとそうでないものがありますが(笑)、
これは面白いものでした♪

ストーリーもキャラもしっかりしています^^
犯人の動機は理解できませんでしたが。笑

コナン映画どれを見ようかなーと悩む人には、
これいいよと、おすすめの中の一つになりそうです♪

投稿 : 2024/06/08
♥ : 18

70.6 25 ミステリーで恋愛なアニメランキング25位
虚構推理 Season2(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (189)
675人が棚に入れました
“怪異”と呼ばれるものたちは、この世に確かに、当たり前に存在している。 “怪異”たちの“知恵の神”である少女・岩永琴子のもとには、今日も“怪異”にまつわる悩みごとが持ち込まれていた。そんな琴子の隣に立つのは、一目惚れした相手であり、“怪異”にさえ恐れられる男・桜川九郎。 これは、普通ではない2人が力を合わせ、“怪異”たちの引き起こす理外的でミステリアスな事件に【虚構】で立ち向かっていく物語。 2人が挑む奇想天外な新事件の行方と、その恋の進展は――!? [恋愛×伝奇×ミステリ]再び!!

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

Season 2 こそ本番(むしろ第1期は観なくても良い、まである?)「推理」とあるけどミステリーじゃないですね。

私からは、2023年冬クールではかなりお勧めしたい本作です。

1期目では1クール12話中の10話を「鋼人七瀬」編とでも呼ぶべき1エピソードに使ってしまい、視聴者を飽きさせてしまう感じもあった『虚構推理』の2期目が本作ですが、ストーリーを楽しむ前提となる世界観やキャラクター設定などは、うまく1話目(#13)で振り返ってくれているので、この2期目からの視聴でもさほど違和感なく観ることはできると思います。

今回は2話目からのいわゆる「雪女」編(#14~#16)の面白さと、エピソード中の雪女の可愛さが一部の界隈で評判になったので、とりあえずここだけ観てみるというのもアリだと思います。

主人公は人の身でありながら妖怪や幽霊などの怪異たちの間では「知恵の神」として扱われ、「おひいさま」と呼ばれて親しまれも恐れられもしている岩永琴子(いわなが ことこ)。

そして桜川一族に悲劇をもたらした祖母の手により、外見こそ人の身を保ちながらも未来に干渉する妖怪「件(くだん)」の能力と不老不死の化け物になってしまった桜川九郎(さくらがわ くろう)。

1期目冒頭では二人の出会いが描かれますが、ストーリーを楽しむ上ではこの出会いのエピソードはそれほど重要ではないので「2期目からの視聴でも楽しめる」ということですね。

本作の琴子のポジションは特殊で、「事件の解決」には寄与しますが「解決」は必ずしも「事件の真相を暴くこと」ではありません。「人間社会が怪異を実在の物と認知してしまうと社会の秩序が壊される」という立場の下に、琴子は様々な虚構を構築します。

本当は怪異の仕業であっても人間社会に不都合が起きない嘘の説明をでっち上げたり、時には怪異たちをも騙して真相を闇に葬ったり…。

そんな琴子の虚構と奇行に振り回される九郎先輩や依頼者、事件の犯人そして視聴者たち…(笑)!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 28

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

珠玉の短編集・・・かも。

いやー、また琴子に会えるとは。
私、琴子のはっきりとした物言いが好きなのです。
何かといえば下ネタに走るのに、頭が良い。
琴子の奇想天外な明晰さに大満足です。

2期は2,3話がひとくくりなっていて、飽きが来ません。
それに、そんなにグロくなかったような気がします。
このアニメに洗脳されたのかもしれませんが、評価アップです。

私は、雪女の話がお気に入りです。
ちょっとラブコメっぽかったし、声も悠木さんだし。
まあ、単純に雪女が美人だったということもあったかな。
そういえば、美人声の悠木さんって珍しい。
こんな声も出せるんだって感心しました。

ちょっとお下品な妖推理ものという唯一無二のこのアニメ。
もっと観てたいのが正直なところ。
次、琴子に会えるのはいつだろう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 16

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

2期の方が断然面白い

続編でこけるアニメもある中、珍しく2期の方がさらに面白くなりましたね。1期のレビューで私は数話で1エピソードにした方が良いのと、キャラが動かない点を指摘したのですが、まるで私の注文を聞いてくれたかのように改善されました。数話で1エピソードになり、やはりセリフメインの推理なので短編が合うのだと思います。飽きずに観やすくなり話もどれも面白い。推理部分が短くなりキャラも動くようになり、しかも1期ではたくさんいる可愛らしい妖怪みたいなのがほぼモブだったのが、2期ではよく絡んで来るので楽しくなったと思います。

桜川九郎が能力を使う部分が大幅に減りましたが、見た目が単調なんで逆に良かったかなと。その分出番も減り九郎の影が1期より薄くなりますが、ヒロインの岩永琴子の癖が強いからちょうど良いと思います。琴子は妖怪みたいなもの達から崇められ、頭もよく推理もキレてますが、九郎の事になると気づいてないのか下ネタも言い、普段からわがままであり、20歳と思えない残念感が増していくのでウケます。見た目もちんちくりんなのに偉そうなあかりん声なのが味わい深いですね(^。^)

OP曲はカノエラナの「ヨトギバナシ」雰囲気あって良いです。
ED曲は同じく宮野真守ですが1期のようなエモさが無くイマイチですかね。

虚構推理じゃなくて普通の推理やんみたいなのもあったように思いますが、まぁほぼ虚構推理ですね(^^;
良くなってるんで1期がそんなにだった人にも観て欲しいですし、断念した人にもお勧めしますよ。虚構推理自体がダメだった人は無理ですが…
個人的に3期もやって欲しいアニメです。

2023年6月16日

投稿 : 2024/06/08
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